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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成18年第3回定例会 議事日程第2号

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沼田市議会平成18年第3回定例会会議録
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議事日程 第2号
平成18年9月7日(木曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
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出席議員(46人)
       1番  小野 広樹君      2番  南 美喜雄君
       3番  小林 克郎君      4番  角田  博君
       5番  中村 光孝君      6番  小野 要二君
       7番  小林  猛君      8番  桑原冨士夫君
       9番  真下 恭嗣君     10番  布施辰二郎君
      11番  角田 泰夫君     12番  高柳 勝巳君
      13番  久保 健二君     14番  星野  稔君
      15番  鈴木 圭子君     16番  金子 一弥君
      17番  金子 千明君     18番  長谷川信次君
      19番  宮田 和夫君     20番  小林 玉男君
      21番  小野 正純君     22番  大島 崇行君
      23番  山崎 義朗君     24番  大竹 政雄君
      25番  井之川博幸君     26番  大東 宣之君
      27番  片野 彦一君     28番  星川嘉一郎君
      29番  金井 康夫君     30番  井上 正文君
      31番  小尾 孝男君     32番  相田 昌夫君
      33番  宇敷 和也君     34番  小林 次夫君
      35番  高橋 襄典君     36番  牧野 保好君
      37番  石田 宇平君     38番  松井 敏員君
      39番  井上健太郎君     40番  田村 博美君
      41番  井田 孝一君     42番  小林 照夫君
      43番  星野佐善太君     44番  郷原 重雄君
      45番  横坂 泰次君     46番  井上 幾雄君
欠席議員 なし       
────────────────────────────── 
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     林  義夫君
  白沢町振興局長  根岸 恒雄君      利根町振興局長  星野 健一君
  市長公室長    田村 澄夫君      総務部長     村山 博明君
  民生部長     田島  護君      経済部長     大嶋 政美君
  建設部長     松井完一郎君      街なか対策部長  見城 厚男君
  白沢町振興局次長 中村 弘志君      利根町振興局次長 中澤 和義君
  総務課長     村沢 博行君      教 育 長     津久井 勲君
  教育部長     宮澤 満夫君      庶務課長     水田  修君
  監査委員事務局長 小池 一夫君
         ──────────────────────────────  
議会事務局出席者
  事務局長     茂木  愛       次長兼庶務係長  下  宏一
  議事係長     茂木 敏昭       主  任     地野 裕一
──────────────◇──────────────
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、金井康夫議員。29番。
〔29番 金井康夫君登壇〕
◇29番(金井康夫君) おはようございます。質問に先立ちまして、昨日、秋篠宮紀子様にお
かれましては、日本の皇室では41年ぶりの男の子のご誕生、誠におめでとうございます。心か
らお祝いを申し上げる次第でございます。
 また、本日たくさんの方々に傍聴にきていただきまして誠にありがとうございます。本日、ト
ップバッターということでございます。市長に胸を借りるつもりで、先の高校野球のように全力
投球でやらせていただきたいと思いますので、当局におかれましては、明解なる、また誠実なる
ご答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、通告に従い、一般質問を行います。
 市町村合併後、1年と数ケ月の総括についてお伺いいたします。振り返りますと、当初は、利
根沼田1市2町6村の合併を目指していましたが、紆余曲折もあり、最終的には、利根、白沢と
1市2村の枠組みで、限られた期間でありましたが、それぞれの合併協議に関わった方々の議論
の結果、7回の合併協議を経て、各議会で合併関連議案の議決、さらに、国、県の手続きを経て、
昨年の2月に新市が誕生したわけであります。この一年と数ケ月を振り返りますと、住民を取り
巻く環境は「平成の大合併」で大きく変化をしたように感じます。歴史の過渡期なのかもしれま
せんが、「以前はよかった、こんなはずではなかった」そんな声が合併したあちこちで聞こえて
きます。時代の趨勢であるとはいえ、今回の合併が住民にもたらしたもの、それは良きにつけ悪
しきつけ、時代の趨勢という言葉だけでは片づけられないものであると思います。
 そこでお伺いいたします。市長におかれましては、本市の将来展望を考える上で、市町村合併
後、1年と数ケ月が経過しましたが、その総括についてお聞かせください。
 次に、まちづくりについてお伺いいたします。
 全国的に問題となっている空洞化した中心市街地に賑わいを取り戻すことを狙った、改正中心
市街地活性化法が国会で成立し、大規模商業施設の郊外出店を規制する改正都市計画法も成立し
ており、いわゆる「まちづくり三法」の見直しが出揃いました。今回の見直しでは、日常生活に
必要な都市の諸機能が集約された「コンパクトシテイ」を構築することで、市街地に再び賑わい
を取り戻すのが狙いのようであります。このため、改正案では、大型店などの郊外立地を規制す
るとともに、住宅や商業施設などを中心市街地に呼び込むための支援措置を拡充したり、都市計
画法の改正案では、延べ床面積が1万平方メートルを超えるスーパーや映画館など大型集客施設
が建てられる地域を、商業、近隣商業、準工業の3用途地域に限定。郊外への出店は原則として
禁止するという厳しいものであります。さらに、病院や福祉施設、学校などを市街地調整区域に
建てる場合は、新たに開発許可が必要になり、周辺市町村への影響を配慮し、広域的な観点から
調整する導入する仕組みも導入しています。一方、中心市街地活性化法の改正案では、マンショ
ンなどの住宅、商業、福祉、文化施設などの中心市街地への建設を後押しする補助制度などを充
実させ、自治体の創意工夫による都市再生を支援する「まちづくり交付金」も大幅に拡充してお
ります。大型スーパーや娯楽施設など、郊外立地を規制するほか、市街地の活性化に向け、市町
村ごとに基本計画づくりを促し、効果の見込まれる地域に重点支援する仕組みも整えています。
郊外に多く立地する大型店に押され、苦境にあえぐ商業者にとっては、待ちに待った改正なのか
もしれません。いずれにしましても、国、県と連携を深め、まちづくりの方向性を定め、中心市
街地の活性化ビジョンを明確にして、国、県、市、市民、それぞれの役割を果たさなければなら
ないと思われます。
 そこでお伺いします。まちづくり三法の見直しを踏まえ、本市の「中心市街地活性化基本計画」
について、今後、具体的な数値目標を定めた内容とする必要があると考えられます。本市の中心
市街地活性化基本計画について見直しが必要だと思われますが、今後どのようにお考えなのかお
聞かせください。
 次に、グリーンベル21についてお伺いいたします。
 第三次総合計画では、利根沼田地域の中核都市として商業機能の活性化、近代化を図るため、
下之町開発を促進すると書かれています。中心市街地を開発、整備して沼田市の「顔」と位置づ
け、当時、中心商店街の近代化を目指して市としても事業推進を行ってまいりました。その後、
バブル崩壊、不況、デフレなどでマイカルの会社更正法の適用によって、サティが撤退したのは、
まだ記憶に新しいことでございます。その後、Aコープや長崎屋の出店によって、何とか一時し
のぎをしたように思えましたが、今回のグリーンベル21の最大の権利者、三井生命が撤退の意
向を示しておりますのは、沼田市の中心市街地活性化が頓挫してしまうのではないかというよう
な不安の声も聞こえてまいります。全国では、もっと深刻な事態が起こっているのが現状であり、
大型店の撤退後、何十億円もの予算で県や市町村が買い取っている事例が大変たくさんあること
も承知しております。グリーンベル21の再建は、中心市街地活性化の課題の一つであり、活性
化そのものは地域コミュニティー再生のため、より広い範囲で取り組んでいかなければならない
と思われます。全国どこの街でも悩み、対応に苦労している問題であり、もともとはバブル経済
破綻処理から派生した問題でありますので、非常に難しいことではありますが、沼田の顔という
べき中心市街地の活性化の観点から、三井生命が撤退の意向を示していますが、今後の市の対応
についてお聞かせください。
 最後に、庁舎建設についてお伺いいたします。
 本庁舎は、耐震性に課題があると聞いております。沼田市は多くの人命を奪う大規模地震に対
する備えは十分なのでしょうか。阪神大震災や中越地震を経験しているのに、なぜ、市役所庁舎
の耐震診断・耐震改修は進まないのでしょうか。阪神大震災・中越地震では、犠牲者の大半が倒
壊した住宅の下敷きになったそうです。住民は大地震発生直後の状況と対策には大きな関心を示
しますが、大地震から時間が経つにつれて意識が薄れ、地震前の予防対策にはあまり興味を示さ
ないように感じます。こうして質問している今、直下型の大地震が沼田市を襲った場合、地震対
策の指令を出す市長のいらっしゃる市長室は大丈夫なのでしょうか。市庁舎の補強工事は、職員
や外来者の生命を守るために、また、震災時における本庁舎が沼田市の防災拠点として機能する
ために、まさに喫緊の課題であります。本庁舎の耐震対策についてどのように考えているのかお
聞かせください。
 以上をもちまして最初の質問といたします。よろしくご答弁お願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、政治姿勢について、市町村合併について、市町村合併後、一年と数ヶ月の総括について
でありますが、平成17年2月13日に合併をし、一年と半年が経過したところであります。
 各種事務事業につきましては、新市全域を対象として、合併協議により確認をされた調整方針
により調整を進め、市民の皆さんに住民サービスを将来に向けて安定的に提供できるよう努めて
きたところでございます。
 また、身近な地域課題などにきめ細かく対応するとともに、地域ごとの個性や多様性を生かし
た地域自治、地域振興を図るため、地域自治区制度を導入したところであります。
 更に、新市の速やかな一体化を推進し、地域の均衡ある発展と住民の福祉の向上を図るため、
合併協議会において策定した「新市建設計画」に基づき、まちづくりを進めるとともに、大自然
と人々が共生する「うるおい」、「ゆとり」、「やすらぎ」の交流拠点として、いきいきと輝く
個性あるまち、新しい本市のまちづくりを進めるため、新市として初めてとなる「第五次総合計
画」を策定し、本議会において審議をいただくところであります。
 新市としての一体感の醸成を図るためには、時間を要するものと考えておりますが、合併後1
年と半年の現段階におきましては、おおむね円滑に進んでいるものと考えております。
 次に、まちづくりについて、「まちづくり三法」の見直しについて、中心市街地の基本計画の
見直しについてどのように対応するのかについてでありますが、「まちづくり三法」とは、中心
市街地活性化法、都市計画法、大規模小売店舗立地法のことであり、今回、中心市街地活性化法
と都市計画法が改正され、今までの拡散型都市構造から様々な都市機能を市街地に集約する集約
型都市構造への見直しがなされ「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」を目指すこととな
りました。
 中心市街地活性化法の改正では、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総
合的かつ一体的に推進するため、中心市街地の活性化に関する基本理念の創設、市町村が作成す
る基本計画の内閣総理大臣による認定制度の創設、支援措置の拡充、多様な民間団体が参画する
中心市街地活性化協議会が法制化されたところでございます。
 街なかの活性化につきましては、平成11年1月、国に提出いたしました中心市街地活性化基
本計画を基に現在まで事業推進を図り、土地区画整理事業につきましては、本格的な建物移転も
始まりました。
 今後もまちづくりの基盤整備である土地区画整理事業を進める中、中心市街地の新たな基本計
画につきましては、市街地の整備改善、都市福利施設の整備、街なか居住の推進など5つの事業
について、実施主体・実施場所・実施時期が明確になり、数値目標を定め概ね5年以内を目安に、
その事業効果が現れる計画でなければ認定されないことや、中心市街地活性化協議会の設立には
まちづくりを目的とした会社が必要であるなど認定基準が厳しくなっていることを考慮し、地元
権利者組織である沼田市中心市街地活性化の会等の意見を聴きながら、検討してまいりたいと考
えております。
 次に、グリーンベル21について、最大の権利者である三井生命が撤退の意向を示しているが
今後の市の対応についてでありますが、平成17年6月15日、三井生命から沼田市へグリーン
ベル21に係る持分等購入要請があり、協議、検討を重ねた結果、同年11月7日、この要請に
は添えない旨、三井生命に回答を行ってきたところであります。その後も三井生命の動向を注視
してまいりましたが、平成18年8月9日、三井生命から当該持分等の寄附の申し出があり、9
月末日までに回答するよう要請を受けております。
 この持分等譲渡の対応について、庁内組織である「県有施設跡地等利用検討委員会」で協議す
るとともに、実務的な調査、研究を行うためワーキンググループを設置して、その対応方を検討
しているところであります。
 次に、庁舎建設について、本庁舎の耐震対策についてどのように考えているのかについてであ
りますが、市役所庁舎につきましては、昭和39年に建設されて以降、フル活用をしてきており、
時代の進展、業務・組織の拡大等に伴い手狭になった部分につきましては、昭和55年に北庁舎
を増築する形で業務、組織の拡大に対応してきたところでありますが、その後の更なる行政需要
の拡大等により狭あい化が進み、現在ではいくつかの庁舎・施設等に市の組織を分散配置してい
る状況にあります。
 また、建設から40年以上を経過しているため、老朽化が進み、バリアフリーへの対応も困難
であるとともに、議員ご指摘の耐震対策の面からも、庁舎建設等の検討が重要な取組課題になっ
てきていると認識しているところであります。
 庁舎建設等の課題につきましては、どうしても市民生活直結の施策・サービスの提供が優先と
なり、現在の財政状況ひっ迫の中で、手を付けにくい面があるわけでありますが、大地震が発生
した場合などに災害対策の拠点となる市役所庁舎の役割・機能の重要性を踏まえた検討を含め、
今後、庁舎建設等の手法をはじめ、規模や場所、建設等の費用及びその財源確保、並びにこれら
の諸課題を踏まえた建設時期等について、総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇29番(金井康夫君) 再質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、合併して1年と半年が経ちまして、その総括について質問したわけでございます
けれども、市長のご答弁ですと、それぞれの地域性を出すと。また潤い、ゆとり、やすらぎ、こ
ういうものをイメージして、新市建設計画に沿って進めていくのだというようなお答えでござい
ますけれども、実はこの平成18年の3月の一般質問におきましても、私の方から、そのときも
トップバッターで質問をさせていただきました。その際に、将来の沼田市の将来像は、市長、ど
のようなイメージをしていますかというような質問をさせていただいたわけでございますけれど
も、その際には、市長は、旧白沢村は、花と緑の交流ゾーン、また旧利根村は、水と大地の交流
ゾーン、こういうイメージでやっていくというような形でご答弁をされました。またその際に、
利根、白沢、両振興局長からもお答えをいただきまして、白沢振興局長、今日はいらっしゃいま
せんけれども、120号線を中心に、花と緑のゾーンをイメージして、新市建設計画に沿って進
めていくのだというようなお答えがございました。また、利根の振興局長におきましては、それ
ぞれの地域性、こういうものが独自性となって地域の発展に、あるいは活性化につながっていく
と。広大な面積、森林がある。こういう自然の持っている美しさを使って、なるべつお金を使わ
ないで地域性を出すのが今後の活性化につながると。両振興局長、大変すばらしいご答弁をいた
だいているわけでございます。それから市長、合併して時が経ったわけでございますけれども、
市長自身、いろいろなことを言いますと、今回の合併、何も得しないではないか。あるいはよか
った。いろいろな人がいますけれども、市長自分で評価しまして100点満点であれば今のとこ
ろ何点くらいなのか。そちらについて率直にお答えをいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 ただ今の3月定例市議会の中で、白沢、利根の振興局が申し上げられた、花と緑の交流ゾーン、
白沢地区、水と緑の大地の交流ゾーン、利根地区、そして旧沼田市にいたしますれば、歴史とに
ぎわいの交流ゾーンということでもって、実は新市建設計画で、合併協議の中で打ち合わせとい
うか、お互いに納得をし、協議をしてきたことが当然、今後のまちづくりには生きてくると認識
をしておりまして、依然としてその3月の、振興局長が答弁されたことについては、今後も生き
続けていくというふうに認識をしております。
 いま金井議員が、内外からのいろいろな評価の中で、一体全体どの程度の点数をつけるのかと
いうことでございますけれども、なかなかこれは点数を、私の方から100点のうちの何点だっ
たろうかということについて申し上げるのは非常に難しい状況にございます。ただ、一般的な常
識からいたしますると、大学の成績は不可、可、良、優という流れがございますけれども、概ね
良の流れの中で推移をしているのではないかと理解をしております。それはいろいろな評価もあ
ろうと思いますけれども、やはりこれから先々に向かって進んでいくときに、今の、現在の反省
をひとつのテコとして、これから理想に向かって突き進んでいくというような考え方を持ってい
るところでございます。
◇29番(金井康夫君) なかなか自分で評価するというのは難しいということでございますけ
れども、先ほど市長のお答えですと、大学の評定で言えば、優、良、可で言えば、良だというよ
うなお答えでございますけれども。自分自身ちょっと記憶にあるのが、今回、そもそも合併は、
この利根沼田1市2町6村、9市町村でまず立ち上がったわけでございまして、1市2村の枠組
みで決まったときに、その当時市長は、確か、不可にはならないけれども、可ではないのかなと
いうようなことを前の公民館で言ったような記憶があるわけでございます。それから1年ほど経
ちまして、優になったのかなというような気もするのですけれども、優、良、可と言えば大体点
数で言えば80点くらいのイメージなのですね。70点くらいですかね。そんなような、なかな
か市長の性格ですからそこら辺、申し上げられないことだと思いますけれども、結果からすれば
いろいろ批判があるのはしょうがないと思うわけでございます。いろいろ今回、国の方で流れが
合併に関しましていろいろあるわけでございますけれども、この平成の大合併によって、全国3,
300あった自治体が今回1,800程度になったわけですね。群馬県内におきましても、当時
70市町村あったのが、現在39市町村になったわけでございます。これは各自治体が悩みに悩
んだ、そういう結果なのかなというような気がしております。
 また、1,800に自治体がなったわけでございますけれども、そのうち町とか村というのが
1,000程度になった状況でございます。この1,000になったというのは、全国3,30
0あった自治体の町とか村が6割姿を消したというような状況だそうでございます。この合併に
おいて、それぞれの町、村、合併しても効果が見込めないのではないかとか、合併したくてもで
きないところ、あるいは地理的に飛び地であって合併できない。いろいろなケースがあったと思
うわけでございます。そういうような流れの中で、今回、小泉内閣におきましては、三位一体な
どと言われていますけれども、3兆円の税源を移譲しますよ。4兆円の補助金をカットしますよ。
5兆円の交付税をカットしますよというので、何が三位一体なのか、まるきり自分は理解できな
いのですけれども。こういう状況の中で、これからの自治体はどういうふうになっていくのかな
と非常に心配なわけでございますけれども、市長自身どのようにお考えなのか、お聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まさにこの数年来、地方分権の時代と言われて、その中の一つの大き
な手法として市町村合併の施策がとられたということは、これはもはや論を待たないところでご
ざいます。先ほどお話しがあったとおり、基本的にたくさんの市町村、3,000数百あったの
が1,000の後半の台、金井議員のご指摘を借りれば1,800台に基礎自治体がなったとい
うことでございます。私が今次、市長という立場にお世話になっている中で、いずれ国家と基礎
自治体の関係に将来収れんされていくのではないかというふうに分析をしております。と申しま
すのは、やはり画一化から多様化へ、中央から地方へということになった中で、この時代の流れ
を見てみると、基礎自治体、やはりいちばん身近な部分のところについては、そこのところに住
んでいる人たちがいちばんよくわかっているわけでございまして、必然的に今後、基礎自治体の
存在がいやがうえでも高まっていくのではないかというふうに思っております。
 ただ、金井議員がおっしゃるように、三位一体改革の税源移譲、国庫補助負担金の削減、交付
税の見直しの三位一体改革のこの論法は、どちらかというといわゆる中山間地域の依って立つと
ころの自治体には非常に厳しいものであったというふうに思っておりまするし、現在でもそうい
う認識を持っております。従いまして、今後、そういった格差を是正していくために、やはり国、
中央等に向かって志を同じくする、いわゆる市町村長が手を取り合ってこれが解決のために努力
をしていかなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、これからますます基礎自治体の存在、つまり具体的に言うと市町村
になるわけでございますけれども、ここの存在がいわゆる高まってきて、国、県等に対して対等
の関係であるというような形でもっていろいろと論議がされてきた経過もございます。従いまし
て今後、基礎自治体の存在を今後ますます高めていくということが大変重要になってくるのでは
ないかというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長のお考えどおり、三位一体については大変地方には厳しい状況で
ございます。市長、行く末は道州制等を考えているのかなというようなイメージがちょっと今し
たわけでございますけれども、実は今年の4月に共同通信社が、全国の自治体にアンケートを行
いました。これは市長のところにも多分来ていると思うのでございますけれども、91パーセン
トの自治体が存続に不安だというようなアンケート結果が出ました。この内容なのですけれども、
小泉構造内閣には大変厳しい見方が強いようでございます。ポスト小泉に期待するのは、地方財
政への手厚い支援が31パーセントです。これはまだまだ、市長は先ほど分権するのだとかいろ
いろ言われておりますけれども、まだ地方で自主自立するのは手さぐり状態なのかなというよう
なイメージがするわけでございます。またこのアンケートの中で、人口が5,000人未満は、
今後自治体を存続するのに不安ですかと、97パーセントが不安だというようなお答えをしてい
るのですね。さっき、今回、平成の大合併で、町とか村が大体1,000程度になったわけでご
ざいますけれども、970の首長が、自分の自治体存続に不安だということなのですよ。会社で
言えば、社長が自分の家の会社経営が970名不安だと言っているような、そんなような状況な
のかなというような気がしているわけでございます。また今回、この三位一体の煽りを受けてい
るのが、例外なく沼田市も非常に受けておりまして、平成18年、つい最近の委員会で報告がご
ざいましたけれども、交付税が対前年比5パーセント削減されております。この5パーセントと
いうのは3億円減っているわけなのですね。こういう状況の中で今後、当初、市長は利根沼田は
一つなのだ、1市2町6村みんなで頑張ろうというようなことを言われたわけでございますけれ
ども、この自主自立、当時宣言した近隣の村等があるわけでございますけれども、そちらについ
て市長自身、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり昨年の2月の13日に、本市と旧白沢村と旧利根村が
合併をいたしました。昨年の10月の1日に西部3カ町村が合併をいたしました。そして、利根
沼田も、1市1町3村の枠組みの中で現在、それぞれの行政体が努力をしているところでござい
ます。従いまして当面は、この流れの中で推移をしていくというふうに理解をしておりまするし、
まずは自ら新生沼田市の舵取りをしっかりと築いていくことが大切だというふうに思っておりま
す。従いまして、ここのところを落ち着いた形の中で、現在の一市一町3村が推移をしていくの
ではないかというふうに分析をしております。
◇29番(金井康夫君) 今後、新市の舵取りについては様子を見るというようなお答えでござ
いますけれども、これが広報みなかみ、4月に町長に答申があったのですけれども、隣のみなか
み町ですね、合併しました。新治、月夜野、水上、この3つが一緒になりみなかみ町でございま
すけれども、行財政改革調査会というのが調査したところ、滞納未納額が15億円あるそうです。
町が機能する状況ではないというのが広報みなかみに出ているのですよ。町自体で出しているん
です。まあ大変だなという気がするわけでございます。今後市長は、こういうような状況を十分
に把握されていると思うわけでございますけれども、十分に気をつけて行政運営をやっていただ
きたいと思うわけでございます。
 また今回、合併をしていろいろ言われているわけでございますけれども、やはりこの大きな自
治体が小さな自治体に対して配慮するというようなことが一つ合併を成功裡に招くところなのか
なというような気がするわけでございます。今回いろいろ住民からの要望があって、それをやる
となりますとそれ相応の予算措置をしなければならないと。ということになりますと、沼田市全
体でそれを議論しますとやはり賛否両論が出るというようなことになると思います。市長はそう
いうような議論は議会に任せて、市長自身政策を練ってやっていただければいいのではないのか
なと、そういうような気がするわけでございます。また自分自身、感想ですけれども、市長こう
やって今2期目になったのですけれども、大変厳しいときに市長になったなあというような気が
するわけでございます。財政は、例えば豊かであれば、福祉問題、教育問題、公共事業、全てに
