議事日程 第3号
平成19年3月8日(木曜日)午前10時
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延 会
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出席議員(43人)
1番 小野 広樹君 2番 南 美喜雄君
3番 小林 克郎君 4番 角田 博君
5番 中村 光孝君 6番 小野 要二君
7番 小林 猛君 8番 繻エ冨士夫君
9番 真下 恭嗣君 10番 布施辰二郎君
12番 高柳 勝巳君 13番 久保 健二君
14番 星野 稔君 15番 鈴木 圭子君
16番 金子 一弥君 17番 金子 千明君
18番 長谷川信次君 19番 宮田 和夫君
20番 小林 玉男君 21番 小野 正純君
22番 大島 崇行君 23番 山ア 義朗君
24番 大竹 政雄君 25番 井之川博幸君
26番 大東 宣之君 27番 片野 彦一君
28番 星川嘉一郎君 29番 金井 康夫君
30番 井上 正文君 31番 小尾 孝男君
32番 相田 昌夫君 33番 宇敷 和也君
34番 小林 次夫君 35番 橋 襄典君
36番 牧野 保好君 37番 石田 宇平君
39番 井上健太郎君 40番 田村 博美君
41番 井田 孝一君 42番 小林 照夫君
43番 星野佐善太君 45番 横坂 泰次君
46番 井上 幾雄君
欠席議員(2人)
11番 角田 泰夫君 38番 松井 敏員君
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説明のため出席した者
市 長 星野已喜雄君 助 役 林 義夫君
白沢町振興局長 根岸 恒雄君 利根町振興局長 郷原 重雄君
市長公室長 田村 澄夫君 総務部長 村山 博明君
民生部長 田島 護君 経済部長 大嶋 政美君
建設部長 松井完一郎君 街なか対策部長 見城 厚男君
白沢町振興局次長 中村 弘志君 利根町振興局次長 中澤 和義君
総務課長 村沢 博行君 教 育 長 津久井 勲君
教育部長 宮澤 満夫君 庶務課長 水田 修君
監査委員事務局長 小池 一夫君
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議会事務局出席者
事務局長 茂木 愛 次長兼庶務係長 下 宏一
議事係長 茂木 敏昭 主 査 地野 裕一
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午前10時開議
◇議長(星野佐善太君) これより本日の会議を開きます。
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第1 一般質問
◇議長(星野佐善太君) 日程第1、一般質問を行います。
昨日に引き続き、順次質問を許可いたします。
最初に、金井康夫議員。29番。
〔29番 金井康夫君登壇〕
◇29番(金井康夫君) おはようございます。本日は大変お忙しい中、たくさんの方々に
傍聴にきていただいて誠にありがとうございます。
今日の質問におきましては、沼田市の懸案事項について質問をさせていただきたいと思い
ます。市長、あるいは教育長におきましては、多少厳しい質問になると思いますけれども、
明解なるご答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、通告に基づきまして一般質問を行います。
最初に、本市の財政状況についてお伺いいたします。
この3月議会は、全国で新年度予算の審議が行われており、各自治体では予算編成に苦慮
され、なかなか市民要望に添えない、対前年度に比べてマイナスの自治体が数多くあるので
はないかと思われます。税源移譲、補助金カット、交付税削減、いわゆる三位一体の改革に
よって全国の自治体、特に沼田市のように財政力の低いところは大変厳しい状況であると思
います。本市におきましても、平成19年度予算への影響が予想されております。三位一体
の改革により、全体的に歳入の落ち込みという厳しい状況の中での歳出削減、また基金の取
崩しを余儀なくされている状況ではないかと思われます。そこでお伺いいたしますが、全国
各地で財政問題が叫ばれている中、本市の施策はどうなのかお聞かせください。
次に、沼田公園長期整備構想についてお伺いします。
この計画は、平成元年「ふるさと創生1億円事業」の実施の中で、市民アンケートを行っ
たところ、沼田城再生の声が大きかったことから、平成2年、城郭研究の専門家に依頼して、
沼田城の天守閣や二重櫓の復元調査を実施し、平成4年に沼田公園長期整備構想を策定しま
いました。さらに、この構想を推進していくために歴史的要素を持った総合公園として整備
するために、平成11年「沼田公園整備基本計画」を策定しました。そこでお伺いしますが、
これらの計画について、事業進捗状況と今後の整備の進め方について、市長のお考えをお聞
かせください。
次に、県営沼須土地改良事業についてお伺いいたします。
この事業につきましては、昨年の3月議会で、私の方から質問させていただきましたが、
事業が始まって以来、13年間、本当に長い間、地元の人をはじめ沼田市民に迷惑をかけて
きたわけでありますが、19年度には事業収束をする見込みだと、去年3月議会でご答弁が
ありましたが、その後の進捗状況についてお聞かせください。
続いて、教育長にお伺いしますが、今回、この土地改良事業の非農用地に運動施設整備を
計画しておりますが、それらの内容についてお聞かせください。
次に、駅前広場整備事業についてお伺いいたします。
この事業は、平成10年より駅前振興協議会や地元地権者・関係企業などと協議を重ね、
平成11年に沼田駅前広場整備事業基本計画を策定しました。その目的として、駅前地区住
民と行政が協働し、将来の駅前周辺を含む駅前広場整備を考え、駅前地域の利便性、文化性、
情報性、快適性を備えたまちづくりの一環として、沼田の玄関口である沼田駅前広場を整備
して、活力ある都市を創造することとしておりますが、この中で、駅舎建設についてどのよ
うにお考えなのかお聞かせください。
次に、市営住宅待機者改善についてお伺いします。
現在の日本社会は、非正規雇用の拡大や急増するローン破たんなど様々な問題に直面して
おりますが、安心できる住居がないことは最大の不安の一つであります。公共住宅、民間住
宅を問わず、すべての市民に快適で安全な住居を保障することは、沼田市の責務と言わなけ
ればなりません。中でも、低家賃に加え、居住の適切な水準と居住環境を確保する上で重要
な役割を果たしてきた公共住宅、とりわけ市営住宅の役割は重要であります。ところが沼田
市の場合、公営住宅の対応が他市に比べて立ち遅れており、市営住宅は、待機者が100名
以上にものぼっています。市営住宅の増設が市民の切実な願いであると思いますが、財政状
況などを勘案すると,なかなか市営住宅を建設することが難しい状態だと思われます。そこ
でお伺いいたしますが、本市にはたくさんの民間アパートや住宅がありますが、そられに家
賃を助成し少しでも生活が苦しい市民への、待機者改善が図れないものかどうかお聞かせく
ださい。
次に、学校給食費未納についてお伺いします。
ここ最近、小中学校における学校給食費の滞納が増加しており、各市町村が対応に苦慮し
ているというニュースをよく耳にします。学校給食は、各市町村で運営し、必要とする経費
のうち、食材費は保護者負担、光熱費や人件費等は設置者が負担しているというのが現状で
あり、食材費のみを学校給食費として徴収していると伺っております。
また、学校給食費の現状を見ますと、ひと月小学校が3,580円、中学校では、4,3
00円で、一日小学校ではわずか215円、中学校では258円でありまして、本市の給食
費は、充実した食事内容を維持しながらも非常に低額に設定され、保護者の負担増加になら
ぬよう極めて努力されていると思われます。
近年、リストラや低所得により毎日の生活に追われ、給食費の支払いに影響が出ている方
は確かにいらっしゃると思いますが、そのような事情がある家庭だけでなく、本当に問題な
のは、実際に支払い能力があるにもかかわらず、子どもを楯にして、あえて支払いを怠って
いるといった事例が増加していると聞いております。他市のひどい事例では、給食費の滞納
の多い小学校では、年度半ばを過ぎると、予定をしていた献立の中から、子どもたちが楽し
みにしていたデザートを一品減らさざるを得なくなったり、食材のグレードを下げたりする
といったことが実際に起きているとのことです。確かに給食費を納めなかったからといって、
子どもが即、給食を食べられなくなるというのも問題でありますが、最も問題なのは、支払
い能力が十分にあるにもかかわらず支払わない家庭があることです。未納の家庭を先生方な
どが根気強く回っていただいているにもかかわらず、自分さえよければいい、他人に迷惑を
かけても構わない、こんなケースがあると聞いております。
滞納を続ける家庭に育った子どもたちが高学年になり、親がしていることを理解できたと
きを考えますと非常に残念な気持ちになります。また、学校給食は、発達段階にある児童生
徒に栄養バランスのとれた食事を提供し、食事について正しい理解と望ましい習慣・マナー
を養うのも目標の一つであります。みんなで明るく、楽しい給食の時間を共有し、社交性を
養うのが学校給食であると考えます。
学校給食の実施主体は沼田市であるわけでありまして、こういう事態を放置しておけば、
子どもたちに本当に公平、公正な教育ができないのではないかと考えます。一部の心ない人
のために多くの人に迷惑をかける学校給食費の滞納問題について、本市はどのように取り組
んでいくのか、現状と対策についてお聞かせください。
以上で、私の最初の質問とさせていただきたいと思います。よろしくご答弁をお願い申し
上げます。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の金井議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、沼田市政について、沼田市の財政状況について、全国各地で財政問題が叫ばれてい
る中、本市の施策は、についてでありますが、本市の現在の財政状況についての認識といた
しましては、「極めてひっ迫している」というのが実感として率直に感じているところであ
ります。
ご承知の通り、現在、夕張市の財政破たんの問題をはじめといたしまして、全国各地で地
方自治体の財政ひっ迫の窮状が連日報道されておりますように、地方財政の現状は全般的な
傾向として悪化をしてきており、財政構造の改善に向けた行財政改革への取組みが地方自治
体共通の課題になっているところであります。
現在の地方財政の悪化をもたらした要因につきましては、一言で申し上げますと、三位一
体改革等によります地方交付税等の一般財源の急激かつ大幅な減少にあることは数値的にも
論を待たないところでありまして、本市における平成18年度の普通交付税とその振り替え
財源である臨時財政対策債の合計額が、3年前の平成15年度と比較すると約13億円の削
減となっておりまして、率直に申し上げまして、歳出削減等の努力がとても追いつかないよ
うな規模で、歳入の一般財源が減少してきているというのが実状であります。
この根本には、国・地方を合わせた長期債務が800兆円にも上るという国・地方を通じ
た財政危機の問題を背景として、国全体としての財政再建の流れや、今次の社会経済情勢と
しての大都市部と地方、中山間地域の格差の拡大・二極化の問題があると考えられ、本市の
ような中山間地域に位置する地方自治体にとっては、二重に厳しいあおりを受けているとい
っても過言ではない状況にあると考えております。
ご質問の、この状況を踏まえた「本市の施策は」ということにつきましては、沼田市行政
改革大綱及び実施計画に沿って行政改革を着実に進めていくことが基本でありますが、昨年
行いました中期財政見通し及び今回の予算編成で困難を極めました財源不足の規模等を勘案
いたしますと、現在の本市財政構造は、単年度でとらえますと相当規模の赤字構造にあり、
この構造がこのままの状態で今後も続いていくと仮定をした場合、あと1〜2年のうちにも
財政調整基金が底をつき、更に数年のうちには赤字が累積して財政運営が立ち行かなくなる
ことも可能性として否定しきれないところであります。
早急に現状の財政構造の立て直しを図るため、更に踏み込んだ経費削減や事務事業の見直
しを集中的かつ早急に行い、今後も自立した持続可能な財政運営の維持を図ってまいりたい
と考えております。
次に、沼田公園長期整備構想について、事業の進捗状況と今後の整備計画の進め方につい
てどのように考えているのかについてでありますが、沼田公園長期整備構想の策定につきま
しては、ふるさと創生1億円事業の一環として取り組んだものであり、沼田公園を核に市域
全体の歴史文化遺産を整備、活用していくまちづくりの将来的な目標として定めたものであ
ります。
また、この構想を進めていく上での基本的な考え方となる推進基本方針を定め、事業の推
進を図ることとしたものであります。
事業の進捗状況と今後の整備計画の進め方についてでありますが、沼田公園整備事業とし
ましては、基礎調査として電波探査や発掘調査などを行うとともに、関連地域整備事業とし
て位置付けた滝坂川河川緑地整備、(仮称)発知運動広場整備、現在のニュースポーツ広場、
奈良古墳公園整備、(仮称)沼須運動広場整備、現在(仮称)利南運動広場整備、旧沼田貯
蓄銀行保存整備などの事業を実施する計画となっているところであります。
今後につきましても、現下の厳しい財政状況を踏まえながら、市民の代表や専門家の方々
から意見を伺い、検討を重ね策定した沼田公園長期整備構想でありますので、その推進に向
け、努力してまいりたいと考えております。
次に、県営沼須土地改良事業について、事業進捗状況についてでありますが、県営畑地帯
総合整備事業沼須地区として、平成6年度に着手した当事業も、13年の歳月を経ているわ
けでございます。この間関係各位のご協力を賜り平成19年度に完成する見込みとなりまし
た。工事については、平成19年度に幹線道路の未舗装部分の舗装を実施し、完了する予定
であります。また、換地についても本年2月28日に事業主体である群馬県により権利者会
議が開催され、関係者皆様の同意も得られましたので、換地処分に向けて今後諸手続きを行
っていく予定であります。
なお、運動施設整備の内容につきましては、後ほど教育長から答弁申し上げますので、よ
ろしくお願い申し上げます。
次に、駅前広場整備事業について、駅舎建設についてどのように考えているのかについて
でありますが、沼田駅前広場整備事業につきましては、交通結節点としての機能向上、安全
快適な歩行空間の確保、駐車場の確保、利根沼田の玄関口としての整備等を目的に事業を進
めてきたもので、現在までに駅前ロータリー、駐輪場、駐車場が完成し、供用開始をしてき
たところであります。
ご質問の、駅舎建設についてでありますが、現在の駅舎は老朽化が進んでいる建物でもあ
り、観光案内やトイレの改築などの都市側施設と合わせて整備し、駅舎としての利便性や快
適性の向上を目的に、鉄道会社と共同による駅舎建設を計画したものではありますが、現下
の厳しい財政状況を踏まえ、再度整備手法について検討してまいりたいと考えておりますの
で、ご理解をいただきたいと思います。
次に、市営住宅待機者改善について、家賃助成などによる民間住宅の活用についてであり
ますが、本市においては、現状、家賃を助成するなどによる民間住宅の活用については検討
しておりませんが、他市などでは、一定の要件のもとに民間賃貸住宅を自治体が借り上げ、
入居者に対して家賃助成を行っているものもありますので、今後の課題とし、調査研究して
まいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、「県営沼
須土地改良事業についての運動施設整備の内容について」及び「学校給食費未納について」
は、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 金井議員のご質問にお答え申し上げます。
県営沼須土地改良事業について、運動施設整備の内容についてでありますが、(仮称)利
南運動広場整備事業については、整備計画について、スポーツ振興審議会に諮問を行い、そ
の後答申をいただき、この答申に基づき教育委員会で審議を行い、(仮称)利南運動広場に、
野球場とテニスコートを設置する計画が承認され、現在、基本設計が完了し、平成19年度
において、用地買収を行う予定でおります。
施設といたしましては、野球場、テニスコート、その他付帯施設等を整備する計画であり
ます。
次に、学校給食費未納について、現状と対策についてでありますが、今年度分につきまし
ては、未納額が確定していないため、平成17年度分までの過年度未納額についてお答え申
し上げます。
未納額は、平成19年1月末現在で、303万7,111円で、未納者は40人でありま
す。
収納率につきましては、平成15年度99.47パーセント、平成16年度99.15パ
ーセント 平成17年度、99.49パーセントとなっております。
収納対策につきましては、督促状、電話等で請求を行うとともに、家庭訪問による保護者
の啓発や納入方法の指導に努めるなど、学校と十分な連携を図りつつ、給食費の収納により
一層努めていきたいと考えております。以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答
弁とさせていただきます。
◇29番(金井康夫君) 再質問をさせていただきたいと思います。
この財政問題につきまして、市長ご答弁の中で県下、全国的に大変厳しいというようなご
答弁でございますけれども、昨日より今回、一般質問が始まったわけですけれども、各議員
が、この財政問題、大変大きくとりあげて質問をやっております。私も、この財政問題につ
きましてはですね、各議員と同趣旨で今回、組み立ててきたわけでありますけれども、なる
べく重複しないように質問をさせていただきたいと思います。
この沼田市の、平成19年度予算案が、これから特別委員会を開いて審査する予定であり
ますけれども、この沼田市の財政規模というのは、県内では非常に小さい規模であります。
今回示されたのが、一般会計予算でありますと214億円、対前年と比べますと大体4パー
セント減ですよと。緊縮予算のわけなのですね。これが例えば車に例えるなら軽四みたいな
ものだと思うのですね。その一方、例えば、前橋市、平成19年度予算案今示されています
けれども、市長どのくらいだかご存じでしょうかね。実際、一般会計予算が、1,253億
円なのですよ、前橋が。これは車に例えれば大型バスみたいなものだと思うのですよ。
一方で、軽四みたいな能力しかない市と片や大型バスで大勢の人が運ばれる能力の市が、
これからは競争しましょうというような時代だと思うのですよ。先ほど市長、答弁の中であ
りましたけれども、夕張市が財政破綻したというようなことでございますけれども、夕張は、
まさに自分の能力以上のことをやろうとしてパンクしたのかなというような気がしているわ
けでございます。この夕張の状況を見て、市長自身、沼田市の財政規模、大変小さい規模で
ございますけれども、どのようなご見解なのか、まず最初にお聞かせいただきたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) まず、夕張市と私ども沼田市の決定的な違いの要因がひとつある
と思っております。と申しますのは、昭和35年現在、夕張市は10万7,000人からの
人口がございました。現在、1万3,000人の人口ということで、当時の約10分の1に
人口が落ちてきているわけでございます。これはご案内の通り夕張が、当時、戦後エネルギ
ーの原料が石炭であったことから、非常に石炭産業が大変好調な推移があったということか
ら、人口が少なくとも本市の2倍ほどの人口がございました。そういった中で、徐々に、徐
々に、石炭産業の後退とともに人口が減ぜられてくる中で、いわゆる行政体のスリム化が同
じように進んでいったかどうかということになりますると、そこの辺のところがうまく回っ
ていかなかったのではないかというふうに私自身思量しております。
従いまして、夕張と本市の状況は、ややその論点が違うわけでありますが、ただ間違いな
く言えることは、沼田市と夕張と共通して言えることは、中山間地域の小都市であって、し
かも三位一体改革の税源移譲、あるいはまた国庫負担率の削減、いわゆる地方交付税の見直
しというところから来る部分の影響等が相当出ているということと同時に、人口減、財政が
厳しくなるに従っての、要するに内部改革がそこには大きく横たわっているのではないかと
思っております。
◇29番(金井康夫君) 市長の分析と言ったらおかしいですけれども、見解では、当初の
この石炭産業で夕張は10万人ほどあったということに対して、現状に甘んじて職員の数を
行財政改革できなかったということで、沼田とは若干違うのではないかというようなご答弁
だと思うのですけれども。自分自身、夕張が今回この破綻のはじまりだと思うのですね。沼
田はじゃあ何番手に付いているかといえば五十歩百歩だと思うのですよ。たいして差はない
と。経過は違っても。この夕張が何でこうなったかというとですね、先ほど申し上げました
けれども、軽トラックに5人も6人も乗せようとしたわけなのですね、人をね。
沼田市はじゃあどうなのかということを置き換えてみますと、例えばどこかに最新型の立
派な運動施設を高崎並みのものを作るとかですね、市営住宅を新しく作るとかですね、駅舎
を何億円もかけて作るとか、こういうことはやれば市民だれもが便利になっていいんですよ。
だれもが便利になるからやればいいのですよ。ですけれども、忘れてはいけないのは、これ
すべて借金でやらなければならないわけなのですね。この借金を軽トラで実際運営できます
かというと、これは非常に自分は疑問を感じるのです。そういうような中で、この借金はじ
ゃあだれが払うのですかという話になりましたら、実際我々の世代かもしれませんし、我々
の子どもの世代かもしれません。あるいは市長だってお子さんがいらっしゃるかもしれませ
んけれども、市長のお子さんの、また孫の世代かもしれないわけですね。今回、大変厳しい
状況だということは当局が認識しているというような話でありますけれども、今回の夕張市
は、あくまでも10万市からいっきに1万5,000位になったというようなことでござい
ますけれども、市長自身この夕張を反面教師として見たところ、ここ最近今までやってきた
ことと、反省に立ってこれからやろうとしていること、こちらについてどのようにお考えな
のかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 昨日の同僚議員のご質問にもお答えをさせていただいております
る通り、いよいよ待ったなしの行財政改革が当面しております。従いまして、新年度に入っ
て早々にプロジェクトチームを立ち上げて、そしてこれが対応のために努めてまいりたいと
いうふうに思っております。
なお、今おっしゃられたようなご質問の中で、これは見直すべきだというようなところは
やはり見直す。そしてやはりこれは今までの経過の中で避けて通れない、そういうようなこ
とについては、歯を食いしばって頑張っていくというようなことで、精査を明確にしながら、
今後対応を図ってまいりたいというふうに思います。
◇29番(金井康夫君) 今後はプロジェクトチームを作って、行財政改革を行うというこ
とでございますけれども、今回、自分は、なるべくわかりやすく質問をしようと思って心が
けて挑んでおります。なるべくわかりやすくご答弁をいただきたいと思いますけれども、先
ほど1回目の、市長、ご答弁の中で、今後この平成19年度予算、昨日同僚議員の方からも
出ましたけれども、家庭で言えば貯金、財政調整基金ですね。この財政調整基金というのは、
例えば自分のうちの子どもが急に結婚しますよとか、例えば事故がありましたよとか、急に
突発的なことがあったときに使う貯金なわけですね。今回、この貯金をほとんど繰入れで予
定しているわけでございますけれども、先ほど1回目の答弁ですと、市長、1、2年で財調、
貯金がなくなってしまうというようなご答弁でございますけれども、この財調がなくなった
場合どうなるのかと。次の段階ですね。じゃあ一番心配しているのは、今この財政力、非常
に沼田市は逼迫しております。その中でよく言われる標準財政規模の20パーセントを超え
ると再建団体になりますよ、夕張みたいになりますよと言われているわけです。18パーセ
ント以上になると国と県の許可団体になってしまうのですね。沼田市が今18パーセント以
上にもうたぶん、私の認識ですと、ここ1、2年でたぶんなると思います。許可団体になっ
てしまうのですよ、実際のところ。それについて当局がどのように認識されているのか。そ
ちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今金井議員の、標準財政規模の関係からくる許可団体のご質
問でございますが、そのような状況がくるのではないかと思量しておりまして、今回の当初
予算を策定するにあたっても、大変そこのところに留意をしながら、非常に神経を使った対
応を図ってきた経過がございます。
◇29番(金井康夫君) 実は市長、群馬県内で、昭和29年再建法ができたと思いますけ
れども、再建団体になった自治体が実際5団体あるのです。このうち市はですね、太田市と
沼田市が、これ沼田市、昭和41年再建団体になっているのですね。このとき、当時の職員
の方にも自分は聞かせてもらいたいということでお話を聞きましたところ、大変不都合を生
じたと。市民の方も大変だったということを口を揃えて言われております。今回、許可団体
というものがどういうものなのかと言えば、国と県の許可がなければ借金ができないのです
ね。国と県の許可がないと借金ができないということは、自然と地方分権、権限ばかり与え
てもらっても自由なことができないのですよ。「市民の人たちがまんしてください」という
ようなことになるのですよ。そういうようなことになるということが、市民の方々に正直な
ところわかりやすく周知しなければならないと思うのです。
自分自身、今回、こういうような質問をするのはですね、非常に心苦しいわけであります
けれども、議員自らがそういうところを明らかにして、市民の方々も現状、こういう状況な
