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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成18年第4回定例会 議事日程第3号

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沼田市議会平成18年第4回定例会会議録
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議事日程 第3号
平成18年12月8日(金曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
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出席議員(45人)
       1番  小野 広樹君      2番  南 美喜雄君
       3番  小林 克郎君      4番  角田  博君
       5番  中村 光孝君      6番  小野 要二君
       7番  小林  猛君      8番  繻エ冨士夫君
       9番  真下 恭嗣君     10番  布施辰二郎君
      11番  角田 泰夫君     12番  高柳 勝巳君
      13番  久保 健二君     14番  星野  稔君
      15番  鈴木 圭子君     16番  金子 一弥君
      17番  金子 千明君     18番  長谷川信次君
      19番  宮田 和夫君     20番  小林 玉男君
      21番  小野 正純君     22番  大島 崇行君
      23番  山ア 義朗君     24番  大竹 政雄君
      25番  井之川博幸君     26番  大東 宣之君
      27番  片野 彦一君     28番  星川嘉一郎君
      29番  金井 康夫君     30番  井上 正文君
      31番  小尾 孝男君     32番  相田 昌夫君
      33番  宇敷 和也君     34番  小林 次夫君
      35番  橋 襄典君     36番  牧野 保好君
      37番  石田 宇平君     39番  井上健太郎君
      40番  田村 博美君     41番  井田 孝一君
      42番  小林 照夫君     43番  星野佐善太君
      44番  郷原 重雄君     45番  横坂 泰次君
      46番  井上 幾雄君
欠席議員(1人)
      38番  松井 敏員君
────────────────────────────── 
説明のため出席した者
  市  長     星野已喜雄君      助  役     林  義夫君
  白沢町振興局長  根岸 恒雄君      利根町振興局長  星野 健一君
  市長公室長    田村 澄夫君      総務部長     村山 博明君
  民生部長     田島  護君      経済部長     大嶋 政美君
  建設部長     松井完一郎君      街なか対策部長  見城 厚男君
  白沢町振興局次長 中村 弘志君      利根町振興局次長 中澤 和義君
  総務課長     村沢 博行君      教 育 長     津久井 勲君
  教育部長     宮澤 満夫君      庶務課長     水田  修君
  監査委員事務局長 小池 一夫君
──────────────────────────────  
議会事務局出席者
  事務局長     茂木  愛       次長兼庶務係長  下  宏一
  議事係長     茂木 敏昭       主  任     地野 裕一
──────────────◇──────────────
    午前10時開会
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
 昨日に引き続き、順次質問を許可いたします。
 最初に南 美喜雄議員。2番。
                          〔2番 南 美喜雄君登壇〕
◇2番(南 美喜雄君) 通告に従い一般質問を行います。
 私の質問は、農業について、農業の振興について、市長にお伺いいたします。
 まずはじめに、市として、今後の担い手支援策をどう考えているかについてでありますが、
国において昨年、策定された経営所得安定対策大綱の柱となる品目横断的経営安定対策、い
わゆる担い手支援がスタートし、県内において111の集落営農組織が設立されました。当
市においては、米、麦、大豆を対象とした組織づくりは難しいということは理解しておりま
す。
 しかしながら、農業を取り巻く状況は、年々厳しさを増し、市場のグローバル化は加速し、
消費者ニーズも多様化する中、脆弱化している農業基盤をどのように強化していくのか、意
欲ある262名の担い手とされる認定農業者を中心に、それぞれの地域特性を生かした集落
営農的な組織造りを図り、農地の集積や機械、施設の共有化により、効率的かつ持続可能で
安定的な生産基盤を築くことは、農薬ドリフト問題やトレサビリティーの徹底を図る上でも、
食の安心、安全を求める消費者ニーズに対応していく上でも大事だと思われます。そのため
の地域での合意形成を話し合うには、農業者と地域、さらに行政が積極的に関わっていくこ
とが大切かと思われます。
 他に主たる産業の少ない地域にとっては、基幹産業である農業の衰退は、その地域の衰退
と密接に連動していると思われます。主要基幹産業である農業を支えている担い手を市とし
て今後どのように支援していくつもりなのかお聞かせください。
 次に、耕畜連携地域循環型農業の確立についてお伺いいたします。
 群馬県は、全国でも屈指の畜産県であり、県農業産出額の40%、概ね900億円を畜産
が算出しております。それにより、有機資源も豊富で、沼田市においても白沢町3箇所の堆
肥センターをはじめ、市域全体で、良質な堆肥生産が行われており、これらの有効活用を図
ることは、土壌環境に与える負荷を軽減するとともに、畜産農家の飼料畑と耕種農家で、輪
作体系を築けば連作障害を防ぎ、高品質、安定生産が可能となり、土壌消毒の軽減や化学肥
料の軽減はコストダウンにもつながります。地域で生産される有機資材をその地域で利用す
る地域循環型農業をどのように推進していくのかお聞かせください。
 次に、農産物ブランド化、高付加価値化についてでありますが、沼田市は、豊かな自然環
境の中にあり寒暖の差もあり、多種多様な農産物が生産されて、いずれも好評を得ています。
しかし、地域ブランドとして評価されるためには、他の地域にはない魅力が必要であり、魅
力がなければ消費者は振り向かず、逆に魅力が大きければ注目を集めて、高付加価値を生み
出し、ブランド化していきます。今後、どこにポイントを置き、どのように推進していくの
かお聞かせください。
 次に、観光農業の推進や女性農業者や高齢農業者が積極的に活躍できる環境づくりについ
てお伺いいたします。
 関越自動車道や国道120号等の交通条件を活かし、果樹を中心に、春はイチゴ、サクラ
ンボ、夏のブルーベリー、トマト、秋にりんご、ぶどうなどと観光農園が市域全体に点在し
ています。市のホームページにも紹介されていますが、これらのポイントを線で結ぶ望郷ラ
インには、案内板、トイレ、休憩所等は少なく、設置が望まれています。交通立地の良さか
ら、単なる通過点ではなく、市域周遊、滞在していただけるような対策は検討されているの
かお聞かせください。
 女性や高齢農業者は、大規模農業や観光農業を支えているとともに、それぞれの地域の直
売所でも中心となり活躍されています。今後2007年問題となっている、団塊世代の人た
ちによる新規算入も予想され、さらなる販路の拡大が急務と思われますが、どのような検討
がなされているのかお聞かせください。
 次に、農業後継者育成支援についてお伺いいたします。
 地域の次世代を担う後継者は、年々減少し、今年、沼田市の新規就農者は8人でした。沼
田市では微増、旧利根では横ばいで推移しておりますが、旧白沢村では5年で2人と極めて
少ない状況が続いています。沼田、利根、白沢を合わせた平成9年から平成18年までの過
去10年で70人であり、一世代が30年とすると20年後には、この70人が中核となり
農業を支えていくことになります。今後、地域を支える新規就農者をどのように確保し、支
援していくのかお聞かせください。
 以上5点についてお聞かせいただき、1回目の質問とさせていただきます。ご答弁よろし
くお願いいたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの南議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、沼田市農業について、農業の振興について、市として、担い手支援を考えているか
についてでありますが、農業の担い手といたしましては、農業経営基盤強化促進法に基づき
まして、将来にわたって効率的かつ安定的な農業経営を行う、優れた経営感覚と意欲を持つ
認定農業者として位置づけております。
 これらの担い手が、優れた経営者としての能力を身に付け、意欲を持って自らの農業経営
の発展を目指すことができるよう、農業委員会、JA利根沼田、県等関係機関との連携によ
り、新技術の普及や経営診断の実施等を通じて、技術及び経営管理能力の向上や経営の法人
化に向けた取り組みを推進しており、担い手の主体的な経営改善努力を側面から促す観点か
ら、制度融資の円滑な融通のための利子助成等を行っています。また、土地利用型農業によ
る発展に意欲的な農業者に対しては、農業委員会との連携により集団化・連坦化した農用地
が集積されるよう利用権設定への取り組みを行うとともに、借り手である認定農業者に対し
ては、農用地利用集積促進奨励金を交付するなどの支援を行っております。
  さらに、認定農業者のほかに集落営農組織により、担い手として経営安定対策に参加する
ことができますが、集落段階における農業の将来展望とそれを担う経営体を明確にするなど、
農業生産において重要な役割を担う女性農業者、高齢農業者や定年帰農者、土地持ち非農業
者を含めて、地域の農業者が主体性を持って自らの地域農業の将来について十分な話し合い
を促し、関係機関と十分な連携を図り、集団営農の組織化、法人化への誘導など地域農業の
確立に向けた支援をしてまいりたいと考えております。次に、耕畜連携、地域循環型農業確
立についてでありますが、自然や環境による恵みを引き継いでいくためには廃棄物の発生を
抑制し、限りある資源を有効活用する循環型社会の形成が重要であり、農業は本来、自然循
環により営まれる活動であります。
 本市には酪農、養豚、肉用牛、養鶏等の畜産経営農家がある一方で地域の特色を生かした
様々な土地利用型農業が営まれております。畜産農家と耕種農家の連携による、堆肥をはじ
めとする有機質資源の有効活用は、畜産農家にとっては廃棄物処理負担の軽減と、耕種農家
にとっては化学肥料等の使用軽減及び土づくりに有効なことから、これらを地域で有効活用
することは、地域の環境保全や農作物産地のイメージアップにも貢献するものと認識してお
ります。耕畜連携による有機質資源の地域循環の促進について、本年度は堆肥マップを作成
し、農家に配布するなどその推進に取り組んでいるところであります。
 次に、地域農産物ブランド化、高付加価値化についてでありますが、本市は中山間地域と
して、昼夜の寒暖差が大きく、ほ場が比較的狭小な区域での果樹栽培や施設栽培から、広大
なほ場による野菜や工芸作物等の大規模な土地利用型農業まで、多様な農業経営が営まれて
おります。これらの農業経営はそれぞれ気候や地形などの栽培条件や地理的条件等、地域や
作物の様々な特色を活用し、市場流通や契約栽培、観光農園による直売等の様々な形での販
売が行われておりますが、今後も激化が予想される産地間競争の中で、消費者のニーズに対
応した付加価値の高い農作物の生産と、多様な農業経営がなされる中でその経営に適した販
売促進への取組みが必要であり、関係機関とも連携しながら推進してまいりたいと考えてお
ります。
 次に、観光型農業推進や女性農業者、高齢農業者が積極的に活躍できる環境づくりについ
てでありますが、まず、観光型農業推進につきましては、首都圏等からの地理的条件を活か
した通年型観光果樹農業は、主要な農業施策として推進しておりますし、今年度からは、市
民交流庁内推進会議を設置いたしまして、観光と農業その他の交流事業と併せて、田舎暮ら
し体験や農業体験を通じて都市との交流事業に取り組んでおります。
 また、女性農業者、高齢農業者が積極的に活躍できる環境づくりにつきましては、農業生
産の重要な担い手である女性農業者をはじめ、高齢農業者や土地持ち非農家などと認定農業
者との間で労働力を補完提供するなど、その役割分担を明確にしつつ、地域が一体となって
豊かな地域づくりが図られるよう、担い手育成や農地流動化事業をはじめとした農政施策を
進めてまいりたいと考えております。
 なお、望郷ラインの関係につきましては、現在、関係機関と連携しながら、これが活性化
のために努めているところでございます。
 次に、農業後継者育成支援についてでありますが、次代を担うにふさわしい柔軟性と行動
力のある優れた青年農業者等を確保していくことが農業の健全な発展と地域の活性化のため
に重要であると認識いたしております。このため、県農業事務所、農業委員会、JA利根沼
田とともに新規就農相談体制をもって、新たに就農を希望する者に対する就農相談会の実施、
農業技術の習得研修、さらに就農支援資金の貸し付け等を行い、青年等の就農促進を図って
おります。
 また、青年農業者で組織する農業青年会議所に対しまして、都市女性を招いての交流事業
の開催や、農業技術及び経営研修等の活動費に対する補助金を交付するなどの支援を行って
いるところであります。
 以上申し上げまして、南議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇2番(南 美喜雄君) ご答弁いただきましたが、何点かにわたり再質問させていただき
ます。
 まずはじめに、担い手支援についてでありますが、最初の質問で言ったとおり、品目横断
的経営安定対策に対応し得る集落営農のような組織は、この地域には合わないことは理解し
ております。しかしながら、本来、集落営農といった形は、この沼田市のように中山間地域
にあって、農地面積も限られるような地域が、その限られた農地を集積して、経営の効率を
図り安定化を図る。そういったことが私は本来の集落営農ではないかと思っております。そ
ういった意味では、国の安定対策とは多少ずれて、国の支援を受けれない組織であっても、
市独自でそういった組織を設立し、今後、地域農業を推進していく必要があるのではないか
と思われますが、その点について市長のお考えを再度お聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 南議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 ご案内のとおり、本地域が、特に白沢、利根と合併したことによって、さらに農業の持っ
ている産業の位置づけが今まで以上に高くなったと言っても過言ではございません。特に、
議員の地区におかれましては、畜産が大変盛んでもあり、そしてまた一方においては、園芸
の関係も盛んであり、耕畜の連携がうまくいっているところであり、大変そういう意味では
兼々、地域としての農業の基盤の存在感というものを深く認識をしておりましたし、また、
評価をさせていただいてきているところでございます。
 そういった中で、限られたまさに中山間地域の土地利用を図っていくためには、現下の、
国が言うところの、いわゆる集落営農関係が、なかなか土地との関係の整合性から難しい状
況にあるということもこれまた一方においては事実でございます。しかしながら、いろいろ
なそういった手立ての中であって、対応が図られるとすれば、いろいろと上下の機関の指導
をいただきながら、この面積の問題等についても研究をしていく必要があるのではないかと
いうふうに思っております。従いまして、今後、どうしても特徴ある農業経営を果たしてい
くためには、議員がご指摘のように、一方においてはそういった地域の農業の地盤の活性化
というのが大変重要になってくると思っておりますので、ご指摘の関係等については、今後、
検討させていただきたいというふうに思っております。
◇2番(南 美喜雄君) ご答弁いただきましたが、この問題に関しては、確かに農地の集
積というのはどこの地域でも難しいと思われますが、しかしながら白沢に関して言えば、白
沢の土地改良の歴史は古く、昭和確か37、8年頃から始まり、平出地区が38年頃だと思
いますが、完成し、順次、生枝、尾合、高平、下古、上古と、昭和42年くらいまでに基盤
整備、土地改良されたわけです。当時の土地改良事業ですから、概ね1反歩を基準として1
0アールで区画されているわけです。この地域には大規模の野菜、あるいは大規模経営のコ
ンニャク等行われているわけですが、それらを行っていく上で、その昭和30年代の基準と
現在の経営の比較では、相当相違が出てきているわけですよね。それをやはり効率的に運営
していくためには、経営していくためには、そういった狭小になってきた耕地を集積し、効
率的な経営を図ることがいちばん肝要かと思われます。確かに、難しいことではありますが、
市長ご存じかと思いますが、生枝の信号近くに、ぐーぷ農園というぶどう園があるのです。
これはまだ望郷ラインが開く前に、この地域の中核となる現在の認定農業者たちが7、8名
集まりまして、地域農業を守る、望郷ラインの開通によって流動化が生じては困るというこ
とで、自ら結集し、自ら個々の地権者を回り、自分たちの力で農地を集積して、それぞれ違
う経営を行っている人たちが集まってぐーぷ農園を開設したわけです。当時、とても画期的
なレインカット方式というのを取り入れて行われたわけですが、まさにやる気があれば、そ
ういった難しい問題をクリアしながら面積を集約していくこともできるわけですから、今後
はぜひとも関係農業委員会、あるいは地域振興局、JAあるいは地域の農業者、それぞれと
連携して、どうやって、どうすればそれが叶うか。どういう方向がいいか。例えば地域だけ
で、農業者だけで話し合うとやはり縁故の問題ですとかさまざまな問題で課題が多いわけで
すよね。そこに行政や農業委員会が入ることによってその集積がしやすくなる。そういった
ことを具体的に施策として今後検討し、進めていきたいと思われますが、いままでそういっ
た検討がなされたのか。その点について再度ご質問いたします。
◇市長(星野已喜雄君) 大変貴重なご意見をいただいたという感がしております。先ほど
おっしゃられた生枝地区望郷ライン近辺の信号機付近のぐーぷ農園の関係等については、早
々に勉強させていただきたいと思っております。そういった中で、担い手の営農の関係でご
ざいますが、20ヘクタールが、中山間地域であるがゆえに10ヘクタールまでいいという
ような、こういう私自身も情報を得ておりますので、それらもまた有効活用する。それから
もう一方におきましては、いま議員が、行政と農業委員会と、地元の、要するに地権者とい
うのか、農業経営者になりますけれども、これらと連携した形の中で、いわゆる地域農業を
考えていくということは、大変意義があろうと思っておりますので、今後、そういった方向
で進んでいかなければならないと思っております。いままでそういうようなことを検討して
きたことがあるのかということにつきましては、大変恐縮でございますけれども、特にそう
いうことでもって検討した経過はないということになろうかと思っております。いずれにい
たしましても、今後の課題として、早々にこの生枝地区の、いわゆる先ほどご指摘されたと
ころの関係については勉強させていただき、そして今後の参考にさせていただきたいと思っ
ております。
◇2番(南 美喜雄君) 大変難しい問題であると思いますが、やはり現在の農業の状況を
考えますと、この問題に関しては、早急にワークショップを開くなりして対応していただき
たいと思います。よろしくお願いします。
 次に、耕畜連携の方に移りたいと思いますが、先ほど紹介しましたように、白沢町体育セ
ンターをはじめ畜産農家が優良な有機飼料を製造しているわけですが、それらを使って地域
で出た、捨てれば廃棄物、有効利用を図れば有機資源ということで、有機資源を有効利用し
ていくためには、やはり後進農家がそれを利用するとどういったメリットがあるか。水源地
域でもあるこの地域で、それらを有効活用することは、この地域に暮らす者の環境を保全と
する、その意味合いから大切なことであるわけですから、後進農家に対して効果、普及を進
めるということと、また、それを生産、販売していく組織も、さまざまな努力をしているわ
けですよね。白沢の最先端に関して言えば、生産されたものをただほ場や指定された場所に
運ぶだけではなく、この地域の要望によっては散布してやったりとか、そういった努力もし
ているわけですから、それらが農業事務所や農業関係、JAの指導だけではなく、市もそう
いった地域、また自然、環境保全を考えた農業に対して、地域ぐるみで、包括的にそういっ
たシステムを作り上げ、積極的に推進していくようなプロジェクトというか、そういったマ
ニュアルを作っていただければと思いますが、その点について市長の考えをお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この耕畜連携、あるいはまた現在、お話しされているこの白沢町
の堆肥センターは、兼々実績をしっかりとあげられてきたなと思って、私も合併してから以
降、現場に入って施設を視察させていただき、大変その価値というものを認識をさせていた
だきました。私も実は、市長にならさせていただいて5年目になるのでございますが、今回、
合併したことによってはじめて白沢の地区の方々に親しくいろいろな角度からお世話になる、
あるいはまた勉強する機会を持ちました。県会議員在任中から、農業問題については私は熱
心な立場でございましたので、いろいろと利根沼田の全体を見たときに、アグリトピア利根、
環境保全型農業の充実、あるいはまた観光農業の充実、さらに高原野菜の充実というこの3
つが大きなテーマになっておりました。そういった中で、白沢の存在というものが、果樹園
芸が一方にありながら、一方において非常に畜産が、大変活発だったということを改めて認
識をいたしましたし、私も実は、このことは、ある意味においては驚きの念を禁じ得ません
でした。従いまして、畜産農家の活躍というのが光っている場所だなということもこれまた
感じたわけでございます。従いまして、この堆肥センターの存在というのは、そういった白
沢そのものの農業の歴史と伝統の上に立って、これが立派に運営されてきたなということを
思いまして、平成18年度当初予算等を見ても、できるだけ支援をさせていただくというよ
うな経過があろうかと思っております。
 これが、でき得れば、当地区の子牛農家ということをいみじくも言われておりますが、そ
ういった方々と構築、つまり畜産農家になるのでありますが、そういった方々との連携とい
うのは、大変地域農業の存在を高めていく重要なことだと思っております。従いまして、こ
れらについては、行政の立場からもしっかりと見ていかなければいけません。ただやはり、
寄って立つところは地域の経営者そのものがどういうふうにこれを活性化させていくかとい
うことになろうかと思っております。ぜひそういう意味で、議員はじめ各関係機関の方々の
ご活躍をご期待申し上げますと同時に、できれば市の立場からいたしますると、そういった
動きをサポートしていくというか、応援をしていくというような形で今後考えていきたいと
いうふうに思っております。
 マニュアルの関係につきましては、いまここで「はい」とすぐ言える、予算が伴いますの
で、これらについては検討させていきたいと思っております。非常に大事なご提言だと思っ
ております。
◇2番(南 美喜雄君) 私の今回のこの質問5点については、県の農業基本構想、あるい
は市の農業基本構想とほとんど、県も、市も、農業者が考えていることのやはりどこに問題
があって、どう改善していくかということは、同じところに問題があるということは確信し
ているわけです。農業関係の問題に関しては、昨年も同僚議員が何人か質問しておるわけで
すが、いろいろな資料を見ても、やはり具体的に施策として振興している部分が少なく感じ
るわけですよね。最初の答弁でお答えいただきましたように、認定農業者、農用地の利用集
積の問題にしても、沼田、白沢、利根で、10年ちょっとくらいで何筆も、面積的にもいく
らもないわけですよね。事業費的にも50万円弱くらいで、半分は県のお金ですから、もう
少し具体的な施策を講じて、どこに問題があり、どこをポイントに支援していくのか。産業
を振興していくのか。その具体的な施策が乏しく、なかなか振興が図れないように感じてい
るわけです。そのためにはやはり問題の課題を踏まえて、早急に検討していただければ、経
済は生きているし、産業も生きて、日々進展しているわけですから、「検討します」が続い
ている間に、地域の農業は現在の状況下から衰退していく部分もあるわけですから、一日も
早い対応をしていただけるように、早急な対応をお願いいたします。
 次に、地域ブランド、高付加価値化について再質問をさせていただきます。やはりこの地