住民サービス、当て込むことができるわけなのですね。今回そういうような施策をやりたいとい
うことを言われますと、今度は財政力指数が下がったではないか。行くも文句言われ、引くも文
句を言われる。どっちに当っても市長は文句を言われるわけなのですですね。この財政力の関係
ですが、市長これも現状どういう状況だかご存じだと思いますけれども、沼田市財政力指数、今
0.5ですね。0.5というのは、50パーセントは国に世話になっているということなのです
ね。1になると不交付団体ですから。50パーセントは国に何とかお願いしますよと。また、経
常収支比率、今回交付税の削減になった分を何とか当て込むというので、臨時財政対策債という
のがありますけれども、この臨時財政対策債、これを除くと経済収支比率何パーセントになると
思いますか。105パーセントですよ。105パーセントというのは、要は公共事業ができる状
況ではないというような数値なのですね。ですから、こういう状況を十分、もう少し市民の方々
に説明しなければならないのかなというような気がするわけでございます。
 先のニュースで北海道の夕張市が、市の借金300億円借金があって、一時借入金というのを
また300億円やっているのですね。600億の借金で財産破綻しました。現在沼田市はどうか
と言いますと、先の一般質問で市長に、自分の方から「一般会計の市民一人当たりの借金はいく
らですか」と言ったら、「44万」というようなお答えをされたわけでございますけれども、沼
田市の現在の長期国債、あるいは広域圏、これを全て足すといくらだと思いますか、借金が。5
00億円あるのですよ、500億円。500億円というと新市になって一市民、赤ちゃんから年
寄りまで100万円の借金があるのですね。こういうような状況でどうなのかなと。市長の率直
なご感想なりお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今金井議員の、財政関係についての、非常に切迫している状況に
ついて分析されてのご質問でございます。実際問題私も4年間お世話になって、非常に厳しいな
あということは率直に感じ、そして今日まで努力をしてまいりました。やはり金井議員がご指摘
のとおり、そういった諸々の起債残高を見てみますと、非常に厳しい状況にございます。これら
を一つずつ克服していくためには、内部のいわゆる行政体のスリム化を図り、そして経常経費を
削減し、一歩ずつ着実にこれらが解決のために努力をしていかなくてはなりません。それともう
一つには、先ほど交付税の削減の話がございましたけれども、この交付税というのは、戦後、シ
ャープ勧告以降、いわゆる地方の自治体が自立していくために担保し得るべく政策として打ち出
されてきたものでありまして、これはある意味においてはしっかりと国にものを申し上げていく
ということが大切だと思っております。そういうようなことで今後、一生懸命努力して、今議員
がご指摘のような問題について一歩ずつ解決に導くために全身全霊を傾けて努力をしてまいりた
いと思っております。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも市長、現実はこういう状況だということで頑張っていただき
たいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。これから行政運営は、ある程度
身の丈に合った進め方でやらなければいけないのかなというような気がしております。市長先ほ
ど自分の方で質問させてもらいましたけれども、財政が豊かであれば、あれも、これもできたわ
けなのですね。これからは、あれか、これかの時代だと思っております。ぜひともよろしくお願
い申し上げたいと思います。
 また今回合併してですね、サービスは高い方に、負担は低い方になどという話をよく聞くので
すけれども、市長本当にそういうことができるというふうにお思いでしょうか。あるいは今回合
併する際に、そういう約束をしたのでしょうか。そちらについてお聞かせいただきたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 確かにこれからは政策の要請について全て応え得ることがなかなか難
しい状況になっているということは言うまでもございません。従いまして、今後の進め方とすれ
ばやはり財政の背景を考えて、そして妥当な落とし所と言ったらよろしいのでしょうか。そうい
うようなところをよく行政が精査をして、政策の設定、あるいはまた執行については意を注がな
ければならないと思っております。
 なお、いろいろな約束事等についてのご質問でございますけれども、そういうようなことにつ
いては、私は承知をしておりません。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも市長、現実を見ていただいて行政運営やっていただきたいと
思います。冒頭、私の方から質問させていただきましたけれども、両振興局長お答えがありまし
て、これからは、この広大な自然、あるいは広大な面積を有している、他にはない地域性を出す
のだと。なるべくお金をかけないでやっていくというようなことが独自性につながるのだという
ような、大変すばらしいお答えをいただいているわけでございますから、それの両振興局長の意
を汲んで、ぜひとも行政運営をやっていただきたい。そのように思いますので、よろしくお願い
申し上げます。
 次に、中心市街地についてお聞かせいただきたいと思います。
 こちらにつきましては、市長、先ほど1回目のご答弁にありましたとおり、まちづくり三法と
いうのが、平成10年の頃にできました。これは市長お答えになったとおり、改正都市計画法、
これは乱開発を防ぐというような都市計画法と大型店立地法につきましては、中心市街地に大型
店を誘致する際には、ある程度環境に配慮しなさいよと。自転車、あるいはカラス対策、こうい
うものに配慮しなければ出店を許しませんよと。またもう1点の中心市街地活性化法におきまし
ては、当時の13省庁、これが一体となって全てのメニューを作って何とか活性化していこうと。
こういうような流れでやったわけでございますけれども、当時沼田市におきましては、平成11
年の1月の8日、これは全国で24番目に基本計画が承認されました。それを受けて、先ほど1
回目のご答弁ですと市長はこの基本計画に沿って土地区画整理事業で行うのだというようなお答
えでございましたけれども、ここで一つ確認をしたいのが、当時の計画ですと10ヘクタール、
10ヘクタールを土地区画整理事業を行って、滝坂エレベーターを作りますというような計画で
あったわけでございますけれども、市長自身そのような基本計画で進めていくお考えなのかどう
か。お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、滝坂のエレベーターの関係につきましては、私が就任した当初
ですね、やはり現下の諸情勢からいわゆる凍結、あるいはまたこれを進めていくということは問
題があるというふうな観点で皆さん方に申し上げてきた経過がございます。そういった中で、基
本計画が、平成11年に出してきた経過がございまして、現在の、このまちづくり三法が仮にこ
の適用にならなくても事業推進は可能であると理解をしております。そういった中にあって、今
後これの関係については、先ほど答弁したとおり地元権利者の組織である沼田市中心市街地活性
化の会等の意見を聞きながら、まちづくり三法等の対応等について処していきたい。こういうふ
うに思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長のお答えですと、基本は基本計画どおり進めていくのだというよ
うなお答えでございますけれども、当時、平成11年、12年の頃だと思いますけれども、沼田
のまちづくりを考える市民の会とか、当時反対した議員のお蔭をもちまして、一事業が凍結とな
っているのが現状でございます。また当初のハード、この基盤整備は、平成20年には全てがで
きるというような当初の計画でありました。いま平成18年でありますので2年後にはできる予
定であったわけでございますけれども、諸事情があって、この基本計画におきましては、平成2
5年まで事業スパンを伸ばしたわけでございます。この平成25年までに事業スパンを伸ばした。
あと7年間でこのまちづくりが本当に、この基本計画に則ってやって本当にできるとお思いなの
かどうか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今回のまちづくり三法が出てきた時代背景等はもう議員はよく存じ上
げているのではないかというふうに思っておりますので詳細に触れることはいたしませんけれど
も、やはりいろいろと進めてきた経過の中で、日本経済の後退であるとか、そういうようなこと
から非常に地方の都市を巡る状況が、厳しいという状況そのものが、この街なかのところに映し
出されているような経過がございます。従いまして、私どもとすれば、何とか平成25年までこ
の延伸したことについて努力をひたすらしていくわけでございますけれども、やはり状況等を常
に勘案しながら処していかなければならないというふうに思っております。大変スタートの時点
から見ると、社会背景等が様変わりをしておりまして、そういったことから大変厳しいこの事業
運営がなされているというような経過がございまして、ご理解を賜りたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長のお答えですと、基本計画に沿って平成25年までの基本的なス
パンでやっていくというようなお答えでございますけれども、厳しい状況だというようなお答え
でございますけれども、この事業進捗を進めるときに何がいちばん課題だとお思いなのか。そち
らについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろなことが想定がされるわけでございますけれども、やはりご
承知のとおり本事業はご案内のとおり、家を、あるいは店舗をいったん除去して、そして新たに
区画を整理して、そして新しい建物を建てていくという、このくだりがございます。当然そこに
は、長年住んでいた営業、あるいはまたそういう歴史的な流れもございます。そんなことから、
非常に差し迫った状況の中で、大きなリスクをお互いに背負っていかなければならないという局
面があるというふうに思っております。私ども見城部長を中心に、本当に行政も努力をさせてい
ただいている中で、ようやくここにまいりまして、下之町の関係等について前進が見られたとこ
ろから、各地区からもできるだけ早く進めてほしいというご要請もございます。従いまして、今
後も関係部課に指示をいたしまして、できるだけ地域住民のニーズを承りながら、これが対応の
ために処してまいりたいと思っておるところでございます。
◇29番(金井康夫君) 今後この事業を進める中で、何がいちばん課題だと思いますかという
ような質問をさせていただいたわけでございますけれども、市長のお答えですと、ある程度この
家を壊したり、土地区画整理の事業手法が厳しいのかなというようなお答えでございますけれど
も、私自身いちばん課題になっていると思いますのは財政的な問題だと思います。先のに25年
にケツを合わせますと、今18年ですから7年後にやるということになりますと、当初150億
円くらい予算を予定したわけでございまして、先行買収、大体これもう40億円くらい済んでお
るわけでございますけれども、100億を7で割ると年間15億円くらい捻出しなければならな
いのですね。じゃあ今の沼田市の財政の中で、15億円財政を捻出することができますかという
ことになれば、「100パーセントじゃあ地権者が同意しましたから市長やってください」と言
って、できるのですかと言ったときに現実はどうなのかなというような気がするわけでございま
す。そういうことを踏まえて、今回私が一般質問でやっている、言いたいことは、せっかくの改
正ですから、基本計画の改定をさっき市長、5項目があって、非常に厳しいものをクリアしなけ
ればならないというようなお話しをされましたけれども、今回いいきっかけなのですよ。国が言
っている改正中心市街地活性化法というのは、ある程度数値目標を立てて5年後に効果のあった
ところに関しては交付金を拠出するというような仕組みのわけなのですね。これはわかりやすく
言えばコンパクトシテイなどと言いますけれども、歩いて行ける範囲に商業、あるいは病院、ま
た行政の出張所、こういう諸機能が整ったところを言われていると思うのですね。それは、いわ
ゆる歩いて暮せるまちづくりというようなことを言われているわけでございますけれども、市長
ご存じだと思いますけれども、本市においては、平成11年に経済新生対策、これに則って「歩
いて暮せるまちづくり」の基本構想を立ち上げています。この全国86の都市のうちの20のモ
デル地区に選定されているのですね、沼田市は。当初73ヘクタール、沼田公園と沼田駅と中心
商店街、これをそれぞれ歩いてまちを活性化させましょうというようなことで、歩いて暮せるま
ちづくり事業というのを平成13年に報告書が出ているのですよ。それについて今回、改正都市
計画法がありますけれども、沼田市は先行してかなりやっているわけなのです。現状見たら、5
項目がクリアしなければなかなか条件が整わないとか、大変厳しい条件が付いているとか、何か
内容的にはトーンダウンしているのかなというような気がするわけでございますけれども、国の
方針と今までの経過を踏まえて、市長自身どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) これはあくまでもそういった5つの関係のクリア事項があるというこ
とは、これはもうやむを得ない。必須項目になっておりますので申し上げたわけでございまして、
ご理解を賜りたいと思っております。さらに、実施主体、実施場所、実施時期等を非常に明確に
する必要があるというようなことがあって、先ほど申し上げましたように市街地の活性化の会等
のご意見を聞いて検討してまいりたい。そういった流れの中で、近々に勉強会というか、それの
関係については現在、事務方でいま試料しているところでございます。
◇29番(金井康夫君) 今後のこのまちづくりに関しては、ぜひとも市長自身に頑張っていた
だきたいと思うわけでありますけれども、県内の市町村ですと、富岡市が沼田とほぼ同時に。ま
た、多分計画範囲がちょっと大きいのですけれども、新市長になって土地区画整理事業、白紙に
戻しました。今後この中心市街地活性化法に則って新たに改定版の基本計画を作るというような
ことで、富岡は世界遺産を目指しているわけでございますけれども、こういうような市もあるわ
けでございまして、今のままでやるということも結構でございますけれども、多分押せ押せで、
今下之町からやっていますけれども、一人でも反対すればそこで止まるわけですから、渋川など
はいい例で、100年経ってもできないのではないかと、そのような率直な感想がするわけでご
ざいますけれども、もう少し実施目標を持って、具体的に今までのままだったら多分「絵に描い
た餅」になってしまうのかなというような気がしますので、ぜひとも市長におきましては、この
まちづくりについては頑張っていただきたい。このように思います。
 続きまして、グリーンベル21についてお聞かせいただきたいと思います。先ほど1回目のご
答弁があったわけでございますけれども、この率直に言って、グリーンベル21の6階までの床
面積の85パーセントを三井生命が持っていますよと。今回この三井生命が撤退の意向を示して
いるのは、三井生命として収益が上がらないのが原因なのかなと思うわけでございます。現状、
もう少しわかりやすくその三井生命の収支についてお答えいただきたいのと、また今回、沼田市
におきましては、先ほど市長から時系列についてお答えがありましたけれども、再々、三井生命
から購入してくれということに関しまして、市としては、かたくなに拒んだわけでございます。
こちらの理由について、あの三井生命、資産評価いま30億と言われているわけでございますけ
れども、この30億円全て寄附してもかまわないということに対して、市としてなぜ購入を拒む
のか。こちらについてもう少しわかりやすく。じゃあまた何がクリアできれば購入をしてもいい
のか。そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この問題は、先ほどのまちづくりの問題とともに大変重要な問題でも
あり、しかも非常に神経を使う問題でもございました。結局、私どもが、今までの購入依頼に対
して、購入ができなかった理由というのは、結局、教育施設だとか、福祉施設だとか、市民に有
益な施設等現在の行政需要を賄う目的及び行政資産としての活用を構築することが大変広いこと
から難しいということがまず一つございました。
 それから2つ目といたしますと、金井議員はもうよく存じあげていると思いますが、土地家屋
等について、持分所有権として所有権が保有されておりまして、所在の不確定の状況が行政財産
として所有することに大変難しいところがあるということが2つ目でございます。
 3つ目は、一般論として、今次の流れの中で、行政が経済活動とか、商業活動の中に直接介入
することは、むしろ今、経済活動とか商業活動、あるいはまた市行政体そのものもアウトソーシ
ング等に見られるように、民間へ、民間へという時代がありまして、そういうふうなことがあっ
てのところが課題であったということでございます。
 なお、経過につきましては、経済部長の方から答弁をいたさせますのでお聞き取り願いたいと
思います。
◇経済部長(大嶋政美君) 命によりお答えを申し上げます。
 まずもって、資産の経緯でございますけれども、三井生命の保持する資産そのものは、総体の
議員ご指摘のとおり、建物の86パーセントに相当する資産が持ち分所有権として保存されてい
るわけでございますけれども、この持ち分比率にもちまして集計を推定いたしますと、土地の持
ち分そのものが概ね6,700平米、建物の床につきましては、第一街区、第二街区のそれぞれ
の床を合わせまして3万3,700平米余り、これらが持ち分所有権として持っている資産の概
要でございますし、また、沼田都市開発株式会社に対して保持しておりますところの株券、これ
が200株、額面で1,000万であたるわけでございますけれども、これらを合わせて継承し
ていただきたいという要請にあったのがその資産の概要でございます。
◇29番(金井康夫君) 先ほどの質問の内容は、三井生命の収支はどうですかというようなこ
ともお聞きしたわけでございますけれども、多分赤字だと思うのですね。具体的な数字は結構で
すけれども、多分年間にすれば何千万も赤字のわけで、何とかしてくれというようなお話しじゃ
ないかなと思うわけでございます。また、市長は、どういう理由で三井生命の購入に対していろ
いろ考えているのですかと言いましたら、広すぎるというようなこと。あるいは商業経済地域に
行政が入るのはどうかと。簡単に言えば、目的が定まらないというようなことを言われているの
かなと思うわけでございますけれども。私自身、この目的については素人考えで大変失礼であり
ますけれども、例えば群馬県の合同庁舎、福祉センターの隣にありますけれども、あちらにおい
ては、今高齢福祉課と社会福祉課が2つ行っていますけれども、借りたのはいいけれどもネズミ
は出る、ネズミの糞は出る、水は臭くて飲めないと。また今年の夏は暑くて、ガラスに目張りを
しなければクーラーが効かないというような、そんな劣悪な状況で職員が職務をやっていたわけ
でございまして、あの庁舎に関して、市として300万円も年間出しているのですよ、家賃で。
300万と言えば12で割れば一月25万くらいのわけですね。だからああいうようなところで
借りるのであれば、例えばグリーンベル、いくらでも空いているわけですからあそこに入ったら
どうかとか、あるいは市長よくハンデイのある子どもたちに、大変昔から、県議時代からやられ
ているわけでございますけれども。榛名養護学校、今回分校になりましたけれども、福祉センター
におきましてはアップル、母子通園等があるわけでございますけれども、そういうハンデイのあ
る子どもたちの機能訓練場所、あるいは夜パートで忙しい中働いている主婦のために夜間保育、
あるいは学童保育、こういうような施設を入れたらどうかと。また本日は、たくさんの方々に傍
聴に来ていただいているわけでございますけれども、この庁舎はエレベーターがないわけなので
すよ。この傍聴席に来たくても来れない足腰の悪い人、あるいは心臓の悪い人、こういう人たち
のためにもなるのではないか。そういうふうに思うわけでございます。市長は毎朝、相当朝早く
から起きているようでございまして、市長室に7時から、だれでも来てくださいというようなこ
とも言われているわけでございますけれども。例えば7時に来ても、この階段を昇れない人はど
うしたらいいのでしょうかと。そういう人に対しまして、市長は、職員に一言声をかけてくれれ
ばというようなことを言われるかもしれませんけれども、そういうハンデイのある方々というの
は、なかなかその一言が声に出せないという状況なのかなというような気がするわけでございま
す。
 先ほど、グリーンベル21の関係につきましては、持分所有、現状の課題等言われているわけ
ですね。あと経済商業施設には何だとか、これは民法上のことを言っているのですけれども、こ
のグリーンベル21については、それだけで論議する課題ではないと思うわけでございます。こ
れは昭和61年に2核1モール構想、これは商工会議所で近代化計画というので作ったのですけ
れども、それの流れの中から平成5年に組合施行で再開発ができたと。また、平成10年にまち
づくり三法に則って基本計画が流れているのだと。こういう流れが脈々とあるわけでございます
から、市長自身、あのグリーンベル21にだけ目を凝らして考えるのではなくて、専門組織、あ
るいは市民全体で検討委員会を立ち上げて、この中心市街地のグリーンベル21のことに関して
早急にですね、対策委員会、こういうものを市長が諮問してもいいじゃないですか。それに則っ
て議会でまた議論したらいいではないですか。こういう市の職員だけで考える。あるいは都市開
発株式会社、あるいは地権者の間だけで考える。こういう問題だけでなくて、全体としての問題
なのだというような意識のもとでやらなくてはならないと思いますけれども、市長のお考えをお
聞かせいただきたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時03分休憩
─────────────────────────────
午前11時11分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員が、夜間保育のことだとか、ハンデイのある子どもたちのこ
とだとか、あるいはまたそれぞれ現在の東庁舎の実態等の紹介のもとにご提案があったわけでご
ざいますが、当然、そういうようなことも含めてワーキンググループでは鋭意検討を進めている
わけでございます。今後、この検討委員会を全市的に立ち上げたらどうかと、そういうご提案だ
と思っておりますが、非常に内容の問題がデリケートなところがございますので、各方面の方々
の意見を拝聴することについてはやぶさかではありませんけれども、現在行っているところのワー
キンググループ等を中心として、今後各関係機関にいろいろとご指導いただいてまいりたいと思
っております。
◇29番(金井康夫君) 今後、こちらにつきましては、ワーキンググループを立ち上げてデリ
ケートな部分があるということで、それを中心としてやるということでございますけれども、市
長、成功事例をここでちょっと紹介させていただきたいと思います。
これは滋賀県の大津市、これは平成6年に、沼田とケースが結構似ています。組合とダイエー・
アゴラ、これは後の十字屋なのですけれども、これが覚書をしました。平成10年に明日都浜大
津ビルオープン、これがオープンしたのです。この床面積が5万平米、非常に大きい面積です。
これが当時売上目標60億、十字屋が持ったわけでございますけれども。5年後に、この十字屋
が浜大津オーパ、これ撤退表明をしました。この十字屋より市に、今回沼田と同じなのですけれ
ども、床の権利を申し出したのです15年12月に。市とすれば、2月にはもう中心市街地活性
化実施プログラム策定研究会、これは民間も入っています、専門家も入っています。これは研究
会を立ち上げました。平成15年3月には、十字屋が撤退しました。その後どうなったのかとい
うことでございますけれども、今年の春に再開発のビルがリニューアルオープンをしました。こ
れが1階が民間NPO等を入れたようでございます。また2階に市の企業局のショールーム、3
階には、子育て支援センター、こういうものを入れてオープンさせたわけでございます。先ほど
市長、経済活動とか商業活動はどうかというようなことを言われたわけでございますけれども。
この大津に関しましては、浜大津保育園、これは市立の保育園なのですけれども、指定管理者制
度で入れたそうでございます。こういう方法も十分できるのかなというような気がしております
ので、これは成功事例でございますので、一つの参考に、今後ワーキンググループでもいいです
けれども、研究していただきたいと、このように思います。
 それから、最後の庁舎の関係について移らせていただきたいのですけれども、さっき一般質問
していたらちょうど地震がきて、このくらいの地震では大丈夫などということも言われたのです
けれども、今回、この庁舎の関係につきましては、平成14年に庁舎基金ということで1億円程
度、当時積んだわけでございます。この1億円を取り崩したわけでございますけれども、市長自
身、この庁舎についてはもう待ったなしの状況に来ているのかなと思うわけでございます。財政
の負担の分散化というのは、財政を考える原理、原則なのかなということでございまして、以前
お答えがありましたけれども、この庁舎を造ると大体30億くらいかかるというようなお答えが
ありまして、今から少しずつでもいいから積み立てなければいけないのかなというような気がす
るわけでございます。ぜひとも市長、お考えを改めましてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 確かに議員がおっしゃるとおり、本庁舎にはエレベーターがございま
せん。実は私が市長に就任時分にエレベーターのことが話題となったわけでございまして、当時
の関係部課が庁舎の真ん中の、いわゆる空地地区と言ったらいいでしょうか。あるいは空いてい
るところがございます、吹き抜けが。そこのところに造るべくいろいろと内部で検討したようで
ございます。しかしながらご案内のとおり庁舎がいろいろな実態があって、結局それが実らなか
ったという経過がございます。そういった中で私も、1階の受付の女性には、障害を持っている
方が来られたらすぐに秘書課の方に連絡をとって、ここの所に行って男性が2階の方に誘導して
あげるというような指示のもとに2階、3階の対策には処してきている経過がございます。ご案
内のとおり間違いなくこの庁舎というのは、いわゆる5万5,000市民の最も象徴的な場所に
なりますので、その象徴的な場所であるところの庁舎がいろいろと老朽化しているということは
憂えることでございまして、今後の重要な政策課題であるというふうに認識をしております。従
いまして、今日、冒頭答弁を申し上げましたように、総合的な検討を進めていくということは大
変重要だと思っておりまして、現在の状態からいい方向に導いていくための方策を講じていかな
くてはならないと認識をしております。
◇29番(金井康夫君) ぜひとも市長におきましては、新生沼田市、大変課題が山積している
状況でございます。市長はだれが見ても頑張っているというふうに思うわけでございます。これ
から気合とか、そういうことも結構でございますけれども、ある程度目標を持って、結果が残る
というような形でやっていただきたいと思います。市長にこんな若輩者が申し上げるのは大変僣
越であるわけでございますけれども、船頭が多くて船が山に登るような、そのようなことがない
ように行政のリーダーシップをもって、今後の新生沼田市の舵取りをよろしくお願い申し上げま