のですよと。例えば手術は成功したけれども患者は死んでしまったと。いうようなことにな
らないためにこういうような質問をさせていただいておるわけでございます。市長、先ほど
プロジェクトチームを作って行財政改革に挑むのだというようなことを言われておりますけ
れども、一方では1、2年後には許可団体になってしまうかもしれないというようなことで、
この抜本的に、段階的に、短期的に、どうするのだということについては、なかなか明確な
ご答弁がないわけでございますけれども。この不安を払拭するために、ある程度こう考えて
いるのだというようなことがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今回、当初予算を策定するにあたって、非常に内的には総務部長
がいろいろと苦慮して対応を図ってきた経過がございます。同時にですね、今おっしゃられ
たようにこの許可団体等になると。やはり各関係機関のご指導もいただかなければならない
という実態にございます。必然的に、いわゆる自由にその事業を展開していくということが
大変厳しくなってくるということは金井議員がお考えになっている通りでございます。
そういった中で、どうしても経常経費等の削減を図ることによって、そしてこれが対応に
努めていかなくてはならないわけでありますけれども、何せこの三位一体改革のあおりが相
当に厳しいものがございまして、これらについては逆に、上位の団体に対して、現在の中山
間地域における実態等のことについても訴えて、しかもこの地方交付税そのものが、いわゆ
る地方自治体の固有の財源であるというようなこともやはりはっきりと申し上げて、陰に、
あるいはまた陽に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 確かに三位一体のあおり、これは非常に厳しいと思うのですね。
以前も自分の方で、質問の中でいろいろお話しさせていただきましたけれども、全体に言え
ば、税源移譲が1,800くらいの今回、自治体の数になったのですけれども3兆円と。補
助金カットが4兆円、交付税削減が5兆円だということで、差し引きすると合わないのです
ね、何が三位一体だというような気がするのですけれども。そのあおりを、市長自身受けて
いるというようなことでございますけれども、実は昨年の朝日新聞のコラムに、「あなたの
まちは大丈夫ですか」というような記事が載っておりました。
これが夕張の破綻に至った原因の部分を、いろいろるる書いてあるのですけれども。ちょ
っと紹介させていただきますと、「一昔前の大盤振る舞いは異常なほどだったと。6期務め
た前市長は、補助金や交付金を元手に観光振興にひた走った。旧通産省の産炭地振興の名目
で、夕張市に渡した交付金は70億近い。住民には、国の金が降り続いたように見えたこと
だろう」というようなことを言っているのですね。これは観光、レジャーにひた走った結果、
結局この維持管理費が一般会計に食い込んでしまったのですね。この後、このコラムですと、
6期務めた市長だけでなくてですね、このようにも書いてありました。「巨額の借金を認め
てきたのは、責任は市議会にあると。町内会長を議員にして、議員の日だけ日当を払えばい
いという住民の批判は当然だと。住民も私見者としての責めを負う。行政サービスの低下の
ほか、地価の下落による資産の減少も避けられまい」というようなことがうたってあるわけ
でございます。この記事だけを見るとですね、大変これから市の責任、あるいはそれぞれの
住民の代表の責任というようなことを揶揄されているようなコラムなのですけれども、市長
自身、そちらについての感想、何かありましたらお願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 朝日新聞の論説等、議員が紹介してのご質問でございますが、確
かにこの夕張が、旧炭坑地域振興目的のいわゆる産炭地域の総合発展基金等が使えたという
のですか、そういうようなことがあったようでございます。やはり常にそういったことの目
の前の財源というのか、そういった事業展開ができるものについて、やはり後にどういうこ
とが負担としてかかってくるのかということを十二分に精査をしながら、これらについて対
応を図っていく必要があったのではないかというふうに思っております。
従いまして、私どもの立場からいたしますると、事業を起こす場合には、そういった先々
の財政見通しを立てる中で対応に努めていかなければならないというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) 実はですね、市長。三位一体の関係で非常にこの中山間地域、特
に財政力が厳しいところ、あるいは人口が少ないところは影響を受けているというようなご
答弁されている中で、市長、去年、地方分権21世紀ビジョン懇談会ということで、これ竹
中平蔵氏、あるいは今の大臣の太田弘子さんが座長で、報告書が去年出されております。実
はこの地方分権21世紀ビジョン、これ読ませていただきまして非常に自分はびっくり仰天
しました。というのがですね、どういうことかと言いますと、今夕張市なんかですと、昭和
29年にできた再建法を基に、国の管理のもとに今再建を図っているわけでございますけれ
ども、この21世紀ビジョンの中で書かれているのが、再生型破綻法を作ろうということな
のです。これ破綻させようという法律を3年以内に作るというのですよ。今の太田大臣とか。
これは3年以内にやるということがうたわれているのですよ。最初1回読んだときに、あま
り理解できなかったのですけれども。実はこれも以前、日経新聞か何かで、総務省出身の片
山知事が書かれていた記事に、「自治体、地方公共団体は、債務不履行がないけれども、こ
れからは債務不履行があるのではないか」ということを、この日経新聞のコラムに書かれて
いたのを覚えています。これはどういうことなのかというと、たぶん自分の理解ですと、今
夕張市が300億円借金をしましたよと。でもこの借金が、一日たりとも滞ったというニュ
ースは聞いてないわけなのですね。
例えば、会社が倒産すれば社長が身銭をきったり、私財を投げ売ってやらなければならな
いわけなのですね。今回のこの債務不履行、なかったのだけどあるというのは、これからた
ぶん再生型破綻法というのは、自治体がゼロベースで考えろということだと思うのですけれ
ども。つぶれた場合は市長、あるいは議会にも責任を持ってもらいますよというような、大
変厳しい内容なのかなというような気がしております。
市長、ご存じだと思いますけれども、新型交付税が今後今国の方で検討されておりますけ
れども、この新型交付税というのは人口と面積を要件にしているのですね。これは市長、大
変その関係は造詣が深い方ですから得意分野だと思うのですけれども。人口と面積を要件に
するということは、これは逆手に考えますと、人口と面積を増やしたところでは、国がバッ
クアップしますよという法律なのですね。片や、人口や面積を増やせなかった自治体はどう
ぞつぶれなさいということを言っているのだと思います。私は、これは非常に厳しく受け止
めております。そういうような状況の中で、本市とすればどういうような対策を練らなけれ
ばいけないのか。今回、いろいろな流れの中で、平成の大合併がある程度ひと段落着いてい
る中で、必ず道州制の波が来ると思いますけれども、ここで沼田市長として、命をかけてと
言ったら大げさですけれども、そのような気持ちでやらないというと大変なことになるので
はないかと思うのですけれども。市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の金井議員の再質問にお答えをしたいと思います。
実際問題として、国と地方の関係は、お金が国に7割、地方に3割、仕事は地方が7割、
そして国が3割というような構造を五分五分にしていこうというようなことが今回、地方分
権の時代の流れとしてあったことはご案内の通りかと思います。そこで、新型交付税等、面
積と人口でもってこれからとらまえていくということなのでございますけれども。やはりこ
の交付税の歴史的な流れを見てみまと、戦後、シャープ勧告と言って、平行交付金等の話題
がありました。これはある意味においては、地方自治体の固有の財源だという、そういう流
れからくる地方交付税制度ができたという経過があるという認識をしております。ただ今の
お話の通り、徐々に道州制というのが、時代の趨勢によって進んでいくであろうというふう
な、私はそちらの方の論理が進むであろうという認識を持っている人間でございます。従い
まして、いわゆる現在の都道府県、市町村という構造がある中で、将来にわたると国と基礎
自治体との関係でもって、ある程度、都道府県が収斂されてくるのではないかというふうに
思っております。
従いまして、基礎自治体の、基礎自治体というのは現在の市町村を指すわけでございます
けれども、この基礎自治体の存在そのものが、今までの末端行政ということがよく言われた
わけでありますけれども、やはり地方自治体、つまり基礎自治体が、先端行政の役割を果た
す時代が来ているというふうに認識をしております。従いまして、そこにはもう待ったなし
の、逃げ場のない状況にございますので、まさに議員がおっしゃっている通り、命懸けの、
いわゆる自治体運営が余儀なくされてくるであろう、こういうふうに認識をしているところ
であります。
◇29番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、シャープ勧告によってある程度、国土の均
衡ある発展と言いますか、財源の、お金のない自治体はお金がある自治体がカバーしますよ
というようなことだと思うのですね。市長、十分ご存じだと思いますけれども、今のこの交
付税制度だというと、自治体が頑張って税収をあげましたと。税収をあげても交付税は下げ
られたのですね。いくら頑張ったって同じわけだったのですね。そういうことに関して、今
回21世紀ビジョンでは、汗水たらしたところにはそれなりのバックアップをしますよと。
しかしながらそういうことができないところはだめだということを言っているのですね。市
長、先端行政で頑張るのだというようなご答弁でありますけれども。
今回、この波に乗り遅れると、道州制が絡む中でどうなるのかなと考えますと、例えば1
0年前を振り返ってみて、今回、沼田、利根、白沢と、新沼田市ができたのですけれども、
こういう市ができるなどと思っていた人はたぶん誰もいないのではないかなと思っているの
ですね。へたするとですね、5年先どうなるかたぶんわからないのですよ。沼田市がなくな
っているかもしれないのです。隣の渋川市に吸収合併されているかもしれないですし、南郷
の奥に行けば桐生とつながっているのですね。もしかしたら桐生市になってしまうかもしれ
ないですよ。桐生市沼田町とね、そういうこともあり得るかもしれないのですよ。
ですから、これからは地域間競争ではないですけれども、自治体間競争なのですよ。自治
体同士の競争力を発揮して何とかやらなければならないというような感じがしております。
市長には大変厳しいような質問でありますけれども、今の沼田市の財政の状況を見ますと、
何かメタボリックシンドロームみたいな感じなのかなというような気がしております。本来、
使うべきところにお金が回っていないのではないかなというような気がするわけでございま
す。そういうところから、市民、あるいは議会の方からいろいろな不満とか出るわけでござ
いますけれども、そちらについて、市長におきましては真摯に受け止めていただきたいと、
このように思うわけでございます。
今こういう状況の中で、こういうものが必要なのですかと。自分は今回非常にわかりやす
く質問をさせていただいております。それを財政担当、今回平成19年度予算を組んでいる
中で、非常にこれは寝ずにやったと思いますよ。寝ずにやったと思いますよ。その中であれ
だけ繰入金をやらざるを得なかった。これは政治判断だと思います。ですからそういうこと
を全体的に踏まえて、今沼田市はこういう状況なんだ、大変厳しい中、お金を使うのではな
くて、ハードじゃなくて、これからはソフトの時代なのかなと。アイデアを出し合って皆で
頑張ろうというような中で、具体的なものを打ち出していかないと、なかなか今の財政状況
だと厳しいのかなというような気がしております。
今後、この合併した10年間は、私自身思いますのは、我々の世代でなくて次世代に譲り
渡すのだと。がまんの10年間なのだというような形でやらなければならないと思いますけ
れども、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員が、大変熱く持論を述べられまして、大変共鳴をしてい
る立場でございます。ただ議員ご案内の通り、継続事業があって、そしてその継続事業を収
束をしていくためには、どうしても事業展開をしないとその事業が収束に導くことができな
いというようなこの狭間の状態に、現在も市の状況があるということもご認識をいただけれ
ばと思っております。
先ほど来お話の通り、非常に財政当局は確かに苦慮して努力をいたしました。そういった
中で今回、いろいろな意味で絞ってきた対応が今回の皆さん方にご提案させていただいてい
るところの予算案でございます。そういった中で、先ほどお話の通りどうしても今まで継続
の事業がかつてから進んできたということをどこかで収束、整理を図っていくためには避け
て通れない行政体の責務をこれまたありということの中にあって、非常にその辺のところで
知恵を絞ったり、苦慮をしてきたという経過があります。
◇29番(金井康夫君) 継続事業があって、それぞれを収束しなければなかなか難しいの
だと。それを理解してもらいたいというようなご答弁でございますけれども、この後、そち
らについても、じゃあこうやったらどうですかという形で再質問させていただきたいと思い
ます。
順繰りにいきたいと思いますが、沼田公園長期整備構想について移らせていただきたいと
思います。こちらにつきましては、私の方から昨年の3月に、沼田城の建設について質問を
させていただきました。このときに、一方で観光協会で天守閣を作れと。また一方、沼田市
では、周辺整備から進めますよと。若干手法が違うわけでございますけれども、市長はその
ときの答弁で、多角的にいろいろなお知恵を借りながら検討していくというような答弁だっ
たのですけれども、一年経ったわけでございますけれども、その後どうなのか、お聞かせい
ただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内の通り沼田城の建設関係につきましては、観光協会の小林
一郎会長を中心といたしまして、市長のところに沼田城の関係等についてご要請があったと
いう経過がございます。また、この沼田公園の関係等については、ご案内の通り今回もいわ
ゆる野球場付近にトイレを作らせていただいたという経過がございます。徐々に公園の状態
をかつての城下町のシンボリックなところとして環境整備を図っていくということが、やは
り徐々にではありますけれども、進めていくということが必要なのかなということと同時に、
観光協会を中心とした沼田城の問題については、これは一人行政の力だけではいかんともし
がたいところがございます。従いまして、市民の方々のご意見、ご意思をたいしながら今後
に処してまいりたいと思っております。
◇29番(金井康夫君) ちょっとわかりやすく再質問させていただきたいと思いますけれ
ども。観光協会が、今回は天守閣を作ることによって観光振興を図るのだということで今動
いています。市長はこの天守閣を先に作ることに対して賛成でしょうか、反対でしょうか。
そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 天守閣を作ることについて賛成か、反対かということになります
ると、当然、先々の、それは何年先になるのかわかりませんけれども、天守閣ができること
を将来展望に夢を描きながら、できるところから一歩ずつ前進させていくということが必要
なのではないかというふうに思っております。
◇29番(金井康夫君) この沼田城の天守閣建設については、もう亡くなった方もいらっ
しゃるのですけれども、7,000万を割るような寄付金が当時から集められております。
この方々に、実際市に対しては沼田城建設基金という形であるのですけれども。その後、全
然説明されていないのですね。市は何を考えているのだというような形で、先日、私、非常
に4時間ほど怒られました。そちらについて、いろいろお話しした中で、本当にやる気があ
るのかと。そういうような中で、この寄付金、本当に返してもらうよというようなことまで
言われたわけでありますけれども。市長自身、今お答えですと、長い年月をかけてでもやる
のだというようなことでございますけれども、ちょっと考え方を一つ変えて、昔、天守閣が
あったところは今利根の英霊の御霊が御柱として今祀られておるわけでございますけれども。
市長自身、この御霊を移動することができるとお思いなのか、お聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) これは大変難しいご質問でありまして、今即答ができかねます。
ご案内の通り招魂英霊殿でございますから、大変これは重要な構造物であり、建造物であり
ます。従いまして、これは今、このところで右に、左にというような、簡単に、あるいはま
た簡潔に申し上げられる筋にはなりかねないので、慎重に対応していくということでしか現
在のところは申し上げることができません。
◇29番(金井康夫君) 自分自身、今回心配しているのは、観光協会の方でいろいろ動い
ています。今400名くらい会員が集まったというようなことでございますけれども、例え
ば、人が家を建てる場合には地べたがしっかりしなければだめなわけですね。人の家の権利
があったりとか、そういうような中で、実は生前の金子安平さんにですね、私は、個人的に、
この御霊移しができますかというようなことを聞いたことがあります。安平さんのお答えと
いうのが、できますよと言うのですね。何でできるのですかと言いましたら、英霊の御霊と
して、御柱として、あそこにありますけれども、私の榛名神社に来れば皆さんが安心します
よと。さすが安平さんらしい答えだなと感心して聞いたのですけれども、今じゃあ安平さん
がいない中でそういうことができますかというような問題がたぶんあると思います。これは
精神的な問題ですから、宗教的な問題もありますけれども、ですからそういうことも当局と
して一つ整理していかないと、観光協会の方で今突き進んでいるのですよ、どんどん、どん
どん。でも歯止めがつかなくなった場合、当局としてじゃあどうするのですかという場合、
利根の英霊の御霊の問題はこうなのですよというようなこともある程度整理していかないと
うまくないのではないかと思うわけでございます。
この沼田公園長期整備構想の中で、短期計画の中で当初二重櫓を作ると。これは実施設計
までやったのですね、もう計画がありました。当時、この沼田公園長期整備構想を見直す会
というのがあって請願が出たのです。反対400名の署名がついて。この反対理由というの
が、今ある御殿桜のところにもともとは二重櫓があったのですよ。史実に則りますと。では
史実に則ってあそこに二重櫓を建設しましょうと言ったら、御殿桜を切るだととその人たち
が怒り出したのですよ。じゃあ鐘楼の近くに建て替えましょうと言ったら、今度はそれは史
実に則ってないというので、どっちとっても反対だと言うのですよ。そういう運動を起こし
た人たちがいるのですよ。
そういうことを踏まえて、例えば市長が天守閣じゃなくて周辺整備から進めますよという
ことになれば、短期計画で一番最初にやるべきことというのは二重櫓の問題なのですよ。実
施設計はできているのですから。この問題をやるときに、それらの、今言った地べたの問題
も、そういうことを整理していますかということなのですよ。市長、そちらについて何か整
理されていることがあればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に難しい質問なのですが、実はこのお城の建設のご要請があ
った方々に対して、そこにご質問をさせていただいたことが一つございます。皆さん本物の
志向の立場でしょうか。それとも若干、状況に応じては柔軟なやり方でもよろしいでしょう
かという質問に対して、おいでになられた方々は、その場では、それぞれのお答えを持って
おられたようでございます。従いまして、まだそういう意味では、そういった沼田城建設の
ための意欲を持っておられる方々のところでは、沼田城を建設しようという1点では意見の
一致を見ているようでありますけれども、それが今、金井議員がおっしゃるように、例えば
天守閣というのはここにあったのですよ。今英霊殿の話がありましたけれども、本物になれ
ば今言ったようなことをクリアしていかなくてはなりません。
しかし、もう一方におきまして、そうでなくてもそれに近い、より近いものであるならば
いいのではないかという論理になってまいりますると、そういうようなところを外すことが
当然考えられてくるわけでございます。ただそこの場で、私どものところにおいでになられ
た方々が、意見の集約された感が受けとめることができなかった感がややしております。従
いまして、今後そういうようなことの動向を見定めまして、今置かれている環境条件の中で、
市の行政としてできる地道なところから着実に前進を図っていくことが必要ではないかと思
っております。
◇29番(金井康夫君) この沼田公園長期整備構想につきましては、今回、平成19年か
ら第五次総合計画、これは市長の10年のプランを立ち上げたわけでございますけれども、
この基礎資料の中で、沼田公園長期整備構想で公園施設内の代替施設用地を図るというよう
なことがうたわれております。これは利南の運動施設の関連だと思うのですけれども、これ
を、どうしてもこのテニスコートと野球場を今移さなければならないとお考えなのかどうか。
そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時01分休憩
─────────────────────────────
午前11時09分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問にお答えをしたいと思います。
現在の沼田公園にある野球場、テニスコートを早急に移す考えがあるのかという質問であ
ったかと受け止めております。これにつきましては、当然、内外の諸情勢、つまり先々、そ
ういったところがしっかりと担保されない限りにおきましては、なかなかこれを移動を早急
にするということにはならないというふうに思っております。いずれにいたしましても、市
の総合的な体育施設のとらまえ方をしながら、今後、沼田公園にあるところの野球コート2
面、テニスコート関係等について考えていくということになろうと思います。
◇29番(金井康夫君) 自分は今回、沼田公園長期整備構想に則ってテニスコートと野球
場、どうしても移転しなければなりませんかというような形で質問したのですけれども、市
長は、内外の諸情勢を勘案しながら検討するというようなことでございますけれども。一方
では、今回、沼須地域に8面の全天候型テニスコートと公式野球場を作るというような計画
で、今回用地買収費、平成19年度予算組み込んでいるのですね。これは後々教育部門に移
る質問なのですけれども、片方でテニスコートがあって、こちらの諸情勢が整わなければそ
のままたぶん残るのですかという話だと思うのですよ。たぶん、今現在で沼田にお堀として
残っているのは、あそこのテニスコートだけなのですよ。4面あるところだけなのですよ。
あとみんな埋めてしまいましたので。そのテニスコートを埋めますかという話なのですよ。
私は、諸情勢を考えると、絶対これ反対運動が起きますので。ですけれども、あそこで反対
運動が起こったのをじゃあ止めましょう、凍結しましょう。じゃあ、あちらには8面と野球
場を作りましょうということが、今のこの財政状況の中でどうしてもやらなければならない
ことなのですかという質問なのです。
市長の先ほどのご答弁の中で、継続事業の中で、それぞれやらなければならないというこ
とは十分私はわかりますけれども、今回のこのテニスコート、5.2ヘクタールになったの
は去年3月の話なのですね。前までは3ヘクタールの新町側でやってきたものが、今回は5
ヘクタールに広がったというような中でたががはずれてしまったのですよ。最初の質問じゃ
ないですけれども、大型バス並のことをやろうとしているのです、今。沼田市の財政状況で。
そういうものが、その地べたの、地権者の問題もあるのだと思いますけれども。私は沼須の
地権者の方々の問題がクリアすれば、そういうような形で上物に運動施設を作るということ
が果たしていいのかどうか。これ非常に疑問に思っております。議員として、はしくれです
けれども、この問題については市長自身英断を下さないと、今後、我々の次世代、あるいは
子供の世代に必ず、維持管理費これ伴いますから、負の遺産として残ってしまうのではない
かと思うわけでございますけれども。そちらについて市長の見解をお聞かせいただきたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな歴史的な経過の中で今日を迎えているわけでございま
すけれども、まず、沼須の関係等については、ご案内の通り継続事業として土地改良事業を
進めていく中で、いよいよもって換地等の収束を図るべきところまできた中で、やはり県の
関係、上位の関係に対するいろいろな諸手続きからくることを踏まえますと、いずれどこか
で避けて通れない問題かと思っております。同時にですね、沼田公園の先ほど来の諸施設に
つきましては、それら諸々の条件を踏まえながら対応を図っていくということになろうかと
思っております。早急に、このテニスコート、あるいは野球場等が他に移るということにつ
いては、先の事業がどのような形で展開していくかということも見定めながら考えていくと
いうことになろうかと思っております。しかしながら、それらの関係等については総合的な
見地でもって、慎重な対応方を図っていくつもりでございます。
◇29番(金井康夫君) 今回のこの運動施設用地、これは土地改良から発端なのですけれ
ども、市長自身、今回この財調の取崩し、19億円を繰入れしたのですけれども、この事業