域は、地域特性を生かして、大変すばらしい農産物ができていっているわけです。いずれも
本当に評判がよくて、これを代表にする、これが代表、沼田市と聞いてすぐ浮かぶようなも
のがなかなかないわけですよね。多くありすぎて。そこでどれをポイントに、どう推進する
のか。あるいは地域全体を、環境に配慮した農業、そういったものを地域ぐるみで推進し、
そのエコをテーマに、環境をテーマに、そういったものを消費者に対してアピールし、そう
いったものをアピールしながら流通も促進していく。そういった販路を築くこと。それには
やはり準市民交流等でいろいろなお付き合いがあるわけですから、そういった市の関係のあ
る首都圏にお暮らしのそういった方々と密接に連携し、今後、発展させていくことが必要か
と思われますが、この近辺で申しますれば、お隣の川場村あたりでは、地域の課長さんが中
心となり、そういった販路を開拓し、地元のお米は雪穂高というような名前を付けて販売促
進を図ったり、地域農産物を定期的に首都圏に送り出しているわけです。やはりいまの状況
を考えると、行政もそういった販売にも関わっていく必要性があるのではないかと思われま
すが、その点について市長にお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) まず基本的に、行政の施策の展開として、いまのような民間の活
力を、行政がひっぱっていくということから、どちらかというと民間のそういった活力を行
政が支援していくというような、こういう流れになっております。隣接の川場等では行政が
そういったイニシアティブをとられているというような、いまご提言でございますけれども、
従いまして、行政が表舞台に出るというよりは、むしろいつも言っているように、連携をし
ていくというか、そういうことをしていくことが大事なのかなというふうに思っております。
ただ、そうかと言っても、そういったきっかけづくりだとか、ある程度そういう下支えはで
すね、行政が担っていかなくてはいけないと思っております。ですから、そういうような観
点から、基本的には、民の力をいただきながら行政が支援をしていくというような流れを作
っていければいいなと思っております。しかしながら先ほど、南議員がおっしゃっているよ
うに、本地域の特産と言ったら何かといえば、これはリンゴがあったり、枝豆があったり、
大根があったり、レタスがあったり、さくらんぼがあったり、本当にたくさんあって、それ
はすばらしいものだというふうに認識をしております。今後それを一本に絞り込むのか。あ
るいはまた地域に見合った形で絞り込むのか。これは論議が分かれてくることだと思ってお
ります。ただこれだけ広い面積でございますので、一本に絞り込むということはなかなか難
しいのかなと。むしろ地域と連携した形の特産という形での絞り込みの方がわかりやすいか
なという認識を持っております。
◇2番(南 美喜雄君) 難しいことは十分理解しているわけですが、例えば財政的な支援
を伴わなくても、足を運ぶなり、アイデアを出すなりして、農業者が動ける部分もあるわけ
です。あるいは農業に関わる人が動くこともできるわけですから、そういった多様な地域と
のつながりを持つ行政体が、それらの有効活用を図り、あらゆる組織にそれを下ろし、また
そういった組織に動いてもらうこともできるわけですから、財政支援ばかりでなく、またそ
ういった知恵を出し、足を運ぶということも今後検討していただければと思います。
 さらに、一番振興していく上で早いのは、それは当然、利根、白沢、そういった振興局の
地域特性に見合った産業振興ができるように財政支援をしていただければそれが一番のわけ
ですが、合併前の白沢では、財政が厳しい中、5%一律カットしたわけです。その後、合併
し、またさらに5%シーリング、またさらに来年度3%、これではいままでの既存の事業も
削らなくてはなかなか予算が組めない。さらに地元の農業者が、振興局にいろいろな農業の
相談に行っても、それはもうできませんよ、予算がありませんよと。そういった懇談会議を
開くための予算がありません。検討する予算がありません。職員自体も、振興局の中でも本
当にみんな意欲を薄れつつあるわけですよね。せっかく農業者がいい意見、アイデアを持っ
て振興局に相談をしても、その担当の人数が少ない、予算もない、そういったことではなか
なか振興が図れないわけですから、全庁的にそれに取り組むのか。それとも振興局に、地域
振興の予算を配分してそれぞれの振興を図るのか。やはり検討、検討だけではなく、具体的
にそういったアイデアを出すとか、お金を出すとか、何か施策を講じなければ振興は図れな
いわけですから、その辺のところについて再度お願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げたとおり、非常に白沢の耕畜連携というのが大変
うまくいっているなというふうに思って、その地域そのものの特性がそこに現れていると思
っております。従いまして、そのところの持っている特性を生かしたことを応援をしていく
ということは、これは当然のことだと思っております。そういった中で、時代状況が財政の
切迫だとかいろいろございます。しかし、今後、私ども行政の立場からすると、この部分は
伸ばしていく必要があるのではないか。ここは本当に努力してきたなというようなところの
関係等については、しっかりとそれを把握して、やはり地域住民、地域の農業の方々と一体
となって頑張っていかなければならないというふうに思っております。従いまして、これを
本庁で関わるのか、振興局で関わるのかということになりますと、いままでの合併してから
以降の流れから来ると、やはり振興局の持っている特性を生かしていくということが大切に
なってくるのではないかと、こういうふうに思っております。
◇2番(南 美喜雄君) 振興局の特性を生かして、それぞれの地域に合わせて振興してい
くことは、これはいちばん早いスピードで、それぞれの特性を生かした振興が図れるわけで
すから、ぜひともこの点についてはよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、観光型農業の推進や女性農業者、高齢農業者が積極的に活躍できる環境に
ついて、再質問させていただきます。観光型農業の推進にあたっては、やはり今後大きな課
題となっているのが望郷ラインの利活用だと思います。望郷ラインを生かすことによって、
あらゆる波及効果があると思われるわけですが、首都圏からのお客様をもてなす、そういっ
た気持ちでそちらに来て楽しんでいただける、そういう気持ちで考えますれば、もう少しイ
ンフラ整備と言いますか、来ていただいたお客様がくつろげるような、休めるような、ある
いは所用を足せるような、そういった施設も必要になってくるのではないか。あるいは、カ
ーナビゲーションの普及から、道に迷うことはないと思われますが、どちらに行けばどうい
った施設があるのか。やはりインターネットホームページの地図検索もできる方もいらっし
ゃいますが、そうでない高齢者の方もおるわけですから、それらのアクセスがスムーズに行
くような親切な案内板等、行政が行うのか、地域が行うのか、地域と連携して行うのか。そ
ういった話し合いを持ち、今後、整備、振興していく必要があると思われますが、その点に
ついてお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) この望郷ラインの活性化というのは、実は大変県の前の県民局長
でありました、田中、現在の県庁の方の農政局の理事等もいろいろと頭をくだいていただき
ました。このちょうど川場から白沢に入ってくると、言うなれば地域集落から離れたところ
にラインが入っていて、生枝の国道120号にアクセスすると、こういうことになっている
と思います。いろいろとこの望郷ラインの持っている地理的なロケーションが、いうなれば、
山腹を横断するような形になっていることから、いわゆる地域集落とのアクセスが非常に厳
しいということが一つの悩みの種かと思っております。従いまして、このアクセスをどう考
えていくのかということがやはり大きな課題になってくると思っております。ただ、望郷ラ
インそのもののところに、いろいろな観光案内等の関係については、これはこれからしっか
りととらまえていかなくてはいけないと思っておりまするし、今後、県の指導もいただいた
りして、これが対応のために早急に考えなければならないと思っております。
◇2番(南 美喜雄君) 先ほど申し上げた望郷ラインの休憩所、トイレ等の問題に関して
は、やはり観光の推進、そういったこと以外にも、地域農業の推進、そういったことにも関
連してくるわけですよね。それぞれの望郷ライン沿いの、農業振興地域に関しては、春の植
えつけ時期、あるいは夏から秋の収穫時期に関して、地元を中心に多くの一時雇用、パート
が図られているわけです。そういった中で、小さい子どもさんを抱える女性たちは、正式雇
用というか、なかなか正職に就けない、時間の制限がありますから。そういった中で農家で、
自由のきく時間に、家庭に支障のない時間にでということでパートが多くなっているわけで
すが、やはり男性であれば、どこでも用を足すことができるわけですが、女性に関してはな
かなかそうはいかない。そういったことを考えますと、例えば白沢で言いますと、生枝は尾
合高平地区でも、秋の収穫時期には100人を超えるパートの人たちがそこで働いているわ
けです。今後そういった地域の雇用を促進していく上でも、望郷ライン沿線に、そういった
トイレ等を整備していくことは、観光の推進と合わせて、地域雇用の促進も含めて必要であ
ると思われる。さらに最近は、グリーン・ツーリズムでありますとか、収穫体験、野菜狩り
等は大変関心を持たれておりまして、望郷ラインを通る観光バス、あるいはバスによってツ
アーで収穫に来られるお客様も増えております。そういったことを推進していくためにも必
要かと思われますが、トイレの設置、休憩所の設置に関してもう一度お伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり川場の永井酒造の近辺から入っていく関係から、
大体田園プラザ等のところに川場の拠点があって、当然、池田地区に来れば上発知等々に入
ってくる、アクセスされてくるというようなことがございます。池田から月夜野に向かって、
やはりこれが例によって川場から白沢に向かうラインと似ているような状況もあってという
ことになろうかと思っています。この川場から、国道120号までのアクセスの間が、確か
に民家等がないのですね。これはいろいろな歴史的な経過があってこのラインが設定されて
いたのかと思います。そういうようなことから考えると、やはりトイレ等については、これ
は必要になってくるのではないかというふうに認識をしております。今後、振興局長はじめ
関係機関とよく意見交換をして、その辺のことについては何らかの対応をしなければならな
いのではないかなと。そういうふうな思いでいまおります。
◇2番(南 美喜雄君) ぜひこの問題に関しては、早急な対応を、検討をお願いしたいと
思います。
 次に、女性農業者や高齢者が積極的に活躍できるような環境づくりも必要かと思われます
が、特にこういった方々、現役引退に近いような方であっても、面積的には大規模経営がで
きなくても、自分の長年培った技術を生かして、すばらしい野菜であるとか、花であるとか
生産されている方は大勢いるわけです。しゃくなげ、望郷の直売所等もあり、1億円をそれ
ぞれ超えるような経営をされているわけですが、やはりそこだけではなくて、また新たに首
都圏との流通促進を図る。あるいは販路を、行政の方が積極的に紹介をしていく、あるいは
探していく。そういった努力を行政がして、それぞれの地域、あるいは関係機関に下ろして
いく、そういうことが大切かと思われるわけですが、沼田市でも、旧利根にしても、白沢に
しても、いまの沼田市全体の中で、それぞれの地域が、首都圏のそれぞれの地域とスポーツ
を通じたり、文化を通じたりして交流があるわけです。そういったパイプを生かして、新た
な販路を見つける、流通システムを確立するということも、これからは行政が積極的に啓発、
あるいは地域に啓発を図る、そういったことをしていく必要があると思われますが、その点
について再度市長にお考えをお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 女性、農業者の存在、それから高齢農業者の存在というのは大変
重要であると思っております。よくこういうことを言われておりますし、私もそんなふうに
見聞きをしてまいりました。子どもと女性とお年寄りに焦点を合わせた地域づくり、あるい
はまた環境づくりを進めるということが、案外間違っていないのではないかというような、
これ流れがございまして、それは農業問題だけでなくそういうようなことが言われる経過が
ございます。従いまして、こういった女性農業者、高齢農業者の方が頑張っていただけると
いうことが、大変重要かなと思っております。議員のご質問は、この方々の知恵や、あるい
はまたエネルギーを生かした、要するに地域農業の活性化と同時に、そこから生み出される
果実を、他地域と言ってよろしいのかもしれません。決してそれは東京ばかりではないと思
いますので、そういったところと交流を進めることによって連携をしたらどうかという、こ
ういうことのご指摘だったのではないかと受け止めさせていただきました。これらも実は、
農業問題だけでなく、大変重要な課題であるというふうに思っておりまして、ご指摘の関係
については、そういった特徴ある部分のところを生かした形の中をですね、これからは積極
的に進めていかなければならないのではないか、こういうふうに思っております。
◇2番(南 美喜雄君) よろしくお願いいたします。農業の推進にあたっては、女性や高
齢者農業者、これは本当に地域全体に下支えしている、本当にこの人たちが中心といっても、
国は認定の食糧などの基本、農村基本計画の中では、認定農業者を担い手としておりますが、
地域では、やはり女性や高齢者の中心的担い手として活躍しているわけですから、高齢化の
世の中において、こういった人たちが活躍できるようなシステムを構築していくことは、農
業持続可能にしていくわけですから早急な検討をお願いいたします。
 さらに、幅を広めるために、地産地消であるとか食農教育、食農教育と申しますれば、先
月ですか、白沢の小学校の5年生が、近くの観光のトマト園を訪れて、沼田市全小学生に給
食に出せるだけのトマトを収穫体験したそうでございます。そういった体験を通し、やはり
1個、2個もぐだけでは本当の体験、それを全児童に行き渡るだけのトマトを収穫すれば、
これは本当に農家の人がどのような思いで、どのような苦労があって収穫しているかという
こともわかってくるわけですから、こういった機会を白沢だけでなく、他の地域も取り組み
があると思われますが、今後、浸透させていただいて、地域全体でそれらを推進、振興する
ような形をまたご検討いただければと思います。
 いろいろな施策において、行政が積極的に関与し、積極的に指導していく、財政を伴う伴
わないに拘わらず、知恵であっても指導的なことをそれぞれの関係機関にしていけば、また
農業者も動くわけですからぜひともよろしくお願いします。そして農業者も、やはり行政か
ら一生懸命指導をいただき、その気持ちが伝わってくればそれに答えるべく動いて、そうい
ったところから市民協働であるとか、そういったことも推進されていくわけですからぜひと
もよろしくお願いします。
 一つの例を申し上げますと、地元のことで大変恐縮ではございますが、望郷の湯の直売所、
望郷の湯の間にソフトクリームの販売所があるわけですね。そのソフトクリームの販売所は、
地元の畜産関係者、何人か有志が集まりまして、自己出資しましてソフトクリームの機械を
購入し、設置を行い、年間1,100万を超えるような売上があるわけですね。それらを機
械の償却費だけいただいて、それ以外は市に、地元にすべて返していくというか、戻してい
くわけですよね。だからそういった考えが出てくるのは、堆肥センターをはじめいろいろな
諸施策を行政が中心になって行い、そのためによってその地域の発展がなされた。そういっ
た思いから始まり、やはり市民協働の意識であるとか、地域にできることは貢献しようとい
う意識も農業者の間で生まれてくるわけですから、そういった意味でも行政が積極的に振興
していくということは決して無駄なお金ではなくて、かけた分は必ず市税収入であったりい
ろいろな形で返ってくるわけです。昔から、農産物の相場が良ければ沼田の街なかが潤うと
言われていたように、その地域の産業の振興にあたっては、その地域にメリットがあるわけ
ですから、ぜひとも今後、あらゆる面で産業振興を図るようなご検討をお願いいたします。
 それでは最後になりますが、農業後継者育成支援について再度お尋ねいたします。農業後
継者は、沼田市においては近年やや微増、他地域においては、白沢においては本当に過去5
年で2名、これは本当に厳しい問題であって、今後、どのようにそれを新規就農者を増やす。
入っていただいた、これから農業を営んでいこうという意欲ある農業青年をどのような形で
支援し、またさらには、その配偶者の問題であったり、住居の問題であったり、いろいろな
問題が出てくると思うわけですが、具体的な支援策があれば、お考えがあればお聞かせくだ
さい。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がどういった観点の支援策を、またお考えになっているのか、
機会があったらまた私の方に直接ご提言いただきたいと思っておりますけれども。行政がや
れることについては、一定の限界があって、先ほど、冒頭答弁申し上げましたとおり、就農
相談会、あるいはまた農業技術の修得研修、就農支援資金の貸付等々であるとか、青年農業
者の、農業青年会議所等に対する交流事業の開催であるとか、あるいは研修に対する活動費
に対する補助等行っております。確かにおっしゃるように、農業後継者の関係等については、
平成18年が沼田で5名、利根で3名の8名であった。利根沼田管内では、昭和村が13名
いて、総体では31名というようなことになっております。新生水上町では5名であったと
いうような形になっております。これらを眺めてみたときに、地域のいわゆる主要産業であ
る農業が衰退するということは、地域の産業の活性化の停滞にもつながるというようなこと
については、議員の考え方と私もまったく同感でございます。従いまして、この新規就農の
関係等については、一人その地域だけでなく、あるいは国、県、全体の大きな問題かと思っ
ております。ただ、群馬県全体で見たときに、約138人の就農者に対して、利根沼田管内
が31人、全体の4分の1ですか、沼田が8人というようなことの流れを見たときにですね、
当地区はそれなりに新規就農者がいるのではないかなという受け止め方をしております。
 ただ、間違いなく言えることは、これから農業がどういうふうになっていくのかというこ
とをとらまえたときに、特に中国に目を向けないと、なかなかこの変のところの先々の見通
しが読めてこないのではないかというふうに思っております。ご案内のとおり中国が、現在
の人口12億と、あるいはもうそれ以上とも言われております。現実に、中国のところがい
ままで輸出できたのですが、徐々に輸入になってきつつある。そうすると必然的に動物性タ
ンパク質等々に対して、経済が発展してくれば当然依拠してまいります。そういうことから、
輸入に中国は入ってきたときに、いわゆる我が日本国の農業が自給率が減ぜられた中でまた
挽回していくのは大変厳しいものがあるというようなことから、やはり議員が言うとおり、
担い手の問題についても、地域の問題もさることながら、国全体のそういった食糧の自給率
の問題等も相まって、大変重要なことだと思っておりますので、今後、いろいろと対応して
いきたいと思っております。
◇2番(南 美喜雄君) いま市長の方から中国のお話しがあったわけですが、私たちも個
人的に、会派で中国に勉強に行ってきたわけですが、中国13億の人口の中で、概ね70%、
約9億人くらいが農村出身者であると言われているわけですよね。海外の大手商社、企業が
軒並み算入して、海外市場向けの花卉であり、野菜であり、果樹を栽培促進しているわけで
すから、いまやはり地域農業基盤をしっかりしておかないと、それらにみんな競合する中で
勝ち残っていけないわけです。そのためにはやはり、今まで私が提案してきたようなことの
施策を推進していくことが必要であると思うわけです。
 後継者の問題に関してなのですけれども、例えばやはりネックになってくるのが配偶者問
題であったり、せっかく後継者がきて就農しても結婚を契機にまた出てしまう。そういった
問題もあるわけですから、まずは結婚して、安定して経営に専念できるように、私の若い頃、
概ね15年、20年くらい前になりますか、その頃は、当時の農業普及所、あるいは役場等
を中心で、地域のりんご園であったり、ぶどう園であったり、そういったところで近隣地域、
あるいは県内の各農業関係、あるいは普通の一般の会社、そういったところと交流会と言い
ますか、そういったことを開催して交流を図り、配偶者問題に対策していた経過があるわけ
です。そういったことをやはり今後は考えて、せっかく就農していただいた新規就農者が、
腰を据えて農業経営に専念できるようなことも考える時期に来たのではないかと思われます
が、その辺について再度お聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 実は兼々、こういったことも一応、先ほど冒頭、ご質問にお答え
したとおり、都市行政を招いての交流事業等は進めてきた経過もございます。つい先日も、
ある方の結婚式に招かれたのでございますが、そういうようなことが縁で、前橋の方の民間
の企業にお務めになられている方が、本市にお嫁さんに来ていただいたような流れもござい
ます。従いまして、そういうようなことを進めていくということは大事なことではないかと
いうふうに思っております。
◇2番(南 美喜雄君) ぜひともご検討よろしくお願いいたします。農業を取り巻く状況
は本当に厳しく、中国の問題もそうでありますし、市長言われたように大豆を中心に今まで
輸出国であったのが、輸入国に転じるような、世界の自給バランスも狂ってきているわけで
す。さらにアセアン各国とのFDAの締結をはじめ、最近では、オーストラリアとの検討も
始めたり、日本列島を取り囲むほとんどの国といま交渉中にあるわけです。さらに今後、世
界的な規模の競合、あるいは国の農業施策の見直しということは、裏を返せば、農業の自由
化はあるよと私は感じている部分もあるわけですよ。そういったことを考えて、いまやはり
農業基盤を強固なものにしていくために、具体的な施策に一日でも早く取り組むことは、こ
の地域を守ることにもなるわけですから、ぜひとも早急な検討をしていただき、財政的な措
置が必要な部分に関しては措置をしていただき、また総合的なトータルで、地域、行政、あ
るいは関係機関と話し合う、そういったワークショップというものを早急に立ち上げていた
だき、新たな施策に対するプロジェクトを立ち上げていただき、早急な検討をお願いいたし
まして、私の質問を終わりたいと思いますが、最後に、総評として、市長に一言いただけれ
ばお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 農業問題1本に絞りましての質問をいただきました。それぞれご
提言をいただいたことにつきましては、対応できることは速やかに処してまいりたいという
ふうに思っております。
 なお、本地域は農業が、第一次産業が、何と言っても基幹産業でございます。そういうよ
うなことから、特にいままでの沼田だけでなく、白沢、利根と一緒になったゆえに、いやが
おうでも農業の存在というのは高まっております。従いまして、各般にわたってご提言いた
だいたこと、あるいはご質問いただいたことにつきまして、しっかりと受け止めて、今後の
対応に処してまいりたいというふうに思っております。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時08分休憩
─────────────────────────────
午前11時18分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井上健太郎議員。39番。
                          〔39番 井上健太郎君登壇〕
◇39番(井上健太郎君) 議長よりお許しがありましたので、通告に従いまして一般質問
を行います。
 まず最初に、「地産地消自治体宣言」について伺います。
 沼田市議会では、昨年5月の経済、建設常任委員会において、「趣旨採択」されました。
勿論、趣旨採択にはなんら拘束力はありませんが、沼田市として「地産地消の街」宣言を行
うべきではないかというふうに考えますが、宣言への検討、あるいは準備は進んでいるのか
について伺います。
 もちろん、検討が進んでいると仮定しての話ですが、具体的な施策についての推進と展望
はどのように考えているのかお伺いします。
 すでに宣言をした自治体での取り組みでは、「全市的な運動にするための普及・啓発に努
めるとともに、地元農産物に対する理解と消費意欲を高めるための情報の提供、そして発信
を推進するとして、学校給食は勿論、食農教育を通じた教育現場での地産地消の啓発にも努
めるとしていますが、沼田市としての構想、あるいは市長としての展望をお聞かせ願いたい
と思います。
 次に、市内に点在している遊休スポーツ施設の活用についてお伺いをいたします。
