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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成22年第5回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号

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平成22年第5回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号
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議事日程 第2号
平成22年12月9日(木曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
        ―――――――――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
        ―――――――――――――――――――――――――――――
出席議員(26人)
       1番  真下 恭嗣君      2番  田村喜久子君
       3番  坂庭 直治君      4番  石井 紘一君
       5番  鈴木 圭子君      6番  金子 一弥君
       7番  小野 要二君      8番  星野 初男君
       9番  高柳 勝巳君     10番  布施辰二郎君
      11番  片野 彦一君     12番  宇敷 和也君
      13番  相田 昌夫君     14番  久保 健二君
      15番  星野  稔君     16番  大島 崇行君
       17番  山ア 義朗君     18番  大竹 政雄君
      19番  井之川博幸君     20番  大東 宣之君
      21番  橋 襄典君     22番  石田 宇平君
      23番  星川嘉一郎君     24番  牧野 保好君
      25番  星野佐善太君     27番  金井 康夫君
欠席議員(なし)
        ―――――――――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
    市  長         星野已喜雄君    副 市 長         林  義夫君
    白沢町振興局長      根岸 恒雄君  利根町振興局長    郷原 重雄君
  総務部長       町田 哲男君  民生部長       田辺 昇利君
  経済部長       飯田 敏夫君  建設部長       須藤 一夫君
  街なか対策部長    生方 秀二君  白沢町振興局次長   木暮  茂君
  利根町振興局次長   山口 芳久君  総務課長       栃原 豊彦君
  会計管理者兼会計局長 中村 浩二君  教 育 長       津久井 勲君
  教育部長       水田  修君  庶務課長       金子  朗君
  監査委員事務局長   茂木 一夫君
            ―――――――――――――――――――――――――――――
議会事務局出席者
  事務局長       小林有一郎   次長兼庶務係長    諸田  裕
  議事係長       加藤 英臣   主  査       安原 和宏
        ――――――――――――――◇――――――――――――――
    午前10時開議
◇議長(布施辰二郎君) これより本日の会議を開きます。
        ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第1 一般質問
◇議長(布施辰二郎君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、金井康夫議員。27番。
〔27番 金井康夫君登壇〕
◇27番(金井康夫君) 皆さん、おはようございます。本日は師走ということでございまし
て大変お忙しい中、多くの傍聴者の方々にお越しいただきまして、まことにありがとうござい
ます。
 きょうは、そちらのボードにも書かれておりますが、市議会議員26名出席ということでご
ざいます。日ごろ、この議員の思いというものは一つでありまして、沼田市がいかにしてよく
なるのかということを日々思いながら議員活動をしていると思います。どうか、市長、当局に
おかれましては、沼田市がどうなったらよくなるのかということを念頭に置いていただいて、
誠実なるご答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、早速でございますが、皆さんのお手元のとおり通告してありますが一般質問に入
らせていただきたいと思います。
 今回の一般質問におきましては、大きく分けて4点であります。
 まず最初に、沼高・沼女統廃合についてであります。
 こちらにつきましては、平成17年県立高校再編計画の一環として統合計画が発表されまし
たが、その後のあり方について沼田市教育長の所見についてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、TPPについてでありますが、国内の農業等は壊滅的な打撃を受ける可能性があると
言われております。実施されると本地域、特にこの利根沼田地域の影響額、どのように想定し
ているのかお聞かせいただきたいと思います。
 それから、こちらにつきましては二律背反的な感じがするんですけども、TPPの参加によ
って国内の経済発展、こちらが可能性も言われているわけでございますが、市長のご見解につ
いてお聞かせいただきたいと思います。
 3点目に、沼田沼須産業団地についてでありますが、こちらにつきましては群馬県企業局と
沼田市で取り交わされた企業誘致の確認書が執行された場合、残された誘致期間と誘致できな
い場合の沼田市の負担額は幾らになるのか、こちらについてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、計画段階で沼須産業団地、企業局の責任は明らかであるわけでございますが、確認書
の撤回を求めるべきだと思いますが、市長の見解についてお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、振興局制度についてでありますが、議会側からの議員提案後の当局の検討結果につ
いてお聞かせいただきたいと思います。
 以上でございます。よろしくご答弁をお願い申し上げます。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 沼田市政について、沼高・沼女統廃合につきましては、後ほど教育長から答弁申し上げます
ので、沼田市政について、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)についてからお答えを申し
上げたいと思います。
 まず、国内の農業等は壊滅的な打撃を受ける可能性があると言われる中、実施されると本地
域の影響額をどのように想定しているのかについてでありますが、影響額につきましては、平
成19年2月の農林水産省資料「国境措置を撤廃した場合の国内農業への影響(試算)」によ
り推計を行いました。
 直近の沼田市農産物産出額を当てはめてみますと、内外価格差が大きく、外国産と置きかわ
ると見込まれる品目の主なものといたしまして、こんにゃくがマイナス90%で約8億1,0
00万円の減額、生乳がマイナス88%で約7億8,000万円の減額、牛肉がマイナス79
%で約2億2,000万円の減額、豚肉がマイナス70%で約1億7,000万円の減額にな
ると推計しております。
 また、米につきましても、農家の自家消費分や一部のこだわり米への需要等を残して、ほと
んどが外国産に置きかわると見込まれており、マイナス90%で約7億1,000万円の減額
になると推計をしております。
 市全体で見ますと、農業総産出額91億3,000万円の約42%に相当する、38億3,
000万円が減少するものと推計をしております。
 次に、TPP参加によって国内の経済発展の可能性も言われているが、市長の見解について
でありますが、内閣府では、日本がセンシティブ分野を含め100%の自由化としてTPPに
参加した場合には、実質GDP換算で2.4兆円から3.2兆円の増加が見込まれると試算し
ており、同時にEU及び中国との経済連携協定が締結された場合には、6.1兆円から6.9
兆円の増加を見込んでおり、これらが実現せず韓国が先行した場合には、0.6兆円から0.
7兆円の損失が見込まれると試算をしております。
 経済界を中心に、TPPへの参加が不可欠であるとの意見が出されており、我が国の主要輸
出産品である自動車や電機の輸出増による国内経済の牽引効果、さらには、関税障壁を理由と
して海外への移転を計画している企業が国内にとどまることによる雇用の確保などが期待され
ると考えておりますが、政府におきましても、11月9日に「包括的経済連携に関する基本方
針」によりTPP関係国との協議を開始すると決定した後に、前提として農業対策の検討が必
要との判断から、11月30日に「食と農林漁業の再生推進本部」の初会議を持ったところで
あり、市といたしましても、今後の動向を慎重に見きわめてまいりたいと考えております。
 次に、沼田沼須産業団地について、群馬県企業局と沼田市で取り交わされた企業誘致の確認
書が執行された場合、残された誘致期間と誘致できない場合、沼田市の負担額はについてであ
りますが、確認書は、沼須産業団地造成事業を企業局において事業化するに当たって取り交わ
したものであり、平成20年12月1日の分譲開始から約2年が経過したところでありますが、
おおむね5年を経過した時点で、企業局が市に対して資産額での買い取りを要請することがで
きるとしているものであります。
 現在、企業局におきましては、本地域の特性を生かし、沼須産業団地への企業誘致に取り組
んでいただいておりますが、市といたしましても、県内・市内の企業訪問を通して情報収集を
行い、企業局との連携のもと、積極的に誘致活動に努めているところであります。
 次に、計画段階での企業局の責任は明らかであり、確認書の撤回を求めるべきだと思うが、
市長の見解についてでありますが、県営畑地帯総合整備事業により創設された非農用地につい
て、当初、企業局による住宅団地が計画されておりましたが、住宅需要が見込めないなどの理
由から住宅団地事業からの撤退が表明されました。
 その後、企業局、県農業局及び市の三者において、非農用地の利活用について検討を重ねる
中で、本市における企業集積を高め、税収増加や雇用創出など、地域経済への効果が見込まれ
ることから、企業局において産業団地として整備することとなり、本市といたしましても産業
団地の円滑な整備と企業誘致に努めてきたところであります。
 次に、振興局制度について、議会側からの議員提案後の当局の検討結果についてであります
が、11月29日の全員協議会においてご説明申し上げましたとおりであります。
 次期振興局長の任期に向けて、地域協議会を初め関係者のご意見を伺いながら、両振興局長
と再三にわたる議論を含め内部で協議を行ってまいりました。
 今後の振興局長制度については、次の4点を基本として、地域自治区体制を推進するととも
に、沼田市としての一体感の醸成に努めてまいりたいと考えております。
 第1に、合併協議書については、合併の趣旨を尊重し、形式・内容を変更しないこと。
 第2に、振興局長は、協定書の期間内において特別職の振興局長として存続させること。
 第3は、振興局長の給料額を年額において部長級相当額とすること。
 第4は、両振興局の組織機構改革として、平成23年4月1日から次長制度を廃止するもの
であります。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、沼高・沼女
統廃合につきましては、教育長から答弁を申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(布施辰二郎君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 金井議員のご質問にお答え申し上げます。
 沼田市政について、沼高・沼女統廃合について、平成17年、県立高校再編計画の一環とし
て統合計画が発表されたが、その後のあり方について沼田市教育長の所見を問うについてであ
りますが、群馬県教育委員会において、平成17年3月に、平成19年度から平成21年度ま
での3カ年にわたる高校再編整備の「中期計画」が策定されました。その中に、平成21年度
において、沼田高校、沼田女子高校を統合するという計画が提起され、翌18年度には、利根
沼田地区の教育界を初め各界の代表者を対象にした「沼田地区新高校開設準備に係る懇談会」
が3回開催されるなどの経過の中で、沼田高校、沼田女子高校の統合については、統合時期に
こだわらず、引き続き協議・検討を進めていくという県の方針が示されました。さらに、平成
21年7月に「群馬県高校教育改革検討委員会」が新たに設置され、平成22年3月には検討
委員会より「群馬における今後の県立高校の在り方について」の報告書が出されたところであ
ります。
 沼田高校、沼田女子高校は、群馬県が設置し、群馬県教育委員会が所管する学校ではありま
すが、県下有数の長い歴史と伝統を持ち、利根沼田地区の高校教育の中核校として多くの実績
を積み重ねてきた、地域に根差した高校であります。したがいまして、地域の教育のみならず、
経済・文化振興等の面からも、その役割や影響については、極めて大きなものがあると考えて
おります。そうした意味からも、教育内容や施設・設備を初め、他地域に比較してもより充実
した高校であることが、利根沼田地域全体の願いでもあると考えております。
 今後も情報収集等、研究を進めつつ地域の高校をどのように育てていくのが望ましいのか、
市民の皆さんと一緒に真剣に考え、見守っていきたいと考えております。
 以上申し上げまして、金井議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇27番(金井康夫君) それでは、再質問に入らせていただきたいと思います。
 いつも市長に対して再質問するんですが、せっかくの機会でありますので、教育長にまず最
初、再質問させていただきたいと思います。
 先ほどの教育長のご答弁で、今までの時系列について説明いただきまして大体流れはわかっ
たわけです。きょうも多くの傍聴者、特に沼高、沼女のOB、OGの方々も出席していただい
ているわけでございますが、今回のこの沼高、沼女統廃合問題がこれだけ大きくなった、反対
署名、かなりの人数だったんですね。これだけ大きくなった理由というものを沼田市の教育分
野のトップである教育長、どのような認識でおられるのかどうか、そちらについてお聞かせい
ただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。これは同窓会等を中心として署名活動が展
開され1万9,000ほどの署名が集まったと聞いております。これは実際利根沼田の人口約
9万人、さらにその有権者といいますか、というレベルを考えれば、かなりの数だというふう
に認識しております。
 いろいろ議論のある中で、大きく一つは、やはり先ほど答弁申し上げたとおり、当地域にお
いて沼高、沼女がどういう位置を、また実績を重ねてきた学校であるかということの一つのあ
らわれではないかと思います。
 それから、直接的な引き金になったのは、地域住民の意向等を十分聞かないままに突然、実
際には内部では検討されていたわけですが、突然新聞、当時、「上毛新聞」の1面トップだと
思いますが、そういう利根沼田にとっては大変大きな問題が、市民の皆さんから言わせますと、
突然1面トップで知らされたということが実際には直接的な引き金だったんではないかと。先
ほど申し上げました本質的には大変伝統のある、実績のある学校であるということに対する県
の考え方が示されたということではないかと思っております。唐突な県の提言だったというこ
とではなかったかと思います。以上です。
◇27番(金井康夫君) 教育長のご答弁のとおり、今回1万9,000名の署名があった。
私も議員活動、今、16年目になっておりますが、これほどの署名があったのは、滝坂エレベ
ーター以上なんです。滝坂エレベーターのとき、特別委員長だったんです。1万7,000人
だったんです。これも沼田市をひっくり返すような騒ぎだったんですね。毎回、議会が荒れて
いたんです。ですが、それ以上の署名が今回あったんです。
 先ほどの教育長のお話ですと、突然、青天のへきれき的にこのようなことが新聞報道になっ
たんですね。当時の新聞報道を振り返りますと、09年度には伝統の沼田高校、沼田女子高校
が統合して男女共学の新設を設置すると。学校名は公募として現在の沼田高校の校舎を活用す
るという方向で、1学年8学級、全校生徒960人を見込むということが報道されたんですね。
これが平成17年の計画ということで、教育長、沼田市の教育に携わる人間として、トップと
してどのような認識だということで質問させていただいたわけでございますが、教育長は就任
されたのが平成17年なわけなんです。平成17年以前は県の中枢にいた方なんですね。そう
いう立場で今回の沼田高校、沼田女子高校の統廃合の問題については、全然聞いていなかった
のかどうか、そちらについてもお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 再質問にお答え申し上げます。ご案内のとおり、各種計画等が県
で次々と打ち出されている中で、実際には高校改革、実質踏み込んだのは平成15年度からと。
13年度に、「21世紀に求められる群馬の高校教育」ということで報告書が策定委から答申
が出されたということが大きな流れの発端でありました。そして、15年度は、地元でいきま
すと、尾瀬高校の連携型の一貫校、16年度は新たに大きな学校を設置するということで県内
初めての中央高校改編による中央中等教育学校の設置、17年度は、文字どおり統合という形
で藤岡、藤女の統合による藤岡中央高校、それから、18年度は安中高校、安中実業高校、松
井田高校の統合による安中総合学園ということでしたが、18年度は実は、これも新聞報道等
でご案内かと思いますが、松井田地区の猛反対を受けまして、当時は内田町長さんだったと思
いますが、岩井 均県議さん初め先頭に立って住民の何十%ですか、1万数千、当時、松井田
町の人口は何人だったかですが、そういうことで松井田高校はそれじゃ外しましょうというの
で安中実業と安中高校の統合によって安中総合学園が設置されたという経緯があります。その
後、平成17年度において、いわゆる「高校教育改革の中期計画」というのが提示されました。
それは19年以降、19年度、20年度、21年度ということで、19年度は大胡にありまし
た通称前東商と呼んでいますが前橋東商業高等学校、それと前橋商業高校の統合、編入合併と
いいますか、前橋商業に前橋東商業が編入されたような形での、県では統合と言っております
が、前橋商業は8学級のままの統合ですから実質は編入ということだと思います。その後、中
期計画の第2段で太田東高校の単位制高校への移行、それと次の年の中期計画の三つ目で21
年度に沼高、沼女の統合ということが既に17年3月末においては提示されていたわけであり
ます。
 そうすると、実際には私も含めて、新聞報道もありましたし、報告書も冊子として出されて
おりましたので一応公表されておったということですから、一般的には沼田市民も知り得たと
いうことでありますが、簡単に申し上げれば、県の説明や発信が弱かったということだと思い
ます。
 ですから、17年3月時点においては、もう既に中期計画は提示されていたということであ
ります。そういうことでありますので、県として全然内部的に検討しない、または公的な専門
の人たちを依頼して検討委員会等もつくって正式な報告書も出したということでありますから、
これは県民に一応一般論としては周知されたということでありますが、実質利根沼田の人たち、
一般県民も含めてよくその内容は知らなかったというのが事実だったんではないかと、そんな
ふうに思っております。以上です。
◇27番(金井康夫君) 先ほどの教育長のご答弁ですと、県としても周知は行ったんだと。
そのような中で周知力は弱かったというようなことは反省点で述べられたわけですが、私が聞
きたかったのは、当時平成17年以前は沼田市の津久井教育長は、県の中枢の教育の立場、県
教委の関係にいたわけなんです。ですから、そういう立場で今回の沼高、沼女統廃合の問題に
ついては十分ご認識であったのかどうかということをお聞きしたわけなんです。先ほどそうい
うご答弁で、そちらについてもまたお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど、教育長の方でいみじくも前東商の関係出たんですが、今、前東商と前商合併したん
ですが見てのとおりです。前東商は何も使わないで利用どうしようかと今、非常に困っている
んです、県の教育委員会も。ですから、そういうようなことで見切り発車した結果というのも
今、県内でも幾つかわかって事例があるんです。ですから、そういうところの反省の点に返っ
て教育長自身、どのように考えているのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答え申し上げます。前段の質問の答弁を落としまして恐縮でご
ざいます。当時、かかわった者の認識としてはということですが、第1回目の平成13年度、
12年度ごろは、今で言うと義務教育課長相当の職におりました。当時は高校と義務が一緒の
学校指導課ということでしたので、その中で私が義務教育の方の統括をさせていただいたとい
うことであります。ですから、当然、高校教育とは同じ課でいたわけですが、もうその時点で
は検討は進んで最初の報告書が提示されたと。ただ、その間には17年度の3月時点は総合教
育センターでの最終の年度でしたので、これは出された時点ということであります。直接、間
接、正直申し上げましてちょうど合間合間に県庁に入ったので直接その文言をいじるとか、そ
ういう立場にはありませんでした。報告書が出されたものを見たと、また報告書を叩いている
ときにほかのところに転出したとか、そういう節目でのかかわりでしたので、直接ペンをなめ
て、鉛筆なめてということはありませんでした。
 しかし、いずれにしてもポジションとしてはかかわったわけでありますが、これは公的なと
いうか、第三者委員会的な委員会を設けてのいろいろな議論の末でのことでありましたから、
そういう方向でいくのかなという考え方ではおりました。ただ、個人的な見解もありますが、
組織の一員としてはいろいろ意見を申し上げましたが大きな方向としては変わらなかったとい
うことが事実であります。
 それから、前東商の件が出ましたが、統合も私はよく市町村合併と頭に置きかえて同じよう
に考えているわけですが、結構似たところがありますので考えておるわけでありますが、なか
なかなじむまでには、よく議会では一体感という言葉がよく出てきて聞かせていただいており
ますが、一体感を醸成していくというためにはそれ相当の年数がかかっていくということだと
思います。
 私が直接かかわったことを今思い出しましたので、実は直接かかわったのは、伊勢崎東高校
と境高校の統合の最終の同窓会との話し合い、教育委員会の幹部と地元の県議さん同席のもと
で同窓会を中心とした説明会というか、懇談会が境高校で行われました。これらのときも非常
に難しい問題がありまして、境高校はもともとが女子の学校だったという流れがありまして、
本当にせつない思いで、特に同窓会のリーダーの方ですからかなりの年齢になっていましたが、
本当に涙を流さんばかりに訴えるその姿を見たときに、非常にせつないというか、何とも言え
ない思いで同席をさせていただきました。ただ、その後、現実の問題としては、現在いろいろ
聞いてみますと、うまくいっている、非常にいい学校になったという話は聞いておりますので、
よかったなと当時のことを思い出しながら考えております。
 ただ、前東商のその後の情報については、統合時点の状況は私なりに理解しておりますが、
その後の状況、情報はつかんでおりませんのでちょっとコメントしがたいんですが、一般論と
しては統合即最高の学校というわけにはいかないと思います。生徒も保護者も地域住民も教員
もなじむまでは総力を挙げて頑張った結果、何年後かには思ったとおりの学校がつくられると
いうことだと思いますので、そういうことで前東商の件も今進んでいるのかなと、こんなふう
に思っております。以上です。
◇27番(金井康夫君) 前東商の関係については、現在、非常に県では苦慮しているという
ような状況だそうです。
 それから、先ほど教育長の方から伊勢崎東の関係も披瀝していただいたわけですが、この関
係のOBの方にも私、聞いております。伊勢崎東と境高校、合併してどうなのかということ、
余りいい話は聞かないんですね。それは教育長との意見の相違ですからそれは結構ですが、今
回、冒頭の関係で保護者の方々、OB、OGの方々に周知が足りなかったということで今回こ
れだけ大きくなったという中で、一つ、私が気になるのが、これは私の方で調査させてもらい
まして、平成17年の段階で県立高校を、さっき市長に対して一般質問したんですが、沼須の
産業団地に誘致するという計画、ご存じでしょうか、そういう計画があったということ。
◇教育長(津久井 勲君) 私は知りませんでした。
◇27番(金井康夫君) こちらについては担当じゃないから教育長はわからないのかもしれ
ないですが、群馬県の教育委員会の中でそれらについては議論がされていますので、これは間
違いなく、私、調査してありますから、沼田市の教育長としては知らなかったということでそ
れはそれで結構です。
 そういう中で私が一番思うのが、平成17年といえば、ついこの間なんですね。ついこの間
で沼高、沼女の統廃合の問題を周知しないことプラスアルファ、実はそういうところでも話が
動いていたんですよ、まるっきり違うところで。この問題というのは何なのかというと、みん
なそれぞれしわ寄せがそういうところに来ているんです。沼田市のいろいろな問題の施策の中
でしわ寄せがあそこの部分に行っているわけなんですよ。今現在、どうなっているのかという
と、沼高、沼女の問題が利根沼田組合までひっくるめた5校の問題になっているんです。5校
の問題に。この5校の問題に広げたところで収拾がつくのかと私は個人的に思うんです。
 ここで一つお聞きしたいのは、沼田市の教育長として今回の沼高、沼女統廃合の問題は、一
たん白紙になったものという認識であるのかどうか、そちらについてお聞かせいただきたいと
思います。
◇教育長(津久井 勲君) 私が何度か、何度かといってもほんの数回、3回ですか、懇談会
に呼ばれて状況を聞いている中で、この間、別な、会議の名称はちょっと思い起こせませんが、
中央公民館で行われた一般の方を対象とした懇談会といいますか、説明会といいますか、等を
含めて県の教育長の発言によると、白紙という言葉は使っていませんが、もとに戻して皆さん
の意見をよく聞いて進めていきたいという言葉がありますので、白紙がどこまで、例えば策定
委員会や教育改革基本方針等に示されたものを白紙にするということではないと思います。で
すから、利根沼田の高校再編は必要なんだという前提のもとに、沼高、沼女に限って統合とい
うことではないですよと。もちろん、可能性としては統合も含んで利根沼田の高校を再編して
いくんだというところまで戻って、特定の高校を名指ししてどうこうではないというところま
で戻って議論いただきたいという発言が懇談会等の教育長あいさつやまた発言の中でありまし
たので、そういう意味での理解をしております。
◇27番(金井康夫君) 先ほど教育長の方から、どういう会議の名称かということで、「利
根沼田地区の高等学校の在り方に関する公聴会」というのが11月21日日曜日、行われたん
ですね。公聴会は1時半からですね。それに教育長が出席したんだと思います。公聴会はちょ
っと出席できなかったんですが、私はその後、OB会の方に夜、出席させてもらいました。
 その中でいろいろ聞いている中で先ほどの白紙について、私の方で群馬県の今の教育長に対
して質問させてもらったんです。なぜ質問したのかというと、教育長の方から、OB、OGの
方々から質疑があるときにいろんな質疑のやりとりの間に、「あなた方の意見を出してくださ
い」というふうに迫ったんです。ですから、本来筋が違うわけなんですね。群馬県教育委員会
が考えて、設置管理者である群馬県が考えて、それでOB、OGの方、保護者の方、それ以外
の経済界の方々、そういうような意見を聞いて取りまとめるのが本来の筋なわけなんです。い
きなりその質問した方々、出席している人に、「沼田市の意見を言ってください」というふう
に振ったんですよ。ですから、私もたまらなくなって質問させてもらったんです。ですが、今
回の一連の問題をどう考えているのかということプラスアルファ、白紙になったのかというこ
とを聞きましたら、福島教育長は「白紙と考えてもらっていい」というふうに答弁したんです
よ。先ほど教育長が言ったとおりに、「この地域で3回の懇談会を行った。地元のPTAとも
話をしたんだ。だから、白紙になったからこういうような経過で今回公聴会をやっているんで
すよ」と、そういう答弁なんです。現群馬県の教育長がそういうふうに一市民に対して言った
んですが、私が申し上げたいのは、そういうことであれば、沼田市の津久井教育長として、今
後の高校再編についてどのようにお考えなのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇教育長(津久井 勲君) 私もここの住民ですので、また自分の高校も地元の高校を出てお
りますので個人的な見解はいろいろありますが、この場は沼田市の教育長ということでありま
すので市民要望、またはそういう考え方をしんしゃくしながら県にいろいろ提言していく、ま
たは説明を受けるという立場だと思いますので、ここでは特にコメントを控えたいと思ってお
りますのでご容赦いただきたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) 教育長という立場でコメントを差し控えるということでございます
が、今回群馬県の教育委員会とのやりとりの中で、「沼田市の意見を聞かせてください」と言
ったわけなんです、一市民に対して皆さん。ですから、沼田市の教育長とする立場の人の意見
をコメントを差し控えるというのは、これは沼田市議会の場なんですから、沼田市教育委員会
としてどういう方向性がいいんだということも踏まえてぜひともご答弁いただきたいんです。
そういう意味でご答弁できなければ、それでもコメントは差し控えてもらっても構わないです。
◇教育長(津久井 勲君) 議論が二分されているのか、三分されているのか、その辺もよく
つかんでいない段階でありますので、少なくとも先ほどの署名等の重さは理解しております。
したがって、先ほど議員からいろいろご指摘いただきましたとおり、私も県には当時の上司は
おりません、ほとんど部下ですが、主要なポストについておりますので、生の声を時々、会議
の前1時間ぐらい早く行って話し込んでおりますので、そういう意味においては公式な見解と
いうよりは地元の皆さん、もちろん、きょうの議会の声、そういう生の声を担当にいろいろと
伝えておりますので、今後もまたそういうことでいきたいと思います。
 なお、県の教育長もいろいろ自分みずから現場に出るなんていうのはそうそうないわけで、
非常にそういう意味においては、熱意というのはすばらしい熱意を持っておりますし、現教育
長は意見を非常によく聞くという教育長という定評があります。私なんかが飛び込みで教育長
室に入っても、いやいや大丈夫ですよ、5分なら大丈夫ですよ、10分なら大丈夫だというこ
とで話を聞いてくれる教育長でありますので、いろいろ市民の皆さん、また議会の皆さん等々
の丸めた意見ではなくて、生の切実なそういう意見をできるだけ伝えていきたいと、そういう
立場をとりたいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思っております。
◇27番(金井康夫君) 先ほど教育長の方から、群馬県の教育長は大変話を聞いてくれると
いうようなことですが、私は沼田市の津久井教育長も劣らず非常に話を聞いてくれると思いま
す。立派な教育長だと思います。ですから、ぜひとも今後、保護者の方々、またOB、OGの
方々の意見をぜひとも率直に聞いていただいて、そのような会議があれば、積極的に参加して
いただきたいと思います。
 冒頭、先ほど沼須の話もあったんですが、沼田高校は北毛の要、鞍城址だったんですね。そ
の高陵に我が校があるんですよ、その高陵なんですよ。沼須に行くというような話もあったん
ですよ。そういうことを十分に考えてぜひともやっていただきたいと思います。よろしくお願
いしたいと思います。
 それでは、市長に対しまして再質問をさせていただきたいと思います。
 こちらについてもいろいろあったんですが、先般の全員協議会の関係で、両振興局長からい
ろいろな部分で答弁していただきましたので、私自身はTPPに時間を割きたかったんですが、
振興局制度についてまずさせていただきたいと思います。
 今回の振興局制度、先般の全員協議会でいろいろ説明があって、先ほど市長の方から4点の
ことが披瀝されました。1点目としては、合併協議の趣旨を尊重すると。また、2点目として、
振興局長を特別職として引き続き存続すると。3点目として、振興局長は給料を部長級に削減、
また来年4月1日から次長職を廃止すると。この大まかな4点を改正するということでござい
ますが、今回の提案で振興局長の報酬が幾らから幾らぐらいになるのか、そちらについてまず
お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議会の最終日に提案をすることになっておりますので、きょうのと
ころは部長職に相当するということでご理解を賜りたいと思います。当然、今議会の最終日に
はきちんと皆さん方にご提案をして、そしてご理解をいただければ、そのような状況で進んで
いくということになります。
◇27番(金井康夫君) 最終日に提案するということでございますが、部長職というのは公
開されているわけなんですね。振興局長に対して年間1,000万円ぐらいだということ、こ
れもだれもが知っています、大体。部長職は大体公表されている金額というのは幾らぐらいで
すかということをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 総務部長に答弁をいたさせます。
◇総務部長(町田哲男君) 命によりお答え申し上げます。
 部長級の給料額、月額でありますと、9人の部長級の職員がいるわけでございますが、そこ
も経験年数等がございまして差があるわけでございますが、一番少ない部長でありますと42
万9,362円、それから一番多い部長でありますと45万1,635円でございます。
 ただ、今回の改正に当たりましては、年収額という考え方で振興局長の給料額を決めていく
という予定でございますので、年収額について申し上げますと、管理職手当あるいは期末・勤
勉手当を含んでおりますので、これが786万4,336円が下の額で、多い額が823万
2,787円でございます。
◇27番(金井康夫君) わかりました。おおよそ1,000万円から780万円ぐらいに引
き下げだということですから、それ掛ける差引額の2が減額になるということだと思うんです。
 振興局制度について整理したいと思うんですが、私ども議員提案が昨年されました。このと
きの内容と先般の全員協議会でも私の方から申し上げたんですが、我々議員提案と似て非なる
ものであるということを申し添えさせていただきました。何が違うのかというと、自治法上で
すと、きょうもそうですが、沼田市議会があって沼田市長があって、こういうようなやりとり
をやるわけなんですね。これは自治法上です。ですから、法制上のやり方なんですね。条例規
定上において振興局長がその下にいて地域協議会というのがあるんです。地域協議会の方々か
ら地元の要望があれば振興局長に伝えると。振興局長がそれを受けて市長に対して要望をかけ
るんです。市長に対して要望かけたときに、白沢、利根の方々から地域協議会の委員とか振興
局長に言っても何もやってくれないよという意見が多々あったんです。そういうことを受けて
我々議員提案とすると、振興局長が1,000万円の仕事をやってくれていればいいんですよ、
そういった地元住民の反発がなければ、不満がなければいいんです。しっかり10年間、やっ
てもらえばいいんです。ですが、あんなにお金をもらっていて何もやらないんだったらという
不満から苦肉の策で議員提案したんですね。そういうような提案をしたんですが、先ほどの市
長の説明ですと、4点改正したというのは、特別職の振興局長は置いて次長は削って、それで
今後、運営するということなんですね。
