議事日程 第2号
平成17年6月9日(木曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延 会
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出席議員(44人)
1番 小野 広樹君 2番 南 美喜雄君
3番 小林 克郎君 4番 角田 博君
5番 中村 光孝君 6番 小野 要二君
7番 小林 猛君 8番 繻エ冨士夫君
9番 真下 恭嗣君 10番 布施辰二郎君
12番 高柳 勝巳君 13番 久保 健二君
14番 星野 稔君 15番 鈴木 圭子君
16番 金子 一弥君 17番 金子 千明君
18番 長谷川信次君 19番 宮田 和夫君
20番 小林 玉男君 21番 小野 正純君
22番 大島 崇行君 23番 山ア 義朗君
24番 大竹 政雄君 25番 井之川博幸君
26番 大東 宣之君 27番 片野 彦一君
28番 星川嘉一郎君 29番 金井 康夫君
30番 井上 正文君 31番 小尾 孝男君
32番 相田 昌夫君 33番 宇敷 和也君
34番 小林 次夫君 35番 橋 襄典君
36番 牧野 保好君 37番 石田 宇平君
39番 井上健太郎君 40番 田村 博美君
41番 井田 孝一君 42番 小林 照夫君
43番 星野佐善太君 44番 郷原 重雄君
45番 横坂 泰次君 46番 井上 幾雄君
欠席議員(2人)
11番 角田 泰夫君 38番 松井 敏員君
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説明のため出席した者
市 長 星野已喜雄君 助 役 丸岡 祐一君
白沢町振興局長 根岸 恒雄君 利根町振興局長 星野 健一君
収 入 役 林 義夫君 市長公室長 田村 澄夫君
総務部長 村山 博明君 民生部長 田島 護君
経済部長 大嶋 政美君 建設部長 松井完一郎君
街なか対策部長 見城 厚男君 白沢町振興局次長 中村 弘志君
利根町振興局次長 中澤 和義君 総務課長 村沢 博行君
教 育 長 津久井 勲君 教育部長 増田 幸男君
庶務課長 水田 修君 監査委員事務局長 原 明弘君
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議会事務局出席者
事務局長 茂木 愛 次長兼庶務係長 下 宏一
議事係長 茂木 敏昭 主 任 地野 裕一
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第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
最初に、金井康夫議員。29番。
〔29番 金井康夫君登壇〕
◇29番(金井康夫君) 通告に従いまして一般質問を行います。所管にふれる部分もございま
すが、広く教育行政について質問いたしますのでご容赦願いたいと思います。
また、本日はトップバッターということでございまして、多少緊張しておるわけでございます
が、地元のサポーターもいらっしゃいますので、元気よくやらせていただきたいと思います。よ
ろしくお願い申し上げたいと思います。
まず、今回の一般質問では、教育問題を中心に質問いたしますが、新教育長の津久井教育長に
おかれましては、全国でさまざまな教育課題や少年犯罪が起こり、市民の関心が高まる中でのご
就任に心から敬意を表するとともに、日本あるいは沼田の将来を担う子供たちのために、前教育
長に優るとも劣らない活躍を期待し、胸を借りるつもりで質問させていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
ご存じのように、最近の教育界においては、時代の要請ともいえる教育基本法の改正が訴えら
れるように、基本的な理念を見失い、多種多様な問題が生じているように思われます。現在の教
育基本法は、戦後教育の基本を確立するために、昭和22年に交付・施行されました。この法律
は、教育の基本理念、教育の機会均等、義務教育が9年であることや無償であることなどについ
て定められており、すべての教育法規の根本となっているものでありますが、昭和22年来、一
度も改正されないまま、制定から半世紀以上経ってしまいました。現在では社会状況も大きく変
化し、教育全般にさまざまな問題が生じている今日、教育の根本に遡った大胆な見直しが必要と
なってきております。
このようなことから、平成15年3月の中教審の答申「新しい時代にふさわしい教育基本法と
教育振興基本計画のあり方について」では、教育基本法の改正が必要であると提言しております。
また、たびたび新聞などで報道されていますが、検討の視点として、文部科学省は、新しい時
代にふさわしい基本法の在り方をあげ、現行の基本法について、「信頼される学校教育の確立」、
「家庭の教育力の回復、学校・家庭・地域社会の連携・協力」、「日本の伝統文化の尊重、郷土
や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養」などの議論が必要だとしています。
現在の日本の教育は、少子化や都市化の進展から、家庭や地域の教育力が低下、いじめ、不登
校、学級崩壊など深刻な事態に直面しているように思えます。また、個人の尊重を強調したため
に協調性に欠け、「公」を軽視する青少年が増え、「ひとりの世界」に引きこもる傾向も見られ、
戦後教育のひずみが現れてきているように見受けられます。こんな問題にどう取り組むのか、早
急な議論が必要だと思われます。
そのような中で、視点を変えるなら、教育長の手腕と熱い気持ちによっては、現在のそれぞれ
の課題を打ち破る絶好のチャンスだと思います。
そこで質問させていただきたいと思います。教育長就任にあたって初めての質問になりますの
で、津久井教育長の今までの教育キャリアを沼田市行政にどのように生かしていこうと思うのか
所信を表明していただきたいと思います。併せまして、現在の沼田市教育行政について、どのよ
うな課題があると思われるのかお聞かせください。
次に、ゆとり教育についてでありますが、その背景を整理してみますと、受験戦争の加熱や知
識偏重の「詰め込み教育」に対する反省から1970年代から始まり、1996年には中教審が
学校完全週5日制の導入と教科の学習内容を3割削減し、週2時間から4時間ほど総合的な学習
時間を創設するなど、各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開することを目標としています。
しかしながら2月の中教審において中山文部科学大臣が、学習指導要領の全面的な見直しを要
請したというニュースが報道されました。これは正にゆとり教育の見直しであると思われます。
このような発言の根拠には、昨年発表されたOECDの学習到達度調査で日本の子供たちの成績
が大幅に下落し、また続いて発表された国際数学・理科教育動向調査でも、アジア地区最低レベ
ルに転落しているということを受けてと思われます。ゆとり教育の理念は立派なものでしょうが、
十分な理解もされていないような気がしますが、教育長としての所見と今後の取り組みについて
お聞かせください。
最後に、歴史教育についてお伺いいたします。
現在の青少年の間では、厳しい変革の時代の中で追及すべき目標を失いがちな今日、日本の過
去の歴史をしっかりととらえなおすことは大変重要だと思われます。明治以来、西欧に追いつけ、
追い越せという目標の下で、日本はアジアの中でいち早く近代化を成し遂げてきました。
もちろん過程では戦争もありました。結果として植民地支配した事実もありますが、また、そ
の一方では、結果として植民地が独立戦争を行い、そして開放されたというのも事実であります。
その中でも、小・中・高における学習する歴史と公民は、子供たちがわが国の文化と伝統を愛し、
歴史を正しく認識し、国民としての自覚を育てていく上で特に重要な教科だと思います。
戦後日本人は、先人の努力により奇跡的な復興を遂げ、経済大国として発展してまいりました。
しかし、その影で国家意識の希薄化とともに精神の荒廃が進んでいるかのように思われます。子
供たちが自国の歴史、愛国心、祖先への敬愛、芸術文化に誇りを持ち、その中で私たちの先祖が
どのようなかかわりを持ったのか認識することが重要だと思われます。これらのことは国会議員
が考えればいいと思う方もいるかもしれませんが、これから地方の時代、地方分権・地域主権が
ますます発展する中、地方の自治体がしっかりとした考え方を持たなくては行けないと思います。
そこで教育長にお聞きします。いわゆる一連の教科書問題について、どのようなご所見をお持
ちなのかお聞かせください。さらに、この問題につきましては、他国から歴史教科書修正要求が
されておりますが、このことについても教育長の率直なご意見、お考えをお聞かせください。
以上をもちまして、最初の質問とさせていただきたいと思います。よろしくご答弁のほどをお
願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井勲君登壇〕
◇教育長(津久井勲君) 金井議員のご質問にお答え申し上げます。
教育行政について、抱負について、今までの教育キャリアを沼田市教育行政にどのように生か
していこうと思うのか所信を表明してもらいたいについてでありますが、申すまでもなく教育は、
人格の完成を目指し、かつ、平和的な国家・社会の形成者としての国民の育成を期して行われる
ものであります。すなわち、教育づくりは人づくりであり、人づくりはまちづくり、まちづくり
は国づくりであります。このような教育の目的を基本に踏まえて、本市教育行政の推進に誠心誠
意努めてまいります。
幸い、利根沼田の学校現場及び県教育行政に携わり、学校教育、社会教育、学校人事、教職員
の研修等、貴重なキャリアを積ませていただきました。今後は、古き良きものは、頑固に守りつ
つ、新しい時代の変化には、柔軟、かつ、積極的に対応するなど、沼田市の教育の改革・改善と
いう観点から、これらキャリアで得たものを積極的に生かしていきたいと考えております。
次に、現在の沼田市教育行政について、どのような課題があると思われるかについてでありま
すが、まず第一に、基礎学力の向上、道徳性の育成、へき地教育の充実等、学校教育の改善・充
実を図ること。第二に、生涯学習推進体制の充実、社会教育団体の育成等、生涯学習・社会教育
の推進に努めること。第三に、子ども会活動事業、青少年相談活動の充実等、青少年の健全育成
の充実を図ること。第四に、特色ある芸術文化行事の開催、指定文化財整備と保護活用の促進、
公民館・図書館活動の充実等、市民文化の振興に努めること。第五に、スポーツ団体の育成、各
種スポーツ教室の充実等、地域スポーツ振興に努めること。など、多くの課題があると認識して
おります。
これら課題の解決のために、教育行政担当者のみならず、家庭、学校、地域、各種団体・機関
等との相互連携を一層推進し、教職員及び市民総ぐるみの取組みをしてまいりたいと考えており
ます。
次に、ゆとり教育について、ゆとり教育について教育長としての所見と今後の取り組みについ
てでありますが、ゆとり教育という言葉が、初めて用いられたのは、昭和50年代の学習指導要
領の改訂であり、その本旨は、児童生徒の学習負担の適正化を図ることにあったわけであります。
すなわち、こうした教育の提言・実施された背景には、知育偏重、詰め込み主義的な教育への反
省があり、児童生徒にゆとりの中で充実した学校生活を送らせたいという強い願いがあったわけ
です。その後、平成4年度からの学校週5日制の段階的実施等を経て、平成10年に改訂された
現行の学習指導要領において、基礎的・基本的な知識・技能や自ら学び、よりよく問題を解決す
る確かな学力や、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性、そして、
たくましく生きるための健康と体力など、いわゆる生きる力を育成することが求められてきたと
ころであります。
しかし、この過程において、学習内容や学習時間の削減等があったために、そのことをして、
児童生徒の学力が低下したのではないかという危惧が持たれるに至ったのであります。しかし、
これらの危惧や議論の中には、確たる根拠のないままに学力低下だけを強調するものもままある
と思われるので、今後は、学力検査の客観的なデータをもとに、本市の児童生徒の実態を正確に
把握する中で、課題を明確にし、学力の向上のための具体的な手立てを講ずるとともに、生きる
力を育成するという現行学習指導要領がめざす理念、目的については、今後21世紀を生き抜く
児童生徒にとって、最も大切なことと認識しておりますので、その指導に一層力を入れていく所
存であります。
次に、歴史教育について、一連の歴史教科書問題の所見についてでありますが、教科用図書、
すなわち教科書は、国の検定を通ったものを使用せねばならないことになっており、特に、ご指
摘の歴史教科書については、その歴史観、歴史的認識の相違などから、国内外において、多様な
意見があることもまた事実であります。しかしながら、現行の学習指導要領の趣旨には、児童生
徒が改めて我が国の歩んできた道を振り返り、広い視野に立って我が国の文化と伝統の特色を考
えるとともに、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国民としての自覚と国際協調の
精神を養うこととされており、本市においてもこうした趣旨や目標に沿って、歴史教育を進めて
まいる所存であります。
以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇29番(金井康夫君) 教育長、改めましてですね、新沼田市ご就任おめでとうございます。
再質問させていただきたいと思うわけでございますけれども、大変心強い所信表明いただきま
して、また、今までのキャリアを生かされていくということで、大変期待を持っている一人とし
ております。ぜひともがんばっていただきたいと思います。
また先ほど、教育長の一回目のご答弁の中で、教育とは人づくりだと、人づくりがまちづくり
につながるのだと、まちづくりが国づくりだというような形で、ぜひとも地方分権が言われてい
るこの沼田市、ぜひともがんばっていただきたいと思うわけでございます。
また、教育長ご存じだと思いますけれども、この新生沼田市2月の13日になりました。この
面積が、従来の沼田市のおよそ3.25倍、440平方キロと大変広大な面積となったわけでご
ざいます。群馬県土のおよそ7%ということでございまして、また人口も8,000人ほど増え
たと、5万4,000人ほどになったわけでございます。教育長もいろいろ、新生沼田市になっ
て各学校訪問されたと思われますけれども、新しい小学校の数が13校、中学校が9校なのです
ね。公立の幼稚園が5園になったということでございます。先ほども言ったこのまちづくりから
国づくりだというような観点に立っているわけでございますけれども、この新生沼田市、率直な
ご感想をまずお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
教育の面から申し上げれば、今のような、例えば学校教育においては、9校、13校、5園と
いうことであります。この合併によって地域の広さや、または人気や、またはそれぞれの特色や、
あとは学校であれば第一印象、いろいろな形で広がりが出てきたということであります。それぞ
れの学校や地域の良さを生かしていくと、大きい学校だけがいいのではない、小さい学校だけが
いいのではない、それぞれいいところがある。そのことを積極的に生かしていく。この合併を期
にそういう考え方で進んでいきたい、このように考えております。
以上です。
◇29番(金井康夫君) 私も教育長のおっしゃるとおりだと思います。今後、合併しまして、
それぞれの規模でなくて、それぞれの地域間交流を図りながら教育を発展させてもらえればと思
うわけでございます。
教育長ご存じだと思いますけれども、この合併する際に、新市のまちづくりプランというもの
で、これで住民説明を行いました。この中にですね、新市建設計画はいわゆる言われているわけ
でございますけれども、新市の主要施策として、大きな3番目として、教育部分がうたわれてお
ります。人をはぐくむまちづくりということでうたわれているわけでございますけれども、後段
に、地域ぐるみで児童や青少年の健全育成に取り組むとともに、地域の特性に根ざした魅力ある
文化を育むなど、地域間の交流を通じて心の通った豊かな地域づくりを進めますというようなこ
とを、新市建設計画の中で目標としているわけでございます。先ほど教育長言われたとおり、大
小いろいろある中で、それぞれの子供が育った環境やまた文化の違い等もあると思うのですね。
しかしながら今回、合併したわけですから、お互い交流を深めながらさらに友情を深めるような、
こういうような教育行政をやっていただきたいと思うわけでございますけれども、そちらについ
てもお考えを述べていただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
新市においていろいろな地域を生かしながら、またそれぞれの交流を図っていったらどうかと
いうことでありますけれども、まったくご指摘のとおりと考えております。ただいま子供たちや、
民間レベル、市民レベルの、とりわけ文化的な活動、またスポーツ面の活動、またいろいろな民
間組織の交流等そういう会合等に出席していただいている中で感ずることは、どちらかというと
行政の方よりは市民、民間レベルで非常にスムースに交流が図られているなと、そんな実感を持
っております。とりわけ子供たちは、例えば中体連が新市の中体連ということで参加学校数も増
えてきております。また、教職員の数も増えてきております。また、教職員が自主的に研究して
いる研究会のメンバー等も増えてきております。質、量ともに充実しているという中で、とりわ
け教育は人が財産でありますので、人の交流によって新市の教育、または新市の振興にどこまで
貢献できるかと、そんなことを課題として今後いろいろと検討していきたいと、そんなふうに考