 今、沼須の利南運動公園構想にも見られるように、これから数十億円を投じて、野球場や
テニスコートを建設していくことが計画されていますが、以前に建設され、利用もされてい
た野球場やナイター設備も備えた学校のグランド、あるいは廃校になった体育館等、市内に
は、数多くの使われていない遊休スポーツ施設が目につきます。
 聞くところによると、旧沼田市及び白沢町には、そのような施設は少ないということであ
りますから、利根町管内にそれらの施設が多く点在していることとなるわけであります。
 そこで伺います。これらの各施設の管理運営方法はどのように考えているのかについてお
伺いをいたします。
 いま荒れるに任せているグランドや、年々老朽化が進む体育館やプール等の施設を、将来
どのように活用を考えているのかについても、構想がありましたらお伺したいたいと思いま
す。
 特に、利根町振興局管内に遊休施設が集中していることから、今後の運営や、地域活性化
に向けての活用について、立案、実施計画、管理運営等々の権限の範囲についてもお伺いを
したいと思います。
 以上が1回目の質問でありますが、答弁によっては再質問も行いたいと思いますので、よ
ろしくお願いをいたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井上議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、「地産地消自治体宣言」について、沼田市宣言の検討は進んでいるのか、具体的な
施策の推進と展望をどのように考えているのかについてでありますが、昨年9月、市議会に
対し『地域農林水産業活性化を図るための「地産地消自治体宣言」を求める請願』が提出さ
れ、「趣旨採択」とされたところであります。
 地域で収穫される、安全で安心な農作物を地域で消費する地産地消については、地域農産
物の販売促進だけでなく、消費者の健康な食生活の維持増進や、農業に対する理解を深め、
生産者である農家の地域に対する貢献意識の高揚にもつながり、重要なことであると認識し
ておりますので、継続して学校給食への利用促進や直売所による推進等について、関係機関
と連携し取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、市内に点在している遊休スポーツ施設の活用について、各種施設の管理運営につい
て、個々の施設の管理運営方法をどのように考えているのかについてでありますが、利根町
振興局管内には、現在あまり使われていない広場、運動場、体育館等々がいくつかあります。
 平川地区では「平川スポーツ広場」、南郷地区では「南郷運動広場」、根利地区では「根
利山村広場」があり、教育関係施設でありました「旧南郷小学校」と「旧根利小学校の屋内
運動場」などがあります。
 平川スポーツ広場は、近くに平川運動広場が造成されたため、あまり使われなくなったこ
とから、管理を地元の平川区にお願いしております。
 また、地元からの要望により整備しました南郷運動広場などの施設は、市で管理をしてお
りますが、少子高齢化の進展などによりまして、あまり利用されていないのが現状でありま
す。
 これらの施設の中には、借地をしている施設もあることから、施設の存続を含め管理運営
のあり方について、利根町振興局を中心として検討してまいりたいと考えております。
 次に、振興局の権限の範囲について、立案、実施計画、管理運営等々の権限についてどの
ように考えているのかについてでありますが、
立案、実施計画、管理運営等々の権限については、その施設を所管する利根町振興局の各課
などであります。
 教育関係施設でありました旧南郷小学校、旧根利小学校は統合されて以来あまり使われて
いない現状にありますので、地元の南郷、根利地区の方々をはじめ利根町地域協議会等の意
見をお伺いし、利根町振興局の考え方をもとにして、庁内検討組織である県有施設跡地等利
用検討委員会等で庁内全般の体制の中で議論をしながら、今後の利活用について検討を進め
てまいりたいと思っております。ご理解を賜りたいと思います。
 以上申し上げまして、井上議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇39番(井上健太郎君) それでは再質問させていただきます。
 先ほどの南議員の質疑応答の中で、すでにこの地産地消の問題について多少踏み込んだ応
答がありましたけれども、同僚議員の説明にもありましたように、この沼田市というのは、
県下の市の中でも最も耕作地の標高差がある、特異な地域だというふうに私は理解しており
ます。それだけに、耕作されている、生産されている生産物というのが非常に多岐にわたっ
て、本当にすばらしい食材、農産物が生産されている。これをまず、地元の農産物を地元で
消費する、こういった運動に発展させていくことが、これからの地域の活性化に最も結びつ
いていくのではないかというふうに考えるわけです。
 特に最近は、BSEの問題、あるいは遺伝子組み替えの問題、そういったことで輸入農産
物の中に非常に健康を害する食材が増えているわけです。そこでぜひとも地元の農産物を見
直して、この生産されている農産物の情報を市民へ情報提供していくというのですかね、そ
ういう形で、もっと、もっとこの地元の農産物を地元で消費する。そういうことを展開して
いくことが必要ではないか。そのためには、やはり自治体として宣言をする。そういうこと
がまず大事だと思うのですよね。そういうことがあることによって、いかに地産地消を進め
ていくかということの運動に発展していくわけです。ですから、ぜひともこの地産地消宣言
を、沼田市として宣言をしていただきたいというのが今回の私の質問であります。
 今、市長が答弁の中で申しましたけれども、給食等を通じていろいろな形で努力をしてい
るというような答弁があったのですけれども、これは、個別的には、もちろんこういった給
食が大事だと思うのですが、とりあえず、まず宣言をするか、どうかについて、まずお伺い
をしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 宣言をしていくということは、非常に大きなインパクトを持って
おります。当然、議会の皆様方のご理解もいただかなければなりません。そういうようなこ
とから、勢い、慎重にならざるを得ないと思いますし、またそれだけに重いことであると思
っております。県下の状況をいろいろと調べてみますると、前橋、高崎において、この自治
体宣言を求める請願が、いま私の手元の資料によると提出がないようでございます。桐生に
おきましては、昨年の11月に請願が出されて、不採択になっているようでございます。伊
勢崎におきましては、今年の3月に、審議未了になっているようでございます。太田につき
ましては、今年の12月に、審議の予定になっているようでございます。館林においては、
昨年の11月に、趣旨採択をしているようでございます。渋川におきましては、今年の12
月に審議の予定のようでございます。藤岡の方におきましては、昨年の6月に、趣旨採択に
なっているようでございます。富岡の方につきましては、提出がないようでございます。安
中におきましては、これが審議をしなかったのですが、その後、今年の6月には可決になっ
ているというような形の情報でございます。これはちょっと的確な把握にはなっておりませ
ん。みどり市は、ご案内のとおり合併した後でしょうか、提出がまだないようでございます。
これらを見てみると、各市においても若干、温度差があって、論議が分かれているようなこ
とも仄聞ができます。それだけに、この地産地消のことについては、やはり大変慎重にして
いかなくてはいけないのかなというふうに思います。ただ間違いなく言えることは、地元に
できることを、地元の方々が消費をし、そして地元の公の機関ができるだけそれを使ってい
くということは、地域経済活性化の大きなものになってまいりますので、地産地消を進めて
いくということは、大変重要なことであると思っております。自治体宣言の関係につきまし
ては、もう暫く研究をする中で、まず各県内もとより全国的な傾向も調査をいたしまして、
そして今後対応を図るべく研究を図っていきたいなと、こんなふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) ずいぶんお調べになったようで敬意を表するわけですけれども。
何点か落ちていると思います。現在、群馬県内において議会でもってこの趣旨採択はされた
という自治体が、いま市長申し上げました安中市はもちろんなのですが、下仁田町と吉井町
と南牧村というのがすでに採択がされております。趣旨採択が、館林、中之条、嬬恋村、沼
田市、あと藤岡というような状況であります。この利根沼田管内におきましては、地産地消
宣言については、今12月議会にすべて請願として出されておりますから、その結果が待た
れるところでありますけれども、他の自治体はそういう状況でありますけれども、沼田市と
して、やはりいま市長が申されましたように宣言するということはそれなりのインパクトが
あると。それに相当今度は拘束されるということも勿論あると思います。しかしあえていま、
この地産地消宣言をすべきではないかというふうに、私が提案していることは、そのくらい
合併した新生沼田市において、市民の健康と、そして農業の発展を願っているのだという姿
勢を示す絶好の機会ではないかというふうに考えるわけです。
 他の自治体、全国ではいくつかの自治体が勿論宣言しているのですけれども、やはり同じ
ことをやるには、まずトップにやるということが最も注目を集めるのではないかということ
なのですよね。合併しない宣言を日本でいちばん最初にやったのは、矢祭町なのですけれど
も、これでいろいろ経済効果というのはやはり高いものがありますよね。ぜひそういった点
でリーダーシップを発揮していただきたいというふうに考えるわけです。私の経験なのです
けれども、今年8月の下旬に、全国農民運動連合会というのが、全国交流集会というのが、
福島の猪苗代湖で行われたのですが、私も2泊3日で参加をしてまいりました。ここで驚い
たのは、市長が、多く訪れてくれる皆さん方に、すべて地元で採れた食材で夕食をいただい
てもらいたいということで、腕によりをかけて調理をいたしましたということで出していた
だいたのですけれども。本当に味噌、醤油の果てに至るまで、調味料に至るまで、すべて猪
苗代町で採れた食材で出された夕食をいただいたのですけれども。そういったことが各宿泊
施設においても日常、普段に、そういうことに努力をしているということなのですよね。学
校給食は勿論そうなのですけれども、そういう形でやっている自治体があるということを目
の当たりにしました。特にその中で、学校給食がなぜそれほど取り上げられているかという
ことは、過去の一般質問の中でも私申し上げましたけれども、「三つ子の魂百まで」と言い
ますが、小さい時に、特に学校給食は保育園の頃から始まりまして、中学を卒業するまで、
10年にわたって体験をする味なのですよ。ですからまず、地産地消と言うならば、まず給
食から始まる。これがいちばん大事ではないかというふうに思います。戦後、日本の食糧事
情というか、農業を大きく展開させたアメリカの食糧戦略があるのですけれども、この中で
以前にも議論いたしましたが、アメリカにキッチンカーというのがございます。これについ
ての認識は市長どのように持っておられるか、まずこれをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) アメリカの食糧戦略のキッチンカーということを、実は私自身、
本当に勉強不足で申し訳ないのですが、初めて承ったような感がしております。できればそ
この内容等がどうなっているのか紹介をして、さあどうなのかということになればまた答弁
が可能かと思っておりますが、ぜひその辺のことについては今後の質問にひとつ委ねていた
だければと思っておりますが、もしでき得るならば、その食糧戦略なるところの部分に触れ
ていただければ、答弁可能かと思います。誠に申し訳ございません。
◇39番(井上健太郎君) 以前にもこのキッチンカーのご説明を申し上げた経緯があるわ
けですけれども、市長も激務のためそういったところはお流しになったかなと思うのですが、
終戦後、日本の国内が食糧難で大変な時期があったわけです。食糧増産に励んでいるときに、
アメリカで、日本に小麦を売り込もうという計画から始まっているわけです。それにはパン
を食わせる。日本の小麦はうどんとか、そういったものができますけれども、なかなかうま
いパンはできない。だからここで一気に、まず給食でパンを食わせる。子どもにパンの味を
覚えさせる。それだけではなくて、一気にもっと大量に売り込もうということで、キッチン
カーというのがアメリカで開発されたわけです。日本の国内に最初12台、車で移動して、
料理講習という形で、当時のご婦人方に感触を覚えさせたわけですね。そして乳製品である、
生乳は揃いませんから、脱脂粉乳とあとはチーズ、バターとか、そういった欧米的な食事を
覚え込ませるために、パンを主食として肉と乳製品、これの味を全国にキッチンカーを走ら
せて宣伝していったわけです。これは勿論、ラジオで放送して、次はどこの地域に行きます
ということを宣伝しながら日本中を駆けめぐったわけですね。そして一気に、このパン食が
全国に広まった。そして、アメリカの小麦が怒濤のように日本の市場を覆ってきたというこ
となのですね。そして勿論、乳製品、肉という形で、日本人の胃袋をそっくり変えてしまっ
たというのがこのアメリカの食糧戦略、しかしこれだけに、戦後60年間できあがってしま
った日本人の胃袋を一時に変えるわけにはいかないです。ですからいま、地産地消というこ
とが注目されているわけなのです。そういったところでまず給食から始める。そして各観光
施設、旅館やあるいは食堂、そういったところで、地元の農産物を意識的に使ったり、ある
いは売ったりということをやっていくことが非常に大事ではないかというふうに考えるわけ
であります。
 そういったところで、あえてまた市長にお伺いするのですけれども、群馬県内のどの市町
村でも、まだやっていない宣言をトップバッターとしてとにかく宣言してみる。そしてこの
地域農業を発展させるという、そういう立場に立つという気持ちをぜひ決意として語ってい
ただきたいというふうに思うのですがいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) この地産地消宣言を自治体で行うということ、大変先ほど申し上
げましたように、議会とのご理解もございます。このことが、地産地消そのものが非常に経
済行為にかかわってくることがある、とかいうところが、ある意味とは、別の言い方を変え
ればそれだけでインパクトがあるし、またそれだけに若干慎重にならざるを得ないというと
ころがございます。そんなことから今後、研究をしてまいりたいというふうに思っておりま
す。
 なお、キッチンカーの関係等については、ご説明でよくわかりました。これらについては、
戦後いろいろと日本が未曾有の混乱の中にあって、一方においては食糧の供給というのがあ
ったのでしょうけれども、それが見方を変えると、味の感覚をそういうふうに転換させるこ
とによって、日本の伝統的な和食というものが、要するに見失われがちになってくるという
ようなことがあったのかなというようなことをいま改めて認識をしているところでございま
す。
 ただいずれにいたしましても、わが日本国の立場からすると、やはり米に対する愛着があ
って、そしてご案内のとおり海外でもスシバーが大変活性化されているように、和食が非常
に見直されているというところから見るとですね、我が日本国の持っている食糧の素材とい
うのが、海外に負けないものがしっかりあると。そういうふうな自負心の元にこれから対応
していく必要があるのではないか。それが必然的に地域に返ってくると、やはり地域の食材
がしっかりと生かされた形の中で対応していくということは、大変重要かと思っております。
そんなことを踏まえながら、今後、ご提言の関係について、いろいろと勉強させていただき
たいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思います。勿
論、この問題に、宣言とはちょっとちがうのですけれども、私、この間、片品村の農業政策
がおもしろいということ。私はすぐ隣に住んでいるのですけれども、どこが、何でおもしろ
いかなということがよくわからなかったのですよね。たまたま農民新聞の記者が、ぜひ片品
村を取材をしたいと。同行してくれないかということで、非常に恥ずかしい話なのですけれ
ども、あんな近くにいて、ユニークな片品村の農業というのを知らなかったのですね。行っ
てみて驚いたのですけれども、一自治体、一農協という典型的なあそこは自治体なのですが、
農協でも相当ユニークな政策をやっているのですが、それを側面から村がバックアップする
という形で行われています。特に、グリーン・ツーリズムというのはすでに行われているの
ですが、その基本に流れているのが、片品村で生産される食材をできるだけ加工して、そし
て地元は勿論なのですが観光客にアピールしていくと。ここの基本がしっかりしているので
すね。特に最近見直されているのが行者にんにくですね。これは尾瀬びるとも言って、片品
村、昔からのものなのですけれども。これのぎょうざを開発をして、それを民宿とかそうい
ったところで多いに食べさせる。勿論、生食もやっているのですが、それとこれも片品村本
来の大白の大豆、これを利用した豆腐と納豆ですね。これも勿論やっている。そして、標高
がなければ大きくならない高原豆ですね。これの缶詰であるとか、あるいは最近はアイスク
リーム、これが非常に人気で、花いんげんのアイスクリーム、これがいちばん売れるという
話なのですけれども。そういったことで、農協の加工場を利用して、地元の農産物をできる
だけ消費していくということを見てまいりました。これは一つの例なのですけれども、そう
いったことでぜひ、沼田市にはそれこそ猪苗代町ではないですけれども、米から始まって、
牛肉から豚肉、鶏卵、乳製品、そして各種の高原野菜、非常にバラエティーにとんでおりま
す。ぜひこういった点で、この農業を発展させるということと、本当に市民の健康を守って
いくという立場から、安心、安全なこの地元の農産物をできるだけ沼田市独自で利用してい
くという方向で、ひとつ考えていただきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。遊休スポーツ施設ということで、以前はそれなりに必要であったか
ら造ったと思われるわけなのです。ご存じのように過疎が進んでおります。村の人口自体も、
町の人口自体がどんどん減っていくわけです。ですから、造ったときは結構利用されていた
と思うのですよね。ところがやはりそういったものが原因でだんだん利用されない施設にな
ってしまったというところがいちばん問題かなというふうに思います。
 先月の、総務常任委員会で議題になりましたけれども、沼田市のサッカー協会ですか、こ
こから陳情が出て、沼須に芝生のサッカー練習場を作ってくれと。こういう確か請願が出た
と思いますが、途中から、請願者の方で、沼須に限ったことではないというような話があり
まして、委員会で審議された経過がございます。昨日も、同僚議員の方から、子どものサッ
カーの試合をやるのにいまの沼田市のあのグランドでは非常に見ずらいというような意見も
ございました。それでお伺いをするのでありますけれども、このいまいくつかある遊休施設
の中には、わずか手を加えれば三方に自然の利を生かした観客席が取ることができて、そし
て、練習場であるならば、芝生を張ったところで何十億などとかかるわけはないし、利南運
動公園の11億の1割もかけなくもすぐそんなものはできるというような施設があるのです
けれども、その点についてはいかがかお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思っております。
 非常に利根町管内においては、地域体育スポーツの活性化のために、各地域に非常にきめ
細かに運動施設があるということで、それは地域スポーツ、あるいは地域体育が振興された
大きな施策の流れがあったのではないかというふうに思っておりまして、それだけに恵まれ
た環境にあったのではないか。こういうふうに認識をしております。いまおっしゃっている
いろいろなところの利活用については、これからいろいろと利根町振興局管内のご意見、あ
るいはまた地域の方々のご意見を伺って、そして対応を図っていくわけでございますけれど
も、先ほど議員がおっしゃられたようなことも含めて、当然、大切な施設でございますので、
これが生き生きとしていくようなとらまえ方をする中で、今後、対応を図っていかなければ
ならないと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 先ほど市長の方から、各施設の管理、運営の担当課というか、
責任というのですか、そういったところが報告されたのですけれども、やはりいま現在、利
南運動公園等の構想があるように、スポーツ施設としてできているものでありますので、合
併する前の利根町の状況は勿論ありますけれども、やはりこれは一所にまとめるべきではな
いかと、管理責任をと思うのですよ。教育委員会の方で今度のグランドは造るそうでありま
すけれども、造るのはいろいろな形で、補助金の都合があるので、産業課とか、あるいは建
設課とかいうところが造ったかもしれないけれども、でき上がってからは、スポーツですか
ら、管理運営になったら、教育委員会なら教育委員会という形に、はっきり決めていくべき
ではないかというふうに思うのですが、この点についてはいかがですか。
◇市長(星野已喜雄君) 教育長も、私も、実は共通の認識を持っているのは、スポーツを
できるだけ活性化させていこうということについては、教育委員会の考え方、私の考え方も
一定の曇りなく一致しております。特に、義務教育の体育の活躍が目ざましいというふうに
受け止めております。それは、なぜに義務教育の体育の活躍が合併した後これほど目立って
すばらしい成績をあげてきたかというと、それはやっぱり地域体育、あるいはまた社会体育
が活発化になったところの下支えがそうしてきたのかなと。議員の地元の女子バレーの関係
などについても、いろいろと勉強させていただくと、中学校の体育館のみならず、隣接のい
わゆる体育館を使われて、そして小学校の子どもたちにバレーを愛する指導者が、いろいろ
とやっていることの連続性からどうも立派な成績を納められてきたなと。当然、中学校の体
育指導者の活躍は勿論のことでありますが、そうしたことを思うと今後、体育を活性化させ
ていくということは、非常に地域活力の活性化にもつながってまいりまするし、ひいてはそ
こに、医療費等の関係にも非常に好影響を与えてくるといういうふうな認識を持っておりま
すので、今後、体育行政は進めていかなければならないという考え方を持っております。そ
うなると、この施設の関係の、それぞれのセクションの管理の関係については、やはりいろ
いろと補助金の出るところだとか、指導機関によって難しいところもあるようでございます。
ただ調整をどこでしていくのかということについては、調整というのは、あそこにこういう
施設があって、こちらにこういう施設があるという形の中の調整をしていくということは、
大事なことではないかと思っております。
 従いまして、いまおっしゃられた意見は参考にしながら、その辺の全体的な体育施設の調
整をどのようにしていったらいいかということは、多いに検討していかなくてはならない、
こういうふうに思っております。ただ、管理責任がどこかということになったときに、どう
しても事業の持っている指導機関の関係があるので、ここではなかなかちょっと明言を申し
上げるという段階にはないかな。ただ調整をしていくということについては、多いに検討し
ていく必要がある。このように思っております。
◇39番(井上健太郎君) 市長のお考えというのはある程度わかりましたけれども、結局、
荒れる原因になったのが、先ほど私の地元の平川のスポーツ広場ですか、これは平川は区に
お願いをしているというのを、作業を依頼されたということは1回あるのですけれども、そ
の後、運営、管理が平川区に任されたという自覚はなかったのですよね。ですから、現在行
って見て、野球場の両サイドのダクアウトの屋根が雪でつぶれてしまっているわけです。そ
ういったものがそのままに放置されている。これでは使いようがないなというふうに感じた
わけです。また、根利の運動広場ですか、山村広場ですか、これについてもここ十何年か放
置されたままということで、14、5年前に私が初めて行ったときには、まだトイレが十分
使用可能だったのですけれども、もうすでに相当直さないとトイレが使えない。物置もだい
ぶ老朽化している、そしてグランドはススキの野原になってしまっているという状況で、や
はり十分手入れしなければ、だんだん使われなくなるということは、当たり前のことなので
すよね。確かに利根町については、スポーツ施設はいまの人口からしますと大体飽和状態に
なっているのではないかというふうに思います。室内で行われるゲートボールとかテニスが
行われる、この室内ゲートボール場というのが現在6箇所ございますし、体育館については、
学校、武道館を含めて9箇所ある。プールについては勿論6箇所、グランドについては、こ
れは使われている施設ですよ、これが8箇所もあるということですから、大体いま使ってい
る施設で飽和状態になっている。だから、遊休のスポーツ施設というのは、せっかく合併し
