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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成21年第9回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号

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平成21年第9回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号
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議事日程 第2号
平成21年12月 3日(木曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ―――――――――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
       ―――――――――――――――――――――――――――――
出席議員(25人)
       1番  真下 恭嗣君      2番  田村喜久子君
       3番  坂庭 直治君      4番  石井 紘一君
       5番  鈴木 圭子君      6番  金子 一弥君
       7番  小野 要二君      8番  井上 正文君
       9番  高柳 勝巳君     10番  布施辰二郎君
      11番  片野 彦一君     12番  宇敷 和也君
      13番  相田 昌夫君     14番  久保 健二君
      15番  星野  稔君     16番  大島 崇行君
      17番  山ア 義朗君     18番  大竹 政雄君
      19番  井之川博幸君     20番  大東 宣之君
      21番  橋 襄典君     22番  石田 宇平君
      23番  星川嘉一郎君     24番  牧野 保好君
      27番  金井 康夫君
欠席議員(2人)
      25番  星野佐善太君     26番  井田 孝一君
       ―――――――――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
  市  長      星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
  白沢町振興局長   根岸 恒雄君   利根町振興局長    郷原 重雄君
  総務部長      大嶋 政美君   民生部長       田村 澄夫君
  経済部長      小池 一夫君   建設部長       須藤 一夫君
  街なか対策部長   松井完一郎君   白沢町振興局次長   入澤 完司君
  利根町振興局次長  山口 芳久君   総務課長       栃原 豊彦君
  会計管理者兼会計局長村沢 博行君   教 育 長       津久井 勲君
  教育部長      町田 哲男君   庶務課長       金子  朗君
  監査委員事務局長  水田  修君
       ―――――――――――――――――――――――――――――
議会事務局出席者
  事務局長      小林有一郎    次長兼庶務係長    繻エ 正美
  議事係長      加藤 英臣    副 主 幹       地野 裕一
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    午前10時開議
◇議長(布施辰二郎君) これより本日の会議を開きます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第1 一般質問
◇議長(布施辰二郎君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、金井康夫議員。27番。
〔27番 金井康夫君登壇〕
◇27番(金井康夫君) おはようございます。
 通告に基づきまして、一般質問を行いたいと思います。
 12月に入ったわけでございますが、今日は大変寒い中、傍聴にお越しいただきまして、ま
ことにありがとうございます。
 それでは、早速でございますが、一般質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に、八ッ場ダム建設について。こちらにつきましては、現在、皮肉にも日本で一番
有名なダムとなったわけでございますが、市長の、この建設についてのご見解をお聞かせいた
だきたいと思います。
 次に、2点目といたしまして、全国育樹祭について。こちらにつきましては、いよいよ来年
に迫ったわけでございますが、こちらの開催目的、内容、規模、スケジュールについて、今後
の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 3点目といたしまして、振興局制度についてお伺いいたします。こちらにつきましては、合
併5年を迎えたわけでございますが、この振興局制度の意義についてお聞かせいただきたいと
思います。
 4点目といたしましては、椎坂トンネルについて。先般、これは新聞報道もされたわけでご
ざいますが、いよいよ、念願の着工となったわけでございます。沼田市にとって、どのような
事業効果を想定しているのか、こちらについてもお聞かせいただきたいと思います。
 5点目といたしまして、市営住宅確保について。こちらについては、現在、大変景気が低迷
しているわけでございますが、市営住宅の入居希望が多い中で、市営住宅の入居状況と、情勢
によっては雇用促進住宅があるわけでございますがこちらの購入を検討すべきだと思いますが、
市長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。
 6点目といたしまして、B級グルメ開催について。こちらもテレビで大変有名となっている
わけでございますが、地域おこしのきっかけづくりとして、開催について、市長のご見解をお
聞かせいただきたいと思います。
 最後に、7点目といたしまして、貯蓄銀行について。旧貯蓄銀行の移転はせず、文化財保護
の立場からもその場での復旧をすべきだと思いますが、市長、並びに教育長のご見解をお聞か
せいただきたいと思います。
 以上7点でございますが、ご答弁をよろしくお願い申し上げ、最初の質問といたしたいと思
います。よろしくお願いします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、沼田市政について、八ッ場ダム建設について、市長の見解はについてでありますが、
八ッ場ダムは利根川の主要な支流である吾妻川中流部、長野原町川原湯地先に国が建設してい
た治水、利水、発電、流量維持を目的とする多目的ダムであり、平成27年度の完成予定で、
完成をすれば神奈川県を除く関東1都5県の水がめとしてのダムになる予定でありましたが、
ご案内のとおり、今年8月の衆議院議員総選挙後、前原国土交通大臣が9月17日の就任直後
に建設中止を表明したところであります。
 これに対し、関東1キ5県知事は一斉に異を唱え、ダム湖岸での生活再建を目指していた地
元住民の多くも中止反対の立場をとっていると認識をしております。
 半世紀にわたって進めてきた施策を政権交代によって転換する象徴となっており、地元住民
や関係市町村、共同事業者の1都5県の意見を聞くことなく、国が一方的に約束をほごにする
ことは憂慮すべきことであり、今後の動向を注視していきたいと考えております。
 次に、全国育樹祭について、開催目的、内容、規模、スケジュールについて今後の取り組み
はでありますが、第34回全国育樹祭につきましては、社団法人国土緑化推進機構と群馬県の
共催により「樹の息吹 育ててつなぐ 地球の未来」をテーマに、国民各層の参加による国土
緑化運動の一環として、活力ある緑の造成機運を高め次世代にわたる連帯性を深めることを目
的に、全国植樹祭を開催したことのある都道府県において開催される行事であります。
 内容につきましては、「親が植え、子どもたちが育て、利用し、また植える」という森林持
続性理念のもと、全国植樹祭において天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木を、皇族殿下がお
手入れされるという育樹運動のシンボル的行事と皇族殿下によるお言葉、各種表彰等の式典の
ほか、参加者の育樹活動等の行事を県立森林公園「21世紀の森」にて行うものであります。
 規模につきましては、関係省庁からの参加者や県内外参加者及び各種団体等のアトラクショ
ン出演者や緑の少年団及びボランティア団体等の協力者など総勢6,000人が予定されてお
ります。
 スケジュールにつきましては、平成22年秋の開催予定でありますが、正式な開催期日につ
きましては、平成22年1月ごろに決定される予定となっております。
 今後の取り組みにつきましては、近く設立を予定しております第34回全国育樹祭沼田市実
行委員会において、広くご意見をいただきながらこの育樹祭を推進してまいりたいと考えてお
ります。
 次に、振興局制度について、振興局制度の意義について問うについてでありますが、議員ご
案内のとおり、市町村の合併の特例に関する法律の規定に基づき、合併前の白沢村及び利根村
の区域ごとに、当該区域を対象とする地域自治区を合併協議により設置したものであり、振興
局は、その地域自治区の事務所として合併前の各庁舎に設置をしたものであります。
 地域自治区は、住民の視点に立った行政サービスの向上を図るとともに、個性豊かな地域づ
くりの発展を支援することを目的としたものであり、振興局は、地域協議会の意見を伺いなが
ら、個性豊かな地域づくりのための地域自治振興業務を行うとともに、住民生活に直結した各
種窓口業務なども行っているものであります。
 合併後、4年9か月を経過した現時点におきましては、新市の一体感の醸成を図りつつ、地
域の個性を生かしたまちづくりが進められており、振興局の役割は大きなものであると考えて
おります。
 次に、椎坂トンネルについて、沼田市にとってどのような事業効果を想定しているのかにつ
いてでありますが、一般国道120号線は、沼田市から片品・尾瀬・日光方面を結ぶ観光ルー
トであるとともに、地域住民にとっても重要な生活道路であり、経済、観光、文化、地域医療
等あらゆる社会活動における動脈としての役割を担っております。
 しかしながら、白沢町と利根町の境に位置する椎坂峠は、山道特有の急勾配や急カーブが連
続し、特に冬期間においては、積雪や路面凍結により交通渋滞や交通事故がたびたび発生する
交通の難所であり、連続降雨量が120ミリ以上になると、事前通行規制や全面通行どめが行
われるなど、災害時の緊急輸送道路としての使命が懸念されており、早期のトンネル化が望ま
れていました。
 この椎坂トンネル工事については、椎坂2号トンネルの着工式・安全祈願祭が去る11月1
0日に白沢町生枝地区側の抗口でとり行われ、生枝地区側と利根町園原地区側の両側から工事
が着手されます。なお、椎坂トンネル事業の完成については、トンネル前後の道路整備を含め
平成26年度の供用開始を目指しているところであります。
 椎坂バイパスが整備されますと、積雪時には所要時間約25分が7分程度に短縮されるなど、
本地域にとって交通の利便性と積雪や豪雨に対する安全性の向上に大きく寄与するとともに、
合併による新市の一体化や生活交流圏の拡大による地域の活性化が図られ、沼田インターチェ
ンジから尾瀬方面やスキー場、地元老神温泉へのアクセス改善による観光客の誘致拡大効果に
加え、片品村や利根町の緊急医療体制の強化や防災ネットワークの強化が図られるなど、沼田
市及び地域にとってはかり知れない効果があると考えております。
 次に、市営住宅確保について、市営住宅の入居状況と情勢によっては雇用促進住宅の購入を
検討すべきだと思うが市長の見解はについてでありますが、現在、市では23団地、416戸
の市営住宅を管理しています。入居率については、照会中及び修繕中の住戸を除くとほぼ満室
の状況です。待機者については、現時点で83人となっています。
 横塚町にある雇用促進住宅については、昭和52年運営開始で2棟80戸が存在しますが、
平成13年12月に「特殊法人等整理合理化計画」が閣議決定されたことにより、「独立行政
法人 雇用・能力開発機構」理事長から平成17年7月、平成20年2月の二度にわたり購入
のお願いがありましたが、当該建物は、バリアフリー等になっておらず、現在の公営住宅基準
を満たしていない状況にあります。また、建設から30年以上が経過しており、今後、多額の
修繕費及び改修費が想定されますことから、辞退した経過がございますので、ご理解をいただ
きたいと思います。
 市といたしましては、市営住宅の戸数増につきましては、老朽化した市営住宅の建てかえを
進めたいと考えております。
 次に、B級グルメ開催について、地域おこしのきっかけづくりとしての開催についてであり
ますが、「B級ご当地グルメ」で地域おこしをしようとする動きが日本全国で見られ、「B−
1グランプリ」が最も大きな祭典として知られているところであり、ご当地グルメを推進する
団体・グループが手を組んでより有名なご当地グルメへの挑戦をしていこうという趣旨のもと、
全国規模で開催されております。
 近隣では、埼玉県行田市におきまして、「フライ」系で二つのB級グルメが存在しているこ
とから、まちおこしの一環として、県内外のご当地グルメを集めた「行田市B級グルメ大会」
が開催されており、本市からも「焼まんじゅう」が出店しております。
 本市のB級グルメとしては、沼田市観光協会及び青年部が発案し、PRしている「沼田名物
だんご汁」、また、「焼まんじゅう」「みそパン」などが考えられますが、「焼まんじゅう」
につきましては、沼田市産業展示即売会のイベントの一環として、県内の有名店を招待して
「焼まんじゅうサミット」を開催し、本市が「焼まんじゅう」の発祥の地であることをPRす
るとともに、「焼まんじゅう」の知名度アップに努めているところであります。
 地域おこしのきっかけづくりといたしましては、言うまでもなく、地元の方々に愛され、支
持されるような魅力の創出が不可欠な要素でありますので、「だんご汁」「焼まんじゅう」
「みそパン」などのさらなるPRを図るとともに、地域資源としての隠れたB級グルメの発掘
に努め、商工会議所、観光協会等の関係機関と連携しながら研究していきたいと考えておりま
す。
 次に、貯蓄銀行について、旧貯蓄銀行の移転はせず、文化財保護の立場からも、その場での
復旧をすべきだと思うが見解について問うについてでありますが、旧沼田貯蓄銀行は、昭和5
9年7月に県の重要文化財に指定された沼田市に残る唯一の本格的洋風建造物であります。建
物は、明治、大正、昭和と時代の変遷を経てきたものであり、利根沼田の金融史を物語る貴重
な文化財でありますが、かねてより老朽化が激しく早急な対策が課題となっているところであ
ります。
 市といたしましては、旧沼田貯蓄銀行は県指定重要文化財であることから、県指定文化財補
助金の活用はもちろんでありますが、現段階では、中心市街地土地区画整理事業に取り込むこ
とにより、まちづくり交付金の活用ができ、さらなる負担の軽減が図られるなど、総合的に判
断し、できるだけ早い時期に解体移築を行い、街の活性化に向けて努力してまいりたいと考え
ておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、貯蓄銀行に
ついての詳細につきましては、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げま
す。
◇議長(布施辰二郎君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 沼田市政について、貯蓄銀行について、旧貯蓄銀行の移転はせず、文化財保護の立場からも、
その場での復旧をすべきだと思うが見解について問うでありますが、基本的には、文化財を保
護する上で、現在地での修復が最も理想的であると考えています。過去においては、そういう
視点から、旧沼田貯蓄銀行の保存整備計画策定について検討してきた経過もあります。しかし
ながら、その検討経過の中で、現在地は敷地面積が狭い上に、土地の所有者は沼田市及び利根
郡の各町村となっていること、中心市街地土地区画整理事業地内に移転復元することでまちづ
くり交付金補助対象事業になること、また、生方記念文庫と隣接して再建し、一体的に管理す
ることで相乗効果が期待でき、中心市街地の活性化にも好影響が期待できることなどのメリッ
トがあることから、現在地での修復よりも土地区画整理事業地内への移転が現状では最もよい
方法と考えています。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇27番(金井康夫君) ありがとうございました。今回、市長並びに教育長、大変丁寧に答
弁いただきました。丁寧に再質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し
上げます。
 まず、1点目の八ッ場ダムについてでございますが、先ほどの市長の第1回目の答弁ですと、
それぞれ民主党政権になった中で今後の動向を注視してまいりたいというようなご答弁であり
ましたが、市長自身、今回の八ッ場ダム建設について動向を注視するのは結構なんですが、建
設することに対して賛成ですか、あるいはこの建設することに対して反対ですか、それとも今
後、まだ様子を見ていった方がいい、この三つの選択肢があったとしたら、市長自身、どのよ
うにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 既に9月25日付の上毛新聞の記事に、群馬県のすべての市町村長
に、当時、上毛新聞がアンケートをとっております。その内容は、「民主党政権への期待」、
「八ッ場ダム事業の中止」、「暫定税率の廃止」、「高速道路の無料化」、「本年度補正予算
の見直し」という大きく5点でございました。
 「八ッ場ダム事業の中止」については、私は「反対」の立場でアンケートを書かせていただ
いております。今、現実に手に持っておりますが、「どちらとも言えない」と答えたのが前橋
市と太田市とみどり市と神流町と玉村町でしょうか、あとの自治体は一応八ッ場ダムの中止に
ついては「反対」という立場をとられたようでございます。私ども、既に報道機関である上毛
新聞の方のアンケートで答えておりますので、そういう立場でございます。
◇27番(金井康夫君) 市長、ご答弁いただいたんですが、私も9月25日の原本、きょう
持ってきたんです。やっぱり市長も議員経験が長いからそういう質問が来るかなと思って調べ
たんだと思いますが、さっきの1回目のご答弁ですと、今後の動向を注視していくというよう
なことで言ったに関して、9月25日の段階では建設中止は反対だという考えということでと
らえさせていただきたいと思います。
 特に私が何でこの八ッ場ダムについて今回一般質問で一番最初の項目に挙げたのかといいま
すと、事あるごとに市長は、群馬県のおよそ28%を占めるこの利根沼田広域圏は、神奈川県
も踏まえて1都6県の水がめなんだと。東京都民1,200万人の飲料水の65%はこの利根
沼田の水源で賄っているんだというようなことをあいさつの中でされるわけでございますが、
この群馬県の同じ水源圏の広域圏の理事長として、今回の八ッ場ダム建設について注視だとい
うようなお考えでございますが、私自身は1回目の答弁の今後の動向を注視しながらやってい
くという方がいいんじゃないかなというような気がするわけなんです。
 といいますのは、実は八ッ場ダムについて歴史を調べてみました。これをひもといてみます
と、昭和22年にカスリーン台風が来て、これは東京都民、下流域の人たちに甚大な被害が及
んだわけです。先ほどの市長のご答弁でもあったわけでございますが、まずはこの八ッ場ダム
は治水のために行おうというようなことで計画されたわけでございます。
 それで、実はそれと同時に昭和27年、これは吉田 茂内閣のときなんですが、当時は戸倉
ダムという名前であったわけでございますが、沼田ダム建設計画、これが閣議決定をされてい
るんです。沼田ダム建設計画はなぜ閣議決定されたのかというと、これも沼田ダム建設計画も
カスリーン台風に対しての治水のためのダムということで、当時、吉田内閣のもとで閣議決定
されているんです。
 そのときの内容が実は3案ありました。これがA案、B案、C案というのがあったんですが、
この当時のA案というのが岩本ダム、沼田ダムだけで何とかしましょうということなんです。
当時の沼田ダムというのは貯水量はどのくらいなのかというと、8億トンなんです。八ッ場ダ
ムがどのくらいなのかというと、7,300万トンなんです。だから、大体八ッ場ダムに比べ
ると、この沼田ダムができれば11倍の計画を当時していたんです。この沼田ダムだけの計画
はA案なんです。B案として、藤原、相俣、薗原、ここで八ッ場、坂原の五つのダムで洪水調
整を行うB案が一つあったんです。そして、C案というのが、それプラス沼田ダムを踏まえた
六つのダムすべてで調整していこうということで、当時の吉田内閣のとき、調整したんですが、
最終的にはC案で調整していくこととなりました。六つのダムすべてでこのカスリーン台風級
の台風が来ても、何とか治水のためにダムをつくろうということで調整したんです。
 その後、調整していく中で、昭和22年から当時の経済状況を見ると、戦後、例えば東京都
にすると一極集中で爆発的に人口がふえたんです。人口がふえたと同時に経済発展しましたの
で工業用水が足りなくなったんです。工業用水が足りなくなることプラス人口がふえたから今
度は飲料水も足りなくなったんです。このとき、また本格的に上がったのが、やはり沼田ダム
を建設しなければ今後の経済発展はないと。これは国の戦略として沼田ダム構想が具体的に上
がってきたんです。
 このときの関係ですが、これもいろいろ自分の方で歴史を調べさせてもらったところ、沼田
市史に書いてあったんですが、岩本ダム計画が公になったのが1953年なんです。これが昭
和にすると昭和28年なんですね。昭和28年付の毎日新聞が沼田に大ダム建設を報道してか
らであり、沼田地域の住民はこの記事を読んで初めてダム建設がわかったということなんです
ね。これを受けて当時の沼田の市民たちは大反対を起こしたんです。このとき、住民3,00
0人が沼田公園に集まって、それこそめいめいに鉢巻きやむしろ旗を携えてデモ行進したそう
なんです。
 私がこれで何を言いたいかというと、1都6県に対して水がめだということでそれぞれ市長
が言われている中で、この沼田市が水没しなかったかわりに八ッ場の人たちが60年間、苦し
んできたんです。ですから、八ッ場の苦しみのおかげでこの沼田市は水没しなかったんですよ。
地図で思い浮かべてもらえばわかると思うんですが、当時の国の戦略とすれば、沼田ダムは本
気でやろうと思っていたんです。高速道路はありますが高速道路は昭和村を通っているわけな
んです、高台をずっと通っているわけなんですね。新幹線も高山村を通っているんです。です
から、当時の国家戦略として、よく沼田駅に何で新幹線がとまらないんだというようなことを
言いますが、沼田ダム構想があったから月夜野に行ったんです。ですから、当初から沼田ダム
は国は本気で考えていたんです。ですから、そのために今の八ッ場の方々が本当に苦しんでい
る、こういうような歴史を踏まえて市長自身、どのようにお考えになっているのかお聞かせい
ただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、報道機関は公器でありますから報道機関の方々に
申し上げたことは、これは何といっても覆すということにはなりません。したがいまして、質
問事項の中で3点あったわけですね。八ッ場ダム中止に対して「賛成」か「反対」か、「どち
らとも言えない」かということでもっての問いかけでありましたので、「反対」という立場を
とったわけでございます。
 今回の答弁で今後の動向を注視していきたいというのは、ご案内のとおり、まず基本的には
八ッ場ダムそのものが私ども行政区域の範疇のところにないということは、これは客観的な事
実であります。しかし、きょう、金井議員の方から、いにしえのかつての沼田ダムの話題があ
ったころからのいろいろな歴史的な経過を踏まえたときに、私どもが八ッ場ダムのことについ
て全く関心を注がないのでいいのかということについては、私の立場からいたしますると、十
二分にそれは関心を持っているつもりでございます。
 と申しますのは、現在、利根川水系砂防期成同盟会というのがございまして、そのメンバー
に長野原町の町長も入っております。もちろん草津町の町長、あるいはまた嬬恋の村長も入っ
ている中で、よく当該地区の村長あるいは町長さんと一緒になりましてその苦労ということは
よく承っておりました。同時に、そういったカスリーン台風の問題であるとか、そういうこと
から実は埼玉県の方に大利根町というところがございますが、ここの堤防なども当時、破堤を
したようなこともあったりして、そういったところも現実に私ども、視察もしており、勉強も
しております。したがいまして、今後、そういった長野原町、あるいは吾妻区域、当然、これ
は群馬県の知事も常に矢面に立った対応をしているわけでございますが、私どももこれらをし
っかりととらまえた形の中で、先ほど申し上げましたように、今後の動向を注視しながら私ど
もがどういった立場でこれらに対応していくのかということについては真剣に考えていく必要
があろうかと思っております。
 ただ、ご案内のとおり、私も現実に現場に行ってまいりましたが、非常に今までご苦労され
てきた経過の中でようやくここまでこぎつけてきた国家の仕事が、ここに来てそういったこと
になったことによっての地域の方々の苦渋というのは、並大抵のものではないというふうに拝
察をしております。
 したがいまして、言われるとおり、今後の動向をしっかりと注視した形の中で遺憾なきよう
対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
◇27番(金井康夫君) 市長のお考えですと、八ッ場については行政範囲にないということ
で、特に具体的にコメントをする立場ではないみたいな感じなんですが、今後、長野原町長と
いろいろな機会にお会いになると思うわけでございますが、せっかくの機会でございますから
ぜひとも町長に会いましたらお話をいただきたいと思うんですが、市長、ご存じのとおり、草
津から流れてきた水があそこでせきとめられると。酸性pHはうんと高いんですね。実際、草
津では石灰水をまぜて中和しているわけなんですね。酸性の川というのは魚が1匹もいないで
す。ミジンコから何から1匹もいないんですが、その川の水をためてわざわざ八ッ場を建設し
なければならないと考えているのはなぜだと思いますか、市長自身。その酸性度が高い水をわ
ざわざためてダムとしてやる必要、飲料水として、治水から利水、利水という形で今、国が言
っているんですが、利水としての効果、活用というのはどのように考えているのか、市長自身
のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 現実に当該地区の行政区域の立場に私がいるわけでないので、定か
なことを申し上げることははばかれるところでございますが、やはり一つの事業を展開すると
きにそういったものがあるということは、やはりいろいろな意味で当該地区の流れている河川
が、かねてから、いわゆるざっくばらんに言うと栗原川のような、あるいは根利川のような純
粋培養された河川の流れであったかどうかということになると、ご案内のとおり、いろいろと
そこには草津に代表されるように、浅間に代表されるように、上流区域にいろいろと火山帯等
もあったりしての状況がそういうふうなことになっているのではないかというふうに思ってお
ります。
 したがいまして、それらについては各関係機関の動向を私どもはそれらを真摯に受けとめた
形の中で見守っていくということになろうかと思っております。
 なお、先ほど、余りそちらの方に関心がないというふうに受けとめたという言い回しがあっ
たかなと思っており、もし間違っていたら失礼でございますが、やはり常に長野原の町長とも
一緒になる機会がございますので、当然、そのご意見等は承った形の中で、私どもの立場の中
でできることはいろいろと努力はしていかなければいけないというふうに思っております。当
然、群馬県のご指導もいただいていくということになろうかと思います。
◇27番(金井康夫君) 先ほどの市長の答弁ですと、栗原川とか片品川の純粋培養の水の方
がいいというふうなご答弁なんですが、そのとおりなんです。ですから、そういうような水が
いいんだが、当時の沼田の住民が大反対したから八ッ場に行ったんです。
 八ッ場の長野原の町長とお会いするというようなことも言われていますので、長野原の町長
にぜひとも聞いてもらいたいんですが、行政の立場とすれば、ダムをつくりたいんです。行政
の立場としてダムをつくりたいのはなぜかというと、これは一つ参考として、実は私、議員に
なる前に民間にいました。群馬県の西毛が担当で、当時、上野村を担当しました。上野村で当
時、黒沢村長がいたんですが、黒沢村長から呼び出されまして、長野県側の南相木村に東電で
揚水式発電をつくるので飛行機を飛ばして測量してくれということでコンサルの委託をされま
した。それで、実際飛ばして、当時、黒沢村長に私も会っていろいろ聞いたんですが、今回、
この東電の話というのは、一番の考えというのは、上野村行政単位とすると莫大な固定資産税
が入るんです。また、電源立地交付金が入るんです。
 これはどういうことかというと、2005年に今、上野村のダムが供用開始になったんです
が、この揚水式発電で固定資産税だけで今、上野村、年間26億円入るんです。基準財政需要
額の上野村として1年間に使うお金は一般会計で19億円なんです。だから、全部使い切って
も7億円余っちゃうんです。それプラス、今度県とか電源立地交付金が25億円ぐらいあるん
です。ですから、今、これだけ財政が厳しい厳しいと言っている全国各自治体の中で上野村、
今不交付団体になったんです。
 私、民間にいたときは今から15年ぐらい前だったんですね。八ッ場も担当で行っていまし
た。旧建設省の方から言われて八ッ場の方もダム計画があるんだということで、ざっくばらん
に言いますと、行政の立場からすると、将来にわたって安定的な財源を得るためということが
一つのダム建設というのはあるんです。あと地元の企業とかいろいろなところもあるんですが、
これが一つの行政の立場としての本音があるんです。ですから、例えばそこに住む住民とすれ
ば、安定的な財源があれば、住民サービスに最終的に回ってくるんじゃないかというのが首長
の考え方なんです。
 ただ、今回の八ッ場のことに関しては、どうも長過ぎるんです。ですから、住民が60年間
も国に翻弄されて、ダムでも何でもいいが、この間の夜、テレビでやったんですが、何でもい
いから早く生活再建をやってくれということが川原湯温泉の人たちの本音なんです。ですから、
