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議事日程 第2号
平成23年 6月 3日(金曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
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本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延 会
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出席議員(21人)
1番 大島 崇行君 3番 石川 初雄君
4番 島田 富造君 5番 野村 洋一君
6番 坂庭 直治君 7番 石井 紘一君
8番 高柳 勝巳君 9番 井之川博幸君
10番 大東 宣之君 11番 星野 稔君
12番 金子 一弥君 13番 山ア 義朗君
14番 片野 彦一君 15番 大竹 政雄君
16番 星川嘉一郎君 17番 小野 要二君
18番 宇敷 和也君 19番 石田 宇平君
20番 布施辰二郎君 21番 星野佐善太君
22番 牧野 保好君
欠席議員( 1人)
2番 八須賀一男君
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説明のため出席した者
市 長 星野已喜雄君 副 市 長 林 義夫君
白沢町振興局長 木暮 茂君 利根町振興局長 山口 芳久君
総務部長 須藤 一夫君 市民部長 田辺 昇利君
健康福祉部長 黒岩 勉君 経済部長 飯田 敏夫君
都市建設部長 生方 秀二君 総務課長 田村 博史君
会計管理者兼会計局長 松井 玲子君 教 育 長 津久井 勲君
教育部長 水田 修君 庶務課長 増田 雄二君
監査委員事務局長 茂木 一夫君
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議会事務局出席者
事務局長 星野 喜一 次長兼庶務係長 加藤 英臣
議事係長 木暮 保夫 副主幹 木榑 聖子
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午前10時開議
◇議長(大島崇行君) これより本日の会議を開きます。
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第1 一般質問
◇議長(大島崇行君) 日程第1、一般質問を行います。
通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
最初に、山ア義朗議員。13番。
〔13番 山ア義朗君登壇〕
◇13番(山ア義朗君) おはようございます。本日は早朝よりたくさんの皆様に傍聴にお越
しいただきましてまことにありがとうございます。
まず、質問に入る前に、去る3月11日に起きました東日本大地震において、お亡くなりに
なりました皆様方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災地の皆様に対しまして
心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
それでは、通告に基づき一般質問を行います。
まず、安心安全なまちづくりを推進するための環境整備についてお聞きいたします。
最初に、一般廃棄物の最終処分場についてお伺いいたします。
現在の処分場の処分能力が限界に来ていると聞いております。その現状と今後の計画につい
てお聞かせ下さい。
続いて、安全な飲料水の供給についてであります。
沼田市においては地形上の問題や地域の事情もあり簡易水道が多く、そして利根町白沢町と
の合併によりその数は大きくふえております。安全でおいしい水を供給するためにどのような
管理体制を指導しているのかお聞きいたします。
また、安全な水を確保するために水源地や施設周辺の環境保護はどのようにしているのかお
聞かせ下さい。
次に、環境保全のための林業振興の推進と森林整備についてお聞きいたしますが、これは通
告どおりでございますので通告書を一読させていただきます。
環境保全のための林業振興の推進と森林整備について、アとして森林整備促進の具体的な政
策について、イとして森林環境税の導入についてということであります。
また、アにつきましては、育樹祭の成果について、また新宿の森・沼田の協定書締結後の成
果と今後の計画について、また森林環境税の導入につきましては、県に対して利根地方総合開
発協会の会長として地球温暖化防止対策税の請願を過去に出しておるわけでございますが、そ
の結果どうなっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
以上でございます。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの山ア議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、安全安心なまちづくりを推進するための環境整備について、一般廃棄物最終処分場に
ついて、最終処分場の現状についてでありますが、平成22年10月現在の上川田最終処分場
の埋立残容量は、埋立計画量8万9,900立方メ−トルに対し、残容量は5,030立方メ
−トルと測量されており、これに基づく埋立終了予測は、直近3年間の月平均埋立量から推測
をすると平成26年1月までになりますが、県知事に届け出た埋立期限は平成25年3月31
日となっています。
次に、今後の計画と課題についてでありますが、次期一般廃棄物最終処分場は、沼田市外二
箇村清掃施設組合が事業主体となり建設することになっており、これまで用地、建設費等につ
いて検討をしてきましたが、構成市村の厳しい財政状況等から建設に至っていない状況であり
ます。
このため沼田市外二箇村清掃施設組合での検討を継続するとともに、現在の市の最終処分場
につきましても、埋立可能な期限が迫っていることから、早急に方針を出したいと考えており
ます。
次に、安全な飲料水の供給について、簡易水道の現状についてでありますが、沼田市は中山
間地域に位置し、山間ごとに集落があるため、水道給水区域についても、集落ごとに水源を設
け、飲料水として供給をしております。
そのため、水道法第3条で規定されております給水人口が、5,000人以下の簡易水道事
業に多く該当し、沼田市内で26地区であります。
その内訳は、市が直接運営している上久屋町、白沢町、利根町の9地区の簡易水道事業、市
の指定管理者として地元組合に管理運営を委任しております旧沼田市内の13地区の簡易水道
事業、地元で組合を組織し単独で管理運営を行っている4地区の簡易水道事業であります。
簡易水道事業規模としては、全体で給水人口2万5,383人、給水戸数も8,752戸と
なっており、水源については、70カ所の湧水や深井戸を利用し、ろ過や塩素消毒を行い、水
質基準に適合した安全安心な水を、市民の皆様に供給すべく努力をしているところであります。
市といたしましては、簡易水道組合の事業経営基盤の強化を図るとともに、水道施設の改修、
拡張工事や水質検査等が円滑に行えるよう指導をしているところであります。
次に、水源地周辺の環境保護についてでありますが、水道は、市民の日常生活を支える上で
最も重要で不可欠なものであります。
市民の皆様には、将来にわたって安全で良質なおいしい水を安定的に供給し、住民の生命及
び健康を守ることは、水道事業者の責務であると認識しておりますので、今後とも、水源地周
辺の環境保全に努め、市民の皆様に安全・安心な水を供給すべく努めてまいりたいと考えてお
ります。
次に、環境保全のための林業振興の推進と森林整備について、森林整備促進の具体的な政策
について、育樹祭の成果についてでありますが、地球環境の保全を果たす役割が大きくなって
いる森林を「親が植え、子供たちが育て利用し、また植える」という森林持続性理念のもと、
平成10年、全国植樹祭において天皇皇后両陛下がお手植えされました。
皇太子殿下が、その樹木をお手入れされるという、昨年開催された全国育樹祭は、当市の貴
重な財産である緑豊かな山林が守られ、豊かな恵みを与えてくれる理想の森づくりの育樹運動
のシンボルになったものであります。
今日、地球規模での環境問題を解決することが求められる中、この全国育樹祭が「樹の息吹
育ててつなぐ 地球の未来」を大会テーマに本市で開催されたことで、活力ある緑の造成気
運が高まり、次世代にわたる連帯性も深まり、森林資源の成熟化に伴い、木材利用の積極的な
推進による地球温暖化防止、循環型社会構築に寄与できたものと考えております。
次に、新宿の森・沼田の協定書締結後の成果と今後の計画についてでありますが、平成22
年3月6日に新宿区との間に締結いたしました「地球環境保全のための連携に関する協定」に
基づき、同年5月9日には「新宿の森・沼田」の森林整備実施に関する協定を沼田市・新宿区
・社団法人高平公益社の三者で締結し、向こう10年間、高平公益社の所有地17.2ヘクタ
ールについて新宿区による森林整備が行われることとなりました。
協定書締結後の成果についてでありますが、新宿の森・沼田において、植林は昨年5月と本
年5月の2回、下草刈りは昨年8月に実施され、新宿区が募集した小学生やエコ隊の方々が毎
年約130名が訪れ、沼田市の小学生やボランティアの方々と交流をしております。なお、新
宿から訪れた方々には、作業のほかに野菜・果物の収穫体験や望郷の湯などにお立ち寄りをい
ただいております。
福島第一原子力発電所事故に伴う本市の農産物等の風評被害に対して、新宿区では、好意的
に風評被害対策イベントを計画していただき、会場の手配や人的支援もしていただきました。
「困ったときにはお互いさま」という、日本的なつながりが構築できていることを実感をいた
しました。
今後の計画についてでありますが、植林や下草刈りによる交流のほか、新宿の森を活用した
環境学習など自然とのふれあいの場として利用していく予定であります
さらに、環境面での連携を足がかりに、都市と地方がお互いにないものを融通し合う、いわ
ゆる補完関係を構築してまいりたいと考えております。例えば、沼田市の農業生産者の努力や
工夫を新宿区の消費者に伝えていく、また、防災面での協力なども検討してまいりたいと考え
ております。
今後もこういったご縁ときずなを大切にした交流を心がけていきたいと考えております。
次に、森林環境税の導入について、県に対して利根地方総合開発協会の会長として地球温暖
化防止対策税創設の請願を出しているが、その後の結果についてでありますが、群馬県環境森
林部において、平成19年から庁内検討を開始し、検討会議・ワーキンググループの設置、さ
らには、県内在住者を対象としたアンケート調査を実施してまいりましたが、景気後退が進む
中、新たな負担を県民の皆様にお願いすることが厳しい状況となり、さらなる検討が必要とな
りました。
また一方で、国の経済危機対策や環境・地球温暖化防止税の創設などの情報があることから、
なかなか確定的な姿が見えない状況となり、国の状況、新税の動向を注意深く見守りながら、
引き続き検討を行っていくと伺っております。
つきましては、本市といたしましても、様々な状況を注視しながら、今後も県に対し要請を
行っていきたいと考えております。
以上申し上げまして、山ア議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇13番(山ア義朗君) それでは、答弁いただきましたので再質問をさせていただきます。
まず、最終処分場についてでございます。これにつきましては、先ほどご答弁いただきまし
たように、県の届け出においては25年3月までということで届けてある。要するに、これは
既に延命がもう3回目の県に対する申請ということで、これに対しましては、当局の担当部課
で非常に熱心に努力した結果、こういう形で延命策がとられてきているというふうに、その辺
は敬意を表するところであります。
さて、先ほども数量についてお聞きしたわけでございますが、もう既に残っているところの
許容量、これは全体の中の6%ぐらいしかないわけです。そうすると、先ほどのお話ありまし
たように、25年3月というのは本当にもう目いっぱいの時期的なといいますか、時間的な問
題ではないかと思うわけです。これにつきましては、もう早い時期に、市長、処分場の問題と
いうのは騒がれていたわけでございますが、なかなか具体的などうするという案が出ないまま
今日に至っておるわけでございますが、当初の計画ですと平成17年3月のときには埋め立て
が終了するというような予定で出発したのではないないかと、そんなふうにちょっと私は勉強
したわけですけれども、その16年11月の残余量の調査のときに、既にもう埋立容量が8万
9,900立方メートル、そこでもう8万2,570立方メートルになって残余量が7,33
0立方メートルと。これはもうかなりの量が埋められていたわけですが、これを延命化を図っ
てきたわけでございます。
これにつきまして、もうとにかく時間がないということで、具体的にどのように考えている
のか。これはさきの平成17年だったですか、同僚議員が同じような形で一般質問をしている
わけなのです。そのときに、これは17年ですからデータとしては恐らく16年のデータだと
思いますが、16年11月に実施した残余量調査では埋立容量8万9,900立方メートルに
対して埋立量が8万2,570立方メートル、残余量は7,330、先ほど僕が申し上げまし
た数量でございますが、このところでもう既に将来どうしたらいいだろうかということが論議
され、それに対して市長も答弁されているわけでございます。その時点では部長答弁も入って
おりまして、新しい用地を取得してやっていきたいということであるけれども、非常に総論賛
成、各論反対というようなことであって、用地の取得に対して今難儀をしているのだというよ
うな答弁があったわけでございますが、それにつきましては、現在どんな状況で進んでいるの
かお聞かせください。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの山ア議員の再質問にお答えをしたいと思います。
やはりこれらについて、市の立場といたしましても、担当部局を中心にそれぞれの候補地等
を目指して努力をしてきたという経過はございますけれども、なかなか適当な、適切な場所が
出会うことができずに今日に至っております。したがいまして、今後もそれらについては引き
続き検討を加えていかなければならないとは思っておりますけれども、なかなか状況は難しい
なというふうに現在では受けとめさせていただいております。
◇13番(山ア義朗君) そうすると、これから新たに場所を選定し、それを取得をしていく。
そして、仮にそこで場所が決定したとしても、それからいろんな手続を踏んで、環境アセスと
かいろんな形の手続あるわけですが、そういったことをやっていった場合に、延命で届けてあ
る25年、これには全く間に合わないということだと思うのです。これを延ばしたとしても翌
年の26年1月、これには本当に満杯になってしまうと。そのときにどういうふうに対応して
いくのかということがまず第1点出てくるわけです。
では、集まった廃棄物をどのように処理していくのか。例えば、現在二箇村の中においては
川場さん、それから昭和さん、これは既に業者委託をして自区外に出しておるわけでございま
す。したがいまして、二箇村で協議をしていっても二箇村の中の村2村は、現在のところ何の
不便もないということなのです。出る量も非常に少ないわけです。したがって、川場さんもち
ょっと試算してみていましたけれども、大体年間で1トンぐらいの処分量しか出てこない。こ
れは完全にガラスとか陶器とかそういったものを粉砕して小さくしてやっていますから余計そ
ういうことだと思うのですけれども、そうなりますと、二箇村で協議するということになった
としても、主導性といいますか、主導権は沼田市がやっていかないと、沼田市の問題としてと
らえていかないと、非常に二箇村の方からこういうふうにした方がいいですとか、こういうふ
うにすべきだというような意見は上がってこないと思うのですが、その辺、市長、どんなふう
にお考えになっていますか。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、本問題は群馬県行政の指導は利根沼田の広域でやりなさいと
いう指導がございまして、そういったことから考えると、当然町村の関係の方々との連携は、
これは避けて通れないということになります。しかし、その量はやはり山ア議員がご指摘され
ておりますように、本市の方が数量的に高いわけでございまして、そういった意味で本市がい
ろんな対応をしていかない限りにおきましてはなかなかこれは前に進むことができないのでは
ないかというふうに受けとめさせていただいております。
◇13番(山ア義朗君) 確かにそのとおりだと思います。結局、県の方は県が指導というこ
とではなくて国の方で、これは私が市長に生意気に言うべきことではありません。市長の方が
ずっと県政、国政に詳しいとは思うのですけれども、国の指導といいますか、国の方が県に対
して具体的なマスタープランを上げてこなければ、それに対して補助金は出ませんよという形
で来ているわけです。群馬県としては、それにこたえるためにどうしたらいいかということで、
地元にはおろしていると思います。地元にはおろして、例えば今言われたように広域圏で考え
るのか、沼田市独自で考えるのか。例えば、県で言っているのは、人口5万ぐらいを目安にし
て2カ所どうだというような、一応マスタープランみたいなのがあるわけですけれども、では
沼田市が独自でやった場合には沼田市は5万ですからそこ1カ所できます。できるけれども、
他の町村についてはそれではどうするかということになると、そこのところが5万人以上まと
まってこないとなかなかできてこない。ですから、その辺は広域圏なりそういったところでや
はり調整をしていかなければならないのではないかと、そんなふうに思っているわけで、これ
は県の方は県がこうしろということは言ってませんよと。沼田市あるいは広域圏でこういうふ
うにしたいのですけれどもという形でそれを練って県に上げてきてもらわなければ県は対応で
きませんよと。それを言っているわけです、市長。それで、市長も十分ご承知だと思うのです
けれども、そうなると、この2年の間にそれを早急にしていかなければならないわけですから、
あるいはそれが無理だとすれば別の方法を考えていかなければならない。その辺、市長、いか
がお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 山ア議員のいろいろな道筋のことについてのご指摘をなされまして、
敬意を表して拝聴させていただいておりました。おっしゃられるとおりであろうかと思います。
そういった中で、ご案内のとおりそれぞれの民間の方への委託等と現実にこの処分場をつくっ
て、そしてその経費をかけるという形の比較をしていった場合に、外に委託をしていくという
こともやはりこれは早急な対応としては考えていかざるを得ない場面が来るのではないかと思
っております。
そこで、経費の問題が当然気になるところでありますが、現下の諸状況は、つくって、そし
て将来いろいろとその原資をまた対応して考えていくということと、いわゆる委託、出してい
くところのこの比較で申し上げますと、委託の方がそういう費用対効果ではまずまずいいので
はないかというような試算が一応内部では出ているところでございます。
◇13番(山ア義朗君) 確かにそういった選択肢もあろうかと思います。いずれにしても、
これから新たに新しい場所を求めて、そして住民にご理解いただき、そして新しい処分場をつ
くっていくと。これはかなり時間的にやはりかかってしまう。恐らく市民の生活に対して不便
を来すというような状況が出てくる。そういったことも考えたときに、今市長が答弁されたよ
うに、業者委託という形で出さざるを得ないという状況が来るやもしれません。また、恐らく
そういうふうにしていかなければ間に合わないのではないかと思うのですが、ただ市民の中に
は、それでは、例えば食糧の自給率と同じように、すべて外に出してしまった場合に、今回の
東北の地震のように一朝有事のあったときに、そこに持っていけなかったらどうするのだと。
自区内である程度確保できるような形も整えていかなければならないのだというような意見も
あろうかと。ですから、その辺が非常に市長としても判断に苦しむところだとは思うのですが、
ただやはりこれを業者委託にするといたしましても、それを蓄えておくところ、ためておくと
ころのストックヤードをつくっていかなければならないと。では、これをつくるのにどうだと
いう話になった場合に、これは私は所管でないのでよくわかりませんけれども、何かこの間ち
ょっと委員会等で説明があったというときには約10億ぐらいかかるのではないかというよう
な数字が出てきたようでございますが、とてもそんな数字はかからないと思うのですが、これ
はいろんな分別あるいは粉砕、そういったものの処理をする能力を備えたストックヤードなの
かどうか。その辺は具体的に市長の方へ何かお話が行っているかどうか、お聞かせいただけれ
ばと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 部長に答弁をさせていただきます。
◇市民部長(田部昇利君) 具体的には、今のところはストックヤードについては検討はされ
てない状況でありますけれども、今は市長が言われましたとおり委託等の関係を含めまして今
後検討するわけですけれども、その10億とかいう数字はうちの方では持ち合わせておりませ
ん。それほどはかからないような状況で対応していきたいと考えております。
以上です。
◇13番(山ア義朗君) これは委員会で出た数字だということで、私が直接聞いたわけでは
ないのですけれども、そんな数字が飛んできております。
とにかくいずれにしても、委託にするにしても、自前の処理場をつくるにしても、要は予算
的な措置が必要になってくるわけです。ですから、ストックヤードをどういう形でどの程度の
ものをどこにつくるのかという、これももう早急に対応していかなければならない。やはり安
全で安心な生活環境、我々といいますか、行政の立場としますと市民の福祉向上を守っていか
なければならないということで、もう一度市長にお伺いしますが、まず方向性としてはどうい
う形でいきたい。大まかなところ大体市長の腹はお聞きしたわけですけれども、もう少し突っ
込んだ形で具体的にどの程度、例えばもう2年しかないわけですから。ですから、例えば業者
委託にするにしても、例えばその数量はどのぐらいで、どういうところまで粉砕して、どのよ
うな形で運び出すのか、どこに頼むのか、入札制にするのか、そういったことをやっているう
ち1年はかかってしまうと思うのです。ですから、これは早急に検討していかなければならな
い問題だと思うのですが、先ほど申し上げましたように、17年の一般質問でもう既にそうい
う話が出ていて検討しますという話になっているのですが、17、18、19、20、21、
22、もう5年以上経過している。全然進展してないと。
それから、先ほど市長からお聞きしたのですが、二箇村でもって協議をしているということ
で、二箇村でも調査費という形で5,200万ぐらいたまっているわけです。これが全然出て
ない。出てないということは、調査をしてないというふうに私は考えるので、その辺いかがで
すか。
◇市長(星野已喜雄君) 今後の課題と同時に二箇村の関係等に含まってのご質問であったか
と思っております。
まず、前段の関係につきましては、まさに議員がご指摘されておられますように、平成25
年3月31日という一定の期限と同時に、平成26年の1月ということの流れがありますので、
当然これはきちんとした手続を踏まえて平成26年1月をとらまえていく必要があるというこ
とであろうかと思っております。
もう一方におきましては、今お話しされておられますように、ストックヤードの問題だとか
いろんな諸状況があります。そういった条件整備を速やかに展開をいたしまして、早晩遅くな
いうちにそれらのことについての対応を図っていかなければならないと考えております。
二箇村の関係等については、私どもの方の今申し上げた早晩遅くないうちに対応を図る形の
中で、整合性を持った対応が必要になってくるかと思っておりますので、よろしくお願いをし
たいと思います。
◇13番(山ア義朗君) 答弁をいただいたわけでございます。ただ、いずれにいたしまして
も、きょうも傍聴の方々の中に市民の方々がお見えになっているわけでございます。とにかく
生活のごみ問題というのは非常にこれは、毎日毎日、日常生活の中にかかわってくる問題でご
ざいます。ですから、市民の皆さんが不安を持たないうちに早急な形で、そういう方向性だけ
でも出していかないと、ではそこへ行ってみて、もうこれでいっぱいではないかと。あと2年
後どうなるんかねというそういった話が当然出てくるわけでございます。その辺も極力時間を
切って、どういう形でいつごろまでに決めていきたいのだと。そんなふうにここで市長に答弁
をしろと言ってもなかなかきついとは思うのですが、一応目安としては、市長、どんな形で進
んでいきたいということですか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、先ほど来から論議していることについては、早晩遅くないう
ちにということで、早急に考えてまいりたいと考えております。それは当然年内はもちろんの
ことになろうかと思います。そういうようなことでもっていろいろと外郭を、骨格を組んでい
かなければならないと考えております。
なお、いろんな意味で先ほど来、今回の震災におけるところの現地の関係等についてのこと
についてもお触れになられましたが、私も実は議員がご心配されていることと同様なことを心
配をいたしまして、担当部課に調査の指示をいたしましたところ、なかなか現地の資材あるい
はまたいろいろな廃棄物等を外に持ち出すことが、これがなかなか難しい状況にもあるのだそ
うであります、調査によると。というのは、燃やす場合のダイオキシンの関係だとかいろいろ
あって、一応国の方針は、現地でもって対応を図っていこうということが主軸になって動いて
いるというようなそういうことの報告を受けているところであります。
◇13番(山ア義朗君) おおむね理解いたしました。ただ、いずれにしてもお金がかかるこ
とでございまして、そうでなくても当市においては非常に財政状況厳しい中でございます。た
だ、では金がないから何もしないのかということになってきますと、これは市民生活に大きな
支障を来すだけでございますので、ぜひその辺をひとつ、市長、前向きに積極的にご検討いた
だきたいと、そんなふうに思うわけでございます。
続きまして、安全な飲料水の供給についてでございます。
簡易水道の現況について先ほどお聞きしたわけでございますが、合併いたしまして簡易水道
