議事日程 第2号
平成22年 9月10日(金曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延 会
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出席議員(26人)
1番 真下 恭嗣君 2番 田村喜久子君
3番 坂庭 直治君 4番 石井 紘一君
5番 鈴木 圭子君 6番 金子 一弥君
7番 小野 要二君 8番 星野 初男君
9番 高柳 勝巳君 10番 布施辰二郎君
11番 片野 彦一君 12番 宇敷 和也君
13番 相田 昌夫君 14番 久保 健二君
15番 星野 稔君 16番 大島 崇行君
17番 山ア 義朗君 18番 大竹 政雄君
19番 井之川博幸君 20番 大東 宣之君
21番 橋 襄典君 22番 石田 宇平君
23番 星川嘉一郎君 24番 牧野 保好君
25番 星野佐善太君 27番 金井 康夫君
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
市 長 星野已喜雄君 副 市 長 林 義夫君
白沢町振興局長 根岸 恒雄君 利根町振興局長 郷原 重雄君
総務部長 町田 哲男君 民生部長 田辺 昇利君
経済部長 飯田 敏夫君 建設部長 須藤 一夫君
街なか対策部長 生方 秀二君 白沢町振興局次長 木暮 茂君
利根町振興局次長 山口 芳久君 総務課長 栃原 豊彦君
教 育 長 津久井 勲君 教育部長 水田 修君
庶務課長 金子 朗君 監査委員事務局長 茂木 一夫君
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議会事務局出席者
事務局長 小林有一郎 次長兼庶務係長 諸田 裕
議事係長 加藤 英臣 主 査 安原 和宏
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午前10時開議
◇議長(布施辰二郎君) これより本日の会議を開きます。
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第1 一般質問
◇議長(布施辰二郎君) 日程第1、一般質問を行います。
通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
最初に、金井康夫議員。27番。
〔27番 金井康夫君登壇〕
◇27番(金井康夫君) 皆さん、おはようございます。本日は大変多くの傍聴者の方々、大
変お疲れさまでございます。また、本日は区長会の方々もいらっしゃっているわけでございま
すけれども、改めまして感謝を申し上げる次第でございます。また、日ごろお世話になってい
るサポーターの方々もいらっしゃるわけですけれども、元気よく一般質問をさせていただきた
いと思います。
市長におかれましては、ここ最近、沼田市がちょっと元気がないかなというような気がする
わけでございますけれども、「元気があれば何でもできる」ということでございます。市長、
元気よく答弁、よろしくお願い申し上げたいと思います。できることはできる、できないこと
はできないと言っていただきたいと思います。できないことをできるようにするのが議員の腕
の見せどころだと思っておりますので、どうか明快なるご答弁をよろしくお願い申し上げます。
それでは、早速一般質問に入らせていただきたいと思います。
今回の内容につきましては、皆さんのお手元のとおり5点でございます。
まず最初に、新宿区と環境交流について、カーボンオフセット交流を通じて林業振興につい
て、今後どのような展開によって経済効果を見込んでいるのか、市長の見解についてお聞かせ
いただきたいと思います。
次に、中心市街地再開発についてでありますけれども、3期目の市長公約で中心市街地活性
化を約束したわけでございます。荒唐無稽のように感じるわけでございますけれども、市長自
身どのように活性化していくつもりなのかお聞かせいただきたいと思います。
3点目に、グリーンベル21についてでございますけれども、前橋市では大型店撤退後、対
応が大変迅速でございます。けさの新聞にも出ていたわけでございますけれども、本市の対応
についてお聞かせいただきたいと思います。
また、三井生命所有分、これは民間会社のMED TECH INVESTMENT2、3
に譲渡したわけですけれども、本市の今後の対応についてお聞かせいただきたいと思います。
4点目に下水道整備計画についてでございます。
こちらにつきましては、大変財政負担が大きい下水道整備計画から浄化槽整備へのシフトに
よって大幅なコスト削減と未整備地区の対応もできると思いますけれども、市長の見解につい
てお聞かせいただきたいと思います。
最後に、事業仕分けについてでございます。
こちらにつきましては、我々会派が昨年から実施を要望しているわけでございますけれども、
この検討状況についてお聞かせいただきたいと思います。
以上5点について、明快なるご答弁をよろしくお願い申し上げ、最初の質問といたしたいと
思います。よろしくお願いします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、沼田市政について、新宿区と環境交流について、カーボンオフセット交流を通じて、
林業振興についてでありますが、新宿区とのカーボンオフセット交流は、本年5月9日「新宿
の森・沼田」においてオープンイベントと4,000本の植林を行い、スタートを切りまして、
8月20日には新宿エコ隊等と地元白沢地区を挙げた住民との交流を兼ねた第1回の下草刈り
イベントを実施いたしました。
さらに、8月24日には、新宿区長から群馬県の「企業参加の森林づくり」等CO2吸収量
認定を申請し、9月16日には認証式が行われる予定となっております。県内の自治体では初
めての取り組みであり、沼田市と新宿区との先進的な取り組みが内外に知られることとなりま
した。
現在、森林の持つ機能は、地球温暖化防止における二酸化炭素の吸収源としての役割はもと
より、災害から国土を守り、生命の源である水をはぐくむなど重要でありまして、関心と期待
はいよいよ大きくなってきているところであります。今後10年間、植林や下草刈り等を実施
して、CO2削減と林業振興にも寄与する取り組みとして自然環境の保全、地球温暖化の防止、
環境教育等の多面にわたる機能を都市と山村の交流等を通して発信してまいりたいと考えてお
ります。
次に、今後どのような展開によって経済効果を見込んでいるのかについてでありますが、大
きくは、植林や下草刈りなど環境教育を通じて都市や地区住民に森に愛着を持ってもらうこと、
エコ対策上から木材が大いに活用され、林業振興につながることなどを期待しているところで
あります。
今回の「新宿の森・沼田」の下草刈りでも、新宿区が希望した地元住民との地場産食材等に
よるバーベキュー交流、トマト刈り、温泉施設の活用等を実施し、地域経済にも大きな貢献を
することができましたので、引き続き地域間の交流を促進することで交流人口をふやし、地域
経済活性化の起爆につながるような滞在型・体験型交流の施策を展開してまいりたいと考えて
おります。
次に、中心市街地再開発について、3期目の市長公約で中心市街地活性化を約束したが、ど
のようにして活性化していくつもりなのかについてでありますが、中心市街地土地区画整理事
業につきましては、8街区に続いて、昨年度から1街区において建物移転が着手となったとこ
ろであります。
中心市街地の活性化につきましては、この土地区画整理事業による道路や広場等の公共施設
の整備改善と宅地の利用増進のための面整備を中心とした事業の進捗に努めてまいりたいと思
っております。また、当然のことながら、ハード事業だけでは活性化ができませんので、ソフ
ト事業を絡めながら相乗効果を上げてまいりたいと考えているところであります。
今後とも、権利者はもとより関係者、沼田商工会議所等、官民一体となって取り組み、事業
の推進とまちの活性化に向け最善の努力を傾注してまいりたいと考えております。
次に、グリーンベル21について、前橋市では大型店撤退後の対応は迅速だが、本市の対応
についてでありますが、新聞報道などによりますると、前橋市ではイトーヨーカドーや前橋サ
ティの撤退に伴い、こうした大型商業施設のキーテナントの出店に対して緊急的な補助金を創
設するとのことであります。
かつて大型商業施設の進出によって中心市街地の空洞化の進展が大きな問題とされておりま
したが、全国各地で郊外型の大規模なショッピングセンターやアウトレットモールなどが次々
とオープンする中にあって、中心市街地にある大型商業施設さえも集客力を失う現状は甚だ憂
慮すべきものでありますが、具体的な打開策がなかなか見当たらないというのが現状でありま
す。
本市におきましても、平成14年のグリーンベル21からの沼田サティ撤退に伴う後継テナ
ントとして、Aコープとサンバード長崎屋を誘致するとともに、グリーンベル21テナント出
店促進条例により、出店テナントの改装費等の初期費用を助成することにより出店の促進を図
ってきたことは議員ご案内のとおりであります。
しかし、残念ながら、サンバードに続いてAコープも本年5月28日をもって閉店すること
となってしまいましたが、これまでと同様の支援を行うことによってAコープにかわる後継テ
ナントを誘致することにつきましては、本市の置かれた財政状況、さらに「沼田都市開発株式
会社の経営に関する評価・検討報告書」に示された内容を踏まえるとき、慎重に対処しなけれ
ばならないと考えるものであります。
今後、沼田都市開発経営検討委員の方々を初め関係者の方々の意見をお聞きしながら、本市
の商業振興につながる支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に、三井生命所有分を民間会社(メドテックインベストメント2、3)に譲渡したが、本
市の今後の対応はについてでありますが、今回、三井生命保険株式会社のグリーンベル21に
係る共有持分資産を第三者に譲渡するに当たっては、譲渡先の情報が不足していることなどか
ら、5月22日の沼田都市開発株式会社取締役会においては承認に至りませんでしたが、その
後、共有者サイドの意向が大きく変わり、6月20日に開催された同社取締役会において再議
決が行われ、賛成多数で承認され、6月末をもって第1街区が三井生命保険株式会社から合同
会社メドテックインベストメント2に、第2街区が合同会社メドテックインベストメント3に
それぞれ譲渡されたものであります。
市といたしましては、譲受人のプランなどの情報が十分でないことから、一貫して反対の立
場をとってまいりましたが、結果として譲渡が成立したということであります。
その後、7月5日には三井生命とともにメドテックインベストメントの関係者に訪問をいた
だいたところであります。
なお、一昨日は、共有者の方々とメドテックインベストメントとの協議が行われたと伺って
おります。
市といたしましては、メドテックインベストメントと共有者の方々の協議を見守りながら、
グリーンベル21の活性化が図られるよう必要な支援を検討してまいりたいと考えております。
次に、下水道整備計画について、財政の負担が大きい下水道整備計画から浄化槽整備へのシ
フトによって、大幅なコスト削減と未整備地区の対応もできると思うが、市長の見解について
でありますが、下水道整備計画としては、昭和53年3月に沼田市流域関連公共下水道事業計
画として国の認可を受け、また、白沢町及び利根町においては、それぞれ特定環境保全公共下
水道事業計画の認可を受け、事業を進めているところであります。
浄化槽整備としては、下水道法の認可区域以外の地域、農業集落排水事業が行われていない
地域に対して、平成10年度より該当地域に対して合併処理浄化槽設置事業費補助金交付要綱
に基づき事業推進を図っているところでありますが、国の認可を受けて実施している沼田市流
域関連公共下水道整備計画等を基本としながらも、財政状況に配慮しつつ、あわせて浄化槽整
備も推進してまいりたいと考えております。
次に、事業仕分けについて昨年から実施要望しているが、検討状況についてでありますが、
事業仕分けは、そもそも事業が必要かどうか、必要ならどこがやるか、官か民か、国か地方か
について公開の場において担当職員と評定者が議論をし、最終的に「不要」、「民間」、
「国」、「都道府県」、「市町村」などに仕分けしていく作業で、多くの自治体において取り
組みが始まっているところであります。
本市では本年度、行財政改革の重点検討事項として、効率的な行政運営を図るため専門部会
を設置し、一般会計当初予算に計上したすべての事務事業について、担当課との相互理解のも
と、再編・整理、統廃合、経費節減等の可能性や課題等を分析・検討を行い、現行事務事業等
の方向性を判断していく事務事業の総点検を実施しているところであります。
事業仕分けは、行政の事業を抽象論でなく、「現場」の視点で洗い直すことによって大胆な
歳出の削減を図る手段として、より効率的な行財政運営を図る有効な仕組みであると認識をし
ております。
本年度におきましては、県内においても事業仕分けを実施する市がありますので、視察・調
査するなどして、さらに研究をしてまいりたいと考えております。
以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇27番(金井康夫君) ご答弁いただきましたので、再質問させていただきたいと思います。
市長、今回3期目当選して、初めて私の方で一般質問に挑むわけでございますけれども、こ
こ最近感じますのは、沼田市が大変財政が厳しいなというのを市民が薄々感じてきているよう
な感じがしております。
そんな中で今回一般質問に臨むに当たって、大きく5点通告させていただいたわけでござい
ますけれども、お金がなければ知恵を出せということで、大きくこの3点については提案型の
一般質問でございます。残りの2点については、一体沼田市はどうしようとしているのか、こ
れはだれもが思っていると思います。きょうは関係者の方々も傍聴にいらっしゃっているわけ
でございますけれども、地権者あるいは関係者の人は眠れぬ日が続いているものと思います。
それら踏まえて、今回質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、提案型の明るい話題の部分で質問させていただきたいと思いますけれども、先
ほど、今回の新宿区との関係について市長のご答弁で大体わかりました。今後9月16日に県
との認証式に県内で初めて臨むんだということでございますけれども、先ほどの答弁でもいろ
いろされたわけでございますけれども、新宿区と沼田市が今後3カ年にわたって毎年約5ヘク
タールずつ白沢地域に整備するわけなんですね。およそ17ヘクタールは新宿区が費用負担す
るというような内容だと思います。
このところ、まず最初に市長に基本の認識をお聞きしたいんですけれども、よくカーボンオ
フセットというんですけれども、カーボンオフセットというのは直訳すると二酸化炭素を相殺
するという意味です。二酸化炭素というのは、今私も質問させてもらって出ているわけなんで
すね。市長も今、息をしていますから出ているわけなんですね。人間は生きている限り二酸化
炭素は出しているんですけれども、二酸化炭素がなぜ地球に悪影響を及ぼすものとお思いなの
か、そちらについての認識をお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員は、かねてから本問題には大変熱心に取り組んでおられたとい
うことをよく承知しておりまして、むしろ議員はよく承知していながらご質問もされているの
ではないかというような感じもするのでありますが、私自身の認識からすると、二酸化炭素が
増幅をしてまいりますると、やはり一つには地球の現行の温暖化が加速度的に進んでしまうと
いうことがずばり挙げられると思っております。ひいては、結局、大気中に1つの層をつくっ
て、そしてそれが非常に地球の言うならば呼吸を阻害してきているというようなことがござい
まして、今日のご案内のとおりゲリラ豪雨等に見られるような状況であるとか、南極の棚氷等
が氷解しているというような実態にあろうかと思っております。
このまま推移をいたしますると、間違いなく、既に赤道直下等では1つの陸地が海水で埋ま
ってしまうとかそういうことがございまするし、我が日本国の地区においても東京都下の江戸
川だとか利根川の雰囲気ではむしろ河川の方のレベルが高くて、居住地のほうのレベルが低い
というようなことから、今次のような大雨が降ったときにやはり厳しい状況が来ると。
また、つい5日ほど前だったと思いますけれども、NHKで、大雨が降ったときに、東京都
下の要するに地下の3層構造があって、そしてそういったところに特別な水が入っていくこと
によってパニック状態が招来してくること等があったのでありますが、そういうことが挙げら
れると思っております。
なお、地区の現実問題としては、私自身、非常にこの地区の果樹関係のすばらしさというの
はよく承知をしておるのでありますが、陽光のリンゴ一つとらまえたときに、甘味は高くなっ
ているのでありますが、朝晩の寒暖の差がない状況があって、色づきが若干厳しいことになっ
ております。したがいまして、やはりこれら等については非常に地球規模の問題でありますけ
れども、私どももできることから対応していく必要があるのではないかと考えております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁、陽光の甘味まで大変ご丁寧にご答弁いただきました
ので、先ほど加速的に温暖化が進むというような話で、市長は層ができてという話なんですけ
れども、温室効果ガスのイメージで多分言われたと思うんですね。二酸化炭素というのは地球
上の炭素の一つで、温室効果ガスの一つなんです。温室効果ということは、ある程度あれば温
室効果なんです。ですから地球上というのは平均15度で生物が生きていけるんです。この温
室効果というのが太陽光の赤外線を吸収する性質があるんです。吸収することによって、二酸
化炭素が大体を占めているんですけれども、二酸化炭素がふえることによって温暖化が進むと
いう仕組みなんです。
今回このような質問をしたというのは、この後につながりがあるんです。特に市長ご存じの
とおり1997年、京都議定書、COP3なんです。世界的な法的に認められたものなんです。
京都議定書のときに1990年比に対応して6%、CO2を削減しますということ、これは約
束したんです。法的に約束したんです。この6%のうち3.9%は森林で吸収しますと、これ
も約束したんです。残りの部分について重要なのが、京都メカニズムの部分があるんです。京
都メカニズムというのは、1.6%は排出権取引しますという内容なんです。これはニュース
でも見てもらったと思うんですけれども、カザフスタンと日本はこの5年間、排出権取引をす
るということを契約しました。排出権取引、1.6%の総枠というイメージは多分わかないと
思うんですね。1年間に1,900万トン必要なんです。1,900万トンの排出権取引をや
ると、1,900万掛ける5ですから9,500万です。9,500万トンのCO2を排出権
取引しなければこの目標を達成できないということなんです。9,500万トンなので1億ト
ンでもいいんですけれども、1億トンで幾らなのかといいますと、今EUでCO2の排出権取
引をやっているんです。これは相場なんです。きょうも相場をちょっと見てきたんですけれど
も、大体1トン当たり1,500円ぐらいなんです。1億トンだとすると1,500億円ぐら
い排出権取引で必要なんです。倍になれば3,000億円必要だということなんです。ですか
らその中で、ただ排出権を買うという国との約束の中で、いいものなのかどうなのかというと
ころで一つキーポイントとなるのが今回のカーボンオフセットなんです。
市長にお聞きしたいと思いますけれども、先ほど県との認証をすると言ったんですけれども、
今回の群馬県、特に沼田市と新宿区とのカーボンオフセットの協定をすることによって京都メ
カニズムのことについてかかわることができるとお思いなのかどうか、そちらについてお聞か
せいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変造詣の深いご調査をされまして、そして大変内容の濃いご質問
になっているわけですけれども、ご案内のとおりスタートの端緒に本事業もついて、現実にこ
こまでたどり着くのには本市とすると大変苦労もありました。しかも認証制度の関係も、実際
問題として長野にはありましたが、群馬県にはなかったということから、これも昨年の暮れか
ら正月にかけていろいろ私めのほうから県のほうにも働きかけて、認証制度というものを今回
実施をしてくれるということになって、そういう意味で新宿区の立場からすると、長野に認証
制度があるが群馬にはないのは甚だ困るというようなこともありまして、私どもとすれば、群
馬がこれに踏み切ったことによって、言うなれば、ふと胸をなでおろしているところでござい
ます。
言うところの京都メカニズムの今の相殺の関係からくる1トン1,500円云々という単価
の紹介まであったわけでございますが、これらについては今、私どもがこれにかかわることが
できるかどうかということになると、もう少しく勉強させていただかないと、ここで明解な答
弁を申し上げるという今現時点にはありません。
したがいまして、早々に関係者のところにいろいろと連絡等をとって、そしてこれらのこと
についての検討を図ってまいりたいと考えております。
◇27番(金井康夫君) 優秀な職員の方がいらっしゃいますので、検討するのは結構なんで
すけれども、もうこれは時間の猶予がないと思うんですね。
またここも、市長、基本的なことをお聞きしたいんですけれども、先ほどの排出権取引につ
いていろいろ説明させていただきました。排出権取引とカーボンオフセットの違いって何だと
思いますか。
◇市長(星野已喜雄君) 端的に言って、排出権取引はずばり経済行為がかかわってまいりま
して、既に諸外国ではこれらに基づいて事業として成立をしていると思っております。
今回は自治体間のカーボンオフセットでございますから、基本的には新宿区等のほうでCO2
の削減の措置を図ろうというようなことについてなかなか難しい。そういったところで沼田市
に協力を求めると。私どもも実際問題、山林が非常に枯渇をしておりますので、大変それはあ
りがたいことだというような認識をしております。
したがいまして、奥深いところでは、これは当然一致点があるのかもしれませんけれども、
現下の現実のとらまえ方からすると、やはり一定の区分けが必要なのかなというふうに受けと
めております。
◇27番(金井康夫君) 排出権取引とカーボンオフセットとの違いということで質問させて
いただいたんですけれども、端的に言えば、先ほど言ったとおり排出権取引というのは義務的
なんです、義務なんですね。カーボンオフセットというのはボランタリーなんです、イメージ
なんです。ですから新宿区が白沢に植林する、あるいは間伐する、これはあくまでもボランタ
リーなんです。
ここで一つ重要な提案なんですけれども、今、環境省の下部組織にJ−VERという組織が
あるんです。これは第三者認証組織なんです。J−VERというのはJapan Verif
ied Emission Reductionという意味なんです。ですから、なるべく小
さくして排出を抑える、縮小するという意味だと思うんです。これがどういうことなのかとい
うと、第三者機関が認証するということが、CO2を固定というか吸収したときに、これをク
レジット化できるんです。先ほど長野の例を言いましたけれども、日本でJ−VERを取り入
れているのが長野県、新潟県、高知県なんです。特に高知は先進地、日本で一番最初にやりま
した。先般、市長もご存じですけれども、民生福祉常任委員会で県庁に視察に行ったんです。
私も議員生活16年間やっていますけれども、市長が委員会の視察のあいさつに来たのは初め
て見たんです。それだけ力を入れているのかなと思って、今回も力を入れて一般質問やらせて
もらっているんです。
ですから、ここで何が言いたいのかというと、今の群馬県庁のやり方だと、ぐんまちゃんの
絵がかいてある紙を1枚くれるだけで、「はい、ありがとうございました」なんですよ。新宿
区がお金をかけて3年間、17ヘクタール、何千万もかけたって紙切れ1枚で終わりなんです。
ここで違うのは、高知県あるいは新潟県、新潟県はN−VERというのをつくっているんで
す。長野県はまた別につくっているんです。どういう仕組みなのかというと、高知県の場合で
すと、例えば新宿区が高知県の森林の植林とか間伐をしたとします。年間これだけCO2を固
定しましたと数字が出るんです。出たことによって、さっきのJ−VERというところに認証
してもらうと、クレジットとして蓄積できるんです。そうなると、今度は高知県がお金を持っ
ているんです。東京にルミネという大きいデパートありますね。ルミネが一番最初に330万
円でそのクレジットを買ったんです。ルミネのメリットというのは、「我々ルミネの社員は日
ごろガソリンを使ったりいろいろ活動している中でCO2を出しているけれども、高知県に3
30万円を払うことによってオフセットしましたよ」というような、こういう仕組みなんです。
ですから金がなくても知恵を出せばできるんですよ。
ですから、今の状況で考えた場合に、群馬県がやるべきことというのは、群馬県、G−VE
Rでもいいじゃないですか。G−VERで認証すれば今後、例えば板橋区といろいろなことで
交流がある中で、板橋区長に対してやるときに、沼田市に植林をすることによってクレジット
がたまるんですよと。クレジットがたまって、そのクレジットを板橋の民間会社が買えばいい
んですよ。そうすれば区民として税金を払っていて、板橋区の民間会社がそれを買うというこ
とは、還流するということなんですよ。これは非常に重要なところなんです。
ですから、さっきの京都メカニズムの部分に沼田市がかかわることができますかということ
で、「今後検討します」と答弁したんですけれども、こういう内容なんです。ですからやろう
と思えばできるんです。早急にやってもらいたいと思います。市長のお考えについてお聞かせ
いただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、本市の力量からいたしまして、よくここまで来た
なというのが率直な感想でありまして、今議員がご提案されていることが一体全体、基礎自治
体で果たしてどうなのかなということがまず一つあるなということを今受けとめております。
先ほど来、先進地のご提案も、都道府県の中のところから入っておりまして、今回、認証制
度の関係等についても、本来であるならば、力量があれば基礎自治体でもってそこまで実行が
できればなおよろしかったとは思いまするし、また、そういうほうがいいのかとは思いますが、
新宿区の立場からすると、やっぱり県の認証というもののほうが重きがあるということの受け
とめ方も事実かと思います。特に長野との関係の整合性もあったもので、新宿区の方では群馬
県ということを非常に意識しておりました。
したがいまして、今後のことになりますけれども、大変有意義なご提言をいただいておりま
すので、来るべき16日にそういった認証式等もありますので、先ほど来お話しのJ−VER
等も含めた形の中のことについて、群馬県側ともいろいろと交渉あるいはまた検討を加えてい
きたいというふうに今思っているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 今回のVER制度については、沼田市でやってくださいと言ってい
るわけではないんです。群馬県でやってもらうように投げかけたらどうですかという意味で質
問させてもらったんですね。ですから先ほど民生福祉常任委員会で視察に行ったときには、県
の担当者ですと「我々のレベルですとまだそこまでは達していません」というお答えだったん
です。委員のメンバー、きょういますけれども、委員のメンバーから結構積極的に意見が出ま
した。群馬県のレベルですとまだここまでは考えていないという答弁だったんです。
私はこれ、逆手にとるとチャンスかなと思ったんです、群馬県がやらないんだったら。よく
市長、あいさつの中で言いますけれども、この利根沼田地域は群馬県のおよそ28%の面積で、
利根川の水は東京都民の飲料水の65%を賄っているんだということをよく言われているんで
すね。利根沼田広域圏の理事長として、今回このJ−VERを認証する第三者認証機関をつく
ったらいいと思いますよ。つくるアイデアがないんであれば、第三者認証機関に投げていいん
ですよ。この認証機関に投げるのは大体30万円ぐらいかかるんです、プロバイダー料とか認
証料、登録料が。30万円が高いか安いかといえば、私は安いと思います。安いんです。自分
たちでできなければ第三者認証機関のJ−VERにお金を払って頼めばいいんですよ。利根沼
田広域圏でお金を払えばいいんです。利根沼田広域圏単位でJ−VER制度をそういう形でや
ったら、日本でまだ一カ所もないですから、1番が重要なんですよ。どっかの人が言ったんじ
ゃないですけれども、2番じゃだめなんです。だから、ぜひとも1番で頑張ってもらいたい。
市長、どうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変貴重なご提言をいただいていると受けとめております。
きのうなおとといなとデスティネーションキャンペーン等があって、いろいろな行事に参加
をさせていただいておりますが、利根沼田の魅力が、かつての温泉の魅力もさることながら、
大自然に裏打ちされたところの魅力を提案する場面が随分ありまして、つまるところ結局それ
は緑のところに回帰をしてまいります。そういうことから考えると、現実に利根沼田というと
ころが、たしか私の記憶に間違いなければ四国の香川県にほぼ匹敵する面積を持っているとい
うふうに受けとめております。したがいまして各町村の長の方々がそれぞれおられますので、
それぞれのお立場で、また考え方をお持ちだと思っておりますから、一概に申し上げることは
慎重にせざるを得ないのでありますが、ご提言の趣旨を踏まえて、県のところの部分にもしっ
かりと着眼し、そして一方においては沼田のみならず、利根郡下の町村とも連動するようなこ
とが技術的に可能であれば、それは大いに今後とらまえていかなければならないと考えており
ます。
何と言っても、本地区の利根沼田の魅力は、かつて「水清く緑豊かな利根沼田」と呼称され
たように、そういう意味ではこういった事業は積極的に位置づけていかなければならないもの
だと思っておりますので、今後ともご指導、よろしくお願いしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) 市長、リーダーシップに求められているのはスピードと決断力です
ので、ぜひとも早急に頑張っていただきたいと思います。
カーボンオフセットについては、振り返りますと、私のほうで一般質問、平成18年3月に
させてもらっております。それから4年半たって、今回こういう結果になっております。4年
半かかったんですね。このJ−VERの関係については、4年半と言わずに1年ぐらい、今か
ら一生懸命やればできるんじゃないのかなというような気がしますけれども、来春には立ち上
げられるように、寝ずにやったほうがいいと思いますよ。頑張っていただきたいと思います。
次に、中心市街地の問題についてお聞かせいただきたいと思います。
こちらについては、市長当選当時から、私のほうから何度も活性化について質問をさせてい
ただいております。
今回、市長は執行部の最高責任者として9年目となったわけでございますけれども、現状の
中心市街地を見て、市長自身9年間一生懸命やった結果だというのか。この現状についての感
想をお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 平成14年に市長という立場をいただいたときに、ご案内のとおり、
私がなる前に土地を相当購入しておりました。当時、非常に歯抜けのような状態になっている
のを私自身も憂いておりまして、できれば例えば蔵なんかをきちんと残したい、あるいはまた、
