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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成15年第8回定例会継続会 議事日程第2号

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沼田市議会平成15年第8回定例会継続会会議録
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議事日程 第2号
平成15年12月11日(木曜日)午前10時
第 1 一般質問
─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
─────────────────────────────
出席議員(22人)
      1番   大島 崇行君          2番   大竹 政雄君
      3番   山崎 義朗君          4番   真下 恭嗣君
      5番   布施辰二郎君          6番   角田 泰夫君   
      7番   久保 健二君          8番   星野  稔君   
      9番   井之川博幸君         10番   大東 宣之君   
     11番   高柳 勝巳君         12番   石田 宇平君   
     13番   片野 彦一君         14番   星川嘉一郎君   
     15番   田村 博美君         16番   金井 康夫君   
     17番   牧野 保好君         18番   松井 敏員君   
     19番   高橋 襄典君         20番   井田 孝一君
     21番   小林 照夫君         21番   星野佐善太君
欠席議員(なし)
─────────────────────────────
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     金井可佐夫君
  収 入 役     武井  博君      総務部長     青木 忠昭君
  民生部長     村山 博明君      経済部長     武井善太郎君
  建設部長     野田 敏夫君      街なか対策部長  兼弘 武久君
  総務課長     増田 幸男君      教 育 長     角田利喜雄君
  教育部長     新井 康裕君      庶務課長     宮澤 満夫君
  監査委員事務局長 茂木  愛君
─────────────────────────────
議会事務局出席者
  事務局長     林  義夫       次長兼庶務係長  水田  修
  議事係長     下  宏一       主  任     松井 克人
──────────────◇──────────────
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、高柳勝巳議員。
〔11番 高柳勝巳君登壇〕
◇11番(高柳勝巳君) 通告により一般質問をいたします。
 私は、昨今の少女連れ去り事件や多発する街頭犯罪等を受け、市民にとっての安全・安心
づくりのまちづくりについてお伺いしたいと思います。
 先月、青森・杉並での記事が新聞に掲載されて間もなく、未遂に終わったものの、市内で
も残念ながら同様の事件が発生しており「子供の安全に不安を感じる」という市民の児童の
父兄の声に耳を傾けているうちに、つい先日、お隣の栃木県で発生、前橋市で連続した事件
が発生、今朝の朝刊では、伊勢崎市で小学校6年生が付け回されていたという記事が残念な
がら掲載されておりました。
 警察庁では、こうした事件を受けて、「子供防犯テキスト」を全国の小学校へ配布したと
いうことも、群馬県議会でも、警察官の増員や、対策等についての議論がされたものと一定
理解をしております。また、学校現場においても教育委員会と連携しながら、様々な対応を
していただいているお話しも聞かせていただきました。先日、防犯体制の確立や犯罪を取り
締まっておる主体であります沼田警察署にもお邪魔をいたしまして、その状況や対策につい
てお話しを伺ってまいりました。
 関係各位の皆様の、こうした努力にもかかわらず同様の犯罪は、日を追うごとに増加し、
凶悪化をしてきておるのも事実であります。現下のこうした状況への考え方と現行の防犯に
関連した情報システムや対応の機関、組織についてまず1点お伺いしたいと思います。同様
に、学校現場においてなされている実態把握の現況や具体的指導等について内容もお伺いし
たいと思います。
 次の質問は、それらについて総合対策本部等への考え方についてであります。「防犯」と
いうキーワードについては、「地域や住民の協力」が必要不可欠であるということは、今さ
ら議論の余地のない事であろうと考えております。したがいまして、行政機構として市民の
安全を守る仕事は、警察の仕事と単純に割り切れる情勢下ではないことは私自身認識してお
ります。
 そこで、先ほども申しましたように、警察や教育委員会の努力は承知しつつ、防犯協会や
学校警察連絡協議会等、既存の防犯関連の組織や体制が現在の情勢下へ的確に対応し得てい
るのはどうかと心配は拭いきれません。
 全国では「安全・安心のまちづくり」へ向けた、条例の制定等の具体的な対応について、
すでに取り組んでいる自治体が見られますが、警察OBの方々の利活用を含めて、総合対策
本部の設置やそれらを総括した防犯条例等の策定のお考えがあるのかどうかお伺いしたいと
思います。
 3つ目の質問は、条例策定の時間を要するまでもなく、すでに対応可能な取り組みとして
幾つかお尋ねしたいと思います。
 主に教育委員会の範囲になると思いますが、まず、各家庭への安全対話の再指導が行われ
ているのか伺います。そして、親子や地域、学校において通学路を中心に、危険箇所の点検、
検証パトロールの実施の有無とこれらの考え方についてお伺いしたいと思います。さらに学
校における安全教育の強化についてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
 また、これらを受けて財政の問題とも関連をするかと思いますが、防犯ブザー等への配布
の考え、街灯の危険箇所への設置、増設に対する考え。また、相当の予算と運用の問題が課
題として残るのかと思いますが、防犯カメラの検討等は至急に検討されるべきと考えますが、
いかがお考えでしょうか。
 以上申し上げまして、私の一度目の一般質問といたします。よろしくお願いいたします。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) 高柳議員のご質問にお答えする前に、あらかじめご了解いただき
たいと存じます。通告では、児童を中心とした防犯対策についてが先になっておりまが、答
弁につきましては、私が答弁するものから先に答弁させていただきたいと存じますのでよろ
しくお願い申し上げます。
 安心・安全のまちづくりに向けて、総合対策本部等への考えについて、警察、自治体、学
校、家庭、地域、保護者が専門家も含めて、一体的な対応を行える機構や組織の検討をされ
るべきと考えるがどうかでありますが、最近の世相を見ますると凶悪犯罪や弱い者に対する
卑劣な犯罪行為等が多発していることについて、非常に憤りを感じておりますし、許し難い
現状であると認識しております。
 総合的な防犯対策につきましては、警察を中心にして犯罪のない安全・安心の街づくりの
実現の推進にあたっているところであります。
 そうした中で、現在、群馬県防犯協会が設置され、各警察署内にその下部組織が組織され
ております。実際に私も沼田市長として、この下部組織「群馬県防犯協会沼田支部」のメン
バーであると同時に支部長を務めさせていただいております。
 この組織は、各自治体の首長をはじめ関係機関をメンバーとして、地域内における防犯対
策を推進するとともに、犯罪のない安全・安心の街づくりを実現することを目的に、各自治
体、学校警察連絡協議会及び青少年育成補導推進委員など関係機関と連携を図り、防犯活動
や地域安全思想の普及・啓発さらには青少年非行防止活動等を行い、地域の安全活動を展開
しているところであります。
 沼田市といたしましても、これらの諸活動に対して支援するとともに、関係機関と連携し
地域の防犯活動を行う中で、安全の確保を図っているところでありますのでご理解をいただ
きたいと思います。 
 次に、警察OB等の活用についてでありますが、防犯対策の方法につきましては、様々な
手法が考えられると思いますが、現状では、防犯協会の活動や区長さんを中心とする地域活
動などを通じて、安全で安心できる街づくりの確保を図っていきたいと考えております。な
お、今回提起していただいた警察OB等の活用につきまして、今後、警察及び防犯協会など
と研究していきたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。
 次に、条例策定の有無についてでありますが、警察当局及び関係機関等と連携を図りなが
ら、地域の安全確保と市民が安心して暮らせる街づくりに向けて努力してまいりたいと思い
ますので、条例の制定につきましては、現在のところ考えておりませんので、ご理解をいた
だきたいと思います。
 次に、当面の対応策について、ハード面では、防犯ブザーの配布、街路灯等の増設、防犯
カメラの設置などについてでありますが、まず、街路灯等の増設につきましては、本市では、
防犯に関するものとしては、防犯灯の設置を行っております。防犯灯については、安全を確
保するという観点から非常に大切であると認識しておりますので、引き続き、地域の要望に
応じて設置していきたいと考えております。
 また、防犯カメラの設置等につきましては、警察署や防犯協会に対して提起し議論をして
いただくよう要請していきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、児童を中
心とした防犯対策等につきましては、教育長からご答弁申し上げますので、よろしくお願い
いたします。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
[教育長 角田利喜雄君登壇]
◇教育長(角田利喜雄君) 先程の、高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 児童を中心とした防犯対策について、どのような経路で情報が伝わり、どの機関や組織で
対応が話し合われているのか。また、現在の状況についてどう思うか。さらに、学校現場で
の実態把握と現状での具体的指導内容についてでありますが、ご質問の「防犯」につきまし
ては、極めて広い範囲の例が想定されます。したがって、ご質問の要旨は、「不審者」、「
変質者」に関わる対策ということでご答弁させていただきます。
 まず、情報の把握、対応についてでありますが、これらの事件は、そのほとんどが登下校
の際か、あるいは休日の中で起きております。
これらの情報は、こうした場面に遭遇した当該児童、保護者から学校に伝えられるものがほ
とんどでありますが、その他にもPTAや地区懇談会等においても情報の収集に努めている
ところです。
 次に、現在の状況についてでありますが、不審者や変質者に遭遇する例は、ほとんどの学
校から報告されております。幸い子ども達に対する直接的な被害例は出ておりませんが、遭
遇した子ども達は、少なからぬ精神的ダメージを受けており、極めて憂慮される状況にある
と捉えております。
 次に、現状での具体的指導内容についてでありますが、これらの事件に遭遇した学校は、
緊急の職員会議等で学校における当面の対応、対策を協議し、学級における指導、学年集会
等で子ども達に注意を促すと共に、先ず、近隣の学校に対し情報を伝え、教育委員会に報告
を行います。
 教育委員会は、学校の取った措置を確認すると共に状況を分析し、学校に対する助言等を
行うとともに、市内全小中学校及び幼稚園に対し情報の伝達と注意を促し、必要な場合は警
察等の関係機関に協力をお願いしておるところであります。
 次に、当面の対応について、ソフト面では家庭での対話。危険箇所の再検証安全教育の再
徹底等への指導体制の確立についてでありますが、子ども達の安全の確保につきましては、
学校をはじめ教育委員会もできる限りの対応を行うとともに、PTAをはじめ青少年育成会、
青少年育成相談センター等の関係機関とも積極的な連携を図っておりますが、こうした関係
者のみの対応だけでは限界もあると感じておるところであります。
 こうした状況に対応するためには、どうしても地域、町単位の協力が不可欠であり、子ど
も達は一家庭の子どもでなく、沼田市の子ども、地域の子どもという視点を重く考え、学校
教育、社会教育を通じて子ども達の安全を守るための「環境づくり」に、家庭はもちろん地
域のご協力をいただきながら、より一層の努力を図ってまいります。
 なお、ハード面での防犯ブザー配布についてでありますが、先程申し上げましたとおり、
子供たちの安全につきましては、学校や地域が一体となって対処すべき問題であるという視
点から、その負担や配布の在り方について、PTAをはじめとする地域と学校で十分協議し
てまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇11番(高柳勝巳君) 答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきたいとい
うふうに思います。
 まず、現状の認識の一致が、非常にこの手の問題では重要かというふうに考えております
ので、いくらかお話しをさせていただきたいなと考えております。危機管理という点で非常
に重要かと思いますのでご容赦いただきたいと思います。
 警察白書等によれば、群馬県の昨年の刑法認知件数は4万件弱ということで、史上最悪と
いう記録を更新して、10年前の10倍の件数となっています。また、少年や少女の略取誘
拐等については、本年1月から10月までで32都道府県、126件となっています。本年
6月の群馬県議会での警察本部長答弁では、先ほど教育長が述べられたとおり、昨今の情勢
の急激な変化もあって、限りある警察力だけでは犯罪発生を抑止するには限界があると答弁
し、さらに、地域にできることは地域に、自治体にできることは自治体にお願いをし、警察
は警察でなければできないことに限られた力を集中したいというふうに答弁をしております。
 最近の防犯の基本的な常識というのがどの程度変わってきているかという点で申し上げさ
せていただきたいと思いますけれども、私が小さい頃は、ランドセルやスポーツのジャージ
等に大きい名前を付けて、だれからも物をなくさないように、人から名前をわかってもうよ
うにという点で名札を付けていました。これは今の常識で言うとランドセル等には表には書
かない。できるだけ名前は知られないようにというのが今の常識になっている。これは「だ
れだれちゃん」と声をかけられて連れ去りに利用される可能性が高いからであります。それ
から「だれにも気持ちよく挨拶をしなさいね」というのは、私の頃の常識でしたが、今は、
挨拶を交わしていたらその人が目を付けて、手名付けている手段だったということも言われ
ております。それから、通学路は安心ということで通学路を選んでおりますが、これは交通
安全に対して安全なのでありますが、通学路はややもすると狭い路地等も含まれております
が、これらについては防犯という観点からは危険な箇所もままあるというのが10年前と今
とでは大きく様変わりした現実なのだろうというふうに思っております。
 それから、先ほどご答弁をいただきましたけれども、教育長が申し上げておりました地域
との連携ですが、青少年の関係の条例や法案等でありますけれども、これらにつきましても、
青少年の非行を防止して、地域で悪い方向に子供たちが行かないように防止するという面が
非常に強かったのだろうというふうに思います。いま私も質問の趣旨でありますけれども、
子供たちを犯罪から守るという条例や改正がどうなっているかという点では、非常にいま難
しい状況になっているのではないかなと思います。ご答弁いただいたのですが、それぞれ単
体でのご努力だけではどうしても限界が生じているということで、ご努力を越えた総合的な
対応について行政、教育委員会の方からもう少し突っ込んだご回答がいただければありがた
いなというふうに思います。よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 高柳議員の分析されたいろいろな状況の中から再質問いただきま
した。
 先ほど警察白書の、いわゆる10年前の10倍になった4万件弱のいろいろ事件等の紹介、
あるいはまた、名札を付けることによっての身の証を立てる、しかしそれが一方においては
災いをしてくるとか、あるいは挨拶の問題、さらに通学路の関係等についても言及された再
質問でございます。
 実は私も、前々から警察関係、あるいはまた防犯関係、あるいはまた青少年関係の健全育
成関係等の会合で、万度申し上げてきたことは、現在の群馬県の警察官の負担率というのが
非常に全国でも高いものがあるというようなことから、しかも利根沼田のように非常に守備
範囲の広い地域では、やはり人員に対するところの負担率の高さもさることながら、いわゆ
る面積的な守備範囲が極めて広いということから、どうしても地域の、いわゆる各団体の活
力、あるいはまたご指導がなければまずい。あるいはまたそういったことに対する期待がで
かい等、再三再四この市長就任以来、そういったことを申し上げさせていただいてまいりま
した。当市に係わるそういった関係の、防犯に関係する各団体というと、やはり先ほど申し
上げました防犯協会の沼田支部があり、あるいはまた利根沼田地区の学校警察連絡協議会が
あり、さらに3つ目として、沼田市の青少年問題協議会があり、さらに4つ目として、沼田
市青少年育成相談センターがあり、5番目として、群馬県の青少年育成補導推進員の制度が
ありということでございます。そういった大きな5つの組織体系がございまして、それらの
組織のいわゆるお力をいただきながら、警察では対応しきれないところの部分について大変
お世話になっているわけでございます。
 そういった観点から、本日の高柳議員のご質問を受けて、さらに先ほど申し上げました各
団体に対するところの協力なご指導のお願いをさせていただきますと同時に、地域の関係等
についてのいろいろなご提言については、今後、研究、あるいはまた検討させていただくつ
もりでございますので、よろしくお願いをしたいと思っております。
◇11番(高柳勝巳君) 防犯協会と青少年の関係ですけれども、青少年の問題は先ほど申
し上げましたとおり関係機関ということですけれども、年間に、定例的に会議が開催されて、
それらが行政に的確に伝わってくるという状況ではないのではないかという認識が私にあり
ます。
 それから、防犯協会の話ですが、これも警察署に行って開催状況等についてお伺いしてま
いりました。率直に申し上げますと、まず、生活安全課の体制について申し上げさせてもら
いますと、利根沼田で、あの警察署に10人弱でございます。それと駐在所、派出所で、利
