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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成17年第6回定例会 議事日程第2号

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沼田市議会平成17年第6回定例会会議録
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議事日程 第2号
平成17年9月9日(金曜日)午前10時
第 1 一般質問
─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
─────────────────────────────
出席議員(45人)
       1番  小野 広樹君      2番  南 美喜雄君
       3番  小林 克郎君      4番  角田  博君
       5番  中村 光孝君      6番  小野 要二君
       7番  小林  猛君      8番  繻エ冨士夫君
       9番  真下 恭嗣君     10番  布施辰二郎君
      11番  角田 泰夫君     12番  高柳 勝巳君
      13番  久保 健二君     14番  星野  稔君
      15番  鈴木 圭子君     16番  金子 一弥君
      17番  金子 千明君     18番  長谷川信次君
      19番  宮田 和夫君     20番  小林 玉男君
      21番  小野 正純君     22番  大島 崇行君
      23番  山ア 義朗君     24番  大竹 政雄君
      25番  井之川博幸君     26番  大東 宣之君
      27番  片野 彦一君     28番  星川嘉一郎君
      29番  金井 康夫君     30番  井上 正文君
      31番  小尾 孝男君     32番  相田 昌夫君
      33番  宇敷 和也君     34番  小林 次夫君
      35番  橋 襄典君     36番  牧野 保好君
      37番  石田 宇平君     39番  井上健太郎君
      40番  田村 博美君     41番  井田 孝一君
      42番  小林 照夫君     43番  星野佐善太君
      44番  郷原 重雄君     45番  横坂 泰次君
      46番  井上 幾雄君
欠席議員(1人)
      38番  松井 敏員君
          ──────────────────────────────   
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     丸岡 祐一君
  白沢町振興局長  根岸 恒雄君      利根町振興局長  星野 健一君
  収 入 役     林  義夫君      市長公室長    田村 澄夫君
  総務部長     村山 博明君      民生部長     田島  護君
  経済部長     大嶋 政美君      建設部長     松井完一郎君
  街なか対策部長  見城 厚男君      白沢町振興局次長 中村 弘志君
  利根町振興局次長 中澤 和義君      総務課長     村沢 博行君
  教 育 長     津久井 勲君      教育部長     増田 幸男君
  庶務課長     水田  修君      監査委員事務局長 原  明弘君
          ──────────────────────────────   
議会事務局出席者
  事務局長     茂木  愛       次長兼庶務係長  下  宏一
  議事係長     茂木 敏昭       主  任     地野 裕一
          ──────────────◇──────────────
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
          ──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、星野稔議員。14番。
〔14番 星野稔君登壇〕
◇14番(星野稔君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 私は、持続可能な財政運営について、観光政策について、水と緑の大地・田園空間都市具現
化に向けた水ビジョンについて、以上3点についてお伺いいたします。
 はじめに、持続可能な財政運営について、歳入の見通しについてお伺いいたします。
 ここ数年来、本格化してまいりました「構造改革・行財政改革」の波は、市町村合併という
形で全国の市町村を飲み込んでまいりました。合併協議を通して全国的に言えることは、昭和
の大合併以後つちかってきた近隣市町村との協力関係や友好関係が、利害の衝突や主導権争い
といったことから「ひずみ」を生んだのも事実であり、合併協議の難しさを痛感させられると
き、本年2月13日、沼田市、白沢村、利根村の合併により、新沼田市がスタートを切れまし
たことは、合併協議に携わった総ての皆さんと、深い理解をいただいた市民各位に対しまして、
衷心より敬意と感謝を申し上げるものでございます。
 利根沼田の動向を見ますと、本年10月1日に利根西部3町村の合併により「みなかみ町」
が誕生し、片品村、川場村、昭和村は、自主自立の道を選択いたしました。沼田市が一貫して
主張してまいりました「利根沼田は一つ、今回の合併はその一里塚」であるという主張により、
利根沼田のひずみは最低限度に抑えられたと私は認識をするものであります。
 地方自治体を取り巻く今後の流れとして、国においては平成16年3月1日に発足した「2
8次地方制度調査会」において「道州制・大都市のあり方」等の審議がすでに始まっており、
今般行われております衆議院総選挙を契機として「構造改革・地方分権」のスピードは更に加
速していくものと思われます。
 国・地方の借金は1,000兆円を突破し、国民一人当たり800万円を超える危機的な財
政状況となっており、「負担は低く、サービスは高く」が合併の理想かもしれませんが、市長
を先頭とする当局並びに議会は、歴史的転換点である今、国民としての責任と市民の負託に応
えるべく、持続可能な行政の姿を市民に示す時がやってまいりました。
 現在、三位一体改革が進行する中、平成17年度国家予算で、地方交付税は前年度並の総額
16兆9,000億円が確保されましたが、財務省の見解は、地方財政の合理化は不十分とい
うものであり、谷垣財務大臣は昨年、地方交付税を将来8兆円まで削減する必要があるという
発言までされてまいりました。財政基盤の弱い本市におきましても、合併による財政支援が受
けられる10年間にいかにして行財政の合理化・スリム化を図るかが最大の課題となってまい
りました。
 国における改革の動向等、不確定な面はありますが、歳入における地方交付税と補助金の見
通しについて、市長にお伺いいたします。
 次に、地域再生計画認定のメリットについてお伺いいたします。
 地域再生計画は本年4月、地域再生法施行による省庁の壁を超えて一本化した3種類のテー
マ、道整備交付金、汚水処理施設整備交付金、港整備交付金を内閣府に一括計上する三位一体
改革の流れに沿ったものであると認識をしております。財源確保が大変な中、当局の積極的な
取り組みを評価をするものでありますが、認定による本市における事業への取り組みと交付金
を踏まえたメリットについて市長にお伺いいたします。
 次に、歳出の削減について、合併後10年間の職員削減見通しについてお伺いいたします。
 合併問題に揺れたここ数年間、市民の間で一番の話題となったのが議会議員と職員の削減で
あったと思われます。議会議員においては沼田市の任期までの在任特例を採用し、46名の議
会としてスタートを切りました。県下各地で合併協議が決裂する中、前述の厳しい諸情勢を見
極め、1市2村の合併協議に真摯な姿勢を貫かれた2村関係者には頭の下がる思いがございま
した。私は、合併問題について、市民に説明するに当たり、国からの財政支援が受けられる1
0年間を一つのスパンとして考えてほしいこと。利根沼田地区の合併において2村の真摯な姿
勢と決断は大きな評価となること。議員定数問題では、市民より利根沼田全体でも30人が法
定数なら、思い切った定数削減を行い選挙をすべきという意見に対して、2年間の在任期間中
に市内全域から選出された議員により、市内全域の意見を吸い上げて今後の沼田市のあるべき
姿勢を見据え、市民のための議論を尽くす、と説明し理解を得てまいりましたが、市民が市議
会を注視していることを考えますと身の引き締まる思いがございます。本年3月議会において、
次回市議会議員選挙より定数27名での実施を議決してまいりました。
 職員削減につきましては、10年間で70名の削減を市民に示してまいりました。職員を減
らすということは、仕事を減らすという危惧もされておりますが、多様化する市民要望・仕事
をこなしつつの削減が必要不可欠であります。しかし70名の削減目標を掲げた以上、それ以
上の削減でなければ市民の理解は得られないものと考えますが、その見通しについて、市長の
見解をお伺いするものでございます。
 次に、補助金見直しの基本的な考え方についてお伺いいたします。
 三位一体改革等の推進により、国からの補助金の減額が進む中、地方自治体にあっては歳出
における補助金の見直しは避けて通れない問題となっております。本市においての補助金見直
しの基本的な考え方について市長にお伺いいたします。
 次に、原材料支給に見る市民との協働のあり方についてお伺いいたします。
 市長は、平成16年12月議会一般質問において同僚議員の「市民参加とまちづくり」の質
問に、「行政が何をしてくれるのか、から市民のために何が出来るかの協働型社会へ」「行政
情報の公開につとめ市民とのパートナーシップを築いていきたい」「市民の参加がないと社会・
行政が回っていかない時代になってきた」等の答弁をされました。厳しい財政事情を考えます
と、我が国の自治体のあるべき姿を表した言葉であると言えます。
 市民参加を実践・形にしていくうえで、わかりやすい事業として原材料支給があげられます。
区長さんより要望のあった道路改修工事等を全て行政で対応出来る時代は終わりました。市民
要望に応えられないということは、当局においても、議会においても大変つらいことではあり
ますが、乗り越えていかなければならない現実であります。原材料を行政が支給し、市民の力
で完成させる形を定着させるために、行政としてどのようにして「市民への情報提供と啓発に
取り組まれるのか」協働のあり方について市長の見解をお伺いいたします。
 次に、観光政策について、市民が周遊する市内地域内観光の推進についてお伺いいたします。
 地方分権の進む現在、都市間競争の時代がやってきたと言われております。観光政策におい
ても、全国の自治体が生き残りをかけ、地域の独自性を出した取り組みが展開されてまいりま
した。わが郷土、利根沼田地区には年間1,000万人を超す観光客が訪れておりますことは、
首都圏から日帰りが可能な地の利と豊富な自然資源、関係者の取り組みが評価を受ける果樹栽
培等が原動力となってまいりました。しかし、これから本格化する都市間競争を考えますと、
一抹の不安を抱いているのも事実であります。都市間競争に備える上で大変勇気づけられ、参
考になったお話しがありました。それは、平成15年10月、岐阜県高山市で開催されました
「全国都市問題会議」の基調講演をいただいた、静岡文化芸術大学学長 木村尚三郎先生の講
演でありました。観光振興の基本的な考え方として、人が地球規模で動く時代が来た、旅人も
住民と同じものを感じたい、緑と花・自然環境のバランス、山間部の景観・坂道を上がる楽し
さ、その土地の伝説、地域の特性を生かした食文化を大切にする、そして最後に、旅人はその
土地で生きる人の誇りを感じたい。以上を挙げられた内容は、お金を投資する観光政策ではな
く、郷土が歩んできた歴史、文化、環境を市民が認識することから始まるもので、観光政策の
指針として強い感銘を受けました。観光客誘致は、当然の取り組みとして、広大な面積を有す
る本市において、市民がお互いの地域を理解・尊重し、自分の地域にないものを求めて動いた
とき、観光のみならず、まちづくりの展望も見えてくるものと感じられてなりません。市内地
域内観光推進の意義について、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、観光政策における郷土史、郷土文化の活用についてお伺いいたします。
 前述の市内地域内観光の推進を図るうえで不可欠なものが、それぞれの地域の郷土史・郷土
文化であると言えます。すでに本市には、沼田市史、白沢村史、利根村史とそれぞれの地域の
歴史・文化を見事にまとめた文献があり、その活用こそ必要と考えるものでありますが、郷土
史、郷土文化再認識の意義について、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、市民への啓発を図る地域ガイドブックの作成についてお伺いいたします。
 新市がスタートを切り、7ケ月が経過いたしました。過日、ご婦人のグループと懇談の機会
があり拝聴いたしますと、グループは週に2回ほど白沢町、利根町を散策して温泉に入るのが
楽しみだ、新聞に片品村花咲の桜が紹介されれば足を伸ばす、食べ頃の果実が出来れば食べに
行く、実に利根沼田の楽しみ方を知っていると感心いたしました。しかし、観光、まちづくり
の基本である、住む人が楽しくない所に外から人は来ないということを考えますと、お互いが
理解、尊重を深めていくには情報不足であると言えます。
 地域の歴史、伝説、お祭り、伝統文化、食文化、農産物情報、自然景観、名物の樹木、きれ
いな草花等を紹介する地域ガイドブックを作成し、市内全世帯に配布することにより、経費以
上の効果と沼田市の財産となると考えるものであります。市民への啓発を図る地域ガイドブッ
クの作成について、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、広域町村との連携の必要性についてお伺いいたします。
 郷土史、郷土文化を取り入れた観光施策を展開するうえで、市町村単位での取り組みには限
界があります。沼田藩の歴史をたどってもわかるように、歴史には、現在の市町村の枠組みで
は語り尽くせないロマンが潜んでおります。市内地域内観光を、利根沼田広域内観光へとスケ
ールアップしていくことこそ、共存、共栄の道であると考えるものであります。広域町村との
連携の必要性について広域圏理事長である市長の見解をお伺いいたします。
 次に、観光パンフレット、ホームページへの郷土史、郷土文化の掲載についてお伺いいたし
ます。
 前述してまいりました郷土史・郷土文化の活用について、情報発信として観光パンフレット、
ホームページへの掲載について、どのような見解でおられるか市長にお伺いいたします。
 次に、「水と緑の大地・田園空間都市」具現化に向けた水ビジョンについて、沼田市の水ビ
ジョンについてお伺いいたします。
 利根沼田1市2町6村が参加した任意合併協議会において全首長が同じ見解を持たれた、利
根沼田の最大の財産は水である、というお話を伺いました。私は、議員活動において、沼田市
の再生、まちづくりについて市民の意見を拝聴する中で、いちばん多い意見が、水を活用した
まちづくりでありました。それは、箱もので観光客が来る時代ではなく、箱もので市民が誇り
を持てるものではないということと併せて、市民の意識が環境へと流れていることを示すもの
であると感じられてなりません。過去2回の一般質問において、水の活用についての質問を行
ってまいりましたが、考えれば考えるほどに、調べれば、調べるほどに難しい問題であること
を痛感させられたと同時に、水を活用したまちづくりへの夢はあっても、実現は見えてこない
という、近くにあって手が届かないもの、それが水の存在であると痛感いたしました。
 市長就任以来、沼田市の水に対する利点と問題点を踏まえ、市長がイメージする水ビジョン
について、市長の率直な見解をお伺いするものでございます。
 最後に、まちづくりへの農業用水活用の可能性についてお伺いいたします。
 この質問でのまちづくりとは、街なか再開発のみを指したものではなく、市内全域のまちづ
くりについての質問でありますので、よろしくお願い申し上げます。
「水と緑の大地・田園空間都市」の具現化を考えるとき、半分は歴史と文化が感じられる市街
地と、半分は豊富な農業用水に支えられた田園風景とにイメージができます。過日、川場用水
を沼田東中学校から取り入れ口まで歩く機会がありました。胸を打たれたのは白沢町古語父地
区から川場村取り入れ口に至るまで、水の流れそのものが環境用水としての役割を果たし、農
村風景に溶け込んだ姿に「水と緑の大地・田園空間都市」とイメージが重なった感がありまし
た。
 沼田市においても、農業用水としての使用目的はそのままにしながらも、農村景観を含めた
農村地域のまちづくりや、市街地においてもまちづくりに活用可能な場所については、部分的
にでも見せる農業用水の活用は必要と考えるものであります。まちづくりへの農業用水活用の
可能性について、市長の見解をお伺いして、私の1回目の質問とさせていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの星野議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、持続可能な財政運営について、歳入の見通しについて、地方交付税と補助金の見通し
についてでありますが、現在、国におきましては、国庫補助負担金、地方への税源移譲及び地
方交付税の一体的な見直し・改革を内容とする三位一体の改革が進められており、現在も議論
されているところであります。
 三位一体の改革の目的は、地方分権の推進と国・地方を通じた財政健全化の推進にあるわけ
ですが、議員ご案内のとおり、現在の極めて逼迫した国・地方の財政状況を勘案したとき、こ
の改革が地方自治体にとって更に痛みを伴うものであることを覚悟しなければならないと考え
ております。
 さきに決定された平成17年度の本市の普通交付税決定額につきましては、59億6,90
1万1,000円、前年度対比2.1パーセントの増であり、地方財政計画の伸び率0.1パ
ーセントを2パーセント上回っているわけでありますが、これは旧白沢村及び旧利根村では取
り扱っていなかった生活保護に係る経費が合併によって約1億2,000万円が新たに交付税
に算入されたこと、及び約9,400万円の合併補正の加算などの要素によるものと考えられ
ます。しかしながら、毎年巨額の借入金によって赤字を補填し、交付税総額をかろうじて確保
している現状の中で、三位一体改革における交付税改革の方向性は、あくまでも財源保障機能
全般の見直し・縮小であり、不交付団体の人口割合を大幅に高めていくことにあるため、今後
の中長期的な地方交付税の動向を見通した場合、更なる交付額の縮減、しかも場合によっては
かなり大幅な縮減も想定しておかなければならないと認識しておりまして、議員ご指摘のとお
り、合併のメリットを生かした行政の合理化・スリム化をはじめ、聖域を設けることのない行
財政改革の断行が必要不可欠であると考えているところであります。
 一方、国庫補助金につきましては、税源移譲と表裏一体のものとして、平成18年度までに
概ね3兆円程度の廃止・縮減等を行うとの方針の下で、これまでに廃止、縮減あるいは交付金
化されたものもあり、今もなお国と地方との間でやりとりが続けられているところであります
が、義務教育費国庫負担金や生活保護費国庫負担金の問題など、国と地方の考え方に大きな差
異のある懸案課題もあり、今後の動向を予測しきれないというのが現状であります。
 なお、これまでに廃止、縮減等になった補助金に見合う財源については、抜本的な税源移譲
が行われるまでの暫定的取扱いとして、所得譲与税等により財源措置がされておりますが、3
兆円の補助金の廃止、縮減等に見合う抜本的な国と地方の税源配分の見直しにつきましては、
基幹税の充実を基本に行うこととされておりまして、現在、国において所得税から個人住民税
への税源移譲を行う方向で具体的な検討が進められているところであり、今後の動向を注視し
てまいりたいと考えております。
 次に、地域再生計画認定のメリットについてでありますが、地域再生計画は、地域再生法に
よる地域経済の活性化、地域における雇用機会の創設など地域再生を支援する法律に基づくも
のです。地方公共団体は地域再生計画を作成し、国の認定を受けることで、特別の措置を受け
ることができます。具体的には、地域再生のための民間プロジェクトに対する課税の特例、地
域再生基盤強化交付金としての道整備交付金、汚水処理施設整備交付金及び港整備交付金、そ
して補助対象財産の転用手続きの特例です。今回地域再生計画に基づき、年度間や事業間の融
通が出来るなど便利な仕組みの地域再生基盤強化交付金の道整備交付金及び汚水処理施設整備
交付金を活用致しまして、市道及び林道の整備を行う「多様な観光名所の連携による活性化計
画」と汚水処理施設の整備を行う「清らかで安全な水を大切にするまち」の2つの地域再生計
画につきまして、国の認定を受け実施するところであります。地域再生計画認定のメリットに
ついては、従来の補助金と異なり、地方公共団体の判断で年度間の事業費の変更及び他事業へ
の充当が可能等の特徴があります。
 次に、歳出の削減について、合併後10年間の職員削減見通しについてでありますが、沼田
市・白沢村・利根村合併協議会において策定した新市建設計画の財政計画の推計では、合併後
の10年間につきましては、職員の採用を退職者数の2分の1程度に抑制することとして、約
70人の削減を見込んでいるところであります。
 合併後の職員数の状況を申し上げますと、本年2月13日の合併時点では551人でありま
したが、4月1日現在では541人となり、10人の減となっているところであります。
 財政状況が極めて厳しい状況下におきましては、住民サービスを行うための財源をいかに確
保するかが重要であると考えております。
 議員ご質問の、合併後10年間の職員削減見通しについてでありますが、合併を契機とした
事務の合理化、組織機構の見直し、民間委託など行財政改革の推進を図り、職員数の削減など
による経常経費の削減に努めていくことが重要であると考えておりますので、計画的に職員の
削減を進めてまいりたいと考えております。
 次に、補助金見直しの基本的な考え方についてでありますが、先に述べましたとおり、現在、
国におきましては、国庫補助負担金、地方への税源移譲及び地方交付税の一体的な見直し・改
革を内容とする三位一体の改革が進められ、現在も議論されているところでありまして、この
改革は、地方自治体にとって痛みを伴うものであると考えております。
 ご質問の、補助金の見直しにつきましては、財政状況が非常に厳しい状況下において、事業
の目的、効果等を勘案し、公共的必要性・有効性・公平性の観点に立って、各部における検討
を行うとともに、必要に応じ、庁内組織である補助金等見直し検討委員会により検討を行うこ
ととしておりまして、関係団体等との調整を図りながら、進めてまいりたいと考えております。
 次に、原材料支給に見る市民との協働のあり方についてでありますが、原材料支給は、材料
を支給し労力を地元で奉仕するといったものであり、本市では区長さん等からの要望を受け、
緊急性や優先性を調査し、地元に一定の条件が整っていれば支給をしております。かつては、
どの地区でも区長さんを中心に地域が一体となり、コミニュケーションを図りながら道路舗装
や水路改修等を実施し、舗装率の向上や水路改修等にも成果を上げ、地域環境の改善に大きく
寄与され達成の喜びを共有してまいりました。しかし、近年の地区の高齢化や多様化する社会
構造の中で、忘れ去られた地域コミュニテイ・協働への施策展開を図りながら、早期に効果が
生じるよう対応してまいりたいと思いますのでご理解をいただきたいと存じます。
 次に、観光政策について、市民が周遊する市内地域内観光について、市内地域内観光推進の
意義についてでありますが、広大な市域と起伏に富んだ地形を持つ本市には、玉原高原、吹割
の滝などのスケールの大きい景勝地や望郷の湯、しゃくなげの湯、老神温泉などの温泉群をは
じめ、それぞれの地域にはそれぞれの歴史、文化、史跡など様々な観光資源が点在し、首都圏
などから大勢の方が観光に訪れていますが、同様に、本市市民にとっても最も身近な観光地で
あり、観光客として、消費者として市民が互いの地域を周遊し、それぞれの地域独自の歴史、
風土、文化を理解することは、地域経済の発展や合併後の地域間交流を推進していく上で、重
要な事柄であると考えております。
 次に、観光政策における郷土史・郷土文化の活用について、郷土史・郷土文化再認識の意義
についてでありますが、現在では観光の態様も変化し、観光名所や施設を巡り歩くというだけ
でなく、「出会い」や「ふれあい」を感じられるような個人型旅行や体験型旅行へ移行してお
り、その地域で育まれた歴史や文化、伝統芸能や郷土料理などは先人たちが努力して築いた貴
重な所産と認識しております。これら様々なものが観光の対象になると考えられますので、こ
れまで埋もれていた地域資源を発掘して行くことが、地域の観光振興にとって重要であると考
えております。
 次に、市民への啓発を図る地域ガイドブックの作成についてでありますが、市民一人ひとり
が自らの郷土に愛着を持ち、その文化や歴史を理解し、地域の魅力を再発見していくことは、
観光を軸としたまちづくりを進めるうえで基本をなすものと考えられますので、ガイドブック
の配布というご提案でありますが、まずは、広報などを通じた情報の提供等により、地域への
理解を深めていただけるよう研究してまいりたいと考えております。
 次に、広域町村との連携の必要性についてでありますが、利根沼田地域は共通の歴史風土の
中で、深い関係を持ちながら一体となって発展してきたことはご案内のとおりです。これまで
利根沼田広域圏の事業として「奥利根ゆけむり街道」のパンフレットの作成、観光PR活動な
どの広域的な取組みを行ってきたところですが、こうした環境の中で育まれてきた歴史や文化
に着目し、広域圏構成市町村が一体となって周遊型観光を推進していくことは、圏域全体の活
力を高め、新たな観光誘致につながるものと期待されますので、引き続き相互の周辺町村との
連携について研究していきたいと考えております。
 次に、観光パンフレット・ホームページへの郷土史・郷土文化の掲載についてでありますが、
平成13年度に歴史散策を題材とした観光パンフレットを作製し沼田街道や会津街道などを紹
介しております。教育委員会においては重要文化財、天然記念物、史跡などの指定文化財を紹