の数もかなりふえてきておると思います。そうした中で、どのような管理体制、先ほど各簡易
水道組合に対して指定管理者制度を設けて委託といいますか、指定管理をさせているというよ
うなところが多いというふうに思っておりますが、これは例えば白沢あるいは利根町、この地
区についてはどのような形になっているか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 上久屋も含めて、先ほど答弁をさせていただきましたが、白沢町、
利根町の9地区の簡易水道事業は、市の指定管理者として地元組合に管理運営を委任しており
ます。旧沼田市内の13地区の簡易水道事業、地元で組合を組織、単独で管理運営を行ってい
る4地区の簡易水道事業でありますという形での答弁させていただきましたが、やはり市の指
定管理者として地元組合に管理運営を委任をしておりますという形の答弁になろうかと思いま
す。
◇13番(山ア義朗君) ここに沼田市の給水区域図というのをいただいてあるのですが、旧
沼田が22簡易水道、それから白沢が2ですか、利根町が6というような形でいただいてあっ
て、この管理体制というのが、これ見たところ白沢、利根町の方が非常に管理体制が整ってい
るような感じなのですが、これはいろいろな簡易水道組合が誕生した背景とかいろんな地域の
実情があると思うのです。旧沼田については非常に、言い方悪いですけれどもばらばらという
ような形になっているのですが、この辺についてこの簡易水道に対して市としてどのような形
で指導しているのか。指導といいますか、例えばできるだけ同一歩調で管理をしていこうと。
水道料その他加入金、これは全部ばらばらではありますけれども、将来的にはどういうふうに
していこうかとか、そういったお考え、市長、ございましたらお願いしたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 答弁が前後して恐縮でございますが、白沢が1組合になろうかと思
います。それと、利根が7組合で、それぞれ直営でもって対応を図っていっているという形に
なります。
同時に、議員は全体をある程度一元化というのですか、平準化というのですか、そういうよ
うなことかと思います。これらについては、やはり今後の課題になろうかと思いますけれども、
先ほど来議員もご指摘のとおり、簡易水道組合はそれぞれの生い立ちや、あるいはまたいろん
な歴史がございますので、そこらのところをよく把握した上で対応を図っていく必要があろう
かと思っております。
◇13番(山ア義朗君) 白沢は二つではないですか。南部簡易水道、カシワザワ簡易水道。
(「一つ」の声あり)一つ。ああそうですか。わかりました。
それで、これは直営でやっているということで、この辺のところは振興局サイドである程度
網羅できるといいますか、指導もできると思うのです。そういった面で、先ほど私申し上げま
したように、旧沼田の方が非常にばらばらな状況でいるということであります。
過日、今問題になっているところの福島原発による放射能汚染によって沼田市の水道は大丈
夫かというような声が市民から多く出ておりまして、これに対して市当局では抽出して検査を
されているようでございます。そして、ホームページにも不検出ということで安全であるとい
うようなことがうたってあることで、これは非常にいいことだと思うのですが、できるだけこ
れを市民に早く告知できるように、市民の皆さんに不安を与えないように、その辺はお願いし
たいと思います。これはちょっと余談になりましたけれども、この辺の対応については当局も
早く対応していただいてありがたいというふうに思っているわけでございます。
さて、そこで、これは私がやはり平成16年、17年ごろ一般質問でさせていただいたので
すが、この水源を守る、水源周辺の保護条例、こういったものを市長はつくったらいかがでし
ょうかということを、そのときには富岡市の事例を出しまして、富岡市においては富岡市水道
水源保護条例というのがありますよと。そうした中で、安心な水を市民に飲んでいただくため
に市として条例をつくったと。これはいろいろ項目たくさんありますので、長いのであります
けれども、これは富岡市の場合で、富岡市の水道にかかわる水質を保全し、水量を確保するた
め、その水源の保護に必要な施策を講じ、もって住民の生命及び健康を守ることを目的とする
と。これは富岡です。この間は相馬市、これは福島県ですけれども、相馬市のところでもちょ
っととってみたのですけれども、各地で同じような水源を守る条例、市独自の条例をつくって
おります。そうした中で、それを業種によって水源を汚染するようなおそれのあるものについ
てはそれぞれ協議しながら進めていくとか、あるいは市長権限あるいは市権限でもってある程
度の罰則等も設けながら、とにかく安心な水を確保していこうというようなことでやっている
のですが、これにつきまして、市長、沼田市としてはどんな形でその水源を保護していくか。
市長の考えありましたら聞かせてもらいたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 大変貴重なご質問だと受けとめさせていただきました。と申します
のは、ご案内のとおり今回の大震災によりまして、新宿の方で飲み水に事欠くことがございま
して、私どもの方から水を供給をさせていただきました。同時に、私どもの方では何ら問題が
ないという数値がはっきり出まして、そういう意味では水の源というものに対してやはり改め
てよかったなと思っております。
何といっても水は生命の源でありますから、この水をしっかりと守っていくということは、
与えられた自治体の大変重要な責務だというように考えております。したがいまして、議員は
ただいま富岡の水源保護条例を披瀝をしてのご質問になったわけでございますが、本市として
も利根川の水源圏に位置しておりますし、環境問題等は正面に据えていくということから考え
ますと、そういったことについては前向きに検討していく必要があるのではないかと受けとめ
させていただきました。よろしくお願いしたいと思います。
◇13番(山ア義朗君) 前向きに検討していただけるということで、一例として先ほど申し
上げました相馬市の水道水源保護条例の一部、ちょっとピックアップして言ってみますと、第
3条に市の責務という、ただいま市長、責務という言葉をお使いになりましたが、市の責務と
いうのがあるのです。これを読みますと、市は、水源地域の保護にかかわる施策の実施に努め
なければならない。市は、市民及び事業者の水道水源の保護にかかわる知識の普及及び知識の
高揚を図るため、啓発その他必要な措置を講ずるとともに、市民及び事業者が行う清掃活動そ
の他の水源保護にかかわる自主的活動の助長に努めなければならないと。これがあります。
その中で、市長としてやるべき、要するに水源保護地域の指定ということで、市長の権限が
非常に強いのですけれども、これは福島の相馬市ですが、市長は、きれいな水を市民が享受す
る権利を守り、水源地域の水質を保全するため、水源保護地域を指定することができるという
ふうに出ております。ですから、これは市長の権限が非常に強いわけですから、市長は前にも
おっしゃっておりましたけれども、例えばこの水源の安全のもとなのですけれども、極論から
言いますと、例えば外国資本が今、山を買いに来ている。あるいは、その中に水源がある。そ
ういったものが譲渡されていくという恐れもあるわけです。そういった場合に、市長の権限で
もって、この水源付近に民地があったとしても、これを何らかの条例で押さえること、あるい
は協議して市がそれなりの対応ができるというような条例にしていかないと、これからいろん
な問題が出てくる。
例えば、先ほどの簡易水道なんかもそうなんですけれども、簡易水道の設置というのはほと
んど私有地、個人のところにあるのが多いです。そういった中で、そこの用地が売買なりそう
いったもので譲渡されているというケースもだんだん出てきているわけです。そうしたときに、
やはりそのところだけはどうしても守っていくというような形にしていかないと、第三者に渡
ったときにどういうふうになっていくかというような問題も出てくる。これにつきましても、
やはり早急に沼田市としてもこういったものを考えて、ましてこれまた大変被災地の皆さんに
申しわけないのですけれども、被災地の災害の状況を見たときに非常に心苦しく思ったわけで
すが、反面、沼田はよかったなと。沼田に住んでいてよかったな。沼田に生まれてよかったな
という人も、私だけではなくて多く皆さんいらっしゃると思うのです。それを今度は、その気
持ちをやはり維持し、沼田市民になったよさを知るためには、やはりこれに手を加えてますま
すいい環境にしていかなければならないと。そのためには、こういった特に命の源である水に
対してもう少し積極的に取り組んでいくべきではないかと、そんなふうに思ったのです。その
辺、市長はいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変奥行きの深いというのですか、非常に内容が示されたというふ
うに受けとめさせていただきました。確かに言われるとおり、水の水源地はきっといいところ
だからいい水が出るのだと思います。そうすると、それはある意味においては、ねらい目なの
かもしれません。しかも、民間の方が所持しているということになったときに、この数年来、
例の心配されていた外国資本の手が入ってくるかなということについて、私どもも明確に利根
沼田の市町村長が外に向かってこれを排除してほしいという意思表示をきちんとしてきたとい
う経過がございます。そういうようなことから考えると、やはり今おっしゃっているように、
そういった水源地のきちんとした環境保護あるいは水源地保護というものは大変重要な課題で
はないかと受けとめさせていただいたところでございますので、今後ともよろしくお願いをし
たいと思います。
◇13番(山ア義朗君) 大変前向きに検討していただけるということであったのですが、1
6年か17年、私が同じことで質問したときに、そのときも市長に非常に褒められまして、褒
められたからすぐやってくれるのかと、あるいはそういう動きをするのかなとは考えておった
んですけれども、先ほど申し上げたように何だかんだ5年ぐらいたって、ぜひここのところは
早急にご検討いただいて、それをつくれとかそういうことでなくて、やはりこれは緊急の課題
として担当の部課長さん始め関係の皆様方と協議しながら、市長のすばらしいアイデアの中で
どういう形の条例あるいは保護していったらいいかというようなことを考えていただきたいと、
そんなふうに思っているのですが、その辺、市長、いかがですか。あと5年というとおれもだ
んだんいなくなってしまうと思うのですけれども。よろしくお願いしたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 今回もああいった大震災が発生をした後、何といってもこの水、そ
してちょうど厳冬期でありましたから毛布というようなことがございまして、この水の重要性
というのはもはやもう日本全国民がひとしく受けとめているところだと思っております。した
がいまして、この問題提起は大変重要な問題提起であるというふうに受けとめておりますし、
担当部長もしっかりと受けとめさせていただいているところでございますので、議員の意を体
して今後きちんとした対応を図ってまいりたいと考えております。
◇13番(山ア義朗君) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それでは、次に移りたいと思います。
まず、先ほどご答弁いただいたわけでございますが、森林整備促進の具体的な施策について
ということで、一例といたしまして育樹祭の成果についてということでお聞きしたわけでござ
います。沼田市の知名度を上げ、そして地域間交流を深めながら地域の活性化につなげていく
という市長の答えであったわけでございますが、その後どのような形にしてこの会場であった
21世紀の森、これは県の施設でありますけれども、その辺はやはり森林関係では非常にリー
ダーシップをとっておられる市長のことでございますので、県の施設であるけれどもこういう
形で考えているというようなことあったらお聞かせいただきたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 何といっても、これは施設が県有施設になっております。したがい
まして、群馬県当局との連携をした事業形態がどうしても一義的には考えられます。そういう
中で、今回の全国育樹祭を契機といたしまして、10月のその育樹祭日を一つの眼目といたし
まして、山の日ということを制定させていただいたということはご案内のとおりでございます。
今回も、ことしもそれに向かっては、ちょうどその月を月例月間みたいな形の中でいろんな行
事が組まれる。そこに当然いろいろと加わっていくということもさることながら、もう一方に
おきましては、全国植樹祭以降、一過性のものに終わらせないということで21世紀の森の音
楽祭や森と木のまつりを展開してまいりましたけれども、これも今年、いっときこれをもうこ
こで打ち切るというような空気もあったのでありますが、群馬県当局のお計らいもあったりし
て今年も引き続きお世話になるというようなことになっております。
したがいまして、「樹の息吹 育ててつなぐ 地球の未来」というこのテーマが本市の主婦
の方が考えたテーマでもございました。もちろんポスターも本市の小学生がつくり上げたポス
ターでございました。そういったことから、関係機関にいろいろとご指導いただいたり、私ど
ももそういった育樹祭の成果を後世に伝えていくために、やはり本会場を活性化させていくと
いうことが大変重要だと考えているところでございます。
◇13番(山ア義朗君) 答弁いただきました。
これも21世紀の森も当初計画から大幅に構想が変わってしまったといいますか、当初はい
ろんな施設等も擁してやっていくということで、最終的にはキャンプ場なり、あるいは宿泊施
設等々もつくっていくのだというようなことであったわけでございます。いろんな経過の中、
また景気の低迷等々によって変わってきたと思うのですが、以前、21世紀の森利活用検討委
員会なんていう委員会が昔できたわけです。それで、その中に入っている方々を見ますと大体
沼田の方が多いのですが、この辺は当局としてはそういったものを何か踏まえながら引き続き
21世紀の森について検討を加えているのか。
また、市長みずからがやはり森林組合の組合長という形で、恐らく業務の指定管理、要する
に森林組合としての管理の会場といいますか、山の管理の指定管理は受けていると思うのです
が、その辺から輪を広げていって何かできるようなといいますか、考えているようなことあっ
たら教えてもらいたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) やはり施設そのものが群馬県当局の施設になっております。したが
いまして、やはり管理責任であるところの群馬県当局の考え方というものを尊重をしなければ
ならないと考えております。
ただ、平成10年の全国植樹祭以前のころ、本会場を当時の群馬県当局は、確かに森林鉄道
を走らせたり、あるいはまたいろいろな施設をレイアウトはしたのであります。そういった記
憶を持っております。ところが、やはり群馬県ご当局ができるだけ会場を広く柔軟に使っても
らいたいということから、逆に施設をつくらない方が、簡便に申し上げますと、人寄せだとか
そういうのにいいのではないかという考え方が主流になってきたというような経過があったや
にも伺っております。
そういうようなことで今日に至っているわけでございますけれども、今後あのままの状態で
いいのかどうかということについては、当然これは群馬県ご当局の考え方のところによるわけ
でありますけれども、やはり幾ばくかこの21世紀の森というものにふさわしい周辺の環境整
備というものは今後考えていかざるを得ないのではないかと思っております。
◇13番(山ア義朗君) 植樹祭もそうですし、育樹祭もそうなのですけれども、結局会場に
行くまでの道路のアクセス、この管理というのは沼田市においても応分の費用をかけながらや
っておるわけです。したがいまして、私の考えとしては、やはりそういった維持管理に沼田市
もある程度のお金も払い、あるいは市民の方々の力もかりながら管理しているわけですから、
何とか会場そのものを沼田市として使うというとおかしいのですけれども、沼田市の地域の活
性化のために活用できるような一つの素材として使わせてもらえる。そういった方向にやはり
市長、努力していただければ。
もうあのまま置いておくというのは確かにいいのですけれども、例えばあそこの場所で仮に
サッカーの練習場をつくったらどうだろうと。あれほどすばらしいところはないわけで、それ
は一例ですけれども、そんな形で何か使えるような方向に将来的に持っていけるような方法論
というのは、なかなか市長、見つからないもんなんですか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまサッカーの話題が出ましたが、ちょっと傾斜があるのでサ
ッカーはどうかなというふうに思っておりましたし、受けとめました。同時に、芝管理にかな
りのお金がかかっているんです。そういうようなことがあります。
それで、仮にそういうようなことでもっていろんなことを考えていくとすれば、やはり「元
気森森大会」のようなそういった、「森森」というのは「森」の「森」を使うのですが。そう
いうようなことで、木材を使った、運動会とはちょっと違うんですけれども、そういった例え
ば木を担ぐ競争だとか、あるいはチェーンソーを持っていって、そして伐採をする事業だとか、
そういったことは大いに外に対するアピール力が高いのではないかなと思っております。
いずれにいたしましても、何らかのそういった活性化策は今後大変重要かと思っております
ので、引き続きまたご指導いただければと思っております。
◇13番(山ア義朗君) わかりました。確かにそういった形で何か使っていかなければ、と
にかく森林というものをやはり沼田市が打ち出していくということであれば、今市長が言われ
たように森森大会ですか。例えば、カナダなんかでも大分やっておるようで、木を早く切る競
争だとかいろんな形でやって、そういうことでもいいと思いますが、いずれにしてもやはりこ
の場所を一つの核として沼田市のPRにつながっていく、活性化につながっていくということ
を考えていただければと思うわけでございます。
続きまして、新宿の森・沼田の協定書締結後の成果ということで、これも先ほど大まかなこ
とは聞かせていただきました。過去も既に2回ほど新宿の方からお越しいただいてやられたと
いうことでございます。その辺をもう少し具体的に、今後どうしていくのかというようなこと
で、新宿としての計画でなくて沼田市としてはどんな計画で進んでいきたいのか、あるいはそ
れについて新宿区とどのような話し合いを進めているのか、その辺がありましたらお願いした
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) あくまでもこれは新宿区の方にいろんな動きの主体が行っていると
いうことは、これは客観的に認めていただきたいと思うのです。と申しますのは、このカーボ
ンオフセット事業そのものが私どものある森林を新宿区の方で有効活用してもらうというよう
なことで、結局あそこにいろいろと新宿区の方でかけているお金というのは、私どもの方での
負担はないわけです。ですから、そういう意味では中山区長さんのいろいろな指導力と実行力、
かなり区行政の調整に精力を費やしたということは私どもも伺っておりますし、また敬意を表
しております。
これは環境の問題というのは、もう21世紀の最重要課題でございますので、環境教育、特
に子供の教育の体験の場所として大きく存在を高めていくことによって、例えば先般植えた木
に、そのところに例えば仮に山ア義朗さんという方が、新宿区の子供が植えたとしたら、そこ
にリングか何かをかけて、これはおれが植えた木なのだというような形にして、それが成長し
ていくと間違いなく山ア義朗さんが植えた木というものがある程度そこに残っているわけだと
思うのです。よしんば仮にその方が10歳で10年後、二十歳になって来たときに現地を見学
するというようなこと等につながってくるのかなと思っておりますので、やはり子供あるいは
また児童生徒に軸足を置いた形の中で展開をしていくことによって将来の新宿と沼田がなお一
層深まっていくのではないかということと同時に、ご案内のとおり姉妹都市の問題は下田市と
お世話になってもう大変な経過があるわけですが、やはり姉妹都市の前には友好都市というの
があるのかなとも思ったりしております。ですから、そういった道筋を立てながら将来に向か
ってこういった大震災のときにお互いに助け合うこともできると。いろんな意味で補い合える
こともできるというような状況をつくるために、やはり地道な活動を展開していく必要がある
のではないかと考えているところでございます。
当然お出かけをいただきましたならば、地元のそういった観光農業あるいはまた地元の観光
施設等に見学、体験してもらうということによって、地域経済の活性化にも処していきたいと
考えております。
◇13番(山ア義朗君) わかりました。これは新宿区さんが当然私どもより先に長野県の伊
那市と同じ形でカーボンオフセットの提携、協定を結んでいるわけです。これは新宿区の広報
なのですけれども、割とよく伊那市とやっていますというのを区内にPRしているんです。で
すから、希望とすれば、当沼田市も新宿の区民の皆さんに、沼田市と新宿区はこういうことを
やっていますよというものをPRしていただくようなお願いをして、なおかつ多くの方々にこ
ちらに来ていただきたいというような呼びかけをしてもらう。これも新宿区のホームページか
ら出したやつなんですけれども、ぜひ沼田の方も、確かにスタートは遅れていますけれども同
じような形でいけるようなところまで、市長、ひとつ努力していただいて、新宿と沼田という
ことが、これは未来永劫どうなるかわかりませんけれども、いずれにいたしましても縁があっ
てそういうつながりできたわけですから、ぜひひとつこのつながりが長く続くようにお骨折り
いただきたいと思うのですけれども。
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時00分休憩
─────────────────────────────
午前11時05分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 新宿区と伊那市の関係でございますが、議員ご案内のとおり、伊那
市前段、高藤町がございまして、新宿区の御苑があるところが旧高藤藩の屋敷であったという
ことから、高藤町、さらに伊那市と発展していく形の中で現在伊那市との関係があると。新宿
御苑は、私もある程度承知をしておりますが、ものすごい広大な面積で、しかも代表する東京
の市民の憩いの場所でもあるというようなこと等があって、我々から見るとはるかに深い縁が
あったかと思っております。そこまで到達するのにはまだまだ及ばないところがありますけれ
ども、地道に努力をいたしまして、そしてホームページ等どんどん掲載してもらえるように私
どもも努力をしたり、また働きかけも積極的にしてまいりたいと考えております。
◇13番(山ア義朗君) よろしくお願いいたします。
それでは、また質問を変えまして、森林環境税の導入についてという形で質問をさせていた
だきたいと思います。
まず、先ほど1回目の答弁、市長からいただいたわけでございますが、もう一度、これが平
成16年でしたか、出したのが。その後の経過について先ほどお話しいただいたわけでござい
ますが、これについての経過が、大分全国の動向も変わってきまして、22年の状況の中で2
2年6月の調査によりますと、全国で約30県がこの水源税といいますか、要するに独立した
森林整備に係る独自課税というような形でやっておるわけです。
市長にこんなこと言うのはあれですけれども、過日、県の方にもお伺いしましていろいろと
お聞きしてまいりました。そうした中で、群馬県においてもいろいろと検討中ではあるという
中で、ただこういった非常にリーマンショック以来景気が低迷している中で、果たしてこれが
県民の増税につながるという考え方になっては困るのだというようなことでは言っておるので
すけれども、ただいずれにしてもこれをやっていかないと、特に私どものような山間地、要す
るに森林が多いところについては、負の部分だけがこちらに来る。そういう結局二酸化炭素を
排出しているところは排出するだけのものを我々の方へ、押しつけてくるという言い方はおか
しいのですけれども、我々が受け入れるという形になってくるわけです。
そういった中で、また先ごろ全国森林環境税創設促進同盟というような形で議会の方へもこ
れに対して同意をしてくれと。あるいは、市長あてにも来ていると思うのですが、またそうい
う動きは非常に活発になってきているわけですが、それにつきまして、市長、いかがなもので
ございましょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 本問題は、私としても実は県会議員在任中から市長にお世話になる
経過の中で、東京都の水源県ということもあって努力をさせてもらってきたという経過がござ
います。やはり議員がおっしゃっているように、既に47都道府県中30県が実施に踏み切っ
ているというところがあります。ただ、ご案内のとおり本問題はどうしても群馬県の最高責任
者のご判断が非常に重要になってくるわけでありまして、翻って言いますと、平成21年の群
馬県議会の11月の定例会のときでの知事の答弁が、森林環境税の導入につきましては国の動
向、新税の動向といったことを注意深く見守りながら引き続き検討を行っていきたいというこ
ういったご答弁、あるいはまた昨年の2月5日の知事の記者会見でありますけれども、森林税
の関係について、今の段階ですぐに導入というのはちょっと難しいかなと。もう少し検討して
時期を見て取り組まなければいけないと思っていますと。時期のことについて非常に群馬県ご
当局もいろいろと注意をされているところがうかがえます。
したがって、既にこの要請の関係等については、平成16年9月14日付で提出されたもの
が平成16年9月にたしか少なくとも趣旨採択にはなっているのではないかと思っております。
したがって、そういう意味では、一つの形は整えられているのかなと受けとめさせていただい
ております。
◇13番(山ア義朗君) わかりました。今市長答弁にあったように、確かに16年から17
年ごろについても、この問題について非常に県内を奔走していただきまして、そういう制定の
方向へ努力はされていたということはここに記載されてあるわけでございます。
ただ、県の問題ではありますけれども、県の中でもやはり森林関係については市長の得意と
する分野でありまして、ぜひその辺は市長の方からも強く押していただいて、いずれこういっ