えております。
以上でございます。
◇29番(金井康夫君) ぜひともがんばっていただきたいと思うわけでございます。今回、新
教育長の所信を表明していただいてですね、私の方で現在の沼田市教育行政について課題は何で
すかというような形で2番目に挙げさせてもらったのですけれども、この後段に、ゆとり教育と
歴史問題、こちらにつきまして私、最近ニュース等で大変目立つような気がしまして、あえて今
回、一般質問に通告させていただきました。
そのような中で、このゆとり教育について移らせていただきたいと思うわけでございますけれ
ども、先ほど1回目のご答弁で、OECDの学力到達度調査、全国的に子供たちの学力が下がっ
ているのだというような根拠については、今現在の沼田市の教育行政では根拠がわからない。こ
れは客観的に今後のデータをさらに検討していく必要があるのではないかというようなことも言
われたわけでございますが、せっかくでございますので、この学力到達度調査、もう少し詳しく
披瀝をさせていただきたいと思いますけれども。こちらにつきましては、世界の41カ国、27
万6,000人の15歳の子供が、一斉に知識や技能の実生活への包容力を見るテストが一昨年
行われました。これで日本が、前回やったのが2000年なのですけれども、2000年では8
位だった読解力、読解力が、OECD平均レベルの14位まで低下したということでございます。
また、数学的リテラシー、これは応用力だそうでございますけれども、前回1位から6位まで転
落したということでございます。先ほど教育長、1回目のご答弁では、完全にこれが要因だとは
考えられない。ゆとり教育にしたからというようなご答弁ですけれども、文部科学省の方では、
初めて日本の教育、学力はトップレベルではないというような認識を、中山文部科学大臣が示し
たわけなのですね。
そういうようなことを受けて、先日、6月の3日、上毛新聞なのですけれども、こちらの一面
についても県内の学力向上についての記事が載っておりました。これは、教育長も記事を読まれ
たと思いますけれども、伊勢崎市では、独自のパワーアッププランを立てるというようなことで
ございます。また、太田についてはですね、教員を確保してそれぞれ20人以下学級にするとい
うような内容です。前橋の教育委員会においては、昔の石田梅岩ではないですけれども、寺子屋
みたいな形で今後教育を図るのだというようなことがうたわれているわけでございますけれども、
先ほど1回目の答弁で、学力が低下したのはまだ要因はつかんでいないというようなことでござ
いますけれども、改めましてですね、現在この学力が下がっている要因について、教育長として
どのようなご見解かお聞かせ願いたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
先ほどお答え申し上げましたところをもう少しということでございます。先ほど、一面的にと
らえて学力低下をする論を展開するきらいがままあるというようなお答えを申し上げました。そ
の根拠は、学力を支えるものは何かということであります。例えば、意欲はなくも学力は上がる
のか。教科内容に対する興味、関心がなくて上がるのか。テレビを一日10時間も見ていて学力
は上がるのか。食事は十分摂らなくて上がるのか。生活は乱れていて学力は上がるのか。いわゆ
る基本的に学力というものは、人間の生き方とか、生きざまに支えられた、そういう広い底辺の
上に乗っかった学力であり、また狭い意味の知識、読み書きソロバンというその上に乗っかって
いるものであります。そういう観点から、私のような立場から申し上げるのは誠に恐縮でありま
すけれども、国の分析は、国が報道等通して知らしている情報が正しいのかどうか、私は非常に
疑問を持っております。そういう観点から申し上げたわけであります。先ほどのOECDの調査
や、その他類似の調査が国際レベル等で行われておりますけれども、そのことはそのこととして
客観的なデータでありますから当っております。しかし、それはやはりその問いやその調査がね
らうものがあるわけでありますから、それでいま私が申し上げたようなところまでは全く分析な
どは入っておらないわけであります。そういうことから申し上げたわけで、金井議員さんがおっ
しゃることは全くごもっともであります。さらに加えて私が先ほど申し上げたのは、学力を支え
るものは、もっと底辺の幅広い部分がある。そこのところに手を入れない限り今の問題、学力低
下の問題は解決しないというふうに私は考えております。
以上でございます。
◇29番(金井康夫君) 私個人としましても、今回のOECDの結果、これが直接ゆとり教育
に結びついていると私は思っていないのです。今回、文部科学大臣の発言ということで、全国の
父兄の方、非常に心配されているわけだと思うのですね。そういうような中で、今回、新学習指
導要領になりまして、週休5日制、あるいは学習の内容を3割削減したというようなこの新学習
指導要領、まだ今の小中学生では3、4年しか経ってないわけですよね。それで、その結果、学
力が下がったのではないかというような心配をされているわけでございますけれども、先ほど教
育長が、この調査がねらうものは何なのかというようなことがお答えであったわけですけれども、
自分がちょっと気になったのは、今回この、先ほどの読解力、これのトップがフィンランドなの
ですね。日本が14位まで低下したわけですけれども、このフィンランドの今回の教育対象者、
12歳から14歳なのですけれども、年間の教育時間が815時間なのですね。日本がそれに比
べて60時間多い875時間なのです。ですから単純に、例えば教育時間を増やしたから学力が
増える、あるいは読解力が上がるという問題でもないと思います。教育長は頭のいい方ですから
そこら辺も含めていま先、ご答弁されたと思うのですけれども、いちばん心配なのは、学校から
帰って勉強しなくなった子供が多くなったのかなという気がするのです。
読解力が下がった要因は、例えば本を読まなくなったとか、ちょっと心配だったのが、昨日の
朝日新聞なのですけれども、日本の私立の大学生の語意力が非常に下がってきたということでご
ざいます。これは独立行政メディア教育開発センター、ここが実施したのですけれども、日本の
私立大学生の19%、また短大生の35%が中学生レベルの語意力だと判断したのです。これは、
自分がいちばん心配なのは、例えば大学にいって、教授から講演を受けるにしても、最低、高校
生レベルの語意力がなければ理解できないわけなのです。例えば試験を受けるにしても、数学を
やろうにも、英語をやろうにも、化学をやろうにも、その語意力がなければ問題が解けないとい
うのがこういうところに現れてきたのかなというような気がするわけなのです。
1回目の質問でさせていただきましたけれども、昭和22年来、この教育の基本たる法律が変
わらずに半世紀ほど経ったわけでございます。この長年の歪みと申しますか、教育に対する歪み
が、現在に至ってこういう学力の低下に結びついているのではないかという気がするわけでござ
いますけれども、そちらについて教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
最初の、読解力の問題ですけれども、事実、その調査によっては日本の子供たちの読解力が落
ちているというデータが出ております。また、言葉が果たす力というのは大変な人間形成上大事
な力があるわけであります。ご指摘のとおりでございます。今後、力を入れていかなくてはなら
ないというふうに考えております。
基本法の問題でございますけれども、これは文部科学省及び各種報道機関等通して最近かなり
議論が高まっている問題であります。現行の基本法は改正されておらないわけでありますから、
現行の法令に基づいて私たちは粛々と現行の教育を進めていくという立場にございますので、改
めてこの先の法改正等については、私からコメントするのは差し控えさせていただきたいと思い
ます。
ただ一つ言えますことは、戦後60年、大きな変化があり、さらにはいま、大きな第三の変革
期であるということでありますから、教育基本法のみならず、各種教育関係法等をこの機会に見
直していくという点においては、一般論としては、私はあってしかるべきかなというふうに考え
ております。
以上でございます。
◇29番(金井康夫君) この教育の関係の問題につきましては、大変奥が深いというようなこ
とだと思います。いろいろ多方面から見ていただいてですね、今後、検討する部分は検討してい
ただきたいと思うわけでございます。
また、私は最近感じますのは、最近の子供は、なぜ勉強するのかなということが動機づけと申
しますか、勉強一生懸命やって、いい学校に行って、いい会社に入って、いい大学を出て、将来
バラ色の将来設計なのだというようなものが最近崩れてきたのかなというような気がするわけで
ございます。小さい子供たち、あるいは中学生、高校生でもかまわないのですけれども、それぞ
れの子供たちが、なぜ勉強するのか、この動機づけが現在の教育の中で希薄化になっているので
はないかと思うわけでございます。また、小さいときに勉強してつまずいた子供がそのまま諦め
てしまう、そういうようなこともあるのかなと。いわゆる教育の格差ですね。できる子供はでき
る、できない子供との差がさらに広がるというようなところに問題があるのかなというわけでご
ざいます。
先ほど教育長、この新学習指導要領、国の教育に対して答える立場にないというようなことで
ございますけれども、今回のこの学習指導要領の中に、ぜひとも教育現場のそういうような利根
沼田、新しい教育として反映できるような教育をやっていただきたいと、このように思いますの
で、よろしくお願い申し上げたいと思います。そちらについてもお考えがありましたらお願いし
ます。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
いくつかちょっとバラバラになると思いますけれども、勉強する上での動機づけが足りないの
ではないかということでありますけれども、これは全く古くて新しいテーマでありまして、子供
たちが学習していくときの動機づけ、これはもう最も基本であります。ただ議員、ご指摘のとこ
ろを一応勘案していけば、たぶんいろいろな知識、偏重という大きな流れがありましたので、動
機や興味、関心、とにかく詰め込め、詰め込めというような傾向もある時期、かなり長期にわた
ってあった。これが多くの人達が反省、あるいは評価しているところでありますから、今後、な
ぜ学ぶかということは永遠のテーマでありますので、今後のまた大きなテーマでありますので、
学校の授業現場の一担任レベルにおいて、こういうことをしっかりと理解して指導していくよう、
また指導してまいりたいと、そのように考えております。
また、つまずいた子、さらにどんどん進んでできる子でありますけれども、これまたいま非常
に大きなテーマになっております。そのために国は、第6次定数改善において、約2万近くの教
員の加配を行いました。これは予算上でいくと莫大な金額でありますけれども、これは最近どち
らかといえば、つまずいた子にきめ細かく手を差し延べようという考え方が主流でやってまいり
ました。さらに今後の勿論、大きな、大事なことだと思います。反面、進んだ子供たちに頭を抑
えるような教育はしていなかったかと、または足踏み状態にさせておくことはなかったかという
ような反省もありましたので、今後はそういう人的措置も含めて、また現場の教師が持つ指導感
等も含めて、そういうそれぞれの子供たちに合った、つまずいた子は、傷ついた子はそのように、
さらにどんどん前にがんばっていこうという子供は、待てよではなくてがんばってみろよという
ような方向で、それぞれの持ち味を生かしながら、それぞれのステップに合った形で指導してい
こうということになっておりますので、もちろんこれは法律が問われなくても、いま今後、法が
改正されなくても、今後5年、10年と、または中長期的に見ていった場合に、教育はこういう
ことが大事なのだということがあれば、もちろん現行の法の範囲の中でも十分努力できるわけで
ありますから、いまご指摘のようなことを心して今後努力してまいりたいと、このように考えて
おります。
以上でございます。
◇29番(金井康夫君) ぜひともがんばっていただきたいと思います。1回目の答弁の中で、
ゆとり教育の中のご答弁の中で、教育長自身、教育とは何ぞやと、基礎的、基本的なものを確実
に身につける必要があるのだというようなお答えをされたわけでございますけれども、私も先ほ
ど質問をさせていただきました内容、行き着くところはそこにあるのかなというような気がする
わけでございます。また、教育を受ける子供たちの立場からすればですね、なぜ勉強するのかと
いうことになりましたら、例えば反復教育を行うことによって自制心とか忍耐力、こういうもの
がつのってくるのだというような、その上に立ってですね、客観的に、また先ほど1回目のお答
えにありましたけれども、生きる力とか、そういうものが芽生えてくるのかなと、そういうよう
な気がするわけでございます。
教育長、ご存じだと思いますけれども、この沼田市には5人の名誉市民がいらっしゃるわけで
ございます。林 柳波さん、お馬の親子ですね。歌人の、生方たつゑさん、そして初代市長、細
谷浅松さん、で沼田公園を寄贈していただいた久米民之助さん、また初代、津田塾学長の星野あ
いさんと、もう先人、さまざまな偉業をされた先人がいらっしゃるわけでございます。基礎的な
学力の基に、このうえ磨いてこういう方が出たのかなというような気がしているわけでございま
すけれども、ぜひともこういう先人を続くような沼田市民が続々と出るような教育をしていただ
きたいと、このように思うわけでございますけれども、そちらについてのお考えをお聞かせいた
だきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
基礎、基本、またこれらを反復すること、またそのことが直接的でありながらそういうことを
進めることによって粘り強さとか、自制心とか、そういうのがついてくるのだろう、こういうこ
とであります。全く学習において汗をかき、努力するということの裏腹に、そういう先ほど申し
上げたような生きる力につながるような部分が出てくるということがあります。私が、豊かな心
とか、生きる力とか申し上げた、その中核は、基礎、基本であります。基礎、基本を否定してい
るわけではありません。例えば今後、これほど進んだ社会に生きていく中で、文字が書けない、
読めない、アルファベットがわからない、そういうことで生きていけるでしょうかということで
す。もちろんこれから時代が進めば進むほどこういう高度な知識、技能等も要求されるわけです
から、それは私が申し上げた、国が言っている生きる力の当然ど真ん中にあるのだということで
あります。そういうことで、いまご指摘されたこと全く同感であります。
それから先人、我々が学ぶ先人が多く出ているではないかということであります。ではなぜ出
ているのだという問題、例えば林 柳波さんのあの心、豊かな、あの柔らかい心はどこから出て
きたのでしょうか。コンクリートに固められた街から出てくるでしょうか。緑の山や川や魚や虫
や近所のお隣付き合いのおばあちゃんから、こういう心や自然との交流の中で、ああいう豊かな
感性が育ってきたのだと思います。また、お勉強がんばった人もいらっしゃるようですし、日本
の私学の振興ということでリーダーシップをとられた方もいらっしゃいます。また、現利根町や
白沢町にも錚々たる先人が排出されております。私は、もちろんこの人達を一つの教科書として、
一知識だけではなくて、そういう利根沼田でなければないものを生かしていったところにこうい
う先人が世の中に出てきたのだと私は認識をしておりますので、利根沼田と言いますか、沼田の
良さを生かして、さらには口はばったい言い方で恐縮ですけれども、最初にお答え申し上げたと
おり、沼田市の子は沼田市だけでなく、群馬県の子であり、群馬県の子は日本国の子であります。
ですから、そういう意味でご指摘の、こういう先人たちは大活躍をされたわけでありますから、
そういうことに学んで、後に続く子供たちを育てていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◇29番(金井康夫君) いろいろ教育問題について質問させていただいたわけですけれども、
やり出して40分位なのですけれども、教育長と非常に意見が合っているというか、すばらしい
教育長が来たなと思うわけで、大変期待したいと思っております。ぜひともがんばっていただき
たいと思うわけであります。
次に、歴史教育、こちらについて移らせていただきたいと思いますけれども、この一連の歴史
問題については、毎日のようにテレビ、あるいは新聞等で報道されているわけでございますけれ
ども、今回、教育委員会にちょっとおじゃまさせてもらいまして、久しぶりに中学校の歴史教科
書を読まさせていただきました。これは会社によっては若干表現のし方が違うわけでございます
が、要はここでいちばん大事なのは、自国の歴史、あるいは先人達のやった業績、我々日本人に
生まれたのだという誇りと自信を持つような教育が必要なのかなというような気がするわけでご
ざいます。ぜひともこの教育の立場に、自国の歴史、あるいはそれぞれが自信が持てる、子供た
ちが日本人に生まれて歴史が持てるのだというような教育の立場として、ぜひともどんどん、ど
んどん、そのような情報を伝えていただきたいと、このように思うわけでございますが、そちら
についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
テーマが非常に大きく、大事なテーマになっておりますので、なかなかご答弁しにくいところ
もあるわけでございますけれども、それぞれの国には、それぞれの文化、伝統、そしてそれぞれ
の言葉、歴史を持った国が存在しておるわけでございますから、日本人が、日本の国の歴史や伝
統、文化を大事にするということは、日本が世界で生きていく、または独自の主権国家として生
きていく上では非常に基本的な、大事な事だと考えております。したがって、現在の学習指導要
