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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成20年第2回定例会会議録 議事日程第2号

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平成20年第2回沼田市議会定例会継続会会議録
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議事日程 第2号
平成20年 6月 9日(月曜日)午前10時開議
第  1  一般質問
     ─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第  2  延  会
     ─────────────────────────────
出席議員(27人)
       1番  真下 恭嗣君      2番  田村喜久子君
       3番  坂庭 直治君      4番  石井 紘一君
       5番  鈴木 圭子君      6番  金子 一弥君
       7番  小野 要二君          8番  井上 正文君
       9番  高柳 勝巳君     10番  布施辰二郎君
      11番  片野 彦一君     12番  宇敷 和也君
      13番  相田 昌夫君     14番  久保 健二君
      15番  星野  稔君     16番  大島 崇行君
      17番  山ア 義朗君     18番  大竹 政雄君
      19番  井之川博幸君     20番  大東 宣之君
      21番  橋 襄典君     22番  石田 宇平君
      23番  星川嘉一郎君     24番  牧野 保好君
      25番  星野佐善太君     26番  井田 孝一君
      27番  金井 康夫君     
欠席議員(なし)
     ─────────────────────────────
説明のため出席した者
  市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
  白沢町振興局長    根岸 恒雄君   利根町振興局長    郷原 重雄君
  総務部長       大嶋 政美君   民生部長       田村 澄夫君
  経済部長       小池 一夫君   建設部長       小池 大介君
  街なか対策部長    松井完一郎君   白沢町振興局次長   小林  守君
  利根町振興局次長   繻エ 勇二君   総務課長            栃原 豊彦君
  会計管理者兼会計局長 村沢 博行君   教 育 長            津久井 勲君
  教育部長       町田 哲男君   庶務課長            水田  修君
  監査委員事務局長   須藤 一夫君
     ─────────────────────────────
議会事務局出席者
  事務局長       小林有一郎    次長兼庶務係長    繻エ 正美
  議事係長       茂木 敏昭    副主幹         地野 裕一
     ──────────────◇──────────────
    午前10時開議
◇議長(金井康夫君) これより本日の会議を開きます。
     ──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(金井康夫君)  日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
  最初に、真下恭嗣議員。1番。
             〔1番 真下恭嗣君登壇〕
◇1番(真下恭嗣君) 通告に従いまして、一般質問を行います。
 今回の私の質問は、1、街なか再生について。2、地域経済の活性化について。3、財
政問題についての3点であります。いずれも沼田市にとって長年の課題でありましたが、
時の経過とともに、いよいよ待ったなしの背水の陣で取り組まなければならない今日的課
題と考えます。
 中心市街地は社会構造の変化とともに、全国の地方都市で衰退が進み、その対策の困難
さは周知のとおりです。しかし、その役割は経済面ではある程度低下しているものの、文
化的・精神的な面では現代社会のように混沌としている社会においてはますます重要性が
あると思います。ましてや利根沼田地域における沼田市の中心市街地は、長い歴史的観点
からもその存在価値は大きいと思います。
 そこでまず、中心市街地の主要な役割を担っています商店街についてお伺いいたします。
 中心市街地が商店街として機能するのには、ある程度のお店が営業していることが条件
となると思いますが、ここ数年、空き店舗が急に目立ってきました。現状と対策について
お伺いいたします。
 また、既存商店の活性化についてでありますが、現状認識として個々の商店の置かれて
いる事情は相当多様化していると思います。従いまして、統一したレベルアップ策も大事
ですが、それ以上にそれぞれの事情に応じた分類をなし、分類ごとに相応しい対応をする
ことの方が効果が高いと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
 中心市街地活性化の目玉でありました「2核1モール構想」の最後の1核でありますグ
リーンベル21については、昨年来、関係者と沼田市の間で協議を重ねてまいり、3月議
会のご答弁では「20年度中に最終結論を出す」ということでありました。その後の関係
者との協議についてお尋ねいたします。
 昨今、中心市街地対策としてコンパクトシティ構想が提起されています。グリーンベル
21は図書館とも直結し、近くには公民館や郵便局もあり、館内にはスポーツ施設・放送
局・商業施設等もあります。生活や文化の多機能が集約されており、コンパクトシティの
条件をまさに満たしていると思います。近い将来、高齢者が街なかに住み、若者が郊外に
住む社会が予想されます。高齢者が住むのに必要条件の1つと考えます「やさしさの核」
として活用するのに最も適したところと思います。グリーンベル21の活用について、市
長の基本的見解をお伺いいたします。
 中心市街地全般についてお尋ねいたします。まず気になるのは空き地の存在です。現在、
区画整理事業進行中ですので、なおさら目立つのかも知れませんが、空き地は空き店舗同
様、市街地景観をマイナスイメージにしてしまいます。空き地対策について、市民協働の
観点からどのような検討をしているのかお伺いいたします。さらに、空き地も含め、景観
について考えますと、コンセプトをもった景観は中心市街地のアピール力を高めるととも
に、一体感を持たせることができます。建物景観はすぐにできるものではありませんが、
お金も労力もそんなに掛けずにできることはまだまだあると思います。例えば秋における
菊の展示陳列はすばらしいものがありました。市民・来訪者に訴えるものがありました。
より徹底してビジュアルに演出できれば、それだけで魅力ある中心市街地になると思いま
す。今できないことは事業が完成した後にも絶対できないと思います。今何ができるかが
将来につながることと思います。江戸期・明治・大正期には、時代によって形態は違いま
すが、本町通りには水路が通り、植栽・並木が並列していました。倉敷・萩・津和野・飛
騨高山等歴史城下町にはまちづくりの原点である「水」を大事に残してあります。
 中心市街地は地域の拠点であると同時に地域の顔でもあります。どんな顔となるかでこ
の地域はどんな地域かが判断されると思います。「水」と「緑」と「歩いて楽しい道」を
中心とする街並み空間が沼田の中心市街地には相応しいと思います。計画の見直し再検討
についてのお考えについてお伺いいたします。
 次に、地域経済の活性化についてお伺いいたします。
 沼田市には年間100万人もの観光客が訪れているとも言われております。今後、団塊
の世代をはじめとする中高年観光客がさらに増えていくものと予想されます。また、中国
・ロシアをはじめとするアジア地域の著しい経済発展によって、外国人観光客の増加も予
想されます。本市は自然景観、歴史文化に恵まれ、さらに地理的にも首都圏より150キ
ロメートル、新潟空港より200キロメートルという位置にあり、交通の便から見ても条
件的に恵まれていると思います。この恵まれた資産をさらに生かすには、市町村の独自の
政策とともに、枠組みを超えた利根沼田広域圏として取り組むことにより発揮できる効果
・メリットがあると思います。訪問客は自治体に来るのではなく、この地域の様々なすば
らしい魅力を体験するために来るのです。尾瀬、吹割の滝、玉原、谷川等のメジャーな自
然財産を代表に、新鮮な果樹・野菜、地域に伝わる伝承を含む歴史文化等が四季折々にそ
れぞれの味・魅力を持って、訪れる人を満足させます。訪問客には行政の境はなく、地域
を一体のものとしてとらまえています。迎える側もそれに対応しなければ十二分に応えて
いくことができません。広域圏としての発想についてご所見をお伺いいたします。 
 また、具体的な課題として、情報の整備と活用がまず上げられます。テーマごとの情報
収集と情報発信こそ訪問者を呼び込む最大の手段と思います。春夏秋冬における花情報、
果物情報、祭事伝統行事情報等をタイムリーに発信し続けることによって、関心を持ち続
けてもらうようになると思います。観光は「光を観る」と言われているように、その地域
にどんな輝きがあるか、またその輝きをどう演出して訪問者に納得してもらうかがポイン
トです。本地域には様々な歴史があります。その歴史こそ輝きの最大の要素になると思い
ます。かつて真田の里として関係史跡や関係物事を調べ、六文銭の旗の下で地域を演出し
たことがありました。この秋には「隠れキリシタン研究会」の全国大会が本市・みなかみ
町を中心に行われると聞いています。歴史上でのテーマは本地域には相当あると思います
ので、先人の作った歴史という財産をどう生かすのかが大事な課題となると思います。
 いずれにいたしましても、地域を広域的に捉え、本市が先導し、近隣町村に積極的に働
きかけていくことが重要かと思いますが、お考えをお伺いいたします。
 経済の活性化には元気のある企業の存在が欠かすことのできない条件と思います。3月
議会でも質問がありましたが、企業誘致のその後の取り組み内容と結果についてお伺いい
たします。
 一般的には企業は国内よりアジアへの進出へと方向が向いていますので、厳しくなって
きているのは承知しておりますが、お互いの条件が合えばまだまだ可能性はあると思いま
す。基本的に沼田の「売り」をどこに求めるのかを明確にしなければならないと思います。
交通の便は北関東自動車道の開通等によってかなり不利な立場にならざるを得ません。「売
り」を何にするかによって、「買い手」をどこに探すのかが絞られてくると思います。現
状の取り組みと課題についてお尋ねいたします。
 経済の活性化に企業誘致同様欠かせないのが、地場産業の育成と考えます。木材・木工
の町として栄えた時代があり、公共工事が地場産業と言われていた時代もありましたが、
今やそれに頼るわけにはいきません。地域に根ざし、地域の資源を活用し、なおかつ地域
の人材を活かせる産業を興し、育成することが地域経済に必要と思います。具体的でなく
とも結構ですので、基本認識とどのような方向性を求めていくのかお伺いいたします。
 最後に財政問題についてお伺いいたします。所管委員会に所属しておりますが、内容的
に市長にお尋ねするものでございますのでお許しをいただきたいと思います。
 今日の財政問題は、一口に言えば社会構造の変化に国・地方ともに行政対応が遅れてき
たことのツケの結果だと思います。人口減少、経済成長鈍化、グローバル化による問題は
社会に急激に多大な影響を与えていますが、この非常事態に行政として行財政改革によっ
て乗り越えていこうとしているわけですが、市長の基本認識とお考えをお伺いいたします。
平時と異なり非常時には非常時なりの方針が必要になると思います。戦国時代における戦
国大名や、江戸時代においても破綻寸前に追い込まれた藩主達は生き残りに人材の育成・
活用と組織の再編を最優先に行いました。人間社会は構成する人々がどれだけやる気を持
つか、それを持続させる組織風土・組織態勢を作れるかによって大きく違ってきます。
職員の仕事への熱意をどう引き出すのか、市民が市民協働によって地域づくりにいかに参
加してもらうのか、お伺いいたします。非常時においては、最も適材適所の人材を配置し、
仕事の効果を最大限に発揮する体制を優先すべきかと思いますが、お考えをお伺いいたし
ます。また、非常時における組織について、どうあるべきかお伺いいたします。仕事は正
しい評価があって次への発展へとつながるものと思います。仕事に対する評価、業務その
ものに対する評価をどのようにしていくのか、お考えをお伺いいたしまして最初の質問と
させていただきます。ご答弁の程よろしくお願いいたします。
◇議長(金井康夫君) 市長。
             〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの真下議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、街なか再生について、商店街対策について、空き店舗対策についてでありますが、
平成15年度の先行買収終了後から昨年度までの中心市街地における商店街の変化につき
ましては、この間に閉店した店舗は15店舗、一方、開店した店舗は6店舗であり、実質
9店舗の減少となっております。閉店の理由といたしましては、高齢化、後継者不足、店
舗の集約、営業不振等が考えられ、また、開店につきましては、飲食業が主なものであり
ます。
 今後の課題といたしましては、商業形態が変化し、新陳代謝が起こりにくくなってきて
おり、加えて高齢化と後継者不足により、廃業を余儀なくされる商店は今後も増えるもの
と思われます。
 具体的な対策につきましては、空き店舗の活用をはじめ、テナントの誘致を図るなど、
新規参入を促進する方策も確立する必要性があることから、今年度、新たに「夢商人育成
事業」を立ち上げたところであります。
 次に、既存商店の活性化についてでありますが、平成20年度はこれまでどおり、商店
街振興組合が主催するイベント事業等を側面から支援する他、先ほど申し上げましたよう
に、新規事業として沼田商工会議所への委託事業として、「夢商人育成事業」を立ち上げ
たところであります。
 この事業は、将来沼田市の中心市街地での起業を目指す人の育成と個店の活性化、空き
店舗等の活用の可能性を探る実験的な事業として、自ら創作をいたしましたところの作品
を展示販売してみたい人、商業者を目指している人、商業について勉強している学生など
を対象に、専門家の中小企業診断士から商売の基本や経営のノウハウを習得し、中心市街
地の個店や空き店舗などを活用した実験店舗により実践販売を体験していただくものであ
ります。
 また、平成19年度群馬県「まちなか商業活性化協働実践事業」に本町通り商店街連合
会が応募し、昨年10月から協議を進めてまいりました。今年度が最終年度にあたり、商
業者や市民、行政が協働し、新たなイベントを企画・実践していくことになっております
ので、これらの企画も併せて、既存商店の活性化につながるよう、事業展開してまいる所
存であります。
 一方、NPO法人主催によるアートフェスティバルが8月に予定されております。この
事業は、昨年、市の協働実践事業による助成を受け旧南郷小学校を会場に第1回目が開催
され、今回は中心市街地を主会場として、空き店舗・空き地等を活用し、芸術に関する理
解と広く市内外の人たちへ情報発信し、街なかを回遊していただき、にぎわいを創出する
というものであることから、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、既存商店街の活性化につきましては、沼田商工会議所をはじ
め、商店街振興組合、中心市街地活性化の会等と今後とも連携・推進してまいりたいと考
えております。
 次に、グリーンベル21ビルへの対応について、現状についてでありますが、去る3月
19日に全員協議会で三井生命資産の譲渡の要請に係る経過と状況についてご報告させて
いただいた後、3月28日に三井生命保険株式会社に対して回答期限を「平成21年3月
末日」とすることの申し入れを行いました。これにつきましては、同日議員の皆様へご連
絡を申し上げた通りであります。
 その後、三井生命保険株式会社及び沼田都市開発株式会社に対し、三井生命の資産の寄
附については、市といたしまして重大な決断をしなければならない大きな問題であること
から、議会をはじめ、諸機関・団体・権利者や利用する市民への情報の周知と共有を図り
対応することが肝要であることから、まずは、庁内に検討組織を設けて、鋭意精力的に検
討をしているところである旨を報告させていただいているところであります。
 次に、基本的方向性についてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、三井生命
の資産の寄附については、重大な決断をしなければならないことから、慎重に取り組まな
ければならないものと認識しております。
 グリーンベル21の活用につきましては、商業振興及び都市基盤の再開発整備を目的と
した商業ビルでありますので、基本的に商業活動の拠点ビルとしての活用が望ましいと考
えられておりますけれども、現下の情勢等を捉まえながら、現在、庁内の検討組織で協議
検討しているところであります。
 今後は、議会をはじめ、市民代表や有識者で構成する検討組織、市民などのご提言、ご
意見などいただきながら、平成21年3月末日までに寄附申し出に対する正式回答を予定
しているところであります。
 次に、中心市街地全般について、空き地の活用についてでありますが、土地区画整理事
業における先行買収地・空き地につきましては、事業着手までには長い期間がかかること
から、商店街の振興と中心市街地活性化事業に寄与することを目的として、地域住民等に
一時使用許可を行っております。
 今年度の状況でありますが、商店街振興組合並びに区等に対しまして、35箇所の空き
地を提供し、市民協働の一助として有効活用並びに管理運営をお願いしているところであ
ります。
 使用目的といたしましては、多くは駐車場兼イベント広場として活用されているほか、
花壇等のポケット広場、チャレンジショップとして有効活用されているところであります。
 次に、景観についてでありますが、議員ご指摘のとおり、空き地も含めた景観づくりに
つきましては、コンセプトを持った景観は中心市街地のアピール力を高めるとともに、一
体感を持たせることが出来るものであると思います。中心市街地におきましては、市の「緑
と花のあるまちづくり事業」を活用し、昨年秋には下之町と中町に菊の展示を行い好評を
得てまいりました。今年度につきましては上之町も参加してさらに充実を図る計画になっ
ております。
 これまでも、市と商店街が協働し、花いっぱい運動の助成などを活用してポケットパー
クや空き地を花で飾るなど、中心市街地の景観を高めるようソフト面からも取り組みを進
めてまいりました。
 本年度につきましては、「全国都市緑化ぐんまフェア」にも協力してその取り組みを進
めてきたところであります。今後もさらに市民や来訪者に心のうるおいとやすらぎを与え
られる中心市街地となるよう、積極的にその取り組みを進めてまいりたいと考えておりま
す。
 次に、水路を活かした街並みについてでありますが、議員には昨年3月、一昨年3月と
城堀川の利活用についてご意見をいただいているところでありますが、歴史に学ぶという
ことは、何にも増して大事なことだと思いますし、今後のまちづくりを展開していくには
大事な要素になってくるかと思っております。
 かつて本町通りには、道路の中央に生活用水としての水路がありましたが、上水道の普
及により現在はなくなってしまいました。議員ご指摘のとおり、水路を活かした街並みに
つきましては、城下町の風情を感じさせる演出として効果があると思われます。一方で、
高齢者や障害者にもやさしいまちづくりを進め、商店街としての利便性を高めていくとい
う考え方もあります。こういった観点から、駐車場を含めた街区構成について話し合いを
進めている街区もございます。
 現在は、土地区画整理事業による換地を行い、商店街の再建、商業を優先して地元協議
を行っておりますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、歩
道の使い勝手などの道路構造につきましても、地元や市民の皆さん方のご意見を承りなが
ら検討してまいりたいと考えておりますので、今後ともご理解をいただきたいと思います。
 次に、地域経済の活性化について、利根・沼田広域圏観光について、情報の整備と活用
についてでありますが、現在、広域圏内の自治体や観光協会におきましては、インターネ
ットによるホームページ等を活用しながら、それぞれの地域における観光資源の情報発信
を積極的に行っており、また、広域圏におきましても、構成市町村の連携を図るため、利
根沼田を一体とした広域観光パンフレット「奧利根ゆけむり街道」の作成や、観光ピーア
ール活動などの取組みを行っております。
 さらに、平成19年度からは、利根沼田県民局の沼田行政事務所が中心となりまして、
インターネットを活用した利根・沼田地域の広域ネットワークにおける観光情報発信方法
について、管内関係団体とともに協議研究を重ねているところであります。
 今後につきましても、観光資源や組織のネットワーク化を推進するため、引き続き県及
び関係団体と連携を図りながら、利根沼田広域圏が一体となった観光振興に努めてまいり
たいと考えております。
 次に、歴史の見直しと演出についてでありますが、利根・沼田地域のそれぞれの市町村
におきましては、観光資源となり得る重要文化財、史跡などが数多く点在しておりますが、
明治維新前の沼田藩まで遡りますと、利根・沼田は一圏域であり、共通の歴史風土の中で
発展してきたことは明白な事実であると受けとめているところであります。
 つきましては、管内自治体や関係団体が一体となり、利根・沼田地域における地域固有
の貴重な歴史や文化などを、新たな観光資源として見直し、その資源を活用するための方
法等を調査研究し、歴史と観光をリンクさせ、より魅力ある観光情報を発信してまいりた
いと考えております。
 次に、企業誘致について、現状の取り組みと課題についてでありますが、現在、我が国
の経済状況は、景気回復が足踏み状態にあるとしており、地方の経済状況も地域格差はあ
るものの、円高や原材料高の影響により減速感をにじませており、このような中で、本市
の企業及び経済については、依然厳しい状況に置かれていると認識をしているところであ
ります。
 本市における企業誘致の取り組みにつきましては、「沼田市企業誘致推進条例」及び地
域経済の自立発展の基盤強化を図ることを目的とした「企業立地の促進等による地域にお
ける産業集積の形成及び活性化に関する法律」に基づき工場等の新増設に対する税制優遇
措置制度を設け、企業負担の軽減を図り企業誘致しやすい環境づくりの整備に努めておる
ところであります。
 企業誘致を取り巻く環境は、国際競争や地域間競争がますます激しくなっておりますが、
活力あるまちづくりを目指すために、県及び企業局等関係機関との連絡調整を強化しなが
ら、本地域の特性でもありまするところの恵まれた自然環境を活かした企業誘致、産業導
入に向けて引き続き努力してまいりたいと考えております。
 次に、地場産業について、基本認識と方向性についてでありますが、本市におきまして
は、伝統工芸の支援・育成をはじめ、市内各業界に対して経営近代化等の推進を図り、経
営の安定化を目指すとともに地域産業の活性化に努めているところであります。
 地方経済が持続的に発展していくためには、その地域が有する地域資源を最大限活用し、
地方経済の自立に向けた取り組みを進めていくことが必要である考えております。中小企
業地域資源活用促進法に基づく沼田市の地域資源には、農林産物3件、鉱工業2件、観光
資源7件、計12件が登録されております。市といたしましては、これらの資源を活用し
た新製品や付加価値の高い製品の開発をはじめ、優れた伝統工芸品や特産品等の販路開拓
と、その拡大を図るための情報発信などの取り組みを促進するため、商工会議所、観光協
会、農業協同組合など関係機関・団体等との連携を強化し、地場産業の振興をさらに推進
してまいりたいと考えております。
 次に、財政問題について、行財政改革について、人材の育成と人材の活用についてであ
りますが、地方分権時代の現在、地方自治の運営におきましては、自己決定と自己責任の
原則に基づき、政策面、財政面において自立した行財政運営が求められているところであ
ります。そのためには、行政執行を担う職員一人ひとりが、高度化した分野や領域につい
て高い専門性を持つことが必要であり、また、地域の持つ潜在力や個性を尊重しながら全
市的な発展に繋げていくために、戦略的な政策形成により、幅広い行政課題に主体的に取
り組み、解決していかなければならないと考えておりますので、職員の意識改革及び能力
開発を推進し、総合的な人材育成を図るための人材育成基本方針の策定、職員の日常の職
務行動を通して、その職務遂行度や業績及び能力等を評価し、職員の能力開発や人材育成
を図るための人事評価制度について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、組織再編についてでありますが、沼田市行政改革大綱の行政改革推進基本方針の
一つに簡素で効率的な行政運営を掲げ、適正な組織体制・人員配置となるよう積極的・計
画的な組織の見直しを図ることとしております。
 組織再編についてでありますが、庁内の研究組織でありまするところの沼田市行政事務
近代化推進委員会において毎年度検討を進めており、平成20年度の組織機構改革といた
しましては、「水道課」と「下水道課」の統合、「街なか振興課」と「街なか整備課」の
統合、建築主事の設置の権限移譲に対応するため、建設課に建築室を設置するなどの答申
とともに、部制導入時に立ち返り、会計局及び監査委員事務局については、職制を部相当
から課相当にするとの答申を受け、これに基づき組織機構の見直しを行ったところであり
ます。
 今後につきましても、大変厳しい財政状況であることを踏まえ、簡素で効率的な行政運
営を図るため、引き続き組織機構の見直しについて検討を進めてまいりたいと考えており
ます。
  次に、評価システムについてでありますが、本市におきましては、事務事業の有効性・
即効性・経済性などの視点に立ち客観的に分析を行うことを目的として、平成14年度の
試行を経て、平成15年度から事務事業評価を実施しているところであります。
 本市の事務事業評価につきましては、事務事業完了後に自らが評価をする「事後評価」
「自己評価」となっているものでありますが、各種事務事業の緊急性や必要性、効率性や
公平性、行政と民間との役割分担や負担のあり方など客観的かつ的確な検証ができる評価
体制の整備を図るため、現在、庁内の検討組織であります「沼田市事務事業評価システム
導入検討委員会及び幹事会」により検討を進めているところであります。
 今後は、その評価に基づいた事務事業の選択、予算配分、組織、職員配置を行うシステ
ムづくりについての検討も進めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、真下議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇1番(真下恭嗣君) ご答弁いただきまして大変ありがとうございました。
 2、3それぞれ再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、空き店舗の件なのですが、いま実態が、15店が出てしまって、新たに6店で、
合計9件と。私が調べると、もうちょっと厳しいものかと思うのですが、お店として機能
している、していないというのが非常に見分けがつかないようなお店が結構ございまして、
ちょっと厳しい現状になっているかなというふうに思います。
 この空き店舗対策、いま「夢商人育成事業」というのがこれからやっていくということ
でございますが、前橋では「Qのまち」ということで、前橋中心市街地活性化計画におけ
る活性化重点地区20ヘクタールの範囲内のことをQのまちということで、その地域内に
新たに事業者を呼び込もうということでやっております。
 概略を言うと、家賃が2分の1まで、上限10万。それから店舗改装費用がやはり2分
の1までで50万円助成しますよということで、この成果というのが、いま8店舗ほど、
去年の5月から現在までで成果が出ていて、いろいろな形の業種が入って、それなりの効
果を出しているのかなと思っております。沼田のやり方は、必ずしも前橋と似たことでな
くても結構なのですが、前橋のこの事業についてはどのようにとらえているのかお伺いし
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま、前橋のQのまちの関係から、政策的な家賃10万円
の2分の1の補助、あるいはまた、店舗を新たに出す場合は50万円。そして2分の1補
助というお話がございました。これらにつきましては、早々に検討をさせていただき、そ
して街なかの関係部局の方で資料等取り寄せて、早急に研究、検討させていただくつもり
でございます。
 なお、私どもがこれらの活性化等につきましては、いろいろな方法が考えられるわけで
ございますけれども、先ほど、夢商人、あるいはまたいろいろと県の関係の協働実践のこ
とも紹介いたしましたが、やはり終局的には、よって立つところの、現在の商店で頑張っ
ている人たちが、どれだけ奮起が出てくるかということが大事だと思っております。
