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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成23年第4回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号

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平成23年第4回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号
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議事日程 第3号
平成23年 9月12日(月曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 散  会
       ─────────────────────────────
出席議員(21人)
       1番  大島 崇行君      3番  石川 初雄君
       4番  島田 富造君      5番  野村 洋一君
       6番  坂庭 直治君      7番  石井 紘一君
       8番  高柳 勝巳君      9番  井之川博幸君
      10番  大東 宣之君     11番  星野  稔君
      12番  金子 一弥君     13番  山ア 義朗君
      14番  片野 彦一君     15番  大竹 政雄君
      16番  星川嘉一郎君     17番  小野 要二君
      18番  宇敷 和也君     19番  石田 宇平君
      20番  布施辰二郎君     21番  星野佐善太君
      22番  牧野 保好君
欠席議員(なし)
       ─────────────────────────────
説明のため出席した者
市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
白沢町振興局長    木暮  茂君   利根町振興局長    山口 芳久君
総務部長       須藤 一夫君   市民部長       田辺 昇利君
健康福祉部長     黒岩  勉君   経済部長       飯田 敏夫君
都市建設部長     生方 秀二君   総務課長       田村 博史君
会計管理者兼会計局長 松井 玲子君   教 育 長       津久井 勲君
教育部長       水田  修君   庶務課長       増田 雄二君
監査委員事務局長   茂木  一夫君
       ─────────────────────────────
議会事務局出席者
     事務局長       星野 喜一    次長兼庶務係長    加藤 英臣 
     議事係長       木暮 保夫    副 主 幹       木榑 聖子
       ──────────────◇──────────────
    午前10時開議
◇議長(大島崇行君) これより本日の会議を開きます。
       ──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(大島崇行君) 日程第1、一般質問を行います。
 9日に引き続き、順次質問を許可いたします。
  最初に、星野 稔議員。11番。
〔11番 星野 稔君登壇〕
◇11番(星野 稔君) おはようございます。通告に従い、一般質問を行います。
 私は今回、財政問題について、庁舎問題について、防災を基軸にした都市間交流の推進につ
いて、高校再編問題についての4点についてお伺いいたします。
 初めに、財政問題について。
 震災復興が最優先となる中での沼田市財政の今後の見通しについて、地方交付税、国庫支出
金等の見通しについてお伺いいたします。
 本年3月11日の東日本大震災は、私たちの想像を超える甚大な被害を出しました。強い地
震が来たとしても、我が国の耐震基準をもってすれば簡単に倒壊することはないだろう、近年
のインド洋スマトラ沖地震の大津波の被害も、日本ではあれほどの被害は出ないだろう、そし
て安全神話の上に成り立っていた原子力発電所が、これほどもろく機能を失うなどとは想像も
していないことでありました。今さらながら自然の力を思い知らされると同時に、日本列島は
地震の巣の上に位置していることを忘れてはならないと思います。東日本大震災でお亡くなり
になられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申
し上げさせていただきます。
 我が国経済は、バブル経済の崩壊後、長引く景気の低迷と追い打ちをかけるようなサブプラ
イムローン問題における金融不安などから大変厳しい状況下に置かれてまいりました。
 国においては、税収の伸び悩みと増大する社会保障費等の要因から、税収の倍以上の国債を
発行しての財政運営となり、長期債務は増大の一途をたどり、国際社会での信頼が失墜するの
ではないかとの心配の声も聞かれてまいりました。
 本市においては、数年来、大変厳しい財政状況下に置かれてまいりましたが、財政構造の弾
力性を示す経常収支比率は平成19年度の107.0%をピークに平成22年度決算では94.
4%まで改善し、実質公債費比率も地方債発行に際して許可が必要となる18%を下回る17
.4%まで改善してまいりました。この間の市当局の取り組みは大変な努力があったことと拝
察をし、評価をいたしますが、本市の行財政改革は道半ばであり、身の丈に合った財政運営を
目指して、さらなる取り組みを期待するものであります。
 そして今、依存財源に頼る部分が大きい沼田市財政にとって、東日本大震災の復興が日本国
政府と国民に課せられた第一の課題であるとき、地方交付税並びに国庫支出金についてどのよ
うな情報を把握され、見通しを立てられているか、市長にお伺いいたします。
 次に、合併特例債の今までの活用額と今後見込まれる総額はどのくらいになるのかお伺いい
たします。
 平成17年2月13日、沼田市、白沢村、利根村の合併により、新生沼田市がスタートを切
りました。合併協議においての財政推計は、約150億円の合併特例債の活用を見込んでのも
のでありました。しかし、北海道夕張市における財政破綻を契機にして、本市の財政状況から
起債発行の制限を受けることとなり、期待した活用はできない状況にありました。平成22年
度決算において財政数値が改善したことから有効な活用を期待するものでありますが、今まで
の活用額と今後見込まれる総額はどのくらいになるのか、市長にお伺いいたします。
 次に、市の収入の見通しについてお伺いいたします。
 地域経済の厳しい中、市税収入は伸び悩むことが予想されますが、当局としては市の収入に
ついてどのような見通しをされているか、市長にお伺いいたします。
 次に、人件費削減は検討されるのかお伺いいたします。
 前述の通り、財政数値が改善してきたことは事実でありますが、その要因は主に建設事業費、
投資的経費の抑制によるものであります。本市における建設事業費の推移を見ますと、ピーク
時の平成12年度には50億円に近い額が計上され、合併時の平成17年度予算では約30億
円を計上、しかし財政再建が優先されたここ数年は約9億円に抑制されてまいりました。まだ
まだ足腰の強い財政が確立されたとは到底言えない状況にあります。職員給与については、職
員組合との話し合いが持たれてきていると思います。市長はみずから16%削減を継続してお
りますが、今は沼田市財政の再生に向けた正念場として、職員給与削減を職員に対してお願い
するべきと考えるものであります。
 震災復興、低迷する地域経済を考慮すると、本市の収入がふえるとは考えられず、官民格差
の是正も必要であり、人事院勧告など国の判断を待つのではなく、沼田市財政に見合った職員
人件費の削減は必要と考えますが、検討されるのか、市長にお伺いいたします。
 次に、庁舎問題について。
 地震の活動期に入ったと言われる中、耐震基準を満たさない現庁舎の見直しについて、今ま
での検討内容について、今後の進め方について、お伺いいたします。
 市長当局には財政再建が至上命題であったここ数年間、とても庁舎の建てかえなどというこ
とは考えている余裕はなかったと思います。耐震基準を満たさなくても10年くらいは大丈夫
だろうという考えで私もおりました。しかし、3月11日の大震災は、その規模の大きさから、
日本列島が地震の活動期に入ったと言われてまいりました。
 現時点で庁舎の建てかえや移転といった具体的な内容検討はされていないと思いますが、今
までの検討内容について、今後の進め方について、市長にお伺いいたします。
 次に、防災を基軸にした都市間交流の推進について。
 災害時相互応援協定について、今までの取り組みと今後の展開について、お伺いいたします。
 東日本大震災について、世界のニュースは、その被害の大きさとともに被災者の冷静な行動
を驚きと称賛をもって報道しました。また、自分たちにできる支援をしようと国民が立ち上が
ったことも称賛されるものでありました。そのような中、被災地支援で高い評価を得たのが災
害時相互応援協定による市区町村の支援であったと言われております。
 応援協定を結んだ自治体を支援したとしても、費用に国の補助はないため自腹となりますが、
都市間交流の着実な前進につながると期待するものであります。東日本大震災において、首都
圏東京でも金町浄水場で放射性物質が検出され、水の危機にさらされました。それを救ったの
が協定を結んだ自治体からの水支援でありました。本市においての今までの取り組みと、今後
の展開についてどのようなお考えでいるのか、市長にお伺いいたします。
 次に、震災あんぜんパックについて、今までの検討内容と今後の展開についてお伺いいたし
ます。
 私は都市間交流について最も感銘を受けた講演は、前衆議院議員、早稲田商店街相談役の安
井潤一郎先生を白沢町振興局に迎えて開催された講演でありました。講演内容を要約すれば、
都会の人は安全を求めていること。もしものときに疎開できる場所があると助かること。そこ
で「疎開保険」とも言える「震災あんぜんパック」を販売し、年会費を払ってもらい、一年間
該当する震災がなかったときは加入者に特産品などが届くというシステムがあることをお話に
なられました。
 本講演会には市長を初め幹部職員も多数参加されておりましたので検討されてきたと思いま
すが、取り組む場合の問題点も含めて、今までの検討内容と、今後の展開についてどのような
お考えでいるのか、市長にお伺いいたします。
 次に、高校再編問題について。
 市の基本的な姿勢について、県教委が進める沼高・沼女統廃合の進め方に対する市長、教育
長の見解について、お伺いいたします。
 例を見ない速さで進行する我が国の少子高齢化は、今後急激な人口減少へと進んでいきます。
このことは近い将来、学校の統廃合は避けて通れない行政の課題であることを市民の皆さんは
よく理解をしているところでございます。
 平成17年3月24日県教育委員会は、高校再編整備計画として沼高・沼女両校を廃校にし
て新しい高校を設置することを上毛新聞紙上に発表いたしました。地元自治体や両校同窓会関
係者に対して事前の説明がなかったために、その衝撃は大きく、両校同窓会関係者による反対
運動も大きなうねりとなりました。
 新聞発表からすでに6年が経過しましたが、両校同窓会関係者にできた感情の溝は深く、理
解を得るにはもっと時間をかけて丁寧な説明がされるのは当然のことであります。そこから沼
高・沼女に限定しない利根沼田地区の高校再編協議が始まらないと大きなしこりを残すことに
なると思います。
 県の管轄する問題ではありますが、地元自治体の市長、教育長の立場から、進め方に対する
見解をお伺いいたします。
 最後に、利根沼田地区の高等学校5校について、どのような形が望ましいか、市長、教育長
のお考えをお伺いして、1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの星野議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、財政問題について、震災復興が最優先となる中での沼田市財政の今後の見通しについ
て、地方交付税、国庫支出金等の見通しについてでありますが、国におきましては、「財政運
営戦略」の一環として平成24年度から平成26年度を対象とした「中期財政フレーム」を策
定し、平成23年8月12日に閣議決定をしております。この中で、地方の対応につきまして
は、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の総額については、平成24年度か
ら平成26年度の間は平成23年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確
保することとしております。
 したがいまして、平成24年度から平成26年度の3年間の普通交付税につきましては、そ
れほど大きな減少はないものと考えております。しかしながら、特別交付税につきましては、
東日本大震災の復興等に多くを注がれることが予想されますので、非常に厳しいものになると
考えております。
 また、国庫支出金につきましては、財務大臣が定めた「平成24年度予算の概算要求に係る
作業について」の中で、年金・医療等に係る経費等、地方交付税交付金等及び概算要求枠の中
の義務的経費等を除くその他の経費については、前年度当初予算の10%減で要求することと
しておりますので、建設事業費等に係る国庫支出金などについては一定の減額が予想されます
ので、厳しい見通しを持たざるを得ないものと考えております。
 いずれにいたしましても、本市の財政構造が地方交付税等の依存財源に頼らざるを得ないこ
とから、引き続き国等の動向を注視するとともに自主財源の確保及び経費削減等を図りながら
財政運営に努めてまいりたいと考えております。
 次に、合併特例債の今までの活用額と今後見込まれる総額はどのくらいになるかについてで
ありますが、合併特例債の発行につきましては、平成17年度から平成22年度までに発行し
た額は20億900万円であります。
 今後の見込まれる総額ということでありますが、合併特例債につきましては、合併後10年
間発行ができる起債で、本市においては平成26年度までがその期限となっております。また、
合併特例債は、通常の起債と比較して事業費に対する充当率や交付税措置など大変有利な起債
でありますので、今後の活用につきましては、将来の公債費負担等を見据えながら、期限であ
ります平成26年度までの間に有効に活用してまいりたいと考えております。
 次に、市の収入の見通しについてでありますが、まずは市税を除く歳入につきましては、先
ほどの地方交付税、国庫支出金等についてご答弁申し上げましたとおり、国の「中期財政フレ
ーム」の中で地方の安定的な財政運営を図ることとされておりますので、一定の財源確保がな
されることと思われますが、今後も引き続き国等の動向に注視してまいりたいと考えておりま
す。
 また、市税収入の見通しにつきましては、リーマンショックを引き金といたしましたところ
の世界金融不況に伴う景気低迷に回復の兆しが見え始めた矢先に、東日本大震災とそれに伴う
福島原発事故、さらに追い打ちをかけるかのように歴史的な円高が日本経済を襲っており、こ
うした経済動向の中で地域経済も少なからず影響を受け、依然として先行きの不透明感が強い
状況にあります。
 先月の新聞報道で「県税収入40億円減」との記事が掲載されたところでありますが、本市
におきましては、税源移譲があった平成19年度以降、市税の賦課総額はほぼ漸減の状況が続
いており、徴収率は向上しているものの、収入額は毎年度、減少しております。
 主な税目の今後の見通しにつきましては、固定資産税で平成24年度が評価替え基準年度で
あることから、家屋分は経年による補正減、土地も価格の下落が続いており、家屋の新・増築
分を含めても減収が見込まれます。
 個人市民税では、団塊世代の集団退職や正規職員からパート・派遣等の雇用形態の変化によ
り全体的に所得額の減少が続くと考えられ、また法人市民税においても、前年同期に好転の兆
しが見えていた法人もやや業績に陰りが見えるなど、税収の伸びに結びつくまでには至ってお
りませず、厳しい状況が続くと推測しているところであります。
 いずれにいたしましても、引き続き財源確保について努力してまいりたいと考えております。
 次に、人件費削減は検討されるのかについてでありますが、人件費につきましては、効率的
でスリムな組織を目指した機構改革、さらに事務事業の見直しや民間委託等を推進し、計画的
な職員採用による職員数の適正化を図り、人件費総額の削減に努めているところであります。
したがいまして、職員給与につきましては、今後の人事院勧告の内容や財政状況を考慮しなが
ら対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、庁舎問題について。
 地震の活動期に入ったと言われる中、耐震基準を満たさない現庁舎の見通しについて、今ま
での検討内容についてでありますが、議員ご承知のとおり、建物の耐震化につきましては、平
成16年10月に起きました新潟県中越地震以降、地震災害から国民の生命、財産を守ること
を趣旨とした「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が平成18年1月に施行されておりま
す。これに伴い、本市におきましても、平成20年3月に「沼田市耐震改修促進計画」を策定
するとともに、同年6月に庁内組織として「沼田市建築物等耐震化推進会議」を立ち上げ、市
有施設における耐震化促進を検討する中で、耐震診断を初めとして設計及び耐震改修などを行
ってきたところであります。
 このような中で、本庁舎等につきましても平成19年度に耐震診断を行い、その結果を踏ま
え、他の公共施設との優先度及び財政状況等を勘案し、現在に至っているのが現状であります。
 次に、今後の進め方についてでありますが、庁舎につきましては、万が一の災害発生時に市
民の安全・安心を確保すると同時に災害時の防災拠点としての役割を担うなど、その重要性と
必要性については、今回の東日本大震災で改めて認識させられたところであります。
 このような中で、今後の進め方につきましては、財政状況等を踏まえ、「沼田市耐震改修促
進計画」や第五次総合計画の後期計画の中で十分協議、検討してまいりたいと考えております。
 次に、防災を基軸にした都市間交流の推進について。
 災害時相互応援協定について、今までの取り組みについてでありますが、自治体との災害時
相互応援協定では、昭和44年に利根沼田の市町村間において締結をいたしましたところの消
防相互応援協定を初めとして、平成13年には群馬県及び県内市町村との間において水道災害
相互応援協定を、平成7年には姉妹都市である静岡県下田市と、また平成20年には、昭和1
9年に板橋区の学童約1,600人が学童疎開したことの縁から、板橋区を初め12市町との
間において災害時における相互援助に関する協定を締結するなど、相互応援体制の強化を図る
ため、それぞれ締結を進めてきたところであります。
 次に、今後の展開についてでありますが、東日本大震災のように被害が広域化し、県内や市
内での物資調達が困難となる場合を想定し、都道府県の区域を越えた自治体から応援を受ける
ための災害時相互応援協定の締結は不可欠と考えております。
 今後も、現在締結している他県自治体及び企業との連携を密にするとともに、多種多様な災
害時の応援協定の締結を推進していきたいと考えております。
 次に、震災あんぜんパックについて、今までの検討内容についてでありますが、震災あんぜ
んパックにつきましては、新宿区早稲田商店街発案の「震災疎開パッケージ」が平成22年度
から「震災あんぜんパック」に改称され、NPO法人全国商店街まちづくり実行委員会が事務
局となり運営されております。
 制度の内容といたしましては、加入希望者は希望する疎開先を指定して年会費を納め登録し
ておくと震災時に疎開ができるというもので、震災が起こらなかった場合は地域特産品が届け
られることとなっております。
 また、受け入れ先といたしましては、温泉地の旅館を中心に現在11都府県となっており、
一時、本市の老神温泉旅館組合も登録していた経過があります。
 このパックは商店街が主体となった取り組みで、都市と地方が防災面で連携できるすぐれた
制度であると思いますが、これまでの災害と被災された方を拝見いたしますと、幾つか問題点
があるとも考えております。
 特に、3月11日に発生した東日本大震災でも明らかなように、これまでの地域コミュニテ
ィーを継続できるかが被災者の方の大きな安心につながるということであります。残念ながら、
現在の震災あんぜんパックでは、個別の申し込みとなっておりますので、知らない人たちが知
らない土地に疎開することになり、地域コミュニティーが継続できない場合が考えられますが、
震災直後の応急的な被災者の救助については、災害救助法に基づく措置がとられることから、
震災あんぜんパックについても見直しが行われると聞いておりますので、さらに検討してまい
りたいと考えております。
 次に、今後の展開についてでありますが、震災あんぜんパックは災害救助法の適用や個々の
対応などを前提としております。このような制度のもとでは、先に述べたとおり、地域コミュ
ニティーが継続できない場合がありますので、地域コミュニティーが継続できる取り組みとし
て、板橋区などと締結しております防災協定や新宿区などとの交流をもとに日常的な結びつき
を強める中で、万一の場合は互いに助け合うという基礎自治体同士の絆を大事に育てていきた
いと考えております。もちろん、沼田市の都市規模ですべての人を受け入れることはできませ
んから、一定のコミュニティー単位の受け入れになるとは思いますが、被災された方の立場に
立った対応が図られるよう友好関係都市と連携してまいりたいと考えております。
 次に、高校再編問題について。
 市の基本的な姿勢について、県教委が進める沼高・沼女統廃合の進め方に対する市長、教育
長の見解についてでありますが、県教育委員会におきましては、平成12年5月に「学校教育
改革推進計画策定委員会」を設置して、群馬県の高校教育改革について諮問し、翌平成13年
9月に「21世紀に求められる群馬の高校改革」という最終答申を受けて、平成14年2月に
は「高校教育改革基本方針」を決定いたしました。この中で、平成14年度から平成18年度
までの5年間にわたる「前期計画」が提示されるとともに、平成17年3月には、沼高・沼女
の統合を含む、平成19年度から平成21年度までの3年間にわたる「中期計画」が策定、提
示されました。
 このことが平成17年3月24日の上毛新聞に報道されるに至って、多くの市民の反響もあ