長野原の行政の立場もいいが、そこに住んでこの60年間、親子2代、3代にわたって大変苦
しんできた方々のことを考えれば、例えば4,600億円使って、3,200億円使ったから
もうすぐじゃないかという考えでなくて、この生活再建に重点的に生活保障するということが
大変重要なのかなというふうに思うわけでございますが、市長の考えをお聞かせいただきたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 繰り返し申し上げたいと思いますが、私どもが当該地区の行政体の
範疇に入っていないから、なかなかこれはご答弁をするのが非常に難しいところでございます
が、やはり現実に当該地区を行ってみて、そして移転地の用地等も整備されているようでござ
います。どうしても今までおられた方々も地元を離れて生活した人もいるようでございます。
そういうふうなことから考えると、やはり生活再建というのは重要なポイントであるというこ
とは論をまちません。そういうことについては大方の合意形成があるのではないかというふう
に私ども、各関係機関の情報等では受けとめているところでございまして、そういう意味では
ご苦労いただいた方々が何とか再出発ができるような状況をつくっていくということは、大変
賢明な手だてだと認識をしております。
◇27番(金井康夫君) どうも先ほどからのやりとりの中であれなんですが、私が言いたい
のは、冒頭言ったとおり、行政単位が違うのは当たり前なんです。ただ、沼田は全然関係ない
んじゃないですよというのを歴史を全部なぞってひもといて質問させていただいたわけなんで
す。だから、八ッ場がなぜこうなったのかということは、沼田市民が水没しないかわりになっ
たんですよ。そういう立場で時代の節目としてそのときの市長がどのようなお考えなんですか
ということを私は質問しているわけなんです。
 ですから、そちらはそちらの考えがあって私の立場としては言えないということであれば、
それはそれで結構なんですが、今後、長野原の町長に会ったら、国からすれば治水から利水に
いったんだと。じゃ、利水から次になんですかという時代になると思うんです。治水から利水
にいって利水から今度は、ある程度、経済も発展しましたので、今後は環境と地域の連携なん
ですよ。利水から環境へいって地域との連携なんです。地域と連携しながらまちづくりを進め
ると、こういうような時代が来ると思うんです。
 けさの新聞にも出ていたわけですが、民主党政権が環境を大変重要視しているんだというこ
となんですが、時代の今の流れからすれば、そういう時代なのかなというような気がしており
ます。特にこの沼田市も大変広範囲な環境、また自然に恵まれたところでありますから、ぜひ
とも吾妻、長野原の町長といろいろな部分で連携し合って、また沼田市民はなぜこうやって安
定して過ごせるのかということは、当時は沼田ダムだとすれば、この沼田市役所も水没する予
定だったんですよ。警察署だって水没する予定だったんです。ですから、ほとんど水没する予
定だったのが、今こうして生活できるのは、一つは八ッ場の方々のおかげなんだということを
ぜひともご理解いただきながら、今後、長野原町長にでもそういうことを踏まえていろいろな
お話をしていただければと思います。
 次に移らせていただきたいと思います。
 次に、全国育樹祭についてでございますが、こちらについては、先ほど、市長のご答弁で大
体内容についてはわかりました。特にこれは国土緑化推進機構と県が共催でやるんだというお
答えなんですが、沼田市は開催地として沼田市らしさをアピールするのはどのようにお考えに
なっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど、金井議員から環境の時代だというお話がございまして、私
も全く同感でございます。さらに、長野原の町長にもよくお話をしてほしいということについ
ては、私の方からそういった歴史を踏まえた形の中で、いろいろと経過をしっかり受けとめて
対応を図るべく処してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 沼田らしさということになりますと、これは幾つか出てまいりますが、既にテーマは沼田の
主婦の作品でございます。ポスターも沼田の現在の小学校2年生の作品でございます。そうい
った意味で基本的なところにはもう既に沼田市らしさというものが出ていると言ってもよろし
いのではないかと思っております。
 そういった形の中で今回、できるだけ緑の少年団、これは群馬県ご当局の実行委員会のとこ
ろが中心になりますので、私の立場からいたしますると、とにかく地元の緑の少年団、それと
当然、地元の物産の関係の紹介等が挙げられます。
 もう一つ、これは意外といろんな経過の中で進んできたのでありますが、根利にある林業機
械の展示の関係等については、まだこれは経過の域を出ていないので最終的には群馬県の実行
委員会の方で決定されてくると思われますが、私が受けとめている範囲では、これは可能性が
あるのではないかというふうに思っております。したがいまして、地元のそういった物産や将
来を担う若人、さらに伝統芸能等が表舞台に出られるような形を考えていかなければいけない
のではないかと思っております。
◇27番(金井康夫君) 先ほど、沼田らしさをどのようにという質問に対して、市長は緑の
少年団あるいは物産関係、また根利の林業機械等のお答えだったわけでございますが、特に根
利のボールドウィン、当時の列車があるんですが、この列車は全国育樹祭の会場に持っていっ
て走らせるという話もちょっと聞いたことがあるんですが、そちらについて何かつかんでいる
ところがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) あくまでも群馬県の知事を中心とする実行委員会がそういったこと
は最終判断していくので、何とも今、この時点では申し上げることができません。ただ、私の
地元の立場からいたしますと、非常にそのものが持っている歴史的な価値があることから、今、
議員がおっしゃっていたようなことについては、番度、群馬県の方にはお伝えをしてきた経過
がございます。ただ、走らせるとなると、当然、安全の問題等が出てまいりますので、そうい
ったところは群馬県ご当局はどのように判断をするのかということになろうかと思います。し
かし、一応展示の期待は大いに持てるのではないかというふうに受けとめているところでござ
います。
◇27番(金井康夫君) ボールドウィンの関係については、今後、知事を中心に実行委員会
の方で検討するんだというようなお答えですが、私は今回、これらの経過については非常に深
く地元の市長が加わらなければこういうような話は出ないと思うんですね。ですから、走らせ
るのはなかなか安全面で難しいが、あそこにボールドウィン持ってくるんだというような方向
で話が進んでいるんだと思います。
 そういうような中で私が思うのは、ぜひとも県の実行委員会でやるんですから、国土緑化推
進機構と群馬県の共催でやるんだから、それらの費用についてはぜひともこの2者で持っても
らいたいと思います。沼田市はご存じのとおり、大変厳しい財政状況でありますから、それら
の中で、これから平成22年度予算編成するわけですが、ぜひとも持っていくのは勝手なんで
すよ、持っていってもらって結構なんです。持っていってもらうのは群馬県と国土緑化推進機
構の方で持ってもらいたいと思うんですが、そちらについて市長のお考えをお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これらについては実行委員会といろいろやりとりをしていく中のこ
とになろうかと思います。そういった中で議員、根利の林業機械は持っていった方がいいので
はないかというお立場で質問されているのではないかと思いますが、そういった形で受けとめ
て答弁させていただきますが、ご案内のとおり、かつて旧利根村は林業の集積地でありまして、
当該地区が戦前、戦後と非常に実態もよかったと。しかし、時節柄、大変厳しい状況に追いや
られているときに一つの光明だなというふうに受けとめております。したがいまして、これら
についてはいろいろと私の立場からいたしますと、実行委員会の方にはしっかりとご進言をし
ていきたいというふうに思っております。当然、この本事業が国土緑化推進機構、群馬県当局
の事業になっております。そういったことから議員がおっしゃるようなことでもって私どもの
方も要請をしてまいりたいというふうに思っております。
◇27番(金井康夫君) ぜひともそういう方向で進めていっていただきたいと思います。
 私が心配しているのは、1回限りのイベントで終わったらもったいないなという視点で質問
させていただいているわけでございます。
 市長の1回目のご答弁のとおり、全国育樹祭の前に植樹祭というのがあって、本市沼田市に
おいては平成10年、ちょうど10年前に植樹祭があったわけなんですね。このとき、天皇陛
下にご来沼いただいたわけですが、当時、私も当局側の役員の方に質問したことがあるんです。
全国植樹祭という名のもとに木を切るのは、植樹祭の趣旨に反していませんかと質問したんで
す。そうしたら、当時の担当者が1本切ったら3本植えるんですよというふうに答えたんです。
1本切って3本植えるというのも、これもまた本末転倒なのかなという気がしたんですが、実
際10年たってこの21世紀の森がどうなったかというと、当時の植樹祭のときの計画は、市
長は当時、県会議員でその中枢にいたわけですね。県連の役員をやっていたんですから。当時、
平成10年にやって、あのときは21世紀の森に大々的に宿泊ができるキャンプ場までつくっ
て、川場に抜ける道路もつくって、あそこにそれこそさっきの列車を通すという計画だったん
ですよ。ですから、川場村の今の関村長と沼田市側もそういうことだったらいいですねと言っ
たら、10年たってどうかというと、大体1年に1回、音楽イベントをやるぐらいになったの
かなというような気がしているわけです。
 ですから、今回せっかく植樹祭をするんだから1回限りのものにするんではなくて、今後に
つながる、企業団体、先ほど6,000人参加するというお答えがあったわけですから、次世
代につなげられるようなイベントにしていただきたいと思うんですが、市長のお考えをお聞か
せいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員、先ほど、今回のやつは育樹祭であります。植樹祭は平成10
年でございます。たしかそういうふうに今、述べられたと思いますので誤解がないように申し
上げておきたいと思います。
 確かにおっしゃられるように、当時、平成10年の植樹祭のころにいろいろな絵がレイアウ
トされた形のものが新聞報道もされたということは私も記憶をしております。ただ、当時の群
馬県の責任ある立場の方が、今後に向かっていくときにそういった箱物や施設をつくるよりは、
常に柔軟に対応できるような方向というようなことで現在のような形になってきたという経過
があろうかと思います。
 したがいまして、これは群馬県ご当局のものでもあり、またそういったことになっておりま
すので、今回の関係について一過性で終わらせないための方向というんですか、そういうふう
なことについては、私も全くそれは同感でございます。
 そういった中で当然、沼田市は歴代の大先輩が地元の植樹祭等を行い、群馬県の方でも群馬
県の植樹祭を行い、そしてまた、それらを一過性に終わらせないためにもということで音楽祭
を行って平成10年5月10日の「聞こえますか森の声」という大きなテーマを継承してきた
という流れがあろうかと思います。
 今回は育樹祭になるわけでありまして、一般的には、つい先日、長崎では植樹祭以降13年
間、たしかかかっていたと思いますが、今回は10年間でこれらが誘導できたということは、
まずよかったなと私は受けとめております。
 そういった中で一過性に終わらせないためにということについては全く同感でございますの
で、今後とも各関係機関のご意思を承る形の中でそういったことを考えていかなければいけな
いと思います。
 これは先々のことになりますが、特にヨーロッパでは木材あるいは山を使った、そういう材
料を使ったスポーツ大会的なこともあるようでございまして、これらは一考なのかなというふ
うに思っております。今後、ヨーロッパの、特に北欧の方にそういったことを学んでみたいな
と受けとめているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 市長の方からご指摘いただいて、平成10年は植樹祭で来年は育樹
祭ということでご指摘いただきましたので、そちらについては訂正させていただきたいと思い
ます。
 また、今後、一過性にすべきでないという考えは同じだということでございますが、今後、
一つとしてはヨーロッパ、スポーツ大会も参考になるのかなというようなご答弁でありますが、
私の方も一つ提案をさせていただきたいと思います。
 実は先般、民生福祉常任委員会で視察に行ってまいりました。これは茨城県の国立環境研究
所、これは特に二酸化炭素の排出の関係で視察に行ったんですが、三枝さんという方がCO2
を専門に研究されている人なんですが、今後、この植樹祭の関係で私の方から質問させていた
だいたのが、例えばカーボンオフセット、よく新宿区とのことも言っているんですが、民主党
政権が90年度比、CO2を25%削減するんだというようなことを公の場で表明したわけで
すが、今後、このCO2のカーボンオフセットの新宿区との関係もそうなんですが、CO2を
大気から二酸化炭素を吸ってそれを蓄積して放出するわけなんですね。なるべく蓄積して放出
しないような森づくりをすれば、一番有効なんです、簡単に言うと差し引きなんです。入った
ものをなるべくCO2を出さないで蓄積して、土壌でも木でもいいんですが、やっぱりちょっ
とCO2は出るんですね。ですから、CO2がなるべく出ない仕組みをつくればいいんですが、
それだけの視点で考えると、この先生いわく、どういう木がいいのかというと、針葉樹が一番
いいそうなんです。何で針葉樹がいいのかというと、CO2の吸収というのは、光合成と同じ
で要は葉っぱがなければだめなんですね。針葉樹は1年通して葉っぱがあるから、その視点だ
けで考えるんだったら針葉樹の森をつくった方がいいですよというんです。そうでなくて、例
えば生態系まで踏まえた動植物、よく有害鳥獣と言われるんですが、ドングリとかブナの実ま
で考えるんであれば、広葉樹がいいんです。ただ、広葉樹はやっぱり葉が落ちますのでCO2
の吸収量からすると、針葉樹の方がいいそうなんです。最終的にはどういうことかというと、
その先生いわく、針広混合林、これを戦略的に考えた方がいいそうなんです。例えばそういう
広葉樹があって物を食べるような地域と、そのカーボンオフセットの地域をうまく考え戦略的
に考えたらどうですかというお答えをいただきました。全国育樹祭の枝打ち、間伐するのは、
このCO2吸収に関しては非常に密接に関係があるというようなこともお話をされておりまし
た。
 ですから、私が提案したいのは、これから平成22年度新年度予算編成を組む中で来年の育
樹祭にあわせてカーボンオフセットもいいですが、今後の「水と緑の大地 田園空間都市沼田」
という第五次総合計画のキャッチフレーズもいいんですが、戦略的にプロパー、専門家を入れ
てCO2のカーボンオフセット、来年、環境基本計画もつくりますので、踏まえて本当に研究
した方がいいです。研究するか検討するかでなくて、本当に研究してください。ぜひともやっ
ていただきたいと思います。そちらについて市長の考えをお聞かせをいただきたいと思います。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午前10時57分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時06分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) まずもって議員を初めといたしまして委員会のご視察に敬意を表し
たいと思います。まことにご苦労さまでございました。
 そういった中で、議員の方から針葉樹と広葉樹の混合のご示唆をいただきまして、大変示唆
に富んだご提案でございまして、しっかりと受けとめさせていただくつもりでございます。
 と申しますのは、かつて私が県会議員のときでありましたが、水上に物すごい集中豪雨があ
りまして、綱子付近にざらめのような土石が出てきたというのをよく承知をしております。も
ちろん、それから奥りにもそういったこともありました。実はそこの崩れてくるところの、い
わゆる山手の木材が針葉樹が多かったわけです。保水力に欠けるのではないかというのがやっ
ぱりあります。また、一方におきましては、広葉樹の関係は保水力があったり、あるいはまた
ご承知のとおり、生態系の小動物等々のエコロジーな世界からすると、やはり広葉樹が大きな
役割を果たしているという、これまた事実でございます。一方におきまして建築材等を見ると、
どうしても杉、ヒノキ等の縦にすらっとした方が非常に効果を発揮しているということがあっ
て、確かに一長一短、それぞれの持ち味があるということになろうかと思います。
 したがいまして、今言うように、針葉樹と広葉樹をうまく調整したというのか、うまくレイ
アウトができれば、大変いいことなのではないかというふうに思っております。したがいまし
て、今後、一生懸命、これらについては勉強をしてまいりたいというふうに思っております。
 なお、いろいろと人的なことについてのご質問もありましたが、ご案内のとおり、予算の関
係もありますので、ご提案を受けとめて、そしてそういったことがきちんと表舞台に出られる
ような状況を構築できるとすれば、これもしっかりと検討していかなければならないと思って
おります。
◇27番(金井康夫君) 今後の自然というか、森づくりというのは、環境と生態系に配慮し
たような総合的な森づくりをぜひとも研究していただきたいと思います。
 さっきのプロパーの関係もあったわけですが、人的なものを入れなくても、例えば基本計画
をどこかの会社に委託するということも可能ですから、そういうことも踏まえてぜひこれは前
向きにやっていただきたいと思います。
 続いて、振興局制度についてお聞かせいただきたいと思います。こちらについては、先般、
12月1日、私が提案者となりまして議員提案をさせていただきました。今回、合併5年が過
ぎて、このときも提案理由で述べさせていただいたわけですが、沼田市は現在、38市町村、
群馬県下38市町村の中で経常収支比率、この経常収支比率、家庭でいえばエンゲル係数みた
いなものなんですね。だから、何かがあって削らない係数が104%なんです。最悪の状況な
んです。ですから、今の沼田市の財政状況を見ていると、今後、本当に何かしら手を打たない
と大変なことになるのかなというような気がしております。そういうような中で今回、苦渋の
議員提案をさせていただいたわけでございます。今回の議員提案について提案理由の説明につ
いては本会議で述べましたので、市長の率直なご見解をまずお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、既に議会の手によって論議されるということで委員会付託に
なっているようでございますので、当然、議会の決定には執行部とすれば従っていかなければ
なりません。したがいまして、まず議会のいろいろな流れの結末をしっかりと受けとめた形の
中で対応を図っていくということがまず1点でございます。
 もう1点におきましては、確かに言われるとおり、5年間が今経過しようとしておりまして、
折り返し地点に入ってまいりました。したがいまして、この合併協議を進めてきた経過をしっ
かりと踏まえた形の中でこれらについていろいろな角度から検証を加えていかなければいけな
いと思っております。したがいまして、きょうのご答弁では、議会の結論がどういうところに
行くのかというところについて、しっかりとこれを見守り、しかもその結論にはきちんと従っ
ていかなければいけないと思っております。
 繰り返し申し上げたいと思いますが、執行部の立場からいたしますと、現在、これらについ
ていろいろと考えていかなければいけないというふうに思っておりまして、そういうことで今、
いろんな意味で努力中でございますのでよろしくお願いをしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) 今後、これは委員会付託になって議会の決定に従うということでご
ざいます。そういうような中、当初合併した際の協議書にのっとってやっているわけなんです
ね。沼田市議会としてもこの臨時議会でこれらについては議決をしている経過があります。そ
ういう中で協議書の内容を変更する、ある意味人事的な部分も絡んでいるわけですが、この内
容が市長自身、協議書の変更はできるとお考えなのか、あるいは議員としての越権行為なんじ
ゃないかというようなお考えがあるのかどうか、そちらについてお聞かせをいただきたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) あくまでも法令に基づいた形の中で進むことについては、何をか言
わんやでございまして、これは真摯に受けとめていかざるを得ないと思っております。
◇27番(金井康夫君) 今後の経過を踏まえてぜひとも当局側もそれなりにいろいろな部分
で検討する部分が出ると思いますが、ここで一つお聞きしたいんですが、これは合併協議を踏
まえて私の方でも時代をさかのぼっていろいろ調べさせてもらいました。
 市長、ちょっと思い出してもらいたいんですが、合併する前の平成15年2月7日に、これ
は場所が日本政策投資銀行8階、これに市長自身、行かれたと思うんですね。参加者に名前が
出ているんです、沼田市長ということで。このときに提言実践首長会議というのがあったんで
す。これは全国のそれぞれの地域自治区を提言している自治体の首長と職員が同行してやった
んです。これが報告書として出されているんです。この報告書の内容でいくと、当初は法規程
として市長、議会、これは地方自治法上にあります。それぞれ条例規定をして振興局長を置い
て地域協議会を置くというような内容なんです。ですから、このような内容である程度、方向
性で決めたというのは、市長、今、記憶を思い起こしていただいて、そういう経過があったと
いうことで間違いないかどうか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私の今の記憶では、まことに申しわけないんですが、調査をすれば、
いずれわかることだと思いますが、議員の方ではそういったところに私が出向いているという
とらまえ方でございますので、そうだったのではないかというふうに思います。
 繰り返し申し上げたいと思いますが、合併の協議書ももう既にいろいろな自治体での議会の
提案ですか、条例化をすることによっていろいろな対応をしてきたところもあるようでござい
ますので、これは別に取り立てて何をか言わんやということでございますので、先ほど申し上
げましたように、一つの結果を真剣に受けとめていくということでよろしいのではないかと思
っております。
◇27番(金井康夫君) 今回の協議書を変えるということは、法的に、これは議員提案、地
方自治法第112条で認められていますのでそれはわかっていますので、委員会付託でやりま
すから、結果を踏まえてぜひとも当局においてもいろいろな部分で今後、検討していただきた
いと思うんですが、私が言いたいのは、当時、平成15年にそれぞれの首長が集まった中で市
長と議会と振興局長と地域協議会の役割というのを、この場でうんと協議したんです。最終的
な報告書なんです。
 ここで一つ申し上げたいのが、それでは沼田市、白沢町、利根町にそれぞれ地域協議会、そ
れぞれに本日も振興局長、2人いらっしゃいますが、まずは地域協議会の権利というのは何が
あるんですか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはもう既に地域協議会の関係等については合併協議書の中に書
かれている流れでもって、議員はよく承知していると思うんですが、基本的に地域協議会のこ
とが第8条にうたわれております。「第8条 地域協議会は、当該地域自治区に係る次に掲げ
る重要事項について、市長の諮問に応じて審議し、答申するものとする」ということで6項、
そして大きな条目で二つ、つまり2、3とあるということでございまして、議員は承知をされ
ておられますが、そういった所掌事務が明文化されているわけでございます。
◇27番(金井康夫君) 先ほど、市長の方でお答えいただいたわけでございますが、地域協
議会においては、それぞれの審議をして答申するんだということでございますが、多分、これ
は振興局長が諮問するんですね、地域協議会の場合は。この中で地域協議会が振興局長から諮
問されて審議して答申したのは、例えば今年度でいいですが平成21年度、何回あったのか、
そちらについて白沢、利根、それぞれお聞かせいただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午前11時19分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時20分再開
◇議長(布施辰二郎君) 再開いたします。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) もう一回申し上げます。地域協議会の所掌事務につきましては、第
8条からその後、いろいろございまして9条あるいは10条、11条、12条、13条等まで
いっていますよね。そういった中で先ほどの諮問の関係につきましては、第8条の冒頭に「市
長の諮問に応じて審議し、答申するものとする」というのがあり、それから第8条の大きな数
字の2番のところに、「当該振興局長の諮問に応じて審議し、答申するものとする」というこ
とが書かれております。その諮問については、利根町の方で昨年度に1件ございました。
◇27番(金井康夫君) 昨年度、諮問について1回あったということでございますが、それ
では、合併して5年たったんですが、私が言いたいのは、振興局長に対してそういうような権
限があるんですね。地域協議会も当初は、平成15年の報告書を見ると、地域協議会というの
は地域の予算の審議と承認まですると書かれているんです。ですから、地域協議会で予算のそ
れぞれの地域の審議をして承認までするんです。それを振興局長に言って、振興局長がそれを
受けて今度、条例規程、地方自治法にのっとって市長に具申するんです、市長に言って市長が
これは地方自治法にのっとって議会に諮るわけなんです。こういう仕組みで本来やるべきだっ
たんですが、この5年間、地域協議会がちゃんと一体何回開催されたのか、あるいは振興局長
にそれぞれの予算要望、それぞれの事業要望に関して本当に振興局長が市長にどのくらいの要
望をしていたのか、これがうまく機能していなかったのかなというような気がするんです。で
すから、両振興局長、今いらっしゃいますので、お二人の方でこの5年間、利根町の振興局長
は途中からですが、白沢の振興局長は合併当初からいる中で振興局長が諮問して地域協議会に
かけられたものを市長側に要望かけるというようなこの仕組みで、利根、白沢、それぞれの一
体感を生むような行政運営ができたのかどうか、せっかくですからお二人の振興局長にお答え
をいただきたいと思います。
(休憩を求める者あり)
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時23分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時29分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 それぞれ白沢振興局長、利根振興局長から答弁をいたさせます。
 なお、合併してそれぞれの振興局長との連携の中でことしの11月10日の椎坂バイパス等
は、まさにそういう意味では連結した一つの大きな成果であったというふうに申し上げておき
たいと思います。
 それでは、白沢の振興局長の方から随時申し上げさせていただきたいと思います。
◇議長(布施辰二郎君) 白沢町振興局長。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) 金井議員のご質問にお答えさせていただきたいと思います。
 地域協議会につきましては、基本的に年4回開催をしております。そしてまた、諮問につき
ましては、白沢町におきましてはスクールバスの有効利用ということでスクールバスの利用に
ついて諮問がございました。また、予算につきましては、白沢町の主要事務事業、特に生活環
境整備を優先に推進をしてきておりまして、下水道事業、そしてまた簡易水道事業を進めてき
たところでございます。こういった主要事務事業について予算を上げさせていただいてきてお
ります。
◇議長(布施辰二郎君) 利根町振興局長。
◇利根町振興局長(郷原重雄君) 引き続きまして、利根町からご質問に対してお答えをさせ
ていただきます。
 先ほど来、白沢局長がおっしゃったような形の中で利根町でも地域協議会、年4回を基本と
して行っておりますが、年によっては多少の増がございます。最低4回は行っているという状
況でございます。また、利根町での諮問という形になるわけでございますが、平成20年度に
利根町の出張所の今後についてというようなことで協議会に諮問をしております。また、予算
の関係につきましては先ほど来、お話しのとおり、主要事業を中心にいたしまして振興局内で
各課ごとに協議をいたした中で本庁との協議をさせていただいておるような状況でございます
し、この主要事務でございますが、例えばということで栗原橋等があるわけでございますが利
根町においては社会資本の整備を中心にして行っているような状況でございます。以上でござ
います。
◇27番(金井康夫君) 市長の許可をいただいて両振興局長からご答弁をいただいたわけで
ございますが、地域協議会、大体年4回ぐらい開催しているというような話でございますが、
私が言いたいのは、それぞれの地域協議会の協議会委員、今、多分15名ぐらいいるんですか
ね。その方々が合併して5年たった中で地域の発展のためにやる予算を要望できて、また承認
することもできるということは当初言われていたわけなんですね。ですから、今、合併して5
年の中で利根町、白沢町でそれらに対して地域協議会で全然問題なく進んでいるとお考えなの
か、それぞれ不満が出ているのであれば、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
 といいますのが、以前、市長との一般質問のやりとりの中で私が一番言いたいのは、それぞ
れ3,000万円まで決裁権があるんですよということでよくひとり歩きしたんです。利根、
白沢においては、合併する前、3,000万円まで使えるんだから何とかなるんだということ
が言われたんですが、実際これがうまく機能していない、こういうような意見が言われるんで
す。これはなぜかというと、例規集にもあるんですが、沼田市長の権限に属する事務の委任及
び補助執行に関する規則というのがあるんですね。ですから、3,000万円までの決裁をも
