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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成17年第3回定例会 議事日程第3号

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沼田市議会平成17年第3回定例会会議録
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議事日程 第3号
平成17年3月9日(水曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
      ──────────────────────────────      
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
      ──────────────────────────────      
出席議員(46人)
       1番  小野 広樹君      2番  南 美喜雄君
       3番  小林 克郎君      4番  角田  博君
       5番  中村 光孝君      6番  小野 要二君
       7番  小林  猛君      8番  繻エ冨士夫君
       9番  真下 恭嗣君     10番  布施辰二郎君
      11番  角田 泰夫君     12番  高柳 勝巳君
      13番  久保 健二君     14番  星野  稔君
      15番  鈴木 圭子君     16番  金子 一弥君
      17番  金子 千明君     18番  長谷川信次君
      19番  宮田 和夫君     20番  小林 玉男君
      21番  小野 正純君     22番  大島 崇行君
      23番  山ア 義朗君     24番  大竹 政雄君
      25番  井之川博幸君     26番  大東 宣之君
      27番  片野 彦一君     28番  星川嘉一郎君
      29番  金井 康夫君     30番  井上 正文君
      31番  小尾 孝男君     32番  相田 昌夫君
      33番  宇敷 和也君     34番  小林 次夫君
      35番  橋 襄典君     36番  牧野 保好君
      37番  石田 宇平君     38番  松井 敏員君
      39番  井上健太郎君     40番  田村 博美君
      41番  井田 孝一君     42番  小林 照夫君
      43番  星野佐善太君     44番  郷原 重雄君
      45番  横坂 泰次君     46番  井上 幾雄君    
欠席議員(なし)      
      ──────────────────────────────      
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     金井可佐夫君
  白沢町振興局長  根岸 恒雄君      利根町振興局長  星野 健一君
  収 入 役     武井  博君      市長公室長    田村 澄夫君
  総務部長     村山 博明君      民生部長     斎藤 一章君
  経済部長     武井善太郎君      建設部長     野田 敏夫君
  街なか対策部長  見城 厚男君      白沢町振興局次長 中村 弘志君
  利根町振興局次長 中澤 和義君      総務課長     村沢 博行君
  教 育 長     角田利喜雄君      教育部長     増田 幸男君
  監査委員事務局長 茂木  愛君
      ──────────────────────────────      
議会事務局出席者
  事務局長     林  義夫       次長兼庶務係長  下  宏一
  議事係長     茂木 敏昭       主  任     地野 裕一
      ───────────────◇──────────────       
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
      ───────────────◇──────────────       
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 昨日に引き続き、順次質問を許可いたします。
 最初に、大竹政雄議員。24番。
〔24番 大竹政雄君登壇〕
◇24番(大竹政雄君) 通告に従い一般質問を行います。
 合併に伴い、広大な面積の新市となり、少子高齢化社会に向かってまちづくりは大きく変化を
していくものと感じております。地方分権時代に入り、国から地方へと権限委譲される中で、や
やもすれば三位一体改革の元に、地方におかれている立場は「一寸先は闇」とも思える厳しい時
代を迎えている状況かもしれません。10年先の財政や高齢社会を考える時に、思い切った行財
政改革や市民との連携は待ったなしの時を迎えている状況かと思います。そんな時であるからこ
そ、市長の行動力・決断力に期待をしていますので、市政の舵取りに更なる努力をお願いしたい
と思います。
 それでは、新市になっての初議会でありますので、新市建設計画から分権型地域づくりについ
て。みんなで築くまちづくりについて。災害に強いまちづくりや市民生活の安全について。地域
資源保全、活用するまちづくりについて市長にお伺いいたします。
 また、教育環境づくりについて、教育長にもお願いをいたします。
 はじめに、地域の多様性を生かし、将来に亘ってそれぞれの地域が発展できるよう、新たな自
治の構築を目指す、とありますが、今回の合併は市民の間では考え方が2つに分かれていました。
1つは、今回選択された地域自治区の設置であります。私も合併協議会の委員として、審議して
きた一人でありますが、合併するにあたりある一定期間の必要性は強く感じていましたが、一方
の市民からは、設置すべきではない、意見を聞くときに何のための合併か、非常に考えさせられ
ました。
 その理由には、旧市村を意識し、住民がいつまでたっても新市に馴染まないことや、振興局長
の権限がいろいろな政策において、地域間の綱引きになりかねないこと。そして、地域審議会と
議会の整合性や地域自治区の設置期間の10年間とすることも、5年先の状況もなかなか見通す
ことのできないこの時代に、疑問を投げかける人もいました。
 一極集中を排除して、旧市村の個性や独自性を尊重した合併を目指すことは当然と思いますが、
昭和の合併のときも同じように議論されたのでしょう。現在でも振興協議会が残されているよう
に。
 しかし、現在の振興協議会長は特別職でもなく、さりとて行政権限もない。今回の振興局長と
は全く別質のものであります。地域分権、小さな自治というならば、各地域の振興協議会にも支
所をつくるべき、という意見も聞きました。
 議員の在任特例でもいろいろな議論がされた経過がありますが、私はこの2年間の在任期間に
新市の調整項目がたくさん残されている現状の中で、各議員が地域の意見を汲み上げ、議論し、
住民のためのまちづくりをすること。そして、振興局の役割についてもよりよい方向を目指すこ
とも我々に与えられた責務と思っています。自治区制度は新しい試みでもあり、住民と行政がお
互いに信頼関係を築き、対話とふれあいを大切にするまちづくりのために、振興局の役割や運営
について市長に見解をお伺いいたします。
 次に、みんなで築くまちづくりについてお伺いをいたします。
 これからの時代のまちづくりは、行政のみが行うのではなく、住民と行政がお互いに役割分担
し、連携、協働により行動することが重要であり、住民参加による自主的なまちづくり運動、各
種団体、企業と連携の新市づくりを目指すため、適確な行政情報を提供し、住民と行政がお互い
信頼関係を築き、対話とふれあいを大切にするまちづくりを推進すると共に、行政運営の効率化
や高度化を図り、住民サービスの向上に努める。とあります。私は、合併を期に、今迄のような
行政サービスはできなくなる実態を市民に理解していただくこともこれから新しい自治を目指す
ことも大変大事なことだと思っております。今回の合併は、そういった意味で目標とすべきもの
だと思っておりますので、具体的にどのような政策を考えているのか、お伺いをいたします。
 次に、昨年は台風災害、中越地震災害、そしてスマトラ地震の津波災害と、大変な被害を受け
た年でもありました。地震災害を受けた長岡市では、震災直後、市の職員が被災地域の家屋に外
見の被災判定を行い、赤紙−危険、黄色紙−要注意、緑紙−比較的安全と区別しながら、市民の
安全対策をとられた、とのことです。赤紙と黄色紙の被災者は一時避難、数日後、解除勧告をさ
れたわけですが、帰宅したところ、建物の被害状況が不安になり、安全性について多くの市民か
ら専門家の調査をして欲しい、と依頼されたようです。
 当然のごとく、市の技術者の数に制限があるわけで、新潟県の建築士会に要請。しかし、短期
間に調査をするということで、人数を確保するため、関東全域の建築士会に要請されたようです。
沼田建築士会も要請を受け、6名の建築士が2日間、長岡市の危険度判定調査を行なってきたと
ころでもあります。私も2日間、被災状況や危険度判定に携わってきたところでもありますが、
調査をしながら被災者とも話し、また、判定士や調査ボランティアとも話をする中で、地震災害
の恐ろしさを改めて知ったところでもあります。そこで、災害に強いまちづくりや市民生活の安
全対策について、具体的にどのように考えているのかお伺いをいたします。
 また、以前に市民の安全・防災・救急対応で、狭い道路が多すぎて市民生活の安全、財産、生
命を守るために建築基準法42条の2項道路後退線について、何らかの手立てが必要と質問した
経過があります。研究するとのことでありましたが、どういった方向で進んでいるのかお伺いを
いたします。
 次に、地域資源を保全、活用するまちづくりについて、自然と触れ合える場や交流人口の増加
による地域の活性化を目指す。とあります。森林活用、木材活用は以前にも提案してきた経過が
ありますが、具体的にはどのような政策を考えているのか、お伺いをいたします。
 昨日、同僚議員の質問もありましたが、私は通告してありますので、森林活用についてお伺い
をいたします。
 昨年、森林療法で地域振興をということで、林野庁が2005年度から森林浴が体に与える癒
し効果を医学的に立証し、森林療法として確立させ、これを生かした地域振興に取り組むとあり
ました。来年度からメニューの作成や、どのような場所が適し、どんな施策が必要か、調査研究
を行う方針とのことです。今後、森林療法に取り組むモデル自治体や地域を募集、保養地に認定
する将来構想ももっているようであります。保養地になった場合の経済効果の予測や、森林療法
で病気を予防できれば、高齢化社会の課題である医療費軽減につながるといわれております。森
林浴は森林や高原の樹木の中を歩いた後のリラックス効果が知られていますが、最近の研究でス
トレスホルモンの分泌を抑えるなどの医療効果もあるようです。
 森林浴を医療行為として認めているドイツでは、約400の保養地に年間1,000万人が訪
れ、療法士が作製した森林散策メニューに従い、病気の治療をしているようです。
 保養地には、保養施設があるため、雇用創出などの経済効果も生まれているとのことでありま
すが、我が地域も合併を機に森林を広く抱えるわけで、森林療法が森林の新たな活用方法ではと
考えています。市長の見解をお伺いをいたします。
 次に、教育環境づくりについてお伺いをいたします。
 「電子映像では、子供の創造力が育たない」の講演を聞く中で、メディア付けは子供の危機の
話がありました。テレビを見ながら授乳する母親。3歳の子供にテレビゲームを教える父親。電
子メディアが普及し、テレビやゲームが当たりまえの生活の中で育った人たち。幼ない時から長
時間電子映像を目にする子供が増えるにつれ、その弊害が明らかになりつつあるようです。
 注目すべきは脳の前頭葉の発達で、電子映像を見ているときは、前頭葉が殆んど働かないとい
うことが、脳化学の研究で分っているとのことであります。外遊びが減り、立体的に物を見る機
会を失うことで、更に前頭葉の発達を妨げているそうです。前頭葉は、自制心や人を思いやる心
を育む重要な機関であり、現実体験のない0歳から電子映像に接触していると、それが心地よく
脳の回路が作られてしまい、見続けることに抵抗がなくなってしまう、とのことであります。平
面画面を見るときは、片目しか働かないので、左右の視力の差が著しく出たり、立体視力が育た
ないとのことであります。いかに意識的に外遊びをすることが、立体視力を養い、脳と体の高度
な運動により前頭葉を活性化するとのことであり、メディア離れを進めることも必要である。と
のことでございました。
 こんな話を聞いたときに、昨今の事件は考えられないような、子供が親を殺したり、親が子供
を殺したり、また、無差別な殺人、そして振り込め詐欺等々、毎日のように事件が起きている昨
今、自制心や人を思いやる心を育む機関が失われているのではと感じてなりません。
 このように今までにない環境が、子供達に影響を及ぼすものと感じていますが、長年教育に携
わってきた教育長は、どのように感じているのかお伺いをいたします。
 また、授業日数が足りないことから、と聞きますが、昨今ではスキー教室と野外授業がなくな
り、この地域でこそ必要なことではないか、と父兄からも聞きます。授業日数を増やす地域もこ
のところ増えているようですが、この地域ならではの教育について、教育長の見解をお伺いをい
たします。
 また、少人数学級について、ある父兄より話しがあったのですが、少人数学校の利点もたくさ
んありますが、心配なことは、高校進学後、大勢の中での行動、登校拒否やクラブ活動について
いけない生徒が増えているとのことです。少人数教育問題も新たな方向性を見出す必要性がある
と考えますが、教育長の見解をお聞きし、1回目の質問としたします。
◇市長(星野己喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、新市建設計画について、地域の多様性を生かしたまちづくりについて、分権型地域づく
りについてでありますが、具体的には全国に先駆けて導入した地域自治区制度と、振興局の役割
や運営についてのご質問と受け止め、答弁をさせていただきたいと存じます。
 振興局を設置することとした主旨につきましては、合併すると周辺部が寂れてしまうといった
懸念を解消し、合併しても住民サービスの維持向上が図れると同時に、地域ごとの特性を生かし
た地域振興が図られるよう、小規模多機能型の拠点を地域ごとにおいて、血流が地域の隅々まで
行き渡るようするものであり、本市の面積は、合併によって合併前の3倍以上に拡大したわけで
ありますが、その多くは山林であり、過疎地域指定も受ける山間地域の合併であっては、都市部
と同様の合理化一辺倒の合併をそのまま当てはめることには無理があるため、本地域の特性を考
慮し、合併後10年の期間を定めて導入したものであります。
 振興局の機能、組織等については、議員ご案内のとおり、支所機能と地域自治、振興機能をも
ち、住民直結の各種窓口業務、保健福祉サービスの他、地域特性を生かした地域振興の推進や地
域内施設の整備管理等、一定の権限をもって振興局長を中心に業務にあたるものであります。
 地域自治区制度については、合併特例法及び地方自治法の規定に基づき導入したものでありま
すが、議員ご意見のとおり、住民と行政がお互いに信頼関係を築き、対話と触れ合いを大切にす
るまちづくりを進めていくため、今後とも色々なご意見を賜りながら早期に新沼田市としての一
体感をもち、トータルバランスのとれたまちづくりに向けて対応してまいりたいと考えておりま
す。
 次に、みんなで築くまちづくりについて、住民と連携協働についてでありますが、私の市政運
営の基本姿勢は幾度となく申し上げておりましたけれども、市民参加にございます。特に、我が
国の経済社会が成熟し、住民のニーズが高度化・多様化する中にあって、まちづくりは行政だけ
が行うのでなく、住民との連携、協働がこれから将来に亘ってより重要になってくると考えてお
ります。市民参加や協働の範囲は極めて広く、これからも様々な角度から検討を行いながら、そ
の推進を図ってまいりたいと考えておりますが、具体的な施策としては、自ら市長への意見箱や
市長と語る触れ合い広場などの広報、公聴活動、情報公開、情報提供の充実、市民自らが実践し
参加できる仕組みの検討など、住民との連携・協働のまちづくりに向けて、今後も積極的に取組
んで参る所存であります。
 次に、環境にやさしいまちづくりについて、災害に強いまちづくりや市民生活の安全対策の充
実についてでありますが、まず、災害に強いまちづくりを推進するためには、防災施設の整備、
防災予防、防災知識の高揚、防災訓練の実施、防災組織の強化及び関係機関の連携等々それぞれ
が総合的かつ一体的な連携と整備によって、災害に強い都市構造が形成されるものと認識をして
おります。
 その具体的計画につきましては、沼田市地域防災計画の中で定めておりますので、本計画に添
って事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、議員のご質問の中でふれておりましたが、新潟県中越地震における被災した家屋の調査、
判定などを行なう技術者について、本市におきましては、現在4名が被災宅地危険度判定士を、
2名が被災建築物応急危険度判定士として認定を受けておりますが、今回3月に実施されます群
馬県知事指定の群馬県被災建築物応急危険度判定講習会に、2名の技術職員が受講することにな
っており、その充実を図る中で、有事の際の対応が図れるよう努力しているところであります。
 一方、災害に強く、犯罪や事故のない市民が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるため、
河川改修や急傾斜、崖対策等の推進に努めるとともに、道路や公共施設においてもバリアフリー
化を進め、高齢者や障害者を含めた全ての人にやさしいまちづくりを促進したいと考えておりま
す。
 すでに本市では、平成14年度から市民生活の安全対策の充実の一貫として、公安委員会や関
係機関と連携をしながら、市内の事故危険箇所を指定し、安心歩行エリアとして定め、具体的事
業を継続実施中であります。
 次に、消防活動や救急活動に支障ある狭い道路で、建築基準法第2条第2項、道路後退線で後
退敷地が確保されていない道路の対応でありますが、寄付、買収等について研究を行ってまいり
ましたが、特に買収につきましては、財政的な面を考えますと非常に厳しい状況にあります。今
後は、建築の専門知識を有する職員などを養成、配置し、行政指導等を行ってまいりたいと考え
ておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
 次に、地域資源を保全活用するまちづくりについて、自然とふれあえる場や機会の拡充を図り、
交流人口の増加による地域の活性化についてでありますが、林野庁では17年度の重点事項とし
て豊かな森林資源の新たな視点からの活用で、森林セラピー、療養効果を生かした健康保養地域
の創出に向けた対策等を行い、国民の要請に応じた森林整備の一層の推進を図るため、モデル地
域における森林療法の実証調査を行い、森林療法の経済効果等について検討実施するとのことで
あります。
 森林浴という言葉が登場して20年以上、森林来の樹木発散物質やマイナスイオンには精神安
定やストレス解消に効果があることは広く知られております。
 合併により新市が有する広大な自然林や、貴重な動植物の生息する自然環境の森林活用につき
ましては、国の動向を注視すると共に、先進地の事例等を参考に関係機関と十分協議し、今後研
究して参りたいと考えております。
 以上、申し上げまして大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、教育につきま
しては、教育環境づくりについて教育長から答弁を申し上げますので、よろしくお願いをしたい
と思います。
◇教育長(角田利喜雄君) 先ほどの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
 教育についての教育環境づくりについての教育環境の変化についてでありますが、近年急激に
進行、進展しつつある少子高齢化、高度情報化、国際化、価値観の多様化などの社会の変化は、
子供を取り巻く教育環境や生育環境にも大きな影響を及ぼし、対応すべき教育課題も山積してい
る状況にあります。
 また、こうした変化は今後も続くことが予想され、子供達一人一人がこれからの社会を心豊か
にたくましく生き抜くとともに、新しい時代を自らの力で切り拓いていけるようにするために、
いわゆる「生きる力」の育成を基本的課題とした教育が今広く求められているところであります。
 生きる力とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよ
く問題を解決する能力や、自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など
豊かな人間性とたくましく生きるための健康と体力に他なりません。
 こうした生きる力を子供達一人一人に育成するためには、学校・家庭・地域社会がそれぞれの
役割を明確にしながら、しかも機能的に連携協力し、一体となって人づくりを進めていくことが
重要であります。
 とりわけ学校教育においては、教育環境の急激な変化を適確、かつ迅速に感じ取ると共に、生
涯学習の基礎づくりとして児童生徒一人一人が、生涯を通じて学び続けることができるよう、各
教科等における基礎的、基本的な内容の確実な定着を図るとともに、心の教育を充実することを
核とした、知・徳・体のバランスのとれた教育活動を積極的に進めていく必要があると考えてお
るところであります。
 次に、地域特性を生かした教育についてでありますが、平成14年度学校週5日制が完全実施
されたのを機に、各学校においては、それまで実施してきた各種学校行事等を見直し、児童生徒
にとってより教育的価値の高いものを残し、他を取りやめるなど行事等の精選を図り、授業時数
の確保に努めてまいりました。その結果として、スキー教室等の行事が取りやめになった学校も
あるかと思いますが、各学校とも限られた授業時数の中で、1時間1時間の授業の質を高める研
修に力を入れたり、残された各種行事について児童生徒にとって貴重な体験となるよう、各教科
や道徳、総合的な学習などとの関連を図りながら、内容の改善充実に努めているところでありま
す。
 今後も一番身近で学校の実情や子供の実態を理解し、把握している学校に対して、各種学校行