が非常に影響を及ぼしていると思っております。当初、沼田市が、3ヘクタールのところに
運動施設を作るときのことから考えて、どれだけ本来県の企業局が負担するわけであったも
のが、どれだけ沼田市の負担になったのか。そちらについて試算しているものがあればご披
瀝願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 特にそういったところの試算は現在持ち合わせておりませんけれ
ども、お許しをいただけるのであれば、後ほど経済部の方で対応方を図って、議員の方にお
つなぎをさせていただくことでよろしければお願いをしたいと思います。
◇29番(金井康夫君) そういう形で結構です。自分の方で概算、若干言います。3ヘク
タールから5ヘクタールに移ったということで、当初1平米1万600円で買うということ
で約束して同意を持たせたのですね。2億円損したのです、これで。拡幅道路1億円、これ
も必要なかったのが1億円上乗せです。それプラス雨水排水処理、これ債務負担行為今回や
っていますけれども7,200万、大体4億ですね。それプラス今3段にあるところから今
度平なところに持っていきますから。造成費、これ1億5,000万かかるのです。1億5,
000万大体かかるのです。大体6億です。それプラス3ヘクタールが5年間で売れなかっ
た場合は市が全部買い取りなさいというようなこれ、白紙に委任状を書かせたのですね、県
の企業局が。大体10億円なのですよ、今回の。たぶんそうだと思うのですよ。もっとある
かもしれないのですね。そちらについても詳しい資料が整ったらぜひとも提出していただき
たいと思っております。
今回の、この沼須の問題については、非常にでかい問題であるわけでございますけれども、
教育長にずいぶんお待たせしてしまったのですけれども、お聞きしたいのが、今一連の流れ
をお聞きになって、教育長自身、今回、教育部に移りましたので、テニスコートと野球場、
本当に必要だとお思いでしょうかどうか。そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 必要だと考えております。
◇29番(金井康夫君) 私は必要ないと思っております。それは見解の相違ですから。そ
れはなぜ必要じゃないかということであれば、何でもあればいいのですよ、何でもあればい
いのです。ですけれども、今の沼田市の財政状況では非常にその他に影響を及ぼす可能性が
あります。それだけをやることはいいのですよ。全体を見渡したときにどうなのかというよ
うな心配があるわけでございますから、ぜひとも教育長、そちらについても十分に考慮して
いただいて、慎重に事業を進めていただきたいと思っております。
残り2分ですけれども、一通り私の一般質問はさせていただきました。今回、市長に対し
まして私の質問は、ある意味苦言を呈するような質問内容でございます。この苦言を呈する
というのは、ある意味、市長に対して警告とか、忠告のことを言ったつもりであります。市
長の周りにこういうような苦言を呈するような人が一体何人いますかというようなことを真
摯に受け止めてもらいたいと思います。私自身思いますのは、本当に市長のことを考えたり、
沼田市民のことを考えているわけですから、耳障りのような一般質問でありましたけれども、
ぜひとも市長は、心地よい、朝7時から夜まで、自転車で頑張っているのだよというような
人の意見は、非常に心地よい話だと思いますけれども、このような耳障りの意見もぜひとも
聞いていただいて、今後の沼田市発展のためにぜひともご尽力いただきたいと、このように
思いますので、よろしくお願い申し上げまして、私の一般質問とさせていただきたいと思い
ます。ありがとうございました。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、真下恭嗣議員。9番。
〔9番 真下恭嗣君登壇〕
◇9番(真下恭嗣君) 通告の通り一般質問いたします。
私の質問は、1、新沼田市における財政状況について、2、人口対策について、3、まち
づくりについての3点であります。いずれの事項も現在の沼田市にとって急務な課題であり、
多くの市民が案じ、高い関心を持っていることと思います。また、これらの課題は、中長期
的な視点で捉えねばならない、重く、深いものと承知しておりますが、かといって決して先
送りは許されず、取り組みのできることから一刻も早く方針を決める必要があると考えます。
最初に、新沼田市における財政状況についてお尋ねいたします。
平成7年に地方分権推進法が制定され、平成13年に失効いたしました。昨年の、平成1
8年、地方分権改革推進法が成立し、第2期地方分権改革の時代に入り、国から地方へと権
限と責任が移管しつつあります。親方日の丸国家として、中央政権の指示どおりに地方自治
体がお伺いを立てて仕事をするという構図から、地方主体に権限と責任が背負わされてきま
した。ある意味では、国の責任転嫁という面もないわけではありません。三位一体改革の中、
交付税の見直し、補助金の削減が先行し、その結果、大都市圏と中山間地域を中心とする地
方との格差が生じ、夕張市をはじめ中小の少なからずの自治体において財政困難な状況に陥
っています。姉妹都市である下田市においても財政危機が叫ばれているとお聞きしています。
当市における財政の現状は、過去5年間の推移の中でどのように位置づけられているのか、
合併をはさんでの5年間であるが、合併によって予想した財政推計の通り財政の変化が見ら
れたのか。具体的な指標がありましたら、何点かの指標も含めてご答弁願います。
次に、今後の展望と課題についてお伺いいたします。
国の三位一体改革の総仕上げである税源移譲が今年なされます。所得税から住民税へ税の
移管が行われるという形をもって国から地方へ税源移譲がなされるわけです。住民にとって
税負担はほとんど変わらないようですが、これは国の方で言っているわけですが、この定率
減税については別問題でありますが、地方自治体にとってはどのような影響があるのでしょ
うか。大都市と比較しまして、中小自治体である沼田市にとって格差のある負担とならない
のか、お尋ねいたします。今後の展望と課題について、またその課題に対しどのような方策
で取り組まれるか、市長の所見をお伺いいたします。
次に、人口対策についてお伺いいたします。
日本全体が少子高齢化に向かって進んでいく中で、沼田市においてもその傾向は顕著に見
られると思います。自然に任せていくと人口減少が進み、なおかつ高齢化率が高くなり、そ
の結果、地域社会における人口バランスが崩れ、地域社会の危機に陥る危険があります。私
自身も含め、ベビーブーム時期に生まれた団塊の世代と言われる人々が、この春より5年間
にわたり続々と定年退職を迎えます。沼田市出身者も数多くいるし、沼田に何らかの縁を持
っている人も相当いると思われます。この人たちは、一般的にお金と時間にゆとりがあり、
人生経験に裏打ちされた知恵、教養を持っていると言われています。まさに人的財産だと思
います。この人々にいかに沼田市に関心を持ち、住みたくなるような気持ちになってもらえ
るかは、これからの都市間競争で生き残る大きなポイントになるかと考えます。彼らが何を
求めているのか、そのニーズに対応したものを用意することが必要ではないでしょうか。今、
団塊の世代が求めているのは、自然、やすらぎ、癒し、ふれあいなどであると思います。み
なかみ町の上牧にある外人村には、このようなものを求めてあのように不便なところにもか
かわらず多くの別荘があると聞いております。沼田ゴルフクラブ跡地は、山林と農地で構成
されており、団塊の世代の受け入れ地としてそのニーズに応えられる可能性が非常に高いと
思います。遊休資産の活用という側面からも十二分に検討するに値すると思います。売り出
す方法、貸し出す方法等活用方法はいくつかあると思いますが、市長のお考えをお伺いいた
します。
また、受け入れのソフト面における施策として、「安全、安心なまち」をベースに、知的、
精神的満足度をいかに高められるか、が必要となります。「21世紀の森におけるコンサー
ト」のような感動を与えるものがもっと、もっと必要だと思いますし、公民館活動のように
地味なものももっと充実させることが必要だと思います。
更には「団子汁コンテスト」のように食文化の交流と向上を目指すことも大事なことと思
います。とにかく事業主体が誰であれ、魅力あるソフト事業が沼田市で数多く展開されるこ
とが沼田市のグレードアップとなります。行政としてどう関わり、どう応援していくかが大
きな影響を与えます。市長のご見解をお伺いいたします。
次に、まちづくりについてお伺いいたします。
中心市街地活性化事業は、全国的に困難な局面にあるようですが、当市においても依然厳
しい状況にあると思います。過去に様々な場面で、様々な立場の人が議論し、報告書が作ら
れました。中心市街地は、利根沼田地域の顔であります。顔は曖昧にしておけばおくほど不
気味な存在となり、やがて見放されてしまいます。無論、どんな顔でも良いというわけでな
く、最もその地域にあった顔を作るわけですので大変な仕事ですが、先延ばしする時間的余
裕はないと思います。
まず、もっともポイントとなる「やさしさの核」「にぎわいの核」について、再度の行政
提案をたたき台として出す必要があると考えます。私は、「やさしさの核」については、高
齢者、障害者対応を十分に配慮した居住空間の創出がよいのだと考えます。
昨今、特養施設をはじめ、高齢者の受け入れ施設が需要に追いつかず、民間事業者の間で
はトラブルが起き、社会問題化しています。先の団塊世代の受け入れと同様に「安全、安心
な空間」をベースに、高齢者、障害者が安らぎ、憩える空間をハード、ソフト面で提案する
ことが、沼田の顔の一部となると思います。「にぎわいの核」は「やさしさの核」と連携す
るものとして「世代間の交流」の場であり、またこの地域以外の人たちとの交流の場として
位置づけてはどうでしょうか。幸いこの地域には、古来からの伝統民芸芸能がたくさん残っ
ています。交流を進める一つの手段として、その活用は意味あるものと思います。
また、沼田の中心市街地は、城堀川の水とともに城下町として発展してきた歴史的な経緯
があります。姉妹都市フュッセンをはじめドイツの町が歴史を大事にし、第二次世界大戦で
ほとんど崩壊したにもかかわらず復元し、住む人、訪れる人ともども共感しあっています。
日本でも飛騨高山、郡上八幡、倉敷などで、水を中心として、歴史的建造群を復元して落ち
着いた日本の歴史性を生かして成功している都市はかなりあります。先ほど申し上げた通り、
城堀川を引いたことによって初めて人が住めるようになり、城下町が形成されてきました。
この城堀川を沼田の顔の一つとして位置づけてはいかがでしょうか。同時に、川越市、小布
施町のように、景観に統一感をもたせることによってその顔はより明確化されます。景観に
関して何らかの方策が必要と思います。ぜひご検討願います。
沼田の顔として、更に特徴づけられるのが、沼田城跡と思います。平成4年「沼田公園長
期整備構想」を策定し、その後5回に渡り、沼田城跡を発掘調査され、その結果、報告書と
して平成13年に「沼田城跡」が発刊されました。そこには数々の成果がまとめられており、
沼田城跡がいかなるものかある程度わかりますが、本報告書にあるようにアヒルの池から北
に石垣が伸びていることは明らかになっています。石垣が伸びていることは、即ち堀が同時
に伸びているということです。その堀に隣接して築城された天守閣が破却時には運搬手段が
ない時代ですので、その堀に埋め捨てられたとの推定は十分なりたちます。天守閣の遺品、
建造物の大半が埋められているに違いない場所をぜひ発掘調査すべきと考えます。中世から
近世初期にかけて歴史上の要衝を占めた真田沼田城からすばらしい贈り物があるに違いあり
ません。「沼田公園長期整備構想」の目玉である天守閣再建については、過去数十年の間に
何度か推進運動の盛り上がりがありましたが、昨今も沼田市観光協会を中心に沼田城推進運
動が盛り上がりつつあります。市長、教育長それぞれのお立場で所見がありましたらお伺い
いたしまして、私の1回目の質問とします。
同僚議員と重複する部分が多々ありましたがひとつよろしくお願いします。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の真下議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、新沼田市における財政状況について、現状について、過去5年の財政傾向と特徴に
ついてでありますが、決算額が確定している平成17年度と5年前の平成12年度の合併前
3市村の合算額を比較いたしますと、次の特徴点があげられます。
第1点は決算規模の縮小でありまして、歳出決算額は平成12年度対比で約26億円、1
0.7パーセントの減となっております。第2点は歳入における地方交付税の減少でありま
して、同じく平成12年度対比で約22億円、24.4パーセントの減少となっております。
そして、第3点は歳出における投資的経費の減少でありまして、平成12年度対比で約38
億円、59.2パーセントの減少となっております。このことは、おおまかに申し上げます
と、本市における歳入の一般財源として最も大きな割合を占めております地方交付税が大幅
に減少し、それによって財政の硬直化が進み、そのしわ寄せが余裕財源を振り向ける政策経
費である建設事業の6割減という大幅な減少につながっているものと分析しているところで
あります。
次に、合併によってどのように変化したかについてでありますが、地方交付税の合併算定
替えの特例措置により、財政構造は、基本的には3市村の財政がそのまま合体した規模に拡
大したものと考えております。また、予算規模につきましては、実質的な合併初年度の予算
である平成17年度一般会計当初予算額は、約226億円の規模でスタートしたわけであり
ますが、平成18年度は約222億円、平成19年度は約214億円と合併後2年を経過し
た中で、歳出削減に努めることによって規模の縮小を図ってきているところであります。し
かしながら、その内容は、歳出削減努力を上回る歳入一般財源の減少によって、年を追うご
とにひっ迫の度合を深めていることを実感として認識しているところでありまして、今後、
更に合併のメリットを生かした行財政のスリム化・効率化を図っていく必要があると考えて
おります。
なお、合併時の財政推計とその後の変化につきましては、歳入の柱である地方交付税につ
いて、振替え財源である臨時財政対策債を含め、当時の予測より更に大幅、マイナス4億か
ら5億の削減になっているところであります。
次に、今後の展望と課題について、三位一体改革の影響についてでありますが、平成16
年度から平成18年度までの三位一体改革の成果として国が公表している額は、国庫補助負
担金の削減額が4兆7,000億円で、うち税源移譲に結びつく改革分が3兆円、税源移譲
額については同じく3兆円、地方交付税とその振り替え措置である臨時財政対策債の削減額
が5兆1,000億円であります。
このうちの沼田市の影響額でありますが、国庫補助負担金の削減額については約3億9,
000万円、平成19年度からの税源移譲に伴う増額見込額は約3億9,000万円で国庫
補助負担金削減額と同額、また、地方交付税と臨時財政対策債の削減額については約13億
円であると分析をしているところであります。
なお、ご質問の税源移譲が沼田市にとって格差のある負担とならないかという点につきま
しては、財源的には国庫補助負担金削減分が税源移譲により完全に補てんされており、中小
自治体なるがゆえの負担増は、この点においてはないものと考えております。
次に、どのような課題があるのか、また、その課題に対し具体的にどう取り組むのかにつ
いてでありますが、三位一体改革のうち、本市の財政運営に極めて大きな影響を及ぼしてい
るものは、何と申し上げましても地方交付税の大幅な削減であります。例えて申し上げます
と、平成17年度決算における政策経費である普通建設事業の総額は約25億9,000万
円でありましたが、このうち国庫補助金や地方債などを除いた元手とも言える一般財源の充
当額は約7億円でありまして、一般財源である地方交付税等が3年間で13億円減少すると
いうことが、どれほど厳しい削減であるかご理解を賜りたいと思っております。今後の取組
みにつきましては、あらゆる場面をとらえて、また、横の連携を深めながら、国にこの実状
を強く訴えていくことはもちろんでありますが、国・地方を通じた財政再建の流れの中で、
将来にわたって持続可能な財政運営を維持していくためには、自らの力で行財政改革を断行
していくことによってしか展望は開けないものと強く認識しておるところでありまして、現
在進めております行政改革大綱及び実施計画に沿った取組みを基本としながら、更に踏み込
んだ経費削減や事務事業の見直しを集中的かつ早急に進め、財政構造の立て直しを図ってい
かなければならないと考えております。
次に、人口対策について、団塊世代の受入れについて、沼田ゴルフ場跡地の活用について
でありますが、議員ご案内の通り、奈良・秋塚町に所在する旧沼田ゴルフ倶楽部用地につき
ましては、ゴルフ場開発行為の中断により、事業者の買収済み用地が乱開発されると地元の
将来に不安が残ることが懸念されましたので、市が自然公園用地として取得をしてきたもの
であります。
本用地はゴルフ場計画地ということから広い範囲に散在するものでありまして、活用する
際には、これらの土地をまとめることが望ましいわけでありますけれども、公共事業におい
ては、利用目的が確定しない限り、土地を動かすことが極めて難しいことから、庁内の検討
組織により、この土地の活用方針について、検討を進めているところでありますので、ふる
さと回帰の受け皿としての活用も含め、幅広い角度で十分な検討を進め、関係方面のご理解
・ご協力をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
次に、ソフト面での受入れ施策についてでありますが、2007年から始まる団塊世代の
大量退職を見据え、全国の自治体が様々な施策を実施しております。
本県においても群馬県、桐生市、片品村などがこれらの施策を進めており、自治体間の競
争が激化してきており、特色ある施策を実施することが重要であると考えております。
このような中、本市は首都圏から2時間以内の立地的優位に立ち、自然環境、伝統文化等
にも恵まれており都市住民が抱いている「ふるさと回帰」志向の要望を満たす環境にあるこ
とから、交流、移住促進を図ってまいりたいと考えております。
従いまして、今後は、地域資源・人材をより活用した体験ツアーの設定や、住宅、空き地
等の生活環境、就農、就労の支援体制の整備などについて様々な視点に立った検討を行う検
討組織を設置し、団塊世代や田舎暮らしに興味のある都市住民などの受け入れにつきまして、
積極的に推進したいと考えております。
また、豊富な地域資源を有する本市の特徴を生かすため、多くの自然、文化、歴史、人材
などの発掘・ネットワーク化が重要となることから、これらに対応する施策につきましては、
住民と行政がともに参画し、住民が主体となって企画、運営し、行政がこれを支援していく
という仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。
次に、街づくりについて、中心市街地活性化について、「やさしさの核」、「にぎわいの
核」についてでありますが、沼田市中心市街地活性化基本計画で施設整備の方向付けが行わ
れ、その後の市民参加によるワークショップ提案を受け、庁内に設置されている沼田市街な
か再生実施本部で議論を重ね、平成13年2月に「やさしさ・にぎわいの核の提案書」いわ
ゆる行政提案をさせていただきました。その中で「やさしさの核」では、居住機能と福祉機
能などの生活関連施設、「にぎわいの核」では、都市観光の拠点整備を提案いたしましたが、
提案後すでに5年以上経過しており、市を取り巻く経済や財政状況の変化に対応し、現状と
の整合性を図る必要性から、平成18年度では街なか再生実施本部において「やさしさ・に
ぎわいの核」提案書の見直し作業を進めているところであります。今後も市民の安らぎと街
なかのにぎわいを創出できるよう歴史的建築物の活用や少子高齢化に対応した福祉機能の整
備に向けて、調査研究を進めていく考えでありますので、ご理解をいただきたいと思います。
次に、城堀川の利用についてでありますが、城堀川につきましては、議員ご案内の通り、
永い歴史があり、やはり歴史に学ぶということは大変重要なことだと認識しております。今
後さまざまな街づくりを展開していくためには、古きを訪ねて新しきを知るということが大
変重要な要素になってくると思います。従いまして、城堀川の存在は大変おもむきをおいて
とらまえていかなければならないと思っております。しかし、時代の経緯とともに現地の状
況等も当時とはかなり変化しておりますので、その状況も踏まえながら、今後考えていかな
ければならないと認識しておりますので、ご理解いただきたいと思います。
次に、景観整備についてでありますが、中心市街地の街並みにつきましては、平成10年
度に中心市街地活性化基本計画を策定し、中心市街地再生のコンセプトを「やさしさとにぎ
わいに出会える街」、キャッチフレーズを「木の香るまち・・・ぬまた」として取り組んで
まいりました。
また現在、権利者組織である中心市街地活性化の会では、まちづくりワーキンググループ
が組織され、各町のまちづくり計画を取りまとめ、和風をイメージした「ゆるやかな和」を
基本とした全体計画を作成しているところでございます。
今後、市といたしましては、中心市街地活性化の会が取りまとめをいたしております全体
計画等を踏まえ、関係機関、地区住民との協議を重ねながら景観整備に向けた方針を定め、
「ゆるやかな和」をイメージした街並み景観づくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、沼田城跡公園についてでありますが、城跡の発掘調査については、後ほど教育長か
ら答弁申し上げますので、沼田城復元についてお答え申し上げます。
ご案内の通り真田氏初代信之の時代に築かれた沼田城天守閣は「霞城」とも呼ばれ、関東
では江戸城、小田原城、沼田城の3つだけが天守閣を備えた城であったとされており、現在
その姿を見ることはできませんが、本市の歴史的・文化的資源として貴重なものであり、そ
の復元と活用を望む篤志をお預かりし沼田城建設基金を創設、管理してきたところでありま
す。
沼田市観光協会を中心として、平成18年1月のアンケート調査に続き、仮称「沼田城建
設推進の会」発足に向けた取り組みが行われていますので、その動向等に注視しながら、研
究してまいりたいと考えております。
以上申し上げまして、真下議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、「城跡の
発掘調査について」は、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(星野佐善太君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 真下議員のご質問にお答え申し上げます。
沼田城跡公園について、堀跡の発掘調査についてでありますが、沼田市では、沼田公園長
期整備構想に基づき平成5年度から平成13年度の間、6次にわたり沼田公園内で沼田城の
発掘調査を実施した結果、堀跡については、野球場北西側の二の丸掘、野球場南西端からテ
ニスコート北側を通ってアヒルの池までの三の丸の堀、旧生方家住宅の真下を通って武道場
付近から本丸北側の堀へ結ぶ本丸東堀などを確認しております。本丸東堀の石垣の下部は、
真田時代に城を取り壊した石垣の一部とされ、アヒルの池から熊小屋方面に向かって60メ
ートルほどが崩されずに連続して地下に埋もれている可能性が高いことが分かっています。
また、英霊殿の北側斜面下側からは、完形の丸瓦と平瓦を含む多量の瓦破片が破棄された状
況で検出されたことから、この瓦は天守閣等が破壊されたときのものであると考えられてお
ります。
沼田公園の今後の発掘調査については、沼田公園長期整備構想の進捗を見据えながら関係
課と協議しながら必要に応じて進めていきたいと考えております。
以上申し上げまして、真下議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(真下恭嗣君) ご答弁をいただきましたので、再質問をいくつかさせていただきま
す。
なお、同僚議員が財政問題についてかなり突っ込んでいただきましたので、これについて
はあまり多くを語りませんが、まず、昨日以来、お話しが出ている夕張市の問題、これはや
はり沼田にとっても他山の石としてとらえて、しっかり受け止めなければならないというふ
うに思っています。同僚議員が言ったように、この夕張は夕張だけの問題ではなくて全国自
治体の問題ということで、新聞にもいろいろ紹介されています。先ほど同僚議員の一般質問
の中で、夕張市の破綻の原因というのが、市長答弁の中で、人口が大幅に縮小してきて、地
方交付税がずいぶん極端に減らされてきて、そういう状況の中でスリム化の対応ができなか
ったというのが大きな原因だということでございました。確かにそうだと私も思います。そ
れと同時にですね、新聞等によりますと、夕張市が長年にわたって赤字団体になっているに
もかかわらず、それを隠し続けたというのがやはり大きな問題だというふうに私は思います。
新聞によりますと、当時の市長、私はまだ1期目ですが、私が市会議員になったときに、
市長、財政はどうなのですかと。当時の夕張市の市会議員の1期目の人が聞いたと。聞いた
ところが、市長をはじめとする執行部の人たちが、全然大丈夫だと。財政は問題ないよとい
うふうに新聞に出ておりました。だから薄々感じていた人は勿論いたのでしょうけれども、
議員ですら知らなかったということです。この隠ぺいする体質というのが一番問題かなと。
しかもこれは粉飾決算ですよね。企業で言えば、これは犯罪に近いわけでございまして、粉
飾決算を続けてきて、その結果、いよいよ行き詰まって投げ出したという結果でございます。
ぜひこういうことがないように、情報をきちっと流して、しかも情報を市民に共有できるよ
うにぜひ流してもらいたいと思います。勿論、広報ぬまた等でやっておりますが、この辺、