らったって結局は委任事務なんです。市長が委任しているわけなんですね。ですから、それぞ
れの振興局長がいたとしても、例えばこれから平成22年の予算編成を組む際に振興局長それ
ぞれの思いを市長に言ったところで、委任されている事務ですから執行できないんですよ。あ
くまでも議決権、決裁権があるだけなんです、決裁しているだけなんです。ですから、そうい
うことに関して当初の合併したときの話と若干問題が出ているのかなというような気がします
が、そちらについて市長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この両振興局長を中心とした振興局を進める形の中で地域協議会の
基本的には年4回ということを着実に進める形の中で、先ほど利根の振興局長に至りましては、
それより多い場合が多々あったというような話がございましたが、その都度、現下の諸課題に
対して対応する形の中でそういったところを承って両振興局長とすれば、私ども執行部に対し
て、執行部というのは市長に対していろいろと意見具申をしたり、調整をしてきた経過がござ
います。したがいまして、私の見ている限りでは地域協議会の方々も大変頑張ってきていただ
いたのではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) これはいろいろな経過の中で地域協議会のメンバーから振興局長と
諮問されて協議するのはいいんですが、市長と意見交換したいというような要望が出ていると
思いますが、5年間でそれらの要望に対して意見交換、地域協議会のメンバーとやったことが
あるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) あると思います。また、そういう要請もいただいたこともあります。
◇27番(金井康夫君) そういう要請をいただいてあると思いますというか、何回あったん
ですかね。
◇市長(星野已喜雄君) 今ここで何回というのはなかなか明言ができませんが、本会議でご
ざいますので、何回ということになれば、これは議事録が残りますので、お世話になってきた
経過がございます。そういったことでご理解いただきたいと思います。詳細についてはまた後
ほど報告させていただきます。
◇27番(金井康夫君) 多分この地域協議会の方々は大変不満がたまっていると思うんです。
今、市長の記憶の中では何回あったか記憶にないと、多分記憶にないぐらいの回数なんですね、
あった回数は。だから、この地域協議会の方々と市の執行部である振興局長が諮問権あるんで
すが振興局長の言っていることが、実際に市長につながっているんですかというところが多分、
一番不満がたまっているんですよ。ですから、振興局長が市長と毎週月曜日に30分前、部長
会議であっていろいろなことを言っているんだということを言われていますが、それが最終的
に地域協議会で予算関係で吸い上げたものが本当に上がって予算反映されているのかというこ
とが非常に不満がたまっていると思うんです。ですから、そういうことも踏まえて今後、例え
ば地域協議会のメンバーたちとは年に1回ぐらい会って意見交換したらどうかと思うんですが、
市長自身、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応基本的にはやっています。ただ、ご案内のとおり、スタートの
時点から振興局制度をとったときに、やはり当該地区の振興局長にあれこれいろんな意味で主
体的にお世話になるということがあるということから、そこのところは非常に慎重に対応して
きた経過があります。いずれにいたしましても、そういったことは要望される、されないにか
かわらず、私の立場からいたしますならば、状況に応じては随時意見交換はやぶさかではござ
いませんし、また当然、それはしなければいけないと思っております。
◇27番(金井康夫君) ぜひともそういう方向でやっていただきたいと思います。
 先般、9月の議会で私の方から振興局長のあり方について、それぞれの特別職については議
会の議決、承認が必要なわけですね。振興局長においては任命から解任まですべて市長の権限
で今やっているわけなんです。ですから、せめて議会でそれらについて振興局長の選任につい
ても、議会での承認をやったらどうですかということを3カ月前に質問したわけでございます
が、市長自身、それらについてどのようにこの3カ月間、考えたのかお聞かせいただきたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今度、金井議員の質問の冒頭にまた戻るわけでございますが、今、
ご案内のとおり、委員会に付託されている状況、しかもそれが結局結果的には振興局長の身分
にも及ぶ内容になっております。したがいまして、ここでは慎重に私の方も議会の結果には謙
虚に従っていくという観点は述べたとおりでございます。
 そういった中でいろいろと9月以降の関係等についてのご質問でございますが、当然、それ
らについてはいろいろな角度から分析をして今日に至っているということでとどめさせていた
だきたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) 先ほどの関係につきましては、議員提案したことの議会の結果につ
いて真摯に受けとめるということですが、議会の結果というのは、大体想像ついているんです
よ、結果は述べませんが。ですから、そういうような質問をしているんです。もう大体結果は
わかっているんです。ですから、市長自身、その結果を踏まえて、市長だってもう腹の中では
わかっているんですよ。ですから、そういうことも踏まえてぜひともそういうことを検討して
いただきたいと思うわけでございます。
 時間が随分過ぎたので次の椎坂峠の関係と雇用促進住宅、またB級グルメの関係は1回目の
答弁でわかりました。
 最後の貯蓄銀行の関係についてお聞かせいただきたいと思いますが、やっと教育長の出番に
なりましたので、教育長、せっかくですから、旧貯蓄銀行について文化財を保護する立場であ
れば、現状管理がやっぱりいいというようなお答えだと思うんですね。そういうような中で旧
貯蓄銀行、私も中に入らせていただいたんですが、今回の移築に関して総事業費、幾らを見込
んでいるのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 現在のところ、1億数千万円ということでございます。
◇27番(金井康夫君) 1回目のご答弁、中心市街地に持っていってそれぞれ集客とか事業
効果を図るんだということなんですが、私自身、1億数千万円かける問題じゃないと思うんで
すよ、今のこういう時代。富岡製糸だって、今、世界遺産目指している中であれをほかに持っ
ていったらだめなんですよ、歴史を重んじるんであれば。ですから、今、これだけ財政が厳し
い中でなぜ1億円かけて、なぜ中心市街地に持っていって、なぜ中心市街地の活性化につなが
るのか、全然わからないんですよ。ですから、時代というのはそれぞれ流れているわけですか
ら、時には英断を奮って変更するのも重要だと思うんですが、教育長自身、現状で1億数千万
円かけるんだったらそれだけ改修費にかければいいんですよ。交付金とかそういうのがあるか
らそうだと言っているんですが、現状でやったらどうですかということに関して教育長のお考
えをお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 最初の先ほどのご答弁で申し上げたとおり、大きく約3点の理由
から現在の予定地の方に移築、復元していくのが最良だというふうに考えております。
 文化財保護法の精神は、文化財の保存と公開等の文化的な価値をというのが大きな趣旨、目
的になっております。そういう観点からいたしましても、記念文庫と一体的に街なかに駐車場
等も余裕を持ってとった上で、その事業の中に当てはめますと、その地域の交流センターとし
ての機能も持たせようということの条件がついているようでありますので、その地域交流セン
ターと文化財の公開、また市民への啓発、また文化財に対する理解を深めるというような観点
から、その機能がちょうどそこで重なり合うというようなこともあります。先ほどの3点に加
えてそういうこともありますので、先ほど基本的にはと申し上げましたが、それは10年度以
前においていろいろそういう方向で検討した結果、その後、いろいろな状況、条件と環境等が
変わってまいりましたので、現在のように総合的にいろいろと検討した結果、現在の移転によ
る復元が最良の方法だというふうにお答え申し上げたわけでございます。
◇27番(金井康夫君) この問題については、9月議会でも、これも最後だったから教育長
に余り質問できなかったんですが、生方記念文庫も移築する予定があるんですね。生方記念文
庫も建築的な立場でいうと、結構重要な建物だと言われているんです。ですから、生方記念文
庫だってあそこでいいのに何でお金をかけてやるのか。また、旧貯蓄銀行でも今のままでいい
のに、何であそこに多大な金をかけてやるのかというのが、市民の人は本当に不満に思ってい
るんです。これは余り知られていないですが、これは具体的になった場合、必ずいろいろなと
ころで話題になると思いますから、ぜひとも教育長、慎重にこの事業については進めていただ
きたいと思います。
 最後に、市長に、今、沼田市、いろいろ問題が山積しているんですが、今、沼田に一番足り
ないものは何なのかなと思ったとき、市長はどのようにお考えになったのかお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本市は、ご案内のとおり、伝統的に南の綾戸、東の金精峠、北の三
国トンネル、そして西の中山峠、いわゆる利根沼田という中の中心の中にあって盆地的なとこ
ろから、外との風通しがやや少なかったのではないかというふうに思っております。そういう
ふうなことから、逆に言うと地元の持っているよさというのは連綿と続いてきたということに
なるわけでございますが、現在のグローバリゼーションの時代の中にあって外との価値観、あ
るいはまた異文化との価値観の交流、そういうことが進むことによって私どもの持ち味が外に
発揮できるようにしていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
 したがいまして、私どもの宿命とも言えると思うんですが、どうしてもそういった地理的な
状況の中で外との風というのがなかなか行き来が難しかったかなというところが弱点というよ
うなことになるのかなという形はかねがね思っていたところでございます。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、外との風通しということでございますが、先
般、まちづくりシンポジウムで沼田女子高の新聞部がいろいろアンケートをとりました。「現
在の不満」が76%なんです。「沼田に住みますか」というのが13%、80数%が住まない
とかこのままだというんですね。
 ですから、私が言いたいのは、沼田市で今、一番何が足りないのかというのは、お金とか箱
物じゃなくて希望だと思うんです。希望です。ですから、今後、子供たちが希望を持てるよう
な、沼田市に生まれてよかったんだという希望の持てるような沼田市になることをご期待申し
上げまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、牧野保好議員。24番。
〔24番 牧野保好君登壇〕
◇24番(牧野保好君) 先ほど、同僚議員も申し上げましたが、多くの方に傍聴していただ
きまして、大変ありがたいというふうに感じております。
 最近の状況を見ますと、流行語大賞が「政権交代」。また、テレビを見ますと、鳩山兄弟に、
お母さんの方から子ども手当が出ていると、大変政治に関心があった1年だというふうに感じ
ております。
 では、一般質問をいたします。
 通告のとおり、まず今後の市政運営についてでありますが、絶大な市民の期待と信頼を受け
て、平成14年5月10日の市長就任以来、意欲的、精力的に沼田市政発展のためにリーダー
シップを発揮されてきたと思います。
 合併による新市が誕生して5年、「水と緑の大地 田園空間都市」、第五次総合計画がスタ
ートして3年が経過したところでございます。積み残し事業があるというよりは、行財政改革、
沼須運動公園・産業団地の問題、新市の一体感の醸成等、いわゆる緒についたばかりだと受け
とめております。しかしながら、これら課題、問題を解決するに当たって大変市長は努力をし
ているというふうに感じてはおりますが、余すところ約4カ月、これらの問題を解決するには
時間が足りないわけでございます。平成22年5月9日が市長の任期満了となるわけでござい
まして、責任感の強い市長でございますので、市長の再選に向けての決意をまずお伺いしたい
と思います。
 次に、国においては、鳩山新政権に対して95兆円と過去最大規模の新年度概算要求が出さ
れました。この財源確保のため、公開にて行政刷新会議のワーキング・グループによります、
「事業仕分け」が9日間にわたって実施され、終了したところでございます。国民の関心は極
めて高かったというふうに感じておりますが、「無駄をなくす」、「天下りを許さない」、
「コンクリートから人へ」、「官僚から政治へ」の理念のもと、72事業が廃止、見直し・予
算削減、あるいは基金は返納すると、大別して三つの結論が出されたところでございます。そ
の後、政治判断が加わり、民主党がマニフェストで掲げました目玉政策であります、子ども手
当の創設、自動車関係諸税の暫定税率撤廃、あるいは高速道路の無料化、地方分権と地方主権
等々、政権公約に従って、子育て、教育、医療、地域主権、雇用、経済に際し、優先的に公費
をつぎ込み、各種施策を打ち出していく構えであると、一部報道は伝えております。この事業
仕分けの中で、農道整備事業は廃止、商店街活性化事業は2割削減など、新内閣が推進する施
策には本市など地方自治体の根幹を揺るがすような問題が秘められていると思います。国の動
向に注視をしていかなければならないと思いますが、第五次総合計画の推進と本市財政への影
響はどうなるのかお伺いをいたします。
 次に、地域コミュニティーの醸成についてでございますが、第五次総合計画では、「第3部
 基本計画」の「第3節 地域コミュニティ活動の推進」、実施計画6では、「みんなで築く
地域の多様性を生かしたまちづくり(パートナーシップづくり)」の3で、「地域コミュニテ
ィ活動の推進」と明示されております。
 現在、円高、デフレ等極めて厳しい社会状況下でございますが、中学校区、町のどんな規模
のコミュニティーでも大きな効果が期待できると私は考えております。例えば、防災、福祉、
環境、教育、導水路の保全、伝統芸能の継承等々、市民が生きがいを持ち続けて生活できる舞
台の創出が可能だと考えております。市長の事業推進の展開をお伺いしたいと思います。
 次に、玉原高原の玉原道路についてでありますが、長い間、沼田市とみなかみ町が玉原越え
道路促進期成同盟会を設立し、県道水上片品線と県道上発知材木町線の県道の連結を目途に観
光産業の振興発展、あるいは、地域の活性化及び危機管理道路として取り組んできた経過がご
ざいます。一方、藤原地区、池田地区では玉原越え道路建設促進協議会の地元組織がございま
して、それぞれの協議会で意見交換、先進地視察、あるいはループ橋であるとか、林道でつな
ぐとか、トンネルでつなぐなどお互いに協議・調整を行ってきながら進めてきた経過がござい
ます。本年4月20日、水上館にて行われた大澤知事を含む県幹部と沼田利根首長との行政懇
談会で、知事もその必要性を認めていただいたと思っております。そのうち、川瀧県土整備部
長、沼田土木事務所長を初め、県職員の方々が現地踏査されたと聞き及んでおります。また、
群馬県道路建設期成同盟会でも一歩前進したと認識しておりますが、その後の進捗はどうなの
かお伺いしたいと思います。
 次に、玉原湿原でございますが、高層湿原、中間湿原、低層湿原と三つの要素を持ち合わせ
ており、学術的にも貴重なものでございまして、小尾瀬とも言われております。多くの方々が
訪れておりますが、イヌツゲ、カヤ等が繁殖いたしまして乾燥化が一層進んでいるとのことか
ら、担当課の方から一定の手当てを講じていただいていると認識をしておりますが、現状はど
のようになっているのかお伺いいたしまして、最初の質問といたします。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午前11時57分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後1時00分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの牧野議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、今後の市政運営について、市長選挙について、積み残し事業についてでありますが、
平成14年5月10日に市長就任以来、7年と半年を経過したところであります。
 今次、本市を取り巻く環境は、極めて厳しい財政状況にあり、いつ底を打つか見通せない経
済情勢の中にあって、多様化・高度化する市民ニーズ、人口減少・少子高齢社会による社会保
障費の増加など、非常に厳しい行財政運営を余儀なくされておりますが、山積する諸問題の解
消に向けて、日々、努力をしているところであります。
 このような状況下にあって、来年度には全国育樹祭が予定されており、最大の懸案事項と受
けとめているところであります。
 次に、再選に向けての決意はどうかについてでありますが、さきのご質問にお答え申し上げ
ましたとおり、平成14年5月に市長就任以来、7年と半年を経過したところでありますが、
その間、平成17年2月には、旧白沢村及び旧利根村との市町村合併により、新市として一体
感の醸成と個性あふれる地域づくりに努めてきたところであり、さらに、平成18年度には、
第五次総合計画を策定し、現在、まちづくりの将来像「水と緑の大地 田園空間都市」に向か
って取り組んでいるところであります。
 今後の方向性に関しましては、議員のご意見を真摯に受けとめ、関係各方面と相談をしなが
ら、慎重に対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、国の政権交代による地方自治体への影響について、本市の総合計画への影響はどうな
るのかについてでありますが、連立政権下において、中学校卒業まで子供1人当たり月2万6,
000円を支給する子ども手当の創設や、高校授業料の無償化、高速道路の原則無料化などの
検討が行われている一方で、行政刷新会議による事業仕分けにより、すべての予算や制度をゼ
ロベースで見直し、必要がないと判断したものについては、廃止、予算削減、制度の見直しな
どにより財源確保につなげるとしております。
 地方交付税交付金や学校施設整備事業などの見直しが示されていることから、本市への影響
が懸念されるところでありますが、今後、打ち出される国の政策等に関する情報収集などに十
分に意を配して、市民生活に混乱を来さないよう、総合計画の実施計画を見直しながら、その
対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、財政への影響はについてでありますが、本市においても、新政権による大きな政策の
転換の影響が顕在化しており、その中でも本年度における国の第一次補正予算の見直しに伴い、
「子育て応援特別手当」が全額執行停止になり、また公共事業の地方負担分の一部を国が肩が
わりする「地域活性化・公共投資臨時交付金」についても一部執行停止となり、今後、財政負
担を強いられることも予想されます。また、来年度予算につきましては、新たな政策の中でと
りわけ自動車関連諸税の暫定税率廃止による影響が懸念され、今後もその代替財源を含めてこ
れまで以上に情報収集に努めるなど、国の動向に注視をしてまいりたいと考えております。
 次に、地域コミュニティーの醸成について、行政指導の方針があるかについてでありますが、
今さら申し上げるまでもなく、行政だけでは、福祉を初めとするさまざまな地域の課題を解決
することはできません。地域や家族の協力はもとより、区長を中心とする自治組織、市民相互
の横のつながりなくしては、どのような施策も成り立たないのであります。まさに、共助、協
働がこれからの地域社会にとって重要な意味を持ってくるものと思われます。
 しかしながら、本市の地域コミュニティーの現状を顧みますと、少子高齢化の進展によって、
高齢者だけの世帯では役員を引き受けることさえも難しいといったことから自治会の活動その
ものに影響が出始めている、あるいは、人口や世帯数の減少によって地域の伝統行事や祭りな
ど、地域コミュニティーのシンボルとなる事業を維持することさえ困難になっている実情もか
いま見えるようになっています。
 また、児童数の減少やこれに伴う学校区の再編などによって、小・中学校を中心とした地域
の結びつきが薄れてきていることも大きく影響しているように思われます。
 一方で、行政区から小学校区へと広がっていった防犯パトロールなどの取り組みを見るとき、
住民の関心が高い防災や防犯といった分野の活動は、地域コミュニティーへの意識を高め、多
くの人々の参加を促す効果があり、若い世代の参加を得ることで世代を超えたつながりが出て
くるものと思われます。
 このように、地域コミュニティーへの帰属意識を高め、市民の参加を促していくためには、
身近な地域を単位とする地域の諸活動が重要であり、一つには、自治会など、地域の組織の活
性化であり、もう一つは、小学校区を単位とする地域の活動の活性化が重要ではないでしょう
か。
 小学校は、地域活動の拠点施設としての意味を持っており、PTA活動を初め、地域のスポ
ーツ・文化団体、防犯パトロールなど地域住民が世代を超えてつながりを持てる場所でもあり
ます。
 一方、行政区や地区、班などの活動は、現在そこに住んでいる住民すべてを網羅しています
ので、小学校区以外への通学者世帯や、学齢期の子供のいない世帯もカバーし、より日常的な
つながりを深めることができると考えられます。
 地域コミュニティーの活性化は、今後の自治体経営を左右する命題であり、地域の人的資源
や住民センターなどの施設を活用することによって、将来を担う子供たちを健全に育成し、沼
田市民としてのふるさと意識を醸成していく出発点になっていくものと考えております。
 そのためにも、行政の職員が積極的に地域活動に参加しながら、地域の声に耳を傾け、地域
の実情に沿った協働の取り組みを進めていかなければならないと考えているところであります。
 次に、玉原高原について、玉原越え道路について、今までの経緯についてでありますが、玉
原越え道路の建設計画につきましては、昭和63年11月に、沼田市及び水上町の議員交流会
において意見交換が始まり、その後、水上町長、議長より沼田市に対し建設促進についての依
頼があり、玉原越え道路建設プロジェクトチームが組織され、合同会議の開催、県等関係機関
への働きかけ等が行われました。
 平成9年5月27日、沼田市と水上町の地域間交流・連携と地域経済の活性化を図るため、
「玉原越え道路建設促進期成同盟会」が設立されましたが、この年の8月26日には、県土木
部より期成同盟会に対して、建設の見通しの低いものは極力活動を休止するよう要請していく
方針が出され、9月22日には、知事が定例記者会見において、ブナ林の伐採につながる道路
建設を県が積極的に支援する考えのないことが示唆されました。また、自然保護団体などから、
これ以上の開発は自然環境破壊につながるとし、県と県議会に建設中止を求める請願が出され
ました。玉原越え道路は、国・県の支援なくしては建設出来るものではなく、最初から厳しい
状況に置かれていました。
 このような状況の中で、平成20年7月29日の「玉原越え道路建設促進期成同盟会」理事
会において、「玉原道路建設促進期成同盟会」と名称変更を行い、上部組織である「道路整備
促進期成同盟会群馬県協議会」に加盟し、県への働きかけを行っているところであります。
 次に、今後の展望についてでありますが、利根地方総合開発協会を通して群馬県及び群馬県
議会へ陳情・請願を行うとともに、沼田市とみなかみ町関係者で組織する「玉原道路建設促進
期成同盟会」、そして沼田市池田地区、みなかみ町藤原地区にそれぞれ設立されている「玉原
道路建設推進協議会」との連携を図りながら、引き続き県関係機関への働きかけを積極的に行
ってまいりたいと考えております。
 次に、玉原湿原について、復元に向けての取り組みはについてでありますが、本市の代表的
な観光資源である玉原湿原は、日本海型ブナ林に囲まれた湿原で、植生の珍しさから「小尾瀬」
とも呼ばれており、雪融け後のミズバショウに始まりワタスゲ、キンコウカ、タムラソウなど
季節折々の湿原植物を楽しむことができます。
 このような貴重な自然を後生に残すため、湿原の専門的な知識を有する東京農工大学や土地
の所有者である利根沼田森林管理署と連携を図りながら、玉原湿原の保全に努めているところ
であります。
 具体的には、湿潤化の妨げになる、ヨシやアブラガヤ、ハイイヌツゲ等の刈り取りを継続し
て実施してきております。
 これらの保全事業の効果により、比較的乾いた環境にあった湿原周辺部も湿潤状態に変化し
たことから、湿原内に生育していたシラカバも枯れ、その除去等も実施してきたところであり
ます。
 玉原高原には、年間を通じてハイキングや自然散策に多くの人々が訪れて自然を満喫してお
りますが、今後とも、こうした豊かな自然の恵みを享受できる貴重な場所として、関係機関等
の理解と協力を得ながら、湿原の保全に努めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、牧野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇24番(牧野保好君) 大変丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。冒頭
に申せばよかったんですが、大変乱暴な通告書でございまして、失礼をしたんじゃないかとい
うふうに反省をしているところでございます。私、本日、59歳の誕生日ということで、若干
大目に見ていただきたいと思います。
 それでは、再質問をさせていただきます。
 答弁ございました積み残し事業の関係でございますが、私、通告を出したのが11月20日
でございます。その後、11月25日には会派要望ということで22年度に向けての要望を市
長に書かせていただきました。その中に9点ほど重点項目を抽出をして提出をさせていただき
まして、この事業は進捗が見られれば課題の解決につながろうというふうに思っておりまして、
私はそういう進め方をしていただけるものと思っておりますが、市長はどう受けとめていただ
けたでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 何といっても最大会派のご要望でございますのでその重みは大変重
要かと思っております。したがまして、それらについては十二分に精査をさせていただきまし
て、できるだけご要望を反映させていただけるように努力をしてまいりたいというふうに思っ
ておりますが、ご案内のとおり、大変厳しい財政状況もございますので、それらのこともかん
がみた形の中でできるだけご意思に沿えるように努力していくのが私どもの務めかと思ってお
ります。
◇24番(牧野保好君) わかりました。ぜひそういう形で、大変財政厳しい状況であります
が、着実に進捗をさせていただきたいというふうにお願いをいたします。
 次に、市長選挙の関係でございます。既にご案内のとおり、石原みどり市市長さんは表明を
いたしました。先ほど冒頭申し上げましたように、間もなく任期満了となりまして、市長の答
弁でございますと、関係の方々たちと相談をして意思を決定したいというふうに受け取りまし
た。私は、まだ本当に新市になって、それから第五次総合計画ができてスタートしたばかりだ
というふうに思っておりまして、成果を市民の方々に示していくのが市長の現職としてのあり
方だというふうに思って出させていただきましたが、私自身も選挙の洗礼を受けて議席をいた
だいたものでございますし、やはり後援会の方々、あるいはさまざまな支援団体の方々と協議
をしないとなかなか結論が出せないというのが実態でございまして、それをかんがみたとき、
これからも沼田の将来を担うような、そういう強い気持ちを早く固めていただいて、市民の要
望と期待にこたえていただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次に移りますが、国政の問題でございます。市長答弁のように、大変厳しい時代になりまし
た。間違われると困るんですが、国民が選挙で選んだ政党を批判をするとか、そういったもの
ではございません。しかしながら、今のマスコミ等の情報を見ていくに従って、地方自治体に
も厳しい状況が来るかなというふうに思いますし、仕分けの段階で地方自治体に任せる。そう
した事由が極めて多くなってまいります。
 まず、農家への戸別所得補償制度、この関係につきましても、個々に農家に援助をするとい
う政策でございますが、自公の政権のとき、この政策につきましては、地域の集落営農組織、
これを立ち上げてこの組織が間もなくスタートする段階になっておりまして、こうしたことか
ら極めてこの政策が今の農家集落を崩壊させるような、そういうことになりかねないと、こう
いう心配をしております。
 また、子どもゆめ基金、これは廃止でございます。それから商店街活性化事業、これは空き
店舗の活用に使われている事業でございますが、この関係につきましても地方自治体に任せる、
あるいは国土交通省のまちづくり交付金、同僚議員から質問されましたが、この事業費の4割
はカットというふうなことでございます。あるいは下水道事業、これらにつきましても地方自
治体に任せるというふうな切り込みがされ、一定の結論が出されたわけでございます。これら
の状況を見たときに、やはり第五次総合計画にかかわる影響は極めて大きいと思うわけであり
ますが、これらについての市長の現時点の考え方がございましたらお聞かせいただきたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) まず最初に、再選に向けての決意の問題でございますが、きょう、
本会議でご発言をいただきました牧野議員のご意見をしっかりと受けとめた形の中で、今後、
関係各方面とよく相談しながら慎重に対応を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願
いをしたいと思います。
 次の政権交代による地方自治体の影響の問題でございますが、これらは例えば農家の戸別補
償の関係も、米麦と大豆と家畜、いわゆる牛肉関係、それから魚ですね。そうすると、例えば
このかいわいのコンニャクとか野菜がそういったところにはカウントされていないということ
もあったりして、やっぱりいろいろと難しい問題を抱えているなというふうにも受けとめてい
るわけでございます。ただ、きちんとした精査がまだ出ていないということから、どうしても
経過の中で、特に財政課長を基軸としていろいろと現下の変化に対して情報を的確に把握しな
がら対応を図っているところでございます。
