議事日程 第3号
平成18年3月8日(水曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延 会
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出席議員(45人)
1番 小野 広樹君 2番 南 美喜雄君
3番 小林 克郎君 4番 角田 博君
5番 中村 光孝君 6番 小野 要二君
7番 小林 猛君 8番 桑原冨士夫君
9番 真下 恭嗣君 10番 布施辰二郎君
11番 角田 泰夫君 12番 高柳 勝巳君
13番 久保 健二君 14番 星野 稔君
15番 鈴木 圭子君 16番 金子 一弥君
17番 金子 千明君 18番 長谷川信次君
19番 宮田 和夫君 20番 小林 玉男君
21番 小野 正純君 22番 大島 崇行君
23番 山ア 義朗君 24番 大竹 政雄君
25番 井之川博幸君 26番 大東 宣之君
27番 片野 彦一君 28番 星川嘉一郎君
29番 金井 康夫君 30番 井上 正文君
31番 小尾 孝男君 32番 相田 昌夫君
33番 宇敷 和也君 34番 小林 次夫君
35番 高橋 襄典君 36番 牧野 保好君
37番 石田 宇平君 39番 井上健太郎君
40番 田村 博美君 41番 井田 孝一君
42番 小林 照夫君 43番 星野佐善太君
44番 郷原 重雄君 45番 横坂 泰次君
46番 井上 幾雄君
欠席議員(1人)
38番 松井 敏員君
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説明のため出席した者
市 長 星野已喜雄君 白沢町振興局長 根岸 恒雄君
利根町振興局長 星野 健一君 収 入 役 林 義夫君
市長公室長 田村 澄夫君 総務部長 村山 博明君
民生部長 田島 護君 経済部長 大嶋 政美君
建設部長 松井完一郎君 街なか対策部長 見城 厚男君
白沢町振興局次長 中村 弘志君 利根町振興局次長 中澤 和義君
総務課長 村沢 博行君 教 育 長 津久井 勲君
教育部長 増田 幸男君 庶務課長 水田 修君
監査委員事務局長 原 明弘君
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議会事務局出席者
事務局長 茂木 愛 次長兼庶務係長 下 宏一
議事係長 茂木 敏昭 主 任 地野 裕一
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午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
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第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
昨日に引き続き、順次質問を許可いたします。
最初に、井上健太郎議員。39番。
〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) おはようございます。議長よりお許しがありましたので、通告に従
いまして一般質問を行いたいと思います。
まず最初に、政府は、昨年10月27日に、「経営所得安定対策大綱」を決定し、「品目横断
的経営安定対策」なるものの仕組みを明らかにいたしました。全農家を対象にした麦策経営安定
資金や大豆交付金など、畑作物の価格対策を全て廃止、基準を満たす農家だけを支援するという
ものであります。例えば、4ha以上の経営を行う認定農業者、20ha以上の経営を行う集落
営農組織だけが対象というもので、実際、群馬県全体を見ても、この要件を満たす農家は少ない
と見られていますが、当沼田地域において該当する個人や団体があるのかについてまずお伺いい
たします。おそらく、この価格安定対策に該当する担い手農家は、当地域においては、馬鈴薯や
大豆等の作目においても皆無に等しいのではないかと思われております。
いま日本の食物自給率は28%、カロリーベースで見ても40%を割ろうとしている状況であ
りますが、今度の「品目横断的経営安定対策」が実施されたなら、6割を超す農家がふるいにか
けられ、耕作を放棄するだろうと言われております。そうなると、ますます自給率が下がること
は目に見えています。遺伝子組み換えの大豆や馬鈴薯、BSEや鳥インフルエンザをはじめ、農
薬まみれの小麦や野菜、農家の経営だけでなく、日本人の健康を根底から脅かす事態が、怒濤の
ように迫ってまいます。昨年12月に香港で行われたWTO閣僚会議でも合意には至らなかった
ものの、アメリカを中心にした多国籍企業の関税引き下げの攻勢が露骨になってきたことは顕著
であります。
しかし日本政府は、自国の食料は自国でできるだけ賄うという「食糧主権」の立場を明らかに
せず、一応農産物分野では、「一律関税引き下げ方式」には反対したものの、工業製品分野では
「一律削減方式」に大賛成という態度は、多くの発展途上国の批判をあびることになったという
報告がありましたが、「なるほど」とうなずくことができます。政府の本音は「工業分野」の利
益の実現こそ大事であり、農産物は二の次になっていることが見え見えだということであります。
要するに、農水省の打ち出してくる政策は、WTOと一体のものだと思えてなりません。
そこで伺います。WTOでの多角的貿易交渉において、現在の高関税率を引き下げる「上限関
税」を設定する新しい貿易ルールが採択されようとしているが、沼田市における主要な作目であ
るコンニャクについてはどうなるか。現在990%から1700%とも言われている関税率がど
こまで守られるのか把握しておりましたら伺いたいと思います。
また、アメリカ等農産物輸出国は、関税の上限率を75%にまで引き下げることを要求してい
ると言われていますが、今年の4月か、あるいは6月にも開催される閣僚会議においてどのよう
な結論が出るのか注目されていますが、どのようにとらえているかについてもお伺いをいたしま
す。
群馬県は、ご存じのとおり麦の生産量については全国で北海道・福岡・佐賀県についで第4位、
コンニャクは勿論全国の95%を生産する第1位、そしてこの利根沼田地域がその半分以上を生
産している。名実ともに日本一の産地であります。これが「品目横断的安定対策」で、麦や大豆
の生産から離脱することになり、そしてこのコンニャク生産も打撃を受けるということになると
非常に大変なことになる。県内の市長会等で国に対し、強くもの申すべきではないかというふう
に思いますが、市長の見解をお伺いをいたします。
次に、今まで述べてきた経営安定対策大綱がこのまま実施されると、耕作放棄地はますます拡
大するおそれがあります。政府はいずれ企業に農地を取得させる農地改革を進める魂胆は見え見
えでありますが、この改悪を待たず、すでにこの沼田市にもそのはしりが見えて来ております。
企業に農地を奪われる事態をどう見るかについてもお伺いをしたいと思います。
次に、地域産業の活性化について、特に林業関係に光を与えるために何ができるかという問題
であります。
特に、旧利根村地域では村面積の9割を超す面積が林野で占められ、そのうちの大半は国有林で
ありました。林業も農業と全く同じ輸入木材の影響を受け、年々衰退の一途をたどってまいりま
した。相次ぐ営林署の撤退で、事業所や担当区、あるいは治山課も縮小撤退を続け、それらに雇
用されていた人達の生活さえ脅かすことになっていることは周知のとおりであります。
いま、身近に出る木材の製材さえ事欠く事態になっております。民有林についても、部分的に
ぽつぽつと補助金をもらって間伐をしている状態であり、間伐した材木はそのまま山に放置され
ている現状であります。優れた自然の恵みさえ生かされず、放置されている現状をどうしたら活
力に変えることができるのか。いまこそ考えるべきではないでしょうか。すでに同僚議員への答
弁で、林業問題については市長の考えはだいぶ見えてまいりましたが、お隣の長野県で取り組ん
でいる林業振興の施策でありますが、林業振興には間伐材の有効利用は不可欠だとして、中小企
業に働きかけ、間伐材でガードレールを作る技術開発を進めたということであります。
もちろん従来からのガードレールの方が安くあがりますが、林業振興と農村景観の維持に効果
をあげているということであります。本沼田市においても、森林文化都市というスローガンを掲
げているだけに、これらの先進例を参考にするとともに、集材や作業に使う作業道の延長につい
ても考えがあればお伺いをいたします。また答弁によっては再質問も行いますので、よろしくお
願いを申し上げたいと思います。以上であります。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、農水省が昨年10月27日発表した「品目横断的経営安定対策」について、WTOを重
要視して、関税引き下げと輸入拡大を大前提に「生産を刺激しない」政策体系に移行することが、
ねらいだとも言われているが、沼田市農業に与える影響についてはどのように捉えているのか、
当地域で該当する個人と団体についてあれば数値を問うでありますが、平成19年産からの導入
が予定されております当該対策は、現行の作物ごとに交付される交付金等に対して、対象となる
水稲・麦・大豆・てん菜・でん粉用馬鈴薯については、経営全体に着目して一体的に補てん金等
を交付する制度であり、対象者は一定の要件を満たす担い手とされており、本市で栽培されてい
る作物の中で水稲につきましては、一部要件の変更はありますが現行においても担い手が要件と
なっていることから、新たに担い手としての要件が必要とされる作物は麦と大豆で、現在の本市
の作目体系を見たとき、その影響は少ないものと思われます。また、ご質問の当該対策の対象と
なり得る人数については、認定農業者36名となっております。
次に、WTOでの多角的貿易交渉において、現在の高関税率を削減する新しい貿易ルールが採
択されようとしているが、沼田市に於ける主要な作目であるコンニャクについてはどうなるのか、
現在990%から1700%とも言われている関税率がどこまで守られるのか把握していたら伺
いたい。アメリカが求めているのは、どの品目も上限75%というものだが、についてでありま
すが、WTOにおいてコンニャクを含めた農産物の関税について、アメリカから提案の上限関税
率を含めた議論がなされていることについては承知をしておりますので、今後も引き続きその動
向に注視していきたいと考えております。
次に、群馬県は小麦の生産量は全国で3位、コンニャクについては第1位であり全体の95%
を生産していると聞きます、もしWTOの押し付けが実施されると県内の農家も農地も大変なこ
とになる、県内の市長会等でたちあがり、国にもの申すべきではないかについてでございますが、
コンニャクについては本市の主要な農産物であり、WTOにおける決定の内容によっては大きな
影響も考えられますが、現在交渉がなされているところでありますので、その動向を注視しなが
ら関係機関と連携を密にし対処してまいりたいと考えております。
次に、「品目横断的経営安定対策」が実施されると耕作放棄地はますます増加する恐れは大、
企業に農地をうばわれる事態をどう見るかについてでありますが、当該対策による耕作放棄地の
増加への影響については、これが懸念されるところもありますが、現在の本市における麦及び大
豆の栽培面積をみたところでは、その影響は限られたものであると考えられますが、今後も引き
続きその動向を注視しながら、県当局をはじめ、農業委員会、JAなどの関係機関と連携し対応
してまいりたいと考えております。
次に、地域産業の活性化について、特に林業関係に光を与えるために何が出来るか、景観と雇
用に波及するような施策が必要では、間伐材の有効利用と関係産業の活性化をどう捉えているか
についてでありますが、間伐材の利用につきましては、木材の活用推進により木材の消費拡大を
図り、林業の活性化を図ることから、公共工事等においての使用を推進してきたところでありま
して、現在は工事看板や防護柵等に利用されているところであります。
加工につきましては、森林組合や製材加工会社で行っておりますが、従事者の減少などから林
業施業が進んでいない状況にあり、間伐材の不足にあいまって、加工が低迷しているという状況
であります。林業をはじめ関係産業の活性化を図るため現在進めております、林業担い手の確保
育成や林業施業への支援、地場産木材の活用推進について、引き続き取り組んでまいりたいと考
えております。
次に、例えば、間伐材でガードレールを造るとか、公共建築物は市内の木材を使用するとか、
伐採・運搬のための作業道の延長(公共事業の活性化にもつながるのでは)立派な林道ではなく
作業道で充分だと思われるが、市長の見解を問う、についてでありますが、木材の利用につきま
して、本市としましても、公共施設等の地場産木材の活用、木質化内装品の活用について推進し
てきたところであります。道路の附帯施設であります防護施設、安全施設、排水施設、標識等に
おきましては、林道工事等において木材で加工されたものが現在利用されておりますが、公共施
設での活用については、今後、より一層の利活用が図られるよう、引き続き推進をしてまいりた
いと考えております。
作業道の延長につきましては、現在も整備を進めておりますが、引き続き整備を行ってまいり
たいと考えております。
林道の整備・拡充につきましては、林業の労働生産性の向上と低コスト林業を図る上で必要不
可欠であることから、全国で林道、作業道の一体的な整備が図られています。立派な林道ではな
く作業道で充分だと思われるが、ということでありますが、林道につきましては、山のふもとの
公道等に接続する森林基幹道、森林基幹道を補完する森林管理道があり、これらの林道は大長径
材の運搬と重量のある林業機械の搬送が可能な幅員が必要となります。一方作業道は、森林基幹
道、森林管理道から整備したい森林までを結ぶものでありまして、林業施業を効率的に進めるた
め、それぞれの目的に合った選択をし、整備をしてまいりたいと考えております。
以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇39番(井上健太郎君) 再質問をさせていただきます。
まず、利根沼田地域で該当する個人と団体ということで、認定農家36名という数字があった
のですけれども、これは今度の品目横断での関係の麦、大豆を耕作している認定農業者というこ
とですか。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたっておりますので、経済部長の方から答弁をさせていただ
きます。
◇議長(星野佐善太君) 経済部長。
◇経済部長(大嶋政美君) 命によりお答えを申し上げます。
36名と申し上げましたのは、横断的作物の対象者となり得る農家でございまして、付け加え
させてもらうならば、農業認定者そのものは圏域で240人ございます。そのうちに特定地域と
申しますか、群馬県の場合は8割までが認められている部分があります関係から、それでこれに
対象になる方が122人でございます。この122人のうち、この作目体系からこの対象者とな
り得る農家というのが36名ということで、この36名の方が全て大豆なりこの対象品目を作っ
ているという内容ではございませんで、対象となり得る農家という形でご理解いただければと思
います。
◇39番(井上健太郎君) 今度のこの政策で対象となり得る農家が36名、おそらく利根沼田
においては、麦というのはおそらく考えられないわけですよね。仮に対象となり得ると言っても、
おそらく大豆、もしくは米ではないかなと思うのですけれども。そういったところはどういうこ
となのですか。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど経済部長の方から36名の方のいわゆる内容等について説明が
ありましたけれども、具体的に申し上げますると沼田が11名、白沢が11名、利根が11名に
なっております。それらについて見たときに、先ほどおっしゃったように、いわゆる対象となり
得る方がいなかったということになるわけでございまして、特に大豆の関係等については、いま
申し上げた中の方々では生産をしている方は、私のお手持ちの資料によりますとないということ
になります。
◇39番(井上健太郎君) 今回の場合には、とりあえずアメリカの輸入攻勢というところから
端を発しているというふうに感じるわけなのです。特に力を入れているのが麦、小麦と大豆、馬
鈴薯、甜菜、こういったところで、この本州以南においては個人で4ha、あるいは集落営農で
20haというような条件が付いておりますし、また北海道については個人で10ha以上とい
うようなことで、高いハードルがありまして、おそらくこういったものをクリアできる農家とい
うのは非常に少ない数字になってくるというふうに受け止めているわけであります。しかしいず
れにしても今度のこの政策によりまして、特に前橋、高崎あたりの農家の人達に聞きますと、も
う平均年齢で65歳を過ぎた人達がほとんどということで、もう集落営農を組むのも面倒だし、
今年作付けてもう終わりだというようなことを言っている農家がずいぶん多いわけなのですよね。
おそらくそうなると、アメリカの思う壺で、日本からの生産量がどんどん落ちるわけですから、
輸入でどんどん入ってくるということで非常に憂慮すべき問題だというふうに考えているわけで
あります。この問題につきましては、実際、利根沼田の状況というのはよくわかりました。
次に、関税の問題なのですけれども、市長のところには資料をやっておいたのですけれども、
この間、1月31日付けの朝日新聞に出ていたのですけれども、これは12月に行われた香港で
のWTOの閣僚会議、私の所属しております群馬農民連というものがございますけれども、ここ
からも代表を2人送りまして、全国で108名の代表、閣僚をWTOの香港会議に送って抗議行
動をやったわけでありますけれども、そういった代表からの報告を受けて、今回この問題につい
ても質問をしております。特にこのコンニャクですが、朝日新聞もおそらくこの香港会議の後を
受けてのニュースでこういったものを出したのだというふうに思うわけですが、ご存じのように
コンニャクは、この沼田市、もちろんこの利根沼田管内の主要作物でありますし、相当耕地に占
める割合というのは高いわけですよね。だからそういったところで、この新聞には1700%と
あるのですけれども、実際関係者に聞きましたところ、実際は990%だというふうなことを聞
きましたので、この新聞の数字とはだいぶ差がありますが、しかし990というのはやはり農産
物の中では重要品目として扱わせるという日本側の要求でもって今までこれをやってきたと思う
のですけれども、ちなみにこの新聞の資料で見ますと、米が778%、乳製品が218%、砂糖
が379%、あるいはでんぷんが583%、落花生が737%というように、これは目立つもの
を取り上げたわけなのですけれども。こういった形である程度WTOの中で、日本の主要農産物
をある程度守ってきたわけなのですが、これを結局アメリカを中心とする輸出国が、この次の会
議までに最低関税というものを押しつけてきているわけなのですよね。ですからこの75%に統
一しろという要求を突きつけているということですね。非常にこれは大変なことになるというふ
うに思われるわけなのですけれども。沼田市におけるコンニャクの耕作面積を私はよくつかんで
おりませんけれども、実際に旧利根村、あるいは白沢、そしてこの沼田市を合わせて大体総耕地
面積に対するコンニャク生産の栽培面積をつかんでいたら教えていただきたいのですが。
(休憩を求める者あり)
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前10時26分休憩
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午前10時26分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇市長(星野已喜雄君) それでは経済部長の方に答弁をいたさせますのでお聞き取りのほどを
お願いしたいと思います。
◇経済部長(大嶋政美君) それではコンニャクの栽培面積について、手持ちの資料から披瀝さ
せていただきたいと存じます。現在、沼田市の耕作面積で申し上げますと、3,578haござ
いますが、このうちの面積にして528haがコンニャクの栽培面積と確認されておりますので、
ご報告させていただきます。以上であります。
◇39番(井上健太郎君) 非常にこの総耕地面積に対する栽培面積の割合というのが非常に高
いということがこれでわかります。それでお伺いするのですけれども、今まで全国でこのコンニ
ャクというのが群馬県で95%栽培されております。ご存じのように自民党の総裁も相次いで3
人も出すと。要するに総理大臣が3人も出たという、このご当地でありますから、そういったも
のも含めて特別に重要品目ということで認めさせて、そして高関税率を維持させてこのコンニャ
ク栽培を守ってきたという経過があると思うのですけれども、しかしいま日本の政府というのは、
自動車や工業製品は各国に対して、いま言った、アメリカが日本に上限関税を求めているという
最低の関税の引き下げを求めていると同じように、日本は工業製品を売り込む方においては、こ
のアメリカの主張に同調しているわけなのですよね。そういったところがいつまでコンニャクと
か、落花生とか、こういったものがWTOの中で聖域として守られ続けていけるかということが
一番問題じゃないかというふうに思うのです。しかしいまご存じのように、沼田市全体の農業を
見ても非常にウエイトを占めているということでこれは守っていかなくてはならない。これがコ
ンニャク栽培が崩壊ということになりますと、それが他の作物に移動するとか、あるいはもう耕
作放棄になるという事態が生まれてくることは歴然としておりますので、ぜひ市長のこの政治力
を使って、重要品目として認めさせる。そしてこの高関税率を守るという立場で国の方に意見を
あげていただきたいというふうに考えているのですが、この点についてはいかがしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
群馬県がコンニャクの特産で、しかも大部分を生産しているということはもう議員ご指摘のと
おりで、私もよく承知をしております。そういった中で、この利根沼田がその中心となってコン
ニャクを生産してきたということで、極端なことを言うと、コンニャク生産者のいわゆる相場に
よって、利根沼田の経済の浮沈にも係わってくるというふうなことくらい大変大きな問題である
というふうにとらまえております。私も兼ねていろいろと県の方にいるときに、外国から粉が、
コンニャク芋と粉を混ぜておみやげみたいな形で外国から持ってきて、日本の中で分離機にかけ
て、そしてそれを安くして云々とかいうこともあって、いろいろとこれらの関係については係わ
ってきた経過もございます。従いまして、コンニャクの相場というものについては、常に関心を
持って見守ってきたわけでございます。今次のいろいろな政策的な流れの中に、グローバリゼー
ションというものがございまして、そしていわゆる外国との関係の垣根が徐々に、徐々に落ちて
くるというような状況もございまして、今次の大きな課題になっているかなと思っておりますが、
間違いなく私ども利根沼田の地域からいたしますと、農林業が基幹産業であることは論を待ちま
せん。その主要産業であるところのコンニャク農家が危機に陥るということは、大変地元の立場
からいたしまして由々しきことだと思っております。従いまして私も、機会あるごとに関係機関
にはこれらの農家を守る立場から発言をしてきたつもりでございます。そういったことから今後
も国や県、あるいはまた関係機関の動向等見守りながら、私のできる範囲の運動は展開をしてま
いりたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 動向を見守るだけではなくてですね、いま市長が最後に申されまし
たように、いろいろな形で働きかけていくというところに私は期待したいと思います。ぜひそう
いった点でこの沼田市だけでなく、この利根沼田全域の主要農産物でありますので、これを守る
という立場をぜひ貫いて、市長会等、あるいはそれぞれいろいろな形で市長の意見を述べる場所
というのは非常に多いと思いますので、ぜひ国を動かすような形で働きかけていただきたいとい
うことをお願いをしたいと思います。
この関税の問題が出ましたので、幾つかご紹介をしたいというふうに思うわけですが、昨年の
12月に行われた香港の閣僚会議に際しましては、世界中の農民団体が非常に大きな力を発揮し
て、最終的にこの先進国の要求というのを不発に終らせたというか、要するに全部の合意に至ら
ない形で終らせたということは、この農業団体の運動の勝利ではなかったか。まだ勝ったわけで
はないのですけれども、最終的には合意に至らなかったと。また次の会議を開かざるを得ないと
いうところになったのは一つの成功ではないかというふうに思います。我々の農民団体では、全
国で約108名の団体を送りましたし、JAを中心とする全中関係では約300名の代表団を送
ったということでありまして、今度の閣僚会議での一番特徴的なことは、もうWTOはやはり農
業問題から排除していくべきだというような声が主流を占めているという報告がございました。
いくつかご紹介をしたいと思うのですが、やはりいま、これから何が一番必要かというと、こ
