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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成15年第4回定例会継続会 議事日程第2号

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沼田市議会平成15年第4回定例会継続会会議録
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議事日程 第2号
平成15年9月11日(木曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
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出席議員(22人)
      1番   大島 崇行君          2番   大竹 政雄君
      3番   山崎 義朗君          4番   真下 恭嗣君
      5番   布施辰二郎君          6番   角田 泰夫君   
      7番   久保 健二君          8番   星野  稔君   
      9番   井之川博幸君         10番   大東 宣之君   
     11番   高柳 勝巳君         12番   石田 宇平君   
     13番   片野 彦一君         14番   星川嘉一郎君   
     15番   田村 博美君         16番   金井 康夫君   
     17番   牧野 保好君         18番   松井 敏員君   
     19番   高橋 襄典君         20番   井田 孝一君
     21番   小林 照夫君         21番   星野佐善太君
欠席議員(なし)
─────────────────────────────
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     金井可佐夫君
  収 入 役     武井  博君      総務部長     青木 忠昭君
  民生部長     村山 博明君      経済部長     武井善太郎君
  建設部長     野田 敏夫君      街なか対策部長  兼弘 武久君
  総務課長     増田 幸男君      教 育 長     角田利喜雄君   
  教育部長     新井 康裕君      庶務課長     宮澤 満夫君
  監査委員事務局長 茂木  愛君
─────────────────────────────
議会事務局出席者
  事務局長     林  義夫       次長兼庶務係長  水田  修
  議事係長     下  宏一       主  任     松井 克人
──────────────◇──────────────
    午前10時10分開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、高柳勝巳議員。
〔11番 高柳勝巳君登壇〕
◇11番(高柳勝巳君) 通告により一般質問をさせていただきます。
 最初の質問は、この間の任意合併協議会、諸会議の手続きや経過を踏まえつつ、「合併の意義
」についてお伺いしたいと思います。
 当然ながら、これまでは任意合併協議会を軸に各町村の首長や議員の方々が、意見交換の中心
に据えられてきておりました。市長に今後、市民・住民の方々へ軸足も移しつつ、更に、強く、
広く、深く訴えていって欲しい点があるからです。
 今回の合併の論議は、経済的、一時的なものでなく、利根沼田全体の将来を見据え「都市の存
在価値と地方の存在価値」という大局的なテーマが存在しています。
 都市と地方の「均衡ある発展」をベースとして、日本の自治は、今日まで行われてきました。
しかし、近年の厳しい経済状況を反映して、この「均衡ある発展」の進め方に、さまざまな議論
が起こりつつあります。都市へ物やお金という直接的価値を創出するための体制を強化すべきと
の主張も、その中にあります。しかし、社会全体を形成している要素は経済一辺倒では限界を生
じてきている。地方を中心に自然環境、人的資源である感性、地域の歴史や文化といった尺度も
経済にうまく絡ませて、地方の潜在的な能力こそ引き出されるべきです。
 利根沼田の明るい展望を見いだす「主体」は、とりも直さず人間です。地域を思う気持ちが一
つになり、「マンパワー」を発揮してこそ、新市の将来像が描かれてくるものだと思います。つ
まり、利根沼田の「人的な資源と、その生かし方」を考えることが住民の共通認識を創造してい
くことになると思いますが、市長のお考えを伺いたいと思います。
 次の質問は、合併による特徴づくりについてとして、その目標をゼロエミッションに置いては
どうかという質問です。これは、直訳すると「排出物ゼロ」となり、産業あるいは一般家庭のご
みの問題として理解されやすいのですが、地域環境と人類の共生という壮大なテーマに真正面か
ら向き合った日本生まれの世界指針です。当然、この指針が新市将来構想の趣旨にも十分合致し、
より豊富化されるものと考えます。
 地域における物質的資源や人的資源をフルに活用できる点、広域的な利点も大いに活用できる
点、などを考慮したとき、非常に有効な指針であり、また運動であると考えるのですが、市長の
お考えを伺いたいと思います。
 次に、特例債、合併算定替についての基本認識であります。これらは、新市建設計画に基づい
て決定される課題ですので、答えずらい項目であろうと考えますが、認識の問題としてご理解願
いたいと思います。私の理解は、合併特例債は、国からの地方が自立するための自立支援金、合
併算定替えは完全に地方が自立するまでの執行猶予期間と位置づけて考えております。合併の意
義についての認識一致度が低ければ、特例債を活用しての事業も、行政関係者はともかく、一般
の住民の方々からは「無駄な事業」と評価され、マンパワーの減退やモラルハザードを引き起こ
す原因にもつながると考えます。合併による人件費の節減効果約170億円と合併算定替による
財政効果、つまり現在の1市8ケ町村の地方交付税額総計の確保だけでも、相当な効果と考えま
すが、市長のお考えを伺いたいと思います。
 次に、「クラスター型自治」についてであります。一つの魂の補完を別の魂が相互に補完をし
ながら連鎖をし、一体となっている状態をクラスターと考えています。全国3,000の自治体
を約1,000にしていくという、国が示す人口規模を基準にしての合併案に対し、広域である
ことのデメリットの克服策として提唱されたのが、「地域内分権」であると認識しています。税
金納付分野は福祉部分を中心とした行政サービスに振り向け、それ以外の「付加価値的な行政サ
ービス」は文字通りの地域の知恵と努力で克服していくという基本認識がないと、「収入が減れ
ば、サービスも削ればよい」とした安易な方向へ行き兼ねない要素も含んでいると思います。「
地域内分権」という新しい形を提唱したことに対して敬意を表しつつ、財政効率面では非効率な
面も出てくることでもあるので、広域基礎自治体づくり対策としての地域振興局と地域審議会の
活用について、また、行政運営を具体化させるためのそれらの展望についてもう少し市長の考え
を伺いたいと思います。
 続いて、住民参加のまちづくりについてであります。市長直通FAXに代表されるこの間の様
々な工夫には敬意を表しますが、サイレントマジョリティとは、市長へ手紙やFAXを出したり、
ましてや直接市長に会ってお話のできる方々ではない、多くの不満や疑問を抱えた方々の総和で
あるというふうに理解しています。したがって、十分に住民の意見を吸い上げるためには、説明
責任に重点を置いてまず始めるべきと考えますが、市長のお考えを伺います。
 また、先般、市長宛に提出されました市民参加検討会議報告の今後の流れについてお伺いした
いと思います。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) 高柳議員のご質問にお答えいたします。
 市町村合併について、合併の意義について、経済偏重社会から感性を取り入れ、縦軸経済、横
軸共生とした住民の共通基本認識をどう創造していくかについてでありますが、市町村合併の目
的の一つは、地方分権社会への対応でありまして、地方分権社会は、「自己責任」「自己決定」
による自立した自治体運営を行っていくものであり、地方分権社会における地域づくりの主役は
住民の皆さんであることはいうまでもありません。したがいまして、任意合併協議会において作
成した新市将来構想案をもとに、今後法定合併協議会に移行された場合に策定される新市建設計
画については、その内容を住民の皆さんにお知らせし、共通した基本認識のうえで、共通理解を
しながら進めてまいりたいと考えております。
 次に、特徴づくりについて、特徴あるまちづくりの目標をゼロ・エミッションに置いてはどう
かについてでありますが、ゼロ・エミッションとは、議員ご案内のとおり、1992年にブラジ
ルで開催された「地球サミット」で「持続可能な開発」が採択されたことを受け、1994年に
国連大学が提唱した構想で、産業の製造工程で出るごみを、別分野の産業の原料にすることなど
で、資源の消費を抑えて廃棄物量を最小化する取り組みのことでありまして、利根沼田地域にお
いては、環境資源を活用したまちづくりであると考えます。
 新市将来構想案による新市の将来像「水と緑の大地・田園空間都市」は、利根沼田地域の「水
・緑・光・空気」の貴重な生産基地としての新市の特長を生かしまちづくりに努めていくことと
しておりまして、議員ご意見のとおり利根沼田地域の資源である水、緑といった資源を有効に活
用したまちづくりを進めるものであります。
 次に、特例債、合併算定替えについての基本認識、財政運営の手法と手順については、合併に
対する理解度を尺度にして慎重にすべきについてでありますが、合併特例債は、合併特例法の期
限内に合併した市町村が策定した新市建設計画の実施に必要な財源を手当するため、特別に認め
られた地方債であり、利根沼田9市町村が合併した場合には、10年間で約543億円の借り入
れが可能との試算がなされており、また、合併算定替えの特例につきましては、普通交付税の算
定特例として、合併後の10年間は合併しなかった場合の9市町村の交付税が保証され、その後
の5年間についても段階的に縮減されるという優遇措置がなされるものでございます。
 合併特例法による国の財政支援策である合併特例債につきましては、今後、任意合併協議会か
ら法定合併協議会へ移行された場合に策定する新市建設計画におきまして、当然慎重に協議され
ることになりますが、これらの活用につきましては新市のまちづくりを進める上で真に必要とな
る事業に対し、関係者の理解を得ながら対応していく必要があると考えております。
 次に、「クラスター型自治」について、行政サービスと「自治」を峻別しての広域基礎自治体
づくりへの考え方についてでありますが、利根沼田が一つの市となった場合は、広大な面積の中
で新しいまちづくりを進めていくことになります。そのため、「合併すると中心部ばかりが良く
なって周辺部が寂れてしまうのではないか」「住民の声が行政に届きにくくなるのではないか」
「行政サービスが低下するのではないか」といったような心配の声があることから、この懸念事
項を克服するために地域の隅々まで血の通った行政を行うためには、長い歴史の中で培われてき
たさまざまな伝統・文化を有するそれぞれの地域が、固有の地域特性を生かした地域振興が図れ
るよう、9市町村の役所を例えば地域振興局として存続し、地域審議会の活用を図りながら、身
近な自治が守られるようなネットワーク型の自治体とする、地域内分権型システムの構築をして
いくことが必要であると考えております。
 なお、その具体的な活用方法や権能につきましては、今後、法定合併協議会に移行された場合
に新市建設計画のなかで協議されることになるものと考えております。
 次に、縦軸を行政機構、横軸を自主活動・運営においた行政運営の具体化をどう図っていくか
についてでありますが、先にも申し上げましたとおり、地方分権社会におけるまちづくりの主役
は住民の皆さんであることから、新市将来構想案の新市のまちづくりの基本的な考え方において
も基本理念の一つとして「市民が参画する生活者本位のまち」を掲げ、市民が積極的に参画し、
行政との連携・協働によりまちづくりを進めることとしておりまして、その具体化については、
今後法定合併協議会に移行された場合に、新市建設計画の中で協議されることになるものと考え
ております。
 次に、住民参加のまちづくりについての基本認識につきまして、説明責任を主題として多数派
の意味と、合意形成の意義、住民の意見の吸収策と説明をどう展開していくかについてでありま
すが、市長就任時の施政方針でも申し上げましたとおり、市政執行の基本姿勢は「市民参加」で
あり、「声なき声を市政に」反映させ、多くの市民の皆様から智恵をいただきながら、「元気で
誇りの持てる沼田」を創造していく考えに変わりはございません。
 また、市政を開かれたものとするため、各界各層からご意見を頂戴し、市政の活性化を図って
参りたいと考えており、市長あてFAX「市長への意見箱」の設置もその施策の一環であります
が、今後、市政懇談会「ふれあい広場」のさらなる充実なども図っていきたいと考えております。
 なお、住民参加のまちづくりにつきましては、行政の情報をできる限り提供し、住民の皆さん
のご意見をいただくために、行政の説明責任が重要であることは充分認識をしておりまして、そ
の手法の検討にあたりましてはご意見を参考とさせていただきたいと考えております。
 次に、市民参加検討会議関連、市民参加検討会議報告の今後についてでありますが、まちづく
り市民参加検討会議は、市民と行政とのパートナーシップによるまちづくりを推進するため、市
民の視点から市民参加の手法や仕組みづくりについて、研究検討していただくことを目的といた
しまして、昨年10月に28名の委員さんによりスタートいたしまして、本年6月に提言書の提
出をいただいたところでございます。
 ご質問の報告書の今後についてでありますが、内容は多岐にわたるものでございまして、まず
は各所管において検討を行いまして、庁内会議等において検討協議に入っていく予定でございま
す。
 地方分権における「住民自治」「団体自治」では、「自己決定」「自己責任」が求められてお
り、市民と行政との共創・協働など、より一層の必要性を認識する次第であり、この提言を市民
参加のための手法や仕組みづくりに繋げて参りたいと考えております。
 以上、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきたいと存じます。
◇11番(高柳勝巳君) ご答弁ありがとうございました。いくつか再質問させていただきたい
というふうに思います。
 一つは、合併の意義について申し上げたいというふうに思います。私がこの質問をさせていた
だく直接のきっかけになったのはですね、合併の説明会、各町村のものを回らせていただいたと
きの感触を含めてのことだということが1点なのです。そこで、どうしてこれを訴えてもらいた
いかと言いますと、先ほど市長がお答えのように、ゼロ・エミッションの問題でもそうですけれ
ども、人間の生かし方ということについてもう少し深くお話しをいただきたいなというふうに思
います。例えば、人間ががんばろうという気持ちにならない限りは、合併任協が示しました、合
併した場合でも、しない場合でも、10年過ぎれば赤字になりますし、地方の自治は衰退してし
まうわけです。このままではいけないのに手を下すというところは、とりもなおさず人間になる
わけですから、合併任協の資料で恐縮ですが、第2章の部分では、合併の意義というのをタイト
ルとしてうたっていますが、ダイジェスト版では、それが直接は込められていません。その中に
込められた中心的課題というのは、地域の潜在的な能力と可能性、ポテンシャルというものが込
められていたと思います。その人間に秘められた可能性、これについてもう少し深くお聞かせい
ただければありがたいなというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 高柳議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 まず、各市町村で行われた合併説明会に、議員が率先、垂範して、その説明会に参加をされた
ことにつきまして、敬意を表する次第でございます。また、議員がご指摘のとおり、今回のこの
合併は、一人財政の問題だけでなく、また一人、その時代の流れに流される事だけでもなく、ま
さにこの地方分権を地域で実践するための大きな実はテーマが横たわっております。この地方分
権の大きなテーマは、先ほど議員がご指摘のとおり、自己責任、自己決定でございまして、もう
既に他のいろいろな部局からの依頼を、あるいはまた依頼心というものをこれからは捨ててかか
らなければならないという命題が横たわっていることは言うまでもございません。それは必然的
に、私どもの地域の方々がやはり肩を寄せ合って、そして自らの郷土の良さというものをしっか
りと見極めて、そしてその良さをいわゆる他の地域に対して発露していくという、そういう大き
な命題があるというふうに認識をしております。
 当然、その根底に横たわっているのはマンパワー、人の問題であることは論を待たないわけで
ございます。それぞれの地域、あるいはまた団体において、いわゆる秘められた可能性というも
のは十二分に持っているということは私自身も認識をしておりまするし、それを引き出していく
ためには、具体的には、それではどうしていったらいいかということになりますると、やはり市
長が率先、垂範して、少なくとも沼田市であるならば、市長が率先、垂範して、市民のところに
飛び込んで、そして現場の生の声を聞いて、そしてその中からいいところは市政に取り上げてい
く。あるいはまたその良さを、他の地域に対して波及させていく。そういったことがあろうかと
思っております。
 ご案内のとおり、本地域はつい先般でも体育大会で申し上げたわけでございますけれども、フ
ェンシングの金子選手のユニバーシアードでのすばらしい成果、あるいはまた薄根中学校での卓
球大会での全国の3位というすばらしい成績、あるいはまた、剣道の関係者の極めて裾野の広い、
群馬県を代表する力量を持っている方々がたくさんおいででございます。そういった方々の、こ
れは一例でありますけれども、今朝も上毛新聞の山田寅次郎氏の歴史的な考証がなされておりま
したけれども、やはりこういったかつての歴史の、市史先人の方々にも学びながらも、現実にい
ま、沼田を中心といたしまして、利根沼田でがんばっておられる方々の、そういった人達のお力
を借りていかなければならないということは言うまでもございませんし、それについてはやはり
市長自らが率先、垂範して、そういった方々の意を体しながらまちづくり、あるいは今回の合併
の意義について訴えていくということが考えられるのではないかと、こんなふうに思っておりま
す。
◇11番(高柳勝巳君) ありがとうございました。大体わかってきたのですけれども、さらに
もうちょっとお伺いしたい。というのはですね、この地域の住民説明会を聞いていたり、任意合
併協の資料、大変よくできているというふうに思っているのですが、拝読させていただいたとき
に、どうしても各町村の皆さんが、沼田の中にいいところが埋もれてしまうのではないかという
のがいくつか散見されたのです。私は、最初に申し上げたとおり、この合併の奥にはですね、沼
田に各地方が薄められていくのではなくて、都市対地方という中での発信力の問題なのだろう。
そのために皆さんのお力をぜひお借りしたいのだという市長の決意のようなものが、やはり説明
の中に力強く現れて欲しいなと。こういうものが欲しかったものですからお伺いしたわけです。
その辺の、都市対地方の発信力の問題等伺えればと思います。それがとりもなおさず、よーっし、
これから僕たちはがっばっていこうではないか。地方から自然環境を守ってがんばっている地域
があるということを、みんなで作り出そうではないかという共通認識になるのだろうというふう
に思いますので、ぜひその辺のところ、再答弁がもう必要でないというなら結構ですが、私の認
識は、そういう地域の人間の気持ちというものをどういうふうに盛り上げていくか。手続きでは
なく、気持ちの中に起こる説得、納得づくりということをベースにして欲しいなということが話
の根底であります。まず、それについてお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、つる舞う形の群馬県の広域行政は、おおむね10に
分かれております。都市は11市あって、吾妻の地域を一つのまた範疇に加えたりすると12に
なったりするのですが、おおむね10から12の範疇で群馬県のエリアが整理をされております。
私どもの利根沼田は、ご案内のとおりもう歴然的に、1市2町6カ村が一体の地域であったとい
うことは、もう歴史が示すとおりでございまして、かつて沼田市が合併する以前はですね、まさ
に利根郡下の町村であったことは歴史が示すとおりでございます。そういったことから、もとも
と一体の、あるいはまた一対のエリア感覚というのは、そういう共同意識というのは兼々持って
いたと認識をしております。ただ間違いなく、この利根沼田地域にあったとしても、現実に2町