たものは必要になってくるのだと。特に山林の多い群馬県においてはこういったものを何とか
確保していかなければ森林を管理保護していくそういったことが難しくなってくる。これはも
う今さら私が言うまでもありませんけれども、後継者の問題あるいは林業の生産性の問題、そ
ういったことをどこから押しなべていってもこれは難しい問題であって、県民がみんな力を合
わせてやはりそういったものを取り上げて守っていくという方向に行く必要性があるのではな
いかと思っておるわけでございますので、もう一度その辺ひとつ、市長、森林に非常に造詣の
深い市長の立場として、こういうことをひとつ県のトップの方へも私も言ってみましょうとい
うようなことがありましたらぜひ聞かせてもらいたいのですが。
◇市長(星野已喜雄君) 今、平成16年5月の定例市議会の山ア議員さんのご質問に対する
答弁の内容が資料としてあるのでありますが、確かにこの当時69、まだ合併前でありました
から市町村あって、それらのところにお願いをして意見書を上げてもらったような経過もござ
いました。
ここへまいりまして、いろいろと新税の導入の関係等については、国全体の流れの中でやや
慎重な向きもあることから、非常に群馬県ご当局もじくじたるところがあるのだと思いますが、
先般も外国の方々が私どもの山林を買うということについては、やはりきちんと物を申さなけ
ればいけないだろうというようなことでもって動いた経過もございます。
したがいまして、本日の質問を受けて、改めて広域圏もくしは利根町村開発協会、いずれの
方法を講じながら、改めてまた要請行動を行ってまいりたいと考えております。
◇13番(山ア義朗君) ぜひ特段のご努力をお願いいたすわけでございます。
さて、ちょっと飛んでしまいますけれども、今、県のサイドでの森林環境税という形の話と
はちょっとずれるのですけれども、これは自治体といいますか、これはちょっと趣旨が違うの
ですけれども、これも以前市長にも申し上げたことがあるのですが、やはり水を守り山を守る
ためには、各自治体でもってそういったものも、基金条例的なものをつくっていったらどうだ
ということも以前ご提案申し上げた経過があるわけでございます。これも富岡市のことばかり
になって大変申しわけないのですが、富岡市では水源かん養基金条例というのをつくりまして、
いつでしたか、平成14、5年でしたか、新聞にも載っておるのですが、水源かん養基金を設
立と。富岡市が条例案ということで、保水力ある広葉樹促進をということで、これはそういう
目的のために使うのだというような形でこれを制定して、一応これは市の条例として生かして
あるわけです。すると、これは先ほど私が冒頭申し上げました水源の安全安心を確保するとい
うことにおいても、ある程度そういった基金があることによって多少の対応ができていくので
はないかと思うわけでございます。第1条で富岡市水源かん養事業の財源に充てるため、富岡
市水源かん養基金を設置するというようなことでうたってあるのですけれども、これが多分生
きていると思うのですが、こんなようなものを、例えば県がなかなか進まないということであ
れば、あるいは国が進まないということであれば、沼田市としても高いお金を取るとかそうい
うことではなくて、やはりそういった形で市民の水に対する啓蒙作戦の一つの一環としてこう
いう基金をやりましょうよと。あるいは、これが強制的な取り立てではなくて、基金積み立て
みたいなものをやっておいて、この沼田の水を、大事な安心安全な水を未来永劫子孫のために
引き継いでいきましょうというような物の考え方の中でこういった基金条例的なものをつくっ
ていくというようなお考え、市長、いかがなものでございましょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 私の立場からすると、本市のいろんな状況を考えた場合に、群馬県
ご当局あるいは国家の方に向かってそういうことを発信していくということが、今選択できる
有効な手段かなというふうに思っております。ただし、地元の市民の方々の意識を持ってもら
ったり、あるいはまたそういう機運を高める意味では、議員がご提案されていることは大変有
効な手段であり、また意義を持っていると思っております。現時点ですぐに右に左というわけ
にまいりませんけれども、今後の検討課題とさせていただきたいと存じております。
◇13番(山ア義朗君) ぜひひとつご検討をよろしくお願いいたします。
時間もなくなってまいりました。質問としては以上で終わりたいと思いますが、ただ1点、
最後に確認といいますか、改めて市長にお願いでございます。例の最終処分場の件でございま
すが、先ほどご答弁いただきましたように、何とか年内に方向性を定めたいというようなこと
でご答弁いただいたわけでございます。これにつきまして、さらなる、もう一度ひとつ、12
月中になんとか成果を出しましょうというようなご答弁をいただければありがたいと思うので
すが、その答弁をいただいたところで私の一般質問を終わりたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本問題は大変重要な課題でございます。したがいまして、どうして
も発言には慎重を要するわけでありますが、早晩遅くないうちにということで、これは年内を
もちろん当然のことなのですが、そういった中でも早晩遅くないうちにということで対応を図
っていければと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇13番(山ア義朗君) ぜひひとつよろしくお願いいたして、私の一般質問を終了したいと
思います。大変ありがとうございました。
──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、大東宣之議員。10番。
〔10番 大東宣之君登壇〕
◇10番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
今回私は、防災対策について、福島第一原子力発電所事故について、観光と交流について質
問いたします。
まず初めに、防災対策についてより質問いたします。
東日本大震災の発生から3カ月近くが経過しましたが、警察庁まとめの6月1日現在の被災
状況は、死者1万5,310人、避難者10万527人で、巨大地震と津波による甚大な被害、
そして福島第一原子力発電所の事故が加わり、その被害は「国難」ともいえる未曽有の規模に
達しています。
多くの被災された方々が、いまだに心身ともに深い苦しみのふちにあり、先の見えない不安
のもとに置かれています。
犠牲になられた多くの方々への深い哀悼とともに、すべての被災者の方々への心からのお見
舞いを申し上げます。
また、被災者支援、復旧支援などに日夜奮闘されている皆さんのご苦労に敬意を表します。
今回の東日本大震災は、自然現象として、地盤崩壊が500キロメートルに及ぶプレート境
界型のマグニチュード9.0という、歴史的にも最大レベルの地震が起こり、これによって1
100年前の貞観地震津波とほぼ同じ規模の巨大な津波が、東北地方から関東地方を襲いまし
た。
阪神・淡路大震災が起こった16年前ごろから、地震学者は「日本列島は、地震活動期に入
った」と指摘し、2000年の鳥取西部地震、2004年の新潟県中越地震、2005年の福
岡県西方沖地震、2007年の能登半島地震、新潟県中越沖地震、2008年の岩手・宮城内
陸地震などが発生し、その最大級のものが今回の地震です。
また、余震はいまだに続いており、長野県栄村、静岡県東部を襲った地震などは、東日本大
震災との関連が指摘され、今後30年の間に、東海、東南海、南海大地震が起こる可能性が極
めて高いとされ、日本列島全体に地震災害への警告が発せられている状況にあると言えます。
沼田市には、「柏崎―銚子構造線」が西部を南北に貫き、片品左岸断層が市東部に入り、活
断層も5カ所確認さているなど、巨大地震が起こる可能性は少なくありません。
群馬県地震被害想定調査では、3つの震源による地震が想定されており、その被害想定では
「柏崎―銚子構造線」の一部を震源とした「県北部地震」で死者276人、重傷者964人、
避難者4万4,467人、建物の全壊・半壊3万4,474棟などの被害を想定しています。
想定される県北部地震(マグニチュード7)の被害想定と、その対策をどのように進めるの
かお伺いいたします。
市内には、学校など公共施設などを避難所に指定していますが、避難所の状況と市民への周
知、避難訓練等にどのように取り組むのかお伺いいたします。
利根沼田地域には、利根川や片品川に多数のダムがあり、本市はそれらの下流域に位置し、
地震によってこれらのダムが決壊するようなことがあれば、甚大な被害をもたらすことは明ら
かです。
さらに、玉原ダムについては、東電は、長年にわたって変形量を改ざんしていたことなど、
ダムに対する安全性そのものが問われるようなことも起こりました。
東日本大震災のような地震が起こった場合ダムは大丈夫なのか、多くの人が不安に感じるよ
うになりましたが、利根川・片品川のダムの地震に対する対策はどのように行うのかお伺いい
たします。
東日本大震災で被災したり、その後の福島第一原子力発電所事故により、本市にも地震発生
後から、親せきや知人などを頼り、多くの方々が避難されてきました。
本市では、職員1名を配置した総合相談窓口を設置し、避難者の相談や子供の学校の転入、
住居の紹介など様々な対応を行っていますが、東日本大震災の避難住民の状況と今後の対応、
支援をどのように進めるのかお伺いいたします。
続いて、福島第一原子力発電所事故について質問いたします。
これまでわが党は、福島第一原子力発電所について、地震・大津波と炉心溶融に至る事故の
可能性を繰り返し指摘し、その対策を講じるように求めてきましたが、その時々の政権は、
「日本の原発は大丈夫」だと繰り返すばかりで、まともな対策をとろうとしてきませんでした。
その責任は、重大であり、まさに今回の事故は、明らかに人災であることを厳しく指摘する
ものです。
今回の原発事故では、原発がどういう損傷を受けていたのかという全体像は明らかにされず、
必要な情報が東電から提供されないままで、その後の放水活動にも支障を来たし、避けられた
被曝を消防職員に強いることになってしまうなど、対応は後手に回り、混乱するばかりです。
福島第一原子力発電所の事故により、県内や関東圏内の水道水や野菜の一部、原乳、牧草な
どから暫定基準値を超える放射能が検出されたことから、国民に衝撃が走り、風評被害も重な
り農業や観光業などに大きな打撃を与えましたが、原子力発電所事故に伴う農作物等への影響
や、沼田市での経済的影響はどのようなもので、その補償等にどのように対応するのかお伺い
いたします。
福島第一原子力発電所の事故により政府は、「原子力緊急事態」を宣言し、福島第一原子力
発電所の半径3キロ以内の住民に「避難」が指示され、福島第一原子力発電所の1号機と3号
機が爆発し、半径20キロメートルの8万人に避難指示が3月13日に出されるなど、放射能
に対する不安が大きく広がりました。
市内の農家や子供のいる家庭など市民には、放射能に対する不安が広がっていますが、農作
物や学校、大気中の放射能測定等、安全確認にどのように取り組むのかお伺いいたします。
続いて、観光と交流について質問します。
JRと自治体、地元観光事業者などが共同して実施する、群馬デスティネーションキャンペ
ーンが目前に迫り、関係者の期待は高まりつつあります。
東日本大震災の影響で日本への海外からの観光客が減少し、国内でも自粛ムードが広がり、
国内の観光地は厳しい状況に直面しています。
本市においても景気の低迷が長期化する中、宿泊客が伸びず、それぞれの施設等では様々な
取り組みも展開されていますが、決定的に局面を打開するには至っていません。
経済情勢や東日本大震災など、厳しい状況に直面している中ですが、デスティネーションキ
ャンペーンを本市の観光業が直面している困難を打開し、新たな光を見出すきっかけとさせ、
次へとつなげていくような取り組みが必要です。
本市の観光客の入込状況と、プレ群馬デスティネーションキャンペーンの成果と課題はどの
ようなものだったのか。群馬デスティネーションキャンペーンに向けどのような取り組みを展
開するのかお伺いいたします。
市長は就任以来、交流に力を入れてこられ、これまでに県内の太田市、県外では川口市や新
宿区、港区などと交流を広げてきましたが、これまでの地域間交流の成果と課題はどのような
もので、今後どのように取り組みを進めるのかお伺いいたします。
以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、防災対策について、状況と今後の対応について、想定される県北部地震(マグニチュ
ード7)の被害予想とその対策をどのように進めるのかについてでありますが、今回の震災で、
本市でも震度5強の揺れにより、屋根がわらの落下や外壁などに被害が確認されたところであ
ります。
群馬県が行った地震被害想定調査では、県北部を震源とする地震により、1,000人を超
える死傷者、3万棟を超す建物の損壊、4万人を超す避難者の発生が想定されております。
地震は、一般的に予知することが困難とされ、その被害は突発性・広域性、さらには火災等
二次被害の発生といった特徴があります。
本市では、大規模な地震に対処するため、災害の軽減と応急対策及び復旧対策について総合
的に定める、「沼田市防災計画・震災対策計画」を策定し、これに基づき、市及び防災関係機
関相互の密接な連携を図りながら、防災知識の普及、避難計画、建築物等の耐震強化などの震
災対策を行っているところであります。
次に、避難所の状況と市民への周知、避難訓練等にどのように取り組むのかについてであり
ますが、二次災害に対処するため、一時避難場所として集団的に収容できる施設、公園及びグ
ラウンド等、避難距離をおおむね2キロメートル以内とした、市内の小・中学校を初め64カ
所の避難場所を指定し標識を設けるとともに、これを記載した沼田市防災マップを全戸に配布
しながら、その周知を図ってきたところであります。
また、避難訓練等についてでありますが、平成14年から地域住民参加の防災訓練を、平成
16年からは市内の小中学校区域ごとの住民を対象に、防災訓練を実施してきておりますが、
今後におきましては、地震を起因とした避難を想定した防災訓練を検討するとともに、「みず
からの安全はみずから守る」意識づけによる、地域住民主導による避難訓練等の実施について、
自主防災組織の結成等とあわせて呼びかけてまいりたいと考えております。
次に、利根川・片品川のダムの地震に対する対策は、どのように行うのかについてでありま
すが、沼田市に関係する利根川・片品川のダムは、現在12カ所あり、その設置目的は、洪水
調節、発電、防災、用水、かんがい、上水道及び工業用水であります。
これらのダムの管理運営機関は、国土交通省、独立行政法人水資源機構、群馬県企業局及び
東京電力株式会社であります。
これらのダムの耐震性能は、地域ごとに定められた一定の設計震度により地震力を算定して
計画されています。
この方法により設計されたダムは、これまで地震によって下流域に人的・物的被害を及ぼす
ような深刻な損傷を生じたことはないとされております。しかしながら、1995年の兵庫県
南部地震や2004年の新潟県中越地震などにおいて従来の想定を大幅に超える強さの地震動
が観測されるようになってきています。このため、国土交通省の定めた「河川管理施設等構造
令」に基づき、過去に起きた地震から想定される最大級の地震動を用いたダムの耐震性能照査
を、各関係機関において実施しているところであります。
いずれにいたしましても、ダムの管理を行う利根川ダム統合管理事務所等と連携をとりなが
ら、対応を図ってまいりたいと考えております。
なお、防災計画において、災害が発生、あるいは発生するおそれがある場合に備えて、危険
地域にある住民を安全に避難させ、人命の安全を図るため、必要に応じた避難措置を避難計画
として定めております。
次に、東日本大震災の避難住民の状況と今後の支援をどのように進めるのかについてであり
ますが、今回の震災で沼田市へ避難されている方は、現在109名であります。
3月17日に沼田市災害支援本部を設置し、避難者の受け入れの対応といたしましては、3
月19日から3月31日まで「ふれあい福祉センター」「白沢健康福祉センター」「望郷の湯」
「しゃくなげの湯」を避難所として受け入れ、4月1日から4月28日までは「老神温泉の旅
館」「ペンション」「民宿」等の組合を通じて受け入れ体制を整えてきたところであります。
現在、第三次の受け入れ体制といたしまして、市内の貸し家等の所有者の方々にご協力をい
ただきながら、市が民間のアパート等を借り上げ、避難者に無償で提供する住宅支援のほか、
市民から提供いただいた生活物資を提供するなどの支援を行ってきたところであります。
未曾有の被害をもたらした今回の東日本大震災は、事態の収束まで長い時間を要することが
見込まれますので、今後におきましても、市内に避難されている方々に対して、できる限りの
支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、福島第一原子力発電所事故について、これまでの状況と今後の取り組みについて、福
島原子力発電所事故に伴う農作物等への影響や、沼田市の経済的影響はどのようなもので、そ
の補償等にどのように対応するのかについてでありますが、群馬県においては、今回発生した
事故により、ホウレンソウとカキナから食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出さ
れたことから、3月21日に政府から原子力災害対策特別措置法に基づく出荷停止の指示を受
け、また、その他の野菜についても、風評による価格下落、取引停止など大きな被害が発生い
たしました。
本市におきましても、ホウレンソウ、カキナの生産農家があり、出荷停止により収入が途絶
え、また、その他の野菜についても風評被害のために大幅な価格下落など甚大な影響を受けて
おります。
また、観光面においても影響が大きく、東日本大震災以後、宿泊施設においては、キャンセ
ルが相次ぎ宿泊客は激減しました。また、ゴールデンウイークは前年並み近くまで持ち直した
ものの依然低迷が続いております。また、日帰り観光施設についても前年比5割程度となるな
ど、経済的影響ははかり知れないものと受けとめております。
被害等につきましても、JAグループを中心に、被害農家の把握に努めているところであり
ますが、本市においては、出荷停止を受けたホウレンソウ、カキナについては、5月27日現
在、被害農家戸数32戸、損害金額約5,100万円であり、JAより東京電力株式会社に対
し、損害賠償の請求を行ってきたところであります。
今後も引き続き、出荷停止及び風評による被害について、JAを中心に取りまとめを行い、
賠償請求を行っていく予定となっております。
次に、農作物や学校、大気中の放射能測定等、安全確認にどのように取り組むのかについて
でありますが、農作物関係では、福島原子力発電所事故の発生以後、群馬県において、出荷さ
れている県内農産物の安全確認検査を定期的に実施し、4月8日には、出荷停止を受けたホウ
レンソウ、カキナを含め、群馬県産農産物はすべて安全である旨の宣言が行われました。
本市においては、群馬県農産物の安全確認検査結果の市民への周知や、この安全宣言を受け、
東京ぐんま総合センター「ぐんまちゃん家」を始め、港区役所、新宿歌舞伎町シネシティ広場、
新宿西口広場、赤坂サカス等において、本市の農産物の販売による安全・安心と観光のPRを
行ってきたところであります。
今後につきましても、県、JA等関係機関と連携を図り、農産物、果樹等の定期的な検査、
農地の土壌検査を予定しており、調査結果等につきまして、市民の皆様へ迅速に情報提供をさ
せていただくとともに、引き続き、本市の農産物の販売による安全・安心と観光のPRを行っ
ていきたいと考えております。
また、学校につきましては、群馬県において県内各地の小中学校校庭等92カ所について放
射線量を測定したところ、いずれも「安心して生活できる数値」であるという結果を発表した
ところであります。
また、群馬県教育委員会におきましても、各教育事務所ごとに測定場所を決め、学校の放射
線量の測定を行っております。利根教育事務所管内におきましては、川田小学校の校庭で、毎
週火曜日と金曜日に放射線量を測定し、その結果を公表しているところであります。
今後におきましても、県内すべての小中学校の校庭で、放射線量の測定を行う予定であると
のことであり、沼田市といたしましては、その結果を参考にさせていただきたいと考えており
ます。
次に、観光と交流について、状況とこれからの対応について、観光客の入り込み状況とプレ
群馬DCの成果と課題はどのようなものだったのかについてでありますが、昨年実施されたプ
レDC期間中の観光客の入り込み状況でありますが、県全体で1,809万2,600人で、
対前年比100.1%となっております。利根沼田エリアについては、319万2,900人
で、対前年比102.0%となっており、このうち、沼田市では、109万6,600人で、
対前年比102.5%となっております。
昨夏は、猛暑の影響もあり高原を中心とした避暑地の人気が高まったということもあります
が、首都圏JR主要駅構内へのポスター掲出やマスコミへ露出した効果もあり、たんばらラベ
ンダーパークの入場者は、15万4,369人で対前年比113.9%、老神温泉は休業して
いた旅館が再開したこと等により期間中の入り込み客数が5万1,653人となっており、対
前年比132.4%と前年に増しての集客状況でありました。
課題につきましては、観光スポットの点と点を結ぶ線的あるいは面的な連携により回遊性を
高めるなど、滞在時間を増やすことが必要と考えております。また、再び訪れていただけるよ
う、おもてなしの心を大切にして観光客の満足度を高め、一過性のものとしない対応が重要と
考えております。
次に、群馬DCに向けどのような取り組みを展開するのかについてでありますが、本年3月
11日の東日本大震災による影響から、節電やエコに対するムードが広がり、群馬県ではエコ
をテーマとして群馬DCを実施するとの方針が出されました。
そのため、昨年度からDC本番に向けて検討してきたイベントについて見直しが必要となり
ましたので、エコをテーマとしたイベントへの変更について、現在見直しを行っているところ
であります。
本市の資源である「自然」「食」「歴史」をキーワードとして、「自然」では、たんばらラ
ベンダーパーク、吹割の滝や河岸段丘といった観光資源を活かした誘客、「食」では、サクラ
ンボ、ブルーベリー、ブドウ、野菜や果物などのもぎ取り体験ができる観光農園へ誘客、「歴
史」では、迦葉山や真田氏が礎を築いた歴史的資産を背景にしたイベントの開催などを実施し、
プレDC以上の観光入り込み客を目指し、関係機関と連携を図ってまいりたいと考えておりま
す。
次に、これまでの地域間交流の成果と課題はどのようなもので、今後どのように取り組みを
進めるのかについてでありますが、新宿区や港区とは環境面、特に二酸化炭素の吸収源である
森林整備について、板橋区とは防災面について、それぞれ協定を締結し、相互の交流が進展し
ております。また、県内東毛地区の太田市や館林市などが主催するイベントへの参加要請も年
々増加しております。
こうした都市との交流を通じて、沼田市の農産品・物産品の販売や観光PRを行うほか、田
舎体験ツアーなどにより沼田市へ訪れていただく取り組みも実施しております。
課題といたしましては、交流を進めるためには「人」と「人」とのつながりが大事であり、
沼田市の「歴史」「伝統」「文化」などの特徴を相手に伝えるための自己研さんが必要である
と考えております。
今後の取り組みといたしましては、都市と地方がお互いにないものを融通し合う、補完関係
を構築していきたいと考えております。
人と人との結びつきを大切に交流していくことが、沼田市の活性化につながっていくものと
考えております。
以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇10番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問さ
せていただきたいと思います。
まず初めに、想定されている県北部地震についてです。
市は、この地震に対して具体的にどのような被害予想をされているのか。例えば、渋川市な
どでは、この県北部地震によって死者36人、重傷者71人、避難者5,360人、建物の大
破等が1,688棟あると想定をされております。
また、藤岡市も同じくこの県北部地震については、死者はゼロ、重傷者は4人、避難者は4
8人、倒壊家屋は27棟というふうに被害予想されております。
また、近隣の町村では、隣のみなかみ町が、この県北部地震については死者が6人、重傷者
は23人、避難者が1,673人、倒壊家屋は699棟ということで、それぞれこの地震に対
して被害を予想していると。
そういった被害予想に基づいてそれぞれの市町村では対策を講じられているわけですから、
沼田市としてもこうした地震に対してどれぐらいの被害が起こる可能性があるのか。では、そ
れを防ぐためにはどうするのか。起こったときにはどう対応をしていくのかというようなこと
を立てなくてはならないのではないかと思いますが、そうした被害予想についてはどのように
考えておられるのか、まずお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変恐れ入りますが、他市との比較あるいはまた隣村との比較をさ
れまして、その予想の関係でございますが、現在まだ本市としてはしておりませんので、早急
にこれは対応を図っていかなければならないと考えております。
◇10番(大東宣之君) 現在そういった被害が予想がされていないと。ですから、基本的な
考え方としては、例えばそういうマグニチュード7の地震が起こったら、死者がどれぐらい、
重傷者がどれぐらい、建物の倒壊家屋がこれぐらいあると。だから、それを防ぐためにはこう
いう手だてを講ずる。そして、地震が発生した場合は速やかにこういう対策をして被害者、例
えば重傷者やけが人等をこういう形でこういう安全な場所に運搬をするというか運ぶ。そして、
道路の確保や食料の確保、避難者の誘導はこういうふうにしていきますよという計画が立てら
れてくるのではないかと思いますが、そういったことにあわせて、そういった被害予想に基づ
く対策について、今後どのように考えていかれるのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご指摘されたことについては、それぞれ大変重要なことであります
ので、早急な対応が必要だと考えております。したがいまして、今おっしゃられたことについ
ては、先ほど前段申し上げたとおり、今の死傷者の関係等について、沼田市の予測を立ててい
るということにまだ至っておりませんので、これらを早急に対応し、そして今おっしゃられた
