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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成21年第7回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号

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平成21年第7回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号
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議事日程 第3号
平成21年 9月14日(月曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ―――――――――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 散  会
       ―――――――――――――――――――――――――――――
出席議員(26人)
       1番  真下 恭嗣君      2番  田村喜久子君
       3番  坂庭 直治君      4番  石井 紘一君
       5番  鈴木 圭子君      6番  金子 一弥君
       7番  小野 要二君      8番  井上 正文君
       9番  高柳 勝巳君     10番  布施辰二郎君
      11番  片野 彦一君     12番  宇敷 和也君
      13番  相田 昌夫君     14番  久保 健二君
      15番  星野  稔君     16番  大島 崇行君
      17番  山ア 義朗君     18番  大竹 政雄君
      19番  井之川博幸君     20番  大東 宣之君
      21番  橋 襄典君     22番  石田 宇平君
      23番  星川嘉一郎君     24番  牧野 保好君
      25番  星野佐善太君     27番  金井 康夫君
欠席議員(1名)
      26番  井田 孝一君
       ―――――――――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
  市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
   白沢町振興局長    根岸 恒雄君   利根町振興局長    郷原 重雄君
   総務部長       大嶋 政美君   民生部長       田村 澄夫君
   経済部長       小池 一夫君   建設部長       須藤 一夫君
   街なか対策部長    松井完一郎君   白沢町振興局次長   入澤 完司君
   利根町振興局次長   山口 芳久君   総務課長       栃原 豊彦君
   会計管理者兼会計局長 村沢 博行君    教 育 長            津久井 勲君
   教育部長       町田 哲男君   庶務課長       金子  朗君
   監査委員事務局長   水田  修君
─────────────────────────────
議会事務局出席者
   事務局長       小林有一郎    次長兼庶務係長    繻エ 正美
   議事係長       加藤 英臣    副 主 幹       地野 裕一
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    午前10時開議
◇議長(布施辰二郎君) これより本日の会議を開きます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第1 一般質問
◇議長(布施辰二郎君) 日程第1、一般質問を行います。
 11日に引き続き、順次質問を許可いたします。
 最初に、大島崇行議員。16番。
〔16番 大島崇行君登壇〕
◇16番(大島崇行君) おはようございます。傍聴の皆さん、早朝よりご苦労さまでございま
す。
 通告に従いまして、一般質問をいたします。
 去る8月30日の第45回衆議院総選挙で、民主党が308議席の大台を勝ち取り、自民党が
119議席と議席を大幅に減らし与野党大逆転、自民党長期政権であった55年体制に終止符を
打ち、無血革命と表現している評論家もおるようです。
 これから国政が大きく変革し、9月16日に首班指名で鳩山総理が誕生します。民主党が掲
げたマニフェストについて、国民も期待と不安を持っていることと思います。厳しい船出だと思
いますが、日本丸のかじ取りを大いに期待し、地方の自治体はもちろん、私たち地方議員も心を
新たに邁進しなければならないと思います。
 さて、今回の質問は、昨年3月の定例会で質問した内容が多いと思います。市長、ぜひ前向き
に研究し検討、計画していると思いますので、方向性が示されていると思いますので、明解なる
ご答弁をお願いいたします。
 初めに、廃校施設の利用計画についてお伺いします。
 3月の定例会で「収穫旅行」と銘打って、旧南郷小学校の廃校利活用を質問しました。これは
埼玉県の東松山で学習塾の先生と生徒約50名の皆さんが8月14日から4日間、旧南郷小学校
で夏期合宿を実施したところ大きな成果があったと聞いております。今回の事業に対しての受け
入れ態勢及び反省点、また今後の利用計画がありましたらお伺いします。
 次に、グリーン・ツーリズム等の本市の計画についてお伺いします。
 先日も新宿区主催で収穫体験ツアーを募集したところ40人の参加者で好評だったと聞いてお
ります。今回でたしか3回目の事業だと思います。そのほかにも幾つかの事業が展開されており
ます。また、きょうも新聞に出ておりますが、新宿の障害者の方々の交流ということもけさ出て
おります。沼田らしさの企画など、今後の考え、計画がありましたらお伺いいたします。
 次に、沼須産業団地についてお伺いします。
 これも昨年の3月の定例会で「いつから販売するのですか」と質問したところ、答弁は、「平
成20年の12月より販売」というところでございました。産業団地は、県と交わした確認書の
中で、5年経過して残地が出た場合は本市が買い取ることになっております。早いもので、販売
から10カ月がもう経過しているわけでございます。残り4年2カ月。5年間は、長いようで短
いと思われますが、前回の定例会では、視察問い合わせ等が一、二件あったと聞いておりますが、
その後の進捗状況をお伺いします。
 次に、新宿とのカーボンオフセットについてお伺いします。
 これも3月の定例会での市長答弁は、「新宿はもちろん、首都圏の高密度都市と本市のような
中山間地域が地球温暖化対策で連携できるのは非常に有意義でありますので推進していく」との
ことでしたが、その後の進捗状況をお伺いします。
 次に、全国育樹祭についてお伺いします。
 群馬県も平成21年4月15日に実行委員会を設立し、総会も開催したと聞いております。本
市も来年の開催に当たり、関係各方面に協力等を依頼し、会議を開催したり、県とも力を合わせ
ながら群馬らしい緑の祭典となるように全力で取り組んでいると思いますが、大会全体の内容な
ど進捗状況をお伺いし、私の1回目の質問とします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大島議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、活力を創造するまちづくり、都市交流の推進について、廃校施設の利用計画についてで
ありますが、活力の創造と地域の活性化を図るためには、観光資源などを磨き上げ、あるものを
生かしていかなければならないと考えております。
 これまでの廃校の利活用の状況についてでありますが、大学運動部の合宿、地域の文化活動、
市内児童等の学習の場などのほか、大島議員のお骨折りにより本年8月、旧南郷小学校を埼玉県
の学習塾の夏期合宿に利用していただきました。利用された生徒さんからは、施設はもとより、
周辺の環境、地域の方々への感謝などの言葉が多く寄せられておりました。
 議員ご質問の廃校施設の利用計画については、第一義的に施設の地域の中での利用というもの
を協議し、その協議を踏まえて市全体としての施設のあり方、そうしたことに思いを寄せて対応
してまいりたいと考えております。
 次に、グリーン・ツーリズム等の本市の計画についてでありますが、首都圏からの距離的なも
の、自然環境、農産物などの当市の恵まれた環境を活用してのグリーン・ツーリズムの推進は地
域活性化の重要なものとしてとらえ、現在、田舎体験ツアーや新宿区、板橋区などの都市間交流
の中で沼田市に来ていただき、自然、文化や人々との交流を通して本市の魅力を知っていただく
ことをきっかけとしてグリーン・ツーリズムの推進を図っていこうと努めてきております。
 収穫体験できる観光型農業はその大きな魅力の一つとなっておりますが、現状ではまだ日帰り
や1泊2日程度の短期滞在となっております。目標とする、より長期滞在型の農村、農業等の体
験の中から定住へとつなげていくためには、今後、住居を初めとする受け入れ環境を整えていく
必要があると認識をしております。
 これまでの交流の実績等を分析するとともに交流居住促進協議会などの意見をお聞きする中で、
より具体化について検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、地域の活性化、沼須産業団地についてでありますが、昨年12月1日に分譲開始となり、
現在、県の企業局において県内や首都圏等の企業訪問を初め、ぐんま企業立地セミナー等におい
て重点的に企業誘致活動を展開しておりますが、昨年秋以降の金融危機の影響を受け製造業を中
心として企業の経営環境は悪化し、先行き不透明感により設備投資意欲が大きく低下している状
況から企業からの問い合わせ等が減少し、これまで2社が現地視察を行っておりますが具体的進
展には至っていない状況であります。
 こうした時期でありますが、企業誘致は新たな雇用の創出や既存企業への波及効果等あわせ、
新分野の産業が創造される可能性もあり、地域経済の活性化に多大な効果をもたらすものと認識
をしておりますので、市といたしましても県の企業局や県の企業誘致担当部局との連携を図り、
企業訪問や企業立地説明会等へ積極的に参加し、沼須地域の特性に配慮した企業誘致に向け努力
をしていきたいと考えております。
 次に、自然に優しい環境づくりについて、山林の保全と整備、新宿区とのカーボンオフセット
についてでありますが、議員ご案内のとおり、本市は市の面積の約8割が山林で占めることから、
森林整備を推進することで二酸化炭素を吸収し地球環境を保全することができるものと考えてお
ります。そこで、新宿区との交流事業を進める中で、カーボンオフセットを提案してきたところ
であります。
 新宿区の平成21年度予算案の記者会見の中で、中山区長は、地球温暖化対策として区民のエ
コ活動にポイント制度を導入し、区外で植林活動を進め、植林をする場所についても、利根川流
域と多摩地区で検討していることを表明いたしました。本市は、その利根川流域の候補地として
区担当部署と協議を進めており、本年5月には担当職員3名が現地を調査しております。
 今後は、植林地の選定に係る委員会など経て候補地を絞り込むものと思われますので、その動
向を注視しながら対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、全国育樹祭についてでありますが、沼田市としても第34回全国育樹祭に向けて関係部
課長による全国育樹祭庁内連絡会議を設立し、連絡会議や幹事会を開催しているところでありま
す。また、林野庁や群馬県とも調整を図り、この育樹祭を意義あるものとしていきたいと考えて
おります。
 なお、育樹祭全体の内容及び進捗状況につきましては、第34回全国育樹祭群馬県実行委員会
幹事会の式典部会、県民参加部会、総務企画部会等でそれぞれ検討し、幹事会で協議され、実行
委員会で決定されるわけでありますが、この各部会が9月中旬から10月中旬にかけて開催され
る予定でありますので、その内容を踏まえながら、沼田市としてもこの育樹祭を契機に「森林文
化都市」沼田市を全国に発信して行く所存であります。
 以上申し上げまして、大島議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇16番(大島崇行君) ご答弁いただいたので、質問したいと思います。
 1点目の収穫旅行の件なんですけれども、これの流れを説明したいと思いますけれども、実は
この塾の先生が田中先生という方なんですけれども、ひょんなことから私と知り合って、非常に
沼田が好きだということを聞いて、塾やっているんだけれどもこういうところで子供たちが夏合
宿ができないかというような話を聞いて、それで思い立ったのが南郷の小学校の跡地だというこ
とが始まりでございます。その件について前回質問いたしまして、なかなか市の方も動かないの
で、私、市長に直談判して企画の課長を連れて埼玉へ行くということで埼玉の方に飛んで交渉し
たところ、すぐやるといううまい話になりまして実現かなったわけでございます。
 それで、沼田に来て、副市長と私と企画課長と係長等々行って施設を見たわけでございます。
見て一番第一声が、先生がたまげてしまって、イメージが山の中の廃校ということで、失礼な言
い方ですけれども傾いたような、雨漏りするような学校かなと思ったらしいです。来て、もう第
一声が「すばらしい学校ですね」という感想でございました。それで、私も本当に勉強不足で恐
縮なんですけれども、そのとき初めて中を拝見させていただいて、体育館もすばらしい体育館で
ございます。音楽室もある。教室も整っておるということで、先生はもう本当にすぐやりたいと
いうことでとんとん拍子に進んだわけでございます。
 それで、あとたまげたのは、机といすがなかったんです、教室になぜか。当時閉校するときに、
廃校するときに恐らく処分したんだと思うんですけれどもないということで、ありがたいことに
捨てる神あれば拾う神ではないですけれども、先生が、私たちの東松山なんですけれども、塾に
4階建てのビル持っているんですけれども、少子化で子供が少ないということで一学級の机とい
すぐらいなら寄附するという話なんです。それで、寄附をいただいて、これも市の方でもらいに
行きましたけれども、その机も余りぼろでは困るので、変な話、課長と見に行ったんです。そう
したら、すばらしい机、いすであったのでぜひいただきますということで遠慮なくもらって、5
0組ほど寄附していただいて南郷の中へ入れたということでございます。
 周りの施設等も先生が大変興味を持って、ダムはある、しゃくなげの湯があって足湯があった
り、曲屋等も見て、こんないいところないということで、昼を食べながら迦葉山の方も登ったん
です。迦葉山で山主さんにいろいろ提案したら、私も子供たち、昔下田で体験ということで座禅
組んでそれが思い出に残っているなんていう話も聞いたもので、迦葉山に行って話したら、それ
はぜひ協力しますよという話までいただきました。
 肝心な宿泊の問題になりまして、これが大分今回ネックなんですけれども、老神の方ではいろ
いろ等々で難しいということで、実際宿泊したのは尾瀬の岩鞍のホテルなんですけれども、そっ
ちで宿泊したということでございます。
 そういう形を経てこの事業がうまく展開し、先ほども市長の答弁の中にありましたけれども、
地域の皆さんがそれぞれご協力をして迎え入れたと。本当にいいことではなかったのかなと思う
わけでございます。今後学校の跡地利用、周辺との絡み等々考えて、どのようなことを考えてお
るか、私、市長より利根町の振興局長にお伺いしたんですけれども、よろしくご答弁お願いしま
す。
◇市長(星野已喜雄君) それでは、私の方から述べさせていただきまして、後に利根町の振興
局長の方から補足答弁をいたさせます。
 当校は、私も何度か、当然まだ開校中に、当時県会議員でございましたが、校長先生あるいは
またちょうど学校の先生の職員の配置の関係等の人事の問題もありまして、どうしても小規模校
の先生のいろいろな問題が当時あったわけなんです。私も県会議員という立場で県教委にいろい
ろと働きかけるようなことから、当時の校長先生等にそういったへき地校の実態を聞かせてもら
いたいということから、南郷のことについてはいろいろと足しげく運んだ経過がございまして、
その施設の立派さというのは先ほど議員がおっしゃっているとおりでございまして、まさに認識
は一致しているものと思っております。
 同時に、田中先生の方々あるいは関係者の方々が南郷の地のすばらしさというものを評価して
いただいたということを地元の市長の立場からいたしますとこんなにありがたいことはございま
せん。したがいまして、今後も大島議員あるいはまた関係者のご指導をいただきながら、今回の
事業の成功を一つの糧として、市といたしましても積極的にこれらの対応等については努力をし
ていかなければならないと考えております。
 それでは、利根町振興局長の方から地元の立場から答弁をさせていただきます。
◇議長(布施辰二郎君) 利根町振興局長。
◇利根町振興局長(郷原重雄君) ただいま大島議員からのお尋ねでございますけれども、利根
町といたしましても非常に跡地利用というようなことで悩んでおったわけでございまして、幾つ
かの会社からも私のところへ問い合わせがあったこともございます。しかしながら、なかなか会
社の方の意向に沿うような状況でないというようなことがありまして、会社の方から今節はなか
ったことにしてくれというようなお話もあったわけでございます。
 その中で、このたびは大島議員の骨折りによりまして、学校を学校として使えるというような
状況でお骨折りをいただいたということで、非常に地元としてもありがたく感謝を申し上げる次
第でもございます。
 また、しゃくなげの湯等も利用していただいた。あるいは、曲屋の方も見学をしていただいた
り利用もしていただくというようなことで、非常に地域としてもありがたく思っておるところで
ございます。ぜひこれからもいろいろご指導いただくことをお願いを申し上げまして、答弁とさ
せていただきます。
◇16番(大島崇行君) 今後市の方としても積極的に対応していくということで、地元でも使
用していただいて大変感謝しているという答弁でございましたけれども、実はその子供たちがこ
の合宿に関しての感想文、文集、市長のところに行っていますか。これは先生いわく、誤字脱字
は直したけれども内容は全然直してないということでいろいろコメントが出ておりますけれども、
大変すばらしいコメントであったり感想文でございます。特に地域の人に優しくしていただいた
り対応がよかったということが出ております。中には、この子なんか、おじいちゃんとまた来た
いとか、おばあちゃん連れてきたいとか、沼田に住みたいなんていうことまで相当いいことが出
ておりますので、後で参考で見たいという人がいたら私のところにありますので、市長のところ
にも行っていると思いますけれども、読んでもらえば大変私たち以外に他市の子供たちから見て
すばらしい環境だということがすごく出ております。先生も来るときに、暑いからということで
扇風機5台ぐらい買ってきたらしいんですけれども、それも使わないでよかったということで、
子供たちも勉強ができて本当に有意義な4日間あったという答えも出ております。
 そういう意味で、今回利用ということで社会教育課で自然体験学習推進事業ということでネイ
チャーキッズを今年度から利用するということ。今まで北毛青年の家でやったわけでございます
けれども、そういう面では2泊3日で、これも大分好評、よかったということですけれども、こ
こは宿泊は体育館だとか教室を利用したので問題なかったんだそうです。
 それと、よく利根町の教育支所の管理の温水プールの問題が予算、決算でよく質疑されますけ
れども、ここも行政の方で努力して昨年、今年度ということで大分入場料金も100万円以上ア
ップしているということも聞いております。ここは合宿で大学だとか小学校のスイミングスクー
ルだとか高校生等々がやっておるわけですけれども、ここは宿泊がやはりネックで、泊まりはみ
んな片品に行っているらしい、民宿に。だから、この辺がちょっと利根の方の旅館、民宿等々も
うまく、その辺をぜひよその、隣のところに行くのもいいんですけれども、利根沼田全体考えれ
ばいいんですけれども、できれば沼田の管内でお金を落とすという言い方はおかしいんですけれ
ども、収入があれば活性化につながるんだと思うんですけれども、その辺について、市長はどう
お考えですか。
◇市長(星野已喜雄君) その辺はもう全く大島議員のご指摘されるとおりであるというふうに
受けとめております。
 老神の宿泊もさることながら、根利にも二つほど旅館があるんです。私の承知では2軒あると
思っております。そういうようなことから、できるだけそういったところのことについては、や
はり地元の業界の方々にご理解をいただくべく行政の立場からいろいろと協議をしていくという
ことが重要なポイントになってくると思うんです。何といっても回転がなされなければ事業はご
案内のとおりなかなか活性化されません。したがいまして、せっかくあった宝物をみすみす逃す
という手はないというふうに思っておりますので、今後とも行政の立場からそういった方々のい
