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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成23年第4回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号

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平成23年第4回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第2号
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議事日程 第2号
平成23年 9月 9日(金曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
       ─────────────────────────────
出席議員(21人)
       1番  大島 崇行君      3番  石川 初雄君
       4番  島田 富造君      5番  野村 洋一君
       6番  坂庭 直治君      7番  石井 紘一君
       8番  高柳 勝巳君      9番  井之川博幸君
      10番  大東 宣之君     11番  星野  稔君
      12番  金子 一弥君     13番  山ア 義朗君
      14番  片野 彦一君     15番  大竹 政雄君
      16番  星川嘉一郎君     17番  小野 要二君
      18番  宇敷 和也君     19番  石田 宇平君
      20番  布施辰二郎君     21番  星野佐善太君
      22番  牧野 保好君
欠席議員(なし)
       ─────────────────────────────
説明のため出席した者
市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
白沢町振興局長    木暮  茂君   利根町振興局長    山口 芳久君
総務部長       須藤 一夫君   市民部長       田辺 昇利君
健康福祉部長     黒岩  勉君   経済部長       飯田 敏夫君
都市建設部長     生方 秀二君   総務課長       田村 博史君
会計管理者兼会計局長 松井 玲子君   教 育 長            津久井 勲君
教育部長       水田  修君   庶務課長       増田 雄二君
監査委員事務局長   茂木 一夫君                    
       ─────────────────────────────
議会事務局出席者
     事務局長       星野 喜一    次長兼庶務係長    加藤 英臣 
     議事係長       木暮 保夫    副 主 幹       木榑 聖子
       ──────────────◇──────────────
    午前10時開議
◇議長(大島崇行君) これより本日の会議を開きます。
       ──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(大島崇行君) 日程第1、一般質問を行います。
 通告順序に従い、順次質問を許可いたします。
 最初に、高柳勝巳議員。8番。
〔8番 高柳勝巳君登壇〕
◇8番(高柳勝巳君) おはようございます。通告によりまして、一般質問をさせていただき
ます。私の今回の質問の大きな項目の最初は、通告書に掲載の通り、中心市街地活性化につい
てであります。
 ご存じのとおり、本事業は、議会においても特別委員会を立ち上げ、その基本構想を平成1
1年1月につくり上げ、事業展開を開始して以降、既に12年が経過しています。12年余り
で完了する予定だったこの事業の進展は、関係者の努力にもかかわらず、まことに残念ながら
苦戦を強いられている状況にあります。進捗率では約30%、8つの街区のうち形として見え
てきたのは2街区で、このままの状況では、あと20年かかっても完了しないペースとなり、
今後の行方を危惧する人は私だけではないと思います。
 今回、活性化事業の面的整備を中心としたハード事業である「中心市街地土地区画整理事業」
の延伸を国へ申請すると聞きましたので、この際、市長にこの事業を一定総括し、現在の状態
の評価と課題、そして今後へ向けた方向や手法を含め、「新たな考え」を伺いたいと思います。
 続いて、グリーンベル21の質問に移ります。
 こちらも中心市街地活性化の「商業核」として平成5年にオープンしましたが、その中核で
あったサティの撤退後は、終始守勢の状態になり、現在では空床にまばらに出店があるといっ
た、まことに厳しい状況です。
 昨年、所有権の三井生命持ち分を、メドテックU及びVが取得し、都市開発(株)等と相談を
しながら、いわゆる「逆ざや」の解消を含めた経営改善を取り組んだと聞いています。
 今後を占う重要な取り組みと認識しておりますので、これまでの取り組みの経過について説
明を願います。
 また、この一連の取り組みの成果と課題を踏まえて、今後の進め方への考えを伺います。
 三つ目の質問は、やさしさ・にぎわいの核再提案書の進捗状況などの評価と今後の見通しへ
の市長の見解についてです。
 この再提案書は、平成13年の当初作成したものを、その後の情勢変化などに合わせて見直
しを行い、平成19年に作成したものです。これには中心市街地活性化が達成された時の「姿」
とそれを実現させるための「手法」が記載された、いわば活性化のための設計図であり、道し
るべであると認識しています。先ほど触れた土地区画整理事業も商業施設も、この再提案書に
沿って展開されてきている仕組みと理解しています。
 この提案書では「完了年度」は示されていませんが、永遠に追い求める「理念」に終わらせ
るものでも当然ありません。先ほど質問させていただいた土地区画整理事業も西の商業核施設
も、当初計画に描いていた状況とは大きくかけ離れた実態にあります。
 これまでの延長線上での手法や行程で、「熟度の増したところから」というスタンスで事業
を展開していったのでは目標達成は困難と思われますし、何より本事業に対する市民全体から
の理解やコンセンサスを得ることも難しくなっていくことも危惧されます。
 こうした情勢にあって、この際、市長にこの再提案書の進捗を含めた評価を行っていただき、
その見通しについて見解を求め、「展望のある事業」としてほしいと切に願うものであります。
 次に、大きな項目の2番目の質問で、小水力発電の調査研究の状況と課題について伺います。
 周知のとおり、本市の第五次総合計画のキャッチフレーズは「水と緑の大地 田園空間都市」
であります。これは、本市は単に水と緑に囲まれているだけではないはずです。この水や緑を
「風景や景観」のみならず生活に生かしてこその田園空間都市であるとして、私はこれまで自
然エネルギーの活用について以前にも質問もさせていただいた経過があります。
 経済産業省の試算によると、水力発電に適した河川は全国で約2,700地点あり、大半が
小水力発電向けで、これらの河川全部に水力発電設備を設ければ、発電容量は約計1,200
万キロワットに達し、原発10基分以上に相当するという記事が8月26日付毎日新聞に掲載
されていました。
 食料やエネルギーの課題は、「新たな時代」へ向けた政策転換に来ていると確信しています。
つまり、大量生産を目的として一極集中してコストダウンや効率化を極限まで追求するスタイ
ルは「社会のゆがみと大事故」という大き過ぎる代償を生み出すことが、先の大震災でも浮き
彫りになったのです。
 医療や防災などの基礎的な部門のエネルギーの創出から始めて、地域の特性に合ったエネル
ギーの地産地消体制の確立は、原発のみならず「依存体質脱却」からの第一歩につながってい
くと考えます。
 そこで、そのことを念頭に置きながら、本市でのこれまでの小水力発電の調査研究の状況と
課題について、水道会館で現行、行っている水力発電の実施経過と課題について、さらに平成
14年から取り組まれてきていた「ハイドロバレー計画」の現状と今後への課題について伺い
たいと思います。
 大きな質問項目の最後は放射能汚染対策で、内部被曝の影響を含めた市長の事態認識と見解
についてで、所管に触れますが、関係部署の取り組みの詳細を伺うものではなく、むしろ現在
の取り組みの上に立って、市長として真正面からこの課題に向き合ってほしいという1点にあ
ることと、来年度以降の施策の参考に生かすという時間軸では事放射線対策という課題では手
おくれになる場合もあるということで、お許しをいただきたいと思います。
 本題に入ります。
 この内部被曝の概要を申し上げますと、ストロンチウム、プルトニウムなどの透過性の低い
アルファ線やベータ線を出す物質が鼻や口等から吸入され、体内にとどまり、長期にわたり体
の内部へ直接被曝し続ける状態です。外部被曝の原因となるガンマ線という透過性が高く薄い
コンクリートや鉄などは通り抜けてしまうセシウム等と異なり、ガイガーカウンターなどの計
器で容易に計測できないのも危険な特徴です。
 内部被曝という言葉が、最近になってマスコミ等でもようやく大きく取り上げられるように
なりました。人体の新陳代謝の活発な子供たちや母体へ影響を与えやすいとされ、事態の深刻
さは甚大と言わざるを得ません。
 こうした状況下にあって、政府や関係機関からの情報や対応策は、残念ながら、後に訂正さ
れたり、あいまいな部分が多く、住民の「不安」に十分に答え切れていると言えない実態です。
 国や上部機関からの情報のみに頼らず、独自で情報を入手、精査をして、独自の対応を取り
組んでいる自治体も出てきています。
 ぜひ、沼田市としても「指示や情報待ち」の姿勢でなく、待ったなしのこの課題に主体的に
向き合ってほしいわけですが、市長には、こうしたことへの事態認識と見解を、教育長には、
その影響と今後の対応についてお伺いをし、私の質問といたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、中心市街地活性化について、これまでの成果と課題について、土地区画整理事業の事
業評価と期間延長の課題と今後の進め方への新たな考えについてでありますが、土地区画整理
事業につきましては、平成21年7月31日に、3回目となります仮換地指定を上之町1街区
と2街区の一部において行ったところであります。
 現時点での仮換地指定率は28.1%であり、平成22年度末現在の総事業費ベースでの進
捗率は38.4%であります。
 また、現在進めております事業期間は平成10年度から平成25年度までとなっております
ことから、本年度において事業期間の延伸を踏まえながら計画の変更に向けて具体的な検討を
進めているところであります。
 なお、事業計画の見直しにおいては、公共事業のスピードと目に見える形での早期の事業効
果が求められる中、市の財政状況及び社会資本整備総合交付金制度の動向を見定めながら対応
していきたいと考えております。
 また、今後の進め方につきましても、事業の継続性にかんがみ、引き続き最善の努力を傾注
していきたいと考えております。
 次に、メドテックU及びVと沼田都市開発株式会社によるグリーンベル21の経営改善の取
り組み経過と今後の進め方についてでありますが、三井生命保険株式会社にかわって店舗床共
有持ち分の約85%を保有することとなった合同会社メドテックインベストメントU、及び駐
車場棟の区分所有者となった合同会社メドテックインベストメントVから、区分所有者による
管理組合の設立と沼田都市開発株式会社とのサブリース契約の解消を軸とする提案が行われ、
これに沿ってグリーンベル21の管理運営が進められようとしていることは、昨年12月の全
員協議会でご説明申し上げたとおりであります。
 Aコープ撤退後、ビルへの客足が大きく落ち込み、集客力のあるテナントの早急な誘致が求
められているところでありますが、メドテックインベストメントUでは、グリーンベル21オ
ープン当初に締結された共有店舗床の専用使用計画に基づき、主として核店舗の利用に供する
こととされたみずからの持ち分床について主体的にテナントの誘致を行いたいとの意向が示さ
れ、誘致に向けた活動が行われているところであります。
 一方、沼田都市開発株式会社におきましても、メドテックインベストメントとの協議を踏ま
え、現テナントの管理費負担を軽減するとともに、新たなテナントの出店を容易にするため、
みずからの管理経費はもとより、ビルの警備や維持管理など専門業者に委託している業務につ
いても、適切な水準を維持しつつ可能な限り経費を節減するなど、商業ビルとしての再生に向
けての取り組みを進めようとしているところであります。
 市といたしましても、本市商業の振興及び中心市街地活性化のための重要な施設であります
ので、関係者との連携を密にしながら、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。
 次に、やさしさ・にぎわいの核再提案書の進捗状況などの評価と今後の見通しへの市長の見
解についてでありますが、「やさしさ・にぎわいの核提案書」は、平成19年8月に行政提案
として公表いたしました。
 その後、地元との協議を重ねた結果、平成22年12月28日付で中心市街地活性化の会か
ら意見書が提出されましたが、その内容はおおむね行政提案に沿ったものとなっております。
 行政提案について地元の合意が得られましたことから、今後につきましては、1街区におけ
る建物の移転状況等を踏まえながら、核施設の整備手法等を視野に入れ、事業の推進に向けて
地元とさらに検討・協議を進めてまいりたいと考えております。
 次に、自然エネルギーの導入について、利活用の具体化について、小水力発電の調査研究の
状況と課題についてでありますが、小水力発電所の候補地として、地形的に大きな落差が見込
まれる横塚町の新滝坂川及び柳町の滝坂川の2地点について、平成15年度に財団法人新エネ
ルギー財団により水力開発計画の調査を実施しております。これにより、取水地点、水車の設
置地点及び想定される需要地域の電力消費状況等についての調査検討を行い、関係する経済産
業省、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構及び東京電力株式会社等と協議を行い、
発電施設周辺地の環境調査、発電施設の構造、放水管ルート及び発電施設の建設費用等につい
ても調査検討を行ってまいりました。
 一方、計画河川の流量調査につきましては、最低10カ年程度の調査データが必要とされ、
電力の安定供給のためには必要最小流量の2倍程度の実流量が定常的に確保されることが必要
であることから、現在も各計画地点の流量調査を継続して実施しております。
 課題といたしましては、横塚町の新滝坂川は1級河川であるため、河川法における流水の占
用(水利権)を新規に取得する必要があります。
 また、建設及び維持管理の費用が今後の課題となっております。
 次に、水道会館での水力発電の実施経過と課題についてでありますが、水道会館での水力発
電施設は、年間電気料金の節減を目的に、昭和62年3月に2,140万円の費用を投じて、
白沢町高平の沈砂池から浄水場までの導水管の高低差46.2メートルを利用し、1時間当た
り約500トンの水で、1時間当たり最大出力44キロワットの発電施設として全国に先駆け
て設置したものであり、この発電量は浄水場及び水道会館の年間電力使用量約50万キロワッ
トのうち約6割を賄い、水道事業経営に大きく貢献をしております。
 これからの課題についてでありますが、整備後24年間が経過し、水力発電機器の消耗や導
水管の老朽化など更新時期を迎えており、多額の費用が必要となりますが、日常管理と定期点
検を強化し、計画的に更新を行い、経費節減に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ハイドロバレー計画の現状と今後への課題についてでありますが、水力開発の計画地
点として横塚町、柳町の2地点において、国の推進するハイドロバレー計画開発促進調査によ
り、財団法人新エネルギー財団によって「ハイドロバレー計画策定調査」を平成15年度に実
施いたしました。また、平成16年度には「横塚・柳発電所立地環境調査」を実施し、建設環
境における基礎資料の収集を行ってまいりました。
 計画地点の河川流量につきましては、長期間の観測を要するものであるため、平成15年よ
り継続調査を行ってきておりますが、これまでの調査結果により、水量の変動が大きく不安定
なことや、発電に必要な最小流量を下回ることが多いことが判明したため、平成20年より観
測回数を月1回から月3回にふやし、現在も直営により詳細なデータを蓄積しているところで
あります。河川流量の不安定や減少は、計画河川が都市型河川であるためさまざまな要因が複
合的に関連すると考えられますが、定常的な流量を確保することが電力の安定供給につながる
ことから、今後も流量調査を継続するとともに、計画規模の再検討や、計画地点の変更も視野
に入れた見直し計画の策定が今後の課題となっております。
 次に、放射能汚染対策について、内部被曝を含めた総合的対策について、内部被曝の影響を
含めた市長の事態認識と見解についてでありますが、福島第一原子力発電所の爆発事故に伴う
放射性物質の拡散は広範囲に及び、空間放射線量を初めとするさまざまな測定結果から本市に
も放射性物質が降り注いだことが判明しています。
 今回の事故に伴う放射性物質の人体に及ぼす安全基準は、文部科学省が福島県に通知した
「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量低減について」の中で、学校において児童等が受ける
校庭・園庭の空間放射線量率は、毎時1マイクロシーベルト未満を目安とすることが示されて
います。この基準には内部被曝量も考慮されています。
 市内の小中学校、幼稚園、保育園等においては、群馬県が5月下旬から6月中旬にかけて測
定を行い、すべての施設で基準を下回っております。本市も測定を実施していますが、各地区
でもこの基準を下回っており、測定の指導と計測結果の評価を依頼している群馬県立県民健康
科学大学杉野博士も、本市の放射線量測定結果は健康への影響は心配ないとの評価であります
が、ご指摘のような放射線につきましてはさまざまな情報がありますので、それらの情報を精
査しながら対応していきたいと考えております。
 以上申し上げまして高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、「児童生徒へ
の影響への考え方と今後の対策について」につきましては、教育長から答弁を申し上げますの
で、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
 放射能汚染対策について、内部被曝を含めた総合的対応について、児童生徒への影響への考
え方と今後の対策についてでありますが、県は、5月から6月にかけて、管内の全幼稚園小中
学校を含む全県の教育施設の空間放射線量を測定いたしました。
 また、県教委におきましても、川田小学校を定点として毎週火曜日と金曜日に空間放射線量
の測定をしております。
 さらに、沼田市では、市内7カ所の市有施設と3カ所の都市公園で定期的に空間放射線量の
測定をしております。
 市教委におきましても、市内の小中学校から7校を抽出して、6月20日から隔週で学校プ
ールでの放射性物質の測定を実施しており、その結果につきましては、文部科学省が示しまし
た線量低減策を実施する場合の基準値を下回っており、放射能の児童生徒への影響は、現状で
は心配ない数値であると考えております。
 ただ、放射線は少ないにこしたことはなく、校庭等屋外での活動後には手洗いやうがいを徹
底するなど、今後も対応を継続していきたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇8番(高柳勝巳君) 答弁をいただきましたので、幾つか再質問をさせていただきたいと思
います。
 最初に、土地区画整理事業の課題ですけれども、市長がご答弁のとおり、私のキーワードは
変更とスピードなんです。この変更とスピードという点でもう少し詳しく、そこら辺を頭に入
れて再質問をしたいと思っているんです。
 1回目の答弁で具体的な事業のおくれの原因の分析が答弁されていなかったので、どうして
こんなにかかってしまったのか、まず伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろなことが想定されると思うんですが、まず一つには、国家
の時代背景が当時の計画策定時と大きなうねりがあって、大変地方にとって厳しい財政状況を
強いられることになってしまったことが挙げられると考えております。二つ目は、私は、その
現場、現場ごとに一つの事業展開をするということが望ましいのではないかというのは県会議
員在任中から思っておりました。しかし、この手法が全体を網羅してやるということから、再
三一般質問等でも答弁させてもらってきましたが、既に公有地、すなわち公に使う土地を当初
全体的に買収をするという、こういうことがあったわけであります。したがって、その都度、
その都度事業展開をしていれば、また違った展開になったのではないかと思っております。
 そういった時代の背景と、大きな面積の中に散りばめていくときに、どうしてもその裏づけ
となるところの部分が非常に慎重を要したのではないかというふうに考えております。
◇8番(高柳勝巳君) まず、一つ目の情勢の国レベルの変化、これは恐らく全市民が感じて
いらっしゃると思うんです。ですから、当然今度、予算年度で平成23年の3月31日で切れ
ますから、今度やるときには、市長がおっしゃるとおり、情勢が劇的に変わっちゃったんです
よというのがまず頭に来なければおかしい話なんです。それから、「やさしさの核」もそうで
す。平成19年度には情勢が変わりましたということを言っているわけです。最初の平成11
年につくった当時の中身は、全然違うわけです。これ、平成11年です。こっちの「やさしさ
・にぎわいの核は」、先ほど答弁あったけれども、平成19年につくり直したわけですから、
9年差があって、市長がご答弁のとおり、情勢が大きく変化をしてしまったというのが今度提
出する中の事態認識の中にまずなければいけないと思うんです。同じ手法をやっていると、さ
っきも言ったように、どんどん時だけがたってしまうということだと思います。
 それから、二つ目の、その都度事業展開をしていれば、もう少し先駆的なあれが相乗効果を
得て、だんだんよくなっていくのではないかというご答弁だったと思いますけれども、この辺
の「事業展開されていれば」というところを、もう少し詳しくお伺いできればと思うんですが。
◇市長(星野已喜雄君) 私がこういう市長という立場をいただき、再三、先人の議員の方々
からも本問題についてご質問いただいたときに、「熟度優先」という言葉を使わさせていただ
いてきました。つまるところ、現行の建屋というものがきちんとある中で、それを総体的に開
発のために大きく入れかえるというよりは、むしろその拠点、拠点を確実に予算の範囲の中で
整備をし、一つずつ前進させていく方が、地味でありますけれども確実だったのではないかと
思ったので、申し上げたわけでございます。
 したがいまして、今後もそういう意味では塾度優先ということについては、引き続きそうい
った観点をとらまえていくことが大切なのかなというふうに受けとめております。
◇8番(高柳勝巳君) 先ほども1回目の質問で言いましたけれども、熟度優先というのはメ
リットもあればデメリットもあって、熟度を優先したら全体像に近づくのが遠くなっちゃった
ということもあり得ますし、いろいろとあると思うんです。ですから、少しまた聞きたいと思
うんですけれども、今度は時間軸の問題です。おくれたことによるリスクはどういうふうにお
考えでしょうか。結局、10数年のうちには仕上げましょうとしたものが、いまだ3分の1、
事業費ベースでは若干高くなっていますけれども、めども立っていないということのリスクは
当局としてどういうふうにお考えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) そこのところは非常に難しい要素になろうかと思います。常日ごろ、
この問題について、予算時期でも、あるいはまたいろいろな局面を迎えているときでも、部長、
担当課長、担当係長と本当に内部で、どういうふうに進めていったら前進できるかということ
を考えながら展開しているという経過がございます。新年度予算でも、大型の予算を組まさせ
ていただいております。比較論からいたしますると。そういうことから、市といたしますなら
ば、やれるだけのことはやっているのでありますけれども、市民の側から見れば、なかなか進
展が見られないということから歯がゆい思いもされていることも、これまた事実かと思います。
したがって、そういうことを思いまするときに、先ほど言った時代の背景の変化と、あとリス
クということを一概にこういうことかなというふうに申し上げるのは慎重にならざるを得ない
のでありますが、あいているところの土地の活性化策がやはり望まれるのかなというふうに考
えております。したがいまして、そういった意味のリスクの関係等については、当初描いてき
たいろいろな計画が時代背景とともに、やはりこれは全国的な傾向として、中小の中山間都市
の持っている宿命とも思われる状況が本市にも覆ってきたなということで受けとめさせてもら
っております。
◇8番(高柳勝巳君) わかりました。時代認識は持っているのかなというふうには思ってい
ます。ただ、市民あるいは客観的見地から、これだけ予算を割いてこれだけなのというのは、
ぬぐい切れないのだろうなと思っています。
 先の関係もありますので進ませていただきながらやりたいと思いますけれども、今度の申請
は、率直に言って、何年で幾らぐらいを考えているんですか。
◇市長(星野已喜雄君) 都市建設部長に答弁をいたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
 今回、国に提出することで予定しておりますが、今検討中でございますので、お答えできる
状況にないということでご理解賜りたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 恐らく手続を経ていないということなんだろうと思いますけれども、
今基本的な構想があるけれどもないならいいですけれども、これからするというのでは、来年
の3月31日はもうおととしからるる言われていたわけですから、あるけれどもないのか、全
くこれからなのか、再度いただければと思います。
◇都市建設部長(生方秀二君) お答え申し上げます。
 いろいろな状況を加味しながら県とも協議を重ねて今後やっていくものですから、今のとこ
ろお答えできないというお答えで申し上げたところでございます。ご理解賜りたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 相手があるということで、答えるといろいろ支障があるのだと思いま
すけれども、では推測の話になってしまって恐縮ですが、こちらも具体的な答弁がないので推
測のお話になりますけれども、最初にも言ったとおり、推測で言えば、あと20年は最低でも
かかってしまうわけですね、進捗率から推していった場合に。額で言うと、当初計画150億
円でしたから、50億円使ったので、あと100億円。事業を縮小しますということですから
80億円。それを恐らく、この計画書でいけば、国と市で半分ずつに分けていくということで
す。今2億円から3億円、単年度でかけていますけれども、それで推していった場合に、例え
ば5年で終わらせようと思えば、相当な額を割かなければいけない。相当の額を割くことを市