領においても、例えば道徳の時間においても、または先ほどご指摘の歴史教科書、歴史教育にお
いても、そういうことは色濃く出ております。ただ若干ずれがありますので、指導の上でどちら
にスタンスを置くかによって若干の創意が出てきているのが現状ではないかと思います。基本的
には、いまご指摘のとおりの方向で、いまの歴史教育は進んでいるというふうに理解をしており
ます。
以上であります。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも自国の歴史や文化、そういうものは誇りと自信を持つ、そう
いうような教育にしていただきたいと思うわけでございます。ここ何年か前でございますけれど
も、映画で、ラストサムライという映画がありました。こちらについては教育長、ご覧になった
かどうかちょっとわからないのですけれども、外国人が、日本の文化はすばらしいのだというこ
とを題材とした映画なのですけれども、外国人が日本の文化を作って、その映画に日本人が感動
したということで、大変当時反響があったわけでございます。日本の子供たちがさらにこの歴史
文化、今まで見ますと他国に謝ったばっかりだと。あるいはODAでお金をやったばっかりだと、
これだけ謝ったばっかりで何でまだ日本は言われるのだというような子供たちが自虐的な感情を
受けられますので、ぜひともこの中学校、また高校の歴史の部分にですね、自国の歴史や文化を
誇りに思うような、そういうような教育をしていただきたいと、このように思うわけでございま
す。ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。
今回、何点かについていろいろ質問させていただいたわけでございますけれども、それぞれ教
育の現場におきまして、何が原因で問題があるのかというものを、いまこういう多種多様化して
いる時代でございますから、一つ一つ検証していく必要があるかなというような気がしますので、
ぜひとも今後の学習指導要領に反映できるような教育をやっていただきたいと思うわけでござい
ます。今後の教育長のご活躍をご期待申し上げまして、私の一般質問とさせていただきたいと思
います。最後にご意見よろしくお願いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
いろいろご指摘、またご助言等ありがとうございました。議員ご指摘の、歴史のみならず特に
学校教育に係わる部分については、基本中の基本、正道、正論であると私は理解しておりますの
で、これから学校現場に具体的に下ろしていきたい。なお一層努力していきたいと考えておりま
す。
以上お答え申し上げます。ありがとうございました。
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上健太郎議員。39番。
〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) 議長よりお許しがありましたので、通告に従いまして一般質問を行
いたいと思います。
まず、質問に先立ちまして、所管部分の内容にいくつか言及する可能性もありますので、その
点についてはぜひご容赦願うことを、あらかじめ冒頭に申し添え質問に移りたいと思います。
さて、新沼田市が誕生いたしまして、間もなく4カ月を迎えようとしております。この間、1
7年度予算も確定し、利根町住民には次々と沼田市住民としての義務と、またお知らせが続いて
おりますが、日に日に、利根町地域住民の不満が高まっております。
合併時では、ほぼ合併後の市民の負担や、各階層へのサービス低下はわかっていたはずでした
が、一つ一つ現実のものになると、そのたびに怒りが湧いてくるようであります。「なぜ、利根
村では合併の是非を問う住民投票をしなかったのか、こんなに福祉を削るのでは、合併しないで
村のまんまでやっていけたのではないか。」「沼田市になったらもっと良くなると思ったのに、
負担が増えただけで何も良くならないじゃないか。」「沼田市になって何が良くなったんだい。」
「振興局なんて言ったって、単なる支所でしかない、利根町独自の施策は何があるんだい。」
「局長の権限で今までどおりの住民サービスが続けられないのか。」「村長が失職したので、天
下りで局長になっただけだ。」と言うように、不満の声はあげればキリがありません。挙げ句の
果ては、議員だけ在任特例で2年間も市議を務めて云々」と言った形で不満の矛先は議員の方に
向かってまいります。
さて、振り返ってみると、昨年、利根村議会が、紆余曲折はありましたが、合併への決断をし
た背景には、「地域自治区を置く」という合併協議会での合意事項が大きく影響し、自立を考え
ていた議員も一挙に合併に傾いたと言っても過言ではありません。
市長自身も、「全国に先駆けた地域内分権型のモデルとなるような振興局制度で創造性ゆたか
な新生沼田市を建設する」旨の挨拶を伺った経過がありますが、いま地域自治区利根町振興局の
存在意義が、いま一つ釈然といたしません。どう見ても支所機能の範囲内でしか機能していない
という状況としか思えません。
「地域特性を生かした地域づくり、従来から継続する個性ある施策の実施、地域振興の推進に
関すること、住民自治支援等々」これらの合意事項が全く形骸化しているのではないか。これら
の内容について具体的にお答えをいただきたいと思います。
本来、利根町住民と旧沼田市住民とでは、立地条件、また文化・歴史の違いから、かなり地域
間格差というものは否定できない現実であります。公共交通機関もありませんし、病院に行くに
も、買物に行くにもかなり不便を来し、市街地から見たら想像もつかない日常生活での格差が歴
然ではないでしょうか。利根村の時代ですら、地域間格差があったこれらの、老齢化が極端に進
んでいる過疎地にどのような生活支援をすることができるのか。
市長は、各種検診の有料化や廃止、国保・介護保険料の合併初年度からの一律化に際し、住民
負担の問題で、「市民として、公平・均等な負担をしてもらう」このように答えておりますが、
社会的弱者の多くが生活をしている、これらの住民は、市の中心部に住む住民とは大きなハンデ
イを、毎日、毎日背負っている状況を考えると、負担の平等性とは、どこを基軸に考えていくの
か。こそれそ、地域内分権の権限を活用して、振興局長の英断で、これらの住民はもちろん、振
興局内住民への生活支援等の施策の立案、また実行ができるのではないかと考えるが、市長の見
解を伺いたいと思います。
また、同じサービス、同じ負担では、必ずしも平等・公平とは言い難く、市の中心部から見れ
ば、周辺地域となる山間高冷地の利根町住民に対し、市街化地域の住民とは異なった形で支援を
行うことが、市民としての均衡を図ると言うものではないのか。見解を改めて伺いたいと思いま
す。
次に、振興局長の存在価値と権限範囲について伺います。
合併協定書では、局長への委任事務として、賃金・需用費・役務費・委託料等は金額の制限な
し、またそれ以外でも300万円まで委任範囲があります。そのうえ工事請負については、3,
000万円未満なら権限があると記載されているが、これらの権限を活用して、利根町住民への
激変緩和策として、今までの住民サービスの継続、あるいは一定期間延長していくために廃止・
有料化にしたものを復活させることはできないのか。
また、地元業者の育成を兼ね、局長権限で、振興局管内の事業については、管内業者に限った
制限付き一般競争入札等は可能と考えられるが、可能であるか否か、この点についてもお伺いし
たいと思います。
また、仮にも、局長権限でこれらができないとなったとするならば、振興局長の存在価値はど
こにあるのか、理解に苦しむことになりますが、具体的に局長の権限の範囲を伺いたいと思いま
す。
以上、振興局にかかわる問題について何点か伺いましたが、答弁によっては再質問も行いたい
と思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
以上であります。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、地域自治区(地域振興局)の存在意義と、振興局長の権限範囲について問う。振興局の
住民と、旧沼田市住民との、地域的格差の是正について。「地域特性を生かした地域づくり、従
来から継続する個性ある施策の実施、その他地域振興の推進に関すること。コミュニティ施策の
推進、住民自治支援等に関すること。」と合併協定書では合意されているが、具体的にはどのよ
うなことを含んでいるのか。公共交通機関もなく、病院やスーパーもない、過疎地にどのような
生活支援をするのか、振興局として独自の施策が施せるのか。
市長は、住民負担の問題で「市民としての公平・均等な負担をしてもらう」と、以前の質問に
答えているが、社会的弱者の多くが生活している、辺境な過疎地が点在しているこれらの利根町
住民に対して、局長の立案で、振興局独自の生活支援等の施策を実行可能か伺いたい。について
でありますが、議員ご案内のとおり、地域自治区の設置につきましては、合併協議により確認が
なされ、「沼田市、利根郡白沢村及び同郡利根村の廃置分合に伴う地域自治区及び地域自治区の
区長の設置に関する協議について」の議案を平成16年8月17日に開催されました臨時議会に
おいて議決をいただいたところであります。
その協議書により振興局が所掌する事務が定められておりまして、議員のご質問にありますと
おり地域特性を生かした地域づくりなどの推進に関することを所掌することとなっております。
ご質問の、振興局独自の生活支援等の施策の実行についてでありますが、振興局の所掌事務に
つきましては、地域の個性を生かしたまちづくり施策の推進であると考えておりまして、生活支
援等の施策につきましては、新市全域を対象として、公平、公正に実施していく必要があるもの
と考えております。
次に、すでに住む場所で格差がある、出来る限りの住民サービスをおこない、支援をすべきで
はないかについてでありますが、議員ご案内のとおり、合併協議により策定されました新市建設
計画につきましては、新市の速やかな一体化の推進と、地域の均衡ある発展、住民福祉の向上を
図ることを目的としているところであります。
ご質問の、地域的格差の是正についてでありますが、新市建設計画に位置付けられている施策
を推進することによりまして、地域の均衡ある発展及び行政サービスの水準の均衡が図られるも
のであると考えております。
次に、局長への委任事務では賃金・需用費・役務費・委託料等は金額の制限なし、その他も3
00万円まで、委任範囲がある。また工事請負については3,000万円未満ならば、権限があ
るような記載になっているが。利根町住民の激変緩和のために、今までの住民サービスを一定期
間延長することは可能ではないのかについてでありますが、議員ご案内のとおり、合併協議によ
りまして、市民生活に急激な変化を及ぼさないよう、住民サービスにつきましては、当分の間、
旧市村の現行どおりとし、段階的に調整を行うこととしているものであります。
次に、地元業者の育成を兼ね、局長権限で、振興局管内の事業については、制限付一般競争入札
を実施出来るのではないかについてでありますが、本市の「制限付き一般競争入札試行実施要綱」
の規定におきまして、土木工事で設計金額が5,000万円以上の工事、建築工事では設計金額
が1億5,000万円以上の工事のうちから制限付き一般競争入札に付す対象工事を選定するこ
とになっておりますが、いずれの工事にあっても振興局長に委任されている権限の範囲を超える
ものでありますので、市長権限により実施されるものであります。
次に、局長の権限でこれらが出来ないとなると、振興局長の存在価値を疑いたくなるが、具体
的に権限の範囲を説明願いたいについてでありますが、振興局長に対しましては、「沼田市長の
権限に属する事務の委任及び補助執行に関する規則」の規定に基づきまして、支出負担行為及び
支出命令に関する事項、物品の管理及び処分に関する事項、保管金に関する事項、工事及び契約
に関する事項についての事務を委任しているものであります。
ご質問の、振興局長の具体的な権限の範囲でありますが、振興局管内の事業として、予算配分
を受けたもののうち、委任された範囲内における予算の執行、工事の起工などの権限を有するも
のでありまして、その委任された範囲内におきまして、振興局長名による予算の執行、契約の締
結を行うものであります。
以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇39番(井上健太郎君) 再質問をさせていただきたいと思います。
3月議会での市長の、同僚議員に対する答弁とほぼ同じ状況なのですけれども、私は今回、こ
の質問を取り上げるにあたりまして、実際のところこの合併協定書、あるいはこの振興局の委任
事務の問題、いろいろひっくり返して見たのですけれども、どうも理解ができない。今日の市長
の答弁からしますと、要するに市長からの委任事務の範囲内ということになると、振興局長自身
が、利根町地域内の住民の利益を守るために、全体から見て今まで利根村という形で行政を行っ
てきたわけでありますけれども、その中の、従来からの施策の継続とか、あるいは地域振興の推
進、住民自治支援、こういったことが権限の中にも、局長自身の、振興局としての独自のことが
できるというように私は理解していたのですけれども、そうなると別に市長からの委任事務だけ
だったら局長でなくても、これは普通の事務屋でも十分できるのではないかというふうに思うわ
けなのですよ。格好としてね、地域振興局という聞き慣れない名前を付けただけで、地域内分権
とはまったくほど遠い状態ではないかというふうに考えたので今回の質問をしたわけなのですが、
要するに、先ほどの答弁の最後の方で申されましたように、要するに市長からの委任事務、この
範囲以上の仕事は、振興局として、あるいは局長としてできないのだというふうに理解していい
わけですか。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時03分休憩
─────────────────────────────
午前11時12分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 井上議員の再質問にお答えをしたいと思います。
ご案内のとおり平成16年の8月の17日にですね、臨時議会でもっていわゆる合併協議の確
認の、ご案内のとおり沼田市、利根郡白沢村及び両郡利根村の配置分合に伴う地域自治区及び地
域自治区の区長の設置に関する協議についての、いわゆる議決をいただいておりまして、その結
果が今日に至っている経過がございます。ただその前段にですね、この自治区制度をどのような
形で取り上げていくかということを、国のいわゆる法令の範囲内で考えなくてはなりません。そ
ういったときに、合併特例区の選択と地域自治区の特例の選択と、さらに地域自治区の一般制度
の選択の3つがあったわけでございます。私どもはですね、いろいろと真摯に協議して、地域自
治区の特例のところを選択して実は今日に至っております。従いまして、この流れに基づいて今
日のいわゆる合併した後のいろいろなこの行政運営がされているところでございます。ですから
必然的に、いろいろなご質問が出てまいりますと、どうしても先ほど申し上げました平成16年
の8月の17日の議決の事項を尊重していくということに結論から言うとなるわけでございます。
さらにそういった中で、議員がいろいろとご心配をしているような事柄につきましては、現在、
月曜日の朝には振興局長を交えて私といろいろと話し合いをさせていただいております。と申し
ますのは、定例の部長会議が9時から、月曜日行われておりますが、その前段の8時半から、振
興局長、あるいはまた助役等交えてですね、いろいろと地域のご意見を伺う。そうした形の中で
部長会議に臨むというような流れになっております。ですから必然的に地域の問題があれば、そ
こで両振興局長からいろいろなご意見を伺って、そしてそれらをいろいろな意味で市長が責任あ
る立場で調整をしてですね、そして行政運営に当っているという、そういう流れになっておりま
す。
合併をして4カ月前後の今日に至る中で、これから総合計画も作ります。そういったことから、
いまご質問の中にあったようなことも含めて、いろいろとこれから、できるだけ地域の個性や伝
統が損なわれるようなことのないような行政運営をしていく必要があるのではないか。このよう
な認識をしておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 先ほどの1回目の答弁にも度々出てまいりましたが、平成16年8
月の合意事項というのですかね、合併協議会の合意事項、こういったもので合意されているとい
うところを市長は非常に強調されるのでありますけれども、そもそも私は3月の議会でも多少ふ
れましたけれども、合併の本旨であるサービスは高い方に、負担は低い方にという原則に、今回
の合併があまりにもそこを重視していないのではないかというような観点で、また今回も質問を
挙げているわけであります。
そういった中で、実際の、全体での統一性を図るという意味から市長は非常にそこを強調する
のですけれども、そうであってもこの地域自治区、地域振興局というのものを作ることによって、
急激に村から市に変わった場合に、いろいろな形で住民の負担が増えたり、サービスが落ちたり、
そういったところ激変緩和というのですかね、そういうことが地域自治区の権限で、また局長の
権限で今まで実施してきた施策の継続ということも合意事項の中に入っているわけですから、そ
ういったところを最大限生かしていくならば、要するに先ほどから私、1回目の質問で強調しま
したけれども、あの山の中の、村営バスも通らない。若い人は非常に少なくなってきて、小さな
集落でも運転手が1人か2人、そういうところに住んでいる集落がいくつもあるわけですよ。だ
から、そういった所も含めて、要するに利根町は全体を考えてみてもこの市街地域に住んでいる