 ですから、行革の一環でさっきの780万円ですから、差し引きすると大体220万円ぐら
い、足すと440万円減らしたんだということで今回最終日に提案する予定となっているわけ
ですが、私自身、今回お聞きしたいのは、いろいろやっている中で地域の住民からそのような
不満があったのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私もご案内のとおり、いろいろと現場にそれぞれ足を運ぶ機会がご
ざいます。両振興局長も私の立場からいたしますと、頑張ってきていただいたなというふうに
受けとめさせていただいております。
 ただ、ご案内のとおり、昨年12月の提案理由の説明の中にもいろいろと経費削減等のこと
も盛り込まれていたようでもございます。そういったことから、今回いろいろと内部で論議を
し、合併のときの平成17年2月13日、これらについてはきちんと守っていこうということ
の中で、地域の意見もきちんとまた述べられるということも含めて今回のような方向をとった
わけでございます。したがいまして、それは地域に入ればいろいろな意見がありますが、私が
見ている範囲では総体的によく頑張ってきていただいたというふうに受けとめさせていただい
ておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、合併して6年目を迎えるわけですが、総体的
に両振興局、非常に機能していたんだというご答弁ですが、市長の許可があれば、せっかくの
機会でございますので、両振興局長いらっしゃいます。合併当初は3,000万円の決裁権が
あって、それぞれの白沢、利根の要望については決裁権があるからその発展ができるんだと。
毎年、合併特例債がおよそ10億円来るんだから何とかなるんだよということで合併したもの
と思いますが、先ほど教育長の方からもあったんですが、よく合併は一体感、または一体感の
醸成だということを言われますが、この6年間を振り返って、両振興局長はそれぞれ地域要望
に対して3,000万円の決裁権をある意味履行して十分に地域住民の意見を吸い上げられた
のかどうか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問に対しまして、白沢の振興局長から、利根の振興
局長から順序立てて答弁をさせていただきますので、よろしくお願いします。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) 金井議員のご質問にお答えを申し上げたいと思います。
 白沢町の諸事業等については、各住民の意見等々を踏まえて執行してきたわけでございます。
白沢といたしましては、生活環境整備ということで下水道事業、あるいは簡易水道、あるいは
地籍調査事業等々、優先して推進をしてきたところでございます。これらにつきましても白沢
村当時から継続事業でありますが、市のご理解をいただいて順調にこの事業も進められてきて
いるところでございます。
 また、この3,000万円の問題につきましては、いろいろと合併当時から議論が行われて
きたところでございます。こういった合併協議の議論の中でも星野市長にも自由になるお金と
いうんですか、そういうところも実際ないわけであります。そういったことから道路維持補修
の1,500万円、これらを有効に使って地域のいろんなご意見に反映していくということで
私どもも来たわけでございます。私は、できるだけ小さな要望等につきましてもできるだけ速
やかに早く対応するようにという中で地域の対応を図ってきたところでございます。
 先ほど議員からもお話がございましたが、局長が何もやってくれないというようなご意見も
あったというふうに伺いましたが、私のところには聞こえてこない部分がありますが、各地区
の区長さん、それから住民の方々からの意見を踏まえて私も優先しながらこの事業を進めてき
たところでございます。私も一沼田市民であります。市民の立場で進めてきたというふうに思
っている次第でございます。これからも新生沼田市、そしてまた白沢町のために市民の立場で
職を全うしていきたいというふうに思っている次第でございます。
◇利根町振興局長(郷原重雄君) 先ほど来、白沢町さんからもお話があったとおり、余り白
沢町と変わったような状況はございません。私どもも市民の意見を聞きながら各種団体や地域
協議会、あるいは行政単位から要望書が上がってくるわけでございまして、それを基本に考え
た中で事業を進めてまいったわけでございます。我々は、やはり栗原川橋という大きな事業も
していただきました。こういった事業は利根村時代からの悲願でございました。それがかなっ
たということでございますので非常にありがたく感謝を申し上げるところでもございますし、
また土地改良事業、あるいは有害鳥獣の対策事業、あるいは林業関係で農道や作業道、地域の
住民の皆さんあるいは団体の皆さんの意見を聞きながら進めてまいったわけでございます。
 また、先ほど来、3,000万円云々というようなお話があるわけでございますが、やはり
このお金は道路あるいは地域の補修関係に緊急の場合でも対応できるという観点のもとにこの
お金を活用させていただきまして、地域住民の要望にこたえてきた経過があるわけでございま
す。
 いずれにいたしましても、利根町も沼田市の一員でございまして、そういった観点から地域
の住民の皆さんのご意見を尊重しながら、利根町の発展あるいは繁栄のためにこれからも振興
局長の立場で一生懸命努力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
◇27番(金井康夫君) 両振興局長からお答えをいただきましたので、大体両振興局長とも
合併して特に不満はなかったというようなご答弁ですが、この6年間を振り返って沼田市と合
併してよかったんだという理解でよろしいのかどうか、そちらについてお聞かせいただきたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問でございますが、それぞれの振興局長の方から率
直な感想、あるいはまた考え方を述べてもらいたいと思っております。同時に、やはり一連の
経過の中でお互いの違った伝統であるとか、あるいは違った行政体等があった中で何とか努力
して意見調整をしながら来たという経過の中で、両振興局長も大変ご苦労なされてきたのでは
ないかというふうに私も平素見ておりました。それでは、白沢の方からお願いしたいと思いま
す。
◇白沢町振興局長(根岸恒雄君) 合併してよかったのか悪かったのかということでございま
すが、それぞれいい面と当然悪い面とあるわけでございます。特に市民サービス等々の問題に
ついては、白沢町に関しましてはプラスになってきた部分が多いというふうに思っております。
私も区長さんの会議等で、そういった細かな部分でありますがこういったところがよくなった
ということでお話をさせていただいております。人間、よいことはなかなか言わないし、表に
出てこないわけであります。特に悪いことが一般的には声となって出やすいということは、現
実でございます。
 平成17年2月13日に合併したわけでありますが、23年、来年で丸6年を経過いたしま
す。私どもはできるだけ一体感の醸成を図っていくということを常に思いながら進めてきてい
るわけであります。旧沼田市側から見れば、もう6年じゃないかという思いはありますが、白
沢、利根の住民からいたしますと、まだ6年、10年という合併の特例で振興局長制度がある
わけであります。私どもはこの合併特例法の法律にのっとって住民の皆様に理解をいただいて
合併を推進してきたところでございます。やはり3市村の住民の信頼関係が何としても一番大
事じゃないかと思っております。でありますので、この振興局長の関係についても、私は合併
協議で決めていただいた期間は守っていただきたいというのが白沢、利根の住民の皆さんの考
え方でもございます。ぜひ沼田市は利根沼田の中心でありますし、いずれこの地区が利根沼田
が一つになっていくことによってこの地域の将来、発展性も出てくるのではないかというふう
に私は思っております。そういう意味で沼田市が周辺町村から信頼される、そういった市であ
ってほしいというふうに願っておるところでございます。いろんな住民の皆さんの声がありま
すが、我々が利根沼田の将来に向かってこの合併を選択したわけであります。いろんなことを
乗り越えながら新生沼田市発展のために努めていきたいというふうに思っている次第でござい
ます。よろしくお願い申し上げます。
◇利根町振興局長(郷原重雄君) 合併してよかったか悪かったかというご質問でございます。
私も利根の状況を今までの流れをこういうふうに考えてみますと、利根村も昭和31年に赤城
根村と東村とが合併をした経過があるわけでございまして、その合併当時のことは我々もまだ
子供の時代でございましたので深くそういうことにはかかわったことがないわけでございます
が、その流れは利根村時代から自分が育つ時代に今まで来たわけでございまして、この40数
年間たって沼田市とまた合併をしたわけでございます。やはり利根村時代も合併した当初はい
ろいろな問題がございました。サービスの低下したこと、あるいはよくなったことといろいろ
個々にはございましたが、この40数年間、利根村として歩んできた中では最終的には合併し
てよかったんだなと、そんな実感を持っているわけでございます。
 したがいまして、今度は沼田市と利根、白沢で合併したわけでございますが、今、6年が経
過しようとしているわけでございまして、非常にサービスの落ちた面もありますし、大きな市
として大きな事業ができたということもございます。個々にはよかった面、悪かった面はござ
いますが、この合併というのは、今は今の時点の反省、あるいは将来に向かっての希望という
ことの中ではございますが、将来、合併してよかったなと言われるようにこれから努力をして
いくのが合併ではないかなと、そんなふうにも考えております。いずれにいたしましても、沼
田市がこの利根沼田で合併し、利根郡の中でも沼田はよくなったなと言われるように、我々も
これから努力をしてまいりたいと、そんなふうに考えております。以上であります。
◇27番(金井康夫君) 両振興局長からご答弁いただきまして、いい面と悪い面があるとい
うようなご答弁、特にいい声は余り聞こえないんだというようなご答弁なんですが、寂しい話
だなという気がするんですね。いい声は、うんとあれば一つや二つ聞こえてくるわけなんです
ね。ですから、いい声が余り聞こえてこないということは余りいいこともなかったのかなとい
うような気がするんですよ。
 今回、振興局制度について私が時間を割いたのが、先般、全員協議会で会議録を要望いたし
まして、両次長から会議録をいただきました。内容を読ませていただきました。看過ならない
と言ったらおかしいんですが、なかなかちょっと理解できないところがあったのが、今回特に
異質に感じるのが、昨年、議員が提案したんですね。私が議員提案の提案者で、そのとき連名
した人が山ア議員、大島議員、橋議員、相田議員、高柳議員で6名なんです。6名の議員が
賛同して議員提案出したと。2名の議員が退室して残りの18名は否決に回ったわけなんです
ね。議場というのは多数決の原理であって、18名が反対した議案なんていうのは、これはも
う廃案なんです。この廃案のものをなぜ地域協議会に持ち出して議論したのか。私は危機感を
煽動したのかなという気がするんです。そもそも地域協議会で6名しか賛成しない議案をなぜ
議論の場に持ち込んだのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時04分休憩
        ─────────────────────────────
午前11時12分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどのご質問に、今回なぜにこういったことの流れになっている
のかということだと思うんですが、全員協議会で申し上げましたとおり、大変合併のことにか
かわる重要なことでございますので全員協議会に今のご説明をさせていただきまして、今議会
の最終日に先ほど冒頭申し上げましたような形のご提案をさせていただくということでござい
ます。
 先般、皆さん方が、要するに「沼田市、利根郡白沢村及び同郡利根村の廃置分合に伴う地域
自治区及び地域自治区の区長の設置に関する協議に定められた事項を変更する条例」が否決さ
れたにもかかわらずと申されておりますが、ご承知のとおり、今回はそのことの問題云々とい
うよりは、私ども執行部側が、つまり行政側が考えて、そしてこういったことが時代の流れに
沿っていいのではないかという判断のもとにご提案をさせていただいております。
 当然、そのプロセスということについては、私どもはいろいろとそしゃくをし、研究もし、
検討しているわけでありますが、あくまでもこれは私ども行政側が提案をさせていただいてい
ることでございますので、ご理解のほどをお願いしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) 先ほどの質問では、先般の地域協議会において少数否決になった内
容をなぜ議題として地域協議会の委員の皆さんに諮ったのか。これはかえって危機感を煽動し
てやったのかなというようなことで私の方から質問させていただいたんです。
 地域協議会のこの議事録を読みますと、まず冒頭会長があいさつして、たくさんいるんです、
10何人、最初に手を挙げる人というのは大体当局と打ち合わせ済みなんです。打ち合わせし
てどうだかというのはまた別問題として、ある地域協議会では、まず最初に冒頭手を挙げた人
が、これは最終日取りまとめの地域協議会の会議録です。平成16年8月17日に協議書が出
ていて、この協議書に書いてあるとおり振興局長が特別職でないと困ると。議会で一般職から
選任すると言っていることは、振興局長も次長と同じ部長職となってしまいます。部長相当職
となると、本庁の意見を聞かないわけにいかなくなるし、振興局長が特別職でなくなることは、
この振興局が支所的な存在になってしまいます。現在、特別職だからこそ権限があり、当然、
市長と同等に協議することができるわけです。一般職となってしまえば、市長と同等に協議す
ることはできなくなります。ですから、協議書に書かれているとおり、平成27年3月31日
までは最低でも振興局長は特別職として置いてもらいたいということを、これ冒頭地域協議会
のある1人から発言されているんです。この後、この流れでずっと行っているんです。出席し
ている委員は、ある振興協議会では、元沼田市議会議員を2人呼んでいるんですね。それで協
議しているんです。この流れでいけば、どうしても振興局長がなくなって当初の10年間、約
束破っているんじゃないかという話になるわけなんですよ。
 ですから、私が申し上げたいのは、この本会議場で少数否決になったものをなぜこういうと
ころで持ち出したのか、これを言いたいわけなんですよ。本来であれば、議会で議員提案した
ものがたった6人、たった6人といってもされど6人ですが、6人の賛同者であって大多数の
否決にあったわけなんですよ。1人、2人の差であればまだわかりませんよ。ですが、今回私
が申し上げたいのは、本来であれば、その後、所管である委員長の方から、第三者で十分に話
し合って今後、腹を割ってやりましょうというようなことが議会から出されましたので、これ
らについて地域協議会の方々で協議してくださいということで諮るならまだわかるんですよ。
議員提案した内容を地域協議会の最終日、これは多分以前から5回やっていますから出してい
ますよ。こういうようなものが地元の沼田市議会から出ているので、今後、振興局制度につい
ては存続できなくなり、また一般職から登用するんだというような議論が出ているということ
で、まず最初やればみんな反対になるわけなんですよ。これで結局利根、白沢は全員、全会一
致で賛成なんです。これらについての市長の見解についお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 地域協議会のご論議は、地域協議会の会長さんを中心として論議が
なされてきたというふうに受けとめております。私どもは、常に行政の立場からすると、こう
いうふうに思っておりますのでということを提案をして、そして議会の皆様方の賛同が大きけ
れば、これは実行に踏み切るわけです。しかし、賛同が少なければ、これは前に進めることは
できません。したがいまして、私どもは今回いろいろとご論議がなされておりますが、大事な
ことなので全員協議会に説明をして、そして今議会の最終日にご提案をさせていただきたいと
いうことで申し上げてきたという経過がございます。
 地域協議会でのご論議はそれぞれの委員の方々がいろいろ考えて、そしてご発言をされたも
のだというふうに受けとめております。
◇27番(金井康夫君) この地域協議会の関係については、これ以上言っても採算性がない
ような気がしますが、一つは、責任ある立場の行政が携わっているわけなんですね。地域協議
会の会長あるいは振興局長も出席して白沢、利根の次長も出席しているわけなんですね。この
中である地域協議会の議員からは、議員がそんな一般職から何とか云々といって行革を言って
いるが、まず議員がみずから給料カットするとか、そういうことをやってから言うのが筋じゃ
ないかということを言われている委員がいるんですよ。
 それで、我々沼田市議会は、これはもうとっくにやっているんですよ。議員定数5人削減し
て政務調査費カット、報酬も削減しているんですよ。4年の任期で1億7,000万円カット
したんです。1億7,000万円のカットするところで第2段階に今いっているわけなんです
よ。そういう議論が出たところで、責任ある立場の人が一切この会議録見れば何も言っていな
いんですよ。その流れでなっちゃっているんです。ですから、ある委員がそういう発言をする
というと、沼田市議会はやるべきことを何もやらないで好き勝手なことばかり言っているんじ
ゃないかということでまとまってしまったんですよ。
 ですから、私はこの地域協議会の委員というのは非常に気の毒だったと思いますよ。きょう、
本当だったら傍聴に全部来てもらえばよかったんですよ、白沢、利根の。ガチンコでやればい
いんですよ。こういうような議論というのがあるところでしかされていないんです。今回、非
常に私は読んでいて看過ならなかったもので最初に持ってきたんですよ。ですから、私自身、
今回申し上げたいのは、今回最終日に提案になるというような内容ですが、今回の振興局制度
を見直すという内容は、地域協議会の委員皆さんがすべて賛成して、両振興局長がこういう提
案でいいんだということで提案する内容だということでいいのですね。そちらについて確認し
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) この問題につきましては、両振興局長ともいろいろと意見交換をし
てまいりました。同時に、来年の2月13日、節目もまた迎えるときでもございます。内外か
らのご発言、ご意見等を承る中で今回の12月の議会に臨んでおります。
 したがいまして、私どもは提案権を持っているんです。繰り返し申し上げたいと思うんです
が、提案をしたことについて賛成が多ければ執行ができますし、反対が多ければ執行ができま
せん。したがいまして、そういった一定のきちんとしたルールに従って今進めているところで
ございます。したがいまして、いろいろと金井議員のご発言、ご意見等は真摯に受けとめさせ
ていただいておりますが、どうぞ今までの両振興局長を初めといたしまして関係機関の努力、
あるいはまたそれぞれの方々のご意見、ご発言を体して今回の考え方を確認しているところで
ございます。したがいまして、繰り返し申し上げたいと思いますが、議会の最終日にただいま
答弁をしたようなことの中でご提案をさせていただく考え方でありますので、よろしくお願い
をしたいと思います。
◇27番(金井康夫君) よく市長、二元代表制というんですが、最近二元民主主義というん
ですね。市の執行部側も提案権あるんです。我々議会も提案権はあるんですね。そういうよう
な部分で提案して少数で否決されたのは、これは十分理解しております。ですから、今回最終
日で市長の方から提案されるということで賛成多数になるのか、どうなるのか、結論は大体見
えていますが、そういうようなことになるんですね。
 その中で私が申し上げたいのは、今回最終日に提案するのは結構ですが、以前、昨年、議員
提案したということをまるっきり関係ない部分でやったんだということでございます。そうい
うようなご理解でやっていただきたいと思います。
 ここで一つ申し上げたいのは、私は今回の提案内容は、地域協議会の議員の総意であると。
また、当局側もこれでいいんだと、また議会側もそれに賛成した議員はそれでいいんだという
結果、今後の4年間がそのような形で運営されるんです。
 私は、この4年間、振興局制度を見たときに、特別職の振興局長を置くということを第1点
問題があるのは、市長にその任命権と罷免権があって議会に了承がないから、これは強権的政
治になるんではないかということ、これは前々から言っているわけなんです。ですから、特別
職として残るものが問題なんだということを言っているわけなんです。高い、安いじゃないん
です。ですが、特別職を残すということで、今後は部長級である次長を首にするわけなんです
ね、いなくなるわけなんです。こうなると、下に課が四つぐらいあるんですよ、それぞれ町に
は。これは地域住民の要望からすれば今までどおりにはいかなくなると思います、かえって悪
くなると思います。これは申し上げておきたいと思います。悪くなるものを最終日提案すると
いう理由について、市長の方からお考えをお聞かせいただきたいと思います。よくなるんだっ
たらよくなる理由をお答えください。
◇市長(星野已喜雄君) まず、悪くなるということを申し上げることは、当然できないわけ
ですよね。提案することはよいことだから提案するわけでありますから、これはまず冒頭申し
上げておきたいと思います。
 地域自治区の区長は、市町村の合併の特例に関する法律第5条の6に明確にうたってありま
して、第5条の6、「市町村の合併に際して設ける合併関係市町村の区域による地域自治区
(以下「合併に係る地域自治区」という。)において、当該合併に係る地域自治区の区域にお
ける事務を効果的に処理するため特に必要があると認めるときは、合併関係市町村の協議によ
り、期間を定めて合併に係る地域自治区の事務所の長に代えて区長を置くことができる。」こ
れが協議書の第6条第1項、第2項になっているわけであります。同時に、「区長は地域の行
政運営に関し優れた識見を有する者のうちから、合併市町村の長が選任をする。」ということ
でこれも協議書第6条第3項にうたわれております。
 したがいまして、これらに基づいて真摯に対応してきたという経過がございます。やはり先
ほど来、両振興局長の方から合併した後のいろいろなご意見が述べられておりますが、大きく
前進させていくための一里塚でもあると思っております。したがいまして、その都度その都度、
やはり市民の方々のいろいろなご意見も承ったりして、そして最善の方法を講じていくという
ことになろうかと思っております。したがいまして、今回金井議員の質問に対しまして四つほ
どのことでもってのご答弁をさせていただいたわけでございますが、さらにご案内のとおり、
先般、全員協議会もお願いをいたしましていろいろとご指導いただきまして、そして私どもの
考え方を述べてきたつもりでございます。したがいまして、ぜひその辺のことをお酌み取りい
ただきながらご理解をいただければと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思いま
す。
◇27番(金井康夫君) 今回地域協議会の方々は、ことしになって急に5回ぐらい連続でや
り出したんですが、以前、過去5年間を振り返りますと、地域協議会のメンバーからなかなか
協議会のメンバーの意見を酌み取ってくれないと。この会議も形骸化になっているんじゃない
かということで非常に不満があったわけなんですが、ここに来てこの地域協議会の意見を踏ま
えながら、また提案しながら今後、採決するということでまとめに来ているんですが、今回、
これをやることによって経費削減という部分では、最初の質問の中にもありましたが、400
数十万円浮くということでございます。この浮いた経費について、私自身、この条例提案、別
の問題として利根、白沢の方々のためになるようなお金の使い方をした方がいいのかなという
気がします。
 特にここ最近、就職が非常に厳しいという中で新年度の公務員試験もそうなんですが、沼田
市役所なんか100人ぐらい受けているんですよ。100人ぐらい受けて受かるのはほんとに
ごくわずかなんです、10人ぐらいなんです。ですから、今回この利根、白沢の関係で次長級
が云々ということであれば、優先して利根、白沢の新規採用、新人の方々を採用するんだとい
うようなところで図ってもらう方がよっぽど効率的なのかなというような気がしますが、市長
の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しいご質問でありますが、職員採用試験は公正を期さなけれ
ばならないと考えておりますので、ご意見としてきょうは拝聴させておいていただきたいと思
います。
◇27番(金井康夫君) そちらについて拝聴ということですから聞いておいてもらえば結構
だと思います。
 それでは、大分時間も過ぎたんですが、TPPの関係について移らせていただきたいと思い
ます。
 これは実は時間をうんと割きたかったんですが、率直にここ最近見ると、FTAとか、EPA
とか、TPP、ローマ字がいろいろ羅列されていると思うんですが、市長自身にまずお聞きし
たいのは、FTAと、EPAとTPPの認識について、簡単で結構ですのでお聞かせいただき
たいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がおっしゃるように、非常にいろんな用語が出てきて戸惑うこ
とが多いのでありますが、それでは答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、TPPは環太平洋経済連携協定というふうに理解をしております。EPAは経済連携
協定ということで理解をしております。それからFTAは自由貿易協定ということで理解をし
ております。それらの関係が総じて共通しているのが、関税等の関係を廃するということが共
通事項としてあるなと受けとめさせていただいております。
◇27番(金井康夫君) 先ほど市長の方からご答弁いただいたんですが、FTA、EPA、
TPPとあるんですが、ここ最近、何でTPPがこれだけ大騒ぎになっているのかということ
なんですが、当初、FTAの関係で利根沼田のJAの関係も非常にいろいろ動きがあった中で、
FTAというのは基本的には2国間の関税のやりとりなんですね。当初アメリカですね。アメ
リカと日本で関税を撤廃しましょうと。その上をいくのがEPAなんですね。EPAの場合は
2国間プラス人のやりとりも、経済協定までやっちゃうということなんです。先ほど市長の答
えたとおりなんです。経済連携協定なんですね。今回のTPPというのは、基本関税すべて撤
廃なんです。ですからこれだけ大騒ぎしているんです。
 先般、群馬県の大沢知事の答弁もあったんですが、非常に群馬県自体も大きな影響があると
いうご答弁でした。冒頭の市長のご答弁ですと、沼田市の影響が、全体でいえば91億円ある
ところの42%が減となって38億円に影響があるというようなことが推定されるということ
であります。これだけ大きな騒ぎになっているわけでございますが、1回目の質問の中で、一
方で経済発展が言われているわけなんですね。経済界と農業界の綱引きになっているんです。
一般国民から聞いていればどっちが本当なのかよくわからないんですね。そういう意味で今回
二律背反的な感じがするということで私の方から質問させてもらったんです。そういうところ
で、市長として利根沼田もそうなんですが沼田市全体、経済界もあるわけですから、経済界プ
ラス農業団体、こういうことを踏まえた中で今後の見通し、市長とすればどういうふうになる
ものだと思うのか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本日も合併の論議が出ておりますが、やはり利根沼田の基幹産業を
とらまえたときに農林業を抜きにしては考えられないというふうに思っております。したがい
まして、私はそういう意味からとらまえますと、非常にTPPの参加にはいろいろな意味で危
機感を持っております。
 と申しますのは、やはり市長をお世話になっていろいろと国からの改革の提案等があったと
きに、基礎自治体の長という立場からできるだけ国等の指導をしっかり受けとめてそういった
流れを是としてきたという流れがございます。
 しかし、いろいろとこの数年来、地域振興あるいは地域主権等を考えてみたときに、特に農
林業関係が軸になった第6次産業などというのが回帰してまいりまして非常に大きく羽ばたこ
うとしております。しかも、それが47都道府県の中で起業家の方を育てようとするときに、
そういうところにウエートを置いた運動体が日本全国津々浦々浸透しているということも私は
よく受けとめております。
 したがいまして、そういう意味からとらまえると、どうしても地域の特性を生かした内発型
の地域振興を考えるときに、農林業の持っている力というものをあなどるわけにはまいりませ
ん。しかも、食料の自給率が今次のこういった状況の中にあって、中国等では既にアフリカ等
で用地も買い占めるといったこともあったり、あるいは我が日本国の中山間の水源を買い占め
るということがあるんですね。これは国家戦略の中で間違いなく食糧の危機、あるいはまた水
の危機が来るという中国側のきちんとした国家戦略の中で動いておるんですね。私どもは、や
はり最終的によって立つところの地域の団結力だとか、地域の活性化を考えていこうとすると
きに、このTPPのことについては非常に慎重に、しかもいろいろと対応を遺憾なきようして
いかなければならないと思っております。
 一方において地元の産業界の方でありますが、いろいろとお伺いしてみると、総じて言える
ことは、全部が全部でありませんが、私の手元に6社の聞き取り調査があるんでありますが、
要するにTPPに参加したからといってその影響が余りないのではないかということを言って
いるんですね。今度逆に言うと、現状でもいいという理屈になるんでしょうか、1社がどうし
ても東アジアの競争の関係から大変TPPが参加されれば、よい方向に出るんじゃないかとい
うようなコメントがあるようでございます。
 ただ、基本的に人間が衣食住をきちんと守っていくということのきちんとした基本をとらま
えたときに、やはり今回のTPP参加ということについては慎重に、しかも検討していく必要
があるんではないかと。特に中山間地域のこういったところであると、そういった考え方を持
っているところでございます。
◇27番(金井康夫君) 今回のTPP参加となると非常に大きな影響が予想される中で、市
長、この市全体で農産物の生産額91億円だというようなことですが、この91億円の構成比
というのは全体の何%ぐらいなんですかね。
(休憩を求める者あり)
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午前11時37分休憩
        ─────────────────────────────
午前11時42分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 計数のご質問でございまして、詳細なところまで申し上げることは
なかなか短い時間では検討を要するところがございますのでお許しを願いたいと思いますが、
先ほど農業総産出額は91億3,000万円ということでご答弁させていただいたわけでござ
いますが、こちらの平成20年12月31日現在の種別事業所数、従業者数、年間製造品出荷
額等、従業員4人以上の事務所が持っているところで平成20年12月31日現在であります
から、その後、2年が経過しておりますので数字に多寡があろうかと思いますが、一応99億
5,856万1,000円となっております。しかし、これはあくまでも工業関係でございま
して、その辺のところについてはご理解を賜りたいと思います。したがいまして、比較をいた
しますと、ややどっこいどっこいかなという形の中で今受けとめているところでございます。
ただ、数値のことでございましてこれが確実なものであるかということになりますと、今後、
検討を要するかと思います。したがいまして、これらについてはもう少し時間をかけてしっか
り調査をして議員の方にまたご答弁をおつなぎさせていただきたいと存じます。
◇27番(金井康夫君) 今回、数値的なことを質問して、答弁、非常に苦慮されて、質問す
る方にも不備があったのかなという気がするわけですが、今回なぜそういうような質問をした
のかといいますと、記憶にも新しいと思うのですが、前原大臣が、国全体のGDP比、農漁業
は1.5%なんだと。それに対して98.5%が犠牲になってよいのかというようなこと、こ
れはテレビでも非常にインパクトある発言をされたんですね。
 そういう意味で利根沼田の地域というのは、農業は構成比率何%なのかなという意味でちょ
っとお聞きしたんですね。私からすれば、例えば30%、40%、91億円というものに含ま
れるんであれば、利根沼田の理事長である、また沼田市長が、国では1.5%かもしれないが、
我々沼田市とすれば30%、40%の比率を占めていて、今回のこの問題に参加することによ
って非常に壊滅的な影響があるんだということを地方から発信していただきたいなと思ったわ
けでございます。そういうことを踏まえて市長のお考えについてお聞かせいただきたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 大きく二つに分けて申し上げたいと思います。
 私は地方基礎自治体の行政責任者という立場から見たときに、先ほど申し上げましたように、
東アジアのいろいろな動き、そして中国から飛んでくる黄砂、あるいはマスコミ報道等でしか
承知しておりませんがアフリカの土地購入、そして我が日本国の山村地域の土地買収等を見た
ときに、明らかに国家戦略で中国が動いているということ、これを見たときに、これはあくま
でも私の分析でありますから皆さん方はまたご見解は違うかもわかりませんが、非常に我が日
本国の食料の自給率の現状は大変足元が揺らぐ状況にあるということから、私はどうしても食
料の自給率はきちんと担保しないとだめなのではないかという考え方を持っております。
 一方において、今回のことが、例えばよしんば進んでいくと、地元の主要産業である農林業
が壊滅的な状態であるということは先ほどご答弁申し上げましたとおりなんですが、実は地域
振興という観点から考えたときに、どうしても6次産業ということが今話題になっておりまし
て、それは基盤が実は農林業から発しているんですね。第1次産業、第2次産業、第3次産業、
これを足して6次産業と言っておりますが、となると、この地区の特性はやはりそこにあるの
かなと思っておりまして、それがみなかみの、あるいは川場の、あるいは昭和の、片品のそれ
ぞれの町村長も考え方を同じくしているというふうに受けとめております。したがいまして、
今後、こういったことに対することについては、広域圏の理事会もありますし、いろいろと意
見交換する場面がございますので、議員がおっしゃっているようなことについて投げかけて、
そして今後の対応に処していく必要があるのかなと思っております。
 ちなみに、水のことについてはいろいろと今やっている経過があります。そういうことで群
馬県土の28%、そういう特性をきちんと生かしていく、これが大事なことかなと思った観点
のところに基軸を置いて対応していく必要があるんじゃないかと、こういうふうに受けとめて
おります。
◇27番(金井康夫君) ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 私自身が思いますのは、このTPPは菅政権で今、先送りになったんですが、このまま先送
りのままなのかなというような気がしております。具体的にFTAとかEPAだと本当に具体
化しますのでちょっと危ないのかなと思ったんですが、今回の輸出品目というのが、国全体で
いうと大体5,900品目あるそうなんです。5,900品目あるということは5,900の
団体に調整しなければならないわけなんですね。
 ですから、今の政権の状況を見ると、これらの調整というのはなかなか難しいのかなという
中で、一番その中でも沼田市が今後やらなければならないということは、TPPはやらないに
してもFTAとかEPAという可能性があるわけですから、この利根沼田の特に影響のあるコ
ンニャクとか、米とか、こういうような部分の対策が必要だと思うんです。
 その中で私の方から以前から提案させてもらっておりますが、ツムラの漢方の関係を言わせ
てもらっています。特に今、第2のレアアースと言われているものがあるんです。第2のレア
アースですね。中国が輸出制限した部分ですね。例の尖閣諸島の関係からして。第2のレアア