事等を工夫しながら、特色ある学校づくりを進めるよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、少人数教育の問題点についてでありますが、児童生徒の集団につきましては、従来より
2つの側面から考えております。1つは、教科等の授業を行う学習集団であり、もう1つは、学
校生活をおくる生活集団であります。
 学習集団につきましては、児童生徒一人一人が学習内容をよく理解し、基礎・基本を確実に身
につけるために、個々の学習状況に応じたきめ細かな指導、支援を行う必要がある場合には、学
習内容や学習過程の段階によって、学習集団を小規模化、少人数化して指導する方法をとってお
ります。
 一方、児童生徒は学校における生活集団の基本単位である学級の中で、友達と遊んだり、議論
したりしながら、物の見方や考え方を深め、互いに切磋琢磨しながら社会性を培っていくことに
なり、こうした教育機能を考えますと、生活集団については、ある程度の規模が必要ではないか
と考えております。
 特に、将来必要となる集団生活での適応力や、他と意思疎通を図るためのコミュニケーション
能力等を育成するためには、こうした生活集団の教育的機能を生かした体験的活動を多く取り入
れるなどの工夫が必要であると考えておるところであります。
 以上、申し上げまして大竹議員に対するご答弁とさせていただきます。
◇24番(大竹政雄君) ご答弁をいただきまして、ありがとうございました。いくつかに亘っ
て再質問をさせていただきます。
 実は、この自治区の関係では、私もその委員としてやってきたわけですが、賛成だけでいくと
なかなか反対の意見が聞こえてこない。反対の意見を聞くことによって、またそれを勉強すると
いうことで、そういった意味では、我々はその意見を聞くことによって勉強できるのだ、という
ことをつくづく感じました。
 そのような中から、先ほど質問をさせていただいたわけでありますけれども。
 実は、その自治区制度を取り入れたところ、あるいは、その地域で区長、振興局長を言います
けれども、その区長をつくったところ、置かないところと置いたところがあるわけですけれども、
そういうことを調べていきましたら、特別職の区長というものが全部で43地区、インターネッ
トで調べたのですが、その中で、区長が置いてあるのが24地区、置かないのが17地区である
そうです。2地区がまだ決めていないということがここに書いてございます。
 それから、先ほど設置機関の話がございました。設置機関も10年が14地区、6年が1地区、
5年が10地区、それから4年が3地区、2年半が1地区ということで、未定が3地区というよ
うなことでインターネットには載っておりました。まさに、その振興局というものが、これから
どういった形で展開していくかということになるわけですけれども、実は今回の振興局長さんを
選んだのは、元村長さんでございます。ということは、その振興局長さんの役割等々については、
私は大きなものがあるかと思っております。
 実は、合併協議会の中で謳われている文章がこちらにありますけれども、それとは別に、私は
この振興局長さんの役割というものは、私が考えたなりなのですけれども、インフラ整備を今迄
されてきたわけです。そのインフラ整備をこれからどのようにしていくのか。新市にどのように
引き継いでいくのか。あるいは、施設を沢山作ったと思います。当然その施設管理もどうしてい
くのか。それで今問題になっております色々な医療を含めて、前橋市等々では今日新聞に出てお
りましたけれども、管理者制度等々もあると思います。そういうところとも検討をされてきたの
ではないかと。
 それから、昨日の話もありました。総合計画もどういうふうに新沼田市に引き継ぐのか。ある
いは、地域審議会の意見をどう取り上げていくのか。私はそういった問題が、今回の振興局長さ
んの役割、これが大きな役割だ、というように理解をしております。今まで言われてきた内容と
は少し違うのですが、そのへんは私の考え方でありますので、市長の考え方をお伺いしたいと思
います。
◇市長(星野己喜雄君) 振興局を導入し、振興局長をお世話になるという形をとってきたのは、
群馬県ではまず私共の新沼田市だけだと思っております。
 今、議員が全国的な調査をされまして、そして全国に確か私が議員からお聞きしたことで間違
いがなければ、43地区あるというようなお話の中で、地域振興局を特別職として24箇所置い
てあるというお話があったようでございます。
 これにつきましては、私自身が元々この合併協議会を一昨年の1月10日にスタートするその
前の年、つまり平成15年の9月、10月頃から各関係方面で、いろいろなことを勉強を進めて
いく中で、広大な面積に自治体が各方面に程よくレイアウトされているということを見た時に、
これを一つのところに集中させるのは、地方分権と言われる中にあって、地方分権の時代だから
こそこの一極集中ということは避けなければならない、というような考え方のもとに、一昨年の
秋口から、ことによって利根・沼田が合併できるとすれば、地域内分権方式、地域振興局制度が
良いというような考え方を平成15年の9月、10月には腹を実は私自身は固めておりました。
従いまして平成15年の1月10日以降、そういった考え方のもとに協議を進めてきた、連続性
の上に立って、今日を迎えているわけでございます。
 従いまして、私は今事の今の制度は、各方面から注目をされておりまするし、現実に県が今回
県民局を群馬県内に5つに分けて配列をいたしました。これも、昨年の10月頃だったと思いま
すけれども、グリーンベルに県議会のそういった特別委員会がまいりまして、吾妻、利根、沼田
の首長からの意見を聞く機会がございまして、ことによってそういった県民局をつくりあげる、
ということをするならば、やはり地域内分権方式、利根沼田のように広い面積だけれども、利根
沼田には置くべきだ。人口は少ないけれども、置くべきだ、ということを強く訴えました。その
時点では、県は渋川において、利根沼田と吾妻と渋川を抱きあわさせるような形で、4ヶ所とい
うような考え方があったようでございます。しかし、それらを強く訴えたこともあったりして、
現実に利根沼田と吾妻が、人口は少ないけれども、県民局ができる、ということになりました。
 これは、ある意味においては、同じような哲学が裏打ちになっておりまして、やはり地域がこ
れから活性化していくためには、末端の隅々まで地域行政の血流が行き渡るような、言うならば
末梢神経、末端の血管まで行き渡るようなことが大切なのではないか、ということで今次を迎え
ているわけでございまして、私は、群馬県下でこれは非常に注目をされており、たまたま5県民
局を群馬県が設定したということによって、かなりこの哲学は群馬県の中枢も非常に理解をして
いる、というように認識をしております。
 そういった中で、振興局の局長の役割でございますけれども、ご案内のとおり、工事の請負費
の3,000万円までの発注権であるとか、方針の確定している地域自治区に関する事務事業の
執行にあって、重要なものを処理することであるとか、あるいはご案内のとおり、振興局の長が
それぞれの地域の取りまとめ役として頑張っていっていただくことであるとか、いろいろなこと
が詳細にこちら側には資料があるわけでございますけれども、是非私共の担当の課に指示をして
おりますので、議員の方であとでお目通しをしていただきたいと思っております。
 議員が、そういったことの中で総合計画等々に対しての役割が非常に大きいのではないか。こ
ういうご指摘でございますけれども、当然、この総合計画を将来つくっていくという形の中で、
4月1日以降から具体的な予算執行が始まりますから、スタートしてまいりますが、当然、振興
局長さんにもそういった総合計画をつくっていく際には、要として入ってもらうということは当
然考えられる、というように思っております。
 昨日の質問でもお答えしたとおり、もう一方におきまして、市民の検討委員会等々の設置が大
変重要になってまいりまして、その辺の緊張関係というものは常に持ち続けていく必要があるの
ではないかと、このように認識をしておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇24番(大竹政雄君) 説明をいただきまして、ありがとうございます。
 私が言いたいのは何かというのが、少し分っていないのではないかと思います。
 実は、振興局というものが、長ければ良いということではない、ということが言いたかったの
です。それが今回10年というようになっておりますけれども、私は支所に早くなるべきだ、と
いう考え方をもっております。それは、今回加われた各2つの地域の支所の役割をいただきまし
た。委員会でくばられました。この振興局、事務分掌にあるこの中身に早く移行するべきだ、と
いうように思っております。
 それは、これからの時代を、これから築くまちづくりでも、みんなで築くまちづくりでもお伺
いしようと思っているのですが、今、市長から言われた少し違う考え方もっております。それは
どういうことかと言うと、次のまちづくりに入りますけれども、実際にはこの合併は広くなった
わけですから、大きくして、これからは小さくするということが必要であると思います。それで、
12月の一般質問の中でも、2人の議員が小さな自治についてお話がありました。実は私もそれ
についてはかなり近い意見をもっております。いかに小さな自治にしていくかということが、こ
れからの時代にどうしても必要ではないかという気がいたします。それが、前回の話では500
か1,000か行政区かというお話がありましたけれども、それはそれで別なのですけれども、
要は小さな自治を作るということは、自分達で治める地区をつくる、ということです。これから
財政的には、相当厳しい時代が来るだろうと言われております。さあ、10年後はどうだろう。
高齢化社会がどんどん進みます。大変な時代がくることは分っております。そういうことになれ
ば、小さくしなければ対応できませんよ、と言われているのが一般的であります。
 それは、例えばその地域で共助、これは市長も前に言われたと思いますけれども、公助、共助、
自助、1つ、自分ができるものは何か。お互いに協力できるものは何か、あるいは市でやっても
らうものは何かということを完全に区別していかなければ、これからの時代は乗り切れないだろ
うと思っております。
 私は小さな自治をつくるということは大変大事なことだ、と思っておりますから、それに関連
をすると今、利根町、白沢町については、そういうものが出来やすいのかな、と思っております。
 それで、やはり小さな自治というのはいろいろな要望が違うはずでございます。例えば、高齢
者がいるところは要望が違います。若い人たちとは違います。特に私が住んでいるところは4,
500人もいますけれども、これはやはり2つくらいに分かれているかと思います。
 例えば、高齢者がたくさんいるところと、若い人たちの新興住宅街については、かなり差があ
るのです。それでそういったものの考え方を聞いて、「じゃあ、どういうふうにしてあげようか。
」というのが、私は公助だと思うのです。それで、小さな自治の中でお互いに何ができるか、何
を助け合おうか、ということを考えていかなければ、共助ができあがらなければ、私はこれから
大変な時代を迎えるのではないか、という気がいたします。そういう意見をもっています。それ
について市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 小さな自治を模索する、あるいはまた、そういった方向へのところを
展開していく、ということについては、私共何ら異論がないところでございます。
 そういった中で、ここで認識の問題として2つ程申し上げたいと思うのですが、例えば、埼玉
県の志木市などでありますと、とにかくあらゆるものを民間委託してしまって、そしていろいろ
な行政体の職員をどんどんどんどん省いていく。そういうような一つの小さな自治を目指してい
るところもあるようでございます。そういうスタイルを目指している小さな自治を求めていると
ころもあるようでございます。
 もう一方においては、群馬県の知事のように、小学校区ごとにその自治の制度を確立していっ
たら良いのではないか、というような意見。あるいはまた、先ほどおっしゃった小学校区よりも
っと下の区長さんサイドのところまで落としてみていく必要があるのではないか、というような
こととどうも今のところいろいろな各方面の論議は、2つに分かれているようでございます。
 私共この地域の相対からみると、やや後段の方が、つまり後で述べた方が、この地域には合っ
ているのではないか、という考え方、認識をもっております。
 ですから、そういったことから、おっしゃられたようにむしろ利根町や白沢の方が、小さな自
治をつくるのにはし易いのではないか、ということについては、ある意味においては全く同感で
ございます。何とすれば、5人組の体制だとか、あるいはその区長さんを中心としたその地域の
連帯というか、その結束力というのは相当高いものがあるのではないか、というように認識をし
ておりますので、そういう意味では議員と認識は同じくできるのではないか、と思っております。
 ただ、ご案内のとおり、地域振興局制度というのは、従前この自治体の一つの形態があって、
そして当然その自治体に対して愛着を持って、伝統や文化を尊重して今まで先人の方々が村づく
り、あるいは地域づくりをしてきた経過があるわけでございまして、そういった意味で、これか
ら先々徐々に、いろいろな意味で振興局長さんのご意見をいただきながら、早くに新生沼田市が
一体感がとれるように、先ほど言う小さな自治区も含めて捉らまいていく必要があるのではない
か、このように思っております。
◇24番(大竹政雄君) 今度は、市民参加と協働という言葉がよく聞かれます。この市民参加
なのですが、なかなかその全体から意見を聞くということが難しくて、小さなところから意見を
吸い上げることは大変大事なことだと思うのです。先ほども私少し言いましたけれども、地域地
域についても絶対に違います。要望も違います。考え方も違います。そういった意味では、小さ
くしなければ市民参加はあり得ないと思います。協働ということもそういった意味では、絶対に
大きかったら出来ない、という気がします。
 私は、今、そういった意味では、市民参加あるいは協働ということを根本的に考え直すならば、
そういったところから始まるのかな、というような気がいたします。
 実は、私も議員になって6年になりますけれども、いろいろな地域があって、いろいろな要望
が出ています。
 例えば、バスの要望などもそうなのですけれども、その地域が今谷間であるから、いないから
ということなのですけれども、それだけの要望みたいな感じに受けるんですね。さあ、そこだけ
ならばそこだけの対応をしたらどうか、そういったこともあります。とにかくいろいろな意味で
その地域にためにやるのが全体に広がりますから、大きな金額がかかる、というのが、私が今思
っているのですけれども、市民参加の考え方については私はそのような考え方を持っております
けれども、市長はどのような考え方を、市長の考え方をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 市民参加というのは、私は承知している範囲では、昭和40年代の後
半から政治的には当時の構造改革論というのがございまして、そういうところから出てきたと認
識をしております。
 早くに手掛けてきたのが、総武線の中央線沿線にある武蔵野市であったと理解をしております。
 この沼田の青年会議所が昭和50年代の前半に非常に総合計画を作る際に、東京から現在でも
著名な学者先生をお迎えして、連日素晴らしい講演会を行いました。商工会議所の会場がいっぱ
いになるくらい、常にいっぱいでした。
 具体的には、法政大学、当時の松下圭一先生、あるいは東京大学から確か成蹊大学に移った篠
原一先生、あるいは東京大学、現在国際基督教大学西尾勝先生。こういった一級の先生が来ては
講演をされておりまして、そこで住民参加、市民参加というのが非常に高く述べられていた経過
がございます。
 確か人間都市沼田の総合計画は、そういう意味では相当その考え方が反映されていたと認識し
ております。先ほど議員がおっしゃるように、その当時の市民参加ということと、今のところで
はやはり違いが出てきている時代背景がございます。と申しますのは、参加をするということに
ついてから、現在では参画をして一緒に汗を流していく、というふうに変ってきているという経
過がございます。
 そのようなことから、今時色々と論議がされておりますが、先ほど議員がご指摘の協働という、
協力して働いていこうという、これは全く現在の市民参加の典型的なところにあるわけでござい
まして、NPOの存在などはこれを全く抜きにしては考えられません。そのようなことから、今
おっしゃられるように市民参加という概念も随分歴史的に変ってきているな、という認識はもっ
ております。しかもそれは、今までのように参加をするということについて、計画の経過にいる
とか、それだけではなくて、計画なりそういうものを作った後、自分がそこに参加をしたのだか
ら責任をもってもらうぐらいのところまでいく、そういう時代の流れにきているのかな、という
認識をもっております。
 勉強不足は否めませんけれども、議員のご案内のとおり、私も精力的に総合計画の策定のため
に4月の1日からスタートいたしますので、いろいろな各方面から勉強をし、そして遺憾なきよ
う対応していきたいと思っておりますが、よろしくご指導のほどお願い申し上げたいと思います。
◇24番(大竹政雄君) 今、共助の話しがでました。実は、これからの時代の共助というもの
が大変必要だと思います。これは生き生き長寿まちづくり計画の本から抜粋したのですが、今介
護家庭が問題なのです。介護保険の問題。介護については、外部化することにより、かえって市
民が保持している従来からの血縁や近隣におけるコミュニティーや相互助け合いの習慣、仕組み
など、広義のボランティア行為を妨げることになってはならない、というように言われておりま
す。私はまさにこの世界に入っているのではないかと思います。
 もう皆さんが今、介護保険、所管でありますけれども、介護ってものすごくお金がかかってし
まっています。前回、私共研修に行ってきたのですけれども、介護は1万人に対して毎年1億円
くらい増えているそうです。前回の話ですけれども、10年で3倍強になるだろうと言われてい
ました。私は、3倍ではきかないのではないかというような気がいたします。特に、介護という
問題はこれから大変な分野であるのではないかと。さあ、これで問題は受ける、受益者は良いの
だと思うのです。負担を考えますと、負担はどうなってしまうのか、という問題だと思います。
 これから、団塊の世代があと3〜4年で退職をしてきます。卒業と言いますか退職をされてき
ます。そうするとあっという間に高齢化が進みます。そうすると負担をする人たちが、非常に少
なくなってくる。そういう時代が必ずきます。もうすぐそこにいます。それで、そういったこと
に思いを起せば、介護に関する問題は、お互いにある程度その地域で共助しなければだめではな
いか、というように私は思います。
 自助ということで、自分でできることは自分でやる、ということは当たり前なのですが、お互
いにやはり助け合いましょう、という精神を作っていかなければ、介護という問題は消滅してし
まうような気がします。そういったものを考える時に、どうしてもそういう組織をこれから10
年かけてつくりあげるべきだと思いますけれども、市長の見解をお伺いします。
◇市長(星野己喜雄君) 大変含蓄の鋭い質問でございまして、非常に答弁に苦慮いたしますが、
昨晩から今朝にかけて、確か兵庫県の方の最高齢の人が亡くなって、なかなか発見されなくて、
ミイラ化されていた。と、確か5年くらいの間わからなかった、ということがございました。こ
れがどういうことを意味しているかというと、まず、肉親の人の行き来がなかったのかどうかと
いうことが当然一つの疑問として出てまいりますし、隣近所の人が、配り物とか何かそういう物
が必ずたまっていくわけですから、そういったところでの色々な意味の不審な感じがあって、そ
れをお隣は年寄りで100歳を超えているから、面倒をみる人があるのではなかろうかというこ
とがなかったのかどうかと。非常に不可思議な状態は否めません。
 実は、昨年の12月に中越地震関係のご質問をいただいた中で、議員がおっしゃったように共
助であるとか、公助であるとか、自助のことを申し述べさせていただきましたが、やはり例えば
あるAさんが、Aダッシュ地区に住んでいてAツーダッシュの人がボランティアでAダッシュの
人をめんどうみていたと。ところが、Aツーダッシュの人はBのところへ住んでいる。いろいろ
災害が発生してきた。と、Bさんは、Aダッシュさんを守るために、すぐ飛んでいけるか。自分
の命の危険性をのらまえられると、そちらの方までいけなくなる可能性が出てくるということを
思うと、結局、地域内の中での共助の連携のシステム化のようなことが大事になってくるのかな、
というようなことを感じとっている昨今でございます。
 ですから、当然総合計画の中でもそういったことが、今ご指摘になられたような事は、時代の
変遷と共に変ってきておりますので、そういうようなことが散りばめられるようなことになって
いくのではなかろうかと。これはまだ先の話でございますので、そのような感想を持っておりま
するし、やはり地域で支えあっていくという、そういう文字通り時代を迎えたかな、という感じ
をもっております。
◇24番(大竹政雄君) 今、地域で支え合うということだと思うのです。これから、昨日か一
昨日だか、高崎市がボランティアを募集しているような新聞記事がございました。
 これから、地域でどう支え合うかということで、ある所にいきましたら−我孫子でいったので
すけれども、我孫子でこれから退職をされる方々のアンケート調査をしたそうでございます。退
職をされたら何がしたいかということでいくつか項目を上げてやってきた経過があるそうですけ
れども、小さな店を持ちたい。あるいは農業をやりたい。そのような中で、少し多かったのが、
公的な仕事をやりたい、公のお手伝いをしたい、ということが多かったそうです。
 お金をもらうのではなく、小さなお金でもいいから、何か協力をしてあげたい。あるいは、地
域に協力をしてあげたい、というような意見が多かったようでございます。これは、東京に勤め
ているわけですから、我孫子市内のものがよく分かってないものですから、自分の地域がわかっ
ていないから、そういうふうに言ったのかもしれません。地域的な問題がありますけれども、や
はりこれから退職される方々が、どのようなことを思っているか、ということも大事なことだと
思います。
 今回、高崎市は市民ボランティアを募集しているようであります。このようなボランティアを
していただきたいものを募集して、中身を今日、私は持ってこなかったのですけれども、   
  忘れてしまったのですけれども、そういったボランティア、いろいろなボランティアがある
のですが、ボランティアを募集する。まさに、この前の研修に行った時の話か、と思いました。
 特に、これから沼田市でも同じように卒業される方がたくさんいると思います。そういった人