たのでありますから、沼田市全体として使用していくスペースになっていくのではないか。
先ほどサッカー場の問題をお伺いしたわけなのですが、確かに非常に地の利を生かした形で
やると芝生のサッカー場というのは非常に可能だと。特に、根利のスポーツ広場等は、山村
広場等は非常に適しているかなと。私は委員会に出た、このサッカー場の請願のときに直観
的にそう思ったわけなのです。いまのところ、多那地域では、沼田市の市街地から時間的に
短いので相当使われているようでありますけれども、根利までいくとちょっと遠いと感じる
と思いますが、沼田大間々線の改良により、時間で計ってみて沼田の中心街から大体20分
ちょっとで直線でいきますので、これは十分、全市的にこういった愛好者に使ってもらえる
ことが可能ではないかなというふうに思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後0時00分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 井上議員の再質問にお答えをしたいと思っております。
 幅広く施設を使うことを考えていったらよろしいのではないかと、こういった質問だと受
け止めております。それはまったくそのとおりでございまして、これだけ多くの施設がある
わけでございますので、まさに合併した後のスケールメリットというのを生かすというのが、
まさにそういうところにあろうかと思っております。幅広く施設を使うという、いわゆる有
効活用ですね、検討してまいりたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 市全体として広い視野に立って利用していくという形で検討し
ていただきたいなと切に思います。特に先ほど提案したサッカー場なのですけれども、平川
のスポーツ広場については、縦がだいたい130m、幅が、若干狭いかなと思うのですけれ
ども、80mほどございます。ですから練習場には十分間に合う。すでに片品村の民宿に来
る大学の合宿とか、企業の合宿とかいうものでは、すでにサッカークラブが何回も使ってい
るということで、そのゴールは持参できてありますので、すでにゴールポストはあります。
そういったところでぜひ考えていただきたいというふうに、まずひとつは思います。ですか
ら、利根町地域の住民の皆様に、いまある施設で十分飽和状態、遊んでいるところを使わな
くても十分間に合うということであります。ですから、いま言ったように、全市的な視野に
立って使うということが一つ。もう一つは、多いにグランドを思い切った発想でもって、委
員会でも出ましたけれどもサッカー場をどうせ造るのだったら芝生をよく手入れする。人件
費はかかりますけれども、J1とか、J2とかがこの合宿に使うとかね、あるいはもう少し
小規模であっても、大学、高校の合宿等で練習用に使うとか、そういった点はどうかなとい
うふうに思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) これからは、交流事業を進めていくということが大きなまちづく
りのキーワードになってまいりますので、当然そういった都心の有数な、大学、スポーツだ
とか、あるいはまたプロスポーツの方々がそういったところを使いたいということは、これ
は大歓迎でございまするし、またそういうことも大事であります。同時に、地元の人たちと
の連携も当然大切になってまいりますので、その辺の関係等については、今後、研究をして
いかなくてはならないと思っております。何度か申し上げてきたかと思いますが、とにかく
できるだけ使うようにしなさいという指示をしておりまして、そういった経過の中に、今年
の夏には根利の小学校の屋内運動場、体育館でございますが、ここに卓球の有数なチームが
合宿に入ったというようなことで、その泊まりは老神だったわけでございまして、これはよ
く冷静に考えてみると、老神のホテル、あるいは旅館経営者とは、そういったことで縁があ
ったし、またそこの体育館は有効に活用されたし、しかもそういった有数な選手が訪れたと
いうことによって地域の、地元の卓球筋の方々はそこでご指導もいただいたということから、
地域のスポーツの振興につながったというふうなことで、そういう意味ではメリットがずい
ぶんあるなと思っておりまして、今後、当然そういったことは、いろいろな角度から考えて
いかなくてはならないことではないかと、こういうふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) すでにそういった兆しが見えてきているということが市長の答
弁で明らかになったわけなのですけれども、九州の中津江村という村はご存じかと思います。
ワールドカップのときにカメルーンのチームを入れて、それを一つの起爆剤として村起こし
を、町起こしをやったということで非常にテレビでも取り上げられましたけれども、あそこ
へ見学する機会があって行ってまいりましたが、非常にメイングランドはいい芝生を、革靴
で入ったら怒られたのですけれども。そういうような形でサブグランドも2つほど控えて、
それで相当いま、その後、大学やJ1、J2も含めてキャンプ地等で利用しているという例
を見学させていただきました。また、同じく九州の宮崎の綾町ですけれども、ここでは野球
場も含めてサッカーグランドもいくつも用意してあって、これもそれぞれのプロのキャンプ
地になっているようでございます。一気にそういうことにはいかないと思うのですけれども、
沼田市の特性を生かして、通年はできないけれども、夏は逆に涼しいというところを生かし
て、そういった面での発想もいいのではないかというふうに思います。特に根利の中学校の
グランド、ここは小学生がスケートをするために父兄の皆さんが努力して、冬はスケートを
行ったということで、県内の中体連や何かでも選手が出た経過がございます。標高が900
近くありますし、非常に冷え込むということで、その地の利を生かして冬場はスケート場に
使うと。そのためにナイター設備もございます。そういった点で、そういうことを視野に入
れた発想が、市長には、今そのような発想はないと思いますけれども、将来そういう展望を
持っているかどうか。ここのところをお伺いしたい。
◇市長(星野已喜雄君) 大変この体育を振興させるということは、いろいろな意味で行政
的な効果があるなというふうに思っております。従いまして、先ほど申し上げたように、義
務教育の中学生が、実際問題県大会制覇のみならず、全国で戦って優勝をおさめたり、ある
いは場面によると世界の舞台で活躍をしてきた方もおります。これはある意味において、ス
ポーツプロフェッショナル的な傾向の流れになってきておりますけれども、もう一方におい
ては、地域体育を普及させていくという、当然刺激になってまいりますので、それは健康維
持等について、非常に福祉予算、あるいは医療予算に好影響が跳ね返ってくるというような
ことから、体育の振興は大変重要だと思っております。併せて、いまおっしゃったような施
設が、あるものに対して有効活用していくのに、先ほど言うように地域外の選手、あるいは
愛好家が活用するということは、当然そこに宿泊が発生したり、あるいはまた、地元のスポ
ーツ愛好家にも刺激を与えますので、当然、そのことそのものが、大変いい意味の波及効果
になる。同時に、今日も午前中から農業問題等についてのいろいろな論議がなされておりま
すが、この農業の問題も、地域産業活性化はもとより、食育という観点から考えると、健康
という理論が当然そこに入ってまいりますので、そういう観点からとらまえたときに、いま
ある散在をしている体育施設を有効に活用していくということは、今後、市行政の大きな課
題であるというふうに思っております。
 ある意味においては、これが伝統的にいろいろな経過を経て、各地区に体育施設があると
いうことを、逆にそれを利する観点でとらまえて対応を図っていくという作戦も必要なのか
なと、こんなふうに思っております。
◇39番(井上健太郎君) ぜひ発展的に、将来を見据えた形で管理、運営から含めまして、
また利用方法について検討していただきたいというふうに思います。
 すでに2つの体育館の利用方法については、市長の方からすでに根利を利用しているとい
うようなご意見を伺いました。勿論、いま私が前段で申し上げましたように、市内でなくて
外部にも働きかけて使わせるということになりますと、勿論、宿泊が伴います。すでに市内
には、老神温泉という立派な宿泊施設があるわけでありまして、こういったところに泊まら
せて市内の各スポーツ施設へ使ってもらうということが本当に大事かなと思います。
 そこで伺いますけれども、南郷には、毎分750リッターというすばらしい温泉が出てい
るわけですけれども、これを南郷小学校の跡地、今までは特養ホームなどの話がありました
けれども、今度は逆の発想で、温泉を分湯して、そこで温泉付きの合宿をしながら体育館で
できるスポーツをやってもらう。またその巡りに2つあるグランドを使って合宿をやっても
らうというような発想などは非常にいいのではいなかなと、そんなふうに思うのですけれど
も、そこまではまだ市長の考えは至っておりませんか。お伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) 大変独創的なご提案かと思っております。ご案内のとおり、現時
点では、現在のたくさんある施設をどのように有効活用するかということについての検討段
階でございますので、いまのようなことについては、まだ研究もしておりませんけれども、
本会議でのご提案でございますので、ご意見として受け止めさせていただきたいと思います。
◇39番(井上健太郎君) まちづくり、あるいは村づくりというものは、やはり将来に向
かって一定の夢がなければできないことなので、多いに夢は大きく持ってやっていく必要が
あるかな。そんなふうに思ってご提案をいたしました。
 それでは、最後の質問になるのですけれども、市の段階で、合併してまだ1年半ですから、
なかなか系統立ててそういったものの利用というのは検討している時間がなくて、まだ余裕
がないと思います。そういった中で、先ほどの答弁の中で、振興局の協議会、あるいは振興
局等に、そこでいろいろ利用方法や運営方法、それは任せたいというような市長の答弁があ
ったのですけれども、もし市の当局でもって、いま言ったような、いくつか提案しましたけ
れども、用意がないということであるならば、振興局にそっくりそれを委ねると。ある程度
の予算も付けて委ねるというようなお考えがあるかどうか。これをまずお伺いしたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 大事なことでございますので、1回目の答弁のところをまず復唱
してみたいと思います。「教育関係施設でありました旧南郷小学校、旧根利小学校は、統合
されて以来、あまり使われていない現状にありますので、地元の南郷、根利地区の方々はじ
め、利根町地域協議会等の意見をお伺いし、利根町振興局の考え方を基にして、庁内検討組
織である、県有施設跡地等利用検討委員会等で庁内全般の体制の中で議論しながら今後の利
活用について検討を進めてまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います」
と答弁をしております。と申しますのは、どういうことかというと、まずもって地元南郷、
根利、あるいはまた協議会がございますので、そこで、根っこのところでひとつご論議をい
ただいて、そしてひとつの形を作ってもらって、それをもとに庁内検討組織のところでご論
議をしてもらって方向を出してくる。こういうことでご答弁をさせていただいております。
従いまして、いまおっしゃるように、それを管理の問題等についていろいろとご提言がござ
いましたけれども、これらについても現実的には、ご案内のとおり平川スポーツ広場の関係
については、直接的には利根の教育支所が、あるいは南郷運動広場については振興局農政課
がというような形で、そういうような段取りになっております。これは同じことが白沢の方
の関係のことについても同様な対応になっております。今後、先ほど前段で申し上げたよう
に、これらの調整ですか、つまり友好的に回していくためには、例えば突然、これこれしか
じか、これからこうで、いわゆる大学スポーツで使いたいのだみたいなことになったときに、
そういうところの部分が、どういうふうな使用の流れに、先々がなっていくのかということ
がセクション別になっていると、なかなか見極めが定められないような可能性が出てまいり
ます。そういうようなことの調整するところが、管理のところをもう一歩ちょっと違ったと
ころでのセクションで、そういった調整が必要になってくるのかなと思ったものでちょっと
申し上げたわけでございます。いまおっしゃられることについては、先ほど冒頭、答弁した
ような形の中で現在、推移しているし、これから先々についてまた必要があれば、またいろ
いろと論議していかなくてはならないと思っております。
◇39番(井上健太郎君) この論議の中で、結局、市側の方で十分体制ができていない、
そういうことであるならば、思い切って振興局に丸投げではないですけれども、どうにでも
考えてやりなさいよということができるのかどうかということを私は伺いたかったわけなの
です。もしそういうことになったならば、今言った振興局の協議会を含めて、利南の運動公
園の10分の1くらいの予算でも十分これらを復活させることは可能かなと。そういったも
のが振興局独自で、これは発想を展開して、立案をして、そして実行に移せるのかなと。そ
れができるのですかと。ここがいちばん聞きたかったわけです。お伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど言うように管理形態いろいろありますけれども、ご提言と
して受け止めさせていただきたいと思います。いずれにしても、この利活用については、非
常に対応の方法によっては、大変いい展開に発展していくというふうに思っておりまして、
先ほど申し上げましたように体育振興、すなわちそれは健康振興につながるということで、
教育長も、私も、心を一つにしてその辺のことについては取り組んでいくつもりでおります
ので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇39番(井上健太郎君) 私の今回の質問の聞かんとするところはほとんどお伺いできま
した。要するに、これらの問題について、本当にはっきりと言える状況にはないと思います。
いまの状況ではね。ぜひ市長の、先ほど申されましたように検討委員会というのですかね、
そういったものを立ち上げて、本当に市のスポーツ振興というのですか、そういったものが
図れるように、これから検討していっていただきたいということを要望いたしまして、私の
質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、井之川博幸議員。25番。
                          〔25番 井之川博幸君登壇〕
◇25番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 最初に、入札における不正や談合の防止についてお伺いいたします。
 福島、和歌山での知事らの逮捕に続いて、宮崎でも知事のかかわる談合疑惑に捜査の手が
伸びております。今日の報道では、「今日、逮捕」というようなことも流されております。
全国で47人しかいない知事のうち、3人が同じ時期に談合問題で追求されるという異常事
態であります。知事以外でも、この1カ月余りのマスコミ報道だけで、成田市長が収賄で逮
捕、福井県、埼玉県、奈良市は、談合で業者が逮捕、八王子市では、東京地裁が11社を談
合認定、江戸川区では、係長が逮捕・起訴。県内でも、太田市課長補佐らが逮捕されるとい
う、まさに談合・贈収賄列島といわれるような状況であります。
 奈良市長は、随意契約業者から賄賂を受け取ったとして逮捕、他の事件は、指名競争入札
制度の中で、自治体幹部や職員が特定の業者に落札されるよう便宜を図ることや、業者同士
が談合して落札業者を決めるなどの不正が行われていました。贈収賄に使われるお金は、工
事代金から回っていること、談合で落札価格が引き上げられていること、いずれも住民の税
金であり、被害者は住民であります。全国市民オンブズマン連絡会議の事務局長は、「長野
や宮城では、落札率が70%台まで下がっているが、ほとんどの自治体で落札率の平均が9
0%を超えている。自由競争では考えにくい数字だ。談合はなくなっていない。談合は犯罪
と言うことをよく理解すべきだ。徹底した入札改革が求められている」と語っています。
 太田市では、総務部長が「指名業者の選定は、前から問題点が指摘されていた。どの業者
も入札に参加できる一般競争入札にする以外に、再発防止策は図れない」と話し、一般競争
入札を導入し、12月から適用すると報道されています。利根沼田でも、10年以上前に、
公正取引委員会が摘発した「談合事件」がありました。本市におきましても、入札制度検討
委員会等において検討され、全国的に共通している平成13年4月1日に施行された「公共
工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の基本に沿って、「透明性の確保」「公
正な競争の促進」「適正な施行の確保」「不正行為の排除の徹底」等を柱として入札制度を
実施していると承知しておりますが、現在の全国の状況を考えると、一層の改善が必要では
ないかと思われます。
 そこで、公平・公正で正当な競争力のはたらく入札制度についてお伺いいたします。まず、
入札における不正や談合の防止についての施策はどのようにとられているかお伺いします。
 続いて、平成17年度及び18年度の現在までの平均落札率について教えていただきたい
と思います。入札における不正・談合事件は、あとをたたないわけでありますが、全国では、
本気で改善に取り組んでいる先進自治体が生まれております。本市でも、このあと取り組ん
でいる内容についてご答弁があろうかと思いますが、いくつかの点についてお伺いしたいと
思います。
 まず、現場説明会の廃止と設計図書の貸与について。また、直接工事費の事前公表につい
て、さらに、最低制限価格の割合の公表について伺います。
 続いて、先ほども申し上げましたが、太田市では、12月から予定価格と最低制限価格を
公表する条件付き一般競争入札を適用すると報道されていますが、本市では、現在、試行的
に、制限付き一般競争入札を行っているところでありますが、来年度における一般競争入札
や電子入札はどのようになるのかお伺いいたします。
 次に、にぎわいのある中心市街地の再生について、人が住み続けられるまちづくりについ
てお伺いいたします。本市が進めている「中心市街地まちづくり事業」は、基盤整備として、
土地区画整理事業を選択し、平成10年4月に、都市計画決定、11月に、中心市街地活性
化法に基づく「基本計画」を国に提出し、12月に「土地区画整理事業」の決定告知を行い
ました。当初計画では、平成24年度に事業完了の予定でしたが、そのためには、平成15
年度に「仮換地の指定」が終了している計画でした。今年度には、8街区の一部で事業実施
に至っておりますが、事業実施のための先行買収で、店舗の廃業取り壊し、この事業をきっ
かけとした住民の転出などで空き地が増え、居住人口も相当減っていると思われます。商業
をめぐる情勢も、大型店規制法から大型店立地法に規制緩和され、郊外超大型店がほぼ自由
に進出でき、中小商店及び商店街に大きな影響を与えてきました。
 このような状況を踏まえて、中心市街地まちづくり事業計画内の事業実施前の平成9年度
の居住人口と現在の居住人口について、まずお伺いいたします。
 中心市街地は、住民が生活するためには便利な地域というのが一般的でしたが、車社会に
対応するため、都市計画によって郊外には新しい道路の建設、既存道路の整備がされ、公共
施設も大きな駐車場を備えなければならないので郊外に整備されることになり、大資本によ
る大型ショッピングセンターも郊外に進出、住宅の開発も地価の安い郊外となれば、中心市
街地が空洞化するのは当然のなりゆきではないでしょうか。いま行われている中心市街地土
地区画整理事業は、道路整備、駐車場整備、公共施設用地確保のハード事業が主要な内容で
あり、本当の意味での活性化は、それらを活用したソフト事業をどのように発展させること
ができるかにかかっているのではないでしょうか。
 平成10年度時点での計画では、事業完了時の目標人口は47%増の840人となってい
ました。その根拠の柱の一つは、公的賃貸住宅の建設というものでした。活性化やぎにわい
を創り出すために一番着実なのは何と言っても居住人口を増やすということです。谷地端第
2市営住宅は大変人気があります。入居希望の待機者もたくさんいます。同レベルのグレー
ドを持った市営住宅を造れば、入居希望者は殺到すると思います。もう一つは、生活関連施
設を充実させることではないでしょうか。事業計画の中にあるものでも、デイサービス施設、
診療所、消費生活センター、保育所などはいますぐにでも必要なものです。住民の声でも、
中ぐらいのコンサートなどができる施設や循環バスターミナルなどが出ています。
 そこで、公共用地として先行買収で確保した土地の中で、比較的広い用地を中心に、事業
進捗を早期に図り、居住の場としての市営住宅の建設と生活関連施設の早期の整備について
お考えをお聞かせ願いたいと思います。
 続いて、消費者、生活者も参加し、提言できる組織の設置についてお伺いいたします。
 消費者とは、中心市街地の商店を主に利用している人たちであり、生活者とは、現在住ん
でいて将来も住み続けようという人たちが中心的に参加し、まちづくりについて提言できる
ような組織の設置が改めて必要なのではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
 続いて、今年度は先ほど述べましたように、8街区で事業実施が進んでいるということで
す。今年度中にどこまで進むのか、また、来年度における中心市街地まちづくり事業の内容
についてお聞かせください。
 次に、利根沼田広域圏事業について、小児科医療対策についてお伺いいたします。事業内
容については、独立法人沼田病院において週2回、午後7時から10時まで、利根沼田医師
会の先生が交代で、小児科救急医療を実施する予定などと聞いておりますが、市民に対する
恩恵はどのようなものなのか、まずお伺いいたします。
 また、広域圏がこの事業に助成するとも聞いておりますが、助成金はどのように行われる
のか、お聞かせ願いたいと思います。
 続いて、他に同様な事業を実施する医療機関についての取り扱いについてでありますが、
小児科医療は産科医療と同様に医師不足の中、医療機関がこれらの医療から撤退し、小数の
医療機関でしか実施されていないという状況です。広域圏がこのような状況を少しでも改善
しようという試みを進めることは、大変すばらしいことであり、地域医療の中で少子化対策、
子育て支援としても大変重要なことです。そこで、他に同様な、いやそれ以上に地域医療の
中で、小児科医療・小児科救急医療に取り組んでいる医療機関に対しては、今後どのように
取り扱っていくのか、広域圏理事長としての市長のお考えをお聞かせ願いまして、私の1回
目の質問といたします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、入札における不正や談合の防止について、公平・公正で正当な競争力のはたらく入
札制度について、入札における不正や談合の防止についての施策はどのようにとられている
のかについてでありますが、平成13年4月に施行された「公共工事の入札及び契約の適正
化の促進に関する法律」の趣旨に基づき、現在まで「透明性の確保」、「公正な競争の促
進」、「適正な施工の確保」、「不正行為の排除の徹底」を基本に置いた入札制度の実施に
努めているところであります。
 具体的な施策といたしましては、予定価格の事前公表、制限付き一般競争入札の試行導入、
入札経過の事後公表、応札業者の事後公表、入札時における積算内訳書提出の義務付け、契
約約款に違約金条項を創設、指名停止措置の強化などの施策を実施しているところでありま
す。
 次に、昨年度及び今年度の現在までの平均落札率についてでありますが、平成17年度実
施の工事につきましては、入札件数が207件、平均落札率は96.40%となっておりま
す。本年度実施済みの工事につきましては、入札件数が137件、平均落札率は95.50
%となっております。
 次に、現場説明会の廃止と設計図書の貸与についてでありますが、現在、現場説明会につ
きましては、談合防止対策の意味も含めまして実施いたしておりません。
 また、設計図書の貸与につきましても、フロッピーディスクによる設計図書の貸与を契約
検査課事務室において行っておりますが、受領期間を数日間のうちとし、業者同士が一堂に
会さないよう措置を講じているところであります。
 次に、直接工事費の事前公表についてでありますが、現在、当市の公共工事の歩掛及び単
価につきましては、そのほとんどが群馬県により公表されている標準歩掛及び単価を使用し
て積算していること、また、予定価格の事前公表を行っていることなどから、現状において
は考えていないところであります。
 次に、最低制限価格の割合の公表についてでありますが、最低制限価格は、適正な施工に
最低限必要と思われる金額を定めるものであります。
 従いまして、個々の工事によって異なり、一定の割合により算出されるものではありませ
ん。