6カ村の利根郡下、4万数千人、5万人欠ける人口、そして私どもが4万7,000の人口とい
うことで、ちょうど拮抗してきた経過がございまして、そういった中にあって、沼田がちょうど
これは、ちょっと横文字を使いまして恐縮ですが、ゲオポリティーク、地政学と言いますが、好
むと好まないとにかかわらず、ちょうど真ん中にあったということが否定できません。そういっ
たことから非常に利根沼田のシンボリックな形として沼田が位置づけられていたということは、
これは否定できない歴史的な事実であろうと思っております。
 そういったことから、この数年来、いわゆる地方の時代と言われて久しく、しかも、各町村が
相当な部分でがんばってきて、すばらしいまちづくり、あるいは村づくりを展開してまいりまし
た。今回の合併が一つの引き金となって、いわゆる自分たちの郷土の文化や伝統が失しられてい
るようになるとかなわないという意識が、町村の方で働いているということは当然のことである
と思うし、またそれは私ども沼田市民の立場からすればですね、しっかりと受け止めなければな
りません。そういったことが、議員がご指摘のようなことがございましたので、昨年のこの合併
のことについて市長に対してどう思うのだという意見も、いわゆる質問等があれば必ず私が申し
上げてきたのは、この地域は群馬県土の28%、広い面積に10万人弱という、県民の20分の
1しか住んでいない。大きな広い面積に少ない人口である。しかしながら各市町村のエリアが個
別、個別によく分かれている。これはもうネットワーク型を施行して、しかも各町村の末端まで
血流のつながった、いわゆる合併が必要であるというようなことから、今回、地域内分権型、い
わゆる地域振興局というものを提唱して今日に至っております。
 私の側聞するところによりますると、片山総務大臣が今年の5月の時点で、地域内のいわゆる
自治の構築を認めていくというような発言も、確か間違いなければしていると思っております。
今月の13日に、実は群馬県の県民会館におきまして、片山総務大臣を中心としたシンポジウム
が持たれるわけでございますけれども、実は、私がその中で、市町村長を代表した形の中で質問
をする段取りになっております。9月の13日、2時から4時15分まで、群馬県民会館でござ
いますが、高崎経済大学の戸所教授が、どちらかというと都市型の合併、私の方が分権型の合併
というような形の中で、シンポジウムが行われる際に、いわゆる代表して質問することになって
おります。
 そこで当然、質問の中は2つ用意をしておりますけれども、地域の自治の組織制度の創設につ
いての質問を一つ取り上げております。これは議員がご指摘の問題等について、当然、先々には
県、国との問題も出てきますので、そういったいろいろな問題点を払拭していくために大きな力
になればと思って、真剣に取り組む準備を現在しているところでございます。ご理解を賜りたい
と思います。
◇11番(高柳勝巳君) 丁寧な答弁ありがとうございました。
 要するに、利根沼田の自然の中に人間が住み始めて、地域の合意ができているものですから、
それを自然というふうに見なせば、文化が失われるという心配はないという認識で私は理解しま
した。それを今後、昨日来から始められているというふうに認識しておりますが、各団体への住
民説明、市長が先頭に立って行われるというふうに伺っております。そういった様々の取り組み
の中に生かしていただけるようお願い申し上げたいというふうに思います。
 次に、ゼロ・エミッションについて。おそらく認識は一致しているのだろうというふうに思い
ますが、ごみの再利用というか、資源の再利用の技術的な部分に重きを置かれてご回答いただい
たように思われますので、私が認識しておりますのは、今まで経済偏重社会の中で、ややもすれ
ば隅に置かれていった者たちを再利用、再活用、見直しを図っていくという思想的なものがゼロ
・エミッションの中には存在しているという点で、この産業の考え方についてはご答弁いただき
ましたけれども、例えば普段、お年寄りの皆さんは、会社で一生懸命働いて、定年を過ぎるとや
はり横の、隅の方に置いていかれてしまうような社会ではいけないというふうに思います。いま
忘れられていたり、やっかい者に、ややもすればなってしまうような資源をもう一度掘り起こす
という考え方がゼロ・エミッションであると認識しておりますので、その辺について何かご答弁
があれば伺いたいなというふうに考えます。
◇市長(星野已喜雄君) 答弁の前に大事なことでございますので、一つ付け加えておきたいと
思います。議員がご指摘をされました、昨夜からの合併関係のことについての説明会、昨日、文
化会館で午後7時から、本日と明日、保健福祉センターで午後7時から。利根沼田の全域の、い
わゆる利根沼田と付く、冠の付いている各種団体、これはもう各市町村で自治区域別に展開でき
たものを、今度はいわゆる目的集団別と言ったらよろしいでしょうか。そういうふうなことでも
って、できるだけ広範囲にわかってもらいたいために、スライドを使った説明会を行っておりま
して、昨日も大変盛況でございました。
 実は昨日、大分の佐伯市の方に、任意合併協議会の職員を2人派遣をしておりまして、視察を
させております。それはどういうことかというと、すでに10日ほど前の朝日新聞に出ておった
と思いますが、9市町村が法定協に入ったということで全国版に取り上げられました。私どもの
地域と非常に似通っているということで、2人の職員を充てております。本日、時間が間に合え
ば、夜の7時からの説明会にその職員がまいりまして、佐伯市の状況を説明をする段階になって
おります。このことを報告しておきたいと思います。
 ゼロ・エミッションの問題でございますけれども、議員は、このゼロ・エミッションが産業関
係のところから出てきたことを、それを政策、いわゆる自治体の中に取り入れていく必要がある
のではないかという、そういうまた感性が必要ではないか。そういうことであるというふうに認
識をいたしました。実はこれは、私どもの手元に、「暮らしと地方自治」という9月4日付けの
新聞記事でございますけれども、早稲田大学の近郊の商店会に、私が県会議員のときに視察をし
たりして勉強させてもらってまいりましたけれども、商店街の中で、本事業のようなことを展開
する中で非常に効果をあげてきているということが、本新聞にも出ておりますが、私どももそう
いったことを学んできた経過がございます。議員のご質問は、感性の問題として廃棄物になる物
の中にも魂が宿っているので、その魂を捨ててしまわないでしっかりと再生をして、それを生か
していったらどうかという、こういうご指摘ではないかと思っております。実は私も議員生活、
あるいは今般のこういった立場をいただく中で、常にこの表舞台に流れている形の組織体系とは
別途のところでいろいろとがんばっている方々の生命力だとか、発想というものは、すばらしい
ものがあるということは私も学んでまいりました。そういったことからですね、今後、議員が、
ご指摘のようなことについては、十二分に参考にしながら、まちづくりに生かしていかなければ
ならないと認識をしております。
◇11番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
 では、住民参加のまちづくりについて少し再質問させていただきたいというふうに思います。
住民参加のまちづくりという点で市長にご答弁いただきましたけれども、私がこの間、推察しま
すところ、野球で言えば、監督や観客はそれなりにいるのですけれども、選手がやはり不足して
いる、絶対量として。ですから市長にもご答弁いただきましたように、協働していくという選手
が不足しているのではないかなというふうに思います。これは私の責任でもあろうかというふう
に思いますけれども、ぜひこの、一緒に動く部隊というのを、どういうふうに創造していくのか
について、いまお考えがあれば説明責任の次、あるいは説明責任と平行してですね、これは取り
組んでいかなければ、言うだけの人、聞くだけの人というふうに役割が、どんどん、どんどん分
散されていってしまうという可能性があると思いますので、その辺についてのお考えがあればい
ただきたいなと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しいテーマでございます。これは、住民参加と言うのは、私の
側聞するところによると、昭和50年代に篠原一先生、あるいは松下圭一先生等々が、いわゆる
発案をされまして、特に東京の武蔵野市等を中心として出てきたところに源を発しているかと、
こういうふうに思っております。私も市会議員在任中に、武蔵野市の方にもお邪魔したりしたこ
とがございました。武蔵野市というのは、やはり閑静な住宅街であり、しかもお住まいになられ
ている方々が、大学の先生であるとか、あるいはまた公務員関係であるとか、言うなれば一般的
な感覚から言うと恵まれた環境にある方々が大変お住まいでございまして、そういったことから
非常に民度の高い方々がおられたというふうに認識をしております。この住民参加が十二分に発
揮をされてまいりますると、かなりの部分で行政のいろいろな組織形態の無駄が省けるというこ
とは、これまた事実だと思っております。そういった中で、どうしても民度の高さということが
大きな課題になってまいります。市長がこれをどのように、住民参加の関係について、もう少し
訴える側、聞く側ということの穴埋めをしていく必要があるのではないかと、そういうことかと
思っておりますが、私自身はご案内のとおり、いつも開かれた市政ということから、できるだけ
市長室も風通しをよくしてきたつもりでございまするし、市長自らが市役所のフロアーに立った、
あるいは市長自らが歩いて地域住民の声を聞きに行ったり、そういった作業を率先、垂範するこ
とによって、いま言う住民の方々の意識を喚起をしていくと、そういうことが大事なのかなと、
こういうふうに思っております。
 そういった意味で私も1年と4カ月が経過したわけでございますけれども、いま議員がご指摘
のとおりのことを元々から考えていた人間でございますので、一応一生懸命実践をしてきたつも
りでございます。ただ、大変難しいことでございまして、これからも議員が言われるように、い
ろいろな意味のご支援をいただきながらがんばっていきたい。こんなふうに思っております。
◇11番(高柳勝巳君) 民度が高くなれば己と行動も付いてくるであろうという認識なのだろ
うと思いますし、日頃の活動に敬意を表したいなというふうに思います。9月22日に、任意合
併協議会が開催されるという中で、大変聞きづらいことをお聞きし、また答えづらいことを丁寧
にお答えいただきまして大変ありがとうございました。私も、利根沼田地域の明るい展望に向け
て精一杯がんばりたいと思いますし、今日が9月の11日ということで、ニューヨークの同時多
発テロがおきまして2年経ちます。そういった方々の冥福を心からお祈りするとともに、報復の
連鎖が一日でも早く終結することを祈りまして、一般質問を終了させていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
◇議長(星野佐善太君) 次に、星野稔議員。
〔8番 星野 稔君登壇〕
◇8番(星野 稔君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 私は生命の尊厳を守り次世代に最善の環境を引き継ぐという観点から「地域医療の充実につい
て」「沼田市の目指す環境整備について」の2点について質問いたします。
 はじめに、地域医療の充実についてお伺いいたします。
 少子高齢社会を迎えた今、中山間地域の利根沼田の地域医療を考えたとき、私は、平成16年
4月1日に独立行政法人化される予定の国立沼田病院が今後どうなるのか。地域医療の低下につ
ながると懸念する一人であります。長年にわたり地域医療の一翼を担ってきた国立沼田病院が独
立行政法人化される事により「自立した施設運営」が求められていることは、病院側も組織の改
善や経営努力に取り組んでいると伺っておりますが、地域医療の低下を防ぐ上でも行政としてで
きる範囲の後押しを考えるときに来ていると私は考えますが、行政として何らかの対応、今後に
向けての調査・研究を考えているか市長にお伺いいたします。
 次に、沼田市の目指す環境整備について、水の利活用についてお伺いいたします。
 森林文化都市を標榜する本市にとって自然環境、特に水は今後予想される地域間競争を勝ち抜
くうえでの生命線であると言えます。現在は任意の段階ではありますが利根沼田市町村任意合併
協議会が示した新市将来構想案の中で、新市の将来像は「水と緑の大地・田園空間都市」「水・
緑・光・空気の生産基地として新市の将来の振興発展を支えるかけがえのない財産」という位置
づけがされており、私は大変いい方向性が示されたと評価をする一人であります。今後の環境整
備を進める上での目標であるという視点からお伺いしたいと存じます。
 まず、城堀川の整備についてお伺いいたします。
 城堀川の歴史的価値を考える時、沼田台地を切り開き水を引き入れた先人の城堀川への思いは
「生きる希望の川」であったと感じずにはいられません。現在の自動車社会において国道120
号線消防署入口から東側が埋め立てられたことは胸の痛む思いがありますが、交通安全対策等を
考えますと理解をするものであります。しかしこれからどのように城堀川を守り次世代に伝える
か考える時、国道120号線消防署入口付近の道路改良整備も完成が近いと思いますが、現在、
仮設道路として使用されております用地の公園整備に期待を寄せるものであります。今後の着工
予定並びに整備内容について市長にお伺いいたします。
 また、国道120号線消防署入口から下流約200メートルの間は堀が深く水害の心配がない
ため工事の手が入っていない唯一、城堀川の昔の水の流れを感じられる場所といえます。昔の面
影を残すこのすばらしい環境を守り保全していく取り組みが地元桜町において行われております。
桜町奉仕会・駒会員の皆さんが年3回の下草刈り等の清掃作業を行い城堀川の保全美化に取り組
んでおります。去る8月31日に本年2回目の清掃作業が行われ、私も参加させていただきまし
たが、捨てられているごみの山を見ますと史跡城堀川への意識の低さを感じずにはいられません
でした。しかしごみ拾いのために川に入ってみますと、以前のような悪臭はなく、以前は見られ
なかった水草が生えてきているのを見ますと、数年のうちには魚が生息できる環境になると確信
をしたところであります。城堀川の真の姿を残すこの区間はできる限り手をいれない方法での整
備・保存を願う者として、樹木は切らずに、水の流れを変えずに、堀の法面を利用した遊歩道を
整備し、堀の法面には芝桜を植栽することにより、市民の史跡城堀川への意識が高まってくると
考えますが、今後の整備予定、保存方法について市長の見解をお伺いいたします。
 次に、城堀川の街なかへの導水についてお伺いいたします。
 現在、進められております「街なか再生事業」は、過去に誰も経験したことのない大事業であ
り、地元関係者並びに当局各位のご尽力に敬意を表するものであります。私は、市民皆様と接す
る中で、多く聞かれた意見として、街なかに水を流してほしいというお話しをいただいてまいり
ました。平成13年6月、議会において同じ趣旨の質問がされ、実施設計の中で検討していくと
いう答弁がされておりますが、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、滝坂の整備についてお伺いいたします。
 沼田台地の先端であり、正面に沼田駅を望む滝坂は「街なか再生事業」「歩いて暮せる街づく
り事業」両事業の区域に含まれ、構想の中では「せせらぎ」の提案がされており首都圏の水源地
ぬまたを全国に発信できる坂であると同時に、滝坂整備は今後の沼田市の目指す環境整備の指針
になると感じております。「平成15年9月1日号 まちづくり情報」では、滝坂の河川整備と
緑地整備は実施する予定とありますが、今後の整備予定と内容について市長にお伺いいたします。
 次に、段差を利用した水力発電についてお伺いいたします。
 我が国の電力事情を見ますと、原子力発電所のトラブル、今後予想される脱原子力の動き。地
球環境保全の見地から脱化石燃料化に、また電力自由化により自家消費を基本とした分散型・新
エネルギー、小規模水力発電所が注目されております。坂の街沼田の将来を見据え、こうした流
れをとられて沼田市の環境整備を考えてみますと、水力発電に取り組む事により経費の節約のみ
ならず、宣伝効果等を考えますと計り知れない効果が出てくると思われます。沼田市としても、
調査・研究にかかる時が来ていると思いますが、市長の見解をお伺いいたします。
 最後に、環境基本条例についてお伺いいたします。
 本年4月、沼田市環境基本条例が制定され、首都圏の水源地「森林文化都市沼田」が環境問題
に取り組む姿勢を全国的に示したことは高く評価をするものであります。安心して生活できる環
境、安心して食べられる食品、以前では当たり前に享受できたことが今では不安と背中合わせが
実情であります。より安心・安全な物を求める社会の流れの中で、本条例が推進されることによ
り沼田市の居住環境が、沼田市の農産物がブランド化されていくことを考えますと、本条例推進
にエールを送るものであります。制定から半年が経過したばかりではありますが、現在までの基
本計画の状況と今後の具体的な取り組み予定について市長にお伺いして私の1回目の質問を終わ
ります。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの、星野議員のご質問にお答え申し上げます。
 地域医療の充実について、国立沼田病院の独立行政法人化について、市の対応についてであり
ますが、議員ご案内のとおり国においては、行政改革の一環として効率的な医療供給体制の確立
とともに、国の附属機関の整理統合と国立病院や国立の附属研修機関の独立行政法人化の方針が
打ち出され、平成16年度から国立病院・療養所の独立行政法人化への方向が決定されたところ
であります。
 これを受けて国立沼田病院においても厚生労働省健康局国立病院部政策医療課長より施設の基
本方針が示され、その方針として「がん」に関し、ナショナルセンター等との連携の下に、専門
的な医療、臨床研究、教育研修及び情報発信の機能を備えた施設整備をするとし、内科及び外科
をはじめとする12診療科とされておりますが、地域総合医療を進めるに当たっては、更に細か
い診療科が必要であると認識しているところであります。
 また、病床規模においては一般195床、感染症病床4床の199床とされ、現状を大きく下
回っている方針内容であります。
 この様な状況に危機感をもつて市といたしましては、地域町村とともに国立沼田病院長に対し、
政策医療である腫瘍診療センターはもとより準政策医療とする救急医療を担っていることに鑑み
地域総合病院として高度な医療が受けられる整備を強く要望したところであります。更に地域市
町村一丸となって利根地方総合開発協会として県に対しても、要望しているところでありますの
で、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、沼田市の目指す環境整備について、水の利活用について、城堀川の整備についてでござ
いますが、現在、群馬県が国道120号の拡幅事業を行っておりますが、この拡幅改良工事に伴
い埋め立てられた城堀川について、県の工事が終了後、城堀川緑地整備事業として、延長約
230メートル、幅約10から20メートル、面積約2,600平方メートルの区域において整
備を行う予定でございます。
 今年度においては、地元の皆様と意見交換会を行い、住民の意向を取り入れた中でコンセプト
を確立し、施設内容や配置計画をはじめとした、基本設計を策定する予定でございます。
 整備内容といたしましては、地元区長さんをはじめ、育成会長さん、PTA役員の皆様の連名
で提出されたビオトープ化の陳情趣旨や、住民の皆さんの意見を踏まえた、植栽や清流、休憩施
設などの施設を位置づけてまいりたいと考えております。
 また、消防署入り口付近から下流域の整備につきましても、今後、住民の皆様の意見を伺い、
検討していきたいと思いますのでご理解をいただきたいと思います。
 次に、城堀川の街なかへの導水についてでありますが、基本計画では街なかに”せせらぎ流れ
”を設置する計画でありますが、具体的なことにつきましては、今後、地元の皆さんと「どのよ
うな街にするのか」街の方向性などを協議しながら、検討してまいりたいと考えております。
 次に、滝坂の整備についてでありますが、本年2月開催の街なか再生対策特別委員会にご報告
いたしましたとおり、河川及び緑地整備は実施する方針でありまして、具体的なことにつきまし
ては、今後、地元の皆さんとの協議等も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
 次に、段差を利用した水力発電についてでありますが、当市においては、ご承知のとおり市街
地の河岸段丘とその中心を流れる滝坂川は、歴史や地勢的に見ても特異な情景でありますが、こ
の特性を活用してご質問の水力発電に取り組むことは、自然エネルギーの確保や地球環境の保全
に配意すると大変有意義なものと考えております。
 したがいまして、このような観点から自家消費を基本とした水力発電に向けた基本的な調査、
いわゆる国が推進する「ハイドロバレー計画開発促進調査」をいち早く要望し、全国10地点の
調査対象の中に当市の要望が組み入れられ、現在、全額国費による調査を実施していただいてい
るところであります。
 この調査は、横塚町における新滝坂川の田沢川への放水路と、沼田公園北側の通称天狗滝を対