もうちょっと情報の開示について市長のご意見がございましたらよろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 今回、予算を策定する際に、財政当局が非常に努力をして、そし
て関係部課にできる限り対応方を図ってきた経過がございます。当然、関係各部課も、今ま
でのいろいろな事業がある中を精査して、そして臨んできている流れがございます。今おっ
しゃるように、夕張を他山の石としながら、本市の財政運営を図っていかなければならない
ということは、真下議員のお考え方と同感でございます。従いまして、現実の実態というの
はつぶさに財政当局を中心といたしまして、可能な限り市民の方々にいきわたるように今後
とも努力をしてまいらなければいけないと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひお願いします。これは下田市の、先ほど1回目の質問でさせて
もらいましたが、下田市の広報誌で、下田市は財政危機だというのを広報誌で出しています。
下田の実態というのはここでつぶさに、いろいろこと細かく言うつもりはありませんが、か
なり財政危機に陥っているというのを、これは本当に、広報誌でこういうことまで出してい
いのかなということくらい書かれております。何もせず、今までと同じ感覚で行政運営を続
ければ財政破綻を招き、企業で言えば会社更正法の適用にあたる準要再建団体の指定を受け
るかどうかを決定しなければならない事態を迎えることが予想されますということを広報誌
でうたったりですね、具体的な想定は、準要再建団体になった場合はどういうことかという
想定事例として、職員給与の減額、支払い遅延とかですね、資金繰りの悪化によるいろいろ
な扶助費を含めた市民給付の影響だとかですね、下水道の整備がストップするとかですね、
いろいろな想定があげられています。沼田市が必要以上に危機、危機と叫ぶ必要はないと思
いますが、どういう状況におかれているのかというのはもっと市民に的確にわかっていただ
くと。そういう中でだから市長の言う、協働でまちづくりをしなくてはいけないとか、そう
いうことがより理解されると思いますので、今の財政状況について、もっとやはり市民にわ
かっていただけることが必要だと思います。
これは言っていいかわかりませんが、宝島という月刊誌には、この近隣市町村でも財政破
綻危険度ランキング70というところに、33番目に載っております。近隣市町村がありま
す。実質公債費比率、そして経常収支比率等鑑みた総合ポイントということで、危険度ラン
キングの33番ということで載っている町村があります。本当にそういう意味ではかなり厳
しい時代になってきたのだなというふうに改めて感じざるを得ません。ぜひそういう認識を、
市民とともにより深く認識してもらうということが必要だと思いますので、その辺について、
再度情報提供の仕方について市長のご意見をお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一般会計、あるいはまた特別会計の財政状況、あるいはまた公営
企業関係ですね、特別会計の財政状況からくる公営企業、あるいは一部事務組合等の財政状
況、さらに第三セクターの財政状況等、こういったことについて開示をしていくということ
等が大変重要な要素になってくると思います。従いまして、広報のあり方等も含めて、十二
分にそれらを精査しながら、議員がおっしゃっているように、できるだけ市民の方々にわか
りやすくお示しができるように、今後努力をしていきたいというふうに思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひやはり、地域というのは住民の自治が基本でございますので、
住民が知らない間に何でこうなったかということがないように、住民の認識、そして住民の
責任、そしてそれぞれの我々それぞれの立場の責任ということになってきますので、ぜひよ
ろしくお願いしたいと思います。
それと、財政のことでもう1点、こういう事例がございますので、これについてちょっと
市長にご意見をお伺いしたいと思います。岐阜県の飛騨高山市は、当市と同じ2005年2
月に2町7村で編入合併して、全国で面積が最大になった都市でございます。やはりこの合
併したときに大変なご苦労があったということで、2町7村の全職員を引き継いだときには
1,250人職員の数がいたということで、当然、経常収支比率も高かったということでご
ざいます。しかしこの飛騨高山市では、職員の削減率が32パーセントということで、合併
から5年間で32パーセント削減しようということでスタートしまして、現在が、その削減
が400人、指定管理者制度の導入を中心としましてなされたということで、そのことによ
って退職金を当然上積みしたり、早期退職制度を50歳から30歳以上に引き下げたり、そ
ういう施策をすることによって職員の数をぐっと、2年間の間に400人を減らすことがで
きたということで、人件費が、退職金の手当を除けば6億8,000万円人件費を減らすこ
とができたということで、その結果として、経常収支比率が前の4年度では85.7パーセ
ントだったのが、現在73.7パーセントと12ポイント改善されたということでございま
す。一つの事例として全国に先駆けてやっている自治体もございますので、こういうことに
ついて市長のご意見をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 高山市の事例を出されて、職員の削減の関係でございますが、本
市におきましても、退職者に対して新規採用を約2分の1にしていくということで、徐々に
その削減方を図っているわけでございます。そういった中で、今高山市のこういった事例を
出されてのことでございますので、今後いろいろな意味で各方面から検討して、参考にさせ
ていただきたいと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひよろしくお願いいたします。
今回、三位一体改革の総仕上げということで税源移譲がなされました。3月とそれから新
たに6月の住民税で課されるということでございますが、それとプラス、先ほど同僚議員か
ら言われました新型交付税の件がございます。この新型交付税が適用されますと、当沼田市
においてはどのような影響があるのかお聞きしたいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午前11時57分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 真下議員の再質問にお答えをしたいと思います。
新型交付税の関係についてでありますが、先ほど同僚議員からのご質問もございましたが、
人口と面積を基本とした形でとらまえていくということになります。今後3年間で、公租額
の3割に相当する5兆円規模まで拡大するということで試算がされているようでございまし
て、本市におきましては、概ね現状額以上は確保できるのではないかというとらまえ方をし
ております。
◇9番(真下恭嗣君) 現在が交付税の中の1割が来年度からと。今市長ご答弁のように3
割に向けて新型交付税が導入されてくるということの中で、沼田市にとってはそれはプラス
の方向に向いていくということでございますので、大いに歓迎すべきことだなというふうに
思いました。これについては後は国の政策等に資するしかないわけでございますので、これ
以上結構です。
次に、沼田市行政改革大綱が昨年の1月まとめられてございます。この行政改革大綱の中
で、勿論着手して、現在も、例えば指定管理者制度の導入とか、あるいは広報活動の充実だ
とか、市民協働についても一部すでにやっておりますが、この行政改革大綱は、昨日以来、
市長のご答弁の中で大変重要な行財政改革をする柱でございます。この中で、特にここのと
ころを一番最優先で力を入れてやっていくのだということがございましたらお聞かせ願いた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 行革大綱は、開かれた行政運営と市民協働というのがございます
が、市民参加の推進、市民協働の推進が、私どもといたしますならば、大変大きな取り組み
としてこれから進めていかなければならないと思っております。
なお先ほど、職員の関係等についてのご質問もありましたけれども、これらについては、
引き続きこの定員の適正化に向けて削減の方向に向かって努力もしてまいりたいと思ってお
ります。
◇9番(真下恭嗣君) 市長のテーマであります市民参加、あるいは市民協働、これは言葉
は若干違って、ニュアンスも若干違いますが、いずれにしても市民の地域づくり、市民の力
を発揮して地域を作っていくという、仕組みを作っていくということだと思います。これは
大変、今後のまちづくりにおいては重要な課題だと思います。これについて再度お聞きいた
しますが、過去に市民参加検討委員会があったと思いますが、そういうことを踏まえたうえ
で、今後の市長のお考えをお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはりこの市民参加検討委員会でいろいろな意見を叩き出してい
ただいている経過がございます。当然ですね、これらについてはそういった時系列がござい
ますので、その辺のところは十二分に配慮しながら今後の対応方を図っていくということに
なろうかと思います。
◇9番(真下恭嗣君) ぜひ最優先で今市長の方から進めていくということでございますの
で、19年度の最優先課題としてぜひお願いしたいというふうに思います。
次に、五次総の中で114ページから116ページの中で、健全財政の維持ということで、
効率的な財政運営と財産管理の効率化という2つのことをうたっております。この中の、財
産管理の効率化ということで、できることはすでに取り組んでいるところもございますが、
まだまだ例えば課題であります沼田技術専門校跡地や沼田ゴルフクラブ跡地、それから利根
町の小中学校跡地等が財産管理の効率化というテーマの中では課題としてあります。
次の問題の、沼田ゴルフ場跡地の件でございます。この財産管理を効率化と、これをうま
く活用することが沼田の行財政を進めるにあたって入るを、入を多くするということがまた
出ることは勿論、抑えるというのは大事なことですが、それだけだとどうしても縮小傾向に
なっていくし、どうしてもマインドが下に、下に行ってしまいますので、入を多くするとい
うことが大事かと思います。その辺で、沼田ゴルフ倶楽部のことも含めて、財産の活用につ
いて総論的に市長のお考えがありましたらお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この沼田ゴルフ場跡地の活用につきましては、先ほどご答弁させ
ていただいた通り、この活用方針について、すでに担当部課の方に指示をして検討を現在進
めている経過がございます。できるだけ早いうちにその方向性を導き出していきたいなとい
うふうに考えております。
なお、総体の関係につきましては、これは内部に検討委員会がございますけれども、これ
らにつきましても、振興局管内の跡地関係については、振興局の所からいろいろと事案をあ
げてもらう形の中で、全庁的に調整を図っていきたいなと思っております。
昨年、ご案内の通り根利の学校の体育館に、専修大学の卓球部の方々が合宿に入ったり、
あるいは今年、どういうふうな展開になるかわかりませんが、太田の芸術関係のいわゆる団
体が、私どもの方のところで合宿をするというような流れになっていようかと思っておりま
す。そういうふうなことから、できるだけ有効に活用ができるように努力をしていかなくて
はなりません。
◇9番(真下恭嗣君) やはり持っている資産とか財産、民間企業でもそうですけれども、
それを遊ばせておくというのは一番マイナスでございまして、それを何らかの形で活用して、
すぐそれが、これだけやったからこれだけ戻ってくるということを期待じゃなくて、間接的
にそれは戻ってくるというようなことが大事かと思いますので、ぜひいろいろ早急に検討を
お願いしたいと思います。
それでは今、その一つとして、沼田ゴルフ倶楽部の跡地について再質問させてもらいます
が、この自然公園として今用地取得をしているということでございますが、改めてこの経緯
と広さだとか、取得した金額だとか、その概要についてお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたりますので、公室長に答弁いたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 市長公室長。
◇市長公室長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
先ほどご質問にありました場所につきましては、当時の総合保養地域整備法、俗に言う、
当時ですとリゾート法の指定を受けまして、群馬リフレッシュ高原リゾート構想におきまし
て、特定施設で本市計画として位置づけられておりましたゴルフ場の計画の用地でございま
す。その計画の実現が不可能となりましたので、当時、その取得をされた土地がその後、乱
開発をされますと、地元にとりまして非常に憂うべき状況が発生するということが想定をさ
れたものから、公共的な土地利用を図ることが望ましいのではないかということで、本市で
畑地の寄付、それから山林原野の取得を行いまして、自然公園用地として整備をするという
ことで、本沼田市が取得をした土地でございます。
なおその土地が、当然ゴルフ場の開発用地ということで取得をしたものでありますから、
かなり飛び地等がございます。現在の面積でありますが、山林原野が14万1,034平米、
それから田畑であります8万8,057平米というのが現状であります。
以上であります。
◇9番(真下恭嗣君) これだけの土地が沼田市の財産として持っているということでござ
います。別なところでは、予算の関係になりますが、熊久保の土地というのも購入というこ
とのようでございます。これらの土地は沼田市の大変貴重な財産でございまして、これらを
やはりどう活用していくかというのが我々議会も含めて市民に提案していくしかないなと思
いますが、この住宅なり貸し出すなり、あるいは売るなりした場合、シュミレーションとし
てはどのくらいの効果が期待できるか。これは例えば集約した場合と、集約するには当然い
ろいろなハードルが出てくるわけですが、あるいは集約しないでそのままの土地の地形を生
かした活用の仕方というのも考えられると思いますが、その辺のところをご検討されていれ
ば、差し支えない範囲でご答弁願いたいと思います。
◇市長公室長(田村澄夫君) 現在、庁内の検討組織におきまして、利活用、それは当然、
現在はちょっと表現が適切ではないかもしれませんが、虫食いの状態で、一箇所にまとまっ
た土地ではございません。それらの状況を踏まえまして、どういう市としての公共目的によ
る利用活用があるのかを含めまして、当然その中には寄付をいただいたもの、それから買収
したものがありますので、それらいろいろの背景、経過を踏まえまして、現在、庁内で検討
を進めているところでございます。
◇9番(真下恭嗣君) ということは、まだ検討の端緒に入ったところで、具体的にこのく
らい、もし売ったとすれば100坪で100軒分のものが売れて、どのくらい沼田市に経済
歳入としてあるとか、そういうシュミレーションというのはまだされてないわけですね。
◇市長公室長(田村澄夫君) お答えをいたします。
現在、そこまでの検討は進んでございません。
◇9番(真下恭嗣君) ということであれば、ぜひなるべく早急にいろいろな可能性を模索
して検討していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
それから、人口対策について。ソフト面でいろいろな地方自治体が、団塊の世代をターゲ
ットにして受け入れしようということでやっているようでございます。先ほど市長の答弁に
もありましたが、その中で、一昨年に五次総の作成の一つの参考にということで、準市民の
方にアンケート調査をしたことがあったと思います。そのアンケートで活用できることが何
かありましたらお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、準市民の方々とは今後いろいろな意味で交流
事業の鍵を握ってくると思っておりまして、そういった意味でいろいろと対応方を実は図っ
ているわけでございます。特に、沼田市のいわゆる将来のイメージというところで、自然豊
かなまち、あるいは歴史と伝統のあるまち、福祉の行き届いたまち等が上位にランクされて
おります。最上位にある自然の豊かなまち等については、沼田市の現在のイメージでも将来
のイメージでも自然の豊かなまちがトップに位置しておりまして、そして歴史と伝統のある
まちが、2番目に位置しております。3番目からやや現在のイメージと将来のイメージの順
位がやや混在しておりますけれども、そういった中で、平成18年度に東京近郊の方から、
いわゆる準市民の方を招いて、そして体験の交流等もさせていただいている経過がございま
すので、ご理解を賜りたいと思いまするし、新年度におきましても更にそれらを進めてまい
りたいと思っております。自然の豊かなまちというのが、現在のイメージにも、将来のイメ
ージにもあるということと、2番目に、歴史と伝統のあるまちが入っておりますので、そう
いったところがひとつの大きなキーワードになってくるのではないかというふうに思ってお
ります。
◇9番(真下恭嗣君) 沼田の特性を生かした、これから受け入れをぜひお願いしたいと思
います。過日の、日本経済新聞の分権のデザインというシリーズの中でこう書いてあります。
市町村の活性化には、企業誘致と同時に人の誘致が欠かせない。国土交通省の推計では、都
市に住みながら年間1カ月以上地方で暮らす=地域居住者が100万人いるということで、
都会でのファンづくりに成功した地域にお金も流れ込むということが書いてございました。
ぜひこの地域の特性を十分生かしてアピールしていただきたいと思います。
それでは関連していますので、次の質問に移らせていただきます。沼田のまち、市長がア
ンケートの特色として申し上げた通り、やはり自然と歴史性、これが沼田の地域の特徴だと
思います。そこで沼田の中心市街地を今後再生していく場合の視点として城堀川、この沼田
のまちの発展過程の中でやはりこの川がありまして、まちができたという経緯は勿論、周知
の歴史的な事実でございます。そこでこの城堀川について、前にも質問させてもらいました
が、かつて平成14年に城堀川の調査をして、普通河川滝坂川測量設計業務委託というのを
お願いして、その報告書というのができているというのを聞いておりますが、この報告書を
どういうふうに受け止めて、その後、どういうふうに検討されたのか、お聞かせ願いたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の再質問にお答えをしたいと思います。
これが平成13年ですか、私の手持ちによると平成14年3月ですね、普通河川滝坂川測
量設計業務委託ということで、13年度の事業ということでなされているわけでございます。
これは冒頭に、城堀川の歴史が紹介をされておりまして、基本条件とすると、「滝坂川の水
を取水して、土地区画整理事業地内まで送水して、同事業地内にろ過施設を設置して浄化の
上、親水流れに導く」ということが冒頭述べられているわけでございます。これらについて
は、かなり膨大な事業の展開が必要になってくるのではないかと思っておりまして、当然こ
ういった調査がされておられますので、参考にしながら対応方を図らなければなりません。
ただここのところまでですね、いわゆる事業にのせるべく段階までには至ってないというの
が実態でございます。
◇9番(真下恭嗣君) かつて先ほど市長のご答弁のように、13年度で検討され、14年
3月で報告書が出されております。行政のかつての「まちなか再生」もそうなのですが、ワ
ークショップでこういう報告書がまとまっていると。あるいはまたコンサルに頼んでこうい
う報告書を出してもらったりとか、そういうものがそれでお蔵入りされてしまうとですね、
やはり何のために金をかけてやったのかというのがございます。勿論それはお蔵入りしてい
るのではなくて、いずれまた予算を鑑みながらやるのだということかと思いますが、ぜひで
すね、こういうのはちょっと時間がかかってしまうと忘れられていってそれはもう過去のこ
とということとなってしまう。やはりこの検討をしようということには、こういう方向でま
ちをやっていこうというその時の意思があるわけですから、ぜひですね、来年、再来年、事
業にのせるのだということにはならないと思いますが、こういう形でこれは検討していくと
いうのがあってしかるべきかなというふうに思いますので、今まではこれは検討されてなか
ったというご答弁でございますが、その辺、今後について、これをどのように扱っていくの
かお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が、先ほど質問の中で、高山市ですか、あるいはまた倉敷等
を出されまして、そしてまちの中の水辺の関係等について質問されたわけでありますけれど
も、歴史的な風情を蘇らせるということは、いわゆる本市の今後にとって大変重要な要素で
あると思います。従いまして、これらの調査、研究等参考にしながら、また議員のご指導も
いただいて、そしてできるだけそういう歴史とあるいはまた環境とミックスできたようなま
ちづくりを展開していくことが大変重要な要素になってくるのではないかと思っております。
◇9番(真下恭嗣君) ありがとうございます。これも4つの方法があるということで、ケ
ース4までいろいろなシュミレーションがされてございます。その中でケース1が一番ベス
トだというふうな報告書もまとまっておりますので、その1に沿ってやるにはじゃあどうい
う課題があるかとか、それを今後のまちなか再生事業の中でどういうふうに位置づけられる
かとかですね、それと具体的にそれがこういうところに落とし込んだ場合はこうだとか、い
ろいろ調整しなければならないことがいろいろあると思いますが、ぜひご検討をよろしくお
願いいたします。
最後の項になりますが、沼田公園長期整備構想について、先ほど同僚議員へのご答弁があ
りましたが、この沼田公園長期整備構想が沼田市にとって先ほど来、歴史を生かしたまちを
作っていくということが大事かと思いますので、私は基本的には、先ほど市長の答弁の中で、
復元というスタンスをとっていかないと、やはり歴史は事実で、歴史はできるだけその史実
に基づいた形で復元していくことに文化財としての価値がありまして、それを後世に残して
いくということが、観光的な要素と併せて同時に大事な昨今、世界文化遺産の暫定リストの
問題もありましたけれども、やはりそれを残していくということが貴重な財産を後世に残し
ていくということが大事かというふうに思いますので、そういう立場で質問させてもらいま
すが、まず、この発掘調査でございますが、過去に先ほどご答弁のように何回か発掘調査し
てしてまいりました。一番大事なのが、私、先ほど1回目の質問でさせてもらったように、
どういうものがこの沼田城址にかかわってあったのか、発掘調査ですね。どこを掘ったら一
番可能性があるのかといった場合、今までのところは、できれば掘りやすいところを掘って
きた経緯があると思うのですね。ここが一番大事だぞというところをやはり掘っていなかっ
たのではないかと。そこはアヒルの池から北側というふうに私は思っているわけです。ぜひ
その辺について、今までの発掘調査の経緯を踏まえて今後どういうふうに進めていくかご答
弁願いたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
先ほどご答弁を申し上げたような期間においていろいろ発掘調査させていただいたわけで
ありますけれども、主な成果ということでありますけれども、平成9年度調査で、すでに先
ほどお話しも出ておりますけれども、御殿桜のある辺りのところを掘りましたけれども、櫓
の配置、そして礎石、それから平面規模等が6間、5間という広さも判明したと。それから、
アヒルの池の植え込み部分で、現在の石垣につながる本丸堀の石垣が発見されたと。現在も
あそこに行くと肉眼と言いますか、かなり至近距離で石垣そのものがご覧いただけると思い
ます。平成10年度においては、同様御殿桜の近辺でございますけれども、櫓の台になって
おります石垣、それから石段の発見、石垣前から多量の瓦、陶器片等が出土いたしました。
また、平成12年度調査においては、石垣前から鐘楼にかけての本丸内の調査において、礎
石等が発見されたということであります。その他、包丁、火箸、陶磁器片と思われるものが
発掘されたと。その他雑多のものもあったようでありますけれども、主なものはそんなもの
が主なものであります。
それから、発掘調査は比較的やりやすいところではなかったかということですけれども、
それだけがここを調査した理由ではありませんけれども、そういう要素も、私の考えるとこ
ろちょっと専門家の意見を聞いておりませんが、そういう要素もあったのかなと。今議員ご
指摘の所ですと、かなり天守閣そのもののところは先ほどの議論の中にありました大変な施
設があるということもありますし、さらには生方家住宅ですか、それからあそこには池もあ
りますし、いろいろなまた別な意味の文化財もありますので、そんなところも多少あったか
なあとは思っております。
以上でございます。
◇9番(真下恭嗣君) 過去の発掘調査の経緯とか、それが立派なものでまとまっておりま
して、それなりの成果があったと私は思います。今教育長さんのご答弁の中で、池とそれか
ら道路と熊の檻ですね、絵図から推測すると、どうも英霊殿のところに天守閣を建てたので
はなくて、英霊殿よりもっと東側で飛び出ているわけですよね。天守閣は9間の10間とい
うふうに言われておりますけれども、今のアヒルの池の所から石垣がずーっと北側に伸びて
いって、そこから天守閣のところだけグッと東側に飛び出ているわけですね。ですから、推
測するには、生方家住宅の下は勿論、あれは堀だったと思いますけれども、その生方家住宅
の手前のところを道路をストップしたり、近隣の人にはちょっとご負担がかかるかもしれな