ースが実は漢方だそうです。漢方の関係の生薬というのは110数種類あるんですが、ツムラ
側から見ると、やっぱり国内安定生産したかったというのは、今になってやっぱり5年前に言
ったとおりなんです。今、軒並みカンゾウ、マオウとかトウキの関係なんですが、これが30
%ぐらい中国の方が値上げしているそうなんです。これは第2のレアアースでやっているそう
なんです。今、日本国内はこれだけの高齢化の中で、特に西洋医学、東洋医学、これは両方非
常に注視しているんですが、特に東洋医学の漢方については重要視しているところがあって、
この第2のレアアースと言われるところの漢方について国としても今、非常に考えているよう
です。そういうことも踏まえてぜひとも今回TPPというのはいい教訓にして、利根沼田のた
だ単純に反対だ、反対だというのではなくて、反対するかわりにこういうような対案があるん
ですよということを今からやらなければならないと思うんですが、市長のお考えをお聞かせい
ただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がかねがね積極的に考え、またご発言をされてまいりました漢
方の問題でありますが、現在、ご案内のとおり、21世紀は教育と健康と医療の時代とも言わ
れております。したがいまして、そういったことから、内外の国々を見ると、BRICSのよ
うに今までのヨーロッパやアメリカと違って今、物すごい勢いで伸びている中国、インド、あ
るいはまたソビエトロシア、さらにブラジル等のことを思いますときに、我が日本国がいろん
な意味でリーダーシップをとっていくということになってまいりますると、やはりそこは環境
であるとか、健康であるとか、時代の要請にかなったところの展開が大変大事かと思っており
ます。したがいまして、ご発言の趣旨はよく踏まえて今後の対策に処してまいりたいというふ
うに思っております。
 なお、これはかつて沼田にお住まいだった方でありますがよく林業関係のところにお出まし
をいただけるある方がおりまして、クマザサを使ったいろいろな飲料を生産している方がおり
まして大変個人的にもご縁がございまして、そんなことにも今、着眼しながら実は経済部長を
含めて現地の視察にも行かさせていただいたという経過もございます。
 いずれにいたしましても、ご意見のご趣旨をよく踏まえて今後、多様に処してまいりたいと
考えております。
◇27番(金井康夫君) ぜひとも積極的に対応していただきたいと思います。
 今回の農業問題については、私自身思いますのは、国に対して、あるいは県でもいいんです
が、三つ必要なことがあると思うんですね。よく言われる所得補償の関係が言われます。所得
補償プラス今後の担い手のことを考えるんであれば、やはり基盤整備がある程度、必要になる
と思います。3点目に、これはお金が余りかからないところなんですが、1点目、2点目は非
常にお金がかかるんですが、これはもうやっていると思うんですがブランド化、もうちょっと
力を入れてやっていただきたいと思います。
 今回、このTPPの関係で米の関係だけで焦点にしますと、生き残るのは、多分川場の雪ほ
たかだけですよ。雪ほたかはブランド米ですから、例えば1俵30キロのものがあれば、下の
方に行くと大体5,000円ぐらいなんです。雪ほたかなんか3万円とかするんですね。です
から、そういうような中で自分も川場の米も食べましたが沼田の米だって引けをとらないわけ
なんですよ。沼田の薄根の米だっておいしいし、白沢の米だっておいしいですし、池田の米だ
って川場の米と引けをとらないわけなんですよ。ただ名前だけでこれだけ違うわけなんです。
例えば関税が撤廃になろうが、海外のものが来ようが、これらのブランド力というものがしっ
かりしていれば、米をまず基軸として考えてそれプラスリンゴとか果樹関係、いろいろな部分
があるわけですから、これは市長、得意な分野でありますからぜひともそちらについても積極
的にやっていただきたいと思いますが、そちらについてもお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 三つの問題点、そして課題を提起されまして、特にブランド化のこ
とについて言及をされたというふうに受けとめさせていただきました。
 私も薄根の下沼田の農家生産の方々もよく承知をしております。池田の方もよく承知をして
おります。それぞれの地区で大活躍をされて、しかもそのお米が非常に人気があるということ
もよく承知をしております。したがいまして、そういうふうなことは今後、誇れるものである
というふうに受けとめておりまするし、一方において既に果樹関係ではアジアにいろいろと輸
出もさせてもらっているという経過もございます。特に中国の富裕層等に至っては大変我が日
本国の果樹を非常に珍重しているというようなことも聞いておりまして、そういう意味で私ど
もにとって明らかに他の地区に比べて決して引けをとらないというものについては、今後、大
いにそういった方向に向けて努力をしていかなければならないと考えております。
◇27番(金井康夫君) 最後に、沼須の産業団地の関係でありますが、これは1回目の答弁
で私なりに理解しますと、今後、これは分譲できないと沼田市の負担は、分譲価格、ホームペ
ージにも出ていますが3億5,500万円、これは沼田市が負担しなければならないというこ
とでいいのか。また、2年経過しているわけですからあと3年後、12月1日ですから3年後
にこれを払うということなのか。
 また、そのお金は公債費負担適正化計画というのか沼田市にあるんですが、沼田市の財政は
非常に厳しいという中で、この公債費負担適正化計画に対する影響、あるいは拠出はどこから
するのか、合併特例債からまた同じく出すのかどうか、そちらについてお聞かせいただきたい
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、分譲価格として議員がおっしゃったように3億5,529万
4,440円というようなことになっております。同時に、確認書の関係なんですが、特に5
番目にその時期は造成工事完了後、おおむね5年を目途とするということが書かれておりまし
て、したがって、5年ということがおおむねということになっておりますので、ここのところ
は幾ばくか調整が働くのではないかと考えております。
 同時に、この関係等については、現時点で議員にお答えをすることになるわけでありますが、
やはり現状のところに何とか企業を誘致して活性化に処していきたいというふうに考えており
ます。したがいまして、その無効になったときに一体全体どうなるんだというような、全くそ
れがかなわなかった場合にはということでありますが、やはりそういったこともしっかりと踏
まえて今後の対応に処していかなければならないと考えております。
 ご案内のとおり、当該地区は非常にひだまりで温かいところでございまして、宅地分譲等も
いろいろとされておられるというところもございます。したがいまして、今後、総体的な見方
の中でまずはとにかく企業誘致を図るというこの1点で努力をしながら、今、議員がご指摘さ
れたようなことについて並行しながら考えていく必要があるのではないかと、こういうふうに
受けとめております。
◇27番(金井康夫君) 市長のご答弁ですと、おおむね5年ということですが、このおおむ
ねというのは多分あっという間に過ぎる年だと思うんですね。市長自身、今回3期迎えられた
中で、例えば9年間で沼田市、工業団地、毎年やっているんですが、実績として何社来たのか
どうか、そちらについてお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長の方から答弁させていただきたいと思います。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
 平成21年度、昨年になりますが、6件ほどございました。それぞれ電話あるいは直接等を
含めまして6件でございます。
(休憩を求める者あり)
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後0時00分休憩
        ─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 金井議員の再質問にお答えしたいと思います。
 なお、前段の質問につきましては、私が申し上げた後に経済部長の方からご答弁させていた
だきます。
 先立ちまして午前中の答弁の中で、平成20年度の本市における4人以上の事業所における
製造品出荷額につきましては、大変申しわけありませんが、「99億5,856万1,000
円」と申し上げさせていただきましたが、単位に誤りがございまして「995億8,561万
円」が正しい数字でございますので、おわびをして訂正をさせていただきます。
 なお、農業産出額の割合につきましては、製造品出荷額の995億9,000万円、農業産
出額の91億3,000万円とのこれを合計いたしますると、1,087億2,000万円に
占める農業産出額の割合は8%となりますので、ご報告させていただきおわびと訂正をお願い
したいと思います。
 質問につきましては、経済部長に答弁をさせていただきたいと存じます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
 市長就任の平成14年度以降、これまでに企業立地につきましては1件ございます。また、
これまでの問い合わせ状況につきましては、平成18年度以降の数値となりますが、横塚生品
地区で28件、沼須産業団地で15件でございます。合わせまして43件となります。
 なお、公表されております統計数字でございますが、平成14年末の事業所数につきまして
は119でございますが、平成20年末につきましては132でございます。以上でございま
す。
◇27番(金井康夫君) 先ほどのご答弁で、どちらにいたしましても大変企業誘致は厳しい
状況なのかなというような気がしております。
 教育委員会の方の質問にも触れたわけでございますが、残り時間少ない中で、この沼須産業
団地に平成17年3月18日付の提案内容で県立高校のこの非農用地の利活用検討ということ
で県の方から出ていると思いますが、そちらの内容について市長はご存じなのかどうかお聞か
せいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実はその辺のことについては、私自身、承知をしておりません。
◇27番(金井康夫君) こちらの内容につきましては時間がないということでまた次回にし
っかりやらせていただきたいと思います。
 最後に、12月ということで師走、大変年が迫ったわけでございます。これから新年を迎え
る中で特に市長、冒頭のあいさつの中でよく脚下照顧とか初心忘るべからず、これは世阿弥の
関係で言われるんだと思いますが、私自身、市長の言葉、大変楽しみにして聞いておるんです。
ことしを振り返って市長にとって大変充実した年だったのかなという気がしております。全国
育樹祭が無事に終わり、また皇居にも行かれたということでございます。今後、新年を迎える
に当たってぜひとも冒頭の沼田市議会議員は市民のために頑張っているんだ、市長も市民の発
展のために頑張ることをご期待申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思
います。ありがとうございました。
        ──────────────◇──────────────
◇議長(布施辰二郎君) 次に、高柳勝巳議員。9番。
〔9番 高柳勝巳君登壇〕
◇9番(高柳勝巳君) 通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。
 今回の私の質問は、教育長へ「いじめ」という大変深刻な課題で通告をさせていただきまし
た。
 既に新聞等で報道のとおり、まことに残念ないじめによる凄惨な事件が本県桐生市で起きて
しまいました。亡くなってしまった上村明子さんのご冥福を心からお祈りいたしますとともに、
ご家族、クラスメイト、そして学校関係者の方々へも、そのご心痛へ対しますお見舞いを申し
上げます。
 それでは本題に入りますが、このようなニュースが飛び込んできたわけですから当然私の通
告の基本視点は「本市では大丈夫なのか」という気持ちにほかありません。そうした観点から、
まことに不幸なケースですが深く考察をさせてもらいながら、少なくとも沼田市からは、いじ
めのない充実した学校生活が送れるよう心から願うものです。
 群馬県教育委員会は先月25日、桐生市の上村明子さんの自殺を受け、県内の全公立小中学
校を対象に初めて実施した、いじめに関するアンケート結果を発表しました。
 調査は、小学校336校、中学校172校の児童生徒計17万144人を対象に実施し、い
じめを認知した校数は小学校143校(42.6%)、中学校は90校(52.3%)でした。
 さらに認知した件数は2,272件で、文部科学省に報告した2009年度1年間の認知件
数207件の10倍以上に上り、認知したうち、小学校で2割以上、中学校では4割が「現在
もいじめが継続している」とした答えを得たとしています。
 沼田市では、一体どのような数値になっていたのかをまず伺いたいと思います。そして、い
じめが継続している実態も明らかになった現在、沼田市におけるいじめの把握方法と具体的対
応方法についてもお聞かせください。
 桐生市では、現在でも大変動揺していてさまざまな情報が錯綜しているようですが、新聞等
で見る限りでは、学級が既にまとまりをなくしていて崩壊状態となり、学校の対応が後手後手
に回っていた感は否めないようですが、この悲しい一連の事態を受け、本市が学ばなくてはな
らない課題は何と考えているのか伺います。
 次に、いじめへの対応の体制づくりに関連して、まさに緊急を要する事態への対応方法につ
いて本市ではどのようになっているのか改めて伺います。
 また、今回の事件を受けスクールカウンセラーを桐生市に増配置するとの報道でしたが、こ
のスクールカウンセラーの目的と活動内容及び課題について伺います。
 最後に、今後についての課題等を幾つか伺います。
 重複するかもしれませんが、少なからず私は、今回の件を受け、日常的な「いじめ予防」の
ための施策強化の必要性を強く感じますが、教育長はどうお考えかお聞きいたします。
 いじめは、その対象者と学校関係者のみでは、その解決は困難であると言われて久しいわけ
ですが、昨今の社会の変化は、事、教育に関してはよい方向に向いてはいないようです。そこ
でこうした状況も受け、家庭との連携の在り方についての試みや教育長としての考え方を伺い
ます。
 次に、適応指導教室などの積極的活用について伺います。私は、今回の例を挙げるまでもな
く、学校側にも家庭にもやはり「特別なことを行わずに進級させたい」という意識が深層部分
に存在していて、子供が精神的に危険な領域に達していても、「まず登校」というスタンスと
なり、事態を最悪の方向へ持って行ってしまうことも少なくないと考えています。
 適応指導等に対しての理解を学校も家庭も深めながら、これを「いじめからの緊急回避場所」
と柔軟に位置づけて積極的活用して欲しいと考えるのですが、教育長のお考えをお聞かせくだ
さい。
 最後に課題として、いじめてしまう側への対応についてですが、非常にデリケートな問題で
あるとは思います。しかし、この問題のクリアなくしてはいじめの根絶は困難と考えるのです。
いじめられた側を、緊急避難させたり、いじめた側を一時的な説諭で一見平穏な状態が確保さ
れたとしても、そのクラスや学校には「今度は、ボクかもしれない」「次のターゲットはだれ
になるんだろう」という深くて暗い雲が依然として覆い続けることになるからです。
 私は、ここへの議論と具体的対応が施されていかない限り、いじめの「病床」は温存された
まま、事後対処が繰り返され、いじめた側、いじめられた人、その家族、教育関係者の方々全
員が、社会に出ても影を落とし、一生こうした「重い課題」を背負い続けていくことになって
いくという悪連鎖を何とか断ち切りたいと切望するものです。教育長の見解をお伺いし、私の
質問といたします。
◇議長(布施辰二郎君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、いじめをなくし充実した学校生活を送るために、いじめの実態把握と対応について、
県教委が、桐生市で起きたいじめを受け実施したアンケートでの沼田市の結果の詳細について
でありますが、今回の調査につきましては、群馬県教育委員会から各市町村に緊急に調査依頼
があったものであり、本年10月、1か月間の実態について調査したものであります。調査の
方法は、児童生徒へのアンケート調査によるもので、各学校がアンケートから「いじめ」と認
知した実数を報告したものであります。
 本市における認知件数は、小学校が12件、中学校が2件、合計14件であります。そのう
ちの10件につきましては、指導により既に解決に至っており、4件につきましては、現在、
指導を継続しているところであります。
 次に、本市でのいじめの把握方法と具体的対応法についてでありますが、本市におきまして
は、日常から管理職による授業参観を初めといたしまして、相談箱やアンケート及び面談、子
供たちや保護者、地域の方からの情報提供、毎日の連絡ノート等により実態把握に努めている
ところであります。また、本市独自の施策の一つであります「相互乗り入れ型学級担任制」の
効率的運用や「小学校生活相談員」、「心の教室相談員」、「スクールカウンセラー」等の活
用によって、複数の教員の目によるきめ細かな観察をより強化するなどして、いじめの早期発
見に努めているところであります。
 具体的な対応につきましては、各学校では、いじめを認知した場合、生徒指導委員会を開催
するなどして全職員で情報を共有し合い、個々の状況に応じて事例等の指導資料を参考に対応
策を検討し、いじめの早期解消に向けて計画的、組織的に対応をしております。必要に応じて
教育委員会としても当該校に指導主事を派遣し、資料提供や助言を行うなどでき得る限りの支
援を進めているところであります。
 次に、桐生市の不幸なケースで本市が学ばなくてはならない課題についてでありますが、学
校教育の究極の目標は知・徳・体の調和のとれた人格の形成でありますので、それを保障する
教員の資質の向上と、危機的な状況が起きた場合の組織的な対応が重要であると考えておりま
す。また、日常からの児童生徒の実態把握と未然防止への具体的な対応等を全職員の共通理解
のもとに危機意識を持って指導に当たることが大切であると考えております。
 次に、体制づくりについて、緊急を要する事態への対応方法についてでありますが、学校で
は、日ごろから実施している研修や訓練をもとに、緊急事態を想定して作成した緊急対応マニ
ュアル等を活用して、校長の指示のもとに一丸となって組織的な対応を行います。
 教育委員会といたしましては、学校との連携を密にとり、事実関係の把握や情報の共有を行
い、指導主事を派遣するなどして緊急事態を回避できるよう適切な指導・助言に当たるよう努
めているところであります。
 次に、スクールカウンセラー配置の目的と活動内容、及び課題についてでありますが、スク
ールカウンセラーは県の事業として、小中学校における教育相談体制の充実を図ることを目的
として、現在各中学校に配置されております。
 具体的な活動内容につきましては、いじめや不登校等の問題を抱えている子供や保護者等へ
のカウンセリングと、教員へのカウンセリングに関する資料提供や指導・助言等を行っており
ます。
 課題につきましては、多い学校でも週1回7時間、少ない学校では隔週6時間程度の訪問で
あり、最大で一人のカウンセラーが4校を掛け持つ場合があるなど、多くのスクールカウンセ
ラーが複数の中学校を担当するという特殊な勤務形態であるため、日常から児童生徒に直接関
わる時間が少ないことが課題となっております。
 次に、今後について、日常的な「いじめ予防」施策強化の必要性についてでありますが、
「いじめの予防」につきましては、「いじめは、どの学校にもどのクラスにもどの子にも起こ
り得る」という危機意識を持ち、「いじめられている子供は学校が徹底して守り通す」という
毅然とした教員の姿勢を子供たちに示すことが重要であると考えております。
 また、子供たち一人一人がみずから「いじめは人間として絶対に許されない行為である」、
「いじめはしない、許さない」という規範意識をみずからの心の中に持てるよう、人権意識を
育てる指導や、道徳の時間や学級活動を中心とした心の教育の充実が大切であると考えており
ます。
 さらに、同年齢集団だけでなく異年齢集団での遊びや学習などの体験活動の充実を図るなど、
互いにコミュニケーション力の向上を図り、小さなトラブルの解決を通して、子供同士で問題
に立ち向かい、解決をしていく力を培う必要があると考えております。
 次に、社会の変化と家庭との連携のあり方についての考えについてでありますが、社会の急
激な変化に伴い、家庭や学校の役割の重要性がますます高まってきているところであります。
 したがいまして、家庭と学校とが直接、情報交換したり研修したりする機会などを設定して
課題の明確化を図り、課題解決に向けて互いの役割を分担し、大切な子供たちをともに育てて
いくという自覚を持って、協力・連携に努めていくことが重要だと考えております。
 次に、適応指導教室などの積極的活用についてでありますが、昨年度設置した沼田市教育研
究所の適応指導教室におきまして、不登校児童生徒への適応指導等を行っております。「いじ
め」が原因となっての不登校児童生徒のための適応指導はもちろんのこと、いじめに関する相
談やいじめを受けた児童生徒の一時避難の場所としての適応指導教室の積極的な活用を図って
いきたいと考えております。いずれにしても、適応指導教室と学校との一層の連携を図ること
が重要であり、特に学校では、人間関係づくりを中心とした学級での受け入れ態勢を整えるこ
とが大切であると考えております。今後とも、適応指導教室での個に応じた指導と学校・家庭
と連携した指導を充実するとともに、専門機関等との積極的な連携に努めていきたいと考えて
おります。
  次に、いじめてしまう側への対応についての考え方についてでありますが、いじめてしまう
側の子供も何らかの悩みや課題を抱えております。そのため、何よりも一人一人を大切にした
指導を基本に、心のケアに十分配慮しながら、解決に向けての指導を計画的かつ継続的に粘り
強く進めていくことが、何よりも重要であると考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇9番(高柳勝巳君) ご答弁いただきましたので再質問させていただきたいと思います。
 桐生市で起きたいじめへの本市の状況ですが、小学校が12件、中学校が2件ということで
4件が継続ということでした。これは従来の方法で沼田市が把握をしていた件数、毎年1年に
一遍、把握をしているわけです。それと比べるとふえちゃったのか、ほとんど同じだったのか、
率直な感想をまずお伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。従前の方法といいますか、昨年度、一昨
年度等と比べますと、数字的には非常に多く認知されたということであります。同様にこの種
の問題が大きく問題になった平成18年度、同じようなことがありました。そして、改めても
っときめ細かく見ていじめを確認してほしいということで国を挙げて、県を挙げてということ
で対応したとき、やはりこのときもかなり数が出ました。その後、沼田市では19年度、20
年度、21年度と2ないし4件、そして今年度は先ほどお答え申し上げましたとおり14件と
いう数値でございます。
◇9番(高柳勝巳君) そうすると、報道等が加熱している中でのアンケートですからそうい
ったものも意識してふえたのかなと思いますが、いつも1けただったのが2けたになったとい
う事実ですよね。これはどこに原因があるというふうに考えていらっしゃいますか。
◇教育長(津久井 勲君) 前回18年度のときも議会でご答弁申し上げましたが、私の基本
的なスタンスは、1回でも2回でもいじめたらいじめと、そういうことでしっかりと子供たち
の行動を把握してくださいということでしたから、ほかの市町村から比べても沼田市は格段に
多い数字が出てきたわけです。
 今回もマスコミのみならず、市民の皆さんもこのいじめの問題を非常に重大に考えている。
もちろん、教員自身は直接の当事者でもありますのでかなり意識が深まったということもあり
ますし、実際にいじめの定義にしても、結局抽象的な定義なんですよね。したがって、どこま
でと線引きするのは、それぞれの学校の判断になってくるということなんです。ですから、当
然、一大事ということになれば、小さなことも、私は常に校長会等でお話ししているように、
1回いじめたらいじめだと、そういう覚悟でやってくださいよということですから、そういう
レベルでいけば100件から200件から出てくるだろうと。
 ただ、私はこの数字はそんなにどうこうする必要がないと思っております、数字そのものは。
ただ、その内容については大変な問題があるでしょうから、というのは、数字がこのことをし
っかり確認するために細かく子供の行動や、または教員が見ただけじゃなくて友達同士、また
は家庭からの情報、またはアンケート、いろいろな手法を通していじめがあるかないかという
ことをしっかりと見たということに意味があるんであって、結果的に去年は4件ですから14
件は3.何倍ふえたということになりますが、じゃあ去年は4件だったのかということです。
4件だったんですが、私は大して変わりはないと。去年も15件だと思えば15件あったとい
うふうな理解をしていますから、学校にかなりきつい部分のいじめがあるかどうかとなると、
これは目に見えてとか、または子供が本当になえちゃってどうしようもない、沈み込んじゃっ
てということになるでしょうから、こういうものは緊急、即対応ですが、私が言っている1回
いじめてもいじめだという議論でいけば、そういうことを1回でもやったいじめが発見できた
ということに指導の手だてが打てるんで、実際に4件が14件になったことは、私はそういう
意味においてはよかったと。ただ、この中の1件1件つぶしていくと、それはすべて喜べるも
のではありませんが、数字そのものからいくと、そういうことも言えるかなと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 先に言われてしまったような感じがするんですが、今後はいじめの件
数と同時に解決率を公表するという方向なようですね。何件起こって何件が解決したんですか
というのが今度は一律出されると、率だけ出ていたものが今度は全部個別に出てくるというこ
となんです。
 私が心配なのは、感覚による部分も教育長がおっしゃるとおりあるわけです。条件も整わな
くて多い数字が出ると仕事がふえちゃうわけですよね、増員体制もない、お金も来ない、フォ
ローもないという中で、あったものみんな報告してください。やるのはだれだい、自分だよね
という話になると、これはなかったと思うことにしようという神経が働くんじゃないかと思う
んですね。そういう点で今回の解決率の公表というのは、教育長、どういうふうに考えていら
っしゃいますかね。
◇教育長(津久井 勲君) 基本的には議員おっしゃったようなことで公表されたり、その結
果、バッテンが来たりすれば、当然、出したくないという心理は働きますよね。事実教育界だ
けでなくていろいろな何とか界においても、これはちょっと出すのをやめておこうかというの
がありますが、今や学校においては学校の力だけでは解決しないわけですから、やっぱりそう
いうことは解決の率を出すこと自体は、私は別に反対しないし、むしろいいんじゃないかと思
います。
 というのは、その事実をしっかり認めていくということですから、隠すこととか、またはそ
れを軽くとらえることによって大きなことが起こってきたわけですから、解決したことは結構
なことだし、解決率を高めるのは当然なことでありますから、ただおっしゃるとおり、若干の
そういう心理的なものが今までは働いてきたというところがありますから、そういうところを
払拭して、本当にいじめをなくすためにはどうしたらいいかという視点に立場に立てば、解決
する云々、出す出さないというのは大した問題ではないと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。熊本県の例が、教育長の方にもあると思いま
すが、いじめ問題に関する取り組み事例集、これは130ページぐらいあって、いろんな事例
を挙げて、さまざまなケースにはこういうふうに対応したら結果として前進したというのが1
00個ぐらいあります。それに向けて先駆けて出たのがさっきのいじめの件数のチェックなん
ですよね。熊本県では最下位だったんです。最下位の熊本県の教育長が何を言ったかというと、
件数がふえたこと自体は恥ずべきことじゃないんだと。それに何もしなかったということが恥
ずべきことだから、積極的に発見をして積極的にアプローチをかける取り組みをするというこ
とが大事なんですよというふうに今、教育長からも言われたんで安心したんです。そうでない
と、やっぱりさっき言ったように、「あんたの学校はいじめなんかないよね。あったら許さな
いよ、教育長は」と言えば、校長先生だって人間なんですよ。担任の先生も人間ですから、数
多くすると何か怒られるかもしれないな。それじゃ少なくした方がいいやというよりは、いじ
めはあり得るし、あって当然で全体で把握しましょうという人がトップにいてくれれば、私は
熊本県と同じようになるなというふうに考えているわけです。ぜひその点はもう一度、学校現
場に繰り返して伝えていってほしいと思うんですが、その辺についてのお考えをお伺いしたい
と思います。
◇教育長(津久井 勲君) おっしゃるとおりで、そういうスタンスで進めてきましたので、
前回の18年度は1校で20件近く出していたんですが、こっちがびっくりして一つ一つつぶ
して、ほかの学校のレベルもかなり多く出ているので、一応その辺ですり合わせをして精査し
てくださいということで若干精査したら減ったということはありますけれども、この数字その
ものは、今議員おっしゃったとおり、大した問題じゃないと。前回は沼田だけ35件というこ
とですよね。35を50にするのも簡単だし、これは調査上の問題ですから。
 ちなみに一言つけ加えさせていただければ、いじめの定義といっても、前回はしつこく長期
にわたって一方的にというキーワードがあったんですが、今回そういうのがとれてある種の人
間関係がある中で心理的なプレッシャー、物理的、殴るとか、強引にとっちゃうとか、そうい
う物理的な攻撃があって精神的に困っていること、これはいじめだよということを言っている
わけです。これじゃ本当に線が引けるのかということですよね。一方的に長期にわたってとい
うことですから、若干それでも、長期とは何カ月かという議論になりますから、このことをき
っかけにして一生懸命いじめはないか、いじめはないかと。あったら即対応ということの方が
非常に大事だと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。それで、聞き漏らしていたら申しわけない
ですが、やはりこれだけの問題が桐生市で起きたわけですから、桐生市の問題も受けて幸か不
幸か、今週は人権週間ということで、テレビ等でもマスコミ等を通じて盛んに人権の問題等を
PRしているようですが、この問題を受けて本市で特別に何か行ったことがあればお伺いした
いんですが。
◇教育長(津久井 勲君) 定例の校長会、今月は昨日、先月の校長会、細かく議論もさせて
いただきながら指導もさせていただきました。
 それから、このいじめの件数14件のうち、未解決の4件ということでありましたので、先
月でしたか、教育委員会の指導主事をその学校に派遣しました。状況把握と問題点、また情報
交換、または指導、助言ということで、この辺も今後、最終的には人間が勝負ですから、専門
家がおりますので教育委員会でただ手をこまねいて報告せよでなくて、教育委員会から学校に
出向くと。緊急の場合であれば、指導主事は自宅から直接学校に通勤させるというようなこと
で少し機動性を持った対応をしていきたいと考えております。
 それから、県や国からいろいろなマニュアルや通知等が出ておりますが、その再確認、それ
から学校教育課課長レベルでは、今、沼田市の実態に合ったようなマニュアルはできないかと
か、資料はできないかとか、いろいろ検討しているところだと思います。これもできることか
らと、今年度中にまとまって来年度からじゃなくて、できるところから実施をしていってその
実施の成果としてどこかでくくるというような一つの資料ができたらいいなと、そのように思
っております。
 いずれにしても、毎日毎日、きょうも子供たち、学校で一生懸命やっているわけですから、
そういう集団生活の中で当然、いじめ、またはいじめに至るような、そういう行動も出てきま
す。一生懸命仲よく遊ぶことは大事ですが、集団の中では若干のいさかいや摩擦も出るのが常
ですから、そんなことでタイミングを失することなく対応していきたいと思います。その他、
いろいろありますが、ありとあらゆる手を使ってというようなことでやらせていただいており
ますので、またいろいろご指導をいただければと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 沼田市の対応マニュアルがなかなか具体的によろしいという評価だと
いうふうにお伺いしました。その件についてはまた後の方で聞くとして、先ほど1回目の答弁
で把握の方法ですが、投書箱、参観、面接、相談員、連絡ノートとありますが、一般的な報道
では相談員の活躍や連絡ノートの活用方法というのは、余りうまく報道されていないんです。
そういった点についてもう少し具体的にご説明いただけるとありがたいんですが。
◇教育長(津久井 勲君) いじめが他から認知されると。認知というのはちょっとお断りし
ておきますが、認知はいじめられているとだれかが1人言ったらいじめだということじゃない
んです。実際にいじめだったかどうかをいろいろな疑問の起こるものについては、例えば子供
に実際聞いたり、関係者に聴取したり、そういうことであります。相談箱とか、これは各学校
でいろいろ工夫している中でやっております。ですから、第三者とか周りの者から見つかるい
じめというのはあれですが、みずから発しようがないという子供、特にいじめられた側の子で
すよね、いますので、それをどう秘密裏にというか、見つけるかという一つの手段としてノー
ト、例えば先生との1対1のノートになるでしょうし、連絡箱は当然、だれも見られない状態
にしておくという手だてをとるでしょうし、これは沼田市全体でということでなくて、そうい
うレベルにおいては、特に学校学校でそれぞれ工夫をしてやっていると。大まかにやれば、そ
ういう友達同士とか先生とか保護者とか、またはアンケートとか、さらに個に限定したもので
あれば相談箱とかノートとか、そういうことになろうかと思います。
 ただ、そういうたぐいの中で、例えば個のものを個人的にだれかに訴えると、ほかの人には
知られちゃ困るということの手として連絡ノート等がありますが、ほかのいろんな手段も講じ
ておりますので、その代表的なものを紹介させていただいたということであります。
◇9番(高柳勝巳君) 中学ぐらいになると、小学校でもかなりあれですが、この間私もいろ
んな情報を読んでそれが信憑性、まだわかりませんが、かなり巧妙ないじめというのもあって、
投書箱に入れるところを見られれば、これはまたいじめに遭いますし、授業中に手を挙げるな
とか、先生が言っていることをメモをとるな、宿題を提出するな、そういう兆候があるとせき
払いを発してそれがとまってしまうというようなかなり巧妙なものもあるので、今言った具体
的な問題も機密性の確保でありますとか、密告というのが最近流行っていて余り使いたくはな
いですが他人による通報、こういったものがないと一般的な把握の仕方だけでは把握し切れな
い。恐らくすべては難しいんだろうなというふうに考えておりますが、その辺について今回ま
たアンケートは定例的に行っていくということですから、その辺についてのお考え、もう少し
グレードを上げていくということについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) そういうペーパーとか、そういう危惧とか、調査用紙とか、結構
距離を置いて冷静に見られるような方法と、それから教員が専門家で当たっているわけですか
ら、教員というのは1人じゃなくて30人いる学校は30人が教員ですから、いずれにしても、
子供との信頼関係をしっかり築いていくということですから、対面のおつき合いをしっかりし
ていく中で子供が心の内を先生に伝えることができるということでありますから、それじゃ先
生以外に話せるのはだれかと、親しい友達がいれば友達ということですから、物を使って、例
えば投書に紙を入れるかと、そういうのも一つの方法でもありますが、これまた人間の心を疎
外する相手も人間だが、心を受けとめてくれるのも人間だと思いますから、そっちの方が人間