介する「文化財ガイド」なども作製されており、また、本市のホームページにおいても「歴史
/文化財」の項目を設け、沼田城址公園などの歴史的な観光資源や文化財について紹介してい
るところでありますが、今後とも関係する各部各課との連携を密にして、一層の充実を図るよ
う努めてまいりたいと考えております。
 次に、「水と緑の大地・田園空間都市」具現化に向けた水ビジョンについて、沼田市の水ビ
ジョンについて、市長がイメージする水ビジョンについてでありますが、議員ご案内のとおり、
沼田市・白沢村・利根村合併協議会において策定した新市建設計画では、新市の将来像を「水
と緑の大地・田園空間都市」と構想したものであります。
 「水・緑・光・空気」は、人々が生きていく上で欠かすことの出来ないものであり、その貴
重な生産基地としての新市の特徴を活かし、恵まれた自然環境、豊かな田園空間の中で、地域
間の連携や都市との交流を深めながら、住む人にとっても、また、訪れる人にとっても居心地
のよい人間性豊かなまちづくりに努めることとしています。ご質問の、市長がイメージする水
ビジョンについてでありますが、本市は、利根川、片品川、発知川、四釜川、薄根川、泙川、
根利川、栗原川、入沢川といった多くの河川に恵まれており、それらは美しい景観を形成する
とともに、市民の心をいやし、潤いを与えてくれるものと考えております。議員ご意見のとお
り、水を活用したまちづくりを進めていくことは、大変有意義なことであると考えております。
 次に、まちづくりへの農業用水活用の可能性についてでありますが、議員ご承知のとおり、
農業用水は、田畑への灌漑用だけではなく、防火用水として、消流雪用水として、あるいは生
態系の保全、景観の形成等いろいろな役割を有しております。本市でも住民が豊かな自然を享
受することが出来る空間の創出に資する環境整備が必要との観点から、平成13年度には、上
久屋町に「ホタルの里公園」を建設し、そこに「せせらぎ水路」を設けました。この公園では、
例年ホタルまつり等を実施しており、近隣住民の憩いの場となっていることに鑑みましたとき、
まちづくりの一手法として、清澄な河川から取水し、白沢、利根、沼田地域に根ざした長い歴
史ある幾多の農業用水を念頭に置きつつ、農業用水の持つ多面的機能を最大限に活かせるよう
な、また、周辺の環境や自然との調和に配慮しながら「水と緑の大地・田園空間都市」として、
活力のあるまちづくりが図られるよう研究してまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、星野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇14番(星野 稔君) 答弁をいただきましたので、何点か再質問させていただきたいと思
います。
 まず、歳入の見通しについて、市長の説明よくわかりました。理解をいたします。非常に歳
入が厳しくなっていくというのはこれ今の国の情勢、地方の現状を見ればこれはもう誰もが察
しがつくことであります。冒頭申し上げました、私も非常にショックを受けたのですけれども、
27次地方制度調査会で合併問題の審議が行われて、もうこの合併が行われてまいりました。
昨年の3月1日の発足で、28次地方制度調査会では、道州制、大都市のあり方の審議にもう
すでに移っているということは、非常に流れが、一気に早くなるのかなという気がしてなりま
せん。その歳入面をよく理解するのですけれども、市長、どのようなとらえ方でおられるか。
ただいま申し上げた道州制の移行、また今後、この流れを見ますと、国も次の市町村合併の推
進を図ってくると思うのですが、そういう流れをどのような見解でおられるか。その点につい
てお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 星野議員の再質問にお答えしたいと思います。
 第27次の制度調査会から28次の制度調査会への流れのとらまえ方から、今後の自治体運
営のとらまえ方をどのように認識をしているかということについてだというふうに質問をとら
まえたところでございますが、現実に今回、沼田と白沢と利根が合併をいたしました。間違い
なく10月の1日には、水上と月夜野と新治が合併をいたします。結局、本利根沼田地域の1
市2町6カ村が、1市1町3村という枠に変わってまいります。群馬県は、69市町村あった
わけでございますが、今次の合併予定されているのが突き進んでまいりますと、群馬県全体の
市町村数は69市町村の約半数、40を割るという数値になってまいります。そして、それは
必然的に基礎自治体というものが非常に重要視されてくるということになってまいります。も
う一方におきましては、なかなか群馬県においては気付かないかと思いますけれども、神奈川
県の横浜に見られるように、まず、横浜市の人口が、いわゆる市という自治体のエリアであり
ますが300数十万という人口規模を持っております。川崎市というのがございますが、これ
が100数十万という人口規模を持っております。極論を言いますと、神奈川県全体の人口が、
横浜と川崎が一緒になると、すでに過半数を制するというような状態になってまいります。こ
ういったいろいろな全国的な流れがある中で、少なくとも都道府県が果たしてきた役割という
ものが、各市町村の調整役であったとするならば、ひとつの大きな仕事であったとするならば、
少なくとも本地域は1市2町6カ村の旧基礎自治体が、1市1町3カ村ということで5つの自
治体になってくるということでありますから、必然的に県の調整機能の役割が軽減されてくる
という理屈になってまいります。それは基礎自治体、つまり市町村の役割がそれだけ重くなっ
てくるということになってまいりまして、都道府県の存在が、今までからの流れを見てみると、
徐々に、徐々に薄らいでいくのではないかというふうな見通しが働きます。必然的にそこに議
員がおっしゃる道州制の問題が出てくるということを認識をしておりまして、この流れは、や
はり先々は進んでいくであろうと、こういうふうな認識を持っております。同時に、先ほど言
った基礎自治体の横浜などに見られるように、すでに300数十万の人口を持っているところ
は、群馬県の全体の人口が200万であるからして、横浜の300数万人の市会議員の存在は、
いわゆる群馬県の200万人の県会議員と力関係をある意味において比較してみれば、これは
自づと結論が出てくるわけでありますけれども、非常にそういう意味で全国的に見ると、そう
いった基礎自治体の特化した力を付けてきているところがございまして、そういう意味では、
徐々に、徐々に、基礎自治体のところに収れんをされてくるのではないかというふうに思って
おります。
 ただ、申し上げるならば、今回の三位一体改革が、非常に厳しい財源状況が予想されるのは、
国庫補助金の削減、地方交付税の見直し、税源移譲という、特にこの税源移譲というところが、
所得税の軽減、そして住民税のいわゆる膨らみ、これらを見てきたときに総体的に大きな都市
の方が有利になっていくのかなということを、現在仄聞をしております。そんな見方をしてお
りますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇14番(星野 稔君) わかりました。それでは次の歳出の削減について、職員の削減見通
しということでちょっと伺いたいのですが、2月13日、合併時においては551人の職員が
いて、4月1日時点で541名、この1年間に10名の削減になったということで、これで1
0年間というと大体、おおよその見通しがわかりますので、これについても了解をいたします。
 次に、補助金の見直しの考え方もよく理解をいたしましたので、原材料支給の関係なのです
けれども、地域コミュニティーの活用は必要であるという市長の答弁がありましたが、原材料
支給に関して、この問題だけ考えると、いろいろ私も当局の方から問題点もあるのだというこ
とを勉強させていただきました。中でも指摘をいただいたのは、原材料支給を対応出来る地区
はいいけれども、出来ない、高齢者が非常に多いところは、なかなか対応するのが大変な面が
あるのだということを伺ったのですが、それこそ区長さんから原材料支給の申し入れがあって、
一つの  10数軒から20数軒の単位でなくて、多少広げて地域がバックアップするような
場合があるとすると、ぜひ地域から起こった動きとか声は、ぜひ柔軟に吸い上げていただきた
いなという考えがあるのですけれども、その辺の柔軟な対応について、市長どのような見解で
おられるかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 原材料支給の問題でありますが、これは私も、昭和54年から8年
間、市会議員をお世話になったわけでございますけれども、当時、非常に原材料支給の事業が
華々しく展開をされておりました。そして地域の方々が勤労奉仕によって、そして地域の環境
整備を図っていくということで、大変有効な手立てとしてあったということを認識をしており
ます。今次におきましても、例えば合併をしなかった長野県の栄村というのがございまして、
かなり有名な、そういう意味では全国的に注目をされている、合併をせずに自立を選んだ村で
ありますが、この所等もやはり議員がおっしゃられる地域の道路環境整備を、協働で、勤労奉
仕でお互いにやっていこうということを事業化しているようでありまして、今後、先々のこと
を考えたときに、議員がおっしゃっている原材料支給から来る市民との協働の展開というのは、
大変意義があることだと認識をしております。従いまして、区長さん等のご要請には、出来る
だけすみやかに応じていきたいと、こういう認識を持っておりますのでご理解を賜りたいと思
っております。
◇14番(星野 稔君) それでは次に、観光政策について何点かお伺いしたいと思います。
 1点目の、市内地域内観光推進の意義については、市長、交流は大切なこと、地域内観光は
いいこと、大切なことという見解をいただきました。それと、郷土史、郷土文化の再認識につ
いても、資源の掘り起こしは必要、重要であるという意義を受けて再質問させていただきたい
のですが、まず広報で、ガイドブック作成ということがいきなり答弁出来ることではないとい
うことは承知をしておりますので、まず徐々に広報で伝えていきたいというその方針も理解い
たします。外から人を呼ぼう、呼ぼうということばかりに目が、私本人もそういうふうに目が
行っていたなという、そういう気がしております。ただ、それよりやはり大事なのは、今回の
合併を通して非常に利根町においても、白沢町においても、すばらしい歴史があって、また私
が沼田の歴史を全部承知をしているかというとまたそうではない。また全地域のことを全部知
っているかというのは、これは少ないと思います。そういう意味で、この地域ガイドブックの
作成についてという質問を私いただいたのですが、利根のお話しになると、足尾銅山が盛んだ
った頃に、根利の奥の方に砥沢という集落があったというふうに伺っております。その砥沢と
いう所に、多いときには3,000名くらいの人が住んで、学校まであったというようなお話
を伺いました。非常に歴史をたどるとこれはおもしろいと言いますか、林業が盛んであり、山
林資源があって、そしてそれを、足尾銅山に木材を出していた、かなり大きな集落だったと言
うのですね。それを一つとっても、そういうことを市民に伝えることによって、そこに出向い
ていろいろな生活があった。歴史を噛みしめることが出来る。これは非常にロマンのようなも
のを感じるのです、強いものをですね。各町においても、川田地区、利南、池田、薄根、また
沼田の18カ町もそうですし、白沢、利根の各集落においてもやはり長い歴史があったと思い
ますので、私はできたら各町ごとにまとめれば、それが市民の手に入ると。かなり市民も積極
的にそういう情報を欲しがっておりますし、歴史を噛みしめて地域も歩き出すと非常におもし
ろい形になるのではないかと思ってこの質問をいたしました。行政が仕掛けを作るという意味
では非常におもしろいと思っておりましたので、その辺、まずは広報で伝えていきたいという
ことはよくわかるのですけれども、市長そういった、今月号はこの地域の、こういう部分を引
き出そうとか、どのようなイメージでおられるか。いま一つ踏み込んだ答弁をいただければと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) いま私の手元に「牧水利根の旅」という小さな、小冊子がございま
すが、これは利根牧水会の生方せい先生が、昭和40年の秋に作成したものであります。これ
の一角をちょっと目を通してみますると、「歌人、若山牧水は、このように利根川上流の思い
出を書き残している。わが利根沼田地方に来遊したのは、大正7年の晩秋であり、水上から吾
妻郡へ抜けている。大正11年、再び利根を巡ったときは、三国山嶺から沼田へ、沼田から片
品川沿いに東入りをし、一人金精峠を越えて日光に至っている。あれから約50年、今年は金
精峠にトンネルができ、道路が舗装され、沼田日光間が結ばれることになった」と小冊子に、
利根沼田に若山牧水が、本地域を訪れたことがつぶさに書かれております。すでに今までの旧
沼田市の真田、本多、黒田、土岐というこの大きな歴史の流れというものは、もう何を言わん
やでよく承知しているところであります。また、城堀川が果たしてきた役割というのも、その
ものずばりでございます。
 ただいま、いろいろとお話がございましたけれども、実は、旧白沢村におきましても、周遊
コースの立派なマップができております。旧利根村にも、周遊コースの立派なマップができて
おります。それぞれのところに、それぞれの歴史的な遺産があるということは言うまでもござ
いません。椎坂峠の頂上には、おのちゅうこうの立派な碑が建立をされております。先ほどの
砥沢の関係等につきましても、かつて利根村立東小学校に平滝分校の子供たちが、夏場だけ追
貝にある東小学校に勉強に来ていたというようなことをいまおっしゃったところのなごりの一
つだと思っております。また先般、東京大学が玉原の方に、いわゆる朝日の森に来て、この間、
大学総長がおいでになった、その朝日の森を建てた建物は、大体、大きな柱はほとんど根利か
ら持ってきております。実はこの根利のことも勉強してみると、例えば田中正造というのが明
治時代におりましたが、足尾銅山の坑木は、根利から鉄索で行っていたということは私もよく
承知をしております。あるいはまた、忠臣蔵に出てくる、先般もご答弁をさせていただきまし
たが、小林平八郎というのが根利の出身で、しかも沼須に先祖があるということもあります。
そういった諸々の事柄については、やはり地域内でもって認識をして、それらの確認をするう
えで遠来の、あるいはまたは外来の観光客を迎えるということは当然かと思っておりまして、
先日も教育長といろいろと話をさせていただきましたけれども、社会教育、あるいは学校教育
の場等も通してですね、そういった地域史のことについて未来を担う子供たちにも伝えていく
ということが必要であろうし、現実的にはいまおっしゃった市の広報等を通して、そういった
ものの持っている歴史的意義を連続性みたいな形で、連載性みたいな形でとらまえていくとい
うことをいま思料しているということで冒頭の答弁とさせていただいたわけでございます。
◇14番(星野 稔君) よくわかりました。それでは次の、広域町村との連携の必要性につ
いてなのですが、市長が冒頭の答弁で、奥利根湯けむりマップ等の拝見をいたしました。ただ
やはり、これは率直な私の感じたところとして、各市町村、自分のところはそれなりに力も入
っているなとパンフレットを見て思うのですけれども、あまり広域市町村になると、そんなに
私、力が入ってた取り組み、パンフレットではないなという気が、ちょっと足りないのではな
いかなという気がしておりまして、そんな中で市長、研究をしていくというお話をいただきま
したけれども、私が利根沼田の広域の連携の必要性ということでちょっと2点、非常に胸を打
たれた話があるのです。
 1点は、水上町の藤原の方にお話を伺ったときに、水上の農家、民家には、土岐家の家紋、
桔梗紋が刻印された火縄銃が民家に今だに保存されて持っているという。それはやはり水上に
ありながらやはり沼田藩、この土岐家と当然これは関係が出てくるわけですし、また片品村で
サエラスキー場というスキー場があるのですけれども、その手前に田代という明治に廃村にな
った村があるのです。この田代の歴史をいろいろ伺うと、慶長の頃と言いますから、慶長の役
が終わった頃に、真田伊賀守が、沼田藩主を3名、田代に送り込んだという史実が残っており
ます。それは地元の菅沼という片品の村から案内人が付いて、最初その村を開いたそうです。
それをいろいろ調べている方にお伺いしますと、真田の殿様は、田代の集落でキリシタン信仰
をしていた藩主をそこに隠したという、非常に聞いていると時代の歴史の醍醐味のようなもの
を感じるのですけれども、そういうものを踏まえて、今後の町村との研究をどのようにされる
か。市長の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変造詣の深いご質問かと思いますが、いろいろと考えてみまする
に、いま議員がおっしゃったようなことをとらまえますと、これは機会があればぜひ議員も勉
強をまたお互いにしていただければと思っておりますが、「廃県置藩」という本が、今から1
5年ほど前に出たのですね。この「廃県置藩」という本は、東京都職員の幹部の方が書いた本
なのですけれども、結局その願意を書いている内容を見てみますと、江戸時代の300有藩に、
新しい時代の、要するに行政体の枠組みは考えていった方がいいのではないか。ご案内のとお
り明治維新は、廃藩置県といって藩をなくして県を置いてきたのですが、この際、江戸時代の
300有藩、つまりそこを基礎自治体として新しいいわゆる国家づくりの体系を作った方がい
いのではないかということが書いてある本でございます。私は非常にこれには感銘をしており
まして、となりますると当地区は、議員が言われたように概ね利根沼田がそういうふうな枠組
みの中では包含が出来るということになろうかと思っております。ですから必然的に、この藤
原の火縄銃の土岐家の問題も、菅沼から田代に至るところの、いわゆる集落の問題も、それは
そういう枠組みのエリアでとらまえていくと、非常にわかりやすく、また見えてくるのではな
いかと思っております。
 ですから、何とか、この利根沼田は一圏域なのだという大きなテーマを実現していくという
こと、それは具体的には今回、広域合併をやはり進めていくということが大きな近道になった
と思いますけれども、今次、この結果になっているわけでございまして、必然的に将来は、そ
ういったことを見て、この広域行政も進めていく中でこの観光問題もとらまえて、そしていま
おっしゃられるようなことを、私どもが藤原のことも理解し、藤原も沼田のことを理解しても
らうと。あるいはまた片品の人も沼田のことを理解してもらって、私どもも片品のことを理解
していくというようなことを、これは考えていくことが大事なのではないかと。教育長が非常
に県の現場にいた中核の方でございまして、教育長もいろいろとそういう意味で子供の教育に
対してそういう議員がおっしゃっていることに対して大変いまいろいろと思料されております。
ですから学校教育の現場は学校教育の現場で、またそういったこともとらまえていく必要があ
ろうと思いますが、行政体の方では、やはり広域行政というのがございますので、そこを通し
て議員のおっしゃっているようなことについていろいろと意見具申をしていきたい。こんなふ
うに思っております。
◇14番(星野 稔君) わかりました。それでは、最後に1点だけお伺いをして、私の質問
を終わりたいと思います。
 水ビジョンについて、農業用水の活用の可能性について1点だけお伺いさせていただきたい
と思います。市長答弁の中で、上久屋町のホタルの里の紹介がございました。私も確かに沼田
地域、高台にきれいな水を流せればというのが私の夢でありまして、ただこれは本当になかな
か先の難しい問題でありますので、ただここのところ城堀川にも下水道の整備が進んだお蔭で
魚が生息し出したりしておりますので、だんだんそういう夢は実現に近づくのかなという感は
あります。今回のこの質問、農村地域、特に私も上久屋町の場所は非常にいい整備をしたなと
いう気がしておりまして、こういう農村地域の地域づくり、まちづくりについてのことなので
すが、白沢町でも、利根町でも、やはり沼田でも、各地区で取り組み可能な場所については、
ぜひ積極的な整備が必要ではないかと思うのですが、その見解をお伺いして質問を終らせてい
ただきます。よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が質問の中で、要するに町の市街地を歴史的な形のとらまえ方
と、それから農村部を、いまおっしゃったようなこととの区分けをして冒頭の質問をされてお
られまして、大変そういったすみ分けをされたご認識というのは、大変評価をさせていただい
ている一人でございます。その中で今回、「水と緑の大地・田園空間都市」ということで、こ
のイメージを一言で言うならば何ぞやということになったときに、前々から横文字を使うのは
非常に憚られるのですけれども、適切な語源とすると、エコミュージアムという言葉がどうし
ても頭を過ってまいります。これはもう自然生態系を生かしたまちづくりということになって
くるわけでございまして、そういう意味では、農村のいわゆる農業用水の持っている意義とい
うのは大変意義が深いと認識しております。
 実はいま、県の土地改良事業というのは非常に予算をぐいぐい、ぐいぐい減額されてきてい
る状況にあるのです。実は農村の、農業用水の修景事業というのを導入いたしますと、例えば
機会があったらぜひ議員もご視察をしていただければと思うのですが、甘楽の小幡郷等は、こ
れは実は土地改良事業で修景美化事業でやった仕事なのですね。そういったことは見てみます
ると、いわゆる土地改良でありながらもですね、非常にそのものの持っている意義というもの
をとらまえて、歴史的なことも惹起してくる。そういうことを私は実はよく承知をしておりま
す。
 従いまして、上久屋の関係等については、全くそういう意味では立派な、非常に評価が出来
る事業であったというふうに、かつてかかった方々に敬意を表している一人でございますが、
もう一つ突っ込んでいくと、四国の四万十川の要するに渓流ずたいの農村では、スイス等に勉
強に行って、いわゆる三面側溝の存在というものをどういうふうに変えていったらいいかとい
うようなことを勉強に行ったそうでございます。結局それは、石積みの三面側溝にしていくと
いうことによって、実はせせらぎを回復させると、こういう理屈になるのですが、工事費の単
価が、どうしても一般的な工事費からやはり2割高くらいになってしまう。そのコストの高さ
というものを、一体全体どういうふうにその地域に見合った形で展開していくかということが
案外重要になってくるのでございまして、ただ間違いなく言えることは、いま言うような水の
とらまえ方というのは、今までのような規定の三面側溝そのものでもってとらえていったとき
には、やはりせせらぎの回復は出来ないのではないかと。それがまた一方においては、コスト
が別の意味でかかってくるであろうというようなこともございまして、そういうところからや
はり、議員が今日言われている協働社会というか、冒頭の質問にあった、いろいろと市の行政
と地域の方々との協働というか、共に作っていこうというところの部分をうまく展開できてい
けばいいのかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、そういった農業用水のせせらぎの回復については、これは今回の
田園空間、水と緑の大地ということのテーマからすると欠かすことの出来ないことであります
ので、十二分にご意志をたいして対応していきたいと考えております。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時07分休憩
─────────────────────────────
午前11時16分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、金井康夫議員。29番。
〔29番 金井康夫君登壇〕
◇29番(金井康夫君) おはようございます。質問に入る前に一言申し上げます。
 アメリカで起きました悪夢の同時多発テロから明後日で4年を迎えようとしております。犠
牲になられた方々に対しまして、心から哀悼の意を表明するとともに、今後、このような事件
が起こらないよう世界平和をお祈り申し上げます。
 それでは、通告に従い順次質問してまいります。
 まず最初に、市長の政治姿勢についてということで、市長就任以来3年と数カ月が過ぎたわ
けでございますけれども、その総括と残りの任期の所信についてお伺いします。
 星野市長は、就任以来、年末年始、1年を通して大変公務が多忙であることを伺い知ること
ができます。一週間も休みをとっていただきまして、旅行へというわけにはいかないと思いま
すが、どうかですね、適度に休暇をとっていただきまして、心身ともにリフレッシュしながら
市政の課題に立ち向かっていただきたいと思います。
 さて、星野市長は、平成14年5月の就任の議会におきまして施政方針演説を行いました。
この中で、基本姿勢は市民参加にあり、市民のための市政、市民本位の市政を基軸に、不偏不
党による公平、公正、公開を原則に、活力ある市政を目指し、初心を忘れることなく声なき声
を市政に、何よりも市民のことを第一に考え、元気で誇りの持てる沼田の創造に向けて取り組
んでいくのだと演説されました。市長就任後、市町村合併をはじめ、市民参加の枠を広げる。
ファックスなどにより積極的に市民参加への提言を求めていく。あるいは聞くところによりま
すと、朝7時頃から市民各層の方々と膝を突き合わせて意見交換を行うなど、すでにそういっ
た手法が具体化されつつあるように見受けられます。そのような中で市長就任以来3年の総括
と、残りの任期の所信についてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、中心市街地再開発についてお伺いいたします。
 こちらにつきましては、星野市長就任時、トップバッターで私の方から質問させていただい
たことがあります。あれから3年が経過するわけでありますが、よろしくお願いします。振り
返りますと、こちらの事業は平成9年に、当時の建設省により地方都市の中心市街地再構築の
ケーススタディ都市に選定され、平成10年から街なか再生事業としてスタートしました。当
時は、建設省の審議官や世界的建築家の安藤忠雄先生、その他、建築を目指す全国の学生たち
や自治体関係者が大勢沼田市に来沼して、積極的に事業を進めていたように感じました。しか
しここ数年、中心市街地再開発事業につきましては、ピタリとなくなってしまったかのような
感じが見受けられます。そこでお伺いいたしますが、中心市街地再開発、今までの経過と今後