既存の某料理屋さんの建てかえたばかりの立派な建物も残しておくほうがいいのではないかと
いうことで、私もそういう立場でいろいろと動きました。
しかし、この事業を国交省等に行ってかけ合っても、ずばり言って換地の問題等からどうし
ても上物の建屋を一掃しないとなかなかそういったことがかなわないという実態にございまし
た。
したがいまして、現行の法制度の中で与えられた財政、大変厳しい中、常にその年々の職員
が一生懸命骨を折って今まで来たという経過がございます。ただ、願わくば、冒頭のスタート
時点に地権者の方々のご同意をいただくようなそういう場面があったらばよかったのかなとい
うふうにかねがね思っておりました。しかしこの手法は決してそれを必要としないものであっ
たということを聞かされたわけでございますけれども、そういった大事業を展開するときに次
善の策として住民合意が前段あればよかったのかなというふうな感じは当初から持っておりま
した。
議員の立場からいたしますならば、非常にご心配いただいているわけでございますけれども、
年間の予算等を見ても、中心市街地の本事業の予算等は他のところに比べるとある程度全体予
算から見ると高い位置を持っておりまして、そういう意味では、与えられた法制度の中で今後
も努力をしていかなければいけないなというふうに受けとめているところでございます。
◇27番(金井康夫君) この土地区画整理事業の関係については場面、場面で市長のお答え
というのがどうしても平成14年以前の先行買収、非常にこれが責任があるんだということを
言われるんですけれども、平成14年に沼田市長に就任して、この先行買収が本当に疑問があ
ったのであれば、平成11年につくった基本計画の見直しを市長はできたと思いますけれども、
なぜしなかったんですか。
◇市長(星野已喜雄君) 私が事務方と打ち合わせしていると、今議員がおっしゃっているよ
うなこと等についていろいろとご指摘いただきますけれども、どうしても例えばそういった仕
組みの中で補助金の返還命令が国のほうから出てくるであろうとかそういうこと等もあって、
現実に既に先行買収をしているわけでございますので、そこのところについては慎重にしてき
たという経過がございました。
◇27番(金井康夫君) 街なかについては、私も16年ほど議員生活をやっていまして、ま
だ年は若いんですけれども、ある程度生き字引的に内容全部わかっているんです。今、市長が
言いましたけれども、補助金の返還請求があるというような話ですけれども、沼田市が平成1
1年にまちづくり三法で全国で16番目に基本計画が承認されたんです。その後に県内ですと
富岡市が平成14年なんです。富岡市は20ヘクタール、これを総事業費187億円で先行買
収もやっているんです。富岡の場合は先行買収したところを結局、基本計画を変えたんですよ。
変えてもそのとき、市長、県関係にいたからよくご存じだと思いますけれども、県の都市計画
の評価委員会で承認すれば、先行買収でもらった半額の補助金の返還はしなくてもいいんです
よ。富岡市に行って確認してみてください。私が言いたいのは、平成14年以前に補助金が返
還させられるおそれがあるから基本計画を変えなかったということからボタンのかけ違いが始
まったんですよ。ですから前西田市長がやったことにもし不満があるんであれば、市長自身が
基本計画を見直せばよかったんです。それを、補助金返還する可能性があったから今まで来た
んだと言うことというのは、私から見ればはっきり言って不作為の作為なんですよ。だれもが
やらなければいけないということはわかりながら、作為的にそういうことをやったようにしか
見えないんです。市長自身、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変厳しいご指摘をいただいておりますが、いずれにいたしまして
も、現行の法制度の中でやれることをきちんとやっていると。これはやはり与えられた現在の
命題だと思っております。ただ、感想を述べろというようなお話でしたもので、かつてそうい
うようなことがあったことは私自身の胸のうちの中にじくじたるものがありますということを
申し上げているわけでございまして、現行の法制度の中でできることをきちんと前進させてい
くということが大変大事なものかなというふうに受けとめておりますので、ご理解をいただき
たいと思います。
◇27番(金井康夫君) 地方自治体ですから、現行の法制度でやるのは当然のことなんです
ね。そういう意味で市長、中心市街地のものについて今後活性化、どのように想定しているん
ですかということに対して、ソフトと絡めながら今後まちづくりの活性化に臨んでいきたいと
いうような答弁でありますけれども、せっかくですので、市長、まちづくり、特にこの上・中
・下之町の中心市街地の再開発、それではこれは主体的にだれがやるものだとお思いなのかお
聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 当然これは当該者であるべく地権者の方々のご同意や、あるいはま
たご理解をいただかなければ一歩でも前に進むことはできません。したがいまして当然当該地
区の地権者の方々が基本的には中心となるべきだというふうに受けとめております。
本事業に予算措置をしているのは本市でありますからして、当然今度は地権者の方々がいろ
いろとこれから先やろうとしていることであるとか、あるいは考えていること等についてはで
きるだけ真摯に耳を傾けて、それをきちんと応援し、また、先ほど来申し上げていますように
今までの時系列をしっかり踏まえた形の中できちんとやれることは進めていくというようなこ
とになろうかと思っております。
したがいまして、ここのところ随分「協働」という言葉が出ておりますけれども、どちらに
偏ってもいけないと思っておりますので、地権者たるべく方々のご理解をいただき、そして沼
田市のほうの具体的には街なか対策部になりますけれども、そこの職員とがうまく連動して、
そして進めていくということが大変重要かというふうに受けとめております。
◇27番(金井康夫君) このまちづくりについて主体はだれがやるのかということに対して、
市長は、地権者が主体となって、また土地区画整理事業をやっている立場から行政の方も手助
けをするんだというようなことでございますけれども、中心市街地の再開発ということで大変
衰退したわけなんです。衰退した人たちに活性化するための主体となってくださいということ
は余りにも苦な話なんですよ、今こういう時代の中で。ですからこのまちづくりをしましょう
といった中に地権者の人たちとやりますよということであれば、市長、この4月から3期目に
なって地権者の方々と意見交換を何回やりましたか。
◇市長(星野已喜雄君) 議員はどういうお立場でご質問しているかどうかわかりませんけれ
ども、きちんとしたセットされた会議等は私自身、出ておりませんけれども、当然ふだんの日
常会話の中だとか、あるいはまた日々のおつき合いの中でそういうことを承ったりして、そし
てそういったことをきちんと担当部局に伝えて、遺憾なきよう対応するように指示はしてきた
という経過はございます。
◇27番(金井康夫君) 私の立場からすれば、沼田市議会議員27番として質問させてもら
っているんですね。ですから今こういう立場で質問させてもらっているんです。その中で、市
長の今の話ですと立ち話とかいろいろなところでやっていますよというような話なんですけれ
ども、私は不肖、平成11年、12年、特別委員長をやらせていただきました。このときの事
務概要書を見ればわかりますけれども、年間100回以上やっているんですよ。これがいいか
悪いかは別にして、年間100回以上けんけんごうごうの意見交換をやっているんです。今、
事務概要書を見れば1年間に5回ぐらいですよ。この5回のうち市長が何回出たんですかとい
えば、多分おれは出ていないと思いますよ、一回も。ですから「ふだんの活動の中で私はそう
言いました」なんて、そんな答えはないんですよ。正式な場で、街なかの地権者の人たちが主
体だというんであれば、その方々と意見交換を何回やったんですか。「これについてどういう
立場で質問しているのかわかりませんですけれども」というような答弁はないんですよ。です
から今の市長の立場で正式に意見交換を何回やったんですか。それについてお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたように、ちゃんとしたセットされた形の中で
は、この1年間等を振り返ってみたときにはなかったかなと思っております。ただ、もろもろ
の行事等にお招きにあずかりまして、そういった場所にはきちんと出席をさせていただいたり
したという経過はございます。
◇27番(金井康夫君) 今回の街なか再生については、市長、平成14年から就任して、市
長の最高責任としておよそ20億円ぐらい沼田市民の税金を投入しているんです。結果がこう
なんです。よく政治は結果だということを言いますけれども、今後の問題として、さっきのJ
−VERの話ではないですけれども、私、いろいろな提案をさせてもらったんです、今まで。
例えばうだつの上がるまちづくりをやったらどうですかとか、うだつの上がるというのは景気
がよさげでいいじゃないですか。これをコンセプトでやったらどうですかというような提案も
させてもらいました。あとは、ここ最近、環境の問題がありますけれども、ケミカルフリータ
ウン構想と言ったんですね。これは接着剤とかそういうものを使わない様式の商店街をつくる
ことによって、例えばアトピーとか自閉症のADHDの子供たちが来ることによっていやしの
まちづくりをやったらどうですか、こういうようなことも提案させてもらいました。あるいは
てんぐをイメージして、鬼がわらのかわりにてんぐのかわらを掲げることによって魔よけにな
るんだというようなことも一つ提案をさせていただいたんです。私のない頭で考えると、ここ
まで来ると中心市街地については今の沼田市の考え方で言うと、どうも何をやりたいのかわか
らない、そんな状況なんです。
ですからここで一つ、自分は提案もしたくなかったんですけれども、もし言うんであれば、
平成11年当時、さっき100回ぐらい会議をやったと言ったんですけれども、このとき非常
にもめたのが滝坂エレベーターだったんです。滝坂エレベーターの問題で非常にもめたんです。
この滝坂エレベーター、もう昔話みたいになっちゃいましたけれども、安藤忠雄さんが詳細設
計までやったんです。安藤忠雄さんというのはアメリカで最高の建築学賞をもらったり、フラ
ンスでも最高の建築学賞をもらっているんです。ある沼田市の人が東京で安藤忠雄さんに行き
会ったら「沼田市というところはおもしろいですね」と言ったそうです。「何でですか」と言
ったら、「私はフランス、アメリカ、それぞれ世界各国いろいろなところで建築を手がけてい
るけれども、詳細設計までやって建築ができなかったのは世界でただ一つ、沼田市だ」という
ことを言われたそうなんです。ですから今後もし、まちづくりをやるんだったら、安藤忠雄さ
んが詳細設計までやったけれども、世界でただ一つ実現できなかったまちだというキャッチフ
レーズで売ったらどうですか、滝坂でもいいですから、ある意味こんなにひどくなったんです
よということで。ですからもう夕張と同じですよ、このままいけば。
今回、非常に厳しい質問なんですけれども、市長自身、今の地権者の気持ちを考えれば、市
が何かやってくれたっていいんじゃないか。ビジョンが見えないんです。出口の見えないトン
ネルを掘っているようなものなんですよ。今街なかでいろいろなイベントをやっていますけれ
ども、今後よくなるという道筋が見えないんです。周りの人間も見ていてかわいそうに見えち
ゃうんですよ。今後市長、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がかつて、うだつの上がるまちづくり、あるいはケミカル関係
の住宅等のこと、あるいはまた、てんぐのかわら等のご提案があったということでありました
が、どうしてもいろいろと事業を進めていくときに、そこによって立つところの地権者の方々
のご意思を体していかないと、ただこういうことでどうですかということだけにはなかなかい
かないということを私も現場、現場でそういった感じを持ってまいりました。
したがいまして、どうしても議員が言われるようにいろいろな経過があるわけでありますけ
れども、今後とも地道ではありますけれども、きちんと地権者の方々のご意思、あるいはご意
見等を承って、そして市が持てる財源の中で対応していくということに結論から言うと尽きる
んではないかと思っております。
今の時代が全日本的に知恵比べの時代になっていることは、まことにもって当然のことなん
でありますが、そういった中にあって、基本的にはどうしても事業の持っている趣旨から、そ
この権利者との関係を無視しては事が前に参りません。そういったことから、私どものほうが
指導力がないというようなご指摘かなというふうに今受けとめたわけでございますが、反省す
べきところはしまして、そして今後、地権者の方々のご意思を体して前向きにとらまえていき
たいなというふうに思っているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 自治体の土地区画整理事業の中で青写真判決という有名なものがあ
るんですけれども、市長、ご存じでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 存じ上げておりません。申しわけございません。
◇27番(金井康夫君) この青写真判決、読んでのとおりなんですけれども、土地区画整理
事業を進めたときに、計画段階で反対することができないというんです、青写真の段階では。
今まで門前払いだったんです、地域住民が訴えますと。これが平成20年9月、42年ぶりに
最高裁大法廷で覆ったんです。この内容は、計画決定訴訟を行える行政処分に当たり提訴は認
められる、こういう画期的な判決なんです。
これはどういうことかといいますと、このまま街なか再生が進まないということに対して行
政が訴えられて負ける可能性があるんです。今後そういうことも想定されると思いますので、
ぜひとも慎重にこの事業については頑張っていただきたいと思います。そちらについて市長の
お答え、よろしくお願いします。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午前11時00分休憩
―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時09分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員の再質問にお答えしたいと思います。
いろいろと現下の緊迫した状況の紹介がございまして、市長の対応方のご質問であったと受
けとめております。
常に緊張感を持って事に当たっていきたいというふうに思っておりまするし、また、ご提起
されました関係のことについても深く研究をさせていただきまして、先々に遺憾なきよう対応
を図ってまいりたいと考えております。
◇27番(金井康夫君) それでは、次にグリーンベル21について再質問させていただきた
いと思います。
グリーンベル21についてでございますけれども、私も今3人で会派を組んでおりまして、
前橋インターをおりると赤まる市場というのがあるんですね。あそこにうおかつさんという大
手のスーパーが入っています。渋川のサティにもうおかつさんが入っているんですけれども、
うおかつさんの専務と各役員とお会いして、沼田市の今のグリーンベル21の1階ワンフロア、
これを1月100万円で借りることに社長のオーケーもらったんです。当時の役員の話ですと、
5月に改修に入って7月1日からオープンするというような計画でやりましょうというところ
まで話をもらったんです。関係者、都市開発株式会社の役員の人も、うおかつさんに行って戻
ってきて、市長に相談したところ20万円の逆ざやがあることによって、沼田市とすると取締
役としてこのことについては反対するということで、最終的には今の現状に至っております。
うおかつさんもこれはしようがないんです。その中でAコープが撤退して、現状、買い物難民
だということでよく言われるんですけれども、パート含めて例えばAコープの職員何人の雇用
がなくなったのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
(「休憩」を求める者あり)
―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時11分休憩
―――――――――――――――――――――――――――――
午前11時12分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 具体的な数字の問題でございまして、今、事務方に指示をいたしま
したが、早急な数値を部長のところで持ち合わせておりませんので、この関係につきましては
数値が出てきたところで答弁をさせていただきますので、あらかじめご了解いただきまして、
時間もありますので、できますならば質問を続けていただく中で、後ほどの答弁とさせていた
だければ大変ありがたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) この質問については、以前私、平成18年に市長に対して質問させ
ていただきました。同じ質問をさせてもらったんです。てっきり数字も押さえているものだと
思っていたんです。それで、させてもらったんですけれども、当時の市長の答弁ですと、Aコ
ープがなくなると、パートを含めて40人ぐらいなくなるという答弁をしているんですよ。当
時のマイカルが不動産で介入していろいろやっていたグリーンベル21全体がなくなると10
0名の雇用が喪失される、なくなるというような答弁だったんです。
この当時の会議録を引っ張ってきたんですけれども、Aコープに当時、市長、1億円出資し
て、今後このAコープについては、その以前のサティが地元から仕入れたものにつきまして約
1,000万円程度だったというようなことなんです。サティからAコープにかわることによ
って1億円出資金をやることによって、地元の地場産の野菜を1億円購入するめどがあるので
地元の農家ももうかるし、街なかも活性化しますよということで1億円出資したんです。そう
いうような市長の答弁だったんです。
今現在、それから数年がたっている中で現状を見ると、その効果が、先ほどの話じゃないで
すけれども、結果がすべてなんですね。大変厳しい状況になっているわけです。そのような状
況を見たとき、市長、どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私とすれば、平成14年にこういう立場をいただいたときに、グリ
ーンベル21の火を消さないために、キーテナントたるべくものを誘致しろという市民のそう
いった声もあって、いろいろとかつてからの人脈等もありましたので、Aコープにお世話にな
るということで、当時の議会の皆様方にもご理解をいただいた形の中で予算の関係等にもお世
話になって、そしてAコープにグリーンベル21で営業をしていただいたという経過がござい
ました。
私どもも当時、Aコープからのたしか買い物のカードだとかそういうものも市の職員が買っ
たりして、できるだけAコープを応援してあげようというようなことで努力もさせてもらいま
した。そういった中で、冒頭の答弁で申し上げましたように加速度的に、当沼田のみならず、
大きく言えば国全体の中に大規模なショッピングセンターであるとかアウトレットモールがど
んどんオープンしてきて、大型店同士のしのぎ合いが展開されているという実態があって、私
どもが一生懸命応援をさせていただいたわけでございますけれども、残念ながらこういう結果
になってしまいました。このことについては私自身も非常につらいところがあるわけでござい
ますけれども、当該の経営をしているお立場の方からずれば、やはり経営ということからとら
まえたときに、今回こういった展開、決断をされたことについて、私のほうはお引きとめをさ
せてもらうという立場だったわけでございますけれども、結果的にはこういった残念な結果に
なってしまったわけでございます。
したがいまして、今後、言われるとおり街なかの方々の生活物品等の関係について、どうい
う対応が図れるのかということは、いろいろな角度から分析をしていかなければなりませんけ
れども、ご案内のとおり今までの小さな個店もそれぞれのところで頑張っている姿も見えるわ
けでありまして、今後そういったことも踏まえていろいろと検討をさせていただきたいと思っ
ております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、「議会に深いご理解をいただいて」というこ
とは、議会の議決があってというような意味だと思うんですね。当時の議会側に対する説明と
いうのは、60%の株主になるかわりに監査権があるということをしきりに言われたんです。
ですから今までの都市開発株式会社というものが、その資金のキャッシュフローが不明確な部
分があるからしっかりと議会側ひっくるめて、市当局でもチェックはできるというような、そ
ういうお答えで議会は了承したわけなんですね。それから数年たって、今の現状を見れば、大
変な状況なわけなんです。
ここで一つお聞きしたいんですけれども、先般、市長1回目のご答弁で、取締役員会のメド
テックの関係で5月21日に行ったことについてご答弁されました。5月22日に取締役会を
開催したわけでございますけれども、このときに他の取締役に対して沼田市長として、この議
案に賛同してくれとか反対してくれとかというようなことを相談されたことがあるでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 常にこういったときに市の立場からいろいろな形を私自身が呼びか
けるようなことは控えてまいりました。したがいまして、この5月22日にはメドテックイン
ベストメント、この関係等については、星野已喜雄、つまり沼田市長のみならず他の取締役の
方々も、要するに譲渡に対しては賛意がなかったということでもって先ほど述べたとおりでご
ざいます。大事なところでございますので、冒頭の答弁をもう一回読み返しておきたいと思い
ます。
「次に、三井生命所有分を民間会社(メドテックインベストメント2、3)に譲渡したが、
本市の今後の対応についてでありますが、今回、三井生命保険株式会社のグリーンベル21に
係る共有持分資産を第三者に譲渡するに当たっては、譲渡先の情報が不足していることなどか
ら、5月22日の沼田都市開発株式会社取締役会においては承認に至りませんでしたが」とい
うくだりで述べておりまして、このときには他の取締役の方々も沼田市長たるべく星野已喜雄
と同様な立場にあったという経過がございました。
◇27番(金井康夫君) 5月22日の取締役会のときには情報不足ということで、取締役会、
これは6人中5人が不同意したんです。1人は同意したわけなんです。その舌の根も乾かない
6月20日にまた取締役会をやっているんですね。このときにも同じような議題でやったんで
すけれども、この結果、不同意が1人なんですね。市長が不同意したんだと思うんです。この
変わり方が私にするとちょっと不思議だなというような気がするわけでございますけれども、
市長自身今回、他の取締役は5月の段階では不同意だったものが1カ月の間で同意に回ったと。
その中で一貫して沼田市は反対した、不同意とした理由についてお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 沼田市の立場は、できるだけ三井生命保険株式会社にしっかりと持
っていただいたほうがいいという当然判断もありましたし、さらにやはりこれを先々に見たと
きに、沼田市長たるべく星野已喜雄がメドテックインベストメント2、3の、いろいろと私ど
もも分析させてもらったり検討もさせてもらったわけでございますけれども、やはり三井生命
に所持をしていただいたほうが安定感があるというような判断もございました。ただ、それは
取締役の方々におかれましてはそれぞれのお立場でご判断されたということだと思っておりま
す。
したがいまして、確かに6月20日には、これも大事なことでございますので冒頭の答弁を
申し上げますると、「承認に至りませんでしたが、その後、共有者サイドの意向が大きく変わ
り、6月20日に開催された同社取締役会において再議決が行われ、賛成多数で承認」された
という流れでございました。
◇27番(金井康夫君) メドテックインベストメント、この会社の社長は何という方ですか。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長のほうから答弁をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりましてお答え申し上げます。
メドテックインベストメント2につきましては、井川さんでございます。メドテックインベ
ストメント3につきましては柿本さんという方でございます。以上でございます。
◇27番(金井康夫君) 単純に思いますけれども、メドテック2、3、何で1がないのかな
と思うんですね。
市長、この今2人の社長を挙げられましたけれども、お会いしましたか。
◇市長(星野已喜雄君) ですから、先ほど申し上げたとおり、7月5日に本市に来庁してお
ります。したがいまして、そのときにお会いさせていただきました。
◇27番(金井康夫君) このメドテックインベストメント2、3という意味は、私も以前、
民間にいまして開発関係にいましたので、大体予想はつくんですけれども、平成18年に商法
が改正になったんです。会社というのは、株式会社というものがあったり、有限会社というも
のがあったり、合資会社があったり合名会社があるんですね。この中で商法の改正によって、
規制緩和で合同会社というものが立ち上げられるようになったんです。合同会社とはどういう
ことかというと、1人で立ち上げられるんです。合同会社の責任というのは、出資額の責任を
とればいいんです、出資額の責任をとれば。ですからメドテック2、3、これは85%で今面
積を有している会社の今言った2人のうちの合同ですから、1人の方が出資金額だけを責任を
持てば法的にいいんですよ。市長、合同会社メドテックインベストメントの出資金は幾らだと
思いますか。
◇市長(星野已喜雄君) 数値になりますので、経済部長のほうから答弁をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
資本金の額につきましては、それぞれ2、3とも各10万円でございます。
◇27番(金井康夫君) そうなんですよ、10万円なんです。最低で言うと、合同会社とい
うのは6万円で立ち上げることができるんですよ、登録免許とか。株式会社というのは最低2
4万円かかるんです。一番心配なのは、10万円の責任を持てば会社をつぶしたっていいんで
すよ。会社をつぶしたらどうなるか、これ、もう予想がつくんです。ここで一番重要なのは、
市長はさっきから、分析とか相当やっているけれども今回不同意に至ったということですけれ
ども、結論からすると、これだけ専門の職員がいるんですから、こうなることは見えていたわ
けなんですよ。以前から私はこの質問はさせてもらっているんです。ですからグリーンベル2
1については、さっきの街なかと同じですけれども、私ももう提案し尽くしたんです。私の頭
で提案することはもうこれ以上ないんです。その中で一番心配なのが、メドテックインベスト
メントが今度考えるのは、ことしいっぱいに会社がなくなると思いますよ。ことしいっぱいに
会社なくなるんです。何でかといいますと、固定資産税の賦課期日というのは1月1日なんで
す。1月1日を越えれば4,000万円以上の固定資産税が来るんですよ、その会社に。4,
000万円の固定資産税の賦課期日として今度義務が来れば、総務部の税務課、一生懸命今、
徴税対策をやっていますよね。これは法的に取りに行くんですよ。取りに行って、取れなけれ
ばばんざいするしかないんです。ばんざいするか、メドテックインベストメントにすれば85
%の店子がいますから、家賃を上げるんですよ、ぐんぐん上げちゃうんです。出ていってくれ
とやるんです。その店子が、出店者関係が言うこときかないから私たちは会社は維持できませ
んということになるんです。そういうことが想定されますが、市長自身、どのようにお考えな
のかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 誤解がないように申し上げておきたいと思いますが、本市の立場は、
むしろ取締役たるべく私の立場は、今言ったように三井生命に保持をしておいていただいたほ
うが安定感があるというようなことから、一貫してそういう立場をとってきております。した
がいまして、私どものほうの立場は、このメドテックインベストメントに権利が渡ることにつ
いては残念ながら賛成ができない立場で来たという経過がございますので、申し上げておきた
いと思います。
そういった中で、今、共有者の方々であるとか当該メドテックインベストメントの方々もい
ろいろと本ビルの関係等についてお話し合いもされているというふうにも伺っております。今
後、市の立場からいたしますると、そういうところをしっかりととらまえながら、今後、遺憾
なきよう対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
なお、ご案内のとおり、検討委員会の4人の方々に今までお世話になってきている経過がご
ざいます。都市開発経営検討委員の4名の方がおります。こういった方々のご指導もいただい
て対応を図ってまいりたいと考えております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁を聞いていますと、市の立場とすれば取締役の一人と
して三井生命に残ってもらいたいということを固持したにもかかわらず、他の取締役がそれに
ついて反対の意見を言ったんだから、結果とすればその他の取締役の責任だというようなふう
に聞こえるわけでございますけれども、一例で申し上げますと、今回このメドテックの関係で、
具体的に言うとジェルがありますね、スポーツ施設。あれはメドテックが出店者に貸している
んです。あそこは大体350坪ぐらいあるんです。1月にすると坪4,000円なんです。
4,000円ですから大体150万円ぐらいなんです。前の三井生命というのは結構紳士的で、
4,000円だというとなかなかジェルとすると大変だというところで持ってくれていたんで
すよ、1,600円ぐらい。だから50万円ぐらい1月持っていてくれたんです。具体的に言
うと、今回のメドテックは150万円やらないとだめだということも告げてきているんですよ。
だからジェルとすると資金ショートしちゃうんですよ。経営できないことがあるんです。
そういうような中で、沼田市として株主、60%あるんですから、他の取締役が云々とかそ
ういう問題じゃなくてもう結論は出ているわけですから、メドテックインベストメント2、3
という会社がやっている中で、今後あのグリーンベル21がなくなることによってのデメリッ
トというのはだれが見てもわかるんですよ。そういうことを考える中で沼田市の株主としてじ
ゃなくて、沼田市長として中心市街地再開発、中心市街地の活性化、Aコープに買いに行った
年寄りのことを考えて今後どのように考えるのか、総体的にどう考えるんですかということを
質問しているわけなんです。ですから一取締役というのは、それは出資したから取締役になっ
ているかもしれませんけれども、沼田市長としてどのようにお考えなのかお聞かせいただきた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変総体的なご質問になっております。
ご案内のとおり、本グリーンベルの問題につきまして、平成14年からずっとのしかかって
きた大きな問題でございました。何とか活性化を図りたいということで、私なりに各関係者の
ご理解いただきながらテナント誘致のための手だてを講じたり、あるいはまた、財政出動もさ