民全体が納得しなければいけないわけです。倍のスピードにしても、今の額の2億円から3億
円の倍ですから、4億円から6億円というのが年間事業費の中に入ってくるペースにしないと、
推測でしか話ができませんが、できない。そういうことを推測をして今検討中ということでよ
ろしいんでしょうかね。
◇都市建設部長(生方秀二君) 25年度で施行期間、23年度で補助期間ということでござ
いますので、国に対して補助期間の延長を申し出る予定でおります。その関係上、その検討を
しているところだと、こういうことでございますので、ご理解いただきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 次もあるので、それらの中でまた話をしたいなというふうに思います
けれども、大きく変化とこれまでのやり方ではかなり困難性があるということだけははっきり
したので、これはやっぱり、こういう際には市民にもしっかり訴えていく必要が私はあるので
はないかと思います。後でまた聞きます。
 次のメドテックU及びVとの関係で再質問させていただきますけれども、テナント出店を容
易にしてみたりとか検討して取り組みを進めようとしているという答弁ですけれども、一連の
取り組みはもう既に終わったと思うんです。管理組合方式とかサブリース解消の取り組みは一
定終了したわけですよね。それについてどうなのかというのをもう一度伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本事業は、経済部を通して、当然都市開発の関係者、さらに相手方
と言ったらよろしいかと思いますが、そういうところと担当の部・課長がいろいろと水面下で
動いてまいりました。そういった中で、当該者も一生懸命、テナント誘致のために動いてくれ
る。大変僣越でありますが、私どもの課長も、あらゆるところに出向いたり、あるいは連絡と
ったりしている経過がございます。そういうことから、何とかテナント誘致のために今一生懸
命骨を折っているという流れでございます。
 どうしてもこの問題をとらまえたときに、やはり時代の流れからくると、ご承知のとおり、
最近も農協の中央のビルの隣接にインターチェンジがございますが、そこのところに、県内と
言ったらよろしいんでしょうか、大手の店が開設されて、その後、今度は外国資本の店が出店
されまして、結局、大手のそういったお店同士の戦いみたいなことになっていて、中山間地域
のこういった都市における大型店等は、そういった競争の中にもろに巻き込まれていると言っ
てもよろしいのではないかと思います。そういった中で、何とかこういった地域に立脚したと
ころとうまく連携ができる店がないのかということで骨を折らさせてもらっております。
 ご案内のとおり、Aコープが農協系統でありましたので、大変当地区には似合った形でよか
ったのでありますが、事業形態からすれば、どうしても利益が出てこなければ、これは宿命で
ございます。したがいまして、そういう時代をとらまえながら、今双方で努力中であるという
ことを申し上げておきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) これも最後のところでまた聞きますけれども、市長がおっしゃったと
おり、商業ベースだけに任せておけば、今、国際的な競争までいっているんですから、採算が
合わなければ、感情とは別に撤退をするのが商業です。商業だけに任せておくというスタンス
でこれまで私は来たのだというふうに思っていますけれども、何とかして地域に密着した業者
がないのか。私は、先ほどの前提が正しければ、そういうことはあり得ないですよね。不採算
になれば、やめるか倒産するかしかないわけですから。だけど、まちづくりとか行政は、採算
が合わないから切り捨てますという話にならないので、市長に聞いているわけなんです。だか
ら、その方式が商業に任せておいていいんですかねということを最終的に聞きたいわけで。ま
だ今るる検討しているという状態ですよね。去年から半年かけて。私は最後の切り札だと思っ
ていましたけれども、まだ何とかなる余地があるんですかね。テナントの誘致というんですか
ね。逆に解消もされないままですよ。それから、当初提案の管理組合方式も結局はだめだった
わけですよね。ということは、来る方は相当きついわけです。相当きつくしておいて、ぜひ来
てよと言っても、今までは無理で、三井さんですら撤退をしますという状況下で、私は市長が
望むものがそうやすやすと来るというふうには推測できないんですけれども、いかがでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) そうやすやすと来ることは期待できないということを思いつつも、
行政の立場から、現場での商業者等を応援していくということを申し上げているわけでござい
ます。
 また、そこにいろいろな状況から公的な資金を後押しをしていくということまでについては、
今までAコープ誘致のときに相当骨を折ってきた経過もございますし、また当然、個店の誘致
のために、そういった後押しのための予算措置もしてきました。そういういきさつを経ての今
日でありますので、しかも財政状況等も踏まえますと、公的な応援ということになると、現下
のところの中で商業者として頑張っておられる方々に対するところの市がきちんとした応援を
していく、そういう形で展開していくことが大事かなと思っております。
 いずれにいたしましても、非常にこの問題は難しいなというふうに受けとめさせてもらって
おります。
◇8番(高柳勝巳君) ちょっと出たので。では、内部では検討している状態ですよね。4名
の方でしたか、経営検討委員会。検討委員さん、専門家の4名と市では、先ほど言った、これ
以上の資金の応援はしないということも含めて、今の実態はどういうふうに認識していらっし
ゃるのか。相談をしたことがあるのか、ないのか、それを伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 当然、機会があるたびに、当該の先生方にはご相談申し上げてきた
経過がございます。
◇8番(高柳勝巳君) 最近ではじゃあいつだったのか、検討したことが最近いつごろだった
のか再度伺いたいと思いますし、私も前に言いましたけれども、平成20年度の総務省からの
第三セクターへの対応についてという文書も、20年、21年ですかね、出されております。
連帯責任を負わなければいけないので、それには慎重に押しなさいよという文書が届いていて、
それも含めて対応していると思いますけれども、最近いつ、どのような形で検討したのか、そ
れと今の平成20年の総務省の第三セクターへの対応についてをどういうふうに受けとめてい
らっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長の方から答弁をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
 専門の先生方とは本年3月末に検討をしております。これにつきましては、メドテックイン
ベストメントU・Vのこれまでの取得経過後の話をそれぞれ検討する中で、今後のあり方等に
ついてご意見を賜ったところでございます。以上でございます。
◇8番(高柳勝巳君) 3月末の段階で一定の総括をして、まだ取り組みを進めようとしてい
るという事態認識でよろしいのかどうか、確認したいと思います。
◇経済部長(飯田敏夫君) お答え申し上げます。
 その後、新年度に入りましては特にそういった検討と言いますか、先生方との情報交換等は
してございません。以上でございます。
◇8番(高柳勝巳君) 担当のところは本当によくやってくれているなと思いますけれども、
結果としての効果ですからご容赦いただきたいと思いますけれども、メドテックVの方、代表
取締役は3月末でやめたんです。そのときにごあいさつの手紙なんかも来たと思いますけれど
も、テナント出店もかなわず、管理組合方式も進まず、断腸の思いでありますということで、
一身上の都合でやめたというふうに伺っています。ですから、会社の方は、めどが立たなくて
ごめんなさいという話をして、その責任かどうかはわかりませんが、一方の代表取締役はやめ
ていかれたんです。けれども、市はまだ取り組みを進めようとしているというところに差がう
んとあるんです。そこら辺をお伺いしたいんですけれども、市長、どういうふうにとらえたら
いいか、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 市は、どこまでいっても5万数千人の市民のために、公共の福祉の
増進のためにあるわけでございまして、そういった観点から、企業体の私のところの部門がど
ういうことでもって動きがあったとしても、やはりきちんとした姿勢を持って、そして仮にメ
ドテックインベストメントVの方がそうであったとすれば、当然新たな方もおられるのだと思
いますし、そこは企業体の方の努力をこちらの方の立場からすれば促していく、こういうこと
になろうかと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 市は逃げられないということで決意はうかがえました。
 それでは、先ほど聞いたことをもう一度お伺いしますけれども、あくまでじゃあグリーンベ
ル21は商業施設として再活用でいくスタンスなんですかということをお伺いしたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど高柳議員の質問からちょっとお互いに錯誤があったので、訂
正しておわびをしておきたいと思います。私どもの認識ですと、先ほどメドテックインベスト
メントVの方が社長がやめられたと、そういうご質問であったと思いますが、ただいま経済部
長の方からコメントが入りまして、その方は社長でなく担当者であったということでございま
すので、お互いに認識が若干入れ違いがあったかと思いますので、訂正をして、おわびを申し
上げておきたいと思います。
 さて、公の関係のことでありますけれども、ご承知のとおり、いろいろと経済対策も含めて
思い切ったイベント等も入れて、そして何とか活性化のためにということで努力をしてきたと
いうことは、ご案内のとおりでございます。いろいろと公の立場をとらまえたときに、例えば
非常に権利関係の錯綜している状況だとか、あるいはまた公が仮に踏み込んでいくとすると、
現在の空き床を当該者の方から借りる方向のことが考えられるのかなというふうに思っており
ます。したがって、どうしてもあれだけ大きな、2万数千のビルでございますから、しかもそ
れぞれの権利者がおられますので、そういう部分があることが非常に慎重にならざるを得ない
ということが一つありと。よしんば、公が現時点でもって、それでは何らかの形でということ
になった場合には、考えられることは、借りて、その場に市のしかるべき機関を入れていくと
いうことは、これは想定の範疇に入るのかなというふうに思っております。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、前段の部分が非常にデリケートな問題がございまし
て、どうしても個々のことについて、現在のご案内のとおり、個人の方のことについてなかな
か申し上げられないので非常にデリケートなところがあって、まことに申しわけないのであり
ますが、そういうところが市とすると慎重にならざるを得ない部分がありますということだけ
は申し上げておきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 後段の空床を借りることもあり得るというのは、大いに歓迎していき
たいと思います。
 それから、前段の前提条件である権利関係がデリケートだというのは言われて久しいわけで
す。ここで答えてくれとは申し上げませんが、デリケートな部分を当局と市長が先頭になって
やっていかないと具体化しないということですよね、逆に言えば。私はそこのところを期待し
ているんです。本当に市長が本気になって借りることもあり得るので、何とか皆さんしてくれ
ませんか。それで、じゃあ何をするのかといったら、今度聞きますけれども、そこら辺の決意
について一回聞いておきたいと思うんです。
◇市長(星野已喜雄君) 誤解をしてもらっては困るんですが、方法とすれば、そういった借
りるという方法があるのではないのかということで申し上げたので、私が今即座にそういった
方向に動くということで申し上げている立場にはないということをはっきりと申し上げておき
たいと思います。
 やはりどうしてもこの市の立場からすると、公ですから、いろいろと私のところの権利関係
とかいろいろないきさつ等があったときに、これは天下の市民が見守っておりますので、どう
しても一つとしてそこらのところは齟齬を来たすわけにはいきません。したがって、前段申し
上げたとおり、現時点では私の立場でもって頑張っている方々を側面的に部・課を通して応援
していく、そういうスタンスにあります。
 ただ、繰り返し申し上げたいと思うんですけれども、それではよしんば公がという話になっ
たときには、手法とすると、そういうことかなということでございます。
 いずれにしても、権利関係がどうしてもあるということは、もう議員の皆様方はおわかりの
とおり、それを踏み越えた形の行為はなかなかできるわけではございません。そういうことか
ら、非常に慎重になっているということは否めない事実でございます。
 決意のほどはということでありますが、ご承知のとおり、活性化については、やはり大事な
ことでございます。どういった手だてがいいかということになったときには、議員の立場から
すれば面がゆいとは思いますけれども、現時点では一生懸命これを応援させてもらうという形
で来ている経過がございます。その流れの中で、歴史の脈絡の中で、またいろいろなことが想
定されてくるかなというときに、先ほど申し上げた後段のこと等が考えられる選択肢としてあ
るかなというふうに申し上げたわけでございます。
◇8番(高柳勝巳君) 若干慎重になっちゃったので2回目聞かなければよかったなと思いま
すけれども。
 時間もありますので、次に行きながら聞きたいと思います。
 やさしさ・にぎわいの核の再提案書の関係ですけれども、最初にも申し上げたとおり、1街
区の方が少し視覚的にも動いてきているなという形が見えます。やさしさ・にぎわいの核再提
案書ですから、にぎわいの核というのは一定めどがついたという認識で市長、よろしいんでし
ょうか。
◇市長(星野已喜雄君) にぎわいの核は上之町のところの一角でございまして、平成23年
度当初予算、これも非常に内部で財政が厳しい中、皆さん方から見ればどういうふうに映った
かわかりませんけれども、かなり決断した予算措置をさせもらいました。したがって、今大き
く民間の方々の建屋等も動いているので、まずはよかったなというふうな思いを持っておりま
す。せっかく予算措置しても建屋の工事が発注されなければ、地元の経済にも波及してまいり
ません。そういう意味では、民間の方が工事関係者の方々に発注をして、そして工事関係者の
方々が動くことによって経済効果が出てまいりますので、まずはよかったかなというふうに受
けとめております。
 そういった中で、にぎわいの核の関係等については、やや現時点より上の位置になります。
そういうことから、今後も引き続きこれに向かっていくことについては、そういう方向になら
ざるを得ないと思っております。
 ロケーションの状態が状況に応じていろいろな動きがありますのであれですけれども、そう
いう意味では、1街区の現状から見ると、近づいたかなというふうな認識は持っております。
◇8番(高柳勝巳君) 言葉を選んでいるようですが、ここのところ、かなり予算の配分を割
いて、形とはなってきているなという認識にいるんだという答弁だったと思います。
 それで、例えばにぎわいの核が一定めどが立ったとします。皆さん、お客さん、買い物に来
てくださいねという核ですよね、大ざっぱに言うと。けれども、買いに行く人がいなければ、
建物やそういうものがそろっても、お客さんいないわけです。全然時代背景が違うと言われた
当初の基本計画では、やさしさの核が先にできるようになっているんです。時系列でいくと。
それはなぜかというと、お客さんがいないところに店つくってもしようがない。当たり前の話
ですよね。ですから、この前も、やさしさの核を急いでください、これは買い物目的でなくて
も利用する目的があるわけですから、毎日、毎晩、住んでいる人も含めれば、常にそこにいる
わけなんです。ですから、そういったことを整備して、そこにお店をつくれば、お店は自然と
その人が少なからず行くようになるんです。先ににぎわいが、熟度が増したということだから
上之町になったのかもしれませんが、一方をなくせと言っているのではなくて、買いに来るお
客さんを早くしないと、1回目の答弁のとおり、スピード感がないと、市長が言ったように、
つくっても今度は維持が難しくなるわけです。当たり前の話として。ここら辺の考え方はいか
がでしょうかね。
◇市長(星野已喜雄君) 最終的に商業の雌雄を決するのは、経営者のセンスと、先見の明と、
お客さんに対するおもてなしの心等、これが最終的な要因だと思います。私がいろいろと見て
いて思うのは、どんなに間口が狭く、しかも建屋が、大変失礼なことを申し上げるようであり
ますが、古くあったとしても、その中で働く人の生命力と言うんですか、朝に夕に努力を傾注
して働く姿があれば、必ずお客さんは来るというふうに私は信じている一人であります。した
がいまして、華美な門構えをしても、あるいはまたお体裁を整えても、やはり物の内実が伴っ
ていないと、どうしてもお店の活性化はなされていかないのではないかと思っております。し
たがいまして、せっかく公金を使っているわけですから、ぜひ内実ともに実りのあるものにな
っていただきたいというのが市長の率直な願いであります。
 そういった中で、いろいろと議員が心配されておられますけれども、やはり何とか早くしろ
と、そうすると地域の醸成の、前段に戻るんですけれども、熟度が高まっていかないと、予算
を打とうにも打てないわけです。ここのところは宿命だと思います。したがって、議員の立場
からすれば、やさしさの核が早かったのではないかと、こういうご指摘だと思うんですけれど
も、そこに至るまでの経過には、いろいろなことがあります。したがいまして、市の立場から
いたしますと、地権者等を含めて商業者の方々が、あるいはまた当該地区の方々が、そういっ
たことの熱心な先行性が出てまいりますならば、当然それに向かって市は進んでいくというこ
とになろうかと思います。
◇8番(高柳勝巳君) お店を経営する方の精神論を聞いたのではなくて、にぎわいの核とい
うのは観光とご商売を重点とした核ですよねということです。やさしさの核というのは、子育
て、高齢者、障害者まちづくり支援なんです。だから、そういうソフト事業があれば、そこに
ますます加速するんじゃないですかというお話をしたので、ご商売の鉄則は重々承知なんです
が、これを急ぐ理由が、一番先に言ったとおり、変更とスピードがキーワードだというふうに
私はとっていたので、今のままでは、市長、熟度を一生懸命おっしゃいますけれども、それで
は20年たっても見えないというのが容易に推測できちゃうわけです。心配性の私としては。
ですから、そこのところをお伺いしたいんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 土地区画整理事業の宿命がございますよね。換地という。これは、
当然、そこのところにそういった施設をつくる際に当該の地区の方々のご了解がなければ、そ
れが進んでまいりません。したがいまして、土地区画整理事業の宿命をやはりしっかり踏まえ
た形の中で進んでいくと、どうしても地域との合意形成というものが大切になってくるという
ふうに受けとめています。
◇8番(高柳勝巳君) 時間も迫っているので、いささか乱暴になりますけれども、この手法
でいくと厳しくなるので、私はざっくり言いますけれども、やさしさの核をグリーンベル21
の中に体現して、やさしさの核を体現するところを今度は新たな商業施設、身の丈に合った商
業を展開する場というふうに変更して、時間も額も急速に短縮していくという手法を市長は変
更するということは不可能なのでしょうかというのが一番の本心なんですけれども、その辺は
いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でございます。と申しますのは、先ほども申し上げ
ましたとおり、グリーンベルは個人がお持ちなっております。したがって、そこまで到達する
のには、相当なエネルギーと、これまた相当な時間を費やすであろうというのが想像にかたく
ありません。同時に、今度は中町の関係のことについて、当然、地域の合意形成というものが
大事になってくると思います。そういうことから考えると、議員がおっしゃっていることは相
当大変だなというふうに受けとめております。したがいまして、ただいまのご質問には、そう
いう意味では、市民の方々のご意思を体しながら慎重に対応していく必要があるのかなという
ふうに考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 相当大変だということはよくわかりますけれども、そういうことも市
長である星野已喜雄さんにお願いをしたんだということも受けとめていただきたいなというふ
うに思います。
 改めて申しますけれども、この前も言いましたけれども、活性化というのは、原子用語で、
異物同士がぶつかったりまざり合ったりときに発生するエネルギーのことをいうのだそうです。
商業だけしか今、にぎわいの核ですから、ご商売の方々がご商売にとって都合がいい、あるい
はご商売するのにどうかという視点しか入っていない。いわゆる活性化の視点はないんです。
ですから、一般市民も福祉や高齢者、子育てですとか、そういった福祉的視点でまちづくりに
かかわりたいという方々は、私はたくさんいると思うんです。そういった方々も交えて活性化
が初めてしたというふうに思っているので、今後そういった方々のご意見などを聞いていく考
えは、じゃあないですか。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時00分休憩
       ─────────────────────────────
午前11時06分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 活性化の関係から商業と他の、部局と言ったらいいでしょうか、そ
ういったものがいろいろと切磋琢磨し、またいろいろと刺激し合っていくということについて
は、全く同感でございます。昨日も実は県庁に出向く機会がございましたけれども、福祉施設
の方々が、どちらかというとご年配の方々が、紙細工を使ったのれんだとか、紙細工を使った
絵、そういったものがございまして、一般的なところから見るものと違って、ほっとさせるよ
うな状況があって、よしんばこれが商品として出ていったときに、どういう影響あるいはイン
パクトを与えるかなというふうなことを率直に感じました。
 また、ご承知のとおり、ここのところへ来てずっと観光農園の方々が、保育園の方だとか、
あるいはまた幼稚園の方だとか、あるいはまた障害を持つ方をお迎えして、もぎ取りのイベン
トが組まれておりますけれども、これも非常に報道機関からするとインパクトのある一つの流
れになっておって、マスコミ等で報道されているとおりでございます。
 したがいまして、そういった観点から見ますと、商業のところに福祉であるとか環境である
とか、そういった別のセクション、部局がうまくかみ合わされているということは活性化の方
向につながっていくんじゃないかということは、私も同じ考え方でございます。
◇8番(高柳勝巳君) ぜひ急いでいただきたいということと、この項目で最後になります、
ことしの7月25日に、兵庫県明石市です、中心市街地活性化プロジェクトが市民説明会のた
めにつくった資料ですけれども、この中に、形だけ言いますけれども、市役所と商業施設が一
緒に入っていて、さらに明石市はお金があるので260億円ぐらいの事業ですけれども、住む
ための住宅が隣に隣接されている。これは市が、腹をくくって、市民にこういう形でどうだと
いうのを提案したわけです。結果は私は存じ上げませんが。
 ですから、やさしさも含めたところの行政庁舎が入って、商業だけではもう無理ですという
のがこの商工会議所がつくった報告書にも、平成21年3月に、国の事業です、国がお金を出
してくれたと思いますけれども、商工会議所が中心になって精査をして結論を出したわけです
よね、大学の教授なんかも含めて、市長も行かれたと思いますけれども。そういった方々から
しても、もう商業単独での再生は不可能だというふうに言っているのですから、早くやさしさ
の核を具体化して、そこと連結させていかなければ私は難しいと思っているんです。
 大変デリケートで、大変難しいこともわかっています。でも、これまでじゃあ投資してきた
お金は全く無駄になってしまうわけです、できなければ。船をつくっているときに線路ができ
ちゃうようなものですよね。船ができましたと言ったときには、もう道路ができてしまってい
るんですよ。それは全く無駄になってしまうので、市長、そこが理解してもらいたいところな
んですけれども、最後にここの項目で市長のご答弁をいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げたとおり、まず権利関係のことがどうしても目の前
にぶら下がってまいります。これと、議員も今度機会がありましたら、ぜひ参加コストという
議論をご調査いただければと思っておりますが、あることについて今おっしゃっているような
流れが一般的な流れだと思うんです。せっかく投資してきたのに、ここでそれを放置するのは
もったいないのではないか、もっとそれをうまく活用できないか、これが大体一般的な理論の
流れだと思うんです。ところが、そうした方向を展開しても、さらに難しいということが今の
国際情勢の中ではままあるんです。そうすると、どうしてもそういった部分のとらまえ方と、
高柳議員が今おっしゃっているようなとらまえ方も含めて、総体的に見ていかないと選択を誤
るのではないかなというふうに考えております。
 いろいろないきさつから、権利をお持ちの方々も多人数でありますし、そこの中で頑張って
おられる方々もいろいろなご苦労をされているという経過がございます。多くを語りませんけ
れども。そういうことを精査すると、ご提案の趣旨はよくわかりますし、決してそれを否定す
るものではありません。けれども、いろいろな事情を考えると、慎重な検討が必要なのではな
いかなというふうに思っております。
 明石市の関係等については勉強させていただくつもりでございます。
◇8番(高柳勝巳君) では、ぜひ、先ほど言ったコスト論、私も勉強したいと思いますけれ
ども、熟慮しながらもスピード感を持って対応していただきたいというふうに思います。
 自然エネルギーの導入についてに移りたいと思います。
 ご答弁では、小水力発電の調査研究に対しての答弁が横塚と柳町のハイドロバレーに対して
のご答弁だったように受けとめています。ハイドロバレーだけだったんですか、そのほかの検
討というのはしなかったのか、そしてどこがしていたのか、お伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 都市建設部長の方から答弁いたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
 小水力発電につきましては、先ほどの答弁のとおり、検討をずっとしているところでござい
ますけれども、なかなか今のところ難しいということでございますので、よろしくお願いした
いと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 今部長からご答弁いただいたということは、小水力はそちらの方で今