して、私の一般質問を終らせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、高柳勝巳議員。12番。
〔12番 高柳勝巳君登壇〕
◇12番(高柳勝巳君) 通告に基づきまして一般質問させていただきます。
 まず、最初の質問の大タイトルは、平和行政の強化についてであります。
 本年の長崎における平和式典での伊藤市長あいさつの最初に出てきた言葉を借りるならば、
「人間は、いったい何をしているのか」でした。平和を求めて活動を続けている多くの人々にと
って、北朝鮮の弾道ミサイルの発射問題、イスラエルとレバノンでの戦闘など、一向に減少され
ない、武力による国際間での問題解決志向が、そうゆう言葉を発せざるを得ない状況を如実に物
語っていると思います。
 この61年間、多くの自治体で「非核自治体宣言」を行うなど、平和行政を推進していこうと
いう気運は、一定の成果を上げてきました。しかし、正直なところ、それ以降の具体的な取り組
みの広がりが、なかなか混迷していると感じているところです。
 このような中、沼田市においては、本年「非核宣言自治体協議会」に、県内4番目に加入をし、
決意と姿勢を表明したことは大変評価をするとともに、敬意を表します。
 そこで、あえてなぜ、このような情勢下にあって「非核宣言自治体協議会」加盟されたのか。
その経緯と現在の取り組みについて、伺いますと同時に、今後の強化策の具体的検討について、
どのようにお考えなのかを伺います。
 小項目の2つ目は、国民保護計画策定の進捗状況と課題についてであります。
 本年の3月定例会でも申し上げましたが、この国民保護条例が、その名称のとおりの役割を果
たすためには、相当の不安や疑問の除去による「危険性の排除」が前提条件であると主張いたし
ました。
 この主張に対して、「計画策定議論の中で、様々な疑問の解消が図れることが望ましい」との
主旨の答弁をいただきました。いよいよその審議が始まるようですから、状況と取り組み課題に
ついて伺いたいと思います。
 続いて、大タイトルの2番目「地域内資源を再生し、自立を目指したまちづくりについて」に
入ります。この質問は、本年3月定例会でも、いわゆる団魂世代の大量退職期を迎えてという項
目で、その入り口について質問をしております。本日は、そのふるさと回帰の取り組みについて、
その後の進捗状況と今後の課題および戦略について質問しようというものです。
 その名のとおり、団魂世代の大量退職期は、07年問題とも言われ、来年でピークを迎えるこ
とになります。だから、急いで、にわか仕込みのモノでもいいからその対応策を作れと申し上げ
たわけではありません。
 いささか気恥ずかしい気もいたしますが、この課題は、合併の際にも申し上げた「20世紀型
スタイル」「都市型スタイル」の対岸に位置する「ふるさと・地方の復権」「人間性回復」をテー
マとした「運動体」をどう作っていくか、その視点で、着手を開始して欲しいと述べたわけであ
ります。
 従って、その着手の状況、つまりどのような体系を作り、どう動こうとしているのか等につい
て、まずお伺いいたします。
 次に、伺いたいのは、「センター機能の在り方について」であります。沼田市の魅力をどう
「発信」し、全国の動きをどう「受信」していくかという点で、センター機能は非常に重要と考
えます。
 さらに重要な点は、地域内の魅力を、「どう見いだし、創り出すのか」という役割の一端も担
えるセンターであればよいな、という考え方を私自身は持っております。この3つの課題「発信
力」「受信力」「創出力」を中心として、センター機能をどう創り出していくのかについて、市
長のお考えをお聞かせください。
 3つ目の質問は、先ほどの魅力の創出力の提案としての具体例です。すでに周知のとおり環境
の問題は、かけ声は高く、実行は足踏みの状況です。エネルギー問題と深く関連し、世界各国・
各産業間の思惑も絡んでの昨今の状況と認識しております。
 わが沼田市は「水と緑の大地・田園空間都市」という壮大な目標を掲げております。京都議定
書によると森林のCO2削減効果を3.9パーセントと見込んでおりますし、石油の高騰問題と
新エネルギー問題とを考え合わせますと、本市のサブ・タイトルを水・空気・食糧およびエネル
ギーの自給自足の可能なまち、とも定義できるのではないかと考えるのです。
 本市の持つ広大な面積の森林と、それに関連した事業は、貴重な財産であると同時に、極めて
厳しい状況下におかれております。「地域内資源を再生し」という質問のタイトルの真意の中に
は、人的・物的な貴重な資源を、地域内で循環させていく仕組み作りにあると考えているからで
あります。
 本年3月末、閣議決定された「バイオマスニッポン総合戦略」を受け、平成22年度までにバ
イオマスタウン構想策定の自治体を500とした、この構想策定と、その相乗効果についての市
長の見解を伺います。
 最後に、大タイトルの3番目となります「感性を育て、人格の完成に主眼を置いた教育につい
て」です。
 昨今、マスコミ等を中心に、子供達の体力の低下、モラルの低下、さらには学力の低下が危惧
されるとした「社会的風潮」が存在していると認識しております。また、それらに起因されると
した子供、家族等の凄惨な事件が連日、新聞等に掲載されております。また、様々な場面での
「格差問題」もクローズアップされ、教育の場における同様の論議も、にわかに本格化されつつ
あります。
 「子供は、大人の言うことは聞かないが、することは真似る」と言われていますし、実際、私
も少ない人生経験の中から、そう実感しております。これは、大人が瞬間的に発する「言葉」よ
りも、長年続けている「行為」を、よく子供は観察して、損得や正義・不正義、モラルやマナー
などを「価値観として体得」していくという意味に理解しております。
 こうした視点で、未来を担うべき現在の子供達をめぐる状況を垣間見たとき、大人世代の一人
としてどうしても自責の念にかられてしまうのです。
 当然、その最前線で日夜奮闘されている関係者の皆様におかれましては、相当頭を悩ませなが
ら日々の教育活動を展開されておられるのでは、と推察する次第です。
 私自身は、先ほど申し上げましたとおり「親は子の鏡」ですから、生徒や児童が「動揺」する
ような事態は、大人の世代の反映に違いないと考えているところですし、「学力向上」とは言う
ものの、「知識」「偏差値」に、どうも重点が置かれ過ぎているのではあるまいかという疑問を
持っております。
 感性を育て、という言葉の中には、いわゆる受験教科以外の人間として重要な部分の育成強化
を指し、人格形成の完成という言葉の中には、高校や大学の受験としての学力も大切だが、80
年とも言われる人生においてはむしろ、それからの生き様や人生の深みを味わえるための「吸収
力」を養うことの方が、極めて必要ではないかと考えるからです。
 以上のような経過で、いわゆる「学力」は本当に低下しているのか。だとすれば、その原因は、
どこにあるのか。そもそも「義務教育」の真の目標は、どこに置かれるべきなのかを冷静に分析
をして、本市においては、混迷の時代と言われる今日においても、動揺することなく、目標の達
成に向け、着実な前進をして欲しいと考え、質問を決意した次第です。
 そこで、教育長においては、いわゆる児童生徒の学力低下や学力格差の問題をどう分析し、今
後の取り組みへどう生かしていく考えなのかを、まず伺います。
 そして、先ほど心配と申し上げました、音楽や美術などの受験科目以外の科目や、道徳の時間、
総合的な学習の時間などの重要性と、豊かな心や感性を培う教育については、実際どのように行
われているのかを伺います。
 さらに、定着をしているはずの、「人間は社会的動物である」といった定義でさえ、疑わしく
なる昨今の公共心やモラルの問題について、教育の現場ではその醸成について、どのように取り
組んでおられるのかを伺います。
 また、これと関連して対比されております「愛国心」について、どのように捉え、指導してお
られるのかを伺います。
 以上申し上げ、私の1回目の質問といたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、平和行政の強化について、非核宣言自治体協議会について、加盟に至った経緯と現在の
取り組みについてでありますが、本市では昭和58年に制定した市民憲章の精神を体して、昭和
61年に「核兵器廃絶平和都市宣言」を行い、非核・平和に対する積極的な意思を表明いたしま
した。以来、市といたしましても、平和に関する啓蒙啓発活動を行ってまいりましたが、現在の
核兵器を巡る国際社会の状況は極めて混迷の度を深めており、核軍縮への取り組みは進展せず、
核兵器は今もなお深刻な脅威となっております。また、戦後61年を経過した現在、被爆者また
戦争体験者の高齢化により、被爆体験や戦争体験の風化が懸念されております。
 21世紀に生きる私たちに課せられた使命は、今日の繁栄が多くの尊い犠牲の上に築かれてい
ることを改めて胸に刻み、戦争がもたらす悲惨さと、平和の尊さを次代に引き継ぎ、真の恒久平
和を実現することにあると考えております。
 こうした中、世界で唯一の被爆国の地方自治体が連携し、核廃絶の必要性と平和の尊さを世界
に強く訴えていくという地道な活動が大切であります。
 こうしたことから「日本非核宣言自治体協議会」の設立趣旨とその活動は大変意義深いもので
あり、本市も本年度この協議会に加入し、全国の非核宣言自治体と連携し、非核・平和活動の推
進に努めるとともに、本市における非核・平和行政における諸施策の充実を図ることとしたもの
であります。
 現在の取り組みについてありますが、本年度も「広報ぬまた」への平和に関する特集記事の掲
載、広島・長崎への原爆投下日及び終戦記念日における平和祈念の黙祷の呼びかけ、また、各種
団体が行う平和活動などにより市に訪れた皆さんに議長とともに激励し、支援を行うなど、平和
に関する啓蒙・啓発活動を中心に市民の平和意識の高揚に努めているところであります。
 次に、強化策の具体的検討についてでありますが、核兵器廃絶平和宣言都市として、核兵器の
脅威と平和の尊さを次代に引き継いでいくことが重要であると考えておりますので、これまで行
ってきた非核・平和に関する諸事業を継承するとともに、本協議会を通じて全国の非核平和行政
の状況について情報収集を行い、先進事例を参考に今後も引き続き、啓蒙・啓発活動を中心に、
本市の非核平和行政の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、国民保護計画策定について、国民保護計画策定の進捗状況と課題についてでありますが、
平成16年9月に「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」いわゆる
「国民保護法」が施行され、同法第35条の中で、市町村長は都道府県が作成する国民保護計画
に基づき市町村における国民保護計画を作成しなければならないと規定されております。
 従いまして、沼田市における国民保護計画は群馬県が示しておりますモデル計画をもとに、現
在、事務レベルで作成作業を進めているところであります。
 今後、沼田市における国民保護計画の内容につきましては、同法に基づき沼田市国民保護協議
会に諮問することになっておりますので、この協議会の中で様々な議論がされることと認識をし
ております。
 次に、地域内資源を再生し、自立を目指したまちづくりについて、ふるさと回帰の取り組みに
ついて、進捗状況と今後の課題、および戦略についてでありますが、本市は恵まれた自然環境、
歴史、文化があり、豊かな田園空間の中で、地域間の連携や都市との交流を深めながら、住む人
にとっても、また、訪れる人にとっても居心地のよい人間性豊かなまちづくりに努めることとし
ています。
 現在、国民の多くは、「ゆとり」「やすらぎ」「健康」への関心が高く、都市と田舎の双方の
暮らしを志向する新たなライフスタイルを望む傾向が見られます。
 ご質問の、「ふるさと回帰」の取り組みについてでありますが、都市との共生・対流は自立で
きる地域経営の実現を図る有力な手段と考えられ、庁内に関係する各課の担当職員で構成する
「市民交流推進庁内研究会」を設置し、ふるさと回帰に重点を置いて調査、研究及び企画などの
取り組みを進めております。
 具体的には、都市住民に本市ならではの農作業体験や自然体験をしていただく「田舎体験ツアー」
の実施を計画しております。また、滞在先、空き家及び遊休農地の把握などに努め、本市への来
訪のきっかけとなる新鮮な情報提供をしてまいりたいと考えております。
 今後の課題、および戦略でありますが、環境や福祉などの側面からも、魅力あるまちづくりを
目指し、地域の特質「沼田らしさ」を生かした施策を関係機関も含め幅広く考え、地域の活性化
に繋げていくため、更に研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、センター機能の在り方についてでありますが、議員ご案内のとおり、日本労働組合総連
合会、全国農業協同組合中央会などにより、2003年にNPO法人「100万人のふるさと回
帰・循環運動推進・支援センター(略称:ふるさと回帰支援センター)」が設立されました。
 同センターは、帰農、就農・就労等だけでなく、定年後に年金を糧に地方での生活を希望する
人や、都市生活者が一時的に地方に滞在し、より豊かな生活を楽しむことを考えている人等も支
援する活動を行っています。  
 また、全国に先駆けて地域別のふるさと回帰支援センターを立ち上げた長野県飯山市では、N
PO法人を立ち上げ、JAや行政とも連携して、農業を始めたいという声など個人のさまざまな
ニーズに対応するための支援活動を行っています。
 センター機能の在り方についてでありますが、都市生活者が田舎暮らしを体験してみたいとい
う要望に対して、農業に関する情報提供のほか地域の習慣、観光などの必要な情報発信を行うと
ともに、先進地などの情報を的確に捉え、本市ならではの魅力を創り出す組織機能の在り方につ
いて研究を進めてまいりたいと考えております。
 次に、バイオマスタウン構想の策定と相乗効果についてでありますが、農林水産省をはじめ経
済産業省等省庁横断型取り組みであるバイオマスタウン構想は、「地域内のあらゆる関係者の連
携の下、バイオマス発生から利用まで効率的なプロセスで結ばれ、様々な種類のバイオマスが総
合的に利活用されるシステム」の構築であり、このことは、地球環境においても幅広い効果を得
ることができるとされております。
 その中の木質バイオマスとなる林地残材、樹皮・端材や建設廃材は、有効活用することにより、
化石資源の代替え資源としての役割に大きな期待がされているところでありますが、間伐等の森
林整備により林地に残される未利用間伐材や枝葉は、収集コストの関係もあり十分な活用がされ
ていない状況にありますので、バイオマス構想の策定に当たっては、関係者のご理解とご協力が
必要不可欠であり、さらには、各部門の有機的な連携が肝要と考えているところであります。
 また、相乗効果につきましては、新たな雇用と産業をも創出でき、地域の活性化が期待できる
ところでありますが、資源の収集から変換、利用先まで効率よく連動しないと効果が上がらない
ことから、市民をはじめ、関係者の十分なご理解とご協力を得ながら、調査・研究を進めてまい
りたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、感性を育て、
人格の完成に主眼を置いた教育については、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い
申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
 〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 感性を育て、人格の完成に主眼を置いた教育について、学校教育について、いわゆる児童生徒
の学力低下や学力格差の問題分析と今後の取り組みについてでありますが、本市におきましては、
毎年実施している標準学力検査などの結果を分析する限りにおいては、現在のところ、学力低下
や学力格差、あるいは学力の二分化などの現象は確認できません。しかし、児童生徒一人一人に
生きる力を育むための基盤である「確かな学力」を身に付けさせることは、大切なことでありま
すので、少人数指導やティームティーチングの指導など個に応じた指導を積極的に推進するとと
もに、サマースクールや授業中及び授業以外の時間を利用した本市独自の「振り返り学習」など
の徹底を図りながら、今後も基礎学力の向上に努めてまいる所存であります。
 次に、音楽や美術などの受験科目以外の科目や、道徳の時間、総合的な学習の時間などの重要
性と豊かな心や感性を培う教育についてでありますが、教育の目的は人格の形成にあるわけであ
りまして、そのために、学習指導要領に示されている各教科、道徳、特別活動、及び、総合的な
学習の時間など、全ての分野にわたり、それぞれの目標達成に向けて指導の充実を図ることによ
り、人間として調和のとれた児童生徒の育成を図ることが必要であります。本市におきましても、
これまで以上に、各学校において、いわゆる知、徳、体のバランスの取れた教育活動を積極的に
推進していきたいと考えております。
 次に、公共心の醸成と愛国心についてでありますが、公共心や愛国心は、心の問題であるため
に、単なる知識として習得したり他者から強制されて身に付けたりするものではなく、日々の生
活や様々な体験、各教科等の学習を通して、児童生徒一人一人の心に少しずつ醸成されていくも
のであると考えております。そのために、学校教育においては、小学校1年生から中学校3年生
までの各段階ごとに、児童生徒の発達状況にふさわしい内容を位置づけ、計画的に指導をしてい
るところであります。
 道徳の時間における公共心やモラルの醸成を例に取れば、小学校低学年における、みんなが使
う物を大切にし、約束や決まりを守る、という学習から始まり、高学年では、公徳心をもって法
やきまりを守り、自他の権利を大切にし、進んで義務を果たそうとする心構えをもつ学習まで進
み、中学校では、さらに、法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を重んじ
義務を確実に果たして社会の秩序と規律を高めようとする心情を養うことになります。
 愛国心、つまり国を愛する心についても、一朝一夕に達成できるものではなく、家庭や学校、
自分の生活する地域といった身の回りの人々や社会に目を向け、親しみや愛着を感じる学習から
始まり、計画的に段階を追った指導を進めているところであります。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇12番(高柳勝巳君) まず最初は、平和行政の強化についてでございますが、先般の広報に
も、市長の長崎での活動が掲載を大きくされておりました。長崎でどのようなことを思い、先進
事例に学びという1回目の答弁がございましたけれども、長崎で考えた様々な問題、具体的なプ
ラン等について、もう少し詳しく2回目お伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この非核宣言自治体協議会に7月の末日に出席をしてまいりまして、
当日はギリギリに午後の会議、シンポジウムに間に合いました。そこではいろいろな事柄を、外
務省の方がみえられまして、そして講演をされた後、いわゆる本非核宣言の関係の、要するに決
議文が採択をされたわけでございます。翌日は、朝から大変暑い日だったわけでございますけれ
ども、いわゆる防空壕であるとか、あるいは爆心地であるとか、あるいは平和の塔等、現場で、
秋田の市長等も入り、共々視察をさせていただき、午後には、各識者によるシンポジウム、特に
高校生代表の方が入った形の中で行われていた経過がございます。現実に現地に行ってみまする
と、やはりこの被爆の怖さ、いわゆる改めてですね、反核、平和ということについての、非核平
和ということについて胸を痛め、そしてまた、ああやっぱり日本国の国民としては世界に訴えて
いかなくてはならないのではなかろうかというようなことを肝に命じて帰ってきたところでござ
います。
◇12番(高柳勝巳君) 相当強い刺激を受けて戻られたと、こういうお話しですが、先進事例
に学びという点では、何か得てきたプランとかいうものは、先ほど来、通例的に8月の6日、9
日にサイレン等鳴らしていろいろなことをする。あるいは広報で連載をする等、今のの取り組み
を伺ったわけですけれども、今後について、長崎に行ってきて、「あっ、こんな取り組みがあっ
てよかったな。これは試してみようかな」、こんなものがあったかどうかお伺いしたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) これは教育の問題に入るので私が射し入ったことをちょっと申し上げ
るのは大変僣越でありますが、将来を担う子供たちが恒久平和の実現を願う学習をしていくこと
が大変重要なのではないかなというふうに思いました。どういう経過かわかりませんけれども、
ご年配の方も、2日目の現場の視察等があったわけでございますが、子供たちの方々も参加され
ておりまして、視察をされておられる方々もおられました。いずれにいたしましても、やはりあ
の、将来を担う子供たちにどういうふうな形でこの恒久平和のことをつないでいくかということ
が我々にとって大切なことではなかろうかというふうな認識を持っているところでございます。
◇12番(高柳勝巳君) 教育の関係に多少は触れるのでとは言いつつ、子供たちを見据えた取
り組みが非常に重要ではないかという話だったのですが、例えば群馬県では、広島の旅というの
を、生徒、児童、毎年20人ほど広島に派遣しながら、感性が豊かな子供たちに実際のところを
見てきていただいて、そして次代につなげていく、引き継いでいくという取り組みを群馬県でも
行っておりまして、富岡市では、そういった取り組みについて広報で掲載をし、募集をしていた
だいて、これも教育長になるか恐縮ですけれども、行かれるときに市長が激励をしていただく。
帰ってきて感想を言う。こういった取り組みが非常に積み上がって、地道な取り組みとして私は
非常に貴重だなというふうに思うのですが、それについてはどのようにお考えですか。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと将来を担う子供たちが、いろいろな場面で学習していくと
いうことは大変重要で、実はつい先般も、本問題のことではなく、別のことで大変将来を担う子
供たちが生き生きと、力強く、たくましく、平和を愛する心を持って頑張っていただくために教
育は本当に最重要の課題だなということを意見交換をさせていただきました。そんなことから、
今ご提案された関係については、今日初めて私もお伺いしましたので、今後、勉強させていただ
きたいと思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 答えづらいところを大変ありがとうございました。1回目の答弁で、
もう一つの問題意識というのを、市長は、体験をなさっている方が大変高齢化しまして、戦後6
0年ですから、次世代に引き継ぐ、引き継げるということが非常に難しくなってきているのかな
という問題意識を持ってお帰りだというふうに、私もそのように思います。人生が80年だとす
れば、すでに戦後61年経過しておるわけですから、実際に体験なさった方々が高齢化するのは
当然で、ある意味こういう言い方をしては語弊があるかもしれませんけれども、第2ステージと
いうものを視野に入れながら、しっかり運動というのを体験でない形で引き継いでいくというと
ころに比重がおかれないと体験した人は残念ながらいない。そうなれば形として残すか、科学と
して残すかということになりますと、実は形として残すという点で、利根沼田にもたくさん戦跡
の跡とかそういったところがございますので、そういった保存だとか、啓蒙だとかについてのお
考えはどうかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結局この間も、実は参加させていただく中で、廿日市の市長ですか、
広島の方だと理解しております。被爆体験者の方でございまして、この方ともお話しをする機会
がございました。やはりいま議員がおっしゃられたように、体験者が徐々に高齢化されていくと
いう、これは歴史の必然でございまして、そういった意味で体験でない人たちにどう対応してい
くかということについてのことをやはりこの方も憂いていたようでございます。
 そういった中で、今地元のことについてですね、いろいろとご紹介がございましたけれども、
私も兼々、沼田の地に入っても利根川の上川田地区の右岸側ですか、隣接の旧月夜野等にそうい
ったいろいろと戦前の、いろいろな歴史的なものがございます。これらについてはやはり重きを
おいていかなくてはまずいのではないかというふうに兼々思っておりました。従いまして、先々
についてはそういったことも当然生きた学習の場としてとらまえていく必要があるのではないか
なと、こんなふうに認識をしておるところでございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。科学として残すという点は、今後、ぜひ庁
内でも検討していただきながら、あるいは様々な運動をなさっている方々の知恵なども借りなが
ら、ぜひこの取り組みが小さくなっていかないようご努力をいただければなというふうに思って
おります。時間がありませんので、次の質問に移りたいと思います。
 国民保護計画策定の進捗状況と課題についてでございますけれども、いくつか再質問したいと
思いますけれども。協議会を作って議論を開始するというご答弁でしたけれども、非常に中に利
害関係者等が委員になって出てまいります。金融機関の方ですとか、運送機関の方ですとか、こ
ういった方がいらっしゃると思いますけれども、そういった方々の意見反映というのはどういう
ふうになされるおつもりなのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、もう議員ご案内だと思いますが、1号の方から8
号の方までおりまして、それぞれの方々のお立場、お立場から、防災関係についてのいろいろな
ご発言をいただくことになろうかと思っております。これらについては非常に重要な会議の委員
のメンバーになってこようかと思っておりますので、今おっしゃったこと等について、十二分に
配慮しながら、その立場、立場の意見をしっかりと受け止めていくような、そういう心構えで臨
む必要があるのではないかと思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 実際は協議会の議事録等も、私、インターネット等で検索しますと、
大体その会議の時では意見が言いづらいわけですよ。専門家の皆さんですとか、それから利害関
係者でありますとか、そういった方々は意見を文書で持ってきていただくような配慮がされてい
る。そういったものを会議の中で披瀝をしながら共通認識を持っていくというような策をとって
いるところがいくつかみられます。そのような取り組みをぜひしていただきたいと思うのですけ
れども、その点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 会議の運営というか、進め方については、当然、メンバーで選ばれた
方々は自由にやはり意見を開陳をしていただきまして、勿論、当然、代表的な立場で出ておられ
る方でありますから、それらをしっかり受け止めた形の中でご出席をしていただいて、発言をし
ていただくような、そういうことになろうかと思っています。
◇12番(高柳勝巳君) それでは3月の、角度を変えまして、定例会で部長がご答弁しました
けれども、不安材料等がなくなるようにという主旨の答弁と、それから自衛隊の方には協議会の
メンバーには入らないと。そう考え方が示されました。それでモデル案が消防庁から出されて、
県が作って、それを参考に市が出した。こういう流れになると思いますけれども、沼田市の決意
が現れた部分というのはどこかあるでしょうか。これは他の自治体ではするけれども本市ではや
らないとか、他はやらないけれども本市ではやるとか。そういったものがたたき台の中ではある
でしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたりますので、総務部長から答弁させます。
◇議長(星野佐善太君) 総務部長。
◇総務部長(村山博明君) 命によりまして、お答えを申し上げたいと思います。
 3月の議会の中でお答えを申し上げましたとおり、それに沿って現時点では進んでおります。
この法律そのものは、全国どこでも状況は変わっていないというふうに思っておりますし、ただ
避難等の状況、そういう地域環境によっては、若干の違いは出てくると思いますが、県内、各市
も私どもと同じような状況にございまして、県のモデルを中心として、情報の交換をしながら整
理をしている状況であります。
 従いまして、今どこが一番というふうなところまで入っておりませんので、この場でのご答弁、
大変申し訳ないのですが、お答えできない状況にありますので、ご理解をいただきたいと存じま
す。
◇12番(高柳勝巳君) まだなかなかそこまでということを含めての答弁だったのですが、実
際問題、県のモデルは、47の都道府県のうち24が特徴ある地域なのですね。群馬県もその一
つなのですね。東京からの交通網の要衝と書いてありましたかね。そういう意味で、他とは違う
地域の1県に群馬県はなっている。当然、神奈川県も東京都も当然違ってまいりますから、そう
いったものも考えながら、本市における特徴というものをしっかり作らないと、いざというとき
には役に立たない計画にもなるというふうに考えております。
 それから、私は特徴と言ったのは、むしろ住民の命や財産が守られると言った意味での特徴と
いうことですから、そういったところで、もう一度で恐縮ですけれども、その辺についてお考え
があればお伺いしたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後0時00分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇総務部長(村山博明君) 命により、先ほどのご質問にお答え申し上げたいと存じます。
 本件につきましては、国、県と密接に連動するものでありますので、県のマニュアルを基にい
たしまして、他市との情報交換、さらには、地域環境を含めまして、十分協議会でご審議をいた
だき、実効ある計画の策定に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと
存じます。
◇12番(高柳勝巳君) これから始まるという感じですから、これ以上の話は出ないのかなと
いうふうに思っておりますが、市長の最初の、長崎まで自ら出向いて非核自治体宣言を学んで全
国に発信したいと、こういう市でございますので、ぜひこの懸念材料の払拭に向けては、相当一
生懸命やっていただきたいというふうに考えております。一つの懸念材料を申し上げたいという
ふうに思うのですけれども、和歌山県の白浜町というところは非常に風光明媚な所で、観光地で
もございますが、そこでこの4月に行われた防災訓練に、自衛隊の水際地雷敷設車というのが2
両出てきて、自然の森を守る会だとか人権団体が抗議をして撤回をしたということが、新聞の記
事に出ておりました。水陸両用の地雷を埋める車が、防災の訓練の中に出てきた。それで先だっ
ての朝日新聞の記事ですけれども、防災が防衛の日になる不安というのを書きましたけれども、
ぜひ本市としては、こういうような事態が、防災訓練等で出てくるような事態がないように、市
長の決意を改めていただきたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) あくまでも今日、ご質問いただいている内容については、防災が軸に
なった形の中での対応でございまして、そういった認識のもとに遺憾なきよう対応してまいりた
いというふうに思っております。
◇12番(高柳勝巳君) ではよろしくお願いいたします。
 続きまして、地域内資源を再生し、自立を目指したまちづくりについて入りたいと思います。
先ほど1回目のご答弁で、どのような進捗状況かということで、住む人、訪れる人、両方にとっ
て快適である土地を目指すと。新たなライフスタイルに対応した、自立のできるまち、庁内の機
関を設置して議論を開始したと、こういうようなお話しでしたので非常にありがたいなというふ
うに考えておりますし、非常に期待もしております。私も、本市の目指す地域というのはゾーン
がありまして、先ほどの同僚議員もありましたけれども、歴史とにぎわいのまちと、花と緑と水
と大地、ということでゾーニングを決められておりますので、そういったコンセプトに合わせな
がらしっかりとこの計画を進めていただきたいなというふうに考えております。
 県の、田舎暮らしの研究会も4月から始まりまして、もうすでに数回開催されているというふ
うに認識しております。その中では、県内2ヵ所のモデル地域、桐生と甘楽というふうに認識し
ておりますけれども、今後のここへの対応等お聞かせいただきたいのと、市長は先般、下仁田の
NPOの活動の視察等して非常に精力的に行っていただいているということに敬意を表しますが、
そういったところに本当でしたら、このモデル地域に名乗りを挙げてというようなところで、あ
せり等がないかどうか2つお聞かせ願いたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 県内のモデル地域が、桐生、甘楽になったということでございますけ
れども、私どもそういった先達の方々のところの良さに謙虚に学んでいくという姿勢を持って、
そしていく中で、若干後追いかもわかりませんけれども、やはり現在与えられた私どもの環境か
らいたしますると、今回のご質問の関係については、必要不可欠であるという認識を持っており
ます。従いまして先般も、いろいろと勉強に馳せ参じた中で、我々でも十二分にやっていけるの
ではないかというような、そういう感想を持って帰ってまいりました。いずれにいたしましても
入口論で論議をしていても、なかなか前には進まないということから、具体的に、今年中には田
舎体験ツアーを実施をしていきたいということで、先ほど、冒頭のご質問にお答えをした経過が
あるので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございます。市長のリーダーシップ、先ほどの同僚議
員からもありましたけれども、本当に私のような体力のない人間からするとうらやましい限りな
のですが、ややもすると、先頭を走っている人が空回りするなどということがございます。私も
最初のときに申し上げました。2007年だから来年までにどんなものでもいいからというスタ
ンスでなく、運動体を築いていくというスタンスをぜひ崩さずにやっていただきたいなというふ
うに思います。これも私のような者が言えた話ではないのですが、よくある青春ドラマなどに、
太陽に向かって走れと言って、先生と生徒が太陽に向かって砂浜を走るときに2つほど問題があ
ります。1つは、先生は太陽がよく見えていたけれども、生徒の方は太陽はよくわからなかった
場合ですね。すると方向が定まらないのです。それから、先生の脚力と生徒の脚力に差がついて
しまった。これが非常に危険なのです。そういったところをぜひ市長ですね、来年までと申し上
げましたけれども、横や後ろの方に配慮をしながら、全体の運動体を築くのだというスタンスで
今後に向けていただければなと、こういうふうに思っております。その辺のところをご回答いた
だければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いま振り返ってみますると、大変新生沼田市は、議員がご指摘のよう
な、いわゆる財産というか、宝はずいぶんあるなというふうに認識をしております。最近の至近
の例でも、先般、老神におきまして、そばのお祭りが持たれたわけでございます。ここにはテレ
ビ局が2局ほど入った経過がございまするし、また某大手新聞社は、最初からこれをとらまえて、
そして3日にわたって状況等について記事にしております。来訪いただいた関係者は、東京、神
奈川、茨城はもとより、各方面から来訪いただいております。従いまして、今後そういったとこ
ろでみられる諸々の良さというものをできるだけ体系つけた形の中で整理をして、そしていつで
も都市近郊から訪れる人たちが自然をしっかり満喫できて、そして、潤いや安らぎが供給できる
基地をしっかりと構築していくということが大きな課題であるというふうに思っております。そ
ういったことを思いますると、議員がご指摘の、このふるさと回帰の取り組みというのは大変重
要な位置を占めておりますので、今後、一生懸命これらについての対応を図ってまいりたいと思
っております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ではセンター機能の詳細というところに少
し移っていきたいと思いますけれども。先ほども飯山市が引き合いに出されまして、新しいライ
フスタイルを提案したり、フォローしたりという地域になれればなあというようなことでしたか
ら、大体一致はしているのだろうなあというふうに思いつついくつかお話しをしたいというふう
に思っているのですけれども、センター機能というのは、とりもなおさず家で言えば大黒柱にお
そらくなっていくのだろうというふうに思いますので、全体は後からでも構いませんが、かなり
しっかりしたものを先行して作っていかないと後からついてくる梁や壁がなかなかうまくいかな
いという認識を持っています。
 いま私は、飯山市のふるさと回帰のホームページを、印刷したものを持ってまいりました。全
部印刷しきれないのですけれども、簡単にとっただけで20ページは超えてしまうのですね。何
を言おうかとしていると、この飯山市のホームページから、厚みや広がりがものすごくあるとい
うことなのですね。ですから、最初にご答弁いただきましたけれども、農業や林業だけでない、
新しいライフスタイルがホームページを見るだけでも、あっここはいろいろなことができるな、
いろいろな可能性があるな、いろいろなことをフォローしてもらえそうだなというのが、ホーム
ページを見ただけでわかるのです。これは非常にこんなことを言っても何ですが、最近立ち上が
ったところですと、まだまだこんなページ数はございません。ふるさと回帰センターでも2枚く
らいで、言えば、まだまだま奥行きがないなというふうに考えますし、農業と林業のみで定住政
策を必死に訴えている自治体もございます。飯山市は、当地と似かよったところがございまして、
非常に観光も盛んな地域です。そこがやはりもう一歩深い観光も含めたところのホームページな
り選択機能ということで、こういったものを私も目指すべきだというふうに思いますが、もう一
度市長に、この飯山市の回帰センター、あるいはホームページのあり方について、お考えがあっ
たらお伺いしたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先駆的な自治体の飯山市のことをご紹介されましての再質問でござい
ます。この飯山市の回帰支援センター、いろいろとお聞きすると、自治体が中心となっておられ
るということを伺っております。時代の流れが、民間活力というのがございますので、この飯山
市がやられていることについて、全て私どもも鵜呑みにするというわけにもいかないというふう
に思っております。ただ間違いなく言えることは、もって依って立つ環境が大変私どもと似てい
るということがこれまた事実でございまして、今後多いに学ばせていただいて、そしてできるだ
け地域、つまり私どもの地域の実態に合った形の中で消化をしていければと、このように思って
おります。
◇12番(高柳勝巳君) 確かに行政が主導で立ち上げているような感もありますし、時代は官
から民へということでございますので、民間活力とうまくミックスした形を本市も追及していけ
ればなというふうに思います。
 さらにもう少しつけ加えさせていただきたいと思いますけれども、このトップページに、いわ
ばリンクというのですけれども、簡単に、関連するところに紹介がいくのですね。この中に、森
林セラピー基地飯山というのがございまして、ここをこう押していきますと、森林セラピーなど
というのが体験できるようになっておりまして、昨今はこれが大体満杯になるというような状態
です。これは本市としても、同僚議員が何度か、森林セラピーの効果についてぜひ取り入れてい
くべきだろうということをおっしゃっておりましたし、残念ながら本春先ですかね、森林セラピー
ロードというのをこの緑化推進機構が募集をして、残念ながらもう10カ所がもう選定をされて
しまいましたが、長野県はそのうちの5カ所、森林セラピーロードをもう取得をして、全国に発
信をしている状況です。それにならいながら、私どもの市も森林と共生するまちづくりのような
ものになっていくかなと。
 さらに生意気なようですけれども、最近はホリスティックケアというのがありまして、動物の
ケア、最先端のお話しなども伺っておりますし、本市は遅ればせながらアニマルプラザ等もござ
いますので、そういったコンセプトをどんどん、どんどんつなぎ合わせていくと飯山市のような
厚みのあるセンターの情報源、吸収源になっていくのかなというふうに考えておりますので、そ
れについての感想等があれば市長にお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) いまいろいろな意味で実践が積み重なってきて、その実践の一つの成
果が大きなネットワークとして花を開いているという、先駆的な自治体の形の中で飯山市の紹介
がございました。森林セラピー等については、先般、同僚議員からのご質問がございまして、私
どもの市からいたしますれば、やはり森林文化都市宣言を先達の方々が行ってきたという経過か
ら踏まえますと、当然、今回のこの交流の中の大きな位置づけになっていくであろうというふう
に認識をしております。
 先ほど、そばの話もさせていただきましたけれども、根利の林業活性化センターに、いわゆる
林業関係の材木を引く、言うなればSL的なものがございまして、この節地元の有識者を中心に、
いろいろと募った経過の中で、大変内外から多くの方々が出席をされて、そしていま着実にこれ
が前進をみているところを見ると、思わぬところに宝物が大変埋まっているなというふうに思っ
ております。それは一重に、議員がご指摘のとおり、20世紀方の価値観から、何とか新しい価
値観への転換を図る形の中で本事業もとらまえていく必要があるのではないかというふうに思っ
ております。
 なお先般、全国の都市問題の関係が、札幌の方で行われたわけでございますが、このときに、
川勝平太という方が基調講演を行っております。この方は、国際日本文化研究センターのメンバー
でございまして、本市にも5年ほど前に、ある団体の講演にまいりました。この方いわく、やは
り今、森の時代だということの中で、農芸の時代、農業、芸術と書くようでございますが、そう
いう意味では私どもからいたしますると、我が意を得たなという感想を持ってこの講演を伺って
まいりました。いずれにいたしましても哲学的にはそういったことが背景になって、今おっしゃ
るようなことを具体的に散りばめていくということになるのではないかというふうに認識をして
おります。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。そういうコンセプトで市内の中のどちらか
に、皆さんの合意のもとに、あるいは自治体が先行するか、民間が立ち上げるかまだわかりませ
んが、しっかりとしたセンターになっていってもらいたいというふうに思います。そして情報発
信力、受信力を付けていただきたいなと、こういうふうに思います。
 創造力という点で次の質問に移っていきたいと思いますけれども、先ほど市長、林業活性化セ
ンターというところお話しいただきましたけれども、この活性化という意味は、そもそも科学用
語でございまして、まったく違う種類のもの同士が一定の条件で出会いますと、まったく違うも
のが溶け合ってできるというのが活性化という意味だそうでして、田舎の暮らし方と都会の暮ら
し方のあり様がうまく溶け合って、まったく新しい文化ができるということを私は活性化と呼ぶ
のだろうなというふうに考えておりまして、この3つ目の、バイオマスタウンの構想に移りたい
と思うのですけれども、まさに私はそういう考え方でバイオマスタウンの構想をぜひ作って、新
しいまちのあり方について全国に発信していただきたいな、こんなふうに思っております。そこ
でひとつ、木質バイオマスを選定する際、一つだけ過去と違った点がございますので、一つだけ
ご報告申し上げたいと思うんですけれども。以前は、燃焼系と言われまして、木質を燃やすこと
によって、燃やしている間だけ熱エネルギーに変わるわけですね。ですから木でなくもいいとい
うことがメリットでもあり、デメリットであった。最近のものは化学反応型と言われて、一定の
条件で先ほど言いましたけれども、一定の物質を合わせますと、これがハイカロリーのガスとメ
タノールが抽出される。こういう仕組みになっておりますので、技術は難しいけれども不純物は
入らないという利点、それからガスとメタノールですから保存性があるということが利点になり
ます。そういったものがいちばん新しい技術でございます。そして1回目の質問でご答弁いただ
きましたけれども、収集の方法がかなり難しいというのは共通点でございますけれども、それら
を受けて、市長のこのバイオマスタウンにおける考え方をもう一度いただければありがたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) これらの問題も、やはり利根川の上流県という形と同時に、先達の方
が森林文化都市宣言を宣言してまいりましたということから考えたりすると大変重要な位置づけ
がなされるかと思っております。ただご承知のとおり、どうしても本市の今の財政状況からする
と、費用対効果という観点からとらまえていかなければならないということがございまして、今
慎重にこれらについて対応をしているところでございます。ただ、東京中央のいろいろな情報等
については、私どももよくつかんでいるつもりでございます。従いまして、状況等見定めながら、
今後慎重にしながらもしっかりとしたとらまえ方をしていかなければならないというふうに思っ
ております。いずれにいたしましても、バイオマスタウンは、本県では確か隣の川場だけが手を
挙げているのではないかと思っております。そんなことから、いろいろと情勢をつかみながら今
後の対応に処してまいりたいと思っております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。市長ご指摘のとおり、群馬県では、お隣の
川場村が手を挙げて、調査費が900万とかということで今バイオマスの研究について着手をし
たと、こういう話でございます。本市でも非常にバイオマスタウンというのは補助率が高い、全
国から税金でいただくので税金に変わりはございませんが、本市単独でやるには手が届かないと
いう構想でも調査はこれによって開始ができるということですから、平成22年までに500の
自治体が目標で、まだ30くらいだというふうに認識をしております。おそらく最後の方にいく
とどうなるのかなという漠然とした心配もございますし、こちらに沼田市森林整備計画というの
が、ちょうど今年の4月から10年間の計画で森林を整備しましょうというのができているので
すが、間伐をしましょうねと言ってもなかなか思うようにいかないというのが大まかなところで
書かれております。
 先ほど、隣地残材等が、この木質バイオマスによるバイオマスタウン構想の中に入れ込むこと
ができれば、こういったものとの整合性が非常に出てきて、先ほど市長がおっしゃった林業活性
化センターとの、相乗効果等も生まれてまいりますので、そうすると本市の水と緑の大地という
発信力が非常に強くなるのではないかというふうに思いますので、ぜひ、これについては本腰を
入れて、慎重にするなとは申しません。慎重の上にも慎重で結構ですが、ぜひ短期間のうちに慎
重に議論していただければありがたいなというふうに思いますのと、同時に、これは先ほど来の
まちづくりも同じですが、あまり一部の方々で真剣にやりますと間違った選択をする可能性もあ
りますので、オープンの中でその連携性と言いますかね、1回目の答弁の中でいただきましたけ
れども、作っていっていただければありがたいな、こんなふうに考えております。
 実は、先月ですか、8月の中旬に、朝日新聞に、バイオエタノール混合燃料首都圏50カ所で
販売というのが出ておりまして、ガソリンが150円になったと。それを受けたら、弱腰だった
ものが、もうこれはガソリンに頼ってはいられないということで、急遽来年、8パーセントの混
合率のものを2年間、試験的に売り出す。こういう流れもありますので、ぜひ慎重で迅速な対応
をお願いしたいというふうに考えておりますし、くどいようですが、目的は、森林の整備が目的
で、燃料にしてたくさん売って、昔の四代文明のように全部木がなくなって、石の文化になって
しまうというようなことではございませんので、その辺についても改めて念を押しておきたいな
というふうに思います。そして、こういうゾーンの特徴だとか、森林文化都市といったキーワー
ドの特徴とストーリー性がやはり中の人間を勇気づけますし、外については発信力を増していく
のだろうというふうに思いますので、ぜひこれについては前向きにご検討いただければと思いま
す。それについても市長のご見解をもう一度いただければありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたとおり、20世紀型から21世紀型という、議
員も言っておられますが、この節のいろいろな時代の流れの中で、都市がいま非常に活気を呈し
ております。東京を中心にいわゆる都市、我々の中山間地域と称されるところが大変厳しい試練
に立たされております。そうしたときに、東京を中心とした都市の価値観に依拠するのか、やは
りそこのところはひとつ線を引いて、違った形の価値観で生きていくのかということを迫られて
いるのではないかというふうに思っております。
 先ほど申し上げたとおり、やはりそういう意味から考えると、私どもはこのすばらしい大自然
を生かした形の中で、第一次産業を基本とした、しっかりとした足場があるわけでございますの
で、議員がご指摘されている問題等については、重く受け止めていかなくてはならないと思って
おります。しっかりとした形の中で、今後の課題検討を進めていきたいというふうに思っており
ます。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。次の質問に入る前に、一言だけ市長の
ご答弁を聞いていて、これも同僚議員から何回もご指摘がございましたけれども、環境税等の問
題も、山や川があるから税金を下さいというふうに都市に向かって言うのではなく、私たちはそ
の山や川と積極的に共生する姿勢を創り出していくから足らずじまいのところをいただけないで
しょうかと。こういうことで説得性が増していくのだろうなというふうに思っております。さら
にご尽力いただければありがたいというふうに思います。時間がございませんので、教育長、お
待たせしました。教育長の方の再質問をしたいというふうに思います。
 先ほど1回目の、学力低下や学力格差の問題分析のところで、毎年の調査の中では、低下も格
差も今のところ見られないというご答弁でしたけれども、いちばん困ってらっしゃるのは、むし
ろご本人もそうですけれども、ご父兄、ご家族の方が、学力が低下しているということについて
動揺してしまっているのではないかというふうに私は思っているので、ご父兄の皆さん、ご家族
の皆さんには、どのように、この下がっていないのだよということを説明していらっしゃるのか、
お聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
 これらデータは、各学校に、標準学力検査の結果等については、各学校が掴んでおるところで
ございますから、例えばPTAの集会、さらには個々面接等々においてこの情報は提供しておる
というふうに考えております。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございます。いつでも見れるようになっているということ
なのだろうというふうに思いますけれども、やはりもう少し積極的に言った方が動揺の度合いが
少なくなるのかなというふうに思いますので、機を見て、よい努力をしているわけですから、積
極的にPRしていただければなというふうに思います。
 続いて、学力の中身なのですけれども、問題になったのは、2003年のピサの学力国際比較
というのが問題になりまして下がったとか言う話が出てまいりまして、私もインターネットで一
部だけですけれども、一部だけとりましたけれども、数学的リテラシーという難しい話ですけれ
ども、これはトップグループから落ちてはいないのですね。それで10の差があっても、それは
根拠がないくらいの誤差ですよと。優位さはないという書き方でしたけれども、問題は、読解力
が14位で8位以上のところと第2グループになってしまったよと。あえて言えば、下がってし
まったよという分析らしいのですが、その辺についてはどういうふうにとらえていらっしゃいま
すか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 議員ご指摘のとおりでございます。特に読解力の面については、これは国内各種調査をやって
おりますし、現場のいろいろ指導、または教員が作ったミニテスト的なものの中にも読解力が若
干落ちてきているという傾向はあるように思われます。従って、このOECDの調査、いわゆる
ピサの結果がそのままどうこうと。これは調査の内容が、細かく申し上げないとわからないわけ
でありますけれども、知識の活用力というような視点からの調査でございますので、いわゆる学
校や日本国内で行っている、どちらかと言うと知識の獲得量、到達度というような視点から調査
したその調査結果とは同じテーブルの上に乗っけて比較するというのは、これはナンセンスなわ
けでございます。いずれにしても、議員おっしゃるとおり読書量の減少、それに伴う読解力、読
書力、表現力の若干の低下というのは、これは否めない事実ではないかというふうに把握をして
おります。
 以上でございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。私が分析するにはやはり読書もそうですが、
家族の中でもコミュニケーションが不足してきているというのも私は大きな要因かなというふう
に思います。家庭のホテル化などということが言われまして、入口から入って、自分の部屋に入
って、だれとも挨拶しないで入ってしまうというような事態も、おそらくこれに拍車をかけてい
るのではないかなということを個人的には分析しています。
 次に、フィンランドという国が、このピサでは相当上位に位置しておりまして、この国は、7
歳から9歳の年間の授業時間というのは530時間なのです。日本は同じ問題ですと709時間、
530時間でトップを取れるのに一方は709時間やってまだ足りないという認識でいるという
ことは、問題は、量ではなくて質の問題ではないかというふうに私は思っているのですが、教育
長の見解を伺えればと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 ただ今のデータについては、ちょっと私の把握しているデータとは若干ずれはあるようであり
ますけれども、おおよそということでお話しを申し上げたいというふうに考えております。フィ
ンランドの授業時数、これまたじゃあ授業というのは、どういう例えば教科、科目なのか、特別
活動は入れるのか、クラブは入れるのか等々、また給食の時間はカウントしていくのか等々あり
ますので、細部を調べませんと一概に500数時間と700、または980という比較はちょっ
と難しいのではないかと思います。しかし一般的に授業時数の問題は、今日本の現行指導要領で
目指している学力というのは、まさに議員おっしゃるとおりの感性の問題とか、心の豊かさ、こ
れから世の中のイバラの道をしっかりと切り開いて、自らの力で乗り越えていく。そういう力と
か、そういうことの総合したものをいま学力というふうに規定をしているわけでございます。そ
ういう授業を推し進めていくということになりますと、自ずと授業時数は必要になってくるわけ