わゆる宿泊関係等については、いろいろと努力をしていかなければならないと考えております。
 旅館等もさることながら、考えようによると農家の、議員ご存じかどうかわかりませんが、一
般的に農家のお宅は五、十の家でありまして、でいというのがございます。ここのところは間々
使ってない場合があります。だから、こういったことも一つには交流を進めていく上で、言うな
れば民泊になるかとは思いますが、そういった手だての受け皿等も考えていく必要があるのでは
ないか。一つのヒントとして、武尊高校のハートフルシステムですか、ご案内のとおりこれは個
人のお宅で、要するに子供たちがそこで生活してお世話になっているというやり方でございます
けれども、こんなことも一つには検討に値するのではないかと考えております。
◇16番(大島崇行君) 武尊高校ので、民泊等々のでそういう……。尾瀬高校。失礼しました。
尾瀬ですよね。市長が武尊高校と言ったので、市長の言うとおり武尊高校に合わせてしまった。
それはあれとして、尾瀬高校でそういう話はあるということでございます。
 現在、全国で過疎化、少子化等々の問題で、こういうへき地のという言い方は失礼なんですけ
れども、聞くところによると廃校になる学校は年間に何百あるんだそうです。相当全国的にも廃
校して統合しているらしいんです。それで、どこの廃校のところも何か利用を考えると、1位に
挙げられるのがやはり社会教育施設だとか、2番が体験交流施設、それで3番が宿泊施設の利用
方法とか、また老人福祉施設等々といろいろあるわけです。展示場にしようとか美術館にしよう
とかいろいろ試行錯誤していると思うんですけれども、今ちょうど根利の話も出ましたけれども、
あそこも市長が大分行っておりますからボールドウィン等々のものもありますし、機械化センタ
ーもありますし、大変いい場所でございます。実は、根利の小学校も廃校で今使われてないわけ
です。あそこも維持管理というんですか、草も生えるしいろいろな問題等々もあるので、調べて
いませんけれども恐らく数百万くらい金かけているのではないかと思うわけでございます。
 私、今回の廃校でインターネットでいろいろ検索しておりましたら、すばらしい内容の話があ
ったんです。というのは、北海道の夕張、ここに栗山町、皆さんご存じですね。大変今いろいろ
再生で脚光を浴びていますけれども、そこに雨煙別という小学校がある。「雨の煙の別」という
雨煙別小学校、そこも廃校なんですけれども、そこで廃校なので何とか利用しようということで
NPOを立ち上げていろいろやったわけですけれども、やはり先立つもの、いわゆる資金がない
ということで、試行錯誤してボランティア募ったりいろいろしたらしいんです。そうしたら、い
ろいろそれを見ていたら、そこに民間の財団法人から支援をいただいてうまくできたということ
があったので、これを調べたら、実はコカ・コーラ教育環境財団法人というのがあるんです。そ
こに検索すると出てくるんです。雨煙別の小学校の再生利用ということで出ているんですけれど
も、ことしの5月29日にたしかオープンしたわけでございます。2年がかりでつくってしまっ
たんですけれども、支援というけれどもどのくらいが支援なのかと思って、変な話1,000万
か2,000万なのかなと思って、これもわからないので、出てないのでじかにこの間コーラの
財団に電話しました。私、電話したのでたまげて、怪しい者ではございませんというので、顔が
見えなかったからよかったんですけれども、電話でお聞きしたら、そうしたら快く2時間ぐらい
したらお答えが返ってきたんですけれども、何とその支援金が1億8,000万なんです。これ
聞いて、これならできるなと思ったわけでございます。
 今、根利の小学校も話が出ましたけれども、あそこと南郷とうまくリンクして、片やもうまる
きり宿泊できるような態勢の施設にして、南郷の方を勉強なり体験なり運動等々の合宿に使うと
かうまくその辺をリンクすれば、すばらしい周りの曲屋等もございますし、しゃくなげの温泉も
あります。環境もいいところです。これは本当にさっきの話ではないですけれども、私は沼田の
宝の一つだと思うわけでございますので、ぜひその辺も支援金を出すのはどうかということでご
ざいますけれども、これは調べたところによりますと、その財団が一つとして、心豊かでたくま
しい人づくりの理念を持って事業を展開しているところにそれを出すんだそうですけれども、ぜ
ひ沼田もそういう意味ではそういうところにエントリーして、それは選ばれるかどうかわかりま
せんけれども、沼田の実情を市長みずからどんどん言っていただければ、こういう状況でこうい
う環境のすばらしいところでもう実践でも実際やって子供たちも喜んだというような提案して、
市長がぜひその辺みずから行って財団と交渉すればいい方向に、これはわかりませんけれども、
進むのではないかと思うわけでございます。今のこの話を部課長すべて、まず当局の方で調べて
みた方いますか。いませんか。このくらいいい事業があったということ。これも事業が埋もれて
いたんです。だから、その辺、聞いたらもうデスクに全国からこんなにたまっているそうです。
5月29日に雨煙別でオープンしてしまったから、もうそれ聞きつけたり見たりしてもうどんど
んそういうので問い合わせが行っているそうですので、遅いか早いかわかりませんけれども、ぜ
ひ市長みずから、もう一度言いますけれども、そこへエントリーしたらどうか、お考えありまた
らお伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) 昨日あるいはまた一昨日に市内の運動会が一斉に行われておりまして、
いわゆる沼田市内の町内の運動会と、沼田市内におけるいわゆる村部の運動会、それぞれの特性
があって大変すばらしかったと思っておりますが、特に沼田市内のいわゆる村部と言われる学校
の運動会が地域ぐるみで非常に行われている、あるいはまた本当に父兄、PTAの方々の参加が
多く取り入れられているあの姿を見たときに、やはりこれは一つのへき地校あるいはまた、要す
るに少子社会のところの部分でありながらも何か新しい活路を見出すような感がしております。
それだけに、私も南郷あるはまた根利あるいはまた青木、砂川、穴原、柿平、小松、このところ
の部分の状況の活性化というのには非常に気にもなり、しかもかつての歴史的な遺産が大変多ご
ざいますので、何とかならないのかというようなことから頭を痛めているところでございます。
 現実に昨日も根利にも行ってきております。そういった中で、議員がコカ・コーラの財団のご
紹介あるいはご提案をされていただきました。夕張の栗山町といえば、確かに言われるとおりこ
の数年来、大変話題をにぎわしているところであるし、そういった意味で非常に報道関係機関も
注目をしているのではないかというふうに思っておりますが、ぜひこの南郷、根利のリンクされ
た、いわゆる整合性持たせた活性化というのは大変将来、いいかどうかわかりませんが、今まで
の負の面を一つのばねにして、そして逆にそれを良の面として生かしていくということ、こうい
う逆転の発想が大変重要かと思っておりますので、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。
 なお、先ほど「武尊高校」と申し上げたわけでありますが「尾瀬高校」でございますので、訂
正しておわびを申し上げたいと思います。
◇16番(大島崇行君) ぜひこの制度は、私は本当に沼田市にとって大変プラスになると思う
わけでございます。市長、よく民間とどうこうと、行政がどうのこうのと言いますけれども、そ
の辺はこれからはそういう時代でいかないと地方自治は特に生きていけないのではないかと思う
わけでございます。別にコーラのそれ使ったからどうこうという後ろめたさを持ってなければ別
に堂々と、実際もう動いている場所もあるわけでございますので、その辺もう一度よく検討して、
これはいい事業だと思うので、地域に活力を与える意味でもぜひそういう方向に進んでもらいた
いと思います。
 それと、先ほど市長に感想を聞かなかったんですけれども、この子供たちの感想文集、これ読
んで何か感じたことありましたら。
◇市長(星野已喜雄君) 私は、先ほどの答弁で申し上げたように、沼田市内の中にあっても、
要するにいわゆる市街地の学校と利根に見られるようないわゆる村部の学校との違い、特性、運
動会なんかも非常にそういうものが顕著にあって、現実にこれは教育委員会の筋になりますが、
沼田市内の学校同士のあいあい交流を進めることが非常に教育効果を上げてきたということが成
果としてあらわれていると受けとめております。
 その感想文を見ると、やはり都会で頑張っている子供たちにすると、せせらぎや鳥の鳴き声、
緑の山々、すべてが新鮮に映って非常に感動をもたらしていると思います。考えてみると、そう
いった私どもの沼田市内のいわゆる村部と言ってよろしいかと思いますけれども、そういったと
ころは社会教育や理科の教育の場所等々体験学習の宝庫だと思っております。したがいまして、
これらが全くお金を出さずに用意されているということがその感想文の感動の文となってあらわ
れていると思っております。したがいまして、教育委員会の考え方もありますので、先ほど来お
話しのとおり、うまくそこらを連携して活性化のために処していきたいと思っております。
◇16番(大島崇行君) 感想文を読んでいただいて市長なりの考えの答弁でございましたけれ
ども、本当にまさにそのとおりでございます。
 先ほどの話のように、この事業を進める意味で本当に民間とぜひ手を組んでやってもらいたい
と思うので、市長、その辺をもう一度、その気があるかという言い方はおかしいんですけれども、
前向きに考えていると思いますけれども、ぜひそういう方向で進んでもらいたいと思います。
 なお、この事業、うまくいけば塾の先生いわく仲間がいまして、今後声をかければ1,000
人は来るんですよという話なんです。もう呼ぶ気になれば1,500人でも幾らでも、今度は東
京の方までいえばもっと来るというのが実態でございます。せっかくそういういい事業に展開し
て地域の活性化になることでございますので、ぜひ早くそういうことは立ち上げていろいろな面
で展開していただいて、市長がはっきりやるんだということがわかれば本当にありがたいと思う
わけでございます。
 それと、先日お隣のみなかみ町でも新聞に出ておりましたが、教育旅行だなんていうので銘打
ってみなかみも考えておるようでございます。これも観光協会とか旅館組合等々と、いろいろな
団体とプロジェクトを立ち上げてやっているわけでございます。本市も観光協会、会議所、宿泊
の面がちょっとネックでございまして、その辺もよく今後協議して沼田市の地域の本当に発展に
つながるようになればいいのではないかと思うわけでございます。そういう面に対して、市長、
もう一度やるんだという力強い言葉が欲しいんですけれども、お願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 私どもこの数年来、いろいろな活性化の活路を交流事業に見出してい
こうということで努力をしてきた経過がございます。今回の議員がお骨折りをいただいた事業は、
私どもが想定していたこととはやや趣を異にしていたこともあり非常に新鮮に実は映っておりま
す。特に子供たちが来てくれることは大変ありがたいことで、先般の板橋のあのような写真展を
して、そして体験の発表をしていただいた方々のご講演も聞いてみると、金剛院のことの周辺の
環境のことを克明に覚えておられるということでございまして、心は常にやはり金剛院、沼田に
あったということが如実に物語られておりました。ということになりますと、子供たちが本市を
訪れてそういった体験的な学習あるいはまたいろいろな意味の勉強をしていただくということは
大変有意義なことであり、将来に向かって非常に希望の持てる事業であろうと思っております。
したがいまして、今まで進めてきた交流事業もしっかり踏まえた形の中で、議員のご提案されて
いることも一つの大きな流れの中に入れていければよろしいのではないかと考えております。
◇16番(大島崇行君) ぜひその方向で進んでもらいたいと思います。
 それでは、次、グリーン・ツーリズムについてお伺いしますけれども、過去4回ぐらい新宿の
田舎体験ツアー等々、これは新宿区の主催でございますよね。それで、沼田市も田舎体験ツアー
等々でやっておるようでございますが、これは全国どこでもグリーン・ツーリズムということで
やっているんですけれども、内容は農産物の収穫だとか地域の特産物あるいはこの辺で言えばそ
ば打ちだとかコンニャクづくりだとか、野菜の収穫だとか田植え等々、稲刈りなんていうことで
あるわけでございます。ほとんどどこの地区も大体同じようなことでやっているわけでございま
す。さっきも市長の中でグリーン・ツーリズムで宿泊だとかいろいろやっておりますけれども、
今グリーン・ツーリズムでいろいろ日本的にちょっと考えというんですか、なかなかグリーン・
ツーリズムがいま一歩進んでいかない展開は、やはり農家とかに受け入れる態勢の時間の余裕が
ないのではないかとか指摘されているわけです。忙しいときに来て、猫の手もかりたいのによそ
から来た人にやっている間にはもうなり物はどんどんなっていってしまうというのが現状だと思
うんです。
 先ほど5間、10間のうちの話もしたけれども、それは改装しなければならないので、それが
みんな行政が出してくれるならいいんだけれどもそうもいかないので、そのうちによって、自分
のうちもそうやって改修してそういう宿泊にするかというと、やはりこれまた本当にネックだと
思うわけでございます。そういう意味で、なかなか農家との受け入れ態勢の方にも今いろいろな
問題が出てきているということを聞いておるわけでございます。
 それで、よそから来て生活見てもらうのも何か嫌だなという、中にはいると思うので、そうい
う意味でこのグリーン・ツーリズムというのは何か日帰りだけで、本来のグリーン・ツーリズム
的な宿泊だとか体験してというのが何かいまいちだと思うんです。それに関して、市長はさっき
はそういううちの商品だ、受け入れ態勢だ、こうだと言っているんですけれども、反面こういう
ことが、私も思うんですけれども、そういうことが必ず出てくると思うんです、デメリットも。
だから、そういう面では、市長、その辺どうお考えかどうか。
◇市長(星野已喜雄君) 日本の農家形態で、私は、一番実は東京都下の方々がお客に来て非常
にネックとなっていたのがトイレとおふろだったと思っております。なぜかというと、今はそう
いったところは余りないとは思うんですが、昔はおふろもうちの中で木を燃やして、そして見よ
うによっては見えてしまうと。また、ご案内のとおり農家のトイレというのは大体外にあって、
そして言うなればふん尿そのものを後の肥料にして使うということから、結局現在のような水洗
化された状態ではなかったわけです。ここにまいりまして、そういったトイレ、おふろ等が非常
に整備されてきたことから、都会の方々もそういう意味では一つの大きなハードルを越えた環境
に田舎の住宅もなってきつつあるのではないかと。そうすると、先ほども言うように、大きな古
い農家のお宅ですと非常にスペースが大きいわけです。そういった中で、私は有効活用するとい
いのではないかというふうなことで申し上げたわけでございます。
 ただ、議員がご指摘のとおり、農家の方々にしてみれば、春、夏、秋は、これは猫の手もかり
たいほど忙しいわけでございまして、そちらの方に手が回らないというこれまた実態があろうか
と思います。そういった中で、今後いろいろと社会の状況に応じては、そういったあいているス
ペースの確保ということについてはやはり真剣に考えていかなければならないと思っております
。どうしても私の経験から申し上げますと、東京都下の方々が田舎に来て、ふるさとに帰ってき
て寝泊まりする際のネックは、トイレとおふろにあったのではないかと思っております。
◇16番(大島崇行君) ネックはトイレとおふろということでございます。環境が変われば本
当にそれは確かにネックかもしれませんけれども、ここで今まで私も何度かこれに関して質問も
しておりますが、最初は失礼な言い方で、旅行感覚で来ている人もいるのではないんですかなん
ていうことで言って、この事業を見直した方がいいですよということを言っておりましたけれど
も、その後、変な話、何回か来ている中で、土地も購入している人もおるようです。それから、
また実際もううちを建てて住んでいる方もおります。今土地だけ買っていずれ定年になったら沼
田に来るというような本当に明るいニュースが3件ほどあるんです。私もそれを聞いております。
そういう面では、この事業はある程度いい方向に進んでいるのではないかと思うわけでございま
す。市長、この事業を今後より一層よく沼田らしさを出して続けていくかどうか、お聞きします。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどの答弁と整合していくわけでございますが、東京都下の方々の
ないものを私どもが持っているということと同時に、団塊世代の方々がこの二、三年で大きく社
会の現場から退任をしていくわけです。結局その第二の人生をどこに選ぶかということが大きな
国の政策としても必要になってくると思います。したがいまして、そういった受け皿をきちんと
やっていくということは非常に大事かと思っておりますので、今後もこれらについてはより一層
いろんな意味で努力をしていかなければいけないと思っております。いずれにいたしましても、
それだけの環境を私どもは持っているというふうに信じておりますので、今後ともご指導のほど
お願いしたいと思います。
◇16番(大島崇行君) 受け皿が大事であるということも大事なんですけれども、やはり魅力
ある内容の受け皿を考えなければならないと思うわけでございます。そうすると、こんなにいい
ね、沼田市ならすぐ来ると思うんです。
 一つの事例として、茨城の笠間市が発信している事業なんですけれども、市長、これに入って
いるんですけれども、幾人かの皆さん入っていると思いますけれども、笠間ファン倶楽部という
事業があるんです。これに入会しているんですけれども、入会なんて大きいこと言ってますけれ
ども無料なんですけれども、この笠間市は、今度はこういうイベントがありますよ、例えばこう
いうおいしいものが食べられますよとか、文化だとかいろいろのものが発信されて毎月来るんで
す、パンフレットで。それで、この間見たんですけれども、2地区の地域に居住しませんかとい
うことで、市長の言うように横文字ちょっと私嫌なんですけれども、「リアルライフ」というん
だそうでございます。というのは、定年後に田舎でセカンドハウスをつくって、建てて、そこで
生活しませんかという事業なんです。
 それで、笠間市が今行っているのは、これは本当に今恐らく皆さん注目を浴びていると思うん
ですけれども、宿泊施設付市民農園なんです。実際笠間市でやっているんです。それで、ここは
面積が4町歩で今やっていて、こういう事業、全国もう恐らく自治体で五、六十カ所そういうよ
うなことをやっているらしいんです。それで、都市の住民に人気あるということで自分たちの宿
泊の、小屋なんて言っては失礼なんですけれども、部屋で、そこでいろいろやっていくんだそう
です。それで、さっきトイレ、ふろ等もこれで解消されると思うんです。年間が約300平方メ
ートルを貸して、それを50区画に分けているわけ。それで、年間40万で貸すんだそうです。
5年間。5年たったらもう権利終わってしまうんですけれども、実際権利終わってこんないいと
ころないんだからというのでもう既に12世帯はその周りのところ、農家の人とも友達になって
しまうので、土地を買ったり借りたりして12世帯もう住んでいるんだそうです。
 こういうことが今後の新しいグリーン・ツーリズムではないのかなと私は思うんですけれども、
そういう面では本当に都市間の交流でもありますし、グリーン・ツーリズムでもあると思うんで
す。その辺について、市長、どうお考えか、この事業に対して。
◇市長(星野已喜雄君) これは議員のご認識と私の認識が合うかどうかでございますが、この
事業を見たときに、ヨーロッパのクラインガルテンという事業がありまして、この場合は例えば
金曜日の夜もしくは土曜日の夜に田舎に来て、そして2泊あるいはまた3泊、もしくは1泊して、
そして月曜日にはいわゆる本宅であるところに帰る。土日等を使って家庭菜園等を楽しむという
事業がヨーロッパには定着をしておりまして、本県でもかつての倉渕村がこういった事業に着手
してきた経過がございます。ただ、その後倉渕村もやや、私の受け取り方では頓挫したのではな
いかというふうに受けとめておりますが、いずれにしてもそういうのがヨーロッパには非常に定
着してございます。
 私もこの大島議員のご指摘されることについては、かねがねから関心を持っておりました。こ
の手法も用地が絡んだり、あるいはまた場合によっては個々の農家のお宅にそういったところの
設置をしてもらうというのも一つの一考でありますけれども、いずれにしてもこういった手法は
あるし、またそれらについては私も一応クラインガルテンそのもののことについては勉強させて
いただいてきた経過がございます。この笠間市の考え方はまだ私も承知をしておりませんが、早
々に研究をさせていただきたいと思います。
◇16番(大島崇行君) 市長が言うヨーロッパのクラインガルテン、笠間市もこのクラインガ
ルテンなんです。同じです。それで、倉渕村は頓挫したということでございますけれども、倉渕
村がなぜ頓挫したか、失敗したならそれなりに要因があるわけですから、その辺も追求してそれ