後も検討するということでよろしいでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 今非常に冷静な答弁が出されたわけでありますが、ざっくばらんに
言って、小水力発電というのは、やれればどんどんやっていかなければいけないと思っており
ます。もうそういう時代だと思います。食べ物の地産地消という言葉もありますが、エネルギ
ーも、いよいよ地産地消だと思っております。したがいまして、チャンスがあれば、どんどん
やっていく必要があろうかと思います。
 ただ、ご質問の柳町と横塚の関係だけなのかということになったときに、今まで検討をして
きたところの中核はその二つであったことは率直に申し上げておきたいと思います。
◇8番(高柳勝巳君) 市長がフォローしてくださったので。
 細かいことは抜きにして、幾つか本があると思いますけれども、「自然エネルギーが地域を
変える」という、もう随分前に書かれていた本ですけれども、沼田市のことが載っているんで
す。全国に先駆けて、水道会館で水力発電をして、これが特例として認められたんだそうです。
当時の担当者の固有名詞まで上っていますが、中央省庁に何度も、週に2回ぐらい足を運んで、
本当に特例だけれども、こんなにすばらしいことはないんだということで、説き伏せたわけで
す。そういう熱意を持つために、市長、市長が思っていることを具体化するためには仕組みを
変えなければだめなんです。だから、そこをお伺いしたいんです。
◇市長(星野已喜雄君) 確かに、先人の方が沈砂池の関係と今の久屋原のところとの高低差
があるということから現実にこれの水力発電が実施できたのが、もうさかのぼること何十年も
前になるということで、まさに先見の明だったと思います。
 そういった中で、ハイドロバレー関係から来るところから、落差のあるところを拠点にとら
まえたという経過がございます。したがいまして、そういう意味では、チャンスがあるところ
については一生懸命取り組んでいかなければいけないというもう時代だなというふうに受けと
めております。したがいまして、いろいろな意味で、こういったところがあるというようなこ
とがあったりすれば、どんどんご示唆をいただいたり、つまるところ水利権の問題等が出てく
るので、1級河川ならば、そういったところにいろいろと協議をしなければなりません。たま
たまこの水道会館の場合は、申し上げるまでもなく、水利権は沼田市が持っていたということ
から、そういったところの問題はなかったと、こういうことになりましょうか。
◇8番(高柳勝巳君) 先ほど水利権の話も出ました。技術的な問題も出ました。そういうの
を率先して調べていったり法的な整合性を持たせたりという研究をする組織が市にないから、
いつになっても具体化しないのではないかと思うんです。市長がそこまでおっしゃってくれて
いるのであれば、やはりそういう部署をつくらなければ、ほかの部署は、実施にまでいってい
るところは、恐らくその体制をつくったからできているんだと思うんです。だから、決意があ
ったら、それを具体化しなければ意味がないので、どこかにじゃあおつくりいただけるのでし
ょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 組織の問題になります。同時に、組織は、ご案内のとおり、ずっと
行財政改革をやってきて、前年対比、職員の方を右肩上がりにするということには、内外の諸
情勢から、なかなかできません。そうなると、どこかのセクションのところの部分をそういっ
たところに向かっていくふうにしていく、もしくはどこかの部局の担当のところを廃止して、
そして新しくそういったものを突っ込んでいく、こういうことに結論から言えばなります。し
たがって、時代の流れが非常に今、例の大震災以降、エネルギーの供給源のことについては大
変関心が持たれていることでありますので、今後検討していかなければいけないと考えており
ます。
◇8番(高柳勝巳君) 今行財政改革中だということで、それが本当に難しいんだということ
も一定、私も理解をしているつもりです。でも、今やれているところはあるわけです。実施で
きているところはあるわけで、そこら辺のところも含めて学ばなければ、水利権の問題も落差
の問題も適地を探すことも私は難しいと思います。もちろん市民の立場から「こういう場所が
あるよ」「こういう場所を研究してみてよ」は言いますけれども、市としてそれを受けとめる
器がなければ研究だけでずっと終わっちゃって、沼田市研究所になってしまうわけです。です
から、そうじゃなくて具体化をしなければいけないので、そこをお伺いしたいわけです。
 時間がないので。国の方もそうなんですけれども、農林水産省、環境省、経済産業省にまた
がっているんです、エネルギーだとか発電だとかというのは。今、国が行財政の関係で戦略会
議というのができました。いろいろ今揺れているわけなんですけれども、そこが主催をして、
今後のエネルギー政策に関する有識者会議というのを立ち上げたんです。そこには今言った3
大臣が、それぞれの立場でエネルギー問題についてどうするかということを、同席をして一緒
に考えているんです。農林水産畑ではこういうことが考えられます、経済産業とすればこうい
うことが考えられますということを分析して、一本化したところが何か具体的になっていくわ
けです。そういう仕組みにしない限りは私は具体化しないと思いますし、先ほどの水利権も、
微々たるものかもしれませんが、今それに沿ってどんどん見直しが行われています。売電価格
の問題はマスコミ等で言われているとおりですけれども。水利権の問題も随分寛容になってい
るところだとか、そういうふうにしようという動きは当然出てきているわけなんです。何もし
なければ、そういう情報すら集中できないわけなので、そこら辺のところを、くどいようです
が、市長が変えると言ってくれれば、私はとやかく言うつもりはないので、もう一回ご答弁い
ただければありがたいです。
◇市長(星野已喜雄君) 変えるというのがどういう意味なのか、なかなか受けとめが難しい
のでありますが、いずれにしても、きょう皮切りにした一般質問の中で、これからもいろいろ
とエネルギー問題のことについては各議員からご質問があろうかと思いますが、基本的に自然
エネルギーに対しての前向きな検討、あるいはできれば自前でできるなら自前でというような
流れに行かざるを得ないという、これは問題提起が国全体を覆っているわけです。そうすると、
うちとすればどういうチャンスなり可能性があるのかということについては、一生懸命、本当
に真剣に取り組んでいかなければいけないと思います。したがいまして、今後、そういう意味
では、議員の意を体した形の中で考えていく必要があるのではないか、こんなふうに考えてい
ます。
◇8番(高柳勝巳君) それでは、どこかに何かができるということで、あるいは責任を持っ
たところができるということで理解したいと思います。
 ここの本にもう一つ書いてあるのが、終戦当時は電力が足りなかったので、中山間地域にも
たくさん電力をつくってもらいたいというのが当時法律としてあったんです。議員立法で。1
952年に農村漁村電気導入促進法というのがあって、特に中国地方なんかは水力発電が盛ん
にその法律に沿ってつくられたんですが、ご存じのとおり、だんだん一極集中化をしようとい
う流れの中で、地域のそういう事業が衰退していった経過があるんです。私は、乱暴に言うと、
その流れをもう一回戻していくことがここの一連の中で必要なんだというふうに考えています
ので、国の方もそういう状況下にあるということを再度市長に認識をしていただいて、ぜひ目
に見える形で、ああ、これが進んで、ここに進んでいくんだなということがぜひ見えるような
形でお願いをしたいと思います。
 時間がないので、最後の項目に入りたいと思います。要請だけしておいて、最後の放射線の
問題です。
 内部被曝の問題です。これは、杉野教授も今は心配ないという答弁だけれども、できる限り
のことはしていくというご答弁で、それから空中にある放射線量も、測定しているのも内部被
曝も含まれていますよと、こういうご答弁だったろうなというふうに思いますけれども、この
間も静岡と千葉のお茶が基準値が漏れていました。それから、国の機関で求められていた機関
が、原発発生当時、安定ヨウ素を飲ましておいた方がよかったということを公式に言い始めた
り、情報と考え方、基準がどんどん日を追うごとに変わってしまうんです。ですから、杉野さ
んではないと思いますが、国が言うことが、「文部科学省が」とか「厚生労働省が」と言いま
すけれども、それが絶対ではないんだという認識は持っていただいた方がいいかなと思うんで
すけれども、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 難しい質問ですよね。どちらかというと技術的な職員は、土木工学
とか建築工学の職員は、歴史的にいるんです。ところが化学だとか、あるいは今度のようなハ
イテクノクラートのような専門家を職員として採用してきたという経過はありません。よしん
ば群馬県の中でも基礎自治体では、そういう意味では、そういう流れだと思います。ただ、群
馬県はいろいろな研究所等を持っているので、私も県にお世話になっていた経過もありますの
で、例えば薬務課長さんが薬剤師の先生がなっていたり、医務課長がお医者さんがなっていた
りということがあるんですけれども、一般的な流れからすると、基礎自治体でなかなかそこの
あたりを分析できる方がいない。そうなると、どうしても上位の機関、簡潔に言えば群馬県と
か厚生労働省等の部局にどうしても頼らざるを得ないという現実がございます。
 したがって、そういう意味では、議員は、そういった機関のこともさることながら自前でも
っと考えろと、こういう理論展開だと思いますけれども、現時点では、うちの立場からすると、
そういった指導機関の部分を仰いでいくということが現実的な対応になるかと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) けさの朝日ですけれども、海の放射線量が1.5京ベクレルというの
が1面に出ていました。これは、調べるのに時間が恐らくかかったということも含まれていま
すけれども、そうすると水産物はどうなんですかという話になって、中国ではイカを自分で捕
獲して調べたら日本の暫定基準値よりも高かったというのが出ていて、外国の方が海洋汚染に
ついては高い関心を示しているんです。そこから日本に情報が入ってきて、それも調べてもら
わないと危ないよねと、こういう話になっているんです。
 そうすると、国やどこかが安全だと言っても心配でしようがないという状態が続いて、風評
被害になるんだと思うんです。それを抑えるために、自分のところで研究要員を全部雇ってく
れといったら、これはえらい騒ぎになります。どこかを信用して、そのデータを仕入れなけれ
ばいけないと思うんです。はっきり申し上げて、推進をして、そんなに心配ないという学者の
皆さんと、とっても心配ですという学者の皆さんがいらっしゃいます。私は、とっても心配で
すということをまず信用して事に発しなければ、「ああ、あのときね」というのが起きるんじ
ゃないですかということをまず市長に持ってもらいたいということなんですけれども。
◇市長(星野已喜雄君) 難しい質問ですね。基礎自治体の立場からすると、指導機関的なと
ころ、これは群馬県当局になります。そういったことから、どうしてもそういった方々のご意
見等を承る形の中で、あるいはまたご指導いただく中で進めてまいりました。
 時々、議員はどういう立場で物を申されているかこちらの方では率直なところ理解できない
ところがありますが、確かにオーソドックスなマスコミ関係もあれば、売らんがためのマスコ
ミもあったりいたします。そうすると、売らんがためのマスコミ報道等は、かなり際どいこと
が出てくる場合が多いですよね。そこのところは冷静に判断しないと間違った方向に行ってし
まうのかなというふうに受けとめております。
 したがいまして、そういう意味では、今議員がおっしゃっているようなことにもきちんと目
配りをしながら、市とすればオーソドックスな正攻法の対応がやはり大切なのかなというふう
に思っております。
◇8番(高柳勝巳君) では、繰り返しになりますけれども、結果的にこうでしたねというコ
メントや情報が流れてくるということに対しては市長はどういうふうにお考えなのかというこ
とを率直にお伺いしたいと思うんです。「ああ、あのときやっておけばよかったな」というの
が国の専門機関をして、安定ヨウ素の問題だとか実はストロンチウムが太平洋の中から基準値
を超えるのが出てしまいましたとかというのは、後から出てくるわけです。そういうことにつ
いては、先ほど市長のスタンスは聞きましたけれども、そういうことに対する心配というのは
市長はどういうふうにお考えですかね。
◇市長(星野已喜雄君) 繰り返し申し上げますが、大変難しい質問でございます。一応そう
いった、ある意味においては、議員のご質問はきっと、私の方で仄聞させていただきますと、
危機管理の頻度を高く目線を持ってかかれということになると思うんです。つまり、オーソド
ックスなやり方をしても、実は際どいところではもっと別な何かがあらわれるかもしれないぞ
と。そういったことについての対応だって一朝有事のときに考えておく必要があるのではない
か、準備を怠りなくしておけと、こういうことだと思います。
 私どもからいたしますと、そういうことにも目配りをしながらオーソドックスなやり方を展
開してきた経過がございます。きょうご指摘されましたので、そちらの方についてもいろいろ
と配慮しながら今後の対応に処していく必要があるかなというふうに考えております。
◇8番(高柳勝巳君) スタンスはオーソドックスに、目線は危機管理へということなんだろ
うなというふうに思います。さらに危機管理の方に比重を事この件に関しては移していただき
たいし、環境課だけの対応ではなく、あらゆる情報を得て、このことの怖さと言うんですか、
組織として受けとめていただきたいというのが私の、細かいことを言うと切りがないんですけ
れども、切なる願いなので、所管ではありますが市長に考え方をお伺いしたという経過がござ
いますので、ぜひその辺については再度ご理解をいただければ幸いかなというふうに考えてい
ます。
 それから、この影響です。すぐに影響は出ないということがまたつらいところなんです。最
短でも2年。一般的には5年後から内部被曝の被害というのは出てくる。潜伏期間があります
から。そのときに後悔しても遅いんだということは再度認識していただければありがたいです。
来ないからいいよねと言って、出てしまいました。恐らく国は、たばこを吸っていていてもそ
れだけの被害が出るんですよ、だから単に運が悪かったんですよというふうにしてしまいそう
ですよね、このままいくと。そうじゃなくて、今でもちゃんと資料をとっておけば放射線との
因果関係ははっきりわかるわけなんで、そのためにもぜひアンテナを立てて具体的対策をとっ
てもらいたいということなんです。その辺についての考えをもう一度お伺いできればと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 今回の放射能対策というのは本当に難しいなというふうに日々頭を
痛めております。おっしゃるとおり、どこに何が発生するかわからないということ。しかも、
物理的なものがなかなか見えないということ。したがいまして、そういう意味では、適切な情
報とそれに対する的確な対応、つまるところ冷静な判断が求められてくると思います。したが
いまして、できるだけそういったことの対応等については意を尽くしていかなければならない
と考えております。
◇8番(高柳勝巳君) では具体的にということになると所管になるので、これは答弁をあえ
て求めませんけれども、これは保守系のある議員さんのブログに出ていますけれども、もう少
し真剣に国は放射線量をはかって対応しなさいよという趣旨のことが書いてありますけれども、
ボディホールカウンターという、これはガンマ線を中心に検査する機械ですが、全国で32台
しかない。それをもっと活用して、文部科学省はできない理由はないとおっしゃっているので、
ガンマ線から推測してベータ線、アルファ線の推量をはかるわけです。これは福島県は当然、
30年間やっていくという中の一部に据えているわけです。それから、広島県でも、福島から
の被災者は独自でこれをさせてあげますということを言っています。それから、二本松市とい
う市は、独自で基準値を設けて、子供さんや妊婦さんなんかには健康調査を始めているんです。
これは国の指示じゃないんです。地方自治体がみずから判断して、基準を設けて、特に小さい
お子さん方のために対応しているんですが、そういったことについての考え方を率直に、これ
は国に対してどうのこうのでなくて、お伺いできればと思うんですが。
◇市長(星野已喜雄君) 基礎自治体の皆さん方がそういった非常に高度な機械を使ったり、
あるいは対応していることについては、敬意を表しているところでございます。
 本市といたしますならば、そういったことにまた学び、一歩でも近づけるようにしていかな
ければいけないかなというふうに考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 今はアルファ線を推測するのに、先ほど言いましたけれども、ガイガ
ーカウンターに出づらいわけです。それを推測するのに、後でわかることですけれども、毛髪
や爪、尿なんかで、事後ですけれども、これはわかるということも言われているので、健康検
査などでぜひそこら辺を一読していただいて、生かしていただければありがたいなということ
を申し上げて、教育長にお伺いしたいと思います。プールやいろいろな取り組みを具体的に取
り組んでいるということは、よくわかりました。そのほかに学校給食の食材の問題だとか校庭
の除染への対応ということについて、もう少しお伺いできればと思います、教育長に。
◇教育長(津久井 勲君) 給食センターの食材の関係でありますけれども、これは市その他
における産地の調査等を参考にさせていただいておりますので、現状、安全だということで進
めさせていただいております。
 今後の除染については、先ほどの市長答弁に加えて、国から特に福島県知事また福島県関係
の諸団体に出された通知を参考にせよという国の指導があります。基本的には私の先ほどの答
弁の言葉をそのまま使えば、放射能・放射線は少なければ少ない方がいいということがありま
すから、その方向で、国はいろいろな基準等を示しておりますけれども、究極、そういうこと
になると思います。ただ、現状でどういうことが可能なのか、またどういうことを先んじてや
らなければならないか等々を整理して、先ほどの市長の答弁にあったとおり、あまたの情報が
錯綜している中で、一市民が、また一教育委員会が、みずから風評をつくるような情報の収集
整理はできない。能力的にもできない、また当然財政的にもできない、人的にもできないとい
うことでありますので、言葉を返すようで恐縮でありますけれども、国の指導がかなり、この
夏休み後、いわゆる3月11日以降8月末日ごろまでの対応と、そこをかなり整理されて、私
が申し上げても、かなり具体的な事例、例えば除染の仕方のノウハウまで含めて、いろいろ指
導がありますので、基本的にはその指導の方向で対応していきたいと考えております。以上で
す。
◇8番(高柳勝巳君) 今度、周知、それから最近では学習をしていくんだと、放射能という
問題を、教育の場で学習していく、あるいはご父兄の方々に周知をしていくということについ
ての考えがあれば、お伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 基本的には従前やってきたわけですけれども、このところ学校の
教科の学習等においては若干軽くと言いますか、どっちか外されたりしていたわけですけれど
も、今度の学習指導要領の改定、改定されると当然教科書も改定されるわけでありますけれど
も、昨年度小学校、来年度からは中学校の教科書が新たな教科書に改定されてきます。そうい
う中での扱いは、当然、放射能・放射線等についての学習が重視されてきているということは
あります。それから、それに伴って今のいろいろな課題が一保護者また一市民まで行き渡って
おりますので、学校教育、例えば義務教育課程の子供たちと、学校としては、どちらかといえ
ば子供たちの学習を通じる中で、おこがましい言い方ではありますけれども、保護者の皆さん
にも啓発、指導、助言できることがあればしていきたいなと、そんな考え方はあります。これ
は少なくとも教科の学習のみならず学校教育活動のすべての場面において、この問題は表に出
していかなければならない。教科書に載っているからやる、載っていないからやるというレベ
ルを越えなくてはいけない、そんなふうに考えております。以上です。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
 新聞の記事ですけれども、子供に葉っぱに触るなとか草笛を吹かせてあげられない悲しさと
いうことをこの間コラムかなんかで読みましたけれども、本当に今そういうことです。それで、
今は親から子供に指示が出ているんですけれども、私は、もっと言ってしまえば、教育長がお
っしゃるとおり、子供から親へ、「いや、これだけじゃまだ本当は危ないんだよ」とか「こう
すれば大丈夫なんだよ」ということが子供から伝わるような形でぜひ伝えていってほしいし、
とりもなおさず、その方々が大人になるにつれて放射線による被害も出てくるんだということ
なんです。ですから、ぜひ教育の現場でそういったことを強化していただきたいというふうに
思います。
 最後に、教育長、市長も同じなんですけれども、これは正確さは変わるかもしれませんけれ
ども、「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」というのがあるんです。インターネ
ットで引くと簡単に出ますけれども。これ比較をしますと、簡単に言うと、外国から放射線量
が含まれている物質を輸入する基準よりも今の日本の暫定基準値というのは高い。事子供に関
しては倍高い。これは思想とか信条ではなく、単位をそろえるだけではっきりしちゃうわけで
す。WHOの基準なんかよりも全然高いし、日本が輸入するときよりも高い暫定値なんです、
今の基準は。何でかというと、すぐに消えるからということが前提だったわけです。少なから
ず第2ステップに行くまでが来年の1月、第3ステップはどこまでいってもわからないという
状態ですから、暫定じゃなくなっていくんです、基本的に。暫定というのは、終わるから、そ
れまでの間の基準なんです。これがずっとあるということは、この国際基準を超えた状態が日
本ではずっと続くということなんです。ですから、教育長がおっしゃる「少なければ少ない方
がいい」というのは間違いないことなので、ぜひそういった点も調べていただいて。これはも
っと小さい子になれば所管になってしまいますけれども、教育の現場なんかでも参考にしてい
ただければありがたいと思うんですが、その辺についてのお考え方をもう一度お伺いできれば
と思います。
◇教育長(津久井 勲君) 私の知らない部分までご指導いただいて、本当に感謝申し上げま
す。先ほどの市ではありませんけれども、なかなか専門的な、かなり高度な専門性を要すると
いうことがありますので、またいろいろと勉強させていただいて、やはり子供は国の宝、命で
ありますので、私もその教育の一端を担うということでありますので責任を重々感じておりま
す。英知を結集して、また国、県等の、またさらには専門機関等の情報を収集、またご指導を
受けながら、現時点において最善を尽くしたい、そんなふうに考えておりますので、今後とも
ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。以上です。
◇8番(高柳勝巳君) 大変ありがとうございました。
 市長に最後にお伺いします。地域主権ということは、国の判断基準を待たずして、みずから
が国に発信していくということだと思っています。国は地方分権といって、くれてやると言っ
ていることなんです。でなくて、これからは地方から発信して国を動かす時代だと思っている
ので、中心市街地も小水力発電も放射能汚染の対応も地方が国を動かすんだという決意でぜひ
取り組んでいただきたいと思いますが、最後に市長の決意をお伺いし、私の質問を閉じたいと
思います。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろなご示唆をいただいた質問がございました。江戸時代の反
体制のところの部分を日本史等で勉強したときに、私どもが勉強したときには、それが封建体
制で、決してよろしくない制度であるというふうな受けとめ方をしながら子供のころを過ごし
たことが記憶にあります。しかしながら、一方において、今になってみると、その時代こそ、
自分たちのエリアのことは自分たちで考えるんだという時代であったということが各方面のと
ころから出ておりまして、そういう意味では、かつての歴史に地域主権なるものの部分のヒン
トが随分あったなと思っております。
 したがいまして、今後もそういったところ等を含めていろいろと研究をさせていただき、未
来に向かっての地域主権に当たって、私ども市職員が一丸となって公共の福祉増進のために頑
張っていく必要があるのではないかと思っておりますので、今後ともよろしくお願いをしたい
と思います。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、大竹政雄議員。15番。
〔15番 大竹政雄君登壇〕
◇15番(大竹政雄君) それでは、通告に従い一般質問を行います。
 先日、野田総理大臣が誕生し、内閣も新しくなりました。震災を初め、原発や外交問題、沖
縄基地問題、そして電力不足と円高で経済界に与える諸問題等、課題が山積みしているようで
すが、私たちにとってみれば、与野党を問わずすべての国会議員が協力して、日本の元気を取
り戻すような国政に期待したいと思います。
 さて、今年は、3月11日の東日本大震災、そして全国的な豪雨、さらには台風12号と、
連続して大きな災害が発生しました。災害対策は、各地域でいろいろな検討がされているにも
かかわらず、先日の台風12号も100名を超える死亡・行方不明者が出ました。ここ数年、
自然災害は、必ず多くの犠牲者、そして建物や農作物等にも多大の損害が発生しております。
地震災害や地球温暖化現象による災害は、これからもふえていくものと言われております。市
民生活の安全のため、災害対策はこれからもなお一層の取り組みをお願いしておきたいと思い
ます。
 さて、沼田市も厳しい財政状況の中、高齢化問題を初め、少子化や子育て支援、街なか対策、
若者の就業問題、さらには行財政改革等々、ますます厳しい行政運営が想定されるところであ
ります。私たちもさきの選挙において、福祉の向上や教育問題そして地域活性化等に取り組む
約束をしてきました。これからも市民のために微力ながら議員としての役目を果たしていきた
いと思います。
 それでは、今回、市民の意見の中で身近なものから質問をさせていただきます。
 まず、働く場所の創設について、生活道路網の整備について、仮称利南運動公園の整備計画
及び公園内の運動施設対策についての3点、そして災害対策の検討事項について、質問をさせ
ていただきます。
 初めに、働く場所の創設についてお伺いをいたします。
 東日本の震災から、原発問題や計画停電の為、関東地方から他の地方に生産のウエートを移
しているという企業もあるようです。若い人たちの働く場所がなく、大きな課題を抱えている
沼田市も、これから先、企業誘致もますます厳しい状況のように感じています。
 しかし、働く場所の創設というのは、大きな課題であることは言うまでもありません。平成
21年9月議会において質問した時に、市長は大変な重要なことなので心して対応を考えてい
くと答弁をされました。これから先、市長はどのように取り組もうとしているのかお伺いをい
たします。
 次に、生活道路網の整備についてお伺いいたします。
