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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成18年第1回定例会 議事日程第2号

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沼田市議会平成18年第1回定例会会議録
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議事日程 第2号
平成18年3月7日(火曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
─────────────────────────────
出席議員(45人)
       1番  小野 広樹君      2番  南 美喜雄君
       3番  小林 克郎君      4番  角田  博君
       5番  中村 光孝君      6番  小野 要二君
       7番  小林  猛君      8番  桑原冨士夫君
       9番  真下 恭嗣君     10番  布施辰二郎君
      11番  角田 泰夫君     12番  高柳 勝巳君
      13番  久保 健二君     14番  星野  稔君
      15番  鈴木 圭子君     16番  金子 一弥君
      17番  金子 千明君     18番  長谷川信次君
      19番  宮田 和夫君     20番  小林 玉男君
      21番  小野 正純君     22番  大島 崇行君
      23番  山ア 義朗君     24番  大竹 政雄君
      25番  井之川博幸君     26番  大東 宣之君
      27番  片野 彦一君     28番  星川嘉一郎君
      29番  金井 康夫君     30番  井上 正文君
      31番  小尾 孝男君     32番  相田 昌夫君
      33番  宇敷 和也君     34番  小林 次夫君
      35番  高橋 襄典君     36番  牧野 保好君
      37番  石田 宇平君     39番  井上健太郎君
      40番  田村 博美君     41番  井田 孝一君
      42番  小林 照夫君     43番  星野佐善太君
      44番  郷原 重雄君     45番  横坂 泰次君
      46番  井上 幾雄君
欠席議員(1人)
      38番  松井 敏員君
────────────────────────────── 
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      白沢町振興局長  根岸 恒雄君
  利根町振興局長  星野 健一君      収 入 役     林  義夫君
  市長公室長    田村 澄夫君      総務部長     村山 博明君
  民生部長     田島  護君      経済部長     大嶋 政美君
  建設部長     松井完一郎君      街なか対策部長  見城 厚男君
  白沢町振興局次長 中村 弘志君      利根町振興局次長 中澤 和義君
  総務課長     村沢 博行君      教 育 長     津久井 勲君
  教育部長     増田 幸男君      庶務課長     水田  修君
  監査委員事務局長 原  明弘君
──────────────────────────────  
議会事務局出席者
  事務局長     茂木  愛       次長兼庶務係長  下  宏一
  議事係長     茂木 敏昭       主  任     地野 裕一
──────────────◇──────────────
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、金井康夫議員。29番。
〔29番 金井康夫君登壇〕
◇29番(金井康夫君) おはようございます。質問の前に、本日は大変多くの方々に傍聴いた
だきまして誠にありがとうございます。本日、トップバッターということでございます。イチロー
のようにはいかないと思いますけれども、精一杯、元気よくやらせていただきたいと思います。
 また、市長におきましては、明解なるご答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、通告に従いまして一般質問を行います。
 最初に、市長が描く沼田市の将来ビジョンについてお伺いいたします。
 現在の沼田市は、急速に進む少子・高齢化社会における対応、年金や医療などの問題、中心市
街地活性化の問題、これから未来を担う子供たちの教育制度の充実、深刻さを増している環境問
題への対応、そして地域産業の再建から雇用の創出など、積み残された多くの行政課題があり、
大変厳しい状況となっています。
 ここ最近、多くの市民の皆様から、これから沼田市はどうなっていくのだと、お話しを聞かせ
ていただく機会が多くなってきているように感じております。本市もこれから地域間競争の時代
を迎える中で、地域の根幹となる部分から徹底した見直しを行い、地域を一から作り直すという
気概を持って再出発する時を迎えているのだと思います。
 さて、その地域のあり方を変えていくためには、そこに住む住民自らが誇りを持ち、地域の将
来像に期待し、ある面では楽しみながら地域づくりへの参加意欲を高めることが大切であろうと
思われます。そのためには、まず何よりも、地域が「どういう方向に向かっているのか」「何を
目指すのか」その先にある将来ビジョンをしっかりと指し示すことが必要であると思います。将
来の地域ビジョンを皆で共有し、一致協力してそれぞれの立場で努力してこそ、目標とする将来
像も実現していけるのではないか。
 星野市長ご就任から、市から出されている様々な政策などについて目を通し、沼田市が向かお
うとしている方向、市長がこの地域にかける夢、将来ビジョンといったものを自分なりに市長就
任以来、4年間議会側の立場で検証してまいりました。現在、星野市長が打ち出されている個々
の政策などについては、それぞれが大変な時代に試行錯誤しているところを伺い知ることができ
ます。素直に敬意を表したいと思います。これまでの行政運営ではなかなか手の付けられなかっ
た部分まで踏み込み、リーダーシップを発揮されているものと思われます。しかし、それらを束
ねる確固としたビジョン、沼田市がどこに向かっているのか、といったことについては、私が未
熟なのかもしれませんが、その方向性を見いだすことはできませんでした。先行きの見えにくい
不確かな時代であるからこそ、計画、約束、そして将来ビジョンといったものがやはり大切だと
思います。明確な将来ビジョンと具体的な計画がない限り、改革も、再建もあり得ないと思われ
ます。短期、中期、長期、そして、それぞれの計画にも、その時代の目標を設定して実行してい
くことが必要なのではないでしょうか。
 これからの地方自治は、本当に生半可ではなく厳しい時代となり、市民の皆さんにも大変なご
苦労、我慢をお願いしなくてはならないことも数多く出てくることが予想されます。そうであれ
ばこそ、一時の苦しみを乗り越えてもらうためにも、未来への希望をしっかりと指し示すことが
大切だと私は考えます。ぜひ、手間はかかるし、労力も必要とされますが、地域の将来ビジョン、
星野市長の考える、理想とする将来の沼田市像を示していただきたいと思います。そして私も真
剣にですね、勉強させていただきたいと思います。
 そこでまず、市長2期目に向けて基本的な部分といたしまして、沼田市の将来ビジョン、沼田
市再建の方向性、地域運営の理念といったものについて市長の考えておられるところをお示しい
ただきたいと思います。また併せて、4月の市長選挙ではどのような公約をされていくおつもり
なのか、お聞かせください。
 次に、千葉大学との連携についてお伺いいたします。
 この千葉大学との関係につきましては、昭和22年に川田地区千葉大学高冷地農場として開設
されてからおよそ60年間の関係があります。この間、利根実業高校との教育関係はもとより、
千葉大学の学生と地元青年会議所や地元企業とのつながりを重ねてきたものと思われます。また、
県におきましては、地域が抱える新たな行政課題について、市町村と共通の立場に立って県と共
同して対処する県市町村共同プロジェクトが平成16年に募集があり、公募の結果、本市は採択
を受けました。
 以前、市長は議会側からの質問に対しまして、千葉大学環境健康フィールド科学センターで開
催をされている環境研究講演会シリーズの薬草漢方薬による東洋医学をテーマとした提案、さら
に、放送大学と連携した高冷地農場での遠隔講座等、千葉大学の専門的ノウハウを活用した全体
計画の策定に向けて対応してまいりたいとの考えを答えておりますが、今までの経過と今後の活
気と魅力ある沼田市づくりを目指して、今後の展望についてどのようにお考えなのかお聞かせく
ださい。
 次に、沼田城天守閣の再建についてお伺いいたします。
 沼田城は、鎌倉時代以来、この地方の有力者であった沼田氏の12代万鬼斎顕泰によって築か
れたのが始まりとされています。倉内城とも呼ばれたこの城は、関東へ至る要衝の地にあること
から、越後の上杉氏や小田原の北条氏、甲斐の武田氏などの戦国大名によりめまぐるしい争奪が
繰りひろげられたとのことであります。当時、2万7千石の真田氏、初代沼田城主となった信幸
は、近世代的な城郭の整備に取りかかり、二の丸、三の丸などを整備した後、慶長2年には天守
が完成されたと言われております。現在の熊小屋付近に建造された天守は、幕府に提出した城の
絵図や古文書から規模は「九間十間」で「五重」であったことがわかっています。これらのこと
を受けて、この度、沼田市観光協会におきまして、新沼田市の観光事業を模索する中で、利根沼
田の観光拠点となり、また心の拠り所として、沼田城を形あるものにすべく活動を再開しており、
沼田市全世帯、あるいは各種団体にアンケートを実施しております。歴代の市長は、それぞれ沼
田城再建について、行政との提案を示してきておりますが、天守閣再建の大きな動きについて、
市長の見解をお聞かせください。
 次に、森林環境税導入についてお伺いします。
 この利根沼田地域は、県土のおよそ30%を占める中山間地域であり、県土の保全や首都圏へ
の水源涵養など大きな役割を果たしております。森林の持つ公益的機能は、多くの住民の暮らし
を潤してきました。しかしながら、森林の現状と言えば、林業不振や労働力の減少・高齢化など
の進行により、森林の管理水準の悪化、荒廃が進んでおり、これまで森林により涵養されてきた
水資源の質・量ともに悪化が懸念されております。共有の財産である森林と水資源を将来にわた
って守り続けていくためには、新たな財源を確保しながら、総体的に水源涵養のための事業を進
めることが大切であると考えられます。
 そこで、このような新たな財源確保のために、法定外目的税など課税自主権の活用は、自主財
源を確保して、地域の実情に即した施策を推進する上からも、その導入に向けた取り組みを積極
的に進める必要があると思われます。この大切な森林を社会全体で支えることは重要であるとい
う観点から、森林整備に対する社会的コスト負担の一つの方法として、課税自主権を活用した環
境税の導入は大変有効であろうと思われますが、水と森の整備・保全を目的とした環境税の創設
に向けて、検討状況と今後の取り組みについてお聞かせください。
 以上をもちまして、最初の質問といたします。明確なる答弁をよろしくお願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、政治姿勢について、市長が描く沼田市の将来ビジョンについて、2期目に向けて、市長
選挙でどのような公約をされていくおつもりなのかについてでありますが、今から遡ること4年
ほど前、私も初めて初陣を飾るべく、市長選挙に立候補させていただきました。その時に申し上
げたのは、市民参加を基調といたしまして公平・公正・公開を原則といたしまして、3つの基本
的な方策を申し上げさせていただきました。
 その1つは「机上の空論でなく現場主義」、2つ目「中長期的な視点に立って政策を進める」、
3つ目「広域的な視点に立って政策を進める」ということでございました。
 そして、テーマとすると「未来を担う子どもたちに夢を、高齢者の方々に安らぎを」というこ
とでお訴えをさせていただいてまいりました。
 具体的には1つとして「地についた地方分権の推進」、2つ目といたしまして「人を大切にす
る健全な福祉、医療を推進する」、3つ目といたしまして「教育文化、スポーツを推進する」、
そして4つ目といたしまして「新時代にふさわしい環境整備を推進する」、5つ目といたしまし
て「個性ある産業振興を推進する」という5つの施策を申し上げさせていただいてまいりました。
そして、行政の目的は市民一人ひとりが生涯を通じてその役割をもち、生き生きと果たすことが
できるような、そういう活性化のあるまちづくりを目指すということを申し上げてきたわけでご
ざいます。
 すでに4年が経ったわけでございますけれども、今この4年間を振り返りまするときに色々な
ことが走馬燈のように思い浮かべられてくるわけでございます。
 本市の将来ビジョンについては、平成19年度から10年間のまちづくりとなる「第五次総合
計画」を策定中であります。総合計画は、まちづくりの指針としての最上位の計画として位置付
けられ、行財政運営の指針である「行政改革大綱」と両輪となってその実現を目指すものであり
ます。
 現在、地方行政を取り巻く諸状況は、地方分権の進展に伴い地域の自主的、自律的運営の確立
が求められているとともに、長引く経済情勢の低迷により厳しい財政状況が続く中、少子・高齢
化対策や地域産業の振興、雇用の拡大対策など、行政に対するニーズは増大しているという極め
て厳しい状況にあると認識しております。
 2期目に向かいまして、市長選挙での公約についてでありますが、市民協働の実現に向けて、
市民と行政が互いの役割と責任を明確にし、社会経済情勢や時代の背景の変化を踏まえながら、
まちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 さらに、新生沼田市の将来像は、「水と緑の大地・田園空間都市」を目指し歴史の深さと連綿
と息づく文化、そして多彩で豊かな自然環境に抱かれた5万5千有余人の市民とともにこの大き
な歴史的、転換期を的確に捉え、心豊かで活気と希望に満ちた元気で誇りの持てる新生沼田市の
建設に向けて、最大限の努力を傾注してまいる考えでございます。
 なお、細部につきましては今後、各関係者と協議し、来る日に備え、成案を構築してまいりた
いと思いますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、千葉大学との連携について、活気と魅力ある沼田市づくりを目指して今後の展望につい
てどのようにお考えなのかについてでありますが、昭和22年、川田地区に当時の千葉農業専門
学校利根高冷地農場、現在の千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学センター森林環境園芸農
場が開設をされました。ここでは、リンゴ、西洋ナシ、シクラメンなど冷涼な気候を好む園芸植
物の実習教育と研究の場として利用され、今も宿泊実習等が行われております。
 千葉大学との連携については、現在、観光農園との情報交換やシンポジウムの開催の他大学生
による果樹・園芸農家及び農協施設の見学など様々な交流を行っております。
 本市の基幹産業である農業は、農家数・農家人口の減少、農業後継者の高齢化や担い手不足、
遊休農地や耕作放棄地の増大など深刻な問題となっており、地域の農業の振興と地域の活性化を
図るためには、魅力ある農業の転換、意欲ある農業経営者の育成などが喫緊の課題であります。
このような状況の下、農業の振興などの目的から、千葉大学園芸学部との連携による「中山間地
域園芸特産共同研究開発」を推進する拠点の開設を目指すものであります。
 その共同研究開発拠点施設につきましては、地方公共団体が国に寄附等を行うためには、総務
大臣の同意が必要となり、その内容は共同研究開発が地域振興に役立ち自治体に明確にメリット
があることなど、地域活性化に資する全体計画の策定が必要なことから検討を進めております。
 今後の展望についてでありますが、本市は千葉大学との人材交流をはじめとして、リンゴやブ
ドウなどの園芸農業から発する幅広い分野での模索を進め、園芸療法、森林療法及び温泉療法な
どの健康関連、環境関連、農産物の機能性健康食品等の開発など産学官の連携を図り、活気と魅
力ある沼田市づくりを目指してまいりたいと考えております。
 次に、沼田城天守閣の再建について、天守閣再建の大きな動きについて市長の見解はについて
でありますが、ご案内のとおり真田氏初代信之の時代に築かれた沼田城天守閣は「霞城」とも呼ば
れ、関東では江戸城、小田原城、沼田城の3つだけが天守閣を備えた城であったとされており、
現在その姿を見ることはできませんが、本市の歴史的・文化的資源として貴重なものであり、そ
の復原と活用を望む篤志をお預かりし沼田城建設基金を創設、管理してきたところでありますが、
本年1月に沼田市観光協会がアンケート用紙を全戸配布し、2月末を期限として回収を終了、概
ね4,000件の回答があったと聞いておりますので、今後、その動向を注視しながら研究して
まいりたいと考えております。
 次に、環境に関する取り組みについて、森林環境税導入について、水と森の整備・保全を目的
とした環境税の創設についてでありますが、いわゆる水源税や森林環境税などに対する取り組み
につきましては、地方分権一括法が平成12年に施行され、地方税法においても法定外目的税の
賦課を可能とするなどの改正が行われたのを契機といたしまして、主に都道府県レベルで検討が
進められるようになり、平成15年度に高知県において「森林環境税」が創設されたのを皮切り
に、平成16年度に岡山県において「おかやま森づくり県民税」が創設され、平成17年度には
鳥取県の「森林環境保全税」をはじめ6県で独自課税が導入され、現在8県において導入済みで
という状況でありまして、平成18年度には更に、福島県をはじめ4県ないし5県で導入が予定
されているところであります。
 群馬県におきましては、現状では導入段階に至っていないようでありますが、その理由として
は、流域が県内で完結していないという先進県にはない地理的な特性や下流都県の理解の必要性
などの実状が考えられるところであります。
 一方、市町村の取組みにつきましては、現時点では税としての導入事例はないようであり、理
由としては、都道府県に比べて面積が小さく、一市町村の区域内のみでの課税の適否や課税客体
特定の問題、地方自治体としてより広域なエリアをカバーする都道府県と二層構造になっている
点などが、具現化を困難にしている要因ではないかと考えられます。
 本市の最大の地域特性につきましては、改めて申し上げるまでもなく、水・緑・光・空気の供
給基地であるという点であり、森林を守り、水源を保全し、更には地球温暖化防止に貢献する上
でも、水源地域としての使命を持って取り組んでいかなければならないと考えているところであ
ります。
 しかしながら、森林環境税を市町村単独で導入することにつきましては、先ほども申し上げま
したように、現実的には困難な面がありますので、利根沼田地域全体としての連携も考慮しなが
ら、水源地域として国や県に強く働きかけてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇29番(金井康夫君) 再質問をさせていただきたいと思います。
 星野市長ご就任、平成14年5月の10日だったと思うわけでございますけれども、光陰矢の
如しと申しますが、当時、平成14年の6月議会におきましても、私の方からトップバッターで
一般質問をさせていただきました。その際に、市長に質問内容は、新市長になって、星野カラー
をどのように出すのかというような質問をさせていただきました。その際に、先ほどお答えのよ
うにですね、今後は市民参加、市民本位、不偏不党で、これを基軸にしてやっていくのだという
ようなお答えがあったわけでございます。
 また、昨年9月だったと思いますけれども、3年4カ月、市長がご就任以来経ったということ
で、この3年4カ月の総括について質問しました。残りの任期についてどのようにお考えなのか
というような質問に対しまして、市長は、大変苦慮されているのかなというような印象を受けま
した。また、残りの任期におきましては、今回合併したことによって新市建設計画、並びに第五
次総合計画について全力で取り組んでまいりたいというような答弁だったと思うわけでございま
す。
 先般、この本会議場におきまして、平成18年の施政方針演説、1期目の、一番最後の施政方
針演説になるわけでございますけれども、大変感慨深く拝聴させていただきました。この際に、
先ほど将来像についてどうなのかということで、お答えの中に、「水と緑の大地、田園空間都市」
を将来像として考えるのだというようなことで、先ほど答弁の内容ですと、施政方針演説丸々そ
のお答えだったわけですね。ここでせっかくですから、「水と緑の大地、田園空間都市」、ちょ
っとわかりにくいものですから、もう少しわかりやすくご説明を願いたいと思います。よろしく
お願いします。
◇市長(星野已喜雄君) いま私自身がこの現場に立っているときに、やはりまもなく来るであ
ろう改選を前にいたしまして、金井議員のご質問に対しては、大変奥行きの深い、しかも熟慮し
ながら答弁をさせていただくような内容でございます。先ほど答弁をさせていただきましたとお
り、総合計画というのが、これがどうしても喫緊の課題でございます。そして同時に、行政の古
今東西を問わず、普遍的なテーマとして、やはり生き生きと輝ける、健康で文化的な、安心、安
全な地域社会づくりを目指すということが、これはだれもが認めるところではないかと思ってお
ります。そして、その行政手法といたしましては、参加からやはり協働ということがやはり重要
になってくるわけでございまして、そういった参加と協働ということが、今後市政運営に大きく
望まれてくると思っております。それは、時代背景が少子高齢社会であるとか、あるいはまたご
案内のとおり、各変化と行政の著しい対応に対して応えていかなくてはいけない。あるいはまた、
三位一体改革に代表されるように、地方分権待ったなしという時代の中にあって、協働というの
は避けて通れないと思っています。しかも、そのまちづくりの基本理念は、ご案内のとおり市民
憲章と森林文化都市宣言を兼ねてされておられますので、この延長でとらまえなければならない
ということは言うまでもございません。つまり市民憲章は、何よりも大切な平和を守り、人間性
豊かなまちづくりを目指してということをうたっております。また当然、森林文化都市宣言は、
森林文化に包まれた人間都市沼田の創造をイメージしてということが言われているわけでござい
ます。同時に、この市民憲章と森林文化都市宣言の関係と整合させながら新市建設計画が組まれ
てくるし、またその上に立って総合計画を作るわけでございます。
 従いまして、金井議員がご質問の中に、この「水と緑の大地、田園空間都市」のいわゆる背景
となる水と緑、光、空気等はわかるが、もう少しそれらを具体的にというようなお話しであった
かと思いますけれども、これらにつきましては、やはり恵まれた自然環境、豊かな田園空間の中
で、地域間の連携や都市との交流を活性化させ、大自然と人々が共生する健康や潤い、ゆとり、
やすらぎの交流拠点として生き生きと輝く、個性ある都市を作っていくというようなことでもっ
てご理解をいただければと思っております。
 なお、先々の具体的な施策につきましては、先ほど冒頭申し上げましたように、今後、関係機
関の方々と連携して、細部については詰めてまいりたいと思っておりますけれども、いま、現時
点で、私自身がイメージしているところでは、何と言っても人間主義を基調としなければならな
いというふうに思っております。さらに、今次のいわゆる課題である環境の問題であるとか、あ
るいはまた産業の問題であるとか、あるいはまた教育の問題であるとか、福祉の問題は言うまで
もございません。加えるに危機管理と情報発信ということが大きなテーマになってくるであろう
というふうに今次申し上げておきたいと思っております。
 なお、重ねて申し上げたいと思いますが、細部につきましては、今後、関係の方々とよく協議
をして、成案を築いてまいりたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと存じているところ
であります。
◇29番(金井康夫君) 今までの流れからと申しますか、市民憲章、あるいは森林文化都市宣
言の流れから、今回このような将来像をイメージされたというようなことでございます。細かい
ことについては私も質問するつもりもございませんけれども、今回、昨年2月の13日に合併を
いたしました。その際に、旧利根、旧白沢が一緒になりまして、この面積におきましては、44
3平方キロ、群馬県土のおよそ7%を占める、大変広大な沼田市が誕生したわけでございます。
今回、先ほどの新市の将来像について、当時の2村長が本日いらっしゃるわけでございます。市
長のお許しがあれば、先ほどの市長の将来像ご説明いただきましたけれども、率直なご感想と、
今後、例えば利根、白沢の方々からも将来のまちづくりについては相談しなければならないわけ
ですから、せっかくの機会ですからお答えいただければと思いますけれども、よろしくお願いい