ような道筋を早急に検討を加えていかなければいけないと考えております。
◇10番(大東宣之君) ぜひ早急に検討していっていただければというふうに思います。
ですから、そういった地震が起こった際に特に大事になってくるのが避難所の確保、それの
周知、そして実際そこに行けるかどうか、それが大切になってくるのではないか。ですから、
例えば大きな地震が発生をした場合、避難所に向かう。しかし、そこには危険なもの、例えば
家屋が倒壊するおそれがあるかどうか、そういった避難場所はここですよということで市内全
域の指定をしている場所については、全戸に地図を配っていただいて大変わかりやすいわけで
すが、例えば自分のうちからそこに行くにはこういう危険がある可能性がありますよと。この
地域は別に危険はないですよというようなことも指摘をしながらやはり確実に安全な場所に避
難をできるそういう対策をとっていく必要があるのではないかと。
ですから、今指定をされている避難所のマップを全戸に配布をすると同時に、その地域をよ
く再度点検をして、そこから避難所に行くまでに安全なのか、危険なものがないのかどうか、
そうしたことも含めてしっかりと市民に周知をしていく必要性があると思うのですが、市長と
してのお考えと、そしてこれからどのように対応されていくのか、お聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変ご質問あるいはまたご意見はごもっとものことでございまして、
すべてご発言されているとおりでございます。したがいまして、実は今回の本問題に対する他
の議員の方のご答弁の問題についてもそうでありましたけれども、今おっしゃられたような具
体的な道筋が大変重要だというふうに担当部課長には指示をいたしました。したがいまして、
例えば仮に今議員がおっしゃられたそのA地点からA’の施設に行くときに、A”の道路を通
りながら行くときに、その途中に危険箇所等があればそこは通ることができないわけでござい
まして、A””の迂回した道を選択しなければなりません。そういうようなことと同時に、今
度はA’の場所に行った際に、そこに一体だれがチーフリーダーでそこのところをさばくのか
というようなことまで微細にしていかないとまずいなというようなこと等含めて、部課長にい
ろいろと指示をしたところでございます。
というのは、集まったところでもって当然地域住民の方々は精神的にも落ち着きがないこと
は、これは当然予想がつきます。そういうようなところをきちんとしたリーダーシップをとれ
る、つまるところ、それは地域防災のリーダーの方なのか、あるいはまた市の職員なのか、あ
るいはまた学校の先生なのか、そういうようなところをきちんとその施設のチーフリーダー等
も定めた形の中で、今おっしゃられたような道筋も含めて、この細部にわたった点検を加えて
いく必要があるのではないかということで指示をしたところでございます。したがいまして、
道筋の関係の危険箇所等についての紹介は当然のことかと考えております。
◇10番(大東宣之君) 市としてもそういう形で取り組みを進めていこうと、進めておられ
るということですので、実際そういう形で早くに市民の方々にも公表できるように取り組みを
進めていっていただきたいと思います。
それで、今回の東日本大震災を見ていて一つ感じたのですが、あの地域は過去においても何
回も何回も大津波があったと。もう人によっては地震が来ればとにかく高いところへ逃げるの
だということで高いところへ逃げる。そういうことをした人もいれば、地震が来たって、過去
においても地震があってもそんなに大きな津波が来なかったですから、家が流される、2階、
3階まで津波が来る、そういうことは想定してなくて、やはりなかなかすぐに逃げなかった。
そういったことがあって大きな犠牲を生んだ一つの要因として心の油断といいますか、そうい
うものがあったのではなかったかなと、個人的には感じております。
ですから、やはり日常、ふだんから我々はそういった防災に対する備え、それはもちろん基
盤整備とあわせて我々心の問題としてもとらえていく必要があると。ですから、今小学校区単
位、また地域でずっと防災訓練もやってきて、今は小学校区単位でやられているわけですが、
そうしたものをやはりこれからもきっちりやっていく。多分小学校区単位でやっているのも年
1回、1カ所程度しかやってないと思うのですが、同じ日に一遍に全部やれとは言いませんけ
れども、年間を通じて春夏秋冬、季節がそれぞれあるわけですから、例えば川田地区では春に
やりました。利根の小学校では夏にやりました。沼小では冬にやりましたとかそういう季節を
通じて、やはりその季節季節に応じて対応の仕方も変わってくるわけですから、そういうよう
なきめ細かな対応をしながら対策を講じていくということが必要ではないかと思いますが、市
長としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩します。
午前11時58分休憩
─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
災害は忘れたころにやってくるという格言がございますけれども、まさに今回はそういった
感を強くしております。何といってもまず心の中に防災哲学をしっかり築く、あるいは防災の
とりでをしっかり築くということがまず大事かなというふうに受けとめておりますし、そうい
う一方におきまして、先ほど来お話しのとおり、春夏秋冬の状況を披瀝しての訓練の紹介があ
ったわけでございますが、現実によく考えてみると、確かに夏の暑いときばかりが、あるいは
また春ののどかなときばかりが、あるいはまた秋の収穫期ばかりが、あるいはまた厳寒のとき
ばかりが防災ということからとらまえたときに、時を選びません。そういった意味では、若干
荒くなってしまいますが、一朝有事の観点からとらまえると、時を余り想定をしないでやると
いうことが大事なのかなというようなことは感じております。したがいまして、今後その回数
の頻度というものは、やはり1年に1回にこだわることなく、今後検討を加えていく必要があ
るのかなと考えております。したがいまして、今後いろんな場面でまたご指導いただければと
考えております。
◇10番(大東宣之君) ぜひいろいろな角度からそういったことを検討していただければと
思います。
それとあわせて、そういった時期を検討していくと。訓練を行う時期をいろいろ検討すると
いうこととあわせて、例えば市内の中には当然子供さんがいる、それから高齢者の方がいらっ
しゃる、そしてまた障害をお持ちの方もいらっしゃれば妊婦さんもいらっしゃる。その一人一
人を見れば、もうみんなその立場立場が、状況が違うわけですから、やはりそうした一人一人
の状況に応じたような形で避難誘導はどうあるべきなのか、そういうようなことも踏まえてで
きれば訓練も実施をしていただきたいし、そうした子供についてはこういう対応をする、高齢
者についてはこういう対応、妊婦さんはこう、障害をお持ちの方はこういう対応、目の不自由
な方、耳の不自由な方、知的障害の方、いろいろいらっしゃいますけれども、そういった細か
なマニュアル等もぜひ検討していっていただければというふうに思います。そうしたお考えに
ついて、市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
それから、続いてダムの問題ですけれども、利根沼田の中で一番早くに完成したのがみなか
み町、旧新治村にある相俣ダム、これが1956年に完成をしております。このダムは、完成
をしたそのときから漏水が確認をされて、3年間、この漏水を防ぐために工事が続けられて、
最終的には1959年に処理が完了して完成をしたと言われています。利根沼田の中で一番古
いのは、この相俣ダムですが、正式に完成をしたということから言えば、旧水上町にある藤原
ダム、これは1959年に完成をしているそうです。ですから、もう50年からの年月がそれ
ぞれたっているわけですから、古いものは。ですから、本当に今回のようなマグニチュード9
.0というような大型地震、そのつくる当時は想定をしていなかったのではないかということ
は思います。ですから、そういったダムの安全対策として国土交通省、また県企業局、東電は
それぞれのダムについてどういうことをやっているのですかというようなことを確認をして、
こういうことをやっているからこのダムは安全ですよとか、安心できますよと、地震に強いの
ですよということを市民の方々に知らせていく。そういったことで市民の不安を取り除いてい
くということが必要ではないかと思うのですが、市長のお考えをお聞かせいただければと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) それでは、前段のご質問からご答弁させていただきたいと存じます。
子供、お年寄り、障害を持っている方、妊婦の方、一般的に交通弱者というような言葉でよ
ろしいでしょうか。あるいはまた、ある意味においては社会的に弱い立場の方と言ってもよろ
しいかと思います。健常な方は一朝有事のときには、それなりの状況をくぐり抜けるだけの体
力やら、あるいはまた精神力は持ち合わせていると思いますが、申し上げられたような方々は
やはり他の方の支援、介護等がなければ移動すらできないということがあろうかと思っており
ます。したがいまして、その方々の対応等については、一定のマニュアルがないと一朝有事の
ときに対応ができないかと思っておりますので、生命尊重の立場からそういった方々に対して
は配慮が行き届いたきめ細かい対応が必要かと考えております。
2点目のダムの問題でございますが、おっしゃるように、50年が経過した地元の相俣ある
いはまた藤原等のダムの関係、最近の私の承知しているニュースと言ったらよろしいでしょう
か、あるいはまた学術上の勉強と言ったらよろしいでしょうか、橋もダムも年月がたつとやは
りお年を召すのだそうでございます。したがいまして、そういったことから、どうしてもお年
を召したその施設、公共の社会資本については一定の手当てをしていかなければいけないとい
うのが土木工学上の中にあるようでございます。我が日本国よりむしろアメリカの方がそうい
ったことに先駆けていたようでございまして、ここにまいりまして、我が日本国にもそういっ
た考え方が相当普及してきたと聞いております。
したがいまして、そういったことをとらまえたときに、これの一定の力というのか、指導機
関はダム統監になるのではないかと思っております。これはこの地区にもかつてそういった立
場で頑張った方の職員のOBの方も私よく承知しておりますが、前橋のインターチェンジの東
側の方に大きな建屋がございますが、ここが軸になって、国のレベルでは対応になるのかなと。
県の企業局の関係等については、これはもう群馬県の県土整備部もしくは企業局、これがなる
のかなと考えております。
なお、そういったことについては、当然大きな地震でもってそれらが瓦解していくというよ
うなことになれば、これは当然洪水が発生するわけですから、そういった意味から安全対策と
いうものは大変重要かなと思っておりまして、関係機関に強く要請行動をする必要があるのか
なと思っているところであります。
◇10番(大東宣之君) 違っていれば違っているというので指摘をしていただければ結構な
んですが、利根沼田のダムの中で一番貯水量が多いのは矢木沢ダムではないかと思います。1
億7,500万8,000立方メートルというのでどれぐらいの量かというのはちょっとテレ
ビ等で見る程度の量ですけれども、かなり貯水量をあのダムは持っていると。仮にあそこが決
壊をすれば、下流域にある藤原ダムまで含めて一気にダムがもう決壊をしてしまうおそれがあ
ると。ですから、やはり今回の原発ではありませんけれども、単なる想定外想定外と言われて
いてああいう事態が広がっていくようなことのないように、やはり懸念をされる事故には早目
早目に手を打っていくということが必要ではないかと。
ですから、先ほど市長がお答えいただいたように、そういうダムを統括をしている国の機関、
そしてまた県、それから玉原がありますから東電の関係のダムがあるわけですから、そういっ
たところにやはりこれからの安全対策。今は確かに安全かもしれません。しかし、そういうマ
グニチュード7の地震が来たときに、また東日本大震災のようにマグニチュード9.0という
すごい地震が来たときに大丈夫なのですかというような、そしてまたそういったものに耐えら
れるようにどういう手だてを講じていくのですかということはやはりしっかりと確認をして、
そしてそれを市民に知らせて安全ですよということを伝えていく必要があるのではないかと思
います。
特に下町が利根川に沿ってあるわけですけれども、薄根町。西中はたしか避難所として指定
されているわけです。だけれども、ダムが決壊すればその避難所に逃げていたってダムが決壊
をしてしまえばのまれてしまう。そういう危険性もあるわけですから、やはりそういったこと
については一つ一つ安全を確認していく、そういったことが必要ではないかと思います。ちょ
っとくどいようですけれども、やはりそういったことを国に、また県に、そして東電にと確認
をしていくと。早急に対応していくということで対応していただきたいと思うのですが、再度
市長の考えやこれからの取り組む方向性についてお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 2年ぐらい前の話題の中で、かつて水上の前町長がいろいろとダム
群の安全安心のために、極東アジアのいろいろな難しい動きがあったとき、仮にとんでもない、
まさに予想外のことが国際的なトラブルで起こったときに、ダムの決壊がなされるようなこと
のような状況が招来しないかというようなことをよく雑談の中で言っている中で、道路の一本
道に対して、どうしてももう一方の道路がないと迂回路がとれないというようなことで、私ど
も北側の道路行政のことについて当局にもよく迫っていたのも記憶に新しいのでありますが、
そういうようなこと等もあながち今度の大震災を受けたときに、これは全く国際関係から来る
そういう一朝有事のこととは全然別な中で、まさに自然が相手の問題でありますが、やはりそ
ういったことが予測されるときに、今おっしゃられるような機関に対して強く要請行動をとっ
ていくということは、地元の市町として当然かと思います。
同時に、これは我が沼田市では薗原ダムと、先ほど来お話しの玉原と、あるいはまた平出に
やはりダムがあります。これは県の企業局になると思うのですが、そういうようなところがあ
るにせよ、利根郡下は圧倒的に利根川の源流に多いわけですから、一人沼田のみならず利根沼
田の観点でもって利根川のまさに源流でありますから、そういうようなことをきちんと広域圏
の立場からも申し上げていく必要があるのではないかと考えております。
◇10番(大東宣之君) 確かに市長のおっしゃるとおり、広域圏として利根沼田一体となっ
てこの問題については早急に取り組んでいっていただきたい。そして、その安全対策に向けて
強力に働きかけていっていただきたいと。想定外であったというようなことを言わせないよう
に、ぜひ警鐘を鳴らしていっていただきたいと思います。
それから、今回の東日本大震災の関係で避難されている方々について、市としてもかなりの
取り組みがされているということなのですが、大変よく頑張っていただいていると思います。
ただ、まだ全体的に今回の震災の関係で、いわゆる体育館等の避難所に避難されている方がま
だまだたくさんいらっしゃると。本市としてはアパートを借り上げて一定の居住を提供すると
いうことで取り組んでおられるわけですから、やはり体育館等で避難をされている方々は健康
上の問題、プライバシーの問題、いろいろ難儀をされているとお聞きをしております。ですか
ら、やはりそういう避難所にいらっしゃる方々を市として新たに受け入れをして、今市がやっ
ているような借り上げのアパートを紹介をしてあげるとか、こういうことをやっているからう
ちへ来たらどうですかというような呼びかけ等を私はやってもいいのではないかなと思うので
す。ぜひそういうふうにやっていただければと。沼田市はそういう震災に遭われた方々を本当
にいろんな側面から支援していますということを大いにアピールをしながら、そういったこと
をやっていたただければと。
市長もこの前ちょっとFM−OZEを聞いていたら宮城の方に行かれてきたということです
が、大変悲惨な状況を目の当たりにされてきたのではないかと。ですから、やはり私は、そう
いったところに行ってこられた、直接行かれた市長だからこそ、そういったところ、体育館等
で避難をされている方々をさらにこれからも受け入れますよということを大いに発信をして受
け入れていってあげてほしいなと思います。市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が確かにご発言されましたように、去る12日に宮城は多賀城
市あるいはまた途中仙台空港の近辺、それから石巻を経過いたしまして女川町ですか、こちら
の方に行ってまいりました。想像を絶するということしか言いようがないほどに大変厳しい状
況でありました。当然地元からいろんな物資支援をお持ちいたしまして、現地の避難している
ボール箱を間仕切りにした形の生活の実態も目の当たりにしてまいりました。確かに厳しい環
境条件の中で本当に黙々と頑張っておられる姿に敬意を表すると同時に感銘を覚えました。
そういった中で、うちらの方の総合窓口にも利根郡下はもとよりそういうことでのご照会が
日々ございます。現実に対応していくという観点からとらまえると、今おっしゃったように群
馬県ご当局のご指導もいただいたりして、そういった方々が十二分に伸び伸びと将来に向かっ
た段取りを整えていくための準備の期間として、場所として本市が提案しているアパート等に
お住まいをいただけるということは、大変よろしいことではないかと思っておりますので、今
後議員の意を体して内外にその意を伝えてまいりたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) 今回宮城に行かれたときに市長と一緒に同行された職員の方々にち
ょっと話を聞く機会があったのですが、開口一番その方がおっしゃったのは、とにかくにおい
がすごかったのだということをおっしゃっていました。これから夏になると病気がはやるので
はないかというので、それが一番心配だというふうに彼は言っていて、多分そういう状況なの
だなということを私も思いました。だから、そういう厳しい状況の中で避難生活を余儀なくさ
れている方々ですから、ぜひ市長が今おっしゃったように、そういう方々も含めて、これは1
年、2年で終わる仕事ではありませんから、5年、10年かかってしまうと思います。ぜひと
も今そういう苦労をされている方々の幾ばくかの苦労を取り除くように、沼田市として全力を
尽くしていただければと思いますので、重ねてお願いをしておきたいと思います。
続いて、福島の第一原子力発電所の事故に関してですが、先ほど1回目のご答弁では、農作
物等についてはJAが窓口となって既にいろいろな手続を東電に行っているということであり
ましたが、特に観光業関係についてもやはり今回のこの原発事故で大きな損害があったのでは
ないかと思います。ですから、やはりそういった観光業に対する取り組みといいますか、そう
いった被害補償といいますか、そういうものもしていかなくてはならないのではないかと思い
ますが、そういった観光業に対する取り組み等についてはどのようにお考えなのか。そしてま
た、何らかの取り組みが現在されているのかどうか、まずお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長から答弁をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
農産物等につきましては、さきの市長の答弁のとおりでございますが、観光業に関する風評
被害等につきまして、現在、ご案内のとおり国の原子力損害賠償紛争審査会において先月末に
第二次の指針の中で観光業についても触れられております。ただ、まだ現時点で具体的なもの
に至っておりませんので、今後さらにその動向に注視しながら対応してまいりたいと考えてい
るところでございます。
以上です。
◇10番(大東宣之君) 国の今度の第二次指針で観光業について扱われたと、取り入れられ
たということで、まだ具体的なものになっていないということなのですが、ぜひこれは農業と
同時に、ほかの産業もあると思うのですが、本市の場合特に農業と観光業ですから、やはり観
光業も含めてこの賠償をするように国や東電に力強く働きかけていただきたいということと同
時に、そういった賠償を求めていく準備としてそれぞれの観光業者、旅館なりペンションなり
民宿なりがどういう損害をこうむったのかどうかということをちゃんと押さえていく。行政と
して沼田市で、例えばこれだけの旅館、これだけのペンション、これだけの民宿があって、通
年ならこれだけの人数が宿泊してこれだけの利益が上がったところが、今回原子力の事故によ
ってこういう状態になっていますと。だから、その分差額を補償してくれというぐらいのやは
りもとになるデータをしっかりと押さえておく必要があるのではないか。ですから、市としそ
れぞれの旅館、民宿、ペンション等を含めてのそういった観光事業者、あと日帰りの施設を含
めてですが、そういったところの今回の影響がどうだったかということをまず調査をしておく
必要があるのではないかと思うのですが、そういった調査を市として行っていく考えがあるの
か、まずお聞かせいただければと思います。
◇経済部長(飯田敏夫君) それでは、私の方からお答えさせていただきますけれども、まず
当然旅館、ホテル等におきましては、その時点で予約等あったわけでありますから、それが私
も二、三の旅館、ホテル等に聞き取りに伺いましたけれども、相次いでキャンセルが続いたと
いうことでありますので、そうした受付簿等々のそういう証拠たるもの等の整備あるいはそう
いったものの確認が今後必要になってくると思われますので、そうした対応について市として
も図っていきたいと思っているところでございます。
以上です。
◇10番(大東宣之君) わかりました。ぜひそういったことで取り組みを進めていっていた
だければと。
やはりそういった農業関係者の方々についてはもちろん行政も相談に乗りますし、特にJA
という大きな組織がありますから安心できるといいますか、相談できるところがあるのですが、
こういった観光業の方になると観光協会、それからあとは商工会議所、そしてあとはもう市、
特に一番身近な市がそういった国との関係やそういった国の情勢をよくつかんでいるところで
すから、やはり経済部が窓口となってそういった相談、また手続の方法、何が今必要ですかと
いうことを相談に乗っていったり情報を発信していく窓口として経済部が担当していかなくて
はならないと思うのですが、今後そういったいろいろな情報を伝えたり、そしてまた今部長が
おっしゃったように受付簿だとかそういったキャンセルの状況なんかをちゃんと把握をしてお
きなさいよというようなことを経済部が中心となってそれぞれの事業者、業者の方々に伝えて
いくということでよろしいかどうか、確認をさせていただければと思います。
◇経済部長(飯田敏夫君) 先ほど議員ご指摘のような形で対応を進めてまいりたいと考えて
いるところでございます。
以上です。
◇10番(大東宣之君) わかりました。ぜひこれは早急にやっていただかないと、沼田にと
って農業、そして観光業というのは大きな産業の柱になっておりますから、ここが揺らいでし
まう、ここに大きな影響が出てしまうと沼田市全体の経済に及ぼす影響は非常に大きいわけで
すから、やはりここをしっかりと支えていくということで、ぜひ経済部としても頑張っていっ
ていただきたいと思います。
それから、今市民の方々が一番心配なのが放射線が今どういう状態になっているのか、沼田
市の中でどういう状態になっているのか、これを一番心配されているのだと思うのです。です
から、私は、学校や農地など大気中や土壌を含めて、これはもうたくさんの場所を放射能を測
定をしていく、そういうようなことをして沼田市が安全なのだよということをしっかりと示し
ていく必要性があるのではないかと。もし仮に高い数字が出たとしたら、そこは近寄らないよ
うにしてくださいということで、ロープで囲うとかコーンを立てて近寄らないでくださいとい
うようにするというようなことが必要ではないかと。多分、福島の原発に近いわけではありま
せんから、その発生源がすぐ間近にあるわけではないですから、そんなに高い数字が出てもこ
れが未来永劫続くというのはちょっと考えられない。雨が降った後大気中の放射線が雨と一緒
に降ってくるというのがあって高くなる可能性があると言われていますけれども、そういう条
件によって高くなったり低くなったりするわけですから、そんなに年がら年じゅうこれからも
う10年、20年、30年高い数字でいくとは沼田市の場合は考えられないのですが、ただや
はりそういう高い数字が出た場合はそこを避ける、そこを取り除いていくというような努力を
すると。そのためにはやはりたくさんの場所をはかっていくということが必要だと思うのです
が、先ほど市長がお答えいただいたように、学校でもこれからはかっていくように県はやって
いくのだよということですが、そういったことも含めて市内たくさんの場所、箇所でこうした
放射線量をはかっていく。そういったお考えがあるのかどうか、まずお聞かせいただければと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 例えば、最近では川田小学校でしょうか、そういうようなことだと
かいろいろとそれぞれの機関が測定をしていただいている経過がございます。市といたしまし
てもやはりこの問題を重く見ておりまして、市の独自の方法というものがどういう選択肢があ
るのかということを考えているところでありまして、いろいろと他市でもそういう意味ではそ
ういった方向に向かっているところも報道機関等で耳にしております。したがいまして、そう
いったところの自治体ともいろいろと連携あるいはまた示唆もいただいて、本市に見合った方
法が、どういう方法があるかというようなことも含めて対応を考えていかなければならないと
考えております。
◇10番(大東宣之君) これから季節柄子供たちがプールに入る。沼田の夏休みが来たら今
度は運動会の練習ということで子供たちが外に出る機会が多いということや、当然農作業で外
へ出るというか、外で農作業される方がこれからの季節は多くなってくるわけですから、非常
に市民の方々にとっては自分の子供たちは安全なのか、そして自分が畑作業をしていることが
安全なのかどうか、そういったことも心配ですし、うちの近所で家庭菜園をつくっている人は、
本当に自分でつくったやつを食べていいのかどうかも心配と。本当に皆さん、この放射能問題
では心配をされているわけです。ですから、やはりそういう不安を払拭をしていく、取り除い