り、両校同窓会の署名活動等が展開されました。
 翌、平成18年度には、利根沼田地区の教育界を初め各界の代表者を集めての「沼田地区新
高校開設準備に係る懇談会」が3回開催された結果、今後も統合時期にこだわらず、引き続き
協議・検討を継続していくという県の方針が示されました。
 さらに、平成20年11月から平成23年2月の間に「利根沼田地区高等学校のあり方に関
する懇談会」が都合4回開催されるとともに、平成21年7月には「群馬県高校教育改革検討
委員会」が設置され、平成22年3月には「群馬における今後の県立高校のあり方」について
報告書が提出されました。
 そして、今年度、平成23年7月には、「第5回利根沼田地区高等学校のあり方に関する懇
談会」が開催され、利根沼田地区の高校再編についての構想案が示されたところであります。
 市長としての見解でありますが、平成17年3月の新聞に沼高・沼女の統合の記事が掲載さ
れたことにつきましては唐突であったことは否めないと感じております。しかしながら、その
後、県知事及び県教育長あてに、市長、地元町村長と連名で「地元関係者への情報提供を行う
とともに、地元関係者との十分な協議により、理解とコンセンサスを得ること」との要望書を
提出し、また市議会におきましても「地域の合意形成を最重点課題と位置づけて取り組むこと」
との意見書を提出いたしました。その結果、県教委は、沼高・沼女の統合については白紙に戻
し、改めて利根沼田管内5校の再編について検討するという方針転換がなされるとともに、そ
の後の進め方については慎重に説明会や懇談会を行うなど、その対応につきましては一定の評
価をしているところであります。
 次に、利根沼田地区の高等学校5校について、どのような形が望ましいか、市長、教育長の
考えを伺いたいについてでありますが、平成23年7月26日に開催されました「第5回利根
沼田地区の高等学校のあり方に関する懇談会」におきまして、利根沼田地区の高校再編のあり
方についての構想案が示されました。
 まずは、沼高・沼女については、「構想Aとして、平成27年度から平成29年度までの間
に、沼高と沼女を統合し、男女共学の普通科高校とする」「構想Bとして、平成27年度から
平成29年度までの間に、沼高に男女共学の理数系コース又は学科を配置する」「構想Cとし
て、当面、統合や学科改編を行わず、学級減で対応する」との3案が示されました。
 尾瀬高校においては学級減や1学級定員の引き下げ等を行っていくこと、利根実業高校にお
いては農業及び工業分野の教育の機会を確保すること、利根商業高校については平成27年度
から平成29年度までの間に県への移管を図り、商業分野の教育の機会を確保するなどの案が
それぞれ示されました。
 県教委といたしましては、これまでの経過を踏まえるとともに、今後行われる懇談会等を通
して地元の意見を聞きながら、構想案に基づく検討を進めるとのことであります。
 市長の見解といたしましては、地元町村長と連名で提出した要望書の趣旨のとおり、地元関
係者との十分な協議により理解とコンセンサスを得て対応をしていただくものと考えておりま
す。
 以上申し上げまして星野議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、高校再編問題
につきましては教育長からも答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 星野議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、高校再編問題について。市の基本的な姿勢について、県教委が進める沼高・沼女統廃
合の進め方に対する教育長の見解についてでありますが、今までの県教委が進めてきた高校再
編の経過につきましては、先ほど市長が答弁したとおりであります。
 さらに加えるとすれば、沼田市、利根郡小中学校PTA連合会との懇談会や生徒、保護者、
教職員別に意見を聴取した利根沼田地区5校での懇談会が開催された経緯があります。
 教育長としての見解についてでありますが、この問題が提起された当初においては、県教委
の対応がやや唐突であった感もありましたが、その後においては、沼高・沼女の統廃合を一た
ん白紙に戻し、改めて5校の再編についての協議を進める中で、関係者の意見聴取等、慎重か
つ丁寧な対応をしてきていると考えております。
 次に、利根沼田地区の高等学校5校について、どのような形が望ましいか教育長の考えを伺
いたいについてでありますが、先ほど市長が答弁したとおり、平成23年7月26日に「第5
回利根沼田地区の高等学校のあり方に関する懇談会」が開催され、利根沼田地区の高校再編の
あり方についての構想案が出され、現在検討中であります。
 教育長としては、地元市町村長連名による要望書及び沼田市議会の意見書の趣旨にのっとり、
県教委が開催した懇談会や各種団体から出された要望書等を踏まえ、地元関係者との理解とコ
ンセンサスを得る形で、利根沼田地域の子どもたちにとってよりよい高校再編がなされるよう
強く願っております。
 以上申し上げまして、星野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇11番(星野 稔君) 答弁をいただきましたので、何点かにわたって再質問をさせていた
だきます。
 まず最初に、財政問題についてでありますが、1の地方交付税や国庫支出金等の見通しにつ
いては、1回目の市長の答弁でよくわかりました。国も大変な状況ですので、これは的確に情
報を把握されて、見通しを立てていただきたいと思います。
 2点目の特例債の関係ですけれども、17年度から22年度まで20億900万円を活用し
たということで、当初予定は150億円近い額を見込んでいたわけです。夕張市の財政破綻を
契機にして、沼田市も財政数値が悪かったためにリミッターをかけられてしまったということ
で、合併後、白沢、利根の人も本当に不満な面もあったでしょうし、それを預かる当局側は、
それ以上に気持ちは大変だったと思うんです。当然、これは有効に活用していっていただきた
い有利な起債でありますので、主な点について、26年度までどのくらい使うという額を出す
のはなかなか難しいところはあると思うんですが、市長が現在で考えている、次年度に向かっ
たり、現時点で見える特例債の活用、どのような事業があるか、披瀝をいただきたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 星野議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 まず、最初の地方交付税、国庫支出金等の関係につきましては、今後も議会等のご支援もい
ただいて、何とか1円でも確保できるように努力してまいりたいと考えておりますので、今後
のご支援方、議会の立場から、お願いをしたいと思います。
 さて、質問の合併特例債の関係でございますが、議員がご指摘のとおり、厳しい財政状況が
あったことから、どうしても事業を平準化しながら展開することが、合併特例債の活用につい
ては慎重な流れにあったという経過がございます。残された期間もあとわずかということから、
実は現在総合計画の後期の実施計画等について今いろいろと検討を加えておりますけれども、
学校関係の耐震関係について思い切って措置をしていきたいと思っております。
 例えば、具体的なことを申し上げますと、沼中等ということでお答えをしておきたいと思い
ます。というのは、沼田中学校が非常に大型な予測がなされます。したがって、沼中等という
ことでもって申し上げておきたいと思いますので、よろしくご理解のほどをお願い申し上げた
いと思います。
◇11番(星野 稔君) できるだけ依存財源に頼る部分、本当に中山間地域の自治体という
のは大変なことで、先月も東京に同僚議員と勉強に出かけてきたんですけれども、ほかのそう
いうところへ来ている議員と話をしても、沼田市の議員というのは、ほかの議会の議員が経験
できないことをここ数年間経験させてもらってきたという感があるんです。財政について積極
的に踏み込めるところは、市長、耐震等もこの後で触れますけれども、ぜひ有効に活用してい
ただきたいと思います。
 次の市の収入についてですけれども、これから一定の確保がされる見通しはあるが、震災等
の影響、円高の影響もあって、なかなか厳しいだろうと。沼田市をここ数年間見ていて、企業
等もなかなか大きな企業が沼田にはなかったですけれども、法人市民税等はそんなに、サブプ
ライムローンの問題を受けたときにも、大きな落ち込みというのはなかったんです。現在の状
況で、少しずつ減りながら、ただし大きく伸びるということは今期待はできないということで、
こちらも状況把握はされているということで、よくわかりました。
 人件費の削減についてなんですが、市長も今後の人事院勧告とかそういうことを見きわめて
対応していきたいということで、はっきりとした明言はされませんでしたけれども、私が申し
上げておきたいのは、市長、今の民間にお勤めの私と同じ40代、中には50代の方でも、月
20万円を稼ぐのが今本当に手いっぱいなんです。そういう状況だけは、市長、ぜひ、受けと
めておられると思いますけれども、受けとめていただいて、民間の厳しさについて市長はどの
ように受けとめているか、改めて再質問させていただきます。
◇市長(星野已喜雄君) 星野議員の再質問にお答えしたいと思います。
 まず、この数年来、職員数を減らすことによって、そして人件費の削減、あるいはまたご承
知のとおり議会の皆様方の決断、あるいはまた常勤、特別職等の関係でもって、いろいろと対
応を図ってまいりました。特に、手持ちの資料によりますと、特別職が大体、合併前後から今
日に至るまで4億9,800万円強の削減、そして一般職が大体11億6,800万円強の削
減ということで、16億6,000万円強の削減を図ってきたという経過がございます。これ
も計画した職員削減の頻度が前倒しもあったりしての経過もございました。
 そういった中で、議員が非常に心配しておりますところの民間と公務員の官民格差のことに
ついての所見を述べろということだと思っております。非常に厳しい沼田、利根の民間の方々
の給与の体系を見ますと、確かに議員がおっしゃっていることは痛いほどよくわかります。私
もいろいろと関係する方々がおりますので、民間の方々が朝早く起きて、勤める前に、例えば
野菜関係の生産者のところに行って、そしてそのお手伝いをして、さらに8時前後の出勤時か
ら一般的な勤めに入るというようなことも、これまた聞いております。したがいまして、そう
いった官民格差の関係については対応を図っていかなければならないと考えておりますが、一
方におきまして、どうしても人事院勧告等のところについても目を配らざるを得ないところも
ございます。
 したがいまして、今後、本市に見合った形のそういった展開等を考えていかなければならな
いと思っておりますので、今後ともいろいろな角度からまたご指導いただければと思っており
ます。
◇11番(星野 稔君) 実は、この通告を出したころ、群馬県の職員で幹部の職員の方とち
ょっとお話しする機会があったんです。今回こういう通告を出したんですと。私がそこで指摘
を受けたことがあるんです。同じ公務員の立場とかそういう変な意味でなくて、なるほどなと
思って聞いたのは、公務員を働かせることを議会は考えるべきだと。やる気をそぐようなこと
ではなくて。でも、財政再建、財政の拡充をして。市民要望は、今いろいろあるわけです、多
岐にわたって。市長もこれよくわかっていることでしょうし、光を当てなければならない部分
というのは、まだまだあるんです。決して今の沼田市の状況が、私はそこまで行っているとは
到底まだ思っていないんです。それは当局の方も皆さん同じだと思うんです。
 その中で、数年前、一般職員の方が5%削減を取り組まれました。そのときに、私はそれが
正しかったと思うのは、退職金だとか将来の年金に手をつけるようなことはちょっとまずいと
いうのがあったので、それは県の職員の方も同感のことを言っておられました。ただ、市長、
隣接のみなかみ町であるとか、取り組みがかなり、合併をしてみなかみ町も財政的に厳しかっ
たでしょう、それに対して職員の方は、先日お会いした方は58歳で早期退職で今はやめてい
るんです、みなかみは。一般職員も給与の削減を受け入れて、今、みなかみは財政的にはもう
持ち直してきましたと。職員の方が、なかなか迫力あったです。そういう腹があるということ
は。町のためには我々はそこは身を削ってでも役に立ちたかったということをおっしゃってい
ました。
 ここで私が申し上げたいのは、今後、市長と職員の皆さんでぜひ協議をいただいて、ある程
度方針を打ち出していっていただきたいのは、これだけ大変な時代ですから、じゃあ職員の方
も前回並みの5%削減でもいいでしょう。その上で、じゃあ我々がこの大変なときを、この沼
田を何とかしますと。その分を、市長、小さな事業展開もあるわけです。統一地方選の年であ
りましたので、各議員と話をしても、一番我々が市民の方から選挙に対して言われたことは、
安心して生活できる沼田にしてくださいという言葉が一番多かったんです。その安心をしてと
いうのは具体的にどういうことでしょうかというと、医療の拡充支援であったり、沼田のここ
数年頭を痛めてきたバスの、足がない、買い物に行けない、村部の方は医者にも行けないとい
う方がいるんです、随分。そういう方を見ると、お金がないからということで済む問題ではな
いと思っていまして、そういうことをぜひ踏まえて市長も検討していただきたいと思います。
その点について、よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) まず、隣接の自治体の動向のことが紹介されました。このことにつ
いては、執行部も議会の皆さんもいろいろと把握していることかと思います。確かに西部の方
におきましては、星野議員がおっしゃっているようなことがあったということは私も受けとめ
ております。今後の私どもの教訓に生かしていければと考えております。
 なお、統一地方選挙で、今回ほど安心して生活できる沼田にしてくれということが市民の方
からあったときはなかったというお話でございましたけれども、まさに3月11日は統一地方
選挙のちょうど1カ月ぐらい前に当たるときに発生しておりましたから、当然安全・安心とい
うことが大きな課題となって市民の間で話題となったということは容易に想像もできますし、
また受けとめなければならないことかと思っております。
 私自身も、利根沼田の広域圏の理事長の立場から、医療関係のことについても、医師の諸先
生が大変今日、医療の制度の流れの中で厳しくなっていることであるとか、あるいはまた集落
の中でお年寄りがふえて、そういった社会的弱者と言われる方々の足が不足しているというこ
とも、よく承知をしている1人でございます。そういったマイノリティーの方々に対するとこ
ろの手配というのは行政の大きな仕事かと思っておりますので、今後の政策の中で前向きに取
り組んでいく必要があるというふうに受けとめておりますので、よろしくお願いをしたいと思
います。
◇11番(星野 稔君) わかりました。
 財政問題については、数値は改善してきたということで、これから決算審査の特別委員会も
今週開かれますので、いろいろと質疑が出ると思うんですが、数字が改善したからといって手
綱を緩めることなく、かといって市民サービスを余り削るというのはよくないと思いますので、
ぜひしっかりと手綱を握っていただきたいと思います。
 次の庁舎問題についてお伺いいたします。
 3月に大震災が起きて、6月の前定例会でも一般質問等が出ておりましたが、基準について
若干、きょうは傍聴の方も多いですから、現状がどうなのかということをちょっとお話ししな
がら伺いたいと思うんですが、3月11日のときに、ちょうど我々議員は立候補説明会があっ
て、北庁舎にいたんです。2時から説明会を聞いたら、とんでもない揺れが来て、随分揺れま
した。パイプいすに座っていても、そのいすが移動するくらいの揺れだったですから。あの揺
れを見て、これはなかなかこれから大変だなというのが率直な思いでありました。
 先ほどから市長は小中学校の耐震補強工事にもお金を入れているんだというお話もされてい
ましたけれども、耐震の数値としてIs値というのがあるんですけれども、これが1に近いほ
どしっかりしていて大丈夫な丈夫な建物だと。現在、この沼田市の庁舎が0.21という診断
が出ているんです、平成19年。数値が0.3以下だと震度6強の揺れで倒壊のおそれがあり
ますというただし書きがあるんです。それゆえに、小中学校の義務教育の校舎の耐震改修を急
いできたということで、かなりの進展をしてきているので、そちらは何とか目安がついてくる
なという気がするんです。
 今回の大震災を受けて、これからまたいつ地震が起きるかわからない。沼田は比較的大きな
揺れは来なかったと言いますけれども、今回の例を見れば、前回の大津波が1,100年前だ
った。地球の歴史からすれば、1,000年、2,000年なんていうのは時間がないような
ものなんです。だから、いつ来るかわからないということを前提で庁舎問題は考えていかなけ
ればならないということで今回通告をいたしました。
 考えられるケースとして、すぐ、すぐ建てかえする財力はないわけですから、ちょっと考え
てみたんですが、五つぐらいあるのかなと。
 今、財政的になかなか厳しいところがあるので、今のままこの庁舎を補強するか。ただ、補
強工事はできないという説明が以前あったと思いますので、補強する場合は、とんでもない格
好悪い形になるんだと思います。何とか1階はつぶされないように鉄骨を入れて、つぶされな
いような補強をする。そんなのがあるのかなと。
 2点目として、現在地で建てかえるか。これを壊して建てかえる。
 三つ目として、ほかの土地へ移転して建てかえるか。
 四つ目として、どこかに空き家があったら、そこに入って移転をするか。
 もう一つ考えられるのが、現在ある市の庁舎に分散して移るかということだと思うんです。
 そんなことが考えられるのかなと思っていたんですが、市長、もし大きな地震に襲われて本
庁舎が使えなくなりましたというときに、その辺はどうするんでしょうか。職員の命、また来
庁者の市民の方の命を守らなければならない。避難は大きな地震のときは徹底しているでしょ
うけれども、うまく逃げさせる。かといって、市長が先ほど言った防災としての拠点となるわ
けですから、例えばこちらの本庁舎の機能が使えないときには、中央公民館に機能を一時移す
とか、そういうようなお考えを持って当局は進めていかないと、建てかえするなりどこかに移
転するとしても、すぐ、すぐの話ではないですから、その間の危機管理ということは必要だと
思うんです。その辺について市長はどうお考えですか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段、経常収支比率と実質公債費比率の関係等について、議
員が冒頭、計数を披瀝して、今日の状況について質問方々からご発言がございまして、これに
ついては議員を初め市議会全体のご支援をいただいて、平成25年度まで考えていた数値を3
年前、つまり25年度末の求めた数値が今日になって具現化してきたということで、そういう
意味では、議員初め市議会の皆さん方のご支援にまずもって感謝と御礼を申し上げておきたい
と思います。
 ところで、ご質問の五つの考えられる選択肢の披瀝がございました。この関係については、
実は現在内部でもいろいろと協議を進めておりますが、総合計画の後期の実施計画を今内部で
検討しております。いよいよ庁舎の関係等については少なからず、今までは我慢に我慢を重ね
てまいりましたけれども、やはり対応を図るような形で現在検討を加えているところでござい
ます。まだ内部の検討中でありますので詳細なことについては申し上げることはできませんけ
れども、そういうことで今後何らかの対応を図る必要があるということで、その辺のことにつ
いては議員がご心配あるいはご指摘しているとおりのことを何とか対応を図っていきたいなと
いうふうに現在考えているところでございます。
 なお、五つの選択肢の中で、一体全体それではどういうふうに一朝有事のときに、これが壊
れたときに考えるのかと、こういうことでございました。当然、議員がおっしゃられるように、
隣接の公共の施設を有効に使うということは、これまた当然のことでございます。その場合、
ある意味においては幸いなことと言えば幸いなことでありますが、地域自治区制度を設けてき
たことから、現行の白沢の庁舎や利根の庁舎も具現化した形の中で動いております。したがい
まして、よしんば本庁管内ですべてがフォローできないとすれば、そういうところでも十二分
に対応が図られるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、そういったときの対応は早急に考えなければならないと思ってお
りますので、今後ともご指導、ご支援をいただければと考えております。
◇11番(星野 稔君) 先ほども申し上げましたけれども、市長、Is値0.3以下は震度
6強で倒壊のおそれがある。本庁舎は0.21の数値が出ています。今一番心配なのは、この
数年はまだかかるでしょう、多分、いろいろ検討していっても。そんなに簡単にこれは結論が
出る問題ではないと思うんです。多分、職員の皆さんにも、避難の仕方だとか来庁者の避難の
させ方だとか、そういうところ、まず来たときの安全確保は徹底していただきたいということ
がまず1点なんです。
 それと、ちょっとこれ伺っておきたいのは、これから総合計画でそういう実施計画等に入っ
てくる。今市長は私が言ったことを大体入れて検討しているというお話でありましたので。合
併を平成17年2月にしました。平成17年度予算から合併振興基金積立基金というので年間
2億円ずつ積み立てをしてきているんです。平成26年度までの10年間に2億円ずつ積み立
てると20億円になります。これは、一般財源1億5,000万円、起債充当で5,000万
円充てて積んで、大変なときだけれども、これをやってきているわけですけれども、この合併
振興基金積立金、平成26年度には20億円たまります。そのお金は、仮に庁舎を建てかえよ
うとするとき、または移転をしようというときに、活用は可能なのかどうか、そこをお聞かせ
いただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 客観的に申し上げさせていただきます。それは可能な財源であると
いうふうに財政当局では認めております。
 同時に、市民の安全確保を第一義的に考えろということについては、お説ごもっともでござ
いまして、これらについては今後いろいろな訓練等、そういったこともできれば何度か、今ま
で以上に頻度を重ねて展開していくということも考えているということを申し上げておきたい
と思います。
◇11番(星野 稔君) わかりました。