たします。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり新市建設計画は、ゾーンをイメージしておりまして、
旧沼田市が、歴史とにぎわいの交流ゾーン、そして旧白沢村が、花と緑の交流ゾーン、そして旧
利根村が、水と大地の交流ゾーンということでイメージをしております。従いまして、この3つ
のイメージは、合併協議の中で整合性を持たせてきたものでございますので、今後そういったこ
とが生きながら、旧沼田市と旧白沢村と旧利根村がうまく合体ができるように総合計画を築いて
いくことは言うまでもございません。従いまして、そういうようなことを基調にしながら、各振
興局長が答弁をしていただけると思いますので、白沢の振興局長から答弁をいたさせたいと思い
ます。後に、利根の振興局長に答弁をいたさせたいと存じますので、ご拝聴のほどをお願いした
いと思います。
◇議長(星野佐善太君) 白沢町振興局長。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 先ほど市長の方からご答弁がありましたように、新市建設計画の中で、この新沼田市の計画を
してきたところでございます。旧白沢村につきましては、花と緑の白沢村という中で、大変国道
120号線を中心に、この花と緑の豊かな地域として進めてきたところでございます。この新市
建設計画の中でも、花と緑のゾーンということで計画をしているところでございまして、今後ま
た市当局と新市建設計画に則って進めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお
願い申し上げたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 利根町振興局長。
◇利根町振興局長(星野健一君) ただいまの金井議員の質問ですけれども、今回、合併をして
1年経過したわけであります。その中で、今後10年計画を作っていくと。これは新市としてど
ういう方向に行くかということは、これは利根町、白沢町、また旧沼田市含めまして、今後の新
市の方向性を出すということで非常に大事な時期に来ているのではないかというふうに思います。
そういう中で、大きくなった行政体、しかしその地域は、利根町として振興局制度を設けたわけ
でありまして、いかにその地域性を出すかと。それは独自性、また今までの経過を踏まえて地域
を活性化していかなくてはいけないということであります。そういう部分におきまして、新市の
計画、また第五次総合計画の中に、いまある利根町の現状、これをいかに織り込んでいくかとい
うことが非常に大事な課題であります。そのためにいま私たち地域の間では、観光地、老神温泉、
また近隣の吹割の滝、そして農地があるわけでありまして、また百名山の山があると。広大な面
積の森林があると。こういう自然の持っている美しさを、いかにお金をなるべくかけないで方向
性を出していくかと。それが地域の特色になってくるのではないかなというふうに思います。こ
れを地域が作ることによって、いま新市の方向性が出ています、そういうところに各地域、地域
が盛り込んでいくと。それが新しい市の方向性を出すのではないかというふうに思います。そう
いう部分で、いま私たちに与えられている行政人としての立場をいかんなく発揮して、新市の方
向性を出したいと。これが先ほど金井議員が質問されている部分で、ひとつの方向性として頑張
っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
◇29番(金井康夫君) 元両村長からご答弁いただきまして、それぞれの思い入れを聞かせて
いただきまして、なるほどなというような率直な感想が伺えられます。自分なんか単純に思いま
すと、田園と都市というのは、お互いに相反するようなイメージがあるわけですね。一方で、田
園というのは広辞苑か何かで調べれば田舎のわけですね。都市というのは都会のわけで、この田
園と都会をいかにして取り合わせるのかというようなことを明確にしなければいけないのかなと
いう気がしております。この田園都市論というのがですね、実は今から100年ほど前にイギリ
ス人の社会学者のエベネザー・ハワードという人が一番最初に唱えたのが始めだそうでございま
す。現在、日本の都市計画の中でも生かされているというようなことなのですけれども。この人
の言葉をちょっと披瀝させていただきたいと思うのですけれども、「人々を都市に牽引する何ら
かの力に対して、政策は打ち勝つことができないので、人を都市に引きつけるもの以上の力を持
って都市集中を阻止しなければならない」というのですね。ちょっといま一つわかりにくいよう
な表現なのですけれども、いわゆる都市を否定するのではなくてですね、田舎と都市が結婚しま
しょうというようなことを言われているのかなと思うわけでございます。市長も、もしこのよう
な考え方が根底にあられるのでございましたら、この都市生活の利便性、あるいはこの田舎の趣
等を享受しながらまちづくりに取り組まなければいけないと思うわけですけれども、そちらの考
えについて何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 金井議員の田園都市論、かつてのイギリスの識者の言葉を引用されましてご質問をされた由、
敬意を表したいと思っております。やはりいま、この時代背景を眺めて見ますると、急激に都市
と農村の違いが明確になってまいりまして、そういう意味では大変農村の方が厳しい状況におか
れているかなということを、昨今、痛切に感じております。そういった中にあって時代背景は、
ご案内のとおり環境問題というものが大きくクローズアップされ、避けて通れない状況となって
まいりました。この環境問題等とらまえたときに、一体全体今回の京都議定書でいう、CO2の
削減の問題等とらまえたときに、どこがその担い手になっていくのかということになりますると、
率直なところ都市の方々よりは、むしろ農村、地方の方々の方が存在感がグーンと表に出てまい
ります。と申しますのは、ご承知のとおり、もうすでに議員はご承知かと思いますけれども、利
根沼田は県道面積28%、森林面積が88%、そういった広大な面積を持つ広域圏のエリアこそ
まさに環境の時代にふさわしい地域、好むと好まざるとにかかわらずなってきたという特性があ
るわけでございまして、そういった意味でこの特性をこの際思い切って表舞台に押し出していく
ということは、これは政策上、論を待たないわけでございます。
 そういった観点から考えますると、この田園と都市ということの融合ということにつきまして
は、大変意義の深いご指摘かと思っております。ただ基本はですね、これだけの大きな面積に、
結論から申し上げますると、利根沼田の面積が、群馬県土の28%、つまり県で見ると約3分の
1を要しております。しかしながら住んでいる方々は10万人弱、全体から見るとご案内のとお
り5%でございますから、いわゆる20分の1しか在住しておりません。そんなことを思います
ると、やはり基本は、田園という一つの所の部分を基調におきながら、議員がおっしゃる都市と
の和解、この仏教的な表現をいたしますると、一条理論と申し上げておりますけれども、この二
分化されるのではなくて、自然と人々が和解をしていく。あるいは農村と都市が和解していく。
そういうところの基調としてとらまえていくということが大変重要なのではないかというふうに
思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) これからは大変な時代を迎えるわけでございまして、環境論につきま
しても併せてお答えをいただきまして、これは一番最後の方で詳しく自分の方でいろいろ質問を
させていただきたいと思うわけでございますけれども。今後、いま沼田市民の方々が一番関心が
あるのは、今後、沼田市がどういう方向に向かっていくのかというようなことなのかなと思うわ
けでございます。市長ご存じのとおり、現在の国の借金は700兆とも、800兆とも、1,0
00兆あるのではないかというような時代の中で、ある程度国の動向、あるいは世界に目を向け
て、それぞれの動向を注視しなければいけない時代になっているのではないかなと思うわけでご
ざいます。また、昨年のこの合併論におきまして、全国自治体がおよそ3,300ほどあったわ
けでございます。この市町村が現在1,900ほどになったわけでございます。また、群馬県内
におきましても、当時70市町村あった市町村が、3月の後半にはたぶん44になるのではない
かというようなことが報告されているわけでございます。市におきましては、旧11市プラスで
すね、この3月27日に大間々、笠懸、東村が合併しまして、およそ5万2,000人の新市が
誕生するということでございます。残念なことにですね、現在この11市の中で沼田市が最低の
人口となっている状況でございます。また、この4月におきましては、みどり市が加わるという
ことでございまして、下から人口で全てが言えるわけではございませんけれども、下から2番目
というような現状を踏まえて、この県内でも地域間競争を迎える時代の中で、それぞれの市に勝
たなければいけない。こういう時代に来ているのかなあと思うわけでございます。先ほど自然を
生かしたまちづくりというのは十分に結構でございますけれども、今後12市それぞれが競合し
ながら、それぞれのアイデアを出し合いながらやっていく行政手腕が問われている時代なのだと
思っております。市長自身、今後この合併が一段落したわけでございます。今後のまちづくりに
ついて思うところを述べていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県が、かつて11市であったのが、12市になるということは、
もはやマスコミ等で報道されているとおりでございまして、金井議員がご指摘のとおりでござい
ます。ただこの人口の大小にかかわらず、各自治体は確か平成10年の地方分権一括法以来、い
わゆる国と地方は対等、補完の関係にあるということになってまいりましたので、人口の大小に
かかわらず、この自治体そのものが独立した権能を持っていくという中にあるということは、こ
の際はっきりと申し上げさせていただき、ご理解をいただいておきたいと思っております。そう
いった流れは必然的に、国や県に頼ることは、もはやなかなかできなくなってくるという時代の
流れにございます。つまり、沼田という一つの自治体が、自らの責任と判断で行政運営を行って
いくためには、どうしても政策、立案能力の向上とか、財政基盤の確立を市独自でしていかなく
てはならないということを、まずしっかりと私ども内に秘めておかなければなりません。
 そういった中にあって、それらを基調としながら本市の特性を生かした展開を内外に打って出
ていくということになりますると、やはり新市建設計画等でも言われているとおり、この大自然
と人々が共生できる状態を作って、まさに全国でも稀有な理想郷を作っていくということが大事
なのではないかと思っております。そのためには、本市の特徴でありますところの、先ほど来申
し上げているところの水や緑、光、空気等を一つの大きな財産として、そして議員がご指摘にな
りましたところのイギリスの伝統的な田園都市論等の紹介もございましたけれども、それらに学
び、そして今後、いわゆる新世紀に向かっての田園都市を構築をしていくということになるので
はないかというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 今回ですね、群馬県内でそれぞれ合併が一段落したというような中で、
他市との競合にいかにして打ち勝っていくのかというような質問をさせていただいたわけでござ
いますけれども、実は総務省のホームページに、市町村合併優良事例というのが載っているので
す。これは全国の事例が載っているのです。群馬県内ですと、多野郡の神流町、この神流町にお
きましては、教育環境の整備、あるいは前橋市は情報検索システムの整備、これは「まえばしネ
ット」というものを立ち上げたということは、これは優良事例だということで取り上げられてお
ります。また太田は、税金の1%をまちづくりの補助金として、およそ3億円を市民の人に出し
て、いろいろなアイデアを出してもらって活用しているそうでございます。また前橋が、地域審
議会の意見交換、伊勢崎市が、イベント開催地域活動の支援、太田が、祭りの共催、前橋が、環
境負荷の少ないまちづくり、あるいは太田が、またハザードマップ、それぞれが総務省のホーム
ページに載っているわけでございますけれども、沼田市長もそれぞれ試行錯誤を行ってやられて
いるお姿は十分にわかるわけでございますけれども、ある程度のスタートラインはそれぞれが揃
った、みどり市さんは別ですけれども、それぞれが現状揃ったわけでございまして、先ほどの市
長の言葉を借りるのでしたら、これから市は、政策立案は自らが責任を持ってやらなければなら
ないというような時代にあるわけですから、ぜひともこちらに向けても誠心誠意努力して、政策、
立案に努力を傾注していただきたいと、このように思うわけでございますけれども、そちらにつ
いてお考えがありましたらお答え願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、市民参加、市民協働ということを冒頭申し上げさせ
ていただいたわけでございますけれども、やはりいろいろな施策を展開していくためには、もう
当然、私どもの政策立案能力の、要するに力を高めなければならないのでありますが、行政マン
とて人の子でございまして、民間人の方々の方がはるかに高いセンスをお持ちの方々がとてもお
いででございます。従いまして、先ほど来、協働ということを積極的に表舞台に出してお訴えを
させていただいているわけでございますけれども、そういったことをこれから積極的に進めてい
かなくてはならないということがまず1点。それからこれは、まだ研究というか、私自身も検討
の域を内的に出ないのでありますが、広域合併がここ進んでまいりまして、合併が進んだことに
よって、常にこの地域の疎外感のことが出てくる場面が多々ございます。それは、そういった合
併に伴わない前段でもあったのかもわかりません。と申しますのは、旧沼田市で見た場合に、池
田地区のところの5人組のところの結束力と、旧沼田町の5人組の結束力を比較した場合一体ど
うなのか。あるいはまた、そういったところの中で、他の、例えば利根のようにこの旧赤城根近
くのような集落のところの団結力ははるかに強いけれども、なかなかお年寄りが増えて若者がい
なくなってしまったというような問題等とらまえたときに、一方においてはこの過疎化に悩むと
ころの部分の、つまり末端自治体、つまりこれを狭域自治と言っておりますけれども、これの活
性化、今度は旧沼田町のように所帯が多くなっている、いわゆる末端自治体、あるいは末端自治
組織のところの部分の、かつてのような日本の伝統にあったような活性化を図るための部分、こ
ういったところをとらまえたときに、今の、いわゆる沼田の中でもまち内の末端行政組織と、い
わゆる村部のまち内行政組織の悩みはちょっと違うのがあるわけでありますけれども、それらを
自治用語では、狭域自治といっているようでありまして、この狭域自治の活性化を図っていくと
いうことが、大変この新市建設のためには重要なポイントになってくるのではないかと思ってお
りまして、これらについては、まだ私自身が行政の組織体に指示はいたしておりませんけれども、
私自身が現時点で考えている新市建設の中にあっての重要な施策を作っていくためのポイントと
なっていくのではないかと思っております。
 と申しますのは、よしんばAさんがBさんのボランティアによって、いわゆるAさんがBさん
のボランティアの享受を受けていた。体が動かない、容易ではないと。しかしBさんは、Aさん
の所まで車で10分、あるいは20分かからなければ行けないというような状況になったときに、
地震のような大震災が起きたときに、BさんはAさんの所まで果たして自らの危険を顧みず、車
を飛ばしてそこまで行けるのか、行けないのかということになると、一般的にはなかなか難しい
のではないかと思っております。そうなると、Aさんがそこで悩んでおられる悩みを支えるのは、
隣の方の遠い地域のBさんではなくて、できればAさんの隣接のA’の人にお願いをしていく。
あるいはBさんのようにそういう思い入れがある人がいれば、そういうAさん、Bさんの関係も
あるけれども、B’さんが近所にいないかというところで、Bの区域の方々でもってそういった
対応をしていくというようなことが大変重要なポイントになってくるのではないか、というふう
に思っておりましたので申し上げさせていただいたわけでございますが、ご理解を賜りたいと思
っております。
◇29番(金井康夫君) 今後、政策立案の責任があるというような形で、私の方から質問させ
ていただいたわけでございますけれども、市長の方から造詣のあるご答弁をいただいて、そうな
のかなというような気がするわけでございますけれども。現在、この沼田市の職員も、十分、政
策立案能力があるのかなというような気がしております。確かに民間の能力というものはまた別
で、職員の能力を引き出すのもまた市長の責任であると思いますので、ぜひともよろしくお願い
したいと思います。
 また、これから沼田市を作る際にも、いまあるものを生かすことが大切なのかなというような
気がしております。一番最初、広大な面積の新沼田市が誕生したということでございます。この
広大な面積には大変すばらしい自然があるわけでございます。両振興局長から、花の白沢、また
観光の利根、大変すばらしい大地を備えておるわけでございます。また培われたこの第一産業が
あるわけでございまして、それぞれを生かせば今後のまちづくりというのは自然と答えが出るの
かなというような気がしておるわけでございます。また、農業などに関しましても、これからは
大量生産農業型というのは、なかなか地域間競争には勝てないのかなというような気がしておる
わけでございます。今後、沼田市におきましては、高付加価値を付けた少量生産型、これを先ほ
ど市長の方で民間といろいろ共同研究しながらというようなご答弁でございましたけれども、そ
ういうことに対して研究機関、あるいは企業と話し合いながら、新たな開発、沼田独自ブランド
というものを開発したらどうなのかなというような気がしておるわけでございます。そちらにつ
いて市長のお考えがございましたらお答えを願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 私どもも職員の立案能力等については、よく承知をしておりながらも、先ほど申し上げました
ように民間の方々のお力添えもいただくということで、その辺のことは誤解なきようひとつお願
いしたいということと同時に、金井議員のおっしゃっていることは十二分にわかっておりますの
で、よろしくお願いをしたいと思っております。
 そこで、今のものを生かしていくということが必要なのではないかという、こういうご指摘で
ございますけれども、全く同感でございまして、今次、環境の世紀と言われる21世紀が、人間
やあらゆる生物に限りない恵みを与えている本市の宝である自然と上手に付き合っていくという
ことが大事なのではないかと思っております。今次、片品国体におきまして、秋篠宮殿下をお迎
えする機会を得たわけでございますけれども、考えてみると、かつて58国体のときに、利根の
いわゆる県道の所に、確かヒカリゴケがあったと思うのでありますが、当時そのヒカリゴケを皇
室が視察をされているということを私は記憶に持っております。ただ、いま現在それがどうにな
っているのかということになると、これは忸怩たるものがあるわけでございますけれども、そう
いったところの局所、局所にしっかりと視点を与えていくということがまず大事であろうと思い
まするし、やはりご承知のとおり本市が築かってまいりました特性を生かしていくということは
全く同感でございます。
 先ほど議員が、高付加価値を付けて独自ブランドをというお話しがございましたけれども、こ
れは後のご質問とも連携をしてくるのではないかというふうに思っておりますけれども、やはり
現在、私たちの課題が、地域振興だとかいろいろとある中で、どの方々も共通をしている大きな
キーワードを私どもは見逃すわけにはまいりません。それはやはり、しょうろびょうしです。生
命の問題についてはだれもが一番これは最終的には関心のある問題だと思っております。となる
とですね、どうしてもそこのレースに、基本には健康というものが横たわってまいると思うので
あります。そんなことを思いまするときに、先般の千葉大学との先生の方々と、いわゆる病気に
なってからでなくて、病気になる以前の段階のところで予防を図っていこうということの、健康
をテーマとしたシンポジウムが行われたわけでございますけれども、これらはまさに今後21世
紀の本市のまちづくりをしていく上で大変重要かと思っております。従いまして、そういうよう
なところの部分にしっかりと視点を当てながら、地元ブランド、今までもいろいろございます。
ですからそれは議員がおっしゃるように今までのものを生かしていくということでご理解を賜り
たいと思っておりますが、新規展開としましては、今次の千葉大学とのいわゆるシンポジウム等
は、大いにこれは私どもに示唆を与えてくれていると思っておりますので、ご理解を賜りたいと
思っております。
◇29番(金井康夫君) いろいろ市長の方からご答弁いただきましたわけでございますけれど
も、今後ですね、新沼田市を迎えた中で一番大切なのは、市長も1回目のご答弁でございました
けれども、市民の自主、自立をいかにしてその気にさせるかということが大切なのかなというよ
うな気がしております。先日、神田昌典さんという方の本当を読ませていただきまして、この中
で、将来像を考えるときに、未来を考えるときには逆算して現在を決定するというような言葉が
ありました。これは言い換えますと、99%の人は、例えば将来こうなりたいのだというふうに
思い描くときには、いま現在がこうだから、たぶん将来、10年後はこうなのだろうなという人
が、99%そういうふうに思われることを言われているのだと思います。残りの1%の人は、確
固たる将来像、将来こういうふうになるのだというようなことがあれば、現在をどう生きなけれ
ばならないということが自然に答えが出るというようなことを言われている言葉だと思っており
ます。1回目の質問でもさせていただいたわけでございますけれども、一時の苦しみを乗り越え
ても、将来しっかりした将来ビジョンがあれば、今の市民の方々にも十分理解してもらえるので
はないかと思うわけでございます。
 利根の振興局長の方からご答弁の中でございましたけれども、今回、18年度予算に、第五次
総合計画、これは10年先のことを考えた計画を、市長自ら100%、星野已喜雄市長カラーで
作る計画なわけでございます。今後この10年間の計画、あるいは新市建設計画は、あくまでも
青写真かもしれませんが、今後この先10年間というのは、この18年度予算によって市長があ
る程度、方向性を示す立場にあるわけですから、ぜひとも市民にわかりやすい、市民の方々が、
市長が言われている一時の苦しみをいまは乗り越えて頑張るのだというようなことをぜひともわ
かりやすく説明していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前10時59分休憩
─────────────────────────────
午前11時07分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな意味で時代の要請の中からこの痛みを伴うことについては、
明確に申し上げていくべきではないかというようなことでの説明をしっかりせよというようなこ
とであったかと思いますけれども。これらにつきましては、今後そういった形でいろいろな意味
の部分、部分において、このことはがまんしてもらわなければならないなというようなことも率
直に行政の立場からは申し上げていかなければならないのではないかと思っておりますので、よ
ろしくお願いをしたいと思います。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、千葉大学との連携について質問させていただきたいと思います。こちらにつきま
しては、私の方から市長に提案させていただきたいと思います。この千葉大学との連携につきま
しては、現在この西洋医学が大変日本国では発達しているわけでございますけれども、先ほど生
命についていろいろ考えていかなくてはいけないというようなことをお答えいただいたわけでご
ざいますけれども、東洋医学とまたプラス代替医学というのが大変見直されております。この代
替医学というのが、カイロプラクティックとか、アロマテラピー、あるいはマッサージ、こうい
うものを総合的に、総合医療としてまちづくりをやっていくというのが大変流行っているという
ような話を聞いております。この代替医療プラス機能訓練施設、それぞれの施設を備えたまちづ
くりをやったらどうかと思うわけでございます。
 またこの東洋医学におきましては、市長ご存じだと思いますけれども、千葉大学の園芸学部が、
柏キャンパス、柏市にあります。この千葉大学の園芸学部は、世界的にも大変薬草に関して、漢
方に関して最先端を行っている状況でございます。ぜひともこの川田地区に、いま高冷地農場が
あるわけでございますから、そちらに研究施設を作っていただきまして、現在のこの沼田市には
遊休農地がたくさんあるわけです。この遊休農地に、この中山間地域、群馬県北部の地に合った
薬草を栽培していただいて、そこで例えば段階の世代の人達が農家をやりたい、市民農園をやり
たいという方々に積極的にやってもらうというような生産行程を確立したらどうかと思うわけで
ございます。
 また、教育の部門で申し上げますと、千葉大学の学生さんにこの沼田市で実地体験をしていた