たちを活用とは言いませんけれども、地域で何かを活用、お願いをする。
 先ほど話をしましたけれども、例えば、送迎をするなどというのは、その人に小さなお金でも
良いから送迎していただければ、もっともっと安くなるのではないかと。そういう地域地域で物
事は考えていただくようなものに活用していただくことが、私は良いのかな、と思ったのですけ
れども、それについてはどうでしょうか。
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。概ね5分。   
午前10時57分休憩
──────────────────────────────      
午前11時06分再開
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
◇市長(星野己喜雄君) ボランティアの話でございますけれども、ご案内のとおり、かつての
行政体の運営が、区長さんや委員さんからご要請をいただいて、そしてそれを実現していく、そ
れには予算が伴うという流れがあって、その裏づけとして財源の措置がありました。それが、交
付税でございまして、交付税はご承知の通り、財源調整機能、あるいは財源補償機能を持ってい
たわけです。
 ところがこのところが、昨日金井助役の答弁されたとおりなかなか厳しい実態を迎えてきたと
いうことから、なかなかお願いをして、陳情をして物事を実現していくということが、財源の裏
づけ等々のことから、なかなか今までのように実現するのが難しくなってきているという時代背
景は否めない、ということでございまして、これはご理解いただけるのではないかと思っており
ます。
 そこで、結局、そういう時にどういう方法が考えられるのか、というようなことから、参加で
あるとか、協働という考え方が出て来たと思うのです。
 それでは、実体としてどういう人たちがこれから力を発揮していくのか、ということでござい
ますが、地域住民は申すまでもなく、NPOであるとか、先ほど言うボランティアの方々の存在
がグッと光ってくるわけでございます。
 今、おっしゃるように高崎市の方で、大きくボランティアの関係の募集があったようでござい
ますけれども、私共もボランティアの存在は、これからまちづくり等を進めていく上で、大切な
ことであると思いますので、総合計画策定の中にそのボランティアの存在というものをある程度
しっかりとした形で、位置付けていく必要があるのではないか、というように思っております。
 さらに、もう一つ付け加えて、バスの送迎等の具体的なご質問があったわけでございますけれ
ども、これらにつきましては、陸運のことだとか、あるいは安全対策のことだとかというような
ところがありますので、内部で検討したりして出来るだけ色々な方々の参加をいただけるような
ことを模索していく、というようなことでご理解をいただければ、というように思っております。
◇24番(大竹政雄君) 今バスの話が出ましたけれども、そこを市でやろうと思うと色々な問
題が出るのです。その地域で助け合いのもとにやるならば何も問題もでない、ということから私
は発想でそういう話をしたわけですけれども。もう市が出来るところはこれきり出来ません、と
いうことをはっきり言っていく時代だと思います。もう、これはできません。これは私共やりま
す。こういうものをしっかりとつくっていかなければ、これから成り立たないと思います。
 特に、今財源の問題が出ました。今、三位一体改革の中で税源移譲の問題が出てきます。当然、
所得税を減らして、それを住民税に当てるという難しい、大変な時代がくると思っております。
必ず来ると思います。5年か、10年か分りません。さあ、所得税を減らした分だけ住民税に課
せられたら、この沼田市どうなりますか。そのことを考えれば、税源という問題はものすごく大
変なのだと思います。
 今、例えば交付税の問題が出ました。交付税はこのままいくということはあり得ないわけです。
昨日の答弁だったと思うのですけれども、ずっと10年間いきまして、助役が言ったような気が
するのですが、算定替えがありますから、減っていくのだと思うのです。そのような認識を持ち
ながら、財源というものは必ず減る。極端なことを言えばもっと極端に減る。10年後はものす
ごく減るわけです。そういったことを考えると、本当に我々が今何を考えなければいけないか、
ということを私は今提案しているつもりでいます。やはり、自助、自分でやってもらうことはや
ってもらう。共助、お互いに助け合うことはやってもらう。それで今、行政がやるのはこれだ、
ということをしっかりと区別するべきではないかと思いますけれども、その件についてお伺いし
たいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) ご指摘の通りの時代の流れだと思います。
◇24番(大竹政雄君) 市長、たくさん話してくれないとぜんぜんなくなってしまった。私も
次のことを考えることがなくなってしまった。
 今、もう一点だけ。広域でやるものと狭域、狭いところでやるものというのが、これからもっ
と考えることが必要なのだろう、ということも言われております。その部分においても色々な問
題があると思うのです。
 たまたま今回少し言いたかったのは除雪の問題で、これはどうしても広域でやらなければいけ
ない問題。要するに、市がやってもらわなければいけない問題なのです。ゴミの問題などもそう
かと思いますけれども。地域、地域によって非常に考え方が違う。除雪でも、例えば子供さんが
いる通学路なんかだとかいてもらうと困るというのです。何故かくのだ。と文句を言ってくる人
がいます。それはそうなのです。通学路が雪だらけになってしまいますからということもありま
す。かといって、車を運転する人は、何故かかないのだ。全てが自分達のわがままで物事が動い
ている。
 そういった意味では、本当にこれからはそういったことを一つ一つクリアしていかないと、な
かなか市民要望には応えていけない。市民要望ばかり応えるのではなくて、出来ないものは出来
ない。とはっきり言っていかないと、これからはいけないのかと思っております。
 是非、市長も先ほどそのようなことがありましたから、ご答弁は結構でございますけれども、
そういったことで是非、これからの市政運営をしていただきたいと思います。
 それでは、災害に強いまちづくりについてお伺いしたいと思います。
 私も2日間行ってまいりました。どういった建物が壊れやすいか。壊れているか。全体を検証
すると、最後に分るのですけれども、実は昭和56年に構造計算が変わりました。それまでは、
壁量、あるいは筋交いが少なかったのですけれども、それから非常に多くなりました。基礎には
鉄筋が入るようになりました。やはり、それ以前に建てられた建物は本当に弱いなという感じを
受けました。見るからに30年くらい経つのですが、見るからにこの家は古いな。特に、田舎の
家に行きますと、襖で4面囲われている家があるのです。そして、壁がない。当然筋交いもない。
そういった家がよじれているのです。まさにそういったものを、私は実体験で見させていただき
ました。
 それから、今、話しの中で、公的なところ、例えば崖だとか急傾斜地をやっていきますよとい
う話なのですが、今回の問題は、民民境に擁壁、あるいは石垣が積んであったところが崩れてし
まいました。非常に大変なのが、その石垣が崩れたおかげで、隣の家を押してしまったのです。
崩した家は住んでいられるのです。家が新しいですから。けれども、崩された家は避難している。
非常にかわいそうな現状を見てきました。そういったこともありますから、民民であるところに
おいても、ある程度調査をしていく必要があるのではないかと。やはり、皆さんがそういう認識
をもってある程度調査をしてあげますよ、あるいは、行政の方で出来なければ、あるところに頼
んでボランティアの活動でも良いですからお願いをして、みてもらっても良いのではないか、と
いうような気がいたします。そのようなことで市長のお考え方をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 一朝有事の災害の時には、色々なことがあって本当に創造もつかない
ことがあることによって、苦しんでいるなということが議員の質問の中からうかがえるわけでご
ざいますけれども、やはり、AさんとBさんの境界等の問題については、どうしてもこれは民民
の関係になっているのではないかと認識をしております。ただ、ご案内の通り、色々な調査等に
ついては、これからしていかなければならないという流れにある、というようなことで、昨年の
12月にも一応答弁をさせていただいてきた経過がございます。
◇24番(大竹政雄君) 実は、ちょっと見るだけでもこの家は、お互いにもう少し注意をして
くださいと言ったのと言わないのとでは、全然違うと思うのです。プロにちょっと見てもらった
だけだって危ないなと思ったら両家に民民だったからやらない、ということではなくて、少し注
意をしたらどうですか、と一言言うだけだって予防策にはなる、というふうに思っているんです
ね。
 それで、やはり今までみていきますと、高齢者の方が古い家に住んでいたのです。やはりそこ
をやられてしまった。さあ、こういうことになりますと、古い家に住んでいる人達の何か行政が
手助けをしなければいけないのではないかな、ということをつくづく感じてきました。
 それで、さあ、何の手立てもないわけですから、自分たちがどこへ連絡したらそういうものを
やってくれるか分りません。ですから、そういったことが、沼田市に何件あるか、多分少ないと
思うのです。そういう人達の面倒をみることも必要なのではないかと、私はそのように感じてお
りますけれども、それについてどうでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 本質問につきましては、先ほど答弁させてもらったとおり、基本的に
は民民の課題でもあります。もう一方につきましては、昨年の12月に同僚議員からのご質問が
あった中でもお答えした通り、これから各調査に、既に振興局のところでは入っているわけでご
ざいますけれども、これをしていかなければいけません。
 同時に、ご案内のとおり、被災宅地危険度判定士、先ほど申し上げました被災建築物応急危険
度判定士、あるいは今回もそういったことに対するところの学習会等にも参加させて、そういっ
たことについての実力というか、市の内部の力を貯えていく、というようなことで対応しており
ますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇24番(大竹政雄君) 今、危険度判定士の話が出ました。当然のことならが、そういう人た
ちを育成しながら、事前調査というものが必要だと思いますので、これからも是非お願いをした
いと思います。
 それから、42条の2項 道路、要するに道路後退線の話でありますけれども、先ほど買収が
難しい、という答弁をいただきました。
 実は、今、藤岡が要綱ができております。買うということになりますと、大変なお金がかかる
わけでございます。でも、買わなくても寄付をしてもらう、とか色々な協力体制があると思うの
です。ただ、どうしてもその家が売ってくれないという話になれば、話は別ですけれども、そう
いったことではもっともっとこの藤岡の例をみれば、色々なことが載っていると思います。やは
り、今年度になってから火事が2件起きました。高橋場も市長に来て頂きました。あるいは、井
土上もありました。今回は、少し広かったから良かったのですが、狭い道路のところであの火事
が、今回起きた場合、これだけの豪雪のときだったのですから、大変なことになったのではない
か、ということなのです。
 ですからやはり、こういったものを今からやっていかなければ、50年後には広くならない。
それですぐ直るということは無いのです。建物を立てるときに、後退してくださいよということ
になるわけです。そういったことを考えれば、どうしてもこの制度を、例えば要綱でつくったと
しても30年くらいかかる。だから早くやり出さないと、道路後退線をつくっていかなければ、
広い道路はできませんよということを、前回も質問した経過がございます。高崎もやっておりま
す。藤岡もやっております。私はどうしても最低限4mの道路は必要なのだということを深く認
識していただいて、そういったものを市が真剣に取り組んでもらいたいと思いますけれども、市
長にその辺について、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) ご案内の通り、新生沼田市になりまして5万5,000の新しい都市
が誕生したわけでございます。
 当然、内部の機構改革等も進めているわけでございますけれども、やはり建築の専門知識を有
する職員を養成をしていく、あるいは配置をしていくというようなことで、今ご質問に対する対
応ができるような、そういったことを今、考えております。
 なお、藤岡、あるいは高崎の例が出されましたけれども、これらにつきましては、早急に検討
させていただきたいと思います。
◇24番(大竹政雄君) それでは、それをお願いしておきたいと思います。
 次に、保全活用についてということで、先日同僚議員から質問がございまして、答弁をいただ
きました。私の思ったことと同じことを思った人がいたのだと、これは新聞報道にされていまし
たから、それはそれで結構だと思いますけれども、是非、そういったこともこれから活用してい
ただきたい。
 さて、問題は保全あるいは活用のことなのですけれども、一昨日、農村青年実体験の発表会が
ございました。私も丁度その会場に行って、皆さんの実体験を聞いてきました。丁度、市長がそ
の時にたまたま山林の関係の時に入場されたかと思いますけれども、やはり林業というものが非
常に大変だという話の中で、その若い人が今、林業に携わっている。さあ、その林業というもの
はどういうような苦労があるかということなのですけれども、苗木を植えてから5年間は下草刈
をしないと苗木は駄目になってしまうのだそうです。それでその後また5年間は枝打ちをしない
と木にならない。そういったことを5年間毎年やるのですが、その後5年、5年ということで色
々なことをやっていかないと木は使えないのだ、というお話がございました。まさに、そういっ
たことをやっている人ですからリアルに聞こえました。
 それで、沼田には学校林があります。それは、高橋場の木田坂の両サイドが学校林です。あの
学校林は、戦前戦後にかけて、当時の沼田小学校の生徒が植えたのだそうです。私は、この話を
聞きました。それで、沼田小学校を建て替える時にその材木を使うのだ、ということまで聞きま
した。さあ、もう何年経つでしょう。
 それで、そういった人達は、多分、学校の授業の中で下草刈もしたのではないかなと。そして、
枝打ちもしたのではないかと。そういったものをやはり先人の方達がしっかりやってきた経過が
あるのですが、このところ、あの杉林はほとんど手入れもされていないのです。そういったこと、
手入れも必要だと思いますし、またその材木を使う、活用するということも、私は先人たちが作
ってきたものでありますから、絶対に使うべきだと思います。
 当然、これから沼田市役所は改築するわけでありますけれども、そういった意味では、材木と
して使ってもらわなければ、先人の人たちは、何のためにあそこへ植えたのか分らなくなってし
まうと思います。
 そういった意味で、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 
 この林業の問題でございますけれども、昨日も答弁をさせていただきましたけれども、大変厳
しい時代を本当に迎えております。と申しますのも、山から木を切ってきて、市場出しをしても、
全く赤字になってしまうということから、木を切って売るということそのものが、もうすればす
るほど赤になってしまう。結局、外材に移行されてきてしまっているというそういう流れがあり
まして、さらに、中山間地域の高齢化が進んでいることによって、林業の担い手が非常に薄くな
ってきているというようなことから、非常に厳しい時代を迎えているなというように思っており
ます。
 そういったことから、上下流の交流、つまり、川上からかみしもとの交流を進めたり、昨日来
から論議されておりますが、顔の見える農業等々とリンクしてくるのですけれども、大変厳しい
状態にあるということでございます。議員がご指摘の通り、5年の下草刈、5年の枝打ち等々、
まさに手塩にかけて木が生育して文字通り、各木造住宅等々にはね返っていくということになる
わけでございますけれども、先ほど来、現状が大変厳しいということから、非常に頭を痛めてい
るという実態がございます。
 先ほど、学校林の問題でございますけれども、私自身も子どもの時に学校林の刈払いに行った
こともございまするし、そういう意味では、今、沼田小学校の学校林が柳町近郊にあるとすれば、
これから色々と学校林のことについては、色々な意味の授業に、あるいはまた課外授業で使える
のではないかと思っておりますので、私の方に質問がありましたので、私の方からまた教育委員
会の方におつなぎをして行くと。この場に教育長がおりますけれども、学校林の有効活用するこ
とによって、情操教育とか、自然に触れ合うとか、そういったことで高めていくということは大
切なことではないかというように思っております。
◇24番(大竹政雄君) 時間がなくなってきましたので、教育長にも聞かなければいけないか
なと思います。
 今、教育の変化が著しい、ということに、私、先ほど1回目の質問をさせていただきましたけ
れども、その「生きる力」ということで教育を進めているというお話をお聞きしました。他人と
協調したり、思いやりの心をつくったりということになるわけですが、今、非常に自己責任とい
う問題が非常に足りないのではないか。何でも人のせいにする。転嫁をしてしまう。そういった
時代が非常に見えているのです。
 この前、どこだったか、子供がキャッチボールをしていたら、暴投して後でぶつかったら、そ
の子が心臓しんとうのような変な名前の病気で死んでしまった。それも責任取らせる。のような
大変な時代になってしまったいる。本当に自己責任て何なのだろう。そこのところをしっかり教
えていくべきかな、と思いますけれども、その辺について、教育長のお考え方をお伺いしたいと
思います。
◇教育長(角田利害雄君) ただいまの再質問にお答え申し上げます。
 大変、難しい問題かなと思うのです。というのは、自己責任ということは、大きく言うと大人
が、生きる中で子供達に身に付けさせていくものだ。とこのように思います。
 特に、家庭教育の中で小さい頃から親と一緒に生活しているわけですので、そういう中で親が
まずいかに生きるか。範を示す生き方をする中で、自己責任というようなことが子供に身に付い
てくるのではないか。このように考えております。
◇24番(大竹政雄君) 今、その親の問題もこれから絡んでくるのではないか。それで、その
親の教育とまでは言いませんけれども、その辺の親の考え方というのも、もう少し何かに機会に
教えていただくというか、例えば入学式の後で言うとか、何かで指導していただくと有り難いか
な、というように思っておりますけれども、それについて如何でしょう。
◇教育長(角田利害雄君) お答え申し上げます。
 ただいまの親の考え方が、大変問題である。これは、私もそういうように思います。
 それで、その親に対する、どういうような働きかけをしているか、ということですけれども、
最初に現状を申し上げますが、教育委員会として今、行っているものは、家庭教育支援総合推進
事業というものがあるのですが、その一貫として、妊娠期子育て講座とか、小学校に入学する時
の就学時健診というものがございます。そこで、それから中学校への移行学級になりますが、一
日入学というようなことかもしれません。
 こういう中で、子育て講座とか、思春期講座などを実施したりしております。あとは、ご存知
の通り、PTA活動として、母親委員会や家庭教育研修会などを開催したりしています。あるい
は、入学式で初めての私が沼中の時、議員もご存知だと思いますが、初めて中学校に入って来る
親に集まっていただいて、そこで学校生活の心得だとか、家庭生活ではどうしようとか、という
ようなお話は進めているところでございます。
◇24番(大竹政雄君) ありがとうございました。時間もなくなりましたので、これで終わり
にしたいと思います。
 それでは、最後になりますけれども、今、経済界でも色々大騒ぎしていますね。こんなに世の
中が変ってきたかなと。例えば、西武の堤さんが逮捕されてしまう。あるいは、ソニーの出井さ
んが辞職してしまう。そして、例えば、フジテレビの日枝さんの話、堀江さんの話等々、経済界
もめちゃめちゃに変ってきているかな。根本的に変ってきているかな。そんなふうにも思えます。
 それから、スポーツの世界では、プロ野球はもう海外、大リーグへいってしまう。サッカーも
外、外へ行く。卓球では若い愛ちゃんが、ゴルフも愛ちゃんがと、若い世代がどんどんどんどん
変えてきている。
 さあ、この地方自治ももうそろそろ変えなくてはいけないのかな。そんなふうに思います。や
はり、根本的に変えていかないとなかなか変らないかな。そんなことを、私はそろそろその時代
が来たな、と思います。
 特に、私は市長にそういった意味での根本的に変えるよと、新しい自治をつくるよという気持
ちになってやってもらいたい、というように思いますけれども、その辺のことを最後に聞かせて
いただいて、私の一般質問は終わります。
◇市長(星野己喜雄君) 今、時代背景のことを具体的に紹介されまして、時代の変革がそこか
しことどんどん押し寄せてくるという、大竹議員の認識は全く私も同感でございます。
 たまたま今時、フジテレビの方とライブドアの方とのやりとりも、ある意味においては、一方
のおいては、成熟した社会の理論構築をしっかりもって対応していく。一方においては、時代の
変革の旗手として、そして物事をどんどんどんどん推し進めて行く、というようなことで、価値
観が違うのかな、と思いながらも、しかし、求めていくことは何とかよくしていきたい、という
ことになるのではないかなと思っていたわけでございますが、今回、総合計画をいよいよつくる
わけでございますけれども、やはり魂を入れた総合計画をしっかりとつくることによって、新生
沼田市の「時代が変っているのだ」ということを、やはり総合計画にしっかりちりばめて、そし
てその総合計画をつくっていくプロセス、経過の中で、行政体の内部でも意識改革を図りながら、
時代の変革に対応できるような今後努力をしていかなければならないというように思っておりま
す。
 今後とも、議員の力強いご指導とご支援を心からお願い申し上げまして、答弁とさせていただ
きたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上健太郎議員。39番。
〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) 議長よりお許しがありましたので、通告に従いまして一般質問を行
います。