ていくということを早急にやっていかないと、いつまでたっても市民の方々にとっては不安を
ぬぐい去れない部分がたくさんあるわけですから、ぜひいろいろな方法を考えて本市に合った
やり方を考えていきたいというのは、私はもうそれは大いに結構ですし、その考え方、何ら文
句を言うつもりはないのですが、ただ早くにやる必要性があるのではないかなと思うのです。
ですから、ぜひ早くにやってほしい。これはもう市民の皆さんどなたも考えていらっしゃるこ
とだと思うので、そういった意味では、市長としてこれはもう早くに具体的に対応していくと
いうようなお考えなのかどうか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 教育委員会筋であるとか農政筋であるとか、今までは大体県関係か
ら来るそういった上位の指導機関からお世話になってきたという経過がございます。本市では、
ではどういう方法があるのかということを考えたときに、当然財政出動が伴ってまいります。
しかるべき器械を購入しなければなりません。同時に、そうした場合にはどういう指導機関が
あってどういうふうに対応したらいいかということもあります。そういったことから、今本市
に見合った対応というようなとの言い回しにさせてもらったのですが、12市中半ば半分ぐら
いの自治体がいろいろともう検討に入ったり、そういった方向に向かっているということは承
知をしておりまして、私どもも余りそれに乗りおくれてはまずいというようなことで、関係部
課に指導をしてきている経過がございます。ただ、ご案内のとおり今非常にそういったところ
の要請が強い経過もあって、しかるべきものの担保がなかなかしづらい状況にあるとも聞いて
おります。したがいまして、できるだけ速やかな対応が求められることについては全く論を待
たないところでございまして、そういったことからできるだけ速やかな対応を図っていきたい
なと考えております。
◇10番(大東宣之君) 放射能を測定する器械がもう全国的に今足りないのだそうです。確
かに市長がおっしゃったようにそういったことも一端として、一つとしてあるのではないかな
と思います。速やかな対応をしていきたいという市長の考えを示していただきましたので、ぜ
ひそれに見合うような取り組みをとっていっていただいて、市民の不安を取り除くというよう
なことに全力を尽くしていただきたいということを強くお願いをしておきたいと思います。
続いて、観光の関係について質問を移らせていただきます。
こういう原発、地震というような中で、群馬デスティネーションキャンペーンを迎えるとい
うことで、かつてないような状況の中でこの取り組みを進めなければならないのではないかと
いう点では大変難しさもあるのではないかなという気はするのですが、しかし逆に言えば、こ
ういったところでこういったときに本市のよさといいますか、広くアピールするようなことが
できれば、これはもう後々沼田にとっては非常に大きなプラスになると。要するに、ピンチを
チャンスに変えるきっかけになるのではないかなと思います。
ですから、そのためには、具体的な仕掛けをしていかなくてはならない。ただ単にこういう
ところがある、ああいうことがあるということでなくて、ここへ来ていただくための仕掛けを
していかなければならない。例えば、バス、3日間乗り放題の券をこの期間中だけ出すだとか、
SLが走っているわけですから、高崎から水上まで走っているわけですから、そういうSLで
来た人に、この沼田でおりた方については何らかのサービスをする。要するに、この期間、沼
田に来れば何かお得感があるとか、来てよかったと思えるような仕掛けをしていく必要がある
のではないかと思います。ですから、今回のこの群馬デスティネーションキャンペーンに当た
って、沼田市としてどういう仕掛け、どういう取り組みをしていくのか、具体的なものがあれ
ばお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、本問題は平成23年度の群馬県の大きなテーマであり、各観
光を持つ自治体にとっては非常に期待がなされていたところでありますが、3月の大きな地震
によって、群馬県もこの事業を進めるべきか、進めないべきかということも論議がなされたと
も聞いております。そういった中で、県の方ではエコロジー、つまりそういったことを基準に
して進めていくべきではなかろうかということの中で指導もいただいてまいりました。先ほど
申し上げましたように、本市といたしますと、やはり自然、食、歴史というようなことをキー
ワードとして進めていければというようなことで考えているところでございます。
同時に、今、利根郡下、吾妻に避難をされた方々がおります。そういった方々も基本的な、
メーン的なセレモニーというのですか、イベントのときにはおおむね南相馬の方が多いようで
ございますが、そういった方を吾妻の方にいる方もいて、片品の方にもいる方もいてみたいな
形の中で、ある意味においては当然車等もないわけだから行き来がままならないということも
あったりするので、沼田のそういったイベントの事業のところにそういった方々をお迎えをし
て、そしてある意味においては再開をしてもらう。あるいはまた、沼田のよさを見てもらうと
いうようなことを考える必要があるのではないかというようなことも今視野に入れております。
先ほどSLに乗った人はただにというこのご提案は大変貴重なご意見でございますので、ぜ
ひ参考にさせてもらいたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) 今、市長から初めて聞いた、利根沼田、吾妻を含めて避難されてい
る方々招待していきたいと。これはいいことだなと思います。ぜひやっていっていただければ
なと思います。
実は、私のすぐ近所に南相馬から避難をされてきた方々がいらっしゃって、市長もご存じだ
と思うのですけれども、先月町内でソフトボール大会があって、その方が出てきて、全然知ら
ない若い人がいたのでどこにいるのですかと聞いたらそういうので南相馬から来たのだと。せ
っかく来たのだからみんなと仲よくなりたいから出てきましたというので、かなり積極的な方
で安心して、こういう方もいらっしゃるのだな。ですから、やはり地域で本当に沼田の市民が
一丸となってこういう人を支えていかなければいかんなというのは改めて感じましたので、今
市長がおっしゃったようなことというのは非常にいいことだと思いますので、ぜひやっていっ
ていただければなと思います。
それで、県はエコロジーというか、エコを中心に今回進められるようですが、それは悪いと
は言いませんけれども、もうこういう大震災があったりいろんな社会的な状況の中で苦労され
ているという中で、私はやはりいやしではないかと思うのです。先ほど市長がおっしゃったよ
うに、自然、それから食、歴史、どれをとっても心がほっとできる場所なのです、沼田は。自
然があって、何もないようなところで豊かな自然がある。川の音が流れている。その音しか聞
こえない。風の音しか聞こえない。確かに大坂城はないのです。六本木ヒルズもないのです。
私は、そんなもの要らないと思うのです。豊かな自然、そしておいしいそばやうどん、果物、
お米、おいしいものがたくさんある。おもしろい歴史もたくさんある町ですから、そういった
ところでのんびりしていただく、疲れた体、疲れた心をいやしていただけるようなものを提供
していただければなと思うのです。
ですから、そのためには、SLで来た人もそうなのですけれども、やはりここで長く滞在を
してもらうためには、例えば関越バスがあちこち走っているわけですから、利根郡内一円走っ
ているわけですから、そういうのに3日間乗り放題のパスといいますか、そういうものを出し
てもらって、水上に行ったら今度は玉原に来て、玉原から今度は老神に行ってもらうとか、片
品へ行ってもらったら今度は沼田を通って水上に行く。そういうふうに周遊をしていただける
ようなそういう仕掛けをしたらどうかということをひとつ改めて提案をさせていただきたいと
思います。そういったいやしについて、市長としてどういうふうにお考えになるか、あればお
聞かせをいただければと思いますし、そうしたことに向けての取り組み等についての考え、ま
たどういうふうに進めていくのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県がこのエコをテーマに出してきたのも、そこのところは議員
がご質問されているいやしの考え方もなくはないというふうに思っております。エコロジー、
生態系と直訳をいたしますが、やはりそこには生命の泉というものが脈々と流れていると考え
ておりますので、「いやし」という言葉は大変このエコには合うのではないかなと思っており
ます。
そういった中で、現実の問題として、ついこの間も総合窓口においでになられたご婦人の方
といろいろと意見交換をする機会がございました。確かにお疲れにもなっているし、精神的に
もいろいろとおつらい状況にあります。そういった意味で、心の慰めあるいはまた激励ができ
る、そういうふうに勇気と希望を与えられるようなそういういやしの場面の提供は大変重要な
のかなと思っております。
したがいまして、DCイベント関係のところのみならず、かつてからの沼田まつりに代表さ
れるように、非常に大きな既成の大事業もございまして、そういうようなところの部分では逆
に沼田のよさというものを思い切り発信するために、いろいろなアドバルーンも考えていかな
ければならないと考えております。
いずれにいたしましても、そのいやしという考え方については、大変結構なことだと思って
おりますので、今後の参考にさせていただきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) もう最後ですので、最後の質問にさせていただきたいと思うのです
が、要するに今回いろいろな長引く景気の低迷、その上に今回の大震災ということで観光業が
直面をしている状況というのは極めて厳しいと思うのです。ですから、これを打開をしていく
一つの大きなきっかけとこの群馬DCがなっていくのではないか。ですから、やはりここには
沼田しかないもの、沼田らしさというものを大いにアピールをする。そして、来ていただいた
方々に沼田っていいところだね、また来たいねと思えるように、これはもう市民一丸となって、
観光業者だけでなくてやはり我々市民が一丸となってこれに当たっていかなくてはならない。
ですから、業者に向けてのPRだけではなくて広く市民にこうした取り組み等についてのPR
もしていっていただくことが必要ではないかと思います。ですから、そういった広い取り組み
といいますか、全市民を対象としたような取り組み等に向けても含めてぜひ取り組んでいって
いただければと思います。最後に、市長の決意等をお聞かせいただいて、私の質問を終わらせ
ていただきます。
◇市長(星野已喜雄君) 今回のDCは、当初考えていた流れをどうしても3月11日以降、
その流れを踏襲するか否かということが問われたという、これは紛れもない客観的な事実がご
ざいます。それは、ある意味においては3月11日以前の我が日本国が持っていた価値観がそ
のまま3月11日以降通用するのかしないのかというような節目のときでもあったかもしれま
せん。したがいまして、その前段でとらまえていた圧倒的に地域の活性化、圧倒的にこの群馬
の魅力の発信ということだけをとらまえるのではなく、3月11日以降はやはり与えられた命
がきちんと将来にわたって担保され、しかも心と心がお互いに寄せ合って、そして決して派手
さはないけれども脈々と流れる人間と人間とのきずなが深まっていくというそういうことの方
向に流れてくるというようなことかなと。報道機関あるいはまた各研究書等にはそういったこ
とが書かれているなと思っておりますし、私もそんなふうに受けとめております。
実は、せっかくのご質問でございまして、若干つけ加えたいと思いますが、先月の12日の
前の日に、私は仙台のホテルに泊まらせていただきました。ビジネスホテルでした。なぜかと
いうと、宮城県庁を訪問したからであります。宮城県庁を訪問すると同時に、椎坂トンネルの
関係について大変骨を折った川瀧、県の部長が、震災の前に東北の方の道路部長として赴任を
したからであります。その方にもお会いしいろんな話をしたかったということがございました。
ホテルに入って驚いたのですが、トイレは使えません。水は流れません。おふろは使えません。
というような中で、共用のトイレに入ったら、そこは若干汚物でたまっておりました。結局窓
はいわゆるプラスチックと言ったらよろしいでしょうか、スポンジみたいなもので覆われてい
るというようなあれを見たときに、きっと仙台のそういった、いわゆる普通のビジネスホテル
でありましたけれども、被害があったのだなということと同時に、依然としてそういった残骸
が残っているなというようなこと。しかも、県庁の歩いて5分ぐらいのところでありましたか
ら、当然かなりの中心地なのですが、そういう実態でございました。
したがって、そういう意味からとらまえても、どうも今までのような価値観ではなかなか3
月11日以降はそうはいかないぞと。やはり生命と生命が行き交うような、人間とすれば原理
原則に返るということになるのでしょうか。そんなことを思いながら、このDCに取り組めれ
ばいいのかななんて考えているところでございます。
──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、高柳勝巳議員。8番。
〔8番 高柳勝巳君登壇〕
◇8番(高柳勝巳君) 本年3月11日に東北の三陸沖で起きた大地震は、大津波とともに一
帯の風景をも一変させ、山や川そして港などの景観さえもゆがめる甚大な災害となりました。
また、これに起因した福島原発の損壊は、エネルギーの供給源としての機能が失われるばかり
か、放射能汚染を引き起こし、現在に至っても東北はもちろん関東一円までも脅かし続けてい
ます。
今なお失意の渦中にある方々も多くいらっしゃる中とは思いますが、大切なご家族や友人を
亡くされた方々へ心より哀悼の意を表します。また、ふるさとを追われ避難を余儀なくされて
いる方々、田畑や仕事さえ奪われた方々を初め、被害を受けられたすべての皆様へお見舞いを
申し上げます。
こうした「歴史的とも言える大きな災害」に対して、私たちはどう向き合っていくべきなの
でしょう。私は、今回の大震災を地球と自然が、私たち現代人に発した、重要で強烈な警告メ
ッセージとして受けとめるべきだと考えています。
「ここまでしますか?」というほどの便利さの追求や、効率性を追求し、極限まで切り詰め
るコストカットは、その恩恵を私たちに与えつつ、安全性や人間性に対する配慮を隅に追いや
ってきていたのではないでしょうか。交通機関や食品に対する安全性も、この間ずっと問われ
続けてきています。
これまで私たちは、科学の進歩や社会の発展につれて、自然や安全に対する謙虚さが結果と
して軽視され、ビジネススタイルがすべてに優先され、本質的な意味での「生活の質」の探求
に対して、目をそらしてきていたのではないかと自分自身も反省をしています。
現地の復旧支援もままならない現在では、まだまだきちんとした方向性を得るには時間がか
かるとは思いますが、本市においてもさまざまな災害を最小限にとどめることから着手しなけ
ればならないと考え、沼田市の安全の確保に対する点検という観点からの一般質問を今回は通
告させていただきました。
こうしたことからまず、市有施設の安全性について伺います。沼田市耐震改修促進計画の進
捗状況と今後の進め方について伺います。さらには、災害対策本部としての機能が求められる
沼田市役所本庁舎や、高齢者や障害者のための相談窓口があり、そして今年度からは「こども
課」も新設された東原庁舎の耐震性の確保についてのお考えをお聞かせください。
続いて、放射能汚染への対応について伺います。先日、福島県内の学校校庭の放射線量基準
値の引き下げを要請した行動が、マスコミ等でも取り上げられ、話題になりました。また、農
産物などの安全性の確保、風評被害等への対応も課題となっています。
机上で判断した基準数値が、日々生活している地域の皆さんの現場での不安を払拭させるに
至らなかった事例として、各自治体もとらえなくてはいけないと私は考えています。
そこで、本市における飲料水の安全性の確保について、農産物の安全性の確保策や周知など
の内容と今後について、どのような対応や取り組みを行っているのか伺います。
最後に地域防災計画との関連で幾つかにわたりお聞きします。
私は、昨年夏の集中豪雨への対応に関連して、秋に質問させていただきました。その際の市
長答弁を、地域防災計画のマニュアルを含めた見直しの検討をしていくというふうに受けとめ
ましたが、今回の震災への対応を含め、その具体化の促進についてまず、伺います。
次に、災害弱者といわれる方々への対応の具体化について伺います。今回の災害対応で、徐
々に報道等でも取り上げられてきていますが、高齢者や病弱な方々が亡くなられたり、障害を
お持ちの方のご家族が周囲に迷惑をかけまいと、長期間車の中での生活をされたり、受け入れ
てもらえる施設を探して放浪されたり等の実態が明らかになりました。
報道された内容は、避難後の対応が多かったのですが、被災直後や避難の際の具体的対応も
大変重要なのですが、残念ながらその具体化まで追いついていないのが実情ではないかと思っ
ていますが、その検討についてお聞かせください。
3番目の質問は、現在の災害情報の伝達方法と今後の取り組みについてです。
災害時において非常に重要なのが情報であるということは論を待ちません。この情報を、ど
れだけ早く正確に入手して、またこれをどれだけ早く正確に、そして多くの人たちに伝えてい
くかに尽きるわけです。
その媒体はさまざまで、それぞれの特徴を有効に活用していくことになろうかと考えますが、
緊急性も高い項目でもありますので、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
最後に、防犯灯のLED化の促進について伺います。昨年度、太田市が市内すべてにおいて
LED化を実施すると報道されました。
確かに初期投資は、現在やや高額となっていますが、ランニングコストを含めて計算します
と、そう長くかからず費用回収が可能と聞いています。
当然これは、防犯上のみではなく、平常時の事故防止、避難時の安全確保という視点が含ま
れていることを申し添え、私の質問といたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、東日本大震災の教訓を受け、安全を再点検し、安心な沼田市を築くために、市有施設
の安全性について、沼田市耐震改修促進計画の進捗状況と今後の進め方についてでありますが、
本計画は、いつどこで発生してもおかしくない地震から、市民の生命、財産を守るために、既
存建築物の耐震化を促進しようと策定した、平成20年度から平成27年度までの8カ年計画
であります。
平成20年度からこれまで、施設の耐震化の緊急度、優先度及び財政状況等を勘案して進め
ており、小中学校施設を中心に、10棟の耐震性を確保してまいりました。
平成19年度末約61%であった主要な施設の耐震化率は、平成22年度末に約75%とな
っております。平成27年度の目標年次まで、残りの施設につきましても、計画に基づき、緊
急度等を勘案して、総体的に促進してまいりたいと考えております。
次に、沼田市役所本庁舎、東原庁舎の耐震性の確保についてでありますが、まず、本庁舎に
つきましては、平成19年度に行いました耐震診断の結果を踏まえ、他の公共施設との優先度
や財政状況等を勘案し、今後の対応に処してまいりたいと考えております。
また、東原庁舎につきましては、平成17年1月に群馬県から借り受けている県有施設であ
りますので、建物の安全確保等について、所有者であります県と協議をしてまいりたいと考え
ております。
次に、放射能汚染の対応について、飲料水の安全性の確保についてでありますが、東日本大
震災により福島県の原子力発電所事故が発生し、3月22日に東京都や千葉県等の浄水場の水
から乳児による水道水の摂取を控える指標値1キログラム当たり100ベクレルを超えたこと
から、沼田市においても検査機関に調査を依頼し、その結果については、既に沼田市のホーム
ページに掲載し、公表をしているところではありますが、3月25日以降、放射性物質は検出
されておりませんので、飲料に支障はありません。
今後も、定期的に検査を行い水道水の安全を確認し、市民の皆様に安全・安心な水の供給に
努めてまいりたいと考えております。
次に、農産物の安全性の確保策や周知などの内容と今後についてでありますが、農産物に含
まれる放射性物質の調査につきましては、県において、5月末日現在、ホウレンソウを初め2
6種類の農産物につきまして、既に15回の安全確認検査が継続的に実施されており、本市の
農産物につきましても、安全性が確認されているところであります。
周知の方法といたしましては、広報及び市のホームページなどにおいて、市民の皆様に安全
性についてお知らせしているところであります。
今後につきましても、県、JA等関係機関と連携を図り、農産物、果樹等の定期的な検査、
農地の土壌検査を予定しており、調査結果等につきまして、市民の皆様へ迅速に情報提供を行
っていきたいと考えております。
次に、地域防災計画との関連で、地域防災計画の具体化の促進についてでありますが、地域
防災計画は、災害対策基本法に基づき、沼田市防災会議が市民等の生命、身体及び財産を保護
することを目的として、災害の軽減と応急対策及び復旧対策等について総合的に定めたもので
あります。
これに基づき、市及び防災関係機関が相互に密接な連携を図りながら、それぞれ処理すべき
防災業務に必要な事項を定め、災害対策の円滑な推進を図るものであります。
具体化の促進についてでありますが、この計画において、災害予防計画、災害応急対策計画、
震災対策計画及び災害復旧計画を設け、関係機関とともに防災対策に取り組んでいるところで
あります。
災害時には、市及び防災関係機関が総力を挙げて対策を講じなければなりませんが、これに
加えて市民一人一人が災害についての十分な防災意識を持ち、防災知識・技能を身につけ、こ
れを家庭、地域、職場等で実践していかなければならないと考えております。
このため、地域における防災対策は、防災活動の中心的役割を担う消防団の強化を初め、
「自分たちのまちは、自分たちで守ろう」との住民の連帯意識に基づいた自主防災組織により
共同して実施することが効果的であることから、これらの組織化を推進しているところであり
ます。
なお、市においては、職員災害対策活動マニュアルを作成し、職員の動員体制、災害時の事
務分掌や業務分担を定め、市が行うべき初動態勢の確立方法から応急対策までを作成し、災害
対策本部のもと、この対応を図っているところであります。
次に、災害弱者と言われる方々への対応の具体化についてでありますが、災害が発生したと
きに自分では安全な場所へ避難できず、人的な支援が必要となる人が、適切かつ円滑に避難行
動がとれるよう、要援護者情報の把握と情報の共有化を進めるとともに、要援護者支援要員の
確保に努め、災害時における地域ぐるみでの支援体制を整備していかなければならないと考え
ております。
また、病院及び社会福祉施設等の管理者は、災害時の入所者・通所者の安全確保を図るため、
定期的に施設の点検を行うことはもとより、施設の安全性の維持、強化を図り、特に、夜間等
の職員が少なくなった場合における動員体制、消防等への連絡体制を整備しておく必要がある
ので、これらを再度要請していきたいと考えております。
災害時の対応としては、地域社会におけるつながり、結びつきといったコミュニティ機能、
住民同士の支え合いや日ごろからの注意喚起、「自助」「共助」「公助」が重要であると考え
ておりますが、いずれにいたしましても、災害対策における非常に重要なテーマでありますの
で、今後とも関係機関とともに連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、現在の災害情報の伝達方法と今後の取り組みについてでありますが、現行の伝達方法
といたしましては、防災行政無線を初めとして、広報車による広報、携帯電話を利用した情報
配信サービス「ホッとメールぬまた」による災害情報の発信、コミュニティ放送、さらに消防
団及び自治会組織等による広報を行っております。
今後の取組についてでありますが、一つにはFM放送を利用した「緊急告知ラジオ」の導入
を予定しております。これは、緊急情報を知らせる必要があるとき、ラジオの電源が自動で入
り、大音量で情報を提供することができる仕組みでありますが、小中学校・保育園、地区公民
館・県民局などの公共機関、老人ホーム等の施設、さらに区長さんや希望する市民、特に体の
不自由な方へ配備することを考えております。
次に、防犯灯のLED化の促進についてでありますが、防犯灯は、地域に住む住民の夜間の
安全と犯罪防止、青少年の非行防止などのために設置をしており、市民の皆さんが安全・安心
な生活を送る上で必要不可欠なものであります。
本市には、現在4,600灯余の防犯灯が設置をされておりますが、そのほとんどが蛍光灯
となっております。
平成22年度においては、現下の厳しい財政状況、環境負荷の低減、維持管理費の節減等を
考慮し、LED電灯の防犯灯を31基設置したところであります。
平成23年度におきましては、社会資本整備交付金等を活用し、環境負荷の低減、維持管理
費の節減を考慮して、引き続きLED電灯の防犯灯を予算の範囲内において設置をしていきた
いと考えております。
以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後2時01分休憩
─────────────────────────────
午後2時06分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇8番(高柳勝巳君) ご答弁をいただきましたので、何点か再質問させていただきたいと思
います。
先ほど同僚議員からもお話がありましたけれども、この三陸地方というのは過去にも巨大な
津波で惨禍に見舞われたことがありました。明治29年に犠牲者2万人、昭和8年にも犠牲者
3,000人という壊滅的な被害を受けた。こういう記録が残っているわけです。80年と1
10年ぐらいになろうかと思いますけれども、その間隔でそういった被害が起こり得る地域で
す。
そこで、三陸地方では、これはところどころの集落にこれを悔い改めるために石碑が立てら
れているそうで、ご存じの方もいらっしゃると思いますけれども、そこにはこんな文字が書か
れています。「高き住居は児孫に和楽 想へ惨禍の大津波 此処より下に家を建てるな」、こ
の石碑の上に住んでいた、記念碑の上に建てていた集落、これは奇跡的に難から逃れたのだそ
うです。安全神話のもとに、あるいは港に生活をしていく利便性がもとに、そういったことを
追求していた方々は残念ながらこの100年に一遍、50年に一遍という災害の犠牲者となっ
