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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成21年第7回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号

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平成21年第7回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号
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議事日程 第2号
平成21年 9月11日(金曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ―――――――――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
       ―――――――――――――――――――――――――――――
出席議員(26人)
       1番  真下 恭嗣君      2番  田村喜久子君
       3番  坂庭 直治君      4番  石井 紘一君
       5番  鈴木 圭子君      6番  金子 一弥君
       7番  小野 要二君      8番  井上 正文君
       9番  高柳 勝巳君     10番  布施辰二郎君
      11番  片野 彦一君     12番  宇敷 和也君
      13番  相田 昌夫君     14番  久保 健二君
      15番  星野  稔君     16番  大島 崇行君
      17番  山ア 義朗君     18番  大竹 政雄君
      19番  井之川博幸君     20番  大東 宣之君
      21番  橋 襄典君     22番  石田 宇平君
      23番  星川嘉一郎君     24番  牧野 保好君
      25番  星野佐善太君     27番  金井 康夫君
欠席議員(1名)
      26番  井田 孝一君
       ―――――――――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
  市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
   白沢町振興局長    根岸 恒雄君   利根町振興局長    郷原 重雄君
   総務部長       大嶋 政美君   民生部長       田村 澄夫君
   経済部長       小池 一夫君   建設部長       須藤 一夫君
   街なか対策部長    松井完一郎君   白沢町振興局次長   入澤 完司君
   利根町振興局次長   山口 芳久君   総務課長       栃原 豊彦君
   会計管理者兼会計局長 村沢 博行君    教 育 長            津久井 勲君
   教育部長       町田 哲男君   庶務課長       金子  朗君
   監査委員事務局長   水田  修君
              ─────────────────────────────
議会事務局出席者
   事務局長       小林有一郎    次長兼庶務係長    繻エ 正美
   議事係長       加藤 英臣    副 主 幹       地野 裕一
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    午前10時開議
◇議長(布施辰二郎君) これより本日の会議を開きます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第1 一般質問
◇議長(布施辰二郎君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、金井康夫議員。27番。
〔27番 金井康夫君登壇〕
◇27番(金井康夫君) おはようございます。
 今回、9月定例会一般質問、トップを切って質問させていただきますことに大変光栄に思うと
同時に、本日は多くのサポーターの方々、また区長会の方々、ご出席いただきましてまことにあ
りがとうございます。議員の一人といたしまして、厚く感謝を申し上げる次第でございます。
 また、私もまだ議員の部類では若い部類に入りますので、きょうは元気はつらつ一般質問をや
らせていただきたいと思いますので、市長におかれましてもぜひとも元気よいご答弁をよろしく
お願い申し上げ、早速でございますが質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、今回の衆議院選挙結果について、本市への影響をお伺いいたします。
 今回の衆議院選挙は、民主党が歴史的な勝利をおさめたのは皆さんご承知のとおりでございま
す。従来の都市型選挙だと思いきや、隣の埼玉県、長野、新潟、山梨では自民党が全敗、保守王
国群馬でも自民党は3人が小選挙区で議席を失い、比例代表を含めた議席は自民3、民主6と大
きく転換しました。
 この結果は、身近な経済状況の悪化や長引く不況など、現体制に対する有権者の不満感が予想
以上のものであった結果だと思われます。
 今回の選挙結果によって、本市では昭和58年からおよそ25年間、地元のために活躍された
代議士がいなくなりましたが、昨今自民党に籍を置いて県連幹事長や沼田支部長を務められた市
長は、どのように受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。また、率直なご
見解をお聞かせいただきたいと思います。また、民主党政権となり、公共事業の位置づけ、暫定
税率など道路予算のあり方、直轄負担金の廃止などで地方に一定の負担を求めるのかどうか、先
の見えない状態であります。
 本市でも7月に14億円の補正予算を組んでおり、その内容は小中学校の耐震化や児童福祉施
設へのAED整備、インフルエンザ対策、グリーンベル21への対策、市民の生命と財産を守っ
てくれる消防団への予算、来年度開催が予定されている全国育樹祭などの予算が盛り込まれてお
りますが、政権がかわって市財政や政策にどのような影響をもたらすのかお聞かせください。
 次に、財政再建についてお伺いいたします。
 この問題は、以前から市長に対しまして質問を行ってまいりました。私は、財政再建こそ最重
要課題であると思いますが、従来のやり方の「歳出を削減し、税収の回復を待つ」という取り組
みでは、もはや限界に来ているのではないでしょうか。現在の財政再建計画のやり方では、方策
は出尽くしていると思います。今必要なのは、やるべきことを断行し、市民の皆さんの将来の不
安を取り除き、安心してくらせる沼田市づくりに向けた取り組みが必要であります。ここ最近、
市民の方々とお話をしますと、「市の財政は大丈夫か」と多くの方々が心配しています。
 本市では、計画期間を平成19年度から平成23年度を期間とした財政健全化計画を実施して
おりますが、計画どおりとなっているでしょうか。現在、沼田市の財政状況は、全国的にも悪い
状態となっております。
 そこで、市長にお尋ねしますが、希望の持てる沼田となるために今後財源不足をどのように補
い、未来の子供たちへの負担を回避するために今何をやらなければならないのか、持続可能な財
政運営についてどのように考えられているのかお聞かせください。
 次に、市町村合併について、合併は成功だったのかお伺いいたします。
 月日のたつのは早いもので、1市2村が合併をして5年目を迎えるわけであります。
 合併を振り返ってみますと、実質的には国のもくろみと申しましょうか、全国の市町村の数は
3,200から1,700へとまさに半減したわけでございます。
 合併時に国や県は、「スケールメリットを生かすことで、サービスは高い方に、負担は低い方
に合わせることができると。市民生活はよくなる」と言われてきました。スケールメリットとい
いますと、1市2村で合併すれば、2人の村長が要らなくなり、助役、収入役、教育長も3分の
1となって、何よりも関心のあるのは、議員の定数を大幅に減らすことができて、その余った財
源を市民サービスに回すことができる。だから、市民の生活は、サービスは高い方に、負担は低
い方にということでありました。
 合併を行って5年目を迎え、折り返し地点となった地域振興局制度は、当初は1市2村の均衡
ある発展を目指したわけでありますが、現在利根、白沢の方々は疲弊感を感じているように思う
のは私だけでしょうか。地域自治区制度に移行して振興局長に権限を与えたわけでありますが、
それぞれ利根、白沢の方々にとって、合併したことで当初の計画どおり地域が豊かになったのか、
合併は成功だったのかお聞かせください。
 次に、ドッグラン設置による市民の憩いの場の提供についてお伺いいたします。
 ドッグランと聞きまして、市当局はどう思われるでしょうか。人間相手の施策へ厳しい財政事
業を切り詰めてやっているのに犬の面倒まで見られるかとお思いでしょうか。もし、ドッグラン
が犬だけのものあるいは一部の愛犬家だけの施設であるならば、この質問は早々に引き上げて1
回目の質問を終わらせてもいいのですが、ドックランは決して犬だけあるいは一部の愛犬家だけ
のものの施設ではありません。
 犬や猫といった動物は、昔から人間と良き友であり、時には心を通わせ、心のいやしをもたら
す存在であることはご承知のとおりであります。リタイヤ世代の心のいやしに大きな役割を果た
すことは十分考えられます。また、情緒的に不安定な子供の家庭に犬が飼われるようになると、
家族間の健全なコミュニケーションが回復されるとのことです。自閉症の発達支援として動物セ
ラピーを積極的に行っている自治体もあると聞いています。そのほかにも高齢者の痴呆や引きこ
もりに施設などで犬を飼うことにより、孤独の軽減や親交などに有効であることも実証されてい
ます。このように、犬は、高齢者や子供たちを含めた私たち人間に豊かな心や安らぎを取り戻す
要因となっています。
 先日、白沢のドッグランを見てまいりました。経営者の方とお話をしたところ、お年寄りが犬
を散歩させているのを見て大変そうだと感じ、犬を放して遊ばせれば楽でないかと思ったのがき
っかけで、広場があればと考えたのが整備の発端だそうです。ドックラン設置は大きな発想の転
換だったそうです。
 動物と触れ合うことで心のゆとりが広がるものと思われます。とりわけ、市民の憩いの場であ
る沼田公園に、心のゆとりを生み出すドッグランを市のイニシアティブで設置していただきたい
と2年ほど前から要望しておりますが、市長のご見解をお伺いし最初の質問といたします。
 よろしくご答弁をお願い申し上げます。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、沼田市政について、衆議院議員選挙について、今回の衆議院議員選挙結果について本市
への影響はについてでありますが、今回の選挙結果はご案内のとおりで、政権が交代する見通し
となったところであります。
 今回の選挙結果を真摯に受けとめ、そして今後の市政運営には遺憾なきよう対応してまいりた
いと考えております。
 また、本市への影響についてでありますが、新しい政権の政策として、中学校卒業まで子供1
人当たり月2万6,000円を支給する子ども手当の創設や、高校授業料の無償化、高速道路の
原則無料化などが挙げられる一方で、国民的な観点から行政全般を見直す「行政刷新会議」を新
設し、すべての予算や制度の精査を行い、必要がないと判断したものにつきましては年度途中で
も凍結して財源確保につなげるとの方針も示されているところであります。
 本市におきましては、さきの国の第1次補正に伴う7月補正予算での事業を初めといたしまし
て、中心市街地土地区画整理事業に対する交付金や、県の事業でありますけれども国道120号
線椎坂バイパスなどへの影響が懸念されるところでありますが、今後打ち出される国の政策等に
関する情報収集などに十二分に意を配して、市民生活に混乱を来さないようしっかりと地に足を
つけて、その対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、本市の財政状況についてでありますが、危機的状況である財政再建をどのように行うの
か、またその要因はについてでありますが、初めに現在の財政状況を招いた要因につきまして、
「国の問題」と「市の問題」の大きく二つに分けてお答えを申し上げたいと思います。
 まず、「国の問題」といたしまして、平成16年度から平成18年度までに行われた国の「三
位一体の改革」により、地方交付税等の一般財源が改革前の平成15年度に比べて大幅に削減さ
れたことが挙げられます。
 次に、「市の問題」といたしまして3点申し上げたいと思います。
 1点目は、平成16年度以降、特に地方交付税等の一般財源が大幅に削減されたことにより、
財政調整基金を多く繰り入れたことが挙げられます。
 2点目は、1990年代の国の景気対策の一環として行った地域活性化施策による事業として、
とりわけ平成4年度から平成6年度にかけて行った図書館、保健福祉センター及び温泉施設とし
ての白沢・望郷の湯などの事業の建設のために借り入れた市債の償還費が多額であったことが挙
げられます。
 3点目は、広域農道負担金と言われるいわゆる「望郷ライン負担金」が、平成16年度から平
成30年度までの15年間に約42億円、毎年度約2億7,000万円を償還することになった
ため、今後27億円の償還をしなければならない状況にありまして、新たに財政負担が増加した
ことが挙げられます。
 以上、申し上げました内容が現在の財政状況を招いた要因ととらえておりますが、これまでに
実施してきた大型事業についても、それぞれの時代において市民福祉の向上を図るべく最大限に
配慮した結果であったということも、一方においてご理解をいただきたいと思います。
 次に、財政再建、財政の健全化にどのように取り組むのかについてでありますが、まず財政構
造の弾力性を判断する基準である「経常収支比率」が、平成20年度決算では104.5%、対
前年度比で2.5%改善されましたが、依然として県内12市の中で最も高い比率であることか
ら、今後も歳入の捕捉に努めることはもちろんのこと、義務的経費を含めた歳出全般を抜本的に
見直す必要があると考えております。
 また、もう一つの重要な財政指標であります、将来にわたる実質的な財政負担を含めた連結ベ
ースの公債費である「実質公債費比率」につきましては、平成20年度決算で19.6%、前年
度に比して0.2%増となり、前年度に引き続き県内12市の中では最も高い数値でありますの
で、借り入れに大きく依存する財政運営からの脱却を図るため、「公債費負担適正化計画」及び
「公営企業経営健全化計画」に基づき市債の発行を極力抑制するとともに、公的資金補償金免除
繰上償還、いわゆる借換債を積極的に活用し公債費の一層の負担軽減に努めてまいりたいと考え
ております。
 今後も経常収支比率及び実質公債費比率などの財政指標を念頭に置き、また地域経済の活性化
についても配意しながら、行財政改革を積極的に推進するためさらに踏み込んだ取り組みについ
ても検討し、公債費負担適正化計画の最終年次である平成25年度を目途にさらなる予算規模の
縮減を図り、財政の健全化に一層努めてまいりたいと考えております。
 次に、市町村合併について、合併は成功だったのか、市長の見解を問うについてでありますが、
本市は平成17年2月13日に旧白沢村及び旧利根村と合併をし、現在4年と6カ月が経過をし
たところであります。
 市町村合併を契機といたしまして、小学校卒業までの子供の医療費の無料化、第3子以降の出
産に対する祝い金の支給、本格的な奨学金制度の導入など少子化対策・子育て支援策を実施する
とともに、市域の拡大に伴う多くの観光資源を生かした都市間交流の推進を図ってきたところで
あります。さらに、国道120号椎坂バイパスにつきましても、旧市村を結ぶものから新市内の
生活圏の一体化を図ることとなり、その整備促進がさらに強固になったものと考えております。
 また、振興局においては、地域協議会等の意見を踏まえ事業の選択やそれに伴う予算の配分を
行い、各地域の実情や特性を生かしたまちづくりが進められているものと考えております。今後
も市民のご理解とご協力、そして議会のご指導をいただきながら、課題に対処しつつ「水と緑の
大地 田園空間都市」の構築に向け、一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。
 次に、市民のふれあいの場の提供について、ドッグラン設置による市民の憩いの場の提供につ
いてでありますが、ドッグランにつきましては議員もご承知のとおり、「犬の飼い主の管理のも
と、隔離されたスペースの中で引き綱を外し自由に運動させることができる場所や施設」で、現
在、沼田市内には玉原高原ラベンダーパーク内と白沢町の2カ所に民間施設がありますが、沼田
市におけるドッグラン設置につきましては、付近の住民への配慮・衛生上の問題、他の犬や人間
に危害を加えないことなど、また施設の運営・維持管理など研究事項も多くありますので、その
設置について今後も引き続き研究していきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと
思います。
 以上、申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇27番(金井康夫君) ご答弁いただきましたので、再質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、さきの選挙の関係でございますけれども、先ほど市長のご答弁ですと、今後遺憾
なきよう対応するというようなご答弁でございます。今回、地元の国会議員がいなくなったとい
うことでございまして、私自身思いますのは、黄金の手綱を失ったというか、手綱を失ったのか
なというような気がしております。今まで自民党は50年以上大勢を占めていたわけでございま
すけれども、今後国に対して陳情する窓口が、与党でありますと民主党あるいは社民党または国
民新党、この3党に対して陳情するようになるわけでございますけれども、沼田市のトップとい
たしまして、今後のこの沼田市の現状あるいはそれぞれの陳情内容についてどのように国に対し
て陳情を行おうと思っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員も既にご承知かと思っておりますが、現在地方分権の時代と
いうことが言われておりまして、既に十数年ほど前から国と地方は対等補完の関係ということが
言われております。したがいまして、そういった観点からとらまえますると、いかに基礎自治体
が国家に比べれば極めて少微とは言いながらも、やはり常に対等補完の関係ということにとらま
えた形の中で今後とも対応していく必要があるのではないかというふうに思っております。
 議員がご指摘のとおり、黄金の手綱が途絶えたというこのご指摘は非常に的を射た言い方をさ
れておられまして、まさにそういう意味では非常に残念な結果になったわけでございます。そう
いった形の中で、ご案内のとおり利根沼田は群馬県土の28%を占めており、広域行政も非常に
団結した県下でも、あるいはまた日本全国でも評価をされているところでございます。したがい
まして、各市町村長には、今後他の自治体の問題であっても市町村長が一致団結をして、そして
そのところの問題等々についてはみんなで応援をし合っていこうということを既に確認をしてい
るところでございます。したがいまして、いろいろな状態の変化はあろうとも国家の形態の、政
権の政党がかわっても、その政党も当然地方に対する活性化あるいは計らいということについて
は、やはりいかなる時代にあろうとも古今東西、その考え方には変わりがないと思われますとき
に、基礎自治体でありまするところのこの市町村がしっかりと団結をして、少なくとも群馬県土
の28%を占める、この3分の1から4分の1の面積のこの自治体の首長がしっかりと手をとり
合って頑張っていくことによって、そういったいろいろな変化に対応していかなければいけない
というふうに思っております。したがいまして、今後ともそういった状況の変化に柔軟に対応し
ながら頑張っていかなければならないというふうに受けとめているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、今後市町村長が一致団結して、それぞれ政権が
かわっても要望していくんだというようなお話でございますけれども、けさの上毛新聞、こちら
にも大澤知事、コメントが載っているわけでございますけれども、今回の補正予算14兆円を民
主党は凍結するということをマニフェストでうたっているわけなんです。ですから、この14兆
円が凍結されることによって非常に群馬県とすれば影響がある。大変な混乱を招くんだというよ
うなコメントが載っているわけでございます。
 また、昨今、毎日のように八ッ場ダムのテレビ放映がされているわけでございます。地域実情
を言ったところ、民主党は八ッ場を中止ということをマニフェストに入れているんですから地域
の要望を言っても、あれはもう中止するという方向で進んでいるんです。ですから、幾らそうい
う形で民主党に伝えると言っても、なかなか現体制、現政権については、本市の今置かれている
状況からすると大変厳しいことが今後予想されるのかなというような気がしているわけでござい
ます。
 冒頭、私の方から質問内容でさせていただきましたけれども、市長は今まで本当に華麗なる経
歴なわけでございます。この際でございますから、今後例えば地元の意見を市長みずから国政に
提出して打って出て、国会議員に出て実情を訴えるんだというようなお気持ちがあれば別でござ
いますけれども、せっかくの機会でございますので、今後国会に出て、私がこの地域のために頑
張るんだというような思いがあるのであれば、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) きょうは市議会の一般質問の場でございます。私自身の今後の政治動
向については、やはり同志たるべく方々とよく相談をしながら決定をしていくことになろうかと
思っております。したがいまして、先ほどの私の将来のことについては留保させていただきたい
と思います。
 ところで、先ほど来、県の関係のことについてのお話がございましたけれども、この関係で確
かに大澤知事が交付決定した基金まで取り消されたら地方は非常に混乱すると、こういうふうに
言われておりまして、まさに私どももそういったことだと思っております。したがいまして、今
後こういった動向にしっかりと地に足をつけて冷静に対応していく必要があるのではないかと思
っております。
 ちなみに、私どもが7月のときにいろいろと補正を組んだ関係等については、まずまずこれは
しっかりと前進していくことができるのではないかというふうに受けとめております。同時に、
ハード関係で国道120号椎坂バイパス関係あるいはまた白沢の岩室という集落の南郷寄りのと
ころから輪久原というところにつながる県代行の事業の関係がハードなんです。予算も相当使わ
れるであろうと思っております。これらについても、私自身もあのような結果になった後、すぐ
に県土木、県の整備局にも参りまして、県土整備部にも参りまして、いろいろとその調査もして
まいりましたけれども、まず平成21年度の予算措置をしたものについては、しっかりとやって
いくことになるだろうというコメントをいただいているということを申し上げておきたいと思っ
ております。
◇27番(金井康夫君) 今後の国会への転身については政治動向、これは留保するというよう
なことでございますけれども、これはお答えになっても自分はいいんだと思うんです。ですから、
まんざらでもないのかなというような感じがしました。今回、一般質問のそういうことでござい
ますので、財政内容についてもひっくるめて中に突っ込んだ質問をさせていただきたいと思いま
す。
 財政についてお聞きしますけれども、先般平成20年度の監査意見書が出ました。これは何か
薄いんですけれども非常にまとめられた内容です。中を見ますと、大変専門用語が並んでいてな
かなかわかりにくいわけでございますけれども、きょうは多くの傍聴者いらっしゃいますので、
この中で幾つかピックアップさせていただいて市長の認識を確認させていただきたいと思います。
 先ほど市長の方からご答弁であったわけでございますけれども、経常収支比率、これは平成2
0年度、104.5%です。これは県下でも最低のラインだというようなことを答弁されたわけ
でございますけれども、この経常収支比率というのは簡単に言ってどういうことなのかと。また、
104%は最低と言っているけれどもどういう状態なのか。こちらについてお聞かせいただきた
いと思います。
 まこ、同じく財政力指数、これは平成20年度、0.554です。これも同じく、この数字の
あらわす意味と、また財政力指数というのは簡単に言ってこういうものですと。
 あと、もう1点、せっかくですので実質公債費比率、これも先ほど言われましたけれども、今
回の財政健全化法の一環でこのような3年間の平均数値があらわされたわけでございますけれど
も、こちらについても平成20年度、19.6%という数字はどんなぐらい厳しいのかというよ
うなこの3点について、それぞれの意味とこの数値をあらわすことについて、今後沼田市はどう
なるのかということについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大きく3点のご質問があったと思います。
 まず、この経常収支比率の104.5%というのは、結論から言ってしまえば、毎年どうして
も本市が基本的にもう使わなければならないお金でございまして、つまるところ4.5%、つま
り100%に対して4.5%多いわけでございますから、この4.5%はしかるべきところから
見つけてこなければならないお金ということになろうかと思います。
 続きまして、財政力指数の0.554は、本来であるならば1.0が一番好ましいと思います
が、あるいはまた1.0以上がいいのでありますが、0.554ということはやはり国や県のご
支援がなければ財政運営を展開していくことができないということのとらまえ方になろうかと思
います。したがいまして、この数字は高い方がいいということになるわけでございます。前段の
数字はできるだけ低い方がいいと、こういうことになろうかと思います。
 実質公債費比率の平成20年の19.6%の関係でございますが、これは全体のパイを100
とするならば、この実施公債費比率、つまり借金返済に19円60銭、冒頭からかかるというそ
ういうことになろうかと思っております。以上であります。
◇27番(金井康夫君) 市長、わかりやすくご答弁をいただいたわけでございますけれども、
まず経常収支比率104.7%、これは先ほど市長のお話ですとどうしてもかかるお金以外に足
が4.5%出ているんだというようなご答弁でございますけれども、これは非常に厳しい数値だ
と思います。6月に一般質問させていただきましたけれども、これも幸か不幸なのか、一番最初
に布施議長が視察対応したところが千葉の我孫子市なんです。我孫子市がなぜ沼田市を視察した
のかというと、経常収支比率が当時107%だったんです。ですから、こんなに厳しい財政でど
んな財政運営しているのかということで、反面教師の視察に来たんです。沼田市がこんな財政運
営でどうやって財政運営しているのかなということで、我孫子の議長ひっくるめていろいろ皆さ
ん知っているんですけれども、うちの我孫子も大変だけれども沼田に比べればまだいいなと思っ
て帰っていったそうです。
 それで、いろいろやった結果104%に抑えたということでございますけれども、自分からす
ればまだ104%という数字はタコが自分の足食っているのと同じなんです。もうタコ足配当な
んです。ですから、自分のところの収入で賄えないんです。人件費と扶助費と一部事務組合で全
部飛んでしまっているんです。ですから、例えば一般家庭でいえば、ローンを払ってお酒もたば
こも吸えない状況なんです。だから、何かもしこの冬に、これからインフルエンザはやると言い
ますけれども、インフルエンザがはやったら多分1億円ぐらい出てしまうんです。一般会計から
どかっと出るんです。雪が降れば2億円ぐらい出てしまうんです。そうなった場合、では財政運
営どうするんですかと。104%の状況では、今でもまだマイナスなんです。ですから、こうい
う数値を見て、今の本市の置かれている立場とすればどうなのですかということをお聞きしたん
です。
 また、財政力指数0.5という数字なんですけれども、これは市長今1以上あればいいという
ようなお話でありましたけれども、1以上あれば東京都みたいな不交付団体なんです。沼田市が
どういうことかというと、例えば5,000万円年収があれば1億円支出があるのと同じなんで
す。だから、基準財政収入額割る基準財政需要額なんです。収入割る支出なんです。だから、
5,000万割る1億は0.5なんです。沼田はそういう状況なんです。5,000万円の収入
で1億円出している状況なんです。この5,000万円穴があいているところはどこかといえば、
交付税で負担しているんです。この交付税が、さっき言ったとおり三位一体の改革で減っている
んです。ですから、交付税に依存してやっていた自治体は今後本当に悲惨な時代が待っているわ
けなんです、財政の中身から言えば。ですから、こういうことも踏まえて市長はどう考えている
んですかということで質問させていただいているんです。
 また、実質公債費比率について19.6%については、これはさきの財政健全化法によって1
8%以上の自治体については群馬県知事の許可がなければ新たな借金を起こせませんよというこ
となんです。ですから、リミッターがもうかかってしまっているんです。先ほどみたいな感じで
何とかみんなわからないようにお金を回していたのが今後は通用しなくなる財政運営になるんで
す。ですから、1回目のさっきの市長のご答弁ですと地方分権がいいというようなご答弁だった
わけでございますけれども、自分は豊かな地域はますます発展するんだと思うんです。貧困にあ
えぐ自治体はさらに極貧にあえぐ自治体になると思うんです。だから、地方分権、地方分権とい
うことで非常に耳ざわりがいいんですけれども、さきのマニフェストでも言ったんですけれども、
それぞれの自治体でそれなりの能力がある自治体だったらいいんです。潤沢に財政があれば今後
の財政運営もうまくやっていけるんです。ただ権限だけ与えられてもそのお金を使えなければお
金にはならないんです。ですから、そういうことを踏まえて、市当局が、大勢いらっしゃるわけ
でございますけれども、市長、今後の沼田市としてこの財政の観点からしてどのようにお考えな
のか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員は、大変勉強家であり、しかもいろんなことをよく研究され
ているので、私どもが詳細に申し上げないことまで分析されてお話をされました。しっかりと受
けとめて今後の対応に処してまいりたいというふうに思っております。
 そういったところで、今後の考え方ということでございますけれども、やはりどうしてもこの
経常経費を削減をしていくということと同時に外貨を稼ぐと、こういうことを展開していかなけ
ればならないと思っております。したがいまして、今後国あるいはまた県等の動向を注視しなが
ら対応を図らなければなりません。しかも、今後お話しのとおり、今まで国、県にいろいろと頼
ってきたやり方がなかなか厳しくなっていくのかなということについては、私も実は同感でござ
います。したがいまして、それぞれの情勢に常に耳を傾けて、そして先々に遺憾なきよう対応し
てまいりたいというふうに思っております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、今後の財政運営につきましては外貨を獲得する
んだというようなご答弁でございますけれども、私は1回目の質問で、今後はもう税源に頼ると
いうような時代はもう過ぎたのかなと、今後さらにまたいろいろな部分で考えなければいけない
時代に来ているんだというような質問をさせていただいたわけでございます。今回財政が厳しく
なった要因について市長のご答弁ですと、国と市の立場で先ほどご答弁いただきました、国の立
場ですと三位一体の影響が非常にあったんだというようなことでございます。三位一体、税源移
譲3兆円です。お金くれるというのが3兆円です。補助金カット4兆円です。交付税削減5兆で
す。だから、3引く4引く5でマイナス6兆円なんです。国はマイナス6兆円を地方に今負担出
しているんです。6兆円というともう余りにも大き過ぎてちょっとわからないんですけれども、
大体消費税1%が2.5兆円と言われているんです。ですから、6%ふえたということは、国民
に対して、地方に対して2.5%消費税が負担になったようなこんな状況なんです。この三位一
体が非常に影響があったというようなお話なんですけれども、当時地方6団体、市長会ひっくる
めて三位一体の改革については推進する立場でやったわけなんです。市長もそのとき市長をやっ
ていたわけなんです。ですから、その当時三位一体はいいんだということで地方6団体で国に対
して要望したわけなんです。その結果こういうふうになったということを踏まえて、市長のご見
解をお聞かせいただきたいのと、あと市の1、2、3番、先ほどお答えいただいたわけでござい
ますけれども、財調を取り崩しているというような話で財政が厳しいんだと。それはそのとおり
だと思うんです。今後望郷ラインが総額42億かかるんだというようなことと、あと景気対策で
当時の西田市長が箱物をいっぱいつくったからその借金返済で来ているんだというようなお答え
だと思うんですけれども、私が思うのは、今回のこの財政が厳しくなった要因は、一番大きな要
因は市町村合併なんです。合併なんです。間違いないんです。私の考えはそうですけれども、市
長のお考えをひっくるめてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、地方6団体が当時いろいろと陳情要請をしたというようなこと
のお話がございました。ご案内のとおり、私どもは全国の市長会の極めて末席を汚す人間でござ
いましたので、事あるごとにこの関係については、私は疑義のことを申し上げてきた経過がござ
います。面積が広くて人口が少ないところにはやはり配慮をすべきだと。このことは今でもそう
いう考え方を持っております。つまり、人口だけが集中しているところに利するそういうことは
やはりまずいのではないかということで、少なくとも群馬県の国会議員が集まる春の懇談会でも、
あるいはまた機会があるごとに私はそういったことは申し上げていたつもりでございます。ただ、
ご案内のとおり、当時多勢に無勢でありましたので、大変そういう意味ではそういった意思がす
べて通ったということにはなりませんでした。経過の中でもいろいろとその動き等については治
山事業等についてかなりの動きをしたこともございました。
 また、いろいろと望郷ラインのことであるとか、あるいはまたかつての事業の選択、実行によ
って今次の、要するに財政が厳しいということを申し上げさせていただいたわけでございますけ
れども、これについてはやはり客観的にどうしてもそういう数値形成が出てきておりますので申
し上げたわけでございます。そこで、議員は合併をとらまえた形の中での質問もされておられま
すけれども、これらについては議員のお立場はそういう考え方かもわかりませんけれども、私ど
もとするとまだこれらについては検討をしていかないとそういったことを断定的に申し上げるこ
とは慎重にならざるを得ないということを申し上げておきたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) 今回の財政大変厳しくなった要因は、私は一つ合併が要因にあるんだ
というような質問させていただいたわけでございますけれども、市長の立場で言えば、それが要
因だなんて口が裂けても言えない答弁だと思いますけれども、当初市町村合併、平成17年2月
に合併されたと先ほど市長も言われたんですけれども、当時合併する前、沼田市は経常収支比率
が、さっき104%と言いましたけれども、沼田市が88.1%だったんです。旧白沢村は89.