のないように。そして、これは絶対沼田でこういう面では本当にいい土俵も持っていますし、さ
っきの話、宝物持っているんだから、これは進めるべきではないかと思うわけでございます。
 それと、もう一つ、交流とグリーン・ツーリズム等で両方関係することなんですけれども、地
域活性化のための住民総運動ということ、市長、ご存じですか。こういう準市民なんかでもよく
パンフレット入っていると思うんです。この運動を知っているかどうか。
◇市長(星野已喜雄君) 地域活性化総運動というその名前は一応耳にしたことがございますが、
その内容等についてはまだ熟知をしておりません。
◇16番(大島崇行君) これはある団体が一献交わしながら月に一遍ずつやっているんですけ
れども、こういう席ですから名前言いますけれども、二十三夜という会がございまして、そこで
月々23日ごろですか、一献交わして沼田を活性化するのに何がいいかということで皆さんがい
ろいろ議論交わした中で、こういうのがいいのではないかということで、私もこれは内容を見て
本当にたまげたんですけれども、沼田のいいところを我々が、また以外に友達あるいは親戚でも
いいからそういうところへ発信しましょうという事業です。それははがきで1人最低10枚は出
してくれということだそうでございます。そういう面では、これははがき10枚ということは5
00円ですよね。500円で沼田にいろいろな内容の案内をして来たらどうですかという事業で
ございます。これはだれに聞いてもいい事業なんですよねと言うんだけれども、協力依頼団体な
んていうとJAだとかJR、観光、生産農家の組合、あと法人会、商工会議所、商工会、ライオ
ンズ等々、あとNTTのモニターの会だとかそういう人たちも協力しているんですけれども、そ
うそうたる人たちの入っている中で、今も市長がその件に関して余り内容は知らないということ
でございますけれども、なぜこれが広がっていかないのかというと、こんなこと言っては失礼で
すけれども、発案した人も、いいことだから、人間というのはいいことだとばっと、私なんかも
そうだけれども突っ走ってしまうんです。だから、いろいろな人の話も耳に入れないでだっとや
ってしまうんですけれども、それはそれでいいんです。いいことだからいいんだけれども、やは
り物事をやるにはいろいろの土俵に上げてすり合わせして、これこれこういうことを皆さんの意
見を聞いてこういう形になりましたというのが私はベターだと思うんです。そういう面ではちょ
っと突っ走っているようなところがあったので、この事業は何かうまくいかなかったような、頓
挫しているようなところもあるんですけれども、ただみんなに聞いてみると、これはおもしろい、
いい考えだ、いいアイデアだと言っているわけなんです。だから、これもぜひ地域の、沼田にと
っても本当に活性化につながるいい事業だと思うんです。
 これ見ると地域活性化のためにどうですかなんていう総運動なんてありますけれども、もっと
わかりやすく、「あなたのワンコインで沼田を救おう」とか「沼田を活性化しよう」というよう
なネーミング等もまた考えていただいて、そういう面では行政も、民間でやることだからと言う
かもしれないですけれども、これからは行政も民間も一致していかないと難しい問題が出てくる
と思うんです。そういう面では、やはり行政もできるところは協力したり、あるいは力になって
やってこの事業も展開してもらいたいわけなんです。これは地域の活性化にうんとつながる事業
だと思うんです。この辺について、市長、どうお考えだか。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前10時57分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時05分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 大島議員の再質問にお答えしたいと思います。
 地域活性のための住民総運動、名前だけは承知して内容についてはという話をさせてもらった
わけでございますが、二十三夜堂のお話を伺いまして、私はこの関係についてはよく承知をして
おりました。したがいまして、最初の住民総運動というのが非常に、言うならば……。いや、申
しわけない。いずれにしても、よく承知しておりました。この方々の熱心なご活躍もよく承知を
しております。同時に、当該のいろいろする関係者の方々のご活躍もよく承知をしております。
行政としても応援をさせていただきたいと思っております。
 同時に、この方々のすばらしいことは、回遊に非常に着眼されているということに、私は敬意
を表しておりました。と申しますのは、ことしの春にこれはJRとの関係で駅に集まって、そし
てそこから鍛冶町へ上がって正覚寺あるいは丸山さんちのげた屋さんだとか回って、そういう意
味では約1日がかりで県外から三百数十名の方が訪れたということで非常によかったと思ってお
ります。
 どうも今後のそういった誘客の手法として、そういった回遊の提起をしていくということが体
へ重要なポイントになってくると思っております。したがいまして、そういったことを実践され
ている本会の皆様方には、私も敬意を表しておりました。今後ともぜひ頑張ってもらいたいと思
っておりますし、行政としてのできることはしっかりと応援をさせていただくつもりでございま
す。
◇16番(大島崇行君) 私の説明不足で市長が知らなかったなんていうので、聞いていた方が
市長何やっているんだと思って市長の人気が落ちてしまったのではないかと思うんですけれども、
内容を聞いてわかったと、よく熟知しているということでございます。
 渋川ですか、市長選の結果がきのう出まして、阿久津さんの言うことは株式会社渋川をいかに
するかということ、コメントを言っておりましたけれども、やはり沼田も沼田市役所云々でなく
て株式会社沼田という気持ちでやってもらいたいと思うわけでございます。
 今応援すると言ったんですけれども、具体的な内容の応援の、ただ旗振るだけなのか何かわか
らないので、変な話、金銭面で応援しますよ、人的に応援しますよとかそういう詳しい応援内容
がわかれば言っていただければありがたいと思うわけでございます。
 この間、9月4日ですか、フジテレビの「笑っていいとも!」、タモリ、沼田のすばらしい河
岸段丘というのでみんなたまげたんですけれども、タモリは地質学を大学のときにやっていて、
昔来たらしいんです、沼田の河岸段丘見て。それで、もう一度行ってみたいところというのでな
ぜか沼田の河岸段丘が世に出たわけでございます。昔から社会科なんかに、私が幼少のころ勉強
したときよく覚えていますけれども、ここでまた新たに河岸段丘ということが出ておりますけれ
ども、そういう面では本当に沼田はいろいろな面でいい宝を持っておるわけでございまして、そ
ういう面ではこの会が非常に回遊だとかいろいろな面で力を入れているということで、ぜひ口だ
けの応援でなくてこういうところを応援するんだという内容がわかったら聞きたいと思います。
よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 当該団体もそれぞれ事業計画をお持ちだと思います。それらをいろい
ろと、それが商工観光あるいはまた交流推進のいずれかになろうかと思いますが、照らし合わせ
ながらその辺のところを絞り込んでいければというふうに思っております。やや抽象的な感は否
めませんけれども、この方々の活躍というのはよく承知をしておりまして、かねがね敬意を表し
ていた経過もございますので、できるだけ応援をさせていただきたいと思っております。
 なお、先ほどタモリさんの話が出ましたけれども、私もこの方のお話によって非常にインター
ネット等でのアクセスがあるということはよく承知をしておりまして、ボールドウィンの方々が
定期的な会合をやっておりましたので、実は河岸段丘ももちろんのことですが、汽車、SLにも
非常に関心が高いんだそうです。特に「とれいん」の編集局長等がおととし、根利のボールドウィ
ンを視察した経過がございますので、その当該団体、当該団体というのはボールドウィンの実行
委員会の方々ですが、できるだけ早々に、来年の育樹祭もあるものであいさつに行くように、あ
るいはまた行っておいた方がいいというようなことは一応私なりに申し上げておきました。機会
がありますならば、私どもも正面から連絡をとってお伺いをするような機会も得られればという
ふうに思っております。とりあえず本人が河岸段丘のみならず非常にSLに関心を持っているん
だそうでございまして、それについては既に「とれいん」の編集局長の方の紹介もあったりして
おりますので、早速そちらの方の関係では、この河岸段丘のこともあったのでできるだけ早くに
というようなことを申し上げてきた経過がございます。
◇16番(大島崇行君) ぜひ市長、出向いて、議会終わったら2回行かなければならないです
ね。コカ・コーラに行ったり、そっちの関係に行ってもらって、ぜひ直接談判していただいてい
い方向に持っていってもらいたいと思うわけでございます。
 もう時間がありません。次、沼須産業団地について聞きますが、その後何らまだ進捗してない
というのを先ほど聞きました。こういうご時世ですから企業が来るのは本当に難しいと思います
けれども、地域の活性化、雇用の問題等々になるので、私が前回も提案いたしましたけれども、
水に関係する、この間は水産試験場なんて言いましたけれども、今回はまた水に関係する飲料水
等とか、ぜひこういう環境のいいところでないとできないような会社等々、企業があると思うん
です。そういうところをもう一度よく精査して進めてもらいたいと思います。まだ何ら進んでい
ないので12月にまたやりますので、これは次に行きます。
 カーボンオフセットについてお伺いいたしますけれども、昨年、新宿は伊那市とカーボンオフ
セットということで報道されたので、本市も、市長も、私どもが森林も豊かで首都圏から100
キロでちょうどいい場所ですよということでお骨折りをいただいていろいろやってきた経過、ご
存じだと思います。それで、水面下で動いているということでございます。前回質問したときに
も、当然新宿の方も議会があるので議決等々しなければならないし、また本市の方もその件に関
してはいろいろなことを議決したり、そして表舞台に出るので、そうすれば進みますよと。それ
は沼田市にとってもすばらしい相乗効果もあるし活性化にもつながるんだということを聞いて候
補地として白沢の地区だということも聞いております。だけれども、どうもここのところその話
が何かしり切れトンボみたいに聞こえてこないんですけれども、新宿と果たしてこれはうまくい
くんですか。その辺についてお伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に内外からの注目を集めた本事業の展開でございますけれども、
何としてもこれは実現に向かって今進んでいるところです。非常に慎重になったのは、新宿区の
区長が本市の出身であるということがここまで実はうまく展開してきたのでありますけれども、
やはりいろいろと最後の到達点まで慎重を期しているという経過がございますけれども、一応前
進をしているというふうに受けとめております。
 私の先々の思いは、あるいは展開は、「火の鳥」を上演する機会があります、ことしの秋です
けれども。これも新宿からのご提案で手塚治虫のあの作品を今回私どもが実行委員会を民間のレ
ベルで組織をしていただきまして、そしてこの「火の鳥」を、これは手塚治虫のいわゆる虫プロ
ダクションというんですか、そこと新宿区が連携した形の制作になっています。したがいまして、
当然新宿区のそういった提案もあって今回「火の鳥」をとらまえた経過もございます。したがい
まして、このところあたりが一つの大きな山場になるかなということだけ申し上げておきたいと
思います。このところのあたりを一つの大きな山場としてとらえた形の中で、何とか年度内には
走り出したいというふうに思っております。いずれにいたしましても、執行部側では時間をあけ
ずにできるだけ足しげく連絡をとり合っておりまして、何とかそういう意味では期待にこたえら
れる時期が必ず来るというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇16番(大島崇行君) 現地調査も3人ほど来ているということで聞いております。中山区長
が本市出身だということで、一番いいチャンスでございます。中山区長もいつまで区長をやるか
わかりません。市長もいつまで市長やっているかも、これもわからないんです。だから、お互い
に現職のときに、こういういい事業を展開してきたんですから、これを何とか成功させるように
本当にご努力願うようにお願いする次第でございます。「火の鳥」の上映等々でこれが一つのポ
イントだと言っておりますが、これもひとつ成功させる意味で、その次につなげる新宿との交流
のうまいつながりになるようにしたいと思いますので、もう一度その件に関して、ぜひこれはい
い方向に進めるようにご努力をしてもらいたいと思います。
 もう時間がないので、また次に移ります。
 全国育樹祭でございますけれども、これは先ほど市長答弁で9月中旬あるいは10月にまたい
ろいろ計画等の打ち合わせ等協議会があると思うんですけれども、全体の基本計画もできており
ますね。運営計画、式典だ、何だ、雨天の場合はこうですよとか、もうすべてできておるんです
けれども、この大会は大変名誉な大会でございますし、皇太子殿下もご臨席してやる重大な大会
でございます。本市にとっても歴史に残る大会だと思うわけでございます。会場が首都圏の水源
でありますので、いい水を管理して下流に流しているわけでございますので、前回も聞きました
けれども、できれば東京都知事の石原知事あるいは新宿区の中山区長をご来賓として迎えたらど
うですかということを聞いたら、これは県とのことでということでございますけれども、これは
実は中央だとか県内外の団体の参加者は1,500人ぐらい予定しているらしいんですけれども、
この計画書の中の中央だとか県内外の参加者を募るのは国土緑化推進機構理事長と群馬県知事が
協議して決めるんです。ここにちゃんと出ているんです。出ているんですけれども、ということ
はぜひ市長は知事の方に行って、この2人は何とか出席してくれというような感じにすれば、ま
たこの大会が一層いい大会になると思うんですけれども、その辺に関して。
◇市長(星野已喜雄君) 早速群馬県知事の方に大島議員のご意思をお伝えをして、これの実現
のために努力をしたいと思っております。
◇16番(大島崇行君) その大会が成功のうちに終わるように、また皆さんのご努力も必要だ
と思いますが、沼田市一致団結してこの大会に向かってもらいたいと思います。
 それと、この育樹祭をした後、「21世紀の森」の跡地利用という言い方はおかしいんですけ
れども、どのように考えているかというと、今群馬県に9カ所あるんです、森林公園と名のつく
ものが。それぞれもうみんな特色を持っているんです。赤城なんか間伐材で380メートルのロ
ーラーの滑り台つくったり、下仁田のさくらのところは50種類の桜で1万5,000本の桜が
植えられたり、また藤岡の桜の公園というところは冬桜1,000本と三波石とが置いてあると。
それぞれみんな特色なんですけれども、なぜか沼田だけはスペースが2,500台よとかそんな
ぐらいしか書いてないので、この辺もう一つ今後の課題として考えがあるか、それをお聞きして
私の最後の質問にしたいのでよろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、この「21世紀の森」の森林公園は、その前段、森林鉄道を走
らせるとか、あるいはまた宿泊の施設をつくるとかいろいろな絵がかかれていた経過がございま
す。しかし、時の群馬県の責任者がやはり物を置かない形で常にいろいろな行事ができるような
ことというようなことで現行のようなスタイルにした経過がございます。したがいまして、議員
おっしゃるとおり、果たして現在のように全く見ておわかりのとおり、スキー場の滑走コースの
ような状況に現実にはなっているわけでありまして、こういう状況でずっといいのかどうかとい
うことについては、やはり地元としてもいろいろと検討を加えていく必要があるのかなというふ
うには思っております。
 ただ、間違いなく言えることは、物をつくると当然県の方でも市と同じように管理するところ
がお金がかかってくるというそういう痛しかゆしのところがあると思っております。しかし、地
元とすれば、どういう状態でもって今後維持していったらいいかということになったときに、や
はり何らかの手だてを加えていくということは大事なのかなというふうに思っております。歴史
的な経過としてもともとにそういうことがあったんだけれども、一応あのようなことにして大会
に備えたというんですか、そういうふうな形になっております。構造物があれば、これはもう当
然大会を持つことはできなくなるということになろうかと思っておりまして、今回の育樹祭の、
あそこの場所で決定された有力なポイントとして8,000人からの人たちが集える場所、しか
も駐車場もあるということがその場所が決定された大きな要因となっておりますので、全国植樹
祭以降、あのような状態の中に置いたということは、ある意味においてはこれは一つの結果とし
てはよかったのかなというふうに思っております。
 しかし、今後そういった国家的な事業があそこに導入されるということについては、全くこれ
は先々については未定の状態でございますから、議員がおっしゃるような形の展開も当然これは
一考を要するのではないかというふうに思っております。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、片野彦一議員。11番。
〔11番 片野彦一君登壇〕
◇11番(片野彦一君) 通告に従い一般質問をさせていただきます。
 これまでの日本政治は自民党一党優位体制が続き、1993年8月から翌年6月までのわずか
10カ月を除けば自民党が一貫して政権を握り続け、そのもとでの地方政治の確立、発展、そし
て改革が行われてきました。
 しかし、さきに実施された第45回衆議院議員選挙に民主党が圧勝し、日本は政権交代という
政治の大きな節目を迎えることになり、それはそのまま自治体運営にも、市民生活にも直接影響
してくることになります。
 こうした時代の大きなうねりの中で、市民生活の向上、市民福祉の増進に向けて市政のかじ取
りは今までにも増して重要になると思います。
 私の質問は、地域経済の活性化の視点から質問いたします。
 まず伺います。「建設業と地域の元気回復助成事業」活用について。
 地域の建設業は、地域経済や雇用のそれぞれ約1割を担う基幹産業であるものの、建設投資の
減少、価格競争の激化、景気の悪化など、地域の建設業を取り巻く経営環境はかつてない厳しい
状況となっているとともに、地域経済も厳しい状況となっています。また、新政権はむだな公共
事業は削減すると明言しており、さらに厳しさに拍車がかかるものと考えられます。
 こうした状況の中、建設業の保有する人材、機材、ノウハウ等を活用して、農業、林業、福祉、
環境、観光等の異業種との連携により、地域づくりの担い手である建設業の活力の再生、雇用の
維持・拡大や地域の活性化を図ることが求められています。
 このため国土交通省は、地域における問題意識を共有した上で、建設業団体や地方公共団体な
どの地域関係者が協議会を構成し、地域の合意形成等を促進しながら、異業種との連携等による
地域活性化に資する事業の立ち上げを支援する「建設業と地域の元気回復助成事業」をスタート
させました。
 この助成事業は、建設業の活力再生と地域活性化が目的で、必要な経費を1協議会当たり上限
2,500万円で助成するものです。既に第1次募集として、平成21年3月26日から5月2
5日までの間、公募を行い、現在9月1日から30日まで第2次募集を行っております。
 沼田市として、この助成事業を利用した林業と建設業、建設業と観光分野、農業と建設業、有
効な事業が考えられないか。現状と課題、これからの市の取り組みについてお伺いします。
 次に、農業の振興についてお尋ねいたします。
 今日、国内の食糧自給率が40%を割り込んだ農産物需給体制の中で、農業は急速な高齢化や
人口減少に伴う後継者不足、耕作放棄地問題など深刻な状況にあります。
 本市農業も合併により広範な地域を抱える中で、それぞれの地域特性を生かした農業生産が行
われ、新たな担い手育成や生産性向上など活性化に取り組んでいるところですが、課題が山積と
いったところと思います。多様化する雇用機会の均等拡大などの影響が、農業離れ、高齢化・担
い手不足、耕作放棄地の増加など、国と同様の推移を余儀なくされていると思います。
 このような状況の中で、6月の通常国会で「農地法等改正法」が成立・公布され、年内に施行
されることになりました。
 言うまでもなく食料の多くを輸入に頼る日本は、国内の農業生産を高め食料の安定供給に努め
なければなりません。今回の改正は、そのために農地の確保と有効利用を図ることを目的として
行われたもので、農地の転用や貸し借りを初め農業生産法人制度、遊休農地対策、税制など幅広
い見直しが行われました。これにより、農家のほか都市住民や関連事業者などが一緒に会社など
をつくって農地を借り、農業に参入できるようになります。農地の受け手が一気に多様化する可
能性があることから、農水省では「従来型の集落営農や市民農園にとらわれることなく、多彩な