せてもらったりということで努力をしてまいりました。
しかし、そういったことがあってもなかなか厳しい現実を見たときに、さあ、どうしたらい
いかということに今後なるわけでございますけれども、さりとてこれを現下の沼田市の財政状
況から考えると、非常にそこら辺の判断はなかなか難しいものが招来してまいります。したが
いまして今後、先ほど申し上げましたように検討委員の方々だとかあるいはまた関係者の方々
とよくご意見を承ったりして対応を図っていかなければならないと思っております。
なお、Aコープ等に行った買い物の方々のことが紹介をされておられますけれども、ご案内
のとおり確かに坊新田の南のほうに食料品屋さんが、あるいはまた東西倉内のほうにもお店屋
さんがあったりするわけでございますけれども、やはり下之町四つ角付近等の部分ではそうい
ったお店屋さんをつかみ取ることができません。したがいまして、そういうようなことを踏ま
えたときに、議員がご指摘されるようなことについて何らかの手だては考えていかなければな
らないのではないかと考えているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 現下の財政状況を考えると非常に難しいところがあるということで
ございますけれども、これは冒頭、私のほうから質問したとおり、金がなければ知恵を出すし
かないんです。ですから今、優秀な職員が500人もいるわけですから、寝ずにやるんですよ、
寝ずに頑張るんです。議会側も寝ずにやるんです。これはもう責任なんです。今こういう状況
になって将来、今の子供たち、またこれから生まれる子供たちのことを考えれば、今踏ん張る
しかないんですよ。ですから一生懸命やっていただきたいと思います。
後段の下水道整備の関係と事業仕分けの関係でございますけれども、こちらについても特に
浄化槽整備を進めていただくことによって環境面でもいいと思いますし、あとは下水道未整備
地区に対しても十分な対応ができるものと思っております。こちらについても今議会で決算審
査もありますけれども、そちらでいろいろな部分で述べたいと思っております。ぜひとも前向
きによろしくお願いしたいと思います。そちらについて市長のお考えをお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) 浄化槽は私も前々から大変関心がありまして、まちの中の側溝の水
を生かしていくのには、大変有効な手だてだということを前々から思っていたところでござい
ます。
ご案内のとおり本市は、利根沼田と言ったらよろしいのかもわかりませんが、水がめの地区
でございますから、当然きれいな水を河川に流していくということは、これは大きな命題だと
思っております。したがいましてこの合併浄化槽あるいはまた浄化槽と言ったらよろしいんで
すかね、議員は専門家でありますので、通告は浄化槽になっておりますが、これらについては
非常に私自身、関心を強く持っておりますということだけ申し上げておきたいと思います。
◇27番(金井康夫君) いろいろ今回5点にわたり質問させていただいたわけですけれども、
さっきの質問の答えがわかったんでしたら、そちらについてご答弁お願いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどは私どもの資料等の掌握不足で答弁に至らなかったことをお
わび申し上げたいと思います。
Aコープの職員の方でございますが、パートの方が36から37人ということでございます
ので、おおむね37人前後と理解をしていただければと思います。
なお、正社員が3人から4人ということでございますが、これも4人前後という形で理解を
していただければありがたいなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) 今回の一般質問に当たりましては、5点にわたり質問をさせていた
だきました。
市長、幸か不幸か今回3期目就任したわけでございます。昭和29年、初代、細谷浅松市長
から始まっておよそ56年の歴史があるわけなんです、沼田市の歴史はですね。歴代6名の方
々が市長をやったわけですけれども、市長、これで12年市長をやることに決定したわけです。
12年といいますと、およそ5分の1、この沼田市の60年間の礎を築く責任を負うわけでご
ざいます。今後10年、あるいは50年後、100年後に沼田市、星野已喜雄市長が当時やっ
たこと、これを顧みて「あの市長はよく頑張ったな」と言われるように日ごろから頑張ってい
ると思いますけれども、よく市長は「脚下照顧」という言葉を言いますけれども、初心に返っ
て頑張っていただきたいと思います。ここ最近、沼田市ちょっと元気がありませんので、冒頭、
私のあいさつのとおり、元気を出してください。一生懸命やってください。とにかくスピード
と決断力です。
市長の今後のご活躍をご祈念しながら、一般質問を以上で終わらせていただきたいと思いま
す。ありがとうございました。
――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、真下恭嗣議員。1番。
〔1番 真下恭嗣君登壇〕
◇1番(真下恭嗣君) 通告に従いまして一般質問をいたします。
先ほど来、議論の中で、大変この地域は厳しい経済状況にあるということでございます。こ
の厳しい経済状況の中でどういうふうに打開をしていくのかという一つの観点から観光という
視点を取り上げていきたいというふうに思います。
10年ほど前から「交流の時代」が来るというふうに言われてきました。高度経済成長期の
中で育ち、経済的余裕と知的好奇心の旺盛な人たちが熟年期を迎え、時間的余裕を持つように
なるということが時代背景にあります。実際に交流・移動・観光は、団塊の世代と言われる人
たちがその仲間入りしつつある今日、ますます盛んになってきています。加えて、中国・韓国
を初めとした近隣経済発展国の人たちも国境を越えて国内へ訪れてくるようになりました。
群馬県では観光局を設置し、その後、観光国際局へと組織改編を行い、対応する体制づくり
を図ってまいりました。また同時に、民間感覚を生かす機能として財団法人観光国際協会を設
置し、さらにはアンテナショップとして東京銀座に「ぐんまちゃん家」を都心に設けるなど、
より積極的に観光に取り組んでまいりました。その結果、年々実績が上がり続け、平成20年
度においては平成16年度と比較し観光客数で104%、観光消費総額では140%に達して
おります。ただし21年度については大変厳しい結果が出ております。
沼田市における経済状況は極めて厳しいと言わざるを得ません。商業はもとより、工業にお
いても年間の売上高、年間出荷額がそれぞれ1,000億円を割り込んできています。
林業の衰退以降、地場産業が育ってこなかったため、核となる地域の経済を推進する主体が
ないことが地域経済全体に大きな影響を与えていると思います。今日、本市の地域経済の活性
化を考えるとき、「交流・観光」が改めてキーワードになるかと思われます。農業、林業、商
業、工業に対し「交流・観光」の視点からそれぞれの分野をとらえ直していく事が必要かと思
います。そのことによって、それぞれの分野がより一層の活性化につながると思いますが、ま
ず基本的な考え方について市長のご所見をお伺いいたします。
次に、具体的な問題に入ります。
農業については、果樹を中心として観光農業が定着してきて、果樹の種類、件数、売上高等
順調に推移してきているように見られます。しかし観光全体の中で観光農業をとらえた場合、
今後の課題として、望郷ラインの中間地点にあり玉原・迦葉山ルートと交差するサラダパーク
の見直しが必要とされるかと思います。白沢、望郷の湯に次ぐ道の駅を立ち上げるぐらいの構
想で、拠点としての機能を持てるようにすることについてお考えをお尋ねいたします。
商業につきましても、過去にアーバンツーリズムの研究や昭和懐古博展等、観光を切り口に
した取り組みを行ってきましたが、その反省と、現在においての観光商業についてお尋ねいた
します。
工業につきましても、観光の観点からお取り組みがありましたら、お考えがありましたらお
尋ねいたします。
次に、観点を変えてお伺いいたします。
国際姉妹都市でありますフュッセン市とは、締結後15年になります。この15年間、節目
ごとには公式訪問事業や文化交流事業を行ってまいり、有意義であったかと思われます。この
事業をさらに有効的にするには、世界的な観光都市であるフュッセン市から何を学び、どう生
かしていくのかということではないでしょうか。
さきに述べたように、中国・韓国を初めとしたアジア圏での観光客の移動は前年比150%
の伸びを示しているとのことです。政府は観光立国を訴え、群馬県でも観光国際を旗印に世界
からの観光客を呼び込み、受入対応の充実を目指しています。その中で本市も世界に通用する
観光地を目指すのであるのならば、フュッセン市との関係は貴重であり、活用するものはする
べきと思います。相互のまちを比較分析する中で研究課題が浮かび上がってくるものと思いま
す。お考えをお伺いいたします。
最後に、真田街道連携事業についてお伺いいたします。
本事業は、昨年度より準備し、今年度より新たに取り組み始めたものですが、「天地人」を
執筆した火坂雅志氏が「真田三代」を連載中であり、DCキャンペーンを来年に控えている今
日、まことに時期を得たものとして賞賛いたします。発想と趣旨はすばらしいものでございま
すが、目的を明確にすることによって具体的な事業の方向性と到達目標を定め、広く市民に理
解を求めながら市民協働によるものへと発展できるよう期待いたします。
観光の重要な要素には自然景観、自然環境との触れ合い体験、あるいはその地域にしかない
食文化や特産物などが挙げられますが、最も重要なものは我々の先人達の軌跡にあると思いま
す。その軌跡が歴史となって集約され、後生の人々に感動を与えるものとなります。幸い本地
域には潜在的なものも含め多くの歴史があります。光り輝くものを歴史の中から見せられるこ
とほど感動するものはないと思います。沼田城下町の基礎を築いた真田氏を通して、再度沼田
のまちを観光客と共に再発見し、共感できるよう願望するものであります。市長の所見をお伺
いいたしまして最初の質問といたします。よろしくお願いします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの真下議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、地域経済の活性化について、「交流・観光」について、交流・観光についての基本的な
考え方についてでありますが、急速に進展する少子高齢社会にあって、交流と観光はこれから
のまちづくりを考える上で最も重要な視点の一つであると考えております。
一口に交流と申しましても、下田市やフュッセン市との姉妹都市交流を初め、本年発足した
真田街道連携軸のように歴史性に立脚する都市・地域間の交流、中学生を派遣して久しいカメ
ハメハスクールとの交流や国際交流協会の活動などさまざまな形があり、それぞれに有意義な
交流を深めているところであります。
こうした中、近年では新宿区や板橋区、埼玉県川口市など首都圏の都市との交流を初め、県
内では太田市などとの交流を深めており、大きな成果を上げつつあると認識をしているところ
であります。
ご案内のとおり、新宿区とはカーボンオフセットで、板橋区とは災害応援でそれぞれ協定を
締結し、川口市や太田市とは物産展や児童の交流などを進めており、本市からは各都市で開催
されるイベント等に積極的に参加し、また、それぞれの都市から多くの方々に本市へお越しい
ただき、雄大な自然環境の中で農産物の収穫体験などを通じて市民レベルでの交流を深めよう
としているところであります。
今後は、こうした市民相互の交流がさらに文化や人的交流に発展し、市民生活に活力を与え、
本市地域経済の活性化に結びついていくよう施策を展開してまいりたいと考えております。
一方、本市における観光事業は、農林業や商工業と並んで、あるいはこれらの産業と結びつ
きながら地域経済を牽引する重要な産業となっております。玉原高原や吹割の滝に代表される
自然資源、沼田城址公園や迦葉山などの歴史的・文化的資源、リンゴやブドウを初めとする観
光果樹園など、本市には数多くのすぐれた観光資源があります。加えて、首都圏から近く、J
Rや高速道路などの基幹交通網が整備され、近隣にも有数の観光地を擁する本市には、毎年多
くの観光客が訪れております。古くから親しまれている老神温泉などの保養地はもとより、観
光以外の産業に従事する市民の方々にも本市の魅力を再認識していただき、本市を訪れる観光
客をもてなしていただくことによって、何度も訪れたくなる魅力ある観光地を形づくっていく
ものと考えているところであります。
次に、観光を切り口にした諸産業の見直しについてでありますが、かつてのマスツーリズム
の時代には、旅行業者が企画して名所旧跡をめぐる団体型の旅行が主流でしたが、現在では個
人や家族単位、少人数のグループでの旅行が台頭し、行き先だけでなく旅の目的自体も多様化
し、目的地にゆっくりと滞在して地域の人々と交流したり、その地域でしかできないさまざま
な体験を楽しむというように観光客のニーズが変わってきています。
こうした点をとらえて、目的地となる観光地みずからが住民の参加を得て旅行商品をプロデ
ュースする着地型観光が注目されてきておりますが、本市がJRとの連携により実施してきた
「駅からハイキング」などは、この着地型観光の代表的なものと考えられます。
本市における着地型観光の素材としては、観光農園でのリンゴ狩りや玉原のブナ林散策など
が代表的なものと言えますが、大根やトマトなど野菜の収穫体験や稲作体験なども十分にその
要素があると思っております。地元生産者との交流を通じて食の安全と農業の大切さを学んで
いただくことも大きな価値があるものと考えているところであります。
本年4月の「駅からハイキング」では、沼田市ガイド協会による沼田公園などの観光案内が
行われ、柳波まつりで歩行者天国となった市街地を散策しながら、本市のまち並みや歴史、に
ぎわいに触れていただくとともに、伝統工芸品の生産者との交流の機会も持っていただきまし
た。9月23日には、沼田女子高校の生徒が企画した本年2回目の「駅からハイキング」が予
定されており、まさしく地元がプロデュースする着地型観光として期待をしているところであ
ります。
また、夏休み期間中には旅行会社から工場見学の問い合わせなどもあり、生産の現場では制
約もあると考えられますが、地場産業振興などの効果も期待されますので、今後、研究をして
まいりたいと考えております。
なお、ご提言のありましたサラダパークぬまたの拠点機能についてでありますが、本年度末
をもって現指定管理者の指定管理期間が満了となることから、現在、次期指定管理者の公募手
続を進めているところであり、応募に当たっては施設の運営方法についても提案をいただくこ
ととなりますので、それぞれの提案内容をもとに指定管理者の選定を行い、サラダパークぬま
たが地域の特性を生かした拠点となるよう進めてまいりたいと考えております。
次に、姉妹都市フュッセン市から学ぶものはについてでありますが、沼田市とフュッセン市
は、平成7年9月29日、姉妹都市協定を締結し、以来、多くの交流を続けており、本年7月
には沼田市国際交流協会が姉妹都市締結15周年記念事業としてフュッセン市を訪問し、交流
を深めてきていただいたことに心から敬意と感謝を申し上げるものであります。
ご承知のようにフュッセン市は、ドイツ・ロマンチック街道の終点に位置しており、長い歴
史を持ち、多くの文化財を有する美しい都市で、観光を主要な産業としており、観光を主要な
産業の一つに掲げる当市も日本ロマンチック街道沿道にあり、共通の条件を持っていることか
らフュッセン市から学ぶものは多いと思っております。また、現在、進めようとしている共通
の歴史を生かした真田街道の連携推進にあっても、やはり同様のことが言えると思っておりま
す。
フュッセン市の自然環境や文化財を含め、まちづくりに対する考え方など、歴史や文化は異
なりますが、大変参考になるものと考えております。
全国育樹祭にはフュッセン市長ほか3名がお見えになりますので、その際にも沼田市国際交
流協会の皆さんにはお世話になりますが、活発な市民交流が行われますことをご期待しており
ます。
次に、真田街道連携事業についてでありますが、本年4月17日、長野県上田市の第28回
上田真田まつりにおいて、利根郡と吾妻郡内の町村と沼田市及び上田市による、戦国武将真田
三代が統治したとされる12市町村が協力し、広域的な観光振興を図ることを目的に真田街道
推進機構が設立されました。機構では、真田に関する歴史資料の収集と情報発信、共通の観光
マップの作成や沿道各地域における相互の観光資料の紹介、地域イベントの把握と共同イベン
トの開催、誘致宣伝などを協力して行うことを考えております。
以上申し上げまして、真下議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇1番(真下恭嗣君) ご答弁いただきましたので、再質問させていただきます。
まず、観光についての基本的な認識について、また再度お尋ねしたいと思います。
ご存じのように日本国政府は、観光立国ということを数年前から提案いたしまして、観光に
力を入れていこうということで、ホームページを見ますと、「観光は旅行業、宿泊業、輸送業、
飲食業、土産業等極めて裾野の広い産業です。また、その経済効果は極めて大きく、平成20
年度において二次的な経済波及効果を含む生産効果は、国内生産額972兆円の5.3%の5
1.4兆円、雇用効果は総雇用6,445万人の6.7%の430万人と推計」しているとい
うことです。こういうふうに国は認識していると。
「このように、観光は、我が国の経済、人々の雇用、地域の活性化に大きな影響を及ぼすも
のであり、21世紀のリーディング産業になるものです。中でも訪日外国人旅行者の増加は、
国際相互理解の増進のほか、我が国における旅行消費の拡大、関連産業の振興や雇用の拡大に
よる地域の活性化といった大きな経済効果をもたらすもの」でありますということで、「した
がって、自然環境、歴史、文化等観光資源を創造し、再発見し、整備し、これを内外に発信す
ることによって、我が国が観光立国を目指していくことが重要となっています」というふうに
うたっております。
そういうスタンスの中で、観光立国推進基本法という法律を平成18年12月に法案を成立
し、19年1月から施行されております。そういう法律の中でポイントだけ申し上げますと、
先ほどの趣旨等の中で、基本理念といたしまして、「地域における創意工夫を生かした主体的
な取組みを尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の
持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生
活の実現のため特に重要である」と。最後には、「国は、基本的政策として、国際競争力の高
い魅力ある観光地の形成、観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成、
国際観光の振興、観光旅行の促進のための環境の整備に必要な施策を講ずること」ということ
で、こういう法律のもとで今推進しているということになっております。
もちろん、当然これに基づいて群馬県でもこういう政策をしているわけですが、まず、この
認識について、市長のほうから改めてご答弁願いたいと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後0時00分休憩
―――――――――――――――――――――――――――――
午後1時00分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 真下議員の再質問にお答えをしたいと思います。
いろいろと分析をされた形の中で質問いただいておるところでございますけれども、ご案内
のとおり当沼田、あるいはまた、先ほども同僚議員の利根沼田という考え方が出されておりま
したが、やはり観光というのは非常に大きな武器になるなということの認識については同様で
ございます。特に一昨日、昨日とデスティネーションキャンペーン等のプレイベントにも出て
まいりますると、欧米のほうのねらいから東アジアに対するねらいというものが非常に重要視
されているのかなというような受けとめ方をしております。私どもの手元の2009年の数値
でありますが、伸び率は中国あるいはまた台湾、香港などが伸びておりまして、そういう意味
ではそういったところをこれからきちんと押さえていくということが大事な要素になってくる
のではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今後観光という切り口は議員がご指摘されているとおり大変重要
なポイントになっておりますので、いろいろと今後ともよろしく、またご示唆をいただければ
と思っております。
◇1番(真下恭嗣君) 国際的な課題については後ほど触れたいと思います。
ところでもう1点、過日、群馬県の商工会議所の議員大会というのがございまして、そこで
「観光と地域づくり」というテーマでJTB出身の慶応大学の先生がご講演されたということ
でございます。商工会議所でも観光ということについて非常に重大な関心を持って、産業の中
の中心として位置づけているんだなというふうに思っております。
その中で、観光振興は地域づくりにつながっているんだということを言っていたわけです。
地域経済の波及効果もあるし、雇用促進もあるし、それから、これからずっと地域に住んでい
る人に対しての自信だとか誇りだとかそういうものにもつながっていって、地域づくりに大き
な役割を果たしていくということでございます。特に地域の持っている今までの伝統技術だと
か、あるいは先ほど言った野菜とかお米、そういうものを観光客がいろいろ体験したり体感し
たり、あるいは食事だとか歴史だとかをすべてトータルでストーリーとして五感で感じるとい
うことが地域の盛り上げに必要であるというように結論づけているように聞きました。そうい
う意味で、一般的に群馬県でも産業の中の中核に観光をどうやっていくんだというように私は
受けとめておりますが、もし市長のほうから何かありましたら再度ご答弁願います。
◇市長(星野已喜雄君) ご指摘のとおり、観光を通して地域雇用や地域に住んでいることの
自信であるとか、そういったことが充足あるいはまた兼ね備えられていくというようなことに
ついては、全くそういう意味では同感でございます。
それぞれのところで誇りに思っていなければ、よそのところからのお客様を迎えるわけには
まいりません。そういう意味では、総合的な力量を要してくるかなというふうに思っておりま
すので、今後、各方面から勉強させてもらって、そして本市の観光振興に役立てていきたいと
いうふうに考えております。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひよろしくお願いします。
群馬県の観光の実態について、私なりに調べた結果について申し上げますので、これについ
てのご所見をお伺いしたいと思います。
これは平成16年度と平成21年度を比較した統計でございますが、平成21年度は群馬県
全体で6,025万1,000人の観光入り込み客数がありましたと。16年度と比較すると
入り込み客数がマイナス52万3,000人ということで、最初に冒頭で言ったように21年
度というのは非常に観光客が減っております。これはなぜかというと、前年に行われました全
国緑化フェアが20年度で非常に盛り上がりがありました。その結果、反動でぐっと下がった
ということで、21年度は観光入り込み客数が大変減っております。
その入り込み客数の内訳を見ますと、日帰り客と宿泊客を見たところ、日帰り客というのは
プラス25万人で若干ふえていると。しかし宿泊客というのがマイナス77万人でがくんと減
っているというのが群馬県全体の入り込み客数の実態でございます。
それから、観光消費額で見た場合に、やはりこれも同じような傾向が言えるわけでございま
して、21年度全体では観光関連消費額というのが1,941億円あったそうです。それで1
6年度と比較すると483億円がふえているんですが、そのほとんどが日帰り客でふえている
と、宿泊客はほとんどふえていないという実態がございます。
利根沼田でも同じことが言えるのでないかと思いますが、利根沼田で観光入り込み客数が
1,025万9,800人いたと。このカウントの仕方もいろいろあるんだと思いますが、こ
ういう実態が21年度ございました。
群馬県の傾向と利根沼田の傾向もほぼ同じような傾向で推移しているのかと思いますが、そ
こで日帰り客というのが微増だが徐々にふえていると。しかし宿泊客は減っているという実態
について、市長として認識と、それからそれに対するお考えがございましたらお聞きしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま日帰り客が減って、宿泊客がややふえているという、そう
いう真下議員のお手元の資料の内容等になっているようでございます。
私どもが現在、手持ちにある資料によると、年度がちょっと違ったからかもしれませんけれ
ども、平成21年4月1日から平成22年3月31日までの調査から見たときに、本県の観光
の入り込みが6,025万1,000人で、相対的に4.3%、前年対比で減っていると。日
帰り客数は5,294万8,000人あって、245万6,000人減っているという、こち
ら側の資料はそうなっております。宿泊客数は730万3,000人で、前年対比27万2,
000人減の3.6%減。県内客数がそのうち3,339万人の236万8,000人減で
6.6%の減。県外客数が2,686万1,000人で、前年対比35万9,000人減の
1.3%減というようなことで、これは年度の関係等があるかもわかりません。
共通認識は、やはり議員がご指摘されているように、全国都市緑化ぐんまフェアの関係が終
了したことによっての減の要因があるというようなことについては同様な認識を持っておりま
す。
そういった中で、議員のお手持ちの資料はやや宿泊者がふえているという数値があるようで
ございますけれども、私どもの数値でそういった宿泊のところを見てみると、草津が非常に健
闘しておりまして、2.1%増という形の中で、他の温泉地はやや不調であったかなというよ
うな構造を見て取ることができます。
いずれにいたしましても、議員の言う宿泊がふえているということは、後ろを返すと利根沼
田のような地域であればありがたいことだなというふうに思っておりまして、今後、それらの
動向等の分析をしっかり把握してまいりたいというふうに考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 私の言い方が市長に誤解を与えたのかもしれませんが、宿泊客はやっ
ぱり減っているわけです。これは市長と共通認識であります。日帰り客がややふえているとい
うことですね。あと認識として、基準の年が何年と何年を比較したことによって若干の違いが
ございますが、全体の傾向とすれば宿泊客は減っているわけです。今おっしゃったように、草
津温泉以外は群馬県内はすべての温泉地が減っております。ただし日帰り客は若干伸びている
ということが傾向としてあるということですね。
そこで、こういう現実の中で、日帰り客をどうやって囲い込んでふやして、またリピートを
ふやしていくかということでございますが、沼田は最近いろいろな観光パンフレットを新たに
つくっております。見させてもらうと大変いろいろ研究しているし、例えばフルーツ編だとか
高原編だとか歴史編だとか、そういうふうにしてテーマごとに分けてあったり、あるいは折り
込みも、こういうふうにぱっと見やすいように開くと地図になっているとか、そういうふうに
してだんだん研究していいパンフレットができているかなというふうに思っております。
このパンフレットは日帰り客には大変効果のあるものと思いますが、この活用をどのように
しているのか、あるいは今後どういうふうにしていくのか、それについてまずお伺いしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今おっしゃられたような活用等については、機会あるごとにいろい
ろな場面で配布させてもらって、そして当地区の宣伝に処しているところでございます。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひJRの駅だとか観光のスポットだとかそういうところはもちろん、
先ほど同僚議員とのやりとりの中で出た関係の新宿だとか下田とか、あるいはまた板橋だとか、
「ぐんまちゃん家」も含めて、そういう首都圏のところにポイント、ポイントに重点的に配布
して、それが浸透して広がっていくようにぜひ工夫してもらいたいと思います。その辺につい
て再度よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 今まで交流を深めてきている各自治体には、議員がご提言されてい
るような内容を踏まえてお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
◇1番(真下恭嗣君) そういう形で、いいものを有効に活用することによってそれが生きて
くるので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、宿泊客の対応でございますが、宿泊客が確かに年々減ってきております。今言っ
たように草津町は176万8,000人、みなかみ町が113万5,000人、渋川が111
万3,000人という中で沼田市が12万5,000人ということで、いろいろな温泉地をバ
ックに持っている地域と、当沼田は老神温泉だけでございますので、条件は全然違いますけれ
ども、その中で草津町というのは伸びていて、なおかつ宿泊率というのが、観光入り込み客数
のうちの70%が宿泊しているということでございます。参考までに、みなかみが26%、渋
川が24%、当沼田が4%ということでございます。
観光入り込み客が安定してリピートしていくことも大事なんですが、その次のステップとし
て、ぜひ宿泊率を上げていくということが当地域の活性化については非常に課題だというふう
に思います。これについてお考えがございましたらお尋ねしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、現在いろいろと椎坂バイパス等の工事も進捗をさ
れておられます。老神の関係は、勢い沼田との距離感がなくなるということになりまして、イ
ンターチェンジをおりれば間もなく老神というような構造になってくるわけでございまして、
距離感のない、インターチェンジからの直近だというような形のとらまえ方をする中で、今後
集客が伸びるように努力をすると同時に、当該の事業者の方々のご努力も期待をしてまいりた
いというふうに思っております。
◇1番(真下恭嗣君) この地域の経済の活性化、観光を切り口にする場合、やはり宿泊客ま
で持っていけると経済効果というのは高まってくると思いますので、ぜひ前向きにご検討お願
いとします。
次に、具体的な活性化についてということで、農業・商業・工業と、分けてしまえばそうい
うジャンルに分かれると思いますが、基本は農業かなと思います。この地域ではやはり観光農
業が今定着しております。フルーツランドとして、実態としてもあるいはイメージとしてもこ
の地域では定着してきているかなというふうに思います。
よいものをつくってきたというのは、県の試験場とも連携したり、あるいは行政とのいろい
ろな関係の中で、JAも含めて品種改良の結果よいものをつくってきたと。そしてまた生産農
家の人の努力とまとまりがあって今日まで来たのかなというふうに思います。
これは沼田市が行政として間に立ってこの媒体となり、役割・機能を発揮してきたと思うん
ですが、その辺について振り返って自己評価というか、評価と課題についてございましたらお
聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 観光農業の本市の活躍あるいはまた活性化というのは、ひとえに生
産者の方が将来、いわゆる穀類や養蚕だけでは先々の見通しが難しいというようなことに早く
に着眼し、そして農業そのものが観光につながるという長い目の視点をとらまえた形の中で、
池田地区であるとか、利南の横塚、久屋原地区であるとか、白沢地区であるとか、あるいはま
た利根地区の方々がパイオニアとして頑張ってきたということは紛れもない事実だと思います。
当のご本人たちが常に団結して研究をしてきたということと同時に、幸いに薄根地区の堀廻
に中山間支場という立派な研究施設があって、このところが常に新しい品種等を開発してきて
いただいたという流れがございます。
同時に、行政の立場からいたしますると、ご案内のとおり大変厳しい昭和40年代から50
年代の農業の中にあって、先駆者である方々がいち早くそういったことに着眼されて頑張って
きたことをできる限り生産者の立場に立って応援をさせていただいてきたというような流れが
あろうかと思います。
いずれにいたしましても、やはり第1次産業の持っている持ち味というのは、売上高が額と
して大きく伸びることはなかなかないかもしれませんけれども、大地を相手にしているだけに
足腰が強いなという意味で大変評価をさせていただいているところでございます。
◇1番(真下恭嗣君) 市長と同意見でございますが、本当に成果としてそれぞれ個々の農家
の所得が上がったり農業の活性化になってくるだけでなく、それが地域の観光資源としてフル
ーツというのが売りになってきたということで大変大事にこれからも育てていきたいと。行政
としてもぜひそれに対して十分な応援をしていってもらいたいというふうに思います。
その観光資源をさらに生かしていくということで一つお伺いしたいのは、望郷ラインと迦葉
山に上がっていくところのちょうど十字軸の交差点のところにサラダパークがございます。昔
から非常に大事なポイントだなというふうに私は個人的には思っておりましたが、サラダパー
クの趣旨、目的、コンセプトは何であったのか。そしてまた、今日までの経緯についてはどう
なのか、改めてお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) サラダパークの関係は、私も当時、県会議員でありましたので、そ
の立ち上げのところにかかわった立場ではありませんので、申し上げるのは若干慎重にならざ
るを得ないのですが、先を見たときに、こういった健康志向だとかあるいは「サラダパーク」
という名前に見られるように非常にごろのいい、そしてしかも県道上発知材木町線の隣接地で
あり、さらに広域農免農道の隣接地であったということから、当該地区の観光拠点として将来、
期待されたものだというふうに受けとめております。
最初の答弁で申し上げましたとおり、現在、指定管理者の新しい公募手続を進めているとこ
ろでございまして、いろいろな見方があるのでありますが、県道上発知材木町線の信号機から
やや離れているということ、望郷ラインの隣接にあるにせよ、そういうことからその辺のアク
セスが将来の課題かなというふうに受けとめておりまして、今後、何とかこの活性化のために、
新しく定まる指定管理者の方の選定を十二分に慎重にしながら、将来に処せるように対応を図
ってまいりたいと考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 指定管理者が23年3月で契約満了ということでございます。今いろ
いろ次の検討に入っているということでございますが、今の現状が結局観光の拠点としていく
のか、あるいは地元の公園としての機能なのか、非常に中途半端に置かれていると思うんです
ね。このまま指定管理者ということでいろいろ企画を上げたとしても、今よりベターなものが
出てくるかもしれませんが、どういうコンセプトのものを求めるのかを打ち出していかないと、
それに見合ったものが上がってこないというふうに私は思うわけです。
あそこの場所は、過日の上毛新聞に出ていましたけれども、望郷ラインをもっと活性化して
いくためには、群馬県としてもサイクリングイベントのセンチュリーライドというのを企画し
て、単年度で終わるんじゃなくて継続性のあるイベントとしてやっていって望郷ラインを活性
化していくんだということも考えたし、当沼田市においても望郷ラインを活性化していくとい
うことは非常に大きな課題となっております。そういうことから考えると、あの場所、どうし
ても川場の道の駅を目指すぐらいの観光の拠点としての機能を持たせていくというコンセプト
で指定管理者を募集するというものを打ち出さないと、また中途半端なものになってしまうん
じゃないかという心配をするわけです。今、機能としては芝生の広場、それから遊具、水場、
それから水耕栽培、レストラン、直売所、森林の館と、こういうふうにありますけれども、そ
れぞれ単体はこういうものもあったほうがいいなとは思いますけれども、何を目指していくの
かというのが非常に見えにくいことですね。だからもっとあれを生かしていくには、今あるも
のを改めて白紙に戻して考えていくというぐらいのものを打ち出していかないとあそこの場所
は生きてこないのではないかというふうに思いますので、サラダパークの指定管理者を考えて
いく場合にどういうコンセプトで募集していくのかを改めてお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、サラダパークぬまたには設置及び管理条例がございまして、
設置については地域の特性を生かして魅力ある農業と活力ある農村を実現するためサラダパー
クぬまたを設置するということがきちんとうたわれておりまして、その中で、事業として市内
農産物及び特産物の展示紹介及び即売、あるいはまた2つ目として農産物の加工及び試食の体
験、3つ目として体験農園及び観光もぎ取り園のあっせん及び紹介、4、観光案内並びに情報
の収集及び提供、5、その他設置の目的に適合する事業というようなことで、この事業の総体
を見ると、観光農業を背景にしながら観光を軸とした形のとらまえ方は事業の中身で読み取る
ことができるのではないかと思っておりますので、そういった観点を持ちながら今回の指定管
理者の関係等については対応をしていくということになるのではないかというふうに思ってお
ります。
◇1番(真下恭嗣君) 今のご答弁ですと、そういうものを生かして観光農業の拠点として位
置づけていこうということに理解していいわけですね。
もう一方を言うと、利根沼田地区に道の駅というのが今5カ所あるわけですね。川場の田園
プラザ、それから白沢の望郷の湯、みなかみに矢瀬遺跡とたくみの里と水紀行館の5カ所ござ
いまして、聞くところによると昭和村に道の駅をつくっていこうという計画があるように聞い
ております。
それぞれ道の駅というのは特徴を持ったものを打ち出しておりまして、そういう中で当地の
サラダパークのところは、先ほど言ったようにフルーツランドということで、フルーツを表舞
台に出して、道の駅のネットワークというのが利根沼田でできて、さらに活性化につながって
いくんじゃないかというふうに思われますので、ぜひ道の駅ネットワークというのを含めまし
て検討していただければと思いますが、市長のほうでお考えがございましたらお聞きしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今の各町村もみずからのところの活性化のために非常に一生懸命取
り組んでおられまして、そういう意味でその地区には地区の考え方があるわけであります。し
たがいまして、今言う道の駅ネットワーク、大変ご提言はすばらしいことかと思いまするし、
私も議員のご提言されていることには賛意の立場でございますけれども、他村のこと等につい
ては相手のあることでございますので、今後、他村の部分との連携が図られるや否やというこ
とについては関係者とよく協議して、そしてできれば利根沼田というのは常に一体という観点
を持って取り組んでいく必要があろうかと思いますので、そういったところをとらまえながら、
他村の関係の道の駅との連携というものについても模索をしてまいりたいと考えております。
◇1番(真下恭嗣君) ありがとうございました。
次に、商業についてお尋ねしたいと思います。
商業につきましては、ここに2003年につくりましたアーバンツーリズムの街なか観光に
ついての報告書がございます。それからその直後に、それに引き継ぐような形で昭和懐古博と
いうのをイベントとして2年ほどやってまいりました。
この報告書を見ると、いろいろありますけれども、大変いいことが書いてあります。「中心
市街地すなわち街なかは、都市においても最も投資が行われた地域である」云々と書いてあり
まして、「将来的にも維持すべき価値を有した地区」と言えると。「少子高齢化や観光問題な
ど街なかを中心としたコンパクトシティの形成は多くの都市が目指す方向」でもあると。云々
かんぬんありまして、「組織づくり、人づくり、新たな活動づくりといったソフトウェアづく
りがハードウェアづくりよりも先行していかなくてはいけない」ということで、非常に困難な
部分もありますけれども、ソフトウェアづくりに集中して街なかを担う活動を育てていくこと
が大事であるというような結論を出してあるわけですね。途中ではもちろん、沼田の街なかは
城下町時代の町割りが色濃く残り、蔵や町家、寺社などが多く残されていると。そういう魅力
の素材の存在は沼田の街なかの大きな強みであるというふうなことをうたっております。これ
は今、読み返してもなるほどそうだなと、今からでもこういう形で取り組んでも決して遅くな
いなというふうに思うぐらいなものでございます。
この報告書について、どういうふうに今とらえていらっしゃるのかをお尋ねしたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、きょうの午前中のご質問と議員のご質問は、大変
まちを憂える重要なご質問もお互いのお立場でされておられると思っております。議員がお考
えになっていることを私なりに理解をしていることがもし間違っていれば、それはまた後ほど
訂正させていただきますが、まちの活性化には、ハードを講じて、そして新しく物理的にもの
をつくり変えていくという手法を選択された都市もあるし、また、もう一方においては、一切
そういった手をつけずに、むしろありのままのところを生かす形の中で、かつてのものをもの
としてしっかりと評価して対応していくということがあるというふうに受けとめております。
議員のただいまご指摘された内容は、豊後高田に見られるような、あるものをできるだけ生
かしていこうということではないかというふうに受けとめさせていただきました。このことは、
城下町である本市とするときちんと向き合っていかなければならない大変重要なポイントだと
思っております。そういったはざまで、実際問題、行政も悩んでいることもまた事実でござい
ます。
したがいまして、真田街道の問題とかいろいろととらまえていくと、かつて脈々とあった本
市の歴史的ないいものはきちんと残していくということは今後大いにとらまえていかないとま
ずいなというふうな受けとめ方をしております。
したがいまして、そのところどころで最善の選択を図っていく中で、議員の言われているよ
うなことについても重きを置いていかざるを得ないと思いまするし、また置いていく必要があ
るんじゃないかと、こういうふうに私自身受けとめているところであります。
◇1番(真下恭嗣君) まさに大分県の豊後高田とかあるいは滋賀県の長浜とか、こういうま
ちで大きな市街地再開発とかそういうハード面に頼らずやっているところもございますので、
ぜひそういうことをもう一度とらえ返してみる必要があるかなというふうに思います。
沼田は昔から職人のまちというふうに言われていたところもあるわけですね。今でもお菓子
だとかあるいは鍛冶、木工、組みひも、それからこうじづくりだとか、そういう昔からの伝統、
もちろん今風にアレンジもしていますけれども、そういう職人の人たちがまだまだいるまちで
ございまして、そういうものをもうちょっと表舞台に出して、製造過程なりを見てもらうとい
うのが非常にこれから大事かなと思っております。あるいは製造過程だけじゃなくて、蔵の中
には結構かごがあったり、私もつい最近知ったんですけれども、商店街の蔵にはいろいろなも
のが隠れてあるわけでありまして、そういうものをもうちょっと表舞台に出してくると、もっ
ともっと観光商店、アーバンツーリズムと言っていますけれども、それほど大げさなことを言
わなくても、そういうものが非常にインパクトが出てくるのかなと。確かに地道ではあります
けれども、昭和懐古博も2年になってばたっと終わりというふうになってしまいましたが、地
道にこういうことに取り組んでいく必要があるのかなと思いますが、再度お伺いしたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) まさにそういった隠れた財産というんですか、隠れた評価できるも
の、こういったものを再生あるいは表舞台に出していくということは大変重要なことだと思っ
ております。そういったことの刺激であるとか仕掛けであるとかは行政の立場からすると一生
懸命とらまえていかなければならないと考えております。そういったところに詳しい議員でご
ざいますので、今後ともご意見等承れればありがたいというふうに考えております。
◇1番(真下恭嗣君) ぜひ、先ほどの朝の同僚議員の一般質問ではございませんが、商店の
関係者とひざを交えながら、一歩一歩進めていく必要があるかというふうに思いますので、よ
ろしくお願いしたいと思います。
あわせてもう1点、古いもの、大事に残していくものと、もう一つ逆に新しく観光資源とし
てつくっていくもの、例えば食で言えば最近、観光協会青年部で取り組んでいますが、だんご
汁、それから最近は真田の勝ち栗というのをつくったり、あるいはリンゴリキュールをつくっ
て試作品とか商品になっているものもありますが、そういうものをやっております。ぜひこれ
ら新しいものについても行政として応援していくというのが大事かと思いますので、新しいも
のの応援について市長からご答弁願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それぞれ地域振興のために大きく役に立つことばかりだと思ってお
りますので、いろいろと関係者の方々のご意見等も承って、そしてできるだけ応援をしてまい
りたいと考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 次に、フュッセンについて一言だけお伺いしたいと思います。
フュッセン市は、先ほど市長のご答弁にあったようにドイツ・ロマンチック街道の最南端に
ありまして、人口1万4,200人のまちで、姉妹都市をやっているということでございます。
共通するものとして自然景観、ロケーションですね、これは大変沼田と共通している。平野
部からずっと来て山岳地へ入ってくる中山間地域に沼田もあるし、フュッセンもそういうとこ
ろにあると。それから歴史のストーリーが、沼田がまちを形成しておおむね450年、フュッ
センが700年ということで、古い歴史を持っているということです。その結果、フュッセン
については古い歴史を持ったまち並みをきちっと残していると。沼田は残念ながら和の昔のま
ち並みがどんどん消えてきて、それは今日に限ったことではなくてでございますが、そういう
ことでまち並みが、景観条例を残しているために非常に整然として古いものが残っているとい
うのがフュッセンの沼田にない魅力でございます。
それから、ロケーションを生かしていると。例えば沼田で言えば戸神山のところにロープウ
エーがあって、そこから眺望が開けている、そういうビューポイントがあるという。そこがパ
ラグライダーのメッカになっていて、そこから飛び立っていくということでございまして、あ
る程度共通するものと、フュッセンは生かしているものとがございます。
それからもう一つは、フュッセンは観光局を置いて観光に物すごく力を入れて、観光が産業
のほとんどすべてのようなところでございますので、受入体制が、行政も市民もそれから観光
業者も一丸となってそういうまちを形成しているということでございます。今後、フュッセン
からどんなことを沼田が学んでいけるのか、お考えがございましたらお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ロマンチック街道そのものが大変すばらしいところだなということ
は、私自身もお伺いして、そういった感想をかねがね持っておりました。フュッセンにお伺い
させていただく機会もございまして、ノイシュバンシュタイン城であるとか著名な観光施設を
訪れる機会がございました。
ドイツは非常に伝統的に、あるいはドイツというよりむしろヨーロッパと言ったほうがよろ
しいのかもわかりませんが、結局、歴史的な建造物を恒常的にリニューアルして使っていくと
いう、こういう姿勢が脈々と流れておりまして、そういう意味ではきっと今次の我が日本国の
あらゆる場面において反省をしなければならない場面も多々あるのではないかと思っておりま
す。フュッセン市のとらまえている地道ながらも誇りのあるまちづくりを展開しているという
ことについては、大変私も感銘を受けて帰ってきた経過がございます。特に夜半に入って、あ
る男性が黒装束を身にまとって、そして城壁の中を道案内する。しかも光そのものが、通常私
どもが受けとめる街路の関係には、どうしても目線から上あたりに街路の光があるんですが、
当該地区はむしろ大地のところに光を置いておく形の中で、市民の安全・安心を担保するとい
うようなことだとか、随分そういう意味では学ばせていただくことがございました。
今後、いろいろな意味で勉強させていただき、今回も育樹祭のときにフュッセン市のほうか
らお客様が見えることになっておりますので、またいろいろと交流を深める形の中でご指導も
いただいてまいりたいと考えております。
◇1番(真下恭嗣君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
これからずっと継続してやっていくことの果実をフュッセン市との交流の中で得られるよう
に、ぜひご検討願いたいと思います。
それでは、真田街道についてお尋ねします。
これはせんだっての質問でも私させてもらいましたが、大変タイムリーな事業であると思っ
ております。1つは、火坂雅志氏が「天地人」に続く「真田三代」というのを上毛新聞で連載
中であるということでございます。
2番目といたしまして、利根沼田地域の単独だけでなくて、上州上田地域から吾妻、それか
らずっと来て真田関連の街道を隣接してとらえることによって、それぞれ1・1・1が3じゃ
なくて、連携をすることによって3以上の力が発揮できる可能性があるということですね。そ
れぞれの地域で真田街道をいろいろな意味で検証し合って、お互いに刺激し合うことによって
また街道をクローズアップしていくということが考えられると思います。
3つ目として、何といったって真田氏は、中央集権の中央でいろいろ活躍したというのでは
なくて地方で頑張ってやった人です。そういう意味では、地域主権の時代と言われる今日、非
常に真田というのは今の時代に有効であるというふうに考えられます。
それから最後になりますが、デスティネーションキャンペーンを来年、本格的にやるという
ことで、大きな弾みをつけることができるということでございまして、非常にタイムリーであ
るというふうに思っております。
この事業については市長の発案で始まったと思いますが、市長のご見解を再度お尋ねしたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) これをとらまえたときに、当然真田・本多・黒田・土岐と4代にわ
たる城下町であったということに思いをはせる。一方においては、この十数年前から先人の方
々のご活躍によって日本ロマンチック街道がドイツ・ロマンチック街道との連携の中で立ち上
がったという2つの側面を見逃すわけにはいかないと思います。
今回の起爆は、やはり火坂先生が「天地人」で大喝采を受け、そして現在、上毛新聞で歴史
小説を書いていただいているということが大きな弾みになったということは紛れもない事実で
ございます。まちづくりを展開していくときに、その歴史の脈絡というのが大切だということ
は、もはやだれもが共有認識されていると思います。したがいまして今後、上田市の市長さん
とうまく連携をして、そして当然関係する町村の方々とも連携して、私どもは私どもの立場か
ら真田の持ち味を発信してまいりたいと考えております。
つきましては、一生懸命、今、経済部をしてその努力をさせてもらっているわけですけれど
も、今後、市民の方々のご理解、ご支援もいただきながら活性化のために努めてまいりたいと
考えております。
◇1番(真下恭嗣君) 最近は「上州路の攻防」とかこんな雑誌にも出ていたり、非常にクロ
ーズアップされつつあるところでございますので、ぜひこれは前向きにとらえていきたいと思
います。
ところで、具体的なことに入りますが、真田は、沼田に関係しているのは昌幸から信之、信
吉、信政、信利ということで5代にわたって、96年プラス昌幸でアルファとあることでござ
いまして、100年以上の関係があるわけでございます。この時代に関係した人で結構埋もれ
ていた人がいっぱいいるわけです。メジャーな人もいるけれども、埋もれている人もいる。例
えば信政の子の信守とか信武というのがいまして、舒林寺とか成孝院にお墓がある人もいる。
それから、どのようなことを行ってきたかというと、城堀川を初めとした用水開発をした人も
いる。また、戸神山の鉱山を開発して土木技術を駆使した城主もいた。それから高平とか生品
とかの宿割をして、今で言う区画整理事業をそれぞれの地域でやって、城下町につながってく
る大事なポイント、ポイントをつくった人もいる。それから寺社・仏閣を設置した人もいる。
こういういろいろな人がいろいろなことをやってきたわけでございます。そういうことをこの
地域でどうだったのかというのを一つまとめていくことがまず第一の課題としてあるのでない
かというふうに私は思うわけです。
この前、上田に行ったとき、上田では既にこういう冊子にまとまったものがありました。こ
の辺については行政がある程度リーダーシップをとっていかないとなかなかこういうものはで
きていかないと思いますが、こういうことについて市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、市史あるいは沼田の歴史等の漫画、そういったも
のもあったりしております。それらからも学ぶことも多々あろうかと思っておりますが、どう
いう切り口で、しかもどういう意図を持ってということになると、今後研究を要するところが
あろうかと思います。そういう意味で、埋もれた部分についてまだまだ私どもが知らないとこ
ろがあるということについては謙虚に反省もしなければなりません。
たまたま昨日もデスティネーションキャンペーンの関係でみなかみに行く機会がありまして、
ある神社のところで、山岳信仰の関係からこの神社は真田の時代に云々という表示がございま
して、真田の統治の中でつくられてきた神社みたいなことが書かれておりまして、そういった
ところが利根郡の町村等のほうからも調べれば随分出てくるのではないかというふうにも思っ
ております。
したがいまして今後、言われるようなことについては、こういった問題に造詣の深い方々の
ご意見も体しながら、どういう方法がいいのかということを真摯にとらまえてまいりたいと考
えております。
◇1番(真下恭嗣君) 真田関連で最後に一言なんですが、真田に関して市長も前向きでやり
たいということで、何かを具体的に発信していくためには天守閣をつくるということは非常に
難しいハードルでございますので、そうでなくて、上田は堀と石垣とやぐらがあるということ
でございますので、この辺についてぜひ前向きに堀と石垣とやぐらについて検討してもらえる
かどうか、1つ。
それから、最後になりますが、先日、上毛新聞に掲載されていましたが、金子敏男という
「ぐんまちゃん家」の前所長が紹介されていました。観光については行政、観光協会、企業、
事業者、観光関係のですね、それから商店街の観光関係の人、それから市民ボランティア、歴
史関係の研究家等々、こういう人たちが連携して受入体制を整え、取り組んでいかないとうま
くいかないというようなことが書いてございました。私もそのとおりだと思いますが、市長に
最後のご見解をお伺いして、一般質問を終わりにいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 大きく2つのご提言があったわけでございますが、今後議員のご意
見ももう少し詳細に承る形の中で、それぞれの関係等について一生懸命考えてまいりたいと思
っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後1時56分休憩
―――――――――――――――――――――――――――――
午後2時04分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、大竹政雄議員。18番。
〔18番 大竹政雄君登壇〕
◇18番(大竹政雄君) 大変ご苦労さまでございます。傍聴者の方々は、午前と午後は何か
分かれているようでございますけれども、皆さんには御礼を申し上げたいと思います。
それでは、通告に従い一般質問を行います。
市長におかれましては、当選されてから、はや4カ月が過ぎました。3期目ですので、行財
政改革を初めとする市政運営に期待しております。
さて、7月に参議院選挙も終わりました。与野党が逆転し、ねじれ国会と言われ、これから
の政局がどのように進んでいくのか、そして現在行われている民主党代表選挙、党内での意見
の食い違いを聞いていれば、国もこれから先どのような方向に進むのか、代表選挙いかんでは
大きく変わる状況かもしれません。
また、経済状況も、円高問題、株価の下落等、毎日のようにマスコミは取り上げていますが、
私たちにとってどのような影響があるのか、そして国においてはあと数年で1,000兆円を
超えるだろうと言われている莫大な借金、いずれ大変な時代が来るだろうと感じているにもか
かわらず直そうとしない現実に、「外国から見放されて初めて気がつくであろう」と言う学者
もいます。
また、地方も、財政状況により行政運営も厳しい地域も多くなってきています。阿久根市の
ように極端な行財政改革を行って、議会や職員との間にあつれきを生じているようですが、政
治生命をかけて変えようとする姿に、議員として改めて考えなければならない問題も多々ある
ように感じます。
本市も、企業が大変厳しいと言われるように、地域経済の低迷は税収減においても顕著にあ
らわれており、財政問題もますます深刻な状況にあります。これからの行政運営は難しい時代
を迎えているものと思いますが、思い切った改革、見直しを期待していますので、市政発展の
ために頑張っていただきたいと思います。
それでは、第7次行政改革大綱についてお伺いいたします。
初めに、公務員改革の推進の中で、公務の能率的かつ適正な運営を確保するため実績重視の
人事制度の確立について、地域の民間給与の状況をより的確に反映した給与とすることが求め
られていることについて、また政治や経済情勢、社会の変化に柔軟に対応しながら、さらなる
行政改革に取り組む必要があるとありますが、この3点について具体的にどのように取り組ま
れるかお伺いをしたいと思います。
次に経常収支比率は、20年度決算では104.5%と、県内36市町村で最も悪い状況に
あります。改革の目標値97%と記載がありますが、具体的に数値を示し取り組むべきである
と思います。また、内容の検討課題も明記すべきと思いますが、市長の見解をお伺いいたしま
す。
次に、横塚農工団地である工業専用地域の見直しについてお伺いいたします。
昭和48年に農村地域工業導入実施計画で地域指定を行い、昭和52年に782ヘクタール
を用途地域指定されました。
この十数年、この地域の企業誘致も、現状の進め方では多くの議員から絶対無理との意見が
出されていますが、見直そうという気配さえ感じられません。
2期8年を振り返って、市長はこの工業専用地域での企業誘致をどのようにとらえているの
かお伺いしたいと思います。
そして、工業専用地域という網かけによって、地権者の皆様は自分の土地でありながら活用
さえできないことに、近い将来、必ず地権者の皆様から不満が出てくるものと思います。
この十数年の間に沼田インターから東、120号線沿いは、大型店や飲食店の出店は目覚ま
しく、知人の経営者たちに聞きますと、市外からの観光客は、沼田市の中心はこの地域である
と思っている人が多いようでございます。
横塚農工団地は、こういった地域の近燐であり、土地が売買されれば建築物ができ、経済の
活性化にもつながっていくでしょうが、このまま行政が放置しておけば何年たっても企業誘致
はできず、経済効果の観点からも大きく後退していくでしょう。
「時代の変化によって都市計画の見直しも必要では」と以前に質問をしてきた経過がありま
すが、この地域の地権者にとって、これからの対応を考えなければいけない時期に来ているも
のと感じますが、農工団地である用途地域の見直しについて市長の見解をお伺いいたします。
次に、公園長期整備構想についてお伺いいたします。
平成4年に策定されたのですが、私が議員になったのが平成11年であり、この資料は持っ
ていませんでした。同僚から、公園長期整備構想の冊子を借りて改めて読んでみました。将来
を見越してのすばらしい構想であり、事業計画であると思います。
しかし、事業計画の年次計画によれば、発掘調査、計画等を行い、復元完成までに15年間
で完成の予定であります。平成19年から20年には完成されていなければならないのですが、
調査を含めてほとんど進んでいないのが現状であります。
この構想は、公園内のスポーツ施設・文化施設を移設して、真田の時代、あるいはそれ以前
の形態を復元し、歴史や文化を学ぶ教育施設、市民が親しむことができる空間、また文化活動
の場としてこれらを文化的観光の拠点とする目標であるようですが、この壮大な整備計画は実
現には不可能に近い状況にあると思います。
現在でも公園は市民の憩いの場として、充分とは言えませんが、歴史を感じさせる桜やケヤ
キ、そして周りの動物小屋、花畑等々、他市の公園と比べても遜色ない施設であると思います。
そして消防や桜まつり等のイベントも野球場を利用して使われており、文化施設も定着してき
ているものを、無理に移動せず、現状のまま施設を生かすことのほうが今の沼田市にとって最
善策ではないでしょうか。
また、この構想によって野球場・テニスコートは沼須運動公園に移設という計画ですが、な
かなか進展せず、愛好者たちも待ち切れない状況であります。例えばテニスコートですが、新
しくできるという想定で悪い状況の中でも我慢して使用しています。また、野球場も排水状況
しかり、ベンチ・スタンド・バックネット等の施設も古くなり、関係者にとって何とかしてほ
しいというのが本音であります。
そのほかにもいろいろな問題があるものと思いますので、これから先の公園長期整備構想並
びに事業計画について、内容検討を含め見直しの必要があると思いますが、市長の見解をお伺
いし、1回目の質問と致します。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、行政運営について、(第7次行政改革大綱)行政改革について、実績重視の人事制度
の確立についてでありますが、本年7月に策定した第7次沼田市行政改革大綱において、改革
の具体的なテーマとして人材育成等の推進を掲げており、地方分権の進展や高度で複雑化する
市民ニーズに対応できる職員の育成を図るため、現在、「沼田市職員人材育成基本方針」の策
定に向けて検討を行っております。
今後、この方針に沿った人材育成を進めていくのに当たり、職員のやる気やチャレンジ精神
を養うためには、職員の能力や勤務実績を公正に評価し、その結果を給与等に反映できる制度
が必要であり、人事評価制度の確立が不可欠であると考えています。