象として発電設備や発電能力などの概略設計を行い、併せて近隣の学校や公園など公共施設の電
力需要と供給体制の試算を行い、事業化による費用対効果を解析するものでありますが、今年度
末までに一定の報告が成されることでありますので、その結果を勘案して可能性があるとすれば
今後なお詳細の検討を加え、事業化に向けて取り組みたいと考えておりますので、ご理解をいた
だきたいと思います。
 次に、環境基本条例について、具体的な取り組みについてでありますが、沼田市環境基本条例
は本年3月定例議会において可決成立し、4月1日より施行しております。
 現在、この条例により沼田市環境基本計画の策定に向け、取り組みを進めているところであり
ます。
 環境に対する取り組みについては、すでに議員ご案内のとおり、国においては、平成5年に環
境保全についての基本理念を定め、環境保全に関する施策の推進を図り、国民の健康で文化的な
生活の確保と人類の福祉に貢献することを目的とした「環境基本法」が制定され、続いて環境基
本計画が策定され、環境に対するさまざまな施策が展開されております。
 このような流れの中、沼田市の環境基本計画に対する取り組みは、市民アンケート等、環境に
対する意識調査を実施し、平成14年度から具体的な取り組みに着手し、当市の豊かな自然と現
在から将来に向け健康で快適な生活の確保並びに環境への付加の少ない循環型社会の形成と地球
環境との調和を目指すことを目的とした計画について、15年度内での策定に向け鋭意努力しい
るところでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上、星野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。  
◇8番(星野 稔君) それでは、再質問をさせていただきます。
 まず、地域医療の充実について、国立病院の独立行政法人化についてでありますが、ただいま
のご答弁を伺いますと、行政としてもかなり危機感を持ったとらえ方をされていると思っており
ます。また、今後につきましても、やはり地域医療、中山間地域での医療経過ということは、こ
れはお年寄りが増えるこの時代の流れ、また少子化の流れの中で、これだけはやはり避けていか
なければならないと感じておりますので、今後とも、行政としてより一層のご指導をいただけれ
ばありがたいと存じます。こちらの問題についてはよくわかりました。
 続いて2の環境整備について、水の利活用についてということで、総合的に伺いたいと思いま
す。城堀川の整備について、これから公園緑地整備については、地元区長さん、またお役の皆さ
んの意見を聞いて整備をされていくということでありますけれども、このビオトープ化、現在市
長がイメージするビオトープ化というもの、幅が10メートルから20メートルの幅の、あの細
長い土地を、どんなイメージで整備された方がいいか。これが決してこの答弁で決定とかそうい
う意見を私は求めるものではありません。やはり沼田インター下りて市街地に向かってきますと、
右側に緑地帯が広がるわけでありまして、非常に外から来る方を迎えるにも非常にいいイメージ
を与えられる緑地整備だと感じております。言い換えますと、城堀川を埋めたということは非常
につらい思いもありますけれども、ある種チャンスではないかととらえておりますので、市長の
ビオトープ等踏まえたイメージ、どういうふうなものがいいのではないかと、そういったお考え
をお聞かせ願えればありがたいと思います。
 また、先ほど来申し上げました下流部分、城堀川の未整備部分、私も城堀川沿いを歩いてみて、
昔の水の流れが感じられるというのは、もう唯一、私はそこだけだと思うのです。その下に行き
ますと児童公園と一体になった整備がされていて、それも本当にありがたいことだと思うのです
けれども、やはり堀があって、水の流れが蛇行して、水をこれから沼田市、また利根沼田が将来
合併を踏まえたいった場合、あれだけきれいな水の流れがあるのは、この区間だけではないのか
なという感じがしたものですから、今後、整備、検討されていくという考えを伺いましたので、
こちらもぜひそういった真の城堀川をうまく後世に伝えていく、残すという意味で、今後、より
良い検討をいただきたいと存じます。
 また、城堀川の街なかへの導水について、また、滝坂の整備についても、今後検討されていく
というお考えを伺いましたが、例えば飛騨の古川町でしょうか、民家の、また蔵が建っている、
そういう間を小川、本当に小さい、きれいな水が建物の間をぬって流れるような風景を思い出す
と、やはり私に、「街なかに水をぜひ流したらどうだ」と言った方が、街なかの方もそういう、
関係者の方も私に言われた方もいますけれども、広く村部の皆さんも、これは大変な事業だけれ
どもいいチャンスなので、これはそういう前向きにとらえた意味でぜひ取り入れてほしいという、
私もこれ切に要望する一人でありますので、すぐすぐ街なかに水を流す、また滝坂に緑地整備し
てきれいな水を流す、それが今すぐ困難だとしても、10年後、20年後に可能性を残すよう、
ぜひこれはお願いを申し上げたいと存じます。
 また、段差を利用した水力発電について、もうすでに調査段階に入っていると。そして調査結
果が良ければやはり建設の計画でいるというお考えのようですので、非常に私もこの件に関して
はうれしく感じております。ぜひ積極的に進められるように、これもお願いを申し上げたいと思
います。
 また最後にですね、環境基本条例、前段の水の問題等を踏まえて、やはり20世紀は火力燃料
の時代だと。21世紀は水の時代だと言われております。地球の水分構成というが、海水が
97.5%、氷河、氷が2.5%、川、また湖の水というのは0.01%にすぎないというふう
に言われておりまして、現在でも、全世界の人口の5分の1の方が水に、きれいな、安心な水の
恩恵にあずかっていない。また、2025年には、全地球上の人口の半分が水に困難な状況に対
面するという報告がなされております。そういったことを考えますと、この沼田も、利根郡のこ
の地域は、川があって、水があって、自然環境が良くて、そういうことを考えてみますと、本当
に可能性は無限大に秘められているのではないかというふうに感じております。また、この環境
基本条例を制定されてきたという市長の長期的なお考えも、私は直接聞いたことはありませんけ
れども、市長なりのこれは長期戦略があるのではないかと私は感じております。将来、利根沼田
が水源地として地域間競争を、首都圏を相手に、いかに戦略を市長はお考えか。そちらをお聞か
せいただいて、私の2回目の質問を終わりたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時08分休憩
─────────────────────────────
午前11時15分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 星野議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 まず最初にですね、答弁は求められませんでしたけれども、せっかくの機会でございますので、
地域医療の充実につきましての問題につきまして、付け加え、答弁をさせていただきたいと思い
ます。実は、この国立沼田病院の関係につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今月の1
7日に、利根地方総合開発協会で県の方に陳情要請をいたしますが、そのところの文言の中にも
付け加えてありますけれども、やはり一番の、近々のターゲットというか、課題というのは、厚
生労働省の健康局長の田中氏でございます。そんなことからつい一昨日、午後1時半にお邪魔を
いたしまして、国立病院の医療指導課の関係の幹部の方々等含めて、田中局長に現下の問題につ
いてご要請をしてまいりました。私自身と副理事長、つまり新治の村長と水上の町長と3人で行
ってお願いをしてまいりました。結局、現在、この195床で運営をされているわけであります
が、225床に病床数も増やしていくというようなことも、これまた地域医療充実のためには大
事だというようなことから、そういったことをお願いをしてまいりました経過がございましたの
で、報告をしておきたいと思っております。
 なお、城堀川のいわゆる整備についての問題でございますけれども、私もご案内のとおり、近
郊に住んでおりますので、当然、この所の状況については理解をしているつもりでございます。
特に、この関係についてはですね、いろいろな交通事故があったり、あるいは消防署の地近のと
こにあったりというところでもって、国道120号の拡充整備を行わざるを得なかったという経
過がございます。先ほど答弁しましたとおり、結局、この120号が整備をされた暁には、当然
いま通っているところ、既に付け替えがされ別になっておりますが、ここのところを環境整備を
していくと、こういうことになります。先ほどの答弁で申し上げましたとおり、すでに同僚議員
の関係者の方からもですね、ビオトープ等々のご質問が出ておりまして、あるいはまたご意見も
いただいておりまして、それらを主にとらまえ、しかもご案内のとおりこの近郊には沼田市東小
学校、それから更に北側には、沼田北小学校等がございます。追って、私どもの城堀川が歴史的
な史跡であることから考えて、やはり歴史や伝統を大切にしながらもビオトープ、つまりこれは
突き詰めてまいりますると、フィールドミュージアムからエコミュージアム、エコミュージアム
からビオトープというような理念の流れがございまして、議員はご存じかと思っておりますが、
ヒィールドミュージアムは野外の博物館、エコミュージアムは生態系の博物館、ビオトープは、
まさに生態系の、かつての循環を具現すると。特にこれはドイツの方から出てきた思想形態であ
りますが、東京の方に見られるように、すでに学校教育の中で自然生態系の関係等、勉強する場
面がなかなか見当たりません。そういうようなことから、東小学校、北小学校等はご案内のとお
りの環境にございますので、それらも勘案しながらも対応になっていくであろうと、こういうよ
うに思っております。
 また、下流区域の環境につきましては、私も常日頃ここを散策している立場でございますので、
議員のご指摘のとおり対応していくということは十二分に理解をしているつもりでございます。
 また、街なかへの導水の問題とか、滝坂の整備の関係等について。前段につきましては、兼々
私どももそういう志向を持っておりまして、これから先々、街なかの再生と相まっていろいろと
検討していかなくてはなりません。
 また、滝坂の整備についてもやはりかつてのいろいろな流れというものをよく尊重しながら整
備に努めていきたいと思っております。
 この水の利活用の4番目の、段差を利用した水力発電の問題でございますけれども、これは大
変私どもも、ある意味においてはタイムリーな議員の質問であったと思いまするし、これについ
ては水面下でいろいろと実は研究をしていました。特に、沼田市のある識者からのご提案もござ
いまして、このハイドロバレーの関係について、内部で、「これはいいことだ」ということで、
早くに手をあげて、群馬県では本市と高崎のみでございます。全体では10カ所ということにな
っておりまして、関東では、群馬県だけ。群馬県だけの中にあって沼田市と高崎だけになってお
ります。今後、こういった地域エネルギーを創設していくということが、ひいては前段の高柳議
員の質問の中にございました合併の問題等の哲学の中に、自己責任、自己決定というのがござい
ますけれども、これらを見てまいりますると、やはりエネルギーもですね、ご案内のとおり大変
この夏は厳しい状態であったわけでございますが、ある意味においては、天候が非常に冷夏であ
ったことから幸いしたということも否定できません。そういった意味で今後、そういった観点か
らの地域エネルギー創設のことについては、真剣に取り組んでいかなければならないと思ってお
ります。
 沼田の目指す環境整備についての、イの、環境基本条例の問題でございますけれども、先ほど
の水の問題について海水といわゆる氷、そして湖と河川の関係の比較論が出されまして、数値形
成を示されました。伺いまして、本当に水は貴重だなということを改めて感じたわけでございま
すけれども、私どもが今回、合併の問題でも大きくこの水の問題を正面から今後も据えていきた
いと思っております。と申しますのは、ご案内のとおり、東京都民1,200万人のいわゆる飲
料水の65%が利根川の水で賄われていると言われております。そういったことから、どうして
も今度先々の問題になりますけれども、水上町であるとか、あるいはまた新治村であるとか、い
わゆる利根川の源流の最も最たる部分の方々と連携ができるであるとするならば、まさにこの本
質的な水源圏に、あるいは水源地になっていくわけでありまして、いわゆる先ほど申し上げまし
たようにですね、1,200万東京都民の飲料水が65%利根川で確保できているというような
ことと相まって、まちがいなく水が貴重になってくるということは、議員がご指摘のとおりでご
ざいまして、今後、そういったことを群落的にとらまえて、ひとつ東京都の方に意見具申をして
いかなければならない。歴史的なときが必ず来るであろうと。こんなふうに確信をしております
ので、今後とも、ご指導、ご支援のほどをお願いを申し上げたいと思います。
◇8番(星野 稔君) お話しよくわかりました。医療の関係、また水の利活用ということで、
生活に密着した部分の環境整備、こちらもこれからの取り組み等よろしくお願いします。
 また、環境基本条例ということで、最後に市長の水に対する将来的な長期面で見たお考えをい
まお伺いしまして、やはり利根沼田の合併が、今後どうなるかということが、これからのことで
すが、本当に沼田市が今後生き残っていく上でもこの水、環境整備の問題等は生命線になると感
じておりまして、事務当局の皆さんにされますと、環境基本条例を推進していくということは、
大変な作業があるのかと思います。ただ、この作業の重大さを考えますと、より一層の推進をお
願いを申し上げる次第でございます。
 また、私も水関係のこと、またこれは十分勉強、研究を重ねていく所存でありますので、今後
とも、当局におかれましては、市の将来を見据えて、ぜひ協力な行政推進をお願いしたいと存じ
ます。
 以上申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
◇議長(星野佐善太君) 次に、大東宣之議員。
〔10番 大東宣之君登壇〕
◇10番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、農業施策について、沼田公園長期整備構想について、市町村合併について質問いた
します。
 まずはじめに、農業施策についてより質問いたします。
 経済のグローバル化にともなう長期不況と地域経済の破壊が続く中で、小規模自治体・地方の
切り捨てが進められようとしている今日、地域経済や産業の振興をどのようにはかっていくかと
いうことは、大変重要で切実な課題と言えます。
 国勢調査によると、総就業者数が1995年から2000年の間に戦後初めてマイナスを記録
し、製造業が241万人減り、農業・林業・漁業も3割前後の減少率と、大きく減少しています
が、これは、コメの輸入、米価下落、減反の強化が進む中で、大きな減り方を示していることが
わかります。
 こうした状況から農業粗生産額が大きく落ち込み、地域農業を衰退させ、農村からの工場等の
閉鎖・撤退が相継ぎ、農家の兼業機会も減り、人口扶養力の衰退が進み、2000年の国勢調査
では、市で47%、町村で73%が人口減少となっていますが、こうした状況は沼田市も例外で
はありません。
 市長も地域の活性化の柱として、農林業の活性化をあげ、地産地消の推進をはかられようとし
ていますが、これからの地域経済・産業の振興にとっては重要なことです。
 沼田市の農業は都会地の方々に、「安心・安全でおいしい農産物」を提供し、豊かな自然・農
業とふれあう場の提供を行い、りんご等観光農業は大きく成長してきました。これからも都会地
の方々との交流型農業は重要と考えますが、さくらんぼ、ぶどう、りんご等果樹のこれまでの状
況とこれからの取り組みはどのように進められるのか。都市との交流を進める農業施策の展開に
ついての見解と、今後の取り組みをどのように進めるのかお伺いいたします。
 続いて、沼田公園長期整備構想について質問いたします。
 水無しの沼田大地に沼田氏11代泰輝が1519年(永正16年)に幕岩城を築き、泰輝の長
男 沼田万鬼斎顕泰が12代を継ぎ、1529年(享禄2年)正月、不吉な夢を見たことから沼
田大地の西北端の崖の上に1532年(天文元年)蔵内城を築き、1560年(永禄3年)城の
東に材木町、南に本町、西に鍛冶町を割り立てたのが城下町づくりの始まりで、その後、真田氏
によって近世的な城下町の形成がはじまり、初代城主信之が1614年(慶長19年)3月には
荒町、鷹師町、小人町を割り立て、坊新田町、馬喰町、栄町、原町が次々割り立てられたり、川
場用水が1628年(寛永5年)完成するなど、近世の沼田城下町は、真田氏5代の間を通じて
着実に形成されていったと言えます。
 初代沼田城主となった真田信之は、1597年(慶長2年)天守を完成させ、その後、二の丸、
三の丸、土手・升形、水の手御門、二重櫓などが造られていきましたが、5代真田伊賀守信澄が
1681年(元和元年)改易となり、翌年には沼田城は取り壊されました。
 1992年(平成4年)沼田城の建設を中心とした沼田公園長期整備がまとめられ、事業計画
も示され、発掘調査や二重櫓の建設に向けた取り組みが行われ、二重櫓に続く石垣が発見されま
したが、その具体的成果はいだまだ少ないと思われます。
 また、全市野外博物館構想としてのフィールドミュージアム整備計画も進んでいないのが、現
状と言えるのではないかと感じぜざるを得ません。
 そればかりか、フィールドミュージアム整備計画にある地割・道の保存、町並みの保存・民家
の保存は、中心市街地活性化事業の土地区画整理事業によってまったく別なまちにされようとし
ています。
 沼田公園長期整備構想について、これまでの取り組みでどこまで進み、課題は何か。今後の財
政推計をどのように考えているのか。今後どのような取り組みを進めるのかお伺いいたします。
 続いて、市町村合併について質問いたします。
 総務省のホームページでは法定協議会が設置されているのは8月27日現在で385カ所、
1,540市町村となり、任意合併協議会は7月1日現在で167カ所、648市町村となって
おり、合計で1,707の市町村が何らかの市町村合併についての取り組みが進められています。
 2002年(平成14年)11月、地方制度調査会の専門委員会で、合併しない小規模町村に
ついて強制合併に近い方向性を打ち出した、いわゆる「西尾私案」が示されましたが、全国町村
会は、提言「いま町村は訴える」を発表し、「西尾私案」に示された小規模町村の統合に強い異
議を唱え、自治体や研究者からの提言も相継ぎ、今年4月末の地方制度調査会「中間報告」では、
「西尾私案」に比べれば強制力が弱まった報告が出されました。
 総務省は、市町村合併のメリットとして、住民の利便性の向上、サービスの高度化・多様化、
重点投資による基盤整備の推進、広域的なまちづくり、施策の展開、行財政の効率化、地域のイ
メージアップにつながることなどをあげていますが、市町村合併によって伝統ある町村名が消え
て地域のイメージダウンが起きたり、先進的なまちづくりの努力が消えてしまう危険が指摘され
るなど、地道な努力なくして市町村合併だけで地域のイメージアップはあり得ません。
 1999年4月、平成の大合併の第1号と言われ誕生した兵庫県篠山市では、行政・議会がス
ピード合併を強力に主導し、住民説明会への参加は数%にとどまり、もともと住民には合併の機
運がないにもかかわらず合併したことにより「こんなはずではなかった」との声が出始めている
そうですが、合併特例債を利用した「新市建設計画」の事業では、約30億円の広域道路建設、
同じく約30億円の駅周辺の市街地再開発、27億円の市民センター、約20億円の斎場建設な
ど、事業費総額は277億円にのぼり、1999年度の標準財政規模が139億円だったのに一
般会計規模は245億円となり、2002年度の起債残高は一般会計で530億円を超え、企業
会計などを含めると1,000億円を超えてしまうなど合併によって財政危機が深刻なものとな
っています。
 市町村合併が地域に活力と住民福祉の向上をもたらすといったような宣伝に対し、篠山市の状
況を見る限りでは疑問を感じますが、市町村合併に疑問を感じ、合併を選ばず自立を選択する住
民の動きも全国的に広がり、神奈川県平塚市、大阪府高石市などでは合併反対市長が選挙で当選
したり、埼玉県和光市などでは住民投票によって合併が流れるところも生まれるなど、市町村合
併に疑問や不安を感じる住民は決して少なくないことを表しています。
 沼田市においても8月、住民説明会が開かれましたが、参加者は有権者の2%に満たない参加
者だったのではなかったでしょうか。
 これまでの説明会の状況と市民から出された意見等はどのようなもので、それらについての市
長の見解、合併をしない場合の財政推計はどのようにされ、合併をした場合との比較はどのよう
なものとなっているのか。情報公開と市民の意見反映をどのように行い、これからの取り組みは