いですけれども、そこのところまで掘るというのが非常に価値があるのではないかと私は思
うわけですが、再度ご答弁願いたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
そこまで私はちょっと認識が不十分でありますけれども、天守、本丸ということになりま
すと、お城の心臓部分ということになりますと、議員ご指摘のところなどは本当に心臓部分
かなと思っております。城跡そのものは天守だけで成り立っているわけではありませんので、
総合的にあえて一般論で言えば、どこのお堀も天守もみな重要、一つの総合される中で沼田
城、または沼田城址というのが成立しておりますので、そんなことも言えるかなと思ってお
ります。
以上でございます。
◇9番(真下恭嗣君) 天守のところが、1回目の質問にあったように、当時、運搬手段と
いうのはそんなにないわけですから、そこで天守が破却したら、そこの堀の辺に埋めてしま
うのが大体常識かなというふうに思われるわけです。ですから天守のところの破却したもの
というのは、その堀に埋まっている可能性は十分あるので、生方家住宅まで動かしてとなる
とこれは大変な仕事になるので、そこまでいく手前のことで可能性のある所をお願いしたい
と。
それともう1点は、今沼田の文化財保護係に、職員の方が専門職としていらっしゃいます。
この方々が、もう長年かかってきて蓄積があるわけですね。この人たちがいなくなってしま
うと、またゼロからやらなくてはいけないということがありますので、この方々がいる間に、
今後のそういうあれをじゃあきちっとやっていく。これはこういうことだということのつな
がりができてくると思いますので、そういう意味も含めて、できるだけ早急な発掘調査の計
画を作っていっていただきたいと考えますが、それについてご答弁いただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。
第1回目の答弁で申し上げました通り、基本的には沼田公園長期整備構想の中での調査は
展開ということでやらさせていただいておりますので、よくご意見はお伺いしました。また
職員については、今非常に手薄な中で、本当に専門性を生かして頑張っております。例えば
今までの発掘されたもの、または発掘の状況、またはこんな絵もできておりますけれども、
これは本当に小まめに整理をして作っておりますので、職員そのものは非常に頑張って、専
門性も高く、本当に時間等も度外視して、文化財保護という視点から本当に頑張っておると
いうことでおります。調査については、最初に申し上げた通り、そういう総合的な展開の中
で、文化財保護という私たちの業務範囲と言いますか、進めさせていただくということであ
りますので、ご理解いただきたいと思います。以上です。
◇9番(真下恭嗣君) 時間がいよいよ終わりましたので、最後に一言申し上げまして、市
長のご見解ありましたらお聞きしたいと思います。
こういう地域づくりとかまちづくりというのは、リーダーがいて、またサポーターがいて、
それから同調する多くの応援者がいて、初めて大きなうねりとなっていくと思います。市長
も、あるいはまた教育長も、それぞれの立場で孤軍奮闘するということではなくて、いろい
ろな力を求めれば多くの人がそれに応える人は多数いると思います。ぜひみんなこの地域の
ことを応援したいというふうに思って、ぜひ協働の精神で頑張っていただきたいと思います。
ご意見ありましたらお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内の通り、地域づくりはもう今や一人行政が進めるだけでは
前に進むことはできないという時代の流れになってまいりました。しかも、住民の方々も大
変意識の高い時代背景を実は迎えていることも事実でございます。従いまして、市民の側の
方の方が、むしろ専門的な知識や経験をたくさんお持ちの方もおりますし、またそういった
分野のエキスパートの方々もおります。行政がそういった人たちのご意志やあるいはまたご
意見をたいしていくということもこれまた大変ありがたいことであります。今後とも市議会
の皆様方、さらに市民の皆様方と手を取り合って、協働のまちづくりを進めていくというこ
とが大変重要なのではないかと思っております。
本日の真下議員の質問をたいして、これからもまちづくりに努力を傾注してまいりたいと
思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、高柳勝巳議員。12番。
〔12番 高柳勝巳君登壇〕
◇12番(高柳勝巳君) 通告によりまして、一般質問をいたします。
今回の私の質問の第一番目は「先行き不安の時代にあっての持続可能な行財政運営の在り
方について」と題しまして、財政問題を軸としながら、激動の地方分権時代に突入した沼田
市行政をどう運営し、将来をどう描き、そこへ向けて、どう進めようとしているのかについ
て伺おうというものです。
さて、沼田市の新年度予算方針は、平成18年7月に閣議決定された「経済財政運営と構
造改革に関する基本方針2006」の影響を受けて、財源に乏しく、財政力の弱い自治体に
あっては、非常に厳しい状況であると、施政方針でも述べられておりました。
新型交付税は、竹中大臣が昨年5月の経済財政諮問会議に提出したことに始まり、算定資
料が電話帳ほどの厚さになるとされる現在の複雑な算定方式を思い切って簡素化し、地方自
治体が将来の交付税額を見通し易くするのが目的と言われています。
しかし、人口に面積を加味した交付税算定方式で、現在の算定方式に比べて過疎の地方や
離島にとって配分額が減少し不利になるといわれており、既に和歌山県による試算も行われ、
地方交付税が歳入の重要な一部を占めている地方自治体は反発していたと聞いています。
総務省は、全国の自治体の約70パーセントで交付税額の算定基準となる基準財政需要額
が増えるとし、小規模町村や過疎地への配慮により、多くの自治体で増額につながったので、
その制度の骨格を示し、段階的に実施する方向で、07年度から交付税額のうち1ないし2兆
円程度を新型交付税に移行し、3年後には交付税総額の3分の1程度を新型交付税とする方
針を打ち出しました。
こうした新方式を含めて、沼田市の平成19年度予算には、どのような影響があり、どう
対応したのかについて考え方を伺いたいと思います。
次に頑張る地方応援プログラムへの対応についてでありますが、安倍首相の施政方針の中
に盛り込まれ、地方分権を推進するとともに、知恵と工夫にあふれた地方の実現に向け、中
小企業支援、農林水産業の再生に取り組むとし、新年度から交付税算定上乗せ分として実施
することとなっています。
交付税の増額となるので、注文は出しづらいところですが、地方の主体性を軽視した、い
わゆるインセンティブ、動機付け算定との批判もあり、交付税額を引き下げ、馬の目の前に
ニンジンをぶら下げる国の政策誘導との一面も含まれていると感じていますが、本市への影
響と、その対応について伺います。
3つめの質問は、地方債自由化・自治体破綻法制化の動きへの対応についてであります。
昨年の夕張市での不透明な決算と財政破綻は、改めて地方自治体の行財政運営の困難さ、そ
れに関わるチェック体制の在り方を問われる課題になりました。
こうした流れと期を一にして、自治体破綻法制化の動きは加速し、本市においても財政方
針の基礎をなしていた「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」の中で「再建
法制等も適切に見直す」との方向を受け、昨年夏にまとめられた「地方分権21世紀ビジョ
ン懇談会報告書」を基に「新しい地方財政再生制度研究会報告書」が、昨年12月8日に提
出されました。
その概要は、地方財政状況が「黄色信号」となる「客観的指標の設定」と「警告の在り
方」。破綻後の「再生の手法と在り方」。そして10年後の交付税措置の廃止を見据えて、
資金調達としての「起債」を自らの企画と責任において行うことを目的としているようです。
地方での行政サービスの多くは、市場原理には馴染みにくい、住民生活に直結した基礎的
なものばかりです。さらに、起債の資金調達の具体案もそうとう困難が予想されます。こう
した動きに対しての、対応はどうお考えなのかを伺います。
そして、4つめの質問は、こうした財政に関連した一連の激変の渦中にあって、中長期的な
財政運営の確保については、どうお考えなのか伺います。
5番目の質問は、国との関係からの視点でなく、住民に対しての姿勢の課題として伺いま
す。厳しい行財政運営を迫られる今日にあって、施政方針の3つの柱の一つとして掲げられ
た「市民協働・市民交流の推進」にも関連いたしますが、分かり易い財政状況の情報の提供
については、どのようにお考えなのかを伺います。
続いて大きなタイトルの2番目です。本年2月18日付けの新聞報道によれば、談合対策
として総務、国交両省は、全市町村を対象とした一般競争入札の新年度での導入を促すと掲
載されておりました。また、相次ぐ官製談合事件を受けて、再発防止策を検討している全国
知事会のプロジェクトチームの改革指針案も、昨年12月15日に同様の趣旨の報告を行っ
ています。
さらに、昨年の菅総務大臣は閣議後の記者会見において、3県での談合不祥事による知事
辞職を受け「非常に遺憾なこと」とした上で「こうした不祥事が何回も続くというのは議会
や監査機能が果たされていないということだ。」とも述べ「徹底した情報公開や入札の改善
を迅速に進めていかなければならない。」と語ったと報道されております。
こうした流れを受け、各県で積極的な動きが様々聞かれております。香川県では、県発注
工事の一般競争入札について、原則一億円以上の工事としている現在の対象を見直し、4月
から5,000万円以上のすべての工事に拡大する方針を明らかにしたとも聞いております。
この状況から推測すると、益々厳しくなる公共事業予算の中にあって、好むと好まざると
に関わらず、地域の準備が整っていようとなかろうと、こうした動きは加速するものと思わ
れます。
こうした背景を基に、地方自治体のチェック機能の在り方という観点から、市民に信頼さ
れ、クリアで活力のある入札制度へ向けて、以下の具体的事項を伺いたいと思います。
まず、国や県から一般競争入札導入についての具体的な指導、指示があったのかどうか。
また、その影響については、どのように考えていらっしゃるのかを伺います。
次には、昨年12月に同僚議員が質問したばかりではありますが、入札制度の改善スピー
ドの強化への考えについて、沼田市における入札制度の改善について、現在どのように取り
組まれているのかを伺います。
以上申し上げて、1度目の質問と致します。
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、先行き不安の時代にあっての持続可能な行財政運営の在り方について、今後の地方
財政運営について、新型交付税を含む平成19年度予算への影響と考え方についてでありま
すが、新型交付税につきましては、地方交付税の算定方法が複雑で分かりづらいという従来
からの指摘に対応する形で、平成19年度から従来の算定方法の一部を変更し、人口と面積
を基本とした新型交付税を導入し、今後3年間で交付総額の約3割に相当する5兆円規模ま
で拡大するという考え方で現在試算等が行われているところであり、平成19年度予算への
影響額につきましては、現時点の情報による試算では、おおむね現状額以上は確保できるも
のと分析しているところであります。新型交付税導入に関する考え方といたしましては、極
めて複雑な算定方法を簡素にするという趣旨で現在準備が進められているものでありますが、
人口と面積だけでは様々な地域事情を拾いきれず、交付額にかなりの増減が生じるため、い
ろいろな地域の事情を補正要素として加味したり、従来どおりの算定方法が残る部分も多い
ことから、算定の簡素化には限界が出てきている反面、交付額の増減の幅は調整によって小
さくなってきているようでありまして、本市としては、この制度改正による実質的な影響は、
金額的にも事務的にも比較的少ないものと現時点ではとらえているところであります。
次に、頑張る地方応援プログラムへの対応についてでありますが、このプログラムにつき
ましては、やる気のある地方が魅力ある地域づくりにむけて独自に取り組むプロジェクトに
対し、地方交付税等の支援措置を講じるという趣旨により平成19年度から行われる予定の
総務省の施策であり、地方交付税の交付総額のうち2,700億円程度をこのプロジェクト
支援措置分に振り向け、農業産出額、製造品出荷額、事業所数、出生率などの成果目標を指
標として掲げ、目標を達成した自治体には普通交付税を上乗せしたり、市町村が取り組む独
自プロジェクトの経費を特別交付税で措置するという内容であります。本件につきましては、
現在総務省が各県に出向いて市町村の意見等を聴取しているところでありまして、私も群馬
県で行われた懇談会に出席をしたところでありますが、地域の頑張りを補助金を奪い合うよ
うな競争で創出することは地方交付税の補助金化につながらないか、地方分権の趣旨を後退
させるものではないか、頑張っても成果を上げられない地域もあるのではないか、地方の財
源を保障する地方交付税の本来の趣旨からはずれるのではないかなど、今の時代に合致した
施策なのかどうか疑問視する向きもあるところであります。いずれにいたしましても、現在
のところ算定基準・方法などは全く総務省から示されておらず、具体的なことはすべてこれ
からという状況にありますので、今後示される具体的な取扱い基準等を踏まえながら遺憾な
き対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、地方債自由化・自治体破綻法制化の動きへの対応についてでありますが、まず、地
方債自由化に関する現在の状況につきましては、地方分権の推進を図るため平成18年度か
ら地方債の発行が従来の許可制から協議制へと移行になり、財政悪化団体等の例外措置を除
き、市町村は県の許可を得なくても地方債を発行できるようになったほか、昨年、総務大臣
の諮問機関である「地方分権21世紀ビジョン懇談会」が、地方債発行の完全自由化に向け、
資本市場において各自治体の信用力に応じた地方債の格付けが行われる状況が速やかに実現
されるようその環境整備を国に提言しているところでありまして、地方債は今後自由化に向
けた流れで進んでいくものと考えられるところであります。また、自治体破綻法制化の動き
につきましては、現在開会中の通常国会に、新しい地方自治体の再生法制案が提案される見
込みになっておりまして、新再生法では、現行の財政再建基準となっている実質赤字比率に
加えて、全特別会計を含めた連結赤字比率・実質公債費比率などが新たに再生基準に加わる
ほか、早期健全化基準も制度化される予定であります。いずれもキーワードは、自主・自立
と自己責任ということでありまして、極めて厳しい財政運営を余儀なくされている本市とい
たしましては、これらの動向や法制度内容を十分把握しながら、行財政運営が滞ることのな
いよう対応していかなければならないと考えております。
次に、中長期的な財政運営への考え方についてでありますが、この点につきましては、さ
きの同僚議員のご質問にお答え申し上げました通り、現在の財政状況は極めてひっ迫してお
り、昨年行いました中期財政見通しにおきましても、財政構造は今後も、実質的には単年度
で相当規模の赤字を生じる見込みであり、財政構造の立て直しが差し迫った課題であると強
く認識しているところであります。現在、進めております行政改革大綱及び実施計画の着実
な推進を図っていくことを基本としながら、更に踏み込んだ経費削減や事務事業の見直しを
集中的かつ早急に進め、厳しく行財政改革を断行することによって、今後も持続可能な財政
運営を維持できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、分かりやすい財政の情報提供についてでありますが、今次、夕張市の財政破たん問
題などが連日大きく報道されている中で、市民の財政問題に対する関心も高まっているもの
と考えております。これまでも広報やホームページ上で財政状況についてはお知らせしてき
たところでありますが、最近では、新たな財政指標や特別会計等を含めた総体的かつ分かり
やすい財政状況の提供が求められてきております。今後、市の財政の実状を市民皆さんに分
かりやすくお知らせできる方法を鋭意検討してまいりたいと考えております。
次に、地方自治体のチェック機能の在り方について、総務・国交両省によるすべての市町
村への一般競争入札導入方針について、指導、指示の有無とその影響についてでありますが、
総務、国土交通両省では、地方公共団体の入札契約の一層の適正化を促進する観点から、地
方公共団体における取り組みを支援する方策について、協議、意見交換をするため、総務、
国土交通両省及び埼玉県など8地方自治体で構成する「地方公共団体の入札契約適正化連絡
会議」を本年1月から5回にわたり開催し、同連絡会議において議論された喫緊に取り組む
べき方策についての取りまとめ結果が2月23日、総務省より「地方公共団体における入札
契約適正化・支援方策について」という形で公表されたものであります。
その公表の中で、議員ご質問の全ての市町村に一般競争入札の導入が取り組むべき方策の
一つとして掲げられております。
そこで、ご質問のそれに対する指導、指示の有無でありますが、現在のところ国、県など
からの指導、指示はございません。
また、公表されたものは、地方公共団体の入札契約適正化連絡会議において協議された結
果をとりまとめたものの公表でありますので、これを踏まえ総務省、国土交通省等が法整備
を含め、具体的にどのような方向で進めていくのかなど、明らかになった時点で、影響も含
め対応してまいりたいと考えております。
次に、改善スピ−ドの強化への考え方についてでありますが、入札契約適正化連絡会議の
取りまとめによれば、一般競争入札未導入の市町村に対し、今後1年以内をめどに導入方針
を策定するよう求めておりますが、本市におきましては、試行ではありますが既に制限付き
一般競争入札を導入、実施しておるところであり、新聞報道によるところの一般競争入札導
入済み市町村と考えておるところであります。
なお、先ほどご答弁申し上げました通り、具体的な実施方法等が明らかでない状況にあり
ますので、今後の動向を注視し対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りた
いと思います。
次に、沼田市における入札制度の改善についてでありますが、沼田市の入札制度につきま
しては、平成13年4月に施行された「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法
律」の趣旨に基づき、「透明性の確保」、「公正な競争の促進」、「適正な施工の確保」、
「不正行為の排除の徹底」を基本に現在まで入札制度の改善、実施に努めているところであ
ります。
具体的には、試行ではありますが、予定価格の事前公表及び制限付き一般競争入札、また、
入札経過の事後公表、応札業者の事後公表、入札時における積算内訳書提出の義務付け、さ
らには契約約款に違約金条項の創設、指名停止措置の強化などの施策を実施してきておると
ころであります。 特に制限付き一般競争入札につきましては、本年度より対象を土木工事に
おきまして5,000万円以上を3,000万円以上に、建築工事につきましては1億5,
000万円以上を1億円以上に拡大して実施してきておるところであります。
また、電子入札についてでありますが、現在、実証実験を実施しているところであり、こ
の1月と2月の2回、市内に本社を有する土木一式工事及び建築一式工事におけるAランク
業者を対象に指名競争入札の模擬入札を実施いたしました。また、今月中に制限付き一般競
争入札の模擬入札も実施する予定であります。この模擬入札の結果を踏まえ、入札制度検討
委員会において検討し、段階的ではありますが、来年度より土木一式工事及び建築一式工事
におけるAランク業者対象工事を電子入札により実施していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、これまで以上に、適正な入札制度の構築と談合防止等の対策が
強く求められておる状況下にありますので、透明性の確保、公正な競争の促進、不正行為の
排除の徹底を基本に、さらに適正化に向けた具体的な取り組みを継続して研究し、改善して
いきたいと考えております。
以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇12番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいと思
います。
最初の、新型交付税の問題ですけれども、昨年の11月の30日に、新型交付税の試算に
ついてというので、これは全国知事会が出した見解なのですね。この中に、るる問題点も書
いてあるのですけれども、この一番の問題点は、地域振興費の単位費用及び各種補正係数の
算出根拠とその妥当性を明らかにすべし。もう基本的に、基準が曖昧でわからない。これが
間違っていると、それに対して多いか、少ないかがまずわからないのではないですかという
のがこれ、11月30日に知事会が出しているのですね。それらを受けて総務省が、私が1
回目に質問しましたけれども、るる調整をして、結果として微増が沼田市においても見込ま
れるので、結果オーライという形なのですが、来年も同じになるという保障は全くないわけ
なのですよ。基準はわからないわけですからね。それについてどうお考えなのか、お聞きし
たいと思います。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後2時00分休憩
─────────────────────────────
午後2時09分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の再質問に対してお答えをしたいと思います。
先々にそういった微妙な数値が曖昧になっていくのではないかという、そういう質問かと
思って受け止めさせていただいております。私は、前々からこの交付税の関係等について、
確かに複雑で、なかなかストレートにわかりづらい、本当に難しい算出方法があったようで
ございますけれども、今回の面積のことについて一定の提起がされているので、そういう意
味ではやや胸をなで下ろしているのでありますが、人口関係からくると、どうしても密度の
低いところが不利に働くのではないかというような考え方を持っておりまして、今後、関係
上位の機関に、中山間地域の持っている特徴的な自然等々に対するリスクの克服を、地域住
民が手を取り合ってしているのだということが評価されるような方向に、本事業を持ってい
くべきだという観点から、いろいろなところで働きかけていかなければならないのではない
か。こんなふうな認識を持っております。
◇12番(高柳勝巳君) 先ほど申し上げるのを忘れてしまったのですが、私の前に財政問
題を4人が通告していまして、ダブらないようにということで、若干趣旨が異なる部分もあ
ろうかと思いますけれども、ご容赦いただきながら、議論を深めるという立場でお願いした
いというふうに思います。
それでは、先ほどの答弁についてもう一度伺いたいと思いますけれども、この復習になる
ようで大変恐縮なのですけれども、地方交付税額の算定式というのは、要は、基準財政需要
額というのを出すわけですよね、基本的に。掛け算が3つあるのです。単位費用というのと、
測定単位と補正係数というのがあって、前段の2つは公表されるのですね、数が。最後の補
正係数というのは、数値を含めてだまてんのわけです。毎年変わることもあって、係数と言
いながら1以上の数字も出るのです。ということは、前の2つがオープンになっていても、
最後の一つの数字で大幅に額がずれるということなのですよね。だから趣旨からすれば、中
期的な財政が見通せないわけですよね、それでは。それに基づいて財政計画を作れというの
がそもそも私は間違っているのではないかと思うのですが、再度、見解をお聞きしたいなと
思うのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 補正係数等の動向によっての、いわゆる見通しが立たないのでは
ないかということでございますけれども、私どももそういう意味では常に不透明の中に置か
れているかなと、そんな感じを持っておりますが。補足答弁を総務部長にいたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 総務部長。
◇総務部長(村山博明君) まず、ここでひとつ考えていく必要があるのは、交付税という
のはどういう意義があるかというふうなことにかかわってくるかなというふうに思います。
ご質問の通り3つの部分から成り立っておりまして、最終的には、補正係数によってその幅
が出てくるというふうなこと。こういうふうな部分をもって今回透明性を高めるというふう
なことで改革があったわけですけれども、なおかつそれでも心配な部分があるというふうな
状況が現下の状況でございます。
◇12番(高柳勝巳君) 交付税の目的については、私も、昨日も同僚議員が、福祉の増進
に自主性を損なうことなく向けるために、均衡を図るために措置をされるのだということは
一応承知をしているつもりです。その上でなおかつ財源ももう決まっているのですよね。所
得税、酒税、法人税の32パーセント、消費税の29.5、たばこ税の25パーセントです
から総額はもう決まっているのです。先ほどの2つも決まってくる。ただの1個だけでずれ
るわけですから、これはもう最初に沼田市は「これだけね」と言ったら、その数値に合わす
ことがいつでも可能になってしまうのですよね、簡単に言うと。それが地方の独自性を担保
して、地方のアンバランスを調整する基になるというのは、私はどう考えてもちゃんとした
数値が出てくるとは思えないのですけれども。もう一度、くどいようですけれどもお伺いし
ます。
◇市長(星野已喜雄君) やはり状況、実態等、国の方で的確に分析しきれるかというと、
これはある意味限界があると思います。従いまして、厳密なところからとらまえると、やは
り係数等の状況がその都度変化していく可能性が高いわけでございまして、なかなか難しい