根沼田の防犯と安全について、あるいは麻薬等の取り締まりも含めてその体制でやっておる
ということが、まず関係の部長さんからお話しを伺った次第です。それから、防犯協会の中
身ですけれども、これは定例で年4回開催されておりまして、9月の25日にも委員が10
人と警察の関係から5人が出席をして、1名は欠席でしたが14人で開催をされて、現下の
犯罪状況等について意見交換をしたということが書かれております。沼田市においては2名
の方が委員になっておるというふうにお話しを伺いましたけれども、では9月の25日以降、
それらのお話しが市長のところにきちっと伝わって、地域や学校等にそれらの要望が伝わっ
ておるのかどうかというところが非常に心配だなというふうに感じておるのです。ですから、
総合対策本部等のものがなければ非常に不十分で、ここのところの脈路というのが細くなっ
てきて、あるいは途中で途切れていってしまっているのではないか。せっかく作った組織で
すから、十分それらの意義が発揮されておるのかどうかというところがお聞きしたかった点
なので、もう一度ご答弁いただければありがたいなと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員の再質問にお答えをしたいと思っております。
 いわゆる防犯協会の沼田支部をはじめといたしまして、5つの各団体の紹介をさせていた
だきました。確かに各単体の部分に対する連絡調整という機能から考えると、それは率直な
ところにいってなかなかうまく行っていたかどうかということになりますると、私自身、熟
知たるものがございます。ただ、私自身が少なくとも警察の署長やあるいはまた防犯関係の
関係者とお会いをしたり、できるだけそういった意味の綿密な連絡等を取ったり、あるいは
また教育委員会等々から、例えば問題等がありますると、すみやかに私の方にその紹介が伝
わり、つい数日前にもそういったことが時々あったわけでございますけれども、市長の方に
報告があって、そしてその際に速やかに私の方から適切な措置を講ずるよう指導してきた経
過がございます。
 おっしゃっるところの総合対策本部等につきましては、今回初めてのご提案になっており
ますので、先ほど申し上げますように、5つのこの沼田市を巡るところのですね、各種団体
もございます。そういったことからこれらとの連絡調整を図りながら、一体全体、本市に適
した、いわゆる高柳議員がおっしゃっるところの総合対策本部がどういうものが適切なのか
というようなことを含めて検討をしていく必要があるかな。こんなふうに感じておりますの
で、よろしくご理解のほどをお願いしたいと思っております。
◇11番(高柳勝巳君) 教育関係の方で幾つかお話しを、再質問したいというふうに思っ
ているのですが、これは条例との関係ですから教育委員会の認識と行政の方の認識になって
しまうのかなというふうに思いますけれども、全国では条例や先ほど申し上げましたとおり
具体的に着手しているところがたくさんありまして、これらをお見せできない。またその時
間がないといったところが非常に残念なのですけれども、教育全般に関する提言や指針がも
う具体的に少年の今の現状を分析をして、家庭の状況、地域の状況を分析をして、1回の情
報がきちっと伝わって、それらが他の関係機関に情報提供をする広報等、そういったところ
まで言及をして条例や指針を出しているところがたくさんあるわけです。
 群馬県では、私、群馬県の教育委員会のホームページを開いたら出てまいりませんので、
把握しておりませんが、これは大阪府の指針なのですけれども、通学路等における幼児、児
童、生徒等の安全確保に関する指針というのが、これは大阪府で出されております。そのよ
うなものが教育委員会には出されて、それを踏まえてどのような対応がなされているのかと
いう点についてお伺いしたいのと、こちらは防犯協会の話ですけれども、口説くなって申し
訳ありませんが、こうした非常にすばらしい冊子等も防犯協会では作ってお配りをしている
という話を聞きました。これは30ページくらいありますけれども、悪質商法や全部含まれ
ておりますけれども、おそらくこれを使って事業等に使えば、あるいはお父さん、お母さん
がPTAで防犯の教育関係、あるいは学習関係で使えば非常に有効だと思います。これは、
配るたけではたぶん非常に無駄なものに終わってしまうのではないかと思っているんです。
こういったものを協会や教育の場でいかに有効に使うかという点も含めまして、私はどうし
ても総合対策本部というようなものが、あってからでは遅い。残念ながら設置をされました
ところは大阪府や長崎市等、そういう状況があってから起こるというのが非常に多いわけな
のです。でもなくて作るということが、非常にこの種に関しては必要なのではないかという
ふうに考えますので、教育の場に関しましては、こういった防犯の関係の教育のカリキュラ
ムに導入するお考え等はおありなのかどうか。
 また、非営利の法人なんかで防止教育コミュニテイなどというのが、子供から大人まで作
ります、冊子なんかも作っております。そういったものも数値目標が求められる学校教育の
場でありますけれども、子供の安全や生命を守るという教育も非常にいま重要なのではない
かと思いますので、そちらの方についてのお考え等があれば、教育委員会の方にはご答弁い
ただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
◇教育長(角田利喜雄君) ただいまの高柳議員の再質問にお答え申し上げます。
 条例等につきましては、いま議員おっしゃったとおり、県ではまだその方面についての項
目はちょっと私も認識不足かもしれませんが入っていないように思います。ただ、県教委か
ら通知等で、十分子供を危険な状態から守るようにというふうな通知等は、今年度2回出て
おりますので、そうしたものも含めまして、定例の校長会等もありますので、そういった機
会を通して、各校長に指導をお願いをしたり、また沼田市の教育委員会としても通知等を出
して、子供たちを危険から守るように、こういう点につきましては行っているところであり
ます。
 先ほど議員さんが申し上げましたテキスト等についてですが、学校はご存じのとおり教育
課程というのがございまして、それだけをやっているわけではありませんが、特別活動とい
う分野でございますので、その中で学級指導、それから学校行事等の時間があります。そう
した中で、例えば先ほどの議員さんが申し上げました、同じものかどうかわからないのです
けれども、みんなの安全と生活編集委員会というところから教材が出ております。これにつ
きましては、各小学校だけなのですが、1年生から6年生に40冊ずつ配布して利用を図る
ようにと、活用を図るようにということで、学校にはお願いをしております。
 なお、子供防犯テキスト、たぶんこういうものではないかと思うのですけれども、これは
警察庁のホームページから取りまして、各小学校、幼稚園に指導用として一部ずつ活用を図
るようふうなことで配布してありますし、CDも出ておりますので、同じく合わせて配布し
てあります。そういうようなことで、どうしてもこういう事件というのは起こったときに突
発的に、こういうふうな指導が多いわけですが、できるだけ「備えあれば憂いなし」という
ふうなことを考えまして、系統的、計画的に指導することも各学校にお願いをしているとこ
ろでございます。
 以上、現状を申し上げました。
◇11番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
 先ほどの答弁を受けまして、では育成会やPTA等にそれらがどういうふうに反映されて、
配布をしたまではわかるのですが、配布をされた後はどういうふうに活用されているかとい
うのは当然ご存じではないのではないかというふうに考えているのですね。ですから投資を
した、具体的指導をしました。結果がどうなっているかわからないという、極めて残念なが
ら一方通行で今の仕組みはなっておるのですね。それではじゃあ教育の場で、お父さん、お
母さんが不安でと言ったのは、どのような経路でもっていってフィードバックされるのだろ
うというと、関係機関のみに終わっていってしまっているのではないかなという感じがする
のです。実は私の友人などにもお話しをしますと、実際にお子さんを持つ方にはよく周知を
されているのですが、独身で、危険個所と言われるところを通っている方も、「ええそうい
うことがあったのかい」との話なのですね。これは防犯の関係で警察署の方にもお話ししま
したら、FM尾瀬などでも周知してもらえないでしょうかとか、いろいろな要望が出てまい
るのですけれども、私がそれを聞いて、ここで言わない限りはたぶん勉強になったなで終わ
ってしまうのです。非常にもったいないなというふうに思いますので、ぜひそれらがつなが
っていくような仕組みとして、私は十分検討して欲しいなというふうに、先ほどから申し訳
ありませんが申し上げたということで、検討していただいているということで結構なのです
が、PTAと育成会等の状況について、若干教育長の方から関係するところ、今の活動状況
等についてお話しが伺えればありがたいなと思います。
◇教育長(角田利喜雄君) ただいまの再質問にお答え申し上げます。
 先ほどもご答弁申し上げましたが、実情は配布をし、学校で活用していただきたいと、こ
ういうことでお願いをしているところであります。それがPTAに果たして届いているかど
うか。また、育成会等に届いているかどうかと、こういうご質問だと思いますが、私どもも
先ほどから申し上げましたように、お願いをしているところですので、ただ、届いているか
どうかというところまで確認ができないのが現実でございます。
 なお、子供たちを通して、できるだけこれは家庭に戻って、あるいは地域に戻ってそうい
う話をするようにということは学校の方から指導しているわけでございますけれども、これ
が果たしてどこまで家庭で会話がされているか。ここまではちょっとわかり兼ねているとこ
ろが現状であります。
◇11番(高柳勝巳君) 最後になろうかというふうに考えているのですけれども、消防団
という組織は存在をし、防災訓練等もかなり市民権を得ていると思いますけれども、防犯団
というお話しは聞いたことはございません。それらを参考に、少し組織的なものとか、系統
的なものについて真摯にご論議いただければ非常にありがたいなと思います。
 それから、防犯グッズ等に関しましても、防犯ブザーでなければホイッスル等でも構いま
せん。スーパー等でレジの方がホイッスルを付けているというのもお伺いします。重要なの
は、それを真ん中において、それを家庭でお話しをいただきたい。親子で自分の子供の通学
路を点検していただきたい。地域で考え直していただきたいという材料にしていただければ、
私の本懐とするところだなと考えておりますし、また防犯灯等につきましては、暗いところ
については、家庭用の電灯を1個付けようというのも防犯協会からの指導やご案内等があり
ました。ぜひ防犯灯が市で付けられないところにつきましては、これは家庭用品等で販売し
ております。2,000円くらいでたぶん購入できると思いますが、センサー付きのライト
等があります。そういったものも話し合いをする中からぜひご検討や具体化がされますこと
を望んでやみません。
 また、私がこういう発言をして、結果的には何も起こらなかった、犯罪がなかったという
ことにつながりまして、大げさに騒いだオオカミ少年のような発言に結果的に終わってしま
うことを希望しますし、これを機会に皆さんが最大限のご努力をし、私も含めてですけれど
も、安心、安全のまちづくりが早急に具現化されて、皆が安心できる沼田市づくりができま
すことを最後にお願いを申し上げまして、私の一般質問を終了したいと思います。どうもあ
りがとうございました。
◇議長(星野佐善太君) 次に、大東宣之議員。
〔10番 大東宣之君登壇〕
◇10番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、中心市街地活性化事業について、市町村合併について質問いたします。
 まずはじめに、中心市街地活性化事業についてから質問いたします。
 全国至るところの中心商店街は、郊外への大型店出店と中心市街地の人口減少によって、
壊滅的打撃を受け、存亡の危機にさらされており、沼田市も決して例外ではない状況となっ
ています。
 こうした状況のもと政府は、再開発と土地区画整理事業によって、中心市街地の再生を目
指すとして1998年(平成10年)6月、「中心市街地活性化法」が成立し、12月4日
現在で全国の587市町村、604地区の「基本計画」が提出されていると言われています。
 中心市街地活性化法は、市街地の整備改善、商業等の活性化を一体で進めるのが目的とさ
れていますが、土地区画整理事業や再開発事業の手法がとられていることから、住民合意や
市町村の財政負担の問題などで、当初の計画のように進んでいないところがあったり、公的
資金投入でビルの床を市が買い支え、その後の維持管理費など財政負担が市の財政運営に重
大な影響を与えるのではないか、と心配されているところもあります。
 沼田市では、1985年(昭和60年)、2核ワンモール構想がまとめられ、本町通りの
活性化に向けた検討が本格的に開始され、「中心市街地活性化法」の成立以前からその情報
をとらえ、いち早く準備が進められてきました。
 基本計画の提出は、1999年(平成11年)1月8日、全国で24番目でした。
 1999年(平成11年)1月には、基本計画の概要版が全世帯に配布され、市民説明会
も5月に市内各所で開かれ、2000年(平成12年)には、「やさしさ・にぎわいの核基
本計画策定業務報告書」「沼田市中心市街地商業等推進計画策定業務報告書」がまとめられ
ました。
 現在では、先行買収が完了し、土地区画整理事業の換地に向けた取り組みが進められてい
ることと思いますが、当初の計画より事業は遅れている状況となっています。
 まちづくりの行動計画では、2001年度(平成13年度)には、公的住宅の整備、やさ
しさの核の整備が完了することになっていたり、歴史・文化施設の整備、街並みの統一や店
舗の整備、にぎわいのの核の整備など、具体的な事業に着手されていることになっていまし
た。
 中心市街地活性化事業の基本となる土地区画整理事業について、住民の方々から事前に同
意を得ていなかったことや滝坂歩行支援施設(滝坂エレベーター)について、多くの市民か
ら建設反対の声があがるなど、スタート時点から困難を抱えていたことは明らかです。
 今日の状況は、本町通りに空き地が目立っているだけの状況に、多くの市民から、これか
ら先どうなるのかといった不安の声が聞かれます。
 中心市街地活性化事業の現在の状況と、これからの取り組みをどのように進めるのか。こ
れからの財政推計は、どのように立てられているのかお伺いいたします。
 続いて、市町村合併について質問いたします。
 12月1日現在、全国には3,176の市町村があり、11月27日現在で、1,760
市町村が市町村合併の法定協議会に参加し、全国では453協議会となっていますが、10
月15日現在で、1,662市町村、426協議会の設置だったことから見ても、全国至る
ところで市町村合併が大きな問題となっていることがわかります。
 現在の市町村合併は、地域住民からの自発的なものではなく、国による「アメとムチ」に
よる強制合併にほかなりません。
 「市町村合併すれば、地域は救われる」「財政危機だから」と言った理由で市町村合併が
進められたり、総務省は、合併が求められている理由として、地方分権の受け皿づくり、高
齢化への対応、行政の効率性などを上げ、全国どこまでもこうした理由で、市町村合併を進
めようとしています。
 そもそも地方分権というならば、なぜ、国による押しつけ合併を進めるのか。高齢化社会
への対応ならば、小規模市町村の方が、きめ細かなサービスを提供することができるなど、
総務省の言う市町村合併の理由は何ら当てはまるものではありません。
 また、市町村合併によって、財政問題が解決されないことは、利根沼田市町村任意合併協
議会が作成した、財政推計によっても2017年(平成29年)には、歳入よりも歳出が多
くなることになっているなど、市町村合併によって財政がよくなるといった希望すらもてな
いことも明らかです。
 利根沼田の市町村合併については、利根沼田1市2町6村が一体となった合併が検討され、
任意合併協議会には、利根沼田の市町村が参加したものの、法定協議会を設置する段階にな
ったら、沼田市と利根郡西部の3町村の4市町村で立ち上げることとなり、当初の予定の利
根沼田が一体となった市町村合併の枠組みは、いとも簡単に崩れ、その後、月夜野町が法定
協議会に参加をしないと言い出し、迷走の末、4市町村での法定協議会が先月ようやく設立
となりましたが、白沢村、利根村が法定協議会への参加希望を表明するなど、まだまだ曲折
が心配されます。
 さらに市長は、「法期限内の市町村合併」を表明されてきましたが、そのためには、来年
9月には議会議決をしたいとの考えも明らかにされていますが、そのためには、来年の6〜
7月には、新しい市の条例や税、公共料金、様々な福祉サービスなどの調整やその他、諸々
のことがらなど約1,200項目にも上る項目の調整をしなくてはなりません。
 そして、市民の方々に理解と納得を得ることも必要ですが、これからの時間的なことを考
えても、不安は増すばかりです。
 法定協議会での協議事項と進め方、市民の意見反映はどのようにされるのか。市町村合併
についての情報公開と、市民合意についてどのように取り組むのかお伺いいたします。
 先にも述べたように、白沢村、利根村が法定協議会への参加を表明するなど、市町村合併
の枠組みはまだまだ流動的と言えますが、ころころその枠組みが変わることは、市町村合併
についての理由も道理もないことを市民の前に明らかにするだけで、何のための市町村合併
なのか。そもそもの理由が問われ兼ねない問題になるおそれや、時間的に言っても1年もな
い中で、新市の姿を示すことができるのか疑問が残りますが、合併の枠組みについてどのよ
うに考え、対応はどのようにされるのかお伺いいたします。
 最終処分所の建設については、沼田市外三箇村の一部事務組合で検討されていますが、法
定協議会に参加している町村と現在の一部事務組合の構成が違いますが、最終処分場建設に
向けた取り組みは、どのように進められるのかお伺いいたします。
 以上、2点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの、大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 中心市街地活性化事業について、現在の状況と今後の取り組みについて、中心市街地活性
化事業の現在の状況とこれからの取り組みをどのように進めるのかについてでありますが、
すでに、平成14年度までにおいて先行買収が終了し、現在、換地設計に向けて事業計画の
変更手続きを行っているところであります。
 併せまして、換地や今後の街のあり方などについて街区ごとに話し合いを行っているとこ
ろであります。
 また、区画整理事業が終了するまで街なかをこのまま放置すれば益々街は寂れてしまいま
すので、今からでも集客に努めるために「七夕祭り」や「街なかクリスマス市」などの各種