の食糧主権に立ち返って、WTOはこの農業問題から出ていけというところで、今までなかなか
腰を上げてこなかった全中を含む、これは43カ国の農業団体であげた声明なのですが、全ての
国がそれぞれの食糧主権を確実なものとすることができるようにすべきである。貿易ルールは、
供給管理や政府側の措置を含む食糧主権、食糧供給及び価格の安定化に資する政策措置を認める
ものでなければならないというようなことで、全中を中心とした43カ国の農業団体の発表した
声明であります。また、我々の送った団体は、ビアカンペシーナということで、これは50カ国、
140団体があるのですが、ここの団体でも食糧主権ということでこの声明を、特に消費者向け
に出しました主張なのですが、民衆の食糧主権とは「自らの食糧を生産し、消費するための民衆
の権利である。地域社会の需要に答え、食糧、地域内で消費することを最優先する。民衆は、自
らの農業、食糧生産を決め、国内農業を保護、育成し、余剰農産物のダンピングから国内市場を
保護する権利を持つ」ということで、このビアカンペシーナという団体もこういうことを発表し
ております。
さらに1月の10日、商経アドバイスという雑誌の中で、この社長である佐竹孝之氏という、
年頭のあいさつでこういうことを言っているのですよね。「WTO交渉においても重要品目など
という官僚用語の詭弁を弄せず、生命維持に必要な最低限の食糧自給は国家の義務という正当な
主張、食糧自給権を世界に訴えていくべきだ」というふうに述べています。そもそも食糧主権と
いうのは、農業と工業との違いを前提にして、食糧の貿易を工業製品の貿易ルールから切り離す
こと。これが一番の問題だというふうに述べています。要するにこれから閣僚会議が6月、そし
てまた12月という形で開かれているわけでありますけれども、世界の主流というのは食糧主権
の方向にあるということが見えてきております。そういった点でぜひそういう声をこれから挙げ
ていく必要があるのではないかというふうに思えるわけなのですが、市長においては、この点に
ついてはご意見がございましたらお答えを願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり地方分権は、自己責任、自己決定という、こういう大
きな課題を擁しておりまして、当然それは昨日から論議されているように、その地域でこれから
いろいろなものを考えていかなくてはならない。政策もしっかりと立案能力を高めてというふう
なことが論議されております。そういったことから考えますると、やはり基本的にわが日本国の
土壌である。しかも生命の最も維持する根幹とも言うべく食糧も、いわゆる自給率がご承知のと
おり40%前後にいるということは、大変ゆゆしき問題であるということは兼ねてから承知をし
ておりましたし、またそういう立場でもございました。考えてみますると、ヨーロッパの諸々の
先進国と言われるところは、どこに行っても農業の自給率が非常に高いところに位置しておりま
して、そういったことから考えますると、わが国の、現在の農業の食糧自給率というのは非常に
難しい。しかも何とかこれを上げなければならないというような立場でございます。ただいま食
糧主権というお話しを伺いましたけれども、私も実際、今日初めてそういった文言を拝聴いたし
ました。ただ間違いなく言えることは、この議員がおっしゃる香港の会議ですか、このところで
全中も、あるいはまた議員の関係する団体等もそういった考え方を打ち出したというふうに、こ
の全中も、関係する団体等もそういう立場をとったということは、まず日本のそういう関係者は、
大勢がそういう流れでもって香港の会議の立場をとられたのかなというふうに、議員の言葉を借
りるならばそういうふうに仄聞ができるわけでございます。そういったことから考えますると、
これは地元の市長の立場からいたしますると、先ほど言うように、農業を基幹産業とする本地域
にあっては、これらについては十二分に勉強し、そして検討をしていかなければならない。こう
いうことであるというふうに思っております。いずれにいたしましても地元の農業を守るという
観点から、この食糧主権と言われているこのことについての整合性を図るようなことを今後考え
ていく必要があるのではないか。こんなことをいま思っているところでございます。
◇39番(井上健太郎君) 市長のご理解をいただいたというふうに解釈をしております。
さてこういった一連の農業問題、何ということはない大企業の自動車や工業製品、そういった
ものを諸外国にどんどん輸出していく。その見返りに始まったのが農産物の輸入でありますが、
要するに工業製品のための犠牲になっているというのが農産物、そして洪水のように溢れてきて
いる農産物によって日本の農業がどんどんいま押しつぶされようとしているのが現状であります。
そういった中でいま、次に何を狙うか。小泉総理大臣のこの構造改革、「改革なくして成長なし」
ということを口癖のように言っておりますけれども。この構造改革は、これから郵政民営化の方
は何とか行ったから次は農協だというような形で論を進めております。そして、いま次に何が狙
われているか。次は農地法であります。かろうじてある程度、農地の流動化というものをこの農
地法によって我々は守られてきたわけでありますけれども。いまこの農地法の改悪によって、企
業が、株式会社が自由にこの農地を取得できる。そういう方向にいま変えられようとしています。
まだ変えていないうちから冒頭の質問でも持ち上げましたように、企業がどんどん農地に参入し
てくるという事態が起きております。市長もご存じかと思いますけれども、つい先だって、昭和
村においては、採草地、この17haを大きな、大規模な養鶏場が入るということで座談会が開
かれておったという。同僚議員が幾人も参加したそうでありますけれども。そういった中で、そ
この養鶏場、仮におそらくだめだと思いますけれども、完成されますと、地形上この沼田市に排
水が流れてくるわけであります。利根町の石戸沢という所に流れてくるという話を、これは自然
にそういう地形ですからしょうがないのですけれども。そして進入路については、ひょっとする
とこの利根町の方から入るようになるかもしれないというような話も来ているわけなのです。そ
して、まだこれは公表してくれるなということなのですけれども、私の住んでおります利根町の
平川、この地域の約全体ではその場所は50ヘクくらいあるのですけれども、そのうちの30ヘ
クを利用して、これはJA関係の大きな飼料会社が養豚の一貫経営というものをやりたいという
ことですでに下見に何回も来ておりますし、近々地権者との話し合いもするということで、これ
はまだ決定ではありませんけれども、そういう形で相次いですでに農地法の改悪を待たずどんど
ん企業が参入してくるという事態が増えているわけです。そういった点で、この問題については
市長どのようにお考えなのかお伺いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど来から申し上げておりますように、地元の産業は、地元の方々
が生き生きと働いたり、あるいはまた耕作をしたり、そういう観点で物事をとらまえていかない
と、ややもするとそういった諸状況にふんどうされてしまいます。従いまして、いまおっしゃる
ことについては初めてお聞きすることでもございますし、実際問題そのことについては驚きの感
を禁じ得ません。いずれにいたしましても、地道に地元で頑張っている農家の方々が阻害される
ことのないような方向を基本として、これらの問題については対応していくということが大切な
のではないかというふうに思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) ぜひこれからこういった問題が次々に出てくると思いますので、ひ
とつそういった点ではアンテナを高くして、ぜひ対処していっていただきたいというふうに思い
ます。こういうことが続きますと、僅かしかいま担い手農家、後継者が残らないわけであります
けれども、その僅かな後継者自体も戦意を失っていくというような事態も起きてくるわけであり
ます。特に今度の候補地等につきましては、高原野菜の王様であります大根、利根の大根、いろ
いろな形で販路を広げているわけでありますけれども、夏から秋にかけての大根の産地でありま
す。そういった担い手農家を圧迫するような、そういったような問題についてはぜひ対処をして
いただきたいというふうに思います。
次に、こういったまだ養鶏とか、養豚とかこれは農業の一環でありますから、そういった企業
の参入というのはまだいい方であります。要するに今までに、これらの候補地には産業廃棄物の
候補地になった、それぞれどちらも昭和も含めて私たちの所でもそうですけれども、不法投棄や
そういったものが今まで後をたたなかった場所でもあります。この農地法の改悪がされますと、
こういった大型の産業廃棄物の会社等も参入できるような恐れも出てくるわけであります。将来
的にこういった改悪をさせないで、いま言ったような心配されている株式会社に土地を自由に取
得されることのないような形で進めていってもらいたいというふうに、これはお願いであります
けれども、しておきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。冒頭で申し上げましたが、いま林業というのは、今までの議
論の中でもこの農産物、農業がいかに輸入自由化で圧迫されているかという話が続いたわけなの
ですが、この林業は、この農業よりもまた一歩先を言っているというふうに思うのですよね。世
界中の木を切り尽くすというような、テレビでも報道がありましたけれども、日本が諸外国の材
木をどんどん集めているということを耳にするわけですが、こういったものが国内の林業を衰退
させていったわけです。特に昨日の議論の中で、市長は、根利山の問題を出しましたけれども、
これも足尾銅山の閉山によって一挙に根利川、栗原川、そして平川の上流区域の国有林のこの仕
事一挙になくなってしまったわけですけれども、そしてその後にかろうじて戦後、三陸木材とい
うのが入って20年間ほどやったという経過がございますが、そして根利の方につきましては、
営林署が一挙に戦後の荒廃を復興するための木材の需要によりまして営林署が入って、そして根
利の集落というのは非常ににぎわいを見せた時期があったわけですけれども、しかし輸入木材、
要するに木材の価格の低迷によりまして、事業所自体がどんどん縮小、閉鎖を続けるということ
で、過疎に拍車がかかってきたというのが経過であります。これを元に戻すというのは非常にこ
れはまた年数がかかるということでありますけれども、それでもこういった恵まれたと言うので
すかね、自然、非常に林産物があるわけであります。これを活用して少しでも活性化に貢献して
いくべきではないかということで取り上げました。特に長野県の例を、市長のお手元には資料を
やってあるのですけれども、これは2004年の資料ですね市長のところに届けました。長野県
の今の田中知事になってから、林業振興を図るという観点から何かいい方法はないかということ
で、間伐材の利用ということを企業にお願いをして、このガードレールの開発をやった。確かに
割高にはなるけれども、この間伐材を切り出す労力、集材する労力、そしてそれを加工する労力、
これがいろいろな形で経済効果を生み出している。また、農村の景観を金属のガードレールでは
なくて、木材の柔らかな感触ですね、要するに農村景観をも保つという相乗効果がある。そして、
雇用の拡充にも貢献をしていく。また雇用の拡充とともに産業が発展すれば税収も上がってくる。
いろいろな形で効果も上がっているということでご紹介したわけなのですけれども、ぜひこれは
県でやっている仕事ですけれども、市自体としても昨日の同僚議員の質問の中にもありましたが、
ぜひ市の固有の森林資源を生かして、公共建築物については、やはりできるだけ市内の木材を使
う。これによって製材業も含めて建築、あらゆる面での雇用が増えて相乗効果があるというふう
に思うのですが、この点についてもう一度お願いをしたいと。
◇市長(星野已喜雄君) この林業の問題についても、先ほどの農業の問題、同様ですね、大変
厳しい状況にあることは私もいろいろと承知をしております。先ほど議員がおっしゃったことと
関係してくると思いますけれども、私が承知している範囲では、ロシアであるとか、あるいはま
た南の方から要するに不法な材木が入ってくるというようなことによって、いわゆる公のところ
でないところから入ってくることが非常に市場を圧迫していること等が私のところにも実は情報
として入っております。これらについては私どもも県の林業団体の立場から強く上位に働きかけ
て、これが解決のためにするべきだというようなことを申し上げさせていただきました。またも
う一方におきまして、非常に地域に密着した問題でありますが、伐採士がいなくなってきている
と。この伐採士がいなくなってしまうと、後にこの林業を再興しようとしても、非常に技術を要
するので、この伐採士の問題を何とかしてほしいということも実は県の関係団体とも論議をされ、
ある意味においては特殊な技術を持っておられるということから、伐採士のいわゆる応援をどう
したらいいかというようなことも実は論議されてまいりました。これはまた地域に密着した林業
の問題でございます。そういうようなことから、私も私なりに関係機関には常にそういうような
ことについては地元もこういう背景でありまするし、兼々そういう立場の人間でございましたの
で、いろいろと働きかけもしてまいりました経過もございます。従いまして、たまたま今、具体
的な事例を2つほど出したのですが、1つは国際的な問題、1つは、地域に密着した村落の主要
な仕事として存在した伐採士の縮減というか、非常に少なくなってきているということが大変危
機的な要素を持っているのだということ。ですから当然、その後段のことについては、これは何
らかの対策を考えなければならない。前段は、私どもが及ぶのは非常に限られているので、各関
係団体に申し上げておくというようなことになるわけであります。いまおっしゃった、このガー
ドレールのことについては、ご案内のとおり国道の145号の、いわゆる高山地区に行くと、こ
れがずーっと施されております。これは間違いなく県の公共事業でもってなされたことでござい
まして、いまおっしゃったことと非常に関係があります。従いまして、今後そういう意味では拠
点、拠点にはそういった方策を講じていくということは、昨日来、新しい新生沼田市が生きてい
く哲学がどこにあるのだというようなことを踏まえますると、やはり金属のガードレールよりは
コストがかかってもこういうような方向をある程度しかるべきところには展開をしていくという
ことは大変重要なのではないかと思っております。いずれにいたしましても、早速事務方にも指
示をいたしまして、高山の所に、私も常に通って見ておりますので、研究をいたさせたいと思っ
ております。同時に、私どもの方で、これが一体どういう形で展開ができるのかということにつ
いても、私どもの立場から、これもまた研究を進めていきたいなと、こんなふうに思っておりま
す。
◇39番(井上健太郎君) 積極的な市長の答弁ありがとうございます。ぜひ長年かかって衰退
してきたわけですから、一挙にこれは回復するというのは無理な話で、一歩、一歩そういった形
で地域産業を盛り上げていくという一つの発端になればというふうに期待をしております。特に
伐採士等の問題につきましては、私たちの身近を見ましても、平均もう70歳ですよね。専門に
伐採の技術を持っている人だと。本当に後継者を育てていかなければ、実際に需要が増えてきて
もこれができないという事態、非常に深刻だと思います。ぜひそういった点では、できるだけ市
独自でできる需要を増やしていただいて、こういったところにも光を当てていってもらいたいと
いうふうに思います。
それと同時に、やはりこれは高知県の例で恐縮なのですが、林道、高規格的な重量運搬すると
いう観点からは、高規格の林道になるかと思いますが、そういったものも勿論必要なのですけれ
ども、それだけではなくて、本当の作業道、せいぜい間伐材を引き出す、あるいはそこに作業に
行く、その程度のものの作業道というものであれば金額も安くすみますし、ある程度の延長もで
きる。そして手入れが済み、間伐材等引き出した後はまた作業道が山に返ってもいいというよう
な程度のものでいいと思うのですよね。それは現場、現場で対処していけば、そういったものを
延長することによって、より今までなかなか山に行くのに時間がかかった。でも作業する期間に
おいてはそれができるということで手入れも進むし集材もできるということになると思うのです。
ぜひそういった点では、高知県等では橋本知事が5年間に約45%も作業道を延長しているとい
うのがニュースに出ております。こういった点での作業道等を延長していくということで、林業
関係者に応援をするということも必要であるというふうに思いますので、この点についてももう
一度お伺いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県に、林政推進協議会というのがございまして、会長は、群馬県
森林組合連合会の飯塚昌男会長でございます。私もそのメンバーに入っておりまして、毎年関係
機関に要請する中に、この林道整備は勿論のことでありますが、作業道の路線数を増やすという
ことについての陳情要請を展開しております。この林務事業は、一人沼田市が単独でできる仕事
ではないのですね。結局、県の関係と、どうしても民有林の関係等になると、そういうところが
兼ね合わせが出てくるわけです。ですからどうしても、県関係との関係が非常に重要になってく
るわけでございますが、その節、平成16年に、利根沼田全体でこの作業道の路線が49本だっ
たのが、平成17年に56本、それから沼田、白沢、利根では、平成16年に12本だったのが、
平成17年に16本というようなことで、議員がご指摘のとおりそういう流れ、つまり作業道を
増やしていこうという流れになっているということが計数に出ております。これもいろいろとあ
るのですが、やはり小回りのきく対応が重要だということもございまして、これらについては、
かなり県当局のご指導もいただいて、それなりの成果が上がっているのではないか。こういうふ
うに思っておりますけれども。
◇39番(井上健太郎君) ありがとうございます。要するに、やはり林道というのはちゃんと
舗装をして、有効幅員5mあってというような形で作りますと、実際のこの地元の人が使うより
も、山菜採りとかきのこ採りとか、かえってそういったものだけに使われてしまうというような
林道もできますので、あくまでも高規格の林道ではなくて作業道ということで私は申し上げて、
またそれも市長の方からご理解をいただいたということで期待しております。ぜひこの点は、ぜ
ひ進めていっていただきたいというふうに思います。
今日の質問は、私も当年とって65歳になりますけれども、高校を卒業してから一貫して農業
をやってまいりました。その影響もありまして、農業に対する思い入れというのは非常に強いも
のがございます。そういった点で農業問題、そして利根町の本当にできた、培ってきた歴史とい
うのは、林業を抜いては考えられないという観点から林業の問題を取り上げました。特に市長に
おかれましては、私と同じ農民の出身、同じでございます。そしてご存じのように、雑木を炭に
焼いて生計を立てるという点でも共通した立場から、本当にこの沼田市の農業、林業に対する思
いは同一のものであると私は理解をしております。ぜひこれからも、林業、農業の発展なくして
沼田市の発展というのは考えられないという立場から、全力投球をしていただきたいということ
をお願い申し上げまして、時間がまいりましたので質問を終わりたいと思います。ありがとうご
ざいました。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時04分休憩
─────────────────────────────
午前11時13分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、山義朗議員。23番。
〔23番 山義朗君登壇〕
◇23番(山義朗君) 通告に従い一般質問を行います。
ただいままでの議員各位の質問は、非常に夢とロマンのある、格調の高い質問でございました
が、私は、非常に現実的な、シビアな質問に移らせていただきますので、そのところはご寛容に
お答えいただきたいと思います。
今回の私の質問は、地域経済の活性化についてであります。
バブル崩壊後の長引く不況により、地域経済の落ち込みは著しく、企業の倒産や廃業が相次い
で、全く先の見えない状況であります。国は、景気は緩やかに回復していると発表しております。
確かに首都圏においては、市街地開発やマンション建設が進み土地価格も上昇しておりますが、
当地域においては、土地価格は依然として下がっており、企業や個人の持つ資産は大きく目減り
しております。また、地域経済の根幹を担ってきた建設業は、公共事業の削減や戸倉ダムをはじ
めとする大規模建設事業の中止の影響により工事受注が激減しております。市外や県外に仕事を
求めている状況であります。商業においても、中心市街地の活性化も遅々として進まず、活力を
生み出すまでには至っておりません。
このままでは、大都市との地域間格差がますます広がり、若者の流出に歯止めが効かなくなる
結果、過疎と高齢の波が足早にやってくると考えられます。これを防ぐには、地域経済の活性化
を早急に検討しなければならないと考えますが、これについての市長の考えをお聞かせください。
まずその中で、工業振興についてお尋ねします。景気低迷の中にあっても、製造業の活力は高
く、本県においても東毛地区の工業地帯では、景気が徐々にではありますが回復していると聞い
ております。本市においても工業振興に目を向け、力を入れていくべきであると考えますが、市
長の見解をお聞きしたいと思います。
それに伴って、まず企業誘致についてお尋ねいたしますが、企業誘致推進事業として継続をさ
れていますが、具体的にはどのように考えているのか。また、誘致候補地として場所はどこを考
えているのかお伺いいたします。
次に、地元企業に対する対応についてお聞きいたします。新規の企業誘致が難しいとすれば、
既存の地元企業に対する育成や支援をしていくことが大事であるが、製造業種の企業に対してど
のような施策を考えているのかお聞かせください。
次に、横塚農工団地の対策についてお尋ねいたします。この問題については、同僚議員により
過去において何度も質問がなされておりますが、全く進展を見ないまま本年も事業計画が出され、
予算計上がされています。どのような計画を持っているのか具体的にお聞かせください。
次に、観光対策についてお尋ねいたします。
市長は、観光を当市の活性化の手段として取り上げておりますが、当市は、昨年の合併により、
利根町の吹割の滝や老神温泉をはじめとした多くの観光資源を有する地域となりました。首都圏
から200キロ以内でこれだけ四季の変化に富んだ地域はなく、この資源を経済の活性化のため
に活用していくべきだと考えております。
まず、観光農業についてお尋ねいたします。市長は、地域経済活性化の施策として観光農業を
提唱しておりますが、具体的な実践計画をもっておられたらお聞かせください。
次に、地域間交流事業についてお尋ねいたします。市長の考えている地域間交流事業の目的と
事例についてお聞かせください。また、事例があるとすれば、どのような成果が現れているのか
お聞かせください。
続いて、観光対策における利根町との連携についてお尋ねいたします。沼田市の観光対策を考
えるときに、利根町との観光連携なくして成果が上がらないと考えています。合併後1年経過し
てもまだ連絡調整ができていないというような感があります。沼田市観光協会と旧利根村の観光
協会との対策にもずれがあり、観光PRやイベントの実施計画に連携がみられないと感じている
が、市長の見解とまた具体的な考えがあればお聞かせください。
次に、地域経済の活性化における国や県との連携について質問いたします。
国は、地方の自立と活性化を推進するためにいろいろな施策を掲げております。例えば都市と
農山漁村との共生や対流の促進などです。こうした国の施策を取り入れる考えがあるのか。また
取り入れるとしたら、具体的にはどのような事業を考えているのかをお聞かせください。
また、県との連携については、群馬県東京事務所や群馬県観光物産プラザなどをどのように活
用しているのかお聞かせください。
また、施設の利用として、21世紀の森の活用はどのように考えているのか。指定管理者とし
て利根沼田森林組合が受けましたが、市長は、森林組合長を兼務しているわけでございます。組
合長として、施設の有効活用も考えているのかどうかお聞かせください。利根町には、国の施設
として森林機械化センターがあるが、この施設との交流や協働を考えたことはありますか。重ね
てお願いいたします。
以上申し上げ、1回目の質問とさせていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの山議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、地域経済の活性化について、工業振興について、企業誘致についてでありますが、ご承
知のようにバブル崩壊後、長く続いておりました景気の低迷は、近時、上昇に向け踊り場を抜け
つつあるように、新聞等で報道されております。一部には景気回復を見せている業種もあるよう