人達から見ると、非常に日常生活でも差がある。そういった点では住民サービスやあるいは負担
についても、多少この差があって初めて均衡を保てるのではないか。要するに沼田市の市民とし
て初めて平等になる。平等とはなかなかいかなくても、ある程度の均衡を保つというところに行
くのではないか。単なる負担やサービスが金額の面で全部一律化ということになったならば、日
常生活しているところに非常に便利なところで生活をしている人達の方が優遇されるという結果
にかえってなるのではないか。そうなったら、やはり同じ市民としての一体感というのはね、永
久にこれは湧いてこないと思いますよ。だからそのために地域振興局を置く、そしてそういった
ところを緩和していくということで、おそらく合併合意は利根町の議員の中にはたぶんこの地域
自治区、これを置くのだから大丈夫だということで合意した経過があるのではないかというふう
に思うのですよね。そういった点でここにうたわれておりますですね、地域自治振興のための予
算要求の権限であるとか、あるいは地域特性を生かした地域づくり、従来から継続する個性ある
施策の実施ということで、これができないかというふうにお聞きをしたわけなのですが、再度こ
の点についてお伺いをします。
◇市長(星野已喜雄君) 最初の答弁でも申し上げさせていただきましたが、やはり合併協議の
ときにですね、市民生活に急激な変化を及ぼさないように、住民サービスにつきましては、当分
の間、旧市村の現行どおりとするというようなことで、その辺のことについてはいろいろと合併
協議の経過の中で、いろいろと配慮もされてきたというふうに認識をしております。さらに、現
行のそういった議決事項があってのことを受けてのことですから、結局そのところに基づいて現
在、できる範囲のそういった議員がご指摘のようなことについて、やはり振興局長から意見を伺
って、そして調整をしながら皆さんにご理解をいただいていくというような流れになろうと思う
のです。
ただ、もう一つ、これは付け加えるとするならば、地方分権一括法が数年前にとおってきた経
過の中で、すでに政策フォームといっていわゆるいろいろな法律の施行の過程の中において、上
乗せとか横だしとか言うのがございまして、そういった意味からですね、例えばもうすでに機関
委任事務等が廃止されて、国、県等々と対等となってきたということから、今まで国や県から、
上位から来ることについては従っていかなければならないという流れがあったのですが、やはり
しっかりと言うべきことは言える、というような流れがあるということはご案内のとおりかと思
います。すでに上乗せというか、横だしのように見られるところにあるように、やはり場面によ
っては、地域の自治体がそれぞれの独自性を出していってもいいということもあることも事実で
ございます。ですからそういうようなことも私は認識をしておりまして、いわゆる現行では、合
併がスタートして4カ月という期間であります。ですからして先ほど言う、毎週9時から行われ
る部長会議の前段の、8時半の要するに、私、振興局長、助役等々いろいろと話し合いをすると
ころでもって、できるだけそういった意見を承りながらいろいろと調整をしていきたいというの
が率直な認識でございますので、ご理解をいただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) わかりました。ぜひ局長についてはですね、市長と打ち合わせをす
るという機会があるそうでありますので、住民の中からいろいろな、いま要望が、あらゆる各種
団体の会合とかそういったところでも非常に意見が出ていると思います。私のところや、議員の
ところにもずいぶんいろいろ住民から出ているはずですから、そういったところをぜひ局長代弁
をして、利根町住民のリーダーとして利益を守るという立場を貫いていってもらいたいというふ
うに思います。
先ほどの、住民サービスの問題等につきましては、急激に変わるということはよくないので、
その合意事項で現行どおりということを合意されているというのですか、私が3月の議会でも、
また今回でも取り上げているのは、特に福祉サービスの問題で、現行どおりではないではないか。
要するに無料の人間ドック等は4世代とも全部廃止にするとか、あるいは乳児検診も5回やって
いたものが2回にするとか、乳児のフッ素塗布等の大事な問題も廃止にしてしまうとか、いろい
ろあるわけですよね。お年寄りの年間の温泉施設の補助金であるとか、利用券ですか、1人2、
3,000円ですとかいうものもありますけれども、そういったものも廃止にするとか。だから
現行どおりではないのですよね。要するに非常にサービスが低下、下げられてしまっているわけ
ですよ。国保税一つとってみても急激に変わるから、他の前橋市のような形で4年間くらいかけ
て一元化していこうではないかというような意見も出しましたが、だからそういったことでなく
てこれも一元化と。一発で急激に上げてしまうと。こういったことが一事が万事、非常に多いわ
けですよ。特にあとはガン検診にしてみても、健康検査にしてみても、無料だったものが有料に
なるという事実があるわけなのですよ。先ほど市長の答弁から言いますと、そういったことのな
いように今までやってきた政策については現行どおりというふうに言われたのですけれども、実
際そうになっていないのですよね。だからあえて今回取り上げているわけです。
特に先ほどから口説く言うのですけれども、市街化に住む市民と山の中に住む市民とではです
ね、そこに毎日の日常生活ですでに差があるのだと。ですから利根村というのは特別な地域です
よ、群馬県で4番目に広い地域に5,000人ちょっとの人口が住んでいるわけですから、そう
いった中に集落が点在しているという特別な環境、ですから県でも過疎指定を受けて、何かやる
にも過疎債が使えたわけでありますし、村の中でもこの過疎をくい止めるためにいろいろな施策
を考えてきたわけですよ。要するに医療機関に行くにも遠いから、できるだけ医者に罹らないよ
うに。それには早期に病気を発見するとか、あるいは4世代無料の人間ドックをやっている中で、
今まで医療に関心のなかった世代でも早くから健康に気をつけて、高額医療にならないようにし
た方がいい。
これは歴代の村長の中でも、金子尚治村長が、これは当時、課長から聞いたのですけれども、
無料の検診制度にするときに、後で大きく金がかかるよりも、検診くらいはみな無料にしてやる
べえじゃないかと。また、人間ドック等もね、早めに健康に注意するためには、無料の人間ドッ
クをやって、もっと健康に関心を持って、予防医療にやはり力を入れた方がいい。必ずこういっ
たことをすることによって元は完全に取れるのだということを、この金子尚治村長が言ってです
ね、無料化というのを実施した経過がある。これは先日、課長さんから聞いたのですけれども。
そういうことなのですよ。住む地域が実際無理矢理、今度の大合併で沼田市と合併をしましたけ
れども、まったく地域が違う。そういったところの特異性を生かして今までの住民サービスを続
けるということが、なぜ振興局の権限で、また局長の権限でできなかったのかということを今回
強調して聞いているわけです。この点についてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま非常に歴代の村長の施策を披瀝して、立派な、政策的なこと
があったということのご紹介がございました。先人の方に敬意を表する次第でございます。また、
その中の哲学の中に、予防医療に徹してくるということについてのご指摘は、まったく私も同感
でございまして、そういう意味では予防のことについての施策を展開していくということは、大
変大事なことではないかというようなことを、まずもって申し上げておきたいと思っております。
そういった中で、福祉関係の、行政サービスの関係については、やはりそれぞれの方々が等し
く享受できるという形にしないと、このことについてはどうしてもそういった差異が出てくると
いうようなことがございます。ですから先ほど答弁したとおりでございますけれども、ただ申し
上げなければならないのはですね、結局これから先々、いろいろなそういったご意見、あるいは
また諸情勢がいろいろな形の中の共生のところで出てくるのではないかというふうに推測が働き
ます。あるいはまた推理が働きます。そういうようなところでまた十二分に各関係者と協議をし
て、そして先々に遺憾なきよう対応していかなければならないのではないか、こんなふうな認識
を持っております。
◇39番(井上健太郎君) もっともっと本当に住民福祉の向上に寄与するというのがやはり地
方自治の本旨でありますから、そういった点をぜひ考えて進めていってもらいたいというふうに
思います。いまこの福祉の問題では、同僚議員が3月にこういう質問をしております。利根町地
域の問題なのですが、「非常に利根町地域では福祉サービスが落ちてしまったが、その地域に復
活させる、その振興局からの要請として出てきたようなものを今回の実施年度予算ではカットし
ましたけれども、またその地域の中に復活させるというようなことは可能なのかどうか」という
質問をしております。これに対して市長は、「やはり沼田市民である以上、公平、そのサービス
を享受していかなければならないということになりますると、全体の中で統一を図っていかなく
てはなりません。ですから、地域であるがゆえに特化した、いわゆる福祉、医療行政のサービス
は、これは当然馴染みませんと。ですから市として当然、全体5万5,000人の編成をもって
とらまえていく必要がある」というふうに答えております。要するに、いろいろな形でその地域
からの要望が出たとしても、これは沼田市民としての統一性を図って、同じでやってもらうのだ
と、復活はできないのだと。こういうふうに答えております。
しかしですね、これは16年の合意事項の中でも権利がうたってあるのですよね、振興局とし
ての。先ほどから繰り返し言いますけれども、従来から継続する個性ある政策の実施というとこ
ろでこれは完全にうたってあるわけでありますし、また地域自治振興のための予算要求の権限と
いうのが、これは次の質問に移りたいと思ったのですが、ここに入ってしまいましたけれども、
振興局長としての権限として、これは要求の権限というものがある。だからそういった点でこれ
はちょっとおかしいのではないかなというふうに思いますが、この点についてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、議員合併して、新年度の予算関係等についてもいろ
いろと各分野と調整したり、各議員さんからのご要請もいただいたりして、新年度の予算を作っ
て3月議会にご提案をし、ご承認をいただいてきた経過があるわけでございますが、まずスター
トしたばかりでございましてですね、いよいよもってそういった、議員がご指摘されるようなこ
とについてこれからいろいろな角度から検討して、そしていわゆる合併の協議書に適合するよう
に、やはり整合させるようにしていくと。当然、平成17年度当初予算にもこういったことに神
経を使ってやってきているわけでありますし、議員はなかなかそれが馴染んでないのではないか
という、こういうご懸念があるわけでございまして、ただ私ども行政執行側からすると、当然こ
ういった協議書に基づいて、そしてそれらのことについては調整をしながら来ているわけでござ
います。ですからそういった若干の意見の違いがあったとすれば、これからまた新しい未来に向
かってそういったいろいろなご意見を寄せていただきながら、いろいろな角度から検討をしてい
くことになるのではないか、こんなふうに認識をしております。
◇39番(井上健太郎君) 確かに市長の言われるとおりだと思います。要するにあわただしく
合併をしたと、2月13日に向けてですね。ですから今回の予算については、この昨年からの合
併協議会での合意事項を基本として、結局あたふたとやらざるを得ないということで、これは致
し方ない結果だと。当局に対して好意的に考えればですね、そういうふうに理解せざるを得ない
と思います。
しかし、先ほどからのやりとりの中でですね、市長も毎週局長とはいろいろな形ですり合わせ
をしているということでありますから、これからの、特に振興局、あるいは振興局長の権限から
いきましても、これを最大限に生かすということになれば、来年度からの予算にならざるを得な
いというわけでありますから、ぜひそこら辺は最大限に生かした形で利根町住民の利益を守って
もらうという立場に局長にも立ってもらわなければならないというふうに思います。外野で聞い
ていてはがゆい思いをしていると思いますのですが、こういった中で局長の意見を聞いていいで
すか。市長さん。
◇市長(星野已喜雄君) これは質問があれば答弁を。
◇39番(井上健太郎君) よろしければそういった点で局長にも一言答えていただきたいなと
思うのですが、どうですか。
◇市長(星野已喜雄君) せっかくのご質問でございますので、もちろん利根町の振興局長のみ
ならず、白沢町の振興局長からも一言ずつ答弁をいたさせますのでよろしくお願いしたいと思い
ます。
◇利根町振興局長(星野健一君) 再質問の中でですね、振興局ということで位置づけがありま
した。合併してはや4カ月近く経ってきたわけです。そういう中でいろいろとまだすり合わせの
問題があるということで協議しているわけなのですけれども、そういう中で、地域の住民の声と
いうものがいろいろな声があるということで、先ほど健太郎議員が言われたとおりです。これは
ですね、うちの各課長がいますけれども、その課長からも、各担当課でいろいろな団体、またサ
ービス部分で現状を把握しているわけだからそういう部分を出してくれということで、各課長か
ら聞いたり、また各種団体からもいろいろな車の件や問題はどうするのかと話が出ます。今日も
ゲートボールの大会がありまして、そちらの方で車の手配ということで、大会に行きたいのだけ
れどもなかなか峠を越えていくのは大変だと、そういう部分でこれは事務局の方も、社協も含め
て、事務局があるものについては車の手配等はそういうことで確認ができたと。そういう一つ一
つのいま問題を、現状を踏まえて解決していくと、そういう方向で住民が安心、安全で暮せるよ
うな体制を取りたいと。先ほど市長の答弁の方からもですね、部長の会議の前に8時半からと。
これもやっとこそういう話し合いができる状況になってきたということであります。そういうこ
とを踏まえながら、健太郎議員が言われているような住民の不安を早くに解消できるように今後、
局長としてもがんばっていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。
以上です。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) ただいま井上議員さんのご質問等についてお答えさせていた
だきたいと思っております。
2月13日に3市村が合併したわけであります。当然、3つの自治体が一つになったというこ
とで、これはいろいろな問題等々が出てくるのは当然であろうかと思います。そうした中、合併
特例法によりまして地域自治区を設定してスタートしているわけであります。私ども白沢町振興
局課におきましても、いろいろな住民の方々の直接の細かい問題等々いま出ているのは承知をし
ております。そういったことを踏まえながら、この地域自治区、あるいは振興局で対応できる問
題については前向きに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
また、市長の方からもお話しがありましたように、部長会議の前に、毎週月曜日ですね、市長、
また局長、そして助役さんを入れて30分、いろいろ検討をしているわけであります。まだ合併
して4カ月弱という中で、これからさまざまな問題が出てくるかと思いますけれども、振興局制
度をふまえて新沼田市が、さらに住民にとりましても、合併してよかったなという、そういった
新市になるように務めてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げ
ます。
以上です。
◇39番(井上健太郎君) ありがとうございました。突然の質問になりましたけれども、非常
にありがたい答弁をいただきました。
最後になりますけれども、先ほど質問をいたしました振興局長の権限の範囲の中で、工事請負
の3,000万という問題であります。これについては市長の方からは、もちろん市長の方から
の委任でありますから、振興局長にそれをさせるということではなくて、条例に基づいて制限付
一般競争入札は5,000万ですか、というような説明がありましたけれども、要するに振興局
長の権限としてこういうふうにうたってあるわけでありますから、利根町振興局、あるいは白沢
町振興局、その管内で行われる事業については、その局長の権限で、指名競争入札でなくて、そ
の利根町におければ利根町在住の業者がいっぱいいるわけでありますけれども、そういったとこ
ろの有資格業者に限ってですね、全員にチャンスを与えるという一般競争入札、沼田市全体とし
てやるのではなくて、そういった地域の事業については指名である程度そういったものについて
は可能だとは思いますけれども、先代の、今の局長の前の村長のときに一度施行的に一般競争入
札を試験的にやった経過がありますが、そういったことができないかどうかという質問をしたわ
けであります。この点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) この入札の問題はですね、やはり透明で、公正で、公平でなければい
けないという観点でもって対応していくということで答弁とさせていただきたいと思います。あ
まり多くを語ることはいたしません。やはり透明で、公平で、公正でもって対応していくという
ことで答弁させていただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) よくわかります。最近では談合問題、いろいろと騒がれております
から、市長の答弁は理解できます。これがあくまでも基本だと思います。しかしながら、これは