 私は、いろいろな方法があるのだと思うのですけれども、いろいろと歴史の勉強に目を
投じてみますると、やっぱり本町通りはかって市が立っていたという経過がございまして、
私どもも若かりし頃、自分たちでもそういうようなこと、これは街の中ではございません
でしたけれども、農業者の関係の、青年の農業者の朝市等も実践をしてきた経過がござい
ますけれども、沼田の旧町では、六斎市と称して上之町が4日と18日、中町が14日と
28日、下之町が8日と24日ということで、それぞれされておられたようでございます。
これらとやはりいろいろと、そこだけではいろいろなものが取り揃えられないとすれば、
やはり各関係する周辺の関係の方々にも加わってもらうような方法を講じて、やはり詰ま
るところ本町の、言うなれば個店を持たれている方々の応援団としていろいろなことを細
部からしてあげるということも大事なのではないか。そんなふうな認識でおります。
◇1番(真下恭嗣君) いま市長の、市についてはご同感だと思います。私も拙く勉強し
た範囲においては、そもそも商店というのは昔は市があって、個店のお店ではなくて、市
が立つと、そのときにだけ一時的にお店が立つというのが、それがずっと延長で今日の商
店になってきていると。それが農業生産物であり、あるいは工業生産物であり、そういう
ものとしてお店が成り立ってきたという経緯が歴史的にはあるということでございますの
で、やはり市というのが原点であるというのが、これは間違いないことでありますので、
そこのところをとらえ返していくのが一つの方法ではないかというふうには思います。
 夢商人育成事業というのは、そういう意味では今後の、かなりちょっと長いスパンで考
えた場合には確かにいろいろ若い人に自覚してもらったり、若い人の発想を逆に既存の商
店が見直したりとかしてあるのですが、ちょっとスパン的に時間がかかるのではないかと
いうふうに思われるわけです。この夢商人育成事業というのは、もう一つはっきりしない
のは、対象というのはかなり若い人が、高校生とか、若い人に、実験をしてもらって、そ
こで何か勉強してもらうというのが趣旨になっているのでしょうか。ちょっとその辺確認
させていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応これは夢商人の募集対象のところでもって骨子がございま
すので、これを読んでみたいと思います。
 将来、沼田市の中心市街地での起業、つまり起こす業ですね。を目指す人の育成と、個
店の、つまり個別ですね、個店の活性化、空き店舗等の活用の可能性をさぐる実験的な事
業に参加していただく意欲のある人を募集しています。自ら創作をした作品を展示、販売
してみたい人、商業者を目指している人、商業について勉強をしている学生などを対象に、
専門家の中小企業診断士から商業の基本や経営のノウハウを習得し、個店や空き店舗など
を活用した実験店舗により実践を体験し、実践結果のまとめと評価を行っていただきます。
というようなことで、議員がお話しされている内容とほぼ同一性のものになろうかと思い
ますけれども、言うなれば、このところで専門的な講義を受けて、そしてその夢を実現す
るための一つの段取りをしていくための準備というようなことになろうかと思っておりま
す。
◇1番(真下恭嗣君) そうすると中期的な、これから実験をしていってという感じだと
思うのですが、これをもうちょっと突っ込んで、せっかくの機会でございますので、やは
りそこから何か逆に既存の商店の人が学び取って、いまの商店街の既存の商店の人がこう
いうことをやることによって一歩でも、二歩でもぐっと変わっていくような、そういう仕
組みに変えていけないだろうかというふうに思いますがいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まさに先駆的なところ等の調査もさせていただきまして、議員
がご提案された関係等については、私どもの方で対応等含めて検討させていただきたいと
存じます。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、既存商店の活性化について、もう一歩申し上げますと、いま現状の中心市街
地、上、中、下を見ると、やはりお店を客観的に見て、かなり内容的に分類がかなりされ
てきているかなと思います。と言いますと、一つは、積極的にやる気になってこれから街
なか再生で、区画整理でどんどん積極的にやりたいというお店の方。もちろん、そういう
人は後継者もいたり条件が揃っているという方。それから次に、いまの人はやる気がある
けど後継者がいないし、そこそこ頑張りたいけどあまり投資はしたくないという方。ある
いはまた、もっと消極的に、お年を召されていて、後継者もいないし、もちろんお金をか
けて何か投資をしてやるということは考えてないと。とにかくいまの代が終わればそのま
ま閉めたいという方と分類されるかなと思います。その分類される方、そういう同じよう
な政策でやっていてもなかなか効果が出てこないというふうに思いますので、やはり分類
にするにふさわしい政策を、対応をしていかないといけないと思いますが、その辺につい
てはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま真下議員の方から、大きく3つに分けての、分類され
たご提起がされたわけでございますが、宿命ともいうべき補助事業の持っている、なせる
業が、どうしてもこれを画一化にしていかざるを得ないという、行政の持っている宿命が
ございます。そういったことを実際問題乗り越えていくということは、ものすごくいろい
ろな縛りがあって厳しいものがございます。がゆえに苦しんでいるということもこれまた
事実でございます。
 そういった中で、昨日もある団体の会合があった中で申し上げさせてもらったのであり
ますけれども、すでに既存のこの価値観では覆いきれないところがございまして、そうい
った部分の間隙をぬったらというと大変言葉が適切かどうかわかりませんけれども、そう
いうようなことを柔軟にしていかなければどうも対応がしきれません。
 そういったところの部分にどうしても、私どもがいま協働ということを前に出していろ
いろな話をさせてもらっているわけでございますけれども、やはり行政だけがそこに手を
入れていくだけでなく、実際問題そこで営んでいる方々等のお力をいただいたりして、ま
さに協働をしながら現在のようなこういった3分類化されたようなことについて、微細な
ところの対応は図っていくということが考えられるのかなというふうに思っております。
 一般的な国等から出てくる指導機関の補助事業の仕組みでまいりますると、なかなかこ
の辺のところが難しいなという認識を持っております。従いまして、そういった意味から、
議員はいろいろと地域の実態についての把握をいろいろな人間関係からされているという
ふうに受け止めておりますので、ぜひそういったことについての、要するに行政側に対し
ましても、いろいろとご提言を日々行っていただければ大変ありがたいなというふうに思
っております。
◇1番(真下恭嗣君) 市長の立場からは、やはり行政としては公平が原則でございます
ので、なかなかそういう対応しかできないということが苦慮されることだと思いますが、
基本的には、これは商店の人が自力でやっていくということが基本でございますので、そ
の人たちが、じゃあこういうことを求めているというものに対して、できるだけそれに合
ったような形で応援ができればよろしいかと思いますので、ぜひこれからもよろしくお願
いしたいと思います。
 それでは次に、グリーンベル21の問題についてお伺いしたいと思います。まず、本題
に入る前に、先日、沼田都市開発株式会社の第三セクターであります沼田都市開発株式会
社の経営状況についてということが公開されましたので、これについてお伺いしたいと思
います。この事業報告書の中にポイントとして、会社が抱えている大きな問題に、空き店
舗の賃料、管理費等の負担がありますと。空き店舗はこれらの経費負担のほかビル全体の
活性化にも影を落とす大きな原因ともなりますというふうに書いてありまして、決算報告
では、前年度から見ると大幅にマイナスの決算になっているということで、この辺が、空
き店舗が増えてきたことによってそういう決算になってきたというふうに思われます。
 これが平成20年3月31日の決算でございます。ご承知のとおり、その後ですね、5
月25日に、長崎屋サンバードさんが撤退されたということでございますので、その決算
よりさらに20年度については厳しい状況に陥っているのかなというふうに思いますが、
この辺の撤退についての影響について市長のご見解をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはりサンバードが撤退したということは、大変グリーンベル
の活性化の関係から捉まえても、沼田都市開発株式会社の会社運営の観点から捉まえても、
大変厳しいこの結果として受け止めているところでございます。これらについては、私ど
も経済部をとおして、いろいろと関係機関に連絡等密にして、そして対応を図るべく努力
をさせていただいているわけでございます。
 ただやはり、いろいろと関係者からのご発言を承っても、やはりスタートの時点から本
建物が大変大きなものであったということが、その後のリスクがあるというようなことが
ございまして、やはりそういったいろいろな前段の歴史的な経過等もあったのかなという
ふうに思った次第でございます。
 いずれにいたしましても、経済部をとおして、また、都市開発株式会社に対しましても、
連結を密にしながら、今後の対応等について処するべくことでもって対応を図ってまいり
たいというふうに思っております。
◇1番(真下恭嗣君) この影響はかなり大きくてですね、かなりのテナントさんの精神
的なショックというか、それは計り知れないものがあるし、実際、景気に影響もあると思
うのですが、その辺についてやはり早急に手を打って、三井生命ビルの問題と別に当面の
課題としてこれは早急に手を打つべきと思いますが、その後の他との店舗等の誘致につい
て、どのように折衝しているのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり沼田都市開発株式会社が、ご案内のとおり株式会社とい
う立場でやられております。必然的にそういうようなことが予測されていたということは
論を待ちません。従いまして、基本的には、この関係する会社の、特に元々から縁の深か
った方々が、そういったときに一生懸命努力をしていただくということが大変重要なポイ
ントになってまいります。
 市の立場からいたしますると、そういった動きに対して、できるだけ側面的な支援をさ
せていただくという、そういう関係になろうかと思っております。従いまして、今後、や
はりいまお話しされているようなことを含めて、都市開発株式会社の関係者とも連携を密
にしながら経済部をしてこれが対応のために処してまいるつもりでございますのでご理解
をいただきたいと思っております。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひ60パーセントを持っている株主の立場でございますので、
沼田都市開発さんにいろいろなサディッション、あるいはアドバイス等を十分に行うこと
によって、とりあえずこの店舗を埋めていく努力をぜひ行政と都市開発と一体となってお
願いしたいと思います。
 次に、このグリーンベル21のビル自体の問題としてお伺いいたします。昨今、コンパ
クトシティと1回目の質問で述べさせていただきましたが、青森市をはじめとして雪の多
い都市で、郊外に広がっていった都市をもう1回中心市街地に戻していこうということに
よって、経済効率を上げたり、あるいは行政効率を上げたりという流れができつつありま
す。それは、いま少子高齢化の社会背景も勿論あるし、いろいろな意味でこれからの時代
の一つ検討する課題かなというふうに思われております。そういう中で、この沼田のグリ
ーンベル21の置かれている立場というのは、非常に有効的な、立地条件から言って商店
街のいちばん端、いろいろな関連施設が近くにあります。そういう意味では、この場所と
いうのはいろいろな拠点となり得る場所でございます。このコンパクトシティについて、
市長のご見解をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 国のこういったまちづくりのいろいろな手立てが、率直なとこ
ろ言って目まぐるしく変わってまいります。そういう意味では、あまりそういった国の考
えていることについて、ただ単に乗るというような形で、あまり振り回されたくないとい
うのが率直な感想でございます。
 ここにきてまいりまして、つくづく感じておりますのは、国とてやはり現在の少子高齢
社会であるとか、あるいはまた経済情勢の変化に伴うところの応対について、果たして先
の持つ、要するに目線があったのかということになりますると、私は、最近痛切に思うの
でありますけれども、国の施策、決して万能とは思えないことが多々ございます。従いま
して、議員が、コンパクトシティが喫緊の話題として大変表舞台に出ております。これら
につきましても、やはり国家から出てきた考え方でございまして、私どもそれはそれとし
て、しっかりと、いわゆる地方の自治体の立場から勉強し、検討しなければならないとい
うことについては、極めて重く受け止めておりまするし、そういう意味でコンパクトシテ
ィのことについては、これからも慎重に、あるいはまた必要があれば全面的にこれを捉ま
えなければなりません。
 ただ常に、私ども行政の立場からいたしますると、ややもすると上位の機関から出てく
ることがあるからどうだと突きつけられたときに、どうしてもそこになびく傾向がござい
ました。やはりそれは、その自治体、自治体に見合った形の中で、しっかりとした選択を
していかなくてはならないという、そういう考え方を持っておりましたもので、あえて申
し上げさせていただいたところでございます。
 従いまして、コンパクトシティの問題につきましても、私どもしっかりと受け止めては
おりますけれども、国の方から出てきたことだから、それを言うなれば120パーセント
すべて信用して聞くということにはつながっていかないのではないかというふうに思って
おります。しっかりとした取捨選択をしていくということが大事なのではないかと思って
おります。
 そこで、言われていることについての重みはしっかりと受け止めております。従いまし
て、しっかりとコンパクトシティのことについてもこちらの方で検討させていただくつも
りでありますけれども。やはり基本的に、本問題等については、先ほども申し上げました
とおり、議会、それから諸機関、団体、権利者、そして利用する市民への方々と共有を図
って、そして対応していくのが大事かと思っております。そこの線を崩すとまた取り返し
のつかないことになりますので、今日ご提起されたことにつきましては、しっかりと状況
を受け止めて対応を図っていくつもりでございますけれども、冒頭の答弁の趣旨は、やは
りきちんとした形の中で対応を図っていかなければならないと考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 上位機関からの提案だからという市長のご見解については、私も
国に振り回される必要は全然ないし、過去においてもそういう国の政策でいろいろ混乱し
たこともそれは承知しておりますので、そのスタンスは非常に市長に同意されるところで
ございます。しかし、よく、いま市長も言ったように、一つの検討する課題としては大事
なことだと思いますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。
 そこで、検討していただくと同時にですね、コンパクトシティの中にやはり中心が、そ
こに行政がそこに入ったというのが一つの形になるかなというふうに思いますが、昨今の
商業施設へ行政施設が移転という事例が、まだ完全に済んだところはないようでございま
すが、検討しているところ、あるいは議会でほぼ決まりというところがあるようでござい
ます。具体的には、北海道の東急百貨店跡地に北見市役所が移転されると。これはちょっ
と概略を申し上げますと、「北見市の市長は、24日、昨年10月に閉店した北見東急百
貨店跡地の大通りビルに、市本庁舎を移転する方針を固めたと。東急百貨店は、同ビルの
無償譲渡を北見市が受け入れると。それまでは第三セクターで運営して物販店となってい
る。」ということでございますが、これは非常にある意味じゃあ沼田と共通するところが
あるようでございます。
 それからですね、大分県の杵築市、これは閉店したスーパーをリニューアルして市庁舎
が活用しているということで、これはすでに平成11年度から事業を開始して移転されて
いますね。それから、もう1点が、宮城県の石巻がこれを検討しているということで、こ
ういう事例が出てきておりますが、一つこういう事例も検討する対象になるかなと思いま
すので、市長としてこういう事例をご承知かどうか。そしてまた、ご承知であればこれに
ついてどういうふうにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再三申し上げるようでありますけれども、ここの1点だけはし
っかり申し上げておかないとややもすると混乱を招きますので、しっかりと申し上げてお
きたいと思います。先ほども答弁で申し上げましたけれども、今後につきましては、議会
をはじめ市民代表者や有識者で構成する検討組織、市民などのご提言、ご意見などをいた
だいて、そして来年の3月末日までに対応するということについては、まず冒頭申し上げ
ておきたいと思います。
 そういった中で、実は県内の渋川市も、本庁舎こそは入りませんでしたが、ご案内のと
おりこちらから坂を上って右側のところが教育委員会と確か建設関係が入っておりまし
て、相当リニューアルにお金がかかったというふうに、私ども関係部局に視察等に行って
いただいて調査をしております。
 ただいまの大分県のこと、あるいは宮城県のこと、そして特に北海道の北見の関係等に
ついては、議員から事前にいろいろと資料等もいただいておりまして、やはりそういった
ところも現実としてあるのだなということを改めて受け止めたわけでございます。
 実際問題として、いま議員がおっしゃっている関係等について申し上げますると、概ね
この本庁舎のすべてが、例えばグリーンベルの方に、ここは仮でありますけれども、面積
で見たときに、1階だけで埋まってしまうという、大体概ね、本庁舎が1階だけで埋まっ
てしまうというような計算が大体働いております。これは概ねですよ、後で誤解が生じる
とまずいから、概ねです。少し抽象的な言い回しにしておきますが。同時にですね、やは
りご案内のとおり平らな駐車場ではないのですね。これを見てお分かり、これはもう現実
でございます。そういうようなことがあったりしておりまして、先ほど来、私どもが申し
上げていますように、諸々の諸条件等をいろいろとにらみながら、今日、真下議員からい
ただいた問題提起につきましては、一生懸命こちらの方では研究をさせていただきたいと
思いますけれども、最終的には、この節申し上げましたように、各関係機関との、しっか
りとした協議の上でいろいろと判断をしていきたいというふうに思っております。
 そういった結論が出ると、自ずといろいろ細部にわたってのことがまた表舞台に出てこ
ようかと思っております。いずれにいたしましても、本日のところはそういったことがあ
りますよということを、真下議員の調査を私どもに提案していただいたというふうに受け
止めながら、こちらの方では勉強をしっかりとさせていただきたいと思っております。
     ─────────────────────────────
◇議長(金井康夫君) 休憩します。
午前11時02分休憩
     ─────────────────────────────
午前11時10分再開
◇議長(金井康夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ─────────────────────────────
◇1番(真下恭嗣君) ではグリーンベル21について最後にお尋ねいたしますが、今後
のスケジュールについて再確認させていただきます。このスケジュールというのは、三井
生命との間で合意ができているのかどうか併せてお尋ねいたします。
◇市長(星野已喜雄君) この関係につきましては、私どもが議会の皆様方に、来年の3
月の末日までということでご報告申し上げた後に、三井生命の方にはその考え方はおつな
ぎはしてあります。それを、三井生命の方が理解をしていただいているというふうには思
いますけれども、これらについて、私どもの方から三井生命側に申し上げたという形で終
始をしておりますのでよろしくお願いします。
◇1番(真下恭嗣君) わかりました。これ以上、その件についてはいまの段階では何も
言うことはないので理解したということで次に進ませていただきます。
 中心市街地は、先ほど市長のご答弁にもありましたように、やはり景観というのが非常
にいま、景観の持っている力が地域の魅力の1割、あるいは2割ぐらいアップさせるとい
うふうに言われております。そこで、昨年も菊の企画は大変すばらしいものがありました
が、この辺が、まだまだできることはいっぱいあるかなというふうに私は思っております。
花いっぱい運動につきましても、街区ごとで企画を出して、それに対していろいろな表彰
をしたり、いろいろなものを企画したりとか、そういうことによって、例えば、ヨーロッ
パなどに行くとその辺はすごいものがありまして、せっかくフュッセンと姉妹都市になっ
ておりますので、そういうものを参考にしながら、やはりお金をかけずにできることはま
だまだありますので、その辺について市長はどういうふうに考えているかお聞かせ願いた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員ご案内のとおり、今回、全国都市緑化フェアが、昨日閉会
をいたしました。今回、前橋会場は、昔の旧競輪場の跡地ですか、高崎はどちらかと言う
と高崎の庁舎の前を中心に行い、しかも高崎はどちらかというと街の中に花を導入したと
いうことから、私は開会が始まった直後に、特に高崎に勉強に行ってこいということを街
なかの担当部課長に指示をいたしました。
 行ってみておわかりかと思いますけれども、単なる、いわゆる花がポットに植栽されて
いるだけではなくて、壁面の関係で高崎の会場は覆われています。従いまして、議員がお
っしゃっている、街の中の、例えば、現在動きのない商店のところも、花のある意味にお
いては起伏によって、これをカバーできるというようなことから、今回のあの展開を見た
ときに、私は高崎に学ぶべきだったかなというふうに思っておりまして、実は指示をして
きたところでございます。
 ヨーロッパは、ガーデニングと称して、非常に個々のお宅でもって、いうなれば、玄関
は勿論のこと、出窓のところに自分のお宅が外の人たちに対して見てもらうことそのもの
を、大きなテーマとしているようでございまして、私事になり恐縮でございますが、私も
県会議員在任中に、特にシュテゥットガルト等含めて、地元の花経営者が金賞を取ったと
きの記念に、ヨーロッパ各地を視察をしてまいりました。非常にヨーロッパの、特に、中
山間地域と言ってよろしいでしょうか、ヨーロッパに中山間地域という言葉があるかどう
かわかりませんけれども、非常に農村がとても美しいわけです。これはやはり学ばなけれ
ばいけないことだなというふうに思っておりまするし、全くヨーロッパのことについてご
研究されているとすれば、ぜひ私どもの方にまたそういった勉強していたことについての
ご提言もいただきたいと思っております。
 ただ、この仕組みづくりについては、議員がおっしゃったように、コンテストであると
か、そういうようなことを展開することによって刺激がなされていくかなと思っておりま
すので、今後それらのことについてはしっかり受け止めて、できるだけ実現の方向に向か
って検討をしていきたいと思っております。
◇1番(真下恭嗣君) ありがとうございます。緑化フェアの意義というのは、本当にそ
ういうところに一つは大きな意義というのはあるかなと。市長がご答弁にあったように、
そこから何か学んで、それを地域に生かしたり、あるいはいろいろな形で生かすというの
が非常にいいと思いますので、ぜひそういうことを参考にいたしまして、今後地域の中に
展開できるようにいろいろな関係部局の方から検討していただければありがたいと思いま
す。よろしくお願いいたします。
 次に、街なかの中心市街地の件で申し上げますと、いま市長がおっしゃったように、や
はり街なかは、人がそこのすばらしいガーデニングだとか、いろいろな魅力を、街なかに
来て楽しめるというのが大きな条件になってくると思うのですね。その人たちが、いろい
ろな、例えば街なかで柳波まつりのときには街なかコンサートをやったり、歩行者天国の
ときには、それなりのイベントをやっておりますが、地域の住民の人がそこで十分楽しめ
る。そういう空間を作って、主役は商店街の人ではなくて、主役は、市民の人が主役で、
それに商店街の人たちも陰ながらサポートしながら、そこでご商売してもらって経済活動
をするというような発想でいかないとこれからは難しいかなというふうに思われます。
 いまでもそれはいろいろなイベントのときにはそういう場所を、市民の人たちが中心に
なるような場所としてなっていますが、この辺についてですね、やはりもっと、もっとこ
れは進めていかなければならないというふうに思うわけですが、そこで私がいつも言って
いる、車が主役の道路というのはなかなか、一時的にそういう場を提供するのはあれなの
ですけれども、そこに水や並木や植栽や、そこで雰囲気がないと、やはりいろいろな形で
そこの空間で何か演出したりできるというのは非常に難しいというふうに思うわけです。
 過日、高崎市で、長野堰というのが、高崎の街なかに、長野堰用水というのが街の真ん
中に通りました。「高崎市の市街地の真ん中、東一条通りにせせらぎができ、道行く人の
心を和ませている。まちづくりに取り組むNPOや地元町内会、商店主が市と共に計画を
練って実現した。市街地では、忘れられてしまった歴史資産の長野堰用水を生かす施設を
市が作り、維持管理は地元の住民らが担っている。地元商店街は、このせせらぎを利用し
たイベントも計画しており、新しいまちづくりの実験が着々と進んでいる。」ということ
で、高崎市の東一条通りというところで、長野堰用水を幅70センチ、長さ74メートル
の水路を並木と共に作ったということでございます。この長野堰というのは、勿論、長野
業正という戦国期の武将が、いまの高崎のところに水を烏川から取り入れて、それを生活
用水やら、あるいは農業用水やら、そういうことでやった、こういう歴史的な経過のやつ
を、もう1回これを復元させたということで、高崎でやっております。
 こういう雰囲気のところに持っていかないと、なかなか住民が地域の空間を中心になっ
てというのは難しいかなというふうに思うわけですが、この辺について市長の見解をお聞
かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再答弁をしたいと思います。
 まず、市民が主役の街なか、そしてそういった、市民がいろいろと寛いだり、あるいは
また活動しやすい街なかの展開が大事なのではないかということについては、もうこれは
古今東西問わず、現在、わが日本国の大きなテーマだと思っておりますので、そういうふ
うな認識は、私どももそういうことであろうかと思っております。今回、そういったとこ
ろの市民の方々が寛いだり何かする場合にはというお話がございましたけれども、今日の
冒頭の質問、あるいは答弁に対しても答えましたように、なかなか行政だとか既存の機関
では、どうしても手の打ち方が微妙に入りきらないところがあるのですね。これは決して
行政の責任を回避して言っているわけではなくて、むしろそういうところは別の価値観で
もって対応していかなければいけないのではないかというようなことがあるのですね。あ
るがゆえに、いま非常にわが日本国の価値観の多元化、複眼思考というふうな考え方が表
舞台に出てきていると思うのです。この長野堰も、議員がおっしゃったように、NPO法
人等がやはり中心となってやってきたというところに、すべてこの物の持っている良さで
あるとか、価値観が出ているような気がするのです。
 従いまして、いまそういうような観点から捉まえますと、やはり本市におきましてもい
ろいろと各関係団体がそういうようなところでもって活躍をされておりますので、今後そ
ういうようなところのご意見等も承ったり、あるいは勿論、当然寄って立つところのそこ
で居住し、また生活を立てている方々のご意見を賜ったり、勿論、市民の方々とのご意見
を賜った形の中で考えていく必要があるのではないかと思っております。
 ただですね、それの期待する水が天桂寺の前まできて、やや南にスライスして、そして
また西側に来るということの中で、昔の昭和土木さんですか、の近辺に来てまた曲がって
いるというような、この下りがどういうふうにああいうふうになっていたのか。これもや
はりしっかりと検証しないとならないのかなというふうに思っております。いずれにいた
しましても、天桂寺の前からスライスして西側にまた折れている。ここが伺うところによ
りますと、私も勉強不足で申し訳ないのですけれども、それが材木町の方に流れていって
かって街の中を潤していたというお話も伺っておりますが、それらのことについては、い
まここで確固たるものを持ち合わせているわけではありませんので、今後いろいろな関係
機関の方々の、またご意見等も承ってまいりたいというふうに考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 市長の言うとおり、これは行政が一人やるというのはなかなか今
後難しいことでございますので、NPOだとか、地元の商店会とか、いろいろ連携を取り