の本来性だと考えますので、そういう関係を友達同士もそうですし、先生と児童生徒そのもの
もそうです。人間対人間のところのきずなをどうてこ入れしていくかということだと思います。
 手前みそになりますが、最初の答弁の中で相互乗り入れ型学級担任制等々も、これはいじめ、
不登校、そして学力向上等をねらったゼロ予算の事業であります。これらのいじめの件につい
ては、日常的にかなり多くの目が入ると。例えば先生対児童生徒ということになれば、1クラ
スの先生が小学校高学年に3ないし5人くらいは入れようという考え方ですから、例えば話し
にくい先生、または子供の心、なかなかその子の心をつかみにくい先生だったとすれば、これ
はありますから、優秀な先生でも全部つかめるとは限りませんので、そうすると、いろいろな
視点から、いろいろな立場から、またいろいろな教科の学習の中で子供たちを見られるという
ことでありますから、それらのことも何も新しく人を雇った方が雇わないよりいいですが、雇
っても同じことをやったら同じことですから、もっと質的、内容的に今ある手持ちの人や物や
金で何ができるかということをもう一度考えて、ともすると、従前やってきたところの先祖返
りじゃないですが、もともとやったのが簡単に言うと人間楽ですから、雑巾も絞ればぐっとや
って放すと戻っちゃう、そういうことです。学校の指導なんかも、今の調査一つとってもそう
なんですが、絞られたときはぎゅっと絞られて14件も35件も出てくるんですが、ちょっと
手を緩めると4件なんかになったりするということもあるわけです。ですから、新しいことも
考えますが、今までやってきた効果的なところ、もう一度リニューアルというか、改革、改善
をして効果的なものを探って、そして実践に移していきたいと、そんな考え方でおります。
◇9番(高柳勝巳君) 質的な向上ということで、単に数、量を拡大すればいいというものじ
ゃないというお話でした。基本的には私もそういうふうには思いますが、物理的な時間がなけ
れば対応できないというのもまた事実なわけです。先ほど言いましたが、アンケートの活用で
すとか、要は把握した材料がたくさん出てきますよね、いろんな方法で工夫をして得るわけで
す。得た後の対応する会議だとか、先生同士ですとか、そういったところの打ち合わせをする
時間ですよね。これがそれこそ増員するんでなくてどういうふうに対応しようかという時間が
必要だと思うんですよ。そういったところの時間の確保というのはきちっとされているでしょ
うか。その辺について改めて。
◇教育長(津久井 勲君) 特に生徒指導、非行とか問題行動、もちろんいじめ、不登校等を
含めた生徒指導の問題は各学校、最優先をして対応しておりますから、きつい中でも時間の確
保はきちんととっていると。または定例の生徒指導委員会等も開いてやっておりますから、た
だこれも会議すればいいというものじゃなくて、会議しているうちに夕暮れどきになっちゃう
わけですから、基本的なことは共通理解をきちっとしていなけりゃならないですが、その子に
何をしてやったらいいかなんていうのは、専門家ですからできるはずですよね。お医者さんに
行ってお医者さんが利根沼田医師会を集めてどう対応するかなんていうのは、それは定例の会
議で新しい情報が入ったとか、新しい医療が入ってきたとか、また保険の問題がどうかなんて
いうときにはやるでしょうが、日常的には専門家としてきっちりと診断治療していくというの
が専門家だと思います。ですから、学校は話し合いばかり多くてなかなか行動を起こさないと
いうような世間からの批判もあるわけですが、一面そういうところは当たっているわけで、そ
れが一概に悪いとは言いませんが、ああいう組織ですので、平らな組織ですのでみんなで相談
しないと進まないというのはありますが、ただもっと行動起こせるんじゃないかと。専門家な
んだからということだと思います。
 ですから、そういう意味においてポイントポイント、緊急事態の話し合い、または定例の話
し合い、最近では一般論でなくて事例研究といいますか、事例についてどうしているかと。風
邪が出て熱が出たんでこの子をどうしようかという議論が校内の生徒指導委員会の主流になっ
ておりますので、時間は、確かにあれもこれもありますから足りないと言えば明らかに足りな
いですよね。ですが、知恵を使って各学校やっておりますので、それから緊急の場合は当然、
その時間内外関係なく対応しておりますので、その辺は心配ないと思っております。
 むしろ日常的なそういう子供との接点、この辺がちょっとむしろ時間が足りないかなと。直
接対応の時間はペンを置いたってパソコン置いたって集まってできますから、日常的に子供と
遊ぶとか、子供とドッジボールするとか、または先生の失敗談やいろいろな問題点、「おまえ
何になるんだや」と、そんなことを相談する、そういう時間はかなり最近は少なくなってきて
いると。これが実はいじめ、不登校を初め、いろいろな面での教員が忙しくて時間を確保しに
くいというところがかなり大きな課題になっている状況であります。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。本当に日常的に接する時間というところが
ネックだなというふうにとらえていただいたというのはありがたいなと思いますし、プロです
から具体的対応がすぐというものの、それだったらこんな具体的な事例を文部科学省が100
個以上も出せないわけですよね。ですから、やはり教育長、先生も人間なので、余りプロだか
らしっかりせいというのが強まると、それを教育長に言えない体質、校長に言えない体質にな
りますので、その辺をうまくやりながら前に持っていっていただきたいなと、こういうふうに
考えています。
 というのは、桐生市の不幸なケースのところに移りますが、何でかというと、先生が抱え込
んでいたというケースがマスコミ等で言われていますね。ベテランの先生でベテランのくせに
何をしているんだと言われたくないので担任も抱え込んでしまったというのが、事態が後手後
手に回っていく原因の一つだったんだろうなというふうに考えています。ぜひその辺について
は再確認をしておいていただきたいなと思います。
 それで、桐生市のことですからひとの自治体のことの悪口なんで余り言いづらいだろうと思
って、知・徳・体のバランスがどうのという話でお話しいただいたと思いますが、マスコミ等
で、桐生市は1回目で発言したとおり崩壊状態だったわけです。授業参観でも先生の指示を聞
けないぐらいですから、ご家族の方々も承知はしていたぐらいな状態だったわけですよね。な
のに、どうしてあんなに事態を把握するのに時間がかかったんだと思われますか。沼田市では
そんなことはないというのであれば、それで結構なんですが。
◇教育長(津久井 勲君) 同じ市教委であってもなかなか公式なというか、情報が全くない
状況であります。県の方には当然、報告書は出ているわけですが、それも見てはいないし、見
せてくれとも言っていないんで、見せてくれと言っても、多分口頭では内輪であってもまだ動
いているところですので難しいかなと思いますので、マスコミ情報だけですので余り桐生云々
ではなかなか議論できないわけですが、一般的に先生が抱え込んでしまったということですよ
ね、小学校3年生。
 そうすると、また手前みそになりますが、相互乗り入れ型学級担任制はそういうことを許さ
ないわけです。俗っぽく私どもは学級王国を壊しているわけです。先生国家を、絶対君主をな
くす、絶対君主である教員をなくすということですから、子供主権の学級をつくるということ
の一つが相互乗り入れ型学級担任制です。おのずと責任も5人の先生がその授業に入れば5人
の責任だと。いいときも5人で「やったぜ、乾杯」と喜ぶと。いいところもマイナスも5人の
先生の責任と。基本的には複数学級あれば、1組と2組の担任はそれぞれ担任と副担任を相互
に持ち合うということになっていますから、最低どう絞っても2人の責任という形、責任とい
う言い方はあれですが、困ったときも当然、私だけでしょい込むんじゃないと。私だけが担任
じゃないんだという意識を持ってもらえるようにということです。そんなことでいきますので、
簡単に言うと、桐生の場合がそれ1点で理由かどうか、全く申し上げたとおり、わかりません。
 ただ、小学校における学級担任制というのは極めて閉鎖的ですよね、王国ですから極めて閉
鎖的です。よく一般の方が担任が当たった、外れたという言い方をしますが、これはさっき申
し上げたとおり、力があってもなかなか意に沿わない先生も当然出てきます。私が偉そうなこ
とを言っても同じことです。それぞれ人間は弱点や相性とか個性があるわけですから、当然、
教員なら組織だからそれぞれ補完し合うということですよね。こういう関係を小学校の担任に
入れていくということがまず第1だと思います。校長が目を凝らしていったって、校長が1週
間に1時間や2時間、授業を見たってそんなことはわかりませんから、当然、毎日毎日の授業
を見ている教員が1人、2人、3人、5人とふえていくこと。そして、何よりも一義的には、
子供たち同士がどういう見方をしているかということが大きなポイントになってくると思いま
す。沼田にないかどうかというよりは、沼田はそういうことも一応想定して、ない知恵を絞っ
て相互乗り入れ型学級担任制というシステムを構築して現在やっているということであります。
これらも含めて小学校のいい点、学級王国、特に低学年はどちらかというと、余り3人も、4
人も、5人も入らない方がいいんですよね。小さい段階ですから一つの指導だって迷っちゃい
ますし、先生を信頼して尊敬をして1人の先生に子供が20人とか30人という形が基本的に
はいいかなと思っています。小学校3年生ですから、大きく分けたら低学年と高学年と二つに
分ければ低学年になりますが、うちの方のシステムを使わないまでももっと学級にフリーに出
入りできる開かれた学級にしておく必要があるかなと、そんなことを思っております。
◇9番(高柳勝巳君) 小学校特有のデメリットが閉鎖性だというところで、そこに着目をし
て沼田方式を展開しているというお話でした。できるだけ学級崩壊の状態にまで至らないうち
にそういう体制で芽を摘むんだというお話しだったんですが、もう一つ、また答えづらいでし
ょうが、桐生市の問題で真相の究明に結局第三者まで立ち上げないと至らないという状態で、
今でも、きょうも出ていましたかね、新聞に。私もこの間ずっと集めていましたが、2007
年の12月に、西毛地区の県立高校2年生で自殺で亡くなった人が朝日新聞に投稿して、事態
を隠蔽する体質というのは一つも変わっていないですねと。それで、理由にたどり着けない。
理由にたどり着けないから、先ほど教育長がおっしゃったとおり見立てができない。見立てが
できないから治療ができない、こういうことになるわけです。だから、責任と見立てというの
は本当に裏返しなので、学校の側も本当に腹をくくって責任の問題は責任の問題として、やっ
ぱりみずから出していくということがないと、やっぱりいい加減な対応、治療になるんです、
繰り返していくことになるんだろうと思います。本市はないということであれば結構なんです
が、桐生市のこういった問題を受けて教育長の感想をお伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 真相の究明、学校の責任の問題というのはありますが、そういう
教育公務員であり、その中で管理職であり、教頭であるというそれぞれのポジションをこなし
ているわけですから、これは責任はないと言ったってあるわけでありまして、ただその中で先
ほど専門のというのがありましたが、今、桐生の問題で見えないのは、いじめをされたという
ことは、まず一つはいじめによる自殺であるという結論は出ていないわけですよ。ですから、
その結論が出るまではいじめが原因だということは言えないわけでして、どちらかというと、
今の流れはいじめが原因だということが特にマスコミ関係においては、例外はあるでしょうが、
私が読んでいる新聞二、三紙についてはそういう流れかなと思っております。そうすると、い
じめられた子がいるということはいじめた子がいるわけですから、当然、そういうことを特定
して、例えば第三者委員会なり、または別な機関が調査に入るという事態があったにしても、
当然、いじめた側が特定されていくと、小学校3年生ですよね。そういうような問題も非常に
あるので、ちょっと西毛の場合も私、よく知らないのでちょっとコメントを避けたいと思いま
すが、少なくとも学校は責任を持っているわけですから、むしろ出さない方が責任が重大なわ
けですから、先ほど申し上げたとおり、出してみんなの助けをかりなければうまくいかないわ
けですよ。うまくいかないからといって隠せば、それはますますうまくいかないわけでして、
責任あるということは許される範囲で多くの人に協力を求めて解決のために向かっていくとい
うのが、またある種の責任ではないかと思っております。責任が問われるというのは、それぞ
れの立場にあれば当然のことだと思います。
◇9番(高柳勝巳君) 本当に真実にたどり着くことを恐れていては、これは先ほど言ったよ
うに、知・徳・体の徳が私は重大に欠落してしまうんじゃないかなというふうに考えているわ
けです。ぜひ教育長の今の桐生市の事実ははっきりしないものの、事実を公開していくんだと
いう決意はわかりましたので、ぜひそのスタンスで、それからもちろん、学校のみで対応でき
る話ではないので、それらも受けて公開をしていっていただきたいなと思います。最悪のケー
スになったら公開するんでなくて、ふだんからオープンにしていくということが問われるんだ
ろうなと考えておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 幾つかということはないですが、その点で大きく学校によって違うんだという事例について
今度はお伺いしたいと思いますが、桐生市の事件を受けて朝日新聞の投稿が二つありました。
片方は11月12日に「不登校の子が姿を見せ泣いた教師」という投稿でした。これは「小学
校4年生のときにいじめによる不登校の子が、先生の働きかけもあって2学期になってひょっ
こり出てきたと。それで、ばつが悪くて私は対応できなかったが、先生が出席簿を読んでいる
ときに涙をぽろぽろ流しながら、きみが出てきてクラスが一つになるんだ、先生は本当にうれ
しいと言って、しばらく泣いたままだったと。2学期になっていじめはなくなった。先生から
私たちは、いじめがいかにくだらないか学んだんだ」と。そうしたら、11月20日には「い
じめを覚えていない元担任の軽さ」というので、12日の新聞にそういう先生、学校もあれば、
「やっぱり小学校で菌扱いをされて、お嫁にも行けない、死ね消えろと言われて、掃除の時間
も机を一つだけ触られもせずぽつんとあったと。担任の先生に話したら、いや嫌われちゃいま
したねの一言で、卒業間際になって言われたんで、母が猛抗議をしてそのときだけ謝ったと。
それからずっとたってから、その先生が子供の保育園の近くの学校長になられたんであいさつ
に行ったら、覚えてもいなかった」という話で、本当にこれが同じ学校、同じ対応なのかと思
うくらい違いますよね。これは両方とも22歳の方と41歳の方ですが、41歳になっても覚
えているんです、そのことをね。そして、子育てもするんですよね。会社に勤めたりもするわ
けですよ。ですから、本当に学校生活のうちにこれをとめなければ大変な問題になるし、これ
だけ極端な例が出ちゃうわけです、学校や教育委員会の対応で。ですから、そこのところは教
育長、もう一度、肝を入れ直して対応していただきたいなというふうに思うわけです。1人の
スーパーマンの先生じゃなくて、学校全体がスーパーになるようにしてもらいたいんですよ。
そういった指導を教育長からしていただきたいわけなんですが、その辺についての見解をいた
だきたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) おっしゃるとおりだと思います。子供たちは当然、まだ未熟であ
りますので教職員の方の意識をどう改革していくか。いじめに対する認識をどう深めていくか、
理解を深めていくかということだと思います。この1点に尽きるんではないか。その上でいろ
いろな先ほど申し上げたとおり、手段、方法が講じられていくということになると思いますの
で、心のない教員が何をやってもその場しのぎになるわけです。げんこつくれたら立ち直った
で終わりになっちゃうわけですから、心の中深くまで入り込んで子供を助け、子供を育ててい
くという教員でなければならないわけですから、今のような悪い例の方ですか、多分、そうい
うことがあるとすれば、当然のことながら教員も一生傷として負っていくはずだと。あの子を
助けられなかったと、あの子を惨めな思いさせながら卒業させていったということは心の傷と
して残るわけです。ですから、普通一生懸命やっていたらそういうことはないと思います。教
員自身の心の傷でもあると思いますから。いずれにしても、私どもも含めて大人の、特に教職
員のいじめ等に対する、子供たちの悩みに対する理解、認識、そういうものをしっかりと教育
委員会としては教育していかなくちゃならないというふうに思っております。
 また、いろいろ手も考えておりますので、時間を置かないでよかれと思うことを実行してい
きたいというふうに思っています。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩します。
午後2時01分休憩
        ─────────────────────────────
午後2時10分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇9番(高柳勝巳君) 体制づくりというところで、先ほどマニュアルを活用してなかなか沼
田市のものは具体性があってというお話をお伺いしましたが、私は危機管理なり、具体的な対
応マニュアルというのは、引っ張ると1冊だけ買いましたが、これは「いじめ発見システムの
提案」というので、これは2007年に小学校にはこうしてください、こういうときにはこう
してくださいという本がありました。こんなのは何十冊もあります。
 それから、先ほど言った中にも具体的な初期対応が大切です。それからマニュアルのチェッ
クシートまでエクセルでいつどうしたからどうなったというので、まるで計算式のような表ま
ででき上がっていましたし、桐生市でもつくり直したというのが映像でちょっと流れただけで
今、手には入りませんが、どこでもつくってあるし、改善をしたというふうに把握しています。
 ところが、これがあっても起きたわけですよ、結局。マニュアルがあってもできなかったん
ですよ。だから、全部とは言いませんよ、なければまるっきりだと思いますが、ないよりあっ
た方がいい。だけど、配線図でいえば、例えば電球が切れていれば、配線が正しくても電球は
つかないんですよね。電池が切れていれば、配線が正しくても動かないんですよ。私も電池だ
とか電球の方が問題である。つながっているんですか、つながっていないんですかという点検
が一番私は重要だと思うんですが、マニュアルの点検というのはどのようになさっているかお
伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 学校では実際のところ、温度差があると思います。うちの方では
時折、そういうことの見直し等は指示しておりますので、ただマニュアルを生きたものに使う
となると、やっぱり最終的にはかなり簡易なものが考えられないと、いろいろな専門家が考え
た微に入り細にわたりというのも参考になりますが、すぐすぐぱっと一目瞭然みたいな、例え
ば1枚紙で表されているとかいうようなところを一つとっても、そこそこ簡易なものをつくっ
ておかないとちょっと対応が難しいかなと。これこれしたらこうだ程度の、主語と述語程度で
書かれたもの、そういうものを、そして実際に学校はそういう指導を実践していきますから、
つくったらつくりっ放しとか、もらったらもらいっ放しというのは、あくまでも人のものです
から、やっぱり生きたものにするためには、うちの学校の指導事例や実践事例というものをど
んどんその場その場で朱入れしていくと。消しゴムで消していく、また書き加えていく、加除
修正していくということが日常的に行われないと、多分マニュアルも、もともとのマニュアル、
もらったマニュアルはほこりかぶってもいいんですが、生きて使うマニュアルは真っ赤っかで
あったり、黄色だ赤だのマーカーが入ったり、また切り張りが入ったり、そういうマニュアル
が私は生きたマニュアルだと思っていますので、そんな形でいろいろ工夫して、そういう立派
なマニュアルも大いに参考にしながらもっと学校現場に、我が校の子供たちに合った形での生
きた、手あかで汚れた、そういうマニュアルというのをイメージしておりますので、また学校
の実態等も必ず学校では対応しているはずですからまた情報収集して、それを教育委員会の方
でちょっと整理してまた学校にフィードバックしてやるという形で考えていきたいなと、こん
なふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。結局、この前も防災の関係で言いましたが、
物で書いたものを実践しなければできない話なんですね。そのことが何回繰り返されていった
かということが大事なんで、立派な配線図をつくることが目的じゃなくて、やはりさっき教育
長もおっしゃいましたが、生徒と向き合う時間を多くすることが一番のマニュアルなわけです
よ、詰めれば。そのことを共有し合うことが一番大事だというふうに私も思っていますので、
ぜひ手あかで汚れてだれでもつくれるようなマニュアルが毎日見直されることを期待して、次
に進みたいというふうに思います。
 スクールカウンセラーの問題についてお伺いしたいと思います。県の事業で沼田市は中学校
へ配置していて、掛け持ちもあったりして大変なんですよと、こういうお話でした。これも募
集要項等を取り寄せてみましたら、たまたま岩手県が来年、採用しますということで募集をか
けていました。岩手県では臨床心理士あるいは精神科医、それから大学教授等が資格を要して
いて、先ほど教育長がおっしゃっていただいたような勤務実態でもって1時間5,700円と
いう時給です。交通費実費は別になります。1日勤められると5万円ほどになるわけですよね、
単純計算上。それで、揚げ足をとるわけじゃないですが、たまにしか行かない、学校が掛け持
ちだということになると、丁寧なカウンセリングに実際のところは役に立っているのかなとい
う疑問が率直にわいてくるわけなんですが、もう一度、その辺を踏まえて教育長の見解をお伺
いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 最初ご答弁申し上げたとおり、時間的な制約ということもありま
すので、こちらで考えている十分なということになっておりませんが、今、議員おっしゃった
とおり、臨床心理士、これは一般的には大学院修了レベルの単位取得等が基礎になっておりま
す。また、それに準じるようなレベルの方、群馬県ですと、群馬県の教育相談の講習会ありま
すが、それは初級、中級、上級とあります。その上級資格を持っている方とか、そういう方が
群馬県の場合は任命されているという状況であります。
 さらに、今年度は各教育事務所に1名のスーパーバイザーということで、スクールカウンセ
ラーをまた指導、助言する、ちょっとぴったりするかどうかはわかりませんがそういうイメー
ジの方が配置されました。先ほど申し上げたとおり、教員は教育の専門家でありますからとい
うことなんですが、それは例えば心理学で今お話ししたとおり、全員が臨床心理士レベルの技
能、知識等を持っているかといえば、これは持っていないわけでありまして、当然、そういう
極めて専門性の高い部分にこのカウンセラーを活用させていただいているということですから、
今は今で非常に効果が上がっております。
 そして、何年か続けてやっていただいているケースが最近多くなってきていますので、教員
との意思疎通、また子供たちとの接点等もそれなりに出てきておりますので、信頼関係のもと
にそれ相応な成果を上げているということであります。今後、県も桐生には増員という話、あ
りましたが、各市町村教委や学校現場からももっとカウンセラーをふやしてくれというような
ことの県への要望は、いろいろな団体やいろいろな機関から要望は出されている状況でありま
す。したがって、沼田市においても非常にカウンセラーの配置は効果が上がっているというこ
とで、ただ残念ながらというのを一言加えさせていただいたのは、時間的な制約ということで
ございます。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。平成7年からこの制度は議論が始まってもう
15年ぐらいですか、たっているという認識で調べさせてもらったところ、平成10年ごろは
カウンセラーのあり方をめぐって文部省内でも相当、私も取り寄せたらこんなにあって、カウ
ンセラー本人の立場からだとか、受け入れた学校の立場からだとか、養護教諭との併設におけ
る課題だとか、いろいろ議論はされてきているんですが、一般的に、私もこれは全部読み切れ
ませんでしたが、たまに来たえらいドクターが、きょうは相談日ですと言って相談に行くケー
スというのは、ましていじめが深刻化している学校だったら余計行けないんじゃないかと私は
思っているんですが、それから効果とかカウンセリングを行ったところには確かにあると私は
思っています。ですから、カウンセラーの活用について異論はないんですが、ポジショニング
というんですか、配置のあり方とかというものについて、やや課題があるのかなというふうに
受けとめているんですが、その辺については教育長、いかがお考えですか。
◇教育長(津久井 勲君) 課題を挙げれば幾つかあると思いますが、基本的にこのレベルの
専門性というのは、当然、臨床心理士とかいう、どちらかというと心理学分野の達人が入って
くるということでありますから、その人そのものの人間性なんていうのも当然あります。です
から、簡単にわかりやすく申し上げると、私のようなこんなあれではありません。もっと子供
の心を開かせて子供の心に共感してそういう中でのカウンセリングになりますから、これは大
体例外なく、何でも例外がありますから探せばあるかもしれませんが、沼田市の場合は例外な
くそういうすばらしい専門性ということは、当然子供たち、または教職員の心に寄り添うよう
な心を持った人が対応しておりますから、その種の心配はないかなと思います。
 あと、いろいろ時間帯の取り方とか工夫することはありますが、結局ネックが時間というこ
とになります。その学校にずっと張りついていられれば、いろいろな手段やいろいろな形が考
えられるわけですが、なかなか限られた時間の中でどうしようかということになりますから、
ただ学校内においては、カウンセラー制度が定着しておりますから、当然、当初考えられなか
ったようなところまでカウンセラーにお願いしたり、また理解していただいたり、また理解し
合ったりということが出てきておりますので、非常に滑らかに進んでいるんじゃないかなと、
そんなふうに思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。ぜひ専門性というところのポジショニングで
すよね。これをやっぱり教育長、沼田市に来たカウンセラーとは、今どういうふうになってい
てそこのところの問題はどういうことなのか、もう少し、今、滑らかにいっているというお話
でしたが、具体的に詰めていって、本当に重宝したケースというのは、うまくいったケースと
いうのはたくさんあるというふうに私も認識していますから、ぜひさらなる効果があるような
ポジショニングを今後、ご検討いただければなというふうに考えています。
 ちなみに先ほど示した、いじめられていることを話した人、これもれっきとした調査ではあ
りませんが、一番多く話すのは友達なんですね。次はだれにも言わない。次が保護者、学級担
任、これはベスト4です。残念ながらカウンセラーは、こうやって見ると、ほとんど数字にな
らないぐらい、これは言っていただいた数だから実際はわかりませんが、現在のところ、先生
の認識とは裏腹に、生徒あるいは家庭からはそう高くない評価だということなので、ぜひその
辺も踏まえていいポジションを考えていただければなと思います。
 それから、地方による偏在もかなりあると聞いているんですね。特別学級の先生も先般、マ
スコミに出ましたが、地方の偏在があるので先生の確保も相当課題をしょっているんだろうな
というふうに思っていますが、沼田市に沼田市の人、あるいは利根沼田のカウンセラーがいら
っしゃるのかどうか、わかればお伺いしたいんですが。
◇教育長(津久井 勲君) 確かな住所までちょっと記憶にないので、少なくとも今年度は1
名は入っております。あとは、例えば高校の教員経験者ということで沼高、沼女に勤めた経験
がありますよとか、結構利根沼田になじみのある方も昨年度なんか入っていますから、そんな
に地元にこだわらなくても。
 ただ、ご案内のとおり、結構高度な資格なので簡単に取れる資格でないのでなかなか地元に
人材がいるかということになると、多分そうそういらっしゃらないと。またはいらっしゃって
もちょっと都合で、年齢がちょっと年とったので勘弁してくださいという方もいらっしゃるん
でないかと思いますので、ただいろいろ地域をよく知っているという方が、大体県で配置する
ときにはいない場合はやむを得ませんが、例えば北毛ならこっちの方へ勤めたことがあるとか、
またはこっちの出身者だとか、住んだことがあるとか、何かのあれをつくって配置してくれて
いるようですので、基本的には地元でというわけにはいきませんが、そんなことは県の方で配
慮してくれているようであります。
◇9番(高柳勝巳君) わかりました。また平成20年からスクールカウンセラーも、もちろ
ん、スクールカウンセラーというのは主に静のポジションでカウンセリングをもっぱら専門に
するんですが、平成20年度からはスクールソーシャルワーカーというのを試験的に行ったよ
うです。こっちは動の対応だというふうにざっと言うとあって、先ほど困難な事例が発生をし
た場合にはこういう対応が考えられますというのをプランニングしてくれるんですよね、乱暴
に言うと。どっちかというと、現場ではこういった方の方が一見欲しいというふうに考えてい
るんだろうと思います。
 それから、個人に寄り添って個人を立ち直らせていくということももちろん大事なんですが、
組織的に対応するときに必要なのは、むしろこっちじゃないかなというふうに考えているんで
す。これは平成20年度から始まった制度だから、当然、早々うちに来るなんていうことは考
えられませんが、先ほどのカウンセリングとあわせて教育長、こちらについての見解はいかが
かお伺いができればと思うんですが。
◇教育長(津久井 勲君) ちょっとイメージでしか考えられないので、基本的には専門の人
が学校に入れば、それにこしたことはないと思います。
 それから、どちらかというと、臨床心理士はというお話ありましたが、基本的に今の学校の
システムの中で、例えば人数の問題や学校の規模の問題やいろいろ考えた場合に、どう効果的
に使えるのかというところはちょっと研究しておりませんので、ちょっとイメージのみで恐縮
でありますので、もしいろいろありましたら教えていただければと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。重なり合う部分がかなりあって、積極的なカ
ウンセラーさんは、そこまでやるのがスクールカウンセラーの仕事ですよと位置づけている方
もいらっしゃいますが、大半はいじめられた人、いじめた人、その先生という個で対応するの
が、与えられたポジショニングなんだというふうに考えているようなんですね。ですから、ぜ
ひそういうところも含めてうまくいっているというところを、なおのこと、両方対峙して費用
対効果の問題を向上させていっていただければなと、こんな気で提案しましたので、ぜひスク
ールソーシャルワーカーについてはそういう視点で、スクールカウンセラーがもしその役にな
るんであれば、うちはお金はいいからそれを多く配置してくださいという話になると思うので、
ぜひそういう対応でお願いできればなと、こんなふうに考えております。
 続いて、日常的な今後についてということで予防対策の問題なんですが、どこにも起こり得
るという認識で毅然とした姿勢を大切にして小さなトラブルの解決能力もつけていきたいんだ
と、こういうお話でしたよね。ただ、把握の問題で、ちょっと後戻りしちゃうかもしれません
が、アンケートの問題だとか、いじめの小さなトラブルを解決していくという点で言うと、級
友アンケートという新しい形のアンケートを実施している学校もありますし、いじめについて
授業で討論をするという問題解決型の授業なんかを行っているところもあるんですが、そうい
った試み等への教育長の考えをお伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 級友アンケートとかいろいろ工夫をしてやっております。最初の
答弁で申し上げたとおり、まず指導者、大人である教員がいじめを否定するという意思、態度、
それがオーラではありませんが、人権オーラが教員の周りにあふれ出ていると、そういうこと
がまず一つだと思います。そして、子供たち同士の中、例えば学級活動、学校に土、風土、風、
そういうものが満ちている集団とか学校をつくっていくという必要があると思います。
 そういう中でそれぞれ友達、先生、そして、学校の外としては家庭保護者の方という中で連
携しながらいろいろ問題のないようにしていくというのが一般的なやり方になっておりますが、
その中で特に私が強調したいのは、子供が学校にいるうち、先生の目が届いているうちにいじ
めをしないというのが極めて初期的なレベルですね。1歩というか、まだ半歩目ぐらいの問題、
結局学校も小さな社会であります。例えば18歳なり、または20歳になってしゃばに出ても
まだ若いときは社会が狭いです。どんどん広い社会に出ていくときに、いつまでも大人の庇護
のもとにだけ、例えば大人の目の前だけとか、大人の庇護のもとにだけ何かできる子供ではい
けないわけです。
 先ほどの学級王国ではありませんが、1人の担任が40人の子供を見ていくよりは、さらに
同じ目線、ほとんど目の高さは同じです。心理的にも発達的にもほぼ同じです。身体的にはち
ょっと身長の高い子もいますからあれですが、一般的には発達レベルでいけば、ほぼ同じ目線
だと。この40人の子供同士の中にいじめをなくそう、そういう風土をつくっている。そして
さらに、積極的に行動を起こす子供を教育していくということは、教員みずからがだめだよと
いうのも指導者の役目ですが、教員が後ろに下がって子供たちをしっかりそういう心を育てて
いくことが、まず一番大事なことはそこだと思います。
 そんなことから、例えばピアサポートというのは、薄根小とか、今、利根西小とか、または
利根中等でもやっておりますが、子供が相談者になっていくというようなシステムですね。こ
れはまさに先生が後ろに下がって子供は子供の相談に応じる役と。それもムード的に偶然お兄
ちゃん教えてじゃなくて、そういう場を設定するわけですね。そうすると、先生には話せない
けど子供には話せる、または先生はそういうことは聞く発想はないけど子供はおやっという発
想でその子に問いかけができるということもありますから、そんなことも導入しております。
これはちなみにゼロ予算事業7点セットプラスワンということで、ことし、プラスワン県下初
めて導入させていただいた小中一貫連関教育、これも一つのもとになっております。そのもと
で例えば利根中を中心とした平川、利根東、利根西の3校との連携によってお互いピアサポー
ト、例えば中学生が利根西小の子供たちと一緒になって利根西小の子供たちの相談に乗る、ま
たは中学校の難しさとか楽しいところを紹介すると、そんなこともことしから例えば利根中ブ
ロックでは始まっております。そんなことでいろいろと工夫しながらやっていきたいと思って
おります。
◇9番(高柳勝巳君) どんどん先に行かれちゃっているような感じがするんですが、さらに
聞きたいと思うんですが、これまでだめだよ、やったらいけないよということに対するアプロ
ーチだったんですが、学校では思いやりですとか、そういったところも必要になってくると思
うんですよね。人間怒られてばっかり、注意されてばっかりでは嫌になっちゃいますから、よ
かったところを褒めるとか、そういったところの授業なんかも必要なんだろうと思うんですね。
先ほどのピアサポートは、それは生徒同士ですが、学校の授業として思いやりでありますとか、
そういったところに対する授業の増というんですかね、そういったところは最近は行っている
でしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) これは沼田市だけじゃなくて日本全国、ある種、また最大の課題
だと言われておるわけであります。当然、教育課程における、学習指導要領、今度改訂になり
ますが、例外ありますがほぼ10年10年で戦後、改訂されてきたわけですが、これがいわゆ
る中核は道徳教育ですよね。戦前はご案内のとおり、システムとしては考え方がちょっとあれ
なので、修身とかそういうのはありましたが基本的には全然違うものだと。行動そのものは同