どのように進められるのかお伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの、大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 農業施策について、これからの取り組みについて、さくらんぼ、ぶどう、りんご等果樹のこれ
までの状況とこれからの取り組みはどのように進められるのかについてでございますが、昭和4
4年頃から観光を視野に入れ、りんごをはじめとする各種果樹の苗木の導入について農家や各関
係機関と協議しながら規模拡大に努めてきたところでありますが、現在においてもまだ一部ニー
ズに対応できる栽培面積が確保されておりませんので、今後も新植、増植はもちろんでございま
すが、販売時期が長く保てるような品種の導入等も併せて図っていきたいと考えておりますので
ご理解をいただきたいと思います。
 次に、都市との交流を進める農業施策の展開についての見解と今後の取り組みをどのように進
めるのかでありますが、グリーン・ツーリズムを推進することは、都市部に住む人たちにとって
は、新しい楽しみや発見、リフレッシュの場になるとともに、農村に住む人たちは地域資源の活
用・産業化が可能となり、地域の就業機会の増大、所得向上につながり、地域活性化が期待され
ます。したがって、利根沼田地域の農業者・消費者関係者・農業関係団体・市町村・群馬県等で
地域ネットワークとして協調しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えておりますのでご理
解をいただきたいと思います。  
 次に、沼田公園長期整備構想について、これまでの取り組みと今後の進め方について、これま
での取り組みでどこまで進み、課題は何かについてでありますが、議員ご案内のとおり平成4年
度に策定された沼田公園長期整備構想は、市民の代表者や学識経験者で構成した委員会で協議、
検討され、市全体を野外博物館化し、沼田公園を中核として位置付け整備する方針で策定された
ものであります。
 ご質問のこれまでの取り組みでどこまで進み、課題は何かということでありますが、その後推
進基本方針を経て、平成11年度には具体的な計画として沼田公園整備基本計画を策定し、本計
画を推進するに当たって一番の基礎資料となるのは、発掘調査結果であるため、平成5年度から
平成12年度にかけて発掘調査を行い、その発掘場所を一般公開して歴史的資産としての保存・
活用についての意識啓発等を図るとともに、冠木門の建設や大手前の修景・町並み整備のきっか
けづくりともなる西倉内町交番跡地にふれあい広場の整備を図ってきたところであります。プロ
ジェクトの具現化に当たっての課題としましては、まずは、整備に係る財源問題をはじめ、事業
推進に際しての住民コンセンサスをどのように得るかや関連プロジェクトの進み具合等が考えら
れるところであります。
 次に、今後の財政推計はどのように考えているのかについてでありますが、本構想の実施、具
現化につきましては、多額の財源を要するものであり、さらにまた従来財源確保のために活用し
ていた起債制度事業が見直しをされて、ハード事業への対応が厳しくなっている現状や長引く景
気の低迷の財政状況下での一般財源確保についても十分に考慮いたしまして、慎重に対応してま
いりたいと考えております。
 次に、今後どのような取り組みを進めるのかについてでありますが、まずは、全体像を把握す
るための関連資料の収集に努め、発掘調査については、関係部局との調整や市民の合意を得なが
ら、慎重に対応するとともに、整備計画においては、現有施設の移転に絡まないプロジェクトの
復原を目指すこととしていますが、事業実施には多額の財源を要すると見込まれることから、状
況に応じて事業計画の見直し等も行いながら市民要望が十分に反映されるよう配慮の上、事業を
推進していきたいと考えております。
 続きまして、市町村合併について、これまでの取り組みと今後の進め方について、これまでの
説明会の状況と、市民から出された意見等はどのようなものだったのかについてでありますが、
議員ご案内のとおり説明会につきましては、本年5月下旬から6月下旬にかけて、市内8会場に
おいて市町村合併の概要や利根沼田市町村任意合併協議会での協議経過などについての市町村合
併経過説明会を開催し、また、7月24日に開催された第5回任意合併協議会において新市将来
構想案が承認されたことを受け、その概要を市民の皆さんに説明し、市町村合併の是非について
判断していただくための情報提供の場として、8月中旬から下旬にかけて任意合併協議会との共
催による住民説明会を10回開催し、さらに、沼田市独自で団体を対象とした説明会を開催して
まいりました。
 説明会に出席された方の主な意見としましては、「市町村合併は必要である」「市町村合併は
やむを得ない」といった肯定的な意見が多く見受けられたほか、「参加者が少ない」「無関心な
市民が多い」といった意見もございましたが、市町村合併は絶対に反対だとする意見は、ほとん
ど見受けられないといった状況でありました。
 次に、合併をしない場合の財政推計はどのようにされ、合併をした場合との比較はどのような
ものとなっているのかについてでありますが、議員ご案内のとおり利根沼田市町村任意合併協議
会におきまして、合併をしない場合と合併した場合の双方について、「新市将来構想案」を作成
する中で財政推計を行っているものであります。その基本的な考え方については、現在、国にお
いて「三位一体の改革」の論議が行われているのをはじめ、地方交付税制度に関してさまざまな
検討が行われており、その方向性が見定められる段階に至っていないため、あえて現行の地方交
付税制度がこのまま将来も維持されるものと仮定して推計がされています。また、歳出について
も利根沼田9市町村とも同じ条件で推計されており、各市町村の特殊事情については加味してい
ない推計となっています。
 合併をした場合の財政推計につきましては、人件費の削減効果や国の財政支援措置を加味し推
計がされております。その双方の推計を比較しているものであり、合併した場合の地方交付税に
ついては、単年度当たりの平均額を比較すると合併した方が約12億5,000万円多く、投資
的経費については、合併特例債などの財政支援措置の活用を図りながら、新市建設計画に位置付
けられた事業を実施することを想定し推計されており、単年度当たりの平均額を比較すると合併
した場合の方が約15億6,000万円多くなると推計されており、また、収支については、平
成32年度までの累積赤字額が合併した場合の方が約557億円少なくなると予測されています。
 なお、実際の財政運営に当たっては、経常経費の削減や投資的経費の圧縮を図ることにより、
赤字が生じないよう収支バランスを保つことが必要となるものであります。         
 次に、情報公開と市民の意見反映をどのように行い、これからの取り組みはどのように進めら
れるのかについてでありますが、広報ぬまたに市町村合併のシリーズとして掲載するほか、パン
フレットの作成やホームページ等の活用を図るなど、積極的に情報提供を行っていきたいと考え
ております。市民意見の反映につきましては、先日市町村合併についての意向をお伺いするため、
18歳以上の全市民に意向調査票を送付いたしましたが、その結果についても参考とさせていた
だきますし、今後につきましても市民のご意見をいろいろな場面において十分に参考とさせてい
ただきたいと考えております。今後、任意合併協議会から法定合併協議会に移行された場合には、
新市将来構想案をもとに新市建設計画の策定や行政サービスの調整協議が本格的に行われること
となりますので、その具体的な内容については、市民の皆さんに積極的にお知らせし、市民の皆
さんの理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。
 以上、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。 
◇10番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続いて何点かにわたって質問をさ
せていただきたいと思います。
 まずはじめに、農業施策についてから、とりわけ観光農業、観光果樹についてからお話しをお
聞かせいただきたいというふうに思います。先ほどのご答弁で、昭和44年頃から農家の方々と
協議をしながらりんご等の苗木の導入を図ってこられたということですが、現状、いまどれくら
いの面積、観光果樹に関して、りんごだけでなくて、さくらんぼ、ぶどう、ブルーベリーとさま
ざまな取り組みがされていますが、当初からどれくらいの変化と言いますか、この取り組みが進
んでこられたのか。まず教えていただきたいというふうに思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時50分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 農業施策についての再質問でございました。
 やはり今日に至るまで、各果樹関係等については、先人の方々のがんばりによりまして、今日
の隆盛を見ているわけでありますが、それにしてもやはりさくらんぼ等に見られるようにですね、
現行ですと非常に短期間に生産されたものが終了してしまうというようなこともございまして、
今後、先ほど答弁したように、もう少し期間がしっかりと確保できるような、そういう品種の植
え付け等について研究していかなくてはならないと思っております。
 質問の、面積の関係につきましては、経済部長から答弁をいたさせます。
◇経済部長(武井善太郎君) 命によりお答え申し上げます。
 なお、あらかじめお断り申し上げますが、これから申し上げます年度につきましては、本格的
に園芸特産振興として、補助事業として導入した年でございまして、先ほど市長答弁にありまし
たように、りんごは昭和44年からと申し上げましたけれども、例えば佐山地区でありますとか
久屋原地区では、昭和30年代半ば以降、他の事業の補助事業の一部として、りんごの植えつけ
等の栽培が始まっておりますので、本格的に園芸特産として補助事業として導入した年度という
ことでご理解をいただきたいと思っております。
 面積の多い方でいきますと、りんごでございますけれども、昭和44年の、面積にして約
3.5ヘクタールの2,000本をはじめといたしまして、現在では、101ヘクタールの面積
で、本数にして約5万5,500本。次に、面積の多いのでいきますと、ぶどうでございますけ
れども、昭和54年の0.8ヘクタールの240本をはじめとして、現在では15ヘクタールで
4,500本。次に、ブルーベリーでございますけれども、平成10年の約3ヘクタールの
6,000本から、現在では8ヘクタールで1万6,000本、さくらんぼでございますけれど
も、昭和62年の約1.1ヘクタールの560本をはじめとして現在では6ヘクタールで
3,000本の植栽が済んでいるということでございます。
 なお、各年度ごとの累計と現在合わないのは、途中で枯れて捕植したり、または間引きしたり、
または例えばりんごを導入したけれども後からさくらんぼに転換したということがございますの
で、必ずしも各年度の事務概要書を立ち上げた数字が現在の本数、面積と合っていないというこ
とでございますので、ご理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
◇10番(大東宣之君) ただいま部長からお答えいただいたようにですね、年を追うごとにり
んご、ぶどう、ブルーベリー、さくらんぼ等々ですね、面積が拡大をしてきたということが明ら
かになったわけなのですが、当然面積が拡大をしたということは、これらの観光果樹園に入り込
み客が増えてきたのではないかと。それによって収益も上がってきたのではないかというふうに
思うわけですが、こういった入り込み客数とか収益がどのように変化されてきたのか。つかんで
いれば教えていただければと思います。もしわからなければ、それはわからないで結構ですから、
わかれば教えていただきたいと思います。
◇経済部長(武井善太郎君) 統計的に取っておりますのが、大変申し訳ないのですけれども、
りんごの平成5年以降でございます。その中で、平成14年の例でいきますと、平成5年の時に、
りんごで約9万3,000人の方々にお越しいただいたということでございます。その後、さく
らんぼ、ぶどう、ブルーベリー等の昨年度の実績でございますけれども、その他のプラムとか、
プルーンとか、ももとか、面積の少ないものも含めまして、約20万弱が昨年度観光果樹として
ご利用いただいたという数字でございます。
 以上でございます。
◇10番(大東宣之君) 収益的にはどうだったかというご答弁がなかったので、たぶんそこま
ではわからなかったのかと思いますが、必然的に入り込み客数が増えていますから、沼田市全体
としてはですね、増えてきているのだというふうに認識をさせていただいてもまずまちがいはな
いというふうに思いますが、これだけ沼田の観光果樹、農家の方々の努力、行政の支援によって
ここまで発展をしてきたのではないかと。特に、地元の方々も勿論利用されている方もいらっし
ゃると思いますが、特に市外からの方が多い。また県外の方々が多い。とりわけ埼玉県、東京、
こういったところの方々がこの観光果樹たくさん利用されているのではないかということが言え
るのではないかというふうに思います。先ほど市長が、その期間の長いもの、こういったものに
品種期間の長いものを取り入れながらですね、できるだけ長い期間、来ていただいた方々に楽し
んでいただけるように今後取り組んでいきたいというご答弁をいただきました。ぜひそういう方
向で考えていただきたいというふうに思います。
 それとですね、せっかくそれだけの方々、20万人弱の方々がそういう形で沼田観光果樹を利
用されております。いま都会地の方々にとってはですね、実際いろいろな形で農業を体験をして
いるというようなことが非常にニーズが高まってきている。せっかくこれだけの方々が観光果樹
を沼田の場合利用されておりますから、他の分野、やはり市長もおっしゃったようにグリーン・
ツーリズム的、体験農業的なところへ広げていく必要性があるのではないかというふうに思うわ
けです。そういった意味で市長のお考えを再度、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) このグリーン・ツーリズムの関係につきましては、先般、9月8日付
けのマスコミ報道によりますると、グリーン・ツーリズムが人気なのだけれども、若干、体験の
民宿が非常に減退をしてきたと。新聞報道によると50軒から28軒に減ってしまったというよ
うなことが出ているわけでございますけれども、しかしこのグリーン・ツーリズムは、議員ご指
摘のとおり、緑豊かな農山漁村地域で、自然や文化、人々の交流を楽しみ、滞在型余暇活動、農
作物の収穫や川遊びなどを体験するということで、本地域にとりましてはかけがえのない産業の、
いわゆる戦略として当然考えられることでございます。私も実は、かつて県会議員在任中でござ
いましたけれども、特にロマンチック街道の、ドイツの山村地域に視察に入る機会がございまし
て、大変農家の山村、そういったところを訪れる、いわゆるヨーロッパの典型的なグリーン・ツ
ーリズム、その実態というのは花とか緑が貴重となっておりまして、非常に勉強になったわけで
ございますけれども、本地域は、当然そういったグリーン・ツーリズムを軍略的に構えてまいり
ますると、大変的を得た地域でございまして、当然そういったことは今後、先々考えられていく
というふうに思っておりますので、ご理解をいただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 先ほど市長に答弁いただいたようにですね、9月4日付けの新聞報道
では、農業体験型等の民宿が減少してきているという報道がされました。細かい分析等がされて
いませんので何とも言えないですけれども、やはり一つには、そういった体験型農業ができる民
宿、またそうした体験型農業ができる施設等をどれだけ、どうやってアピールしてきたのか。ど
れだけやはりニーズに応えられるような整備をしてきたのかどうかということが、ひとつには考
えられるのではないかと思います。現在、沼田市では、池田地区に民宿が何軒かあるわけですか
ら、当然そういった方々と協議をしながら、やはりこういった体験、宿泊型の農業ができる。そ
ういったグリーン・ツーリズム型のものをどうやって導入をしていくのか。いま言いましたよう
に、そういったものが県内において減退をしてきているというふうなことが数字として明らかに
なっているわけですから、やはりそこに向かった抜本的な戦略を持っていく必要性があるのでは
ないか。とりわけ沼田市の場合は、関越自動車道によって首都圏からの日帰りが可能なわけです
から、やはりまずそういった日帰りの方々をターゲットにしていくとか、先ほども申し上げまし
たように、観光果樹等で来ていただいている方々に、そういったことをアピールしていく、そう
いったような取り組みから始めていくということが可能ではないかと思います。そういった具体
的な手立てを講じていかないことには、なかなかこういった問題、前に進まないのではないかと
思いますが、市長としては、何らかのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはりこの数年来、議員ご指摘のとおり関越高速道路、あるいはまた
新幹線等の整備によって、今までのように宿泊客が日帰り型に変化をしてきている点、そういう
経過もございます。また、観光果樹関係で訪れる方々に、いまおっしゃっられたような形の情宣
をしていくことも必要だと思っております。そういった中でポイントは、私が側聞するところに
よると大きく2つになるかなと、こういうふうに思っております。それは、一つは、やはり子供
たちがこの大自然豊かな地域に訪れてもらって、先ほどの、午前中の質問者の、いわゆるビオト
ープ論にもあったように、都会の方々が大自然に飢えている。しかも教育上考えると、大自然の
体験が大変重要だというようなことから、どうしても子供たちにターゲットを絞っていくという
ことが一つ考えられるのではないかと思っております。
 2つ目はですね、これは私も土、日、よく市役所に来ているわけでございますが、市役所にシ
ルバー、つまりお年寄りの方々が突然訪れて、「今晩宿泊できるようなところがあったら紹介し
てください」というようなことで訪ねてまいります。あるいはまた来ているようでございます。
これもですね、やはり一つの大きなターゲットなのではないかなというふうに思っております。
と申しますのは、ご案内のとおりいま非常に景気が低迷している中で、その大きな要因として消
費が伸びないというところあるわけでございますが、その中で、相当数、貯蓄をしっかりと担保
されているのはお年寄りであると思っております。このご年配の方々に、お金をいい意味で使っ
ていただくということは、大変この景気にも役立ちますし、地域にとってもありがたいなと、こ
のように思っておりまして、そういった意味でご年配の方々にターゲットを及ぼしていくという
ことが考えられるのかなと、こういうふうに思っております。
 3つ目はですね、ご案内のとおり下田市と姉妹都市を結んで極めて長い期間、お付き合いをさ
せていただいている経過があるわけでございますが、やはり姉妹都市で、海の地域と山の地域の
交流が今まで進んでまいりました。大変、先人の方々の努力によってすばらしい成果が上がって
きたわけでございますけれども、この交流ということが一つの大きなポイントとなってくるであ
ろう。そのときに、やはり幾多の地域が都市近郊にございますので、そういった意味でいわゆる
交流というところを一つのキーワードにした形のお付き合いが、先々に都市近郊とできるような
戦略を組み立てていくことが必要なのではないかな、こんなふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) ただいま市長がおっしゃったようにですね、子供さん、それからお年
寄りの方々、それから都市近郊の町と交流を深めていくということが、これからの課題として取
り組んでいかなくてはならない。市長がおっしゃったように、そういう形で戦略、方向性、課題
というのがはっきりしてきているわけですから、それに向かって具体的にどうしていくのか。ま
ず何から手を付けていくのかということが、やはりこれからの中では必要になってきているので
はないか。これから新年度に向かって何らかの具体的なアクション等を起こしていただきたいと
いうふうにお願いをしておきたいと思います。
 市長は長年、県議もお務めになられてきましたから、このグリーン・ツーリズムに対する県の
支援事業があるということはすでにご存じだとは思いますが、農政部の、中山間地域振興対策、
グリーン・ツーリズム対策としてですね、県は今年度2,161万1,000円の予算を付けて
いるということで、県もこうした事業に積極的に取り組んでいる。前向きな姿勢で取り組んでい
るわけですから、こういった県とも協調しながら取り組み、先ほどおっしゃったように宣伝をど
うしていくのか。そういったことも含めて考えていっていただきたいということを重ねてお願い
をしていきたいと思います。
 続いて、沼田公園長期整備構想についてですが、これまでの取り組みの中で、発掘調査が具体
的には中心として行われてきたと。そういった中で、二重櫓に続くところで石垣が発見をされた
り、これまでの発掘調査の中で金箔瓦が出てくるといったようなことがあります。しかし具体的
な、この沼田公園長期整備構想の整備と言った点ではですね、冠木門ができたくらいではないか