 分権一括法において、地方自治体の検討が必要と考えられるものから、道路構造の技術的基
準は、その地域に即した構造基準を検討すべきとありました。そして新分権一括法の議会の中
で、なぜ『標準基準』のままなのか、例外的状況はないのか、また独自の基準(政策)はない
のか、そして従う基準と異なった基準を条例化することをなぜしないのかという議論もされて
いるようです。この法律も、施行されてから、地方はなかなか進んでいない状況も聞いてきま
した。
 以前から質問をしてきた狭隘道路の関係は一昨年より徐々に進んでいますので、30年から
50年後は間違いなく4m未満の道路はなくなり、市民にとって住みやすい安全な住宅地にな
っていくものと思います。
 しかし、市民から、自転車・歩行者道の整備を県道では少しずつ進んで、側溝の甲ふた等を
撤去し、コンクリート舗装になり、非常に歩きやすくなっているのに、市道はそういった修繕
等はしないのですか、また特に狭い道路では甲ふたの上を車が通ると音や振動に悩まされてい
る人たちから何とかならないのかとよく言われます。平成19年の9月に質問をしたときに、
市長は、市民が安心して歩き憩える場所として、住宅地と公園・街なか等を結ぶ自転車・歩行
者道の整備や、段差の解消、歩道面の凸凹の解消などバリアフリー化についても研究していく
と答弁されました。その後どのような研究をされてきたのか、市長にお伺いをいたします。
 次に、仮称利南運動公園についてお伺いをいたします。
 国も、次年度社会保障費が1兆円以上昨年より見込まれる中で、概算要求10%削減を打ち
出しています。当然のごとく地方にも厳しくなると予想される中で、計画どおりの運動公園整
備はますます困難であると感じていますが、まずこの点について市長としての見解をお伺いい
たします。
 そして、以前公園長期整備構想の中で質問をした時に、野球場、テニスコートの新しい展開
は財政状況からなかなか難しく、現行のところのものも重要視していかなければならない、先
々の状況も踏まえて検討すると答弁されました。仮称利南運動公園並びに現状の沼田公園につ
いて、検討されてきたことについて市長の見解をお伺いいたします。
 次に、私ども2回ほど自治政策講座を受けてきましたが、やはり今年は震災の関係から命を
守る自治体の役割等の内容が多く、いろいろな観点から研究が進められており、各自治体もこ
の機会に検討すべきことはたくさんあるように感じてきたところであります。
 中でも、今回被災された方から、義援金について、当然のごとく生活緊急支援費として配分
されるものと思っていましたが、国の制度が義援金の支給は物損によって決めているので、調
査に時間がかかり、いまだに支給がなく困っている地域もあると聞きました。
 また、仮設住宅は1戸当たり建設と除去費で400万円、生活緊急支援費が300万円と決
まっているようです。そして使用期間も一定期間が決められ、その後はどうなるのか被災者に
とって大きな負担となっているようです。仮設住宅はつくって壊すのですから、廃棄物が出る
だけで、何のメリットもありません。それならば、国と県、市で500万円程度を各家庭に補
助や貸し出しができれば合計で1,200万円になり、それなりの住宅建設は可能となり、被
災者にとって住宅の不安の解消になるものと思います。
 このような問題は、地方自治体で避難生活の基準を想定し、義援金配分や住宅建設に対する
補助制度を率先してつくる必要があると思いますが、市長の見解をお伺いし、1回目の質問と
いたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、行政運営について、経済対策について、働く場所の創設についてでありますが、本年
7月の沼田公共職業安定所管内における有効求人倍率は0.72で、前月比0.06ポイント
の増、前年同月比では0.05ポイントの増となっており、若干の改善が見られるものの、新
規求人数456人のうちパートタイムが291人で、このうち農林漁業のパートが79人を占
め、農産物の収穫など季節的な雇用が下支えとなっている地域の特殊な状況がわかります。
 また、本年3月に高校を卒業した就職者は163人で、利根沼田管内は110人となってお
り、地元での就職が非常に難しくなっている様子がうかがわれます。
 就労の場を確保することは市民生活の安定と地域の発展にとって欠かすことのできないもの
であり、本年4月から、沼田沼須産業団地への進出企業に対する用地取得助成金と雇用促進助
成金を創設するとともに企業誘致の体制整備を行ったところでありますが、こうした優遇施策
とともに、本市の自然環境や特長をアピールしながら、誘致につなげていきたいと考えており
ます。
 また、福島第一原子力発電所の事故を受けて自然エネルギーへの転換が叫ばれ、大規模太陽
光発電所、いわゆるメガソーラーの建設が注目を集めていますが、全国的に見ても日照時間が
長い本市も有力な候補地となり得ると考えております。
 議員ご指摘のとおり、計画停電が企業の生産活動や立地動向に大きく影響しており、当分の
間こうした状況が続くことが予想されますが、地域内で安定的な電力供給が確保されることに
より製造業などの立地の可能性も広がることが期待されますので、今後こうした面からも研究
していきたいと考えているところであります。
 長引く不況からようやく明るい兆しが見え始めたやさきの東日本大震災と、これに続く急激
な円高の進行により、企業の投資意欲は減退しており、生産拠点の海外移転なども取りざたさ
れておりますが、優良企業の誘致は、雇用の創出とともに関連企業の誘致や地元企業との取り
引き拡大など、さまざまなメリットが期待されますので、引き続き積極的に取り組んでまいり
たいと考えております。
 次に、安心安全なまちづくりについて、生活道路網の整備についてでありますが、市民生活
に最も身近な生活道路については、地域の実情に配慮しながら危険箇所の解消を図るとともに、
通学路などにおける歩道整備や街路灯の設置による安全で快適な生活道路の形成に努めてきて
おります。近年においても、側溝ふた交換、歩道改修、防護さく設置及びカーブミラー設置等
を行ってきておりますが、いまだ改修整備の必要路線がありますので、今後とも計画的に生活
道路網の整備を図っていきたいと考えております。
 次に、運動施設対策について、仮称利南運動公園の整備計画及び沼田公園内の運動施設につ
いてでありますが、(仮称)利南運動広場の整備計画につきましては、野球場、テニスコート
及びその他附帯施設を整備し、スポーツ広場としての市民のスポーツ振興及び健康増進等を目
的としているところであります。しかしながら、現下の大変厳しい財政状況から事業の進捗を
図ることができないため、現在は、教育委員会が維持管理を行っているところであります。
 今後につきましても、整備計画の推進に向け、慎重に検討を行っていきたいと考えておりま
す。
 また、沼田公園内の運動施設につきましては、都市公園内の運動施設として、野球場、テニ
スコート、沼田小学校講堂記念体育館及び沼田武道場がありますが、老朽化に伴う修繕等は必
要に応じて実施し、利用に支障が出ないよう対応を図っているところであります。
 今後、これらの既存施設の維持、整備につきましては、(仮称)利南運動広場の整備計画と
の兼ね合いも十分勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、災害対策について、災害対策の検討事項についてでありますが、国内外から日本赤十
字社等に寄せられた東日本大震災の義援金は、まず被災都道県に送金され、各都道県の義援金
配分委員会で被災者への配布基準が定められ、その上で市町村を通じて被災者の手元に届けら
れます。また、被災県では、仮設住宅設置にかわり民間賃貸住宅の借り上げによる被災者への
住宅提供などの対応がなされていると伺っております。
 ご質問の、災害時における復旧・復興に関する補助制度につきましては、現行の枠組みであ
る被災者生活再建支援法に基づく応急支援制度や日本赤十字社による義援金の配分制度もあり
ますが、財源が確保されることの前提があるなら、災害時における被災者生活再建に向けた有
効な施策であると考えております。
 以上申し上げまして、大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前12時00分休憩
       ─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇15番(大竹政雄君) それでは、午前中に答弁をいただきました。再質問をさせていただ
きたいと思います。
 まず、働き場所の創設ということで今回も質問を出してきたわけでありますけれども、なか
なか具体的なものが返ってこなかったというのが第一印象であります。今の現状ではなくて、
私は働く場所をどうつくっていくんだということを聞きたいわけで、今の現状が非常に大変な
時期になりました、この震災で。特に失業率も高くなってきた、あるいはいろいろな会社がリ
ストラを計画している等々がたくさん載っているんです。そういった社会情勢の中だからこれ
からどうするんですかということを私は聞きたいということで今ここにいるわけでありますけ
れども、どうもその辺のところが何となくちぐはぐにはぐらかされて、具体的には何もなかっ
た。そして、最後には積極的に取り組んでいきますよと言ったって、何をどういうふうに取り
組むんですかということになるわけでありまして、もうちょっと具体的に何か市長から話があ
ればありがたいんですが、その点についてよろしくお願いをいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 確かに議員がおっしゃっているように、非常に厳しい諸状況の中に
あって、本市といたしましても、かねがねそういったことが大きな課題でございました。一つ
には、沼須の産業団地の関係の進出企業を何とかいち早くとらまえていきたいということが挙
げられます。もう一方におきまして、ここへ参りまして太陽光の発電の関係から、いろいろな
問い合わせ等もございましたので、そういった答弁をさせていただいたという経過がございま
す。非常に厳しい内外の情勢の中にあって、私どもも何とかいい方向へ導いてまいりたいと考
えておりまして、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) それはよくわかるんですが、要は具体的にはどうするんですかとい
うことを今回聞きたいんです。今までも私、多分2回、この企業誘致と働く場所については質
問してきた経過がございます。私もその文章はすべて読んできました。私どもがいろいろな話
をさせていただいて、そして市長の答弁があるんですが、「研究」それから「検討」するとい
うことばかりで、さあそれをどうするんだいという話が一向に前に進まないんです。今回の場
合には、その辺のところをまずやらなければ何のための質問だかわからないということであり
ます。
 企業誘致だけが働く場所の創設ではないわけです。先ほども話がありましたけれども、パー
トの問題や農作物の問題がありましたけれども、もっと間口を広げていかないと働く場所を創
設できないというふうに思います。この前もNHKの放送でありましたけれども、廃校、学校
を廃校されたところに野菜工場が進出してきたという報道がありました。いろいろなものを皆
さんがアンテナを張っていかないと、やっぱりそんなに簡単にはできないんじゃないか。働く
場所なんて簡単に言うけれども。
 私は、その辺の具体策が全くないものですから、何かこうしたらと。今太陽光の話が出まし
た。ただ、それを本当に産業としてやる気があるのかどうか。それを産業としてやっていくた
めには、これこれ、こういうことを今計画しています、研究しています、だからそれによって
雇用は必ずこうなりますよというのがあるのなら話は別なんですが、そういった具体的な話が
ないんです。私どもはこういった具体的な話を聞きたくて今回取り上げてきたわけでございま
して、ぜひその辺を、市長、これから何点か質問しますけれども、その具体策をもう少し話を
していただければありがたいと思いますが、それについてどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段の関係は、何団体という話の方がいいと思うんですが、
幾つかの団体から引き合いがありまして、そしてそれを具体的な形にしていくための段取りを
担当部課で今一生懸命努めております。
 後段の関係は、ここへ来て非常に注目をされてきて、本市が太陽の当たる時間帯が長いとい
うこと等もあって、ある関係の部門に手を挙げ、そしてお願いをしてきた経過がございます。
 なお、議員がおっしゃっている廃校の後の野菜工場だとかそういうこともご提案がなされま
したけれども、当然そういったことについても決して手を緩めているわけではございません。
 具体的な話を提起しろということでございますから私どももちょっとつらいところがあるの
でありますが、ここに参りまして、ある場所について、ある自治体から、本市のある場所をい
ろいろと生かした形の中で対応を図っていく必要があるのではないかということ等もございま
した。これらについては、まだ表になかなか申し上げることができないものでありますので、
ぜひ別な機会にまたお話をさせていただければと思っておりますが、そういうことで、できる
だけ間口は広げた形の中で考えているつもりではございます。
◇15番(大竹政雄君) いろいろと私どもが聞いているけれども、なかなか返ってこない。
これが質問形態なのかという話になるわけでありまして。実は、この前セミナーに行ってきた
ときに、きょう後におられる方々が、区長さん方々がおられると思うんですが、答弁がどうし
ても「研究」「検討」が多過ぎるということで、我々が一生懸命質問するんだけれども、返っ
てくるものがそればかりだと。なかなか前へ進んでいかない。これが要するに議会を見放され
ている原因だという話もしておられました。私も確かにそうだと思うんです。
 今我々が言わんとしていることは、沼田市の職員400数十名いるかと思うんですが、全部
の方がそんな気持ちになっているかということが問題なんです。今この沼田市が今の置かれて
いる状況がわかっているかどうか。職員全体がですよね。これだけの数がいるわけですから、
その人たちがいろいろな形の中でアンテナを張っていれば、もっといろいろな情報が入ってく
るのではないですかということなんです。
 今、企業誘致だとか、ある課が、ある課長が、部長がの程度のことで、これからの企業誘致
あるいは働く場の創設というものは私は考えられないというふうに思っているんです。それは、
市長がトップとしてみんなに言わなければいけない問題ではないですかということを今回言い
たいんですが、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 市長という立場を当然フル活用して、そして職員にいろいろな動き
を鼓舞していくということは当然の立場でございますので、議員のご指摘はもっともだと思っ
ております。
 私もこういった本会議の場所でこういったことだということを申し上げたならば、それは後
に引くことはできません。したがいまして、現在進行形で動いている形の中で、非常に良的な
いい話題もある中で決定的なものがないところでもって申し上げることが非常にはばかられる
ところがございまして、その辺のことについては全くそういう意味では立場上、申しわけない
なと思っております。しかし、堅実な行政を前進させていくためには、一つずつ着実に前進さ
せていこうという観点からこういう発言になっているわけでございますけれども、議員がおっ
しゃっているように、400数十名の職員が一体となって企業誘致なり働く場所の創設なりに
知恵を振り絞っていくということについては全く同感でございますので、今後ともよろしくお
願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) なかなか答弁というのは難しいなというのを改めて感じているとこ
ろでありますけれども、今、こうやってどんどん、どんどん沼田がだめになってしまうという
のは新聞等々にも。特に、この前、パナソニック電工さんが香川の企業に吸収合併されたとい
う話もございました。それから、先ほどもグリーンベルのお話が出ました。Aコープが撤退し
たために、あそこで働いている方々も当然、今仕事は違うところに移っているか、あるいはな
いかという問題であります。非常に働く場所がどんどん、どんどん狭まっている状況だという
ことは我々はひしひしと感じているわけでありますが、市長も当然、これからパナソニック電
工がどう変わっていくかという問題はあろうかと思いますけれども、相当深刻な問題であると
いうことは言えるかと思います。
 今、現状にいる企業の問題等々は前の同僚議員も質問した経過がありますけれども、県の方
では、県の金型工業会が海外に進出するということで、県とタイアップしてやっていくという
ような報道がありました。やっぱり円高の問題、これはすごくきいているみたいです。地域に
残って、これから企業をそのまま存続させるというのは非常に難しいんだと。この機会だから
進出をしていく。金型というのは、どちらかというと中小企業なんです。大企業はどうしても
向こうへ移ってしまうから、それについていかなければいけない。そんな問題があるわけであ
りまして、そういったことを考えるときに、県はその人たちを応援する立場で企業とタイアッ
プしながら進めているようでありますけれども、沼田市としても、そういった企業は当然あろ
うかと思うんです。何らかの形の中で支援をしながら、これからもその人たちは最低限残って
いただく。その人たちがなくなれば、もっと働く場所は少なくなってしまう。こういった問題
は必ず出てくるんだと思います。
 非常に難しい時代でありますけれども、それについて市長の考え方があったら教えていただ
ければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 群馬県の金型の代表選手はオギハラさんかと思っております。世界
の金型の会社であるというふうに受けとめております。そういったことが県内外でもって行わ
れているという提案がございましたが、私どもは、先ほど議員が提案されましたナショナル木
材のことが非常に気になるところでございます。一応、現下のいろいろな調査、あるいはまた
いろいろとやりとりしている中では、現行の体制は崩さずに、双方の会社があるんで、これを
本社という機能を香川の方に、こちらの方の関係については今まで同様にというようなことの
報告をいただいているところでございます。また、調査もさせていただいたところでございま
す。沼田のある意味では最大の企業でございますので、今後、足しげく運びまして、私どもの
できることはさせていただくつもりでございますし、またそういうことはいろいろと申し上げ
てきたところでございます。
 ぜひ、今後ともご指導のほどよろしくお願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) いろいろとこういった問題は、もっともっとたくさんあるのかと思
います。
 たまたま私、その次の道路の問題で都市計画プランをちょっと見てきたんですが、都市計画
のマスタープランの中にも、120号線の商業観光づくりということでうたってあるんです。
都市計画課が多分それをうたっているんだと思います。そういったものが各課でちょろちょろ
と出てくるんですけれども、それに対応したものがないんだと。それは、私は全体にもっと広
がっていないのかなというのをうんと感じたわけでありまして、ぜひその点についてはこれか
らもしっかりとやっていただければというふうに思います。
 さて、先ほど太陽光の問題が出ました。こういったものが一つ、地元の企業としてできれば
いいなと思いますけれども、ただ先ほどから自然のエネルギーの問題が出てまいりました。こ
の自然エネルギーというものは、これから間違いなく、この地域、地方においては、あるいは
国全体では、求められるものだと思います。特に今、スマートシティーというものがあります。
これはパソコンで読んでいくと非常におもしろい施策なんですが、今大企業が研究している最
中でありますけれども、要は自然エネルギーをすべて使うんです。水であれ、電気であれ、風
であれ、それから焼却熱であれ、すべてを使って全体のエネルギーをつくり上げていく。これ
がスマートシティーの構想であるようですけれども、相当のお金がかかる。ただ、新しくまち
づくりをする今の東北の地域でそういったものもつくり上げようではないかということで、日
立製作所が研究した成果をこの前テレビでやっておりました。私も、もうこういう時代が来る
のかなと。このスマートシティーは2030年を目途にということで書いてありました。
 そういった考え方が全く違っているんです、我々の考え方と。もう東京電力が電気を起こす
なんていう時代ではないんだなと。自然エネルギーをどうみんなでつくり上げて、どうみんな
で供給していくか。その供給も、パソコンですべて操作していく。こんな時代がもう20年後、
今できるみたいな研究がされているようでございます。
 ぜひ、自然エネルギーについては、先ほどから水だとか電気だとか話がありましたけれども、
私は市長にはその辺のところはもっともっとやっていただきたい。そして、必ずやそういう時
代が来るわけですから、その辺の対応をしっかりととらまえていれば、これからの働く場所等
々の創設は少し可能になるかなと。ただ、時間のかかる問題だとは思いますけれども、その辺
についてもう一つしっかりと研究していただきたいと思いますけれども、それについてどうで
しょう。
◇市長(星野已喜雄君) 今回の9月補正予算に、年度当初、太陽光を使った関係等について
の補助金の増額のための提案もさせていただいております。これは、かねがね議員の皆様方か
ら太陽光を使った形のエネルギーを考えた方がいいというご指摘があって、もっともだなと思
いながら今日に至っております。
 議員がおっしゃっているように、また午前中の議員も言っているように、エネルギーは一般
的には太陽光、小水力発電、あるいは風、それからバイオマス等々が考えられております。意
外と風がよいようだけれども、案外この地区はちょっと難しいなというのが客観的な分析でご
ざいます。そういうことから、今後、地元の気候風土に合った、しかも循環型ということはも
うかねがね言われておりますが、そういうことをとらまえながら、チャンスがあれば議員のご
提案されているようなことについては積極的に切り込んでいかないと、いずれいかなるときに
なってくると、食料の問題と同様に、エネルギーの枯渇の問題が発生してくるかもしれません。
したがって、ご提案の趣旨は全く同感でございますので、ぜひ今後とも私どもも努力をいたし
ますが、議員のまたお知恵もいただければありがたいと、こういうふうに思っております。
◇15番(大竹政雄君) 我々もいろいろな機会を通じて、特に私のOB会も、今本部役員を
やっておりますけれども、その中でも企業経営者がたくさんおります。今回、サンヨー食品、
ラーメンの会社ですけれども、あの会社なんかは群馬県から関西にシフト、向こうへ持ってい
ったという話を聞かせていただきました。非常に今こっちの状況は悪い。我々としても、こん
なところがあるんですよ、こういうところもなんていう話をしながら、「ただ、沼田はね」と
いう話が必ず出ます。いい話を聞いたことがございません。何とか協力していただければとい
う話をしますけれども、非常に難しいところだということを改めて感じているところでありま
すけれども。我々も何かの機会でだれかに話をすれば、それがどこかでつながるかもしれませ
ん。そのようにこれからもやっていきたいと思いますけれども。この辺についても、議員であ
れ、職員であれ、市長であれ、みんながそのつもりでその方向を見ていないと無理かなという
ふうに思います。ぜひこれからも頑張っていただきたい。
 なかなか具体案が出なかったものですから、これで終わりにさせていただきますけれども、
ぜひこの問題は今の若者にとっても本当に自分のことなんです。私の子供もちょうどその世代
に入りました、一番下が。「本当に沼田はないんだよね」ということを聞かされると、我々と
しても非常につらい思いをしているところでございますので、しっかり頑張っていただきたい
というふうに思います。
 それでは次に、生活道路の関係で話をさせていただきます。
 実は、私も狭隘道路の関係では、議員になったときですから、もう13年前に、ここで質問
させていただいて、そしてやっとおととし、その要綱ができ上がって、始まりました。ああい
ったものがなかなか沼田は進んでいかないなというのが実感でありました。その間に、ほかの
市がどんどん、どんどんつくっているにもかかわらず、最後になったでしょう、この要綱がで
きたのは。こういったものができないと、町というのは変わっていかないんです。そういった
ものを私どもは変えたいから質問していくのであって、提案をするんです。今回もそうなんで
すけれども、これから計画的に進めると言われても、「どういうふうに具体的に進めるんだい」
という話になるわけです。
 今、私どもがよく言われるのは、細い道路のところに甲ふたがあって、それを踏むとガタガ
タと音がしてと。建設課の方にお願いをして直してもらっている経過があります。ただ、本当
に直しているだけじゃなくて、技術的にもできるわけですから、変えていかなければだめなん
でしょうと私は前からしているんです。ほかのところもノーマライゼーションの問題があった
りということで、前も質問しているから、そのときに重なってしまうとあれですけれども、要
は少しずつでもいいから進めないと変わっていかないんです。
 今、県が、実は県のあのものは私が金子議員と話をしてやった経過がある。少しでもいいか
らやっていってくれよと。歩道のところ、どうもあれ、歩きづらいんだよね。たとえ50メー
トルでも100メートルでも、やっていくようなことを考えてというような話をしてきた経過
があるんです。で、ああいった形の中で変わってくる。今、私も自転車に乗ります。市長も乗
っていると思いますが、全く乗りやすいですよね。危なくないです。ほかのところは、甲ふた
のところはガタガタしていて、自転車に乗っていてもおっかないぐらい悪いところが多いです。
 だから、私の言いたいのは、市道でも、ここのところからだんだん少しずつ直していくとい
う計画を持って私に答弁をいただくならいいんですけれども、ただ「計画的に進めます」と。
何を言っているのか、全く具体的な答弁が返ってこないんです。その辺についてもう少し市長、
市長の立場として我々に答弁していただけるとありがたいんですが、どうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 今、後期実施計画をつくっているところでございますが、そういっ
たことから、実は一つ、中心的な道路を早速手をかけようということで。まだこれは大綱がで
きたわけではないので申し上げられませんが、いずれ明らかにしていきたいと思っております。
少なくともこの二、三カ月の間にははっきりいたしますが。聞けば、そこは当然やるべきとこ
ろだろうということで理解していただけるのではないかというふうに思っております。後期実
施計画の中の中心的な歩道の関係の改修等、フラットにしていくということで考えているとい
うことを申し上げておきたいと思います。
 なお、市が全くそういったことに対応していなかったかというと、そうでなくて、例えば市
役所の前のこの通り等もグレーチングの目が粗いものを非常に微細な方向に変えたりして、で
きるところから展開をしているつもりでございます。ぜひ、議員、地域住民の方々から側溝を
変えてくれとか、あるいは歩道改良を頼むというご要望を承ったときに、当然市の建設課等に
話をされると思いますが、そのときには、そういう方向を私の方もきちんと話をしてあります
ので、裏づけとなる予算の問題も出てきますけれども、可能な限り議員がご提案されているよ