じであっても、私から説明する必要はないと思いますが、基本的な理念が違うわけですからや
っていることは同じであってもすばらしいことではないわけでありまして、戦後、そういうこ
とを払拭して本当に立派な人格を伴った人間を育成するにはどうしたらいいかということで道
徳教育、力を入れたわけですが、道徳教育道徳教育と言いながらなかなか進まないということ
で、道徳の授業を設定しようというのは昭和33年に、いわゆる道徳の特設授業といいますが、
道徳に特化した時間、ほかの教科の授業と同じ1時間、45分なり、中学校なら50分間の授
業を年間35時間、35時間というのは基本的に学校の授業時数の最低ラインが最低35週と
考えていますから、1週1時間の道徳の授業をすると。じゃ、1週1時間の道徳の授業をした
だけでいいのかと。そういうことでなくて、毎日の給食の時間、授業時間、遊んでいる時間、
すべて道徳的実践の場という考え方であります。
 そうすると、道徳の授業はどういう意味を果たしているかというと、人間だと心臓の部分で
す。血液を循環させていくと。動脈できれいな血液で送って汚れた血液、静脈で吸い上げて、
そういう循環です。すなわち道徳はたった週1時間なんですが、心臓、人間のエンジン部分で
す。そして、体の爪の先まで血液を行き渡らせるというのが、体育館で遊んでいる時間、体育
の時間、給食の時間、お掃除の時間、すべてこういう場面でその心臓部分で学習したことを頭
の先から爪先まで血液を、すなわち道徳性を行き渡らせてそれを実践させようということであ
りますから、それはやっているどころか必死になってやっております。今回の改訂でも改訂ご
とに道徳重視、道徳重視で来ているわけです。
 それから、いい機会ですので紹介させていただきますが、沼田市ではゼロ予算7点セットの
中に教育部活というのを提案して今、中学校で実践しております。部活動は顧問の先生の考え
方のみで、現実は学校の教育目標といいながら現実にはその部に張りついた顧問の考え方だけ
で、例えばそれじゃ礼儀正しい生徒をつくろうとしたら、その間、全校を挙げてやっているん
じゃないということであります。例えば顧問の先生の考え方を変えればガラっと変わっちゃう
と。
 そこで、沼田市は部活動は教育活動であると言ったわけです。言ったら、実はこれは偶然で
すが、今度の指導要領に学校の部活動は教育活動ですと1行入ってきたんです。それで一層心
を強くしているわけですが、この部活動をあくまでも教育活動とするんだと。部活動は物すご
い効果がある反面、物すごいマイナスもあると。諸刃の剣であるということを学校現場の特に
指導者に理解してもらいたいということでこの教育部活動を提唱しているわけですが、その中
に年間の目標、月々の目標、そしてこれを生徒と話し合って道徳24項目あります。例えば短
い言葉で言うと、愛校心、郷土愛、感謝、先ほど出た思いやり、基本的な生活習慣等々、こう
いうたぐいの価値、内容が24項目あるわけです。これを各部活の年間計画の中に落としてい
く。学校としては、例えば思いやりというのは、必ず指導しろよとやれば、学校の重点が出て
くる。野球部は1学期は感謝と協力だと。サッカー部は粘り強さと愛校心だと。
 そういうふうなことで今、教育部活動というのを提唱させてもらっているのも、部活動を単
なる個人経営でなくて、学校組織として学校教育目標達成のために道徳の実践の場、先ほど申
し上げた心臓部分で勉強したことを実践する場が部活動なんだよということをしっかり位置づ
けて、それを計画をして子供たちとともに実践していくと。これを教育部活と名づけてやって
いるわけです。これらのことも含めて、特に福祉の問題がやっぱり今、大きなテーマになって
おりますので、どの学校も思いやりというのを非常に重きを置いて指導しております。また、
学校にはいろいろな事例あると思いますので、機会があれば、また紹介できるかと思いますが、
すみません、長々と。終わります。
◇9番(高柳勝巳君) 次のところまで踏み込んで道徳というところの大切さというところを
教育長のお考えをお伺いしたんですが、私、出されたわけですから続けて言っちゃいますが、
家庭との連携というところに、そういったものを入れてもらいたいなと思っているんですね。
悪い例で先ほど桐生の例も出しましたが、授業参観のときに先生の言うことも聞けない状態だ
ったと、新聞によるとですが。ご家庭にもそれを見ていらっしゃって問題視をしながら行動を
起こせない方々がいたからああなったわけですよね、きつい言い方をすれば。ですから、ぜひ
道徳の時間ですとか、ケーススタディーなんかを親御さんがいるときに、授業として意図的に
やるということを考えたらどうかと考えているんです。国語、算数、理科、社会は、きのうも
PISAの結果が出ましたから結果は数字で出ますが、思いやりや優しさというのは数字で出
てこないんですよね。ぜひ親御さんがいる前でそれを意識してするという点について教育長の
お考えをお伺いできればと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 最近、10年になりますか、15年になりますか、それまでは例
えば先ほど市の教育委員が学校訪問するなんていう場合も、国語、社会、理科、算数、中学校
では英語、4教科なり5教科を中心に授業参観とかまたは視察でやったわけですが、今、指導
主事訪問でも必ずだれか道徳の授業をやりなさいと指定しております。ですから、訪問すると、
必ずその学校では道徳の授業が披露される。それから、保護者の参観日についても算数ばかり、
国語ばかりやっていないで道徳もやりましょうということでありますので、多分各学校で道徳
等は重点的に保護者の授業参観日にも設定してやっていると思います。できれば、その後の学
級の話し合いとか学年の話し合いの中で、この道徳の授業や道徳等がテーマとして議論される
ということがあると、非常にいいかなと、やっている学校もあるかもしれませんが、そんなこ
とを考えております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。ふえればいいなじゃなくて、教育長、ふやし
てもらえればと思うんですね。愛国心とかいろいろ問題はあろうかと思いますが、私はそこま
での話じゃなくて、すぐお隣にいる人間に対する思いやりの問題をやっぱりしっかりとお母さ
ん、お父さん、家族がいる中で議論していただくことが、日常的な家族とのつながりになると
思うんですよ。限られてきますからね。学校が家庭にアプローチするといっても時間は限られ
てくるので、さっき言ったように、数字にあらわれるものは結果として見てもらってまたご家
族とやりとりすればいいのかと思っているんです。生きた教育をそのご家族がいるところでや
るということの意義というのは、私は相当高いというふうに思っていますので、ぜひ意識をし
て取り入れていただければ、非常に幸いかなと。
 これも蛇足でありますが一つ新聞に投書がありました。落とした自転車のかぎをはいつくば
って拾ってくれた少女たちという投書がありまして、夕方になっておばさんと言ったら失礼で
すが、自転車のかぎを落として寒い中で探していたけど、周りの人は全然通り過ぎてだれも見
向きもしなかったが、女子中学生の格好をした子が、制服のまま、どうしたんですかと聞いて
きてはいつくばっていろいろ探してくれてそれで見つかったと。このおばさんの言い方が「ご
家族と学校から愛情を注がれて育ったんだなと思いました」と。私はやっぱり愛情や思いやり
が競い合うような風土というんですか、そういったところをつくってほしいなと思いますので、
ぜひ意識的にそういったものをつくり出していただきたいというふうに思います。
 時間がありませんので次の項目に行きたいと思います。
 次に入っていますが、家族との連携の問題、先ほど、私はご家族と日常的にそういったもの
を意識的に交換してほしいというふうに言いましたが、最初の話、4件継続している、あるい
はいじめがなくなったというケースの中で、ご家族も含めて解決をするプロセスでいい事例な
んていうのがあれば、ご披瀝いただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) ちょっとすぐすぐ頭に浮かぶ事例はありません。一般論をお話し
してもあれでしょうから、また後で整理してと思います。
◇9番(高柳勝巳君) それでは、また後で具体的な話で少しお話をさせていただこうと思い
ます。
 適応指導教室の話で、これは昨年、きずなというものをつくって対応を始めたということで、
基本的には私はそうならない状態がつくり出せるんであれば、そういった特別な教室がない方
が望ましいとは思いますが、不登校のみじゃなくて、事、いじめということを考えたときには、
やむを得ない選択であるし、つくった以上はそれが機能していく方向を模索していってもらい
たいなというふうに考えています。決算のときに同僚議員にお答えをしましたが、もう一度、
その辺の状態についてお話しいただければと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 適応指導教室の方はまだ始まって日が浅いわけですが、本当は在
籍ゼロが一番いいわけですが、一番いいとは限らないんですが、不登校の子がいる限り、在籍
はある程度、ステップとしていた方がいいわけですが、今8名ということですから、最初、こ
れをつくるときに、せっかくつくって、簡単に言うとほかの所管のところから1人、嘱託をそ
っちへはがして持っていったんですね。そこに行ってゼロだったらどうしようという心配があ
ったわけですが、ゼロでもいいんですが、不登校の子供たちがいる限り、ゼロはやっぱりおか
しいわけで、非常に指導者も頑張ってくれて施設も白沢の振興局ということで使わせていただ
いておりますので、ご案内のとおり、周囲、ぐるりとあの風景、周りはああいう状況ですよね。
学校は適度に離れていると。もちろん、白沢小学校の子が行っているということでなくて、や
っぱり学校に行きたくない子が、すぐ目の前に学校があったらやっぱりあれかなと思いますか
ら、いろいろな意味でいいところだと。合併して地理的にも利根町、それから旧沼田市、ほぼ
中間的なところでいいかなということで、内容的にも非常にうまく進んでおります。もちろん、
これは適応指導ですから学校に適応することができるようになるための教室なんです。勘違い
してここにずっといていい子だいい子だと卒業させるのが適応指導教室、そうではなくて、一
日でも早く学校に復帰するという施設なわけであります。そういう点においては、例えば先年
度の、今年度といいますか、4月の高校進学等も非常に前向きに受験をしてそれぞれの希望す
る学校等に入れたという報告を受けております。ことしの子供たちも非常に楽しく勉強やら友
達つき合いやら、適応指導教室でやっていると。
 指導者側もすべて入れても3人プラス幼児教育の方1人ということでありますので、だれが
担当ということでなくてみんなが担当であるということでやってもらっております。今後、余
りふえてくると困るなと思うんですが、今のところ、手いっぱいということかなと。
 質問外で恐縮ですが参考までに、いじめが原因で不登校になっている子はいないと。したが
って、当然のことながら適応指導教室にもそういう子はいないということであります。非常に
最初のゼロだったなんて余計な心配をしたことがうそのように、そして非常に楽しい意義のあ
る、最近は親御さん等も相談というか、見えたり施設を見てくれたりということで、非常にこ
ちらで動き出す前に望ましい方向に適応指導教室が動いているなというのが実態であります。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございました。今、聞こうと思ったら、いじめの方はゼロ
だということでお答えをいただきました。
 次の質問というか、先ほどまでなぜ私がスクールカウンセラーだとかということを聞いてき
たかというと、私はここを先ほど3名プラス1名の配置なわけですよ。こういったところに当
面配置することの方がスクールカウンセラーなり、スクールソーシャルワーカーなりというの
が現時点では効果を発揮するんじゃないかと思っているんです。そういったことを現場からど
んどん言っていけばよくなる速度は速まるわけですから、ぜひそういう立場でどうなのかなと
思ったんです。厳しい中からほかから割いて4名を確保したんであれば、うちはこういうふう
に使いたいのでということをもっと積極的に言って、恐らく周知をすれば、教育長の思惑とは
裏腹にもっと活用する人が私はふえるんじゃないかと思っているんです。その点についてのお
考えをお伺いできればと思います。
◇教育長(津久井 勲君) おっしゃるとおり、そうなればいいと思います。また機会があっ
たら、これも自前じゃ無理なので県の方に要望したいというふうに思っております。
 ただ、不登校の出現率というんですか、数の問題、親御さんにすれば自分の子があれならば、
たとえ不登校が1人だってこれは問題なんであって、8人だから軽くて50人だから重いとい
うことは言えないわけで、最後は一人一人ですから、そういう点においてそういう理解のもと
に、沼田市では児童生徒数からしても極めて少ないです。ですから、今のところ、このまま推
移していけばいいなと。ここ三、四年、不登校も多少ですから偶然かもしれませんから、2人、
3人と減る傾向になってきていますからいいことだなと。その中で適応指導教室が成果を上げ
てきているということで、今のところ、カウンセラーは配置されればこれにこしたことはない
ですが、特別な手だてをとらなくても今の体制で学校等の連携、保護者との連携を一層強めて
いけば、いい形での展開ができるかなと。
 というのは、不登校の子供たち全員が適応指導教室に来てくれればいい。一番は全員が学校
に行ってくれればいいわけですが、一つのランク、レベルとすると、まず適応指導教室、学校
に出られない不登校の子供たちいますよね。その次に、適応指導教室なら行けますよという子
供たち、その次に学校の保健室なら行けますよと、さらには子供たちが帰った、友達が帰った
学校なら行けますよというレベルもあります。そして、自分の所属する学級に行けるんだけど、
例えば朝の1時間目はだめです、2時間目から4時間目で午前中返してくださいとかいろいろ
なレベルがありますので、適応指導教室を幾ら広げても多分受け皿として皿だけ準備してそこ
に来てくれない、または来るレベルの子というのは、例えば10人いたらそのうちの何人ぐら
いとか、大体読めますので、今のところ、こんなことで、またさらに今のステップを考えれば、
今、不登校で家にいる子供たちが一歩踏み出して適応指導教室に来てくれれば、当然、今の適
応指導教室じゃ足りなくなるわけですから、そのときはまた考えたいと思いますが、現状では
指導員の方も一生懸命頑張ってくれているし、うまくいっているのでいいかなと。ただ、専門
家についてはのどから手が出るほど欲しいので、いい知恵をいただいたのでまたいろいろな機
会に要望していきたいと思っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。いろいろな段階があるのも承知ですが、ぜひ
最初の発言にありましたが、意識の中に、進級はもちろん進級にカウントされるんですが、親
御さんの方にも誤解があったりしてこの選択を躊躇してしまうとすれば、それで最悪の結果に
なったんだとすれば、これは本当に残念なことですので、調整はもちろんさせていただきなが
らも、きちっとその辺については相談をしながら拡大すれば拡大をしていってもらいたいなと
いうふうに思います。
 最後になりますが、いじめてしまう側への対応ということで、本当に言いづらい話を最後に
残しましたが、よくいじめは犯罪だと言われますが、いじめは犯罪だとすれば起こした人は犯
罪者だということになるわけですよね。日本の法律では犯罪者は司法で裁かれなきゃいけない
という話なんですね。でも、小中ですと、まだ児童生徒ですから司法にいきなり出すのはいか
がなものかという点で、恐らく学校には葛藤があってその中で苦労なされているんだろうなと
いうふうに思いますが、これだけいじめの議論がされて久しくなってきていて、非常に乱暴な
言い方ですが、サッカーでイエローカードやレッドカードを出されて出された人が退場しない
でけがをしちゃった方が出されるというのは、スポーツを見ていても変な話なわけです。です
から、ぜひいじめの問題についてということも指導が出ていますが、毅然として関係機関との
連携をしっかりするようにということですから、その辺についても改めて教育長のお考えをお
伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 今、ご指摘いただいたことが本当は一番難しいところだと思って
おります。特にまだこれから未成熟な、特に小学校であればなおさらのことでありますが、ど
うやって育っていくか、教育していくかということですから、当然、いじめられる子供がいれ
ばいじめた子供もいると。いじめた方が悪いんだという議論だけでは処理できないということ
だと思います。
 ですから、直接的にはいじめた子が悪いんですが、それではいじめた子をどうこうして厳し
く叱責すればいいのかということになるわけですから、ただ学校としては、広くは子供たちを
育てていく上での一人一人の基本的人権を尊重していこうという上に立っての指導がなされま
すから、当然、いじめた側の子も直接的にはよくないんだが、いじめた側の子もある種の被害
者だと私は思う。被害者とは呼べないがある種の被害者だと。それはそのもとをただせば社会
があるわけですし、家庭があるわけですし、学校があるわけですから、生まれて突然いじめっ
子になったわけではありませんから、そういうことを考えたときに、大人はそれ相応の人格と
責任を持たなくちゃならないですが、例えば小学校3年生、もちろん中学生もそうですが、そ
ういう義務教育課程における子供たちは、とりわけそういう立場にあるわけですから、加害者
側も被害者側と同じように、そういう意味においては被害者であるということが言えると思い
ます。そういう上でそういう加害的な子供をどうやって育てていくかという視点も失ってはな
らないと思います。
 ただ、そのことによって、例えば加害者側も事情があるんだから被害者は泣き寝入りだとか、
そういうことではありません。加害者は加害者なんだが、その事象についての加害者ではある
んだが、その子供はこの大きな社会という中で生まれてきていろいろな環境の中で、またいろ
いろな教育、人的なものも含めた中で今日、この学校にいるわけですから、そうすれば、そう
いう意味においては子供はまだ未成熟ですから被害者であるというふうに思います。
 そういう観点で、どうその子供たちを指導していくかというのは非常に難しいと思います。
先ほどの第三者委員会という点においても、私は後々、このことがある種、一段落したらその
ことの対応をぜひ県なり桐生の方から教えてもらおうかなと、そんなふうに思っております。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後2時59分休憩
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午後3時07分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇9番(高柳勝巳君) いじめの程度の問題というか、これは文部科学省の文書によりますと、
「教育委員会等は多様な専門機関、専門家と協力しよう!」という項目で20項目あるうちの
4番目に、「教育委員会及び学校は、いじめの段階(レベル)が犯罪と認められる場合には、
警察との連携をためらうべきではない。また、家庭環境により十分な養育がされない子供を保
護する必要がある場合には、福祉機関と積極的に連携して対応すべきである。そのためには、
警察や福祉機関との情報交流が大切である」という文書が出ているわけですね。
 それで、教育関連の相談という点でインターネットを引くと、利根沼田だけに限っても利根
教育事務所があります、それから沼田市教育研究所、沼田の法務局、中央児童相談所北部支所、
それから家庭児童相談室、子供の悩み110番、青少年育成相談センター、その他いのちの電
話、チャイルドライン、こんなにあるんですよ。効果的かどうかも精査をして、相談する方が
迷っちゃうんじゃないかなと思うんですね。それで、一つは後者の方です。やっぱり効率的に
相談の側に立ってうまく紹介をしていくという道順を立てないと困ると思っているのが1点で
す。
 それから、いじめの段階が犯罪と認められると一言で言うが、どこまでがそうなのかという
のは非常に悩ましいところじゃないですか。この辺は教育長、どういう状態だというふうに踏
んでいらっしゃるか、2点お伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 1点目の狭い利根沼田でも相談窓口といいますか、相談機関はあ
るということでありますが、それぞれ相談件数はあるということで、相応な対応はできている
かと思います。
 ただ、ご指摘のとおり、小さな機関ですが相互の連携とか情報交換というところについては
ちょっと弱いかなと思っております。横のネットワークをもう少し、さらに県に広げればさら
にあるわけですので、ただ、例えば県なんかの場合は特別秘密を要しない場合はこんな困った
相談がありましたよという情報はもらえることがある。ただ、実際には相談した内容はそこだ
けにとどめてくれということもありますから、そういう場合には情報は回ってこないというこ
とはあります。今、議員から挙げられたところもスタッフも少ないですし、看板は大きいんで
すがそれぞれの専門機関といいますか、横の連携、情報交換をどうしていくかというのは、ご
指摘のとおり課題だと思っておりますので、今後、ちょっと研究させてもらえればなと思って
おります。
 それから、犯罪レベルということでありますが、これはかなり難しいですよね。先ほど申し
上げたとおり、例えば中学生の私より大きいようなつわものがどうこうというのと、小学校3
年生がどうこうというのはまた違うでしょうし、それぞれの事例で見ていくという必要がある
かなと思います。
 ただ、例えば警察にしても、児童相談所にしても、または県や市町村教委にしても、そうい
うところの連携等、いつも私の隣には児童相談所が控えているんだとか、または警察が応援し
てくれるんだという中での対応というのは当然、必要だと思います。そのときに相談するとい
うのは何の罪にもならないわけですから、例えばこんな困った問題があるがどうしましょうと。
それは犯罪であるかどうか、また公的には警察が決めることですから、そういう犯罪だ、さあ
排除せよというレベルに行く前にいかに連携していくかということが非常に大事だと思います。
最近は警察なんかにも定期的に接触持っていますし、またうちの青少年育成協議会とか、関係
の各種団体等と警察との連携もうまくいっていますので、今までは相談する方も子供だけでな
くて市の教育委員会なんかも警察ではちょっと二の足踏むなというのがあったんですが、最近
はもう壁がとれましたので、お互いの信頼関係の中で表向きどうこうするというより事前に相
談に行くということは大いにありますので、その辺をしっかりしていくことによって、学校だ
けが突然目の前にあらわれたのを、さあ犯罪なのか、排除する必要があるのかないのかという
のは議論にはならないと思いますので、例えばいじめじゃないですが、その種の問題があった
場合に、それ以前に相談した結果、結局関係機関にお世話になっているという事例はあります。
でも、その前段がありますから、いじめの問題についても同様の形で進められるといいなと思
っております。
◇9番(高柳勝巳君) ありがとうございます。それぞれ役割はあって、二つ、教育的見地か
らの指導と、それは司法ですね、法務局、警察になりますと、これは法律のとおりということ
になっちゃいますので、教育長がさっきおっしゃったとおり、ふだんがちゃんと情報交換され
ていないと、1点を突破したらみんなということになって、極端に言えば担任の横で警察官が
見てればその前でいじめなんか起きないですね、その前では。ただ、そういうやり方でなくて、
どこの時点になったら行かせましょうかということもコミュニケーションをとっておくという
ことが必要で、私のところはそれに対応できませんと言ったら、残念ながらその組織を改編し
てもらうしか私はないと。だから、何回も前のやつが終わらないで次が出てくるのかなと思っ
ているので、ぜひ相談する側の立場から組織を見直してもらってそれから密にもしてもらいた
いなと考えています。
 くどいようですが、幾つか文部科学省が出していて警察等との連携の事例も五つや六つある
わけですね。少し読ませてもらいますが、被害者の心のケアと加害者の方の出席停止を措置し
ました。そして個別プログラムをつくって複数年かけて加害者の方も立ち直らせました、被害
者の方もそういう状態をつくりました。計画もつくって複数年で立ち直った事例が三つ四つあ
ります。私はできれば司法のところに行く前にこの状態でもって教育的な観点で立ち直ってい
ただくことを切にお願いしたいわけです。そういう意味で連携を密にしてもらいたいなという
ことで申し添えておきたいと思います。
 最後になりました。最後にくどいようですが、この問題は仕組みを幾らよくつくっても、最
終的には大人社会の方が子供にどれだけ本気であるかということがネックだということははっ
きりしているわけで、ぜひこれから教育長、もともと本気でしたが、より一層組織全体として
本気度が伝わるようにお願いしたいということが1点。
 それから、先ほどPISAの例を出しましたが、教育基本法の目的は人格の形成です。学力
の向上はその手段です。どうもそれが逆になっているような感じもしますので、その辺の教育
長の所見をお伺いし、私の一般質問を閉じたいと思います。ありがとうございました。
◇教育長(津久井 勲君) いろいろと質問を通してご指導、または情報提供もいただきまし
て、本当にありがとうございました。
 本気でということでありますが、私も人の親でありますし、みずからも小学生時代、中学生
時代を経験しているわけであります。そういう人間という視点に立って一教育長、また教員と
いうことでなくて、人間としてどうこの問題に対応していくかということになれば、おのずと
結論が出てくると。考え方がどうこうなんていうことも迷う必要がないと思います。人間とし
てどう対応していくかという1点に尽きると思いますので、そういう意味において本気でとい
いますか、一生懸命対応していきたいというふうに考えております。
 それから、人格の形成、ご案内のとおり、教育基本法第1条に教育の目的ということで明定
されておるわけであります。まさにそのとおりであります。知・徳・体のバランスのとれた子
供たち、日本人の育成のために、力は及びませんが組織を挙げて、また学校を挙げて対応して
いきたいと思います。
 とはいえ、これまたある種また閉鎖的な社会でありますので、ぜひ市民の皆さん、または関
係の皆さんからいろいろ情報提供やら気づいたことをご指摘いただく中で、しっかりとスクラ
ム組んでやっていきたいと思いますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
        ──────────────◇──────────────
◇議長(布施辰二郎君) 次に、大東宣之議員。20番。
〔20番 大東宣之君登壇〕
◇20番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、子育て支援対策について、有害鳥獣対策について、中心市街地土地区画整理事業
について質問いたします。
 まず初めに、子育て支援対策についてより質問します。
 保育園に入所を希望しても入所できない待機児童問題は、全国的な問題として深刻化し、そ
の様相も様変わりし、新たな局面に入ったと言われ、待機児童の増加とともに、フルタイムで
共働き家庭や母子家庭でさえ保育園に入所が困難になり、保育園入所のために奔走する姿がマ
スコミで報道され、「保活」なる言葉までも登場しました。
 こうした待機児童問題と保育現場の困難をつくり出した原因は、自公政権時代による「規制
緩和」「民間委託」「民営化」を推し進め、定員を超えた詰め込みや認可外の保育施設を受け
皿にした安上がりの政策と、2004年からは公立保育園の運営費の国庫負担が一般財源化さ
れるなど、社会保障費の削減が待機児童の増加と問題の深刻化をもたらしたことは明らかです。
 本市でも、女性の社会進出の増加と経済的な問題などの中で、子育てをしながら安心して働
きたいと願う女性はふえ、保育に対する願いはますます切実化していますが、待機児童は解消
されず、問題は深刻化しています。保育園の待機児童の状況とどのような検討・取り組みを行
い、待機児童解消に向けどのように取り組むのかお伺いいたします。
 本市において以前の保育料は、国基準の1年おくれで、極めて高い水準にあり、保育料を引
き下げてほしいという父母の願いにより、若干の引き下げが行われました。安心して保育園に
入所できるようにするとともに、子育ての負担を軽減することは、子育て支援にとって重要な
柱となりますが、保育料についてどのように検討され、負担軽減にどのように取り組むのかお
伺いいたします。
 4月28日、「子ども・子育て新システム検討会議」が決定した、「子ども・子育て新シス
テムの基本的方向」の内容は、直接契約・直接補助制度の導入、受益者負担を明記するなど、
介護保険型の仕組みに保育制度を全面的に変えるというもので、公的保育制度を根底から覆す
ものですが、「子ども・子育て新システム」についての見解と、どのように対応するのかお伺
いいたします。
 核家族化と働く女性の増加の中で、保育園の充実とともに学童保育の願いも切実になってい
ますが、学童保育所の状況と今後どのような取り組みを進めるのかお伺いいたします。
 続いて、有害鳥獣対策について質問します。
 今年は、ドングリやブナの実などが不作となり、例年になくクマが山から畑や人家近くにま
で出没することが多く、農作物への被害がふえています。さらに、イノシシ、サル、シカなど
による農作物への被害も増加傾向にあり、農業をあきらめざるを得なくなるなど、問題は深刻
化しています。
 こうした問題の原因の一つに、農林業で生計が立てづらくなり山の手入れがだんだんできな
くなったことや、地域の過疎・高齢化が進んだことにあり、農林業や中山間地域を切り捨てて
きた政治に責任があります。
 有害鳥獣被害に対し、本市でも幾つかの対策を講じてきましたが、なかなか完璧なものとは
ならず、被害がなくなるには至っていません。こうした状況は、全国の中山間地域にとって共
通の悩みであり、農林業と地域の再生に本腰を入れて国は取り組まなくてはなりません。しか
し、昨年11月に行われた事業仕分けで、鳥獣被害対策を自治体の判断に任せるとして、今年
度の鳥獣被害対策予算を2割もカットしてしまい、防護さくの補助が受けられなかったなど、
これによる影響は全国各地で起こりました。農水省は、新年度予算の概算要求で113億円の
鳥獣被害対策を求めましたが、これは事業仕分けのでたらめ振りを示すものとなりました。こ
うした国の動向をいち早くつかむとともに、本市として的確・有効な対策を早急に行うことを
強く求めます。これまでの被害状況とどのような対策を行ってきたのか、そして、今後どのよ
うな対策を進めるのかお伺いいたします。
 鳥獣被害で営農意欲をなくした農家が耕作を放棄する事例が後を絶たないなど、鳥獣被害は
農地だけでなく、人の心も荒らしてしまうなど対応を急がなくてはなりませんが、被害農家に
対しどのような支援を行うのかお伺いいたします。
 続いて、中心市街地土地区画整理事業について質問します。
 中心市街地の活性化を目指し、国は新たな法律をつくり、それによって全国各地では取り組
みが始められました。しかし、その内容は再開発と土地区画整理事業をベースにしたハードに
よる再開発事業でした。その一方で、国は郊外への大型店出店を野放しにし、地域の経済活性
化や中小企業や商店街の支援などにも取り組まず、中心市街地の人口減に対し何ら手だてを講
じてこなかったことから、市町村の期待とは裏腹に、中心市街地活性化の取り組みは、全国各
地で苦戦しています。その地域に住む人が少なくなれば、地域の活力が失われ、まちが衰退し
ていくことは明らかであり、中心市街地の活性化を行うというなら、そこで安心して暮らせる
ようにし、人口をふやすことこそ必要です。
 本市においても、土地区画整理事業をベースとした活性化事業が取り組まれていますが、当
初計画では間もなく事業は完了する予定ですが、現状ではいつ完了するかわからない状況にあ
ります。さらに50億円を超える多額な財政を投入してきましたが、それに見合った効果が上
がっているのか、全く疑問が残りますが、中心市街地土地区画整理事業の進捗状況とこれから
の事業をどのように進めるのかお伺いいたします。
 上之町の1街区で生方記念文庫など建物が取り壊されるなど事業が進められていますが、上
之町の事業内容と計画期間、事業費はどのようになるのかお伺いいたします。
 その地域に住む人が少なくなれば、その地域の活力がなくなっていくのは明らかであり、そ
れは中心市街地でも同じことです。中心市街地に活力とにぎわいを取り戻すなら、そことその
周辺の人口をふやすことこそ必要と考えますが、中心市街地とその周辺の人口の変化と、人口
増加に向けどのように取り組むのかお伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、子育て支援対策について、状況と今後の対応について、保育園の待機児童の状況と、
どのような検討・取り組みを行い、待機児童解消に向けどのように取り組むのかについてであ
りますが、各年度の10月1日現在の待機児童数は、平成20年度が22人、平成21年度が
52人、本年度は37人となっております。
 待機児童解消への取り組みにつきましては、各保育園において定員を超える受け入れを行う
とともに、定員変更につきましても、平成20年度において2園の新設により80人の定員増
を行い、本年度は2園の施設整備により35人の定員増を行うなど、受け入れ児童数の増加を
図ってきたところであります。来年度につきましても、既存施設の整備、改修等による定員変
更により、入所児童数の増加を図るなど、待機児童解消に向けて鋭意取り組んでまいりたいと
考えております。
 次に、保育料についてどのような検討がされ、負担軽減にどのように取り組むのかについて
でありますが、保育料は国の徴収基準額が定められておりますが、各自治体の裁量による設定
が認められております。本市の保育料の設定に当たりましては、国の徴収基準で積算した場合
の70%程度を基本としており、国の基準との差額は市が負担をしております。また、第2子
以降の保育料につきましては、同時入園の場合の2人目は基準額の半額、3人目以降は無料と
定めております。本市の保育料基準額表では、県内各市の平均と比較いたしまして、最低保育
料では、3歳未満児及び3歳以上児いずれも下回っておりますが、最高保育料は平均を上回っ
ている状況であります。
 少子化対策における子育て支援として、安心して産み子育てを行うために保護者負担の軽減
は大変重要であると認識をしておりますが、本市の財政状況や保育園の運営に要する経費等を
勘案いたしますと、保育料につきましては、現行制度での対応と考えております。
 今後の保育料の改定に当たりましては、財政状況、他市町村の実態及び階層区分別保育料の
バランス等も勘案しながら、保護者負担の軽減について十分検討してまいりたいと考えており
ます。
 次に、「子ども・子育て新システム」についての見解と、どのような対応を進めるのかにつ
いてでありますが、「子ども・子育て新システム」につきましては、国において現在、鋭意検
討が行われているところであり、制度の詳細等が不透明なため、今後は国の動向に注視すると
ともに、引き続き情報収集に努め、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、学童保育所の状況と今後どのような取り組みを進めるのかについてでありますが、平
成20年度は8施設でありましたが、平成21年度に2施設が開設され10施設となり、本年
の4月に利南地区及び薄根地区にそれぞれ1カ所ずつ開設され、現在、12施設の学童クラブ
が運営されている状況であります。
 今後の取り組みにつきましては、来年度、川田地区に民設民営による学童クラブが1カ所開
設される予定でありますが、引き続き地域における学童保育所利用のニーズを把握するととも
に、地域と連携して学童保育所の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、有害鳥獣対策について、これまでの状況と今後の取り組みについて、これまでの被害
状況とどのような対策を行ってきたのかについてでありますが、有害鳥獣による農作物被害の
状況につきましては、平成20年度が面積で約58.7ヘクタール、被害金額で約1,961
万円、平成21年度、約41.7ヘクタール、約1,520万円、平成22年度11月末現在、
約113ヘクタール、約2,985万円となっております。