なと、私としては認識せざるを得ない状況にあるのではないかというふうに思うのですが、やは
りこの間、こうした計画構想を策定して以来、思うように進まなかったところの原因としては何
があったのか。どういったものがあったのかということについてはどのようにお考えなのか、お
聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 それぞれの関係する手立ての発掘調査等を済ませてきた中で、結局、今後、発掘調査をしてい
くということになりますると、現行のいろいろな施設がレイアウトされておりまして、この施設
を移動しないと発掘に入れないというような実態がございます。そういうようなことから、どう
しても現行のいろいろな施設の移動ということになったり、あるいはまた、それをしなければな
らないということになってきますると、関係団体であるとか、あるいはまた市民が、いわゆるそ
の公園を大変好んで、愛している中にあって、市民合意形成をとっていくのに大変な状況にある
というようなことになります。ですから今後、これらを考えてみるときにですね、現行ある施設
に対する、いわゆる対応をどうしていくかということをしっかりと見定められないと、なかなか
先々の発掘が極めて難しいというような状況にあるのではないか。こんなふうに認識をしており
ます。
◇10番(大東宣之君) 現在の沼田公園、いろいろな施設、体育施設等含めていろいろあって、
これらの移転が進まないことには発掘調査等もできない。これは市長がおっしゃったとおりでな
かなか難しい。また微妙な、慎重に対応せざるを得ない。そういった課題ではないかというふう
に思います。当初予定をされていたテニスコートの移転もですね、計画どおりに進まなかったと。
また、英霊殿、この移転についても非常に難しい課題ではないかというふうに感ずるわけです。
こうした中で、発掘調査をこれから先、進めていくといっても、なかなか難しい状況にあるので
はないかというふうに思います。
 こうした中でですね、この沼田公園長期整備構想のフィールドミュージアムとしての野外博物
館構想として、周辺の小沢城址、川田城址、いろいろありますが、そういったところも整備をし
てはどうかというようなことが提起をされておりましたが、現状、沼田公園については非常に難
しい状況があるわけですから、そういった小沢城址だとか、他の場所についてですね、できると
ころから整備をしていくと、調査をしていくというようなお考えがあるのかどうか。お聞かせい
ただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この沼田市の公園のいわゆる整備関係の問題は、先年から大変沼田市
の将来を、ある意味においては左右すると言っても過言でないほど大きなプロジェクトであると
いうふうに認識をしております。そういった形の中で、先ほど議員ご指摘のとおり、なかなか現
行のところの部分が市民に愛されて、定着をして、しかも公園としての機能を十二分に果たして
いることから、そこのところの発掘がなかなか難しい状況にもあるということをご理解いただけ
たようでございまして、大変私どももそういう意味では非常に議員のおっしゃっている意が一致
したなと、そんなふうに思っておりまして、大変先々に対する対応も、何とか前に進めていきた
いという気持ちを新たにしながらも非常に安堵していたわけでございます。
 そういった中で、この小沢城址と川田城址等のお話しが出たわけでございますけれども、これ
らについてはですね、今後、関係機関と調整をしながらいろいろと判断しなければならないと思
っておりますが、どうしても公園のところに目線が注がれて今日まで来ているわけでございまし
て、そういった意味でいまおっしゃっられたことについてはですね、十二分に参考にしながら、
今後に対処していかなくてはならないかなと、こんなふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) 現状の、沼田公園での発掘調査が困難、なかなか城の設計図等といっ
たような資料も残されていない。正保の絵図だけというのが現状というふうに言われている中で、
そういった関係資料を収集することも難しいというふうになってきているのが現状ではないかと。
できるだけ、できるところの発掘調査はやはりやっていただきたいし、できるものならばいろい
ろな資料を集めていただくために更に再度、努力をしていっていただきたいというふうには思い
ますが、現状ではなかなか難しいとは思うのですが、例えば小沢城址、それから川田城址、そう
いったところの整備等なのですが、小沢城址については、近年、大きな構築物が建てられる。そ
れは所有者の方々の意向ですから、そういったことについては致し方がない側面もあるわけです
が、結果として、城址という場所にそういった構築物があることがどうなのかというような判断
も必要ではなかったかという気がします。これからいろいろな沼田の中に残っているこういった
史跡等の中にですね、いろいろなものの開発等がされていく可能性もなきにしもあらずではない
かと。そういったときにですね、やはり沼田市として、こうした沼田公園長期整備構想に基づい
てどうなのかというようなことについて、十分な検討等も必要になってくるわけですから、そう
いった沼田公園以外の場所も、保存や整備についても関係の方々、地権者の方々、市民の方々と
十分協議も進めていくということがもうすでに必要になってきているのではないかというふうに
思います。そういったことについて、市長はどのようにお考えなのかお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) フィールドミュージアム、野外博物館構想、これが沼田公園にある意
味においては集中して言及されてきたのではないかと思っておりますが、フィールドミュージア
ム、野外博物館の理念からしてまいりますると、1点集中主義というより面的に各所に散在をし
て、そしてそれらを起こしているということになるというふうに、私自身は認識をしております。
そういったことから今おっしゃられたようなことについては、大変、重きをおいて、傾聴に値す
るご提案だというふうに思っております。ですから、いま言われたような人に公園、あるいは城
址のみならず、神社仏閣も含めて、各地域に点在をするところの歴史的な遺産関係については、
まさに注視をしながら、それらのものをうまく活用し、また、掘り起こしていく形の中のネット
ワークが講じられると、そこに必然的にフィールドミュージアムが構築されてくると。こういう
ふうに認識をしておりますので、ご提案の趣旨は重きをおいて傾聴に値することである。重ねて
申し上げておきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) ぜひですね、沼田公園だけでなくて、この真田にまつわるものを含め
て、沼田市全域にたくさんあるわけですから、またぜひそういったところの調査等をしていただ
きながら、やはり保存できるものはぜひ保存していっていただければというふうに思います。沼
田公園、現在さまざまな形で市民の方々から愛され、活用されているという中で、天守閣を作っ
ていくということになると、非常に微妙な問題、難しい問題、慎重に対応せざるを得ない問題、
たくさんあるのではないかというふうに思いますので、できるところからの調査、発掘活動は続
けていただきながらも、十分慎重に対応していっていただければというふうに、最後に重ねてお
願いを申し上げたいと思います。
 続いて、市町村合併について質問を移らせていただきたいと思います。
 これまでの説明会の中で、参加をされた方々からは、合併をやった方がいいんだという意見が
多かったというようなご答弁をいただいたわけですが、参加をされた人数の方は極めて少ないの
ではないか。特に8月に行った新市構想に基づく説明会は、10カ所で280幾人かではなかっ
たかと。最後もう1カ所やって、団体の方に集まっていただいた方を含めても400人位、有権
者の数からいって2%にも満たない。そういった方々しか参加を得られなかったと。これは極め
て残念なことですけれども、現状がそういうことではないかと。こういった中で参加をされた方
々が、たまたま合併を進めた方がいいよという意見が多かったからと言って、市民の方々全体が
合併を進めるというふうには判断はできないのではないかと思いますが、市長はどのようにお考
えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員おっしゃったようにですね、参加者の数が、8月11日の中央公
民館が30人、8月12日の保健福祉センターが27人、8月12日の高橋場の住民センターが
28人、8月18日の池田公民館が40人、8月19日の下町の住民センターが25人、8月2
0日の上原町の公民館が29人、8月21日の利南公民館が35人、8月22日の薄根公民館が
25人、8月23日の中央公民館が36人、8月23日の川田公民館が10人、地区に285人、
任意合併協議会の前日でございましたけれども、団体の関係について呼びかけたところ124人、
409人でございました。これはその後でございますが、私ども市の職員にも説明会を開催をさ
せていただきまして、167人、576人というような数字になっております。
 また、これは午前中の答弁と同じようなわけでございますが、任意合併協議会の立場から、利
根沼田の団体に呼びかけて昨日、本日、明日と行うことになっております。議員ご指摘のとおり、
この数値を見ている限りでは、非常に少なかったということでもって、市長の立場からも残念に
思っているわけでございます。しかしながら、市の、行政側の立場からすると、これらの関係に
ついては、あらゆる機会をとおして周知をしてのことでございましたので、住民はそういった会
合があるということを認識をしながらも、いろいろな諸事業で出られなかったのではないかとい
うふうに思っております。そういったことから、やはりそこに集まった方々のご意見というもの
は十二分に参考にしなければならないというふうに思っておりますので、先ほど答弁したような
ことを申し上げたわけでございます。
 なお、ご心配をされている関係等についてもですね、18歳以上の方々に、一人のご家庭につ
いても、1軒に一人というのではなくて、全市民ですか、18歳以上、外国人まで含んでアンケ
ート調査を現在させていただいているわけでございまして、そういった意味で一生懸命考えても
らいたいという努力をしてきたということはご理解いただきたいと思っております。
 なお、ご案内のとおり、5月の下旬から6月の29日にかけても8箇所で行いまして、このと
きは合算をいたしまして197人というようなことでございまして、会場設定からまいりまする
と18回行ったと、こういうことになろうかと思っております。で団体の関係等加えております
るし、で市の職員等の関係等についても説明をさせていただいた経過がございます。ただやはり
周知をして、そしていろいろな都合で集まれなかったのでしょうけれども、それは市の側からす
ると、皆さん方にお集まりいただきたいという中で出てきた意見は、やはり重きを置いて聞いて
いかないと、それでは具体的に、他の方法のご意見をいただくような方法があるかというと、な
かなか今回のような方法の右に出る方法が見当たりません。そういうようなことから、参加人数
が少なかったとは言いながらもですね、ここから出た意見は十二分に参考にしていかなければな
らない。こんなふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) 出た意見については、十分に参考にしていきたいという市長のお考え
については、それはそれとして理解させていただきたいとは思いますが、現状、参加者が少なか
ったということは、いま市民の間にこの市町村合併という問題が大きな問題となっていない。十
分な認識がされていないということの現れの一つではないかというふうに思いますが、市長とし
てはどのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
 それから、ただいま市長としては、これからすでにもうアンケート、私の家も届きましたけれ
ども、葉書、アンケートで意向調査をしていきたいというようなご答弁をいただきましたが、こ
の葉書にバーコードが打ってある。これは誰が出したのかがわかるのではないかという気が、私
が見てまず最初に思ったのですが、何らかの目的があってこれがされたのかどうか。併せてお聞
かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご質問にお答えをしたいと思います。
 いまおっしゃっられたことの中で、市の行政を預かる立場からいたしますると、時代の状況で
あるとか、あるいは経済の崇敬であるとか、そういったことを考えたときに、やはり私自身も選
挙で選ばれた人間であり、行政に携わっている人達も地域住民の奉仕者としてがんばっていると
いう形の中で、場面、場面によっては、高い見地から判断をして、そして地域住民の方々にメッ
セージを伝えていかなくてはならないという、そういう責任もあろうかと思っております。です
から、確かに参加人数が少ないことが、これが合併に関する関心が、地域住民の方で少ないので
はないかというふうには、一概にはとれないのではないかと思いますけれども、ただまちがいな
く、参加人数が少なかったということは率直に認めながらも、しかしやるべき手続きをしてです
ね、そして承った意見をしっかりと参考にしながら進んでいくということが大切なのではないか、
こんなふうに思っております。
 バーコードの関係につきましては、総務部長の方から答弁をいたさせます。
◇総務部長(青木忠昭君) 命によりましてお答えいたします。
 バーコードの問題でございますが、このバーコードは郵便局から要請されまして、郵便番号と
いうことでございますので、ご理解願いたいと思います。
◇10番(大東宣之君) 最初に、バーコードの件から確認させていただきますが、これによっ
て個人を特定できるものではないということで理解をしていいのかどうか。それだけまず確認を
先にさせていただければと思います。
◇総務部長(青木忠昭君) そう理解してもらって結構でございます。
◇10番(大東宣之君) その件についてはわかりまた。
 先ほど市長がおっしゃった、参加人数が少なかった件について、市長も残念だったというふう
にお感じではなかったかというふうに思います。市長として、市のトップとして、やはりこれか
らのまちづくり、市町村合併だけでなくいろいろな点について、自分としてはこういうふうにや
った方がいいのだと、こういうふうにやりたいという思いを、やはり市民に伝え、そしてそれに
向かって市長として取り組んでいかれる。そういう姿勢というのは、いろいろな場面、場面にと
って必要なことではないかということは重々承知をしておるつもりです。そういった中で今回の
市町村合併に向かって、市長としては、基本的に、市町村合併に向かって突き進んで行くのだと
いうことで理解をしていいのかどうか。前回の任意合併協議会の中で、法定協議会に移行すると
いうことを、他の町村長に先駆けて表明をされているわけですから、そういう認識でいらっしゃ
るということでいいのかどうか確認させていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 正式には、今月の22日の日に任意合併協議会が片品村の方で開催を
されますので、そちらの方で意思表示をして、始めて正規な意思表示になるわけでございますが、
私どもの考え方からいたしますると、1市2町6カ村の任意合併協議会をスタートして、それぞ
れお互いが苦労し、積み上げてきた経過がございます。ですので、その今までの経過や実績、経
験を大切に生かしていくために、法定合併協議会の方へ臨んでいく姿勢でおりますので、ご理解
をいただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 先ほど同僚議員の質問の中で、市長が今回の市町村合併の問題、全国
的な市町村合併の問題で、特にこの利根沼田の市町村合併について、地方自治法、分権というよ
うなことを非常に重きをおいておられる向きの答弁がされました。合併しなくてもそれはできる
のではないかというふうなのが、率直に言って私の意見なのですが、市長としては今回の合併問
題の中で、そういった地方自治の確立、分権の基盤強化に向けて取り組んでいきたいということ
のお考えではないかと私、お聞きをさせていただいて、自分なりに考えたわけですが、ただそう
いったことがこの利根沼田の方々、市町村長の中の共通の認識となっているのかどうか。という
のはね、私は若干疑問に感ずるところですけれども、一体いま、利根沼田1市2町6カ村、本当
に一体となっているのかどうか、この市町村合併について。かなりの温度差があるのではないか。
そういった中で市長が法定協議会に参加をしていく。そしてさらには1市2町6カ村の合併に向
かって進んでいくということが可能なのかどうかということも一つの疑問、不安な材料としてあ
るのではないか。先ほども申しましたように、片一方では、市民の住民説明会に対する参加の状
況、そして近隣の町村の状況、それぞれの判断、いろいろな声が出ているようですけれども、そ
ういった中で1市2町6カ村の市町村合併というのが現実的な課題としてなり得るのかどうかと
いうのが非常に疑問だなあというふうに私は感じているのですが、市長としてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) 地方分権の関係について、合併しなくてもそれは可能ではないかとい
うことのご指摘でございました。まず1点目の質問がですね。確かに市町村単独でいくというこ
とも、当然これは選択肢として考えられるわけでございます。ただ、私も一昨日、国の方の合併
の対策課長にお会いをしてまいりましたけれども、現行の交付税の、あの24兆円の内訳の話で
あるとか、先々にこの平成15年度の24兆円の交付税の関係等が先々に常に自主財源をもって
して担保できる補償がなく、しかも目減りをますますしていくというような形のことを承ったり、
これからそれでは、平成17年以降に財源措置があるや、なしやと。まったくありませんという
ような話を聞いたり、いろいろ総合的に判断をいたしますると、なかなか平成12年から15年
まで、確か私の記憶に間違いなければ42億円くらい利根沼田の交付税の措置が落ちております。
これは年間に直すと概ね15億円になると思っておりますので、大変厳しい状況にある。ですか
らやはりいろいろな自治体の方々から、有識者から、合併をしなくもいいなら、しない方がいい
なら、いろいろな諸状況の中から、ここのところはやはり打って出なければならないなというよ
うなことも暫し伺いました。ただ、この合併をしたことによって、午前中の質問者にもお答えを
したとおり、行政サービスが低下をして、しかもしかるべき部分に一極集中になることは避けな
ければならないというようなことから、いま言うように、地方分権の命題にふさわしい形の合併
をしていくということがやはり大切なのではないかと、こういうふうに思っておりまして、いろ
いろな機関に万度申し上げて来たような具体的な方策を示してきたわけでございます。
 後段の質問の、町村長がですね、温度差があって、市長が言っているように地方分権とかそう
いったところの部分の認識がまだアンバランスではなかろうかと、こういうご指摘でございます
けれども、私どもが沼田市議会の場において、町村の主要な部分については言及するということ
は、大変僣越だと思っておりますので、差し控えさせていただきたいと思いますけれども、今月
の22日には、1市2町6カ村が明確に述べられると思いますので、そのときを得ないと町村長
がどういうお考えになっているかということは、私自身がここで把握するすべもございませんの
で、22日の日にならないと、なかなか今のご質問に対してのお答えができないと、こういうふ
うに思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
 ただ、日々の中でですね、町村長の中ではやはりいろいろと温度差があるということも、これ
また否定できないところがあろうと、こういうふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) 財政状況、今後、大変厳しくなってくるであろうというお考えが示さ
れたわけです。三位一体の改革で地方財政はどうなるのかと。これはもう全国どこの市町村長に
とっても不安な課題ではないかというふうに思います。だからといって、市町村合併をして豊か
になれるのか。財政が未来永劫にわたって安定できるのかという補償はどこにもないのではない
か。利根沼田任意合併協議会で作った資料でもですね、15年後には、2018年度、平成32
年度にはすでに赤字に転落をしてしまうと。合併をしても転落をしてしまうということがもうす
でに明らかになっています。先日、沼田市の単独でいった場合の財政推計が出されましたけれど
も、やはり2018年度、平成32年度には合併をしたときと同じくらいの赤字になってしまう。
170億からの赤字になってしまうということが資料として示されました。しかし、一般的にど
この家庭でもそうでしょうし、市町村もそうだと思うのですが、赤字にならないような努力を今
までも沼田もやってきたし、これからも当然やっていくことではないかと。だからなぜ合併にな
るのか、財政問題を理由とした合併になるのかというのは、私はよくわからないというのが率直