ながら進めていかなくてはならない課題だと思います。私も微力ながら尽くしていきたい
と思っております。
 そこで要請として、いま、街なか再生でやっておりますが、その計画を、こういう水を
入れたり、植栽を入れたりすると、当初の計画からちょっと若干違ってくるかと思います
し、あるいは国道として、120号として、進めていくのはいろいろな課題が出てくる場
合、国道の環状線への移管というのは、一つの方法かなと。勿論、いろいろな問題が出て
くると思いますので、軽々に市長がここで答弁できないと思いますので、この可能性とい
うのは一体あるものか、どうなのかだけお尋ねしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 全くないとは言い切れないと思います。やはりある程度これは
政治的ないろいろな判断が要求されてまいりまするし、かなりいろいろな厳しいやりとり
が出てくるとは思います。全く不可能とは言い切れないのではないかと思います。という
のは、付け替えるだけのキャパティを持ったものがあれば、これは場面によっては検討に
値していくのではないかというふうに思います。
 ただ全くそういったところがないと、なかなかこれは。ですから今までこう既存の三桁
国道があったと、あるいは二桁国道があったと。バイパスができたと。それは移管替にな
りますよね。そういうようなことがありますので、全くないということではないのではな
いか。かなり政治的な判断が要求されるかとは思いますけれども。そんなことでご理解い
ただきたいと思います。
◇1番(真下恭嗣君) ありがとうございました。いろいろこれから街なか再生、あるい
は中心市街地の活性化を図っていくのに、いろいろな観点から検討して、いろいろな可能
性を探っていく必要があると思います。よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、地域経済の活性化について2、3お尋ねしたいと思います。
 利根沼田広域圏観光についてはですね、やはりこの地域は経済を活性化していくには先
ほどいろいろありましたけれども、大きなものとして観光関連が非常に大きな課題だと思
います。先日も、ある旅行社と川場の道の駅でお会いしていろいろ話したのですけれども、
やはりこの地域はすごくいろいろあると。春夏秋冬にそれぞれものすごくいろいろあるの
で、そういうものをちゃんと情報を整理してくれて我々に言ってくれれば非常にもっとあ
りがたいと言ってました。先ほど市長の答弁の中で、ホームページがありましたけれども、
まだまだホームページを見させてもらったのですけれども不十分だなと思っております。
 それからもう1点は、観光パンフレット、湯けむり街道、このご答弁がございましたが、
これについてもまだまだ湯けむり街道が本当にこれでいいのかなというふうに思っており
ます。その辺がいまどの程度まで検討をこれから進めようとしているのか。もう一度、再
度お尋ねしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本質問等の関係がございますので、前段申し上げておきたいと
思いますが、昨年の夏、秋から、精力的に交流事業を展開してまいりまして、まさに関係
者の方々の熱い熱意によって、あれからまだ8カ月くらいしか経ってないのでありますが、
非常に私は関係機関、やはり熱意がいろいろなことを動かすと思って、非常に前進をして
きたと思っております。これを確固たるものにしていくために、さらに頑張っている中で、
実は観光というものが大きなアウトラインとしてあることは論を待ちません。従いまして、
ここのところは副市長に、とにかく一生懸命やるようにということで、私が年中飛び回っ
ていることもさることながら、副市長、関係部局のラインをしっかりして対応を図ってい
るところでございます。
 ちょっといろいろと逸れて申し訳ないのですけれども、3月の議会でもいろいろとホー
ムページの問題が指摘されまして、これらについても改革を図ってきたつもりでございま
す。市の方では、そういった意味で非常にいろいろと関係の職員も頑張って、そういった
ことを展開してまいりました。がゆえに、実は5月の広域圏の理事会の席でありましたけ
れども、初めてその場で私は、県の情報センターの金子さんの話を紹介をいたしました。
特に前段、県が知事を先頭に、各関係部長を連れて地元に来るということがありましたの
で、観光は一番の重点事項だというのは思っておりましたので、広域圏の方にも、とにか
く沼田にアクセスしたら、それはすぐに広域圏にアクセスされ、それがまた広域圏にアク
セスされたら、すぐ片品にアクセスができるようにということで、そこはしっかりとした
ものをやるようにということでそれは指示をいたしました。
 実は本質問の答弁を作成するにあたっても、県の方でもそういったことをされていると
いうことでありましたので、先ほど答弁したことになったわけでありますけれども、まさ
にそれは議員がおっしゃっているとおりでございます。やはりこれからは、単市単村がや
っていくということも大事ですけれども、広域連携はもう避けて通れません。そういうよ
うなことから、口酸っぱくそういったことは申し上げていきたいというふうにいま思って
おります。
 ただやっぱりですね、それぞれの市町村とも、自分ちにはこういった持ち味があるのだ
という意識があるあまりにですね、なかなかそういった意味の胸襟を開いた形の連携が、
いままでうまくできていたか、できていなかったかということになりますると、若干それ
は忸怩たる思いがございますけれども、もはやもうこの観光問題は避けて通れない、利根
沼田にとれば最大の政治課題だというふうに思っております。
 ぜひ議員が言われたようなことについてしっかりと受け止めて、そして広域圏も県民局
と連携して、インターネットのアクセス等についてもしっかりとした動きを展開していか
なければならないというふうに思っておるところでございます。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひ広域圏のみならず、吾妻地区も連携を取りながらぜひお願い
したいと思います。吾妻地区とはご承知のようにロマンチック街道という街道で一つの骨
が続きになっておりますので、ぜひよろしくお願いします。
 ロマンチック街道の件なのですが、このロマンチック街道と関連して、現在、市長、国
が言っているからどうだ、と言うとまたあれになるかもしれませんが、一応いま国交省で
提案しているシーニックバイウェイというのが、北海道を中心にして検討を始めているよ
うです。このシーニックバイウェイというのは、シーニックというのは景観ですね。シー
ン、形容詞のシーニックで景観と、バイウェイは脇道という意味でございます。ですから、
ロマンチック街道の脇道をどうやって光らせていくかというような、ここで言えばそのよ
うなことかと思います。勿論それはロマンチック街道だけではなくてですね、いろいろな
道があると思うのですが、この辺に、このシーニックバイウェイについてですね、まだ全
国各地で取り組み中でございますが、ちょっと簡単に説明しますと、これは行政だけでな
く、地域住民や活動団体、そして地域を訪れる旅行者をも巻き込んだ一体的、総合的な取
り組みが必要であるという性格のものでございます。まさに今後、こういう姿勢で地域の
取り組みを、行政だけでなく、地域住民も、あるいは旅行者も巻き込んだと、こういうこ
とだと思いますが、これについてご意見がございましたらよろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろ前段申し上げて、国交省との関係等のことについても
ふれられましたけれども、私どもしっかりとした、柔軟な考え方で上位の団体と対応して
いかなければならないということで申し上げておりますので、そこら辺のところは誤解が
ないようにお願いしたいと思います。
 ご案内のとおり、ここ4日ほど前でしょうか。国道120号を基幹道路の尾瀬軸として
いくというようなことが、県の方から、新知事が発表されました。このロマンチック街道
は、ちょうど沼田が中心となって、東側には白沢、利根、そして片品、さらに日光へつな
がるというところになっているのはもうご案内のとおりでございます。西側については、
長野、小諸目指して、国道145号がつながっているということになります。実はこの間
もいろいろと協議の中で、南の方の、北関東横断道路のことばかりが表舞台に出ているけ
れども、群馬県の北毛軸として、いわゆる国道145号と国道120号は大変重要なもの
であるということは、しかと力説をいたしました。これはもう三桁国道ですから、管理が
県になっていると思います。
 従いまして、今回の椎坂バイパスの関係についても、県の直轄事業になります。これを
見ても明らかです。尾瀬軸という言葉が表舞台に出てまいりました。これはある意味にお
いては、シーニックバイウェイという、真下議員が提案していることについては、非常に
時機を得た、尾瀬軸というものが表舞台に出てきたかなというふうに思っております。私
自身もかつてこの道路等には思い入れがあって、長野の小諸から栃木の日光までいろいろ
と歩行踏査もいたしました。約5日半くらいかかったわけでございますけれども。従いま
して、どうしても北毛の吾妻、利根、沼田は同じような景観、同じような、要するに精神
風土、同じような産業風土を持っておりますので、当然これら横軸が連携していくという
ことは、大変重要でございまするし、このシーニックバイウェイというこのことが、資料
等を見ますると、かなり景観がよろしい、例えば釧路高原であるとか、湿原であるとか、
富良野であるとか、そういったダイナミックなところでもって取り上げられているようで
ありますので、これらにつきましては、ロマンチック街道のそういう市町村のつながりが
ございますので、早速問題提起をいたしまして、そして表舞台に載せられればこれは展開
してまいりたいと思っております。
 また、質問が終わった後でもですね、建設部長並びに企画課長等のところにいろいろと
資料、またご紹介もしていただければありがたいというふうに思っております。
◇1番(真下恭嗣君) この関係について、最後にご質問させていただきますが、いま市
長言ったように、この尾瀬軸だとか、そういう地域の人が学んで、そこで発信していくと
いうのが、これからの非常に観光の、ただ来た人が、いいな、いいなと景観を見ていくの
ではなくて、そういうものがこれから大事かなと思いますね。
 かつて私、一般質問の中でエコミュージアムということを市長が言っていたので、それ
について勉強させてもらって、逆に質問させてもらったことがありますが、まさにこれは
エコミュージアムに通じていくことではないかなと思うわけです。というのはですね、そ
ういう大規模な、例えば、吹割の滝とか、あるいは尾瀬だとか、そういう大規模なもので
はなくても、例えば曲屋だとか、薄根の大桑だとか、そういうものもやっぱり地域住民の
人がしっかり守り、育て、そして勉強して、来た人との交流の場にしていくというのが大
事かなと思うのですね。世界遺産登録の中に入っています、六合村の伝統的建造物群の所
には、観光ボランティアガイドの会というのがありまして、そこで10数人の人がしっか
りそれを守りながら来た人との交流をやっているわけですね。そうすると行った人は、そ
こでものすごくそのことの価値だとか、意味だとかわかるし、非常にこれからそういうこ
とが大事かなというふうに思われるわけですが、この辺についてもう時間がありませんが、
市長一言よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 同感でございます。ぜひそういうような方向で物事が進められ
ていけばいいなと思っております。せっかくの機会でございますので、付け加えてみたい
というふうに思っております。
 世界遺産の関係の、薄根の大桑の関係等についても、先日、保健福祉センター等でいろ
いろなシンポジウムももたれたようでございます。また先般、群馬県から幹部が来たとき
に、某首長の方から尾瀬の関係の大学のご提案があったわけでございます。これらにつき
ましては、またいろいろと経過があるわけでございますけれども、群馬県当局の説明は、
尾瀬高校をしっかりと確立していくことが大事なのではないかと。こういう答弁でござい
ました。私としても、現実的なことを捉まえると、非常にありがたいご答弁をいただいた
なと思ったわけでございます。と申しますのは、尾瀬高校は申すまでもなく、利根町に所
在をしております。どうしても尾瀬ということが出てくると、必ずと言っていいくらい片
品が表舞台に出てくるわけでございますけれども、ある意味においては、尾瀬というこの
呼称は、利根沼田の本当にシンボル的な呼称でございまして、しかも高等学校全体を見て
も、尾瀬の研究をしているナンバーワンの学校は尾瀬高校でございます。従いまして、そ
ういったことをいただいたときに、私はふと胸をなで下ろしました。と同時にですね、教
育長はじめ私ども責任を今度は重く受け止めたわけでございます。もっと具体的なことを
申し上げますると、尾瀬のいろいろな研究機関が、今後、これはまだ予測の域を出ません
けれども、尾瀬高校を中心としてなされていくということがあり得るのではないか。とい
うような希望すら持ちました。
 従いまして、これからは、中高一貫教育の関係等もありまして、本義務教育との関係は
しっかりとした確立されたものになっておりますので、いまおっしゃられたようなことの
エコミュ−ジアム的な考え方は、まさに尾瀬高校はピッタリと合っておるわけでございま
して、そういった意味で今後、戦略的にいま言う道路の問題も含めて検討を加えてまいり
たいと思っておりますので、よろしくご理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
◇1番(真下恭嗣君) ありがとうございました。それでは最後になりますが、企業誘致
と地場産業について、それから最後に、市長の姿勢に対する質問をさせてもらって終わり
にさせていただきたいと思います。
 まず、企業誘致、地場産業、これは非常に関連しているし、似た一つの性格のものです。
利根沼田、この地域には木材・木工が集積してきたと。過去の歴史ですね。それから現在
でもそれが中心になっている。それから食についてが、地域の地場産業でもあるし、いま
進出している企業も食に関連した企業が多い。それからあと精密機械光学。この3通りに
分けられると思います。この企業とそれから地場産業、これは非常にリンクしてくること
だと思いますので、その辺についてのご見解をお伺いします。
 それから最後に、行政トップとして、いま非常に厳しい時代でございますが、今後これ
をもうちょっと、4、5年我慢して乗り越えていけば明るい未来がやってくると思います
ので、これについてやはり優先順位をきちんとして、何が大事なのか。これはちょっと我
慢してもらうとか、その辺についてやはりきちんと明確に、優先順位をはっきりさせて、
英断で取り組んでいただきたいと思いますが、市長に最後にお願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 前段のご質問にもお答えしましたとおり、交流事業を展開して
いったときに、やはり先様に持っていったり、おみやげを持って行くときに、どうしても
地場産のものが最大のおみやげになります。従いまして、この地場産業の振興との連携の
企業誘致の考え方は、これはやはり避けて通れないのではないかと思います。
 一昨日の食育の関係の開会式がありました。そのパンフレットには、何と沼田の食育が
たくさん出ておりました。例えば、リンゴだとか、レタスだとか、たくさん出ておりまし
た。いっぱいそういった農産物がある中で、そういった確率からいくと沼田が昭和と双璧
かな、あるいはむしろ沼田のが多かったかな、くらい出ておりました。それだけに、この
地場産という言葉については、今後自信を持って頑張っていかなければならないというふ
うに思っております。
 議員が、木工と食べ物、それから精密関係、非常に的を射たお話でございましたけれど
も、やはりきれいな水は精密のものに馴染むでしょうし、食べるものについては、利根沼
田で食べるものは、とにかく果樹、野菜等含めて、全国でも一番くらいだというふうに自
負してよろしいかと思っております。これらも経済部長に資料を渡しておきますけれども、
そういうようなことで、非常に沼田のものがパンフレットにたくさん出ておりましたこと
を申し上げておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後ともよろしくお願いをしたいと思っております。木工関
係のことについては、いよいよ地球全体が、いろいろとCO2の関係でもってなかなか化
石燃料の関係が極めて厳しい状況になってまいりますると、必然的に林業に還っていかざ
るを得ません。その辺のことは十二分に判断をしてまいりたいというふうに思っておりま
す。
 いまの厳しい時期を乗り越えていくために、トップとしての決意をということだと思い
ますが、議員皆様方どう捉まえているか。非常に職員の方々も、非常に8時半となれば常
にもうスタンバイ、120パーセントできるような状態の中で、8時前後には皆で来て、
段取りをしておるという実態にございます。これは、ここのところは何とか頑張らなけれ
ばならないという職員の方々も一つの決意の現れかと思っております。ぜひ機会がありま
したならば、この早い時間に、また議員の方々も来ていただいて、そしてその姿をひとつ
見てもらえれば大変ありがたいと思っておりまするし、機会がありましたらぜひそんなこ
ともひとつお願いができればと思っております。
 なお、この剣が峰を乗り越えていくためには、本当に各幹部も頑張っております。ぜひ
ひとつ、議会の皆さん方もいろいろとご意見、またいろいろご批判もあるかと思いますけ
れども、私どもの拠って立つところのお気持ちもひとつ咀嚼をしていただきまして、そし
てご指導いただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
     ──────────────◇──────────────
◇議長(金井康夫君) 次に、小野要二議員。7番。
             〔7番 小野要二君登壇〕
◇7番(小野要二君) 通告に従い、一般質問を行います。
 私は、経済の活性化について、地域協議会について、企業誘致についての3点について
お伺いをいたします。
 私は、合併により、特例期間を含め、市議会議員として3年が過ぎ去りました。
 私の地域に限っては、合併をすればもう少し良くなることと想定していた人はたくさん
いるものと感じています。
 合併はしたものの、この3年間を振り返ってみると、国の三位一体改革等により、大変
厳しい財政状況を考えるときに、どういったまちづくりを目指し、提案、提言をしていく
べきか迷っているのが事実のところであります。
 しかしながら、先日の山内工業の破産というショッキングなニュースがありました。
 建設業界をはじめ、関連企業等にこれから色々な問題が出てくるものと思いますが、こ
の地域を支えてきた公共事業が削減される中で、沼田市全体の経済はどうなってしまうの
だろうと心配されていることは、市長も聞こえていることと思います。
 財政の厳しさは良く理解しているつもりでありますが、現状を考えるときに何かの手立
てが必要と感じますが、はじめに市長の見解をお伺いいたします。
 次に、地域協議会についてお伺いいたします。
 島根県浜田市の自治区制度の話を聞いてきましたが、自治区長選任の権利をはじめ、地
域の意見を予算に反映させる権限等も認められ、大きな責任を感じて協議がなされている
とのことでありました。
 そこで、合併後3年が過ぎ去ったわけですが、白沢町においては、椎坂トンネルの着工
もようやく目途がつき、地域にとっても利根・片品方面との連携しかり、観光においても
大きく変わっていくことと期待をしています。
 そこで、地域協議会の権限等についても、今までのようなものではなく、地域内分権を
提唱するならば、権限等の見直しも必要と感じていますが、市長の見解をお伺いいたしま
す。
 次に、企業誘致についてお伺いいたします。
 基本計画の中で、市民意識調査においても、「労働環境・雇用」は重要度が高く、重点
施策としての期待が大きいとあります。そして、企業誘致を行うためには、ハード面であ
る工業団地の整備が必要とあります。
 3年間、色々な話を聞いてきましたが、とても市民要望に応えているような施策が見え
てきません。この3年の間に、昭和村の関屋団地しかり、県内の工業団地は不足になって
いるのが現状であります。
 群馬県に多くの企業が進出を決めている中で、なおかつ知事は企業誘致に積極的に動か
れていることが、テレビや新聞で報道されております。
 市民からは、「沼田市は企業誘致を何故しないのか」と言われても仕方のないことだと
痛切に感じています。
 企業誘致に関する各議員の質問を聞いておりますが、私は、企業誘致は工業団地の整備
がまず必要であり、場所の提示がなくて企業が来るわけがありません。第五次総合計画に
書いてあることが、「絵に描いた餅」になりかねません。
 現状、財政難な状況はよく解りますが、計画をもって進めるべきと思いますが、市長の
見解をお伺いし、1回目の質問といたします。
◇議長(金井康夫君) 市長。
             〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの小野議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、経済の活性化について、地域経済について、建設業をはじめとする、各関連企業
の対策についてでありますが、本市では土木・建設業が主要産業の一つとして、地域経済
を牽引し、支えて来たことは誰もが認識をするところであります。
 しかしながら、近年の国の三位一体改革などによる地方への公共投資の削減、消費の低
迷や改正建築基準法施行の影響などによる建設事業の減少などにより、市内建設関連企業
は大変厳しい状況に置かれており、今回の大手企業の事業停止は、関係取引先や地域経済
への影響が懸念されるところであります。
  このような状況を踏まえ、市といたしましても関連する中小企業の経営の安定や業況の
回復を図るため、県及び商工会議所など関係機関と連携を取りながら、県及び市の制度融
資の活用や経営相談等の対応に努め、中小企業者の支援を図ってまいりたいと考えており
ます。
  また、今年度の公共事業の請負工事につきましては、早期発注に努めるとともに、今後、
企業の資金繰りの改善を図るため、前金払い制度の見直しについて検討してまいりたいと
考えております。
 次に、地域協議会について、地域内分権について、地域協議会の権限についてでありま
すが、地域協議会の権限につきましては、地方自治法の規定を受けまして、合併協議によ
る「沼田市、利根郡白沢村及び同郡利根村の廃置分合に伴う地域自治区及び地域自治区の
区長の設置に関する協議書」において所掌事務を定め、市長等からの諮問に応じ審議し、
答申することの他に、地域自治区に関し必要と認められる事項について審議し、市長その
他の機関又は振興局長に対し意見を述べることもできることとなっております。
 従いまして、地域協議会につきましては、現行制度の中で審議をいただき、地域自治区
の発展のため、今まで以上に幅広いご意見を賜りたいと考えております。
  次に、企業誘致について、誘致に対する施策について、工業団地整備についてでありま
すが、企業誘致の取り組みにつきましては、「沼田市企業誘致推進条例」及び「企業立地
の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」に基づき工場等の
新設や増設に対する税制優遇措置制度を設け、企業に立地しやすい環境づくりの整備に努
めておるところであります。
  企業誘致は、本市における雇用の創出、税収の確保、経済の発展、地域の活性化につな
がる重要な施策と位置づけております。
 また、議員ご指摘のとおり企業誘致における団地整備は必要条件であることを十分認識
しているところでありますので、立地環境の整備につきましては、本市の財政状況、さら
には現下の社会経済情勢を踏まえながら、今後とも努力してまいりたいと考えております
ので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 以上申し上げまして、小野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
     ─────────────────────────────
◇議長(金井康夫君) 休憩します。
午前11時58分休憩
     ─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(金井康夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ─────────────────────────────
◇7番(小野要二君) 答弁いただいたわけでございますが、何点か再質問をさせていた
だきます。
 先日、建設業界との懇談会がありまして、現状の説明、これからの要望等について話を
聞いてまいりました。特に感じたことは、業界全体がモチベーションを失ってきていると
のことであります。沼田市において心配なのは、建設業界に携わっている人たちが約5人
に1人が従事されてるということでありました。ちなみにですね、私の近隣地区でもです
ね、山内工業に勤めている方でも5人も近所にもいるわけであります。こういった人たち
のことを考えると、経済全体にですね、与える影響は計り知れないものがあると思うわけ
でございますが、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私が今回の出来事については、当日の朝しかるべき機関の方か
ら耳にしまして、実際問題、まさかということで驚いたわけでございます。日々でも当た
り前に接しておりましたし、特別にそういうことについては全く、驚いたとしかいいよう
がない、他に表現が見つかりません。当地区における建設業界の果たしてきた役割という
のは、ご承知のとおり、関越高速道路の関係であるとか、あるいはまた新幹線の関係であ
るとか、そういうようなことから飛躍的に当管内で建設業界の存在が多くなってきたとい
うことは歴史が示すとおりでございます。同時に当管内の特に大手3社は群馬県の中でも
高く評価されている会社でございまして、その中の一角がですね、崩れたということは群
馬県全体の業界に与える影響も大変大きなものがあったというように受け止めておりま
す。ただいまの議員の方からご近所の方で5人ほどいるということを承って、特に白沢高
平管内には本会社は大変縁があったことからも、そういったことがあるのかと思いますけ
れども、いずれにいたしましても大変なことだったなと思っております。私もすぐ、当日
にですね、そのニュースを聞いたときに関係機関の調査であるとか、色々手を打ったわけ
でございまして、できることはですね、融資の関係だとかそういうことかなというふうに
思いまして、経済部をしてですね、それらの対応をさせていただく。影響の関係ですね。
またあの、今後の関係等については、やはり、できるだけですね、生活に密着した事業を
ですね、良く精査して出していこうということで建設部に指示をしたところでございます。
◇7番(小野要二君) 融資対応とかそれらについてということでありますが、ご検討い
ただきながら今後進めていただきたいと思います。
 それと、その中で建設業界との話の中でもう1点なんですが、冬期の除雪の関係につい
てお聞きしたいと思いますが、今まで建設業界ではですね、冬期の除雪、それから突発的
な災害等で地域に貢献してきたわけでありますが、特に除雪についてですが、本市の場合
は気候の不安定によりですね、大型除雪機械等を維持していくことさえ危うくなっている
という話でありました。そして、大きい機械になると数千万という大金がかかってくると
聞いてきたわけでありますが、私も知人の会社に行って聞いてきたわけでありますが、今
の状況ではですね、とても除雪を受けられる状態ではないということであります。協会か
らもですね、要望があったのは待機費用なり月額の最低保障なりを何とか考えていただけ
ないかという話がありました。私もその必要があると強く感じておりますが、ご見解はい
かがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) この道路除雪の関係につきましては、当会社の存在は大変大き
なものがございまして、私が手にしている資料だけでも当管内で15本ほどございまして、
延長にして約14.4キロくらいあると思っております。
 いずれにいたしましても、そういうようなことから、非常に色々な意味でですね、影響
が出てくるであろうということから、県の土木部のご指導もいただいたりしてですね、色
々と今後に対応していかなければいけないと思っております。なお、待機費用の問題であ
るとかですね、そういった色々な出動しなかったときの対応だと思います。実は、これは
去年の冬しがたにですね、平成18年度になります。ですから、19年になると間もなく
だったわけでありますが、これらの関係について利根沼田の首長も相談をされて、群馬県
の方にはですね、地元の実情を解ってほしいというような旨をですね、おつなぎをしてき
た経過がございます。今後、群馬県当局のご指導もいただいてですね、これらに対すると
ころの対応の検討を図っていかなければならないというように思っております。
◇7番(小野要二君) ありがとうございました。
 県との協議もあるかと思いますので、今後につなげていっていただきたいと思います。
 それから、もう1点ですね、これも建設業界との話の中でのことでありますが、今年の
群馬県の公共事業状況でありましけれども、1月から6月までの6ヶ月間で、建設協会の
約50パーセントが受注高ゼロという話を聞かされました。本市も例外ではないと思いま