 また、先ほど申し上げましたとおり歩掛及び単価並びに予定価格の事前公表も行っている
ことから、現状では考えておりませんが、今後、十分研究をさせていただきたいと思います。
 次に、来年度における一般競争入札や電子入札はどのようになるのかについてであります
が、制限付き一般競争入札につきましては、本年度より対象を土木工事につきましては5,
000万円以上を3,000万円以上に、建築工事におきましては1億5,000万円以上
を1億円以上に拡大して試行実施してきているところであります。従いまして、試行段階で
あるため来年度におきましても本年度と同様な形で実施していきたいと考えているところで
あります。
 また、電子入札についてでありますが、11月末に市内に本社を有する土木一式工事及び
建築一式工事におけるAランク業者22社に対して、電子入札対応の可否について調査を行
った結果、即時対応可能業者が17社、早急に整備する予定業者が5社という結果でござい
ます。これらを踏まえ、本市におきましては、本年度中に数度の模擬入札を実施し、その結
果にもよりますが、来年度より土木一式工事及び建築一式工事におけるAランク業者対象工
事を実施してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、適正な入札制度の構築と談合防止等の対策が求められている状
況にありますので、透明性の確保、公正な競争の促進、不正行為の排除の徹底を基本に、さ
らに適正化に向けた取り組みを継続して研究してまいりたいと考えております。
 次に、にぎわいのある中心市街地の再生について、人が住み続けられるまちづくりについ
て、中心市街地まちづくり事業計画地内の平成9年度と現在の人口についてでありますが、
平成9年度における上之町、中町、下之町の3町の人口合計は737人、平成18年度にお
きましては、3町の人口合計524人でございまして、平成9年度と比較して213人の減
となっております。なお、事業計画地内人口におきましては、平成10年度では567人、
平成18年度では399人となっており、168人の減となっております。
 次に、居住の場(市営住宅の建設)と生活関連施設の早期の整備についてでありますが、
平成12年度にやさしさ・にぎわいの核の提案、いわゆる行政提案をさせていただきました。
その中でやさしさの核では、居住機能と福祉機能などの生活関連施設、にぎわいの核では、
都市観光の拠点整備を提案いたしましたが、提案後すでに5年以上経過しておりますので、
核施設等について現状との整合性を図りながら、研究しているところでございます。今後は
地元組織である中心市街地活性化の会や市民の意見を聴きながら、研究を重ね、にぎわいの
ある中心市街地を目指してまいりたいと考えております。
 次に、消費者、生活者も参加し、提言できる組織の設置についてでありますが、市民協働
社会を目指している本市におきまして、市民参加によるまちづくりが中心市街地の活性化に
繋がるものと考えております。特に生活関連施設整備につきましては、市民の皆さんが主役
となることが重要なことでありますので、今後は市民参加の方策について研究してまいりた
いと考えております。
 次に、今年度中及び来年度における中心市街地まちづくり事業の内容についてであります
が、今年度は引き続き土地区画整理事業による建物移転を進め、更に商店街振興組合等が主
催するイベント事業等を側面から支援するほか、核施設について中心市街地活性化の会等と
連携を図りながら研究してまいりたいと考えております。来年度におきましては、中心市街
地の活性化に向けた事業展開を図りつつ、土地区画整理事業による建物移転等を進め、中心
市街地まちづくりの事業推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、利根沼田広域圏事業について、小児医療対策について、市民に対する恩恵について
でありますが、現在、沼田利根の夜間小児救急医療につきましては、一病院に集中し、過重
な負担となっていることから、利根沼田広域圏において計画されている「夜間小児初期救急
診療医師派遣事業」を推進することにより、子育て中の親と子どもに対し、安心・安全が図
られ、子育て支援と小児科医療の充実が図られるものと考えております。
 次に、助成金はどのように行われるのかについてでありますが、今回、利根沼田広域圏で
計画しております「夜間小児初期救急診療医師派遣事業」につきましては、県補助金及び利
根沼田広域圏で構成する市町村で分担金をもって運営していくものと承知しております。
 次に、他に同様な事業を実施する医療機関についての取り扱いについてでありますが、本
計画の経緯は、利根沼田の夜間小児救急医療が一病院に集中し、業務が繁忙を極め関係する
医師の疲労緩和対策並びに救急患者がより迅速に安心して治療を受けられるよう、沼田利根
医師会の発意により、利根沼田広域圏で取り組む事業であり、他の医療機関への助成制度と
は異なるものと考えております。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇25番(井之川博幸君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいと
思います。
 まず、入札制度の関係でありますけれども、昨年度の平均落札率、今年度途中までの平均
落札率をお伺いをいたしました。それで、その以前に一般質問したときに、平成12年から
16年度の間の5年間の平均落札率が95.99%であるということは承知をしております。
17年度、96.40、18年度が、いままで95.5%ということであります。全国オン
ブズマンは言っております。90%以上はちょっと異常だと。95%を超えれば、もう完全
に談合があると、こういうふうに言っているわけでありますけれども、その点について、こ
の数字を見て、市長はどのようにお考えになりますか。
◇市長(星野已喜雄君) これらの関係については、大変私ども慎重に取り扱わなければな
らない問題であろうかと思っております。ただあくまでも、指名業者、あるいは制限付き一
般競争入札ですか、そういった業者の方々が、それぞれのお立場で競争して出てきた結果で
ございますので、これが高い、低いかということになりますると、なかなかコメントを出し
ずらい立場にございます。従いまして、昨年より今年の方が下がっているというこれらを見
てみますと、いろいろな意味で業者間でも努力がされているのかなというふうに思っており
ます。
◇25番(井之川博幸君) 以前にお聞きした16年度は92.74%なのですね。ですか
ら、16年度は下がったのですけれども、また17年、18年と上がっているわけですね、
それに比べて。業者が共通して努力している。形上は、競争入札ですから、指名にしても、
一般にしても、競争入札ですから、競争をしたという形になるわけですけれども、その談合
しているか、していないかというのは見えないですね。結果として、入札改革をして、どう
しても談合ができないような仕組みにしたところでは、70%台の平均落札率になっている
と。これは事実でありまして、そういうことを考えますと、あるとは言いませんけれども、
あるのではないかという心配はあるわけであります。今日の上毛新聞で報道されております
けれども、談合の疑い、県が入札中止ということで、その工事費の内訳書に同一金額が記載
されているので、これは談合の心配があるということで中止をしたと。やり直しをするわけ
なのですけれども、心配があるということでやはりきちんと押えていかないとこういう問題
は解決しないのではないかと思います。ですから勿論、前のように、利根沼田の業者から内
部告発があって、公取が入って、事実として確認をされたということもありましたけれども、
落札率を考えますと、何としても談合しないで正当な競争をしていただいて、全国平均的な
落札率にしていくというふうなことをしなければならないというふうに思いますけれども、
その点ではどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり本市といたしましても、これらの問題については
できるだけ入札におけるいろいろな不正が働かないような形のことを作り上げるべく努力を
してきている経過がございます。従いまして、ご提言の趣旨を踏まえて、今後もこれらに対
しては厳重なつもりで対策を講じていかなければならないと思っております。
◇25番(井之川博幸君) いままでの沼田市の改善によって、予定価格の公表等を考えま
すと、職員が絡んだ不正というのは、もうほとんどできない状態かなという感じがいたしま
す。しかし、業者同士の談合というのはわからないわけですね。ですから、そこのところは
わからないのですけれども、できないような仕組みにしていくということが大事でありまし
て、そういう努力をしていただく。現場説明会の、先の答弁ではもう廃止をしているという
ことでありますから業者が顔を会わせることもないでしょう。その点では、先進の自治体に
一歩、二歩近づいているのかなというような感じがいたします。直接工事費の事前公表とか、
最低制限価格の割合、事業はこれみな違うからと言っていましたけれども、事業ごとにとい
う意味ですよね。事業ごとに最低制限価格の割合を事後公表するわけなのですけれども、そ
ういうことをやっている自治体もございます。座間市の例を見ますと、改善をする前は94
%台の平均落札率でありましたけれども、この改善をした後のこの8年間は、平均して84
%まで下がっているというふうに紹介がされた文書がございます。先日の朝日新聞では、今
回の各県の制度が全部出ておりまして、前から言っておりますように、お隣の長野県、それ
から全工事一般競争入札、それから宮城県は1,000万円以上の工事を一般競争入札にし
たと。これで70%台の平均落札率になっています。一般競争入札を導入しているけれども、
鹿児島のように10億円以上だけを一般競争入札をしているところは、まだ平均落札率は9
5%というふうに、朝日新聞の調査で出ておりました。ですから、そういう点でいくと、で
きるだけの努力をしてきたと。できるだけではだめなのですね。絶対にそういうふうにでき
ないような方式があるわけですから、そこまでやっぱり努力をしていただかないとだめなの
ではないかと思います。結局、本年度と同じようなやり方で、来年度も一般競争入札、まだ
試行の段階だということで、金額は下げているのですけれども、まだ試行の段階でやってい
ると。太田市はそういう事件が起きまして、不正が起きまして、先ほど申し上げましたよう
に130万円以下の小工事以外はすべて条件付き一般競争入札にするという報道がされてお
ります。そういう点で、沼田市の平均落札率をずっと見てきて、95%を下回ったのが平成
16年度だけなのですね。そういう点考えて、これはどうしても全工事、一般競争入札、制
限付きになりますけれども、一般競争入札にしていただかないと落札率は一般的に下がらな
いというふうに思うわけなのですが、その点では、市長はどのような所見を持っております
か。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思っております。
 ご案内のとおり、今年の4月に制限付き一般競争入札試行実施要綱の一部を改正をいたし
まして、土木工事を5,000万から3,000万に変更し、建築工事を1億5,000万
から1億円に変更してきたところでございます。おっしゃられることについては、内外等の
調査をする中で、今後、必要があればまたそういったことを視野に入れながら考えていく必
要があるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、本市といたしましても、これらに対するところの対応を一生懸
命努めているところでございますけれども、できるだけそういったご意見を対しながら、不
正なことが起こらないように努力をしていかなくてはならないと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 一般競争入札の工事価格を下げたということは、対象工事が増
えるということなのでありますけれども、試行的に始めたところで、対象になった下沼田町
の老人福祉センターの改築ですね、いまふれあい福祉センターと言いますけれども。これは
対象になったのですけれども、一般競争入札をしなかったのですね。指名競争入札でやられ
ているのです。これは前にも指摘しましたけれども、市長に対して業者からの働きかけがあ
ったのではないかと聞いたのですけれども。市長は否定したわけですが、結局決めても、本
当に談合のできない仕組みにしようという、そういう強い決意でやらないと、仕組みを変え
ればいいわけですから、それができるはずなのですね。だけどそれを決めても試行的にやっ
ているとなれば、都合によってそういうふうに指名競争入札にされてしまうという点もある
わけですね。それは非常に我々からみれば不信感を持つわけですよ。ちゃんと決めたのに決
めたとおりやらないわけですから。結局、そういうことが、不信感を本当に持たない制度と
いうことになりますと、全部一般競争入札にする必要があるのですね。ですから本当に、そ
ういうふうにするのだというようなことで進めなければ、試行しているのに何の意味もない。
ずーっと試行で行ってしまえば、いつになったらできるのかと、こういうことになるわけで
すよ。試行的にですから、年間、昨年度が2件ですか、両方とも96%と97%の落札率で
すよね。業者は、指名競争入札の平均は5、6業者ですけれども、15業者くらいが応札し
ているわけですけれども。どうも本当に正確な競争原理が働いたのかなと疑わしいやはり落
札率なのですね。
 ですから、そこのところは少ない数であれば、業者がみんな顔見知りなのですから、さき
言ったように現説をやめたと。いろいろやめても、利根沼田地域に制限をかければみな顔見
知りで、市内にかければもっと顔見知りで、業者間の長年の付き合いもあるわけですから、
そういう土壌はあるわけですね。前にも事件を起こしてますし。ですから何としても制度と
して談合ができないというふうにしていくには、太田市の言っているように全部一般競争入
札にしていかなければならないというふうに思うわけですけれども。最後に、時間的なもの
があれば披瀝していただきたいし、本格的にやるのは気持ちがあるのかどうか。そういう点
をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私の手持ちの資料によると、平成17年度は制限付き一般競争入
札が2本、平成18年度が7本になっているわけでございます。現時点でありますけれども。
そういったことで、試行とは言いながらもですね、徐々に定着をさせてきているという流れ
もございます。同時にこれらについて、内外等の調査もしながら、やはりしっかりとした対
応が必要であろうかと思っておりますので、当然、今後とも厳重な対応ができるようにいわ
ゆる努力をしていかなければならないと思っております。
◇25番(井之川博幸君) いまのところの状況はお話をしていただいたのでありますけれ
ども、本格的導入はいつにするかというような問題については触れてもらいませんでした。
もう1回聞きたいと思います。試行的にやっていて、今年度は今まで7本してきたというこ
とはわかりました。本格的にはいつやる気なのかということを教えてもらいたいというふう
に思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後1時58分休憩
─────────────────────────────
午後2時08分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思っております。
 先ほどから、宮城、長野等の事例が出されておりますが、私どもが受け止めているところ
では、この宮城、長野とも制限付き一般競争入札ではないかと思っております。なお、太田
の関係につきましても、条件付き一般競争入札ということから推察すると、これも制限付き
一般競争入札ではないかと思っております。本市といたしますると、入札制度検討委員会が
ございます。先ほど申し上げましたとおり、徐々に、徐々に対象金額を拡大していくことに
よって制限付き一般競争入札が拡大の方向になっていると思います。いずれにいたしまして
も、そこのところは入札制度検討委員会でいろいろとご論議をいただくこととなろうかと思
っておりまするし、また、制限付き一般競争入札が、今後、徐々に、徐々に拡大になってい
くというふうな考え方を持っております。
◇25番(井之川博幸君) 最初にありましたできるだけ努力をしていると、こういうこと
なのだと思いますけれども、地方自治法や会計法の規定では、契約というのはもともと一般
競争入札が原則なのですね。何か特別な事情があるときに随意契約とか指名競争入札ができ
るというふうになっているのが法律です。ですから普通はそうなのですけれども、全国的に、
先ほど言いましたけれども、談合贈収賄列島と言われるくらいですから、指名競争入札が主
流を締めてきているわけです。しかし、昨今の情勢の中で、財政的にも非常に競争入札で正
当な競争が行われれば落札率が下がって自治体も潤うと。住民がそれだけ潤うわけでありま
して、例えば本市でいきますと、年間約25億から30億円くらいの普通建設事業費をやっ
ておりますけれども、国、県の補助を引いても30億とすれば3億で、それから国、県の補
助金を引いても、2億円くらいは10%下がるだけで財政的に潤うと。それだけ住民として
は損をしなくて済むということになるわけです。ですから、どうしても、これは住民の代表
としましても、早期に正当な競争が行われるような制度にしてもらいたいというふうに思う
わけです。なかなか市長がそういうことで、委員会の方でやっているということであります
から、委員会の代表は助役だと思います。いまのところ3,000万、建築では1億という
ところが下げてきたということでありますけれども、まだ137件のうちの7件が、まだ今
年度でも制限付きの一般競争入札、こういうことであります。入札の体制のほとんどが制限
付き一般競争入札になるというのはいつ頃だというふうに目標を持っているのか、想定して
いるのか、その辺を、委員会でやっているとすれば委員長にお伺いしたいというふうに思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 入札制度検討委員会の責任ある立場に助役がおりますので、助役
の方から答弁をいたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 助役。
◇助役(林 義夫君) 命によりお答え申し上げます。
 ご発言にありましたように、入札制度検討委員会におきましては、私を委員長といたしま
して、振興局長はじめ関係する部課長で組織しているわけでありますけれども、ご発言にあ
りましたように、太田市の例等もこれから注視していきながら、厳格な中にも柔軟な対応を
とっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 なお、その時期につきましては、今後さらに検討をしていきたいということでご理解いた
だきたいと思います。
 以上です。
◇25番(井之川博幸君) できるだけ早い時期に、住民の代表としてはお願いしたいとい
うふうに思いますが、できるだけ早い時期にやるということで、もう一度やるかどうかとい
うことでご答弁をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど触れましたけれども、結局、ふれあい福祉センターの入札を、当時では、
制限付一般競争入札施行の中でやる金額がありましたけれども、それをやらなかったと。指
名競争入札でやろうと決めたのはどなたなのでしょうか。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時15分休憩
─────────────────────────────
午後2時15分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 指名選定委員会が決めているということでご理解をいただきたい
と思います。
◇25番(井之川博幸君) 指名選定委員会の責任者はどなたですか。
◇市長(星野已喜雄君) 助役です。
◇25番(井之川博幸君) それではお伺いいたしますが、試行的にやる。制限付き一般競
争入札の金額以上だったわけですけれども、なぜ指名競争入札になったのか教えてもらいた
いと思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時16分休憩
─────────────────────────────
午後2時23分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) それでは、助役に答弁いたさせます。
◇助役(林 義夫君) 貴重な時間をいただきましてありがとうございます。当時のAクラ
ス建築業者数は市内で9社でございます。金額的に、制限付き一般競争入札で実施いたしま
しても、対象となる業者数も、同業者となる9業者でございまして、公告手続き等の事務の
簡略化を含め、選定委員会において決定したものでございます。
 以上です。
◇25番(井之川博幸君) いまのご答弁を聞きますと、沼田市の基本的な考え方はここに
も出ているなと思うのですね。要するに、制限付きの一般競争入札をすれば、制限というの
は地域は沼田市内に限るとか、あとは指名競争入札は、もちろん沼田市の業者を指名する。
要するに、思い切って企業が運営を改善して、より一層立派な会社になっていくために、新
しい企業の参加を認めるとか、そういうことは全く考えていないということなのでしょうか。
◇助役(林 義夫君) ご発言につきましては、今後の検討の資料にさせていただきたいと
思います。
◇25番(井之川博幸君) 時間の都合もありますので、この問題はこの辺でやめておきた
いと思いますが、住民の立場からいいますと、全国で起きているいろいろな問題を考えまし
て、本市でもやはり正当な競争で落札率が下がって、市で言えば財政的に住民の税金が有効
に、もっともっと有効に使われるようにしてほしいと。それは、市の方は、制度の改善で応
えてほしいということでお願いをしたわけでございます。そういう点で、ぜひ平均落札率が
下がって、財政が有効に使われるように、市民の税金が有効に使われるようにということで
お願いをしたいわけでありますけれども、最後に、そういう点で市長のお考えをお聞きした
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたりましては、入札制度検討委員会でご論議をいただく
ことになるわけでございますけれども、議員がご指摘のとおり、公正な競争によって、そし
て物事がいろいろとご決定されていくということの流れについては、当然、厳粛に処してい
かなくてはなりません。従いまして、この問題については、厳重に取り扱っていくというこ
とと同時に、大変重要な問題でございますので、今後重く受け止めて対応を図ってまいりた
いというふうに思っております。
◇25番(井之川博幸君) 中心市街地の問題に移りますが、これは数字で表した、いまの
現状を見ればだれもが状況はわかっているわけでありまして、事務所に出ている職員も頑張
っているということは承知をしております。しかし、社会情勢とか、そういう状況が非常に
マイナスの面で作用している時代になりまして、大変な思いをしているわけです。こういう
ところで私がいろいろ聞きましたけれども、基本的には、街区別にやっていくということが
できるようになったわけですから、空き地が広い所、公共施設用の用地が広く確保されてい
るようなところを、市が積極的に、率先的にその地域の事業を推進をして、にぎわいとか活
性化につながるような、そういう施策を先行してできないかということなのです。ただ順番
に、街区別にできるといっても、順番にやっているということになれば、もう本当に何年か
かるかわからないという状態で、中心市街地の方たちも、自分たちが区画整理、全員が賛成
して、仮換地が終わって全部土地が整備できないと、公共施設だとかそういうものが整備さ
れないのではないかということになりますと、もう本当に、自分が生きているうちにできる
のだろうかという人もたくさんいるわけですね。そういう点で、市として、事業の中にいろ
いろな事業を考えているわけですから、街区別にできるということで、そういうところを率
先的に進めることができないかという提案なのです。その点についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 当然、居住者、また営業者がそこにおりますので、それらの方々
とよく打ち合わせ、あるいは綿密な調整をしながら対応を図らなくてはなりません。そうい
った中で、議員がご指摘されているのは、上之町、あるいはまた中町等のにぎわいの核等に
ついて、早くにそこを先行させたらどうかということのご発言であろうと受け止めています。
これらについても、実は内部でもいろいろと論議をしております。特に、上之町の関係等に
ついても、いろいろな論議がなされておりまして、ご提案の関係等についてはしっかりと受
け止めて、いわゆる拠点の関係についての先行的なことの重要性を訴えられている議員のご
発言を受けながら、こちら側の方でもそれらについてのいわゆる努力をしていきたいという
ふうに考えております。
◇25番(井之川博幸君) 市長の答弁のように進めていただきたいと思いますが、具体的