な意見です。鳥取県片山知事、議会でこういう答弁をされたそうです。これは議員の一般質問に
本会議で答えたそうですが、「巨額の債務に恐れおののいて夜逃げするような合併が見受けられ
る。合併は避けた方がよい。大きな市が周辺を帝国主義的に養殖していこうとするのは勘違いが
あるのではないか」というようにお答えをされたそうです。やはりこの片山知事というのは私は
もちろん面識はないわけですが、市町村合併については、大体3万人規模が望ましいということ
で、小さいところは合併しなさいというようなことは言っているそうな知事さんらしいのですが、
ただ今の市町村合併についてはですね、やはり財政問題だけをとらまえて進んでいくようなやり
方では問題があるのではないかというような警鐘を鳴らしておられるというふうに思います。や
はりこれからのまちづくりをどうしていくのかということを真剣に考えていく必要があるのでは
ないかと。その中からどういうまちづくり、そのためには何が必要なのかということが当然導き
出されてくるのではないかと思います。先に合併ありきではないと私は感じます。
 それで、もう一つお聞かせいただきたいのは、8月、市民説明会が行われました。この中には、
沼田市が単独でいった場合の財政推計が出されなかったのではなかったかと思います。各町村は
それぞれ合併をしたときの財政推計、それと合わせて単独で行った場合の財政推計が出されて、
それで、住民の方々に判断を仰ぐというようなことがされてきた。しかし沼田では、住民説明会
が終わって議会に、ようやっと沼田で単独で行った場合の財政推計が出された。なかなかいろい
ろな形での情報公開、これでは他の近隣町村と比較をしても進んではおらないというふうに言わ
ざるを得ない状況もあるのではないか。こういった中で、市町村合併についての判断を仰ぐとい
うのにも無理が当然生じてくるのではないかというふうに心配をするわけですが、市長としてお
考えはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まずですね、大きく3つくらい承ったわけでありますが、常に時代の
流れが進んでいく中で、剣が峰に立たされる歴史的な節目みたいなのがございまして、言うなれ
ば、進むのも大変、しかし現状で行くのも大変、さあどっちを選択したらいいのかということが
常に問われるという時代の節目があるように思われます。先般、たまたまNHKで、板垣退助の
あまりにも有名な「板垣死すとも自由は死せず」という弁を述べられた方でありますが、明治の
時代に入ってから、いわゆる明治の新政府の重鎮の方々が、征韓論でもって大きく意見が分かれ
るわけでございます。結局、大久保利通の側の方々の征韓論阻止が、時代の流れの中で勝ってい
くわけでございますが、そこで負けた側の、特に板垣退助と西郷隆盛がですね、負けた中で先々
の選択が2つに大きく分かれてまいります。一つは、旧武士の関係者を糾合して、西南の役に打
って出て、そして武力でもって当時の明治維新政府と渡り合うという一つの選択、もう一方にお
きましては、在野から自由民権運動を起こして、立志者を壮絶して、最後は、民選議員設立建白
書を出して、国会の解説に結びつけていこうとする板垣退助のいわゆる取った生き方。結局これ
は後で判断してみますると、板垣退助がとった方が正しかったというふうに、これは歴史はそう
いうふうに見るのではないかと思っております。そういったときに、今のこの時代も議員がおっ
しゃっるように、合併をしたって財政の補償は先々に行けば厳しいよという指摘もわからないわ
けではない。しかしさりとて、しなければしないでもっと厳しい状況がある。時代に応じた形の
中の選択をしていくということは、今までのこの利根沼田の歴史的な経過を考えると、時代の趨
勢に叶った選択、それをしていくことの方がこの剣が峰のところでは良いのではないか。こうい
ういうように市長は判断をしております。
 さらに、鳥取県の片山知事がですね、いろいろと現行の合併が非常に弱者がつぶされていくと
いうような感のこういったご説明なり、あるいはまた3万人なりがいいのではないかというお話
し等も議員の方でもって学習し、そして研究されたようでございますけれども、やはり人数の数
値がどのくらいがいいかということは、これは地理的な状況とか、あるいはまたそこの都市の産
業構造とか、何がベストであるかということは、なかなか私は言い切れないのではないかと思っ
ております。ちなみに、この問題が惹起されたときには、全国の3,000の市町村を300く
らいに落とそうというようなことが言われたのです。となると一つの自治体が40万人という数
値になるわけでございます。ここへまいりまして、10万人くらいがいいのではないかというよ
うなことも言われております。ただご承知のとおり、どの員数がいいのか、どの形態がいいのか
ということは、決してベストな選択というのははっきり言ってなかなか見つけるのは容易ではな
い。だからよりベターな選択を、やはり選択していかざるを得ないのではないかというふうに思
いまするときに、今回は、利根沼田は兼々広域圏が進んできたので、それがベターだったのでは
ないかというふうに思っております。
 さらに、説明会の関係で、いろいろと市の財政等の関係の紹介がなかったのではないかと、こ
ういうふうなことでございますけれども。ご承知のとおり、説明会に至りましては、十二分にス
ライド等通して、そして資料も用意して臨んでいた中で、ご質問等があればしっかりと説明がで
きる体制で臨んでいたということはひとつご理解をいただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 3万人がいいと言ったのは私でなくて片山知事ですから、その辺は認
識をしておいていただければというふうに思います。
 それとですね、この8月に行われた市民説明会、任意合併協議会の事務局の職員の方々、市の
職員、市長をはじめとして話は非常にわかりやすかったのではないかというふうに私も感想を持
ちました。ただですね、これから市町村合併をしようという大事なときに、いろいろな資料、判
断材料が提示をされたかどうかという点では疑問を感じざるを得ないというのが率直な感想です。
先ほども言ったように、沼田市の場合は単独で行った場合の財政推計が出されなかった。回りの
町村は結構出して、住民の方々に比較、検討していただく。そういうようなこともやってきまし
たが、沼田はその場においては出されはしなかった。それといま、沼田が合併をしようとしてい
る町村の状況はどうなのか。沼田は非常に借金が多い、借金が多いと。そんなところと合併をす
るのはいやだと。近隣の町村の方々はおっしゃっる方もいらっしゃいます。しかし人口一人頭に
すればですね、沼田の借金というのがいちばん少ない。巡りの町村はもっと多いところがたくさ
んあるところもある。そういうこと。
 それから、土地改良事業で債務負担行為をやっていて、表にどれだけ借金があるのか、そうい
うことが含まれていない。そういった村もある。税収が全然入らない。滞納が多くてにっちもさ
っちもいかない。年度予算が組み立てられないような危機的な状況にある。そういうようなこと。
これはちょっと悪いことばかりで申し訳なかったのですが、そういったことを赤裸々にさらけ出
して、本当に沼田がこういったところと合併をして新しい町を作っていくのだというようなこと
を判断できるだけの材料を出したとは思えない、私は。それで10月に法的協議会を立ち上げ、
合併に進んでいくというのにはやはり問題があるのではないかと思いますが、市長としてお考え、
再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、本利根沼田地区は、広域圏行政が非常に順調に、し
かも立派に進んできた経過がございます。これにつきましては、本市の歴代の先人の市長さんを
はじめといたしまして、各近隣の町村長さんたちをはじめといたしまして、広域議会に関わった
先輩の方々の並々ならぬ努力の賜物だと思っております。いまおっしゃっられた負の面のことが、
例えば債務負担の問題であるとか、あるいはまた現行の財政の問題であるとか、いろいろと議員、
研究されたことのご紹介がございました。私どもも、近隣の町村の方からいろいろと揶揄されて
言われていることもあるのでございます。ただ、自治体を、あるいはまた地域を運行し、あるい
はまた進めていくためには、やはりお互いが肩を寄せ合って助け合っていくということが基本に
なければならないと思っております。そういったときにですね、お互いに負の面があれば補い、
そして良の面があれば、それを近場の人間に差し出してあげる、あるいはまた当方が弱ければ、
それを応援してもらうというような互助の精神がしっかりと築かれていかなくてはならないと思
っております。そういった観点から考えますると、いま議員がおっしゃったように、数値の設定
等々について、必ずしも十分ではなかったかとは思いますけれども、相当説明の中ではですね、
私自身も意識的に、いまおっしゃっられたようなことについてはですね、触れたつもりでござい
まするし、また、任意合併協議会の事務局も、そういったことについては相当時間を割いて説明
したというふうに理解をしておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 10年間合併をしなかったときと同じ、合併をした場合ですね、合併
をした場合10年間は、合併をしなかったときと同じ地方交付税が交付をされるということにな
っております。で5年後、5年間の間に段々と調整と言いますか、削減をされて、合併をして新
しく誕生した市の本来の地方交付税の額ということが、15年以降はずーっと続いていくという
ことになっている。前もお話しをしたのですが、今の県内の人口規模で見ると、桐生市と利根沼
田が合併したときと大体事業規模が同じですから、地方交付税そのくらいになってしまうのでは
ないかという感じがするわけです。単純にそういうふうにはならないと以前お答えをいただいた
わけですが、人口規模からいけばですね、大体似たか寄ったかになるわけですから、そんなふう
になるのではないか。ただ、元々自主財源の力が弱い利根沼田の市町村ですから、合併をして大
きくなった分、かえって財政的には厳しくなるのではないかと。どうしても地方交付税に頼らざ
るを得ない、そういった地域ですから、それが地方交付税が削減をされていくということになれ
ば、ますます厳しい状況が生まれるのではないか。ですからどれだけそういったことも含めてで
すね、これから市民の中に伝えて、それから本当にこの合併についてどうなのかという判断をあ
おぐべきではないかと思いますが、市長としてはどのようにお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま交付税等の関係に言及されてのご質問で、しかも市民の方々
にできるだけ説明をしていくようにと、こういうご指摘でございますが、今回の、昨日、本日、
明日と行われる説明会についても、私の方が率直なところ指示をいたしました。必要があれば、
任意合併協議会の方ではスタッフを作って、どこにでも説明に行くという体制になっております。
ですから、当然関係する団体等々からお話しがあれば行って、スライドを持って説明の出前と言
ったら大変失礼でございますけれども、する体制になっております。仮にですね、法定合併協議
会に入っていったとしても、当然、場面、場面でそういった説明ということは必要になってまい
りまするし、常にその最後の成就ができるまでは、しっかりとした説明をしていくという認識を
しておりますので、どうぞ議員の方で、こういったところでという話があれば、任意合併協議会
の事務局に言ってもらえれば、すぐさま準備を整えて、説明に行く形になっております。これは
全く別個の事でありますけれども、先ほど、午前中にも答弁いたしましたが、昨日と今日にかけ
て大分の佐伯市の方へすぐに視察に行って来た方がいいというふうに、指示を私の方からも実は
いたしました。それはなぜかというと、利根沼田において9市町村で法定協に入ったという事例
を見たからです。ですからそういった場面、場面の、節目、節目の大きなところでは、こういっ
た対応を出来早にしていきたいというふうに思っております。
 また、交付税の関係につきましては、総務部長の方から補足があれば説明をしていただければ
と、こういうふうに思っております。
◇総務部長(青木忠昭君) 後段のご質問の交付税の関係でございますが、10年、それから1
5年ということでお話しがございましたが、そのとおりでございます。じゃあ合併しない場合と
した場合、どういうふうになるかということですが、現在の水準で考える以外ないわけでありま
して、議員さんたちにお配りした資料も、現在の行政水準を保つならばということで推計した数
字でございます。それが平成32年には170億円余の赤字になるということで、実際は赤字に
なるような行政運営はしないわけでございますけれども。それは行政水準を落として帳尻を合わ
せていくということになるわけでございます。それと合併した場合としない場合でございますけ
れども、それはしないで1市2町6村、利根沼田がですね、いった場合、じゃあこれから平成3
2年頃どうだということまで、いま想定すれば、しない方が、確かに地方交付税は1市2町6村
を足した方が大きいでしょう。しかし行政水準は、した場合は相当落とさなくてはならないとい
う推計がされます。というのは、した場合、交付税は勿論、10年過ぎてから段階的に5年間で
落ちていきますが、15年後、平成32年には落ちますが、しない場合よりは全体的な、いわゆ
るスタッフが削減できるわけですから、そういう部分は交付税に算入される基準財政需要額につ
いてはカウントされなくなります。その部分だけ減るわけでございますので、交付税、総体的に
はした場合でも落ちます。ですけれども、した場合としない場合では確かに足し上げれば交付税
は1市2町6村で多いかもしれないけれども、した場合には少なくなるかもしれないけれども、
それはスタッフ部門が少なくて済むわけですね。一例を挙げますと、財政課が、いま沼田市では
係りが3人、課長は管財も担当しますから0.5、若しくは3.5でやっているわけですから、
利根沼田、いま10幾人で財政を担当しているわけです。それが7、8人で済むとすればですね、
半分以下で済むというようなこと。例えばの話ですね、そういうふうになります。例えば会計課
も、いま水道係りが4人でやっていますが、利根沼田を足せば10幾人になると思います。収入
役さんも、1市2町6村すべているかどうかというとちょっと疑問でございますけれども、いる
とすればですね、9自治体にいるわけでございます。それが一人で済むということになれば、い
わゆるスタッフの方が落ちるということになりますので、行政需要は落ちてくる。それだけカウ
ントされないということですから、した場合は需要は落ちるということですから、交付税も落ち
るということになりますが、再度繰り返しますが、1市2町6村がしない場合は、交付税も落ち
ますが、それは足した場合は、した場合よりは多いですけれども、削り取られる部分が少ないた
めにですね、行政水準はいま以上に、した場合よりは、しない場合の方が落とさなくてはならな
いということは、あえて申し上げておきたいと思います。
◇10番(大東宣之君) 合併しても、この利根沼田、新しく誕生した市が、町が、豊かになる
という保証はどこにもない。もともと自主財源の比率が弱い市町村、それが一緒になったからと
いって金持ちの市になるわけがない。10年間は何らかの形で地方交付税がずーっと来る、11
年目から段々減ってきて、15年、16年目以降からその元の、本来の地方交付税になる。それ
はよくわかります。しかし元々自主財源が低い、そういった中に来て地方交付税が大きく減らさ
れる。それでやっていけるのかどうか。16年目以降はどうなるのか。そういったことも含めて
議論をしていかないと、この市町村合併、本来の議論にはならないのではないか。そういうふう
に思うわけです。ですからこの市町村合併について、さらに時間をかけて議論をすること。それ
が今必要ではないかというふうに感じています。任意合併協議会から法定協議会に移った中で、
最終的にどうなるのか判断をされる。その時々で当然市民からの意見集約をされる。そういう取
り組みがされていくということを最後お聞かせいただいて、私の質問を終らせていただきたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が、合併しても先々に財政の関係の潤いのある形の保証はないだ
ろう。さりとてこれは、単市単町単村でいった場合にじゃあその保証はあるのかというとこれも
厳しい。先ほど言うように、厳しい剣が峰のときには、やはりどちらがよりベターなのかという
ことを判断基準にしながら、将来に過ちのないように対応していく必要があるのではないか。当
然、いろいろな場面、場面で市民の方々のご意見もできるだけ拝聴しながら対応していく。こう
いったことで今後も進んでいきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと
思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時10分休憩
─────────────────────────────
午後2時20分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井之川博幸議員。
〔9番 井之川博幸君登壇〕
◇9番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 今回の私の質問は、住宅政策について、観光政策について、県有施設跡地利用計画についての
3点であります。
 まず、住宅政策についてお伺いいたします。
 人口も、経済も右肩上がりで伸びてゆくことは、この日本においてはもう期待できない時代に
突入しています。それどころか、今の政治のもとでは、現状維持さえも危ない状況です。経済は、
長期の不況が続いていますし、人口においても、少子化が進み、2006年をピークに人口が減
少するというような予測さえ出されています。
 このような社会状況の中で、自民党流政治の浪費政策で国の財政は破綻寸前になる中、地方や
国民にそのしわ寄せを押しつけ、地方や国民を犠牲にして、乗り切ろうという動きのひとつが、
いま市町村合併の押しつけに現れています。
 地方自治体にしても、80年代のリゾート法などに飛びつき、大規模開発によって活性化させ
ようと貴重な財源をつぎ込み、バブル崩壊によって多額の債務を抱え、税金で穴埋めしている市
町村は数多く見られます。いずれにしろ、地方自治体も財政的には厳しいことは変わらず、先行
き展望が見いだせず、国の進める「合併」に目先の展望を見い出さざるを得なくなっているとい
うのが現状ではないでしょうか。
 このような時代だからこそ足元を見て、着実に前進させていくことが重要ではないかと思いま
す。
 本市が第4次総合計画で掲げている人口目標は、平成17年に4万9,000人ですが、思う
ようにはいっていないというのが現状です。人口増を図ることは総合計画でも述べられているよ
うに活性化の一つの柱です。しかし、先ほどから指摘しているように、大規模な開発などは時代
に合いません。地道に定住人口を増やしていく以外にないのではないでしょうか。
 その施策の一つとして、住宅政策があります。第4次総合計画では、第4節快適な住宅環境整
備として、1、公営住宅の整備・改善・2、優良な持ち家取得の支援、3、沼田の特性を活かし
た住まい・まちづくりの推進としてそれぞれ施策が掲げられてはいますが、なかなか計画通りに
進んでいるようには見えません。経済的な変化なども影響しているわけですが、今こそハード、
ソフトともに加味した、時代に合った人口定着などを視野に入れた総合的な住宅環境整備が必要
なのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
 さらに、総合計画に掲げられている、沼須住宅団地造成事業計画の見通しについてお伺いいた
します。
 続いて、沼田市住宅マスタープランについてお伺いいたします。
 平成10年3月に策定された「沼田市住宅マスタープラン」によって、市営住宅の整備は計画
的に整備改善を進めることになっています。しかし、耐用年数が経過している住宅は、策定時に
15団地中7団地でしたが、今では半数を超えてしまいました。計画では、耐用年数を超えてい
た7団地については、第1次再生団地として、10年間で建て替えを推進する計画になっており、
平成13年度に上原団地の再生計画が終了し、14年度から谷地端団地の建て替えが始まってい
る計画です。しかし、残念ながらほとんど進んでいないというのが現実ではないでしょうか。マ
スタープランに基づく市営住宅整備の計画進行状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
さらに、現在の待機者数についてもお願いいたします。
 マスタープラン策定に向けての入居者の意向調査の分析が載っていますが、その中で「敷地内
道路に関する意見のほとんとが、雨の日はぬかるみ、晴れた日は砂埃がすごいので舗装してほし
いとの要望があげられている」と紹介されています。市もこの要望に応えて、市営住宅内の道路
については、下水道の整備が済んだ団地から順次舗装整備していくという方針であったと承知し
ているところでありますが、整備計画の見通しについてお伺いいたします。
 次に、観光施策について、観光案内の充実についてお伺いいたします。
 昨年度の途中からグリーンベル21の空きフロアー対策として5階に「沼田ふるさと館」を開