だきまして、農業の実地体験をしていただきまして、あるいはショートステイしていただいて、
それをすることによって大学の単位が取れると。いわゆるインターンシップ制度、これを千葉大
学に提唱していったらどうかなと思うわけでございますけれども、市長の考えるところがあれば
お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 総体的に同感をするところでございまして、いろいろとご指摘がございましたので、細部にわ
たっては申し上げませんけれども、総体について、ご提案のご趣旨はよく理解できるつもりでご
ざいます。特に、西洋医学がご承知のとおり対処療法であるならば、東洋医学は総体療法と言わ
れておりまして、その基調となってきているのが、先ほど来おっしゃっている、私と金井議員の、
もし見解が違うとすればお許しをいただきたいと思いますが、代替医学もある程度東洋系の部分
があると思いまするし、今回のいろいろなシンポジウムの中の漢方は、まさにこの東洋医学と言
っても過言ではございません。そういうようなことから考えますると、今後私どもがいろいろな
意味で社会の中の言うなれば目に届かないようなところの部分に光を当て、着眼をしていくとい
うことは、大変意義深いことだと思っております。私も先般、このシンポジウムに臨むにあたっ
て教えられたことが一つございました。と申しますのは、今まで医療福祉のことになりますると、
どうしてもお医者さんや歯医者さんが表舞台に出る部分が多々あったわけでございますが、薬剤
師の先生の存在というものをやはりしっかりと位置づけた方がいいという、こういうご指摘をい
ただきまして、全くこれもそのとおりだなあと認識をしたわけでございます。いずれにいたしま
しても、大学の現地での実地体験であるとか、インターンシップ制度等については、全くこれは
先々に向けて私どもが努力をしていかなければならない大きな課題であると思いますので、今後、
千葉大学との連携を密にいたしまして、先ほどご提案いただいた総体の問題を一つずつ具現化し
ていくために、私どもも精一杯努力を傾注していきたいと思っておりますので、ご理解を賜りた
いと思っております。
◇29番(金井康夫君) 今回は私の方から提案をさせていただいたわけでございます。今後、
総合計画等でいろいろと計画の細かいところを詰めていくというようなお話しでございますけれ
ども、総体的に癒しのまちづくりとか、健康都市づくりとか、そういうまちづくりを目指したら
いいのかなというような気がしております。先ほど、代替医療の関係も申し述べさせていただい
たわけでございますけれども、これは例えば障害児、障害者、これは針とかお灸とか、温泉療法、
これは肢体不自由の子には大変有効だということも明確にされているわけでございます。それぞ
れ総体的にやさしいまちづくり、こういうものを目指していただきたいと思うわけでございます。
ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 また今回、この千葉大学の関係について、私の方で一般質問させていただいたわけでございま
すけれども、市長ご存じのとおり、現在、国立大学におきましては、堰を切ったように再編、統
合の問題が出ております。文部省が打ち出した独立行政法人化の関係で、全国におよそ100位、
国公立大学があるみたいなのですけれども、この法人化の波が押し寄せて、それぞれが大変な課
題を抱えている状況でございます。昨年の4月に、玉原に東京大学のセミナーハウス、朝日の森
にできまして、これは世界的に、あちらの方で数学について研究、あるいは高校生をあそこのセ
ミナーに呼んでいろいろ研究等を行っているということでございます。ぜひとも市長、第一次産
業、第二次産業、第三次産業、農業、工業、商業、あるいは3.5次産業、観光、レジャー、そ
れぞれが大変な時期にある中で、国立大学はいま買い手市場だと思うのですね。それぞれのノウ
ハウを戦略的に沼田市側からアピールして、今回、千葉大だけではないわけなのです。東京大学
でも結構です。中心市街地まちづくりがこんなに大変であれば群馬大学でもいいじゃないですか。
それぞれの国公立大学に、それぞれ沼田市に合ったような戦略的に施策を打ち出していただきた
いと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。それらについて市長のお考えがあ
りましたらお答えを願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま大学との連携のことでの再質問があったわけでございますけ
れども、実は私も、よしんば来る4月の戦いを乗り越えることが出来るとするならば、いま議員
がおっしゃられているようなことについて積極的に自らが行動に移してまいりたいと思っており
ます。実は一昨日の打ち合わせのときに、関係部長にそういうようなことを強く申し上げました。
と申しますのは、千葉大学は勿論、東京大学は勿論、さらに県内の関係するところは勿論、ある
いはまた企業は勿論、そのようなところに積極的にアプローチをして打って出ていこうというよ
うなことで、今回の一般質問等の調整の中で、私がはっきりと幹部に申し上げさせていただきま
した。従いまして、今回のこの千葉大学との連携の関係については、すでに関係機関の経過があ
って、努力をたぶんにされてきたこともございます。東京大学の関係につきましては、ご案内の
とおり玉原の一角にある、かつてのいわゆる朝日の森関係のところの部分がむしろ開発がなかっ
たことに東京大学が着眼をしたというようなこと等を思うときに、いまおっしゃるように、私ど
もが非常に別な角度から見ると特化した、よい条件を持っておりますので、そういうようなこと
を積極的に進めていくつもりでございますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 続いて、沼田城について再質問させていただきたいと思います。市長この沼田城の建設におき
ましては、歴代の市長がそれぞれ行政の長として示してきた経過があるわけでございます。今回、
沼田公園長期整備構想というのがございまして、この計画の内容につきましては、簡単に申し上
げますと、周辺整備から行うというような計画でございます。遺構、あるいは櫓、それぞれ考え
ながら最終的に天守閣を建造したらどうかというような計画に対しまして、今回の観光協会にお
きましてのアンケートは、まず最初に天守閣を建設しようというようなアンケート内容だと思っ
ております。1回目の質問に対しまして、市長は現在4,000件の動向ですね、今後、注意深
く見ながら検討してまいりたいというようなお答えだったわけでございますけれども、市長自身、
この沼田公園長期整備構想、まず周辺整備からやった方がいいのか。あるいは天守閣を作って一
気に活気を取り戻して観光客を誘致したらどうかというようなお考えがあればお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この沼田城の天守閣の再建につきましては、長きにわたって本市の関
係者がいろいろな角度から努力を傾注してきたということは、私自身もよく承知をしていること
でございます。そういった中で整理をして考えてみたいと思いますが、公園の長期の計画のこと
について、議員は周りから順序立ててやっていくというようなことでもってあったと。またもう
一方におきましては、このいろいろなアンケート等については、一気にそこに持っていこうとい
う形なのだが、どちらかをという、こういう話かと思っております。率直なところを申し上げさ
せていただきまして、この沼田公園のいわゆる再構築というのは、やはり本市、新生沼田市にと
っても極めてシンボリックなものとして位置づけていかなければならないことでございますので、
今後、関係者の方々と十二分に協議を進めていかなければならないと思っております。
 ただ、どっちを取るのだというようなことを言われた場合に、やはり現下の諸状況、いま総合
計画を作成中でもございますので、やはりそれぞれの動向をしっかりと見守りながら、アンケー
トの結果等についても4,000件の回答があったと伺っておるところでありまして、その詳細
については、私ども事務方が承知をしているものでもございません。従いまして、現段階で申し
上げることは、やはりそれぞれ長期計画もあった、そしていまのそういう動きもあるというよう
なことを総合的に検証いたしまして、そして今後この問題について遺憾なきよう対応してまいり
たいというふうに思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長におきましては、現下の財政の関係が主な理由だと思うわけでご
ざいますけれども、状況を見守りながら検討してまいりたいというようなことでございます。こ
の沼田城の関係につきましてはいろいろなご意見があると思います。実は、私の実家の前に、い
まは亡き赤井先生のご自宅がございます。いまでも「みんなで作ろう沼田城」というようなでか
い看板が掲げてあるわけでございます。今回、この沼田城の関係につきましては、いろいろ一次
的、二次的、大きな動きがあった中で、この沼田のお城について作っていただきたいと思ってい
る方々は大変高齢者になってきているわけでございます。市長が今回、第五次総合計画を策定す
る予定となっているということでございますけれども、この天守閣が先か、あるいは遺構、櫓が
先かというような問題でも結構ですけれども、総合計画の中で主要事務事業として市長自身この
沼田城に関しては位置づけていくのかどうか。そちらについてのお考えがあればお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、先ほどの答弁の域を出し切れないのが非常に議員
には誠に申し訳ないと思っておりますけれども、いまアンケート等の、経済部長にも確認いたし
ましたが、私ども市のところに報告がないようでございます。ですから先ほど申し上げたとおり
でございます。もう一方におきましては、今までの長期整備構想もございます。ですからそれら
を十二分に直視して、整合性を持ちながら、これらの問題について対応をしていかなければなら
ないと思っております。従いまして、総合計画は今年の9月までには何とかまとめたいと思って
おりますので、その経過の中で当然十二分な課題になるであろうということは論を待たないわけ
でございまして、今後、各関係機関の動向、あるいはまたご意見等々拝聴しながら、慎重に対応
してまいりたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) ぜひともこのお城に関しましては、様々な、大変感慨深いようなお話
しを私も聞かせていただいておるわけでございますから、十二分に市民にわかりやすくご説明を
願いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 続いて、環境税について質問させていただきたいと思います。こちらにつきましては、平成1
2年に市長、地方分権一括法が制定されて、その流れから来ているというようなお答えがあった
わけでございますけれども、私の方で平成13年、当時の前西田市長のときに、この環境税につ
きましては一般質問させていただきました。それぞれ当局が、この環境税についてはいろいろと
研究、検討したわけだと思うわけでございますけれども、今回特に注目されているのが、この環
境税について京都議定書の発効を受けてだと思うのですね。この京都議定書の発効というのは、
2008年から2012年までの間にCO2を6%削減すると。その前の1990年から200
3年までに8%増加した分も一緒に削減しなければならないというのが京都議定書の内容だそう
でございます。これは合わせて14%をCO2削減するということでございますけれども、これ
は小泉総理にでも聞けばいいわけですけれども、国レベルの話を市長の方からこの14%削減に
ついて、率直に、どのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この森林環境税の問題につきましては、私は大変前々から関心を持ち、
そして自らが動けることは最大限に努力をしてきたつもりでございます。特に一昨年の8月の下
旬から9月、確か10月の中旬くらいまでにかけて、私が11市の市長は勿論のことでございま
すけれども、各町村長のところにお伺いをいたしまして、この関係について水源県である本県が
積極的に打ち出していこうではないかというようなことで、私自身、群馬県の林業関係団体と連
携をいたしまして努力をいたしました。私の記憶にまちがいなければ、一昨年の11月に日比谷
の野外音楽堂で、これが設置のための大きな全国集会が日比谷の野外音楽堂で行われまして、利
根沼田からも、私も含めて数多くの方々がそこに参加をいたしました。しかしながら一昨年はか
なりいいところまでいくのではないかと思っておったのですが、結果的には大変厳しい結果にな
ったわけでございます。昨年もいろいろと努力をいたしまして、本県では独自で今度は前橋でこ
の種の大会を実は持ったわけでございます。
 これは議員がおっしゃるように、京都の議定書のCO2の削減はもとより、地球温暖化の問題
が根底に流れておりまして、非常に重要な問題でございます。と申しますのは、この100年間
で確か地球の温度が0.6度くらい上がっているのだそうでございます。これも私の記憶にまち
がいなければそういう結果が出ていると思うのです。向こう100年は2度だと言われていたの
ですけれども、3度くらい上がるのではないか。こういうふうに言われているようでございます。
このわずか0.6度、あるいは1度以内であっても、今次の大雪が、一般的なかつての大雪と違
って温暖化からくる、日本海の海水面の上昇によって、それが結局、上昇気流が高まることが、
ひいてはこちら側の方まで来てしまったというようなことがあげられます。
 もう一つは、議員の中には農業関係の議員の方々がおられると思うので、ある程度承知をして
いると思いますけれども、いま緯度で言いますと、南側の緯度で作られた作物ができなくなって
きて、南側の作物が北側に北移をしてきている。例えば具体的なことを申し上げますると、千葉
の梨が、福島やいわゆる栃木のところが主産地に変わってきている。県のりんごも利根沼田が主
産地なのですが、すでに今までの経過があって、甘楽、富岡、前橋の南面とかあったのですが、
色づきが悪くなってきて、利根沼田のりんごは非常にいいりんごなんだけれども、群馬のりんご
として位置づけられたときに、南側の方のりんごと同一的に扱われると、利根沼田のりんごの良
さというものが失われてしまうのだということがあるくらい、地球の温暖化というのはいろいろ
なところに影響を与えております。従いまして、この利根沼田のように、まさに私どもが全国に
誇れる、まあ言うなれば隣の地域に尾瀬だとか、谷川があって、私どもの沼田の中にあっても玉
原高原や皇海山や袈裟丸山のようなものもあるというようなことを思いまするときに、この問題
については、まさに本市こそこの問題について先頭に立って、これが導入がために努力をしてい
かなければならない大きな政治課題であると認識しておりますので、今後も今までの関係機関と
非常に密な状況がありますので、一生懸命先頭になって頑張っていくつもりでございます。
◇29番(金井康夫君) 市長に対しまして、私の方から14%CO2削減できると思いますか
というような質問をさせていただいたのですが、市長、この環境税に対する思い入れと言います
か、大変わかったわけでございます。私自身もこの14%削減というのは、国が打ち出した数字
なわけでございますけれども、実際不可能だと思うわけですね。この14%は100分の14の
わけで、割りますと50分の7、これが大体7分の1になるわけでございまして、7分の1と申
しますれば1週間が7日あるわけですから、1週間の1日、1日はCO2を出さない日を作る、
そういうような京都議定書の目標なのかなと思うわけでございます。国はこういうような状況の
中で、森林が3.9%二酸化炭素を吸収するのだというようなことも言われているわけでござい
ますけれども、先般、国におきましては、たぶん目標達成できないところは排出権の買収、買い
取りというのができるのですね。これは実はカザフスタンから日本国政府が排出権を買ったよう
な報道がされました。この後、他の国で目標を達成できた、マイナス何%にしなければならない
ところがプラスになっているところがCO2の排出量、買い取れる、あるいはその設備をよくす
ることによってCO2を削減するということが反映できるというような京都議定書の内容になっ
ているそうでございます。そういうような中で、1回目の質問の中で、この環境税についてはな
かなか市町村単位ではできないというようなお答えでございましたけれども、これからは独自に
課税自主権の中では税源を持てる。地方税の一種なわけですね。そういうことであれば、これだ
けの森林面積を持っている沼田市のわけですから、企業に対してこの排出権を売り込むというこ
とができるのではないかと思います。これは全国的にもまだやっているところはいなと思います
けれども、沼田市独自の、沼田市のこの環境を保全するために、あるいは二酸化炭素を出す企業
に対して売り込みをかけてそれによって沼田市の森林を整備していただくと。こういうことの一
つのパフォーマンスかもしれませんけれども、そういうことも一つ大切なのかと思うわけでござ
いますけれども、市長のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一般的な理論展開からいくと、県か国にお願いをしていくというよう
なことで答弁もさせていただきましたし、その方法がやはり一番近道ではないかというふうに思
っておりますが、金井議員、私どもにしてみれば大変新しいご提案をいただいた感がしておりま
す。そういったコストを都会の方の関係におけるところの企業だとか、あるいはまたそういった
部分で要するに排出権の関係を、いわゆる私どもの方の立場からいたしますならば、そういった
森林を整備していって、そうしたコストをいただいてくるという、これは新しいご提案ですので、
現在、この時点でしっかりとした勉強を、承知をしておりません。従いまして今後多いに検討を
させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
◇29番(金井康夫君) 実はですね、イギリスでは2002年に排出権の取引が行われている
ようでございます。ただ環境省においても、ある程度企業がこのCO2削減の目標を持って、年
間削減することが達成できたことに対しては、経済産業省あたりが補助金を出すような、そうい
う仕組みになると思うのですね。ですから今から研究していただいて、ぜひともアプローチをか
けていただいて、戦略的に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと
思います。そちらについてのお考えがございましたら。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に新時代にふさわしいご提案であるなと、こういうふうに受け止
めさせていただいております。私はいつも関係があるといろいろな場面で申し上げておるのです
が、ご承知のとおり利根沼田は県道面積28%、しかし10万人弱しか住んでいない。だけれど
も、結局その水だとか空気を供給しているのは私ども10万人弱の人間がここに居住しているが
ゆえに初めて東京の方々が65%飲用しているわけでございますけれども、飲むことができると。
しかし今回の三位一体改革の国庫補助負担金の削減、あるいはまた交付税の見直し、税源移譲、
しかもこの税源移譲というのがご承知のとおり人口でもって見てくるということになりますると、
どうしてもこの三位一体改革の根底に流れている哲学が、どうも私どもの所から見ると厳しいも
のがあるなというようなときに、やはりいま金井議員がおっしゃるような、沼田をはじめといた
しまして利根沼田のような所が、そういう都会で生活していく人達のリスクをしっかりと守って
いるのだということについての保障を、あるいはまたそういったところの担保をしっかりしてい
くということが非常に政策上重要なことでありまして、そういう意味で他のご提案されているこ
とについてはこれから十二分に検討する課題であるな、こういうふうに思っておりまするし、私
自身もそういった部分のところの関係機関をよく承知しておりますので、今後いただいたご示唆
に対して特に県の関係機関のところで発言する機会が多々ありますので、申し上げたりして関係
機関と連携して頑張ってまいりたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 一つ参考に、実は山梨県の方におきましてミネラルウオーター税というものを検討中でござい
ます。このミネラルウオーター税というのは、ただで水を汲むだけで企業が儲けているのではな
いかという理論のもとに、1g当たり0.5円から1円、2億から3億税収が上がる予想がされ
ているそうでございます。そういうことで、いま企業に対して新たにそういうような負担をお願
いするというような時代だと思いますから、ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 また最後に、市長大変この4年間激務だったと思っております。私自身、市長自身尊敬してお
りますし、今後、市長という立場でしたら大体批判されるような立場、歴代の市長はそれぞれ苦
労されたものだと思っております。今回、1回目、感慨深くこの市長、最後の施政方針演説を聞
かせていただいたというようなことで質問させていただきました。市長は今回、初心を忘れるべ
からずというような言葉を歌われております。新年のあいさつの中で、能の世阿弥の言葉だとい
うことで、この初心というのは3つあって、ぜひ初心忘るべからず、時々初心忘るべからず、ま
た後心忘るべからずと。こういうような中で、市長自身、一日一生涯だというような形で、毎日、
毎日頑張っているのだということは、私自身も十分に理解できておるわけでございます。先般、
私の大変尊敬する大先輩にも、この中国の言葉で「日陵月替」という言葉を紹介いただきました。
これは同じく市長、いま時々の初心忘るべからずの言葉だと思うわけでございますけれども、日々
努力を怠ることなくそれぞれ精進していけば未来がつかめるのだというような言葉の趣旨だそう
でございます。ぜひとも市長におきましては、大変お体ご留意して、今後の沼田市再生のために
誠心誠意頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げて私の一般質問を終ら
せていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 激励をいただきまして感動しております。いずれにいたしましても、
いただいたご指摘に対して、まさに原点に帰って頑張っていかなければならないと思っておりま
す。
 なお、4年前に「不惜身命」という言葉も引用させていただきました。これは、前進するに当
って、我が身を顧みず、命も顧みず頑張らなければいけないということでございました。今日、
改めて金井議員から4年前を振り返った形の中で、初心忘れるべからずで頑張らなければいけな
いというご指摘やら、一日一生涯の精神でもってこれからも努力を傾注してほしいという激励の
言葉をいただきました。議員がご指摘されたことについて、しっかり肝に銘じて今後の市政運営
に当ってまいりたいと思っておりますので、よろしくご理解のほどをお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、長谷川信次議員。18番。
〔18番 長谷川信次君登壇〕
◇18番(長谷川信次君) 通告しましたところ、議長よりお許しをいただきましたので通告に
従い一般質問をいたします。
 まず、質問に先立ちまして、沼田市議会になりまして、今回初めて一般質問をさせていただき
ます。初めてということで非常に緊張しています。失礼がありましたらお許しをいただきたいと
思います。
 それでは質問に入ります。
 新沼田市が誕生して丸一年が経ちました。総務省の発表によりますと、1999年3月に、3,
232あった市町村の数は約4割減少、今年3月末までに誕生する新市町村は559市町村、全
国の市町村の数では1,822に、2003年9月、3,181市町村が約1,300の減、ち
なみに県内は合併後69から54市町村に。首長、助役、収入役の三役が約3,600人の減、
そして議員の数は1万7,600人の減だそうであります。そして報酬など経費は単純計算で約
1,200億円の減だそうです。
 この沼田市は、一足早く昨年2月の13日をもって紆余曲折はありましたけれども、3市村が
合併して1年が経過しました。さて、利根村から利根町になって住民の望んだ合併はできたのか。
今回は住民の方の身近で素朴な疑問を質問させていただきます。それでは質問します。大きく2
点。1といたしまして、新沼田市合併後1年の成果と課題について。2といたしまして、今後の
福祉施策について伺いたいと思います。
 まずは、住民の期待と不安について。合併後、住民サービスの低下が一番住民に悪評だがにつ
いてですが、一向に住民感情が収まる気配さえない。沼田市民になることを期待し合併した。そ
してよくなることを期待し、時が経てば合併しない市町村よりも必ずよくなる。そう思いながら
今日まで一年が経過しました。しかし福祉面のサービス面のカット、廃止、それまで無料だった
ものが有料に、各種団体への補助金とサービス面のカットなど全くよくならない。また、住民の
不安は増すばかりだが、市長のお考えを伺います。
 次に、市長の目指した振興局とはどういうものなのかについてであります。振興局に行ってみ