に言えば、市長に言ったこともあるのですけれども、別に上之町ににぎわいの核を作るとい
うことは計画で決めてきたわけですけれども、それが変わってもいいじゃないかというふう
に思うのですね。そこにやさしさの核が先にできるとか、そういう場所が変わるとか、そう
いうことがあってもいいと思うし、例えば観光施設というようなことも、都市観光がありま
すけれども、沼田市でいまいちばん私は待望されているのは、やはり歴史資料館だと思うの
ですね。それは観光にいいということではなくて、沼田市のいろいろな歴史的な書物だとか、
文化財がきちんと保管をして公開されるような、そういう施設がないわけですね。これは、
こんなことを言っていいかわからないのですけれども、沼田の台地の上で生まれ育った人間
は、特別そういう強い面もあると思うのですよ。お城の問題もあると思いますけれども。そ
ういう非常に城下町の中で生まれ育った人間にとっては、かなりそういう期待と言いますか、
自分たちの生きてきた歴史の同じ場所の記録がきちんと保管され、公開されるというような
施設を非常に待望しておりまして、そういう点ではそのような歴史資料館みたいなのが中心
市街地にできたとしても、誰一人反対する人間はいないのではないかなという感じも持って
おります。ですから、いままでの計画の中にはありませんけれども、そういうことも視野に
入れて、いまの空き地になっているところに整備をしていくというようなことでの、一つの
考えとしてあるのではないかというふうに思っております。これは非常に個人的な考え方で
ありますので、先ほどの点と合わせて、最後に要望としておきたいと思います。平成24年
で事業完了という目標で始まった事業でありますけれども、本当にいつになったら終わるの
かわからないと。人口もどんどん減っている、店舗も減っている、こういう状況は誰もが改
善しなくてはならないというふうに思っていると思いますので、市としてできるところから
多いに進めていただきたいというふうに思います。
 それでは、小児科救急医療等に入りますけれども、一病院が過剰な負担をしているという
ことで、実際は、もう小児科医療、小児科救急というのは不採算部門なんですね。ですから、
地域医療の中で一病院で努力してまいりましたけれども、これはもう大変だということで、
そこから医師会に提案があったのですね。それで現在に至っているわけなのですけれども、
週2回、7時から10時、小児科一次救急をやるということでありますけれども、残りの日、
残りの時間はすべてまだその一病院が担うわけでありまして、大半はその医療機関が担って
いくということでありますから、そういう行政として、子育て支援として重要課題としてと
らえていれば、そういうやっている病院と連携をとりながら一層充実させていくということ
が大事だと思うのですけれども。そういう点ではどういうお考えをお持ちでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内の通り、本沼田のみならず、この問題は利根沼田全体の問
題でありまして、言うなればご案内の通り片品村の仮に戸倉であるとか、あるいはまた新治
村の、猿ヶ京の奥の永井という集落がありますが、そういうようなところがあると。一朝有
事のときに非常に拠点病院のところまで時間がかかるというようなことと同時に、一病院に
そういった小児救急医療が非常に多くなって、大変一病院が、言うなれば物理的に大変困っ
たということがございました。この間におけるご労苦は大変だったと思いますけれども、そ
れらを受けて医師会が、先ほど言うようにいわゆる行政法人沼田病院の関係等のことを捉ま
えながら、夜間小児初期救急医療医師派遣事業を推進するということの流れに今なっている
わけでございます。従いまして、小児医療というのは大変大切なことでございますので、今
後、これらをしっかりと受け止めて、遺憾なきよう対応していかなければならないと思って
おります。
◇25番(井之川博幸君) 市長の今述べられたことは事業の内容でしたね。じゃあその事
業をやるにつきましては、独立行政法人の沼田病院が協力するというようなことで、場所は
そこに決まったというふうに思います。広域圏の事業として取り組むということですから、
広域圏がお金を出すわけですね。ですから、広域圏の事業として取り組むということは、先
ほど答弁にありましたように、住民に対して子育て支援、それから小児科救急医療、一病院
だけではなかなか対応できないのを広げていくということで、住民に対して非常にすばらし
い事業のわけですね。しかしそれは週2回のたった3時間、3時間なのですね。あとは、い
ままで一病院は不採算部門だけれども、住民のために、行政から言われなくてもやってきた
わけですね。だからそういうところとも連携を取りながら一層充実させていくということが
住民のためになるのだと思うのですよ。違うんですか、市長。
◇市長(星野已喜雄君) まずですね、議員は非常にこういった問題に造詣が深いので、大
変先を非常に分析されたご質問になっておりますけれども、ご案内の通り、この事業をいま
広域の中でいろいろと調整経過の中にございます。医師会からのご要請に応じてこれらを進
めるべく動きになっているということでございます。従いまして、いろいろとそういった先
々の関係についてまで、市長も実はいろいろと認識が薄い感は否めません。従いまして、ご
提案の趣旨は民生部長が承った形の中で、民生部長も承っておりますので、それらを受けて、
今後、どういうふうな対応が図れるかということは、やはり今後の研究課題になってくるの
ではないかと思っております。広域圏の理事会では、医師会の意向を受けて、そして本事業
を何とか、立ち上げていこうということで一生懸命努力をしているところであるというよう
なことでご理解をいただきたいと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 市長のご答弁の内容も状況として勿論理解できますが、広域圏
の事業として取り組むというふうにご答弁がされております。それでそこに来たというのは
わかるのですが、結局、このすばらしい事業を始めるにあたった元は、やはりその一病院で
過剰な負担になっていると。そこで医師会の中で、その病院からの提案がありまして、高崎
も前橋もそういうことをやっているわけですね、医師会として。渋川も始めるということで、
利根沼田だけじゃないか、残ったのが、という提案があって、じゃあ利根沼田も一生懸命取
り組もうということになったわけですから、やはりそういう提案をしているのですね、一病
院としては。だからこういう住民のために非常になる、少子化対策に大変いい事業として勿
論広域圏がお金を出すということですから、財政負担は大変なものがあるのですけれども、
こういうことになったやはり大元にも、いままで苦労してきた地域医療の中でどうしても住
民のために頑張ろうとやってきた一病院の意向が反映しているわけですね。ですからそうい
うところと連携をとりながら、もっと、もっと相談しながら、こういう少子化対策、小児科
医療、今後は産科医療などもそうですけれども、そういう問題に対応していくということに
なるのではないかと思うのです。そういうような相談とか、連携をとるとか、そういうこと
も考えないでしょうかね。非常に答弁がわかりにくいのですけれども、そういうことをちゃ
んと連携をとったり、相談したらどうですかと私は聞いているのですけれども。それもでき
ないということなのでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いままで一病院が大変努力をされてきたということは私もよく承
知をしております。また現実にそういうことも承っておりましたし、更に、医師会の方から
も、一病院の活躍にも限界があるのだというようなことで、本事業は立ち上がってきている
という流れがございます。従いまして、そういったいま頑張ってきた病院に対してとの連携
とかということについては、一切考えないのかなということになりますと、これは当然、一
番根っこのところでそういった形がきた経過がございますので、いろいろとこれは勉強させ
ていただかなければならないのではないかと思っております。ただ一応、繰り返し申し上げ
ますが、いまそういうようなことを立ち上げる一つの経過の前段にありますので、どうして
もその辺のことについては、広域圏の各理事の方々もおりまするし、そういうようなことか
ら、いろいろなところに目配りを、あるいはまたご協議をさせてもらって、そして対応方を
図っていかなければならないと思っております。
◇25番(井之川博幸君) 最後に、広域圏の理事長として星野市長にお伺いいたしますが、
そういう努力してきた一病院が、こういう事業をきっかけにいろいろ広域圏にも相談をした
いと言った場合には、相談を受けていただきたいと思うのですけれども、最後にその点を確
認して終わりたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応、形とすると、医師会との関係からこの問題が立ち上がって
きた経過がございます。従いまして、医師会のことがやはりそこのところは重きをなさなけ
ればならないのではないかと思っております。しかしながら、いままでの経過等があります
ので、その辺のことについては、やはり配慮をしながら、医師会のところは、今回のことに
ついては窓口としてありますので、その辺のところはひとつご理解を賜りたいと思います。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、高柳勝巳議員。12番。
 〔12番 高柳勝巳君登壇〕
◇12番(高柳勝巳君) 通告によりまして一般質問をいたします。今回の私の質問内容は、
「子供達が安心して未来や将来を語れる学校、家庭、地域づくりに向けて」と題しまして、
現在深刻な「社会問題」となっているいじめ問題について、さらには、昨年質問をさせてい
ただきましたが、児童の登下校時の安全対策について伺いたいと思います。
 北海道滝川市及び福岡県筑前町の事件のように、いじめが原因と見られる児童生徒の自殺
の問題が最近相次いで報告され、連日マスコミ等でも大きく取り上げられているのは周知の
通りであります。
 こうした事態を重く見て、文部科学省は、去る10月19日に都道府県・指定都市生徒指
導担当課長緊急連絡会議を開催したと伝えられています。 
 同会議の場では、北海道滝川市及び福岡県筑前町の現地調査の報告を行うとともに、同日
付で発出した通知「いじめの問題への取組の徹底について」の趣旨を説明し、いじめへの取
り組みに関する総点検を行うよう、各都道府県・指定都市の生徒指導担当課長等に対し指導
しました。更に、このような状況を踏まえ、子どもと大人社会一般に対して「文部科学大臣
からのお願い」も同省ホームページ等を通じ、発表されたところです。
 残念なのは、こうした対応を強化している最中にあって、文部科学省自身のタウンミーテ
ィングでのいわゆる「やらせ」問題や未履修教科問題、更にはいじめ件数の把握の問題も同
時に浮上し、教育に携わっている機関や制度に対する信頼も大きく揺らいでいることであり
ます。
 いじめ、不登校、引きこもり、学級崩壊、更には、家庭での虐待等、子供をめぐる、不幸
な事象の原因は、様々な要素が複雑に絡み合って蓄積された「20世紀型スタイルの歪み」
と考えられます。
 従って、どこから紐解いていけば、有効な手段となり得るのか、一刀両断という訳には、
なかなかいかないでしょうけれど、20世紀のモノの恩恵に授った主役世代である私たち自
身の責任問題として、この重大な課題に立ち向かわなければならないと考えております。
 結果として、「社会問題化」してしまっているわけですから、事の責任や問題解決が、教
育委員会や学校現場のみにあるとも捉えておりませんが、その原因や事件の多くは、学校で
起きているのも事実であります。解決の糸口の多くも潜在、顕在を問わず、そこにあると確
信しています。
 そこでまず、本市でのいじめの実態把握の方法と対応についてお聞かせ下さい。更にはこ
うした状況を、生み出してしまった根本的な原因を教育長はどこにあると考えておられるの
かを伺いたいと思います。
 最後に、文字通り、子供達が安心して未来や将来を語れる学校、家庭、地域づくりという
視点での、現在の課題と今後の方向性についてお聞かせ下さい。
 二つめの質問は、児童の登下校時の安全対策についてであります。
 昨年の12月1日に栃木県で当時7歳の少女が誘拐され殺害されるという痛ましい事件は、
1年たった今でも未解決のままとなっております。
 広島での事件と合わせ、児童の下校時での凄惨な事件は、世間を震撼させるとともに、
「安全確保策」を根本から問われる大きな問題となりました。
 本市でも、こうしたことを教訓に、学校や家庭、地域と連携した取り組みが活発になり、
自主防犯パトロール等の組織の結成も数多くされたと認識しております。
 昨年も、お尋ねした質問ですが、地域での活動も一定の期間が経過し、活動を通じての成
果と課題も見えてきているのではないか。また、年末を迎え、それぞれが忙しくなる中で、
今一度、関係者一同が、気を引き締めるという意味からも、通告させていただきました。
 現在における当市での児童の登下校時の安全対策や確保策、そして課題と方向性について
お聞かせ下さい。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 子ども達が安心して未来や将来を語れる学校、家庭、地域づくりに向けて、いじめ問題に
ついて、いじめの実態把握の方法と対応についてでありますが、過日の小林議員のご質問に
お答えした通りでありますが、今回の調査につきましては、群馬県教育委員会から各市町村
に依頼のあったものであり、今年の4月から11月7日までの間の実態について調査したも
のであります。調査の方法は、アンケート調査や面談、教員による日常の観察、あるいは、
保護者からの訴えなどによるものなどの中から、各学校が実態に応じて選択して実施いたし
ました。これまでも、各年度ごとに、文部科学省の定める「いじめの定義」に基づいて調査
をしてまいりましたが、今回の調査は、その定義に限定せず、教員がいじめと認識したもの
のすべてを報告するように指示をしたものであります。
 今後の対応については、現在も指導を継続していると報告のあった18件について、当該
校に指導主事を派遣し、現在の状況や解消を困難にしている実態等について協議を行い、い
じめの解消に向けて、教育委員会としてでき得る限りの支援を進めていきたいと考えており
ます。
 次に、根本的な原因の考究についてでありますが、「人が集団でいる限りいじめはなくな
らない」という説もあるなど、その原因は複雑多岐に渡っており、一言で言い表すことは難
しいことでありますが、強いて挙げるならば、少子化による異年齢集団での遊び体験の喪失
や仲間集団での精神的なぶつかり合いの希薄さ、相互のコミュニケーション力の低下、ある
いは、人権意識の希薄化などがあるかと思われます。また、外的な抑圧に耐える力、いわゆ
る忍耐力や、子どもたちが自分たちの問題は自分たちで解決しようとする問題解決力などが
低下してきているとも考えられます。
 次に、現在の課題と今後の方向についてでありますが、これまで取り組んでまいりました、
「いじめは、どの学校にも、どのクラスにも、どの子にも起こり得る」という認識と危機感
とを持って、「いじめられている子どもは学校が徹底して守り通す」という毅然とした態度
を子どもたちに示すとともに、いじめる側の子どもの心のケアにも力を注ぎながら、いじめ
の早期発見・早期対応に努めていきたいと考えております。また、「いじめは人間として絶
対に許されない行為である」という規範意識や人権意識を育てる教育や道徳教育を中心とし
た心の教育に力を入れるとともに、家庭・学校・地域及び関係機関との連携を図り、悪質な
いじめに対しては、毅然とした態度をとっていく必要もあるかと考えております。また、学
校での取組みを積極的に公開していくことにより、保護者、地域住民など多くの人々の一層
の理解、協力を得ていきたいと考えております。
 次に、児童の登下校時の安全対策について、現在の児童の登下校時における安全確保策に
ついてでありますが、各学校においては、夏休み以降も、熊の被害防止も含めた登下校時の
安全確保に努めてきており、幸いにも、現在のところ児童の被害はありません。また、2学
期に入ってから寄せられた不審者情報の数は、1学期に比べかなり少ない状況となっている
ことと併せて、特に、自主防犯パトロール隊など、地域の皆さんが日々、地域の子どもたち
のために献身的な活動をしてくださっているお陰でもあると、感謝をしているところであり
ます。
 次に、今後の課題と方向についてでありますが、主な課題としては、一つ目は、「大人が
子どもを守り抜く」という観点から、学校を中心として、家庭、地域等の一層の連携を図る
こと、二つ目は、「子どもが子どもを守り抜く」という視点から、子どもたちの危険予測・
回避能力を身に付けさせるための安全教育の徹底を図ることなどが挙げられます。
 そこで、現在、昨年の12月議会における高柳議員の「児童・生徒の安全確保策につい
て」の一般質問の中で、種々示唆に富むご指摘をいただいたことをもとに、各学校での取り
組みを集約し、沼田市独自の安全対策モデルである「(仮称)セイフティ沼田」として整理
しているところでありますので、今後は、これらを積極的に活用し、児童生徒の安全確保に
努めていきたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇12番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので再質問をさせていただきますが、昨
日も2名の同僚議員からの質問がありましたので、順番を多少変更されることをご容赦いた
だきながら質問に入りたいというふうに思います。
 まず、これが文部科学省ホームページで公表されているものですけれども、10月19日
に指導した中身が載っています。先ほど申し上げた通り4点について、その場で確認をされ
て強化をしたと。それに基づいて先ほど教育長がおっしゃっていた総点検活動になったとい
うふうに認識をしております。まず、総点検の前に、滝川市と筑前町の痛ましい事件のこと
は、ホームページにこれは掲載されておりますので、この場でお話をさせていただいても大
丈夫かなという認識で、若干お話をさせていただきたいというふうに思います。
 この2つは非常に対応が、対比されているなというふうに私は感じました。筑前町の方で
はすぐに対応して、痛ましい事件であったことには変わりはございません。非常に残念なこ
とですけれども、教師の資質とかという問題にもふれながら最悪の事態を招いたという報告
がかかれておりまして、すぐに対応して、筑前町では、11月の28日付けでいじめ緊急対
策担当課長というのを、福岡県教育委員会に置くということをもう決めているわけですね。
一方、北海道の滝川市では、一年間いじめはなかったということをずーっと確認できないと
いうことを言っていて、つい先だって、いじめでしたということで、これも毎日新聞の12
月6日付けで、いじめの取り組みが不足していたということが起きたのですね。片方は、即
座に対応ができて、片方は、1年以上同じような結果になっても遅れてしまったという認識
があるわけなのです。沼田市でも調査をしましたというお話を伺いましたけれども、これだ
け同じ日本の中で最悪の事態が起こっていても、すぐ対応ができたというところ。1年以上、
原因究明にまで時間がかかってしまったということは、どのように教育長見ていらっしゃる
のかお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 対応が遅れたところと早かったところと、なかなか新聞報道、新聞は信頼しておりますけ
れども、新聞報道だけで学校内の、また教育委員会内の、また保護者の動き等々すべて読み
きれませんので、実際、時間がかかったというのは事実があるのでしょうし、早かったとい
うのは、早かったのでしょうし、なかなか憶測で物を言えるほどの軽い問題ではないので、
やっぱり遅いのは遅いなりに事情があったのだろうなあという、私は同情的な一面も見方を
しております。それが正しいということではなくて、若干私たちも内部と言いますか、直接
現場に関わっている人間ですので、そういうところからいくと、それじゃあ滝川の校内の事
情や教職員の事情、すべてマスコミでしゃくりあげて報道してくれているのかなということ
もテレビ等見ながら思っております。ただ基本的には、遅かったというのはよろしくないと
は思っておりますけれども。
 以上であります。
◇12番(高柳勝巳君) なぜ私はこんなことを聞いたのかと申しますと、残念ながら隠ぺ
いの体質、結果的に個人、個人がそこに携わる皆さんの、あるいは被害者、加害者の人権の
ことを踏まえて対応した結果という部分も私は否めないというふうに思いますけれども、も
う一つ大きな要素というのは、今回、先に教育長が答弁されましたけれども、文部科学省の
定義にこだわらず調査をしたらこれだけのいじめと言われる件数が出たわけですよね。それ
で継続中が18件あるということなのです。いじめの定義というのは、昨日も読んでいただ
きましたけれども、3つあって、自分より弱い者に対して一方的に、身体的に、心理的な攻
撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じている者というふうになっている。これはパッ
と読むと一目瞭然ではないかと思いますけれども、自分より弱いか、強いかというのは誰が、
どう判断するかわかりませんし、継続的にというのはどのくらい、2日続けばなのか、一週
間続けばなのかというのもわかりません。するとこれを議論しているうちにいじめは0にし
た方がいいのではないのという神経が働いても、これは不思議ではないわけですね。あれば
ものすごいエネルギーがかかりますね。人の命にかかわる問題ですから、集中するには相当
かかるわけなのです。ですから、文部科学省がわざわざこういう定義を作ってくれたのであ
れば、これに当てはめなければ0でいいのではないのというのが雰囲気としてあったとする
と、これは非常にまだ危険な状態がまだ続くということなのであえて質問したのですが、教
育長のお考えをもう一度お聞かせ願いたいな。利根沼田の方にも、そんなような状態がひょ
っとするとあるのではないかということが、あるのか、ないのか、お聞かせいただければと
思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時00分休憩
─────────────────────────────
午後3時09分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 文部科学省のいじめ調査に関わって、沼田にもひょっとしたらそういう状況があったのか
と。隠忍と言いますか、隠ぺいと言いますか、出したくないと言いますか、基本的には、や
はり失敗やミスは出したくないというのが人間の心理ですから、これが全然なかったという
ことは言えないと思います。ただご指摘の通り、文部科学省のいわゆる基準が、よくよく考
えるときつい言葉を使っているのですが、抽象的な言葉なのですよね。どこまでが深刻かと。
おっしゃるとおり、じゃあどこまでが長期にわたってなのか。どこまでが強い方が弱い方を
いじめているのかということになりますから、そういう中で若干の、例えばボーダーライン
にあれば、そういう場合はどちらかと言えば上にあげるのではなくてカットになりますよね、
心理が働きますから。そういう意味では、沼田市に本当にあったかどうかそれはわかりませ
んけれども、全国同じような傾向でしたから、全国一般、沼田市を含めて若干そういう心理
が働いていただろう。ただ問題を隠して内輪で何とか、なあなあで済まそうということはな
いと思います。それほどのものであれば当然上がってきますから、全国でもずーっと0件で
はないわけでありますから、そんなことかなと思っております。少なくとも悪意を持って出
てこなかったということではないと思います。
◇12番(高柳勝巳君) 悪意があったというふうには私も理解はしておりませんし、教育
長がそこまで踏み込んでいただいたので、逆に次の話に入りやすいなというふうに思います。
先生もおそらく大変だったのだろうなというふうに思うのですよ。それで、その定義に一生
懸命当てはめようとした結果、当てはまらない方がいいのではないかという判断がそこに働
いた結果、全国7年間0ということですよね。これもまたきつい言い方をして大変恐縮です
けれども、裸の王様状態だったなというふうに私は思います。裸の王様がいじめという実態
で、回りで見ている人たちが先生で、子どもはとっくにいじめだよ、それはと言っているの
に、回りで見ている人も本人も、これはいじめではないのだよと言って、裸で歩き続けてい
た。これからは、やはり教育長、昨日も答弁ありましたけれども、出直しをしていただくと
いうことをまずしないと、いままでも別に間違っていなかったし、これから強化するからみ
なしっかりやってくれというと、何か自分たちは何も悪くなっかったのかなというふうに映
ってしまうのですよね、生徒の方には。ですから、全員で頑張りましょうというためには、
まず自分たちが至らなかったところをまず改善しますということを宣言していただくという
か、世間というか、家庭の皆さんにお知らせをしていただくという点では、何か文書とかそ
ういったものは発出されたのでしょうか。PTAやご家族に皆さんに。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 特にこういうケースの場合も、大体通知等については、学校に通知なりまたは口頭で指導