4%だったんです。旧利根村は92.8%で100%は超えてなかったんです。100%超えて
ない同士が合併して何で急にこんなに悪くなった。17年からまだ5年しかたってないわけです
から、何でこんなに厳しくなったのかというと、さっき言ったとおり経常経費が上がってしまっ
たんです。これはなぜかというと、沼田市の旧職員は411人いたんです。白沢の旧職員は64
人、旧利根村が98人いて162人ふえて573人になったんです。地方公務員法というのは給
料に差がつけられないんです。ですから、白沢、利根の人たちと合併することによって沼田市の
職員給料に合わせたんです。一般会計見てもらえばわかりますけれども、1年間に人件費だけで
今42億円出るんです。42億円出ているんです。一般会計200億ですから5分の1が人件費
と出ている状況で、あと一部事務組合費が非常に高いんです。あと、扶助費です。扶助費と一部
事務組合費と人件費を削らない限り、この経常収支比率は落とせないんです。この三つを削るこ
とができるかと言えば、なかなかこれは難しい話なんです。ですから、税収に頼って今後の財政
運営を図りましょうというのは、実質自分が数字を見させてもらうと不可能に近いなと思うわけ
なんです。
 ですから、その中で新たな税源を持ってくるためにはどういうふうなことを考えているのかと
いうことで、先般6月にもツムラに関しまして自分の方で一般質問させていただきました。ツム
ラが沼田市に来ることによって地域が雇用とか活性化するのではないかという質問をさせていた
だいたんですけれども、先般これは残念なことに夕張市に誘致が決まったそうです。これは夕張
に決まったのは100ヘクタール、ツムラの関係の薬草を育てるそうです。工場も夕張に持って
いくそうです。これはどういうことかというと、夕張市長と北海道知事がツムラの本社にやっぱ
りこれは足しげく行ったそうなんです。私もこのツムラの工場長と会っていろんな話をしたんで
すけれども、最終的には執行権ない立場の議員ですから、向こう側とすれば執行権のある首長あ
るいは大澤知事でも結構だったのではないのかというような気がするんですけれども、市長、今
後のことを考えて、今現状、削るべきところが削れない状況の中で新たな税源を見つけて財政運
営を図るんだというようなご答弁ですけれども、そちらについてさらにお考えをお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 非常にご指摘された人件費のことだとか、一部事務組合、さらに扶助
費の関係等についての提起があったわけでございますが、やはりこれらについては今後も大変厳
しいけれどもいろいろと精査をしていく必要があるのではないかというふうに思っているところ
でございます。
 一方におきまして、先ほど大変議員が熱心であったツムラの関係等についての紹介がございま
したけれども、たまたま100ヘクタールなるものの農地の提起の関係がやはりアウトラインに
あったのかなというふうに受けとめているのでありますけれども、北海道の地と私どもの地のそ
ういった立地の問題の差異がそこにあったのかと思っておりますが、今ご指摘されたようにでき
るだけ関係する理解者、つまりそれが群馬県知事であったり、あるいはまたそれぞれの方であっ
たりいたしますならば、そういった方々のご指導もいただきまして、そして今後も努力をしてま
いりたいというふうに思っております。
 なお、議員がよくご発言なされますけれども、これもきっかけは千葉大の関係から縁ができた
という経過もございますので、今後ともそういったえにしをしっかり受けとめて、今後そういっ
たチャンスをしっかりとつかんでまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い
をしたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) ツムラの関係につきましては、今回通告しておりませんので、今ご答
弁いただきまして言いたいことうんとたくさんあるんですけれども、市長の認識は認識で結構で
す。ツムラ側からすれば、利根沼田、さっき夕張の関係で立地条件、また耕す関係でいいのでは
ないかというようなことですけれども、利根沼田の方がよほどいいんです、牛久に工場あるんで
すから。北関東道、平成23年に通ります。東京圏100キロ圏内。工場長に聞いても、利根沼
田の冷涼な気候は一番いいと言っていたんです。工場持ってくるのも日照時間が日本でも一番長
い方なんです、この利根沼田地域は。だから、利根沼田は一番日本でいいんだということも言っ
ていたんです。千葉大の関係も言いましたけれども、ツムラは千葉大というのは全然相手にして
ないんです。産学官連携というのはなかなか難しいんです。ツムラ側からすれば、千葉大学の研
究の資料なんか要らないと言うんです。もう専門の研究所があるんですから。もうでっかい研究
所があるんです。ですから、それらをまとめるのが市長の立場なんです。産学官連携であるので
あれば、千葉大、また民間のツムラに対してどういうふうに連携して国からのバックアップをも
らえますよというような形でやってもらうのが一つの手なのかなというような気がしております。
それはそれで結構です。
 そういうことを踏まえて、財政の中身に質問戻させていただきたいと思うわけでございますけ
れども、では議会側はどういうことをやっているのかというようなことを一般の市民も非常に気
になることでありますけれども、議会は当時合併したとき50人議員がいたんです。現在27人
です。昨今の議会改革検討委員会によって、議長給料10%削減、副議長8%です。一般の議員
5%。政務調査費凍結、5名減らすことになって4年任期で1億7,000万円、これは必ず減
らすことに決まったんです。1億7,000万円、議会費だけで削減することに決まったんです。
ですから、議会もこれだけやっているんだから、例えば当局側とすれば新たな税源を見つけるの
が厳しいということであれば、またほかの方向性というのが市長の方であるのかなというような
気がしております。昨年からことしにかけて一般職員に対して、市長は職員給料5%カットして
いるわけでございますけれども、この5%カットの意味はどういうことを踏まえて、また来年以
降どう考えているのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 職員の方々の給料の5%のカットの関係については、大変厳しい状況
の中、私どももそういったことでお願いをし、ご理解をいただいてまいりました。また私個人に
してもやはり12市の市長の中では常に最低のあれにしろということでもって、私自身もそうい
ったことで対応を図って来ているところでございます。
 そういった中で、間もなくいろいろと新年度予算に向かっての対応の時期になるわけでござい
ますけれども、一応今後の対応になりますので、議員からご発言のあったことについて受けとめ
させていただきまして、今後の対応に処してまいりたいというふうに思っております。
◇27番(金井康夫君) 経常収支比率の関係から、自分は職員給料を今後どう考えているのか
とちょっと気になったものですから質問させていただきました。単純に5%カットしたことによ
って総額2億8,000万ぐらい削減しているんです、1年間で。そうなると、では来年度から
この職員給料5%カットは組合で約束だからもうやりませんよということになると、また2億8,
000万どこからか見つけなければならないんです。3億円のお金をどこかから見つけなければ
ならないんです。どうするんですかという話なんです。財調だってもう切り崩してしまって底が
見えているんです。財調を切り崩して貯金がない。また、この冬は何か病気がはやりそうだ。こ
ういう状況の中で今後どのように考えているのか、お聞かせいただいたわけでありますけれども、
今回、先ほど市長からご答弁聞きますと、5%カットしたのは行革の一環なんだ、厳しさなんだ
というような感じがするわけでございますけれども、私からすればもう少し市長自身、世間体を
いろいろ気にするのではなくて大なたを振るう、そういうようなことが必要だと思いますけれど
も、市長のお考え、さらにお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり職員の方も生活がございます。そして、その方々も当然家庭も
あるわけでございます。そういった中でとらまえたときに、それぞれの合意形成をしっかりとら
まえてという形の中でこれらには対応していかなければいけないと思っております。
 したがいまして、先ほど来から申し上げておりますように、そういった議員のご意見を、ある
いはまた発言を踏まえて今後の対応に処してまいりたいというふうに考えております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁のとおりなんです。職員の方々もそれぞれ家庭があるん
です。ですから、私はそれを強引に減らせと言っているわけではないんです。今財政がこれだけ
厳しくなったのは、やはり執行部の責任なんです。当局側の責任なんです。議会側のチェックも
半分責任なんです。ですから、議員は1期4年で1億7,000万円減らすということを決めた
んです、4年間で。ですから、そういうことを踏まえて、当局側におかれましてももっと根本的
なものを考えなければいけないのかなというような気がしております。こちらについてこれ以上
話してもなかなかご答弁しにくい部分があると思いますので、合併に話を移らせていただきたい
と思います。
 この合併については、5年を迎えて当初のバラ色の将来設計のようにいかなくなっているのか
なというような気がしておりますけれども、当初よく合併特例債ということであめ玉、あめ玉と
言われたんです。この合併特例債があめ玉というところと、交付税の算定がえというのが一つの
あめ玉だったんです。当初それでやったわけですけれども、10年間でこのあめ玉と呼ばれる合
併特例債は、本沼田市に幾ら起債発行される予定だったのか、そちらについてお聞かせいただき
たいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前10時50分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時01分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問に対しましては、総務部長の方から、計
数の関係もございますので答弁いたさせますので、よろしくお聞き取りのほどお願いしたいと思
います。
◇議長(布施辰二郎君) 総務部長。
◇総務部長(大嶋政美君) 命によりお答えを申し上げます。
 合併特例債についてのお尋ねであるわけでございますけれども、合併特例債につきましては、
当該合併は10年間で可能額が約150億円が認められることとして試算されているところでご
ざいます。そのほかに合併振興基金についても約19億円が可能限度額としての示しがなされて
いるという状態でございますので、報告をさせていただきます。以上でございます。
◇27番(金井康夫君) 先ほどの総務部長のご答弁ですと、合併特例債は大体150億だとい
うようなご答弁でございますけれども、その後平成19年に竹中平蔵氏が再生型破綻法制という
のをつくったんです、財政健全化法というやつを。財政健全化法というものをつくって、実質公
債費比率3カ年の平均の数値を出しなさいということになったんです。先ほどの19.何%とい
う数字が出すようになったんです。18%以上に借金比率がなりますと起債を許可するようにな
ったんです。この18%以下に何とかしましょうということで、財政部長は今頑張っているんで
す。この18%以下に借金比率を落とすためには、当初のこの150億円のあめ玉を、では起債
限度額18%に抑えた場合10年間で幾ら発行できることとなりましたか。そちらについてお聞
かせいただきたいと思います。またこれは答弁が時間かかるようだったら、それはやっている間
に聞いてもらえばいいですから、休憩しなくても。それをお願いします。
 あと、もう1点お聞きしたいと思います。
 先ほどの合併のこの特例債の起債限度額を教えてもらって、市長、財政が何で厳しくなったの
かということを私なりにお話をさせていただきたいと思います。
 多分そのうち答えが出ると思うんですけれども、昔つくった箱物の借金が償還期限が来たとか、
あとは望郷ラインの関係が毎年2億7,000万円かかってそれがのしかかっているんだとか、
あるいは三位一体の改革がころころこういうことでこうなんだ。そういうようなお答えなんです
けれども、私が思うのは、さっきの合併の関係の起債額、これでリミッターかけられたのが一番
大きな理由なんです。簡単に言うと、95%充当額充てて70%交付税算入なんです。ですから、
150億円のうちの掛ける95%掛ける70%掛けたのが大体丸々使える金額なんです。ですか
ら、150億のうちに10年間で100億円真水で使えるというのが今回のあめ玉の内容なんで
す。ですから、10年間というと1年間に10億円使えるんです。1年間に10億円使えるとい
う約束だったんです。この10億円使えるというところで、沼田市が財政厳しい同士が合併して
何とか体力をつけて10年後につなげようということで合併したんです。はっきり言ってそうな
んです。今部長が帰ってきましたので、合併特例債の18%にやった場合の起債の制限額幾らな
のか、お聞かせいただきたいのと、合併して財政が何で厳しくなったのかというのは私なりの今
意見を述べさせていただきました。市長もそれを聞いてどのようにお考えなのか、お聞かせいた
だきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 前段のご質問につきましては、現在算出中でございますのでご理解い
ただきたいと思います。後ほど算出されたらまた改めてご答弁をさせていただきたいと存じます。
 なお、いろいろと合併の関係から来る特例債の有効活用、そしてそのことによって厳しい地方
の立場を何とか10年間で頑張っていこうというようなこと。そして、その後に確固たるものに
していこうということがあったというふうなご指摘ございますけれども、議員のご指摘のとおり
かと思っております。
 そういった中で、やはり現実的にかつてのそういった事業も避けて通ることのできない重いの
しかかりとしてあったことも事実でございまして、したがいまして私どもが冒頭大きく二つに分
けて申し上げた中身もこれまた事実であろうかと思っております。いずれにいたしましても、大
変厳しい諸状況でございますので、きょうのご意見、ご質問を承った形の中で今後の対応に処し
てまいりたいというふうに思っております。
◇27番(金井康夫君) 先ほど市長の答弁ですと、今回の昨今の財政の状況というのは、箱物
つくったり望郷ラインの償還金を払ったりとかそういうようなご答弁ですけれども、合併する平
成17年のときにこうなることを想定できなかったのかどうか、そちらについてお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはもう行った事業展開については、必ず後にそれがすべて補てん
されるというような国や県の制度もありません。したがいまして、かつて行った事業はそっくり
そのまま後の後年度負担となってのしかかってくるということになろうかと思っております。し
たがいまして、そういう意味ではやはりこの関係が大変厳しくなってくるなということについて
は、予測はできたというふうに受けとめております。特に当時、金井助役が大変そういったとこ
ろには明るかったという経過もございまして、そういう意味ではこの関係等について後にどうし
ても重くのしかかってくるであろうということは予測されたということは私どもも認識として受
けとめておるところであります。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、後年度負担が重くのしかかるんだということは、
当時の金井助役が、金井助役は県の財政畑ですから大変私ども詳しいのは知っていますけれども、
金井助役がいてこうなることを予想していたんだというようなご答弁ですけれども、ではなぜこ
こまで厳しくなるのに合併をしたのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) そこらのところはまたちょっと認識が変わってくるのでありますが、
やはり当時ご案内のとおり1市2町6カ村の各広域圏の自治体がみんなで任意合併協議会を立ち
上げて、そして法定協等を経ての経過がございます。こういったことがその当時から予測された
のか、されてなかったのかということになると、先ほど言うように金井助役等についてはやはり
望郷ライン関係がかなり厳しく来るなという話はしておりました。ただ、私どもも国や県の指導
をいただいて当時任意合併協、そして法定合併協という形の展開の中で、利根沼田のいわゆる広
域圏の理事長という立場からいたしますと、どうしても利根沼田を総体的にまとめていかなけれ
ばなりません。そういったことから、各時の町村長も任意合併協に対してこぞって参加をされた
形の中でお互いが真摯にその会議に臨み、そして協議をしながら来たという経過がございまして、
そういったことを踏まえますと、現下の厳しい諸状況、それをただ1点のみ合併にあるというふ
うな形ではないのではないかというふうに思っております。やはり時代の流れというものも敏に
見なければいけません。したがいまして、現下の諸状況は大変厳しいわけでございますけれども、
今後これらの反省の上に立って、そして将来遺憾なきよう対応を図っていかなければならないと
考えているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 今回の合併の関係については、私は市長の考えは今のご答弁でわかり
ました。私の考えは、はっきり言って当てが外れたんだと思うんです。当てが外れたんです。合
併特例法というのは平成17年3月31日までにやればそのあめ玉をくれますよということで、
総務省が打ち出したんです。平成19年、2年後に舌の根も乾かないうちに、財務省が今回財政
健全化法をつくったんです。ですから、あめ玉くれると言っておいて、当初7割くれるというわ
けなんです。だから、はっきり言えば100億あるとすれば70億円くれますから30億借金し
てくださいということなんです。その70億くれた分で何とか立て直そうという、このところで
皮算用したわけなんです。1市2村が合併して100億円真水で使えるから何とか頑張るべやと
いうのでやったんです。やった結果、今度は2年後の財政健全化法で18%というリミッターか
けられたものだから借金が100億円できるものが、今計算していますけれども多分半分以下に
なってしまったんです。だから、当初100億円で10年間で立て直そうと思ったのが、国の法
律によって、詐欺みたいなものなんです。国の法律によっておかしくなったんです。そういうふ
うに市長は答えればいいんです。そうすれば納得するんですから。だから、昔つくった箱物のせ
いだとか、財調を切り崩したんだとか、今の三位一体が何だ、そういうものではないんです。財
政健全化法と総務省という国がそれなりに考えたんです。国の思うとおりになったんです。だか
ら、3,200あった自治体が今1,700になったんです。3,200口うるさい首長の首を
半分切ったんです。これでもう総務省の役割は済んだんです。だから、平成の大合併はもうこれ
で収束するんです。これでもう終わりなんです。なぜかといえば、国はもうお金ないですから。
今まで上げられるあめ玉はくれられなくなったんです。
 ですから、当てが外れたということを考えたところで、ではこの18%に対して、またこれは
ちょっと細かいことになってしまうんですけれども、近隣の都道府県ではこれを20%の許可ラ
インを上げているところがあるんです。ですから、例えば合併特例債を18%というリミッター
がかけられるのではなくて、大澤知事の許可によって20%ということになれば、さっきの7割
をもう少し合併特例債の起債制限額に盛り込むことはできるんです。今これだけ経済がもう落ち
込んでいるところにさらに緊縮財政をやるのか、この18%を大澤知事のところに行って2%上
げてもらって起債制限額をもう少し上げてもらうような努力をしたらどうですかということを以
前から市長にも申し上げているわけでございますけれども、そちらの考えについてお聞かせいた
だきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、国の方の施策に転嫁すればいいんでないかというようなお話で
あったかと思いますが、やはり私どもがこういった形の中で基礎自治体の責任ある立場からいた
しますと、そういったことだけを申し上げて私どもがいわゆる厳しかった状況について背負うだ
けではというようなことだと思いますが、議員のご見解承る形の中でそれぞれの対応に処してま
いりたいというふうに思っております。
 なお、先ほどの制限の関係についての2%の猶予、この関係につきましては、県のご理解があ
ればというそういうことでございます。これらについては検討を加えてまいりたいというふうに
思っております。
◇総務部長(大嶋政美君) お時間をいただきまして恐縮でございますけれども、さきほどのご
質問に対する答弁を加えさせていただきます。
 なお、合併特例債につきましては、21年度末現在で既に20億円の起債発行をいたしている
わけでございますけれども、今後平成25年度までを想定いたしまして、先ほど申し上げました
ように実質公債費比率を18%以下に抑制する形で試算をいたしますと、その金額が28億と試
算されるところでございます。以上であります。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、国の政策の問題なんですよということを自分の
方で指摘させてもらったんですけれども、市長は責任ある自治体として、それについてはお答え
できないようなそんなニュアンスの答弁なんですけれども、私も責任ある立場の議員なんです。
ですから、今回私が言っていることが間違っているんであれば間違ったと言ってください。総務
省の問題、財務省の問題、これが間違っているんであれば、私はその発言に対して訂正をさせて
いただきたいと思います。ですから、責任のある立場でお互い言っているんです。私も一議員で
すけれども、市長もそれに対して誠心誠意なご答弁をぜひともよろしくお願い申し上げたいと思
います。
 また、先ほど総務部長のお答えですと、平成25年まで28億。だから、150億という約束
が28億でリミッターかけられてしまったんです。150億円合併特例債があったのが28億円
に抑えられてしまったんです。これはもう18%以上超えたらだめですよということなんです。
だから、こういうことになっているんです。ですから、今財政がこれだけ厳しくなったのは、は
っきり言って国の施策なんです。それプラスそれぞれ積み上げた財政の問題が今負担となってい
るんです。でも、発言時間があと5分になりましたので、それらを踏まえて市長の方でお考えが
あればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、質問に答えるときには、議員が先ほど申し上げましたとおり誠
心誠意私どもも答えているつもりでございます。一般質問の答弁の対応は、少なくとも極めて時
間もとって対応しております。そういったことでひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 なお、今国の関係の動向のもろもろのことを言われたわけでございますが、前段私が申し上げ
ましたとおり、面積が広くて、そして人口の少ないところの、要するに配慮ということについて
は、私はどこの場所に行っても一貫して言い続けてまいりました。どうしてもこの数年来の国家
の動きというのが、そういった意味で中山間地域のように、第1次産業を中心とした、しかも面
積が広くて、そしてどうしても歴史的に人口が伸びない、あるいはまた人口の少ないところ、こ
このところに大きなしわ寄せが来ているということは踏まえておりまして、そういって意味では
一貫してそれは言い続けてきたので、そういったことからとらまえれば、金井議員のご質問とい
うことについては十二分に私の立場からもお答えをしていることになるのではないかというふう
に思っております。したがいまして、そういった意味ではやはり国家の立場において、そういっ
た環境問題等が叫ばれている今日、あるいは食糧の自給率を高めるというようなことを考えてい
る今日、そういう意味ではもっともっと中山間地域の面積の広い、人口の少ないところについて
の配慮があってよかったのではないかと思っております。
 先ほどの28億円の関係でございますが、議員は非常に詳細に調査をされておられまして、こ
れらについては先ほど県当局との関係についての関連についても触れられております。それらを
踏まえた形の中で、もう少しこれらが柔軟に対応できないのかということについては検討を加え
てまいりたいというふうに思っておりますので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) わかりました。いろいろ言いたいことがありますので、せっかくでご
ざいますので、合併に関連して、5年を迎えた中で、きょうも白沢、利根の振興局長いらっしゃ
るわけでございますけれども、当時この振興局長に対して3,000万円までの決裁権を与える
というようなわけであったわけでございますけれども、それぞれの地域の発展のために振興局制
度が現在うまくいっているのかどうか。また、地域が豊かになったのかどうか、そちらについて
お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) きょう金井議員からこういった質問があるということで、私もそれな
りに振興局の関係者にいろいろと意見等あるいはまた感想も聞いてまいってきたところでござい
ます。今回いろいろととらまえたときに、椎坂バイパスのようなことであるとか、あるいはまた
それぞれの環境整備はまず進んできたという経過がございます。ただ、やはりこれはどうしても
もろ刃のやいばになるわけでございますけれども、それぞれの小さな自治体が合併することによ
って大きな自治体になることによって、かつてのような小自治体の場合ならば目が各方面に届く
と。ところが、やはり大きくなることによってそういった目が届きづらくなるというこの宿命的
なことはかねがねあったというふうに思いますし、またそれを受けとめておりました。
 そんなことから、私もそういうことについての配慮というんですか、してきたつもりでござい
ます。ただし、しかしながらよって立つところの基本的な法的に認められている自治行政そのも
ののことが今までのような形ではなくなってきたということは事実でございます。と申しますの
は、合併して全体の大きな枠組みに入ったわけですから、そういったところがじくじたるところ
がございます。ちょうど折り返し地点と言ってもよろしいかと思いますけれども、いよいよ正念
場だなと思っております。したがいまして、今後それぞれの関係者のご意見あるいはまた地域住
民のニーズ等もしっかりとらまえた形の中で、この合併の関係等についてさらに検証を深めてま
いりたいというふうに思っております。
 これは金井議員のご質問に対するお答えになるのかどうかわかりませんけれども、1点だけせ
っかくの機会ですから申し上げさせていただきたいと思いますが、合併してから以降、小学校、
中学校の子供たちの活躍が非常に光ったなと思っております。それは単市単町単村であってもそ
うだったかもしれません。しかし、非常にお互いに刺激し合って、そして教育長を初めといたし
まして教育委員会の計らいもあって、例えば沼田の旧市内の学校と旧利根村、旧白沢の学校が交
流会をすることによって都市のよさを学んで、村部のよさを学ぶというようなことから、学力に
対する刺激、それから体育、文化に対する刺激等で非常に今子供たちは高く評価されているとい
う経過がございます。
 そういうようなことから、非常に将来を担う子供のことが大変論議されている昨今でございま
して、今後ともそういった合併したことによってお互いの地域の特性の違いを地域内交流を展開
することによって刺激をし合って、さらに体育の面でも、文化の面でも、学力の面でも群馬県の
中に沼田の教育ありと、こういうようなことでもって天下に示していくという絶好の機会を得て
いるなということを受けとめている昨今の状況でございます。
◇総務部長(大嶋政美君) 先ほどの合併特例債の関係で数字に係ることでございますので、補
足して説明をさせていただきます。
 先ほど私が申し上げましたのは、平成17年から21年までの間で約20億円の起債は既に発
行しているものでございます。今後発行が可能となる金額が28億でございますので、合わせま
すと150億の起債可能額のうち48億円を発行するという数値でご確認いただければと思いま
すので、よろしくお願いいたします。
◇27番(金井康夫君) 先ほどは当初150億のうちの48億ということですから3分の1に
減ったと、制限かけられたということです。それはそれで結構です。
 市長、先ほど合併して振興局制度になって小中学生が非常に活躍しているんだということで、
大変前向きな考え方だなということで、自分もそういうような前向きな考え方を今後参考にさせ
てもらいたいなと思いました。ですけれども、今の財政の状況からいえば大変厳しいわけです。
きめ細やかなことができないということでもろ刃の剣だということを言われたわけですけれども、
私から見れば、振興局長は3,000万円の決裁権あるんだということだったんですけれども、
抜けない刀を持っているんだと思うんです。では、実際決裁権3,000万円でばんばんばんば