ると昔の面影はまったくない閑散とする中で職員の数も減り、私たち議員も足を運ぶ数もめっき
り減りました。市長の目玉だった地域自治区、振興局とはこのようなことだったのか。
 次に、今後市長の目指す沼田市について。合併して5万5,000と人口は増えたけれども、
町と奥まった山間地域の格差は広がるばかりで、それは是正できるのか市長の考えを伺います。
 少子化対策について。子育て支援対策は万全かについてでありますが、いま福島矢祭町の子育
て支援が大変話題になっております。3人目が生まれますと100万円、4人目が生まれると1
50万円、5人目では何と200万円と聞きます。また、出産費用の無料化等で今日のテレビで
も少しやっておりましたけれども、無料化等の市独自の、単独の支援策は考えられるのか。
 次に、利根町に学童保育の早期実現を望む声があるがについて。利根町にも、以前から育児と
仕事支援事業ということで、一時的に子育ての援助が必要な場合、一般の家庭で預ける人、預か
れる人にお願いするということで始まった事業がありますが、幾日も続けた頼むのは無理とかい
ろいろ制限があります。また、一般の家庭ということで、なかなか頼みずらい面もある。反面、
それはそれなりに土、日と、あるいは救急事に利用できるということで大変多数の皆さんから好
評な面もあります。できれば早急に、その他にも学童保育所クラブ等をお願いしたい声があるが、
市長の考えを伺います。
 高齢化対策について。住民の望む特養(特別養護老人ホーム)、あるいはグループホーム等の
建設計画について伺います。以前、「利根町にもぜひ特養を」ということで、村を挙げて取り組
んだ経過がありますが、残念ながら昭和村に建設されることになった。現在でも待機者数が、同
僚議員の答弁の中で平成16年5月1日現在で、沼田、利根、白沢の合計で、183人と聞いた
が、昨年度、また今後増える傾向にあると思うが、再度、もう一度見直す計画はあるか。
 以上、何点かお伺いします。答弁によりましては再質問を行います。まず1回目の質問とさせ
ていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの長谷川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、新沼田市合併後一年の成果と課題について、住民の期待と不安について、合併後サービ
スの低下が一番住民に悪評だがについてでありますが、合併協議での事務事業の調整につきまし
ては、一体性の確保の原則、住民福祉向上の原則、負担公平の原則、健全な財政運営の原則、行
政改革推進の原則、適正規模準拠の原則、の6項目を一般的な原則として、新市全域を対象とし
て、公平、公正に実施していく必要があるとの基本的な考えのもと、調整方針が確認をされてき
たところであります。
 財政の厳しい状況が続く中で、市民の皆様に的確な住民サービスを将来に向けて安定的に提供
できるよう努めていく必要があると考えております。
 今後につきましては、第五次総合計画の策定を進める中において、必要に応じてさらに、検討
を進めてまいりたいと考えております。 次に、市長の目指した振興局とはについてであります
が、議員ご案内のとおり、地域自治区の事務所である振興局につきましては、支所機能として、
住民生活に直結した各種窓口業務、保健・福祉サービス等に関する事務、地域自治振興機能とし
て、地域協議会に関する事務や地域特性を生かした地域づくりなどの推進に関する事務を所掌す
ることになっております。
 振興局制度につきましては、身近な地域課題などにきめ細かく対応できる新市特有の地域内分
権の仕組みとして、導入をしたところでありますので、今後は、本市の円滑な運営と均衡ある発
展を図りながら、地域ごとの個性や多様性を活かした地域自治、地域振興を図ってまいりたいと
考えております。
 次に、今後市長の目指す沼田市とはについてでありますが、合併協議により策定をいたしまし
た新市建設計画では、新市の将来像を「水と緑の大地・田園空間都市」として構想しており、そ
れは、本市の特性を生かし、大自然と人々が共生する「うるおい」「ゆとり」「やすらぎ」の交
流拠点として、いきいきと輝く個性ある都市づくりを目指すものであります。 
 今後につきましては、美しい自然環境と歴史文化を有する本市の特徴を生かし、環境にやさし
く、安心・安全に暮らせるまちづくりの推進をはじめ、次代を担う子どもたちが生き生きと輝く
教育の推進、高齢者や障害者などの地域ケアシステムの確立や子育て支援、健康で生きがいを感
じながら明るく暮らせるまちづくり、地域特性を生かした農林業の振興と観光資源のネットワー
ク化などを図り、活力に満ちた産業のあるまちづくりの推進に向けて、取り組んでまいりたいと
考えております。
 新生沼田市建設のためには、地方分権の進展と財政状況の厳しい中、行政と市民協働による創
造性豊かなまちづくりを進めていかなけらばならないと考えておりますので、今後、場面、場面
において、お示しをするとともに、第五次総合計画におきましても反映してまいりたいと考えて
おります。
 次に、今後の福祉施策について、少子化対策について、子育て支援は万全かについてでありま
すが、子どもを産み育てるためには、多方面からの支援が重要であると認識しております。
 本市では、沼田市次世代育成支援行動計画に基づき、妊娠や出産などに対する支援から保育サー
ビスへの取り組みまで、安心して子育てできる環境づくりを総合的に支援するための事業を展開
しております。
 出産育児一時金の支給事業や延長保育事業の推進、更に平成17年度からは小学校6年生以下
の児童の医療費の無料化、第3子以上の出産に対する出産祝金の支給など各種事業の拡充を行な
ってきたところであります。
 平成18年度におきましては、仕事と育児の両立を支援するために「育児の援助を受けたい人」
と「育児の援助を行いたい人」を会員とする、ファミリーサポートセンター事業を開始し、保育
園への送迎、一時的な預かり等、育児についての助け合いを行うなど、職業生活と家庭生活との
調和のとれた充実した生活を可能とするための環境を整備し、子育て支援を行うこととしており
ます。
 少子化が進む中、次代の社会を担う子供を安心して生み育てることができる沼田市を目指し、
努力を傾注してまいりたいと考えております。
 次に、利根町に学童保育所の早期実現を望む声があるようだが、についてでありますが、利根
町におきましても核家族化や共働き等により保護者が昼間家庭にいない世帯が増加していると聞
いております。
 そのため放課後や長期休業期間などの児童の安全確保と健全育成のために、学童保育所の設置
も重要な施策であると認識しております。
 現在、沼田市全体の状況を見ても学童クラブへの入所希望者は年々増加している傾向にあり、
子育て支援施策の一つとして位置づけております。
 平成16年度に実施した利根町地域でのニーズ調査の結果におきましても、約43%の方が学
童クラブを利用したいと回答されており、これまで旧利根村村議会内で議論されてきた経過など
も踏まえ、今後、更に地域の状況把握を行いながら設置に向けて研究してまいりたいと考えてお
ります。
 次に、高齢化対策について、住民の望む特別養護老人ホームあるいはグループホーム等の建設
計画についてでありますが、大規模・広域型特別養護老人ホームなどの整備につきましては、国
の整備基本方針に基づき、都道府県が施設整備や既存施設の改修などを広域圏単位で計画し、事
業者の選定を行っておりますが、沼田圏域についてはすでに一定の整備目標値に達していること
から、今後3年間の事業計画期間には盛り込まれていない状況にあります。
 しかし、このたびの介護保険制度の改正により新たに市町村が指定及び指導・監督する地域密
着型サービスが創設され、サービス基盤の整備が遅れている地域については、計画的な整備が可
能となりました。
 この地域密着型サービスは、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者の増加等を踏まえ、高齢者が
要介護状態になっても、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるよう、介護サービスの利
用と提供ができるもので、原則として当該市町村の住民である被保険者を対象としたサービスで
あります。
 このサービスには、通いを中心に泊まりや訪問にも対応できる小規模多機能型居宅介護や認知
症対応型デイサービス、また、定員29人以下の小規模特別養護老人ホームやグループホームな
どの居住系サービスがありますが、本市といたしましても、国や県の指導を仰ぎながら策定した
市町村整備計画に基づき、順次、面的整備を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を
賜りたいと存じます。 
 以上申し上げまして、長谷川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇18番(長谷川信次君) 先ほど同僚議員の大変質の高い質問と、また市長のすばらしい答弁
を聞かせていただきまして、市になるとだいぶ難しい問題も出てくるのだなと思いながら聞かせ
ていただきました。私も、私なりに一生懸命やらさせていただきたいと思います。
 合併をいたしました市町村の取り組みについて、県内の2005年の意識調査によりますと、
この合併に対して多いに評価というのがわずか6.4%、少し評価というのが23.6%、評価
できないという、あまり評価が少ないということで、約3割が評価の合計です。そして、それに
対しまして、あまり評価ができないというのが8.4%、全く評価できないが11%と、否定的
な意見が約4割と非常に高いものであります。合併しても、しなくても、各自治体、大変財政が、
不況の厳しい中、それぞれ皆さんも努力しておるのだと思うのですけれども、先月の上毛新聞に
載っておりました。新みなかみ町、その中で財政が厳しいために2006年から3年間、一般職
員の給料を年間ベースで約4%カットと、一般職員の給与をカットというのは、これは非常にめ
ずらしいようなのですけれどもカットするということが出ておりました。旧の3町村でいきます
と、380人の給料、年間で約1億円の経費の節減になると言われております。そういう中で、
昨年の10月の合併のときにも、特別職の給与を3割カットします。その辺を絡めて沼田市は大
丈夫なのか、その考えを聞かせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 長谷川議員の再質問にお答えしたいと思います。先ほど合併後の意識
調査の計数を指摘をいたしまして、そして合併のことについての検証のご意見、あるいはまたご
質疑であったと思いますが、やはりどうしても合併をしたときに従前のコミュニティー、つまり
合併の、いわゆるどちらかというと負の面のコミュニティーの疎外感が出てくるということが現
象的に起きるということが、今回のような結果を出しているのではないかと思っております。従
いまして今度は逆に、そういったコミュニティーの阻害感をできるだけ払拭して、そして理解を
求めていくということが今度は逆に大切になってくるのではないかと思っておりますので、先ほ
ど前段の同僚議員にも申し上げましたように、まだ行政部局には指示をしておりませんけれども、
今後、狭域自治等についての検討を加えていかなければならないと思っております。
 また、新聞紙上の西部3か町村の新みなかみ町の経費削減をされる給与カットの関係等につい
ての例を出されてご質問をされたわけでございますけれども、私どもも今回、当初予算を組むの
に当って、多額の基金を一般会計に繰り入れて予算を作り上げさせていただきました。そういっ
た中で、私ども本市といたしましても厳しい状況には変わりはないわけでございますけれども、
少なくとも200億からの一般会計を抱える本市でございます。従いましてスケールメリットも
西部3か町村より高いということが言えるわけでございまして、新生みなかみ町のようなところ
まで追い込まれている状況にはないというふうに認識をしております。ただ今後、財政運営につ
きましては、できるだけ無駄を省いて、そして効率よく運行していくために、各関係機関に十二
分に指導をしていくつもりでございますので、ご理解を賜りたいと思っております。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後0時01分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇18番(長谷川信次君) それでは、市長が目指した振興局に移りたいと思います。各自治体
に先駆け現状維持しながら他の模範になる。そういうことで合併した経過があったわけなのです
けれども、この4月に今度は地域協議会が立ち上がると、そういう話を聞いておるわけなのです
けれども。全く私たちにも影も形も全く見えてこないので、どうに進んでいるかどうかも全くわ
からない状態なのですけれども、そういう中で住民の声を広く、苦情、要望等を聞くのだという
ことで、地域協議会が立ち上がるということなのですけれども。これは沼田市の合併協議会の中
でも約束事だったのですから結構なのですけれども。私が考えてみると、各区には組長さん、あ
るいは区長さん、あるいは農業関係の農業委員さん、あるいは福祉関係でいきますと民生委員さ
ん等がおりまして、そしてまずその中にもまた我々議員がおるわけなのですけれども、その辺り
を考えて、例えば地域協議会が立ち上がりましてどのようなことをするのか。また、どのように
進んでいるのかについてお伺いしたいと思うのですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 この地域自治区の関係につきましては、ご案内のとおり合併のときのいわゆる協議の中で整っ
ていたことでございまして、大変重要な位置づけになっているわけでございます。昨年、同僚議
員からたくさん質問をいただきまして、早急に立ち上げるべきだというようなご意見、あるいは
ご示唆もあり、私の方もそれについて重きを置き、そして早くに手がけるようにという形で現在
に至っているわけでございます。これらの関係は、当然いろいろな意味の地域の問題等について
ご論議をいただき、そして当然、私どもに対する意見具申が考えられるわけでございます。例え
ば協議書の8条に、地域協議会は、当該自治地域に係わる、次に掲げる重要事項について、市長
の諮問に応じて審議し答申するものとすると。新市建設計画の変更に関する事項。2番として、
新市建設計画の執行状況に関する事項。3番として、新市の基本構想及び各種計画の策定または
変更に関する事項。4番として、予算に関するもので重要と認められる事項。5番として、重要
な施設の設置または廃止に関する事項。6番として、その他市長が必要と認められる事項につい
てということになっております。なお、4月の1日にスタートすべく現在段取りを進めていると
ころでございまして、ぜひ議員の温かいご理解とご指導をいただければと思っているところでご
ざいます。
 なお、地域協議会は委員が15人以内で組織するということで、勿論当然これも第9条に書か
れておりますけれども、区域内の公共的団体等代表する者、あるいはまた学識経験を有する者、
あるいはまたその他市長が必要と認める者ということでもって調整をしているところでございま
す。よろしくご理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
◇18番(長谷川信次君) わかりました。18年度の予算の総務費の中にも入っておるので、
その辺のところはできることはいいのですけれども、例えば委員の選出方法とか、あるいは一般
の住民の方に、どういうふうに地域協議会というものを立ち上げるにあたって説明をしていくか。
その辺が全く見えていないような状態の気がするのですけれども。その辺のところ何かありまし
たら。
◇市長(星野已喜雄君) いまおっしゃられたことについては、当然、広報等で知らしめていく
ことは勿論の事でございますけれども、やはり区行政の関係で区長というお立場の方々がおりま
すので、そういったところに適切に説明をしたりして、いわゆるご理解いただけるような努力を
してまいりたいというふうに思っております。
 なお、議員がご指摘のように、できるだけ市民にわかりやすく伝わるように、その方法といた
しますると、いろいろな意味で議員のまたご意見もいただいたりして、その対応に遺憾なきよう
段取りをしていきたいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。なお、意見具
申等もいただければ幸いだと思います。
◇18番(長谷川信次君) わかりました。その件に関しては選出された議員にはまず一生懸命
頑張っていただきたいと思います。
 私はこの合併に当りまして、一番夢だったのが椎坂トンネル、いわゆる椎坂バイパスができて
くれるといいかなと思いながら考えておりまして、昨年の中頃にやっと形というものができたわ
けなのですけれども。なかなか話というものが進まなかったわけであります。1月の31日の日
刊新聞の中に、路線測量と詳細設計ということで入札が2月にあるということで書いてあったわ
けなのですけれども、市長の努力という話も聞いておりますけれども、前向きに県の方も努力し
てくれたということで、その県の入札の話が始まったのかなと、こんなふうに思っているところ
でありますけれども、この話が始まりますと、車の渋滞解消は勿論、片品住民、あるいは近隣の
方にとっても県の施策である幹線乗り入れ30分間構想という実現に大きく前進をするわけでご
ざいます。そしてまた非常に景気が悪化する中で、事業の縮小等の中で、利根沼田の建設業界に
あっては、約90億という膨大な金額でございますので、その刺激を与えるものは非常に多いか
なと、そんなふうに思っております。またその辺に関しては、市長も一生懸命努力していただい
て住民の方とよく話し合っていただいて進めていきたいと思います。
 私たちの、利根会派の要望としてあげられまして、答えを少しいただいたのですけれども、平
川から中禅寺湖、あるいは足尾、皇海山のアクセス道路ということで金精峠まで、金精峠は冬期
は閉鎖になるということで、年間の道というものができないかということで、そういう要望等も
あがっているわけですけれども、ぜひその辺のところも絡めて検討していただきたいと思うので
すけれども。この辺、私たちも合併をして、やはり何か夢のある、そういうものを考えていただ
きたいというのが私の希望なのですけれども。先の2月の13日ですか、何も合併した証がない
わけなのですけれども、公園の鐘楼の鐘が、2月の13日を境にまた始まったということで、大
変画期的なことだなと思っているわけなのですけれども。その辺を絡めて老神等の不景気解消に
もなりますし、夢の構想ということで、市長の意見をひとつお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 今回の合併が、沼田市と白沢と利根が一緒になったということから、
どうしてもその所がつながっている部分は何かということが大変重要になってまいります。当然
その一つは、県道沼田大間々線という一つの道路アクセスがございます。当然、国道120号と
いう道路のアクセスがございます。さらに片品川という所のいわゆる流域自体にもあるわけです。
沼田が飲んでいる上水道の恩恵を、利根地区、高戸谷の農協前のところから片品川が導水してき
ているという、ところのこともございます。従いまして、そういった共通点は、利根沼田の東部
地区の機関の発信になるということはいうまでもございません。従いまして、そのことをとらま
えたときに椎坂バイパスは、議員がご指摘のとおり沼田と白沢と利根が早くに一体性を天下に示
す大変重要な事業であるというふうに認識をしておりますので、今後もこれが推進のために努力
してまいるつもりでございます。
 ご案内のとおり昨年の12月に同僚議員からこの問題についてのご質問がございまして、市長
が先頭に立って動くつもりがあるのかどうかというのがございましたけれども、まさに質問をい
ただくや否や、私どももできる限りの努力を12月にさせていただきました。当然、県土整備局
の方にもまいりました。年が明けまして、同じくさらに県土整備局の方にもまいりました。そう
いうようなことの中から議員がおっしゃっていることの新聞報道に出ているようなことにつなが
ってきたのではないかというふうに私自身認識をしております。いずれにいたしましても、今後
ともそれらに向けて努力をしていかなくてはいけないと思っております。
 なお先ほど、金精峠であるとか、皇海山であるとか、あるいはまたいわゆる利根沼田の東部地
区の自然環境を有する関係のことと同時に、それらの整合性に関するご質問がありましたけれど
も、そういった意味で、今度の国道120号のアクセスの問題は大変重要な位置を示しておりま
すので、そういった観点を持ちながら取り組んでいかなければならないと思っております。
 なお、沼田、白沢、利根の合併によって1年が経過した後、鐘楼の鐘が聞くことができたとい
うことの朗報をたいして、何とかこの老神地区等の活性化についても考えろと、こういうご指摘
だと思いますけれども、まさに沼田と白沢と利根が一体となったような形の老神の活性化につい
て、これからも関係機関のご指導をいただいて、本年に何とか再生ができるように努力をしてま
いりたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇18番(長谷川信次君) ありがとうございました。昨年、1年間を現す漢字一文字に「愛」
という一文字が選ばれたということでございます。確かその前の年は、新潟地震等がありまして、
災害の「災」という字だったと思います。その前は、イラク戦争が始まりましたその年で「戦」
という字が選ばれたような気がしております。そういう中で、昨年、愛という字が選ばれて、愛
子様の人気にあやかってということで言われておりますけれども、そういう中、いま子供を取り
巻く環境というのは大きく変わりまして、大変怖い時代になった気がいたします。私たちが子供
の頃は、明るいうちから暗くなるまで真っ黒になって遊んで家に帰ると。そういう時代だったの
ですけれども。昨年の栃木でおきました少女殺人事件、まだ未解決でありますけれども、近県と
いうことで非常にまた関心もあります。そういう中で学校も金網を付けたり、また塀を回したり、
また監視カメラを付けたり、逆に監視をしながら子供を見守るという異常ないま事態が現状かな
と思っています。
 そういう中で、同僚議員も前に質問したのかなと思いますけれども、沼田もだいぶその辺は進
んでおりまして、各学校ごとにいろいろな対策、あるいはまたいろいろ話し合い等が行われてい
るようなのですけれども、また、子供さんに付き添っておられる方は、同じ服装の方がいっぱい
おられるのですけれども、これはボランティアの方か何か、そういう中で、防犯対策といういう
のでどのような方向できているかということを少し伺いたいと思います。
◇議長(星野佐善太君) 18番議員に申し上げます。通告に従ってお願いします。ただいまの
関係につきましては通告外となりますので、よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 子供の安全対策については、これはすでに教育委員会の方が昨年、大
変骨を折って、つぶさに、特に義務教育の通学路の関係等については、いろいろな点在、点在ご
とに手配をして、新聞報道がされたとおりでございまして、いろいろな努力をしているところで
ございます。ただもう一つ、一方におきましては、つい一昨日だと思うのですが、新聞紙上にも
出ていたと思うのですが、前商工会議所会頭、小林一郎さんを中心といたしまして、警察当局に
おいての防犯の関係の体制が整えられたということを伺っております。いずれにいたしましても、
子供の安心、安全を守っていくためには、これは行政の最重要課題だというふうに思っておりま
すので、議員のおっしゃるとおり、これらについてはいろいろな角度から対応に処してまいりた
いというふうに思っているわけでございます。いずれにいたしましても、将来を担う子供は本市
の宝でございますので、今後とも議員がおっしゃるように、安心、安全の確保のために努力して
まいりたいと思っております。
◇18番(長谷川信次君) 大変失礼いたしました。いま子供たちだけでなく、非常に大変不況
の中、日雇いの家族というのもたくさんおりました。1万円、あるいは1万円以下で仕事をしな
ければならない家庭がずいぶんあります。そういう中で、まず25日くらいが一月の目安としま
すとね、うちの方は雪などが降りますもので、25日十分稼げるかどうかわかりませんけれども、
やっと計算しますと300万くらいですかね。そういう世帯が30代で、6歳未満の子供がいる
家庭というのが、所得が年収400万円以下というのが約32%を占めると言われております。
そういう中で子育て費用が、1歳から3歳まで約50万円前後かかるそうでございます。4から
6歳の子供で、大体65万円前後かかるようでございます。ここにいまいらっしゃる方というの
はあまり金額というものが当てはまらないと思いますけれども、非常に子供を抱える家庭は経済
的な負担が大きいと。そういうことでございます。そういう中で、3歳児未満の子供を持つ母親
の8割が、子供を生んでいま育てられる社会ではないと、こういうふうに答えております。そし
て、国や地方自治体の責任というものを非常に強調しております。そういう中で、一人の女性が
子供を生む人数、合計特殊出生率ですか、15歳から45歳までの女性が、年齢別に出生率を合
計した数値ということで、一人の女性が生涯に生む人数の数が2004年に発表されました1.