の事業展望についてお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、障害児・者の地域療育の支援について、自立に向けての支援体制についてお伺いい
たします。
 現在、障害者に対する支援は、ノーマライゼーションの理念の浸透とともにその対象とする
内容も大きく変化しており、いまや身体機能面からの障害の改善にとまらず、障害者が地域の
一員として自立して生活することや、それを実現するために障害者を受け入れる地域社会の環
境を整えることが必要となってきております。現在本市では、障害者計画に基づいて、障害者
施策を総合的、計画的に進めているところであると思われますが、私は特に、障害児の早期療
育から障害者の自立の最終目標である就労までの一貫した支援体制の確立こそが緊急の課題で
あると考えております。
 私は先日、障害児を抱えたご家族との話し合いに参加させていただきました。10数人の生
の声が悲痛の叫びでありまして、一人ひとりから涙、涙の訴えがありました。父親が勤務のた
め子供の面倒を見る割合は当然母親が多くなります。学校、施設などへの送り迎え、食事、風
呂、着替え、遊び等々、生活の一つ一つに親の係りが必要で、一時たりとも気が休まる時間は
ありません。兄弟に手が回らず、勉強や遊びの相手もままならない、子供をまた産みたいが次
の子は大丈夫なのか。将来子供が大きくなったら誰が面倒見てくれるのか。母親は精神的にも、
肉体的にも疲れ果て、病になったりもする。しかし倒れるわけにもいかない。1年365日、
休むことも出来ない毎日であります。そこで沼田市におきましては、障害児の早期療育から障
害者全てのライフステージを見据えた一貫した支援のあり方についてどのように考え、どのよ
うに実施していこうとしているのかお聞かせください。
 以上をもちまして、1回目の質問といたします。よろしくお願いします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、市長の政治姿勢について、就任3年の総括について、市長就任以来、3年と数ヶ月が
過ぎたが、その総括と残りの任期の所信についてでありますが、平成14年5月10日に市長
就任以来、3年と4か月の月日が過ぎようとしておりますが、基本姿勢である公平、公正、公
開を旨として、多くの市民の皆さんから知恵をいただきながら、市民の英知とエネルギーの結
集による「元気で誇りの持てる沼田」の創造に向け、職員の先頭に立ち、現場主義に徹して、
職員の意識改革を図りながら、誠心誠意、今日まで市民の視点に立った市政運営に全力で取り
組んでまいりました。
 この間、第四次総合計画の推進につきましては、計画期間中に推進する事業として位置付け
た主要事務事業を基本として、その推進に努めてきたところでありまして、厳しい財政状況の
中、ソフト事業、ハード事業とも一定の成果は上がっているものと判断をしているところであ
ります。
 また、市長就任当初からの懸案事項でありましたサティ撤退後のキーテナントの確保や市町
村合併の対応、市制施行50周年記念事業、ISO14001認証取得、環境基本計画策定な
どをはじめとして、薄根中学校屋内運動場の増改築、老人福祉センターの改築、(仮称)ワー
クプラザの建設など、精力的に対応をしてきたところであります。
 残りの任期期間中につきましては、合併協議において確認をされました新市建設計画による
まちづくりを進めることにより、新市としての一体化を速やかに図るとともに、新「沼田市」
のまちづくりの指標となる第五次総合計画の策定を市民の皆さんをはじめ、関係者等の協力を
いただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、今後ともより一層のご指導、ご協力
をお願い申し上げます。
 次に、まちの活性化について、中心市街地再開発について、今までの経過と今後の事業展望
についてでありますが、今までの経過につきましては、平成10年度に沼田市中心市街地活性
化基本計画を策定いたしまして、基本計画に基づく事業の推進に努め、平成15年度には事業
を行っていく上で必要な用地の先行買収を完了し、平成16年度には沼田市中心市街地土地区
画整理審議会を設置し、一部仮換地指定を目指し建物調査など補償調査を行ってきたものであ
ります。
 また、街なか再生関連事業といたしましては、商店街との連携により昭和モダン懐古博の開
催や中心市街地を舞台とした各種イベント実施団体への支援を行うとともに、権利者組織であ
る沼田市中心市街地活性化の会と、まちづくりや活性化の方策、インフラの問題等について、
話し合いを重ねてきたものであります。
 今後の展望についてでありますが、今年度におきましては土地区画整理事業では、中心市街
地活性化の会との話し合いを進め、街区での熟度優先を基本に、土地区画整理審議会の意見を
伺い、事業の実施に向けて一部仮換地指定を行い、建物移転等に着手し計画的な事業推進に努
めてまいりますとともに、商店街の活性化につきましては沼田TMOと連携を図りながら、関
係者の皆様と共に努力を重ねてまいりたいと考えております。
 次に、福祉について、障害児・者の地域療育の支援について、障害児・者自立に向けての支
援体制についてでありますが、現在、本市の障害者施策については、在宅の重度心身障害者を
対象とした在宅重度心身障害者等デイサービス事業、通園による指導を必要とする在宅の障害
児を対象に療育訓練などを行う心身障害児通園事業、また、福祉作業所においては、障害者の
自立に必要な指導訓練を行っております。
 さらに、介護者が疾病などにより介護が出来ない場合の登録介護者やサービスステーション
の一時的な介護、心身障害児・者の保護者の負担軽減を図るための心身障害児・者生活サポー
ト事業、地域での生活を望む知的障害者に対しては、地域ホームなどの居住の場を提供するな
どの日常生活援助を行なっております。
 また、乳幼児検診や相談などを通じて障害の早期発見、早期療育を図るとともに心身障害児
通園施設の活用による自立能力の育成や集団生活への適応能力を高める訓練指導を行なうなど
総合的かつ計画的にその施策を推進しているところであります。
 今後においても、沼田市障害者福祉計画を基本に障害者やその家族などのご意見などをいた
だきながら関係機関などとも連携を図り障害者の自立に向けた支援策を更に推進してまいりた
いと考えております。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇29番(金井康夫君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 今回、一般質問に臨むにあたりまして、私自身ですね、3年ぶりということでございますの
で、市長に胸を借りるつもりでやらせていただきたいと、このように思っているわけでござい
ます。また当時、私自身この沼田市議会におきましていちばん年下であったわけでございます
けれども、現在、合併等踏まえまして、下から3番目ということでございますけれども、当時
の気持ちのとおり元気よくやらせていただきたいと思いますので、明解なるご答弁をよろしく
お願い申し上げたいと思います。
 市長は先ほど、るる総括について答弁をいただいたわけでございます。私自身この3年間を
振り返りまして、市長自身大変一生懸命やっていられるなという気がしているわけでございま
す。前西田市長が、5月の9日にこの本会議場におきまして、退任のあいさつをされておりま
す。私自身、当時のことを大変鮮明に今でも覚えているわけでございますけれども、当時、西
田市長が、佐藤一斎さんの言葉を引用しまして退任の挨拶をされました。佐藤一斎さんにつき
ましては、市長ご存知だと思いますけれども、重職心得箇条ということで、17条憲法みたい
なものを言われている碩学でございます。その中で当時、小泉総理が、当時の田中真紀子外務
大臣に、この重職心得箇条を渡したということで、ちまたのサラリーマンの間では大変ベスト
セラーになったというような本であるわけでございます。私もこちらの内容についてちょっと
読ませていただいたわけでありますけれども、当時のこの西田市長が、退任の挨拶の中でどの
ような挨拶をされたのかちょっと簡単に披瀝させていただきたいと思うわけでございます。
「幕末の碩学、斎藤一斎が、人君の初政は、年に春のある如きものなり。先人心を一新して発
揚歓欣の所を持たしむべし」こう言っております。変革のときの政治は、あたかも年に春があ
るように、例えば市長にしても、市民が心から期待する人に生まれ変わってもらい、皆が喜ん
で春を迎えるように人心を一新することが大切だと言っております。私は、5月9日の任期を
もって市民の選良に後路を託し、市長の職を辞すことといたしましたというようなことを言わ
れているわけでございますけれども、この佐藤一斎さんの言葉のとおりですね、1年間に春が
あるように、市民が大変愉快な気持ちを持たすような財政運営を、この3年数カ月されたのか
どうか。そちらについてまずお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の、大変言うなれば歴史に名高い著名な方の一節を紹介し、
しかも前任者の西田市長さんが退任の挨拶にされた言葉を引用されてのご質問でございまして、
大変重く受け止めているところでございます。1年間にこの春があるようにということで、い
つも気合を入れて頑張ってきたということは申すまでもありません。ただ依然として、内外の
地方を取り巻く諸情勢というのが非常に厳しいものがございまして、そういう意味から考えま
すると、1年間に春があるように、気合を入れて頑張っているわけでございますけれども、や
はり大変厳しい、そういう意味では風も吹いているというのが実態でございます。今日の最初
の質問者の中に三位一体改革がございましたけれども、この三位一体改革も、よく突き詰めて
まいりますと、非常に地方には厳しいものがございます。そういったことから、この厳しい状
態を何とか抜け出して、しかも市民が一丸となって頑張っていくように、これからも誠心誠意
努力を傾注してまいるつもりでございます。いずれにいたしましても、1年間に春があるよう
に、そういった明るい気持ちでこれから取り組んでいかなければならないと認識をしておりま
す。よろしくご理解のほどをお願い申し上げたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) 大変厳しい状況だというのは、私自身もいろいろなことから伺い知
ることが出来るわけでございますけれども、ぜひとも市長におきましては、その持ち前のパワ
ーで頑張っていただきたいと思うわけでございます。市長におきましては、5月の31日に、
この本会議場で施政方針演説を行ったわけでございます。このときに、この4年間は、最初の
任期の4年間、こちらのついての位置づけを当時されております。「この4年間は沼田市の最
大の転換期と考え身を粉にし、不退転の決意で沼田市改革に先頭に立ち、市民生活の安定と大
きな活力のために発想を柔軟にし、内外にわたり積極的な行動をとってまいります」というよ
うなことを言われているわけでございます。
 また、市政運営に臨むところで、3点の基本的な考えを示されたわけでございます。1つ目
は、机上の空論ではなく、現場主義に立脚し身近なところから考えるという発想を大切にした
いと考えておりますと。2点目に、中長期的な視点に立って市政を運営すると。3点目には、
広域的な行政運営をさらに進めるというようなことを基本的な考えとして述べられました。今
後この3点を基本として、重点目標を当時5点あげていると思うわけでございます。これらを
含めて、いまこの3年と数カ月経った中で、それぞれの達成率、あるいは達成できなかったこ
とに対して、どのような理由があって達成できなかったのか。そちらについてお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変大事な質問でございまして、私自身が市長就任当時に皆さん方
に申し上げてきたことについてのご質問になっております。現場主義ということについては、
もう全く予てから、そういうことでもって若かりし頃、市会議員にお世話になる時分からそう
いうことを肝に銘じてきておりますので、事あらば出来るだけそういう現場に入っていろいろ
な対応を実は展開をしてまいりました。従いまして、今次でもその気持ちは変わっておりませ
ん。同時に、ますますそういう意味では現場主義ということでは、あらゆる機関で言われてい
るように、これらについてはこれからも関係各位のご指導をいただきながら、懇切丁寧に展開
をしてまいりたいと思っております。
 なお2つ目の、中長期的視点に立ってということでございますけれども、これらについては、
そういったことが今回、合併の問題等を含めて、いわゆる利根沼田の行政的な枠組みの大きな
変化になってきているという流れだと思っております。やはり、前段の議員が申し上げました
ように、今次の合併は一里塚であって、基礎自治体がこれから本当に力を発揮していくために
は、さらに二段階が必ず近い将来、来るであろうと、そういったことをとらまえてこれから進
めていかなくてはならないなと、こういうふうに思っております。
 3つ目の、広域的な視点でございますけれども、これらは1人利根沼田の1市2町6カ村、
今までの。これからは1市1町3村になりますが、これらの基調は申すまでもありませんけれ
ども、やはり先段、同僚議員から、災害のご質問等があったときに申し述べたとおり、縦軸の
いわゆる国道17号、それから横軸の国道120号、あるいは145号ですか、つまり具体的
なことを申し上げるならば、新潟との関係、あるいは栃木との関係、あるいは吾妻との関係、
当然南については、前橋とも今度は隣接をしたわけでございますし、渋川ともいよいよ隣接を
してまいりました。そういったことから当然、今までの、既存の広域的な視点のみならず、も
う一歩踏み込んだ、広域的な視点に立った、そういうとらまえ方が大事なのではないかという
ふうに思っております。
 なお、5点の各具体的なところの関係につきましては、常に総務関係の問題、あるいはこの
教育関係の問題、それから農林関係の問題、あるいはまた農林、商工含めて産業関係の問題、
土木を中心とした環境の関係の問題、それから5点目が、分権ということを言ってきたわけで
ございますけれども、これらについては一生懸命やってくる中で、具体的に、それではこうい
ったことがこうだったということをいま資料として持ち合わせておりませんけれども、一生懸
命取り組むだけは取り組んできたことを冒頭の質問に対するところの答弁として述べたわけで
ございますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長に対しましては、達成率は大体どのくらいですかというような
質問をさせていただいたわけでございます。達成出来ないものについては、どのような理由が
あって達成できなかったのかお伺いしますというような形で質問させていただいたわけでござ
いますけれども、先ほどの市長のお答えですと、達成できなかったものの理由というものが答
えられなかったということで、ほぼ100%達成できたと理解していいのか。そちらについて
お聞かせいただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時41分休憩
─────────────────────────────
午前11時42分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 数値で達成率をいま明言しろということになりますると、私どもに
それらのものを持ち合わせていないというのがございます。ただ市長就任当時申し上げてきた
ことを軸にして、一生懸命させてきていただいている経過がございますけれども、ご案内のと
おりのいろいろ変革の時代であったり、あるいはまた財政状況の厳しい諸状況があったり、合
併という、そういう意味では大きな転換があったりしたということで、数値でもってここで議
員にお答えするだけのものを持ち合わせておりませんので、その関係については、また後ほど
関係部課とよく協議して、そして出来るだけお示しを具体的に出来るように努力をしたいと思
っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) あえて市長にこの達成率についてお聞きしたわけは、現在、衆議院
の選挙真っ只中でございます。明後日にはどういう状況かわからないというような、こういう
ような状況の中で、各政党、あるいは個人が、ここ最近、マニフェストというものが出されて
おります。最近、このマニフェストも前衆議院の選挙から定着化してきたように感じるわけで
ございます。この言葉の意味については、ラテン語系で、明らかにするというような言葉だそ
うでございます。こういうような言葉がクローズアップされたのは、いわゆるスローガンだけ
の公約だけではなくて、財政的、そういうような数値的な裏付けがあって、国民、あるいは住
民とこういう約束をした結果こうなのだというようなことが大変定着してきた理由ではないか
と思うわけでございます。そのことを踏まえて、市長におきましても、この3年と数カ月の総
括において、ある程度公約をしたわけですから、それらについてどのようにお考えになってい
るのか、改めまして数字でなくても結構ですからお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま達成率のご質問の中で、今次いろいろなマスコミ等で論議
されているマニフェストの明らかにするというラテン語の語源からのご質問でございました。
これらについては、今次の衆議院の総選挙でも各政党がマニフェスト等出して、そして国民の
方々に公約のお約束をするというようなこと。実は議員はご承知かと思いますけれども、神奈
川県の知事であるとか、あるいはまた岩手県の知事であるとか、そういった先駆的な地方自治
体の首長がそういったことを通して選挙に臨んできたということがございます。ただ私の場合
は3年と数カ月前を振り返りますと、いろいろな経過がございまして、非常にそういう意味で
は政策立案のプロセスを市民の方々と合意形成をするだけの段取りとか、時間的なことが非常
に容易でなかったという実態がございます。従いまして、どうしても今まで経験してきた流れ
の中で、先ほど申し上げたようなことを軸に、お訴えをしてきたわけでございますけれども、
やはりマニフェストを作り上げるには、各関係機関と十二分に協議して、そしてまさに数値形
成等に遺憾なきよう対応していかなくてはいけませんので、そういった意味から考えると、今
次の、今の時点では、マニフェストと連動した選挙体制を組んできた流れの立場ではなかった
もので、ここでなかなか議員のご質問に答えづらいところがございます。ただ後に臨むにあた
っては、もうこれは時代の流れかなと思っておりますので、そういった方向に各部門で流れが
できていくのではないか。こういうふうに推測をしております。
 そういった中で、市長が考えているところでいいよというようなことでございますけれども、
やはりそれぞれの部門でひたすら努力をしてきたというようなことで、しかし努力はしたけれ
どもなかなか実っていかない、そういうことも多々ございます。そういったことから、ここで
具体的なことを言えということになりますると非常に長くなってきますし、そういった意味で
先ほど、冒頭の答弁で申し上げましたとおり、サティの撤退の後のキーテナントの確保、これ
らについても非常に難しかったです。しかし関係機関のご指導、ご支援があって何とか実った。
市町村合併の問題についても、白沢、利根の方々、あるいは沼田市の方々が心を一つにしたも
のでこれも実った。あるいはまた市制施行50周年の関係についても感動的なものが作り上げ
られた。あるいはまたISOの関係についても、環境の時代を配慮してそれらの事について認
証取得ができた。あるいはまた環境基本計画策定なども、これらも環境に配意してそれができ
た。あるいは子供の将来を考えたときに、屋内運動場の薄根中学校の増改築ができた。あるい
はお年寄りのことを考えたときに老人福祉センターの関係が可能だと。あるいはまたワークプ
ラザも今日、予算措置をしているというようなこと等が冒頭のご質問に対する答弁としてあげ
られているわけでございまして、そういった意味からひとつ大きな見地で議員にはご理解をい
ただければありがたいなというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 今回、市長就任にあたっていろいろな経過、あるいは裏付けの中で、
なかなか具体的に市長の思い入れをつなげることができなかったというようなことでございま
す。ぜひともこのマニフェストにつきましては、大変いま日本国中で注目をしている状況でご
ざいます。来年は、市長選も予定されているわけでございますので、市長におきましては、ぜ
ひともマニフェストを出していただいて、市民の審判を仰いでいただきたいと思いますので、
よろしくお願い申し上げたいと思います。
 また、残りの任期の所信について、最初ご質問したわけでございますけれども、市長の最初
のご答弁ですと、新市建設計画を進めながら第五次総合計画を進めるのだというようなご答弁
でございますけれども、私は、何と言ってもこの残りの任期でやらなくてはならないと思いま
すのは、やはり職員の意識改革ではないかというような気がするわけでございます。一般市民
に対してですね、説明責任、あるいは専門性、創造性、そういうものを職員自らが進んでやっ
ていく、こういうようなことを前のめりになってやらなくてはいけないのかなというような気
がしているわけでございます。
 さらに、もう1点、付け加えさせていただきたいと思いますけれども、この市町村合併につ
いてでございます。1市2村で合併をしたわけでございますけれども、それぞれの行政サービ
スにおいていろいろな議論が現在されております。今日から一般質問が始まったわけでござい
ますけれども、この後に何人か議員の中で一般質問するわけでございますけれども、この市町
村合併につきまして、行政サービスの中でかなりいろいろな議論がされている状況でございま
す。私自身、市長におきましては、新たに決断をするときが来るのではないかというような気
がしております。ぜひとも沼田市が、いい方向に進むようにやっていただきたい。このように
思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。それらにつきましてお答えを
願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、残った任期で市長のやるべき事はいろいろあるけれども、職
員の意識改革ではなかろうかと、そういうご指摘でございます。職員の意識改革というのは、
これは市長に就任をしてから以降、よしんば私がどこまで市長という職責を市民の方々からご
理解をいただいてさせていただけるのか、これは先々のことは定かではありませんけれども、
少なくとも私が首長という立場をいただいている限りにおきましては、日々の中で、職員の意
識改革については十二分に努力をしてきたつもりでございます。
 先ほど議員が、私どもの、早く役所に出ているというお話しがございましたけれども、実は
最近ですね、こういったことに出会いました。私が朝、ちょうど出てくるときに、今までの県
の合同庁舎のところで、職員が、ほうきとごみ取りを持って一生懸命路上の掃き掃除をしてい
たわけでございます。それは決して行政の責任者たるべく、私の方からこうにしろということ
を言ったことではなくて、彼らが自発的に、やはり公務員たるべくしっかり襟を正してやって
いかなくてはいけないというようなことで、月に2度ほど実践をしていたそうであります。こ
れはやっているからということでもって特に私の方には報告はございませんでしたけれども、
彼らは彼らなりに、自らの要するに仕事場を清潔にして、そして市民から信頼される職場づく
りということで努力をしてきた一つの所産だと思っておりますけれども、そういうようなとこ
ろで、いろいろと場面、場面で努力してきたことが、それらの自発的な、動きに結びついてい
るということもありましたので、この際、申し上げさせていただいたわけでございます。
 なお、議員がおっしゃるとおり、常に市行政の先頭に立って、しかも市民の声をしっかり受
け止められるような志は高く、しかし姿勢は市民の目線に立って、しっかりとした弱い者の立
場に立てるようにこれからも叱咤激励をしていくつもりでありますし、私もその先頭に立って
いくつもりでございます。
 なおまた、合併の関係の行政サービスの関係でもっていろいろな意見が出ているということ
でございますけれども、これらについては、やはりお互いが違った地方自治体が一緒になった
わけでございますから、当然今までの旧自治体の持っている良さ、あるいは旧自治体の持って
いる負の面、そういったものが混雑しながら新しいものを作っていくわけでございますから、
当然、生みの苦しみがあるわけでございます。そういったことから出来るだけ、そういったこ
とを早くに平準化していくように、一生懸命振興局長をはじめといたしまして、各関係機関の
ご努力もいただきながら頑張っていきたいというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 1点目の質問におきまして、市長の総括と残りの任期についてご答
弁いただきましてわかりました。大変、市長自身ご努力をされているということは、私自身大
変認めている一人でございます。ぜひとも今後とも、いろいろな意見が出ている状況でござい
ますけれども、持ち前のパワーで頑張っていただきたいと、このように思いますので、よろし
くお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、中心市街地の再開発について質問をさせていただきたいと思います。こちらに
つきましては、冒頭質問させていただきましたけれども、市長に対しまして就任時、私の方で、
トップバッターで一般質問をさせていただいた経過がございます。改めまして、今回のこの中
心市街地の活性化、こちらについての市長の必要性についてお聞かせいただきたいと思います。
また今回、2月の13日に合併をしたわけでございますけれども、本日、白沢、利根振興局長
もいらっしゃるわけでございますけれども、私自身、利根、白沢にとっても、この街なかの活
性化はプラスになるのだというふうに思っているわけでございます。市長のお許しがあれば、
両振興局長に対しても、この街なかの必要性についてお答えを願えればと思いますので、よろ
しくお願い申し上げたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時57分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員の再質問に対して、両振興局長に対する形での