 合併振興基金積立金は財政当局では活用は可能であると。これは、恐らく合併したときに大
きな将来の何かのために積み立てたのだと思うんです、目的あって。そういうお金が26年度
までに20億円たまる。頑張って今年度も2億円積んでいる。そこがあるということを確認で
きましたので、大事にこれを活用いただきたいと思います。
 私が言ったのは、市民の来庁者の方もそうですけれども、これは本当に、今来るかわからな
い。来たときに、当初の当局の説明だと、1階部分の方が耐震の基準が悪かったというお話を
していましたね。建物が上から下に押しつぶすようなことが万が一あって、これはしゃれにな
らないですけれども、職員の安全確保、働いている人、あと来庁者の人、うまく逃がすという
ことで、市長も避難訓練等も考えるということですから、そこはぜひ沼田市の危機管理という
観点からもこれは必要だと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次の防災協定に入りますけれども、時間が押しているので、ざっといきます。
 市長は、今後の取り組みで、協定の締結は不可欠であると。自治体や企業間とも進めていき
たいということですので、先ほど私、1回目で言ったんですが、東京の金町浄水場が放射能汚
染されたとか、これから何があるかわからないです。放射能もそうでしょうし、人為的なテロ
のようなこともあるかもしれない。そういうときに、沼田の水というのは非常に大きな力にな
っていくと思うんです。昨年、育樹祭のときに沼田の水のペットボトルをつくって、それを活
用していましたけれども、これは経費はかかるでしょうけれども単年度での勝負というよりは、
私はこれは、多少、1,000万円、2,000万円経費がかかっても、ある程度継続してそ
ういうことも活用していくべきではないかと思うんですが、再度お聞かせいただきたいと思い
ます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時01分休憩
       ─────────────────────────────
午前11時07分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) それでは、再質問にお答えをしたいと思います。
 実は、この水の問題でございますけれども、今回も災害が発生してから以降、金町の問題等
から発生いたしました東京都下の水問題の関係で、在庫としてきちんと残しておいた水を新宿
区の方に送ることで、大変新宿区に喜ばれました。それから、もう一方におきましては、白河
の方にも、そういったことで、大変喜ばれました。何といっても、人間の緊張感が走ったとき
に、どうしても突き詰めてまいりますと水そして塩、こういうことが非常に重要なポイントと
なってくるようでございまして、そういう意味では水の確保は避けて通れない命題だと思って
おります。
 議員ご指摘のとおり、平成22年度には全国育樹祭等もあったもので、沼田の水をお持ち帰
りいただこうということで予算措置をさせていただきました。新年度は、総体的な事業の展開
を見る中で、実は慎重にしてきた経過がございますけれども、これも議員もよくご理解をされ
ていると思いますが、片品川の高戸谷地区から導水してきて、生枝に一たんプールして、それ
を久屋原のところでもって各ご家庭に水が配水されていくという流れの中で、片品川の高戸谷
地区で導水するところの部分の水の成分が非常にいいという客観的なデータがございます。し
たがいまして、先ほどご指摘されたように、水の確保ということは災害時にとってなくてはな
らないことでありますので、もう一度、平成22年度の当初予算をしっかりと見定めて、そし
て沼田の水を担保して、そして何かあるときにはそれを有効に活用していくということは大事
なことかなと思っておりますので、今後それの実現のために検討を加えてまいりたいと考えて
おります。
◇11番(星野 稔君) 今、板橋区とも今やっている、新宿区ともいろいろなおつき合いが
できてきた。1回目の答弁で、こういう事業は不可欠であって、今後も積極的に進めていきた
いということでしたが、当局にも資料をお渡ししたと思うんですけれども、前橋市なんかはこ
の締結数が65というデータが出ているんです。これは多分、企業との相互協力なんかも入っ
ての数なのかなと思うんですが、今後、市長、締結できる場面があれば積極的にまだ広げるつ
もりでいるのか、それを再度お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、今回交流を軸にした課を立ち上げました。中山間
地域の厳しい諸状況を考えてみたときに、固定化されたもののとらまえ方は、なかなか活性化
が生まれてまいりません。先週の金曜日にも一般質問の中で、違った価値観と現在の価値観が
いろいろと切磋琢磨して、そうすると活力が生まれてくるというお話がございましたけれども、
全く私どもも固定化したもののとらまえ方であるとすると、なかなか活性化が生まれてくると
いうふうに思っておりません。したがって、チャンスがあれば、もちろん新宿区、あるいは板
橋区、そして港区にも今回お世話になっておりますが、こういうところ等を含めて、そでをす
り合わすのも何かの縁でございまして、ご縁があるところについては積極的なアプローチを、
あるいはまた協議をしていきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いしたい
と思います。
◇11番(星野 稔君) わかりました。
 時間がなくて、次に高校再編の問題で伺いたいことがあるので、ちょっとはしょっていきた
いと思いますが、「震災あんぜんパック」について市長が先ほど言った問題点も、よくわかり
ます。助け合う制度、これからの日本の社会では、沼田も関係ないということではなくて、必
要なことだと思いますので。現在見直しも行われているということなので、市長はこの辺も、
そういうのを見きわめて、対応できていけるところは踏み込んでいくという解釈でよろしいの
でしょうか。そこを確認させてください。
◇市長(星野已喜雄君) これも議員ご承知のとおり、早稲田大学の関係する商店街の先生に
いろいろとご指導いただいてきたという経過がございます。実際問題として、今回のまさに東
北地方の大震災のようなことからくると、今までの安井先生がとらまえているような形が整合
できるかできないかということになったときに、いろいろと検討する必要があるのかなと。け
れども、安井先生がご提起されている内容の趣旨は、全く同感の至りでありまして、同時に、
それは前段のご縁のある方々との交流を図っていくことによって活性化を図っていくというと
ころに尽きてまいりますけれども、「震災あんぜんパック」というのは地域の活性化の有効な
武器になると思っております。
 ここのところをちょっと整理して考えたいと思うんですが、実際問題として、このあんぜん
パックには当然私どもは積極的にかかわったわけでございます。しかし、安井先生が、ご承知
のとおり国会の方にご出馬されて、ご当選されてから以降、やや国是の方のことについてかか
わってきたということから、ちょっと慎重になったという流れがございました。そういうこと
から、震災疎開パッケージはパッケージで、まずきちんと対応する。同時に沼田市と関係する
自治体との関係については、それはそれで対応するというような整理した状態にしていかない
と、なかなか見定めができなくなる。混在して考えるべきことではないのかなと。したがって、
「震災あんぜんパック」のようなことについては個別対応的な形でいくのか、一方において今
回のようなことについて東京都下の方で一朝有事のことがあったら、コミュニティー対応みた
いな形でもって対応を図っていく必要があるのではないかというような、整理した関係でもっ
てとらまえる必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
◇11番(星野 稔君) それでは、4点目の最後の高校再編問題について答弁いただいたの
で、市長、教育長に伺いたいと思います。
 お2人方とも平成17年の新聞発表は唐突であったということ、また理解とコンセンサスを
得るように要望したということで、そういうコメントはいただきました。市長と教育長が整理
して経過をお話になりましたけれども、それはそれでよくわかるんです。わかるんですけれど
も、地元自治体の市長と教育長には、私はもっと発信をしてほしかったというのが率直な気持
ちなんです。なぜかというと、ある方が、先日お会いした私の先輩なんですけれども、沼高の
統廃合問題なんてどうだっていいんだよと。その方は利根商のOBだったんです。利根商も利
根実も尾瀬高ももう担保されたので、我々には関係ないんだという言い方をされたんです。そ
ういう考えはやめた方がいいですと。そういう考えでいるうちは、市長、この問題は多分前に
は進まないです。県教委のやってきたことは、よくわかるんです。平成17年に上毛新聞にい
きなり出た。それを見た関係者はショックです。これは、驚きます。当然のことなんです、反
発があって。だから反対運動で反対署名に1万8,000人を超える方が署名をしたんです。
沼田市としても、これは2校だけの問題というのではなくて、利根沼田の、特に沼田の歴史と
文化をつくってきたところだと思うんです、教育の場というのは。また、もう一つ言えば、県
の出先機関が一つ減るというふうに考えたら、これは沼田のまちづくりにも大きな問題になっ
てくるんです。だから市長には強い発信をある程度してほしいという私の気持ちなんです。
 では、市長、聞き方を変えてちょっとお伺いいたします。行政が事業を進めるに当たって、
地域に悪い感情を残すような事業の進め方はいいことなんでしょうか、悪いことなんでしょう
か。
◇市長(星野已喜雄君) まず、整理して申し上げたいと思いますが、議員のご友人の方が、
当該校とは関係ないからというようなお話をされたということが出ておりましたが、全く私ど
もそういう考え方にくみする立場でもございませんし、真っ白な気持ちになって地元の学校の
ことについては考えるべきだというふうなことだけははっきりと申し上げておきたいと思いま
す。つまり、議員のお友達が言われたようなことは、大変地域にとってはマイナスに作用して
いくだろうというようなことだけは明確に申し上げておきたいと思います。
 なお、行政が進める上で感情的なものが残った場合には、それはいいことなのか、悪いこと
なのかということになりますと、これは決してよろしいことではないということははっきりし
ているのではないかと考えております。
◇11番(星野 稔君) やっぱり行政の事業推進に当たって地域に悪い感情を残すようなこ
と、これは気持ちのいい問題ではないですね。沼田市でも、市長、数年前に、旧利南中の跡地
にテニスコートをつくるという計画が出ました。そのときに、若干の説明不足もあったのでし
ょう、地元に、地元の反対があったわけです。そのときに市長、教育長がとられた立場は、事
業をとめて、徹底した説明を行ったわけです。それは正しいと思うんです、私は。今回、同僚
議員が一般質問でテニスコートの整備も急いでくれというお話をされていましたけれども、そ
こで壁にぶつかったから若干おくれたかもしれないけれども、その判断は私は正しかったと思
うんです。
 きょう初めて傍聴の方もいらっしゃるでしょうから、この沼高・沼女の問題が何でこれほど
感情的になったのか。私もすべて見てきたわけではありませんけれども、市長、教育長、その
後の進め方については懇談会等を開催して、まずまずいいんじゃないかという見解で答弁され
ました。一番問題なのは、平成17年の上毛新聞紙上にいきなり発表したということ、まずこ
れが一番問題なんです、県当局としては。これは地元の立場から、私なんかも地元の議会の立
場から、これは県に対してよくないことですと、それは声を大にして言うべきなんです。そう
思います。
 県の方も、市長の答弁で、白紙に一回戻して、説明を重ねてきているというお話で、その経
過はわかるんですけれども、ではA案、B案、C案ということで、そういう提案が県の方から
されてきたのも理解はするんですが、では最初にいきなり、もうお前のところはなしなんだと、
いきなり弓を向けられた人たちにすれば、またそこには沼高・沼女の統合という題目も入って
いるじゃないかと。B案も、共学にしてという項目が入っている。感情が残っている限り、こ
の県が進める高校再編協議、利根沼田地区については、うまく前に進まないんだと思うんです。
市長はその辺、一度、地元の自治体の立場から、地元に悪い感情は残さないでほしいと。その
ためには、もう一度、一歩引いていただいて、県教委に、その上で沼高・沼女を一度戻した上
で高校再編協議を、そういう皆さんにも出てもらって、どういう形が望ましいのかと、そうい
う説明を丁寧にやってほしいということは地元の市長、教育長からは私はぜひ県には伝えてい
ただきたいんです。それについて、市長、答弁をお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、いろいろな経過がございまして、議員はよくその
流れは承知していると思いますが、まず平成18年12月に本沼田市議会が「沼田高等学校と
沼田女子高等学校の統廃合問題は当市並びに北部地区の将来を左右する大きな問題である、よ
って高校教育の改革を行うに際しては地域の合意形成を再重点課題と位置づけて臨まれるよう
強く要望する」という意見書を当時の沼田市議会議長が県の教育長あてに出されております。
 今度は利根沼田の広域圏でございますけれども、これにつきましては、私と片品の千明村長
と川場の関村長と昭和の加藤村長と、現在は町長にはなっておりませんが、当時の水上の鈴木
町長と、この5名の連盟で平成19年2月に、「貴職におかれましては、地元関係者への情報
提供を行うとともに、地元関係者との十分な協議により、理解とコンセンサスを得ることにつ
いて特段のご配慮を賜りますようお願い申し上げる次第であります」ということで述べてきた
という経過がございまして、当然、このことが私どもの立場の骨子になっております。
 したがって、ただいま議員の方から県教委に対してもう少し慎重にするようにというような
ことを意見具申した方がいいのではないかというようなお話でございましたけれども、それら
については当然、各町村長とも協議をしながら、慎重な対応を図るような形、これは先ほど申
し上げましたように平成19年2月にきちんとした要望をしているという経過がございますの
で、これを踏まえた形の対応を図っていくということは当然のことかと思っておりますので、
ご理解のほどお願いしたいと思います。
◇11番(星野 稔君) それでは、最後に市長に対して。その後、教育長にお伺いしますの
で。
 市長は沼田の市長であり、一政治家でございます。ちょっと見方を変えて、1点だけ申し上
げたいんです。市長はことしの7月の群馬県の知事選挙のときに、市長は大澤知事の沼田市の
選対委員長を受けられました。幹事長は金井康夫県議でした。4年前に大澤現知事が出馬を初
めてしたときに、沼田市版の公約をつくってほしいということで、事務局をやった私のところ
に話があったんです。その中に実は沼高・沼女の統廃合の問題が余りにも感情が残ってひどい
ぞということで、私が実は原稿を書いたんです。短い文章であえて書いたんです。このときに、
沼高・沼女統廃合問題について、地元の意見を聞かない強引とも言える手法に不安を覚えると、
その短いメッセージを大澤知事の陣営は出したんです。知事は、沼田のことは知らないと言う
かもしれません。ただ、私はその文章をつくって、知事の本部の事務所に了解を得て、確認団
体がそのチラシを発行したんです。これは、ある意味で政治判断なんだと思いますが、政治不
信というのを招いてはだめなんです。私も若輩者ですけれども、市議会に打って出ようと思っ
たときには、根底はやっぱり手の届くところからそういうことは変えていこうというのが目標
でしたので、そういう観点からも大澤知事もちょっとこれは言っていることが違ってくるので
はないかと思うんです。市長は政治家の立場から知事にもその具申はするべきだと思うんです
が、見解をお伺いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) まず、行政の大綱をよく考えてもらいたいと思うんです。実は、教
育委員会制度というのは戦後できたのでございます。教育委員会制度というのは、戦前の反省
の上に立って成立いたしました。つまり、もっと厳密なことを言うと、戦前、教育の世界に政
治がどんどん介入していったことの反省に立って教育委員会制度ができてきている経過がござ
います。確かに、教育長に対する任命権が行政の執行者が持っているということはご案内のと
おりでございます。提案権がございまして、議会のご了解をいただいて、そして特別職たると
ころの教育長が全国都道府県、津々浦々、市町村も皆そういう立場になっております。したが
って、そこのところはきちんと押さえておかないと、ややもすると、いろいろな意味のことを
誘発してくるかなというふうに思っております。
 したがって、どうしてもそういった行政と教育委員会の持っているおのおのの立場というか
権限がきちんとあります。当然、教育委員会には教育基本法があって、それに基づいて行政の
執行をしております。したがいまして、そういうところをしっかりととらまえた形の中で対応
を図っていく必要があるのではないかというふうにだけ申し上げておきたいと思います。
◇11番(星野 稔君) 教育長、申しわけありません。通告したのに、あと1分になってし
まって、これでは教育長にまともに全部聞けないんですけれども、教育長、市長が先ほど言っ
ておられた利根沼田の広域圏の首長さんたちからも要望書が出た、そのスタンスで教育長もい
るということで、これは理解をいたします。
 教育長、群馬県の教育行政の中枢を担われてきた方でありますので、とにかく教育長わかっ
ていただきたいのは、県の進める再編事業によって、利根沼田地区に悪い感情は残していただ
きたくないんです。ここをちゃんとクリアしていかないと次の段階に再編協議はいかないと思
うんです。そこだけは教育長、最後に申し上げさせていただいて、教育長のお考えを再度お聞
かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) 感情論ということでありますけれども、これは当然一般論として
も、先ほど市長の答弁または私の答弁の中でも使わせていただきましたけれども、地元の理解
とコンセンサスをと。郡、市の市町村長連盟の要望書の趣旨も全くそのとおりでありますから。
そして、さら市長は今、教育長のよって立つ立場、根拠法等々についての紹介があったとおり、
私はそういう立場であります。簡単に申し上げれば、政治的な中立性、さらには教育行政の安
定性という趣旨からつくられた行政委員会としての教育委員会の事務執行の責任者と。口幅っ
たい言い方で恐縮でありますが。その立場を逸脱しない範囲において現在まで一生懸命やらせ
ていただきましたので、今後も、今議員さんのご意見、十分お伺いしましたので、それら含め
て、基本的な立場から、よく地元の意見を聞いてくださいよと、それに基づいて判断してくだ
さいよということは当然確認する機会においては確認したいと思います。これはまた、県の教
育長自身の口から懇談会等々、この間の第5回の懇談会でも、明らかに教育長自身の言葉から
出ておりますから。地元の意見を尊重していくんですよと。そういうことですという基本的な
スタンスを申し述べられているわけですから、当然その方向で私も地元のといいますか、議員
さんのご意見を含めて、意を体して、私の立場を逸脱しない範囲において一生懸命努力させて
いただきたいと思っております。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、島田富造議員。4番。
〔4番 島田富造君登壇〕
◇4番(島田富造君) 皆さん、こんにちは。65歳になります新米議員の島田富造でござい
ます。初めて議場に立たせていただきまして質問をさせていただきたいと思います。
 今月初めにありました、四国中国地方を初めとして紀伊半島方面におかれましては甚大な災
害を伴う台風がありましたが、当沼田市におきましては台風の被害も津波や地震の被害も少な
くて、こうして生活していけることに感謝をしながら質問に入らせていただきます。
 最初に沼田市の行政運営について、次に六次産業化法の活用方法、次に地域の活性化につい
て質問をさせていただきたいと思います。
 まず、行政運営について、被災者の受け入れについて質問をさせていただきたいと思います。
市当局は、東日本大震災の被災者の受け入れを、みなかみ町や片品村の対応に比べて他人事に
考えているように思えてなりませんが、市としての独自的考えはできなかったのでしょうか、
お伺いしたいと思います。
 次に、1市2カ村の合併問題について。約10年前の合併は、平成の大恐慌の続く中、肥大
化するばかりの財政を縮小するために合併し、経費を減らす目的ではなかったのかと思います
が、市長のお考えをお伺いしたい。
 次に、財政に占める人件費の削減について。当局なりに相当努力をされ、一昨年度は、昨年
より1億円も改善されたようですが、根本的な改善策はいかに考えておられるかをお伺いした
いと思います。
 次に、市民税の徴収方法について伺います。不況が20年から続いている間に、納められな
くなった延滞税の取り立てを、期限が過ぎたからと差押えをすれば収税になり、担当者の役目
は終わるかもしれません。数年前から延滞税の取り立てが厳しくなって、営業されている人た
ちの不動産から預金まで押さえられますと、銀行は貸し出しをしなくなり、営業が続けられな
くなります。これほどの取り立ては市としてはやめるべきではないではないかと思いますが、
考えをお伺いしたいと思います。
 次に、六次産業化法の活用方法、エコタウン構想とメガソーラー発電についてお伺いします。
沼田市民の住宅の屋根に130万円位の出費で太陽光発電所ができるとすれば、エコタウン構
想を立て、全戸に普及されるべきかと思いますが、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
市は、ことし3月に六次産業化法の施行を受けて、どう取り組もうとしているのかお伺いした
いと思います。そして、メガソーラー発電事業にも摘要されると聞いて居りますが、市の対応
はいかに取組まれているのか、お伺いいたします。
 地域の活性化について、大形商業ビル活用について、沼田市商店街のシンボル的な2万1,
000平米からある近代的ビルを廃虚にするのか。活用方法を検討し、商店街に活気を取り戻
す考えがないのか、お伺いしたいと思います。
 以上、よろしくお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの島田議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、行政運営について、被災者の受け入れについて、市は東日本大震災の受け入れを他人