 はじめに、今回の合併により、はからずも沼田市議会の壇上でこのように質問することになり
ました。市議会としての初めての質問になります。村議会との勝手からくる手違いや失礼になる
場合も想定されます。何卒、その点については、ご容赦を願うことをまず冒頭申し添え、質問に
移りたいと思います。
 さてこの度、3市村の合併により新沼田市が先月よりスタートをいたしました。ご存知のよう
に一昨年の12月に旧沼田市に対し、編入合併の申し入れを行ってから、わずか一年で今日を迎
えたわけでございます。この間、紆余曲折がありましたが、ゴールを先に決めてつじつまを合わ
せるという形で、あたふたと合併にこぎつけた、という感がしてなりません。
 特に、利根村にとっては、図書館等はありませんが、観光会館、体育館、デイサービスセンタ
ーや各学校の校舎、そしてプール、屋内運動場や球技場、各集落ごとの集会場や生活改善センタ
ー、温水プールや温泉センターと、旧沼田市と比較しても、公的社会資本は勝るとも劣らない整
備が進んでいるのが現状であります。
 吹割、老神をはじめとする観光資源にも恵まれており、最近では東電による100万ボルトの
変電所の固定資産税等も入ってまいりまして、財政力指数も0.29と、官内の自治体と肩を並
べるところにきてまいりました。
 何と言っても、公債費負担比率が、7%代と県下で最も低く推移をしてきた健全経営の自治体
であります。
 ですから、利根沼田官内では住民福祉については、比較的高い水準で住民サービスが行われて
まいりました。これは、村当局はもちろん、議会側も村づくりに対する熱意に溢れていたことを
自負するものであります。
 なぜ、この利根村が住民に選択の機会を与えず、一挙に合併に向かってゴールまで走ってしま
ったのか、全く不可解でなりません。住民にとって本当にこの合併が必要不可欠なものであった
のでしょうか。今、このことを改めて検証してみたいと思います。
 今年に入って慌ただしく閉村式や各団体の解散会議、そして振興局の開所式と続いていく中で、
多くの利根町住民の何とも言えない疑問の声が聞こえてまいります。合併して何が良くなるのだ
ろう。何で合併しなければならなかったのか。特に、最近ではしゃくなげの湯の料金が上った。
無料の人間ドックが無くなるというけれども、本当ですか。健診が有料になるというのはどうし
て。次々に不審の声が上ってまいります。
 そこで伺います。
 本来、自治体の合併とは、住民の立場に立って、住民の納得できる、住民の合意による合併で
なくてはなりません。ですから、複数の自治体が一つになるときは、最低限の原則、これは住民
サービスは高い方に、そして負担は低い方に合わせていくのが望ましいはずであります。そうな
れば、住民に真意を問わなかった合併であっても、住民は十分に納得するはずです。本年度予算
では、この事が十分生かされていますか。特に、社会的弱者、老人、子供、また障害者に対して
満足いくものになっておりますか。まず、この点を伺いたいと思います。
 次に、地域内分権型の自治体運営を行う、と市長はおっしゃっておりますが、振興局の権限で
合併前以上の住民サービスを提供することができるのでしょうか。地域内分権ですから、旧沼田
市住民とはおのずと異なったサービスが必要であると考えます。
 生活条件の整った中心街の住民と、市の端で病院も無く、交通手段も少なく、買物に行くにも
これまた不便な山間地域の住民とでは日常生活において、相当のハンディキャップがあるはずで
す。まさに、このハンデを解消するためにこそ、地域内分権型の施策を発揮できる最良の舞台と
思いますが、如何でしょうか。この点については、どこまで振興局長、そして次長の権限でこれ
らのことが実行できるのか。また、その権限を認めるのか。この点について、お伺をいしたいと
思います。
 さて、縷々申し上げてまいりましたが、今、全国でも少子化は深刻な問題となってきておりま
す。今、沼田市でも例にもれず、少子化の波が押し寄せているはずです。その上に本人3割負担
の保険法改正や医療法の改悪、年金保険料引き上げや大学授業料値上げ、あるいは配偶者特別控
除の廃止と続き、各企業での正規社員のリストラ、そして失業者やフリーターが増加している現
状では、安心して子育てができない。サラリーマンだけではなく、農業でも今は大変であります。
輸入農産物の増加で、価格が低迷し、農業後継者も少なくなっております。少ない後継者の中で
も、子どもを育てることに多くの不安をもっているのが現状であります。
 このような中で、今年から利根町の例に倣って奨学金や子供の医療費無料化を拡充したことは、
多いに子育て世代を励ますことになり、この点については高く評価するものであります。
 旧利根村では歴代村長がそれぞれリーダーシップをとり、群馬県内ではいつでも先人を切って
拡充をしてまいりました。既に利根沼田官内では、小学校卒業までが定着してきております。こ
の合併がなかったら、4年間で4人も村長が交代し、その度に各候補が公約に掲げていた施策で
ありますから、次のステップ、中学校卒業までが俎上に上るはずでした。小学校卒業までで安心
してしまっては、子育て世代の夢を打ち砕くことになります。市長の決断で一挙に全県の先人を
切る構想をお聞かせ願いたいと思います。
 また、これらの医療費節減に大きく貢献できるのが、歯の健康であります。なぜならば、歯が
丈夫な人ほど病気にかからない。また、歯が丈夫であることは、全身の健康や能の働きに密接な
関係があるとして、ガンの予防、痴呆防止にも多いに関係があると言われております。そのため
には、最も効果があるのが、幼児期の虫歯予防ではないでしょうか。ところが、本予算では歯科
診療、特に子供の虫歯予防となるフッ素塗布治療及び2歳児検診、そして、検診時に同時に行う
母子歯科保険と健康相談。歯科指導も今年から廃止になるようですが、これでは時代に逆行する、
全く愚策と言わなければなりません。
 利根村は3年前から、そして白沢村は16年度から実施してきた1歳時から半年毎に3歳まで
のフッ素塗布事業の継続はすべきと考えます。特に、利根村では35歳、40歳、50歳、60
歳、この4世代に亘る到達時点での無料人間ドックを実施してまいりましたが、これも廃止。同
じく、同時に行ってきた成人歯科保健指導等も廃止になるとは、全く論外であります。
 今年の10月、同じく合併する西部3町村の水上町では、1歳半、2歳、2歳半、3歳とフッ
素塗布事業を行う予定になっております。自立をしている昭和村では、平成6年度より現在も継
続。同じく自立を決めた片品村では、全幼稚園児に週1回のフッ素洗口、うがいでありますが、
これを今年から厚生省、日本歯科医師会及び群馬歯科医師会が提唱している8020運動に呼応
して、このように各自治体が先を争って歯の健康を考えている時に、新沼田市では各種検診の有
料化とともに、国保税の値上げ等々、どこまで福祉の後退をするおつもりなのか。利根町住民に
納得いくご説明をお願いをしたいと思います。
 さて、このような施策の後退をする中で、市長として少子化対策の妙案があればこの際うかが
っておきたいと思います。
 以上、何点かお伺いしましたが、答弁によっては再質問をしたいと思いますので、よろしくお
願いをいたします。以上であります。
◇市長(星野己喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、住民の立場になった合併になっているか。合併前の各自治体の優れた部分を生かす合併
の原則は、サービスは高い方に、負担は低い方にが原則であるが、本年度予算に十分に生かされ
ているか。でありますが、1市2村による合併は、昨年の2月12日に合併研究会を立ち上げ、
4月2日には各市村の市長、議長、議員及び学識経験者等の委員で構成する合併協議会を設置し、
以来7回の協議会を開催して、一体性の確保、住民福祉の向上、負担の公平、健全な財政運営、
行政改革、適正規模の住居、の6点を調整方針とし、検討協議を重ね、8月9日には協議会結果
を合併協定書にまとめ、合併協定調印式の運びとなり、その後も協定書に添った事務調整等を行
い、平成17年2月13日に新沼田市となった経過等につきましては、議員ご案内のとおりでご
ざいます。
 合併初年度の予算編成に当たりましては、市町村合併を新たな地域の創造として捉え、合併協
議会の協議結果を十分反映すると共に、主要事務事業の重点的、効率的な選択と国の予算、それ
を踏まえた地方財政対策との整合性、さらには地域ごとに個性を生かした地域内分権型まちづく
りの基本的な考え方に添って各自治体の優れた部分を生かすと共に、独自事業の検討、研究性及
び財源の効率等から施策を検討し、予算編成を行ったところであります。
 次に、合併によって住民が納得できるものでなくてはならない。特に社会的弱者である老人、
子供、障害者に対して満足できるものになっているか。でありますが、誰もが自由で快適な生活
を望み、自助、互助の努力をしながら、日常生活を送っており、福祉行政に対する満足度につい
ては、多様な生活スタイルがありますように、多様なご意見、評価があります。
 少子高齢化をはじめとして、社会の変化と共に、福祉も利用者志向による開かれた福祉へと大
きな変革期を迎え、財政の厳しい状況が続く中で、中・長期的な展望をもって、事業の効果、必
要性などを改めて点検し、市民の皆様に適確な福祉サービスを将来に向け安定的に提供できるよ
う、基盤体制の整備をしていく必要があると考えております。
 次に、少子化対策についての施策の拡充は、新沼田市の現状はどうか、地域内分権型の自治体
分権型の自治体運営を行うということだが、この方法で合併前以上の住民サービスを提供するこ
とが可能であるか。でありますが、議員ご案内のとおり、平成不況と呼ばれる日本経済の停滞が
始まり、十有余年になり、さらに情報社会の進展、少子高齢化、経済構造の変化等、様々な分野
での構造的変化に直面をしております。
 国の財政事業が厳しい中で、地方における財政運営につきましても、厳しい環境にあります。
振興局の設置は、地域の伝統や文化など地域内分権に配慮したものでありますが、また行政とし
て統一的に取り組まなければならない領域が当然ありますので、こうした2つの視点を踏まえて、
市政運営を心掛けてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
 次に、合併によって周辺地域、特に小集落や農業後継者などの農村地帯はより深刻な問題であ
る。
 子供の医療費無料化を中学卒業まで拡充する意欲をもっているか。でありますが、本市の乳幼
児医療費助成につきましては、平成11年度に5歳未満児、平成12年度に6歳未満児、平成1
3年度には未就学児までの無料化を達成いたしました。乳幼児医療の無料化は、子育て支援及び
乳幼児期の重症化防止の観点や少子化が進む昨今、それに歯止めをかける一方策としての子育て
支援と福祉の向上を図るとともに、乳幼児の健全育成と保護者の医療費負担の軽減を図るために、
県下11市に先駆けて小学校卒業まで拡大を図るものでありますが、現在の一般会計や国保会計
の現状からして小学校卒業までの無料化で進めて参りたいと存じます。
 以上、申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきたいと存じます。
◇39番(井上健太郎君) 再質問をさせていただきますけれども、利根村の議員として私もや
ってきたわけでありますけれど、こういった形で合併になって、在任特例ということでこれから
住民運動とか直接請求等で解散請求が出ますれば、たちまち寿命は短くなるわけでありますけれ
ども、このまま推移していった場合には、あと2年間お世話になるということであります。
 それで私に与えられた議員としての責務というのは、単なる新沼田市の議員としての責務はも
ちろんでありますけれども、特に、この在任特例が用いられたという形で議員の任期が延びたわ
けですから、そういった中で、利根町地域の住民の利益を守っていく、というところがまず一つ
の私に与えられた任務ではないか、というように考えます。そういった観点から、昨日から一般
質問が行なわれておりますけれども、相当大きな意味で大局的に見たいろいろな質問があります
けれども、私の場合には、今回の合併をして本当に利根町地域の住民が納得できるものになって
いるのか、そういう観点から質問をしたわけであります。
 そして、市長はご存知のように私たちの利根町の出身でありまして、中学、高校とも私の後輩
になりますけれども、非常にできの良い後輩でありまして、家の方の地域では出世頭として誇り
に思っている方が非常に多いわけであります。私もその一人でありますけれども、今回の医療費
の拡充、これは沼田市としては拡充なのですよね。小学校入学前までは無料でありました。これ
は、利根村においては平成14年から既に3年間実施をしてまいりました。だからこれは当たり
前なのです。旧沼田市の住民等に会う機会がありまして、色々聞きますけれども、非常に市長の
株が上ったのです。これは、利根村をやったからということも付け加えられておりますけれども、
高校生と大学生の奨学金、そしてこの医療費無料化、非常に良かったということが聞こえてまい
ります。
 そういったことで、私も非常に期待していたのですが、ただ今度の予算書を見た限りでは非常
にがっかりするものが非常に目立ってきたというところであります。
 最初の質問のところでお聞きしたいのですが、特に、この市庁舎に入ってまいりますと、3階
のここに来るまでに階段があります。2階を見ましたら2階にも事務室があって、やはり市民の
訪れるのではないかと思うのですけれども、障害者の車椅子の方なんかはどうやって上ってくる
のかなと、そういう人は来ないのかなというように思いましたし、また、階段の右側を見ると手
摺がないのです。これは今まで沼田市が行ってきた施策でありますから、そういった点での配慮
もこれから考えていけば良いことなのですけれども、そういったものもみえないということで目
立っているのですけれども、この間の経済建設常任委員会に色々説明を受けましたら、バリアフ
リーの市民農園を計画をしているというような話がありまして、沼田市はやはり違うな、と思っ
たのですけれども、今言ったようなこととからめて、本年度予算に障害者に対して新しい施策と
いうのは、他にもあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時55分休憩
──────────────────────────────      
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
──────────────────────────────      
◇市長(星野己喜雄君) 井上議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 まず、ご案内のとおり、一般質問本会議が終了いたしますると予算審査特別委員会がもたれる
わけでございまして、詳細の部分につきましては、どうぞ予算審査特別委員会で大いに論議をし
ていただきたいと思っております。そんなことを申し上げながら答弁をさせていただきたいと存
じます。
 まず、市民ふれあい農園の関係について触れられたもので、この関係について若干触れてみた
いと思います。
 本、触れ合い農園は、沼田南中学校の真北にございますところの今までの市民ふれあい農園を
車椅子でも入れるようなそういうロケーションを作りまして、平成17年度から対応をしていく
ものでございます。
 ところで、ご質問の中で、はたして一体全体新しい事業が色々と展開されているのかというよ
うな、特に、障害者の関係等についてのご質問かと思っておりますが、一応、全事業について3
3事業ほど障害者の関係の事業はもっております。そういった中にございまして、例えば具体的
なことを申し上げますと、全国障害者スポーツ大会の激励の事業等について、一人5,000円
でございますけれども、今まで白沢、利根ではその事業がなされておりませんでしたけれども、
今回新沼田市になってそれらが網羅されるとか、あるいはまた知的障害者生活サポート事業、一
時的介護、これも従前白沢、利根にはありませんでしたけれども、新生沼田市になってそれが全
体に網羅されるとか、あるいはまた在宅障害者の協同作業所通所費月額5,000円程度でござ
いますけれども、白沢、利根にはこの事業がありませんでしたけれども、新生沼田市にたって白
沢、利根にも波及されると。あるいはまた、自立支援給付金事業、母子家庭資格取得経費、4月
の10日限度20万円になっておりますが、これも従前白沢、利根にはありませんでしたけれど
も、今回新生沼田市にたってそれが事業化されるということで、概ね33事業ほどあるというこ
とになっておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 先ほどの質問の中で、予算質疑でも十分適応できる問題というよう
なことでご指摘をいただきましたので、予算質疑の中で細かい施策についてはまた質疑をしたい、
というふうに考えております。
 私は、最初の質問で申し上げましたように、利根町の住民が今度の合併によって本当に合併が
良かったと、そう思われるような施策になっていなければならない、という観点から質問をして
おります。その観点からいきますと、いくつかあるのですが、順を追ってお聞きをしたいと思う
のですが。
 国民健康保険、これについては利根町の場合には、沼田市、旧白沢村からしますと非常に低い
保険税できたわけなのですけれども、今回、同じ形に一線に並べるということで、標準世帯で介
護保険分を入れますと、約6万6,000円の値上がりになる。これでは、利根町の住民が納得
しない。これが現実なのです。既に相当意見が出ております。そういった点で、一度にこれほど
の引き上げをすべきだったのかどうかという問題について、お伺いをしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) ご承知の通り、合併協議の中で調整をしてまいりまして、当然そこに
は当時の利根村の代表的な立場の方も入って、色々と協議を進めてきた流れの中の結論を得てお
りますので、この辺の関係につきましては、1市2村のお互いの信頼関係の上に立って、こうい
った方向を選択をしたものであると、このような認識を持っておりますので、ご理解を賜りたい
と思っております。
◇39番(井上健太郎君) こういった国保会計、その事務を担当する立場からしますと、そう
いったことは十分言えるのではないか、今、市長のおっしゃられたような形でありますけれども、
しかしながら、住民が納得しないという一点については、これほどの引き上げをされて、どう考
えても納得するはずがないのです。ですから、私が言いたいのは、前橋市の例を申し上げますと、
あそこでは粕川町が非常に国保税が安かったのです。ところが、一律に一元化しなければならな
いということで、4年をかけて段々一元化にしていくという形で、3つの新たに吸収されました
自治体、それは皆バラバラでありますから、そういったところを4年間をかけて一元化をしてい
くという方法をとった。ですから、そういった方法でもとれたのではないか、ということでお伺
いしたわけでございます。もう一度お願いします。
◇市長(星野己喜雄君) ただいま、前橋、粕川の関係のソフトランディングとも思える展開で、
段階的に精査していくというご提起でございまして、確かにそういったこともありましょうけれ
ども、私共の合併協議の中では、1市2村の関係で真剣に論議をしてこれらを選択したというこ
とから、ご理解をいただきたいということと同時に、やはり合併協の協議の流れというものは、
それだけにお互いに真剣に取り組んできた経過がありますので、この辺のことは何とかご理解を
賜りたいと、このように思っております。
◇39番(井上健太郎君) 市長の言い分についてはよく分かります。しかしながら、合併協議
会の中では、この問題に限らず、沼田市の例により調整を図るとか、あるいは利根村の例により
調整を図る。そういった部分が非常に合併協議会の決定文書を見ますと記載されておりますが、
要するに、我々が在任特例を用いて2年間在任するということは、そういった調整部分も含めて
意見を述べることが出来る、というように私は理解をしていたわけです。ですから、そういった
点から考えますと、今回の1つの例なのですけれども、国保税については少し納得し兼ねる、と
いうように思うわけでございます。
 次に移りたいと思うのですが、そういうことで利根町の住民はこの点については納得しないだ
ろう、ということは言っておきたいと思います。
 市長の所信表明には、疾病予防の推進では、健康情報システムの更新。また、あおばの検診及
びガン検診等、検診率の向上に引き続き努める、というように述べられております。
 また、参考資料としてもらいましたが、予算の内容という資料を見ますと、財政運営に当って
の基本原則ということで、地方公共団体は住民福祉の向上を図ることを目的に存在し、住民の要
望を適確に把握し、積極的な行政サービスを行う努力が要請されているわけですが、云々という
ような形で述べられております。こういった基本原則、また市長の施政方針、そういった面から
考えると、今回、利根村においては各種健康診査、あるいは検診があったわけですが、これがも
のによっては廃止、あるいは無料であったものが有料ということで非常にこの主旨からはずれた、
今、市長の言葉を借りるならば「調整」になっている、というように思います。
 例をあげるならば、廃止になったものは、肺癌の検診、また人間ドックですね。これは、35
歳、40歳、50歳、60歳と無料の人間ドックを行ってまいりました。これも廃止。それから、
脳ドックですね。それから、腹部総合検診。また、国保関係におきましては健康世帯の表彰とか、
こういったものが廃止になっております。あと、有料化になったものはどういうものかというと、
婦人科検診です。胃腸病の検診、大腸がんの検診というような形でこれが全て有料化になった、
ということになっているのです。これでは、言っていることとやることが違うのではないか。端
的に言いますと。そういうふうに思えてならないのでありますが、その点についてはいかがでし
ょう。
◇市長(星野己喜雄君) やはり、将来を思う時に、この健康医療関係の事業は大変重要な事業
でございますけれども、今、ご案内がございました関係等につきましては、やはり先ほどの答弁
があった通り、合併の協議の中で色々と進められてきた経過もあろうかと思いますが、今後、色
々とそういったご指摘等を伺う中で、やはり柔軟に処せるところは対応していく必要があるので
はないかと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 今、市長の申されました「柔軟に対応」というところに一縷の望み
をいたしたいと思うのでありますけれども。良いですね。その辺については。何か望みがないと。
ただ、駄目にされても、これで終わりというのでは、私たちも地元に帰りますと住民。私たちを
議員として選んでくれた皆さん方がいるわけですし、そういった人たちに一つ一つ聞かれても何
も答えられないのです。そういった点では、今の市長の一言は一縷の望みが湧いてまいりました。