質問、答弁の願いがございましたので、それぞれの振興局長から答弁をいたさせますので、お
聞き取りのほどをよろしくお願いしたいと思います。まず、白沢町振興局長から答弁をいたさ
せます。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) 命によりお答え申し上げます。
 中心市街地は、古くから商業、業務などさまざまな機能が集まり、人々の生活や娯楽、交流
の場となり、また、古い歴史の中で独自の伝統を育むなど、その都市の活力や個性を代表する
顔とも言うべき場所であると考えております。白沢町振興局長といたしましても、こうした経
過を踏まえ、考えますと、120号に沿いましての地域的な一体性等、現在取り組みが行われ
ております中心市街地は必要であり、大変重要であると考えております。
◇市長(星野已喜雄君) 続きまして、利根町振興局長から答弁をいたさせます。
◇利根町振興局長(星野健一君) 命によりましてお答え申し上げます。
 私も小さき時から、街が栄えて人が賑わうと、これがいちばん街なかの賑わいで風情があっ
ていいなというふうに思っています。もともと沼田市は、城下町ということで、それによって
商業の活性化が果たされてきたと思います。いま街なか再生の計画が持ち上がり、進行してい
ますけれども、その街なかの再生は、その古き良き伝統を継続する部分と、いまの車社会に対
応する方法と、いろいろな角度から考えていければ、それが広域圏で進めている利根沼田の中
心市としての役目を果たすのではないかなというふうに思います。そういう意味で、ぜひとも
地域の住民の方が主体で、地域の方がそこに頑張っていこうと、そういう気持ちを応援したい
なというふうに考えております。
 以上です。
◇29番(金井康夫君) 両振興局長、お答えをいただいたわけでありますけれども、お2人
とも大変前向きなご答弁であったというふうに理解させていただいたわけでございます。また
私の方で先ほど質問した際に、市長に対しましても、この街なか再生についての必要性、どの
ようにお考えですかというような質問をさせていただいたわけでございますので、せっかくで
ございますから、市長の方からもご答弁を願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま両振興局長の方から申し上げたことに尽きるわけでござい
ますけれども、やはり沼田の最も中心と言われた中心市街地、しかもそれが利根沼田のいわゆ
る顔であったと言っても過言ではございません。そういったことから考えますると、今次、大
変難しい諸情勢でございますけれども、地域住民のご理解をいただきながら、何とか一歩ずつ
前進が出来るように努力、傾注してまいる所存でございますので、ご理解を賜りたいと思って
おります。
◇29番(金井康夫君) この中心市街地の活性化につきましては、冒頭、市長に対しまして
5月の31日に施政方針演説の中で重点項目として5点あげられているというような、私の方
で披瀝をさせていただきました。この5点目に、個性ある産業振興というようなことが言われ
ているわけでございます。私もこの平成10年からいわゆるまちづくり三法ができて、北は北
海道、また南は九州まで、それぞれ全国のまちづくりについていろいろ視察をさせていただき
ました。全国的にこの中心市街地活性化の問題につきましては、大変どこも手こずっていると
いうような状況でございまして、例えば市長が言われる、それぞれの産業の振興を図るという
ことですと、第一次産業が沼田市ですと農業、第二次産業が工業、この第三次産業の商業の活
性化、あるいはこの3.5次産業の観光、レジャー、こういうものがありますけれども、当時
は、3,000数百、日本全国、自治体があったわけですけれども、大体この第三次産業の中
心市街地の活性化がうまくできている自治体は、大体何をやってもうまくいっているようなふ
うに私は感じられました。
 ですからこの沼田市におきましてもですね、例えば内外から見た際に、この中心市街地の取
り組みによっては、行政の手腕のリトマス試験紙的ではございませんけれども、街なか再生が
できているところは大体何をやってもうまくいっているような状況だと思っておるわけでござ
います。先ほど、両振興局長にお答えをいただいたわけでございますけれども、私も両振興局
長のお答えのとおりだと思います。この中心市街地の活性化の必要性、私はあえてここで質問
させていただいたのは、沼田市のホームページを開きますと、「蚕が終わればおぎょんだと、
連れて行くから辛抱しろ」というようなことが言われているわけでございます。私の両親も、
村部の出身でございまして、このおぎょん祭りがあるからこそつらく厳しい農業の慰めになっ
たと、一生懸命頑張るのだと。おぎょんが来ればある程度一段落するのだというようなことを
皆さんが言って、一生懸命頑張ったというような経過をよく言われているわけでございます。
まちづくりにおきましては、利根沼田、この住民一体のそれぞれ心の拠り所だと、このように
思うわけでございます。市長は、この街なか再生につきまして、それぞれの懸案事項があると
いうようなお考えでございますけれども、この産業の振興という観点からと、今後進めていく
重要性をどのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再答弁をしたいと思います。
 議員がおっしゃるとおり、平成14年の5月に第5に個性ある産業振興ということで、技術
革新とか、高度情報化であるとか、国際化等の進展に伴っていろいろな変化の中で活力ある産
業振興を展開をしていきたいというようなことでもって、述べてきている経過がございます。
特に、商業の関係については、国と県との関係の緊密さを重要視して、そしていわゆる空き店
舗対策であるとか、空き地の対策だとか、既存商店街の活性化を具体的に進めていくというよ
うなことで述べさせていただいたわけでございます。私が、本町通りのかつての賑わいをいろ
いろなことでとらまえてみると、やはり京都の街並みに見られるように間口が狭く、奥行きが
深い、そういう構造体になっております。いわゆる後側でと言うのでしょうか、表の店側でな
くて、後側と言ってよろしいでしょうか、そこで一つのものを加工して、そして梱包するなり
していわゆるお店の店頭に出していたという意味では、いにしえの頃の状態をいろいろな意味
で調べてみますと、生産から加工、それから販売までという、一つの、一連の経過を店舗が持
っていたというようなことを見ることができます。これは現在の農家が行っている直売のシス
テムにある意味においては非常に似ておりまして、いわゆる地域の薫りであるとか、地域の個
性等が生み出される最たるものだと思っております。そういったことから、地域の特性を生か
した形の中で、でき得るならばそういう全てとはいきませんけれども、やはり生産から加工、
加工から販売までのようなモデル的なものをやはり幾ばくかレイアウトしていくということが、
大変地域の個性を発揮する意味で大切なのではないか、こんな認識を持っております。
◇29番(金井康夫君) 市長の方からご答弁いただきまして、この街なかにおきまして現在、
必要とされるものは、それぞれの特性を生かすというようなご答弁だと思いますけれども、な
かなか現在のこの中心市街地、本町通りを見た際に特性が見出せないというような状況になっ
ているのかなというような気がしておるわけでございます。
 ここでせっかくですので、まちづくりの今までの取り組み経過について簡単に私の方でちょ
っと紹介させていただきたいと思います。昭和61年に、地域商業近代化計画、こちらの報告
書が当時、商工会議所の方で2核1モール構想というものが策定されました。これは当時サテ
ィがあったわけですけれども、サティといせや、この2つの核を1つのモールに結んで活性化
しようというような計画だったと思います。また平成5年にはですね、商業ビル工事が竣工さ
れたということでございまして、当時のサティが、現在のグリーンベル21が出来上がったわ
けでございます。また平成11年にはですね、中心市街地活性化法、この三法に則りまして、
沼田市の場合は基本計画を国に提出し、それらが承認されたというような経過でございます。
また平成12年にはですね、歩いて暮せるまちづくり事業というものが国交省の方から出され
たわけでございますけれども、こちらの20カ所のモデル地区にも認定された経緯がございま
す。また平成15年には、TMOの構想が認定されたというようなことを今までの経過で追っ
ていきますとわかるわけでございますけれども、私自身こう振り返りますとですね、平成10
年当時は大変街なか再生に前向きに、他市に比べてやられていたような気がするわけでござい
ます。先日、宮崎県の日向市の商工会議所の担当の方と地権者の方が、沼田商工会議所に来ま
して、日向市の現状のまちづくりについていろいろ説明されました。その際に、本日、前にい
らっしゃる部長さん方、ほとんど出席されたわけでございますけれども、この日向市と沼田市
が大変対照的に比べられることがございます。私の方で1回目の質問でさせていただきました
けれども、当時、ケーススタディ都市5カ所を選んだわけでございます。福島市とか、日向、
また沼田市、これを人口別で、それぞれ人口に沿った中でまちづくり三法の中で成功事例を作
ろうというような中で、5つの中の2つが、沼田市と日向市なのです。当時、沼田市におきま
しても選定され、日向市においても選定されました。沼田市が、平成11年1月8日だったと
思いますけれども、全国で24番目に基本計画が当時承認されました。その3日後、平成11
年の1月の11日に、日向市、こちらが3日後に、同じく基本計画が25番目で承認されまし
た。現在、日向市と沼田市を比べますと、日向市におきましては駅前開発、これは8番街区、
商工会議所の人もおっしゃっておりましたが、ほとんど再開発が済んでいるというような状況
でございます。また本市におきましては、じゃあ3日前にやったところについてはどうなのか
と見ますと、現状のとおりでございます。そういうことを踏まえて、当時、平成10年に沼田
市中央公民館で、第1回まちづくりキーマンセミナーというのが行われました。このとき私も
出席させていただいたわけでございますけれども、その当時のことを昨日のことのように私は
鮮明に覚えておるわけでございますけれども、小布施の町長、あるいは日向の市長、当時の建
設省の小沢審議官、それからいま東大の教授になられている世界的建築家の安藤忠雄教授、ま
た、全国からいろいろな建築を目指す学生がたくさんこの公民館に来沼していたわけでござい
ます。当時、日向市の市長が、締めの挨拶で、私ども日向市は、「沼田市さんの次に中心市街
地活性化を成功します」というような挨拶で締めた。で現状はどうなのかと見た場合は、私が
先ほど私の方からお話しのとおりでございます。これらについて、このまちづくり三法の中で
やっている中で、なぜここだけこんなに差が出ているのか。市長自身、どのようにお考えにな
っているのか、そちらについてお答えをいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員の方から、本事業の歴史的な経過を踏まえて、
そしてまちづくりキーマンセミナーと日向市の市長がお話をされたところ等を披瀝のご質問で
ございます。大変私どもといたしまするとこれをしっかり受け止めなくてはならないなという
ことをいま改めて認識をしているところでございます。これがなぜに頓挫をしているのかとい
うようなことになってまいりますると、いろいろなことがあるわけでございますけれども、や
はり地域住民と、そして私ども行政体とがやはり心を一つにして臨んで行かなくてはなりませ
ん。そういった中でこれらを進めていくときに、いわゆる地域住民の方々の、そういう意味で
は積極的なやる気が必要でありまするし、私どもといたしますれば、当然底支えをしてこれら
を後押ししていくような形になるわけでございます。そういった中で、どうしてもバックグラ
ウンドに、現行の、経済の大変厳しい状況というものが急速に本市を襲ってきたような経過も
ございまして、こういったことから非常にお互いに努力しながらも苦慮している状態でござい
ます。ただそうかと言って、ここのところで何とか前進させていかなければいけませんので、
現在、見城部長を中心に、事務方からいたしますと歯を食いしばって、いろいろな場面で努力
をしているところでございます。いずれにいたしましても熟度優先ということで、何とか先ほ
ど答弁したとおり今年度から具体的な事業に入っていきたいというふうに思っておりますので、
ぜひご理解、またご支援をいただければと、こういうふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 日向市と沼田市におきまして、自分の方でいろいろ対比させていた
だいたわけでございますけれども、市長のご答弁ですと、現経済状況の中で大変厳しいという
ようなお話があったわけでございますけれども、同じ日本国内で日向市も大変厳しい状況は変
わらないわけでございまして、なぜ日向市がそういう中で成功したのかなというような思いが
するわけでございます。私自身ですね、この日向市と沼田市の、なぜこういうような差が開い
たかにつきましては、個人的に思いますのは、まず1点は、日向市におきましてはまちづくり
三法、これをうまくはめ込んだなあというような感じがしております。こちらにつきましては、
ある意味、当時は補助金を大車輪で、ケーススタディに選定されたところには注入したわけで
ございます。このハード的に補助金を注入したからと言って活性化する街になるかどうかはま
た別問題でございますけれども、こういうことから駅前開発がひとつ成功しているのかなとい
うような気がしております。
 あともう1点、さらに私の方から付け加えさせて述べさせていただきたいと思うのは、この
沼田市におきましては、先ほど市長の答弁のとおり心を一つにしなければならないというとこ
ろが大変あったのかなというような気がしております。当時、平成11年、10年の頃からで
すけれども、この街なかの再開発に対しては相当な反対運動がございました。当時振り返りま
すと、平成12年には滝坂エレベーターが出来るのだというような計画であったわけでござい
ますけれども、相当な、いろいろな反対運動が行われたわけでございます。こちらにつきまし
ては、私自身、賛成、反対あるのは結構だと思っております。そういうことを反省点に踏まえ
て、当時のとおり滝坂エレベーターは現在凍結になっているわけでございます。また当時、街
なか再生を進めることが憲法違反だというようなことを言った人もいるわけでございまして、
そういうことも踏まえて、いまこれから街なか再生を進めるのであれば、そういうことも検証
しなければまた同じようにいろいろな計画をした際に、ある一部の市民運動が起こって、また
同じように風車ではございませんけれども、盛り上がるのは盛り上がりますけれども、盛り下
がるのも倍の速さで盛り下がるわけでございます。またこういうことがある可能性があるわけ
でございますけれども、市長自身、そういうことを、今までの経過を踏まえてどのようにお考
えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問にお答えをしたいと思っております。
 いろいろな変遷によって、かつていろいろな運動体があったり、あるいは状況変化の中で揺
れ動いたという、そういうプロセスがあろうかと思います。ただ間違いなく言えることは、街
なかの現在の基盤の整備というものについては、どなたが見ても、何とかこれはしなければい
けないという市民合意は得られるのではないかと私は認識をしております。と申しますのは、
やはり現行でよろしいわけはないと当然とらまえるし、こういった中で、ご承知のとおりかつ
ては農業基盤整備の関係等々で土地改良事業等が進捗をしていたという経過もありますが、街
の中の関係のそういった基盤の都市の強さというか、そういったものを作り上げていくという
ことは、現在、安心、安全が担保されなければならないまちづくりを進めていこうということ
を思いまするときに、やはりこの基盤を整備していくということについては、市民のご理解を
いただけるのではないかというふうに認識をしております。従いまして、私どもも非常に平成
14年以降、この事業に係わらせていただく中で常に内部でいろいろと厳しい論議をしてきま
したけれども、職員に常に言ってきたことは、一つ歯を食いしばって、とにかく一歩でも、あ
るいは1センチでもいいから前進するようにお互いに努力していこうということで、叱咤、激
励をしてまいりました。そういったことを通して、当然、当該者であるところの関係する地域
住民の方々にもご理解をいただけるように、いま見城部長を先頭に地道な努力を展開している
ところでございますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) 私も市長のお答えのとおり、現状を見た際には何とかしなければな
らないというような気持ちは誰もが思っているものと思うわけでございます。しかしながら当
時は相当議論がされたわけでございます。具体的に行政提案まで出したわけでございます。核
の、将来どういうふうになって活性化するかとか、具体的に絵まで書いて提案したわけでござ
いますけれども、現在そういうことが全てなくなったというような感じさえ見受けられるわけ
でございます。気持ち的には、そういうような考え方が一つだと思っております。当時いろい
ろな運動があったわけですけれども、そちらの整理をぜひともしていただきたいと思うわけで
ございます。
 またもう1点、ここであえて申し述べさせていただきたいのは、まちづくり三法があまりま
くいっていないのかなという気がしているわけでございます。この三法については、市長ご存
じかと思いますけれども、改正都市計画法によって立地規制を行いながら、ゾーニングを図り
ながら、また大店立地法によってそれぞれの環境整備を図ると。またこの中心市街地活性化法
によって商業集積、活性化させるのだと、こういうようなスキームでやっているものだと思っ
ているわけでございますけれども、このまちづくり三法ができて7年が経過したわけでござい
ますけれども、全国いろいろな部分を見た中で、なかなか成功している事例がないと。また沼
田市につきましても例外ではないというような状況でございますけれども、国の法律にこのま
ま当てはめて今後事業展開するのか、こちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思っております。
 かつてのいろいろなプロセスの整理をということでございますが、これらについては議員ご
指摘のとおりかと思っておりますので、事務方とすれば、いろいろと出来ておるというふうに
認識をしておりますが、早速また指示をいたしまして確認をしながら、それらのことについて
整理をしておきたいと思っております。
 なお、まちづくり三法の見直しの問題でございますけれども、これらについては、議員はも
うご承知であろうかと思いますが、三法は、中心市街地の活性化法、平成10年から、大店立
地法が平成12年から、あるいはまた都市計画法改正によるゾーニングの、いわゆる土地利用
規制が平成10年からということで進んできたわけでございますけれども、いまのいろいろな
経過の中に、見直しのポイントとして、持続可能でコンパクトな都市構造への転換、あるいは
また2番目として、広域的な観点からのまちづくりのあり方、さらに、公共公益施設の郊外移
転を防ぐ都市計画制度のあり方等について、見直しをなされるような形のポイントがあるとい
うふうに伺っております。すでにこの関係については、関係省庁であるとか、あるいはまた日
本商工会議所等経済団体、あるいはまた政党でも大手の政党と言ったらよろしいでしょうか、
私の承知している範囲では、自民党であるとか、民主党であるとか、公明党といった政党がこ
れらについていろいろ見直しのための論議がなされるというふうに伺っております。従いまし
て、当然沼田市の立場からいたしますと、これらまちづくり三法の変化に対応出来るように、
常に中央の方に目線を配って、そして地元の対応に遺憾なきよう対応出来るように努力をして
いくということが必要なのではないか。こういうふうに認識をしております。
◇29番(金井康夫君) 私の方で前段、日向市と沼田市を比較して述べさせてもらったわけ
でございますけれども、日向市におきましては、現在ハード的に見た目は整っているという状
況だと思います。ちょっと疑問に思いますのは、それが活性化につながっているのかどうか、
こちらについては日向市の方に、またその後、聞いてみなければわからないわけでございます
けれども、当時、私は、3年前に市長に対して、このまちづくりに対して質問させていただい
た際に、当時、いちばん最初活性化法が出来たときは13省庁あったわけですね。その後、編
成されまして8府省庁になったわけでございますけれども、当時の150もの補助メニューを
全てこの沼田市に当て込んでも、活性化にはつながらないのではないですかねというような、
私の方で質問させていただきました。その理由につきましては、やはり補助金ありきではだめ
だと。当時はシャッターの内側の議論から始めながら、それから外側の議論をしなければ街の
活性化にはつながらないのではないかというような質問をさせていただいた経過がございます。
その際に、市長の方からご答弁があったのは、やはり昔ながらの歴史、文化を生かした、先ほ
ど来、お答えをいただいたわけでございますけれども、今回、市長は、このまちづくり三法を
当て込んでいくというようないろいろな問題があるわけでございますけれども、今後そういう
補助金ありきの事業展開で進めて行こうと思っているのか、そちらについてお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり沼田市のように財源の乏しい、いわゆる本市からいたします
と、どうしても国や県のそういった制度を巧みに使い分けていくということは、戦略的に避け
て通れない一つの宿命なのではないかと認識をしております。従いまして、国や県のそういっ
た制度メニューというものについては、敏感に反応していくということが、どうしてもこれは
私どものような自治体で考えられる一つの選択としてこれはやむを得ないのではないか、この
ように思っております。もう一つは、それによって地域の個性化だとか、地域の創造性が失わ
れるというのでは実際問題困るわけでございまして、その辺のところについては、逆に、いみ
じくも議員がおっしゃった内の方から内発的に打ち出していくということが大事なのではない
かという、こういうご指摘でございますけれども、全くそういった地域の内発的な、そういっ
た発想というものが生かされてくるということについては、当然、行政の立場からすれば考え、
またそういったことを精一杯応援していくという形の中の整合性をうまく図っていくという、
そういった捌きが私ども行政の方に求められるのではないか。こういう認識を持っております。
 従いまして、全くいろいろな制度メニューを無視するわけにはいきません。当然活用すると。
また一方においては、地域の創造性や個性を内発的に打ち出していくと。そういったところの
整合性をうまく整えていくということが、やはり行政に与えられた一つの使命なのではないか
といわゆる認識をしているところでございます。
◇29番(金井康夫君) 今後ですね、国の方で有効的な制度メニューを積極的に使っていく
というようなお答えでございますけれども、私自身もそういう有効な補助メニューを扱ったも
のがいいと思います。しかしながら先ほど来、三位一体の改革におきましても、補助金が年々
カットされている状況だと思っております。そういうような中で、昨年、平成16年度に国の
方におきましてはまちづくり交付金というようなものが創設されたわけでございます。このま
ちづくり交付金において中心市街地活性化、どのように取り組んでいるのか。現状をお聞かせ
いただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実はこの交付金の関係につきましては、現在、三位一体改革の流れ
の中で、例えば下水道だとか、道路だとか、そういったところでいろいろな制度が徐々に変わ
りつつあるということがございます。そういったことからこのまちづくり交付金の関係につい
ては、当然、私どもの行政の立場からしても重きをおいてきた経過がございますが、部長の方
から答弁をいたさせますので、お聞き取りいただきたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 街なか対策部長。
◇街なか対策部長(見城厚男君) 命によりお答え申し上げます。
 まちづくり交付金制度につきましては、これまでありましたまちづくり総合の交付金に変わ
るものとして制度化されたものでございます。これにつきましては、現在、中心市街地の中で
これを活用する形で取り入れまして、実施をしているものでございます。これにつきましては、
現在、事業費として1億1,330万ほどの事業費に基づきまして現在積算をし、それぞれ今
回の補正を含めまして3,900万円ほどの収入としてこの事業にあてがっているものでござ
いますけれども、これからいろいろ国の方も制度が大きく変わってございますので、そういっ
た制度を今後も活用しながらまちづくりの活性化のためにこの事業を進めてまいりたい。その
ように考えてございます。以上でございます。
◇29番(金井康夫君) まちづくり交付金の現状について、街なか対策部長の方からお答え
をいただいたわけでございますけれども、私の方から先ほど来、この一般質問の中で申し述べ
させていただいているわけでございますけれども、今後この補助金ありきではなかなかうまく
いかないということに対して国の方も最近気付いてきたような状況なのかなと思うわけでござ
います。今までばらまいて、結果どうであろうと、とりあえずやっておけばその自治体の責任
でやってもらえばいいやというようなことではなくて、このまちづくり交付金におきましては、
ある程度自治体が整備計画を作って、国に対してその整備計画が承認される、承認されたこと
によって3年から5年くらい交付金という形で国から来るわけなのです。40%くらい来るの
ですね。と言いますのは、自助努力をやって、自ら個店のみで、個店ではどうにもならないこ
とに対して交付金が欲しいのだというようなところに対して交付金を与えることによってそれ
ぞれが汗をかいた結果、3年から5年、それからまた3年から5年、ローリングしながら活性
化にそういうようなお金を青空天井的に使っていいのだというような制度なのかなというふう
に私自身理解しているわけでございます。この街なか再生につきましては、沼田市におきまし
ては平成11年、先ほど披瀝したように1月8日、全国で24番目に基本計画を承認されたと
きには、大変前向きでやっていたように感じたわけでございます。現在この平成16年創設さ
れてですね、まちづくり交付金におきまして、この中心市街地活性化、計画の中にそれぞれが