です。私の立場から申し上げれば、そういう望ましい現行指導要領で狙っている教育、また学力
を達成するためには、むしろまだ授業時数は足りないと考えます。
 ただおっしゃるとおり、従前の私どもの世代が教育を受けた、全てがそうではないですけれど
も、傾向として教師主導の詰め込み的なそういう指導、「おい、こら」式の指導、これならば、
これ以上授業時数をやったら子供が息苦しくてやっていけないということになるわけであります
けれども、現在狙っている教育は、自らが問題を見つけ、自らが方法を探し、自らその課題を乗
り越える力とか、思いやりの心とか、協力する心、健康、体力、そして基礎、基本、そういうよ
うな力を総合した学力というふうに規定しているわけですから、そうしますと子供の活動が入っ
てくると。例えば黒板に校庭の縦、横書いて、面積を出しましょうと。はい、できました。とい
う授業から、それでは私たちの小学校へ行って巻き尺で測ってみましょうねというようなところ
から始まるわけです。そうすると校庭に出ただけで、出て測るだけでほぼ1時間、すなわち45
分ですけれども、45分の授業は終わってしまうわけです。そのことの力は非常に子供たちに生
きた力が、学力としてついていくわけですから、そういう言い方をすれば、今の望ましい学力を
つけるとすれば、授業時数はまだまだ足りないと思うわけであります。
 ただ、フィンランドがどういう方向を目指しているか、そこまでちょっと勉強しておりません
ので、これまたちょっと比較する情報を持っておりませんので、そちらの方はちょっとご容赦し
ていただきたいと思います。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) わかりました。私は、最初の質問でも申し上げましたけれども、今ど
ちらかと言えば、知識を積み込む教育よりも感性を高めた方がいいという主眼でご質問申し上げ
ましたところ、知、徳、体、バランスよくというご答弁をいただいた気がしているのですね。ぜ
ひこの感性の方の評価の仕方、取り組みについて、先ほどご紹介いただきましたサマースクール
ですか、新聞等でもこんなに感性を育てるなどというタイトルですから、ぜひそこら辺を中心に
したスクールなのかなという推察もできますので、その辺も含めて、感性を育てる方の取り組み
についてはいかがなものか。お聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
 ただ今のサマースクールのみならず、そういうご指摘の方向性としては、議員ご指摘の方向で
努力をさせていただいております。また、現行指導要領で目指す方向も議員ご指摘の方向でござ
います。しつこくなりますけれども、議員のご質問の中にもありましたとおり、やはり世の中保
護者は、出た表のデータによって大きくぶれるわけであります。いまや批判的に申し上げますと、
国も多いにぶれているわけであります。そういうことから、私たちはその学習指導要領というの
は法的拘束力を持つ一種の法律でありますから、現行法制度に則って粛々と指導しておるという
ことでありますから、ご安心をいただきたいと思っております。
 感性ということでありますから、今のいろいろな問題、見るに耐えない、忍びないという事件
が続出しておるわけでございます。まさに感性、心の問題の教育が足りないと。これは一学校教
育のみならず家庭教育、地域の教育力、そういう点において足りないということは、これは私た
ち大人がしっかりと自覚していかなくてはいけないというふうに思っております。すなわち、知、
徳、体のバランスというのは、知が過ぎたら徳を多くやるので、徳が欠けていたら徳を補充して
やるのでということで、一律、知、徳、体で同じ時間数と同じエネルギーを使うということでは
ありませんから、今徳が若干弱いとすれば、当然、特に力を入れていく。とりあえず学校教育の
使命だと思いますし、その三者連携してということになれば、家庭においても、地域においても、
徳という点をもっと、もっと重視した教育がなされなくてはならないと、こんなふうに考えてお
ります。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。もう一つ、先ほど量でなく質の問題という
ところにも関連するのですが、ピサの調査内容項目に、学習の背景という項目がございまして、
いくつか問題を指摘しております。学級の雰囲気、生徒のモラル指数というのが高いところは、
格差が生まれないし、総じて高い成績を残している。これはもう偶然の一致ではないという評価
をしておりまして、私は、教育の格差、地域的にもクラスの中にあってはまずいなというふうに
思いますし、労働組合等でも開催している今、メンタルヘルスというのもございまして、最近は
小学生でも自殺対策マニュアルという研究会を立ち上げるぐらいですから、おそらく大人の影響
を子供が多分に受けましてそういう状態になっているのかなと思いますけれども、職場の中、あ
るいはクラスの中でコミュニケーションと連携性を持ったところはいじめが少ない。大人で言え
ばノイローゼになる確率が低い。そして成績が上がるということにデータとして出ているようで
すが、その辺については教育長いかがでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 総じてご指摘のとおりだと思っております。先ほど申し上げた、国を挙げて今後目指す学力は、
生きる力ですよ。その中でいま関連した観点をあげるとすれば、思いやりの心や協力、こういう
ような心をしっかりと磨いていきましょうということでありますから、それはとりもなおさず、
いわゆる小さな家族という集団から、さらに学校という集団、地域という集団、また広くは社会、
一言で社会と言われるようなそういう大きな集団の中で、人々が思いやりを持って、協力をして、
助け合って、そして心のひだにふれあって、そういう人間関係とか集団というのは当然現在の不
登校の問題や生徒指導の問題や、最近のマスコミで報道されているような問題の一つの大きな根
底、原因にもなっているだろうと思いますので、そのようにしっかりと認識をしてやっていかな
くてはいけないというふうに思います。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) 義務教育の役割というところで少しお話ししたいのですが、義務教育
の役割というのは、むしろ総じてこれも子供でなくお父さん、お母さんの側にもう1回私は考え
直してもらいたいというふうに思うのですが、大学や高校へ入るための知識の量を競う予備校の
ような学校ではなくて、むしろ20から人生80年ですから、それまでのやはり人生を味わえる
ような、あるいは苦しくても立ち上がれるような、そんな気持ちを持っていただくことを吸収し
ていただくのが義務教育の役割で、むしろ20まででしたら私学で結構ではないかというくらい、
乱暴に言いますと私は思っているのですが、その辺の認識というものをやはり教育長の力説でも
う少し父兄の皆さんに訴えていただければなあというふうに思うのですがいかがでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 なかなか力不足で不徹底な面もあるわけでございますけれども、日々の教育行政、また校長を
はじめとする学校での実践等も、今議員ご指摘の考え方、理念を、根本に据えて努力をさせてい
ただいておるわけでございます。今後そういう視線を常に振り返りながら、教育実践に努めてい
かなくてはならないというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。モラルやマナーということで次はお話しし
たいのですが、最近の子供は何を考えているのかわからないがということがよく言われる言葉で
すけれども、私は、親は子の鏡ですから、親の世代が何を考えているのかわからなくなったので
子供に影響が出ているという認識をしております。20世紀型のモデルが、お父さんは外、お母
さんは中、そしてお父さんが大黒柱で一家分の収入を得てきて、とりあえず食べるものは保証さ
れた。だからお父さんは偉くてお母さんは一歩引くのだよ。こういうことが、今経済性も伴って
崩れてしまっている。崩れてしまっているにも係わらず、それをまた子供に押しつけようとして
いるので歪みが起こっているのではないかというふうに私は考えているわけです。モラルはそう
いったことで、日頃の親の姿勢が子供に映るのだなあというふうに考えておりまして、最後の質
問になりますが、愛国心の問題です。心の問題ですということで1回目の答弁でほぼ理解はしま
したが、親子愛ですとか兄弟愛、人類愛、こう言われたときに私は何とも違和感はありませんけ
れども、愛国心というと違和感が出るのは、そこに過去の暗い経験があったからだと思います。
いま愛国心というのだけがクローズアップされておりますが、決してそういう話ではないのだと
いう1回目の答弁でしたけれども、そこら辺のところの誤解があれば、誤解がないような取り組
みについて教育長のお考えを最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) ただ今のご質問にお答えを申し上げます。
 愛国心の問題ですが、私のようなまだ戦中と言いますか、足を突っ込んでいる状態ですけれど
も、まだ物心つかないということがありますので、実質戦後っ子でございます。そういうものに
とっても、まだその愛国心に対する一般的にどなたにもアレルギーはあるのではないかと思って
おります。勿論、愛国心という用語は学校教育では一切使われておりません。ほぼ同様な意味で
ありますけれども、国を愛する心という言い方をしております。これはもう昭和の33年、これ
は特設道徳と言って、道徳の授業がはじめて入ってきたのが昭和33年、それから50年から経
とうとしているわけですけれども、これとちょうど同じ年に、国を愛する心を大事にしていこう
と。国の文化、伝統、歴史をしっかりと学び、先人の努力に敬意を表し、国や郷土を愛する心を
大事にしていきましょうという、いわゆる国を愛する心の教育は、戦後33年以来、特に33年
以来はそういうような形でいわゆる学習指導要領の中に、口はばったいですけれども、法的拘束
力のある学習指導要領の中にもきちんとうたって指導してきたわけであります。ですから、ただ
このことが、戦中の、本来の国を愛するということは、いつの時代でも否定する方はいらっしゃ
らない。しかし、あの不幸なところとこの度の戦争とダブッた形でいろいろアレルギーもあるわ
けですから、ですからそういうことを払拭していかなくてはならないということであります。そ
のためにはどうしたらいいかということですけれども、先ほど心の問題と申し上げたのは、いわ
ゆる子供たちの心の中に、本当に自分が主体的に、自らがああ大事なものだな。大切にしなけれ
ばならないのだな、そういう理解を持って、自然と育っていく、心の中に育っていく形での国を
愛する心は当然必要なことであります。上から「気をつけ、前に倣え、保安殿に敬礼せよと、暗
唱せよ、国家総動員だぞ」というようなことの過去の忌まわしい愛国心でなく、本当に身近であ
れば母を大事にする、父を大事にする、家族を大事にする。学校を大事にする。郷土沼田を大事
にする。そしてもっと大きな郷土である日本国を大事にする。こんなのはいつの時代でも不易の
理念、考え方だと思います。そういう観点から、足元の家族を大事にする、隣近所を大事にする
というところから、普遍をして国を愛する心へというような形での教育にこれからも努めていき
たいというふうに考えております。
 以上でございます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上健太郎議員。39番。
〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) 議長よりお許しがありましたので、通告に従い一般質問を行います。
 今回の質問は、利根町住民に伺ったアンケートについて、そしてその結果と寄せられた多くの
意見について、市長の見解と今後の市政運営にどう反映させてくれるのかについて質問をするも
のであります。
 日本共産党利根支部では、合併後1年を経過した中で、利根町住民がどのように合併をとらえ、
また今後どのようにしたら住みよい「利根町」としてやっていけるのか、意見を聞くために、去
る6月から7月20日の締切りを目処に住民アンケートを実施いたしました。
 利根町住民に約1,200部用紙を配布、回収は全て郵送での返送に頼りました。回答者率は、
12.75%、約153人の方からご意見を伺うことができました。
 特に合併は、良かったと思うが、0%で、合併は失敗だったと思うが65%、そして、これは
複数回答ですのでこういう結果が出るわけなのですが、住民投票で決定すべきだったが57%と
いう数字が示すように、利根町住民の多くは沼田市への編入合併を容認していないことが明白に
なっています。まずこの結果について、市長の感想を伺います。
 また、何故、住民に合併の是非を選択させなかったのか。住民投票しなかった理由についても
お伺いいたします。
 また、本来ならば、住民の声を生かす市民協働のまちづくりを強調している市長ですから、市
民の声を聞きたいはずです。沼田市として合併後、できるだけ多くの市民の声を聞く、アンケー
トや住民投票等を行う考えはあるのかについてもお伺いをいたします。
 さて、今回のアンケートで、行政サービスは悪くなったことが多いと答えた意見が82%、町
政への要望でも、住民サービスを低下させないでほしいが62%ともっとも高かった。なぜこの
ように利根町住民が不満に思う住民福祉サービスを切り捨てたのか。この点についても経過と決
定した要因についてお伺いいたします。
 合併前には、村長をはじめ合併を強力に推し進めた議員のトップリーダーは、「合併しても当
分の間は従来どおりで急激な変化はない」と強調し、「いま合併すれば、財政的にも10年間は
現在の財政状態を保障される」、そして、沼田市との合併は、「吸収合併だが、限りなく対等に
近い合併だから、住民サービスは保障される」と世論を誘導してきたことは周知のとおりであり
ます。
 星野市長も、第5回合併協議会の席上「限りなく対等合併に近い合併なんだ」と強調したこと
は、よもやお忘れではないと思います。
 だとすれば、何故合併初年度から、いきなり住民サービスの切り捨てを行ったのか。利根町住
民が納得できる答弁をお願いするものであります。
 また、全てではないにしても、利根村で行ってきた施策の復活を改めて求めたいと思いますが、
この点についても市長の見解を伺いたいと思います。
 次に、利根町地域は、合併初年度に約80人、人口が減少していますが、アンケートでは、
「働く場所がなければ若者は定住しない」という意見が74%ともっとも高かった。今、合併に
よって役場職員も農協職員も半減し、公共事業も縮小で、建設・土木関係も働く場所が狭まって
います。
 利根町地域とすれば、老神温泉を中心とした観光サービス業、あるいは新たな企業の誘致等を
待たれるところだが、これらの過疎対策についての市としての、利根町地域に対する取り組みに
ついてお伺いをしたいと思います。
 次に、住民負担の増大について伺います。
 アンケートでは、国保税も、介護保険料も「高すぎるので軽減してほしい」という答えが70
%と最も高く、具体的な意見でも、「何で一挙に値上げしたのか。分かる説明が欲しかった」と
言う意見が目につきます。
 利根町住民の不満を解消するためにも、これらの軽減策と、値上げせざるを得なかった要因の、
説明責任は非常に重大だと考えますが、この点についても、明解な答弁をお願いするものであり
ます。
 次に、子育て支援については、医療費の軽減につながる幼児への虫歯予防、2歳児へのフッ素
塗布でありますが、これは一部復活いたしましたが、小学生へのフッ素洗口についても、71%
の要望がありました。中学生までの医療費の拡充ついても約50%の回答がありました。市長は
公約でも「未来を担う子供たちに夢を」とスローガンを掲げているわけでありますから、子ども
たちの健康と、保護者の負担を軽減してやることが、将来の沼田市を担う子どもたちに夢を与え
ることになるのではないでしょうか。市長の見解をお伺いいたします。
 利根町地域で行ったアンケート結果から、るる伺ってまいりましたが、以上で1回目の質問と
いたします。答弁の内容によっては、再質問もいたしたいと思いますので、よろしくお願いをい
たします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の井上議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、住みよい「利根町」をめざすアンケート結果をどう見るか。利根町住民の多くは、沼田
市への編入合併を容認していないことがハッキリしたが、沼田市への合併は失敗だった65%・
住民投票をすべきだったが58%、良かったと思う0%、いかに住民無視の合併だったかが、わ
かる。なぜ住民に選択させなかったのか。についてでありますが、議員ご案内のとおり、今回の
市町村合併につきましては、旧白沢村及び旧利根村からの合併の申し入れを受けまして、2村の
合併に対する意向を真摯に受け止め、合併協議会を設置し、相互理解のもとに、合併協議を進め、
関係市村の議決を経て、合併に至ったものであります。
 従いまして、ご答弁を申し上げる立場にないものと考えておりますので、ご理解を賜りたいと
思います。
 次に、自治体としてのアンケートを行う考えはあるのかについてでありますが、総合計画や各
種計画の策定等に際し、まちづくり等に関する市民の意向や意識を把握するためのアンケートに
つきましては、今後も実施をしていく考えではおりますが、議員ご質問の市町村合併が行われた
ことに関するアンケートにつきましては、考えておりませんので、ご理解を賜りたいと思います。
 次に、住民サービス(福祉医療・老人福祉、子育て支援等々)の後退はなぜ行われたのか。無
料人間ドックの廃止や、温泉の利用券の廃止、敬老祝い金の廃止・乳児健診・婦人科検診の後退
等々、数多くの住民サービスの切り捨てはなぜ行われたのか。についてでありますが、
ご質問の、保健・医療・福祉等に関する住民サービスの施策につきましては、新市全域を対象と
して、公平、公正に実施していく必要があるとの基本的な考えのもと、3市村の現況を踏まえ、
合併協議により調整方針が確認をされ、その調整方針に基づき、事務事業の調整が行われてきた
ものであります。
 保健・医療・福祉等の住民サービスにつきましては、敬老バスカードの助成や福祉タクシー利
用券の交付、保育事業としての一時保育、障害児保育の実施、保育料の負担軽減、出産育児一時
金や葬祭費の給付など利根町の住民の方々のサービスが向上したものも数多くありますので、ご
理解をいただきたいと思います。
 次に、利根村で行われていた施策の復活を求めたいと思うが、如何に。についてでありますが、
白沢町及び利根町におきましては、住民の視点に立った行政サービスの向上と、個性豊かな地域
づくりの発展を図るため、地域自治区を設置したものでありますが、先のご質問にご答弁申し上
げましたとおり、生活支援等の施策につきましては、新市全域を対象として、公平、公正に実施
していく必要があるものと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、過疎対策への手だてはどのように考えているのか。「働く場所がなければ、若者は定住
しない」が74%と圧倒的に答えが集中した。合併によって数少ない職場の役場・農協の雇用が
半減では、企業の誘致や老神温泉街の活性化を待たれるところだが、市としての取り組みについ
て伺いたいでありますが、過疎対策につきましては、昨年9月定例市議会で議決いただきました
が、沼田市過疎地域自立促進計画の各施策について計画的な執行を行いながら、住みよい町づく
りに向けて市民と力を併せて、その実現に努めてまいりたいと考えております。
 企業の誘致にあっては、地域にとって未だ厳しい状況が続いておりますが、本市経済の発展と
地域の活性化さらには雇用の創出を図るため、重要な施策と認識しておりますので、今後とも、
自然環境と地域の特性を活かした環境整備に向けて、引き続き努力してまいりたいと考えており
ます。
 また、老神温泉街の活性化につきましては、利根町観光協会を設立して各種の事務事業を計画
的に推し進めているところでありますが、先の「利根ふるさと風のまつり」や、「老神温泉そば
祭り」等々誘客のためのイベント等の支援を行い、更に老神温泉観光協会や老神温泉旅館組合等
と力を併せて温泉街の活性化に向け努力してまいりたいと考えております。
 次に、住民負担の増大について、国保税・介護保険料・固定資産税・各種健診自己負担・住民
税・各スポーツ施設の有料化・合併による負担の増大だけでなく、医療費の改悪での患者負担の
増大・施設入所費の値上げと、利根町住民の不満は非常に大きいものがある。市の説明責任は重
大と考えるが。についてでありますが、ご質問の、保健・医療・福祉等に関する住民負担につき
ましては、先のご質問にご答弁申し上げましたとおり、新市全域を対象として、公平、公正に実
施していく必要があるとの基本的な考えのもと、住民負担の調整が行われてきたものであります。
 なお、合併協議により確認をされた内容等につきましては、合併協議会において、合併協議会
だよりやホームページへの掲載をするとともに、住民説明会の開催等により周知を図ってきたと
ころでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、子育て支援について、2歳児のフッ素塗布は復活したが、もっとも効果が高いとされる、
小学生へのうがいの希望も71%と高かった。また、中学生までの医療費無料化も50%からの
答えが集中しているが、市長の見解を伺いたいについてでありますが、まず、フッ素塗布につき
ましては、虫歯予防の手段の一つであります。検診や相談時においては、歯磨きや正しい食生活
などの基本的な生活習慣についての保健指導を重点的に進めているところであります。
 18年度から「2歳児歯科相談事業」において、2歳児を対象にフッ素塗布を実施し、定期的
なフッ素塗布の必要性や成長に合わせて家庭でも実施できる方法を指導しているところでありま
す。
 また、高い効果が期待できるといわれているフッ素によるうがいについても、家庭で手軽に行
えることから、乳歯から永久歯に生え替わる時期まで継続的に実施するよう保護者への啓発に努
めているところであります。
 今後も、子どもの成長に伴い適切な方法で歯科衛生の向上が図られるよう指導を行うとともに、
フッ素うがいについても、研究してまいりたいと考えております。
 次に、中学生までの医療費無料化についてでありますが、乳幼児医療の無料化は「子育て支援」
及び「乳幼児期の重症化防止」の観点から、当時、県下11市に先駆けて小学校卒業まで拡大い
たしました。従いまして、当面は現行制度の子育て支援等に対する効果と国保会計に与える影響
などの把握に努めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時04分休憩
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午後2時13分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇39番(井上健太郎君) それでは再質問をさせていただきます。
 市長は冒頭の質問の中で、住民に合併の是非をなぜ選択させなかったのか。この問題について
は答える立場にないという答弁でございました。確かにそうに言われてみればそれも当っている
かなと思うのですけれども、そうかと言って、この一般質問では、市長に対して行うわけであり
ますから、それなりの答える立場にいる方に答えてもらうというわけにはいかないのですよね。
そういう形がもしとれれば、そういう立場のある方に答えていただきたいなあというふうに思っ
ているのですが、その点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど、冒頭ご答弁申し上げましたとおり、この合併を進めていく経
過の中に、合併協議をやはりお互いの相互理解のもとに進めてきたということでございます。し
かも、すでに昨年の2月の13日に、1市2村が合併してスタートして1年半が経過しておりま
す。そこでさらに、また旧利根のところの関係について、またアンケートをとって云々というこ
と。現実にすでに私どもの立場からすれば、当時の旧利根村のことについては、私が口を差し挟
む立場ではありませんでしたので、先ほど答弁したとおりのことになっているわけでございます。
◇39番(井上健太郎君) 今回の質問にあたりまして、市長には、このアンケートの結果とい
うのは早々とお渡しをして、目を通してもらっておったわけなのですけれども、特にこういう質
問をなぜするかというと、この意見の中に、今までの利根村にしてほしいとか、あるいは元の利
根村に返してほしいとか、あるいは分町するか、しないか、住民投票すべきであるとか、できる
ことなら昔に戻りたいとか、あるいは住民の中で、前の村に戻してほしい人がたくさんいますと
か、あるいは、利根村の住民は、元のような生活でよいから返してほしいとか、片品と合併する
方がよかったとか、そういったような意見があまりにも多く出されておりますので、そういった
点で、やはりこの合併自体が、住民が、住民投票等行って、過半数以上の住民がそれを選んだと
いう結果であればそれは出てこなかったというふうに思われるのですよ。
 私も、利根村時代に複数の村長に対して、やはり住民投票すべきではないかということを迫っ
てきたわけなのでありますけれども。その複数の村長の中でそういったことも視野に入れている
ということを答えた村長もありましたが、ごく新しい村長については、もうやる意思はないとい
うような経過がございます。そういったところで、住民の中からも、ぜひ住民投票をやれという
ような住民運動も確かに期間が短かったので盛り上がりませんでした。そういった中でいつの間
にか、わけのわからないうちに合併されてしまったと。この結果を、アンケートの結果を読んで
いただければ十分にわかったと思いますけれども、そういうことで住民の多くが、この合併とい
うものに対する、特に沼田市への編入合併というものの、どういうものかということを十分把握
しないうちに合併が進んでしまったということが、大方の利根町住民の声ではないかなと。この
返ってきた答えの中に、「この合併は非常によかった、正しかった」というのが一つでもあれば
多少はまた考えも変わるのですけれども、あまりにもこういう答えがあまり多いものですから、
今回の質問に踏み切ったわけです。そういったところで、答える立場にないのですけれども、今
度の合併で、利根町の住民がこれほどこの合併に対して失敗だったという感情を持っているとい
うことに対して市長はどう考えるかというふうに私は聞いたわけなので、率直なところ、市長の
生まれ故郷でもありますし、この利根町の住民が、今合併して1年ちょっとなのですけれども、
今現在、本当に、切実に、こういう意見が多いのだというところを汲んで、市長は率直にどう考
えるか。こういうふうに聞いたわけなので、もう1回、この点についてはお伺いしたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな歴史的経過を踏まえて、議会の皆さん方のご指導をいただ
いたり、あるいはまた民間の方々にお役の中に入ってもらったりして、慎重に昨年の2月13日
に合併するところまでこぎ着けたわけでございます。その結果、後を受けて、大変アンケートの
結果がいろいろとご不満があるという、こういうことでございますけれども、私もこのアンケー
トのことについては、目を通させていただいております。そういった形の中で、これからは是非
一丸となって、新しい新生沼田市を作り上げるために、ぜひこのいまおっしゃるようなことでは
なくて、前向きな形でこの合併をとらえていただき、そして前進する形の中でいろいろとご判断
をいただければありがたいと思っております。
 ただ、間違いなく言えることは、旧利根村の地にあってはですね、いろいろと世論等が手厚か
ったということもあるかもしれません。しかしもう一方におきましては、合併したことによって