ん切っているのかどうかと言えば、実際できていない状況なんです。教育予算にすれば本庁で全
部やっているんです。例えば、全部のシーリングあるいは配分方式にしても、本庁が一手に握っ
ているんです。あくまで判こ押すだけの権限しかないんです、振興局長は。ですから、そういう
ことを踏まえて、振興局長が3,000万円の当時の決裁権を大なたを振るって地域の発展のた
めに使えるというようなことで当初それぞれの村に説得したわけでございますけれども、そうい
うことが現在有効に活用されているのかどうか、そちらについてお聞かせいただきたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 発注あるいはまたそういった公共事業の関係になろうかと思いますけ
れども、これらについてはいろいろと経過がある中で現在の対応に処してきております。やはり
この節、どうしても公共事業も大変厳しい財政状況から急速に落ち込んできたということも否め
ない事実でございます。ただいまご発言された関係等については、今後両振興局長ともよく協議
をして、そして対応を図るべくことを今考えているところでございます。
◇27番(金井康夫君) あえて私の方から申し上げたいと思うんですけれども、現在の振興局
長は本当にわかるような権限がないんです。これはあえて言えば、この振興局制度にあるのは、
振興局長の任命から罷免まですべて市長に権限があるんです。ですから、強権政治につながるの
ではないかというような気がするんです。ですから、今まで特別の職員に対しては議会の同意が
あったんです。ですから、例えば今後振興局長を任命する際に開かれたところで議会の同意を必
要とするべきだと思いますけれども、市長自身、そのことについてお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) これらは別に私が何か特別な権限を持って独裁権を発するとかそうい
うことを考えたこともありませんし、そういったことをまたするつもりもございません。あくま
でも国、総務省あるいはまた地方課のご指導をいただいて対応に処してきたつもりでございます
ので、ご理解を賜りたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) この振興局制度の振興局長の任命については、先ほど総務省あるいは
地方課の指導をいただきながらやったんだと。これは合併特例法の中に一文句だけ書いてあった
んです、分厚い中に。自分はこれをいろいろ見てみたんです。その任命については、その首長が
するということを言われているんです。ですけれども、これは条例改正すればいいんです。です
から、今後この振興局長を承認する際には議会の同意も必要とするというようなこともしたらど
うですかということを私は質問しているんですけれども、それについての市長のお考えをお聞か
せいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本日は、初めてそういったご意見も承りました。しかも、合併協議の
経過の中でそれらのところが文言となってきた経過もございます。したがいまして、今後の課題
とさせていただきたいと存じます。
◇27番(金井康夫君) この問題については、今市民の中で非常に興味のあるところだと思い
ます。私は、合併した当時のところで議会の同意を得るということは大した問題だとは思わない
んです。今までの特別職だってすべて議会の同意があるんです。それを議会の同意がなくてすべ
て任命して罷免までできるということは、ちょっとやり過ぎなのではないですかということなん
です。これは条例改正やればできるんです。市長の思い一つでできるんです。ですから、今後検
討するということですけれども、早急に検討していただきたいと思います。また、そういうこと
が今回のこの財政問題、いろいろなところで突破口が見つかる部分が出るんではないかと思いま
す。
 もう時間もそろそろ終わるわけでございますけれども、ぜひとも市長に一つ言葉を申し上げた
いと思います。市長が大変尊敬して敬愛する田中正造氏が、このようなことを言われております。
「亡国に至るを知らざれば之れ即ち亡国の儀につき質問書」、こういうことを言われているわけ
でございます。市長はご存じだと思うんです。ですから、亡国になる理由をわからなければ、我
が誇り高い沼田市が亡国にならないように、市長にはぜひとも精進していっていただきたいと思
う次第でございます。
 最後に、市長のそれらのお考えをお聞かせいただきまして、私の一般質問を終わらせていただ
きたいと思います。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 田中正造翁の言葉を使って最後のご質問になったわけでございますが、
田中正造翁は栃木県の佐野市の出身でありまして、当時栃木県の県会議員、そして衆議院になっ
て足尾銅山からの鉱毒が渡良瀬川沿岸に大きく波及する、そういった形の中で国家を相手に一生
懸命農民のために頑張った方でございます。一時、高徳秋水という当時の社会主義者の応援もあ
って、そして天皇に直訴をして下野をいたしまして、現在の渡良瀬遊水池に谷中村というのがご
ざいましたけれども、ここのところがいわゆる足尾銅山から流れてくる水のはんらんする池とし
て、言うなれば堰堤、つまり堤防をカットしてそこへ水を逃すという策を打ったわけでございま
す。そこのところに入り込んで最後まで谷中村のいわゆる存続のために努力をいたしましたが、
谷中村の方々は当時北海道の方に移住をして開拓農民となっていたという経過もございます。こ
の田中正造翁は、池田の左部氏とも大変ご縁が深かったということと、さらに現在足尾銅山その
ものの古河の仕事に対して、旧利根村の根利山というところあるいは平滝からいろいろな材木が
鉄索で運ばれていったというようなこと等があって、一言でなかなか分析することはできないの
でありますけれども、少なくとも人々のために、庶民のために最終最後まで命をかけて頑張った
方でございます。
 したがいまして、金井議員がお話しされているその言葉は大変意義の深いことであろうと思っ
ております。私も及ばずながら、若かりしころ、この田中正造に傾倒して勉強させていただいた
という経過もございますので、今後金井議員のご質問あるいはまたご意見等を体して、そして先
人の立派な方の意志に学んで、今後の市政運営に処してまいりたいというふうに思っております
ので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、大竹政雄議員。18番。
〔18番 大竹政雄君登壇〕
◇18番(大竹政雄君) それでは、通告に従い一般質問を行います。
 さきの衆議院選挙において、政権が自民党から民主党へと移りました。時代が大きく変わろう
としているのかもしれません。
 しかしながら、民主党が単独過半数を獲得したことはよいのか悪いのか。そして、どのような
影響があるのか。また、マニフェストの中の子育て支援や高速道路の無料化においても待ち望ん
でいる人たちが多いと感じますが、財源である扶養控除問題や道路維持問題等に多くの国民は、
負担が別の方法で来るかも知れないなど危惧されているようです。
 先行き不透明であることは間違いないのですが、不安半分、期待半分というところかもしれま
せん。また、地方分権については、大きく期待しているところでありますが、これからの市政運
営は大きく変わっていくのかもしれません。
 今までの自民党政権は、中央集権政治、すなわちすべてひもつきで、地方自治体は努力しなく
ても言うことさえ聞いていれば何とかなる、そんな時代であったように感じています。しかし、
これからは、言うべきことははっきり言っていくようにしていかなければ、取り残されていくこ
とになりかねないのではないでしょうか。市長を初め、職員や議会の責任は大きくのしかかって
くるものと思います。
 政権交代により民主党の政策がいろいろと言われていますが、率直なところ、これからの市政
運営はどのように変わっていくものと感じているのか、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、今回の選挙において感じたことは、政治に対する国民の意識の違いが大きかったと思い
ます。
 そこで、市政もそうですが、今、市民が本当に求めているのは何であるかであります。皆様か
ら多く聞くのは、景気対策もありますが、特に「若者の働く場所を何とかしてほしい」そして
「若者が住みたくなるようなまちづくりをしてほしい」という意見が多いように感じています。
「隣の町や村では企業進出が聞こえてくるのに、沼田市は企業誘致をやりますと言っているのに
もかかわらず現状は進まない」と市民から苦言を聞かされ、「もっともだ」と感じている一人で
ございます。
 現状において、特に働く場所や景気対策において、市民との意識の違いを市長としてどのよう
にとらえているのか、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、外部評価制度導入についてお伺いいたします。
 昨年の3月議会において、評価制度についてお伺いしたときに少し触れさせていただきました
が、これも先ほどの質問に関連されることでありますが、「内部評価だけではこれからの時代は
乗り切れないもの」と改めて感じているところでございます。それは、昨年、事業評価の提出が
ありました。内容に沿った政策方針ではないように感じていました。特に、内部での評価であり
ますので甘くなってしまうのは当然でありますが、そこにチェックする機関がなく、予算編成に
余り重視されているとは思えません。他市の外部評価を見ると、内部評価が提出された後に意見
具申がされているのが多く見られます。そして、それを加味しながら予算編成に取り組むという
形でありますので、市民の要望が加味され改善されていくようであります。
 先ほども言ったように、市民との意見の相違をいかに少なくしていくかがこれからの課題であ
り、外部評価制度の導入は必要と感じていますが、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、議会と政策に関する検討協議についてお伺いいたします。
 この制度についても、議会側から内部評価を、各委員会において政策に関する協議を進めるこ
とが以前から必要と感じていました。
 議員は、市民意見をいかに市政に反映させるかが大きな目的であります。私もいろいろな地方
自治に関する本を読みますが、「これからは地方議会もチェック機関から政策機関に移行すべき」
という内容が多くなりました。「議員と職員、または市長との研究機関をつくっていくことが、
これからの分権時代を進める上で必要」と言う学者もいます。
 市民のため、お互い良く理解しながら政策協議をすることが求められていると感じますが、市
長の見解をお伺いいたします。
 次に、市民協働についてお伺いいたします。
 このところ、各地域、団体等において、協働事業についていろいろと協議や実践をされ始めて
いるように聞いています。
 私どもの木田の小径事業も昨年から始まり、ことしも2路線新たに探検道路をつくり、実のな
る木や花を植栽し、子供たちの遊び場等も計画をしながら5年後、10年後の山菜広場をイメー
ジしながら、商工会員が月2回、日曜日の朝6時から2時間程度、整備しているところでありま
す。今、みんなで協議しているのは、「もう少し大きな企画ができないか」ということでありま
す。それは、たくさんの方が散歩されています。聞くところによると、30分から45分程度の
散歩時間が多いようです。私どもの小径は、往復をしても15分くらいであります。やはり、3
0分から1時間程度の散歩道をつくるために他の事業と連携ができないか、そういった話し合い
をしているところでありますが、沼田市は以前、野外博物館構想がありましたが、その後話を聞
かなくなりました。
 そこで、市民協働の枠組みの中で各地域の連携によって、歩いて楽しい町を目的に、市が中心
になって野外博物館的な事業ができるとも感じています。市長の見解をお伺いし、1回目の質問
といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、市政運営について、政権交代による市長の基本方針について、民主党政権に対するこれ
からの市政運営についてでありますが、政権が交代がなされたとしても、基本的には市政運営に
大きな変更が生じることはないものと考えておりますが、さきの議員にご答弁申し上げましたと
おり、さきの国の第1次補正に伴う7月の補正予算での事業を初めといたしまして、中心市街地
土地区画整理事業に対する交付金や国道120号線椎坂バイパスなどへの影響が懸念されるとこ
ろでありますので、今後、打ち出される国の政策等に関する情報収集などに十分に意を配して、
市民生活に混乱を来さないよう、しっかりと地に足をつけて、その対応を図ってまいりたいと考
えております。
 次に、市民感覚と市政に対する意識の違いについてでありますが、市政モニターや市政懇談会
、市長への意見箱などの実施、また計画策定に対する市民アンケートの実施などにより、市民の
意見、要望等の把握に努めてきたところであります。
 議員のご質問にありますように、「現状において、特に働く場所や景気対策における市民との
意識の違い」についてでありますが、市といたしましても企業誘致に取り組んでおりますけれど
も、いまだ実現には至っていない状況であります。
 いずれにいたしましても、今後とも、市政情報の提供とともに市民意見の把握に努めてまいり
たいと考えております。
 次に、外部評価制度導入についてでありますが、本市における行政評価につきましては、平成
15年度から総合計画の事務事業を対象といたしまして事後評価・自己評価で実施しているとこ
ろであります。
 評価システムにつきましては、庁内の検討組織である事務事業評価システム導入検討委員会に
おいて毎年検討を進めており、平成19年度実施の事務事業においては、庁内の行政評価審査委
員会を設置し2次評価を行ったところであり、その結果、概要につきましては議会に報告すると
ともに、広報ぬまたやホームページにおいて公表してきたところであります。
 評価は、成果指標や活動指標などの目標数値を掲げ、その目標数値に対する達成度などを客観
的に判断する必要があるものと考えておりますので、外部評価は行政外部の専門家や市民の視点
で評価を行い、評価の客観性と透明性を高める制度として大変有意義な制度であると認識をいた
しております。
 今後も引き続き評価システムの改善を進めていくとともに、外部評価制度の導入につきまして
も研究してまいりたいと考えております。
 次に、議会との政策に関する協議についてでありますが、ご案内のとおり地方公共団体におい
ては、住民が首長と議会の議員を直接選挙する二元代表制となっております。首長、議会がとも
に住民を代表するところに特徴があるわけであります。
 地方の議会は、執行機関と独立、対等の関係に立ち、ともに住民を代表する立場として、相互
牽制・抑制と均衡によって緊張関係を保ち続けることが求められており、さらに首長と対等の機
関として自治体運営の基本的な方針を決定いただくとともに、その執行を監視、評価するととも
に、政策の提言と市全体の事業推進を図っていただくものと考えております。
 市民の多様な意見を集約・反映させるためにも、相互における情報交換を行い、議会との連携
によりまして市政運営を行ってまいりたいと考えておりますので、ご指導賜りたいと思います。
 次に、市民協働について、野外博物館構想について、市全域に市民協働による環境整備を兼ね
た野外博物館構想についてでありますが、野外博物館は市全域を屋根のない博物館とみなし、沼
田市の自然、歴史、生活、産業や文化はもとより町並みや景観なども野外博物館の展示物になる
ものと認識をしております。
 また、野外博物館は地域にあるがままに展示・保存されている場所と「点」としての単独施設
もあることから、それらの整備やネットワーク化も必要になるものと考えております。
 大竹議員は、既に市民協働の視点から高橋場町地内の木田坂の小径復元を町内の方々と協力を
され遊歩道として再生させるとともに、沼田八景である「武尊の残雪」という名勝の景観形成観
光資源の復元を実践されたところであります。その先進性に敬意を表しているところであります。
 市民協働による野外博物館構想は、本市の資源であり魅力である歴史や文化はもとより、自然、
産業、暮らしを研究し、歴史的環境や自然環境を大切にし、市民と市が一体となり、愛着、誇り
をもって取り組んでいかなければならないものであり、さらに研究、検討を進めてまいりたいと
考えております。
 以上、申し上げまして、大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇18番(大竹政雄君) 答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 先ほど市政運営というものはそれほど変わらないという。当然変わったら困るわけであります
けれども、ただ私言いたいのは、これから市政運営をするのにどういう考え方、要は、例えば経
営感覚を持たなければだめだよという話なんです。実は、先ほど同僚議員から財政の話が出まし
た。これほど厳しい財政の中でこれからどう太刀打ちしていくのかという話なんです。これから
の市政運営、当然経営感覚を持たなければもうだめでないのか。特に、自民党政権、今までは何
となくやっていれば、向こうからこうすればこうしてあげるよみたいな話だったんです。でも、
これからは違うのではないか。特に、地方分権というものは、私はそういうものだというふうに
思っております。我々は我々のものをつくり上げていかなければ、やはりこれから市政運営とい
うものは必ずや落ち込んでいくものだと。先ほどの質問と全く私は同じなんです。実は、今回財
政の問題も少し上げようと思ったんですが、財政の問題は先ほどやりましたので、私はそこを言
いませんけれども、やはりこれからの市政運営、私は経営感覚、必ず必要だと思いますけれども、
その辺のところを市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、非常に内外からもう十数年来論議されてまいりま
した。アメリカの大統領がレーガンからクリントンにかわって、ブッシュにかわって、現在オバ
マ大統領になっております。イギリスのサッチャーさんもその後ブレアという総理大臣、首相に
かわっております。このクリントンさんとサッチャーさんが比較的政策的に類似性を持っており
まして、その前段のころにいろいろとあったことについて、物すごく今議員がおっしゃるように
経営感覚的なものを表舞台に出してまいりました。しかし、そのことがかなりいろいろとあつれ
きが生じて、結局イギリスに見られるようにブレアが、あるいはまたクリントンがアメリカにと
いうような経過がございました。そういったことからとらまえると、国家の日本国の場合も小泉
総理が誕生した後、ややそういう意味ではご案内のとおり3代にわたる総理大臣が輩出された以
降、今回のような状況になったわけでございます。したがいまして、歴史というのは常に繰り返
し、また前後するのかなというようなことを受けとめております。
 そういった中で、特に地方自治体が今までのように国や県の方にただ単に向いてご指導をいた
だくというだけではだめな時代になってしまったということは先ほど来同僚議員のご質問にもあ
ったとおりでございます。したがいまして、どうしても沼田の考え方というものをしっかりと確
立をしていかなければなりません。そのためには、議員がおっしゃる経営感覚というものは、今
各自治体において非常に求められてきているという歴史的な経過があろうかと思います。ただ、
問題は、その経営感覚という観点でとらえたときに、どうしても経済功利主義的な観点でとらま
えると、どうしても自治体はあくまでも公の団体でございますので、ややもすると間違った方向
に行く可能性もございます。したがいまして、そういったところに目線を配りながらも、やはり
むだを省いて、そして効率よいなお投資的経費を生み出していくというそういう観点からとらま
えたところの経営感覚、大変重要かと思っております。議員はかねがね会社経営もされておられ
た方でございますので、非常にそういった意味では造詣が深いかと思っております。各般にわた
りまたご意見をいただければと思っております。
◇18番(大竹政雄君) 実は、アメリカとかイギリスとかという話でないんですが、国の経営
感覚はまたちょっと違うんです。私の今言っている地方自治の経営感覚という話なんですが、や
はり経済だけではないんだというふうに私は思うんです。それは、市民のためにこれから市政を
どう運営していくかという話なので、職員同士が、例えば前橋の職員と競争意識を持って物事を
進めるとか、あるいは規則ばかりを言っていてなかなか市民の言うこと聞かないで、我々はこう
してあげるんだよという使命みたいなもの、市民に皆さんはやってあげるんだというぐらいの気
持ちになって物事を進めるような、私はそういう経営感覚だと思うんです、お金でなくて。ただ、
経済だけでなくて、私は次から市民感覚と意識の違いの話をこれからさせていただきますけれど
も、どうもその辺のところが経営感覚に私はつながっていくのかなというふうに思っているんで
す。だから、実は行政マンの意識がうちのこの沼田市だけでいいんだよではなくて、もう全国に
向かって、例えば前橋、高崎には負けないんだとか、そういう感覚を持ってほしいんだという感
覚で私は今質問をしているわけなんですが、それについては、市長、どうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど同僚議員にもお答えいたしました。これは子供たちが非常に中
体連だとか、あるいはまた教育力で頑張っておられるということで、学校の先生あるいはまた教
育委員会が頑張っておられるということ等を見たときに、常に私も叱咤しておりますが、また交
流事業も進めている中で、とにかくこの辺はどうも他の自治体がねらってきそうだから早く行っ
てあいさつをしておいた方がいいなというようなこと等、そういう意味では結構そういうことを
申しつけてきたつもりでございます。特にマスコミ等に論調に出たときに、早くに手をつけた方
が、先行した方が勝ちだみたいなところが結構ありまして、そういうような意味では非常に今一
生懸命させるように叱咤激励をしているところでございます。
 後段の規則の柔軟運用の問題でございますけれども、やはりコンプライアンスはもう避けて通
れないことがございまして、どうしてもこのコンプライアンスの関係を乗り越えた形の規則の柔
軟運用はなかなか難しいところがございます。しかしながら、読みの問題をやはり包含的に見て
いくということは非常に大事なことなのでありまして、そういう意味ではどうしても沼田市の職
員はそういった抑揚力というんですか、柔軟性というんですか、そういうことは今後やはり学ば
なければならないことが多々あるのかなというふうに思っておりまして、きょうのご質問を承っ
た形の中で、そういった読み、非常にデリケートな部分なんですけれども、読みを深くすること
によってお断りすることを今までしたことであったとしても、いや、この読みはこう読めるから
これはやはり進めていくべきだというふうな運用を考えていくということが大事なのかなという
ふうに思っております。
◇18番(大竹政雄君) 私もそういうことだと思うんですが、これから例えば市民協働の話、
最後になってしまいますけれども、やはり余り規則規則ということになるとなかなかみんなで何
かしようということができないから、私そんなこと言ったところなんです。
 例えば、競争意識なんていうのは、先ほどの問題がそうなんですけれども、経常収支比率がこ
んなにだめなのに何とかしようではないかというそういう競争意識なんです。だから、それをま
た先ほども言っているから、市長一人が頑張ってもどうにもならない。そういうことですよね。
だから、みんなで本当にそういった意味で、うちの市は向こうの市よりも絶対よくする、そうい
う感覚を持ってほしいということが、私は経営感覚というか、そういうことをもうちょっと皆さ
んにお願いをしたいということなんです。
 これは市政運営でありますから次に進めさせていただきますけれども、当然私が今回やりたい
のは、どっちかというと市民感覚とずれているのではないかということを幾つか取り上げさせて
いただいたんです。
 実は、この前も市民大会のときに、野球の若い人たちが、当然最後のところに来て慰労会でお
話をしたんですが、子供たちが今大学なり、あるいは東京なりで働いている方がこちらに来て選
手としてやったんです。そのときに話が出るのはやはり沼田に帰ってきたいんだと。働くところ
があれば、おじさん、こっちに帰ってきて、沼田はいいですよと。もうしみじみ言うんです。私
は、実は今子供が、一番下がたまたま高校3年生なんです。この周りがすべてがこれから就職問
題なんです。ということは、お父さん、お母さん方が、私の周りにいる人たちは非常にそういう
方が多いんです。例えば、大学に出しても仕事がないんだよね。高校もことしは非常に厳しいん
だよね。そんな話ばかりなんです。その中に、沼田市はどうしてやってくれないのかねという話
に最終的に来るわけです、我々のところに。だから、例えばそういったことというのは、今しみ
じみ市民の方は言っているんです。感じているんです。私どもはもう10年も前から企業誘致等
々を、何とか子供たちの働く場所はしなければいけないのではないですかということをもう前か
ら言っているんですが、数多くの議員が言っていると思います。我々が提案したのは、本当に企
業誘致課という課までつくってもいいのではないかということも私は再三申し上げておりますけ
れども、ほんとに取り組む気があるなればそこまでいくのかなというふうに思っています。その
辺のところ、私は今回もう一度そのことについて、市長に企業誘致、それから今の子供たちの気
持ち、どんなふうに考えているのか、お伺いしたいと思います。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
 午後は1時から会議を開きます。
午前11時58分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後1時01分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 先ほど同僚議員にも申し上げましたとおり、非常に将来を担う子供たちが頑張っておりまして、
その方々が将来を夢を持って、義務教育を終えて高等学校、大学等に進学したり、あるいはまた
就職をしたりしていく経過の中で、郷里に帰って、そして頑張っていきたいという気持ちを、し
っかりとそういう条件整備を整えるということは大変重要な施策の一つだと思っております。そ
このところに、議員はかねがね企業誘致を進めるというそういう考え方でもって論を展開してき
たということはよく承知をしておりましたし、またそのことについては敬意を表する次第でござ
います。
 企業誘致課ということについてのご提言でございますが、組織改正の問題等もございますので、
ご意思を体しながら、そういった方向に向かった検討、これが即課がいいのか、あるいはまた係
なのか、あるいは担当職員なのかということもありますが、議員のご提言はやはり将来を担う若
人が卒業した後郷里に帰ってきて頑張りたいという環境整備をしっかりしろということになろう
かと思っております。その一つの具体的な方策として企業誘致、働く場所の創設ということにな
るかと思っております。大変重要なご提言でございます。心してその対応を考えていかなければ
ならないと考えております。
◇18番(大竹政雄君) 私が先ほど課とか係とか、そういうことでなくて、その組織を何かの
形で見せるという。
 実は市民の方々が、沼田市がそういったことをやっているのかいないのかという話まで、聞こ
うにも聞くところもないということなんです。我々のところには当然企業が全然沼田に来ないよ
ねという話はしてくるんですが、確かに行政を見ていてもそういうものが見えていない。子供た
ちもそうなんですが、住民の方々がもうちょっと働く場所に対する相談みたいなものもできるよ
うな窓口があってもいいのではないかと。私はいつもそんなふうに思うんです。それは市民の方
々がここに来てそういうことができるかということになると話は別なんですが、現実問題として
今の子供たち、Uターンを考えている方たちはたくさんいるようでございます。たまたま私も子
供3人おりますから、長男も次男も今外へ出ておりますけれども、やはりその周りも田舎へ帰り
たいというのが非常に多いということを改めて感じているところでもございますので、ぜひこの
ことはお願いをしたいというふうに思います。
 さて、実はこのほかにでも市民から見て行政と少し意識の違い、感覚が違うところというのは、
私なんかも幾つか感じているんですが、例えば行政がやるものは継続をされているものなんです、
すべてが。ということは、例えば計画ができて実行に移るまでどのぐらいかかるかという話なん
です。例えば、今、公園長期整備構想というのは、もうかなり前の話ですよね。あのところから
運動施設を外に出すということはいいんですが、現実に財政問題からいったら非常に大変な状況
に今なっているんです。そこで、市民の皆さんは、そういう意識を持ってあそこを出した方がい
いのではないかというときがあったかもしれませんが、今の一般の市民の人はそんなに思ってい
ないのではないかと。沼田公園は、今の状況でも十分満足できるのではないかというのが私の今
思っている感覚なんです。だけれども、要するに1回つくってしまったものはどうしてもつくっ
ていかなければいかんという、これが行政なんです。街なかの問題もそうなんです。当初決めた