 次に、同じような形なのですけれども、質問をしたいと思います。
 特に、この人間ドックですね。この人間ドックは、利根村の住民にしますと、まだまだという
ような年齢35歳から、段々年齢を引き下げたのですけれども。当初、40歳、50歳だけだっ
たのですけれども、35歳というところからはじめて、そして60歳については国保会計の方で
やるという形で、要するに35、40、50、60と、それぞれの世代になると無料の人間ドッ
ク。これは同世代でありますから、その人間ドックをしたついでに同窓会もできるというようこ
とで、非常に住民からは喜ばれ、そして年齢が近づくにつれて、それを楽しみにするというよう
な状況があったわけです。これが無くなったということは、相当な村民の落胆は押して知るべし
だと思うのです。
 何故。理由は分りますよ。予算的なことをまず言ってくると思うのですけれども、何故、これ
を一挙に廃止してしまったのか。4世代やっていたものを一挙に終わりになる。せめて、一番健
康にかげりの見えてくる50、60、そのくらい残すことはできなかったのか。あるいは、40
歳、60歳はやる。それくらい残す。そういう方法はできなかったのか。先ほどの国保会計、一
挙に上げたと同じなのですけれども、何故、こういうことをしたのかということをもう一度お聞
きをしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) ただいまの人間ドックの関係についてのご質問をいただき、さらに、
今回何故にその一気に廃止、あるいはまた改革ということを進めたのか、ということでございま
すけれども、やはり人間ドックの関係につきましては、基本的にはこれは受益者が負担するのが
原則であって、結局、社会保険等で行っているわけでございます。利根村が今までそういった実
施してきた経過の中で、丁度同年輩の人たちが一同に介して同窓会的な雰囲気もある、というよ
うなそういうご提起でございましたけれども、それはまた一方においては、大変人間ドックのみ
ならず、地域の連帯の輪も広がっていくようなそういう構造にも成り得ていたのかな、と、この
ように思いわけでございますけれども、やはり時代の趨勢と共に、子供なり将来を担う子供達に
シフトした政策を行っていこうとすれば、どうしても一方においては、別な角度のところでもっ
てがまんをしてもらわなければならないこともあろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、この人間ドックの関係については、まず基本的な認識として受益者
負担が原則である、というようなことに鑑みた形の中での展開がなされたのではないかと。この
ように認識をしているところでございます。
◇39番(井上健太郎君) 合併の原則は、サービスは高い方に、負担は低い方に、ということ
を当初冒頭から申し上げておりますけれども、そういった点では、全く逆な政策である、という
ことを言わざるを得ない、というふうに思います。
 話は、急に変わるのですけれども、ちなみに市長、非常に丈夫そうに見えるのですけれども、
歯は全部自分の歯でございましょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 全く、自分の歯でございます。
◇39番(井上健太郎君) やはり、私の思ったとおりです。歯の健康というのは、全て他の疾
病にも非常に影響を与えるということで、市長のお手元にも資料を提出しておきましたけれども、
今、日本歯科医師会、そして厚生省、ここが「8020運動」というものを展開しております。
それで、この群馬県の歯科医師会も同じようにそれに呼応して既にこの運動をやっているわけで
ありますけれども、要するに、歯を80歳まで20本、自分の歯を残す。こういうことでありま
すから、非常に歯の丈夫な人は割合、風邪もひかない。あるいは、よく噛んで食べますから、胃
腸の具合も宜しい。そして、噛むことによって、自分の歯で思い切り噛めますから、非常に脳に
与える影響も非常に宜しいということで、今、改めてこの歯の健康ということが見直されている
ところであります。
 そういう状況の中で、本年度予算においては、利根村で平成14年から。また、白沢村では平
成16年から、子供の幼児から始まりまして、幼児、1歳半、2歳、3歳というところの健康診
断と共に、フッ素塗布を行ってきた。
 ところが、沼田市と合併した途端にこれを一挙に止めてしまうと。まして、健康診断も2歳児
については止めてしまう、というような暴挙に出ているわけなのですけれども、これはどういう
ことなのですか。
◇市長(星野己喜雄君) 繰り返し申し上げたいと思いますが、結局、合併協で論議をしてきて
いる経過の中のお互いの信頼関係の上に立って、本、形になってなってきている経過がございま
して、そういうことでまずは一応、基本的にご理解をいただきたいと思います。
 ただ、かねがね申し上げておりますように、少子対策というのが、非常に今まで冷静に見ると、
やはりやや遅れていた感が否定できないので、今ご指摘の関係については、非常に傾聴に値する
な、という感想をもっております。ですから、合併の協議が整ったことでもって、今時を迎えて
いるわけでございますけれども、やはり今までやっていた合併協の成立していたことも、盤面に
よっては、反省をしなければならないことも当然これからも出てくるかとは思います。ですので、
できるだけ子供のことについての関係については、やはり色々の場面で対応をしていくような形
が必要なのかな、というような感想はもっております。
 ただ、繰り返し申し上げますけれども、ご案内の通り、お互いに知恵を出し合って、現行の合
併の成立した中での協議決定の中からなされている経過がありますので、その辺のことについて
は、誠にもってこれは理解をしておいていただきたい、というようなことと同時に、繰り返し申
し上げたいと思いますけれども、子供の将来については、やはり色々な意味でこれから積極的に
とらまえていく必要があるのではないか、というように思っておりますので、ご質問の関係につ
いては、十二分に受け止めさせていただいたつもりでおります。
◇39番(井上健太郎君) 自治体を経営する立場の意見としては理解をできます。しかし、冒
頭から申し上げましているように、利根町住民がどう考えるかという点では、これはおのずと変
ってくるわけでございます。
 資料に目を通していただいたと思うのですが、平成14年度で群馬県内の12歳児の一人平均
永久歯虫歯保有本数というのがあるのですが、これが沼田市は群馬県の中で一番高い数値を示し
ている。3.44本というこの資料がありますが、ご覧になったでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 十二分に勉強をさせていただいております。
◇39番(井上健太郎君) その同じ資料の中に、各自治体の同じような形の小学校6年生の虫
歯の保有本数でありますが、利根村は1.58本、そして、沼田市はどうかというと、先ほど申
し上げましたように3.44本という形で、これまた群馬県の中で各町村を入れましても非常に
高い数値を示している。やはり、この辺が一番問題ではないか。先ほどの国保税にも関ってくる
のですけれども、やはり歯の健康を小さい幼児のうちから防備      しておくことによっ
て、子供の医療費を抑えることにも繋がるのです。また、もちろん大人もそうなのですけれども、
そういった点で、沼田市は努力をしてこなかった、というところがこの数値に表れてくると思い
ます。
 利根、沼田管内を見ますと、他でも非常に数値が高いのですけれども、つい最近になってから、
相当他の町村が努力いたしまして、月夜野、水上等も最近始めましたし、片品も今年から保育園
の生徒に全部一週間に一回フッ素洗口をやる、というような形で努力をしてきております。昭和
村の一時高かったのですけれども、まだ6年生の数値は高いと思いますけれども、平成6年から
始めておりますので、そろそろ効果が出てくるのではないか。昭和村においては、「親子良い歯
の表彰」ということで、毎年行っているそうでありますけれども、そういう形で各町村が全て努
力をしている。
 今、現在でやっていないのが川場村とこの沼田市だけだ、ということであります。その沼田市
と合併をして、同じように沼田市の例に倣って調整されたのでは、これまたかなわないと思うの
です。市長は、同僚議員の質問に対して、こういった子育て支援の小学校6年生まで無料にする
とか、あるいは奨学金の問題もありますけれども、そういったものには予算というものがかかる、
という答弁をしております。そういった点では、そういった予算を低く抑えることができるわけ
です。特に、歯の場合は、3歳までが勝負だと言われている。それまでの手立てをやっておくこ
とによって、乳幼児、あるいは子供の医療費の削減につながっていく。また、国保会計において
も、医療諸費の金額を抑えることができる。相互効果があるわけです。
 そういった点で、是非、先ほどの一縷の望みを託すことができる可能性を示唆してくれました
ので、今会期中とまでは言わないまでも、前進と言うか、利根町、白沢町においては復活をして
もらいたい。そして、沼田市においては遅れているのだから、並べてもらいたい、という形をと
っていただきたいと思うのですが、再度お願いします。
◇市長(星野己喜雄君) この資料を見てみますると、まさに本市が大変虫歯の本数が多かった
ということであるとか、また、逆に富岡のようなところが色々と努力をしたら虫歯の関係等につ
いて非常に特化して、という明確なデータがございます。
 先ほど来から申し上げていますように、将来を担う子供達をこれからできるだけ応援をしてい
こうということで、新生沼田市はそういう方向を考えておるということでございますので、今日、
議員がご質問の中で述べられたご意思、あるいはご意見等に対して、今後にまた処していきたい
と思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 是非、検討していただきたいと思います。
 私は、利根村議会の時に、既に5年ほど経ちますけれども、このフッ素を水道水に混ぜたらど
うか、という質問をしております。これは何故かというと、今、この日本列島の中にアメリカ軍
の基地が相当ございます。この米軍の基地というのは全てこのフッ素を混入しているのです。何
故かというと、アメリカ合衆国の中にインディアンの多く居住する地域があるそうでありますが、
そこで非常にフッ素濃度の高い水を飲んでいる部族がある。そこの部族はほとんど大人になるま
で虫歯がない。ただ、歯に多少の紫斑というのか、紫の斑点が出来る、という難点はあるのです
けれども、ないというところから、この問題はフッ素混入の問題はアメリカから始まっているの
です。すでに、東南アジアではほとんどの自治体がフッ素を混入させていると、いう事業をやっ
ているわけです。悲しいかなこの日本では、米軍基地だけは入れているけれども、日本国民の住
んでいるところは入れていない、という事情があるということで、私は一般質問を行いました。
 それで、調べてみますと、利根町の今の北部水道は歯科医師会で決めている制限の0.8pp
m以下に抑えろ、というのが日本のその問題だそうでありますけれども、利根町の水道はそのギ
リギリの0.8ppmです。こういったことも6年生の虫歯の少ないのが多少影響しているのか
なという、これは全く科学的には当らないのですけれども、そういった点では、利根町から出て
いる栗原の水を今、沼田市は飲料しているわけでありますが、基本的に水道局で配水水にちょっ
と混入すればすむことなので、こういったことは将来的に考えてみる気持ちはございませんか。
◇市長(星野己喜雄君) 初めてそういったご提案を伺いました。
 現実に水は利根村の高戸谷から片品川を導水いたしまして、生枝に来て、久屋原へ一旦プール
して、約65%の方が飲んでいる、ということになっておりまして、まさにそういう意味では、
利根村地域のところから導水してきているという意味から考えると、大変含蓄の深いご質問だな、
と、拝聴させていただきました。今後の研究材料とさせていただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) ぜひ、ご研究をお願いしたいと思います。
 それでは、最後の方の質問なのですが、市長にこの強烈な、今でも非常に強烈なリーダーシッ
プをとっているのでありますけれども、あらためて、私の質問から出てくる問題でのリーダーシ
ップをとってもらいたい、ということであります。
 特に、先ほどの冒頭の質問でも言いましたが、利根村では歴代の村長は、いつでも子供の医療
費については群馬県のトップをきってまいりました。まだ、2歳児までの無料がいきわたってい
ないときに、3歳までやったのが星野銀治郎村長であります。
 そして、その後に平成7年4月1日から、これは金子尚治村長が行いました。利根郡内3歳に
全てなった時に、利根村は先をいっているのだから5歳だということで、金子しょうじ村長がこ
れをやりました。
 そして、次の村長選で金子武村長になりまして、これはまた入学前までの医療費無料化、これ
をやりました。これは群馬県たまたまトップではなくて3番目だったのですけれども、草津、万
場に次いで3番目にやりました。
 そして、次に平成14年4月1日、これは桑原泉介村長でありますが、これは公約で中学生ま
で、というのを公約に掲げておりましたけれども、一気に中学前進するのはどうかと。とりあえ
ずワンテンポおいて、小学校までを無料化して、そしてそれを定着させて次、中学に移りたい、
というようなことでやりました。
 そして、今そこにお座りになっております振興局長、これまた村長選の時に中学までも検討し
たい、という公約を掲げた。これが合併しなければ、今年あたり中学までいったかな。と思うの
でありますが、是非、我らが市長、星野市長にリーダーシップをとってもらいたい、群馬県のま
ず第一号になっていただきたい、ということでお伺いしているわけであります。
◇市長(星野己喜雄君) まずは、旧利根村の歴代の村長を始めといたしまして、議会の方々が
常に子供の医療の関係について、先人を走ってこられた、というご英断に敬意を表しておきたい
と思います。
 同時に、先ほどの中学校まで、というお話でございますけれども、やはり先ほど来お話の通り、
将来を担う子供達のためのことについては、これからも一生懸命頑張っていかなければならない
だろう、というようなことで今回、決断をしてきた経過があるわけでございます。
 もう一方におきましては、今度は徐々に自立をし、あるいはまた、自らの意志、あるいは生き
方を鮮明にしていこうとする時に、やはりそういった意味の自己責任、自己決定というものも教
育の世界でも学んでいかなければなりません。ですから、そういったことであるとか、財源の裏
負担のの問題であるとか等を考えた時に、まずは小学校6年生までで頑張ってもらうということ
で、ひとつご理解をいただきたいということと同時に、実は、子供を育てるのは群馬県というこ
とで、これはかねがね群馬県がむしろ先人をきっていた経過もあったわけでございます。
 ご案内のとおり、群馬県も色々と11市の市長会等でもって、これをお願いをしてきている経
過もありますが、なかなか今はむしろ県より市町村自治体の方が先人をきっている、というのが
実態であります。
 それだけに、群馬県と市町村の乖離の部分は、全く市町村が純然たる形で背負っているわけで
ございます。ですから、そういったことから色々と先々を見たときに、そういった財源の状況等
も踏まえて判断をしていかなければならない、というように思っておりますので、まずはとにか
く6年生までで頑張って、そしてできるだけ元気な子供達が、あるいはまた明るい家庭社会がで
きる努力をしていくことで、ひとつご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 分りました。小学校入学前だったものが、卒業まで6年間を引き伸
ばした。利根村は別です。利根村は3年もやったのですから。しかし、新沼田市として市長が決
断をしてやったと、こういう状況の中ですぐ中学と言ってもそれはそこまでいくまでに多少時間
があっても良いのではないか。将来的にそういうものを考えてもらっておけば良いわけです。
 既に、例がないわけではありません。全国では47自治体ほど既にやっているそうであります。
既に、町では茨城県の総和町等では中学までは無料でやっております。
 何故かというと、予算的には中学になると体が丈夫になりますから、それほどかからなです。
予算的には。だから、小学校6年生までいってしまうと中学までいっても予算的にはそんなに、
微々たるものだと思います。
 特に入札の2つ、3つ、うまく、正常な入札でもあれば十分に出てくる金額。ですから、この
医療費を節減することが一番目的でありますから、各種検診の有料化を元に戻す。無料化に戻す。
こういったフッ素塗布を、子供の検診を元に戻す、ということを努力していくことによって、中
学までの医療費無料化というのは非常に先が見えてくる、というように考えますので、是非、そ
の点を努力していただきたいと思います。もう、時間がなくなりました。先ほどから初めての質
問で、予算の内容にまで足を踏み入れるような質問をした、ということでご指摘をされましたの
で、私も市会議員の一員であります。利根町のことだけを言っていたのでは、これは資質を問わ
れることでありますので、これから十分努力をして切磋琢磨をして、沼田市の市会議員として恥
ずかしくない行動をとるように努力をしたいと思います。以上で終わります。
◇議長(星野佐善太君) 次に、田村博美議員。40番。
〔40番 田村博美君登壇〕
◇40番(田村博美君) 「村の良さを忘れずに、沼田市民になりたい。」これは、白沢町の閉
村式で白沢小学校6年生の言葉です。この言葉の如く、白沢町、利根町の方々が、合併を決断さ
れましたことに、改めて深甚なる敬意を表するものであります。
 本合併が果たして、英断になるのか、ただ仲間が増えただけ、ということになってしまうのか、
新沼田市の今後の大きな課題であることは言うまでもありません。
 そこで私は、地方の本市のような自治体は、経済振興が第一義であると捉え、新沼田市経済振
興策について、質問するものでございます。
 最初に、農業振興についてお伺いいたします。
 我が国の食糧需給率は、わずか40%。このままだと、平成22年には38%になる、と、農
水省で試算しており、食糧を外国からの輸入に頼っていることに多くの人が不安を感じているこ
と。農業には多面的機能があり、美しい環境を守るため等々により、平成22年度の食糧需給率
目標45%としています。
 その策として農業担い手育成の必要性や集落などの組織化推進を図ることとしており、担い手
に対する農地の利用集積の促進、耕作放棄地対策の整備を行い、個別経営規模の拡大を促進する
としています。
 また、株式会社等の企業が農業への新規参入のための、「農地のリース特区」を全国展開とす
るとしています。
 そこで、沼田市において企業の農業参入に対して、どのように考えているのか。また、支援策
はあるのかどうか、お聞きいたします。
 次に、建設業衰退対策についてお聞きいたします。
 建設業は戦後の復興、高度経済成長期、更には景気対策や内需拡大対策の中で営みを続け、成
長してまいりました。利根沼田においては、地場産業を代表する職種があることは言うまでもあ
りません。勤労者の3分の1は建設業関係者が占めています。ところが、公共事業の削減などで
建設業を取り巻く環境は、厳しさを増しております。民間と公共工事を併せて工事量は、ピーク
時の半分ぐらいとなっており、利根、沼田建設業協会員の中では、既に10社が倒産、廃業に追
い込まれています。協会以外の零細な業者も同様であり、まさに、建設崩壊の様を呈しているの
が実態であります。
 国では昨年12月、5省庁による「建設業の新分野進出支援策」を取りまとめています。群馬
県では人口の頭打ちや国、自衛隊の財政状況を考えると、将来的にも需要の伸びも見込めずとし
て建設産業は供給過剰で、構造改革が必要としています。
 沼田市においては、地域経済に大きなウエイトを占めている建設業の衰退に対して、どのよう
な対応を考えているのか。異業種に参入するのに、支援策はあるのか、お聞きいたします。
 次に、観光事業のネットワーク化についてお伺いいたします。
 昨日の質問にもありましたが、今月3日、夜9時15分よりNHK総合テレビで老神温泉が
「難問解決、ご近所の底力」の番組で45分間に渡り放映されました。見た人も多いと思います
が、このデフレ下の景気の悪いさなか、久々の楽しい話題となりました。これを機に老神温泉が
来客増となりますことを期待いたします。
 ところで、国、県において観光立国、観光県施策が打ち出されている中で、新沼田市にとって、
観光事業振興は活性化の大きな目玉になると思います。新たに加わった「望郷の湯」、「しゃく
なげの湯」の日帰り温泉や初穂ゴルフクラブ、4年前NHK大河ドラマでタイトル画となった
「吹き割の滝」。そして、市長が少子高齢化社会にふさわしい名前とおっしゃる先の「老神温泉」
。それらと「玉原高原スキー」、「ラベンダーパーク」。本年4月28日より10年の1度の御
開帳となる霊峰「迦葉山弥勒寺」。また、さくらんぼ、ブルーベリー、トマト、ぶどう、りんご
等の観光農園。さらには、北関東一の賑わいを誇る「沼田まつり」。桜の名所「沼田公園」など、
恵まれた観光資源をより一層飛躍させながら、結び付きを強め、多いに集客を図るべきと考えま
すが、市長の考えを御披瀝ください。
 最後に、雇用対策についてお聞きいたします。
 今までの3つの質問は、全てこの課題に集約されてきますが、働く場の確保、安定した収入の
得られるまちづくり。財源確保のためには、自治体にとって企業誘致は永遠のテーマでありまし
ょう。
 横塚、生品農工地区、所管は違いますが、関屋工業団地等、その後の整備が遅々としてできな
い状況にあります。その現状と課題について当局の説明を求めるものであります。以上。
◇市長(星野己喜雄君) ただいまの田村議員のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、新沼田市経済振興策について。農業振興策について。企業の農業参入に対する支援策に
ついてでありますが、就農希望者に対しては、就農相談、研修先の紹介から農地情報の提供。ま
た、就農に係る資金の調達等に対しましては、県農業改良普及センター、農協などと連携し、支
援する体制は既に整っております。
 また、食糧・農業・農村基本法により、将来に渡る農業の担い手は、家族農業経営と地域に根
ざした農業者を基礎とすべきとされ、それに向かって全国的に環境は整いつつあるところであり
ます。
 しかしながら、今日の農業を巡る環境は担い手の空洞化現象に象徴されますように、遊休農地
の拡大や後継者不足など、厳しい状況であると認識をしているところであります。
 以上のようなことから、株式会社等の企業の農業への参入につきましては、現行の農業担い手
政策の基本とは乖離があるわけでございますが、関係法令や国の動向を注視しながら進めていか