ですが、本市の企業にあっては、依然として厳しい状況に置かれていると、認識しているところ
であります。
このような経済状況の中で、企業誘致を行うということは、極めて難しい状況ではありますが、
本市の経済の発展と地域の活性化、さらには雇用の創出を図るうえで、重要な施策と認識してお
ります。
多様化している産業構造を視野に入れつつ、今後も引き続き横塚生品農工地区への企業誘致に
向けて努力してまいりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。
次に、地元企業に対する対応についてでありますが、本市では、地場産業育成に努める中で、
「沼田市地域産業技術改善費補助金」、「沼田市産学共同研究費補助金」などにより、地元企業
等に新技術・新製品の開発を促進しており、国・県の事業の紹介や周知を含めて、地元企業の振
興に努めております。
労働関係では、リストラ等による離職者やニートと呼ばれる若者などを雇用した企業に対し、
「沼田市離職者等雇用企業奨励金」及び「沼田市若年層トライアル雇用支援奨励金」を雇用企業
に交付し、地元雇用の増進を図っております。
また、「市内主要製造業経営者等懇談会」を開催し、市内企業の情報交換・情報収集を行う中
で、市内企業による地域連帯を深め、地元企業の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に、横塚生品農工団地の対策についてでありますが、平成16年7月より、企業誘致専門嘱
託員を再配置いたしまして、平成16年度には県内外の企業等319社、平成17年度はこれま
で約120社に対し、企業訪問を重ね、横塚生品農工団地の情報提供を行い、各企業の情報収集
並びに本市への企業誘致に努めてきたところであります。
新年度につきましても、企業誘致専門嘱託員の配置とともに、地域基盤としての道路整備につ
いての調査を計画しているところであります。
次に、観光対策について、観光農業の実践計画についてでありますが、本市においては、初夏
のサクランボ、ブルーベリーに始まり、夏の果物として定着してきたプラムやプルーン、ネクタ
リン、桃など。また、秋には県内随一のブドウとりんごがあり、さらに冬から春にかけてのイチ
ゴが加わって、通年型観光果樹の提供が行われ、高い知名度を誇っているところであります。
一方、昨年利根観光会館を会場に開催された「老神そばまつり」のように、従来から幅広く栽
培されてきたコンニャクやソバなども、スローフード、地産地消の流れの中で注目されているこ
とはご案内のとおりであります。
また、望郷の湯及びしゃくなげの湯に併設されている地域特産物展示即売施設では、新鮮な季
節の野菜や農産加工品を提供し好評を得ていますし、そば打ち体験なども観光の面から付加価値
を高めるものとして期待しているところであります。
このような資源をいかに観光と結びつけ、集客を図っていくかということが重要な課題であり、
各種メディアを通じたPRはもちろん、平成15年秋からJA及び市内果樹栽培農家との連携に
より沼田ふるさと館をゴールとして実施しているフルーツラリーやアグリトピア利根の創造「利
根沼田みのりの里スタンプラリー」などの取り組みは、周遊型観光の有効な手段と考えており、
更なるネットワーク化を推進してまいりたいと考えております。
次に、地域間交流事業についてでありますが、地域間交流の目的につきましては、人、文化、
情報等の交流により本市の理解を深め、地域の活性化を図ることと認識しております。下田市及
びフュッセン市との姉妹都市交流をはじめ、準市民交流、ふるさとじまん市への参加などにより、
地域間交流を継続的に実施しているところであります。
一昨年の新宿郵便局での物産販売や利根町と府中市との交流など、都市住民との新たな交流機
会ができつつあり、準市民制度のように本市にゆかりのある皆さんとのネットワークを広げ交流
を行うことで、地域間、世代間の様々な交流機会が広がっていくことが期待されるほか、団塊世
代の大量退職を機にIターン、Jターン及びUターンによる定住の受け皿として、さらには団塊
ジュニアも含め、ふるさと志向と連動した新たな観光需要の可能性を持つものとして注目し、こ
の取組みを推進してまいりたいと考えております。
次に、利根町との連係についてでありますが、従来は、第三セクター玉原東急リゾート並びに
JRと連係して、沼田市観光協会とともにミス沼田の参加を得て、市独自の観光キャラバンを編
成し、高崎線の上尾、宮原、桶川の埼玉三駅でラベンダーを中心とする夏の誘客キャンペーンを
行ってまいりましたが、合併を機に、昨年7月のキャンペーンでは老神温泉女将の会にも参加を
呼びかけ、範囲を川越と大宮にも拡大して3,000名の方々にパンフレットやポプリなどを手
渡し、好感触を得ておりますので、更なる連携に努めてまいりたいと考えております。
また、昨年秋には、吹割の滝をメーンにした「錦秋・吹割の滝、新しい感動を沼田から」と銘打
った観光ポスターを製作し、市内はもとより、首都圏を中心とする日本道路公団のサービスエリ
アやパーキングエリア、料金所、さらにはJR高崎支社管内の各駅、その他観光拠点等に掲出す
るとともに、新たな試みとして、エフエム尾瀬のほか、エフエム世田谷と埼玉県内の2局のコミ
ュニティエフエムを活用したスポットCMを1カ月間に渡って放送し、新しい沼田市が一体とな
った魅力ある観光エリアであることを対外的にアピールしているところでありますが、全国各地
で様々に工夫を凝らし誘客を図ろうとしている観光地間の競争に打ち勝っていくためには、地域
内、あるいは周辺の観光施設との提携やサービス向上のための自助努力が不可欠であり、そのよ
うな取組みを図ってまいりたいと考えております。
次に、国、県との連係について、国、県の施設の活用と政策連係についてでありますが、議員
ご指摘の都市と農産漁村との共生や対流につきましては、現在全国的にも様々な形での交流の動
きがあることは承知しているところでありまして、本市の有する豊かな自然や美しい景観など地
域資源を活かした地域活性化に資する取組みとして、研究、検討してまいりたいと考えておりま
す。
また、県との連携につきましては、年間を通じて観光イベントなどの情報提供をはじめ、観光
ポスター、パンフレットなどを群馬観光物産プラザはもとより、東京、名古屋、大阪の各事務所
などにも送付し、本市の観光宣伝、誘客促進の支援をいただいているところであります。
国、県の施設として、市内には平成10年5月全国植樹祭が開催された県立森林公園21世紀
の森や、木材の集積地として発展してきた利根町の林野庁林業機械化センター、利根高冷地農場
として深い関係にある千葉大学森林環境園芸農場などがあるほか、昨年7月には東京大学玉原国
際セミナーハウスがオープンし地元の高校生を対象としたセミナーを開催するなど様々な交流が
行われているところであります。
これら、こうした施設は、それぞれが持つ本来の機能を発揮することで地域の産業や観光にイ
ンパクトを与える一方、施設を利用する学生や教職員、関係者などの滞在に伴う経済的な効果、
リピーターとしての将来性などが期待できるところであり、地域間の連係はもとより相互理解を
深めながら有効的な施設の活用について、関係機関と研究検討してまいりたいと考えております。
以上申し上げまして、山議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇23番(山義朗君) ご答弁をいただきましたので再質問をさせていただきたいと思います。
まず、企業誘致についてでございますが、私が場所を確認させていただきましたのは、やはり
市長の答弁から横塚の農工団地を計画しているということが出るというふうに予測はしておりま
したが、そんな関係でちょっと質問の順序を変えまして、企業誘致について、次は、地元企業に
対する対応についてでございましたが、3番の、横塚農工団地の対策についてということ。1と
3は併せて再質問をさせていただきたいと思います。
まず、横塚の農工団地の対策につきましては、昨年の3月定例会におきまして、同僚議員から
同じような質問がなされたわけでございます。それでその間、一年が経ったわけでございますが、
市長答弁におきましては、特に網かけの問題に対して今後検討し、場合によっては網かけを外す
というようなことも考えておるというような答弁をしたやに私は記憶をしているわけでございま
すが、ちょうど1年経ちましたが、その経過と言いますかにつきまして、進展がないということ
で重ねて私の方から質問させていただいたわけでございます。この農工地区整備推進協議会とい
うのが出たところから過去に逆上りまして、各関係者が、私も含めて内容的に忘れないようにし
ておくために、改めてその経過を市長十分ご承知だとは思いますが述べさせていただきます。
まず、平成2年に、当時の福島助役、そして続いて下田助役さんだったのですが、この農工地
区整備促進準備会というのが発足いたしました。そして、地元の方々、地権者の方々と協議する
中で、平成3年協議会が発足したわけです。そして平成4年に第1回の先進地視察をやってまい
りました。その間、なかなか具体的な案が示されず、地権者の方から平成11年、陳情書が出て
いると思います。結局、地権者としては農業を希望する人が多いということで、農工、両立を図
るような計画にしてくれと。要するに工業団地がだめであれば農業地として使えるような形での
網かけをしてもらいたい。計画をしてくれということだったと思います。そして、それを受けて
また市の方としての動きが見えまして、平成13年、役員会で駒ヶ根工業団地を視察に行きまし
た。そのときに、平成15年度中に工事着工になるよう努力はしますと。不可のときには農振に
戻し、土地改良をしていただくということが地権者案として出されております。その後、その対
応がなされないまま、それでは買い上げをするのかという話が出まして、13年の10月に地権
者との話し合いの中で、市側の答弁として、これはいま言っていいかわかりませんけれども、過
去のことですから申し上げますが、坪4万円の提示がされ、全面買収をしましょうと。地権者が、
いや4万円では安いのだよ。だから6万円で買ってください、もしくは代替ですよというような
やり取りはなされております。しかしその後、全く進展が見られず、担当部長もそれぞれ代わり
まして、ここに地元の役員さんの議事録によりますと、当時の、14年のときの部長さんは柔軟
姿勢であったと。3月には、時の課長さんが4万2、3,000円ではないですかというような
価格提示をされ、そして5月には、この課長さんが部長になったということで4万5,000円
位の提示があったと。それからまた地域内の代替地を検討しましょうというような形で進んでお
りまして、16年のところではまだ進展がなかったというようなことで進んでいるわけですね。
経過というものを市長が踏まえた上で、なおかつ、いまの事業を進めていこうとされておるのか。
そして努力をされた経過と言いますか、いまお聞きいたしましたが、これに対しまして年間約7
00万位ですか、予算が付いておると思うのですね。その結果としては、具体的なものは現れて
いないと。その中で地権者も非常に高齢化して、早く何とかしてもらいたいというようなことが
出ているのでありますが、これについて市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実際問題、地権者の方々が大変ご苦慮されておるということは私も平
成14年以降承知をしているところでございます。そういった中で、横塚農工団地の関係につい
て、これを何とか進めるべく努力をしてきた中で、先ほど申し上げたように努力をしている中で
なかなか結実されないという経過がございました。今年の新年度予算には、そういった中で道路
整備等の調査を計画をさせていただきまして、条件整備を努めていくというようなことを考えて
いるわけでございますけれども、いろいろな経過がありますので、その経過を踏まえて、これら
については慎重に、また地元の方々にご迷惑をかけないように、いろいろな角度から検討を加え
てまいりたいというふうに思っております。
◇23番(山義朗君) 検討を重ねていくということで、ずーっと検討を重ねっぱなしなのです
けれども、他市、他の地域においても、いまこぞって企業誘致ということを考えているわけです。
要するに地域の経済の活性化のためにはどうしても企業誘致が必要ではないかという施策だと思
います。まずこの近くで言うとすれば、県の企業局がやっております関屋工業団地、それから渋
川の有馬の所におきましても、これは渋川市の企業局がやっているのだと思いますが、ここも出
ております。それから榛名町の柳沢工業団地、これも全て区画ができ、周辺道路の設備ができて
おります。それでこれは明確な数字ではありませんけれども、一応市側の、開発側の出している
価格というのが、有馬においては坪7万前後ということです。それから柳沢、これは榛名でござ
いますが、こちらのはだいぶ安くなりまして、坪で4万7,000円位。それからご承知のよう
に、これは県の関屋工業団地については、正確な数字は存じておりませんけれども、およそ5万
円位ではなかろうかというようなことで考えているようでございます。すると横塚の工業団地を
いくらで買い上げるかわかりませんけれども、仮に3万円として買い上げたとしても、これに造
成費をかけて、道路を開けて、いろいろな形でしていけば、とてもいま周辺で企業の誘致をして
いる団地に対して対抗はできないというふうに私自身は考えるわけでございます。
それともう1点ですが、道路の整備についていま調査していくということでございます。しか
しながらあそこの東側のところにセノーさんがいち早く進出をしていただいたわけです。ところ
がそこの進入路の所は道路整備がされていない。入っていく所はありますが、あれは当初計画の
道路ではなくて、本来はもっと西側の方から入っていくという形になっているというふうにお聞
きしています。なおかつ民地が、形として言い方は悪いのですけれども変な形と言いますか、地
型が悪くなりまして、セノーさんに言わせると、大変使い勝手が悪いのですよと。そしてここに
出たときには、これは地交換をしていい形にしますよということで私どもはいたのですが、今の
ところ済んでおらないというような状況でございまして、果たしてあそこが本当に、沼田市が企
業誘致をしようと真剣で考えたときにあれが妥当かどうかという、その辺の市長のお考えをお聞
きしたい。そして、それはいろいろな規制とか法律に基づいた縛りはあるわけでございますけれ
ども、仮に企業が来て、沼田に進出したいと思ったときに、あそこを見て「あっ、ここはいいな」
と思わないと思うのですね。じゃあどこがいいかということになれば、関越の側道沿いの、いま
ほ場整備されております藤森さんの東側の土塔原、あるいは国道17号バイパスの沿線、そうい
う所ならどこの企業が来てもいいと思うというふうに感じています。そうした中で市長のお考え
をお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはご案内のとおり網かけがなされてきたということから、長年に
わたっていろいろと先人の方々が判断をされてきたことの流れに今日があるのではないかという
ふうに思っております。議員は大変そういう問題について明るい方でございまして、いまおっし
ゃられた内容等については、大変よく分析をされておられるなということで敬意を表するわけで
ございますけれども、ご承知のとおりいろいろな時系列の流れがございまして、そういうような
ことで、私どもも慎重な判断を常に迫られているということが実態でございます。従いまして、
いま議員がご指摘をいただいたようなことも含めて、私どもも地元の方々にご迷惑をかけないよ
うに更なる検討を重ねて、そして何とかいい方向へ導いていきたいなと、こういうふうに思って
おります。
◇23番(山義朗君) 大変しつこくて申し訳ないのですが、昨年の答弁で、市長は、今後の検
討ということでご理解をいただければというふうに答弁をされておるわけでございます。従いま
して、この1年間でどのように変わったのかをお聞きしたかったわけでございますが、いまの答
弁の中では、その後の進展はないというふうにいま受け止めたわけでございます。ただ一つだけ
お聞きしたいのは、昨年、藤森工業さんをはじめとする他2社の工業の企業進出の話があって、
それは場所的には、いま私が言った藤森さんの東側のほ場整備をした土塔原の所がいいというふ
うな話があったが、折り合いがつかなくて関屋の方へ行ったと。これは噂ですから、私は全く確
信はございませんし、ただそういうことできたのだという話は聞いておりますが、その辺の事実
関係はいかがなものでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) この照会があったときに、私どもも助役、あるいは経済部長に指示を
いたしまして、隣接の所がほ場整備、つまり土地改良をしておりましたので、農振の除外をする
べく、一般論からすると8年間拘束されておりますので、これを言うなれば群馬県の農政局のご
指導をいただいたりということで、かなり精力的にさせていただきました。ただこの我々が行っ
てきた精力的な動きに対して、かなり県当局もいろいろと努力をしてくれて、通例では考えられ
ないような形のタイムスケジュールはとらまえたわけでございますけれども、いかんせん藤森工
業さんがパートナーとされるというか、その味の素さんの方が、とにかく急がなければならない
というようなことがございまして、結局、私どもの立場からいたしますると、どうしても土地改
良の8年間のところの農振が足かせになってしまったという、そういう経過がございました。経
過につきましては、経済部長の方からもう少し詳細に申し上げさせます。
◇議長(星野佐善太君) 経済部長。
◇経済部長(大嶋政美君) それでは、命によりまして、経過について補足をさせていただきま
す。ご案内のとおり今般、新聞報道されたように、藤森工業が関屋工業団地に用地を求めたとい
う話はご案内のとおりなのですけれども、その前段で冒頭、現在、藤森工業がございます町田町
の地内に、隣接する土地に拡張したいという話がその前段でございました。その面積の規模とい
うのは、隣接地に、現在規模の倍程度の用地が欲しいというようなお話しがあったわけでござい
ますけれども、現在、市長から申し上げましたとおり、あの土地は農振法の農用地に該当してお
りまして、その適用を外さないことには農地転用そのものもかけられないという状況でございま
す。ただ面積的には、そのお話しですと、3万平米を超える面積に該当することから、これの許
認可については、群馬県知事ということよりかは、まずもって農林大臣許可になるというような
案件でもございましたことから、その農振法の適用除外、あるいは農地転用の手続きをするのに、
どういった手続きがいいのかという形でいろいろ検討もさせてもらいましたし、県当局にも相談
させてもらったわけでございますけれども、まずもって農振法の適用除外という手続きをしてい
くためには、あの土地が、土地改良事業を施行して、現在6年の経過をもっております。土地改
良終了後ですね。これが8年経ちますと、一つには、言葉は悪いのですけれども、ハードルが低
くなる形になるのですけれども、土地改良施行後6年という形からしますと、当然のことながら
事業そのものの補助金返還という形も余儀なくされてまいります。これは6年でも、8年でも同
じなのですけれども、それらをするにつけても、当然規模の面積の多いこと。あるいは事業経過
から非常に手続きの期間が長くかかってしまうということが指摘をされました。それについて市
としても、それらの企業が進出することについては、市総体とすると非常にふさわしい話だとい
うことで受け止めまして、精力的に手法を探ったわけでございますけれども。いかんせん企業が
欲している造成開始時期と、手続き等対応するまでにかかる期間というのがどうしても相いれな
い部分がございまして、結果、そういうお話しがあって、甚だ残念であったわけですけれども、
違った場所への移動となったという経過でございますので、ご報告させていただきたいと思いま
す。
◇23番(山義朗君) その件につきましては理解させていただきました。
それで大変極端な言い方ですけれども、横塚の工業団地が2年経って、あるいは3年経って、
全然進展がなかったという場合には、今の答弁の中で8年、あるいは9年でも経過すれば、一応
農振の除外申請ができるか、できないかは別であって、手続きは可能であるというようになった
場合に、やはりただ考えてもあそこの場所というのは工業地帯に非常に合っているのではないか。
ちなみに地元の農家の方々の所を何軒か回りましたが、実際のところ自分で耕作している人は少
なく、他の人に貸してあったり、あるいは後継者がいないという人もかなりあるのだということ
を聞いております。従いまして、工業誘致、あるいは工業団地等の考え方につきましても、その
辺も先を見据えた上での検討もこれから必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
続きまして、順序が逆になりましたが、地元企業に対する対応についてということで市長にお
聞きいたします。いろいろ企業誘致とか、既存の企業が沼田市内で本当に頑張っていただいてい
る企業もたくさんあるわけでございます。今度、合併になりました白沢町にも大企業がありまし
て250人からの社員がおられると聞いております。そういった意味ではかなり地域としても助
かっているわけでございますが、ただ聞くところによると、求人倍率が沼田は非常に高いのだと
言うのですね。ちょっと一瞬どういうことかと思ったら、募集をかけてもなかなか人が集まらな
い。集まらないというのは、人がいないというのと違ってですね、企業が求める人が集まらない
ということです。ですから、うちは申し訳ないのですけれども、新卒はなかなか取りにくいので
すよと。要するにIターン、Uターン、少し外に出て、すぐ戦力で使える人を求めるのですよと
いう答弁が非常に多かったです。ということだとすれば、やはり高卒の新卒者をどこか専門的な
学校でもいいし、あるいは短大的なものでもいいし、そういったものを何か育成するような、地
元で自治体が、あるいは広域圏でもそういったことを考えていくことがやはりこれからは若者の
流出を止め、そして地域経済が企業発展、景気発展につながっていくのではないかと思うのです
が、その辺につきまして市長のお考えをお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 確かにこの技術を持っている方の存在というのは、私は大変重要だな
と思っておりまして、先ほど同僚議員のご質問にあった林業関係でもその伐採士の人達の技術力、
そういうことも実は隠れた技術力だと思っておるのですが、当然、当地区にも議員がおっしゃっ
たように、白沢尾合地区の大手電機会社、あるいはまた国道17号沿いに、ご案内のとおりこれ
また木材関係の大きな会社等がございます。いま議員がおっしゃったことは、なるほどなと思い
ながら伺っているわけでございますけれども、即戦力ということになると、どうしても一端専門
学校に行ったりとか、あるいはまた一端技術畑の学校に行ったりとかということの中で、はじめ
て一人前になっていくのかなということがあるという、そこの端境期の対応のご指摘だと受け止
めさせていただいたわけでございますけれども、そういったことから考えますると、技術力の育
成と今までご承知のとおり川田地区にも職業訓練校等もあったわけでございますが、これが撤退
したりして、現実には今の、特に大工さん関係の栄町の訓練校があるわけでございますけれども、
いずれにいたしましても、この技術力の育成というのは大変重要だというふうに受け止めさせて
いただいております。ただいかんせん問題が大変大きなことでございますので、議員のご指摘さ
れている関係等について、しっかりと受け止めさせていただき、またいろいろな意味でご示唆を
いただければありがたいと思いまするし、私どももこれにつきましては真剣に受け止めさせてい
ただきたいと思っているわけであります。
◇23番(山義朗君) ぜひひとつご検討いただきまして、市独自、あるいは広域圏で無理だと
すれば、県、あるいは国等の力も借りながら、ぜひそういったものを作り上げていただく努力を
してほしいと。そのように願うわけであります。
次に、観光についてでございますが、観光農業につきまして、市長は従前からいろいろとご意
見申し上げ、また昨日来の同僚議員の質問の中からも農業をベースとした地域の活性化対策とい
うのが述べられてきたわけでございます。先ほど市長にお聞きしまして、確かに今まで、何十年
前まで地元ではとてもできると思わなかったサクランボ、プルーン、あるいはブルーベリー、そ
ういったものがどんどんできてきて、非常にそういった形ではフルーツを主体とした観光農業が
盛んになっておるわけでございます。ただ一つだけ感じられるのは、行政がその連携なり、その
団体の力の集結なり、あるいはどうやったらそれが活性化につながるかみたいなものを比較的や
っていないと言いますか、やっているとしたら失礼なのですけれども、やっていないと言います
か、個々の、それぞれの皆さんがうちはりんごだと、うちはぶどうだと、うちはブルーベリーだ
という形でやっておられるのが実態ではないかと、そんなふうに思うわけです。私が市長にお聞
きしたかったのは、行政としてそれらのものに対してどういう形で臨んでいくのか。例えばこれ
はまだちょっと具体的でないので定かなところではないのですけれども、一応聞いたところでは、