農地の利用組織の展開が考えられる」と、農村内部の活性化につながる点に期待を寄せています。
 改正の背景には、担い手への集積が進まず受け手不在で耕作放棄地の増加があり、農地面積が
609万ヘクタールから463万ヘクタールへとピーク時の約7割まで減少していることから、
貸しやすく、借りやすくし農地の減少に歯どめをかけることを主眼にしております。
 改正農地法は農地の効率的な利用に重点が置かれている。沼田市における耕作放棄地の推移と
現状、効率的な利用に向けた市の取り組みはどのようになっているのかお伺いいたします。
 以上が私の質問です。ご答弁をよろしくお願いします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの片野議員のご質問にお答えいたします。
 まず、地域経済の活性化について、「建設業と地域の元気回復助成事業」活用について、同事
業の2次募集(9月30日まで)を行っている。林業と建設業、建設業と観光事業、農業と建設
業、沼田市にとって有効な事業は何か。取り組みについて伺いたいについてでありますが、地域
における建設業は基幹産業の役割を担っているものの、長引く景気の低迷により地域の建設業を
取り巻く経営環境は、かつてない厳しい状況となっているとともに、地域経済も厳しい状況とな
っているところであります。
 こうした状況の中、建設業の保有する人材、機材、ノウハウ等を活用し、農業、林業、観光等
の異業種との連携により、地域づくりの担い手である建設業の活力の再生、雇用の維持・拡大や
地域の活性化を図ることが求められております。
 このため、地域における問題意識を共有した上で、建設業団体や地方公共団体などの地域関係
者が協議会を設置し、地域の合意形成等を促進しながら、異業種との連携による地域活性化に資
する事業の立ち上げを支援することを目的に、国土交通省において「建設業と地域の元気回復助
成事業」を実施しているものでありますので、地域における問題意識を共有しながら実施するこ
とが有効であると思っております。
 なお、第1次募集選定結果につきましては、全国で240件の応募があり、選定結果として1
04件を助成対象事業として選定、うち群馬県では1件となっております。
 また、本事業の取り組みについては、社団法人群馬県建設業協会沼田支部では認識していると
ころでありますが、応募については今のところ特に検討はしていないとのことであります。
 次に、農業の振興について、改正農地法は農地の効率的な利用に重点が置かれている。耕作放
棄地の推移と現状、効率的な利用に向けた市の取り組みはどのように行っているかについてであ
りますが、市内の耕作放棄地については農林業センサスの数値では、1995年調査では250
ヘクタールが2005年調査では564ヘクタールと314ヘクタールの増加となっております。
また、一昨年の農業委員会での現地調査結果では、耕作放棄地と見なされたものは595ヘクタ
ールで農林業センサスとの数字の差はありますが、このうちトラクター等農業用機械の活用で耕
作可能な農地は約30ヘクタール、それ以上の基盤の整備により耕作可能となるのは153ヘク
タール、山林原野化で農地としての復元が困難と判断されたものは412ヘクタールとなってお
ります。
 現在までの取り組みでありますが、新たな耕作放棄地抑制のための中山間地域等直接支払事業
等による遊休農地の草刈り、耕うんなどによる農地保全や農地の流動化の推進等がありますが、
今後の取り組みとしては、目標とする容易に耕作可能と判断された耕作放棄地約30ヘクタール
の解消となりますが、現在国では解消に向けた助成制度を設けて取り組みを進めており、市にお
いても解消のための協議の場であり、支援制度の受け皿としての地域耕作放棄地対策協議会の設
置に向け関係機関と協議中であります。
 以上申し上げまして、片野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇11番(片野彦一君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 最初に、建設業と地域の元気回復助成事業ですが、これは今市長からご答弁いただきましたよ
うに、104の助成事業が全国で成立しているということでございますが、その中で群馬県でも
1件あるということで、これは県の方でヒートアイランド対策として保水性の平板ですか、これ
を協力してつくっているということでございますが、ほかには観光分野として新潟県では新潟県
の建設業協会と、それから魚沼市、これが魚沼市から尾瀬へ向かう観光ルートの整備あるいは名
物料理の開発と、こういうようなことをやっているようでございます。
 また、林業分野では、岐阜県の飛騨地方の飛騨林業の森づくり、この協議会が設立されて森林
保全を含めた木材産業を活性化させていると。このような事業がスタートしていると。
 それから、農業分野では、北海道の建設業者が土壌を、自分のところで持っている技術を応用
して土壌の改造に取り組んで、それでニンニク栽培を行って非常に成果を上げていると。あるい
は、山梨県においては耕作放棄地になっている土地を建設業者が借り上げてミニトマトハウスを
作成して、そこで栽培して実際に販売を行っていると。そういうふうなことがあります。
 そういった事例もあるわけですけれども、こういうことでまだ沼田市の支部ではそういう申請
はしてないということでございますが、これは申請に際しては協議会を立ち上げると。それの審
査の視点も、観点もあるわけで、その事業に取り組む必要性だとか背景がまず要る。それから、
計画の妥当性も要ると。それから、地域の建設業の活性化への寄与度と。こういう点が審査され
るわけで、その上で協議会も立ち上げなければいかんということで非常にややこしい面もある、
難しい面もあるかと思いますけれども、こういった面で市の方としてもこういうものをもちろん
建設業自体は知っているでしょうけれども、ほかの産業分野に市の方からアナウンスも必要であ
るだろうし、それから行政側のリードも必要であるかと思います。そういった面で、その辺のこ
とについて行政側のアナウンスあるいはリードという面で何か考えがあればお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま片野議員が先進地の事例、新潟県あるいはまた北海道あるい
は山梨県等の先進地事例についてのご紹介をいただきました。どの事業もやはり建設業界の方の
かつてのノウハウが生きている事業であるというふうに受けとめさせていただきました。大変今
後勉強しなければいけないというふうに思ったところであります。
 今の業界との連携の話でございますけれども、建設業界との連携の話でございますけれども、
これらについてはよって立つところの中心的なところの部分がどうしても建設業界ということに
この事業がなっているわけでございまして、そういった意味で現在群馬県の流れの中では一つで
あったというようなことの結果が先ほど答弁とさせていただいたわけでございますが、その状況
等が山梨県や北海道あるいはまた新潟のようなところの部分は、事によるとかなりいろいろな切
迫した状況が高いのかなというような感もしているところでございます。いずれにいたしまして
も、ご提案の趣旨を踏まえて今後群馬県建設業協会沼田支部等にいろいろと意見調整をさせてい
ただいてまいりたいというふうに思っております。
◇11番(片野彦一君) ご答弁ありがとうございます。
 それで、市長の方からそれのことについては一般的に案内するというふうな感じを受けたわけ
でございますが、これについて市長の立場からすると、一応市長は森林組合の方の関係とか、あ
るいは県の園芸協会の関係とかそういう農業関係については非常にそういうところの要職にもあ
るわけで、この辺のことについてはそういった建設業界のノウハウだけでなく市長自身のそうい
った知識、ノウハウというものですか、そういうものをぜひ生かしていただいて、これに影響さ
せていただければとこう思いますが、その辺についてお伺いします。
◇市長(星野已喜雄君) 私の手持ちの資料を見ているわけでございますが、協議会の設置のと
ころをちょっと読ませてもらいたいと思います。
 構成員は、建設産業団体、地方公共団体、建設業以外の事業の関係団体、問題はこの建設業以
外の事業の関係団体というところが片野議員のご質問のところにつながってくるんだと思います
が、農業協同組合、森林組合、社会福祉協議会、観光協会等というふうな形になっております。
したがいまして、私が関係するところは、この文言で見る限り、森林組合というのが俎上してい
るかなと。「農業協同組合等」というふうになっておりますので、そういう意味では園芸関係の
立場をいただいておりますので、あるいはまた土地改良の方の県の副会長にもお世話になってい
る関係等もあるので、そういう意味ではそういったところの調整というんですか、話に出ていけ
る立場にもあるかと思っております。
 したがいまして、当該のこの主要事務局がこれを見たときに、県当局との連携も大切な要素に
なっておると思われますので、いろいろと勉強し、そしてこれが推進ができればそういった方向
の新しい業界の生きる道しるべとしての一つの手だてを考えていく必要があるのではないかとい
うふうに思っております。片野議員のご意思を体して早々に関係機関にいろいろと協議あるいは
また話をさせていただくようなことを考えていきたいと思います。いずれにしても、早速群馬県
当局の関係する部局のご意見あるいはご意思を承った形の中で、先に向かっていければというふ
うに思っております。
◇11番(片野彦一君) 前向きな姿勢を示していただいてありがとうございます。
 これはご存じのように、建設業協会があくまでも主体になって協議会を設立して実施していく
と、こういう制度でありますから、市長あるいは行政の立場というものはそれを初めからリード
していくというのはなかなか難しいかと思います。そういった面で、市長あるいは行政の力とい
いますか、能力を最大限に生かしてもらえればとご期待申し上げます。
 話は違うんですけれども、関連して今現在木材、森林業の関係ですけれども、木材の県産の材
料を使った場合には県の補助がたしか60万から90万に上がって、その辺の補助が出ると、助
成金が出ると、こういうふうなことになっていると思いますけれども、お隣の川場村については、
村内産の木材を50%以上使った場合には1軒当たり40万円の補助金を助成すると、こういう
ふうな制度になっていると聞いております。そういったことも一つの景気対策とかそういうこと
になるのかなと、産業の振興になるのかなと思いますが、その辺について、沼田市として導入す
るかどうか、その辺のことについて検討しているかどうか、お聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 県産材の有効利用ということについては、先ほど議員がご質問あるい
はまたご意見で述べられていたとおりであります。本市のそういった住宅に係っている業界の方
が、非常に県産材を使って高く評価されている業界が何社かあります。その業界は、さらに前向
きにいろんなことをとらまえておりまして、最近でも200年住宅に取り組むようなそういう姿
勢も示しておりまして、そういう意味では県産材有効活用ということを業界の立場として地元産
のものを使って、そしてそれを回す。しかも、そういった大工技術というものを高等学校、具体
的には利根実業高等学校がその一番近いところにいるんですが、研修等に出てもらって、そして
地元の、要するに若者がそういった技術を学べる、要するに研修ができるというようなこういう
一つの一定の地域の中で物事を完結させるということを考えている業界の方がおりまして、私も
大変その方には敬意を表してきました。その方々の意見を承りますと、やはりおっしゃるように
県産材を使っていただければ、それだけに地域の風土にあった木材でありますから大変結構なこ
とであります。ですから、そういったことを私どもも一生懸命進めてきた経過がございます。
 ただいまの川場村の助成制度のお話の紹介がございました。これにつきましてはお隣の村の事
業であります。勉強させていただきまして、これらの事業については取り組みが可能かどうかと
いうことについて研究をしてみたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇11番(片野彦一君) 検討、研究をされると、こういう答えでありました。これは先ほど来
というか、もう前から研究、検討と、こういうことでどっちが優先されるんだと、こういう議論
もございますが、研究というのはちょっとまだ本当に何か取っかかりかなと、こういうふうな感
じもいたします。そういった意味で、ぜひ研究を進めて実際の実施の方向に向けて研究するんだ
ったらしていただきたいと、こういうふうに思います。
 これは川場村の場合40万円の助成で10軒あれば400万だと。1軒1,000万の家が1
億費用が捻出されると、こういうふうなことでございます。そういった意味からすると、非常に
地域の振興あるいは経済効果、そういったものが大きいんだと、こういうことも伺っております。
そういった観点から市長の考えがあればお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) もともと景気対策の一番大きな要因の一つに、住宅が建設されるとそ
こにかかわる業者の方が大変多いということで、すそ野の広さということがよく言われておりま
した。したがいまして、そういう意味では地元産を使っていただけるということは大変結構なこ
とだと思っております。いろいろと研究、検討等についての論議をしているとまたいろいろと長
くなりますので、ざっくばらんに申し上げたいと思いますけれども、やはりしっかりとしたとら
まえ方で川場村のことについて早速勉強させていただきたいということで申し上げさせていただ
きました。もちろんそのことが非常に本市にとっても有効な手段であるとすれば、実行に向けた
形の取り組みになっていくということを申し上げておきたいと思います。
◇11番(片野彦一君) わかりました。よろしくお願いいたします。
 次に、これも通告しているわけではないんですけれども、一昨日来の一般質問で今年度予算、
財政関係についていろいろ話の中で利根町の関係なんですが、県の過疎代行でやっておられる輪
組・輪久原線のことだと思うんですけれども、これは利根町が過疎指定されていますが、これが
一応今年度いっぱいでなくなるんではないかと思います。そういった中で、先般の質問の中、同
僚議員の質問においては21年度は実施できると、こういうことであったと思います。そういっ
た中で、この輪組・輪久原線の道路、これは21年度末までに現在の予算でどのくらいできるの
か、何割ぐらいできるのか。その辺をお聞きしたいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時54分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時56分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇11番(片野彦一君) それでは、次の農業振興について再質問させていただきます。
 一応市の耕作放棄地について回答いただきました。これのことについて、30ヘクタールの解
消可能な土地については助成があって実際にやっていくと、こういうことでありました。さらに、
これはほかにいろいろ153ヘクタールがちょっと手を加えれば、お金をかければできるかなと。
あるいは、412ヘクタールについてはまるっきり不能だと、こういうふうなことでございます
が、こういった中には非常に狭隘といいますか、非常に利用価値が悪い、生産性が低いといいま
すか、そういう土地が多く含まれているのではないかと思うわけですけれども、まずその辺のと
ころの認識はどうなされているのか、お聞きしたいと思います。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後1時00分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 片野議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 耕作放棄地のいわゆる狭隘のところの問題に関してでございますけれども、やはりどうしても
狭隘のところについては生産性が低いということから、大変厳しい状態にあろうかと思います。
こういったことに対する対応は、どういった方向がいいかということになるわけでございますけ
れども、全体の流れをとらまえながら判断していかなければなりませんけれども、いろいろとオ
ーガニックの関係であるとかそういうようなことをとらまえた形の中で、狭隘のところそのもの
が景観にしてみると大変いい場面を持っているところもあろうかと思いますので、今後どのよう
な対応がいいかということを検討してまいりたいというふうに思っております。
◇11番(片野彦一君) 大変難しい問題で、これは一概には解決できないと私も思います。先
ほどの農業と建設業の連携についても触れましたが、この辺は狭隘な場所というのは、非常に景
観も大事なんですけれどもそんなにすばらしいところはまず少ないと思います。そういった面か
らも建設業などと連携して、さっきの話もありましたけれども、ツムラ等のトウキ栽培、そうい
ったことの方向に向けて土地を整備するとか、そういう方向も一つの考え方ではないかと思いま
す。そういったことも考えてやっていただきたいと思いますが、その辺のお考えをお聞かせくだ
さい。
◇市長(星野已喜雄君) 狭隘のところはどうしても耕作不利益地域と言ったらよろしいでしょ
うか、やはり山間地に多いかと思います。しかし、そこのところが活用されていると、今度は逆
に景観をよくしていくということになっていくと思っておりますので、何らかの手だてが必要な
のではないかというふうに思っております。今後またご指導いただきながら対応に処してまいり
たいというふうに思っております。
◇11番(片野彦一君) よろしく検討していただきたいと思います。
 農業の振興については、放棄地の問題、対策と並行して、それから担い手とか高齢化というの
が大きな問題があると思います。農業者人口というのは国として昭和60年には543万人いた
と。それが平成17年には335万人まで減ったという事実があります。しかも、65歳以上の
基幹的農業従事者が昭和60年は19.5%であったのが平成17年には57.4%と、こうい
うふうな構成になってきております。それも平均年齢が62.2歳と。これが最近の平成20年
の資料では64.6歳まで上がっていると、こういうことであります。そういうことから考える
と、あと5年もすれば70を超えてしまうということでございますので、もう担い手がいなくな
ってしまう。農業をやる人がいなくなると、こういうことも言えるのではないかと思います。そ
ういったことから考えると、やはり沼田も同様ではないかと。数はしっかりつかんでおりません
けれども、現在本市が抱える課題として国と同様なことが言えるのではないかと。担い手と高齢
化です。この辺のことについて、本市の農業の65歳以上の農業従事者の割合はどのくらいある
のかと、それらのことについて、農業の振興策も含めて対策等をどのように考えているか教えて
いただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後1時03分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後1時09分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 片野議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 あくまでもこれは2005年、すなわち平成17年の農業センサスになりますが、農業従事者
が全体が3,918人でございまして、65歳以上が1,328人ということで、パーセントに
すると33.89%、約34%の方が65歳以上になろうかと思っております。
 今後の対策でございますけれども、それぞれいろいろな諸事業を展開しておりますが、決して
本市において農業後継者の関係等については他の自治体と同じように大変厳しい状況もあります
けれども、そういった観点から見たときに、比較論になりますが、よく健闘しているという状況
かと思います。今後認定農業者の方であるとかそういった農業後継者関係の団体の活性化をしっ
かりと図る形によって、これらの対応にまた処してまいりたいというふうに思っております。
 なお、農業に将来かけてみたいという方々もおりますので、そういった方々の対応も今後必要
になってくるのではないかというふうに考えております。
◇11番(片野彦一君) 今話を聞いて、沼田市の場合は33.8%と、全国から比べると同じ
17年で比較してもまだいい数字と感じました。そうとはいえ、やはりいろいろなこれから急速
に進むことも考えられますので、その辺のこと、今市長がお答えになったようなことをしっかり
実践していただければと思います。
 あと、利根、沼田も含めてですが、この地域は、市長がよくおっしゃいますように中山間地域
で非常に風光明媚だと。それから、変化に富んで美しい自然があるということでございますが、