これまた新しい施策が築かれてきていることも事実でございます。従いまして、いろいろとアン
ケート等の結果では、大変厳しい結果が出ているようでございますけれども、ぜひその辺のこと
については、大局下に立って、ご理解をいただければありがたいと、こういうふうに思っており
ます。
◇39番(井上健太郎君) 実はですね、市長に、特に冒頭のこの選択を住民にさせなかったか
ということを聞くのはあまりにも酷な話で、要するに、利根町の長、そして議会も承知のうえで、
住民投票しないで合併したわけですから、だから本来ならば、そのときのいちばんの最高責任者
である現在の振興局長、すでに住民投票すべきではなかったかなと後悔しているのではないかと
思うんですけど、いまこの一般質問の中で答える立場にないということで、発言の機会は市長が
与えなければ与えてもらえなと思うんですけれども、もし市長の温情があるならば、一言だけ局
長にも、今どういう心境でいるのかお聞きしたいのですが、いかがでしょうかね。
◇利根町振興局長(星野健一君) ただ今ですね、合併前のという話でですね、合併した後のア
ンケート調査結果が出たということであります。1,200世帯に配布をして、回答者が153
人ということで、その内容につきましてですね、ただ今市長の方に質問があったわけであります。
この件につきましてはですね、利根町のときの話ということで、合併する前に沼田市に申し込ん
だという経過があります。ただこれもですね、その前の利根村、また東村、こういう時代のとき
からずーっと約50年近く経過をして人口が減ってきたと。当時1万人の上いたんですけれども、
それが半減したと。そして働き盛りの人が減って、逆ピラミットになったという経緯があるわけ
であります。そしてまた利根町はですね、旧利根村、広いわけなんですけれども、非常に整備等
もまだまだしなければならないところがいっぱいあったと。利根村のときに業者等も、直接、間
接を含めて3分の1の住民の方が変わったと。利根村自体はですね、いろいろな住民サービスが
非常に他の市町村に先駆けて先進的な部分も非常にありました。
 ただ、今のですね、時代を踏まえて、今後について利根村がこのまま単独で行けたかというこ
とにつきましては、非常に先ほど言ったようなことを踏まえまして厳しいと。まして、働く場所
をですね、合併特例債の、合併特例法の期限内に実施するということは不可能だろうと。そのた
めにはある程度、執行部、議会含めてリードしていかなくてはならないと。それによって緩やか
なサービスが継続できるのではないかということで来たわけであります。
 そういう流れをですね、もっていま現在があるわけでありまして、それに対しましてですね、
新市になりましても、その合併の協議会の中ではですね、そういう部分も盛り込んでいただきま
して、今後、利根町、旧利根村ですけれども、なるべく支障がないように、後で路頭に迷うこと
がないようにということできたのも事実であります。そういうことを理解していただきまして、
今回のアンケートは前向きにとらえていただきまして、今後についてですね、合併してよかった、
合併して悪かったという議論は、今後、よくなるためにしたわけでありまして、そういうことを
ご理解していただければ段々変わっていくのではないかなというふうに思います。以上です。
◇39番(井上健太郎君) 市長に対する一般質問の中で、局長に意見を聞いたということは、
市長に失礼なことだと思うんですけれども。要するにこれだけ、いろいろな形でですね、今の利
根町住民が、自分たちでこの合併を決めたのではないということがいちばん不満の出てくる元だ
ということだと思います。ですから今、局長が申されましたように、本当にこの合併がよかった
のだというような、思えるような形で、利根町住民に返していく、そういう努力を地域内分権と
いうことで市長はいつでも申しているわけでありますから、利根町住民のトップリーダーとして
ですね、こういったアンケートに寄せられた不満を解消するためにぜひ努力をしていっていただ
きたいということを局長にはお願いしたいと思います。
 それでは戻りまして、市長にお願いをしたいと思います。さて、今度のアンケートでもいろい
ろな意見が非常に多く出ているんですけれども、私は今回の質問に際しまして、改めて利根村村
誌を、昨日と一昨日からちょっと紐解いてみたのですけれども、利根村においても、昭和31年
に赤城根村と東村が合併いたしまして、合併当初、やはり南部、北部とかということで、旧東村
と旧赤城根村の人たちとの一体感というのですかね、そういうものがすぐできたというわけでは
ありません。ようやくですね、最近になって、40年を過ぎて、50年近くになって、初めて利
根村というこの一言で、村民の中の南部、北部という隔絶感という、そういう感情が薄れてきた
矢先だったわけですよね。そういった中でまた自治体が変わってしまうということに、やはり利
根町住民は非常に不安と不満が渦巻いていると。ぜひ局長も申されたように、市長、ぜひ本来な
らば、多少批判を浴びても、自分の出身地である利根町の住民に欲をかくくらいのことをやって
も私は不思議ではないというように思いますけれども、かえってできないということもあると思
いますが、要するに、今まで寄せられたこういった不満を解消するための努力をぜひ行っていた
だきたいということを重ねてお願いをいたします。
 さて、その村誌を見て、利根町が昭和31年に合併をいたしまして、その中で、何もこの利根
村になるときに村民がこぞってこの合併を進めたわけではないですね。今回の沼田市の合併と同
じです。生越の分村という形で利根村誌には詳しく書かれておりますけれども、この利根村にな
ったばかりのときに、私の住んでいるこの平川という集落があります。この集落は片品に隣接し
ておりまして、合併してからこの平川だけ切り離して片品村と合併したい。こういう意見が強く
出されました。そして、根利集落ですね。先ほど市長のお話しの答弁にもありましたけれども、
根利集落は黒保根村と一緒になりたいということで、非常にこの合併したばかりの利根村は紛糾
したということが書かれております。そして、最後まで頑張ったのが、生越と現在、昭和村の生
越ですけれども、生越と二本松、ここについては、このときの法律でですね、昭和31年6月3
0日にできた法律ですが、新市町村建設促進法というのがございます。法律第164号第27条
という、この規定に基づいてそういった不満の解決を図るように手立てが講じられたということ
で、要するに、合併して5年後にですね、住民投票を行ったわけなのですよ。この住民投票はど
うにして行われたかというと、県からの指導で村の議会と村長に対してできるだけ早く住民投票
を行えという命令がきた。ところが議会と村長はそれを拒否した。それで選挙管理委員会に対し
て今度は県は要求したけれども、選挙管理委員がまたそれを蹴ってしまった。それで、当時の県
知事、神田坤六氏はですね、県の選挙管理委員会に代執行を求めて、県の選挙管理委員会がこの
住民投票を行ったということが、この村誌に書かれております。そして、生越地区は、昭和村に。
そして、二本松地区は利根村にということでこれが決定した。これが決定したのが昭和36年の
8月1日であります。要するに、合併してから5年後に、こういった合併した自治体から分庁す
るという、こういうことが行われて、またできたわけですね。ですから今、利根町の中で不特定
多数、どのくらいの人達がいるかわかりませんけれども、私が普段話をしている人達多くの人達
はですね、何とか沼田市から離婚できないかい。何とか離婚する手立てを考えてくれないかい。
こういうことを日常茶飯事のようにですね、要求されるのですよ。何とか健太郎さん、そういう
手立てを考えてくれないかい。考えてくれないかいと言われたってね、これは皆さん方がやるこ
とで、住民の気運がそういうふうに高まってくれば市長も利根村の出であるし、そういったこと
を選択することは、応援してくれるかもしれない。ぜひ皆さん頑張ってくださいよというような
形でなだめているのですけれども、そういう気運がいま高まりつつあります。そういった点で、
そういうことは起きる可能性はある。そういうことで市長にも、利根町住民の意見を改めてアン
ケートなり、あるいは住民投票のような形で把握する気はないかというようなことで、市長にお
伺いをしたわけなのですが。いま言ったような問題も含めて考えに入れてですね、もう1回、市
長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 利根村誌の中に書かれていることをご紹介されながら再質問されたわ
けでありますけれども、やはり昨年の2月の13日にいろいろな紆余曲折を得て今日を迎えてお
ります。従いまして、私が旧利根村のことについて、当時のことについて言及する立場ではござ
いませんけれども、やはり現在、既に2月の13日にスタートして、1年と半年が経過をしてお
ります。何とか利根沼田の中核都市としてですね、いよいよ群馬県の各地域に対して発信をして
いかなければならない中核都市でもございます。従いまして、2月13日の合併を重く受け止め
て、そして5万5,000有余の市民が一丸となって、新しい時代に向かって前進していくとい
うことが大切だと認識をしておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) そういう形でできるだけですね、沼田市民となった人たちが、市長
よく言いますけれども、公正、公平ということを申しますけれども、本当に差別感がなく、本当
に一体となった沼田市のまちづくりが市民全体でできる、そういうことを最終的には求めていき
たいというのが私の気持ちでもございます。しかしですね、いま言った、例を述べたことと関連
するのですけれども、このとき行われたこの法律ですね、支援市町村建設促進法という、この法
律は、まだ生きているのかどうか。もしおわかりでしたらお答えいただきたい。
◇市長(星野已喜雄君) 現在のところでは、これらについていま理解をしておりません。従い
まして、議員がここでしっかり調べろということになれば、休憩をとって、県当局に聞くという
ことになろうかと思います。
◇39番(井上健太郎君) 短時間でできれば休憩をとっていただいて、ちょっとお伺いしたい
のですが。
(休憩を求める者あり)
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時36分休憩
─────────────────────────────
午後2時37分再開
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇39番(井上健太郎君) それでは次の質問に移りたいと思います。
 今度の決算議会のですね、監査委員の報告に、合併により財政力の脆弱さはさらに拡大してい
ると言えるというふうに指摘されております。今度のアンケートの中に、住民の中から、最後は
沼田のお荷物になるのは目に見えるというような意見があるのですよね。要するに、今現在、平
成17年の決算での監査委員の意見の中に、合併によって財政力の脆弱さをさらに拡大するとい
うふうに言うことは、利根、白沢も含めてだと思うのですけれども、要するに利根村と白沢を吸
収したために、沼田市の財政力は、勿論数字的に確かに落ちていますよね。沼田市単独の場合は
0.54とか、0.53とかだったのが、16年度は0.4幾つかになって、そして平成17年
が0.50ですからね。明らかに数字的には下がっているのですけれども、監査委員が指摘する
ように、この脆弱さがさらに拡大する。要するに、もう利根村はお荷物になっているのではない
ですか。この点についてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) もう一緒に、2月の13日に昨年合併したので、利根村がお荷物であ
るとか、そういうことの論拠は成り立たないと思っております。一緒になって頑張っていくとい
うことに尽きると思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 確かに監査委員さんにしてみれば、この数字から見てね、そのとお
りだからはっきりとそういう指摘をしたと思いますけれども、やはり合併した自治体の一員であ
ると、やはりこういう言葉というのは非常にさみしい限り。要するに市長は、当初、利根沼田は
一つということで、広域合併を目指し、また目指していたのが本市であって、いろいろな紆余曲
折があって仕方なしに2つの自治体を入れた合併に踏み切るより仕方なかったのだというような
ふうに思えるのですが。その点についてはどうなのですかね。
◇市長(星野已喜雄君) 私ども、当時から利根沼田のこの新しい新時代に向かって、分権型社
会のためにどうしたらいいかということを真摯に受け止めまして、合併をすることを選択し、努
力をしてまいりました。従いまして、一生懸命努力した結果がここに実っているわけでございま
して、これを後退的に受け止めることはするつもりもありませんし、これをですね、しっかりと
した新しい時代の先駆けとなるように受け止めた形の中で、施策を展開していくということが大
切だというふうに認識をしております。
◇39番(井上健太郎君) 少しうがった見方で失礼だったと思うんですけれども、この沼田市
が、本当に健全な形で発展していくのが一番望ましいことだというふうに思います。
 さて私は今回、アンケートに基づいた意見、いろいろな意見が出ておりまして、そういった意
見に対する質問をしているわけであります。要するに、住民サービスをなぜ1年目から切り捨て
たのだと。中身によっては先ほど、葬祭費であるとか、出産育児の一時金であるとか、そういっ
た点については利根町住民、それまでよりも上がったものもあるのですよという市長の答弁があ
りましたけれども、どちらかと言えば、住民が非常に不満になって、怒りが充満しているという
ことは、それまでの利根村での生活よりも非常に負担が増えてサービスが減ったという、極端な
やっぱり結果が出ているということなんですね。合併する直前の説明会においては、利根村の当
時の村長は、合併して2、3年はそんなに今の状態とは変わらないのだということはいつでも言
っていたことなのですよね。まして、市長におかれましては、合併協議会の中で、吸収だけれど
も対等に非常に近い、限りなく対等に近い合併なのだということを強調していたわけなので、合
併して初年度から負担は増える、サービスは下げるということを、これはやはりどうやっても住
民が納得できないわけなのですよ。そういった点での住民サービスの切り捨てと、そして住民負
担を増やす、そういった面での説明責任、これは非常に重大だと思うのですよ。それを十分に、
住民に行き渡っていないというのが現実なのですけれども。この点についてまた改めてお伺いし
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が、非常に旧利根村の施策から比べると比較論をいたしまして、
落ってきているという、そういうことでありますが、いろいろと場面、場面の事業を見てみます
ると、先ほど一度目に答弁をしたとおり、諸々のサービスが、例えば旧利根村時代に未実施だっ
たものが大変多く実施されております。ここのところに手持ちに資料がございますけれども、具
体的なことを言うならば、生きがい活動支援通所事業であるとか、寝たきり老人おむつ手当支援
事業であるとか、未実施だったのが実施されてきている経過がございます。また、福祉タクシー
等につきましても、旧利根村時代が24枚あったのが40枚になったとか、あるいはまた一時保
育、障害児保育等についても未実施だったのが実施されたとか。あるいはまた、中小企業の事業
資金の融資の関係等については、貸付金提携融資等についても、制度なしだったのがそれぞれ制
度を作ってきたとか、そういうことがございます。従いまして、いろいろな場面、場面でですね、
私ども行政側の立場の人間が、そういった機会をとらえては、今言ったようなことについて説明
できる機会があればですね、いろいろと努力をしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、サービスが落ちたばかりでなく上がったところも大変多いというこ
とも一つご理解をいただきたいと、こういうふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) 住民がそのように、アンケートを見ればわかりますように、非常に
切実に感じているわけですから、ぜひそれを払拭するような形でですね、説明していく必要があ
るというふうに思います。特に、このアンケートの中で特徴的なのが、「市との合併はいけない、
納税は増、福祉は減、村の親睦は丁重。私も若かったら今の利根町から離れたい。このような利
根村の大きな変貌を村民を無視して実行してよいのか。村民の少なくとも半数以上の同意を必要
とすべきだったと思う。これだけの利根村は、今は他に隷属した惨めな利根町、代々村を守って
きた先祖は泣いているだろう」というような特徴的な意見も出ているのですけれども。要するに、
今まで利根町でなかったものでも向上したものもあるのだと。それは多少あると思うのですけれ
ども、落ちたものが多いということは実際村民が実感している現在の姿なのですよ。住民に、合
併するか否かの住民投票をやらなかったわけですから、やらないで進めた責任というのは非常に
大きいわけなのですよ。だからいつでも住民の説明会等では、当面そんなに住民サービスは落ち
ない。要するにこのままいったら利根町はもう財政的にやっていけなくなるのだ。だから合併す
るのだという説得できたわけなので、やはり本当に住民のことを考えるならば、10年間は財政
的に今までの財政水準を保てるという説明があったわけなので、いきなり1年目からというのは
非常にやはり問題だったというふうに思います。そういった点ではサービスが落ちてから、利根
村のそれなりの課長とか、事実それに携わった方たちに聞いてみても、やはりこんな予定ではな
かったというふうに言っています。話し合いの中でどうなったかわからないけれども、沼田市の
お偉いさん方は、何を言っているのだと。要するに、編入合併なのだから沼田市に合わせるのが
当たり前じゃないかというような形で、細かい部分での調整はそういったことで押し切られたと
いうような話を伺っております。
 ですから、冒頭にも何回も言ってますけれども、限りなく対等に近い合併だと言った市長の言
葉にも、ちょっとその言葉も裏切る実際の問題だと思うんですけれども。そういった点では非常
に利根町の住民は納得できないというふうに思われるんですよね。だから、できることならば、
ちょうど子どもたちへのフッ素塗布と同じようにですね、幾つかの施策についてやはり戻すべき
だと。国保税についてはすでにああいう形でやっていますから戻すわけにはいかないかもしれな
いけれども、無料の人間ドックであるとか、あるいはがん検診の無料化であるとか、すぐ直せる、
予算的にもそれほどかからないものについては、幾つかやはり復活させてやる。そういうことが
利根町住民の不満をですね、解消することになってくるのではないか。だから利根町住民が、先
ほどの生越の話ではないですけれども、分町するというようなことを、そういうようなことにな
らないためには、やはりそういった不満を解消するような努力をしていく必要があるというふう
に私は思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まず基本的にですね、現在進めている施策は、合併協議の中でお互い
が相互理解のもとに調整をしてきた上に立っているということをしっかりと押えていく必要があ
ろうかと思います。今おっしゃられたような施策の関係については、今後の問題として受け止め
ていくということになろうかと思っております。いずれにいたしましても、合併協議でなされて
きたことをですね、受け止めた形の中で、2月の13日がスタートしているわけでございまして、
それに基づいて現在進めているということでございます。従いまして、議員がご指摘のですね、
いろいろな対策についてはですね、今後の課題として受け止めさせていただきたいと存じます。
◇39番(井上健太郎君) ぜひとも真摯に受け止めて考えていってもらいたいというふうに思
います。
 さて利根町は、平成17年の2月に合併してから、今年の3月までに人口はどうかということ
で担当に聞きましたところ、79人実質的に人口が減ったという報告がありました。もう今まで
も、この10年間を見ますとそのくらい減った年もあるのですけれども、合併したからといって
そういった過疎を踏み止まる状況にないということで、今度のアンケートでも皆さんにいろいろ
ご意見を聞きました。ますます過疎に拍車がかかるだろう、こういう意見がやはり多いです。な
ぜかというと、働く場所がなければ若者が定住しないという意見がやはり、これは常識的にだれ
が考えてもそうなのですけれども、そういうことで、まず振興局とはなりましたけれども、役場
の職員が勤める機会も少なくなる。明らかに、完全に削減になります。すでに農協は一足先に合
併いたしまして、いつでも30人を超す職員がいたのが、今は4、5人しかいないというような
状況で、わずか限られた職場というのが少なくなってきた。では残されたのはどうか。あとは土
建屋の下働き、そしてあとは旅館の、老神温泉のお手伝い。こういったところが旧、利根町の、
いくつかの職場なんですけれども、そういった点でですね、ますますこの合併によってこういう
結果ですから、過疎は進行しているというのが目に見えているわけです。そういった点で、やは
りいま求められているのは、働く場所をどうして作っていってもらえるのか。それがない限り利
根町はなくなってしまうだろう。そういう意見が強いわけなんですが、市長については先ほどの、
1回目の答弁で多少伺いましたけれども、具体的にそういったところをどうするかという構想が
あったらお聞かせを願いたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど来、同僚議員の質問の中に、ふるさと回帰の関係の質問がござ
いましたけれども、これらをとらまえてみると、大変、利根町には、非常に馴染む、しかも大き
な財産がたくさんあるというふうに受け止めております。従いまして、今までのような形の、い
わゆる観光客誘致だとか、あるいはまた企業誘致だとかということから、やや矛先を変えて、現
実にある自然空間であるとか、あるいは今まで眠っていた宝物、今日も申し上げました根利のボー
ルドウイン号、あるいはまた曲屋、さらに、薗原のダム、あるいはまた老神温泉、あるいはまた
吹割の滝、皇海山等々をですね、やはりうまく活用して、これから文字通り新時代にふさわしい
ふるさと回帰のですね、大きな可能性を秘めていると思っております。そういうようなことから、
これからひたすらそういったことの施策の展開を図っていきたいということは先ほど同僚議員に
申し上げたとおりでありますけれども、そういった眠っている宝物をですね、今後磨きをかけて、
そして新時代にふさわしい、利根町のいわゆる地域発展のために処してまいりたいと思っており
ます。
◇39番(井上健太郎君) ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。時間も少なく
なってまいりましたけれども、先ほど、利根町で行ってきた施策の復活の点については、やはり
市長はいつも、それぞれ責任ある立場の人たちでの、合併協議会での合意事項だということが大
体決まり文句になっておりますけれども、特に今回は、アンケートで非常に不満が強いのですね。
ぜひ幾つかでも復活をさせて、そして特に人間ドックとか、あるいは検診の問題等は、早期発見、
早期治療によって、その後の住民負担の増大になっている国保、こういったところの医療費に完
全に跳ね返ってくるのだと。利根町については、長年にわたってですね、そういったサービスの
積み重ねで医療費を削減してきたわけですよね。そして、合併する直前の年まで3年連続国保税
を引き下げるということができたわけです。ようやく予防医療の効果が見え始めたところでまた
合併によって逆戻りをするということになるわけですよ。だから最終的には、利根町で行ってき
たような、4世代にわたる無料の人間ドックとか、検診を無料にして検診率をあげることによっ
て将来、国保会計の医療費を引き下げる。そういうことが可能になるわけです。ですから、そう
いった点でこれをぜひ復活をさせてもらいたいというふうに私は求めているわけなのですけれど
も。この点については市長、非公式の話、雑談では、そういったこともいいことだなというよう
なことも、市長言ったような気がするのですけれども、どうなのですかね、率直なところそうい
う努力をやってみる必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょう
か。
◇市長(星野已喜雄君) 実は非常に今、政策を組み立てる上で趣を今後おいていきたいなとい
うのは、例えばお年寄りが非常に高齢者になって、寝たきりになってしまう、その前段のところ
で止めることができないか。つまり予防政策をどう展開していくかということが大変重要なこと
になってくると思っております。ですから、例えば将来を担う子どもたちには、できるだけスポー
ツに親しんでもらって、そして健康な体になってもらいたい。それが必然的に病院に通わなくて
も済むようになる。あるいはまた、お年寄りが筋力トレーニング等もやっておりますが、そうい
う施策を展開する。つまり結果が出て入院をしたり、あるいは特別養護老人ホームにお世話にな
るという、その前段のところでくい止めていきたいということは、非常に意識してとらまえてお
ります。従いまして、今おっしゃっられたことについては、総体的には理解できるところであり
ますけれども、やはりご案内のとおり、私どもも、自治体は、財政問題を常に裏腹に抱えており
ます。そういったことを受けまして、今後慎重に対応していきたいというふうに思っております。
 なお、先ほどのご質問の中で、一旦中断があったわけでございますが、新市町村建設促進法が
現在生きているのかどうかということのご質問がございましたが、ただ今議事進行の中で、水面
下で調査させていただきましたところ、昭和40年の3月の29日に、当法律は廃止をされてい
るということだそうでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) ぜひ市長には、健康を、スポーツのできるうちにできるだけ進めて、
健康な体を作るという方針だそうですから、ぜひそういった形でやっていただきたいと。
 最後になりますけれども、私はなぜしつこくこういった問題をやるかというと、やはり利根町
というのはやっぱり峠の向こうなのですよ。医者も遠いし、何をするにも汽車も走っていないし、
高速もないし、要するに今までの沼田市外の住民の皆さんとは毎日生活しながらハンディーがあ
るわけですよ。ですからそれと含めて、地域振興局という、地域内分権だということを市長が重
ねて言っているわけです。ですから、1自治体の中で2つの制度があってもいいではないか。い
いんですよ、それは。要するに同じにやっていたら山の中は峠ではないのですよ。生活するのに
不便なんですから。不便で大変なところに多少は住民サービスで優遇をさせる。それで初めて公
正、公平になる。私はそういう観点で今までの、過去の一般質問も全部つながっています。です
からそういった面で利根町住民を納得していかなければ、いずれ先ほど申し上げましたように、
先ほどの法律はなくなったそうでありますけれども、分町騒ぎがおそらく起きてくるということ
を申し上げて、私の質問は終わります。ありがとうございました。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時03分休憩
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午後3時11分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇議長(星野佐善太君) 次に、大東宣之議員。26番。
〔26番 大東宣之君登壇〕
◇26番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、災害対策について、国民健康保険について、体育施設等の安全対策について質問い