す。沼田土木事務所管内でのですね、公共事業の数字を見てみますと、平成15年が51
億、昨年、平成19年が28億と激減しております。12市の中でも非常に減っているの
が実情ではないかと思います。こういった公共事業についてですね、再度考え直す必要も
感じておるわけでございますが、その点についていかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 確かに今の数値を聞くとですね、本当に驚きの念を隠せません。
実は、自分が県議会に在任中、確か平成7、8年頃は、沼田土木管内が150億から16
0億くらいやっていたと記憶しております。従いまして、平成19年度が28億というこ
の数字はですね、やはりあの、群馬県当局としても非常にこの節極めて厳しい状況にあっ
たかなと思っておりまするし、実は本市におきましても例外ではなく、今までの色々な予
算等についても、どうしても福祉関係、医療関係等にその予算の額が多くなってくるとい
う日本国全体の流れなんですけれども、ございまして、公共事業関係がですね、このよう
に減ってきたというそういう歴史的な経過がございます。やはり、公共事業が景気浮揚に
役立つということについては古典的な論議として今までございまして、そういうようなこ
とから今日に至りますると、ややこれがですね、変わってまいりまして、やはり場面によ
ると建設業界そのものもですね、他の地域では職種の柔軟な転換を環境関係に変化をさせ
ていくとか、そういうようなことも実際ございまして、それらについてもこれを検討し、
さらにですね、やはり必要な事業はですね、していかなければいけないと思っております。
ただ、ここのところを良く捉まえておきたいと思うんですが、補助公共事業を展開をして
まいりまするとこれは当然、国・県の負担がかかってくるんです。単費で事業を展開して
いくと市の単独の持ち出しだけになってくるわけです。補助公共事業を展開すると、要す
るに発注高が高くなってまいります。単独公共事業の場合にはですね、どちらかというと
発注高が低くなってまいります。補助公共事業を展開するとどうしても財源の裏負担が多
くなってまいります。単独の場合は裏負担はないんでありますけれども、拠って立つとこ
ろの単費を持ち合わせていないとですね、なかなか打って出ることができないというよう
なことがございまして、一応ですね、この単費の事業関係につきましては先々を睨みなが
らできるだけですね、今までの経過にこだわらずにできる範囲柔軟にですね、対応してい
くようにということで建設部長の方に指示をしてきたところでございます。補助公共の場
合は繰り返し申し上げたいと思いますけれども、どうしても上位の機関との対応が出てま
いります。端的に言って国道120号椎坂バイパスは国道でありますけれども県の直轄事
業でありますが、当然、国が約50パーセントの補助金を出しております。そういうよう
なことも含み置きながら今後の対応に処してまいりたいと思っております。
◇7番(小野要二君) 答弁ありがとうございました。
 市長が議員当時、150億というようなことで、その頃とはだいぶ今の時代は様子が違
うわけでありますが、何点かお聞きした中で建設業界との話でありましたので善処されま
して対応をお願いしたいと思うわけでございます。
 次に、地域協議会についてお聞きしたいと思います。
 白沢町ではですね、望郷ラインが建設されまして数年が経ったわけすが、そこで白沢地
域内の望郷ライン沿線では眺望の良好な場所が随所に見られ、観光スポットとしての可能
性もあるわけでございます。しかしながら、現状では通行量も少なくですね、ゴミの不法
投棄が多く見られるのが実態でございます。また、国道120号線との道路アクセスも悪
いのも検討課題であると思いますが、現在の望郷ラインと120号線の交差部分は合併時
から沼田市の東部方面の玄関口であり、交差部分の開発の検討は、生枝地区活性化協議会、
また地域協議会でも議論をされていることでございますが、せっかく作った望郷ラインで
すし、そうしたことを含めて沿線の整備、また有効活用について、ぜひ協議会でさらに協
議・議論を重ねていってほしいと思いますが、その点について市長のお考えをお願いした
いと思います。
 それと、私が申したのは地域協議会の1点を言ったわけなんですが、それについてこれ
から地域協議会で協議がなされていかれると思うんですが、それについてですね、地域協
議会の決定事項に対してどのようにとらまえていってくれるのか、また対応をどのように
考えられるのかお伺いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まずもって、この望郷ラインの活性化の問題についてはですね、
今までも県当局と協議を進めてきたりして、色々と図ってきた経過がございますけれども、
やはりこれも最終的にはあまり色々な機関に対する期待もさることながら、やはり地元の
意欲がですね、非常に大事なのかなと思っております。私自身、この望郷ラインを見たと
きにですね、非常に期待の持てるすばらしいロケーションだと思っております。これは全
く仮説でありますけれども、例えば、この望郷ラインをですね、しかるべき日には1日完
全にですね、交通遮断をいたしまして、そしてそこをですね、歩け歩け大会の大きな行事
に結びつけるとか、あるいは駅伝大会を開催をするとかですね、そうすることによって、
その望郷ラインの魅力をですね、内外にアピールしていくということが大事なのではない
かと思って、過日、非公式でございますけれども陸上競技クラブの人たち等にもですね、
そんなことを申し述べさせていただきました。同時に、ここが月夜野と沼田市と、月夜野
ですからみなかみになります。で、私どもと川場とそれから当然昭和にかかってまいりま
して、利根郡下の町村との関係がございます。従いまして、それらもございますので、一
概に私どもの気持ちだけでは如何ともし難いところがございますので、今言ったようなこ
とをですね、頭に置きながら、例えば歩け歩けをしながらのウォークラリーだとかですね、
何らかの形でそういったイベントを導入することが大事なのかなと思っております。同時
に、実はもう一つ、これが大事なことなんでございますけれども、そういう意味で私はみ
なかみの町長を尊敬申し上げておるのでありますが、当該地区の最大の道路アクセスの問
題は、国道120号の椎坂バイパスと望郷ラインのですね、県道昇格にあるのではないか
ということをですね、お考えになっておられます。で、同時にこの関係等についてもです
ね、機会あるごとに私ども利根沼田の首長が心を一つにしております。やはり、冬場の除
雪の関係であるとか、そういうようなことが非常に難しい諸状況にありますので、この望
郷ラインがですね、県道昇格になりますならば、管理運営がそちらの方に回ってまいりま
すので経費の面で大変そういう意味ではうちの方、つまり各自治体がこれはもう私どもだ
けでなく、町村すべてかかっておりますから、そういうふうになってまいります。
 ご質問のですね、望郷ライン等の問題について地域協議会等で論議なされた結論を市長
はどう受け止めるのかということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおりで
すね、この協議の関係等については市長、またその他の機関、その他の機関というのは他
の諸々の行政機関でよいと思いますけれども、意見を述べることができるということにな
っております。従いまして、それが地域協議会の中でしっかりまとまった形になってまい
りますると、それを重く受け止めなければなりません。従いまして、それは大変重要なこ
とでございまして、そこで大きく結論が出てまいりますると、当然、その意思はですね、
やはり市行政の中で大きな反映の糸口になってくるだろうというふうに思っております。
◇7番(小野要二君) ありがとうございました。
 歩け歩け大会とか駅伝大会とかの構想も望郷ラインでということであったわけでござい
ます。私も地域にいてですね、そんなようなイベントがなされてくれば、それも一つの生
きてくる道じゃないかと思っているのでよろしくお願いをしたいと思います。
 また、地域協議会の対応でございますけれども、これから色々な結成されて何年も経っ
ていないので、今後が大事な地域協議会になろうかと思いますので、ぜひともそういった
色々なことを検討していただく活発な協議会になるよう、ご指導をお願いしたいと思いま
す。
 それでは、次に移らせていただきます。
 企業誘致についてでありますが、白沢ではですね、市長ご存じのように昭和40年に三
ツ葉電機利根工場が誘致されました。40年ということで、今言われております団塊世代
が、私もそうなんですが、高校生の頃ですね、以来40数年が経ったわけですが、現在の
三ツ葉電機は国内が7工場、国外が12カ国で25工場と年々躍進の中で成長してきた企
業であると思います。利根工場だけでもですね、現在社員数が250名、臨時社員が50
名、中国研修生50名、総従業員数で350名で稼働している会社でございます。設立当
時からですね、村内の就職者も多く、また、以前は農閑期雇用、農業も冬場暇になりまし
たから、農閑期雇用などもありまして、現在でも3割近くは白沢地内の方であると聞いて
おります。地域と連携を強く持って、今まで歩んできた会社でございます。こういった会
社を白沢は企業誘致したわけでございますが、企業誘致は働ける場所があればこそ白沢地
内のですね、地域経済もそれと同時に発展したものと感じております。そうした中で、本
市の企業誘致がなかなか進まないのが現状のように感じておりますが、その点について市
長のお考えを再度お聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 小野議員の大変地域経済に関係する重要なご質問をいただきま
して、しっかりと受け止めているところでございます。
 私自身も子供の時分に、この三ツ葉電機が白沢に進出をされるというようなことを遠く
にあって噂で聞いておりました。現在、脈々と発展されまして、ただいま小野議員が申さ
れた通り、国内外にですね、すばらしい実績を上げられている立派な企業であるというふ
うに認識をしておるところでございます。これが建立されるに当たっては、地元の方々の
熱意はもとより、承るところによりますると元村長経験者の方々が大変お骨折りをされた
ということも承っております。やはり、地域の方々がよく夏の納涼大会とも思われるミツ
バの祭典のときに行って、良く解るわけでありますけれども、大変地域の方々が会社の方
々と非常に縁を深くされておられる姿に毎年感銘をしております。従いまして、企業誘致
は大変重要な施策だと思っておりまするし、今後また色々とご指導いただきたいと思って
おります。現在、ご案内のとおり、議会の皆様方にご指導いただきまして、沼須の工業団
地が県の企業局の指導の下に進んでいるわけでございます。間もなく全貌が明らかになっ
てまいります。そうしましたら、関係機関の方々にご指導いただいて、そして何よりも非
常に良い企業が誘致できるように市行政一丸となって取り組んでまいりたいと思っており
ます。ミツバの工場長さんとも大変親しくさせていただいておりますので、機会がありま
すならば色々とご意見も承ってまいりたいというふうに思っております。
◇7番(小野要二君) ありがとうございました。
 沼須の産業団地も進捗中であると思いますが、これは披瀝させていただきたいと思うん
ですが、6月4日の上毛新聞に掲載されていた、県企業局の工業団地構想のことでありま
すが、ちょっと読ませていただきますと、「県企業局は本年度、工業団地の新規造成候補
地6カ所のうち、2カ所で用地買収に着手する。それぞれ来年度以降の造成を目指し、在
庫不足の解消を図る。企業立地が全国上位の高水準が続き、県企業局が造成した工業団地
の販売が進み、5月末現在の在庫は30ヘクタールに減少。企業局は06年度に4カ所、
07年度に2カ所を候補地として選定し、それぞれ20ヘクタール前後の大型工業団地の
造成を目指している。各候補地で地権者の説明会を行うなどして土地利用調整の進捗や買
収見通しなどを比較する。熟度が高まったと判断した地域から順次用地買収や調査を開始
する方針である」という記事を見たので披瀝させていただいたんですが、県もこのように
推進をしている工業団地でありますが、これらについて市長はどのようにお考えでしょう
か。
◇市長(星野已喜雄君) やはり、ちょうどこの10年くらい前あたりから企業局が意外
とこのロケーションが三角になったりするようなところもやっていたようなことがあっ
て、結構難しい場所があったりしたのでありますけれども、ここに来て非常に外国から逆
に本国へ戻るというようなことがあったりして、活況を呈しているということはご案内の
とおりでございます。今後ですね、企業局の方にも私ども都市交流の事業と同じように副
市長にできるだけ、もちろん私も当然なんでありますけれども、足繁く運んでもらってで
すね、そして情報交換をしっかりとしていくというような形で、地域の活性化はやはり前
に出て行って、そういう意味では一般的な言葉を使うならば営業的なですね、ことをしな
ければなりませんので、そういうような観点でもってこれからも頻繁にですね、企業局と
の連携を目指してまいりたいというふうに思っているところでございます。
◇7番(小野要二君) 若者はみんな出て行ってしまうような町では困りますので、ぜひ
とも働ける場所がないと若者は残れないわけであります。そうした中で、ぜひ前向きに対
処をお願いしたいと思います。
 色々と難題が山積をしている今日でありますけれども、市長のご奮闘をご期待申し上げ
まして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
     ──────────────◇──────────────
◇議長(金井康夫君)  次に、山ア義朗議員。17番。
             〔17番 山ア義朗君登壇〕
◇17番(山ア義朗君) 通告に従い、一般質問を行います。
 平成20年度の予算編成において、本市の財政状況は極めて逼迫した危機的な状況であ
ることは明白であります。実質公債費比率は20パーセントとなり、起債発行手続きが許
可制となって、公債費負担適正化計画の策定が義務づけられました。起債抑制の対応も迫
られております。こうした危機的状況を改善していくために、早急かつ徹底した行財政改
革が必要となります。
 そのような中、沼田市行財政改革実施本部を設置して、行財政構造の見直しとスリム化
について検討を重ね、常勤特別職給料の削減や職員給与等の削減等を20年度予算執行に
おいて実施した努力は、市長をはじめとする執行部に対して敬意を表するものであります。
 しかしながら、将来にわたって持続可能な財政運営を維持し、身の丈に合った予算規模
とするためには、さらなる行財政改革を遂行し、財政基盤の強化を図らなければなりませ
ん。
 そこで、沼田市行財政改革の実施における取組項目について質問いたします。
 はじめに、市有財産の有効活用についてであります。
 沼田ゴルフ倶楽部跡地の活用については、私をはじめ同僚議員から再三質問がなされて
きましたが、活用方法は提示されず今日に至っています。今後どうするのかといったとこ
ろをお聞きいたします。また、市営住宅の管理計画は平成10年に策定され、再生計画期
間が10年間となっていますが、今後どのように対応していくのかを併せてお聞かせくだ
さい。
 次に、新たな財源の確保について質問いたします。
 有料広告の掲載事業について実績はあるのか、そして今後はどのような取り組みをして
いくのかお聞かせください。
 ふるさと納税制度が各市町村で導入されますが、沼田市としてはどのように取り組んで
いくのかお聞かせください。
 次に、歳出構造の改革についてですが、民間委託と指定管理者制度について質問をいた
します。
 指定管理者制度が導入される以前は、市の直営で業務委託をしていた施設や事業があり
ましたが、指定管理者制度に切り替えたことにより、どのような成果があったのかをお聞
かせください。また、来年度が指定管理者制度の更新年となりますが、指定管理者制度の
導入事業と業務委託事業との区分けはどのようにしていくのかお聞きいたします。
 次に、機構改革について質問いたします。
 多様化する行政事務と市民のニーズに応えるために、既存の組織機構にこだわらない合
理的な機構改革を進めることにより、施設維持管理費が削減されて、利用者の利便性や安
全性が高まるのではないかと考えます。
 沼田市においては、小学校校舎の一部を学童保育の場として活用しており、利用者にと
っては大変助かっています。しかし、一部の市民からは、「授業中は学校教育で教育委員
会、放課後は学童保育で民生福祉と、一人の児童・学童が時間によって行政担当部署が変
わるのはいかがなものでしょう」といった声も出ています。
 例えば他の自治体においては、幼児教育から青少年の健全育成に至るまでの「育む」の
文字があるものについては、「子供課」を設けて教育委員会の所管にしているところもあ
ります。これを受けて市長の考えを聞かせてください。
 次に、臨時職員、嘱託職員と経費の削減についてお聞きいたします。
 臨時職員や嘱託職員は保育園や幼稚園に勤務している人が多く、大幅な削減により園児
と園に負担がかかっては困りますが、園の統廃合や民営化により私立園に移行させること
により、職員数や経費の削減につながり、他の市町村では私立化を進めている自治体が増
えておりますが、沼田市としてはどうなのか、市長の考えをお聞かせください。
 次に、表題を変えて市民協働について質問いたします。
 市長の考えている協働の定義についてお聞きいたします。推進会議を昨年8月に立ち上
げ、意識啓発など市民へのピーアールについて検討を重ねているようですが、その事例と
成果についてお聞かせください。
 次に、議会との連係についてお聞きいたします。
 地方自治体は基本的な機関として、議会と首長を置くことになっています。
 議会は議決機関であり、長は執行機関とされ、役割分担をしております。議会は意思決
定をし、長はその決定を執行しております。
 市長に対してこのようなことを申し上げるのは釈迦に説法で大変失礼ではございます
が、私が言いたいのは、近年、住民が議会に求めているものはチェック機能よりも政策形
成であるということが言われております。岩手県立大学のアンケート調査によれば、市町
村議会については住民の代表機能を期待するものが最も多く、協働のまちづくりを進める
に当たっては市民と行政がともに協働について共通の認識を持つことが必要であるとする
ならば、市民と行政との適切な役割分担の中に議会が入ることも必要であると考えますが、
市長の見解をお聞かせください。
 以上で私の1回目の質問を終わらせていただきます。よろしくご答弁をお願いいたしま
す。
◇議長(金井康夫君) 市長。
             〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの山ア議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、行財政改革の実施について、市有財産の有効活用について、沼田ゴルフ倶楽部跡
地の活用についてでありますが、議員ご案内のとおり、旧沼田ゴルフ倶楽部用地につきま
しては、株式会社沼田ゴルフ倶楽部が昭和62年に開発構想を提示して以降、関係法令等
の手続きを経てゴルフ場造成事業のために取得してきた土地でありますが、用地取得の難
航と経済情勢の急変による事業成立の困難を理由として、平成7年群馬県知事あてに開発
事業計画の廃止届が提出されたため、その対応について協議を進めてきた結果といたしま
して、このゴルフ場計画は、総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法の指定を受けた「ぐ
んまリフレッシュ高原リゾート構想」において、特定施設に位置づけられたものであり、
計画の実現が不可能であれば、公共的な土地利用を図ることが望ましいとの考えから、山
林等については市が買収することとし、農用地については市に寄付していただくこととな
ったものであります。
 この用地の利活用につきましては、庁内の検討組織である公有施設等検討委員会におい
て検討を進めてきたところでありますが、用地を取得してから11年の歳月を経ており、
また、取得用地も点在している状況で、用地の集約等も難しく、一体的な整備を行うこと
が困難であり、今後におきましても自然公園としての整備は、現在の財政状況等を勘案す
ると事業の優先度は非常に低い状況にありますので、自然公園用地とすることを見直し、
未利用公有地の有効活用を図る観点から、山林については他の活用とともに売り払い等を
検討し、農地として利活用が可能な用地については農業者への売り渡し、農業経営の規模
拡大や農地集団化の促進等に活用することとする対応方針が示されたところであります。
 今後は、この対応方針に基づきまして行財政改革の一環として対応を図ってまいりたい
と考えております。
 次に、市営住宅用地の検討についてでありますが、市営住宅については、住宅マスター
プランや市営住宅ストック総合活用計画に基づき、有効な土地利用の再生を図ることとし
ております。しかしながら本市の財政状況の悪化など社会情勢の変化もあり計画どおり進
んでいないのが実情であります。
 市営住宅へのニーズは、社会の高齢化などにより依然として高く、今後は老朽した市営
住宅の建つ、維持効率の悪い小規模敷地については、大規模な市営住宅の建て替え・戸数
増とともに、民間への宅地分譲も含めて検討したいと考えております。
 次に、新たな財源の確保について、有料広告の掲載事業の実績についてでありますが、
市の広報媒体である「広報ぬまた」と「ホームページ」に掲載する有料広告の取扱いに関
しては、「沼田市広報広告掲載要綱」を定め、今年度から実施をしておりますが、一区画
の掲載料は、「広報ぬまた」が1カ月10,000円、「ホームページ」が1カ月5,0
00円となっており、4月から6月までの実績については、「広報ぬまた」が12件、「ホ
ームページ」が6件となっております。
 また、封筒、公用車等への有料広告につきましても、現在、導入に向け検討を行ってい
るところであります。
  次に、ふるさと納税の取り組みについてでありますが、地方税法の寄附金控除枠が拡大
されたことに伴いまして、個人住民税の一部を生まれ育った故郷など、応援したい自治体
などに納めることを可能とする、いわゆる、ふるさと納税制度が施行されたところであり
ます。そこで、ふるさと納税の受け入れを早急に推し進めるため、本6月議会に「水と緑
の大地ふるさとぬまた寄附条例」を提出させていただいたところであります。
 以前より、準市民交流会などの際に沼田を応援したいとのお声も頂戴していることから、
時機を失することなく市外に向けて情報発信していくことが肝要であると考えております
ので、ホームページなどで周知を行うとともに、本市最大の応援者であります準市民登録
者や学校などの在京同窓会等、ふるさとぬまたを思う方々、さらには、都市交流関係者な
ど機会をとらまえて積極的に働きかけをしてまいりたいと考えているところであります。
 次に、民間委託と指定管理者制度について、業務委託から指定管理者制度に変えた成果
についてでありますが、指定管理者制度につきましては、民間事業者等まで広く対象とし
て公の施設の管理を可能とするために、平成15年、「地方自治法の一部を改正する法律」
により創設された制度でありまして、法改正以前から管理を委託していた施設については、
平成18年9月2日までに制度導入が必要となったものであります。
 これを受けて本市では、公の施設管理状況調査により施設把握に努めるとともに制度導
入の基本方針を定め、法改正以前から管理を委託していた施設について、行政事務近代化
推進委員会及び新たに設置した指定管理者制度導入検討委員会において優先的に検討を行
い、27施設について平成18年度当初の制度導入を進めてきたところであります。
 議員ご質問の業務委託から指定管理者制度に変えた成果はについてでありますが、市民
サービスの低下が生じないよう、ほとんどの施設においては、業務委託先を指定管理者と
して指定したこともあり、現時点では経費の面で大幅な削減効果は見受けられませんが、
施設管理業務に費していた労力を市民サービス業務に費やすことが可能となったことは副
次的ではありますが、成果があったものと考えております。
 指定管理者制度の目的は、多様化する市民ニーズに対して効果的・効率的に対応するた
め、多様な団体が有する固有のノウハウを公の施設の管理業務に活用し、市民サービスの
向上と管理経費の縮減を図ることでありますので、今後につきましても、本制度の目的を
踏まえ、対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、機構改革について、子供課を設置して子育て支援は教育委員会の所管とするにつ
いてでありますが、こども行政を一元化し、乳幼児期から青少年期まで一貫した施策展開
を行うことを目的として、「子供課」などを教育委員会に設置している事例があることは
承知をいたしておるところであります。
 しかしながら、これを実施するためには、教育委員会との十分な協議と、大規模な組織
改革や分掌事務の見直し、法令を遵守した条例規則等の整備など、諸課題を整理しなけれ
ばならないことも事実であります。
  児童福祉や学校教育、青少年育成など、こどもに関する施策を統合し、こども行政の一
元化を図ることにつきましては、理解できるものでありますが、議員ご意見の教育委員会
所管の子供課の設置につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えており
ます。
 次に、臨時職員・嘱託職員について、市立幼稚園と市立保育園の民営化についてであり
ますが、平成18年に策定いたしました沼田市行政改革大綱において「効率的な運営によ
る財政の健全化」を掲げ、民間委託の推進を図るとともに、同年に民間委託等の推進に関
する基本的な考え方をまとめた「民間委託等の推進に関する基本方針」を定め、民間委託
等の検討を進めてきているところであります。
 議員ご質問の市立幼稚園及び市立保育園につきましても、統廃合や民間委託の検討につ
いて担当部課で調査を進めているところであり、その実現化に向けて今後も検討してまい
りたいと考えております。
 次に、市民協働について、市長の考える協働の定義について、沼田市における事例と成
果についてでありますが、市民協働の定義といたしましては、市民ニーズの変化や様々な
地域課題に行政だけでは対応することが困難となり、課題解決の方法として出てきた考え
方が市民協働であると考えております。
 事例と成果についてでありますが、昨年8月に、市民活動団体の関係者と公募の市民に
より構成する、市民協働推進会議を設置いたしまして、今月までに11回にわたる会議を
開催するなど、意識改革と啓発等をテーマとして、2年間にわたる検討をお願いしている
ところでありますが、現在では、具体的な意見までには至っていないところであります。
 本市では、春秋の市内一斉清掃など、区をはじめとした地域コミュニティが根を張った
活動を行っているほか、高齢者、子育て支援など、ボランティア団体による市民活動も行
われていますので、このような取り組みをさらに活性化させるとともに、市民と行政がそ
れぞれの役割を踏まえた協働によるまちづくりを推進することで、地域の課題解決が効果
的に進められ、成果として表れてくるものと考えております。
 次に、議会との連係についてでありますが、市民協働の考え方といたしましては、市民
協働推進基本方針の中で、市民も行政も、ここに暮らすすべての人が課題解決に向けて協
力して、協働のまちづくりを進めることとしておりますことから、協働の担い手を育み、
地域の市民活動を活かし、つなぎ、協働を促進するため、行政の立場として、議会の皆様
とも連係を図りながら進めていくものと認識しているところであります。
 以上申し上げまして、山ア議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇17番(山ア義朗君) それでは、ご答弁をいただきましたので再質問させていただき
ます。項目がたくさんございますので、一つ一つ順を追って、市長のご見解、ご答弁をい
ただきたいと思います。
 まず、市有財産の有効活用についての中でのご答弁をいただきたいと思います。
 市有財産の有効活動の中での、沼田ゴルフ場跡地の問題でございます。これにつきまし
ては、先ほど申し上げましたように、同僚議員はじめ私も、もう3度か4度この質問をし
ておったと思います。これはなぜこだわるかと言いますと、やはり莫大な面積、要するに
山林です、多少数字は違うかもしれませんけれども、山林、原野が21.9町歩で21町
歩というのですか、平米でいうと、21万9,372平米。畑がこれが10町歩なのです
けれども、これはやはり平米でいうと10万5,000平米という莫大な面積になるわけ
で、確かにこれは飛んでいるわけでございますけれども、これは過日も市長に申し上げま
したようにですね、これが非常に荒れておるという実情でございます。ただいまの答弁で、
今回初めてその対応策について、農地については、農業振興のために一部売却をしてもよ
いというご返事をいただきました。それから、森林については、今後またいろいろな意味
で考えを持っているということで、これだけでも一歩前進したかなというふうには考えて
おります。
 しかしながらですね、この農地を求める農家の人が果たしているかどうかということを
まずそれを調査されたかどうか。ご承知のように、この地元は、沼田市の秋塚地区、奈良
地区というところになります。これは総体の戸数でもって両方合わせて約100戸。その
中で専業農家として農地を求めてこれから規模拡大をしていこうという人は、私の知る限
りではおそらく2軒か3軒だと思います。これに対しまして、以前やはりゴルフ場跡地で、