課題が残っているなというふうに思います。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。私も課題がたくさん残っているなと思
いますし、全国知事会でも挙げておる要望で、解決は100パーセントしたという認識は私
も持っておりませんので、あらゆる機会をとらえて、上部機関等にも反映していきたいとい
うことを前向きに受け止めながら、時間もありますので次にいきたいというふうに思います。
頑張る地方応援プログラムへの対応についてというところで、再質問をしたいというふう
に思います。昨日の同僚議員の質問に対して、財政の考え方、沼田市の財政方針というので
すかね、考え方は、公債費を減らして、補助金依存体質を改善していく。そのためには行政
の役割の見直しを含めたプロジェクトを立ち上げたい。こんなような趣旨で昨日ご答弁をい
ただいたと。私もこの考え方については、速度の問題は別としても基本的には賛成だなとい
うふうに思っています。今度の実質公債費比率というのが、このやり方でやっていかないと
非常に数字が上がってしまうわけですから、この方針に沿って要は財政改革を行っていくと
いうのはひとまず私は、このベースは賛成だなというふうに考えています。
しかし、要は、この地方応援プログラムというのは、補助金の一種だというふうに私は、
交付税措置にすると言いますけれども、1回目に言いましたけれども、馬の目の前ににんじ
んをぶら下げるという部分が非常にあって、基本的にはよくないなと思う。だけど体質を改
善するためには、こうしたものも活用していかなければいけないので、国に追随するという
よりは、国と対等になってうまく利用していくという考え方で頑張る地方応援プログラムと
いうことについては対応していかなくてはならないのだろうなというふうに考えています。
方法については、今のところ触れられていないということですから、沼田市として具体的
には、これについて対応していくということが、今のところないのかなと思いますけれども、
もう一度、市長、具体的には何も示されてないので対応のしようがないよということでいい
のかどうかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先般、実は、私と高崎の市長と、みどり市の市長と、渋川の市長
と各町村長、板倉の町長含めて何人かの首長が、県の、前橋の方に出て行きまして、総務副
大臣が来県されて、この関係についていろいろと意見交換があった経過がございます。結局、
市町村及び都道府県に対し、成果仕様を普通交付税の算定に反映させるということで、2,
200億円程度を考えていると。それは行政改革、農業の出額、製造品出荷額、事業所数、
出生率、転入者の人口、小売業年間消費販売額、若年者就業率、ごみ処理量等になっておる
のでありますが、まだそれらについて、いわゆる総務省の方から具体的なことが示されてい
なくて先般は意見交換をしたと。そういう状況になっております。従いまして、今後どうい
う形で国の方が出てくるのかという読みがなかなか難しいのでありますが、地方交付税等が
これによって傾聴が出てくるというようなこと。今議員がおっしゃる認識に対して私も同感
をしているところはございます。いずれにいたしましても、大変、言うなれば、補助金的な
要素をもっているというような感じを持たざるを得ないという感じがいたします。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございます。頑張る地方応援プログラムというのは、
これは二部構成になっているという認識で、抽象的ですけれどももうこれが図になって示さ
れておりまして、先の2,200億円というのは、先ほど市長が言ってくれた9つの指標、
具体的に出生率が上がったとか、工業製品出荷額が増えたとか、こういったものに対して2,
200億円が当座評価をして、成果が上がればあげますよと。こういう話のわけですよ。だ
けど私は、この9つの指標こそ地方交付税そのものではないのですかと基本的に思いますよ
ね。じゃああと市長が言ってくれた2,700億円のうちの500億円は何になるかという
と、こちらでいうプロジェクトの策定、公表というのが500億円の内訳なのですよ。これ
が先ほど来、同僚議員がたくさん、昨日も出ていましたけれども、沼田市の「水と緑の大地
田園空間都市」に合うようなものがたくさんあるのですよ。10個あるのですけれども、
観光振興交流プロジェクトというところで言えば、グリーン・ツーリズム、郷土料理の体験
セミナー、地産地消、それから定住促進プロジェクト、空き家バンクの整備、長期滞在型生
活体験プログラムなどというのが、もう4月募集と夏でしたかね、2度もう募集をするので
すよ。それまでは一応私もつかんでいるのですが、はっきりしないということなので、私の
方の認識と若干ずれているのか、募集要綱がわからないのか、もう一度ご答弁いただければ
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 総務部長の方から答弁いたさせます。
◇総務部長(村山博明君) まず、ここでご確認をしておきたいと思いますけれども、この
制度そのものが、地方交付税の総案の中から一部を取り出して、いわゆる今回考えている制
度に充てるということですから、基本的には交付税の総枠の中から差し引かれると。こうい
うふうな認識になろうかと思います。なお今、申込みの手順等、例としてはきておりますけ
れども、詳細な部分がきておりませんので、その辺については今後の状況を見て十分検討す
ると言いますか、そういう状況になろうかと思います。以上でございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。500億円そっくりという勘違いが私
の方にあったようで申し訳ありませんでした。ただ、この申込みの方については、もう先ほ
ど市長も、高崎市長だとかとお話をしてきたとか、地方においては懇談会というのが開催を
されていて、第1回目は、徳島の上勝町でもう行われているのですね。かなりハードルが高
いかと思いますけれども、こういったものを積極的に受けながら、赤字を克服して、みんな
で汗をかいていこうではないかというのが先ほど市長の述べた、「手をたずさえて頑張る地
域」の発信力に私はなるのだろうなというふうに私は思いますので、ぜひ積極的に活用をし
ていく方向で検討をいただければというふうに思うのですが、それについてのお考えはどう
でしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) やはり有利な事業は、あるいはまた地域の実態に合った事業は、
やはり正面から向き合ってとらえていかなければなりません。従いまして、内容そのものが
本市に適切な整合性が持てるならば、当然これを前向きにとらえていかなければならないと
考えております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひまたこれも新しいプロジェクトか
何かに生かしていただいて、本市のコンセプトというのが早く明確になってくることを祈り
たいと、こういうふうに思います。時間もありませんので、また次にいきたいというふうに
思いますけれども。
地方債自由化、自治体破綻法制化の動きの対応についてという項目でいくつか確認という
か、考え方をお伺いしたいなというふうに思うのですけれども。これも基本的な話で、非常
に恐縮で私の勉強不足もあるのですけれども、実質公債費比率という指標が、起債制限比率、
もしくは公債費比率というのが、実質公債費比率というのに06年から変更されたというこ
とで、まずいいのかどうですね。それから合併協議の際にも説明でありましたけれども、財
政状況の把握のところの指標は、当時、起債制限比率を用いていたというふうに思うのです
ね、合併の際には。それが06年ですから、去年、新しい名前でもっての負債率、こういう
ものに変えられたわけです。合併の際、私は、10前後で、まだ黄色信号にもなっていない
なという認識でいたのですが、この指標になった途端に黄色信号がついてしまったのですね。
そういう認識でいいのかどうかお伺いしたいなと思います。
◇総務部長(村山博明君) 命によりご説明をさせていただきたいと思います。
06年から、今言ったように連動した数字の整理がされたというふうな状況でございます。
それらによって、単年度から3年間の平均値を求められて対応するというようなことから、
その比率が上がったという経緯がございます。
◇12番(高柳勝巳君) そうすると最初の1項目目は、私の認識で正しいということで、
今度は急に、急にという言い方で適切かどうかわかりませんが、当時はまだ赤、黄色という
認識ではなかったと思いますね。県平均でも低い方ですが、まだ黄色い信号がつくよという
状況ではなかったかなというふうに思うのですが、ここ3年間のトータルでの計算式に変え
られて、いきなり協議制のところの協議する自治体になってしまったわけなのですね。そう
いうことでいいのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
◇総務部長(村山博明君) 17年度の比率につきましては、17.2という数字になって
いると思います。それ以前は、またそれを下回るという状況かと思います。それらを平均的
にすると、18年度のこれから出てくるわけですけれども、それらを試算すると18パーセ
ントを若干上回るのではないかというふうな状況にございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。やはり私の感覚からするとですね、前
から借金がなかったわけではないですけれども、この夕張が出始めたあたりから、その06
年から尺度は使っていたわけですから、去年の夏あたりからたくさん出ましたよね。歌志内
市が、この40.6パーセントになるだとか、県で言うと4件、それから政令指定都市につ
いては、8市が18パーセント以上なのですよね。ですから、沼田市だけがこのひどいとい
う状態ではなくてですね、もうそれに近いところもたくさん出てきているということは、物
差しを変えたら急に黄色が出てきてしまったというふうにとれなくもないのですよ。だから
先ほどの、地方交付税の算定式もそうですし、この実質公債費比率というのも非常に国が恣
意的にあぶりだしているように思えるのですけれども、その辺についての感覚についてはど
うですかね。
◇総務部長(村山博明君) 大変申し訳ありません。今の数字18パーセントを若干上回る
と申し上げましたが、19パーセントを若干上回るような状況なのかなというふうに試算を
しております。これにつきましては、今までは一般財源、一般にかかる部分で対処をしてき
たところでありますけれども、これらが他の会計も含めて、あるいはそれに準じる繰出金、
これら等も見て整理をされるというふうな状況になったことから、今次のような状況になっ
ているということでございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。細かいようで大変申し訳ないですね。
私は、基本的には、どうも基準は国主導で進められているなというふうに感じるものですか
ら2つほど聞きました。それから、もう一つお聞きしたいのですけれども、今度、合併特例
債の起債制限比率ですよね。これは起債制限比率というのは、総務省にどなたかがお聞きし
たときに、合併特例債と言えども起債制限比率はしっかり守っていただきますよということ
になりました。今度は、実質公債費比率が物差しになって、これに黄色がつくと自然と起債
も制限をされるということでよろしいのかどうか。
◇総務部長(村山博明君) 18パーセントを超えますといわゆる協議が必要になると。こ
ういうふうなことでございます。いわゆる起債許可団体というふうなところに対応がされて
いくのだということになるということでございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。何が言いたいかというと、私はあまり
賛成しませんですけれども、今回も消防等に合併特例債の起債をしたということですから、
これがおそらく当時、最高で当市の場合は300億だったと思いますけれども、当然300
億はできないし、全国では恐らくそれをあてにして合併をしたところは使えない状況が出て
くるということで受け止めていいのかどうか、お伺いしたいと思います。
◇総務部長(村山博明君) 起債というのは、あくまでもお金を借りて、後年度それを返し
ていくというふうな状況でございます。従いまして、いわゆる団体、団体によって十分精査
した上でその対応は図っていくのだというふうに認識を持ってございます。
◇12番(高柳勝巳君) 冷静な対応でありがたかったです。私はいささか慌てました。使
う気はないものの、お金たくさんあげるからみんなで頑張ってね、と言ったものが使えなく
なってしまったというのが非常に地方の、それをいくらかを当て込んで合併したところは、
たぶんこの実質公債費比率というのがかなり高く出て、もう身動きができなくなって、沼田
市の場合も単年度で、もう来年、再来年が危ないという状況ですけれども、多額の起債をし
たところは、もうおそらく来年どうなるかもうわからないという状況が当然推計をされると
いうふうに思いますので、総務部長の懸命な判断だったな、あるいは市長の懸命な判断だっ
たなということが私はお聞きしたかったし、無用な起債は当然制限をされようと、されまい
と、主体的な判断でこれはしっかり判断をしてあげればいいかなというつもりで実質公債費
比率だとか、いろいろな数値についてお伺いをしました。
私は、この問題が夕張で出たときに、「オオカミが来るぞ」というのを非常に強く感じた
のですよ。オオカミが来るからすぐ財政再建で、職員の人件費もみんな切って、それっと言
うのではなくて、やはり国が今行おうとしていることもしっかりつかみながら対応するとい
うのが本当の意味の分権だというふうに私は思っているものですから、少し回りくどくて私
自身も勉強不足のところもありますけれども、市長にお伺いしたかったということのわけで
す。
それから、国の問題になります。今度は財源の確保の問題ですけれども、先ほど同僚議員
からもいろいろな定住策等で、人口流入だとか、そういったもので人口を増やす方法をして、
出ずるを図るべきだというお話もありましたけれども、入る方は早々、私どもの地方ではそ
う増えるというふうには私は見込めないのですよ。来るとすれば、やはり国から来るお金が
まっとうに不均衡を直すために来るべきだというふうに思っています。最近、今でも国会の
最中ですけれども、事務所費の問題で不正な会計が発覚をして、何度も同じ答弁を繰り返す
ような国政の状況の中で、地方交付金というのが年間317億だそうです。地方交付金31
7億といったら、夕張市がほぼ借金を1回で返せちゃう状況じゃないですか。そんなにお金
が余っているのだったら、私は市長が先ほど5対5と言いましたけれども、私は7対3、本
当に国からそのままもらいたいなと思いますけれども。国の今の姿勢に対してどういうふう
に思われますか。ご見解をいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本当にですね、これは難しい問題でもありますが、兼ねてから申
し上げてきた通り、私も市長をお世話になって5年経つわけでありますが、毎年5月の下旬、
6月の初め頃なのでございますが、県内選出の衆参両議院の国会議員の諸先生と、群馬県の
11市、今までは11市でございました。ここへまいりまして12市になりましたが、11
市の市長との懇談会があるのです。またありました。朝食を取りながら意見交換を概ね1時
間から1時間半くらいするわけでありますが、今議員がおっしゃられたようなことを含めて、
中山間地域の持っている実情を訴えるという立場を私はとっていました。しかし同じ県内の
市にあっても、今度は逆に現在の制度改革をよしとするいわゆる自治体も実はございまして、
そこのところは私どものような中山間地域の中小の自治体と、群馬県で言えば、他の前橋と
か、高崎とか、太田のような自治体の考え方は若干違って、私どもはむしろ、この三位一体
改革のもたらすところの、中小自治体のところは厳しくなるので、もっと、もっと国は、そ
ういった格差が生じてくることについての対応方を図ってほしいというようなことを一貫し
て言い続けていた経過がございます。
ですから今後も、そういった立場でやはり申し上げていかない限りにおきましては、先ほ
ど来から言っているように、この中山間地域のリスクをどうカバーしていくかということに
なると、結局、限界がございまして、そのリスクを背負っていることそのものが、今度は逆
に都心の方を利するという行動があるわけです。それは具体的には水であるとか、みどりで
あるとか、CO2の削減の問題であるとかになるわけであります。ですからそういった意味
で声を高くして、国、あるいはまたそういった上位のところに働きかけてつもりでございます。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。声も高らかに、そして施策もきらりと
光る地域になって、発信力を増していただきたいと思います。
次にいきたいと思います。わかりやすい財政の情報提供についてということで、沼田市は
条例に基づいて財政状況を年2回公表することになっていて、広報ぬまたで年2回、それか
らホームページでも先ほど市長からご案内のように、こういった資料だとか、決算カード、
俗に言う、こういったものを公表しています。A4版にプリントするとちょっと目が痛くな
るわけですが、一応公表はしていて、市長の答弁ですと、新たな財源情報について検討して
いきたいというふうに答弁されたというふうに認識をしているのですが、前向きに検討され
るということでよろしいのかどうかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) こういうふうに答弁を1回目でしております。「新たな財政仕様
や特別会計を含めた総体的、かつわかりやすい財政状況の提供が求められています。今後、
市の財政の事情を市民の皆さんにわかりやすくお知らせできる方法を鋭意検討してまいりた
いと考えております」と答弁しておりますので、今後、一生懸命そういった方向で検討して
いくということになろうかと思います。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。ぜひこれは本当に皆さんが関心を
持つようになっていて、恐らくホームページのヒットというのですかね、それも相当高くな
っているのだろうなと思いますのでぜひお願いします。
ただ、最近の文書はですね、先ほど公表という言葉が何げなく使われるのですけれども、
公表という言葉は割と重いのですよね。公開というのは、請求をされたときに出すのですよ。
ある意味仕方なく。公表というのは、請求される前から、常に私たちの状況というのはこう
なっているのですよということを常に情報発信するということが公表だというふうに私は受
け止めています。初日に提案をされた国民保護条例についても、公表という形を記載してあ
ったので、その受け止めでいいのかどうかお伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) ご発言の通りでございます。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。そういうふうに考えると、先ほど
市長が言った、今後への対応についてもわかりやすく、自らが求められる前に公表していく
ということですから、甚だ恐縮なのですけれども、これはニセコ町の、「もっと知りたい今
年の仕事」という、ニセコ町の財政状況を示した冊子なのです。これは、沼田市の、私ども
を見れば決算表も出ていますけれども、甚だそっけないですよね。プロがちゃんと見れば間
違いなく書いてありますけれども、素人でもわかりやすく、一つの事業に対して財源がどこ
から持ってきてどうなるのかというのが、やはりちゃんとわかるように書いてある。これが
公表だというふうに思っているので、ぜひニセコ町のこういった冊子等も参考にしていただ
きながら、これは財源はどうするのだと言ったら、これは三セクが発行しているようですか
ら、お金の方についてもそれがちゃんと回るようにしながら公表している。勿論、ダイジェ
スト版もありますけれども、見たい人にはしっかり出すという形で参考にしていただければ
と思うのですが、市長のご答弁をいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ニセコ町というと、こういった地方自治体の改革の先駆者であり
まして、現在、その改革をされた町長さんは確か衆議院議員におなりになっているのではな
いかと思っております。そういう意味で非常に全国に先駆けた改革をしてきている自治体である
という認識をしております。ぜひ勉強させていただきたいと思います。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。ぜひ住民が、今の沼田市の状況を、
過大でもなく、過小でもなく、わかりやすく伝わるようお願いをしたいなというふうに思い
ます。
次にいきたいというふうに思います。総務・国交両省によるすべての市町村への一般競争
入札導入についてということで、沼田市も制限付きではありますが、努力をしているので導
入済みという自治体にカウントされるので、種々努力をしているがと、こういったご答弁か
なというふうに感じております。昨年の同僚議員からまだ数ケ月しか経っておりませんけれ
ども、電子入札については、かなり踏み込んだ方向で拡大をしていくということですから、
なかなか頑張ってきているなという感じを受けますけれども。9月の決算委員会のときです
かね、入札制度検討委員会で種々いろいろなものが検討されるということのご答弁をされた
と思います。それは、定例ですか、随時ですかと聞いたら、定例ではないということですか
ら、恐らく随時なのだろうと思います。少なからず12月の16日に指針が出て、できるだ
け早いスピードで入札改革について努力しなさいよということが、指導ではありませんが、
指針として出されたわけですよね。それを受けてこの入札制度検討委員会というのはいくら
か活発になったのかどうかお伺いしたいなと。その中でこういう方向が出されたのかどうか、
再度お伺いしたいなと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それでは助役に答弁いたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 助役。
◇助役(林 義夫君) ご質問にお答え申し上げます。
国の指導によって改めてそれを強化したということはございませんけれども、前向きな入
札制度の改革につきまして、今月も議会の合間をぬって入札制度検討委員会の委員会を開催
する予定でありますが、新年度に向けての最後の詰めに入るところでございますので、ご理
解いただきたいと思います。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。そうするともう1回くらいは新年度に
向けてあるかなという想像がつくわけですけれども、この入札制度検討委員会は、条例でみ
ますと確か11人の方だったと思います。部長さんが4人と振興局長、次長、それからあと
契約検査課の担当。いずれにしても、庁内の粋を集めていますが、なかなかこれからは、総
合評価方式ですとかいろいろな問題が出てまいります。新しいプロポーザル方式だとか、い
ろいろなものが出てくるので、失礼ながら他のお仕事も持ちながら入札制度を検討するので、
非常にそういったところに支障があるのかなと思います。他県等では、専門家をお呼びしな
がら入札制度の検討、あるいは前進に向けて努力をしている県も、あるいは自治体もあると
いうふうに推察をしているし承知をしているわけですが、沼田市においては、そういった考
えがあるのか、なのか、お伺いをしたいと思います。
◇助役(林 義夫君) 外部からの先生をお呼びするという部分はございませんが、自己研
鑽をしながら、特に電子入札等につきましては、真剣に取り組んで採用に向けて進んでいる
ところであります。以上であります。
◇12番(高柳勝巳君) 今無理でないのに、無理に専門家を呼べという方も無理がありま
すので、ぜひそういう状況が起きた際には、そんなものも財政厳しいわけですけれども、視
野に入れながら、スピードをぜひ速めていただきたいなというふうに思います。
去年の7月の朝日新聞に、談合しない建設会社という新聞のコラムがありました。ご覧に
なった方もいらっしゃると思いますけれども。希望社という会社を設立して、関西で清水建
設に入っていて、日々有力者とのコネづくりの仕事に嫌気がさして、自分で仕事を立ち上げ
たという方が、国会で、4月の17日の衆議院行政改革特別委員会で参考人として発言をし
まして、入札で談合しないと言ったら指名から外されたと、こういう記事が載っていて、入
札の改革に向けて非常に前向きに取り組んでいます。昨今では、名古屋市でもいろいろな問
題が、公正取引委員会の関係で内部告発がされ、談合がもうできなくなっていくというよう
な状況がうかがわれます。
市長に、単純に、非常に、明解にお聞きしたいのですけれども、談合事件が沼田市でもあ
りましたけれども、それ以降は談合はないというふうに私は信じているわけですけれども、
市長はどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私も信じております。
◇12番(高柳勝巳君) ありがとうございました。じゃあ100パーセントの確信という
のはどうでしょうかね。
◇市長(星野已喜雄君) 行政の立場からいたしますれば100パーセント信じております。
◇12番(高柳勝巳君) 安心しました。100パーセント信じているのであれば、こうい
う流れの、新しい入札制度について、改革をしていくということに躊躇する方向というのは
全くないわけですから、ぜひ助役を筆頭に、あるいは市長も交えながら、一日も早く、本人
はともかく、回りの人から一点の曇りもない入札制度について早期に取り組まれるようお願
いをしたいというふうに思います。
それから私は、総合評価制度というのが、それに準じながら論じられているようですけれ