 次の財政への影響はのところでも答えたわけでございますが、直接的には暫定税率の廃止が
正面に向かってくるなというふうに受けとめているところでございます。ただいま、いろいろ
と微細なところの問題につきましては、まだ経過の域を出ていないというふうに受けとめてお
りますので、今後、財政課長を基軸としてそういった変化に十二分に対応できるようにいろい
ろと私どもも頑張って努力をしていきたいと思っておりますので、よろしくご指導のほどをお
願いしたいと思います。
◇24番(牧野保好君) 財政関係までは入りましたが、市長おっしゃるとおり、ガソリン税
の廃止、これが極めて財政にかかわってくると思いますし、正直言いまして戸惑いがございま
す。
 21年度の見通しでありますと、暫定税率の約2.5兆円というふうに積算をされておりま
すし、そのうちの8,000億円が実質地方へ配分される金額だというふうに思います。地方
分のこれが分かれてまいりまして、国直轄公共事業の地方債負担分は廃止によります充当とい
うことで検討しているわけでありますが、これは既に一部、一般財源化されていると思います。
ですから、新たにこれが地方に配分をされても、いわゆる増額にはならないというふうに私は
心配をしておりまして、そうしたことから過日、上毛新聞に掲載されました前橋市、あるいは
高崎市、両市においては約9億円の減収ということで掲載をされております。当然、本市にも
この問題は及ぶ問題でございますし、これらの対応も考えていかなければいけないんじゃない
かというふうに思っております。この関係につきましてどういう受けとめをしているのか、ご
答弁をお願いしたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実は前段、同僚議員のご質問の中で上毛新聞にもこの暫定税率の問
題等が出ておりまして、私どもはこれを残していただきたいという立場で新聞のアンケートに
は応じた経過がございます。
 私の手元の資料によりますと、これが廃止をされると約2億6,000万円強の影響が出て
くるなというふうに受けとめております。ちなみに県全体で58億2,567万5,000円
の影響が出るようでございます。うちらは2億6,052万4,000円の影響が出るなと受
けとめておりまして、これらについて今後、私どももどういうふうな形で対応していくのかと
いうことについては、県内の12市の関係だとか、いろいろと情報を集めてできるだけこれら
についての対策を講じていかなければならないと思っています。
◇24番(牧野保好君) いずれにいたしましても、やはり国が決めていただかないとどうに
もなりませんし、やはり注視をしていくしかないというふうに思っております。現段階では事
業仕分けが行われた段階でして、いわゆる国家戦略室、行政刷新会議の政治判断が加わり財務
省、各省庁の折衝、それから新年度への政府予算の決定、そして国会審議というふうなスキー
ムで進んでいくのではないかというふうに考えられるわけでございまして、そうした意味では、
やはりこれからも極めて注視をしながら、あるいは地方6団体、こうしたところから地方に対
してしわ寄せが来ないような、そうした対応、対策をぜひとるようお願いをしたいというふう
に思いますが、市長はどうお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) やはり議員がご指摘されているとおり、私どももこの厳しい財政状
況にあってこの影響を非常に懸念しているところでございます。今後とも県の市町村課のご指
導をいただいたり、あるいはまた同僚、県内12市の市長会長、松浦高崎市長でございますが、
よその自治体も同じ影響下にあるわけでございまして、連携をして何とかこれを微細な影響に
なるように、あるいはまた影響が出ないように一生懸命努力をしてまいりたいというふうに思
っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇24番(牧野保好君) ありがとうございます。ぜひそういう取り組みをしていただきたい
というふうに思っています。
 それからもう1点、この関係で一番気になる部分がございます。と申しますのは、「地域主
権の確立は1丁目1番地」と、こう言われておりまして、新政権になりますと、地方にも手厚
い財政支援があるんじゃないかというふうに思いますし、地方分権から地方主権へと、こうし
たマニフェストを掲げておりまして、極めてそうした部分では期待をしているところでござい
ます。現状はなかなか見えてきてはおりませんが、例えばこうしたことが実質行われますと、
いわゆるさまざまな事業が県に移管をされたり、あるいは市町村に事務移管をされたり、そう
した場面が想定できるわけでございますが、現状の段階で新年度、そういう国の動向が決まっ
た際にその対応を図るべく努力をしていただかなくちゃならないわけですが、その対応につい
ては遺憾がないような対処はできるんでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でありまして、非常に答弁に勢い慎重にならざるを
得ないのでありますが、現実問題としてきちんとした方向性が出ていないということが非常に
戦略を立てるのになかなか難しいと思っております。
 ただ、私どもは何とか現行の厳しい財政の状態を一歩でも二歩でも改善をしていきたいとい
う視点に立って物事を柔軟にとらえていかなければならないと思っています。したがいまして、
今後、今、牧野議員がおっしゃるように、分権から主権へという移り変わりのこの流れを私ど
もも期待しつつ、そして同時に、それが一体全体、地方交付税交付金の部分が今までより以上
手厚くなるのかならないのかというようなところが大きな分かれ目になってくるなというふう
に受けとめているところでございます。
 したがいまして、今後、そういったところに着眼をしながら国等の動向にしっかりとした目
線を配ってまいりたいというふうに思っております。
◇24番(牧野保好君) ぜひそうした対応で進んでいっていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、国あるいは地方自治体、大きさは違いますが、従来から対等に補
完をし合いながら国民あるいは住民の福祉に努めてきたわけでございますので、ぜひ沼田市が
窮に瀕しないような、そうしたリーダーシップを発揮していただきたいと思いますし、国の動
向も大いに注視をしていただきたいというふうに要望いたしまして、次に移らせていただきた
いと思います。
 地域コミュニティーの醸成でございますが、答弁のとおりだというふうに思います。私、第
五次総合計画を紹介をさせていただきましたが、いわゆる基本計画から実施計画まできちっと
計画をされておりました。やはりこうした時代ですから、おっしゃるように、各区ごと、ある
いは小学校区ごと、コミュニティーを高めることが財政負担も少なくなりますし、あるいは地
域住民の方たちにとりましても生きがいを感じる、こうした事業になるんじゃないかというふ
うに思っておりまして、まして市長が進めております市民協働のまちづくり、こうした糸口が
見えてくるのもこの事業の進展いかんにかかわってくると、私はそう考えておりまして、ぜひ
積極的に進めていただきたいなというふうに思います。
 そこで、この市民協働の拠点、これはいわゆる自治コミュニティセンターといいましょうか、
従来の町の公民館でありますとか、そうした場所を想定されているんでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 非常にこれもいろいろな意味で重要な問題だと思っております。と
申しますのは、まず議員がご指摘されていることは、地縁組織の強化が大事なのではないかと
いうふうに私は受けとめさせていただいたわけでございます。十数年来の流れは、もともと我
が日本国に伝統的にこの地縁組織の強さというのはあったのでありますが、いろいろと都市化
現象が生じることによってNPOとかボランティアの団体の方々の台頭が大きく顕在化した経
過がございます。実際問題として、そういった方々は先駆的な役割を果たしてきたといっても
過言ではございません。
 しかしながら、一たん災害等が発生したときに地域の組織とボランティアの組織とではその
自治体に突然襲ったときには、地縁組織の方が自然な形の中で物事が進んでいくのではないか
と思っております。と申しますのは、ボランティアの場合は地域を越えた形の、ある意味では
目的集団化している関係から、どうしても災害等が発生したときにA地点からB地点へ移動す
るというリスクを必ずしょっております。したがいまして、私どもが現在考えているのは、そ
ういった地域の活性化とさらに今度はこの節、台頭してきたNPOやボランティアの方々に代
表されるような、そういった活動展開とがうまく十字に混在をしていくということが大変重要
なのではないかというふうに思っております。
 したがいまして、まず一つは、議員がおっしゃっているように、地域の拠点としては、やは
り公民館的なという言い方がよろしいかと思いますが、あるいは集会所的なという言い方がよ
ろしいかと思いますが、そういうふうなことで、もう一方におきましては、それぞれのブロッ
クで活動展開しておりますので、そういったところの調整をきちんと図っていくという二段構
えでいくのが大変重要なのかなというふうに受けとめております。
◇24番(牧野保好君) 単位は違いますが、二段構えでいくのがよろしいという考えだそう
でございます。
 ここで、私の住んでいる地域、池田地区振興協議会、こういう組織がございます。そうした
意味では学校区単位でコミュニティーを進めていく上では極めていい活動をしているというふ
うに思いまして、委員の方々に感謝をしているところでございます。
 池田地区は、昭和29年の合併時、5,145人、本年度9月末で3,046人、いわゆる
人口激減の地域になりました。各町等を見ますと、いわゆる限界集落に似通った、そうした地
域が見受けられる状況になりまして、そうしたことから危機感を持った本会の役員の人たちは、
平成17年、18年の2カ年にわたって三つの部会に分かれて検討したわけでございます。教
育部会、地域づくり部会、地域振興部会、こういうふうな三つの部会にわかれまして2カ年の
検討を重ね、そのうち、委員会を立ち上げました。
一つは、定住人口を急にふやすというわけにいきませんし、人口に従って子供の数も少ないわ
けであります。しかしながら、女性が働く場の確保をするには、やはりこの単位でもって何か
しなければいけないということから、学童保育所の開設、運営をしております。
 それから、やはりどの地域も問題になっておりますが、池田地区も婦人会が解散をした状況
になりまして、なかなかそうした意味では女性の方が表舞台に出ていただけない、こういう状
況がございまして、各町に女性委員を設けまして振興協議会の中に女性委員会を立ち上げまし
て女性の意見を聞くこと、女性の立場を吸い上げて地域の中で振興発展につなげていくと、こ
ういう役割で参加をしておりまして、今、極めて頑張って活動をしております。
 また一方、「いけだ通信」を発行しておりますが、現在31号まで来ておりますが、これは
編集委員の方がおりまして毎月発行しておりまして、聞くところによりますと、市長のところ
で毎月見ていただいているということでございますからご承知のとおりだと思います。
 こうしたことで、一つの市長の考え方からいけば、小学校単位のコミュニティー、こうした
ものが各地区に醸成されることによって市民の方に和ができると申しましょうか、そのことに
よって地域力が高まってくるんじゃないかと思いますが、財源内訳も若干申し上げさせていた
だきますが、私の池田地区で年間1世帯1,800円でございます。隣の薄根地区で年間1,
400円、川田地区で1,500円、利南地区で700円というふうなことで、みんな住民負
担をしながらこうした活動に努めて地域力を高めようというふうに取り組んでおりまして、こ
うしたものを全市的に波及をさせるということが極めて重要だなというふうに思っております
が、この関係についての市長の考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 牧野議員の、池田地区を軸とした極めて大事な実績等を踏まえたご
発言がございまして、執行部はしっかりとこれを受けとめさせていただきたいと思います。
 現在、私の手元にも「いけだ通信」No.31号がございますが、市民大運動会の準優勝が
ことしの大きな成果として「いけだ通信」の1面トップに飾られております。人口形態から考
えると、市民大運動会の準優勝という結果は、非常にすばらしい結果だなと思っておりまして、
地元の方々の運動会に対する準備が相当積極的に行われた一つの成果だったのではないかとい
うふうに思っております。敬意を表する次第でございます。
 そういった中にあって、地域振興の活性化のために教育部会等を含めて三つの分科会を設け
ながら戦略を立てて頑張ってこられたということを承り、ぜひこれらを私ども行政側がしっか
りと受けとめて、こういったことが各地区に波及ができるような、そういうことも考えていか
なければならないのではないかというふうに思っております。
 特に池田地区におきましては、白沢、利根の合併する前は池田地区が旧沼田市の一番の面積
を持っていた関係と相まって典型的な中山間地域であったことは、ご案内のとおりでございま
す。しかしながら、迦葉山、玉原高原、あるいはまた果樹農家を中心といたしまして春夏秋冬
の連動する作戦が功を奏してきたこともあり、非常に全国から注目される地域として今日を迎
えているわけでございますが、やはり少子高齢社会の波はいかんともしがたいということは、
議員がご説明されたとおりでございます。さらに、そこに地域の力を高めていくためのいろい
ろな手だてのご示唆をいただきました。これらをしっかりと受けとめた形の中で、現在、総務
課長に指示をいたしまして学校区単位の地域防災の組織の関係なども今、つくり上げていく経
過もございますので、できるだけそういったところにとどまらずに地域全体の和が広がるよう
な、そういう活性化された状況をつくるべく私どももいろんな意味で池田地区に行政の立場か
ら勉強をさせていただきたいと思っております。
◇24番(牧野保好君) 大変ご理解をいただいてありがたいと思いますし、これからまだま
だこの活動は続けて頑張っていかなければならないというふうに思っておりますし、そうした
意味で地区民全員にこの新聞の発行によって情報が共有されておりまして、極めて効果が出て
きているというふうに思っておるところでございます。
 この関係で一つお伺いをしたいと思います。基本計画の中のコミュニティ施設の整備、これ
が地域活動の拠点となる住民センターの整備を促進しますと、こうのっているわけでございま
す。
 一番説明しやすいのが自分が住んでいる町のことでございます。町では区の行政は区長さん
を中心に推進をされているわけでございますが、総体的な振興協議会の役割が波及をしたんじ
ゃないかというふうに感じているんですが、これは各地でも広がっていますが、お年寄りの方
々に集まっていただきまして1日、そこで過ごしていただくいきいきふれあいサロン、こうい
う名称なんでありますが、こうした活動をしております。当初のうちはなかなか遠慮して参加
が少なかったわけですが、これは継続しているうちにだんだん参加者が多くなりました。
 そうした段階で区長さんが困りまして、実は生活改善センター、自治省のコミュニティセン
ターと違いまして農水省の補助でつくった施設なんです。これは農水省の予算でありますから、
例えばポッチャントイレでございますのでこれを改修するのに約500万円かかるわけです。
行政にも区長さんが相談に来て何とか援助をお願いしたそうなんでありますが、援助がないん
ですよ。トイレの改修でございますから合併処理浄化槽、こちらの方は支援をしていただきま
したが、こうなると、やはりこういう運動は要望があれば、もっと活発に展開したいという思
いもあります。そうしたことから女性のボランティアの方も三十数名、登録をされて活動して
いるんですが、何とかしてトイレの問題、やはり500万円というのは大金でございますので、
いよいよ区費を値上げをしなければならないと、そういう段階までいきました。
 ここでうたっているように、やはり生活改善ですとか、農水省の予算でつくった、そうした
集会所は極めて市内に多いんじゃないかと思うんですね。このコミュニティー事業を進めてい
く上の拠点として極めて重要なところだというふうに私は思っておりまして、こうしたことに
対してもやはり行政の支援があればなというふうに思っておりまして、この辺の枠の拡大を含
めて今後、どのように考えていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私も議員がご発言されたことについて、市議会議員に在任中のころ
からコミュニティーの活性化の関係については私なりに関心を持っておりまして、当時、群馬
県でそういったところの補助事業をつくってきたという経過があったと受けとめております。
特に高崎経済大学の山崎益吉先生等が、甘楽町あるいは館林市等に地域主義集団会というのを
構築する中で、そういうようなこと等を波及していったなと今、回想をしているところでござ
います。
 今、議員がおっしゃっている岡谷のところでの活性化されている地域コミュニティーのふれ
あいサロンの関係については、今、ご発言をいただいて理解をさせていただいたわけでござい
ますが、うちの職員をして、あるいはまた私もできればおじゃました形の中で見させてもらっ
て、その実態の中から今後の対応を図るべくいろいろと考えてみたいと思っておりますので、
よろしくお願いをしたいと思います。
◇24番(牧野保好君) ぜひ検討を加えていただきたいというふうに要望させていただきま
す。
 極めて行政が一生懸命頑張っているんです。というのは、農地・水・環境整備保全事業、こ
の事業は極めて地域のコミュニティーをつくるのに役立っているというふうに思っております。
この効果は極めて大きいんです。うちの町も婦人会がなくなったんですが、また女性のそうい
う組織が立ち上がりました。この方たちは、農道の植栽とか、集会所の花の管理をするとか、
あるいは有価資源の回収をするとか、積極的に取り組んでおります。また、育成会も空き缶で
ありますとか、そうした事業に取り組んでおりますし、いわゆる所属する町内の各種団体が老
人会を含めそうした事業に参加をしてくれています。こうした有効的な事業、池田地区ですと
8カ所ぐらいで取り組んでいるんですが、これはまだ全市に波及していないわけでありまして、
ぜひそういう意味ではこれらも普及をすると、やはりコミュニティーがつくりやすくなるんで
はないかというふうなことを思いまして、若干つけ加えさせていただきます。
 次に、玉原の関係でございます。私も期成同盟会の会議には参加をしておりますし、長くこ
の関係にも携わってまいりましたので市長答弁のとおりでございます。
 若干申し上げさせていただきますと、玉原の極めて歴史があるわけでございます。根利の砥
沢集落の規模ほどいきませんが、昔、沼田と藤原を結ぶ交通の要所であって往来もございまし
た。それで、昭和4年から19年ぐらいまでなんですが、ここに官行斫伐による事業が沼田営
林署から出されまして50世帯が移り住んでおりまして、池田小学校玉原分教場という分教場
もあって、極めて栄えた時期もございました。したがって、発知地区と藤原地区というのは密
接な関係があってこういう道路の開設を要望してきた。そうした経緯もございますので、ぜひ
その辺も酌んでいただいて今後の進捗方をお願いしたいわけでございます。この関係につきま
してご答弁をいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 前段、水・農地・環境保全事業の関係につきましては、議員ご指摘
のとおりでございますので、またご指導いただきたいと思います。
 玉原の問題でございますが、詰まるところ、一重にこの問題はかなり政治力を要するなとい
うふうに受けとめております。ご承知のとおり、今、沼田を軸にしてそういった道路関係の整
備を見ると、きょうも午前中、同僚議員のご質問もありましたが、一応椎坂のところが着工式
に入ったと。そして同時に、利根地区の輪組の関係の道路、これは広域農免道路とリンクして
いるんですが、これも私がつかんでいる範囲では、いろいろと予算等の群馬県内全体の平準化
があって厳しくなるかなということもあったのですが、まずまずいい流れになっているのでは
ないかと思っております。実はきょうも建設部をして、実はかねがね心配をしていた綾戸バイ
パスの関係も、全くこれが無になることではなくなっているという情報を国土交通省からいた
だいております。
 そういうふうなことから考えると、今度新しいそういう事業を求めていくとすると、議員の
提案されていることは、やはりこれはしっかりと受けとめなければならないというふうに思っ
ております。きょう、議員からいただいた玉原越えの、あるいは玉原地区のかつての集落のこ
と等については、やはり重要な歴史的な意義があろうと思います。同時に、藤原と池田地区の
往来の拠点でもあったということのご指摘、これらをとらまえたときに大変意義が十二分にあ
るなというふうにも思っております。したがいまして、これらについては、先ほど冒頭申し上
げましたように、一重に政治的な動きによるところが多いという宿命的なところがございまし
て、と申しますのは、決定的に市の直轄する事業じゃなくて県道という観点からどうしても群
馬県当局に世話にならなければなりません。したがいまして、そういうふうなことをとらまえ
て地元の人の意見を体して私も議員のご意見を体しながらいろいろとこれからの行動に処して
まいりたいと思っております。
◇24番(牧野保好君) まだ言いたいことはあるんですが、次の玉原湿原の関係に進めさせ
ていただきます。
 私、冒頭、学術的な湿地だというふうに申し上げましたが、多分市長、市議会議員の在任中
かもしれないんですが、1989年8月15日、昭和59年です。84年の国際推進植生学会
日本大会が玉原エクスカーション、踏査研究が湿原で行われました。同学会は毎年、世界各所
を回ってエクスカーションとシンポジウムを行っておりました。地球的な規模で植生と環境の
保全など研究議論をしている団体だそうでございます。このとき、横浜国立大学の宮脇 昭教
授を初めとして21カ国、73人の外国人学者と、いわゆる日本の学者、90人が参加してこ
の踏査研究が行われたわけであります。当時、堀江文夫市長の時代でございましたが同団体か
ら「沼田市植生調査報告書」が送られていると、いわゆる学術的にそうした面を持ったところ
でございます。
 先ほどご答弁いただきましたように、極めて行政は枯渇しないような手だてを講じていただ
いているというふうに理解をしております。また、地元の方たちも極めてボランティアでそう
した作業に加わっていただいて保全に努めていただいているところです。しかしながら、幾ら
貴重な自然でも、やはり人が手を携えていかないと、やっぱりそのままでは自然はなくなって
しまうわけでございまして、そうした意味でぜひこれを続けていってほしいというふうに思い
ます。
 高齢者の方ですが本当に自然が好きで尾瀬に行きたいということなんですが、あそこはなか
なか高齢者の方には難しいんですね。身障者の方もそうですが、位置的に見て極めて首都圏か
ら近い距離にありますし、これを玉原の第3の目玉として多くの方が来られるようにグレード
を上げていただきたいと思っています。
 一つは、玉原ラベンダーパーク、玉原スキーパーク、そして湿原が揃いますと三つ星と、こ
ういうふうに言いまして、極めてグレードが上がってくるということでございまして、ぜひそ
うした意味で今後、取り組んでいただきたいと思います。
 また、提唱されておりますとおり、第五次総合計画の中でも大自然と人々が共生する潤い、
ゆとり、安らぎの交流拠点、これを新市が標榜しておりますので、ぜひ積極的に取り組んでい
ただくことをお願い申し上げながら、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございま
した。
◇市長(星野已喜雄君) 大変貴重なご発言をいただきまして、まことにありがとうございま
した。
 宮脇先生、思い出すと横浜国大の先生だと思っております。この宮脇先生のいろいろな関係
の著書、あるいは新聞等の紹介は最近でも相当出ていると受けとめております。たまたまこの
先生のお弟子さんに、私の記憶に間違いなければ高橋場町ご出身のある男性の方がこの先生の
ゼミの一員で、研究生としていろいろとお世話になっているというふうに私は受けとめており
ます。その方のお姉さんのだんなさんが私と個人的にも縁があるのである程度、承知をしてい
るのでありますが、そういうこともございますので、また教育長も横浜国大のご出身でござい
ますし、えにしがあるなというふうに受けとめております。
 そういうことから、今、ご指摘されている関係は、確かにラベンダーしかり、それから東大
の理数の勉強の場所もしかり、いろいろと21世紀をリードする資源がきちんとあるなと受け
とめております。したがいまして、きょう、承ったご意見を体して、そういった今までの学術
調査等の関係にももう一度検証した形の中で、いろいろと当該地区の保護や発展のための手だ
てを打っていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後2時03分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後2時11分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、高柳勝巳議員。9番。
〔9番 高柳勝巳君登壇〕
◇9番(高柳勝巳君) 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 私の今回の一般質問は、大きなくくりとして「恵み豊かな環境の中で、幸福に暮らせる持続
可能な社会へ向けて」という視点での内容になっており、順次お伺いいたします。
 まず、最初は沼田市環境基本計画の評価と見直しの目的と視点についてであります。
 本市のこの計画は、平成16年度を初年度して平成26年度までの10年間をその期間と定
めていますが、その計画中間年であることと、平成17年に合併をしたため、白沢・利根のエ
リア拡大にともなって、今回見直すとのことです。
 私は、この際、見直しの条件が計画書にも記載のとおり「地域の社会情勢が大きく変化し、
新たな課題が生じ計画が実態にそぐわなくなった場合」や「進捗状況を点検、評価の結果、計
画がそぐわないと判断される場合」といった視点も取り入れ、急速に変化した「社会情勢」に
的確に対応できる計画として、しっかり再出発してほしいと考えるのです。
 エコロジーを辞書で引くと、「生態学、自然環境保護運動。人間も生態系の一員であるとの
視点から、人間生活と自然との調和・共存をめざす考え方」と訳されております。
 ですから、地球温暖化や異常気象などは自然が、私達人間活動が明らかに暴走をしてしまっ
ている経済崇拝社会に対して、人類はもともと、生態系の中のほんの一部にしかすぎず、生態
系を無視してしまっている現代社会への戒めと警告を発している事象と受けとめなくてはいけ
ないととらえるべきと考えるのです。
 こうした考えの上に、まず、この5年間の沼田市環境基本計画の評価について伺い、残され
た期間に、どういう視点でどこに力点を置いて見直していくのかをお聞きしたいと思います。
 さらに、同様な観点から、国の環境基本計画の見直しの動向も踏まえ、市長は沼田市民にど
のようなことを期待し、沼田市をどのような姿にして、本市の存在感をそこに発信していくの
かを伺いたいと思います。
 関連しての話になります。「自然環境や伝統文化の維持保存と観光の整合性について」です
が、昨年成立しました生物多様性基本法は、その視点は先ほど申し上げたように、人類も自然
生態系の一部であるという再認識をし、自然環境をとらえ直していくことを基本として作成さ
れています。
 具体的には、これまでの日本になかった野生生物や生息環境、生態系全体のつながりを含め
て保全する初めての法律で、既に国内には、鳥獣保護法や種の保存法、特定外来生物法など、
生物多様性の保全にかかわる数々の法律があり施行されていますが、鳥獣保護法はあくまで駆
除や狩猟などの対象となる鳥獣に対象が限られており、種の保存法や特定外来生物法も、それ
ぞれ絶滅が懸念される少数の生物の保護や、特に被害が大きいと認められている一部の外来生
物のみを扱ったもので、生息環境を含めた野生生物の包括的な保全の実現に向けた視点は欠け
ていました。
 こうした本格的とも言える環境政策の変化を受けとめた場合、単独の自治体としてこの法律
に対応していくことでは、そこに無理が生じてくると思われます。単に人間にとって有害とさ
れた鳥獣対策ではなく、自然との本質的な共生地域を確立していくためには、利根沼田を全域
一体でとらえて、その価値の保全のあり方を探っていくべきと考えますが、市長のお考えを伺
います。
 環境省の基本計画の見直しの視点でもう一つ挙げておきたい特徴点は、エコツーリズムにつ
いてであります。
 このエコツーリズムの概念を環境省では、「自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験
し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のあり方」
と定義し、近県では埼玉の飯能市が、その構想認定第1号となっています。
 エコツアーの具体例としては、屋久島の原生的な森林をめぐるなどすぐれた自然におけるツ
アー、小笠原でのホエールウオッチングなど野生生物を観察するツアーなど、本格的とも言え
るものから、里地の身近な生き物を観察したり、里山の暮らしを体験するツアーや植林や清掃
など環境保全のために実際に貢献をするボランティア的ツアーまで、多種多様であります。
 本市では、こうした視点で伝統文化の維持保存と、市内にある既存のさまざまな団体の活動
を生かし、体系化を目指しつつ、観光の両立を目指していくべきかと考えますが市長のお考え
を伺います。
 次には、主に生活環境という見地から、ずっと身近で具体的な取り組みについて伺います。
 まず最初は、食用廃油回収の取り組みについてであります。
 この取り組みは、本年2月及び4月より市役所や振興局、公民館などの市内の公共施設や小
・中学校合計29カ所に黄色い旗を立てて「食用廃油回収場所」を設置していただき、市内の
NPO法人が、回収して県内の食用廃油精製NPO法人へ引き取っていただくという仕組みに
ご協力をいただいたというものです。
 数年前から市内のNPO法人が始めたこの取り組みを、私は、生活排水の浄化と余った資源
の再利用を具体化した啓発実践運動ととらえておりますし、こうした取り組みに対して、深い
理解と関係部署や機関への周知、調整を行っていただいた民生部・環境生活課の一連の協力姿
勢には、この場をおかりいたしまして敬意を表したいと思います。
 今回の例は、行政が絶妙な形で民間と協力し合って、行政の持つ課題とNPO法人の持つ使
命を生かした好事例だと思いますが、ここでさらにこの取り組みを発展させられないかという