29、大変ショックな数字であったわけですけれども、そういう中で政府も今年度、4月から、
小学校3年生までだった児童手当を今度は小学校6年生まで引き上げると、そういうことでござ
いましたけれども。
 そこでお聞きしたいのですけれども、先ほど市長の方からもちょっと話がございました、施政
方針の中にもありました、ファミリーサポートセンター、何か聞いておりますとちょっとうちの
方のやり方と似ておることかなと思ったのですけれども。その辺のところをもう一度聞きたいと
思います。そして助役さんの予算説明の中にもありましたけれども、遠距離通学の児童、生徒の
通学支援と安全確保を図るスクールバス等の運行事業ということで出ておるのですけれども。後
の方は切ってもらって結構です。じゃあファミリーサポートセンターの方をお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) このファミリーサポートセンターは、昨年も同僚議員からの質問があ
って、これを積極的にとらまえて、そして新年度に実現させようということで努力をしてきた。
今回の新年度予算の一つの大きな新政策でもございます。民生部長の方からその概要につきまし
ては、説明をさせていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 民生部長。
◇民生部長(田島 護君) 命によりお答え申し上げます。
 ファミリーサポート事業の概略でありますけれども、これは先ほどの市長の1回目の答弁にも
ありましたように、まずサービスを受けたい人、これは現在、保育園、幼稚園、あるいは学童保
育と通っている生徒はおりますけれども、さらにそれから家庭に帰るまでの空き時間があります。
そういった部分でのお迎えであるとか、あるいはそれらの間を面倒を見るという形で、サービス
を受けたい、そしてサービスを提供してもいいという方がいらっしゃいます。これらを会員とし
て登録していただき、このファミリーサポートセンターが仲介役をし、お互いの共通な認識に基
づいてサービスの提供を相互に行うという事業であります。
◇18番(長谷川信次君) いわゆる利根町と同じようなやり方ですよね。頼む人と頼まれる人
ということで。
◇民生部長(田島 護君) 内容的にはさほど違いがないと思います。それを沼田市広域に広げ
まして、さらにそれを充実させるという事業です。
◇18番(長谷川信次君) わかりました。ありがとうございました。
 次に、利根町に学童保育、クラブ等、早期実現を望む声があるがについてでありますけれども。
前橋市は、今年の4月までに児童クラブ4か所を設置、例えばクラブは親の都合等で学校が終わ
っても家に帰って面倒を見る方がいないとか、そういう児童が対象で、専任の指導員が遊びや生
活指導を行い、放課後、児童の安全な生活の場を提供するということで、市の委託を受け民間が
設置し、運営するということで、いま現在、市に30くらいあるクラブを、最終的にはどこの学
校でも、どこの小学校でも利用できるように、40程度の設置を目指すと、そういうことでした
けれども、沼田市を見てみますと学童クラブが1か所、普通のクラブが4か所、そして白沢にも
1か所あるわけなのですけれども、利根町に対して早期実現を求める声が高いのですけれども、
その辺のところをお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がご指摘のとおり利根町に学童クラブ、あるいはまた学童保育所
が設置されてないということは、これは大変重く受け止めているところでございます。従いまし
て、冒頭の答弁をしたとおり学童保育所の設置も重要な施策であると認識をしておりまするし、
また地域の状況把握を行って、設置に向けて研究してまいりたいと思っております。いずれにい
たしましても一つもないということは、大変重要なことでございますので、私がいま申し上げた
内容で概ね理解をしていただけると思いますけれども、設置に向けて研究をしてまいりたいと思
っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇18番(長谷川信次君) それでですね、学童クラブの件なのですけれども、リース方式とい
う方式がありまして、学校関連施設を整備する際、リースの方式を使うというのが非常に増えて
いると。例えば民間の会社が建物を作って、そして低コストで民間に貸し出す、行政に貸し出す。
そして市町村が月々のリース料を払って満了になったら無償提供を受ける。この辺のところを低
コスト、また民間の発想と組み合わせて新しい流れということで、高崎、伊勢崎、また新治、新
里等でそういう件があるようですけれども、その辺のところを利用して、先ほど市長の答弁の中
にもありました利根町でも43%の望む方がおるということなので、ひとつその辺のところを早
急に進めていただきたいと思うのですけれども、その辺のところについていかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまリース方式という一つの議員のご提案でございますけれども、
今後これらについて関係機関と協議しながら検討をさせていただきたいと存じます。
◇18番(長谷川信次君) それでは次に、高齢化についてということで質問させていただきま
す。私もこの介護制度というものができまして、大変昨年亡くなったのですけれども、母親がだ
いぶお世話になりまして、またデイサービス等、ケアマネの方たちにいろいろ指導していただき
ながら助かった面があります。こういうことができてあるということは、非常に利用者とすると
大変助かるなと、そのように思いながら来たわけでございますけれども。昨年また利用料も上が
ったり、食費、あるいは居住費ということで3万円くらい値上がったということなのですけれど
も。なるべく、今度また沼田市も介護保険の改正でまた値上がると思うのですけれども、その辺
のところを考えていただきながら改正を進めていっていただきたいなと。県の04年度の要介護
の支援者の認定者数なのですけれども、6万1,700人、本市の数でいきますと、介護保険認
定者は17年の1月末で1,944人と、そういうことでございます。この人数というのが、ど
んどん、どんどん増えていくかなと思うのですけれども、県の要介護者増によりまして、地域密
着型、先ほどちょっと話を市長の方から聞いたような気がするのですけれども、入所施設、小規
模特養、これが146床、従来型特別養護老人ホーム525床ということで、新設計画があるよ
うだということでちょっと聞かせてもらいたいと思います。地域密着型入所施設ということで、
以前ちょっとグループホーム等の話で検討させていただいた中で、要介護度が1、2の方が入る
のがデイサービスということでした。その介護度が進んで、いきなり特養に行ったり、老健に行
ったりと、逆になお介護度が進むと。そういうような話の中で、地域密着型というもので、グルー
プホームに行ったり、特養に移ったりしなくもいいということでこういうものができるようにな
ったのか。その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この小規模の関係等であるとか、あるいはやはり地域密着型であると
かということも、実はこれも昨年の時点で同僚議員が、こういった時代の流れですよということ
のご提案がございました。実際問題この時点になりまして、認知症高齢者や一人暮らし高齢者の
増加等を踏まえると、結局できるだけ小回りの効くというと語弊がありますけれども、住み慣れ
た地域で生活が継続できるような、そういうようなことでもって今回、小規模、多機能型居住介
護というような形、あるいは認知症対応型デイサービスというようなことで、結局29人以下の
小規模特別養護老人ホーム等が大きな政策課題になってきたわけでございます。従いまして、私
どもも国や県の指導を今後仰ぎながらですね、市町村整備計画に基づいた形の中で、やれること
についてはこれは前向きにとらまえて、そして実現に向けていかなければならないというふうに
考えております。
◇18番(長谷川信次君) この件に関して、何か聞くところによりますと東地域に2軒、福祉
施設とかと聞いているのですけれども、その辺のところをお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま議員がおっしゃったことについては、しっかりと熟知してい
る立場ではございませんけれども、そういった流れにあるというようなことについては認識をし
ているところでございます。いずれにいたしましても、この小規模多機能型関係については、柔
軟に処することができますので、今後いただいたご意見をたいして、いろいろな意味で研究をし
てまいりたいというふうに思っております。
◇18番(長谷川信次君) この問題なのですけれども、何か例えば民間業者が入るとか、その
ような何か条件的なものがあるのか。例えば、建物の規模、大きさとか、もし聞けるようでした
ら。
◇市長(星野已喜雄君) 当然、民間の方が参入できるわけでございます。詳細については民生
部長の方から説明をいたさせます。
◇民生部長(田島 護君) 今回進められている地域密着型のサービスでございますけれども、
生活圏域を4つのブロックに分けて行うという、その一つが東部の方になりまして白沢と利根の
圏域になります。そこの中で今後、さらに細かないろいろな情報を得ながら計画を立てたわけで
ありますけれども、当然小回りの効く、小規模多機能型の施設につきましては、民間をターゲッ
トに入れて、それに対しベット数29以下とそのような形でのものを考えております。これにつ
きましては、まだ詳細な部分についてはいろいろな部分で示されておりませんけれども、今後こ
れらを18年から20年までの間という形で計画を立て、ご提示をし、特にそういった施設の少
ない部分は早急に手がけていく。こんな計画であります。以上であります。
◇18番(長谷川信次君) ありがとうございました。以前、うちの方の業者の方なのですけれ
ども、ぜひグループホーム等を建設したいのでお願いしたいということで要請があったのですけ
れども、当時うちの方の旧利根村の場合は、要介護度1、2の方が5人しかいなかった。そうい
うことで、例えば利用者がいても施設は9床ということで、造るにも大体7,000万円くらい
自己負担で、土地も自分で探すということで、これがグループホームだそうなのですけれども。
まずそういう中でぜひやってみたいのだと。今でもそういうことを言い続けている方がおるので
すけれども、合併を機に、要介護度1の方が608人、2の方が288人と。合計で890人か
らの人がおるのですけれども、そういう中で利根村の場合はたぶん19年度以降ということで決
まったのかなと思っておるのですけれども。ぜひそういう中で、前倒しができないかということ
で要望が上がっているのですけれども、その辺のところはいかがなものでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) これらについてはやはりグループホーム、非常に大切な事業であるこ
とは論を待たないわけでありますけれども。いまおっしゃるように、この前倒し云々ということ
になると、若干私どもでは判断しかねるというところがございます。いずれにいたしましても、
ご提案されたことについて私どもが受け止めて、今後、関係機関と協議をして対応を図ってまい
りたいと思っております。
◇18番(長谷川信次君) これで全部終わりました。私は市長の同級生で、生まれも育ちも利
根町追貝でだれよりも市長を知っている、小、中学校は知っているものかなと思うのですけれど
も。非常に真面目で、能力のある人、そしてまた沼田市長として頑張っておるわけなのですけれ
ども、我々同級生も星野市長を一生懸命支える一人なのですけれども。ぜひ体に気をつけて、沼
田市民のために一生懸命これからもやっていただきたいと思います。
 それでは、長時間にわたりましてありがとうございました。私の質問を終わります。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上正文議員。30番。
〔30番 井上正文君登壇〕
◇30番(井上正文君) 通告いたしましたところお許しをいただきましたので、一般質問をさ
せていただきます。
 本市の農林業について市長の所信をお伺いいたします。
 それではまず、ポジティブリスト制度についてお伺いいたします。
 ポジティブリスト制度とは、農産物などに残留基準が設定されていない農薬等が一定以上含ま
れている食品の流通を原則禁止する制度です。一定以上とは、「人間の健康を損なう恐れのない
量として、厚生労働省が薬事食品衛生審議会の意見を聴いて定めた量」として0.01ppmの
一律基準を採用しました。以上のようなことから、農薬使用時における注意点として、農薬使用
基準の遵守と農薬散布時のドリフトの注意が重要になってきます。
 農薬のラベルの記載事項(適用作物、使用量または濃度、使用時期、総使用回数等)の確認や
ドリフト低減対策として散布時の風向きと風速、作物に近接した適正散布、ほ場の端での散布、
散布圧力、風量、近接栽培作物との連携、散布ノズルの交換、遮断シート、ネットの活用、ドリ
フトしにくい農薬の利用などが重要になってくると思われます。
 そこで第1点は、市として、このポジティブリスト制度を農家などの関係者にどのように周知
徹底させるのかお答えください。認定農業者などの大規模農家では、いろいろなところから情報
が入ってくるので、この制度の内容や重要性など理解できると思われますが、それ以外の兼業農
家やお年寄りだけの農家などでは、情報内容が理解できなく入りにくいのではないでしょうか。
 第2点は、この制度によって市内の農業はどのような影響を受けるのかということです。市内
の農家で無農薬栽培を実践しているのは、ほんのわずかな農産物に対してです。
 そこで第3点目は、この制度に対しての対応は市としてどのようにとっていくのかということ
でございます。この制度は、今年の5月29日から施行されます。作物によっては施行前に農薬
散布が始まるものもあると思われますので、対応も早ければ早いほど良いと思います。
 続きまして、林業振興について4点市長に所信をお伺いいたします。現在、日本の林業は、輸
入外材の増加に伴い長期にわたる木材価格の低迷により甚大な影響を受けて、林業では生計を維
持していくことが困難な時代になっています。例えば丸太の価格は、昭和35年頃と今日の価格
が同じなんだというような話も聞きます。
 本市に目を向けて見ますと、市の面積443平方キロメートルの約80%、351平方キロメー
トルが森林面積となっています。また、市内の林業従事者は約115人で、林業生産額は、5億
3,300万円であります。そこで市長にお伺いいたします。第1点は、現在、市の林業に対し
てどのような認識を持っているのか。
 第2点目は、市内の林野に公益的な目的な持った森林公園やレクレーション的施設はあるのか
ということです。このことについては、平成2年12月21日制定の森林文化都市宣言がありま
すが、この宣言をより象徴したものがあるのかということです。
 第3点は、地元産の木材を利用した地場産業の創造や公共建造物を造ることを推進する考えは
あるのかお伺いいたします。最近では、学校の校舎、体育館などにも木造の建物が見受けられる
ようになってきました。また市内でも、南郷温泉しゃくなげの湯は、旧利根村産の杉とヒノキを
ふんだんに使って建設しましたが、木のぬくもりがあり大変評判が良いようです。
 本市は、先ほども述べたとおり約80%は林野でありまして、森林と、ある意味で共生してい
ると言っても過言ではありません。しかしこのような環境の中で私たちの使っている木材の約8
0%は外材という事実もまたあるのです。本市の先人達が昔から築きあげてきた森林との共生は、
経済性ということだけでは片づけられない重要なものであると思います。
 そこで第4点は、市はこれから林業振興を進めるためにどのような施策を推進するかお伺いい
たします。
 以上をもちまして、1回目の質問を終わりにします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、沼田市の農林業について、ポジティブリスト制度について、市としてこの制度を農家な
ど関係者にどのように周知徹底させるのかについてでありますが、平成15年5月の食品衛生法
の改正に伴い、本年5月29日より導入される「食品に残留する農薬等に関するポジティブリス
ト制度」については、作物による使用基準が設定されていない農薬が一定量を超えて含まれる食
品の流通を禁止する制度であり、既に農薬に関する研修会において直売を行う生産農家等に周知
を行ったほか、今後は広報やチラシの配布等により制度や農薬散布時の注意事項について関係者
への周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、この制度によって市の農業はどのような影響を受けると思われるかについてであいます
が、この制度の導入により従来残留基準が設定されていない農薬に対しても0.01ppmとい
う極めて微量な一律基準が適用され、農作物からこれを上回る残留農薬が検出されますと出荷停
止や回収などの対応が求められることから、今まで以上に農薬使用基準の遵守や農薬散布時には
近隣の作物への配慮が求められるようになると考えております。
 次に、この制度に対しての対応策は、についてでありますが、農薬使用基準の遵守はもちろん、
農薬散布時の隣接したほ場の農作物へのドリフト低減のための様々な対策や、農薬の使用記録の
整備・保管、生産農家同士の連携による農薬散布時期の調整など、農薬の使用に関しては、従来
以上に十分な注意と適切な対応が必要となりますので、これらについても県や農協等の関係機関
と連携しながら関係者に指導してまいりたいと考えております。
 次に、林業振興について、現在、市の林業に対してどのような認識を持っているのかについて
でありますが、近年の林業につきましては、林業の担い手不足や木材の市場性の問題など根深い
構造的な問題を抱えており、本市の森林につきましても、林業従事の低下などから、行き届いた
管理がされていない状況にあります。このような状況に対処するため、育林や除伐・間伐などの
積極的な実施や就業環境の整備などに取り組み、適正な森林施業を計画的に行うことが必要であ
ると認識しておりますので、森林の間伐・下草刈り等の林業施業についての支援を行うなど、そ
の解決に向け取り組んでいるところであります。
 次に、市内に存する林野に公益的な目的を持った森林公園やレクリェーション的施設はあるの
かについてでありますが、本市は、平成2年12月に森林文化都市宣言を行なって以来、自然と
ふれあえる場や機会の拡充に努め、玉原高原における各種施設の整備をはじめとして、三峰山、
子持山、戸神山、高王山、白沢町雨乞山の遊歩道の整備等を進めるとともに、近年では、市街地
周辺におきまして、みどりの小径整備事業等を行なってまいりました。また、市民の森をはじめ
として、(仮称)おとぎの森、利根町遊々の森を森林公園等として整備を進めております。市民
はもちろん、本市を訪れる多くの人々にも、この恵まれた自然のすばらしさを満喫してもらえる
ような場として利活用が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 
 次に、地元産の木材を利用した地場産業の創造や公共建造物を作ることを推進する考えはある
かについてでありますが、林業の構造的問題の解消と林業経営の安定化を図っていくには、木材
の利用をはじめ、森林資源の需要を拡大していく必要があることから、本市としましても、公共
施設等への地場産木材の活用、木質化内装品の活用、また、地域の特性を活かした木製品や林産
物の生産・販売について推進してきたところでありますが、今後も利活用が図られるよう、引き
続き推進をしてまいりたいと考えております。 
 次に、市はこれから林業振興を進めるためにどのような施策を推進する予定なのかについてで
ありますが、現在進めております、林業担い手の確保育成を継続するとともに、除間伐推進事業
及び林道整備事業など林業施業への支援等について、さらなる取り組みを進めてまいりたいと考
えております。
 以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇30番(井上正文君) 答弁ありがとうございました。それでは何点か再質問をさせていただ
きます。
 まず最初に、ポジティブリスト制度についてであります。これは今まで残留基準のない農薬等
に一定の基準、これが0.01ppmこれを一律設定したということで、この基準をオーバーし
てしまうと市長の言ったとおり生産物の出荷停止、また回収などの対応が求められるわけです。
またそれ以上になりますと、賠償責任ということもあり得るということでございます。それと、
この一定基準額の0.01ppmですか、これは違う言葉に置き換えますと、1gの1億分の1、
または25mのプールに一つまみの塩を入れたくらいの、その濃度だということであります。と
いうことはだいぶこれは厳しいということですね。例えば、トマト畑がありまして、その脇に隣
接したとうもろこし畑があったとして、トマトの農薬がとうもろこし畑に飛散した場合、これは
登録がなかった場合は完全に0.01ppmをオーバーしてしまう。そうするとこのとうもろこ
しがもし検査をした場合、出荷停止になってしまう。極端に言うとそういうことになります。で
すからこのドリフト飛散を止めるという、抑えるということがまず第一なのですけれども、この
ポジティブリスト制度というのは、できれば全農家に本当によく周知徹底することが第一だと思
います。それで市長の方で少し言ったのですけれども、県の方でも3月の3日に県民局の方で1
00人の農家を対象に講習会をやりました。ただこれは100人という限られた人数であります。
また、農協の方としても、いま各地域で座談会をやっているのですけれども、このポジティブリ
スト制度にまだあまりふれていないというのが現状であります。
 ですから、5月の29日までという日があるわけですが、この日前にもう作物では農薬をかけ
ていることがあるわけです。これは早ければ早いほど良いということなのですけれども。今の市
長の答弁ですと、まだ生ぬるいのではないかと思います。だからもう一歩進んだ周知徹底という
のをこれはしてもらわないと、もし知らないということで飛散になって、被害を受けて、検査を
して出荷停止とかなると、これは利根沼田全体、また群馬全体、そんなふうにまたとらわれるこ
ともありますので、その辺もう一度市長にお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 大変議員がおっしゃるとおり、農業をするのにあたっても難しい時代
になったなあと、こういうふうに思っております。ご指摘のとおりトマト畑の方に農薬を散布し
て、その隣接にとうもろこし畑があってそこに飛散をしていった。その残留値が0.01ppm
の1億分の1というような極めて微量なところに適用されたということは全くこれは厳しいと。
本当に大変な農業経営が招来するのだなあというようなことをいま改めて胸に刻んでいるところ
でございます。先ほど話をさせていただいたとおり、広報やチラシの配布等によって関係者の周
知を行ってまいりたいと答弁をさせていただきましたけれども、3月の3日の日に県民局の方で
講習会も持たれたようでございます。しかもそれが100名ぐらいだったということは、利根沼
田の農業者から見ればどの程度かということは概ね察しができるわけでございまして、今後、県
民局のご指導もいただき、あるいはまた農協系統とも連携をして、もう少し細部に渡った対応が
できるように検討を早めにしていく必要があるのかなというようなことをいま認識をしていると
ころでございます。
 いずれにいたしましても、かつて県のあるところの果樹が農薬の基準値以上のものがあったと
いうことでもって、それが全面的にバックをせざるを得なかったということを私も承知をしてお
りまして、そういった意味で本市の野菜や果樹が全くそういったことには一点の曇りもないのだ
というような状況を作っていくためには、いまおっしゃったように啓蒙が大変重要だと思ってお
りますので、いろいろな意味でまたご指導いただければと思っております。
◇30番(井上正文君) ありがとうございます。それとこのポジティブリスト制度で、もう一
つ危惧するところというのが、この制度今まで以上に地域のコミュニケーションがしっかり取れ
ていないと、あおるつもりではないのですけれども、すごいことになっていくということがある
わけです。というのは、これは近隣の土地の所有者、作物を作っている人を悪く言うと、陥れる
ために何かやるという、そういうことも考えられるわけですよね。だから地域の隣同士のコミュ
ニケーションを今まで以上に良い方向で保っていかないと、これは逆に悪用されて陥れると、そ
ういうことは十分考えられるわけですよね。まず一番重要なのは、農薬のドリフトですか、飛散、
よその土地の作物には絶対飛散させないような対策をとるのがまず1。それと近隣のコミュニケー
ションをよくとって話し合いをして、いつ消毒をするかと。そこまで踏み込んで指導をしていか
ないとこれは両方が被害者になってしまうのではないかと思うわけでございます。