設したわけでありますが、私も何度か足を運びましたが、残念ながら閑散としているという印象
です。
 また、計画中の沼田駅前整備の中に観光案内所が入っています。過去にはサラダパークがその
役を担う計画もありましたが、これも今の時点ではそこまでいっていません。
 総合計画の、3、観光客受け入れ体制の充実では、観光案内所機能の充実を図るとなっていて、
主要事務事業の概要では、観光ボランティアの育成などとなっています。今年度の観光宣伝事業
として、観光ガイドのモデルケースやボランティアの事業に取り組むという説明もありました。
観光案内の拠点設置について、さらに観光案内ボランティアについての状況とお考えをお聞かせ
願いたいと思います。
 また、観光事業の発展のためには、観光客のニーズをつかむということが、もっとも大事なこ
とのひとつではないでしょうか。その方法として観光客自身から直接意見を聞くことができる、
観光客を対象とした観光アンケートの実施についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 続いて、観光拠点の道路整備についてお伺いいたします。
 玉原高原は、いまや本市の観光の拠点であるといっても誰も異論はないと思います。冬はスキ
ー、夏はラベンダー、市の玉原高原観光事業も森林のフェスティバルなどが取り組まれています。
玉原高原だけで、年間約数十万の観光客が訪れています。そして今、唯一の宿泊施設がペンショ
ンビレッジです。過去に除雪問題などがあり、一定の解決がなされてきましたが、未だに解決し
ていないひとつが、ペンション街の中の道路問題です。地元の意向は、市道路線に認定して整備
をしてほしいというものです。地元からの議会に対する陳情は、趣旨採択になっていますが、市
長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、県有施設跡地利用計画についてお伺いいたします。
 昨年の議会でも、星野市長にお伺いいたしましたが、その時は、新市長になったばかりで、警
察署の跡地以外は、今後、検討するという答弁でした。土地が沼田市所有の場所はあまり問題に
ならないと思いますが、県有地の場所は、土地を買い取らなければならないわけで、本市におい
ても厳しい財政状況の中で、簡単にはいかないと思います。土地の払い下げ価格などの検討はさ
れているのかどうかお伺いいたします。さらに、検討委員会が作られているわけですが、社会情
勢の変化などに対応して、見直していかなければならないと思います。利用計画の見直しについ
て、市長の見解をお伺いいたしまして1回目の質問といたします。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの、井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 住宅政策について、総合的住宅政策について、人口定着などを視野に入れた総合的な住宅環境
整備についてでありますが、平成13年度を初年度とする第四次総合計画や、平成10年度に策
定した住宅マスタープランに掲げた住宅政策を着実に推進することが重要と考えておりますが、
これら計画の骨子といたしましては、公営住宅の整備・改善をはじめ、優良な持ち家取得の支援
や、歴史・文化に留意した沼田らしさの住まいづくりの推進などであり、この実践に向けては行
政の取り組みだけでなく、民間の行動も含めて考えていかなければなりません。
 中でも民間における居住環境の向上は、商工業など産業の発展や地域経済の進展状況と深く関
わりがあると思いますので、この観点からすると現下の社会状況においては、居住環境の改善に
向けた著しい投資は望めない状況であると思いますが、とりわけ、行政の取り組みといたしまし
ては、街なか再生事業における中心市街地への公的住宅の推進や沼須地区における住宅団地造成
事業をはじめ、住宅地周辺における道路のバリアフリー化や地域コミュニティーに資する公園創
設及び緑化推進事業など積極的に対処し、住宅供給の観点だけでなく、生活の利便性や景観の向
上・環境保全などにも留意して、行政各般の施策を総合的に取り組む所存でありますが、このこ
とによりそれぞれの地域の人口定着はもとより、全市的な地域バランスのとれた都市の発展が期
待できるものと考えております。
  次に、沼須住宅団地造成事業計画の見通しについてでありますが、沼須地区土地改良事業にお
ける非農用地約5ヘクタールの集団化により、その土地活用の一環として本件事業を推進する考
えでありますが、当初からその事業主体を群馬県企業局にお願いしてきたところであり、今日ま
でこれが事業成立に向けて協議・調整を図ってきたところであります。
 しかしながら、当初の計画時に需要が予測された昭和村関屋工業団地の開発が鈍化し、加えて
長引く地域経済の不況により、現状においては宅地の需要見込みが減少する傾向にあり、一方、
地価下落に伴う事業コストの採算性の低下から、当初計画における開発規模の推進は極めて厳し
い状況であり、企業局との協議の中では規模の縮小や市によるコスト負担を強く求められている
状況であります。
 このような状況から、なお客観的なデータに基づく開発計画の妥当性を模索するために、現在、
宅地需要の観点から過去3カ年度における農地転用や土地取引及び建築確認申請の実態調査を行
うとともに、事業コストの把握として、造成事業の概略設計を進めているところであり、今後こ
れらの成果を取りまとめた上で、引き続き群馬県企業局と前進に向けた協議を進めてまいりたい
と考えております。
 次に、沼田市住宅マスタープランについて、マスタープランに基づく市営住宅整備の計画進行
状況と今後の見通しと現在の待機者数についてでありますが、沼田市住宅マスタープランの計画
期間は平成11年度から平成20年度の10カ年計画であり、この中での整備計画として、既存
市営住宅の再生・修繕・処分の方針を定めたものでありますが、これらの方針のもと入居者の日
常的な不便・不具合の修繕はもとより、老朽化した市営住宅の屋根の葺き替え等大規模修繕や、
将来の再生計画に留意しての募集停止措置などを講じてきたところであります。
 しかしながら、この過程で国の財政事情などから市営住宅の再生に向けた補助事業の採択方針
の変更がなされ、ストック総合活用計画の策定が補助事業の前提条件とされたことから、平成1
4年度において国・県の指導のもと「沼田市市営住宅ストック総合活用計画」を策定したところ
でありますが、このストック総合活用計画は、既存の市営住宅用地や建物をフルに活用し、社会
資本の有効活用とコスト縮減を目指した事業概念であり、今後は、入居者の理解と建て替え用地
の確保などに留意しながら、可能な限りこの計画に沿って、かつ、国の補助事業を取り入れなが
ら市営住宅の再生事業等に対処してまいりたいと考えております。
 なお、市営住宅への入居希望の待機者数につきましては、現在90名であります。
 次に、市営住宅団地内道路の舗装整備計画の見通しについてでありますが、現在の高齢社会を
反映して市営住宅の入居者も年々高齢者が多くなる現状でありますが、この入居者の安心・安全
な居住環境の確保は市営住宅管理者として当然行政の努めと認識しており、ご質問のいわゆる団
地内の通路の舗装につきましても、今日まで必要に応じ財政事情の許す限り取り組んできたとこ
ろでありますが、今後においても現地の実状を調査しながら優先順位により、順次対処してまい
りたいと考えております。
 次に、観光政策について、観光案内の充実について、観光案内の拠点整備についてであります
が、平成10年度より着手いたしました沼田駅前広場整備事業における沼田駅の駅舎改築とあわ
せ、観光案内所の整備を計画しておりますが、当面は、昨年11月グリーンベル21に開設いた
しました「沼田ふるさと館」を、物産等も含めた観光案内の拠点として位置づけておりますので、
ご理解をいただきたいと思います。
 次に、観光案内ボランティアについてでありますが、本年度沼田市観光協会への委託事業とし
て「観光ボランティアガイド養成事業」を実施しております。広報ぬまた9月号においても募集
記事を掲載し、各種媒体により募集を始めたところであり、本年度につきましては概ね20名を
募集し、市内観光のみどころや史跡・文化財等の研修を通じてガイドとしての能力を身につけて
いただくとともに、沼田の魅力などを発掘していただくことも視野に入れながらボランティアガ
イドとして養成し、活躍していただく予定になっております。
 次に、観光客を対象としたアンケートの実施についてでありますが、特定の観光施設や他の観
光地とは状況が異なり、本市ではいかにして観光客を特定するかということが問題となります。
また、アンケートを実施する場合には、当然その目的を明確にし、結果を参考にしながら観光施
策に方向性を見いだしていくことになりますが、回収方法なども含め、必ずしも多様な目的を持
った来訪者の意向を反映することにはなりにくいという側面もあります。これらを考慮したとき、
アンケートを実施することにより混乱を生ずることが容易に推測できますので、先ほど申し上げ
ました観光案内所やボランティアガイド組織などが整備される中で、観光客のニーズを把握する
よう努めてまいりたいと思います。
 次に、玉原ペンションビレッジ内道路の市道路線認定と整備についてでありますが、本件道路
につきましては、昭和63年度に玉原東急リゾート株式会社が玉原スキー場を開設した際、スキ
ー場と一体的にその利用者に供す宿泊施設として、いわゆるペンション村を開設した経過であり、
同社が利根沼田森林管理署との使用許可により国有地の貸与を受け、ペンションビレッジにおけ
る管理用の私道として、本件道路の維持・管理に対処してきたものと考えております。
 しかしながら今日までの過程で、平成6年12月には池田地区振興協議会長や地元区長及び地
区住民連署により、本件道路の除雪と市道昇格の陳情が出され、議会においても趣旨採択とされ
たことから、玉原森林空間総合利用地域運営協議会などとの協議を重ねながら、内部的には事例
調査など研究してまいりましたが、現状では単一の企業経営のレジャー施設とペンションエリア
は不離一体と見なさざるを得ない実状認識であり、したがって、本件道路は当初の開発計画の本
質を変更する必要性に乏しく、なおかつ、他の民間住宅開発に伴う私道の市道編入は、開発者の
自費による舗装整備や、土地の寄付行為を前提として取り扱っている現状に鑑み、公平性の観点
から本件道路の取扱としては、市道として路線認定し、その後の整備や維持・管理について、公
費をもって対処する妥当性が現時点では見い出せないものでありますので、ご理解をいただきた
いと思います。
 次に、県有施設跡地利用計画について、土地が県有の施設について土地の払い下げ価格などの
検討についてでありますが、議員ご案内のとおり県有施設跡地利用計画については、平成10年
に庁内組織として設置した委員会において県有施設廃止後の跡地利用計画について検討、協議を
行っているところであります。
 土地が県保有である合同庁舎や土木事務所などの土地の払い下げ価格の検討についてのご質問
でありますけれども県の計画によりますと、新沼田合同庁舎建設に伴う移転は、平成16年末を
予定しているということであり、移転後の跡地については、沼田市の利用意向を県も最優先する
方向の確認がされておりますが、現時点では県からも市からも払い下げ価格等の提示がされてい
ない状態であり、今後の対応となるものでありますが、県との連絡調整を図りながら大きく遅れ
ることのないように進めていきたいと考えております。
 次に、利用計画の見直しについてでありますが、跡地利用については、平成11年8月の全員
協議会に資料を提出いたしました計画書をベースとして、それぞれの施設での利用方針や具体的
検討課題について、関係部課でさらに調査、検討を進めているところでありますが、今後は、そ
の検討結果により県有施設跡地利用検討委員会で決定して行きたいと考えております。
 以上、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(井之川博幸君) ご答弁いただきましてありがとうございました。再質問をさせていた
だきたいというふうに思います。
 最初に、総合的な住宅政策についてでありますが、いまご答弁いただいた概ねの内容につきま
しては、総合計画や住宅マスタープラン等々である程度承知をしております。ただ、そういうも
のが、先ほどの答弁の中にもありましたが、経済的な状況などで進展と言いますか、期待するよ
うな方向が望めないような状況であると。そういう中でも街なかへとか、沼須とか、環境整備と
言いますか、公園とか、緑化とか、総合的な環境改善などをやっていくというような方針であり
ますけれども、総合計画、マスタープラン、そういうところでいま立てている計画、答弁の中に
ありました社会情勢の変化、こういうものがありますから、この辺はやはりきちんと見直してい
く必要があるのではないかというふうに思いますが、その辺の考えについてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 日本全体の経済の状況があって、それがなかなか社会的な客観状況が、
経済が隆盛を極めるという方向に流れが行ってないのが実態でございます。そういった観点から
考えますると、やはり事業そのものが各地方公共団体で各々いろいろな場面で修正されたり、あ
るいは見直しされたりするような場面がございます。そういったことから考えますると、確かに
本市におきましても、この住宅の問題について、今までのようないわゆる当初の流れでよいかど
うかということになりますると、やはり財源の問題やら、そういったことを勘案をしていかなけ
ればならないということは、これは他の地方公共団体とも同様でございます。そういった中にあ
りながらも、やはり先々にすでに計画をされてきたことをやはりしっかりと受け止めながら、時
代の情勢に勘案した中で柔軟に対応していく必要があるのではないかと思っておりますので、ご
理解を賜りたいと思っております。
◇9番(井之川博幸君) 今までの計画を見直していく、修正していくことには別にやぶさかで
はないというふうに感じ取れるわけですが、ハードの面と言いますか、大体この総合計画もマス
タープランも、ハード面が基本になっておりまして、やはりこれから住宅政策というような、良
好な住宅、またはその環境を提供していくということもありますけれども、沼田市の活性化の点
から考えて、私は今回提案と言いますか、出しているのは、人口を定着させていく。勿論、増え
ていくという時代ではありませんけれども、減るのを抑えていくと言いますか、沼田市に住んで
いただくというような具体的な政策と言いますか、施策と言いますか、そのようなことも考えら
れるのではないかというふうに思います。例えばですね、市外から沼田市に住むと言いますか、
住宅を建てて住んでいただくのがいちばんいいわけですけれども、民間の賃貸住宅に市外から沼
田市に住んでくれるというような、そういう世帯と言いますか、そういう人に援助していくとか
ですね、例えば沼田市で結婚して、新婚の世帯が、沼田市のそういう民間の賃貸住宅に居住をす
ると。勿論、市に住民登録するわけですけれども、そういうところに3年とか5年とか、期限を
切ったような、そういう援助をしていくというような、住宅政策の一環としてですね、そういう
ソフトな面なども考えられないかというふうに思うわけなのですけれども。それは一つの例とし
てあげましたけれども、ハードだけでなくて人が住むと。本当に住宅政策と言いますかね、居住
政策と言いますか、そういう面にも目を向ける必要があるのではないかというふうに思いますが、
その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 住宅政策の一環として、ソフト面で市外から沼田へ住む方、あるいは
また新婚の方々に対して、いわゆる住宅を借りる際に市として支援をしていくという、こういう
ご提案だと思いますけれども、議員のご提案をいま始めて承りましたわけでございまして、勉強
させていただきたいと思っております。今後の研究に対応していきたいと思っております。
◇9番(井之川博幸君) リゾート法のときにですね、沼田市に総合保養施設を作った企業に対
して、固定資産税を減免するというような法律がありました。それは法律できましたので、沼田
市もそういう対応をしたわけでありますけれども、本当にそういう援助していく、住宅政策です
から個別の住民に対して援助していくということになりますから、こういうお金で援助するのか。
固定資産等の軽減で援助するのか、いろいろな方法はありますけれども、いまグリーンベルの関
係などもいろいろ活性化のための補助金が出ておりますけれども、そういう人と言いますか、沼
田市に定住してくれる、こういうところにそのような考え方でやはり施策を進めていくというこ
とも必要になるのだということになりますので、今回、提案ということになりますけれども、ぜ
ひお願いをしたいというふうに思います。総合的な定住政策として、そういうところまで広げて
考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。今後もぜひ考えていっていた
だきたいというふうに思います。
 沼須住宅団地造成事業計画の見通しについてお伺いをいたしますが、県の企業局から規模の縮
小や市のコスト負担というような方向が出されてということでありますが、最終的にはいろいろ
な地域の実態調査、それから概略の設計等をして企業局に要請をしていくというようなご答弁だ
ったと思いますけれども、確認をさせていただきたいのですが、これからの企業局との交渉の中
で規模の縮小とか市のコスト負担、いま出た企業局側の考え方ですけれども、これは受け入れる
という方向でこれから交渉していくのかどうか。その辺の確認をさせていただきたいというふう
に思います。
◇市長(星野已喜雄君) 交渉事ですから、県の企業局の言われることを受け入れるということ
より、できるだけ市の意向を伝えていくという形でするということがやはり大切なのではないか
と思っております。県の意向を受け入れるということをそのまま良といたしますると、やはり本
市における相当な負担が要求をされてまいります。そのようなことから、交渉はあくまでも私ど
もの言うべきことを言って、沼田市側の立場に立った言い方を申し上げていく形の中で、落とし
処を決めていく。こういうことになると思っております。
◇9番(井之川博幸君) 市のコスト負担については論外でありますけれども、規模の縮小とい
うのは、先ほど来、答弁の中にありますし、私ども感じておりますけれども、これだけ経済情勢
は変わっている。それから需要がない、こういう中で非常に大事な事業でありますけれども、実
現をするという範囲で規模の縮小等やむを得ないというふうに思うわけなのですけれども、その
辺はどんな考えでいるのでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) できるだけ計画を立てたわけでございますので、市の考え方をしっか
りと県に明示しているわけでありますが、やはり先ほど、前段の話のとおり、時代がやはり変わ
り目というか、経済は大変厳しい少子高齢社会、そういった時代になってきているという時代の
変遷には、やはりそれらのところに意を置きながら、柔軟に対応していかないといけないのかな
と、このように思っております。
◇9番(井之川博幸君) せっかく作った計画と言いますか、それが後々財政負担になっていく
などという開発では困りますけれども、先を見通した状況に合わせてやはり進めていくというの
は大切なことだというふうに思います。またそういう点で規模の縮小等々が現実的になった場合、
土地改良との関係等々が本当にこれが実現するのかどうかというのがいちばんの心配のわけで、
この実現性というのは今の時点で本当にどのくらいの率であるのかどうか。そこがいちばん住民
にしてみれば心配なところなのですけれども、その辺、ぜひ教えていただきたいというふうに思
います。
◇市長(星野已喜雄君) そういった率のことについては、やはり軽率に申し上げるべきではな
いというふうに思いまするし、市の側からすれば一生懸命最大限の努力をしていくということで
申し上げるのが筋だと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇9番(井之川博幸君) 全体としてですね、答弁を聞いていますと、今の時点でそういう具体
的になっているという状態ではないという感じがするわけですね。これは総合計画にも掲げてい
るわけですし、それと土地改良をやるときに、そういう計画がそこに組み込まれているというこ
とでありますから、一定の具体的なものがないとどこまで実現の可能性があるかということで、
市民の理解が得られないと言いますかね、私どもも本当にこれは実現するのかどうかというのは
わからないわけで、努力をするというようなことだけの答弁で、なかなか腹に落ちないと言いま
すか、こうにすれば、例えば規模を縮小すれば実現するのだよとかね、先ほどちょっと、なかな
か納得できないところもありますけれども、市がある一定のコストを負担すればできるのだよと、
こういうふうになれば現実問題ということになると思うのですが、まだあれですか、こういう時
期の問題もありますけれども、もう今の段階では普通はそこまで進めていくというのは現実的な
問題になっているというのが必要ではないかというふうに感じますので、今の段階でどこまで答
弁できるかわかりませんけれども、実現性について我々が納得するようなご答弁をいただきたい