うなそういう方向で変えていくということについては全く同感でございます。したがいまして、
前段申し上げましたように、大きくは後期の実施計画の中にかなりのメーンストリートの部分
がそういったものになっていく考え方を持っておりますので、よろしくお願いをしたいと思い
ます。
◇15番(大竹政雄君) そういったことをこれからやっていただければいいと思うんですが、
ただこの前のセミナーで聞いてきた中で、道路の技術的な基準もそろそろ地域でつくっていか
なければいかんと、そんな話も先ほどしたと思います。この問題は、もうちょっと真剣にとら
えていかないと、地方分権と言われていても、道路については、国からの話で、そのまま上位
の話でやらなければいけないみたいな、市長いつも答弁されるんですが、もうそんな時代は終
わっているよと。間違いなくそういう時代じゃなくて、自分たちの地域に合った道路構造を考
えなければだめなんだということ話を聞いてまいりました。やはり、そうなんだろうと思いま
す。特に、この前は話の中に環状線の話がありましたけれども、要するに歩道のところに木を
植えて何のためになるんだと。こんなに田舎に来て木がたくさんあるのに、何であそこに木を
植えるんだという話になるわけでありまして。そういったものは、もう地域に合わせた形態を
つくっていくというものが必要なんであって、そういった議論はほとんどの地方でやられてい
ないという話を聞いてまいりました。
 道路をつくるときに、上位じゃなくて、我々はこういうまちづくり、こういう道路づくりだ
というものを検討していかなければいけない時期に来ているんだろうと思っております。ぜひ、
そういった意味では、環状線なんかを見ても、無駄なところはたくさんあります。前にもその
話はしてきた経過がありますからここでは言いませんけれども、この地域に合った道路という
ものをもう少し真剣に議論をし、つくり上げていかなければならないということをやっぱりこ
こで言わなければならないんだろうなと思っております。
 ぜひ、そういった意味では、この地域に合った道路構造、勉強していただければありがたい
と思いますけれども、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 議員がご指摘されているのは、地方分権と第1次の一括法の関係か
らのご質問かとは思っておりますが、一応、道路構造令というのがきちんとありまして、そこ
のところを基本としながら結果的には対応していくことになろうと思います。そういった中で、
道路法の第30条の関係で、そういった規定があるという形になっているかと思います。した
がいまして、今後、地方分権と第1次の一括法と道路法の第30条あるいは第45条等の関係
と照らし合わせながら、当沼田市に見合った形のものを考えていく必要があると思っておりま
す。
 したがいまして、できるだけ、「なるほどな、そういうことか」と言われるような線形を今
後私どもも選び、そしてまた実行に移していく必要があるかなと思っております。
 これらも一つの過渡期に入っておりますので、これまた議員の方で何かいろいろとご示唆が
あったら、またお願いをしたいと思いますし、私どもの方でも十二分に検討を加えてまいりた
いと考えております。
◇15番(大竹政雄君) 今、分権一括法の中で市町村がいろいろ検討するものはということ
で、実はこの前、9項目を勉強させていただきました。その中にこの道路法の第30条の問題
が出てまいりました。我々としてもいろいろな情報を得ながらここで提案、提言をしていくわ
けでありますけれども、当然、行政の方々も、いろいろなところでいろいろな勉強をされてい
るわけでありますから、私はあえて細かいことを言うつもりはありませんけれども、そういっ
た方向に向かってくださいというのが私の質問の趣旨でございますので、ぜひお願いをしたい
と思います。
 それでは、次に移りたいと思います。
 実は、利南運動公園の話でございます。これもなかなか答弁がすっきりしていないなと。具
体策をということになるわけでありますけれども、これから必要に応じてというような答弁の
仕方になっていると、なんか我々が2年前に聞いたことを何もしていないんじゃないですかと
いうこときり考えられないんです。実は私、きのうも下の運動公園に行ってきました。何にも
変わっていません。コスモスが咲いているかな、ちょっとというぐらいの状況であります。そ
れで、ガードレールもかなりさびが出てまいりました。
 前回だったか、ちょっと前の話になるかもしれませんけれども、今の土地の有効利用の中で、
あの土地を何で有効利用しないんですかという話をさせていただいた経過があるかと思うんで
す。あのときも市長はいろいろ研究していくという話で終わっているんです、実は。私はその
ときに、もう少し平らに、2段ぐらいに平らにして、市民の方々に何のスポーツでも、何の遊
びでもいいから使ってもらったらどうですかという話は当時させていただいた経過があります。
でも、何にもしないんです。これは、有効利用というか、市民の財産をそのまま寝かしてしま
っているんです。よく塩漬けという話をされる議員の方がいますけれども。全くそうなんです。
5億円からのお金をそのまま寝かしてしまっているんです。市民とすれば、何かあそこができ
れば使いたいなと思っても、何もしないんです。この辺のところを、有効利用を本当に皆さん
でもうちょっと考えてもらえないのということなんです。特に運動公園については、逆に今で
きる、できないの話は当然いろいろな問題があるから話はしませんけれども、その辺の有効利
用について市長はどのように考えているのか、ちょっと教えてください。
◇市長(星野已喜雄君) 全く議員ご指摘のとおりでございまして、本来であるならば当該の
ところに利南運動公園ということでいろいろと運動施設をつくるということで進んできた経過
がございます。多分に漏れず、また財政の問題になってしまうのでございますけれども、そう
いった事情があって現在のようなことになっております。
 ただ、議員がおっしゃっているように、多目的な形の利用については、いろいろと今研究し
ているところでございます。ご承知のとおり、その場のところがかつての河川敷的なところも
あったりして、相当石なんかもあったりするところが悩みの種としてありまして、議員がおっ
しゃっているように、ずばりそういった施設ができるまでの間は、そういった多目的な活用方
法をきちんと考えていかなければならないと思います。
 これは、言われるとおり、私も内部で極めて厳しくそういう話をしているところでございま
して、余り向こうに行かないうちに、多目的な活用法等を考えていかなければいけないと思っ
ております。なお、そういったことは毎回論議はしているのでございますけれども、いろいろ
な足かせもあったりして、なかなかうまく前に行っていないところもございます。これについ
ても、ぜひ何らかの形の対応を図っていかなければいけないと思っておりますので、よろしく
お願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) 市長がやるという言葉が私どもは聞きたいんですよ。あれだけのも
の、もう何年寝かしているんですか。そんなことを考えるときに、前からそんな話ばかりして
いるからあれですけれども、やってほしいんだということを我々が言っているんですから、ぜ
ひ期待にこたえてほしいということであります。
 今、グラウンドゴルフの方々が非常に多くなりました。その地域、地域で、うんと人がいる
と、なかなか場所がないなんていう話も聞いております。ぜひ、そういった意味では、多目的
に使える、あそこは野球場、テニスコートという話になっていますけれども、あいているなら
ば、まず使うということを基本に、しっかりとやっていただきたいと思います。これは確認事
項でありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、そこの問題ができなくて、前回、公園の長期整備構想の中から野球場とかテニスコー
ト、当然引っかかっているわけですから、話をさせていただいた経過がございます。実は今回、
テニスの関係で、市長もあいさつに来ていただきました。沼田まつりの都市親善大会。あの日
も午後から豪雨だったんです。雷雨があった。1時間ぐらい、すごい雨だった。結局、予選の
リーグ戦は終わったんですが、決勝トーナメントをできずに終わりなんです。これも何回か、
そういう経験をしております。今回は市民大会が、硬式テニスの方が雨のために中止になりま
した。
 今、主流はオムニコートと言って、要は下に採石を敷いて、その上に透水性のアスファルト
を敷いて、その上に芝生、そして砂をまく。これがオムニコートと言って、全天候型。要する
に、雨が降っても、やめばできる。そういうコートが主流になっております。群馬県の市でそ
の施設を持っていないのは、多分うちだけでしょう。市町村でもかなりのところは、ほとんど
持っていると思います。この前の県の大会のときにも、「でも、沼田、あそこできないなら、
ここ何とかならないの」という話は出ますよね、雨のときに。ちょうど我々の世代の人がいま
すから。なかなかそこら辺のところがという話にはなるんですが。やっぱり、せっかく遠いと
ころから来て大会をして、決勝ができないというのは非常に残念なことなんです。
 今回の市民大会もそうなんですが、慰労会を、今回、区長さんも来ておりますけれども、慰
労会をして、すごく盛り上がるんです。それは、スポーツでああいったことをみんなで協力し
ながらやってくると、非常に盛り上がるんです。特に勝ったりすると。あの盛り上がりという
のは、私は、ややもすると地域の活性化にすごく貢献しているんだというふうに思うんです。
 その中で、硬式テニスは中止なんです。ソフトボールもたまたま中止になった。中止になる
とどういうことが起きるかというと、参加しませんよね。参加しないということは残念なこと
なんですが、我々はその人たちの話も聞いてみたい。その人たちのスポーツのことで、いろい
ろなことを聞いてみたいということになるわけですが、だめになってしまう。やっぱりその辺
のところを……。
 先ほど、少しずつ必要に応じて修繕していくという話がございました。たしか柔道場の屋根
だったか梁だったかも直してきました。それから、温水施設なんかもしてきました。テニスコ
ートについては、もう十数年も前からの話なんです、実は。私が議員になる前から。前の議員
もその話から始まって、利南中学校跡地にするということで、図面までできたんです。でも、
地域とだめになって、御破算になった。二転三転の事業なんですが、そのたびにテニス愛好者
については大変な思いをしているわけです。だから、今でもコート整備をするんですが、高齢
化になって、なかなかコート整備が大変になってきました。ほかの地域は、そういった意味で
は、整備も簡素化になっております。そういったことを考えると、今、あしたできなければ、
そこぐらい、せいぜい1,500万円か2,000万円の話ですから、オムニコートにしてい
ただく。そのぐらいのことを市長にぜひ今回はお願いをしたいと思いますけれども、どうでし
ょう。
◇市長(星野已喜雄君) 過日の市民体育大会で二つほどの種目が雨のために中止となったと
いうことは、大変残念なことであったかと思います。しかし、ご案内のとおり、アウトドア、
すなわち外でのスポーツであって、しかも1日という日にちが設定されている以上、これも当
日の天候に左右されることも、これまたやむを得ない一つの結果かなと思っております。
 そういった中で、テニスコートの関係が、全天候型で雨が降っても心配ないような対応をし
ろと、こういうご提案だと思っております。伝統ある沼田公園内のテニスコートでございます。
それぞれの場所の運動施設等の関係もございます。したがいまして、きょう言われたことを受
けとめまして、そしてどんな方法が適当なのか、適切なのかということについて考えてまいり
たいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) ぜひ、その辺のところは、こんなに長く待っている団体であります
から、よっぽど皆さんにはいろいろな迷惑をかけているんだというものを踏まえた形の中で協
議していただければありがたいと思います。本当に私も、この調子でいくと、下のテニスコー
トができなければ、そのうちこの世にいなくなってしまうのかなと。今の公園の方も、ああい
う状況ですから、今回は晴れていたんです、朝のうちは。ああいう状況でもできなかったとい
うことなんです。もしあれがオムニであったらば、できた状況なんです。そんなことも一つ頭
に入れながら、つくっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 なかなか難しいことではあるかと思いますけれども、そのスポーツをやっている愛好者にと
っては本当に切実な思いなんです。やってくれれば、こんなに簡単に大会もできるじゃないか、
ちゃんと運営もできるじゃないか、公園のライトもついているわけですから、少しぐらいのナ
イターもできるじゃない、そういうことも考えられるわけでありますから、ぜひしっかりとそ
の辺の対応をしていただきたいと。この問題も何回も取り上げていますから、もう取り上げま
せんから、ぜひやっていただきたいということだけはお願いしておきます。先ほどの答弁は、
やっていくものだというふうにとらえておしまいにしたいと思いますけれども、よろしくお願
いをしたいと思います。
 運動公園の話、これから先どうなるか、さっぱりわかりません。これから震災の関係で財政
ももっともっと厳しくなるでしょう。そうなると、これからの対応の問題は我々としても市民
から言われたときに答弁が非常にしづらい、あそこの公園の問題だというふうに思っておりま
す。ぜひ、これも皆さんでよく検討しながら、研究しながら、我々にもわかりやすい答弁をし
ていただければありがたいと思います。
 それでは、最後の質問に移らせていただきたいと思います。
 実は、災害関係の話でございました。先ほど最後の方で、財源があればという話で締めくく
られてしまったんですが、この震災でいろいろな勉強をさせていただきました。どこかのセミ
ナーに行っても、半分ぐらいは災害関係なんです。私も6月には石巻からずっと下がって、見
てきました。これは本当に大変なんだなということをつくづく感じてきました。市長もこの前、
話をされまして、いろいろな話を知っているからですけれども、特ににおいの問題なんかも大
変です。私も石巻からずっと仙台まで海岸べりをおりてきたわけですが、ああいった状態の中
で、「ああ、この人は生活大変だな」。このところ本当にいろいろなチャンネルで、NHKが
特に多いんですが、被災者の状況が映し出されます。今、仮設住宅ができて、きのうかおとと
いのテレビの中では、仮設住宅に入ったら余計心配になってしまったというような話も現実に
あるんです。今度は仲間がいなくなっているわけですから、ひとり残された人は、その中に入
ると本当に不安でしようがないなんていう話もありました。
 住宅をもうちょっと何かうまい方法で対処してあげれば、いろいろなものが解決していくの
かなと。この前の話の中でもそうなんですが、要は仮設住宅というのは1年か2年。今回のも
のは何年かわかりませんけれども、必ず期限は切られます。切られた後は壊すわけです、出て
いってもらって。さあ、それからどうするのかという話が常につきまとうというのは先ほど話
したとおりなんです。だから、そういった意味では、地方自治体として、こういった問題が起
きたならば、やっぱりこういったものを検討していくべきではないですかということなんです。
財源があればと……、ないんで。
 要は、例えば沼田市が地震でああなるかというのはわかりませんけれども、ただ今回深層崩
壊ということで和歌山の方でどさっと崩れました。あの可能性は沼田市もなきにしもあらずか
なというふうに思っております。ただ、災害というものは、どんなものが起きるかわかりませ
ん。本当に起きて、被災者たちはどういう思いをするかということなんです。そういった問題
を地方自治体として議論して、協議して、こういったことはこういうふうにしていこうねとい
う話をしていかなければ、被災者にとっては不安なんだと思うんです。こういった大災害があ
ったときに研究しておくべきだと。そして、いろいろな情報はまずあろうかと思います。こう
いった研究を大学なら大学の先生で研究している人もいます。いろいろなものを調べるという
ことは、今どこのところでもできますから、地方自治体の責任をもうちょっと考えていっても
いいのではないか。
 そんなことで私は先ほど質問させていただきましたけれども、財源があればと、財源はその
次の問題じゃないかというふうに思いますけれども。このようなところも国と、そのときには
何としてももらってくるんだみたいな気持ちがなければ、私はこういったものを幾ら協議して
いても無理ではないかなと思いますけれども、それについてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に問題提起が大きな問題提起でもありますし、私ども考えても
難しいことだなということも思いながら今質問を承っておりました。
 先般、ある著名な方が参りまして講演会がございました。その方は、今回の東北の方の被災
地への方にも出向き、阪神・淡路大震災の方にも出向き、それぞれ二つの比較をしながらその
方は述べられていたのでありますが、阪神・淡路大震災の方は、極めて厳しかったけれども、
お昼には炊き出しの、しかも食堂の関係者等がうどんやおそばをどんどんサービスに出すほど
に、しかもある意味においては激昂する人もいれば非常に笑いもあるというような、そういう
一つの活力的なものがある中で被災の後の対応をしていたそうでございます。ところが、今回
の東北の関係は、どこに行ってもものをしゃべらずに、極めて内向きな感じの状況があって、
何と言ってみようもなかったというお話でございました。考えてみると、余りにも規模が違い
過ぎた。しかも、面的にも圧倒的に今回の東北の方がひどかったというようなことがあるのか
なと思っております。
 そういった中で、仮設住宅のことでございますけれども、やはり速やかな対応としては、先
般の中越地震も含めてそうですが、仮設住宅の緊急時の存在というものは、やはり大変重要な
ものだと思っております。
 議員はそこのところでの仮設住宅の限界から来る1戸住宅を思い切って、仮設住宅にかかる
費用プラス補助制度を構築して1軒の家を建てるような状態にしろと、こういうご提案だと思
っておりますが、そういう一つの崇高なお考え方は理解ができないわけではありません。ただ、
現実的な対応として仮設住宅で来たという現実もあるわけでございまして、そういった意味で、
いろいろと内外の報道で現行の仮設住宅での生活の厳しさみたいなものが浮き彫りにされてい
るようでございますけれども、今おっしゃっているご提案、必ずこれは財源が伴うものでござ
いまして、そこのところを言うのではないというような言い回しだったかと思いますけれども、
やはり裏づけがない限りにおきましては、なかなか仕事の執行ができません。そういったこと
でありますので、ご提案の趣旨はよく踏まえながら検討を加えていく必要があるのではないか。
 同時に、ご承知のとおり、持ち家の人であれば保険等にも入ったりしている関係もあると思
っております。そういうことから来る対応等も考えながら、これらについてのご提案の趣旨を
踏まえて、いろいろとまた今後の参考にさせていただければと考えております。
◇15番(大竹政雄君) いろいろと世の中には、さっき保険の話が出ましたけれども、各家
庭個々にいろいろな問題があるわけでありますから、いろいろ研究、検討する必要はあるかと
思います。ただ、こういった問題で苦労されている方々もいるから、やっておいたらどうです
かという一つの提案なんです。財源の問題、当然一番の問題になろうかと思います。ただ、今
回決めておいたから、そのままずっと、というわけにはいかないと思います。お金がないから、
それは決めることができないかもしれません。ただ、そういったものをどう検討していくかと
いうことは、やっぱりやっておくべきだと私は思うんです。
 実は、今回石巻は職員が大分やられてしまったんです。行政が麻痺しちゃったんです。とい
うことは、そういった問題がすべて、何かの形で残っていればいいんですが、いろいろと大変
な思いをされている地域もたくさんあったわけでありまして、私の場合にはちょっと飛んだ話
の提案だったと思いますけれども、これからまた皆さん災害の関係で質問があるようでござい
ますけれども、災害というのは本当にたくさんあります、いろいろなことが。たまたまちょっ
と私の専門的に言うとそっちかなということで、これを取り上げてみただけなんです。でも、
いろいろな形の中で、いろいろな専門家がいる中で、いろいろな提案をされていくのだと思い
ますけれども、ぜひそんなことを頭に入れながら、災害に対してはしっかりやっていただけれ
ばありがたいと思います。
 時間も最後になってまいりました。1分ということで、次の質問ができないかと思いますけ
れども、今は災害対策、いろいろな勉強をされている中で、震災の対策、それから復興基本条
例なんかも、現実にやろうとしているところがあるようでございます。こんなことも、これか
らの行政には求められているかなというふうに私思っております。財政が非常に厳しい自治体
にとってはなかなか難しい問題だと思いますけれども、やはりそういったこともしっかりとと
らえて考えていかなければいけないのではないかと思います。特に市長においては、これから
の沼田市のかじ取りでありますから、しっかりその辺のところを頑張っていただきたいという
ことでございます。その辺のところ、最後の決意を聞かせていただきまして、私の質問を終わ
らせていただきます。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) きょうの午前中の質問をされている議員も、大竹議員も、時代の背
景から来る基礎自治体の独自性とか自立性をしっかりとらまえて、独自施策を国や県に余り頼
ることなく展開していくことが求められているのではないかというご指摘だというふうに受け
とめさせていただきました。時代の流れがそういうことだというふうには当然私も受けとめて
おります。ぜひそういった方向性でもって今後の市政運営に当たっていかなければならないと
思っております。
 再三きょうは申し上げているところでありますが、職員にもいろいろと叱咤激励をさせてい
ただいておりますが、ぜひ議員の方でも気がついたら遠慮なく申しつけていただける形の中で
相乗的な方向性が生まれればいいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いをしたいと
思います。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、坂庭直治議員。6番。
〔6番 坂庭直治君登壇〕
◇6番(坂庭直治君) お世話になります。それでは、通告に従って一般質問をさせていただ
きます。
 最初に、東日本大震災と原発事故に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。半年近
くが経過し、苦しい環境であると思われますが、立ち上がろうとしています。できる限りの応
援をしていきたいと思っています。
 ただ、そのためには、自分たちが元気で頑張らないと続けることはできない。今、日本はこ
の二重の大災害、加えてさきの台風12号にも遭い、大変厳しい状況にあります。デフレが続
く中、急激な円高、電力不足により企業の目は海外に向き、雇用、経済、危機的な状況が見え
ます。沼田においても例外ではなく、縮小する方向が伝わってきています。今、地産地消は、
農産物は当然のこと、材木、エネルギー、工業製品なども含めた中で進めるべきと考えられま
す。沼田は今までにおいて大地震はなく安全な地域と思っていますが、さきの東北大震災、原
子力発電所事故にしても、想定外と何回も言われています。実際には大震災も原発事故も起き
ています。
 先日、長野県栄村と東北を視察して、気仙沼市、多賀城市さんの話の中で、想像をはるかに
超えた揺れ、高波と聞きました。この地域では津波の心配はないですが、昨年、今年とありま
した集中的な雨の時、大きな地震が発生し、利根川・片品川上流のダムが決壊。住民はどこに
行くのか。水は一日も欠かすことはできません。長い停電もつらかったと言っています。沼田
市では、地震被害想定の変更、住民の避難態勢の見直しをするとのことですが、早急にお願い
します。
 地域対策について、安心安全について、防災についてお伺いします。
 今回の原発事故は、直線距離約200キロメートルであっても影響がありました、柏崎原発
で冬場の北風のときに事故が起きれば、100キロないこの地域はどうなのか。沼田以南の渋
川、前橋、高崎、太田市においても原子力災害を検討している。防災計画に入れるべきです。
また、防災計画を見直すことで企業誘致においてもよい結果が期待されるのでは。市長の見解
をお伺いいたします。
 次に、活性化について、市民協働について伺います。
 「農地・水・環境保全向上対策事業」は、地域の実情に合わせた対策が取りやすく、自分た
ちで取り組むことで大きな効果もある事業ですが、ことしで最終年度となりました。ありがと
うございました。ただ、来年度より5カ年続くとも聞いています。この事業は、地域の各種団
体が協力して行うことで幅広く効果があり、有害鳥獣にも対応してきました。予算規模につい
ては地域面積で決定をされますが、今までは急なこともあり半分程度の予算でありました。新
たに5カ年事業となり、可能であるなら、面積に沿った予算をお願いしたいと思います。
 多那地区では、これまで有害鳥獣対策として電気さくを約6キロメートル取り組んできまし
たが、ことし、シカ、クマに加えイノシシが多くなり、サルの被害もふえています。農作物の
被害が増し、農家の切実な声も多く聞こえます。地域住民も、夜間外に出るのも危険ですので、
スピードを上げた取り組みが必要です、ぜひとも予算の拡充をお願いいたします。
 次に、活性化について、建築について伺います。
 地域に根づいている建築関連の組合・協会があります。代々家業としている人も多く、地域
住民としてさまざまな活動をしています。20年くらい前、建築組合員は350人ほどの大き
な組織でしたが、今では100人と少なくなり、利根沼田十一職種連合会に至っては、活動を
続けることも厳しい状況にあります。さまざまなニーズに対し、営業力不足、高齢化、大手ハ
ウスメーカーの参入、安値競争、建築法の改正などが影響していると思っています。新築、増
改築をするときなどは、大工として木材の知識、たくみの技、経験を次の世代に継承しなくて
はなりません。その一つとして「利根沼田高等職業訓練校」を維持して若い人を育てることも
大事と思います。
 「土砂災害特別警戒区域」が利根・沼田地域でされようとしています。建築物に対し、新築
だけではなく増・改築にも適用されるとのことです。住民に周知すべきと思います。
 平成23年4月1日現在、群馬県で、「住宅リフォーム助成制度」は8自治体で、「耐震改
修補助制度」は12自治体で設けております。沼田市でも取り組むことで、建て主、建築関連
業者も元気となり、後継者の育成、また消費拡大も予測され、街の活性化にもつながります。
耐震改修等により強固な建物となりましたら、太陽光発電の設置、電気自動車と連動すること
で、自給自足のエネルギーで移動もでき、停電時では蓄電池としても活用もできます。市長の
見解をお伺いします。
 これで1回目の質問とさせていただきます。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの坂庭議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、地域対策について、安心安全について、防災についてでありますが、現在、地域防災
計画の見直しに係る準備を進めているところでありますが、まず地震被害想定の変更や住民の