事に考えているように思えるのだがについてでありますが、本市におきましては、3月11日
午後2時46分の地震発生直後の3時05分に災害警戒本部を設置し、市内の被害状況の把握
とその後の余震に対する警戒に努めてまいりました。
 3月14日からは義援金と支援物資の受け付けを開始し、3月17日には被災地の支援や被
災者の受け入れに重点を置くこととして「沼田市災害支援本部」を、同29日には「総合相談
窓口」を設置し、担当職員1名を配置するとともに各部に連絡担当者を置き、避難者等の受け
入れ等に関する問い合わせ、相談を受ける体制をとってきたところであります。
 被災者の対応といたしましては、第1次受け入れ体制として、「ふれあい福祉センター」
「白沢健康福祉センター」「望郷の湯」「しゃくなげの湯」及びあいている市営住宅を用意し、
第2次受け入れ体制として、4月1日から老神温泉などの宿泊施設に、関係者のご理解をいた
だきながら、避難者500人の受け入れ体制を整え、その後、第3次受け入れ体制として、民
間の貸家所有者のご協力をいただきながら、市でアパート等を借り上げ、被災者に無償で長期
の居住ができるよう対応を図ってきております。
 また、避難者に対する支援事業といたしまして、市民の方々からいただいた衣類等を支援物
資として提供するほか、生活用品セットを配布するとともに、「心のケア」と避難されている
お子さんたちの「夏休みの思い出づくりのお手伝い」として、沼田まつりに合わせて「ぬまた
体験ツアー」を実施するなど、できる限りの支援を行ってきたところであります。
 次に、1市2カ村の合併目的について、約10年前の合併は、平成の大恐慌の続く中、肥大
化するばかりの財政を縮小するために合併し、経費を減らす目的ではなかったのかについてで
ありますが、平成17年2月13日に沼田市、白沢村及び利根村が合併し、新「沼田市」が誕
生してから7年目を迎えました。いわゆる「平成の合併」により、全国の市町村数は平成11
年当時の3,232市町村からおおむね半減となり、現在では1,723市町村となっており
ます。
 近年の地方分権の進展に伴い、国と地方自治体との関係は法的根拠に基づいて「上下・主従」
の関係から「対等・協力」の関係へと移行し、新たな事務区分が設けられるとともに、県から
の権限移譲も年々進み、最も住民に身近な基礎自治体としての市町村の役割はますます重要に
なってきております。また、これまでのように右肩上がりの経済成長が期待できない中で、人
口減少・少子高齢化が進み、国・地方を通じた巨額な債務等を抱える深刻な財政状況下におい
て、複雑・多様化する市民ニーズに的確に対応した市民サービスを提供していくためには、行
財政改革の取り組みや専門的能力の向上等が不可欠になっています。
 私たちの美しい郷土がこれからも未来に向かって発展していくためには、時代の変化、時代
の要請に的確に対応した、足腰の強い、自己責任と自助努力による自立した行財政運営が求め
られています。
 このようなことから、地方分権推進に伴う権限移譲の受け皿や自立性の確保など行財政基盤
の強化、及び合併によるスケールメリットを生かした行財政のスリム化・効率化等を図る必要
があるとの認識に立ち、市民のご理解を得ながら慎重に論議を重ね、対応してまいったところ
であります。
 次に、財政に占める人件費の削減の考え方についてでありますが、合併のメリットである行
財政のスリム化・効率化の柱として、特別職や議員及び一般職の職員の減少などによる人件費
の削減効果が上げられます。
  平成22年度決算における普通会計の人件費は、合併前の平成16年度と比べ約4億7,4
00万円の減額となっており、合併を契機とした削減効果は出ているものと考えておりますが、
財政状況は依然として厳しく、逼迫しておりますので、今後も引き続き人件費の削減に努めて
いかなければならないと考えております。
 次に、市民税の徴収方法について、数年前から延滞市民税の取り立てが激しくなって、営業
されている人たちの不動産から預金まで押さえられると銀行は貸し出ししなくなり、営業が続
けられません、これほどの取り立ては市としてはやめるべきではないでしょうかについてであ
りますが、市税の徴収は、地方税法や国税徴収法など法律の規定に沿って執行するものであり
まして、納期限までに税が納付されない場合には督促状を発送し、その日から10日間を経過
した日までに完納されなかった場合には、滞納者の財産を差し押さえなければならないとされ
ております。
 実際には、督促状の発送後も電話や催告、納税相談等を行い、自主納税をお願いしておりま
すが、それにも応じていただけず、財産があるにもかかわらず納税いただけない場合には、納
期内に納められた大多数の方々との公平を保つため、また税収を確保するために、滞納者の財
産を差し押さえて、それを公売及び取り立てをして市税に充てることになります。
 申し上げるまでもなく、市税は福祉や教育、土木事業など市民生活全般にわたる行政活動の
重要な財源であり、所得や資産の状況に応じて市民の皆様に公平に負担していただくものであ
ることから、租税債権の確保に当たっては、自力執行権が法律で認められております。
 滞納となった税を徴収するために差し押さえを執行することは裁量権のない市の責務であり、
それを適正に執行しなかった場合には違法な不作為となりますので、ご了解をいただきたいと
思います。
 次に、六次産業化法の活用方法、エコタウン構想とメガソーラー発電について、沼田市民の
住宅の屋根にソーラーパネルを上げてもらい、エコタウン計画を立案し、ことし3月六次産業
化法ができたことによるメガソーラー発電に対する市の取り組みについてでありますが、この
六次産業化法は、地域資源を有効に活用した農林漁業者等による事業の多角化及び高度化に関
する施策並びに地域の農林水産物やバイオマス等の副産物の利用促進に関する施策を総合的に
推進することにより、農山漁村の雇用確保と所得向上を図るとともに、食料自給率の向上等に
寄与することを目的としておりますので、今後検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、エコタウン構想とメガソーラー発電についてでありますが、エコタウン構想としての
先進的な事例に太田市の城西の杜で553戸の住宅に設置された太陽光発電システム集中連系
がありますが、これほどの規模は世界的に見てもまれな事例であります。
 現在、住宅の屋根に設置する太陽光発電システムに対しては、県を初め多くの自治体が助成
制度を設けており、本市も平成21年度から補助制度により設置の推進を行っているところで
あります。
 また、メガソーラー発電につきましては、地球温暖化対策、さらには今回の東日本大震災と
その後の電力不足への対応からくるエネルギーの地産地消という観点から、今後研究を進めて
まいりたいと考えております。
 次に、地域の活性化について、大型商業ビル活用について、2万1,000平方メートルあ
る近代的ビルの今後の活用についてでありますが、沼田市下之町地区市街地再開発事業により、
平成5年4月に駐車場棟を併設する商業ビルとしてグリーンベル21がオープンし、平成6年
7月にオープンした市立図書館とは空中歩廊で結ばれ、商業施設と文化施設が一体的に整備さ
れた市街地のシンボル的なエリアを構成し、多くの市民に利用されてまいりました。
 平成14年8月には、オープン以来のキーテナントであった沼田サティがマイカルの民事再
生法申請に伴って閉鎖され、大きな転換点を迎えることとなりましたが、これにかわるテナン
トとして同年11月にAコープを1階に誘致、翌年6月にはサンバード長崎屋を誘致し、商業
核としての機能を維持してまいりました。しかしながら、20年5月のサンバード退店に続き
昨年5月末のAコープ撤退により客足が大きく落ち込むこととなり、集客力の大きいテナント
の早急な誘致が求められているところであります。
 店舗床共有持ち分の約85%を保有するメドテックインベストメントUでは、グリーンベル
21オープン当初に締結された共有店舗床の専用使用契約に基づき、主として核店舗の利用に
供することとされたみずからの持ち分床を直接管理するとともに、主体的にテナントの誘致を
行いたいとの意向が示され、管理者である沼田都市開発株式会社においても商業ビルとしての
再生に向けた検討が進められているところであります。
 市といたしましても、本市商業の振興及び中心市街地活性化のために重要な施設と位置づけ
ておりますので、ビル関係者の方々と協議を行い、商業ビルとしての再生を基本としながら必
要な支援をしてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、島田議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇4番(島田富造君) 被災者の受け入れにつきましては、隣の片品村の受け入れに比べまし
て、沼田の方の受け入れの状況が余りにもおくれていたというか、余り対応がはかばかしくな
かったというような気持ちがありまして、質問をさせていただきました。市としての対応状況
はわかりました。
 1市2カ村の合併問題について再質問をさせていただきたいと思います。
 経費の削減問題ですが、肥大化する経費を減らすために合併をしたのではないでしょうか。
まず、目的をお伺いしたいと思います。
 そして、医療費や民生費の膨脹と人件費を減らすために国があめとむちを使って合併を進め
させたのではないかと思っております。そして、行政のスリム化を進めた自治体は人件費の比
率が相当軽くなって、建設的投資がふやせ、事業もやりやすくなったと思っておりますが、間
違っておりましょうか。
 同じころ合併されたみなかみ町の例を引用させてもらいますと、ある方法を職員の皆さんに
お願いして、合併8年にして人件費が約50億円も削減できたと聞いております。1年間に6
億円もです。これは大変な額だと思いますので、市でも検討をして、ぜひ取り入れていただき
たいと思います。お願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 合併の問題は、私が市長にお世話になったのが平成14年5月から
でございました。当時、前段県会議員にお世話になっているころから合併のことが随分論議さ
れておりまして、市長に就任するや任意合併協議会というものを立ち上げて、その後、法定合
併協議会を立ち上げ、今回の合併になり、そして西部3カ町村の合併も平成17年10月であ
ったかと思いますが成立して、現在の1市1町3カ村の利根沼田の全体構造になってまいりま
した。
 議員がおっしゃるとおり、必要な経費を削減して、そして全体をスリム化する形の中でむだ
を省いていこうということが大きなテーマであったということは、これは内外の方々が申し上
げているとおりでございます。
 ただ、もう一方におきまして、当該地区のように面積が広くて人口が少ないところは、それ
だけを求めていくと、どうしても、例えば具体的なことを言うと、沼田市の庁舎を軸にすると、
遠距離の方々が行政のサービスから疎外されてしまうのではないかということが大きな論議と
なりました。結論から言うと、現在の地域振興局制度を立ち上げて今日に至っているわけでご
ざいます。したがいまして、本利根沼田のように面積が広くて人口が少ないところは、宿命と
も思える遠距離の、きょうも前段、星野議員の方からもご質問がありましたけれども、遠端の
地の方々が町うちの方々と同様に社会的な環境が整っていないがゆえに非常に厳しい状況があ
る、そういうことから振興局制度をとってきたという経過がございますので、ご理解を賜りた
いと思います。
 なお、人件費のことにつきましては、先ほど星野議員のご質問にもお答えさせてもらったと
おり、平成16年以降22年にかけて合算すると16億6,700万円強の人件費が削減され
てきたという経過がございます。みなかみの関係については、私も特別に調べておりませんの
で、議員がご指摘された数値については言及する立場にはございません。努力をされているこ
とについては敬意を表したいと考えております。
 やはり基本的にはむだを省いて、そしてそこから生み出されてくる財源を投資的経費に回し
ていくことによって活性化を図っていくということは行政の与えられた大きな命題であります
ので、議員のご意思を体しながら今後も対応に処してまいりたいと考えております。
◇4番(島田富造君) 産業の少ない沼田市の歳入を見ますと、歳入が多ければ何も言うこと
はありませんが、県内12市の中では最下位か11番目というのに人件費の割合が一番多い市
の次、2番目に高い給料を支払っているというような数字を見ているわけですが、現実からし
て、いつまでこの給料形態のまま支払い続けられるのでしょうか。見込みをできたらお伺いし
たいと思います。よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問も前段星野議員にもお答えさせていただきました
が、人事院勧告という大きな国家の流れもございます。それらを踏まえながら、まずは基本的
に合併当初計画いたしました職員の削減をできるだけ進めていくことによっての対応、そして
同時に人事院勧告等ありますので、それらを踏まえた形の中で、職員のいろいろなご理解をい
ただく形の中から、議員がおっしゃっているようなことを体しながら、今後の対応に処してま
いりたいと考えております。
◇4番(島田富造君) 先日行われました9日の市長の答弁を聞いておりますと、上場会社で
市内では一番大きな会社であります井土上のナショナル木材工業という名称の会社がどうこう
と言っておられましたが、幾年か前にパナソニック電工に改称され、既に四国のパナソニック
電工に合併され、沼田工場の職員350人全員が本社の管理になって、沼田工場は200人体
制になるというような話を聞いておりますが、地元沼田市における影響は今後はかり知れない
ほど出てくると思いますが、いかに市長はお考えでしょうか、お聞かせください。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
       ─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 島田議員の再質問にお答えしたいと思います。
 なお、はばかられますが、通告制度をとっている一般質問になっておりまして、パナソニッ
ク電工の関係等について、私どもが島田議員の通告の中にはそれが盛られていなかったことか
ら、若干ご質問の趣旨とうまく答弁がなるかどうかわかりませんが、ナショナル木材関係につ
いては地元の最優良企業であるというふうに認識をしております。したがいまして、今後も関
係当局とよく連携をして、市の立場からできる限りのご支援をさせていただいてまいりたいと
考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げたいと思います。
◇4番(島田富造君) わかりました。ありがとうございました。
 次に、延滞金の取り立ての問題でございますが、先ほど市長さんからの答弁によりますと、
市民税の徴収と、このように受けとめられました。私が言うのは、市民税を徴収しなければな
らないということはもっともなことでありますが、問題なのは延滞税なんです。延滞税という
のは、年利にしますと14%なんです。14%の延滞金利ということは、今の預金金利で言い
ますと1%以下ですから、約140倍の割合になるわけです。この140倍以上の延滞税の取
り立てについて、もう少し人間的というか、人情味のあるご配慮をいただけるような方法で執
行していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後1時01分休憩
       ─────────────────────────────
午後1時01分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 市民部長の方から答弁をいたさせます。
◇市民部長(田辺昇利君) お答えいたします。
 延滞税の利率につきましては税法上で決まっておりまして、最初の1カ月が4.3%、その
後14.6%ということで、市の方で調整できるものではございませんので、よろしくお願い
いたします。
◇4番(島田富造君) そういう決まりがあるということは知りませんでしたので。一応規定
があると、こういうことですね。理解できましたので、わかりました。
 次に、六次産業化法の活用方法について質問をさせていただきます。
 身近なところで言いますと、川場村におかれましては、5月早々に推進室を立ち上げて、川
場ブランドの特産物づくりを始めておりますし、田園プラザを中心として農産物を出荷してい
る人たちは、年収にして200万円から400万円の収入が得られるようになったと、このよ
うに聞いております。喜んで働く場所ができたということですね。近ごろでは年間入場客が1
00万人以上にも達したというような報道を聞いておりますが、なぜ沼田市としては行政主導
でこのような第2の田園プラザ構想でも立てようという姿勢が見られないのでしょうか。市長
の見解をお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの島田議員の再質問にお答えしたいと思います。
 六次産業の問題は、お隣の川場は田園プラザ、そういった対応を行政の内部から立ち上げら
れてきたということでご提起がございましたけれども、私どもも謙虚に学ぶべきところは学ん
でいかなければならないと考えております。先日も実はリンゴの開園式で、JAの方でカレー
粉とリンゴをミックスしたものをつくり上げるというような紹介がございまして、なるほどな
というふうに受けとめさせていただいてまいりました。私どもも中山間地域に位置して、今後
地域産業を振興するということは大変重要でございますので、議員のご提案を体して、取り組
んでいかなければならないと考えております。
 ただ、非常にここのところは冷静に判断しなければならないのは、よしんば仮に池田地区な
ら池田地区に限定するような形の中で考えていくと道筋が見えてくるなと思うのでありますが、
市全体にネットを張ると、特産的なことが非常に根底に流れておりますので、地域の特性とい
うものが非常に重要になってまいります。したがいまして、川場のような実績が即沼田市全体
に当たるかというと、そこのところは冷静に判断していかなければいけないと思います。
 したがいまして、学ぶところはしっかり学んで、そしておっしゃるようなことについて、や
はり考えていかなければいけないと思っております。
 なお、本市においては、田園プラザの規模ほどではありませんけれども、望郷の湯とかしゃ
くなげの湯とか、そういったところに見合うだけの条件を備えたところもございますので、今
後の対応に処していかなければいけないと思っております。よろしくお願いをしたいと思いま
す。
◇4番(島田富造君) 川場の田園プラザがこのようになってきたのは、約30年かかってで
きてきたというふうに聞いております。みなかみのたくみの里においてもしかりだと思うんで
す。20数年の努力を重ねて今の数十万人という観光客が来るようになった。こういう努力が
実を結んだんだと思いますので、沼田においても、こういった継続した、計画性のある施策が
必要ではないかと思っております。
 また、今の六次産業化法に関係することなんですけれども、沼田にも立派な経営者はいると
思うんです。ある日、雪国アグリの鳥山さんのところへ行きまして、鳥山さんも農産物を扱っ
ているようだが、六次産業化法ができて、これから国が助成をしていこうというのだから、ぜ
ひどんどんやってくれないかというような話をしましたら、実は自分も考えがあって、市の方
にぜひ、新宿区の30万人もの市民がいるところに出店できるような方法を考えているので、
その辺も市の当局の方から協力をしてほしいというような話を聞いておるわけなんですが、市
としてはその辺の取り組み方はいかに考えているのでしょうか。教えていただきたいと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 固有名詞が出てまいりましたが、議会のこういった本会議の席でご
ざいますので、私の答弁は固有名詞には触れないで答弁をさせていただきたいと存じます。
 某民間の方がお考えになっているということについて、そういった経過については行政も把
握はさせいただいております。この某民間の方は、大変積極的な検討あるいは研究もされてお
られまして、常々関心を持っておりました。したがいまして、私どもが行政の立場から、こう
いった地域活性化のために、あるいはまた公共の福祉増進のためにつながるとすれば、当然い
ろいろな意味のご支援はしていかなければならないと受けとめているところでございます。
◇4番(島田富造君) よろしくお願いしたいと思います。
 また、沼田市の行政には余り夢がないと感じておりますが、夢の一つとして、太田市の清水
市長が取り上げているような、全世帯を対象にしたエコタウン構想というような方法が昨今公
表されておるようですが、1軒当たりにすれば130万円程度の投資でもって3.6キロワッ
トぐらいのソーラー発電所を住宅の屋根に乗せて自家発電ができると、こういうような時代が
来ているようですので、市が中心となって、1軒1軒の費用とすればとても130万円という
金額は無理だと思うんですが、仮に500戸なり1,000戸なりというようなまとまった数
字で取りまとめをしてもらって、沼田市をオール電化で暮らせるような町にしていこうじゃな
いかと、こういうような夢をぶち上げていただいて、明るいまちづくりをしていただきたいと
思うんです。そうすれば、ことしの8月、再生可能エネルギー買い取り法案が可決したことで
すし、実現できる環境がそろってきておりますので、ぜひともお願いしたいと思うんです。そ
して、このオール電化の方法が取り上げられますと、約10年間くらいの発電した電気量でも
って整備投資が償却され、10年目から20年間くらいの間は光熱費が要らないで生活できる
というようなメリットが出てきますので、ぜひともこの辺を取り上げていただきたいと思いま
す。よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 先週の金曜日にも地元の自然エネルギーに関する質問がたくさん出
ておりましたが、私どもも太陽光のエネルギーを創設していくことについては全く同感でござ
います。
 確かに言われるとおり、太田市においては華々しく大きなことを立ち上げました。私どもの
方では、いろいろと地域の事情もありまして、そこまでまだ申し上げられる立場にはございま
せんけれども、いずれにいたしましても太陽光発電の関係については他のいろいろな自然エネ