箕郷町では100町歩果樹園構想というのを打ち上げているのです。そしてそれを作るのはプルー
ン、ブルーベリー、あんずの4種類だそうです。100町歩、ここはご承知のように私ども利根
郡と同じように非常に養蚕が盛んで、桑畑が多かった。それが荒れてしまったと。これを何とか
しようということで、これは行政が主体になって、造成、要するに植える畑の造成からそして苗
木、全部個人負担なしで進めているというふうに聞いております。もうぼつぼつ始まると思うの
ですが、具体的にまだそこがどの辺までいっているかというのはちょっと確認を取れなかったの
ですが、それから今度渋川市になりましたが子持村においては、ブルーベリーの生産に対しては、
生産者に対し苗木を無料で行政が提供すると。これブルーベリーの苗はいくらくらいするかとい
うことで、同僚議員の中にも農家の人はおりますけれども、一応私が聞いたところでは1,00
0円だと。1,000円のものを無料で出している。川場村においては、川場村の中でブルーベ
リーを植える人については、一応1,000円だけれども500円を生産者の方が負担している
と聞いておりますけれども。いずれにいたしましても、それを活性化につなげる、それを果樹王
国として、地域の人達以外、県外、あるいは市外の人達に認識してもらうために、行政はどのよ
うな形でたずさわって、どのような形で観光農業として打ち出していくのか。その辺市長のお考
えが聞ければと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 山議員の再質問にお答えをしたいと思います。
行政がいろいろな団体等、あるいはまた果樹生産者に対してしっかりとした後押しをすべきで
はないかと。こういうことのご質問かと受け止めさせていただきました。そして、箕郷町である
とか、各地区の事例を出されましてのご質問かと受け止めさせていただきました。
まず、旧沼田市においては、やはり兼ねてから池田地区、あるいは利南地区等において、りん
ごをスタートした形のいわゆる果樹が振興されてまいりまして、その度ごとに行政がバックアッ
プをしてきたことは申すまでもございません。今次に至りますと、相当そういったことでは落ち
着いているというか、発展してきておる現状がございまして、いわゆる他の地域に比べると先発
の立場でございまして、今後、そういう意味では追われる立場になりますので、やはり常に先を
見た形の展開をしていかなくてはいけませんので、努力をしていかなければならないというふう
に思っております。ただ間違いなく言えることは、特に池田地区に代表されるように、いわゆる
単品でなくて複合の品種がうまく整合しておりまして、そういった意味では果樹を好む方々に対
しては十二分なこの受け皿としての用意がされておるというふうに認識をしております。ただ今
後、白沢、利根の関係等もございますので、引き続きこれが努力をいたしまして、そして文字通
り新生沼田市の果樹農家がうまく地域に点在をいたしまして、そしてそれらが整合できるような、
そういうことについてはやはり行政が後押しをし、そしてまとめていくような形はしていかなけ
ればならないのではないかと思っております。
なお、観光農業の補助の制度でございますけれども、一応私どもは県の補助をいただいて、私
どもの市の事業を加えて、そして行うような形の中で、例えば果樹の苗木につきましても、りん
ご、ぶどう、ブルーベリー、サクランボ、プラム、ネクタリン、柿、桃等への補助を行っており
ます。全く苗木が無料というところまで行っておりませんけれども、そういった事例を持ってお
ります。他にもこのパイプハウス関係等、あるいはまた霜の防除の関係とか、そういった関係に
ついて補助制度を持っておりますので、申し上げておきたいと思います。
◇23番(山義朗君) ありがとうございました。それで努力されていることはわかりました。
ただひとつだけ確認したかったのは、沼田は先進地だけに当時池田地区の果樹栽培については、
やはり土地改良事業、ほ場整備を行った。従いまして非農用地面積が非常に少ないわけですね。
そしてアップルロード行ってもらうとわかりますけれども、売店が軒並み連ねていると。しかし
ながら、非農用地が少ないために駐車場スペースが取れないということで、自家用車で2台くら
い止まると入って置くところがないと。当然観光バスは置けないというようなことの中で、これ
は利用客の中から不満が出ているのですけれども、たまたま知らずに隣のりんご屋さんに車を置
いたら、えらいまあ怒られたというようなことで、観光というのはあくまでも物を売るのと併せ
て、来てくれる人に安らぎを売る。要するにそのために来ているわけですから、来た人にしてみ
れば、金を払ったり、怒られたりではもう来たくないというような話になる。かなりのもう年数
を経過しているので、その辺もある程度指導していただいて、もう少し来ていただいた人達が楽
しんで帰れるような、そういう形を、例えばどこかに集団的な駐車場を設けるとか、そういうこ
ともひとつの農業、今まで農業ということで携わってきたわけですから、観光ということに対し
ての意識改革的なこと、大変これは農家の方に失礼なのですけれども、そういったものも必要で
はないかなあと、そんなふうに思っているわけでございます。
それから先ほど、市長の方から答弁がありましたような白沢、利根町との連携ですね、そうい
ったこともひとつ考えていただければと思うわけでございます。
続きまして、地域間交流について質問をするわけでございますが、市長の方から1回目の質問
に対して答弁いただいたわけでございますが、具体的な例としてですね、幾つか準市民の会、先
ほど言われた物産の交流振興、そういったこともあるわけですが、準市民の会につきましても何
度か同僚議員の中から、あるいは委員会等々においてちょっと集まりが少ないのではないかとい
う意見もあったりしたわけで、これもできるだけ自分たちが外に向けて仕掛けていかないと、た
だ待っているだけではなかなか増えてこないのではないか。それから、例の物産の交流などにつ
きましても、私も同僚議員に物産を熱心にやっている人がおりますので、いつも同行していくわ
けでございまして、新宿の西口広場のイベントコーナーなどにつきましても、当初は2人で出向
きましてある程度話を付けてきたというような経緯もあります。先だっても、群馬県の県で出し
ているところの群馬観光物産プラザというところが主催しました群馬の物産展というのが東京で
ありましたが、そこにも行ってまいりました。そういった中で群馬の物産を多く知っていただく。
そのためにはこちらが出向いていくということが大事ではないかと。やはり地域間交流というこ
とですから、たまたま群馬県でやられた往来日本というのがありましてそれを聞きに行きました
けれども、往来というのは行ったり、来たりが往来ということでありまして、地域間交流という
のは一方通行ではだめだと、そんなふうに感じておるのですが、その辺についてご答弁をお願い
いたします。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
山議員がおっしゃるように、往来をするということは大変重要なポイントだと思っております
るし、そうにいろいろと仕組みを考えていかなければならない。そういうふうに認識をしており
ます。先般の新宿等におきますところの関係の方々のご努力には大変敬意を表している一人でご
ざいますけれども、今後そういったいろいろとご示唆をいただきながら頑張っていかなければな
らないというふうに思っております。
外に向かって仕掛けていく必要があるのではないかというご指摘も全く同感でございまして、
実は昨年、老神の「女将の会」の方々を県庁の各関係部局に、着物を着た形の中でご案内をさせ
ていただきました。非常に県当局も、非常にそれには喜んでくれたわけでございますけれども、
機会を見てそういったことと同様に、やはり東京の方の関係機関の所にも、市長そのものが出向
いていくようなことも含めて、先般も関係部局にいま議員がおっしゃるような往来を活性化させ
るということについては、この観光のみならず、企業誘致の問題もしかりでございますけれども、
いろいろな場面でそういう外に仕掛けていくという、そのことについては全く同感でございます
ので、積極的に進めていかなければならない、こういうふうに認識をしております。
◇23番(山義朗君) それで市長自らも出向いていくという堅いご決意をお聞きしたわけでご
ざいますが、確かに私ども出向いて行ってですね、「やはり山さん、選挙じゃないけれども2回、
3回来てくれた人の方を大事にするよと」だからマスコミ等のいろいろなコミュニティー誌があ
るのですが、こういうところも全然来ないところより来た人を載せたい、2回来た人より3回来
た人を載せたいと、そんなようなことをちょっと聞いてまいりました。ただいま、女将の会のち
ょっとお話し出ましたので、これも確認なんですが、これは全国組織だと思うのですが。たまた
ま浅草に、女将の会の全国の会長さんというのがおられまして、この間もちょっとそんな話の中
で出てきたのですが、そういう交流をすることによって、この間は浅草の仲見世に、沢田農協の
漬物が売っていたのですけれども。そういう形で交流を持つことによって観光物産等もある程度
できるのではないかと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いま全国のネットがあるというようなことのようでございますので、
現実に昨年の秋には、老神女将さん会の、知事をはじめといたしまして県議会の議長、あるいは
また関係する機関に一日がかりで回ってまいりました。本当は昨年のうちに東京の方にまで出か
けたかったわけでございますけれども、時間の都合で出向くことはできませんでした。これから
私の承知している範囲では、県の出先が名古屋、大阪にもございます。そんなことも含めて、で
きるだけ非常に話題性が高いものなので、できるだけそういうようなことで努力をしていこうと、
こういうふうに思っております。
◇23番(山義朗君) そういったことで私どもも、議員は議員の立場で、市長は市長の立場で、
そして当局は当局の立場で、皆で力を合わせてそういった形でいろいろなコネクションを使いな
がら沼田からの発信をしていくということが、やはり観光農業、それから観光対策については必
要ではないかと。そんなふうに思うわけでございます。
続きまして、利根町との連携についてで、ちょっとお尋ね申し上げたいと思います。合併して
1年が経ちました。冒頭申し上げましたように、利根町が合併したことによって沼田市の観光資
源も非常に増えてきたわけです。果たしてその増えたものはどんな形で連携プレーをやっている
かということになりますと、例えばあちこちの観光施設とか宣伝するところに行ってみますと、
まだ沼田市は沼田市、利根村は利根村、白沢村は白沢村での形のパンフレットが出ているものも
あります。それはそれでもいいのですけれども、結局単発で、みなそれぞれが出ている。要する
に点と点であって、観光地として、あるいは沼田市としての地域の連携の線のつながりがないと。
そんなふうに私自身は感じてきたわけでございます。例えば沼田市において本年の事業、これは
東京の県の物産プラザにあったチラシ、第18回沼田公園桜祭り、これが行われますよと。3月
24日から4月23日まで。ここが発信しているのは沼田商工会議所なのですね。これを観光協
会、あるいは市の行政の方の観光課がやって、利根町の観光協会さんとタイアップして、同じ桜
の宣伝をするならばこれほど開花時期が同じ市の中でずれている所は少ないのですね。例えば沼
田市から始まって老神温泉、もっと奥の根利まで行けばこのくらいですよというような、合わせ
て出すことによって、そしてそれに、例えば来たらいちご狩りをしてくださいとか、ちょっと時
期的なことは私わかりませんけれども、そういった形で連携プレーを作っていくと。そしてやは
り地域の中全体で皆の力を合わせていろいろな形で発信していくということが大切ではないかと、
そんなふうに思うわけでございます。それにつきまして一つご答弁をお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 合併して1年が経った中で、観光政策でも一体性を持たせていくため
には、いま議員がおっしゃったようなことが大変重要になってくるというふうな認識には変わり
はございません。しかもいみじくも桜の開花時期のずれを戦略的にとらえろという、そういうご
指摘かと思いますけれども、まさにいわゆる標高の低い所から標高の高い所まで、しかもある意
味においては、暖かい所から寒い所までという所から、必然的に季節の移り変わりが当該自治区
域内でもって異なっているということは、ある意味においては大変な特徴であり、それは武器と
なり得ると思っております。従いまして、先ほどのお話しではありませんけれども、そういった
ものが幅広く、この桜の開花が沼田に行けば見物ができるのだというような長さというか、期間
の長さというものが、他地域に比べて別な魅力を持ってくるだろうと、こういうふうなことだと
思います。これは議員の方から一例でもって出されたわけでございますけれども、早くにこれら
観光政策が一体化できるように努力をしていかなければならないというふうに思っております。
そのためのいろいろな努力は、私ども行政の立場の方が、そういったパンフレット作り等につい
ては明るいわけでございますので、今後、そういった方向に向けて努力をしてまいりたいという
ふうに思っております。
◇23番(山義朗君) よろしくお願いいたします。特に観光協会のあり方の中でまだ非常にず
れがある。これを私ごときが外から見てちょっと生意気を言うのは過ぎるのですけれども、やは
り旧利根村の観光協会においては、行政の方から時々職員が行ってですね、いろいろな形で地元
の観光協会の役員の方々と地元の方々とお話し合いをしたりいろいろな事業展開をしているわけ
ですね。しかしながらそういった中で、沼田市の観光協会、利根町の観光協会、当局の担当者を
含めてそういったやりとりをしてきたのかどうか。その辺をひとつ確認させてください。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
経済部がいろいろと指導機関になっておりますけれども、調整役を果たさせていただきました。
◇23番(山義朗君) 了解しました。それではそれを積極的に進めていっていただきたいとい
うふうに感じるわけでございます。
次に、県の施設の活用、あるいは国の施策に対してということで質問させていただいたわけで
ありますが、国におきましてもかなりいろいろな意味で、地方の活性化については金を出すか、
出さないかはわかりませんけれども、施策としてはかなり掲げてあるわけでございまして、その
辺市長の方で、これは取り組んでいきたいと。そして国からの補助金なりをもらえるものであれ
ばもらっていこうというものがあったらお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いまここで、国からこういう補助金を迎えたいとか、取りたいとか、
そういうようなことについて質問をいただいたわけでございますけれども、いまここで具体的な
ことを持ち合わせている立場ではございません。ただ間違いなく言えることは、今までのように
国や県の補助金に頼るということが、なかなかしずらくなってきている状況にあろうかと思って
おります。と申しますのは、ご案内のとおり三位一体改革の国庫補助負担金の削減等が、そうい
った流れになっておりまして、ですものでそういうことかと思っておりますけれども、議員がお
っしゃるように、そうかといって国、県の力は、それは私どもから見ればかなり大きいものがあ
るわけでございまして、今後、戦略的にそういった補助制度等を導入していくということは当然
のことかと思っております。
◇23番(山義朗君) 国関係におきましては、群馬県選出の各国会議員さん等々からいろいろ
な資料が送られてきておるわけで、市長も当然目を通されておると思いますが、そういったもの
で使えるものがあれば、積極的に取り組んでいくということも必要かと思います。
さて、時間がないのでちょっと端折りますが、続いて、県の施設。施設についてお聞きしたい
と。これは先ほど、一度目の質問の中で、21世紀の森の活性化の対策についてということで、
これはやはり16年のときに私が一般質問させていただきまして、このときはまだ指定管理者制
度とかそういうものはなかったわけですけれども、そのときに、沼田市としてそれは管理を任せ
てもらうわけにはいかないのかと。事例を見ますと、例えば藤岡市だとか、伊香保ではそういっ
た形をすでにやっておったわけでございます。そういうところが先日の指定管理者制度で、利根
沼田の森林組合でお受けになったと。それで組合長は市長で当然あるわけでございまして、具体
的なことはわかりませんけれども、おそらく今年もまた21世紀の森の野外音楽祭等々も行われ
るのではないかと。今までの流れからいきますと、これもまた市長が実行委員長という形でご苦
労いただくと、こんなふうに私は推測しているのですけれども。そうしますと一つの、21世紀
の森というものに対して、市長という立場、それから広域圏の長という立場、それから森林組合
長という立場、あるいは音楽祭の実行委員長という立場、諸々の立場があるわけでございまして、
そういったものをぜひフル活用していただいて、当初21世紀の森を作るときの目的の中に、地
域の活性化対策というのもあるわけで、その辺についてどのように考えているのかお聞かせくだ
さい。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
県立森林公園21世紀の森は、申すまでもなく平成10年5月10日の全国植樹祭以降、これ
が整備されて、そして群馬県知事が、できるだけ多様なものに活用できるようにということで、
施設をできるだけ作らなかったという経過がございます。柔軟に対応できるようにという判断が
あったようでございます。今回、指定管理者制度の中で、森林組合がそれを受ける形になったわ
けでございますけれども、あくまでもそれは管理をするという立場でございまして、つまり森林
公園の活性化のことについては、やはり依然として県当局や地元の市町村等々といろいろなこと
でもって対応していこうということになろうかと思います。森林公園の関係については、つい先
般もマスコミ等に出ておりましたけれども、雪合戦等行って活性化に処してきた経過もございま
す。
◇23番(山義朗君) 大かたのお話しは理解できるのでありますけれども、とにかくやはり地
元の市長として、何とか当初目的であったような、少なくとも最低限の施設は作るように県の方
へもまた働きかけていただきたいと思うわけであります。
後は、昨日も同僚議員から提起がなされたのですが、利根町の根利にありますところの林業機
械化センターのことでございますが、これについてはやはり伐採士がいなくなったということを
先ほどお聞きしたわけでございますが、そういったものを育てるための林業機械化センター、要
するに機械を使ってこれからは林業をやっていこうというところの研修センターがあそこの場所
でございます。従いまして、これにつきましても以前、私、市長に、こういうものがありますよ
と。国の施設ですからどう活用されますか、というような投げかけはしてあったと思います。今
になって、昨日、同僚議員が述べられたように、森林鉄道の機関車3台、これがあるわけでござ
います。実際に木曽の大滝村というところでは実際にそれを動かして、大滝村森林鉄道というの
を再現させまして、実際に地域の村おこしに役立てているわけでございます。特に利根町につき
ましては、しゃくなげの湯からあそこにかけた所、そういった形で何か活用していくということ
が必要ではないかと思うわけです。やはりボランティア等々が集まってそれを復元させようとい
う動きが水面下ではあるようでございますので、またこれが具体的になりましたら申し述べさせ
てもらいますし、また行政のお力添えをお願いするというような形になろうかと思いますけれど
も。その辺につきまして市長の考えをお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) この林業機械化センターの関係については、非常に旧利根村の方々も
大変関心を持っておられるということで、私も実はそれを重く受け止めて関心を持ってまいりま
した。ただ伺うところによりますると、現状では、なかなかこれを動かすまでにはずいぶん大変
なお金がかかるというようなことがあるようでございまして、そういうようなことがあったりし
て、旧利根村では経過があったようでございます。ただ大変すばらしい宝物であるということに
ついては間違いないわけでございまして、いろいろな意味でこれから、このことについてしっか
りと受け止めて、そしていまおっしゃるボランティアの方々等の動き等があるというふうなこと
もご指摘がございましたけれども、これらについて林業の活性化の一助になればこんなにありが
たいことはないわけでございまして、十二分に検討させていただきたいと思います。
◇23番(山義朗君) 時間も少なくなりましたので端折って申し上げます。
最後に、総論といたしまして、表題に基づいております経済の活性化ということについて述べ
させていただきます。活性化ということにつきましては、市長に対して論を述べるほどのものは
ありませんけれども、要するに意味としては、機能が出現したり、効率が向上したりというのが
活性化だとある物の本には書いてあります。だとすれば、いま非常に厳しい状況でありまして、
沼田市の実情を申し上げますと、市民一人当たりの総所得は14年でもって287万1,000
円、群馬県比でいくと89%、それでいろいろな問題がありますけれども、その中でもやはり給
与所得者が給与所得が一番多くなって416億円、決して所得が少ないからそれが悪いというこ
とではありませんけれども、農業所得につきましては、約3億3,000万くらいですか、そう
いう形で、それを合わせて伸ばしていかないと、なかなか大変な、税源移譲を受けたとしても難
しい時代が来るのではないかと、こんなふうに思います。本市がどれだけ厳しいかという一つの
現れが、一番伸び率が高いの、これが譲渡所得です。譲渡所得が16億ぐらいあるわけです。個
人的に、下世話な言葉で言うと、要するに地域全体の中で売り食いをしているということですね。
ですからここは、早く何とか活性化をして、そしてそれは、活性化というのは、あるものを使っ
て無駄なものを切っていく。そしてあるものを考えてそこから活力を生み出していくということ
も、新しいことをやるということではなくてですね、そういう考え方がやはり大切ではないか。
要するに地に足を着けた、自分の身の丈に合った行政運営、財政運営をしていくと。それを市長
に最後に望みまして、私の質問を終らせていただきます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、大竹政雄議員。24番。
〔24番 大竹政雄君登壇〕
◇24番(大竹政雄君) 通告に従い一般質問を行います。
市長もはや4年の任期が終わろうとしています。この4年間、市政運営をしてきたところであ
りますが、前任者の引き継ぎが多く、なかなか自分の政策ができなかったのではと感じておりま
すが、振り返ってみてこの4年間の市政運営全般についてお伺いをいたします。
はじめに、まちなか再生についてお伺いいたします。平成10年、中心市街地活性化基本計画
に基づいて、土地区画整理事業として発足し、観光都市を基本に進んできたように思います。星
野市長が、就任以前から始まった事業でありました。この事業はいろいろな問題が多く、私が議
員になったとき、滝坂エレベーターの反対運動が血気盛んなときでありました。西田市長退任の
後、星野市長が一時休止を宣言し、市民感情も一応の納まりがつき、新市長のもと、さあ、これ
からまちなか再生に向けて動き出すかのように感じていました。地域の合意形成の問題や「活性
化の会」での協議での計画変更等々で4年間、ほとんど進行しなかったように思います。市長と
して、まちなか再生についてどのように感じてこられたか。そして、これからどのように進めて
いくのか、お考えをお伺いいたします。
次に、景気対策についてお伺いいたします。近年、県内においては景気回復の兆しを感じてい
る等の報道がされています。しかしながら、利根沼田の景気は依然として低迷の域を脱する気配
さえ見えていません。このままの状態があと数年続けば、地域の若者が職を求めいなくなってし
まう危惧さえ感じているところであります。企業誘致を打ち出してはいるものの、現実からはほ
ど遠く、誰が見ても企業が進出してくるとは到底考えられないのが現実であります。
昭和の関屋工業団地には、藤森や味の素等々が進出、そしてキャノンの保養所もできたり、そ
れ以外にも、いろいろな計画のある話を昭和村の議員に聞く中で、行政や議会の行動力に感心し
ているところでもあります。
そこで、以前にも質問してきた経過がありますが、工業出荷高等々については、他市に比べて
も相当低い基準であり、この金額を想定しても当管内ではあまりにも企業がない地域なのです。
市民の間でも、働く場所を何とかしてほしい、子供の就職を考えると不安で仕方ないとの話があ
ちこちで聞かれます。景気対策はいま本当に求められている重要課題と思いますが、どのように
考えているのか市長の見解をお伺いいたします。
次に、合併についてお伺いいたします。
2村との合併で役割の一つは果たしたと思っていると言われました。昨年2月13日、新生沼