イベントや集客のための事業を展開しているところであります。
 また、今後の取り組みにつきましては、換地や将来の街の方向性などについて、さらに権
利者の皆さん方と意見交換を重ねていくほか、街の活性化につきましても平成16年度事業
として「(仮称)昭和モダン懐古博」などの事業を開催するために商店街だけではなく、各
種団体の代表者によります実行委員会を発足させ、現在協議を重ねているところであります。
 次に、これからの財政推計はどのように立てられているのかについてでありますが、各町
内、各街区におきましても温度差がありますので、以前から申し上げておりますとおり、熟
度優先という形の中から温度の高いところから進めていきたいと考えております。また、長
引く景気の低迷により沼田市の財政状況も大変厳しい状況でありますので、事業の進捗に併
せまして国、県、さらには財政担当課と充分協議を行いながらできる限りの努力を行ってま
いりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。
 次に、市町村合併について、今後の取り組みについて、法定協議会での協議事項と進め方、
市民の意見反映はどのようにされるのかについてでありますが、議員ご案内のとおり11月
14日に利根沼田地域市町村合併協議会が設置をされ、21日には設立総会が開催されて具
体的な合併論議が進められることとなったところでございます。
 ご質問の合併協議会での協議事項につきましては、設立総会において協議がなされ、合併
の方式、合併の期日、新市建設計画など23項目についての協議を行うことが確認をされた
ところであります。その協議の進め方につきましては、各市町村の部課長で組織する専門部
会において専門的に協議又は調整を行い、その結果につきまして合併協議会において協議を
行うという流れが基本的な進め方となりますが、新市の名称、新市の事務所の位置、議会の
議員の定数及び任期の取扱いなど事務的に協議を行う項目につきましては、合併協議会の委
員で組織する3つの小委員会において調査又は審議を行い、その結果につきましては合併協
議会に報告をするということとなっております。
 市民の意見反映についてのご質問でありますが、新市の名称につきましては、任意合併協
議会での協議においては、住民参加の観点から、新市の名称を公募するなど幅広く住民の皆
さんの意見を伺うこととしております。また合併協議会のスケジュールでは、住民説明会の
実施も予定しているところでありますので、できる限り市民の皆さんのご意見をお伺いし、
新市建設計画などに反映していきたいと考えております。
 次に、市町村合併についての情報公開と市民合意について、どのように取り組むのかにつ
いてでありますが、本年9月の市議会定例会におきまして、議員にお答えをいたしましたと
おり、広報ぬまたに市町村合併のシリーズとして引き続き掲載をするほか、パンフレットの
作成やホームページ等の活用を図るなど、積極的に情報提供を行っていきたいと考えており
ます。また、来年1月から2月にかけまして、市町村合併住民説明会を開催し、合併協議会
設置に至るまでの経過や合併協議会構成市町村の現況、合併協議会の協議概要や協議結果、
今後の予定などにつきまして、市民の皆さんにご説明をする予定であります。
 今後は、合併協議会のなかで新市建設計画の策定や、行政サービスの調整協議などが本格
的に行われることになっておりますので、その具体的な内容につきましては市民の皆さんに
積極的にお知らせをいたしまして、市民の皆さんの理解を得ながら進めてまいりたいと考え
ております。
 次に、合併の枠組みについてどのように考え、対応はどのようにされるのかについてであ
りますが、議員ご案内のとおり11月14日に設置をされました、利根沼田地域市町村合併
協議会につきましては、月夜野町、水上町、新治村と本市の1市2町1村の4市町村で構成
され、21日には設立総会が開催をされまして、具体的な合併協議が進められているところ
でございます。議員のご質問につきましては、白沢村及び利根村からの合併協議会への参加
申し入れのことに対するものであると推察をいたしますが、本年1月に利根沼田9市町村に
よる任意合併協議会を設置をいたしました時点から、利根沼田は一体であるという考え方に
つきましては変わるものではございませんし、また、12月までは門戸を開け9市町村全て
が合併協議会に参加してくれることに期待をしていたこともまた事実であります。
 しかしながら、合併協議会が4市町村の枠組みによりスタートし、小委員会や専門部会を
設置して具体的な調整協議を進めている状況であることから、今後につきましては4市町村
におきまして十分に協議をし、対応してまいりたいと考えております。
 次に、一部事務組合等の取扱いについて、最終処分場建設に向けた取り組みはどのように
進められるのかについてでありますが、平成14年8月9日、構成市村長の協議により事業
費負担割合について合意を得て、一市三箇村事業として取り組むこととし、進めてまいりま
した。
 現在進められている利根沼田地域市町村合併協議会における合併の枠組みによっては、一
部事業内容等が変わることもあると思われますが、これにあわせて柔軟に対応してまいりた
いと考えております。
 特に、施設の建設については、現有施設の埋立て完了期限が迫っており、沼田市は勿論、
一市三箇村組合として必要欠くべからざる施設であると認識し、取り組みについて鋭意努力
してまいりましたが、今後も事業推進に向け、まい進してまいりたいと考えております。
 以上、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇10番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので再質問をさせていただきます。
 まずはじめに、中心市街地活性化事業についてから質問をさせていただきます。現在の取
り組みの状況としては、先行買収が完了して、土地区画整理事業に向けた換地作業に入って
いるということで、この中で、先ほど市長の答弁の中で、この計画区域の中の地域の中で温
度差があるということで、熟度の高いところから進めていきたいというお考えが示されたわ
けですが、土地区画整理事業ですから、熟度の高いところ、早く進めたところが道路が広が
ったり、建物が整備されたり、そういった状況が出てくる。なかなか住民の方々の合意の得
られないところは現状のままでいいってしまうという恐れがあって、結果として、この事業
全体が、本町通りが活性化に向けた取り組みという形の中では、極めて難しい状況にあるの
ではないかというふうに思うのですが、市長としてはどのように認識をされておるのか。ま
ずお聞かせいただきたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時00分休憩
─────────────────────────────
午前11時07分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員の再質問にお答えをいたします。
 ご質問は、熟度優先ということになったならば、最終的に整合性が図られないのではない
かというような観点の、ご趣旨の質問だったかというふうに拝察をいたしました。ご案内の
とおり、本事業は8街区に、いわゆる分かれておりまして、そういった意味で熟度優先とい
うのはその街区ごとにお互いの市民の間でしっかりとした意思の確認ができればそれに沿っ
て進めていくということから、いわゆる熟度優先、つまりそこの地域住民の活力の位置づけ
と同時に熟度優先というのが当然決まってまいりますので、そういったことでもって進めて
いくという、そういう観点でございますので、ご理解をいただきたいと思います。
◇10番(大東宣之君) 先にも申しましたように、この事業に入る前段の段階で、住民の
方々の同意を得てはこなっかたと。市施行だから組合施行と違って合意を得る必要はないと
いう考え方が従前ずっと示されてきてやってこられます。一般的にいま沼田で行っている土
地改良事業などもですね、7割、8割以上、9割以上の事前の同意を得て、そして計画を立
てて、そして事業を進めていくと。農地の土地区画整理事業とは違って、さらに市街地の土
地区画整理事業は困難性があると一般的には言われています。そうした事業にも係わらず事
前な同意が得られてこなかったと。結果として、事業の計画が当初の計画よりも先行買収が
当初の計画よりも遅れてきたということがあって、事業全体が遅れているのではないかとい
うふうに思いますが、今の段階においてもですね、まだこの土地区画整理事業についての住
民の方々の合意はすべて得られているのかどうか。まずその点についてお聞かせいただきた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いわゆる住民同意の関係でございますが、これにつきましては、
私も昨年の5月に就任して以降、本事業が住民同意ということが必要でなくても事業が執行
できるという筋のものであるというふうなことを伺いながらも、実はやはりそういったこと
は非常に大切なことであり、重要なことであるというようなことから、やはり住民同意とい
うものについては趣を置かなければいけないという考え方を持ってきております。今でもそ
ういう認識は変わりはございません。ただ本事業が、現実にここまで進捗をしてまいりまし
た。しかも用地買収も済んできている現状の中で、できるだけそういった今、前段私が申し
上げたようなことも含みながらもですね、やはり現状に則した対応をしていかざるを得ない
のかなというようなことでもって、大変そういう意味では苦渋な思いで本事業に対応してい
る実態がありますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 市長としては大変ご苦労なさっていることではないかというふう
には理解はいたします。現状の状態の中で、地域での住民の話し合いというのを積極的に行
っておられるような答弁が1回目の中にありました。現在の段階でですね、この土地区画整
理事業についての住民の方々の合意というものを得るような努力をされてきているのか。こ
の事業がスタートする時点でもですね、土地区画整理事業について意義を唱える、そういっ
た住民の方々が少なからずいらっしゃるということについては、以前からも説明がありまし
たが、現在の時点の中で、土地区画整理事業について賛成、反対、いろいろ意見があると思
いますが、どういうような状況になっているのか。地域の方々の土地区画整理事業に対する
意識、どういうふうになっているのか、わかれば教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 現場での問題にもなりますので、担当部長の方からそれらの努力
傾注について説明をいたさせます。
◇街なか対策部長(兼弘武久君) 命によりお答え申し上げます。
 現在は、同意ということよりもすでに将来の街の方向性ということについて街区ごとの話
し合いを進めているのが現状でございまして、具体的に既にパティオ事業だとかそういった
方向性も地域の中で話し合われているのが現状でございますので、よろしくお願いしたいと
思います。
◇10番(大東宣之君) この事業、基本的なベースとなるのが土地区画整理事業ですから、
やはり住民の方々の理解と協力を得られないと進まない。確か201軒かの権利者、地権者
がいらっしゃる。その方々の中で何軒かの方が反対をされれば換地すらできない。すなわち
事業が前に進まないということになるのではないか。そういう事業のわけですから、何より
もこの住民の方々から理解と合意を得ていくということにこそ最大限の努力を注ぐべきでは
ないか。そうしなければ事業は進まないわけなのです。いくら将来の構想、ああしよう、こ
うしようという構想を立てたとしてもですね、実際、じゃあ道路をどうするのだ、広げるの
だ、広場をどういうふうに設けるのだ、核施設、どこに、どういうふうに設けるのだと言っ
てもですね、事業自体は進まないのではないかと思います。ですから、そういった意味では
いまやることは、そういった土地区画整理事業に対しての住民の方々の理解と協力を得るよ
うな努力こそ最大限の努力を注ぐべきではないかというふうに思うのですが、市長のお考え
をお聞かせいただきたいのと、実際のこの土地区画整理事業について、この地域の方々、ど
のように考えておられるのか。反対なのか、賛成なのか、そういうことをしっかりと数字上
でつかんでおかないとですね、次へ進めないのではないかと。現状の中で賛成の方がどれく
らいいて、反対の方はどうなのか。そういった状況がわかれば併せてお聞かせいただきたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 確かにこの同意の問題につきましてはですね、非常に大事なこと
でありまするし、私自身重きを置いてきております。非常にこの事業の立ち上げのときに、
私自身がかんでいたとするならば、これは若干手法が違っていたのではないかと、こういう
ふうに思っております。と申しますのは、本事業のいわゆるスタート時点で、これは先ほど
も言うように同意がなくても進められるということから、当時はスタートしたのだと理解を
しておりますが、そうであったとしても、個人のお宅のいわゆる最大の、営業の主体の者が
いろいろな角度で動くということになりますると、やはりそういったところに思いを寄せる
と今おっしゃっるように同意ということは必要ないとしたとしても、やはりそういったとこ
ろに重きをおいてスタートすべきだったのではないかという認識については何ら変わるもの
ではございません。ただ、繰り返し申し上げますけれども、先行買収がですね、ほぼ済み、
そしていよいよ換地の段階に入ってきたときにですね、やはり同意ということについては思
いを置きつつも、やはり柔軟に、地域ごとの状況に応じて進めていくということになろうか
なと、こんなふうに理解をしております。これは例がいいかどうかわかりませんけれども、
先般の高柳議員のご質問の中の、子供の防犯の問題につきましても、警察のセクションか、
教育畑のセクションか、これを2つに二分割した形の中では、なかなか解決し得ないところ
があって、そこのところは柔軟に混在をしていくということが、いま非常に求められている
ということは言うまでもございません。本事業のようにですね、やはりはんで足して二で割
ったようなわけにはなかなかいかずに、その点の混在をするところをうまく行政が地域住民
と連携をいたしまして、そして遺憾なきよう裁きをしていく、そして対応をしていく、こう
いうことが大事なのではないか。こんなふうに思っております。
 ですから、いわゆるお説のとおりですね、確かに個人のAさんが反対をすれば、それは換
地は成立はしないということはよくわかります。そういった形の中で、街区ごとのいわゆる
凝縮した部分に集中をしながら、結局その熟度の高いところから調整を計っていくというこ
とが懸命なのではないか。こんなふうに思っておるわけでございます。
 また、地域の方々のですね、そういった賛成、反対等々についてのいわゆる計数分析はさ
れているのかということにつきましてはですね、私の掌握している範囲では、少なくとも本
町の街なかの青年会の方々が何度となく私の所に足を運びまして、あるいはまたそれぞれの
地区の方々が、いわゆるそういう意味では本当にどうしたらいいかということを真剣に悩ん
で、苦しんでいるという状態にあるというふうに拝察をしておりますので、行政の立場から
いたしますとそれらを暖かく見守りながら、先々に光明が見い出せるとするならば、そこの
ところの可能性にかけてあげて、そして応援をしていくという体制をとっていくということ
が必要なのではないか。こんなふうに思っているわけでございます。ですので、いまそうい
った意味で計数的な分析をしているのかどうかということになりますると、明解な答弁をい
ま持ち合わせていることができません。ただそういった熱心の方々が各在所におりまして、
そしていろいろな角度から市に対する要請をしているという現実でございます。繰り返し申
し上げたいと思いますけれども、そういった状況があるということが、市の側から認識をす
ると今までの経過がございますので、何とかそういった努力に応えていくという姿勢を現在
は持ち続けていくというようなことが懸命な策ではないかと、こんなふうに思っておるわけ
でございまして、ご理解をいただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) この中心市街地の活性化事業に積極的に取り組んでいる方々がい
らっしゃいます。そうした方々に行政として手を差し延べていくという市長のお考え、これ
については全くそのとおりであり、理解もできるわけですが、この土地区画整理事業という
ことについてですね、やはり不安を感じていらっしゃる方々、少なくないというのが現状で
はないかと。そういった方々に対して行政としてどうするのかということが今問われている
のではないか。片一方では、一生懸命がんばっていこうという方々、そういった方々に対し
て手を差し延べていく、行政として援助をしていきたいというお気持ち、それは十分理解は
できますが、そもそもこの土地区画整理事業についてはですね、このスタートをする時点、
市が事前に調査をした中でもですね、やはり不安に感じておられる方々がいらっしゃるわけ
ですから、そういった方々の不安を取り除く、土地区画整理事業に対しての理解を得ていく。
そういう努力をしていかない限りは、基本的にはこの事業は成り立たない。一般的に、土地
区画整理事業というのは1年や2年で完了するものではないということは市長も十分承知の
上だと思います。どうしても10年、15年という長いスパンがかかるわけですから、当然
そういう長い時間がかかってしまえば、その地域の中でがんばって営業されている方々も将
来的に不安を感ずるようになってくるというのは当然なことですから、何らかの手立てを講
じていかなくてはならないということは市長も十分ご承知のとおりだと思います。ですから、
やはりそういったこの土地区画整理事業についてのそういった不安や疑問を感じている方々
の、そういった不安、疑問を取り除くような努力、そういったことをいまするべきではない
かというふうに思いますが、市長としてのお考え、再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどは舌足らずなところがあったかと思いますが、やはり地域
の中にあって、この事業にかける期待を拝見しながらがんばっている人達がいるが、それを
しっかりと応援していくことが大事なのではないかという答弁のもう一方におきまして、や
はり不安を感じている人もいるということについては、全くそれはそのとおりだと思ってお
ります。こういった不安を感じている人達に対するところのそれではケアというか、配慮、
これらについて市長はどのように感じているかということになりますると、これは当然、そ
の不安を感じている人達も等しくがんばる人と同時にですね、また市民であり等しく税金を
納めている方々ばかりでございますので、そういった方々に対するところの配慮、あるいは
また不安を取り除いていくという努力をしなければならないということは当然のことでござ