 地域別被害状況につきましては、本庁管内では、平成20年度、約3.7ヘクタール、約
512万円、平成21年度、約1.1ヘクタール、128万円、平成22年度、約4.4ヘク
タール、約995万円の被害状況となっております。
 白沢町振興局管内では、平成20年度、約13ヘクタール、約93万円、平成21年度、約
2.3ヘクタール、約36万円、平成22年度、約38ヘクタール、約128万円の被害状況
となっております。
 利根町振興局管内では、平成20年度、約42ヘクタール、約1,356万円、平成21年
度、約38.3ヘクタール、約1,356万円、平成22年度、約70.6ヘクタール、
約1,862万円の被害状況となっております。
 対策といたしましては、農地への有害鳥獣の侵入を防止するための、獣害防止さく設置資材
費の補助、野猿の動向調査などの農作物を守る対策と、おりやわなの設置、捕獲隊への補助に
よる有害鳥獣の数を減らす対策を実施し、利根町振興局管内につきましては、小規模土地改良
事業による野生動物侵入防止さくを設置するなどの対策を継続して実施してまいりました。
 次に、今後、どのような対策を進めるのかについてでありますが、既に行っております鳥獣
害対策を引き続き進めるとともに、計画的な取り組みについて地域の方々による自己防衛策と、
おりの設置等による捕獲などの対策をバランスよく実施していきたいと考えております。
 また、国におきましても次年度で「鳥獣被害緊急総合対策」を検討していることから、これ
らの動向に留意をし、県及び関係機関と連携をとりながら、より一層の防止対策の強化を図っ
てまいりたいと考えております。
 次に、被害農家に対しどのような支援を行うのかについてでありますが、被害に対する補償
につきましては、農業共済により、自然災害や病虫害などと同じように鳥獣害も共済金の支払
い対象となっていることから、市といたしましては、耕作者自身が積極的に被害防止に向けて
努力することへの支援策として、獣害防止さく設置に対しての補助、及びわな猟の資格取得を
する農家などに対して経費の一部を助成し、今後も引き続き被害の縮小に向け支援を行ってい
きたいと考えております。
 次に、中心市街地土地区画整理事業について、これまでの経過とこれからの対応について、
中心市街地土地区画整理事業の進捗状況とこれからの事業をどのように進めるのかについてで
ありますが、平成21年7月31日に、3回目となります仮換地指定を上之町1街区と2街区
の一部において行ったところでございます。現時点での仮換地指定率は28.1%であり、平
成21年度末現在の総事業費ベースでの進捗率は、36.4%であります。
 これからの事業につきましては、商業者・権利者の再建を優先して事業の進捗に努めてまい
りたいと考えております。また、当然のことながら、ハード事業だけでは活性化はできません
ので、ソフト事業を絡めながら相乗効果を上げてまいりたいと考えております。
 次に、上之町の事業内容と計画期間、事業費はどのようなものなのかについてでありますが、
先ほども述べましたとおり、上之町の1街区と2街区の一部について仮換地指定を平成21年
7月31日に行い、それ以降、順次建物移転補償を中心として事業進捗に努めてまいりました。
 事業期間につきましては、あくまでも商業者・権利者の建物移転を優先して事業進捗に努め
るとともに、今後につきましては、財政状況を勘案しつつ、主要な事務事業の進行管理の中に
おいて最善の努力を傾注してまいりたいと考えております。
 また、事業費につきましては、上之町の仮換地指定に伴います建物移転補償に限定して申し
上げますと、現時点での概算額の総額は、約12億円を見込んでおります。
 次に、中心市街地とその周辺の人口の変化と、人口増加に向けどのように取り組むのかにつ
いてでありますが、中心市街地である上之町、中町、下之町3町の人口は、平成10年10月
1日現在では726人でしたが、本年10月1日現在では474人となり、約35%の減少と
なっております。また、周辺部であります東・西倉内町、材木町、馬喰町、坊新田町、鍛冶町
の人口は、平成10年10月1日現在では6,359人でしたが、本年10月1日現在では
5,459人となり、約14%の減少となっております。
 人口増加に向けた取り組みにつきましては、商業者みずからが中心市街地に住み商売を行う
という職住混合を基本において、その上で民間による賃貸住宅等の居住施設の誘導・拡大に努
めてまいりたいと考えております。
 また、町中の人口増加につきましては、土地区画整理事業区域だけではその面積が限られて
いることから難しい問題であると認識しておりますが、昨年度策定されました沼田市住宅マス
タープランにおける沼田地区の台地上一帯の市街地、広い意味での中心市街地におきまして施
策にありますような取り組みを検討・促進してまいりたいと考えております。
 人口減少、少子化は、沼田市のみならず全国的な問題でございますが、今後とも長期展望を
見据えながら的確な施策の展開に努めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇20番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問を
させていただきたいと思います。
 まず初めに、子育て支援対策についてからお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど市長が今年度を含めた過去3カ年を含めて待機児童の数を報告をしていただきました。
20年度が22人、21年度が52人、そして今年度は37人ということで、片一方では新た
な保育園の開設やまた定員増を行ってきたということですが、こうした取り組みにもかかわら
ず待機児童が解消されないということについて、市長としてはどのようにお考えなのか。
 そして、具体的に新年度以降について、こうした待機児童をなくしていくと、ゼロにしてい
くという施策としてどのようなことを行っていこうとお考えなのかお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変保育園に対する期待が高まっているなということを率直に受け
とめさせていただいております。したがいまして、保育園に入所したいという希望が多くなっ
てきております。このことは、やはり男女同権型社会と言われて久しいわけでありますが、主
婦の方々がお仕事をされるという流れが多くなってきているのではないかというふうに受けと
めております。
 なお、新年度につきましては、現在の施設の整備あるいは改修をして定員を変更、すなわち
ふやすことによって現行の待機児童解消に向けて対応を図ってまいりたいというふうに考えて
おります。
◇20番(大東宣之君) 新年度については定員をふやしていきたいということですが、もし
ここでお答えいただけるんであれば、具体的に何人ぐらい定員がふえるのかお聞かせいただけ
ればというふうに思います。そして、過去においても定員をふやしてきたという中にあっても
待機児童は解消されなかったということですから、本当に新年度の中できっちりとこの問題、
待機児童がゼロになるのかどうかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それでは、今、民生部をして鋭意検討しておりますので、現下の状
況等について民生部長の方から答弁をさせていただきたいと存じます。
◇民生部長(田辺昇利君) 命によってお答えいたします。具体的な施設名は今検討中でござ
いますが、定員につきましては、予定とすると30名ふやして、その中でできるだけの待機児
童の解消を図っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◇20番(大東宣之君) 新年度、30人ふやしたいということで、それは大いに結構だと思
います。しかし、あわせて先ほど市長がこれまでの取り組みの一環として行ってきた、要する
に定員を上回る数を保育園に入所してもらうと。これは国で認められていることですから違法
行為とか、そういうふうには思わないんですが、定員を超えても受け入れることが保育園では
できますから、そういうことも含めて新年度、まず30人定員はふえますが、そういうことも
引き続き行っていくということで理解をしてよろしいのかどうかお聞かせをいただければと思
います。
◇民生部長(田辺昇利君) 定員につきましても現状の定員では難しいところがありまして、
制度がかわりましたのでその上前といいますか、それを超える人数をある程度入れた中で待機
児童の解消を図っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◇20番(大東宣之君) ただ保育園の定員数というのは、例えば60とか90とか100と
かあるにしても、大体定員の数に応じた形で施設はつくられているはずですから、そこに国が
15%増しまで認めますよとか言っても、それは十分な保育ができることにならないんではな
いか、問題は残るんではないかと。だから、ちゃんとした保育園をふやしていく、定員をふや
していくというようなことにこそ、力を注ぐべきではないかと思いますが、その点についての
取り組みやお考えがあればお聞かせいただきたいというふうに思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本問題は、やはり国、県等のご指導もいただく形の中で、本市とい
たしますると、先々の人口動態等も見ながら財政状況等も勘案して対応を図ってきているとこ
ろでございます。したがいまして、議員のお立場からすれば、定員増をするのはいかがなもの
かというところもあろうかと思いますが、諸般の状況を考えたときに、ただいま民生部長が答
弁したような対応を図っていくということでもって現下の諸状況に対する対応ということで考
えているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 私はやっぱりこの問題、待機児童を解消するということは保育園を
新たにつくっていく。そしてまた、民間保育園等で施設に余裕があるところは、面積等に余裕
があるようなところは定員増を進めていっていただくと。そのために行政として応援をしてい
くということが必要なんじゃないかと思います。国が認めている定員よりもオーバーをして入
園を認めるということは、途中この沼田市に転入してきた人が保育園に入りたいと言ったとき
のための措置として国は認めているんであって、初めからそういうところに入園をしていただ
くというようなことからして認めているような制度ではないはずです。ですから、そういった
制度の趣旨もよく理解をしていただいて、この待機児童の抜本的な解消に向けた取り組みを進
めていかないと、いつまでたってもこの問題は解消できないんではないかというふうに思うわ
けですが、市長としての考え、また取り組みについてお考えがあればお聞かせいただければと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと人口動態を見たりすると、やはり今後の対応策として本
市の財政状況等も踏まえると、ただいま申し上げたような方法がよろしいのではないかという
ような判断に至っております。したがいまして、議員の立場からすれば、きちんとした定数の
中で対応しろという、こういうご意見だと思います。確かにお説、ごもっともなところがあろ
うかと思いますが、いろいろと人口動態等を考えてみたときに、やはり柔軟な対応にもこれま
た処していかなければいけないのではないかと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思い
ます。
◇20番(大東宣之君) 今の状況の中から今後の人口を推計していけば、沼田は減っていく
ということが既に出ているわけです。じゃ、市長としてそのまま人口が減っていくということ
をただ黙って座って見ているだけなんですか。やはりここは何らかの仕掛けをして人口をふや
していくような取り組みをしていくことこそ、市長の仕事の一つではないか。そのための一つ
として子育て支援というのがあるのではないか。ですから、保育園がたくさんあるということ
は、いつでも安心して子育てをしながら働いていくことができますよ、沼田ではできるんです
よというような仕掛けをしていかなければ、ただ座っていれば人口はどんどん減っていくんで
すよ。そういうことを防ぐための一つとしての子育て支援対策、その一つとしての保育の充実、
定員の増加、そのために行政が支援をしていくということが今の時代に求められている課題で
はないかと思いますが、市長としてのお考え、再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま申し上げましたとおり、不足の部分の関係等について現実
での対応を図るべく、現在、民生部をして鋭意対応をしております。議員のご意見、ご発言は
まことにもってもっともだなと思って受けとめさせていただいておりますが、今次はそういっ
た対応で処していきたいということでご理解を賜りたいと思います。
◇20番(大東宣之君) それでは、もう1回お聞きをしたいと思います。結局定員をふやす
こと、さらには現状の保育園の定員よりも上回る入所を認めていくというようなことをやりな
がら、新年度において待機児童はゼロになるのかどうか、その辺の見通しをお聞かせいただき
たいと思います。
 そして、過去、今年度を含めて3カ年を見ても待機児童が発生をしているわけです。決して
少ない数字ではないと。昨年度は52人ということですから非常に多かったという感じがする
わけです。ですから、一つの保育園の定員と何ら差しさわりのない待機児童が昨年度は発生を
しているわけですから、やはりそうした意味での抜本的な取り組みをしていくことが今求めら
れているんではないかと思います。とりあえず今、市長がおっしゃってきたような手だてを講
じることによって新年度は待機児童がなくなるのかどうか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 民生部長の方から答弁をさせていただきます。
◇民生部長(田辺昇利君) 12月の今の状況でお話しさせていただきますと、定員をふやす
中で今鋭意努力をしておりますが、ゼロになることはちょっと難しいかなという状況はありま
す。その辺について今検討しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。現実には1
けたぐらいが待機児童になってしまうのではないかというような今の状況でございます。
◇20番(大東宣之君) いろいろな手だてを講じても、新年度においても1けたとはいえ、
待機児童が発生してくるわけです。ですから、やはりここは抜本的な、長期的な計画も含めて
待機児童解消に向けた取り組みをしていく。やはりそれは行政が仕掛けていかない限りはでき
ない。先ほど人口が減っていくから、こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、市長
は人口動態の関係から見ると、こういう判断でいいんだみたいに私はとらえたんですが、そう
じゃなくて、先ほども言ったように、人口が減っている、それに歯どめをかけていくと。その
ためにいろんな仕掛けをしていかなくちゃならないんじゃないかと思っておりますので、ぜひ
ともこの待機児童の解消に向けて抜本的な対策、長期的な展望に立った上で計画をしっかりと
立てていっていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
 続いて、保育料の関係についてですが、本市の保育料は国基準の70%程度ということで、
以前から見れば下がってきて父母の負担も軽減されてきているということは理解はできます。
そしてまた、市長がお答えいただいたように、沼田市の保育料というのは、所得の低い人にと
っては極めて低い保育料に設定をされております。それは大変ありがたいことで引き続きこの
傾向は続けていっていただきたいと、そういう傾向を守っていっていただきたいと思います。
ただしかし、所得の高い人にとっては非常に高い負担になっている、重い負担になっている。
県のほかの市と比べても、また近隣の利根郡内の町村と比べても非常に高い、重い負担となっ
ている。やはりここにメスを入れていくということも必要ではないかというふうに思いますが、
どのようにお考えなのか。そして、これからどのようにされていくのかお考え、また対策があ
ればお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの議員の再質問の中で、最低保育料と最高保育料の関係、
そして12市とのバランスのことについていろいろとご質問があったわけでございます。議員
がお話しされておられますように、最低保育料の方では本市も健闘をしていると。最高保育料
の方で12市の中では高崎に次いで高い数値が出ているようでございます。したがいまして、
そういう意味の今後の判断をいろいろとしていかなければいけないなというふうに思っており
ます。
 そういった中で、今後、どういうことを考えていくかということになったときに、やはり3
人お生まれになるということになったときに、今までをとらまえたときよりは何らかの手だて
を打たなければならないのではないかというようなことでもっていろいろと考えているところ
でございます。
◇20番(大東宣之君) 3人目については考えていきたいということで、この次に聞こうか
なと思ったんですが、現在、沼田市では3人目の子供が同時入園でない限りには無料になって
いないわけです。しかし、今後は同時入園でなくても3人目、4人目の子供については無料に
していくというのが、今、県内のほかの市でも実践をされておりますから、本市においてもや
ってやれないことではないんではないかと。やはりここで沼田市においては3人目、4人目も
安心して子供が産める、そして育てていけるということの支えになるのが、同時入園でなくて
も3人目、4人目であれば保育料が無料になるというのが大きな魅力の一つになるんじゃない
かと。ですから、これは新年度においてはぜひ実施をしていっていただきたいと思いますが、
市長としてのお考えを再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今まで本市と大体同様な対応を図ってきたのが館林市とか藤岡市と
か富岡市とか、みどり市が挙げられるかと思います。そういった中でそれぞれの各自治体の状
況を見ると、いろいろな手だてを打っているところがございます。本市といたしますると、や
はりいろいろと現下の諸状況を考えたときに、3人目の子供の場合には現状よりさらに保護者
にすれば有利な展開がなされるように、今後、新年度に向かって検討を加えていきたいなとい
うふうに考えておりますので、よろしくご理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
◇20番(大東宣之君) ぜひ3人目、4人目の子供たちについては、同時入園でなくても保
育料をぜひ無料にして負担を軽減していっていただきたいと。そして、若い父親や母親の方々
が安心して子育てができるような、そういう環境をぜひ整備をしていっていただきたい。新年
度においては何らかの形で具体化がされることを強く願っております。ぜひ実施をしていって
いただきたいと思います。
 続いて、「子ども・子育て新システム」についてですが、現状として市長の方はまだ国の中
で検討されているということですが、現状を市長が知る範囲の中でこの新たな保育に関する大
幅な内容変更について、どのようなお考えを持っておられるのかお聞かせいただければと思い
ます。
 さらに、私がつかんだ情報は先ほど1回目の質問の中で述べましたが、要するに保育を介護
保険と同じような制度にしていくというふうにして公的責任を軽減させていく、国の負担を減
らしていくということの流れがこの保育の中にも持ち込まれようとしています。そういうふう
になれば、保育を受けられる、そういったことに格差が出てくるわけですから、そういうこと
のないように市長としていろいろな機会を通じてそういうことはやめていただくように働きか
けをしていただきたいと思いますが、市長としてのお考えについてお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段のことでありますが、各関係機関の方々のいろんなご要
望もあったり時代の状況を考えたときに、私どもの方でもいろいろな状況を判断する中で新年
度に向かって何とか前進を図っていきたいということを再度申し上げておきたいと思います。
 また、ただいまのご質問は、非常に難しい問題だなと思っております。というのは、保育行
政が果たして一体全体みんな直接契約的な形になって発展していった場合に、公が指導機関た
るべき立場がどういうふうになるのかなというのが一つどうしても頭の中によぎってまいりま
す。と申しますのは、現行であってもきちんと公立の保育園なり、あるいはまた民間の保育園
なり、いろいろと入所の関係等について市が、いわゆる公がいろいろと対応を図ってきたとい
うことになります。よしんば、これがそういう指導がなく直接的なやりとりになって発展して
いくと、福祉というものの持っている尊厳性から見たときに、言うなれば余りにも事業的なと
いうんですか、そこでもって公的な範囲というものがどうしてもなくなってしまうであろうと
いうところに危惧の念を持っております。
 したがいまして、私は直接契約については慎重の立場でございまして、そういう意味では今
後、いろいろな場面の情報収集をして、余りにも対民間的な感覚だけで進むと、将来を担う子
供たちの、いわゆる社会の責任がどうなのかなというようなこともありまして、現行の状態が
大きく変わって直接契約的なところに進むのではないかということが「子ども・子育て新シス
テム」のところにあるやにも伺っておりまして、そういう意味では慎重にこれを見守り、やは
り保育行政、きちんと福祉の立場から指導をしていくということが大事なのではないかなとい
うふうに受けとめているところでございます。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後4時01分休憩
        ─────────────────────────────
午後4時08分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇20番(大東宣之君) 「子ども・子育て新システム」については、市長も懸念を抱いてお
られるようですので、そういうものについてはやめていただくように機会があれば国に働きか
けていただければというふうに思います。
 次に、学童保育所の関係ですが、新年度においては上川田に開設をされるということですが、
これの定員といいますか、何人ぐらいを受け入れる予定なのか、わかれば教えていただきたい
のと、本市においては、小学校区ごとに学童保育所をつくっていきたいという計画があったは
ずですが、それについて現在も堅持をされているのか。そして、小学校区一つずつそうした学
童保育所をつくっていくという計画であるならば、新年度も含めて新年度以降、こうした学童
保育所の増設に向けてどのような計画を持っておられるのか、お聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 川田の学童クラブの定員は一応15人を見込んでいるところでござ
います。
 なお、川田学童クラブが発足をいたしますと、結論から申し上げますると、利根町振興局管
内に学童クラブができていないという状況だけになるというふうになります。したがいまして、
今後はそういう意味で利根町の状況等を踏まえた形の中で検討を加えていく必要があるという
ふうに思っております。
 ただ、ご案内のとおり、利根町は面積が広いというところからどういう対応がいいのかとい
うことになりますると、本庁管内とはややその状況を異にすることは論をまちません。しかし
ながら、やはり既に川田学童クラブができますと13になります。それぞれの小学校区に一つ
ずつ最低あるというようなことになってまいりました。したがいまして、今後は利根町振興局
管内のことについて鋭意検討していく必要があるというふうに受けとめております。
◇20番(大東宣之君) 川田にできれば利根町だけが残るというお答えだったんですが、も
し私の記憶が違っていれば指摘をしていただければ結構なんですが、升形小学校区にはなかっ
たんじゃないかという気がするんですが、もしあればあったで指摘をしていただければ結構な
んですが、ちょっと私は升形がなかったんじゃないかなと思っていたものですからどうなのか
ということをちょっと確認させてください。
 それと、小学校には夏休み、冬休みという長期間の休みがあります。ですから、通常は学童
保育を利用しなくても結構な家庭もあるんですが、ただやはりそういった長期間の夏休み、冬
休み、春休み、そういったときにだけは学童保育に入れたいという希望は少なからずあるんで
はないかというふうに思います。ですから、やっぱりそういった時期的なものに対して定員が
一時期ふえたときにも対応ができる、そういうようなこともしていかなくてはならないんでは
ないかと思いますが、そうしたことに対して何らかの対応をお考えなのか、されていくのかお
聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、升形小学校区は、今年度、つまり平成22年度におひさま学
童クラブというのが開設をされまして15人定員でスタートをしております。
 それと後段のご質問でございますが、これらについては、ただいま議員から初めてそういっ
たご意見を承りました。したがいまして、夏休みや冬休みのときに果たして学童クラブの現行
の中でどういうふうに対応ができるかということは、今後の検討課題とさせていただきたいと
存じます。
◇20番(大東宣之君) 学童クラブの中にはたくさんの子供たちがいて、要するに施設のキ
ャパを超えるぐらいの子供たちがいる、そういう学童保育所もあるというふうに認識をしてお
ります。ですから、やっぱり個々の学童保育所をよく見て、いわゆる行政の必要な手だて、支
援を講じていくということが今、必要になってきているんではないかと。やはり保育とあわせ
てこうした学童保育に対するニーズも高まってきております。ここを重視をし、手だてを講じ
ていくということは、これは子育て支援対策にとっても重要な柱にもなりますし、安心して子
供を育てていく沼田市をつくっていく上では不可欠な課題ではないかと思います。今後、既設
の学童保育所にどのような対応をされていくのか。また、個々の学童保育所の状況については
どのように把握をされているのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結局いろいろと児童が放課後、おうちに帰る、あるいは帰らないで
近所の子供たちと一緒に学童クラブでいろいろと意見交換したり、あるいはまた勉強したりと
いうことで大変重要な子育て事業として位置を占めていると思っております。したがいまして、
今まで鋭意努力をしてここまで来たわけでありまして、先ほど申し上げましたとおり、できる
だけ各学校区にこれらが存在をして、そして文字どおり笑顔のあふれる地域社会がつくられれ
ばいいなと思っております。
 したがいまして、今後、今おっしゃるいろいろなキャパシティー、申し込み者、受け入れの
人口の関係の話が出ておりましたが、休日等についての対応、それがすなわち夏休みだとか冬
休み等でもってのご指摘だと思っておりますので、それらについては今後、きちんと検証を加
えてどんな対応ができるかということは、鋭意考えてまいりたいというふうに思っております。
◇20番(大東宣之君) ぜひ個々の既設の学童保育所の状況などもしっかり把握をしながら、
また学童保育所との意見交換なども行いながら、やはりそうした状況に合った形で適切な支援
を早急にその時々に応じた形でこれからもとっていっていただきたいということを強くお願い
をしておきたいと思います。
 続いて、有害鳥獣の対策についてですが、現状においては、やはりなかなかこの有害鳥獣の
被害がなくなっていない。特に利根町管内では被害金額、面積ともに非常に大きいと。そして
また、旧沼田においても、これは多分池田地区が中心になっているんではないかと思いますが、
やはり被害も決して少なくないというような状況があるわけです。ですから、やっぱりこうし
た有害鳥獣の被害をなくしていくということについて、今後、抜本的な対策としてどのような
ものを行っていくお考えであるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
 もう一つお聞かせいただきたいのは、例えば畑にクマが出て荒らされたということになって
もすぐその場で対応ができない。いろいろな手続等があって若干時間が経過をしてしまうとい
うのが今の対策、対応の仕方ではないかと。ですから、被害が出た、即対応というふうに、こ
うしたことができないのかどうかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今回12月議会に各議員の皆さん方のご努力によりましていろいろ
とご陳情等も出ておるようでございます。そういったことをとらまえますと、この有害鳥獣の
問題は国の社会問題化してしまったなというふうに思っております。本日のご質問は当然、農
家の方々に対する対応でございます。しかしながら、テレビ報道で見ますと、観光地地区等で
野猿が出てまいりまして果物屋さんのバナナをとって食べたりとかいうのが現実にあったり、
非常に厳しい、また深刻な問題になっているなと思っております。
 議員のご質問は農業生産者、すなわち農家の方々の影響に論点を絞ってのご質問でありまし
た。そうなってきたときに、やはりいろいろと考えられることがありますが、その一つは、結
局県当局と各基礎自治体の関係が、いわゆる一つの行政の体制の中にありまして、県の指導を
いただいた形の中で基礎自治体が出ていくという構造になっております。そういうふうなこと
からもう少しそこのところは機動性を高めるという意味で、やはりしかるべき機関の方におつ
なぎをしていかなければいけないなというふうに思いますし、その辺のところは手続の簡略化
が求められているのではないかと思っております。
 また、一方において現実的な対応でありますが、今回のいろんなご陳情の中身にもあったよ
うでありますが、現在、いろいろと市の方で進めております電気さくであるとか、わなの対策
等の関係等については、やはり今後、いろいろと対応を、県のご指導もいただきながら前進さ
せていくということが大切なのかなというふうにも受けとめております。
 同時に、群馬県知事は機会あるごとにこれを広域的に考える必要があるんじゃないかという
ようなことで、群馬県なら群馬県が単独で考えるだけでなくて、栃木や埼玉等も含めてきちん
とした対応を考えていく必要があるんではないかという問題提起を関東知事会等でしてきたと
いうようなことで私も先般、市長と群馬県当局との意見交換のところで申し述べていたという
経過がございましたので、申し上げておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、非常に深刻な問題で、手塩にかけて育てた農業生産物が一夜にし
て全くなくなってしまうということになれば、農業をやっていても何の勢いもつきません。し
たがいまして、今後、現場の状況を一生懸命分析をして市としてできることを精いっぱいさせ
ていただくつもりでございます。
◇20番(大東宣之君) ですから、素早い対応、これが今、有害鳥獣対策にとっては不可欠
なことになるんではないか。大体先ほども言いましたが、やられたということになってそれか
ら手続に入れば、その日のうちに対応ができるかどうかといえば、なかなかそうはなっていな
いのが現状ではないかと。少なくともそういう被害が出たというときには、すぐ対応できない
とどんどんどんどんクマは動いちゃうわけです、イノシシも動いちゃうわけです。同じ場所に
ずっととどまっていてはくれないんです。そういった意味では早急な対応をしていかないと、
なかなかこの問題の解決にはならないんではないかということが挙げられるんではないかと思
いますので、県に働きかけていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、広域的なことということで知事がおっしゃったということなんですが、私が考え
ていたのは近隣の町村との関係なんです。クマにしてみれば、川場村であろうが、昭和村であ
ろうが、沼田市であろうが別に餌があればどこにだって出てくるわけですから、市町村の関係
なんか関係ないわけですから、やっぱり近隣の町村との連携をどうしていくのかということが
一つの大きな課題ではないかと思いますが、そうした利根沼田の市町村としてこの問題の連携
についてどのように考えておられるのか、対応をとっていかれるのか、あればお聞かせいただ
ければと思います。
 それから、電気さく、わなについては何らかの対応をしていきたいということですので、こ
れは前向きに電気さくの設置やわなの設置に向けてはかなり広範囲でできる。早急に広い範囲
で電気さくの設置ができるように、またわなの設置ができるようにしていくというふうにお考
えであるということで理解してよろしいかどうか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはもう昭和村であっても、川場村であっても、片品村であって
も、みなかみ町であっても同様な悩みあるいはまた苦しみを持っていると思います。利根地方
総合開発協会でもこれらを主要な問題として何度か関係機関に陳情・請願もしてまいりました。
したがいまして、今後、さらに近隣の町村との連携を深めて団結をして事に当たっていくとい
うことを進めていきたいと考えております。
 なお、電気さくであるとか、わな猟の関係でありましたが、これらについては非常に地域の
要望も高いようでございます。したがいまして、これらについては現状を当然踏まえながら、
さらに強化を図っていかなければならないのではないかと受けとめさせていただいております。
したがいまして、今後、いろいろと新年度に向かって財政の問題等もありますが、できるだけ
の応援をさせていただきたいと考えております。
◇20番(大東宣之君) 電気さく等でこの畑や田んぼにイノシシなどが入ってこないように
していくということですので、ぜひこれは新年度ではしっかりとやっていっていただきたいと
思います。
 それともう一つ、農林水産省はパンフをつくっていて、それを見ると有害鳥獣の被害に遭わ
ないためには、要するに畑と山とのすみ分けをしなさいと。要するに山の下草刈りや間伐をち
ゃんとやりなさいというふうなことを言っています。それをやると結構効果が上がるというふ
うに言われてはいるんですが、私に言わせれば極めて無責任、要するにもう地域に担い手がい
ない。そういう山の手入れができないにもかかわらず、そういうことをやれやれと言うのは極
めて無責任だと思います。
 そうした中で新年度、国は予算をふやすと言っているわけですから、要するに畑と山とのす
み分け、人と野生生物のすみ分けということをしっかりとこれからやっていかないと、なかな
かこの問題は難しいんじゃないかと。ですから、国が新年度の予算をふやすと、どういうこと
でやってくれるのか細かい点はまだちょっとよく把握をしていないので申しわけないんですが、
そうした中で増額されてくるわけですから、しっかりとしたそうしたすみ分けかできるような
地域の担い手を育てていく。そして、財政的にも国がしっかり負担をしていただくというよう
な抜本的な対策をしていかないと、なかなかこの問題も難しいんではないかと思いますが、そ
うしたすみ分けに向けて山の手入れ等についてはどのようにお考えになっているのか。そして、
どのような取り組みをされていくのか、あればお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私の記憶をたどってみますると、当時の経済部長が大嶋経済部長で
ありまして、相当この有害鳥獣がいろんな場面にあらわれてまいりました。そのときにいろい
ろなところを執行部が視察をしたりして対応を図る中で、今議員がご指摘されたようなことに
ついての対応をしてきたというような経過も記憶によみがえってまいります。
 したがいまして、そういう意味で耕作地と林地、これの部分の整理をしていくということが
効果があるというようなことは各関係機関からも聞いております。したがいまして、今後、そ
ういったところに予算等が講じられてくるとすれば、やはりこれはしっかりと事業を講じてい
かなければならないのではないかというふうに思っております。したがいまして、今後の関係
機関の動向も踏まえて、そして地元に見合った適切な対応を考えてまいりたいと思っておりま
す。
◇20番(大東宣之君) ですから、市長としてもそうした畑と山とのすみ分けをすることに
効果があるというふうに認めていらっしゃるわけですから、当然、そういった財政的な支援を
国から引き出すということが市長としての役割になってくるんではないか。ですから、こうい