当て込んであるのかどうかというふうに検証しますと、大変消極的に感じるわけでございます。
これらを踏まえて、この整備計画全体像を市長自身、お考えになっているのかどうか、そちら
についてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま部長の方から、交付金の関係のことについてはお話しがあ
ったとおりでありますが、繰り返し申し上げるわけでありますけれども、財源の非常に乏しい
本市にいたしますれば、やはり有効な財源措置というものは巧みに使い分けていくということ
は戦略的に考えられるわけでございまして、そういった意味で議員ご指摘のとおり、いろいろ
な場面、場面を見定めて、適切な対応を図っていかなければならないと認識をしているところ
でございます。
◇29番(金井康夫君) 私も、今後のまちづくりに対しましては、先ほど市長申し上げたと
おり、戦略的なシナリオを描くことが必要だと思っているわけでございます。将来こういうふ
うにやったことによってどういうふうな活性化を想定しているのか。それらが必要なのかなと
いうような気がしております。県内ですと、ほとんど同時に中心市街地活性化を進める富岡市
が、富岡製糸の跡地を世界遺産に登録しようというようなことで、一つのコンセプトを持って
この中心市街地活性化を現在進めているような状況でございます。先ほど来、市長の方では熟
度優先でこのまちづくりを進めるのだというようなお答えですけれども、本当にこの熟度優先
で街が活性化する、将来想定できているのかどうか。こちらについて私自身非常に不安に思っ
ています。例えば、熟度優先ということでしたら、下之町に10人の地権者がいるうち9人、
あるいは8人、8人が賛成して残る2人がいろいろ考えていますと。片や上之町では、10人
中7人が賛成、3人はいろいろ考えていますけれどもなかなか難しい。この20人のうち5人
は消極的、そういうような中で、下之町、上之町から進めましょうと。じゃあこの5人の方は、
中町あたりでちょっと考えていてくださいというようなことで考えた際に、なかなか将来この
土地区画整理事業を行ったことによってどういうまちづくりが出来るかというようなコンセプ
トが出来てない状況でですね、この換地作業、うまくいくのかなというような気がしているわ
けでございます。この熟度優先というのは、街全体を見渡したとき、将来こういうような活性
化になるのだと。私は以前、市長に、活性化とはどういうことを想定しますかというような質
問をさせていただいたわけでございますけれども、例えば、金井商店があって、星野商店があ
って、星野商店が儲かることが金井商店が儲かることなのだ。金井商店が儲かることが、星野
商店が儲かることなのだ。それらの集まりが街の活性化なのだというようなことをこの場で質
問させていただいたわけでございますけれども、そういう戦略的なシナリオを考えながらまち
づくりの活性化をやっていかなくてはならないと思いますけれども、そちらについてのお考え
をお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり熟度優先ということについては、高まっているところから具
体的に対応していかなければ、やはりこれは頓挫をしてしまうのではないかという懸念を持っ
ておりまして、そういった意味で熟度優先ということを兼々申し上げてきた経過がございます。
そういった中にございまして、いまいろいろとお隣のお店屋さんや、またそのお隣のお店屋さ
ん等々の、お互いの活性化のお話しがございましたけれども、それは全くそのとおりでござい
まして、そういった意味で、当該するいわゆる地権者の方々とうまくこの意見調整を図りなが
ら、将来に向かって遺憾なきよう対応していくということが大切なのではないかと認識をして
いるところでございます。
◇29番(金井康夫君) このまちづくりに関しましては、私自身いろいろな思いがございま
して、大変時間の方も経過しまして、残り時間が少ないわけでございますけれども、市長にお
きましては、このまちづくりの中心市街地活性化については、最大の懸案事項というようなこ
とを常々おっしゃられているわけでございます。ぜひとも今後、いろいろな問題等もあるわけ
でございますけれども、頑張っていただきたいと思うわけでございます。
 また、3点目の、福祉医療についてでございますけれども、1回目の質問のとおり、大変こ
の父兄の方々、厳しい、また大変な状況だということをひしひしと私自身感じたわけでござい
ます。それらを踏まえて、形だけの医療に係わるのではなくて、ぜひとも、何のための早期医
療なのか、そのことを認識していただきたいと思います。
 先般、上毛新聞にも出ていたわけでございますけれども、自分の子供の発育が悪いというこ
とでございまして、母親が、自分の子供2人を殺してしまったというような記事も出ていたわ
けでございます。そういう状況を考えますと、ぜひとも早期発見、早期療育というようなこと
を一生懸命やっていただきたいと思うわけでございます。
 最後に、冒頭私の方で、佐藤一斎さんの関係の重職心得箇条を紹介させていただいたわけで
ございますけれども、これには後段がございまして、「財帑窮迫の処より、徒に剥落厳沍の令
のみにては、終始行立たぬ事となるべし。此手心にて取扱あり度ものなり」というようなこと
が言われているわけでございます。これを直訳いたしますと、不況等を理由にして、それぞれ
の行政手腕が細いようなことをやらないようにした方がいいというようなことを言っているわ
けでございます。今後、市長におきましては、大変財政厳しいわけでございますけれども、何
をゆるめて、何を引き締めるのだというようなことを常に考えていただき、それこそ重職、市
長の、それぞれの責務を果たしていただきたいと、このように思うわけでございます。今後、
一生懸命頑張っていただくことをご祈念申し上げ、最後にお答えいただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後1時44分休憩
─────────────────────────────
午後1時46分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 実際、議員がおっしゃるお言葉のとおり、大変厳しいこの自治体運営であることは、もはや
一人沼田市のみならず、基礎自治体が等しく抱えている全国的な傾向ではないかと思っており
ます。そういったことから私ども市長先頭に、身を引き締めて、この状態を乗り越えるために
頑張っていかなければならないということを改めて肝に銘じて、これからも努力を傾注してま
いらなければならないと思っております。行政体に対するところの市民の目が、年々歳々厳し
くなってまいります。そういったことから、常に職員に対しても、私自身、自戒の念を込めて
申し上げるわけでございますけれども、常に市民の立場に立って、そして与えられた環境の中
で一つの無駄もなく、誠心誠意努力を傾注していかなくてはならないというふうに認識をして
おりますので、今後ともご指導のほどをよろしくお願い申し上げたいと思っております。以上
であります。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上健太郎議員。39番。
〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) 議長よりお許しがありましたので、通告に従いまして、一般質問
を行いたいと思います。
 合併前に、住民に全て配布をいたしました新市建設計画、新市のまちづくりプランから質問
をいたします。
 市長も十分にご承知の、去る8月22日、そして23日の利根町における市政懇談会、これ
は市長と語るふれあい広場とも申しますが、この懇談会での数多くの質問や意見、要望等が住
民から出されました。特にある住民は、新市建設計画のパンフレットを振りかざして、「全く
この内容とほど遠い今の現実ではないか」というような形で非常に憤っていたのは記憶に新し
いことであります。
 そこでまずお伺いしたいのは、この新市建設計画の冒頭に出てくる自主自立を目指した地域
内分権型のまちとして、地域の多様性を生かした地域内分権システムの構築とこのようにうた
ってあります。雇用の地域特性を生かした地域振興が図れるよう、地域ごとの多様性を尊重し
た地域内分権型の都市を創造するとも高らかにうたい挙げ、市長も、ことあるごとにこれを宣
伝してきたことも事実であります。振興局長も、村長の時代、村長として、合併を進める際に、
合併後の振興局の役割や局長の権限についても、建設計画書のとおりの解釈で住民に説明を行
ってきた事実があります。また当面、合併してもほとんど合併前の状況とは大きく変化はしな
い。住民サービスも、住民負担もほとんど従来どおりで、住民生活には当面支障をきたさない。
このように村長の時代、局長は力説をしてまいりました。
 しかし、いざ蓋を開けて見ると、とんでもないことになっているではありませんか。これほ
ど数多くの住民サービスが切り捨てられ、住民の負担も増大する、バラ色のまちづくりプラン
からは全く想像もつかない現実が起きているではありませんか。ですから、市政懇談会で、あ
のわずかな限られた時間内に、数多くの注文が出されたのではないでしょうか。まず、この点
について、明解な答弁をお願いいたします。いま利根町では、どこへ行っても合併して良かっ
たと思っている人はほとんどいません。出来ることなら元に戻してもらいたい。それがだめな
ら分離して、片品や、あるいは昭和との小さな合併をすべきではなかったか。また、住民の声
が反映していない合併なのだから、改めて是非を問う住民投票をすべきでは等々、利根町地域
ではこのような会話が数多く聞かれます。そこで伺います。このような地域の声を反映するこ
とが出来る地域協議会の設置はいつ行うのか。7カ月も経過した今日、何ゆえ設置しないのか
伺いたいと思います。
 次に、明るく暮せるまちづくりについて、地域に居住する全ての人が、健康で、生きがいを
感じながら生活出来る新市づくりを目指すとして保健、医療、福祉の総合的かつ継続的なサー
ビスの提供を目指すとも明言をしております。が無料人間ドックの廃止や各種検診の有料化、
温泉利用券の廃止、敬老祝金の後退、住民サービスの著しい低下、介護保険料や国保税の負担
増、建設業界では、利根町で行う市の公共事業になかなか参入出来ない不満、人が育むまちづ
くりの環境づくりでは、国際化への対応とうたいながら中学生の海外派遣の廃止等々と合わせ、
これを利根町住民は合併による弊害と受け止め、とても明るく暮せるまちづくりとうたった建
設計画との大きな乖離を実感として受け止めています。この現実とプランの違いを住民はどの
ように解釈すればいいのか。市長の明解な答弁をお伺いしたいと思います。
 また、沼田市総合計画と新市建設計画とは、ほぼ年度を同じくしているが、総合計画では、
この現実と建設プランとのギャップを埋めることが出来るのかについてもお伺いをしたいと思
います。
 次に、環境にやさしいまちづくりの中で循環型社会の構築が掲げられていますが、その中で、
廃棄物処理とリサイクル対策の推進、新エネルギー利用施策の展開となっておりますが、これ
また南郷集会場で行われた市政懇談会で議論になりましたが、先の輪組、また岩室地域に建設
が噂された問題とは、どのような関連性があるのかについてもお伺いをしたいと思います。こ
れからもこのような類の話は次々と出てくる問題であります。この際、産業廃棄物処理施設の
定義を沼田市として、沼田市の姿勢としてはっきり総合計画の中に定めておくべきではないで
しょうか。
 以上、何点か指摘をいたしましたが、答弁の内容によっては再質問をさせていただきたいと
思います。以上であります。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、新市建設計画と、合併初年度の施策の格差をどのように埋めていくのか。市政懇談会
での、利根町住民の質問や意見の処理と対策は。について、自主自立を目指した地域内分権型
のまちづくり、システムの構築と推進とうたってあるがについて、「地域特性を生かした地域
づくり、従来から継続する個性ある施策の実施、その他地域振興の推進に関すること。コミュ
ニティ施策の推進、住民自治支援等に関すること。」と合併協定書では合意されているが、地
域内分権にはほど遠い現実をどうするのかについてでありますが、議員のご案内のとおり、地
域自治区の事務所である振興局におきましては、地域特性を生かした地域づくりなどの推進に
関する事務を所掌することが協議書により定められているものであり、その協議書に基づいて、
振興局につきましては、設置されたものであります。
 ご質問の趣旨につきましては、振興局独自の生活支援等の施策についてと推察をいたすとこ
ろでありますが、先にも述べましたとおり、振興局の所掌事務につきましては、地域の個性を
生かしたまちづくり施策の推進であると考えておりまして、生活支援等の施策につきましては、
新市全域を対象として、公平、公正に実施していく必要があるものと考えておりますので、ご
理解をいただきたいと思います。
 次に、地域協議会も設置していないのはなぜかについてでありますが、地域協議会は、地域
自治区の住民の皆さんの意見を取りまとめ、行政に反映させることを目的として設置をするも
のでありますが、合併協議により、旧2村の議会の議員は、平成19年4月までの間、引き続
き在任するとの確認がなされたものでありますので、地域自治区の住民のご意見を反映してい
ただけるものと考えております。従いまして、地域協議会につきましては、在任特例適用後の
平成19年4月以降に関係機関等と意見調整を図りながら、設置をしてまいりたいと考えてお
ります。
 次に、明るく暮らせるまちづくり (保健・医療・福祉・子育ての充実) について、無料人間
ドックの廃止や、温泉の利用券の廃止、敬老祝い金の廃止等々住民サービスの低下、介護保険
料や国保の負担増が著しい利根町地域住民に、明るく暮らせるまちづくりとは到底言えない、
今利根町住民は合併による弊害を、寄ると触ればその話題でもちきりだ。(市長と語るふれあ
い広場で実証)についてでありますが、ご質問の、保健・医療・福祉等の施策につきましては、
新市全域を対象として、公平、公正に実施していく必要があるとの基本的な考えのもと、合併
協議により調整方針が確認をされ、その調整方針に基づき、事務事業の調整が行われてきたも
のであります。保健・医療・福祉等の事務事業の調整によりましては、敬老バスカードの助成
や福祉タクシー利用券の交付、保育事業としての一時保育、障害児保育の実施、保育料の負担
軽減、出産育児一時金や葬祭費の給付など利根町の住民の方々のサービスが向上したものも数
多くありますので、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、総合計画と新市建設計画は年度を同じくしているが、総合計画ではこの現実と建設計
画のギャップを埋めることが出来るのかについてでありますが、現在、策定を進めている第五
次総合計画につきましては、合併協議により策定した「水と緑の大地・田園空間都市」をシン
ボルテーマとする新市建設計画を基本として、合併に伴う新「沼田市」の将来像を示すととも
に、それを達成していくための基本的な考え方等を明らかにしていきたいと考えております。
 なお、現在行われている施策につきましては、3市村の総合計画との整合性を図りながら策
定した新市建設計画に基づき、進めているところであります。
 次に、環境にやさしいまちづくり(循環型社会の構築)について、廃棄物処理とリサイクル対
策の推進・新エネルギー利用施策の推進とあるが、先の輪組・岩室等で建設が噂された問題と
は、どのような関連性があるのかについてでありますが、今回、輪組、岩室地区で計画された
施設は、経済産業省で推進する新エネルギー利用等に関する特別措置法で規定する、石油代替
エネルギーとして木くずなど木質系バイオマスの焼却熱を利用した発電を行うことと、建設工
事に係る資材の再資源化等に関する法律も受け、建設廃材などの再利用を行う複合型リサイク
ル施設の建設計画として、国の施策に合致した事業展開を行うという内容であったと認識して
おります。沼田市においても、合併にともなう新市建設計画において、循環型産業や新エネル
ギー等の導入・活用に向けた研究活動や実証事業を促進・支援していくことを掲げており、リ
サイクル事業の推進や新エネルギー利用についての研究事業も実施しているところであります。
しかし、今回の輪組・岩室地区における施設建設計画は、この新市建設計画に基づくものでは
なく関連性のあるものではございません。
 なお、国においては、廃棄物処理に関し本年5月に基本方針を改正し、さらなる循環型社会
形成の推進に向けた取り組みの強化を打ち出しており、このことと整合性を取りながら沼田市
の廃棄物対策に取り組んでまいりますのでご理解を賜りたいと存じます。
 次に、この際、市としてのはっきりした産業廃棄物処理施設の定義をしっかりと総合計画に
もりこむべきではないかについてでございますが、国は、大量生産・大量消費・大量廃棄の経
済社会から脱却し、生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用やリサイクルを
進めることにより資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない循環型社会形成の推進に向け
た取り組みを行っております。循環型社会の構築に向け、リサイクルを取り込んだ廃棄物処理
施設は必要不可欠なものであると考えますが、産業廃棄物処理施設は民間事業者が行う事業と
位置づけられ、その設置については、所定の手続きを経て県の許可を要する事業であり、市が
展開する事業とは異なるものであります。当面は、緊急の課題である一般廃棄物最終処分場建
設問題の解決に向けた取り組みを最優先とし、産業廃棄物処理施設に関係する問題については、
個別に慎重に対処してまいりたいと考えておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
 以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇39番(井上健太郎君) それでは、再質問をさせていただきます。
 私の場合には、市長、いろいろなところでお話をしておりますが、この合併に伴いまして、
在任特例、この在任特例によりまして、平成19年の4月まで、私もこの市会議員の一員とし
て命が永らえたわけなのですけれども、しかしこの在任特例の間、やはり利根町地域の住民の
利益を守ると、そういう立場からの議員活動が必要ではないか。それが私に与えられた任務だ
というふうに認識をしております。そういった点から、本年の3月の議会、そして6月の議会、
そして今回と、全て関連をした、同じ形での振興局の権限問題ですか、あるいは局長の権限範
囲の問題、全部一連つながっております。私は、この間の市長との懇談会の席上で、一般住民
から出された疑問、そういったものを中心にして質問を今回しております。
 まず、再質問の1番目なのですが、これは6月議会でも市長にお伺いをしたわけなのですが、
はっきりした答弁、納得のいく答弁は、あのときには返ってまいりませんでした。そしてこの
間の市長懇談会においても、やはり明解な、腹に落ちると言いますか、そういった答弁にはな
っていなかったということで、特にこの振興局長の権限の中で、3,000万円までの工事発
注、そして執行権限、この問題についてはですね、はっきりと新市建設計画に明記されている
わけなのですが、これが現実、利根町地域の工事等におきましては、それが実施をされていな
い。ここに業者の怒りというのが、この間の懇談会で爆発していたのではないか、そういうふ
うに思うのですが。このはっきりとした今日は答弁をいただきたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらの権限については、一応私どもの認識では、担保されている
と思っております。ただ問題はですね、沼田市の場合は助役を中心として指名選定委員会とい
うのがございまして、そして両振興局長もその指名選定委員会に入っているわけでございます
が、その指名選定を、振興局の長の範囲でもってやるということが、要するになっていないと
いう形は、これは現在の時点ではございません。しかし、その3,000万円の持っている諸
々のことについてはですね、一応これは今までの確認事項の流れの中で確認をされてきたこと
でございます。ですから、よくそこのところでいろいろと論議がされているのでありますが、
指名の、要するに選定委員会がよしんば利根なら利根、白沢なら白沢、沼田なら沼田というと
ころになっていないことは事実でございます。これは合併協議の中で一括してやるということ
でもって確認がされたので今日に来ている。で同時に、一方においては、議員がおっしゃると
ころについては、まずお互いの確認事項の中で、それらのことについても振興局長の、要する
に判断で、いろいろと判断が出来るという状況になっているということでございます。
◇39番(井上健太郎君) この問題についてはですね、利根町地域の業者の方々は少し認識
が違うと思います。要するに、市と旧利根村の幹部の皆さん方はそのような形で合意されたか
もしれない。しかし、合併の廃置分合の議決をする前に、各集落で説明会を行ったわけなので
すが、そういった中での局長の、現在の局長、当時の村長ですが、村長の説明ではそういう説
明はしてなかった、そういう問題があるわけですよ。だから騙されたというふうに言うわけ。
合併協定書を紐解いて見ても、またこの新市建設計画を見ても、この文面からは、いま言った
ような形の市長の答弁ではちょっと納得出来ないではないですか。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時10分休憩
─────────────────────────────
午後2時21分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思っております。
 現在の新市の発足というのは2月13日以降、ご案内のとおり合併協議を整えて今日に至っ
ているという一つの流れがあるということをお互いに確認したいと思っておりますが、そうい
った中で、いろいろと合併した後、いろいろなことで理想を述べ、あるいはまたお互いにいろ
いろと譲り合ったり、あるいはまたお互いに主張し合ったりして今日に至っているわけでござ
います。従いまして、今回の地域内分権方式、地域自治区制度というのもですね、率直なとこ
ろ言って非常に全国でも希有な方式をとっているということから、いろいろと産みの苦しみと
いうか、その後のいろいろな凹凸が出てきているということは、率直に認めざるを得ません。
全て平らな、平準化した形の中ででなくて、やはりこれもある意味においては、変革というよ
うな形の位置づけの中で、どうしてもお互いが苦しいのだ。あるいはまたお互いが泣いたりす
るような場面があるかもしれません。そうしたときに、出来るだけお互いが理解できあえるよ
うな状況を作っていくということが、行政に与えられた責務ではないかと、こういうふうに認
識をしております。
 先ほど来ご質問の、この3,000万円の工事発注執行権限、沼田市と白沢と利根村で作る
新しいまちということの、この部分で、いわゆる工事及び契約に関する事項の中で、工事の契
約等に関する事項では、工事の起工、予定価格の決定、契約の締結、あるいはまた変更契約を
含む及び契約の解除等がうたわれているわけでございます。従いまして、ここのところにいわ
ゆる助役を中心とする指名選定委員会のことは具体的には載っておりません。そういったとこ
ろがいろいろな意味で、皆様方にいろいろなご意見をいただくような状況があるのだと思うの
ですが、ご案内のとおり、指名選定委員会の中には両振興局長が加わってもらって、当然この
地域のことをいろいろな意味で勘案しながら対応していくというような、そういう形にはなっ
ているわけでございます。しかしながら、先般、利根町のところのいろいろな方々のご発言等
は私もよく承知をしておりまして、先ほど来申し上げておりますように、いろいろ凹凸がある
という現実は、徐々に、徐々にならしていくということは当然与えられた行政の責任でありま
すので、ただ、ただこれを、議員の質問に対して突き放すのではなく、いろいろな場面で研究
し、そしてよい方向へ、よい方向へ導くための努力はしていきたいというふうに思っておりま
す。と申しますのは、繰り返し申し上げたいと思いますが、合併協議の中で展開してきたとい
う経過があるもので、いまご指摘のこと等について、すぐさま云々、かんぬんと、いうような
ことを、大変デリケートな問題なので申し上げるわけにもまいりません。従いまして、徐々に
こういったことについての、いわゆるソフトランディングと言ったらよろしいでしょうか、い
わゆるお互いの共有出来る、そういう状態を作っていくための努力はしていかなくてはならな
いというふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) 沼田市という行政をリードしていく市長の立場、それはわかりま
す。いま現在の大変な状況等はわかるのだけれども、これは利根村という一つの自治体がなく
なったわけですよね、要するに名前がね。沼田市に編入されたと。要するにこの合併によって
沼田市になったわけなのだけれども、しかしこの合併というのは、市長も合併協議会のときに、
私がほとんど傍聴に行きましたけれども、この白沢村と利根村を編入したこの合併というのは、
編入、吸収合併ではあるけれども、限りなく対等合併に近い合併なのだということをよく説明
をしていたのが耳に残っております。そういったものを、当時の村長であった局長も、いつで
もそれは力説をしておりました。特にその中の目玉がやはりこういう問題ですよね。利根町地
域においては建設業者がだいぶおりまして、そこで生活している人達というのは、700人近
くいるということでね、労働人口の中の4割を占めるというような状況で、非常に利根村での
選挙戦においても、業者のあれでもって雌雄を決するというようなことがあったくらいやはり
多いわけですよ、ああいった地域の中では。それだけに合併するときに自主自立の地域内分権
の、そういう形で振興局を置くと。そして振興局内でもって利根町地域の事業については、3,
000万円までの事業については、振興局長がこれを発注して入札させることが出来るという
ふうに全部理解していたわけですよ。この合併に賛成をした、いまここにも座っておりますが、
旧利根村の議員の皆さん方もそれは全部言っていたわけですよ。そういうことだから大丈夫で
はないかと。合併してもいいじゃないかというところを、最後どうするかという決断を下すと
きの本当にいちばんの切り札だったのではないかというふうに思うわけなのです。だから実際、
合併してみたらそのとおりになっていないということは、これは非常に重大な問題です。沼田