視点で、その活用策について伺います。
 その内容は、回収され精製された食用廃油燃料(BDF)を沼田市で使用してもらい、市内
で集めた資源を市内で循環させるという一連を、市民の方々に体感していただくところまで引
き上げてもらえないかということで、具体的には、軽油の代替燃料としてスクールバス等に使
用してはいかがかという提案になります。ぜひ積極的な検討をお願いいたします。
 続いて、身近で具体的な取り組みの二つ目の話になります、剪定材等の回収システムの検討
についてです。
 一般家庭や農家等から出される剪定材は、沼田市指定の袋に入れようとすると量は入らず、
破れてしまったりもする。そしてそれらは、業者へ依頼するケースと市の施設で処理費用をか
け焼却処分するという流れになっています。
 水と緑の大地を標榜する沼田市としては、何とかこれを生かす方法を考えるべきと思うわけ
です。
 先ほども申し上げましたように、剪定材を含めた木材は、扱いは困難でも、集める仕組みさ
えできれば、その活用策は多様です。チップにして道路等に敷く、さらに細かくして厩舎等に
敷く、ペレットなどに加工すれば、エネルギーとしての活用も考えられる可能性を秘めた「カ
ーボンニュートラル」に大きく貢献する資源であります。
 これを現状のままにしておくのは、「水と緑の大地」を標榜する沼田市としては、いかにも
「もったいない」と考えるのです。専門的見地等からの検討は、まだまだ未成熟な形での提案
ですが、ぜひ前向きな検討を訴えたいと思います。
 環境の改善の結果は、恐らく数十年という先になると推測されますが、しっかりした計画に
基づき、確実に実行、具体化が図られるならば、その効果はすぐにでもまちづくりやさまざま
な場面で沼田市の発信力となってあらわれてくると考えますので、抽象的な部分もありますが、
市長の率直なお考えをお聞かせ願い質問といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、恵み豊かな環境の中で、幸福に暮らせる持続可能な社会へ向けて、環境基本計画につ
いて、沼田市環境基本計画の評価と見直しの目的と視点についてでありますが、現行の沼田市
環境基本計画においては、望ましい環境像を「さわやかな空気、澄んだ水、緑豊かな自然に優
しいまち」と定め、11のテーマに区分して環境目標を設定し、その実現に向けて各種の事業
に取り組んでまいりました。
 成果につきましては、本年7月に行った市民アンケートでは、緑や水など自然系環境に対す
る現状での満足度はかなり高いものの、5年前に比較して変化がないと思っている方が半数以
上であり、騒音や地域の清潔さなどの社会系環境では、悪化したと感じている方が、よくなっ
たとする方を上回る結果が出ており、事業効果を市民の皆さんが実感するまでには至っていな
い面があるかととらえております。
 一方、ごみ問題や地球温暖化防止に係るさまざまな取り組みについては、おおむね半数以上
の方が実行されており、啓発事業等の効果が広まっていると考えております。
 見直しの目的と視点については、計画策定後に市村合併をし、圏域の拡大によって社会経済
状況が大きく変化したこと、また、昨今の地球温暖化対策を初めとする環境問題の急速な進展
などに対応させるため、計画の中間目標年次を機に計画を改定するとともに、喫緊の課題であ
る地球温暖化対策を地域で推進するため、市民・事業者・行政がそれぞれの役割を担いながら
取り組む実行計画を新たに策定することとしたところであります。
 次に、環境基本計画をめぐる情勢の変化と市長の考え方についてでありますが、さきの京都
議定書において、我が国は温室効果ガスの排出量を、2012年までに基準年の1990年よ
り6%削減することを公約し、その第1約束期間が昨年から始まりましたが、初年次の排出量
速報値では、1.9%増という結果が公表されました。
 また、9月に行われた国連の気候変動サミットにおいて鳩山首相は、アメリカ・中国などの
主要排出国が国際的な枠組みに参加することを前提として、2020年までに1990年比で
25%の削減を目指すという新たな中期目標を国際公約として表明しております。
 このことは産業部門や運輸部門だけでなく、市民生活に直結する民生部門においても、相当
に高いハードルだと受けとめておりますが、昨今の異常気象なども地球温暖化が要因と考えら
れておりますし、温暖化問題については危惧しているところであります。
 その他にも、経済活動の拡大による自然破壊や、日常生活が及ぼす環境負荷の問題など、す
ぐにも手だてを講じなければならないことが山積しており、環境対策は市民や事業者、行政が
一体となって、着実に取り組んで行かなければならない重要な課題であると認識をしておりま
す。
 現在、取り組んでいる計画改定等においては、地球温暖化の問題をすべての方々が共通の認
識として持ち、その対策に具体的な行動が起こせる内容を示していくとともに、本市の恵まれ
た自然環境を維持し、将来に継承できるよう、経済活動と均衡を保ちながら、自然との共生に
視点を置いた方向を盛り込んでいきたいと考えております。
 次に、自然環境や伝統文化の維持保存と観光の整合性について、生物多様性基本法成立と利
根沼田全域の価値の保全についてでありますが、議員ご案内のとおり、昨年6月に生物多様性
の保全を目的とした生物多様性基本法が施行されております。
 法の趣旨は、地球上の大気・水・土壌などの自然的要素によって、多様な生態系が形成され
ており、我々人間は、その恵みによって支えられてきましたが、みずからの活動によってさま
ざまな環境問題を引き起こし、生物種の絶滅や生態系の破壊など、生物の多様性に重大な影響
を与えております。
 人類共通の財産である生物の多様性を確保し、将来にわたってその恩恵を享受できるよう持
続可能な利用を行い、次の世代に引き継いでいくために、生物多様性の保全に関する理念とし
て定められたものであります。
 この地域においても、先人から受け継いだ貴重な財産である豊かな森林や清らかな河川など
の自然環境を基盤とした生態系が形成されております。これを保全し、将来に継承することは、
ここに暮らす私達の責務であり、何にも増して重要なことであると考えております。
 また、これは1市町村の区域に限定した問題ではなく、少なくとも利根沼田エリアでの共通
した価値の保全という考えのもとに取り組んでいかなければならないものと認識をしておりま
すので、隣接する自治体はもとより、県や国とも連携を図りながら、生物多様性の維持に向け
て、森林や河川、農地などの自然環境の保全と再生に努めてまいりたいと考えております。
 次に、エコツーリズムによる伝統文化の維持保存と観光の整合性についてでありますが、エ
コツーリズムは、地域にある自然や歴史文化などを体験・学習するとともに、自然環境に配慮
しながら地域の魅力を観光客に伝える新しい旅行の形態であると認識しております。
 特に、環境問題が取りざたされている今日、自然や歴史文化などの資源が豊かである本市に
おいて、エコツーリズムの取り組みは、従来型の観光より深い満足感や環境保全意識の向上を
観光客に与えることができます。
 また、地域住民においては、地域資源の価値を再認識したり、地域への誇りと愛着を感じる
など、他の観光地との差別化を図る上で有効な手段であると考えております。
 今後は、「田舎体験ツアー」や「そばオーナー」などのツアーを実施するに当たり、さまざ
まな団体との連携について研究してまいりたいと考えております。
 次に、具体的な取り組みについて、食用廃油回収の取り組み評価と今後の方向性についてで
ありますが、昨年9月にNPO法人利根沼田地域ボランティアセンターより、市で廃食用油を
資源として回収することについての要望書が提出され、双方で協議した結果、市は回収場所を
無償で提供し、回収作業は利根沼田地域ボランティアセンターが行うこととなり、本年2月か
ら市役所庁舎や振興局庁舎、地区公民館等、9カ所の市有施設で回収を開始し、さらに4月か
らは市内の全小中学校においても児童生徒による収集に取り組んでおります。
 10月までの回収実績では、合計で1,917リットル、月平均で約210リットルの廃食
用油を回収しており、それまでごみとして処分していたものが、資源としてリサイクル処理さ
れることにより、循環型社会形成の一助になるとともに、学校教育における環境教育の面から
も有効であったと考えております。
 なお、今後の方向性につきましては、廃食用油の回収に係る周知や啓発等に引き続き協力し
てまいりたいと考えておりますし、リサイクルされたバイオディーゼル燃料の市有車両での使
用についても、コストや運行の安全性、環境教育面での効果等を勘案しながら、検討をしてま
いりたいと考えております。
 次に、剪定材等の回収システムの検討についてでありますが、現在、家庭から排出される剪
定材については、指定ごみ袋でステーションに出されたものは、可燃ごみとして市の委託業者
が回収し、指定ごみ袋に入らないサイズのもの及び事業系から排出されるものは、排出者が清
掃工場に搬入するか、又は市の許可業者に依頼して処分していただいております。
 ご質問の剪定材等の回収システムの検討に当たりましては、まず排出方法について排出者で
ある市民や事業所との調整、また、収集方法に係る委託業者との協議、さらには収集した剪定
材の保管場所の確保が必要となります。そして、剪定材を資源として回収・処理した後の出口
として、安定的な活用方途の確保も課題となります。
 剪定材等は通年で一定量が安定的に排出されるものではなく、特に事業系のリンゴ農家から
排出される剪定材は、年に一度、2月から3月に集中して大量に排出されることから、保管場
所の対応が大きな課題になると考えられます。
 剪定材等の回収システムについては、現状では課題等が多々ありますが、地球温暖化対策の
視点等を踏まえ、関係方面とも調整しながら、研究をしたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので、幾つかの点について再質問させていた
だきたいと思います。
 最初の基本計画の評価と見直しの目的と視点についてということで、7月のアンケートの実
態を含めて丁寧なご答弁をいただきました。「全体としての満足度は高いものの、変化はして
いないんだろう」ととらえる人が50%いた、生活面においては「やや劣っている」という感
想が寄せられた、こういうふうにご答弁をいただきましたが、これはアンケートをとらなけれ
ば、把握する方法というのは、恐らく環境基本計画に基づいてはできなかったんじゃないかと
思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員お説のとおり、手法とすると、このアンケートの選択がやはり
正しかったのではないか。同時に、その経過を踏まえて後に生かしていくということになるの
で、有効な手だてでなかったかと受けとめております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。というのは、ここに数値はほとんどないんで
すから「これについてどうですか」と言えば、やはり漠然として「まあ満足したのかな、私は
ごみに気を使っていたんだろうか」というところの感想になってしまうわけです。以前、私は
ニセコの環境基本計画を、大変でしょうが、3年後、5年後の姿を目標値を設定をして退路を
絶ってつくったらどうですかというお話をしました。やはりそういうことをしないと、アンケ
ートでもとらない限りは評価ができないんじゃないかと思っているんですよ。今後については、
そういうことをお考えかどうかお伺いしたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 有効な手だては、やはり必要に応じて対応していくことが必要だと
思っておりますので、議員がいろいろとご指摘されていることについては、真摯に受けとめて
まいりたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。どうしてもやはり自己満足で終わって次にと
いう形では、やはりここの環境基本計画の一連の取り組みと進行管理というところに書いてあ
りますが、PDCAというんですか、プラン・ドゥ・チェック・アクションという一連の流れ
というのがやっぱり生かされてこないなというふうに私自身が考えております。今度つくると
きには、アンケートも含めて外部評価を入れながらつくっていくという理解でよろしいでしょ
うか。
◇市長(星野已喜雄君) 一応策定経過の中では、今、私の手元の新計画のスケジュール、プ
ロセスでありますが、来年の2月ごろを目途にパブリックコメントの募集を踏まえた形の中で
対応を図っていくという流れであります。
◇9番(高柳勝巳君) わかりました。やはりこの前のつくったものというのは、環境情勢が
かなり厳しいといえども、申し上げづらいんですが、天気のいい日にはたまには外に出て、身
近な環境を感じましょうとかいう事態認識ではもう既になくなっているなというふうに私は思
っているものですから、ぜひ外部の客観値、それから市民が今、とらえていることをしっかり
反映をした基本計画にしていかないと、あってもほとんど使われない、感想を聞かれればどう
かという程度の基本計画になってしまいますので、ぜひ難しいんですが数値や努力目標、具体
的に書かれたものに実行計画に近い形のものにできればしていってほしいなと思うんですが、
分けてつくるんであれば分けてつくります。一体的なものにするのであれば一体的ですという
ことで、どちらにしていくのか、お伺いできればというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今、経過中でございますので、議員が本会議で発言したことを重く
受けとめた形の中で対応を図ってまいりたいと思っております。
 なお、いろいろとそういった微細なことについては、私ども市当局もできるだけそういった
真剣にとらまえている議員さんのところにもご一報させていただくこともあろうかと思います
が、議員さんもまたいろいろと新しいお考え等があったら、私ども執行部にもまたご助言いた
だければ幸いでございます。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。まだ、策定の本当に入り口に入ったところな
ので、これから細部は詰めていきたいということなので、先ほどの私の意見、あるいはアンケ
ートの声を正確に反映できるような方向でぜひ取り組んでいっていただきたいなというふうに
思います。
 国の方の状況ですが、政権も交代しましたから昨年の方針でも今はもう違って来るんだろう
なというふうに考えていますが、先ほど来の質疑、質問、答弁もありましたが、これからは地
方の時代と言われておりまして、国が決めて補助金をつけるから、あるいは指針をつくるから
これをやってくださいという既製品の商品を地方が買う時代ではもうないと思うんです。地方
が自分の地域にある資源を生かしてこういうことをします、こういう商品をつくりました、国
が認めてくださいという時代だと私は思っているんです。そういう意味では、先ほど牧野議員
にもお答えをしましたが、貴重な環境資源をこの郡内で抱えた地域ですから、ぜひそのぐらい
の決意で今後に向けていただきたいなと考えまして、次に進みたいと思います。
 情勢の変化というのは、先ほど私が申し上げたことも一つなんですが、今までは民生部生活
課だったんですね。今年度からでしたか、環境生活課というふうにわざわざ名称を変えていた
だいたんです。生活課というのは人間の生活ですものね、環境生活課とつけたというからには、
自然環境も含めたところに私の市はしっかり目線を置きますよという理解でよろしいでしょう
か。
◇市長(星野已喜雄君) そういったご認識でよろしいかと思います。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。とすれば、先ほど申し上げましたとおり、か
なり国についていく、あるいはほかの自治体がやっているのを横目でにらみながらというので
は、やはり物足りないなというふうに私はどうしても思ってしまうわけです。そういった点で
もう少し市長に踏み込んだところをお聞きしたいわけです。
 平成20年度に環境モデル都市に関する取り組みについてということで、全国で10幾つか
が先駆的な取り組みをする自治体としてホームページに掲載をされています。全国では82が
手を挙げて、自分たちは環境モデル都市として本市を環境に配慮したまちづくりにしたいとい
うことで手を挙げているわけです。こういったものにも環境基本計画をもとにそれぞれの自治
体は出しているわけなんですが、市長はこれについて手を挙げる気持ちがあるかどうかお伺い
いたします。
◇市長(星野已喜雄君) 私どもも実は議員の今回のご質問を承る形の中でいろいろと環境モ
デル都市の関係について勉強、あるいは調査をさせていただきました。今次、私どもが承知し
ている流れでは、群馬県内では太田市が先般、提案をされたという経過があったようでござい
まして、さすが太田だなと思いながらも、一体全体、太田とうちの状態というのは、ご案内の
とおり、太田は平地でありますし、私どもは山間地でありますし、緑は当然、私どもが多いの
でありますが、結局太陽光を使ったものがそういった分野の中に出ていったのかなというふう
に仄聞をしております。したがいまして、持ち場持ち場のよさというものをそれぞれの自治体
が戦略的に組んでいくということが大事なのかなと思って受けとめさせていただきました。
 環境モデル都市の仲間の中に入ることについていかがかということでございますが、今回初
めていろいろとこういったことについて詳細に検討させていただきました。いろいろとご提案
をいただく形の中で、沼田市が、あるいは利根沼田が総体的に申し上げますると、利根川の水
がめでもございますので、そういった方向に流れていくということは、非常に自然の流れかな
と思っておりますので、今後、前向きに検討させていただきたいと存じます。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。答弁でも温暖化が急速に進んでいるというこ
とをポイントにしたいというふうに市長自身も今、お答えをいただきました。
 私も82全部が掲載をインターネットでもされているわけですよね。海があるところとか、
人口が多過ぎるところとかというのはうちと余り似通わないので、岐阜県の中津川と長野県の
飯田市、森林を多く持つ山間地域をプリントアウトしてみました。やはり具体的なんですよ、
話が。様式は環境省がつくっていますから、特徴を挙げなさい、やることを決めなさい、そし
て何トンCO2が改善されますかという数値を入れなさいということですから、様式は決まっ
ていますが、それに基づいて具体的なものを入れてあるので、私も読んでわかるんですが市民
がわかりがいいんですよね。これだけ基本計画で厚くなっちゃうと、やっぱりわからなくて、
だから市長、水がめである沼田市は何をするのというのがぼけちゃうんですよね、これだけ大
きいと。だから、やはりこれに基づいてそういう具体的なものをつくっていくと、ああそうい
うことをするんだな、私たち市民というのはこういうことをしていくんだということが具体的
になると思うんです。やれば本当にできなかったということでいろいろ言われるかもしれませ
んが、目標を立てなければできなかったということもわからないんですよ。進んでいるか後退
しているかもわからないんですよね。
 だから、全国が1,800あるうちのまだ82です。今からつくればトップランナーのとこ
ろには追いつくのかなと思うんですよね。ですから、環境基本計画を見直しますというときに、
その中には環境モデル都市にも手を挙げるといったような決意が含まれていないと、やっぱり
抽象的でどうしても終わってしまうんじゃないかというふうに考えていますので、ぜひもう一
度ご答弁いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほども申し上げましたとおり、私ども、ご案内のとおり、中山間
地域の持っている特性は、なかなか厳しい今の状況の中にあって、やはり恵まれたこの大自然
を生かしていくということは大いに戦力になっていくだろうというふうに思いまするときに、
環境を軸にした地域づくりは大変重要なポイントであると思っております。したがいまして、
議員がおっしゃっていることは、先ほど申し上げましたように前向きに検討させていただき、
そしてそれぞれについて精査をさせた形の中で今後の対応に処してまいりたいというふうに思
っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。ぜひその中に入れ込んでいただきたいと考え
ています。
 それで、環境モデル都市というのをつくりますと、今度、先進のところ同士で、あるいは上
を目指しましょうというところ同士で、今度は低炭素都市推進協議会というのがあって、これ
はお隣のみなかみ町が加盟をしています。館林市も加盟をして、何をするのかというと、新エ
ネルギーなんかの検討なんかも行うということなんですよ。そういうものが具体的になってこ
ないと、産業の育成もできませんし、市民のマインドも喚起ができないというふうに思うんで
す。みんな物に書いて出すだけじゃないかと言われれば、それまでなんだろうと思いますが、
シナリオも書けなければやることもできないんだと思います。ですから、モデルで採用になっ
たところは、新エネルギーもこのモデル都市も低炭素社会への取り組みも、ほとんどの自治体
は応募しているところが選択されているんですね。恐らくこれからは補助金はないと思います
が、当時のホームページでは最大で2,000万円というふうに補助金がつくものもあります。
ですから、一生懸命やったところには後でそれはそれなりに補助をしますよというのがこれか
らの流れになるんだろうなというふうに思っていますので、ぜひ午前中の議員にもプロパーを
入れて環境問題は取り組むべきだというお話もありましたので、私はそこまで含めてこういっ
たところにこれを契機にトップランナー集団に沼田市はぜひ名乗りを上げるんだという決意で
もって臨んでいただきたいなというふうに考えています。この中は大それた問題もあります。
針葉樹林と広葉樹林の研究ですとか、午前中にお話しいただいたものからありますが、食生活
の改善グループですとか、地域で地道に活動している皆さんにも具体的な問題が提案できるの
で、ぜひそんなものを一つの体系的にしていいシナリオをぜひつくり上げていただきたい。こ
れは関係部課には非常にプレッシャーになろうかというふうに考えますが、ぜひそういったも
のにまで高めていただきたいなというふうに考えておりますので、もう一度、ご答弁をいただ
ければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いみじくも議員が食生活の問題まで言及したご発言をされましたが、
先般も各団体とのやりとりの中で、そういった食生活等にかかわる団体のご意見等も承ってき
たという経過もございます。いずれにいたしましても、拠点とグローバルな視点とこの辺のコ
ラボレーションというんですか、整合性が大変重要なポイントになってくるのではないかとい
うふうに思っております。
 申すまでもなく、地方自治体の私どものところにあっては、環境問題等のプロパーの職員が
いるということにはなっておりません。したがいまして、そういったときにはよそ様の力ある
人の力から勉強するとか、あるいはまたそういったところに学びに行くとか、あるいはまた状
況に応じてはいろいろとそういった方々の力をかりるとかということが考えられてくると思っ
ておりますので、なかなか即答をわかりましたというところまで申し上げるのは若干慎重にな
りますが、議員のご提案はよくわかっているつもりでございます。したがいまして、そういっ
た方向に向かいながら努力をしてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願
いをしたいと思います。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。くどいようで申しわけないんですが、ぜひ
沼田市のコンセプトを前面に出した基本計画というんですか、そういった形にしていただきた
いというふうに考えています。
 もう一つ、これは考え方ですから、市長、もうわかったよということですから余り申し上げ
るのもなんだと思うんですが、新宿区との関係で一つ、これについてお話ししたいと思うんで
すが、今、インターネットの時代ですからいろんな会議録が公開をされていて、9月の新宿区
の環境審議会が全部公開されているんです。この沼田市との植林の関係の会議の中身も全部公
開をされていました。新宿区さんは「非常に沼田市さんが熱心なので、これは前向きに頑張ろ
うじゃないか」というお話をして、当該課の方の取り組みについてはかなり頑張っているんだ
なというのは推しはかることができるんです。
 ただ、審議委員の中には長期的に考えてどうかとか、それから東京都内にもう一つあきる野
市というのが候補でありますが、長距離で行って長い時間かけて滞在率の低いところでやるの
はどうかとか、疑問を投げかけるところもあるんです。ですから、沼田市はほかじゃなくて沼
田市でやる理由が欲しいですよね、今後という話なんですよ。新宿区ではエコポイントをして
買い物をしていいものをしたらポイントがついて、いろんな環境にいいメリットがつくという
シナリオを新宿区さんは考えているわけです。沼田市は具体的に何をしているんですかという
と、財政の豊かな新宿区に間伐や植林をお願いするのみというのでは、途中から失速をするん
ではないかという不安があるわけです。ですから、この基本計画をもとにしっかりとした環境
政策として、交流のみでなくて、交流から始まるとは思いますが、温暖化を通じてやっぱりし
っかりとした計画をつくることが大切だろうというふうに思っています。新宿区とは伊那市と
もやっています。そのほかにも幾つかあってネーミングを考えなきゃいけないという内容でお
話ししているぐらい引く手あまたな自治体ですから、数ある中で沼田市を選ぶ意味というもの
をやっぱりしっかりうちらがつくらない限りは途中で失速するんじゃないかと、こういう危機
感を私は持っているわけです。ですから、ぜひそういう意味も含めてこの環境基本計画及び具
体的な実行計画については、心してかかっていただきたいなということを再度申し上げておき
たいというふうに思います。体してやりますということで結構なんですが、その辺についての
感想をお伺いできればというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) あらゆるところであらゆる論議がなされているということ、いろい
ろと掌握されての発言でございました。私どもからいたしますると、いろいろと今日を迎えて
いる経過の中で関係各位の努力があってここまでまいりました。したがいまして、何とかこれ
が実現のためにもう一段の努力が必要であろうかと思っております。そういうふうなことで、
もう一踏ん張りしなければならない状況下にあるときに、今、ご指摘されたようなこと等も踏
まえて対応を図ってまいりたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、もう
一踏ん張りのところまで来ておりますので、ぜひご指導、ご支援のほどをよろしくお願いした
いと思います。
◇9番(高柳勝巳君) ぜひ担当のところの努力がうかがい知れる中身でもありましたので、
もう一踏ん張りをぜひお願いしたいということと、つけ加えまして、やはりこれは単なる交流
事業ではいけないでしょう。それから環境基本計画に戻りますが、民生部、環境生活課だけの
問題では、もう当然なくなってくるんですよね。総がかりでこれにかからなければ、恐らくい
いものはできてこないんだろうなというふうに思うんです。これから述べる有害鳥獣は農政、
経済部になるでしょうし、環境教育は教育委員会になると思うんですね。ですから、これは交
流の窓口や環境生活課だけで取り組んでいたんでは対応は無理だというふうに考えますので、
その辺についてのお考えはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) やはり行政ですから、観念的になることはできるだけ避けたい。し
かし、実態として着実に前にも進めていかなければならないということから、それぞれのセク
ションでいろいろと努力をしてきた経過の中で今日を迎えております。
 したがいまして、間もなく今月も区長が来沼する予定にもなっております。したがいまして、
ここのところが一つの大きな節目になってくるかなと思いながら努力をしているところでござ
います。議員が全庁的な視野に立ってということもあります。それらについては今後の対応等
に向かってのところで、必要があればやはりそういった方向に向かっていかなければならない
のではなかろうかと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 必要があればでなく、ぜひ必要だと私は思いますので、再度お願いを
して次に移りたいというふうに思います。
 生物多様性基本法の成立との関連についてですが、1回目の答弁で持続可能ということでご
答弁をいただきましたので、利根沼田全体での視野で取り組みたいということでおおむねよろ
しいんですが、前にも若干触れましたが、日本獣医生命医科大学の野生動物教育研究機構とい
うんですか、これはやっぱり意識してほしいなというふうに考えているんです。これは日本獣
医生命医科大学からプリントアウトしてきましたが、ことしの6月に群馬県とこの大学が包括
連携協定を結びましたというふうに大学のホームページに掲載がしてありまして、野生動物対
策研究センター(仮称)を設置して、本格的な有害鳥獣の対策としてでなくて、生態系の研究
やら自然との共生を考える拠点にしていきたい。これはそのまま書いてありますが、「我が国
で初めて学部、学科、大学院を横断した野生動物専門の教育研究機構です」ということなんで
すよ。
 ですから、先ほどの環境基本計画もそうですが、視点はこういうところに立たないと、やっ
ぱりほかと違いというのは出てこないんじゃないかと思います。新宿区の環境審議会でも尾瀬
が近くありますねというお話をされました。それから、利根西の方では赤谷プロジェクトなん
ていうもので環境問題を考えるプロジェクトができ上がっています。その真ん中に沼田市があ
ります。そして、やっぱり本格的に人間の生活に困るところだけ駆除する、あるいは排除して
いくという考えじゃなくて、人間が住まわせてもらっていたところなわけです。ですから、そ
ういった本格的な研究をするところの第1号として沼田市がPRするという点では、私は本当
に期待をしておりますので、この辺についての市長のお考えをお伺いしたいというふうに思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県ご当局の関係では、いろいろと私もご案内のとおり、農業団
体の関係からよく接触をする機会がございます。ホームページ等ではかなり煮詰まったような
状況が紹介されているようでございます。私どもからすると、担当する課長に直接に会ってそ