なければならないと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、建設業の衰退対策について、地元建設業者、異業種参入に支援策は考えられるか、につ
いてでありますが、異業種への参入ということになりますと、既に活動している業者との関係等
がありますので、バランスに配慮する必要があると思っておりますが、建設業者がどのような業
種に参入したいか、あるいはするか等、具体的な協議があれば関係者と連携を取りながら、研究、
支援をしていきたいと考えております。
 次に、観光事業のネットワーク化について。観光名所の結び付きを強め、大いに集客を図るべ
きと考えるか。でありますが、角田議員にもお答えを申し上げましたが、従来からの観光名所で
ある、「沼田公園」や「迦葉山」、「玉原高原」の他、新たに「吹割の滝」や「皇海山」、「老
神温泉」、「望郷の湯」や「しゃくなげの湯」などの温泉施設など、多くの観光名所があります
ので、これらをネットワーク化をするなど、多くの観光客が訪れるよう、今後研究をしてまいり
たいと考えております。
 次に、雇用対策について。企業誘致の現状と課題についてでありますが、松井議員への答弁で
も申し上げました通り、回復の道をたどっていた日本経済ですが、踊り場に差しかかった状態に
あると言われており、企業にとっては大変厳しい状況におかれていることは、ご案内のとおりで
あります。
 このような状況の中での企業誘致は厳しいものがありますが、本市経済発展と地域活性化、さ
らには雇用の創出等、重要な施策であると認識しておりますので、今後も引き続き努力をしてま
いりたいと考えております。
 以上、申し上げまして、田村議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇40番(田村博美君) 企業の農業の参入については、国の制度に沿って、というようなこと
でございますが、それはそれで良いと思います。
 今回の農業基本法の改正、10年間に亘るわけですけれども、これは一番の根本はやはり農業
経営が厳しい、ということです。農産物の価格が外国のものと比べて、国内のものが高かったり
して、コストも高い、ということで改善をしなければならない、というようなことが一番大きい
わけですけれども、その原因は、私が先ほど申し上げました以外に、専業農家の従事者が高齢化
している。65歳以上が半分以上に既になっているのだ。こういった現象があろうかと思います。
 企業が農業に参入を既に特区の中では、68の法人が参入をしておりまして、内、株式会社が
36あるそうであります。私が詳しく調べたわけではありませんけれども、日本の代表する株式
会社が、既に農業に参入を相当しております。この間新聞に出ておりました三洋電機。洗濯機の
三洋電機です。それから、新日鐵。そこがニラや椎茸。三洋電機ではレタス、ハーブだそうです。
そして、キリンビールやサントリーでは鉢花。カゴメは当然トマトをやっているようであります
が、群馬県ではかつてNKK、今はJFEと言いまして日本鋼管ですが、吾妻の六合村で豚を飼
っていました。今は飼っているかわかりませんけれども、そういったことがあります。
 それで、大きな会社、きちんとした会社は、仕事をすることによって利益を上げなければなら
ないのもさることならがら、社員の構成を考えた場合に、自然と接する職場、働く場を望んでい
るわけです。これは、専門家の方でしたらわかるかもしれませんけれども、動物や植物、土と接
することによって、人の情操というのですか、そういうものが良くなるというのか、健康になる、
というのがありまして、仮に当市でそういう場所なりを視察的に提供してくれることができるな
らば、そして、そういう話を企業にもっていくことができるならば、可能性は企業が本市に来て
くれるのは多くなるのかな、と私は思うのですけれども、それらの点で市長、一つ如何でしょう
か。
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後11時53分休憩
──────────────────────────────      
午後14時03分再開
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
◇市長(星野己喜雄君) 前後いたしましたが、答弁をさせていただきたいと存じます。
 ただいまの企業の農業参入の関係についてのことでのご質問でございますけれども、基本的に
私は、やはり中山間地域の農業者が、県土面積の60数パーセントを守っていく、一番中心的な
役割を果たしている、ということを思いまするときに、企業参入ということは、あまり馴染まな
いのではないか、という認識をもっている立場であります。
 それで、もし仮に企業家ということが前向きにとらまえられるとするならば、先ほど午前中に
大竹議員がご質問されておられましたけれども、その時の会場に基調講演をされた人間がおりま
すが、私共ももともと仲間でございますけれども、はじめ、こんにゃくをどんどんどんどん作っ
ておりまして、そして県の補助事業を導入いたしまして、加工施設を導入すると。奥さんをケー
キ職人の方を迎えると。いうようなことから、さらに野菜クラブをつくって、そして地元の農業
者を束ねていく、というようなことで、大宮であるとか、いわゆる消費地帯の方々と連結をして、
昨年の確か5月か6月ごろだったと思いますけれども、月夜野の方において、私も招かれたので
行ったのですけれども、東京、大宮の方だったと思いますが、確か100人近く来訪者が来て小
売をするような場面があって、現実に現在、私の記憶に間違いがなければ、6億ぐらいいってい
るのではないかと思うのです。
 そういった方々は、内発的に、内側からせめていって、そして企業家に連動していっている。
そういうプロセスは分りやすいのですけれども、やはりこれが地域社会を、農村の方々が農業を
通して守っていく、という事になった時に、例えば先ほどの日本鋼管の話もありましたけれども、
そういうような方々が地域の農業地帯に来て、そして大量生産をするわけです。よしんば相場の
たぐいによっては、利益が上ってこない、というようなことになると、やはりそこは企業であり
ますからして、非常に厳しい判断をしていくであろうと。そういった時に、全く大規模に農用地
を用意していたところが、撤退をされた時にどういう現象が生じるのかと。いうようなことを思
いまする時に、どうしても企業参入ということについては、内発的な形の努力系の中で、滲み出
しのようになっていく分には理解ができるな、とは思うのですけれども、外から導入する、とい
うことについては、やはり慎重にならざるを得ない。そのような考えでございます。
◇40番(田村博美君) 先ほどの私の再質問は、先走ったと思っておりまして、市長が答弁す
る前に一度お断りをしようと思ったわけです。
 当然、担い手の育成や専業農家の規模拡大、そして外国に太刀打ちできる農産物を生産するこ
とが望ましいわけであります。
 しかし、現実にはその遊休農地が増えている、ということ。それから、先ほど申し上げました
ように、中心となる農業者の高齢化。そういったことを考えますと、やはり先々企業が農業する、
というようなことが考えられるかな、と思うわけであります。
 そして、実際は農業者以外は農地を耕している点も多々見受けられることは確かであります。
これが、市場で販売する、ということではなく、自家用程度なのかな、と思いますけれども、現
実にそういったことが増えてきております。
 それで、こういったことが、私達が子供の頃、育つ頃、要するに農地が足りない時期にはとて
も考えられなかったわけでありますけれども、日本の農地が条件の悪いところ、特に余ってきて
おりますので、先ほど市長の答弁でそれで結構でありますけれども、現実はこういうことだ、と
いうことを承知されているかと思いますけれども、知っていただきたいと思います。
 もう一点、林業の木材価格の話が出まして、木材を市場に出しても赤字になってしまう、とい
うようなお話がありましたが、私共の地区で米栽培の関係で、市の指導もいただきましたみずほ
組合という水田の管理をする組合がございますが、そこに農業を出来なくなったので、先祖から
受け継がれてきた土地を大切にしたいということで、全て水田の管理を任せた人がおります。除
草剤まきから全てでありますけれども、秋、収穫が行われ、生産の段階になったら、米を売った
にも関らず、かかった費用の方が多かった、というような現象が現実に出てきております。
 ですから、そういった先ほど市長の再三の答弁のように、就農については整っている、という
ようなことでありますし、企業のそういったことについては、国の制度に添ったということであ
りますし、そして先ほどの市長の答弁で結構でございます。ただ、農業がかなり厳しい状態にな
っているというようなことを知っていただきたいし、私も思っておりましたので質問をさせてい
ただきました。
 次に移らさせていただきます。
 建設業の現在の厳しい状況であります。国の予算の組み方とか色々見させていただきますと、
公共投資は削減、削減。地方においても削減をするように、というような文章がすごく多いわけ
でございますけれども、このままでいきますと、建設業者は恐らく相当数、崩壊していくのでは
ないか、というように思います。そして、これが地元の経済に相当悪影響を与えていることは確
かでありますが、これをこのままの状態で進んでいってしまうのか。昨年の中越地震のような災
害が起きた場合、業者が少なくなってしまったらどうするのか。そういったことを考えますと、
これは放っておいて良いのかどうかが心配ではあります。
 それで、当然建設業者は、本業を捨ててまで異業種になかなか参入はしないのではないか、と
は思いますけれども、本業と第二の職業ですか、副業的なものを考えている業者は相当数いるの
ではないか、というように思います。
 国では、農業や福祉は環境の分野ということで、推進を図ろうとしておりますけれども、現実
には地元の建設業者が福祉やあるいは、環境は産廃があるから分りませんけれども、福祉に単純
に入っていけるような状態にはないのかな、というように思います。
 市としては、その業者の希望があれば、バランスにもよります、というようなことであります
けれども、どの辺まで、どの程度相談にのっていただけるのか。支援をすることができるのか、
お聞きしたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 大変、難しい問題でございます。確かに、議員がご指摘の通り、建設
業者の存在そのものが地域経済に与えてきた影響は大変大きいと思います。承知している範囲で
も、沼田土木事務所が、私の承知している範囲では、マキシマムで約160億から170億の需
要量をもっておりました。現在では、50億を割る状態でございますから、平成7年前後から見
ると4分の1に弱化している。こういうふうに思っています。それだけに厳しい状態であること
は否めない事実かと思っております。
 そういった中で、やはり今、農業であるとか、福祉であるとか、環境への移行の紹介がござい
ましたけれども、私の承知している範囲では、群馬県の環境森林部、かつての林務部サイドでご
ざいますけれども、そこでは、やはり建設業界の別の仕事としてどうか、みたいなことを非常に
研究をされているようなことも伺っております。
 また、隣の福島などにおきましても、随分あったようでございます。
 先ほど色々とご質問がございましたけれども、本市ではありませんけれども、隣接の自治体の
ところで、ある建設会社が木炭であるとか、今大変グルメブームで、蕎麦であるとか、そういっ
たところにどんどんどんどんシフトしてきて、事業展開を図っていこうとしている方を身近にみ
ておりますけれども、そういったことが事業体の中から出てくれば、こういう方向がある、ああ
いう方向がある、というようなことは可能かと思いますが、こちらの方からこういうのがあるの
だけれどもどうだろうか、ということより、やはり最終的にはその業をもって立つところの本人
の意志がそういう方向に向いてくれば、そういったものの支援ができるのではないかと思ってお
ります。ちなみに、その方は一貫して建設業でもって歩んできた方ですけれども、やはり木炭と
蕎麦に着眼されて、自らの地に農地があったのでしょうか、3町歩くらい蕎麦をそういった展開
を図っていっている方を身近にみているので、あえて紹介をさせていただきました。
◇40番(田村博美君) その蕎麦等の話が出ましたので、1点だけ建設業者が地元で比較的参
入しやすいのはどうか、と考えましたときに、先ほども少し話しが出ましたが、市民農園などは
やろうとしたらいかがなものかと思いますが。
◇市長(星野己喜雄君) 少々、とまどいの感がございますけれども、この市民農園は、私の承
知している範囲では、地域の篤志の方がかねがねそういった身近の方々との交流等を踏まえて、
色々と福祉関係の思想等にも造詣の深かった方でございまして、非常に自然体できていたかな、
という感じがしております。
 今、そういうご指摘でございますので、内部では研究をさせていただきたいと思います。
◇40番(田村博美君) 建設業の衰退と申し上げましたけれども、既に協会では10社が倒産、
廃業です。まだまだこういったことは起きてくる。
 私たちはこうした立場の中で、やはり市を活性化させるために地場産業を育成、そいういった
ことを申し上げてきました。そして、当然ながら当局といたしましても、建設業をからめて業者
の向上、福利厚生をきちんとやった方が良いですよ、経診では、こういったことと、こういった
ことが算定の対象になる。といったことで、福利厚生をしっかりしたものにするように、とか、
そしてそういったところに大きな仕事の入札に指名する、というような形できたわけであります。
 しかし、会社はそうして福利厚生に力を入れてきちんとすればするほど、費用がかかってきて
おりました。今、こうして建設の不況の中で、その経費が重くのしかかっておりまして、それが
倒産とか廃業につながっている。賃金を若干給与を下げるだけでは間に合わなくなってきている
のが現状です。そういったことを市長にもわかっているとは思いますけれども、改めて知ってい
ただいて、次の再質問に移らさせていただきます。
 観光ネットワーク化については、昨日来からの市長の答弁で理解できますので、次の雇用対策
についてお聞きいたします。
 私の今回の質問は、最終的にはこの雇用対策、沼田市に働くところはないかな、という多くの
方というのか、私が相談を受けた人たちの声の中で感じているわけでありまして、働く場さえあ
れば、家の倅を近くに置いておけるのだと。家の倅が大学に行って卒業して帰ってくるのだけれ
ども、地元に職場がないかな。そういったことの中での質問であります。
 沼田市に横塚生品農工地区、昭和村には関屋工業団地。沼田市もなかなか良い施策を、あるい
は群馬県も良い政策をするものだと思っておりました。しかし、実際には昨日、横塚生品農工地
区では5社が入った、ということでありますが、また昭和村関屋工業団地では、日本でトップの
キャノンの工場が入りましたけれども、その後はない、というような状態であります。
 私が昨日の質問の中に、沼須の住宅団地、住宅構想の話が出ましたけれども、仮に関屋工業団
地に工場がいくつか来ていたら、この沼須の住宅団地は今、このようにはなっていなかったので
はないかな、というように思います。
 住宅団地については、これからプロジェクトチームをつくってこれから検討される、というよ
うなことでありますけれども、何故、もっと早くそういったことが起きる前に、関屋工業団地、
横塚生品地区にエネルギーを注げなかったのか。市長の答弁では、この企業の景気の低迷等々の
話がありましたけれども、後になって検討委員会をつくるエネルギーを、何故一年、二年前に使
えなかったのかと、大変残念に思う次第であります。
 市長は、広域圏の理事長であります。群馬県にも精通された方であります。助役は、県より来
ていただいた方であります。今更悔やんでも仕方がございませんけれども、こういった景気の悪
い時代背景があったのかな、というように思います。大変残念に思っているところでありますが、
今後の課題として、是非沼田市が働ける場所を提供できる自治体になってほしい、というような
ことを心より思います。ですから、住宅団地を検討されるのと同時に、若者が沼田市で働ける場
所、そして私たちと同じ団塊の世代の方たちが、ふるさとに帰って来たいのだけれども、それな
りの収入が無ければなあ。そういったことをくんでいただいて、もっとと言いますか、企業誘致
を皆で真剣に考え、取り組んでいく必要があるのか、と思っております。
 そして、この言葉を聞いて、当然市長は「そのようにいたしたい。私も思っている。」と答え
ていただけるとは思いますけれども、その中身といたしまして、今度、千葉大学が県とタイアッ
プした中で来ていただける、ということでありますので、その大学と産官学連携を出来るような
企業、そういったことも一つの選択肢として考えていただければと思います。
 これらについて、答弁をお願いいたします。
◇市長(星野己喜雄君) 大変、熱意あるご質問を伺いまして、真剣に受け止めさせていただき
ました。
 横塚の関係につきましては、昨日も同僚議員のご質問に対してご答弁をさせていただいたわけ
でございますけれども、現在、専従の職員に入ってもらって、そして一生懸命そのための努力を
させていただいておるところでございます。
 関屋工業団地につきましては、私共がどやかく言える立場ではございませんけれども、結局、
県の企業局をして、なかなかあのところに企業誘致ができない、というのには、それなりの理由
があるのだろうと思います。私の承知している範囲でも、例えば高崎のキリンビールが撤退した
り、あるいは前橋のダイハツが撤退したり、これらは常に外国との内外格差からくる大きな、グ
ローバルゼーションの中での落とし子的なところもございまして、そういった意味で、大変、苦
慮しているのが実態であります。ですからして、ご指摘の通り、一生懸命私共が努力しているわ
けでございますけれども、なかなか良いチャンス、あるいは実態をつかみきれない、という大変
もどかしさも感じておりますけれども、今後とも地道に引き続き努力をしていかなければならな
いと思っております。
 なお、先ほどのお話の通り、色々と千葉大の関係等についても、これからも色々と努力をしな
がら、県との関係等も含めて良い関係を堅持して、そして場面をつくっていきたい、というよう
に思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
 なお、今経済部長の方から私の手元に資料がございましたけれども、昨年7月の1日から成田
さん、という方を任用いたしまして、そして今月、今日といったら良いかもしれません。2月の
一杯まで、ということで理解をしてもらえればよろしいかもわかりません。9月から今年の2月
まで267社との色々なやりとりをしてきた経過がありますので、せっかくの機会ですから、申
し上げておきたいと思います。
◇40番(田村博美君) それでは、その二百数社との接触をした内容を皆さんの前で報告して
いただいて、私たちもそれに一緒に協力して、工業誘致に立ち向かおうではないかと思いますが
如何でしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 経済部長の方から説明をいたさせます。
◇経済部長(武井善太郎君) 命によりお答え申し上げます。
 どのような訪問をしたか、ということでありますけれども、端的に申し上げますと、沼田の横
塚生品工業団地に立地していただきたいと、その一点で交渉をしてきた経過がございます。
 なお、補足させてもらいますと、平成13年からこの企業誘致推進員を配置しまして、平成1
3年度では、約130社。14年度は270社。15年度は1年間なかなか適任者がいない、と
いうことで対応しなかったのですけれども、その間は帝国データバンクに委託いたしまして、関
東甲信越を中心にした約1,000社に沼田市の企業誘致の可能性について案件等を照会し、そ
のうち約10社が場合によっては、というようなことでございました。
 その10社と精力的に交渉した結果でございますけれども、なかなか昨日の松井議員さんのご
質問にもお答え申し上げましたように、企業とするとあくまで採算性がとれなければなかなか来
ていただけない、ということで、地価の問題ですとか、単価の問題ですとかそういうことがネッ
クになって実現には至らなかった、ということでございます。
 そういうような経過で、もう一度補足しますと、例えば関屋の工業団地がどうか、と言います
と、平成11年度に平米あたり2万6,700円で売りに出しました。キャノンが1社立地した
わけでございますけれども、15年度現在で、安い方で2万6,700円だったところが、1万
4,000円に平米当たりの単価を下げても、企業立地がなかなか思うようにいかない。昭和村
のインターのすぐ出たところなのですけれども。そういうような状況で横塚の位置の問題とか、
色々と単価の問題でなかなか厳しいものがあるのが実態でございます。先ほども申し上げました
ように、是非、沼田に企業進出をお願いしたい、という一点で、企業と交渉してきた、というこ
とでございます。以上でございます。
◇40番(田村博美君) 前にそういうお話は部長からお聞きして、やはり企業誘致は難しいな、
ということは承知はしておりました。
 しかし、その担当の方とか経済部が接触するだけでなくて、そういう可能性があるのは、沼田
市の住民にもし仮につながりがある、というよう方がおいででしたら、そういう方と一緒になっ
てやはりそれくらいの熱意をもってやるべきことかな、と思います。
 先般、市長の答弁の中で、新宿区の区長に度々お会いされている、というようなお話がござい
ましたけれども、企業誘致というのは、もしかするとそういったその事務的なつながりではなく
て、人間対人間のつながりで誘致できるのが多いかな、と私は思うのですけれども、それら如何
でしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) やはり、人間関係というのは非常に大事でございまして、そういった
意味では、今ご指摘のような関係等については、全く有効な手立てではなかろうか、というよう
に感じております。
◇40番(田村博美君) 企業誘致も難しい。農業をはじめ建設業、地場産業を育てるのがなか
なか大変だ、というような地方の現実があります。
 新聞などを見ますと、利益の上がっている会社も多いようでありますけれども、この地方の沼
田市においては、経済的に非常に厳しい状態で、言葉を替えれば疲弊しているといってもおかし
くないような状態になっているか、という感じをもちます。
 かつて、農作物の市場出荷とか、あるいはそういった中で、産地間競争というような言葉が遣
われておりました。それが今では都市間競争というようなことが多く遣われておりまして、産業
の停滞はやはり都市間競争には打ち勝てない、というように思います。まして、これから人口の