ルギーと比較しても非常に優位性があると、こういうふうに思っておりますので、本日のご意
見あるいはまたお考え方等について受けとめさせていただく中で今後の対応に処してまいりた
いと考えております。
◇4番(島田富造君) ありがとうございます。ぜひともお願いしたいと思います。
 それから、沼田には沼田市の所有地として所有されていながら20年近くも放置されている
山林が池田地区の大倉に30数ヘクタールという土地があるんですが、この辺の活用方法を考
えて、メガソーラー発電にも挑戦していただいて、この市有林を中心として交換分合を進めて
いけば、50ヘクタールなり100ヘクタール、県民の森の下近くまで合わせれば約100ヘ
クタール以上の山林が取りまとめできると思うんです。この山林地帯はほとんど南面傾斜で、
太陽光発電には最も適した傾斜地であります。なおかつ、余り利用されていない未利用地が多
い現況をとらえまして、ぜひともメガソーラー発電所の建設をこれからの課題として取り上げ
ていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 島田議員、そのことについて市長にどうするかと最後に聞かないと、
答弁するのに。
◇4番(島田富造君) 申しおくれましたが、その問題について市長の見解なり取り組み方を
聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 島田議員がおっしゃっている用地の関係は、今大倉地区という言葉
が出たのでありますが、大倉というより秋塚、奈良地区ではないかと思ったりしておりますが、
もし錯誤があったらご容赦願いたいと思いますけれども。
 当該地区の用地にはいろいろな歴史的な経過がございまして、本日のご発言は今後の参考に
させていただきたいと思います。
◇4番(島田富造君) 最後になりましたが、それでは沼田の中心市街地の中で象徴的な位置
を占めておりますグリーンベルの建物について再質問をさせていただきたいと思います。
 約2万1,000平米からのこの巨大なビルを活用するのか、あるいはごみと言いましょう
か、瓦れきの山にして処分をするべきかというような時期に差しかかっていると思うんですが、
120億円もかけたという大きなビルでございますので、ぜひともこの辺を活用していただい
て、有効に利用できる方法を考えていただきたいと思いますが、市長の考えをお伺いしたいと
思います。
◇市長(星野已喜雄君) 金曜日の同僚議員のご質問にもお答えさせていただきましたとおり、
これにもいろいろな経過がございまして、Aコープの誘致の際に資金的な応援をさせていただ
いたり、あるいはまたテナント誘致のための応援をさせていただいたり、いろいろなことをさ
せていただいてまいりました。そういった中で今日を迎えているわけでございますけれども、
本日ご答弁をいたしましたとおり、本市の商業の振興あるいはまた中心市街地の活性化のため
に重要な施設と位置づけておりますので、今後、どうしても地権者がおいででございます、こ
の方々と協議を行って、そして再生の道を探ってまいりたいと考えておりますので、よろしく
お願いをしたいと思います。
◇4番(島田富造君) ぜひとも早くお願いをしたいと思うのであります。建物の設備という
のは、1年以上放置しておきますと肝心な水回りとか配管関係の設備が腐食してしまいまして、
今まで使用できたものが使えなくなってしまう。さらに、これをやりかえて使うことになれば
多大な費用を必要とするようになると思うんです。現在であればまだ、一部ではありますが稼
働中でありますので、立派に使える大きな建物でございますので、ぜひともこの辺を利用でき
るような計画を考えていただき、実行に移していただきたいと思います。その辺、市長のお考
えを今お聞きしたわけなんですが、積極的にやっていただけるようお願いいたしまして、私の
質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
◇議長(大島崇行君) 最後、答弁よろしいですか。答弁いいんですか。
──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、大東宣之議員。10番。
〔10番 大東宣之君登壇〕
◇10番(大東宣之君) 通告に従い、一般質問を行います。
 今回私は、福島第一原子力発電所事故について、市内企業について、椎坂トンネルについて
質問いたします。
 まず初めに、福島第一原子力発電所事故についてより質問いたします。
 東日本大震災の発生から6カ月が経過し、被災地では仮設住宅の完成により避難所が閉鎖さ
れたり、瓦れきの撤去など、懸命な復興への取り組みが進められていますが、被災者の皆さん
は今なお被害に苦しみ、悲しみと先の見えない不安の中で日々を過ごされています。暮らしと
営業の見通しさえも立てず、福島第一原子力発電所の危機はいまだに収束の見通しのめどさえ
立たず、放射性物質の大量拡散による被害は県境をはるかに越え、利根沼田地域でもさまざま
な分野へ際限なく広がっています。政府は、現に直面している被災者・被災地の救援・支援と
復興及び福島第一原子力発電所事故の収束と被害の救済・補償、復旧にこそ力を注ぐべきです。
本市においても福島第一原子力発電所の事故によりホウレンソウなど野菜が一時出荷停止とな
り、放射線量が県内の中では高い「ホットスポット」となっています。
 県は、野菜や米などの農作物の放射性物質の検査を行うなど安全性の確認に取り組み、9月
県議会の補正予算には、農畜産物用放射性物質の簡易型測定機器を導入する5市町村に購入費
の半額を補助したり、牛肉や米、野菜の安全性をPRするためのイベントやトップセールスを
展開する費用を計上しました。
 こうした対応は、こうしたことを行わなければならない状況に群馬県があるということであ
り、本市においても厳しい状況にあると認識しなくてはなりません。
 事故から6ヶ月が経過しましたが、福島第一原子力発電所事故による農業、観光業等など市
内産業への影響はどのようなものだったのか、お伺いいたします。
 東京電力は、出荷停止となった農家などへの仮払いを始めましたが、農業、観光業等への補
償状況と今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
 福島産というだけで販売を断られるなど、風評被害は生産者に経済的にも精神的にも大きな
打撃を与えていますが、野菜・果樹・肉・乳製品等の安全確認と風評被害をどのように防ぐの
か、お伺いいたします。
 こうした状況の中、秋の観光シーズンを迎えますが、観光客誘致にどのように取り組むのか、
お伺いいたします。
 続いて、市内企業について質問いたします。
 長引く景気の低迷は本市も直撃し、市内企業の撤退や離職者の増加など、地域経済と市民生
活に打撃を与え、大きな不安となっています。
 本市の市民1人当たりの所得は県内でも最低水準で、好転の兆しは見えてきません。それは、
もともと製造業など市内に安定的に働ける場所が少ないということが一つの原因でもあります
が、今日の経済状況のもとで建設・土木の会社が倒産するなど、深刻な状況が進行しているこ
とのあらわれであり、早急な手立てを講ずる必要があります。
 市内企業の数とそこで働く人数は、どのように変化しているのか、お伺いいたします。
 市内では大手として雇用の場所としても市内経済の牽引的役割を果たしているパナソニック
電工群馬が来年4月1日にパナソニック電工香川と合併することになり、会社名がパナソニッ
ク電工香川となります。この合併により、現在の職員約380人のうち約150人がパナソニ
ック電工香川を含む関連会社への出向及び転勤となり、それができなければ退職となると言わ
れていますが、現在の本市を含めた利根沼田地域では新たに職場を確保することは困難であり、
県外への転勤も本人・家族にとってはかなりの心労と不安になると思われ、本市の雇用、経済
にとっても重大な影響を与えるのではないかと考えられます。
 パナソニック電工群馬のパナソニック香川との合併による影響と、今後どのような対応を進
めるのか、お伺いいたします。
 今日、雇用の安定と地域経済を活性化させることは重要な課題となっていますが、企業誘致、
市内企業の育成等にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 続いて、椎坂トンネルについて質問いたします。
 計画延長約4,280メートル、トンネル供用開始2014年度(平成26年度)を目指し、
椎坂バイパスの工事が進められ、既に椎坂2号トンネル(椎坂白沢トンネル)は貫通し、5月
16日に貫通式が行われるなど、順調に工事は進捗していると思われますが、トンネル工事の
進捗状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
 椎坂バイパスの建設は、冬期間の積雪による事故などの通行困難解消が一つの大きな目的で、
市民にとっては期待も大きく、経済的効果も期待されています。椎坂2号トンネル(椎坂白沢
トンネル)と椎坂1号トンネル(椎坂利根トンネル)の間約180メートルは一般部として外
に出ることになりますが、積雪時などの安全対策はしっかりと行う必要がありますが、第1ト
ンネルと第2トンネルの間の除雪対策をどのように行うのか、お伺いいたします。
 椎坂峠を利根町方面に下っていくと「松坂稲荷前」というバス停があり、園原地区の方々に
利用されています。椎坂バイパスが完成すれば現在のバス停は使われなくなり、園原の人たち
がバスを利用しようと思えば大原まで出てこなければならなくなると思われますが、第1トン
ネルと第2トンネルの間にバス停をつくることへの見解と対応をどのように進められるのか、
お伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、福島第一原子力発電所事故について、これまでの状況と今後の対応について、福島第
一原子力発電所事故による農業、観光業等市内産業への影響はどのようなものかについてであ
りますが、農業への影響につきましては、今回の事故により、群馬県内ではホウレンソウとカ
キナの出荷停止に始まり、その他の野菜、肉牛等の風評被害による価格下落、取引停止など、
農畜産物全体において大きな被害が発生いたしました。本市におきましても、出荷停止及び風
評被害により農畜産物において大きな被害を受け、経済的影響ははかり知れないものと受けと
めております。
 次に、観光業等への影響についてでありますが、観光客入込数及び観光客消費額についても、
大きな影響を受けております。しかしながら、観光業に係る影響については、東日本大震災に
よる自粛ムードや燃料不足による影響なども考えられることから、一概に福島第一原子力発電
所の事故による影響と判断ができないものとなっております。
 次に、農業、観光業等への補償の状況と今後どのように取り組むのかについてでありますが、
農畜産物の補償につきましてはJAグループと連携を図り被害農家の把握に努めており、本市
においては8月29日現在、東京電力福島原発事故農畜産物損害賠償対策群馬県協議会を通し
て東京電力株式会社に対し、出荷停止分及び風評被害分について、延べ件数230件、総額約
8,700万円について損害賠償請求を行っております。
 東京電力株式会社からは、仮払いとして延べ176件、約3,700万円の支払いがされて
いるところであります。
 今後も引き続き出荷停止及び風評被害についてJAグループと連携を図り、取りまとめを行
い、東京電力福島原発事故農畜産物損害賠償対策群馬県協議会を通して東京電力株式会社に対
し賠償請求を行っていくこととなります。
 次に、観光業等における補償の状況と今後の取り組みについてでありますが、井之川議員の
ご質問にもお答えいたしましたが、原子力損害賠償紛争審査会による中間指針において、観光
業の風評被害について群馬県に営業拠点のある観光業については損害賠償の対象と認められま
した。
 今後、東京電力株式会社において損害賠償金の算定基準等の詳細が示された段階で、観光業
者により損害額が算定され、損害賠償請求がなされることになります。
 今後の取り組みにつきましては、観光業者等による申請手続がスムーズに行われるよう、群
馬県と連携しながら対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、野菜・果樹・肉・乳製品等の安全確認と風評被害をどのように防ぐのかについてであ
りますが、野菜・果樹等の安全確認につきましては、群馬県と連携し、群馬県が定期的に継続
実施している検査の中に本市からの調査品目の要望を取り入れてもらい、この検査結果に基づ
き農産物の安全確認を行っております。
 風評被害対策につきましては、この検査結果に基づき、本市ホームページ等による速やかな
情報提供、各種イベント等への参加による本市の農産物の安全・安心のPRを行っております。
 今後につきましても、引き続き群馬県、JA等関係機関と連携を図り、農産物等の定期的な
検査を実施し、安全性を確認するとともに、安全・安心のPRに努めてまいりたいと考えてお
ります。
 次に、観光客誘致にどのように取り組むのかについてでありますが、現在ぐんまDC期間中
であり、例年にも増して観光キャンペーンを展開し、観光客誘致に取り組んでおります。
 東日本大震災の影響を受けた本年4月から6月までの観光客入込数について、前年度と比較
しますと、4月は65.1%、5月は75.9%、6月は82.8%となっております。
 また、群馬県で調査した7月の観光客・宿泊客等の状況についての速報値では、老神温泉の
宿泊状況が前年対比93.8%となっていることから、震災直後の激減からは何とか前年並み
近くまで誘客が図られてきていると思われます。
 今後も、ぐんまDC及びアフターDCの取り組みの中で、JR東日本を初め群馬県や観光関
係者と連携して、本市の魅力である「自然・歴史・食」を生かして、さらなる観光客の誘致に
努めてまいりたいと考えております。
 次に、市内企業について、状況と今後の取り組みについて、市内企業の数とそこで働く人数
はどのように変化しているのかについてでありますが、平成23年3月に県から公表された平
成21年工業統計調査によれば、市内における従業員4人以上の事業所は118事業所で、従
業員数は3,103人となっており、平成18年の同調査との比較で、事業所数で14事業所、
10.6%の減、従業員数では500人、13.9%の減となっております。
 また、平成21年に実施された経済センサス基礎調査による市内の卸・小売業は、店舗数で
892店舗、従業員数で5,185人となっており、平成18年の同調査との比較で、店舗数
で73店舗、7.6%の減、従業員数で162人、3.0%の減となっており、長引く不況が
雇用や企業活動に大きな影を落としていることがうかがわれ、地域経済の活力低下が懸念され
ているところであります。
 次に、パナソニック電工群馬のパナソニック電工香川との合併による影響と、今後どのよう
な対応を進めるのかについてでありますが、8月9日、パナソニック電工群馬株式会社取締役
の訪問を受け、前日に開催された同社取締役会において、平成24年4月1日付で同社を消滅
会社としてパナソニック電工香川株式会社を存続会社とする2社の合併が決議された旨が伝え
られました。
 人口減少社会を迎え、新規住宅着工戸数の中長期的減少が予想される中、今回の合併によっ
て、内装建材事業におけるものづくり力と収益基盤の強化を図り、事業の継続的発展を目指す
としており、香川に本社機能を集約し、同社は群馬工場の位置づけとなるものの、床材の主要
生産拠点であることに変わりなく、これまでと同様に事業を継続するとのことでありました。
 パナソニック電工群馬株式会社は、昭和25年に設立された東洋工業株式会社が、昭和40
年に松下電工株式会社の指導により木質床材の生産を開始し、昭和41年現在地に新工場を建
設、昭和45年にはナショナル木材工業株式会社に社名を変更、長らく「ナショ木」の名で市
民の間にも浸透してまいりました。昭和51年には松下電工の全額出資による新体制となり、
平成16年、横塚町に新工場を取得し生産を拡大、木質床材を主力製品に生産を行ってきてお
り、平成22年3月期の同社決算によれば売上高は206億7,400万円に上り、本市の製
造品出荷額のおよそ25%を占める市内有数の企業であります。
 今回の合併は、パナソニック株式会社によるパナソニック電工及び三洋電機の完全子会社と
これに続く事業再編の一環とされておりますが、390人の従業員を抱え、下請など関連企業
も数多く立地しており、これらに対する影響が極力少なくなるよう動向を注視し、市としてで
きる限りの支援に努めるとともに、必要に応じて要請を行ってまいりたいと考えております。
 次に、企業誘致、市内企業の育成等にどのように取り組むのかについてでありますが、長引
く不況に加え東日本大震災の影響などにより企業の設備投資意欲が減退している中、新たな企
業の進出は大変厳しい状況にあると認識しております。
 しかしながら、企業誘致は新たな雇用の創出だけでなく、地元企業との取引や関連企業の進
出につながる可能性もあり、地域経済活性化を図る上で重要な施策であります。
 今年度から沼田沼須産業団地の誘致を進めるため、同団地の用地取得助成金と雇用促進助成
金を創設しており、横塚・生品農工地区を含め、両団地の特性や魅力を積極的にアピールし、
県や県企業局とも連携をとりながら誘致活動を進めてまいりたいと考えております。
 また、既に立地している企業の支援も大変重要なことであり、事業の継続や拡大、さらには
安定した就業を図るため、企業訪問を積極的に行い、現在行っている技術開発や人材育成、融
資など支援事業の周知、利用促進を図るとともに、企業ニーズの把握に努め、県や商工団体と
連携をとりながら必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、椎坂トンネルについて、状況とこれからの対応について、トンネル工事の進捗状況は
どのようになっているかについてでありますが、事業主体である群馬県に伺ったところ、国道
120号椎坂バイパス建設事業については、供用開始を平成26年度末を目標に現在事業を進
めています。椎坂白沢トンネル(第2トンネル)につきましては、本年5月16日に貫通式を
行い、現在トンネル内部のコンクリ−ト巻き立てが終了したところです。また、椎坂利根トン
ネル(第1トンネル)については、今年10月頃からトンネル掘削を開始すべく現在準備工事
を行っており、今年度中に貫通を行う予定です。その後、両トンネル内の設備工事及び舗装工
事を行うとのことであります。
 次に、第1トンネルと第2トンネルの間の除雪対策をどのように行うのかについてでありま
すが、椎坂白沢トンネル(第2トンネル)と椎坂利根トンネル(第1トンネル)の間の約20
0メートルの道路については、ロ−ドヒ−ティングによる融雪の計画です。
  また、両トンネルの出入り口トンネル内10メートル、椎坂白沢トンネルの白沢町生枝側出
入口手前の道路80メートル及び椎坂利根トンネルの利根町大原側出入口手前の道路120メ
ートルについても、同様の融雪計画とのことであります。
 次に、第1号トンネルと第2号トンネルの間にバス停をつくることへの見解と対応をどのよ
うに進めるのかについてでありますが、バス停留所については、バス路線の運行を行っており
ます関越交通株式会社が設置しており、国道120号椎坂バイパスの開通後にバス路線の運行
をどのように行うかについては、現在、関越交通株式会社で検討を行っているとのことであり
ます。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇10番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって再質問を
させていただきたいと思います。
 まず初めに、福島第一原子力発電所事故に関連してお伺いしたいと思います。この事故発生
以来半年が経過してきたわけですが、この半年間の中で、農業、観光業に与えてきた大きな影
響、これらは今回復傾向にあるのかどうか、いまだ深刻な状況にあるのかどうか、先が見えな
い状況にあるのかどうか、市長としてはどのような認識でおられるのか、まずお聞かせいただ
ければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) お答えをしたいと思います。
 まず、議員が地元の、つまり沼田の内容等についての質問であるとすれば、これは回復傾向
にあるというふうに申し上げてよろしいのではないかと思っております。
 ただ、私どもはマスコミ等を通してしか知るすべもありませんけれども、現在の避難者が8
万2,000有余、死者が1万5,700有余、行方不明者が4,080有余、総数で約10
万2,000有余の方々が大変なことになっているわけでございます。なお、疎開については、
私どもがいろいろと調査をしている範囲では、40万人になろうとしているようでありますが、
そういった現地の状況は、依然として極めて厳しい状況にあるのではないか、というふうに私
どもは報道等あるいはまた関係機関の調査でしか知るすべもございませんけれども、そういっ
た認識を持っているところでございます。
 しかしながら、この地元においては、回復の兆しがあって、しかも現実的に、それぞれ前進
されているような状況にあるというふうに受けとめさせていただいております。
◇10番(大東宣之君) 先ほどの1回目のご答弁で、老神温泉の7月の観光客の入り込み状
況が93.8%、前年度とほぼ同じぐらいになったということが一つの根拠になっているので
はないかと。市長がそういうふうに認識を持っておられる一つの根拠としては、そういうこと
があるのではないかと思うんですが、私は実際はこれからまだまだ影響というのが出てくるお
それがあるのではないかと。それは、これから本格的な秋の観光シーズンを迎えるに当たって、
沼田の主力である観光リンゴ園、ブドウ園もオープンしています。そうしたところへ影響が出
てくるかどうか、そういったことをしっかりと見定めていく必要もあるし、また例年並み、そ
してそれ以上の観光客の誘致、観光農業を含めて観光客の誘致に取り組んでいく必要性がある
のではないかと。ですから、まだまだ手綱を緩めることなく、しっかりとこの問題に正面から
取り組んでいく必要があると思うんですが、市長としてのお考えをお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 私もサクランボの開園式から以降、地元の観光農業の皆さん方の開
園式には欠かさず出席させていただいてきました。先日もいよいよ地元の観光農業の横綱とい
うか、一番の真打ちと言っても過言でないリンゴ園の開園式がございまして、非常にそのリン
ゴの内容もよく、さらに環境に照らし合わせた形の新品種の植えつけというか植栽も行われた
形の中で、時代の変化に対応できる柔軟な対応をしているということをつぶさに受けとめさせ