ども、それについては、入札制度検討委員会等、あるいは市長個人で研究されたことがおあ
りなのかどうか、次にお伺いしたいというふうに思います。
◇助役(林 義夫君) 総合評価方式の導入関係でございますけれども、学識経験者の意見
聴取等の手続きを簡素化するといろいろなことが言われておりますけれども、これからの検
討ということになっております。以上でございます。
◇12番(高柳勝巳君) 階段を一つ登ったわけですから、そんなにいくつもという話には
いっぺんにはなりませんが、今後の検討ということで次にいきたいというふうに思います。
地方も厳しいし、その中でなおかつ中小零細というのは厳しいというようのは、言うも待
たないわけでありまして、それらの育成の視点、あるいは地域活性化の視点として、小規模
事業登録制度というのがあるのです。埼玉県、栃木県、関東では相当数の自治体がこれに踏
み切っているという情報を得ていますが、沼田市では、小規模事業登録制度について、検討
の有無と今後への考え方について、いかがなのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これの問題につきましては、例えば地域の学校の修繕だとか、あ
るいはまたそういった公共的な施設とかということになったときに、やはり大変有効に作用
するのではないかと思っています。従いまして、今栃木や埼玉の各自治体では、そういった
方向をとっている自治体が多いということのようでございますので、早急に担当部課に資料
を取り寄せて、勉強をいたさせるつもりでございます。
◇12番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。これは本当に仕事の繁閑、仕事が
欲しくても手が上げられない。そういったところ。あるいは大手が入札をして、その下請け
の中で、それらが不明瞭の中で苦しんでいるという実態を、少しでも行政がいい方向に向け
るという制度だと私は思っている。いろいろまだまだ地方においては問題もあろうかと思い
ますけれども、ぜひ研究をして、前向きに検討をしていっていただきたいなと思います。
県段階ではかなりあるのですけれども、山梨県の中央市というところが専門家の検討委員
会を設けながら、この4月から一般競争入札をこの4月からやるということで、小規模事業
登録制度について、前向きに検討することがたくさんあって、助役申し訳ないのですけれど
も、ぜひ前向きに検討いただけますようよろしくお願いしたいというふうに思います。また、
総務部長から資料が出たようですから、何かあれば助役の方からお伺いしたいと思うのです
が。
◇市長(星野已喜雄君) 資料の中で、特別なことが書かれているわけではありません。い
ずれにいたしましても、大変きめの細かい対応が要求されます。一生懸命研究させていただ
きたいと思います。
◇12番(高柳勝巳君) いささか勇み足で大変申し訳ありませんでした。また一般競争入
札に戻りますけれども、中央レベルではもうご存じだと思いますけれども、もう数値目標を
出して、各省庁が、内閣府、防衛庁、法務省などが金額ベース、件数ベースでもう50パー
セントを超えているという状況です。これはもう大きい工事をするわけですから、国レベル
は当然大きくなってきます。それから、県レベルの工事でも、当然金額が張りますから当然
その率は高いというふうに思います。私が言っているのは、沼田市においてもどうかという
ことになりますと、先ほどちょっと申し述べました山梨県の中央市が、この4月に決めて、
10月に入札制度改革について不祥事があった市ですけれども、それらの一掃に向けて努力
をしていきたいというふうに書かれた情報が私の手元に入っておりますが、最後に市長のご
見解をお伺いしながら、私の一般質問を終わりにしたいというふうに思います。若干、道に
逸れた部分もありまして、お詫びしながら終わりたいと思います。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 検討委員会の方で、これが対応のために努めているわけでござい
ますが、ご案内の通り、先ほど第1回目の質問に対して答えた通り、この1月と2月の2回、
市内の本市を有する土木一式工事及び建築一式工事におけるAランク業者を対象に、指名競
争入札の模擬入札を実施いたしました。また、今月中に、制限付き一般競争入札の模擬入札
も実施する予定でございます。これらを踏まえて、入札制度検討委員会において検討して、
段階的ではありますけれども、来年度、つまり新年度より土木一式工事及び建築一式工事の
Aランク業者対象工事を電子入札より実施していきたいと考えておりますので、ご理解を賜
りたいと思います。
──────────────◇──────────────
◇議長(星野佐善太君) 次に、大東宣之議員。26番。
〔26番 大東宣之君登壇〕
◇26番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行ないます。
今回私は、障害者自立支援法について、公共交通について質問します。
まずはじめに、障害者自立支援法についてより質問いたします。
障害者自立支援法が昨年10月から本格実施されましたが、すでに4月から原則1割の応
益負担が導入され、大幅な利用者負担増による施設からの退所や報酬の激減による施設経営
の悪化など、深刻な問題が噴出していました。
さらに10月からは、市町村の事業である障害程度区分認定とそれに基づく支給決定、地
域生活支援事業の開始など、市町村の取り組みと責任が問われるようになりました。
スタートしたばかりの障害者自立支援法は、障害者団体などの運動などにより、本格実施
から半年でその不備について、利用者負担の軽減、事業者に対する激変緩和、新法移行のた
めの緊急経過措置など、一定の改善を余儀なくされました。
利用者の負担軽減は、通所・在宅サービス利用の負担上限額を現行の2分の1から4分の
1に引き下げ、軽減対象も収入ベースで概ね600万円、市町村民税所得割10万円未満ま
で拡大し、事業者に対する激変緩和では、補正予算で従前の報酬保障の80パーセントを9
0パーセントに引き上げたり、通所事業者の送迎費用が助成されます。
これらの改善策がとられることとなったとはいえ、障害者サービスに応益負担を課すとい
う障害者自立支援法の性格が変わったわけではなく、次の見直しの08年度までの措置にと
どまるものでしかありません。
昨年4月から、原則1割の応益負担が導入されたことで、いずれの施設での大幅な利用者
の負担が増え、施設からの退所やサービス利用の断念が相次いで起こりました。
それまで通所施設の利用料は、9割を超える人が無料でしたが、障害者自立支援法の実施
によって、給食代を含む利用料は1〜3万円の負担になったと言われ、入所施設では、もと
もと多くの人が利用料を払っていましたが、1〜3万円の負担増となりました。
また、身体・知的通所施設では、98パーセントの人が負担増となり、利用料が無料から
1〜2万円未満の負担になった人が約半数の49.4パーセントを占め、2〜3万円未満が
25.6パーセント、1万円未満が18.7パーセントとなっているという調査報告もあり
ます。
こうした重い利用料負担が、サービスの利用を断念させる原因となっていることは明らか
ではないでしょうか。
国は、負担上限やいくつかの減免措置を講じているものの、介護保険との統合を視野に入
れた基準設定がなされているために、高齢者一般に比べて所得が低いといわれている障害者
にとっては過酷な負担となり、サービスが利用できなくなり家に閉じこもるようなことにな
れば、自立支援、ノーマライゼイションの実現に逆行することになります。
障害者自立支援法によって、障害者福祉はどのようになったのかお伺いいたします。
障害程度区分認定に基づき、受けられるサービスが決まりますが、障害程度区分認定によ
って介護・訓練等給付など福祉サービスの提供が変わった人はいるのか。サービスの利用抑
制などの影響はあるのかお伺いいたします。
障害者自立支援法によって、応益負担が導入されるなど障害者福祉が大きく変えられよう
としていますが、今後の障害者福祉についてどのように考え対応するのかお伺いいたします。
続いて、公共交通について質問いたします。
過疎化と高齢化の進む地方都市にとって、地域住民の移動を保証する足となって重要な役
割を果たしているのが路線バスなどですが、多くのところでは経営的な困難に直面している
ことから、その存続が危ぶまれています。
本市においても、代替バスの運行や乗合タクシーの試行運行など、市民の足の確保に努力
がされていますが、経営的には厳しいものがあると感じぜざるを得ません。
しかし高崎市の循環バス「ぐるりん」、伊勢崎市の福祉バス、前橋市でのバス運行、乗合
タクシーなど、県内各地で独自なバスなどが運行され地域住民の足を守る取り組みが広がっ
ています。
本市でも、公共交通の空白地域の克服を目的に乗合タクシーの試行運行がスタートしまし
たが、市内には公共交通の空白地域が残されたままとなっていますが、公共交通の空白地域
の現状とその対応についてどのように検討されているのかお伺いいたします。
乗り合いタクシーの試行運転が2路線で実施されていますが、いまだ試行運転のままとな
っており、本格運行とはなっていませんが、乗り合いタクシーの試行運行の評価と利用者増
加に向けてどのような検討がされているのかお伺いいたします。
代替バスは、東武バスの路線を基本的に引き継ぎ運行がされていますが、利用者の利便性
を高め、利用促進を図るうえでもより利用しやすい路線、時間帯の運行が求められているの
ではないでしょうか。
代替バスの路線、運行時間等の見直しなどの検討はどのようにされ、その具体化されたも
のはどのようなものなのかお伺いいたします。
循環バスの運行を願う市民の声は決して少ないものではありませんが、その運行は行われ
てはいません。循環バス運行についてどのような検討がされているのかお伺いいたします。
以上が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
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◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時02分休憩
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午後3時11分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただ今の大東議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、障害者自立支援法について、状況と今後の取り組みについて、障害者自立支援法に
よって障害者福祉はどのようになったのかについてでありますが、障害者自立支援法は、ご
承知のように、障害のある人が普通に暮らせる地域社会づくりを目的としてそれまでの障害
者福祉制度の大幅な見直しの中から生まれたものであり、身体、知的、精神の三障害の施策
の一元化、利用者本位のサービス体系への再編、支給決定の明確化、安定した財源の確保、
などが盛り込まれております。障害者自立支援法が昨年4月から施行され、10月からは本
格施行となりましたが、この間、関係者の方々とも何度か懇談を開催し、その中では、「制
度が分かりにくい」、「負担が心配である」、「法の理念は理解できるが中身が伴わない」
などのいろいろなご意見や、市町村で取り組む地域生活支援事業についての要望も出されま
した。
法で定める制度の根幹は変えられませんが、地域生活支援事業の充実、実施に向け取り組
んできたところであります。特に、新たな制度とサービスの受け方なども含め、専門相談員
による相談業務の強化を図り、関係者から評価をいただいてきたところであります。
地域生活支援事業では、相談支援事業のほかに、移動支援事業、福祉ホーム事業、日中一
時支援事業などを実施してまいりました。
次に、障害程度区分認定によって介護・訓練等給付など福祉サービスの提供が変わった人
がいるのかについてでありますが、従前の「支援費制度」では、市町村が聞き取りにより判
断して程度判定がされておりましたが、「障害者自立支援法」では、認定調査の結果による
一次審査、認定審査会による二次審査によって障害程度区分が位置づけられることになりま
した。この支援費制度から障害者自立支援法に移行する中で、個々の障害者の受けるサービ
スについては、従前の福祉サービスが下回らないよう弾力的な支給に努めております。従い
まして、現段階ではサービスの提供が変わった人はいないと認識をしております。
次に、サービスの利用抑制などの影響はあるのかについてでありますが、サービスの利用
については、本人負担の増という気持ちから多少の抑制をしているのではないかと思われる
ということもお聞きしておりますが、先ほどの答弁でも触れましたように、弾力的なサービ
ス支給決定を行っておりますので、大きな影響はないと推測しております。
次に、今後の障害者福祉についてどのように考え対応するのかについてでありますが、現
行の「沼田市障害者福祉計画」を踏まえ、策定準備を進めております「障害福祉計画」に基
づき、障害者自立支援法による障害福祉サービス、地域の実情に合わせ実施する地域生活支
援事業のサービスの提供など、障害者、保護者の意見をお聞きしながら、関係者の要望に近
づけるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、公共交通について、バスの運行について、公共交通空白地域の現状とその対応につ
いて、どのように検討されているのかについてでありますが、本庁管内の公共交通空白地域
につきましては、「沼田市路線バス市民検討委員会」で検討し、これを受けて平成15年1
0月から「奈良・秋塚線」と「宇楚井・原線」の試行運行を開始してまいりました。
平成17年の市町村合併に伴い、白沢町及び利根町管内も含め沼田市全体としての交通空
白地域の現状を把握しているところでありますが、少子・高齢化と公共交通離れは、すべて
の運行路線において乗車人員の減少をもたらし、現行路線の存続について危惧するところで
あります。公共交通空白地域の対応につきましては、現行路線の確保を含め総合的に研究し
てまいりたいと考えております。
次に、乗り合いタクシー試行運行の評価と利用者増加に向けてどのような検討がされてい
るのかについてでありますが、現在運行している2路線につきましては、毎月の利用状況を
把握しながら、必要に応じ利用者アンケートを実施し、これらの結果をもって地元説明会を
行い、乗りやすいダイヤ改正や地元負担の提案なども行いながら、一人でも多くの市民に乗
っていただけるような運行に向けて検討を行ってきたところであります。
次に、代替バスの路線、運行時間等の見直しなどの検討はどのようにされ、その具体化さ
れたものはどのようなものなのかについてでありますが、乗り合いバスの乗車人員も減少傾
向にありますが、時刻表の配布や広報などによりその利用について啓発してきたところであ
ります。
また、運行時間については、通勤・通学等の利用者の利便に供するため、JRとの接続に
配慮しダイヤ改定に沿って適宜見直しを行ってまいりました。
アップル号につきましては、バス事業者と協議の上、平成18年4月にダイヤの改正を行
い、利用者の比較的少ない平日運行の往路と復路の各1便を減便し、経費の節減に努めてき
たところであります。
次に、循環バス運行について、どのような検討がされているのかについてでありますが、
沼田市路線バス対策委員会の検討結果としては、環状循環線については、バス事業者の営業
路線と競合する部分があること、環状線が完全に開通しておらず、現状では路線の効率的な
運行ができないことが課題とされ、中心循環線及び環状循環線の運行については、「営業路
線の運行に配慮し、今後、慎重に検討すること。」となっており、引き続き今後の研究課題
とさせていただきたいと考えております。
以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇26番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって質問を
させていただきたいと思います。
まずはじめに、障害者自立支援法についてからお聞きかせいただきたいと思います。ただ
今のご答弁で、沼田市として様々な努力がされてきているというふうには認識をいたします
が、この障害者自立支援法、実施をされて約1年、本格実施がされてから約半年が経過をし
ようとしております。市長として、この障害者自立支援法についての感想、もしくは見解が
あればまずお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この関係につきましては、ご案内の通り身体・知的・精神の制度
体系を、ある意味においては一元化して、そして、都道府県がこれをバックアップする、と
いうようなことになってきたという経過があります。この節の、地方分権の流れの時代から
すると、やはりこれらのことも時代の流れかなと思っていながら、この自立と共生の時代を
実現するために、障害者が地域で暮せる社会ということを大きな目途として本事業は進んで
きている経過がございます。従いまして、これをすでに事業化されていることから、やはり
どのように生かしていったらいいのかということを勘案しながら、今後対応に処していかな
ければならないと考えております。
◇26番(大東宣之君) この障害者自立支援法、先ほども申しましたが、施行されて1年、
本格実施から半年近く経っているのですが、とりわけ1割という応益負担、これが非常に重
いと。障害者の方々にとって。それで何とかしてほしいという障害者団体やそれぞれの政党
などが要求した結果によって、新年度から一定程度の見直しが行われると。
実際、この障害者自立支援法がこの応益負担1割を導入したことによってやはり利用者の
方々にとっては非常に重い負担になっている。これはやはり変わらない。そして先ほども申
しましたように、国の経過措置として2年間は緩和措置を講ずると。しかしその先はどうな
るかわからない。基本的には、この1割という応益負担は変わらないわけですから、基本的
にこれからも含めて、将来的展望からいっても障害者の方々にとっては重い負担がかかって
くるのではないかと。そういったところに多くの方々が不安を抱いている。これからどうな
っていくのか、そういったことについて不安を抱いているのではないかと感じます。ですか
ら、もともとこういった障害者の方々に応益負担を求めること自体に無理があるのではない
かというふうに感じるわけですが、市長としてこの応益負担についてのお考えがあればお聞
かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 応益負担の関係でございますけれども、やはりある意味において
は社会的弱者の方々でございますから、当然そういったところに思量していかなければなり
ませんが、ご案内の通り国家政策の中で、これらが導入されてきているという経過がありま
すので、私どもからいたしますると、そういったことを受け止めながら、今後どのように対
応していったらいいかということを考えていかなければならないのではないかというふうに
思っております。
◇26番(大東宣之君) これは国がやったことです。障害者自立支援法というのは国が作
った法律で、応益負担がそれによってもたらされる結果となりました。しかし、先ほど市長
がおっしゃったように、やはり障害を持っていらっしゃる方々、所得が低い、これは致し方
ない現実としてあるのではないか。まだ親御さんがいらっしゃるうちは何とか頑張れる。そ
ういう要素があるわけですが、しかし実際、親御さんが亡くなった後、どうしていくのかと
いうことが、やはりこれが今の親御さん方にとっては非常に大きな不安になっているのでは
ないか。自分が元気のうちは何とか面倒を見てやろうと。どの親御さん方もそういうふうに
思っていらっしゃいます。だけども自分が亡くなったときにどうなるのだろうというのが一
番の不安なのです。だからこそ市長はそこに温かい手を差し延べてあげる、面倒を見てあげ
る、そういうことが必要ではないかと。
国がそういうふうにやったからそれでいいのだということにはならない。だからそこで市
長に頑張っていただきたい。そういう方々が安心してこの地域で暮していける、そういうよ
うな手立てを講じていく。この障害者自立支援法は、介護保険制度と違ってそういった地方
自治体、市町村の独自な財政的支援を含めて援助をすることについて、国は何らやってはい
けないと、そういう規定はしていないのです。ですから、市長がやろうと思えばそういった
1割負担、応益負担分を軽減させる措置がとれるわけなのです。ですから、そういうことに
やはり力を注いでいく必要がこれからあるのだと思いますが、市長としてのお考えお聞かせ
いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはおっしゃる通り、先般も福祉講演会で、保健福祉センター
の方で、県の担当の方が見えられて、約1時間半、90分ほど講演をされたという経過がご
ざいます。私も最後まで講演に参加させていただき、確か2名の方からいろいろと質問が出
ておりました。ご案内の通り、県が障害者の生活状況から8分の1程度の利用料を補助する
というような、こういう流れがすでに新聞紙上に1月の末日にも出ておりますが、そういう
ようなことが出ておった経過がございます。私どももこれらをとらまえたときに、今後、県
の指導等もいただきながら、どういうような選択をしたらいいかということを検討していか
なければならないと思っております。
◇26番(大東宣之君) 先ほども申しましたが、障害者の方々は、高齢者の方々よりも一
般的に所得が低いというふうに言われています。そういった方々に対して、この応益負担1
割というのが導入されたことによってどういうことが起こったかということで、いろいろな
声が出されています。
これは大阪府の知的障害者の通所更正施設に通っていらっしゃる方の声ですが、一般世帯
で年間住民税納税額が、わずか3,000円の家庭でも、食費を合わせて月2万円以上の負
担になったと。それから、埼玉県の知的障害者通所授産施設に通っていらっしゃる方だそう
ですが、母子家庭で、母6万円、本人6万円の収入、本人というのは障害者の方の年金だそ
うですが、本人6万円の収入でアパート暮らしをしている。それでも1万2,000円の負
担がかかるということで、容赦なくそういった方々に重い負担となっている。それで確かに
国は一定程度の改善策を取りましたが、それは2年間だけ。その後どうなるか全くわからな
い。保障がないという状況になっています。こういった負担が障害者の方々、またその家族
の方々に今のしかかってきている。そういったことが、この地域の中で障害者の方々が安心
して暮していけるということになるか、ならないかということになれば、私はならないので
はないかと。
ですから、やはり障害者の方々が、この沼田市で安心して暮していっていただけるような、
そういうことを展開をしていかなくてはならない。そういう事業を展開をしていかなくては
ならないのではないかというふうに感ずるわけです。そういった意味では、この1割負担の
軽減ということが、まず一つ大きな課題として市として取り組んでいかなくてはならないの
ではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど答弁をさせていただいた通り、現在いろいろな流れがある
ようでございます。先般も講演で、県の考え方等も伺いました。従いまして、そういった機
関と意見等すり合わせする中で、今後、どのような対応を図ったらいいかということを検討
してまいりたいというふうに思っております。
◇26番(大東宣之君) 市長は、私よりもたぶんたくさん障害者の家庭の方々とこの間、
この障害者自立支援法、そしてまたそれ以前もいろいろとお話しをされてきた機会がたくさ
んあって、それらの方々の切実な声、切実な願い、そういった思い、しっかりと受け止めて
おられるのではないかというふうに思うわけです。そういった障害を持っていらっしゃる方
々が、この沼田の中で安心して暮していける、そういうふうなことをしていくということが、
これは市の果たすべき役割ではないか。そういった寄せられている多くの声を、それを具体
化し、実現をさせていく。そして障害がある方でも安心して暮していける地域、沼田市を作
っていくということがまず必要ではないか。そういった中で、市長としてこの県の考え、ま
た国の動向なども見ながら検討していきたいというお答えですが、実際もう障害者自立支援
法はスタートをしているわけです。ですから今ここで足りないもの、必要なものは何なのか
ということをしっかり見定めて、それに対して足りないところを市がどんどんと穴埋めをし
ていく。そういうことが今求められているのではないかと思いますが、市長の考えとしては
いかがなものでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 市町村、基礎自治体の立場からいたしますると、今言うようなこ
とのご発言、あるいはご意見を受けて、できることはやはり実施していかなくてはなりませ
ん。重ねての答弁になるわけでございますけれども、先般も講演をいただいておりまするし、
そういった中で今各関係機関がこれらの問題について、何が一番適切なのかということを検
討している状況にもございます。議員のご発言はよくわかっているつもりでございます。先
ほど来申し上げているように、各関係機関、あるいはまた関係部署等とよく連携をとって、
議員のご発言をしっかりと受け止めて、これが一体全体どういう方向がいいのかということ
を早急に判断をしてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、先般の講演等私どものご案内の通り民生部そのものが中心とな
って行ってきた講演会でございますので、ひとつご理解を賜りたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) この件について、最後にひとつ市長にお聞き願いたいと思います。
これはちょっと私どもが今行っているアンケートで、ある女性の方が私のところに寄せたア