 そこで、市長のお許しがあれば、利根、白沢の両振興局長に、利根と白沢は農業地域でござい
ますから、ここで振興局として具体的にどのような地域の指導方法とかそれがありましたらお願
いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどお話しのとおり、地域のコミュニケーションの大切さ、あるい
はまたそれを今度は逆にポジティブリスト制度を悪用した形の中で、第三者を陥れるというよう
なこともあるのではないかというような、こういうことのご指摘でございますけれども。ご承知
のとおり東洋の伝統的な考え方には、孟子の性善説といわゆる荀子の性悪説というのに大きく分
かれておりまして、わが国はもともと性善説ということで人はみないい人なのだということで取
り組んできたところが日本国の文化だったと思います。しかしこの節の社会的な風潮は、どうも
性善説、人はいい人だということよりやはり最近の劣悪な子供に対するいろいろな不祥事を見る
と、性悪説に立脚をしなければならないようなことがずいぶんございまして、この性善説理論と
性悪説理論もいろいろと拮抗し、また分かれていることも事実でございます。ただ、今日の午前
中の地域コミュニティーを作っていくためには、狭域自治等が大切になるのではなかろうかとい
うような話をさせていただきましたけれども、それはまさに性善説に立脚しているところでござ
いまして、ぜひ地域のコミュニケーションをしっかりと図ることによって、お互いが助け合って
いくというようなことをこれからとらまえていかなければならないと思っております。
 しかし危機管理もこれまた事実でございまして、やはり何が起こるかわからないのがいまの時
代でございます。従いまして、そういったことから考えますると、いまおっしゃられたように、
こと一朝有事の関係の対応については、上位の機関からもご指導いただきながら、それらについ
てどのような対応をしていくかということについては、今後いろいろと検討をしていかなければ
ならないのではないかと、危機管理という観点からそういうふうに思うのであります。
 なお、白沢、利根の振興局の方におきましても、いろいろと対応を、私が答弁した形の中でさ
れていると思いますけれども、ご質問でございますので、コメントを一つずついただいて答弁と
させていただきたいと存じます。
◇議長(星野佐善太君) 白沢町振興局長。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) ただいまの井上議員さんのご質問にお答えさせていただきま
す。ポジティブリスト制度、これは農家にとりましては大変な制度でございます。旧白沢村、旧
利根村、また旧沼田市ですね。旧3市村は農業が基幹産業でございます。当然、新沼田市は農業
が発展していかなくては新市の発展もないわけでございます。そういったことで、このポジティ
ブリスト制度、これは本当に農業にとりましては重要な問題でございます。いま市長の答弁にも
ありましたように、広報、チラシ等を配布して、周知徹底をしていくということでございます。
白沢町につきましても、いま農産物販売所ですね、この販売高も向上しておりますし、また大変
高齢者の方が生きがいをもって出荷をしていただいております。また専業農家であります認定農
業者等含めて大規模農家の方々が、こういった制度についても認識をして、お互い各生産組合等
でコミュニケーションを図りながら、そういった点については気をつけて散布等をしていかれる
というふうに認識しております。そういった中で問題なのは、やはりいま利根町におきましても、
しゃくなげの湯等に直売所があるわけでありますが、そういったところに出荷をされている小規
模な方、あるいは高齢者等、そういった方については大変そういった面では心配されるのではな
いかというふうに思っております。この中でも直売所を行う生産農家にも周知徹底をしてきたと
いうことでありますけれども、さらに直売所に出荷しております直売所を通じて、さらにこの辺
のところを周知徹底したいというふうに思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
◇議長(星野佐善太君) 利根町振興局長。
◇利根町振興局長(星野健一君) ただいまの質問に対しては、白沢町と全く同感であります。
ただ動きとして、しゃくなげの湯、また望郷の湯、農直等あるわけです。そういう中で、今後の
動きとして残留農薬の検査、こういうのが県のレベル、またJAのレベルということでするので
はないかなと。それによって消費者の皆様方に安全で安心の品物を届けるということが基本的に
今後の義務だと考えています。ただしJAも、うちの方は普及所ということで、JAの方は営農
指導と。普及所の方もそういう指導というものは農家の方にしてもらいたいということでやって
いくと。またお年寄りの、なかなかそういう状況等把握できない方についても、白沢と同じく周
知徹底をさせていきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時04分休憩
─────────────────────────────
午後2時12分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇30番(井上正文君) 両振興局長さんありがとうございました。このポジティブリスト制度
は、この検査する機関というのが全国に約200カ所くらいあるらしいのですよね。だからこれ
は検査をするのは、国だとか、県がやるということだけではなくて、その検査をする機械を保持
しているところがあれば、これはどこでも、極端なことを言うとどこでもできるということであ
ります。ただ、民間の機関で検査をして出た場合でも、国だとか、県の機関に出ましたよといっ
て、そこでまた改めて検査をして黒なら黒、その次の段階に入るということだそうです。この制
度については、生産履歴ですか、それを守るということが第一で、それとそのドリフト、飛散を
させないようにやる。それと、近所とのコミュニケーションを今まで以上によくとって、いつ消
毒するとかというのを小まめに意思疎通をするということが大事ではないかなと思います。
 それでは次の林業振興について再質問に移りたいと思います。平成2年の制定の、森林文化都
市宣言後の特色ある施策や計画がありましたらそちらの方を教えてください。また、宣言前と後
では何か大きな違いがありましたら、その辺もよろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 森林文化都市宣言の関係につきましては、前市長が中心となって行っ
たので、その歴史的な経過につきましては、当時、市行政に係わっていた立場ではございません
ので、詳細につきましては承知をしている立場にはございませんけれども、この森林文化都市宣
言を発したことによって、内外から大変注目が集まりました。と申しますのは、やはり何と言っ
ても森林文化都市宣言をしたことによって、平成10年の5月10日に行われた全国植樹祭、こ
れも本市で行われることになったのは、やはり森林文化都市宣言が大きな引き金となったことは
論を待ちません。当時私も、県議会の農林常任委員会の委員長におりまして、ずいぶん里山でや
るべきだというご意見をお持ちの有力なグループ、それから榛名山麓でやるべきだという有力な
グループと完全に3つの意見が大きく分かれておりました。同時に、そういったときに私自身は
県行政に係わっていた立場から、当然、利根沼田の方向へ努力をさせてもらったわけでございま
すけれども、この森林文化都市宣言というのが根底に流れている哲学があったということが有力
な引き金となっていたということは事実だと思っております。従いまして、前と後はどう違うか
というと、やはり本市が森林ということが外に向かって大きく発信できるような土壌を作ってき
たということが最大の成果だったのではないかと思っております。
◇30番(井上正文君) 全国の49回目の植樹祭ですか、これに関しては市長、県議時代だい
ぶ尽力をしてもらいまして、沼田市と川場村の間に会場を持って来られたという話は自分もよく
聞きました。それで、森林公園やレクレーション的施設はあるかということで、市長の答弁で玉
原高原、それだとか、市街地のみどりの小径、そういうのがいくつもあるということなのですけ
れども。いまある、例えば利根町の根利に、林野庁の森林技術総合研究所機械化センターという
のがあります。そこに蒸気機関車のボールドウィン3号というのがあります。これは大正8年ア
メリカより輸入して、昭和33年まで北海道の置戸町でその森林鉄道として木材運搬に使用され
たということで、昭和44年に旧利根村の根利の機械化センターに展示されて現在に至ったとい
うことなのですけれども。実はこのボールドウィン号は、旧利根村のときに商工会の方の関係で、
これ展示しておくのはもったいないので何か活用できないかということで、いろいろ北海道だと
か、東北だとかいろいろ視察したりしたのですけれども、経費的なことで断念した経過がありま
す。ただ市長も、その県議時代にこのボールドウィン3号の有効利用などを考えたことがあると
思いますが、現在その考えはどういうふうになったかお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) この林野庁の関係の根利の機械化センターの森林鉄道、ボールドウィ
ン3号ですか、これらにつきましては、旧利根町の関係者のみならず、いわゆるSL等の電車、
いわゆる汽車のマニアの方々も大変注目を集めているようでございまして、依然としてこの財産
が大きな意味を持っているということについては、その認識については変わりはございません。
従いまして、これらのことが「宝の持ち腐れ」にならないように考えていくことは大事な政策を
築く一つの大きな流れなのではないかと思っております。実は旧沼田市では、これらのことにつ
いては当然、いわゆる近場で物事をとらまえるということにはなかなか縁遠かったということは
これまた事実でございます。しかし、新市になったわけでありまして、文字通り地元の根利でご
ざいますので、そういったことについては積極的にとらまえていく必要があるのではないかとい
うふうに思っております。
 せっかくの機会でございますので、もう少し申し上げたいと思いますが、先般、CWニコル氏
とのやり取りの中の冒頭の中で、足尾銅山と根利の砥沢ですか、根利山の関係等についても申し
上げさせていただきましたけれども、結局、ある意味においては、尾瀬や谷川が非常に天下に誇
る環境のシンボリックな所であるとするならば、根利山はどちらかと言うと近代の黎明期、つま
り富国強兵、殖産興業の一翼を担った古河工業のいわゆる下支えをしたところでありまして、大
変これも負の面でこれがあるわけでございますけれども。逆に環境の問題等々とらまえたときに、
歴史的に深い意義がありますので、この負の面を逆に検証して打ち出していくというようなこと。
こういうことが大事なのではないかと思っております。そういった意味で、議員がご指摘の森林
鉄道関係のことも、ある意味においてはそういったことと同じようにとらまえて、やはりしっか
りとした形でこれらを位置づける必要があるのではないか、こんなような認識を持っております。
◇30番(井上正文君) 過日、この機械化センターに電話しまして、地元として有効利用がで
きないかということで話をしたところ、職員の方は、大変乗り気というか、ここに置いておくと
いうだけではなくて、何か有効利用があればそれをまた一緒に考えていきたいというような、そ
ういうような趣旨を言ってくれたわけなので、これは本当に隠れた遺産と言いますか、重要なも
のだと思いますので、これは新沼田市として何かにプラスになるような利用方法を見つけていけ
ればなと自分自身思っております。
 それといま、市長が根利山ですか、自分も言おうと思っていたのですが先に市長に言われてし
まいましたのであれなのですけれども、林道の整備について、特に利根町の奥の林道整備につい
て何か計画があるかということで、根利山にかけて計画を作ってもらいたいなというのがまず第
一なのです。市長が言ったこの根利山ですか、明治の30年代から昭和16年頃まで、3,00
0から4,000人の人々が平滝、砥沢、そういう所に住んでいたということで、この地域には
学校や病院、また警察官なども駐在していたということでした。この人々は足尾銅山で使う材木
ですか、それを伐採したり搬出していたわけなのですが、このような歴史があったわけなのです
が、こられを林業振興の一躍に使う考えがあるかということで、市長に聞こうと思ったのですが、
この辺はどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 実は私の学生時代のテーマが、足尾銅山鉱毒事件と田中正造でござい
ました。従いまして、田中正造、足尾銅山の関係についての書籍は、この利根沼田管内では私が
かなり持っている立場ではないかと考えております。従いましてそういった研究の中で、根利の
方から坑木が、索道によって運ばれてくるということは、その歴史的な史実に則りまして、なる
ほどなと思って若い頃、勉強をさせていただいたようなことがございます。今次、いろいろと利
根町の関係者の方々のお話を伺いますと、根利山の会の関係だとかいろいろございまして、かつ
て私が子供の自分に東小学校に、平滝分校の方々が夏だけ講堂に寝泊まりして、我々と一緒に勉
強をした仲間もございまして、これらがかつての根利山の名残を受けた型だと思っております。
冒頭申し上げましたように、利根沼田の環境のシンボリックというとどうしても天下に名高い尾
瀬とか谷川岳がどうしてもクローズアップされます。しかし考えてみると、歴史的な検証のもと
にこれらを勉強したり、研究していかなければならないということを思いまするときに、先ほど
申し上げましたように、ご案内のとおり富国強兵、殖産興業という明治時代を国是の中の一翼が
富岡のご案内のとおり片倉の製糸場になっております。これはまた別な意味で、足尾銅山も近代
の黎明期の富国強兵政策、殖産興業の一翼を担った事業であると思っております。それをいろい
ろと、集落が三千人も四千人もあったということの部分から、その下支えをしていた方々がおら
れたということは、やはりこれはしっかりと受け止めなければならないというふうに思いまする
し、場面によると、戦前、ある意味においてはそういった近代の黎明期の負の遺産を背負って、
一つの村落共同体が解体をしていったという極めて現実な、歴史的な事実は、これは非常に社会
科の授業等からとらまえても意義がございまして、私は兼ねてからこのことに非常に関心を持っ
ております。従いまして、今後、尾瀬や谷川に代表されるような表舞台に出やすいものとは違っ
て、人々の心の臓を鼓動させるような、そういった意味から考えると、大変議員がご指摘された
部分はそういった部分に値するのではないかというふうに思っておりまして、今後、私自身も勉
強いたしますけれども、議員も大変お考え方お持ちのようでございますからご指摘をいただき、
私どもも検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
◇30番(井上正文君) ありがとうございました。市長におきましては、この春も一生懸命頑
張ってもらって、この根利山のことがこれからの4年間のうちにまた一歩でも、二歩でも前進す
るようにお願いいたしたいと思います。
 それでは次の、地元産の木材を使って地場産業や建造物はどうかということなのですけれども、
県の方では、県内に住宅を新築する人を対象に、県産の優良木材を無償提供すると。杉100本
家づくり推進事業というのが平成15年度から、これは実施しているわけなのですけれども、こ
れが年間対象が戸数が100棟、それで利根沼田では、これは年間大体7から8棟くらい利根沼
田で利用しているというようなことなのですけれども。それと、群馬優良木材住宅利子補給制度
というのがあり、県産材を用いて住宅建築をする人に県が利子の一部を助成してマイホームの取
得をしやすくするという事業があるわけなのですけれども。具体的に例えば沼田市の方で、県産
材を使ってというような、そういう具体的な事業がもしありましたらお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がおっしゃるように、この杉100本の県産材の事業だとか、あ
るいはまた木材の利子補給制度については、私も兼々よく承知をしております。ただ本市といた
しますると、そういったことについての具体的なものについては、現在は承知をしておりません。
ただやはり私どもの地域が木材の町であったということを考えますると、そういった県当局がや
られている事業を横目に見るだけでなく、私どもの自前のものもやはり持ち合わせていかないと、
森林文化都市宣言を発してきた本市としてはやはり弱いのではないかと思いますので、今後ご指
摘をいただいたことを踏まえて研究をしてまいりたいというふうに考えております。
◇30番(井上正文君) 県の方ではこの杉100本ですか、そういうことでやっているという
ことで、沼田市も面積の80%は森林ですので、材料はたくさんありますので、その辺をどうい
う形にしろ何かそういう事業を作ったらどうかと思います。
 それと、地元産の材料、木材を使って具体的に公共建造物を作る予定とか、計画、そちらの方
はどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 公共物等についてはですね、おっしゃるようにできるだけいま議員が
おっしゃられたような形で努力をしなければならないと思っております。ただご承知のとおり予
算が伴いますので、どうしてもその辺のところと睨みながら、答弁はできる限りそういった議員
が言われるようなことについて努力をさせていただきたいということにとどまるわけでございま
すけれども。いずれにいたしましても、地域経済循環型社会というのが新しい時代の流れでもご
ざいますので、できる限り地元の材料を使って、そして公共構造物を造っていくという方向に努
力をしてまいらなければならないというふうに思っているところでございます。
◇30番(井上正文君) それでは次の、これからどのような施策を推進していくかということ
で、林業関係の後継者の育成だとか、林道の整備ですか、こういうことを押し進めていきたいと
いうこと、先ほど答弁にもらったわけなのでありますけれども。実は先ほど、市長ちょこっと言
ったのですけれども、市長は2月の25日に、みなかみ町でありました利根川源流地域の森林と
自然環境の保全、観光、農林業の活性化をテーマにしたパネルディスカッションに参加したわけ
なのですけれども。その中で、三位一体改革で人口の少ない農村部が財政的に不利になる中で、
森林環境税などで公平な負担をお願いすべきというような趣旨の発言をしたわけなのですけれど
も。このように都市の人々に負担をお願いし、その負担で水源地の森林をどう具体的に守ってい
こう。どのような行動をとっていこうと思っているのか、その辺をお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) この質問は、午前中、同僚議員からのご質問とも関連しておりまして、
水源県に位置する、しかも最北端の中核都市の責任ある首長という立場からいたしますると、大
変重要な問題であるというふうに認識をしております。午前中いろいろと論議があったとおり、
京都議定書に見られるように、CO2の削減というものがうたわれる中にあって、どこがそうい
ったことで一番協力できる体制にあるかというと、不肖、私どもが一番協力できる地域でもあり、
また環境を擁しているところでございます。しかし、そういった形の中にあって、それではその
ようなことで努力をさせていただく環境条件を持っているリスクの部分について、いわゆる都会
方と言ったら大変失礼でございますけれども、そういった方々がやはり上流区域の我々について
認識をしてもらいたいなということと同時に、現在の三位一体改革の税源移譲からとらまえると、
いわゆる本市のような人口が少なく、面積の多いところはどうしても不利な条件になっておりま
して、そういった意味のコストを、やはり人口の多い、しかも狭隘の所に住んでおられる方々が、
CO2削減の恩恵に浴したり、あるいはまたきれいな水の恩恵に浴しているということをとらま
えたときに、そういったところのコストを考えてもらわなければならないということは、これは
大事なことだと思っております。従いまして、一つには、下流区域の所に在住する方々と、上流
区域の我々との交流を頻繁に行って、我々の持っている実態というのをよくわかってもらうとい
うことがまず考えられると思います。
 それともう一つは、やはり政治の流れからすると、どうしても国や県に対してそういうふうな
ことをある程度グローバルにとらまえて、そしてこれが推進のために努力をしてもらわなければ
なりません。その先頭に立って私ども地元の立場から、陳情要請、あるいはまた建議を増してい
きたいなと。このように思っております。
◇30番(井上正文君) お昼前に同僚議員の説明の方で、その森林環境税ですか、ということ
があったわけなのですけれども、2月の25日の市長の答弁で、この森林環境税は公平な負担を
お願いするということで、下流部の、都市部の人達に負担をというふうに自分はとったわけなの
ですけれども。お昼前の森林環境税で、全国で平成18年度合わせると14県の県が森林環境税
を導入するといったんですけれども、ただ14県の森林環境税は、県民と県の法人に拠出しても
らうということなのですけれども。この市長の25日の都市部ということなので、県外の都市部
の方の人々に負担をしてもらうのかなというと、全国で14県やっているその森林環境税とは若
干異なるのかなと思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 各都道府県でやっていることは、都道府県のかなり為政者たるべく知
事等が環境問題を非常にテーマとしてとらえて、積極的にされてきたという経過がございます。
しかし、現実のその結果はですね、数値から見るとそれほど上がっていないのですね。ですから
今日、午前中の同僚議員や井上議員からご質問されているようなところまで、その税収を森林整
備まで回せる力があるのかというと、やはり弱いといわざるを得ません。ただ私がいま注目して
いるのは、神奈川県がやや今までとは違った形でかなりそういった税収がもっと上がるような形
の検討を加えてきているやにもちょっと伺っております。ですからそれは研究しなければならな
い話題かと思いますけれども、やはり現時点でとらまえたときに、本当にこの界隈のところのそ
ういった問題に対して処していく財源の担保から考えると、やはり東京1,200万人、埼玉県、
ご案内のとおり700万人とも800万人とも言われております。そういうような方々の水源県
だというような一つのとらまえ方をまずひとつしっかりと位置づける必要があるのではないか。
 もう一つはですね、地球温暖化に見られるような問題は、全地球的な規模の問題でございます
ので、当然、全日本、つまりオールジャパンの立場でとらまえていかなければないので、それら
のところはある程度整理して今後考えていく必要があるのではないかというふうに思っておりま
す。とりあえず私が今まで努力してきた一昨年の日比谷の野外音楽堂での大会への参加の前段の
努力だとか、昨年の前橋の大会は、すべて国に向かって申し上げてきた運動体でありますので、
ご理解を賜りたいと思っております。
◇30番(井上正文君) 自分もですね、これは群馬県内だけということではなくて、その森林
に対して利益を被っている都市部が負担するのが趣旨だと思います。それで、実はこの2月の2
5日のこの講演会、パネルディスカッションですか、これ自分も参加して、何人かの同僚議員も
いましたが、この中でCWニコル氏が、市長のパネルディスカッションの発言とかそういうのを
聞いて、CWニコル氏が、「あなたが日本の環境大臣になるのが一番いい」と会場に言ったわけ
なのですけれども。このパネルディスカッションに参加した他の人は結構自分でいろいろ実践し
てやったので、すごい自分自身も感動したわけなのですけれども、市長、またこれから自分の発
言した、それに対してぜひとも実行を伴って、ぜひ森林文化都市宣言に恥ずかしくない沼田市を
作ってもらいたいなと思います。
 それで最後の質問なのですけれども、このパネルディスカッションを通じて、市長は何を強く
感じたか。またどんなことに認識を新たにしたのか。その辺がありましたらお答えをお願いした
いと思います。自分の質問はこれで終わります。
◇市長(星野已喜雄君) まず、CWニコル氏の講演に見られるように、結局パネルディスカッ
ションの前の基調講演でございましたけれども、CWニコル氏が、長野の黒姫町でしょうか、に
おられるのには、この方にはこの方の歴史がしっかりとあったということが大変私は感動的でし
た。つまり外国におられて日本に来て、長野に居住するまでの間の節目、節目に、例えばご案内
のとおり北極圏の方に出向いたり、あるいはまたエチオピアの方に出向いたり、あるいはまたイ
ギリスのしかるべき所の、大変環境でもって失われた所の緑の再構築であるとかというような、
そういった節目、節目の歴史の中にあって、本人が武道を学びたいということから来日されて、