なと思いますけれども、いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご心配の向きはよくわかりまするし、実際問題として、いろいろな幾
つかの課題が横たわっているということも否定できません。そういった中で、権利調整の問題等
もございますので、やはりこの場では最大限に協力して、そして何とか沼須の関係の方々、土地
改良の関係の方々にですね、ご負担がかからないように考えていく形の中で検討、対応を協議し
ていくと、こういうことで答弁とさせていただきたいと存じます。
◇9番(井之川博幸君) 情勢に合ったような方向でぜひ実現をしていただきたいというふうに
要望をしておきたいというふうに思います。
 次に、市営住宅の関係でお聞きしますけれども、これもなかなかマスタープランの計画どおり
進んでいないわけですね。少し遅れているという形で、全然進んでないというふうに思うのです。
そういう点ではですね、どうやったら計画どおり進むかという観点で考えなければならないとい
うふうに思うわけなのですが、いちばんの問題と言われているのは答弁の中にありましたが、要
するに今住んでいる人が、じゃあ他に転居しますということで出てくれないと言いますかね、出
るところがもうないわけですから、そういうので空き家にならないわけですから、実際にはなか
なか再生計画が進まないということになると思うのですけれども、これは前から言われているこ
となのですが、そういう中でいま90名の待機者がいるということになりました。半分くらいは
谷地端第二住宅だと思いますけれども、先日、戸鹿野町で、離婚をした母親が子供連れで市営住
宅の申込みをいたしましたが、やはり1年待っているというように聞きました。非常に市営住宅
に入居したいという市民は、切実な状況にあるということが多いわけでありまして、昨年聞いた
ときの待機者が64名でありましたから、26名増えているわけですね。これはそういう再生を
しようという住宅の中で、4団地は募集停止をしていると思うのですけれども、空き家だけでは
入れないというようなことになっている状況の中で、再生計画を進めるためにも、いま入ってい
る人に転居してもらう、そういう場所がどうしても必要なのですね。それをやらないと、計画と
いうのは自然任せで、いつになったらできるのかわからないというふうになるわけです。そうい
う点で市営住宅の、勿論、待機者が入れるというためにも、再生計画のための入居者が転居でき
るという、そういうための市営住宅の増設がどうしても必要ではないかと思うわけですが、その
辺のお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 市営住宅の問題でございまして、増設をする必要があるのではないか
という、こういうご提案だと思っておりますが、やはり住宅問題は、ご案内のとおりヨーロッパ
等々と比べると東アジアの住宅は、私ども日本国でもそうでありますが、決してよろしいという
状態ではございません。そういった中で、先ほどお話しのとおり90名からの入居希望の待機者
があるということは、それだけ市営住宅への希望が高いということと同時に、経済の厳しい状況
を裏打ちしているのかなと、こんなふうにも思っております。市営住宅の先々を見てみますと、
やはり現行のところの部分の、大変老朽化した問題もあり、さらに現在の街なか再生事業を進め
ていく中に住宅の問題を取り入れていくということもあり、というようなことがございまして、
それらのことを勘案しながら今後の対応を進めていく必要があるのではないかと思っております。
ですので、いまここで増設や否やというようなお話しになりますると、総合的な分析のもとにや
はり判断をしていかなくてはならないと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思ってお
ります。
◇9番(井之川博幸君) なかなか納得ができる答弁ではないのですけれども、現地再生という
計画がマスタープランの中にありまして、3団地は現地再生ということになっていまして、これ
はもう先ほど申し上げましたように、実際、事業に入っていなくてはならない団地もあるわけで
すね。平成20年までにはこの再生計画が完了するわけで、そのときには再生ですけれども、再
生のときに増設をするという計画なのですよね。合計して28戸増えます。再生計画なのですけ
れども。現状よりも28戸増えるという計画が作られております。ですから団地の数は増えませ
んけれども、戸数は増えるわけですね。だからこれが進めば、ある程度問題の一部は解消してい
くというふうに思うわけですけれども、実際に進んでないと。街なかは一朝一夕に進むのかとい
うと、そうはいかないということでありまして、市長の答弁を聞いていても、あっこれは実現に
なるか、解決方法があるなという感じは全くいたしませんが、先ほど答弁の中にありましたスト
ック総合活用計画というのがありましたけれども、民間側の住宅ストックですね、これを活用す
るという計画はマスタープランにもあるわけですね。前の質問したときにもお願いしたのですけ
れども、検討するということでありましたが、本当にそこに手を付けていくというのは必要では
ないかと思うのですね。だから市営住宅を増設するというのは、市営住宅を建てるというだけで
なくてですね、市営住宅として市民に供給できる施設を増やしていくということとしてとらえれ
ばですね、民間借上予定市営住宅として審議をするということができるわけで、そういうせっか
くストック総合活用計画等々作っているわけですから、そういうところにも手を付けて、実際に
困っている市民がその問題を解決するという手立てを取る必要があるのではないかと思うわけで
すよ。その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員、大変、住宅ストック総合活用計画の中からのご質問でございま
すが、十二木、十三割がですね、18年度、19年度で団地統合というような形、それから十王
堂と谷地端と南明が、これまた20年度、21年度で団地統合という形、それから上原と十三割
の第2が、平成22年度と23年度で団地統合と。つまり十二木と十三割は50、いわゆる十王
堂と谷地端と南明が40、上原と十三割第2が40というようなことで、ストック総合活用計画
は組まれております。ですから、これらは当然、計画を立ててきた経過がありますので、ここの
ところに重きを置いて対応していくことが必要なのではないかというふうに思っておりますので、
ご理解を賜りたいと思っております。
◇9番(井之川博幸君) 私がお伺いしたいのは、市営住宅のストック総合活用計画というご答
弁だったのですよ。それはそれでわかるわけなのですけれども、私がお聞きしたいのは、こうい
う市営住宅の、ストック総合活用計画等々作るわけですから、沼田市住宅マスタープランのホー
プ編などにきちんとよくきちんと書かれていますけれども、民間のストック住宅、それを利用す
るという計画があるわけですよね。マスタープランの中に。だからそういうことも活用すれば、
市営住宅の建物を作らなくても、市営住宅として使える施設が増えると。市民にとっては同じで
すから、その政策の中には、民間の家賃と市営住宅の家賃の差額を市が持つという、こういうふ
うになると思いますけれども、そういう今ある民間のスットク住宅を大いに活用していくと、こ
ういう方法もあるのではないかというふうに思うので、その点はどうなのかというふうにお聞き
したわけなので、もう一度お願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それでは、建設部長に答弁をいたさせます。
◇建設部長(野田敏夫君) 命により、ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 ただいまの、民間の活用の市営住宅につきましては、前回もお話ししましたし、計画にも載っ
てございますが、やはり公営住宅の面積等、そういう基準でもって作っていくというようなこと
で、いま現在、できているものが即該当するというようなものが非常に少ない。そのような状況
でございます。これにつきましては、いま言われたような非常に待機者が多いということでござ
います。今後、それにつきましても検討させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◇9番(井之川博幸君) 一昨年、先輩議員が一般質問したときに、待機者が64名、昨年、私
がしたときに、やはり64名なのです。今回90名ということで、これは市営住宅に入りたいと
いうのは、社会情勢、経済情勢等々が影響するというふうに、これはマスタープランの中に書い
てありますけれども、まさにそういう状況だと思うのです。この90名の市民が、要望どおり早
く市営住宅に入れるように、真摯な取り組みをぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 市営住宅内の道路の整備の関係についてお聞きしますが、方針としてはあって、優先順位でや
るのだと、こういう答弁だったのですけれども、残念ながら私の住んでいる近くの原田団地をや
るという話だったのですけれども、財政の関係で結局、直営で、入口のところを確か10メート
ルくらい舗装しただけで終わっている。しかし現実にはですね、ずーっとあの原田団地の中は雨
が降れば本当に大きな水たまりができる、歩くのも大変、生け垣のところはぐちゃぐちゃになる。
こういう状態のわけなのですね。優先順位でやるというのはわかりますけれども、たぶん入口の
所だけやったというのは、建設部とすれば、もうここはやらなくてはならないという位置づけで
やったのだと思うのです。だけど予算的に付かなかったので、多くはできなかったと、こういう
ことだと思うのですが、担当部としてはやらなければならないと思っていて、こういう財政的に
予算が付かなければやらないと。こういうのはちょっとどうかなと思うわけなのです。現場を見
てもらえばわかりますけれども、このマスタープランに載っているように、冬は雪解けでぐちゃ
ぐちゃ、夏は埃がすごい、砂埃と。こういうふうに現実の問題でありますので、その点はぜひ事
業の中の優先順位ということも考えて進めていただきたいと思いますが、その点について、もう
一度お願いしたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時15分休憩
─────────────────────────────
午後3時25分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇建設部長(野田敏夫君) 命により、井之川議員のご質問にお答えいたします。
 市営住宅団地の道路舗装計画でございますが、先ほど申し上げましたように、優先順位により
まして、本年度も東下原団地から始まりまして、18年度までの計画でいま優先順位によって舗
装計画しておりますので、ご理解いただきたいと思います。
 以上です。
◇9番(井之川博幸君) 困っているところが多いわけですから、ぜひ早期に進めていただきた
いと要望しておきたいと思います。
 観光の関係に入りますけれども、観光拠点、グリーンベルの5階のふるさと館がいまそこがと
いうことがありましたけれども、行ってみるとわかるのですけれども、日常的にはですね、閑散
としているわけですね。駅前の整備に合わせて観光案内所というのは期待ができますけれども、
車で来たら本市を訪れる。そういう観光客を相手にした場合には、どう考えても沼田インター周
辺がベストではないかというふうに思うのですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせ願
いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 この関係につきましては、ご案内のとおり昨年、沼田市もサテイの対応に苦渋をいたしました。
どうしたらいいかということで、そうした中で、いわゆる沼田ふるさと館をサテイ撤退後、導入
をすることによってグリーンベルの活性を図るということと同時にですね、さらに沼田ふるさと
館を一つのシンクタンクとして、そして観光関係の情報をいろいろなところにつなげていくとい
うようなことでスタートいたしました。ですから議員がご指摘にあったように、非常に閑散とし
ているよということを承ると、やはりいろいろと思料しなければならない点はわかるわけであり
ますけれども、いずれにいたしましても、現行のところでは、この沼田ふるさと館がそういった
シンクタンクになっているということをご理解をいただきたいと思っております。
 また、いまインターチェンジ付近に云々というお話しがございましたけれども、すべて何をす
るにしても、その裏打ちとなる財源が担保されなければ、なかなか前に打って出るわけにもまい
りません。そういうようなことから、現況では、このふるさと館の活性化を図りながら対応して
いくということが、当面与えられた課題であると思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っ
ております。
◇9番(井之川博幸君) グリーンベルのふるさと館については、観光案内所ができて、あそこ
に物産展がありますよというような案内をして、沼田の街の中に観光客が来てくれるという施設
ではないかと感じます。沼田市に入ってきて、沼田市の観光の名所はどこかとか、どういうとこ
ろを回ったら有益かということで案内所を訪れるわけですから、それは何といってもそういう市
の玄関口はベストなわけで、観光を振興するということになれば、もうそういうふうに考えるの
は普通ではないかと思います。無駄なことかどうかというのは別にして、サテイの活性化対策と
して空きフロアに出したということで議会も認めたわけですから、案内所を充実するということ
になれば、いちばん玄関口に置くのは当たり前ではないかと思いますので、市長はどんな答弁さ
れるかわかりませんけれども、私は、そういうふうに強く要望しておきたいというふうに思いま
す。
 それから、ボランティアの関係ですけれども、募集をしているということで、その募集をして
いる状況はどうなのか。それから募集をしたボランティアはどのような研修とかするのか。どこ
か待機所みたいなのを設置するのか。それとも電話連絡等でやるのか。その辺の具体的な事は募
集しているから決まっていると思うのですけれども、少し教えてもらいたいというふうに思いま
す。
◇経済部長(武井善太郎君) 命によりお答え申し上げます。
 この事業は新年度、観光協会の青年部が発足するということから、観光協会の青年部に内容も
含めて、どのような方法がいいだろうかということを含めて、ぜひ皆さん方の、若い人の考え方
を出してくださいと。行政のやり方を押しつけるつもりはございませんということでお願いして
いることをご理解いただきたいと思います。さて現在、観光協会の青年部がどういう方法がいい
だろうということも含めて内容を詰めてございます。観光ボランティアにつきましては、今月末
までの募集期間として募集しておりまして、20名程度募集するということですけれども、今朝、
観光協会の青年部に確認しましたところ、応募が、男子が1名、女子が2名、その他に問い合わ
せが2件、1件違うご意見があったということです。その違う1件については、そんなものは必
要ないというご意見があったということで、参考までに申し上げておきたいと思います。
 以上です。
◇9番(井之川博幸君) いま観光協会の青年部で取り組んでいるということでありますから、
これはぜひ成功するように後押しをしていただきたいというふうに思いますし、地道に観光地と
して前進しているところはこういうことをやっているのですね。私ども観光に個人的に行くと、
かなりやはりこういうことは進んでおります。非常に有益な感じがいたします。そういう点では、
ぜひきちんと進めていくようお願いをしたいと思います。
 それから、アンケートの関係ですけれども、これも私、今年の夏、福島県の白河市というとこ
ろに行ったのですけれども、そんな有名な観光地ではないのですけれども、市の職員がアンケー
ト活動をしておりました。やはりそれに答えてきたわけですけれども、そういう熱意は非常に感
じました。混乱が予測されるということでやらないということですけれども、本当にそんなので
いいのだろうかと思います。熱意があるところは工夫をして、それは内容を工夫すればいいわけ
ですから、直接観光客のニーズをつかむというのは本当に大切なことだと思うのですけれども、
もう一度ご答弁をお願いしたいというふうに思います。
◇経済部長(武井善太郎君) それではアンケートの件につきまして、命によりご説明申し上げ
ます。
 沼田市でも、今年度ある場所で、ある事業につきましてのアンケートを実施しておりました。
その行事に参加していただいた議員さんは、アンケートをご覧になったと思っております。
 それから、先ほど市長のご答弁にもありましたように、アンケートというのは、全国どこを見
てもそうですけれども、特定のある決まったところ、例えば沼田なら玉原高原はどうですかと、
例えばふるさと館はどうですかと、特定の区域とか、特定の施設についてのアンケートはありま
すけれども、沼田はどうですかとか、沼田をどう思いますかという、非常に抽象的な、取り留め
のないアンケートというのはどこでも実施されておりません。そういうことから沼田市でも今年
も行いましたし、過去にも行ったことはございました。特定の地域については。参考までに、利
根郡内の方でもやはり例えば、利根村で言いますと吹き割の滝、これはどう思いますかとか、そ
ういう特定の区域にはありますけれども、利根村はどう思いますかというような、非常に取り留
めのない、抽象して、集約してみようもないようなアンケートはとってないということで、沼田
市でも福島県のどこかの役場の職員が、熱意があるとか言いますが、そういうことを言うと沼田
市の職員も熱意があるというふうにご理解いただきたいと思います。
 以上です。
◇9番(井之川博幸君) 最初の答弁は混乱するから、予測されるので、観光客の意思が反映さ
れにくいという答弁でしたよね。そういうことをとらえて再質問したわけなのですけれども、や
はり中身を工夫して大いにやる必要があると思うのですけれども。もう一度お願いしたいと思い
ます。
 それから次の、玉原ペンションビレッジの道路の問題も時間がないので最後にお聞きいたしま
すが、これは、借りている企業は市が出資している第三セクターなのですね。市の責任も大きな
ものがあると思うのですよ。先の答弁では私は納得できませんので、住民にとっては整備をきち
んとされればいいわけですね。市が参加をしている第三セクターの企業がきちんと整備をすれば
問題はないと思うのですよ。その辺の考え方について、最後にお伺いをしたいと思います。
◇経済部長(武井善太郎君) それでは、前段のアンケートについて、私の方からお答え申し上
げますが、議員さんのご指摘のとおりでございまして、必要のときに、必要な事項を、アンケー
トを見ながら改善を図っていくということはこれは当然、私ども考えておりまして、なるべくタ
イムリーなアンケート調査をしながら沼田のイメージアップとか、観光地のアップにつなげてい
きたいというふうに考えております。
 以上です。
◇建設部長(野田敏夫君) 玉原ペンション内の道路につきましては、先ほど市長が申し上げま
したように、スキー場と一体での経営ということで特定利用でありますので、管理者において、
玉原において整備、管理をしていただきたいと思います。
 以上です。
◇9番(井之川博幸君) 今の道路の問題ですけれども、だから先ほど聞いたように、市長に答
弁していただきたい。市が参加を、資本参加をしている第三セクターが責任を持ってやっている
のです。だからそこがきちんと整備する必要があるのではないかというふうに思うわけですけれ
ども、最後にそれを聞いて終わりたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり冒頭答弁したようにですね、これにはいろいろな、歴史的な経
過があるようでございます。調停まであった経過もあるようでございます。この調停があった結
果を踏まえますると、いま冒頭私が答弁したように、現時点で議員が言われるように、良とすぐ
にご答弁するわけにもいかない状態があるようでございます。経過の中で、調停等があって、そ
の流れを受けて市も対応してきているようでございますので、冒頭のご質問にご答弁したとおり、
現時点では慎重にしていきたい。現時点では慎重にしていきたい、こういうことでございまして、
これについては含みを持った形の中で答弁をさせていただいておりますのでご理解を賜りたいと
思っております。
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    第 2 延  会
◇議長(星野佐善太君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたい
と思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決し
ました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は、明12日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
   午後3時37分延会
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