ていただいたところでございます。
 なお、同時に、昨年もTBSラジオ等を使った宣伝があったわけでございますが、ことしも
昨年にもまして、時間を2倍にして、そしてTBSラジオを関係者が使った形の中で、全国に
沼田のリンゴのアピールをしていくということを伺っているところでございます。したがいま
して、生産者はもとより関係機関の方々がお互いに手を携えて、これら風評打開のために一生
懸命努力を傾注しているところでございますので、必ずやよい結果が出るというふうに信じて、
今後の応援を手を緩めることなくさせていただくつもりでございます。
◇10番(大東宣之君) それでは、わかれば教えていただきたいんですけれども、先ほど老
神の観光客の入り込み状況が、7月の県の速報値で昨年と比較して93.8%、大体昨年並み
だったというご答弁をいただいたんですが、では実際野菜などが一時期価格が下がったり出荷
停止があって、それが解除されているわけですが、今の野菜の価格の状況だとか引き取り状況、
それらが例年並みに行われているのかどうか、そういったことがわかれば教えていただきたい
と思うんですが。
◇市長(星野已喜雄君) これはあくまでも私のつかんでいる範囲でありますが、ご案内のと
おり、地元には天狗印の枝豆という大変内外に誇るブランドがございますが、こちらの価格は
例年に対して大変いい流れで来ているようでございます。また、私が野菜農家等のおつき合い
の中で承るところによりますと、まずまずの成果が上がっているというふうに受けとめさせて
いただいております。
◇10番(大東宣之君) まずまずの状況だということで、一時出荷停止だとか価格の下落が
あったという本市の状況から見れば、そうした枝豆の価格等が例年にも増してよかったという
ことになれば、これは一定程度の回復といいますか、事故以前に戻ってきたのかなというのは
実感としてわかりました。
 ただ、先ほど市長にご答弁いただいたように、よい結果が出るということを信じながらも、
しっかりとした対応をこれからもとっていっていただきたいということについて重ねてお願い
をしていきたいと思います。
 続いて、農業、観光業等への補償の問題ですが、農業については仮払い制度が始まってきた
ということです。ただ、一部、東電は個人のものに対しては補償をしないんだということを言
っているわけですが、市もJAと連携して、JAを通じて損害賠償請求を行っているわけです
が、個人の方で産直をやっている、直接消費者との間でやっておられるような方、本市にいら
っしゃるかどうかちょっと自信はないんですけれども、たしかいらっしゃるんじゃないかと思
うんですが、そうした個人で販売等を対応されてきた方々に対する補償等がしっかりとなされ
るのかどうか。市の方として、そういったことを押さえてあるのかどうか、わかればまず教え
ていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 経済部長の方から答弁をいたさせますが、私の承知している範囲で
は、JAが個別なところの関係者にもいろいろと配慮した形の中で取りまとめをしてきたとい
うふうに伺っております。
 経済部長の方から詳細な説明をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
 特に農産物等につきましては、3月の出荷停止以降、価格の下落等々を通じて甚大な風評被
害等もあったわけでありますけれども、これらにつきましては、組合に加盟の農業の方、ある
いは組合には加盟していなく直売所に出荷している等を含めまして、全体的にJAの群馬県の
連絡協議会が取りまとめをして請求し、現在仮払い等が行われているところでございます。以
上でございます。
◇10番(大東宣之君) 今の部長の答弁ですと、JAが直売所を含めて、個人含めて、対応
しているということなので、しっかりと、そういった中で落ちがないようにしていく必要があ
るのではないか。農協の組合さんであっても、また農協に出荷をされていない方々であったと
しても、今回の事故によって被害を受けた方々、農家の方々に対しては、漏れなく補償が行く
ような、そういった手だてをとる必要があると思うんです。ですから、一人一人の市民の方々、
農家の方々に対して、ちゃんと請求しましたか、仮払いされましたか、本払いが来ましたかと
いうことを行政としてしっかりと押さえて、漏れのないようにしていく必要性があるのではな
いかと思いますが、市長としてのこれからの取り組みのお考え、取り組み方、お聞かせいただ
ければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) そういった微細な対応は大変重要かと思っておりますので、そうい
った方向性で対応していく必要があるのではないかと。
 また、議員も、ぜひご相談されたり、あるいはまたお仲間の中にそういった方がおられたら、
ぜひ担当課の方にもまたおつなぎいただければありがたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) そうですね。いろいろと情報を交換しながら、我々議員も、そして
当局も、一体となってこの問題には立ち向かっていく必要性があると思いますので、ぜひ情報
の共有等もしながら、この問題、一緒に立ち向かっていきたいと思いますので、よろしくお願
いいたします。
 それから、観光業に対する補償なんですが、これはこれからどうも始まるみたいなご答弁だ
ったんですが、今後、県の方でそうした被害等について取りまとめをして東電に請求していく
という段取りでいいのかどうか、まず確認をさせていただきたいのと、農業と同じように一人
も漏れなくこうした被害に対する請求がきっちりと、市内の中での温泉、旅館、そしてペンシ
ョンもあるわけですから、そういった方々一人も漏れなく請求ができるようにしていくという
ことでやっていくのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
 それとまた、こうしたことに対する相談の窓口といいますか、そうしたことについては経済
部が窓口となって、損害賠償の請求等に係る相談の窓口となって経済部が対応していくのかど
うか。私はそういうことをしていく必要性があるとういふうに思うんですが、今後の対応を含
めてお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これも後にまた経済部長の方から補足説明をいたさせますが、一応
最初の答弁で申し上げたとおり、今後の関係にこの問題はなるようでございまして、この辺に
ついてはオール群馬、ひとしく同様の流れになっているようでございます。したがいまして、
先ほどの農業関係の問題と同様に、できるだけ手抜かりがないように対応していく必要がある
んじゃないかと思います。
 当然、これは経済部を通して、白沢、利根の振興局にも担当部課がございますので、そこら
の連携をしながら対応を図っていくことに、結論から言うと、なっていくと思います。
 経済部長の方から補足説明をいたさせます。
◇経済部長(飯田敏夫君) 命によりお答え申し上げます。
 観光業につきましても、今月、損害賠償についての説明会等がございます。そうしたものが
明確になった時点で観光業者、特に団体、個人問わず、そうした情報を提供し、そして先ほど
市長の答弁のように、市の方が窓口となり、その対応に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◇10番(大東宣之君) わかりました。
 東電は、先ほど言いましたように、個人の農業者、個人でいろいろな事業を展開されている
方に対しての補償については一部認めないみたいなことを言っているんです。ですから、本当
に原発事故によって被害を受けた農家の方々、そして観光業の方々が救済されないことのない
ように、市としてもしっかりと対応していっていただきたいと思います。
 それから、野菜、果樹等の安全確認、それから風評被害を防いでいく取り組みですが、県が
行っている調査の中で安全確認がされているということで、それらを情報発信していきたいと
いうことなんですが、こういう結果が出てこうだから安心なんだよということをしっかりと伝
えていく必要があると思うんです。ただ国の基準値だからそれで安全なんだというだけでは信
用されない部分もあるのではないか。ですから、野菜や果樹、肉、そういった農作物すべてに
対して、沼田は安全なんだということは、その安全性を裏づける根拠もしっかりと示してPR
等をしていく必要性があるのではないかと思いますが、市としてこれからどういうふうに取り
組んでいかれるのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 当然、広報を通して外に発信していくことが大事になってまいりま
す。なお、先ほども答弁を申し上げさせていただきましたとおり、リンゴ関係者でTBSのラ
ジオ等を使って、みずからが宣伝作業、そして本日は、これは群馬県園芸協会が中心となりま
して、ある大学の先生を迎えてまいりまして、リンゴを食べれば放射性物質が排せつされると
いうような内容の講演会が行われることになっておりまして、地元の方が中心となってそれを
進めておりまして、本日、前橋で開催がなされている形になっておりますので、ご理解のほど
お願いしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) リンゴを食べれば放射性物質が排せつされるという本は私も読んで、
その方の講演も聞いて、なるほどなあと。だから沼田のリンゴは安全だというのはよくわかっ
たんですが、こんなことを市長に言うのは大変失礼なんですが、今回の福島第一原発の事故で
放射能が沼田に飛んできました。これはもう間違いなく事実なんです。しかし、その放射能は
ほとんど地表にとどまっている、だから土の上が一番放射線量が高くなる。けれども、その土
の奥深くには、なかなか浸透していかない。だから、リンゴのように深い根の張るものについ
ては全く放射能の影響は受けない。リンゴの実がなったときに放射能が飛んでくれば別なんで
すけれども、リンゴの実がなる前に放射能が飛んできて、そして地中に深く浸透しないで地表
にとどまっているということは、今なっているリンゴは放射能の影響は受けていないというの
は科学的に証明されていることですから、私は大いに宣伝して、だから沼田のリンゴは安全な
んだということは大いに宣伝しても結構だというふうには思うんです。
 ところが、西日本新聞という福岡で出された新聞の中に書かれている記事なんですが、福岡
市の中で福島応援ショップというお店があって、産直を中心に農作物を取り扱っているお店な
んですが、そこで福島を応援しようということで販売をすることを決めたら、いろいろな意見
が来て、中止になった。その理由の中の一つに、福島から来るトラックには放射能がついてい
るんだ、そういうところのものを売るのは不見識だということだとか、出店をやめなければ不
買運動を起こすというようなことだとか、危険なものを売るというのはどういう了見なのかと
いうような苦情のメールが10件ぐらい届いたということで、福島のものを扱うのはやめたと
いうふうに言われています。
 それと、もう一つ、これは共同通信が配信した新聞記事の中にあったんですが、今月の4日、
これは大阪の読売テレビというところで放送された番組の中で、大学の教授が、岩手県の一関
市が放射性物質が0.5マイクロシーベルトになるんですが、これに関係して東北の野菜や牛
肉を食べたらどうなるのかという子供たちの質問に答えて、今東北で農作物を生産するのが間
違いと。畑に青酸カリがまかれたのと同じ。のけてから植えてくださいということで、要する
に東北の農作物はすべて捨てなさいとこの教授は言ったんだそうです、テレビの番組で。です
から、こういう意見も片一方にあるわけですから、こうした意見を持っている方もいらっしゃ
るわけですが、しかし、しっかりとした安全性、それを示していくことが、こうした発言に負
けないといいますか、それを克服していくことになるのではないかと。今いろいろな意見が出
ているわけですから、こうした中で、これから風評被害をどう防いでいくのか、そうした一つ
一つの問題をどう克服していくのかということをしっかりと示していかないと、国民の方は納
得しない、そういうことになるのではないかと思うんです。ですから、これはきめ細かな対応
をしていく、それしかないと思うんですが、重ねて市長にお伺いしたいのは、いろいろな意見
がある中で風評被害を防いでいくことにどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただ
ければと思います。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後2時00分休憩
       ─────────────────────────────
午後2時07分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) 大東議員の再質問にお答えをしたいと思います。
 まず、風評被害の是正の関係でもってご質問をいただきました。二つの事例を出されまして
のご質問であったかと思いますが、前段の福岡の福島を応援しようということから来るいろい
ろな内外のあつれきというものについては、私は本当に残念に思います。むしろ、そういった
遠くにあっても、同じ立場で悩み苦しみを思う気持ちが東北の復興につながってくるかと思う
と、やはりそこは同じ立場に立って物事を考えてもらいたかったなということを感想として思
っております。
 また、一関の関係から来る某学者の先生のお話も、発言に配慮があったかないかということ
になりますと、若干残念な感は否めません。と申しますのは、当該地区の方々のお悩みや苦し
みと、そこのところに携わっていなかった方の悩みや苦しみは、やはり基本的に違いがあると
いうふうに思わざるを得ません。そういったときに、私どものような当該地区でない人間が当
該地区の方々と同等の気持ちになれるかということになりますと、実体験がありませんから、
なれないんだと思うんです。しかし、その方々の苦しみや悩みに近づくためには、じゃあどう
したらいいかということになったときに、応援する一つのプロセスの中でしか、なかなかこの
道筋は開かれてこないんじゃないかと思います。よく、同苦という言葉がございますけれども、
やはり同じ立場に立って、日本国民であるならば、一緒になって考えていこうという姿勢が大
事かと思います。
 同時に、私も実は震災スタート時に港区とか新宿区にお伺いしたときに、港区のフロアで多
那地区のホウレンソウをお配りさせていただいたときに、欧米の方だと思われる方は、反射的
に拒否されたということが非常に記憶に残っております。そういったことから考えると、現地
の人たちに対する思いをしっかりと刻んでいくということが大事かなと思っております。
 同時に、今度は逆に当該地区、つまり沼田の立場からすれば、風評被害を是正するためには
客観値というものを出していくことによって、そして問題はないんですよということをあらゆ
る機会を通してお訴えしていくことが大切かと思っております。
 したがいまして、今後も経済部はもとより、市長を中心といたしまして一致団結して、そう
いった風評被害是正のために頑張っていくつもりでございますので、よろしくお願いをしたい
と思います。
◇10番(大東宣之君) 県は、この9月の議会の補正予算にトップセールス、それから群馬
の野菜等の安全性のPR、イベント等に予算づけをしたというふうに言われております。これ
から秋の観光シーズンを迎えて、リンゴ狩り等、数多くの方がこの沼田へいらっしゃっていた
だけると思います。そういう方々に安全性のPRをして、これからもどんどん新しい人に来て
もらえるように、沼田のものは安全だということをしっかりと裏づけるようなことをしながら、
ぜひこういう風評被害が起こらないように町としてもあらゆる手だてを講じていっていただき
たいということを重ねてお願いしておきたいと思います。そうした取り組みが観光客の誘致に
もつながっていくのではないかと。そういう安全性のPRということが。そう思いますので、
ぜひそういう取り組みに力を入れていっていただきたい。ホームページでいろいろ情報発信を
していくということなんかがその一つの手だてでもあると思いますので。
 こういった中で、市として何らかのイベントや、また市長としてトップセールスに出かけて
いくお考えがあるのかどうか、あればお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 今後ともチャンスを見ては。今までも新宿区や板橋区との交流関係
もありますので、一生懸命そういう努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、申し上げることは慎重にしておりましたが、明日、横浜の市場に群馬県知事を先頭に
いたしまして、群馬県の農産物のまさにトップセールスに、明日の早朝から横浜の市場で行わ
れます。不肖私も大変その事業に深くかかわっておりまして、時間の許す限りそういったとこ
ろにも参加し、そして特に地元の農産物の宣伝と同時に風評被害是正のために努力をしてまい
りたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) ぜひ、いろいろな機会を通じていろいろな情報も発信していただき
ながら、風評被害を根絶するように取り組みをしっかりとしていっていただきたいということ
を重ねてお願いをして、続いて市内企業の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど市長からいただいたご答弁でも、今の企業の数も、そしてそこで働く人の数も減って
きているということがわかったわけですが、こうした状況に直面している本市として、じゃあ
どういう取り組みをこの間、してきたのか。なかなかいい結果が得られないということは先ほ
どの答弁を聞いていてわかるわけですが、どういう取り組みをしてきたのか、そしてこれから
どういう取り組みをされていこうとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に難しい問題でありますけれども、申し上げてみたいと思いま
す。先ほどの島田議員からも同様な質問がございまして、大変議員の皆様方がいろいろと心配
されておられるかと思います。と申しますのは、東北の大震災以降、もともと地域にあった企
業体がいろいろな意味で現地を離れていくというようなことが出てまいりました。同時に、追
い打ちをかけるかのように、円高の問題が大きくクローズアップされて、追い打ちをかけてい
るかというような状況にございます。
 そこでまず、地元で現在頑張っている企業にできる応援をきちんとさせていただくことによ
って、何とか現状を維持していく、あるいはまたブロックをしていくということがまず大事な
ことかと思っております。したがいまして、経済部をして、それらの関係等については、地元
の企業の方々のご意見等もいろいろと体して、そして対応を図っていくということがまず考え
られる。
 二つ目は、今度は厳しいから、ブロックのことは申し上げたのでありますが、逆に今度は沼
田ならば行ってもいい、あるいは沼田に見合った企業ならばというようなことの中で、そこに
沼須工業団地等の話題が出てくるわけでございますけれども、そういうことから、現在、担当
部課ではいろいろと情報収集を、ぐんまちゃん家に1人職員を派遣し、そして実は担当部課に
も企業の方からの照会もございます。ですから、これを確実なものにしていきたいということ
と同時に、本日も島田議員の方からいろいろと太陽光発電の話題もありましたけれども、そち
らの方についても今内部で研究をさせていただいているところでございます。今度は、ご案内
のとおり、地元には高校卒業で就職したいという方が当然おられるわけでございます。そうい
った方々の対応を地元のハローワークとか学校の就職の担当の先生等と連携して対応を図って
いくということが考えられると思っておりますので、今後ともよろしくお願いをしたいと思い
ます。
◇10番(大東宣之君) この問題というのは一沼田市だけではなくて、今全国どこの都市に
おいても大変深刻な問題になっているということです。ですから、しっかりと、今市内にある
企業、事業所等の営業が引き続きできるように、さまざまな支援をしていっていただきたい。
それにはまず、市内の企業の状況などを担当課が一つ一つ訪問しながら、そして直接、事業所、
営業所等のお話を聞く、状況を聞く、そして要望も聞いてくる。そういった中で、じゃあどう
いう手だてを打っていくのかという政策化をしていくことが必要になるのではないかと思いま
すが、これからの中で、企業の訪問等、そして聞いてきた意見を政策化していくというような
ことについて、どのようなお考えや、今後どのようにして取り組んでいかれるのか、お聞かせ
いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 実は、毎年でございますが、地元の、きょうも話題に出ている企業
の関係者を含めて、毎年意見交換会を展開しております。非常に講師の先生が、現下の諸状況
等を踏まえて、内容のある説明をしていただき、そして地元の企業の方々も、こういったこと
で苦しんでいるとか、こういったことで状況がいいというような話がなされる場面がございま
す。まず、全体を見ると、3分の1、3分の1、3分の1ぐらいの大体発言になっているとい
う感じです。3分の1が、まあまあ良好ですということを言う企業がございます。3分の1が
前年対比、大体同様かなと。大体3分の1が、この節、厳しいというようなことに大体集約さ
れるかなと思っております。これについては、非常に内容も深く、しかもおいでになられた先
生も立派な方で、商工会議所と連携している事業でございますが、こういうことの頻度を高め
ることによって、そして地元企業の良的な面と弱化されている面というものを多面的に見るこ
とによって、いろいろな対応が考えられていくのかなというふうに思っております。
 きょうもちょっと話題の出た某企業の方などは、従前の感性とちょっと違って、あるものの
特産を生かした方向性を模索しているという意味で、大変新規的な感じが持たれております。
そういった非常に先行きの明るいものを持っている方たちもおられることも実は事実でござい
ます。
 したがいまして、そういった意味で多面的に物をとらまえて、そして何らかの対応を図って
いく必要があるのではないかというふうに思っております。今後ともご指導、ご支援、お願い
したいと思います。
◇10番(大東宣之君) 毎年意見交換会をしているということで、決して市が何もやってい
ない、市長は何もやっていないということを言うつもりはないんですけれども、今のこの厳し