人事評価制度についても、いわゆる査定といったとらえ方でなく、職員の意識改革を図り、
前向きな意欲とやりがいをはぐくみ、組織全体の力量を高め、より質の高い行政サービス向上
を目指すものと位置づけており、人材育成を重視した人事評価制度の確立を図ってまいりたい
と考えております。
次に、民間給与を反映した給与にすることについてでありますが、本市職員の給与につきま
しては、地方公務員法第14条の情勢適用の原則及び第24条第3項の均衡の原則により、こ
れまでも人事院勧告を基本として給与改定を行い、給与の適正管理に努めてまいったところで
あります。
人事院は毎年、全国の1万1,000を超える民間事業所の給与の調査を行い、その較差を
埋めることを基本に人事院勧告を行っていますが、全国共通に適用される国家公務員の俸給表
においては、民間賃金水準が最も低い地域に合わせて作成されており、本市の給料表はその俸
給表に準拠しています。
しかしながら、地域における民間給与等の状況を勘案することも必要なことであると考えて
おり、人事委員会を持たない本市においては、その的確な把握は非常に難しいところでありま
すので、より身近である群馬県人事委員会勧告を踏まえた上で、今後も市民の理解を得られる
職員給与の適正化を図っていきたいと考えております。
次に、社会の変化に対応したさらなる行政改革についてでありますが、本市の財政状況は、
地域経済動向を反映して歳入の根幹をなす市税の伸びが期待できず、多くを依存財源に頼る財
政構造にあり、多様化・高度化する市民ニーズ、少子高齢化への対応、社会保障関係費など、
増加する行政需要を支えるためには依然として極めて厳しい状況にあります。
また、国の経済情勢も、雇用環境の悪化、世界景気の低迷など厳しい状況にあり、さらに、
新政権による大きな政策転換が進められようとしており、政治の動向や経済情勢、社会の変化
に柔軟に対応しながら、さらなる行政改革に取り組んでいく必要があります。
このため、個性的で多様な地域づくりに向けて、行政組織と行政運営のあり方を見直し、分
権型社会に対応した自治能力の向上を図るとともに、厳しい財政状況下にあっても社会経済情
勢の変化に対応し、複雑・多様化する市民ニーズを的確にとらえながら財政基盤の強化を図る
ため、市民のご理解をいただきながら全庁的に行政改革に取り組んでまいりたいと考えており
ます。
次に、経常収支比率の取り組みについてでありますが、議員ご質問のとおり、本市の平成2
0年度決算における経常収支比率につきましては104.5%で、県内36市町村の中で最も
高い数値でありました。しかしながら、平成21年度決算における経常収支比率につきまして
は、前年度を5.4ポイント下回り、99.1%で収束をいたしました。
その要因につきましては、地方交付税等の増額によるもののほか、行財政改革等による物件
費や補助費等、公債費などの削減により改善されたものと考えております。
このように、経常収支比率につきましては、内部における削減努力もさることながら、中山
間地域に位置している本市におきましては、国・県の動向によりその数値が左右されるという
流動的な要素が強いことから、年次別の数値を掲げることは非常に難しいと考えております。
しかしながら、経常収支比率につきましては、財政構造をあらわす重要な数値でありますの
で、今回策定した「第7次行政改革大綱」の本文中に、この先5年間の目標数値として97%
を明記したものでありますので、ご理解を賜りたいと思います。
次に、横塚農工団地の企業誘致について、工業専用地域での企業誘致をどのようにとらえて
いるのかについてでありますが、横塚生品農工地区は、農村地域工業等導入促進法に基づき、
昭和48年に群馬県が横塚・生品地区を選定し、農村地域工業導入実施計画が策定されたもの
でありますが、市としても、本地区を工場等が集積する拠点地区として地域経済の活性化を図
るため、昭和52年8月に都市計画法に基づく工業専用地域に指定するとともに、企業の進出
を促すため固定資産税の優遇措置や工業立地に伴う緑地面積比率等の緩和措置等を制度化し、
誘致活動を行ってきたところであります。
長引く不況に加え、急速な円高の進行などから企業の設備投資意欲は大きく低下し、近年で
は問い合わせも少なくなっておりますが、企業進出の可能性がなくなったというわけではあり
ません。
これまで既に5社が進出しておりますが、近年の大きな社会経済情勢の変化のもと、消費者
のニーズ、企業のニーズも当然に変化しておりますので、本団地のポテンシャルを見直し、誘
致産業や企業の範囲を研究することも必要ではないかと考えております。
申すまでもなく、企業の誘致は、新たな雇用の創出だけでなく地元企業との取引や関連企業
の進出などにつながる可能性もあり、地域経済活性化の大きな原動力となるものであります。
これまで以上に企業訪問を強化するとともに、各種セミナーなど誘致事業へ積極的に参加する
ことにより、本団地の特性はもとより、立地先としての本市の魅力を積極的にアピールしなが
ら情報収集に努め、企業誘致を行ってまいりたいと考えております。
次に、都市計画について、用途地域(工業専用地域)の見直しについてでありますが、用途
地域は、土地の自然的条件や土地利用の動向により住居系地域、工業系地域、商業系地域を適
正に配置することで、都市としての住環境の保護や商工業等の利便増進、また、公害・災害を
防止する等、適正な都市機能の維持増進を図ることを目的としています。
また、都市におきましては、用途や建物の混在により生活環境の悪化、都心機能の低下等が
起こらないように土地の合理的利用を促進しながら、建築物の用途・形態・建ぺい率・容積率
等について守るべきルールを定めたものであります。
ご質問の用途地域(工業専用地域)の見直しについてでありますが、市街地の用途・形態の
規制により良好な市街地を誘導するものであり、その都市全体の土地利用計画に著しい変更が
ない限り、規制の存続性を尊重すべきものとされております。
今後におきましては、本年3月に策定いたしました『沼田都市計画マスタープラン』におき
まして、都市計画に関する基本的な方針を立てさせていただきましたが、土地利用の方針とし
まして、「用途指定地域における適正な市街化の誘導と用途無指定地域における無秩序な市街
化の抑制を図り、多様な都市機能が集積した集約型のまちづくりを進め、田園や自然環境の保
全に努め、水と緑に抱かれた快適で暮らしやすい「田園空間都市」として、秩序ある土地利用
の誘導を目指します」と記述させていただいておりますので、その方針に添い進めてまいりた
いと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
次に、公園長期整備構想について、構想及び事業計画見直しについてでありますが、沼田公
園長期整備構想の整備方針は、沼田公園を核に市域全体の歴史・文化遺産を整備し、活用して
いくまちづくりの将来的な目標として策定し、この構想を進めていく上で基本的な考え方とな
る推進基本方針を定め、事業の推進を図ることとしたものであります。
これまで沼田公園整備事業としては、電波探査や発掘調査などの基礎調査を行うほか、関連
地域整備事業として滝坂川河川緑地整備などの事業を実施してきたところであります。
沼田公園長期整備構想は、市民の代表者や専門の方々から意見を伺いながら検討を重ねて策
定してきた経過があり、さらに、去る3月議会の一般質問におきましては、財政状況を踏まえ
ながら着実に進めていく必要がある旨のご意見があり、その推進に向け努力をしていくことを
答弁させていただいたところであります。
したがいまして、議員からご指摘のありましたことにつきましては、今後、総合的に検討し
てまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
以上申し上げまして、大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇18番(大竹政雄君) それでは、再質問をさせていただきます。
今回、行政改革大綱、今、市長から説明がございましたけれども、特に職員の育成の関係、
当然この中によく出ておりますけれども、私もこれを拝見したときに、こういった形の中でこ
れから進んでいくといいなというふうなことは感じさせていただきました。
さてこの中で、実は実施計画からいろいろなところが出てくるわけでありますけれども、そ
の辺の実施計画のところをちょっとだけ先にお伺いさせていただきますが、実は今まで人員配
置というのはどのようになっていたのかよくわかりませんが、今回の場合、実施計画の中に資
質・能力に応じた適正な人員配置をするということで書いてありますけれども、これからのこ
とね、今まではそういったことに対してはどのような注意をされてきたのかお伺いしたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 人員配置については適材適所、すなわちその方の特性等を見た形の
中で対応を図ってきたという経過はございます。その職員の持ち味、あるいはまた、性格等も
とらまえた形の中で、例えば福祉に向いているのか、あるいは経済部局がいいのか教育部局が
いいのかということについては各方面から検討して、そしてその方の持っている持ち味を生か
せるような部分についてはそういうところをとらまえて対応を図ってきたという経過がござい
ます。
ただ、間違いなく職員をして毎年毎年、年齢は重ねてまいりますので、その辺のことについ
ても職場のバランス等を考えた中で対応を図ってきているという流れはございます。
◇18番(大竹政雄君) 今、福祉の話がちょっと出てきましたけれども、人員配置というの
は非常に大切なことなのかなというふうに思いますが、実はこの前、新聞に100歳以上が7
0人も、沼田市では住所不在ということで出ておりましたけれども、この辺については非常に
問題のあることなんだなというふうに思いますが、職員だけに責任を押しつけるわけではござ
いませんけれども、人事配置ということに対してはその辺で市長は気を使っているかと思うん
ですね。そういった形で、あの中にいるメンバーは福祉の問題についてはそれなりにしっかり
と今まで勉強してきたというふうに解釈すれば、こういった問題は起きなかったのかなという
ふうには感じております。当然100歳以下にもこれには出てくるのかなというふうな気がい
たしますけれども、その辺については、市長、どのように見解を持っているかお伺いしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今回、日本国全体で発生した関係等については、福祉の現場もさる
ことながら、どうしても覆い切れないところがあるなというふうな受けとめ方はしております。
本市は早急な検討を行って、マスコミ報道等も早くにさせていただいたという流れがあるわけ
でございますけれども、どうしても拾い切れないというんですか、その辺のことは職員をして
すべて網羅をなかなかし切れないという構造的なものがあるなという認識は持っております。
ただ、しかしながら、事が起こったことについては謙虚に反省することはして、今後こうい
った事態が起こらないようにしていくのが行政の責任であるというふうに思っております。
◇18番(大竹政雄君) 我々議員の立場として、福祉の関係は地域を知らないとなかなかそ
の辺が把握できないかなと。幾つかこれから質問していきますけれども、周辺の事情がよくわ
からない、区長さんもそうなんですけれども、個人情報の問題があってどこにだれがいるかわ
からないという状況が今現実にあるんですよ。そこに持ってきて、例えば市の職員の皆さんが、
多分沼田じゅうにはたくさんいるかと思うんですね、各地域にいると思う。その人たちでも情
報がわからない。だからこういった問題が多分出てくるんだろうなというふうに思います。特
に今は職員育成の問題もありますけれども、私は最低限、職員の皆さんは自分の地域をある程
度知ってほしいというのが基本的な考え方だと思うんですよ。そこから始まっていかないとな
かなかこういう問題は解決できないなというふうに思っております。人員配置については、ま
た後ほど違う観点から質問させていただきます。
それでは次に、実施計画の中にもう一つ問題点は、自主財源の確保から26年度までに徴収
率を95.1%まで上げるということで書いてあるんです。これも相当難しい問題だと思うん
ですが、この辺については市長、どのように考えてこの数字を出したのかお伺いしたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 徴収率の関係は、非常に税務課の職員が努力をされまして、それな
りの成果を上げてきたということ、私はその職員の努力がかなりあったなというふうに思って
おりまして、評価をさせていただいております。
そういった中で、徴収率の数値を今議員がお示しになって、そこまでは難しいんではないか
と。しかし、こういった数値を出したのはという、こういうことでございますけれども、納税
の公正・公平という観点からとらえると、未納者というのは本来あり得ないことになるんでは
ないかと思っております。しかしながら、いろいろな事情があってやむを得ない場面があって
非常に現場では苦労しているわけでございますけれども、今回こういった数字を掲げさせてい
ただいたことは、現場をして今までの努力、前年対比伸ばしてきたということから今回のよう
な数値形成になったということになろうかと思います。
◇18番(大竹政雄君) 今まで、前年度が92.55%ということで出ておりますけれども、
これも群馬県ではトップの方なんですよね。ここまで行ければ私は最高かなと思っております
ので、ぜひこれに向かってしっかりと頑張っていただきたいということだけは言っておきたい
と思います。
それでは次に、先ほどもちょっと言ったんですが、個人情報保護条例の問題で非常に地域は
困っていると。この辺の問題点、市長はどの程度とらまえているのか。それで、職員も皆さん
もいろいろな問題があって、我々はこの辺はいいんじゃないかといろいろなことを今まで言っ
てきましたけれども、やっぱりこの問題はある程度しっかりと考えていかないと、地域はめち
ゃくちゃになってしまうんじゃないかという気がしますけれども、その辺についてお願いした
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のただいまの質問は大変難しい、しかも答弁に慎重を要する内
容でございます。と申しますのは、情報公開が時代の大勢の流れでどんと出てきて、そしてそ
れに基づいた対応を各自治体が展開をしてまいりました。今度は、それに対して個人保護をし
っかりしようということから、個人情報保護条例が情報公開の後に出てきたという経過がござ
います。個人情報保護条例も全国的な自治体の課題として、どの自治体もこれを今持ち合わせ
ていないところはないのではないかというふうに受けとめております。ところが例えば区長さ
んたちが成人式の対応だとか、あるいはまた民生委員さんたちの高齢者の独居老人の対応だと
か等について、個人情報保護条例があることによって非常に動きに限界が生じてきているとい
うこともあって、今、議員がおっしゃっているように、「セーフティネット」という言葉を使
っていいのかどうかわかりませんが、ある程度地域で財産と生命の安全を守っていこうという
ときに、事によるとこれが足かせになっているという場面がございます。
ちょうど3週間ほど前なんですけれども、中野区で情報公開・個人情報保護条例からまた新
しい動きが出てきたということで、民生部長のほうには新聞の切り抜き等を出して、今後検討
していく必要があるんじゃないかというふうに指示をしてきた経過がございます。というのは、
ちょうどそのことと相まって、議員が冒頭言われた例の戸籍の問題や住民票の問題等が出てき
たという経過があったので、余計そういうふうに私も関心を持ちました。皆さんがよかれと思
って努力していることがどうしても非常に難しい局面があって、今言うように今後の課題とす
ると、東京23区の中野区の新聞記事でありましたが、これらについてよく検討を加えていく
中で、もう少し柔軟運用ができないのかということについては、各関係者の意見を体して検討
を加えていく必要があるなというふうに受けとめているところであります。
◇18番(大竹政雄君) 実はそういうことなんですよね。私も地域分権あるいは地域主権と
いうことを言われてきたときに、じゃ地域、何を考えていくんだいということになるわけです
よ。今、一番大事なことは何かということになるわけでありますが、福祉の問題なんかはまし
て個人情報保護条例でめちゃくちゃになっちゃっている状況が多いんですよね。
実は私どもの地域でも、亡くなってから3日してわかったという例が3人おります。という
ことは、その辺の地域の方がみんなして見ていようじゃないかということで言っているのにも
かかわらず、ひとりでいると何が起きるかわからないという状況なんです。ただ、こういった
ものが情報として流れていれば、この地域には高齢者の方がひとりでいますよということが流
れていれば、もっともっと皆さんは注意してくれるんだろうというふうには思いますけれども、
区にも出ないわけですから、区だってわからない。当然地域の方々の隣近所はわかりますよ。
じゃ私どもの31地区あるところの1地区の人が3地区の人のことをわかるかといったら、わ
かりませんよね。1地区の人が2地区はわからないと思うんですよ。だから本当にそのぐらい
のことをしっかりとこれからとらまえて個人情報の問題についてはやっていかないと、私は地
域のコミュニティーというのはばらばらになってしまうんだろうというふうに思っております。
先ほど市長が言われたから、そのように進めていただきたいと、ぜひそれはお願いしたいとい
うことで終わりにしていきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
それでは次に、今回、行政改革の懇談会をつくるようでございますけれども、その推進体制
として学識経験者、有識者、それから市民の意見を入れるということで、市長はこのように計
画につくっておるようでありますけれども、私はこの辺のところがしっかりとできてくるとこ
の内容がもっと生きてくるかなというような気がするんですよ。この辺について、推進体制、
市長がこういったものを考えているんだよということがあったら教えていただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 今後の課題になるわけでございますけれども、今、行政改革という
のは、本当に議員にご心配していただいているとおり待ったなしの状況でございますので、で
きるだけ広範囲な意見が聴取できるような、そういうことを通して対応を図っていかなければ
ならないと考えておりますので、今後、またいろいろな意味でご指導いただければと思ってお
ります。
◇18番(大竹政雄君) それでは、今回、能率的かつ適正な運営から実績重視の人事という
ことになっております。先ほど市長から第1回目の答弁をいただきました。
さあ、この人事なんですけれども、要は一つの政策プロというものを育ててもらいたいなと
いうのを私はこの12年間やってきてつくづく感じるんです。さっき観光の話が出てまいりま
した。どうしても今やっていることはどこかの、極端に言うとまねごとみたいな、あるいは同
じようなことをやっているだけなんですね。そうじゃなくて、この地域独自のものをつくり上
げるような政策プロがうちにはいないんじゃないかな。そこら辺のところが人材育成の中にび
しっとできてくるともっともっと沼田市として発展するんではないかなというふうな気がする
んです。
例えば経済対策もそうなんです。答弁は何となくいいんですが、工業団地を最後でやります
けれども、あの答弁では、これは絶対無理だよと私は言いたいんですね。そのときにまた言い
ますけれども、これこれこうしなければこういうものはだめだと。積み上げて一つのものをつ
くり上げるというものがちょっと足りないのかなと。観光についてもそう、経済についてもそ
う、その辺のところがどうも私は少し残念なんです。前から、これだけの皆さんがもっと寄っ
たくってやればいいものができるんじゃないかと。
私は6月の議会では一般質問しませんでしたから、今回見ると大分メンバーがかわっており
ます。かなりかわったんだなということを感じておりますけれども、この人たちに我々は期待
するんですよね。しなければならないんです。ということは、この人たちに沼田を引いてもら
わなければいけないんですよ。その頭にいるのが市長なんです。その問題の政策プロというも
のが私はどうも少し足りないんじゃないかと思うんですが、その辺について市長、どうでしょ
う。
◇市長(星野已喜雄君) 議員のご指摘を今重く受けとめながら拝聴させていただきました。
学ぶことが余りにも多くて、議員のご期待に沿えるようなことの経過がなかったということ
については真摯に反省もしなければならないと思っております。それはひとえに私自身の力の
なさというのもあるわけでありますが、結局かつてのように常に前年対比、予算が必ず伸びる、
そして人口も前年対比必ず伸びる、こういうときにはある意味においては攻撃、そしてものづ
くり等でもって、いわゆる積極性で攻めることによって、当該の住民ニーズにはこたえられて
きたということは客観的にあると思うんです。ところが現実の今の流れは、群馬県民の人口も
200万人を割るということであるとか、当該利根沼田も、少子高齢社会の荒波から人口減。
現在の利根沼田の18歳を100とすると、1歳が50という客観的な数値、しかもお年寄り
がふえるということで、前年対比の予算規模は常に落としていくということ。こうなってきた
ときに、今までの既成概念ではどうしても対応がし切れない。要するに厳しい人口構造の中で
さらに予算も厳しくなってくるということから、今までいろいろな事業の積み上げがあって、
それをどういうふうに今後スリム化したり、あるいはまた、本当に必要なものをセレクトして
いくのかということになると、なかなか難しいなと思っております。
したがいまして、そういう意味では専門的な人のお力をかりるということもこれまた選択肢
の一つかなというふうなことは思ってはおります。昨日もある自治体のところで、観光関係の
ソムリエと称される名刺を持った方がおりまして、人事関係では、どうもその方は年齢は間違
いなく30から40代の初めの方だと思いますが、一般常識から考えて、高卒・大卒、あるい
は短大卒で参りますから、40前後の人を採用、途中でするということはなかなかあり得ない
と思うんですが、そこではそういった方法を講じて観光振興のためのいろいろなプランニング
をお世話になっているようでございます。そんなことも今後対応していかなければならないの
かなというふうに思っているところでございます。当然現在いる職員の人材育成はもちろんの
ことでありますけれども、そういった選択肢も今後考えていかなければならないのかなという
ふうなことを思っているところでございます。
◇18番(大竹政雄君) 職員の育成ということで一番初めに答弁いただきましたから、いろ
いろなことを聞かせていただきました。
次に、それでは給与の問題。実は3月のときにかなり厳しくやってきたつもりでございます。
今回、このような形の中で、地域の民間給与状況をより的確に反映したということで、ちゃん
とうたってもらいました。まさにこのことは私どもが3月に質問したとおりでありますけれど
も、人事院もいろいろなことを地域に言ってきているんだろうというふうに思います。この辺
はしっかりと市民の皆さんの納得いくような形をつくるべきだろうというふうに思います。
このところ二、三日、阿久根市、竹原市長のブログを見ていますと、非常におもしろいんで
すね。1日ぐらいよく見られるんですが、本当にあの人の改革ってすごいなというふうに感じ
てはいます。あのぐらいやらないと改革はできないのかなというぐらいすごいことをやってい
るということで、ただ、反発もひどいですよね、自分で勝手にやるわけですから。しかしなが
ら、こういった問題も、市民が、あるいは議会が納得したものをつくり上げていくものという
のが私は必要だと思うんですよ。
そこで、私、前回のときにいろいろな話をしていますから、前回は省きますけれども、今非
常に税収が少なくなっていますよね、市税が。多分調べてもらえればわかると思いますけれど
も、私の調べている限りでは、大体1億円ぐらいずつ減ってきているはずですよ、市税が。
ただ、さっき話がちょっと出ていましたけれども、経常収支のところで、交付税が去年がば
っと上がっちゃったものですから、単純にあれは減ったんですよ。ただ、あれは外部ですから
ね。自分のところのお金が減ってきているのにもかかわらず給料が上がっていっちゃったら、
間違いなく上がりますよね。だから私は、この中に経営的な観点から行政運営をすべきだと。
やっぱり企業の経営理念ってあるわけですよ。企業の経営理念って、お金が入ってこなければ
配らないというのが基本なんです。それはそうですよね。入ってこないお金を配っていたので
は会社がつぶれますからね。ということを基本的に考えれば、行政だって私は同じだと思う。
今まで税金がそれなりに上がっていればいいですよ。上がっていないということは沼田市全体
が停滞しているんですよ。それはもう見ればわかることなんです。だから、こういった問題を
しっかりとらまえた形の中で私は考えるべき、必要だと思うんですが、それについてはどうで
しょう。
◇市長(星野已喜雄君) 職員には、部課長会議あるいは部長会議で事あるごとに、市民の方
々の税金によって皆さんの生活は賄われていると、したがってあくまでも職員の方々は市民の
方々に感謝をして、そして行政の事務に当たってもらいたいということは私も口すっぱく申し
上げてきた経過がございます。
同時に、現在のこの厳しい財政状況を眺めてみたとき、それぞれの立場で痛みを分かち合っ
ていくということは実際上、流れとすると真摯に受けとめていかなければならないと考えてお
りますので、議員がご提起、あるいはまたご発言されたことをしっかりと受けとめながら今後
の行政対応に処してまいりたいと考えております。
◇18番(大竹政雄君) ぜひお願いをしたいと思います。
今、市民の方々がよく私どもに、職員の人件費が高いということをはっきりと言うんですね。
やっぱり市民の皆さんが納得できる、あるいは感情的にならないような給与体制というのは絶
対必要だと思うんですよ。ここのところから直していかないといけないのではないかというこ
とであります。
例えば阿久根市の竹原さんは、今回ボーナス半分になるとか。極端な例ですよね。ここまで
やっていいのかというのは話は別なんですが、やっぱりそういったことを極端にやる人も世の
中には出てきたと。じゃ議員も日当制でもいいんじゃないかと。今回1万円で専決処分しちゃ
ったみたいな話がありますけれども、そこまでやろうとしている人もいるわけですね。それじ
ゃ、市長ってどのぐらい給料をもらっているのかなと思うと、ちゃんと市長の欄は出てくるん
ですね。私もたまたま今回は市長ってどのくらいあそこのうちはもらっているのかなと思って
調べたら、かなり低いんですよ。今の市長は年間で680万円ぐらい。手当なんかもらわない
んですよね、びっくりするぐらい。このくらいやらないと。職員は幾らかということでみんな
書いてあるんですが、800万円以上が何人とか、これ、いいのか悪いのかは別ですよ。だけ
れども、そういうことをはっきりあの人は言って、これでは市民感覚じゃないだろうと、こん
な大企業の重役ばかりがそろっているわけはないだろうということで今の問題が醸し出されて
いるわけですが、この辺のところは、あの市長が正しいのか、あるいはみんなが正しいのか、
これはこれから決まっていくでしょう、リコール問題も出ていますから。ただ、我々もそうい
った問題をいろいろなものを勉強しながら、我々としてはどういう形で議員としてやっていか
なければいけないのか。いい勉強になろうかと思うんですね。私は給料についてそういったも
のを調べてみると、やっぱりそういう市長もいるよということを思っているわけですけれども、
市長、その辺についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 今回のマスコミ等の報道でしか当然知るすべもないのでありますが、
これはいろいろと論議、賛否が分かれるところだとは思いますが、きちんと選挙で選ばれてい
るということは事実でございますので、その方が市民からのご支援あるいはまた了解をいただ
いているということに結論から言えばなるんだと思います。したがいまして、当該地区の問題
でありますけれども、今次の流れから見ると今後どういうふうに本自治体が動いていくのかと
いうことについては注視をしてまいりたいと考えております。
同時に、本市の場合は、ご承知のとおりいろいろと私め等も含めてそういった給与の関係等
については対応はしてきているわけでありますけれども、ある程度のバランスというのも大事
かなというふうに思っておりまして、ただ、そうは言っても、言われるように市民感情という
ものをしっかりと把握しない限りにおきましては適切な対応にならないというふうに思ってお
りますから、今後、議員のご意見をしっかりと受けとめた形の中で対応をいかにしたらいいか
ということについて考えてまいりたいというふうに思っております。
◇18番(大竹政雄君) ぜひお願いをしたいと思います。
それでは、これから社会の変化に柔軟に対応しながらさらなる行政改革をしますということ
で書いてありますけれども、これから社会がどういう変化していくのかなということを考える
と、一番は高齢化社会だろうなという感じがいたします。我々もそこにもう突入しようとして
いるわけでありますけれども、それから今、「年金経済」という言葉がもう実際に出てきまし
た。ということは年金で生活をされている方が非常にふえてきているということであります。
あと5年あるいは10年になるとこの数字は物すごい勢いでふえてくるんだろうというふうに
思います。年金経済、あるいは高齢化社会、これに向かっての行政対応というのは非常に大変
なことが私はすぐそこにあるんだろうと思います。市長は、行政改革をする中で年金経済と高
齢化社会、この辺についてはどのような考え方を持っているのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これも大変難しいご質問であり、また、しっかりとした答弁になる
かわかりませんが、私なりの見解を述べさせていただきたいと存じます。
現在の時点で大体私の承知している範囲では、働き手と言われる方が2.1人で1人の人を
支えているのではないかと統計は言っているのではないかと思っております。現在が平成22
年ですから、これが約15年から30年たつと1.7人が1人の人を支えるということになっ
ていくんではないかと思います。つまり1人対1人みたいな構造ができつつあると。これはあ
くまでもある講演で聞いただけでありますから、きちんとした計数分析をしているわけではあ
りませんが、現時点で50歳以上と50歳以下が均衡から、50歳以上のほうが数値が多くな
っているんではないかと思っています。これを見た時に、年金は結局、働き手の方が一生懸命
納めて初めて成り立っていくものだというふうに思いまするし、今まで納めていたにせよ、そ
ういった支える人口が極めて鈍化しているというところも高齢社会とはまた別なところから看
過できないところになろうかと思います。
したがいまして、今後、国のいろいろな施策等も待たなければなりませんけれども、つまる
ところ、先ほど議員が冒頭お話しされたように、地域の福祉は地域で支え合っていくという、
そういう地縁関係を重視した展開が大事になってくるのではないかと思っておりまして、そう
いう意味では、都会よりはむしろ私どもの田舎のほうが地縁関係が非常に強いので、今後そう
いったところにきちんと重きを置いた形の中で対応を図っていく必要があるのかなという感が
しております。
いずれにいたしましても、利根商業高等学校のこと等について論議をしていくときに、現在
の高等学校の3年生が、利根沼田でありますが、100人いるとすると18年後には50人に