田市が発足をいたしました。市長はいつも、利根沼田は一つと言っておられますが、利根沼田広
域市町村圏振興整備組合や沼田市外2箇村清掃施設組合、利根東部衛生施設組合での協議におい
ても、小さな自治体の集まりの会議で疑問を持っているのは私だけでしょうか。
無駄を省く、なくすことこそ我々議会も、首長も一つになって進めていくことが行財政改革と
思っています。今回の合併は、そういったことでは中途半端な合併であり、利根沼田が一体にな
って初めて合併の意味をなすものであり、これからの進め方が大事だと認識をしているところで
ありますが、市長として広域合併についてどのように考えているのかお伺いをいたします。
また、合併特例債の活用についてお伺いいたします。これは、合併による地域間の活性化のた
めには、国の支援が得られる最後で最大のチャンスかもしれません。これから先、起債について
は、自治体が自主的に発行できる協議制になるようですが、国では、新指標で格付けをされるよ
うなので、これからはかなり厳しくなるであろうと思います。
そこで市長は、以前から、これから協議していくとの答弁に終始していますが、次の選挙にお
いて公約を示すものと思いますが、この特例債で、地域の活性化につながる政策を期待している
市民は、数多くいると思います。先のみなかみ町長は、就任後特例債の活用を発表いたしました。
いい悪いは別にして、私はすばらしいと評価をしています。それはこの町をこうするんだという、
気迫や意気込みを感じるからであります。
そういった意味でも、首長が引っ張っていくという姿勢が、私もそうですが、市民も期待して
いるはずであります。特例債について、市長としてどのような活用が沼田市のためになると考え
ているのかお伺いをいたします。
次に、都市との交流事業について。国際化について、姉妹都市を軸とする国際化といっていま
すが、フュッセン市との軸というが、どのような国際化を進める考えなのかお伺いいたします。
また、姉妹都市提携をされている下田市があります。市長として4年間にいろいろと交流を深
めてきたものと思います。今年は、下田市とは40周年になります。私も議員になってから、下
田市の議員とは最低年1回の交流はあります。通算でも10回以上にはなると思います。ややも
するとマンネリ化してしまっていないかなと思うこともあります。他の交流事業においても、長
く続けると目先を変えたり、内容を精査してもなかなか脱却は難しいと思います。姉妹都市提携
が沼田市にとって、また相手の都市にとって市民のためになっているのか。また、市民が求めて
いるのかとなると、疑問視する声が大きく聞こえてくる中で、半永久というのはどうなのかと感
じています。ややもすれば、他の都市との交流の妨げになる危険性も含んでいるかもしれません。
多くの都市と文化交流やスポーツ交流、高齢者達の交流、子供たちの交流等々、いろいろな分野
の交流こそ、そしてそれぞれの多くの都市、地域の交流こそいま求められていると感じています
が、市長の見解をお伺いし、1回目の質問といたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、市長在職4年間を振り返って、市政運営について、まちなか再生についてでありますが、
市長就任当時、滝坂エレベーターなどの問題はありましたが、地権者や事業関係者等との事業に
対するコンセンサスづくりに努めてきたものであり、事業を行っていく上で必要な先行買収につ
いて平成15年度で完了し、平成16年度に沼田市中心市街地土地区画整理審議会を立ち上げ、
平成17年度には関係権利者の理解を得て一部仮換地指定を行い、建物移転に着手できたことや
街の景観について「ゆるやかな和」が活性化の会において基本合意されたことは、大きな進展で
あったと考えております。
今後、重点施策として進めております中心市街地土地区画整理事業につきましては、商業の活
性化を視野に、実行性の高い区域を絞り込み、具体的換地計画を進めるとともに、中心市街地街
なか再生関連事業の着実な推進を図っていくために、権利者組織である「沼田市中心市街地活性
化の会」や商店街振興組合、商工会議所等関係者との連携により、街のにぎわいを取り戻すため
に、事業を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
次に、景気対策についてでありますが、制度融資においては、小口資金で、平成14年度に融
資限度額の引上げや融資期間の延長を行い、さらに、小口資金、設備近代化資金、経営振興資金
の金利の引下げを実施し、拡充を図ってまいりました。また、中小企業者の資金繰りを支援する
ため、既往債務の借り換えを平成15年度から実施しております。
さらに、先ほど山議員からのご質問にお答えいたしましたことと、重複いたしますが、新技術・
新製品の開発等に伴う経費の補助制度の設置、また、国、県等の支援制度の情報提供などを行う
とともに、リストラ等による離職者やニートと呼ばれる若者などに対し、雇用企業に奨励金を交
付し雇用の充実に努めております。
次に、合併についてでありますが、本市は、平成15年1月10日に利根沼田1市2町6村に
よる利根沼田市町村任意合併協議会が、平成15年11月21日に沼田市と西部3町村による利
根沼田地域市町村合併協議会が、平成16年4月1日に 沼田市・白沢村・利根村合併協議会が、
それぞれ設置をされた経過の中で、平成17年2月13日に白沢村・利根村と合併をいたしまし
た。
この合併協議における新市建設計画では、新市の将来像を地域性を活かした「水と緑の大地・
田園空間都市」といたしました。この内容につきましては、利根沼田市町村任意合併協議で構想
した新市将来構想案を基本的に受け継いだものであります。
利根沼田地域においては、利根沼田広域市町村圏振興整備組合により消防事務等の共同事務処
理がなされており、社会経済活動等では生活圏はすでに一体化しておりますので、利根沼田は一
つであるとの不変の理念であることの観点に立ち、新生沼田市の将来像としたものであることか
ら、利根沼田地域における本市の果たす役割は大変重要であると考えております。
次に、合併特例債の活用についてでありますが、合併特例債は、合併市町村のまちづくりのた
めの建設事業に対する財政措置として、合併後10ヵ年度は、新市建設計画に基づく特に必要な
事業の経費に充当できるものであります。また、合併市町村振興のための基金造成に対する財政
措置として、旧市町村単位の地域振興・住民の一体感醸成のために行う基金造成に対して、充当
できるものであります。いずれも事業費の95%に充当でき、元利償還金の70%が後年度に普
通交付税に算入されるものであります。
合併特例債は、財源的に有利な地方債であることから、本市のまちづくりの指針となる第五次
総合計画において位置付けた事業を対象とするという考え方を基本としますが、18年度予算に
おいては、防災基盤整備事業、沼田小学校管理棟増改築事業、学校施設耐震化対策などに財源の
有効活用を図るための財源として計上しております。
今後につきましても、新市の一体性の速やかな確立や均衡ある発展を図る事業に有効活用する
ため、慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、国際交流及び姉妹都市交流についてでありますが、まず、フュッセン市を軸にどのよう
な国際化を進める考えなのかでありますが、世界はいま、加速する国際化の中で、お互いが依存
し合い、国境を越えて世界のある地域での動向が他の地域まで大きな影響を与えるようになり、
我々日本人も世界に通用する倫理やマナー、また教養や技術を身につけ、国際性を持つことが求
められております。
このような中、本市では平成7年9月、ドイツ・フュッセン市と「活発な交流を推進し、市民
や地域社会に幸福と平和に満ちた豊かな未来をもたらす。」ことを願い姉妹都市提携をし、以来、
教育、経済、文化などの交流を推進し、昨年は、提携10周年を記念し、多くの市民がフュッセ
ン市を訪れ、市民と親しく交流を行ったところであります。引き続き、フュッセン市を軸にした
諸外国との交流を推進することにより、市民の国際感覚を磨き、国際理解を深め、世界の人々と
共に生きる社会を目指してまいりたいと考えております。
また、下田市とは、昭和41年5月、「文化・社会・経済の交流により相互の理解と親善を深
め地域社会の発展に寄与する。」ことを目的に姉妹都市を締結し、以来、黒船祭や沼田まつり、
農業まつりやゑびす講、小中学生による絵画交換や海水浴・スキー交流等々、また、区長会、婦
人会、老人会など、いろいろな分野における様々な交流が行われ、本年、締結40周年を迎えま
すが、下田市との交流はすでに広く市民に定着し、ご理解をいただいているものと考えておりま
す。
議員ご指摘の、多くの都市や地域とのいろいろな分野の交流につきましては、地域間における
人的、物的交流がますます活発になる中、様々な都市や地域との連携や交流を深め、お互いの地
域特性を生かし、補完し合い活性化を図っていくことは、まちづくりにとって大変大切であると
考えております。
また、その交流形態につきましても、姉妹都市提携にこだわるものではなく、市民にとって有
益な交流を進めることが重要だと考えております。
以上申し上げまして、大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇24番(大竹政雄君) それでは再質問させていただきます。
私もまちなか再生については、3年前、15年の3月に実は質問させていただいているのです
ね。まだ当時は、先行買収をしている最中でありました。その中からいろいろな町の中の形態等々
で質問してきた経過がございました。そんなことをやっているうちにもう3年経ったわけであり
ますけれども、実はその次の年から先行買収が終わったと。これから区画整理事業に入りますと
いうことになりました。いま審議会の話が出ました。本来、一番やるべきことは何か。やはり住
民の皆さんといかに接触をして、この区画整理に対しても理解を得ること。そしてこの区画整理
がいかに早く終わるかということが私はいま求められていることだと思うのですね。その辺につ
いて市長の考え方、まずお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員の再質問にお答えをしたいと思います。
まさに議員がおっしゃるとおり、住民の皆さんとできるだけ積極的に接触をして、その合意形
成に努めていくということは全く論を待たないわけでございまして、そういうようなことの中で
一つずつ不安等を払拭して、そして理解を求めていくということ、これは見城部長をはじめとい
たしまして、関係部、課に積極的に常日頃申し上げてきたところでございまして、そういった意
味で一生懸命関係部課も取り組んでいるというふうに私は認識をしております。
◇24番(大竹政雄君) たぶんそういう答弁かなというふうに思いますけれども、実は何人か
の地権者からお話しを聞いてまいりました。なかなか話がないのだという話なのですね。区画整
理事業というのはすごく大変ですよね。田んぼ、畑でもあんなに大変なものが、このまちなかを
やろうというのは相当な労力が必要になるのだと思うのです。実はいま、見城部長の話が出まし
たけれども、見城部長が来てくれたので、非常に温厚な人だという話が出ました。その地域の方々
はあまりにも職員が変わりすぎた。これじゃあこのまちなかは進まんよという話も聞かせていた
だきました。これからどうしてもこのものを進めていくにはね、街なか対策部を作りました。さ
あ市民といかに交流を持つか。皆さんの意見を聞いているか。聞いた中で物事を決めていかなけ
れば、単なる区割りをしただけではだめだというふうなことを感じているのですね。だからいか
に職員が、同じ人が、何年かのスパンでやはりやらないとこの問題は片づかないと。ただあまり
何年もかかっては困るわけですが、なるべく短い期間で、地権者にいかに対応するか、私はこれ
が仕事だと思うので、これについてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がただいまの関係部課の関係について、落ち着いて、しかもある
程度地域と密着していかないとなかなかこういう難しい問題については乗り越えていけないとい
うことについては、全く同感でございます。やはりそういった流れの中にあって、先ほど見城部
長のお話しも出ましたけれども、そういったことについては、微細に努力をしてきている経過を
私も見ておりまして、よくやっていただいているなというふうに思っております。ただ間違いな
く言えることは、市の行政の組織体の中にあって、大竹議員がご指摘のとおり、ややもすると組
織の中で変わっていたという感が否めないとすれば、それは今後反省して、そういったことがな
いように、これから議員がご指摘していることについて、十二分に受け止めて努力をしていかな
ければならないと、こういうふうに思っております。
◇24番(大竹政雄君) いまそういったことで職員の対応が一番大事だというふうに思います。
これからも当然進めるわけですが、もう2年経ったわけですね。2年経つとその金額というのは
莫大な金額ですよね。実は、施政方針の中で費用対効果がうたってあります。費用対効果という
ものは、まずお金をあまりかけたのでは意味がない。2年、あるいは3年ということになると、
職員が10人行っているわけですから。1年に1億という単純にお金になるわけですよ。だから
いかに縮めていかなければいけないかということを認識してもらわないと、要は、費用対効果に
なればもうこれは絶対アウトの話なのですね。だからその辺のところも十分に頭に入れながらや
はり進めていくべきだと思いますけれども。その辺はどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。まさにそういうことは、私ども
行政運営上本当に重きをおいて受け止めなければなりません。できるだけ早くに本事業を進めた
いということの中にあって、先ほどお話しのとおり、地権者等の関係等についていろいろと努力
をしてきている経過の中で今日を迎えているわけでございますけれども、おっしゃるとおりでき
るだけ、とにかく速度を速めてですね、本事業が一歩でも前進するように、今後引き続き努力を
させていただくつもりでございます。
◇24番(大竹政雄君) わかりました。このまちなか再生は大変難しい事業だと私は思います。
前任者から引き継いだわけでありますからもうやらなければいけないということは当然見えてい
るわけですから、ここのところはしっかりとやっていただきたいというふうに付け加えておきま
す。
当然、前回、施政方針の中にも迅速の対応ということも書いてございます。当たり前の話だと
思いますが、各地域の方々が、いまこういうことを知りたいのだということをまず把握すること
が仕事だと思うのですよ。そういう方もいました。だけどどこに行っていいかわからないという
話。そういった対応もぜひね、見城部長そこにいますから頭に入れながら対応していただきたい。
間違いなく毎日、地権者に頭を下げに行く、あるいは伺うというようなことが必要だと私は思い
ますよ。じゃなければ間違いなくこれは進みません。私は一回、実は道路を作るときに地権者と
いろいろな所で話をしたことがございます。本当に、毎日、話に行くのですね。1回行ってだめ、
2回行ってだめ、3回行って何とかという話なので、本当にそういった気持ちを強く持ってやら
ないと私はもっとすごい話なのだというふうに思っております。ぜひその辺のところをお願いを
しておきます。それではまちなかについてはそれで結構だと思います。
いま景気対策の話をさせていただきました。答弁をいただいたのが私と全然違う話になってし
まったものですから、いま資金の話、中小企業の場合はいろいろな問題が出ていました。それか
ら開発の補助をするのだという話が出たのですが、実は市長に、一番初めになったときに、やは
りこの景気対策の話をさせていただきました。そのときには企業誘致の話をしているのですが、
必要だと思うがなかなかこれは難しいという答弁なのですね。これは私が14年に質問した時の
経過なのですが、そのときに市長は、第一次産業がこれからは活性化していくだろうという答弁
をいただきました。さあ第一次産業でこれからこのまちがどれだけ活性化するかというのは、私
は実はクエスチョンなのです。やはり今は、前任の議員もそうなのですが、我々は企業人なので
すね。企業というものがどういうものであるかということを考えるときに、私も昨日から農家の
話を聞かせていただきました。なかなか大変難しい問題たくさんあったのですが、さあ我々はい
ま、この企業誘致というものが本当に大事なのではないかなということで実はこの文章書き上げ
たのですが、どうも違っている方向が出てきている。そのときに、私はもういま市長がそのもの
を打ち出さなければ、例えば第四次総合計画取り残しなどとこの文章では、企業誘致強めに大切
だというふうに書いてあるのですね。だけれどもなかなかそれをやっていない。これは4年間、
市長は見ていましたけれども、やっていないのです。やはりトップが命令形を出さなければ、企
業誘致だとか企業に対する考え方は変わっていかないと思うのですね。それについて市長の考え
方、もう1回教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 企業誘致の問題でありますが、先ほど前任者の方も熱心に論議をして
いただきました。私どももこれに向けては経済部を中心にいろいろと努力をさせていただいてい
るわけでございますけれども、なかなか実を結ばないのが今の現実でございます。そういった中
で、今回、議員のご質問の答弁に当っての、当然いろいろと内部で打ち合わせがございますので、
やる際に、やはり今日、午前中出ました、例えば白沢のところに存在する某大手電機メーカー等々
の、いわゆる現実にある内部の有力なこの企業に関しても、しっかりとまずアプローチをかけた
り、そういうようなことでもってただ外にだけ攻め入ることだけでなく、それも勿論当然大事な
ことですが、内にあるところについても、いろいろとそういう関係機関のところにも足しげく運
び、そしてまた逆にそういった方々からもノウハウをいただくような、そういうことについて実
は内部で本質問等打ち合わせをする際に、各部長に指示をし、新年度にあってはそういうような
ことで積極的に進んでいかなければならないよというようなことは強く申し上げさせていただき
ました。と申しますのは、合併をしてから以降、白沢と利根が一緒になったということによって、
兼ねてから存在しておった白沢の、尾合地区にある某大手電機メーカーの会社等は、私も兼ねて
からよく承知しておりまして、外国にも工場があったり非常にすばらしいものがございます。そ
ういうようなところをとらまえて見たときに、鬼石等に本企業が行っているようなことも承知を
しておりまして、そういうようなことから考えると、内の中にあるそういった大手の企業に対す
るアプローチ、さらにご指導もいただく、そしてさらに、外にも向けていく。やはり袖をすり合
わすのも何かの縁ではございませんけれども、何かのとっかかりがないとなかなかその辺のとこ
ろは難しいと思っておりますので、いわゆる今回、議員がご指摘のとおり、質問の答弁をいろい
ろと内部でする際に、そういうようなことを強く関係部長に指示をしたところでございます。ま
た私も、新年度に当っては、そういった強い意志でもって望んでいくつもりでございます。
◇24番(大竹政雄君) いま、なかなか実を結ばないというお話しがございました。やはり結
ばないのはやり方だと思うのですよね。で結ばなければ何をするのかということ、現実にね。変
わらなければ変えようじゃないですか。それがないのではないですかということなのです、私が
言いたいのは。午前中にも実は横塚の話が出ました。あそこの工業団地を作ってもだめだろうと
いうのが大半の意見だと私は思います。もう世の中は動いているのですよ、動いている中でです
よ、いま沼田でどこが一番いいか。私が思うにはですよ、これは提案ですけれどもね。私は下の
17号だと思う。何でそれがいいかと。やはり道路アクセスですよ。道路アクセスでお金がかか
らないのはあそこですよね。建設省で。真っ直ぐそのまま行けば月夜野なのですよ、インターま
でね。ということを考えるときに、あの17号のバイパスができたということは、いまの沼田市
が考えるべきところは私はあそこだと思いますよ。そのくらいのものの考え方を変えていかなけ
れば、いつまでも固執しても無理だと思います。横塚にそれではさっき道路の調査をするという
話がでました。あそこからインターまで10億やそこらではこれはできませんよね。あれから人
の土地を広げて出てくるのかもしれませんけれども、これは10年やそこらではできませんよ、
いまの状況だと。そういうことを考えるときに、もうこれだけの行政の方がいるのですから、い
まどこが一番いいだろう。どこがベターなのだと。どうにして変えたらいいのだろうと、もうそ
ういう時代だと思うのですよ。やはり物事の見方をいつも、いつも違うふうに見ていかなければ、
私は遅れる一方だと思うのですが、その辺市長どうですか。
◇市長(星野已喜雄君) 行政を担当する立場からすると、かつての時系列もあってですね、非
常に地域の方々やあるいは関係の方々と調整をしてきたとのこともございまして、議員がおっし
ゃるように新しい展開をなかなか切り出せないということも、これまた悩みの種としてあるわけ
でございますけれども、今後いただいたことについて、確かに現実に国道17号沿いにはご案内
のとおり大手の建材メーカーがございますので、そういった意味では議員が言っていることは、
全くそれは当っているかなというふうな受け止め方をさせていただいております。いずれにいた
しましても、先般、そういったことも含めて、とにかくこれから先々については、ある程度そう
いった節目、節目のところで、キリッとした形の中でいかなければいけないのではないかという
ようなことで、私の方から進言をさせていただいたわけでございます。ただ、ご案内のとおり結
果がなかなか出ていないので、議員には大変ご心配をいただいているわけでございますけれども、
今後ともよろしくご指導のほどをお願い申し上げたいと思います。
◇24番(大竹政雄君) 皆さんが考える場所はまだまだあるのかなというふうに思いますよ。
でもやはり皆で英知を結集しなければ、これから財政は厳しいという話をしているわけですよ。
それをしている中で、いま一番お金がかからなくて、一番場所がいいのはどこかというのをまず
議論することも私は大事だと思うのですね。17号は別にしても。前回、沼須の話が出ましたけ
れども、基本が間違っているのではないですかと、私は言いたいのですね。何をするときに、何
を考えるべきかという基本が違っているような気がしてしょうがないのです。今回もそうなので
すが、実はこれから企業に回りますよということで、専門員を配置するということがありました
ね。専門員が4年間、同じようなことをやっていたのでは変わらないのですね。変わらなければ
変えなくちゃだめですよ。いまは、大企業もそうですけれどもヘッドハンティングですよ。要す
るに優秀な人を引っ張ってくる。そして会社を立て直す。もうそのくらい世の中は変わっている
という話なのですね。だからこれも、あれも同じことをやって変わらなかったらやはりどこかで
変わらなくてはいけない。それが100万だか200万だか、あるいは1,000万かかるのか
それはわかりません。でも100万の人が10年かかるよりは1,000万の人が1年で終われ
ばそっちのがいいわけでしょう。極端に言えばそういう話なのです。だから専門員さんをただ付
けるのは結構だけれども、本当にこの人は大丈夫なのかというのをまず吟味しなければやってい
る意味はないのではないかと思います。それについて市長どうでしょう。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後1時59分休憩
─────────────────────────────
午後2時09分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えをしたいと思います。
大竹議員、やはりスピードを速めるために、戦略をしっかり持ってかかれというような、こう
いうお話しかと受け止めさせていただきました。行政の持っている立場というのは、なかなか企
業の観点のようなわけにはいかない場面も多々ございます。同時にまた、現場にかかわってきた
職員の方々も本当に涙ぐましい努力もしてきたという経過もございまして、そういう意味で、そ
ういった努力をまたしっかりととらまえた形の中で、いま議員がご指摘されたような事柄等につ
いても、いろいろな角度から分析をさせていただきまして、今後の参考にさせていただきたいと
存じます。
◇24番(大竹政雄君) ぜひこれはお願いをしたいと思います。やはり見方をもう少し変えて
もらうと、市長として4年間、いろいろな形の中で質問させていただきました。今日は7回目だ
と思いますけれども、大体その中で、今まで質問したようなことばかりやってきているのですが、
なかなか自分が言ったこととなっていかない。もうちょっとあのときやっておいてくれたならと
いうことがあるのですが、なかなかそれが進んでこなかった。これが4年間ですね。当然、次回
というか、これから選挙があるわけでありますけれども、私どもはそういったものを非常に求め
ていたのですよ。変わるんだろう、変わるんだろうというふうに思っていたのですね。やはり物
って変えなければだめなのだという先入観、物の考え方、実は3、4年前、スクラップ&ビルト