富士見開墾のところ、沼田市が造成、開墾しまして、農家に農地として募集をし、そこを
その地区の方々はかなり大幅に購入しております。
 実はある農業者のところに行って相談をしましたところ、もう10年遅いよという話で、
これからは農業振興はなかなか望めないと。それから、道路についても、もうどこに道が
あるのかわからないと。なかなか農地を、公募とか、そういった形でやるのでしょうけれ
ども、かなり調査し、そして需要があるかどうかというようなことを確認してから進めて
いかないと大変難しいかなと思うわけでございます。
 また、山林につきましては、市長、森林組合の長もされているので、噂はお聞きしたか
と思いますが、川場村のある森林組合の方が、だいぶ切られているぞというようなことも
ニュースで入ってきております。ということは、その市有財産の管理を怠っているからそ
ういった形で無法伐採が行われる。それは無法伐採でないかもわからないし、境界確認が
できていないから立木を売った方が自分の物だと思っているのかもわからない。そういっ
た形の中でもやはり早急に管理だけはしていかなくてはいけない。
 そうした中で、どうしたらいいかというと、やはりこれをどういう形か何かで活用して
いかなくてはならない。以前から私は、例えば、各学校と言いますか、旧沼田市において
は学校林というのはありませんから、そういったものに、子どもたちのために提供してい
くのはどうかと。あるいは、そういった旧町にはそういった共有林がないから提供しては
どうかと。いまいちばん私が考えたのはですね、たまたま結局、「水と緑の大地ふるさと
ぬまた寄附条例」というのができた。準市民の人たちに対象として寄附募集をしようとい
うことでありますから。
 以前、営林署でもってみどりのオーナー制度と言いますか、そんなようなことがあった
と思うんです。そういったことに、例えば沼田市に対して寄附をしてくれた方々、そうい
う人たちに対して、みどりのオーナー制度というので面積はたくさんありますから、持ち
分で、例えば何百平米にするか、何十平米にするかわかりませんけれども。そういったも
のをお礼といってはあれですけれども持たせると。要するに、共有であなたは沼田に山が
ありますよと。そして、年に2回か3回来ていただいて、あとは管理業務はそこから上が
ったお金で森林組合等々に管理していただければ、森林組合の運営費が出る。これはただ
単に私の単純な考えでございますけれども。
 あと過日、市長も言われておったと思うのですが、いま地球の温暖化防止の問題で、C
O2の削減、従って各自治体が自分のところから出るCO2を、どこかに今度はマイナス
にするところを捜そうという動きがあるやに聞いております。市長、すでにご交流がある
新宿区、あるいは東京の杉並区等々には、確かみどりの条例みたいのがありまして、特に
新宿区については非常に緑化条例を作って頑張っておりまして、庁舎に行ってわかると思
いますが、壁面緑化ということで、ツタを絡ませて。屋上にはビオトープを作って屋上緑
化、これも市役所が先頭になって区内に進めている。これはまた過日の新聞にも出たよう
に、環境の売買をする。要するに二酸化炭素の売買、出す企業とそれを吸収する企業がそ
のやり取りをしていくということが新聞に出ておりました。
 山につきましても、大手企業から川場の森林組合さんに聞いたら問い合わせがあって、
企業としてそういうものをしたいと。それは企業のイメージアップということで、自分と
ころの排出する二酸化炭素を、うちの企業では、これこれ群馬県の沼田市にこういう山を
持って、これを吸収する運動をしております。年に2、3回社員が行ってその環境整備に
寄与しています。これは企業ピーアール、企業イメージにつながるということで、そうい
う動きが多少は出てきておるということを聞いております。実際にそれが可能であるかは
別にして、その辺も頭において展開していかないとまた10年すぐ経ってしまう。そうい
った意味で本当に里山がどんどん空いていってしまうということは大変寂しいことだと思
いますので、その辺につきまして市長のご見解をお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 山ア議員の再質問にお答えしたいと思います。
 まずですね、農地として農業者に売渡しをしていきたいというこの方針は、いろいろと
多方面から検討いたしまして、そういう方向性を出したわけでございますけれども、議員
が地元秋塚、また奈良地区の実態に明るいもので、いろいろとご心配をされ、ご意見をい
ただきましたけれども、一応私のところにも、もう数年前から、もし売ってくれるならば
ぜひ購入をしたいということを言っておる農家の方々がおりました。従いまして、一応こ
の方向性を出した経過につきましては、やはりいま言うようなことについても検討を加え
てこういうような方向へ導いてきた経過がございますので、まず早急にこれらについての
対応を図って、そしてその状況を見て、どうもこれは厳しいぞということになれば、また
その時点で早急に別なことも考えていく必要があるのではないか。こういうふうに思って
おります。
 それから、山林の関係につきましては、境界がわからないというのは、もう日本全国津
々浦々、民有林ではことごとくそういう経過になっておるようでございます。同時にそれ
が、なかなか山が売れなかったということから、どうしてもそういうような状況が招来を
してしまいました。一応今日の答弁は、売り払い等を検討しているということで、含むを
持たせているわけでございますけれども、議員がお話の中に、一つには、準市民の方々に
ふるさと納税としてご寄附をいただいた場合に、そのみどりのオーナー制度のようなこと
を、ひとつには売りとしていくような方向もあるのではないかというのがこのまず1点あ
ったと思います。
 それから2点目は、新宿区等の関係からCO2の削減を図ろうとする自治体に対すると
ころのいわゆる対応を図るためのいわゆる山林としての条件を整えていったらどうかとい
う、これが2つ目だったと思います。
 3つ目は、大手企業が自分の企業のイメージアップのためにすでにいろいろ問い合わせ
をしているようだがという、この3つだったと思っております。それぞれ大事な、本市が
将来特性を持たせていくためには大事なことでございまして、本質問にも限らず、いまま
で私どもがこの1年間ほど動いてきた経過の中の大事なことでございますので、それらを
含めて総合的に判断すべく検討させていただきたいと存じます。
◇17番(山ア義朗君) ご答弁いただきましてありがとうございます。
 1点だけ確認いたします。まず、農地の関係でですね、市長答弁の再三の答弁の中で、
農地法をはじめとする各法律がやはり施行されており、なかなかその辺のところをクリア
するのが難しいということであったわけでございます。しかしながら今回農地を売却する
ということになりますと、その辺の農地法のクリア、あるいは今後農地法に対する考え方
はどうなのか。それを1点お聞きします。
 その後、市営住宅のことについてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
     ─────────────────────────────
◇議長(金井康夫君) 休憩します。
午後1時59分休憩
     ─────────────────────────────
午後2時08分再開
◇議長(金井康夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 山ア議員がいろいろとご心配いただきまして、何回となくご質
問いただいたわけでございますけれども、今回の方向性というものは、いろいろと前後し、
内外といろいろと調整をしてきた中での方向性でございます。いわゆる農業委員会が行う
農用地利用調整、農地保有合理化事業等により農業者へ売渡し、農業経営の規模拡大や農
地集団化の促進等に活用するものとするといたしまして、注意をしなければならないのは、
農振農用地区内の農地につきましては、群馬県農業公社の農地保有合理化事業等を活用し
て、農地法第3条の申請許可により売り払うものとする。これが1つでございます。
 2つ目は、農振農用地区外の農地につきましては、農地法第3条の申請許可により売り
払うものとするということで、いろいろな諸課題を乗り越えていくことが可能であると判
断をいたしましたので、今回の答弁に至りました。
◇17番(山ア義朗君) ご答弁いただきました。ちょっとこだわるようですけれども、
申し上げますと、結局ですね、いままでは農地法の絡みがあったので出せなかったという
ことで、先ほど申し上げましたように、地元の農家の人が、もう少し農業経営が活気をお
びているときにそういう話があればというような声も聞きました。
 それはさておいて、まず基本的に、自治体は農地は持てないという原則になっておりま
して、それは当然、目的を持って取得したわけですから、これは自然公園という目的があ
ったんですね。これを今度は売却するわけですから、堅くいうことではないのですけれど
も、ただそこのところはきちっと市民に了解を得られるような形を考えていかないと、じ
ゃあ民間であれば目的変更を簡単に出してくれるのかということになってくると思うので
すね。だからそういった意味で、そこのところはこれがだめだと言っているわけではない
ので、ぜひひとつ、担当部局においてはその辺を、一般市民の方に誤解を与えないような
法律の運用をしていただきたい。そのようにお願いするわけでございます。それは結構で
ございます。
 続きまして、市営住宅につきまして質問させていただきます。市営住宅につきましても、
経緯につきましては全く同じでありまして、平成10年、沼田市の住宅マスタープランが
策定され、そしてこれは10年の区切りとして、平成20年を目途に策定して、それに進
んできたわけでございますが、本年度、平成20年でございます。しかしながら、20年
になったのだけれども、何の音沙汰もないなというのが実感でございまして、そのときに
出されておったのが、処分すべき住宅用地と言いますか、それはもう具体的に、ここと、
ここと、ここというふうに上がっております。なおかつ、土地の利用目的については、公
共事業の代替地等に供するという項目が出ております。ところがこれも、時すでに遅くと
言いますか、公共事業の代替地に提供するような公共事業がすでになくなってきていると
いうのが実情ではないかと思います。ですからその辺もどのように考えていくのか。そし
て、このマスタープランについては継続して今後じゃあ20年から30年、あるいはその
先に対してマスタープランを持って市営住宅の再生計画を含んでいくのか。その辺をお聞
かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはりマスタープランは、内外の関係者等含めていろいろと考
えてきたところでございますので、そこの骨子はやはり今後しっかりと受け止めていかな
ければならないと思っております。ただやはり、先ほどの答弁でも答えさせていただきま
したとおり、いろいろな諸状況の変化がありますので、そこのところをいかように現実に
適合した形の中で対応を図っていくということが、大変行政に求められたこれまた判断に
なろうかと思っております。ぜひまた、専門的なお立場から、市行政に対してもご助言を
いただければありがたいというふうに思っておりますので、よろしくご指導のほどお願い
したいと思います。
◇17番(山ア義朗君) とてもご指導するなどという立場ではございませんけれども、
もう一つ確認したいのは、そのときに借地、借地については早急に返還するというような
ことを、すでに10年前に言ってあるわけでありますが、その辺の経過がというか、結果
が出ておるのかどうか。
 もう1点は、やはり住宅の近くの方から、通用路として少し欲しいとか、あるいは桜町
などの例をあげますと、県の県営団地、県の施設がありまして、それはもうとっくに売却
して一般の住宅になっているようですけれども。そういった中で、いろいろな兼ね合いは
あるのですけれども、何となく市の方が対応が遅いかなというような感じもしております。
これにつきまして、ひとつご答弁をお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 細部にわたりますので、建設部長の方から答弁をいたさせます
ので、よろしくお聞きとりのほどをお願いしたいと思います。
◇議長(金井康夫君) 建設部長。
◇建設部長(小池大介君) 命によりまして、お答えをさせていただきたいと思います。
 計画の中で、用途廃止を予定をしております住宅団地は、全部で5つの団地がございま
す。その中で、借地がありますのは2つの団地でございまして、十三割団地が、522平
米の借地がございます。それから、十三割第2団地が、2,791平米住宅用地がござい
ますが、すべて借地となっております。しかしどちらもまだ居住者がおりまして、十三割
団地につきましては、当初建設戸数が38戸に対しまして、まだ30戸が残っております。
それから、十三割第2団地につきましては、当初建設戸数が16戸に対しまして、まだ1
6戸残っているというのが現状でございまして、まだお返しできる状況に至っていないと
いうのがいまの状況でございます。
 以上です。
◇17番(山ア義朗君) わかりました。たぶんそれも、もう前から、10年も前からそ
ういう同じ答弁なのですね。私が前から言っているのは、調整ができないかと。残ってい
るからそのままでなくて、例えば立ち退かせるということではなくて、これが建設計画の
中でバリアフリーを設けた高齢者向けの住宅が建ちますということは当初のあれに入って
いたわけですね。だからそういった中で、そういうものを作って、ああいったところは今
度は有効活用して、市有地であれば売却してそれに充てるとか、そういった調整をしてい
ったらどうかという私の提案であったわけでございます。
 また、非常に危険なのは、いちばん古いのはもう50年以上経過しているわけですね。
しかも当時の建設技術、材料からいきますと、非常に例えば火災とかそういったものにな
りやすいという素材、要するに板塀であったり、そういった形で非常に危険もある。です
から、いろいろな財政事情等もあると思いますけれども、何らかの形で手を打っていかな
いと、また大変なことになってくるのではないかというように思うわけでございます。こ
れにつきましては、いますぐすぐに答弁を出せというわけにはいかないと思いますので、
一応今後も引き続き当局においては検討し、そしてより良い方向を見いだしていただきた
い。そのように思います。よろしくお願いします。
 それでは、続きましてですね、新たな財源の確保について、重ねてご質問をさせていた
だきますが、新たな財源の確保ということで、先ほど通称ふるさと納税といいますか、沼
田市の場合は、水とみどりでしたっけ、そういうような形ということで、答弁の中では準
市民を対象にしてそれをピ−アールし、協力していただくと。この間ちょっとお聞きした
中では、目標額が金額で約100万というようなことでございます。ただですね、単純に
準市民、ターゲットが準市民でいいのかどうかということがひとつ問題になりまして。と
いうのは、準市民の登録されているメンバーの年齢を確認されたことはありますか。僕、
同級生大体呼びかけてきてもらっているのですけれども、もう大体70という声が近い。
そうすると大体年金で生活をしていて、年金があるから金はないと。金はうんとあると思
うのですけれども。そういった形で、どの程度の協力が得られるかなというのがひとつ問
題というか得られればいちばんいいわけです。ですからそれによって何か得られるような、
もう少しプラスアルファーの募集の方法、ターゲットを考えていくことが大事ではないか。
 それからまた、先ほど市長も言っておりましたけれども、地域間交流の中ででかけたと
きに、何らかの形でピ−アールして協力してもらうと。
 それからもう1点ですね、企業間というのはどうかなという考えをされて、ちょっと税
務署に行っていろいろ聞いてきたのですけれども、企業間については、すでに企業は、そ
れは特定寄附ということで、寄附したものについては経費の中から落とせるということに
なっております。私が考えたのは、例えばこちらに工場があったり、支店があったりして
本社は別だということになりますと、法人の所得税、本社決済になりますからこっちに回
ってこないと。お宅さんこちらにあるのだからちょっとちょうだいよと。あるいはまた、
こちらの方から出ていって、東京都、あるいは首都圏で、かなりでかい会社でなくてもそ
こそこ成功されている方はおります。そういう人にぜひひとつお願いしたいというような
ことを考えたときに、ただ単純に準市民という形ではなくて、もうちょっと幅広く考えて
いただければ、もうちょっと効果の上がるふるさと納税制度ができるのではないかと。そ
の辺につきましてお尋ねします。
◇市長(星野已喜雄君) まずもって、市営住宅の関係につきましては、今後いろいろ検
討していきなさいというご指摘でございますが、建設部長をして、これらにつきましては、
今後も引き続き対応方を図るべく私の方からまた指示をしておきたいと思います。
 新たな財源の確保で、特に議員が、ふるさと納税の関係についてまたご提言をいただき
ました。一応私どもの1回目の答弁には、準市民交流会が圧倒的にいろいろな人間関係も
強いものがございましたので、そういうことを中心に申し上げさせていただいたわけでご
ざいます。従いまして、この1回目の答弁で、都市交流関係者など機会を捉えてというこ
とで、いろいろと総合的にとらまえるべく認識は議員がご心配されていることと同様に私
ども受けております。地域間交流しかり、しかも地元にある企業でございます。これらに
つきましても、やはり私どもの方からも働きかけをしていくということが大切なことであ
ろうかと思いますので、その辺はしっかりとした整理をして、そして戦略的にそこの、い
ま議員が言われたようなことについて対応を図っていく必要があるのではないかと思って
おりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。
 なお、準市民の方々の年齢を考えたことがあるのかということでございますけれども、
これらにつきましては、当然いろいろと考えてきた経過がございます。準市民の方々も当
然お歳も召してくるわけでございますけれども、新しい方々の加入も含めて、これからも
活性化を図っていくことによってご心配の向きを何とか乗り越えていければと思っており
ます。
◇17番(山ア義朗君) ありがとうございました。ちょっと順序を間違えまして、新た
な財源の確保についてで、有料広告の掲載事業の実績についてということをちょっと再質
問するのを飛ばしましたので、改めて再質問させていただきます。
 これにつきまして、先ほど、すでに4月から始まっていくつかの事例があり、収益があ
がったというご答弁をいただいたわけでございます。他の自治体等々のいろいろ事例を聞
きますと、まず最初に、封筒とかそういった関係がいちばん多いというふうに聞いており
ます。
 それからこれは、過日と言いますか、昨年ですか、他の行政調査で埼玉県の坂戸市に行
ったとき、坂戸市では、市民ホールに畳1畳くらいありますか、それのパネルの広告を3
枚か5枚飾ってありました。それを確認しましたところ月1万だそうです。5つあれば5
万。結構ピーアール効果があるとみえて、空きがないのですよと。別に僕は申し込んだわ
けではないのですけれども、空きがないのですよというような答弁をいただきました。そ
れから、近い所では太田とか、その他につきましてはほとんどが、印鑑証明とか住民票と
かを入れて持ち帰る封筒が広告を取ってあるという事例が多いです。これは郵政省なども
そうなのですけれども、お金を入れるところに各企業から募集して、その封筒を作って出
しているという、これは事実やっています。そんなことで、何か新たな考え方があったら
お聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど答弁をさせていただきましたけれども、封筒等につきま
しては、いますでに検討に入っているところでございまして、今日、改めて一般質問で承
っておりますので、各関係方面の調査をいたしまして、対応できることはしてまいりたい
というふうに思っております。
 ただ、市役所そのものは、市民の心の拠り所でもありまするし、一定の権威を持ってい
るところであろうかと思っております。従いまして、そこについては、関係方面の調査も
しながら、慎重に取り計らっていく必要があるのではないかと思っております。
 封筒等につきましては、現在、すでに検討を行っているところでございまして、ぜひい
ろいろな意味のご意見等をいただければと思っております。現実化に向かって努力をして
いるところであるということを申し添えておきたいと思います。
◇17番(山ア義朗君) 了解いたしました。それでは、続きましてですね、民間委託と
指定管理者制度についてお尋ねいたします。
 指定管理者制度につきましては、先ほど市長の方からお話がございまして、確かに制度
の目的としては、住民サービスの向上を図るとともに経費の削減等を図ることを目的とし
ていますということがうたってありますが、先ほどのご答弁では、実質経費の面、数字の
面ではそれほどいまのところ成果は上ってないという、その分を利用者サービス、市民サ
ービスに向けているということでございますので、それはそれで結構だと思いますが、た
ぶんここに来て、どこの自治体でもこれは指定管理者制度の更新年にあたっておりまして、
非常にあちこち聞いてみますと神経質になっている。それはなぜかというと、応募時の提
案内容をよく重視し、検討して、ただ数字だけではなく、利用者、市民がそういった数字
によるマイナスのものを、利用者が受け継ぐというのでは、これはやっぱり意味がないと
いうことで、非常にかなり提案内容を重視しているというふうなことをお聞きしておりま
す。
 また、いちばん大きな問題になっているのが、いままで3年間やった中で、充実したサ
ービスをするために職員、あるいは臨時職員、パート等々をして指定管理者制度のところ
は雇用していると思うのです。その人たちがもし入札に負けてそこが取れなかった場合、
その雇用の問題というのは果たしてどうなのかというふうなこともかなり懸念されている
のが実情ではないかというふうに思っております。
 もう1点につきましては、これは当面の間、指定管理者制度というものが進んでいくと
思うのですが、当初ですね、前回のときは21施設だったと思うのですが、先ほど聞きま
したら27という形になっています。これは私の方の間違いですかね。それは間違いは間
違いでいいです。
 もう1点は、これは指定管理者制度につきましては、議会も報告義務がないという法律
ではなってございます。従いまして、その施設なり、その指定管理者の側からの出された
決算、あるいは事業内容についてですね、議会には報告を受ける権利を有しないというこ
とはないのですけれども、そちら側は報告をする義務はないということになっております
が、その辺はやはりあまり先走ってしまいますと、議会についてはなかなか情報が入って
こないということでございますので、義務はないけれども報告する用意はあるということ
なのかどうか。市長のお考えをお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 指定管理者制度、やはりスタートしていろいろと内外からもい
ろいろなご指摘もいただいているわけでございますけれども、大きな国の流れでございま
して、そういうようなこと等をとらまえたり、地元の実態等をとらまえて、これらについ
て対応を図ってきたところでございます。
 ご質問は、議会に対する報告のお話でございましたけれども、やはり指定管理者制度そ
のもののことをとらまえ、そしてその関係する諸施設のことを考えますると、執行部側、
つまり行政側が把握していることについては、常に現場のことは承知していなければなり
ません。ですからできる限り議会の方にはその流れ等については、やはり紹介をしていく
必要があるのではないかというふうな認識を持っておりますので、よろしくお願いをした
いと思っております。
 なお、いろいろと議員が、非常に高い見地からご心配されているいろいろ内容等がある
わけでございますけれども、これらにつきましては、その制度そのものからとらまえます
ると、なかなか難しいところがございまして、一概に説明がしきれないところがございま
すけれども、いずれにいたしましても、現在進めていくことについて、ぜひ遺憾なきよう
いろんな関係者の方々からご意見を承って、そして判断に処してまいりたいと思っており
ます。
◇17番(山ア義朗君) よろしくお願いいたします。特に、更新時についての提案内容
のチェック等々は、当局につきましては、十分な見地からご検討をいただき、そして市民、
要は市民ですから、市民の方々が指定管理者制度になったから、その負の部分を負うとい
うことが決してないようにお願いできればと思うわけでございます。
 続きまして、機構改革についてでございます。
 これにつきましては、子供課を設置して、子育て支援は教育委員会の所管とするのはい
かがなものかと提言させていただきましたが、これは先ほどの市長の答弁の中にもありま
したように、非常にいろいろな関係する事柄が大きく絡まってくるということで、ここで
一概にそうしましょうとか、そうしてくださいということも私の方も言えませんし、ただ
事例として、こういった機構を持っている自治体もあって、果たしてそれがいいか、悪い
かは別といたしまして、ただいずれにいたしましても、子供課的なものを設置してですね、
やはり子育て支援というものにどうしてもこれからは力を入れていかなくてはならない。
そうした意味で充実した支援策を考えていってもらえればと思いますが、それにつきまし
て何かありましたら答弁お願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のご質問は、非常に日本国の全体を比較的論議に導いてき
たことを言われているというふうに認識をしております。全国市長会等に行きますると、
例えば裏日本の中国地方の出雲の市長などは、教育委員会そのもののことについていろい
ろな問題提起をしたりしております。私自信は、この戦後の日本の教育政策そのものの一
つの経過を考えると、やはり市長部局が、あるいはまた行政部局がとり行う対応、教育委
員会部局が行う対応等が、今日に至るまで連綿と続いてきたのには、それなりの歴史的意
義があったわけでございまして、現在も一生懸命教育委員会が義務教育の関係等について、
他も含めてでありますが、相当一生懸命努力され、各内外から評価をされておられます。
 従いまして、非常にそういう意味では教育委員会、よく頑張っているなというふうな認
識を、市長の立場から受け止めておりまして、常々敬意を表しているわけでございます。
この子供の問題、特に学童保育からくることからの今回の質問でございましたけれども、
どうしてもその施策そのものが、一方においては現在のところ福祉対応、一方におきまし
ては、教育委員会対応ということが、連続性からくるところに齟齬をきたしていると思っ
ておりますけれども、いずれこの歴史が、このような流れを、国民合意の中で、より一層
懸命な方向に導かれているのではないかというふうに思っておるところでございます。
 今回の幼保一元化の問題等を見ても、これらをよく分析してみますると、やはり文科省
筋と厚生労働省筋の指導機関のこと等があって、現場は大変苦慮しているわけでございま
すけれども、これらもやはりいずれ歴史が解決してくれるのではないかと。私どもは、現
実に即した制度の中で、できるだけ議員が心配しているような関係等については、どうし
た形の中でその連続性が図っていけるかということを、実は、今度は、行政側がやっぱり
しっかりと、セクショナリズムを超えていかなければならないことだと思っておりますの
で、今日は勿論、教育委員会の方も当然、ご案内のとおり同席をさせていただいておりま
するし、また民生部局も同席させておられますので、その辺のことにつきましては、すり
合わせをしながらですね、連続性のことについては検討してまいりたいと思っております。
◇17番(山ア義朗君) このことにつきまして、私、所管が民生福祉でございますので、
本来ですと、もう少し突っ込んだ形での質問をさせていただきたかったわけでございます
が、所管にふれるということでございます。一応、今回につきましては、問題提起をさせ
ていただいたということでご理解いただければと思うわけでございます。
 続きまして、臨時職員と嘱託職員についてでございます。
 これにつきましては、要するに、予決算でいうところの、臨時職員の雇い上げ賃金の部
分に、その中で数字的にはかなり大きなウエイトを締めているわけでございますが、そし
て、そこに携わっている職員の方々の中で比較的多いのが、やはり市立幼稚園と市立保育
園のところにお務めなされている方が多いわけでございます。これにつきましては、第1
回目の質問の答弁の中で、市長からもお聞きいたしましたけれども、方向性としては、全
国的に見て、やはり市立幼稚園、要するに公立幼稚園、こちらの方は、私立幼稚園の方へ
どんどん移行していくと。県内を見ても、市立幼稚園のないというところもあるようでご
ざいます。また、1園くらい残しておいて、それはモデルケースとして、それは市立幼稚
園、あとはすべて10いくつありますが、それは太田の例でいくと15くらいあると思う
のですが、それは私立にして、そしてモデルケースで市で一応対応すべきといいますか、
それらについては検討し、それをまた私立幼稚園の方へ指導していくというふうな形にな
っております。
 また、保育園につきましても、だいぶ保育園自体の考え方、捉え方が変わってきており
まして、昔でいうところの保育所といいますか、仕事が大変だから預かると、そういうこ
とではなくて、やはりひとつの子育ての中で教育というものをとらまえていたときに、当
然またこれも、市長の言葉を借りれば時代の流れの中で幼保の一元化、あるいはそういっ