なるという、この分析を見たときに非常に私もショックを受けたわけでございますが、そうい
う非常に深刻な状態になっているなというふうに受けとめております。
◇18番(大竹政雄君) 今の状況を説明いただきましたけれども、ただ、これから沼田市を
どういうふうに、いろいろなことをやっていくわけでありますけれども、例えば生活関連の問
題は間違いなく出てくるわけです。ということは、今までは車社会だということで車道を一生
懸命整備してきました。だけれども、これからは高齢者ばかりになってきます。さあ、これか
らの社会整備というか資本整備というか、その辺のところは全く違った展開を持ってこなけれ
ばいけないという時代は必ず来るんだろうと思います。
私はこのところ2年ぐらい自転車で来ますけれども、自転車だとか歩く人だとか、この辺の
対応が全く沼田市内にはできていないんです。今、高齢者が小さい自動車みたいなよくわから
ないのに乗っていますね。それから多分車いすの問題はいろいろなことが出ているから別にし
ておいても、そういった時代は必ず来るはずなんです、もうすぐそこに。街なかの問題もそう
なんですが、街なかみたいに、すぐそこに行ってなにも買えるとか何かを調達できるとか、あ
るいは病院がすぐそばにあるとかということがこれから一番大事な問題点になろうかなという
ふうに思うんです。だから社会資本整備というものが全く考え方を変えていかないと違ってく
るのかなと。これも5年、10年の間には間違いなく起きてくるはずであります。それは生活
関連の問題なんですね。じゃお年寄りがどのぐらい行動範囲ができるかとなれば、当然狭くな
るわけでありますから、そういった考え方のもとにこれからの行政を進めていくべきだと思い
ますけれども、その辺についてはどうでしょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後2時58分休憩
―――――――――――――――――――――――――――――
午後3時07分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
―――――――――――――――――――――――――――――
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員の再質問にお答えをしたいと思います。
道路等を設計し、そして工事に入っていく際には、当然国土交通省の指導から、道路構造令
等に準拠した形で展開されるということになると思います。ところが、そのことが今議員がお
っしゃっている歩くとか自転車で行き来するとか、あるいは最近ご年配の方がよくお使いにな
っている電動のスローな三輪車的なのがあると思うんですが、たしかナンバーはブルーである
と思っておりますけれども、そういうことがふえてくるんではないかという、こういう議員の
ご指摘であろうかと思いまするし、となると、今言うような方々は、国土交通省の言っている
ところの道路構造令の持っている部分とはやや整合がされないかなというふうな感想を持って
おります。自分も歩くことが好きで、随分この夏も早朝からご年配の方はもちろんのこと、本
当にウォーキングを楽しんでいる方が多うございまして、そういう意味では歩くとかあるいは
自転車だとか、あるいはまた、先ほど言うご年配の方々が使う足ですよね、いわゆる電動の三
輪車だと思うんですけれども、今後そういった社会資本の整備からとらまえたときに、かつて
から言われているバリアフリー・ノーマライゼーションの言葉ではありませんけれども、転換
を図っていくときを迎えているのかなというふうに今受けとめているところでございます。
◇18番(大竹政雄君) 我々とすれば、来年のことをやっているわけじゃなくて、5年先、
10年先、こんな時代が来るんじゃないのということをある程度予測しながらの提案という形
になろうかと思います。
今回の場合には、どっちかというと提案よりも提言型になっているわけでありますけれども
、そういったことを我々はいろいろな形の中で、あるいは高齢者を見た中で、今あの人たちは
こんなことをしている、多分もう少したつとこの時代がもっとふえてくるだろうなと、そんな
感じを受けるんですよね。
私、「年金経済」という言葉を聞いたときに「あれっ、もうこんな時代になっちゃったのか」
と。我々非常に一生懸命働いてきて、働いてお金をもらうということが基本で、それで生活を
してきた。それが年金で生活をする時代が、例えばもう3割、4割のところがたくさん出てき
ちゃったんですね。こうなるといろいろと時代が変わってきているなということを改めて感じ
ておりますので、それについてこれからの考え方をしっかりと頑張っていただければというふ
うに思います。
次に移らせていただきたいと思います。
経常収支比率でありますけれども、先ほど市長から今年度は99.1%になったという話が
出ました。経常収支比率というのは、総務省からは都道府県は80%と言われているんです。
市町村は75%ということが一応言われているんです、総務省からは。だけれども、それはほ
とんどできていないというのが現状だと思います。私も議員になったときにはたしか85%ぐ
らいだったと思うんですが、確かにあのぐらいのときならばそれほど慌てることはないかなと
いうふうな気がいたします。
ただ、今回、市長がこのところで挙げた97%というのは、基本的には私はまだ綱渡り状態
だというふうに思います。100を過ぎれば、当然皆さんわかっているから私はここでしゃべ
る必要はないわけですけれども、要するに経常経費が経常収入を上回っちゃうわけです。収入
がないわけですから、経常経費が多くなっちゃうわけですから、こんな話になるといつもいつ
も危ない橋を渡っているわけですよ。だから90%以下を当然我々とすれば目指すべきであっ
て、それで今の状況、例えばさっきも話をしましたけれども、分母はどんどん減っているんで
す。ただ、たまたま交付税が去年どんと上がったんですね。たしか4億円ぐらい上がっている
はずです。だからこういった数字になっている。だけれども、これがまた来年なるかといった
ら、私は逆だと思うんですね。こんなに国の状況が厳しい状態ということで、減ってくるだろ
うという想定のもとに物事を考えていかなければ、この辺のところをしっかりと押さえていか
ないと、いつもいつも綱渡り状態じゃないかなというふうな気がいたしますけれども、私の考
え方、もし何かあったら、違うよということになれば、市長の考え方をお聞かせ願えればと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 大竹議員の再質問にお答えしたいと思います。
先ほどご答弁で申し上げましたとおり、平成21年度の99.1%というのは、確かにおっ
しゃるとおりこの分母の中に交付税等の後押しもあったというふうに思っておりまして、そう
いう意味では、前年対比からやや改善されたとは言いながらも、しっかりとその辺のところは
押さえていかなければいけないと考えております。
今回、私どもが97%というふうな数値を出したのは、県内の平均が97%であったという
ことがございました。同時に、今議員がおっしゃっているように、当然目指すべきところはそ
ういったところにあるんですけれども、実現可能なところにおいて、今回そういうふうな目標
値を掲げたという経過がございます。
そういった中で、宿命とも言えるんだと思うんですが、少子高齢社会の中にあって扶助費等
がどうしても対応が難しいということ等もあって、財政当局も非常にその辺のところを苦労し
ながら今回の数値を選択した経過がございます。ただ、言われるとおり90を割る、あるいは
85を目指すということについては、そういう気持ちでかからなければならないと考えており
ます。したがいまして、今回はそういった実現可能な、しかも必ずやるんだという部分でもっ
て今回の数値をとらまえたという経過がございましたので、ご理解を賜りたいと思います。議
員がおっしゃるように決してそのことだけにかかるのではなく、当然それより改善されること
を念頭に頑張っていくということになろうかと思っております。
◇18番(大竹政雄君) 今、扶助費の問題が出ましたけれども、扶助費は年々上がっている
んですね、これはしようがないと思います。これは下がるわけにいかないんだろうと思います。
間違いなく市長はよくわかっていると思いますけれども。公債費については多少下げていくか
らいいと思いますけれども、この辺の人件費というものが最終的にはどうしても大きなウエー
トを占めていっちゃうんですね。多分わかっているから、これ以上は私言いませんけれども、
でも、そこのところをしっかりととらまえていかないと、分母というものがいつどうなるかわ
からないんです。こうなると非常に問題なので、ある程度余裕は持てないかということで、私
は90以下を求めなければいけないよという話をさせていただいているわけでありますけれど
も、これからの時代、交付税がちょっと減っただけだって大変な数字がぼんと返ってきちゃう
わけです。2%、3%の数字は必ず出るはずだと思います。ただ、それによって右往左往じゃ
ないけれども、高い低いが出たのでは、これは何の意味もないわけでありまして、この辺のと
ころは、去年あたりまでのしっかりとした、例えば66億円ぐらいの交付税が大体来ていたん
ですが、その辺のところを押さえた形の中で、65億円ぐらいかなということを押さえながら
物事を考えていかないと、それで扶助費は上がっていくかなみたいなことを考えていかいなと
その数値にはならない。たまたまぽんと交付税が来れば、よかった――これはたまたまな話で
ありますから、ぜひそういったことを真剣にとらまえた形の中で私はやっていただきたいと思
いますけれども、それについてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど私が県内平均というような言い方をしたと思いますが、県内
12市の平均をとらまえて97%という言い方をしております。訂正をしておわびを申し上げ
たいと思います。
議員が今おっしゃられる再質問の内容等については、議員がご指摘されているということは、
ここに分母と分子の計算式がきちんとありますので、痛いほどよくわかります。したがいまし
て、これが改善のために努力をしていかなければいけないと思っております。
今後、きょうご指摘されたようなことについてしっかりと受けとめて頑張ってまいりたいと
いうふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇18番(大竹政雄君) 1点だけお聞かせ願いたいんですが、要するに自主財源を少しふや
したいということになろうかと思うんですね。いろいろと皆さんからも出ていると思うんです
が、自主財源をふやす、そういったものを市長、何か持ち合わせているのかどうか。こういっ
たものをすればもうちょっと財源的にうまく入ってくるかなみたいなのがもしあったら教えて
いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一般的には、当然企業誘致等から来る固定資産税であるとか、ある
いはまた当然それによっての就業から来る地域経済の活性化等があると思うんですが、現在、
各自治体を見てみますると、公共施設に民間の冠をかぶせて、そしてそれによっていろいろと
運営をされているところがしばしございます。群馬県にあっても、例えば敷島の野球場である
とか、あるいはまたそういったもろもろのスポーツ施設等に民間企業の冠をかぶせてそれによ
って歳入をふやしていくというようなやり方を、私どももいろいろな施設を持っているわけで
すから、検討していかなければいけないなというふうに考えておるところでございます。
◇18番(大竹政雄君) 歳入をふやすというのは、私もいろいろなものを調べていますけれ
ども、なかなか難しいなというのは現実だと思います。ぜひそういった意味ではしっかりと皆
さんで相談して、こういったものはこうしたら、例えば土地の有効活用を考えたり、あるとこ
ろをもうちょっとこうしたらどうだ、いろいろな活用の方法はあろうかと思います。ただ、そ
ういったものをみんなで研究すべきじゃないかというようなことをつくっていかないと、歳入
という問題を何とかしようという考え方を真剣にとらまえないとなかなかできていかないかな
というような気がいたしますので、この辺については3期目でございますので、しっかりと2
期8年の経験を生かしてやっていただければありがたいというふうに思います。
さて、横塚に移らせていただきたいと思います。専用地域の問題でありますけれども、先ほ
ど市長は、これからも続けていくという話がありましたけれども、今までに私は都市計画の関
係で違うことで一般質問した経過があります。今回、農工団地で初めてですけれども、実は決
算あるいは予算では質問してきた経過がありますけれども、なかなかこういったもので市長と
やったことがございません。
今回、市長のいろいろな考え方を聞いて、いろいろなことを答弁されているんです。その答
弁を幾つか私は持ってきたんですが、例えばこういう見直しについての話でありますけれども、
3月議会のときは、「財政状況をとらまえた形の中で対応を図っていく」というような答弁も
されてきました。「当該地区は土地の値段が高くて厳しい状況である」ということも答弁をさ
れていました。それから「こういう場所がありますと提案していく場所づくりについては検討
しなければいけない」という答弁がありました。それはそうですよね、自分たちの土地じゃな
いわけですから。人の土地を見せて「ここへ来てくれますか」と言ったって、お金が幾らと決
まっているわけじゃありません。団地の整備もしているわけではございません。そんなところ
を「検討してください」と言うこと自体がおかしいということだと、私はそういうふうに言っ
ていますけれども、「そういったことを検討しなければならないと思っている」ということも
答弁を市長はされております。それから「財源問題があってなかなか難しいが、一生懸命それ
らについても検討を加えてまいりたい」という答弁もされております。当然、あそこのところ
を整備するという話から出ているんだと思います。
確かにいろいろな形の中で、いろいろな問題を見直したらどうですかというようなことをし
ていくと、どうしてもこういう答弁になってくるわけでありますけれども、基本的に難しい状
況だとか厳しい状況であるならば、もうちょっと違った答弁が初めにあってほしかったなとい
うのが私の印象だったんですよ。何か今までの答弁と全く同じような、「粛々と進めていく」
と。「進まないよ」と私が言っているのにもかかわらずそういうことがありましたけれども、
もう一度、市長、それについてはどのような考え方を持っているか聞かせてください。
◇市長(星野已喜雄君) 議員は非常に都市計画のことについては造詣が深いわけでございま
して、日々ご提言に対して常に傾聴に値することが多々ございまして、感謝をさせていただい
てまいりました。
先人の方が横塚農工団地を工業専用地域ということで網をかけられて、そして何社かの企業
誘致に成功し、実際問題として実績を上げられてきたということについては、私どもも先人の
方々に敬意を表すると同時に、感謝を申し上げるところでございます。
そういった中で、今おっしゃられたような大変厳しい状況があっているということも、これ
また事実でございます。そういった中で今後もう少しこのことが柔軟な対応ができないかとい
うことについては万たび、質問、答弁のときの検討のときに私が事務方にも申し上げていると
ころでございます。
というのは、どうしても都市計画で網をかけたということから来るいわゆる先行した当該の
法人が、後に網を外して自由にさせていったときに、当然、農地転用等を含めた形の中で当該
者が土地の有効利用を図ることになっていくのではないかというふうに推測が働きます。そう
なったときに住宅を求めて、あるいはまた何かを求めていったときに、当然工場等であります
から、市民生活に及ぼす影響等も考えたときに、その辺のあつれきというものが生じてくるの
かこないのかというようなことも行政の立場からは示唆、あるいはまた検討しなければならな
いかなというようなことがあって、議員がおっしゃっていることについてなかなか慎重な言い
回しになってきた経緯がございます。
ご案内のとおりマスタープランにおきまして、「企業の立地動向によって職住近接に配慮し
た用途地域への変更を検討」という記述はさせていただいたという経緯がございます。このこ
とは大変それなりに重い意味を持っておりまして、一概に、一足飛びに全く180度違うとい
うことにはなりませんけれども、いろいろと専門的な知識をお持ちですから、そのところに行
く前段、前段等を見たときに、どの辺が市民あるいはまた内外の人が見てもご理解いただける
ところなのかなというようなことについては検討していかなければいけないというふうに思っ
ているところでございます。
ですから、きょう初めて「用途地域への変更を検討」と記述させていたという都市計画のマ
スタープランの話をさせていただきましたけれども、議員がご心配されているようなこと等に
ついても、実はかねがねいろいろな意味で頭を痛めてきたという経過もございまして、ぜひ今
後ともまたいろいろな意味でご指導いただければと思っております。
◇18番(大竹政雄君) あそこの地権者の方々に言わせれば、自分で勝手に使えないわけで
すよね。いろいろな批判が出てきている。なおかつ、今の人たちはまあまあいいかなと。じゃ、
次の世代になったら、間違いなくおかしいじゃないかという、必ずそのときは来ると思うんで
すよね。
例えばセノーさんがあそこに今1社います。あの企業の方が工業専用地域でなければならな
いような工場であるかというのは私もわかりませんが、準工でもできるんじゃないかなという、
そんな難しい話はどうでもいいんですが、できるじゃないかなという感じがするんですね。じ
ゃ、あの一つだけが下へ例えば来た場合は、あそこはもう解除できるんじゃないかというよう
なことも考えられるんです。それは地権者の人にまず話をして、その人たちの同意というもの
が今どうなっているのか。多分相当な、市に対しておもしろくないというものはかなり持って
いると思うんですよ。実は川場の人が非常に多いですから、沼田の市会議員だってもうちょっ
と何とかしてくれよという形はよく出ます。出るんですが、なかなかそこのところが前へ進ん
でいかない。
今回の質問はそういうことなんですが、市長は2期8年やってきて、8年間に我々がいろい
ろなことを言ってきたと思います。だけれども、ほとんどそれは無理だったということなんで
すね。さあ、もうそろそろ何かの形で見直す、あるいは根本的に変える、これをしない限りあ
そこの場所は生きないと思いますけれども、その辺はどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が再質問でいろいろと申しているところの中に、私の耳の中に
重く残っている言葉が随分ございます。というのは、かねがね何とか柔軟な対応が必要だなと
思ってきたという経過もありまして、そういう意味では、今おっしゃられているようなことに
ついては非常に関心を持って聞かせてもらったし、同時に、言葉の中に、あるいはまたご意見、
ご質問の中に非常に耳にきちんと残っている言葉がございます。ただ、ここで申し上げること
を慎重にせざるを得ないのでございますけれども、大変重要なご発言であったなというふうに
受けとめて今いるところでございます。
◇18番(大竹政雄君) 私も議員12年目になりますけれども、この2つだけは何とか見直
したほうがいいんじゃないかということで今回出したんです。
次に挙げるのが公園の話なんですが、実はこの横塚の工業専用地域の問題は、本当に今しな
ければ、私はだれかさんが必ずやらなければいけないものだというふうに思っているんですね。
これもある程度経験をし、ある程度いろいろなことがわかってきて、でなければこれは見直し
はできないということで、3期目の市長でありますから、あえて私は今回ここで取り上げさせ
ていただきました。ぜひこれを何とかしてほしい。これを間違いなくすることによって、例え
ばあの辺が開発されれば、それなりの経済効果は必ず起きるはずです。私、冒頭に話をしまし
たけれども、今伸びているのは東のほうなんですよね。東はどんどん大型店、飲食店、本当に
多くなりました。びっくりするぐらい。あの地域がこれからどんどん発展するんではなかろう
かということも考えられるわけですよね。それはそれなりに地域性、あるいは外から来た人た
ちにすれば絶対あっちのほうが便利ですよね。だからそういったことを考えるときに、あっち
がひょっとすると広がってくるのかなという感じがしないでもありません。そういったことを
考えるときに、沼田市がこれから経済を活性化させるためにも、私はあの問題は何とかしなけ
ればいけない問題というふうにとらえておりますので、ぜひお願いをしたいと思いますけれど
も、その辺について市長の考え方があれば教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 宿命的とも言われる今次の流れが、沼田インターチェンジがかつて
の沼田の市街地から東部地区に立地されたということは、大変今言うように国道120号を通
した東側の活性化にすこぶるかかわり合いがあったなということは真摯に受けとめざるを得な
いし、そのことが物すごく発展してきたなと思っております。自分も子供の時分に国道120
号を通ることはしばしあったのでありますが、土橋にわずかな家、そして三軒屋にわずかな家
で、ずっと来て、沼田東小学校の隣接のところから西側に家があったと。現在の久屋原、ある
いはまた下久屋の上段のところはスイカ畑等があって、ほとんど住居はなかったというような
ことを思ったときに、この三十数年来の発展は目を見張るものがあって、これも高速交通網体
系の一つの宿命的な結果だったなと思っております。
また、新幹線の関係等についても、当時大先輩が、子持山の地下に新幹線の駅ができて、そ
して子持山の下に新幹線の駅ができることによって沼田駅とアクセスをしていくというような
ことも当時随分ご意見としてあったということも承知をしておりますが、これも当時の政治の
決着によって現在地に行ったことによってご案内のとおりの結末を迎えているわけでございま
す。
沼田インターチェンジの乗降を昭和、水上、それから月夜野、隣接の3つの乗降に比べると
一番多いということもこれまた事実でございまして、そういう意味で沼田インターチェンジの
東側の発展は今後も、これは好むと好まざるとにかかわらず徐々に伸びていくであろうという
ふうに思っておりますので、そんなことからとらまえると、今のご質問は大変重要ではないか
と思っております。
◇18番(大竹政雄君) それでは、もうあと5分でございますので、最後の問題に行きたい
と思います。
公園長期整備構想、これは平成4年ということで調べさせていただきましたけれども、私が
議員になる六、七年前ですか、すばらしいものができ上がっておりました。今、市長は、この
内容で推進を図っていくということで話がございました。
現実問題として今の財政力から言っても、この沼田公園長期整備構想の中身はどれだけでき
るかという話になるわけであります。ほとんどできないだろうと。今までに、この中にもいろ
いろなことが書いてあります。例えば野外博物館構想もあります。それから奈良古墳公園のこ
とも書いてあります。それから城址の問題も4つぐらいあるんですが、その辺のところも書い
てありますが、何もしていないんですよね。実際に見えたら、沼田城みたいなところだけは見
えておりますけれども、この書いてある内容って、たくさんいろいろなものがあるんですが、
一つ一つみんな虫食いだと思うんですよ。もうちょっとしっかりと皆さんで協議して、一つ一
つをまとめてくれば、私はこの問題は粛々と進めているということは理解できるんですが、ほ
とんどできておりません。ということは平成4年で、6年か7年に始まるとしても15年です
から21年、ことしあたりはすべて完成しなければいけないだろうというふうには考えられる
んですが、その中にいろいろなものがあって、その一つ一つ、小さなものでもいいからやって
くれば、もうなからなところまで終わってきているのかなというふうに思っておりますけれど
も、市長はその辺についてどうでしょう。2期8年ですから、中途半端なところにいますけれ
ども、その辺についてはどのように考えているのか教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結局、公園長期整備構想の上位計画に総合計画がありまして、そう
いうことから、それらとの整合性は常に図っていくということが大事な要素となってまいりま
す。そういうことから、ただいまの答弁になってきているという経過もございます。
当時、私はもう既に市議会議員ではありませんでしたので、沼田公園長期整備構想がマスコ
ミ等に報道されたときに、沼田市全体のフィールドミュージアム構想ということで内外から非
常に注目をされました。しかしながら、現実はやはり財政の裏づけがなければ物事は前に進め
ることができません。この節の諸状況から、議員がご指摘されているような状況下にあります。
今後そういった形の中でできることから進めていかなければならないなというふうに考えてい
るところでございますけれども、現実に議員がご指摘のとおり、野球場も、あるいはまたテニ
スコートも、市民の憩いの場所としてきちんと使われているというようなこと、そしてしかも
テニスコート等の新しい展開が現在の財政状況からなかなか難しい状況から考えると、これま
た現行のところのものも重要視していかなければなりません。
したがいまして、総合的に考えていきたいというようなことでご答弁をさせていただきまし
たけれども、現時点ではこういった答弁になっておりますが、先々の状況も踏まえて今後いろ
いろと検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
◇18番(大竹政雄君) 今、市長から、テニスコート、野球の話が出ましたけれども、テニ
スコートもちょっとしたお金をかければ、例えば雨のときも雨がやめばできますよとか、そう
いう設備はほとんど群馬県じゅう、あるいは日本全国ほとんどなっているわけです。多分今回
のテニスコートもそのような形になろうかと思うんですが、それを期待している人たちはでき
ないわけですよ。どんどん高齢化が進んでしまう。おれたちが生きている間に使えないんじゃ
ないかという話も出てくるわけでありまして、その辺のところを例えばオムニというテニスコ
ートをつくっていただくならば、それはひとつもうちょっと我慢してくれよというような形に
なろうかと思います。テニスコートあるいは野球場は今の財政状況からはちょっと無理かなと
いうふうなことがだんだんわかりつつある。私どもはそれなりに把握していますからあれです
けれども、市民の方々もかなり心配されているところはありますので、もしそういうことなら
ば、5年、10年でできないならば、じゃあここだけ何とかしておこうというような対応も図
っていただきたいと私はつくづく思うんです。
そういったことが市民のための行政なんですよ。市民のための行政でなければいけないと私
は思うんですよね。だから今、市民の方々が考えている、前々回のときも言ったと思うんです
が、計画なんかは5年以内にできないものはどんどん変えてほしいという話。ということは、
我々も市民の皆さんに、この問題については約束したから5年以内にできるよというふうにな
らないと、やっぱり納得できないという形になろうかと思います。だから総合計画にあって、
それに伴ったものでつくっていくといったって、10年も前、15年も前の話をどんどん残し
ていくわけですよ。これではいつになったって沼田市、よくならないだろうというふうに思い
ますけれども、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろとご指摘をされまして、じくじたるところを禁じ得ません。
よって立つところの財政状況等もある形の中で、常に苦渋の選択をしてまいりました。したが
いまして、議員がおっしゃっているように柔軟な対応等もこれまた選択肢としてあり得ること
であろうかと思っております。
私も公園が好きで、テニスは特にいたしませんが、若人があるいはまたご婦人が、ご年配の
方々が当テニスコートを愛し、そしてそこによって立つところの競技をしている姿を見て、常
にいいなと思っている立場の人間でございますので、またいろいろとご指導いただきたいと
思っております。
◇18番(大竹政雄君) 最後にというか、質問は最後になろうかと思うんですけれども、職
員の皆さんがこの長期整備構想の中で一つ一つピックアップしたときにいろいろなアイデアが
出てくるんじゃないかなというふうに思うんですよ。例えば古墳公園だって、あのまま草刈り
で終わっちゃっているみたいな状況というのは、どうも私にすれば残念でならないですよね。
それからミュージアム構想もそうですよね。もうちょっと少しでも見えるようなことをやろう
じゃないか。それはみんなでいろいろな意見を戦わせて、少しずつ進もうでないかと。あるい
は市民協働ということで今市長、言われておりますけれども、それについてもしっかりと皆さ
んで協議しながら物を進めるということは大事なことだと思うんですよね。その辺については
どうでしょうか、市の職員の育成についても。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がおっしゃるように、例えばご案内のとおり道路愛護のときだ
とか、あるいはまた、もろもろのそういった行事には市の職員は先頭に立って頑張るというこ
とで常日ごろ申し上げているところでございます。そういった中でいろいろな対応も図ってい
るところでございますけれども、議員がおっしゃっているように500人前後の職員がいるわ
けでございますので、市民生活の安全・安心のために先頭に立って頑張っていくという姿勢は
きちんと持っていただかなければ困ります。そういうことで私のほうからもきちんと今後指導
して、しかもそういったことのできることは対応を図っていかなければならないと考えており
ますので、いろいろな意味でよろしくお願いしたいと思います。
例えば先般の市民体育大会でも、市の職員が地区の役員として頑張っている姿もありました。
それは市の職員ということでなく、むしろ地域住民の立場からでありますけれども、やはり市
の職員は地域住民の中にどんどん溶け込んで、そしてそういったところの下支えを意識的にし
ていかなければいけないというふうに考えておりますので、事あるごとに何か気がついたらど
んどんご指摘をいただければ、私のほうからもきちんと指導してまいりたいというふうに考え
ております。
◇18番(大竹政雄君) それでは、最後になりますけれども、先ほどから阿久根市の話をさ
せていただきました。竹原市長のやろうとしていることは本当にすばらしいことが多々ありま
す。インターネットで調べてもらえばすぐ出てくると思いますが、改革をしようと思うと、あ
のぐらいのことをやらないとだめなんだなということをつくづく感じておりますが、余り独裁
的なことをやるとまたいろいろな問題が出てきますけれども、やっぱりみんなして議論した上
で一つ一つ決めていくというのが大事なことなのかなというふうに、見ているとそんな感じが
します。
今現在のシステムというか法律というか、いろいろな問題が絡んでいますから、なかなか難
しい問題があろうかと思いますけれども、これからの行政というのは、いかに市民重視を考え
た行財政改革にならなければならないだろうなというものは読んでみて非常に感じます。
そういった意味で、市長は2期8年経験してきたわけでございます。これからの4年間、や
っぱり星野市長の真髄を見せてもらいたいなというのが私の気持ちでもございます。これから
も我々は議員として提案なり提言なりしていくつもりでございますけれども、最終的には市長
の英断でございます。そんなことでこれからも期待しております。
市長の最後の、この行財政改革について決意を聞かせていただきまして、私の一般質問を終
わらせていただきます。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 総体的に大変重要な現下の諸問題についてご質問、ご提言をいただ