そしてそういった歴史を持っておったということに大変感銘を受けました。しかも土地の、かつ
ての林業関係に携わっていた、言うなれば地元の地味な方と言ったら大変語弊があるかもわかり
ませんが、地元に密着した方とそういう意味ではまったくデスクワークにはどちらかというと縁
遠い方と、地下足袋を持って頑張る方と連携して、そして自らの実践を長野でされておられると
いうことの延長から発した基調講演に感銘を覚えたわけでございます。パネルディスカッション
におきましては、ご承知のとおり群馬県には船津賞という農業の賞がございますが、これをお受
けした宮田さん、そしてご案内のとおり法師温泉に代表されるように、すばらしい背景をしてい
る岡村さん、そしてまた何といっても尾瀬の広報関係の担当をされている竹内さん、すばらしい
実践者ばかりでございまして、そこに参加をしたということは大変私も実は光栄に思っておりま
す。そういった中で、利根沼田はやはり環境、あるいはまた大自然を背景にした、そういった地
域づくりをしていくということが実は原点でもあるし、今の時代で光っていく一つの方途ではな
いかというようなことを改めて認識をさせていただきました。そういったことからコーディネー
ターとして田中県民局長がおやりになられましたけれども、まとめでもそういったことを申し上
げていたというふうに記憶をしております。従いまして今後、これらで学んだことを生かして、
新しい新生沼田市のまちづくりに生かしていきたいというふうに思っております。
 なお今回、ニコル氏の講演をいただいているこの主催は、利根沼田県民局でありますけれども、
だいぶニコル氏がこの地域を気に入ってくれたようでございます。実は兼々、事務部局には申し
上げているのでありますが、今までも大変重きをなす方が講演に来ておりまして、その方々の要
するに名簿等をしっかり作成をして、今後いろいろな意味でまちづくりにご指導いただくような、
そういうようなことまで含めた形で今後講演者の位置づけをしていきたいなというふうにとらま
えております。今回も別の方の質問にもあるようでございますけれども、そんなふうなことをい
まとらまえております。そのためには大変ニコル氏と出会ったことはすばらしかったと思ってお
りまするし、ニコル氏と出会ったことは、一つの明るい材料だと思っております。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時46分休憩
─────────────────────────────
午後2時47分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、高柳勝巳議員。12番。
〔12番 高柳勝巳君登壇〕
◇12番(高柳勝巳君) 通告によりまして、一般質問をいたします。
 私の今回の質問は、大括りとして、第五次総合計画基本構想と本市の歩むべき方向についてで
あります。
 まず、私の質問の底流にある問題意識について申し上げたいと思います。
 今日までの政治は、ある意味で経済活動最優先によって引き起こされてきた課題へ「現実的対
応」「治療的処置」を繰り返しておりました。さらに、様々な警鐘や警告サインが出ているにも
係わらず、本質的な課題へ着手できずに今日を迎え、環境問題、少子化、犯罪の多発化、失業問
題、家族や地域のコミュニティーの希薄化、老後の先行き不安等に深刻な影を落とし、閉塞状況
を作り出しているのではないかと痛感しているのです。
「国策に誤りなし」「均衡ある発展」という行政運営の定説も、激動する社会情勢との間で、色
あせ、ミス・マッチを引き起こしていると考えます。地方が自立し、全国へその存在価値を力強
く発信していくためには、従来の延長線上の事後対処方式を精査、見直しをして、戦略的転換を
模索していかない限り、今日ある様々な本質的課題の出口は見えてこないのではないかという危
機意識の視点からと理解していただきたいと思います。
 以上のことを前置きした上で、まず第1の質問は、第五次総合計画策定における社会情勢、上
位計画のとらえ方と基本認識についてであります。本計画策定に当って、当局から国の総合計画
である「21世紀のグランドデザイン」(概要版)と県の総合計画としての「21世紀のプラン」
同じく(概要版)をいただきました。現在の社会情勢について第五次総合計画策定基本方針には、
第四次総合計画当時とは予想をはるかに超えた社会環境の変化と記載されております。この予想
をはるかに超えた社会環境を的確に分析することが、新時代に対応できる新しいビジョン策定の
基盤とならなくてはいけないと考えます。市長は現下の社会情勢やこれら上位計画をいかように
捉え、どう認識しているのかをまず伺います。
 そして、こうした情勢下であることを踏まえた上で、市長のビジョンということになりますが、
第五次総合計画策定基本方針には、将来に希望が抱ける都市像を示すとともに、それを達成して
いくための基本的な考え方が基本構想であると記載されております。新市建設計画のイメージで
ある「水と緑の大地・田園空間都市」が市民に理解され、納得されることが、将来に希望が抱け
る都市像として受け入れられ、今後10年間の市民共通の努力目標値として具体化していくと確
信しております。市長は、この構想部分へどう新市のエッセンスをわかりやすく散りばめていこ
うとお考えなのかを伺います。
 次に、市民ニーズの把握について伺います。
 第五次総合計画基本方針や先般説明のあった第四次総合計画の、「今後取り組むべき課題と対
応・取り組みの方法」の中の随所に、高度化・多様化する市民ニーズへ対応というフレーズが多
数記述されております。第1番目の質問は、社会情勢という外的要因についてでしたが、2番目
の質問は、主体的要因である市民ニーズの深層部分という角度から、昨年取り組まれた第五次総
合計画アンケート集約結果を市長はどう分析しているのかを伺います。
 関連しての事項になりますが、時代の変遷とともに当然、市民ニーズも高度化・多様化してま
いります。時代の変化、市民ニーズの十分な把握は、旧来の大きな塊像を大括りで捉えようとす
る手法では、激動する時代と多元化、流動化するニーズを分析しきれないと考えるのです。
 高度成長時代の行政の役割は、どちらかといえば経済活動、市民生活のルール逸脱や暴走を規
制することを主目的とした、自動車で言えばハンドルやブレーキ役であったと理解しています。
 時代は流れ、バブルは弾け、経済は停滞し続けている今日の行政の役割は、経済活動・市民生
活の低迷や困惑への案内役、調整役、さらには新しい企画の提案役へと、その比重が大きく移っ
ているものと理解しておりますが、市長の認識についてうかがいます。
 最後は、新市のビジョンに関連した具体策の一つとしての質問です。現在、企業で働いている
現役の方の意識調査によりますと、使命感を感じていない方の割合が、その多くを占めていると
いうデータが報告されました。平たく言うなら、一生懸命働いても生きがいを感じられない勤労
者が急増しているということになります。このような勤労者の情勢も踏まえて、数年前から新聞
等でも取り上げられてきている、いわゆる団塊世代の大量退職期問題を本市の活性化に関連して、
どのようにお考えなのかを伺います。
 さらにこれは、以前同僚議員からもご案内のあったUターン、Iターンの受け皿の一つとして、
本市の特徴である農林業をベースにしながら情報発信、交流、体験、定住へと積み上げ、「水と
緑の大地・田園空間都市」の創造へつなげていくという「ふるさと回帰運動」の拠点づくりとい
う戦略づくりについてはどうでしょう。市長の見解を伺います。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、第五次総合計画基本構想と本市の歩むべき方向について、国、県における総合計画と本
市計画の整合性について、第四次総合計画以降の社会環境の大幅な変化と、上位計画の評価、分
析についてでありますが、合併協議により策定をいたしました新市建設計画では、新市の将来像
を「水と緑の大地・田園空間都市」として構想しております。
 第四次総合計画以降の社会環境の大幅な変化については、少子・高齢化の進行や地球温暖化、
厳しい経済・財政状況など、社会情勢が急激に変化しており、福祉・社会保障、教育、行財政な
ど、これまでの成長を支えてきた社会システムは、大きく変化しているものと認識しております。
 国の総合計画であります「21世紀の国土のグランドデザイン」では、「地域の選択と責任に
基づく地域づくり」を提唱しております。
 また、県の総合計画であります「21世紀のプラン」では、「よりよい群馬の実現を目指し行
動する県民一人ひとりや団体、企業、そして県行政が協働して地域づくりを行うための共通のよ
りどころとなること。」を標榜しております。いずれの計画も、住民の視点に立った住民主体の
まちづくりや住民参画による地域づくりの推進を基本目標としているものであります。
 第五次総合計画の策定に当たっては、これらの上位計画との整合性を図るとともに社会環境の
変化を捉まえ、市民と行政の協働のまちづくりに向けて、一人ひとりが責任を持ち主体的に実践
し参加できる仕組みづくりの検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、本市における将来に希望が持てる都市像と基本姿勢についてでありますが、本市は、緑
豊かな森林、清らかな川に恵まれた自然環境に育まれ、城下町としての歴史と伝統文化が薫るま
ちであります。これらの自然資源を活かしつつ地域間の連携や都市との交流を深めながら、住む
人にとっても、訪れる人にとっても居心地の良い人間性豊かなまちづくりを目指しております。
 まちづくりの基本は「市民参加」であり、市政運営の様々な過程でより多くの市民が主体的に
参加できるシステムを構築し、市民協働による「元気で誇りの持てる沼田」の実現に向けた実践
的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、環境の世紀といわれる21世紀、人間やあらゆる生物に限りない恵みを与えている本市
の宝である自然と上手につきあい、時代の変化に対応した「自然と調和したまち」、そして、大
自然と人々が共生する「健康」、「うるおい」、「ゆとり」、「やすらぎ」の交流拠点として、
いきいきと輝く個性ある都市づくりを目指してまいりたいと考えております。
 次に、市民ニーズの把握と行政の役割について、アンケート調査の分析についてでありますが、
市民ニーズを的確に把握し、満足度の高い市政を実現する上での基礎資料を得ることを目的とし
て、市民、中学生、高校生及び準市民を対象に、回答者の性別、年齢、居住地区及び職業などの
属性をもとに、重点施策等に関する市民意識調査を実施したところであります。
 アンケートにつきましては、新市建設計画を作成するに当たって実施された「市民が望む施策
について」などの回答を踏まえた上で、今後の計画づくりの検討に活かせる内容としたものであ
ります。
 アンケート調査の分析については、庁内組織の策定推進本部や策定委員会において、その結果
についての内容整理を行い、施策立案等の検討に資してまいりたいと考えております。
 また、行政の役割については、市民が真に求めている行政サービスを的確に把握した上で、満
足度の高い行政運営に取り組んでいかなければならないと認識しております。
 次に、時代の変遷と行政の役割の変化についてでありますが、時代の変遷では、我が国は、世
界に類を見ない速さで少子・高齢化が進行しており、総人口は平成17年をピークに減少に転じ、
少子・高齢化による労働力の減少等による経済縮小や社会活力の低下等の問題が顕在化しており、
これまで比較的順調に伸びてきた人口や経済の伸びが期待できず、大きな転換期にさしかかって
いると言えます。
 また、価値観の多様化や個性ある地域づくりのための地方分権が唱えられ、現在、三位一体の
改革が行われ、国からの税源移譲では所得税から住民税へシフトされております。
 この改革は、人口が少なく面積が広大な地方都市にとっては、税源移譲がされても厳しいこと
が予測されるものと考えております。
 こうした状況の下、地方分権の時代では、国や県に頼らず、自らの責任と判断で行政運営を行
い、政策立案能力の向上や財政基盤の確立が求められております。
 行政の役割の変化につきましては、市民ニーズの高度化・多様化に対応するため、行政と市民
が双方の責任を果たしながら、協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 次に、いわゆる07年問題と本市の関連について、団塊世代の大量退職期への対応についてで
ありますが、団塊世代とは、第1次ベビーブームとなった戦後復興期の1947年から1949
年ごろに生まれた世代で、他の世代に比べ突出して多いとされております。
 日本の高度経済成長を支える原動力となった半面、バブル崩壊後の景気低迷期には、合理化を
進める企業にとって雇用の過剰感を生み出す一因となったとされております。これらの団塊の世
代の方が2007年から2009年にかけて260万人以上も定年退職期を迎えるため、年金給
付増大などの形で社会保障制度にも大きな影響が出ることが予想されております。 
 団塊世代の方は、定年後も豊かに暮らし、そして、培った経験を地域に貢献していただくこと
により、地域の活性化につながることから、団塊世代の方の動向を確実に捉えることは極めて重
要な地域政策となることから、今後、総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、ふるさと回帰運動の取り組みについてでありますが、近年新しい価値観のもとに、地方
暮らしを希望する都市生活者が急増しております。
 これを受けて、日本労働組合総連合会、全国農業協同組合中央会などにより、2003年にN
PO法人「100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター(略称:ふるさと回帰支援
センター)」が設立されました。
 同センターでは、都市生活者がIターン・Jターン・Uターンなどを通して、地方に回帰循環
し、健康で安らぎのある豊かさを実感できる生活を創造する運動を行うとともに、帰農、就農等
だけでなく定年後に地方で生活する方々への支援も行っております。
 これらの活動は、大都市圏への過剰な人口集中の解消、都市と地方の文化交流の促進、地方の
活性化にも大きく貢献することが期待をされております。
 従いまして、団塊世代の退職期を迎えるに当たり、本市としても、地域振興、市民・文化交流
等の視点から、調査・研究をしてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時04分休憩
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午後3時14分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇12番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいと思いま
す。
 同僚議員から、将来ビジョンということで何回か市長の見解を伺っておりますので、ダブらな
いところで再質問したいというふうに考えているわけですけれども、順を追って少しお話しをし
たいと思います。
 今回私が、これをなぜ質問を通告したかと言いますと、五次総の基本構想についても、あるい
は先般お聞きをした市長の施政方針演説でも、この手の問題に関しての見解というのはある意味
模範解答なんだろうと私は認識しております。ただですね、何となく迫力に欠けるわけなのです
よ。迫力に欠けるというのは、ひょっとしたら自信が、ひょっとするとある意味ないのかな、迷
いがいまちょっと生じているのかなと、こんな感じがしたものですから、ぜひ市長に自信と確信
を持っていただきたいというのが私の本懐であります。
 その上に立って、まず一つ目の質問なのですけれども、21世紀のグランドデザイン、これの
グランドデザインの大枠のところは、私は多軸型国土構造に転換をしていくということが1点、
大きいところで。それからそれを達成するために、多自然居住地域の創造と大都市のリノベーシ
ョンというが、おそらく本市に関係するところの国のグランドデザイン、どういうふうにしてい
くか、あるいは都市との違いというものをどういうふうに浮き立たせていくかという点では、私
はそこが当てはまってくるというふうに思っております。この国の方のグランドデザインでも反
省をしているのですよね。1極集中型の開発をしてきたけれども、それが様々な問題を引き起こ
してしまったと。じゃあ直せないのかというと、先ほど言ったコンセプトでやっていくと、10
0年で大体できあがったこの太平洋ベルト地帯、1極集中ですから、もう100年かけるつもり
があれば必ず直るのですよということを言っているのですね。この国土のグランドデザインとい
う中で。ところが最近の動きですと、いま国のグランドデザインという方向で多極型、多軸型を
目指そうという方向じゃなく、都市1極型、2極化、勝者、弱者というものにさらに加速をかけ
ていこうという流れがもう一方であります。こういったことについて市長はどういうふうにお考
えなのか。まず伺いたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が、21世紀の国土のグランドデザインのところから多極型国土
構造に転換ということと、さらに4つの戦略というところで、多自然居住地域の創造ということ
がリンクされてくる形の中で、新市の総合計画ができてくるのではないかというような、こうい
うご指摘だったと思いますけれども、それらについては私ども関係部局、承っておりますので、
大変指摘がそれぞれ的を得ていると思いますので、今後いろいろと検討をさせていただきたいと
思っております。そういった中で、この1極集中の反省から多極型国土構造ということが出てき
たのだけれども、100年かければこれがまた元に戻るということなのだが、しかし一方におい
ては都市も相変わらず1極化が進んで、現実に都市と農村の2極化が進んでしまっているという、
こういうご指摘でございます。私は、昨年の質問者に対する答弁で申し上げてきたかとは思いま
すが、現在の改革が、どうしても効率等を先行する自由競争が大きな根底に流れている改革に来
ているということが、議員のご指摘のところのような負の面を生み出してきているのではないか
というふうに私はとらまえております。従いまして、イギリスの現在のブレア首相が、昨年も申
し上げたかと思いますが、ソーシャルインクルージョン、社会的包容力というような言葉を引用
いたしまして施策を展開をしてきております。これは決して「ゆりかごから墓場まで」というか
つてのイギリスの福祉型社会を作るというものでなく、そのものを改革しようとしたサッチャー
さんが、やはり現在のような改革を進めた先に向かって出てきた哲学であるというふうに認識を
しております。
 従いまして、私どもがいま先を見たときに、あらゆる方々が例えば弱い立場の方であっても、
あるいは健常者の立場の方であったとしても、そういった参加ができる土俵をしっかりと構築を
してあげるということが大変重要な政治課題になってくるのではないかと思っております。従い
まして、現在の都市の1極化というものは、私自身大変憂いておりまするし、もう一つには、後
半言われている勝ち組、負け組のそういった2極化の現象は、甚だ日本国の将来にとってはゆゆ
しき問題であるというようなとらまえ方をしております。
 従いまして今後は、先ほど言うようなあらゆる方々が参加をして、お互いが共有し合って、そ
して地域の再生のために立ち上がるというような仕組みづくりが大変重要なポイントになってく
るのではないかというふうに思っておりまして、今回、協働ということを大変前に打ち出した形
の答弁なり、あるいはまた市民の方々にお示しをしていると、そういう状況にございます。
◇12番(高柳勝巳君) はい、ありがとうございました。
 続きまして、本市における将来に希望が持てる都市像、基本姿勢についてということで、これ
は同僚議員に答えております。全国の希有な地域を作っていかなければならない、こういう決意
があったのだというふうに思います。じゃあこの全国でも希有な地域を作っていくということが、
じゃあどういうことなのかというところについて、いささかくどいようでございますが質問させ
ていただきたいというふうに思います。
 いささか希有というのは、私が思うに、これは車で恐縮ですけれどもマイナーチェンジではな
くて、フルモデルチェンジをしていかなくてはいけないというふうに理解しております。これが
都市では培えない、都市とは違った文化とかというものを都市と対立するのではなく、私たちか
ら発信をするという価値だと思うのですね。都市がお父さんであれば地方はお母さん、こういう
文化だというふうに思うのです。そういうものをしっかり都市に負けないくらいの力で作ってい
かなくてはいけないということになると、かなり市長、腹をくくらないとこれはできあがってこ
ないのだと私は思っている。でいささか大げさですけれども、日本国憲法の第13条というとこ
ろに、生命自由及び幸福の追及というものがいまうたわれているのです。これは当然なのですよ
ね。この幸福の追及というのがえらく新鮮に聞こえてくるご時勢だなと私は思っておりまして、
この国の市場というのがGDP、国内総生産で図っていて、この価値観というのがもういま、疲
弊が来ているというのも最近言われていることなのです。これに対抗していることがGNH、国
民総幸福量というのがあるのです。こういう指標をとって作っている国がブータンという国なの
ですね。経済発展や森林破壊よりも国民がどれだけ幸福かということを考えた価値観なのですよ。
これはわかりずらいという考え方もありますが、ブータンの王国でしたけれども、前代の国王は、
この目標に沿ってスローライフ、グリーン・ツーリズム、こういった中で家族や皆が仲良く、一
生暮せるという指標を作っているのですけれども、こういった考え方は市長どのように思われる
かお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変示唆に富んだご質問をいただきまして、いささか、まさに圧倒さ
れております。まさに憲法第13条に、生命及び幸福の追及がうたわれているということ。これ
は憲法でうたわれているわけですから当然国是でもあり、そういった方向で流れていくというこ
とはこれは論を待ちません。そういった中でGDPの問題等、GNHの比較論をいま出されまし
た。確かにご承知のとおり、物は豊かになったけれども、ご案内のとおり安全とか、安心とかが
損なわれる時代になってしまいました。そういったことから考えると、私も家族の者によく言う
のでありますが、貧しくとも健康で、明るくって、皆が仲良くできれば幸せだと思わなければな
りませんなあというようなことを家族にはよく言わさせてもらっておりますし、またそんな会話
が日々囁かれております。従いまして、過度な物質があるということが果たして幸福なのかどう
かというと、これはもう大変疑問を制さざるを得ません。むしろ家の中が明るく健康的で、しか
も隣近所とも素直にお付き合いができ、そしてみんなして地域を支え合って頑張って行こうとい
うようなことが大変重要なことではないのではないかというふうに思っております。
 従いまして先ほど、同僚議員が農薬の問題等のご質問がございましたけれども、よもや一昔前
は、そういった制度があるから隣の人を陥れるようなことを考える人はまずなかったのではない
かというふうに思いますけれども、今日に至りましてはそういったことまで思料しなければなら
ない時代を迎えております。そういうようなことから思いますると、議員がご指摘の、このGN
Hのとらまえ方というものは、やはり行政の立場からいたしますると、今後しっかりと受け止め、
勉強し、しかも検討し、こういった、利根沼田のような中山間地域では、ある意味においては非
常にこれらを充実させ得る環境を有しているというふうに認識をしておりますので、今後ご指導
いただきながら、十二分な勉強をさせていただきたいと考えております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
 続きまして、もう少し順番が逆になりましたけれども、今の日本の状態、これは今年の2月5
日の朝日新聞ですけれども、所得再配分の機能低下歴然というあれで、ご存じの方もいらっしゃ
いますけれども、ジニ係数というのが非常に格差が広がってきていて、1972年当時と相当数
格差が広がって、日本よりも格差がある国は、もうアメリカと数国しかないという現状です。貯
蓄のゼロ世帯が、72年のときは3.2%だったのが、去年は23.8%、非正規雇用者数は、
95年当時1万人だったのが1,650万人、自殺者に至っては、2万人台だったのが3万人台、
生活保護世帯では、69万世帯だったのが99万世帯へ。本当にもう、言えば目を覆いたくなる
ような状態に、いま日本の社会というのは置かれている。で利根沼田というのは、他地域で皆と
仲良く、幸福に暮していく。1極集中の東京とは明らかに違う道を目指していくのだというのが、
私は市長に胸を張っていっていただきたいという都市像だろうというふうに、私は思っておりま