合併を決断するときに、利根町の議員の中からもそういったような認識をもってこれに合意した
のではないかという点もあるんですよね。振興局長として3,000万円までの工事請負という
ことであるから、振興局長の権限でもってこれが発注できるのかなというふうに考えていたので
すけれども、そういったことはもうできないというふうに理解していいわけですね。
(休憩を求める者あり)
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時45分休憩
─────────────────────────────
午前11時46分再開
◇議長(星野佐善太君) 再開いたします。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) この入札の問題は、やはり非常にいろいろな意味で内外ともに慎重に
しなければならないことは、もう議員ご案内のとおりかと思います。したがいまして、いわゆる
公正、公平、そして透明性をもってしていくというようなことで、助役を中心として指名選定委
員会をもって、そして対処していくということできていますので、ご理解を賜りたいと思ってお
ります。
◇39番(井上健太郎君) もうこの入札の問題については、また改めて次の議会等でも、ある
いはいつになるかわかりませんけれども、それだけに絞って質問をしたいと思いますから、あえ
てこの問題はこれ以上話をしないつもりであります。ただ、いま質問しているのは、局長の権限
の問題でこれを取り上げたわけで、一般競争入札か、指名入札か、随意契約かと、そういった入
札制度全般の問題について聞こうと思ったわけでないので、この点については誤解しないように
してください。局長の権限がどこまであるのかというところをいちばん確かめたくて今回の質問
はしているわけです。要するに、局長としてこれだけのことができるよ、これから先はできませ
んよと、そういったものがいま一つはっきりしていない。だからこのところで、ただ文書に出て
くる文言から理解した範囲内のことはですね、本当によく考えれば非常に権限があるのだけれど
も、先ほどの市長の答弁の方からいくと、全く局長は、市長から頼まれたもの、要するに委任事
務以外には足は踏み出せないのだよというふうに思えてならないのですよ。ですから市長の方は、
毎週コミュニケーションを図って局長と部長会議の前に話をしていると、それでいいじゃないか
ということなのですけれども。本当に局長自身が、その振興局内の地域住民の暮らしを守るため
にですね、これこれこういうものをやりたいということで、今回の予算には反映されなかったけ
れども来年の予算には局長として予算要求ができるということでありますから、そういったとこ
ろは十分できるというふうに理解していいわけですよね。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな権限の関係についてもご質問をいただいておりますけれど
も、繰り返しになりますが、やはり合併協議をしてきて、その協議に基づいていまいろいろな事
業を粛々と進めているわけでございますが、そういった中で、先ほど両振興局長が申し上げまし
たように、できるだけ地域の実情をやはり打ち合わせ、すり合わせして、時間的には概ね8時半
から9時ですから、必要があれば今までも臨時に会議もずいぶん開いてまいりました。そういう
ような経過がございます。あるいは場面によっては教育長にも加わってもらったり、あるいは各
担当部長や次長にも加わってもらったりという、そういう経過がございました。ですからそうい
うようなことで、できるだけ地域の特性を配慮するというか、そういった地域の特性を生かして
いくというような観点に基づいて、それらについてのことについて対応していくというようなこ
とでもってご理解をいただければと思っております。
◇39番(井上健太郎君) それではもう1点お聞きしますけれども、振興局長の委任事務の中
で委託料というものがございます。これは施設管理等委託料は金額の制限なし、上記以外のもの
について1,000万円未満という形であるんですけれども、これは先ほどの1回目の答弁の中
にありましたように、あくまでも市長からの委任事務であるからすべて17年度予算編成したそ
の範囲内のものなのだということですか。
◇市長(星野已喜雄君) 当然そうなると思います。
◇39番(井上健太郎君) そうするとですね、これはもう振興局長の要するに、振興局長でな
くもこれはできるということですよね。はっきり言って。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほども申し上げましたようにですね、いろいろなご意見があろうか
と思いますけれども、いろいろな角度から分析したり、あるいは議論したりして取り組んでいる
わけでございます。ですから、やはり合併協定の流れをしっかり受け賜った形の中で進めていく
ということが当然すじ論としてありますので、いまおっしゃっられるようなこととはまた若干、
ちょっと私は認識が違いますけれども、やはり繰り返し申し上げたいと思いますが、それぞれの
振興局の、いろいろな良さというものを尊重して取り組んでいかなければいけないのだと、こん
なふうな認識をしております。
◇39番(井上健太郎君) このやりとりの中で、振興局長の権限の範囲というのが非常に限ら
れているということがよくわかってまいりました。しかし限られた権限の範囲の中で、それぞれ
の局長自身の努力、あるいはアイデアによって、相当これは局長としての活動範囲も広がってい
くのではないかというふうに思います。要するに今のまま推移していくと、支所機能で振興局長
などいても、いなくても同じだというような陰口を叩かれているわけでありますけれども、そう
いったことのないようにですね、先ほど市長がしきりに言っております、毎週しっかりと話し合
っているということでありますから、ぜひ振興局内の住民の意見をできるだけ広く汲み上げて、
ぜひこれを市政に反映してもらいたいということをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時54分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇市長(星野已喜雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇議長(星野佐善太君) 次に、井之川博幸議員。25番。
〔25番 井之川博幸君登壇〕
◇25番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。
今回私の質問は、日本国憲法、住宅政策、学校の安全対策についての3点であります。
まず、日本国憲法全体について伺います。
1945年8月15日、第2次世界大戦において日本軍国主義が敗北し、日本政府が連合国の
ポツタム宣言を受諾したことによって戦争は終結しました。同時に、国のかたちも根本から作り
直すことが求められました。
ポツタム宣言は、日本国民をだまして世界征服の誤りを犯させた軍国主義の勢力及び権力を永
久に除去すること。日本政府に、日本国民の民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障害を除
去し、基本的人権を確立することを求めていたからであります。
日本国憲法は、このような戦争のない世界を求める流れの中で、その最新の到達点を反映して、
主権在民、戦争の放棄、基本的人権の尊重、国権の最高機関としての国会の地位、地方自治とい
う5つの原理、原則を明確にし生まれました。
古い時代に国の支配者が、国民を支配するために作った法を憲法と呼んだものもありましたが、
近代の憲法は、人権宣言として生まれました。17世紀から18世紀にかけて、イギリス、アメ
リカ、フランスで起きた市民革命の中で、人権や主権在民という原理が打ち立てられ、法という
形で宣言したのが憲法です。衆議院憲法調査会の事務局がまとめた資料でも、「近代以降の憲法
は、国の権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とするものであり、今日では、この
立憲的意味の憲法こそが憲法と称するにふさわしいものであると一般的に考えられています。」
と解説しています。日本国憲法は、近代以降の中でも、まさに先駆的な内容をもったすばらしい
憲法ではないでしょうか。この憲法を市政に生かしていくことについての市長のお考えをお聞か
せ願いたいと思います。
続いて、憲法9条についてお伺いします。
日本国憲法の、基本精神の3つの柱は、前文に明記されています。一つは、「日本国民は・・・
政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し・・・この憲法
を確定する」という侵略戦争への反省が原点であり、根本的な柱であります。
2つ目は、「日本国民は、恒久の平和を念願し・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼
して、我らの安全と生存を保持しようと決意した」と述べ、国際的な平和のルールにのっとって、
紛争の平和的解決に徹するということであります。
3つ目は、「われらは、いずれの国家も、自国のことのみ専念して他国を無視してはならない
のであって、政治道徳の法則・・・に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立と
うとする各国の責務であると信ずる」と述べ、世界のすべての国や民族の主権を尊重し、平和共
存をめざすという考えであります。
この3つの柱を条文にしたのが、戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認を明記した憲法の
9条です。
今までの歴代政府は、この憲法9条を踏みにじって自衛隊という名の軍隊を保持し、小泉内閣
に至っては海外派兵まで行ってきました。しかし、いかに強いアメリカの要求であっても、いま
の憲法9条がある限り、海外の戦場でアメリカ軍と一緒に戦争をすることはできません。アメリ
カに、1948年以来、日本に再軍備をさせるために憲法を改定するということを公式な方針に
してきました。最近では、アーミテージ報告が強く求められ、改憲の動きが急速に強まっていま
す。
このような状況の中で、憲法9条についての市長の見解及び内容を変えて軍事力を行使できる
国にしようという動きに対する見解についてお伺いいたします。
次に、住宅政策について、市営住宅入居待機者解消についてお伺いいたします。
第四次総合計画では、第4節、快適な住宅環境整備として、1、公営住宅の整備、改善、2、
優良な持ち家取得の支援、3、沼田の特性を活かした住まい、街づくりの推進としてそれぞれ施
策が掲げられています。
平成10年3月に策定された「沼田市住宅マスタープラン」によれば、市営住宅の整備は計画
的に、整備改善を進めることになっています。しかし、耐用年数が経過している住宅は、策定時
に15団地中7団地でしたが、今では半数を超えてしまいました。計画では、耐用年数を超えて
いた7団地については、第1次再生団地として、10年間で建て替えを推進する計画になってお
り、平成13年度に上原団地の再生計画が終了し、14年度からは、谷地端団地の建て替えが始
まっている計画です。しかし残念ながら、ほとんど進んでいないというのが現実ではないでしよ
うか。一方で、グレードの高い谷地端第2市営住宅の人気は根強いものがあると思います。
現在の全体及び谷地端第2市営の待機者数についてお願いいたします。また、それらの待機者
解消の計画についてはどのようなことがあるのか教えていただきたいと思います。さらに、市営
住宅増設及び民間住宅活用などの計画についてもお伺いをいたします。
次に、学校の安全対策について、まず、学校内外での事件についてお伺いいたします。
6月1日は、長崎県佐世保市大久保小学校で、6年生の少女が同級生の少女に殺害されてちょ
うど1年になりました。本年の2月14日には、大阪府寝屋川市中央小学校で、同校の卒業生で
ある17歳の少年によって教職員3人が殺傷されるという事件が起きました。2001年6月8
日には、まだ皆さんの記憶に残っていると思いますが、大阪府池田市の大阪教育大附属池田小学
校で、侵入者によって包丁で刺され、死者8人、負傷者15人を出す大惨事がありました。
本市におきましても、犠牲者が出ているということではありませんが、児童・生徒が不審者に
声をかけられるとか、ちかん等の事件が発生しています。
このような全国で起きている児童生徒・教職員が犠牲になっている事件に対する見解と本市内
で発生している事件等への対応について、まずお伺いいたします。
さらに、学校内外での安全管理について、まず、学校内での児童生徒及び教職員に対する安全
管理について、外部からの侵入者などに対する安全対策についてお伺いをいたします。
学校外での安全管理については、事件性のある問題以外にも交通事故や非行、家庭における問
題など多岐にわたり社会的弱者である児童・生徒に影響が及んできています。そんな中、PTA
や交通安全協力会、青少年育成会などが一定の活動を行っております。最近では、地域の住民ボ
ランティアで安全パトロールなどが始まったところもあります。
そのような状況の中で、登下校時及び家庭や外出時における児童生徒の安全対策について及び
PTAや地域住民などとの協力・連携などについてお伺いをいたします。
続いて、児童・生徒への教育内容についてお伺いをいたします。
1年前の佐世保市での事件では、加害者の女子児童が、事件の前日にインターネットで殺害方
法の参考になるようなサイトを閲覧するなどの行動をとっていたとされています。今の社会では、
子供たちに悪影響を与える情報はいくらでもあり、子供たちにも簡単にそれらの情報を得ること
もできてしまいます。それだけに、命を大切にするとか、相手を思いやるとかの心をはぐくんで
いくことがより大事になっているのではないでしょうか。
安全管理教育や命を大切にする教育の強化についてお伺いいたしまして、私の1回目の質問と
いたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、日本国憲法について、憲法全体について、憲法を市政に生かすことについてであります
が、現行憲法は、「国民主権」、「平和主義」、「基本的人権」の三大基本原理を掲げ、戦後日
本の民主主義体制を確立し、今日の日本の平和と繁栄を築いてまいりました。
また、地方自治に関して、憲法第8章にその基本原則が規定されたことは戦前の明治憲法(大
日本帝国憲法)に比べて大きな特徴点であり、この意義は、わが国において民主主義を実現させ
るために地方自治の確立が必要不可欠であると同時に、これを保障する点にあるとされておりま
す。
憲法第92条における「地方自治の本旨」とは、一般的には地方自治のあるべき姿、地方自治
の理想像をいうものとされ、「住民自治」と「団体自治」の2つの要素から成り立つものと言わ
れておりますが、「住民自治」とは、まさに民主主義の原理であり、「団体自治」とは、地方分
権の原理であると考えております。
現行憲法が公布されてから、来年で60年を迎えようとしている今日、地方自治制度も時代と
ともに変遷を重ねながら発展してきましたが、平成12年の地方分権一括法の施行により、地方
分権改革への端緒が開かれたわけでありまして、分権改革の趣旨である地方公共団体の自主性・
自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図り、真の地方自治を図っていくこと
が、憲法の精神を体しての地方公共団体としての取り組みであると考えおります。
次に、憲法9条について、憲法9条についての市長の見解及び内容を変えて軍事力を行使でき
る国にしようという動きに対する見解についてでありますが、憲法第9条「戦争の放棄」は、先
の大戦による戦争の惨禍を再び起こすことのないよう憲法前文に詠われた恒久平和の誓いを受け
て、平和主義への決意を表したものと理解をしております。
憲法第9条については、政府における解釈も憲法制定当時から今日に至るまでの間、さまざま
な変遷をたどってきております。また、今後、各方面においても憲法論議が行われていくと思い
ますので、その推移を真摯に見守っていきたいと考えております。
次に、住宅政策について、市営住宅入居待機者解消について、現在の全体及び谷地端第2市営
の待機者数についてでありますが、平成17年5月現在の新市の全体市営住宅待機者総数は90
名であり、うち谷地端第2団地では55名の方が待機をしている状況となっております。
次に、待機者解消の計画についてでありますが、平成9年度に策定した沼田市住宅マスタープ
ランいわゆる住宅管理計画と平成14年度に策定したストック総合活用計画に基づき管理をして
いるところであります。入居希望者へは県営住宅等を含めた斡旋等解消に向けた努力をしており
ますが、希望者の多くは谷地端第2団地への希望であり、なかなか解決の糸口が見いだせないの
が現状であります。
今後も引き続き待機者の解消に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅増設及び民間住宅活用などの計画についてでありますが、先ほど申し上げまし
た沼田市住宅マスタープランやストック総合活用計画で定めている既設住宅の再生計画に沿って、
沼田市中心市街地街なか再生事業で計画中の公的住宅の整備手法を考慮しつつ、入居者の理解と
建て替え用地の確保などに留意し、国の補助事業を取り入れながら計画を推進していきたいと考
えております。
また、民間住宅活用については、公営住宅整備基準に適合した住宅でなくてはならない制度上
の制約もありますので、社会情勢や住宅ニーズに応じた計画と必要に応じ、制度の活用を検討し
たいと考えております。
以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、学校の安全
対策について、学校内外での事件について、学校内外での安全管理について、児童・生徒への教