きまして、まことにありがとうございました。特に行財政改革にかんがみたご質問につきまし
ては内部でも非常に今論議をしているところでございまして、大変参考にさせていただくとい
うことと同時に、今後の対応に処してまいりたいというふうに考えております。
いろいろな角度からのご指摘もありまして、答弁も若干じくじたるところもございましたけ
れども、いろいろな意味でご示唆に富んだご発言がありまして、私どもの思っていることも随
分ご披瀝があったことを私はよく承知をしております。今後ともぜひまたいろいろな角度から
よろしくお願いしたいと思います。
なお、私どもはあくまでも市民が元気で明るく住みよい地域になれば、これが最良の喜びで
ございまして、そのために今後とも努力を傾注してまいりたいというふうに思っておりますの
で、よろしくお願いしたいと思います。
――――――――――――――◇――――――――――――――
◇議長(布施辰二郎君) 次に、高柳勝巳議員。9番。
〔9番 高柳勝巳君登壇〕
◇9番(高柳勝巳君) 通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。
今回の最初の質問は、「災害に強い自治体づくりに向けて」と題しまして、本年7月の池田
地区集中豪雨による災害のさまざまな教訓を今後に生かすべく通告をいたしました。
初めに、今回の集中豪雨によって被害に遭われました池田地区の皆さんへ心よりお見舞い申
し上げます。
本題に移らせていただきます。
その原因が、地球温暖化によるところが大きいとされる気候変動による異常気象は、地球の
至るところでその猛威を振るい、中国や中米のグアテマラでの洪水による大災害は現在でも救
済・復興活動が続いていて、その規模や回数も年を追うごとに拡大し、予測や対策のあり方が
国際的にも課題となっております。
こうした傾向は国内においても例外ではなく、多くの被害と課題を私たちに日々突きつけて
きていて、大雨による土砂災害で大きな被害を受けた広島県庄原市を視察した前原国土交通大
臣は、自治体が行う災害復旧に対して国が補助率を引き上げて支援を行う局地激甚災害の指定
について、「今の仕組みでは、一定規模の災害の被害額がなければ指定できない。しかし、最
近の集中豪雨はきわめて狭い範囲で起きており、中井防災担当大臣とも連携して激甚災害の指
定のあり方についても、そのものを見直していきたい」と述べ、激甚災害の指定の基準につい
て見直したいという考え方を示す報道もありました。
このような情勢の中で、本市の池田地区を瞬時に急激に襲った集中豪雨でしたので、集中豪
雨のメカニズムの分析や予報への対応なども含めて、被害発生時からの一連の具体的対応をま
ず伺います。
次に、去る7月12日に被災地域から災害対応に関する陳情が提出されました。そこには被
災直後にもかかわらず、地元区長や関係者の皆さんによって調査された詳細な災害状況と復旧
へ向けた切実な要望が掲載されていたと認識しております。
これまでに経験したことのない規模の自然災害に直面し、ある意味で精神的な支えも必要と
されたであろう、この陳情への具体的対応について伺います。
3つ目の質問は、最初の質問に関連してですが、今回の豪雨に際して本市では災害対策本部
を立ち上げ、その具体的対応に当たったと聞いています。その効果と役割を検証したいと思い
ますので、その設置経過についてお聞かせ下さい。
そして最後に、こうした一連の対応を振り返りながら、今回の集中豪雨で得た課題と今後の
あり方について市長の考えをお伺いいたします。
大きなタイトルの2つ目は、セーフティネットがきちんと機能する沼田市に向けて、具体的
には生活保護についての質問です。
全国の生活保護世帯数は、厚生労働省の資料によると平成21年度で114万8,766世
帯、支給額は約3兆円に達しようとしています。さらに、国民生活基礎調査によると、生活保
護水準以下の低所得世帯で生活保護を受けていない世帯は229万世帯で、保護世帯の約2倍
に上ると推計されています。
本市においても、この2年間で生活保護世帯は143から182世帯へ、扶助費の総額は約
3億円から4億円と約3割の急増となっています。
こうした中、行政側では保護費の抑制を意図し、水際作戦と呼ばれる保護申請書そのものの
配付を規制したり、不本意に保護を辞退させられた方が「お握りが食べたい」と言い残して餓
死した事件が発覚し、マスコミ等でも大きく取り上げられました。
その一方で、受給者からの悪質な不正受給事件もクローズアップされていて、北海道滝川市
で、タクシーを利用した通院交通費に2年間で2億円余りが不正受給され、そのチェック体制
のあり方が問われました。
こうした事件の背景には、国の財政難を理由にしたコスト削減全体の枠組みの中で、縦割り
行政のひずみ、きめ細かな具体的対応・相談に応じるケースワーカーと呼ばれる方々の圧倒的
な不足が挙げられています。
そこでまず、本市における実際の姿からお聞きします。
生活保護者の急増の内容とその対応策について伺います。そして、それに関連して、保護申
請の実際の対応について、ケースワーカーを含めた保護や支援体制の実態と不正受給対策につ
いてもお聞かせください。
日本型の終身雇用システムが崩され、非正規不安定雇用者の増加は同時に負の遺産としての
生活保護者の急増も生み出し、その本質的解決を国や地方自治体に新たな課題として突きつけ
てきていると認識しています。
貧困と格差が深刻化する中で、日本では唯一最後のセーフティネットとされる生活保護制度
が今、危機に瀕していると考えています。当面、この制度が適切、的確に社会的な生活弱者と
言われる方々に適用されるよう望むとともに、持続可能な自立を促進していく制度としていか
なくてはならないと考えています。
そこで、最後に、市長には難問と思われますが、この自立支援の方向性についてのお考えを
お聞かせ下さい。
以上申し上げて、私の1回目の一般質問といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、災害に強い自治体づくりに向けて、具体的災害対策について、本年7月の池田地区集
中豪雨による被害発生時からの一連の具体的対応について説明願いたいについてでありますが、
7月1日午後10時24分に、発知新田町での床下浸水による消防署の出動を受け、消防団員
の出動を要請するとともに、関係課職員を緊急招集し、上発知町及び奈良町地内の状況を把握
しながら、被災した道路の封鎖、土のう設置、土砂上げ及び倒木処理などの応急対応を行いま
した。翌7月2日早朝からは、被災箇所の復旧を直営及び委託業者により本格的に開始し、そ
の後も逐次、関係区長から報告のあった被災箇所の復旧作業と調査を継続し、同時に、関係区
長との打ち合せ、県知事の現地視察の対応及び県関係機関と協議を行ってまいりました。
こうした中、7月30日付で災害復旧経費に係る補正予算の専決処分を行い、8月上旬に一
部箇所の工事を発注してきたところであります。
今後も随時、災害復旧工事を発注し、全力を挙げて被災箇所の復旧を図りたいと考えており
ます。
次に、被災地域からの陳情に対する対応について伺いたいについてでありますが、7月12
日に区長会池田支部長より「自然災害発生時における市への要望事項」、また、上発知町中部
・南部、奈良町地区役員の代表として3地区の区長より「上発知中部・南部水害状況及び復旧
事業への要望」が提出され、災害時の緊急窓口の設置、相談体制の充実、被災箇所の復旧工事
の内容、スケジュールなどについての要望をいただいたところであります。
関係課において、当該箇所の現地調査、さらには関係区長と事前打ち合せを実施した上で、
去る8月19日に池田公民館において、関係する上発知町及び奈良町の区長を初め役員の方々
に今後の方針について回答をさせていただいたところであります。
次に、災害対策本部の設置経過について伺いたいについてでありますが、7月2日午前8時
30分に災害対策本部を設置し、7月1日夜から2日未明にかけての対応状況並びにその時点
で把握した被害情報を確認し、今後の対応について協議し、引き続き各部において被害状況の
調査と応急対応を実施することといたしました。
また、同日午後4時には第2回目の災害対策本部会議を開催し、各部からの被害調査の結果
及び対応状況の報告をもとに今後の対応について協議を行ったものであります。なお、その時
点においても大雨警報が発令されている状況から、引き続き警戒体制を継続することといたし
ました。
その後、週明けの7月5日月曜日、午前9時から第3回目の災害対策本部会議を開催し、各
部からの報告により、新たな被害が発生していないことが確認されたことから、復旧に向けた
対応に全力を挙げて取り組むこととし、災害対策本部を解散することとしたのであります。
次に、今後について、今回の災害対策での課題と今後のあり方について伺いたいについてで
ありますが、今回、池田地区からも要望いただきましたように、災害発生時における地元との
連絡窓口の一本化、明確化、さらに、初動体制は災害対応を迅速かつ円滑に進める上で極めて
重要でありますので、災害対策本部の機能が十分発揮できるよう、動員体制を中心に災害対策
活動マニュアルを見直し、万全を期してまいりたいと考えております。
次に、セーフティネットがきちんと機能する沼田市に向けて、生活保護制度について、生活
保護者の急増の内容と対応策について伺いたいについてでありますが、生活保護の申請は、高
齢による病気、世帯主の障害、就労収入の減少などが主な原因となっております。
平成21年度末における被保護世帯数は、前年度と比較して34世帯の増加でありますが、
最近の経済情勢、とりわけ雇用情勢の悪化により、65歳未満の稼働年齢の方の相談や申請が
増加傾向にあります。
本年度における国の生活保護行政の重点事業として、各ハローワークごとに就労支援のため
の地域協議会を設置することになりましたが、本地域におきましても、本年5月28日に沼田
公共職業安定所内に沼田地域生活福祉・就労支援協議会が設置されましたので、今後はこの協
議会を積極的に活用し、また、沼田公共職業安定所や県及び周辺町村とも連携し、一層の就労
支援に努め、生活保護者の急増に対応してまいりたいと考えております。
次に、保護申請の実際の対応について伺いたいについてでありますが、生活保護の申請者の
多くの方は、まず、区域の民生児童委員に相談されることが多く、そこで制度説明や指導を受
けてから市の福祉事務所を訪れます。福祉事務所では相談室において常時相談を受け付けてお
り、相談は、生活保護法に基づく制度説明及び他法・他施策の説明もあわせて行い、説明後、
申請を希望する方については申請を受理しております。その後、実態調査等を行い、ケース診
断会議を行った後に、最終的に生活保護法による保護認定の要否判定を行っております。
次に、ケースワーカーを含めた保護や支援体制の実態と不正受給対策について伺いたいにつ
いてでありますが、ここ数年で急増している生活保護者に対して支援する職員体制につきまし
ては、本年度からケースワーカーを1名増員し、支援体制の強化を図っております。
また、不正受給対策につきましては、近年、権利意識が強くなってきておりますが、厳正な
対応に努めるとともに、職員の研修会への積極的な参加による法制度の理解や国・県からの情
報収集も行い、職員の資質の向上に一層努めてまいりたいと考えております。
次に、自立支援の方向性についての考えを伺いたいについてでありますが、自立するにはや
はり就労が第一と考え、担当ケースワーカーによるきめ細かな相談や生活指導等により勤労意
欲の高揚を図り、稼働年齢の受給者を中心に積極的な就労支援を行ってまいりたいと考えてお
ります。
また、自立支援を図るためには、生活支援と就労支援が不可欠でありますが、そのためには、
沼田公共職業安定所等の各関係機関と密接な連携を図っていくことが重要であると考え、今後
も一人でも多くの方の自立支援に力を注いでまいりたいと考えております。
以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
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◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後4時01分休憩
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午後4時09分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇9番(高柳勝巳君) ご答弁いただきましたので、幾つかの点について再質問をしたいと思
います。
最初に確認なんですけれども、経過についてのご説明の中で、7月1日の10時に地元消防
団から通報があって動き始めたということなんですけれども、市のほうで得られる情報という
のはそれを聞くまで一切わからなかったのかどうかということですね。いわゆる地元から「災
難が起きました。それで消防署が動き出しました」という通報から市は実際スタートだったの
かどうか。その前にいろいろな情報を仕入れることが可能だったのか不可能だったのか。以上
について確認だけさせていただきたいと思うんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 今回の場合は、私は上原町に住んでいるわけですが、上原に雨が降
っている状況では全然なかったんですね。そういうことからこの場合――この場合と言ったら
大変語弊があるかもしれませんが、今回の場合は非常に局地的な状況だったことから、例えば
アメダスだとか、あるいは総務課長のデスクのところにいろいろな予報だとか情報が入ること
はあるんですけれども、まさに突発的な状況だったなというふうな受けとめ方をしておりまし
て、そういう意味では議員が確認ということでご質問されているわけでございますが、今回の
場合はこの答弁のとおりだったというふうに申し上げておきたいと思います。
◇9番(高柳勝巳君) 特に当局をこのことで責めるつもりじゃなくて、最後の今後の方向で
ということで、つまりは雪とかでしたらだんだん積もってくるわけです。今回の場合は、先ほ
ど市長が述べたとおり、防災計画で言えば予防に対する具体的な対応が全くとれずに災害に突
入したということですね、スタートが。そういう認識でまず始めたいなと思っているんです。
現在の仕組みや体制の中では後手に回らざるを得なかったというところから出発をせざるを得
ないということなんですね、仕組みで。それは最後のところでもう一回かかわってきますので、
その確認だけして、あと1番から3番までは地元から出された要望書を中心に関連があります
ので、重複するところもありますけれども、ご容赦をいただきながら進めたいなというふうに
思います。
まず、被災地域から12日に出された要望書ですか、私は陳情と書きましたけれども、それ
を市長、読んで率直にどういうふうに思ったでしょうか。それをまずお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実際私めは、翌朝からほとんど現地に入って、小まめに現場を回っ
ておりましたし、そういう意味から出されている市への要望事項は重く受けとめて、とにかく
早目に何とか対応していかなければいけないというふうな気持ちは当然持ちました。特に私め
も行ってみて驚いたことが多々あって、先ほど言うように、うちの町内等ではほとんど雨らし
いものが降っていたという記憶がないんですよね。ところが現地に行ってみると、余りにも殊
のほか厳しい状況に唖然とするばかりでありました。ですから池田地区から出された要望等に
ついては重きを置いてしっかりと受けとめて、その対応を速やかに処するように努力をしてき
たつもりでございまするし、また、いろいろな意味で私も現場に行ってはいろいろなご意見も
承ってきていましたので、地域のお悩みやそういったものはしっかりと受けとめたつもりでご
ざいます。
なお、知事も現地に、たしか7月8日だったと思いますが、入っているということでござい
まして、これらについても非常に県の方で地域の実態等をとらまえて、そういう意味では対応
を図ってくれたものだというふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 市長、次の日からずっといらっしゃったのかどうかかがまず1点です。
現地に赴いて、次の日7月2日、ずっといたと言いますけれども、どのぐらいの頻度で市長が
行っていたのかまずお聞きしたい。
それから、さっき聞いた中身は、7月12日まで対応してきていて、この要望書が出たわけ
ですね。要するに緊急窓口が必要ですよと。市長も相談しながら進めていたにもかかわらず、
7月12日に、緊急の窓口をつくってくれという要望が来るんですよね。だから「市のほうは
親身になって相談してもらいたい」という要望が7月12日に来るんですよ。ということは、
7月2日から10日間はどういう状態で地域がいたのかということなんですよね。そこをお伺
いしたいわけです。
◇市長(星野已喜雄君) 少なくとも2日の日は、秋塚の宮田家の側溝から上のところだとか、
あるいは私の記憶ですが、松井家の隣ののり面の崩壊だとか、当然秋塚の道路の排除、奈良に
入っていって、奈良のたしか石田家のいわゆるブドウのところで奥さん方がおられまして、こ
れらを視察し、そしてその後、奈良の区民館の隣から上にかけて、自分の知人の左部さんとい
うのがおりますけれども、そこの側溝に参って、そして下側から石田家の三つまたの要するに
ブドウのところから上に向かって行って、結論から言うと、そこで橋が遮断されているので戻
ってきて、そしてその後、今度は上発知南部の戸丸家のご近所等を視察させていただいたりし
て、さらにサラダパークのご近所のところの部分もかなり崩壊しているのでお伺いしたり、上
がっていって大倉から今度は逆に下へ下って、そして現地を視察したり、広域農免農道から例
のクロスしているところがあるんですが、大倉の、そこを視察させてもらったり、上発知開拓
に向かう右側の木の側溝ぶたがありますが、これらの状況だとか、またさらに学校の校庭の関
係等も見させてもらったりということで、相当そういう意味では精力的に回ったつもりでござ
います。
◇9番(高柳勝巳君) 再度なんですけれども、よく相談されていたり親切な対応をされてい
れば――市長は一生懸命ほとんど全部回ってくれたわけですよね、7月2日段階でもう既に。
トップが行って、全部回って10日間対応したにもかかわらず、10日たってこういう要望が
出てくることについてどういうふうに思うのかということを聞いているんです。そこはいかが
でしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 地区の方々の切実なご要望に対しては真摯に受けとめなければなり
ません。しかしながら市の職員も、私の承知している範囲では、少なくとも現行の対応の中で
いつ行くかということになりますると明確なところを申し上げることはできませんけれども、
あの地図の中に建設と農政の関係で地図プロットを落とすという意味がありますが、これを約
120カ所ぐらいされたということがございました。これはかなり濃密な作業が必要なのであ
りまして、そういう意味では地図にプロットしていくことそのものが県やそういったところに
対していろいろな要望するときに大変重要な資料になります。したがいまして地元からのそう
いったもろもろの要望等については私どもも真剣に受けとめながらも、職員は職員なりに一生
懸命対応されたというふうに私は受けとめているところでございます。
◇9番(高柳勝巳君) 続けながらそこいら辺についてはお伺いしたいなというふうに思いま
すので、次に進めていきたいなというふうに思います。
先ほど市長が、職員が大変頑張ったと言うのは、この池田区長会の支部長さんも本当によく
やっていただいたというふうにまくら言葉で書いてあるわけですよね。ところがそれ以下の課
題ですよね、先ほど市長が4つ申してくれましたけれども、では今度、南部と奈良地区、それ
から中部、この3名の連名の要望書にはどういうことが書いてあるかというと、率直にそのま
ま読ませてもらいますけれども、「この調査をまとめた目的は、沼田市と当該住民が被害状況
の情報を共有することで今後の復旧作業の円滑化の協力を図るためである。現在、地元住民は、
復旧工事の範囲や工事スケジュールの情報提供が十分でなく、不安の状態にある。被害状況が
落ちなく把握され、復旧対策の内容が早急に開示されれば、住民の不安解消となり、協力内容
の検討も可能になる」と書いてあるので、全く五里霧中の中で私たち今対応しているんですけ
れども、情報を提供してください、方針をお知らせくださいということじゃないんですかね。
それが7月12日に出たということは、10日間解消されていないということなんですよね、
この文章の前後からすれば。市長は一生懸命やっていただいた、それから職員も個々に一生懸
命対応していただいたけれども、情報の共有や方針が見えないので不安なんですよ。ですから
早く地元と対応して不安解消してくださいという要望が7月12日に出ているんですよね。そ
のことについてどう思うかということを聞いているんです。
◇市長(星野已喜雄君) もし、当該地区の区長さんたちがそういうような受けとめ方があっ
たとすれば、私どもが反省しなければならないと思います。
ご案内のとおり、非常に現行の職員の範疇の中で、あれだけのものが一瞬にして起こったと
いうことから、一生懸命やっていたにせよ、地元の区長さんたちによしんばご迷惑をおかけし
たとすれば、大変それは申しわけなく思っているところでございます。
◇9番(高柳勝巳君) じゃ、7月12日に出しにきたときに、「ほぼ解決しているんだけど
ね」という話でこれがされたんでしょうか。これだけ出したときにもまだこの文章が生きてい
るという状態なわけですよね、7月12日には。とっても大変なんですよというのがまだ聞こ
えるわけです。その原因は、市長は何だと思われますか。
◇市長(星野已喜雄君) 特定するところの部分が、例えばここのところは土地改良でやって
きたとか、このところは林業の治山でやってきたとか、このところは市が直営でやってきたと
か、そういうところが現場にいると幾つか出てまいります。当然上位である群馬県のほうでも、
ここのところはできるけれども、ここはできないなというようなところがあったりする、そう
いうことがありますので、よしんばこの12日の状況の中でしっかりとした説明が事によれば
できかねていたかというような感じは私も、これはあくまでも私自身の状況把握の中でのこと
であります。
依然として、特に下沢の関係をずっと上からおりてしっかりと見ていると、どうしても事業
の今までやってきたところが、一つの沢でも場所、場所に応じてずっとある、例えば群馬県環
境森林部なら群馬県環境森林部がすべてのところでやっているのではないところがあります。
そういうようなこと等もあっていろいろと対応に苦慮したというようなことがあるんではない
かと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) それでは、対策本部に行く前に、もう一つ具体的な課題でこの文章の
中身を少しお話ししたいんですけれども、1番目、市長がご回答いただきました。3つの課題
と1つのスケジュール問題であるうちの一つなんですけれども、1番目の具体的な中身を読み
上げたいと思います。
「災害復旧に当たって緊急窓口の設置、今回の復旧作業での大きな失敗としては、地域と市
当局との連携に欠け、地区だけの判断で緊急工事を行ったことである。地域の人たちの生活や
仕事を考えると、簡単でもよいから一刻も早く通れる道をあけてやりたいと考え、地域の人に
出てもらい工事をしたが、結局は市当局に迷惑をかけることになった。現状を把握した時点で
今後の対応について話し合いを持つ必要を感じた」ということなんですけれども、この問題は
既に解決済みなんでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 例えば一朝有事の経過もありましたから、地域の人たちが地元で重
機を持っておられる方々にご相談もしたりして対応を図ってきたという経過があると思うんで
す。そのことは一朝有事のときには、これはある意味においては臨機応変というものが要求さ
れてくるから、それはやっぱり柔軟な対応が必要になってくると思います。今の議員のご指摘
に対しては、関係部長から一応解決をしたということで報告を今いただいたところでございま
す。
◇9番(高柳勝巳君) 解決をしたということでやや安心はしましたけれども、具体的にはこ
れは何で最初に市長に、今回の災害を知り得たのはあそこからしか出発できなかったんですよ
ねということを聞いたかというと、ここに関連してくるんですよ。地元の人からしてみれば、
雪だのと違ってどんどん浸水しちゃうわけですよね。ですから市に電話して、どうすればいい
でしょうなんて聞いている場合じゃないんですよ。だからやってしまったんです。やってしま
ったけれども、迷惑をかけることになっちゃったんですよね。迷惑をかけることになった内容
というのは幾つかあると思うんですよ。それを今、解決済みですかと聞いたら、解決済みです
というふうに聞いたので、改めてお伺いしますけれども、本当によろしいですか。
◇市長(星野已喜雄君) 私は当該部長の言っていることを信ずる立場でございますから、そ
れで結構だと思います。
◇9番(高柳勝巳君) もう少し安心しました。
もう少しこのことについて。沼田市では地域災害防災計画というのが18年3月に出されて、
起こった対応の後にこれを読みながら、あるいはこれを読みながら起こったことに対応したん
だろうというふうに推測をします。
今の問題は、やむなく労働者を雇って地域を片づけたんですよね。その場合は何が適用する
かといえば129ページが該当するんじゃないかと思うんです。救済法が適用されぬ場合の対
応ということで、市長の判断で、今、市長は柔軟に対応することが肝要と言ってくれたので、
恐らく最終的には柔軟に対応していただいたんだと思いますけれども、12日の段階、あるい
は12日からちょっと過ぎた段階ではこれが解決していたかどうか、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 詳細なところまではなかなか私自身も把握し切れてはおりませんが、
私が万たび担当職員に、こういうときには一朝有事で、地域の方々はある意味においてはわら
にもすがる気持ちもあるから、とにかくできるだけ配慮して、そして対応するようにという指
示を一貫してまいりました。
そういった中で、今極めて具体的に12日の時点で云々というような話がありますけれども、
そうなったときにいろいろな経過がありますので、私も一概にこうだということを言い切るこ
とはできませんけれども、それぞれのところで努力をしてきたということでご理解をいただけ
ればありがたいなと思っております。
なお、地元の方々に出ていただいた重機の提供の方や、あるいはまた、それぞれのところで
農園等についての影響下にあったことについては私のほうからも当該事務に指示をいたしまし
て、市のほうでできるだけの対応をするようにという指示を一貫して申し上げてきたという経
過がございまして、先般、池田地区でもって行った説明会等でもそういったことを申し上げて
きたという経過があるというふうに受けとめております。
◇9番(高柳勝巳君) それぞれ一生懸命やってきたということはわかっていますし、でなけ
れば大変なことですから、そういう問題でなくお伺いしたいなというふうに思います。
2点目は、今度は要望書の2番目です。対応の方法ですけれども、これも読み上げさせてい
ただきます。本当はこんなことは余り読みたくはないんですけれども、「市当局は地域の相談
に親身に対応してほしい。課によって対応が違う。区で被害状況一覧表にまとめてきても、
「忙しいから」、「国と対応しているから」と聞いてもらえない課があった。地域の苦しんで
いる人たちに何と説明しようかと悩んだ。幸い他の課で親身になって対応してくださったので
助かったが、要望をすべてやってくれるとは思っていない。できなくてもよいから相談に乗っ
てほしい」、こういうのが12日に出されたんですよね、10日間たって。だから解決されて
いないんですよ、12日も。ですからここから本当にねじを巻かなければ本当はいけなかった
んだということを市長にわかってほしいんです。市長が一生懸命動いていたのはわかります。
職員が個々に、それから課ごとにやったのもわかります。全体としてどうだったのか、そうい
う編成が組めたのかということが問われてくるんだろうなというふうに思っているんです。
それはいいとして、最終的に聞きたいのは、今の「親身になって」というところには問題が
2つあると思います。1つは、行政用語にふなれな方々、区長さん、大変失礼ですけれども、
きょうも見えていらっしゃいますけれども、言えば行政には素人ですよね。素人の方にわかる
ような説明ができなければ、ましてや緊急事態で動揺しているわけですよ。動揺して、どうし
たらいいかわからないという状態で相談に来た。恐らく説明はしたんだと思いますよ。説明は
したんだろうけれども、こういうことは、あるいはこういう態度が随所に出た。これは中のこ
とをもう一回点検をしてもらいたい。これが1つです。
それから、それぞれの課が一生懸命やっていただいたというのは評価しているんですよ。だ
けれども、一本化した窓口が、最後に市長も総括していますけれども、一本化できる構造上の
問題がもう一つあったということで、災害対策本部が7月5日に終わっちゃったというのが惜
しくてしようがないなと思っているんですけれども、その辺についてのお考えはいかがでしょ
うか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、私がとにかく何かあると、機会あるごとに応接に建設部長、
経済部長、それから農政課長、さらに建設課長、そして課長の次席等を呼んでは、とにかく十
二分に対応するようにということで申し上げてきました。同時に、たしかどこかで爆破事故が
あったときに、政治にかかわっているある先人の方が、とにかくやり過ぎてもいいぐらいに対
応しなければだめだと言ったことが私の頭の中にかすんでおりまして、とにかく一生懸命親身
になって応接をするようにということは申し上げてきたわけでございます。
そこで、地元の区長さんや関係者の立場から、その対応に、率直なところ真摯に応じてくれ
たかどうかということになると、そこで大変申しわけないことがあったということがこの2番
目に書かれているわけでございますが、その辺のことについては私めが管理者でありますので、
衷心よりおわびを申し上げておきたいと思います。まことに申しわけございませんでした。そ
の辺のところが私めの指導力のなさということになるわけでございまして、まことに申しわけ
なく存じております。
ただ、繰り返し申し上げたいと思いますけれども、そういうことで先頭になって指導・指示
をしてまいりました。同時に、今度はそこの場のところに至っての災害対策本部の解散の問題
でございますけれども、やはり全体の構造の中で、どの辺まで例えばそれを残すべきなのかと
いうことについては、ややその辺についての見きわめがどうであったかということは今反省を
しているところでもございます。
したがいまして、いろいろと教えられた教訓をしっかりと生かして、今後には問題が生じな
いように努力傾注をしてまいりたいと考えております。
◇9番(高柳勝巳君) そこで、災害対策本部ですけれども、一般的・常識的にこういう災害
が起きたときには、今後の方針で、これ以上の災害が見込めないということになれば、2日に
立ち上げて5日に終わるというのが常識になっているんじゃないかなと思うんですよ、判断を
したときに。いろいろな場面を市当局も考えながら解散をしたんだろうというふうに思います。
でも、一般市民は、何かあったときには一元的に解決、対応をしてくれるというところが災害
対策本部だろうというふうに思っているんだと思いますよね。そうすると、実は災害対策本部