れらをきちんと確かめた形の中で、そういった先様と本県のそごが来さないような形があるの
かどうかということまでも確認した形の中で、今のお話しされているようなことについての対
応に処してまいりたいというふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 中身の詳細を詰めないといろいろ難しい面もあるというお答えでした
。当然だろうなというふうに思います。それは当然としつつも、ぜひ注視をしつつ、利根沼田
のあるべき姿の保全に向けてもう一回やるんだと。順番が順番で大変申しわけないんですが、
私は玉原に道路をつくるんであれば、動植物がやっぱり主役になるようなエリアとして玉原湿
原も位置づけるべきだなというふうに考えております。そういう意味での生物基本法というの
ができたんだと思います。
 じゃ、建設業者等はどうするんだといえば、直す方に使っていただきたいなと思います。つ
くるよりも直す方が大変なんです。ですから、直すという視点でもって自然や地域とかかわっ
てもらいたいというのが私の本旨でもあります。2番に当たればこんなことは言わなかったん
ですが、3番目に当たったものですから、ぜひその辺についてのお考えをお伺いできればと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) そういったご論議のいろいろなそれぞれのお考え方はあろうかと思
います。市長の立場からいたしますると、当然、ご発言された方のご意思を体して、そしてそ
れができるだけ速やかに実現できるように努力していくのが、私の務めだと思っております。
 したがいまして、いろいろとご意見の流れというものはしっかりととらまえた形の中で今後
の対応に処してまいりたいと思っております。
 ざっくばらんに申し上げて、玉原の関係等については、やはり前段の同僚議員もご発言され
たとおり、大変重要な内容の資源でもございますので、しっかりとした形の中の対応を図って
いく必要があるというふうに受けとめております。
◇9番(高柳勝巳君) 答弁、苦しい中でありがとうございました。私の方は、短い時間帯で
の問題ではないので、環境問題として沼田市がしっかりと位置づけて今後に処していただきた
いということを再度申し上げまして、次に移りたいというふうに考えております。
 エコツーリズムについてですが、新しい旅行という形でご答弁をいただきました。それから、
私の求めていた地域の皆さんの活力も活用できるということで、これは大体こんな方向でとら
えていただければ、本当にありがたいなというふうに考えております。
 最近、ヨーロッパの農家の収入の20%というのは、グリーンツーリズムで収入が成り立っ
ているんだそうです。やはり諸外国の余生と言ったら失礼になるんでしょうか、老後の一番の
楽しみというのは、やっぱり世界じゅうや国内の歴史や文化に触れて、それらを人間性に生か
していくというのが、世界じゅうの傾向になっているんだなと考えますので、今を追うんでは
なくて、今後の傾向に対してしっかりとフィットをしていくというんですか、合わせていくと
いうことがないと、今のニーズに合わせていたんでは、やっぱり一番最後になってしまうんだ
ろうなというふうに考えているわけです。その辺についての考え方をもう一度お伺いできれば
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員はいろいろと造詣が深いので、私がこれから申し上げることは
百も承知かと思いますが、ご案内のとおり、フィールドミュージアムという言葉がかつてござ
いました。その次にエコミュージアムという言葉が出てきたと思っております。グリーンツー
リズムという言葉があって、今次の流れがエコツーリズムということは、今お話しされたとい
う形の中で、エコツーリズムとエコミュージアムというのは、私は整合させてもよろしいので
はないかと受けとめております。
 先般も火坂先生のご来沼をいただきまして真田三代にまつわるいろいろなご講演をいただい
た形の中で、今、歴史の関係のことについていろいろと対応を図っていく中で、当然、そこに
は途中にせせらぎがあったり、あるいはまた自然の遺産があったりするというところもあると
思います。となると、そこのところに歴史の流れの部分にそういった自然の持っているよさも
カウントされていくことによって、非常に複合的な魅力が創出されるんではないかというふう
に受けとめております。よく二兎を追うものは一兎もとらまえることができないという言葉が
ありますので、この辺は慎重にしながらも、将来に向かってはやはりそういった流れになって
いくのではないかというふうに思っております。いずれにいたしましても、歴史遺産とそうい
った自然の持っているすばらしさというものの整合される形の中の地域力の創出というのは大
変意義があろうかと思っておりますので、このエコツーリズムについては、積極的に勉強し、
あるいはまた検討を加えていきたいと思います。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひそういう形で取り組んでいただければ
というふうに考えています。
 これはエコツーリズム推進法についてということで環境省のホームページに出ていましたが、
これは先ほど来、時間をかけて自然と触れ合うエコツーリズムが推進される事例が見られるよ
うになってきました。しかし、現在は地域の環境への配慮を欠いた単なる自然体験ツアーがエ
コツアーと呼ばれたり、観光活動の過剰な利用により、自然環境が劣化する事例も見られます。
これに対応するためにエコツーリズムの取り組みの基本をつくったんですということだけを、
もう一度胸に踏まえて推進をしていただきたいというふうに考えております。
 これもまた大げさな話になるかもしれませんが、尾瀬も今の環境を守るのに、観光数はふえ
ましたが、一面それを維持するということに苦慮もしているというふうに聞いています。それ
から熊野古道で有名なところも、観光客を誘致しましたが、それでもってもとである環境が劣
化しているという事例も聞いておりますので、これからはやはり行く人の礼儀というんですか、
行く人も覚悟を持って自然と触れ合う、伝統文化を学ぶということが大事になってくるんだろ
うというふうに思いますので、これは市長に申し上げても釈迦に説法ですのでご答弁は要りま
せんが、その辺を申し上げて、次の具体的なお話に移りたいなというふうに思っています。
 食用廃油の回収に関しては、先ほど申し上げましたとおり、私は本当に市のこの間のご協力
に対して敬意を表したいと思います。小さな取り組みかもしれませんが、先ほど環境モデル都
市も、食用廃油に取り組んでいるところが幾つかあるぐらい、やはりこれは小さな取り組みで
も波及効果が非常に高い取り組みだろうというふうに思います。
 安全性とコスト、これは当然、ついて回りますから十分精査をしていだたきたいと考えてい
ますが、これは教育長に通告していなかったんですが横で聞いてもらえばありがたいんですが、
スクールバスに活用していただくということですから、本当は通告しなければ失礼だったんで
すが、実は今月、今、月に2回、回収をしているんですが、8日が第2火曜日で、当該のNP
Oでは障害者の方をもう1人連れてそれで回収に回ろうという試みに発展しつつあるんです。
なかなか景気も低迷していて、一般企業で就労が難しいということで社会福祉協議会等も苦労
している中で、雇用まではいきませんが雇用の訓練にまではそれで生かせるということです。
 それから、教育関係もご答弁いただきましたが、白沢中学校では白沢中学校育成会の方に収
益はお戻しをしてそちらの活動に使っていただくというのが特徴点であります。ぜひこういっ
た面を本当に小さなものとしてとらえず、市全体の灯台としてとらえていただければなという
ふうに私は考えているんですが、その辺についての考え方について市長にお伺いしたいと思い
ます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後3時07分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後3時14分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 現下のいろいろな日本国の注目される課題、それは環境問題ではな
いかと、こういう認識が当然、私にもありますし、議員にもあろうと思います。やはりそれは
ある意味においては生きた教材になるのではないかと思っております。当然、学校教育の現場
もいろいろと環境教育等をされておられると思います。そういった中で実践に裏打ちされた経
過があって、そしてそれがいろいろと好影響を与えていくということは非常にすばらしいこと
なのではないかと思っております。したがいまして、今、ご質問あるいはご意見の中にござい
ましたように、その行為がよい方向に波及されることは、私は歓迎したいと思っておりますし、
またそういったことについては大いに応援をしていく立場になろうかと思いますので、よろし
くお願いいたします。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。教育長にはちょっとおわびを申し上げなが
ら、ぜひ今後、教育委員会として取り組んでいっていただければありがたいと思います。
 これについては、コストと安全性、先ほど申し上げましたが、お話がありました。で、もう
当然、当該課ではコスト、安全性についていろいろ情報収集したりして恐らく研究をされてい
るんだろうなと考えておりますが、幾らか活用策について、あるいは動向について申し上げて
おきたいと思います。
 食用廃油は、今、BDFとして活用されるだけじゃなくて、今、軽油に3%まぜて販売がで
きるというのが間もなく法律が通るという見通しだそうです。そうすると、軽油にまぜて売る
ことが法的に認められてまいりますので、そうすると、先ほど申し上げましたコストの問題も
やや見えてくるのかなと考えておりますし、このNPOと若干お話をしましたところ、A重油
への転換というのも研究をしているそうです。ご存じのとおり、A重油に転換できるとボイラ
ーの重油と同じですからビニールハウスの暖房ですとか、消雪の暖房ですとか、目に見えて私
たちがむだにせず回収したおかげで、それが地域で消費されてカーボンニュートラルになりま
すよというのが目に見えるという形に近づく。これは安全性という点では、先ほど、市長が答
弁したとおり、まだ100%の安全性ではないので十分それは見ていただきながら取り入れて
もらいたいんですが、可能性というのは雇用の問題でも、化学技術も進んできておりますので、
不安材料というのは日を追って解消される方向に私はいくんじゃないかなというふうに考えて
おりますので、その辺についてのお考えをお伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員、先般も環境問題ワークショップに出られておられたと思うん
ですが、私もわずか40分のご講演、その後、ワークショップに参加させていただきまして非
常に的を射たご講演をされた横島先生にいろいろと教えを請うことがございました。
 実はご講演が終わった後、この横島先生が太陽光の発電に大いに着眼した方がいいんではな
いかというご示唆をいただいたんであります。そういった中で余れば売ればいいんだというこ
とで言い方をなされまして、要するに非常に今の効果的な運用のことについていろいろなご示
唆をいただきました。
 今の関係の燃料の問題も、そういう意味では一石二鳥という言葉がいいのかどうかわかりま
せんが、一つのことの行為がほかにも好影響をもたらすという意味で大変重要なポイントにな
っていると思います。したがいまして、今後ともいろいろと担当部課にも指示をいたしますが、
またよろしくご示唆をいただければありがたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。まさに市長の、一つが具体的に進めばいろ
んないい面も見えてきます。もちろん、課題もはっきりしますが、踏み出さないことには市長、
何も始まらないんだろうというふうに私は思っています。
 この間でいえば、本当に繰り返しになりますが、食用廃油の回収に協力をいただいたという
だけで、これだけ障害者の方が今度、行ってみようかなという気持ちになった。これは非常に
前向きになると思うんですね。白沢の方も正直、まだ回収の量は大したことはございません。
でも、それを使ってお花の種を買ってグリーンカーテンに使った、自分たちでためたお金でア
サガオが咲いた、ヘチマがなったというのが、やはり教育効果を格段に高めていくんだろうな
と。そうすると、地域の誇りにつながっていくんだろうというふうに私は考えています。
 機会があって宮崎県の綾町の話をしましたが、綾町は環境というか、有機農業で全国に名を
はせているところですが、子供はやはり自分のふるさとを誇りに思って、修学旅行に行って逆
に私の町、知っていますかと聞くというんですよね。やっぱりそこまでなる、もちろん、いな
いとは申し上げません。今でも一生懸命教育委員会もやっていますし、スポーツを通じて頑張
っているのはわかりますが、こういう問題もそういう可能性を必ず持っているんだというふう
に私は思いますので、ぜひ課題克服に向けて前向きな研究をよろしくお願いしたいというふう
に考えています。
 最後になります。剪定材です。先ほど四つの課題プラス、リンゴの枝については2月にまと
まって出るので非常にハードルが高いですよというお話をお伺いいたしました。確かに排出方
法、収集方法、保管場所、出口、どれをとってもまだまだ私もいささか乱暴で、2回目、3回
目がこれをすればできるというものをまだ持ち合わせているわけではありませんが、やはり先
ほどの環境モデル都市に挙げたところは、やはり森林、木材というものを題材にしたまちづく
りをモデル都市として手を挙げているんですね。大きなことからでなくて食用廃油から回収し
ましょう、剪定材からいきましょう。いきなり大きいプラントを建てるとリスクも高いし、無
理が生じる。そういう意味で私は本当は木材というふうに言いたかったわけですが、身近なあ
る課題を解決できたら次にいきましょうという観点で剪定材ということを申し上げたわけです。
ぜひこの剪定材というのも先進事例、破砕機のレンタルをするとか、いろんな小さい取り組み
がたくさん全国にはございますので、ぜひこの四つの課題プラス、リンゴの2月に集中する、
この五つの課題を克服に向けて取り組んでいただきたいわけですが、それについての再度のお
考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県のリンゴ生産の中核を担っている本沼田、あるいは利根沼田
地区でございます。量こそ長野や青森には勝てないわけでございますが、味、品質においては
胸を張って日本一というところに立候補してもよいぐらい、その評価は高いと受けとめており
ます。
 それだけに農家の方々が手塩にかけたリンゴは高く評価されていると思っております。その
シンボリックな地元産業の関係から来る剪定材をどういうふうに処理するかということ、これ
をただ単に燃やしてしまえばということになっちゃうわけですね。それを有効利用しようとい
うことになろうかと思います。先ほど申し上げましたように、地元産業の中核を担っているリ
ンゴのところから来る剪定材の取り扱いを一つの環境のところの問題の流れの中の一角に組み
入れていくということができるとすれば、非常に環境に優しいリンゴ経営というふうなことに
発展していくということになろうかと思っております。
 私も実は議員への答弁をつくる際に、ある友人がよく佐山の別荘に来る方がおられまして、
家内の関係からお伺いする機会があったときに、このリンゴの剪定材を使ったハム、燻すわけ
ですが、そういうことも大変いいんだというご示唆もいただいていた経過もあって、いろいろ
な仕組みを考えていく必要があるんじゃないかということは、かねがね思っておりました。
 ご提起されたことを契機にいたしまして地元の中枢産業のリンゴの剪定材というものを有効
利用ができるとすれば、これは一つの大きな売りになっていくのではないかと思っております
ので、いろいろとまたご意見を賜りたいと思います。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。リンゴの剪定材の燻製の話を伺いまして、
きょう、民放でリンゴの木村さんという方が当市でも研究をなさった方の特集を1時間番組で
されるようです。リンゴの剪定材が燻製の材料になるというのは、ストーリーとすれば非常に
いいんじゃないかというふうに思っています。それを使うに当たって細かく砕くのか、そのま
ま使うのか、私はちょっとはかり知れませんが、いずれにしても、川場の桜の木のチップがい
いのでということでドイツのハムのコンテストで入選をしているというのを私は聞いています
ので、ぜひそういった形にいろんな形で活用やストーリーができると思うんですね。市がまず
その姿勢を持ってもらうということだと私は思っているんです。日ごろ、市長がこれはやりた
いというものを前面に出して、これから環境基本計画や実施計画等に向けていっていただきた
いというふうに考えるわけです。
 最後に、そうしたところについての決意をお伺いして、私の一般質問を閉じたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 環境問題をとらまえたときに、非常に奥行きが深くて難しいなと。
しかし、今回もいろいろなところでも申し上げてきたある方々のご発言に、「1人の100歩
より100人の1歩が大事だ」という名言を私も3年ほど前にいただいておりまして、そうい
った意味でみんなが共有し合って取り組んでいくことが大事だなと。それはひとり沼田だけで
はなくて、考えてみると、オール地球上の65億の民人たちがひとしく考えていく課題なので
はないかと思っております。
 いろいろと資料、あるいは識者の論文等を拝見いたしますと、気がついたときにはもう取り
返しがつかないということに一体全体人間がどこで気づくのかということが大事なのかという
感じを持っております。したがいまして、このことはかなり人間そのものが自戒の念を持って
して、しかも他の方々と共助の心がないとなかなかうまくいかないのではないかと思っており
まして、みずからを律し、そして他の方々と共助し合いながら頑張っていく大きなテーマかと
思っております。
 先般もそういったことを学校教育の現場を大いに活用することも大事なのではないかという
ようなこと等もこれまた私ども行政の立場からも受けとめております。当然、大先輩のご高齢
の方々は、かつて非常にそういう意味では資源、あらゆるものを有効活用した生活の知恵者で
もございました。そうした大先輩の生活の仕方等についても謙虚に学んでいくということ、こ
れまた大事かなと思っております。そういったことから、今後ともいろんな意味で分析をして、
私ども沼田市もできるところから始めていくという謙虚な姿勢で臨んでまいりたいと思ってお
ります。
      ――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、大東宣之議員。20番。
〔20番 大東宣之君登壇〕
◇20番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、公共交通について、グリーンベル21について、中心市街地土地区画整理事業に
ついて質問いたします。
 まず初めに、公共交通についてより質問します。
 高齢者や高校生など、自分で車を運転しない人などの貴重な足として運行されていた乗合タ
クシーの運行が9月末で中止されました。
 本市は、過疎・少子高齢化の進む山間地域であり、通院、通学、買い物など、日常生活を支
える上で、地域と中心市街地を結ぶ公共交通、とりわけバスは、市民にとってなくてはならな
い貴重な移動手段です。全国的に見ても路線バスの運行など公共交通の確保には苦戦していま
すが、長野県木曽町では、幹線路線、巡回バス、デマンド交通などを組み合わせ、住民の足と
してバス運行を充実させ、利用者を伸ばしているようです。
 この木曽町の特徴は、バスの運行に使っている税金は年間1億7,000万円で、運賃収入
が4,000万円、差し引き税金の投入は1億3,000万円となり、町民1人当たり約1万
円になるそうですが、バスの運行は「福祉」という位置づけで、採算面よりも住民の移動手段
の足を確保することに力を注いでいることです。木曽町では、「木曽町地域公共交通協議会」
が組織され、「バスを活用して地域連携を図るための広報・PR活動」、「運賃・財源・運行
内容、ダイヤ等の改善事業」、「バス停改善事業」などについてワーキンググループで検討し、
住民アンケート、シンポジウム、検討内容の公開などに取り組んでいます。さらに料金も10
0円の均一料金からのため、街なかから離れた山間地域からも低額の料金で利用できるため、
引きこもりがちの高齢者もバスを利用して出かける人が多くなるなど、別な効果も生まれてい
るようです。
 乗合タクシーが運行される中で、地域から意見を聞いたり、運行ルートの見直しなどを行い
利用者の増加に取り組んできましたが、奈良・秋塚線で1便当たり0.99人、宇楚井・原・
上川田線は1便当たり1.60人、収支率も20%を割り込むなど経営的には厳しいものがあ
りました。しかし、利用者が全くいなかったわけではなく、高齢者などが貴重な移動手段とし
て利用していました。早急に公共交通の整備に取り組むことは、本市にとって重要な課題であ
り、その充実に取り組むことを求めるものです。存続を求める声もあった乗合タクシーですが、
乗合タクシー廃止後、どのような検討がされているのか。そして、新年度に向けどのような対
応がされるのかお伺いいたします。
 本市では、路線バスのバス停から離れている地域が少なからずありますが、公共交通の空白
地域の状況と、これからの公共交通についてどのような検討、対応がされるのかお伺いいたし
ます。
 続いて、グリーンベル21について質問します。
 再開発事業として取り組まれ、本市の商業活性化の期待を担っていたグリーンベル21は、
郊外への大型店の出店、キーテナントの撤退、低迷する景気などによって、空床が埋まらない
など苦戦が強いられ、沼田都市開発の経営も厳しいと言われています。
 こうした状況の下、グリーンベル21の85%を所有している三井生命よりその資産の無償
譲渡の申し入れが本市にあり、さまざまな意見があったものの、市は、その申し出を断りまし
た。
 市ではこの間、空きフロアを利用した各種イベントを行うなど、グリーンベル21の活性化
に取り組んできましたが、グリーンベル21の位置づけや抜本的な活性化に向けた取り組みに
ついては不透明と感じざるを得ません。
 三井生命より無償譲渡の申し出があってから、市では、時間をかけ、無償譲渡を受けるか受
けないかの検討をしてきましたが、グリーンベル21をどう活性化させるのかといったような
検討がされてきたのかは疑問を感じるところです。
 グリーンベル21は、民間の施設であり、その活性化についてはあくまでもみずからが取り
組むのが当然ですが、設立からこれまで市としてもさまざまな取り組みをし、沼田都市開発の
最大の株主でもある本市としては、すべてを任すわけにはいかないのではないでしょうか。
 日本の経済は、急激な円高によりまたまた困難に直面し、地方経済の疲弊は目を覆うばかり
で、出口の見えない状況にあり、グリーンベル21の活性化も難しさがありますが、具体的な
取り組みを進めていかなくてはならない時期に来ていると思われますが、これまでどのような
取り組みがされ、その評価についてどのように検討されているのかお伺いいたします。
 沼田都市開発も経営環境が厳しさを増す中、空床も解消されないなど困難に直面しています
が、グリーンベル21の入り込み客の状況、沼田都市開発の経営状況はどのようになっている
のかお伺いいたします。
 さらに厳しい状況が続くことが予想されますが、今後グリーンベル21に対し、どのような
検討、対応がされるのかお伺いいたします。
 続いて、中心市街地土地区画整理事業について質問します。
 中心市街地の活性化を目的に、中心市街地活性化法により、土地区画整理事業をベースに取
り組みが始められました。
 土地区画整理事業は、一般的に長い期間と莫大な費用がかかると言われていますが、本市の
場合のように建物が密集している中心市街地での土地区画整理事業は、さらに難しいとも言わ
れています。これまでに下之町の一部で事業が進み、そして上之町の一部で新たに事業が始ま
りました。
 本市の中心市街地土地区画整理事業は、まもなく事業完了年度を迎えようとしていますが、
事業完了にはほど遠い状況であり、事業期間を延伸する考えであることが表明されています。
さらに本市の財政状況を見るなら、このまま終わりの見えない土地区画整理事業を続けること
に不安を感じる人も少なくありません。
 これまでにもまちづくりのさまざまなコンセプトが打ち出されてきましたが、具体的なもの
はいまだ示されてはおらず、現在始められた上之町の1街区と2街区の一部以外での取り組み
は未定であり、先行きの見えない状況にあり、この土地区画整理事業がいつまでかかるのかわ
からない状況にあると言えるのではないでしょうか。
 中心市街地土地区画整理事業のこれまでの取り組みと、現状はどのようになっているのかお
伺いいたします。
 上之町1街区での事業がスタートしましたが、上之町1街区について、今後どのように進め
られるのかお伺いいたします。
 このまま土地区画整理事業を続けることは、厳しい財政状況にある本市にとっては難しい状
況ではないかと考えられますが、今後の事業の財政負担はどのように推移し、事業完了をいつ
ごろと考え、これからどのような対応をするのかお伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、公共交通について、これまでの対応と今後の取り組みについて、乗合タクシー廃止後
どのような検討がされているのかでありますが、9月末をもって試行運行を休止させていただ
いた乗合タクシーだけでなく、市が運行する乗合バスにおいても利用者が年々減少しているこ
とから、市の公共交通を総体的に再検討すべく、地域公共交通の専門家である前橋工科大学の
湯沢教授のご協力をいただきながら、本年度当初から取り組んできております。
 5月には1カ月間のバス利用者の乗降調査、引き続き6月から7月にかけて6路線の沿線地
域、約8,500世帯を対象にアンケート調査を実施いたしまして、その結果を分析していただ
くとともに、それらに基づき、本市の公共交通の方向性についての提言をいただきました。
 現在は湯沢教授から提言をいただいた内容について、庁内の路線バス対策検討委員会におい
て、提言を実現するに当たっての課題や問題点の検討を行っているところであります。
 次に、新年度に向けどのような対応がされるのかでありますが、提言に基づいて新たな運行
方式としてデマンドバスを導入する場合には、利便性と効率性が両立できる運行方法や運行に
要する経費、利用推計などについて検討するとともに、現在のバス利用者や住民の方々の意見
も直接伺う必要があります。そうした全体的な検討を行った上で、最終の方向を判断し、新た
な運行に向けた諸手続に入っていくという流れを考えております。
 次に、公共交通の空白地域の状況と、これからの公共交通についてどのような検討、対応が
されるのかでありますが、交通空白地域と言われるのは、既設のバス停留所からおおむね50
0メートル以上離れている地域としており、これに該当するのは、本庁で15地域、白沢で2
地域、利根が7地域であります。
 現在の路線バスは、決まった時刻に決まったルートを運行する定時定路線方式であるため、
どうしてもルートから外れた利用ニーズに対応することは難しい状況にあります。
 公共交通の最終手段とも言われるデマンド方式による運行では、一定のエリア内において、
決まった走行ルートや時刻表を持たず、利用者からの要求に応じて運行することが可能となり
ますので、先ほどお答えいたしましたように、デマンドバスの検討の中で、交通空白地域をど
うカバーできるかも含めて検討することとしております。
 次に、グリーンベル21について、現状と今後の対応について、これまでどのような取り組
みがされ、その評価についてどのように検討されているのかについてでありますが、グリーン
ベル21に対する取り組みといたしましては、ビルの活性化対策の一環として、2階及び4階
の空き床を利用した市主催の各種講演会やイベントを4月から11月までに22件開催し、さ
らに12月から3月までに約16件を計画しており、にぎわいの創出等の支援を推進している
ところであります。
 評価といたしましては、11月23日現在の来場者や参加者の総計は約1万700人となっ
ております。
 また、沼田都市開発株式会社に確認をしたところでは、「全体の売上げとして顕著な変化は
ないが、一部の店舗においては下げどまりにつながっている」との評価をいただいているとこ
ろであります。
 なお、グリーンベル21の出店者からの声といたしましては、店舗・業種により異なってい
ると思われますが、「いつもと違う来店者もあり、売り上げもあった」「人の動きがあるが、
売り上げは変化しない」等の意見が寄せられているところであります。
 次に、グリーンベル21の入り込み客の状況、沼田都市開発株式会社の経営状況はどのよう
になっているのかについてでありますが、まず、グリーンベル21の入り込み客の状況につい
てでありますが、沼田都市開発株式会社から月例で報告をいただいている「駐車台数調べ」を
入り込み客の一指標としてとらえているところでありますが、その結果は、4月期において前
年度対比が92%であったものが、9月期は98%、10月期は100%となっております。
 次に、沼田都市開発の経営状況はどのようになっているのかについてでありますが、6月に
市議会議長あてに、平成20年度の経営状況についてご報告を申し上げておりますが、非常に
厳しい経営状況下にあると認識をしているところであります。
 次に、今後、グリーンベル21に対しどのような検討、対応がされるのかについてでありま
すが、今後のグリーンベル21に対しましては、三井生命保険株式会社における第三者譲渡の
動向を踏まえながら、グリーンベル21の活性化が図られるよう、沼田都市開発株式会社と協
議・検討をしていく必要があると考えております。
 また、去る11月16日に、市において「沼田都市開発株式会社経営検討委員会」を設置い
たしました。この委員会は、国のガイドラインに基づき、第三セクターである沼田都市開発の
経営状況の分析・評価と抜本的な経営改革の検討を行なうことを目的として、公認会計士、弁
護士及び中小企業診断士等の有識者の方々4名にご委嘱を申し上げております。
 本経営検討委員会でご検討をいただいたご意見等をもとに、沼田都市開発の今後の対応策を
思料してまいりたいと考えております。
 次に、中心市街地土地区画整理事業について、状況と今後の対応について、中心市街地土地
区画整理事業のこれまでの取り組みと、現状はどのようになっているのかについてであります
が、既に平成15年度までに事業用地の先行買収が終了し、平成16年2月には、第1回の事
業計画の変更を行ったところであります。その際には、区域内面積を8.4ヘクタールから8.