それに加えて水資源あるいは標高差に富んだ耕地、こういった自然条件が非常にいい面で働いて
野菜とか果物、そういったものについては生産が盛んに行われていると、こういう面があります。
そういったことから、首都圏の近郊農業を展開していると。首都圏への一大食糧基地にもなって
いると、こういう非常にプラスの面があります。そういったことから、その辺の有利さ、どうま
たさらに伸ばしていくのか、その辺、都市住民のこととか先ほど来話がありますけれども、そう
いったことに結びつけるということもあると思います。そういった中で、どう展開して伸ばして
いくのかと。その辺のことについて考えがあればお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 沼田利根の全体の大きなテーマは、環境保全型農業、それから高原型
野菜の推進、それから観光農業の推進という三つのテーマを持って「アグリトピアとね」という
ことでもって集約がなされております。これは即そのまま本市にも当てられる考え方になろうか
と思います。そういった中で、もうご承知のとおり、池田地区に見られるような、あるいはまた
昨日も白沢の方におきましてリンゴとブドウの開園のためのセレモニーが持たれましたけれども、
春、夏、秋を通した観光農業の活性化、そして赤城北面に見られるように高原型野菜の推進、こ
ういうようなことが大きな魅力となって、そして内外に発信できていくものであるというふうに
受けとめております。したがいまして、現在「アグリトピアとね」の課題が三つありますけれど
も、これらをさらに進化させていくということが大事なのではないかというふうに思っておりま
す。
 なお、この「アグリトピアとね」の中で、いわゆるポイントのところを回ってそれぞれを回遊
するような仕組みもここのところでもって事業を展開しているということを申し添えておきたい
と思います。
◇11番(片野彦一君) 大体現状行われているところ、あるいはそういった面で努力している
ということについては理解いたします。
 きょうの新聞だったですか、全国で行ってみたい県というのがありましたけれども、群馬県は
45位だそうです。沼田については、その記事はまだというか、その辺の内容はつかんでおりま
せんけれども、非常に県としては低い。
 実は、きのう私も東京の方へ行く用事がありまして、十数年ぶりぐらいに名古屋の友人に会っ
たんですけれども、沼田におれ今いるんだよと。沼田にもぜひ来てくださいというふうな話をし
ました。そういった中で、沼田というのは何があるのと、こう聞かれたときに、一瞬返事に困っ
たんです。まず浮かぶのは観光、それからさっき言った農業の関係、そういうことなんですけれ
ども、要するに観光をあれしたときに何を一番先に言ったらいいのかなと。こういうことで非常
に悩みましたけれども、やはり説明し始めるとうんと長いことやらないと沼田の説明ができない。
一言ではできないと。こういったことを感じました。そういった面で、これから食べ物だとか、
今これから秋ですから食べ物の話なんかは、果物なんかはできますけれども、要するに一言で言
う言葉がなかなか出てこない。そういったキャッチフレーズとかそういうものもある程度考える
必要があるのではないかと思います。
 そういった意味で、先ほど来いろいろ現在の農業、観光、そういったものを進展させていくた
めに、都市の住民の流入とか関連業者、事業の展開とかいろいろあると思いますけれども、それ
から都市の人に対するアナウンスといいますか、そういう案内も非常に重要なんだろうなと思い
ます。そういった意味で、工場誘致ももちろん大事ですし、そういう産業をふやしていくことも
もちろん手が抜けません。しかし、現在ある資産といいますか、財産、これを最大限に生かすと
いうことが急務なのではないかと。活用することが大事なのではないかと思います。そういった
面で、最後にその辺のことをお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 何といってもいろいろな資源を持っております。そして、これらの資源を有機的につなげてい
くということが大事な試みになろうかと思っております。したがいまして、きょうも午前中から
もいろいろとご質問がございましたけれども、そういった有機的な連携をさらに深めていくとい
うことと同時に、広報を通して、いろいろとインターネット等を通して内外に発信することを一
生懸命試みている中で一定の評価もいただいているような経過もございますので、そういった広
報関係の充実に今後さらに努めてまいりたいというふうに考えております。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、田村喜久子議員。2番。
〔2番 田村喜久子君登壇〕
◇2番(田村喜久子君) 通告に従い、2点について質問いたします。
 初めに、高齢者支援について、「安心カード」制度の導入について、高齢者宅に「命のカプセ
ル」の配布について、急病時に救急隊員などが迅速に的確な救命処置を施すために、について質
問します。
 我が国では、世界に類を見ない速度で少子高齢化が進んでおり、高齢者人口が25%の沼田市
としても例外のことではありません。今後一層に高齢化社会に向けた安心安全の確保に努めなく
てはなりません。
 5月に発表された厚生労働省の「平成20年国民生活基礎調査」によりますと、65歳以上の
高齢者のいる世帯は、1,977万7,000世帯、全世帯の41.2%であり、そのうち高齢
者の単独世帯は435万2,000世帯となっています。
 ひとり暮らしの高齢者の方が最も不安に思われることは、病気になったとき、災害にあったと
き、身の安全を守れるかどうかということだそうです。日常生活の支援には、現在、地域の民生
委員の皆さんに大変にお世話になっているわけですが、個人情報の収集には大変ご苦労されてい
るとお聞きしています。
 高齢化が進むほど体調も変化し、社会活動にも参加できなくなり、孤立してしまいがちです。
急病や災害時にもその方の情報が乏しく、迅速な支援ができにくい場合があります。本市の高齢
者のうち、ひとり暮らしの方は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。また、高齢者夫婦世帯な
ど高齢者のみの世帯を加えたらどのくらいの世帯になるのでしょうか。わかりましたらお願いし
ます。
 そこで、「安心カード」制度の導入をご提案したいと思います。安心カードとは、万が一の救
急時に役立つ個人情報、住所、氏名、生年月日、血液型、緊急時の連絡先、かかりつけ医、服用
している薬、アレルギーの有無、治療中の病気、病歴等などを本人が記入した「救急医療情報」
のことを言います。東京都港区や神戸市、茨城県の高萩市などは救急医療情報を記した安心カー
ドを冷蔵庫の前に貼る、玄関の内側に貼るなどの方法をとっています。私が推奨したいのは、北
海道小樽市里地区、京都府亀岡市などで行われている方法です。大きめの字で救急医療情報を安
心カードに記入し、100円均一の店で売っているプラスチックの円筒形のパスタを入れる透明
容器をイメージしていただきたいのですが、そのプラスチックカプセルに安心カードを入れて冷
蔵庫に保管するという方法です。阪神・淡路大震災のときにも冷蔵庫の中は壊れなかったとあり
ました。1枚紙のカードやプリントのみでは紛失しやすい、保管場所が決まらないなど問題があ
りますが、どの家庭にもあり見つけやすい冷蔵庫に保管してもらうのがよいと思います。命を助
ける医療情報を記入した安心カードを入れるカプセルなので、「命のカプセル」と命名して配布
している自治体があります。自治体、地域があなたの命を守っていますよとのメッセージととも
に高齢者のお宅に手渡しで命のカプセルを届けていただければと思います。安心カード、命のカ
プセルの配布について、お考えをお聞かせください。
 2点目は、生涯学習について、学校の授業を住民に開放することについて、小中学校の授業に
聴講生制度の採用についてお伺いします。
 私が生涯学習、生涯教育の言葉を聞いたのは30数年前の学生時代のことでした。そのころは、
未来に到来する長寿社会を想像することはできませんでしたが、生涯教育、生涯学習というのは、
何かとても夢のある充実した社会が訪れるように感じていました。
 生活水準の向上や医療技術の進歩によって平均寿命が延び、日本は世界の最長寿国になりまし
た。人が長生きできるようになることはすばらしいことであり、多くの人が「元気で長生きでき
ること」を望んでいます。長寿社会の到来を私たちは積極的に受け入れ、態勢を整えていかねば
なりません。生き生きとした人生を送ることができるよう、高齢者の学習活動を支援することが
一層求められています。自分の時間を自由に使いながら生きがいや心の豊かさを求めてさまざま
な生涯学習に取り組んでいる高齢者の方々がたくさんいます。高齢者が元気で活躍する場を持つ
ことは本人の生きがいにつながるだけでなく、社会全体にとっても有益であり、結果的に今後激
増することが予想される社会保障費の伸びを抑えることにつながるように思います。
 そこで、今回の質問の小中学校を住民に開放しての聴講生制度の導入についてですが、ぜひ沼
田市での導入を考えていただきたく、ご提案いたします。「もう一度学校に行って勉強し直して
みたい」と思っている方は案外多くいるのではないかと思います。「あのころは苦手だった数学
や英語を勉強し直したい」、「社会状況も変わっているので、今の社会の教科を勉強してみたい」
との声も聞きます。「既に終わっている義務教育だけれども、大人が学校に行けたら、そんな生
涯学習の場があったら楽しいだろうな、そんなことできないのかな」と思いながらいたとき、新
聞に福岡県那珂川町と愛知県扶桑町の聴講生制度の記事を読みました。全国で最初に聴講生制度
を導入した愛知県扶桑町のことはたくさんの教育誌にも紹介されていました。聴講生制度の紹介
とともに扶桑町の取り組みを紹介したいと思います。
 平成12年、愛知県扶桑町、人口3万3,000人、当時の教育長の川村共久さんは、「開か
れた学校づくりがどうやったらできるのか」を考えていたとき、テレビのニュースで、大阪の小
学校で、戦争で小学校で勉強することができなかった年配の女性が子供たちと一緒に勉強してい
る様子を見ました。川村教育長は、テレビの中の和やかなクラスの雰囲気を見て「これだ」と思
いました。学校教育は、生涯学習の一つのステージ、もう一度学び直したい人に機会を与えるこ
とも大切だと思ったのです。そして、「扶桑町の制度にしてしまおう」と思ったのです。
 平成13年秋、扶桑町教育研究会で「聴講生制度考え中」を全職員に伝えるが反応なし。その
後の校長会で、校長先生の意見を集約。「これからの学校の姿はそうあるべき」との賛成意見。
「中学3年生のクラスは避けたい」、一中学校長。「平成14年4月からは無理、通知表が相対
評価から絶対評価へ変わる。この研究もあるので9月からにしてほしい」との意見がありました。
 平成14年、実施要領作成、広報紙、広報無線で募集。9月より希望者が中学校だけであった
ため、町内2中学校で実施。中学3年生のクラスもオーケーになった。
 平成14年度9月立ち上げ、聴講生5名。平成15年4月から11名。平成16年、6名、小
学校1名、中学校5名。平成17年、5名、小学校1名、中学校4名。平成18年、町外の人も
可。6名、小学校1名、中学校5名。平成19年、10名、小学校1名、中学校9名。平成20
年、9名、小学校2名、中学校7名。平成21年、7名。計、延べ59名になっています。
 聴講生の多くは60歳以上の方ですが、保護者の年代の人も時々希望されています。中学校で
の受講教科は、英語が一番人気とのことです。数学、国語、社会、理科、音楽が受講されていま
す。聴講希望の動機は初めはさまざまですが、受講後は「とにかくうれしい、続けたい」と異口
同音に言われています。
 効果と問題点として、1、学校には、開かれた学校づくり、良き理解者、安全体制に寄与して
います。2、先生には、緊張感、時には助言者、児童・生徒の様子を察知してサポートしている
サブティーチャーの役割。3、生徒には、学ぶ姿勢の手本、異世代交流、思いやりの存在になっ
ています。4、聴講生には、学ぶ機会と新たな生きがい、前向きな心になることでの健康づくり
が自然になされている。5、行政には、予算を伴わず、効果大の施策となっています。
 実施上の留意点として、1、1年の聴講を原則とする。これによって聴講生の数がふえないと
考えられるが、聴講期間を短くすると学校が落ち着かないなどの弊害が生ずると考えたためです。
2、聴講料は無料であるが、教科書は自分で購入します。教材費も実費徴収です。3、学校も聴
講生も気遣いは無用となっています。年齢の高い児童・生徒が教室にいるという感覚で普通どお
りの学習活動をしています。長続きの秘訣とのことです。4、学校でのケガなどについては、聴
講生自身の国民健康保険などで対応している。5、1年に1回、結核検査、胸部レントゲンの医
師の診断書、自己負担の結果を提出していただいている。6、3月には修了証をお渡しする。と
なっています。
 聴講生の方の声として、「子供に教えることもあれば学ぶこともあって、すごくいい勉強です。
1年でやめようと思っていたが、もう3年目。今ではクラスメイトが家に遊びに来てくれます」、
67歳女性。扶桑中学校3年5組の刈谷貞子さん、75歳は、「昔からどうしても勉強したかっ
た」と英語を中1の英語から学び、進級してきて、今年は中3の英語を習っています。プライベ
ートでカナダに行った際には、撮影してきた写真を英語の授業で紹介したりして生徒に刺激を与
えてくれているそうです。刈谷さんは先々まで宿題を済ませているので、周りの生徒たちも刈谷
さんに負けないようにと挑戦しているとのことです。
 聴講生制度を発案した川村元教育長は、「聴講生のための制度でありますが、実は学校にとっ
て一番メリットがあったのです」と言われています。「オープンな気持ちさえあれば、特別な準
備は何も必要ありません。どの学校でもすぐに取り組めるのです」と力説しています。
 以上、述べさせていただきましたが、この聴講生制度について調べているうちに、どうしても
扶桑町に行って実際を見てみたく、また本当に何の問題点もなく行われているのかを確かめたく、
数日前に行ってまいりました。書かせていただいたとおり、学校、聴講生、生徒、担任の先生、
全員がにこにこ顔で、とても気持ちよく行われていました。このすばらしい聴講生制度を沼田市
において実施していただきたく、お伺いいたします。ご答弁をよろしくお願いいたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの田村議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、高齢者支援について、「安心カード」制度の導入について、高齢者宅に「命のカプセル」
の配布について、急病時に救急隊員などが迅速に的確な救命処置を施すためにでありますが、本
市における65歳以上のひとり暮らし高齢者数は、本年6月1日を基準日に実施した「ひとり暮
らし高齢者基礎調査」の結果、1,728人となっております。
 このような状況から、本市においても65歳以上のひとり暮らし高齢者の緊急時などに役立て
るため、親族等の連絡先やかかりつけの病院や血液型などの情報を記入し、電話口等においてい
ただく「福祉緊急連絡カード」とカードケースの配布を行っております。カードの配布につきまし
ては、毎年6月に実施しているひとり暮らし高齢者基礎調査の調査員としてご協力をいただいて
いる民生委員さんにお願いしておりますが、議員ご指摘の「安心カード」制度の充実に向けて、
今後も先進地事例等を参考にしながら関係機関・団体とも協議を行い検討してまいりたいと考え
ております。
 以上申し上げまして、田村議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、生涯学習につ
きましては、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(布施辰二郎君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 田村議員のご質問にお答え申し上げます。
 生涯学習について、学校の授業を住民に開放することについて、小中学校の授業に聴講生制度
の採用についてでありますが、現在本市内の各小中学校においては、授業公開日や授業公開週間
の設定、地域人材の活用などを初め開かれた学校づくりや教育活動の一層の充実を図るために、
保護者や地域住民の皆さんとの連携・協力を積極的に推進しているところであります。
 ご指摘の聴講生制度の趣旨及びその意義については十分理解できるところでありますが、制度
そのものの導入については現在のところ考えておりません。
 教育委員会といたしましては、これまでの授業公開や授業参観等を拡大したり、地域人材の活
用を促進させたりするなど、現在推進している保護者や地域の皆さんとの連携・協力をさらに充
実・発展させていく中で、児童生徒とともに学び合い、互いの学びを向上させることができるよ
う、そのための環境づくりや条件整備について努力していきたいと考えております。
 また、生涯学習における住民一人一人の主体的な学習活動を推進するためには、各種学級・講
座の開設や学習グループの育成を積極的に行うとともに、放送大学を初めとする生涯学習関係機
関が実施する事業への参加奨励、利用促進についても引き続き努力していきたいと考えておりま
す。
 以上申し上げまして、田村議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇2番(田村喜久子君) ご答弁をいただきましたので、2回目の質問をさせていただきます。
 まず、1番目の質問の方なんですけれども、安心カードの導入についてですが、高齢者のひと
り暮らしの方が1,728人ということで、現在電話口等に置くカードケースに入ったものを配
布しているということでわかりました。ひとり暮らしではなくて高齢者、例えば親子で高齢者と
か、ご夫婦で高齢者とか、そういう高齢者世帯はわかりませんでしたでしょうか。
 それで、ちょうどそういう年齢の方にお聞きしたんですけれども、その方はお二人暮らしの方
だったんですが、うちにはそういうものは来てないと言われて、ぜひやってもらいたいというこ
とだったんですけれども、今配られているのはひとり暮らしのお宅だけということかどうかお願
いします。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長の方から答弁をいたさせます。
◇議長(布施辰二郎君) 民生部長。
◇民生部長(田村澄夫君) 命によりお答えをさせていただきます。
 ただいまご質問の65歳以上の方が含まれている世帯数並びに65歳以上の方のみの世帯数に
ついては、現在市が住民情報システムで委託業務をしております中の業務に含まれておりません
ので、したがいまして把握をしてございませんが、今後もろもろの検討を進める際に必要になっ
てこようかと思いますので、それらの把握につきましては今後研究をさせていただきたいと思っ
ております。以上であります。
◇2番(田村喜久子君) わかりました。高齢者だけの世帯、ひとり暮らしだけではなくてお二
人暮らしとか、お二人ぐらいだと思うんですけれども、その世帯にもぜひこの安全カード、安心
カードを配っていただければと思います。
 あと、電話のそばということなんですけれども、それは実際ぱっとすぐ見えるようになってい
るのかどうかということと、また電話というのが玄関とかにあったりして来た方が見てしまうと
いう場合もあると思うので、そこはやはり見えないようなシステムとかにしなくてはいけないの
ではないかということを思います。
 私もカプセル型ということにはこだたわらない。質問を出させていただいてからそのように思
ったんですけれども、最近なんですけれども、高崎市の方でこういう「安心連絡メモ」というか
わいいのができました。これに緊急連絡先の親族1、2、3とか親族以外の連絡先とか、かかり
つけ医とか、既往歴とか、常用薬とかというのが裏に書いてありまして、こういうふうに裏の情
報が見えないように折って壁に張ったり、冷蔵庫にマグネットでとめたりというふうなものを高
崎市はつくられたそうです。これだと予算的にも本当に少ない予算で済んだということなので、
ダルマになっていますけれども、これを沼田のぬっくん、まっくん、たっくんとかにしてもらっ
てやるというのを、ぜひ高齢者のひとり暮らしだけでなく高齢者のお宅に配布していただくよう
にお願いいたします。
 あと、やはり沼田市が高齢化社会ということに、本当にもう25%以上の今状況なんです。そ
して、私たちもいずれというか、もう近くそこに進んでいくわけですけれども、若い方、若い子
供たちは、今までの同僚議員さん方の質問にもあったように帰ってくる職場がないわけですから
帰ってこないわけです。ですから、どんどんそれはふえていくわけですから、そういう沼田市に
おいてどういう安全体制というのをつくっていこうかということをお考えであれば、市長のお考
え等もお聞かせください。お願いします。
◇市長(星野已喜雄君) お年寄りの安心安全対策という観点の総体的な考え方を示せというこ
とだというふうに今受けとめさせていただきました。これらにつきましては、当然民生委員の方
々のご支援をいただいたり、あるいはまた区長さんたちのご指導をいただいたりというようなこ