のは20年、21年までですよと言ったものがいつになるかわからないというのは、これもとめ
られないということなんです。物事は、行政はそれでいいかもしれません。でも、さっき言った
経営感覚、例えば一般企業ならば、今考え方ものを10年後につくったのではもう売れないんで
す。即物事をやらなければだめなことなんです。だから、その辺が、要は何でも前につくったも
のをずっと継続して残すということは、私はもうこれから違うのではないかと。その辺の感覚を
転換していかなければ、要するに行政というもの自体が私はだめになってしまう、沼田市自体が
だめになってしまう、そんなことを言いたいと思うんですが、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 大変示唆に富んだ発言をされたというふうに受けとめております。自
分自身も平成14年にこの立場をお世話になった中で、やはり議員がお考えになっているような
ことについてはいつもその壁に当たってまいりました。横文字を使う言葉は余りしたくないので
ありますが、最近3カ月ほど前に読んだ本の中に「サンクコスト」という本がございまして、か
ねて非常に夢のジェット機と言われたものを欧米先進諸国が開発をして、そしてヨーロッパとア
メリカあるいはまたアジアをわずか1時間ぐらいで結ぶというようなことでやったのであります
が、結論から言うと、余りにもコストがかかり過ぎて結局ペイできないということからこれをや
めたということがあるようでございます。しかるべき事業を今までやってきた中で、実効性の問
題として厳しい状況があれば、やはりそこのところは市民との合意形成を得る中で大きな決断も
迫られてくるということについては、私もそれなりに承知をしているつもりでございます。
 したがいまして、今ご意見あるいはまたご質問のあったそういったことについても厳しく物事
をとらまえた形の中で判断をしていかなければならないのかなというふうに思っております。し
たがいまして、今後そういったところに、壁に当たることも多々あろうかと思います。きょうご
質問されたようなご意思を体して、その対応に処してまいりたいというふうに思っております。
◇18番(大竹政雄君) ぜひそうしていただきたいと。今、私経済建設の委員会にいるんです
が、例えば貯蓄銀行なんかもずっと前に、10年も前にしたものがまだ移築で話が残ってしまっ
ている。どのぐらいかかるのと聞いたら1億5,000万もかかる。あの建物を移築して1億5,
000万かけて何の価値があるのということで委員会で言っても、決めたものというものはその
まま残るんです。これは行政の仕組みなんだろうと思います。これを簡単にぽっと変えてしまう
とやはり難しい問題がある。でも、これは政治判断で、こんなことやったのではもうだめだとい
うことをやっていかないと、私は市民の皆さんの合意を得るということにはならんと思うんです。
今のところから早く補修をしたり何かの方策を考えないとどんどんどんどんだめになってしまう。
これはもう前にも言ったことですから、何と言ってみようがないんですが、要は私の言っている
のは、せいぜい決めたものは10年以内にものができなかったらもうだめにしてしまうぐらいの
気持ちで進めてほしいなというのが今回の質問の趣旨なんです。その辺はどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 貯蓄銀行の問題をとらまえたときに、街なか対策との関係があってい
ろいろとそういった歴史的な経過があったわけでございます。そういった中で、10年という一
つの節目の問題提起があったわけでございますが、その辺のところの期間がどの辺がいいのかと
いうことについては、あるいはまたそこのところのとらまえ方をどういうふうにしていったらい
いのかということは、ある程度検討あるいはまた検証していかなければいけないと思っておりま
すけれども、やはりかつてのいろいろな考え方が、そういった歴史的な経過を経た中にあって、
果たして従前の市民ニーズが今次も当時と同じように続いているのかどうかということになりま
すと、これは当然おっしゃるとおり、時代の変化とともに変わっていくことは否定できません。
そういう意味では、どうしても歴史の変化というものは見逃すことができません。したがいまし
て、そういうことからとらまえますと、議員が今お話しされたようなことについてはいろんな角
度から分析あるいはまた検証していかなければいけないだろうというふうに受けとめております。
◇18番(大竹政雄君) たまたまテニスコートの話が今、沼須の運動公園にできる、野球とテ
ニスコートが。我々の連盟の中で10年ぐらい前にできるなんていう話があって、利南がだめに
なって、今の産業団地がだめになってここへ移ってきたわけですが、実はまだ私どももある程度
若かったものですから、県の理事会に行っても、要するに沼田で県の大会一つぐらいやってよと
いう話があったんです。あったにもかかわらず、コートができませんから消えてしまうんです。
消えるというのはどういうことかというと、どこかの市に委託すればその大会はそこへ行ってし
まうわけです。ずっとそれが継続されるんです。沼田の場合にはできないものですから、県の方
で全部あきらめてしまって大会がこっちに持ってこれなくなった。もうその話は切れてしまうか
ら、それでは10面のコートが必要なのだという話になると、またこれも一つおかしな話になっ
てしまうんです。ということは、そのときのニーズというか、あるいはその連盟にいる人たちが
熱くなっているときに物事やらないと、10年過ぎてしまうと全く変わってしまうんです。今ど
ういったところで大会を開くかという話なんです。
 今非常に大会というのが、高齢者の方あるいは家庭婦人の方の大会が多いんです。そうすると、
関東シニアというのがたまたま去年だかおととしできたんですが、そうなるとどこでやりたいか
というのが出てくるわけです。そうすると、皆さん遊びで来るわけですから、観光地に行きたい
んです。ということは、温泉地にテニスコートをつくってというか、そのテニスコートを利用し
て温泉地で開催できるような大会、草津なんかはできたんです。ということは、やはりそのとき
そのときのニーズが変わっていきますから、そういった形の中で早く物事を進めていかないとだ
めなんだなと。これから例えば沼田にコートができ上がりましたよ。3年後、5年後でき上がり
ましたよと。さあ、このときに県の大会こっちへ来られるかとなると、これまた全然わからない
話になってしまうんです。だから、やはり物事は決めたら早くつくるということが私は基本だと
思うんですが、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 全くそれは議員のご指摘のとおりであろうと思っております。
◇18番(大竹政雄君) ぜひそういった感覚で物事を進めていただければありがたいというふ
うに思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、感覚の違いでもう1点、実はある議員と話をさせていただいたんですが、実は昨年、私
どもの総務の委員会で新宿に行ってまいりました。あの新宿で直売店、直売施設を見てきたんで
すが、あれがという話だったんです。その後どういうふうに展開していくんだろうなというのが
我々の委員会の中で出た話なんです。ということは、都市間交流ですから、もっと広い面積で、
直売ですからある程度毎日食材が運ばれて、そういったものができるんだろうなみたいな感覚を
持っていました。でも、あれもちょっと私には違うのかな。そう思ったときに、だけれども今度
は1年、2年かかるんだろうというふうに思うんです。そういったものがこれからどのように展
開していくのか。例えば、私どもが話したのは、新宿の区役所の一角でも借りられてそこで直売
でもすればもっと沼田の食材も売れるでしょうし、いろんな宣伝にもなるでしょうしということ
には思うんですが、あの場所がどうなのかということもいろいろと議論の中にありましたけれど
も、その辺のところ、もう少し都市間交流、こうだよというものが見えてこないと、言葉だけだ
と物すごくいいことやっているのではないかと思うんですが、現実に行ったときに私どもはちょ
っとがっかりした。少し意識が違うのかな、そんなふうに感じたんですが、その辺についてはど
うでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 本事業は、かねがね言っておりますように、3合目ぐらいに来たかな
というようなとらまえ方でおりまして、先ほど議員がおっしゃった新宿のしかるべき場所の展示
販売の関係等についてのご指摘をいただいているわけでございますが、やはり今回もご案内のと
おり「火の鳥」の公演あるいはまたそのときの対応等も含めて一生懸命関係機関と努力をしてい
るところでございます。なかなか一朝一夕にして物事が獲得できることにもなりません。したが
いまして、私も副市長、担当課長には口酸っぱく、1カ月に最低1回、もう2回、3回、とにか
く関係する自治体にお伺いをして、そして今おっしゃっているようなことの事業の推進あるいは
また他のことについてもですが、そういうことを言っているつもりでございます。もちろん、当
然私もそういったことで努力をしていきたいというふうに思っております。したがいまして、議
員が視察をしてきたところが大変歯がゆかったということにつきましては、大変私どもも熟知を
しておるところでございまして、できるだけ活性化が展開されるように努力をしてまいりたいと
いうふうに思っておりますので、もう少し温かく見守っていただければありがたいなと思うので
率直な感想なんでございますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。
◇18番(大竹政雄君) わかりました。何でもすぐ物事はできるわけでないですから、どうし
ても5年あるいは10年かかるんだろうと思います。せっかくこういった形の中ででき上がって
いるわけですから、3合目となっているようでございますけれども、どんどんどんどんすばらし
いものにしてもらいたいというふうに思います。
 さて、もう一つ、感覚の違いなんですが、実はきのう沼須の運動公園、それから産業団地、見
てまいりました。産業団地の方が当然平らになってきれいなところなんですけれども、草がたく
さん生えていました。私が6月ごろの委員会のときに、すごく草が生えていて何が何だかわから
ないよと言ったらきれいに刈ったんです。今は多分四、五十センチかと思います。実際にああい
う土地を、まだ売れないわけですから何か利用してもいいのではないかと。それから、運動公園
の方も今きれいに花が咲いています。コスモスが咲き始めました。きれいだったです。コスモス
の花は結構広い面積なんです。あれなんかも、要は市の土地であり市民のものであるという感覚
であるならば、使ってもらっていいのではないかと、つくづくきのう感じてきたんです。
 私も東京にいたんですが、実は私は葛西というところに寮があったんです。それは浦安の隣な
んですが、浦安というのは埋立地で、今のディズニーランドがあるところなんですが、当時埋め
立てだったんです。我々が若いときにあそこを野球場として使っていたんです。それは東京都に
借りるんです。当時はもうネットないですから、自分たちで竹にネットをやって自分たちで使う。
たしか私の記憶では20面ぐらい野球グラウンドがあったんです。ということは、そういったも
のを使わせたんです。ただ遊ばせておけばただの草むらです。だけれども、使ってもらえば草む
らではないわけです。だから、そういったものも市民のものだよという感覚をもし持っているな
らば、何らかの形で私は貸してもいいのではないかというような気がするんです。その辺につい
てはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 今のご趣旨はよく理解ができます。産業団地の方の関係につきまして
は、これはご案内のとおり県の直轄でございますからなかなかコメントするのにはちょっと慎重
にならざるを得ないんですが、運動公園関係等についてということより総体的なそういった市の、
要するに用地の問題としてとらまえても結構かと思いますが、そういう意味では現実に使用され
ていないそういった用地を有効活用することは大変重要なポイントになろうかと思っております。
したがいまして、これは運動公園そのものの関係等についてのいろんな手だては教育委員会がい
ろいろと打っておりますので、ご答弁は慎重にさせていただきますけれども、総体的なそういう
市が持っている用地の関係の、時の状況に応じての有効活用というのは大変結構なご提言だと思
っております。そういったことから、できるだけ人々がそれぞれの用地、公用地を活用して、そ
してみずからの健康を維持するとか、あるいはまた地域間交流を展開するとかということは大変
結構なことだと思っておりますので、今後の重要な検討としてとらまえてまいりたいと思ってお
ります。
◇18番(大竹政雄君) ぜひそういった意味で、市民の皆さんが考えていることとどうしても
行政で考えていることが食い違いというのはかなりあるんです。市民はそんなのいいじゃないか
みたいなものがあるんだけれども、なかなかそうもいかないのが行政。それがやはり規則なんで
す。それを一つ乗り越えることによって物すごく違う考え方ができるかというふうに私は思うん
ですが、先ほど市長はどうしてもそれは必要だということを言っていますからこれはしようがな
いと思うんですが、ただこれから地方分権、地方分権と言われていて、基本的な考え方、要は沼
田市のことは我々が決めていくんだよと。極端に言えば、市長がおれが、トップが決めていくん
だよというぐらいの気持ちがあって、すべてもう少し網羅されたものができ上がるともっともっ
と沼田市としてすばらしい町になってくるのかな、なんていうふうに私は感じているんです。だ
けれども、そんなに簡単に物事ころころ変えるわけでないですから、ぜひ市民の皆さんが今これ
はちょっとおかしいよというものを、なるべく皆さんいろんな方と話をされているわけですから、
そういったものを持ち寄ってぜひすばらしい沼田市にしていただきたい。それで、沼田市民のた
めにやっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 さて、次に行きます。
 議会と政策に関するということで私は質問させていただきましたけれども、実はこのところ地
方分権等々の本なんか読んだり、あるいは地方自治の本読んでみると、大分考え方を変えていか
ないといかんなというのが、私、実感として読んでいるところなんです。昔のチェック機関だけ
ではもうだめだというのは、要は昔は国から交付税が来て、それも中身もほとんど精査されてこ
うだああだと言われて、補助金もそうですよね。みんなひもつきで使っているわけですから。た
だ、それに対して余り言えなかったというのが今までの時代かなと。ただ、地方分権になっても
う10年たつわけでありますけれども、なかなか自分たちが自分たちの思うように物事を進める
というところには行っていないんです。ただ、私が思うのは、これからはもうちょっと議員が中
に入るべきではないかということを考えたのは、実は第5次総合計画をやったときに、議員全員
が絡んで協議してきた。あのときには、私はたまたま民生部にいたんですが、いろんな意見が出
た。いろんな意見が出ながらいろんなものをまとめてきたという経過があるんです。
 そのほかに計画というのはマスタープラン等々はいっぱいあるんですが、例えば環境基本計画
なんていうのがあるんです。そうすると、それは行政側でつくる、あるいはどこかでつくってく
るのか知りませんけれども、中身の精査なんてしないんです。ただ、できたものは、要するに議
会がチェックをする。チェックというか、我々が認めればそれでおしまいみたいになっているん
ですが、本当にそういった意味ではすごくあるんです。例えば、住宅のマスタープランもそうで
しょう。こんなことできないんでないの、お金ないんでないのというにもかかわらず、現実には
できてくるんです。今の状況見ると、あのマスタープラン、100%無理でないかというのはも
う議員だって物すごく持っていると思うんです、財政状況から見たって。そうなって、ただマス
タープランを国がつくれと言っているからつくっているだけ。そうではないのではないかと。本
当に実際にこれからの住宅マスタープランというものはどうあるべきかということも、市民の皆
さんもそうでありますけれども、我々市民の代表であり、皆さんからいろんなものを聞いている
中で、そういったものをお互いによく協議してつくるべきではないかというふうに私は思ってい
たんです。それが5次総のときにそういう研究をしてきたからああいうものができ上がってもい
いのではないかということで今回提案させてもらったんですが、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に難しい今のご質問であるというふうに受けとめております。し
かし、非常に総合的に理解を示し合っていかなければいけないまた課題がここにあると思ってお
ります。と申しますのは、どうしても現在のこの地方議会の制度が二元制なんです。これはどう
しても否定することができないと思っております。と申しますのは、議会制民主主義をとってい
る国の場合は、最大与党の中心的な方が総理大臣になって、そしてその各省庁にいる事務次官の
上に大臣を配列していくというようなことがあるということになっておりますので、意外と議会
と最大与党とその政権を担う中核の方々は気脈を通じ合っていくというこういう構造になります。
ところが、地方の少なくとも首長、知事であるとか市町村長は、選挙民から選ばれてきて、その
体制の中で行政組織を回していくと。これはアメリカの大統領制もある意味においては我が日本
国の都道府県の方法と似ているわけです。イギリスのようなところは、これはもう日本の議会と
似ているわけです。国の方の議会と似ているわけです。そういった中で、アメリカも見ておわか
りのとおり、必ず執行機関がすべて、新しい大統領がいろいろとシンクタンクの人を迎えてきて
やっているというようなところに見られるように、非常にそういう意味では二元制をとっている
というここのところが大変重要なポイントになってまいります。
 そういった中で、議員がおっしゃっているように、議員の方々はある程度市の内部のことも知
っているし、そういった計画をつくり上げていくときに、議員の意見をそこにちりばめたり、あ
るいはまたいろいろとそういった組織の中のとらまえ方もある程度、今質問で承っているところ
では入っていってもいいのではないかというふうに承ったわけでございますけれども、もし間違
ったらお許しを願いたいと思うんですが、そうすると後に今度は執行者側、つまり沼田の場合は
市長がそれを提案するときに、既に事前に議会が、議員の方々が、それに関与していたというこ
とになってきて、客観的な評価とかチェックができなくなるという懸念があるのではないかと思
っております。したがいまして、私がこういった立場をいただく前の前任者のときにいろいろと
議会の方々がそういった組織には加わらない方がいいのではないかというような方向性を出され
て現在のようなやり方で来ているというふうにも承っております。
 私も昭和50年から市議会議員をお世話になったときに、例えば国民健康運営協議会だとかい
ろいろなそういったことに各常任委員会の人がそれぞれの分野に入っていったことがあったんで
す。だけれども、今日それらがすべて入ってない形になっていると思います。それはそういった
歴史がかつてあったということ。それで、現実にそういう意味では、この二元代表制となってい
るところがそこのところを難しくしているのかと思っております。しかし、これも執行部と議会
の大変重要な問題でございますので、私どもは私どもの立場でもって検討を加えていきたいと思
っておりますが、ぜひ現場でのいろいろな意見交換は十二分にさせていただきたいと思っており
ますけれども、議員がご提言されていることについては、私どもももう少し検討を加えさせてい
ただきたいと思っております。
◇18番(大竹政雄君) 今までの形から変わっていかなければいかんということなんだと思う
んです。変えるということは大変なことなんで、改革というのは一つのものを全くだめにしてつ
くるわけですから。実は、私もその当時いました。2年目に多分全廃したと思うんです。本当に
私もあるところに入ったときに、議員が入っているのは困る、これはだめだなというのがありま
した。確かにそういったことはうんと感じましたが、実は今言っている政策的な問題ではないん
です。例えば、住宅マスタープランなんていうのは一つの政策ですよね。これからの沼田市の住
宅をどうしようかと。例えば、市営住宅をどうしようかという話ですから、私が言うと、そうい
ったものはいろんな意見があればあるほどいいのではないかということなんです。
 今、行政マンと一般の人の違いというのはどうしてもあるんですが、なかなか企画力だとか、
それから折衝力だとか、一般の人と話をするときに、どうしても一つの協調性、こうなればいい
ということになるとみんなでわあっとオーケーになってしまうから協調性というのはすごくいい
んですけれども、一つ開発をしていこうという力にはどうしても劣るんだということなんです。
我々の議員というのはどちらかというとそっちの方向性ですよね。提案型ですから、これはもっ
とこうした方がいいのではないかということで言ってくるわけなんですが、私は、それをお互い
にがっちゃんこすればよりよいものができるのではないかという提案なんです。もうこれからの
時代はそういう時代でなければ、これからの地方自治を乗り切っていけないのではないかという
ふうに思うんです。
 財政の問題も我々が考えているのと、どうもそちら方が考えているのは相当なずれがあるよう
な気がする。これだけずれていると、我々はもうだめになってしまう、危ないのではないかとい
うぐらいの危機感を持っているんだけれども、それほど感じていない。そういうところはあるか
と思うんです。だから、そういったものを、いいものはお互いにぶつけ合って、それでそこで議
論をするということは私は大事なことなのかなと、そんなふうに思いながら提案をさせていただ
いているんです。
 例えば、今回都市計画の問題が出てまいります。我々には、うちの経済部には都市計画のもの
のあれが出てまいりましたけれども、これなんかもそうなんです。いろんな意味で、もう広い意
味で、いろんな皆さんの、例えばここに山ア議員がいますけれども、山ア議員だってその分野の
専門家はいるわけです。分野分野でいろんな専門家がいるわけですから、そういったことを聞き
ながら都市計画、沼田市の都市計画なんていうのはまさにそういった意見を聞くべきだと私は思
っているんです。だから、そういったことを加味すると、やはりこれからの時代はそういうもの
があってしかるべきかと思って質問させていただいていますけれども、それについてはどうでし
ょう。
◇市長(星野已喜雄君) なかなか難しい、考えれば考えるほど難しい質問であります。ただ、
当然議員の皆様方は、その道のプロフェッショナルの方が随分おられます。そういった意味で、
そういった方々のご意見あるいはまたご意思を体していくということは大変結構なことだと思っ
ております。ただ、行政と議会側という一つの組織体系になったときに、もともと私が申し上げ
たような一つの立場がございまして、ひとつそこのところはご理解をいただきたいということと
同時に、今後引き続き検討させていただきたいと思っております。
◇18番(大竹政雄君) これはこれから変えようという考え方の質問ですから、なかなかすぐ
にほいというわけにはいかないと思います。ただ、間違いなく時代は変わってきているんだろう
というふうに私は思いながら、今回の選挙もそうだったですけれども、何か本当に変わってしま
うのかな、自民党から民主党にかわると多分こんなふうな方向が出てくるのかな、なんていうよ
うに感じながら質問しているわけでありますけれども、たまたま今回の議員と当局がこうすると
いうのは非常に昔でいけば大変なことなんです。昔は車の両輪の話をしているわけですから。そ
れがくっついてしまったらだめなわけなので、これは全く違う話なので、これから細かいことは
いろんな意味でまたどこかでお話をさせていただきたいというふうに思います。
 ちょっと順番間違ってしまったんですが、外部評価制度の問題でありますけれども、市長はた
またまこれを研究していくという話がございました。物事は何でも庁内で行っているということ
なんですが、私はもう庁内だけではだめだよということで今回質問をさせていただきました。庁
内だけではどうしても次の段階に行かないんです。今の段階でとまってしまうんです。次の段階
に行くにはどうしても外の人からの要するに評価が必要なんです。どうしても我々の議会の評価
というのはやはり内部に近くなってしまうんです。外から見て、本当に沼田市のためにこれはい
いのか悪いのか、その辺のところを評価する。ほかの市では大分ふえてきていますから、ぜひ私
は検討するべき。それで、早くやっていかないとこれから置いていかれてしまうのではないかと
いうような気がいたします。特に地方分権がもっともっと進んでくれば最低限必要な制度だと思
いますけれども、その辺についてはいかがでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 時代がそういった方向に流れているということは、私もしっかりと受
けとめております。きょうのご質問あるいはまたご意見を体して、今後の対応に処してまいりた
いというふうに思っております。
◇18番(大竹政雄君) ぜひそういった感覚で、これから変わっていくんだよというものを、
私は今何となくこうなのではないかという感じで話をさせていただいておりますけれども、多分
そうならなければいけないだろうというような、私は内には秘めているものがございます。
 今この行政のあり方、実はある本に部長級が、要は特別職にならなければいかんというぐらい
にもう言われているんです。ということは、特別職ですからそれなりの責任を持って物事を進め
るということです。特別職というのは、先ほども話がございましたけれども、議会承認がいるわ
けです。その業務をしっかりとやってもらうという考え方で、そういうふうにでも移行していか
ないと経営感覚が薄れていくんだという本を読んだことがあるんですが、やはりもう時代がこん
なふうになっているんだなというのを改めて感じてきました。
 各部長さんがそれなりに真剣に物事を考えて、こういった方向性をつくるんだよというふうな
ものがどんどん出てくれば、私はやはり変わっていくと思うんです。どうも今はそういう感覚が
私にはないような感じがするんです。そういったことを本当に特別職であるんだよというぐらい
の気持ちになって物事をこれから進めていかないと沼田市全体が変わっていかないかというふう
に思っているんですが、その辺については、市長、どんな考え方を持っているでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 部長級の特別職へ進めていくべきではなかろうかということについて
は、私もまことに申しわけございません。勉強不足で今初めてそういったことの考え方を承った
ところでございます。一つの大きなこの行政体の組織の中にあって、特別職がそういったポジシ
ョンで、あるはまた部長級が特別職になったらいいのかどうかということについては、今後いろ
いろと勉強させていただいて、そして今後に処してまいりたいというふうに思っております。ま
た、そういった書籍等がございましたら、ご紹介をいただければありがたいと思っております。
◇18番(大竹政雄君) 実は、その本の中に一つおもしろいことがあったんですが、例えば行
政マンと一般の人の違いの中に、優秀な人がたくさんいるわけですけれども、学校秀才と社会秀
才というのがありまして、例えば学校秀才、これはグライダー能力なんだそうです。それから、
社会秀才というのは飛行機能力なんだそうです。ということはどういうことかというと、飛行機
は自分で考える力を持っているということらしいんです。グライダー能力というのは、グライダ
ーはとにかくそのまま行くわけですけれども、人に教えてもらうことについては非常に正確に物
事ができるということらしいです。
 そこで、行政というのがどういう立場にいるんだと。今すごく優秀な人がたくさんいるんです
けれども、どっちかというと学校秀才なんです。と言われておるんです。ということはどういう
ことかというと、人に教えてもらっていることを忠実に守ることができるのがどうも行政マンだ
というのがその本に書いてありました。それで、なかなかみずから考えるというところに行かな
いんだそうです。これは組織というものがあって、その組織が縦割り社会であるからそういうふ
うにどうしてもだんだんだんだん行ってしまうという本をたまたまちょっと見たんですが、そう
いうこともあるんだろうなと。民間は逆です。ある程度いろんなものを考え出したやつがどんど
んどんどんいなければ一つの開発とするといってもできないわけですけれども、いいものはどん
どんどんどんくみ上げますけれども、なかなかその辺のところが行政ができていないという、行
政ができないというのがどうも全国的に見てそうらしい。でも、本当に進んでいる行政は逆のと
ころがたくさんあると、幾つもあるということです。確かにそう言われてみると、本当に真剣に
観光なら観光のことをやるところがあると、やはりそれなりの行政マンがいるんです。我々もそ
ういうところを視察に行くんです。そうすると、真剣に、本当にそこに命をかけてやるぐらいの
人とかいるんです。そうならないと物事は前に進まないんだなというのをつくづく感じていろん