すると。それを学校が、各学校の実態、様子に合わせてPTAの会議やまたはそれを学校だ
よりというような形でいくか、ちょっとかなり緊急性と言いますか、あると判断した学校は、
ちょっと洒落てと言いますか、学校だよりの臨時何とか号とか、速報とか、号外とか、そん
なことでやっている学校もあるようですけれども、そういう点からいけば即、直近のPTA
会議とか、いまのような方法で、とにかく今日の問題はもう明日知らせてしまうとか、また
は時間的に若干の差はあるにせよ、各学校がそのPTAや保護者に、こういう事態なのだと
いうことを周知して、協力を仰ぐという状況ではあると思います。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) もう5年以上前の話なのですが、郡内のある中学校のクラスに、
先生がいじめの作文を書いていただいて集めたものがここにあるのですが、いくつかご紹介
したいと思います。「私は、自分がいじめられなくても何か頭が痛くなるような感じでした。
机に死ねと書いた紙がたくさん入っていたのを覚えています。私の仲のよい友達が急に私と
話さなくなりました。それからいじめられるようになりました。地獄のようでした。」「こ
のクラスでいやなことがあった人は何人もいて、私もその一人です。友達に、私の趣味と言
って渡されたものは、死ねと言う字がいっぱい書いてある手紙でした。このときはすごいシ
ョックで、ずっと泣いていました。いまでも思い出すと胸が苦しいです。」というものが、
一号では書ききれなくて、二号続けて、担任の先生が勇気を出して、これを取り上げてくれ
たのです。ですから当時のクラスのお父さん、お母さんも含めてこれを読んでいるのです。
沼田市ではありませんが、郡内の中学校が、小学校のときに起きていた、もういじめがいま
にも起きそうな、いじめで最悪の事態が起きてしまいそうな状態だったわけです。5年前の
郡内の小学校でこういう状態だということなのです。ですから0で、本当に市民一般感情と
合うのかどうかということをまず認識の一致をさせたかったということなのです。それにつ
いてもう一度ご答弁いただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 議員のお考えはよくわかります。まったくその通りだと思っております。今回に限らず、
ともするとそういう調査、特に、国、県からのそういう調査は、調査のための調査、統計の
ための統計がありますけれども、どういう調査やどういう統計結果が出ようが、子どもたち
と向き合って、それを指導するのは学校、そして教育委員会でありますから、特に市町村立
でありますから、市町村教育委員会でありますから、簡単に言えば数字は関係ないと。いじ
めは1回でも、何でもいじめだという考え方で、少なくとも沼田市は取り組もうということ
でありますから、今後、校長さん方もそういう理解のもとにやっておりますから、いじめ5
9件ということになりましたけれども、59は59で、60だか、100だか、30だかわ
からないのだということです、正確に言えば。私が言っている、いじめられたらいじめだと
いう考えでいけば。そういうことはどういうことなのかというと、そういう1回いじめられ
たものが1件ありましたと。でもこれはちゃんと指導しなければいけないわけですから。私
たちはどういう数字が出ようが、とにかくいじめをなくす、指導するのが、国でもなければ
県でもないということであります。そんなことで、今回のそういう0から、うちの方は59
件、多いところは200何件という市もあるようですけれども、そんな立場で一生懸命取り
組んでいこうということであります。勿論、数字がでたらめでは困りますので、そちらはそ
ちらで基準が示されればきちんと客観的な事実に基づいた数字をあげていかなければいけな
いとは思っております。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。少し認識が一致してきたなあというふ
うに思いますので、次に移りたいというふうに思いますけれども、起こっているところに対
する対応の問題としていくつかお聞きしたいと思います。スクールカウンセラーというこの
がマスコミでも言われております。私の認識では、時間数は非常に少なくて40%程度とい
うふうに配置校が、と伺っているのですけれども。かなりこのスクールカウンセラーの位置
づけというのが、これから高くなってくるのだろうなというふうに思いますし、現場段階で
は、昨年決算でお聞きしましたけれども学校相談員の皆さんが、専門家ではないにしろ配置
されております。そういった取り組みについて、現在の状況と今後についてお伺いできれば
と思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 ご案内のスクールカウンセラー、かなり高いレベルでの研修、単位取得等経た方でござい
ます。勿論、実務を通した中でそういう資格を持った方でありますので、非常に有効な、い
じめに限らずいわゆる生徒指導の問題等の対応には、大変力になる制度でありますし、また
先生方であります。いかんせん数が少ないと。それから、数は何人かいらっしゃるのですけ
れども時数が少ないと。ただ国の方では、この辺をもう少し強化しようというふうな話が、
予算付けをして、カウンセラーを増やそうというような動きがあるようですので、これは非
常に結構な話だなというふうに考えております。これは裏話になりますけれども、予算を取
ってもスクールカウンセラーをやってくれる人がどうかという、ちょっとそっちの方の心配
があるのですけれども、それは私が心配することではないので、いずれにしてもそういう動
きはあります。それから、心の教育相談員とか、また介助員とかいう方がいらっしゃいます。
おっしゃる通り、いわゆる先ほどのスクールカウンセラーのような非常に高いレベルの資格
を持った人、でも、持ってないけれども子育てをやったと。子育ては非常に苦しんだ、楽し
んだ、そういう方が介助員としてお手伝いをやりますと、全く教員とは違う視点から子ども
を見てくれるというようなこともあります。心の教育相談員も、子どもたちの指導に関わっ
た方が多いわけですけれども、やはり担任が見ているレベルとはだいぶ違う。いろいろな視
点から見てくれるという、こういう方も非常に有効であります。うまい具合に組み合わせる
中で、沼田の場合は議会のご理解もいただきながら、いろいろな形での人的な配置ができて
いると。勿論、数を申し上げれば全く足りないという状況でありますけれども、何とかそう
いう重点的な学校、学級には配置させていただいているという状況であります。欲を言えば、
まだまだという状況でありますけれども、そんな状況でございます。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ぜひ予算配置されて、臨床士ですかね、そういった方が配置され
て、少しでも不幸な事態が少なくなるように祈りたいなと思いますけれども。
 続いて、体制の問題です。昨日、答弁の中で、チームで対応すると非常に肝要なのだとい
うご答弁をいただいているわけです。学校全体で組織的に対応できるような体制づくりにつ
いて、もう少し詳しくご説明いただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 チームでということでありますけれども、どこかの大学の先生が、例えばテレビの上で、
こんなことが大事だとかありましたけれども、私たち教育の、仮にも専門家の世界では、あ
あいうことはもう周知の事実なのですよ、新たに研究しなくても。こういうことが大事だと。
対応については当然多くの人がいろいろな視点から情報を集めて発見をして、その情報を収
集して、分析をして、その対応、お医者さんでいえば治療ですよね、治療の作戦を立てると。
そして多くの人たちで関わっていくと。これはもう当たり前のことなのです。昨日は非常に
至近の例で、野球のチームに例えさせていただきましたけれども、そういう先ほど、裸の王
様という話が出ましたけれども、特に小学校は、学級王国と言われているのですね。王国は、
いまの時代には馴染まないわけであります。専制国家でありますから、民主国家であります
から、どういうことになるでしょうということになります。先生が王様でなくて子どもたち
が主人公。主権在民と同じように、主権は児童生徒だという、いわゆる組織づくりをしてい
くということであります。そういう中が組織ですから、ただ、わあわあ、わあわあ40人、
一つの箱の中に入っているのはこれは組織でありません。いわゆる烏合の衆と言われる集ま
りですよね。組織というのは、一つの目標に沿って、皆が意思をもって、助け合って、思い
やって、苦しんで、汗を流して、そういう組織でありますから。極めて方法論的には単純な
ことであります。一担任としては、当然一番の基礎、基本でありますから、そういうことで、
ただどうしても学級王国的な指導に陥りやすいということですから、これから学校を挙げて、
さらには校長をトップにしたいろいろな、それも柔軟な、5人の組織といったら5人で硬直
化して最後までいくのではなくて、これはだめだと。この教員よりこっちの養護の先生の方
に心を許しているのだ、この子はといったら、すぐチームの選手を入れ替える。ベッチに下
がってもらうということですよね。また野球で恐縮ですけれども、そういうことではないか
と思うのです。もっと生きたチーム、血の通った子どもを指導するのですから、また痛みを
感ずる目や心がほしいわけですから、こっちのチームも血の通った、生きたチームを作って
いくということが大事。そしてそのチームも柔軟で、ときには10人のチームになるかわか
らないし、ときには2人1組のチームになるかもしれないということじゃないかなと思って
おります。
◇12番(高柳勝巳君) ご答弁をいただいたところは先でもまた質問したいと思っていた
のですが、若干ニュアンスが違っていて、先生方の対応ですよね。早期発見をしたらどうい
うふうに、例えばボヤのうちでしたら初期消火で済みますよと。するとここではこういう体
制で、通報の順路でありますとか、責任体制でありますとか、そういった体制、仕組みの問
題を少しお伺いしたかったのですが。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 昨日のご質問にもご答弁申し上げましたけれども、これから大きなことを申し上げれば、
地方分権の時代は、特に教育委員会の関係は、市町村の教育委員会の権限拡大であり、さら
に学校であれば学校長、または学校の自主自立、権限拡大であるわけです。そういう中で、
特に沼田においては、法律は変わらなくても、他の市町村は変わらなくても、沼田は学校の
主体性、自主性というのを大事にしていくのだという考え方でやっておりますので、この問
題も大筋、校長にアドバイスをして、いまは各学校がサマースクールと同じようにいろいろ
工夫して、対応しているところであります。これを年度末に向けて対応していく中で、各学
校がどんなシステムを作って、どんな対応をしたかの情報を、22校ありますから、私ら指
導主事が4、5人集まった知恵よりははるかにいろいろな知恵が出てくると。それはすべて
また教育委員会で年度末にしゃくりあげて、そして専門家の3、4人でいろいろ整理してい
くということであります。ですからたぶんいま、チームが学校全体でとか、30人職員がい
たら30人がこの子の担任だというような形で進んでいると思いますので、ただ細部に渡っ
ては、各学校いろいろバラつきがあると思います。ちょっと足りない学校もあれば、かなり
アイデア駆使して、私たちがあれっと思うような取り組みをしてくれる学校もあると思いま
すので、来年度に向けては、そういう某かのチームと言いますか、システムとか、そういう
ものを沼田市教委としてまた各学校に整理をして投げ出して、また各学校に実践をしてもら
うというようなことになろうかと思います。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございます。続けて今度は、これもご答弁の中にあり
ましたけれども、今度は子どもたちへの教育の関係だと思いますけれども、道徳教育等力を
入れたいということが課題として挙げられていました。イギリスとかアメリカとかいうのは、
もう日本より残念ながら先進国、そういう意味では先進国で、授業の中にたくさん取り入れ
たり、専門家の事業なども取り組んでいるようですけれども、具体的には、道徳教育はどの
ような場で、あるいはホームルームの活用等も書いてありましたけれども、そういったもの
に対する具体的な取り組みというのはどんなものがあるのか。あるいはお考えなのか、お聞
かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) いわゆる道徳教育というのは、戦前から行われたわけで、例え
ば教育勅語がいまの基本法に匹敵するような効力があったわけであります。そのもとに修身
というような教科と言いますかありました。父母を敬愛しとか、世の中、社会のため、人の
ために働きましょうとか、いろいろそういう徳目があったわけであります。そういうことで、
何か教科書があったり、何かあるといいのですけれども、特に戦後においては、ああいうよ
うな教育観とか子ども観、いろいろが大きく転換をしたわけであります。そういう中で、道
徳教育を強化しようということでスタートしたのですけれどもなかなかうまくいかないとい
うことで、基本法が22年、あの前後、憲法から始まって22年、学校関係の法律も、大体
22年から23年あたりで大改正があったわけですけれども、10年近く回していたわけで
すけれども、どうしてもこれではだめだと、道徳が大事だよ、大事だよと。庭で遊んでいる
ときも、またお掃除の時間も、友達と仲良くしたりこうだよと。お掃除もするのだよと、そ
ういう指導だけだったわけですよね。そこで、これはだめだということで、33年に特設道
徳という、いわゆる道徳の時間を授業の中に組み込もうという、いわゆる道徳の時間が設定
されるようになったわけです。
 そういうことで、簡単に申し上げれば、道徳教育は、学校教育のあらゆるところで道徳教
育をしましょう。そしてその中で、35時間ですから週でいくと大体1時間です。皆さんの
頃は、週の月曜の1時間目とかやっていたと思いますけれども、大体週1時間ということで
す。ですから、給食を食べているときも、遊んでいるときも、とにかくあらゆる教育活動の
中で道徳教育をやろうと。でもこれじゃあ核がないということですよね。思いつきの道徳は
できますけれども、場当たり的な道徳はできますけれども、そこで1時間、そのエンジン部
分みたいな、体で言えば道徳教育は爪の先までやりますよと。ただ心臓部分、道徳教育はぐ
るぐる回す動脈、静脈でぐるぐる回す時間を、道徳の時間として週1回設けようということ
だったわけです。その中でいま学校は、例えばいくつかの項目とか、小学校1年から中学校
3年まで、どんな内容、例えば国を愛する心などいま騒いでいますけれども、もうすでに学
習指導要領にうたわれて、道徳や、社会科やそういうところで指導しているのです、実際の
場合ですね。そういうことで、例えば思いやりを持とうとか、勿論、いじめないで助け合お
うとか、協力とか、父母を敬愛するとか、郷土愛とか、そういういくつかの項目について1
年間通して、ほぼ35時間、各学年ほとんど35時間です。小学校1年生はちょっと遅れて
34時間が標準になっていますけれども、そういう中で、そのところでどんどん道徳性をも
んでやって、それを普段の生活の中に、あのとき勉強したあれが、いまお掃除の時間でこう
いうことがありましたよねということです。ですから、いま学校ではすべての時間の中で道
徳教育をやっているということであります。
◇12番(高柳勝巳君) 理解はできましたけれども、心臓部分を、NPOの皆さんをお呼
びして授業をしているなどというのが、この間、テレビ等でも放送されておりました。です
から、はっきり、小さい子ですから、全体でやっているのですよと言ってもわからないと思
うのですね。こういう問題がいまあって、みんなの前にやはり、学校としても、先生として
も心配なのですよという形でもってやるような授業とか、割き方とかというのはやっていら
っしゃるのかどうかということなのです。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 いま道徳教育ということでしたので、道徳教育をお話ししたわけです。また学校には、個
別の問題に対してどう解決したかという、子どもをいろいろ悩ませたり、子どもに議論させ
て、誰ちゃんと誰ちゃんが喧嘩したのだけれども、どうやって仲直りしたらいいのかねとか、
どうやってなぐったりしないようにしたらいいのかねという、そういう話し合う授業もある
のです。ですから今回のいじめということになれば、緊急性があれば、例えば3学期にやる
時間を2学期に急遽持ってきて、1時間の予定だったところを2時間やるとか、または、も
う授業では間に合わないから放課後残ってやるとか、学年集会でやるとか、そういう形で特
定の問題については、また個別取り上げて指導しております。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。そこら辺が、弾力的にできる権限が現
場の先生にあるということがうんと大事だなと思うのです。だから、ないというふうにすれ
ば、そういう授業もないわけですよね。ですからそういう認識が起きたときに、これは必要
だからいくらか他を削ってでも、今日はこれをやろうというのが、やはり学校の先生に意識
として働くような場でないと、これは非常に早く発見をして、早く対応をするという組織に
は、私はなり得ないのかなというふうに思ったものですからお伺いをいたしました。
 次に移りたいというふうに思います。次は、家庭との問題でありますが、これもアンケー
トで恐縮なのですけれども、毎日新聞でアンケートをとりました。いじめの原因は何が大き
いのですか、というアンケートを毎日新聞が11月27日にとったところ、半分は、保護者
の躾に問題がある。50%以上が、やはり家庭教育の問題があるのだなということを報告を
されておりました。ちなみに、この解決方法についてどんな方法がいいかというと、いじめ
た子に罰を与えるというのはわずか7%ということなのですね。ですから、厳罰をもって処
すということは、物事は解決しないというふうに、一般的なアンケートでも出ているという
ことでございますので、その辺も踏まえた上で今後の対応に処していただければなというこ
とを申し添えて、家庭での理解ですね。これがかなり厳しいのではないかなというふうに思
うのですね。預けていただくのは生徒さんですけれども、その親にまで何を言うのですかと、
こういう話になると思うのです。ですから、ここへのアプローチというのは、非常に大切か
なというふうに思いますけれども、ここへのアプローチの方法として、いま教育長考えてい
らっしゃることはどんなことがあるのか、お聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 いろいろアプローチをしておりますけれども、いま一番いじめの問題もそうですけれども、
一番難しいのはそこであります。家庭がどのくらい責任があるかというのは、いろいろ議論
があるところだと思いますけれども、一般的には、家庭がもっとしっかりしてくれよという
のが、一般的には今通っているのではないかと思いますけれども、いじめについても、例え
ば不登校についても、とにかく親が一緒に変わらないとほとんどだめなのです。これは前の
職場での、いろいろな年間何百件という相談の中でも、親が変わればほとんど変わるという
ことであります。ですから、そういう意味において、このいじめの問題も、直接被害だ、加
害だということもありますけれども、先生のいじめというのはまた話が別ですけれども、親
も一緒に変わってもらう。勿論、立派な親であれば別に変わらなくても一緒に協力してもら
えばいい。そこのところのつなぎ部分ですよね。不登校は、小、中のつなぎ部分がギャップ
になっているということが大きな問題になっているわけです。うちの方でも、小6一桁くら
いが一気に中学校にいくと20何人になってしまうわけです。それと同じように、今度はい
じめの方がどこにあるかというと、いじめはどちらかというと、家庭とそこの指導のところ
にギャップが出てくるというところであります。それでは教員がどこまで入り込めるかと。
どんどん入り込めと言っているのですけれども、それは教員一人しかいませんのでなかなか
そうもいかないし、相手が家にいないと。電話しておけばいいだろうと。電話しておけば、
実際にはちょうど都合が良くて、電話がきたから、先生が来るからどっかへ行こう。そうい
うレベルのあれもありますので、そこは非常に悩んでいるところです。ただ非常にそこが、
このいじめの問題についても大事な部分だなというふうには思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 私も昨日来、すばらしい答弁をしていただいた教育長ですから、
いくつか妙案があるのかなと期待をして聞いたのですけれども。教育長も苦労しているとい
うことで、私もちょっと不安だなという感じがするのですけれども。いくらか強制力が働く
ようなところに、ご足労でも例えば、入学式であるとか、入学式のときからそんな話をする
のは非常に酷かなというふうに思いますけれども、私も教育長と同じで、親子で変わらなけ
れば恐らく変わらないのだろうなというふうに、うちの子に限って、学校は勉強だけ教えて
くれればいいのですよというふうに言われて、あとは全部お任せしますから頼みますよとい
うのが、一般的家庭の心情だと思うのですね。それはやはりどこかで工夫をしないと、困っ
たがずーっと続いていたのでは問題解決にはならないと思うのですね。どこかで工夫をして、
むしろ来ていただきたい、忙しいご父兄のところに何かの仕掛けを作っていかないとこれは
減っていかないのかなという感じが、あるいは情報の共有もできないのかなという感じが非
常にしております。そういう点で何か工夫を、私は新年度に向けて各校からのいろいろ体制
の問題も上がってくるようですから、それと併せてぜひこれだけは、私も残念ながら育てる
ときには配偶者にお任せをしっぱなしで、反省をしながら申し上げているわけですけれども、
ぜひその辺の仕組みを、何か一つでもとっかかりを作っていただきたいなというふうに考え
ておりますけれども。何かあればお聞かせいただきたいのですが。なければ結構ですが。
 厳しそうだったので、続けて。来年までに、ぜひ新しい生徒さんが入ってくるときには、
私も何かあればヒントを伝えさせていただきたいなということを前提として、次に移りたい
というふうに思います。
 連携組織として、少し社会教育なども入ってしまうので恐縮だと思いますけれども、現在
ある組織が、いくらかあると思うのです。児童相談所、それから警察、沼田市で言いますと、
青少年問題協議会などというのがあったり、それを受けたところの補導員さんですかね、こ
ういったところも多面的に関わっていかないと、その子ども、あるいはクラスの実像という
のは見えてこないのだろうなというふうに考えておりますので、その辺との連携の考えはい
かがかなというふうに思いますけれども。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 一般的な、そういう市長の言葉を借りれば、下支えと言いますか、一番つらい、一番努力
されている部分ですよね。そういう指導者の方とか、特にそういうボランティアで指導いた
だいている。いわゆる沼田市全体をとか、またこの地域全体を、またこの学区の子どもたち
をという、総論的にやっているという部分は多いに力があると思います。ネットワークも非
常にしっかりしておりますし、大体そういうことに臨んでいる方は本当に積極的に、自分の
仕事も置いてやってくださる方がほとんどでありますので、ただ個別のこの子と言ったとき
に、例えばあの指導員のところに情報をもらうというのは、ちょっとそこが弱いのですよ。
ですから先ほど申し上げました通り、一人の子を一人の先生で見るのではなくて、同じよう
に、今度は何人かの先生だけで見るのではなくて、地域の人が見る、例えばカルタ大会にい
つも選手で参加している子だったとすれば、そのところでの指導者にいろいろ日常の状況を
聞けば、学校とはまったく違う顔を持っているかもしれません。きっと持っていると思いま
す。そういうような個別の子どもの問題について、あまり外に相談をしなかったという反省
がありますので、今後、その辺を、この子の場合はどの人に情報を、またはどの人に協力を
願ったらいいのかというところに、少し踏み込んでいく必要があるかなと思っております。
以上です。
◇12番(高柳勝巳君) わかりました。できるだけ多面的につかむ努力というのですかね、
現状ある資源、特にお金は新しい組織を作らなくても、現状ある資源を有効的に活用させて
いただいて、新しい時代に即したような形に変えていくという発想も私は必要だなというふ
うに考えておりますので、ぜひいま教育長にお答えいただきましたけれども、その視点でも
って対応していただければありがたいなというふうに思います。
 次に、これは昨日、同僚議員からも出ましたけれども、クラスの雰囲気なのですね。要は、
加害者と被害者、いじめる側といじめられる側だけが存在をしているわけではなくて、クラ
スというのはその真ん中が存在をしているわけです。昨日も発言がありましたけれども、都