8ヘクタールに、また、平成10年度から平成22年度までの事業期間を3年間延長し平成2
5年度までとし、現在の状況となったところであります。
 仮換地指定につきましては、第1回の指定を平成17年11月に8街区東側・グリーンベル
21立体駐車場東側で行い、さらには、第2回の指定を平成19年1月に8街区西側で行い、
順次、建物移転に着手し、事業の進捗に努めてまいったところであります。
 今年度につきましては、8街区西側におきまして建物の移転が終了し、区画道路の新設工事
に着手したところであります。また、7月には、地元の合意がいただけたことから、第3回の
仮換地指定を行いました。今回の仮換地指定につきましては、上之町1街区と2街区の一部に
ついて行い、仮換地指定率が10.1%から28.1%となり、指定面積は総面積の約3割弱
となったところであります。
 次に、上之町1街区について、今後どのように進められるのかについてでありますが、先ほ
ども申し上げましたとおり、本年7月に地元の合意がいただけたことから仮換地指定を行い、
該当する各権利者個々へ仮換地指定通知書の配付、詳細にわたる説明に伺い、ご理解をいただ
いてまいりました。それ以降、今年度移転予定の各権利者と交渉を重ね、一部につきましては
契約に至ったところであります。
 今後につきましては、今年度移転が予定されている各権利者との詰めの交渉を行い、着実な
事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、それぞれの権利者には個々の事情があり、ライフスタイルも異な
ることから、可能な限りの情報提供を行うとともに、権利者一人一人の意見、考え方に耳を傾
け、不安が取り除かれスムーズな事業進捗が図れますよう、絶えず顔の見える対話を繰り返し
てまいりたいと考えております。
 次に、今後の事業の財政負担はどのように推移し、事業完了をいつごろと考え、これからど
のような対応を行うのかについてでありますが、現在の事業計画での全体事業費は、147億
9,300万円で、事業期間は平成10年度から平成25年度までとなっております。
 平成20年度末までの事業費は、翌年度繰越額を含めて50億7,316万円で、総事業費
ベースでの進捗率は34.3%になります。したがいまして、平成21年度以降の残事業費は
約97億2,000万円となります。
 今後につきましては、事業期間が平成25年度までとなっていることから、期間の延伸を含
めた見直しを進めたいと考えております。事業の見直しにつきましては、公共事業のスピード
と目に見える形での早期の事業効果が求められる中、市の財政状況及び国における道路特定財
源の一般財源化に伴う補助制度への影響なども勘案しつつ、国・県の動向を見定めながら慎重
に対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇20番(大東宣之君) 公共交通にご答弁をいただきましたので、引き続き公共交通につい
てから何点かにわたって質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、公共交通についてですが、先ほどのご答弁では、前橋工科大学の先生に依頼を
して状況の調査、そしてまたアンケート調査を踏まえてアンケート調査の分析、そして提言を
いただいてきたと。それを今、路線バス検討委員会でその提言について検討されているという
ことなんですが、もしここでその内容を教えていただけるんであれば、どういった提言をいた
だいて、そして路線バス検討委員会ではどのような検討をされているのか、教えていただけれ
ばと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 微細なところまでは申し上げるところに至らないかと思いますが、
おおむねのところでご理解をいただきたいと思います。
 まず一つとして、市営6路線の全線デマンドバス化、現行路線のルートをもとに沿線の外部
集落も運行エリアとして、運行経路は自由なドア・ツー・ドアを基本とするということが一つ
でございます。
 二つ目として、沼田駅から市街地内での循環バスの運行、市街地内での乗降客数は全利用者
の4分の1を占めており、バス路線をすべてデマンド化した場合には沼田駅と市街地間のネッ
トワークを確保する必要があるというような大きな2点をいただいているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 公共交通というのは、私はいろんなタイプ、特にバス路線の場合は
いろんな運行形態を組み合わせていく必要性があるんではないか。ですから、先ほど市長から
ご答弁いただいたように、デマンド交通、それを実施、また沼田駅から市街地に向けて循環バ
スの運行ということも提言をされているようですが、そうした循環バスの運行、さらには機関
路線、こういったものの運行との整合性をとっていく。ですから、公共交通、市民の足を確保
していくということは、この方法だけ一本だというわけにはいかないんではないか。
 先ほど私が紹介をさせていただいた長野県の木曽町では、基幹路線、そしてスクールバスを
使った路線、さらにはデマンド交通、巡回バス、循環バスと言わずに向こうは巡回バスと言っ
ているそうなんですが、そういったものを組み合わせて利用者がふえてきているというふうに
言われています。
 そうしたさまざまなものを組み込んでいく、一本のやり方ではなくていろいろな方法を取り
入れていくということが、利用者の増加につながっていくんではないかと思いますが、市長と
してはどのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 湯沢先生のご提言はご提言ということでしっかりと受けとめた形の
中で、今後、路線バス対策検討委員会において、これが実現するに当たっての課題や問題点の
検討を行っていくことになるわけでございますが、当然、その経過の中には今、議員がおっし
ゃっているような地域の特性に見合ったようなことについての検討も加えていかなければなら
ないのではないかというふうに受けとめているところであります。
◇20番(大東宣之君) それともう一つ、利用者を伸ばす方法としては、何といっても使い
やすい、そうした運行が必要ではないか。その使いやすさというのは時間帯、もう一つは料金
なんですよ。
 先ほども申しました木曽町では、100円の均一料金から、また違う路線に乗りかえた場合
も一定程度の定額の料金で済むと。ですから、中心地に出てくるのにバスで40分以上かかる
地域から来てもわずかな料金で済んじゃうと。ですから、高齢者がどんどん町に出てくるとい
うふうに言われています。
 ですから、運行の方法、さらにはそうした時間帯、それと料金、こうしたことをセットにし
て検討していかないと、なかなか利用者の増加にはつながらないというふうに思うんですが、
そうしたことについての市長のお考えや、また料金設定について今後、どのような検討がされ
ていくのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 詳細なことにつきましては、今後の担当部局の、あるいは関係者の
検討を待たなければなりませんが、ご提案されている関係等については、やはりもっともなこ
となのではないかというふうに思っております。
 ただ、なるほどなと思って今、私もその資料に目を通しているわけでありますが、アンケー
ト調査での意向の中で、バスの維持や新規の路線開発に今以上の税金投入の是非ということの
アンケートの答えの中では、やはり言うなれば余り税金投入をするのはいかがなものかという
回答が、そうでないご意向に対してかなり上回っていたというふうに私の資料は書かれており
ます。
 したがいまして、確かに言われるとおり、木曽町さんのように安く手配をして、そして公的
資金を投入するというようなことによって活性化を図るということは、当然、一つの大きな手
段として考えられるわけでございますが、一応アンケートの意向ではやや木曽町さんの考え方
とは違った回答が出ていたようでございます。
 ただ、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、そういった議員のご提案されている
内容等について、総合的に検討を行っているところでございますので、ご理解を賜りたいと思
います。
◇20番(大東宣之君) 現在、総合的に検討を行っているということですが、結果として9
月末で乗合タクシーが廃止をされるということで、新たに公共交通、バスの空白地域が誕生し
てきたわけです。ですから、やはりそうした空白地域を埋めていく上でも早急な取り組み、具
体的な取り組みが必要ではないか。そういった意味では今、検討中ですから新年度、4月1日
早々に何らかの形が出るのか、例えば乗合タクシーが廃止をされた地域、さらにはまだ数たく
さんある空白地域、そういったところに新年度早々には何らかの対応が行われるのか、お聞か
せいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本問題は陸運との関係があったりして、なかなかストレートに物が
前に行くということにはどうもならないので、そういった意味で途中はやや今までの経過を踏
まえた柔軟な対応をしなければなりません。新規運行には道路運送法に基づく地域公共交通会
議を設置して、その議を得た上で陸運局の運行許可を得なければならないという大きな課題が
まだ横たわっております。そういったことから考えると、運行開始の時期については、今、な
かなか明言が先のこともありますのでできないが、来年度以降、できるだけ早い時期に公共交
通の再編ができるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
◇20番(大東宣之君) 法的にクリアをしていかなくてはならない課題等がありますから、
なかなか難しさがあるということは、それはそれとして理解ができるわけですが、先ほども申
しましたように、本市は山間地域であり、なおかつ高齢化が進んでいる地域であります。高齢
者の方が安心して町中心街に出てくること、買い物や通院、そういったことをたやすくできる
ように、やはり市民のそうした生活をしっかりと支えていくということが、行政としてやらな
くてはならない課題ではないかと。そういった意味では早急に行っていく必要性があるのでは
ないかというふうに思います。
 それと、やはり今回のバスだけではないんですが、市ではいろいろなことを検討していると
いうことを常々やっておられるわけですが、しかし、それが検討の経過がなかなか見えてこな
い。結果が出てきて、本当にそれでよかったのか悪かったのかというのがなかなかその場にな
らないとわからないと。ですから、やはり検討をしている経過の中で本当に地域にとって必要
な、そうした公共交通となり得るようなものをつくっていくためにも、検討の過程の中にあっ
ても公表できるものは公表し、そして意見を求めるものは求めて、さらにそういったものを検
討しながら充実させていくということが必要ではないかと思います。そういった意味で今回、
路線バス関係について検討されている中身を市民の方々に知らせ、さらには意見を求めていく
というようなお考えがあるかどうかお聞かせいただければと思います。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後4時00分休憩
       ―――――――――――――――――――――――――――――
午後4時07分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 当然、その経過の中で意見を聞いたり、あるいはまたいろいろなことを評価したりすること
は大変重要なことかと思っております。そういったことについては、そのときの状況に応じて
対応を図るべく、私どもの方からも担当部課にはしかと指示をしてまいりたいと思っておりま
すので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇20番(大東宣之君) 先ほど言いました木曽町の地域公共交通協議会、今度、市もつくる
ようですが、ここではワーキンググループを設置してさまざまな検討をしていると。そして、
住民アンケートをとる、それからシンポジウムもやったりしてPRをしていると。そして、何
よりも大事なことは、検討の内容を公開しているんですよ。これはホームページにも出ていま
すから私も見ることができたんですが、そういったような形でやっていることをどんどん公開
しながら、また意見を聞きながらよりよいものに練り上げていくというような取り組みがされ
ております。
 ですから、沼田市としても、やはり必要に応じてそういう形で取り組んで、実際運行するわ
けですから、それが運行していても利用者が少ない、市民から評判が悪いといったものでは何
の役にも立たないわけですから、やはり市民から愛される、利用される、信頼される、そうし
たものにしていくためにも検討の経過をどんどん公表しながら意見を聞いていくというように
ぜひとも対応していっていただきたいということを強くお願いしておきたいと思います。
 続いて、グリーンベル21について質問を移らせていただきたいと思います。
 そもそもこのグリーンベル21に対する位置づけとして、市はどのような位置づけをされて
いるのかどうか、まずその辺からお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) グリーンベル21は創設時から地域の方々が大変ご努力をされまし
て、その熱意によって関係機関がそれを支援し、そして立ち上げてきたものであるというふう
に受けとめております。
 したがいまして、時代が創設当時とは現時点では大変異なっているところが大きな試練に立
たされているなというふうに受けとめております。いずれにいたしましても、そういった意味
で創設時の取り組みをなされた諸先輩には敬意を表しているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 市長としては、そうした創設時からやってこられた方々に対して敬
意を表したいということですが、実際市としても、創設時からかかわって、なおかつ都市開発
に対しては増資をして最大の株主になってきたということになるわけですから、一定の権限が
あると同時に責任もある、そういったことになってくるのではないかと。そういった意味では、
やはり民間の施設でありますから、あくまでもその方々がみずからの努力によって現状を打開
していくということは当然ですが、今までの経過を見れば、市としても何らかの対応をしてい
く必要性があると思いますが、市長としてはどのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結局いろいろと応援をしてきたわけですね。例えば出店条例をつく
ったり、それからご案内のとおり、ふるさと館を創設したり、あるいは増資の関係から来るこ
とも時のグリーンベル21が、キーテナントが撤退するのでそれを何とかしようということか
ら、思い切ってそこは市が応援をさせてもらったり、あるいはことしに入ってからも矢継ぎ早
のいろいろなイベント等の事業もやってきているわけです。したがいまして、応援はさせても
らっているわけですね。
 ただ、やはりこの節、沼田都市開発株式会社経営検討委員会の諸先生の第1回目のいろいろ
なご論議の中でも、やはり公的な立場の人間が民間の経営にかかわることはいかがなものかと
いうようなご示唆もあったようでございます。
 したがいまして、私どもはあくまでもそういったところのご活躍をいただいている民間の方
々の側面的な支援をしっかりしていくということが、私どもができる一つの大きな手だてでは
ないかというふうに思っております。したがいまして、今までもいろんなことを講じてきたと
いうことはご理解をいただきたいと思います。
◇20番(大東宣之君) これまでも市がグリーンベル21に対してさまざまな支援、応援を
してきたということは、私もそれは十分理解はできます。そうした経過を踏まえてなんですが、
問題は、やはり行政、市とグリーンベル21の方々が認識を共通しているのかどうか、同じ認
識を共通して今の困難に向かってどう打開をしていくのかということが、やはり共通の認識と
して得られているのかどうか、やっていることが私はばらばらみたいじゃないか。それぞれは
一生懸命努力はしているんですが、それぞれの努力でなかなか思うように力が発揮されていな
いんではないかと、そんな感じがしてなりません。
 ですから、やはりそうした認識を共通する、そして問題点はあぶり出して、そのためにお互
いが何をしていくのか、何を果たしていくのかということを率直な意見交換をしていくと。そ
して、今後の方向性を導き出していくということが必要ではないかと思うんですが、そうした
認識の共通化だとか、そうした議論等がどのようにされてきているのか、されているのであれ
ば、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、事業でありますから当然、いろいろなプロセスの
中で問題点が抽出されてくれば、当然、経済部長、担当課長、あるいは必要があれば副市長、
私めもいろいろと動く形の中で対応を図ってきた経過がございます。
 現実にことしに入ってからもいろいろなことをして、それも相当人が出入りしているわけで
す。同時に、そのところにいろんな事業をお願いをしてやってきた市民の方々の評価も一定の
ものをいただいております。そういったところは、グリーンベル21にかかわる個店の方々に
すると、誘客をするチャンスでもあるわけです。あるいはまた、それを誘導していくのが、当
然そこにかかわってくる個店の方々のお仕事になるわけです。こういったことは、やはり好む
と好まないとにかかわらず、商業という一つの事業を展開している方の宿命的な大きな命題で
あると思っております。
 したがいまして、私どもとすれば、そういった条件を整えるためのことはやってきたという
ふうに認識をしておりますし、またご理解を賜りたいと思っております。
◇20番(大東宣之君) 市としてさまざまな努力をしてきたということで、それについては
私も決して否定をするものでもないし、市としてもかなりの力を入れてきたんではないかと。
ふるさと館の設置については、私なんかは問題があるんではないかというふうに考えるぐらい、
市としても力を入れているということは十分理解はできるんですが、そういったお互いの立場
を理解し合える、そして、今の状況に対する共通の認識をそれぞれが持っているか、認識を共
有しているのかどうか、そうした中でお互いの立場の中でやることが明確になっているのかど
うかということが大事ではないか。市としてやってきていることはさまざまなことをやってこ
られているし、グリーンベル21の方々もそれぞれの努力をされてきているんだというふうに
思うんですが、そうした中でお互いがどういうふうにしながらこれからの方向性を導き出そう
としているのか、そうしたことがお互いの共通の認識、立場を理解し合いながら共通のものと
して認識し合えているのか、その辺のことについて市長はどのようにお感じなのか、再度お聞
かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 市の立場からいたしますと、商業事業にかかわっているところの中
にまでなかなか食い込むことはできません。これは公と私の決定的宿命的なものがあります。
 そうした中で、市とすれば活性化のためにどうしたらいいのかということで必死に考えてき
た中で今までのような手だてを打ってきているわけであります。したがいまして、そういった
部分を戦略的に有効に使っていくのが、当然、個店たるべくところの事業経営をされている方
が、やはりこれまた一方において収益を求めて事業形態はあるわけですから、その辺の努力は
私どもとすれば大いに期待したいところであります。
 意見交換の関係でございますが、経済部長あるいは商工観光課長は、時の状況に応じていろ
いろと努力をしております。また、商工観光課長の下にいる係長も努力をしております。した
がいまして、私といたしますならば、経済部長、商工観光課長あるいは担当の係長が、いろん
な意味で分析をしたり、場面によってはいろいろと意見交換し、また意見具申もしたり、また
ご意見を承った中で展開をしてきたという経過がありますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇20番(大東宣之君) わかりました。やはり私はこうした事態に直面をしている中では、
行政の立場、そしてまたグリーンベル21の立場、それをお互いを理解し合いながら現状の認
識を共通化していくことが大事ではないか。そういった中で今後の方向性ということを導き出
していく必要性があるのではないかと思います。
 現在、今年度に入ってから空きフロアの対策としてさまざまなイベントを行ってきましたが、
これはたしか今年度限りではなかったかと思っています。新年度以降、何らかの対策、対応を
考えておられるのかどうかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたように、今回、私どももかなりのグリーンベ
ル21で行ったいろいろな講演会であるとか、ワークショップであるとか、一定の成果があっ
たと受けとめております。
 ただ、これは国の経済対策等の方針があって、そのお金を有効に戦略的に使うための活性化
を図るための手だてということも位置づけておりました。そういった中でいろいろと各関係課
の現下の課題等を抽出して、そして市民の皆様方にご提案したり、またアピールする場所とし
てグリーンベル21を活用させていただきました。
 では、次年度はそれらが使えるのか使えないのかということでございますが、私の承知して
いる範囲では、そういった予算が新年度に向かって国等から出てくるのかどうかについては、
今のところ、言明をすることはできません。ただ、事業の内容によっては、やっぱり非常に重
要なことも随分行ってきております。しかも、人もたくさん集まっております。そういうふう
なことは、やはりしっかりと精査をして、場合によっては必要があれば市単独でも手だてを打
っていかなければならない事業もあるのではないかというふうに思っております。
 ただ、政権がかわった後の中で今回もいろいろと大型の補正予算を組まれるという情報を承
ると、まだまだそういった意味ではチャンスがあるのではないかと期待もしているところであ
ります。
◇20番(大東宣之君) 新年度に向けて市としても単独でもやっていくべきものについては
やっていきたいということですので、その辺についてはよく検討しながら取り組んでいただき
たい。
 今回行われたイベントの中で私も幾つか拝見をさせていただいたんですが、私はちょっとこ
れには参加できなかったんですが、一番多かったのは、先日行われた火坂先生の講演会ではな
かったかと。その後行われた子供のフェスティバルの関係も大変にぎわっていたというふうに
思います。ですから、継続できるものについては、ぜひ継続をしながらやっていただきたいと
思います。そうした取り組みをするに当たって、グリーンベル21の都市開発、さらには地権
者の方々とも相談をしながらより効果の上がるようなイベント等を新年度に向けて組んでいた
だければと思います。
 それから、今のグリーンベル21の現状についてですが、若干私が感じるところでは、空き
フロアがふえてきているんではないかと思います。過去二、三年と比較した場合、現状の空き
フロアの状況がどうなっているのか、わかれば教えていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長から答弁をいたさせます。
◇議長(布施辰二郎君) 経済部長。
◇経済部長(小池一夫君) 命によりお答え申し上げます。
 グリーンベル21の空きフロアの状況がどんな状況かというご質問というふうに承りました
が、平成18年度末の時点では、いわゆる空きフロアの割合が約27%という状況でありまし
た。
 また、現時点におきましては、それが約38%の空きフロアという状況であります。
 なお、この空きフロアの率につきましては、1階から6階までの内容の率でありますので、
そういうふうな形でご理解をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
◇20番(大東宣之君) 残念ながら空きフロアがふえてきている、空床がふえてきていると
いう結果になっています。こうした空きフロア対策、空床対策について都市開発がどのような
ことをやってきているのか、わかれば教えていただきたいのと、市の中には商工観光課の中に
企業誘致の係の人もいるわけですから、そうした人を使ってグリーンベル21の空きフロアを
埋めていく、そういったことはやってこられたのか、また実際、そういったことは考えてこら
れなかったのか、あれば教えていただきたいと思います。
◇経済部長(小池一夫君) 空きフロアに対する対策、取り組みだというふうにとらえており
ますが、この空きフロア問題、非常に大きな問題だというふうに感じております。そういうこ
とについて都市開発株式会社ともいろいろ協議、または相談をしながら対応してきている経緯
はあるわけですが、昨今の経済情勢の中でなかなか具体化した形の進展に至っていないという
状況であります。以上で説明にかえさせていただきます。
 いま1点、企業誘致の関係も絡めた対応ということでありますが、企業誘致、嘱託員がおり
まして大変精力的に誘致活動をしていただいているわけですが、これについてはグリーンベル
21等も含めた内容の中でいろいろ情報収集、またはそういう情報の伝達、そういう形で努力
をしてきているところであります。
◇20番(大東宣之君) 空きフロアがふえてきていると。先ほどの1回目のご答弁の中に都
市開発の経営状況も厳しいというようになってきているわけですから、この空きフロアを埋め
ていくということがグリーンベル21の活性化につながっていく最終的な大きな決め手になっ
てくるんではないか。そして、それが都市開発の経営状況の改善にもつながっていくんではな
いかと感じるわけですから、そこは先ほど部長がお答えいただいたように、企業誘致の嘱託員
もこのグリーンベル21についても含めた中で情報収集をやっているということですので、市
としてもそうした形でできることについては大いに協力をしていっていただければと思います。
 都市開発の経営状況についてですが、先ほど市長としては厳しい状況にあると認識している
というご答弁でしたが、最大の株主である沼田市ですから、今後の対応についてはどのように
考えておられるのか。この都市開発がよもや倒産するとなれば、市にとっても大きな痛手にな
ってくるのではないかと思いますが、こうした沼田都市開発の経営の改善については、先ほど
経営検討委員会ですか、そういうのを設置してやっているということなんですが、市としてど
のような改善に向けた取り組みを考えておられるのか、あればお聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 実際問題として、率直なところを言って大変難しい問題であると受
けとめております。いろいろと考えれば考えるほど、なかなか難しい。
 と申しますのは、ご案内のとおり、自由主義経済のもとに現下のいろいろな大型店等に関す
る出店は、言うなれば自由主義経済のもとにそこかしことどんどんできてきた経過がございま
す。伺うところによりますと、この節も前橋の農協中央会の近郊にこれまた大きなものができ
るという大型店同士の非情な食い合いというんですか、厳しい戦いが強いられているという中
にあって、グリーンベル21も一生懸命努力、研鑽してきた中で、やはり日本全国に見られる
ような中山間地域の都市のグリーンベル21のようなところが苦戦をしている客観的な事実が
ございます。
 当該市町村のこういった問題に対する対応ということになったときに、率直なところを言っ