た形に進んでいくかもしれませんけれども、現段階の中で、やはりそういった臨時職員、
嘱託職員の経費を節減するためには、そういった形で私営の方へ移行していった方が、務
める人もせっかく勉強して資格を取って、いい教師になろうと、いい保母になろうと思う
人が長く務められる。
 それから、受け入れる側も、やっと慣れたと思ったら3年経ったからもうあなたおしま
いよということだと、やはりこれがいいかというとになると問題が出てくると思う。その
辺について市長、ご答弁をお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
 議員のご提案されていることについては私もほぼ同意見でございまして、第1回目の答
弁でも申し上げましたとおり、統廃合や民間委託の検討について担当部課で調査を進めて
いるところでございまして、今後その実現化に向けて検討をしてまいりたいというふうに
考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇17番(山ア義朗君) よろしくご検討をお願いいたします。これはいずれまた、行政
として、自治体として避けて通れない問題になってくるのではないかと、そのように考え
ているわけでございます。
 それでは、続きまして、大きなテーマで、市民協働について質問をさせていただきます。
先ほど市長の考える協働というものについての定義をお聞きしたわけでございます。これ
はなぜお聞きしたかといいますと、とにかく全国いたるところで協働、協働、協働、協働
と、非常にもう協働ばかりでございまして、そういった中で、同じ協働でも沼田市は沼田
市独自の協働のあり方、あるいは他市は他市の協働のあり方、そういったものがあると思
うのです。そうした中で、沼田市として、市長の独自の考え方の中でこういう形がいいの
だろうというものをお聞きしたわけでございます。それを含めてもう一度、今日に至るま
でいくつか協働の事例として当市において実行されたことがありましたらお願いしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変、今後の市行政運営を進めていく上で大切なことでござい
ますので、しっかりと質問を受け止めてお答えをしておきたいと思います。
 まず、一般的に、市のまちづくり等については、議員の皆さん方からご提言やご意見を
いただきまして、そして執行側がそれを受けて、そして実行に移していったり、あるいは
また市行政側が発案をし、議員の方々にご提言をして、ご理解をいただいて、それを実行
に移していくという、こういうことが当然、この流れとしてあったことはもうご案内のと
おりでございます。ただ、市民ニーズが多様化してまいりますと、そこのところだけでは
なかなか覆いきれないようなことが出てくる場合が多々あったことも、これまた否定でき
ません。そこのところが必然的に市民の方々が意欲的にボランティア活動されるとか、あ
るいはまた、市民の方々が意欲的にNPO法人等立ち上げる要因になってきたというふう
に思っております。
 実は、昨日もある団体の会合で申し上げたのでありますけれども、この数年来、車椅子
の方々が、保健福祉センターから出まして概ね市役所を目標にして、自分たちでそこの所
を一つずつ点検をしてくるということがございました。その点検をしてきたことはすべて
彼らが写真に撮ってありまして、それをいわゆる建設部局を中心にご提言する機会がござ
いました。
 いま市役所の周辺のところのグレーチングが、非常に編み目が細かくなっていると思い
ます。これは、この方々からの提案からこういうふうなことを成し遂げてまいりました。
と申しますのは、バリアフリー、ノーマライゼーションといっても、車椅子をこいでいく
と、結局、グレーチングの隙間や穴が大きいと、車椅子のタイヤが陥没してしまうという
ようなことから、陥没しないようにしなければということがあって、これはまさにそうい
った方々の現場の意志でないと判断が着き兼ねたことではないかと思っております。
 また、例えばエレベーターがございますけれども、きっとこの建築の関係からくれば、
何ら問題がないところにエレベーターのいわゆるプッシュのスタンディングがあると思い
ます。ところが車椅子の方にしてみると、自らがスタンディングが低いもので、実はそこ
までに手が伸びない場合があります。これらはある意味においては、いままでの設計とか、
あるいは行政、あるいは建築にかかわってきた人たちが、要するに落としてきたという一
つの弱点を披瀝しているということになろうかと思います。
 従いまして、そういうようなことによって車椅子の方でも、要するにエレベーターのボ
タンのプッシュが可能だというようなこと。これらについていろいろとご提言をいただい
てまいりました。
 また先般は、どこかでも申し上げたかもしれませんが、十王公園のところの国道120
号から十王公園に入るところの、どちらかというと税務署側のところの歩道のところに目
を投じてみていただきたいと思っておりますけれども、ここも、これは群馬県当局が、交
通安全対策でした工事だったのですけれども、はじめは、あそこが、いうなれば直角の段
差がついていたのを、私が建設部長にすぐ指示をして、いわゆるナチュラルなウエーブに
変えろという指示をいたしました。これを指摘してきたのも、実は車椅子で生活している
当該町内の方でございました。ここの辺のところがなかなか目が届きません。そうすると
ですね、どうしてもそういった方々の目の、我々の方で目の届かないようなところについ
ての部分についての提言は、非常にある意味においては環境にやさしい。いうなればこの
バリアフリー等々についての提言では全く、そういった方々の目線のすばらしさというも
のがございます。従いまして、そういったところの部分を踏まえても、やはりこれからの
協働というのは大事な、一つの大きな柱になってくるのではないかと思っております。
 また、これらの仕組みづくりについてもですね、現在も検討しておりますが、勿論当然、
現実にもう行政は動いておりますので、議員の方からご指摘があれば、できるだけそれに
見合った形で努力をいたさせますが、そういったところの支援センターを作るべく、いま
内部で一生懸命努力をしておりますので、徐々にそういったところの精査を出して、表舞
台にいきたいと思っております。
◇17番(山ア義朗君) 事例を聞かせていただきましての答弁でございました。これは、
市長の事例に対して別に文句を言うわけではないのですけれども、この市民協働、あるい
は市民のニーズは非常にわがままだなと思うのは、いまのグレーチングの問題でも、この
役所の前の商店の方々は、あれは重くて蓋が取れないよと。結局、一昨年、大雪のときに、
昔は蓋をはいで、いいか、悪いかは別にして、ある程度、雪を入れられたり、時には蓋を
はいで協働で側溝の掃除をしたと。このグレーチングになってからは、重くてとてもはげ
ないと。これはどういう意味かということで言われたこともあります。なかなかあちらを
立てればこちらが立たずみたいな形があって、行政に携わる人、我々議員もそうですけれ
ども、非常に微妙なところであるなということだったわけです。
 やはりその辺を協働ということも気をつけて、今後取り組み、進めていかないと、すべ
てがパーフェクトであるということはないわけですから。ですから私がお願いしたのは、
できるだけ多くの人たちの意見、それはこれから市長に質問させていただきますけれども、
我々議員を含めた議会、我々議員というのは別にこれは自惚れるわけでも何でもありませ
んけれども、議員に出る以前にも、地域の中でいろいろな組織、いろいろな団体に属し、
そして地域の中の実情、人脈等もあるわけでございます。そうした中で、果たしてそれが
いかがなものかということも、私ども議員も是非ひとつ仲間に入れていただきたい。と申
しますのは、これは次に移りますけれども、先ほど最初の質問で申し上げましたように、
議会制度というのは人間代表制であると。その一翼を私ども議会として担っているわけで
ございますが、いま求められているというのは、先ほど私申しましたように、当局が出し
てきた議案、あるいは予決算に対してチェックするというだけではなくて、議員自らが、
やっぱり市民の一員として行政と、そして市民と手を取り合ってまちづくりに邁進してい
くということが、やっぱりいちばん大事ではないかと。
 すでに各地の議会等においては、議員の提案による市条例等を作っているところがかな
りあります。これはやはり議員として、あるいは議会として市民から要望を受け、そして
当局も交えて相談した中、やはりこういった沼田市条例は必要ではないか。例えば、自治
基本条例的なものを作っていく。そのためには大変一生懸命やって、先ほど市長、当局も
一生懸命やっていますよと。頑張っていますよと。私もそう思っています、頑張っていま
す。だけれども、議員も頑張るのです。ですから極力、この沼田というふるさとに住む同
じ人間として、やはり力を合わせてそれに立ち向かっていかないと、この行財政改革を目
指して何とか厳しい状況の中くぐり抜けてまちづくりをするには、やはり同じ思いで、同
じ土壌に立たなければだめだと思うのですね。ですから、いま流行っているのが、説明責
任と言いますか、アカウンタビリティーと言いますか、そういったものが非常に前に出て
きますけれども、本来は、その中でいちばん私ども議員として危惧するのは、要するに行
政が、議会を経由しないで市民に直接問う、そしてその任を行政が負うという、何となく
市民目線でいいように見えますけれども、そういった傾向がだいぶ各地に出てきている。
 ですから、私ども議会としても、議会だから、議員だからということではなくて、一市
民としてあれこれやっていきたいと、こんなふうに思っているわけでございます。この辺
につきましては、私は市長と30年来お付き合いしております。そうした中で、市長、市
議会のとき、県会議員のとき、そうした中でいろいろと問題が生じたときには、真っ先に
やはり議員のところへ行って相談をしてくる。これがいまの、いいか、悪いかは別にして、
いまの沼田市、あるいは地方における議会の議員の職務の一つであると。私はそんなふう
に思っております。ですからやはり、もう少し私ども議員も活用いただいて、そして場合
によっては職員と議員と、そして当局を交えていかがなものかということをぜひひとつ取
り組んでいただきたいと。と申しますのは、市民協働のまちづくり、出前講座等々頑張っ
てやっていただいておりますが、じゃあこの出前講座の内容はどうだということにつきま
しても、所管の事項についても我々議員がなかなか知らされていないというような実情も
あります。
 例えば、地元の中でこういうものが意見が多いと、そういう中で、これもぜひひとつ、
地元でこういう説明会を開いてくれよという意見を言うのはやはり議員だと思うので、そ
の辺をひとつ考慮した上で、これからの議会対応、市民協働における議会対応、市長の考
え方、お聞かせいただきましてお願いいたします。それをもちまして、私の一般質問終ら
せていただきます。
◇市長(星野已喜雄君) できるだけ一つずつ整理してお答えをしていきたいと思います。
質問にはなされなかったわけでございますが、グレーチングの問題でありますけれども、
この節新しく変えたことによって大変重くなって、非常にご近所の方々が大変その対策に
苦慮されているというお話でございました。これらについては、どうしてもいろいろな手
立てを打っていくと、リスクを伴ってくる場合がございます。
 先ほど言った、例の歩道のナチュラルウエーブにすることも、ある意味においてはガッ
キが着いていた方が車道との隔離がなされますから、歩道が守られているという理屈も出
てくるわけです。そこのところの論議はこれからはいろいろと各方面の方々がご論議をな
されていくであろうし、また、これからいろいろと研究、あるいはまた検討がなされてい
くと思います。ただやっぱり、行政という立場からいたしますると、できるだけ社会的弱
者に対する配慮を持った形の中で、その視点を見失うと、ややもするとやはり間違った方
向に行ってしまうのではないか。よしんばグレーチングの関係でもって、非常に地域の方
々がご苦労されるとすれば、そのときには役所の方におつなぎをしていただいて、役所の
担当の職員が出ていって対応するというようなことによってカバーをしていくということ
でもって対応していくことが大事なのではないかと思っております。
 また、議会のことでございますけれども、まず、基本的に、議会は、議会制民主主義の
制度をとっておりますからして、議会の決定が本市の最高決定機関になっております。従
いまして、行政の立場からいたしますれば、議員の方々のご意見をしっかりと受け止めて
いくということが大変重要でございます。最高決定機関が、議会の、しかも本会議でござ
います。このところについては、古今東西問わず、だれもが等しく認めるところだと思っ
ております。
 そういった中で、ややいろいろな新しい新時代の中にあって、いろいろと論議を深めな
ければならないこともあろうかと思いますけれども、今後とも議員のご指導をいただいて、
しかも皆さん方は選良の立場でございますからして、当然そういった観点を持って努力を
していかなければならないというふうに思っております。
 なお、議会の方で、ここのところ三大新聞を含めていろいろと議会のことが新聞紙上に
出ておりますけれども、当然いろいろな案件の提案等については持ち合わせているわけで
ございますので、そこのところにつきましては、議会のお立場でまたいろいろとご検討い
ただければと思っているところでございます。今後とも、議会のご指導をいただきながら、
市政運営に処してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上
げたいと思います。
     ──────────────◇──────────────
◇議長(金井康夫君)  次に、高柳勝巳議員。9番。
              〔9番 高柳勝巳君登壇〕
◇9番(高柳勝巳君) 通告によりまして、一般質問をさせていただきます。
 今回の私の質問は、環境の時代に適合した「水と緑の大地・田園空間都市」の具体化に
ついてと、障がい(児)者支援についての2つであります。
 本定例会の開会日であります6月5日は、国連では世界環境デーで、日本では平成5年
の環境基本法による「環境の日」とされております。
 さて、先月5月2日から3日未明にかけて、大型のサイクロンがミャンマーを直撃しま
した。
 同国の政府発表では、死者・行方不明者合わせて、6万人前後とされていますが、国連
人道問題調整事務所・OCHAは、死者・行方不明者が計32万人に達する可能性がある
との推計を公表しました。
 21世紀に入り、いよいよ温暖化が主原因とされる自然災害の規模や回数は激増してい
ます。
 こうした、一国内では克服し切れないほどの「大規模災害多発」を含めた温暖化の状況
の、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの管理する超スーパーコンピュータによる
推計によれば、北極の氷は2070年には完全に消滅、自然災害によって生活基盤を失う、
いわゆる「環境難民」と呼ばれる人々は、2億5,000万人に達するとされています。
 産業革命以降、世界は化石燃料による地球の恩恵に甘え続け、温暖化の主原因で、しか
も近い将来は枯渇するエネルギーに依存した社会から脱却することへ、経済を優先するあ
まり、目を背けてきました。
 日本政府が、本年3月にまとめた「京都議定書目標達成計画」によれば、気候変動枠組
み条約の究極的な目的を達成するためには、世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等の
レベルに抑え込む必要がある。
 このため、我が国は、「美しい星50」に基づき、世界全体の排出量を現状に比して2
050年までに半減するという長期目標を、全世界に共通する目標とすることを掲げてい
る。
 「現状の世界の排出量は、自然界の吸収量の2倍を超えており、大気中の濃度は高まる
一方である。」として、「低炭素社会」への文明の質的転換を訴えているものの、国際的
な合意は経済的な利益を優先する姿勢に積極的な対応策が見出せず、国内においても政党
間、省庁間での混迷が続いているのが実情でありますし、残念な事態です。
 人類の限りない欲求を原動力として発展してきた経済活動と消費行動を基盤とした社会
の有り様も、私たちは今、もう一度見直すべき「最後の時期」に来てしまっていると痛感
しております。
 私は、合併を契機に、本市の基本目標を「水と緑の大地・田園空間都市」と据え、環境
を媒体として、これまでの都市と地方の関係を対立から補足と転換して、新たな信頼関係
を築き、地方の重要性や有用性、存在意義を発信していくものととらまえております。
 地球環境を巡る喫緊の課題と本市の基本的な立場を踏まえた時に、現在の本市の環境へ
の取り組みは、まだまだ道通しと感じるわけですが、こうした危機的な環境情勢をどのよ
うに認識し、内なる資源をどう活かし、内外へどう打って出ようとしておられるのか市長
のお考えをまずおたずねいたします。
 次に具体的な取り組みの課題での質問になります。先に述べましたとおり、高度成長時
代においては、地方は豊かな自然環境の中で子どもを育み、成長して「生産年齢」となる
と都市へ「労働力」として多くは移動し、商品生産を担うとともに環境問題の原因も少な
からず生産せざるを得ませんでした。
 一方の地方は、生産年齢人口が少なくなりますから、税収も脆弱となり、環境を保全で
きる農林業基盤も弱体化せざるを得なくなると言う「負の循環」を続けてきました。
 そこで、こうした課題を解決していくための一つの手段としてカーボン・オフセット(炭
素排出打ち消し、埋め合わせ)というシステムが、にわかに脚光を浴びてきていますので、
本市もこうしたプランを積極的に活用し、財源、人的資源、技術等の確保をして、本市の
森林整備や地方の活性化へとつなげていくべきと考えますが、市長のお考えを伺います。
 さらに、こうした基本構想やプラン、施策が功を奏し、実現させるためには、その受け
皿となるべき場所や態勢が一体として整合性を成していなくてはなりません。現在本市で
は、交流・居住促進協議会を立ちあげ、その中でも鋭意議論はされてこようかとも推察さ
れますが、市長としての考えを伺いたいと思います。
 大きな項目の最後になりますが、関連施策についてということで、バイオマスタウン構
想や新エネルギービジョン策定への考えについて伺います。
 私のこれまでの一般質問でも触れてきましたが、環境というキーワードで市民にも理解
を得て、広く全国へ発信しようという自治体が、関連する構想もビジョンも策定から避け
て通るということが、果たしてできるのかといえば、私には、どうしても疑問符がついて
しまうのです。
 すでに、策定済みの自治体が、すべて計画通りに事業が進展しているとも考えておりま
せんが、少なくとも知識の吸収や研鑽の努力が表面に浮かび上がってこないと、市民や環
境に関心を寄せている多くの不確定協力者には理解は得られないと考えます。市長のお考
えを伺います。
 大きなタイトルの2番目です。障がい(児)者支援についてですが、私は昨年9月定例
会において、障害者自立支援法に伴っての、計画の策定、就労や居住等について質問いた
しました。
 利根沼田広域圏で組織された自立支援協議会で協議され、本年4月から実施された「医
療的ケア」の利根沼田独自施策など、賞賛に値する前進面も見られ昨年度はこの協議会の
事務局担当であった本市の関係者には敬意を表するところですが、取り組むべき課題も多
く、地理的に困難性を抱える地域ですので、その他の事項含め全体的な進み具合や課題等
をお聞かせ下さい。
 次に、発達障害児への対応についてでありますが、大変センシティブながら重要な問題
であると考えておりますので、新たな課題として質問させていただきます。
 群馬県では2年前「発達障害者支援センター」を設立して、この課題へ取り組んでおり
ますが、データによれば、全体の6パーセントのお子さんが、この発達障害の対象となら
れるようでして、こうした方々及びご家族に対します本地域での「早期発見から相談・診
断、そして対応、訓練・リハビリ等の一連の流れの態勢づくり」についてのお考えをお聞
かせ下さい。
 以上申し上げ、私の質問といたします。
     ─────────────────────────────
◇議長(金井康夫君) 休憩します。
午後3時03分休憩
     ─────────────────────────────
午後3時11分再開
◇議長(金井康夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ─────────────────────────────
◇議長(金井康夫君) 市長。
             〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、環境の時代に適合した「水と緑の大地・田園空間都市」の具体化について、基本
的な認識について、情勢認識と地球温暖化軽減の資源を持つ本市の特徴づくりについてで
ありますが、平成17年に京都議定書が発効し、温室効果ガス6パーセントの削減目標達
成に向け、国内で様々な取り組みがされておりますが、世界各地から温暖化の影響といわ
れる惨事が報告されており、次世代へこの重大な課題を送ることなく、早急に対処しなけ
ればならないということは、論を待たないことと考えております。
 本市は、人が生きていく上で欠かすことのできない「水・緑・光・空気」の貴重な生産
基地として、全国に誇れるものであり、恵まれた自然環境、豊かな田園空間の中で、地域
間の連携や都市との交流を深めながら、住む人にとっても、訪れる人にとっても居心地の
良い、人間性豊かなまちづくりを目指すこととしておりますが、この環境の時代において、
これらの森林をはじめとした資源は重要な要素を持ち、本市の振興発展を支えるかけがえ
のない財産であると認識いたしております。
 次に、具体的な課題について、地方と都市の関係や環境の変化と、カーボンオフセット
についてでありますが、現在、国を挙げて温室効果ガスの削減に取り組むことが最重要課
題となっております。
 これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄という構造は、見直しが迫られ、循環型社会
の形成に向けた取り組みとして、環境技術の開発・普及やごみ分別の徹底による廃棄物の
減量化・リサイクル化を一層推進しなければなりません。さらに、面積の約8割を山林が
占める本市は、森林整備を推進することで二酸化炭素を吸収し地球環境を保全することが
できるものと考えております。
 現在、都市間交流として進めておりまするところの新宿区におきましては、ごみの発生
抑制・再使用・再利用の「新宿区3R推進協議会」を設立し、新宿区ならではの展開をし
ております。さらに、目標達成を確実にするため、都市部と中山間地域の環境の違い、資
源の違いを補完しあうことで、その達成が実現するものと考え、友好都市である伊那市と
の間に「地球環境保全協定」を結び、二酸化炭素吸収量を新宿区内の二酸化炭素排出量か
ら相殺するカーボン・オフセットの仕組みを構築し、平成21年度から伊那市の森林保全
や間伐材の利用を支援すると伺っております。
 本市においてもカーボン・オフセットの仕組みづくりは、新たな環境経済圏域の創出と
いう都市と地方の貴重な機会となることから、さらに多角的な検討を進めてまいりたいと
考えております。
  次に、交流や定住の受け入れ場所整備と、その体制づくりについてでありますが、先月
も実施いたしましたが、田舎体験ツアーなどの都市と農村を結ぶ交流事業を通じて、多く
の人々に来訪してもらう機会の創出を図っているほか、専任の都市間交流担当職員を中心
といたしまして、新宿区、板橋区、太田市など都市部に向けて情報交換を頻繁に行ってお
り、着実に交流人口は増えていくものと考えております。
 受け入れ体制といたしましては、ご案内のとおり物産関係者、農業関係者、不動産関係
者など各種団体で構成する沼田市交流居住促進協議会を中心に具体的な取り組みや研究を
行っておりますが、地域資源等の発掘、生活情報の発信、地域の顔となるような交流事業
応援者・サポーターの発掘・育成、さらには農業、物産等各般にわたる関係者への意識啓
発など、その受け入れ体制の整備、充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、関連施策について、バイオマスタウン構想や新エネルギービジョン策定への考え
についてでありますが、バイオマスタウン構想の推進について、平成18年9月議会で高
柳議員よりご質問をいただいているところでありますが、地球温暖化が進みつつある現在
の地球環境の中で、環境に優しい循環型社会の形成に向けた取り組みとして全国的に研究
される中、県内でも川場村に加え太田市でも取り組みがスタートしたと聞いております。
 全国的な内容といたしましては、市町村内から発生する家畜排泄物、生ごみ、木くずな
どの動植物性残さから再生可能な有機性資源をリサイクルする効率的なシステムを構築し
ていこうとするもので、国内では141の自治体が取り組んでいる状況であります。
 当市でも、畜産農家は多くありますし、りんごなどの果樹剪定枝、山林からの残材、家
庭から発生する生ごみなど、バイオマス資源は豊富にありますので、地球環境保全の点か
らも具体化に向け、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。
 また、新エネルギービジョンの策定につきましては、県内でも11市町村ほどが策定し
ております。新エネルギーの内容は、一般的には太陽光発電、中小水力発電、風力発電な
どの自然エネルギーと廃棄物発電、廃棄物熱利用などのリサイクル型エネルギーに分けら
れますが、バイオマス活用エネルギーは自然型エネルギーとして全国的にも多くの市町村
で研究がされているところであります。
 このことにつきましても、バイオマスタウン構想と同様、地球環境保全の観点から引き
続き調査研究を行ってまいりたいと考えております。
 次に、障害(児)者支援について、進捗状況について、昨年9月以降の障害者自立支援
関連の具体化と課題についてでありますが、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス、
地域生活支援事業のサービスを提供するための基本的な考え方、目標及び確保すべきサー
ビスの量、サービスの確保の方策を定める障害福祉計画の策定につきましては、個々の団
体との協議は行っているものの、懸案事項であった白沢福祉作業所の移転関係や原油価格
の高騰による緊急対策などの対応により、全体としてまとめる段階までには至っておりま
せん。今後、早急に策定会議を発足させ、関係団体との調整を図りながら障害福祉計画の
策定を進めるよう指示したところでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、発達障害児への対応について、早期発見から相談・診断、そして対応、訓練・リ
ハビリ等の一連の流れの体制づくりについてでありますが、発達障害については、代表的
なものとして自閉症、注意欠陥多動症、学習障害などが挙げられますが、幼児期、低年齢
時においては、発達途中であるため、障害であるかどうかの判断をするのは難しい状況も
あります。本市におきましては、発達障害の早期発見、早期療育につなげるため1歳6か
月児健診以降、小学校就学前までの幼児を対象にふれあい教室を開催しているところであ
ります。
 ふれあい教室では、保健師、保育士等を配置し、親の育児不安の解消、子どもの発達経
過観察などを行っております。この経過観察を通じ、必要に応じて沼田保健福祉事務所で
の発達相談会やマザーアンドチャイルドへの紹介などを行っております。
 なお、沼田保健福祉事務所では、発達相談会等の実施とともに、その結果により、さら
に、群馬県発達障害者支援センタ−での相談、指導を受けることができるようになってお
ります。
 訓練・リハビリ等につきましては、心身障害児通園事業として、通園施設「アップル」
を設置し、基本的な動作や集団活動への適応訓練などを行っているころであります。 
 いずれにいたしましても、発達障害については、早い時期からの適切な対応が必要であ
りますので、保護者も含め、関係者が発達障害を正しく理解する中で、群馬県発達障害者
支援センタ−をはじめとする各関係機関との連携を図り、療育対応がスムーズに進むよう
努めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいとい
うふうに思います。
 1番目の、基本的な認識というところで、京都議定書の問題から、第五次総の例題を出
しましてご答弁をいただきました。22ページにそのまま、水・緑・空気を生かした生産
基地というふうに書いてございますけれども、前も申し上げましたけれども、あるのは、
日本中、世界中、水も、緑もまだあるところはたくさんあって、そことどう係わるかとい
うことが特徴づくりにつながってくるので、特徴づくりというところは、ちょっと答弁が
あまり明確ではなかったのですが、全体を通じて質問させていただきたいなというふうに
思います。
 まずは、情勢認識なのですけれども、環境省が去年の2月ですかね、日本低炭素社会へ
のシナリオというので、温室効果ガスを70パーセント削減可能かどうかという研究を行
っています。これはイギリスと共同研究でして、シナリオが2つあるのです。1つは、経
済性を減速させないで、一極集中して科学によっていまの問題を解決しましょうと。もう
1つは、集中を避けて、地方にも人口流出をさせて、均等に発展をさせながらスローな生
活を志向する方々が、もう一度地方に戻りながら、経済の発展は少し遅くなりますが、7
0パーセントの削減は可能である。こういう答申が、環境省を中心としたプロジェクトチ