という言葉が非常に出てきましたね、いろいろな文章の中に。スクラップに早くしなければだめ
なのだということをうんと言われた時期がありました。この頃、その言葉があまり出てきません
でした。やはりそういったことは、もうだめなものはだめ、いいものはいいということをどんど
ん改革していかないとこれはだめだというふうに思うのですね。その点が私は非常にはがゆかっ
た一面なのです。だから次回はというのは変な話なのですが、非常に期待しているわけなのです
けれども、そういったことがどうも通じていなかったかなというのが残念でならなかったという
ことなのですね。ぜひその意味で景気対策、これは本腰を入れてやっていただきたいというふう
に思います。
次は、合併の話でございます。実は合併の話の前に1回質問をさせていただいている経過がご
ざいます。これは15年ですからもう3年前なのですが、当時をひっくり返してみたら、まだ全
体の合併、法定までいかなかったのですね、合併協議会。当時を振り返って、先行合併もあり得
ますかということを私がたまたま質問したのです。そしたら市長は、1市2町6村、間違いなく
それでやりますという答弁だった。くしくも先行合併になってしまったのですが、当時から我々
が、合併という意味、全部がくっつかないとやはり意味がないだろうというのが、あの当時の我々
の委員もそうだったのですね。その意味をやはり取り違えてしまうとこういう問題があるかな。
ただ、まだまだこれから先の話ですから、今は第一段目だというふうに思います。でもこれが何
らかの形で次の段階に進まなければ、私はこんな10万も満たない都市がこんなにいくつも分か
れても絶対意味がないと思う。そういったことの観点から、実は合併特例債などもそうなのです
が、実は合併しなかったから線は絶対くつけてはだめだ、そうではなくて、しなかったところで
もやはりそれに対して将来、こう絶対必要な道路だよということになれば、それは合併特例債を
使ってでもやるべきだという人はいるのですね、現実に。私たまたまインターネットでちょっと
そんなものを見たのですが、それは話が別なのですけれども、要は、これから広域合併、もう少
し進めなければだめだということを私は強く思っているのですが、これについて市長どういうお
考え方を持っているのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思っております。
議員ご指摘のとおり、今回のこの合併問題は、平成15年の1月の10日に任意合併協議会が
スタートいたしまして、紆余曲折をいたしまして、昨年の2月の13日、白沢、利根との合併に
こぎ着けたわけでございます。結局、いろいろな経過の中で、各市町村長ともいろいろな思い入
れが出てくるようでございまして、私ども水面下では1市2町6カ村が一緒になれるように、本
当に努力はいたしました。現実に途中の行き違い等があったことの調整も十重に、八重にもした
つもりでございます。ただ結果的に、こういうことになった以上ですね、1市1町3村の利根沼
田の広域圏でもって、現在、そういう行政体で進んでいるわけでございますけれども、いずれこ
の1市1町3村は、議員がおっしゃるとおり一緒になって、利根沼田が一体となれる日が、あま
り向こうに行かないうちに訪れるのではないかと私自身は認識をしております。と申しますのは、
私どもも新年度の予算を組む際に、大変交付税関係で苦慮いたしました。これはきっと周辺1町
3村も同じような悩みを持っていると思います。他の町村のことについて私どもが言及する立場
ではございませんので、こういった公式の場でございますから、一切ふれませんけれども、議員
が個人的にお話し合いをする機会があるとすれば、町村の現実に抱えている実態を、私はある程
度承知するつもりでございます。そうなりますると、必然的に利根沼田の中核都市、つまりもう
すでに利根沼田の人口9万6、7,000でしょうか、その中の5万5,000弱、全体で約6
0%強の人口を持ったということになると、今までと違って、今までは4万7,000で2町6
カ村が、5万1,000か2,000あったと思います。それが全く逆な形になりましたので、
利根郡下の人口が合わさっても、現在の沼田市の人口には追いつくことができません。ですから
必然的に地理的な要素を考えても、議員がおっしゃっているような状況が、あまり向こうに行か
ないうちに話題になってくるだろうというふうに見ております。と申しますのは、国の方の指導
もやはりそういった流れがございまして、道州制の論議などもいま国の方で囁かれておりまして、
そういった意味では、いずれまたそういうときが来るのではないかと私自身は分析というか、展
望しております。
◇24番(大竹政雄君) 実は広域圏の、たぶんこれは市長の方針だと思います。当然これにも
うたってございます。やはり合併していかなければいかん、国、地方はそういった行財政の簡素
化をしなさいということで来ているのだと思います。実は私もいくつかの、要するに二箇村ある
いは広域圏等々で会議に行きますけれども、本当にこれはもう一つになったら全然問題はないの
ではないかみたいなで、負担金の問題等々あったり、そして、あそこに何で職員をあんなに置い
ておかなければならないのだとか、もっと本当にね、一緒になったらこんなに効率が悪いものを
何で置いておかなくてはならないのかと感じると思うのですね。私はたまたま行ったから感じて
いるのですが。本当にあれを見るときに、やはり広域合併、これはもう間違いなく必要ではない
か。これは例えばいま、片品と2カ村をやっていますよね。あれなどもそうなのですけれども、
もうあの施設などについても老朽化されている。こういった問題も絡めながら、やはり一つ一つ
前に進まないと何か無駄なお金を使っていくだけで、全然行財政改革になっていないなというの
が本当にこの1年間の感想なのです。市長、その辺に関してはどうでしょう、広域圏に関して、
あるいは2カ村等々について。
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員の再質問にお答えしたいと思います。
議員がおっしゃるとおり、合併すればそういった事業が悩まずに済むわけでありますが、しか
るべき自治体として、それが独立しているときにやはり隣接の行政体と連携して仕事をしていく
ということの流れというのがありまして、いまを迎えているわけでありまして、いずれにいたし
ましても、そういったことについては思いますると、合併をした方が合理性が高まるなというふ
うな認識は全く同感でございます。
◇24番(大竹政雄君) ぜひそういった形の中で、これから一つ一つ努力していただきたいな
というふうに思います。
合併特例債の話なのですが、市長前々から皆さんと協議、あるいは意見を聞きながらという話
があったのですが、実はこれから起債については協議制になるということで、早々簡単には起債
が起こせなくなる時代が来るのだろうというふうに思います。特にこれから10年後、これはい
ま10年間の間に合併特例債が使えるということでありますから、これを使わないと、もうほと
んど次のときに、ややもすると起債が起こせなくなるくらい厳しい状態があるのかなというふう
に思っております。国の方もランク付けをするとA、B、Cという、1、2、3かちょっとわか
りませんが、たぶん私ども3番目、一番悪いところに来るのだろうと感じます。それはこの形態
をよくわかっていないと、つまり合併特例債をいかに有効に使うかということが、一生懸命考え
ていかないと逃がしてしまったら私だめになってしまうのではないですか、ということで今回質
問させていただいているわけでありますけれども、これに何を使えではなくて、いま本当に有効
活用をこの10年間でやらなければいけないということをしっかり伝えていきたいなということ
で質問しているわけですけれども、市長その辺についてはどのような考え方を持っているかお聞
かせください。
◇市長(星野已喜雄君) やはり与えられた有力な財政であると思っておりますので、当然これ
を有効に使っていかなければならないと思っております。先ほど申し上げましたように、本年、
つまり新年度におきましては、防災とか、あるいは学校、学校の耐震関係等に手当をさせていた
だいているわけでございますけれども、この合併特例債も、また一方においては起債であるとい
うことについてはもう間違いないものですね。あまりそこに対する期待を過度に持つということ
は、やはり慎重にならざるを得ません。ですから戦略的に、これはもう必要だなというところに
ついては、議員がご指摘のとおり、やはり十二分な手立てをしていかなければならないのではな
いか、こんなふうに思っております。
◇24番(大竹政雄君) わかりました。当然これも起債で、借金でありますから当たり前の話
なのですね。先ほどそういった第1回目の答弁のときに説明をいただきましたけれども、95%
のうちの70%は国からという話もあるわけです。それはもうみんなわかっていて話をしている
わけでありまして、要はもう本当にこれが10年後にひょっとしたら起債ができなくなってしま
うのではないかなということが、私なりに考えたときにそれを言っているわけでありまして、そ
れはそれでいいのですけれども、やはりこの起債の使い方、要はこの合併特例債の使い方、本当
に、真剣に皆さんと協議をしていただきたいというのが私の考え方でありますので、よろしくお
願いをしたいと思います。
さて、最後になりますけれども、都市との交流の関係であります。実はフュッセン、下田とし
ておりますよね。一般の方々から、フュッセンに行っている人が特定の人だけではないかみたい
な話があるわけですね。当然、我々議員も行ってきた経過がございます。役員さんも行ってきた
経過があると。さあ、それを市民の方々がどういうふうに恩恵を受けるかという話なのですね。
フュッセンとの交流は確かにいいのですが、確かに先ほど説明いただいたのはよくわかります。
でも本当に一般的な人が、この交流事業に対して何か恩恵があるものかというとほとんどないわ
けですよね。と言った疑問点が必ず出てくるのだというふうに思います。実は、あるインターネ
ットなどでいろいろな話を聞いていきますとね、行政がやってきた経過がありますけれども民に
渡してしまうという話なのですね。行政が、例えば一緒に当然10周年、20周年あるわけです
けれども、例えば市長が行くときには当然、私費で行くということ。我々議員が行くときには私
費で行くと、そういう形の形態をとっているところももう出始めたそうです。そういったことを
考えると、市民の方々もそういった意見があってしかるべきだなあと私は思うのですね。それで
今回、これをあげたのですが。市長、その辺についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
昨年の秋でございますが、国際交流協会、前市長を中心といたしまして多くの方々が、まさに
民間の立場でフュッセン市に伺って、国際交流を深めてきたところに私も現場の立場からやって
まいりました。大変歓待を受けまして、まさに議員がおっしゃるように、民間レベルの方々と言
ったら大変語弊があるかもしれませんけれども、主婦の方であるとか、いわゆる普通と言ったら
語弊がございますけれども、一般の市民の方々が多く参加をしていただいて、いま議員がおっし
ゃるような流れになっているのかなというふうに思っております。
◇24番(大竹政雄君) ぜひそういった形の中にいった方がいいのかなというふうに思います
ので、よろしくお願いしたいです。
さて、今年は下田と40周年の事業が当然行われるわけでありますけれども、実は下田の場合
は非常に遠いのですね。私は利根町さんの昨年の、少年野球の交流事業で府中に行ってきた。府
中は2時間くらいで行けるのですね。実はすごく歓待を受けたのです、向こうに行って、びっく
りするくらい。こっちは子供が15人位しか行かなかったのですが、父兄は15人位いた。向こ
うは200人位の生徒がいて、100人位の父兄が待っていてくれる。それは商工会としてお互
いに交流されていると思うのですが、非常に府中市の歓迎が、私はびっくりしたのですけれども。
たまたまその中にも議員さんがおりました。仲良くさせていただいたのですが、やはり交流とい
うのはもっと近い所がいいよねという話をしながら。私どもが実は下田と言ったら、あっ下田は
遠いよねという話が出たのです。なかなか朝行って、何かをして夜帰ってくるというわけにはい
きませんよね。だからそういった意味では、少し遠いかなというのがもう本当に皆さんの認識で
はないかと思います。その辺のところがこれからどう下田市と友好関係を結んでいくか。これほ
ど遠いと何かもうちょっと違うもの。例えば市民がサービスを受けられる。1泊したら3,00
0円の補助をあげますよとかね、そんなようなことも考えて行かなければ、あそこまで交流に行
けないのかというのがあるのですけれども。要は、一般市民の人達があそこと交流をして、よか
ったな、いいねという話にならないとやはり交流事業というのは非常に難しいのではないかなと
思いますけれども、これについて市長どうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 下田市との姉妹都市の関係については、先人の方々の並々ならぬ努力
があってこれが結実し、しかも40年という長きにわたって深い縁を結んできたわけでございま
して、そういう意味では大変先人の方々がご努力されたことに対して、後輩の私の立場からする
と敬意を表するのみでございます。そうした中にございまして、やはり私の承知している範囲で
は、昨年夏のお祭りのときに、グランドゴルフの方々が民間レベルで訪れたり、秋になったかと
思いますが、老人会が下田を訪れたり、また先般、利根町の区長会が下田に訪れたようでござい
まして、着実な下田市との交流は円滑に行っているようでございます。ただ先ほどお話しのとお
り、姉妹都市というこの言葉のもう一方におきましては、親善都市もあるようでございまして、
利根町が府中市との関係があったというようなこと。あるいは今回ずっと話題になっている新宿
区の区長が本市の出身であること等を思うときに、交流事業というものは、また今までのフュッ
セン市、下田市等の関係とはまた別な角度から物事をとらまえていくことが必要な時期なのかな
というふうなことを感じとっております。
同時にもう一つは、先ほど企業誘致のところで大竹議員が、もう少し戦略を持てというお話し
がございましたけれども、実は下田市がご案内のとおり萩市とも関係があるわけです。何か萩市
と前橋市は親戚関係になっているようでございます。また、この下田市とニューポートが、これ
また姉妹都市を結んでいるようでございます。そうしたことを思いますと、何かの時期にそうい
った各関係の、縁戚関係の交流というのか、そういうことをどこかで作り上げていくようなこと
をすると、要するに親戚の親戚が従兄弟になったり、はとこになったりするわけでございますけ
れども、そういうようなことも新しい時代を迎えた、しかもグローバリゼーションの時代でござ
いますからやはり大切なのかなと思っておりまして、実際今回のこの答弁をいろいろと論議する
中で、そんなことも実は内部では論議をした経過がございます。下田市が萩市と姉妹都市、萩市
が前橋市と関係がある。下田と萩市の関係は、吉田松陰が間を取り持っていると思いますが、萩
市と前橋市はどういう関係だかわかりません。それから下田市とニューポートは、ペリーがニュー
ポートの出身ということがそういう経過があるようでございます。ですからそういったことをい
ろいろととらまえていくと、従兄弟になったり、はとこになったりするようなこともやはり考え
ていく中で、どこかの場所で一堂に会せるような、そういう場面を作っていくというようなこと
によって、姉妹都市の事業がもう少し、一段別な角度から物事をとらまえるようなことが考えら
れるかなということをいま思っているところでございます。
◇24番(大竹政雄君) それも確か昨年、黒船祭が150周年記念だったですかね。萩市なん
かも一緒にねいて、従兄弟同士だねなどという話をしながら夕食の懇談会をやった記憶がありま
す。それはいいとしても、一般市民の方々がこの交流事業によって受けられる恩恵というものが
私はうんと大事なことだというふうに思う。その辺のことをしっかり考えた故で次の段階に行く
のなら構わないのですが、それがないうちにそれをやってしまうとやはりこの問題は払拭されな
いということなのですね。ぜひそんなことも頭に入れながらやっていただきたいというふうに思
います。
実は、この都市との交流というのは、私はこれからはもっとどんどん、どんどん進めるべきだ
ということで実はやりたかったのですね。商工会だとか、要するに民の立場で交流をしたときに、
何か行政としてお手伝いをしていくのが一番いいかなということなのです、実は。さっき利根町
の話をさせていただきましたが、府中はそうなのですね。商工会の関係でやったと思うんです。
振興局がいるからわかると思うんですが、あれなんかみたいなところで行政が外でちょっと応援
してやれるといいなというのがうんと感じられるのですね。それはどんなことか。例えばバス1
台出しただけでも大変に喜ぶんですね。お金を負担するのではなくて、要するにそういう交流事
業を広げることによってね、いま沼田市として何ができるか。この辺のところはうんと大事だと
思うのですよ。お金をかけるというのではなくてね、できるもの、交流を、あるいは子供たちの
交流をこういうことをしたいのだと。こういうことをしたいのならこういう応援をしてあげます
よみたいなね、そういったところまで膨らませて考えていただけるとありがたいなというふうに
思っております。その辺いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
都市との交流を民の立場で進めるということは、全く理想なことでございまして、ぜひそうあ
って欲しいと思います。行政がその後押しをしていくということ、これも当然かと思っておりま
す。ただきっかけづくりのところでは、やはり行政のところがある程度水面下の結びつき等の段
取りをせざるを得ない場面があろうかと思いますが、すでに軌道に乗っているところについては、
まったく民が表に出て、公が後押しをしっかりしていくということが理想だと思っております。
◇24番(大竹政雄君) ありがとうございました。私の質問内容、これで全て終わりました。
私も市長には4年間、いろいろな提言をさせていただきました。苦言も言ってきたかもしれませ
ん。いろいろとお世話になった中で、ああやっぱりすばらしいなというものを痛感しているとこ
ろでございます。
ただ、いま世の中、本当に難しい時代かなというのは、当然、皆さん議員でも当然思っている
と思うのですが、これからまだ10年間というのはもっとすごい時代が来るのかなというふうに
思います。そういった意味では我々は一つでも、この沼田市のために少しでも前に進むように我々
提言していきたいというふうに思っております。当然それは、市長はこれだけのメンバーから吸
い上げていくわけですから、やはりそれなりの物を持った人がこれからやっていかなければなら
ないのだと思っております。そういった意味で再度挑戦するわけでありますから、我々も大変期
待をしていきたいというふうに思っております。その辺について、最後に再挑戦の思いを聞かせ
ていただきまして、一般質問を終らせていただきます。
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員から、またいろいろと含蓄に富んだご質問、ご激励をいただ
きました。議員はやはりいろいろな経過の中で、企業人としても大活躍され、そして私が兼々思
っていたのは、社会教育等にも熱心で、しかもPTA活動等も熱心にやられていた方であるとい
うふうに思って、日頃、尊敬を申し上げていた一人でもございます。そういった形の中で、この
4年間いろいろな意味でご示唆をいただきました。特に私どもが及ばないところの範囲について、
建築の専門の立場から、非常に含蓄に富んだご質問、ご指摘を多々いただいていたということに
ついては、私どもも感慨深いものがございます。今日も大変厳しいご叱咤、あるいはまたご質問
がありましたけれども、ご案内のとおり、このご指摘いただいたことにつきましては、先ほど来
申し上げましたように、幹部には答弁作成する時点に当って、極めてお互いに意見交換をしてお
答えをさせていただいたつもりでございますけれども、ぜひともこれからもご指導いただきなが
ら、議員のご指摘に応えるように努力をしてまいりたいというふうに思っておりますので、よろ
しくお願いを申し上げまして、答弁とさせていただきたいと存じます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、真下恭嗣議員。9番。
〔9番 真下恭嗣君登壇〕
◇9番(真下恭嗣君) 通告しましたとおり一般質問させていただきます。
今日の私の質問は、1、新市建設計画推進について。2、街なか再生についてであります。
新市建設推進についてでありますが、市長はかつて、合併前の議会において、新市のイメージ
を「エコミュージアム」と表現されたことがございました。私も、新沼田市のような、中山間地
域における地域再生を図るには最も有効な方法の一つであると考え、関心を持ってまいりました。
「エコミュージアム」とは、旧沼田市が提案されたフィールドミュージアム(野外博物館構想)
を発展させたものと思います。その違いの特徴は、フィールドミュージアムが奈良古墳群や荘田
城址、小沢城址など遺跡、史跡を整備し、訪問者が地域全体を博物館として体験し、学習するこ
とだけに対し、エコミュージアムは対象が、遺跡、史跡など形あるものに限定されず、無形文化
財等も生かした活動や動植物の保存、育成活動など、その地域に存在する価値あるものを有形、
無形を問わず対象としているところです。もう一つの特徴として、活動の中心が地域に係わりの
ある住民の主体的参加にあることです。すなわち、行政と学芸員などの専門家だけが主体的な役
割を担った従来の博物館ではなく、行政と専門家の支援を得た、地域住民が主体となって運営協
議会を組織し、必要なテーマごとの委員会で検討し、運営していくことにあります。
新沼田市を振り返りますと、対象となる地域資源がずいぶんあることに驚きます。具体例をい
くつか紹介いたします。利根町では、日本最南端の曲家である鈴木家住宅があります。脈々と続
いてきた日本の伝統的建築物、そこでの生活様式、あるいは水車を活用した生産活動などを学芸
員を中心に地域住民が研究、学習し、訪問者を含め広く伝え、子供の教育を通して後世の住民に
伝え、引き継ぐことに大変意味があると思われます。
芸能、文化分野では、白沢町の平出歌舞伎、生枝の獅子舞、沼須町の沼須人形芝居、沼田祇園
囃子などがあげられます。これらは長い歴史の中でリーダーを中心に地域住民の活動によって山
あり、谷ありの中で引き継がれてきました。自然環境分野では、ホタルの再生育成に向けて長年
にわたり、地道に生態環境づくりに取り組んだ結果、成果を出しているグループが利根町と上久
屋町にあります。また、玉原ブナ林、湿原の環境保全や来訪者へのガイドを行っているグループ
もあります。
食文化においては、そば作りや酒づくりが、この地域において長く培ってきた固有な文化とし
てあげられます。このほか、この地域において独特なもので、長年引き継がれたものはまだまだ
たんさくあります。新沼田市の地域文化資源は豊富であり、それを支えている住民の人たちも相
当数いるのは間違いありません。
今後の方向性として、まずは従来ある物や事に対して、より一層活動が活発化し、光輝けるよ
う支援することと、それぞれを結ぶネットワーク体系を作ることではないでしょうか。地域住民
が、地域にある価値あるものを大事に保存し、育てていくことにさらに自信と誇りが持てるよう
になれば、地域が輝くのは当然であり、結果として、多くの観光客が何度も来ることになると思
います。
さらに、新たに付加すべき検討課題として、ネットワークの中心機能として、様々な精神文化
の核として沼田城の復元があると思われます。市長の「エコミュージアム」についての基本認識、
また、沼田市における「エコミュージアム」について、そしてまた、今後のエコミュージアムの
方向についてご意見をお伺いいたします。
次に、街なか再生についてお伺いいたします。
まず、土地区画整理事業についてですが、ここにきてようやく関係者の苦労が実り始め、第8
街区を始めとし、先の見通しができつつあるように聞いておりますが、現在の進捗状況について
お伺いいたします。併せて、今後の見通しと課題についてお伺いいたします。
やさしさの核、にぎわいの核についてですが、少子高齢化社会がますます進んでいく時代背景
にあって、次世代育成の観点からは、児童館の設置活用が急務と思われます。高齢者対策として
は、高齢になっても、障害があっても、街なかに住み続けることができ、街なかで生き生きと暮
し続けることができるような公共住宅、高齢者生きがい施設、ふれあい交流ロビーなどの居住環
境が必要だと思いますが、市長のご見解をお伺いいたします。
交流は、21世紀のキーワードの一つであります。世界的に交流人口が増え、多くの人々が移
動し、新しい文化や経済が生まれるときであります。沼田においても、街なか内部だけの交流で
なく、多くの訪問者に対し、広く開かれたものにすることによって交流することで、何か学び合
ったり、やすらぎを得たり、新しい何かが始まるような気がいたします。グリーン・ツーリズム
やアーバン・ツーリズムが言葉としては数年前から言われていますが、街なか再生は、アーバン・