いまして、いずれにいたしましても、最大公約的にいわゆる先々の見通しの落とし処が一体
どこかということを冷静に判断をしていきながら進めていかなくてはならないと感じており
ます。ですから、先ほど申し上げましたようにですね、心密かに不安を感じているお年寄り
の方やきっと事によれば社会的弱者の方もおられると思います。そういった方々に対すると
ころの配慮も今後、思いを寄せつつ、今後の事業の推進に向けて努力をしていかなければな
らないのかな、とこのように思っておりますので、ご理解をいただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) わかりました。そういうことについてもですね、十分配慮をしな
がら取り組みを進めていっていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思い
ます。
 市長の答弁の中で、熟度の高いところからということが再三再四答弁されてきました。こ
の熟度の高いところからということは、前市長のときからも言われてきたことですから、基
本的にはどういうことかというのが理解ができるわけですが、それではいま、地域の状況と
いうのはどうなのか。先ほど市長は8街区というふうにおっしゃっいましたが、以前は13
街区というふうに私ども聞いていたような気もするのですが、そういった中で、地域の取り
組み、例えば地域の説明会にたくさん人が集まってきて、この問題について一生懸命考えて
いる。そういった状況なのかどうか。以前はなかなか集まりがよくないところもあったとい
うようにもお聞きをしておりますが、いまこの地元が一体どういう状況になっているのか。
熟度の高いところというふうに再三再四言われたわけですが、熟度の高いところ。事業がそ
ういった意味で着手ができるようなところという意味ではあるのかどうか。そういった状況
というのは今どういうふうになっているのか。地元の協議会も解散をしたやにお聞きをして
はおりますけれども、そういった意味で地元の体制を含めて、いまどういうふうになってい
るのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 後ほど現場でのまた説明については、私の後に担当部長から説明
をいたさせますが、いわゆる街区毎の熟度ということを念頭においていかないと前に行かな
いだろうというふうな認識になっております。そういった形の中で、いわゆる協議会の問題
等出ましたけれども、今日の私どもの耳に入った、これはニュースによりますると、協議会
もいわゆる近々に総会をやるやに伺っております。ですからそういった意味で、各関係の部
署についての状況等については、担当部長から説明をいたさせますので、よろしくご理解の
ほどをお願いしたいと思っております。
◇街なか対策部長(兼弘武久君) 命によりお答え申し上げます。
 近々の街づくりの中で、説明会等を開催する中で、今までは各町内、多くても10数名と
いうことでございましたですけれども、最近の各町内の説明会の中では、30名以上が参加
しているのが現状でございます。ある地区におきましては、週1回の街づくり委員会という
ものを作りまして話し合いをしているのが現状でございます。
 また先ほど、街づくり協議会の話しが出ましたけれども、新たに再構築という形の中でま
た再組織されるというふうに聞いておりますのでご理解いただきたいというふうに思ってお
ります。
◇10番(大東宣之君) この中心市街地活性化事業、基本的には地元の方々が基本的に取
り組まなければならない事業ではないか。それに対して行政として最大限の応援をしていく
ということになるのではないかというふうに思います。ただ現状としては、なかなか先行買
収が完了して、その事業の進捗が目に見えてこない。ただこの間、地元の方々は本当に必死
になってがんばっておられる。つい先日も上之町でクリスマスのイベントが開かれる。そう
いった中で集客、集めるためにがんばっておられるわけですから、やはり行政としてそれら
に対して最大限の応援をしていくということも併せて必要ではないかというふうに感じます。
こうした中で市長が先にお答えいただいたように、まだまだ地域の中に温度差があるのが現
状ではないかと。これを一体とした物として取り組んでいく、そういったことに向けたこれ
からの取り組みの方向性、そういったことをしっかりと示していくときに来ているのではな
いか。そういったことについてのお考え、あればお聞かせいただければというふうに思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 何といってもこういった街づくりの大きな基本原則は、寄って立つところのそこに住所を
維持し、そこに住んで、そこの水を飲んで、地域の臭いを子供の頃から感じていた方が、そ
の地域を愛し、地域をどのように進めていったらいわゆる将来立派な街になるのかというよ
うなことを、終局的には地域の人が本当に性根を据えて考えなければならない問題だと認識
をしております。そういった地域の人達の汗やあるいはまたいろいろな悩み等について行政
が応援をしていくと。こういうスタイルで街づくりは進んでいると。こういうふうに理解を
しております。そういった観点から、各地域の温度差の関係についての整合性の問題でござ
いますけれども、先般のクリスマスのいわゆる関係に対するソフト事業であるとか、あるい
は先ほど冒頭の質問に答えました昭和懐古博等のいわゆるイベント事業等も、いま大東議員
がご指摘のように、できるだけ一対性を持たせた、一体性を持たせた形の中で物事を進めて
いこうというような観点から行う事業だというふうに私ども考えております。ですから、冒
頭のご質問にお答えしました昭和懐古博につきましては、相当私どもも踏み込んで、この事
業を考えていきたい。こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思っ
ております。
◇10番(大東宣之君) あともう一つお聞かせいただきたいのが、この事業がですね、土
地区画整理事業だけで150億というふうに、当初の計画で言われてきました。現在、先行
買収が終わった時点で、大体この150億、当初の計画から見ればどの程度お金が使われて
きたのか。そして残りの部分については、当初の計画どおりで推移をするのかどうか。そう
いったところがわかれば教えていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 計数等、またいろいろと細部にわたっておりますので、担当部長
から説明をいたさせます。
◇街なか対策部長(兼弘武久君) 今までどのくらい使ったかということでございますけれ
ども、先行買収した土地の値段が約20億。その他で20億、約40億を使っております。
残りにつきましては事業費、それから補償金、そういったものが想定されるというふうに思
っております。
◇10番(大東宣之君) いまご答弁いただいて概ね40億、これが当初の151億でした
っけ、だと思うのですけれども。その中から見て大体計画どおり進んでいるのかということ
についてお聞かせいただきたいのと、再度、これから具体的に土地区画整理事業が始まると
いうことになれば、当初の計画どおりにこの財政、予算的なものがですね、収まるのかどう
か。どういった予測をされているのかお聞かせいただければと思います。
◇街なか対策部長(兼弘武久君) 現在の数字的な推計を見ますとほぼ計画どおりに進んで
いるというふうに理解しておりますし、これからも現状を踏まえますと、これからの事業費
につきましても概ね150億前後、逆に148億くらいですか、再計算しましたところそう
いうふうな数字になるというふうに考えております。
◇10番(大東宣之君) 大体わかりました。この事業が時間が経てば経つほど地元でがん
ばっている方々も疲れてきてしまう。そうするとかえってこの事業自体がもう進まなくなっ
てしまう。もうそういうような状況になっているのではないか。ただでさえもう郊外の大型
店がどんどこ、どんどこ出てくる。中心市街地、沼田だけではなくどこでもそうですけれど
も、大変苦戦をしているという状況の中で、この土地区画整理事業がどんどん、どんどん、
時間がかかればかかるほど地元の方々にとっても大変厳しさが増すだけという状況になるの
ではないかと。そういった点では、この土地区画整理事業というのは、ある意味では見直し
も必要ではないかと。先行買収をした土地に公共施設を張り付ける。また、民間の方々に出
てきていただく、そういうような方法も考えていかなくてはならない。そういう時がそう遠
くない時期に来るのではないか。そういった判断を市長としてしていただかなければならな
い時が来るのではないかというふうに思います。十分、熟慮をされながら、まちがいのない
ような判断をしていただきたいというふうに要望をしていきたいと思います。
 続いて、市町村合併について質問をさせていただきたいというふうに思います。いよいよ
市町村合併、法定協議会が設立をされ、具体的なスタートをいたしました。先ほど言いまし
たように市長は、法期限内の市町村合併を目指しているということについては、再三再四表
明をされてきました。そして、前回の議員協議会の中で、9月議会では、新市建設計画の議
決をしたい。そういった市町村合併についての議決をしたいということが表明をされたわけ
ですが、そこまでに至るまでの時間が、それではもう1年もない。あまりにも短か過ぎるの
ではないか。市民の方々に十分な理解と納得を得ていただいての市町村合併となるのかどう
か。その点についてですね、非常に不安を感ずるのですが、市長としてどのようなお考えな
のかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど第1回目のご質問に対する答弁で申し上げましたとおり、
来年早々また説明会等も開催をさせていただくつもりでございます。また年内におきまして
は、合併に主軸を置いたわけではございませんでしたけれども、6団体に対しましていろい
ろと市の現状を説明したり、またご意見をいただくふれあい広場を6回ほど各団体に呼びか
けて開催をしてまいりました。その約半分の時間は、質問等も合併に関するところが出てお
りまして、そういった意味では来年早々に会される説明会等も相まって、いわゆる今年11
月から行ってまいりました各団体とのいわゆる懇談会等もそれなりに功を奏しているのでは
ないか。
 なお、来年予定されている説明会等もありながらも、一方におきましては、年内に行った
この6度の懇談会につきましては、状況に応じて、あるいは団体の要請があればですね、万
度、開催をしていく形の中で現在、担当事務局に指示をしておりまして、近々でも2団体ほ
どのそういったご要請があるようでございまして、できるだけ時間の調整を付けて、早めに、
早めにそういった要請がある団体等については、来年行う説明会以外の団体の中で、その場
合は合併にはこだわりませんけれども、合併も含めて、いろいろな場面を通して市長が直接
市民に現状をお訴えしてまいりたいと、このように思っております。
 なお、期限の問題でございまして、いわゆる法定期限内ということで市長がそこに、非常
に標準を合わせているということが、大変時間的に無理があるのではないか。こういうご指
摘でございますけれども、やはりこれにつきましては、そういった当初の方針、予定をやは
り一貫して堅持をしつつそういった形の中で先ほどのように努力すべきところはしっかり努
力しながら、将来の先に向かってのことでありますからして、いわゆる法期限内に照準を合
わせていくという、そういった強い姿勢がないとですね、やはりこの問題はずるずる、ずる
ずるいく可能性もありますので、ここのところはその目標に向かって進んでいくということ
でもって、市民の皆様方にはお訴えしてまいりたいと思っております。
 そういった強い決意で望みつつもですね、やはり相手のあることですのでいろいろなこと
が出てまいります。そうなってまいりますると、決していま議員がご指摘のとおり、法期限
内ということが、いわゆる守られるかどうかということについても難しい局面も先々には招
来してくるかもしれません。そういったことから踏まえまして、当然まだはっきりしたこと
ではございませんけれども、向こう半年、あるいは1年の猶予期間等についても、一方にお
いては含みを持たせて考えながらもですね、やはりここは法期限内ということをしっかりと
した足取りで踏まえてまいりませんと、ややもするとそれがまたいろいろとそれだけ余裕が
あるからいいのではないかということで、右に、左にぶれるとですね、やはりこの問題は解
決しないだろうということで、この問題は法期限内ということについては、これからもそう
いった努力をやはりしっかりしていくという決意には変わっておりませんので、ご理解を賜
りたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 市町村合併をしたところのいろいろな状況を聞きますと、大体合
併をした時点では現状のままでスタートするそうです。税だとか、サービスだとかいろいろ
な点ね。しかし3年くらい経つと、その合併をした新しい街、市でいろいろな調整が図られ
て、今までよりも税負担が上がったり、サービスが良くなったり、または下がったりといろ
いろなことが出てくるそうです。そういった時になって、「住民の方々からこんなはずでな
かったのではないか」というような意見が多々聞かれるというように聞いております。今、
法期限内ということをしっかり一つの目的として取り組んでいきたいということが市長から
再度表明がされたわけですが、調整項目が約1,200項目あると。当然この中には税負担
がどうなるのか。サービスがどうなるのか。また、公共料金の値段がどうなるのかというよ
うなことをいろいろ調整するわけですが、実際、仮に法期限内で合併をさせようとしたとき
に、こういった細かい税負担、サービスがどうなるのか。公共料金がどうなるのかと言った
ような、そういった細かいところまで含めてですね、市民の前に明らかに示すことができる
のかどうか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えします。
 非常に法定合併協議会の事務局ががんばっております。特に沼田市から出ております5名
の職員はですね、私が見ている限り非常に努力もされておりまして、土、日も場面、場面に
よっては返上でがんばっております。そういったことが一つの求心力となって、各町村の事
務局もがんばっております。ですので、いまおっしゃっるところの調整項目等については、
そういった立派な職員の活躍によって必ずや調整項目は何とか調整ができるだろう。こうい
うふうに認識をしておりますし、また期待をしております。ですから大変この期間は短いわ
けでありますけれども、当初の任意合併協議会の立ち上げの時点からの、いわゆる予定の流
れにほぼ沿った形できていると。枠組みの幾つかの町村が欠落した関係等については、これ
はまた論議を議員、また別にされておりますので、再質問があれば答えたいと思っておりま
すけれども、いわゆるそういう意味では、当初の予定をほぼ順調に推移をしながら来ている
と。ですから群馬県の全体の流れで見ても、私どもの沼田市が、前橋、いわゆる伊勢崎、あ
るいは太田、桐生等の次に、私どものいわゆる推移があったかなというふうな状況でありま
すが、現状の時点では、前橋、伊勢崎に次いで3番目くらいの推移に到達をしてきているか
な、こういうふうに思っております。先月のうちにすでに知事にお願いをいたしまして、い
わゆる県からの支援策等についても早速庁議をして、11月以内にそういった方針を県の方
も出してもらいまして、先般、群馬県知事のところにもお邪魔をしてまいりましたけれども、
これらについても大変県も暖かい配慮をいろいろな角度からしていただいてきている経過が
ありますので、この際申し上げておきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 市が少し前に行ったアンケート結果の中でいちばん多かったのが、
合併に対する懸念がなくなったら合併については賛成ですという回答がいちばん多かったの
ではないか。ですから今、市民の方々にとってはまだ十分な新市、新しく合併をして新しく
なった市がどういうふうなことになるのか。そういったことがつかめない中でこういう答え
がいちばん多かったというのは、これは当然のことではないかというふうに思います。です
からこの調整項目、1,200あるわけですから、これを早く出さないことには、市民の方
々としては、この市町村合併がいいのか、悪いのかということが判断できないのではないか
というふうに思うわけなのです。ですから市長として、法期限内というのは一つの目標とし
てしっかりととらまえてやっていきたいということが再三再四表明をされているわけですか
ら、それに向かって努力をされていくのであろうというふうに思いますが、基本的に9月の
議会で議決をするということになればですね、7月くらいにはそういった全体像を市民の方
々に明らかにしていかなくてはならない。そういうタイムスケジュールになるのではないか。
そういったときに市民の方々が、本当にこれなら市町村合併してもいいのだとか、これでは
ちょっと不安になるのではないかというような判断ができるかどうか。それが心配なのです
が、市長としてどのようにお考えなのか、再度お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 日程等の関係もありますので、総務部長の方から説明をいたさせ
ます。
 なお、やはり議員、これは来年の9月に市議会でもっていろいろとご論議をいただくとい
う日程スケジュールになっておりますが、当然その前の段階で住民説明会等もさせていただ
くというようなことも予定させていただいております。いずれにいたしましても、できるだ
け現状時点でもって、できる限りの情報は市民の方々に伝えていくと。ですから先ほどおっ
しゃったように、今のようなことについても、これからの各単体等からお話しがあれば市長
の日程が許す限りそういった意味でそれはもう連日でも構いませんし、いろいろと私どもが
持っている情報等については説明をしたり、あるいはご理解いただくような場面もどんどん、
どんどん作っていきたいと思っております。
 部長の方から補足説明いたさせます。
◇総務部長(青木忠昭君) お答えいたします。
 協議項目につきましては、先ほど市長の方で答弁したように23項目ございますが、その
中で事業の項目としては23項目目に新市建設計画というのがございます。これが大変多い
わけでございます。基本的には、協議項目の分類としては、基本4項目、これは合併の方式、
合併の期日、新市の名称、新市の事務所の位置、これが基本4項目でございまして、あとは
A群、B群、C群というふうに分けてございます。それで日程的なことになりますけれども、
分科会、専門部会、幹事会、あと3つの小委員会がございまして、そこで積み上げまして、
最終的に協議会で諮っていただくということになります。
 協議会の予定でございますが、新市の名称につきましては、12月の25日に予定してお
ります中でまず協議をしていただきまして、募集要綱等提案されるということになります。