市はこういう形で入札をやっているからこうなのだという説明は、利根町の住民は納得をしな
いと。だから局長自身も納得しなかったのではないですかね。だけどもそういった声は聞かれ
てないのですけれどもね。こういった状況になるということは、すでに局長は、市長、あるい
は白沢の元村長、そういった幹部と一緒にいまのような状況を合意をしていたということなの
ですか。そうなると、合併の説明会のときに説明したのは、これは虚偽の説明をしたと。村民
を騙したというふうになるのですけれども、これはどうなのですかね。
◇市長(星野已喜雄君) 議員、あくまでもここに来るまでの経過にはいろいろと合併協議が
なされてくる中の流れでここに至っているのです。ですから、いまおっしゃられたような質問
に対しては、当然、行政の内部ではすり合わせをして、そしてそういうような形できたという
経過は、これはあると思うのです。ただ先ほど来申し上げますように、この3,000万円ま
での工事発注、執行権限というこのくだりだとか、先ほど私がちょっと具体的なことを申し上
げましたけれども、そういった関係を含めて、いわゆる現在の凹凸がある。他にもあるわけで
すね、この問題だけでなくて。そういったことについては、やはり合併した後の生みの苦しみ
もありますので、議員のご質問、あるいはまたご意見等も十二分に承りながら、徐々によい方
向へ、これから合併の一体性を持たせるためにやはり導いていく必要があるのではないか。そ
ういうことでひとつここはご理解をいただきたいなと、こういうふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) 私はわかりますよ。この間、7カ月、沼田市議として議会に参加
させていただいて市長の考え、あるいは沼田市のやり方というのは我々は理解していますよ。
しかし、要するに自治体というのは誰が主人公かというと、市長が主人公ではないのですよ。
議員が主人公ではないのですよ。そこに住んでいる住民が主人公なのですよ。その主人公が納
得出来ないと言うのだから、これは問題だと言っているわけで、要するに、もしいまの現実が
事実であるならば、新市のこのプランに書き込まなければいいわけですよ、こういうことをね。
合併の協定書を見ても書いてあるわけだから、合併の協定書で判子をついたということは、そ
れを遵守しなければ、その責任者というのは責任を問われるわけですよ。誰が責任取るのです
か、これは。
◇市長(星野已喜雄君) 大ベテランの井上議員の質問でありますので、私も相当、いろいろ
な意味の対応を処するための答弁もさせてもらっているわけでございますけれども、ぜひです
ね、今まで生みの苦しみの中で培ってきた流れがございまして、そうした中で、地域内の分権、
狭域自治の大切さというものはよく実は認識をしております。そういった中で、合併後の凹凸
ということについては、どうしてもこれはお互いの今まで住んできた環境や状況が違うのであ
ろうかと思っております。従いまして、そういった今回のご指摘のようなことがまだ他にも当
然いくつかあるわけでございます。そういったことも含めいろいろとそういったものの問題解
決のために、出来るだけ速やかに対応していく必要があるのではないか。こんなふうな考え方
を持っておりまして、是非ひとつ深いご理解を賜りたいなと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 私もですね、生まれも、育ちも市長と同じ地域でありますから、
あまり当たり事になるようなことは言いたくないのですけれども、しかし、プランと現実は違
うという問題は、非常にこれからも問題が出てくると思います。
 では、次を聞きたいのですけれども、一定枠の調整費の確保と振興局裁量の予算執行という
のはあるのですけれども、これはすでに7カ月を経過しておりますが、これはなされておりま
すか。
◇市長(星野已喜雄君) この関係につきましては、特に具体例として土木費、道路橋りょう
費、道路維持費の中で、道路補修事業として箇所付けをしていない一定枠の予算を確保して、
振興局長の裁量による予算執行が可能ということで、白沢町の振興局がいわゆる1,500万
円、利根町振興局が1,879万5,000円というようなことでそれぞれ措置をされており
ますので、ご理解を賜りたいと思っております。
 なお、先ほど来申し上げますように、合併がスタートして半年の経過の中で、いろいろな意
見が出てくるということを、一つずつこういった大きな問題、あるいは微細な問題も含めて対
応をしていかなくてはいけないということを改めて申し上げておきたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) それについては、局長がちゃんとやっているというふうに理解を
いたします。
 それでは次に移ります。地域協議会の設置をなぜやらないのかという問題でありますが、市
長からは、議員の在任特例期間中においてはこれを作らないという答弁でございます。しかし、
これも合併するときにはっきりと地域協議会15人とうたってあるわけですから、作らないと
いうなら作らないで、要するに在任特例中の議員がこれに当たるというような形の合意がなけ
ればならないはずなのですが、私はその覚えがないのですけれども、どうなのですか。
◇市長(星野已喜雄君) やはり同様に生みの苦しみで、いろいろとつらいところがあるわけ
ですが、ずばり言ってこの地域協議会が、いよいよもって振興局の中でいろいろなことを論議
していく場所になります。そういったことから当然、協議会というのは大変重要であるという
ふうな認識には変わりございません。ただご案内のとおり、在任特例で、議員さんがそれぞれ
のお立場で、責任ある立場をいただいております。そうしたときに、やはりここのところは議
員さんに頑張ってもらうというのがいいのではないか、ということがまず一つでございます。
いま議員がおっしゃられた、議員が地域協議会にリンクしてくるのだということについては承
知してないがということですが、そういったことは今までも申し上げてきたわけではございま
せん。ただ当然、本答弁をする際に、振興局長ともいろいろな意見調整をさせてもらっており
ますけれども、それは振興局長そのものが、地域内の市会議員さん達といわゆる意見交換をす
るとか、そういうことはこれは当然考えられることでございまして、あるいはまた私自身も、
沼田市内の例えば18カ町の区長さん達と懇談したり、そういうようなこともしてきている経
過もありますので、そういう意味では、地域振興局長さんが、当該地区の議員さんたちといろ
いろと意見交換をしていくということは、これはもう当然考えられることだと思います。
 従いまして、この辺のことについても、議員さんの在任特例期間中に地域協議会を設置する
ということも、これは一つの当然方策として考えられるわけでありますけれども、やはり議員
さんという選良の方がいることを思ったときに、ここのところは平成19年の4月の頃からが
いちばん適切ではないかな、というような判断に基づいて本日は答弁をさせていただいており
ます。いずれにいたしましても、これらについても議員が言われている地域協議会等の関係等
について言っている趣旨の本旨に、出来るだけ外れていかないような形の知恵を振り絞ってい
くということを心がけていかなくてはならないと認識をしておりますので、これもまた深いご
理解をいただきたいなと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 市長のおっしゃっていることはよくわかります。しかしね、やは
り建設計画は建設計画、合併協定は合併協定ですよ。やはり文書にして、それなりの責任のあ
る人が調印する。そしてこの建設計画というのは、全市民に配布をされているはずですよ。全
市民が承知をしているわけです。ですからそういった中で、利根町の地域協議会は誰がなって
いるのだい。こういう疑問は率直に出てきますよね。それがいま言った形で市長が言われたよ
うに、要するに在任特例期間はこれに議員が当たると。当たってもいいのですよ、当たっても
いいのですけれども、一応は協議会に当たるということを、何らかの形で文書にするなりして、
平成19年の4月まで我々が協議会の一員になると。協議会になったならば、やはりあの規約
でいきますとその協議会の会長を作って、会長が会員の招集をするわけですよ、そして会議を
するわけ。だけどいま市長が言ったようなことで、なし崩し的にこれは議員が当ればいいのだ
からそれまではいいではないかというようなことだと今は利根町クラブの議員の会派がありま
すけれども、この会派で会議をするときに、私はオブザーバーとして会長の方から、場合によ
っては出てくださいということで参加をさせてもらっているのですけれども、やはりこれはち
ょっと変でしょう。やはり協議会というものを設置することになっているのだから、例え19
年の4月までであっても、市長の命でもいいし、あるいは自主自立の地域分権なのだから、利
根町振興局としてこの協議会を、19年の4月までは議員にお願いをして一応協議会を作る。
そういうものをはっきりとこれは設置すべきではないですか。これは本当なら局長に聞いてみ
たいと思っているので、市長が苦しい答弁をしているので、事実上いろいろな点で利害も、先
ほどから住民説明会の問題もありますし、何か局長がここで証言をしたいような顔をしている
のですけれども。市長どうでしょうかね、この点についてお聞きをしたいのですが。
(休憩を求める者あり)
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時42分休憩
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午後2時43分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇市長(星野已喜雄君) ご質問にお答えしたいと思います。
 よしんばこれをしっかり立ち上げているとすると、これはやはり今の私の認識では、議員の
方とやはり一線を画した人になっていかざるを得ないと思います。立ち上げるとすれば。ただ
そういった中で、いまおっしゃられるように、ここのところは平成19年の4月からでいいの
ではないかという判断が働いたのは、在任特例を使って、大変市会議員さんにお世話になって
いるので、そういうようなことでとらまえているということで、ここはちょっと整理しておき
たいと思います。そういった中で、大変そういう意味では地域自治区の持っている意義からす
ると、議員が質問していることについてもやはり大事なことだと思っておりますので、これか
ら振興局長とともに研究をしていきたいというふうに思っておりますので、ご理解を賜りたい
と思います。
 利根町振興局長の方から。
◇議長(星野佐善太君) 利根町振興局長。
◇利根町振興局長(星野健一君) ただいま市長の命によりまして、井上健太郎議員の振興局
の地域協議会という位置づけについてということでご質問があったのですけれども、非常に現
状とすると私も合併をして、4月以降、議員の皆様方にも相談して、在任特例期間中がある間
に五次総合計画、新市総合計画という部分で、いろいろな地域の実情をわかっていただいて、
それを盛り込んでいただくと。それが大事ではないかというふうに思ったわけです。今日も市
長との会談の中でそういう話もしたのですけれども、利根村時代の議員と執行部の位置づけと
いうのは、お互いに村の状況について、お互いに意見を交換しながら全員協議会を設けて、そ
して同じ方向に行っていたということで、議員と執行部がいつも顔を合わせて机のところで会
議をしていたという状況があります。ただ、旧沼田市の状況というのは私もよくわからなかっ
たのですけれども、今までの7カ月が経過して状況を見ていますと、執行部の監視役というこ
とで多少位置づけが違うように思えるわけです。ただそれが利根町にとってじゃあどういう位
置づけがいいのかという部分が非常に、この仕組みというイメージの図がありますけれども、
そこら辺が方向性が非常に定かではないと思います。ただこれも合併をして、お互いの行政が
生き方が違ってきたわけですから、それをすり合わせて合併をするわけですから、それを最大
限努力をして、行政と住民がずれがあるのだったらそれを修正していこうということで、先ほ
ど健太郎さんの方からも話があったのですけれども、それをやっているというのが現状であり
まして、そういう位置づけの中で、この地域協議会の位置づけをどうするかということを今後
も議論しながら、早めに方向性を出した方が住民の方に理解してもらえるような方向になるの
ではないかというふうに理解しています。
 以上です。
◇39番(井上健太郎君) 市長、あるいは振興局長、これからもコミュニケーションを図っ
ていくと思いますので、議員の在任特例、あと1年半あります。この間、このまま議員がいる
からなし崩しでいいだろうということではなくて、我々はここで、いま議論の中で、「あっ地
域協議会のようなことを我々やればいいのだな」とそれで納得するかもしれない。しかし、住
民はやはり見ていますよ、これ。新市建設計画ね、協議会はどうしたのだいとよく聞かれるの
ですよ。だからこのまま置くというわけにはいかないので、文書ででも、平成19年の4月ま
ではこの協議会に当たる仕事は、在任特例中の議員の皆さんにお願いをしますという形でも結
構ですから、文書で配布してもらいたいと。これをまず要求したいのですよ、どうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いまいろいろな意味で論議をされているわけですが、実は今日もこ
の質問、答弁に対してどう対応するかということで、後日、また他の議員さんの質問もござい
まして、慎重にしているところでございます。ですから、いまここでおっしゃるように文書等
については、ここで明解な答弁を持ち合わせておりません。先々について、これから議員の皆
さん方にご理解いただけるような方向で、内部でいろいろと協議をしていきたいということで
もってご理解を賜りたいと思っております。いずれにいたしましても、おっしゃることについ
てはよく理解をしているつもりでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 12日ですか、同僚議員が2人ほど同じような形で質問をいたし
ます。その間、日にちがありますから、執行部の皆さんよく相談して、もう少しはっきりした
形で、おそらくあとお2方も納得のいくまで詰めると思いますので、しっかり相談をしておい
てもらいたい。この問題については、そういうことで宿題として次に移りたいと思います。
 次の問題なのですけれども、6月の議会で市長は、住民サービスの問題についてこう答えて
いるのですね。「やはり合併協議のときに市民生活に急激な変化を及ぼさないように、住民サ
ービスにつきましては、当分の間、旧市、村の現行どおりとするようなことで、その辺のこと
についてはいろいろと合併協議の経過の中でいろいろと配慮されてきたというふうに認識をし
ております」というふうに答えてくれているのですよ。一番の問題点というのは、市民生活に
急激な変化を及ぼさない。要するに急激に今までの生活が、あまりにも一挙に変わるというこ
とを起こさないように、当分は旧市、村の現行どおりとしというところがいちばん問題だと思
います。ところが利根町地域においては、これが非常に激変をしているわけですね。ですから
いま住民が非常に怒っている。おかしいじゃないかと。合併説明会については、村長は、「当
分は変わらないのだと。今の状況はほとんど変わらないのだと。だから安心して見ていてくれ
と」こういう説明をしていたわけであります。3月にも同じような質問をして、また6月にも
やったのですけれども、そのときに市長も、急激に変わらないために当面現行どおりとしとい
うことは再度答弁をしているわけなのですけれども。結局、私は何が聞きたいかと言うと、こ
ういうことで平成17年の予算は決まって、利根町の住民サービスは相当切り捨てられた。し
かしこれはあまりにも酷過ぎたので、来年度はある程度は復活してもいいのではないかという
ような考えが執行部にあるのではないかと。そういうことで、そこのところがいちばん聞きた
いわけですよ。もしそれが出来ないのであれば、これからの沼田市の総合計画の中に、やはり
こういった住民サービスを前進させるような形でその計画の中に盛り込むことが出来るのか、
ということをお聞きをしたいわけです。
◇市長(星野已喜雄君) 住民サービスの関係については、先ほど私が、冒頭述べたとおり、
いわゆる利根町の方々にとりましてはマイナスの方向に行ったこともあろうかと思いますけれ
ども、また一方においてはプラスの方向に行ったのもあるわけでございます。それらはやはり
お互いが譲り合っていく中で、徐々に、徐々にお互いが理解し合いながら平準化を図っていく
という努力が大切なのだと思っております。
 なお、総合計画等に、いまおっしゃられるようなことについて盛り込むということについて
は、ちょっとその総合計画の持っている大道からすると、やや具体的なところまでは押し込む
ことがちょっと難しいのではないかというふうに思っております。なお、民生部長に、いわゆ
るいろいろなサービスの関係の凹凸等も含めて説明をいたさせますので、お聞き取りのほどお
願いしたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 民生部長。
◇民生部長(田島 護君) 命によりお答えを申し上げます。
 確かに全体の部分を見た中で、3自治体が一緒になったために、当然マイナスになった部分、
プラスになった部分というのはございます。特に民生部関係、福祉を含めての生活に密着する
という部分で考えられますが、やはり大きな部分では、敬老バスカードであるとか、福祉タク
シーの利用であるとか、こういった部分は一程程度プラスになった部分もあります。また特に、
この中で触れられております敬老祝金等につきましても、年齢の高い部分でのマイナスはあり
ますけれども、その部分、幅広く、全体的に行き渡る部分もありますので、この辺につきまし
てはご理解をいただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) よくその点についてはわかります。総合計画というのはある程度、
漠然的に夢を描くという形がありますから、そういったところに個別の小さい数字というのが
入るということはちょっと無理かと思います。
 それではお伺いしたいのですが、なかなか質問に対して答えていただきたいような答弁が来
ないのは当たり前なのですけれどもね、しかし市長はよく、利根町、白沢町との議員の懇談会
等でも言っておりましたけれども、年内に、来年度の予算要求、そういった中に非常に支障を
来している問題、住民の要求の強い問題、そういった問題をその予算要求の中で盛り込んで、
そうやることによってある程度復活出来るものもあるのではないかというようなお話をしてく
れたのを覚えているのですが、そういった点で、来年度の予算要求の中にある程度そういった
ものを盛り込んで、そして来年度の予算で反映させてもらえるということは可能ではないかな
と思うのですけれども。その点についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり沼田市のいわゆる市議会の皆様方は、大体新年度に
向かって予算要望等を年度内に出して、そしてそれらを市長が承って、当然、各部課にもそう
いったことを指示して、そしてまた予算が組み立てられた後、こういったことだということで
報告を申し上げている一つの流れがございます。従いまして今回、白沢と利根に会派ができた
わけでございます。議員は、別の会派の方に所属をしておられるようでありますけれども、そ
ういうようなことで、当然これから議員の皆様方からいろいろな意見をいただくという流れに
なっておりますので、それはどこがどう、ここがこうということは具体的にはいまここで申し
上げることはできませんけれども、要請の関係については、当然真剣にそれをとらまえて、そ
して出来ることは当然予算化をしていくと、こういう形にはなっておりますので、ご理解を賜
りたいと思っております。ただそれが全てが可能ということになるか、ならないかということ
については、これはご案内のとおり、どこの議会の現場でも同じことであるのでご理解をいた
だきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) ぜひひとつ、住民の立場に立った形で、住民が納得出来る形で、
特に利根町住民はいろいろな形で負担が増えたり、サービスが落とされたという形で不満を持
っているわけでありますから、出来るだけその不満を解消して、市長がよく申されるように、
沼田市民一律に均等、公正、公平ですか、本当に新しい沼田市になった市民が一体となってま
ちづくりが進められるような、そういう気持ちになるような、本当に納得がいくような予算の
復活というのをぜひ望みたいと思います。
 もう何点かあるのですが、一つは、この間の利根町での市長等と語る集いでこういう意見が
出ましたね。薗原の区長さんの方から、今まで要望、各区の要望というのは、村長宛て、議長
宛てというような形で、村においては毎年8月の末日をもって受け付けるというような形で要
望書を受け付けていたわけなのですけれども、この合併をして今度はどこへ持っていったらい
いのでしょうかという質問があったのですよね。これは市長も覚えていると思うのですけれど
も。そういった中で、振興局でいいのだけれどももし沼田に出てくるようなことがあれば私の
ところでも結構ですよと。市長のところでもいいですよという話をされたのですけれども、こ
れが会議が終わってから、幾人かの住民からいろいろな疑問の声が出ていたのですよね。市長
のところへ持っていっていいなら話は早いし、市長の方にみんな持っていけばいいのだから、
そうなると局長はどうなのかね。局長がいなくもいいのではないかという話が出たのだけれど
も、これはやはり自主自立の地域内分権という形になると、やはりそこで出来れば局長を経由
して持ってこいという形の、私とすれば欲しかったのですよ。そうでないと市長でいいのだっ
たら本当に局長はいらないと思いますよ。これはどうなのですか。これは庁内ではそういう調
整というのですか、市長のところでもいいし、局長のところでもいいしというような形になっ
ているのですかね。
◇市長(星野已喜雄君) 陳情要請は、これはもう議員お分かりのとおり、議長宛に出せば、
これは当然、委員会付託になりますよね。そこで論議していろいろなことが協議されてくると。
そういった中でそれは当然、例えば振興局を経由して当然議長のところに持ってくるという手
もありましょうけれども、やはり当該者からすれば出来るだけ議長に直接会ってお願いをした
いということはあるのではないかと思う。例えば県の関係なんか見ると、土木事務所で済む場
合と、結局しかるべき紹介議員を入れて知事、あるいは議長の方までいくという場合もござい
ますよね。ですからそういう意味でもって申し上げたわけでございます。ですから例えば、そ
れは当然、そういっては何ですけれども、その分別はいろいろありますけれども、沼田まで出
てきて、私にいろいろとお願いをしたいということがあれば、それを拒否するわけにはこれは
いかないと思いますね。いまおっしゃるように、振興局を経由して、そして承るということも
これは当然考えられると思うのです。ですからそこら辺は、特別に振興局経由しなければ当該
沼田市長が陳情を受けないとか、そういうことはちょっと今の時代に馴染まないのではないか
なという感じがするのですね。やはり場面、場面で柔軟にそれは処していけばいいのではない
かというふうに思っております。
 ただ言われることについても、議員が言われればそういうこともあるのかなというふうなこ
ともありますので、そういう一つのシステムづくりみたいなのが大事なのかなと思いますけれ
ども、利根の方で遠くて大変だから、振興局長に沼田市長宛の陳情書が出ても、それはおかし
くないと思うのです。あるいはまた、いろいろな軽微のことについては、当然出先の課長等に
区長さんがお願いするということでもいいと思います。ですからその辺のことについては、あ
まり厳密なルールは馴染まないのではないかと思います。ただ、その辺のことについてもいろ
いろと内部で検討してみたいと思いますけれども、ご理解いただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 市長のおっしゃることはよくわかります。そのとおりだと思うの
ですけれども、ただこの間のような市長との懇談会の席上で、この振興局というのがなければ
いいのですよ。利根町支所というくらいならいいのだけれども、地域内分権というのをいま華
々しく打ち上げているのだから、この地域振興局の特徴というか、存在意義というか、やはり
そういったものを考えた場合には、ちょっと市長の発言は軽率だったのではないかと。私、振
興局長の立場だったらそういうふうに感じるのですよ。だから、市長がいまおっしゃったこと
はよくわかります。そのとおりだと思います。しかしこれは振興局制度をまだ存続しておくな
らば、ああいったところでの発言はちょっと注意していただきたいなというふうに思います。
それは答弁は結構です。
 そして、最後の質問に移りますけれども、環境にやさしいまちづくりということであります。
この計画で見ますと、丸の4番ということで、環境にやさしいまちづくりということで、この
(3)に循環型社会の構築と、廃棄物処理とリサイクル対策の推進、新エネルギー利用施策の
展開というような形で項目が載っているわけですよ。私は、輪組と岩室等に建設が噂されたこ
のパンフレット等見ましてね、ああ沼田市の新市の建設計画にうたっているところと重なって
いるような問題が、項目だけ見ますと。要するに、新エネルギー利用施策の展開、廃棄物処理
とリサイクル対策の推進、要するに木くずを燃したり、あるいは廃ビニールを燃して、それを
熱源にして発電所を作るというわけでしょう。こういうことが新市の建設計画の中にあって、
それで振興局長がその業者を伴って地元に説明に行くということが、そっちから考えると、そ
の計画に基づいて局長が動いたのではないのかなというふうに思ったのですよ。南郷の集会場
での住民の皆さんの意見が幾人か出てきましたけれども、そういったところでね、単なる局長
が一人で動いたのではなくて、市としてこれを進めようというようなものがあって局長が動い
たのではないかなというふうに私は理解したのですけれども、そうではないのですか。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時08分休憩
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午後3時18分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 ただいまご質問がございました関係についてはですね、新市建設計画には一切関係するもの