い状況の中にあっては、より細かく状況を把握するということと迅速な対応、政策化、これが
今必要ではないか。今までこうやってきて、意見交換会でいろいろなものが出てきた、いろい
ろあったということ、それは市長も頑張っていただいて、よくわかるんですけれども、しかし
今のこういう厳しい状況ですから、やはり迅速な対応が必要ではないかというふうに思います。
ですから、しっかりとした状況の把握と迅速な対応をやっぱりやっていっていただきたい。政
策化を急いでやっていっていただきたいと思います。それについてお考えがあれば、お聞かせ
いただきたいと思います。
 続いて、パナソニック電工群馬の関係ですが、今回、4月1日をもってしてパナソニック香
川と合併するということが明らかになりました。これによって、現在勤められている方の幾人
かは転籍、出向ということになってしまうということは既に明らかになっておりますが、こう
した事態について市長としてどのような認識をお持ちなのか、どういうふうにお考えなのか、
お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、前段のご質問でございますが、今回、内部の組織の再編によ
りまして経済部に傘下をつくってきたという一連の流れがございます。おっしゃるとおり、関
係機関と連携して、できるだけ速やかな対応が求められることは言うまでもございません。ど
うぞ、いろいろな意味で叱咤をいただければありがたいと思っております。同時に、その叱咤
に対して一生懸命こたえるべく、職員の方にも指示をしてまいりたいと考えております。
 なお、後段の質問でございますけれども、やはり何といってもパナソニック電工群馬、私ど
もは「ナショ木」の愛称で呼んでまいりましたけれども、全国に誇る沼田の代表企業であるこ
とは申すまでもございません。私も市長になりたてのころ、ナショ木の幹部の方が外国に木を
植えたいということを紹介に来たことがございました。やはりさすがだなと思いました。環境
問題等を考えたときに、外国の木材に対する一つの対応を図ることによって、御社のいろいろ
なイメージを高めるとか、あるいは責任を果たしていくというその姿勢に感銘を受けました。
したがいまして、当該利根が木材の集散地としてかねがね発展してきたことを思いますときに、
本企業はいろいろな意味で心のよりどころとなる立派な会社でございます。したがいまして、
私の立場からいたしますと、何とかこの関係等については残っていただく。よしんば名称が変
わったとしても、現在の体制をそのまま残してもらいたい。そのためには、一生懸命努力しな
ければなりません。
 議員の認識はどういうお立場かわかりませんが、私どもが今までいろいろとやりとりしてい
る中では、現行の体制を維持するというふうなお話を伺っております。よしんば錯誤があった
らお許しをいただきたいと思うんですが。そういう認識のもとに、今後、私どもも足しげく御
社にも足を運んで、そしてできる応援があれば、きちんとさせていただくということで努力を
してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) 市長の方の認識としては、パナソニック電工群馬については現行の
体制を維持するというふうにお考えのようですが、もう既に、私が聞いたのは380人いらっ
しゃる職員のうち150人についてはパナソニック電工香川を含めた関西以西、西日本の方の
関連会社の方に出向、転勤をしていただくんだというふうに話があったと聞いております。で
すから、少なくとも150人くらいは今の職員の方が減るんじゃないかというふうに思います。
ですから、職員の方が減るということになれば、個人市民税の関係だとかそういったことも含
めて、それからいろいろな場所に買い物に行かれたりするわけですから、そのことを含めれば、
地域に与える影響は、150人ですから、非常に大きいんじゃないかと思います。
 ですから、先ほども言いましたけれども、企業に行って、状況をよく細かくつかんで、そし
て対応していくことが今大事じゃないかと思うんです。ですから、この問題について、これか
らどういうふうにこの工場がなっていくのかということをしっかりとつかんでいただいて、早
急に対応を講じていく必要があるのではないかと思いますが、市長のお考え、そしてこれから
市としての取り組みがどうなのか、どういうふうにしていかれるのか、お聞かせいただければ
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えをしたいと思います。
 若干、議員の認識と私どもの認識で錯誤があるようでございますので、私どもの方とすれば、
早急に御社の方に出向きました形の中で、いろいろとその関係等について把握に努めたいと思
います。その実態を承った形の中で、私どものできることを早急に考えてまいりたいと思って
おりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) パナソニック電工群馬を含める、要するにパナソニック全体の、昔
でいうナショナル、家電製品をつくっているナショナル、今でいうパナソニック全体が、5,
000人とも1万人とも言われるリストラをやろうというふうに言っているんです。そういう
中の一環として、三洋電機が子会社化されて、そのうちの大部分の事業は外国に持っていくと
か切っちゃうというようなことを言っているわけですから、パナソニックグループ全体として
のリストラの中で今回の問題が出てきたのではないか。これは私の推測でしかないんですが。
そういった流れの中に今のパナソニック電工群馬も置かれているのではないか、大変厳しい状
況にあるのではないかというふうに私は思います。ですから、グループ全体の状況がどうなの
か、動向がどうなのかということもしっかりと把握していただきながら対応していただきたい。
 そして、今は企業も含めて「頑張ろう、日本」と言っているんです、大震災以降。そして、
今のキーワードは「絆」なんです。会社が、いろいろな理由があるかもしれない、しかしどん
どんリストラをしちゃう、地方の工場を閉鎖していく、縮小していくというのは、おかしいん
じゃないか。「頑張ろう、日本」と言っておきながら、自分たちは全然頑張らない。そして、
「絆」「絆」と言っておきながら、地域の絆を断ち切るようなことを平気でやる。そういうこ
とは絶対許してはならないというふうに私は思います。市長としてのお考えがあればお聞かせ
いただきたいのと、あわせてパナソニック全体の今後の動向等についてどのように把握されて
いこうとお考えなのか、されていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再質問にお答えしたいと思います。
 これはあくまでも議員の認識と私の認識が必ずしも一致していないかもわかりませんが、ど
うしてもこの節の円高の激しさと、私は今回の大震災以降、住宅建設等が早急に始まるという
ことを私なりに分析させていただいておりましたけれども、依然として現地の住宅建設等が、
やはり権利関係の問題があるんだと思うんですが、なかなか進んでいない。ここに来て円高の
問題等があって、住宅の関係が厳しくなってきたというようなことがあるのかなというふうに
思っております。
 確かにおっしゃるとおり、「頑張ろう、日本」そして「絆」ということがキーワードになっ
ているから、こちらの御社の動向はと、こういうご懸念のご質問でございますが、やはり企業
も生き物でございますから、どうしても自分の企業を存続させ生き抜いていくためには、それ
なりの戦略と戦術があるということも、これまた否定できません。
 そういったときに、私どもの立場からいたしますと、何とか現状をしっかりと確保し、そし
て地元の主要産業である木材関係と関連する企業体でありますので、頑張ってもらいたいとい
うことをお願いし、そしてできることがあればきちんと、私どもも行政の立場から、お手伝い
できることがあれば、あるいは支援できることがあればしていくということになろうかと思い
ます。
 したがいまして、早急に御社の方に足を運び、そしてその内容等をご説明いただき、その後
の対応に処してまいりたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) パナソニック電工群馬にかかわっては、当然そこで働いていらっし
ゃる方々、さらには下請、関連企業ということでいけば、本市にとっては非常に大きな影響が
出てくる問題ではないかと。ですから、パナソニック電工群馬がパナソニック電工香川と合併
することによって地域にどういう影響が出てくるのか、これは早急に状況把握をして、きめ細
かな対応をしていく。4月1日以降になっても一人も路頭に迷わせない、そして関連、下請業
者を含めて、本市にある企業が一つも困ったりしない、そういう対策を早急に立てていく、そ
ういう政策的なものをしっかりと持っていく必要性があるのではないかと思います。
 市長としては、会社の方に出向いていって状況を聞いてきたい、そしてお手伝いできること
があったら支援をしていきたいということで、前向きな姿勢を示してくれているということは
心強いんですが、しかしこれも時間を置いていくものではなくて、早急に手だてを打っておか
なくてはならない。4月1日には合併されるわけですから。いろいろな職員の方々の話を聞く
と、大体もう12月のうちには出向するのかどこに行くのかということが決まってくるという
ような話もされている方もいらっしゃいました。そういった切迫した状況にあるわけですから、
こうした状況の中にあって早急に手だてを講じていく、そして政策化をして何らかの具体的な
対応をしていくことが今まさに求められているときではないかと思います。そういった素早い
対応、早急な手だてを講じていくということについてのお考えや、これからの対応を具体的に
どうしていくのか、再度お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 再度、同様な答弁になりますけれども、速やかに御社の状況を把握
させていただいて、そしてその中で私どものできることはさせていただくという形。しかも、
政策的なことになりますと、仮にですよ、私はそうは信じたくないのでありますが、おやめに
ならざるを得ないというようなこと等が発生したとすれば、これは大変ゆゆしき問題でござい
ますので、これらについても、あるいはまた執行関係についても、いろいろと把握した形の中
で考えてまいりたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) もう期限が決まっている問題ですから、これは早急に対応して、で
きることを一つ一つやっていっていただきたい。そして、本市における雇用の問題、さらには
地域経済全体の問題が決して悪くならないような、そういう状況をつくっていっていただきた
い。そのためには、市長を初め担当部課、市役所一丸となって、ぜひこの問題には取り組んで
いっていただきたいと思います。
 続いて、市内の企業の誘致の関係なんですが、これまでもなかなか産業団地等について引き
合いがそんなに多くないわけですが、企業誘致の問題についてどのような見通しを持っておら
れるのか、そしてまた今後市内企業の育成に向けては具体的にどういう手だてを講じていこう
とされているのか、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、企業誘致の産業団地の関係の見通しでございますが、いろい
ろな動きがございます。整合させた形の中の落としどころをどういうふうにしていったらいい
かということも、これまた判断をしなければならない大きな要因となっております。あくまで
も権限は県の方にございます。これは客観的な事実としてご認識をいただきたいと思います。
ですから、私どもはいろいろな照会があれば、当然担当の部局、すなわちそれが県のご当局に
なりますが、ここと連携して進めていくことになります。
 いろいろな流れがございまして、一つのプロセスの経過もございますので、ここで多くを語
ることができません。しかし、いろいろと引き合いがあることは、これまた事実でございます。
それが当該地区に見合ったような形ということになれば、当該地区は農業が盛んでございます
から、そういった食品関係のことが考えられるかなと思いますし、また一方におきましては、
時代の流れから来る、この背景のところから来る要請度が注目をさせていただいているような
実態もございます。
 地元企業の関係の見通し、あるいはまた対応方でございますが、これらについては、先ほど
来ご答弁もさせていただきましたけれども、地元の優良企業の方々との連携を密にしながら、
先ほどの議員の答弁でも申し上げましたけれども、今後の新しい産業興しということになりま
すと、どうしても6次産業等に期待していくということは非常に重要なポイントになっていき
ます。したがって、今後もそういう方向をつかみながら対応ができればと考えております。
◇10番(大東宣之君) なかなか難しい問題、これは沼田市だけではなくて全国どこの都市
でもこの問題は大変大きな問題で、どこも苦労されていることだと思います。沼田市としても
独自性を出しながらこの問題に真正面から取り組んで、雇用そして地域の経済の発展にぜひ頑
張って取り組んでいっていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。
 続いて、椎坂トンネルについてお聞かせいただきたいと思います。
 工事の進捗状況は順調に進んでいるということで認識してよろしいのかどうか。平成26年
度をめどに工事を進められているということですので、それで大体完成するということでよろ
しいかどうか、市長の認識をまずお聞かせいただきたいと思います。
 それから、トンネルとトンネルの間の除雪の関係については、ロードヒーティングで対応し
ていくということで、除雪についてもしっかりとされていくということでいいのかどうか、再
度確認をまずさせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、最初に断っておきますが、あくまでも現時点での答弁という
ことでご理解を賜りたいと思います。当然、この事業が動いておりますので、先に行ったとき
に、仮に水が突然出てきたとか、あるいはまたいろいろな変化が出てまいりますと、きょうの
答弁がすべてその後整合するというわけにはいかない場合も出てまいります。したがいまして、
現時点ということでご理解を賜りたいと思います。
 まず、工事の進捗は順調であるというふうに受けとめさせていただいております。よくトン
ネル工事にありがちな、水が突然出てきたり、あるいはまた落盤があったり、そういうことが
なく、極めて順調に来たというふうに受けとめさせていただいております。したがいまして、
最初の答弁で申し上げましたとおり、椎坂利根トンネル、つまり大原側、こちらの方も来月に
はトンネルの掘削を開始すべく、順調な準備が進められているというふうになっております。
いずれ、遠くないうちにその出発の日がきちんと定められて、それなりの事業が行われるはず
でございます。
 除雪の関係については、2号トンネルと1号トンネルの間が一たん開渠になります。そこに
ついては、ロードヒーティングで対応するということで今日までなっておりますので、それの
事業に期待をかけているところでございまして、よろしくお願いをしたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 当然、これから先、工事をしていくに当たって何が起こるかわかり
ませんから、きょうの時点での工事の進捗状況について聞かせていただければというふうには
思います。そういったことを含めて、順調に進捗しているということですので、これは大いに
結構ではないかと。
 また、除雪の対策についても、白沢トンネル、利根トンネルの間の開渠になる部分について
ロードヒーティング、そしてトンネルの出入り口両サイド含めてロードヒーティングしていく
ということですから、除雪対策については万全な措置が講じられるということで大丈夫だとい
うことでは安心いたしました。
 それで、最後の質問になるんですが、市長も利根ご出身の方ですから、松坂稲荷前というバ
ス停があるのはご存じだと思うんです。そして、そこからほぼ園原地区の中央部分に出ていく
道があって、園原の方々にとっては、このバス停を使うことが非常に便利だと言われています。
このままトンネルが開通して、開渠の部分にバス停がないとなると、これは大原にバス停がで
きることになるのではないかというふうに、これは私の想像なんですが、なってしまう。そう
すると、大原から園原まで行かなくてはならない。そういった点では、地域の方々にとっては
非常に不便をかけることになるのではないかと思うんですが、市長として、ここにバス停をつ
くることについての必要性はどのように感じておられるのか、まずお聞かせいただければと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変、ある意味においては難しいご質問でございます。
 まず、一つは、バス停の設置の関係は、先ほど冒頭答弁申し上げたとおり、関越交通の方で
対応を図るということが当然一般論として考えられるわけでございまして、関越交通は民間企
業でありますから、当然そういったことは、きょういろいろと企業体の運営の質問も出ており
ますが、そういったことのいろいろな効果等も考えた形の中で対応を図っていくのではないか
と思っております。
 なお、当該の停留所は、椎坂の峠ができたころから、確かに言われるとおり、園原地区の方
々が利用してきたという経過があることは、よく承知しております。
 ただ、私は、率直なところを申し上げまして、土木のことについて若干経験がありながらも、
道路の方ではなく、むしろ基礎工事の方でありましたので、道路の持っている技術的なことに
ついては、やや私は自分なりの力は薄い方であります。むしろ基礎の方は結構いろいろと経験
があって、それなりの見解は持っているのでありますが。実は、トンネルが暗くなって、そし
て明るくなったところに出てきて、またトンネルの中に入って暗くなります。その間がわずか
200メートルぐらいだと仄聞しておりますが、当然公安当局とのいろいろな協議が出てくる
のではないかと思います。つまりどういうことかというと、安全が担保されるかということ。
ですから、そういったことがありますので、ここのところ、軽率な発言は差し控えさせていた
だきたいと存じます。
 つまり、何を申し上げたいかというと、園原地区の方々にとっては大切な停留所であります。
当然、そこの停留所の設置は関越交通が行います。よしんば、それを移動するということは、
関越交通が最終的な判断をいたします。同時に、そこに停留所ができるということは車をとめ
るということになります、そうすると、どうしても公安当局との協議が出てくるのではないか
ということが予測されます。今度の事業は、ご承知のとおり、椎坂トンネルということでトン
ネルのことが表に出ておりますが、椎坂バイパスという事業名で進んできたという経過がござ
います。バイパスというのは、A地点からB地点までできるだけ時間を割愛して速やかにそち
ら側に移動するということが大きな目途となっております。したがいまして、ここのところは、
今後どういう形で推移するかということを重く受けとめながら、関係機関との連携を密にしな
がらいろいろと考えていく必要があるのかなというふうに受けとめさせていただいているとこ
ろでございます。
◇10番(大東宣之君) バス停をつくるということになれば、その事業主体である関越交通、
そして道路にバスがとまるわけですから、交通上の安全性から見ても公安との協議が必要にな
っていく。ですけれども、まだあと3年あるわけですから、まだ時間的な余裕はこの問題につ
いてはあるわけです。ですから、関係者と協議をして、そして地域の方々にとっての利便性を
確保していくことは、行政として当然やっていかなければならない仕事の一つではないかとい
うふうに思うわけです。
 ですから、結果として道路の構造上の問題からいって……。今でも松坂稲荷前というバス停
は道路から横によける、そういう場所が確保されている、そういったバス停なんです、あそこ
は。峠で坂道になっているから、ちょうど利根町側から下ってくるとカーブがあって、下って
くるわけですから危険性があるということで、道路そのものにとめるのではなくて、よけて広
くなっている場所にバスがとまる、道路においては車が通行できる、そういうふうにされてい
るわけですから、トンネルとトンネルの間にバス停をつくることになれば、当然現在と同じよ
うな仕方、道路からバスがとまる部分をちゃんと確保する、場所を確保するという工事も必要
になってくるのではないかというふうには思います。
 ですけれども、これについては開通までには少し時間があるわけですから、先ほど市長がお
っしゃった関係者、関越交通、そして公安等々と協議をしていって、その地域の方々の利便性
を確保していくために市として最大限努力をしていく、取り組んでいく必要性があるのではな
いかというふうに思うわけですが、市長としてのお考えを再度お聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 本事業は、あくまでも事業主体が群馬県ご当局になっております。
私どもはお願いをする立場になっているということは、これまた事実でございます。したがい
まして、そういう流れから、今日まで順調に事業が進んできたということは群馬県ご当局に敬
意を表しながらも、地元の自治体としての課題がここに来て惹起してきたということになろう
かと思います。いろいろと関係機関のご意見をまた承りながら、最善の策を考えていく必要が
あるかなというふうに思っております。
◇10番(大東宣之君) 私は、この事業の主体が県だということは私も十分承知はしている
わけですが、そういったところ、それから事業主体である関越交通、そして公安、いろいろな
関係者を含めて、こちら側の要望をしっかり伝えていく、そしてその地域の方々の利便性をし
っかり確保していくということ、これは当然市としてやらなければならない仕事ではないかと。
先ほども申しましたけれども、道路構造上そういったことができるかできないか、これは最終
的にどうなるかはわかりませんけれども、地域の方々の要望を聞きながら、それをどうやった
ら実現できるのか、そういったことで取り組んでいくことが今市に求められていることではな
いかと思います。ぜひ私はこの場所にバス停をつくって園原地区の方々の利便性をしっかりと
確保できるように、引き続き市長として、そして沼田市として、全力で取り組んでいっていた
だきたいということを要望して、私の質問を終わらせていただきます。
──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行) 次に、石川初雄議員。3番。
〔3番 石川初雄君登壇〕