育内容については教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願いいたします。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井勲君登壇〕
◇教育長(津久井勲君) 先ほどの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、学校の安全対策について、学校内外での事件について、全国で起きている事件に対する
見解と市内で発生している事件等への対応についてでありますが、まず、学校は児童生徒にとっ
て最も安全でなければならないと考えております。その学校で、小学生同士による殺傷事件や外
部からの侵入者による教師殺傷事件などが起きたことは、教育関係者として、大きな衝撃を受け
ているところであります。それぞれ事件に至った固有の背景はあるとしても、こうした事件は、
どこにでも起こり得る可能性があるのだという認識のもと、改めて気を引き締めて、その対策を
講じなければならないと考えております。
また、市内においても、幸い大事には至ってはおりませんが、残念ながら不審者の出没等の事
件が数件発生しており、教育委員会としましても、警察等の関係機関と連携を密にしながら、そ
の都度、不審者情報等を各学校に提供するなどして、注意を呼びかけているところであります。
次に、学校内外での安全管理について、学校内での児童生徒及び教職員に対する安全管理につ
いてでありますが、管内すべての学校が、それぞれの学校の実態に合わせて、独自の「危機管理
マニュアル」を作成し、毎年全教職員でその内容について共通理解を図るなど、危機場面におい
て、実際に活用できるよう努めているところであります。
また、日頃より教職員自ら、相手の立場に立った温かな言葉かけや心の通うコミュニケーショ
ンの推進、「命の大切さ」についての講話や道徳の授業等の実践、校内にある刃物の保管場所や
数量等についての点検と使用方法などについて指導の徹底を図るよう、各学校に指示しておると
ころであります。
次に、外部からの侵入者などに対する安全対策についてでありますが、あいさつ運動の一環と
しての外来者への声かけや、入り口での記名、名札の着用等の実施に努めております。また、各
学校ごとに防犯避難訓練を実施し、校内の連絡体制や子どもの避難誘導の方法の確認、各学校に
配布した「さすまた」や、子どもの安全確保に有効な器具の設置場所、使用方法等について共通
理解を図るなどの対策を講じております。
なお、全校の生徒指導主事・主任を招集し、沼田警察署員による防犯研修会を実施し、外部か
らの侵入者などに対する安全対策について、具体的、実際的な研修を行っております。
次に、登下校時及び家庭や外出時における児童生徒の安全対策についてでありますが、まず、
安全に対する児童生徒の意識を高めることが基本であり、教科や道徳の授業等を通して、その指
導の徹底に努めております。また、小学校11校が、集団による登下校を実施し、小中学校13
校が校区内での予想される危険箇所などを盛り込んだ「安全マップ」を、児童や家庭に配布し周
知を図っております。中学校においては、早朝の部活動の自粛や日没時刻を考慮した下校時刻の
設定等を進めておるところであります。
次に、PTAや地域住民などとの協力・連携などについてでありますが、先般の新聞記事でも
紹介されたように、沼田北小学区の、高橋場町において、地域のボランティアの方々が登下校時
にパトロールを実施しております。また、同様な取組みをしている地区等が6ヵ所、PTAによ
る授業中の校内巡視を実施している学校が3校、「子ども安全協力の家」が、市内全域で600
軒を超えております。教育委員会としましては、今後とも更に多くの「子ども安全協力の家」の
設置を進めるとともに、各地域での防犯パトロール等についても、積極的に進めていただけるよ
う、区長会など関係団体と協議しながら、PTAや地域との一層の連携を図り、学校内外での安
全管理の徹底に努めてまいりたいと思います。
次に、児童・生徒への教育内容について、安全管理教育や命を大切にする教育の強化について
でありますが、各学校において、警察署員等、外部講師を招いての防犯の授業や非行防止教室を
行なうなどして「自分の身は自分で守る」という気持ちや、お互いに助け合い、協力し合う心や
態度を育成し、また、道徳の授業や各教科で重点的に取り上げたり、うさぎや鶏など小動物の世
話など身近な体験を通して命の大切さを実感させる指導を進めたりするなど、児童生徒に実際に
身に付く指導を進めていきたいと考えております。
一匹の昆虫や一本の草木から人間に至るまで、生きとし生けるもののかけがえのない生命を尊
重し、大切にする児童生徒を育てることを最重点に据えて、学校・家庭・地域との連携の中で安
全管理教育や命を大切にする教育の強化に、一層の努力をしてまいりたいと思います。
以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇25番(井之川博幸君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいと思い
ます。
まず、憲法を市政に生かすことについてでありますが、市長の答弁では、真の地方自治を実現
していくことというようなご答弁がございました。これはこれで大変重要なことだというふうに
考えます。しかし現在、例えば生活保護費の負担金、国の負担金ですけれども、これを削減しよ
うという動きがございます。地方6団体が、この国の負担率の引き下げは絶対に認められないと
して市議会にも意見書を上げてくれという通知がきております。この6月議会で意見書が国に対
して出されるという方向に、議会運営委員会でもなっておりますけれども、地方6団体がこの生
活保護費負担金の削減はいけないという根拠にしているのが、やはり憲法でありまして、憲法2
5条の、国民の生存権、国の社会保障的義務、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を
営む権利を有する」と、これを根拠にして生活保護費の国の負担金を削減するのはけしからんと、
こういうふうに言っているわけでありまして、やはり地方の6団体が声をあげるということは、
地方の問題として大きな問題になるということで、そういう点で地方自治、もちろん答弁の中の
3基本原則の中にはありませんでしたけれども、5原則というと地方自治まで入るということで、
そういう位置づけをされている地方自治でありますけれども、他の条文のところもですね、非常
に市民の生活にかかわる問題で、やはり憲法を大切にしていかないと大変なことになるというこ
とは、地方6団体の先ほど答弁がありました地方分権の改革案の中でも本当に大切にしていかな
ければならないというふうに思います。そういう点で、やはり真の地方自治を実現していくこと
ということでありますけれども、今の憲法、いろいろな条文、住民の生活にかかわる問題とそう
いうことを市政に生かしていく。これが本当に大切な時代になっているのではないかと思います。
その点についてもう一度市長の見解をお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今朝の上毛新聞に出ていたから見ている方は見ているかと思いますが、
昨日、午前7時半から、東京の方の麹町の方におきまして、11市の市長と県内選出の国会議員
との懇談が、午前7時半からございました。いろいろなやりとりがございまして、三位一体改革
の論議等もそこでいろいろとなされたわけでございますけれども、実はその中で、生活保護費の
関係については、かなり中心的な論議となりました。したがいまして、非常に大きな山場を迎え
るであろうということを十二分に認識するほどに、国会議員の方からも積極的な発言があった経
過がございます。やはり憲法をいろいろな角度からたいして、そして地方分権にふさわしい解釈
をしっかりとらまえてこれから対応していく必要があるのではないかというふうに思っておりま
す。
いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、憲法の精神をたいして地方公共団体
としての取り組みを図っていくことが大切なことなのではないかというふうなことを申し上げて
おきたいと思っております。
◇25番(井之川博幸君) ありがとうございました。ぜひそういう方向でがんばっていただき
たいと思います。
次に、憲法の中の1条でありますけれども、9条の関係でご答弁をいただきました。前段の答
弁の解釈は立派な解釈だというふうに思いましたけれども、最後の、どういう見解かということ
が、いまいろいろな動きを真摯に見守っていきたいということで、何か第三者的な答弁であった
わけなのですけれども、本市は、「核兵器廃絶 平和都市宣言」もしておりますし、何よりも市
民憲章で前文、もう本当に、冒頭に、「私たち沼田市民は何よりも大切な平和を守り」しっかり
と市民憲章に明記をされております。そういう点で、平和を守るということになりますと、私は
今の憲法9条をしっかりと守っていかなければ、この大切な平和を守るということは実現しない、
そういうふうに思うわけですけれども、そういう点での市長のご見解はどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 恒久平和を希求するということは、もう当然のことだと認識をしてお
ります。ただ、この憲法第9条の論争というのはですね、戦後、いろいろな各般にわたってなさ
れてまいりまして、現下でもいろいろと論議がなされているようでございます。私どもの手持ち
の資料でも、いろいろな論議が分かれているようでございます。恒久平和、世界の平和を願うこ
とは当然のことでございまして、そういった観点から考えまするとやはり現在の日本国憲法総体
をたいしてですね、憲法第9条も理解をしていく必要があるのではないか。そんなふうな認識を
持っております。ただいかんせん本問題については、かなりの部分で論議が分かれるところがご
ざいまして、あえて慎重な発言をとらさせていただいた経過がございます。議員がおっしゃると
おり、今まで沼田市が行ってきた平和宣言等々に関しては当然のことだと思いまするし、また各
団体が毎年行われているいろいろな行動、行為に対しても十二分に配慮をしてきたつもりでござ
いますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇25番(井之川博幸君) 市長としていろいろな議論があるときに、慎重な答弁をしていると
いうふうな理解をいたしますが、それでは、私たちが考えるというよりも、事実としてアメリカ
のアーミテージ報告などでは憲法を変えろと、特に9条を変えろと。今の憲法9条は、さっき言
ったように戦力は持てないし、戦争もできないことになっているのですね、条文上は。しかしそ
れを変えて戦争ができる、軍備も再軍備する、そうしなければ日本が求めているような常任理事
国入りなども実現しないぞというような、一見脅しに見えるようなことも流れてきて、つい2日
前頃には、常任理事国を増やすという決議を日本が出そうとしたら、アメリカは時期早尚でだめ
だというようなことも言っていますし、それはやはりこの9条問題にかかわっているのだと思い
ます。
そういう点で、やはり9条を変えるか、変えないかということは慎重な答弁で答えられないと
思いますけれども、例えば自衛隊の募集事務も、この沼田市もそういう委託をされてやっている
わけで、沼田市民がその窓口から自衛隊員になるということもあるわけですね。そういう日本の
若者たちが、アメリカ軍と一緒に戦争をするようなことができるように憲法を変えようと、9条
を変えようと、もしそういうことであるならば、はっきりとそれはいけないということは皆さん
の目にもするのだと思います。もしそういうことであるならば、市長もはっきりと「いけない」
と、こういうふうに言えるのだと思いますけれども、その点について、この問題で最後にちょっ
とお伺いをしたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 25番議員に申し上げますけれども、国際レベル、国のレベルという
ことになりますと大変難しい問題になりますけれども、もう少し市政に関する方向で発言をして
もらえばありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど議長がお話しになられたように、だいぶ大きな問題でございま
して、非常に答弁には慎重を要するわけでありますが、私ども沼田市の自治体が、生き方として
新年度当初予算に決めた事だとか、それを執行する経過の中で、他の自治体から特別に干渉され
るということはまずあってはならないことだし、また逆に、私どもが第三の自治体に対して干渉
をしたような発言をすることはやはり慎重にしなくてはなりません。必然的に、いまお話しにな
ったような国家の問題についても、私どもの日本国の生き方が、諸外国の方々にいろいろなこと
を言われることは、これはまた全然筋が違うのではないかと思っておりますので、ご理解を賜り
たいと思います。
◇25番(井之川博幸君) はい、ありがとうございました。市長の意思というのは伝わってき
ましたので、次の問題に移りたいと思います。
市営住宅の問題であります。待機者が全体で90人、谷地端で55人、こういうご答弁があり
ました。結局この待機者を解消していくという対策についてお伺いしたのですけれども、最後の
方の答弁は糸口が見いだせないというような答弁であります。これでは待機者の方々に、どうい
うふうにお詫びというか、するのか。その辺の、待機者の方に対する、こういう答弁をしていて
どんなふうにお話しするのか、その辺について市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この市営住宅の待機者の問題についてはですね、その減少面だけをと
らえることが果たしていいのか、どうかということもあると思います。と申しますのは、ご案内
のとおり、私が承知している範囲では、ずいぶん民間のアパート等もここにきて、私が見ている
限りではずいぶんそういう意味では余裕があるのではないかというようなこともございます。そ
ういうようなことから、必然的に民間の方々のところの部分にもやはり目を配りながら考えてい
く必要があるのではないかというようなことを認識をしております。ただ現行、90人からの待
機者がいるということは、大変これはもうこのところ加速度的に待機者、つまり市営住宅希望者
が多くなってきているという実態にもございます。ですから私どもができる現行範囲で何とかこ
れに向けてがんばっていかなければならない。こんな考え方をもっておりますので、ご理解を賜
りたいと思います。
◇25番(井之川博幸君) 待機者の、市民が聞いたらがっかりするような答弁だと思います。
と言いますのは、市営住宅の申込みをしている待機者というのは、市営住宅に入れる、そういう
条件を持っている方なのですね。だから所得の面でも、市営住宅に入れる所得ぐらいしかないわ
けです。谷地端の人気が高いということでありますけれども、谷地端の家賃が2万8,000円
から4万円ですよね。あのグレードで民間でやれば倍以上すると思いますよね、これは。どれを
比べるということではないですけれども、マンション形式であれだけの設備が整っている。です
から、民間の住宅だったらたくさんありますよ。どんどん、どんどんできているからこれはある
のですけれども、そういうところにやはりなかなか入れない、所得の面でいっても入れない。入
っていてももう本当に家賃が大変で、生活が大変と。もう本当に市営住宅に入れる所得水準にあ
るのだから市営住宅に入りたいと、こういう方たちが申込みをしているわけですね。ですからや
はりそこのところをきちんととらえて、市営住宅が必要なのだと。県営住宅でもいいですけれど
もね、公営住宅が必要なのだということで対象の方たちは本当に願っているわけです。谷地端は
本当に順番待ちということになれば、年に1人か2人しか出ていただけないというような状態だ
と思うのですね。私のところに話があったことですけれども、母子家庭で、北小学校に通ってい
ると。北小学校区の中で、どうしても市営住宅に入りたいのだよ、谷地端に入りたいので申し込
んでいるけれども28番目からやっと26番目になったと。1年かかかってね、子供がもう学校
を卒業してしまいますよね、その時間があれば。そういうことで本当に切実な問題だと思うので
すけれども、それに応えるという施策を考える、そういう政策を立てるということは、近々に応
えていくということはできないでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再答弁をさせていただきたいと思います。
非常に市営住宅の待機者が多いということは、大変それは当然市長として胸を痛めているわけ
でございます。ですからして市営住宅の待機者を何とか解消していくということについては、当
然一生懸命とらまえなければならないと思っております。ただいずれにしても、いろいろな現在
の諸状況を見ているとなかなか厳しい状況があるなというような認識をしております。議員がご
指摘しておりますところの民間住宅活用につきましても、公営住宅の整備基準に適合した住宅で
なくてはならない制度上の制約もあるようでございます。ただしかし、先ほど民間の関係の余裕
等のことも申し上げたとおり、そういったことに対するこの部分と、いわゆる公の部分との整合
性は、これから研究していく必要があるのではないか。あるいはまた検討していく必要があるの
ではないかというふうな認識を持っております。ですから、新しく建屋をしっかりと建てるとい
うこともありますけれども、民間のそういった住宅を活用をしていくということも、大変重要な
一つの施策ではないかと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 市長にいま答弁いただいた民間住宅を活用していくということであ