とになるわけでございますけれども、何といっても個々のそういったお年を召した方の実態を把
握していくということが大事なのではないかというようなことで、先般補正予算等にもいろいろ
と民生部筋で措置をさせていただいてきた経過がございます。
 したがいまして、今後そういった実態をしっかり把握した形の中で、常にそういった方々のい
わゆる掌握を、個人情報保護の関係もありますので、それらに配慮しながらそういった実態をし
っかり把握しておくことが大事なのではないかというふうに思っております。そうしたことによ
って、一朝有事には民生部を含めて動きやすい状況をつくっていくということになろうかと思い
ます。
◇2番(田村喜久子君) 今は高齢者の世帯というのはわからないということですけれども、こ
れはやはりわからなくてはいけないので、どのくらいまでならわかるかということと、あと先ほ
どの安心メモの方を、その世帯、ひとり暮らしだけではなく配っていただけるかどうかの答弁を
もう一度お願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 市で行っているのは、福祉緊急連絡カードでございます。安心メモは
高崎の事業でしょうか。そこのところは整理をしておきたいと思います。
 本市で行っているこの福祉緊急連絡カードの関係を現在実施しておりますので、これらの関係
が今ご指摘のとおり、ひとり暮らしだけでなくご夫婦のご年配、つまり65歳以上のご年配の方
々のところにもどうだろうかということだと思いますが、これらについては当然検討をしていか
なければならないと思っております。
 なお、安心メモの関係等については、私どもの福祉緊急連絡カードとの関係もございますので、
今後の検討課題にさせていただきたいと存じます。
◇2番(田村喜久子君) わかりました。福祉緊急連絡カードでよろしいかと思いますので、ぜ
ひ高齢者の全世帯に、ひとり暮らしもしくは高齢者だけの世帯に配っていただくようにお願いい
たします。
 次に、聴講生制度についてなんですけれども、やはり導入の方が厳しいというお答えかなとい
うふうに思っていましたので、今教育長がおっしゃられたことは大体小学校には当てはまるかな
と思うんですけれども、中学校というところになるとそんなに大人は入っていかれてないのでは
ないかと思います。私は、聴講生制度ということで生涯学習ということでお聞きしました。もち
ろん、生涯学習という、学校に入っていかなくても沼田にもそういう放送大学とかもあってそう
いうところでやっていくこともいいのかもしれないですけれども、現場に行って実際にお話を聞
いたときに、現在は中島さんという方が教育長をされていたんですけれども、実際は学校でやる
特別学級とか授業参観とかいろいろあるけれども、実際的にはそれはやはり開かれた学校という
ことにはなっていないということでこの制度を考え出されたということなんです。そして、平成
14年から立ち上げてことしがもう8年目なんですけれども、今までことしで57人、去年まで
で52名の方が全員が1年間の聴講をやり遂げて何回も、何教科もやっていらっしゃる方もいれ
ば、何年も、例えば小学校3年生を何度もやっていて、音楽をやっていていつもリコーダーの吹
き方とかを子供に教えているという方もいらっしゃって、その方のところがさっきの1番目の原
稿でも言いましたけれども、お友達が遊びに来るようになって何か悩みとかも言ってくれて、お
父さん、お母さんからもありがとうございましたということでとても感謝が来るんだそうです。
 それから、私が実際にお会いしたのは、原稿にあった方は扶桑中学の3年5組の方なんですけ
れども、その方がちょうど先週の月曜、7日の4校時目、11時45分からの授業を見させてい
ただいたんですけれども、3年4組にいて村上さんという70歳ぐらいの女性の方で、その方も
やはり中1、中2、中3と英語を学ばれてきたんです。本当に私は、中学3年生というのは受験
とかもあるだろうし邪魔にならないのだろうかというのもあったんですけれども、クラスを半分
にした20人の少人数学級でやっていまして、もう全然普通に先生が小テストをやって答え合っ
て、それで隣に男の子が座っていて答案を交換し合って丸つけをしたりしてやっているんです。
ちゃんと答えているし、授業が終わってからもその方にお話を聞かせていただいたら、本当にう
れしいと、楽しくてやっているんだそうです。80歳までやりたいと言っていて、その方は女学
校、昔のちゃんと高等学校まで出た方だったんですけれども、英語の勉強をもっとしたかったし
英語の仕事もしたかったけれども親にお嫁に行きなさいと言われてお嫁に行くことになって、そ
の後ずっとできなくて今回こういうことを聞いたので本当に楽しみでやっているんですよという
ことだったんです。それで、そういう聴講生の方が何か一言言うだけで、クラスというかその雰
囲気がとても変わるんです。あと、先生もすごく助けてもらうんですと言っていて、例えば英語
の授業の中に新垣 勉さんというミュージシャン、沖縄で生まれた全盲の方のその生い立ちが出
ていたんですけれども、そのときもその人はこういう人でねというふうにその方が言うだけで、
もうみんな生徒の中にそれが伝わっていってすごくインパクトのある授業になって、実際に英語
を習っているから海外に行ったときも英語を使ってしまって、そしてそこに教科書に載っていた
のと同じ風景の写真を撮ってきたり、教科書に出ていた置物をお土産に買ってきたりして生徒に
見せて、そういうふうに生きた授業になるんですということだったんです。
 また、あるスクールガードをやっている方が中京テレビが4、5、6とずっと撮影したのを見
せていただいたんですけれども、その方は中学校生活が楽しくなかった。66歳の方ですけれど
も、だからもう一回思い出をつくりたいということで中学1年生の社会を習い始めたということ
なんです。そして、何げない原始時代の教科書の絵が載っていて、何かおもしろくなさそうだな、
なんて思ってしまうような画面なんだけれども、その浅井さんというおじさんが「屋根から煙が
出てるところはないかい」なんて聞くと、みんながひょっと何かすごい変わって、大人の人が一
言言うことは本当に生きた題材になって子供たちの中に入っていくんだなということをそのビデ
オを見せてもらいながらも感じたんです。
 それでも、絶対に何か問題があるというか、困ったことは絶対あると思ったんです。先生だっ
て嫌でしょうと。大人が入ってくるのは嫌だと思わなかったんですかと聞いたんですけれども、
教育長がそう言われたのでそれを受けとめましたとずっといらっしゃる教員の方は言われて、実
際にやっていらっしゃる方とか校長先生とかも、本当にかえって助かりますと言われて、本当に
何も問題ないんだよねと。教育長さんが言うには、やはり一番は学校なんだよねと。学校がガー
ドだよねということを言われていたんですけれども、私は大人と子供が触れ合うことでの、大人
には生きがいになりますし、子供は大人が本当に一生懸命勉強するのですごい刺激を受けるし、
本当にいい仲間になるんです。その浅井さんという人も社会しか受けてないんだけれども、1年
生のクラスの男の子がクラス目標を決めるのに、浅井さんも入らなければだめだと言って、先生
の許可をもらって浅井さんを呼んで、浅井さんも入れてクラスの目標を決めたということなんで
す。
 本当に難しいかもしれないんですけれども、何かそこを考えてもらえたらいいと思うのと、ぜ
ひ教育長にも扶桑中学校、扶桑町に行って見学してきていただけたらありがたいと思います。今
回は多分このことを受けとめてくれるのはすごい難しいことだろうと思いましたので、提案とい
うことで伝えさせていただければと思って質問させていただきました。言いたいことだけ言った
んですけれども、もし考えていただける何かありましたら、もう一度ご答弁をお願いいたします。
これで終わります。
◇教育長(津久井 勲君) 答弁になるかどうか、お話伺って共鳴ばかりしておりました。考え
方や実際に進めていることは極めて教育的で、大人も子供もいわゆる生涯学習、生まれてからこ
の世を去るまでが生涯学習であると。議員おっしゃったとおり、ちょうど昭和でいくと40年代
に入ったかどうかというころ、国連のそういう機関、委員会が一つの提案をして生涯学習という
理念と、またそのカリキュラム編成等々について提案がなされ、その後日本で積極的にその考え
方や施策が展開されたということですから、ちょうど三十何年前になるか、40年前になるかと
いうころだったと思います。たしかそのときは、そういう意識は余りありませんでしたから、い
わゆる教育は学校であるというのが通例でした。そういう壁をといいますか、破られたという、
今でこそ何の当然だと思っておりますけれども、そのころはやはりちょっとショックありました。
そういう中でのご提案、いわゆる社会であろうが学校であろうが、大人だろうが子供だろうが、
それは便宜的に9年の義務教育と。では、10年目教育ではないのかと。10年目のものと9年
目のものはお互いに学び合わないのかということではないと思います。ですから、考え方や実際
されている制度、施策やその成果等については、ほとんど例外なく私も共鳴をし、聞かせていた
だいたわけであります。ましてや議員は現地に視察して直接担当者、責任者等といろいろと協議
等で情報を持ってきたということでありますので、なおさらわかりやすくすとんと入ってきまし
た。
 ですから、今後やらないということではなくて、ただ一義的にはどうしても小中学校の段階で
は生涯学習という観点からいくと生涯学習の基礎基本をつくる時期ということになっております。
そして、ましてやそれは義務教育ということでありますから、第一義的には今在学している子供
たちにどうプラスになっていくかと。また、かたい言葉で言えば、その教育課程をどう編成して
実施していくかということになるわけですから、そのために大人がどう手助けできるかという観
点から、例えばこの聴講生制度といいますか、または制度、またはこの趣旨がどういうふうに入
り込んでいけるかというのは、先ほど答弁申し上げたとおり、この制度を入れない限り開かれた
学校ではないということでありませんから、それぞれの学校、それぞれの市町村が開かれた学校
という大テーマに基づいて、地域人材の活用や学校評価制度、または外部評価を取り入れた評価
制度、さらに学校評議員制度等もすべてこれは開かれた学校でありますから、そんなことでは沼
田でも一生懸命努力しております。
 そういう中で、この制度や制度の趣旨がどうなじんでいくかというのを十分検討していく必要
があろうかと思います。まして、この制度が沼田の市町村立の小中学校から出てきたニーズでは
ないということでありますよね。ですから、こういうボランティアや何かで地域の人たちが入っ
ていった。または、白沢小学校のみならず地域と合同主催の運動会をやっている。または、わら
じづくりの講師に隣のおじいさんに来てもらっていると。そういう中で子供との交流をしていく
と。そういう中でともに学んでいく。それでは、私もちょっと英語の教科書を開いてみたいわと
いうようなところから出てくるとすれば、トップダウンでこういう制度つくるではなくて、本当
に市民レベルから、学校レベルからわき出すように出てきた中での高まったものが制度だと考え
れば、今の地域の皆さんとの交流、もちろんPTAの保護者の皆さん含めて、そういう中でのも
っと充実拡大する中で、例えば行き着くところそういうことも導入できるかなと。そんな感想は
持たせていただきました。
 それから、こういう席で申し上げるのはどうかと思いますけれども、教員の多忙化というのは
今日本全国大きな課題になっております。国も重点的な施策として出しておりますし、群馬県数
百万払ってコンサルまで導入してその調査をして、今具体的な施策を展開しております。沼田市
教委も学校の教職員の出張回数を減らす、沼田市の教育委員会が招集する会議の数を減らす、校
内のちょっとした会議をすぐ学校は会議会議するんですけれども、そういうものも精選せよと、
ペーパーで済むものはペーパーだけにせよというようなことでやっている中でもありますから、
教育的にいいことはいっぱいあるんです。コマーシャルで恐縮ですけれども、特に沼田市教委の
学校教育関係においては、沼田市学校教育ゼロ予算事業、7点セットということでやらせていた
だいております。小学校高学年の相互乗り入れ、また補充指導等を含めた振り返り学習、部活を
ただただむちを入れるのではなくてあくまでも教育だよと、教育部活、それから登下校の安全の
セーフティ沼田、教員の研修を一生懸命やろう、一生懸命やっている教員や子供たちを一生懸命
応援してくださいという沼田市先生の日等々。さらにへき地教育振興のための七つの実践、いわ
ゆるレインボーアクションと名づけてやっておりますけれども、これらも今までなかったものを
校長と相談しながら沼田市独自で入れていったわけです。これ自体がもうほかの市町村でやって
いないわけですから、かなり負担になっていくわけですから、その分を少し学校でほかのところ
を精選して削って余裕を生み出してやっているわけです。
 今度のは本当に、先ほど申し上げたとおり100%すばらしい制度だと思っておりますので、
こういうのを回していく中でどうやって沼田市のやり方として、沼田市の学校に合った、沼田市
の子供たちに合ったやり方として入り込んでいけるかという点においては、今後十分研究してい
きたいというふうに思っております。いろいろ気持ちのさわやかになるすばらしい情報をまた提
言いただいて、本当にありがたく思っております。以上です。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後2時03分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後2時11分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、橋襄典議員。21番。
〔21番 橋襄典君登壇〕
◇21番(橋襄典君) 一般質問をいたします。
 世界的な金融危機を発端に、政治抜きでは経済、企業、行政経営を語りにくい傾向が強まって
います。そんな中、実現した歴史的な政権交代は、経済、企業から仕事や身近な暮らしに至るま
で大きな変化が予想されております。しかし、大転換は、必ずしも悪いことだけではなく、マニ
フェスト選挙は、いわゆるお願いから契約による選挙です。以前の「口約」、口約束からの脱却、
期待が持てるかも知れません。
 さて、18年度決算において、18億円の基金取り崩しがなければ赤字の状況で、今後も収入
の増収は見込めず、基金が底をつき、今のままでは財政運営が成り立たなくなってしまいぎりぎ
り財政、「ゆとりなし」の状況にあるために転換を図る必要性があるとし、借金依存体質からの
脱却を図る必要から、行政改革大綱に基づき「効率的な運営による財政の健全化」、「簡素で効
率的な行政運営」、「開かれた行政運営と市民協働」の3つの大きな目標を掲げ、その実現を図
るために5カ年計画が進められております。しかしながら、財政構造の硬直化、その実態は非常
に厳しいものがあります。言うまでもなく、歳入出の厳しい対応について、財政の健全化に向け
た総合政策についてお伺いいたします。
 まず、合併後の検証と住民意識調査についてお伺いいたします。
 行政の長として、今、優先すべき事業等について、どのようなことを考えられているのかお伺
いいたします。
 次に、「合併は協調と寛容、そして大きな決断により、沼田市、白沢村、利根村が極めて強い
絆で結ばれ、「利根沼田は一つ」に向けた一里塚と考え、地域の特性、立場を尊重した地域分権
型のまちづくりを進める」と言われ、船出をしました。
 新市誕生から5年を迎えて、今どのような検証をされているのでしょうか。さらには、住民要
望にこたえていくためには、主権者たる住民意識調査することは必要不可欠で、住民の主体のよ
りきめ細かで円滑な行政運営を図るために、どのように考えられているのかお伺いいたします。
 次に、財政健全化は待ったなしの課題で、次世代にしわ寄せが行かないように対処しなければ
なりません。厳しい状況はさきに申し上げましたが、今のままでは「沼田丸」は座礁寸前。さら
に歳入出の見直しを全庁的な視野に立っての政策について、費用対効果の観点から行財政の徹底
した見直しによる歳出抑制と政策による財政安定の歳入増を図るべく、政策立案についてお伺い
いたします。
 まず、歳出ごとに目標設定を立てることが不可欠で、財政をより透明にし、血税のより徹底し
た使途の効率化を図り、むだや不要不急な事業はやめて新しい財源を生み出すように組み立て直
し、そして必要不可欠なもの以外は凍結及び廃止をしていく。
 関連いたしますが、事業別選択等による行政コストの軽減、住民負担の軽減化について、各事
業の取り組みについて、例えば市民にとって真の行財政改革・環境・少子高齢化・農業・観光政
策等、特筆すべきことについてお伺いいたします。
 最後に、行政と住民の信頼関係についてお伺いいたします。
 公共のリーダーシップの要諦は「公共経営」の確立が求められており、とりわけ分権化が進む
地方自治体においては、首長のリーダーシップが重要性を増していることは言うまでもありませ
んが、そこで首長の役割はいかにあるべきか、実践的、体系的、理論的に明らかにすることの意
義は大きいとされております。まず、首長は、目指すビジョンを示し、それを職員や議員、市民
と一緒になって実現していくプロセスを示し、「実効性のある公約」をつくり、議会と同時に市
民に対する説明責任を徹底し公約を着実に実行すると言われておりますが、トップリーダーとし
てどのように考えているのかお伺いいたします。
 次に、市長は、就任以来、多くのすばらしいことを市民に対して執行者として述べられてきま
したが、市長在任の集大成についてお伺いし、1回目の質問といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの橋議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、財政の健全化に向けた総合政策について、合併後の検証と住民意向調査について、行政
の長として、今、優先すべき事業等についてでありますが、大変厳しい財政の中、第五次総合計
画に掲げる施策の大綱に沿って、「安心と安全」、「教育と子育て」、「環境と健康」及び「地
域振興と交流」の「4つの柱」を基軸といたしまして、福祉を初めとする市民生活に直結する事
業を優先しながら、事業の緊急性、財源の効率性等を勘案の上、事業を選択し、創造性豊かな明
るく元気なまちづくりの実現に向け取り組んでいるところであります。
 次に、合併後5カ年、どのように検証されているのか、さらに住民意向調査の考えについてで
ありますが、まず合併後の検証についてでありますが、4年と6カ月が経過した現在、議会を初
めといたしまして、地域協議会、また市政懇談会などで意見を伺いながら、新市の一体感の醸成
を図りつつ地域の個性を生かしたまちづくりを進めているところであります。
 また、住民意向調査の考えについてでありますが、市町村合併は地域の将来を見据えて行われ
たものであり、その効果があらわれるまで一定の期間を要すると思いますが、市町村合併のみに
とらわれず市政全般にわたる市民の納得度を把握することは、行政評価を進めていく上でも、ま
た新市のまちづくりの課題解決のためにも重要であると思いますので、今後検討を進めてまいり
たいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
 次に、全庁的視野に立っての政策について、費用対効果から行財政の徹底した見直しによる歳
出抑制と政策による財政安定の歳入増を図るべく政策立案についてでありますが、本市の財政状
況は、行財政改革を初め財政の健全化に取り組んでおりますが、平成20年度決算において主要
な財政指標である経常収支比率及び実質公債費比率が一部改善は見られたものの、依然として県
内12市の中で最も高い比率であるという厳しい状況を真摯に受けとめ、今後は費用対効果も念
頭に置き、事務事業評価システムに基づく事務事業の徹底した見直しによりさらなる歳出抑制に
取り組んでまいりたいと考えております。
 また、歳入増を図るべく具体的な歳入政策といたしましては、徴収強化による市税及び市税以
外の収納率の向上を図ること、市有財産有効活用として未利用遊休地の整理・売却等の推進に努
めること、新たな財源の確保として有料広告掲載事業の拡充を図ることなどを検討しております。
 今後も経常収支比率及び実質公債費比率などの財政指標を念頭に置き、公債費負担適正化計画
の最終年次である平成25年度を目途に、さらなる予算規模の縮減を図り財政の健全化に一層努
めてまいりたいと考えております。
 次に、事業別選択等による行政コスト軽減による住民負担の軽減化について、各種事業につい
て、「例えば、市民にとって真の行財政改革・環境・少子高齢化・農業・観光政策等」について
でありますが、本市を取り巻く環境の変化や国の構造改革等の影響による厳しい財政状況を踏ま
え、魅力あるまちづくりを推進していくためにはどの施策に重点を置いて取り組むべきかという
視点に立ち、「選択と集中」による事業選択が必要であると考えております。
 また、経常的経費をいかに削減し、その削減した経費を政策的経費に振り向け住民へ還元する
ことが市民にとっての真の行財政改革となるものと考えておりますので、今後も引き続き経常的
経費の削減や事務事業の見直しなど行財政改革に努めてまいりたいと考えております。