なところを視察させていただいておりますけれども、ぜひそういった、例えば私に言わせれば、
社会秀才という人たちができるような沼田市になってほしいというふうに思っているんです。そ
の辺のところ、市長、どうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 突き詰めてまいりますと、学校での学習あるいはまた公務員としての
基本的なところの部分のしっかりとした会得をされている職員の方々が社会のいろいろな変化だ
とか諸情勢に応じて応用性を持って対応していくということが大変求められているのではないか
というふうに思っております。そういうようなことから、先ほどいろいろとご質問がございまし
たけれども、都市間交流等を展開する中で、職員の意識もそれぞれに変わってきているなという
ことは私自身も肌で感じております。
 同時に、やはり先般も部課長会議で申し上げたわけでございますけれども、職員がお祭りや、
あるいはまた運動会等に、お祭りならお祭りの支度をして、運動会なら運動会の支度をして、で
きるだけ積極的に黒子に徹した形の中で一生懸命骨を折るということをこの夏にもたくさん見て
きたもので、ぜひそういった方向で頑張ってほしいというようなことを申し上げさせていただい
たり、あるいはまたご案内のとおり、ボランティア等地域ではかなりございます。そういったと
きに沼田市職員の方が地域住民と一緒になって、そして泥にまみれて道路清掃等には参加しても
らいたいというようなことも申し上げたり、またそういった実態も見てきたので、固有名詞こそ
出しませんでしたけれども私なりに評価をさせていただきました。いずれにいたしましても、そ
ういった応用力、常に現場に立ったところのオールラウンドな、そういう目が配れるような、そ
ういう職員として成長していっていただきたいと思っております。
 先日もあることについて打ち合わせ協議をしている中で、これはそちらの課だからという話が
されたもので、いやいやそうでないと。もう既にA課はB課のことを、B課はC課のことをそれ
ぞれ常に横目でしっかりと動きをとらまえながら、自分のところのポジションもしっかりと事業
を進めていく必要があるのではないかというようなことも申し上げたところでございます。
◇18番(大竹政雄君) 今市長が言われている、実は市民協働のところでそのお話をしようか
と思っていたらまさにそのとおりの話が出ました。今回の私どもの事業で、役所の方が1人参加
されたんです。一からずっと参加された。中身がよくわかるんです。それは、行政の課とは関係
ない人なんですけれども、ずっと一番初めの計画から、作業から、最後まで本当にやった。だか
ら、すべてがわかるから何をしようかというのがよくわかるんです。やはり表面的なことでなく
て中へ入らないと、その団体が何をしようか、これから何していくのか、そこにこういったこと
もやったらいいのではないかというところまで入ってこられないんです。だから、私は本当に行
政マンが一つの事業に参加すべきだと思うんです。今回のこの野外博物館構想というのは一つそ
こに入ってくるんですが、そこに入っていないと話が通じていかないんです。今市長が言われて
いるとおりなんです。その市民の団体に、その地区の団体に入っていかなければ、例えば企画で
こういうことやって、企画で頭だけはわかっているけれども中身がわかっていないのではだめな
んです。私は、もう今回つくづくある行政マンが入ったときに感じました。
 ということは、何が違うかといったら、行政で気がつくことというのは、例えば写真撮るなん
ていうことはもう普通一般で我々だと忘れてしまうときあるわけです。今回は撮りましたけれど
も。その写真の撮り方一つだって全然違うんです。それから、計画をつくるときに、こういうふ
うな段階を持っていって、自分では何も言わないんだけれどもちゃんと最後に成果品ができると
きにはすばらしいものができるんです。自分で体験しているからすべてができるんです。だから、
私はこういったものはすべて参加をしてもらいたいと。まさに今市長の言われているとおり。そ
の参加をしなければ次の段階はないよと。幾ら物事をしゃべっても全然だめだよということを今
回言いたかったんですが、まさにそのとおりで今市長言ってくれましたから、私はそれはいいか
と思います。ぜひそれはお願いしたいと。
 もう時間もないものですからあれですけれども、野外博物館構想、実は私どもの事業と柳町の
事業と、それから岡谷の事業と今やっているんです。たまたまそういったことで、皆さんはくっ
つけて物事を、結構岡谷では昔から文殊道整備なんてすごくいいのやっているんです。それで、
昔は高橋場のところに小さい橋があって、何年前か、50年前か100年、あって行き来ができ
たと。そんな時代もあったりということは、そういうものを連携したものをつくるということは、
我々でなくて市が頭になって、こことこことこうあったらもうちょっと連携は行政で考えてほし
いねということで今回提案しているんです。
 それで、博物館構想、例えばそこの途中に何かの資料館があったり、この前も言われたんです
が、その建物の中に文化の関係で例えば絵画だとか、書道だとか、それから鑑定団で出たいろん
な宝物が沼田市でいっぱい眠っていると思うんです。ああいうものを展示するようなところもな
いんです。だから、そういうものを一つ一つ置いていって散策するような町ができ上がったらい
いなと。だけれども、それは市民協働といっても我々みたいに小さい組織が幾らやってもできな
い。これをこういうふうにでき上がるとこういうふうなもので全体の計画をつくりましょうとい
うものを行政が担ってくれたら博物館構想はできるのではないかというふうに思っているんです。
 先ほども貯蓄銀行の話も出ましたけれども、あれだって早く解消して中に沼田市のこの前の鑑
定団の大判のお宝物みたいものがいっぱいあるみたいですよね。ああいうものを飾ってくれたっ
て大変な財産です。だから、物事は早くやらなければだめなのではないかというふうに思います
けれども、それについていかがでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が木田坂の小径復元あるいは武尊の残雪、沼田八景、この関係等
についてかかわっておられて、その記念式典等のところにも私もお邪魔いたしまして、また記念
講演の先生の講演も大変すばらしかったと思っております。私も本事業は大変すばらしいもので
あるということで、部長会議等でも紹介させていただきました。そういった中で、フィールドミ
ュージアム、野外博物館構想の観点を現場のところから立ち上げていこうということについては、
全く私どもとすると頼もしい限りでございます。
 そういった中で、例えば具体的な話になりますが、高橋場と岡谷と柳町でもってそういったコ
ア、つまり拠点があるとすれば、そこのところのコネクターの役割、これをどうするかというこ
との部分が課題になってくるかと思っております。願わくば、そういった拠点コアの方々の中に
私どもの市の職員などが仲間にいて、そして連絡調整役をしてもらえると何かうまく物事が展開
していくかなというふうに思って今聞かせていただきました。ただ、議員は、そこのところにあ
る程度行政が介入していって、そしてそういったところのレイアウトだとか調整役をしなさいと
いうことだと思います。これも実は大変一理あると思っておりますし、これもしっかり受けとめ
なければなりません。
 と申しますのは、非常に私も皆さんにお世話になってこういった重責を担わせていただいてい
る中で、この協働ということをとらまえたときに、ある程度、ちょっとうまい表現ができないん
ですが、どうしても地域のそういった活動家の人たちの中に非常に分析力も、あるいはまた実践
力もある方が、あるいはまたいろいろなところに目配りできる方がいるとなかなかうまく回るん
です。ところが、やはり中山間地域の我々のようなところでは、どうしてもそういうところがや
やもするとまだまだもう一歩かなということを素直に認めざるを得ないのかなと。そんなことか
ら、私もかねがねいろいろと他の分野の問題でもそうなんですけれども、行政と民間の方々のコ
ラボレーションということがどうしても必要になってくるのかなと。その段階を超えた向こう側
に地域のコアとコアとの関係が出てくるのかなというようなことは思っているところなんです。
願わくば、繰り返し申し上げたいと思うんですけれども、そのコア、つまり地域拠点のところと
地域拠点のところが民間のレベルで、しかも市の職員も個人的な形の中で、その地域の方々の仲
間に入っていって、そういった黒子に徹した調整役を果たせるようなスタイルになっていくと、
これはいい展開になるのかなと。しかし、場合によっては、そういった別の自治体にそういった
コアたるべくところに行政マンがいない場合もありますよね。そんなことを思ったときに、やは
り議員がおっしゃっているように、そういった行政のいろいろな協働というんですか、意見調整
等は大切になってくるのかと思っております。
 同時に、この小径の関係につきまして先人の方々が緑の小径ということで大変頑張ってきてい
ただいて周辺にたくさんございます。したがいまして、これらについては、来年育樹祭もあると
いうことでありますので、高橋場のみならずいろんなところにも目線を配っていろいろと研究を
していきたいと思っております。
◇18番(大竹政雄君) もう時間がなくなりましたから質問できませんけれども、実はそのつ
なぐことは、市道があったり県道があったり、県の河川敷があったりということで、そういうと
ころをつなげてくれればいいなということで、本当はしゃべりたかったんですがもうその時間ご
ざいません。これで時間が終わりますから、私はいろんな話をさせていただきましたけれども、
今感じたときに、これから本当に国が大きく変わっていくのかなというのが第一の直感的なこと
で今回質問させていただきました。これから地方自治が、特に我々みたいに財政力の低いところ
は本当に大変な時代を迎えているんだろうというふうに思います。かといって、自民党員がいな
いからというわけにいきません。民主党政権になろうと何であろうと、我々は言わなければいけ
ないことはちゃんと言っていかなければいかんというふうに思っております。その辺のところを
しっかりとこれからやっていただきたいと思います。その辺の決意を最後に聞かせていただきま
して、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) きょう午前中から各議員の理論展開がされておられますが、地域のコ
ミュニティーをつくっていくということ、それが何といっても区行政があって、そしてさらにそ
の下に昔でいえば5人組、旧沼田市等でいえば1地区とか2地区とかございまして、そういった
コミュニティーの最小の部分のところの活性化は地域活性化の大きな原動力となってまいります。
したがいまして、そのところの部分がぐいぐいぐいぐい機能してくると非常に見違えるような状
況になっていくだろうと。その先駆的な実践者として、高橋場の木田坂の方々、これはある程度
地域横断的な形でやられていたのは私もよく承知しておりますけれども、高橋場という全体の総
体の中で展開されたということで、私は高く評価させていただいているわけでございますけれど
も、そういった地域コミュニティー、コアの部分の活性化、そういったところのことは基礎自治
体のとわの課題だと思っておりますので、ぜひそういった活性化のためにこれからも努力してま
いりますが、それは政権政党がどのようなところにかわろうが、基本的な部分としては古今東西
問わず変わらないというふうに私は受けとめております。
 したがいまして、地域のところに住んで、居住している方々が肩寄せ合って、そして団結して
頑張っていく、そしてそこの源から活性化の糸を探っていくということについては、行政が大い
に支援をし、またかかわっていくということが大事な要素になってくると思っております。今後
ともご指導いただきたいと思います。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、大東宣之議員。20番。
〔20番 大東宣之君登壇〕
◇20番(大東宣之君) 通告に従い、一般質問を行います。
 今回、私は、衆議院選挙の結果について、介護保険について、健康対策について質問いたしま
す。
 まず初めに、衆議院選挙の結果についてより質問します。
 戦後、長きにわたって第1党の座を占めてきた自民党が総選挙で惨敗し、連立を組んできた公
明党も大きく議席を減らし、自民・公明党政権が終わった日として、8月30日は間違いなく日
本の政治史に特筆される日となりました。
 自民党が第1党の座を失ったのは、1955年の結党以来初めてですが、自民党は既に1党だ
けでは政権を維持できなくなり、この10年間は公明党の助けをかりてきましたが、いよいよ政
権与党から転落することとなります。自民・公明党政権の退陣は、国民の批判に追い詰められた
結果ですが、その根本には自民党の政治が統治能力を失ってしまった事態があります。
 「財界中心」と「日米軍事同盟中心」の政治は、国民の暮らしと福祉、地方の産業と経済を壊
し続け、国民の暮らしと日本の経済を立ち行かないところまで追い込んでしまい、外交でもアメ
リカ言いなりで、世界から孤立を深めてきました。とりわけ、小泉内閣以来の構造改革路線が雇
用や社会保障、地域経済を壊し、貧困と格差を拡大させ、国民から安心と希望を奪い取ってきま
した。こうしたことなどが、国民が自民・公明党政権に愛想を尽かし、今回の選挙結果になった
ものと考えます。
 民主党は、300議席を超す議席を得ましたが、それは「自民・公明党政権ノー」の風を集め
たためで、国民が民主党の路線や政策を積極的に支持し評価したものでないことは、選挙中の各
種世論調査結果でも明らかであり、民主党に今の政治のゆがみを大もとから正す立場、政策を持
っているのか、多くの国民にとっては不安を感じているのではないでしょうか。
 今回の衆議院選挙結果について、どのような見解を持っているのか、新政権に対しどのような
期待や不安を持っているのかお伺いいたします。
 今後、新政権が国民の暮らしや社会保障、雇用、地域経済の活性化、地方の再生にどのように
取り組むのか、しっかりと見定めていく必要がありますが、政権交代による本市への影響をどの
ように考え、対応するのかお伺いします。
 続いて、介護保険について質問します。
 介護保険を利用するためには、すべての人が要介護認定を受けなければなりませんが、その仕
組みが今年の4月1日から変更され、その影響が幾つかの市町村で明らかにされています。
 北海道苫小牧市では、5月21日までの認定審査会で審査した333件のうち、更新申請が2
32件で、そのうち従前よりも軽度に判定された人は60件、25.9%、重度に判定された人
は6件、2.6%で、今回の変更で要介護度が軽くなり利用できる介護サービスが減らされるこ
とは明らかです。
 今回の要介護度認定の見直しは、認定調査員テキストの改訂、1次判定ソフトの改訂、認定審
査資料・テキストの改訂など、要介護度認定のすべての段階にわたって大幅な変更が行われまし
た。介護認定は、介護保険のサービスを利用して生活している人とその家族にとっては、必要な
サービスを受けられるかどうかの死活問題であり、これまでも多くの人たちは、認定のたびに
「今までのサービスが利用できるだろうか」、「状態を正しくわかってくれるだろうか」と、不
安の思いで認定審査を受けてきました。厚生労働省は、介護費切り下げが今回の見直しの目的で
はないと強弁してきましたが、4月2日の参議院・厚生労働委員会で、我が党の小池晃議員が質
問の場で、「要介護認定平成21年度制度改正案」、「介護給付費の縮減効果額」という内部文
書を明らかにし、給付費切り下げを目的に要介護認定の変更が検討されてきたことを追及しまし
た。4月13日、厚生労働省は、この内部文書を作成した事実を認め、あわせて要介護認定を更
新する人は、厚生労働省が検証を終えるまでの間、従来どおりの介護サービスが受けられるよう
にするという経過措置の実施を発表しました。しかし、経過措置は、これまで認定を受けていた
人の更新認定にだけ適用され、新たに要介護を申請する新規認定申請者や、状態が変わったため
に有効期間の途中で要介護度変更の申請をする区分変更申請者には適用されず変更後の方式で認
定されるため、同じ介護保険制度でありながら、時期と申請内容で扱いが異なる不公平な扱いと
なっています。介護保険認定新基準によって、介護度等の認定にどのような影響があったのか、
そしてサービスが変更になった人はいるのか、それらの人にどのように対応するのかお伺いいた
します。
 介護保険料は、多くの人が年金からの天引きとなっていますが、年金の少ない人や無年金の人
は、自分で納めることとなっています。そもそも年金額の少ない人や無年金の人からも保険料を
徴収すること自体問題はあると考えますが、介護保険料の収納状況と収納率向上にどのように取
り組むのかお伺いいたします。
 続いて、健康対策について質問いたします。
 健康飲料や栄養補助食品などのテレビCMは、朝から夜まで一日中見ることができ、救急車に
よる患者の搬送を受け入れる病院が見つからず、とうとい命をなくすという痛ましいことがニュ
ースでたびたび報道されるなど、国民の中には健康や医療問題に対する関心が高まっています。
こうした健康や医療に対する関心の高さの裏側には、健康でいられない、安心して医療を受ける
ことができないといった社会の深刻な実態があります。朝から夜までわずかな賃金で働かされる
派遣労働や、正規職員といっても長時間過密労働で、体も心もぼろぼろにされている状況や、深
刻な医師不足などの実態があります。
 後期高齢者医療制度の実施で、それまでの検診から特定健診へと変わり、みずからが生活を見
直し、みずから病気を防ぐといったように、自己責任論が色濃くなりました。特定健診はまた、
受診率や成果が求められ、その結果によってはペナルティーが課せられるなど、市町村の責任も
重くさせられてしまいました。特定健診や各種がん検診の受診率向上にどのように取り組み、そ
の後の指導等をどのように進めるのかお伺いいたします。
 全国的に病院の医師不足が深刻化し、地域の中核病院の閉鎖や救急医療体制の崩壊といった深
刻な事態を招き、利根沼田地域でも医師の引き揚げ問題が起こるなど、市民の中に不安が広がっ
ています。医師不足問題にどのように取り組み、救急医療体制をどのように維持させていくのか
お伺いいたします。
 新型インフルエンザは、この夏の時期でも猛威を振るい、通常インフルエンザが発生するこれ
からの時期を控え不安が広がっています。市では、広報と一緒に注意を呼びかけるチラシを配布
し、市の施設の入り口に消毒の薬を置くなど対応は行われてきていますが、新型インフルエンザ
対策をどのように進めるのかお伺いいたします。
 以上、3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後2時01分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後2時09分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、衆議院選挙の結果について、選挙結果についての見解と今後の対応について、今回の衆
議院選挙結果についてどのような見解を持っているのかについてでありますが、さきの議員にご
答弁申し上げましたとおり、今回の選挙結果はご案内のとおりでございまして、政権が交代する
見通しとなったところであります。今回の選挙結果を真摯に受けとめ、今後の市政運営に遺憾な
きよう対応してまいりたいと考えております。
 また、新政権に対してどのような期待や不安を持っているのかについてでありますが、新政権
においては、本市のような中山間地域特有の、面積が広くて少子高齢化が進み、人口減少が進ん
でいる、企業の進出が進まないといった、財政基盤・産業構造の弱い地域に目を向けていただき、
その政策展開を図っていただくよう期待するところであります。
 また、子ども手当の創設や高校授業料の無償化などを図る一方で、すべての予算や制度をゼロ
ベースで見直し、必要がないと判断したものは年度途中でも凍結し、財源確保につなげる方針と
していることから、現在本市で進めている事業に対する影響が懸念されるところであります。
 次に、政権交代による本市への影響はどのように考え、対応するのかについてでありますが、
これもさきの議員にお答えを申し上げましたとおり、本市においては、さきの国の第1次補正に
伴う、7月補正予算での事業を初めといたしまして、中心市街地土地区画整理事業に対する交付
金や国道120号椎坂バイパスなどへの影響が懸念されるところでありますが、今後打ち出され
る国の政策等に関する情報収集などに十分に意を配して、市民生活に混乱を来さないようしっか
りと地に足をつけて、その対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、介護保険について、現状と今後の対応について、介護保険認定新基準によって、介護度
等の認定にどのような影響があったのかについてでありますが、平成21年4月から、申請され
たご本人にかかわる介護の手間をより正確に反映するため、要介護認定の見直しが行われました
が、この見直しにより「軽度に認定されるのではないか」等の不安が生じているとの指摘が国に
対して寄せられたため、厚生労働省では、利用者・家族の代表や専門家による「要介護認定の見
直しに係る検証・検討会」を設置して、検証、検討を行ってきたところであります。
 また、この検証、検討結果をもとに、10月1日から新たな方法による要介護認定が行われる
ことになっておりますが、それまでの間、更新申請者が更新前の要介護度を希望する場合には、
更新前の要介護度と異なる結果になった場合でも、更新前の要介護度とする経過措置を適用し、
介護サービスの確保を図ることになっております。
 本市の経過措置適用による認定結果につきましては、4月1日から8月31日までの更新申請
者602人のうち、更新前に比べて軽度の認定となった人が21人、更新前に比べて重度の認定
となった人が104人、更新前と同じ認定結果となった人が477人でありました。
 次に、サービスが変更となった人はいるのか、それらの人にどのように対応するのかについて
でありますが、先ほど申し上げました経過措置を申請者が希望せず、軽度に認定された21人の
サービスの利用状況につきましては、8人は更新申請前に介護サービスの利用がなく、12人は
更新申請前と同様の介護サービスを利用しており、1人は介護サービス内容に変更が生じており
ます。
 次に、介護保険料の収納状況と収納率向上にどのように取り組むのかについてでありますが、
平成20年度の第1号被保険者保険料につきましては、調定額5億7,053万2,800円に
対し、収入済額は5億5,609万4,600円で、収納率は97.47%であり、平成16年
度から20年度まで収納率は97%台で推移している状況であります。
 次に、収納率の向上対策でありますが、介護保険は自助努力を基調とし、個人の力では対応で
きない事態に備えて互いに助け合う仕組みであり、みずから応分の拠出をしつつ介護という保険
事故に対処しようとするものであることから、新たに65歳に達する第1号被保険者の方には、
介護保険制度の趣旨をご理解いただくためのパンフレットの送付を行っております。
 また、保険料未納者には、毎月戸別訪問による滞納整理を行っておりますが、年金支給月には
滞納整理強化月間として集中的に戸別訪問を行い、介護保険制度の趣旨説明と分納等に関する納
付相談を行い、収納率の向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、健康対策について、状況と今後の対応について、特定健診や各種がん検診の受診率と受
診率向上にどのように取り組み、その後の指導等をどのように進めるのかについてでありますが、
特定健診につきましては、個人ごとに受診券を送付し特定健診の実施を周知するとともに、広報
ぬまた、沼田市ホームページ、各戸チラシ等で健診の必要性等についての意識啓発を行っており
ます。がん検診につきましては、さらに保健推進員会との連携により、がん予防の講演会や健康
教室を通して受診勧奨を行い、受診率の向上に努めているところであります。
 健診結果により行う特定保健指導につきましては、内臓肥満を改善するため、各人の立てた実
行可能な目標が達成できるよう個別面接や小集団の教室により食事指導や運動指導などを行って
おります。また、この特定保健指導を契機に指導終了後も引き続き継続していただき、さらに改
善が図られ、健康を保ち、生き生きとした日常生活を送ることができることを願い実施している
ところであります。
 なお、平成20年度の現段階における特定健診受診率は49.26%、特定保健指導実施率は
16.98%であり、各種がん検診の受診率は、胃がん検診7.5%、子宮がん検診24.0%、
乳がん検診22.0%、大腸がん検診9.5%、前立腺がん検診18.3%の状況であります。
 次に、医師不足の問題にどのように取り組み、救急医療体制をどのように維持させていくのか
についてでありますが、医師不足については全国的な問題であるとともに利根沼田地域において
も深刻な問題、課題であり、地域住民の大切な生命にも影響するものであるため、毎年、利根地
方総合開発協会等を通じて、医師確保の陳情、要請を県当局、県議会等に行っているところであ
ります。
 なお、県におきましては、健康福祉部医務課内に医師確保対策室を設置し、県内の病院等に勤
務する医師確保のため、研修医等を対象とする修学研修資金制度を初めさまざまな取り組みを行
っているところであり、本市といたしましても、今後、県とのさらなる連携を図りながら対応を
進めてまいりたいと考えております。
 救急医療体制につきましては、市単独で対応することは困難であるため、利根郡内の町村と連
携を図りながら利根沼田広域市町村圏振興整備組合を中心に沼田利根医師会を初めとする医療機
関の協力のもと、休日急患診療、夜間小児救急診療、在宅当番医制、病院群輪番制などの体制を
整備してきておりますが、今後につきましても利根沼田広域市町村圏振興整備組合を中心に関係
機関の指導を受けながら、一層の体制の整備、充実を図るべく努力してまいりたいと考えており
ます。
 次に、新型インフルエンザ対策をどのように進めるのかについてでありますが、メキシコから
発生した新型インフルエンザは、アメリカ、カナダ、ヨーロッパと世界各国に拡大した後、一時、
沈静化の兆しとの報道等もありましたが、7月後半から新型インフルエンザの疑いのある患者が
日々増大し、感染の拡大が続いている状況にあります。
 国は今回の新型インフルエンザの感染状況等を勘案し、医療、学校・保育施設等の対応に関す
る運用指針を2度にわたり改定し対応を図ってまいりました。また、県においては国の指針を受
け、新型インフルエンザの社会対応について、通常の季節性インフルエンザと同様の対応とする
との方針が出されました。本市といたしましては、新型インフルエンザ警戒本部、新型インフル
エンザ対策庁内連絡会議を設置し、情報の共有を図るとともに、関係各課における対応の準備を
要請してきたところであります。市民に対しましては感染予防策として、手洗い、うがいの励行
及び発熱などの症状のある場合のマスクの着用を各戸配布チラシや広報、ホームページなどによ
り周知を図り、急激な感染拡大の防止に努めているところであります。
 また、感染者の多くは比較的軽症で回復していると言われておりますが、感染力が強いことか
ら誰でも感染する場合があると考えられますので、医療機関を受診する際や自宅で療養する上で
の注意点などを広報等で周知し、適切な対応をお願いしているところであります。
 今後におきましても感染の拡大を防ぐことが最も重要なことでありますので、国、県の対策の
動向を注視するとともに、関係機関との連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇20番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問させ
ていただきたいと思います。
 まず初めに、衆議院選挙の結果についてよりお聞かせいただきたいと思います。
 今回の選挙の結果について、市長としてどのようなご感想をお持ちなのか、お聞かせいただけ
ればと思います。
 私は、やはり今回の選挙の結果を見て、国民の意思によって政権をかえることができるのでは
ないかと。おごる者は久しからずやと昔から言われてきましたが、そうしたことが今回の選挙結
果に反映をされたのではないかというふうに感じてはおりますが、市長としては自民党が大敗を
してがっかりしているのではないかというような感じがするわけですが、市長としてどのような
ご感想をお持ちなのか、まずお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この選挙の結果というのは、やはり小選挙区比例並立制の持っている
政党対政党の戦いが、ここにまいりまして徐々に定着をしつつあるのかなというようなことを感
じ取っております。ただ、私は、個人的には、この小選挙区比例並立、特に小選挙区制のように
死に票が大変多く出るというこの制度は、民意の反映からすると危険な要素を持っているなとい
うことをかねがね持っていた考え方の一人でございます。
 したがいまして、投票率そのものを見ていったときに、議席の獲得の割にそれほど票が民主党
にあったということは言い切れない状況にあるということ。これはしっかりと押さえていく必要
があるのではないかと思っております。特に多文化共生社会であるとか、あるいはまたいろいろ
な価値観の方々がそれぞれの立場でもって物事をしっかりと発露していくのには、やはり小選挙