りますけれども、前から何度か質問しているのですけれども一向に進まないのですね。特定優良
賃貸住宅というようなことで、こういう名称の住宅になりますと、いま市営住宅に入っているの
だけれども、所得が上がって市営住宅は出なくてはならないと、そういう人が対象の大体住宅な
のですね。それでもいいのですけれども、実際にそういうことで最初入ったときは同じくらいの
家賃なのだけれども、年数が経つことによってだんだん市の補助が減ってきて民間に家賃になる
というような、それが特定優良賃貸住宅というので言われたわけなのですが、それは住宅マスタ
ープランにあるわけです。
しかし市長がさき言っていた、このことを言っていたのか、今まで市当局が言ったこのことを
言っていたのですけれども、市長がさっき答弁いただいたのは、そういう民間のストックがあっ
たり、そういうものを利用して市営住宅として利用していくという方向で考えているような答弁
だったわけなのですけれども、両方あると思うのですよね。ある程度グレードの高い特定優良賃
貸住宅とそうでないけれども市が、国の補助とかそういうのを期待するのではなくてですね、市
独自としてそういう民間の住宅に入った人に、市営住宅と同じような家賃で利用できるような優
遇措置をとっていくと、そういう方法も考えられると思うのですけれども、市長が先ほど答弁し
たのは、どちらのことを言っているのか確認をさせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、整理して考えなくてはならないと思うのですけれども、1つは、
やはりしっかりと国の補助事業を取り入れて、そしてしっかりとした公的な住宅を建てていくと
いうことが当然ひとつ考えられるわけです。この待機者に対する対応としてですね、もう一方に
おきましては、先ほど申し上げましたように、民間のいわゆるアパート等が非常に余裕があるよ
うであるので、そういった意味では柔軟に公営住宅整備基準に適合した形の中で対応していくよ
うな方法も検討していく必要があるのではないか。このようなことで申し上げてきている経過が
ございますので、ご理解願いたいと思います。
◇25番(井之川博幸君) 市長はそういうふうに答弁していただいて、それはそれでありがた
いのですけれども、それは前から言っているのですよね、ずっと何年も前からそういうことを言
っているのだけれども進まないのですよ、検討すると言っているのだけれども、一向にそういう
住宅が、1軒実現しましたよ、2件実現しましたよ、こうなれば市民にとって、待機者にとって、
「あっ自分の順番がもっと早く回って来るな」、こういうふうに期待ができるわけなのですけれ
ども、一向に進まないということで、本当にやる気があるのかなということなのですよ。民間の
住宅を活用していくというのは、国の方でも推奨しておりますし、そういう上部の方針に逆らっ
ているわけではないので、多いにやるべきだと思うのですよ。具体的に一向に進まないというの
が現実です。
そういう点で、街なかに市営住宅を作ることも街なかの事業が進まなければ進まないのであっ
て、いつになるかわからないというのが現実ですよね。そういう点で、民間住宅を活用していく
というのは、やる気になればすぐにでもできるというふうに思うのですけれども、そういうやる
気になるというような、期待をしてもいい検討なのかどうか、それを確認をしていただきたいと
いうふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 民間住宅の活用については、これは結局、公営住宅の整備基準、ひと
つのベースがあるようでございます。ですからそれに適合しないと、例えばこちら側が一生懸命
踏み込んでいっても、その制約があるようでございます。ですから、その辺のことについては、
できるだけ許認可である上位の部分が柔軟に対応できるようにこちら側も努力しなければなりま
せんけれども、そういった実態があるというようなことだけはひとつご理解をしておいていただ
ければと思っております。
◇25番(井之川博幸君) それはわかっているのですよね、もう何度も聞いておりますから。
だからそういう施策をやっている自治体では、民間の人にこういう基準に合った住宅を作ってく
ださいという、もう事前に話をつけて、その住宅を借り上げると、こういうことをしているわけ
で、そういうことをやるという意思があるか、どうかですね。民間住宅の活用について検討しま
すという答弁は何度もいただいているのですよ。だけど本当にやる気があるなら、基準に沿った
建物を作ってくださいと民間の業者に言って作ってもらって、それは最初から公営住宅の基準に
合っているわけですから、これを借り上げることはできる。こういうことをきちんとやる意思が
あるのか、どうかということなのですよね。それはやる意思があればできるのですよ、検討する
のではなくて。そういうふうにやればいいということでやっているのですから。だからそういう
ことをきちんと進めるという検討なのかどうか、それを確認したいわけです。そのやり方は何度
も聞いて承知しているわけです。こうすればできるということはわかっていて、それをやるため
の検討なのかどうか。今まで検討、検討と、民間住宅が利用できるか、そういう基準があるから
基準に合わせるということが、そういうことができるのかどうか、事前の検討の水準なのですね。
それをやはり一歩前に行っていただいて、もうそういう基準に合わせてやっているところがある
わけですから、そういうふうにやればできるのです。だから、ぜひそういう点で、実現する方向
でやっていただきたいというふうに思うのですけれども、最後にお願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、時代が本当に目まぐるしく変わってきて、私どもが
想像もつかないように少子高齢社会が進んでおります。そういった時代背景から、今までの価値
観だけではどうしても対応しきれない部分もあります。そんなことからどうしても答弁に慎重を
要しているわけでありますけれども、議員の熱意はよくわかりますので、内部で検討させていた
だきたいと存じます。
◇25番(井之川博幸君) 先進の自治体もありまして、どうやればできるというのはもう当局
も知っているわけですから、ぜひ実現の方向で検討していただきたいというふうに思います。
次に行きたいと思います。学校の安全対策についてでありますけれども、教育長に、いちばん
最初に答弁いただくかなと思ったら、残念ながら今日は同僚議員に先を越されてしまいましたが
答弁をいただきました。いろいろな事件についての所感として、どこにでも起きるのだという認
識を持っていただいたということで、こういう田舎の静かな町でありますけれども、不審者の出
没等があって、いつ、どういう事件につながるかわからないということが前段の答弁で確認がで
きたと思います。それで、まず学校内での安全管理の関係でありますけれども、学校で危機管理
マニュアルをそれぞれ持っていると。実際に活動できるようにやっていると。それはそれで結構
であります。また、コミュニケーションとか、刃物の数量とか、使い方等々のそういうことも指
導をしているということもありますけれども、この学校内に不審者と言いますか、入り込んでい
ろいろな事件が起きたということは、大変たくさんあるわけですね。死者が出ないのであまり報
道されないのですけれども、学校内で起きた事件というと、年間、全国では4万件を超えるとこ
ろまで来ているということでありまして、不審者が入ってくる事件は毎年1件以上は出ています
ね、全部言いませんけれども。そういうことで、全国ではそういう外部からの侵入者を規制をす
るというのですか、いろいろな方法をとっているわけですけれども、入って来た人に対する問題
では、さすまた器具の使用方法、そういう使用方法等やっているということでありますけれども、
外来者に声をかける、記名してもらう、名札を付ける、当然なのですが、その外来者に対して、
例えば門のところでインターホンで確認するとか、監視カメラが付いているとか、そういう不審
者の場合には非常の通信方法があるとか、ベルが鳴るとか、そういう器具と言いますかね、そう
いうもので整備されているということは本市の場合はないのですか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
学校によって若干相違はありますけれども、特に揃えてそういうことをやっているということ
はございません。
以上でございます。
◇25番(井之川博幸君) 大変大きな事件が起きた池田市だとか、大阪の方ですね、寝屋川市、
そういうところでは教育委員会挙げてどうしたらいいのかという対応がされていて、そういう器
具等、インターホンとか、監視カメラとか、そういうものをどんどん、どんどん整備をしている
というふうに聞いております。実際にこういう安全対策費として、国から来ている交付税の中に
入っているわけです。沼田市には、たぶん1校当たり33万円というお金しか来ていないと思う
のですね。ですから予算が大変なのでしょうけれども、もう子供の安全には代えられないという
ことで、かなり予算も付けてそういう整備をされているということがあります。そういう監視カ
メラとかインターホン、センサーとか、そういうような外部からの侵入者に対する防止をすると
いう意味でのシステムですね、そういうものを考えていく、これから整備していく、そういうお
考えがあるかどうかお聞きします。
◇教育長(津久井 勲君) お答えします。
外部からの侵入者という点においては、校地の中に侵入するか、校舎内に侵入するかというの
は若干差はありますけれども、一応沼田市の方で力を入れているのは、主として校舎内の部分に
はかなり補強をさせていただいております。例えば先ほどのさすまたは、実力行使の方でありま
すけれども、各学校にほぼ行き渡っておりますし、またその訓練等も実施しております。また、
防犯ブザーについては、主として、校内もありますけれども校外になりますが、これらの配付に
ついてもほぼ全校に配付を済ませており、またその使用等についても、児童、生徒に指導してお
るという状況でございます。
それから特に、各教室等からの学校の頭脳と言いますか、中心であります職員室等についてつ
ながるインターホンの設置、これもほぼ全校に行き渡っている状況にあります。残った2校につ
いては、その学校の実態からインターホン、もしくは防犯ベル、どちらか導入したいけれども、
どちらがいちばん効果的であろうかというようなことをいま検討しているところでございます。
ただ校内、敷地内に入るか、否かにとっては、ご案内のとおり東京の中心地の学校とは違いまし
て、むしろ地域に開かれて、地域の人達が頻繁に出入りするということは、教育上非常に望まし
いことですし、また今の時代ですと地域の人がいつも出入りしている学校は安全であるというこ
とが言えますので、その辺、一律防犯カメラをどうするかということは、今後の検討課題になろ
うとは思いますけれども、とりあえずはまだそこまで考えておりません。
以上です。
◇25番(井之川博幸君) 確かに私ども、市内の学校卒業しているわけですけれども、別に塀
があるわけではなくて、どこでも出入り自由な学校で育ってきているわけで、今でもみなそうな
のですよね。都会の学校と違って、事情が違うと思うのですけれども、先ほど教育長が最初にご
答弁されたように、田舎だからってこういう事件が起きないということは保証がないわけですね。
そういう点では、先進地で、先進地というとおかしいのですけれども、大きな被害に遭ったとこ
ろは真剣にそういう問題をとらえて研究しているわけで、そういうような情報も取り入れていた
だいて、どういう方法をとれば本当に外部侵入者から安全が守ることができるかと。この地方の
学校でですね、その辺のこともぜひ検討していただきたいと思うわけですけれども、その点では
どうでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
ご指摘のとおりだというふうに考えております。そういう先進と言いますか、被害に遭った、
また近隣の学校で被害に遭ったのをつぶさに見ているとか、そういう地域はどうしても意識が高
まってきますし、具体的な方策等も考えられているということがあるわけでございます。そうい
う情報を集めて、被害のない我が沼田市の学校、これに導入していくというのは、もう当然のこ
とでありますし、とりわけその中で、お金のかからない知恵を生かした防御法も大変あると思い
ます。そういうことはすぐできますのでそれと、それから、そういうことを専門にしている機関、
例えば警察署などはその典型でありますけれども、そういう関係の署や機関等の情報をいただい
たり、またはご指導いただきながらいくということも議員ご指摘の方向ではないかと思いますの
で、従前も進めておりましたけれども、今後一層そういう情報やまた助言をいただく中で、沼田
市の学校の子供たちの安全のために対応してまいりたい、このように考えております。
以上です。
◇25番(井之川博幸君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。
各学校で、学校に対応した危機管理マニュアルを持っているという話がありましたけれども、
寝屋川市で17歳の少年が侵入して3人の教職員が殺傷された事件ではですね、その学校にも危
機管理マニュアルがあったのですね。刺されてしまった先生も危機管理マニュアルどおり対応し
たのだけれども、どこが違ったかというと、その日はいろいろな課外授業だとか、校長だとか、
教頭が、会議があってとか、もう学校に本当に先生が少なかったのだそうですよ、そのときは。
いつもの先生がいっぱいいるのではなくて、本当に2人とか3人しかその現場にいなかったと。
実際に刺された人は最初は一人で対応する以外になかったというような状態でありました。だか
ら危機管理マニュアルを持っていても、何かそういう対応ができないような状況が客観的にでき
てしまうような場合がここにあるわけですね。このとき例えば変な話ですけれども、17歳の少
年に対して3人か4人の先生が対応できた状況があれば、こんな事件は起きなかったかなという
ふうに誰もが思っているらしいのですが、たまたまそういうときにそんな事件が起きた。だから
そういう空白みたいな状況をやはり作らないことも大切なのかなあという感じもいたします。管
理マニュアルがあっても、マニュアルを実践できるような先生の数が、もうそのところにいない
というようなこともあり得るわけですから、そういう管理マニュアルをどう生かしていくかとい
う訓練と言いますか、そういう論議をするのだと思いますけれども、そういう実態もあったとい
うようなことで、ぜひ危機管理マニュアルだけがあればいいというのではなくて、それをどう活
用するかというところが、実際に活用できるかどうかというところまで踏み込むのが大切だなと
いうふうに、その事件から教訓が受け取れるのではないかというふうに思います。ぜひそういう
ことも頭に置いておいていただきたいという思いです。
あと、登下校時、外出時、家庭の問題ということで、いま登下校時の問題で、いろいろ地域の
協力をいただいているというお話しをしていただきました。私の方には、PTA3校という話が
あったのですけれども、もう少し保護者の方々、PTAが力を発揮していただいてもいいのでは
ないかという感じがするのですけれども。その辺に対する教育委員会からのお願いというのは、
3校でやっているというのですけれども、もうそれ以上可能性がないという感じなのですか。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時02分休憩
─────────────────────────────
午後2時10分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
PTAの活動等もっと力を入れていただいたらどうかということでありますけれども、先ほど
の答弁申し上げたPTAの活動については、これは校内に入って授業中のパトロールをしている
学校がこれだけの学校ということでありますから、その他パトロールやステッカー、ステッカー
を貼った車でのパトロールと言いますか、業務を兼ねてのパトロールという方もいらっしゃると
思いますけれども、これらを含めていまPTAは非常に前向きに取り組んでいただいております。
また、PTAであり、地域住民でもあるわけですから、そういう立場から、さらには他の青少年
の健全育成の関係の指導者等々としていろいろな形で協力していただいているというのが現状で
あります。しかしながら、こういうことは、先ほど申し上げたとおり、これで十分ということは
ありませんので、各市民の皆さんのご理解を得ながら、また一層の啓発を図りながら、PTAを
中心として、また地域住民を中心として、子供たちの安全のために行動を起こしていただければ
ありがたいなと思います。
ちなみに現在まで、先ほどの沼田市北小学校区の皆さんとか、また、西原新町の皆さんとか、
白沢町、その他の町や地区の皆さんとか、非常に自主的に取り組んでいただいております。行政
では、もう到底できないところを、市民が立ち上がったということに対して一言申し上げれば、
この場をお借りして本当にお礼を申し上げたい、そういう思いでおります。私たちも行政の立場
から、ガッチリスクラムを組んで市民の皆さんと子供たちの安全のために行動を起こしていきた
いというふうに考えております。
以上です。
◇25番(井之川博幸君) ありがとうございました。最後になりますが、いま教育長から答弁
をいただいた関係でありまして、全国ではいろいろ検討して、そういうボランティア等々に登録
していただくと、市から指定のジャンパー、腕章、ホイッスル、パトロール中のプレート、それ
を支給している市もあるわけですね。北小の関係などでは、私どももそういうパトロールを立ち
上げる中に入っていたのですけれども、本当に自主的にたまたま始めたわけなのですよ。それが
ああいう事件が報道されたので、学校のことも考えなくてはとなったわけで、今のところ本当に
自主的にそういう運動をしているというところが協力している段階だと思うのですね。でもやは