それと住民サービス、負担等住民生活の直結項目の提案をしていくということでございます。
月1回のペースで協議会は行っていくということになります。必要においては回数が増える
ということもあり得ると思います。そういうことでいきますと、大体5月、6月にはまとま
ってきます。それで新市建設計画、これにつきましては、現在の予定では5月には協議会の
方へ提案をするという予定になってございまして、その後につきましては、6月に新市建設
計画の県協議、それで7月には、現在の各自治体における住民説明会をして、この協議項目
の案についてお示ししてご意見を伺うという予定でございまして、8月には、合併協定書の
調印をして、9月に配置分合の議決を議会にかけていくというような予定でございますので、
よろしくお願いいたします。
◇10番(大東宣之君) 極めて時間がない中で、すごいことをやるのだなというのが率直
な私の感想ですが、これだけの時間しかない中で、これから将来何10年、100年以上の
街づくりがしっかりとやっていけるかどうか。その基礎を築けるのかどうかというのが、や
はり私にとっては不安が残ります。基本的には、市民の方々がこれからの街づくりの方向性
について十分理解をし、納得をし、皆で一緒になって新しい街づくりを進めていこうと。そ
ういうような意識になれるかどうか。それが市町村合併の成否を分けるのではないか。本当
にやって良かったのか、悪かったのかということが、そういう中で検証がされてくるのでは
ないかというふうに思いますが、そういったことから見てもですね、この時間的な問題、極
めて厳しいのではないかと思いますが、それで十分な理解や納得が得られるというふうにお
考えなのか、再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 「歳月人を待たず」と申しますが、努力傾注をしていく、その意
欲によって期間の関係等については、その熱意で払拭もできるであろうというふうに思って
います。もう一方におきましては、これくらいの気迫でもってかからないと地域住民の方々
のご理解もなかなか得られないであろうし、このくらいのいわゆる日程を持ってして、しか
もがんばるのだという意欲を示していかないとよしんばこれが半年向こう側の担保される日
程だとか、あるいは1年先の担保される日程だとかということがまだ決まっていないにも係
わらず、そういったところにも思いをおきながら、いわゆる対応していくという様はですね、
結局、後に引っ張っていくということになります。ですから、いま現状の中でもって、与え
られた環境の中で最大限にできることを展開していくと、こういったスタイルになるわけで
ございまして、この与えられた環境が平成17年の3月であるとするならば、これに向かっ
て進んでいくという形の中で、いろいろな調整項目について市民の理解を得られるように。
先ほど言うように最大限の努力をしていく。こういうふうに思っております。繰り返し申し
上げますけれども歳月人を待たず。これは大変あらゆる場面においても言えることでありま
して、慎重に当然進めながらも、場面によっては大胆な英断も必要だというような認識のも
とに突き進んでいくという気持ちでございますので、よろしくご理解のほどをお願いしたい
と思っております。
◇10番(大東宣之君) 市長としては堅い決意を持って、この法期限内というのを一つの
目標を持って取り組んでいきたいということは十分わかりました。ただ、市町村合併の枠組
みがまだまだ極めて流動的ではないか。いま沼田市含めて4市町村で法定協議会が立ち上が
ります。そこへ白沢、利根村、両村から参加をしたいという意見表明があって、希望があっ
た。新聞報道等によれば、片品、昭和についてもそれぞれの議会と協議をしていく旨の話し
があって、この市町村合併の枠組みがどうなっていくのかわからない。
 また以前、月夜野町が法定協議会に参加をしないというふうに言い出して、新たな枠組み
の提案を臨時議会でしようとして、結果として、提案ができなかったというような一つの大
きな問題も残ってきている。そういった枠組みがどういうふうになっているかまだまだ不透
明な中でですね、時間的な制約の中で本当にやっていけるのかどうかというのが一つの大き
な疑問としてあります。仮にこれからの中で、白沢、利根村、2村がこの法定協議会に加わ
ると。そしてさらにまた後から幾つかが加わってくる、抜けると言ったような事態になった
としても、この日程、この取り組みで間に合うのかどうか。お考えをお聞かせいただければ
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず大変、答弁に慎重を要するご質問がございました。振り返り
ますると、この1市2町1村の枠組みも、今年の1月の10日からスタートした流れの中の
連続性の中でもって位置をしておりまして、ですから月夜野等がいろいろと紆余曲折ありま
したけれども、現状の流れになってきたということは、スタートの流れの中から今日まで来
ているわけでございまして、この大道はしっかりしたものであるというふうに認識をしてお
ります。
 先ほどお話しがあった、いわゆる両村、白沢村、利根村の関係でございますけれども、こ
れらにつきましては、当然すでに合併協議会、4市町村の枠組みがスタートしておりまして、
小委員会や専門部会を設置して具体的な調整協議を進めている状況でありますので、やはり
今後につきましては、4市町村において十分に協議をして、対応をしてまいりたいと考えて
おるわけでございます。ただもともとのスタートの時点で、1市2町6カ村の考え方をもっ
てスタートしてきた経過がありますので、今後、いわゆるすでに法定協が組まれている4市
町村と協議をしながら、いわゆる2村についても対応を考えていかなければならない。こん
なふうに感じております。大変この辺のところについては、慎重を要さなければなりません
ので、私どもも慎重には慎重を期しながら対応してまいりたいというふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) 当初の市町村合併の枠組みが利根沼田一帯、1市2町6カ村とい
うことで、市民の方々に説明をしてきた。それが結果として法定協議会の立ち上げの時点で
1市2町1村というふうに枠組みを変更したわけですから、その時点でやはりしっかりと市
民の方々にそういう説明をする必要があったのではなかったか。また、1市2町1村で立ち
上がった法定協議会、これが変化をすれば当然市民の方々に、またこういう枠組みの変更と
いうことで説明をして、理解と納得を得ていく必要性があるのではないかと思います。そう
いった中で先ほど来言っている法期限内での市町村合併というのがどうなのかと。そういっ
た枠組みの変更がコロコロ変わってくる。そういった中で十分市民の方々に理解と納得が得
られるような市町村合併として取り組みができるのかどうか。そういった点で私は不安が残
りますし、その枠組みの変更、一つひとつの時期に応じたような説明をやはり市として、市
長としてしっかり行う必要性があるのではないかというふうに思いますが、市長としてのお
考え、再度お聞かせいただければと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 午前中の大東議員の再質問にお答えしたいと思っております。
 先ほど来から申し上げておりますように、来年に入ってから間もなく説明会をさせていた
だくことについては申し上げましたが、1月の28日から2月の12日の間におきまして、
市内8カ所により市町村合併住民説明会を開催いたしまして、合併協議会設置に至るまでの
経過や現況の枠組みで合併協議会を設置することになった経過、また、合併協議会の構成の
現況、合併協議会における協議概要やその結果、合併協議会における今後の協議予定などに
つきまして、市民の皆様に説明を行う予定になっております。さらに、地域、団体等の要請
に対しましても、事情の許す限り住民説明会を行って、情報の提供を行うとともに、住民に
ご理解いただくよう対応してまいりたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) 1月から2月にかけて住民説明会を開きたいということについて
はわかりました。ただこれからの枠組みの中で、流動的にまだまだどうなるかわからない。
今の1市2町1村、4市町村で法定協議会が立ち上がっているわけです。ですから一般的に
は、この1市2町1村で市町村合併をするのだということになるのではないかと思いますが、
ただ枠組はまだ流動的、先ほど来言っているように、白沢、利根村が入りたいと。結果とし
て、じゃあ入ってくださいということになったり、また他の村からも入りたいというように
なって、枠組みがどんどん変わる、そういうことも考えられるのではないか。そういったと
きに一つひとつの枠組みが変更したことも含め、そういう市民の方々にきっちりと説明をさ
れるのかどうか。再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 予定されております説明会はただいま申し上げたとおりでござい
ますけれども、ただいまいろいろと変化のある地元の状態の関係につきましては、今月の2
5日に2回目の法定合併協議会が行われる予定になっておりますけれども、この場での論議
が大きな山場になるだろうと。こういうことになると思っておりますので、よろしくお願い
をしたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 結局、枠組みが変わるということはですね、やはり新しい街づく
りがどうなるのかということも当然変わってくるわけだと思います。当然それが新市計画な
ども含めてですね、また合併特例債の使い方などを含めていろいろなことが、もう枠組みが
変わることによって一つひとつ変わってくるのではないか。ですから今の1市2町1村とい
う枠組みがそういう形で変化をすれば、これからの新しい街づくり、新市がどういうものに
なっていくのか。それを一つひとつ市民の方々に示していく必要性があるのではないか。そ
ういう中で新しい街づくりをどうしていくのかということが、市民の方々に理解や納得を得
られることになるのではないか。ですから当然、枠組みが変われば、その都度市民の方々に
理解と納得が得られるような説明会を開いていくお考えがあるのかどうかお聞かせいただけ
ればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 現況の中ではですね、先ほど申し上げました来月の下旬から2月
にかけてですね、説明会を行うということに予定をさせていただいております。なおですね、
現況でも先ほど申し上げましたように11月から12月にかけていろいろと団体等の懇談会
が組まれて、そういったところをつぶさに消化をしてまいりました。そういった場面でも約
全体のもう7割くらいはほとんど合併の問題の経過についての説明に時間を費やしてきたと
いう経過がありますので、ご理解を賜りたいと思っております。
 特に団体の方々は、結局合併した暁にはどういうふうに現在の団体がなっていくであろう
ということに質問が終始をされておりましたけれども、いわゆるそういった意味で11月か
ら12月にかけても正面に合併ということを銘打ったわけではございませんでしたけれども、
懇談の席で合併に関するところの関心が極めて高くてそういったご質問にお答えしてきた現
況経過がございました。ですから来年の1月の下旬から2月の始めにかけては、当然、この
現時点での状態をつぶさに説明してご理解いただいていく。繰り返し申し上げますけれども、
各種団体との関係につきましては、事務局に指示がしてありますので、要請があればいつで
も対応ができるように、時間の設定ができるように、そういった指示をしてありますので、
もし議員がお考えになっておられるような団体がありますれば、ぜひまた私どもの事務局の
方におつなぎをしてもらえれば、できるだけ対応してまいりたいと思っておりますので、ご
理解いただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 月夜野町が1市2町6村、利根沼田が一体となった法定協議会が
立ち上がらなかったと。要するに1市2町1村で法定協議会を立ち上げるという段取りにな
ったときに、月夜野町では再度、住民説明会を開いて、町長に言わせれば、そこで町民の方
々の反対が多かったから、私はそこで1市2町1村の法定協議会には参加をしないのだとい
うことを言ってすったもんだがあったわけですが、基本的にそれが、今までの経過が良かっ
たか、悪かったかは別としても、そういう形で今まで言ってきた1市2町6村、利根沼田が
一体となった市町村合併という枠組みが変更になった時点で、1市2町1村で法定協議会を
立ち上げるということについて再度住民に説明をしたということはですね、手続上私は何ら
問題はなかったやり方ではなかったかと。ですから普段、市長は明確に答弁をいただいてい
るのですが、私がここで聞きたかったのは、枠組みを変更した時点で再度住民の方々の説明
会を開くのだというお考えがあるのだということで、先ほどの答弁は理解をしていいのかど
うか。再度確認をさせていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、本問題については、変更とか、事態が変われば
議長等にご相談申し上げたりして全員協議会にお世話になったり、あるいはまた3号議員の
方々に説明をさせていただいたりして、変化がある度にそういった対応はしてきたつもりで
ございます。当然、議会の方々は、いわゆる地域の、あるいは団体の代表の方々でございま
するし、そういったところにはしっかりとした神経を、あるいはまた意を伝えてきたつもり
でございます。
 なお、先ほど来のお話しのとおりの説明会等につきましては、いわゆる団体等必要があれ
ばいつでもするような形で事務局に指示をしておりますし、当面、予定する関係については、
来月の下旬から2月にかけて行うということになっておりますので、ご理解を賜りたいと思
っております。
◇10番(大東宣之君) はいわかりました。いろいろな機会をとらえて市民の方々の理解
と納得を得るような努力を重ねていただきたいというふうに重ねて要望をしておきたいと思
います。
 それから、最終処分場の建設についてですが、この法定協議会の枠組みと沼田市外三箇村
の一部事務組合の枠組みが違ってくると。現在の西部3カ町村についてはですね、最終処分
場を持っておらないという状況にあるのではないかと。当然そうなってくると、仮に1市2
町1村で市町村合併を進めるとしたとして、この最終処分場の建設については、やはり今ま
でのように沼田市外三箇村でやっていくのとは当然違ってくるのではないか。規模、内容、
それから設置場所等々についてもですね、変更が出てくるのではないかと思いますが、市長
としてはどのようなお考えなのか、再度お聞かせいただければと思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後1時08分休憩
─────────────────────────────
午後1時15分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えしたいと思います。
 今後のごみ処理の問題でありますが、ご案内のとおり1市3村で組んでおります一部事務
組合があるわけでございますが、合併が現時点の段階の中で順調に推移をいたしますると、
沼田市が1市2町1村の枠組みの中に新市が形成されてまいります。そういったことから当
然、この沼田市、白沢、川場、昭和との先々の協議がなされ、あるいはまた今度は仮に沼田
市と2町1村が合併をしたとすれば、そこのところの部分との枠組みと、白沢、川場、昭和
との協議をしなければならないというふうな形になろうかと思っております。
◇10番(大東宣之君) この問題についてはですね、この最終処分場を一つの理由として
合併を無理やりさせるみたいなやり方はとらないでいただきたい。どこかの市長は、もう広
域圏を解散するのだからお前のところは面倒を見ないということで合併を無理やりさせよう
としている。そういうようなことは沼田の市長としてやってほしくはないというふうに私は
思います。ですから、新たな枠組みで1市2町1村の枠組みの中で、白沢、川場、昭和と、
一部事務組合を含んでいるところと十分協議をしながら、この問題については当っていって
いただきたいというふうに思います。そういうことを重ねてお願いをしておきたいというふ
うに思います。
 市長に最後にお聞きをしたいのは、いまこの市町村合併についていろいろな噂が飛び交っ
ております。どういうふうな状況になっているのかというふうに市長としてはお考えなのか
お聞かせいただきたいのてすが、例えば市町村合併をすればいま自分のところにある借金が
チャラになるからいいのだというようなことを平気で言っている議員がいる。もうすごい借
金をしておきながら合併特例債を当て込んで、さらにまた借金を重ねようとしている。そう
いうところもあると。沼田に対しては街なかがあるからあんなところと合併するのはいやだ
みたいな、いろいろなことが言われている。しかし本来、市町村合併をして皆で力を合わせ
て新しい街づくりを進めていこうという崇高な理念も何もない。こういう状況の中で市町村
合併を進めることが、市民にとっていいのかどうか。非常に不安を感ずる、私は。そういう
ような状況をどう打開をしていくのか。そういったまちがった認識、改めていっていただか
なければいい街づくりはできない。そういうふうに私は思います。市長として、この市町村
合併についていま状況はどういうふうになっているのか。認識されているのかをお聞かせい
ただきたいのと共に、本来、市町村合併によって新しい街づくり、だれもが幸せになれるよ
うな街づくりをするという、そういった崇高な理念、どういうふうに作り上げていくのか。
最後にお聞かせいただき、私の質問を終らせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 現時点の合併問題に対するところの各方面の認識のことについて
でありますが、市長としてどのような把握をされているかということでございますけれども、
これはいろいろな場面で、いろいろな人からご意見を伺いますが、やはり元々利根沼田は一
体だったからお互いにこの時期になって手を取り合ってがんばっていくのがいいのではない
かというようなこの大道に則したことを申し上げる方々が、王道というか、そういうことを
申し上げる方が、私はよく聞く場合が多い経過がございます。また、もう一方におきまして
は、やはり今言う借金が合併することによってなくなるとか、街なかの関係について特例債
が使われてしまうのではないか。そういった風聞についてはですね、私は場面、場面でそう
いったようなことが出てくれば、それをすべて払拭するためのことを明確に述べてきたつも
りでございます。それはなぜかというと、決して借金をなくすために、あるいはまたそれぞ
れの事業の関係の  の負の面をさらに増幅するために合併はあるわけではないわけであり
まして、やはり各郡、市民が心を真っ白にして、将来の郡、市がどうあるべきかというふう
なことをとらまえながらやはり考えていく必要があるのではないかと思っておりますので、