たというふうに私は感じているわけです。片や、そういった利便性や経済性を追求しなければ
食べていけないという問題も含まれているので、非常に奥の深い問題を1回目の質問のとおり
突きつけたなと思っております。
市長は、宮城県、東北の方にも先ほど実際回ってこられたということですので、この言葉と、
それから実際自分の目で見てこられて、今沼田市に何が一番緊急性があるかと感じておられる
のか、率直にまずお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 沼田の緊急性ということになりますと、ずばり言って大きな面積に
住居も相当散在をしている状況にあって、直面する海辺があるわけではありません。したがい
まして、そういうことから考えると、山間地の山合いの土砂流出のおそれから来る過疎化が進
んでいる地域の風水害等から来る治山関係の崩壊が怖いなと。
二つ目は、旧市街地の住宅密集地の木造家屋のところの火災の発生が怖いなということ。
それから、これは先ほどの同僚議員の質問にも関係いたしますが、大きなところでとらまえ
たときに、この利根川源流のダム群の決壊に伴う、特に利根川、片品川沿いに住居を構えてい
る方々に対してどういうような洪水被害が発生するのかというようなことが挙げられるかなと
思っております。
実は、なぜ3番目を申し上げたかというと、利根の砂防協会というのがございまして、埼玉
県の春日部の方であるとか、あるいは栗原というところだとか視察に行く機会がございまして、
やはりかつてのいろいろな災害でもって利根川に流出が、流れてきて、利根川の堤防が決壊を
して云々かんぬんというような勉強もしてまいりました。
このかいわいは、どちらかというと津波ということはこれは全くある意味では論外なのです
が、そういった土砂流出から来る雨等、ダムの決壊などから来るところは、これは大災害のお
それがあるやなしやということになるのではないかと思っております。
繰り返しになりますが、山間地域のお年寄りが多い土砂災害のこと、それから旧市街地の木
造住宅密集地の火災、それから大きいのはダムの決壊等から来る問題かなと今直感的に思った
次第でございます。
◇8番(高柳勝巳君) そうすると、この8年計画の耐震改修促進計画の中に、市長、今思っ
たことも、これは今緊急性が必要だと感じたわけですから、これはやはり随時見直して新しく
していく対応を考えるということが必要だと思うのです。だけれども、残念ながら、予算、決
算でも私何度かこの件についてお聞きしましたけれども、体系的に話し合われているとはどう
も感じられないのです。
それで、率直にまず2番目にお伺いしたいのは、市有施設、これは8年間の中で当面28施
設は耐震改修を仕上げるのですよということがうたわれていますけれども、具体的にこの28
施設の名称を教えていただけますか。
◇市長(星野已喜雄君) 部長に答弁いたさせます。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩します。
午後2時15分休憩
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午後2時16分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇都市建設部長(生方秀二君) 時間かけて申しわけございませんでした。
それでは、命に従いましてお答え申し上げます。
まず、沼田市民体育館、それから沼田市役所、市役所北庁舎、中央公民館、白沢公民館、利
根健康増進施設、利根町振興局、利根沼田文化会館、沼田小学校屋内運動場、沼田小学校西校
舎、それから沼田小学校東校舎、沼田北小学校北校舎、沼田北小学校管理棟、升形小学校管理
棟、利南東小学校西校舎、薄根小学校北校舎、それから川田小学校西校舎、川田小学校東校舎、
白沢小学校東校舎、利南東小学校校舎、それから利根西小学校校舎、沼田中学校南校舎、沼田
中学校特別校舎、沼田中学校北校舎、沼田西中学校南校舎、沼田西中学校北校舎、白沢中学校
校舎、もう一つ、利根沼田広域消防本部。28ですが、その後10棟ほど耐震の確保に努めて
いるところでございます。
以上でございます。
◇8番(高柳勝巳君) 何か私が意地悪してしまったみたいですけれども、公立学校の方はも
うインターネットで公表されているのではっきりしているのです。それ以外がどこに入るのか
なという点で改めてお伺いしたわけです。ですから、全体像としてはやはり見えてなかったの
ではないかということがはっきりしてしまうわけです。学校を除くとぱっと見たときに、消防
本部と、それから中央公民館、それから北庁舎と本庁舎、その辺のところが幾つか入っていた
と思うのですけれども、それの重要性や緊急度というのをどこでどのように勘案をして順序立
ってやっていくのですかねということが、この前もお伺いしましたけれどもはっきりしないわ
けです。
では、今度はお伺いしますけれども、重要度、緊急度が高いのはどこですかということです。
◇市長(星野已喜雄君) それぞれが当然重要度、緊急度は高いわけでございますが、やはり
数値の厳しいところが当然緊急度が高いと受けとめさせていただいております。
◇8番(高柳勝巳君) 数値が出てないところというか、私が知らないところもあるわけです。
学校はみんな出ています。学校は数値出ていますけれども、それ以外はまだ数値すら調べてな
いと思うのです。それなので、新年度は東庁舎と水道会館ですか、診断をするということにな
っているわけです。では、どうして東庁舎と水道会館がなったのですかって聞けば、また今度
は何を根拠にそこになるのですかということがわからないではないですか。その辺については
どういう検討をされているのかお伺いしたいのですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 東庁舎にしろ、水道会館にしろ、それぞれ重要な施設であったので
対応を図っていこうということになったということで理解をしております。
◇8番(高柳勝巳君) 今、数値が一つの根拠になるというふうに市長はおっしゃったのです
から、数値が出てないものがわからないわけですよね。だから、どうして数値がわからないの
にその二つになったのですかというのが、その話し合われている過程がわからないのです。ど
ういう議論をして23年度はその二つになったのですか。水道会館は、今言った28には入っ
てないですよね、言われたところには。入ってなかったのです。入ってないのが今年度耐震診
断の予算計上されているわけです。そういうのはどこから来るのですかということです、わか
りやすく言えば。
(休憩を求める者あり)
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後2時22分休憩
─────────────────────────────
午後2時23分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 部長に答弁いたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
順番をどう決めたのかということでございますけれども、庁内にございます耐震促進検討委
員会での結果だということでご理解いただきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 前回も決算のときにそういうふうにお伺いしましたけれども、では、
その中でどうしてそこがあれになったのかという根拠がわからないではないですか。片方は数
字が出てなくて、片方は数字が出ているわけですから、28施設にもなっていないのが23年
度に入るわけですよね。診断をするという候補に上がってしまっているわけです。28施設と
いうのは一番優先されるものですよとここにちゃんと書いてあるわけです、耐震促進計画の中
に。言えば、飛び越してやるわけです、東庁舎も、それから水道会館も。だから、そこのとこ
ろでどういうふうに安全性を皆さんが考えていらっしゃるのかということなのです。恐らく余
った範囲でなのです。申しわけないけれども、決算のときに、財政の許す範囲で取り組んでき
たという決算の答弁が課長からありましたので、そういうことを答えてくれればいいのだと思
うのですけれども。
◇都市建設部長(生方秀二君) お答え申し上げます。
市有建築物の分類を約八つ分類してございまして、まず災害対策拠点機能関係、市庁舎、そ
れから支所等でございますけれども、それから救護対策ということで消防署や消防に関するも
の、それから避難収容施設関係等で小中学校等ございますけれども、それから生命に関係もす
るライフライン関係、これにつきまして浄水場も入ってございますので、市民の水を守るとい
う観点からもそういった検討がなされてきたものと、そういうことでございます。
◇8番(高柳勝巳君) この17ページにそれが書いてあるわけです。それで、Tの4のライ
フラインのところは、平成19年度に耐震改修の必要がゼロで27年度もゼロなんです。直す
必要がないということになっているんです。28の中に入ってないですよね。だから、そうい
うところがわからないんですけれども、その辺もう一度伺えればと思うんですけれども。
◇都市建設部長(生方秀二君) お答え申し上げます。
この関係につきましては、19年度からそれができたことによりまして、この内容が昭和5
6年度以前のものと昭和57年以降のものということで、57年以降のものにつきましては耐
震性があるという認定でございます。それから、56年以前につきましては耐震性を診断して
みないとわからないということでございますで、その中から検討したということでございます。
◇8番(高柳勝巳君) 前から言っていたことなので、ぜひ全体でちゃんと話し合って、総体
的にというふうにおっしゃったのですから総体的に計画をつくっていってもらいたいし、計画
というのは余った予算でするのではなくて、計画的につくっていくものでしょう。だから、2
0億かかると答弁されたわけです。3年ぐらい前ですか。私、一般質問で聞いたら、県が70
億、市は20億ぐらいかかるのですよと言ったから、どこからお金出すのですかというお話を
したわけです。それで、ではどれだけやっているのですかと聞けば、申しわけないけれども今
の答弁では計画的に進捗状況を調べている、検討していると、私には見受けられないのですけ
れども、その辺について、市長、今後の決意をお伺いしたいと思いますけれども。
◇市長(星野已喜雄君) この関係等については、先ほども答弁をさせていただきましたとお
り、現時点で72%の耐震化率の関係になっておりまして、27年度の目標年次までというこ
とで、本当はここで何とか100までに持ち込みたいのでありますが、当然裏づけとなる財源
の問題がありますので、群馬県当局では大体この時期を85%と位置づけているようでござい
ます。したがいまして、ある程度そういった県の流れ等も配慮しながら考えていくことになろ
うかと思っておりまして、おっしゃるとおり財源の裏づけと整合させていかなければならない
と考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。ぜひこれから本腰を入れて、市長の決意も
先ほど同僚議員にも答えていたように、ぜひ本腰を入れて計画性についてしっかりつくり直し
ていただければと思います。
そこで、もう一つ、この5月24日に東北ではたくさん学校施設が避難所になったというの
を受けて、文部科学省からまだ確定ではないのですけれども通達を出して引き続きまだ未改修
のところを加速させなさい、耐震改修を。もう一つは、避難所としての機能を強化するために、
学校と福祉施設などを複合化する、トイレ、備蓄倉庫だとかそういったものを考えると最後に
くだりがあるのです。これは先ほど市長が言ったとおり、広域で集落が分散しているところに
とっては、この複合化するということは、学校施設だとか、それから老人ホームだとか、避難
所だとかが一体になるということだと思うのです。今政権が不安定ですからまだ確定値ではな
いと思いますけれども、こういったものを積極的に取り入れていって加速をさせてもらいたい
のです。ですから、すきがあればと言ったら悪いですけれども、何か乗っかればこれにあわせ
て20億を削減してでもこれに合わせていくという決意が欲しいのです。今、教育施設のこと
も言いましたけれども、これは高齢者の福祉施設なんかも含めて複合化と書いてありますから、
ぜひこの情報には注視をしていただいて、今後の耐震改修を加速をさせていただきたいと思う
のですけれども、それについての市長のお考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今、議員が言われたことは、きっと学校なり福祉の施設の中に、あ
る意味においては救護施設があったり、ある意味においては、学校などではよく家庭科実習み
たいなところで料理実習等があって流しがあって、結局ガスの手配がされておられれば、そこ
で賄いが可能だというようなことにもなったりするのだと思います。そういった意味で、一朝
有事のときのライフラインがきちんと担保されているようなことを想定しながら新たな施設に
ついてはいろいろと促進を図っていこうというような形での読みがとれるようでございます。
したがいまして、しっかりと検討を加えてまいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
次に、1個目で時間食ってしまったので、市役所本庁舎、東原庁舎の関係ですけれども、3
月11日にあれだけの地震で揺れたわけです。先ほど市長も答弁の中で、これは疲労破壊と言
うのだと思うのですけれども、同じような力が破壊に達しないまでも何度も繰り返されると疲
労して壊れるということです。19年に耐震診断をしたという答弁だったのですけれども、そ
のときのIs値が0.21ですから、今回の余震を何回か受けていれば、私はもっと弱くなっ
ているのではないかと推測するのですけれども、その後の点検についてのお考えがあればお伺
いしたいと思うのですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) ずばり言って、さしたる影響がなかったということでございました
ので、特別な点検を現在している状況にはございません。そういったことの中で、議員からご
指摘をいただいておりますので、何らかの対応を考えてみたいと思います。ただ、さしたる影
響はなかったということになります。
◇8番(高柳勝巳君) 沼田市の方でも専門の方がいらっしゃるので、その方がまず目視をし
たり簡便なことをやるところから始めていただければなと。もう既にやっておればそれで結構
なのですけれども。
次に、先ほどのIs値0.21というのはどのぐらいかと言いますと、この沼田市で小中学
校の耐震性の公表しているところにIs値の説明がわざわざ入っていて、Is値が0.3以下
だというと震度6強が来ると倒壊のおそれがかなりあるというふうにわざわざ書いてあるんで
す。0.21ですから相当あるということなのです、改めて申し上げるまでもなく。
今回の震災を受けて、青森県の青森市ですけれども、昨年から耐震診断をして危ないという
ので今年度改修をしたと。改修するという計画がもう出ています。これはある意味当たり前だ
と思うんです。あれだけのことが起こっていて、まだ余震が続いている。これはお金もたくさ
んかかるだろうけれども、何を優先しなければいけないんだという点で考えれば、具体的に何
か考えていかないと、沼田市の場合は改修は無理ですという耐震結果でしたので、どこかに出
るかつくり直すしかないんですけれども、その辺のお考えを改めてお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 確かにおっしゃるように、市庁舎は大切な施設であり、しかも市民
のよりどころでございます。したがいまして、危険な状態というのは大変憂うるところでござ
います。ただ、そういった中で、財源の裏づけあるいはまた子供たちが学んでいる学校の状態
等考えたときに、現在のやり方あるいはまた方向で持ってきた経過がございます。
いずれにいたしましても、そういったことであるとか、あと本市の総体的な施設等のあり方
等も含めまして考えていかなければならないと考えております。ただ、いずれこのことはもう
避けて通れないことであろうというふうに思っておりますので、今後私どもも真摯にこのこと
については取り組んでいかなければならないと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 本当にいずれ避けて通れないではなくて、東海沖はもう30年以内に
80%以上の確率というふうに言われているわけです。市長、最初に言ったとおり、これより
下に家を建てるなという本当に苦しい、石に刻んだ言葉ですよね。これはやはり後悔先に立た
ずですから、ぜひ真剣に考えていただきたい。真剣だとは思いますけれども、スピードアップ
していただきたいというふうに考えます。
私は、この前も申し上げましたけれども、今グリーンベル21が商業施設としてはかなり苦
戦を強いられています。商業施設単独では相当厳しいというふうに私自身は考えています。市
長からも答弁、何年か前にいただきました。こうした状況を受けてもなおあそこを行政が何か
関与をしていって、ここのかわりにしていく、本庁舎のかわりの機能を移していくというお考
えは、今もう一度お伺いしますけれども、おありかどうか、市長にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) やはり当グリーンベルは、当然個人資産になっております。そうい
うようなことから、当然権利関係の問題がそこに発生をしてまいります。しかもいろいろと経
過があるようでございまして、そういう意味では、現在このグリーンベル21を、今までもい
ろんな論議がなされてきたわけでありますけれども、現在の時点ではいろいろな動きもござい
まして、そういう意味ではやはり慎重な対応をしていかなければならないと考えております。
ただ、この先々に向かって本グリーンベルが一体どういう展開になっていくのかということ
については、今後経済部を中心にいろいろと今検討を加えておりますけれども、そういったと
ころの状況も見定めながらの状態になります。同時に、この市の庁舎そのものもかつての先人
たちが築いてきた伝統を誇るところでございまして、そういう意味では市の庁舎等の機能のあ
るべき姿というものは、やはり本地点が中心となっていくということについては、これはやは
り将来に向かってもそういった観点を持っていかなければならないのではないかと受けとめて
おります。それもやはり先々の状況によってはいろいろな展開が考えられるわけでございます
が、現時点ではそういったふうに申し上げておきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) この次にまた違う観点でそのあたりについては質問したいと思います
が、今の面積で、市長、どこかに建てるということになれば仮庁舎も必要になるわけですよね。
ですから、失礼ながら、仮庁舎としての価値だってあるわけです。それで、市長がどうしても
ここが中心となって行政施策を展開していくんだと言うのであれば、その間の仮庁舎としての
機能も十分備えているというふうに私は思っていますので、ぜひその点も考慮していただきな
がら現時点での答弁だというふうに私は受けとめさせていただきたいと考えております。
それから、東原庁舎、県と相談をしていくという、相談というか調整していくというお話で
すけれども、もう少し具体的にお話伺えればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 簡便に申し上げますと、やはり持ち主が群馬県です。私どもはお金
を出して借り受けている立場です。そういうようなことから、今のような答弁になったわけで
ございますが、当然これは所有者が考えていくべきことだと思っておりますので、そういう意
味では、今度は逆に私どもが、県に対しましてそういった安全確保の関係についてはご要請を
していくというそういう立場になろうかと思います。借り受けている以上は、そういうような
ことで申し上げたわけでございます。
◇8番(高柳勝巳君) 先ほど言いましたけれども、県も耐震促進改修計画があって、70億
だったと思うのですけれども、同じ年度までに改修をしますという立場なわけです。もちろん
その計画の前だったと思いますけれども、県の職員がそこにいては危ないから合同庁舎を下に
つくったわけです。そこに高齢福祉課ですとか社会福祉課等が今もいるわけなんです。ですか
ら、そういう立場で県に何とかしてくれませんかというふうに言わないと、危ないのがどこか
行ってしまっている感じがするんです。私が管理者だったら、危ないのでどこかどいてくれま
せんかと言われかねないわけです、今の状況は。年度が変わっていませんから、この本庁舎と
東原庁舎というのは。ですから、やはりそういう危険に対する意識というものをちゃんと伝え
てもらいたい。その上でどうするかということを本庁舎とあわせて考えていただきたい。そう
いう意味なんですけれども、それについての再答弁をいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご意見の趣旨を踏まえて対応を図ってまいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。命の問題ですので、これは待
ったなしだと思っています。
それから、今度は放射線汚染の問題についてお伺いしたいと思います。これは同僚議員が細
部にわたって聞いたので、幾つかにしたいと思います。
飲料水等の測定の関係は一定同僚議員に答えたんですが、放射線汚染という観点でお許しい
ただきたいんですけれども、下水汚泥の関係なんです。下水汚泥の関係、これは群馬県のホー
ムページなんですけれども、これは5月5日公表されて5月6日、川田の奥利根水質浄化セン
ターの測定値が、ヨウ素が36ベクレルパーキログラム、それから放射性セシウムが134が
400、137が470ということなんです。これは何と比べるとというのがまだ出てないん
ですが、先ほど水の安全値というのがヨウ素が300でセシウムが200だったと思うんです。
そうすると、これ2倍超えていることになるのです、6日だけのあれですけれども。これと東
京都なんかでも汚泥が処理できないで困っているというニュースが流れておりますけれども、
沼田市の場合は、あそこはどうなっているのか。それから、この数値についてどうとらえてい
るのか、わかればお伺いしたいんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 部長に答弁いたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
川田の終末処理場の内容でございますけれども、水道水におきましては、人間の体の大部分
を占めている水で重要なものでございますので、国の方で一般、子供は別として100になっ
ておるわけでございますけれども、ヨウ素が300、セシウムが134と137合わせて20
0ということでございます。なお、農産物につきましては、セシウムは500ということで、
食べるものでございますけれども、そのような分類といいますか、差があるところでございま
す。ですから、水道水については非常に厳しい条件が課されているものだと認識をしておりま
す。
今ご質問ございました汚泥につきましては、こんなこと言うとあれですけれども、捨てるも
のでございますので、今のところ私が聞き及んでいるところでは、何ベクレルとかという数値
は規制はございませんが、今後考えているところでございますという話は聞いてございますが、
そんな形から制限が今のところなかったということでご理解いただければと思います。
以上です。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
県内の各浄化センターを見ると、このセシウムに限って言うと、奥利根浄化センターが断ト
ツなんです。これだけは申し添えておきたいし、長野県の塩尻市ではそういう不安にこたえて、
実際またはかり直して市民の不安の払拭をしているということなんです。ですから、ぜひこの
辺についても注視をしていっていただきたいなとお訴えをしておきたいと思います。
それから、先ほど同僚議員も言いましたけれども、なぜ住民の方の不安が増してしまうんだ
ろうなというところなんだろうと私は思っています。これははかり方がまちまちであったり、
実生活に即していなかったりというところがどうしても不安になっている。私は、こうやって
子育てしているんだけれども、空の上の方ではかったら安全だったとか、ふだんは使いもしな
いやつをはかって絶対大丈夫ですとかというはかり方であったり、考え方であったりというの
が、初めてのことだというのがあっても、それはわかりますけれども、そういったことが不安
を増長させているのだと思うんです。残念ながら、県や国に言ってもそれほどいるわけではな
いので、一番近いところがこういったところに対応していってほしいなと思っているんです。
現在、市民の皆さんからそういった要望や不安の問い合わせ等があるかないか。あればどう動
いているかを次にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今ざっとそれぞれの部長にあれしたわけでありますが、経済部筋の
農家生産者の方がややあるかなと。あと、市民部長筋、つまり生活課、環境課のところに電話
等で一、二件あったかと。私にはまだ一つもありません。おおむね出てくる数値が沼田利根は
それぞれ許容値に入っているという客観的な報道機関の事実もあるので、そういう意味では落
ち着いているのかなというような形で見ているわけでございますけれども、ただ農家の関係に
ついては初手にホウレンソウとカキナでもって伊勢崎と高崎で出たことによって、その後その
ことが市場等でもってかなり影響が出たことから、農家の生産者はややそういう意味ではこの
注目度が高いというような感じを今そくぶん(そくぶん崎)させていただいたところでございま
す。
◇8番(高柳勝巳君) そういったところにやはり、忙しいとは思うのですけれども、じかに
聞いてこういうことなんですということを説明していくということが不安払拭になろうかと思
います。恐らく民生部は子育て中のお母さんなんだろうなという推測が成り立つわけですから、
ぜひそういう受けたときにきちっと初動で対応するということが非常に重要だと思いますので、
ぜひその辺はよろしくお願いしたいということと、資料なんですけれども、5月31日、これ
は学校施設です。もう皆さんご存じだと思いますけれども、県内全域で放射線量の測定を県も
始めますよと。そのほかに伊勢崎市では独自に調査をしますよというのが出ていました。何で
かというと、県の方のモニタリングポストというのは前橋にあるけれども地上21メーターで