に行こうと思ったらもう解散しちゃってて、農政課へ行ってくれ、建設課へ行ってくれ、土木
事務所へ行ってくれ、これをやられたら、本当に相談に来られた方はたまったもんじゃないし、
逆に私は、市の方の弁護をするわけじゃないですけれども、権限を持たない課長、部長が財政
の面まで一切引き受けて、これをやるから大丈夫ですということは、来られた方に答えるべく
権限もないんですよね。こういう構造だから災害対策本部というのをつくる意味、あるいは長
く保っておく意味というのがあったんだろうというふうに私は思っているんですけれども、そ
の辺を踏まえて、市長、どのように思いますか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、常日ごろ、今おっしゃったように、これは本当に私自身が市
長になる前にも何かのときに電話をかけて、「こういうことですが」と言うと「それは何課に
回してください」、そうすると「それは何課に回してください」というようなことを私自身も
経験がありまして、実はそういうご要請があって、自分のうちが仮に特別な所管でなかったと
したら、道案内をいたしますということで、一番最初に訪れた方を他の課にその人間が道案内
をするというような当然親切さと心配りが必要であったと思っております。また、そういうこ
とは日々の課長の行動にも私も強く申し上げているのでありますけれども、先ほど申し上げて
いますように、私の指導力のなさで大変ご迷惑をかけたということについては重ねておわびを
申し上げておきたいと思います。
同時に、災害の本部の関係等については、おっしゃられるとおりある程度の一定の収束を見
るまでは、やはりきちんと対応する必要があるだろうと、そういう意味の窓口の一本化につい
てはまことにもって教えられることは多々ございますので、そういう形の中で今後考えていき
たいと考えております。
◇9番(高柳勝巳君) その次ですけれども、市長が7月2日から本当に全地域まで回ってい
ただいた。回っていただいたんだけれども、現地対策本部は立てなかった。これも結果の判断
なので何とも言えないと思いますけれども、ここに防災計画の中の組織図が書かれているわけ
ですよね。34ページです。災害応急対策計画の中に災害対策本部の組織図があります。災害
対策本部が解散しちゃうというと、防災会議と区長がじかなんですよね、真ん中が抜けちゃう
わけですから。それは大変だと思いますよ。市の防災会議というのは3人、市長と役員の方だ
けですから、ここと対応する、あるいはそれぞれの課と直接区長さんが対応せざるを得ない仕
組みになっちゃうんですよね。だから個人の力量とかを責めているんじゃなくて、体制的にこ
れはどうだったんですかねということをちゃんと反省しないと次に生かせないんじゃないかと
いうことを聞いているんです。市長が口すっぱく指導しているという話はわかりました。です
から、口すっぱくしてすることじゃなくて、仕組みとしてどうなのかということが聞きたいわ
けです。その辺についてはどうだったでしょう。
現地を残してさえおけば、ここに34ページのところにありますけれども、現地災害対策本
部が残るんですよね。そうすれば現地対策本部と区長さんが話ができるんですよ、この構図で
いけばですよ。これは結果ですけれども、それについての考えは、せっかく市長が一日回った
わけですから、だれかを置いてくる、隣にいらっしゃる副市長でも結構ですから、どうしても
そういう一元化した対応が現地にあれば、物理的な時間も精神的な負担も大きくならなくて済
んだんじゃないか、12日にこのような要望書が出なくて済んだんじゃないかと私は思うんで
すけれども、その構造の問題についていかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 今回、いろいろとご指摘をいただいているわけでございまして、き
ちんとした一つの本部等を早急に設けることが大変重要だったなということについては今深く
反省しているところでございます。その場所がサラダパークのところがよかったのか、いや、
また当該地区の至近な区民館がよかったのかということ、あるいはまた、公民館がございます
ので、そういったところがよかったのか、いろいろありますが、いずれにいたしましても、そ
ういったことにつきましては現在反省しているところであります。
◇9番(高柳勝巳君) ぜひ、これは市長が現地に張りついちゃう、あるいは副市長が現地に
張りついちゃうという状態は、市の日常的な業務の中では損失だと思います。ただ、予想もし
得なかった災害、市長も?然としたというぐらいの災害ですから、これはやはり一元的な対応
が図られるように、ましてや把握することすらできなかったわけですよね、今回の災害につい
て。だから現地対策本部、それから対策本部の収束の時期、これはやはりしっかり見直してい
ただきたいなというふうに考えておりますので、ぜひ検討というか、見直しをしていただきた
いなと。1回目の答弁でもそのように答えられていたので、恐らく見直していただけるんだろ
うというふうに期待をしています。
時間もありますので、最後のほうの今後について、先ほど来から幾つかの課題ははっきりし
てきているんだろうなというふうに思いますけれども、幾つかの点について質問したいという
ふうに思います。
まず一つは、日常的な取り組みなんですけれども、先ほど私が披瀝した中身というのは緊急
対策なんですよ。この計画の中には、その前に災害予防計画というのがあるんですね。要する
に平常時にどういうことをしているかということで、地すべりや土石流が来るという場所も地
点が指定されているわけですよね。こういったところはもうわかっているわけです、危ないと
いうところが、この計画の中で。ですからそういったところをこれから優先順位を見直してい
くという作業が当然出てくるんだろうなというふうに思っているんですね。そういったところ
の必要性を、市長、感じていらっしゃるかどうか、まずお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、いろいろなところの危険箇所等については常に把
握をしていかなければなりません。したがいましてそういう意味では、ご案内のとおり最近で
も神奈川等で大変な大雨が降って大きな災害が出ているような状況がありますので、いつ何が
起きるかわからないという実態にありますので、今後そういったことも踏まえてしっかりと状
況把握に努めてまいりたいと考えております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。財政が本当に厳しい中で、いろいろなもの
の優先順位ということが問われているわけです。「あれもこれも」じゃなくて「あれかこれか」
があるわけでして、先ほど市長が答弁したとおり、小田原の酒匂川でもああいう状態が昨日で
きたわけで、予想もできないというのが頻繁に起こる時代になってしまったということを私た
ちは自覚しなくてはいけないなと。おくれちゃって大変申しわけないんですけれども、対策本
部の議会部に私どももいるということの中で、自分の反省も含めて申し上げたいというふうに
つけ加えておきたいなというふうに思います。
次に災害時の、先ほど市長が、どなたか先人が災害が起こったときに発したメッセージの話
をされましたけれども、9・11の災害のときに、ニューヨークのジュリアーノ市長が市民に
向かっていろいろ述べた後に、最後に、ニューヨークはまだここにあるんだと。精神的にいろ
いろショックも受けたけれども、ニューヨークという市はまだここにあって、生活はこれから
も続くんだと。だから私と一緒にまた頑張ろうじゃないかというメッセージが名言として残っ
ているんですね。ですから市長が次の日、一生懸命見回っていただいて、それに似たようなメ
ッセージを出してくれたことは大変ありがたいなというふうに思うんですけれども、全体の体
制です。全体の体制が、この防災計画には万全を期すこととかと抽象的に書いてあるんです。
何をどのように万全なのかが書いていないんですよね、言えば。計画ですからしようがないと
いえばしようがないですけれども、マニュアル等も見直したいということですから、ぜひ見直
してもらいたいんですけれども、具体的でないと通用しないということははっきりしたと思う
んですよ。だれがいつ、何をどのようにしてこういうふうにしたいんですというのがなければ、
災害時には一切通用しなかったということだと私は思っているんです。後で私も読ませてもら
って、これは本当に実際の災害時には全然通用しないなということばかりでした。平常時に考
えた理想論だと思います。ぜひ見直していただきたいんですけれども、先ほどご答弁をいただ
きましたけれども、そのような視点に立って見直す考えがあるか再度お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご指摘されることは極めてもっともなことが多うございまして、な
かなかそういう意味では実態に即した形になっていなかったかなというふうには思っておりま
す。
しかし、市の行政の職員の立場の人間も使命感を持って努力をしてきたということだけはひ
とつご理解いただきたいと思います。
同時に、いろいろとご指摘されている一連の、例えばこういったときにはこういったシミュ
レーションでこういうふうに流れていくんだというようなことは、連絡網等も含めてそういう
ことが大切になってくるのかなというふうなことは十二分に理解できます。したがいまして、
そういったことも踏まえて今後の対応に処していく必要があるのかなというふうに思っており
ます。
◇9番(高柳勝巳君) 職員の対応については、言うまでもなく区長さんからも評価をすると
いう文書もあるわけですから、それは市長ひとり、あるいは職員ひとりを責めるつもりでなく、
体制の問題として考えていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。
それから、メカニズムの問題について1回目で通告をしました。
今回の集中豪雨は本当のところ、今のところ対応はできませんけれども、メカニズムについ
ては気象庁等ではもう若干わかってきていて、積乱雲というのは、1つの積乱雲で30ミリ降
らすと大体しぼんじゃうんだそうです。これが2つ続くと60ミリですから、1つできたとき
は30ミリで注意報、2つできたときは60ミリに達する可能性があるので警報、都市なんか
では50ミリ降るとマンホールが冠水するという構造になっているので注意報と警報という使
い方をしているんだそうです。最近の異常気象の中では、バックビルディングというので、1
つの積乱雲の後ろからどんどんどんどん積乱雲が生まれてくる構造になっているんだそうです。
ですから2つになるのか、3つになるのか、4つになるのかわからない。それが気候上ではラ
インになって出るので、筋ができるような状態になるのだそうです。ただ、紛れもなく言える
ということは、30になったらそういうことです、50になったらマンホールがいっぱいにな
る可能性があるんですよという情報をどう流すかということがこれからは多分問われてくるん
だろうなと思っています。
幾つかそういう視点で調べてみたところ、どこかの県が具体的に注意報が出たらこういうふ
うにしてくださいという「家庭用防災ハンドブック」というのを、豪雨だけじゃなくてすべて
のが出ているんです。こういうことが起こり得るのでこういうふうにしてくださいと書かれて
いるのがあるんですね。今回の時点ではそれはやむを得なかったです。情報も入らなかったと。
ただ、今後はもっともっと予測がついてくるんだろうなというふうに思っていますので、そう
いう状態に対する家庭用、個々人に対する啓発とか具体的な指導についての考え方はいかがで
しょう。
◇市長(星野已喜雄君) とにかく安全・安心ということが大きな課題になっておりますから、
そのためにできることは、生命にかかわることになっておりますので、精力的にとらまえてい
かなければならないと考えております。
今回、いろいろと反省することをきちんといたしまして、そして今後の対応に処していくと
きに、今言う家庭用防災ハンドブックが有効に生きるとすれば、これは今後の沼田市民の安全
・安心のために有効活用すべく検討を加えていく必要があるのではないかというふうに考えて
おります。
◇議長(布施辰二郎君) 一般質問中でありますが、本日の会議時間は、議事の都合によりあ
らかじめこれを延長いたします。
◇9番(高柳勝巳君) 延長していただきまして、ありがとうございます。
1項めの最後になりますけれども、不肖私も、災害の対策についていろいろ調べさせていた
だきました。これは総務部長の方にも渡させていただきましたけれども、人と防災未来センタ
ーというところが「災害対応の10の要諦」というのをまとめました、平成19年。それから
さらに、そこが研究しているところで「防災における機能とマネジメント」というのも出てお
りまして、災害対応のリーダーが被災者に向けて対応するメッセージと、全部具体的になって
おりますので、ぜひ参考にして、今回の災害が次に生きるということを心より願って次の質問
に移りたいというふうに思います。
2番目は、生活保護者の問題になります。これも関連性がありますので、1番から3番まで
は順が一緒になってしまうかもしれませんが、お伺いしたいなというふうに思います。
1つ目は確認でございます。65歳以下の方が就労等の関係で急増の中心をなしているとい
うお話でしたけれども、それでよろしいかどうか確認したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長から答弁をいたさせます。
◇民生部長(田辺昇利君) それでは、命によりお答えさせていただきます。
今回21年度の末から22年度末までですけれども、19歳から64歳の方の申請になりま
すと約19人程度の増ということであります。以上であります。
◇9番(高柳勝巳君) ということは、割合的に多いということで理解してよろしいわけです
ね。
では、それに基づきまして次の質問をさせていただきたいんですけれども、私の前の同僚議
員からも景気、それから雇用情勢等についても若干触れられておりますけれども、生活保護と
いうのは一般的に、余り仕事をしたがらない人がこういう状態になっていくんじゃないかとい
う先入観があろうかと思いますけれども、生活保護というのは、おとといもNHKで「無縁社
会」というので特番が組まれましたし、民放でも最近はそういったことを多く取り上げており
ますけれども、病気、けが、失職、離婚という状態でそれまでもぎりぎりでしたから、一つ歯
車が狂うとだれもが起こり得る可能性をもう帯びてきている。最初に述べましたとおり保護世
帯の倍、潜在的には生活保護を受けなくてはいけない世帯があるということなんですよ。です
からまず、だれもが起こり得るんですよということを市長、強く認識をして今後に当たってい
ただきたいんですけれども、その辺の認識についてまずお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変厳しい社会状況になって、しかも先ほどの同僚議員のご質問に
もお答えしましたように、高齢社会がどんどん進んでいると、しかも独居老人もふえているだ
ろうというようなことを踏まえると、今後こういった状況がどうしてもふえる傾向にあるので
はないかと思っています。そういったことを地域で支え合っていくということが大変重要な福
祉構築のポイントになっておりますので、きちんとした対応が望まれるのではないかと思って
おります。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。
今度、窓口の対応というか、申請の関係ですけれども、1つは、相談や申請がふえてきてい
ますという1回目のご答弁でした。申請がふえているんじゃなくて、相談や申請ということは、
相談をしたけれども申請にならなかった、しなかったというケースもあるのかなというふうに
ちょっと不安を覚えるんですけれども、相談をした結果しなかった人というのはどういう状態
になっているのか、もう一回お伺いしたいんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長から答弁をいたさせます。
◇民生部長(田辺昇利君) 何件か相談とかがあるわけですけれども、民生委員さんなりに相
談をされて、相談の窓口に見えるわけですけれども、その都度、全員が申請を出すわけではな
くて、扶養者の方とかそういう方の相談を受けるとか、そういう形で相談を受けております。
ですから本当に生活保護が必要だとなるとすれば、それはもう申請を受ける形をとっておりま
すので、その辺の心配はないと思います。
◇9番(高柳勝巳君) 少し安心をしましたけれども、1回目でもお話ししましたけれども、
北九州市では、申請そのものを少なくすればお金がかからなくて済むので、「住所がない人は
受け付けられません」、「財産が一つもなくなったら来てください」、それから「お車をお持
ちでしょう」と言ってそもそも受けないというのが水際作戦と呼ばれているものなんです。で
すからそこいら辺がちゃんと、本当に生活保護法にのっとってやっていただきたいなというこ
とと。
今、民生委員さんとおっしゃいました。これは毎日、生活保護だけじゃなくてひとり暮らし
の高齢者の方々とか本当に大変な仕事をしていると思いますけれども、生活保護法という複雑
な、3月31日の厚生労働省から出た「Q&Aの対応について」というのだけでもこんなに厚
いんですね。生活保護法そのものとか細則を含めれば恐らく読むのが嫌になるぐらい細かいと
思うんですよ。そういったところ、熟知まではいかないまでも、民生委員さんが本当にそこの
ところを理解して、一緒に行きましょうという話につながっているかどうか若干心配なんです
けれども、その辺はいかがでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 民生委員さんは本当に、私は人格的にも立派な方がほとんど、すべ
てであると言っても過言ではないと思っております。と申しますのは、自薦というより周りか
らご推挙された形の中で、ボランティアの精神に基づいて使命感を持って頑張っていただいて
いると思っております。ここのところに来て、よくマスコミでも民生委員のことが出ておりま
すけれども、本当に行政の立場からすると頭の下がる思いでございます。
したがいまして、そこのところはきちんと民生委員さんを信頼し、そして尊敬して対応を図
っていくということが円滑にいく筋道だと思っておりますので、少なくとも沼田市の民生委員
さんにおかれましては、常日ごろ大変尊敬を申し上げているということでご理解いただきたい
と思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 尊敬の念を持って対応していきたいというのは、私も全く同感でござ
います。
ただ、民生委員さんも一市民でありまして、特権をいただいているわけでもありません。例
えば今、問題になっている虐待等でも、特権が与えられていないがために「何度も行ったけれ
ども入り口で帰ってきました」、「電話はしましたけれども、いませんでした」というような
こともあるわけです。ですから本当は権限を持った人がやり切れば一番いい話なんですよね。
それが足らないがためにそういう方々にも依存せざるを得なくなって、いろいろな事故や事件
が最終的には起こる可能性もあるという心配を言ったわけです。その辺について、尊敬の念と
は別に、市長、どうお考えかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 権限をお持ちの方がそういった微細なところまで対応できればとい
うことのお話だったと受けとめましたが、当然それはしかるべきところでもって対応ができれ
ば一番いいわけだと思いますけれども、私の承知している範囲では、結構日常生活の中で民生
委員さんが地域の中のことをよく掌握しておりまして、民生委員さんに頼る場合が多々ありま
す。しかし議員ご指摘のとおり、しかるべき責任ある立場の方が現実に応対ができれば一番い
いのではないかと思っております。
ただこれも、また前段の同僚議員のご質問のところにも触れられたように、最近のいろいろ
な法制度の中で一定の限界等もあって非常に難しい諸状況にあることもこれまた事実でござい
まして、そういう意味では非常に神経を使った対応が大変重要になってくるかなというふうに
思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 市長が答弁されたとおり、今までの法制度や何かではもう対応し切れ
ないようないろいろな事案がそろそろ出始めているという危機意識は全く同感なので、そうい
う点で今後に処していただきたいなというふうに思います。
1回目の答弁ですけれども、今度はケースワーカーのお話を若干させてもらいたいんですけ
れども、ケースワーカーは80人に1人という努力義務、目安に法律が変わりました。マスコ
ミ等でも多く取り上げて、ケースワーカーが訪問活動や事務作業に辟易している自治体が多く
なってきている。その一方で生活保護費は急増しているということなわけです。そういう中で
市が英断をしてケースワーカーを1人ふやしていただいた、これは非常にありがたいことです
し、現場の皆さんにとっても励みになるんだろうなというふうに推測はするわけですけれども、
まだまだ1人で、本当に相談員足るだけの人数になっているというふうには私自身は思ってい
ないんですけれども、1名増員した経過と今後への考えを市長、お伺いできればと思うんです。
◇市長(星野已喜雄君) 福祉ニーズの関係については、年々歳々ふえる傾向にあることはも
う既にご案内のとおりでございまして、そのために私どももできることはさせていただいてい
るという経過がございます。
先ほど言う微細なところについては、民生部長の方から答弁をさせていただきたいと存じま
す。
◇民生部長(田辺昇利君) 1名増につきましては、近ごろ生活保護の世帯がふえていること
によりまして1名増をしたという経過がございます。議員さんがおっしゃったとおり80名と
いう一応の義務の中で、今回、平成21年度の3月末には191世帯ということですので、そ
れに合わせるような形で増員をしている経過がございます。
◇9番(高柳勝巳君) 義務から目安、目標とされる中で、よく英断をしていただいたと、ま
ず、これについては本当に敬意を表したいなと思いますし、ケースワーカーの皆さんの労働条
件の緩和に少しでも役立てばと思います。
私は視点として、これを考えるときに、リスクとしてとらえるんじゃなくて、この方々が本
当に相談に乗りこの制度が基準に乗れば、余分なお金を出さなくて済みますし、少ないながら
も税金を使う側から納税をしていただける方々になるわけなんですよ。そういうふうに考えれ
ば、その人がちゃんと、最後に市長が答弁してくれましたけれども、就労につける方が就労に
つながれば、そのコストなんていうのは安いものなんですよね。そういう観点で本当に増員を
していただいたというふうに理解をしていますので、ぜひ今後もそういう観点でケースワーカ
ーの状態あるいは生活保護にかかわる人たちに目を向けていただきたいなというふうに考えて
います。
それでは、次に行きます。
生活保護というのは、本当に私も読んでびっくりするぐらいいろいろなところに関連される
んですね。病院しかり、介護施設しかり、それからハローワークももちろんそうでしょうし、
すべてのところが関連してまいります。一番多く連携するという点では、介護施設だとか病院
等と連携をしたり連絡をとったりという場面が多々あろうかと思いますけれども、その辺の実
態がどうなっているのかご披瀝いただければと思います。
◇民生部長(田辺昇利君) 介護、その他の病院につきましては、それぞれのケースワーカー
が個人個人との面接により対応する形をとっております。
◇9番(高柳勝巳君) 確認ですけれども、要保護者と対面でということで、そこの病院の方
とかケアマネさんとか、そういう方とはしていないということでよろしいですか。
◇民生部長(田辺昇利君) そのとおり、今ケースワーカーとかお医者さんとかとの確認をし
ながら対応しているのが現状であります。
◇9番(高柳勝巳君) よかったです。お医者さんや担当者ともお話をしているということで
す。
何でそれを聞いたかというと、これも嫌な話ですけれども、最近は貧困ビジネスというのが
横行していまして、例えば「クローズアップ現代」で取り上げられましたけれども、「貧困狙
う闇の病院」という特集がありました。これはまだ確定は、最高裁まで行ってしていませんけ
れども、奈良県の山本病院が、行路病人という路上で倒れられた方が急迫保護ですから、一も
二もなく病院へ行って検査・点検をするわけです。これは本人でしたら、家族や何かからお金
がかかると大変だとクレームがつきますけれども、生活保護になりますから、国の基準である
程度幾らやってもお金は保障があるんです。ですから病院をたらい回しになったあげくに亡く
なることがあるという、こういうケースなんです。ですから連携というだけでは済まない、本
当にしっかりしたつながりを持たないとこういうケースがあり得るということなんです。それ
についての対策というか考え方があれば、市長、お考えいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でありまして、つまるところ私は、こういうことは
最終的には個々の人格によるところが大だなと思っておりますので、そういう意味ではマンパ
ワーというんですか、その人の力量に期待するところが大なのでありますが、こういったとこ
ろについて私どもが現在まだ直面している状況ではないので、今後、関係のところからいろい
ろと勉強させていただきまして、そして遺憾なきよう対応を図れるように努力をしてまいりた
いと考えております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
くどいようですけれども、9月3日付の新聞だったと思いますけれども、向精神薬といって
精神安定剤だと思うんですけれども、これらの使用の7割が不適切という指摘を厚生労働省が
した。つまり薬をたくさん上げちゃうんです、生活保護の方には。ということなんですよ。7
割が構造上多く出していますよという指示をされたということですから、構造上はそういうこ
とになっているので、本当に構造まで突っ込んでいかないと、市単独で削減には向けていかな
いし、本当に必要な人にはちゃんと上げていただきたい仕組みにするためには、ケースワーカ
ーさんだけじゃなくて生活保護査察指導員でしたか、そういったところも含めて監査チェック
体制をちゃんとしないと、こういったところが見落とされるんです。見落とされるだろうから
やるんですね。これは悲しいことなんですけれども、やっぱり行政というのはそういうすき間
があるなというふうに思われるので、滝川市なんかでも2億円もタクシー代を使ったことが本
当にあったということなんですね。そういったところ、ぜひ体制として、ケースワーカーだけ
じゃなくて生活保護全体、あるいは民生部としてちゃんととらえていただきたいなというふう
に思うんですけれども、その辺について再度ご答弁いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変貴重なご提言をいただきまして、ありがとうございました。
民生部長もしっかりと受けとめておると思います。そういった非常に想像のつかないような
ことがあるんだなということを今議員のご発言で受けとめさせていただきました。私どももで
きるだけそういった事態が起こらないように職員のきちんとした対応をまた促してまいりたい
と考えております。
◇9番(高柳勝巳君) ぜひそういうふうにしていただきたいのと、私はこれが最前線なんだ
ろうなというふうに思っているんです、ある意味。前は経済が前線に出ましたけれども、こう
いったところを手当てしていくことから、まちのみんながだんだん明るくなってくるというこ
となので、リーディングの部だというところで考えていただきたいなということを改めて申し
上げたいのと、例のたまゆらの事件もこれに関連する同じような構造の中で起こった事件だと
いうことで、これは東京新聞が連載をしました。最後に施設長が謝罪をしていたところの横で、
私たちはここがなかったら路上で野たれ死んでいたんだと。無料宿泊施設、どこの施設にも当
てはまらないNPO法人が運営をせざるを得なかった。五十何人のうちの80%が生活保護だ
った。東京都の杉並区も相当いたというのが構造上あるというところにメスを入れていかない
と、この問題というのは解決しないんだろうなというふうに思います。
もうあと2分ですから、最後の今後に向けてということなんですけれども、1つは、生活保
護の中で、あるシングルマザーの話を読みました。シングルマザーが病気で、一時生活保護を
受けていました。病気が治って、再起して仕事を始めましたけれども、2つ3つ仕事をしない
とパートや派遣という中では生活費が賄えないので、一生懸命働いたら体を壊してまた生活保
護になったと、こういうことなんですよ。ですから生活保護以下の生活を今の実生活で余儀な
くされている方々がいるということなんですよね。私は市長に、だから最後に難しい質問にな
りますがというふうに答えたんですけれども、社会全体がそういうふうにしちゃったんですね。
企業が悪いんじゃないかという一面もありますけれども、そうせざるを得ない構造になってい
るんであれば、社会全体でとらえなければいけないというふうに私は思っているんです。よく
なればそういう問題はなくなっていくわけですから、あの人の努力の足りなさだとか運が悪か
ったとかじゃなくて、構造上、直していかなければいけないなというふうに私は思っているん
ですけれども、その辺の考え方について、市長、お伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しいご質問、あるいはまたご意見でありました。
私どもが想像つかないようなことがテレビ等で報道されたり、あるいはまた新聞で出てきた
りして、非常に驚くのでありますけれども、議員はそういったことがだれかれじゃなくて、総
体的な社会の仕組みの中で考えていくべきじゃなかろうかというふうなご発言だったと受けと
めさせていただきました。真摯に耳を傾けさせていただきまして、そういったことからどうし
たらそういったことが起こり得なかったのかというようなこと、あるいは起こり得ないように
するためにはどうしたらいいのかというようなことを行政の立場から一生懸命努力をしていか
なければいけないというふうに受けとめさせていただいたところであります。
◇9番(高柳勝巳君) 最後、市長、今回2つ質問をさせてもらいましたけれども、災害とか
生活保護、これはすき間がどこに一番あったかというと、今まで効率がよかった縦割り、セク
ショナリズムなんですよ。災害も来たときには今度一斉に総体で対応しなければいけないし、
今の生活保護の問題も総体で対応しなければいけないと思っています。そういう意味では、そ
ういう考え方を今後、地域福祉計画の中に生かしていければというふうに私は思ってますが、
最後にその辺についてのお考えをお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。お世話になり
ました。
◇市長(星野已喜雄君) ご意見を承って、地域福祉計画の関係等についてはいろいろと配慮
ができるならば対応をしっかりとさせていただきたいと存じております。
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第2 延 会
◇議長(布施辰二郎君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(布施辰二郎君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決
しました。
本日はこれにて延会いたします。
次の会議は13日午前10時に開きますからご参集願います。
本日は大変ご苦労さまでございました。
午後5時14分延会
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