て専門的な知識等を持ち合わせているかというと、これもなかなか難しいところがございます。
やはり商いは商いの方々の方がプロであり、専門的な知識を持っているわけでございます。し
たがいまして、どうしても公の立場の応援は一定の限界があるということは、これは認めざる
を得ません。そういった中で新年度に向かった中で沼田都市開発株式会社検討委員会の立ち上
げの中で、まさにそういったものを分析するプロの方々の、極めて数字等にも明るい、そして
今までもいろいろと経験を積んできてくれた諸先生の検討委員会を立ち上げてきた中で、現在、
いろいろとご協議をいただいているところでございます。
 したがいまして、この結果が、あるいはまたこの報告がどういうふうに出てくるのか、今ま
でですと、ここに一般市民の方々が入ったりということがあったわけでございますが、今回の
場合は全くそういうのでなく、総務省等の指導もあってその道のスペシャリストの方々だけの
凝縮した非常に精度の高いと言ったら大変失礼でございますが、そういったところの方々の分
析です。ですから、そこにはいろいろな、言うなれば人間的なこともさることながら、むしろ
経営という冷静な観点の中でいろいろと論議がなされていくというふうに思っております。し
たがいまして、その検討委員会の経過を踏まえて今後、本市としても対応に処していくという
ことになろうかと思っております。
◇20番(大東宣之君) 大体わかりました。
 最後に一つだけお聞かせいただきたいのは、この経営検討委員会が、大体結果がどれぐらい
の時期に出てくるのか、そしてそれを受けた形の中でどういう対応、検討が市の中ではされて
いくのか。先ほど市長もおっしゃったように、専門家による分析ですから私はかなり厳しいも
のが出てくるのではないかという気がするんですが、こういったものが大体どのくらいに出て
きて、そして市の方として、また沼田都市開発、グリーンベル21、こうしたところとどうい
う形で協議をされて、具体的に足を踏み出していくのがどれぐらいの時期になってくるのかお
聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長がいろいろとその検討委員会のところの流れをよく承知し
ている立場にございますので、経済部長の方から答弁をいたさせます。
◇経済部長(小池一夫君) 命によりお答え申し上げます。
 経営検討委員会のスケジュール、また結論はいつごろになるのかというふうに受けとめまし
たが、去る11月16日に第1回会議を開催しまして、今後につきまして精力的にその検討会
議を進めていくという考えでいるわけでありますが、具体的には12月中に既に2回ほど日に
ちを具体的に予定をする段階に至っております。それで計3回になるわけですが、第4回目以
降につきましては今の予定では1月以降に精力的に進めていきたいという考えでおります。
 そういう中で、事務局の方としても、できるだけ早い段階でそれらご意見をいただけるよう
な形に進捗を図りたいと考えているところでありまして、その後の状況につきましては、これ
ら委員の先生の意見をいただいて進捗状況に合わせながら判断していかなければならないため
に、今の段階ではそれ以上の具体的な内容はちょっとご説明する段階にないということでご理
解をいただければありがたいと思います。
◇20番(大東宣之君) わかりました。このグリーンベル21の問題は、沼田市にとっても
非常に大きな課題の一つではないかと思います。経営検討委員会の結果を待つということは必
要ですが、その結果に基づいた中で具体的にどうしていくのか、それをよく都市開発やまたグ
リーンベル21の関係者の方々と協議をしながら、やっぱり私は共通の認識を持っていく必要
性、そしてお互いができることをやっていくと。市長も再三再四、公が商いに入っていけない
と。そのお考えはそれはそれで正しいと、間違っているとは思いません。しかし、市として何
ができるのか、何をやっていく必要性があるのかということについては、十分協議をしながら、
共通の認識を持ちながら一体になってこの事態の打開に向けて取り組んでいただきたいという
ことを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 続いて、中心市街地の土地区画整理事業についてですが、現状については、今度、始まれば
仮換地の指定率が28.1%、全体の約3割近くになってきたということですが、10年経過
をしてようやく3割に届こうかというところですから、あと完了するには一体どれぐらいの時
間がかかるというふうに市長はお考えなのか、率直なところ、お聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 歴代の先輩が本事業に標準を合わせて着手されてから以降、私が本
事業を引き継ぐ形の中で今日を迎えているわけでございます。やはり客観的にスタート時点の
我が日本国の経済状況と、そしてまた我が日本国の、いわゆる公の財政等の状況とこの節の時
代背景が大きく変わってきているというところが非常に難しい側面を持ってきたということを
率直に認めざるを得ません。
 そういった中で自分が市長就任時のときにも、当時、なりたてのときでありましたので、と
にかく土地を購入することはやめようじゃないかということも暫時申し上げさせていただきま
した。当時、もう既に用地の買収用の予算はついているというようなことから今日を迎えてい
る中で、ここに来て28%、全体の約3割という形になったわけでございます。
 これらについて今後、議員がどのくらいかかるのかということになりますと、私の頭で想定
するのにはなかなか難しくて、一定の流れというものを先々に想定するのは申し上げることが
非常に難しい。ただ、言えることは、この中で進めてきたパーセントをそのまま継承した形の
中で進めるとすれば、現在の3割弱のパーセントがそのまま年限的には先々にかかっていくと
いうことになろうかと思います。
 そういった中で、国のレベルの本事業等に対する考え方がどのように変化をしてくるのか、
どんどん進めるべきだというお立場の見解なのか、あるいはまた、きょうも同僚議員が言って
いるように、交付金を与えるので市が独自で考えるという方向に流れてくるのか、なかなかそ
の辺のこともいろいろと政権が交代されたことによって把握することも難しい状況にございま
す。そういうことから、歯切れが悪いんでありますが、一般論から申し上げますならば、今ま
でかかってきた年限をそのままカウントすると、それがおおむねの先々の予定になっていくと
いうことになろうかと思います。これはあくまでも一般論的な言い方で申しわけないんですが、
そんなふうに受けとめているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 一般的に言えば、今、市長がお答えいただいたとおりだと思うんで
す。ところが、これはそうはいかないんです。上之町の1街区が始まってくるわけですが、そ
れ以降の計画のめどが立っていない。上之町の1街区においても、にぎわいの核の施設をどう
するか、これが確定をしていないので、一体どれだけの時間がかかるのかも不明確ということ
ですから、実際この事業は、本当言えばいつまでかかるかわからないというのが本当のところ
じゃないかというふうに私は感じています。
 それで、太田市の話を聞いてきたんですが、太田市では何カ所か土地区画整理事業をやって
いるそうです。今現在、太田市でやられている土地区画整理事業は、今の前の市長さん、私、
ちょっと名前を思い出せなかったんですが、今の清水市長でない、その前の人が計画をしたそ
うです。ですから、もう20年、30年は当たり前のような事業でやってきているそうです。
そのうちの一つは、どうも順調に進んでいるようですが、これも見直しをかけなくてはいけな
いだろうと。3カ所ぐらいについては規模を縮小するという見直しをしたいということだそう
です。そして、1カ所は中止をするそうです。市長は土地区画整理事業は中止ができないとい
うふうにお考えのようだったと私は認識をしているんですが、もし間違っていたら申しわけな
いですが、そういう形でもう既に土地区画整理事業を中止をするということを考えているとこ
ろも県内の中にあるわけですから、やはりそういった意味ではこの事業、それ自体について見
直しをしていく必要性があるのではないかと考えますが、市長としてはどのようにお考えでし
ょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がおっしゃるように、太田の方におきましては、土地区画整理
事業離脱地区というのがございまして、おっしゃるとおりの流れがございました。
 ただ、うちと決定的な違いがございまして、うちの場合は事業着手して既に公的資金を導入
して用地買収をしているという実態があるということ。ところが、太田の場合の議員がご指摘
されているところについては、まだ着手に入っていなかったということ、ここのところが決定
的な違いとしてあるというふうに受けとめております。
 議員がいろいろと一般質問等でご要請されている中にあって、今まで用地買収に大きくお金
を投資してきた経過というのはご案内のとおりでございます。ここのところが今、おっしゃる
ように、例えば太田のような離脱をするというところは、まだそういった公的資金が私どもが
承るところによると入っていなかったと。ところが、うちは公的資金が入っている。しかも、
既に土地をいろんな意味でいじったということが、一つの大きな違いとしてございます。した
がいまして、太田のご指摘の関係が沼田の関係に即整合してくるかというと、これは若干論議
の余地があるのではないかと思っております。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
○会議時間の延長
◇議長(布施辰二郎君) 一般質問中でありますが、本日の会議時間は、議事の都合によりあ
らかじめこれを延長いたします。
       ―――――――――――――――――――――――――――――
◇20番(大東宣之君) 太田との違いがあるということで言われていますが、富岡だって先
行買収をしているがたまたま世界遺産という形のことがあって、ここも実際中止をしていると
いうことで、土地区画整理事業を見直す、そしてまた中止をしていくというところは、決して
ゼロではないということなんですよ。ですから、やはりこの事業が終わりが見えない。そうい
ったままでこのままだらだらやっていっていいのかどうか、時間がかかればかかるほど、地域
の疲弊を招くことになってしまうのではないか。そこで商売をしている方々にとってもかえっ
て大変になってくるのではないかと思います。ですから、やはりどういう時点でこの事業を完
了させていくのかということは、むやみやたらに時間をかけていいということにはならないと
思うんですが、市長としてはどのようにお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に悩むことでございまして、本問題の一般質問等が出たときに、
常に悩んでいたところでございます。ご案内のとおり、本事業は公共であるがゆえに、個々の
同意を必要としなかったということからスタートに入ったという経過があるようでございまし
て、私はその後の人間でありますが、一般的にはこれだけの大きな事業を展開するのにはやは
り前段同意が必要だったのではないかと思っております。
 しかし、既に始まってきている事業でございますので、現行の法制度、あるいはまた財政状
況、時代背景等を見て柔軟に時代に即した形の中で展開してきたところでございます。
 ただいま、富岡市や太田市のことを披瀝されましていろいろと事業の関係等についての方向
をもっと検討した方がいいのではないかというご指摘でございます。これらについては、当然、
私どもも勉強して、地元の関係等に生かした形の中で遺憾なきよう対応していかなければいけ
ないと思っております。いずれにいたしましても、議員がご心配していただいていることにつ
きましては、私も同様に心を痛めております。一つのいい選択肢というものをこれからしっか
りと見きわめた形の中で展開をしていくことが大事なのではないかと思っております。
◇20番(大東宣之君) 事業の見直しを行って平成25年まで事業期間を延伸をされました。
また、この25年を延伸せざるを得ないような状況に来ているわけですが、今回この見直しに
当たって一体どれぐらいの時期を延伸をしようとお考えなのかどうか。9月の決算審査特別委
員会で担当課長は、太田の例を出されて、太田では事業の終結に向けて国と協議をしながら事
業の延伸を認めてもらったというふうにお答えをしておられました。ですから、今回のこの事
業の延伸というのは、どういう立場、どういうお考えでやられるのか、どういう意図でやろう
とされているのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これは内部で協議をしたわけではありませんが、ご案内のとおり、
やはり政権政党がかわって本事業に対するとらまえ方が新しい国家戦略の中でどういうふうに
動いてくるのかということについては、やはり冷静にこれを分析する必要があろうかと思いま
す。したがいまして、従前の価値観でもっての対応ではなかなか難しいのではないかと受けと
めております。したがいまして、あらゆることを想定した形の中で、できるだけ市民合意が得
られやすいところを一つのとらまえ方として考えていく必要があるのではないかと思っており
ます。
 この延伸の関係について、しからばどの程度まで云々だということについては、今、ここで
申し上げられるだけのものを持ち合わせておりません。いずれにいたしましても、議員のご意
見は今まで一般質問等で番度承っておりますので、十二分に耳を傾けながら対応を図ってまい
りたいと考えております。
◇20番(大東宣之君) 実際、この事業が本当にいつまでかかるのか、ちょっと前まで、私
はこの事業は100年事業だなんて言ってきたんですが、ここに来て予算も若干増額をされま
したから、このベースでいけば50年で終わるんじゃないかと思うんですが、なかなか先が見
えていない以上は、やっぱりどれぐらいかかるのかというのは全く不透明な事業です。
 今年度の予算でいけば、普通建設事業費が大体8億円程度、そのうちの2億円をこの中心市
街地土地区画整理事業に使っていると。4分の1使っているわけですよ。今、財政が逼迫をし
て大変だ大変だという中で、普通建設事業を圧縮をして道路の補修等を地域の方々に我慢をし
てもらっている中で、この事業に対しては全体の4分の1も使っているということで、このま
まこういった財政状況が本市の場合はすぐ改善するめどが立たない。普通建設事業費もふやせ
るような状況にはないという中で、この土地区画整理事業に今年度と同じような形で財政を投
入していくということが、今、沼田市にとって必要なのかどうか、市長としてのお考えをお聞
かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、当該地区は昨日も財務省の方が見えられて、利根
沼田の経済状況のことだとか、雇用のこと等を私のところに聞き取りにまいりました。そのと
きにも申し上げたことは、主要の産業は、やはり農業と観光であるということは1市1町3村、
ひとしく同様なのではないかと。そういった中で公共事業にかかわる建設業の方々の存在が非
常に高い地域であったということを率直に申し上げさせていただきました。
 やはり建設業の方々のいろいろと社会資本制度のための努力はもちろんのことでありますが、
災害が発生したり、雪が降ってくれば出動いただくなど非常に貢献をいただいているというこ
とから、私も建設業の方々の存在というのは、非常に頭の中から離れません。そういった中で
できるだけ仕事が広範囲に流れていくということについては、行政の立場からは考えなければ
ならない側面であろうかと思っております。
 ただ、極めて厳しい財政状況の中にあって、今言うように、街なかのところに総体的なパー
セントが高いということは、大変市民の方々に目が注がれている関心事かとは思いますが、一
応いろいろな精査をした中での結論を出した形で臨んできたという経過がございます。
 したがいまして、どちらに何々というのでなく、時の状況に応じて必要なところに対応して
きたという経過がありますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇20番(大東宣之君) 私は街なかに住んでいようが、また利根町の山間地域に住んでいよ
うが、どこで暮らしていても安心して暮らしていける、快適に暮らしていける。そのためには
道路の整備や下水道の整備、そうした公共投資をしていかなくてはならない。それはどこに住
んでいても沼田市民である以上は同じことであり、中心市街地の生活環境の整備をしていくと
いうことであるならば、それはそれとして理解ができるわけですが、今回の土地区画整理事業、
しかし、それだと終わりが見えないんです。もう沼田市の財政状況が厳しいと言われている中
にあって終わりのない事業、見えない事業を続けていくということが本当にどうなのか、本当
にそこにこそ、しっかりとした検討をしなくてはならないんじゃないか。そのためには国の高
いハードルがあるにせよ、それを乗り越えていく努力をしていくということをやるのが市長と
しての果たすべき役割の一つではないかと思いますが、市長としてはどのようにお考えなのか、
再度お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 事業の是非はともかくといたしましても、議員がおっしゃっている
ように、時の状況に応じて英断を下していくということは、時の責任ある行政の執行者として
は与えられた責務であろうかと思っております。したがいまして、そういったことからとらま
えますときに、現在の本事業が今後、どうあるべきかということについては多方面から検証い
たしまして、そして市民の方々にご理解いただけるようにいろんな角度から努力をしてまいり
たいというふうに思っております。
 それにつけても、何といっても沼田市の財政状況だけでは本事業が成り立つものでなく、そ
ういう宿命を背負ったものでありました。したがいまして、国等の動向もしっかりとらまえて、
そして遺憾なきよう対応を図ってまいりたいと考えております。
◇20番(大東宣之君) ちょっと質問があっちこっち飛んで申しわけないんですが、例えば
全体の事業についての終結完了のめどはなかなか立っていないということでしたが、例えば今
度始まった上之町の1街区と2街区の一部分について、一体どれぐらいの年度でこの事業の完
了を見ようとしているのか、また、この上之町には一体どれぐらいの経費がかかろうとしてい
るのか。下之町の8街区の経過を見れば、時間的、予算的に見ても、場所、面積的には広い。
ただ、建物の件数はそんなに多くないみたいですからあれですが、それでも下之町よりは建物
の件数も多い、面積も広いということですから費用もかかる、時間もかかってくるんではない
かというふうに思いますが、この上之町の1街区についてはどのような計画で取り組まれよう
としているのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 街なか対策部長に答弁をいたさせます。
◇議長(布施辰二郎君) 街なか対策部長。
◇街なか対策部長(松井完一郎君) 命によりお答えを申し上げます。
 1街区の進め方であると、そのように受けとめさせていただきたいと思います。今年度予算
で一部解体を進め、新年度予算において一部再建を行うという予定で、関係権利者と協議を行
っている状況でございます。新年度予算編成もございますので、具体的な数字は控えさせてい
ただきたいと思いますが、当然、早い時期での再建が活性化につながることはもちろんでござ
います。国の動向もございますので、そちらも踏まえて努力していきたいというふうに考えて
おります。以上でございます。
◇20番(大東宣之君) そういう順番で進んでいるということはわかっているんですよ。要
するに上之街の1街区と2街区の一部分の事業の完了の年度というのは、大体どのくらいの期
間を考えておられるのか。下之町が大体5年ぐらいかかっているわけですから、さっきも言い
ましたように、面積的にも、にぎわいの核がまだ定まっていないという状況にある中では、非
常にまたここも時間がかかってしまうんではないかという気がするわけです。市として、担当
部としては大体どれぐらいのめどでこの事業を完了させていきたいのか。そしてまた、ここに
かかる費用がどれぐらいになると考えておられるのか、答えられるんであれば、お聞かせいた
だきたいし、まだ未定であるというのであれば、それはそれで仕方がないと思いますが、いか
がでしょうか。
◇街なか対策部長(松井完一郎君) 1街区と2街区の一部についてどのくらいの年度を予定
しているのかという受けとめをさせていただきたいと思います。それから、事業費についてと
いうことでございます。正直申し上げまして、今、はっきりと何年度と申し上げられません。
当然、市の財政状況等もございますので、早い時期ということで先ほど答弁を差し上げさせて
もらいました。
 また、事業費についてですが、それは今の時点で算出してございません。まことに申しわけ
ありませんが、そのような答弁でございます。
◇20番(大東宣之君) 行政の仕事の中では完了の年度がいつになるかわからないというも
のは、これは多々あることではないかというふうに認識はしておりますが、ただ、今の沼田市
の状況を見れば、財政が逼迫をしているという中にあって、事業の完了年度がわからない、ど
うなるかわからないというような事業に毎年、多額な財政を投入することが適切なのかどうか
ということは、やはりちゃんと判断をしていく必要性があるのではないか。沼田市が潤沢な財
政状況にあって、何年かかるかわからない100年事業であったとしても、潤沢な財政状況に
あるのであれば、それはそれで構わないんでしょうが、あすにもどうなるかわからないという
ような逼迫した情勢の中にあって、事業をするに当たって何年かかるかわからないというよう
な事業に毎年、多額な予算を投入していく、少なくとも単年度で1億円、億単位のお金が投入
されることになるんではないか、そういったことが本当にいいのかどうかということは、私は
しっかりと考えていく必要性があるんではないかと思いますが、市長としてはどのようにお考
えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 確かに本事業の難しさ、非常に私自身もいろんな意味で苦しんでき
ました。と申しますのは、土蔵がある、そして土蔵を生かしたまちづくりをしたいというよう
なことがある。それを残そうとする。しかし、当該地権者は売って出ていく。そうすると、換
地をするときにそれがあると換地ができない。こういうことの宿命を背負っておりました。し
たがいまして、今おっしゃられるように、非常に本事業の持っている難しさというものが常に
横たわってきたという経過を背負ってきたわけであります。
 したがいまして、確かに言われるとおり、事業の展開が非常に難しい状況の中にあって、大
変重要な市民の血税を投資していくわけですから、そこには真摯な分析が必要かと思っており
ます。したがいまして、今後、各方面からのご意見もいただきながら市民にご理解を得られる
ような、そういう方向性の中で本事業を位置づけていくということが必要なのではないかと思
っております。いずれにいたしましても、非常に難しい、しかも大変な事業だなというふうに
思っております。
◇20番(大東宣之君) 8月の総選挙で政権がかわって、事業仕分けのやり方とか、今の新
しい政権の運営の仕方を見ていると、政権がかわるということはこういうことかと。全く裏と
表がひっくり返ったような、今までのやり方が全く通用しない、今までのやり方ではやってい
けなくなってくる。とりわけ地方に対してこれからどうなっていくのかが全くつかめないよう
な難しさもあります。
 そうした中でもともとこの難しい土地区画整理事業というものをどういうふうにやっていく
のかということは、やはりこれも早急にしっかりと方向性を市が示していく必要性があるので
はないか。継続をしていくのであれば、継続をしていくなりに国に財政的な支援を含めて働き
かけていかなくてはならないし、仮にやめるのであれば、地元の方々の了解も得なくてはなら
ないだろうし、前に出るにしても引くにしても、かなり難しい事業だと思いますが、しかし、
そこは市長としての決断が物を言う、そこが市長としての決断が求められてくるところではな
いか。こうした難しい中にあってもこの事業、いつまでも今までと同じようにやっていくわけ
にはいかない。それは政権が交代をしたこと、経済情勢の問題、さまざまな要因もあるし、沼
田市の財政事情もあるというふうに思いますが、市長としてはどのように判断を下していくの
か、いつごろに判断を下していかれようとしているのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えしたいと思います。非常に厳しい、難し
い問題でございます。議員の平素の本問題に対する発言、あるいはお立場、お考え方はよく承
知をしているつもりでございます。そういった形の中で、先輩の方々が本事業に着手され今日
まで努力をしてきた歴史的な事実もございまして、私とすれば責任ある立場にいる中にあって、
時代の背景をしっかりととらまえて判断をしていかなければならないと思っております。今後
ともよろしくお願いをしたいと思います。
◇20番(大東宣之君) 時間ですので最後に一つだけ言っておきます。私は、先行買収で買
ってあいている土地は、やはり住宅を建てるべきだと。沼須の産業団地の件があるんですから
県にやってもらう。あそこで沼田が面倒見たんですから、街なかでは県に面倒見てもらうと、
そういうふうにして街の活性化を図っていく。街の活性化というのは、人口がふえない限り、
活性化はあり得ないわけですから、そうした活性化に取り組んでいく。それはあくまでも公共
事業ですから、もちろん国の支援等も必要になってくるわけですから、土地区画整理事業とし
て始めた事業で先行買収をしたんですから、そこにそうした公営的な住宅を建てるということ
ですから、決して事業と相反するものではないんではないか。そういった工夫、そういった検
討、それがいいかどうかは別としても、そういったいろんなことを考えながらこの事業につい
て決断を示していく必要性があるんではないかと思います。ですから、単なる土地区画整理事
業にとどまらず、さまざまな検討をしていくということが必要ではないかということを最後に
申し述べて、市長として何かお考えがあれば、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のお考え方も一つの考え方として有力な根拠をなしているので
はないかと思っております。いずれにいたしましても、軽々な発言は差し控えさせていただき
ますが、またいろいろなご指導、あるいはまたご意見をお寄せいただければありがたいと思っ
ております。
       ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第2 延  会
◇議長(布施辰二郎君) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(布施辰二郎君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決
しました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は4日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後5時07分延会
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