り本当に子供の安全を守っていくというのは、全市民のもうこれは役割でありますし、全市的に
大きなそういう運動が起きれば、やはり事件が起きない安全な町と言いますか、安全な沼田市に
なると思うのです。
そういう点で、全部教育委員会がやれというのではありませんけれども、そういう指導性を発
揮していただいて、市当局もそういう部署もあるわけですから、連携もとっていただいて、PT
A、それから地域住民、本当に子供たちを守ろうという一大運動と言いますか、そういう市民は
当然ボランティアですけれども、ボランティアを実施するのに必要な道具みたいなのは、市のそ
ういうことを支給する担当もありまして、今のところ腕章あたりが支給されているのですけれど
も、多いにそういうものも利用できるような一大運動というのですかね、そういうふうになれば
子供たちにとっても安全かなと思いますので、ぜひ市教育委員会にもそういうイニシアティブを
ぜひとっていただきたいと。住民は、市民はそれに応えてがんばるということになればいいなと
思いますので、イニシアティブをとってがんばっていただくということで、最後にその辺の決意
をお伺いして終わりにしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
非常に前向きで、示唆に富むご助言をいただきました。今後とも諸団体、市民の皆さんと連携
をして、子供たちの安全のために一生懸命がんばっていきたいと思いますので、今後ともご指導
のほどお願い申し上げます。
以上です。
◇議長(星野佐善太君) 次に、宇敷和也議員。33番。
〔33番 宇敷和也君登壇〕
◇33番(宇敷和也君) 通告に従いまして一般質問を行います。
今回、私が質問をしますのは、はじめに、自主自立をめざした地域内分権のまちづくりより、
地域内分権システムの構築と推進について。
1つは、合併後の振興局の運営状況について。2つ目は、振興局と教育支所のつながりについ
て。3つ目として、今後の地域内分権施策について伺います。
また、温泉事業の運営については、温泉事業の管理・運営について。今後の運営の新施策につ
いて。また、併設する道の駅、農産物直売所との関係について伺います。
合併後、はや4カ月を迎えようとしております。事務事業も市長をはじめ各職員のお骨折りに
より、順調に機能していることと認識しております。
さて、新沼田市の基本理念であるところの自主自立をめざした地域内分権型のまちづくりにつ
いてでありますが、これは全国に先駆けたものであり、また県内の合併を控えた市町村からも注
目されている方策であると認識しております。事務事業も数カ月を経過し、各振興局の住民サー
ビスの状況もある程度落ち着いてきたことと推察いたします。
合併時に想定していた振興局の位置づけ、住民生活に直結したサービスまた、住民自治支援等
々、4カ月経った現在、滞ったところはないかお伺いしたいと思います。
次に、振興局と教育支所との関係について伺います。
振興局と教育委員会の出先である教育支所とは、組織的に違うものであるということは理解を
するところでありますが、合併前、旧白沢村の場合には、行政関係、それから教育委員会関係が
密に連携を取り合い、住民サービスに取り組んでまいりました。このことを考えますと、現状で
は、振興局と教育支所の横のつながりが極めて希薄になっているように感じられます。住民にと
っては行政部門も、教育部門も同じ「役所」というとらえ方でありますので、特性を生かした地
域づくり、また住民との協働によるまちづくりの推進等の見地からも、改善の余地があるのでは
ないかと考えます。現状と今後の地域内分権施策についてご質問いたします。
次に、温泉事業特別会計では、合併に伴い白沢町の「望郷の湯」、利根町の「しゃくなげの湯」
2つの公営浴場を管理することとなりました。新沼田市の観光振興並びに住民福祉の向上、また
隣接する道の駅や農産物直売所では、観光農業の振興と今後多いに市民の利活用を図るべく、ご
検討をされていることと思います。旧白沢村のときには、望郷の湯等運営委員会を設置し、めま
ぐるしく変わる観光事業に迅速に対応するため、事業の状況及びレストランメニューに至るまで
検討してきた経緯がございます。今後の市の運営方針及び推進施策、また併設する道の駅や直売
所との連携施策などについてご質問いたします。
以上、最初の質問を終わります。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの宇敷議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、自主自立をめざした地域内分権のまちづくりについて、地域内分権システムの構築と推
進について、合併後の振興局運営状況についてでありますが、合併協議会の調整方針に基づき、
事務組織は住民にとってわかりやすく、利用しやすくするとともに、住民生活に支障を来すこと
のないように配慮した組織機構としました。これにより本庁に内部管理業務が集約され、振興局
の職員が本庁に異動となりましたが、平成16年度の残事業の処理事務などもあることから、綿
密に連携して対応に努めているところであります。
また、振興局においては、本庁と組織機構体制に相違があることから、事務を執行する上で、
調整しなければならない面はあると思われますが、住民生活に直結したサービスや住民自治支援
については、合併協議会の調整方針に基づき実施しているところであります。
地域内分権システムとして位置付けられた振興局が十二分にその機能を発揮し、個性豊かな地
域づくりの発展のために活かされるよう今後も調整を進め、トータルバランスのとれた行政運営
に努めてまいりたいと考えております。
次に、振興局と教育支所のつながりについてでありますが、合併に伴い地域内分権化に向けた
取り組みとして、市長部局には白沢町と利根町に振興局を設置し、教育委員会部局においては、
それぞれに教育支所を設け、新たな組織機構を立ち上げスタートしたところであります。
地方行政においては、首長の権限と教育委員会が所管する機能の区分が明確であり、本市の行
政組織においても、同様のものとなっております。
現行の組織機構において、振興局と教育支所それぞれの間で、綿密な連絡や連携、協調を図る
ことにより、住民の要望に応えていかなければならないものであると認識しておりますので、十
分に配慮をしながら、組織機構の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後の地域内分権施策についてでありますが、議員ご案内のとおり、合併協議によりま
して、沼田市、白沢村及び利根村が合併後に新市を建設していくための基本方針を定め、その実
現を図ることにより3市村の速やかな一体化を推進し、地域の均衡ある発展と住民福祉の向上を
図ることを目的といたしました新市建設計画が策定されたところであります。
ご質問の、今後の地域内分権施策についてでありますが、合併協議により策定されました新市
建設計画における新市の基本理念の一つは、「自主自立をめざした地域内分権型のまち」であり、
それぞれの地域が、特性を活かした地域振興が図られるよう、地域ごとの多様性を尊重した地域
内分権型の都市を創造するものでありますので、地域内分権施策につきましては、今後、各般に
わたってご指導をいただきながら検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、温泉事業特別会計について、温泉事業の運営について、温泉事業の管理運営についてで
ありますが、ご案内のとおり、白沢町「望郷の湯」では、本年3月に累計入館者300万人を突破
し、利根町「しゃくなげの湯」においても年間20万人を超える入館者があり、本市の観光振興、
市民の健康増進及び福祉の向上に大きな役割を果たしているところですが、引き続き内容の充実
を図りながら、効率的な管理を行い、特別会計としての健全な財政運営に努めていきたいと考え
ております。
次に、今後の運営の推進施策についてでありますが、利用者のニーズや観光動向を的確に把握
し、絶えずサービスの向上に努め、施設運営に反映させていくことが肝要であると考えておりま
すので、今までの経過を踏まえ、学識経験者や利用者の代表などからなる温泉休養施設運営委員
会を設置し、幅広い視点からのご意見を伺いながら、充実した施設運営を行えるよう、新たな施
策を研究してまいりたいと思っております。
次に、併設する道の駅、農産物直売所との関係についてでありますが、ご案内のとおり、望郷
の湯と隣接する白沢地域特産物展示即売施設、これらを包含する公園を含めて「道の駅」の指定を
受けており、しゃくなげの湯においても利根南部総合交流促進施設が併設されており、それぞれ
の施設が一体となって観光客の多様なニーズに応え、集客の面でも相乗効果をもたらしていると
ころでありますが、農林産物をはじめとする地域特産物の紹介や販売は、地域の活力を高めて行
くうえで重要な施策であると認識しておりますので、引き続き相互の連携について研究し、利用
者の増加につながるよう、効果的な運営に努めていきたいと考えております。
以上申し上げまして、宇敷議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇33番(宇敷和也君) ありがとうございました。振興局が十二分に機能し、個性豊かな地域
づくりのために今後も調整を進めるというご答弁をいただきました。今後、調整を進めるという
ことなのですけれども、この調整という意味は、今後、いろいろな不都合な点が出てきた場合に
修正、改善をしていくという、そういうふうにとらえてよろしいでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 宇敷議員の再質問にお答えをしたいと思います。
なお今日、午前中、同僚議員から同様な質問もなされたわけでございますけれども、午前中の
答弁と類似をしてくるかもしれませんけれども、やはり基本的には、この沼田市、利根郡白沢村
及び同郡利根村の配置分合に伴う地域自治区及び地域自治区の区長の設置に関する協議書、これ
が大きな合併の経過から重要なものになってまいります。そういった中で、これから総合計画も
作ります。午前中お話ししたとおり、毎週月曜日に私どもと両振興局長をはじめといたしまして
幹部の方々と調整も進めております。ですから当然、その施策を展開していくうえで不都合な点
が出てくれば、当然それは調整の対象になっていくというふうに認識をしております。ただ、や
はりこの場はスタートしたばかりでございますので、基本的にはお互いの立場を理解し合いなが
ら、そして総合的にお互いが譲り合うところは譲って、そして申し上げるところはしっかり申し
上げて、そして遺憾なきよう調整を図ってまいりたいというふうに考えております。
◇33番(宇敷和也君) 確かにまだ本当にスタートしたばかりでありますので、これからいろ
いろな問題点が出てくると思います。ぜひ市長、あるいは振興局長との話し合いを密にしていた
だいて、より良い方向に進んでいけるようお願いしたいと思います。
修正、改善という見地から、振興局の職員の配置ということも少し気になったので質問させて
いただきます。ご存じのように振興局には置いてある課が非常に少ないわけであります。少ない
課の中で、職員は非常に多岐にわたって仕事をこなしているのが現状であります。また最近、市
民の流れの一つとしてこんなことがあります。白沢振興局の窓口業務なのですけれども、旧沼田
市の東部の方に住まいの人、この人が白沢の振興局の窓口に来てくれるとか、あるいは利根町の
人達が白沢の振興局を利用してくれると。非常にそういう人達が増えているということを聞いた
ときに、この職員の配置というのも、やはり現状に沿った形で改善をしていくことが必要ではな
いかと思いますけれどもどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員の再質問にお答えをしたいと思います。
まさに白沢振興局に沼田東部の方々が窓口業務に出かけたり、あるいはまた利根町の方々が、
白沢の振興局に窓口業務に出かけたりするといった現象がある。これがまさに合併をした一つの
大きな、新しい動きだと認識をしております。そういった中で、当然、受付業務等々においては、
1年が経過すればその頻度というのが十二分につかめてくるわけでございます。そういうような
ことから、それぞれの実態に合ったそういう対応を、人事配置については考えていかなくてはな
らないと認識をしております。ご承知のとおり今年は、スタートしてまだ間もなく、しかも新年
度も4月、5月が終わって6月の半ばに入ってきた矢先でもございます。そういった意味から、
いま早々にこれだというような、いわゆる方法を手を打つというわけにはまいりませんけれども、
当然、議員がご指摘のようなことについてはいわゆる十二分に把握して、そして今後の対応には、
当然処することとしていかなければならないというふうな認識を持っております。
◇33番(宇敷和也君) いま私が発言した関係も含めて、改善する、そういう姿勢で取り組ん
でいただけるというふうに理解をいたしました。
次に、振興局と教育支所との関係ですが、組織の機構は違うけれども、連携、協調を図ってい
かなければならないという市長の答弁をいただきました。確かに今までの小さな村の、特に住民
が多く参加する、具体的に言えば運動会であるとか、文化祭であるとか、そういった行事という
のは、もう村職員、教育委員会職員、一体となってやってきたのが現実でありますので、住民の
ことを考えるとそういった協調、連携を図っていく、そういう方向でお願いしたいと思います。
そして、この辺のいわゆる判断をするのが振興局長の権限の中というふうに考えてもよろしいで
しょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 振興局長はご案内のとおり、その地区の行政体のいろいろな意味のリ
ーダーシップをとっていってもらわなければなりません。例えば仮に運動会のお話しがあったと
いたします。先ほど、午前中申し上げましたように、「月曜日等に、今度こういう運動会がある
よ」という報告も当然あると思います。当然、教育長もそういう会議には出る場合もございます。
ですので、振興局長の方からお話しがあった運動会等々の関係について、当然それを、教育長も
そのお話しを承るというようなことになります。従いまして、そういうようなところでもって、
いろいろと地域の実情に合った対応をしていくというようなことは十二分に可能であると思って
おりますので、当然そういったときには振興局長にリーダーシップをとってもらわなければなら
ない。こんなふうな認識をしております。
◇33番(宇敷和也君) 確かに当然のことだと思いますけれども、市長、それから振興局長、
教育長、交えた形で話をしていただいて、参加する村民には、その辺の経緯は今までと変わらな
いのだなというようなことを感じさせるような地域分権と言いますか、今までの伝統的な行事が
すんなりと行えるような、そういう綿密な打ち合わせと言いますか、そういうのをお願いしたい
と思います。
次に、温泉事業の関係でございますけれども、先ほどのご答弁の中に、協議会を作る計画があ
るというご返答をいただきました。2つの施設ともに開場以来、非常に入館者数も順調に推移し
ている施設だというふうに思います。他の施設に比べて非常に成績がいいというふうに自負をし
ております。これからもそういった今の人気を持続していくために、また、これ以上伸ばしてい
くためには、ぜひともそういう協議会的なチェック機関というのが必要であるというふうに考え
ております。その協議会の構成メンバーだとか、人数だとか、もし案としてできていましたらお
聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まずもってこの「望郷の湯」、「しゃくなげの湯」の、いわゆる隆盛
を極めていることにつきまして、先人の、歴代の白沢、利根の関係者の方々に敬意を表しておき
たいと思っております。なお、今日に至っても、私どもも前橋の方に出向きますると、大変それ
ぞれの施設が評判が良くて、本当に白沢、利根の関係する方々に対しまして、頭の下がる思いで
ございます。
いまお話しの、運営委員会の関係については、もう速やかに立ち上げていかなくてはならない
と思っておりますが、これらにつきましては、委員は20名以内となっておりまして、学識経験
者を中心にいたしまして、任期は2年となっております。これは沼田市温泉休養施設の設置及び
管理に関する条例施行規則の第8条に明確に記載をされておりますので、ご理解を賜りたいと思
っております。
◇33番(宇敷和也君) 早いところその協議会を立ち上げて、スムーズな運営をお願いしたい
と思います。
振興局の関係、それから温泉の事業の関係について質問をさせていただきましたけれども、こ
の振興局については、本当に初めてのことですので、これからもいろいろ問題が出てくると思い
ますけれども、先ほど来お願いをしている市長と振興局長と、綿密な意見交換をしていただいて、
より良い方向性を出していただければと思います。
また、温泉事業についても、かなり順調にきているので、これからも大事に育てていくような
施策をお願いをいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
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第2 延 会
◇議長(星野佐善太君) おはかりいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君) ご異議なしと認めます。
よって、本日はこれにて延会することに決しました。
本日は、これにて延会いたします。
次の会議は、明10日午前10時に開きますからご参集願います。
本日は大変ご苦労さまでした。
午後2時40分延会
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