ームから出されております。すでに2つのシナリオが準備されているということを市長ご
存じでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変申し訳ございません。いま初めて私ども承りました。今後、
早々に勉強をさせていただきたいと存じます。誠に申し訳ございません。
◇9番(高柳勝巳君) 勉強不足を追求したわけではないのですけれども、言えば、この
私たちの利根沼田というのは、シナリオBという、先ほど発言した方向へ急速に意思表示
していかないと、Aの方が行きやすいのですよね、簡単に言ってしまえば。お金がたくさ
んあって技術があるところに資本というのは集中しやすいわけですから、放っておけば7
0パーセント削減したけれども、地方はこれ過疎になって人口はほとんどなくなるという
シナリオなのです。ですから、国は残っても沼田はなくなってしまうというシナリオなの
です。70パーセントの目標は達成できる、だけどなくなってしまうよ、田舎というのは、
というのがこのシナリオなのですね。こういったところがあるので、沼田市の特徴づくり
というのを早く、明確にしていかなと、これは沼田市にとっては、あるいはこういう地域
にとっては、非常に大きな問題じゃないかという意味で質問させてもらったわけです。そ
ういう意味で、市長いかがお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、私は、もともと国土の均衡ある発展という観点から、東
京の一極集中には疑問を持っていた立場でございますので、中央が生き残って、地方がい
わゆる衰退をしていくというこの構造は、どこかのところでやはりしっかりと歯止めをか
けなければならないという観点からいたしますれば、当然議員がおっしゃっている、まだ
勉強不足が否めませんので何とも言えませんけれども、議員のご指摘を素直に受け止める
ならば、Bの価値観の方にやはり私の立場は置いた形の中で、今後対応をしていくという
ことが必要なのではないかというふうに認識をしております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。というのは、環境月間ということもあ
って、最近はマスコミ等でも毎日のように環境問題が報道されております。そして、国対
国の駆け引きというのが、やはり排出やむなしという方向の方がどうしてもいま勝ってし
まっている。そういう状況の中で、私どもの地域があるということを市長にはやはり強く
思っていただきたいし、同僚議員の質問に対して、国が決めたから絶対の時代ではなくな
ったというのを重く私は受け止めています。いろいろなデータが今ありますので、ぜひそ
ういったところをさらに研究していただいて、主体的な立場でこの問題に係わっていただ
きたいなというふうに思っています。
 これが、京都議定書達成計画というので200ページくらいあるやつですけれども、こ
れによりますと、チームマイナス6パーセント、先ほど市長が6パーセント削減するとい
う中に、その原因の3.9パーセントというのは森林吸収なのですね。1.6パーセント
というのが排出取引です。先ほど同僚議員も話がありましたけれども、自分のところで出
した分、他で削ってもらうとプラマイゼロにしますよというのがこの1.6パーセントで
す。それで0.5パーセントは自分で排出抑制しますよという中で6パーセントになって
いる。ですからこの3.9パーセントは森林ですから、この森林をたくさん持っている私
どもの地域が、この森林とちゃんと係わらないとセールスポイントはなくなってしまうわ
けですよね。そういったところについてのやはり共通認識を持ちたいなと考えているわけ
です。市長はこの辺については、3.9パーセントの吸収をどのように捉えていらっしゃ
るかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、議員がおっしゃるように、この3.9パーセントのCO
2の削減を森林整備でやっていくということについては、全く同感でもあり、また私が抱
えているいろいろな団体の立場からしても当然のことと受け止めているところでございま
す。実際問題として、いまこそ利根川の上流圏域である私どもがそういったことを全国に
発信をしていかなくてはならないという時代が、もう本当に来たなということを痛切に感
じております。私も、いろいろな会議の場面では、議員がおっしゃっていることについて
は同様なことを口酸っぱく申し添えております。先般も、三浦雄一郎氏が会長の、森林レ
クリェーションの会議がございました。これは全国の組織でありますが、一応沼田市長は
先年、理事になっておりまして、実はこの場でもそういった論議がなされ、しかもいわゆ
る農山漁村に都市部の子供たちをいわゆる勉強に送り込んで、そしてそのことによって情
操面を養うということについての論議もなされてきたという経過もございました。それら
を受けた後、すぐに関係部課にも指示して検討するようにというようなこともいたしまし
たけれども、もうすでに環境のことについてのマスコミ報道、あるいはテレビ報道等がな
い日がないくらいの経過がございまして、本当に一日、一日をしっかりと受け止めた形の
中で、資料等もいま一生懸命調整をしているところでございます。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。少し大きなところから地元の方に目を
移したいと思います。平成18年の4月に、沼田市は森林整備計画というのを、10年計
画のものを作りました。これは、民有林を抱えている自治体はすべて作らなければいけな
い計画のわけです。資料によれば、数年前に、昨年から6年間に330万ヘクタールを間
伐できる財源がきているということで、間伐は進んでいるようなのですけれども、肝心な
市有林ですよね、先ほども同僚議員から、このデータによれば560ヘクタールが市有林
だというふうにデータが出ていますけれども、これへの取り組みというのはどんな状態か
お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについても、当然財源が伴うことでございますけれども、
でき得ることから、関係機関のご指導もいただきながら、徐々に対応を図っているところ
でございます。
◇9番(高柳勝巳君) 先ほどの時代、情勢認識からするとですね、徐々にという取り組
みでは、やはり本市の特徴づくりという形に私はなってこないというふうに思いますし、
先ほど来も、売却やいろいろな計画が出ておりますけれども、財産を、勿論、計画を一生
懸命検討した結果でしょうけれども、売ってですね、当面の財政基盤だけをよくするとい
う発想はちょっと危機感を感じるのですけれども、市長、その辺はどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどの同僚議員の質問に対する答弁は、農地については売却
をしていくということで申し上げたわけでございますが、山林の関係等については、同僚
議員のご質問を受けて、それらも含めた形の中で検討していくということで、含みを持た
せた形で今後対応させていただく旨のご答弁をさせていただいたつもりでございます。
 従いまして、単に売却というようなことだけを念頭に置いたものではないということを
ご理解賜りたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) わかりました。560すべてがそこであるなというふうにも感じ
ておりませんが、これからの時代は、いままで私どもの地域が、本当に大変になって抱え
ていた地域が、いよいよこれからは脚光を浴びるという時代ですから、ぜひそこら辺を頭
に入れながら、今後の運営に当っていただきたいなというふうに思っております。
 手法としての、カーボン・オフセットというところに移っていきたいと思いますけれど
も、これも先ほど同僚議員から発言がありました。皆さんのお耳にいちばん近いのは、今
年の年賀状がカーボン・オフセットだったと思います。55円で発売のものが5円が寄附
金になって、約1億枚販売と言いましたから、5億円の分配金が企業や団体に今年から、
環境にやさしい事業に対して分配をされたというのがいちばんわかりやすい説明かなと。
再生紙の割合を偽装しまして、いろいろ問題はありましたけれども、考え方とすると、カ
ーボン・オフセットはそういう仕組みだということで、もう一つは、こちらは、もうカー
ボン・オフセットを受け持つNPOや企業や団体は、日本中や世界中にたくさんできてい
るわけですね。そういったものに、私どもの地域というのは助けを乞うことができるわけ
です。森林の整備をしていただけると、皆さんの地域が出していたCO2の削減分になり
ますよ。ですから都会の皆さん、本当は自分のところで減らしてもらいたいけれども、私
どもの地域を、私どもも整備をしなければいけないし、お金はないし、技術をぜひ私ども
のところに出してみたらいかがでしょうか。助けていただきたい。こういうやはり発信の
仕方が重要ではないかと思っております。先ほども同僚議員にもお答えを求めております
けれども、市長としてのお考えをお伺いしたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの発言は、大変貴重な発言であるというふうに受け止
めております。私自身は、この種の問題を承知したのは今年の3月に入って、朝日新聞で、
新宿区と伊那市の関係でもって、全国版に大きく取り上げられたことによって、これはと
思ってすぐにいろいろと対応を図るべきことを認識をしたわけでございます。やはりそう
いうようなことから、現在、担当の課長をして、できるだけ頻繁に東京を含めた形の中の
関係する自治体に向かっていろいろといま協議を進めさせていただいているところでござ
います。
 ただそれがですね、やはり議員がおっしゃっているように、一人これが自治体のみなら
ず、企業関係ともやはり関係が出てくるということがございまして、その辺のところも十
二分に整理した形の中で、戦略を組み立てていく必要があるのではないかと思っておりま
す。
 これからは、そういう意味では、いま私どもの埋もれていた財産というか、宝物をいろ
いろな意味で磨いて、そして天下に送り出していくという段取りをすることが求められて
いるなというふうにいま思っております。いずれにいたしましても、でき得れば、また議
員の方からも、そういった微細にわたるところのご意見がございましたならば、ひとつ日
常でもかまいませんので、いろいろな意味でご指導いただければと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。それじゃあピーアールというところで、
企業の問題と、それは一筋縄ではいかないのでしょうけれども、いろいろな発信の仕方が
あります。これは沼田市でもおそらくふるさと回帰センターに入っていますから、最近で
は年に2回くらい、田舎体験で、「私の地域」とこんな立派なパンフレットが来るのです
ね。これは天草市です。ここは日本の宝島というタイトルで、お手紙まで入って、アンケ
ートにお答えしてくださいということで、定住の提案までしてあるのですね。こんなのは
もう日本中始めています。
 さらに、ふるさと納税の話は所管ですから、細かいところまでになってしまうと若干気
が引けるわけですけれども、例示としてお聞きいただきたいのですけれども、昨日も一昨
日もNHKで放送されましたけれども、コウノトリの豊岡市がいま脚光を非常に浴びてい
るのです。勝手にインターネット上で、ふるさと納税を応援するサイトまでできまして、
この豊岡市は断トツでトップですね、アクセスが。これはどういうピーアールをしている
のかと申しますと、先ほど、準市民の皆さんに、まず地縁、血縁からというのは、手堅い
方法ですし、これはもう一義にやらなければいけませんけれども、沼田市に縁もゆかりも
ない人は、じゃあ何で沼田市を知るのだということになれば、環境や温暖化だと思うので
すね。そういったときにわかりやすく言うのが、このコウノトリで成功しました。これは
全国都市問題会議でも取り上げられて、いま脚光をあびています。これはタイトルだけ読
みますけれども、「確かな未来は確かな風景の中にある」というタイトルで、「豊岡市は
これからも一歩ずつ、未来に向かって歩んでいきます」と。「この物語をつむぐ登場人物
の一人として豊岡市を応援してください」という形でふるさと納税がある。ですからこれ
は、ふるさと納税じゃなくても、十分に寄附として受け取れる、私は商品になっているの
ではないかなというふうに思います。
 さらにくどいようで申し訳ないのですが、中には、コウノトリの住める豊かなまちづく
りということで、生き物調査事業ですとか、子供たちの野生復帰大作戦だとか、バイオマ
スタウンですとか、それからお米ですよね。無農薬で作ったコウノトリの舞というお米づ
くりですとか、具体的な事業に皆さん応援してくださいという形になります。もし私がこ
のサイトを見たら、勿論沼田市には払いますけれども、こういう形で寄附金をしたいなと
いうふうに思います。沼田市に関係ない人でも、環境や生態系に興味を持っていらっしゃ
る方は、おそらく寄附をするのではないかというふうに思います。それを使って何をする
のですかという物語が私は必要だと思いますので、もう失礼ながら研究をしている段階は
ないのかなと私は思うのですが、いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ふるさと納税の関係につきましては、同僚議員からの先般のご
質問があって、そして時代の流れから今回踏み切ったわけでございます。一応、合併の時
のいろいろなお約束等もございましたので、それらに対するところの対応を表舞台に出し
たわけでございますけれども、やはり最近の言葉を使うならば、売りということをどこに
置くのかということになってこようかと思っております。従いまして、一義的には、議員
がご指摘のとおり、準市民の方々のお力添えをいただくとか、あるいはまた地元企業の関
係する中央の方とのところに出向くとかということが考えられますけれども、オールジャ
パンの中で沼田を愛し、沼田といろいろとコネクションを持ちたい、あるいはまた、沼田
のやっていることがファンになれるというようなことを表舞台に出せるような仕組みを、
やはり早急に検討する必要があるのではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、その軸になるのが環境であることは論を待ちませんけれども、
今日、早朝からいろいろ論議なされておりますように、いろいろな歴史、文化面の関係も
ありますので、そちらもまた含めていろいろと検討を重ねてまいりたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 先ほど特徴づくりということで、少し議論させていただければあ
りがたいなというふうに思います。この上毛新聞、昨年の12月ですけれども、沼田に研
究センター計画、鳥獣害対策で連携ということで、日本獣医生命科学大学との連携につい
てということで、新聞等で報道されました。これはまだまだ研究の段階だろうというふう
に思っておりますけれども、生態系を中心として、利根沼田、これは県の事業だとは思い
ますけれども、フィールドは佐山でございますので、ぜひうまくすればお金は県が持って、
実は沼田市が取れることにも発展する可能性が大いにあるわけでございまして、この辺に
ついての考え方は市長いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 本事業は、ご案内のとおり3年ほど前でございましたけれども、
クマ等が多く出没をいたしまして、大変甚大な被害を農作をされている方々に及ぼしたと
いう経過がございました。そういうような形の中で、私どももいろいろと関係機関にご要
請していく中で、モデルケースとして佐山の地を選んできたという経過がございます。特
に、平成19年度の途中から、岸という農政部長が誕生いたしました。この方は、新治村
にお住まいの方でございますけれども、この3月で退職をいたしまして、現在、県の住宅
供給公社の確か理事長にご就任されていると思います。岸当時農政部長が、いろいろな意
味でそういうようなことにも神経を使っていただいたりして、今年の3月の下旬にも私ど
ものところにもまいりまして、これらについては後につなげてきておるのでという、わざ
わざご挨拶にもきていただきました。
 もともとこのところは、いわゆる群馬県全体の犬、猫の最終の、人生終わる、大変厳粛
な場所でございまして、もともといろいろな経過がございまして、小動物公園を作る計画
だとかいろいろございまして、ただ時代の変遷とともに地域の実情等がいろいろと変化を
してきた形の中で、今回、群馬県ご当局が、議員がお持ちの新聞紙上の記事のようなこと
の方向性を打ち出したようでございます。新年度当初予算は、確か私の記憶に間違いなけ
れば1,000万ほど計上されているというふうに認識をしております。従いまして、そ
ういうようなこと等も含めて、議員がおっしゃっている生態系のいわゆるフィールドのと
らまえ方をモデルケース的な形でもってとらまえたらどうなのだろうかというような形で
受け止めたわけでございますけれども。先ほど来お話しのとおり、環境の関係等について
の問題につきましては、これを軸にしていくということは、私どもの地域にとってみれば、
これは避けて通れない大きな命題でございますので、これらについてもまたいろいろな方
面から検討してまいりたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 多少、所管にかかわってしまうのですけれども、昨年、SPP発
表会というのが、サイエンス、パートナーズ、プロジェクトという、高校生の研究発表会
が文化会館であって行ってきました。新潟の学校は、マガモの農法をやったと。アイガモ
農法は有名ですけれども、マガモで体系を少し変えまして実験をしたところ、高校生が丁
寧にやったせいか非常に成果が出て、これは農協等が事業化も考えるという話で進んでお
りました。
 それから、尾瀬高校はリスの生態について発表しました。冬眠をするリスとしないリス
がいまして、それらがうまく絡み合って森林というのは保たれているのだということで、
貴重な報告だったなと私は思います。もし、尾瀬高校がこういう共同研究ですとか、人材
育成ですとかというのが授業の中心になっております。さらに、こうした方々が、資格制
度ですね、鳥獣害対策アドバイザー登録制度ですとか、それから鳥虫害管理人人材登録制
度、つまり資格がいただけるということになりますから、これは雇用にもつながっていく、
先行きが見えてくるということにもつながってくるわけです。
 ですからぜひ、3月にお話しを伺ったということですから、もっと積極的にアプローチ
をかけて、この内容等を精査して、いまのモンキードッグ等も本市では扱っているわけで
すから、ぜひ大きな取り組みにして、発展させていただきたいというふうに思うのですけ
れども。市長のお考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 尾瀬高校の存在というのは、今日午前中にも同僚議員にご答弁
させてもらったとおり、先日、群馬県幹部との話し合いの中で、これは私どもは問題提起
はしませんでした。別の自治体の首長が問題提起をされたわけですが、その内容が、群馬
県当局とすると現実的なものというよりは、むしろかなりハードルが高いと考えたのかな、
あのときの感じだと。結局、群馬県当局から出てきた答弁は、尾瀬高校の充実と同時に、
尾瀬高校の研究等の上に立った形の中の、専門的なということで、いうなれば大学という
言葉は出てこなかったという経過がございました。
 ただ、繰り返し申し上げたいと思いますが、教育長も当然、教育行政の専門家でありま
すから、私とはちょっと認識が違ったかもわかりませんけれども、私と気持ちが一つにな
ったのは、ある意味においては安堵したわけでございます。尾瀬高校の存在がこれから高
まっていくなと。これで尾瀬高校がしっかりとやっていけば、必ず立派に成長していく、
発展していくなというふうな、そういう実は確信といったら語弊がございますけれども、
そういうようなのがでました。ご案内のとおり、利根町と尾瀬高校の関係は切ってもきれ
ません。しかも中高一貫教育でやっておりますから。どうしても尾瀬の問題が出てまいり
ますると、片品のことがどうしても特化して出てまいります。どうしても尾瀬そのものが、
片品の地でありますけれども、もともと利根沼田全体のシンボル的な要素を持っておりま
した。駅前もそうです。
 そういうような中で、やはり現実は大変厳しいものがあるもので、尾瀬高校の存在が、
高まれば高まるほどに本市が尾瀬とのかかわり合いも深まっていくであろうということか
ら、大変そういう意味では現実的なとらまえ方として、教育長と私の認識がくしくも一致
いたしまして、よかったなというふうな考え方を実は持っているところでございます。
 ただ、勿論当然、他の町村の方が言うように、大きく羽ばたけるような、そういうこと
に結果的に結びついていけば、これはもう当然その方がいいのに決まっているわけでござ
いますけれども、現実的なところとしては、そういうようなことの受け止めをいたしまし
た。
 そういういい環境関係に対する学校が本市内にあるというようなことから、それらとの
今回の本問題についての連携というような形で受け止めてみたわけでございますけれど
も、市行政が間に入って、それらの仲介の労を取るということは決してやぶさかではあり
ませんし、地域振興の観点から考えれば当然のことかと思っておりますので、これらにつ
いても、大変難しいハードルがたくさんあろうかと思いますけれども、できることは早急
に対応を図ってまいらなければならないのかなというふうに思っております。
 ただ、議員がおっしゃっていることは大変、言うなれば、非常に専門的な要素の強いと
ころがございまして、なかなか議員の質問に対して答えになっているかどうかわかりませ
んけれども、いずれにいたしましても、それらの調整のことについては、早急に図らなけ
ればならないのかなというふうに受け止めさせていただきました。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。時間もないので、続いて、どこかで沼
田市が環境に共生するところなのですよということをピーアールするには、何人かの同僚
議員も発言をしたかもしれませんけれども、再来年の、全国育樹祭というのをピーアール
するには絶好の機会のわけです。先ほど、緑化フェアにも行ってですね、高崎の事例が参
考になるとか、市長の方からご答弁がございましたけれども、これに向けての戦略という
のは市長、どのようにお考えでしょうか。現段階で。
◇市長(星野已喜雄君) 結局、本事業は、終局的には、国土緑化推進機構の事業でござ
いまして、そこの部分がいろいろなことを図っているわけです。ただ現実は、群馬県当局
と私ども沼田市と連携をいたしまして、そしていろいろな調整をしていかなければいけな
いと思っております。この育樹祭のイベントは、全国から8,000人からの方が来ると
いうことと、もう一つは、すでに前任者の、環境森林部長が何とか2,000人からの、
要するに緑の少年団を迎えたいというか、軸にしたいというのがございまして、これらに
ついては、私どももこの4月以降、やはり緑の少年団の強化については、そんなこともご
ざいましたので、強化の意志をこの3月議会で述べさせていただいてきたという経過がご
ざいます。
 この育樹祭のとらまえ方というのは、植えた後、枝打ちをするという行事でございまし
て、その後の要するに育樹を図るという意味では、育てるということが概念として出てく
ると思います。まさに植樹は植えつけるのでありますけれども、育樹は育てるということ
でありますから。ですから当然、そういうようなことをとらまえた形の中で、環境を当然
軸にした形の中で、将来を担う子供たちの育成をどうとらまえていったらいいかというこ
とを軸にした形の仕組みづくりが大事なのかなというふうに思っております。
 そのためには逆に、今度は本市としてのいわゆる環境、あるいはまた子供の教育等につ
いての、環境教育等中心に、要するにグラウンドを整備をしていかなくてはいけません。
これらにつきましてはですね、議員、これから先述べると、そんなことでいいのかという
ことでまたご指摘いただくかもしれませんけれども、早急に、そこらのところを関係機関
と調整しながら、うちらの出番の部分を戦略的に考えてまいりたいというふうに思ってお
ります。
◇9番(高柳勝巳君) 10年前の植樹祭のときには、この地域は、平成9年度に、「森
と水と花の国 利根沼田広域景観憲章」を策定して、アクションプランを作って、52億
円余りのお金が利根沼田地域に投下をされて、そして全国植樹祭が実施されたという記録
が残っております。おそらく今年は、こんなに大幅なお金はこないでしょうけれども、そ
れなりのお金と先ほど市長が言った8,000人の方は見えるわけですけれども、やはり
これまでの延長線上の植樹、育樹のあり方で私はいいのかということなのですね。8,0
00人の人が、忘れ得ないような育樹祭にしていくというのが、あと2年残された当地の
ひとつの使命ではないかというふうに私は思っているわけです。市長の答弁で大体いいわ
けでございますけれども。
 例えばですよ、例えば環境ですから、いま環境基本の目標計画にもありましたけれども、
BDFなどというのは当たり前にこの中には書かれています。バイオディーゼル燃料です
ね、このバイオディーゼル燃料を使った車で、陛下が21世紀の森に上がってきて、そし
て市長、この間、平和都市宣言をなされました。全国で2200、約300近くこれから
登録をなさったというデータがありますけれども、そういったところですから、ぜひ平和
の木をそこで植えてもらう。環境と平和をアピールする沼田市なのだということを全国が
注目する中で演出をしていく。そのために2年間ある。そういう戦略をやっぱり今から描
かないと、単純に8,000人が来て、沼田というところがあったっけな、こういう話で
は私はチャンスを逃してしまうと思いますので、同僚議員からも発言はありましたけれど
も、その辺を受けて、市長の発言を少し軌道修正して、もう少し早めていただければあり
がたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に専門的な要素の強いご質問をいただいておりまして、私
自身がなかなか議員の感性に追いついていけないところがございまして、非常に忸怩たる
ものを受け止めております。大変すばらしい発案だなというふうに受け止めているのが実
感でございます。
 ただこの、バイオディーゼルエンジンもさることながら、最近は何か議員はいろいろと
勉強されているからお分かりだと思いますが、空気で動く自動車も発明されてきているよ
うでございますね。テレビでもやっておりましたけれども。そういうようなことから要す
るにそういったシンボリックな環境カーを使った形の中で、そしてそれが世界の環境に対
する発信までにもつながっていくという、そういう感性は大変すばらしいと思っておりま
す。いずれにいたしましても、これは本市のみならず、国土緑化推進機構、群馬県当局と
の関係がございますので、確かに環境にやさしい育樹祭ということになれば、そのときに
化石燃料を使った車で行くよりは、電気自動車を使うとか、あるいはBDFのエンジンを
使うとか、あるいは先ほど私が申し上げたH2O、つまり空気のエネルギーを使った車を
使うとかによって一気にそこのところはマスコミ等にしてみれば、関心が高まってくると
ころだと思いまするし、それがひいては世界の60億とも、70億とも言われる地球人の
方々が、今後考えていく上での大きな発信になるのかなというような形で受け止めさせて
いただきました。
 いずれにいたしましても、これらのことについては、いろいろと今後、勉強させていた
だきたいと思いまするし、もう勉強の段階ではないということでございますので、機会あ
る度にいろいろな関係機関に相談もしてまいりたいというふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ぜひお願いしたいというふうに思います。先ほど私がいくつかの
プランを申し上げましたけれども、結局、この地のどの辺でそれをするのですかと。こう
いうのが次に必ずくるわけでございまして、営業マンが、こういう商品がある可能性があ
りますと言って営業にきました。じゃあどこですか、いやまだちょっとなんですよという
話では、これは交渉は成り立ってまいりません。当然、いま営業マンができたばかりです
から、なかなかすぐにというわけにはいかないと思いますけれども。やはり後がちゃんと
着いていっていなければ、これは全然成立する可能性がないわけでございまして、先ほど
来の議員のゴルフ場の跡地ですとか、560ヘクタールあるわけですから、そういったと
ころのどの辺がそういう場所になるのか、考えていらっしゃればお聞かせ願いたいという
ふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 質問がちょっとなかなかうまく受け止めることがあれだったの
ですが、育樹祭の場所は、21世紀の森で一応決定を見たことでご理解を賜りたいと思い
ます。ですからこれは動かし難いことになります。
 先ほどの、車の問題ですけれども、いまここ冷静になって考えてみますると、お抱えの
車がございまして、そういう車が果たして採用になるのか、ならないのかということにな
ると、これは一応私どもも問題提起をあげていく形の中で努力はしてまいりたいというふ
うに思っておりますけれども、事によると、そういうものすごい何か難しいハードルが、
中心となる人のところには及んでくるかもわかりませんので、お含みおきいただきたいと
思います。
 ただ、現場の対応とすれば、そういうことはいろいろな意味で仕組みが可能なのではな
いかというふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) すみません。育樹祭は勿論21世紀の森ということですけれども、
抽象的に申し上げましたところの二酸化炭素を吸収すべき地域ですよね、そういったとこ
ろ。あるいはボランティアに来ていただく、お金を出して来ていただく、技術を投下して
いただくような場所はどの辺をイメージしているのかと。こういう意味です。21世紀の
森は知っておりますので、そういうふうに理解してください。
 それから、車のことですけれども、いま環境フェアなどでは水素自動車がオープンカー
などで出るのは、結構普通になってきておりますし、市長が言っておられるのはおそらく
燃料電池なのではないかなというふうに思います。空気を吸って水を出していくというの
が、効率がよくなればそういうこともできるということですから、それは勿論、相手があ
っての話ですけれども、沼田市とすれば、そういう方向でやりたいということをやはり明
確に伝えることが私は肝要なのではないかと。こういう意味でございますので、その辺の
ところをご理解いただければというふうに思います。
 そういう意味での受け入れ場所、あるいは取引ができるような場所というのですかね、
そういうことのイメージは、560ヘクタールの中でどの辺りをイメージしているのか。
あるいはなければないで結構なのです。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、やはりひとつには、21世紀の森そのもの
が池田地区でございますので、池田地区はやはり最重要候補地と思っております。
 ただ、森林の持つ深みからいたしますると、白沢はもとより利根のところは、これは言
うに及ばずでございまして、最近も、皇海山と足尾銅山という、ある専門的な識者の本を
読ませていただきましたけれども。前から私自身が考えていたようなことがいろいろと出
ておりまして、近代の黎明期が、一人足尾銅山だけでなく、利根の平滝とか、あるいは根
利等々が大きな役割を果たしていたと。そういうことが克明に描かれておりまして、そう
いう意味では利根の、かつての明治維新以降、近代化に進んでいくときの表舞台に出てい
ない、いわゆる果たしてきた役割というものを検証していくということも大切な要素かな
というふうに思っております。
 いずれにいたしましても、第一候補は何といっても池田地区になろうかと思っておりま
す。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。そういった大切な地域ですから、ぜひ、
いろいろ多方面からご答弁いただきましたけれども、ご検討いただいて、主体的な結論を
出していただければありがたいというふうに思います。
 続きまして、受け入れ場所と体制づくりということで、協議会の中でるるご議論いただ
けますよと。あるいはこれはもっと、もっと協議会の中で詰めていきますよということで
すけれども、最近は、ライフスタイルというのがどんどん変化をしてきています。環境に
いいから、環境を利用してくださいというのも沼田市の特徴ですし、環境のいい所に住ん
で、そのライフスタイルというのかな、そういうものを確立しましょうということで、昨
今、東京に行けば定職があって、必ず食べることには困らないというご時勢ではなくなっ
てまいりました。ということは、東京に出してもいいことは必ずしもないのだということ
がひとつは出てきているわけですね。ですから沼田で、お給料は少ないけれども、例えば
高齢者でしたら、年金と半農で、あるいはパートで収入できるものと半農、あるいは林業
でという組み合わせで、これは仮称ですけれども、沼田スタンダードというような住まい
方、暮し方の提案をもう一方でしていかないと、長く居ついてくれる方はいらっしゃらな
いのかなというふうに思っているのですけれども、その辺についての分析というか、お考
えというか、そういったものがございますか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でございまして、人間の持っている宿命ともい
いましょうか、仏教用語でいうと、カルマとでもいいましょうか、その観点からすると、
どうしても人間は合理性を求めて、しかもやっぱり便利のいい方へ体が進んでいくという
ことは、これは避けて通れませんし、またそのことが日常の活力の発展につながってきた
という、この産業革命以降の価値観の中に明確にあったというふうに思っています。
 しかし、いま言われるように、やや合理性には欠けるし収入も減ると。だけれども、や
っぱり野菜を食うなら無農薬有機農法の野菜がいいなと。空気は、できれば排出ガスのな
い、朝になれば清浄な所がいいなと。水は、別に水道水ではないけれども、せせらぎの水
を飲めればいいなあというような、まさに生活体験の変革によってのエコロジカルな方へ
身を投じていくということの場面づくりが必要に結局なっていくのかなということだと思
うのです。
 これも、私もこの節非常にいろいろな意味で新聞等が報道しておりますので、できるだ
け資料を克明に取ってありますけれども、やはりヨーロッパの方々は、早くにそういった
ことに目覚めて、そういったことを実践しているタウンもあるようでございます。ですか
ら、結局、価値観の一定の違いを見せてやらないと、魅力というものがそこに出てこない
というふうに思っております。
 例えば、夜空の星を見たいなというふうになったときに、あまり回りに防犯灯も含めて
灯がない方が実は星はよく見えて、自分自身もそういうものは非常に体験できるわけであ
りますが、安全のために、今度はそこに防犯灯等いっぱいつけていけば、そのお星様の美
しさというものは体験することができません。となると、どうしても一定の価値観の違い
というものを示していかないと、やはりこの種の問題は解決にならないのではないかとい
うふうに思っております。
 従いまして、私ども行政の執行部の方にもいままでのように東京に向かう価値観から一
線を引いた価値観に向かってこれから努力をしていこうではないかということについて
は、平素申し上げている経過がございます。全く否定するということではなくて、いいも
のはいいのだと。俺んちの方のいいものについては、やはりしっかりと、頑固に守り続け
ていこうではないかというようなことは申し添えているつもりでございます。
 いずれにいたしましても、これらについてはまたいろいろな意味でご指導いただければ
と思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。価値観を示していかなければというこ
とで、私もその言葉に全く同感で、これも受け売りでございますけれども、市長、たくさ
ん資料があります。日本学術会議で価値観の転換と新しいライフスタイル特別委員会とい
うのが、これは平成13年ですけれども、研究テーマを発表しております。
 それから、これは総務省ですけれども、人口減少、家族、地域社会の変化と就労をめぐ
る諸問題に関する研究会というのが、去年6月にこれは報告書が出ております。いずれも
拘束力を持たないものという形で出されているものですから、全員合意で決定を見たもの
ではありませんけれども、一定の資料にするには私は値するのではないかと思いますし、
その他でも、市長のおっしゃる価値観の提示というのは今後必要になります。
 それからもう一方で、水ですとか、食料ですとかの問題は、ストイックにならなくても
なくなっていくという事実は非常に近くなってきている。ですから、私は、ネオンよりも
星が見たいという、ある意味カルトな考え方ではなくて、もう見えなくなってしまう。あ
るいは、なくなってしまうというのも、そんなに遠くないうちに出てきてしまうというの
がフードマイレージですとか、バーチャルウオーターというのでいま騒がれているわけで
す。これはもうそんなに遠くないうちに、世界中が水や食料を奪い合うという状態が出て
まいります。そうすると、給料が下がっても食べるものを作らなくてはいけなくなってし
まうというのも、そう遠くないうちに来るということなのです。
 そういったところを考えると、価値観を示しながら、事実はそうなっていくのだという
のを、やはり私たちの地域はちゃんと捉えておく必要があるのではないかというふうに考
えているわけですけれども、その辺はいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい内容で、非常に困惑をするわけでありますが、現在、
わが日本国の食糧の自給率が、確か40パーセントを割って、38パーセントになったと
思っております。世界の先進諸国のフランスが、当然100パーセント、イギリスが確か
80パーセント台だと思っております。中国が今まで輸出しておりましたけれども、だん
だん輸入に転嫁をされてきているという経過にございます。いろいろなことを総合いたし
ますると、わが日本国の食糧の自給率が現状のままで推移をして、気がついたときには、
いろいろな統計はガッシャが出るのではないかというようなことも言われております。や
はり先進諸国たるところはですね、基本的には常に1億2,000万人の人命が守られる
だけの食糧が供給できる態勢を作っていかなければならないということは、これは先進諸
国であれば当然のことだと思いますけれども、甚だもって残念なことに、わが日本国はそ
うに至らなかったという経過がございます。
 ここに来てまいりまして、中国のあの黄砂の問題であるとか、全地球上で毎年、滋賀県
に匹敵するくらいの面積の森林がなくなっていってしまうとか、あるいはまた先般、朝日
新聞であったと思いますけれども、アフリカの方々のいろいろな救貧状態が出ておりまし
たけれども。これらを眺めてみたときに、いずれ東南アジア、極東アジアの、今まで後進
国と言われたところが、徐々にこの国際化社会の中にあって、いろいろな意味の価値観を
会得するようなことになってまいりますと、当然、強烈なライバルとして、いままで我が
日本国やアメリカが経てきた道を辿ってくると思います。
 必然的に、そういったライバルが出てくれば出てくるほどに、自分の家で守らなければ
ならないものだけは守っておかないと実は一朝有事のときには対応ができないということ
になりますると、やはりしっかりとした自給体制は整えておく必要があるのではないかと
いうふうに思います。
 従いまして、今度はこの地域に返ってみますると、やはり沼田のこの地にあって、他の
地域とは一線を画すということがあるとするならば、基本的には、そういったことについ
ての自己責任、自己決定が、地方分権の倣いであるとすれば、しっかりとした自給自足の
体制をやっぱり構築していくというような価値観が求められてくるのではないかと思って
おります。そこには、やや場面によっては、いままでのことについて我慢をしなければな
らないことも出てくるかもしれません。ただこれも、向こう半世紀あたりになってくると、
本当の論議になってくるのではないかと見守っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ですからそのための体制づくりを今か
ら是非よろしくお願いしたいという趣旨でございました。
 次に移りたいと思います。バイオマスタウン構想や新エネルギービジョン策定の考えと
いうことでご答弁をいただいて、早々簡単にできるというものではなかなかありませんし、
私の知るところではバイオマスタウン構想は足踏み状態です。平成22年度までに500
箇所を目標としましたけれども、現在100いっていません。これはおそらく、当初、N
EDOが100パーセント補助していたものが、私の見る限りでは今なくなってしまって
いるような感じなのですね。
 それから、新しい技術ですからいろいろ問題もあって、いま足踏みなのだろうというふ
うに思いますから、これは洞爺湖サミット以降に期待をしながら、なぜ作らなければいけ
ないのかということだけ一つお伺いをしたいというふうに思うのですけれども。いま、バ
イオマスツアーやエコツアーというのは、普通に行われておりまして、先般、先ほど同僚
議員が、シーニックバイウエイのことでお話ししましたけれども、カーボン・オフセット
ツアーというのも企画をされているわけです。そのときに、その地域ではどれだけ資源が
あるのですか。つまり、CO2の排出能力があるのですか。あるいは排出しているのです
か。数値がわからないと、あなたが出した分くださいと言えなくなってしまうのですけれ
どもね。
 ですから、そういう意味でも、この計画策定にあたって、自分のところの資源、CO2
の問題ですとかというのがしっかり調査されていないと売ることもできない。取り引きも
できない。こういう形になるわけです。そういう意味で必要ではないかというふうに訴え
をしたわけです。その辺についてのお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この市役所の中におけるところのCO2の排出関係等について
の、いろいろなそういった数値は一応とらまえております。3年ほど前からいたしまする
と削減に成功してまいりました。これは努力の賜物だと思います。
 ただ、この他の、諸々のことまで含めて市全体でどうなのかということになると、そこ
のところまで言及するには至っておりません。ただ、議長が今日、裁きをしておりまして、
大変恐縮でございますけれども、議長がよく挨拶の中で、テレビをつけていると約4時間
前後で、年間数値をしっかり示したご挨拶をされる場合がありますけれども、そういうよ
うなことから、各家庭のテレビ台数等を調べたり、車の台数が本市にどの程度あるのかと
いうことを調査した形の中で、一般的な係数を掛けていくということによっての算出は可
能なのではないかと思っております。
 しかしそれは、やはりいうなれば、数値そのものがやはり漠としていかざるを得ないと
いうふうに思います。ただ、いずれにいたしましても、そういったことによって大枠の状
態の数値を、要するに掴んでいくことは可能なのかなと思っております。従いまして、で
きることは無理をしないで、できるところの術はやっぱりきちんとやって、人様に披瀝が
できるようにしていくということが大事なのではないかと思っておりますので、ご理解を
賜りたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 市長が言ったのは、おそらく沼田市地球温暖化対策実行計画とい
うやつで、確かに数字が、庁舎内は努力をして、平成23年度までに5パーセント削減を
しますと。これだと思います。それからさらに、他の資源がわからない部分がたくさんあ
る。おそらく正確には、私も市長がおっしゃるとおりわからないのだと思いますけれども、
いまは私のチャレンジ宣言といって、パソコンをクリックすると、自分が出しているCO
2の排出量が出るのですよ。これは一般的な例として市長がおっしゃるとおり出るのです
けれども、数値化することは不可能ではないということでご理解いただきたいというふう
に思いますし、今日は、生活環境まで広げると議論が終らなくなってしまうので、生活環
境の方はおきまして、あと9分ですから、障害(児)者支援について質問に移っていきた
いなというふうに思います。
 昨年の9月に私が質問して、先ほどご答弁がございました。いろいろあってなかなか計
画に着手ができないので、早急に会議を発足して取り組んでいただけると、こういう話だ
ったので、間違いないでしょうかね。確認したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本会議で発言することは、これは市民に対して物を申し上げて
いることで、同じことでございます。従いまして、そういった中でまた議員の皆様方にも
いろいろとご心労を煩わせたり、ご迷惑をかけてきたりしている経過があるわけでござい
ますけれども、今日の第1回目の答弁の関係等については、そういった意味で責任ある答
弁とさせていただいておりますので、議員ご指摘のとおり早急に対応を図ってまいりたい
というふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。障害福祉計画は、6年計画のすでに3
年が経ったので、あのときも言いましたけれども、いい絵を書くのではなくて、できる計
画を一緒に作ってもらいたい。そこに市長の理念を入れていただきたい。こういう趣旨で
したので、遅れたことを自体を責めるつもりは、おそらくどこの自治体でも私どもと同じ
ような地形のところは担当者が苦労しているのだろうなというふうに考えていますので、
遅れたこと自体については申し述べるつもりはございませんが、計画だけでもこれだけの
厚さがあるものですから、そろそろ始めないと本当に6年間それっぱなしになってしまう。
これは議会の承認事項ではございませんので、遅れてもいいかなというのがもしかしたら
あるとすると、これは私どもにはいいのですが、関係する皆さん、ご家族には大変失礼な
ことになるのかな。こういう感覚で発言させていただきました。9月ではもう時間がござ
いませんので、役員の皆さんが変わって恐縮ではございますけれども、6月にあえて発言
をさせていただいた。こういう経過でございますので、その辺のところを受け止めていた
だきたいというふうに考えるわけですけれども。市長のもう一度ご答弁いただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり大変重要なことでございまして、早急に対応を図りたい
というふうに思っております。この障害福祉政策の問題は、非常にどの事業も、どの政策
も難しいのでありますが、やはり人間の尊厳というものが非常に大事にされなければなら
ない、極めてそういう意味では憲法でうたっているところの基本的人権の尊重にかかわる
ことでございますので、しっかりと受け止めた形の中で対応を図らせていただきたいと存
じます。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。それで終われば本当はいいのでしょう
けれども、いくつかだけ、昨年話した続きでお話しさせていただきたいのですけれども。
民間も大変厳しいという状況の中で、本来でしたら市が直接雇用をしていただいて、地域
に対する見本を見せていただきたいということですけれども、なかなか当事者含めてハー
ドルが高いということで、そこまでは申しませんけれども、とりあえず就労支援の具体的
な取り組みについて着手をしていただきたいなと思っているわけです。いま市内に、福祉
就労支援というのが、細々と作業をしております。飲食を提供しながら、障害者の方の、
就労を通じて地域に貢献するということを地道に取り組んでいらっしゃるところがあっ
て、いま保健福祉センターの作業所が、そこに通ってくれるのも、作業所の作業として取
ってくれればお金は必要ないのです。安全面の問題と課題はございますけれども、そうい
ったできる取り組みから取り組んでいただきたいというのが、おそらく私を含めたところ
の関係者の思いだというふうに思うので、その辺についての決意ですかね、いま行ってな
いわけですから、ぜひ前向きなご答弁をいただければありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
 人間がこの世に生を受けて、そしていろいろな諸事情から障害を受けてきたということ
の中で、ヨーロッパ、特に北欧等においては、それはお互いの社会の問題だというとらま
え方があるのだという、こういうご提言が先般、同僚議員からございまして、これは私、
大変胸を打たれた経過がございます。やはりそういった生を受けて、そして自らの人生を
全うしていくためのひとつのプロセスの中で、いろいろなご苦労があるわけでございます
けれども、公の方が、できることについては応援をしていくという、この姿勢はしっかり
と持ち続けていかなければいけないと思っております。
 でき得れば、一般社会の中でお互いに等しく、民間企業であれ、何であれ、そこのとこ
ろの社会的なハンディがありつつも、それをお互いに認めつつ、しかも社会、あるいはま
た企業体等ともお互いに融和して、そして生活ができるような空気であるとか、社会的な
雰囲気、そういうようなことをやっぱり展開していくということが大事なことではないか
というふうに思っております。
 従いまして、福祉の関係からくる、いわゆる就労支援等については、民生部をして一生
懸命させていただきたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ぜひ具体的にできることからやっていただきたいというふうに思
います。何度も申し訳ありませんけれども、6年計画の3年が過ぎてきまして、道でいえ
ば、半分まで歩いてくるともうゴールが見えてくるわけです。ですから、これから作るの
は本当に大変だと思うのですね。もう先が見えているところでの計画を作らなければいけ
ないわけですから、具体的なものとセットにならないとこれは計画になってこないという
ところで難しさを増しているので、具体的に検討していただきたいという意味で申し上げ
ました。
 そういう意味でもう1点あるのですけれども、昨年の9月にも申し上げましたけれども、
直接雇用が難しいのであれば、作業所の皆さんは、いま民間からの受注が非常に短期で、
すぐに仕上げて返してくださいと、こういう仕事が多くなっているという話をしました。
そのリズムでは障害者の皆さん大変厳しいのです。丁寧な仕事をなさいますけれども、短
期ですぐにというのは非常に適応が難しくなっております。ですから、行政の方で、皆さ
んに合ったようなお仕事をいくつかは捜してあげないと、ステップの階段の1段目でつま
ずいてしまうのですよね。そういったところをぜひ、市の行政の中で、昨年は所管の教育
委員会の箸入れですとか、名刺ですとか、いろいろな例を出させていただきましたけれど
も、ぜひ各部でそういった皆さんに適応するような事業というのは必ずあると私は思って
いるので、それもぜひ具体的に検討して、計画の中の精神に組み込んでいただきたいなと、
こういうふうに思うわけです。
◇市長(星野已喜雄君) 先日、白沢振興局に伺う機会がございまして、時間が若干ござ
いましたので、白沢の福祉作業所が新しくなったこともあり、いろいろとその現場を見さ
せていただきました。職員の方も大変一生懸命なされ、そして、中で頑張っておられる方
々も、私の同級生の息子さんやら、あるいは友人の子供、さらにかつてバスで年中一緒に
通っておられた年配の方もおられまして、いろいろと意見交換を30分くらいさせてもら
ったでしょうか。特に、一つは、大手企業の箱詰めだったわけでございますが、一つは、
利根町のある方の、言うなれば包装関係のフォローみたいなことがございまして、それほ
ど難しくない、軽微な作業でございました。それらを見たときに、確かに議員がおっしゃ
っているような対応がやりやすいものについては、そういう選択をうまくしていければ思
い当たるところも出てこようと思っております。
 全庁的に、またそういうようなことについては、できるだけ考えた形の中で、生み出さ
れることについては対応を図っていきたいなと思いまするし、また先ほど申し上げました
ように、あるものの包装の関係等について行うということでもってのことを見たときに、
ああこれは関係する人も応援してくれているのだなというようなことを見て私は大変感激
をいたしました。できるだけまた民間の方にもそういったことの理解のできる人がおれば、
やはりご協力方をお願いしていくような形も、また公は公の立場で、できる範囲でまたさ
せていただければと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひお願いしたいと思います。詰まる
ところ、社協の事務局の方が、個人的なつてを使って企業の方ですとかに、お仕事がない
かという形で声をかけております。ですから、これだけの人数の皆さんが、心の中に入れ
ておけばですね、必ず合った仕事ですとかは見つかるはずですので、ぜひそういう立場で
受け止めていただければありがたいな、こういうふうに思います。
 それからもう1点だけ具体的な話で、保健福祉センターの拠点づくりという形でお話し
をさせていただきました。先週の金曜日に、前橋のステップの記事がまた朝日新聞にも出
ておりまして、飲食系の就労を中心として皆さんが集っていられるというのがまた大きく
取り上げられたわけでございます。昨年の答弁のとおり、困難性は十分承知でございます
けれども、1年経って進まなかった話で、そのうちどっかへ行ってしまったということが
ないように、私もここでもう一度話をさせていただいて、何とかこの形を利根沼田で作っ
て、障害者の皆さんが肩寄せ合って食事などをしながら、精神的な面のケアなんかもでき
るような所へぜひ市長、向けていただきたいということですので、この辺についてもう一
度ご答弁いただきたいのと、先ほど同僚議員が質問がありましたけれども、保健福祉セン
ターが指定管理者制度なのですね。これはいろいろマスコミ等でも出ておりまして、条件
によっては安かろう、悪かろうになっていくわけです。競争ですから、安い方にいってし
まうわけですね。あそこの清掃ですとか、維持管理ですとか、いろいろな問題が、私は、
障害者の皆さんでも可能な作業が、市長も確か去年、答弁をなさったと思いますけれども、
可能なものが、指定管理者のままですと、安い方にいくわけです。当然、協議会の中で議
論はされますけれども、圧倒的に安ければ、それは如何ともしがたいというのが指定管理
者制度だろうというふうに私は捉えておりますので、この辺の見直しも含めて、保健福祉
センターについてお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、拠点づくりの関係等については、あれだけのスペースと
同時にいろいろな各団体がお世話になっておりますので、それら等も勘案していろいろと
検討し、そして対応を図っていく必要があろうかと思っております。
 後段のご質問は、非常に時代の趨勢と共に、どのようにそこのところを判断していった
らいいかということが、かなり難しい判断を迫られております。ただ、私どもからいたし
ますると、やはり時代の流れを受けたときに、この指定管理者制度の方向を選択をしたと
いう経過がございます。よしんば、いろいろな不測の状態が招来をしてくるとすれば、そ
れは当然次の段階のところでまたいろいろと思量していかなくてはなりません。ただ一応
ですね、私どもの、現時点での受け止め方はですね、まず、安定した流れに展開をしてい
くであろうという希望的観測を持ちながらの対応を図っていくところでございます。議員
が心配される向き等があるとすれば、それは当然、時の状況によってはしっかりと判断を
下していかなければならないと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇9番(高柳勝巳君) 難しいところありがとうございました。現実に前橋ですとかは、
日吉町にありますセンターは指定管理者から外しております。というのは、福祉の拠点だ
から、そういったものではないというのは、これは姿勢の問題としてあったということで、
単純比較はできませんけれども、そういうところもあるということだけは申し上げておい
て、最後の項目に移りたいというふうに思います。
 ご答弁では、1歳半から小学校に上がるまで、ふれあい教室等取り組みながら、マザー
アンドチャイルドとか早期発見に努めておりますということでご答弁をいただきましたけ
れども、そういった現実はわかりつつも、現在のシステムで本当に足りるのかどうかとい
うところがやや不安だったわけです。というのは、資格もないのに、あなたのお子さんは
ちょっとと言うと、これは資格のない人ですから当然怒られますから。先ほど、資格のあ
る方がというふうにお話しいただきましたけれども、今度は声をかけたときに、うちには
体制はないのだけれどもというふうにはかけられない。そういったところの微妙な意味合
いのところが、この流れがスムーズにいかない可能性を示しているわけでして、そこら辺
を点検していただきたいというのが私の趣旨なのです。市長が言ったとおりのことがスム
ーズにちゃんといっていれば、いまのところ本当は地元でほしいですけれども、前橋のセ
ンターまではつながっていくということなのですけれども、言いそびれた、聞きそびれた
というのがその中にややあったとするとそこら辺が心配なのです。その辺についての市長
のご答弁をいただければありがたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結論から申し上げますると、もし、仮にですね、そういうよう
なところでもって、言いそびれた、聞きそびれたということがありますならば、それは市
の担当する部局がそれを受けて、間に入って、そういったところの先生の方にご紹介を申
し上げて、それを受け止めた形の中でおつなぎをさせていただくというようなことになろ
うかと思います。そこのところは、やはり福祉という大きなテーマの分野でございますの
で、市の行政が、やっぱりフォローをしていくようなことによってそれらを乗り越えてい
くということが肝要なのではないかというふうに受け止めております。
     ──────────────◇──────────────
    第2 延  会
◇議長(金井康夫君)  おはかりいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
  これにご異議ありませんか。
             (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(金井康夫君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに
決しました。
  本日は、これにて延会いたします。
  次の会議は、明10日午前10時に開きますからご参集願います。
  本日は大変ご苦労さまでございました。
   午後4時36分延会


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