避難体制の見直しを考えております。
 本市の地震被害想定は、群馬県地震被害想定調査における県北部の震源による地震被害想定
をデータとしております。今後、関係機関のデータ等をもとに専門家の意見もいただきながら、
県北部の中でもエリアを絞った想定としていきたいと考えております。
 また、住民の避難体制につきましては、災害の種類によって異なるわけでありますが、現在
進めている自主防災組織設立を推進しながら、ご近所同士の共助を基本とした避難体制と有効
な情報伝達手段の構築を進めていきたいと考えております。
 議員ご質問の、原子力発電事故による災害対策についてでありますが、県内には原子力発電
施設がなかったことから現行の地域防災計画には想定されておりませんでしたが、今後、国、
県計画の修正動向を参考にしながら、市地域防災計画に反映させていきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、県の防災計画の見直し内容を踏まえながら対応を図ってまいりた
いと考えております。
 次に、活性化について、市民協働についてでありますが、「農地・水・環境保全向上対策事
業」は、農地・農業用水等の資源や農村環境を守り、質を高める地域協働の取り組みとして、
平成19年度から5カ年実施する事業で、本年度が最終年度となります。
 利根町管内においては、多那地区を含め4地区が取り組んでいます。事業の活動内容は、従
来からの地区活動を取り上げ、地区と市で協定を締結させていただき、非農家を含めた共同活
動により地域農業の維持発展と地域の振興対策に寄与してきたものと考えております。
 来年度以降の本制度の予算については、いまだ国から指針が示されておらず、制度の内容が
現在のところ不確定であり、今後、国等から情報提供があった時点で地区への周知を行うとと
もに、地域の実情に合わせた対応を検討してまいりたいと考えております。
  次に、建築についてでありますが、議員ご指摘のとおり、建築業を取り巻く環境は大変に厳
しい状況であると理解しております。
 厳しい雇用情勢や所得環境等により消費行動が衰退する中で、いかにして効果的に景気の下
支えを実践していくかは、大変に重要な課題であると認識をしているところであります。
 また、少子化によるいわゆる後継者不足は深刻であり、技術の伝承を真剣に考えなくては、
将来に大きな禍根を残すこととなります。
 一方、少子化や高齢化による住宅のリフォームやバリアフリー化、環境志向の高まりによる
省エネルギー改修など潜在的な需要は高いものの、市民の安全・安心を図る住宅・建築物の耐
震化や市街地の防災対策、密集した木造建築物の不燃化の推進については、かかる費用が直接
的に住まいの水準向上につながらないことなどからも、一朝一夕に進展しないことも理解して
おります。
 したがいまして、建築業に携わる方々が危惧される技術の伝承を図るためにも「利根沼田高
等職業訓練校」など人材育成機関の必要性については、今後、群馬県とも協議をしながら研究
していきたいと考えております。
 次に、土砂災害防止法に係る警戒区域につきましては、警戒区域が指定され次第、防災計画
に加えるとともに、今年度作成予定のハザードマップに取り入れ、市民に配布し、周知してい
きたいと考えているところであります。
 また、一部県内の自治体で実施している住宅リフォームや耐震改修にかかる助成制度につき
ましては、公平性を踏まえながら、効果的な制度の実施について検討をしていきたいと考えて
おります。
 いずれにいたしましても、建設産業は、市民の生活や経済活動の基盤である社会的資本の整
備に不可欠なものでありますし、地方においては経済・雇用を支え、災害対応においても極め
て重要な役割を果たしているところでありますので、今後とも中小企業者に対しては市として
できる限りの支援を行っていきたいと考えております。
 以上申し上げまして、坂庭議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後2時03分休憩
       ─────────────────────────────
午後2時11分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇6番(坂庭直治君) お答えをいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 災害時に、住民は危険な場所とか安全な場所が把握できているということは、その後参考に
なり、必要なことだと思います。どの人の災害とか災害対策の講演を聞かせていただいても、
一番大事なのは自分の命は自分で守ることと言っていますので、いざとなったらだれも助けて
はくれない、ただ知識は持っておくことは大切だと思っています。
 先ほど市長が原子力災害について取り組むと言ってもらったことは、大変ありがたいと思っ
ています。原子力は何が怖いかというと、目に見えないから怖いのだと思います。みんなで勉
強して知識を持つことで、そんなに怖いものでもなく、対応もできるものだということを学ん
でいくことが大切なんだと思っています。
 ちなみにですけれども、7月の末ぐらいだったと思うんですけれども、実は沼田クラブの会
派で沼田の放射線を測定いたしました。発表にあるとおり、沼田市内においても0.12マイ
クロシーベルトくらいが基準であったと思います。こういう原子力の資料なんかを見させても
らうと、エックス線診断なんかを受けたら1回で0.6ミリシーベルトくらい受ける。だから、
しっかりと学ぶことで、医療にも使っているんだから、そんなに必要以上に怖がる必要はない
と思います。例えば、浴びてしまったら、服は全部脱いで、体を洗えば大分落ちるとか、そう
いう知識を学んで、みんなで予防するということも大事だと思うんですけれども、その辺につ
いてお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 坂庭議員の再質問にお答えしたいと思います。
 まず、適切な客観の数値を市民が承知しているということが大前提になってくるかと思いま
す。そうしたことから、それでは予防対策はどうしたらいいかということが具体的に見えてく
るかなと思っております。
 議員がご指摘されたように、手を洗ったり、あるいはまた衣服の関係等を清楚にしていくだ
とか、いろいろと実践に裏づけられたご提案がございましたけれども、そういったことは特に
学校教育の現場等でも、そういった方向をきちんと指導していくことが大きく市民の中に広が
っていくことではないかと思っております。当然、市行政の立場からいたしましても、機会あ
るごとに、対予防策というカテゴリーになろうかと思いますが、そういうことについてはいろ
いろと周知を図っていくことが大事かと思っております。
 いずれにいたしましても、みずからの実践の中でいろいろと対策の検討をされてきたことに
つきまして敬意を表する次第でございます。
◇6番(坂庭直治君) ありがとうございました。
 それでは、農業とか工業についてなんですが、さきの3月12日の原発事故のとき、この辺
まで確かに軽い放射性物質が飛んできたことは事実であると思います。そのときに、農作物と
か、風評被害のような形で被害を受けて、出荷停止になったわけなんですが、そのときの沼田
の数値は実際には決められた基準値の10分の1ぐらいしかなく、安全なものであったわけで
すが、なんといっても国で出荷停止ということになれば、大変地元の農家さんも大きな被害を
受けたわけですが、そのときにおいては市長さんが先頭になり、いろいろな対策をしていただ
き、この地域の野菜がいち早く出荷できるようになったことには大変感謝を申し上げておりま
す。
 そこで、今後の災害対策をする場合に当たって、あれは屋根であろうが農作物であろうが平
均的に降ってきちゃうものですから、よけることはできない。だったら、その現状をいち早く
把握して、危険なものか安全なものかを判断していただく基準をあらかじめ想定しておいてい
ただいて、じゃあこの数値だったら出荷できるよとか、ここはちょっと待てとか。前のように
3週間だめとかそういう体制ではなく。この地域のもの3カ所の地域から出なければというよ
うな話もあります。だから、国としてもはっきりした方向は決まっていないのだと思いますか
ら、ここはひとつ地方で、被害にもしかしたらなるかもしれない地域の想定基準をきちんと決
めておけば、前回のようなときにも、この地区の野菜は出荷できたわけだと思いますので、そ
の辺についてしっかりとした対応を定めるというのはいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの再質問にお答えをしたいと思います。
 確かに、本県のたしか高崎であったかと思いますが、カキナとホウレンソウにそういった数
値が出たことによって、群馬県全体にその関係の影響が出た経過がございました。しかし、当
該地区、特に春野菜の関係について、大変心配された坂庭議員の地元の農家の方々の対策は、
新宿区や港区あるいは「ぐんまちゃん家」等々でいろいろと対応を図る中で、問題点について
の打開を図ってきた経過がございます。
 ただ、そのときの基準値の関係等については、市独自でそういったことを考えた方がいいの
ではないかというお話でございますが、天下が認めてくれれば、それはそれにこしたことはな
いのでありますが、一応国家の基準というものがある程度あるということになってくると、そ
このところの整合性は、これはやむを得ないのではないかと思っております。
 したがって、私も議員が言っているように、何も多那地区の関係と出たところとでは生産地
が違うのだから問題ないんだという観点で各内外のところにもご要請をしたのでありますが、
いかんせん、国家あるいは群馬県等がそういった都道府県単位で方針が出されたことが非常に
私どもつらかった経過がございます。
 先ほど来、地域主権の時代ということで、その当該地区の関係でもって独自性を出せばいい
んじゃないかというご質問、ご意見がたくさん出ておりますが、将来にわたっては都道府県単
位から基礎自治体の中にそういった権限が、おろされてくると言うのか、そういうふうになっ
てくるのではないかと思っております。近い将来には。したがって、現時点では、国家のそう
いった基準値というものについて、それを逸脱した形の中で、例えば許容値をもっと高めると
か、あるいはもっと下げるとか、国家がいう基準値よりもっともっと下に下げてやれば、これ
ははっきり言って国家より厳しいわけでありますから非常に安心ができるという理屈になりま
すし、その辺のことについては少し検討が必要かなと思っております。
 いずれにいたしましても、基礎自治体が独自性を発揮していくためには、基礎自治体のとこ
ろでもってそういうことが可能ならば、それはそれなりに私どもも真剣にとらまえていかなけ
ればいけないのではないかと思っております。
◇6番(坂庭直治君) ちょっと行き違いがあったように感じますが。もちろん、食品ですか
ら、世間で言われているように500ベクレルは出荷停止になるんだというものを沼田は60
0までいいよとか、そういう話ではなく、500はあくまで500なんだと思います。これは
国家で決めることですから。そうではなく、今回のように前橋で出ました、あるいは赤城山の
南側。では、赤城の北面を検知したときに、じゃあ赤城の北面は、あのときは実際は38ベク
レルぐらいだったと記憶しているんですが、これは明らかに規制値の10分の1にはるかに満
たない数値ですので、これはオーケーなんだと思います。風に運ばれてくる目に見えないちり
というような部分でありますから、風のぐあいで大きく変わってしまうんだと思いますが、群
馬県全部というのではなくて地域の測定値で安全な地域は出せる、そういう独自性という意味
で伝えたかったんですが、その辺についてもう一回考えをお願いしたいのと、ここは所管であ
るらしいので言うのはやめにしますので、そこのところを踏まえて地域の中で取り組みをして
いただければと思っています。
 次に、市民協働の方について移りたいと思いますが、「農地・水・環境保全向上対策事業」
は5カ年事業であることは確かであります。当然今年度で終わりなんでありますが、私たちの
ところは1年スタートがおくれた関係があるんです。それで、来年度1年の通常であれば空白
期間というのが生まれてしまいます。来年度のことはまだわからないというお答えだったんで
すが、去る7月ぐらいだったと思いますが、県民局の方の会議において、来年度もこの事業は
継続になりますという話はいただきました。そのときの話では、うちは1年おくれてスタート
したから、じゃあ来年はできなくて、その次からやるのかと言ったら、いや、それも何とかな
るのではという答えをあいまいにいただいてきました。
 多分継続になるとしたらのお願いなんですけれども、うちの方は田んぼは囲っていないです
から、あの部分に。畑なんです。畑は、たしか前の事業で言うと10アール当たり幾らという
設定金額があるんです。それで追っていきますと、多那の予算は大体半分ぐらいの予算規模で
今まで進めてきました。
 なおかつ、あの事業のすばらしいところは、先ほど有害鳥獣の件は触れさせてもらったんで
すが、地域の側溝のふたなんかにも利用ができるんです。ただ、ことしは予算の関係で、そこ
まで取り組みができませんでした。1年だけその予算で取り組むことができたんですが、自分
たちでやることで、少ない予算で大きな仕事ができるのではないかなと。ましてや、この事業
においては、市長さんご存じだと思いますが、市のお金が25%、県で25%、そこにあわせ
て国が50%という予算組みで行う事業であります。
 この事業の特典はもう一つありまして、予算をつけていただいて、もし余ったら、お返しす
ればいいという制度でありますから、無理な使い方はいたしません。
 その辺を踏まえて、この事業の拡充、もし継続になったら拡充という点をお願いしたいと思
うんですが。よろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段の関係でございますが、お説の趣旨を踏まえながら対応
を図っていかなければいけないかと思っております。いずれにいたしましても、当該地区が全
く問題ないのに、他の地区で起こったことが全部そこにネットでかぶさるということは、頑張
っている地域にとっては非常に不本意かと思いますので、関係する機関とよく協議をして、そ
ういうことの峻別をきちんとしていくことが大事な要素になってくるのではないかと考えてお
ります。
 後段のご質問は、ご指摘された団体は、よく頑張ってきていただいたという実績がございま
す。特に、地域農業の推進と同時に有害鳥獣等に対する対応等も、ただ単に行政が予算措置す
るだけでなく、地域の方々が人足で出ていただいて、ボランティアで出ていただいて、そして
お互いにやりとりをしていくということで、予算の割に大きな事業がされているということは
よく承知をしております。したがいまして、継続ができれば大変結構なことですし、ご指摘の
趣旨を踏まえて、担当部課を通し応援をさせていただきたいと考えておりますので、よろしく
お願いします。
◇6番(坂庭直治君) ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。
 もう1点、最近、県内のある会社さんから、サルに大変有効な超音波を利用した鳥獣撃退器
というものがあります。川場さんで、この間、2台ぐらいテストを行ったようです。人間の耳
にはほとんど聞こえないような音で、サルには大変効果があったと聞いております。予算をふ
やしていただければ、こうした取り組みにも利用することが可能になると思いますので、ぜひ
ともよろしくお願いをいたします。
 それでは、次の土砂災害特別警戒区域なんですが、実はきのう、県の土木の方と勉強会をし
たばかりなんでありますが、まずこれの絡んだところで、さきの台風12号で本当に大きな被
害が出ました。被災された皆様には心よりお見舞いをしたいと思いますが、こういう制度をい
ち早く知ることで、住民の方が身を守ることができるのだと思っています。また、これは住民
の方に知らせるだけでなく、きのう勉強した中では、新築・増改築においても、この法は適用
になりますよと。大変厳しい法の効力があるように感じております。これから家を建てようと
する人が土地を購入するときなども参考になると思いますので、決まりましたら、広く、早く、
住民の方に周知をしていただく、また建築関連の人にもしっかりと周知をしていただいて、こ
の対策をしていただくことが大切なんだと思いますが、その点についてお願いをいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、この問題は、突き詰めてまいりますと、砂防関係のところに
行き着いていくかなというふうに受けとめております。例えば、具体的にがけのところに家屋
が建てられていたとすると、そこが仮に土砂災害の特別計画区域に指定されると、そこのとこ
ろを移転していかなければいけないということになってまいります。これについては、地すべ
りであるとか砂防であるとか、そういうところとの関係が非常にリンクしてまいりまして、こ
の関係は、例えば具体的にはがけ崩れが起きやすいところだとか、あるいは土石流だとか、地
すべりだとか、そういう付近の部分が対象のエリアに入ってくるのかなと思っております。し
たがいまして、本沼田市におきましては、そういったことを見ますと、どちらかというと山間
地域の背中に急峻ながけ等を背負っているようなところは、そういう事業の対象になっていく
のかなというふうに受けとめております。
 いずれにいたしましても、たまたま砂防関係の方のそれなりの立場になっておりますので、
今後もこれらの遺憾なき対応を図る必要があるのかなと思っております。市といたしましても、
人命にかかわる問題でございますので、しっかりとした対応が求められるかと思っております。
◇6番(坂庭直治君) ぜひよろしくお願いいたします。
 この問題は、市長さんが言われるとおり、本来であれば砂防堰堤とか擁壁などは国とか県と
かが整備していくものであるという説明でありました。国においては、整備率と言いますか、
土砂災害の予想されるところの整備率は20%ぐらいの整備しかできていないと。群馬県はそ
れでもちょっとよくて、32%ぐらい進んでいるという話でありました。
 私がここで何を伝えたいかというと、ここに直接関係あるのは、一個人としてこの問題を見
ていくときに、土砂災害にレッドゾーンとイエローゾーンと2種類の指定が来るんだという話
なんですが、万が一レッドゾーンの指定地域の土地を買ってしまったら、そこに家をつくるこ
とはだめな場合もありますし、つくれるとしても、例えば山側に厚さ15センチ以上の鉄筋コ
ンクリートづくりの壁をつくりなさいとか、さまざまな制限が出てしまって、普通であれば基
礎だって12センチの厚みの45センチぐらいのベースがあればいいところが、30センチ以
上の厚みにしなさいとか、さまざまな制約がかかってきます。言いかえますと、これは建て主
さんの負担ということになりますから、そこを買った人は家をつくるにも余分なお金がいっぱ
い出てしまう。だから、早く周知してくださいよというつもりであります。できれば危険なゾ
ーンは今住んでいないのなら避けた方がよいかなと思いますので、周知をお願いしております。
ぜひともよろしくお願いいたします。
 耐震改修補助制度で先ほど述べさせてもらったんですが、沼田市では耐震改修診断制度は行
っております。この制度は、資料を調べましたら驚いたというか大変すばらしいことに、沼田
が県でもトップクラスで、県と一緒になって取り組んでいるような形が見えましたので、その
辺について、なぜその先の補助制度には行かなかったのか、よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 大事な質問でありまして、その先の話に当然つながってくるわけで
ありますが、時代が耐震関係、重要でございますから、市の内的な実態と照らし合わせながら、
そういった方向を今後考えていかなければいけないと考えております。
◇6番(坂庭直治君) ぜひですね。そのときに一緒に県のホームページから出てきましたが、
地震の層と言いますと、県の方でも、群馬県を縦断している大きな断層がありまして、想定は
しているんです。だからこういう制度があると思いますので、ぜひとも、他の地域でも取り組
んでいる診断だけではなくて耐震について補助まで踏み込んで、この制度については国と自治
体で11.5%ずつ補助しているという話もあります。県での今の取り組みが34.3%、全
国では63.5%とありますので、まだまだ群馬県は国のレベルまでいっていないのだなと思
いますので、ぜひ沼田は先駆けて取り組んでいただければと思います。
 それともう1点、あわせて住宅リフォーム制度なんですが、業者さんが地元の方とかいろい
ろ自治体によって、他のデータを見ますとあるんですが、全国で175の自治体でこの制度に
取り組んでおります。そこの地域のいろいろなデータを見ますと、地元の人が元請さんの場合
とか、最低工事金額が幾ら以上から補助の対象になりますとか、工事総額の何%であるとか、
いろいろな制限はあると思いますが、他と似たような取り組みをしていただければ、この地域
にとって大きなメリットがあるのだと思います。最初にも述べさせていただいたように、建築
屋が元気になれば若い衆も何とか育てていけるし、地域も元気になると思いますので、ぜひこ
の制度についてもう一回よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) ご質問、ご意見の趣旨を踏まえて、積極的に検討してまいりたいと
考えております。
◇6番(坂庭直治君) ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。取り組んで
いただけるものと理解いたしました。
 それでは、耐震改修リフォームで強固な建物ができましたら、最初の方にも少し述べさせて
もらって、もし筋が違ったらお答えは結構ですが、強固な建物ができましたら太陽光発電を設
置、先ほど同僚議員の質問の中にもたびたび出ておりますが、蓄電車というのが最近あるメー
カーさんから発売になりました。単なる電気自動車ではなく、夜になれば、今度はつなぎかえ
ることによって、その電池を利用した蓄電池になる。太陽光の場合は、弱点は何といっても夜
ですから。昼間は電気を発電できますけれども、夜暗くなった場合はできないのだから、要す
るに夜の蓄電池の世界がこれからはエネルギーの世界を多分もっとふやしてくるのだと思って
います。ただ、そこに先駆けて、移動できる蓄電池というのも大きな魅力だと思うんです。太
陽光発電でためたエネルギーを夜、例えば災害時の災害本部で利用する、避難所で利用する、
または暗い道のところでも活躍できる。そうすれば、今回のような停電、燃料切れの心配はな
いわけですから、これは大変安心できることなんだと思います。
 最初にも少し触れたんですが、気仙沼の担当の事務方さんの話を聞いたときに、まず電気が
とまって、災害情報を出すにも、電池の残量を見ながらだから、余り情報を出せないんだよと。
電気がいっぱいあれば情報をどんどん出したいんだけれども、情報も出せない状態が一番つら
かったと。避難所の人の話を聞くと、停電になっちゃったから暗い、ニュースも伝わってこな
い、これが非常につらかったという話でありますので、ぜひこの辺についてもご検討をいただ
ければありがたいなと。
 既に県の方でも5台は導入するというような話も聞いてきました。
 ちょっと筋違いな質問かもしれませんが、行き着く先は、自分の身は自分で守る。これを市
に置きかえたら、自分の自治体は自分で守るという観点の筋からすれば、外れてはいないと自
信を持っておりますので、最後に市長さんの見解をすぱっとお願いして、私の一般質問を終わ
りにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) いずれにいたしましても、きょう坂庭さんで3人の議員が地域エネ
ルギーのことについて深く研究され、そしてご提案されております。坂庭議員の今のご質問の
ご趣旨は、実は、はばかりながら、今初めて拝聴したような経過がございます。したがいまし
て、確かに担保したエネルギーがすぐ放電することなく、他の部署に蓄えていたものが使える
ということになると、効率的なのかなと。
 そういう中にあって、ご案内のとおり、市役所のところに電気自動車の蓄電の関係等につい
ての設置等もするということになっております。そういうのとちょっと今ニュアンスが違うな
と思ったわけでございます。ぜひ、いろいろな意味で教えていただければありがたいとと思い
ますし、エネルギーの問題は、先ほど来申し上げているように、避けて通れない、地域自治体
が自立していくためには重要な課題だと思っておりますので、一生懸命勉強させていただきた
いと存じます。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、井之川博幸議員。9番。
〔9番 井之川博幸君登壇〕
◇9番(井之川博幸君) 通告に従いまして一般質問を行います。諸兄の方々が同じような質
問をきょうしておりますけれども、私も最初に原子力発電問題についてお伺いをいたします。
 3月11日に発生したマグニチュード9.0という日本観測史上最大の東北地方太平洋沖地
震とそれに伴う津波によって、福島県に設置されていた東京電力福島第1原子力発電所におい
て史上例を見ないほど甚大な原発事故が発生し、福島県はもとより東北、関東、中部地方まで
大きな放射能汚染が広がっています。本市においても例外ではありません。
 まず、東電福島原発事故における放射能汚染対策についてお伺いいたします。
 群馬県の5月22日の空間放射線量調査で21世紀の森において県内最高の0.768マイ
クロシーベルトを記録するなど、川場村、沼田市などが地域的に放射線量が高いホットスポッ
トと呼ばれています。群馬県ではモニタリングポストで10年以上前から測定をしており、3
月15日から放射線量がふえたと記録されております。その後、県は小中学校などを含め県内
各地で測定し、結果を公表していますが、沼田市は7月下旬になって測定を始めました。
 市内における放射線量調査について、まずお伺いをいたします。学校等については教育長に
お伺いしたいと思います。
 また、放射線は自然界に存在し、私たちは日々その影響を受けているわけですが、今回の事
故によって大量の放射線の影響を受けることになりました。子供たちは大人の何倍もの影響を
受けると言われています。子供たちを初め、人体への影響とその対策についてお伺いをいたし
ます。生徒・児童など教育委員会の関連は教育長にお伺いをいたします。
 さらに、既に農産物などが汚染され、農業、観光などの産業界にも風評被害が発生していま
す。放射能汚染による被害や風評被害などの被害総額とその内訳についてお伺いをいたします。
 続いて、地域防災計画の充実及び原発からの撤退と自然エネルギーの普及推進についてお伺
いをいたします。
 沼田市は、事故を起こした福島第一原発からは200キロほどの距離がありますが、今回の
ような影響が出ています。一番近い柏崎刈羽原発は100キロ圏内です。一定の距離があって
も、事故が発生したときの風向きによって放射能汚染物質が運ばれてきて、大きな汚染が広が
ってしまうというのが今回の大きな教訓でもあります。防災計画をこういう点でも見直す必要
があるのではないでしょうか。柏崎刈羽原発の事故を想定した地域防災計画についてお伺いし
たいと思います。
 また、原発の安全神話が崩壊し、事故後半年もたっても事故の収束もできない、現在の技術
では完全に制御することができない「原子力」を使用する原発からは撤退することが必要だと
思いますが、市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 世界では50数カ国が実施しているという再生可能エネルギーを買い取ることを中心とした