す。小さいお子さんが生活をしているところは地上1メーター以下です。これはもう当然違っ
て当たり前なので、不安なんですよということに伊勢崎市は主体的に対応したんです。
それから、もう一つ、5月30日に放射線情報は実生活に即してという投書がありました。
これもやはり私の子供は砂をいじったり、背が大きいわけではないので、できるだけ低位置で
調べてください。子供の行動様式を考えてはかってください。こういうことを訴えているんで
す。そういったところに寄り添うことが市の行政として重要なんだと私は思っているので、そ
の辺の考え方についてもう一度お伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実際問題、県がたしか片品あたりに拠点を置いたり、今回学校施設
の関係で川田が対象になったり、あるいは実は農政関係でも網をかけたような形でかなりブロ
ックに分けて対応すると。そういったことから来るものとはやはり、全部がフォローできてい
るといふうには当然言い切れないわけです。そういうようなことから、きょうも、先ほど前段
の同僚議員のご質問にもお答えをさせてもらったのでありますが、自分の市でできること、し
かもこれが率直なところ言って、テクノクラートというのか、科学技術のそれなりの力がない
となかなか本質的なところでもっての問題のとらまえ方はなかなか難しいやにも聞いておりま
す。大きな市ではきっと、例えばそういった学術研究等でした方が職員なんかにいたりするか
もしれません。群馬県当局なんかもそうかもしれません。うちらの市では、そういう意味では
マンパワー的なものが果たして一体どうなのかなということになると、そこはじくじたるもの
がございます。
しかし、よその市等も横にらみしながら、本市でできることは何かというようなことをとら
まえて、実はできることはやっていこうということで、今既にいろいろと動いております。た
だ、先ほども述べたように、器械が非常に今不足しているのだそうでございます。そんなこと
があったりして、若干いろいろと今手間がかかっているところでございますが、この市に即し
た現実的なことでもっての対応を図っていくということが大事かなと。余り高望みしてもしよ
うがありませんので、現実的に考えてまいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ぜひ主体的に取り組んでいただきたい。
もう一つ言わせてもらえば、千葉県の東葛6市というところは独自に放射線量をはかります
と、これは国とか県ではなくて。柏市、松戸市、流山市、鎌ヶ谷市というところですけれども、
こういったところは独自にやります。風向きによりますけれども、コンパスではかれば沼田も
震源地とさほど距離は変わらないわけです。ですから、地図見るとやはりあそこが心配だと言
っていてこっちは心配ではないのかなというのはどうしてもぬぐい去れないなというふうに思
います。
そこで、市長、測定値は非常にはかるのが難しい、あるいは器具もそんなに安くはないとい
うお話でしたけれども、もう心配でしようがない人は個人で買っているんです。5万円前後で
買えるわけです。ですから、ぜひ幾つか必要だというところには、レンタルがあればレンタル
なのでしょうし、市で購入できる部分については購入をして、一時的に貸し出してあげるとか
ということはぜひご検討いただきたいと思うんですけれども、それについてのお考えをお伺い
したいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 貸し出し云々のところまでちょっとまだ頭が回っておりませんけれ
ども、いずれにせよ議員のご趣旨をよく理解ができますので、そういう形で既に検討に入って
いるのです。あとは、先ほどのように、その器械がなかなか売れっ子になっているのでしょう
か。しかし、しかるべき方法で早目に手配をしていくということで考えておりますので、よろ
しくお願いします。
◇8番(高柳勝巳君) 既に検討に入っているということですから、もう全然大丈夫と言って
いるからにならないようにぜひお願いしたいということと、これは情報提供ですけれども、カ
ード式の使い捨ての放射線量をはかるものも4,000円ぐらい、まだ高価ですけれども、危
ないかどうかだけ、リトマス試験紙ですから、本当にどのぐらいですかというのは後でわかれ
ばいい話で、今入って、今ここにいて大丈夫かどうかというのを知るための方法というのも必
要だと思うんです。ですから、もう4,000円弱のカード式のもの、使い捨てのものもある
というふうに情報を得ていますので、そんなことを検討していただきながら、おくれのない対
応をぜひお願いしたいと思います。
最後の防災計画の方に移っていきたいと……。
もう一つ、水の関係で落としました。水道の関係の安全性は先ほどの答弁でわかりましたけ
れども、最初の質問者ではないですけれども簡易水道の方です。これの安全性についてはどの
ように対応しているのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 部長に答弁いたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
沼田市のホームページ、ごらんになっておわかりのとおり、利根と白沢の簡易水道は検体と
してヨウ素とセシウムの調査をしてございます。そのほかの簡易水道はしてございませんが、
前段お話にもあったとおり、深井戸あるいは湧水ということでございますので、今のところ表
流水ではございませんので、大丈夫だということで認識しております。
以上でございます。
◇8番(高柳勝巳君) 一応安心はしましたけれども、声かけぐらいはして、今どういう状況
かということは確認しておいた方が私はいいのではないかと思いますので、ぜひできる範囲で
確認はしておいていただきたいなというふうに思います。それを申し上げて、次に移りたいと
思います。
地域防災計画の関係ですけれども、こちらは市長の答弁で趣旨はわかったんです。関係機関
と密接に連携を図りながら具体化していくことが大事ですよと。職員に関して言えば、活動マ
ニュアルまでつくっていますよと。こういうお話、答弁でしたけれども、ここはこの計画の具
体化の推進はどこが中心になって、今までどのくらい会議を開催されたのか、まずお伺いした
いと思います。
─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩します。
午後2時56分休憩
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午後3時05分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えしたいと思いますが、担当部課係に濃密
な打ち合わせ、あるいはまた対応、指示をしてきたところでございます。そういった中で、特
に先般の職員災害対策活動マニュアルの9ページ以降に、総務部であればそこに各課があって、
そこに当て込んだ形の事務分掌でもって、言うなれば組織の中に切り込んでいく形になってい
たのを新たに具体的なグループ別におおむね6グループに分けて、そして大グループ1につい
て2グループまで、大グループ2について2グループまで、大グループ第3について5、6、
7と、大グループ4について8グループ、大グループ5について9、10、大グループ6につ
いて11、12というようなことで、そこのところを具体的な人員とメンバーを落とし込んで
いくという形のものでもって今対応を図っているところでございます。まだ完成したものには
なっておりません。したがいまして、こういう時期を迎えておりますので、早急にこれらの対
応を図っていかなければならないと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 私が聞いたのは、そういう今市長が答弁していただいたようなことを
どこでどのように話し合っているのですかということがまず聞きたかったのです。
◇市長(星野已喜雄君) 担当課、係でございます。
◇8番(高柳勝巳君) そうすると、課の係の方々がまた代表が集まってトータルな話をする
わけですよね。まだそこまで行っていないということでよろしいんですか。はい、わかりまし
た。
それでは、本当に一番最後の方から今詰め始めている、積み上げ始めているというふうに理
解をするわけですけれども、先ほど同僚議員も言いましたが、連携をするところはたくさんあ
るんです。ですから、本当にスピードアップしないと全然終わらないんではないかなという危
惧するのです。大変だと思いますけれども、例えば道路の問題です。緊急避難通路を確保する
こと。これは土砂、倒木だけではなくて、この間テレビでもやっていましたけれども、帰宅難
民の方々、人間あるいは車が緊急車両なんかをふさいでしまうんです、この体制をちゃんと整
えておかないと。ですから、これは教育委員会の方にも入ってしまうというか触れてしまいま
すけれども、北小のニュースが、私は北小区ですので、北小だよりというのが私のところにも
届けられていて、地震などの危険な状況時は集団下校、帰宅させるけれども、家族が家にいな
い場合は学校で待機して迎えのご家族を待ちますよと。だから、無理に帰らないでください。
それが結局二次災害を呼ぶし、緊急車両の進入を妨害してしまうんですよということで、北小
は、要するに学校ではこういうことをやっていると思うんです。そういったことを早く持ち寄
って、これは警察ですとか土木事務所なんかと連携をしないと完結しないんです。今のままだ
と一番荒れた状態になってしまうということなので、ぜひそこのところを考えていただきたい
と思いますので、その辺、スピードアップについて市長のお考えをもう一度お伺いしたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 全く議員が言われているとおりなんです。これは役所の立場、行政
の立場から、私も一応政治の世界で選ばれている人間で、行政の職員の出身ではありません。
したがって、どうしても行政の内部の組織からマニュアルをつくるときに、それはそこの課だ、
それはそこのセクションだというようなことで落とし込んでいくことは非常に簡単にできるわ
けです。しかし、今のようによそとのセクションの調整になってくると、非常にそこのところ
がかたいのです。ですから、例えば今おっしゃるように、土木事務所との整合性、学校教育現
場との整合性、そこははっきり言ってコーディネーター的な役割の人がいないとなかなかそれ
がままならないのです。それで、やはりそういったプロデュース的な、要するに総合的なそう
いったコネクションの役割を持つ人がきちんといないとできないというのは、はっきり言って
ものすごい反省にあります。
したがって、今回の答弁書をつくるときに、午前中も申し上げましたけれども、一体全体避
難はいいと。学校に行ったときに、皆さんは精神的に非常に不安定な状態になっていると。そ
のときに、ではだれがキーマンになって、そしてそのキーマンにだれが本部の方から連絡して、
そしてそこのキーマンの人たちがどういうふうに今後の対応について説明をしていくのかと。
しかも、それでは通るところの、今の道のふさぎのこともあるんですけれども、だれがその道
筋の警備に当たるのかというようなことも含めて、落とし込みを個別名で、極論を言うと、や
っていかないと責任の所在が明確にならないんです。だから、そういう意味の非常に細部にわ
たったところまで一朝有事なときにはやはりやる必要があるのではないかと。そのために、先
ほどもちょっとお話がありましたが、防災訓練等の中で実践をそういうところで体得していく
しか道がないのかなという感じは持っております。
繰り返し申し上げたいと思うのですけれども、他のそういったセクションとのすり合わせを
なかなかするということが非常に難しいのがどうも行政のもともとの伝統的なところにあるの
かなというような感じを持っております。特に外との整合性です。したがいまして、それらに
留意して今後対応していく必要があるのかなと考えておりますが。
◇8番(高柳勝巳君) 市長が同僚議員にも言いましたけれども、3月11日以前のままでい
いのかなというところの一つなのだろうと私は思っているのです。こういったところは改善、
100%は恐らく難しいのだろうと思いますけれども、できるだけ被害を最小限にするんだと
いう立場で積み上げていってもらいたいと私は思っていますので、セクショナリズムがいい部
分もあるけれども、そうではなくてトータルでどうなんですかというとらえ方をする会議を持
つことも必要なんです。おれではないから、耐震の話もはっきり言ってそうだと思うんです。
おれのところでないから、おれのところに来たらおれのところはやるよと言うけれども、では
実際道通るときには、市道から県道、国道になるんですよね。どこが欠けても通れないわけで
す。だから、そういったところがやはりもう一回、3月11日前と後というのは皆さんでもう
一度考え合っていただければ。それがやはり市民の大切な命や財産を守ることにつながるんだ
ということで、ぜひ加速をさせていただきたいなと思います。
9分になったから次に進みたいと思います。
災害弱者との関係に入りたいと思いますけれども、平成17年でしたか、これはやはり大き
な災害があって国の方から、総務省の関係から災害時要支援者避難計画というのをつくってく
ださいよという話で、これは総務課の方に多分来ているんだと思うんです。一方で、この間、
私、民生の方でいただきましたけれども、障害者福祉計画の方でも災害時の避難について云々
というのが、長くはないですけれども記述がありました。これも民生部と総務部が独自に、下
手すると独自に二つつくることになってしまうのです。ですから、先ほどの話があるわけなん
で、この今の災害時要支援者避難計画、これはプライバシーの問題もあるので、今の実態と課
題を把握していれば、それとこれからの災害時の今話し合われている災害計画との整合性の問
題です。これは今どのようにとらえているのか、その辺についてお伺いできればと思うんです
けれども。
◇市長(星野已喜雄君) これは、その目的そのものが、災害が発生したときに自力で安全な
場所へ避難できず人的な支援が必要となる人が、適切かつ円滑に避難行動がとれるよう国の災
害時要援護者の避難支援ガイドラインを踏まえて災害時要援護者の避難支援対策の基本的な考
えや進め方を明らかにするものだということでは、ご理解いただけるのではないかと思ってお
ります。
いみじくも、言われたように、プライバシーの問題等があってなかなかそういう意味では難
しいこともあるのですが、まず援護者の登録が必要になってくると思います、具体的には。そ
れから、当然避難支援者の確保もこれまた大事な要素になってまいります。したがいまして、
援護の必要な方の登録と、それを応援していこうとする支援者の確保、これもある意味におい
ては確保でありますから内部登録が必要になってくると思うのですが、こういうようなことを
進める形の中で生きたものにしていくということが大事な要素になろうかと思っております。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
そのとおりだなというふうに思います。そのとおりなので、そこが問題なので、そこに着手
をしてもらいたいと思っているんです。やはりいろんな資料を見ますと、今市長が言ったとお
りです。避難をさせるときのプライバシーとの関係、それから支援者、支援をしてくれる人の
確保の問題というのが非常に具体的には問題になっていて、ふだんは仲よくしておいてくれた
人でなければ、私が例えば高齢で体が弱っているなんていうことは余り言いたくない、あるい
は障害をお持ちの人の家族がいるなんていうことは余り人間関係が良好でなければ言いたくな
い。そうすると、ますます災害時には格差が出てしまうということなんです。だから、ここの
ところを民生委員さんや福祉の係がふだんから入っていって埋めていく努力をしないと、これ
はいつになっても登録者がふえません。登録者がふえなければ、ある意味手の出しようがない
という構造的な関係になっているので、そこのところを着手し始めたかどうかお伺いできれば
と思うんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 現在の課題となっております。
◇8番(高柳勝巳君) これは所管ですので細かいところまでは言うつもりありませんが、奥
が深いし、とにかくやり始めなければ終わらないと思っています。
それから、最初にお話したとおりです。そういった災害が起きたときにはたくさんのハンデ
ィを背負うことに必ずなりますので、ぜひそこのところは改めて市長にはお訴えをし、私もで
きる協力はしていきたいということで次に移りたいと考えています。
今度は現在の災害情報の伝達方法と今後の取り組みについてということですけれども、1回
目の答弁で緊急告知FMラジオについて検討していきたいというお話でしたが、これのもう少
し詳細について再度お伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはある篤志者が緊急告知ラジオの関係等についてご配慮をいた
だけるというようなことがありまして、地元地域FM放送と連携する形の中で平成23年度当
初予算に対応を図るべき形で展開してまいりました。
問題は、この台数が限られております。したがって、全戸というわけにはまいらないわけで
す。そういうようなことから、小中学校や保育園、地区公民館、県民局などの公共施設あるい
はまた老人ホームや区長、あるいはまた特に先ほど言う弱者の方々に配備をすることが大事な
のかなということで現在検討を加えているところでございます。いずれにいたしましても、年
度内にはきちんとした整備が完了することになろうかと思います。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
本当に篤志をいただける方に感謝を申し上げたいと考えていますし、早くこれが実施される
ことを祈りたいと思います。昭和村ではもう既に昨年から本格的にやっていますし、今回の震
災でも、これは行政無線局立ち上げたFM局だと思いますけれども、2カ月を過ぎてもまだ閉
鎖ができずに延長しているというぐらい、災害においてはこのFM電波による生活情報、避難
情報あるいは物資の問題なんていうのは本当に有機的で有効的な活用ができると私は考えてお
りますので、積極的活用を今回を契機にぜひお願いをしたいと考えております。
その点でもう一つだけあるんですけれども、情報を入手する方法なんです。情報が入らなけ
れば放送できないわけです。それで、地震というのは、例えば予知がしづらいなんていうお話
を市長からも伺いましたが、雨だとか風雨なんていうのは人がいると気配は感じられるんです。
これは天気予報を専門にしている今民間会社がもう出ていますけれども、あちこちに協力者を
配置をしまして、その方が今もう降りそうです、降っていますというのを全部集中すると一つ
の情報になって出るんです。そういったことも考えれば、情報の入手というのもたくさん私は
できると思っているので、放送とあわせて情報の入手も、上から来ないからではなくて独自で
入手する方法も考えてもらいたいなと思っているんです。
例えば、公民館に勤めていらっしゃる職員の方もいらっしゃいますよね。市内いろんなとこ
ろにあります。それから、いろんな施設があります。余り外に出歩かない人であるとか、必ず
情報がわかる方とかいらっしゃいますので、そういった方々を協力者に募って、災害でありま
すとかそういったものをちゃんと、今インターネットでやっていますよと言えばそれまでです
けれども、これをちゃんとFMとあわせていくという作業が私は次の段階では必要になってく
ると思いますので、ぜひそこら辺も視野に入れてご検討いただきたいと思うんですけれども、
それについての市長のお考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、今のご質問あるいはご意見等を承ると、結局本市は片品の接
点の場所あるいはまた赤城山を中心とした前橋の接点の場所、それから根利のようにかつての
黒保根との接点の場所、あるいはまた迦葉山のようにみなかみとの接点の場所等非常に広い面
積を持っておりますから、そういうことからとらまえると、ただ単に町の中だけではなかなか
今のような情報を的確にとらえることはできないのではないかと思います。そうすると、そう
いった地域住民あるいはそういった拠点にある特定施設等の部署、セクションの方々にどうし
てもお世話にならなければならないのではないかなと。考えてみると、沼田の本庁舎、そして
東庁舎あるいは白沢の振興局、利根の振興局、これは国道125ラインにダーンとあるんです
が、極論すると綾戸の境、高山村の境あるいは迦葉山等国の、みなかみの境、そして片品との
境、先ほどのように黒保根との境、結果的には前橋になるのですが、赤城山の上は前橋と接点
持っていますが、昔の言うならば富士見なのかな、宮城なのか、ちょっとすいません、前橋で
いいと思うのですが、そういうようなことまでとらまえると、やや端の部分についてどういう
ふうな対応をしていくのかなということがちょっと課題かなと。ただ、内的には十二分にそう
いった体制をつくることは容易なのではないかと思っております。今後検討させていただきた
いと存じます。
◇8番(高柳勝巳君) 先ほどの天気予報の会社の話ですけれども、それはコンピューターを
駆使して最終的には予想や予兆を情報として売るわけです。だけれども、究極なアナログ産業
だと私は思っているんです。人を配置して人を介して情報を入れるんです。ですから、やはり
それには自治体なんていうのは頼もうと思えば幾らでも私はいらっしゃると思うので、そうい
う緊密な関係をつくることも、もちろん私の出身の郵便局なんかも恐らくそうでしょう。道路
が損壊をしていますとかという情報がどこかで一元化して入れば相当な情報が私は集積できる
と思っていますので、ぜひその辺についても積極的に検討していっていただきたいと思ってい
ます。
最後です。防犯灯の関係ですけれども、順次LED化を進めていますよと、こういうご答弁
でしたから、ぜひ拡大をしていっていただきたいということで尽きてしまうわけですけれども、
これも私北小の学校区ですから集会所なんかにも時々行きますけれども、ハザードマップがつ
くられたものが集会所の中にも張ってありました。危険な場所が幾つかあって、その中に残念
ながらまだまだ暗いというところがたくさん存在をしているんです。明るさが解消できればと
いうところがネックになっていますので、そういった点を踏まえて、もう少し積極的にこのL
ED化というのを加速させて、ランニングコストが安くなるわけですから箇所数がふえるとい
う考え方で今後に当たっていただきたいんですけれども、それについてのお考えをお伺いした
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 冒頭のご答弁で申し上げましたように、平成22年度には31基設
置をさせていただきました。本年度は55カ所を考えておるところでございます。これもやは
り環境問題と同じように徐々に転換を図っていくということが大事な要素かと思っております
ので、毎年毎年速度あるいはまた拡大の方向で物事を進めていくということになろうかと思っ
ておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 照明に関して一つだけ、これは少しそれてしまうかもしれませんけれ
ども、苦言も申し上げたいと思います。
今ここに3階に上がってくる階段、節電を協力お願いしますと書いてあります。ですが、先
日テレビ等でも見ましたけれども、駅等で暗いと弱視者が本当に危ないんです。ですから、限
度を超えた節約というのは、今度は安全性を奪うことになりますので、その辺の趣旨は踏み間
違えないようにした節約をぜひお願いしたいなと私は思っています。そういう点では、自動的
に点滅消灯するものの活用ですとか、本来多くの人が通るところは、私はもう一度考えるべき
だなと思っていますので、その辺の考え方をもう一度お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) お説のご趣旨をしっかり踏まえてまいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 最後になりました。今回の原発事故の調査の検討委員会の委員長に今
度畑村洋太郎さんという人がなったんです。この方は「失敗学のすすめ」というので有名にな
っている方です。失敗に学んで、次には同じような痛ましい事故、事件を起こさないようにす
るんだという人が委員長になりました。この委員会の中身はともかくとして、市長、この失敗
学に学ぶを今回の震災対策にぜひ生かしていただきたいと思います。最後に市長の決意をお伺
いし、私の一般質問を閉じたいと思います。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) まず、その「失敗学のすすめ」という本は、私は読破をしておりま
せん。したがいまして、早急に購入して勉強させていただきたいと存じます。
結局いろいろな時代の変化の中で、どうも20世紀が物質関係の競争の時代であったならば、
21世紀は人間性とか人道とかそういったところの、要するに高める時代かなということが言
われて久しかった中で、やはり今回の3月のあの11日の前段までは、そういったことは観念
的には気がつきつつもなかなか実態としてどうだったのかなということがあろうかと思うので
す。しかし、いよいよあのような状態になったときに、やはりそれは本当なのだなというよう
なことの流れになってきたのかなと思っております。
梅原 猛という、議員も承知をしているかとは思いますが、ご承知のとおり「山川草木悉皆
成仏」というようなことを大きな哲学テーマにして、そしてこの宇宙とか、あるいはこの地球
上の状態とかコミュニティを総合的な調和の理論で展開している方でありますが、この方も大
変今回の震災等で憂いた論文を書かれているようでございます。
したがいまして、どうしても今までの価値観はどうも違うのではないかなと思いつつもなか
なかそこのところから脱却することはできなかったと。しかし、ここへ来て、やはりこの3月
11日以降、今までのようなわけにはいかないぞということは、1億2,000万人の国民が
こぞって何かを感じているのではないかと思います。
したがいまして、私ども沼田市の自治体も一つの生命体でもありますので、そういった健康
でしかも調和のとれた人間性豊かなものにしていくために、職員が一丸となって頑張り、そし
て被災地の方々に心から思いを寄せながら、私どもも謙虚に学ばせていただいて、そして私ど
もは私どもの立場でそこからいろいろなことを、得たことを今後の市政運営に生かしていくと
いうことが大事なのではないかというような感じを持っておりますので、ご理解をいただきた
いと思います。