区制そのものが死に票を多く生むという観点から、私はどちらかというとこれについては今後検
討あるいはまた検証していく必要があるのではないかという立場でございます。そんなことを思
いますときでありますけれども、小選挙区制というこの一つの特性から、非常に政党間同士の争
いというような形が間々あったかなというふうに受けとめております。
 なお、長期政権であった自由民主党のこの流れも、かつて細川内閣が誕生したり、あるいは羽
田内閣が誕生したり、あるいは村山内閣が誕生したりしたという経過がございました。そして、
その後また一定の挽回を持った形の中で今回政権政党が大きくかわることになったわけでござい
ます。
 ただ、先ほど来から申し上げておりますように、それぞれの政党が国民の安心安全のために頑
張っておられるというそういう観点やら、あるいは私が申すまでもなく日本国憲法の3章の25
条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ということが明確
にうたわれておりますので、今後とも政権政党あるいは政権にかかわる方々がそういったところ
を体して、こういった地域のことについてもいろいろとご配慮していただけるのではないかとい
うことを期待をしているところであります。
◇20番(大東宣之君) もう一つだけお聞かせいただきたいのですが、今回のこのような劇的
な変化、自民党が政権を失う、民主党が300議席以上獲得をするといった原因はどこにあった
かというふうに市長としてはお考えなのか、教えていただければと思います。
 私は、やはりこの間の自民・公明党政権の国民に対する、また地方に対するそうした痛みだけ
の押しつけの結果がこういった結果を招いたのではないかというふうに感じておりますが、市長
としてどのようにお感じなのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のおっしゃることもこれ一考だと思いますが、一定の権力が長く
続くということは、非常に内部改革というものがなされていればいいのでありますけれども、そ
ういったことがなかなかなされていなかったというところに要因の一つがあるかと思っておりま
す。
 ただ、私もよく承知をしておりますけれども、かなり人材はそれぞれ豊富でありまして、そう
いった意味できちんとした形の中でやっていければ、双方の政治の活性化が今後とも大いに期待
できるのではないかというふうに受けとめているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 先ほど市長は1回目のご答弁の中で、こうした中山間地域、高齢化が
進んで財政基盤が弱いこうした地域にも目配りをしていってほしいということで、新しく誕生す
るであろう政権についてのお考えを示していただいたわけですが、私もやはりそういうふうに思
います。現状、日本じゅうどこに暮らしていても安心して暮らしていける、この国で暮らしてい
けることが本当によかったなと思えるように、それは東京で暮らしていようが、沼田で暮らして
いようが、どこで暮らしていても同じように感じられるような施策を展開する。これが政治の責
任ではないかというふうに感じます。
 先ほど市長は、あわせて椎坂バイパスの建設や街なかの中心市街地活性化事業について懸念が
されるというふうにお答えになりました。そうした個々の事業について心配することはたくさん
あるのではないかというふうには感ずるわけですが、やはり基本的には本当にどこで暮らしてい
ても安心して暮らしていける。そのために政権がそれぞれの地域の活性化、安心して暮らしてい
けるような施策を展開することこそ今本当に必要ではないか、求められているのではないかと。
そういったことについて、市長として今後誕生する新しい政権に向けて、どのような取り組み、
働きかけをされていくのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私は、きょう同僚議員からご質問された中で、かつての政権政党に対
しても、あるいはまた会議に対しても、この中山間地域の特有の面積が広くて人口が少ないとこ
ろ、ここのところの部分、しかも森林があって、水があって、下流都県の公益的機能のあるこの
地域のようなところが、そういったものの存在を無視されたような形の中で、あくまでも人口の
数を中軸にとらえた形のいわゆる政策展開は、どうしてもこれは人口が少ないところが不利にな
ります。そういったことから考えますと、こういった中山間地域特有のところの部分の、確かに
人口が少ないけれどもいい水をほかに出している。あるいはまた、CO?削減のために森林が頑
張っている。しかも、食糧供給基地として農業者が頑張っている。そういうようなところはどう
しても一般的な経済効率から見ると不利益地域でございます。こういったところに政治の日が当
たっていかないと、今後も難しい諸状況になるのではないかと思っておりまして、そういった意
味で私は申し上げさせていただいたつもりでございます。
 なお、いろいろな論議がなされている中で、今回新政権が誕生すると関心は子ども手当あるい
はまた公立高校の無償化、暫定税率の廃止、高速道路の無料化等々のところに、マスコミ等も報
道されているように注目が集まってくると思います。それぞれ裏となる財源の用意が必要になっ
てくるということになるわけでございまして、そういったところの部分の検証が今後大変重要に
なってくるというふうに思っております。いずれにいたしましても、内外の動きに対して注視を
して、特に総務部長を中心に各関係部長が目を横にしっかりと、あるいはまた縦にしっかりと、
そして中央にしっかりと配って、できるだけ対応をしっかりと図ってまいりたいと思っておりま
す。
 なお、7月の補正予算の関係等については、現時点でつかまえているところでは大きな影響は
ないのではないかというふうに現在分析をしているところであります。
◇20番(大東宣之君) 市長の考え方と私の考え方は、基本的にはそんなに大差はないものだ
というふうに感じます。私は、この地域で安心して暮らしていけるためには、もちろん企業誘致
を否定するものではありませんが、基本的な地場産業である農業、林業、そして観光業、さらに
はそれらをバックとした商工業、そういったもの、地域の産業を活性化させるということ。それ
ともう一つは、少子高齢化が進んでいる中で、安心して子供を産み育てられる環境づくりととも
に、安心して老後を過ごせるような社会保障の充実、こういったことなくしてはやはり地域の活
性化はあり得ない。沼田の活性化はあり得ないのではないかというふうに考えております。そう
いった意味で、今度の民主党のマニフェストの中には日米自由貿易協定の問題だとか入れてある
わけです。そんなことになれば、沼田の農業なんかもうなくなってしまう。地域がもうがたがた
になってしまうということは明らかですから、そういったものを一つ一つ吟味をしながら、そう
した動きが出たときにはしっかりと対応していっていただきたいというふうに思うのと同時に、
さきに申しましたように、地域の経済、農林業や観光業、さらにはそれをバックとするような中
小企業や商店街の活性化、そうした地域経済の活性化とあわせて、子育て支援や高齢者福祉の充
実といったようなそういったことを私は積極的に新しい政権に働きかけていっていただき、この
地域が安心して暮らしていける地域となっていけるように努力をしていっていただきたいと思い
ますが、再度市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな論調がありまして、それぞれ総体的に分析をしてまいりま
すといろんなことが浮かんでくるわけでございますが、高度経済成長のときに重厚長大というん
ですか、大きく物事をとらまえた形の中で、とにかく毎日毎日が右肩上がりの中で来た中で、い
わゆる我が日本国のように経済も世界の先端を行くような構造となったとき、気がついてみたら
少子高齢社会を迎えていたということの今の状態、先ほども某新聞に目を通してみますと、明治
維新のときのような青雲の志を持った、いわゆる若手の方々が未来に向かって頑張っていこうと
いうそのような状況を前者ととらえるならば、今後は青雲の志というよりむしろ壮年層が地域の
安定した状態をつくっていくということが大きな転換になっていく一つの処方ではないかという
ようなことが書かれておりましたけれども、そういったことをとらまえたときに、どうしても生
活に密着したことについて微細な配慮をしていくということが大変今後重要なことになってくる
のかなと思っております。
 その中で、特にFTAのことについて触れられたわけでございますけれども、この関係をよし
んば我が国が受け入れていくということになると、これは利根沼田のように農業を主産業とする
ところの、また東京都下の食糧の供給基地とすると相当な打撃を、農家の戸別補償が一方におい
てありながらも出てくるのかなという意味においては、私自身もここのところは常に注視をして
いきたいという一つのことであります。
◇20番(大東宣之君) これから新政権が発足し具体的にいろいろなことが始まってくるわけ
ですから、先ほどFTAの例を挙げて質問させていただきましたけれども、市長としても問題あ
りではないかという見解を示されたように、この地域、沼田の市民にとって不利益や痛みだけを
押しつけられるような施策が表立ってきた場合には、やはり市長としても体を張ってでもそれを
阻止をする。そうした意味で、市民の先頭に立って市民の暮らし、この沼田市の地域経済、産業
を守っていくように、新政権に対して働きかけていっていただきたいということを強くお願いを
して、続いて介護保険制度について質問をさせていただきたいと思います。
 この介護保険制度というのは、医療保険と違って、例えば風邪を引いた、歯が痛い、おなかが
痛いといったときは、保険証を持っていけばどこの病院でも、個人の開業医の先生でも診てくれ
るわけです。ところが、介護保険というのは、あした、今すぐ車いすを使いたい、ヘルパーさん
を使いたいといっても、保険証を持っていてもすぐは使えないんです。これは、かかりつけ医の
診断書だとか、また認定審査会、そういったような結果を受けてきて、大体1カ月近くかかるそ
うですけれども、申請をしてから利用できるまで1カ月ぐらいかかってしまうと。だから、医療
保険とはもう全く違うんです。おなかが痛いといったときにすぐ診てもらえない、ヘルパーを使
いたいといってもすぐ使えないという大きな問題をそもそも持っている制度なんです。
 こういった中で、今回4月1日から介護認定の基準が変わって、沼田市の場合は比較的といい
ますか、私が個人的に思っていた以上に軽度として判定された人は少なかったという結果が出て
はいますけれども、全国的な調査からいけば軽度となった人が比較的多いというふうに言われて
います。こうした中で、10月に向けて今検討がされているわけですが、また新しい認定基準が
近々出てくるんではないかと。そうした中で、やはり基本的には認定の基準がまた変わることに
よって軽度と判定される人がたくさん出ないような、そういうようにしていかなければ、もうこ
の制度自体が利用しづらいものになってくるのではないか。本当に使いたいサービスも使えなく
なってくるのではないかというふうに思うわけですが、市長として今後新たに出てくるこの認定
基準について、どのような期待を持っておられるか、市長としてどのようにしていってもらいた
いのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問に対して、いろいろと今次状況変化があるようでご
ざいますので、民生部長の方から答弁をさせていただきたいと思います。
◇議長(布施辰二郎君) 民生部長。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 ただいまのご質問にございましたように、4月からの新方式に対しまして、この10月1日か
ら一部手直しがされます。その見直し部分につきましては、もう既に厚生労働省の方から私ども
の手に入ってまいりまして、先日、国においてもその説明会が行われました。近日中には、来週
には県の方からの説明が担当者等にあるわけであります。
 その際に、一番大きな4月実施の際に問題となりました寝たきり者、それから買い物等がひと
りでできる、それはもう介助なし自立なのというご意見に対する国の検証検査の結果としますと、
寝たきりの方でもシーツ交換等のための介助があるならば全介助、それから買い物も認知症の症
状による行動が後刻伴うことであれば一部介助というふうに見直しがされました。4月から9月
までの経過措置も踏まえまして、これらの新しい基準による申請によってできるだけ前向きに要
介護認定がされるという方向が示されておりますので、本市としてもそれに向けた方向での対応
を図っていきたいというふうに考えております。以上です。
◇20番(大東宣之君) 現在、沼田市の65歳以上の方が、これは違っていれば指摘していた
だければいいんですが、1万3,880人、このうち1号保険者として介護認定を受けている方
が2,167人。実際多くの方々が沼田市の場合、この数字だけを見る限りでは介護保険を使わ
ず元気でいらっしゃると。大変喜ばしい結果ではないかと思います。しかし、いつ自分が介護を
必要とするのかどうか、そういった不安をどなたもお持ちではないかというふうに感ずるわけで
す。こうしたときに、この介護保険が安心して気軽に使える。自分にとって必要なサービスが利
用できると。そういうような制度でなくてはならないのではないかと、そういうふうに思います。
そうしたことからいって、この10月1日の新しい認定基準によって前向きに要介護認定される
のではないかというふうに民生部長は期待をされておるようですが、本当に市民の方々にとって、
この新しい認定基準が前向きに要介護認定がされて、その方が利用したいサービスを的確に利用
できるそういったものとなるのかどうか。そういったことについてはどのようにお考えなのか、
お聞かせいただきたいと思います。
 既に介護保険がスタートしてかなりの年月日がたっているわけです。こうした中で、実際利用
されている方々にとって、この中でもっとサービスを利用したい、しかしなかなか現状ではでき
ない。1割負担の問題もありますけれども、そうした中で、本当に今市民の方々がこの介護保険
についてどのようなことを望んでおられるのか、市として的確に把握をされ、それをまた国に反
映をさせるそうした取り組みをされてきたのかどうか。また、今後あくまでもそうした利用を希
望されている方々にとって利用しやすい、安心できる、そうしたサービスとして提供していくと
いうことについて、どのようなお考えをお持ちなのか。そして、対応をとっていかれようとして
いるのか、お聞かせいただければと思います。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 ただいまご意見にございましたように、介護保険はみんなで支えるという基本的な原則論がご
ざいます。したがいまして、全員の方ができるだけその恩恵に浴することができるような制度で
あるということが一番ベターなわけでございますが、当然それらの制度を大きく動かすところに
はいろいろな問題等があろうかと思います。実際に受けられる方、それから介護の認定をされる
介護認定の考え方、それから行政の考え方等いろいろございますので、それら総体的なご意見等
をお伺いをしながら、できるだけいい制度に向かっていきたいというふうに今後検討してまいり
たいというふうに考えております。以上であります。
◇20番(大東宣之君) 沼田市のように、高齢化がどんどん進んでいく地域にとって、介護問
題というのはもう待ったなしの課題なんです。ですから、国がいろいろな形でこの介護保険制度
を検証する、見直しをかけてくるということはいろいろあるんでしょうけれども、やはり沼田市
として今何が必要なのか、利用されている方々は何を望んでおられるのか、そしてまたこれから
介護を必要とされるであろう高齢者の方々がどういったような介護サービスを望んでおられるの
か、そういったことをやはり的確につかみながらそれに対応していく制度としていくことが、充
実させていく必要性があるのではないかというふうに感ずるわけです。ですから、介護保険で対
応できないものは一般高齢者福祉として対応できるわけですから、そうしたものとうまく組み合
わせながらやっていくということが十分可能ではないかと。ですから、この介護問題というのは
介護保険すべてに包括的にそこに押し込めるのではなくて、市としてできるそうした一般的な高
齢者福祉事業としてどう組み合わせていくのか、そうしたことをやはりこれからの中で早急に考
えていく、そして実践をしていくということが今必要ではないかと思いますが、お考えがあれば
お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 介護保険の関係でいろいろとご質問いただいているわけでございます
けれども、やはりちょうど民生部長が答弁させていただいたとおり、いろいろな変化の中にある
昨今でございます。しかしながら、高齢者の方々に対する施策は待ったなしということは全く同
感でございまして、ただいまご質問の中にございましたように、高齢者対策というものを介護保
険そのものだけでなくいろいろなものとのコラボレーション、つまり組み合わせも大事なのでは
ないかというようなご提言だったと思いますが、今後ご意見を体していろいろと対応を図れるな
らば対応に処してまいりたいというふうに思っております。
◇20番(大東宣之君) ぜひ基本的にはだれもが利用できる、安心して介護が受けられる、そ
ういったサービスへと、介護保険へと充実をさせていくよう国や、また県、関係機関に働きかけ
ると同時に、市としてできることは大いに取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 それから、続いて介護保険料の関係ですが、この介護保険について保険料を滞納してしまうと
介護サービス、介護保険が利用できないというペナルティーが課せられるわけです。現在、滞納
されている方がいらっしゃるようですが、こうした中で、介護保険を利用できなくなってしまっ
た方が現実的にいらっしゃるのか、いたのかどうか、まずそれから教えていただきたいと思いま
す。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後2時51分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後2時51分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長の方から答弁をいたさせます。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 そのようになった方はいらっしゃいません。
◇20番(大東宣之君) 年金から天引きをされる方というのは、年金の額が比較的高いと。本
当は全部高いわけではないんですけれども言われています。年金から天引きをされない、自分で
納付をしなくてはならない方の年金額というのは、月に1万5,000円程度の方が自分で納付
をしなくてはならない。そして、沼田市にもいらっしゃるわけですが、無年金者の方は自分で納
付をしなくてはならないということになっているわけです。こうした年金のない方、さらには年
金額の低い方からも保険料を徴収をするということ自体、土台で無理があるのではないかと。で
すから、やはりこうした方々に対しては何らかの形での減免制度、もしくは免除制度をつくる必
要があるのではないかと思いますが、市長としてどのようにお考えなのか、お聞かせいただけれ
ばと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろ諸般の情勢もございますので、今後の検討課題とさせていた
だきたいと存じます。
◇20番(大東宣之君) 実際、介護保険を使う際は1割の負担があるんです。ですから、介護
保険料をそういったごくわずかな年金から納めていても、実際使おうと思ったときにはさらに利
用料として1割の負担がかかってくるわけなんです。ですから、こうした方々が本当に安心して
この介護保険制度を利用できるかどうというのは、経済的な面から見ても極めて難しいのではな
いかと。そういったところにこそ手を差し伸べるのが市の仕事ではないのかというふうに私は考
えます。ぜひこれらは実施をすべきではないかと思いますが、市長として再度お考えをお聞かせ
いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたとおり、いろいろと諸般の都合、状況等を判断
しながら、今後の対応方に検討を加えてまいりたいというふうに思っております。
◇20番(大東宣之君) 多分これは県内12市の中で沼田市だけだと思うんです。低所得者に
対する利用料の半額免除といいますか、1割負担のところを5%にするという、これは在宅の部
分だけですけれども、利用料についてそうした措置をとっているということで、これは私は県内
のほかの町村を含めてもやっていないのではないかと。沼田市だけでないかなという気がするん
ですけれども、大変立派なことをやっているというふうに私は高くこの件については評価をして
います。
 先日、私ごとで申しわけないんですけれども、たまたま相談を受けた知り合いの方から大変だ
という話があっていろいろ聞いていったら、どうもこの制度が利用できそうだということがわか
って早速市の方に相談したらすぐ対応していただいて利用料が1割から5%負担に軽減をしてい
ただいたということもあり、本人も大変喜んでいらっしゃいましたし、大変そういったいいこと
をやっているんだということを改めて実感したわけですが、そうした利用料の面についてはやっ
ているわけですから、ぜひ保険料についてもそうした対応をしていっていただきたいというふう
に強くお願いをしておきたいと思います。
 続いて、健康対策について質問を移らせていただきたいと思います。
 特定健診の受診率が49.26%ということでしたが、これはそれまであおばの健診から見れ
ば受診率が下がっているような気がするわけですが、あおばの健診の受診率が幾つだったかどう
かということは問いませんけれども、あおばの健診と比較をしたときにどうだったのか。この4
9.26%という数字が、受診率がどうだったのかということについて教えていただきたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長に答弁いたさせます。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 後期高齢者医療制度の始まる前までは、今ご意見ございましたようにあおばの健診で対応して
おりました。40歳以上のすべての方ということで対応しておりましたので、今ご意見ございま
したように、そのときの40歳以上の対象者が大きい。したがいまして、受診者も大きかったと、
そういう状況でございます。
◇20番(大東宣之君) 制度が変わった関係で数字が変わってきたのではないかと思いますけ
れども、ただ受診率的に見ればあおばの健診から見ると、私のとらえ方で申しわけないんですが、
違っていれば違っているで結構ですが、指摘をしていただければいいんですが、やはり下がって
いるのではないかという気は率直に言ってします。
 それで、先ほど私も申しましたように、今回のこの特定健診の受診率というのが後になってペ
ナルティーとして返ってくる心配があると。今度政権がかわって民主党は後期高齢者医療制度を
撤廃するというようなことを言っているから最終的にどうなるかはわかりませんが、現状、この
後期高齢者医療制度があるということの中においては、受診率が一定水準にいかないとペナルテ
ィーが来るんではないかと。この49.26%という受診率はペナルティーが来る数字になって
いるのではないかと思うんですが、その点について教えていただければと思います。
◇民生部長(田村澄夫君) お答えをさせていただきます。
 平成25年度実施予定の後期高齢者支援金の加算減算のカウントをする際のプラス・マイナス
10%の範囲内でペナルティーが平成22年度ベースの中間評価時に評価をされるという現状で
ございます。したがいまして、平成20年度の予定では確かにご意見ございましたように特定健
診の受診率の計画では53%という設定をしております。したがいまして、4%程度の落ち込み
にはなってございますが、平成22年度にどの項目での基準にしてペナルティー部分が設定をさ
れるのかということが現時点まだ不明の状態でございますので、現時点でのお答えといたします
と、現時点では想定ができないということになってまいります。以上であります。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後2時59分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後3時07分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇20番(大東宣之君) 受診率の問題で引き続き何点かお聞かせいただきたいと思うんですが、
例えば特定健診が49.26%、がん検診に至っては10%いかないものもあるということで、
決して高い受診率という結果にはなっていないということが一目瞭然ではなかったかと思います。
こうした受診率を上げていくということにかかわって、例えば利根町では、さきの総選挙のとき
にはそれまでにあった投票所がまとめられて投票所の数が少なくなったということが言われてい
ます。それ以前に、この利根町では健診の地区が減らされたと。要するに、今まで1カ所1カ所
でやっていたのをまとめてやるというようなことになって、例えば大原、老神、園原、そういっ
たところが何か大原に1カ所にまとめられたというようなことになって、会場の数が削減をされ
てきているというふうにお聞きをしております。実際そうなっているのかどうか。数は結構です
けれども、そういうふうにしたのかどうか、お聞かせいただきたいのと、健診の受診率を上げる
ということになるならば、やはり地域細かくこうした健診会場を設けていくということが受診率
の向上につながっていくのではないかというふうに思いますが、市長としてのお考えがあればお
聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今言う大原、老神、園原の関係でございますが、ご指摘のとおり、そ
ういうような状況にあるわけでございますけれども、やはり受診率上げるということの方途につ
いては、議員がご指摘されたことのみならず、各方面にわたって受診率を向上するための方策を
考えていく必要があるのではないかと思っております。
◇20番(大東宣之君) 例えば、車に乗れない高齢者の方、車に乗れない方が園原から大原ま
で歩いていけるかといえば行けないんです。バスも通ってないんです。かといって、健診をやる
からといってその場所、例えば園原から大原まで振興局なり市が独自に乗り物の手配をして輸送
してくれるかといえば、そういうこともしてはいないわけです。ですから、そういった状況の中
では受診率を上げていくというのは極めて困難だというふうに思います。ですから、その地域の
中でこうした健診を受けることができるようなそうした会場の確保、やはり地域地域でしっかり
とこうした特定健診やがん検診ができる、そういうようなことをやっていかなければ受診率の向
上にはつながっていかないのではないかと。
 さっきも言いましたけれども、政権がかわったことによって、この後期高齢者医療制度それ自
体が撤廃をするというふうに民主党も言っておりますし、我が党もそういう主張をしてきており
ますから、この制度それ自体が存続するかどうかは難しいところ、多分存続はしないのではない
かと。また、見直しがかかってくるんではないかというふうには思いますが、しかしこうした健
診から各種がん検診というのは、多分政権がかわったからといってなくなるということはあり得
ないというふうに思います。ですから、こうした健診を、また各種がん検診を受診をしていただ
いて、病気の早期発見、早期治療、そして予防に役立てていってもらうと。そして、それによっ
て医療費を縮減していくというようなことをこれから取り組んでいかなくてはならないというふ
うに考えるわけです。ですから、そういった意味からいっても、やはり健診の会場はそれぞれの
地域ごとにきめ細かく開催をしていく、行っていくということが必要ではないかというふうに思
いますが、再度市長のお考えをお聞かせいただきたいのと、ほかの方法を考えていきたいみたい
なことを市長は今おっしゃいましたけれども、ではどんな方法で受診率を向上させていくお考え
なのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えをしたいと思います。
 当然この受診率を上げることが予防医療につながるわけでございますから、そういった方向で
対応していくということはもう当然のことだと思います。ただ、私が先ほど申し上げましたのは、
受診率を上げるために地域のところが集中したからというようなご指摘がありましたので、それ
らも含めて今後いろいろと検討を加えていかなければならないのではなかろうかということを申
し上げたわけでございます。
 民生部長の方から補足答弁をいたさせます。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 先ほど来ご意見をいただいております健診会場の設定の仕方でございますが、本件につきまし
ては、あおばの健診から特定健診に制度変更がなされる際に、委託をしております群馬県健康づ