 次に、行政と住民との信頼関係について、トップリーダーの要諦についてでありますが、行政
にあっては、住民は行政に負託していただいているわけでありますので、まずもって信頼関係が
保たれることが前提となることと認識をいたしております。
 議員には、「公共経営における首長の役割」を披瀝いただきましたが、リーダーにあっては、
「情熱」、「責任感」、「判断力」が重要であるとの先人の教えがあります。今次の極めて厳し
い財政状況の中にあって、予算編成方針、優先して取り組む事業の選択など、場面場面において
方向性を指示し、施政方針として内外に示し、市民生活の向上と創造性豊かな明るく元気なまち
づくりに向かって、市長が先頭に立ち職員とともに一丸となって諸事業に取り組み、市民に対し
て責任を果たしていくことが責務であると考えております。
 次に、市長在任の集大成についてでありますが、現在、市長に就任いたしまして、2期、7年
4カ月が経過したところであります。この間、かねてからの懸案であります事業の対応を図るほ
か、平成17年2月には白沢村、利根村との合併があったところであります。現在、多様化・高
度化する市民ニーズ、少子高齢化、社会保障費の増加など待ったなしの行政需要や市民要望に対
して、極めて厳しい財政状況の中、議会のご指導はもとより、市民のご理解、ご協力のもと行政
運営に努めてきたところであります。今次の行政課題を真摯にとらまえて、市民生活の向上と創
造性豊かな明るく元気なまちづくりの実現に向け、努力傾注してまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、橋議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇21番(橋襄典君) それでは、再質問させていただきます。
 行政の長として今優先すべき事業、これは4つの柱でそれぞれ示されているんですが、それに
基づいてやるということですからそれは了解いたしました。
 それから、合併後5年がたつわけですけれども、その検証について、合併後もこれに基づいて
やってきている。通常ですと2年とか3年とか、これが今現実どうであるかと、こういうチェッ
ク、検証することが必要。マニフェストにおいても、財政において、その目的において、それで
その期間においてどうであったか。その最後として検証するということが大事なことなので、そ
れでは今、合併後市民がどういう状況であるかということは、市長、どう思われていますか。そ
れを掌握しないと住民の目線と市長の目線は食い違いがあるわけ。ですから、住民のための行政
運営でなければならないわけですから、今言ったことは端的に机上論であって、現実どう押さえ
ているのか、その点についてまずお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 当然区行政の責任ある立場の区長さんのご意思あるいはまたご意見、
また議員の皆様方からのご意見あるいはまた今回のような本会議等でのご質問等を承った形の中
で、私どももそれらの状況把握には努めてきた経過もございます。さらに、これは私ごとになり
ますが、私自身もできるだけ市民の生活の中に入って、そしてそれぞれの立場からのご意見等も
集約あるいはまた自分なりに受けとめてきたところであります。
 そういった中で、合併した後いろいろな状況があるわけでございますけれども、やはり何とい
ってもこの大きな枠組みになった合併が今後さらに発展的に進んでいくために今後努力していか
なければならないと考えております。そういった中で、今までの事務事業の関係等について期待
もされておられる部署もあるし、また一方においては考えを見直していかなければならないとい
うこともありますし、そういうようなところについてはそれぞれの現場において対応を図ってい
かなければならないと思っております。今後とも議員皆様方のご指導をよろしくお願いをしたい
と思います。
◇21番(橋襄典君) 私からすると、市長の答弁というのはきれいごとなんです。旧沼田、
白沢、利根の皆さん方が今どう思われているか。景気が悪かったりいろいろな状況の中で、そう
いう一つの、市長が今市民の中に入っていってと言うけれども、では入っていってどういうこと
を感じたんですか。それぞれ市民の方々からすれば、非常に不平はあるはずです。ふれあい広場
で行っても一方的な話だけでかえって市民の方々からいろんな意見が出たときには、それをその
まま受けとめたきりでその次が出てきていない。ですから、そういった実態を、今言ったのはそ
れでいいです。市長が次にどういう検証をされているかということなんです。例えば、先ほど市
長の答弁の中に、数字的な部分だって変わってきているわけです。例えば、適正計画をするには
どうであったのかとか、それも一部解消された。それは何で一部解消されたんですか。初日の同
僚議員の質問の中にもありましたけれども、なぜ経常収支が107から今104になったんです
か。それでは、その理由を言ってみてください。だから、それだけ動きがあるわけです。現実論
としては、数字をつかんでやるのが一番いいわけです、抽象的な部分でなくて。ですから、今言
った部分を通常の合併をするときもアンケート調査とったですよね。あのはがきでとった4項目
は、あれは抽象論なんです。その要望に対しては具体的には対処していないんです。ですから、
そういった部分をきちっと状況判断というものをしないと、いわゆる検証というものはより数字
でやれば一番明らかなんです。
 それで、もう一つは、市民はどんなこと考えているんだろうと。こういうつぶさに、今5万5,
000弱になりましたけれども、そういった中の対応というのが今まではされていないはすです。
私はそんな答えでは満足できません。もう一度、検証はどういう形の検証結果としてあったのか。
それとも、検証したのか、検証しないのか。そのことについてお答えください。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどの答弁と重複をしてくるかもしれませんけれども、ご案内のと
おり、私どもは行政の執行の立場です。議員皆様方は市民を代弁いたしまして、そして地域のご
意見を議会を通して執行側に伝え、そしてそれを実行していくというお立場になろうかと思って
おります。したがいまして、議員皆様方のご意見等はやはり最大限に尊重しなければなりません。
今後もそういった観点を軸にしながら対応を図っていきたいと思っております。
 また、さらにどうしても市のいわゆる関係から区長様にいろんな意味でお世話になっておりま
す。こういった地域の取りまとめ役の区長さんのご意思を承った形の中で対応を図っていきたい
というふうに考えております。
 さらに、先ほど来議員がお話しされておられますけれども、市政懇談会等行ってきております
けれども、これらを通して地域住民の意見の把握には努めてきたところでございます。
◇21番(橋襄典君) 先ほどの答弁で、市長が今後検討していくと。その検討していくとい
うのは、どういう内容で、いつごろ検討して、その結果を求めようとしているんですか。
 それともう一つ、今市政懇談会、ふれあい広場と、それからグリーンベル21の懇談会。グリ
ーンベル21の懇談会においては、相当の意見が出た。そのときに、市長は黙ってしまっている
んです。やはり即答ができる部分とできない部分、それがディベート、ディスカッションなんで
す。一方通行で、それではそれは懇談会なりふれあい広場が終わってからその結論が出なかった
ものをいつその返事をしましたか、明らかにしましたかと。こういうことは全くないんです。一
過性なんです。そのままで終わってしまう、それでおしまい。この問題が残って、課題が残った
ら、その課題についてどういう議論出して、それでそれについて市民に、議会に報告する。そう
いうことではないんですか。今の検討とそのことについて、2点についてお答えください。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたように、住民意向調査の関係につきましては、
大変重要でありますので、これらについての対応を図るべく考え方を持っております。
 なお、市政懇談会等についての対応でございますけれども、それぞれその場所で、議員はどう
いうふうに受けとめたかはわかりませんけれども、一生懸命持てる範囲の中でしっかりとお答え
をしてきたつもりでございます。
◇21番(橋襄典君) それでは、今地域協議会、要するに合併して一体感の醸成を求めて市
民の意見を聞きながら、白沢と利根はこれを持っているわけです。その中身について、今有意義
に運営されているかどうかお伺いいたします。
 それと同時に、市政をよくしようということで今までは視察をしたり何かしてきたわけです。
それが今なくなったんです。それはなぜなくなって今の状況がどういうふうにあるか、地域協議
会のことについてご答弁ください。
◇市長(星野已喜雄君) 地域協議会の関係につきましては、それぞれ白沢、利根ともども総務
行政のところを軸といたしまして会議等を持たれ、私のとらまえ方では振興局長を中心に熱心な
論議がなされているというふうに受けとめております。
 そういった中で、視察の話があったかと思いますけれども、これらにつきましてはやはり時の
状況等をとらまえた形の中で判断がなされてきたというふうに受けとめております。
◇21番(橋襄典君) 私は今所管なんです。それで、何でその所管に触れるような部分があ
るかというと、そういった意見を持って政策的に大局的にやるためにこの意見を吸収していかな
ければならない。ところが、現実論として、その地域協議会の中身は具体的にわかりません。余
りそういう報告の内容ないんです。ということは、今現状は一体感の醸成がなされたと、こうい
う判断でよろしいですか。
◇市長(星野已喜雄君) 合併の経過は、ご案内のとおり、先ほど言ったように4年と6カ月で
ございます。一体感の醸成というのは、まだ今後の課題もたくさんあろうかと思っております。
したがいまして、今後一生懸命現在の置かれている環境を的確に活用しながら、さらに一体感の
醸成につきましては今後とも努力傾注していかなければいけないと思っております。
◇21番(橋襄典君) これから協議をしていくということなんですが、たくさんあると言う
んですけれども、どういうことがあるんですか。教えてください。
◇市長(星野已喜雄君) たくさんあるというふうな言い方をされましたけれども、微細なこと
になれば、これはいろんな状況が出てまいります。ご承知のとおり、お互いに違った状況の中で
合併をしてきて、そして今一生懸命努力をしているところでございます。したがいまして、やは
りこれからさらに合併の当初の意思をしっかり踏まえて、そして努力をしていかなければならな
いと考えております。
 今回の議会でもいろいろと申し上げてきたわけでございますけれども、教育委員会等があいあ
い交流等される中で、できるだけ旧村部と旧市街地の子供たちの交流等も現在進められておりま
すし、またご案内のとおり沼田まつり等にも徐々に白沢、利根の方々の出し物も出てきておりま
すし、そういうようなことでもってできるだけそういった微細にわたったところのことまで含め
て見ますと、多くのものがあるというふうに申し上げたわけでございますので、ご理解を賜りた
いと思います。
◇21番(橋襄典君) 子供たちの交流、非常に午前中いい質問されました。でも、市長は、
ふだん聞く耳を持たないんです。それはもう知っているでしょう。どういう状況で、副市長と一
緒に現地まで行ってこういう対応をしてきたではないですか。そうでなければもっと早くできた。
いろんな問題もあります。だから、同じ音を聞くのだったら世話ないんです。異なった音を聞く。
それを聞いて調和する、ハーモニーを上げるということは非常に大事なんです。だから、そこに
姿勢なんです。ですから、その続きとして、この住民意識調査、当然するべきです。大事なこと
と言っているんだから。前にも聞きました。する必要性がない、まだ2年だからと。では、何年
だったらやるんですかと。このままずるずるずるずる10年で、合併の意思を尊重しながら進め
ていきますよと。でも、こういう世界的な恐慌になって、沼田もそこに引き込まれているでしょ
う。合併後も状況は変わっているはずです。そういう実態をやはり公平、公正な目線の中で調査
をして、そしてそれについて将来の沼田はあるべきだと、こういうことで対処していくというこ
とでしょう。それで、政策を持って、むだな費用は排除しながら効率的な運営をしていくという
ことが大事なのではないですか。ですから、なぜそんなところにこだわっているんですか。お答
えください。
◇市長(星野已喜雄君) まず、先ほど議員が、私が聞く耳を持たないというようなお話をされ
ましたけれども、私は聞く耳は十二分に持っているつもりでございます。したがいまして、私自
身の名誉のために申し上げておきたいと思いますけれども、できるだけそういったご意見があれ
ば、常に耳は傾けてきたつもりでございますので、ご理解を賜りたいと思います。
 なお、先ほど来調査の関係でございますが、冒頭の答弁で申し上げましたとおり、検討を進め
てまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
◇21番(橋襄典君) 市長は私より十分いろんなことを承知していると思うんですけれども、
物事の解決は情報公開とアカウンタビリティー、説明責任なんです。ところが、市長が就任した
ときには、事業の起案からプロセスから全部公開しますよと言ってきたわけ。ところが、それが
本当になされていますか。適正計画を9月14日に出した問題、これはもう県に出さなければな
らないからやむを得ず議会にも説明したと、私はこういう理解しているんです。でも、これも2
回していると思うんですけれども、後の2委員会には説明がないんです、こんな大事なことを。
そういうことを意見を言っていても、それに対応してくれることがないんです。だから、今言っ
たような形を。
 それともう一つ、二つ目、いつこの住民意識調査をするんですか。それで、いつごろまで答え
をしようとしていますか。今、本当にそれを思っていますかどうか。その2点についてお伺いし
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 今次の行政運営のいろんなご指摘、これはもう時代の流れでございま
すので、そういったことをとらまえて努力をしていかなければなりません。
 なお、住民意向調査の関係でございますけれども、冒頭から検討を進めてまいりたいと考えて
おりますということを申し上げましたように、相当私どもは突っ込んだ答弁をしているつもりで
ございます。したがいまして、そういう意味では、今議員がいついかなるときだというようなこ
とのご質問かと思いますけれども、現時点では検討を進めているということでお答えをさせてい
ただきたいと思います。
◇21番(橋襄典君) 一つ例を出してみます。千代田区で行財政の基盤の確立を目指して、
千代田区行財政改革に関する基本条例を制定した。これは平成14年4月からなんです。その目
標値、具体的に出しているんです。経常収支比率85%、人件費比率25%。この数値目標を条
例化しているんです。それで、自分自身も含めて職員に具体的な努力目標を出している。そうい
うことが全国でこの千代田区だけだと思うんですけれども。ですから、さっき言った住民意向調
査も大事だということがわかるんです。でも、それでは数字、具体的に示されていないではない
ですか。もうことし5年目なんです。必ず合併後からいろいろ動いているわけです。動いてきて
いる部分を掌握する。そして、住民の目線で行政運営していくということなんです。その点につ
いていかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま千代田区の行政改革の基本条例でございましょうか、ご紹介
をいただきました。事務方で、私も含めて早速勉強させていただきたいと思いますが、千代田区、
私どもの沼田市、それぞれ行政の歴史あるいはまた実態等も決してすべてが類似しているわけで
はございません。特に千代田区等は東京の中核の区でもございまして、そういった意味で非常に
先進的な事例として今取り組んでおられるのではないかというふうに思っております。今後一生
懸命勉強させていただきたいと存じます。
◇21番(橋襄典君) よく今言ったような例が出るんです。うちの自治体はでっかいから、
小さいから、環境がいいから、条件が悪いからだめだとかいいとか、そうではないです。そこが
やる気なんです。それぞれの、隣の村でも町でも似たようだけれどもちょっと違っている。です
から、先ほど来答弁している特色を生かすということがそこなんです。沼田版としてどうするか
と。先ほども私が言おうと思ったら同僚議員がきのうの渋川の市長選で今度当選した市長は、要
するに株式会社沼田で考えていきましょうと。そこなんです。だから、行政経営というのはそこ
にあるんです。私もマニフェストの議員連盟に入って、そこで3分間スピーチされたんです。そ
のときに、やはり株式会社沼田と言ったら、沼田はそういう考え方持っているんですかとたまげ
てました。いや、実は私の考え方なんですよと。でも、やはり1円たりともむだにしないそうい
った考え方に基づいてやっていかなければならないんです。ですから、よりきめ細かに、具体的
にそういった政策をやる。ですから、何回も今回の場合には政策政策と言っていると思うんです。
ですから、そういう部分として、今の市長の答弁では私は満足できない。でも、時間的な部分が
あるから次に行かなくてならないんですけれども、でも住民調査については検討すると言うけれ
ども、いつ検討するかわかりません。でも、私はそれは納得していませんから、もしそのことに
ついてお答えがあったらお願いしたいと。
 それで、千代田区の問題、財政的にも見てください。厳しいです。でも、具体的に対処して、
区民、要するに職員も一体になってやっています。かなり厳しいことやっています。ですから、
その辺も含めてもう一度ご答弁をお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) いずれにいたしましても、検討を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、千代田区の関係でございますが、きょうご紹介いただきましたので早速勉強し、また
調査をさせていただき、参考になるところは参考にさせていただきたいと考えております。
◇21番(橋襄典君) アの点はもうそれ以上出てこないので次に行きます。
 それでは、全庁的視野に立って、沼田ですと商工農官があって、それぞれに対する、行政の課
で対応してきているわけです。その中で、費用対効果、何か今まで費用対効果で考えていなかっ
たのかな、さっきの市長の答弁だと。費用対効果、今度は考えていくというような説明なんです
。そんなことでは、何回も同僚議員からも私からも言っているわけです。やはりその答弁が私は
間違っていると、こういうふうに思っています。
 例えば、過日も同僚議員の中にもありました。それでは、経常収支比率、今回107から10
4に落ちた要因、何が要因で落ちましたか。お伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) やはり大きな要因となると、これは職員の方々に対していろいろとお
世話になった、要するに、給与の削減等が挙げられると考えております。
◇21番(橋襄典君) 私も前に市長とお話ししたときのその話をしました。三役か四役の報
酬等は今までも過去も減額したことある。職員の給与等にも手を触れたことは今までない。その
前に、政策をもって、むだというわけではないけれどもそういったものを省きながらそれに転嫁
するような形をやっていかなければならない。ですから、そこに政策というのがあるんです。今
回107から104になりました。それでは、職員の給与の5%並みの期末手当を引くわけです
けれども、今年度も引いている。だから、それでは来年度100ぐらいになるか思ったら違う要
因が出ているんです。これは担当者ともいろいろ話聞きましたけれども、要するに分母を多くし
て、そして分子を少なくしていくと。それでは、沼田においてどういう政策をもって分子を少な
く、分母を大きくしようと思っていますか。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては、間もなく来年度に向けての予算関係の問題を取り
組まなければなりません。そういうようなところでもっていろいろと対応を図っていかなければ
ならないと考えております。
 先ほども答弁で申し上げましたけれども、歳入増の関係につきましては、やはり市税及び市税
以外の収納率の向上を図ったり、あるいはまた市有財産有効活用、未利用地、遊休地の整理、売
却等を行った形の中で歳入増を図るべくご答弁をさせていただいたところでございます。
 また、将来に向かっては、先般の同僚議員のご質問にもありましたように、いろいろと企業誘
致等にも熱心に取り組む形の中で何とかこれらの実現に向けて努力をしてまいりたいというふう
に思っております。
 なお、歳出の関係等については、やはり現下の状況をしっかりと把握して、そして必要なとこ
ろ、あるいはまた必要でないところを精査しながらきめ細やかな形の対応を図る必要があるので
はないかというふうに受けとめております。
◇21番(橋襄典君) それでは、まず人口のところを言わせていただきます。合併のときが