ではございません。従いまして、冒頭答弁したように、新市建設計画に基づくものではなく、
関連性は全くございませんので、ご理解をいただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 最初の答弁と全く同じということで、関係なかったということに
なると、これまた振興局独自で考えた結果だったのですかね、局長さん。これは話がおっつか
なくなってしまう。
◇利根町振興局長(星野健一君) これは振興局独自というよりですね、その昔に、合併をす
る前に、利根村は過疎化が進んでいると。先ほども話があったのですけれども、根利の関係で
砥沢、平滝の関係も5,000人減ったと。また今の状況も、当時、合併したけれども、利根
村になってからいま現在、もう半分以下になったという状況で、非常に獣も多いし、人間が檻
の中に入っていると。こういう状況で、皆がどこで生活出来るのかということを考えたときに、
いろいろな方面から検討しようじゃないかというところから始まったことなのです。それが合
併をして、それ以前から話があったのが一度途切れたのですけれども、某議員の方からそうい
う話があったということです。そういうふうに理解していただきたいと思います。
 ただ、いろいろな住民に理解をしてもらいながら、いろいろな施策については進めるという
ことが基本でありますので、そういう部分で議論になったというふうに理解していただけたら
と思います。
◇39番(井上健太郎君) 一連の問題と計画とは全く関係ないということで理解をいたしま
す。しかしですね、旧利根村のときから継続しているのですけれども、私の住んでいる平川地
域では、これとは違いますけれども、産業廃棄物の処理場の件で、相当小さい集落なのですけ
れども、住民同士が対立をして、大変な、村を揉む元になっているのですけれども、これが沼
田市になって、これからもこういう問題が勿論、多々出てくると思うのですよ。そういう点で、
出来ればこういうものについては、市として積極的に受け入れるとか、あるいは一切そういう
ものについては受け付けない方向でいくとか、何らかの定義というか、基準というか、やはり
そういったものを総合計画の中にうたっていくべきではないかというふうに思うのですよ。そ
の点についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、ここのところはしっかりと確認しておきたいと思いますのは、
あくまでもこの設置、許認可の権限が、県の許可を要するということになっております。ここ
のところはしっかり押さえておかないと、ややもすると混乱をすることになりますので、はっ
きりと申し上げておきたいと思っております。従って、市が展開する事業とは必然的に異なる
ものとなるということであります。ただやはり問題が出てきたときに、個別に県の指導等も仰
ぎながら、慎重に、地域住民の意をたいして対策を講じていくということになろうかと思って
おります。一つご理解をいただきたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) この許認可については、県が握っているということであります。
しかしですね、利根村におきましては、以前議会でもって、村外の廃棄物は一切受け入れない
という決議を挙げまして、これが一定の、ある程度ひとつの基準として歯止めをする一つの役
目を果たしてきたと思うのですよ。ですからそういった形での、沼田市独自の考え方というか、
この沼田市管内で出来る処理についてはどうだとか、沼田市以外の他町村からのごみについて
は一切受け入れないとか、そういった類のものというのは一つの基準として設けることは、う
たっておくことは出来るのではないか。これからおそらくこういう問題は相当出てくると思い
ますけれども、そういうものに教わって判断をしていくということがいちばん簡単でもあるし、
正しい方法ではないかなと思うのですが、この点についてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) あくまでも県の許認可を要する問題であるということと、今までも
こういった問題が出てくると、個別に、慎重に対応してきました。総合計画への盛り込みのご
提案でありますけれども、先ほど来、前段のところで述べたように、総合計画が総合的な形に
なっていきますので、この辺の関係については一考を要するかなと、こんなふうに思っており
ます。いずれにいたしましても、あくまでも県の許認可の体制があると。当該自治体からすれ
ば、地域の意をたいした形の中で、県のご指導をいただくような形で進んでいくということに
なろうかと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) 一つしっかりとした形で考えていってもらいたいというふうに思
います。しかし、話は戻りますけれども、環境にやさしいまちづくりという観点から、計画の
中に、循環型社会の構築という形で計画をうたってある。これについては、今度、参入してこ
ようとした事業とは全く関係ないけれども、小さい字で書いてありますけれどもね、廃棄物処
理とリサイクル対策の推進と。そして新エネルギーの利用施策の展開というふうに計画の中に
入っているということは、それなりの考えがあって載せてあるのではないかというふうに思う
のですよ。どういう方がこういう文面を書いたかわからないですけれども、今度の輪組、岩室
のあの企業とは全く関係がないけれども、この文書というのは非常に誤解されやすい文書であ
る。また考え方によれば、非常にいいスローガンでもあるわけですよ。この地域内に出た廃棄
物をエネルギーに変える処理をするということだから、非常に環境にやさしいという面からは、
これは考え方によればいいことではないかというふうに思います。こういった点については、
どなたが考えたのかわからないですけれども、だから総合計画の中にちゃんとうたっているわ
けでしょう。そうですよね。
◇市長(星野已喜雄君) 議員の再質問にお答えしたいと思います。
 ここに書かれている廃棄物処理とリサイクル対策の推進という文言は、あくまでも一般廃棄
物の関係について掲載をしていることでありまして、産業廃棄物のことについて書いているも
のではございません。同時に、新エネルギーの関係については、リンクして考えられているよ
うでありますが、いま沼田市で考えているのは、この河岸段丘等を使った、要するに上位の、
上段から下に水が落差として落ちている。その落差利用で発電を起こすことによって、地域エ
ネルギーを確保していったらどうかというようなことを東京電力の指導のもとに考えている経
過がございます。ですからそれは、まさにクリーンエネルギーという形の中で、いま一生懸命
内部で検討しているところでありますので、ご理解をいただきたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) わかりました。時間も迫ってまいりましたので、これで最後にし
たいと思いますけれども、今回の質問では、今までの3月、6月の質問と全部関連しています。
要するに、この建設計画と現実が非常に乖離していると、離れていると。だから利根町住民は、
この合併、非常に間違った合併だと、騙されたと。そういう不満が非常にうずまいているとい
う今の利根町の住民の現状を訴えたかったからであります。そういった点で、振興局長も、ま
た市長についても、そういったものを合併する前に利根町住民に説明してきたわけであります
から、そういった点では、この違いというものの説明責任というのは多いにあるということを
最後に指摘をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、大東宣之議員。
〔26番 大東宣之君登壇〕
◇26番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回、私は、アスベスト問題について、高齢者福祉について、就学援助についての3点につ
いて質問いたします。
 まずはじめに、アスベスト問題についてより質問いたします。
 6月末から7月にかけて、アスベスト製品を製造していたメーカーから、製造工場の職員や
工場周辺住民に、肺ガンや中皮腫による死亡例など、深刻な健康被害が出ている実態が相次い
で発表されました。もともとアスベスト問題が早くからガンとの関係が知られており、じん肺
法、大気汚染防止法、特定化学物質障害予防規則の中で、非常に甘い基準でしたが、対策が必
要とされていました。1972年には、ILOでアスベストによる職業ガンが公認されるなど、
アスベストの被害がずっと前から指摘されています。この間、アスベスト問題が急に出てきた
ような感じを受けるのは、ILO162号条約、石綿の使用における安全に関する条例、19
86年3月、1989年発効の批准について、6月末から国会で審議されることになり、製造
メーカーが国会審議を前に、使用状況や被害実態を公表せざるを得なくなったからだという指
摘があります。
 政府は、アスベスト使用禁止の国内法の整備を怠り、国際条約ができてから19年間も批准
してこなかったことが被害を拡大させたことは明らかです。財務省や経済産業省などの資料に
よると、1930年から2003年までに輸入されたアスベストは約987万トン、国内鉱山
からの生産は37万トンで、計1,024万トンのアスベストが使われたと考えております。
約9割は、天井、壁材、スレート瓦などの建築資材に使われていますが、その他、工業用から
電気製品、日用品まで、約3,000種の製品に使われていると言われています。クボタやニ
チアスの資料によると、石綿を15%含んだ水道管や屋根や壁に使用する石綿ボード、パッキ
ンなどが作られていたことがわかります。今後石綿が、どこで、どの程度使われているかを正
確に把握することが、被害の拡大を防ぐ上でも大切なことではないでしょうか。市有施設での
アスベストの使用状況はどのようになっているのか。また、民間施設でのアスベスト使用状況
の把握、対応はどのようにされるのかお伺いいたします。そして、今後のアスベスト対策をど
のように進めるのかお伺いいたします。
 続いて、高齢者福祉について質問いたします。
 6月22日、介護保険法改正法案が成立しましたが、その中身は、軽度の人の介護サービス
を切り捨て、施設利用者に大きな負担を押しつけるものであり、それは介護保険制度の改悪と
呼ぶに相応しいものです。これまで要支援と要介護1〜5の6段階だった要介護認定が、要支
援1と2、要介護1〜5の7段階に変わりますが、要支援1、2と判定された人は、新予防給
付の対象とされ、筋力向上、口腔ケアなどのサービスが中心となり、家事援助サービスが原則
禁止となります。また、特養ホーム、老健施設、療養型病床群の居住費、食事が保険給付から
はずされ、全額自己負担となり、年金が月額7万円で、特養ホームの準個室に入所している要
介護4の人の場合、現在の負担額が4万円なのに、10月からは、居住費と食費が全額自己負
担となるので、8万5,000円となり、年金額を超えてしまうことになります。要支援、要
介護になるおそれがある人、要介護認定で、非該当をされた人を対象に、介護予防をうたい文
句に地域支援事業をスタートさせることになっていますが、その実態は、健康診査や配食サー
ビスなど、これまで市が行ってきた福祉事業を介護保険に吸収するだけのものでしかありませ
ん。
 介護予防の拠点として、地域包括支援センターを新設し、市町村の保健師や社会福祉士を配
置する計画ですが、これでは成人病予防や乳幼児医療、地域福祉に取り組んできた人員が割か
れ、地域福祉や保健事業が後退するのではないかという声がすでに出されています。政府が目
玉とする筋力トレーニングには、その効果に疑問の声がすでに出されています。昨年度、全国
69市町村で介護予防のモデル事業が実施され、その中間報告が4月19日衆議院に報告され
ました。筋力トレーニングで16.3%は状態悪化とされ、項目別では、体の痛みや心の健康、
憂鬱などの項目で悪化した人は約3割にのぼり、さらに鼻字が出た、かぜをこじらせた、入院
したなど、体調を崩した例が報告されています。制度改定に対する市長の見解、要支援1、2
と判定された人への対応はどのようにされるのかお伺いいたします。
 地域支援事業の事業内容と地域包括支援センター創設に向けどのように取り組むのかお伺い
いたします。介護3施設での居住費、食費の全額自己負担による影響と対応はどのようにされ
るのかお伺いいたします。
 続いて、就学援助について質問いたします。
 日本の義務教育は無償とされていますが、部活に係わる費用や修学旅行などさまざまな負担
があるのが実態です。経済困難な家庭に対し、経済的支援を行う制度として就学援助制度があ
りますが、国からの補助が一般財源化されてしまい、その財源確保が心配される状況となって
しまいました。不況によるリストラなどによる経済的な問題や、離婚などさまざまな理由によ
って経済的困難に直面している人は少なくないと考えられます。子供たちが安心して学校に通
えるようにするためにも、就学援助の充実こそいま求められているのではないでしょうか。就
学援助対象者の推移と制度に対する教育長の見解についてお伺いいたします。
 これからの対応と一般財源による財源確保についての考えと、対応はどのように行われるの
かをお伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、アスベスト問題について、アスベストの使用状況と今後の対応について、市有施設で
のアスベストの使用状況はどのようになっているのかについてでありますが、本市のアスベス
ト問題への対応につきましては、20年近く前の昭和62年ごろにアスベスト使用の調査や一
定の囲い込み等の対応を図ってきた経緯がありますが、長い年月を経過していることやアスベ
ストに対する認識、法規制等も変わってきていること、また、最近ではアスベストによる健康
被害問題が大きな社会問題となっていること及び本年7月1日には厚生労働省の「石綿障害予
防規則」が施行され、建築物所有者への状況把握や飛散性石綿の除去等の対応義務が新たに課
せられたことに伴い、改めてアスベストの使用状況を調査し、その結果を踏まえて必要な対策
を講ずることといたしました。調査の手順といたしましては、第1次の全庁的調査として、全
ての市有施設を対象に7月下旬から8月上旬にかけて吹付け石綿、いわゆる飛散性アスベスト
の使用の可能性のあるものを抽出することを目的に、目視等による調査を行い、8月中旬に第
1次調査で抽出された箇所の現地調査を建設課と財政課で行い、更に8月下旬には、最終的に
飛散性アスベストの使用可能性がある箇所のサンプル採取を行い、現在、専門分析機関に依頼
して、アスベスト含有の有無及び有りの場合の含有率について分析調査をしているところであ
ります。
 なお、サンプル分析調査を行っている施設数につきましては、14施設17箇所となってお
ります。
 次に、民間施設でのアスベスト使用状況の把握、対応はどのようにされるのかについてであ
りますが、平成17年7月に国土交通省から都道府県宛に「民間建築物における吹付けアスベ
ストに関する調査」依頼があり、群馬県では昭和31年から平成元年までに建築された延べ床
面積1,000平方メートル以上の建築物について所有者へ通知し、電話での聞き取りと現地
調査を実施しているところであります。現時点で把握している沼田土木事務所管内での対象建
築物は約80件程度であり、吹き付けアスベストの使用が明らかになった建築物については、
所有者に行政指導を行い、問題のあるケースについては、県より是正措置がなされることにな
っております。また、総合相談については、利根環境森林事務所、健康に関する相談について
は、沼田保健福祉事務所、建材・建物に関する相談については、沼田土木事務所で相談窓口を
開設し、対応しているところであります。本市におきましても関係機関と連携を強化し、アス
ベストの被害防止に努めてまいりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと存じます。
 次に、今後のアスベスト対策をどのように進めるのかについてでありますが、市有施設にお
ける対応といたしましては、現在行っている分析調査の結果、アスベストを含有する箇所があ
る場合には、石綿障害予防規則に基づき、除去、封じ込め又は囲い込みのいずれかの方法によ
り、速やかに措置を講じてまいりたいと考えております。
 次に、高齢者福祉について、介護保険について、制度改定に対する市長の見解はについてで
ありますが、介護保険法においては、基本指針に即して、3年ごとに、5年を1期とする介護
保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画を定めるとしており、また、附則において、
この法律の施行後5年を目途としてその全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき、必
要な見直し等の措置が講ぜられるべきものとして規定しているところであります。
 介護保険制度は、他の国に例を見ない速さで高齢化が進展する我が国にとってなくてはなら
ないものであり、今回の制度改正につきましても、制度の「持続可能性」「明るく活力ある超
高齢社会」「社会保障の総合化」等を基本的視点として、様々な制度改革の検討が進められる
ものと認識しております。現在も全体の細かな取り扱い等が調整中でありますが、介護保険制
度の趣旨を反映した改革がなされることを期待しているところであります。本市におきまして
も、制度が変わることによって高齢者が戸惑うことのないよう、その対応について、意を用い
てまいりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと存じます。
 次に、要支援1・2と判定された人への対応はどのようにされるのかについてでありますが、
新しい制度の下で、要支援1・2と判定された場合には、新予防給付の対象者となり、専門家
の支援も得ながら、利用者が生活機能の維持・向上に対する積極的な意欲を自ら獲得するよう
に促す働きかけをすることが重要となっています。新予防給付において、家事援助が一律にカ
ットされることはなく、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められる
とされ、施設入所者につきましても、平成18年4月1日以降の更新申請の結果「要支援2」
となった場合でも、平成20年度末までの3年間は、介護保険施設に入所出来るとしていると
ころであります。
 次に、「地域支援事業」の内容と「地域包括支援センター」創設に向けどのように取り組む
のかについてでありますが、「地域支援事業」は、介護予防事業と「地域包括支援センター」
が行う包括的支援事業及び任意事業の3つに区分され、介護予防事業におきましては、介護予
防のスクリーニングの結果を踏まえ、要支援・要介護になるおそれの高い人を対象に、介護予
防のサービスを提供する特定高齢者施策と一般高齢者を対象とした施策からなり、既存の保健
事業等に新たなメニューも追加し、実施するものであります。
 地域包括支援センターが行う包括的支援事業につきましては、介護予防サービスのマネジメ
ント、総合相談・支援事業、権利擁護事業、地域ケア支援事業などを行うものであります。ま
た、任意事業として介護給付費適正化事業や家族支援事業などを行うことが出来ることになっ
ております。
 なお、「地域包括支援センター」の創設については、現在民生部においてプロジェクトチー
ムを設け、既存事業の整理や同センターの在り方等について検討を行っているところでありま
す。
 次に、介護3施設での居住費・食費の全額自己負担による影響と対応はどのようにされるの
かについてでありますが、介護保険制度は、保険料と公費という国民の負担によって支えられ
ている制度であり、保険料の急激な上昇を抑え、持続可能な制度としていくためには、給付の
効率化・重点化を図ることが必要であります。
 今回の見直しにおいて、「負担の公平性」という観点から、介護保険施設等における居住費・
食費につきましては、在宅の方と同様、保険給付の対象外とし、介護に関する部分に給付を重
点化することとしたものであります。
 見直しに当たって、居住費・食費の負担が低所得の方にとって過重な負担とならないよう特
定入所者介護サービス費を創設し、所得に応じた定額の負担限度額を設けることにより、低所
得者の負担軽減を図ることになっておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、就学援助に
ついて、これからの対応については、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願いいた
します。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井勲君登壇〕
◇教育長(津久井勲君) 先ほどの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 就学援助について、これからの対応について、就学援助対象者数の推移と制度に対する教育
長の見解についてでありますが、就学援助対象者としては、要保護対象者と準要保護対象者が
該当することになっておりますが、旧沼田市、旧白沢村、旧利根村3市村の合計による数値は、
平成13年度が小中学校合わせて245人、全体の児童生徒数に占める割合は4.74%、同
様に平成14年度が273人で5.41%、平成15年度が317人、6.27%、平成16
年度が336人で6.78%でありまして、年々増加傾向で推移しているところであります。
 
 また、本制度は、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、
市町村は、必要な援助を与えなければならないというものでありまして、このことは、教育の
機会均等々、法の精神を具現化するためにも極めて大切なものであると考えております。
 次に、これからの対応と一般財源化による財源確保についての考えと対応はどのようにおこ
なわれるのかについてでありますが、今後とも本制度の根拠法であります、学校教育法第25条
に基づき、就学援助対象者に対しては、従前同様の対応をしていきたいと考えております。
 また、議員ご指摘のとおり、今年度から、国の補助対象が、要保護者である者に限定される
こととなり、準要保護者である者に対しては、地方交付税措置となったところであります。そ
こで、本制度の重要性に鑑み、従前のような事業が実施出来るよう、今後とも努力してまいり
たいと考えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇26番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問を
させていただきます。
 まずはじめに、アスベスト問題についてよりいろいろとお聞かせいただきたいと思います。
現在、大変大きな社会問題になっておりますが、このアスベスト、市として14施設、17カ
所について調査を行っているということなのですが、この結果は大体どのくらいに出るものな
のか。例えば9月の末とか10月頃に出るとか。そして、そういう結果が出た段階で、いろい
ろな対処法、先ほどもおっしゃったように囲い込み等、飛散をさせないような対応がされるの
ではないかと思うのですが、そういった対応がどの程度で、何カ所でやるかによっても違って
くるのではないかと思うのですが、完了させる、そういうような計画をお持ちなのか。わかれ
ば教えていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 調査の結果につきましては、いつ頃という、こういうご質問でござ
いますが、何とも申し上げられないのでありますが、かなり早い時期、申し上げるならば週明
けには結果が出てくるかなというふうに思っております。ただこれも相手があることですから、
一概にはちょっと申し上げづらいのでありますが、私どもがいろいろ含んでいるところでは、
来週当たりには出てくるのかな、こんな認識を持っております。従いまして、出てきた結果に
応じてですね、早急な対応をしていく考え方でございますけれども、一応石綿の含有の可能性
があるや、なしやということになってくると、漏れ承るところによると、いい方向性というか、
いい方向性というのは、それほど問題にならないのではないかということを期待をしておりま
す。いずれにいたしましても、週明けには、早ければわかると思います。勿論、当然その場で
いろいろ問題があれば速やかに対応するように、すでに段取りをしているところでございます。
◇26番(大東宣之君) アスベスト問題、非常に関心が高まっている。これは、私としては、
政府の対応が遅かったことがこれだけ被害を拡大をさせたことにつながっているのではないか
というふうに思いますが、実際として沼田市にもそういったものを使用している施設、場所が
ある以上は、やはりしっかりと対応をしていっていただきたいということをまずお願いをした
いのと同時に、いま関心が高まっている中ですから、変に隠すことなくして、しっかりと情報
を公開して、しっかりと対応していくということがいま必要ではないかというふうに思うので
すが、市長としてのお考え、再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
 議員がおっしゃるとおりそういった調査の結果が出れば速やかに皆さん方にお示しをして、
そして問題があるところについてはこういう対応をしていきたいということで、当然、その結
果についてはお示しをしていきたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っておりま
す。
◇26番(大東宣之君) 私は、この問題については、しっかりとした国の責任を追及、地方
自治体としてしっかりと追及をしていかなくてはいけないのではないかと。結果として、国民、
政府がこの対策を怠ってきた。ILOの条約を批准をしてこなかった、長い間。そういうこと
がこれだけ被害を拡大させる。問題を深刻化させる一つの大きな要因になった以上は、政府の
責任をしっかり追及をしながら、これからいろいろな箇所において、市有の施設において、そ
ういったおそれのある場所については何らかの対処をしていかなくてはならないわけですから、
そういった点での財源の確保、国にしっかりと面倒を見てもらうというようなこともしていか
なければならないのではないか。ですからそのためには、事前の調査をしっかりすることも必
要ですけれども、すでにされているということですから、そういったしっかりとした調査を踏
まえて、しっかりと国に対してそういった対処をしていくと。そういった財源の確保も含めて
していくというような取り組みが必要ではないかと思いますが、市長としてのお考えがあれば、