くり財団と協議をいたしました。その中で、健診項目、それから内容等が変わりまして、従来県
の健康づくり財団で回数等が確保することが不可能になってまいりました。これは県内すべての
ところがそうなんですが、沼田市におきましても利根地域だけではなく本庁も含めて全体的に減
ってきてしまったという経過がありますことをつけ加えさせていただきます。以上であります。
◇20番(大東宣之君) 市内全体が健診会場が減ってしまったと。健康づくり財団がこれらを
受けられない。こうしたことは全県的な傾向だというお答えですけれども、先ほども言いました
ように、私が言いましたように、やはり一定のきめ細かな健診会場を設定をしていかない限りは
健診率を上げていくということは、もうこれは不可能ではないかというふうに思うわけです。で
すから、やはりきめ細かい会場設定、健診の会場を設けていっていただきながら、気軽に受けら
れるそういった条件をぜひとも新年度に向けてとっていっていただきたいというふうに強く要望
しておきたいというふうに思います。
 こうした特定健診の受診をされた方の中で、特定保健指導を受けた方が16.98%というこ
とで先ほどご答弁をいただいたわけですが、これらの指導が必要とされた方々が全員受けられた
のかどうか、その辺について確認をさせていただきたいのと、実際問題として、この指導が必要
となった方々に対するフォローについてどのように対応をされているのか、お聞かせいただきた
いと思います。
◇民生部長(田村澄夫君) お答えをさせていただきます。
 特定保健指導につきましては、グループ制等を引きまして、対象となられる方等の健診をでき
るだけ促してきておるところでございますが、結果として受診率としてなかなか上がってこなか
ったという状況がございます。以上であります。
◇20番(大東宣之君) 初めての経験ですので、すぐ高い結果を求めるということは酷だとい
うふうに思いますが、こういった16.98%という結果を踏まえて、新年度に向けてはどうい
った目標設定をしていくのか。そういった中で、具体的な取り組み等を進めていく必要があるの
ではないかと。例えば、特定健診の受診率が49.26%だったものを53%に引き上げるとい
うような目標を設定するとか、また保健指導についても16.98%、当面新年度はこれを30
%ぐらいに引き上げて、その翌年には40%、さらにその翌年には50%と具体的な数値目標を
持ってこういったものを向上させていくという取り組みが必要ではないかというふうに感ずるわ
けですが、そうした数値目標を持って取り組んでいくかどうかについてのお考えをお聞かせいた
だければと思います。
◇民生部長(田村澄夫君) お答えをさせていただきます。
 特定保健指導の実施率につきましても、計画の中で平成20年度から24年度の5カ年間にお
きまして実施率の目標を設定をしてございます。これが行く行くはペナルティーというところに
参酌基準値として入ってくるのかどうかはまだ定かではございませんが、設定をしている実施率
に向けてできるだけの努力をしていきたいというふうに考えております。以上であります。
◇20番(大東宣之君) ぜひ受診率の向上に向けていろいろな角度から検討して取り組みを進
めていっていただきたいと思います。
 それと、これは数字的なことをお聞きしたいんですが、もしわからなければ別に答えていただ
かなくて結構なんですが、例えば胃がんの検診が7.6%の受診率とか子宮がんが24.0%、
乳がんが22.0%、大腸がんが9.5%というふうに受診をされた方がいらっしゃるというこ
とでご答弁をいただいたわけですが、こうした中でもし異常があって再検査が必要だった方が、
今手元に資料がなければ結構ですが、わかればどれぐらいいらっしゃったのか。そして、その方
々がきっちりと再検査を受けて病気の早期発見になったのか、全く異常はなかったのかどうか、
そういった結果については市として把握をされているのかどうか、わかればお聞かせいただけれ
ばと思います。
◇民生部長(田村澄夫君) お答えをさせていただきます。
 20年度の実績数値で申し上げさせていただきます。
 乳がん検診につきましては、要精検者数が163名中、受けられた方が160名、精検の率で
ありますが98.2%で、がん発見がされた方がお二方いらっしゃいます。子宮がんにつきまし
ては、要精検者数が35名、うち31名が受診をいたしまして、精検率が88.6%です。発見
がんの方はいらっしゃいません。乳がんの方でありますが、要精密検者数が102名、うち精検
を受診された方が87名、精検率が85.3%でお一人の方が発見をされております。大腸がん
につきましては、要精検者数が79名、うち60名が受診をされまして、精検率75.9%で、
発見をされた方が4人いらっしゃいます。最後に前立腺がん検診でございますが、要精検者数が
84名、うち精検の受診をされた方が56名、精検率が66.7%で、発見をされた方が10名
でございます。以上です。
◇20番(大東宣之君) もし私の聞き間違いなら申しわけないんですけれども、最初、部長は
乳がんが163、受けた人が160人、これは胃がんではないかと思うんですが、それだけちょ
っと気になったので後で確認。私の聞き間違いなら指摘をしていただければ結構なんですが、そ
ういう感じがするのでお聞かせください。
 それと、再検査が必要となった方が残念ながら100%に到達をしていないと。こういった中
で、再検査の中で、精密検査の中でがんが発見されている方もいらっしゃるわけですから、やは
り最後の1人まで再検査、精密検査を受けてもらうような働きかけをこれからの中でぜひ行って
いっていただきたいと。そういった取り組みを新年度以降も取り組んでいっていただければと思
います。
 続いて、医師不足の問題についてですが、現状の中で沼田病院、さらには利根中央病院といっ
たような地域の中核的な病院の医師が引き揚げられてきているというような中で、救急医療体制、
さらには地域医療それ自体も深刻な状態になってきているのではないかと。こうした中で、市長
として利根沼田総合開発協会を中心にしながら県等について陳情というか働きかけをされてきて
いるというそういうご答弁をいただいたわけですが、そうした取り組みの中で今後の展望として
極めて厳しい状況にはあるとは思いますが、この医師確保の問題について、展望として今どのよ
うにお考えなのか、またどういったような状況になっているのかお聞かせいただきたいと思いま
す。
 さらには、救急医療体制がこうした医師不足の中で大きな深刻な問題となってきているのでは
ないかと思いますが、そうした現状があるのかどうかお聞かせいただきたいのと、救急医療体制
を守っていく、維持していくという点での新年度以降の取り組み等についてお聞かせいただけれ
ばと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらの問題につきましては、昨年の12月26日に医師会の方から
のご要請もございまして、特に中央病院関係のことで広域圏の理事長という立場から各町村長の
ご理解、ご指導、ご支援をいただいて、そして各方面にお願いをしてまいりました。特に県の当
局の話が先行して出ておりますが、群馬大学の学長あるいはまた群馬大学の医学部の第一内科の
教授等に要請をしてきた経過がございます。その後、年が明けまして5月8日でございますけれ
ども、広域圏だけでというのではということで今度は矛先というか、いわゆる要望団体を変えて
広域圏の立場から同様に群馬大学あるいはまた第一内科の教授、特に第一内科の人事院長という
方がおりまして、この方、そして群馬県当局等に要請をしてまいりました。状況は大変厳しいも
のがあるわけでございますけれども、本市といたしますと、そういったことによってきちんとし
た医療が受けられないということは大変残念なことでありますので、何とかこれら解決のために
今後とも引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 救急の関係等々については、広域圏の事務局を中心に各医師会の諸先生のご理解、ご支援をい
ただいて、現在それぞれ遺憾なきよう対応しているつもりでございます。今後とも沼田市長とい
う立場もございますが、広域圏の理事長という立場でもございますので、休日・急患診療、夜間
・小児救急診療、在宅当番医制、病院群輪番制などの体制をしっかりと堅持して、市民あるいは
また郡民が安心して医療を受けられるようなそういうことに努力をしてまいりたいというふうに
思っております。
 いずれにいたしましても、医師不足のことは決して利根沼田のようなところだけでなく全国的
な傾向にあるようでございまして、これらもある意味においてはいろんなところの機関の政策的
な転換等に対しても期待をするところでございます。
◇民生部長(田村澄夫君) 先ほどのがん検診の精密検査受診者のところの実績の説明の中で、
冒頭「胃がん検診」と申し上げるべきところを「乳がん検診」というふうに発言をさせていただ
きました。「胃がん検診」が正しいということでございます。おわびして訂正をさせていただき
ます。
◇20番(大東宣之君) この医師不足の問題というのは、これは沼田市だけではなくてもう全
国的、どこでも深刻な問題です。特にこの地域の中においては、小児科で救急で入院ができる。
もうそもそも小児科で入院ができる病院というのは利根中央病院しかないと。国立では入院が不
可能といったような状況もあります。産婦人科においては、利根中央病院と久保産婦人科、この
二つだけ。極めて厳しい状況になっていると。そういった中で、それぞれの個人の先生や医師会、
さらには沼田病院や利根中央病院、頑張ってきてこられていることだというふうには感じてはお
りますが、こうした状況の中にあっても医師会、さらには関係機関含めて市長も力を合わせなが
ら、ぜひともこの問題を解決に向けて新年度以降も積極的に取り組んでいっていただきたいとい
うふうに思います。
 続いて、新型インフルエンザの対策についてですが、この問題については、本来インフルエン
ザというのは夏場流行しないものが7月以降全国的にはやってきたという中で、ちょっと私自身
は個人的には驚いている側面があるんですが、こうした中で今後インフルエンザがはやる時期を
迎えるに当たって、この新型インフルエンザが市内でもはやるおそれがある、心配があるという
ふうに思います。こうしたときに当たって、医師会、さらには県、県民局、そして行政、こうい
った3者が情報の共有、そういったことをしながら、そしてまたそれぞれの立場立場でしっかり
とこの問題に対応していく必要があるのではないか。そうした3者の連携についてどのようにと
っていかれるのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、沼田市の対策の関係、そして議員がおっしゃって
いるように利根沼田の対策会議等が大変重要なポイントを占めてくるかと思っております。特に
利根沼田の対策会議のところが、議員がおっしゃっているところの非常に大事な組織形態のメン
バーになろうかと思いますけれども、沼田市長を初めといたしまして市町村長、それから沼田利
根医師会長、沼田利根歯科医師会長、そして先ほど来のお話のとおり国立病院機構沼田病院・中
央病院の院長、さらに利根沼田の獣医師会の会長、沼田利根薬剤師会の会長、看護協会の沼田地
区の支部長、沼田警察署長、広域消防の本部消防長、沼田行政事務所長、つまり県の事務所長、
県民局の農業事務所家畜保健衛生課長、利根教育事務所長、利根沼田県民局利根沼田保健福祉事
務所長、利根沼田県民局利根沼田保健所長というところで横断的な連絡調整をするところが組織
されておられます。会長には保健所長が就任されているということになります。
 当然その下部組織と言ってよろしいかと思いますが幹事会がございまして、本市でいうと民生
部の健康課長、片品の保健福祉課長、川場の住民福祉課長、昭和の保健福祉課長、みなかみ町の
子育て健康課長等含めて行政関係、それから沼田利根医師会の副会長、沼田利根歯科医師会の公
衆衛生担当理事、独立行政法人国立病院機構沼田病院副院長・感染症予防対策委員、利根中央病
院の副院長・院内感染対策委員長、利根沼田獣医師会副会長、沼田利根薬剤師会の副会長、看護
協会沼田地区支部長、沼田警察署生活安全課長、利根沼田広域消防本部警防課長、利根沼田県民
局沼田行政事務所次長、さらに利根農業事務所の家畜保健衛生課次長、教育事務所の学校教育係
指導主事、利根沼田県民局利根沼田保健所長、さらに利根沼田県民局利根沼田保健福祉事務所企
画福祉課長、幹事長には保健福祉事務所の保健課長が就任されておられます。
 以上、そんなような形の中で利根沼田の意見調整やら対応を図るべきところの組織がなされて
いるということを申し上げておきたいと思います。
◇20番(大東宣之君) 最後に一言申しておきたいと思います。
 新型インフルエンザの対策、さらには医師不足の問題、介護の問題、こういった大きな問題が
市には山積をしております。こうした中、新政権が発足をしていくわけですが、市長がさきにご
答弁いただいたように、こういった地域の中でも市民一人一人が安心して暮らしていけるように、
そうしたことが国の責任において実施ができるようなそうした施策を展開をするように市長とし
て積極的に新政権にも働きかけていっていただきたいというふうに思います。最後に、そうした
市長の今後のお考え、決意等がありましたらお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) まず、基本的に基礎自治体の当該地区を取り巻く1市1町3村の各自
治体がいろいろと団結をしてやはりこれに当たっていくということが大事かなと思っておりまし
て、きょうも申し上げてきたとおりでございます。当然新政権が誕生した後も、市長会あるいは
また群馬県選出の衆参国会議員との懇談あるいは意見交換の場所がございます。そういった場所
場所等をよくとらまえて、現在議員がお話しされたように、こういった地域の特性の悩みの部分、
そして解決していきたい部分ということについて一生懸命働きかけてまいるつもりでございます
ので、今後ともご理解、またご支援をいただきたいと思います。
      ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、井之川博幸議員。19番。
〔19番 井之川博幸君登壇〕
◇19番(井之川博幸君) 朝早くからたくさんおられた傍聴の方も大分少なくなりましたけれ
ども、最後までおつき合いいただきまして大変ご苦労さまでございます。市長初め、当局の方も
お疲れとは思いますが、最後の一般質問ですのでよろしくお願いをしたいと思います。
 通告に従いまして、一般質問を行います。
 最初に、国政の大きな変化に対応する自治体運営について、衆議院選挙の結果に対する見解と
今後の国政に対する市政の対応についてお伺いをいたしたいと思いますが、きょう一般質問を行
った4人とも冒頭に同様に質問をいたしました。歴史的、衝撃的選挙結果ということでお許しを
願いたいと思います。
 9月7日、東京地裁において、障害者自立支援法によって導入された応益負担の取り消しなど
を求めた東京での訴訟の第1回口頭弁論が行われました。原告弁護団の弁護士が、医療・福祉制
度による支援を、より多く必要とする障害者ほど重い自己負担を強いられる応益負担によって、
障害者の自立と社会参加が阻害されていることを告発しました。また、自立支援法は、憲法13
条の個人の幸福追求権、14条の法のもとの平等に違反し、25条の生存権を侵害することを過
去の判例も織りまぜて説明し、障害があっても安心して暮らせる社会をつくることが訴訟の目的
だと述べました。
 さらに、母子家庭で知的障害のある男性原告の母親が、次のような意見陳述を行いました。息
子の障害がわかったのは3歳の時です。「うちの子に障害なんてない」と最初は事実を受け入れ
ることができませんでした。息子が5歳の時、障害児の通園施設に通うことになり徐々に覚悟が
できました。「いつかは息子を人に託さなければならないときが来る。人から少しでもかわいが
られるようにしよう」。洋服のボタンのかけ方、店の物はお金を払ってからでないと食べたらだ
め。必死で教えました。息子が30歳の時、私の信頼する人が生活寮をつくり、そこに入所する
ことができました。通所施設にも通い、月2,000円の工賃ももらえるようになり、笑顔も出
るようになりました。貧しいながらも希望が持てる生活になりました。その矢先に自立支援法で
再び不安な生活に戻されてしまいました。1カ月で2万4,600円の応益負担が必要になりま
した。生活の見通しが崩されました。今までがむしゃらに頑張ってきましたが限界です。裁判所
に障害者と家族の実態をきちんと見ていただきたいと願っています。
 このような自立支援法訴訟は全国各地で起こされています。このほかにも生活保護の母子加算
及び老齢加算の復活を求める訴訟も数多く起こされています。これらは皆、小泉構造改革以来、
自民・公明政権が行った政策に対して起こされているものであります。今までも薬害や公害企業
への国の指導権・認可権の問題や原爆症の認定範囲の問題、開発や軍事の問題など国に対して国
民が裁判をするということはたくさんありましたが、政府の毎年社会保障費2,200億円削減
という方針に沿って出てきた政策によって、「生活できない」、「生きていけない」という切実
な訴えが、GDP世界第2位という国で全国的に訴訟として広がっている状況は異常としか言え
ません。
 障害者や高齢者の福祉・医療、労働者の雇用、中小業者の営業、農業者の営農など国民の生活
・福祉全般にわたって切り縮め、傷みを与え続けてきた政権が、国民の投票によって倒されると
いうことは当然のことであり、今回の選挙の結果は、ここのところをしっかりと押さえる必要が
あるのではないでしょうか。
 さて、そこで衆議院議員選挙の結果に対する市長の見解についてお伺いいたします。
 今月16日には、民主党中心の政権が発足します。民主党のマニフェストを見ますと、自治体
に直接関係する政策もあります。これらの政策が国会を通れば国の政策になります。今後の国の
政策の変化に対する市政としての対応についてと、そうなった場合、市政運営の基準として今後
は市民の暮らしと福祉を第一に考えていく必要があるのではないでしょうか。その点についてお
伺いしたいと思います。
 次に、市民の意見が反映される市政づくりについて、まず、沼田市行政改革大綱についてお伺
いいたします。平成18年1月に策定された沼田市行政改革大綱の基本方針の3に「開かれた行
政運営と市民協働として、行政情報の共有化を推進するとともに、市民と行政との協働を積極的
に推進します」と述べられています。実施計画のうち、まず市民参加の推進についての項目で、
市民意見提出制度の検討・実施について、市民会議等の検討・実施について、また市民協働の推
進の項目では、ワークショップ等の検討・実施について、平成21年度を目標として計画されて
いますが、現状はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
 続いて、沼田市市民協働推進基本方針について、第3章の3、協働を促進するための主要施策
の(2)市民参加システムの整備について、行革大綱と重なる点もありますが、まちづくり基本
条例や市民意見提出制度の導入など進捗状況はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
 続いて、まちづくり市民参加検討会議についてお伺いいたします。
 平成14年10月21日付で市長の委嘱を受けた公募による委員28名が、市長から諮問を受
けた3項目について検討を重ね、平成15年6月6日に「分権時代のまちづくりの主人公は市民
である」という提言書が提出されています。その内容については、諮問の3項目に合わせて3つ
のグループに分け、それぞれ中身の濃い提言がとりまとめられています。全国の先進例なども取
り入れられており、本市の市民参加について必要かつ重要な提言がまとめられているのではない
でしょうか。この提言書の内容は、市政の中にどのように取り入れられているのか、まずお伺い
をいたします。
 Aに関しては、当時の検討会議の資料として市長と検討会議の約束という文書が残されている
わけでありますが、通告後市当局の調査によって当時市としては関与していないということが判
明し、当時の関係者に確認したところ、委員から提案が出され運営委員会で討議をしたが市との
協議まで進まなかったと記憶しているという確認がされましたので、この件に関しては答弁は結
構でございます。
 以上で私の1回目の質問といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、国政の大きな変化に対応する自治体運営について、衆議院選挙の結果に対する見解と今
後の国政に対する市政の対応について、衆議院議員選挙の結果に対する市長の見解についてであ
りますが、さきの議員にお答え申し上げましたとおり、今回の選挙結果を真摯に受けとめ、今後
の市政運営に遺憾なきよう対応してまいりたいと考えております。
 次に、今後の国の政策の変化に対する市政としての対応についてでありますが、政権交代によ
りまして国の政策の変化が予測されるところでありますが、本市におきましては、さきの国の第
1次補正に伴う7月補正予算での事業を初めといたしまして、中心市街地土地区画整理事業に対
する交付金や国道120号椎坂バイパスなどへの影響が懸念されるところでありますが、今後打
ち出される国の政策等に関する情報収集などに十分に意を配して、市民生活に混乱を来さないよ
う、しっかりと地に足をつけて、その対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、今後は市民の暮らしと福祉を第一に考えていく必要があるのではないかについてであり
ますが、本市におきましては、これまでも市民生活に直結した事業を優先的に実施してきたとこ
ろでありますので、今後も引き続き市民の暮らしと福祉を基軸にした市政運営を行ってまいりた
いと考えておりますので、ご指導を賜りたいと存じます。
 次に、市民の意見が反映される市政づくりについて、沼田市行政改革大綱について、市民意見
提出制度の検討・実施についてでありますが、平成18年1月に策定いたしました沼田市行政改
革大綱の基本課題に市民参加の推進を掲げ、その実施計画の中で市民意見提出制度の検討を行う
こととしております。
 市民意見提出制度は、市で策定する計画等の素案をホームページ等により公表し、市民の皆さ
んから意見を伺い、その意見を市政に反映する手続であります。
 県内においても、群馬県を初め各市において実施されている状況でありますので、実施に向け
た検討を進めているところであります。
 次に、市民会議等の検討・実施についてでありますが、市民会議等の検討につきましても、さ
きにお答え申し上げました市民意見提出制度と同様に、沼田市行政改革大綱の基本課題に掲げた
市民参加の推進を図るため、実施計画の中で検討を行うこととしているものであります。
 市民会議等につきましては、市民と行政とのパートナーシップによるまちづくりを推進するた
め、より多くの市民が自主的・主体的に市政に参加できる仕組みであり、市民協働によるまちづ
くりを推進するため、「市民協働推進基本方針検討委員会」や「市民協働推進会議」の設置など、
市政に参加できる仕組みづくりに心がけてきたところであります。
 今後におきましても、各種事務事業等を進める中、機会をとらえて取り組んでまいりたいと考
えております。
 次に、ワークショップ等の検討・実施についてでありますが、ワークショップ等の活用につき
ましても、同じく沼田市行政改革大綱の基本課題に掲げた市民協働の推進を図るため、実施計画
の中で検討を行うこととしているものであり、参加者が共同で研究や創作を行う場を積極的に設
け、市民意見の反映を推進するものであります。
 ワークショップ等の活用につきましては、本年4月には「市民協働推進会議」の皆さんにより
「沼田の20年後を考える」をテーマとしたワークショップを開催し、市民約100名の方の参
加をいただいたところであります。
 今後におきましても、機会をとらえてワークショップ等の手段を活用して市民意見の反映に努
め、効果的な事務事業の執行を図ってまいりたいと考えております。
 次に、沼田市市民協働推進基本方針について、市民参画システムの整備についてでありますが、
平成19年度に沼田市市民協働推進基本方針を策定し、第3章、3協働を「促進する」ための主
要施策の(2)市民参加システムの整備で、まちづくり基本条例や市民意見提出制度の導入など、
市民が積極的に参加できるシステムの整備に取り組むことを掲げております。
 地方分権の時代においては、地域が創意工夫を凝らし、みずからの考えと責任において地域運
営を担っていくことが必要でありますし、地域づくりの基本的理念や仕組みを地域全体が共有し、
またそれに基づいた地域運営が求められております。
 一方では、市民参加が活発になることにより、住民が地域づくりをみずから担う機運が高まり
を見せております。しかしながら、憲法や地方自治法などの基本的法制度に間接民主制による地
方自治を保障しておりますが、直接請求などの一部を除き市民が直接参加による地方自治につい
ては特に触れられておりません。このようなことから、地域運営に関する指針や住民が地域運営
に参加する際の基本的な考え方やルールを地域が独自に定め共通の指針とすることが必要になり
ますので、この方針を推進する中で具体的な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、まちづくり市民参加検討会議について、提言書の内容は市政の中にどのように取り入れ
られているのかについてでありますが、まちづくり市民参加検討会議から提出いただいた提言書
につきましては、庁内の検討組織である行政事務近代化推進委員会において、その対応について
検討をし、課題別「ふれあい広場」の開催、個人情報保護条例の制定、事務事業評価結果の公表
などを行うとともに、本年度におきましては市民活動センターの設置など提言いただいた事項に
ついて対応を図ってきたところであります。
 提言書では、情報共有コーナーの設置や市民意見提出制度の導入、市民参加条例の制定など多
くの提言をいただいておりますので、今後も取り入れられるものから、その実現に向けた検討を
してまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇19番(井之川博幸君) ご答弁いただきましたので、再質問をさせていただきます。
 まず、衆議院選の結果に対する見解でありますけれども、きょう4人の質問者がすべてこの問
題から入りまして大体同じ答弁でありました。
 そこで、先ほど第1回目の質問でお伺いいたしましたが、政府の政策による生活の困窮、そう
いう状況の中で、全国各地でその政策の撤回を求める訴訟が国に対して起きております。こうい
う状況というのは、先ほども言いましたけれども、このような経済大国で大変異常な状況だとい
うふうに受けとめられます。その点について、市長はどんな見解をお持ちでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) きょうもいろいろとご質問いただいておりまして、日本国憲法の3章
の国民の権利及び義務、申し上げるまでもなく、日本国憲法は三つの大きなテーマ、しっかりと
した考え方があります。基本的人権の尊重、それから平和主義等になるわけでございますが、特
にこの基本的人権の尊重につきましては、これはだれもが侵すことのできない永久の権利として
現在及び将来の国民に与えられということで第11条に明記されておりまして、その中で第25
条に、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するという項目がございま
して、当然この日本国憲法の中の権利及び義務の中に明確にうたわれているように、議員がいろ
いろと提起されたようなことがそこかしことあるとすれば、これは大変ゆゆしき問題であるとい
うふうに思っております。
 また、そういった展開の中で、今後新政権に対してはこういったことの対応等については期待
をしてまいりたいというふうに思っております。
◇19番(井之川博幸君) 薬害肝炎の訴訟などは大きな報道がされましたから市長もご存じだ
と思うんですけれども、これらの訴訟も北は北海道から南は九州まで、各地で起きておりまして、
新聞等にも余り大きく報道されたということはありませんけれどもやはり報道もされております。
そういう点で、今回のみんながこの政権は嫌だという一つの理由になっているのではないかとい
うふうに考えますが、その点ではどのようにお考えになりますか。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろなご見解があると思うので、議員は議員のよって立つところ
の哲学と、しかもよって立つところの政党の立場で当然議場においてご発言されておられるわけ
でございます。したがいまして、それぞれの価値観の持ち分であるということから、見解もすべ
て普遍的なところには落ち着くということは、なかなかこれは難しいことは議員もお認めになっ
ていただけるのではないかというふうに思っております。
 しかしながら、やはり何といっても困った人に対する、あるいはまた弱った人に対する手だて
は行政ができるだけ応援していこうということは、これは古今東西問わず社会の普遍的な原理原
則だと思っております。健常な者が障害のある方に対して手を差し伸べていく、心温かい気持ち
で接する、そういった人間的な素直な発想をしっかり持った形の中で、行政あるいは政治は進め
られていくものであるというふうに受けとめております。
 今、議員がおっしゃった形の中で、そういったこととは全然別の角度のところを展開してきた