頭打ち、あるいは人口減少になってくるわけでありまして、是非ともここで市長に工業誘致、働
く場の確保、何が何でもやるのだ、という強いご意志をもって頑張っていただきたいと思います。
 以上をもちまして、私の質問を終らせていただきます。ありがとうございました。
◇議長(星野佐善太君) 次に、井之川博幸議員。25番。
〔25番 井之川博幸君登壇〕
◇25番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 今回、私の質問は国民健康保険、介護保険制度の2点であります。
 まず、国民健康保険について、資格証明書の発行について伺います。
 国民健康保険は、国民健康保険法に則って、市町村が運営しています。国民健康保険法の第2
条では、国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産、または死亡に関して、必要な保険給付
を行うものとする。と定め、また、第36条では、療養の給付が定められ、被保険者が医療を受
ける権利として保障されています。
 この権利を奪うのが、保険証の取り上げです。第36条では、先ほど述べたように療養の給付
が定められているのですが、その中に、資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
と、病気などで診察や治療を受けても、給付をしないということが明記されています。まさに、
制裁措置としか言いようがありません。
 資格証明書を発行された家庭でどのようなことが起きているか。私も市内の病院等での情報を
時々耳にすることがありますが、個人のプライバシー等の問題もあって、なかなか具体的に公に
することができません。全国的に色々報道がありますので、ご承知のことと思いますが、02年
10月16日付の朝日新聞静岡版に、この男性は事業が破綻した後、住宅や資産を処分。それで
も国民健康保険料が払えず、滞納が続いた。心臓に持病があったが、保険証を返してからは周囲
に勧められても病院に行かなかった。「保険証がないもので行けない。」が理由だった。ようや
く説得を受け入れて、病院に行こうとしたその日の朝、自宅で亡くなった。心筋梗塞だったとい
う記事が載りました。保険証を取り上げ、資格証明書を発行することは、このように被保険者の
医療を受ける権利を奪うものであることは明らかなことでありますが、その発行が増えていると
いうのが現実です。
 また、従来、資格証明書の発行については、悪質な滞納者に限る、とお聞きしていたところで
あります。
 本市における国保税の滞納額、滞納率及び滞納世帯数について。短期保険証及び資格証明書の
発行数について。短期保険証及び資格証明書の発行基準について、まずお伺いいたします。
 国保税については、旧沼田市において、今年度当初に総額2億7,000万円。世帯当たり2
万1,200円。一人当たり9,700円の大幅な引き上げが行われております。昨年2月6日
の国民健康保険運営協議会においては、現下の厳しい経済情勢において、30%近い引き上げは
新たな滞納者の発生を招き、一般被保険者への負担のしわ寄せが更に加わることなどが想定され
る。などの危惧も表明されておりました。
 私共議員も国保被保険者ですから、その負担の増大は身にしみて感じております。国保税の引
き上げは新年度も提案されているところでありますが、この厳しい社会情勢の中で、大きな滞納
額が発生しております。
 本市における国保会計の運営については、基金が底をつき、赤字会計が予測されるときには、
税率を引上げる方向で改定する、というのが従来とってきた方針です。滞納額が大きくなれば会
計は苦しくなる、というのは当然ですが、結局、真面目に保険税を納めている被保険者が税率の
引き上げによって、その分も負担させられているわけです。
 国民健康保険法第1条では、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国
民保健の向上に寄与することを目的とする。と述べられ、第3条では、市町村及び特別区はこの
法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする。となっています。
 このようなことに照らして見て、市がこの事業の健全な運営を確保するために、会計が赤字の
予測になれば税率を引き上げます、ということだけを行っていたのでは、保険者としての責任は
果たされているとは言えません。滞納対策や予防施策などが行われていることは承知していると
ころであります。更に、低所得者の減免などの対策に対しては、一般会計から制度的に国保会計
に繰入が行われており、他の被保険者の税負担は無いようにされています。
 滞納分についても、他の被保険者の税負担は無いように国保税の滞納相当額の一般会計から国
保特別会計への繰入についてのお考えをお伺いしたいと思います。
 次に、介護保険制度について。新沼田市になったということと、介護保険については国におい
て制度そのものの見直しが行なわれている、という状況を踏まえまして、まず介護保険の現状に
ついて本市における、介護保険認定者数と認定者の要介護別状況及びその推移についてお伺いを
いたします。
 続いて、在宅介護支援についてお伺いいたします。
 お年寄りが住み続け、暮らしてきた場所で、あるいは家族と共に老後も暮らしていく。そのた
めの在宅介護支援は一層の充実が求められております。
 在宅介護支援センターの状況とショートステイの現状と、ショートステイベットの充実につい
てお伺いをいたします。
 続いて、施設介護についてお伺いをいたします。
 従来の利根沼田広域圏の計画では、今年度昭和村に特別養護老人ホームが新たに建設されるこ
とになっていましたが、国の制度変更により遅れていると伺っています。また、介護保険制度に
なり、グループホームなどの地域に根ざした小規模の介護保険対応施設も民間により設置されて
います。さらに、介護保険の見直しにより、特養ホームのホテルコストも導入される方向です。
そこで、新市における特別養護老人ホーム、グループホームなどの状況について。特養ホームの
待機者数について。特養ホームの増設及びグループホームなどの計画について。現設及び新設さ
れる特養ホームでのホテルコストの適用についてお伺いをいたします。
 続いて、介護保険料についてお伺いをいたします。
 先ほどから述べておりますように、国において介護保険制度の見直しが行われており、新年度
から実施されるものもあります。06年度には介護保険料の見直しが予定されている年です。全
体として、低所得者に対する問題も提起されておりますが、保険料は上るような方向が強いよう
です。政府の増税政策により、お年寄りに対する負担が大きく増える傾向にあり、特に年金だけ
に頼って暮らしている低所得のお年寄りは大変です。旧沼田市においては、低所得者に対する在
宅介護利用料の減免制度は実施されているところでありますが、社会情勢を踏まえ、さらに介護
保険料の低所得者への減免制度についても必要な状況であると思いますので、市長の見解をお聞
かせ願い、私の1回目の質問といたします。
◇市長(星野己喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答えを申し上げます。
 まず、国民健康保険について。資格証明書の発行について。国保税の滞納額、滞納率及び滞納
世帯数についてでありますが、国保税滞納額は2月15日現在、2億9,500万、滞納率は、
調定額に対して12.2%。滞納世帯数は1,451世帯であります。
 次に、短期保険証及び資格証明書発行数についてでありますが、短期保険証の発行件数は29
6件、資格証明書発行数は、140件であります。
 短期保険証及び資格証明書の発行基準についてでありますが、平成12年度の介護保険制度導
入に際しまして、国民健康保険法が改正され、1年以上の滞納があり、かつ特別な事情がない場
合、資格証明書の交付が義務化され、平成13年10月から本市におきましても施行したのであ
ります。
 資格証明書はご案内のとおり、国保の資格があることの証明書であります。医療機関で受診す
る場合、その証明書を提示し、一端医療費の全額を医療機関に支払うことになります。支払った
領収書を国保窓口に持参すると、7割分が特別医療費として後日支給されます。もちろん、その
支払を受ける場合、国保税の納入が前提であります。
 短期被保険者証は、更新時に12月未満の滞納があり、分納誓約等が整っていない被保険者に
対して、6ヶ月間有効の短期被保険者証を発行するものです。3月末には短期被保険者証が満期
を迎えるため、その間に滞納が解消もしくは分納誓約が整った被保険者には、その都度、正規の
被保険者証を発行することになります。
 今後につきましては、納税相談等を実施し、国民皆保険の主旨をご理解いただき、12ヶ月以
上の滞納を解消する努力を続けてまいる所存であります。それでも解消できない場合は、給付と
負担及び被保険者間の公平性を保つために、証明書の発行もやむを得ないと判断しておりますの
で、ご理解をいただきたいと存じます。
 次に、国保税について。国保税の滞納相当額の一般会計から国保特別会計への繰入についてで
ありますが、国民健康保険制度は、相互扶助の精神に基づき、公平な負担で運営することを前提
としていますので、国保税率を設定するときは、1年にかかる医療費を予測し、そこから被保険
者が医療機関に支払う一部負担金や、国からの補助金等を差し引いた分が医療費となり、収納率
を予測して、国保税として負担していただく額となります。従いまして、滞納税額がそのまま国
保特別会計の歳入不足にならないので、一般会計からの繰入対象とはならないのであります。
 現在の社会情勢の厳しさは認識しつつも、滞納額相当額の一般会計への繰入については、給付
と負担及び被保険者間の公平性を保つため、困難と判断しておりますので、ご理解を賜りたいと
存じます。
 次に、介護保険制度について。介護保険の現状について。本市における介護保険認定者数と認
定者の要介護度別状況及びその推移についてでありますが、平成17年1月末現在の要介護認定
者数は1,944人、要介護度別内訳は、要支援が329人、要介護度1が608人、要介護度
2が288人、要介護度3が246人、要介護度4が243人、要介護度5が230人でありま
す。介護認定の推移は、平成12年10月現在で要介護認定率は9.9%から現在15%と年々
上昇し、要介護別度では、要支援と要介護度1の割合が増加しており、平均要介護度が平成12
年10月現在で2.58が、平成16年4月では2.19と下降傾向にあることからも、要介護
度の低い認定者の割合が増えています。
 次に、在宅介護支援について。在宅介護支援センターの状況についてでありますが、旧白沢村
では小規模基幹型在宅介護支援センターとして、社会福祉協議会に委託運営し、旧利根村におき
ましては、村直営で地域型在宅介護支援センターを運営しておりましたが、合併により白沢村お
よび利根町の地域に各1ヶ所ずつ地域型在宅介護支援センターとして継続設置し、沼田市社会福
祉協議会に運営委託することとなりました。
 従来の基幹型在宅支援センターを中心に、白沢町及び利根町の2ヶ所を入れて5ヶ所の地域型
支援センターが連携し、新生沼田市の在宅の要介護高齢者の連絡支援体制の整備を図ったもので
ございます。
 次に、ショートステイの現状とショートステイベットの充実についてでありますが、在宅生活
を継続する上で利用されるサービスとして、1月にどの程度利用するかは利用者の選択に委ねら
れております。利根沼田圏域における短期入所生活介護サービスにつきましては、各特別養護老
人ホームに併設されており、大部分の施設がショートステイ用に10床を設置し、利用率は70
%から80%が利用されている状況であります。
 次に、施設介護について。特別養護老人ホーム、グループホームなどの状況についてでありま
すが、市内には特別養護老人ホームが2施設、120床。グループホームが3施設で定員80人。
老人保健施設が3施設、200床が整備されています。
 また、グループホームは平成17年7月開設予定で、市内の医療法人が1ユニット9名定員の
施設を、特別養護老人ホームでは、利根沼田圏域になりますが、平成17年8月開設の「菜の花
館」が全室個室の50床を予定しております。
 次に、特養ホームへの待機者数についてでありますが、特別養護老人ホーム入所申込者状況調
査を群馬県で行なっており、平成16年5月1日現在で、沼田市163人、白沢町8人、利根町
12人で合計183人であります。
 なお、特別養護老人ホームの入所決定につきましては、多数の入所待機者を解消するため、群
馬県におきましては、平成15年4月に群馬県特別養護老人ホーム入所等指針を策定し、施設入
所の必要性の高い者に対する優先的入所の取扱を明らかにし、手続の合理化及び入所決定にかか
る透明性、公平性の確保がされているところであります。
 次に、特養ホームの増設及びグループホームなどの計画についてでありますが、県の整備計画
により、特別養護老人ホームの20床増床が平成17年度予定されています。社会福祉施設等の
整備につきましては、地域介護・福祉空間整備等交付金が創設される予定であります。従来の補
助制度が個々の施設ごとでありましたが、この交付金は、住民が住み慣れた地域で暮らし続ける
ことができるような介護福祉基盤を整備していくため、市町村の創意工夫を尊重した、地域にお
ける面的整備に対する支援を行うものとなります。すなわち、今までの補助金の繁雑さを改善し、
自治体の裁量性を高め、地域再生の観点から計画的な取り組みを推進しようとするものに改める
ものであります。
 次に、現設及び新設される特養ホームでのホテルコストの適用についてでありますが、特別養
護老人ホームにつきましては、居住環境を抜本的に改善し、入居者の尊厳を重視したケアを実現
するため、個室、ユニットケアを特徴とする新型特別養護老人ホームの整備を推進しており、こ
れに伴い新型特養の入居者については低所得者に配慮しつつ、平成15年度からホテルコストの
負担が導入されております。
 次に、介護保険料について。低所得者への減免制度についてでありますが、介護保険は自助努
力を基調とし、個人の力では対応できない事態に備えて互いに助け合う仕組みであり、自ら予め
応分の拠出をしつつ、介護という保険事故に対処しようとするものであります。
 市の独自減免につきましては、給付費を賄うために負担割合が法律で定められており、保険料
を減免した場合には、他の低い保険者に転嫁しなければならない点などの問題点も多いため、今
後も重要課題として取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきたいと存じます。
◇25番(井之川博幸君) ご答弁いただきましたので、再質問をさせていただきたいと思いま
す。
 まず、国民健康保険についてであります。
 資格証明書の発行についての問題で、色々数字的なものをお聞きしましたけれども、市長に先
ほど第1回目の質問で、お伺いをするときに述べました、実際に資格証明書を発行された人たち
が、なかなか病院にかかりずらい。先ほど答弁の中にもありましたけれども、全額を窓口で払わ
なければならない。こういうことですから、保険料が払えなくて資格証明書が発行されるわけで
すから、お金が無い世帯ですね。そういう世帯で病人が出て、病院に行ってかかるには、医療費
の全額を払わなければならない。こういうことですから、どうしても抑制力というものが働きま
して、なかなか病院にかからないということで手遅れになる事例が結構出ております。
 先ほど紹介したのは、公に新聞に載りましたから、こういう公式の場でも述べても良いかな、
と思って先ほど紹介をしたわけですけれども、実際には個人のプライバシーの問題等もありまし
て、病院の方で、重くなってからかかりに来て、救急車で送られてきて、命をなくしてしまった。
もう少し早く来れば良いのにというようなことで、窓口の方に問い合わせると、やはり資格証明
書だったというようなことも現実に聞いております。
 そういう点で、そういう問題があるということに対する認識をまず、市長にお伺いしたいと思
いますが、よろしくお願いいたします。
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。概ね5分。
午後15時01分休憩
──────────────────────────────      
午後15時11分再開
──────────────────────────────      
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
◇市長(星野己喜雄君) 井之川議員の再質問にお答えしたいと思います。
 資格証明書の発行、あるいは交付の問題でありますけれども、やはりこれらは法律に基づいて
この展開をしております。なお、色々と市行政の立場から当該者に対する接触をもって、できる
だけ円満に収まるように努力をする経過の中で、例えばお伺いしてもご自宅にお住まいでなかっ
たり、色々な機会、何と言ったら良いのでしょうかね。接触する機会がほとんどままならない、
といった時に、今まで資格証明書を交付してきた経過がございますので、ご理解をいただきたい
と思います。
 なお、民生部長の方から補足答弁をいたさせます。
◇民生部長(斎藤一章君) 命によりまして、お答え申し上げます。
 資格証明書の交付に関してでございますが、議員さんの方に対しましては、今までもご案内の
通り、この関係につきましては、法に基づいて交付をしているものでございますけれども、実態
といたしましては、この資格証明書を発行することによって、議員さんがおっしゃいましたよう
な事態を招かないような努力をすすめているのが実態でございます。
 こういった非常に厳しい状況の中で、未納を続けている人に対しましては、催促状をはじめま
して、そうした訪問整理、それから納税相談等を再三にわたって実施をしているわけであります。
そうした中で、なかなかそうした相談に応じてもらえない方がいるわけでございますけれども、
そうした中で、止むを得ず発行されている人たちがいるわけでございますが、事務方としまして
もこの人たちにつきましては、どうにか接触をとりまして、分納誓約やそうした特別な事情等を
確認いたしまして、そうした人たちに対しましては、保険証に切り替える努力をしているのが実
態でございます。
 今後におきましても、そういった方が周辺におりましたら、是非ともご連絡をいただきまして、
接触をしていきたいというように考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇25番(井之川博幸君) 法に基づいて行われているということも承知しておりますし、部長
が答弁いただいたことも何度もお聞きしておりますので、努力はしている、という感じはもって
おります。ただ、先ほど市長にお聞きしたのは、法律に基づいてやっているのだけれども、実際
に資格証明書が140件でているわけです。それで、色々な理由があって実際には沼田市に住所
があるけれども、出稼ぎに行ったのかなんだかわからないけれども、全然接触が出来ないと。人
影が見えないという世帯もある、というように聞いておりますけれども、資格証明書をもって病
院にかかっている人が現実にいるわけです。それで先ほどいったような、やはり抑制される、と
いう問題があるので、それについての市長の受け止め方、認識をお聞きしたかったわけなのです。
法に基づいてそういうことをやられているのはわかるのですけれども、結果として、資格証明書
が出されて、病気になっても我慢して、病院になかなかかかれない。こうした実態があるのだと
いうことを、私は認識があるのですけれども、市長は認識を持っているのかどうか、ということ
をお聞かせ願いたかったのです。もう一度お願い出来ますか。
◇市長(星野己喜雄君) できるだけその辺のところは、お互いが歩み寄って市の関係課に相談
をしてもらったり、あるいは私共も地道に接触して、そういった不測の事態を招かないようにお
互いが努力し合う、ということが大切なのではないかと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 市長は、不測の事態を招かないように、と言いますけれども、実際
にそういう不測の事態があった、ということを聞いておりますので、先ほどの新聞報道は公にさ
れたものですから、事実だと思います。
 それで、実際に部長が先ほど滞納者と接触をして、分納などの色々相談をして、最終的な確認
をしてから、駄目な場合には資格証明書を発行している、ということだと思うのですが、徴税と
言いますか、沼田市の場合は国民健康保険税という税をとっておりますので、滞納者のところへ
実際に徴収に行くのは、税務課の職員だと思うのです。それで、税務課の職員から徴税の係から
状況が国保の係の方に連絡があって、それで判断しているのではないかと思うのです。
 市民から通報があったのですけれども、通報の内容ですから、私が言っているのではないので
すけれども、ご夫婦で病気になって、2人とも入院してしまったと。連絡が取れないですよね。
市の方で取れないので、取れないということで、資格証明書が発行されたと。少しひどいのでは
ないかと、こういう話がきました。
 そういうことが事実であるならば、これは大変なことでありまして、現実の問題として、徴税
と国保の係と資格証明書の発行の決断をする時に、その辺の具体的な過程をもう少し詳しく教え
てもらいたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 民生部長に答弁いたさせます。
◇民生部長(斎藤一章君) 資格証明書の関係でございますが、おっしゃられる入院によりまし
て、資格証明書が発行されたことがあるということでございますが、その辺につきましては、う
ちの方でも入院者等につきましては、実態等はある程度わかります。そういった部分も現実捉え
まして、連絡調整を極力とれるようなことで、電話に出ない場合等もございますけれども、そう
いった場合にはその他の方法等も税務等の滞納整理だけでなく、国保の方でも色々訪問等も出来
る範囲で実施をしております。
 そうした中で、極力、資格証明書発行者については、確認をする中で、実態が特別な事情があ
る場合にはもちろん、保険証の発行をしてまいりたいと実態的には考えております。
 今言ったような、2人が入院いたしまして資格証明書が発行されたという事実は、うちの方で
はつかんでおりませんが、そうしたことのないように、常に連絡調整を強めてまいりたいと思い
ますが、そういった方がおりましたら、是非ともこちらの担当の方にお話をしていただけるよう
に、議員さんの方からもご連絡をいただければ非常に有り難いと思っているところでございます。
よろしくお願いいたします。
◇25番(井之川博幸君) 連絡をいただければ有り難いというお話ですけれども、それは私に
通報した市民が、すぐ市の方に話をして、国保証が発行されたというようにお聞きをしたところ
であります。
 それで、今部長が答弁しました、国保の関係が出来る範囲で訪問している。出来る範囲という