す。県の方も、21世紀のプランはじゃあ何なのかというと、県は目標値、年度を限ってないの
ですね。それで私が一番このやらなければいけないなと思ったのは、風土という言葉にふれられ
ていまして、自然とともに生きていくことを感じられる風土、人の暮らしにとって必要なものが
見える風土、豊かな自然の中で暮していけると感じられる風土、共に生きていることに豊かさを
感じられる風土、豊かな働き方とは何かを常に問いなおす風土、こういうプラン、あるいは風土
づくりというものを群馬県も目指しているということなのです。ですから市長、国も県も市長が
いま目指した希有な価値観というものは全然ミスマッチを起こしているのではないのですね。で
すからぜひ言葉に迫力をもって、市民の皆さんに五次総の基本的な考え方等、ぜひ訴えていって
欲しいなというのが私の考えであります。これについてさらにもう一言あればお伺いしたいなと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私も議員がご指摘になられたようにですね、今次の格差の拡大という
のは非常に弱ったなというふうなことを実感として感じております。しかも今次、実はご案内の
とおり、新年度当初予算を組むのに当りましてもね、ディズニーランドのある浦安市ですか、そ
ういったところだとか、東京23区等は非常に潤沢な状況がございますが、私どものように中山
間地域は非常に厳しい状態になっております。これは先ほど貯蓄の関係等で1972年と今次の
比較論をされましたが、3.2%が0だったのが、今は23.8%まで拡大されたとかいうよう
な係数に出ているように格差が広がっているということは、率直に認識をせざるを得ません。や
はり行政の立場からいたしますと、やはり弱い方々が元気よく頑張っていけるような状態を作っ
ていくということは、当然行政の大きな使命でございまして、大変力のある方は、そういった意
味から考えますると行政の後押しなくともきちんと対応ができるということであろうかと思って
おりますので、やはり公は、そういった意味から考えますと、弱い立場の人々の背中の後押しを
していくということが大変重要だと思っております。そういった認識を持っているということを
申し上げたいと思っております。
 なお先ほど、国の方のグランドデザインと県関係の計画から来る風土の問題でございますけれ
ども、この8つの風土というのは、私もこの群馬県の21世紀プランの関係については、前のグ
リーンプランからこの21世紀のプランに移り変わる状況もよく承知をしております。前のグリー
ンプランもよくできていた計画だなあと思いながら、21世紀のプランはむしろ物語を各場面に
散りばめたという感じがしております。この8つの風土づくりは、このどれを見ても、私ども沼
田、あるいは利根沼田にピッタリ当てはまる内容だと思っておりますので、当然議員がご指摘の
ように、この部分等については、新総合計画を作るにあたっての参考にさせていただくというこ
とは、十二分な形の受け止め方をさせていただきたいと存じます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。これをずっとやっていると時間がなくなっ
てしまうので次に行きたいというふうに思います。
 市民ニーズの把握というところについて少しお話しをしたいというふうに思います。私の聞き
違いでしたら大変申し訳ないのですけれども、市民ニーズ把握のために満足度の高い行政を目的
としてアンケートを取りましたよということなのですね。アンケートの作成がすべてコンサルだ
ったのか、それとも当局の方の庁内の方が多少携わりながらこの計画をなさったのか、まずお聞
きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それらについては室長の方が十分把握しておりますので、室長の方か
ら答弁させていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 市長公室長。
◇市長公室長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 ただいまのアンケート作成の関係でございますが、事務局とコンサルが相談をしながら策定を
したものでございます。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) 続きまして、回収率が、同僚議員からも指摘があったと思いますけれ
ども、3,000配布をし1,000に満たないという状態でしたけれども、この回収率にこだ
わろうとすれば区長さんや役員さんを通じて何とか頼みますよという形で上がったのではないか
というふうに思いますけれども。あえてこの自然体で行ったという理由は何かお伺いできればと
思います。
◇市長公室長(田村澄夫君) 18歳以上の市民アンケートにつきましては、3,000人の方
にお出しをして、回答が938通、回収率が31.3%でございました。ただいまのお話しのよ
うに、回収率をさらに上げるという内容も検討したわけですが、できるだけ経費を安くあげると
いう考えと、それから区長さんを通しますとどうしても封をすれば他人の目を通さないで回収を
したいというような考えもございましたので、直接送付をしていただくという方法で実施したも
のでございます。以上でございます。
◇12番(高柳勝巳君) 個人情報保護等最近はいろいろ難しい問題もありますので、プライバ
シーを配慮し自然体で対応したという形でしたけれども、満足の高い行政運営をしていくための
アンケートといたしましては、甚だ大変な労力をいただいて取り組んでいただいたアンケートで
すけれども、いささかやはりこちらにも迫力が欠けてしまうのではないかという感じがします。
まだこれで終わりではないわけですから、さらにこの肉付け等をしていただければというふうに
思うのですが、3つほど私が見ても不満だなあというふうに思うところがございます。率直に言
いまして。1つは、日常生活に関する不便についてというのがこのアンケートの中にございます。
これは不満ですか、どうですかということを聞いて、不満の方はどうしていますかという問いが
あって、それの集計結果は出ていないと思うのですね。ですから不満か、不満でないかだけしか
出ていないものですから、どういうふうに不都合を直しているかどうかというのがわからないと
いう中身になっています。それから、市の全般的な施策や事業について、36項目あるのですけ
れども、28項目はどちらとも言えないというのが1番なのですね。どちらとも言えないという
のが圧倒数多い設問というのは、どうしていいのだかわからないということもまたつながります
ので、このどちらとも言えないという分析をやはりできるようにしないとまずいのではないか。
3つ目ですけれども、公共サービスの利用状況ですけれども、全く利用していない、あまり利用
していないを足すとですね、すべての項目で8割以上がここにあてはまると。つまり公共サービ
スをほとんど利用している方がいないというショッキングな結果が出るのですけれども、この辺
についてはどのように捉えたり改善をなさろうとしているのか。わかる範囲で結構ですのでお伺
いできればと思います。
◇市長公室長(田村澄夫君) 再質問にお答えさせていただきたいと思います。
 今回のアンケートにつきましては、できるだけ多くの考えを多くの方からお伺いをしたいとい
うことで出させていただきました。当然その項目の中には行政サービスに対する不満であります
とか考え方、それから市の将来像ですとか、市が不足をしているところ。当然、住民の方が不満
足な部分、そのような部分をまずはお伺いをしたいということで設問させていただいた結果がご
ざいます。ただいまご指摘をいただいたように、今後また策定委員会なり推進本部の中でさらに
詰めて内容の分析等行ってまいりたいというふうに考えております。以上であります。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひ9月までには精度を上げた、満足度の
高い行政運営に資するような分析にしていっていただければというふうに思います。
 続きまして、私が1回目で質問したとおり、大きな塊を大括りで括って調査をするということ
では、市民ニーズは把握でききれない時代だというふうに私は思っておりまして、ライフスタイ
ル調査というのを、これは面談式の調査なのでございますけれども、行った資料がございます。
これは少し読ませてもらいますけれども、市民の日々の暮らしや一生の生き方は、年齢、性、職
業、所得などの要因で十分に説明できると考えられてきた。これまでですね。これからは、市民
ニーズもアンケート調査で、その4つですね、基本4項目と言われるものだけでは十分把握でき
ないライフスタイルアプローチということですね。多様なライフスタイルがあるものを一つ、一
つ積み上げていくという方式をとらないと、大体ライフスタイルが一つで括れた時代といま時代
背景は大きく変わっておりますので、後で資料としてありますけれども、例えばモラトリアム大
学生、大学にいながらいくらか平穏に暮していこうかなというふうに考えている人とか、Uター
ンの起業家だとか、子育てで頑張っているお母さんだとか、それからまちづくりに頑張ろうとし
ている方だとか、年金で悠々自適で暮している方だとか、そういうものが大体10項目に、この
会社だと分けられる。そういったものを、先ほど市長が言っていた市民協働ですとか、NPOで
すとかというところに括って、全体は括れませんけれども、少しずつ小さい網をかけて市民のニー
ズを把握していくというのが、このライフスタイル調査というのだそうです。最近では結構お金
もかかりますけれども、こういった調査もされているようですが、市長の方に今度はお伺いしま
すが、お金もかかりますのでこの辺についてのお考えがあればお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これから申し上げることは議員のご質問に対する答弁と整合するかど
うかでありますが、いまご案内のとおり選挙の投票率がどんどん落ちているわけです。市町村議
会議員の投票率はある程度堅持されているようでありますが、国政のレベルだとか、あるいはま
た大きな舞台の選挙の投票率が落ちております。これは意思表示をしないということが、どうい
う背景なのかということをとらまえたときに、該当する候補者がいないと見るべきなのか。それ
とも刹那主義が走っていてそういったところに参加しないのかというような分析が大変重要だと
思っております。そういうようなことを思うと、かなりこの日本国全体に、現状の世界のシステ
ムでは満足できない方々が相当数おられるということは容易に察しがつくわけでございます。そ
ういった中で先ほど言う、書面等のアンケートだけではなかなか把握が難しいのではないかとい
うことについては、柔軟に、いわゆる細かいところまで配慮したりするというようなところにつ
いては、これはやはり時代の流れからすると検討していかなければならない重要な事項ではない
かと、こんなふうに思っております。特にここのところ、NPO等ボランティアセクター等の関
係等の表舞台の大活躍というのは、現代の諸状況の中では括れない部分をかなり補ってくれてい
るということは言うまでもございません。従いまして、いまおっしゃられた関係については、こ
れは市民協働ということを表舞台に出していくとするならば、これはやはり十二分な検討をする
必要があるのではないか、こういう認識をしております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございます。この手のは結構かかりますけれども、ぜひか
からない方法もありますから、ぜひ前向きに検討していただいて、多様な市民ニーズというのを
的確にとらえていただければというふうに思います。
 続きまして、団塊世代の大量退職期への対応についてということで少しお話しをさせていただ
ければなというふうに思っています。皆さんにお見せできないのですが、これは1月5日付けの
上毛新聞の一面です。「団塊世代定住を促す。県が市町村に呼び掛け、研究会、過疎化、少子化
対策も視野。山村情報を全国に発信」ということで一面を飾っております。さらに2月号にも幾
分これに関連した記事が掲載をされておりまして、これが県の方では100数十万円の、県の方
のレベルとすればほんの米粒みたいな予算でございますけれども。私が行って話を聞いてきまし
たところ、昨年の秋に東京へ、群馬県のふるさとのブースを出したところ非常にアクセスがあっ
た。その後、その質問がたくさんあったので、担当者とすると、これはこの機を逃してはいかん
ということで、140万くらいでしたけれども要は予算化をしたということなのですね。具体的
には何をするかというと、都市住民受け入れの一時窓口としての組織づくり。山村と都市の双方
のニーズを結びつける事業、それの参加を希望する市町村を募る。こんなところなのですが、市
長、いまパーッと聞いた中で、これに参加する意思がおありかどうかお伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) この関係につきましては、議員の方々のご示唆もあり、私も東京に勉
強に行く機会が多々ございました。全く本地域に真向きの事業でございます。従いまして、いま
おっしゃったことについては、県がそこまで腰を切ってくれたとするならば、私どもとしては当
然それに呼応して、これが対応のために処していかなければなりません。今後いろいろな意味で
これらの問題については、本地域のようなところだからこそ積極的に前に打って出なければいけ
ないと思っておりまして、行政の組織体でありますので、あまり軽々なことを言うことは慎重に
いたしますけれども、いずれにいたしましても、もうこれは私どもの地域だからこそやらなけれ
ばならない事業であると、こういうふうに認識をしております。今日は行政当局の各関係者も聞
いておりますので、こういったことを視点に、いわゆる新市を作っていくということでご指摘を
受け止めて、しっかりとやっていきたいと、こんなふうに思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。ぜひ前向きに、当局総体として受け止
めていただければと思います。
 これが先週の新聞なのですけれども、新聞ばかりで恐縮なのですが、行政分譲地ということで、
これは西郷村役場というところで、5万7,000円代でふるさと回帰用の分譲地、この下が須
賀川市、福島県ですね、これももう分譲地、自治体がやるから安心、安全ですという宣伝なので
すね。それから民間でも、田舎暮らしというタイトルで、これはどんどん事業が展開しておりま
す。当市が、言えば後発隊ですから、慎重で丁寧な運営が当然求められてくるのだろうというふ
うに考えられますけれども、先ほど県が呼びかけるのに、こうした組織として、うちとすれば企
画だとか、経済だというふうに思いますけれども、その辺の準備についての考え方がありました
らお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 県が新規の事業として打ち出される。実は私どももそういった流れは
承知をしておりましたが、当然今回、私どもも平成18年度の当初予算を組むに当って、交流事
業を進めるべく対応をするということを頭出しさせていただいております。従いまして、県がお
っしゃっていること等を十二分に受けて、むしろ県にこちら側から問題提起をするくらいの意気
込みでもってやる事業だと思っております。中山間地域の良さというか、特徴を生かすチャンス
だと思っておりますので、関係部局で対応するように、今後十二分に処してまいりたいというふ
うに思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。では少しこのふるさと回帰とか田舎暮
らしについて、同僚議員も何回か説明をしておりますから多くは語りませんけれども、いま倉淵
村では、滞在型宿泊施設(クラインガルテン)、クラインガルテンというと倉淵村が一番先にホー
ムページでは出てまいります。それから森林組合等による優良田園住宅などというのが、東北の
ある県で行っております。それからこれは福島県になろうかと思いますけれども、一般の方と農
業後継者のいない方のパートナーシップなどというので休耕田でありますとか、間伐の作業を一
緒になって行っている。あるいは廃校の校舎を活用して、山の学校として再生を目指している。
これは魚津市の取り組みになりますけれども、こういった仲介事業というのですかね、事業は違
いますけれども、ファミリーサポートセンターみたいなものですね。こういった情報をやはりど
んどん提供し、面倒見もよく見るという中身なのだというふうに考えています。こういった取り
組みを、私どもふるさと回帰支援だけではないのですね、実は。よく見ますと、これは去年、群
馬の山村グリーン・ツーリズム体験フェアと、これは去年の9月の1日から4日まで、県庁で行
われまして、利根村の老神の大蛇神輿などもこちらに参加しているようでした。あるいは全国の
過疎地域自立促進連盟というので引きますと、デポラという雑誌が年に4回出ております。これ
の中身はまさに田舎でセカンドライフ、中高年ふるさと移住などというところがザアーッとこう
うたわれているのです。大変恐縮なのですが、この群馬の山村も、それから全国過疎地域自立促
進連盟も総務費の方で負担金として毎年払っておりますから、この冊子も、こういった情報も、
沼田市には来るはずですから、こういったものもぜひ活用していただいて、県に提案をしていた
だければなあというふうに考えております。非常によく、つぶさに情報を拾おうと思わない限り、
こういう情報というのは拾えないで見過ごしてしまうことが多いと思うのですよ。年に4万7,
000円の負担金ですとか、6万5,000円の負担金ですから、本当によく気をつけて担当者
が見たり、体制として整っていないとこういう情報がサアーッと川に流れてしまうという状態で
すので、ぜひその辺をしっかりやっていただきたいなあというふうに思いますけれども、このふ
るさと回帰とデポラという連盟と、それから群馬の山村、この3つについては、ふるさと回帰は
いいとしても、このデポラと群馬の山村についての取り組み、これについて市長はどういうふう
にお考えなのか、少しお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) デポラ、あるいは群馬の山村等の関係については、今回冒頭の質問の
ことを承知をしておるものではございません。ただ群馬の山村の関係については、上野村のかつ
ての村長さん等々が一生懸命やられたりする中で来ている経過は一応知り得たという認識を持っ
ております。ただ、どの課題も共通して言えることは、都市と農村の交流ということが基調にあ
ると思いますので、この辺のことについては兼ねてからの私どもの政策のテーマでもございます
ので、十二分にこれらについても勉強をさせていただきたいと存じます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。先ほど、森林の田舎暮らしというだけでな
くてというふうに市長もご答弁をいただきました。中途でリタイヤをして第二の人生をという、
何も農林に係わらない方々も地方でゆっくりとした生活をというところでお話しをいただいたの
だというふうに思いますけれども、そういう意味では、環境の問題なども市長が先ほど来、同僚
議員にお答えをしておりました税金の問題などにも関連するかなと思いますけれども、これは宮
城県の水源の森と海をつないだ交流というのがありまして、これを岩手県の室根村という有名な
お話しなのですが、県境、こういった海に水が流れておりまして、牡蠣の名産地でありまして、
水が汚れると結局は育たないということで、一番上流のこの室根村という所の間伐や植林に漁港
の皆さんが出かけていって、これはいま全国でかなり大きな運動になっている。これは上流から
海までつながっておりますから、軽々なことは申し上げられませんけれども、環境税を取っても
皆が納得をしてくれるのではないかと思います。先ほど来、これは変な話になりましたけれども、
これについて、ここから先を言うとはずれてしまいますから、こういった取り組みについて市長
どういうふうに考えておられるのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 全くこれは今日の午前中からの、環境森林税の問題等に上流、下流と
の交流が大変重要だということの中で、なかなかそういったことについてのご理解をいただくた
めにはどういうような方法があるかというと、実は未知の段階でございました。ただ地元にも上
下流、下流支援センター等がございまして、そういったことについては地道な活動が展開されて
いるわけでございますけれども、県境を越えて、いわゆる健全な、あるいはまた新鮮な牡蠣を食
べるためには、上流区域の森林を整備していくということが大切だというような、そういうこと
に基づいての極めて具体的な交流事業が進んでいるという、こういうご提案だったと思います。
私ども利根川の上流に位置する、しかも中核都市といたしまして、いまおっしゃるようなことに
ついてはやはり十二分な勉強をさせていただき、そしてそういったこと、今まで私どもも上下流、
下流支援センター等があるので、それらとも連携をしながら、どういった方法がいいのかという
ことを早急に研究をしていく必要があるのではないか。こういうふうに思っております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。同僚議員2名ほど私の前に質問をして、林
業や環境の問題についてお話しをしたので、時間が余っておりますが、最後に意見を申し上げて
私の質問を終わりたいと思います。
 最近のリーダー像ということについて一言申し上げたいと思います。昔のリーダー像というの
は、牽引型と言われまして、「俺に黙ってついて来い」ということで夜も寝ずに頑張った。その
姿に感動して皆さんが付いていくという形ですけれども、最近は、プロデュース型と言ってです
ね、周りの皆さんとうまく協調しながら組織的にパワーを発揮していくという形が主流になって
きておるようです。その際、もう一つの論点は、割りかしリスクが少ない方法論を取るよりも、
メンバーが共感をする方法を取った方が成功をする率が高いというのですね。こっちの方がくじ
で言えば当たる確率が高いという方法をとるよりも、そのメンバーが「これがいいよ」というふ
うに決めてくれた道をとることが一番成功への近道になる、具体的な物事を推進していく大きな
パワーになると。これは五次総は10年の施策ですから、本当に腹を据えて、皆が納得をしても
らえるような方法をとらなくてはいけないというふうに私は思っております。これから市民参加
で五次総も、大きく叩かれて、中身も磨かれてこようと思いますけれども、プロデュース型行政
運営ということについて、最後に市長のお考えをお伺いし、私の一般質問を終わりたいと思いま
す。いろいろありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 今次のリーダー像が、かつての牽引型からプロデュース型に移ってき
ているのではないかと、こういうような指摘でございます。これらについてはいろいろとまだま
だ論議があるのではないかと思っておりますが、私は、平成14年の4月、5月にお世話になる
ことになってから以降、常に行政運営をボトムアップ型というような形で申し上げてきた経過が
ございます。ただ、最後の決断は当然行政の責任者たるべく自分自身がしなければいけませんけ
れども、元々そういう形、つまり皆で話し合って積み上げてくるという方向を今までとってきた
つもりでございまするし、またそういうことの立場の人間でございます。ですから、いまおっし
ゃるプロデュース型が近時のリーダーシップを発揮する大きなこの力になるのではないかという
ことについては、共感できることが多々ございます。ぜひそういったことをしっかりと受け止め
て、市政運営にあたっていきたいと思っております。
 なお今回、たくさんの資料が用意された質問のようでございます。ぜひ機会をいただけるなら
ば、その資料を行政の方にもまたご提起していただきまして、そして勉強させていただければ大
変ありがたいなと思っておりますので、よろしくご理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
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    第2 延  会
◇議長(星野佐善太君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思
います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会するに決しました。
 
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は明8日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労様でございました。
   午後3時59分延会
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