ツーリズム、すなわち都市観光の観点からも検討する必要があると思われます。訪れる人々は、
その地域ならではの街の独特な「空気」を感じたり、味わったりして、体感することを楽しみに
してきます。空気とは、その地域が長年培ってきた歴史であり、文化であり、住んでいる人々の
生きざまであります。姉妹都市のフュッセンをはじめドイツロマンチック街道沿いの都市には、
みなよい空気があります。建造物、看板標識をはじめとする景観を中世より大事に守り、育てて
きた人々がかもし出す歴史の重さを伝える重厚な文化の空気があります。日本でも、白川郷や郡
上八幡をはじめとする諸地域では、同様に担っている住民も含めて空気を感じさせます。沼田の
街なかは、先人たちの歴史の上にあります。白沢用水を沼田氏が導き、川場用水を真田氏が導く
ことから城下町が形成されました。もう一度、原点に立ち返って街なかを見直す時だと考えます。
城堀川を人間の血の流れに例えれば、街の血流としてとらえ、その血を活かした城下町風な街並
みを構想していくのはどうでしょうか。沼田に残されている歴史建造物をまずは最大限に活用し、
次にその延長線上に、精神的、文化的な拠点として沼田城の復元も検討するのは当然のことと思
います。観光協会のアンケート調査の結果、その6割近くの市民が賛同したとのことです。街な
かのコンセプトとシンボルを一体として検討すべきと考えます。
これらを推進する手法として、先に述べたエコミュージアム式にする以外に成功はしないと思
います。すなわち城堀川や生方家住宅や沼田城にしても、行政主体で全て行うというやり方では
なく、地域住民が主体となり、運営協議会を組織し、行政と専門家の支援を受けるというやり方
でなければ持続的発展はあり得ません。地域住民が学習し、住民意識を強く持ち、子供達にも教
育し、継承していく仕組みの確立が前提となるでしょう。地域住民が熱心に取り組み続ける姿は、
街の顔となり、訪れる人は何度もその街の顔に会いに来るに違いありません。
地域住民主体による街なか再生を、いまできることから一つ一つ実現し、より充実した住民に
よる組織実態を目指して情報の提供や場の確保など行政にできる基盤整備をする必要があると思
います。行政の役割は、ボランティア、NPOの立ち上げをいかに支援できるかにあると思いま
す。街なか再生においては、過去2回昭和懐古博イベントを商店街、各種団体、TMO、行政が
協働で実行委員会を組織して行いました。この試みは、私、大変重要だと認識しておりますし、
今後の街なか再生のポイントとも言えると思います。地域住民主体の運営協議会を育成して、は
じめてエコミュージアムも可能ですし、街なか再生も可能になってくると思います。市長のご見
解をお伺いし、第1回目の質問とさせていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの真下議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、新市建設推進について、新市のイメージ「エコミュージアム」について、「エコミュー
ジアム」について、どのように認識しているのかについてでありますが、エコミュージアムは、
ある一定の地域を領域とし、その地域を特徴づける自然環境、文化財や史跡、地場産業等を、過
去から未来に引き継いでいくべき地域の資源と捉え、それらの保存、調査・研究や来訪者への説
明などの活動を、住民が主体となって現地で行うことにより、地域全体を「屋根のない博物館」
に見立てようとするものであります。
エコミュージアムの提唱者は、「行政側は資金、資材、施設、技術等を用意し、地域住民はア
イデア、知識、ビジョン等を提供するかたちで、両者が参加することが望ましい」と唱えており、
住民と行政がともに参画する活動であり、住民が主体となって企画・運営し行政がこれを支援す
るということで認識しております。
次に、新沼田市における「エコミュージアム」をどのようにとらまえているのかについてであ
りますが、エコミュージアムを成り立たせるのは環境資源ですが、それを支えるものは人的資源
であり、それをつなぐコミュニケーションとネットワークがエコミュージアムであることから、
地域資源の有効活用及び住民参画の観点から重要であると認識しております。
エコミュージアムについては、地域に対する愛着・誇りと地域の一体感の醸成、地域のあり方
を主体的に考える姿勢の醸成、住民と行政の協働の仕組みの創造、地域経済の活性化等が考えら
れますが、特に地域にもたらすものとしては、住民が博物館の学芸員のような活動を行うことに
より、自らの地域を深く理解し、地域に対する誇りや愛着、過去から未来にわたる地域の課題へ
の関心が生み出され自治意識の高い住民が暮らす持続的な地域の創造につながると考えておりま
す。
次に、新沼田市において「エコミュージアム」を今後どう展開するのかについてでありますが、
本市は、森林リゾート地の「玉原高原」、天然記念物及び名勝の「吹割の滝」、などスケールの
大きい自然環境をはじめとし、国指定「旧生方家住宅」、県指定の「高平の書院及び五葉マツ」、
などの文化財にも恵まれており、真田氏の築城以来、300年にわたり城下町として栄えたきた
歴史があることから伝統文化についても継承されております。
「エコミュージアム」を今後どう展開するのかについてでありますが、こうした自然環境や、
歴史文化を融合させネットワーク化を図りその有効活用を図らなければならないと考えておりま
す。
従いまして、豊富な地域資源を有する本市の特徴を生かしながら有効活用について、総合的に
研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、街なか再生について、土地区画整理事業について、進捗状況と課題についてであります
が、今までの経過につきましては、平成10年度の土地区画整理事業の事業認可以降、事業を具
体的に進め、平成15年度には事業を行っていく上で必要な用地の先行買収を完了し、平成16
年度には沼田市中心市街地土地区画整理審議会を設置し、昨年11月には一部仮換地指定を行い、
建物移転に着手したものであります。
現在の進捗状況でありますが、昨年度末で事業費ベースにおいて29.7%の進捗であります。
今後につきましては、中心市街地活性化の会との話し合いを進め、街区での熟度優先を基本に、
土地区画整理審議会の意見を伺い、計画的な事業推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、やさしさとにぎわいの核について、居住・福祉機能(公共住宅、高齢者生きがい施設、
児童館、ふれあい交流ロビー等)について、集客機能(歴史的建築物の活用、城堀川の活用等)
について、昭和懐古博イベントについてでありますが、関連がありますので一括してご説明申し
上げます。
まずはじめに、居住・福祉機能について及び集客機能についてでありますが、沼田市中心市街
地活性化基本計画で施設整備の方向付けが行われ、その後の市民参加によるワークショップ提案
を受け、庁内に設置されている沼田市街なか再生実施本部で議論を重ね、平成13年2月に「や
さしさ・にぎわいの核の提案書」として市民の皆さんに報告いたしました。その後、土地区画整
理事業や商店街の活性化のために地権者や事業関係者等とのコンセンサスづくりに努めてきたと
ころであります。
今後につきましては、歴史的建築物の活用を含め、調査研究をより一層充実し、街なかのにぎ
わいを創出できるよう、取り組んでいく考えでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
なお、城堀川の活用につきましては、歴史的経過を踏まえ、今後の課題とさせていただきたいと
思います。
次に、昭和モダン懐古博につきましては、実行委員として観光協会・物産振興会・青年会議所
等の方々のご協力をいただき、商店街の資源発掘、人材育成と人脈形成を目的に平成16年度開
催できたところでございます。また、その際にご協力いただいた多数のボランティアの方々に、
現在も引き続き各商店街のイベントなどに、ご協力をいただいております。さらに、商店街にお
きましても、懐古博で発掘された資源の活用を行っておりますので、今後こういった資源が十分
活用され活性化に繋げられるように、市としても支援をしていきたいと考えております。
以上申し上げまして、真下議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(真下恭嗣君) ありがとうございました。まず、エコミュージアムについて、基本的な
認識が食い違っていると、前提が違っていると次の議論が成り立たないので、市長のご答弁で、
基本的には大体おっしゃるとおりだと思いますが、もう一度確認させてもらいますと、実はこの
エコミュージアムは、市長がこの議会で新市建設計画についてのイメージについてという、どな
たかの同僚議員の質問について、イメージで言うならエコミュージアムというふうにご答弁され
たのをきっかけに、その後、昨年の1月にこの横浜大学の大原一興という、大学院の助教授が沼
田の中央公民館で、たまたまグローバルネット利根沼田という、NPO法人が主催した講演会が
ございまして、そこにたまたま私、参加させていただきまして、このエコミュージアムについて
改めて、あっ、あのとき市長が言っていたことなのだなというふうに感銘を受けまして、それか
ら関心を持って今日までそれなりに勉強してきたわけでございます。先ほど市長の答弁にありま
したように、大原一興、この人はエコミュージアム日本研究会の事務局長をされているそうでご
ざいます。何かといろいろ、今後沼田にも来ていることでございますので、いろいろこの人を活
用できたらいいなと思います。で、おっしゃっているのは、住民の主体的参加があることと、前
提はですね、それから、自然遺産、産業遺産、歴史遺産、様々の遺産をそのままで保全していく
ということ。それから3つ目が、博物館活動として、住民、それから専門家を含めた調査研究が
そのところで、よりいろいろなものを掘り下げていく、そういう活動をしていくということが3
つのポイントだというふうにでております。いずれにしてもこれは、ダイナミックにこういうも
のだという定義よりも、エコミュージアムは、ある一定の定義に当てはめるのではなく、地域及
び地域住民のダイナミズムの中で常に創造されていくことが大切であるというふうにおっしゃっ
ておりますので、それらについて先ほど市長、ご答弁されましたが、もう一度エコミュージアム
について何かご意見ございましたらお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) いま議員が再質問の中で、固定的なと言うのですか、そういうのでは
なくて、常に動的に物をとらえる必要があるのではないかということのご示唆をいただいたわけ
でございますけれども、実は私が、市会議員になりたての時でございましたけれども、当時、北
海道出身の、得能昭治議員さんがおいででございまして、北海道の池田町の方に視察をする機会
がございました。この池田町を視察したときに、山にぶどうがあったと。このぶどうがあるので、
いわゆるそれを加工してワインにしたと。それが世界のワインのコンクールで確か銅賞になった
と。それで歩道はワインカラーに、そしてワイン城を作って、さらにそのワインがあるならば、
さらに今度は牛肉だということで牛を一生懸命飼って、結局、銀座の方にレストランを出して行
ったというようなくだりのことがすでに昭和50年台の前半のときに、そういうようなことを受
け止めていて、街づくりの一つの知恵としてすばらしいことだなと思っておりました。これは何
を示唆しているかというと、固定的なデスクワークでなくて、物事の事について具体的に取りか
かっていくプロセスの中で、それぞれお互いが悩んだり、あるいはまた論議をしたりする中で、
内発的に、内側から滲み出していくという形の、常に実践が伴っているというところに、私は大
変関心を持ちました。従いましていま議員がご指摘されている質問のエコミュージアムの関係に
ついて、住民のダイナミズムの創造性が必要だということは、まさによそから借りてきたような
理論ではなくて、自分達のできる足元から一歩ずつのこの行動が大変大切なのかなというふうに
受け止めさせていただいたわけでございます。いずれにいたしましても、このエコミュージアム
ということについての、この輪郭というものは、まだしっかりと私自身も承知をしているわけで
はありませんけれども、「水と緑の大地、田園空間都市」というと、一言で言うならばエコミュー
ジアムなのかなというようなことを申し上げていた経過がございまして、今日ご質問いただいた
中でご答弁させていただいたわけでございますけれども、これからもいろいろな角度から検討を
加えていかなければならないと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) いまの市長の池田町の町長から国会議員になった丸谷金保さんのお話し
かと思いますが、結果的にすばらしい街づくりにつながった例として当時、青年会議所もずいぶ
ん勉強させていただいた覚えがあります。そういうふうに結果的に広がっていけば、それはそれ
でまたすばらしいことでありますが、そういう結果を求めるというよりも、基本的に足腰となる
ところの住民の意識をまずもっていくということが大事だと思います。さっき田園空間都市と市
長おっしゃいましたが、このエコミュージアムをインターネットから、このエコミュージアムと
いうのを取ると、日本では、エコミュージアムと英語で読んだり、田園空間博物館と和製の名前
を付けて各地に作られつつあるというふうにご紹介されています。まさにこの地域でピッタリ合
うものととらえることができるのではないかと思います。そこで、この地域で具体的にこういう
ことをやっていて、こういうことを、こういうふうに展開していけばもっとこれがいいのではな
いかということで事例でちょっと市長とやりたいと思うのですが、まず一つは利根町、あるいは
先ほど言った上久屋町で、ホタルを長年生態系を研究しながら育成をしてきて成果を出している
ところがあります。利根町ではここにいる同僚議員と、それと職員の方が中心になってやってい
らっしゃるということで、大変尊敬するわけですが、こういう地味ですが、長年こうやってきて
こういうことが広く市民に広がっていくということが大変大事だと思うのです。以外と知られて
いなくて、この地域でホタルがどのくらい生息しているとか、そういう環境があるかとか、そう
いうのを知らせていくホタルマップみたいなものを作っていくのが大事かなと思いますが、それ
によって隣の町でずっとやってきたホタルの里づくりというのとまた違う観点から、この地域の
自然環境づくりということの観点から大事かなというふうに思うのですが、それは将来的にはホ
タルの資料館に結びつけるようなものになっていけばよりすばらしいと思うのですが、これにつ
いて市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時02分休憩
─────────────────────────────
午後3時10分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 真下議員の再質問にお答えをしたいと思います。
ただいま利根町のホタルの生息、あるいはまた上久屋町のホタルの生息等にその実践事例を出
されまして、いろいろとご質問をいただきました。上久屋のことについては私は、兼々よく承知
をしておりましたが、利根町の関係につきましては、お噂には伺っておりましたけれども、今回、
初めて具体的に勉強をさせていただきました。そういった大変微笑ましい事例がありますので、
今後そういった実践者の方々に学んで、一緒になって、これらの方がやっておられる実践につい
て、私もそういった方々に対して敬意を表しながら、いろいろな意味で参加をさせていただけれ
ばなと、こういうふうに思っております。なお先ほど、資料館等の話が出ましたけれども、エコ
ミュージアムという観点から考えますると、構造物をできるだけ作るというよりは、現状にある
ものを生かしていくという形の中で、いまおっしゃるようなところの研究するような部署につい
て、レイアウトしていく必要があるというようなことになれば、このところにふさわしいような、
今までの実践事例がまた別のところの部分の構造物等とうまく整合してくればそれはいいのかな
と思っておりまして、新たなる構造物を作るということは、エコミュージアムの観点からすると
いま一つ検討の余地があるかなと、こういうようなことを思っております。
◇9番(真下恭嗣君) はい、ありがとうございました。私も、例えば資料館という話でござい
ましてですね、こういうハード的なものを作るということは決していいことかどうかはちょっと
疑問に思いますので、あくまでもそういう必要に迫られたときに検討することでよろしいかと思
います。
2点目の自然のものについて、玉原ブナ林、湿原が沼田の貴重な自然としてございます。これ
は昨日、今日、いわゆる森林税のことについていろいろ議論がありましたが、それにも関係して
くると思いますが、この玉原のブナ林について、これはある程度この地域にはそれを研究してい
るグループがあります。湿原についても同じく研究している、同一のグループですがあります。
こういうグループがいるということは大変大事なことでございまして、この人たちが専門的にあ
る程度掘り下げてどんどん勉強してくれているのは結構なのですが、これがもうちょっと外に広
がっていかないというところに課題がありまして、やはり行政としてこの辺のところを何とかエ
コミュージアム的にこれを発展させていくには、もう少し外に広げていく何か行政として働きか
けが必要だと思いますが、この辺についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 私もこのブナ林の関係等については、これほど国際的にこのブナとい
う、いわゆる樹木が重きをなしているということについてはあまり承知をしておりませんでした。
つい先般、CWニコル氏との、要するにシンポジウムのときに、パネルディスカッションのとき
に、確か公園の中でブナというのはヨーロッパのところでは神様的な扱いをされているのだとい
うふうなお話しがあって私もちょっと驚いたのでございますけれども、そういうようなことを思
いますると、玉原のブナというのは、これは本当に価値があるのだというようなことを改めて認
識をしたわけでございます。またもう一方におきまして、湿原の関係でございますけれども、こ
れもですね、沼田の自然愛好家の方々が、いろいろな意味で研究されている様子というのを私も
よく承知をしているつもりでございます。いま議員がご質問の中で、それらを行政でもっと表舞
台に出すような段取りを考えていく必要があるのではないかという、こういうご質問だったと思
いますが、これらについても今後の街づくりの展開の中で、総合的な判断の中から玉原のこの自
然をどういうふうな形で位置づけていったらいいかというようなことをとらまえながら、これら
については今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
◇9番(真下恭嗣君) これはブナ林もかなり日本を代表するブナ林として位置づけられており
ますし、ぜひもうちょっと広く、先ほど来議論になりました新宿区の区長さんとかですね、ある
いはここで、この地域でイベントを行って、シンポジウムとか、あるいは準市民交流会でそれを
もっとPRするとかですね、何らかの形でもうちょっと多くの首都圏の人に向けてメッセージを
送る必要があるかと思いますが、それについてどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) そのものの内容が大変対外的に十二分な、いろいろな国民的な要請に、
あるいはまた市民的な要請に応えられるとすれば、当然そういった、議員がご指摘のことは大切
なことだと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) 次に、無形文化財でありますが、これは芸能文化で平出の歌舞伎、ある
いは生枝の獅子舞、それから沼須の人形芝居、沼田祇園囃子等々がございます。これらはそれぞ
れが途中で引き継ぐ人がいなくなり絶えてしまったり、そしてまた、その後を一生懸命復興させ
て努力した方がいたり、そういう山あり、谷ありの中で伝統的に何とか引き継がれてきたという
大事なものでございます。それぞれがみんなどういう経緯で、どういう内容を持っているかと、
それぞれ一つの文化を持っているものだと思います。これらはこのエコミュージアム的に言うと、
それぞれ文化を持ちながら専門的に支える人がいる。だけどもうちょっとそれを知ってもらって
ないとそれが十分に伝わっていかないということになっています。それは勿論知ってもらって、
多くの訪問者とか、あるいは外に出ていって見てもらうということが非常に大事なことになって
くると思います。ぜひこの辺を、先ほど言った準市民交流とか、新宿区だとかというところをう
まく使って、これらの伝統文化をぜひ活用していけたらと思うのですが、市長のお考えをお聞き
したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 平出歌舞伎、あるいは生枝の獅子舞、沼須の人形芝居等々、そのもの
の持っている重みというか、そういうものはよく承知をしているつもりでございます。先日、白
沢振興局におきまして、おのちゅうこう先生の偉業を讃える文学賞が行われました。極めて多く
の方々の参加を得、非常に立派な小野文学賞のセレモニーでございました。実はここに至るまで
の間につきましては、先般、この中心的な立場におられた文化協会の副会長でおられます小野さ
んが、館長をはじめといたしまして事務の並々ならぬ努力があったというようなご挨拶があった
わけでございますが、私はさらにその前の段階で椎坂峠におのちゅうこうの碑を作る、しかもそ
のことを讃えながら毎年、非常に地道ではありましたけれども、民間の方が努力をされまして、
そしておのちゅうこうの意を讃える、将来を担う小学生、中学生たちの詩文等についてのいろい
ろな賞を、あるいはまたそういった作品を発表する場面があって、大変椎坂峠の頂上でありまし
たけれども、本当にすばらしいものがございました。そういった長い、民間の、篤志の方の並々
ならぬ努力によって実はおのちゅうこう先生の、要するに文学賞が今回、2回目だったわけでご
ざいますけれども、見事なうちに発表会がございました。大変感動的でございました。実はその
ときの、いわゆる中心的なセレモニーの中に、まさにこの平出歌舞伎が登場してきたわけでござ
います。当然、将来を担う子供たちが、地元の指導者のもとに勉強されてきたそのすばらしい発
表、本当に感動的でございました。しかも今日に至りましてはこれを非常に県が重きをおきまし
て、沼須の人形芝居同様いろいろな意味で応援もされているようでございます。生枝の獅子舞に
ついては、私掌握をしているのが弱いわけでございますけれども、いずれにいたしましても、実
は利根町の追貝にも獅子舞がございまして、そういった伝統芸能文化というものをいろいろな場
面で内外に発表していくということは大変重要なことでございまして、そういうようなことから
考えますると、機会があればいま議員がご指摘のように、外の舞台にも出ていくということも大
変重要なことなのではないかというふうに思っております。内部にあっても、これまた非常に内
側の中にあってもこれまた見学したり、あるいはまた感動を誘発している場面を作るということ
もこれまた大事なことではないかというふうに思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひそういう伝統文化を新沼田市民が共有して、認識して、それをまた
体感して、同じ市民として、同じ目線でこれから文化を理解していただければというふうに思い
ます。また外部にありましても、先日、実は沼女の人のところにある劇団が、東京でぜひ演劇を
やりたいのだけれども、なかなか手づるがなくてというふうに沼女の方に連絡があったら、それ
を沼女の人が、ある在京の沼女の人を通して新宿区の区長さんのところに話をしたら、新宿区の
区長さんが快く段取りをしてくれて、3日間ぶっ続けで大盛況だったという話も聞きました。ぜ
ひこの地域のものを、やはりそういう外部にアピールすることによってそこからまたさらに発展
する契機になってくると思いますので、市長におかれましては、市長の立場でぜひ応援していた
だければありがたいと思います。
次に、いま以上あるものの活用ということになりますが、これから2点ほど、そのエコミュー
ジアムとして期待できるものが2点ほどございます。1つは、最初に質問させてもらいました曲
家の鈴木家住宅でございます。これにつきましては、いま外構工事をしてまだ仕上がっておりま
せんが、いずれ近いうちに仕上がると思うのですが、エコミュージアム的にこれが運営されると
いうことが、この地域にとって非常に文化的な発信ができる仕組みになるかなと思いますので、
ただ建物が立つ、そこに外部委託で人を置くということではなくて、やはり住民が主体的に運営
をしていくと。それについては住民が、この曲家についての学習会をしたり、あるいは曲家の歴
史についていろいろ研究したり、そういう人たちができて、その中のリーダーの人がいろいろな
企画をぶっていくということが、それを行政が下支えしていくという形が望ましいと思いますが、