5万5,517なんです。それで、7月31日現在が5万3,661、1,856人減ったんで
す。そうすると、減少率が0.84%なんです。そうすると、これから毎年466人減る。そう
すると、6年後、合併10年後、もう5万なんです。それはどんどん加速をしていくというふう
に思います。それはどうかというと、先ほど来何回も言っている政策を打ち出さない限りそうい
うふうになっていきます。
 そこで、市長は、マニフェストの首長連合に加入したのが2005年2月5日、これに加盟し
ているんです。その年の6月に私は、マニフェストによって行政運営はどうですかと。まだ勉強
中ですという答弁だった。ですから、今の行政運営において、マニフェスト理念というのはどう
生かされていますか。なければないで結構ですけれども、お伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) このマニフェストの考え方もいろいろなとらまえ方があるようでござ
いまして、まずある識者に言わせると、今回の総選挙に当たってもマニフェストの閲覧をされた
のが全体の国民の5%ぐらいであったのではないかというようなご紹介もあるようでございます。
したがいまして、いろいろととらまえて見たときに、マニフェストの持っている歴史的な意義と
いうものは今次疑いもない事実であろうかと思いますけれども、さりとてそちらのところにだけ
言及するのもいかがかというふうな理論もこれまたあるようでございます。したがいまして、そ
れらのことについてはいろいろと検討あるいはまた見解の分かれるところもあるのではないかと
いうふうに受けとめているところでございます。
 私といたしますと、やはり時代の流れの中でそういったことが今の全体の行政運営あるいはま
たそういったところで必要なのだと思って勉強もさせていただいたつもりでございます。その後、
私どもも若干そういったところの研究を通例はしているわけでございますけれども、現在のとこ
ろそういったマニフェストそのものに対するところのとらまえ方、これらについての行政運営、
現在の時点でありますが、そういったことを整合させているという経過はないというふうに受け
とめております。
◇21番(橋襄典君) それでは、行財政改革をして、これは広報ぬまた6月号に本年度当初
予算の反映状況をお知らせしますというのが出ているんです。これは結果的にはどういうことか
というと、そのまま金が足りないからぼんと切りましたというだけなんです。ですから、こうこ
うこういうことの政策をもって行財政改革をしてやっていきますというのがこの中で幾らもない
んです。トータルで5億4,941万1,000円、これが効果があったと。私から見るとうそ
だ。
 例えば、うんと細かい、事業見直しの中で職員研修、グラフぬまた、市民カレンダー、公共事
業、職員自主研究、それから職員の提案、健康まつり、協議会運営とかそういうのが出ているん
です。ぼんぼんぼんぼん切っているだけでないですか。そこのところに市民がいなければだめな
んです。ですから、それをすることは決して悪いとは言わない。でも、それについての、きちっ
とこれをする前の説明責任がなければならないんです。ですから、去年の予算を組むときも、地
域ではどんどん切られてしまってしようがないと言うと、愚痴を言っている人が非常に多いんで
す。だから、一番最後になるけれども信頼関係というのが、そうか、そういう事情ではしようが
ないと。また金がないからしようがないと。ある職員も、来年度もこれもそのまま継続でいって
しまうのかなと、こういう形でぽっとあきらめが。これは苦肉の策で去年とことしの2カ年を5
%カットしただけだ。ですから、沼田の今事業をやっている中、新規事業についてもそう、この
ものについてどういう住民の目線に立って行財政改革を進めていくか。そして、それについては
きちっとどこまで理解してくれるかと、こういうことでなければ。ですから、私は、これは不満
だ。ですから、そういったことがイコール、そうか、これが努力目標だったなということであれ
ばオーケーします。不満です、私は。そういったことが見えない。どんどんどんどん切るだけな
んです。
 ですから、行革の問題についてもそう、具体論は10年間で職員を70人切りますという具体
的に出ているだけであとは何もない。同じものをずっと継続している。ところが、現実の行政運
営するのに動きがあれば納得します。それがなかなか見えない。ですから、その辺を総括してお
答えください。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のご指摘されたことについては、真摯に受けとめて今後の財政運
営に処してまいりたいと考えております。
◇21番(橋襄典君) そんな程度の答えきり出ないんです。
 それでは、一つ具体的なものとして提案いたします。これをしてくれるか、してくれないかは
結構ですから、した方が得だと思います。
 今植物性油の回収の問題、去年、要するに回収場所を公共的なところに設置しました。それで、
その回収も一部は弱者のところに行っています。それで、それ以外の多くはあそこの下之町のご
ったく広場へ行っているはずです。ところが、行政がやるんだから弱者に対してそこへ持ってい
っておいて、それで有効に生きるような形にするのが行政ではないんですか。私はそう思うんで
すけれども、それをやることによって循環型ではないけれどもそういったプラスが起きるわけ、
弱者のために。それで、環境にもいいということ。その点についていかがですか。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後2時58分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後3時05分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの植物性油の回収の関係から、これの有効活用についてのご
質問であったかと受けとめております。やはり実態に伴う形の中で対応が図られれば有効に生き
ていくかなと思っております。いずれにせよ、各関係機関との調整もございます。それらを踏ま
えた形の中で対応等検討してまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをし
たいと思います。
◇21番(橋襄典君) 担当はそれをわかっていますからぜひ、まずお金が入ります。ですか
ら、その辺の問題を前向きに検討してください、具体的に。
 それから、ペットボトル、今問題になっているスナックの袋だとかこういった分を今油に戻す
と、こういうのがあるんです。これが要するに都市の資源化というんですか、今沼田は恐らく4
00か500トンぐらいあります。これがこれからはお金を出して引き取ってもらえる形です。
要するに、それを沼田なら沼田、いろんなやり方があります。教育的な部分として子供たちも含
めながら、地域を含めながらこれをやる。それによって、灯油なりガソリンが戻ってきます。こ
れが鹿児島県の離島で3町一体になって国のプロジェクトで今始まっています。要するに、都市
の資源化ということで、その資料も担当のところに行っています。これは会社は茅ヶ崎にある会
社なんですけれども、そういった部分を油化することによってそれが入ってくるお金になるんで
す。今の状況からするといろんな景気のためによってそれが輸出ができなくなってしまった。国
内でみんないろんな形で処理しなければならないんですけれども、お金をかけてやっているんで
す。それが逆な方向になります。そういったものをぜひ検討していただきたいんですけれども、
それについて後で担当者には、こういった形で廃プラスチック油化装置というのがあるんです。
これは家庭でもできるし、自治体でもできますし、そういった部分がありますから、その点につ
いていかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 循環型の社会をつくるための一つの手だてであるというふうに受けと
めさせていただきました。これらについても対応方を検討させていただきたいと存じます。
◇21番(橋襄典君) 広告収入だとかそういう部分はもう前々から言ったんだけれども、も
う遅いんです。これも必要ですけれども、今言ったような循環型社会の確立のためにこれもひと
つ研究してみてください。
 それから、生ごみなんですけれども、実は私、ちょうど1カ月弱になりますけれども、家庭で
出た生ごみ、わかりやすく言うと扇風機、風によってこれを乾燥してしまうんです。そうすると、
これは紙なんですけれども、生ごみが紙と同じくなってしまう。それから、うちの家庭から実際
の生ごみと称するものは出ていません。それを焼却炉で市民の分別によって水切りをして、それ
でその中の燃えている炉からの熱風を持ってきてそこからコンベアで挿入することによって乾燥
されます。そうすると、今生ごみは14%ぐらいあります。そうすると、金額的に言うとおおよ
そ8,000万ぐらい削除されます。ですから、そういったことを、要するにさっきの市長の同
僚議員の答弁にも創造、知恵、そういったことによって経費カットにする。そうすると、1カ月
回さなくてならないものが半月ぐらいで済むかもしれない。そうすると、そういった余った人た
ちをまたほかへ行って違った仕事をしてもらうとか、物すごい問題が出てきます。これも昔から
提案してきたんですけれどもなかなか受けない。だから、聞く耳を持たないというのはそこにも
あるんです。ぜひその辺についていかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 前の二つの関係については、非常に私も今受けとめさせていただく形
の中で私自身のイメージもほうふつできるのでありますが、この生ごみの関係は大変デリケート
なところがありますので発言にはどうしても慎重にならざるを得ないのでありますが、ご指摘さ
れている関係等について、これもまた可能であればそういった方向に向かっていくということも
やぶさかではございません。
◇21番(橋襄典君) 研究してください。
 去年、少子化の問題で質問させていただきました。今回、日経ビジネスから7月30日付で新
しい本が出たんです。その中に、冒頭出ているのが、長野県の下條村、これが出生率が2.04
なんです。これも20年もかかって積み上げてきたんです。それで、この下條村のある村長さん
は、そのテーマを「人がふえる町 村民倍増計画」というのを実施したんです。それで、そこで
一番のネックは何かというと、職員の意識改革イコール民間企業的な発想でやるのに時間がかか
った。それをやったことによって、今言ったような、まずは金を生み出して、その生み出した金
で少子化対策に投入していく。ですから、さっきの生ごみもそうなんですけれども、その浮いた
金を市民に返すか、それとも市民要望に返していくかと。そうすると、市民は行政に対して信頼
関係がぐんと増すんです。ああそうか、我々の税金使っているんだけれどもこうやって省力化し
て、それでこういうことに転嫁していくんだ。だから、これを見える行政運営をしていかなけれ
ばならないというのがここなんです。ですから、これは7月30日と言いましたけれども31日
に出た本です。これはすばらしい事例が出ていますから、ぜひ読んでみてください。時間があれ
ば篤と説明しますけれども、そういった関係を十分承知して、住民主体の行政運営をしてくださ
い。いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 日経ビジネスの本のご紹介でございました。購入して勉強させていた
だきたいと存じます。
 なお、そういったいろいろな事例を披瀝をされました。しっかりと受けとめさせていただきた
いと存じます。
◇21番(橋襄典君) それから、先ほどから同僚議員の中で観光行政の問題が出ていました。
2006年、平成17年、観光立国推進法ができまして、その基本計画、観光庁ができました。
その中で、2007年、旅行費用が23.5兆円出ているんです。それを今国としても行政と民
間と、市民もそうですが、住民も巻き込みながら産業としてとらえてやったらどうなんだと。今
沼田でも商工観光課とあるけれども、本当にそういう形でとらえておりますか。たくさんありま
す。望郷ラインの中で使った、あそこへ車が通らないとか、通らないのは当たり前です。入り口
もわからない。それによって、求める四季感を生かしてそれを利益を上げていく。要するに活力
源になっていくような形をとっていかなければならない。これが本当にそうです。それで、これ
を一応は観光は一大の産業だということで、目標は30兆円だということです。今この沼田にお
いても、しかし合併なって利根の観光というのが入ってきた。それも含めながら産業としてとら
えてみてください。物すごい問題出てくるはずです。それが一つです。
 それともう一つ、もう古い話なんですけれども、昭和43年7月24日に奥利根林道というの
が完成して、市長もご存じかと思うので、坤六峠というのができました。あれは戸倉湯ノ小屋開
通のときに、その当時の神田坤六さんが知事で、それの名前をつけて坤六峠とつけた。だけれど
も、だれがしたんですか。地元の沼田の先駆者がやったんです。それによって、今四季、春も夏
も秋も含めて、あそこを道路が物すごい状況でお客さんが入っています。奥入瀬渓谷と同じよう
な状況が見えます。ただ一つ、道路幅が狭くなってしまって、もう40年もたっているんです。
43年もたって。ですから、この望郷ラインもそうなんです。それを生かさないからそこに問題
があるのではないですか。今度の適正計画の中の理由に望郷ライン、とんでもない話でしょう。
長期計画を持って計画行政がそれをやっているわけでしょう。それを理由にするなんてとんでも
ない話です。それで、そのときは私は市長でなかったとか、それを見直ししようと思ったけれど
も住民要望にこたえたんだと。こたえたらこたえたような形の行財政改革をして、それで住民主
体の行政運営したらどうですか。ここにあるんです。
 例えば、迦葉山もそうです。昔は宗教の山だと言ったけれども今は観光の山です。その当時、
あれの林道を切ったということで、本当に迦葉山から怒られたことがあるんです。ところが、そ
の先を見越して車が行って、玉原もそうでしょう。県道昇格もそう。それによって、その地域へ
の波及、要するに観光というのは産業としてのあれは立脚されてないですか。だから、そういう
ことをしていかなければ。それで、望郷ラインを通じながら、その延長線は利根のネットワーク
化をと言っているんでしょう。その具体的なものがありますか、どうですか。もしあったら答弁
してください。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、望郷ラインは月夜野から昭和村までというこういう
構造になっておりまして、一応私の認識では、やはり心配しているのが白沢の岩室から輪組、輪
久原を経由した形の中で昭和村に向かってのアクセスが、私とすれば今一番心配をしているとこ
ろでございます。これらがしっかりと開通されればまた違った展開にもなってくるのではないか
というふうに思っております。そういったところをとらまえながら、また現在のこの望郷ライン
の特性を踏まえて、活性化のための対策を図っていかなければならないと考えております。
◇21番(橋襄典君) そんな程度の答弁なんですよね。私は、先ほど私自身の、市長の名誉
にかけて言ったけれども、いいんです、そんなのは。沼田市内だったら市民の名誉にかけて泥ま
みれになって頑張ってください。一生懸命やっていると言うんだから。
 それと、さっきの産業化ということについての答弁もないんですけれども、今心配しているの
が、今年度の予算を見ても、過疎地域の自立促進についての、これは今年度でおしまいになって
しまうんです。これがなくなったら物すごい、普通建設何にもなくなってしまいます。この辺に
ついての働き、全国市長会からもこれ出しています。知っています。1月と7月30日に、これ
は議会で出しているんですか。でも、この辺について物すごい努力しないと、それはどういうこ
とかというと、一番心配しているこの総選挙の結果によって、これがこのままいってしまう可能
性が強いんです。それはイコール、八ッ場ダムもそうです。現実論、もっと具体的にいろいろな
問題があると思うんです、反対、賛成の。それでも、この過疎の問題、これは大変な状況になり
ます。沼田は何もなくなってしまいます、今の財政状況の中からすれば。今は端的に借金を減ら
しているのは事業を減らしているから減っているだけなんです。ですから、適正計画をしたとき
の、沼田市は実質赤字ですよと、こういうふうに言っているわけです、市長自身が。それについ
て、もっとメスを入れて、議会に理解を求めて、市民に理解を求めて、やはり抜本的に考えてい
かないと大変な状況になります。
 今、盛んにまた夕張の話が出ています。同僚議員も言いました。議会にも責任がある。議会に
責任ありますよ。だから、そのときにはそれぞれの立場の中で意見をして、こうあるべきだとい
うふうないい意味の妥協を持ってやはりやっていくべきだ。この過疎指定の問題についてお答え
ください。
◇市長(星野已喜雄君) 私どものような、いつも言っている中山間地域で、しかも少子高齢社
会が進んで年々歳々人口減のところであるとする立場からいたしますと、本事業等はやはり大変
重要な要素を持っております。したがいまして、できるだけこれがどういうふうな展開になるの
かということについては、しっかりと注視をして、そして私どももできる対応は図ってまいりた
いというふうに思っております。
◇21番(橋襄典君) もう終わりになりますので、これが最新版なんですが、前にも申し上
げましたように、平成18年度の1人当たりの所得の関係です。沼田が272万8,000円、
県平均が329万9,000円、これを上げるために商工農官、それに対する政策をもって上げ
る考え方を持っている。先ほども出た耕作放棄地の問題なんかも、ヤギを使ったり、牛を使った
り、そういったものがいることによってクマが出てこなかった、イノシシが出てこなかった、こ
ういういい結果もあるんです。だから、やり方によって、ですからそういったことについて具体
的にどういうふうに動いているか。農政のことは申し上げなかったですけれども、だけれども今
の林道によって観光を、いわゆる農業も産業という取り扱いすると物すごく所得上がってくるは
ずです。ですから、そういう目線を考えながらやっていくと。
 それから、先ほど落としたんですけれども、行政の事業仕分けについて、これによって最低限
20%ぐらい経費カットになりますから、これも少しよく研究してみてください。
 最後に、余り言いたくないんです。公共のリーダーシップの要諦はということで、市長が7年
の間にいろいろなことを言いました。すばらしいこと。ただ、言ったら言いっ放しでなくて、そ
の言ったことについて責任を持つこと。だから、その責任がいかにありますかと。いい話が不偏
不党という、これはもう中身は十分承知だと思うんですけれども、こういった精神でやるという
こと。それでは、今の市長が置かれた立場で、これについてどうでしょうか。
 それから、市長の弔辞について、私も指摘をしたけれども、指摘した後もこういうことやって
いる。どういうんですかと。それで、この適正化計画、先ほどの質問の中で申し上げましたよう
に、市長は前にもむっとしたことあると思うんです。他責なんです。やはりそうでなくて、沼田
市の一番のドンは市長なんだから、市長が責任持たないと職員は萎縮してなかなか難しい。
 それから、もう一つ、利南の公民館で行政運営のイロハのイがない。これも一般質問でやりま
したけれども、これはチェックしているということで、こんなこと言う市長いませんよ。それで、
これもふれあい広場の中でも発言すると責任が生じるから言わないとか、非常にパフォーマンス
が大き過ぎる。でも、現実にあってどうしたらいいかということをよく精査して頑張っていかな
いと大変な状況になってしまいます。ちょっと言いづらいことも私も遠慮しながら言ったんです
けれども、それについてお答えください。
◇市長(星野已喜雄君) それぞれのご意見あるいはまた私に対するいろいろなご提言もあった
ようでございますが、それぞれ状況を把握して今後の対応に処してまいりたいというふうに思っ
ております。
◇21番(橋襄典君) 最後になります。
 まずは、行財政改革を進めること。市民にとって何をしたではなくて、何のためにするか、し
たかでないと、この血税の使途の効果は上がっていきません。それについて最後ご答弁をお願い
したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) きょう冒頭の質問要旨にお答えしたとおり、一生懸命今後も努力をし
てまいりたいというふうに思っております。
◇議長(布施辰二郎君) 以上で、一般質問を終了いたします。
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    第2 散  会
◇議長(布施辰二郎君) 以上で本日の日程はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
 次の会議は明15日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後3時24分散会
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