先般の政権がいろいろとご批判されたのではないかというようなことでありますが、先般の政権
においてもいろいろとそういったところには配慮をされてきたという場面もありました。したが
いまして、全部が全部議員がおっしゃっているようなことにはならないのではないかというふう
に受けとめております。
◇19番(井之川博幸君) 私の政党的立場というよりも、国民的立場でお話を今しております。
要するに、民主党を選んだのは国民なんです。それで、なぜ選んだかということで、前の政権、
自民・公明政権が国民から大きな批判を受けたということで、民主党のマニフェスト、一番最初
は「暮らしのための政治を」ということで、自民党の「日本を守る責任力」というところの受け
とめ方が、国民が「暮らしのための政治を」という方に今回は軍配を上げたということになると
思います。
 そういう点で、先ほど市民の暮らしと福祉の立場で今後運営する必要があるのでないかとお伺
いいたしましたところ、今までも生活に密着したところを優先的に実施してきたというような答
弁をいただきましたけれども、市長、この障害者自立支援法と生活保護の、最初は老齢加算の廃
止、それから母子加算の廃止、これは市長が提案して沼田市でもやったんです。だから、市長が
これに関係していないわけではないんです。先ほど困った人、弱った人に行政が対応していくと、
手を差し伸べていくという心温かい発想でやっていくというお話がありましたけれども、残念な
がらこのような全国で訴訟を起こされているような、非常に憲法25条の生存権を侵害するよう
なそういう政策を沼田市でも行っているんです。現在行っているんです。ですから、そういう点
で市長も、もちろん市長の気持ちで法律を変えたわけでありませんけれども、そういう法律が変
わって沼田市民にこういう政策を押しつけてきたということで、やはり私としてはもう少しそう
いうことに対しても真剣な検討といいますか、反省と言ってしまうとちょっと大げさですけれど
も、そういう立場に立ってもらいたいというふうに思うわけですけれども、その点ではどうでし
ょうか。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後4時00分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後4時08分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 今、私も民主党のマニフェストの政策各論に目を投じております。2
番の子育て教育の項目の13番に生活保護の母子加算を復活し父子家庭にも児童扶養手当を支給
するという項目がございます。大きな3の年金医療の項の26番に障害者自立支援法を廃止して
障害者福祉制度を抜本的に見直すということが掲載がなされております。したがいまして、これ
らのことがマニフェストに掲載されていることからとらまえますと、これが新政権におかれまし
ては順調に推移をするとすれば、やはり議員がおっしゃっているようなことについての整合性を
とらまえながら対応に処していくという流れになろうかと思っております。
◇19番(井之川博幸君) 市長のそういう見解を聞きたかったんですけれども、わかりました。
 それで、政策が変わるという点で1点だけお伺いしたいと思いますが、今マニフェスト見てい
ただいているということなので、ガソリン税なんかの暫定税率の廃止も入っております。法制上、
まだ新しい政権ができていませんから、参議院が07年の参議院選挙のときに民主党が躍進をい
たしまして今の政権である自公政権が少数になったということで、一度暫定税率が廃止をされた
という期間がありました。このときに、市長を初めとして利根沼田、私どもは参加しませんでし
たけれども、多くの方の参加で復活の運動がされました。今回またこういう民主党のマニフェス
トに入っておりますから廃止の方向で新しい政権が動くという中で、どのような態度をとるのか、
お伺いしたいと。私は、白紙に戻して、きちんと白紙の立場でこの暫定税率の廃止は市民、国民
のためにはなるものですから、そういう立場をとってもらいたいというふうに思うわけですけれ
ども、市長のお考えはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 今回のいろいろな民主党のマニフェストを見ますと、直接支援という
ことが大きなところの分野に出ているようでございまして、必ずそれにはよって立つところの財
源の裏づけが要請されてくるということになろうかと思います。そういった流れの中にあって、
この暫定税率の廃止、これを本市にとらまえてみますと、これはあくまでも試算の域を出ており
ませんが、うちの財政当局にいろいろと試算をさせていただきましたけれども、仮にこの暫定税
率が廃止に伴う本市への影響額、減収額でございますが、地方揮発油譲与税が約1,015万4,
000円、自動車重量譲与税が1億8,939万7,000円、地方道路譲与税が470万8,
000円、自動車取得税交付金が7,908万円、合算をいたしますと2億8,333万9,0
00円のいわゆる財政的な影響が出てくるというような構造になっております。
 これもあくまでも新聞等、9月6日付の新聞に目を通させていただいている、47都道府県の
知事の方に対する暫定税率廃止に伴うところの考え方ということで見ますと、北海道、青森、岩
手がコメントなし、宮城が反対、秋田がどちらとも言えない、山形がどちらとも言えない、福島
が回答なし、茨城、栃木、群馬が反対、埼玉がどちらとも言えない、千葉がどちらとも言えない、
東京が反対、神奈川、新潟、富山、石川、福井が回答なし、山梨が反対、長野がどちらとも言え
ない、岐阜が回答なし、静岡が反対、愛知が回答なし、三重がどちらとも言えない、滋賀が反対、
京都がどちらとも言えない、大阪が回答なし、兵庫が反対、奈良がどちらとも言えない、和歌山
が反対、鳥取がどちらとも言えない、島根が反対、岡山、広島が回答なし、山口が反対、徳島が
どちらとも言えない、香川がどちらとも言えない、愛媛がいわゆる無回答、つまり回答なし、高
知が反対、福岡が反対、佐賀がどちらとも言えない、長崎が反対、熊本が回答なし、大分、宮崎、
鹿児島が反対、沖縄が賛成というようなことで、沖縄県の知事が賛成のようでございます。
 私の立場からいたしますと、この暫定税率の廃止に伴う影響が2億8,300万です。約2億
8,300円の影響があるということをとらまえてみたときに、このことが大きく市政運営に影
響を与えてくるのではないかという観点からとらまえますと、やはりこれを全くなくすというこ
とになると大変な影響になるだろうということから、私は慎重にしてもらいたいというふうな考
え方を持っております。
◇19番(井之川博幸君) この問題一つとっても市民、国民にしてみれば暫定で増税になって
いるわけですから、もう取りやめてもらいたいと、減税してもらいたいというのが本当に切実な
気持ちであります。そういう市民の生活や福祉の立場に第一に立つという考えで今後はぜひ進め
ていっていただきたいと思います。今までのしがらみもあると思いますけれども、やはりここで
しっかりと発想の転換をして、どちらが市民のためになるんだと。市のためになるか、市民のた
めになるかと、こういうことになると思いますけれども、やはり市民のためという立場で、市民
の暮らしのためという立場で態度を決めていっていただきたいというふうに強く要望して次に進
みたいと思います。
 沼田市の行政改革大綱の関係でありますが、答弁にありましたように、これらの問題は市が計
画をつくって検討しているということになります。しかし、この実施年度は21年度に向けてこ
の計画ができているわけです。ですから、今検討中とかそういう状況では普通あり得ないわけで、
具体的にこれこれこういうところまで進んでいるとか、21年度中には実施できるとか、そうい
う内容のご答弁が欲しいわけなんですけれども、そういう状況ではないんでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 最初の答弁で申し上げたとおり、実施に向けた検討を今一生懸命進め
ているところでございますので、よろしくご理解のほどをお願いしたいと思います。
◇19番(井之川博幸君) 市民協働の検討会議の質問とこれは重なりますけれども、平成19
年の12月議会でその観点から市長にいろいろお伺いいたしました。そのときは、市長は、市民
協働推進会議でこれらの問題をおいおい検討することになっているという答弁をしているんです。
実際にはほとんどこういう問題がこの会議で検討されずに、先日2年間の任期が終わりました。
報告書が市長に出されていると思うんですけれども、第1回の市民協働推進会議では、この市民
協働推進の基本方針を、これを具体化していくという話で始まっているわけです。だけれども、
全くこういう市民参加の肝心なところは全然討議をされずに終わってしまったと。ですから、こ
の段階にくれば、市長が今検討中だということですけれども、今年度中に結論を出せるという検
討内容であれば結構なんですけれども、そうでないとすれば市民協働推進会議は終わってしまっ
たわけですから、違う新しい市民の人に参加してもらう組織をつくって、この実施について検討
する必要があるのではないかというふうに思うわけなんですが、その辺の行革大綱での目標を全
うできるような今状況かどうか、もう一度検討内容を確認したいと思いますがよろしくお願いし
ます。
◇市長(星野已喜雄君) とにかく実施に向けた形で一生懸命今進めているところでございます
ので、何とか議員のご理解、またご支援もいただければと思っております。
◇19番(井之川博幸君) 市長、今の答弁ですと、結局2年前の議会での市長の答弁は全く実
施されてないということになるわけです。言い方悪いですけれども、そのときの答弁がうそにな
ってしまうと、こういうことになってしまうわけです、もう実際に終わっているわけですから。
ですから、本当にこれらの施策を実施していこうという考えがあれば、この時点で市民協働推進
会議が一応2年間で終わった時点で、これを再開するのか、それとも新しい組織をつくるのか、
そういうことは考えなくてはならないと思うんですけれども、その点ではどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いずれにいたしましても、何とか実施に向けてまいりたいと思ってお
ります。そういった中で、今新たな組織のお話がございましたが、これらにつきましては今後の
検討ということでもって受けとめさせていただきたいと存じます。
◇19番(井之川博幸君) 今後の検討とかそういう話ばかりなのでちょっと具体的にお聞きを
いたしますが、この市民協働推進会議も沼田市市民協働推進基本方針に基づいて具体的な施策や
取り組みについて検討すると。それで、協働のまちづくりを推進するというので、市民活動団体
関係者と公募による市民と、あと市の職員が入ったんです。結局この2年間で肝心な点について
成果を得られなかったという、この市の職員の責任というのは、市長はどういうふうに考えてい
るでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 市の職員は、これはまたちょっと違った立場で代表選手として市の職
員が入ったというよりは、彼らもこういったとらまえ方の中で、当然一市民としてそういった中
に加わることによって、きょうも若干論議がありましたけれども、加わってもらって、そしてあ
る程度行政の立場からいればいろいろな事柄についても承知をしているところがあろうというよ
うなことで入られたというふうに私は受けとめております。
◇19番(井之川博幸君) 私は、市長がそういう考えでいれば、参加した職員は、2年間です
よ、市民が2年間、22回だと思いますけれども会議をやって、それで具体化といいますか、も
ちろんいろいろやったんです。先ほど話したワークショップやられたりとかいろんな市民協働の
具体例なども協議したという議事録は全部読ませてもらいましたけれども、一時期、第6回です
か、委員からパブリックコメント制度についてきちんと議論した方がいいのではないかという意
見も出されていろいろ議論がされましたけれども、結局立ち消えになってそういうことは実現し
なかったわけです。そういう具体的なことについての検討というのがされないんです。本当はそ
れを、ここに書いてあるように第1回の会議で具体的な施策や取り組みについて検討していくと。
「具体的な」とわざわざ書いてあるのに、残念ながらそういうところまで行かなかったと。この
2年間は、では何だったんだということになるわけです。だから、そういう点では、市長もあい
さつされていますけれども、そういう会議をつくって市民に参加していただいて2年間やってい
ただいて、そういう基本方針の一部は進みましたけれども、市民協働センターですか、それは実
現の方向になりましたけれども、そのほかはほとんど具体化されてないわけで、そういう点では
非常に方向といいますか、会議の運営方法がまずかったのではないかというふうに思うわけなん
ですけれども、その点についてはどんなお考えをお持ちですか。
◇市長(星野已喜雄君) 会議の運営の評価については、私が特別にここでコメントをするとい
う立場ではないかと思いますが、当然そちらに参加してくれた方々においては一生懸命努力をさ
れて、そしてよりよい市民参加システムを構築すべく努力をされたということであろうかと思っ
ております。したがいまして、当然民間の方々が軸になっていろいろと展開されたことでござい
ますので、いろいろと出されたご意見等についてはできるだけ実現に向けた形の中で努力をして
いかなければなりません。
◇19番(井之川博幸君) 私は、この会議に参加した市民の方々が悪いとかそういうことを言
っているのではないんです。せっかく2年間そういう委員になったり、また公募で参加をしたり
した市民が、この沼田市の協働を推進するためのいろいろなそういう基本方針にのっている施策
を実現していこうという気持ちで2年間やったんですけれども、結局そこに余り触れないで終わ
ってしまっているんです。会議録は市長が読んでいるかどうかわかりませんけれども、一生懸命
皆さん発言されているし、だから会議録も非常に長いんです。だけれども、肝心な市民参加シス
テムというのを具体化していくという議論がほとんどなかったんです。ですから、今後、結局こ
の2年間でこの推進会議が終わりますと、後に協働センターは実現しますけれどもほかのことは
残らないんです。だから、今、市民とすれば、私としても頼りにできるのはこの行革の計画の2
1年度までやると、こういう計画できちんとやっていただくほかないわけです。だから、その辺
は今実施に向けて検討していますと言いますけれども、もう21年度です。では、できなかった
ら、これはだれが責任をとるんでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いずれにいたしましても、行政の責任は、私はもう常々申し上げてお
りますように、私にすべて責任がございます。したがいまして、先ほど申し上げておりますよう
に、何とか年度内に実現できるように実施に向けて現在努力しているということを申し上げてお
きたいと思います。
◇19番(井之川博幸君) わかりました。年度内に実施できるように努力しているということ
で、ぜひお願いをしたいと思いますが、当局でその制度自体の骨格が決まった後、また市民を公
募したりして、それを検討するといいますか、そういう会議は考えているかどうか、その辺をも
う一度お願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと先般そういった報告をしっかりと受けとめさせていただい
た形の中で、議員にいたしますればなかなか私どもの答弁が歯がゆく映っているかもわかりませ
んけれども、しっかりとした形の中で皆さんが頑張っていただいたということについては、私は
心から敬意を表しております。そういった中で、今後の対応の措置をどうしていったらいいかと
いうことについては、今検討中であるということを申し上げているわけでございまして、ご理解
のほどをお願いしたいと思います。
◇19番(井之川博幸君) 今検討しているこの市民会議等という、市民会議というのが市民が
参加していろいろ市政に対して提案もでき意見も言えると、こういう組織ですから、そういうも
のがきちんとつくられれば沼田市にとって、市民にとって市政に参加をしていく機会が出てくる
わけでありまして、もちろんこの辺はそういう重複しているといいますか、つくっていただけれ
ば参加できる。また、そのつくるに当たって、いろいろ市民の意見を聞いてそのつくり方をもっ
と市民意見を取り入れてやってもらいたいとか、そういうふうに非常に重複する部分があるわけ
ですけれども、だからもちろん今年度中につくるといっても行政としての提案といいますか、そ
ういう骨格をつくると、こういうことになると思うんですけれども、並行して市民の意見を聞く
ようなシステム、まだできてないわけですから、ぜひ市民協働の会議といいますか、そういうも
のでせっかくやってきたわけでありまして、それが2年もかかって残念ながら肝心なところまで
進まなかったと、こういうところでありますので、その辺の再開といいますか、同じメンバーで
ない方がいいと思いますけれども、市民公募をふやしてそのような市民の参加できるシステムを
つくっていただきたいというふうに強く要望しておきたいというふうに思います。
 それで、市民協働推進基本方針の中の市民参画システムの整備にまちづくりの自治条例という
のがあります。やはり一番基本というのは、このまちづくり基本条例、全国にいろいろな名前で
つくられておりますが、この問題だと思うんです。これをつくるには、先ほど市民協働の推進会
議の話をしましたけれども、議事録を見ますと、ああいう内容でやっていたのではこの自治基本
条例というのはとてもつくれないというふうに思います。まちづくり基本条例をつくる市民会議
といいますか、そういうものをきちんと目的にして市民を公募して意見を聞くというような組織
が絶対必要であって、それをつくらなければこの基本条例というのは実現しないというふうに考
えますが、この点での市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) このまちづくり基本条例は、最近でもマスコミ等の報道にございまし
たように、高崎市等で話題になっていたように受けとめております。このまちづくり基本条例は、
現在の地方自治体の生きる道しるべとして今各方面で大いに検討されているところであろうと思
っております。したがいまして、今後の対応の措置として、これをどういうふうな形でもってと
らまえて、そしてそれをいわゆる実現に向けていくかというようなことは当然考えていかなけれ
ばなりませんし、またそういう時代に入ったと思っております。したがいまして、どういうスタ
ンスがいいのかというようなことをしっかりととらまえて、そして今後の対応に処していかなけ
ればならないと考えておるところでございます。
◇19番(井之川博幸君) 今の市長の答弁は一応前向きなんですけれども、それではこの基本
方針をつくったときの考え方から進んでないような気がするんです。沼田市市民協働推進基本方
針にまちづくり基本条例を整備すると、こういうふうに明記をしているわけですから、具体的に
どうするんだと、こういう話になるわけなんです。そういう点では、先ほどの市民会議や市民意
見提出制度の検討は行革の関係で21年度ということになっていますが、この基本方針の方は別
に何年度までというふうになっていないわけなんですけれども、基本方針にしっかりと明記した
ということは一定の時期にきちんと実現するということが必要だと思います。そういう点で、あ
る程度期限も含めて市長の決意といいますか、教えていただきたいわけなんですがよろしくお願
いします。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
 大事なことでございますので、議員とすれば期限を含めて明確に述べろということになろうか
と思いますが、このまちづくり基本条例は、これが基本的に条例化されるとかなりの枠組みが出
てきてまいりまして、そういう意味では非常に重要な要素を持っております。したがいまして、
しっかりとした段取りと、しかもその運用等について明確なものを持ち合わせてないと、言うは
易し、行うは難しで大変難しい状況にあります。したがいまして、決して受け身的に物事をとら
まえているのではなく、しっかりとした足どりで進んでいかないと、この場合はややいろいろな
意味で重みをなすものになっておりますので、どうしても発言が慎重になるわけでございますけ
れども、時代の流れとして避けて通れない大きな課題でもありますし、現実に先ほど答弁したと
おり、第3章3協働を促進するための主要施策の(2)市民参加システムの整備でまちづくり基
本条例や云々ということが述べられておりますので、これをしっかり重く受けとめた形の中で対
応を図ってまいりたいというふうに思っております。今後いろいろと造詣が深いので、ぜひまた
担当部局にもご示唆をいただければと思っております。
◇19番(井之川博幸君) 今の段階では時期の問題等々まだ明確にできないというような感じ
がいたしますが、市長の重く受けとめるという答弁で期待をしておりますので、よろしくお願い
したいと思います。
 もう1点、市民活動支援センターがいよいよ開設をされるということで、ある程度具体的に準
備会といいますか、ホームページ等でもいろいろ出ているわけなんですけれども、具体的になっ
てまいりまして、ある点では一応役職の方たちを集めて準備会というのがあるわけなんですけれ
ども、広範な市民の意見を聞くような、これこそ市民意見提出制度やパブリックコメント等の対
象にしてできないのかどうかと。ちょっと小耳に挟んだところによりますと、10月開設なんて
いうことも計画されているようなんですけれども、その辺どうなのか、ちょっと確認をさせてい
ただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) このことはかねがね他の議員の方々も非常に関心を寄せてご質問いた
だいて、私も市長就任以降、非常に関心を持ってまいりました。さきの同僚議員のご質問にも答
えたのでありますが、どうしても沼田市のようなところが、例えばこういった事業の先進地と言
われている仙台市だとか、あるいはまた東京の西部地区のいわゆる都市近郊都市が非常にこうい
ったところの事業展開の先駆的なところでやっているのは承知をしております。そこはもう既に
民間が全く主体となって進めているという状況にありますが、やはり本市のようなところはどう
してもそういったところまでなかなか展開するということが果たしていいのかどうかということ
になると、どうしても公と公、つまり公共、具体的な行政ですが、行政と民間との整合性の中で
スタートを切らざるを得ないのではないかと、こういうふうに思っております。そういった形の
中で、今後この市民活動センターがいろいろな意味で市民の活動の情報共有あるいはまた調整を
発揮していく場所になっていくということから、大変重要なポイントになってくるかと思ってお
ります。
 今、議員が開設が間もなくというようなお話でございますが、これらについても今いろいろと
遺憾なきよう検討中でございます。したがいまして、これも早晩、遅くないうちに皆さん方にお
示しができるというふうに思っております。いずれにしたしましても、この関係についてもスタ
ートが肝心だと思っておりますので、議員のお気持ちをしっかり受けとめた形の中で遺憾なきよ
う対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
◇19番(井之川博幸君) わかりましたけれども、ちょっと確認をさせてもらいたいと思いま
す。その準備委員会といいますか、そういうところで、職員が2名だかつけると。それから、事
務所は保健福祉センター2階の会議室というような情報がのっているわけなんですけれども、結
局そこの準備委員会といいますか、そこで決めたとおりに決まってしまうのか、それともそうい
う計画としてつくって広範な市民の意見等もこれから聞いて最終決定するのか、その辺について
なお確認をさせていただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後4時43分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後4時47分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
○会議時間の延長
◇議長(布施辰二郎君) 一般質問中でありますが、本日の会議時間は、議事の都合によりあら
かじめこれを延長いたします。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 一応準備会を持って臨んでまいりましたので、この準備会の意思をし
っかりと尊重した形の中で、準備会の会長は宮崎さんであったわけでございますが、そういった
方向で取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、ご理解のほどをお願いしたいと
思います。
◇19番(井之川博幸君) わかりました。それで、お伺いしたいんですが、保健福祉センター
の2階の会議室ということになりますと、365日、お正月なんかは別ですけれども、土日なん
か閉まっているというような、保健福祉センターはそんな心配があるということも聞いておりま
すし、私なんかはグリーンベル21あたりがいいのかなというふうに思うわけなんですけれども、
そういう意見等々は聞かないで大体あそこに出ているやつでもう決めて出発してしまうと、こう
いうことになってしまうわけなんですか。要するに、土日は大丈夫なんでしょうか。それの辺を
確認させていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたように、準備会の流れを尊重していきたいとい
うことでございます。
 なお、今議員がご心配の土日の関係等についても、これもできるだけそういう意味では対応が
できるような、そういう方向のとらまえ方をしているところでございます。
◇19番(井之川博幸君) わかりました。初めてのこういう施設でありまして、市民活動支援
センターということで市民がボランティア活動等々、相談に乗ってもらえるそういうところでい
ろんな活動に参加できるということでありますので、できるだけ参加しやすい場所、参加しやす
い時間といいますか、そういう設定をお願いしたいというふうに思います。
 最後になりますが、前の検討会議の提言書の関係でありますけれども、いろいろ先ほど答弁を
いただきました。この中にいろんな教訓になる事例がたくさんありまして、ある程度、先ほど市
長が答弁をしていただいた内容以外にも今いろんなこれらの市民参加にかかわる、また協働にか
かわる点ではかなり共通する部分があるというふうに思います。先ほどのまちづくり基本条例の
関係でも、当時ニセコの条例が参考資料としてつけられておりまして、内容的には今でも先進の
内容かなというような受けとめ方ができます。そういう点で、ちょっと年数はたちますけれども、
内容的には非常に参考になる、まだ今の時代にも先進的な内容も含まれておりますので、確かに
市長が初めて市長になったときに招集した検討会議だと私も記憶をしておりますので、大事に扱
っていっていただきたいと思います。最後に、その点をお伺いいたしまして、私の一般質問を終
わりたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えしたいと思います。
 いずれにいたしましても、非常にこの問題につきましては、かなり先進的なという言葉を使っ
てよろしいのかもわかりませんが、造詣の深い方のポジションの方と、お立場の方と、それから
かつての地縁の関係から来る非常にそういう意味では地域のよさを持ち合わせた形の展開の方と
いるということが、今までの先進的な地域で行われているものとどうしても同質的に物事をとら
まえることがなかなか難しい状況にある。しかし、逆に言うと、うちらのような地縁組織の強い
ところとそういった先駆的な考え方をお持ちの方々とがうまく織りなす糸になってまいりますと、
かなり足腰の強い、そういう意味では非常に他の地域に見られないようなことに展開がされてい
くというように期待をしております。それだけに、今後ともよろしくお願いをしたいと思ってお
ります。
 なお、先ほど私が土日もできるだけというお話を申し上げさせていただいたわけでございます
が、先ほどの市民活動センターですが、土曜日は開館をしてお世話になりたいと思っております
が、一応日曜日は現在のところ休館という形の中で考えておりますので、よろしくお願いをした
いと思います。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第2 延  会
◇議長(布施辰二郎君) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(布施辰二郎君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決し
ました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は14日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後4時54分延会
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