うことをやれば効果が上がるんだと。だから、そのための財源的な手だてをしてくれというよ
うなことをするのが、市長の仕事の一つではないかと。
 そして、残念ながらこうしたクマやサル、イノシシ等が出没する地域というのは高齢化が進
んでいるわけですから、やはりそこの地域の担い手、これをどう育てていくのか。猟友会の駆
除隊の関係も高齢化をしていてなかなか迅速な対応が難しくなってくる。ますますこれから高
齢化が進んでいくわけですから、これも全国的な大きな課題として挙げられているそうですが、
沼田も決してその例外ではないというふうに感じております。ですから、そうした地域を支え
ていく、すみ分けをしていく、そうした手だてを講じていくための人材の確保、さらには駆除
隊の育成、そうした人材の確保に向けてやっていかなくてはならないわけですから、そうした
財源的な問題、そうした人的な問題、今後、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせいた
だければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな現行の組織、あるいはまた当然、先ほど来、お話しのと
おり、いろんな指導機関もございます。そういった中でそれぞれのセクションごとにいろいろ
と対応を図らなければならないわけでありますが、やはり何としても農作物の被害をきちんと
守っていく。ひいては人的な被害を防がなければいけません。そういった意味で今後、議員の
考え方等を承った形の中で対応をしてまいりたいと考えております。
◇20番(大東宣之君) やはりこの問題については迅速な対応、的確な対応というのが今、
非常に求められている。それともう一つは、先ほども言ったように、その地域の担い手、これ
をどう育成をしていくのか、やはり山の手入れをする、すみ分けをしていくという中にあって
も高齢化が進んでいる地域ではなかなかそれが困難になってきているわけですから、どうやっ
てそういうことができるような地域づくりをしていくのか、また森林組合等を活用していくの
かとか、いろいろな方法があるわけですから、そうしたことが進められる、推進できるような
人的な確保、これをどうしていくのか、ここをしっかりと計画をしていかないことには意味が
ないんじゃないかと思います。ですから、そういった取り組み、検討を早急にしていっていた
だきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 それから、被害農家に対しての支援については、農業共済でやりなさいというふうに市長は
お答えいただいたわけですが、沼田市の関係者では、この農業共済に加入している人が極めて
少ない状況にあるのではないか。状況がわかれば教えていただきたいのと、なぜこれだけ有害
鳥獣の被害があるにもかかわらず農業共済に入らないのか、そういったことについてどのよう
に考えておられるのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 共済の関係は、やはり農家の方々がいろいろな災害が起こったとき
の自己防衛としてこれを使って対応してきているというような経過があろうかと思います。し
たがいまして、先ほど被害農家に対しての支援ということで、共済の活用のことについて申し
上げさせていただいたわけでございます。加入率の関係等については経済部長の方から現状、
どうなっているのかということを説明させていただきたいと存じます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。私も直接農家の方にこの関係につ
きましてお聞きをさせていただきました。はっきり申し上げまして、やはり毎年被害が起きて
おりますが、一番問題は掛け金が高いということをおっしゃっておりました。したがいまして、
全体的にはそういう掛け金を掛けながらというのは苦しいということを訴えられておりました。
この辺につきましては、共済の掛け金の関係について市が直接対応できるものではございませ
んので、市ができる範囲ということでその他の電気さく初めわな等々、できる範囲で対応をさ
せていただきたいと考えているところでございます。
◇20番(大東宣之君) 結局市長も先ほどお答えいただいたように、さあこれから収穫だと
いうときに一晩で農作物がだめになっちゃうと。こういうふうになってしまえば農家の方々に
とっても非常なショック、そして新たな耕作意欲というのはなかなかわいてこない。ですから
そこは身近な行政が手を差し伸べてあげる、そういう被害に遭ってもこれから頑張って農業を
続けていってくれと言えるような手だてを講じていかないと、やはりますますだめになってく
るんではないかと。ですから、かえってそういったことによって耕作放棄地がふえることが、
そういった野生生物を里に出てくることにさせてしまうわけですから、やはりそこは地域で頑
張っていただいて農業を続けていただけるような、そういう手だてを講じていく必要がある。
それにはやっぱり財政的な支援等も含めてやっていくことが必要ではないかと思いますが、お
考えを再度お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど来、共済のこと等についてご答弁させていただきました。た
だいまのいろんなご提言は、他の市町村等の状況も把握して今後、地元にとってどういう手だ
てがあるのか、あるいはまたモデルケースとしてどこかを位置づけてそうした対応を図ってみ
ることが必要なのかどうか、いろんなことを検証してみる必要があろうかと思います。そうい
ったことの中で本市にとって一体どういう手だてがいいのかということを改めて分析をしてい
かなければいけないと思っております。したがいまして、本日はご提言された内容等について
真摯に受けとめさせていただきまして今後の対応に処してまいりたいというふうに考えており
ますので、ご理解を賜りたいと思います。
◇20番(大東宣之君) 今の市長の答弁はそれはそれとしてわかりました。ですから、早急
に手だてを講じていただきたい。やはり何もしないままで新年度が終わったということになら
ないように、ぜひとも新年度の中で何らかの方向性が打ち出せるように早急な手だてを講じて
いただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 続いて、中心市街地の土地区画整理事業について質問させていただきたいと思います。
 この事業が始まって10年が経過してきた中で、換地率で28.1%、3割近くの進捗状況
にとどまっている。そういった現状を見て市長としてどのようなお考えをお持ちなのかお聞か
せいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 下之町の関係等の事業が済みまして、ご案内のとおり、上之町の関
係等で仮換地の関係が平成21年7月31日に行われたということで、見てのとおり、場所が
関係する進入道路等のところもロケーションが見えてまいりました。地元の方々も一生懸命や
ろうとしているということを私も含めて街なか対策部長あるいは担当課長も受けとめていると
ころでございます。したがいまして、現行の中で突き進んできたところについては、できるだ
け速やかに対応に処して何とか財政が許す限り、この対応を図ってにぎわいを取り戻してまい
りたいと考えているところでございます。
◇20番(大東宣之君) まだ28.1%の換地率、進捗状況ですから、市長としてこの事業
は一体いつごろ終わるというふうにお考えなのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 結局一般論からすれば、30%で10年というようなことからすれ
ば、おのずとその流れということについてはいろいろとご理解がいただけるんではないかと思
っております。
 ご案内のとおり、本事業がスタートしたのはたしか平成10年でしょうか、そういった中で
時代も大きく変わってきております。その時代の変化とともに本事業が平成10年のころの部
分と現在が変わってきているということを踏まえながら、やはり時代の状況に対応した形の方
法が考えられるのかなというふうには思っております。したがいまして、今後、いろいろと関
係住民の方々のご意向もございます。そして、時代の背景もございます。そういうことをとら
まえながら、まずは現実に仮換地指定を行ったところについては早急な対応を図って、そして
空き地をきちんと埋めてまいりたいと考えております。今後につきましては、そういった時代
状況も踏まえたり、あるいは国の最近よく出てくる一括交付金等のあの状況等を見たりして、
そして一体全体、財源の裏づけがどうなのかということを踏まえながら対応を図っていかなけ
ればならないのではないかと考えております。
◇20番(大東宣之君) 現状のところについては早急に進めていきたいと。多分これは上之
町の1街区と2街区の一部分、あの地域だと思います。じゃあほかの地域の状況は今どのよう
になっているのか、仮換地が進んでいるというふうにもちょっと見受けられないんですが、1
街区、2街区の一部以外についてはどのような状況になっているのか。
 そして、この1街区、現在進められている1街区と2街区の一部に引き続き仮換地が近々完
了するようなところがあるのかどうか、わかれば教えていただきたい。そういったところがあ
るのかどうかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、下之町が済んだ後、1街区、2街区に集中して対
応してきたという経過もございまして、議員がおっしゃる次の段階での仮換地の指定等につい
ての日程的なスケジュールはまだ俎上に上がっているというふうには受けとめておりません。
◇20番(大東宣之君) 先ほど、現在進められている1街区については12億円を見込んで
いるということです。かなりの財政投入がここで図られるわけですが、結果として先ほどの子
育て支援対策についても、財政状況を見ながら、財政状況を見ながらというお答えをいただい
てきているわけですが、結果としてここへは12億円、ですから、ある意味、ここにお金を多
額につぎ込むということは、この中心市街地の土地区画整理事業においても、ほかの街区には
なかなか手を出せないという状況にあるのではないかと思いますが、結果として1街区、そし
て今進められている1街区と2街区の一部分が手がついている中にあってもほかのところが俎
上にのぼっていないということは、これから進んでいくめどが立っていないということではな
いかというふうに思うわけですが、状況はどうなっているのかお聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 私は本事業を正面に据えたときに、できるだけ確実にできることを
堅実に進める方法が一番適切ではないかという気持ちでもって対応を図ってきたつもりでござ
います。したがって、本事業だけが沼田市の全体の事業ではございません。先ほど議員がおっ
しゃっている有害鳥獣駆除の問題も、子育て支援のこともすべて沼田行政が総括的にとり行っ
ていかなければなりません。したがいまして、それぞれの部署のことについて目配りをしなが
ら、一体全体現状の背景の中でどの程度がいいのかということを柔軟に配慮しながら進んでき
たつもりでございます。しかしながら、ご案内のとおり、既にいろいろと移転補償等がされた
りしてくると、ここはどうしても立ち上がってもらわなければならないということになります。
そういうふうなことの、要するに事業がもうすぐそこまで来ているというようなことについて
は、可及的速やかに対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
 そういった中で今後の見通しという形でもってのご質問だったと思いますが、これらについ
てはまた街なか対策部をして地元の方々の意見調整を図りながら、一体全体どういう選択がよ
いのかということを真摯に考えてまいりたいというふうに思っております。
◇20番(大東宣之君) 土地区画整理事業を進めるに当たって一つの街区が事業が進んでき
たと、着手をされて進んでいるという中にあって、ほかのところについてやはり俎上にのぼっ
ていないというのは、ある意味、私は異常だと思うんですよ。もう区画整理事業というのは、
どんどんどんどん広がっていかなければ、この事業というのが一体いつになったら終わるかわ
からない。ですから、ある意味、この事業が完了するのにはあと50年から100年はかかる
んではないかという感じがしてしまいます。そういうところにいつまでも沼田市が縛られる必
要があるのかどうか、ここは抜本的な見直しが必要ではないか。市長がおっしゃられるように、
手をつけたところについては完了させるということは、それはそれで必要なことかというふう
に私も思いますが、しかし、これ以上広げていくと時間、財政、これを無制限にかけていくわ
けにはいかないわけですから、そういった点でそこはもう市長として決断をしていかなければ
ならない、そういう時期に来ているんではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただけれ
ばと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと議員のご意見を承った形の中で、ご案内のとおり、非常
に国の方の本事業に対する予算の関係等についても流動的なことは否めません。そういった形
の中で、やはり適切な対応がどういうところなのかという、言うなれば落としどころでござい
ますが、これらについては真摯に取り組んでいく形の中で今後の判断に処してまいりたいと考
えております。
◇20番(大東宣之君) ですから、私は、もうこの上之町の1街区が終われば、この事業か
らはもう撤退をすると、新たな方向性を考えていく必要な時期に来ているんではないか。一体
いつになったら終わるのかわからない。そして、財政もこれからどのくらいかかっていくのか
わからないというようなものは、いつまでもだらだらと続けていく必要はないというふうに思
います。ですから、やっぱりそういった点では、早急に市長として決断をしていただかなくて
はならないんではないかというふうに思いますが、そうした決断の時期についてはどのように
お考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
 そして、私が最初に申しましたように、その地域に住んでいる人が少なくなれば、そのまち
は活性化をしないわけです。ですから、空き地に人を呼び込むような施策、手だてを講じてい
くと。そして、まちを賑わせていくと。これこそ今すぐ市としてやるべき課題ではないか、や
る必要性があるのではないかと思いますが、市長としてのお考え、お聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、これも今までのいろんな歴史的な経過があって本
日を迎えているわけでございます。それぞれのところでもっていろいろな判断を下しながら本
日を迎えているわけでありますが、ただいま前段申し上げられた大きな政治決断につきまして
は今後の課題にはなりますが、街なかの部分のところについて早急なにぎわいを取り戻すべく
手だてというものを考える必要があるのではないかということにつきましては、理解ができる
ところでございます。したがいまして、今後、そういったことも踏まえた形の中で総体的にど
ういう方向がいいのかということをしっかりと私どもの方で検討を加えてまいりたいと考えて
おります。
◇20番(大東宣之君) 私はもう早くに決断をして新たな方向性に踏み出していくべきでは
ないかと思います。そして、賑わいを取り戻していく。それにはそこに住む人をふやしていく
ということが必要だというふうに思います。沼田市には県有施設というのが極めて少ない。東
毛地域や前橋、高崎から比べれば極めて少ない状況にあるわけです。ですから、県営住宅を建
てていただければいいんです。沼須の土地改良に絡んで産業団地、あれだけ市長は県の面倒を
見たんですから、今度は県に面倒を見てもらいましょう。県営住宅をあそこに建ててお年寄り
や若い方々、たくさんあそこに住んでいただく。そしてにぎわいを取り戻していく。人が住め
ば商店が張りつくんです。ですから、賑わいが戻るんです。ですから、そういうことこそ、市
長が今すぐ取り組まなくてはならない課題ではないかと思います。県営住宅の建設、人口をふ
やしていく、そういうことについてのお考えがあればお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、県営住宅は環状線沿いにありましてしっかりとし
た機能、そしてまた成果を上げていることは、私もよく承知をしております。群馬県当局との
関係がございますので、ここで何とも申し上げることは慎重にならざるを得ませんが、議員か
らそういうご意見があったということは、今後の対応として受けとめさせていただきたいと考
えております。
        ─────────────────────────────
〇会議時間の延長
◇議長(布施辰二郎君) 一般質問中でありますが、本日の会議時間は議事の都合により、あ
らかじめこれを延長いたします。
        ─────────────────────────────
◇20番(大東宣之君) いろいろな関係もあるでしょうし、私が言っていることがいいのか
悪いのか、それは市長としてよく吟味をしていただいて対応していただけば結構なことですが、
私が再三再四申していますように、その地域に住む人が少なくなれば、当然、地域のにぎわい、
活性化、活力というのは衰えてしまうんですよ、絶対これは。ですから、街なかににぎわいを
取り戻す、そういうふうに考えるんであれば、そこに住む人をどれだけふやしていくか、そう
いう手だてを講じていかない限りは中心市街地の活性化、にぎわいを取り戻すということはで
きないんじゃないかというふうに思います。ですから、そうした賑わいを取り戻すということ
でぜひ人口をふやす手だてを講じていただきたい。地元の方々もイベント等でさまざまな取り
組みをされていますが、そういったものは一過性にしかすぎないわけです。ですから、日常そ
こに住んで買い物をしていただく、まちを歩いていただく、そういう人をふやしていく。そう
いうためには住む場所、住宅が必要、それには市営住宅を建てるということになれば、市の財
政問題もあるわけですから、そこは県にお願いをしたらどうですかということを申し上げてお
りますので、ぜひ検討していっていただきたい。
 そして、早急にこの問題についての政治的な決断を下すべきときを迎えているのではないか
というふうに思いますが、最後に、この中心市街地の土地区画整理事業について市長が今後、
どのように取り組んでいくのかのお考え等についてお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろとご示唆のあるご意見あるいはまたご発言を承りました。
私どももそういった住宅を建設するということ等も内部でいろいろとたたいていないわけでは
ございません。そういった中で現状、今進めていること等もありまして慎重な答弁になってい
るわけでございます。きょう、また議員からいただいたそういったご発言を受けて、いろいろ
と関係機関にまたご相談等をして対応を図ってまいりたいと考えております。
        ──────────────◇──────────────
◇議長(布施辰二郎君) 次に、井之川博幸議員。19番。
〔19番 井之川博幸君登壇〕
◇19番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。
 今回は、第1に農業問題について、本市農業の保護と振興についてお伺いいたします。
 菅直人政権は、11月9日の閣議でTPP、いわゆる環太平洋戦略的経済連携協定への参加
を前提とした「包括的経済連携に関する基本方針」を決定しました。その後、横浜市で開催さ
れたAPECで、TPP加盟を協議する9カ国の首脳会議に、APEC議長としてオブザーバ
ー参加をし、閣議決定した「経済連携の基本方針」を説明した上で、積極的にTPP参加の9
カ国とも協議をして、その中で2国間、あるいはTPP以外の形の多国間を含めて貿易の自由
化を目指すという方向は一貫していると表明しました。また、同日のAPEC首脳会議でも菅
首相は、「TPPについて国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始し
ていく。これによりわが国としてもアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築に積極的に
貢献する」と述べました。
 一方、農林水産省は、日本がTPPに参加した場合、国内農林水産物の生産額は
4兆5,000億円減少し、食料自給率は40%から13%に転落。就業機会も350万人減
少するとしています。また、前原外相は、「GDP1.5%の1次産業が他の98.5%を犠
牲にしている」と発言しましたが、農林水産業の多面的機能の貨幣評価では、農業が8兆円、
林業が70兆円、漁業が11兆円と言われており、生産額だけで推しはかれない大事な産業と
言えます。それらにも大きな影響が出ると懸念されています。群馬県でも農業産出額の35%、
780億円が減少するという試算が出ています。
 そこで、TPPが実施された場合の本市における農業への影響額について、及び市長はこの
ような事態に対し、どのような見解を持っているのかお伺いいたします。
 また、本市における食料自給率の現状と向上対策について、さらに以前の質問で「検討する」
との答弁をいただいている本市における農業振興計画及び農業振興基本条例などの策定につい
て、及びそれを現場で進める機関の設置について、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
 次に、学校教育について、子供たちをめぐる問題の解消についてお伺いいたします。
 10月23日、学校でのいじめの被害者だった桐生市の小学6年生が自殺した事件が新聞等
で報道されて社会的にも大きな反響がありました。学校と桐生市教育委員会はいじめと自殺と
の因果関係を認めず、第三者委員会を設置して因果関係を再調査するという報道もされていま
すが、いじめがあるとわかった時点で解決されていればと残念に思うのは私ばかりではないと
思います。また、そのいじめのあったクラスは学級崩壊という状況だったとも言われています。
 本市においては9月決算特別委員会での答弁で、いじめについて21年度は小学校ではゼロ
件で中学校では4件発生したがすべて解消しているとのことでありましたが、今回この事件を
受けて県教委が行った公立学校アンケート調査においては、10月の1カ月間で小学校42.
6%、中学校52.3%でいじめが認知され、未解決が小学校で23.7%、中学校で40%
もあり、県教委はスクールカウンセラー増員の検討を始めたとの報道がありました。県教委は
全公立小中学校に報告を求めたということですので、それらのことも含めて本市におけるいじ
めや不登校、暴力行為や学級崩壊の現状等あるとすれば、その原因について及び対策について
どのように行われているのか、お伺いいたします。
 続いて、豊かな給食についてお伺いいたします。
 学校給食が導入された当時は、ほとんど自校方式で実施され、調理をするおばさんたちの姿
が子供たちにも見えたものでした。その後、財政的効率が優先されセンター方式が導入される
ことになりました。しかし、給食を教育の大事な一環としてとらえ、子供たちに豊かな給食を
という思いから自校方式を継続・発展させている自治体も少なくありません。本市における学
校給食の自校方式導入についてのお考えをお聞かせください。
 また、さらに財政効率優先で豊かな給食から後退していこうとしている調理業務民間委託の
中止についてもお考えをお聞かせください。
 次に、給食費の滞納については、その理由として保護者の経済的問題がふえている状況です。
厳しい経済情勢の中で子供たちも大きな影響を受けています。自分の保護者が給食費を支払っ
ていないということを当該者である子供は知っていると思います。そして何らかの心の負担を
感じていると思いますが、それらに対する対応はどのように行われているのかお伺いいたしま
す。
 また、子育て支援などの理由で、給食費を無料にする自治体がふえてきていますが、義務教
育無料の原則や子供たちは学校では皆平等であるというという点も加味して、本市においても
給食費の無料化実施についてのお考えをお伺いいたしまして、私の1回目の質問といたします。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 休憩いたします。
午後5時02分休憩
        ─────────────────────────────
午後5時08分再開
◇議長(布施辰二郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
        ─────────────────────────────
◇議長(布施辰二郎君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、農業問題について、本市農業の保護と振興について、政府が進めようとしているTP
P(環太平洋戦略的経済連携協定)が実施された場合の本市における農業への影響額について
及びどのような見解を持っているのかについてでありますが、さきの金井議員のご質問にお答
え申し上げましたとおり、当市全体で見ますと、農業総産出額91億3,000万円の約42
%に相当する38億3,000万円が減少するものと推計しております。
 本市としては、コンニャクを初めとした農作物や牛肉や豚肉などの畜産業に壊滅的な打撃が
想定されることから、TPP参加については慎重に検討すべきものであると考えております。
 次に、本市における食料自給率の現状と向上対策についてでありますが、農林水産省の試算
資料により、直近統計値の農作物等生産量を当てはめて本市の自給率を試算したところ、約3
7%という推計値となっております。
 食料自給率の向上対策につきましては、米や野菜を中心としたバランスのよい食生活を心が
けることや、地元産の新鮮な旬の素材を食べるなどの地産地消の行動こそが自給率を再びアッ
プさせる原動力になると考えております。そのためにも、食料を安心しておいしく食べられる
社会を守り、長い間、美しい自然と大勢の人たちによってはぐくまれてきた食文化を、子供た
ちの世代へと引き継がなければならないと考えております。
 次に、本市における農業振興計画及び農業振興基本条例などの策定について及びそれを現場
で進める機関の設置についてでありますが、農業振興については、県が策定した「群馬県農業
振興プラン2010」の中に「利根沼田地域における地域政策」が定められていることから、
県と連携を図りながら事業を推進しております。
 しかしながら、本市の特徴を生かした農業振興を図るため、農業振興計画の策定等について
研究をしておりますが、TPP問題を初めとして農業を取り巻く諸情勢は極めて先行きが不透
明な状況にあることから、それらの推移を見守りながらさらに研究を進めてまいりたいと考え
ております。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、学校教育
につきましては教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(布施辰二郎君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 学校教育について、子供たちをめぐる問題の解消について、本市におけるいじめ・不登校・
暴力行為・学級崩壊の現状と原因について及びその対策についてでありますが、いじめにつき
ましては、小学校が12件、中学校が2件、合計14件であります。そのうち10件が指導に
より既に解決に至っており、4件につきましては、現在指導を継続しているところであります。
 次に、不登校につきましては、小学校が3人、中学校が18人、合計21人であります。そ
のうち、7人は適応指導教室に通級しております。また、暴力行為につきましては、中学校に
おいて1件発生しており、現在、自立支援施設において指導・援助をしていただいているとこ
ろであります。
 次に、学級崩壊につきましては、現在特にありません。
 続いて、いじめ・不登校・暴力行為等の原因についてでありますが、いずれの問題につきま
してもその原因は複雑で多様であります。
 いじめにつきましては、異年齢集団での遊び体験の不足や同年齢集団で切磋琢磨する機会が
少ないこと、コミュニケーション力の不足や人権意識の希薄化などが考えられます。
 不登校につきましては、友達との人間関係、基本的な生活習慣の欠如、情緒的な混乱、怠惰
による意図的な拒否などが挙げられます。
 暴力行為につきましては、友達同士の人間関係、家族関係を初め不安定な家庭環境等が考え
られます。
 学級崩壊につきましては、主として社会や子供たちの変化に対応できない学級担任等の指導
力不足などが考えられます。
 こうした問題行動等につきましては、いずれの場合も学校は危機意識を持ち、未然防止と早
期発見、早期対応に向けて指導力向上を図るための研修を充実し、より効果的な対応ができる
よう校内生徒指導委員会などの活性化を図り、組織的に対応することが大切であります。さら
に、教育研究所や中央児童相談所、警察等の関係機関との一層の連携を図っていくことが重要
であると考えております。
 次に、豊かな給食について、自校方式の導入についてでありますが、本市においては、昭和
45年度から共同調理場方式を導入し、平成13年度からすべての学校において共同調理場方
式による給食を実施してきた経過があります。
 県内においては、小中学校の約75%が共同調理場方式で給食を実施しております。本市に
おいても、現在の共同調理場方式を継続しながらより良い学校給食の提供に努めてまいりたい
と考えております。
 次に、調理業務民間委託の中止についてでありますが、調理・配送等業務の民間委託につき
ましては、平成21年度から導入の是非について検討し、平成23年度から実施する方針のも
とに、現在、その準備を進めております。実施に当たっては、未来を担う児童生徒の食を大切
にして給食の維持向上を図りながら、安全・安心な給食を提供することを基本に据えて努力し
てまいりますので、ご理解をいただきたいと考えております。
 次に、給食費の滞納に対する対応についてでありますが、学校と連絡を密にしながら計画的
かつ安定的な納入を促すとともに、戸別訪問の実施により滞納している給食費の早期納入につ
いて理解を得ていきたいと考えております。なお、戸別訪問をする際は、長期休業期間中や児
童生徒が在宅している時間を避けるなどの対応に今後も努めてまいりたいと考えております。
 次に、給食費の無料化についてでありますが、県内でも児童生徒数が少ない町村において実
施している例がありますが、児童生徒数の多い本市での実施は非常に難しいと考えております。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇19番(井之川博幸君) ご答弁をいただきましたので再質問をさせていただきたいと思い
ます。
 まず、TPPにつきましては、午前中に同僚議員の質問の中でいろいろご答弁をされまして、
おおむね市長の見解はわかっております。しかし、先ほどTPPに参加は慎重に検討してもら
いたいというのが今のお考えのようでございますが、いろいろな午前中の答弁とか、先ほどか
らの自給率の向上の関係で地産地消とか、食文化を子供たちに引き継いでいくというようなこ
との市長の答弁を考えますと、TPPに参加するということで農業は壊滅的になるんだと言わ
れているわけで、慎重な検討というよりも今の時点で反対をすると、反対の立場に立つという
ことが必要ではないかというふうに思いますが、もう一度、その点についてのご見解をお聞き
したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これは先ほど午前中の質問にもお答えしましたとおり、地元の主幹
産業が農林業であるということは論をまちません。同時に、いろいろと地元の企業の方々の聞
き取り調査によると、そういった方向がいいなというようなことを述べられた企業が1社あっ
たようであります。あとは、それがあったからといって特別に利することはないというような、
そういう見解であったようでございます。
 ただ、国全体や世界経済の流れを見たときに、果たして一体どうなのかなということがあり
ますが、地元の地域振興や内発型の活性化を図っていこうという観点から考えると、やはりT
PPに参加をしていくということについては、私は慎重にすべきであるというふうな立場でご
ざいます。すなわち慎重に検討していくというよりは、参加をしていくということについては、
やはりここはいま一つきちんと腰を据えて考え直した方がいいのではないかという立場でござ
います。
◇19番(井之川博幸君) 市長のお考えは大体わかりました。
 もう一つ、農業生産物の話だけになっておりますが、先ほど私も申し上げましたが、例えば
この沼田市では今、地球温暖化対策でCO2削減でいろんな事業を展開しようとしております。
新宿区との関係もうまくいき始めているという状況です。この林業関係もかなり影響を受ける
ということで、そういう農林水産業の多面的機能というのは、先ほど金額を貨幣価値で言うと
このぐらいあるというのが出ておりますのでお示ししましたが、非常に大事な面であると思い
ます。そういう点で中山間地である本市のようなところが、やはり農林水産業の多面的機能を
これから売り出そうというようなことでありますから、そういう点では何でも貿易の自由化を
してしまうという、こういうTPPですから、そういうのには絶対参加すべきでないというふ
うに思いますが、こういう点での認識をお伺いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま議員の方からいろいろと冒頭の質問等の関係から来る再質
問がございました。議員は第1回目の質問で、農水産業の多面的機能の貨幣評価では農業は8
兆円、林業は70兆円、漁業が11兆円と言われておりということでご意見を述べられ、ご質
問をされておられます。
 特にこのことをとらまえてみたときに、本日のマスコミ報道でも県内の農業産出額が約78
0億円減少すると試算をしているというような数値が出ておりまして、おおむね私が答弁して
いるように、農業生産の関係等について本市では42%ぐらいの減少が予測されるということ
で7%の差がありますが、流れが大体似ているなというふうに見ております。これを利根郡下
まで含めると、この減少額のパーセントがぐんとはね上がってくるというふうに大体予測がつ
きます。
 そういう中で、議員が先ほどご意見で述べられたところで注意をしなければならないことは、
農業が8兆円、林業が70兆円、漁業が11兆円と言われているという、このくらいの林業の
70兆円の多面的機能の貨幣評価というのが、余り表舞台に出ていないということは私もよく
承知をしております。
 と申しますのは、ことしの春に全国市長会で東京大学の名誉教授だと思いますが月尾先生の
講演を聞く機会がございましたが、大体林野庁の年度当初の予算が5,000億円だと言われ
ておりますが、林業の持っている費用対効果からいくと70兆円の効果があるんだというよう
なことを言われたことが今、記憶に新しく、また議員が述べられていることと符合してくるな
というふうに思って、この発言には大変関心を持ちました。
 と申しますのは、水の関係であるとか、あるいはまた空気の清浄であるとか、あるいはまた
国民がひとしく森林に入って健康を維持するとか、そういうふうな総体的ないろいろな分析か
らそういう数字が出ているようでございまして、そういう意味からとらまえますと、確かにこ
このひとり農業生産だけでなくてそういった林業の持っている多面的な機能等も含めますと、
これはかなり大きな問題になるなというようなことは容易に認識ができるわけでございます。
したがいまして、農業生産だけでなくて、漁業は、内水面の漁業はありますが沿岸地域の方々
とはちょっと私どもは影響が少ないかと思います。内水面の漁業ということがありますが、い
わゆるここで言う漁業は沿岸地域の漁業だと思っております。しかし、林業の関係等について
はなかなか計算がしづらい面もありますが、この70兆円というのは大変示唆に富んだ発言だ
なと思って重く受けとめさせていただいたところでございます。
◇19番(井之川博幸君) そういうふうに本市にとっても農業生産だけでなくほかにも大き
な影響が出るという危惧がございます。
 それで、数字が出ましたので、前原外相が、1.5%の1次産業が98.5%の産業を邪魔
しているみたいな言い方をしたわけなんですが、沼田市の数字が午前中も出ていました。91
億円というのは沼田市の総生産額の何%かという質問だったと思うんですが、明確な答弁があ