──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、片野彦一議員。14番。
〔14番 片野彦一君登壇〕
◇14番(片野彦一君) 通告に従い一般質問をさせていただきます。
初めに、市民の健康対策についてお伺いします。
国内では年間30万人以上が、がんによって亡くなる「がん大国」でありますが、厚生労働省
の「人口動態統計」によると、日本では毎年約10万人の人が胃がんと診断され、約5万人が死
亡しています。肺がんに次ぐ2番目の多さで、50代以降の発症率・死亡率が高い。そして日
本や韓国、中国などアジア地域に多く欧米に少ないなどが特徴であります。
胃がんは子宮頸がんと同様に感染症によるがんだと分かってきました。今まで、胃がんの原
因については、アジア地域に顕著な塩分の多い食生活説などが指摘されてきましたが、近年で
は、胃潰瘍の原因ともなっているピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)が、発がん因子である
と世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が認定しています。同機関(IA
RC)は、長さわずか3ミクロンのこの菌の除菌治療を勧めています。
実際、国内では胃がん患者の約90%がピロリ菌に感染しており、50代以上の男性を中心
に日本人の50%以上が感染者との報告もあります。
このような状況から「胃がんは予防可能ながん」との認識に立ち、胃がん撲滅対策について、
市民の胃がんの罹患状況と治療費について、早期発見、治療が大原則だが予防の観点からピロ
リ菌検査をつけ加えられないかお伺いします。
次に、安心安全対策についてお伺いします。
まず、3月11日に発生した東日本大震災で被災された方々、犠牲になられた方々に心より
哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。
かつてない巨大な濁流は、町や集落を破壊し実に多くの無辜の人々の命を遮った今回の大震
災は多くの教訓を与えておりますが、今回私の質問は所管の関係もあり一つだけ質問させてい
ただきます。
3月11日の地震発生時、沼田市も震度5強の激しい揺れがあり、多くの人は建物外に避難
しました。この際に、沼田市保健福祉センターではエレベーターは停止し、利用者は非常階段
を使用して避難しました。特に、心身障害者・車椅子使用者が外へ脱出するのに困難を来たし、
関係者は非常に苦労し、本人も不安に駆られたようであります。施設の配置などに問題はなか
ったのか、お聞きします。
災害発生時の対策について、沼田市保健福祉センター内に、さくらんぼ・アップルなどの施
設が2階、3階に配置されているが、緊急時の利用者の避難対策についてお伺いします。
以上が私の質問です。ご答弁をよろしくお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの片野議員のご質問にお答え申し上げます。
まず、市民の健康対策について、胃がん撲滅対策について、胃がんの罹患状況と治療費につ
いてでありますが、群馬県がん登録事業報告によりますと、平成19年の県内の胃がん罹患数
は1,719件、人口10万人当たりの罹患率は85.3件、がん全体に占める罹患割合は1
4.9%であります。
胃がんの治療費につきましては、病期に応じて治療方法が異なるため額に幅があり、開腹手
術では費用が、入院費も含めて110万円から150万円ほどのことが多く、内視鏡の場合に
は30万円から50万円ほどが目安と聞いております。
次に、早期発見、治療が大原則だが、予防の観点からピロリ菌検査をつけ加えたらどうかに
ついてでありますが、ピロリ菌は、胃・十二指腸潰瘍の発生に深く関係するとされ、1994
年に国際がん研究機関は、危険の高い部類の発がん因子と規定しています。日本においても、
ピロリ菌感染と胃がん発生の関連に関する疫学調査の結果が集積されつつあるようですが、国
の見解としては、他の因子の発がんに及ぼす影響との関連について、さらに検討を加える必要
があるということであります。
したがいまして、市といたしましては、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための
指針」を踏まえつつ、今後の国の動向等を注視し、早期発見と早期治療が図られるよう、がん
検診の受診率向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、安心・安全対策について、災害発生時の対策について、沼田市保健福祉センター内に、
さくらんぼ・アップルなどの施設が2、3階に配置されているが、緊急時の利用者の避難対策
についてでありますが、保健福祉センターにつきましては、社会福祉協議会に指定管理者とし
て管理運営を委任しており、センター内の3階にある在宅重度心身障害者デイサービスセンタ
ー・さくらんぼ及び2階にある心身障害児通園施設・アップルにつきましても、同様に社会福
祉協議会に管理運営を委任しております。
災害等の緊急時につきましては、社会福祉協議会とセンターの管理担当課である健康課が中
心となり、自衛消防隊を組織し、通報連絡、避難誘導、消火及び救護の各係を編成し対応して
おります。
また、さくらんぼ及びアップルの利用者の避難対策につきましては、担当指導員のほか、保
健福祉センター内に勤務する他の部署の職員が施設外支援者となり、また、東原庁舎に勤務す
る職員の一部も応援体制に加わるなど、障害者の避難対策に万全を期しております。
以上申し上げまして、片野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇14番(片野彦一君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
まず最初に、胃がんの関係でありますけれども、これについては一応罹患状況、治療費とい
うことについては、県の方のデータを示していただきました。これについては、市ではつかみ
得なかったということであろかと思いますので理解いたします。
それで、一応これはピロリ菌の検査と一緒に質問いたしますけれども、この検査については
国の動向を見てと、こういうことでございますが、このことについては最近非常に問題になっ
ておりまして、胃がん撲滅プロジェクトというのがあるのだそうですが、これには北海道大学
の浅香正博教授がピロリ菌研究者の第一人者だそうですが、この人が言っているのは、胃がん
の原因の95%はピロリ菌だと、こういうことを言っております。先ほども言いましたように、
50%以上がピロリ菌保有者だ、こういうことでございますが、これは若い人には少ないのだ
そうです。非常に50代以上になると50%以上というのが80%ぐらいになるのだそうです、
保菌者が。この方たちが、一つは、これを全部適用できないのに問題があるのは、保菌者が全
部がんになるかと言ったらそういうことではないのだそうです。やはり個人差があるのだそう
です。ということなのですが、ただ言えることは、胃潰瘍あるいは胃がんになった方が治療し
てピロリ菌を退治して保有してない人、治療して保有してない人はもう再発しないのだそうで
す。ピロリ菌の治療をしないとまた再発する場合があると、こういうことだそうです。
これについて、そういった見識があって、一応これはまだ国としても研究というか検討が始
まったばかりで具体的になっていません。ただ、細川厚生労働大臣も3月の参議院の予算委員
会で、これは前向きに研究して前向きに検討する必要があると、こういう答弁もしております。
そういった面からすると、その辺のことをしっかり認識し、勉強していただいて、市として独
自に取り組むことはできないかなと思いますけれども、その辺のことについてどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 平成23年3月7日の参議院予算委員会で、片野議員が所属する公
明党の松 あきら副代表が、胃がんは予防できるがんとの認識を示されまして、検診による保
菌確認と除菌の徹底をと予防策の実施を政府に促したという経過があるようでございます。菅
直人首相は、具体化に向けて積極的に取り組むとご答弁をされたという国の流れがあるよう
でございます。
したがいまして、現在この研究をされている松先生は、胃がんの原因菌との見方が強まるピ
ロリ菌の存在を挙げて、さらにその保菌確認機器を持ち込むなどして検診の手軽さをアピール
して、50歳以上の国民に検査と除菌を行う場合の年間経費は250億円、胃がん治療に3,
000億円が投下されている現状に照らせば効果は明白と予防医学の重要性を説いたという経
過があるようでございまして、政府側では、特に櫻井財務副大臣が除菌などの普及に向けて研
究を進めていくというそういうくだりがあるようでございます。
したがいまして、国のレベルで相当いろいろなことが論議されているようでございます。私
ども基礎自治体といたしますと、当然国や県の指導を受けながらこれらに向けて対応を図って
いくということになるのかと思っております。したがいまして、今後議員のご意思を受けとめ
ながら、今後の対応を図っていかなければならないのかなと受けとめているところでございま
す。
◇14番(片野彦一君) 今、市長が言いましたように、費用対効果が非常に高いと。年間2
50億の費用で3,000億かかると言われている費用が削減できるということであれば、こ
れは非常に魅力的な政策かなと。保険の制度にとっても非常に有効な手段ではないかなと思い
ます。そういったことで、その費用だけでなくて、年間5万人、胃がんで亡くなっていると。
10万人も罹患していて手術したり治療したりで苦しんでいるという現状でありますから、そ
ういう方々が非常に助かると、こういうことになって非常に一挙両得といいますか、そういう
メリットがあるのではないかなと思います。そういった意味で、これは沼田が先陣を切ってや
る価値があるのではないかなとも思いますが、その辺について重ねてどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 第1回目の答弁で、いろいろと国のお考え方になっていること、そ
れから他の因子の発がんに及ぼす影響との関連等もあったり、あるいはまたこの一方において
国家のレベルでの質問答弁の中で、大変そういう意味では前向きな展開がなされているという
こと等含めたところで判断をいたしますときに、当然こういったことが県からの指導も今後あ
るのではないかと思っております。
したがいまして、議員のご意見を踏まえながら、国や県の動向等をしっかりと受けとめて、
そしておっしゃられるとおり費用対効果が非常にいいのだというような客観的なものが私ども
のところの現場でも如実にわかる、あるいはまた理解できるだけのものが整えられれば、これ
はもうご意見のとおりになろうかと思います。
したがいまして、本日初めてこういったご指摘あるいはご意見を承っております。したがい
まして、本日のご答弁は、この課題について国、県の関係も踏まえながら検討をしっかりと対
応していくことになろうかと思いますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げたいと思い
ます。
◇14番(片野彦一君) わかりました。これ以上いろいろ議論してもピロリ菌自体のことを
言ってもしようがないので、ぜひともよろしく、その辺のところを認識していただいて前向き
に検討していただきたいと、こう思います。
あと、次は2番目のこと、沼田市の保健福祉センター内のことでございますが、これは先ほ
ど来災害時の避難関係の規定とかそういうものについていろいろ議論がありました。私が申し
上げたいのは、一応先ほど種々答弁がありましたけれども、社会福祉協議会に委託しておると
いうことでございますが、エレベーターがとまって2階、3階から車いすで、あるいは身体障
害者がおりてくるのに非常に苦労したという現実があります。そういった中で、配置が大体2
階、3階にあるということ自体、これはいろんな情勢からそうなっているのでしょうが、1階
にあればそんな心配はないわけで、そういうことも含めて、そういうことは検討されたかどう
かお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 部長から答弁をいたさせます。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 命によりお答えを申し上げます。
この障害者施設が1階にあればというお話は、前々からそういった話もお聞きをしておりま
す。保健福祉センターにつきましては、平成10年度から供用が開始されまして、つくった当
時につきましては、構想計画に基づき、1階は現状と同様でございますけれども高齢者のデイ
サービス、それから保健活動の健診相談スペース、それから2階は福祉部門の各種訓練室、福
祉作業所のことになろうかと思いますけれども、そういった訓練スペースとして、そして3階
につきましては在宅介護や保健福祉活動の団体スペースというような形の中で活用がスタート
しておりました。その後いろんな要望あるいは行政需要、そういった変化の中で幾度か移転あ
るいは事務所が社会福祉課、高齢福祉課等も入っておったのですけれども、それらも外に出て、
要望にこたえるべくそういった施設を検討しながらそこのところに、不十分ではございますけ
れどもスペースをとっていったというような経過があります。
そんな形の中で、限られたスペースでございますので、本来的にはやはり、このときも障害
者の関係の方あるいは高齢者の方の関係につきましては、低層階にということで構想ができて
おったようですけれども、そういったいろんな状況の中で新たな需要に対応することが理想的
な形にはならなかったというような経過があろうかと思います。そういった中で、とにかく要
望にこたえるべく、その場所を確保しなければというような中で、今までそういった要望にこ
たえるべく設置をしてきたというような経過がございました。
以上でございます。
◇14番(片野彦一君) 検討はした経過はあるということでございますが、それで結局2階、
3階に落ち着いたと理解したのですけれども、ただ先ほどから言われますように、弱者の避難
対策といいますか、それに対して一人一人でもそういうふうに、先ほど来の議論でありますよ
うに気を使ってマニュアルつくってやるということでございます。そういった中で、やはりあ
そこにはそういった方たちが集まっているわけですから、そういった中でやはりそういった方
たちの安全を守るといいますか、安全対策といいますか、より重要になってくると思います。
そういった意味では、幾ら検討しても検討し過ぎることはないと、そういうことであると思い
ます。そういった意味で、1階に持ってくるのがなかなか難しいということであれば、その他
のことについて何か最善の策を検討されたどうかお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実に難しい問題でございます。と申しますのは、入って右側に福祉
関係の作業所があることはご案内のとおりでございます。考えてみれば、この方たちもある意
味においては障害を持っている方たちでございまして、そういう意味ではさくらんぼやアップ
ルにおられる方と価値観というのですか、立場は、年齢だとかそういうのは違うけれども同様
かと思います。
入ってすぐ左手前に健康課の、当然職員の事務の部屋がございます。市民がいろいろと相談
に来たときにどこでもって相談をしたらいいのかどうかということになったときに、やはり1
階のところに、保健福祉センター内の全体のところを見てとれる課もやはりあることによって
5万3,000市民の要するに健康に関する窓口業務ということになると、これもまた大変重
要なポイントになるのかななんて思っております。
もう一つは、入って左側に大きな広場がございます。ここのところが子供たちというか乳幼
児の育児健診だとかそういうようなところをされておりまして、スペースの広さはただいまお
話しのさくらんぼとかアップルなんかのスペースに比べると実は広いことは広いのです。とな
ると、仮によしんばそういったいろんなことを検討していく形の中で、1階でということにな
ると、考えられるスペースは大体今申し上げたようなところは一つの課題にはなろうかと思い
ます。ただ、やはり乳幼児健診等をとらまえたときに、果たしてそこのところのスペースが上
でとれるかどうかということになると、これもまたなかなか難しいところがあります。特に先
ほど部長が苦しい答弁もしているのでありますが、結局保健福祉センターの生い立ちのときか
らそれぞれのセクションが入ってきたという形の中で、さくらんぼ、アップルも市民要望にこ
たえてつくられてきたという流れから、ちょうどそのスペースにふさわしいところを担保して
きたということになろうかと思います。
となってまいりますと、今申し上げたようなところの部分のところについてどう考えるのか
ということと同時に、もう一方におきましては、きょうも午前中から午後にかけて災害の関係
でもって、特に防災訓練等何回もやるということは大事なのではないかというこういうご指摘
を承りましたが、これは全くごもっとものことなのでございまして、そういうことから、保健
福祉センター内の一朝有事のそういった訓練もやはり社会福祉協議会、健康課の職員はもとよ
り、そういった関係の人間たちが常に怠りなきようやっていくということは愁眉の急かなと思
っております。ですから、二つに分けて考える必要があるのかなと思っております。
繰り返しになりますけれども、あいているとすると入って、ご案内のとおりの状態のところ。
同時に、それでは一体全体そのところに持ってきた場合に、ではその方たちがどこに行くのか
と。こういう問題が必ず出てくるわけでありまして、そういう意味で限られたスペースの中の
悩みになっているのかなと思っております。ただ、生命の安全安心を守るためにはどういう方
法がいいのかという最善の策を考えていかなければなりませんので、ぜひ今後ともまた議員の
ご指導をいただきながら、部長を中心に何らかの対応を考えていく必要があるのではないかと
考えております。
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◇議長(大島崇行君) 休憩します。
午後3時59分休憩
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午後4時05分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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◇14番(片野彦一君) それでは、先ほど市長は万全を期しているということでございまし
たが、一応この前のときにも体の不自由の人、体の大きい人、この人を運び出すのに非常に苦
労したということは申し上げましたが、結局あそこに1階にいる健康課の職員は女の人が多い
んです。それで、東原庁舎には社会福祉課と高齢福祉課がいます。そういった中で、その人た
ちが応援して体制をとるということでございますが、結局この前のときには中にいた人たちだ
けでやったんです。外からの応援は、自分が逃げて外に出るだけが精いっぱいで、実際には見
ていたと。出助けしなかったというのが現実だったんです。私どももちょうど説明会がありま
したけれども、選挙の説明会があって4階ですか、いたんですが、すごく揺れて動揺してしま
って何をしていいかわからないと。逃げ出すということも、ドアあけることも忘れてそのまま
ずっと茫然としていたということが現実ですから、そういった手伝いに行けと、応援に行けと
言ってもなかなか動けないのがこれは当然だと思います。
そういったことで、先ほどからマニュアルとかそういったものを整備して、そういった訓練
も行うということでございますが、現実に訓練ではなくて実際に起こったときにそういうこと
はできなかったわけなので、そういった観点も含めて、その辺の認識をお伺いしたいと思いま
すけれども、よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に今ご意見として述べられたことは、役所の行政の立場からす
ると反省をしなければならないことが多々ございます。と申しますのは、今回の大震災のとき
に、津波が来るぞということのマイクを握って放さずに頑張った女性がおられたというニュー
スがございまして、その方は最後まで頑張り抜いて、そういったことを避難をするように促す
ということで最後まで体を張って市民の安全安心のために頑張り抜いた結論は、大変悲しい結
果になったということがございます。こういったすばらしい職員あるいはまたみずからの生命
をなげうってまで市民のために奉仕をしようとする精神、このことは非常に多くの方々に感動
を与えたのではないかと思っております。
したがいまして、今回の出来事のときに、職員が先に仮に避難をするというような形であっ
たとすると、そこによって立つところの弱者の方が取り残されるわけでございまして、プロフ
ェッショナルの行政マンとすれば、そこを体を張ってやはり弱者の方に対して手を差し伸べる
べきだったと考えております。
そのためには、観念的なことではだめだと思っておりまして、最近でも全然別のところであ
りますけれども、認知症に優しい訓練等がなされておりますが、あのように実際のことを想定
した形の中で体を動かすということをしない限りにおきましては、なかなかデスクワークだけ
では心もとないので、そういう意味では保健福祉センター内におけるところの何かのことが起
きたときのことを想定した訓練も大事かなと。同じことがこの庁舎の中でも言えるのかな。あ
るいはまた、下のふれあいセンターでも言えるのかな。あそこには外からの方が来ております
ので、もちろん当然これは白沢の振興局でも利根の振興局でも、指定管理者制度をとっていつ
つも、例えば望郷の湯やしゃくなげの湯もいろいろと関係がありますので、そういうようなこ
と等もとらまえて関係するそういう施設でのやはり何かのときのための対応を図るべく訓練と
いうのですか、そういったことが非常に重要なのではないかと考えております。
◇14番(片野彦一君) よろしくお願いします。
それで、先ほどの話に戻りますけれども、施設の場所がなかなか困難だということでござい
ます。最善を尽くして、万全を期してとか、なかなか施設内の配置が難しいということでござ
いますので、ほかの方途も考えながら、例えば体育館の1階を使うとか、あるいはグリーンベ
ル21の1階を借りるとかそういったことも含めて検討していただければなと思いますが、そ
の辺についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 弱者の方でありますから、そこによって立つところのある程度健康
管理だとかそういったことができる、関係者が近場にいないとなじまないのかなと思っており
まして、そういう意味では福祉あるいはまた健康関係の職員がやはりいる近場に今回のような
方々がいる施設があった方がいいのではないかと。ということは、やはり大きく離れたところ
は、私はまだ研究をしておりませんけれども、どちらかというとなじまないのではないかなと
いうようなことを感じております。ただ、現実に安全安心を担保するためには、何らかの手だ
てもこれまた大事かなと思っておりますので、よろしくお願いします。
◇14番(片野彦一君) わかりました。よろしくお願いいたします。
それで、最後にですけれども、今回の東日本の大震災は、岩手、宮城、福島、それに茨城県
とを加えて相当な被害を受けました。これはもう日本を一つの組織体と考えれば、人間の体に
例えれば腕1本とられたというふうな感じではないかと思います。こうやってみて、こっちを
向いているとすれば左腕ですか、とられたということと、状態と同じではないかと思います。
そういったことを考えると、これは非常に日本全体に、個人の体でも腕1本とられれば物すご
い影響があるわけで、そっちに全神経が行ってしまうわけですが、日本全体にとっても非常に
痛手だったと、このように思います。そういった意味で、今日本全体がそこに集中して復旧、
復興を目指しているということだと思います。そう信じたいです。
それで、沼田市にとってもこれは一般の市民それぞれが一つの組織体ですから、市にとって
は。そういった方々が、元気でいなければ沼田市全体もしぼんでしまうと、元気がなくなると
いうことは、これは道理と思います。そういった面で、ますますこれから市長のリーダーシッ
プを期待するわけですが、その辺のことの決意をお伺いして終わりにしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 我が日本国の海産物の供給基地であり、あるいはまた農産物の供給
基地であり、しかも大きな国是の大手企業の下支えをしておった中小企業の拠点でもあるとい
うようなことから、まず食べ物という供給基地からとらまえると、非常に今回の震災の打撃と
いうのは深刻だったと思います。
また、ご案内のとおり、非常に優良な中小企業が多く集積をしていたということも承ってお
りまして、この近辺の製紙会社等も東北地方に大きく移したけれども、今回の災害で大変な打
撃を受けたことによって云々というようなことも耳にしております。
したがいまして、そういう意味では、我が日本国の1億2,000万人が構成する国家の確
かに言われる片腕がもがれたと言っても過言でないという議員の指摘はもっともだと思ってお
ります。したがいまして、それを我が沼田市に当てはめたときに、そういうことと同様なある
部分が欠落したような形になると、やはり一つの生命体とすれば非常にバランスが悪く、しか
も健康体であるということは申し上げることになりません。したがいまして、そういった微細
な部分のところについても、あるいはまた人間の生命をきちんと大切にするという観点からも、
やはり総合的に判断しながらきちんとした対応をしていく必要があるのではないかというふう
に思っております。ご指摘いただいたことにつきまして、担当部課を中心に鋭意研究努力させ
るつもりでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
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第2 延 会
◇議長(大島崇行君) お諮りいたします。
本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(大島崇行君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決し
ました。
本日はこれにて延会いたします。
次の会議は6日午前10時に開きますからご参集お願いします。
本日は大変ご苦労さまでございました。
午後4時17分延会
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