少なくとも私はそういった意味でいたずらな風聞については払拭をするように、あらゆる場
面で努力をしてきたつもりでございます。幸い各方面の方々もそういった意味で認識を同じ
くしてくれておりますので、そういう意味では、場面、場面でそういった問題が出てくれば、
できるだけいたずらな風聞をこれからも払拭するように努力をしたいと、こういうふうに思
っているわけでございます。
 また先々の、いわゆるだれもが合併をして良かったという状況を作らなければだめなので
はないかということについては、まったく同感でございまして、ただやはり議員がよくおっ
しゃっるように、容易でない自治体が、容易でない自治体と手を組んでも、それは容易でな
いことが増幅するだけではないかというようなご指摘も議員から機会あるごとにもらってま
いりました。ただ、そういった流れの中で、ここのところは郡、市民の意識の変革も同時に、
やはり将来に向かっていわゆる希望や夢が持てるような地域づくりのために政治に、あるい
はまた行政に係わっている人間は、そういう意味では進むのも大変、後退するのも大変、大
変ならば進んで未来にかけようというところが、やはり今回の大きな、歴史的な節目がある
のではないかと思っております。そういった観点から、元々の持論でありますところの、地
域内の分権化を図って、できるだけ今まで以上に行政が合併したことにより集中するのでは
なくて、末端に行き渡るようにやはり行政体を考えていくことであるとか、やはり現下の日
本国、あるいは地球全体のところに環境問題等が大きくクローズアップされて、まさに水だ
とか、自然の力というものが高く評価されている今日にあって、私どもはこの地域の存在を
考えるならば、やはり東京都を中心としたいわゆる中央のところと一線を画して、私どもの
持ち味を十二分に生かしていくべく段取りを講じて、他の地域との区別化、差別化を図って、
そして特性を出して、文字通り国際社会の中に入っても十二分に、国際社会の中でも対応で
きるような、そういう位置づけのもとにこれから進んでいく必要があるのではないか。この
ように思っております。
 もっとすれば、いろいろなプロジェクト等の会議等が当然、東京や大阪や京都で行われる
場面が多々あるわけでございますけれども、少なくとも水や環境問題や、あるいはまたそう
いったことについては、本地域がホームグランドがあると。今回、プロ野球になぞられると、
日本ハムがサッポロの方に今度は拠点を移すようでありますけれども、やはり我々の地域は
少なくとも、東京や京都や大阪には、こういったところでは劣っているけれども、こういっ
たところでは申し訳ないけれども我々の方が進んでいるのだというようなことを明確に出し
ていけるような、そういう形の街づくりを展開して、文字通り、まさに日本国内の地域社会
の地域間競争はもちろんのことでありますけれども、国際社会の中にあって、よく京都等で
いろいろと国際関係の、環境問題の論議がなされていることがマスコミ等で伝わっておりま
すが、そういったものこそ私どもの地域が受け皿となり得るような、そういうことをこれか
らも講じていかなければならないのではないか。このように思っているところで、ここのと
ころは本当に大きな、歴史的な曲がり角でございまして、ぜひ地域の存在や地域の持ち味を
十二分に生かし得るような、そういう街づくりを展開していく大きな糧として合併問題が横
たわっていると、こういうふうに認識をしておりますのでご理解を賜りたいと思っておりま
す。
 ◇議長(星野佐善太君) 次に、角田泰夫議員。
〔6番 角田泰夫君登壇〕
◇6番(角田泰夫君) 通告に基づきまして一般質問を行います。
 市長はじめ当局におかれましては、市町村合併という大問題をはじめ様々な課題に対し精
力的に取り組まれていることに対して、敬意を表したいと思います。
 今回の私の質問は、沼田市の活性化についてであります。特に農業の問題を中心に質問い
たします。
 昭和36年に制定をされた「農業基本法では、農業従事者が他の国民と均衡する、健康で
文化的な生活をできるようにする」いわゆる所得均衡の政策理念のもとに近代化政策が行わ
れてまいりました。果樹や野菜、畜産等の選択的拡大、米や畜産等の規模拡大、単一品目、
大量生産、主産地と大消費地を直結等により、そして何よりも日本の高度成長の中で、一定
の役割を果たしてきたと思います。
 しかしその反面、野菜の単品生産での連作障害、果実や米の過剰生産、畜産の規模拡大に
伴う経営破綻などが見られるようになってきました。
 特に本市においては、養蚕業の衰退があげられると思います。近年、消費者の側からは、
味や食べ物の安全性、健康への影響を考えての注文や0−157、牛のBSE、大豆等の遺
伝子組み換え問題等がクローズアップされてきました。また、生産者側はそれらに対応すべ
く産直運動や無農薬、自然農法、地産地消による農産物直売所などが各地にできてまいりま
した。
 新しい農業基本法では、「食料、農業、農村基本法」と命名されたとおり、食料生産だけ
でなく、新しい農村のあり方やそこに住む人々の生き方や都市と農村のあり方までも含めた
総合的な考え方が求められていると思います。
 新農業基本法に対し、その基本的認識と見解について市長に伺います。
 高度経済社会を支えた農家の二、三男や出稼ぎ農家、専業農家の一方的減少と農業従事者
の高齢化の中で、地域農業を担っていく人材をいかに育成していくか急務であります。ここ
数年の後継者の実態と対策について伺います。
 緑豊かな自然や農村生活の体験、農村の人々とのふれあいを求めて旅をする。あるいは休
養をとるというグリーン・ツーリズムという言葉が登場して10年くらいかと思います。ヨ
ーロッパ、特にドイツ、フランス、イタリア等で盛んに行われております。日本でも週休2
日制が定着し、余暇の時間が増えたことや、都市生活者の間での食べ物や健康への関心の高
まり、中山間農村サイドでは、地域活性化の切り札として考えられてきました。構造改革特
区の提案の中にも全国でいろいろなアイデアが出され、実行されてきております。沼田市で
の現状と今後の取り組みについて伺います。
 川田、池田、薄根、利南と沼田市街地を取り囲む農村地帯では、一部を除き土地区画整理、
土地改良事業が進展してまいりました。広い道路により大型機械の導入や観光農業への対応、
導排水路の整備による作業能率の向上化等々、農業生産力の向上に果たした役割は多大なも
のがあったと理解をしている者の一人であります。
 しかしまだ、未整備の場所も多く残されております。事前同意率100%での事業着手は
非常に高いハードルでありますが、今後の推進について伺います。
 本市の森林面積は60%強だと言われています。森林の持つ機能、役割の重要性は、だれ
もが認めるところであります。過疎化、高齢化が進んでいる山間地においては、だれが山を
管理するか大きな課題であります。和歌山県では、「緑の雇用事業」として、林業従事者の
確保に努めている事例もありますが、本市の施策について伺います。
 次に、千葉大学との連携について伺います。
 園芸学部の高冷地農場として、りんごを中心とした果樹、野菜、花木の研究において、多
くの成果を上げてきました。特にりんごの品種改良等を通じて、本市の農業の発展に係わっ
てきたと思います。来年から、国立大学の独立行政法人化に移行します。国立大学も再編、
統合が進み、今年度だけでも国立大学は10校減少し、現在100近くの大学が60位にな
るだろうと言われています。大学にも競争原理が導入され、大学間、学部間の生き残りをか
けた競争が始まると言われています。千葉大学でも、医学部、薬学部、教育学部、看護学部、
工学部、園芸学部、各分野の教員が結集して、環境健康フィールド科学センターが千葉県柏
市に開設をされました。
 沼田の高冷地農場は、森林環境園芸農場として新たなスタートが始まりましたが、今後、
千葉大学との連携をどのようにしていくのか、市長の考えを伺います。
 最後に、県営の畑地帯総合整備事業としてスタートしてきました上沼須、沼須、新町にま
たがる土地区画整理事業でありますが、面整備も今年度で終了する見込みになってまいりま
した。沼田市では、県の企業局による初めての住宅団地構想でもありますが、現状と今後の
推進方法について市長に伺い、1回目の質問とさせていただきます。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの、角田議員のご質問にお答え申し上げます。
 沼田市の活性化について、新農業基本法と沼田市の農業政策について、新農業基本法に対
しての基本的認識と見解についてでありますが、この新農業基本法は平成11年7月に成立
し、昭和36年に制定された「農業基本法」に基づく戦後の農政を抜本的に見直したもので、
我が国の食料・農業・農村をめぐる情勢の大きな変化に対応するため、食料、農業及び農村
の各分野にわたる施策の基本理念とその基本方向を明らかにし、国民生活の安定向上と国民
経済の健全な発展を図ることを目的と制定されたものと認識しています。
 また、農業及び農村に関する施策については、基本理念の実現に向けて、国・県・農業団
体及び農業者との適切な役割分担を踏まえ、地域の自然的・経済的・社会的諸条件に応じた
施策の策定及び実施に向けて努めると定めてあるとの見解であります。          
 次に、担い手対策についてでありますが、効率的かつ安定的な農業経営を担うべき人材の
育成及び確保を図るため、農業者の農業の技術及び経営管理能力の向上、新たに就農しよう
とする者に対する農業の技術及び経営方法の習得の促進と、農業に対する理解と関心を深め
るよう、農業に関する教育の振興その他必要な施策をすることであります。
 本市の担い手農業後継者として期待されている新規就農者は、平成11年から14年まで
の4年間に15人、更に本年7月までに新たに3人の方が新規に就農しております。今後に
おいても、構造の現状及びその見通しの下に、農業が職業として選択し得る魅力とやりがい
のあるものとなるよう、将来の農業経営の発展の目標を明らかにし、効率的かつ安定的な農
業経営の育成が出来るよう担い手を育成してまいりたいと考えております。
 次に、グリーンツーリズムについてでありますが、グリーン・ツーリズムは、自然が豊か
な農山漁村にゆっくり滞在し、その地域の生活や文化、人々とのふれあい、農林漁業体験を
楽しむものです。
 グリーン・ツーリズムを推進することは、都市部に住む人たちにとっては、新しい楽しみ
や発見、リフレッシュの場になるとともに、農山漁村に住む人たちの就業機会の拡大や所得
の向上、生活環境の改善にもつながるなど、双方に良いことがあります。沼田市としても、
利根沼田地区の農業関係者で構成されている新アグリトピアとねの創造プロジェクト実行委
員会等の中で、観光型農業の推進として関係市町村と協調し、今後も地域特性を踏まえ取り
組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、土地改良事業の今後の推進についてでありますが、本市では、平成14年度末まで
に農業振興農用地区域、いわゆる農振区域の約57%の基盤整備が完了いたしまして、地域
農業の生産性の向上や労働力の省力化に努めてきたところであります。
 今後の事業推進については、受益者の皆さんの全員の同意を得ることを前提に、担い手の
確保や地域の熟度等を充分にふまえながら、進めてまいりたいと考えております。
 次に、林業の振興についてでありますが、新農業基本法では、食料、農業、水産業及び林
業と密接な関連性があると位置付けられておりまして、本市は地形的に見ましても、正に基
本法が示しているとおりであることはご案内のとおりかと思います。そのようなこと等も相
まって、本市は平成2年「人と自然が真にふれあう理想の街」を目指して森林文化都市を宣
言し、林業の振興を図っておりますが、今後とも第四次総合計画の実現に向けて努めてまい
りたいと考えております。
 次に、農業政策での千葉大との連携についてでありますが、国においては経済活性化等推
進の一環として、進展の遅い分野の規制改革を地域の自発性を最大限尊重し進めるため、地
域的に規制の弾力化や緩和をすることにより規制改革を加速化し、特定地域への産業集積等
の誘導による地域振興を通して経済活性化に貢献するとの位置付けにより「構造改革特区」
の導入が図られたところであります。
 議員ご案内のとおり、本市の川田地区には千葉大学園芸学部高冷地農場、平成15年4月
からは森林環境園芸農場がありまして、その農場を通して教授や学生など大学関係者と行政
をはじめ、青年会議所等との官民レベルにわたる活発な交流が図られてきたところであり、
それらの経過を踏まえまして、千葉大学と本市との協力関係のもとで「中山間地域園芸特産
共同化研究開発特区」としての提案をいたしました。
 本市提案につきましては、構造改革特区に限定するものではなく、全国において実施する
ことが時期、内容ともに明確な規制改革事項として、法令改正がなされたところであります
が、本市と千葉大学とは研究用西洋ナシ苗木の仮植や留学生との交流会等の交流事業を続け
ているところであります。
 特区提案の内容は、地域果樹観光農園の活性化に資する園芸特産物の開発等の研究に対す
る取り組み等をはじめとして、農業政策による地域経済活性化振興策でありますので、今後
につきましては、千葉大学との交流をさらに図るとともに、千葉大学との連携による全体計
画を策定し、新農業基本法での本市における農業政策として位置付けた施策展開を積極的に
図ってまいりたいと考えておるところであります。
 次に、沼須地区住宅団地構想について、その現状についてでありますが、本件構想は、沼
須地区土地改良事業に併せ良好な住宅団地を造成し、市内外からの宅地需要に供給する考え
で平成5年度から群馬県企業局に、その実現に向けて要請をしてきたところであります。
 この間企業局には、土地改良事業の進捗状況に留意しながら、その成立性に向けて検討を
加えて来て頂いておりますが、長引く経済不況や地価下落傾向等から事業採算性の問題や、
多くの宅地需要が見込めないとして、当初計画から大幅な規模の縮小や市によるコスト負担
を強く求められている状況であります。
 このような状況を踏まえ、土地改良事業の所管部署と連携しながらその実施時期の早期実
現や用地の処理問題、あるいは宅地需要等さらなる検討を加えつつ、企業局と協議を重ねて
いる現状であります。
  次に、今後の推進方法についてでありますが、住宅団地構想の実現に向けては、基本的に
は土地改良事業における換地処分登記を待って、用地買収・造成工事・販売行動を順次行う
こととなりますが、その推進につきましては所期の目的に向けて群馬県企業局に特段のご努
力を要請して参る所存であります。
 また、沼田市といたしましても、土地改良事業の進捗状況に留意しながら、事業成立に向
けて宅地需要の見通しについての検討や、用地取得及び販売価格の適正化の検討、あるいは
事業コストの一部を沼田市として負担することが可能かどうかの検討など積極的に取り組み、
併せて結果的に規模縮小となった場合の非農用地における残地分の土地活用についても、あ
らゆる可能性を模索しながら土地改良事業のスムースな終息と、土地の有効活用の観点に立
って最大限の努力をしてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 以上、角田議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇2番(角田泰夫君) ご答弁をいただきましてありがとうございます。何点かにわたりま
して再質問をさせていただきます。
 まず、新しい農業基本法の見解についてでありますが、市長が言われたとおりだと思いま
す。まず、昭和36年に制定をされました古い農業基本法は、ヨローッパ、特にドイツの農
業政策からヒントを得て導入されたと聞いております。その部分においては、今までの日本
の零細的な農業からいわゆる専業農家を育成していくのだと。そういった大きな政策理念の
もとで所得の増大を図っていくと、そういう目的だったと思います。まさにそれは日本の高
度経済成長と軸を一にして、それなりの成果を挙げてきた農業基本法ではなかったかと思い
ます。そういった中でいろいろな面で時代の変化がやってまいったと思います。特にこの地
域においても、先ほども言いましたように養蚕業の衰退、これは外国農産物との関連、そし
て単一生産方式から来るところの連作障害等が起きて、産地が移動してくると。あるいは稲
の、米の過剰生産等を通じての限界だとか、あるいは畜産においては、規模拡大競争に破れ
てしまった人達も多く出てきたと。そういう中で本当に日本の農業を守っていくには食料生
産だけではなくて、農業、そしてそこに住む農村の人達の生活まで考えたいわゆる総合的な
政策として今後は取り組まなければならないというふうな方向に変わってきたと思います。
 そういった意味で市長も、県の園芸協会長としての立場として、また県議時代から農業問
題に非常に取り組んでこられたという経過を踏まえて、もう一度新しい農業基本法に対して
どのような考えでこれから進めていくのか、具体的な事例等がこれからありましたらひとつ
お願いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 角田議員の再質問にお答えします。
 農業基本法の認識については、まさに議員がご指摘のとおりでございまして、いろいろな
角度から今後ともまたご指摘をいただきたいと思っておりますが、従前の農業基本法と結局、
今回の農業基本法の決定的な違いというのは、やはり保護から自立へと、こういう転換があ
るのではないかというふうに思っております。そういったことから非常に議員がご指摘のと
おりですね、零細農家から専業農家への移行を、高度経済成長と期を一にして動いてきたと
いうこともこれまた事実でございまするし、その経過の中にあって、養蚕や単一産地の結局
移動、連作障害の問題、あるいはまた米の過剰生産、畜産の規模拡大にいろいろと勝負に負
けたところ等いろいろあって、今回の新農業基本法が出てきたというふうに理解をしており
まするし、まったくそのとおりかと思っております。
 私どもも昨日も、実は合間をぬって昼休みに、実は文化会館に私は行っております。それ
はいちごの研究会がこざいまして、お昼休みに私がいちごの研究会に顔を出す機会がござい
ました。群馬県から200人くらいのいちご生産者が集まって、そしていちごの研究の関係
についていろいろと勉強をされていたわけでございますけれども、そこの中で実は、群馬県
のいちごの苗木のすべてと言ってもいいかと思いますが、白沢村の佐藤家と山口家、いわゆ
る群馬県の苗木が生産されております。彼らはそういったことからとらまえていくと、非常
にいちごを作るということから前段の苗木の関係等について、大変造詣が深くて、その苗木
がなければ結局、群馬県中のいちごができない。そういったことから、非常に農業生産者の、
一般的ないちご生産とはうらはらに、そういったもっと、もっと研究、熟度を必要とすると
ころに視点を置いたところでもって行っていく。彼らは当然、彼らがいなければ結局いちご
はできないわけでありますから、そこのところに対する配慮がうんと必要になってくる。た
またまこの春先、両家のハウスに電気が入っていかないということがございまして、これに