ンケートの結果の中に書かれていたことで、非常に印象的だったので、ぜひ市長にもお聞き
とり願えればと思います。
「障害者の親です。なぜ社会で弱い者、一人で生活できない者にこんな悪政が行われるの
かわかりません。その上、毎日テレビ、新聞などで、政治家の税金のムダ使いなど許せない
ことが多過ぎます。一生、真面目に働いても、低所得者は年金もほんのわずかです。長く年
金をかけていても、本当につらいだけです」これが率直な声ではないかと。
ですから、やはり行政としてね、こういう声に応えていく。そういう人に手を差し延べて
上げる。これが市役所の仕事、市長の役割ではないか。ですから、やはりこういった事態を
招いたのは、私は、市長がやったとは、そういうふうに勿論言いませんよ。だけども結果と
して、今の国のそういう施策の展開の中でこういうことになっている。そして、それによっ
て困っている人がたくさんいらっしゃる。沼田でもそういうことを、そういう声が寄せられ
ている。そういう方がいらっしゃる。だから私は、よくその障害のある方々の実態を調査を
しながら、そういった声に耳を傾けながら、やはり早急な手当てを講じていく。それがやは
り市長としてやるべき仕事ではないかと、そういうふうに思います。いろいろ検討していき
たいというお答えでしたが、私は早急に何らかの手立てを講じていく必要があるのではない
かと強く要望しておきたいと思います。
続いて、障害程度区分認定によって介護、訓練等給付サービスの提供が変わった人はいな
いということですが、この10月1日現在で、この障害程度区分認定をやらなくてはならな
いことになっていましたから、現在、この障害程度区分認定を受けた方がどれくらいいらっ
しゃるのか。数字をお聞かせいただくことで大変恐縮なのですが、今わかれば教えていただ
きたいと思います。もしわからなければそれは結構です。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長に答弁いたさせます。
◇議長(星野佐善太君) 民生部長。
◇民生部長(田島 護君) 命によりお答え申し上げます。
2月の末の段階で、見込みということでお願いいたします。沼田市で、3障害対象者につ
きましては、225という形で見込んでおります。身体39、知的157、精神29人。そ
のうち特に、審査会等に付されているものは54人でございます。以上でございます。
◇26番(大東宣之君) 全体では225人が対象となるであろうというふうに予想されて
いて、実際、この認定を受けられている方が大体54人くらいということですから、大体4
分の1程度の方が認定を受けられる見込みだということですから、残りの方々がこういった
認定を受けないで家族の方々が面倒を見たり、また、自分で何とか頑張っていこうというこ
とでいらっしゃる方々ではないかと思います。この54人の方々について、先ほど1回目の
ご答弁では、特にサービスが低下をした人はいないということですから、この障害程度区分
認定が、介護保険の認定とは違って、サービスの利用の限度額を決める、そういった要介護
度を決めていくというだけの、そういった厳密なものではなくて、要するにその人にどうい
うサービスを提供するかの一つの目安となっているのではないかというふうに思います。
ですから、障害程度区分認定によっての判定のみにとらわれないで、その人の要望、その
人の実情、そういったものを見定めていく上で、そういった方々にサービスの提供を行って
いくのか。先ほども申しましたように、介護保険のように、介護度1だったら、あんたはも
うこれだけ、介護度2だったらここまで使えますよ、式ではなくて、この障害程度の区分認
定というのは、概ねその障害程度の区分を認定するだけであって、提供するサービス、受け
られるサービスについては、本人の実態、本人の要望、そういったものを考慮をして行って
いくということで理解してよろしいのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
◇民生部長(田島 護君) 昨年10月に本格実施が始まったときから、当市におきまして
も専門相談員を1名配置し、そういった部分についての対応も行っております。今議員がお
っしゃられた通り、柔軟性を持ちながら対応を行っているところであります。
◇26番(大東宣之君) わかりました。介護保険と違って、この障害程度区分認定という
のは、あくまでもそういう障害程度の区分を認定するだけであって、受けられるサービスに
ついては、その人の要望、その人の実態というのが優先されるものになっているはずですか
ら、ぜひその辺は厳密に守っていただいてというか、そういう形で対応して、その人が必要
としているサービスの提供をぜひ続けていっていただきたいというふうに思います。
それから、このサービスの利用抑制などの影響は出ているのかということについては、先
ほどの答弁の中では、さほど影響はないのではないかといったお答えがあったと思います。
ただこの本人負担によって控えている人はいるかもしれないというお答えがあったわけです
が、概ねこのサービスについては、利用抑制がないということで沼田市ではとらえているか
どうか、再度確認をさせていただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 過去の支援費法で行っていたサービスを、原則的にはそのまま
使えるような形での対応を行っているところであります。
◇26番(大東宣之君) 現在スタート、本格実施をして約半年が経過しているわけですが、
今のところ支援費法での対応を引き継いでいるという状況のようですが、しかし、これから
の中で実際どういうふうになっていくのか。先ほども言いましたように、この1割という応
益負担の問題、更にはこれからどうなるかまだはっきりはしませんが、障害程度の区分認定
の中によって、本来その人が使いたいサービスが十分に受けられる、そういったことをあく
までも、これからも、将来的に向かっての担保としていかなくてはならないのではないか。
沼田市として、この状況の中にあって言われる応益負担の問題などの改善や、またあくまで
もこのサービスを受けるにあたっては、その人の要望やそういったことが将来的にも保障が
されていくということで理解をしてよいのかどうか。そういったことで沼田市としては進め
ていくのかどうか、市長としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただ今、民生部長が詳細にわたって答弁をさせていただいたわけ
でございますけれども、今後、今までのよいところはしっかりと受け止めながら、今後の対
応を遺憾なきよう図っていきたいと思っております。
極めて専門的な要素を持った、大変そういう意味では心配りをしなければならない事業で
ありますので、今後ともいろいろな意味で議員のご示唆をいただければと思っております。
◇26番(大東宣之君) 市長は、私などと違ってたくさんの障害者の方々と直接、接せら
れたり、非常に心やさしい方ですから、そういった方々にいつも心を寄せられているのでは
ないかというふうに思います。ですから、実際の場面として、実際の施策として、やはりこ
ういった方々に温かい手を差し延べていただきたい、私は。市長は、いつもそういう方々に
心を寄せているのではないか。そういった方々のことを思っておられるのではないか。こう
いうやさしい方だというふうに私は認識をしております。
ですから先ほどから言っておりますような、応益負担、私はおかしいと思うのです、これ
は。障害者のような方に応益負担を求める。こういう制度自体はおかしい。機会があれば国
に制度の改善をぜひ求めていただきたい。そういった取り組みを、ぜひ市長として、地方か
ら大きな声をあげていただきたい。そういったことと同時に、やはり今目の前にいる沼田市
の障害者の人たちに対して、将来的にわたっても、安心してこの沼田で暮していけるような
施策の展開をぜひ実施をしていっていただきたい。とりわけ先ほど来、何回も、何回も言っ
ておりますけれども、この応益負担である1割、これの軽減策に向けて、市長としてぜひ英
断を下していただきたい。実際、障害程度区分認定を受けた方が54人くらいということで
すので、これらの方々がこのサービス、障害者自立支援法に基づいてのサービスを受ける方
々になってくることになるのではないかと思います。ですから、そういったことから考えれ
ば多くはないわけです。ですから、この方々に対して、ぜひ温かい手を差し延べていただき
たい。たぶんこの54人の中には、施設に入所されている方はいらっしゃらないというふう
な理解はするわけですが、まずこの地域、沼田市で生活をしている方々に、そういう手立て
を講じていっていただきたい。温かい手を差し延べていっていただきたいということで、再
度、市長にこれからの取り組みについて、また、お考えについてお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 熱意あふれるご質問をいただきまして、非常に考えさせられてお
ります。冒頭の答弁の通り、今いろいろな関係機関が動きがございます。強いご発言を承っ
て、適切な判断を下して、そして対応方等についても検討してまいりたいというふうに思っ
ております。
◇26番(大東宣之君) ぜひですね、そういったことで力を注いでいっていただきたい。
私は市長の役割、また行政の仕事というのは、そういう困っている人たち、そういった人た
ちに温かい手を差し延べる。これが市役所の仕事、市長の役割というふうに、私自身は思っ
ております。ぜひともこの沼田で、障害者の方々が安心して暮していけるようにいろいろな
手立てを講じていっていただきたい。当面は、この障害者自立支援法によってもたらされた
応益負担である1割負担、この軽減に向けてぜひとも何らかの対応をとっていただきたいと
いうことを重ね重ねお願いをして、次のバスの運行についての質問に移らせていただきたい
というふうに思います。
現在、この公共交通の空白地域の状況、市が合併をして、白沢町、利根町が増えましたの
で、旧市については一定程度理解をしているのですが、その全体的には、何カ所程度あると
いうふうに市では判断をしていらっしゃるのか。沼田がいくつ、旧沼田がいくつ、白沢でい
くつ、利根でいくつというふうな箇所数がわかれば教えていただければと思います。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(星野佐善太君) 休憩いたします。
午後3時47分休憩
─────────────────────────────
午後3時47分再開
◇議長(星野佐善太君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 現時点では、そこのところは掌握しておりません。いろいろと研
究させていただきたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) 旧沼田市内については大体把握をしている。利根町については、
昨年の9月の決算のときに私が聞いたら、総務課長は全部答えましたから、穴原だとか、柿
平とかということでみんな答えたから、私はもうてっきりつかんでいると思いましたから、
申し訳ありませんでした。また機会があったら聞かせていただければと思います。
まず、状況把握から始めていただくと。たぶん旧市内についても、宇楚井・原線、そして
奈良・秋塚線が運行されたことによって、また上川田にまで路線が延伸されましたから、一
定程度の改善がされている部分。しかしまだ残されている地域、旧沼田市内にも、例えば沼
須町だとか、そういったところがあるわけです。先ほども申しましたように、空白地域とし
て利根町管内でいけば穴原とか柿平地域、そういったところがあると。たぶん、青木、砂川
はバスが走っているかどうか認識がなく申し訳ないのですけれども。あの辺もちょっとある
のではないかという気がします。そういったところはたぶんこの市内全体の中にあるわけで
すから、そういったところの人たちの足の確保に向けてどういうふうにして取り組みを進め
ていくのか、検討していくのか。これが大きな課題ではないか。
特に、利根町では、高齢、過疎化が進んでいる中で、やはりお年寄りの方々がその地域で
安心をして暮していける、病院に行く、そしてまた買物に出かけると。また、振興局にいろ
いろな手続きで出かけるといったようなときに、そういう足となるバス等の運行がされてい
なければ非常に不便をきたすわけですから、やはりそういったところに重点的な取り組みと
いうのが必要ではないかというふうに感ずるわけですが、これからの取り組みに向けてどの
ようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私も実際、昨日も答弁の中に入れさせていただきました旧赤城根
地区のような所に見られる高齢社会が非常に進んで、しかも過疎化現象がある所等について
は、大変憂いている一人でございます。そういった中で、合併して2年が経ったわけですけ
れども、先ほど答弁した通り、空白地帯の現状を把握しておりますので、今後、現行路線の
問題等も含めて、総合的に研究、あるいは検討していかなくてはならないと思っております。
◇26番(大東宣之君) 実際、この旧沼田の場合ですね、宇楚井・原線、そして、奈良・
秋塚線という形で乗り合いタクシーが試行運行されている。そういった実績があるわけです
から、そういったものを踏まえながら、今度合併をした、白沢、利根を含めた中での取り組
みというのがどういったことであるのかということを、やはり早急に考えていかなくてはな
らないのではないか。やはり地域の方々がそこで安心して暮していける、そういったことに
もこれはつながるわけですから、ぜひそういった空白地域の対応策として考えていく必要性
があるのではないかというふうに感じますので、ぜひ早急な検討、取り組みをお願いしたい
と思います。
それと、やはりこういった乗り合いタクシーにしろ、また代替バスにしても利用者がなか
なか伸びないというのが現状ではないかと。ですから、やはりそこをどういうふうにさせる
か。やはり利用される方々が、どういうところに行きたいのか。いつ、どこへ行きたいのか。
どういう時間帯に利用したいのか。そういったようなことを細かく把握をしながら、それに
見合ったような形で対応をしていく。そういったことに見合ったような中で路線や運行時間
帯を決めていくと、そういったことが必要ではないかと感ずるわけです。そういったことへ
の取り組みに向けてどのように考えておられるのか。また、今後どのようにされていくのか、
お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 毎月の利用状況の把握は勿論のことでございますけれども、アン
ケート等取ったり、あるいはまたその結果から、地元説明会等も行って、そして乗りやすい
ダイヤ改正や、あるいはまた地元の関係者等の提案などもいただきながら、一人でも多くの
市民に乗っていただけるような運行に向けて努力、検討してまいりたいというふうに思って
おります。
◇26番(大東宣之君) やはりこれからの中で、特に高齢化が進んでいる地域にとって車
の運転ができない方々、たくさんいらっしゃるわけです。やはりそういった方々の声なども
しっかり取り入れていっていただきたいというふうに思います。
それから、路線の関係ですが、例えばですね、白沢町平出、尾合、岩室といった、いわゆ
る下段と呼ばれているようなのですが、その平出、尾合、岩室の地域の方々が、望郷の湯に
行くのにも足がない。バスが運行されているわけではない。そういった問題。また、旧沼田
市内の中にあっても、ふれあい福祉センターに行くにあたっても、例えば利南地域、また市
街地の東部地域にしても、直接そちらに行っているバスがない。ですからそういったいろい
ろな所に行きたい、と思われるようなところに行けない方々が中にいらっしゃる。そういっ
たところに路線を引いてみる。そういったことの中からいろいろなところがあると思うので
す。そういったところでいろいろな路線を引いてみる中で、地域とよく協議をしながら、こ
ういう路線ならこのバスに乗れるとか、こういうふうな時間帯なら利用ができるというよう
な可能性を、行政の方からも、市の方からも、どんどんと提案をするべきではないか。ただ
どうですか、乗ってください。時間はどうしたらいいですかというのではなくて、やはりそ
ういった住民の方々が行きたいと思っているようなところの路線を引きながら、そういった
こともこちら側から提示をしながら、そういう中で利用の促進なども含めて図っていく必要
があるのではないかと思います。そういった取り組みについて、今後どのようにされていく
のかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内の通り、今おっしゃったようなそれぞれの望郷の湯等にみ
られるような、お年寄りが集まるような施設等のところのとの、ある意味においてはバス路
線のネットワーク化の問題になろうかと思いますが、いろいろな関係方面のご意見をいただ
きながら、これらについてもいろいろと研究をしてまいりたいというふうに思っております。
◇26番(大東宣之君) 代替バスは先ほども言いましたように、撤退をした東武バスの路
線を基本的には引き継いでいるわけです。たぶん時間的にもそんなに大差はなかったのでは
ないかというふうな感じがしています。ですからやはり今、住民の方々、市民の方々が求め
ているバス運行というのがどういうものなのかということからスタートをしていかないと、
なかなかこの利用者の促進、コースどりや運行の時間帯を含めて、そういうところをしっか
りと把握をしていく。そういった取り組みが今必要ではないかと。ネットワーク化を含めて
検討をしていきたいということですが、当然そういった路線やコースどり、時間帯、そうい
ったことがこれからの中で必要ではないかと思いますが、ぜひそういった、より住民の願い
に応えるような、そういう取り組みをしていっていただければと思います。
続いて、乗り合いタクシーの試行運行の評価と利用増加に向けた取り組みなのですが、や
はりこの乗り合いタクシーが試行運行されたことによって地域の方々の足を確保できるとい
うことで、非常に大きな役割を果たしているのではないかと。ただ、宇楚井・原線について
は、日曜日については運行を取り止めたというような経過があるそうですが、こういったこ
とに至った経過、理由などについてまずお聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) まず1点、試行運転の中で今まで乗っていただいた乗客数、頭
打ちといいますか、今あれ以上伸びておりません。そういった中で、経費の問題、それから
PRをしていく中で利用状況の問題を考えまして、日曜日の日中、お客さんの乗らないバス
をただ走らせるわけにはいかないと思っております。そんな形でまずその部分につきまして
は、地域の皆さん方との話の中で日曜日の運行を取り止めてまいりました。また、全体的の
中では、タクシーにつきましても一定程度の状況は見られますけれども、やはり今、現状乗
っているのが、あの路線ですと人数的にはそろそろ目一杯の状況かなというふうには理解し
ている。
◇26番(大東宣之君) 代替バスにしても、それから乗り合いタクシーの試行運行にして
も、利用者が伸びていないというのが現状ではないかというふうな感じは持ちます。ですか
らこれ利用者を増やしていくために何をするのかというのが今非常に大きく求められている
のではないか。だからいろいろなこと、あれもする、これもするともう何でもして、ぜひ利
用者を増やしていくということが、一つの大きな課題ではないかというふうに思います。
先ほど私が、例の一つに出した伊勢崎の福祉バス、これは無料で運行しているそうです。
市民病院を必ずいろいろな路線が経由をするようなコースどりをとっている。無料にすると
陸運の許可がいらないというようなことがあって、先ほど循環バスの中で言ったら、路線バ
スを競合するからできないという話だったのですが、そういう陸運との関係が、陸運の許可
はそういうふうにした場合は関係がない、いらないというふうなことです。ですから、いろ
いろなことを含めて検討をしていく。実施をしていくと。より高齢者の方々が利用しやすい
バスと言いますか、乗り合いタクシーを含めてそういった運行形態を検討していかなくては
ならないのではないか。特に、高崎のぐるりんなどは200円で、どこまで行っても200
円というような、そういう料金設定にされています。そういうワンコインバスだとか、そう
いう低料金でのバスの運行、そういったことも含めてやっていかないと、なかなか利用者の
増にはつながっていかないのではないかと思います。そういった料金体系の見直しを含めて
お考えがあればお聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) 今現在、路線バスを含めて、沼田市のバスはJRをキーにして
走っております。その中で、JRのダイヤに合わせての、いろいろな要望に合わせての取り
組みはしております。今代替バス合わせて、乗り合いタクシーの試行運行のタクシー、それ
と営業用のいわゆる4条路線というバス、これの全体の流れにつきましても、委託している
業者1社でありますので、そういった中で今後、乗り入れ等も含めての検討はしてまいりた
いと思っております。また、大きな意味では、対策の中では、バス自体の、いわゆる乗り合
い自動車自体の運行というか、それの考え方も、単なる路線を走るということではなく、違
った形での集客も含めて検討していきたい。このように考えております。
◇26番(大東宣之君) 路線バスの一番利用したいというのが何なのかということだと思
うのですよ。お年寄りの方々はやはり病院に行くことが多いと思うのです。独立行政法人沼
田病院の前にバスは走ってはいないのです。そういった問題だとか、それから買い物に行く
といったときに、やはりお年寄りの方々が気軽に買い物に出かけられるようなお店の方に、
このバスが本当に来ているかどうか。そういったようなところ、たぶんこのバスを利用する
であろう人たちが、どういうような所に行きたいのかということをやはりしっかり把握をし
ていく。その中で路線を決めていくということがまず必要ではないか。
だから実際、先ほども言ったように沼田病院の前にはバス停は一定程度離れている。お年
寄りの方々にとってみれば、あれだけの距離を歩くのも大変な、帰りは上り坂になりますか
ら大変な距離になるのです。そういったことだとか、より便利な、そういう要望のあるとこ
ろを回っていく。そういうようなコース取り、路線を検討していかなくてはならないのでは
ないか。そういった中で、ぜひこのバスを利用してもらいたい。「あなたの行きたい所に通
るバスです」と、そういうPRもしていかなくてはならないのではないか。そういった取り
組みが、今これからは必要ではないか。
バスを走らせているだけでは、やはり今はなかなか人が乗ってはくれないのではないか。
そんな感じがします。高校生が通学に使う、また働いている人が沼田駅に行くのに通勤で使
うことはあったにせよ、やはりそれだけでは限界があるわけですから、ぜひともそういうこ
とをこちら側からしっかりと状況を把握をしながら、また検討して、路線取りをしながら、
そういうものを提示をしながら、地域の中でやはりしっかりと練っていく。市民全体でやは
り練っていくということが必要ではないかと思いますが、その辺でのお考えがあれば再度お
聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田島 護君) いろいろご提言をいただきましたが、現在走らせているバスの
あり方自体も含めて、今後検討してまいりたいと思っております。
◇26番(大東宣之君) 最後にですね、市長にお伺いしたいと思います。また元にもどっ
て申し訳ないようですが、障害者自立支援法、そしてまた、このバスの運行を含めてですが、
やはりそういった市民の方々の必要としているもの、困っているものに対して、やはり市長
として、行政として、そういったところに手を差し延べていくということは、いろいろな分
野で必要だと思います。障害者の方々もそう、高齢者福祉もそう、こういった公共交通を確
保していく。確かに今の状況の中で、市が多大な財政負担をしながらこの代替バスや乗り合
いタクシーの試行運転をされているということは十分承知をしているわけですが、やはりそ
ういった中で、市民の方々に喜ばれている側面がある以上はですね、こういったもの、これ
からも厳しい財政状況の中にあっても続けていく。そして、そういった市民の方々に温かい
手を差し延べていくというようなことで取り組んでいくというお考えがあるのかどうか。ま
た、そういった決意について最後にお聞かせいただいて、私の質問を終らせていただきたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 行政の仕事の中の大きな課題には当然社会的に一生懸命努力して
も、なかなか報われない方々や、あるいはそっと手を差し延べることによって、ぐーんと夢
と未来が広がっていくということがございます。そういったところの、いわゆるきめの細か
いところに目線を配っていくということは、行政の大切な役割かと思っております。今後、
議員のご提言等、私どももしっかりと受け止めて、そういった社会的な光のあたらない方々、
弱者の方々に対して私どもも意を用いていかないといけないと思っておりますので、よろし
くご理解のほどをお願いしたいと思います。
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第2 延 会
◇議長(星野佐善太君) おはかりいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会した
いと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(星野佐善太君)ご異議なしと認めます。よって本日はこれにて延会することに決し
ました。
本日はこれにて延会いたします。
次の会議は明9日午前10時に開きますからご参集願います。
本日は大変ご苦労様でございました。
午後4時07分延会
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