のはどういうことなのか、具体的にお聞きしたいのですけれども、徴税がまわりますよね。徴税
の方は税務の職員ですから。それで、国保税の滞納が解消できないということで、国保の方に連
絡があると思うのです。何度くらい訪問をするというようになっているのでしょうか。その辺を
具体的にもう少し教えていただけますか。
◇民生部長(斎藤一章君) 実態確認の関係というように理解いたしますけれども、徴収の方の
滞納整理の関係につきましても、税務課の方との連絡調整を基に行っている実態もありますけれ
ども、国保の担当といたしましても、極力そうした事務のほかにいたしましても、先ほども申し
ましたように、夜間の電話連絡等も行っております。そうしたことにつきましては、その滞納の
状況を踏まえたり、そうした都度で行っているので、実態的に決めているような納税相談とか、
訪問指導関係につきましては、そうした必要のある場合に出掛けている、というような実態がご
ざいます。
 そのようなことで、通常的に行うというのは非常に難しい部分もありまして、定期的に行って
いるのは、そうした納税相談、また連絡調整でございまして、その他につきましては、経常的に
電話、それから出来る範囲で訪問指導をしている、というのが実態でございますので、ご理解を
いただきたいと思います。
◇25番(井之川博幸君) 今の答弁を聞いて、それでは140件の資格証明書を発行する、と
いうふうに決定をするのは、そういう特別な事情が全く無い、という結論で発行するのだと思い
ますね。今までの流れで言いますと。
 自治体によっては、選定委員会等を作って、そこでもう一度確認をして発行しているという自
治体もありますけれども、本市の場合は、この判断はどこでするのでしょうか。もう特別な事情
はないのだ、滞納者としてと。要するに、悪質な滞納者という部類に入るのだと思うのですけれ
ども、そいういうような判断をして、資格証明書を発行すると。判断をするところはどこでやっ
ているのでしょうか。
◇民生部長(斎藤一章君) お答えいたします。
 判断につきましては、国保担当の方で判断しているわけでございます。選定委員会については、
設置しておりませんが、そうしたところがあるということならば、今後うちの方でも研究をして
いきたい、というように思います。
 それから、そうした最終的な発行に至るまでには、色々とそういった連絡等とれない方に対し
まして、弁明の機会の付与ということで、連絡通知を交付をいたしております。
 そうした中で、連絡の無いものに対しまして、最終的に発行している件数でございます。
 よろしくお願いいたします。
◇25番(井之川博幸君) 段々、本音が出てきたな、というふうに思うのですけれども、連絡
しろというのに連絡がない。こういうことで、最終的に決断して発行しているということなので
すね。それで、その連絡が無い、連絡が市の方に出来ない。国保の係に出来ないというのは、ど
んな事情で出来ないのかな、というところまで調べる必要があると思うのです。かなりやはり人
間の健康とか命に関わる問題ですから。そういうところまでやる必要があると思うのですが、そ
の辺のお考えをこの問題で最後にお聞かせ願いたいと思います。
◇民生部長(斎藤一章君) その関係につきましては、確かに議員さんおっしゃるとおりの部分
がございます。担当の方といたしましても、実態を把握する中で、極力接触をとって、こうした
資格証明書の一人歩きをすることのないように、これからも努めてまいりたいと考えております
ので、よろしくお願いいたします。
◇25番(井之川博幸君) 先ほど言いましたご夫婦で入院してしまったと。緊急で入院して、
その人について、実際に市民から通報があってですから、当局の方は後でつかんだと思うのです
けれども。もしそういう場合、つかない場合があるのですね。2人暮らしで2人が緊急で入院し
てしまって、どこへ入院したのかわからないというような場合はあると思うのです。連絡が無い
ということだけで、資格証明書を発行するというのは、そちら側から聞いた範囲ですけれども、
少し問題があったかな、と思いますので。今回のこの質問になりました。是非、今後、そういう
ことのないようにお願いしたいと思います。
 それから、資格証明書の関係で一緒に聞きましたけれども、短期保険証なのですけれども、こ
れは滞納対策実施規程におきまして、6ヶ月以上滞納すると発行するということになっておりま
す。これは、そういう機械的に発行されているのでしょうか。
◇民生部長(斎藤一章君) 短期保険証につきましても、先ほど申したような、それぞれの連絡
等をとっているわけでありますが、そうした事態の中で6ヶ月以上について何の連絡も無しに滞
納なさっている方に対しまして、切り替え時期に発行をいたしているものでございます。
◇25番(井之川博幸君) それで、一つだけ市長にこれはお願いしたいわけなのですけれども、
滞納するというのは、被保険者、納税者ですね、世帯主が滞納してしまうわけです。その家庭の
子供とかお年寄りとか、そういう人たちは関係ない訳ですね。払うか払わないかに。市内の病院
に高校生が怪我をして治療に来たわけなのですけれども、お医者さんはかなりの怪我だったので、
命に別状はありませんけれども「毎日来なさい。」と言ったのですけれども、来ないのです。一
週間に一回しか来ない。聞いてみたら、やはりその高校生の親が国保税を滞納していて資格証明
書だったのです。ですから、子供には罪はないのです。ですから、この資格証明書を発行する時
に、その滞納している人に対して発行するということで、家族に対しては、きちんと保険証を発
行してもらいたいと思うのですけれども、そういうふうにやっている自治体もあるのです。実際。
是非、検討していただきたいと思うのですけれども、市長、如何でしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 非常に難しい問題でありますが、ご提起されたことでございますので、
今後、研究させていただきたいと存じます。
◇25番(井之川博幸君) 是非、お願いをしたいというふうに思います。
 次に、国保税の関係で、一般会計からの繰入で政策的な繰入ということで、何度も今まで提起
をしておりますけれども、なかなか実際には良い返事がいただけません。今回も困難と判断する、
というご答弁でございました。
 しかし、その前段の滞納額が不足額として他の真面目に納税している人たちにかかってこない、
という内容の答弁だったのですけれども、例えば、2億9,500万円の滞納があるということ
なのですけれども、今年度の当初に値上げした総額は、2億7,000万円ですよね。滞納額が
解消されていて、2億9,500万円が入っていれば、もし前に入っていれば、その値上げはし
なくて済むというような、誰が考えてもわかることだと思うのです。
 ですから、予算を作るときには、収納率等を計算してやっているということなのですけれども、
やはり収納率からはずれた部分は、未収納になってしまって、それは滞納ということですよね。
ですから、それがもし収納率100%であれば、値上げをする必要がないというようなことがあ
るわけで、そういう点で滞納額が増えれば増えるほど、真面目に納めている被保険者にかかって
くると。
 それを確認するというのですか、当局が言っているのは相互扶助だと。こういうことで相互扶
助でその分まで負担しているわけです。ですから、その辺は認識が違うのではないかと思うので
すけれども、先ほどの答弁で少しおかしいなと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) 国保税の考え方というのは、やはり相互扶助の精神に基づいてという
ことで、これはどこに行っても普遍的な哲学としてあるのではないか。このような認識でござい
ます。
◇25番(井之川博幸君) 市長、ですから滞納分が相互扶助で真面目納めている人がその分を
負担しているんだ、というように思うのですよ。その認識についてはどうでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) やはり、真面目に納めている人は偉いなと思いますし、やはり納めな
い人には色々な理由があるにせよ、やはり市当局と色々と連携して、出来るだけそういったこと
にならないように努力していく、ということが大事なのではないか。このように感じております。
◇25番(井之川博幸君) 実際には十数年前の話になりますけれども、中曽根内閣の補助金カ
ットの時に、やはり全国の市町村に対する国保会計に対する補助金が5%カットされたのです。
沼田市も大幅な保険税の引き上げをその時に、2年にわたって行いましたけれども、結局、その
後あまりにも全国的にひどい国保税の値上げにつながったので、色々な制度が出来てきたわけで
す。今、安定化制度というような名前等で、一般会計から国、県の補助をもらって、国保会計に
繰入がされておりますけれども、昔からあったわけではないのです。そういう国保の会計を安定
させるために、大変な状況を考えて、そういう制度が出来てきたという経過があります。そうい
う点では、今の国保税を引上げるということで、払うのが大変。滞納が増えていくという悪循環
になるという方向ですから、是非、政策的にそういう点も考えて、やはりこういう問題を取り入
れていただきたいと思うわけなのですけれども、答弁が変わると思いませんので、こちらからの
要望のみにしておきたいと思います。
 次に、介護保険制度に入りますが、介護保険制度は、先ほど私も述べましたが、国において今、
見直しが行なわれているところであります。
 認定者数というのは、新しい市になったので数字を教えていただきたくて、聞いたわけなので
すけれども、推移はかなり上昇していると。そういうことで、国でも見直しに入っているという
ことでありますから、その状況は本市でも同じ状況であると思います。
 そこで、やはりどんな文献を見ましても、沼田市でも「生き生き長寿のまちづくり計画」の中
に、「沼田市介護保険事業計画」というのがありますけれども、在宅介護支援。これを広げてい
こう、というのが、もともとの介護保険導入の理由ですよね。そういうことで、これからの在宅
介護支援というのは、非常に重要なものだと。市でもそういう計画を作っていますけれども。在
宅介護支援センター、利根町、白沢町にもつくられまして、地域と密着した施設になっていくと
思うのですけれども。
 国の動向で心配なのは、基幹型のところに力を注いで一本にまとめていく、というような動き
があると聞いているのですが、その辺については、当局はどんな情報をつかんでいますか。
◇市長(星野己喜雄君) 民生部長に答弁をいたさせます。
◇民生部長(斎藤一章君) お答えを申し上げます。
 在宅介護支援センターの関係についてでございますが、この辺に関わります今後の改正の状況
でございますけれども、18年度からでございますが、地域の包括支援センターとして、設置が
義務付けられてくることになります。
 これにつきましては、そうした中で、中立性等の確保を図るものを目的として、職員体制につ
きましても、社会福祉士、保健士、ケアマネージャー等の専門職を配置して、包括的にセンター
を運営していく体制になるということで、18年度4月から設置ということで連絡が入ってきて
いる、というような状況でございます。以上です。
◇25番(井之川博幸君) 今、答弁の内容はわかったのですけれども、今、私、聞き漏らした
のかもしれませんが、今は、地域型の介護支援センターになっていますよね。それは、どうなっ
てしまうのでしょうか。そういうものが全部こういうふうに充実されるということなら良いので
すけれども、どうもそうではないような気がするのです。一ヵ所にまとめられるような心配があ
るのですけれども、その辺を少し、私、聞き漏らしたのかもしれませんけれども、もう一度お願
いしたいと思います。
◇民生部長(斎藤一章君) 現在設置されております地域在宅介護支援センターを包括していく
ために、地域包括支援センターが設置されるものでございまして、そうした支援センターの充実
を図るために、専門職を配置し、全体の調整を図っていくということになるというように理解し
ております。
◇25番(井之川博幸君) はっきり言ってくれないのですけれども、今の地域型の支援センタ
ーもそのまま残って、それを全部包括して指導したり、全体として充実させていくために今の基
幹型の在宅介護支援センターが、今の包括的なものになると受け止めて宜しいのかどうか、最後
に確認の意味でお願いしたいと思います。
 それから、続いて在宅介護支援については、ヘルパーの関係もありますけれども、非常に今、
国の見直しでどういう方向が出るか分らないというようなことなので、今回お聞きしなかったの
ですけれども、もう一つ重要な点は、ショートステイというのがあるのですね。
 家族が介護していて、家族の疾病、病気ですね。病気だとか冠婚葬祭、仕事などの急な出張等
々で、介護ができない時にショートステイを利用するわけなのですけれども、先ほどご答弁でだ
いたい70%から80%の充足率だと。こういうことでありますけれども、実際は、ショートス
テイを利用する人が、ある日に集中してしまいますと、ベッドが足りないわけです。川場村のベ
ルジという施設に、他が間に合わないので入れますと、11万円とられるそうなのですけれども、
そういうこともあると聞いております。
 集中した時に、どうしてもベッド数が足りないということで、全国自治体の中では、補助金を
出して、緊急用のベッドを確保している自治体もございます。
 そういう点で、現状は今のホームヘルパーさんだとか、ケアマネージャーさんに聞けばわかる
わけなのですけれども、個人的に聞いたところでは、なかなか大変で、利用者の方からベッドを
おさえてくれと言われて電話かけで一生懸命だった、ということも聞きましたし、なかなかベッ
ドがあいてなくて、先ほどの話ではないですけれども、十万単位のお金を払って、介護保険適用
ではないところに預けるということもあり得る、ということも聞いております。
 そういう点で、是非このショートステイの充実と言いますか、やはり、緊急的なときにベッド
が空いていないというのが一番の問題であって、やはり自治体で、そういう点も考えていく必要
があると思うのですが、そういう点についてはいかがお考えでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) この関係につきましては、やはり今色々な経過がございまして、色々
と地域で、また検討を加えていかなければならないと思います。今後の研究材料とさせていただ
ければと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 旧沼田市で作った介護保険事業計画ですけれども、この短期入所サ
ービスで、平成16年度にはサービス推計必要量が、6,610日と。平成19年には7,73
7日ということで、1,000日以上も3年間で増えると。利用者が増えるだろうという予測を
しているわけです。
 この市の介護保険事業計画では、本当はサービス見込み量確保のための方策ということで、方
策を考えなければいけないのですけれども、ヘルパー、人材の確保、育成の支援とか、事業者間
のネットワーク作りと情報提供というようなことはあるのですが、そういう実際のベッドを確保
するというような計画は一言ものっておりません。先ほどからの答弁で、特養護が20床増える
とか、新しい特養が50床出来るとか、こういう計画はもちろんあるわけですけれども、そうい
うもので間に合うのかどうか、という考え方もこの計画の中にないわけです。そういう点でサー
ビス量の見込みは大きな見込みがありますから、是非、その点も考えていっていただきたいとい
うように思います。お願いして、施設介護に行きたいと思うのですが。
 特別養護老人ホームは、先ほどご答弁いただいており、昭和村に新しいのが出来る予定ですね。
しかし、待機者というのが183人いると。50床、20床増えるというご答弁でしたから、7
0床増えるわけですけれども、110人からは待機者として残ると。そういう点でやはりこうい
う介護サービスの計画を市町村が作る、ということになってまして、新沼田市になったわけです
けれども、そういう点も待機者を無くす方向で考える必要があると思うのですけれども、その点
についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 先ほど来、答弁をさせていただきましたけれども、ご案内の通り、菜
の花館の、これは圏域内でございますけれども、昭和村になりますが、あるいはまたグループホ
ームの関係等を作っていくわけでありますけれども、先ほど冒頭申し上げましたとおり、沼田で
163人、白沢町で8人、利根町で12人、ということですから、183人の待機者があるわけ
でございます。
 そういうことでもって、色々と差し引いてもまだそういう意味では、需要度があるわけでござ
いますので、今後検討をしていかなければならないと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 圏域内での計画を今までやってきているわけで、これからも新沼田
市として、今まで圏域であった利根、白沢が一緒になったわけでございますけれども、残念なが
らそこには特別養護老人ホームが計画されていなかったということになります。
 そういう点では、今後やはり足りないということで、市長が検討していかれるということです
から。お金は誰が出すか分らないのです。圏域内でやる時には、確か広域圏の約束で、沼田市が
1億円だったと思いますけれども、今度は、利根分、白沢分含めて補助金を出すということにな
ると思うのですが、そういう補助金の額で、民間がやってくれればすむわけですから、是非、多
いに計画としては増設の方向で取り組んでいただきたいというように思います。それで、待機者
を一日でも早くなくしてもらいたい。保険料を払っているわけですから。保険料を払っていざ入
ろうと思ったら、一杯で入れませんよ、というのですから、全くこれは民間の商売でしたら、
「何やってるんだ。契約違反じゃないか。」こういうふうに怒られる問題ですけれども、福祉の
問題はなかなかそうはいかなくて、利用者の方がやはり弱い立場だということなのでしょうか。
なかなか大騒ぎになることはないのですけれども、やはり待機者をなくすということは、事業者
の責任はありますけれども、計画をきちんとつくるというようにされている市としても責任があ
るわけですから、お願いをしたいというように思います。
 続いて、ホテルコストの関係ですけれども、これは個室だとかユニットになるということは非
常に良いことで、時代の流れだと思うのです。しかし、そうなるとホテルコストを取りますよ。
一つは特養でとる。もう一つはデイサービスで、在宅介護の人のデイサービスということは、お
昼が今度は有料になってしまうのです。こういうところへ抵所得者が本当に大変な思いをするわ
けなのですけれども、その辺はやはり国がまだ支援を、ただホテルコストをとるという方向しか
決めていないわけなのですけれども、低所得者に対しては、そこの住民であるわけですから、自
治体がそういう支援を考えていく必要があるわけですけれども、その点についてのお考えをお聞
かせ願いたいと思います。
◇市長(星野己喜雄君) 低所得者に対する配慮ということは、やはり自治体とすれば考えなけ
ればならないのではないかと思いまして、先ほど来、冒頭のご質問に対する答弁とさせていただ
いてきた経過がございます。
◇25番(井之川博幸君) 是非、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、介護保険料の関係ですけれども、なかなか保険料の減免については何度もお願いして
いるのですけれども、なかなか良いお返事がいただけないということになるわけですね。しかし、
国に対しては、減免制度を作れということで要求をしているわけですから、それ自体は認めてい
るということであります。最後に答弁の中で、独自の減免をすると他の保険者に転嫁されるとい
うお話がありましたけれども、それこそ一般会計からそういう政策的な問題として出来るのでは
ないかと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野己喜雄君) やはり、先ほど来申し上げた通り、一般会計の繰入というということ
は、やはり色々な意味で慎重にしなければならないというように思っておるわけでございます。
これは国保会計等で述べたとおりでありまして、色々な意味で他市等との比較等いたしますると、
やはり色々な形で検討は加えていかなければならない時期にきているのではなかろうか。こんな
ふうに認識をしております。
◇25番(井之川博幸君) 是非、お願いをしたいと思います。
 国がやるのだ、という3つのうちに入っているのです。一般会計繰入というのは。しかし、全
国では何百という自治体が一般会計の繰入も含めてやっている。
 では、どのくらいの金額がかかるのか。県内でやっているところでも、100万とか200万
ですね、予算的には。そういう低所得者に対する対応ですから、何千万とかかるわけではないの
です。そういう点では是非、大変なところに対しての自治体の役割としてお願いしたいと思いま
す。
 最後に、介護保険制度の全体の見直しが出てきて、今、国会でも色々とやられているわけです
けれども、住民の立場に立って、住民に使いやすい、市民と言いますか、市民の利用者が喜んで
利用して老後を送れるというような制度に国、県、市と連携してやっていただきたいというよう
に思います。最後にその辺、市長の決意をお聞きしまして、私の一般質問を終わりたいと思いま
す。
◇市長(星野己喜雄君) 昨日から今日にかけて、いわゆるどちらかというと未来を担う子供達
のことについてのご質問が多かったわけでございまして、子供達の将来に向かって応援をしてい
くということが、自治体に課せられた大きな使命であるという認識のもとに答弁をさせていただ
いてまいりました。
 本質問は、概ね高齢社会に向かっての対応ということの質問の大綱になっております。
 色々と承ったご意見につきましては、十二分に承っているつもりでございますので、各部課に
また指示をいたしまして、そしてそれぞれ研究をいたさせますので、よろしくお願いをしたいと
思います。
───────────────◇──────────────       
    第2 延 会
◇議長(星野佐善太君) おはかりいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
              (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君) ご異議なしと認めます。
よって、本日はこれにて延会することに決しました。
 本日は、これにて延会いたします。
 次の会議は、明10日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでした。
  午後3時53分延会
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