再生可能エネルギー法が成立しましたが、市長の見解をお伺いいたします。
 さらに、本市では太陽光発電や太陽熱利用の設備設置の補助制度を実施していますが、さら
なる自然エネルギーの普及推進についてお考えをお聞かせ下さい。
 次に、子供たちのための保育及び子育て支援の充実についてお伺いいたします。
 国は、福祉に係る財源を縮小する一環として、保育の分野でも国や自治体の責任を減少させ、
民間任せにする保育における「新システム」を進めています。このシステムになると、保育が
事業として利益を上げる企業の参入を認めることとなり、福祉とはほど遠い保育になってしま
うという心配の声が全国から上がっています。市長の「新システム」に関する見解についてお
伺いいたします。
 最近のマスコミでも、全国各地で子供に対する虐待や育児放棄などで自分の子供の命を奪っ
てしまうという事件が報道されています。殺人事件までになって報道されるのは氷山の一角で、
そこまで至らないが虐待や育児放棄は我々の身近なところでも起きています。本市におきまし
ても保健師さんや児童相談員などが日々取り組んでいると思いますが、虐待や育児放棄などの
発見と保育における対策についてお伺いいたします。
 本市においては、中央児童相談所における障害児として認定され国の補助が受けられる場合
から外れてしまう「軽度」障害児に対する保育への補助制度を実施していますが、この軽度障
害児補助制度における「保護者申請」への見直しについてお伺いしたいと思います。
 続いて、子育て支援について。本市におきましては今年度から保育園保育料において第3子
の無料化を同時入園時から第1子が卒園しても小学校3年までは延長するという拡充を実施し
たわけであり、関係保護者は喜んでおります。厳しい不況が続く中でも子育ては削ってしまう
というわけにはいかず、保護者負担はますます大変になっています。本市では少子高齢化が一
層進んでおり、その対策として子供を産み・育てる環境の良好化はますます必要になっていま
す。一層の子育て支援の進展として、保育コストの保護者負担の軽減についての市長のお考え
をお聞かせ願いまして、私の1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、原子力発電問題について、東電福島第一原発事故における放射能汚染対策について、
市内における放射線量の調査についてでありますが、本市においても今回の原子力発電所の事
故に伴い、安全性の確認を行うため、飲み水については3月23日に測定を開始し、厚生労働
省の示す暫定規制値以下となっております。農産物についても群馬県と連携を図って検査を行
っており、すべて暫定規制値以下で、安全であると考えております。
 空間放射線量の測定については、群馬県が5月から市内の保育所、幼稚園、学校において測
定を行い、本市でも測定機器を使用した定点測定を7月から市内7カ所で実施、都市公園の測
定も行いましたが、いずれの地点においても文部科学省の示す基準以下であり、放射線測定の
指導と計測結果の評価を依頼している群馬県立県民健康科学大学の杉野博士も、健康への影響
は心配ないとの評価でありました。
 次に、子供たちを初め人体への影響とその対策についてでありますが、現在の市内空間放射
線量の測定結果は、先ほど申し上げたとおり、文部科学省の安全基準を下回っています。さま
ざまな放射線に関する情報が日々錯綜しておりますが、市民への情報提供をできるだけ多くし
て、冷静な対応をしていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、放射能汚染による被害や風評被害などの被害総額とその内訳についてでありますが、
今回発生した事故により、群馬県においては、ホウレンソウとカキナが出荷停止となり、その
他の農産物についても風評被害が発生し、本市におきましても大きな被害を受け、経済的影響
ははかり知れないものと受けとめております。
 8月5日には、原子力損害賠償紛争審査会より、第1次指針及び第2次指針に続き中間指針
が示され、農産物の被害・風評被害のほか、観光業等の風評被害に関する損害の範囲等が示さ
れました。
 農産物につきましては、東京電力福島原発事故農畜産物損害賠償対策群馬県協議会が取りま
とめ、東京電力株式会社に対し損害賠償の請求等を行っているところであります。
 8月29日現在における損害賠償請求額につきましては、群馬県全体で約42億9,000
万円、沼田市分は約8,700万円であり、そのうち出荷停止に伴う請求額は、群馬県全体で
約23億5,000万円、沼田市分は約6,700万円、風評被害の請求額は、群馬県全体で
約19億4,000万円、沼田市分は約2,000万円となっております。
 また、仮払いの状況でありますが、群馬県全体では約19億400万円で請求額の約44%、
沼田市分が約3,700万円、約42%となっております。
 次に、観光業等における風評被害についてでありますが、群馬県が実施した県内観光業の風
評被害調査において、震災以降の3月中の9大温泉地の損害額が総額で約20億円に上り、う
ち本市の老神温泉のキャンセル状況は、件数約1,000件、人数5,000人、損失売上額
4,000万円という状況でありました。
 なお、東京電力株式会社から中間指針に基づき補償の算定基準等の詳細が示された段階で、
今後その基準に基づいて観光業者等により損害額が算定されることから、現時点では被害総額
は把握できておりません。
 今後、賠償に関する詳しい情報を収集し、請求主体となる民間の観光関係団体等に提供して
いきたいと考えております。
 次に、地域防災計画の充実及び原発からの撤退と自然エネルギーの普及推進について、柏崎
刈羽原発の事故を想定した地域防災計画についてでありますが、現在、東日本大震災において
発生した福島第一原子力発電所の事故を教訓とし、国の防災基本計画や県の地域防災計画の見
直しが進められているところであります。
 市の地域防災計画でも、県内には原子力発電施設がなかったことから、危険物施設等災害応
急対策計画で放射性物質の事故に係る応急措置にとどまるもので、事故の対応を規定しており
ません。さきの坂庭議員にご答弁いたしましたとおり、今後、国や県計画の修正動向を踏まえ
て、市で対応可能な範囲で地域防災計画に反映させていきたいと考えております。
 次に、原発からの撤退についてでありますが、今回の福島第一原子力発電所の事故により、
原子力発電に対して国民の信頼が失われていることや、安全確保にさまざまな課題があること
から、代替エネルギーの確保に応じて段階的に撤退することが望ましいと考えております。
 次に、再生可能エネルギー法に関する見解についてでありますが、風力や水力など再生可能
エネルギー源から発電した電力に対し電気事業者の買い取りを義務づけた「電気事業者による
再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が8月26日に成立いたしました。
 再生可能エネルギー特別措置法で電気事業者の買い取りが義務づけられたことは、太陽光、
風力、水力、地熱、バイオマスについて普及拡大が期待できると考えておりますし、本市とい
たしましても、今後研究していかなければならないと考えております。
 次に、自然エネルギーの普及推進についてでありますが、浄水場では原水を活用した水力発
電、近年では、本庁舎、各振興局の太陽光発電による外灯整備や利南公民館の太陽光発電シス
テムの設置など、公共施設への自然エネルギーの導入を進めてきました。
 平成21年度からは、住宅に太陽光発電システムや太陽熱利用システムを設置する市民へ設
置費用の一部を補助して普及促進に努めているところでありますが、今回の福島第一原子力発
電所の事故により電力供給に問題が生じていることを考えますと、エネルギーの地産地消とい
う観点から、自然エネルギーの普及推進について検討していかなければならないと考えており
ます。
 次に、子供たちのための保育および子育て支援の充実について、「新システム」に関する対
応について、「新システム」に関する見解についてでありますが、国におきまして昨年9月よ
り「子ども・子育て新システム」につきまして、すべての子供への良質な生育環境を保障し、
子供を大切にする社会、出産・子育て・就労の希望がかなう社会、仕事と家庭の両立支援で充
実した生活ができる社会、新しい雇用の創出と女性の就業促進で活力ある社会を実現すること
を目的に、基本制度ワーキングチームなど3つのワーキングチームで検討を進めてきましたが、
7月27日に中間取りまとめが行われ、給付設計や幼保一体化を中心とした制度設計が示され、
7月29日に決定されたところであります。
 現時点において、示されているような内容をめぐっていろいろなご意見があることも承知し
ておりますが、本制度がスタートする際には、やはり保護者の不安が取り除かれ、子育てに希
望を持ち、安心して子育てができる制度としてスタートされるよう望んでいるところでありま
す。
 次に、虐待や育児放棄などの発見と保育における対策についてでありますが、最近児童虐待
による不幸な事件の報道がふえていることから、憂慮すべき問題であると認識をしております。
本市におきましても児童虐待の防止対策につきましては、家庭児童相談室においてさまざまな
相談に対応するとともに、情報収集に努め、また要保護児童対策地域協議会を設置して、警察、
保健福祉事務所、児童相談所、学校、保育園、民生委員・児童委員等関係機関、庁内関係各課
と連携しながら、早期発見と対応に取り組んでおります。
 「新システム」の中間報告取りまとめの中で触れているのが、虐待防止の観点から保育の利
用が必要と判断される場合など、入所の優先や契約による利用が著しく困難と判断した場合は、
市町村が措置による入所、利用を行うこととし、仕組みは今後検討するとしており、今後の国
の具体的な制度の中身の検討状況を注視していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、子どもの健やかな育ちと安全な保育を確保するために、これまで
と同様、保育施設との連絡を密にし、情報収集に努めるとともに、要保護児童対策地域協議会
や児童相談所など関係機関と連携し、早期発見と対応に努めることが重要と考えておりますの
で、ご理解をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、軽度障害児補助制度における「保護者申請」への見直しについてでありますが、本補
助制度は、障害児を受け入れている民間保育所に対し保育士の加配を行うことにより障害児の
処遇の向上を図ることを目的に平成17年より実施されているものであり、その補助基準は重
度、中度、軽度の障害の程度に応じて、1人月額7万4,140円、3万7,700円、1万
2,600円を補助しているものであります。
 制度発足時は、県において重度、中度の該当者には2分の1の補助があり、その該当要件も
障害者手帳の交付された児童というような明確な判断基準があったわけでありますが、軽度障
害につきましては市長が軽度の障害を有すると判断した児童となっており、その判断基準は明
確なものではなく、各保育園からの障害児調査書の提出をもって判断させていただき、補助を
行ってきたものであります。
 しかしながら、年々ふえ続ける該当申請に対しまして、その基準が明確でないことは問題が
あることから、数年前よりその基準づくりに取り組んできたところであります。
 各保育園よりの障害児調査書において保育園での当該園児の状況を知ることができますが、
軽度の障害があると判断された場合、保育園での保育とともに家庭での対応も大変重要である
と考えております。そうした園児の状況を保護者にも知っていただき、家庭とともにその軽度
障害からの脱却を目指す保育に取り組みたいとの思いから、今回、その調査書の提出に当たり、
保護者からの申請に基づきという方向で検討している旨を通知したところでありますので、ご
理解をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、子育て支援について、保育コストの保護者負担の軽減についてでありますが、現在、
市の保育料につきましては、国が定める基準額を下回る基準で徴収させていただいております。
 その基準は、国が定める保育に必要な経費相当額1カ月1人当たりの換算で6万1,626
円について、およそ42.8%相当の2万6,341円の保育料を集め、残りの2分の1は国、
4分の1は、県、残りの4分の1は市ということで、全体の割合からいいますと、保育料42.
8%、国28.6%、県と市それぞれが14.3%という割合で負担すべきとの考えに基づき、
国県よりの交付金が交付されているところであります。
 しかしながら、本市におきましては、保育の重要性にかんがみ、国が定める基準のおよそ6
0%程度の26.8%、1万6,550円相当の保育料の基準となっており、本来負担すべき
市の割合14.3%に16%を足した30.3%、1万8,612円相当を市の負担としてお
ります。
 さらに、私立保育園の運営につきましては、こういった国などの基準以外に幾つかの補助基
準によりできる限りの補てんを行い、保育の一定の基準を満たすよう努力しているところであ
りますので、ご理解をよろしくお願いをしたいと思います。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、「市内に
おける放射線量の調査について」及び「子供たちを初め人体への影響とその対策について」に
つきましては、教育長からも答弁申し上げますので、よろしくお願いを申し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 井之川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、原子力発電問題について、東電福島第一原発事故における放射能汚染対策について、
市内における放射線量の調査についてでありますが、教育委員会所管の学校等の教育施設につ
きましては、県は5月から6月にかけて、市内の全幼稚園、小中学校などの放射線量を測定い
たしました。また、県教委も、川田小学校を定点として、毎週火曜日と金曜日に測定をしてお
ります。
 さらに、市教委としましても、市内の小中学校から7校を抽出し、6月20日から隔週で学
校プールの放射性物質の測定をしております。
 測定結果につきましては、いずれも文部科学省が示した線量低減策を実施する場合の基準値
を下回っておりました。
 次に、子供たちを初め人体への影響とその対策についてでありますが、先ほど答弁いたしま
したとおり、市内における教育施設の放射線量が文部科学省が示した線量低減策を実施する場
合の基準値を下回っており、子供たちへの人体への影響は現状では心配ない数値と考えており
ます。
 教育委員会といたしましては、幼児、児童生徒が園庭や校庭などで活動した後には手洗いや
うがいを徹底するなど、今後も指導を継続していきたいと考えております。
 以上申し上げまして、井之川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後3時08分休憩
       ─────────────────────────────
午後3時15分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇9番(井之川博幸君) ただいまご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきた
いと思います。
 沼田市では3月には上水道、それから県が農産物、それから学校等、それから先ほど申し上
げました21世紀の森などを県が調査をしました。その後、7月下旬になりまして沼田市も測
定器を買いまして、調査をしました。一応市役所の7カ所と都市公園などをやりましたけれど
も、例えば市役所の本庁舎、数字が出ておりますが、市役所の本庁舎のどの場所で調査をした
のかということと、数値は地表50センチ、1メートルというふうに出ておりますけれども、
実際には1カ所しかしなくてその数値が出ているのか、それとも市庁舎の敷地の中いろいろや
られたけれども、発表しているのは一つなのか、その辺の内容を教えてもらいたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 市民部長の方から答弁をいたさせます。
◇市民部長(田辺昇利君) お答えいたします。
 市役所庁舎の測定でございますけれども、駐車場の1カ所を実施いたしました。以上です。
◇9番(井之川博幸君) 例えばで聞いたので、7カ所とも、それぞれの振興局なども1カ所
ずつかなというふうに思います。専門家に言わせますと、測定器の空間放射線量は、先ほど言
いました地表だとか高さで違うと。それから、測定器の向きによっても、これは変わる。もう
一つは、全国で試され済みでありますけれども、雨水が集まるところとか芝のところとか、そ
れから植え込みだとか、いろいろ場所によって非常に違うというようなことが言われておりま
す。別に市民は駐車場しか来ないわけではないので、より安心できるということになりますと、
心配されるような場所も調査する必要があると思うんですけれども、その辺はどのようにお考
えなのかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応、今までただいま市民部長が答弁したとおりの流れでございま
すが、当然これからも対応を図らなければならないこともありますし、また群馬県当局も、先
週、環境森林部長と話をする機会が市長会でもございまして、既にマスコミ報道等なされてお
りますが、かなりのところでも測定をすることにもなっております。したがいまして、私ども
もまたしかるべき時期を見て、そういったことも踏まえながらの対応が必要になってくるかと
は思います。
 ただ、全体の流れとして、測定値の数値が1日、1日減ぜられる方向に一応流れているなと
いうふうな受けとめ方をさせていただいております。
◇9番(井之川博幸君) 教育長にもお伺いしたいわけですけれども、学校は空間放射線量は
県がやってくれたわけなんですが、ホームページなどを見ますと、学校ごとに1カ所で、地表
50センチ、1メートル、そういう数値が出ているわけなんですけれども、これも今市長の方
で答弁いただいた学校のどこか1カ所ということでよろしいかどうか確認をさせていただきた
いのと、学校でも雨水が集まるところだとか側溝だとか植え込みなどがあるわけなのでありま
して、そういうところも調査する必要があるのではないかと思うわけなんですけれども、その
辺のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 今ご質問いただいた観測の関係ですけれども、基本的に1カ所と
いうことであります。
 それから、側溝等、雨水の集約されるようなところ、また排水等のところについてはどうか
ということでありますけれども、細かなことを申し上げるよりは、先ほどもご紹介しました国
の文科省等を中心とした指導通知が8月26日付で入っております。かなり細かな専門的なと
ころまで、さらには文科省及び日本原子力研究開発機構からは、実際の放射能測定の手引きと
いうことで、今議員ご指摘の観測、例えば園庭、校庭での観測地点をどうとるかというような
ところまで、図示までされて示されておりますので、これは国の指導にのっとった形で対応し
ていくと。
 ただ、国の段階でも、今議員おっしゃったような、国の方では「局所的」という言葉を使っ
てありますけれども、全体平面的なとらえ方で安全だという教育委員会の判断をさせていただ
いておりますけれども、局所的な対応については今後の課題であると。これらいろいろ情報や
方法を駆使して、いろいろな条件もあるけれども、ICRPというんですか、国際放射線防護
委員会が言っている考え方の基本どおり、そういう条件も踏まえながらも、できるだけ合理的
な形で低く抑えていく、この考え方にのっとって進めてくださいということがありますが、当
然、沼田市または沼田市の教育委員会も、今後そのような課題への対応をどうするかというこ
とが今後の対応の課題になってきているのではないかと思います。今後検討させていただくと
いうことになろうかと思います。以上です。
◇9番(井之川博幸君) きょうは最初から放射能の関係が議論されていますけれども、放射
能汚染というのは初めての経験でありまして、あらゆる可能性を含めて対処することが必要だ
ということで、専門家はまず放射線量の調査が大事ではないかというふうに言っているわけで
あります。上毛新聞でも紹介されていました群馬大学の早川由紀夫教授の放射能地図を見ます
と……、まず市長はその放射能地図というのは見たことがあるかどうか、お伺いしたいと思い
ます。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、この早川先生の図式というのは、私どももいろいろな経過の
中で、今回の一般質問対応等、前段から、内外から注目されておりましたので、見ておりまし
た。また、今でも手に持っているところでございます。
◇9番(井之川博幸君) 持っているんでしたら結構なんですけれども。今、私も持っており
ます。沼田は200キロ圏内ということで、沼田という字の上に黄色い部分がございます。
0.5の部分。時間当たり0.5マイクロシーベルトという意味なんですけれども。福島県を
見ますと、沼田市が救援物資を送ったり食料を送った白河市というのが福島県にありまして、
ご承知ですけれども、その場所もやはり同じ0.5の範囲です。いわき市というのも、大部分
が0.5の部分だというふうにこの地図では示されております。そういう点で、沼田市、特に
川場村、この地域では、距離は離れていますけれども、思った以上に高い放射線量が観測され
ている。これはご承知だと思いますけれども、3月12日から15日にかけて第一原発が爆発
して放出された放射能が風によって運ばれてきているというように言われております。そうい
う点で、県内でも一番高い地域だということなんですけれども、その認識はございますか。
◇市長(星野已喜雄君) ご質問のとおり、群馬県のエリア等が隣の栃木なんかよりも、ある
いは福島県の会津若松南部等から比べても高い数字になっているということは、これは大変な
ことなんだなというふうに受けとめさせていただいておりました。
 なぜに、この図面の中でも、円上の中の途中空間が空白で、飛び地のような形で本県の方に
そういう影響があるというこういった数値になっているのかなということを内外から聞いてみ
たところ、ちょうど被災を受けた後、雨が降って、そして風にあおられたのが、ちょうど武尊
山南面の方に影響があったというふうに受けとめさせていただいております。そういうことか
ら、この問題が、いかに遠距離であっても、時の自然状態によっては大変な影響が出るんだな
ということを痛感したところでございます。
 ただ、確かに言われるとおり、お隣の自治体と私どもの関係のところが注目をされているわ
けでありますけれども、同じでも、私どもの方がやや低い数値になっているということは議員
ご承知のとおりかと思います。今後とも引き続きしっかりとした検証を加えて対応を図ってい
くことが肝心なのかなと思っております。
◇9番(井之川博幸君) 安全だというふうに言われているわけなんですが、沼田市も含みま
す一市二箇村の清掃工場、下沼田町ですね、そこで焼却された飛灰から暫定基準の8,000
ベクレルを超える放射線量が検出されております。それは埋め立てができないということで、
今一市二箇村の工場で保管をしておりますけれども、渋川でもそのようなことが起きている。
しかし、やはりこちらの方が高かったということになります。それから、奥利根下水処理場の
汚泥からも、群馬県で一番、基準以上が出ているんです。これも保管ということになると思い
ますが。ですから、空間放射線量では基準以下と言われておりますけれども、実際に1市2カ
村の中で集められたごみを燃やすわけですけれども、燃やした飛灰からは基準を超えた非常に
高い放射線量が出ているということですから、集まってきたごみの中に皆付着しているわけで
す。ですから、日常、普段、我々が住んでいるところから集まったごみですから、我々の周り
に非常に高い放射線量があるということが証明されております。下水道関係もそうなんですけ
れども。
 そうなりますと、かなりその辺はシビアになって、きちんと対応していかなければならない
と思うわけなんですけれども、その点では市長の考えはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 二箇村の関係と奥利根の関係のことについて出されたわけでありますが、当初のときは、今
議員のご指摘のとおりでありましたが、ここに来て基準値を下回ってきているということで、
やや安堵しているところでございます。ただ、現実的に、そういった部分があったことは、こ
れは紛れもない事実でございまして、そういったことから今後の対応を遺憾なきを図っていか
なければならないと考えております。
 いずれにいたしましても、ご指摘されているいろいろなそういった関係等については、関係
機関のまたご指導を仰ぎながら、できるだけ市民の皆様に情報をうまく伝達し、そしてそれが
対応のために処していかなければならないと考えております。
◇9番(井之川博幸君) 先ほど浄水場の我々の水道水からは検出されなかったということで、
安全であるというようなお話でありました。しかし、県内でも、もちろん水道水からは出ない
んですけれども、浄水場の汚泥、浄水場で水に含まれたごみをだんだんためていく、落ちてき
れいな水にするわけですけれども、その汚泥の中からは、かなりの放射線量が検出されている
と上毛新聞等にも出ていますけれども、県関係の浄水場では全部調査をして、かなり出ていま
す。うわ水は出ていないんですけれども。底に沈んだ汚泥からは出ているということもありま
して、そういうところまで検査をする必要があると思うんですが、その点ではどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) やはり、ご指摘のされていることについてもしっかりととらまえて
いくことが大事かなと思っております。
◇9番(井之川博幸君) ここで教育長にお聞きしたいわけなんですが、県内でも空間放射線
量は沼田より非常に低い太田、桐生、伊勢崎等で、学校の調査が進んでおります。上毛新聞に
も報道されておりますが、側溝等の汚泥から0.26マイクロシーベルトというのが出たとい
うような報道もされました。沼田市教育委員会は、教育委員会として学校の空間放射線量の調
査はまだ行っておりません。しかし、太田、伊勢崎、桐生などは、教育委員会が学校の敷地内
の高いと思われる場所などを調査して、高い数値が出た汚泥などは除染ということで片づけて
おります。沼田市も空間放射線量では、それらの地域から比べて何倍か高い数値が出ているわ
けですので、学校の敷地内でも危険だと思われる場所はきちんと早急に調査して、高放射線量
が出た場合は除染をするということが必要ではないかと思いますが、この点についてはどんな
お考えをお持ちでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) 先ほど大まかにはお答え申し上げまして、また議員さんのご指摘
もありました、先ほどの言葉を引用すれば局所的な、または局部的なと言いますか、そういう
箇所に集まりやすいということで、赤城南面と言いますか、中部・東部地区の方では、そうい
うところに踏み込んでいる市町村があるというお話でしたけれども、沼田も同様に校庭、園庭
等の受ける平面的な、かなり広がりのある部分の空間のものについては、沼田市教育委員会が
独自にはやっていないけれども、沼田市や県やそういうことで、平面でクリアしていくと、各
学校、安全だと。プールは特定して教育委員会として検査させてもらいましたけれども。
 今後の大きな課題は、今ご指摘いただいた、特別な局所的な箇所の調査を含めたその対応を