りませんでした。国のGDPというのは540兆円ですね。群馬県は2007年度ですが7兆
5,404億円です。沼田市では2007年度、1,587億円です。ですから、91億円で
すと5.7%ということになります。その数字は出ているんですよね。やっぱり市は沼田市の
総生産額ですから、それはきちんと押さえておくのが本当だと思います。
 それで、残念ながらこの2007年度の前の星野市政の中で年々、この総生産額が減少して
いるんですね。そういう点では市の産業がだんだん落ちているということになりますから、こ
れは今回の問題でこれから農業の問題になりますが農業も今以上に振興発展させていただくと
いう政策をとってもらわなければ、どんどん沼田市は経済的にも下がっていってしまうという
ことになります。
 こういう点で、今、菅首相が言っているのは、農業は跡継ぎがいないじゃないかとか、農地
法が悪いんだとか、いろんなことを言って現状の弱みをついているような発言があるんですが、
そういうふうにしてきたわけですよね。二、三十年前は70%程度の自給率もあったわけで、
今、日本は40%、先ほど沼田市は40%を割っていると、37%という状況だということな
ので、国は早急に50%にしようという目標を立てているわけですが、全国の農業が基幹産業
になっている自治体が元気にならなければ、これは上がるわけはないわけでありまして、この
40%にしてきたのは、もともと自由化路線なんですね。自公の政権が続いてきましたが自由
化路線で、ヨーロッパが大体関税の平均が17%と言われていますが日本は11%まで来てい
ます。そういう意味でこの自由化路線でいろいろ農業がだめになって自給率が落ちているとい
うことですから、それを進めている勢力がまた今度の自由化路線を大いに進めようということ
を言っているわけで、先ほど1回目に言いましたが、一つはアメリカなんですよね。
 今回、請願が市議会に出ておりますが、利根沼田農業協同組合の請願の冒頭に、「我が国は
WTOドーハ・ラウンド交渉において、世界の国々において多様な農業が存在し得る貿易ルー
ルの確立を国の方針として主張してきたが、菅首相は、10月1日突如として米国、豪州など
9カ国が行うTPPへの参加について言及した」と、こういうふうに請願文書表に書いてあり
ます。もちろん本当でありまして、このWTOというのが、アメリカはこれを利用して世界を
自由化に進めようと思ったんですが、後進国とか新興国とか抵抗が強くてこれは進まないわけ
です。そこで急遽、TPPというのは今4カ国でやっているんですが、そこに目をつけてオー
ストラリアに声をかけて、農産物の輸出国に声をかけて5カ国が加入して9カ国になろうとし
ているわけです。要するにWTOを進めようと思ったアメリカが進まないので急遽こっちにか
じをとったと。それが圧力で日本の政府もそっちへかじをとったと、こういうことなんですよ、
一つは。
 もう一つは財界ですよね。財界大企業、午前中の答弁で市長が、自動車、電機業界は伸びる
んじゃないかと、こう言われたんですが、そこは確かに自由化になるとどこへでも自動車、電
気器具を売れるということで生産が伸びるというふうに言われております。そういうところが
一番の大もとですから、何としてもこれは阻止していかなければならないというふうに思いま
す。これは特に沼田市だけの問題じゃなくてそういう国民の生活が、住民の生活が破壊されて
しまうんじゃないかという危惧まであるわけでありまして、そういう点ではぜひ先ほどのよう
な立場で頑張っていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、国はそういう方向ですから農業を振興させるためには自治体が頑張らなきゃ
ならないんですね。そういうことで今、耕作放棄地が増大しているとか、後継者が不足をして
いるとか、担い手がどんどん減っているわけで、統計でも沼田市はこの5年間で毎年1,00
0人ぐらいの農業者が減っているわけですね。5年前は1万人ぐらいいたんですが、もう5年
たったら6,000人ぐらいになっていると。これは統計出ていますが、そういう状況の中で
ぜひ農業を継続していくために市長に頑張ってもらわなければならないと。まず、そういう点
で振興計画、そういうものを早急につくって沼田市の農業を振興させなければならないという
ふうにお願いをしているわけなんですが、もう一度、その点についてお考えをお聞かせ願いた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私も最近とみに思うのは、一体全体、国家間の緊張関係が招来して
きたときに、一番最初に気になってくるのが食べ物がきちんと担保されているのかどうかとい
うことにだれもがいくと思うんですね。そうしたときに、どうもこの数カ月来の極東アジアの
いろんな動きというものを見てみますると、果たして自給率が40%を割っている、あるいは
それ前後でいいのかなということが非常に実体感として受けとめる場面が随分ございました。
同時に、諸外国のヨーロッパ等では、ご案内のとおり、常に食料の自給率を高い位置を持って
いて、また一方においては新興国というか、BRICSに代表されるように、そういった国々
は今まで食料の輸出国だったんでありますが、経済振興がどんどん進むことによって食料の輸
入国になりつつありまして、それでもまだ先々の見通しを見たときに自分ちで担保しておかな
いとまずいんじゃないかという動きがあるということを見たときに、我が日本国も安閑として
いられないなということを思いました。
 したがいまして、そういうふうなことと相まって地域の実状を見たときに、第1次産業が基
幹産業であるということから非常に本問題については重く受けとめてきたという経過がござい
ます。
 そういった中で農業振興計画あるいは農業振興基本条例の問題の提起でありますが、非常に
内外の動きが余りにも目まぐるしいもので、私どもとすれば、本来、基礎自治体が国家戦略と
は一線を画して地元のその立場でもってきちんと問題を精査して対応していけばよろしいのか
と思いますが、いかんせん、余りにも目まぐるしく変わるもので、実際問題として戸惑ってい
ることも事実でございます。しかし、きちんとしたそういった対応を図っていくためには、足
腰の強い第1次産業をつくっていかなければ、やはり今後の目まぐるしい諸状況に対応してい
くことができないのではないかというふうに思いますときに、議員の言われていることは大変
重要なことかと思っております。したがいまして、現在、研究を進めているわけでございます
が、今後もいろんな意味でしっかりと先々を見据えた形の中で対応を図っていきたいというふ
うに考えております。
◇19番(井之川博幸君) 群馬県の計画に沿ってというようなお話もありましたが、群馬県
はことしの3月、ですから前年度の最後の月ですが、農業経営基盤の強化の促進に関する基本
方針というのをつくりました。各都道府県つくっていると思うんですが、市の段階でもこうい
うものをきちんとつくっているところがあるんですね。
 紹介しますと、前に農業に市長がかわったらすごく力を入れてきたという陸前高田市では、
この農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想というのをきちんと今年度、市でつくっ
ております。それから、全国の市でもインターネットでヒットさせれば振興計画がたくさんで
きているんですが、県内でも高崎市は農業振興計画を持っておりまして、副題が「多様な農業
による食料自給圏の形成〜市民がはぐくむ高崎市農業〜」という振興計画を持っております。
 そういう農業に力を入れようというところは、その自治体としての振興計画をきちんと持っ
ているわけで、そういう点でぜひ国の動向を見るのももちろん必要ですが、沼田市として地に
足をつけてこの市の大地から生産物ができてくるわけですから、そういう面で沼田市の農業は
どうするかということを、国の方向を見るんじゃなくて沼田市の大地、そこで農業をはぐくん
でいる市民である農業者を見てきちんと計画をつくっていくということが大事なんだと思いま
す。その点でのお考えをもう一度お聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま高崎の話等も出されて、あるいはまた陸前高田市の話があ
ったわけでございますが、議員の方では農業振興計画、あるいは農業振興基本条例のご提案で
ございますが、一応本市とすると、ことしの6月に「農業経営基盤の強化の促進に関する基本
的な構想」はつくらせていただいております。ただ、議員が言われていることとこれが整合さ
れるかということになりますと、これはいろいろと論議がまた分かれるところかと思いますが、
一応そういうことでもって努力をさせていただいてきた経過もございますので、お含みおきい
ただきたいと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、大変重要な問題だと思っておりまして、いろんな意味でこ
こに来て、きちんと自分ちで食べるものは自分ちで持っていないとまずいなということが、ひ
しひしと伝わってくるなということの最近の国際情勢がありまして、そういうことから問題提
起については重きを置いておりまして、今後ともまたよろしくご意見、あるいはまたご指導を
いただきたいと思います。
◇19番(井之川博幸君) 基本構想はつくったということなんですが、県の基本方針に沿っ
た基本構想をつくったと思うんですよ。それはぜひ公開してもらいたいんですが、どうでしょ
うか。
◇市長(星野已喜雄君) 当然、これは皆さん方にお示しをすることはやぶさかではありませ
んし、当然のことかと思います。
◇19番(井之川博幸君) ホームページでとれるようにお願いしたいと思います。
 それから、農政課という組織は、もちろん本市もあるわけなんですが、力を入れているとこ
ろは農業を振興しようというような組織をきちんとつくっているんですね。先ほど申しました、
そういう計画を持っているところで農業振興対策室、農業を振興するための対策室というのを
きちんと持って、やはり農業公社とか農協とかと連携しながら農業振興のために毎日活動して
いると。現場に出てやっているというのはよく聞きますが、そういうこともありますので、ぜ
ひそういう立場で、もたもたしていたら農業者がいなくなっていくわけですから、沼田市は、
TPPの前に沼田市の農業は壊滅するなんていう事態が来ないとも限りませんので、本当に真
剣にそこは取り組んでいただきたいと思いますし、午前中に市長が答弁の中で言っていました
が、第6次産業、農業を振興してその農産物を確保して販売するような、そういうところが非
常に大きなウエートを占めると思うんですね。そういう点では本市の農業を、もちろん、市長
が言うようにあっちこっちで頑張っている人はいますが、市として本市の農業を振興させると
いう、そういう立場の方向をきちんと決めてほしいと。全市民にそれを訴えて沼田市の農業を
振興していくということが進むようにしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと
思います。
 次に進みたいと思いますが、学校教育についてであります。いじめの問題は、先ほど同僚議
員が非常にきめ細かく質問をいたしまして教育長の答弁もきちんとされておりましたので、大
分その辺はよくわかりました。でもちょっとそこのところはというところがありましたので確
認をさせていただきたいというふうに思います。
 一つは、いじめのアンケートというのを県教委から言われてやったということなんですが、
文部科学省が一応いろんなことを出しているんですが、そういうものに沿った項目でいろいろ
とったのかどうか。年に1回とっているやつはそういう方向でやっているんじゃないかと思う
んですが、例えば冷やかしやからかいとか、仲間外れとか、軽くぶつけられたとか、金品を隠
されたりとか、いろんな項目が8項目あるんですが、そういうようなことも示してこのアンケ
ートをとられたのかどうかお伺いをしたいと思います。
 また、毎年1回といいますか、文部科学省の関係でやっているのがこういうふうにとるのか
どうか、その辺を確認をさせていただければありがたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) ちょうど手元にありますのでざっと読み上げさせていただきます
が、いじめの問いかけの理由の中で、悪口を言われたり、脅されたり、仲間外れをされたり、
無視されたり、ぶたれたり、蹴られたり、お金や物をとられる、持ち物を隠されたり壊された
り、嫌なことや恥ずかしいことをさせられる、パソコンや携帯電話を使って嫌なことをされる、
その他というような項目でこういう内容で問いかけをしております。
 認知に当たっては、高柳議員のご質問にお答えしたとおり、ただ子供がアンケートに答えた
からそのままいじめだということでなくて、当然、精査して確認をして上げたという数が先ほ
どお答えした数だということであります。
 それから、多分今後もこういうような形でのアンケートということになると思います。こう
いうアンケートをとった結果の評価が出てきますから、当然、それは若干の改善ということは
加えられると思いますが、基本的にはこんな方向で実施されるんではないかと思っております。
◇19番(井之川博幸君) わかりました。ありがとうございます。
 それから、桐生市で起こった事件の教訓としてやりとりがありましたが、この自殺をした児
童の担任の方が自分で抱え込んだのではないかというようなお話の中でやりとりがされていた
と思うんですが、報道によれば、7月には校長に報告をして学校側は授業を正常に行えるよう
に一部授業をほかの教員と交代したり、補助教員を入れたりするなどの手だてをとったと。そ
れから、ほかの子供たちが担任ではない教員に授業にならないことがあると相談したとか、一
応その担任も他の先生や校長に相談をして複数で対応はされていたがこういう結果になったと
いうことだと思います。
 沼田市はもともと複数の組織形態になっているので余り心配がないみたいなお話があったん
ですが、やはり複数でも対応ができないということだと思うんですね、場合によっては。そう
いう点でのご認識でいいんですがお願いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 前段のところは紹介いただきましたが、厳密に言えばかなり大変
だと、手をつけられないという状況においては手だてをとったようであります。これも前段の
答弁で申し上げましたとおり、基本的にはマスコミ報道だけでの私の理解ということでありま
すので間違っているかもしれませんが、同様の理解をさせていただいております。
 相互乗り入れ型学級担任制についても、これも万能ではありません。それから特別県から余
計に教員が来るわけでもありません。現在いる教員、配当された教員をどう有効に使っていく
かという視点でつくったシステムですから、当然、その年に配当された教員の数ではなく、だ
れがその学校に配当されるかというのが大いに問題になってくるわけです。それと、どういう
子供たちが進級してきたか、1学年ずつ進んで1学年入ってきて1学年卒業していくわけです
から、そういう現在の子供たちも含めて持ち駒が今年はどういう持ち駒かによって組み合わせ
が違ってきますし、かなり積極的に相互乗り入れができる学年、学級もあれば、ことしは一方
乗り入れというのも一応相互乗り入れ型のスタイルとして入っていますから、一方的に、例え
ば書写の時間に教頭先生が入るとか、音楽の時間に音楽の専門の教員が入るとか、そういう一
方乗り入れだけでやっている学校も当然出てきます。いずれにしても、相互乗り入れ型、万能
ではありません。複数の教員が見てもこれは万能でもありませんので、それを補完するという
形でのいろいろな手だてをとっていかなければならないというふうに考えております。以上で
す。
◇19番(井之川博幸君) どういう形をとってもなかなか万能というわけにはいかないとい
うふうに思います。
 それから、今回のその後のいろいろ報道によって校長先生の報告と学校の報告等も報道され
ておりまして、結局学校で頑張ったが市の教育委員会に報告しない段階でこういう事件になっ
てしまったというようなことで、やはりいじめかどうかというのを報告するかどうかというこ
とでいろいろ悩んでいる校長もいるとか、千差万別な報道がされております。
 先ほどの同僚議員とのやりとりの中で、今回14件という件数が出てきたのは悪いことでは
ないという教育長の答弁ございました。私もそのとおりだと思います。
 今回、私、この問題を質問しようと思ったのは、先ほど申し上げましたが、9月議会のとき
に21年度は小学校でいじめはゼロ件だったと。ゼロ件はいいんですが、ゼロ件という下にも
しそれが隠れているんであれば、これは大きな問題なので、大体いじめはどこにでもあると言
われていますから、ゼロ件というのは、ちょっと心配だなという面もありまして今回考えてい
たところに桐生の問題がちょうどあったわけなんですね。今後、教師1人で解決できればそれ
もいいし、チームをつくって何人かでやったら解決できればいいし、学校全体で取り組んで解
決できるというならそれでもいいわけですが、そういうところまで来ても解決できないという
問題は、どうしても教育委員会にきちんと報告をすると。このことが徹底されていれば、桐生
の問題ももうちょっと違う展開になったのかというふうに思いますし、沼田市におきましても、
昨年度はゼロだったが今回やったらこれだけあったと、こういう数字が出てきましたので、や
はりどういう段階においても、問題になりそうな段階で教育委員会にきちんと報告をするとい
うようなシステムができないかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 全くこれまた新聞報道等ですが、そこの情報や報告等がどうなっ
たのかちょっとわかりません。若干沼田よりは組織が大きい、人口も十一、二万人の桐生市で
ありますから部長も2人いるし、当然、組織のピラミッドも一回り大きい組織になっているわ
けですが、学校数等も当然、子供たちの数が違いますから基本的には多いと。また、学校規模
についてもざっと計算したところ、大きい規模の学校、例えば中学校、沼中は約400ですが、
向こうの大きいのは600近いという学校ですね。小学校も同様です。沼小が400台、今、
薄根小が一番人数が多いわけですが、それにプラス100人乗せた学校と。新里東小は大体そ
の薄根小より100人ぐらい大きい、100何十人、沼小ですと百二、三十人多いという学校
であります。
 いろいろ違うので一概に言えませんが、沼田市は少なくともまだまだ盲点といいますか、網
の目はくぐり抜けられるところはあると思いますが、基本的に報道されているような、また私
が桐生の規模の大きさ等々を勘案して考えた現場と教育委員会の関係、俗な言葉ではおつき合
いの関係は、沼田市はもっともっと緊密であります。例えば私が校長に話しても逃げる校長は
1人もいません。むしろ寄ってきてああだいね、こうだいねと。または趣味の話までというつ
き合いをさせていただいております。
 それから、かたいお話をすれば、沼田の指導主事、4名おりますが、この4名は1学期間に
おいて沼田市内の全教員の授業を見ております、全員の授業です。それもちゃんと指導計画を
書いて校内で検討して、その指導案に基づいて授業をすると。その後、授業を見たら個別のコ
メント、話し合いをします。そして、多分午後の3時だか4時からは全体研修の中でアドバイ
スしていく。いずれにしても指導主事が市内の全員の教員の授業を見るなんて市は、利根郡も
一緒で多分やっていると思いますが、あそこは自前の指導主事を持っておりませんから、月夜
野が1人いますか、あとは事務所の指導主事ということでありますが、市においては沼田だけ
であります。それ一つとっても一事が万事、私も近くに行って、例えば池田の文化祭に行くな
んていう場合にちょっと通り道の池田小学校に寄ろうとか、そんなことも頻繁にやっておりま
す。課長、部長等、また教育委員等も学校にかなり出入りしておりますから、多分そういう点
においては沼田の方がシステム上はしっかりできていると。したがって、学校のつらいことも
私に話せなくても部長に話す。部長に話せなくても課長に話せる。課長に話せなくても自分の、
大体年齢は校長、教頭より後輩が4名の指導主事やっておりますから、後輩だから話しいいか
ら「おい頼むぜ」という形でやることも可能だということであります。
 付け足して恐縮ですが、きのう、ある市の方が市内のお知り合いの方と同道で私の部屋に見
えましたが、こんなによくしゃべる、腹割ってしゃべる教育長はいるのかなということで褒め
てくれたんだかどうだか、皮肉を言われたんだかわかりませんが、内心非常にうれしい気持ち
がいたしました。
 そんなことですので、一層連絡、報告、よくホウレンソウと言いますが、そんなことを徹底
して学校の責任は市教委の責任であります。これは常日ごろから校長に言っております。私た
ちに責任をとらせない、恥をかかせないために報告してくれということを言っております。い
いことは報告しなくてもいいが、そういうことは学校を応援しよう、校長を助けようと思って
も情報がなければ助けられないんですと言いわけめいたことも言いながらやっておりますので、
今のところ、学校と教育委員会、もともと壁がありますから、人事権を私が持ってもおります
ので最終的に壁をすべて取っ払うというのは不可能だと思いますが、少なくとも他市に比べて
は非常に近いおつき合いをしているので、それ相応に信頼関係が築かれているというふうに考
えております。これに慢心しないでいろいろ盲点もありますので、ご指摘のようなところに十
分配慮して進めていきたいというふうに考えております。
◇19番(井之川博幸君) 教育長からお話がありましたが、組織的な面でだめだとかを言っ
ているわけでなくて、報告をする基準、ここまでは報告することなのか、報告しなくてもいい
ようなことなのかというので迷っているというような校長の話が載っていると。ですから、信
頼関係があるとかないとかでなくて、そういう基準が、その人は報告しなくてもいいと思って
いたが本当は報告すべきレベルだったということでは困るなというふうに思ったものですから、
それが21年度は小学校でいじめはゼロと9月議会の報告でしたが、今回の10月の1カ月で
12件出てきたということですので、今回はよかったなというふうに思うんですが、そういう
基準の違いなんかあって21年度は出なかったのかなという感じもしましたので、そういう点
での配慮をお願いしたいと、こういうふうにお願いしたわけであります。ぜひよろしくお願い
したいと思います。
 その他の重要な問題、先ほどの関係でよくわかりましたので、ぜひ沼田市の開かれた学校、
開かれた教育委員会ということでやっていただければ、大きな問題も起きずに進んでいくんで
はないかというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、不登校の関係ですが、21人中、7人は通っているということで、自立支援施設での
指導を受けている子供もいるということ。残りの子供たちなんですが、そういう残りの子供た
ちがどういう状態にあるのかというのは教育委員会は把握しているんでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) 一応それぞれ束ねてではなくて、個別にどういう子供がどういう
ことで不登校なのかというのは、もちろん、先ほどの報告に基づいて把握しております。
◇19番(井之川博幸君) その中で全然家から出ないといいますか、部屋から出ない引きこ
もり等があったら教えていただきたいと思いますし、フリースクールという民間のそういう施
設に通っている方がおります。具体的にもし報告できればお願いをしたいというふうに思いま
す。よろしくお願いします。
◇教育長(津久井 勲君) 今、引きこもりというのはちょっとつかんでおりませんので、も
しよろしければまた後日、詳しい情報を知らせるということでご容赦いただければと思います。
 フリースクールの問題等々ありますが、引きこもりについても現実の問題、引きこもってい
るわけですからそれを外に出てもらうというのは難題ですから、フリースクールや適応指導教
室というのはありますが、先ほど幾つか類型化してお話ししましたが、レベルという言い方で
させていただきましたが、これはかなりきついレベルですよね。家の人も特定の人としか会わ
ないとか、担任が行ってもほとんど会えない、会わないというレベルもありますから非常に難
しいなと思っております。
 また、数字等については全体の数が10幾つという少ない数字ですので、詳しくつかんでい
るものをまたお知らせできたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
◇19番(井之川博幸君) 教えていただけるものであれば、また後でお願いをしたいと思い
ます。
 それで、先ほど教育長が答弁したように、子供が例えばそういう状態にある場合は、子供の
最善の利益を考えてやるということで、無理に不登校をなくすというようなことはしないとい
うのが今の対応の仕方のレベルだというふうに思うんですが、文部科学省も不登校というのは
だれでもあり得ることだということで、この間、いろんな改善の通達等をしてきたと思うんで
すが、先ほどのフリースクールもフリースクールに通っていれば登校していることと認めると
か、そういうことがいろいろあるそうでありまして、自宅でITで学習しているのも最近では
登校していることにしようというような通達もあったようであります。そういう点では個々に
いろいろな対応をされているというふうに思いますが、その辺の対応の仕方の組織的な点を教
えていただければありがたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 結局不登校のみならず、一人一人個別の問題になってきます。先
ほどのカウンセラー、または教育研究所、または総合教育センターの教育相談等々、いろいろ
な機関ありますので、そこなら行けるとかいう子供が実際におります。今、沼田市の教育研究
所の適応指導教室に通っている子供たちが2人、県が実施している野外の活動に親御さんとも
ども参加するという話をちょうどきのうの校長会で研究所長から報告がありました。
 そういうことで個別に適応指導教室に喜んで来られる子もいれば、保健室へと。または他の
機関だと行けそうな子もある。総合教育センターにいたころは、学校はだめ、適応指導教室は
だめ、はるか離れた伊勢崎の総合教育センターだと、遠いんだが来てくれるということもあり
ましたので、どういう事情で負担の多い総合教育センターまで来てくれるのかなということで、
担当レベルではいろいろ研究したようですが、その子その子で遠いからとか、一般的に大変だ
からと思っても、実はその子の事情によって大変だと思うところが意外と通いやすかったりと
いうこともあるようです。
 いろいろ連携しながら、特に沼田市の適応指導教室は、校長さん上がりが2人、幼稚園長さ
ん上がりが1人、あとは民間での指導の経験のある方が1人ということでありますので、学校
事情はもう知り尽くしている方がそこの相談員や所長、副所長でやっておりますので、学校と
の連携は非常にスムーズにいっているということであります。学校との連携ができませんと、
先ほど議員おっしゃったように、適応指導教室、校長等の理解があれば、いわゆる登校した日
数にカウントされますのでこれは非常に意義あるわけです。教室が別に行っただけで学校に通
ったというカウントになりますので、そんなことも子供や親御さんにはかなり励みになってい
るんではないかと思います。いろいろと一言で言えば連携をする中で組織的な対応をしていく
ということになろうかと思います。
◇19番(井之川博幸君) おおむねどういう対応をしているかということは理解できました。
 ただ、今回ちょっと言ってもらえなかったんですが、一番大変なレベル、先ほど教育長が言
いました、引きこもっていてなかなか糸口を見つけることができないという場合に、相当そこ
は専門的に保護者の方も含めてきちんと対応していかないと解決はしないというふうに思うわ
けです。結果的にできるかできないかわかりませんが、そういう事例があったときに今の沼田
市の教育委員会の力では無理かなという判断になった場合に、そういう全国的にはいろんな専
門家の方がいらっしゃるわけなんですが、県に上げるというのもありますが、子供のために対
応ができるようなところまで進めることができるかどうか、そういう検討をされたことがある
かどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 個別にはあると思います。そういうレベルのということですが、
若干指導の考え方も従前から最近ちょっと変わってきております。そのまま静かにさせておけ
ということもありましたが、最近は何らかの積極的な登校を促すとか、それは学校に行けよと、
そういう直接的な表現でなくて、若干の刺激、動機を促すような、いわゆるそういう指導をす
るというのが最近の不登校の子供たちに対する指導の方向のようであります。
 したがって、引きこもりという場合においても、ただ引きこもったままだからそのままでは
なくて、例えば不登校の場合には、不登校と非行を並べてはちょっと失礼ですからそういうこ
とではないんですが、ほかの生徒指導の問題においても親が変わらなければ変わらないという
のは、私が言っているんでなくて定説になっております、その世界での定説になっております。
とりわけ不登校についてはそういうことでありますので、親が悪いということでなくて親の人
的な、または指導の方法や環境がそういう状況だったから不登校になったわけですから、そう
いう状況を変えることによって子供も変わるという考え方です。だから、親が悪いから不登校
だということじゃなくて、不登校になった子の家庭や親の考え方を変えなければ子供は変わり
ませんよというのが、理屈上のそういう考え方なんです。したがって、例えば本人に声はかけ
なくても、その家の保護者の方に専門の方のカウンセリングを受けてもらうとか、また悩み相
談を受けてもらうとか、または学校の配布物を配っておくと、ドアの外に置いておくと、いつ
の間にか部屋の中に消えているとか、いわゆるそういう攻めの指導というのが最近の傾向であ
りますので、ただ手をこまねいていつか出てくるだろうではなくて、そういう方向になってお
ります。
 ただ、いよいよこれはということになれば、当然、学校も含めて、校内での相談はもちろん
ですが、専門の機関、もちろん県の教育委員会の専門家も含めていろいろと相談に行くという、
そういうシステムになっております。当然、市教委も第1の責任者として積極的にかかわると
いうことになります。以上です。
◇19番(井之川博幸君) 親の問題が出ましたが、前段で保護者も含めてそういう相談に乗
ってやれるような、保護者に対する支援も含めてぜひお願いをしたいというふうに思います。
 次に進みたいと思います。時間の関係もありますので、学校給食の関係でありますが、身近
なところにいい例がありますので紹介をさせていただきたいと思います。
 ある自治体関係の会議で高崎市の給食係長が報告したんですが、「うちの学校の給食は世界
一だよとうれしそうにお母さんに話す子供たち、高崎市では、教育委員会の全面バックアップ
のもとで学校給食を中心に据えた健康教育が各学校、園で実施されています。安全な食材を求
める栄養士の専門研修の中から、JA高崎と連携した地場産の大豆や小麦を使ったしょうゆや
うどんの開発や、肉加工食品から亜硝酸塩を抜いた無塩せきハムベーコンを地元のハムメーカ
ーに働きかけて開発したことを初めとして地場産野菜の利用も進んでいます。高崎と合併した
旧町村では、すべてセンター方式での学校給食でしたが、平成20年度から計画的に自校方式
へ切りかえを進めています」と報告をされたということです。高崎市はずっと自校方式を進め
ているんですね。
 何で進められているかということで、その一つは市教育委員会の姿勢だと言われています。
「豊かな食事によって豊かな心、人格が形成されるのではないか。21世紀を担う子供たちの
人格形成のためならば、教育費の増加は未来に対する効率的な投資と言えると思う。私の自慢
は学校給食」と語る市長のもとで、教育委員会は学校給食を全面バックアップし、学校ごとに
配置された栄養士が従来のよい献立をつくることにとどまらず、給食の専門職として構想から
メニューまでとした学級経営案や年間指導計画を作成して食指導と給食管理の一元化に取り組
んでいるということで、身近なところに非常にいい例があるんです。この高崎市の自校方式の
話をご存じだと思うんですが、どんな感想をお持ちでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) 高崎市は合併前の旧市がほとんど単独実施であったということで、
一部、榛名、箕郷等のところの単独実施校に切りかえることによって全市単独実施校にしてい
くということで、今までの流れが今、議員紹介いただいたとおりですので、かなりしっかりと
した理念のもとに長い時間をかけて今の時代、効率化等も叫ばれる中でよく単独実施校をやっ
ているなということですばらしいなと思っております。
◇19番(井之川博幸君) 非常に県内の視察も大変多いようであります。そこで、調理員の
役割もはっきりしておりまして、学校栄養士と調理員が学校の子供たちにいろんな内容を語っ
て食育に役立てている。こういう点で、沼田市は逆に給食センターの調理員を民間の人たちに
してしまうということなので、それが豊かな教育を子供たちにという方向と逆行しているので
はないかというふうに思います。その点に関してのご見解をお伺いいたしまして、私の一般質
問を終わりたいと思います。以上です。
◇教育長(津久井 勲君) 高崎の例を紹介いただきました。また勉強させていただきたいと
思います。なぜなら沼田の民間委託、共同調理場方式、そしてそこに調理業務のみ、正確には
運送業務もありますが、食材の購入等は市がやるわけですが、そういうシステムをとる中で単
独実施校のよさを導入していく。そのままずばり入らなくても単独実施校がなぜいいのか。共
同調理場方式をとっている中で単独実施校のよさを導入することは可能なわけであります。そ
ういう意味において、高崎の例をもう少し詳しく今後、勉強させてもらいたいと思います。
 そういうことで全般を通して今度の民間委託においてご指摘の点、幾つか課題等があるよと
いうことでした。例えば調理員が子供たちの前で食育について、現実には食育について指導す
るということは職務上はあり得ないわけですが、別にざっと担任の隣に行ってこうだよと話す
ことは許されているわけでありますが、そういうことが市の場合は共同調理場の場合はできな
いのかできるのか、栄養士がおりますので栄養士は学校へ指導案等も添えて授業もやっており
ます。ただ、調理場ですから3カ所の調理場ということになりますから、カバーする範囲、学
校が多いのでそうちょくちょくというわけにいきませんが、年間通して計画的にやっておりま
す。その他、もろもろ地場産のということもありますが、食材の購入は相変わらず沼田市の職
員がやるわけですから、これは当然、今までどおり、また今までの目標を1%でも2%でも地
場産の活用ということで取り組みます。
 いずれにしても、民間委託になってのプラスも大いにある、お金のことももちろんあります
が、例えばこういう場で申し上げるとあれですが、ただ言えることは、一面行政の方が劣って
いる面もあるわけです。民間がだめだめと言いますが民間の方がすぐれている部分、大いにあ
る。特にマスコミ等での批判では、公務員だめだと言われている部分も大いにあるわけですか
ら、民間の厳しさとか、民間のノウハウとか、そういうものを考えた民間のよさを積極的に引
き出す形で運営をしていくということもまた一つあると思います。これは負け惜しみではなく
て、確かに単独実施校のメリットは大いにありますが、いろいろなメリットを目指して共同調
理場方式、そして民間委託を導入ということでありますから、導入するからには逆に民間のよ
さも大いにあるわけですから、そういうことを引き出して、行政マンではできなかったことを
民間にまさに委託してやってもらおうという部分もしっかり洗い出して頑張っていきたいと思
いますので、今後ともこれこそ本当にきめ細かい助言、ご指導がいただければ、また情報提供
いただければありがたいと思っております。以上です。
        ――――――――――――――◇――――――――――――――
    第2 延  会
◇議長(布施辰二郎君) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(布施辰二郎君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決
しました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は10日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後6時23分延会
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