たします。
 まず初めに、災害対策より質問いたします。
 7月の梅雨前線による豪雨は、鹿児島県や長野県、島根県など全国各地に深刻な被害をもたら
し、内閣府は、今週中に、梅雨前線による災害全体を激甚災害に指定することを明らかにしまし
た。
 国土交通省は5日、今年の梅雨入りから梅雨明けまでの間の、大雨による床上浸水などの被害
総額が全国で2,700億円から2,890億円に達したと発表しました。
 家屋や家庭用品など一般資産の被害が大きかったのは、7月15日から24日の豪雨によるも
のとされています。
 県内でも、18日から19日にかけ、東吾妻町や渋川市、そして本市で土砂崩れが発生したり、
国道や県道の通行止め、上越線が運休されるなど被害がありました。
 本市では、19日午前4時50分頃、下久屋町の山林で高さ約80メートル、幅約50メート
ルにわたる大規模な土砂崩れがあり、市道が土砂で埋まり通行止めとなりました。
 市では、災害対策本部を設置し、危険地域の人たちに自主避難を呼びかけ、土嚢やサンドクッ
ションを崖下に設置し、土砂崩れの原因の一つと考えられたわき水のくみ出しを行うなどの対応
がとられてきました。
 下久屋町の土砂崩れなど本市においても梅雨前線による被害が発生しましたが、7月の降雨災
害の状況と復旧にどのように取り組むのかお伺いいたします。
 下久屋町での土砂崩れは、カスリン台風以来とも言われ、本市にとっては近年にない災害とな
りましたが、下久屋町の災害の取り組みとその検討はどのようにされたのかお伺いいたします。
 本市は、山間地域に位置することから、急傾斜地などが多く、今回の下久屋町のような土砂崩
れが発生することが考えられますが、危険箇所の把握と今後の対応はどのように進められるのか
お伺いいたします。
 続いて、国民健康保険について質問いたします。
 毎日新聞が昨年末から開始した連載ルポ「縦並び社会、第一部格差の現場から」は、その連載
5回目の「患者になれない」(1月4日付)で、「病気になって患者に『なれる』『なれない』
の格差が広がっている」と指摘しました。
 資格証明書で、意識を失うまで我慢していた大腸がんの男性、「黒ずんだ腫瘍が大きくなって
乳房が3つに見えるまで」になった乳ガンの無保険の女性など、保険証の取り上げが生んだ悲劇
を福岡市に取材していました。
 本来、良質な医療、最適な医療は、だれもが等しく公的保険の枠組みで受けられるべきであり、
「国民皆保険制度」は、それを目指してきたはずです。
 しかし現実は、こうしたことが形骸化され、お金のあるなしによって命と健康が差別される格
差が広がっています。
 国民健康保険は、社会保障として医療を国民全てに公的に保証する制度であり、国民皆保険制
度の土台となっています。
 国民健康保険法では、第1条の目的で「社会保障及び国民保険の向上に寄与すること」とし、
第4条では、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように務めなければならない」
としています。
 しかし小泉首相が厚生大臣だった1997年の国民健康保険法の改悪で、2001年から資格
証明書の発行が各自治体に義務づけられ、保険証を渡さないという制裁が強化され、医療が受け
られないという人が増え、小泉内閣の「構造改革」によってその格差はさらに広がってしまいま
した。
 本市では、県内他市が資格証明書の発行を行う中にあっても、独自の対策によって発行しない
できましたが、法律によって義務化されてから発行が行われるようになりましたが、これまでの
資格証明書発行状況とどのような対応がされてきたのかお伺いいたします。
 10月1日から新しい国民健康保険証へと切り替わりますが、今年度の対応はどのようにされ
るのかお伺いいたします。
 国民健康保険の加入者は、経済的基盤が弱い人が多いと言われていますが、今日の状況がさら
に国民健康保険加入者の生活を苦しめるものとなっており、国民健康保険税の滞納を生み出す原
因となっています。
 災害や火災などによる国民健康保険税の減免とともに、本人の申請による減免が認められるこ
とになっていますが、申請減免の状況と対応はどのようにされているのかお伺いいたします。
 不安定雇用や年金の削減など生活基盤が崩れつつあるなか、生活困難者への減免についての見
解と対応はどのようにされるのかお伺いいたします。
 国民健康保険税滞納の原因の一つに、国民健康保険税が値上げによって払いきれないことが上
げられていますが、国民健康保険税の引き下げについての見解をお伺いいたします。
 続いて、体育施設等の安全対策について質問いたします。
 この夏、埼玉県ふじみ野市の市営プールで児童が吸水口に吸い込まれて死亡するといった事故
が起こりました。
 楽しいはずの夏休みのプールでの死亡事故は、あまりにも悲しすぎる事故であり、安全対策に
ついてさらなる努力と注意が求められていることを示すものとなりました。
 5日、ふじみ野市の事故を受け、政府の関係省庁連絡会議は、全国のプールの緊急自主点検結
果(8月21日現在)を発表しました。
 回答のあった公立、民間の4万2,789施設のうち、施設や管理状況に何らかの不備があっ
たのは4,703施設で、吸い込み防止金具が十分に固定されていないなど施設関係で4,13
5施設、監視員の配置で721施設、監視員への指導に関し727施設に不備があったことが明
らかになりました。
 本市でも、ふじみ野市の事故直後に市民プールの点検を行うなど対応がとられ、安全が確認さ
れましたが、市民プールの委託内容と安全対策はどのように行われているのかお伺いいたします。
 また、学校の遊具での事故もあとを絶ちませんが、学校の遊具の安全点検などはどのように行
われているのか。学校の遊具等の安全対策はどのように進められるのか、お伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、災害対策について、7月の災害について、7月の降雨災害の状況と復旧にどのように取
り組むのかについてでありますが、今回の災害発生状況は総件数で74件であります。
 その内訳は、法面の崩壊・崩落が48件、側溝・水路のつまり・溢水が7件、土砂・砂利の流
出が3件、倒木が3件、落石が2件、その他が11件であります。
 また、災害復旧でありますが、災害発生直後から復旧作業等を行ってまいりましたが、8月3
0日現在における状況では、既に復旧処理が済んでいるものが21件、復旧に向け測量や設計等
が決定・着手しているものが34件、検討中としているものが19件となっております。
 いずれにいたしましても市民の安全確保と市民生活に支障が生じないよう対応を図ってまいり
たいと考えております。
 次に、下久屋町の災害の取り組みとその検討はどのようにされたのかについてでありますが、
下久屋町の災害につきましては、議員ご案内のとおり、7月19日早朝、市道追墓坂線南側の急
傾斜地において幅50メートル、高さ80メートルにわたり大規模な山腹崩壊が発生し、市道観
音坂線の一部が土砂に埋まり通行不能となったものであります。
 ご質問の災害の取り組みについてでありますが、災害の発生情報と同時に担当職員が現場に急
行し、現場の状況把握と住民の方々の安全確認をするとともに、現地対策本部並びに災害対策本
部を設置し、住民の安全確保と二次災害の防止を最優先とし、地元の方々、消防団、広域消防な
ど関係機関等と連携し、現場への立入禁止措置や交通規制、崩壊現場の雨水処理、サンドクッシ
ョン・大型土のうの設置、監視体制の強化、地層移動観測機器の設置などを行いその対応を行っ
てきたところでございます。
 また、自主的に避難をされる方々に対応するために2箇所の避難所を開設し、住民の安全確保
に努めてまいりました。
 災害はいつ起こるか分かりません。今後このような災害が発生した場合には、今回の対応を教
訓に情報の共有を図りながら地元の方々との協働と関係機関との綿密な連携の下に対応してまい
りたいと考えております。
 次に、危険箇所の把握と今後の対応はどのようにすすめられるのかについてでありますが、危
険箇所の把握につきましては、沼田市地域防災計画の災害予防計画の中で示しておりますが、地
すべりの危険箇所が4箇所、土石流危険渓流が128箇所、急傾斜地崩壊危険区域が142箇所、
落石等危険区域が13箇所、山地水害危険地区が247箇所で、計534箇所が危険箇所となっ
ております。
 今後の対応につきましては、沼田市地域防災計画に基づき、危険度の高いものより、国、県と
協議を重ねながら順次整備をしていくこととなっております。
 次に、国民健康保険について、資格証明書について、これまでの資格証明書発行状況とどのよ
うな対応がされてきたのかについてでありますが、資格証明書の発行数は、平成16年2月末1
39件、平成17年2月末131件、平成18年2月末が162件となっております。
 対応につきましては、資格証明書の義務化以降、広報、チラシ等で周知するとともに、納税相
談、臨戸訪問の際に周知を図ってきたところでございます。
 次に、今年度の対応はどのようにされるのかについてでありますが、滞納の実態等をきめ細か
く把握し、納税相談により分納などによる納付をお願いし、正規の保険証をできるだけ交付する
よう努力してまいりたいと考えております。
 次に、国民健康保険税について、申請減免の状況と対応はどのようにされているのかについて
でありますが、国民健康保険税の申請減免は、基本として生活保護、災害等と同様な状況にある
場合に、個々の被保険者の担税力に応じて対応しています。減免に該当した場合につきましては、
国保税全額を減免する場合と、国保税の特性として、前年所得が一定額以下の場合、軽減措置が
受けられることから、所得割、資産割について、それぞれの状況に応じて減免するケースがあり
ます。また、国保運営におきましては、国が負担金を、県が調整金を負担していることから、減
免措置を執る場合にあっては、国、県に対しても公平、公正に実施した減免状況を報告する必要
がありますので、減免申請書には火災証明、盗難証明、診断書等、公的な証明の添付を求めてお
ります。
 次に、生活困難者への減免についての見解と対応はどのようにされるのかについてであります
が、国保税は前年所得に対して課税することとなっており、生活困窮に陥ってもすぐに国保税が
減額されない場合があります。このような場合については、先ほどの生活保護、災害等の基準に
照らして対応をしております。減免対象とならない場合については、納付猶予や分納で対応して
いただいております。
 次に、国民健康保険税の引き下げについての見解についてでありますが、平成14年度からの
前期高齢者の増加、3歳未満児自己負担の引き下げ等により、年々国保の保険給付費は増数して
おります。
 また、老人保険拠出金及び介護納付金の単価も引き上げられ、大幅な増額が見込まれておりま
す。
 このような厳しい国保財政の状況を踏まえますと、現状の国保税率を維持せざるを得ないと考
えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、体育施設等の
安全対策につきましては、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 体育施設等の安全対策について、体育施設・学校の遊具等の安全対策について、市民プールの
委託内容と安全対策はどのようにおこなわれているのかについてでありますが、施設の点検に関
する委託内容につきましては、スライダー法定点検委託・プール使用前点検委託・循環装置等保
守点検委託及び、管理・監視業務などの業務委託を実施しております。また、プールオープン期
間中の安全対策につきましては、監視員による監視業務を行うとともに、オープン前に監視員に
対して、救急救命の講習を行うなど、安全で快適な利用ができるよう、プール管理を行っており
ます。
 次に、学校の遊具の安全点検等はどのようにおこなわれているのかについてでありますが、遊
具の安全点検は、教職員による通常点検のほか、全ての小学校、幼稚園に対しまして、年1回定
期的に、体育施設管理士等の資格を有する専門業者により点検を行っております。衣服や身体が
挟まる隙間や突起物がないか、ボルトの緩みや器具の破損等がないかなど、遊具の安全性、耐久
性について、点検を実施しております。
 次に、学校の遊具等の安全対策はどのようにすすめられているのかについてでありますが、た
だ今申し上げました、点検結果に基づき、改修や修繕などを行うとともに、児童、園児に対しま
しては、遊具の安全使用について、指導を行っているところであります。
 今後においても、子ども達が安全で楽しい遊び場として利用できるよう対応していきたいと考
えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇26番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問をさ
せていただきたいと思います。
 まずはじめに、災害対策についてからお聞かせいただきたいと思います。7月の降雨災害の状
況についてですが、ただ今の状況できますと、今回の議会にも災害復旧の補正予算が計上されて
いますから、大体これで対応が済んでいくと。すでにもう片づけたもの、対処したものがあって、
なおかつ今度の補正予算で、大体この年度内以内には、今回の災害についての復旧の目処は立つ
というふうに理解してよろしいかどうかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応年内に何とか対応ができるというふうに理解をしておりまするし、
またそのように進めてまいりたいというふうに思っております。
◇26番(大東宣之君) これから本格的な台風シーズンを迎える時期になって、また心配が増
えるわけですから、復旧作業についてはなるたけ早く、確実にやっていただき、できることなら
もう二度と災害が起きない、そういうような対応がしっかりとれるようにぜひ取り組んでいって
いただきたいというふうに強くお願いをしたいというふうに思います。
 続いて、下久屋町の災害の取り組み、そのことについて市としてどういうふうな検討、総括を
されているのかということについて再度お聞かせいただければと思うのですが。今回の災害につ
いて、市としても早急に災害本部を立ち上げるなど手立ては早くやっていただいたのではないか
と。特に今回の災害の特徴の一つとして、地元の下久屋町の皆さんが、区長を中心によく頑張っ
ていただいたと言いますか、よくいろいろな点で頑張っていただいたなというのが、これは私の
率直な感想です。そして、職員もよく頑張ったと思います。自主的に避難をされてきた方々の避
難所、夜遅くまで見ていて、そして次の日、朝8時半にはもう仕事に出てくる。仕事を5時まで
やって、また夜、そういった業務に就くということまで含めて職員もよく頑張ったと思います。
特に、助役さんが地元ということもあって、地元の下久屋の方に聞きますと、そういう方が市の
トップにいてくれたので話もしやすくよかったというような話もちょっと聞き及びしましたし、
市長が不在の中で、助役さんを中心にして、助役さん張り切っていたというわけではないのです
が、よく頑張っていたというふうに思います。そういった意味では職員もよく頑張ったし、地元
の下久屋町の皆さんもよく頑張ったといういうふうに思います。それは、私は、行政と地元、今
回の場合は下久屋ですが、ある意味、意思疎通がうまくできていた、そういった意味では信頼関
係があったからうまくいったのではなかったかと。災害が起きたときに、その対応をするときに、
行政とその地元がどういう関係を構築してきたのかによっていろいろな手立ての違いが出てくる
のではないかと。そういうことを今回、私としては感じました。市長としてどのように、そうい
った点で何らかお感じになったことがありましたら、まずお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今議員の方から、地元の方々がよく区長さんを中心として頑張っ
てくれたと、地域に対する評価、さらに私ども行政に対する一定の評価をいただきまして、心か
ら感謝とお礼を申し上げたいと思っております。本当に地元の区長さんを中心に、連日の奮闘ぶ
りに私も敬意を表していました一人でございます。
 そういった中にあって、ここのところ、数年来、私も、危機管理が行政の中心となりつつある
ということを申し上げてきた経過もございまして、そういったことからこの災害が発生するや否
や、助役、あるいはまた部長、課長等に指示をいたしまして、地元の方々に遺憾なきよう対応す
るように指示をしてきたつもりでございます。そういった形の中にあって、県当局にいち早くこ
れらをつないできたということが、一朝有事でありますので、いろいろな凹凸はあったわけでご
ざいますけれども、全体的から見ると、先ほど議員がご指摘のとおり、うまく対応が図れたかな
というふうに思っております。
 何と言っても、災害が持っているいちばんの対処は、人命の保護、人命を安全に守るというこ
とが、これが第一義でございまして、そういった中で起こってしまったことについては速やかに
処理をして、安全を担保していくということになろうかと思っております。従いまして、私ども
市行政の立場からいたしますると、あの部分が土木工事の急傾斜を使うわけにもまいりません。
そうしたことから、林業関係の補助公共、あるいはまた単独公共を使う方向になります。補助公
共は、ご案内のとおりどうしても保安林の指定が求められてまいります。従いまして、私も正式
に報告をいただいているわけではありませんけれども、単独公共の流れの中で、これが対応のた
めに速やかに処していくことになろうかと思っております。いずれにいたしましても、早くに対
応して、そして下久屋の皆さん方の安心・安全を担保してまいりたいと思っておりますので、ご
理解を賜りたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) 今回の災害での取り組みというのは、幾つか私は教訓的なことがあっ
たのではないかと。先ほど1回目に市長がご答弁いただいたように、市と地元、さらには消防、
消防団、そういった各種団体含めて情報の共有をしていくということに注意を払いながら取り組
んでこられた。やはりこれが一つよかったのではないかというふうに思います。それと、やはり
私は、先に申しましたように、行政とその地元との日頃からの信頼関係、これがどう構築をされ
ていったのかということが非常に大事ではなかったかという感じがします。
 今回の場合は下久屋町、地元もよく頑張ってくれたし、そういった意味ではお互いの信頼関係、
いろいろあったとは思うのでが、基本的にはお互いの信頼関係がきっちりとできていたからこそ
対応をスムースにいったのではなかったか。これらがじゃあ全ての地域の中で起こった場合、同
じような対応ができるか、同じようなことになるのかというのは、なかなかちょっとそれはわか
らない部分があるわけですが、常日頃から行政とその町、その地域との信頼関係、どういうふう
に作っていくのかというのが、この災害のあった後の対処の中では極めて重要なものになってく
るのではないかというふうに考えるわけですが、市長としては、その点についてどのようにお考
えなのか。お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今議員の方から、行政と地元の関係の意思疎通が、日々うまくい
っていたところに、今回の対応の速やかさがあったのではないかということでありますが、全く
同感でございます。特に今回、助役が地元であったということ。それから、崩壊をした下段に、
市の係長の家がございました。その市の職員も、現場の状況を瞬時に本部の方に伝えていただき
まして、そしていわゆる情報の共有がまさに図られていたと認識をしております。さらに、崩壊
が働きますと、沼田の経済部、あるいはまた建設部だけでは何ともしがたい状況がございまして、
県の力もいただかねばなりません。そういった中で、これが土木か、あるいは林務なのかという
ようなことの適早の判断も、これまた功を奏したというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、情報の共有というか、下久屋の区長さんを中心に、市行政の関係者
が、そこかしこと連絡を取り合いながら、下久屋の、特に下段の安全を守るための対応、そして
さらに、下久屋の集会場が下段のみならず、上段にもあったことが、下段のところの地域住民も、
上段の方の集会場の方に避難ができるというようなこともあったりして、そういう意味では下段
も、上段も、それぞれの地域の実態に見合った形の中の対応が図られたというふうに理解をして
おります。
 いずれにいたしましても、今後、これらがあってはならないことでございますけれども、一朝
有事には、今回の教訓を生かして、これら対応のために努めてまいりたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) 先ほどの答弁、今の答弁で、市の職員の話が若干出たので、私の感想
と言いますか、見たことをちょっとだけ話をさせていただきたいのですが。この方は、住民が避
難をされている上段の住民センターに、当番ではなかったのですが、同じ町だからというのでや
ってこられて、避難をしてきた住民の方が玄関を開けて入ってこられたら、真っ先に行って荷物
を持ってあげる、そしてそのときはおばあちゃんが一人で来たのですが、話し相手にずっとなっ
てあげると。それから続いて何人か来られた時も同じで、荷物を持ってあげて、こちらに来てく
ださいということで座布団を出してあげるとか。市の職員の方が、お食事ですというのでおにぎ
りを出してくれたのですが、小皿がない、箸がないということで、その方が自分から小皿や箸を
持って、避難をされてきた方々に配ってあげるということで、非常にきめ細かな対応ができまし
た。特に私はこのとき感じたのは、避難をされてきた方が高齢の方が多かったということで、や
はり不安があるから避難をされてくるわけですから、話し相手になるということが極めて大事だ
なということを改めて感じました。順番で割り振られている職員ではない、そういう地元の方、
地元のことをよく知っている方がそういう中にいるということが、避難をされてきた住民の不安
を取り除く一つの大きな要因になるのではないか。ですから、これから仮にやはり同じような災
害があったときに、じゃあ順番で、総務課と企画課が担当する順番になるらしいのですけれども、
本当にそれだけでいいのか。そこに見合った、その地域に合ったような形での職員配置も考える
必要があるのではないか。そういうふうに私は考えます。
 今回のそういった災害に対する取り組みの中での改善をしていかなくてはならない部分もいく
つか見えてきたのではなかったかと。そういった意味で、私は特に避難住民、避難をされてきた
方々の安心、不安を取り除く、そういった意味では職員が順番で配置をされるということ、それ
はそれで私は悪いとは言いませんけれども、そういった話し相手になれる人、そういった地元の
人を配置をするだとか、そういったような職員を付けていくとか、そういう配慮もこれからの中
にしていかなくてはならないのではないかというふうに感じましたが、市長としてのお考え、ま
たその後、市の中で検討された中では何かありましたらお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 全くご質問のご意見に同感でございます。地域住民からいたしまする
と、そこに在住している市の部長、課長、係長は、何かがあったときの頼みの綱であり、市のあ
る意味においては顔でございます。従いまして、その地域の市の職員が中心となって頑張るとい
うことは、大変、地元住民に対して安心感を与えることは論を待ちません。従いまして、そうい
った流れの中で、私はこの節、特に係長に、十二分にその辺のことについては指示をしてまいり
ました。特に、本部の部長、課長との一朝有事の電話のやり取り、そして何かあったならば、そ
この地域の連絡係的な役割を意識的に果たしていっていただきたいというようなことを申し上げ
てきた経過がございます。ただ、組織的に、これらについて検討はしておりませんけれども、い
ずれにいたしましても、地域の職員、そこに部長や課長がいなくても、課長、あるいは主事の方
であったとしても、地域の方にとっては市の職員が頼みの綱であり、信頼の一つの窓口でありま
すので、今後、そういった教訓を今後生かしていくように、担当部課には指示もしてまいりまし
たし、これからもそういう形を強く指導をしていきたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) この方は自主的に、地元だからということで住民の避難されていると
ころに自発的に来たということで、市の職員はたいしたものだなということを改めて私も思いま
した。そういった取り組みというのは高く評価をし、また、そういったものが今後起こった災害
のときにも生かされるようにぜひやっていっていただければというふうに思います。
 それからですね、下久屋のこの土砂崩れの現場の復旧についてですが、先ほど若干市長の方か
らお答えいただいたわけですが、これは県の、県単の治山事業という形でこれから取り組んでい
くというようなことで理解してよろしいかどうか。また、今でも岩がいくつか見えていて不安が
あるわけですから、早急に修復をしていかなくてはならない。不安を取り除いていかなくてはな
らないというふうに感じているわけなのですが、そういった復旧に向けての時期等について、ど
のようにされていくのか。わかれば教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) あそこの部分の崩壊した後の法面を見てみますと、粘土質の所が約下
から6合目あたりに横横断に走っておりまして、これが浮動層と称されるものなのだそうです。
これがいわゆる鉄筋コンクリートを埋めたような役割を果たしておって、上段の崩壊を防ぐ大き
な役割を、自然のものでありますけれども果たしてきたと。それからさらに、若干上のところに
大きな石がございますけれども、これがかつて、当地区が河岸段丘ということで、石が堆積をし
てきた層になるのだそうでございますが、これがまた上段を、要するに守る役割を果たしてきて
いるのだそうでございます。従いまして、技術的には、そういうようなところを生かした形の中
で進めていくということになろうかと思いまするし、また事業については、先ほど申し上げまし
たとおり県単治山、なぜこれを選択したかというと、先ほど申し上げましたように、大体概ねこ
の種の類は3つの選択肢があるようでございます。一つは、先ほど申し上げましたように、いわ
ゆる急傾斜地として指定されているところは土木でもって突っ込んでいく。あそこが急傾斜地に
指定されてないと。もう一つは、林業が2つあって、公共でうっていく場合には、工事に入る前
に保安林の指定を受けなければなりません。これもまた時間がかかるというようなことから、県
単治山、全体の工事金の1割が市の負担になりますけれども、可及的速やかに進めるためにはこ
れがいいのではないかというふうに感じて、そういったことで先月の8月の30日にいろいろと
今後の予定について、群馬県当局から連絡があったようでございます。
 なお、測量が終了済み次第、その成果に基づきまして、工事発注は今月の中頃には出していく
というような予定になろうかというふうに思っております。いずれにいたしましても、そういう
ようなことで、でなお、下段の道路の整備等についても、これに合わせて進めていかざるを得な
いのではないかと思っておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
 なお、年度内には完成する予定で、かかるという流れになっておりますので、ご理解を賜りた
いと思っております。
◇26番(大東宣之君) 天気予報でいくと、今日の午後からは雷を伴う大雨が降ると。関東北
部言われて、今のところは雨はどうも降っていないらしいですけれども、これから本格的な台風
シーズンを迎えますから、やはり早急に復旧をして、災害の起こらないように、またこの場所が
崩れないように、住民の方々の安全を確保するためにも年度内には、今月の中頃には工事を発注
し、年度内には終らせたいということですので、できるだけ安全に、なおかつ早くに工事が完成