どうしていくかということでありますけれども、これは私のレベルでは知り得ぬような専門的
なところもありますし、それから先般の通知文の内容等々を見ていく中で、除染段階に入った
場合の、排除する土壌または汚泥等の処理施設や処理箇所をどうするかというのは非常に大き
な課題がありますので、これは市当局はもちろんでありますけれども、県等の連携、また協議、
指導等をいただきながら、どう対応していくかということであります。
 子供たちは、1日のうちでかなり多くの時間を学校で生活しているわけですから、多くの、
また大きな課題もありますけれども、何とか前向きに対応できればなと考えております。
 ただ、同じくこの通知文の中で、指導的な項目があるわけでありますけれども、その中に、
もしそういう危ぶまれるところがあったら、子供たちを近づかせないような方法をとったらど
うか、また具体的な例なんかも示されておりますので、すぐできるところから踏み込んで、で
きるだけ課題を克服して、ご指摘のような対応ができればというふうに考えております。以上
です。
◇9番(井之川博幸君) 今教育長がおっしゃった中で、とりあえずできないけれども、そう
いう場所に近づけさせないようにすると。これも大事だと思うんです。しかし、その前提が、
やはり放射線量の調査なんです。これは専門家が、どの専門家も、それだけは一致していると
思うんです。そういう点で、沼田市は、県の調査でも池田中で0.362というのが出ました。
北小でも0.295です。川場の保育園よりも低いですけれども、太田や伊勢崎、桐生などの
0.0幾つという段階から見ると、10倍にもなる放射線量なんです。そういう低いところで
も側溝の汚泥などから非常に高い、1.幾つとか、2.6というのが出たというのが報道され
ているわけですから、そういう点では、もちろんその場所に24時間いるわけではありません
ので、すぐ健康に問題があるかどうかというのはわかりませんけれども、非常に空間放射線量
の高い地域ですから、そういう危険な場所を調査して、低ければ安心ですし、高ければいろい
ろな対処をする、最終的には除染をするということが必要でありますので、よろしくお願いを
したいと思います。
 次にいきたいと思います。
 子供たちを初め人体への影響とその対策についてでありますけれども、先ほども、今のとこ
ろ心配ない数値ということでありました。しかし、上毛新聞で報道されましたけれども、いわ
き市は現在0.17程度なんです。しかし、あの3月14日は、同じ場所で毎時20マイクロ
シーベルト以上が検出されて、住民は着のみ着のままで逃げ出したという状況が報道されてお
ります。0.17というのは、沼田市の空間放射線量も0.1から0.2の間なんです。市が
この間調査した数字も最高は0.2を超えています。そういう点で、3月14日、15日あた
りは、そういう状況だったのではないかという予想もできるわけですが、そのとき、利根、沼
田、群馬県で放射線量を調査していたのは前橋の定点と言いますか、器械が設置してある場所
だけだったと思うんです。その当時の線量はわかりませんけれども、今下がってきて、いわき
市でも沼田市と同じような線量のところが、当時はそれだけあったということですから、そう
いう点で非常に心配なことだと思います。
 それで、いわき市を含む子供たちの甲状腺の調査をいたしました。約半数に放射性ヨウ素が
甲状腺から検出されたというのが報道されております。ですから、今同じような放射線量の地
域で、検査すれば、こういうのが出たということですから、やはり沼田市もそういう対応はと
っていく必要があるのではないかと思います。子供たちの調査をする必要があるのではないか
と思いますが、教育長のお考えはどうでしょうか。
◇教育長(津久井 勲君) ご指摘いただきましたけれども、機器等の問題等もあるようであ
りますので、教育部長の方から答弁いたさせますので、よろしくお願いします。
◇教育部長(水田 修君) お答え申し上げます。
 甲状腺等の調査の関係なんですけれども、午前中の高柳議員のご質問の中にありましたとお
り、機器等で一時に40人から50人ぐらいの測定ができる、全国で32台というような、買
われた福島市等については、1台たしか1億円を超える器械と聞いておりますけれども、そう
いうもので調査を行う、または違う検査と言うんですか、質問にありましたとおり、尿だとか
そういうもので検査。いずれにしても、検査のやり方というものを詰めながら今後対策を立て
ていく必要がある。ですから、その点につきましては、子供たちだけの問題としてでなく、ま
ず子供優先ということなら教育委員会の対応ですけれども、市民という対応ということになれ
ば、沼田市全体でも考えていかなければならない問題ではないか、そのように教育委員会では
とらえておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上でございます。
◇9番(井之川博幸君) わかりました。
 午前中の教育長のご答弁で、余分な放射線は浴びることは避けていくことが必要だというよ
うな内容のご答弁がありましたけれども、それはそのとおりでありまして、でき得る限りの対
応はしていく必要があると思います。そういう点で、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、放射能汚染による被害とか風評被害などについてお伺いしたいと思います。
 市長の答弁で内容的にはわかりました。
 それで、団体等に所属していない方たちに対してもいろいろな通知が出されまして、私の知
り合いでも農協とかに入っているわけではないですけれども、補償された方もおります。そう
いう点で、ぜひ今後とも風評被害の関係でも、例えば自治体がいろいろ対策をとった経費も補
償を要求している自治体もあります。いろいろな面で今回の事態は全く、事故自体は想定外と
いうのはちょっとおかしいと思いますけれども、事故における被害は本当に想定外というよう
な状況でありますので、市におきましても、沼田市民に啓蒙していただいたり、補償を請求で
きるような方たちには懇切丁寧な指導等もお願いしたいと思いますが、その点で、この問題で
の最後にお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 井之川議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 やはり手塩にかけた農畜産物がいろいろな意味で影響が出たということから損害賠償がなさ
れてきたということで、ひとまず安堵しているところでございます。当然、市の立場からいた
しますと、農協系統と連動いたしまして、市民の方々にきちんとした補償がなされるように指
導を適切にさせていただくということになろうかと思いますので、よろしくお願いをしたいと
思います。
◇9番(井之川博幸君) よろしくお願いしたいと思います。
 それから、原発事故を想定した防災計画の見直しは、わかりました。ぜひ、想定外であった
のが今度は想定内になったわけですから、しっかりと計画に反映させていただきたいと思いま
す。
 それから、原発からの撤退についてでありますが、市長がこれ答えたんだと思いますけれど
も、沼田市長の名前はこれには出ておりません。上毛新聞の7月26日の原発撤退、22人の
中に市長が入っておりますが、撤退までの期間が20年以内が8人、5〜10年が5人、20
年以上が3人、こういうふうになっているんですが、市長はどの範囲に入っているんでしょう
か。
◇市長(星野已喜雄君) 上毛新聞のアンケートだと思いますが、私どもは、脱原発の方向は
時代の流れだなという観点でとらまえてきた経過がございます。ただ、そうかといって、これ
をすぐにすれば、日本の国民生活や経済がとまってしまうわけでございます。そこで、当然代
替エネルギーの存在が出てくるわけでありまして、そういうことをしっかりととらまえて、国
家的な規模で、地域の自治体ももちろんのことでありますが、展開することによって、そして
整合性を図りながら展開をしていくというようなことで、議員はどういうふうにとらまえてい
るかわかりませんけれども、年限のとらまえ方については慎重な言い回しになっていたかと思
います。ですから、何年、何年というような、そういったことには触れなかったというふうに
記憶をしております。
 いずれにいたしましても、今後原発に頼るのでは大変難しい時代だなということから、脱原
発の方の立場でもって上毛新聞のそのアンケートには答えてきたというふうに受けとめており
ます。
◇9番(井之川博幸君) 22人中、年限を言ったのは17人ですから、残りが5人というこ
とで、年限を言わなかった中に入っていたということであります。
 しかし、代替エネルギーの問題が出ましたが、代替エネルギーができるかどうかという問題
よりも、原発事故が起きればこのようなことが起きるという、実際に起きているわけですから、
これから柏崎刈羽も起きないとは限りません。そういう点で、原発は一刻も早く撤退、廃止を
する必要があるんだと思うんですが、今までの原発の設置に関して、実際には今14カ所ある
わけですけれども、25カ所ぐらいは住民運動でつぶしてきたんです。そのままいっていれば、
もう30カ所ぐらい、日本は原発列島になっちゃったわけなんですけれども。大地震が起きる
ような地球上の4大プレートの上に乗っている日本列島の上にこのような危険な原発があると
いうこと自体が想定外でありまして、直ちに撤退をするというのが必要ではないかと思うんで
すけれども、もう一度お考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) すべて原発をとめて、仮に直ちにということで撤退すれば、国民生
活、あるいはまた経済活動がとまってしまうというおそれがあることは、今までの経過でご案
内のとおりでございます。したがいまして、どうしても脱原発に向かっていくためには、それ
に見合う代替のエネルギーを常に担保しながら、整合性を図りながら進めていくということの
方が賢明な選択なのかなというふうに思っております。
 ただ、議員がおっしゃっているとおり、非常に厳しい我が日本列島の地層構造もありますか
ら、そういったご心配をされる向きはよくわかりながらも、そこらのところはある程度国民生
活をきちんと守っていく一つのプロセスの中で徐々に対応していくのが賢明な施策ではないか
なというふうな受けとめ方をしております。
 したがって、きょうも午前中の質問者に答弁させてもらっているとおり、代替エネルギーの
早期の開発、あるいはまた展開、そういったことをどんどん展開することによって、一日も早
く議員がおっしゃるような方向に向かって進むことが大事かなと思っております。
 したがいまして、現時点で全くそれをとめてしまえば、今回計画停電等にもあったように、
非常に国全体の活力というのか、そういうものが失しないような形の中の対応が必要なのでは
ないかというふうな受けとめ方をさせていただいております。
◇9番(井之川博幸君) もう一つは、原子力発電は技術的に未確立だということです。事故
が起きると、今の人間の技術ではとめられません。何年もかかってしまうという話です。その
間に被害が大きく広がるということですから、何としてもこれは早く撤退させなくてはなりま
せん。
 それで、市長も誤解されていると思いますが、私はあしたとめろとかあさってとめろ、こう
いうことではないです。いつまでにとめるというのを決めて、早期にとめる計画をつくって、
それまでに代替エネルギーを間に合わせるというような考え方でやらなければ、いつになって
撤退できるのかわからない。こういうことでありますので、早期に撤退をする必要があるので
はないか。もちろん、そこに総力を挙げて代替エネルギーを開発していくということが必要な
んです。そういう立場に立っていく必要があるのではないかと思いますけれども、もう一度お
聞かせ願いたいと思います。
 それと、特別措置法もできました。全国でもいろいろ始まっております。本市におきまして
は、午前中のやりとりで、ちょっとまだはっきりしないなというのがありましたけれども、以
前、葛巻町ということを紹介し、自然エネルギーの推進を市長にお願いしたことが何度かあり
ます。葛巻町は、町の電力の自給率は160%です。ですから、町の中では全部自然エネルギ
ーの電力で間に合っている。自動車等を走らせるのにガソリンなどを使いますから、まだエネ
ルギー全体は70%を超えたところだということはありますけれども、電力は間に合っている
ということであります。
 それと、県内でも太田市のメガソーラー設置と「おおたまるごと太陽光発電所構想」という
のが報道されております。太田市の清水市長は、報道によりますと、次は国政に出るというこ
とが決まっているらしいので、国政に出るような人は政策策定能力と実行力があるのかなとい
うふうに思うわけなんです。そういう人は国政に出ても役に立つかなというふうな感じもしま
すけれども、市長は国政に出るかどうかわかりませんけれども、リーダーシップをぜひこの際
大きく発揮して、いろいろな計画を推進していただきたい。そういうふうに考えるわけなんで
すけれども、なかなかほかの議員さんとの議論を聞いていましても、いつ本当にやるのかなと、
はっきりしないです。具体化をどう進めるか。そういう点でリーダーシップを発揮していただ
きたいというふうに思うわけなんですけれども、その点についてもお伺いをしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段の質問でございますが、本質的なご質問とその流れにつ
いては、おおむね考え方が同じかなというふうな形で受けとめさせていただきました。議員の
立場からすれば、先行きの見通しを期限を切って、そしてそこに向かって進むようにというこ
とでありますが、ご案内のとおり、これは国全体の問題でありますので、過日の上毛新聞には、
そういった言い回しをさせていただいたという経過がございましたが、早いにこしたことはご
ざいませんので、それはそれなりに私どもも、できることは自治体の立場から頑張っていかな
ければならないと思っております。
 後段のご質問でございますが、これは私の認識が間違っていればお許しをいただきたいと思
いますが、葛巻町はたしか風力発電にエネルギーを添えるというふうに思っております。実は、
本県は空っ風の県でありますから、この風力発電が有効なのではないかというふうな思いを私
もかねがね持っておりました。しかし、私の承知している範囲では、風力発電は今のところ、
こちらから行くと、かつての国体道路の西側に、利根川を隔てたところに1カ所あるだけでは
ないかと受けとめさせていただいております。
 となると、では何が有効かとなると、日照率が高いということから、先ほど太田の話が出ま
したが、太陽光は有力な手段だなというふうに思っております。
 また、当該地区のように非常に水の落差の大きいところは、現実にそれぞれのダムから来る
水力発電等もたくさんございまして、県企業局でありますが、最近でも久屋に利南の発電所等
ができております。そういうことで、本市のみならず、国や県等のそういった事業展開も踏ま
えながら、自給エネルギー確保のために努力をしていかなければいけないというふうに考えて
おります。
 したがいまして、太陽光や風力や水力や地熱やバイオマス、そういったことをとらまえます
ときに、太陽光あるいは水力等が有力な手段になるかなというふうな形で今思っているところ
でございまして、ぜひ今後ともそういったご意見がありますならば、いろいろな意味でまたお
知恵等もいただければ幸いでございます。
◇9番(井之川博幸君) 確かに葛巻町は風力発電もやっておりますけれども、風力、小水力、
バイオマス、太陽光、いずれも取り組んでおります。これは2年前にたしか市長に要望して、
そのときに沼田市でも太陽光発電の補助を実施したいということでご答弁をいただいたのだと
思います。だから、2年前に細かい内容は要望いたしました。議事録にも載っていると思いま
すので、よろしくお願いしたいと思います。
 環境庁の関係でも、潜在的可能性ということで、今国内の全発電設備容量の10倍は自然エ
ネルギーの潜在的可能性があるだろうという数字を出しております。そういう点で、沼田市で
もまだまだ小水力や太陽光以外にもバイオマスなど、木もいっぱい生えているわけですから、
それから畜産も行われております。いろいろなところで研究をしていただきたい。そして、先
ほど言いましたように、議論だけしていたのではだめなんです。実際に実行していかなければ、
太田のように実行していかなければ、いつになっても原発は必要だというような感覚も残るわ
けでありまして、ぜひそういう点でも市長のリーダーシップを発揮していただきまして、早期
に沼田市でも大いに取り組んでもらいたいと思います。お願いをして、次に進みたいと思いま
す。
 子供たちのための保育の推進ということで、「新システム」に関する見解を聞きました。こ
れは来年度の国会に提出される予定であります。何といっても、国とか市町村の保育を認可す
るということがなくなるわけでありまして、前は保育は市が措置していたわけなんですけれど
も、措置というのがなくなりました。今も前よりは状況が大変なわけなんですけれども、その
辺の認識は市長、ありますでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、ここに市町村の関与という資料がございまして、市町村によ
る措置というくだりがございます。「保育の利用が必要と判断されるにもかかわらず、保護者
が進んで保育の利用をしない場合など、契約による利用が著しく困難と市町村が判断した場合
には、当該子供について市町村が施設、事業者に対して措置する」というような形でもって今
までがあったというふうに受けとめさせていただいております。しかし、これからは選択とい
うことで対応が進んでいくという形の認識でもって受けとめさせていただいております。した
がって、保育園に入ろうとする当該者が、みずからが選択をしていくという流れになっていく
というふうな形で受けとめさせていただいております。
◇9番(井之川博幸君) それは、国や市町村の責任がなくなるということではないでしょう
か。その辺の認識をお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 全くなくなるということは難しいことが発生するなということは私
も率直なところ、受けとめさせてもらっております。一応専門的な分野に入りますので、部長
の方から答弁をいたさせます。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 命によりお答えを申し上げます。
 それぞれ市町村の新たな役割というものが出されてきておりますけれども、その中では、市
町村につきましては、当該市町村の住民に新システムの給付等を提供、確保するわけですけれ
ども、そのために必要ないろいろな権限あるいは責務、そういったものを法律上、市町村に位
置づけるというような内容になっております。
 幾つかその点について申し上げますと、子供の家庭の状況に応じた給付の保障事業の実施、
質の確保された給付事業の提供、給付事業の確実な利用の支援、事業の費用、給付の支払い、
計画的な提供体制の確保、整備。こういったいろいろなものがあるわけですけれども、それ以
上の細かなところにつきましては、まだ示されておりませんが、それなりの市町村の関与、そ
ういったものが今後明確になってくるのではないかというふうに考えております。以上です。
◇9番(井之川博幸君) ですから、今は市町村が保育を提供するという義務があるんです。
今の法律では。今度「新システム」になりますと、義務がなくなるんです。認定するだけでい
いんです。この子供は保育所に入ると認定をするだけ。あとは直接保護者が保育園と契約をし
て、保育料を払うんです。市が保育料を徴収しないんです。だから、市の責任は軽くなるんで
すねと聞いているわけです。その辺、わかりませんか。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 市町村のそういった責任がなくなっていくのではないかとい
うようなご意見が出されていることも承知しています。保育料につきましても、国で一応の基
準は定めますけれども、直接契約の中で、保護者の方が直接施設の方に納める。市町村では、
そこの市町村の支援をする分につきましては、保護者に直接給付という形になっておりますけ
れども、施設での代理給付というような形に移っていくのではないだろうかというようなこと
も予測されているという状況でございます。
 いずれにしても、責任が軽くなるという表現が合っているのかどうなのかというのは今の現
状では私も何とも申し上げられないんですけれども、事務的には今までと確かに軽くなってい
くというのは事実ではないかと思っております。以上です。
◇9番(井之川博幸君) 認定するだけで、措置をすることも要らなくなるわけです。そして、
保育料も市が集めなくてもいいんです。直接保育園と保護者の間でいろいろやっていく。
 運営費というのを今払っているんです、国と市町村が保育園に。運営費も払わなくなるんで
す。今までの補助金制度がなくなって、お金自体は払うんですけれども、保育に使わなくても
構わないんです。だから、保育園は企業が運営して、もうけを上げれば違う事業に使っても構
わない、こういうような制度になるので、市町村の責任というのは物すごく軽くなるんです。
ですから、市にとっては、それをいいと思うか、それとも子供や保護者にとってまずいと思う
か、これが非常に大事なところなんです。そういう点でどのように考えているのか、もう一度
お聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 子供にとって国民的課題は、将来を担う金の卵ですから、当然健全
育成がなされていることが求められていると思っております。そういった中で、国家の方で制
度改正等が進んでいるようでございますけれども、将来を担う子供たちがきちんとした健全な
育成がなされていくことが望ましいわけでございまして、そういった意味では、決して利益追
求のような形に物事が進んでいくということについては、やはりきちんとした目線でもって見
ていかなければいけないと思いますし、またそれなりの対応が求められてくるのではないかと
思っております。
◇9番(井之川博幸君) 法律が変わって、それに市町村が従っていくということになります
ので、何としてもそれは私どもは阻止をしていきたいと思います。
 時間がありませんので、軽度障害児の関係でお伺いしますが、1回目のご答弁では、基準が
明確でないので家庭の対応も必要で、保護者からの申請に基づいて行いたいという通知を出し
たと、こういう話なんですけれども、保護者から申請してもらえば基準は明確になるんでしょ
うか。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 今回の見直しの大きなポイントとしまして、一つは事務事業
の見直しの中で基準を明確にしなさいというのがございました。それから、もう1点は、かな
りの人数の軽度の障害児の方がいらっしゃるという中で、子供たちの対応につきましても、県
あるいは保護者、そういった方の共通の認識のもとに、きちっと適切な対応というものをして
いくべきではないだろうかというところが大きな柱でございます。
 そういった中で、申請ということを基本に現在調整中でありますけれどもという通知を出さ
せていただいております。それは、保護者も園も、あるいは市も、共通の認識を持つというと
ころからそういう表現になっておりますけれども、具体的な中身をどういうふうにしたらいい
んだろうかということにつきましては、引き続き検討をしているところでございます。以上で
す。
◇9番(井之川博幸君) 一つは、基準は市の保健師さんなどがきちんと確認をしていると思
うんです、現場で。市の方で軽度の障害があるかどうか、そういう点で確認はしっかりできる
と思うんです。基準が明確でないというのは、それは事務上の問題ではないでしょうか。現場
ではきちんとそういうことがなされていると私は思っていますけれども、その点はどうなんで
すか。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) お答え申し上げます。
 調査書を補助の申請と一緒にいただいておりますけれども、中身を見る限り、日々奮闘され、
よく子供さんのことを見ていらっしゃるというふうに感心しております。それとは別に共通な
ものを持ちながら、そういった体制も含めまして、いろいろな形の中でこれからどういうふう
に、そういった子供たちに対しての適切な対応を図っていくことも含めて、検討をしていると
ころでございます。以上です。
◇9番(井之川博幸君) 今回の問題の一番ひどいなと私が思うのは、これは経験済みなんで
す。障害者の子供さんを持っている保護者の方々、親ですね、障害が軽いと、自分の子供は障
害者として認定したくないんです。これは今までも現場でやってきた方は、市の職員だってみ
んな知っていると思うんです。保護者の方に申請しろと言うと、自分の子供は障害児じゃない
というふうに思いたいので、申請しなくなる方が必ず出ると思うんです。これは長い間の経験
なんです。そういう点で、今回のこの制度を実施されるときも、そのような議論はされたと思
います。ぜひ、もとに返ってまた現場に行って、もう一度そういう点を確かめいただきたいん
ですが、その点のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) ただいまの関係につきましても、当然当局内で議論がなされ
ておりますし、そういったお気持ちというのは、公立の保育園にあっても、やはり同様なこと
をお聞きしております。申請という表現を現在使っても、考え方をお示しを各園にさせていた
だいておりますけれども、今後具体的にそういった言葉、表現、むしろそういったものも含め
まして、どういう形が一番、軽度の障害を持つとされている子供さんたちにとって今後必要な
のかということの大きな趣旨に沿えるような形で、内容的にもこれからまた十分検討をさせて
いただきたいと考えております。以上です。
◇9番(井之川博幸君) 障害児の申請がなされない場合、保育園には補助金が来ません。そ
うすると、その子供には手がかかるんですけれども、保育士をふやすことができません。そう
いうことで、ある保育園で以前、この議会のときに私は前にも言いましたけれども、柱に縛っ
ていたんです、子供を。手がかけられないから。そういうことが二度とあってはいけないので、
これは本当に慎重に決めていただきたいと思います。最後にその点をお伺いいたしまして、私
の一般質問を終わりたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと本問題もデリケートなところがあるというふうに受けと
めさせていただいております。市の立場からいたしますと、時代の流れの中で総合的な判断を
して対応を図っているところでございまして、きょう議員からいただいたご意見等もしっかり
受けとめながら今後の対応に処してまいりたいと考えております。
       ──────────────◇──────────────
    第2 延  会
◇議長(大島崇行君) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(大島崇行君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決し
ました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は12日午前10時に開きますから、ご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後4時18分延会
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