留文化大学の教授が、馴れ合いクラスというところが一番いじめが頻繁に起こってくる確立
が高いということなのですね。その馴れ合いのクラスとはどういうことかというと、指導が
強いと指導管理型といって、先生がある意味威圧的に指導力を発揮して、「起立」と言った
らパッと立って微動だにしないクラスですね、極端に言えば。それから、馴れ合いクラスと
いうのは、クラスで人気者の人だとか、スポーツが得意な子を一人つかまえて、その子に何
かやってもらうと非常にクラスがうまくいくから、先生もそれに甘んじながら友達感覚でお
付き合いをしていると、クラスの指導者が誰だかわからなくなって、いずれは先生も止める
ことができないようになってしまうというのがこの馴れ合い型クラスということなのですね。
ですからその両方をうまく使ったクラスになる、満足型というのですけれども、先生に求め
られてしまうので、非常にこれ難しい問題だなというふうに思いますけれども、その辺に対
する指導とか、考えとか、配慮とか言ったものは教育長、どのようにお考えでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 もうご質問の中にほとんど入っておると思います。私も全く同感であります。今現在、学
校はそういうことをしていないということではなくて、これでいいということはありません
ですし、それから、学校全般そうだけれども、じゃあこのクラスはどうなのだということに
なると、まだまだというクラスがきっとあるに違いないと思いますので、おっしゃるところ
をひとつターゲットを絞って、校長共々一生懸命やっていきたいと思っております。以上で
す。
◇12番(高柳勝巳君) 全く同感だということでありがとうございました。これも私は、
野球じゃなくて菌の話で少しお話しをさせていただきたいと思うのですけれども、先月、E
M菌の交流会ということで勉強をさせてもらったのです。この講師の先生が、一般的に言う
と菌というのは、善玉菌と悪玉菌しかなくて、その方が簡単なものだから説明をするのだそ
うですが、実際問題は、その真ん中に日和見菌というのが圧倒的に多くて、条件が整うと悪
い方にいくのだそうです。条件が悪くなると悪い方にいくし、条件が良くなるといい方にい
って、悪くなった場合は腐ってしまう。良くなると発酵するのだそうです。ですから、納豆
と腐った状態というのは、似て、全然違うものができあがるという話を改めて聞いたのです
が、要は最初から悪い人、最初からいい人というのはそう多くはなくて、圧倒的にその状況
を見てというところにみそがあるわけなのです。そういうものを作らないようにするための
制御装置だとか、安全装置を数多く作ることが酷い状態に陥らせないための一番の策だとい
うふうに私は思っているのです。そういう意味で相談員やカウンセラーというのが私は必要
になったり、先生のいうなれば質という問題になるのでしょうけれども、非常に心配をして
います。最終的には、先生が高度な技術というのですかね、プロですから、教育長がおっし
ゃるように、一生懸命当然やっていただけるのですけれども、先進的、物理的時間がないと、
そういう高度な技術を駆使するのはかなり困難かなというふうに私は思っているのです。教
育長のような優れた方はそういなくて、ほとんどが普通の方が先生になられ、職務に専念を
しているのだというふうに思いますので、先生の物理的な時間の確保というのですかね、そ
ういったものについてのお考えはいかがでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 私のことを言われたので、当時のPTAの会長さんとかたくさんいらっしゃるので、大体
私がどの程度の指導をしたかはあれなので、ちょっと話題を変えさせていただきますけれど
も、時間的、いま国でもそういう調査や検討が始まっているようでありますけれども、県で
もコンサルタントを入れて、教員の多忙化に関する調査ということで、現場まで入ってやっ
ております。ご案内の通り、教員は3つ右側にあった石を左側に1メートル移したら終わりと
いう仕事ではありませんので、やろうと思えばエンドレスでもう永遠にありますので、例え
ば教え方なども、例えばある小説を自分のものにするためには、何回、何十遍読んだってわ
からないところが出てくるわけですからきりがないわけですよね。そういう世界なので、じ
ゃあどこまで仕事を整理してやったら忙しくなくなるかということですけれども、現状は、
何となく、確かに忙しいだろうなと。家庭まで、地域の仕事までいくわけですから、そして
社会教育の引率までしていくというようなことですから、それで部活動はご存じのとおり勤
務ではないと。高校生のパートの方より1時間単位が少ない手当が出ているわけですよ。そ
ういう中で確かに忙しいということでありますので、忙しいとどうしても子どもとの接触の
時間、私の経験から申し上げれば、子どもと遊んだ時間ならばほかの先生方とほぼ並だった
ろうなと。他は、今こうやって、こういうポジションをいただいている割にはたいして優秀
な教員じゃなかったと思っております。ただ子どもとは、あれが仕事かいと思われるくらい
楽しみましたので、一緒に汗を流して、小学生と一緒になって100mを小学生に勝ったな
どと喜んで、後で私は深く反省しましたけれども。あそこで先生が負けてやれば自信を持っ
たろうなと思いましたけれども。いずれにしても、少なくとも遊びを含めて、先生が、特に
小学校などの場合は、たとえ10分でも、15分でも、先生と相撲をとったり、ドッヂボー
ルをしたり、砂場遊びをしたり、そういう時間を確保すればかなりの部分解決と言いますか、
前進するなと思っております。それは今、物理的に、時間的にという部分で確かに忙しい部
分があるので、なかなかキンコンと言ったら子どもが飛び出したと。先生も仲間に入れてな
どという、ちょっとあれはあまり見られなくなったと思います。非常に大事なところだと思
っております。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) 最後のところが肝心で、いろいろなところが今インターネットや
パソコンが主流の仕事になっていますから、例えば一人が文書を送付しないと仕事が完結し
ないということで、苦手な方も全部それでやらされるというのですかね、一生懸命にならざ
るを得ないような状況というのがどこの職場でも多いと思うのですね。そういうシステムの
中に組み込まれて、肝心な子どもと向き合っている時間というのがない。そうすると危険信
号が見落とされる。それでも報告をあげなければならないから0となるという悪循環になる
と思うのですね。ですから、報告なんかいいからとは教育長の立場で言えないでしょうけれ
ども、いくらかおいてでも子どもの危険信号があるとすれば、あるいはなくてもそういう時
間は大事にすべしというのをトップが言っていただかないと、やはり安心して先生も、いや
いじめと報告していいのだよと言われたからあがったわけで、今回も。それが、そういうの
をいくらかおいてでも、先生少し生徒と向き合う時間を増やすということが、いじめの危険
信号を早くキャッチすることだし、防止にもつながるのだということを教育長自らが出して
いただかないと、たぶん現場の先生というのは、これはこれ、それはそれと、2つやらなけ
ればならないというとかなり厳しいと私は思っているのです。どこまでが天だからわかりま
せんけれども、この際少しそういう時間を増やしてほしいということを現場段階におっしゃ
っていただくような考えがあるかどうかお伺いしたいのですけれども。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたとおり子どもと向き合う時間、これは授業そのものが向き合う時間です
から、そこで授業中においても子どもとどういう接触を持てるのかということですね。ムチ
を持ってビシッとチョークを投げて黙らせるのかと。そういう中で、子どもとの非常に近し
い関係の中で授業、授業はもう安定的に子どもが目の前にいるわけです。休み時間追いかけ
ていかないといないわけですよね。ですから、授業を軽視してはいけない。そういう授業で
いろいろ直接教科書の内容を勉強することも大事ですけれども、小学校なら45分、中学校
なら50分の子どもとの接触の時間がある。そこのところをまず大事にしていく。それもま
さに子どもと真剣勝負で向き合っている時間ですから。そこですよね。その上で休み時間や
校庭での放課後の時間とか、そういうところでの子どもたちの接点をできるだけ持つという
ことが大事だと思います。
 おっしゃるとおり、県でやっているから、先の調査ではありませんけれども、ただ調査を
あげたって学校が動かなければ話にならないわけですから、沼田としては、一応校長さん方
にも、いらないような会議はやめましょうと。座ってやると時間が経つそうですから立った
まま会議をやりましょうとか、いろいろなことで、学校は特に会議が多いですよね。去年や
った司会者が今年も司会をすればいいのに、また今年の司会者はどうしましょうと。結局、
去年の司会者を決めたりというところが以外と多いです。ただそれが逆にうんといい面でも
あるわけですけれどもね、子どもを知る。一概にすべて悪いといいませんけれども、そうい
う部分もあるわけです。そういうことをやったうえで、でも最後は、いくら詰めてやっても、
子どもと遊ぶのは楽しいという、教員のそういう心が前提としてなければだめですよね。も
っと極論すれば、議員さんに怒られるかもわからないけれども、今だってそういう心があれ
ば遊べるはずなのですよ。たった10分や15分ですから。10分、15分子どもとやれば、
こちらは息があがってしまいますよね。子どものエネルギーはすごいですから。そうも言っ
ていられませんから、忙しい部分をできるだけ会議や書類の整理をしっかりして、もう少し
時間にゆとりを持たせるようにという指導はしますけれども、反面、そういう子どもと遊ん
でなんぼという世界ですから。勿論、授業してなんぼですけど。遊んでなんぼという世界で
すから、一生懸命遊んでいっぱい給与をもらうというのが私の考えだとそれが教員の仕事だ
と思っております。そういう意味でも、どうしても事務量が増えたりすると事務的な対応に
なってしまったところも、沼田の教員ということでなくて、一般的に教員にありましたので、
忙しくなればなるほど、どうしても事務的、形式的になるということですから、忙しさを何
とか少しでも余裕ができるようにして、なおかつそういう心を持った教員に戻ってもらいた
いと、そんなふうに思っております。
◇12番(高柳勝巳君) この件では最後の方になりますけれども、残念ながらいじめの問
題も、私が大別すると2種類あって、この間、1万3,000円のケーキを買わされて、警
察に捕まってしまったケースですね。これはもう警察が捕まえるわけですから犯罪なのです
ね。勿論、いじめて亡くならせてしまうのも犯罪ですけれども、それから先ほど言ったよう
に、集団心理の中で、本人にそういう意識がなくてじわじわといじめてしまう。両方がある
と思うのですね。片方は、質を、条件をなくせば消える。だけどもうこの犯罪化してしまっ
たようなものまで残念ながら中学生クラスでは出てきてしまっているわけです。そこで、教
育再生会議等が出席停止だとか、そういった問題を提案しているのですけれども、私は今の
教育長がおっしゃっていただいたことを丁寧にやっていく体制と気構えさえあればそこまで
いく必要はないなと思いますけれども、教育長の二極化している、犯罪化に近いという状態
について、どういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 例えば中学校で、とりわけ暴力を伴ったようないじめが、それこそ長期に渡ってというよ
うなことも学校にはままあるわけでありますけれども。そういう場合の、基本的には文部科
学大臣もおっしゃっておりますけれども、やったからすぐ排除だというのはいかがなものか
というようなコメントを大臣も出しておりますけれども。そういうことで、ただ最終的に、
私もそういう学校を経験しておりますけれども、最終的には、排除しなければいじめられて
いる側が生きていけないということであります。一人のためにクラスが壊れる、極端に言え
ば学校中が振り回されるわけですから。その子を何とかしようとするために他の子が犠牲に
なるわけです。それはもう最後、許されないのだと。そうすれば強権発動しても、排除とい
う言い方は非常に厳しい言い方ですけれども、一旦当校停止とか、出校停止というのは法律
で決まっているものですから、法律に則ってできることでありますから、そして、そこで反
省をし、勿論、心のケアをし、必要があれば専門機関の専門の人にカウンセリングを受ける
なり、指導を受けるなり、また隣のおじさんが信頼のあるおじさんであれば、おじさんのと
ころに一週間預けるなり、排除はちょっと乱暴なので訂正させていただきますけれども。そ
ういう指導のチャンスを与えることができるので、そういういじめの種類によっては、当然、
最終的に法で規定されたような、出校停止のような措置をとらなければ、その子どものお蔭
で20人、30人、100人が毎日泣いているという状況を、私も学校で何年か経験してお
りますので、最終的な手段を行使しなければいけないと思っております。
 ただ基本的には、いじめる子どもにもいろいろなつらい部分がある。そして、いじめる子
の親は、その子をかわいくないのかと。私が親であればやはりその子はかわいいですよね。
そういう相手側の立場に立った指導というのもしないと基本的にはいけないなと思っており
ます。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひ、その最終的なという響きの中に
重きをおいていただきたい。それでも責任者ですから、責任ある対応でお願いしたいなとい
うふうに思います。
 続いて、登下校時の安全対策の方に移りたいというふうに思います。だいぶ取り組みを強
化していただいて、効果が上がっているというふうに伺って、私も一般質問させていただい
て対応していただいたことについて、まずもってお礼を申し上げたいというふうに思います。
それから、今日まで、登下校時については、大きな事件というのが起きずにきていること感
謝を申し上げたいなということをまず申し上げ、いくつかをお伺いしたいというふうに思い
ますけれども。
 昨年も聞いたのですけれども、通学路の見直しというのは、この間の中で行われましたか
ね。通学路の位置づけというのがちょっとよくわからないという話だったのですけれども。
交通事故よりも誘拐等の、あるいは暗い等の理由があって、通学路を変えたケースというの
はその中にあったでしょうか。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時58分休憩
─────────────────────────────
午後4時05分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 いくつかの学校あるようでございます。私が直接見たり、頭の中に入っているのは、利南
東小、ああいう段差のある学区であります。他の面でもいろいろ心配しているのですけれど
も、今回の不審者対応についても非常にきめ細かな、そして先ほどお話のように柔軟な対応
をしている例が、利南東の例であります。他にもいくつかあるとは思いますけれども。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。歩いてみての、積み上げるようにそう
いうことが起きているのだろうなというふうに認識をします。
 確認なのですけれども、私が聞き漏れてしまったのですが、1学期よりも2学期の数が少
なくなっているというのは、不審者を見かけたという情報の件数のことなのでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 そのとおりでございます。
◇12番(高柳勝巳君) それと、この近辺に、完全にそういう方々がいなくなっていると
いう状態ではないということですよね。そういう中で、皆さんのお力で守られているのだな
という認識でよろしいわけですね。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 そう短絡的に分析はできないかなと。時期の問題、天候の問題、観光シーズンの問題、い
ろいろな要素が絡んでいると思いますので、おっしゃる一つのそういう要因もあると思いま
すけれども、それだけでもないかなとは思っております。
◇12番(高柳勝巳君) 短絡的すぎて申し訳なかったのですが、結果としてということで
受け止めていただければというふうに思います。なぜかと申し上げますと、たぶん教育長、
そういう意味も含めて言ったと思うのですけれども。防犯の組織等がたくさんできました。
お蔭様で。ステッカーを貼った車ですとか、黄色い腕章を付けた方々が随伴をして下校して
いるとか、そういった問題がたくさん出てきているのはいいのですが、犯罪というのは、残
念ながらその上をいくというのですかね、常にその裏を、裏をという話で出てきますので、
ここで申し上げてもたぶん差し支えないと思いますが、ステッカーにしても、腕章にしても、
どこでも手に入る品物ですから、逆に言えば、それを付ければ安心だということを子どもに
教えていると、それが返って悲惨な状態になるので、基本は、学校で教えている安全教育だ
なと思うのですけれども。その辺のお考えと取り組みについて、もう少しお伺いできればと
思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
 人は信ずればずっと信じられますし、不信感を持てばということがあります。隣は何をす
る人ぞだし、どの大人の人にもあいさつしなさいよという指導。矛盾するのではないかと思
います。やはり学校や人間は理想を求めて生きているわけですから、隣のおじさんはどろぼ
うかもしれないよ。腕章を着けているのは実はごまかしで、おもちゃ屋で買ってきて着けて
いるのかもしれないよと。最終的にはそういう見分けができればいいですけれども、基本的
に、人は信ずるものというとこから出るのだと思います。防犯組織の問題もありましたので、
多くの人たちに理解いただきながら、協力いただきながら、そういうことをまた子どもたち
がしっかりと理解していくと。甘えるのではなくて、あれ、おじさんが毎朝来てくれている
なと。そういうような中から、人を見分けるとすれば、人の見分けも出てくるのだと思いま
す。人のあれは目や表情に出ると言われていますから。子どもたちは我々より鋭い感覚を持
っていますから。そういう中で勉強していくのではないかと思います。
◇12番(高柳勝巳君) わかりました。原則、「知らない人にはついていかない」という
のが、FM尾瀬等でも放送を流していただいているものですから若干聞いてみました。
 それから、交通安全についてもやはり大きなポイントだということでお話しをさせていた
だきたいのですけれども、交差点でやはり長く待つわけですよね。信号機がありますから、
普通は。あるいはなくてもそこで待って、車が途切れるのを待つわけです。大きな交差点で
すと、最近はこれも運転手のマナーというか、モラルがかなりひどいケースがあって、整然
と並んでいるところに飛び込むケースというのがたくさん報道されています。信号機で長く、
そこに止まっているようなところは、コンクリートでガードするですとか、そういったとこ
ろが首都圏などの信号ではたくさん見受けられるのですね。これは建設課の所管になってし
まうかもしれませんけれども、そういったところの対応というのですかね、私は最近、赤い
ポールがたくさん見えていて、巻き込みの注意を促すだけなのですけれども、飛び込みには
全然効かないで、悲惨な状態が結構あるのかなというふうに思っているのですけれども、そ
ういったところの連絡体制というのは昨年も対応していただけましたけれども、現在の状況
というのですかね、危ないというのを把握しているところがあって、対応があればお聞かせ
いただきたいのですけれども。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 まあ、私が各地域具体でつかんでいるというところはありません。勿論、通勤路や仕事で
出張に行くときに、あっこの辺りは危ないなと、自分でブレーキを踏んでみてどうだなとい
うところはありますけれども、これは防犯のマップと同じように、安全マップというこよう
なことがいい意味で学校で流行っておりますので、そして、PTAの方、交通指導員の方等
々のアドバイスを受けながら、各学校安全マップを作っておりますので、そういう点におい
てはまあいいかなと。あと物理的にと言いますか、そういうような施設や何かを設置すると
いうのはちょっと私も専門家ではないのでわかりませんけれども。いくら物は作っても、最
後は、自分が自分を守るというところに立ち返るわけでありますので、とりあえず学校は、
そういう観点から安全な登下校を指導しているところであります。以上です。
◇12番(高柳勝巳君) わかりました。
 続きまして、今度は、登下校の安全確保の具体的な取り組み、先ほど、「セイフティ沼
田」と名付けて作っていただいたということで、大変ありがたいなと思っております。これ
は全国のこういった取り組みも載っておりまして、栃木県の今市市もそれ以降、取り組みが
ありました。山間の学校では学区が広く、4キロメートル以上の通学距離の児童13名がス
クールバスを利用していたが、今市市の児童殺害事件以降、運用を弾力化して全校児童40
名が利用しているという取り組みが、好事例として発表されているわけです。私が先ほど教
育長とお話したのは、むしろ市内、繁華街が多いところの安全対策が多かったと思うのです
けれども。沼田市も合併して広くなりました。白沢町、利根町等においては、今市市と類似
した形状の通学路がたくさん存在していると思うのですが、国土交通省や総務省から出され
た文書について、弾力的な運用、スクールバスや路線バス、弾力的な運用についての、現在
のお考えや取り組みについて、若干お伺いしたいなと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
 今回の熊の問題で、私は、学校はよくやってくれたなというのがあります。川田小学校で
ありますけれども、ちょうど担当がいなかったものですから、あまり教育長が学校に直接電
話をするとびっくりするので、しないのですけれども、急だったので電話を入れましたら、
スクールバスをあと500メートル、定期の、公認された所から500メートル向こうに行
くと、熊の被害に対して安全だということで、何カ所か、今井地区とかあるのだそうですけ
れども、そういうような何カ所のところは配慮して、運転手と相談の上、決められたコース
からちょっと先まで乗せてやるとか、そんな対応もしております。また、これはバスではあ
りませんけれども、平川の平原地区は、地域の人から学校から、熊が出たとか、熊情報とか、
また今日は危険だという情報があった場合には、すぐ電話をするともう当番制になっている。
今日、電話が来た。あっ、誰さんちだ。井上さんちだ、何さんちだということで対応ができ
ているというようなところもあります。いずれにしても、整理されました暁には、お金をか
けないでやっておりますので、自前で製本しているのであれですけれども、ご覧いただいて、
ご指導いただければと思っております。
 以上です。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。弾力的運用ですから、あくまでも今回
の利用を主としながら、地元とよく協議をしながら取り組んでいただければというふうに思
います。
 昨日も2人の同僚議員からも質疑がありましたので、私の一般質問はこれで終わりたいと
いうふうに思いますけれども、今日、教育長に聞いたこと、かなり失礼な部分やきつい言い
方をした部分もあろうかというふうに思いますけれども、最悪の事態をとにかく防ぎたいと
いう思いで教育長と同じでございます。私の質問が、いじめではないということを最後に申
し上げまして、それから、全国都市問題会議、3年前に出させていただきました。これは最
後に、丸山氏が劇を、パフォーマンスをしていただいたのですけれども、大人は子どもを育
てるのではなくて、大人は社会を育てて、その環境の中で子どもは育つのだという最後の言
葉がありましたけれども、私もまさにそのとおりだなというふうに思いますので、お話しを
して、質疑をし、答弁を受けたことについて、私もできる限りのことは応援をしながら活動
していくことをお誓い申し上げ、質問としたいと思います。
 ご静聴ありがとうございました。
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    第2 延  会
◇議長(星野佐善太君) おはかりいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会した
いと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会することに決し
ました。 
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は11日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労様でございました。
   午後4時17分延会




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