対して私がいろいろと動いて、その電気の導入等も図ることができたわけでございますが、
まずこういうようなことが一つあげられる。特別化、区別化、差別化されている形ですね。
 もう一方におきましては、これも角田議員がよく承知している方が赤城の原で、もともと
はコンニャク農家でありましたけれども、現在、野菜の生産組合を作って、現在、確か40
人くらいのグループがおって、6億4,000万くらいの生産をしております。彼らは自主
的に、この10年くらい前から立ち上げてまいりまして、つい先般、月夜野の方の上牧の旅
館、ホテルにおきまして、確か全国から特にコープ関係の方も含め、消費者の方々と交流を
行って、そこではまさに40人で6億4,000万となりますると、概ね2,500万くら
いの平均生産を挙げていると。こういうことになろうかと思っております。それもですね、
やはりある一人の青年が、やはりコンニャク生産からスタートしたのですけれども、加工施
設を導入することによって売る妙技を覚えた。そして、そういった形の中で、この際、自分
一人ではということでもって、仲間を作って、そして野菜関係のグループを作って、そして
しかも団体等に世話になることなく、自分たちが自主的に販路を拡大していった。私が驚い
たことに、その仲間に青森県の生産者まで入っていたということがあって大変驚いたり、ま
たその方々に敬意を表したわけですけれども、状態はそのようなことがまず一つあると思う
のです。いわゆる他の地域に比べて生産性をあげて、他の地域と差別化を図り、区別化を図
っていくというやり方が一つあると思うのです。
 もう一つには、いみじくも総合的だという話しをされましたけれども、小さな、コンパク
トな場面でありましょうけれども、例えばコンニャクを作る。しかも自分の家でコンニャク
芋を擦って、そして例えば角田議員さんのお宅であれば角田ブランドとしてそのコンニャク
のいわゆる製品を直売所等で売っている、生産、加工、販売までを手がけている形の中で、
それは生産量とすればうんと少ないかもしれませんけれども、総合的なコストの縮減だとか
あいまって、最終、最後の売る段階まで入りますと、これは当然、それなりの利益が出てく
るというようなことになると思っております。いずれにいたしましても、前段が、生産性を
あげるための他の地域との差別化であり、区別化であるとするならば、後段は、自らが主体
となって、自らも力によって生産から販売まで手がける。こういうことになっていくのかと
思いまして、そういう意味では二分極化されていくのではないか。こんなふうに感じており
ます。
◇2番(角田泰夫君) 具体的な事例も挙げていただきまして、ご答弁ありがとうございま
した。
 まさに、農業の持つ総合産業化、単一に主産地形成をしてきた裏にそういった総合的な取
り組みが芽生えてきていると。そういうような昨今ではないかと思います。先ほどの事例も
会派の研修で、埼玉の大手スーパーに視察に行きましたら、ちゃんとそこにも食品が陳列さ
れていて、ああ利根沼田の青年が作ったのは世界のカルフールの売場に、日本で3点選ばれ
て、そこに出品されておりましたが、そこに出ている事例も実際に見てきまして、すばらし
い取り組みがなされているなというふうな感じはしました。沼田が中心なのですけれども、
利根沼田周辺まで含めますとここのところは非常に標高差が、海抜200から千数百mまで
ありまして、ご存じのようにJAの方は10年前に合併をされまして、利根沼田一体として
の農業生産の振興を図っているわけですけれども、今までどちらかと言うと、こういった何
でもできるところというのは、この特色がないということで、痩果的な政策だったのですけ
れども、いま連作障害等を見ると、今までは個々の農家で輪作体系を作って進めて行くとい
う方向だったのですけれども、今は農家同士で、野菜農家とか、コンニャク農家とか、それ
ぞれが協力し合って、農家同士での連作障害を回避するとか、あるいは先ほど言いましたよ
うに、農産物を生産するだけでなくて、直売所を作って消費者の方に直接売ると。今年度は
薄根地区でも、農家の主婦を中心に100何十名という、薄根アグリですか、そういった組
織を立ち上げて直売所も始まったようでございますし、いろいろな形で総合的な農業政策が
まさに行われてきていると。そういう意味で、そういうものを大事にしていく農業政策をこ
れからもぜひまた進めていっていただきたいと。新しい農業基本法に対する見解については
よくわかりました。
 続きまして、担い手対策ですけれども、先ほど答弁がございましたように、新規就農者や
Uターン等も含めて、ここ数年で10何人という方が担い手として沼田市の農業に参加され
てきている。いま新規就農者、あるいはUターン、Iターンを含めて、いまの日本の農業の
中でも兼業農家が圧倒的に多いわけですけれども、それらの人達が定年を迎えて、その中で
自分の家業である農業をやっていくという事例も数多く見られてきております。そういった
意味で、いろいろな多様な人達が農業生産に携わる仕組みというのを作っていく必要がある
のではないかと思っております。
 それと1点、水田の米政策の中で、今後、各地域で担い手を地域で選んで、その人達に集
積をさせていくのだと。これは地域での話し合いを基に担い手を自ら作っていくという、こ
れは地域での話し合いをもとに、担い手を自ら作っていくというような方法なのですけれど
も、市でもこれに係わってきてもらっていると思うのですけれども。それらの担い手対策に
ついて、どのような基本的な考えでおられるのかお聞きをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの角田議員の質問にお答えをしたいと思いますが、昨年
の秋にですね、全国のりんご研究大会が本市で行われました。その主会場は水上町であった
わけでございますが、玉原、つまり池田地区を中心に行いました。実は来年、全日本の野菜
の研究大会が本県で行われます。これも主会場は水上町でありまして、当然、そのときのい
わゆる圃場の視察等は、我々の所を中心に行われるだろう、こういうふうに思っております。
また、この1カ月以内でりんごの品評会であるとか、いわゆる鉢物の品評会が群馬県で行わ
れておりまして、そのりんごの品評会の最大のチャンピオンは、上久屋の生産者がなってお
りまするし、仲間がたくさん入っております。鉢物の関係等についても、これも地元の関係
者が、チャンピオンとまでも行かなかったけれども、準チャンピオンになっております。利
根沼田でみると、ほとんどりんごにしろ、鉢物にしろ凌駕している実態でございます。そう
いった意味では、やはり議員がご指摘のとおり、この農業が群馬県全体で高く評価されてい
るし、その実績もすばらしいものがあると、このように思っております。
 昨日のいちごの圃場視察も、議員の地元のところが視察地となっております。よく承知し
ている方のところが視察現場になっております。ですからそういった意味で、大変農業生産
者の立場からすると非常にこの数年来、利根沼田地区が、あるいはまた沼田地区が注目をさ
れているということになろうかと思っております。担い手も、そういった意味で決して数こ
そなかなかまだ難しい状態にありますけれども、非常に農業青年会議所なり、観光農業関係
の青年部等の状態を見ても大変力の入っている人が多くて、認定農業者の関係の方々も大変
がんばっておられるなと、こういうふうに思っております。
 そういった観点から、いま米政策の関係についての担い手のいわゆるシフト化と言ってい
いのかもしれませんけれども、AさんならAさんに、ある程度そこに委ねていくという、そ
ういうことなのではないかと思っておりますが、ご提案の趣旨は非常に時期を得ているかな
と、こういうふうに思っているわけでありまして、ぜひこれからもそういったご意見を私ど
もに頂戴できればありがたい。こんなふうに思っております。
◇2番(角田泰夫君) まさに沼田市の農業も、非常に後継者を中心に非常にベレルの高い
段階にあるというふうなお答えでございました。少々ちょっと前なのですが、いわゆる遺伝
子組み換え農作物の関係が大豆等で非常にクローズアップされた時期がありまして、そのと
き消費者の方が自分で味噌を作りたいと。しかもちゃんとした無農薬でどうかと、ちゃんと
そういう提案をいただいて、それでは今は農地等も大変あるので、そういった農地を借りて、
じゃあ自分達でそうした大豆作りから始め、その味噌づくりもやったらどうかということで、
その10何人のグループで取り組んでいる事例もあります。それも農業後継者が中心になる
わけですけれども、多くの消費者とか、あるいは農業生産者でない人達まで畑に取り組んで
いく、また農作業を一緒にやって安全な食品を作っていくと。そういうような運動も芽生え
ておりますので、ぜひまたそういう事例を広げていけたらなというふうに思っております。
 担い手の関係ですけれども、川田地区では枝豆中心、池田地区では観光農業中心、また、
薄根、利南では、コンニャク、野菜等を中心にして立派な後継者が出てきておりますので、
認定農業者の制度、あるいは農業青年会議所の運動等を通じて、またそういう人達への支援
をまたより一層やっていただければありがたい。そういうふうに思います。
 次に、グリーン・ツーリズムについてお伺いをしたいと思います。これもやはりヨーロッ
パ、特にドイツやフランス、イタリア等の先進国、ヨーロッパの先進国と言われているとこ
ろで行われてきた運動で、歴史的にはそんなに古くなくて、1970年頃から盛んになった
と言われております。これもヨーロッパで工業生産が盛んになり、市民生活が豊かになって、
向こうではバカンスと長期休暇がありますので、それらに対応した農村生活体験旅行という
形で広がったのかと思います。
 また、日本では、ちょっと1990年代、今から10何年前にそういったものを取り入れ
て、農村の活性化につなげたらどうかというような運動として始まったのではないかと思い
ますが、沼田市でも新しい第4次総合計画の中で、グリーン・ツーリズムの研究をしていく
のだという項目があげられておりますが、現在、どのような形で研究をされてきているのか。
また取り組みがどのような形になっているのかをお聞きしたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時05分休憩
─────────────────────────────
午後2時13分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただいま角田議員の、グリーン・ツーリズムに対する再質問でご
ざいますが、ヨローッパのドイツ、フランス、あるいはまたスイス等の山間に行きますと、
グリーン・ツーリズムが大変進んでいるということを私もよく承知しております。私どもの
立場は、新アグリトピア、利根の創造ということで、これは利根沼田全体で振興している中
で、観光型推進部会と高原野菜推進部会と環境保全型農業推進部会に分かれておりますが、
このアグリトピアの関係等について私自身が会長になっております。ですから議員がご指摘
のとおり、グリーン・ツーリズムは利根沼田にとって、あるいはまた先ほど来お話しのとお
りの合併問題等も含めて考えますると、新しい生き方の最たるこの地域の特性として位置づ
けられるというふうに認識をしておりますので、今後ともそういった方向でがんばっていき
たいと思いまするし、本市とすると、新アグリトピア利根の創造とリンクさせながらこれか
らも進めていくと。この数年来でですね、利根沼田のいわゆる地域の枠組みも大きく変わる
のではないかと思料されますので、そういった意味でグリーン・ツーリズムは大きな一つの
地域の活性化につながってくると。こういうふうに認識をしておりますので、ご理解をお願
いしたいと思っております。
◇2番(角田泰夫君) ぜひ推進をお願いしたいと思います。ある意味では、観光りんご等
で行っている観光農業も、ちょっと性質は違うのですけれども、都会の人達に農村地帯に来
て、農産物に親しんでもらうという意味では広義の意味でのグリーン・ツーリズムにもなっ
てくるかと思いますので、これをもっと本格的な交流ができるような運動にしていけたらと
思います。
 また、沼田でも観光農業ですでに一農家で年間聞いたら40万人の来客、来ていただいて
いる農園ももう出てきているようでありますし、非常にそういう意味での、首都圏に近いと
いう地の利がありますので、このグリーン・ツーリズムに関してうんと可能性があるのでは
ないかと思います。一つの事例ですけれども、今年、大分県の安心院町という所なのですけ
れども、これが日本のグリーン・ツーリズムではいま一番先端を行っている町だと言われて
いる事例を研究したのですけれども、この町では、ハードな面は何も作らないと。今までの
農家のまんまのところでそこに宿泊体験をしていただいて泊まっていただくと。食事は、な
るべくなら地域のレストランとか食堂を利用してもらう。また、農村部ですので、温泉があ
るところでは温泉に入っていただいて泊まると。そこでは、手を加えない農家のありのまま
の生活を見ていただく。そういう方式でずっとやっているのだというような事例を聞きまし
た。ちょっと前ですと、民宿等の経営のために、民宿を助けるために農村地帯に来ていただ
いて、そこに泊まって経済的な効果をあげるのだというのがあったのですけれども、そうで
なくて、本質的な農家の生活を直に体験してもらう。そこは会員になっていただいて、会員
が宿泊するという方式をとっているそうですけれども、今年度から大分県という所ですから、
知事を先頭に1村1品運動を始めた所だと思いますし、この後の住宅団地で提案しますけれ
ども、国東半島という所では、定住者を外から受け入れるということで、大分県で非常にそ
ういう農業振興の面で盛んなところですけれども、そういった事例等がありますので、ぜひ
職員の方も行けたら視察していただければと思います。
 次に、土地改良について移ります。沼田市でもすでに57%ですか、基盤整備が終了して、
そのお蔭で大型の農業機械やあるいは大きな生産設備で非常に作業能率等も上がって、これ
が沼田市の農業の発展の基礎になっていると私は思います。そういった意味で後は残された
所がいっぱいあるわけですけれども、先ほど市長も言いましたように、事前の同意率が10
0%ということで、薄根地区での土地改良事業、あるいは横塚町の事業が中断になったとい
う非常に残念なことなのですけれども、これから進めていく上で非常に大きな面整備は大変
だったならば、小人数と言いますかね、小さな所でも、5軒でも、6軒でも、10軒でも、
小さなところと話し合いができて、できる所からやっていくと。それだと県営畑地域事業の
面積では足りないとか、そういう面があろうかと思いますけれども、これはもうできるとこ
ろからの沼田方式でもいいと思いますけれども、そういう政策をやはり進めていくというこ
とがこれから必要ではないかと思いますけれども、その辺のお考えについて改めてお願いし
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実は議員がご指摘の関係について、小規模土地改良のことになる
のではないかと思います。私どもも兼ねてそういったものの県単事業ということを強く進め
てきて、しかもいわゆるこれは兼ねての県の立場であった訳でありますけれども、県単とい
う形の小規模土地改良の予算獲得のために一生懸命骨を折ったところでございます。今はご
指摘のとおりそういった大規模からそういった小規模土地改良のところに人気が、県下各地
で集中しているというふうに理解しております。小規模土地改良は、小回りがきいていわゆ
る面整備を広く取らなくてもいいもので、これを戦略的に取り上げていくということは大変
きめ細かい対応ができるというふうに認識をしておりますので、ご提案のことについては十
分理解できると思います。
◇2番(角田泰夫君) 今までも県議時代からいろいろ取り組んできていただいていると思
いますが、ぜひ今度、執行者の立場でそういったところに日の目を充てていっていただけれ
ばと思います。
 これは会派の方の視察で、長野県の坂井村というところが土地改良事業、村で主体になっ
て、国や県の補助事業に頼らない事業をやっているところで有名なのですけれども、合併を
しないということの町村でも有名なのですけれども、そこの視察に行けなかったので資料だ
け取り寄せてもらったのですけれども、非常に国、県の企画とちょっと違うきめ細かな事業
を行うということで、実際の国、県の事業に比べて3分の1から5分の1くらいの事業費で、
その地域の自然の環境に合った土地改良をやったということで、非常に成果が上がっていて、
全国からの視察があるようですけれども、そういうきめ細かな事業というのは、そういう地
域の人達との話し合いの中からやはりそういうのが出てくるのだと思います。
 いま沼須をやっているのはちょっと大規模なもので、そういった基準に基づいた工事をや
っておりますので、農家の人から見るとちょっともったいないなとか、ああいうところはこ
うにやったのではないかというところが出てくるのですけれども、それはやはり国、県の基
準だからこういうふうにやらないとできないというところがあるのですよね。そういう意味
で、小さな土地改良事業というのは、その地域の特性に合わせた事業ができると思いますの
で、ぜひこれから残されたところにはそういった目を向けていただいて取り組んでいかれた
らいいと思うのですけれども。もし何かありましたらひとつお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) やはりこの大きな土地改良では、どうしてもちゃんとした企画の
中で動いているので、細部にわたってのきめ細かさというのはどうしても反故にされてくる
ということは、否めない事実だと思います。
 私の知る範囲では、今の長野の坂井村の事業の提案がございましたけれども、私が承知し
ている範囲では、やはり県単小規模土地改良と言ってですね、非常に小回りのきく事業がご
ざいまして、これの導入ならばかなりいろいろと対応ができるなとこんなふうに認識してお
りますので、まずはその辺から研究をしてまいりたいというふうに考えております。
◇2番(角田泰夫君) ぜひ検討をお願いして、研究してもらいたいと思います。
 次に林業政策に入らせていただきたいと思います。まず、沼田市でも森林文化都市を標榜
して、森林の有効性、また大切さは論をまたないわけでございますが、実際にこの森林を維
持し、また水源を涵養して、そしてまたいまちょっとダムの問題が非常にあちこちでクロー
ズアップされておりますが、緑のダムの効用、そういう意味ではもう論をまたないのですけ
れども、これは農業後継者以上に林業とか、山を守る人、だれにお願いするかということは
非常に難しい、農業政策以上に難しい問題だと思います。特に、沼田地区においては、営林
署等の縮小等で、だれが山を持っているかということが非常に大変だと思います。これも和
歌山の事例を研究したのですけれども、和歌山県では今の雇用情勢が悪化している中で、新
しい雇用を、緑の雇用担い手育成事業として緊急雇用対策事業として、県として取り組んで、
今年度までに120人とか30人の方を新しく雇用ができて、その人達を半年とか1年の雇
用でなくて、そこに住んでいただいて和歌山の森を、林を守っていく運動を事業にしたいと