するように、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。
 続いて、危険箇所の対応と今後の対応ですが、今1回目の市長の答弁を聞いて、危険箇所と思
われるところが市内にはたくさんあるのだなあということは、改めて私もお聞きをして驚かされ
ました。それだけの場所を1、2の3で全ていっぺんに解決できるというふうには思いませんが、
やはり特に人家の密集をしているようなところ、それとまた地形上、本当に危険な箇所といった
ようなところを選定をしながら、どんどん計画的に取り組んでいくということと同時に、常日頃
の点検と言いますか、そういったことも必要ではないか。特に梅雨入り後の大雨が降った後の状
況だとか、これからまた台風シーズンが来るわけですから、そういった事前の状況の点検、安全
かどうかということについて、やはりすぐ手立てが講じられないとしても、そういったことのと
ころの状況の把握、そういったことが必要ではないかと思いますが、そういったことについての
取り組み等についてのお考えがありましたらお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、公共事業というのが内外からいろいろとご批判をさ
れてきた流れの中にあって、今回議員がご質問の、この危険箇所関係等については、一般的には
砂防工事的な意味合いを持っておりまして、ある意味においては、土木事業の中では、どちらか
というと表舞台には出ないところが多々ございます。ただ間違いなく言えることは、この砂防関
係、つまり急傾斜地等々の対応を図っていくということは、土地の生命と財産を守るという意味
で非常に意義のある事業でありまして、そういった意味では大変公共事業が高く評価されるもの
ではないかと思っております。特に、私が懸念をしておりますのは、地滑りの危険箇所が4カ所
ございまして、土石流関係については、これはもう数を言うと言うに及ばずでございますが、端
的に言って、この地滑り関係が、戸鹿野と上発知と白沢の平出と岩室にございます。これらはな
ぜ、特にこの平出、岩室の地滑りが非常に重要かというと、実はここのところに、ご案内のとお
り利根の高戸谷から導水をしてきている水の流れがございまして、非常にそういう意味ではこれ
らが大変重要なところだなという認識を持っておりまして、何とか早めに、現在の導水を直して
いこうということで、これは別のところで動いておりますが、そういうようなことで、随時、場
所、場所に基づいて対応をしてきている経過がございます。いずれにいたしましても、大変これ
らの事業はあまり表舞台に出ないのでありますが、非常に地域住民の生活にとって大事な事業か
と思っておりますので、日々目を配って対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
◇26番(大東宣之君) 危険箇所、地滑り、土石流、いろいろなものを含めれば500カ所を
超える数多い箇所があるわけですけれども、先ほど申しましたように、梅雨入り、また梅雨に入
ってからの大雨の前後、それからこういった台風シーズン、こういった年間を通じて、そこの状
況がどうなっているのか。やはりちゃんと特にこういう危険というと変ですけれども、大雨が予
測されるような時期には点検をしていくというようなことが必要ではないか。そういったところ
をしっかりと、日々の状況の変化を掴みながらやはり対応をしていくということが必要ではない
か。実際の工事をするということももちろん必要ですが、そういった数は500カ所以上あると
いうことで、大変多いわけですが、そういった危険な時期と思われるような前にはしっかりと点
検をしていくといった取り組みも必要ではないかと思うのですが、お考え等についてお聞かせい
ただければと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時58分休憩
─────────────────────────────
午後4時06分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど議員の方から、各危険箇所等についての点検についての質問で
ございますが、建設部をして、いわゆる危険箇所の関係については、状況に応じて随時点検をさ
せていただいている経過がございます。
 以上でございます。
◇26番(大東宣之君) わかりました。災害というのはいつ、どこで起きるかわかりませんか
ら、日々のそういった点検やまた職員の意識の向上、そしてやはり私は、今回の下久屋のことを
見ていて、何回も強調するようで申し訳ないのですが、行政とその地域の、その町との信頼関係
というのをどう構築をしていくのか。それは何もないときから、やはり普段からそういったこと
をしていかないといざというときに役に立たないのではないかと思いますので、ぜひそういった
ことも含めて取り組んでいっていただきたいと思います。
 続いて、国民健康保険についてお聞かせいただきたいと思います。資格証明書の関係で、平成
16年から18年2月末までの間でいけば、30件近い資格証明書の発行が増えてきていると。
これは滞納者がそれだけ増えたということで、増えたのだということをおっしゃるのではないか
と思いますが、そういった資格証明書を発行するまでの間の対応として、どういったものがとら
えていたのか。通知をして、市役所に来てください、来てくださいと言うだけでは、なかなかそ
ういった方は来ずらいのではないか。ですからやはり、そのお宅を訪問をして、やはりじっくり
と相談にのってあげる、話し合いを持つということ。またその人の家庭の状況をしっかりと市と
して掴んでいくということが大事ではなかったのかというふうに思いますが、そういった取り組
み等についてはどのようにされてきたのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたっておりますので、民生部長をして答弁をいたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 民生部長。
◇民生部長(田島 護君) 命によりお答え申し上げます。
 特に当市では、3月と8月、一つの区切りといたしまして、滞納者につきましての臨戸訪問、
あるいは滞納整理等十分に行っております。また、夜間におきまして、夜間訪問等を行っており
ます。こういった中で、特にこの資格証明書を発行する部分につきましてはお話しをし、さらに
いろいろな形での分納であるとか状況も踏まえまして相談をし、それによって対応をさせていた
だいております。私どもも資格証明書を出すのが狙いではございません。そういった中で、でき
る限り相談にのりながら対応しているところでございます。
◇26番(大東宣之君) ただ今の部長のお答えでいくと、かなり個別に訪問をしながら対応を
しているといったようなお答えではなかったかというふうに感ずるわけですが、こういう税金を
納めていただくということは、やはり相手の立場に立って、相手の払っていただける能力に応じ
た形の中で払っていただけるような取り組みということが必要ではないか。それは相手の懐に手
を突っ込んでお金をいただく、税金をいただく、国保税をいただくというようなやり方ではなく
て、そこは何回も、何回も繰り返し行っていくということが必要ではないかと。特に、滞納が何
年かにわたって続いているという人も、それはそれなりに真剣に対応して、相談にのってあげる
ということも必要だと思いますが、やはり新しい、長期の滞納を生まない、そういったようなと
ころを特に重点的に回りながら、その人の状況に応じたような形でこの国保税などを納めていた
だきながら、この資格証明書でない、正規の保険証を発行していただくような、そういうきめ細
かな対応が必要ではないかというふうに感じますが、そういったきめ細かい対応等々については、
またどのようにされてきたのかお聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 先ほど申し上げましたとおり、臨戸訪問、あるいは夜間の訪問につ
きましても、1回で会えるような状況には到底ありません。繰り返し訪問し、あるいは会えるた
めの投げ込みと言いますか、通知を入れてくるとかいろいろな形を取らせていただいております。
そういった中で面談をし、なおかつ今の状況で支払いができない方につきましては、分納である
とか、あるいは猶予を持っての対応をするとかというような、個々に応じた対応をとっておりま
す。よろしくお願いいたします。
◇26番(大東宣之君) 分納や猶予というような対応がとられているということですので、そ
ういった形の中で、基本的に資格証明書を発行しない、そういったことを前提としながら、いわ
ゆるその人の相談にのっていけるように是非やっていっていただきたい。仮に、こんなことは多
分やっていないのではないかと思いますが、もしどうなのかということがあればお聞かせいただ
きたいのですけれども、もし30万円の滞納があると。じゃあ、あなたは30万円の滞納がある
から、月々1万円入れてください、5,000円入れてくださいというようなやり方ではいけな
いのではないかと。その人が仮に30万円の滞納があったとしても、その人の状況に応じて、じ
ゃあどれだけなら払えるのかというようなこと。そしてその約束を誠実に守ってもらえるように
行政として、市民課としてどう対応していくのかということも問われてくるわけですから、やは
りそういったような形で、あなたは30万円やるから1万円、5,000円だ、月々入れてくれ
なくてはだめだというようなことは、そういうような対応の仕方はしていないということで理解
をしてよろしいのかどうかお聞かせをいただきたいと思います。
◇民生部長(田島 護君) 個々のケースに応じて相談を受けておりますので、画一的な資格証
明書の発行については行っておりません。
◇26番(大東宣之君) いよいよ10月1日で保険証が切り替わります。大体このときに正規
の保険証が出るか、短期の保険証が出るか、資格証明書が出るかというふうにやってきたのでは
なかったか。今年度、これまで税務課には対策室なども設けられて、そういった取り組み等が今
までになく強化もされてきましたけれども、今年度、この10月1日というのが、ご答弁を先に
いただいた平成16年、これは2月の末でご答弁をいただいたわけですが、139件、17年が
131件、18年が162件という状況になっているわけですが、この10月1日というのが、
この162件に対してどのような変化になってくるのか。もし今わかれば教えていただきたいと
思うのですが。
◇民生部長(田島 護君) 10月1日が切り替えということでございます。昨年、17年10
月1日の状況でありますが、資格証明書につきましては、231件だと思います。今年につきま
しては、10月1日に向けて9月1日に仮に押えたような状況でありますけれども、その時点で
はまだ1カ月を残しております。その中で、約160件ほどでありますので、この1カ月でどの
ような形になるかということでございますが、いずれにつきましても、10月1日ということで
押えさせていただきました。そのような形で、今後もこういった部分、新しい証明書を出すとき
に、先ほどお話しのとおり十分考慮しながら資格証明書の発行については検討してまいりたいと
思っております。
◇26番(大東宣之君) 昨年の10月1日時点が231件、今年の9月1日の時点では160
件くらいですから、昨年からみれば資格証明書が発行される件数が減るのではないかということ
が予想されるわけです。このようにして、いろいろな手立てを講じて資格証明書を発行しない取
り組みをさらに強めていっていただきたい。安心して市民の方々が医療を受けられる、そういう
ふうに行政としても是非努力をしていっていただきたいということを強くお願いをしたいと思い
ます。
 それから、申請減免の状況については、現状としては、やられていないというのが状況ではな
かったかと。先の答弁を聞いていてそういう感じがしました。こうしたことについてですが、生
活困難者については、こうした中にあっても分納やまた猶予という形で対応しているということ
で、こういう生活困難者の方についての対応がされているということで理解をしてよろしいのか
どうか。また、そういった分納や猶予というような対応をされているのであれば、またそういっ
た生活困難者の方についての減免ということを制度的に認めてもいいのではないかというふうに
思うわけですが、その辺のお考えについてお聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 国保税の減免ということにもなろうかと思うのですけれども、特に
国保税につきましては、17年の実績の中で93%強の方が滞納することなく納めていただいて
おります。これは一つの見方でありますが、こういった中、国保の仕組みを考えた中で、あと残
りの7%に達する方、そういった中で国保の公平感というものを確保するためには、当然、生活
困窮者の場合、一つには生活保護等への移行という部分もございます。そういった中で国保を離
脱するような形がございますが、あとは災害であるとか盗難であるといった具体的な部分につき
ましては、減免措置を持っております。そういった中、先ほどのお話しのとおり、生活困窮者と
いう部分だけでありますとなかなか難しい部分がございます。何回もお話し申し上げております
ように、そういった部分につきましては、個々のケースでご相談をいただきながら対応をしてい
きたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) 結果として、今の生活状況というのが年々厳しくなってくると。国保
の課税の仕組みというのが、前年の所得に対して課税をされてくるわけですから、例えばリスト
ラをされて職を失ったということになれば、そういった方々にとっては、去年は一定の所得があ
っても今は全く所得がない、そういう方々。また商売をされていて売上がどんどん減ってくると
いうような個々のいろいろなケースがあるわけです。そういったものをしっかりと把握をしなが
ら対応していかないと、いやあなたはこれだけの所得があったのだ、資産があるのだからこれだ
けは払えるだろう式のやり方では私はいけないのではないかと。だからそこはきめ細かく訪問を
しながら、お互いが信頼をし合いながら、納めていただくものについては納めていただく。しか
し、そういった状況の中にあってできなければ、そういった減免の対応を取るなどの、やはりそ
ういう人たちを救済をしていく。そういった対応をしていかなくてはならない。そういったこと
が必要ではないかと思いますが、お考え等がありましたら、お聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 特に資産等の問題で、生活保護にならない部分、あるいはまた世帯
を構成する中で主立った方の疾病等により税金が急に払えないというような、この場合もありま
す。こういった中では、先ほど申し上げましたとおり、少しずつ納めていただくというふうな納
付方法、分納ですね。あるいは納付を一定期間猶予する制度等もございます。そういった中で、
その人の払っていただける能力に応じた形で国保税については納めていただき、やはり制度、国
民にとって大切な制度でありますので、維持し続けるためにそういった努力を職員もしてまいり
ます。そういった中で、ぜひ細部についての相談を今後も続けていきたいというふうに考えてお
ります。
◇26番(大東宣之君) 一律的な対応はとらないでぜひいただきたい。その人の状況に応じた
ような形でぜひ対応していっていただきたい。特に、先ほど来申しましたように、今こういった
経済状況、社会状況の中で、リストラによっていつ職を失うかわからない。なかなか景気が、都
市部は回復したとはいえこの地方においてはまだまだ厳しい状況の中にある。そういった中で自
営業者の方々などにとっては、非常に厳しい状況がまだまだ続いている。そういった中で、やむ
にやまれず国保税を滞納してしまう。そういった家庭も少なくないというふうに思います。そう
いった中で、市がどれだけ足を運んで、どれだけ相手の方々の状況をきっちりと把握をして、そ
れに見合ったような対応を、手立てを講じていくか。それこそが、本当の、個々の状況に応じた
対応になっていくのではないかと思います。私は、基本的には制度として、こうした申請減免、
生活が厳しいからということで減免制度をしっかりと確立するということが必要だというふうに
考えてはおります。そういった制度をぜひ確立をしていただきたいということを強くお願いをし
たいわけですが、今の状況の中では、市としてはまだそこまでは至らない。しかし、猶予や分納
等についての相談には応ずるということであるならば、そういった対応をぜひとっていっていた
だきたい。そういった対応を今月いっぱい、その中で先ほど、9月1日時点で資格証明書が19
0件くらいということでしたが、これを減らす努力をぜひしていっていただきたいと思います。
そういったことについての、これから10月1日までの、残りわずかとなりましたが、取り組み
についての考え、意気込み等を再度お聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 国保の職員を含めまして、8月には夜間の訪問等も行ってまいりま
した。そういった中でもなかなか面談できない方もいらっしゃいます。そういった中で、いずれ
にいたしましてもこれが200件のケース、全てが今お話しをされたケースとは思いませんけれ
ども、できる限り市の方といたしましても、この資格証明を出すことが目的ではありません。重
ねて申し上げます。そういった中で、しっかり対応を取りながら今後も進めてまいりたいと思っ
ております。
◇26番(大東宣之君) 国保税を払えなくなってくる原因の一つとして、国保税が決して安い
ものではない。やはり高い。先ほど同僚議員から質問があったように、利根町では急に上がった
といったような、それぞれいろいろな状況があって来ているわけですから、そういった中で負担
を軽減していく、そういった努力もあわせて必要ではないかと。今の状況の中では医療費の動向
等々があって、国保税の引き下げについてはなかなかできないといったようなご答弁があったわ
けですが、国保税を引き下げて、だれもが払える、そういったものに設定をいく、そういったも
のにしていくということも必要ではないかと。沼田の場合は一般会計からの繰入れ等は行われて
ないわけですが、そういったことを行いながら、一般会計からの繰入れなども行いながら、国保
税の引き下げを行っていく。5割以上の人が国保に加入をしているわけですから、一定程度市民
として、そういったことを、税金を投入していくということは何ら問題はないのではないかとい
う感じがするわけですが、お考え等がありましたらお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一般会計の繰入れは、前から答弁をさせていただいておりますとおり、
でき得るだけそういった方途を取らないで国保財政の運営に処してまいりたいという率直な考え
方を現在持っております。いずれにいたしましても大変厳しい国保財政の状況を踏まえますと、
現在の流れの中にあっても非常に厳しい状況があります。今後、ご意見を体して遺憾なきよう対
応してまいりたいというふうに思っております。
◇26番(大東宣之君) 沼田市は高齢化が進んでいます。必然的に医療費が増えていく傾向に
あります。そうなれば国保税は上がっていく。そういうような状況をどこかで断ち切らなければ
ならない。そういった意味では、私は一般会計からの繰入れを行いながら、国保税の引き下げを
行っていく。負担を抑えていくということが必要ではないかというふうに考えております。ぜひ
そういったことを含めて行っていっていただきたいということを強くお願いをしたいと思います。
 続いて、体育施設等の安全対策についてお聞かせをいただきたいと思います。まず、市民プー
ルの委託の内容ですが、先ほど教育長からいろいろとご答弁をいただいた中で、特にオープン前
の監視員の救急救命ができるような、そういった訓練等が行われているというようなことですが、
今回、ふじみ野市であったような、ああいった事態、私はあのときに思ったのは、あの場所に監
視員が立って、ここには来ないようにと言っていればあの事故は起きなかったのではないか。だ
からもし仮にですよ、仮に、ふじみ野市のようなことが起こった場合、沼田の監視員の方々は、
そういった所にいて、ここには来てはだめだよみたいなことをちゃんと言うのかどうか。そうい
ったことが含まれているのかどうか、お聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 従前からそういうことを心がけておりましたけれども、今回のふじみ野市の件につきまして、
改めて徹底するようにということでやっております。
 以上です。
◇26番(大東宣之君) それともう一つお聞かせいただきたいのですが、プールを掃除をする
際に、特に吸水溝などの部分などの点検をされているようですが、例えば多分夏休みとはいえ土、
日が多いのではないかということが予想されるわけです。例えばそういった利用者が多くなる日、
土、日。例えばオープン前には監視員の方、嘱託の職員の方がいらっしゃるわけですから、その
方が直接そのプールに入ってネジの緩みがないかどうか点検をすると。毎日、毎日やれとまでは
言いませんけれども、特にそういった利用者が多いと思われる土、日のオープン前にはそういっ
たことをやるようにして、より安全の確保と言いますか、安全に向けた取り組みというのを今回
の事故は教えてくれたのではないかと思うのです。沼田市では、掃除をしながら目視によって点
検はしているのだという話は以前にお聞きをしたことがありますが、やってやり過ぎるというこ
とは、今回のことを見ているとないような気がするのですが、特にそういう利用者が多いと思わ
れる土、日曜日のオープン前のときくらいは、週1回くらいは実際潜ってと言いますか、プール
に入って緩みがないかどうかという点検をするということが必要ではないかと思いますが、そう
いったことについてのお考えがあればお聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 基本的には、議員ご指摘いただいたことは非常に大事なことだと思います。ただ技術的に本当
に必要なのかどうかということもありますので、こういうことは先ほどの災害対策ではありませ
んけれども、現場に合った、生きた、柔軟性のある対応というのが必要だと思いますので、必要
があれば、とりわけおっしゃるようなプール利用者が多い日は、いろいろと手落ち、また目こぼ
し等もある可能性もありますから、多いに考え方を参考にさせていただいて、柔軟に対応してい
きたいと考えております。
◇26番(大東宣之君) もしお答えいただければで結構なのですけれども、白沢にも、そして
利根町にもプールがあるわけですが、そういったところの安全点検、安全確保に向けた取り組み
がどのようにされているのか。ふじみ野市の事故以来、また、そういったところの安全確保に向
けた取り組みについて何らかの対応がされているのであれば教えていただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) いま市民プールの方ということでお答えをしていたわけであります
けれども、ご案内のとおり、わが沼田市には貴重な財産で、白沢にプールが1つ、下段、尾合と
いう所ですけれども、それから利根町には、また特色のある温水プールがあります。基本的には、
市民プールと同様でありますけれども、ちょっと特殊な所もありますので、特に細部等あります
ので、教育部長の方からお答えをさせていただきます。
◇議長(星野佐善太君) 教育部長。
◇教育部長(宮澤満夫君) 命によりまして、お答えをさせていただきます。
 利根につきましては、温水プールでございますが、ここでは直営で行っておりまして、職員の
体制につきましても、嘱託の職員や臨時の職員、こういった方をお願いをいたしまして管理をい
たしております。そういった中では、市民プール同様、安全に関しましては、十分な点検、それ
から確認を行っておるところでございます。また、利根温水プールにつきましては、年間を通し
て営業いたしておりますので、特にそういった監視体制等がマンネリ化しないように、朝礼等の
中で対応させていただいております。
 それから、白沢のプールでございますけれども、オープン期間が他に比べると短こうございま
して、35日程度の、本当に子どもさんの夏休みの期間中だけというような状況でございます。
利用者も、他の2施設に比べますと少ない状況がございますが、ここでも総括責任者、こういっ
た者を置きながら、監視員を置きまして、事故のないよう徹底をいたしております。
 以上です。
◇26番(大東宣之君) はいわかりました。子どもたちにとっては楽しい施設ですから、プー
ルというのは。ですからそういったところで事故があるというのは本当に悲しいと言うことにな
りますから、そういったことのないように、先ほど教育長さんもおっしゃいましたけれども、災
害と同じようなもので、いつ、どこで、何が起こるかわからないような状況がありますから、本
当に細心の注意をこれからも払っていただきたいというふうに思います。
 続いて、学校の遊具の安全点検ですが、日々学校の先生方が点検をしたりしていただきながら、
専門業者による点検をされているということですので、そういった安全点検等については、しっ
かりとこれからも引き続きやっていっていただきたいというふうに思います。特にこうした中で
危険というか、多分鉄棒とかそういったものが錆びてきているとか、そういったようなときとい
うのは、早急にそういうものが発見をされた場合は使用中止をしながら、その状況に応じては新
しいものに取り替えるとか、補強の工事とか、そういった手立てが講じられているというような
理解でよろしいのかどうか、確認をさせていただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 ご指摘のとおりでございます。遊具というのは子どもたちにとっては、目的どおりに使えば大
変楽しいものでありますけれども、目的以外に使いますととんでもない凶器にもなるというよう
なことがあります。しかしながら、危険だからといって撤去すれば、校庭に遊具は一つもなくな
るわけであります。ご指摘のとおり、撤去した後、十分検討した上で、修繕、修理、さらに新た
な設置等を予算を準備をしてやっているところでございます。
 以上です。
◇26番(大東宣之君) プールもそうですし、学校のこういった遊具もそうですが、子どもた
ちにとっては非常に楽しみですから、危ないからそれをなくしてしまえということにはなかなか
ならないし、そういうことはしてはいけないというふうに私も思います。ですから教育委員会と
して、学校として、そういった施設を安心して利用できる、そういうふうにしていくために日々
の点検、そして問題箇所があればすぐに改めていく、そういったことを日々の中でやっていかな
いと、いつ、何が起こるかわからないという状況になりますので、プールにせよ、そしてまた学
校の遊具についても、日々の点検や安全確保に向けて、職員の方々、先生の方々、そういった意
識を高揚させながら、ぜひ安全確保に向けて最大限の努力をとっていっていただきたいというこ
とを重ねてお願いをいたしまして、私の質問を終らせていただきたいと思います。
──────────────◇──────────────
    第2 延  会
◇議長(星野佐善太君) おはかりいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと
思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会するに決しました。
 
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は明8日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労様でございました。
   午後4時37分延会
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