この際ですのでお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 確かにこのアスベストの問題は、いろいろ勉強させていただくと、
従前は大変良い資源というのか、そういった使われ方をしていた中で、いわゆるILO等指摘
された中で、それらについて対応してこなかったという、そういうことについてはやはり忸怩
たる思いがございます。従いましてですね、調査結果を踏まえながら、また申し上げるべき機
関、機関というのは上位の機関でありますが、こちらの方にも強い意見を申し上げていきたい
というふうに思っております。
◇26番(大東宣之君) ぜひ迅速に、アスベストの問題については、いま非常に心配をされ
ている市民の方が多い問題ですので、迅速に、そしてまたしっかりとした情報、惑わされるこ
とのないような情報の公開を含めてやっていく必要があるのではないか。結構、ほこりが出て
くると、あれがアスベストではないかと結構心配される方も少なからずいますから、全ての市
有施設、全てにアスベストが使われているわけではないわけですから、やはりそういったこと
をきっちりと情報公開をしておかないと、市民にとっては何を見てもアスベストが使われてい
るのではないかと心配に成り兼ねないわけですから、しっかりとした情報公開を併せて行って
いっていただきたいというふうにお願いをして、次の高齢者福祉、介護保険の問題についてお
聞かせいただければというふうに思います。
 先ほど、今度の法の改正に対する市長の見解として、さほど問題がないような見解を示され
たのではなかったかというふうに私としては感じてしまったわけですが、私が先ほど申しまし
たように、今回のこの改定によって、要するに、要支援1、2の人は、原則家事援助サービス
は受けられない。一律受けられないということでは確かにないわけですが、原則受けられない
わけですから、現在利用されている多くの方々はもう利用できなくなってしまうわけなのです。
それから施設入所、これも居住費、食費が全額自己負担になるわけですから、低所得者に対し
ては一定の軽減措置が図られているわけですが、全体的には、利用者全員が利用料が増えてく
ると。その利用料も年金の額より多くなるケースが出てくると。先ほど私が言いましたように、
要介護4で、年金が7万円の方が準個室に入れば8万5,000円と。現在払っている利用料
の2倍かかってしまうと。こういうような制度改定が今後されると非常に利用者にとっては重
い負担になる。ますますこの制度が利用できなくなってしまうのではないかと思いますが、市
長としてのお考え、再度お聞かせいただければと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後4時00分休憩
─────────────────────────────
午後4時08分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 実は、ただいまのご質問に対しまして、境界層というか、境の階級というか、そういうのが
ございまして、その措置の制度があるので、年金の関係についてのいわゆる先ほどのご質問の
ように、いろいろと不足をきたすような場合には、基準の下の段階を使用することによってそ
れをカバーしていくということの方策が可能のようでございます。民生部長に補足答弁をいた
させますので、お聞き取りのほどをお願いしたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 民生部長。
◇民生部長(田島 護君) 命によりお答えをいたします。
 先ほどの年金の関係でございますが、7万円というと第3段階、こんなふうな理解をしてお
りますが、この年金で第3段階に行った場合に年金の方が少ない。生活保護扱いになってしま
う。このような場合には、先ほど市長の方からありましたように、境界層ということで、1ラ
ンク下、2段階を使いますので、これを使うことにより、そこで日用品等に充てる額、これが
約2万7,000円ほど出てくる。そういった形での救済をしていくことになっています。
◇26番(大東宣之君) この介護保険制度、保険制度で全員が入らなくてはならない、全員
が保険料を納めなくてはならないという制度なのです。保険料を納め続けている。いざ使いま
しょう、使いたいと言ったときに、高い利用料が一つの大きなハードルになってくる。そうい
ったことによってサービスが受けられなくなる。それはもう契約違反、保険料を真面目にずっ
と、何十年、40歳からですから25年間払って65歳になってサービスを受けたい、受けよ
うと思ったときに、自分の年金額によってそのサービス、利用料が負担しきれない。サービス
が受けられないということになると、もうこれは契約違反なのです。その必要に応じてサービ
スが受けられることを信じて皆保険料を払い続けているわけですから、それがそのときになっ
て利用出来ないということになっては、ならないというふうに私は思います。
 それと現在、沼田市の国民年金の受給者、受給をされている方々の平均の、大まかな平均で
すけれども、受給額、たぶん月4万5,000円程度、5万円はいっていないのではないかと。
障害者年金を受給をされている方を含めると若干上がるのですけれども、しかし、多くの方々
は5万円に満たない国民年金で、沼田市の場合はですよ、国民年金を受給されている方の場合
の方が多い。そういった方々が多い地域ですから、そういった利用料によってそういったサー
ビスが受けられない。そういうことのないようにしていかなくてはならないのではないかとい
うふうに感じます。その人にとって必要であれば施設に入居していただける、そういうような
ことに対応をしっかりとしていかなければならないのではないかと思いますが、そういった点
についてのお考えがあれば市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 福祉の問題は、結局、年々歳々、少子高齢社会が進んでいくという我が国の人口構造の宿命
的な問題と位置づけられているのではないかと思っております。ですから、介護保険の関係等
についてもですね、大変いろいろな意味で事業の効果を挙げてきたということの中で、今次、
この関係について、改正等することによって持続可能な形の制度に変えていこうというような
流れがあるというふうに認識をしております。ただやはりそうかと言ったって、一方において
は生命の尊重であるとか、あるいはまた生命の尊厳をとらまえたときに、その制度が、例えば
命に係わるようなことにまで発展するとすれば、これは極めて由々しき問題でありますので、
いろいろな意味でそれは対策を講じていかなくてはならないのではないかというふうに認識を
しております。
 いずれにいたしましても、この介護保険制度の関係の今次の状況については、関係機関とう
まく、密接に連絡を取りながら、本市にとってもいまご指摘のような問題が出来るだけ発生し
ないように対応をしていきたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇26番(大東宣之君) ぜひいろいろな意味で、この制度が全ての加入者に安心して利用し
ていただける。在宅でも、施設でも、安心して利用出来るものとしてしていくように、市長と
しても頑張っていただきたいというふうに思います。それと続いて、要支援1、2と判定をさ
れた人に対する対応ですが、これは今年の6月の介護認定者の数でいくと、要支援の方が1号
保険者で332人、要介護1の方が591人いらっしゃいます。この要介護1の大体7割から
8割程度が要支援2になると言われています。大体ざっと計算をして490人程度、ですから
合わせると800人ちょっといらっしゃると。これは旧沼田、白沢、利根を含めてですが、い
らっしゃることになる。こういった方々が家事援助を受けられなくなってしまう。原則禁止で
すから、全ての人が受けられないということではないが、多くの方々が受けられなくなるとい
うことになってしまうのではないかと。すでに長崎県では、この家事援助を非常に重視をして
おりまして、大きな成果をあげていて、介護予防としての成果をあげているということが報告
をされております。結局、そういった方々の家事援助のホームヘルプサービスを取り上げてし
まうということは、介護度が進んでしまうおそれがあるのではないかというふうに思います。
そういったおそれがあるというふうに考えているわけですが、市長としてはどのようにお考え
なのか、再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しいご質問でございますが、議員がご指摘のとおり、要支援
1、要支援2に対して、要介護1の方々を、要するに要支援の方に入れていくことによって要
介護1を減らすというような、そういうことが予測されるわけでございます。そういった形の
中で、要介護の方々が持っている今までのリスクというのか、そういったものが要支援になっ
たときに担保されるのかどうかという、こういうご懸念かと思っておりますが、それらについ
ては、やはり制度の実態をよく踏まえながら、出来るだけいま議員がおっしゃったように、原
則を、しっかりとした踏まえ方をして、柔軟に対応をしていくように処していくことが大事な
のかなと、こういうふうに認識をしております。
◇26番(大東宣之君) それから、現在要介護1の人から施設入所が可能になっているはず
です。ところがこれが、今度は要介護2以上にならないと施設入所は認められなくなる。結局、
現在、要介護1の人がほとんどの8割程度の人が、要支援2にいくわけですから、必然的にも
うこの方々が施設入所は不可能になってしまうということになってくる。ですから、必要があ
るからその方々が施設に入るわけですから、闇雲に何でもいいから施設に入るというわけでは
ありませんから、必要に応じて施設に入る。そういうケアプランを立てて入るわけですから、
そういった意味ではこの要支援1、2に判定をされてしまうと非常に生活に困難性を来してく
るおそれがあるのではないかというふうに私としては考えてしまうわけですが、市長としては
いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、この施設入所者につきましては、平成18年の4
月1日以降の更新の審査の結果、先ほどお話の要介護1の方々が要支援2となった場合でも、
一応今次の制度が平成20年度末までの3年間、つまりこの向こう側3年間は介護保険施設に
入所出来るとしているところがある、ということが一つの時代変化の中の緩和措置というよう
な位置づけではないかと思っております。そういった中で、自立をしていく、あるいはこれか
ら先々の超高齢社会に向かっての対応をしていくときに、今回のような法改正がなされてきて
いるという経過があるのではないかと思っておりますが、こういったソフトランディングとい
うのか、3年間、介護保険施設に入所出来るというところをとらまえて、いろいろな意味で状
態に見合った形の対応をしていくことが大切なのかなというふうに感じております。
◇26番(大東宣之君) これは現在、入所されている方々は3年間延長出来るということ。
要するにこれからの人は入れないということになってしまう。ですから、現在使っている方々
は3年間そのまま入所可能でありますけれども、3年経てば出なくてはならない。そういうこ
とになってしまうのではないか。ですからその後の生活支援、その方々の生活をどう支えてい
くのかということが、3年経てば問題になってくるのではないか。そういうおそれがあるので
はないかというふうに感じられます。そして、この要支援1、2の方々が、地域支援事業とし
て筋力トレーニングだとか、健康診査だとか、そういったことに今度なるわけですけれども、
しかしそういったことは、実際今まで介護保険ではない、市の一般福祉と言いますか、高齢者
福祉の事業としてやってきたわけですから、特段この目新しいものではない。筋力トレーニン
グは今回が初めてみたいですけれども、特段目新しいものではないし、それが本当に即、介護
予防につながっていくのかどうかという科学的根拠もまだ現在の段階では示されていません。
ですから、この地域支援事業が、真にこの介護予防となるような取り組みをしていかなくては
ならない。そういうメニューをこの沼田市として構築をしていかなくてはならないのではない
かと。例えば筋力トレーニング、口腔ケアだとか、健康診査だとか、これは国のメニューなの
です。だけどそれを補完をしていく、この沼田市からはそういったものを使いながら、真にそ
れが介護予防となるものにこの事業を発展をさせていかなくてはならないと思いますが、この
地域支援事業をいわゆるこの国が示されたメニューの枠内に止めるのかどうか。そういったお
考えについてお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい、しかも加速度的に進む超高齢社会に向かっての変化の
歴史の節目に立たされている私どもでありますので、どういう状態が先々に招来をしてくるの
かということも非常になかなか予測がつきかねます。そういうようなことから、非常に国もそ
ういったことをとらまえて、早めに、早めに手を打っているのだと思いますけれども、やはり
いろいろなことを総合的に判断をいたしますると、財政事情が徐々に厳しくなってくると、や
はり地域内介護というようなことを総合的にとらまえていくのが必要になってくるのかなとい
う感じを持ちます。
 これはちょっと質問のところから若干外れますけれども、例えば危機管理によるところの、
要するにお年寄りが寝込んでいるということを助けようということになったときに、ボランテ
ィアの人がその地区にいない場合には、どうしても頼るところは隣近所になります。ですから
必然的に、そういった災害対策等を考えても地域の力が必要だということになってくると、や
はり当介護の問題等についても、地域でもって支え会っていくという形を、かなり研究をして、
そういうものの強さを立ち上げていかないと立ち行かないものかなということを感じ取ってお
ります。ただ、現下の制度の関係については、私どもの立場からいたしますると、これを全く
否定するわけにはまいりませんので、この制度をうまく活用して、地域にうまく整合させてい
くということと同時に、そういったところからくる歪み等については、行政体の立場から、出
来ることはやはりしていかなければいけないのではないかと思っています。
◇26番(大東宣之君) 地域で支え合っていくということは、それはそれで大事なことであ
って、いま市長がおっしゃったこと自体決して否定するものではありません。ただ国が、小泉
さんの言うことをよく聞いていると、官から民だ、郵政民営化すれば何だってよくなるという
ことをしきりにおっしゃるお方なのですけれども、何がよくなるかわからないのですけれども、
福祉については、自助だ、自立だなどということをあの人はしきりにおっしゃる。しかし自分
の政党が、政党助成金といって税金をもらって、自分の政党の運営費の6割をその税金で賄っ
ていると。国民には自助自立だ、福祉ということを言えば、ほら自助自立だなどということを
言っておきながら自分たちは税金で政党を運営していると。何かおかしなことばかりやる人だ
なというふうに感じています。ですから単純に、国民にだけにそういうしわ寄せを寄せていく
ということ自体にやはり問題がある。ですからそういった政府の至らぬ点、至らない所、そう
いったところをしっかりカバーをしていく、補っていく、そういった施策をこの沼田市として
展開をしていく必要性がある。とりわけ高齢化が進んできている沼田市です。合併をしたとい
うこともあるのですけれども、今年の6月段階で、1号保険者の介護認定、要介護者の数が1,
896人になっています。そういった意味でも非常にこれから高齢化が進んでいく地域ですか
ら、そういった意味では独自の施策の展開が必要になってくるのではないかと。ただ単なる国
のそういうメニューだけにとらわれることなく、きめ細かな取り組みをぜひ展開をしていって
いただきたいというふうに思います。
 それから続いて、地域包括支援センターの関係ですが、この新予防給付の対象となる高齢者
の数が、全国で150から160万人、そのケアプランを地域包括支援センターで一人ずつ配
置をされる保健師が作成されることになる。この地域包括支援センターは、全国で5,000
から6,000箇所に設置をされる計画だそうですが、そうすると、この保健師一人当たりが
作るケアプランが320件というふうになってきます。現在、ケアマネージャーの方が、50
件担当するのも容易ではないと言われています。ですから、こういったことから見ても、この
地域包括支援センターが単なる地域包括支援センターという名称だけにとどまって、この実効
ある活動が出来るかどうか。今の体制でいけば、こういった体制でいけば問題があるのではな
いかというふうに思います。先ほど市長のご答弁では、現在、民生部の中でプロジェクトチー
ムを作って創設に向けて検討をしているというお答えがあったわけですが、具体的にもしここ
で、今の段階で答えていただける範囲がありましたら、その具体的中身、その体制がどういう
ふうなものになろうとしているのか。また、そこで行う事業等について、どのようなものが考
えられているのか、この段階で、今の段階で答えていただけることがあればお聞かせいただけ
ればというふうに思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後4時30分休憩
─────────────────────────────
午後4時35分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 ただいまの、地域包括支援センターの問題でございますけれども、先ほどの答弁でも申し上
げましたとおり、現在、民生部の内部にプロジェクトチームを設けて検討を重ねているところ
でございます。従いまして、介護保険運営協議会等関係機関の意見等も参考にしながら、現在、
設置時期、設置箇所、専門職の配置、運営方法等について検討しているところでございます。
◇26番(大東宣之君) 現在、地域包括支援センターについては検討されているということ
ですが、やはりある程度ここが、これからのそういった要支援1、2の方々の対象としてさま
ざまの事業を展開していくところになるわけですから、しっかりとした体制、しっかりとした
取り組みが出来る体制を作っていっていただきたいということをお願いをしておきたいと思い
ます。
 それから、介護3施設、特老などの施設で、居住費や食費の全額自己負担になってくるわけ
ですが、こういった施設だけではなくて、ショートステイ、更にはデイサービス、こういった
ところにも食費等が全額自己負担になってくるということですから、必然的に利用者の負担が
上がってくると。低所得者については、一定の頭打ちがあるということでしたけれども、しか
し基本的には、どういう場合になってもこういった施設、またデイサービスやショートステイ
が、お金の心配をなくして利用出来る、その人にとって必要なサービスをちゃんと提供が出来
る、その人が受けられるようにしていくということが、やはり行政の仕事としてあるのではな
いかというふうに感じられます。そういった点で、沼田市としてそういったところに対する何
らかの措置をこれから検討していくのかどうか。お考えがあればお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたとおり、いろいろと法改正等によっていろい
ろと対応していかなくてはならないことがたくさん出てまいります。当然そういった新しい制
度のもとに、地域にあってはどうしても歪みが出てくるであろうということは、これは全てが
万能ではありませんから予測されるわけでございます。そういった歪み等については、行政の
立場からすれば、検討を加えていかなくてはならないのではないか。こういうふうに感じてお
ります。
◇26番(大東宣之君) これから高齢化が特に進んでいく沼田市ですから、やはり安心出来
る老後が過ごせるまちづくりというのをこれからの一つの大きな柱としてぜひ取り組んでいっ
ていただきたい。そのためにもこの介護保険制度、更には一般の高齢者福祉等の充実に向けて、
市長としてこれからぜひ取り組んでいっていただきたいということを重ねてお願いをして、次
に就学援助について、教育長に何点かお聞かせいただきたいと思います。
 これまで就学援助を受けてこられた方々の基準と言いますか、そういったものについて、ど
ういう方々がこの就学援助が受けられたのか。この機会ですのでぜひ教えていただきたいと思
います。
◇教育長(津久井 勲君) 就学援助を受けられる方の基準ということでございますけれども、
ご案内のとおり生活保護法第6条第2項に、いわゆる生活要保護者ということで認定をされて
いる者がおるわけであります。それは経済的にと言いますか、生活に困窮していると認められ
る者ということであります。それに準ずる方ということで、準要保護者ということになってい
るわけでございます。これは、国の示した認定基準に基づいて認定されるということでありま
すけれども、具体的には、生活保護法の保護の認定の停止、廃止、更には市町村県民税の非課
税、減免、国民健康保険の掛金の減免、児童扶養手当の支給など、10項目にわたる基準を設
けております。更には、これらの基準を勘案する中で、保護者の経済的な状況、それから児童、
生徒自身の日常の生活状況、更には家庭における諸条件等勘案する中で総合的に認定をしたと
いうのが現状でございます。以上でございます。
◇26番(大東宣之君) いま教育長から示していただいたこの基準というのは、過去も変わ
らない、そして現在も変わらないということでよろしいですか。
◇教育長(津久井 勲君) 現在までこのような基準でやっておりましたし、現在のところこ
の基準を変えるという考え方は持っておりません。以上です。
◇26番(大東宣之君) 現在、この基準を変えるというお考えがないということですから、
これから先もこういった基準で対応していきたいというお考えがあるというふうに私は今の答
弁で理解をさせていただきました。それで先ほど私が申しましたように、今回、国からの補助
が一般財源化をされてしまったと。要するに国から来るお金、印が付いているわけではありま
せんから、いくら地方交付税に算入してあるのだと言っても印が付いているわけではありませ
んから、じゃあその分を確実に、教育委員会で就学援助に充てているということが必要になっ
てくるわけであります。1回目、教育長がお答えいただいたように、年々対象者の数が増えて
きているということですから、これから先、減るか増えるかは微妙なところでありますけれど
も、過去の、先ほどご答弁いただいた例からいくと、減る可能性はないのではないかと。現状
で推移をするか、または若干増加をしていく傾向にあるのではないかと考えるわけですから、
やはり必要な人にはこの制度が適用出来る。例え一般財源化されたとしても、しっかり財源確
保をして、必要な人にはこの就学援助を受けていただくと。そういうお考えでいるということ
で理解をしてよろしいかどうか、確認させていただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) ただいま確認をいただきました、今後もこれらの基準で認定をし、
援助していくのかというご質問でございますけれども、現在のところと申し上げたわけでござ
います。これはちょっと屁理屈になりますけれども、現行の法制度に則ってきますと、こうい
う経済的な事情を持っている方については市町村が援助せよという法律になっているわけでご
ざいます。従って、この法が変わらない限り市町村の義務をしっかりと果たしていきたいとい
うことでございます。それから更には、現状の財政等含めた諸般の事情が今後どうなるかとい
うようなところもありますので、現在のところと申し上げたわけでございます。永遠にという
ことではございません。とりあえず現在考えているところ、当分の間というと何年かというこ
とになりますけれども、このまま行きたいなということであります。ましてや法律が改正され
ない限り、財政当局や関係の皆さんのご理解を得て、従前同様にいきたいなというふうな考え
方であります。以上であります。
◇26番(大東宣之君) 市長に答弁を求めるつもりはございませんが、先ほど、今の教育長
のご答弁を聞いておられているわけでありますから、教育委員会からのそういった財政的な要
望が出たことはしっかりと対処していっていただきたいというふうに思います。財政的な部分
では、市長の裁量が非常に大きいわけですから、今の教育長の答弁も踏まえて、これからこの
財源の確保について併せて確保していくように、市長としてもぜひ努力をしていっていただき
たいというふうに思います。
 最後に、教育長に再度お聞かせいただきたいのですが、いまリストラ等で経済的に困難な状
況が広がってきている。しかし子供にはそれは責任はないわけであります。子供が本当に安心
して楽しく学校に通える、そういう条件をいろいろな形で作っていかなくてはならない状況も
いま生まれつつあるのではないかと思います。ですから就学援助もそういったことを支える制
度の一つだというふうに私は認識をしているわけですが、そういったこと、またさまざまな手
立てを講じて、子供たちが安心して学校に通える、そういうような環境整備、この就学援助も
含めてですが、全体的に含めてそういった子供たちが安心して、楽しく学校に通えるような制
度、そういった環境整備をこれからも教育長にぜひ作っていっていただきたいというふうに思
います。そういったことを含めて、教育長のお考えがあれば、再度お聞かせいただいて、私の
質問を終わりたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) ただいまのご指摘がございましたけれども、基本的なスタンスと
しては、議員がおっしゃるとおり私もそのように考えております。しかし、個々、具体の問題
については、今後、そういう精神でいきますけれども、いろいろ諸条件がありますので、その
ものずばりといかないような事項も、事象も出てくるのではないかと思います。しかし基本的
にはそういう考え方で進んでいきたいと考えております。以上であります。
──────────────◇──────────────
    第2 延  会
◇議長(星野佐善太君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと
思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会するに決しました。
 
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は12日午前10時に開きますから、ご参集願います。
 本日は大変ご苦労様でございした。
   午後4時48分延会
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