いう事例を見させていただきましたけれども、そういった意味で、どういうふうな人にこれ
から森林を、あるいは林業を担っていただくかと。これは非常に大きな問題だと思いますが、
市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 角田議員の林業振興についての再質問にお答えをしたいと思いま
す。
 実は今、私は、群馬県の山林種苗緑化協同組合の理事長という立場を抱えておりまして、
平成10年の全国植樹祭を契機にいたしまして、山行き苗木の重要性が加速度的に落ちてま
いりまして、これは本県のみならず全国的な傾向にございます。山行き苗木が必要ないとい
うことは、後ろを返すと木が伐採されて使われてないという、こういう問題に発展してまい
ります。なぜそれでは山の木が切られて、それが活用されていないかというと、結局、外材
の圧力に負けてしまっている。こういうふうな流れになってきているわけでございます。そ
れでは、外材が来るからそれを拒むために群馬県の素材生産組合とかそういった方々もふん
ばって、がんばってくれればいいのですが、流通経路の中でご商売をされている関係もござ
いまして、この外材の持っている力というものは非常に強いものがあって、結局、県の事業
でもって乾燥剤を作るための施設の整備とか、そういったいろいろな、諸々の事業を進めて
きた経過等も私はよく承知をしている一人でございます。
 そういった中で、山の木が使われないということを一体全体どうしたらいいかということ
になると、ある意味においては、国策を根本的に変えてもらわないとだめではないかという
ふうな思いが地方の首長の立場からはございます。と申しますのは、何といってもこれは日
本全国眺めてみても、60数パーセントが森林面積、沼田市にあっても62パーセント、あ
るいは60パーセント前後が森林面積、あるいは利根沼田から見れば80パーセント森林面
積、これらが荒れたときにですね、やはり今までもいろいろな経過を見てよく承知している
のですが、上牧のこちらから行って、駅の手前の右側のですね、崩壊したいわゆる線路を押
し出そうといわんばかりの土砂災害も、水上の土砂災害も、ある意味においては山が整備さ
れていなくて、山が、木が倒れた沢を遮断している。そこのところは一つのダムみたいにな
って、水が来たのを止めてしまった。しかし支えきれなくて一気に鉄砲水が出て自然が破壊
されていったというような経過を見るときに、何とか山の整備は急務だと、こういうふうに
思っております。ただその時にですね、どんな手立てがいいのかというと、基本的には、木
を使ってもらう。つまり家を作るときには群馬県の木を使ってもらう。もっと言うと、沼田
の人が家を作るときには沼田の木を使ってもらう。そしてできるだけ地元の木産材を使って
やってもらうということが必要だと思うのです。
 それともう一つはですね、これは全く私の私見の域は出ませんけれども、高齢者対策であ
るとか、そういったことがまずあり、それからもう一方においては、これは教育問題に発展
しますけれども、子供たちの情操教育とかという観点から考えて、例の下草刈りだとか、い
わゆる選定の関係などについてですね、一方においては子供たちの勉強の情操面等含めてそ
ういったことが手立てとして考えられてくるかなと、こんなふうに感じております。まだ確
固たる信念が内部にあるわけではないので感じたままに申し上げたわけでありますけれども、
ご理解を賜りたいと思っております。
◇2番(角田泰夫君) よくわかりました。実は先日、利南地区で振興協議会というのがご
ざいまして、まだ昔の利南の村有林の管理をして、その山林を視察する機会があったのです
けれども、ちょうど戦後、植林をして、それが成木になって今伐採のいい時期なのですけれ
ども、それを切って出すと赤字になってしまう。だものでどうしようもないという所を視察
してまいりました。そこの所は、昔、私が中学生の頃だったと思うのですけれども、10年、
20年と中学生の林業体験ということで、いま私が言ったように枝打ちや下草刈りをして、
木を大きくして将来は学校を建てるのだと。学校の木造の柱にするのだということで、ずっ
と村の人達が管理をしてきたのですけれども、こういう時代になってそれができなくなった
と。だけども先ほど今、市長が言ったように、森林災害とか土砂災害とか、水源涵養から言
えば、手入れをしてちゃんとしなければ大変なことになるわけですから、これはやはり地域
だけではできない問題ですので、ぜひこれは和歌山の人も言っていたのですけれども、和歌
山は民有林が多くて、お金を出してくれる人がいればいくらでも手入れができるのだという
お話し。またこちらの沼田の方ですと国有林が多くて、またその事業が全然違うのですけれ
ども、やはり森林を持つ県や地域が、そういったものをちゃんともっと国に働きかけて、ぜ
ひ自然を守るとか、水源を守るとか、そういう運動としての位置づけをしていかないと大変
なことになるのではないかというような共通認識を得て帰ってきたのですけれども、ぜひま
た市長にはそういったお立場でがんばっていただければと思いますので、よろしくお願いし
たいと思います。
 次に、千葉大学との連携についてお聞きをしたいと思います。
 千葉大学の高冷地のいわゆる川田の子持農場は、非常に我が市においてはりんごの関係で
非常に長い付き合いと、またそこで学んだ人達の中からりんごの陽光や赤城、新しい品種が
改良されたり、またブルーベリー等では大粒の品種が改良されたりということで、非常に利
根沼田の農業に対しては非常に大きな役割を果たしていると思います。先ほど市長言いまし
たように、大学の再編に伴いまして、大学の農場もちょっと長い名前なのですけれども、環
境健康フィールド科学センターという、そこの附属農場として、森林環境園芸農場というこ
とで、今年の4月からスタートが切られたわけです。経済特区構想の中で、市がいろいろな
交流を今後大学と図って、そして連携していくのだというお話しがございましたけれども、
もう一度、具体的に、どういうふうな形で今後大学との連携を進めたらいいのか。再度、も
う一度、市長のお考えをお聞きしたいと思いますが。
◇市長(星野已喜雄君) これにつきましてはですね、角田議員は本大学の同窓生でもあり
ましょうし、また議員の有志の方も、これらについて積極的に勉強され、そして建設的なご
提言を今までもいただいてきたところでございまして、関係皆様方のご活躍に敬意と感謝を
申し上げるわけでございます。この関係につきましては、やはり将来、どうしても私自身が
感じているのは、議員の前の質問とも関連してくるわけでございますけれども、新農業基本
法等によってですね、保護から自立へという大きなうねりが来ている中で、どうしても農業
も地域間競争待ったなしというような実態になってまいります。そうなりますると、やはり
大事なことは、今までおいしいものをしっかり作っていても、そのおいしいものがやがて何
年かすると飽きられるといったら大変語弊がございますけれども、こういうことにもつなが
ります。そういったことから中山間支場で、これは県の関係でございますが、今までもブル
ーベリーやいちごやりんごや、各種品種をどんどん、どんどん開発してきた経過が相当この
地域に、他の地域との差別化、区別化を図って存在感を示してきたということは、全くこの
歴史が示すとおりでございまして、それは本当にすばらしいことであったと思います。本大
学の関係についても同様な期待を持つことは当然でございまして、まさに果樹の農業生産等
についてはですね、いわゆる全国各地でもやはり利根沼田というのはたいしたものだと。し
かも耕作の標高差が、議員がご指摘のとおりですね、非常に低い所から高い所までというよ
うなところがあって、特徴的なものができるというようなことから、これからもどんどん、
どんどん積極的に進めていかなくてはならないと思っております。
 一応、この春、私を含めて市の幹部が、松戸の方にご挨拶に行ってまいりました。とにか
く手始めに交流会をということもございまして、先般、川田地区の本園芸試験場地で、特に
中東地区、東アジアの留学生と交流会等を持たせてもらってきた経過がございます。当該地
区の  の幹部がどなたとこれから先々いろいろと協議をしていっていいかということがあ
りまして、助役がいろいろと県の方の関係にも通じておりますので、それがいちばん賢明で
はないかというようなことでもって、これはまだそこはパーティーの場所でありましたから、
厳格なやり取りがあったわけではありませんけれども、助役といろいろと窓口にして云々と
いうふうに私は指示をいたしました。そういう経過がございます。
◇2番(角田泰夫君) 具体的に助役さんが窓口になって進めていっていただけるというこ
とで非常にありがたいと思います。私はこの問題について何年か前に質問したのですけれど
も、そのときは、こういう社会情勢とも全く違っていて、なかなか連携というのが出て来な
かったのですけれども、非常に今、市長が言ったように、これからの新しい沼田の農業政策
とも合致するし、ぜひともこれは進めていっていただきたいと思います。
 この間、前の園芸学部長にちょっとお話しする機会があっていろいろお話ししたのですけ
れども、大学も本当に生き残りをかけて、本当に社会に要請されるこれからの研究なり開発
をしていかないと、園芸学部そのものが他の学部に吸収される時代なのだと。そういう意味
でもう性根を据えて、たぶん日本の大学では、国立大学で園芸学部というのは千葉大学だけ
だと思う。他はみな農学部という形なのですけれども、日本で一つの園芸学部そのものが時
代要請から取り残されれば存続できないのだという、そのような危機感を持ってぜひ沼田の、
あるいは沼田だけでも群馬県からの協力を得たいというお話しをしましたけれども、ぜひ群
馬県や市の協力、連携のもとに生き残りを図っていきたいということですので、ぜひ助役さ
んを中心に連続的な協議を進めていただいて、新しい展望を開いていただきたいと思います
ので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後になりましたが、沼須の住宅団地構想についてをお聞きいたします。これは9月に同
僚の井之川議員の方から一般質問がございまして、内容はわかっているのですけれども、も
う少し歴史的経過を紐解いてみますと、沼須は沼須、上沼須、新町の県営の畑地帯、土地改
良事業ということで始まって、当時はすべての方の同意を得るということが難しくて、将来
も自分の代で農業を終わりにするので、土地改良事業はあまり賛成ではないよという人もい
たのですけれども、そういった人達も取り組んでいただくということで、非農用地を、ご存
じのように住宅団地を5ヘクタール、運動用地を3ヘクタールということで、同意をいただ
いて始まってきた経過がございます。先ほども言いましたように、今年度でいわゆる面整備
を終了して、来年度から本測量に入って、今の仮換地から本換地に、いわゆるあと2年位で
事業が、面工事関係の事業が終了すると思います。
 そういった中で、当時、昭和村の工業団地、いまキャノン電子、あれが来て、そこに工業
団地がいっぱいできるので、その受け皿の住宅団地としても整備されるかどうかということ
で、これは県の企業局も実際に視察して、学校までの距離はどうだとか、いろいろなものを
精査して、いいのではないかということで始まった事業。これはご存じのように、これだけ
の社会情勢の変化の中で工業団地もキャノンしかできなくて、新しい受け皿としては難しい
と。まさにそのとおりだと思うのですけれども。その中で、これも前に一般質問したのです
けれども、連合とかあるいはJAの全国中央会とか、全国農業会議所とか、そういったとこ
ろで今年NPO法人として100万人のふるさと回帰運動というのが始まった。市長、これ
はご存じだと思うのですけれども。これは始めて都市生活者やあるいは都会で住んでいる人
達がふるさとに帰って、いわゆるいま団塊の世代が55から57、8になって、いま2、3
年で大量の定年を迎えます。そういった人達の知恵とか力をふるさとに帰って地域の活性化
に役立たせる人材がいるのだったら、そういうところに帰って地域の活性化を図る。そうい
った運動が始まっております。今年3月に、いわゆるNPO法人として確立されまして、こ
れはおそらく全国でいちばん会員の多い組織である。いわゆるNPOの組織ではないかと言
われております。あそこはまさに土地改良事業として新しい農業生産を営むために作られた
土地です。そこのところにいわゆるふるさとに帰って住みたいという人達を入れていくのも
一つの私は方策ではないかと思います。
 企業局の関係で、太田の住宅団地の、これの視察もちょっと行けなかったのですけれども、
資料をとってもらいました。あそこはいわゆる市でやった事業だと思うのですけれども、新
しい分譲の方式としていわゆる入る人にも参加していただく。民間事業者が入って宅地が好
きなだけ求められるとか、そういった方針で始まったものです。沼須の住宅団地もその10
年前の始まった社会情勢が毎年変わってきたので、新しい需要者を開拓した方式というふう
に進めないと、これはなかなか難しいと思うのです。そういった意味でいろいろなソフト面
での今の時代に合わせたそういった方策で進めてもいいのではないかと思いますけれども、
現状と将来の見通しについて、市長のお考えを再度お聞かせ願います。
◇市長(星野已喜雄君) この問題につきましてはですね、助役やあるいは建設部長、建設
課長がいろいろと努力をいたしまして、何とか現行の住宅団地をうまく政策的に整合させて
いこうということで、本当にそういう意味では担当部課長がずいぶん骨を折っております。
近々でのそういったいろいろな苦労の話の紹介もございまして、大変担当している職員の活
躍を私も承知しているところでございます。基本的にはこの問題は、どうしても土地改良非
農用地を生み出す、しかも県営事業だということから、県の企業局参入ということが前提で
今日まで来ておりまして、そういった意味でどうしても企業局の関係を何とか拠り所として
打開策を生み出していくということが、こちら側の、つまり市側の動きとして考えがあるわ
けでございます。しかし議員がすでにいろいろと理解をされておりますとおり、群馬県の企
業局とて決して例外ではなく、大変先般のバブル経済後の以降の各事業の終息を図るのに非
常に頭を痛めている実態もございます。そういうようなことから、私どもも企業局にいろい
ろとお願いをし、何とかこの打開のために力をお借りしたいと。あるいはまた入れてもらい
たいということを申し上げつつも、やはり難しい隘路が幾つか横たわっている実態もござい
ます。ただ、現時点では引き続き粘り強く、これが打開のために努力してまいるつもりでご
ざいますけれども、いまご提案された大きく2点のことだと思っておりますが、前段のふる
さとの回帰運動のご提案、それから2つ目の、まさに柔軟に住宅団地の区割りの関係等につ
いては、大きくするとか、小さくするということについては、それを買う側の人の身に立っ
て、そしてそういったことも対応していくという、このご提案については参考にさせていた
だきながら、今後に対応のために処していきたいと思っておりますので、ご理解賜りたいと
思います。
◇2番(角田泰夫君) 企業局が入ってやるということですので、非常にいろいろ難しいか
と思いますけれども、ハードはそちら側でやるとしても、ソフト面での提案とか、ソフト面
でのそういったいろいろなことを考えるということは、これは企業局と県と一緒になってや
っていくということですので、ぜひその辺の面からいろいろな情報を中心にしていただいて、
入ってくる、そこに住みたい、住んでくれる、そういう人達が選ぶいま時代になってきたと
思うのですよね。昔はこういうところがあって、そこにどうだという話があったのですけれ
ども、そこのところにじゃあどうやって、どういうものを作って、どういう生活のスタイル
でこういうことをしたいのだという、いわゆる提案からやってもらうということが非常に大
事だと思うのです。そういう意味でふるさと回帰運動でも、この秋に都市生活者5万人に対
して大きなアンケートをとって、いわゆる地域に帰る気があるか、あるいは定住する気があ
るか。あるいはセカンドハウスとしてそういうものを求めることがあるかと、そういうよう
な大規模なアンケートを催すということもあるらしいので、ぜひいろいろなそういう情報を
集めていただきまして、そういった来る側の研究、調査というのを今後もぜひ進めていって
いただければと思います。
 また、たまたまなのですけれども、群馬県でも甘楽、富岡農協が、あそこはコンニャクと
お蚕の主産地だったのですけれども、コンニャク、お蚕両方だめだということで、非常に農
協が困って直売方式に変えて、少量多品種生産で、東京の生協、あるいは市民団体と組んで
直売所方式を始めたのですね。それがいま年間で100億円くらいの売上になったというこ
とで、群馬県ではちょっと特質されているのです。そこのところに定住してきた人にも野菜
だとか、軽い、小さな市民農園のお兄さん的な野菜生産に携わっていただいて、年金とそう
いった老後の生きがいをセットした形でいわゆる住宅団地を作り受け入れ体制を作るという
のです。そのような準備をいま進めているのですね。群馬県でもそういう事例があるので、
ぜひ甘楽、富岡はそういう形でもいいし、住宅団地の近くにもすぐ片品川もあるし、歩けば
温泉もあるしということで、非常にそういう意味では住むための条件というのは非常に整っ
ていると思いますので、ぜひそういった形でソフト面での情報収集と今後の検討をぜひお願
いをしたいと思います。最後に市長に一言お願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 富岡、甘楽の関係等についても、私はよく承知をしているつもり
でございます。直売所が大変すばらしいということで、確か先般テレビにも放映されたと理
解をしております。いずれにいたしましても、ご提案のように省力化を図るとか、あるいは
また小規模にしていくとか、この小規模と言っても小さくするということでなく、小規模で
もっていろいろと多くの物を揃えるという、そういうことで理解をしてもらえばいいと思い
ますが、そういうことで、価値観を変えた形の変換のご提案であると認識をしております。
今日のご提案を踏まえて、明日の農政やらあるいはまた住宅団地の対応のために処してまい
りたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 ──────────────◇──────────────
    第 2 延  会
◇議長(星野佐善太君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたし
たいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに
決しました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は、明12日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
   午後2時50分延会
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