これについて市長のお考えをお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 曲家もまだ完成の域には達していないようでございまして、いま地元
でもいろいろと協議をされているようでございます。ですから、地元の方々の意見を十二分に対
しながら、いま議員がおっしゃっているようなことについては、私は大変結構だと思っておりま
すけれども、やはりそこの地域を取り巻く方々の意向を尊重しながら、いまおっしゃるようなこ
とについては、地元の方々でこれに対して多いにそういうようなことが、参画が可能であるとす
れば、まず地元の方々を中心としながらそういった方向は結構なことではないか。こんなふうに
思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひそういうような方向で詰めていっていただければというふうに思い
ます。それからいまの件でございますが、これはただ見せるというのではなくてですね、そこへ
体験する、昔の生活体験というのがそこにあるわけですね。あるいは水車でこういうことをやっ
ていたとかですね、そういうものをやはり実際、こういうふうに体験していましたよ。あるいは
こういうことをやっていましたよということを、やはりそこまで参画型で、それは毎日やるのは
大変ですから、土、日だけ地域住民主体のボランティアの方がそういうことをやると、そこまで
やってそういうものがこれ初めて生きてくると思いますので、ぜひその辺について、体験型の学
習する場という位置づけでやっていただければと思いますが、再度市長何かありましたらお願い
いたします。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
この歴史的な建造物、あるいは文化的な価値のあるものについてのとらまえ方は、どうしても
非常に歴史的なことの位置づけで持たせてみようとする方は、そこに手を加えるということが、
その遺産を損なってしまうのではないかという見解の持ち主がまずおいででございます。もう一
方におきましては、いやもうすでに日々の生活の中にそれを取り込んでいくことによって、しか
もその延長でとらまえた方がいいのではないかという見解をお持ちの方もいるようでございます。
ただ私が見ての範囲では、これからそういったかつての歴史的な遺産が生き生きとしていくため
には、ただ見てこうだったということを見て、そしてなるほどいにしえの頃はこうだったのかと
いうこともさることながら、やはりこういった生活空間が体験できるような方向の方が、ものの
維持管理も非常にしやすいと言うのですか、生きてくるのではないかと思っておりますので、そ
ういう意味では、体験的なとらまえ方が私はいいのではないかというふうな観点の立場になろう
かなと、こういうふうに思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひそういう方向でご検討願いたいと思います。
それからもう1点なのですが、これは日本を代表する渓谷と言われますか、吹割瀑でございま
す。これは天然記念物及び名勝ということで昔から非常に上毛カルタでもうたわれておりますし、
この地域を代表する自然景観でございます。これにつきましては、旧利根村のときに、利根村教
育委員会としてこのような天然記念物、名勝、吹割渓並びに吹割瀑と、第二次保存管理計画策定
書というのが、立派なものができております。これをちょっとサラサラと読ませてもらいますと、
かなりしっかりまとまっております。専門家の方がかなり入っていまして、東京の農工大の先生
だとか、池辺このみさんとこれは沼田にも来たことがありますが、いろいろな立場の方の先生方
が入ってこれはまとめてあります。これは非常にそういう意味では、この吹割瀑そのものも勿論
価値があるわけでありますが、こういうふうにまとめて、資料も勿論別のところにストックして
あるわけですね。これらが一体となって、非常に価値があると思うのですね。先ほど来申し上げ
ましたように、専門家がちゃんとした資料をまとめているということです。それが専門性がちゃ
んとあるということですね。それからちゃんとしたものがあるということですね。立派な、価値
のあるものが。あとそれをうまく伝えていくということが先ほど来言っている大事なことでござ
いまして、その伝えていく人が必要なわけです。これが地域住民が主体となって、そういう組織
を作っていかなければいけないのですね。ここにいろいろ組織の形態の提案みたいなのがあるの
ですが、充て職でこうなっているのかなと思います。こういう充て職じゃなくて、本当に関心を
持ったボランティア的な人がこういうものに、地域住民の組織として中心に入っていって、その
人たちが外部の人に、訪問者とか、他の人にいろいろ伝えていくという、この機能が大事かなと
思っています。
そこで私もこれを初めて見てですね、高山彦九郎がこの吹割瀑に来ているなと初めて知ったわ
けです。高山彦九郎というのは有名な幕末に近い1800年前後に、この人がいて尊皇攘夷につ
ながっていったと言われている高山彦九郎、どこかで大きな像になっていると思うのですが、こ
ういう人が来ているわけですね。そういういろいろな歴史というのが、あそこの地域はいろいろ
な価値のあるものがあると思うので、学習していながらそれを伝えていくという、そういう組織
がぜひとも必要かなと思っております。資料館云々という議論もありますが、それよりまずそう
いう組織体を作ってそれをアピールしていく、そういうものがいま早急に必要かなと思われます
が、市長のご見解をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
高山彦九郎の話まで出て、実は驚いておりますが、確かに京都の歌舞伎座の前に高山彦九郎が
おられたというふうに思っておりますけれども、まさに尊皇攘夷前夜の、半横断的なところで大
活躍をされた方でありまして、非常にそういう意味ではよくご研究なされているなと思って、い
ま関心を持って受け止めさせていただきました。実は、吹割の滝にはご承知のとおり物語もござ
いまして、さらに吹割の滝の上の方に浮島というのがございますが、そこにお堂があるのでござ
いますけれども、そこにも左甚五郎が立ち寄ったというというようなこともあったりして、確か
に物語がいっぱい詰まっております。実はその老神の赤城様というお祭りが5月の7日、8日に
ございますが、この物語が大変詰まっておりまして、栃木の男体山の関係でいわゆる蛇がいろい
ろな形の中で癒されたとかそういうようなことがあって、今日の蛇祭りにもなっているわけであ
りまして、そういう意味では、物語がたくさん詰まっている、いわゆるところだと思っておりま
す。そういうようなことから当然、これを表舞台に押し出していくということは、本市の言うな
れば新しい、新生沼田市にとっては、大変なことだと思っておりますので、そういったことから
これに向けて研究したり、勉強したりしていくということは大変重要かと思っております。ここ
の問題については教育委員会がイニシアティブをとって今日まで来ておりますので、今後、教育
委員会とも連携をいたしまして、いまご提案なされたような事柄についても考えていかなければ
ならないというふうに思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。
あともう一つ、利根町には学芸員の方が2名いらっしゃるのですね。こういう学芸員の方が折
角いらっしゃるので、ぜひこういう方をうまく活用していただいて、広く住民にいろいろなもの
を説明して学習する、そういう機会をまず作って、そこからスタートするのがいいかなと思いま
す。それについてどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いずれにいたしましても、学芸員の範疇も教育委員会の範疇になって
おりまして、今後、教育委員会といろいろとご意見を承りながら対応していくことが大事かなと
思っております。どうぞよろしくご理解のほどお願い申し上げたいと思います。
◇9番(真下恭嗣君) これについて市長、振興局長のお考えとか勿論整合して、一緒にやって
いると思うのですが、ぜひ吹割瀑については、本当に世界を相手にできるくらいの資源だと思い
ますので、ぜひしっかり地域住民も含んでいい活用を検討していっていただきたいと思います。
次に、エコミュージアムのことについて最後になりますが、これらをネットワークで結ぶと。
どこでどういうことをやっているかという、エコミュージアム的なものの核となるものが必要に
なってくるわけでございまして、この場所については、沼田城が一番将来的には理想かと思いま
すが、そこにいろいろなものを映像で見せて、そこで一端全部のものを見せて、時々に合わせて
現地に行って体験するというようなそのものを集約している核、拠点が、やはりそれが必要かな
と思います。これについて当面はこういうところでやるのだと。将来はこうにやっていくと。将
来については別として、その核づくりについて市長の考えをお願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおりこのエコミュージアム等のご質問をいただいた中で、
実はこのエコミュージアムそのものを内部で整理して、こういう形でいくのだということをまだ
私どもは天下に示しているわけでもございません。ただエコミュージアムというものが、水と緑
の大地、田園空間都市のところでは、それが似つかわしいのではないかというようなことを申し
上げさせていただき、そういう観点でのご質問をいただいたので、それに基づいて私は今まで答
弁をさせていただいてまいりました。従いまして、現在、核の問題であるとか、いろいろとかな
り具体的な話になってまいりますると、やはりいまここで、具体的な答弁を持ち合わせている立
場にございません。ただ間違いなく言えることは、どうしてもネットワークを図っていく際に、
その言うなればどこかに何らかの形で、これはコンピュータでも同じことでありますから、当然
どこかに、何からの形で、しかるべきいわゆるネットの中核が必要になってくることは論を待ち
ません。そういうようなことから思いますると、これを全市的にいろいろと事業展開をしていく
とするならば、そういった中核的なものはいずれどこかに設営をしていかなければならないとき
が来るのではなかろうかというようなことで、まさに今日、真下議員から、この問題についての、
大局についてのご質問は議員の中では初めてでございますので、具体的なことになりますると非
常に答弁は慎重にならざるを得ないところがございまして、お許しを賜りたいと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) はい、わかりました。ぜひよろしくお願いします。
次に、街なか再生の件に移りたいと思います。先ほど、土地区画整理事業については、同僚議
員からの質疑でもいくつかありました。1点だけお伺いしたいと思います。8街区で具体的に始
まりました。この8街区は概ねいつ頃目処がたっているのか。そしてまた残りの街区については、
概ねどのような目処で進めようとしているのかお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 具体的なご質問でございますので、部長の方から答弁をいたさせたい
と思います。
◇議長(星野佐善太君) 街なか対策部長。
◇街なか対策部長(見城厚男君) それでは命によりお答えを申し上げます。
8街区の仮換地指定の取り組みでございますけれども、今年度は8街区の中の東側の地区、そ
こを仮換地指定をさせていただきました。その中での建物の一部移転というのが本年度の事業で
ございますので、今後引き続いて18年度は、8街区の西側の方がまだ残っておりますので、そ
れらを中心に計画的な取り組みを進めたい。そのように考えております。
◇9番(真下恭嗣君) 8街区以外の街区についてのおよその見込みというのはどうでしょうか。
◇街なか対策部長(見城厚男君) 東側につきましては、仮換地指定は、東側全体で仮換地指定
をやられておりますので、これからその対象となります住民の方が、その移転の契約をできた方、
本年度、17年度は1件でございます。あと3件ほど8街区の東側ございますので、仮換地指定
はしてございますので、今度はそれらの対象者の方が、建物移転に伴う補償の契約等が新年度予
算をクリアいたしまして、でき得ればその移転に18年度は取り組んでいきたいというふうに考
えております。
◇9番(真下恭嗣君) いま見城部長のご説明、8街区についてはよく丁寧な説明でわかりまし
た。これは市長にお伺いしなくてはいけないかも知れないのですが、その他の街区の概ねの見通
しについてお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
ただいま見城部長がお答えをした8街区の関係等を受けて、いま各街区のところで先ほど大竹
議員のご質問にもあったように、できるだけマメに地域住民に接触しろということについては一
生懸命努力させていただく中で、各地区のところからいろいろと逆に相談が来ている状況にもあ
るようでございます。従いまして、今後この8街区のところを一つのとっかかりとして、各地区
のところで盛り上がってきている状況を的確にとらえて、そしてできるだけ、今日も前段ご指摘
がございましたけれども、速やかにこれに対応できるように努力をしてまいりたいというふうに
思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ありがとうございました。
次に、やさしさの核、にぎわいの核についてお伺いしたいと思います。やさしさの核ですが、
市長の方針にございました次世代育成というのが大変重要なポイントになっております。そうい
う点で次世代育成を進めるということで、子供を育てやすい児童館というのがございます。この
児童館というのは、このやさしさの核云々ということがあるやないやに係わらず、この地域にと
って必要なものかということで数年前からお母さん方からのいろいろな要望があったやに聞いて
おります。いまこの時期、街なか再生をする時期に当たりまして、改めてこの児童館が優先的に
まず必要になってくるのではないかということでございます。やさしさの核の中で、勿論高齢者
の問題、障害者の問題の居住環境でございますが、まずはこの児童館について市長のお考えをお
伺いしておきます。
◇市長(星野已喜雄君) この平成18年度の当初予算は、将来を担う子供たちに重点をおいた
予算を組まさせていただいたというふうに施政方針でも申し上げさせていただきました。いま議
員が、児童館をとにかくいち早くやるべきだと、こういうご提案でございますけれども、今後い
ろいろな角度から分析をいたしまして、そして精査をしながらそういったものをこれからどうい
うふうな形で位置づけていくかということについては検討を進めてまいりたいというふうに思っ
ております。
なお、子供のことは、やはり将来の宝でございますので、私どもの立場からいたしますると、
今後いろいろな意味でウエイトをおいた施策を展開をしていかなくてはならないのではないかと。
こういうふうに思っております。ただそうかと言って大先輩の高齢者の方々が連綿と築いてきた
歴史があって、初めて今の私どもがあるわけでございまして、高齢者の方々に対するところの当
然配慮も、これまた忘れてはなりません。いずれにいたしましても、少子高齢社会というのは、
両方がリンクしながらとらまえていかないと、ややもすると配慮が欠けてしまうのではないかと
いうふうに思っておりますので、十二分に注意を払いながら子供の将来に向かっての対応に頑張
っていかなければならないと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひこのやさしさの核、次世代を育てる子供のこと、それから高齢者、
障害者のことを、これはどうしても全部が揃って、全部ができてからということを待っていると
なかなか時間がかかってしまいますので、ここで空き店舗でもいいし、空き家でもいいのですが、
ここを使ったらこういうものができるということがございましたら、ぜひそういうことを先取り
して、ソフト的にできることはぜひやっていただけたらと思います。例えばグリーンベル21の
所、空いている所がございましたら、そういう所を活用するとか、または勿論街なかの空き店舗
でも結構です。そういうところを活用できることがありましたら、ぜひ先取りしてということを
検討をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
それぞれいまご提案されたところについては、当然権利者がいるわけでございまして、当然権
利者の方の同意、あるいはまたしかるべき段取りをしておかなければそれは打って出ることがで
きません。複雑な内容があるとやはり簡単にいくわけにはまいりませんので、その辺のことにつ
いては慎重にしながらも、ご提案のあったことでありますので、いろいろと勉強させていただき
たいと思います。
◇9番(真下恭嗣君) もちろん簡単なことではないと思いますが、大変重要なことでございま
すので、ぜひご検討願いたいと思います。
にぎわいのことでございますが、最初の質問でありましたように、21世紀は移動の時代だと
いうことで、交流人口はどんどん増えております。ましてや団塊の世代がこれから定年になって
いくと、その世代がますます交流人口の一端となって増えていくわけでございます。この地域に
おいても通過人口でございますが、1,000万人いるとか、いないとかと言われておりますが、
この人たちをどういうふうに街の中心街にとらまえていくのかということが非常に重要になって
くると思います。先ほど1回目の質問をさせてもらいました、沼田のコンセプト、どういうとこ
ろをコンセプトを持っているかと言った場合、沼田にはこの歴史、文化があると。城堀川を引く
ことによって生まれた城下町というのがあると。これは隣の渋川市では残念ながらできないこと
でございまして、渋川では20年前から青年会議所が中心になってへその町だとか、へそ祭りと
かということで町おこしをしておりますが、沼田には大事な歴史、文化がございます。繰り返す
ようですが、これは沼田万鬼斎顕泰が、幕岩城から倉内城に移すにあたっては、なぜ移すかとい
うと幕岩では水がなかったと。そこで水を、白沢用水を引っ張ってきて、倉内城を移しながら町
割をして、第1期目の沼田の町ができると。さらにその後、真田信幸の時代になって、段々、段々
当然多くの武士を抱え、また商家も増えていく。そこで水が足りなくなって、川場用水をさらに
白沢用水と合わせて引くことによってさらに城堀川を拡充して、そしてさらにまた町割を作って
きた。こういう経過がございます。この沼田の町の城下町が、ここがまあ沼田の町の原点ととら
えておりますが、これを基点にしてやはり沼田の町を考えていくというのが、あなたは何者です
かと言ったときに、私はこういう者ですというのは、やはり生まれ、誕生がどういうものか非常
に大事かと思いますので、この認識について、市長はどういうふうにとらまえて、今後の沼田の
街なかを作っていく場合のコンセプトとしてどういうに考えているのかお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員は熱心に城堀川の研究をされておられまして、私も機会あるごと
に誘われればできるだけ出席をさせていただいてきた流れがございます。やはり歴史に学ぶとい
うことは、何にも増して大事なことだと思っておりますし、今後いろいろな街づくりを展開して
いくためには、古きを訪ねて新しきを知るということが大変重要な要素になってくるかと思いま
す。従いまして、城堀川の存在というものは大変重きをおいてとらまえていかなければなりませ
ん。ご案内のとおり天桂寺の前まで来ている水が、ご承知の通り右側に流れていってますか。そ
んなことからいわゆる街の中に既存のものとして流れていないという、そういうロケーション上
の状態もございます。従いまして、これを議員がご指摘のように、街の中に導水をしてくるとい
うことになると、これは大規模な、要するに要素が待っているわけでございまして、先々のこと
を眺めながら検討はしていかなくてはならないことかとは思いますけれども、そういった現実も
あるということを踏まえながら、対応に処していかなければならないと考えております。
ただ、城堀川そのものが沼田の歴史の物語であるということについての認識は、全く同感でご
ざいますので、今後とも各般にわたってご指導、ご助言をいただければ幸いだと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) この城堀川の歴史というのは、その歴史だけでストーリーができている
と思います。先ほど市長がおっしゃったように、天桂寺のところで右側に持っていくやつと左側
に持っていくやつと、それから段差ができていて、右側に持っていくやつは武家屋敷の方に持っ
ていくのは、最初に上水のいい水を持っていくと。そして下の段は、商家のところに持っていく
水というふうに、そういうふうに士農工商の時代ですからそういうふうに水も分けてやっている。
それはもちろんいいか、悪いかは別として、そんなようなストーリーもあるわけでございます。
ぜひ水が原点だと思いますので、街なかにこの水をぜひもう一度、もちろん簡単なことではござ
いませんが、生かした街づくりを検討していただければと思います。
2つ目として、町名が、1560年から1660年くらいの間ですね、先ほど言った沼田万鬼
斎が初めて移ってきて、町割を始めて、そして信幸がある程度仕上げるまで、時間が100年
近くありまして、その間でいろいろ町ができてくるわけでありまして、この町の名前がいろいろ
多岐にわたっています。いま残っている町名と言えば、変わったところは馬喰町、いわゆる馬喰
が住んでいる馬喰町とか、あるいは鍛冶屋が住んでいた鍛冶町、あるいはお坊さんが住んでいた
坊新田町とか、いま残ってない町名では、江差町というのがございます。鷹匠が住んでいる江差
町、それから荒町、荒物屋さんの町で荒町、あるいは古城町というのが、これは柳町のところを
古城町と、万鬼斎が幕岩城の後の地域のことを古城ということで、古城町という、それから下之
町のところは袋小路になっていたので袋町というふうに言われていたと。それぞれこういう歴史
がございまして、町名についていま残っているところもありますけれども、残っていないところ
もあります。ぜひその時代とともに、変遷はやむを得ない面もありますが、こういう沼田の歴史、
文化を生かした街づくりをしていくには、この町名というのも大変それぞれのストーリーを抱え
ているわけでございまして、ぜひご検討願えたらと思います。市長のお考えをお聞きしたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 馬喰町や鍛冶町や坊新田町が、かつての町の名称として残っておる中
で、他の袋町とか、古城町、あるいは江差町、荒町等のこういうご提起がございましたけれども、
現実にいま町の区域の町名というのはできておりまして、それだけでもかつての、いにしえのこ
とを彷彿させるかのような、いわゆる名称にもなっております。馬喰町、鍛冶町、坊新田町等に
ついては、当然のことかと思っておりますが、いまおっしゃられた4つについては、私も初めて
受け止めさせていただきました。これから勉強させていただきたいと存じます。
◇9番(真下恭嗣君) 時間も終わりましたので、最後になりましたが、昭和懐古博のイベント、
大変すばらしいイベントだというふうに私は同僚議員と一緒に参加させていただきまして思って
おります。ぜひこのイベントについての総括とこういうことをつなげることが、この街づくりに
は大変重要なことだと思いますので、総括について1点お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 昭和懐古博は大変いい事業であったと思っておりまするし、関係の方々
の努力に敬意を表しております。これからもお互いが力を合わせてやっていく方向がいいという
ことで常々申し上げております。見城部長の方から補足説明、あるいはまた補足答弁をさせてい
ただきます。
◇街なか対策部長(見城厚男君) それでは、昭和モダン懐古博の関係でございますけれども、
16年度に皆さんにお世話になって実施した事業でございます。これら大変メイン会場、総体で
3万4,794人、イベント会場で2万314人ということで、多くの関係者の皆さんにご協力
をいただき、参加をいただいたものでございます。これからもこういったものを踏まえまして、
街なか活性化のために市民と共に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
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第2 延 会
◇議長(星野佐善太君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思
います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会するに決しました。
本日はこれにて延会いたします。
次の会議は明9日午前10時に開きますからご参集願います。
本日は大変ご苦労様でございました。
午後4時00分延会
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