◇3番(石川初雄君) 3番石川初雄でございます。議員になりまして初めての質問でござい
ますので、多々ふなれな点がありますが、ご容赦をお願いしたいと思います。
 それでは、通告に従い一般質問を行います。
 まず、1番防災について、2番ICT(情報通信技術)について、3沼田市の文化と芸術に
ついて、以上の3項目を質問させていただきます。
 東日本大震災に関連する事項を多くの同僚議員が発言されておりましたが、沼田市における
地震の可能性に対して調査報告書は既に作成されており、決して他人事ではありません。
 沼田市西部を新潟県の柏崎市から千葉県の銚子市間の構造線フォッサマグナが南北に貫いて
おりますが、その構造線の延長上に近いと思われる長野県下水内郡栄村において、大震災の翌
日である3月12日午前3時59分に長野県北部を震源とする強い震度6強の地震が起こりま
した。マグニチュードは6.7の直下型の大地震でしたが、幸い死者は0人で、捻挫、切り傷
等の人的被害が16名でした。
 その3カ月後に栄村へ視察に出向きました。倒壊した家屋は既に解体され、専門家によって
耐震強度の不足で居住に適さないと判断された家屋は解体を待っておりました。豪雪地帯とい
う事で、住宅の構造は雪害に対応できるような構造だったようですが、古い木造家屋に損傷が
多く見られました。また、新しい耐震構造の建築物も液状化現象でコンクリート基礎に影響の
出た家も見受けられました。特に物置や車庫が倒壊した事例が多く、他の地区でも同様の結果
が報告されています。
 東日本大震災から12時間後の夜中3時59分という就寝中の地震であったのにもかかわら
ず死者0人ということでしたが、栄村では地域のコミュニケーションがすぐれ、安否の確認が
早く取れて、このような結果が出たと思われます。
 さて、本市においても内陸直下型の地震が起きる可能性があると報告されていますが、栄村
と同規模か、あるいはもっと大きい関東大震災がいつ来るのかはわかりませんが、その中で地
域防災計画の現況についてお尋ねいたします。
 平成16年6月4日の沼田市、白沢村、利根村の1市2村合併協議会の調整表において、防
災行政無線が旧沼田市において、固定型、同報無線、移動無線、地域防災無線が未整備であり
ましたが、旧沼田市における現在の整備状況及び今後の整備の見通しをお聞かせ下さい。
 また、財源の関係で整備が進まない場合は、いち早く市民に情報をお知らせできる代がえの
通信網や広報の手段は想定されておりますか。
 次に、大規模災害に備えて県内外の自治体及び民間の組合や会社と災害時の協定を締結して
いますが、東京都板橋区との協定はどのような内容になりますか。これは先ほど星野稔議員の
質問でコミュニティー単位というお答えがありましたが、さらに詳しくわかればお答えを願い
たいと思います。
 また、数年前まで日本赤十字社群馬県支部の傘下である群馬県アマチュア無線赤十字奉仕団、
県内加盟22団体ですが、沼田市役所分団が登録されておりましたが、団員減少に伴い退団さ
れました。その後、沼田市内に分団がなくなったので、県支部からの要請により市内有志で沼
田分団を再編しました。さらに輝城会グループ分団、これは沼田脳神経外科、が加入して2団
体となり、非常時の通信訓練や救援活動訓練を県支部と行い現在に至っておりますが、大規模
災害時に電話や携帯電話がかからない状況を想定した場合、これらの団体と連携をとるお考え
はございますか。
 次にICT(情報通信技術)について、本市における取り組み姿勢をお尋ねいたします。
 インターネット上に本市のホームページを開設いただき、昼夜を問わず365日、市政を閲
覧できることは、市民にとって利便性が向上いたしました。また、技術や機器の進歩向上に伴
い、過去のデータもホームページ上に蓄積され始め、沼田市のデータベースとしての機能も備
え始めたと思います。
 国や県、他の市のホームページを見ますと、各課には所管あての電子メールアドレスが明記
され、電話やファクス以外に連絡がとれるような対応もなされてきました。双方向の連絡がイ
ンターネット経由で行われ、行政への申請も印鑑不要で電子メ−ルにて受理される場合が多く
なりました。若い世代は固定電話を持たず、また電話番号のないインターネット専用の回線を
引いている方がふえ、ファクスも持ちません。本市でも電子メールの活用を検討してはいかが
でしょうか。これは今までの申請方法や連絡方法を否定するものではなく、あくまでも並行し
て行うことが前提と考えられます。
 また、本市のホームページも改良を加えた方がよいと思われる箇所が多々見受けられますの
で、有識者の検討会でさらによいホームページを構築いただきたいと思いますが、いかがでし
ょうか。
 公衆無線LAN(wi−fi)は、外出時や敷地内にて無線でインターネット回線に接続で
きるシステムです。近年、ホテルや公共施設、飲食店など人の集まる箇所に普及し、上之町商
店街では約10年前からいち早く事務所に設置し、北関東で最初の商店街公衆無線LANとし
て無料開放しておりましたが、土地区画整理事業のため事務所を廃止し、利用者からは惜しま
れて停波いたしました。
 ドイツに行った時、中核都市において自治体の運営する公衆無線LANが街中に存在して驚
きました。近年ではこれらのシステムを活用して生活する社会を「ユビキタス社会」と呼んで
おります。ここ数年に携帯電話が進化したスマートフォンやパソコンの小型化したタブレット
などの普及で、公衆無線LANの設置が求められております。
 ある自治体では庁舎や施設内に設置し、市民の利便性を図っているところもあります。また、
市民ホールに来庁者が使用できるパソコンもあわせて設置いただければと思いますが、観光案
内や災害時に活用もできますので、如何でしょうか。
 続いて、文書のデータ化ですが、近年、全世界の紙文書がデジタルデータ化を推進されてい
ると報道がありました。本市でも徐々に所有する紙文書デジタルデータ化が進んでいると思い
ますが、さらに推進されてはいかがでしょうか。和紙の寿命が1,000年、洋紙は100年
と言われておりますが、約100年前に沼須の農民が書いた通称「阿左美日記」は和紙で約6
00ページにわたりますが、内容の日記を画像と文書のデジタルデータにしていただいたとこ
ろ、CD1枚に十分おさまりました。
 新宿区とカーボンオフセットの協定を行い、CO2の排出分を本市での植林で相殺している
現在、紙資源の多用を避けて、インターネット、ディスク、メモリーカードなど軽量で容積を
とらないデジタルデータでの授受を推進してはいかがでしょうか。また、庁舎内の膨大な紙文
書のデータもデジタルデータ化されれば、コンパクト化ができ、資料の検索や活用も容易にで
きるものと確信しております。
 次に、沼田市の文化と芸術について、博物館、美術館について今後の建設予定、または既存
の施設での開設予定がございますか。
 次に、本市には公設の博物館や美術館がないため、すぐれた作品も展示されず、市民の目に
触れることはなく、流失されることもあると思います。例えば、沼田市出身の桑原巨守先生の
彫刻は沼田市にも存在しますが、渋川市に桑原巨守彫刻美術館として多くの彫刻が常設展示さ
れています。学校の校舎内あきスペースを活用し、絵画などを寄附し、展示される場合もあり
ますが、「森林文化都市」として可能な限り、沼田で生まれた美術、芸術作品は沼田で収蔵、
展示ができるような対応を要望いたします。以上です。
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後3時05分休憩
       ─────────────────────────────
午後3時12分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの石川議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、防災について、地域防災計画の現況について、災害時、非常時における通信網の確保
について、どのように想定されているのかについてでありますが、旧沼田市の区域では防災行
政無線は整備されておりませんが、地域防災計画においては、防災行政無線や有線電話等通信
不能となった場合の代替手段として、携帯電話、消防無線、警察無線、タクシー無線、アマチ
ュア無線及びFM放送等の協力を得て通信の確保を図るとしています。
 このほか、防災関係機関相互との情報連絡を円滑に行うため、NTT等に指定を受けた優先
電話による通信や、すべての通信が途絶えた場合の措置として衛星通信の確保を依頼すること
などを想定しております。
 次に、協定や連携する市町村や各種団体についてでありますが、災害時の相互応援として利
根沼田を初め、県内の各市町村や静岡県下田市、板橋区を初めとする12市町との協定のほか、
情報の相互提供で日本郵政公社、医療救護活動で(社)沼田利根医師会、応急生活物資提供等で
JA利根沼田及び生活協同組合コープぐんま、飲料水供給で三国コカコーラボトリング(株)、
レンタル機材支援に関して(株)アクティオ及びコーエイ(株)と協定を締結しているところであ
ります。
 また、板橋区ほか12市町との協定は、災害時における相互援助に関する協定を締結してい
るところであります。
 次に、ICT(情報通信技術)については、本市における取り組み姿勢について、インター
ネットの活用についてでありますが、今日の情報通信技術の進展に伴う高度情報化社会は、議
員ご案内のとおり、高度の機能を備えた情報通信ネットワークあるいはコンピューターネット
ワークを活用して、広い分野の社会活動を改善あるいは活性化することを指すものであります
が、代表的なキーワードとして、インターネット、電子メール、携帯電話、ブロードバンドな
どが挙げられます。
 本市の取り組みにつきましては、第五次総合計画の主要事務事業でIT化推進事業を位置づ
け、行政運営の効率化及び高度情報通信基盤の整備等を推進しているところであります。
 また、市民サービスの向上を図るため、迅速かつ的確な情報を発信しております、ホームペ
ージに関しましては、見やすく、分かりやすい情報提供に努めているところでありますが、さ
らに一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、公衆無線LAN(wi−fi等)の設置についてでありますが、公衆無線LANとは、
店舗や公衆的施設などに設置されたアクセスポイントを通じてインターネットへの接続環境を
提供するもので、無線LAN内蔵電話や無線LAN機能が使えるスマートフォン、パソコン、
ゲーム・マルチメディア機器などで利用が可能な無線によるサービスです。
 これまでは駅や空港、ホテル、飲食店など人々が多く出入りする空間に商業利用目的で設置
されるケースが多かったようですが、地方自治体が公共施設等において公衆無線LANサービ
スを提供している事例も出てきておりますので、先にお答えしましたインターネットの活用・
普及とあわせ、急速に進展する高度情報化社会の現状をとらえたご指摘として、今後、研究し
てまいりたいと考えております。
 次に、文書のデータ化についてでありますが、文書のデータ化については、昭和60年代に
文書作成の効率化を目的としてワープロ専用機を導入したことがその始まりとなっております。
 その後、パソコンの低価格化や財務会計システム、イントラネットの導入に伴い、パソコン
がほぼ職員1人に1台配置され、職員間でのメールのやりとりやデータの共有が可能となって
います。
 これにより、これまで紙ベースであった庁内会議の開催通知や各種依頼文書などをイントラ
ネットのメール機能によりデータ化することで通知類を削減するとともに、統計書や税務概要、
教育要覧等の冊子、使用頻度の高い様式類や各種マニュアル等をイントラネットの共通様式に
登録しデータとして活用することで、紙ベースの冊子やマニュアル、様式類を削減してきてお
ります。
 また、会議室や公用車の予約についても、イントラネットに集約することで、紙ベースの予
約簿を廃止し、さらに月間行事予定表や週間行事予定表、研修等の案内など、紙ベースで周知
を図っていたものをイントラネットの掲示板機能によりデータとして周知するなど、ペーパー
レスの推進に努めているところであります。
 以上、申し上げまして、石川議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、「沼田市
の文化と芸術について」につきましては教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申
し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 石川議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、沼田市の文化と芸術について、博物館、美術館について、今後の建設予定及び既存施
設での開設予定についてでありますが、博物館、美術館は、資料収集・保存、調査研究、展示、
教育普及といった活動を行う施設であり、人々の学習活動を支援する施設として重要な施設で
あると認識しております。
 同時に、博物館は、博物館法に定められた専門的な調査研究を初めする各種事業を実施する
こと、館長、学芸員、その他必要な職員を置くことなど財源が必要なことから、学校施設の耐
震工事等を優先的に実施している現在の財政事情を考えますと、現時点での開設は困難な状況
であると考えておりますが、設置環境が整った折には必要な施設であると認識しております。
 なお、既存施設での開設につきましては、公民館を活用した柳波展や文化財展、土屋文明記
念文学館巡回展など、貴重な資料の展示公開を行っております。
 次に、流出する芸術作品についての本市の対応についてでありますが、すぐれた芸術作品な
どの資料を収集・保管する機能を持つ博物館、美術館の設置が必要であることは認識しており
ます。本市においても、生方たつゑ氏の文芸作品や書画、骨董などを所蔵する生方記念文庫の
寄附を受け、資料の収集保管に努めるとともに、本市にゆかりのある芸術家から寄贈された絵
画や彫刻などの芸術作品につきましても、各施設において大切に保管、展示を行っております。
 また、昭和54年5月に土岐氏の子孫である土岐実光氏より寄贈を受けた文書や武具・甲冑
などの資料につきましては、翌年から群馬県立歴史博物館に保管を依頼し、同館における企画
展等において一部の資料の展示公開を行ってまいりましたが、今後は、本市において保管する
ための収蔵庫の整備などの検討を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたい
と存じます。
 以上申し上げまして、石川議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇3番(石川初雄君) 先ほど、沼田、白沢、利根、この1市2村の合併の調整表において防
災行政無線がなかなか経済的事情によりまして設置できないということで、携帯電話、電話、
アマチュア無線、警察電話、FM放送等の活用ということでありましたが、さきの大規模震災
におきましては携帯電話が全く活用できないというか、つながりませんでした。実際、私の知
人が宮城県におったのですけれども、安否確認するのに1カ月もかかりまして、大震災のとき
には携帯電話はだめだなという思いを持ちました。
 また、アマチュア無線というのは、小規模あるいは中規模のときであっても法律で使えない
ことになっております。前提としまして、有線通信が途絶えたとき、使えないときに初めてア
マチュア無線が活用されるということでございますので、安易にアマチュア無線は使ってはい
けないという法律が定められております。
 また、その中で、従前、沼田市役所分団が赤十字の群馬県支部に所属していたわけなんです
けれども、退団されまして、今後の連携、どのようなところと連絡をとって連携されるのか、
お聞かせ願いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しいご質問でございますが、まず基本的な認識として災害発
生時に携帯電話が使えなくなるということについては全く同感でございまして、私は今回の大
震災よりはるかに前、七、八年前でございますが、東京の方でそういったことを経験いたしま
した。したがって、そういう意味では、まず石川議員がおっしゃられているとおりかと思いま
す。
 また、群馬県のアマチュア無線の赤十字奉仕団の中で沼田市役所分団が登録されていたとい
うことと同時に、その後退団されたということがご意見あるいはご質問の中で述べられたわけ
でございますが、これらについては、実は率直に申し上げますが、本日ただいま初めて私も受
けとめさせていただきました。したがって、この市役所内部でアマチュア無線の関係等が有効
に生きるとすれば、かつてのところの部分をもう一度切開して、掘り下げて、そして現状に見
合った形の中のことを検討していく必要があるかなというふうに受けとめさせていただきまし
た。
 なお、この関係の大きな流れは、先般、FMラジオの関係から来る緊急告知の関係で仙台か
らのご寄贈がございまして、これを防災関係機関や公共施設、区長等に配置して、現在対応を
図っているところでございますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げたいと思います。
◇3番(石川初雄君) わかりました。
 アマチュア無線の県は、私も大震災が起きるまで必要ないと実は思っておりました。携帯電
話の発達というのは、技術の進歩はすさまじいものがありまして、谷川岳で遭難した人が自分
から携帯電話で電話をかけて助けてくれというような時代になりまして、私なんかの出番もな
くなってきたと思っていたんですけれども、今回の震災で改めて、オーソドックスな通信手段
ではありますが有効であるという認識を持ちまして、何とか災害のときには力を発揮して尽く
したいという気持ちでいっぱいでございます。
 実は、3月11日の大震災の数日後に総務省から依頼がありまして、これは日本アマチュア
無線連盟本部でございますが、携帯電話がつながらないので東北地方の災害状況の情報を収集
してくれというような依頼がありまして、私、3月19日、20日と東京に行ってまいりまし
た。ガソリンがないとき、新幹線も地震でとまったりして大変だったんですけれども、その中
で総務省に協力して、いろいろな情報を収集したわけでございますが、そのときに改めて、や
はり無線もこういったときには必要だなと思いましたので、ご理解を賜りまして、いろいろな
提供をして、非常時には備えていただければと思っております。
 5月なんですけれども、大阪で日本アマチュア無線連盟の総会がございまして、池田市の市
民文化会館で行われたわけなんですけれども、池田市の市長さんは非常に無線に好意的であり
まして、そのときに総務省の近畿総合通信局長が参りまして、やはり地震のお話をされました。
やはり電話がだめでしたので、総務省から衛星電話、これを数十台貸し出したと。あとはアマ
チュア無線の皆さんのご協力を得てというような話がありました。そのときに、池田市の市長
さんがあいさつの中で、「やってよかった耐震工事、入ってよかった地震保険、持っていてよ
かったアマチュア無線」と、こんな話をされましたけれども、市役所のてっぺんにアンテナを
すぐ上げろということではなくて、沼田市の中にも無線をやっている方がいらっしゃいますの
で、現況、その方たちの無線機あるいは技術を活用して、とりあえず訓練等を始めればいいん
じゃないかと思っております。この件は以上で、次の件に移りたいと思います。
 次に、ICTでございますが、市長さんが言われたように、インターネット、これは便利な
ツールでございますが、これを一般市民の方も大分活用し始めました。また、先ほど質問させ
ていただきましたが、インターネット経由または電子メールによりまして、よく電子申請とい
うのが最近はやってきております。これは、非常に難しい申請方法もあれば、意外と簡単な申
請で受理される場合もございます。
 実は、私、群馬県の方に毎年いろいろな申請をしまして、文書を出したり、あるいはインタ
ーネットで電子メールで添付ファイルで出したりするんですけれども、最近は所管の職員の方
はすべて電子メールを持っておりますので、ことしは電子メールで申請をしてみましたら、そ
れで結構ですと。特に印鑑も必要ありませんということで、受理されました。通常、写真を添
付して、紙あるいは写真で申請するわけですけれども、すべて画像も電子メールの中で取り込
んで出して、それでよいということで、時代は変わったなという感じが見受けられました。
 本市でも、その電子メール、例えば所管の方の電子メールで問い合わせに答える、あるいは
簡単なものは、例えばPDFファイルで申請書をつくって送ればファクスで回答は来ますけれ
ども、ワードとかそういったもので作成すれば、それに書き込んで返信すれば所管の方が受け
付けをしてくれるというようなシステムは現時点では不可能でしょうか。その点についてお答
えをお願いしたいと思います。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後3時30分休憩
       ─────────────────────────────
午後3時31分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇市長(星野已喜雄君) まず、最初の近畿方面の池田市の市長さんのごあいさつ、あるいは
また議員がみずから実践されました3月19日、20日の関係等についてのご提言は、重要な
ご提言だと思って、重く受けとめさせていただきたいと存じます。特にアマチュア無線の関係
等が一朝有事のときには大変有力な手段となるということをお聞きいたしまして、先ほど申し
上げましたとおり、内部でもこれは研究し、また議員はそういった方面の大変造詣の深い方で
ございますので、いろいろな意味で執行部あるいはまた議会側等の場所を越えて、またいろい
ろと各方面からご指導いただければ幸いでございます。
 また、後段のご質問でございますけれども、確かに電子申請、これはもう時代の流れになり
つつあります。本市におきましても、すべてではありませんけれども、電子申請でもって、例
えば印鑑登録の廃止であるとか、あるいはまた出産育児の一時金の支給申請であるとか、水道
開始届であるとか、そういうことでもって受け付けしているところもございます。したがいま
して、今後、徐々にそういった流れに、当然一般的な今までの方法も大事にしないと、情報の
こういった関係にすべてが造詣が深いわけではありませんから、一概に申し上げられませんけ
れども、間口を広げるという観点からとらまえても、議員のご提言は大変重要かと思っており
ますので、これまたいろいろと検討を加えてまいりたいと考えております。
◇3番(石川初雄君) わかりました。沼田市というのは東西に非常に長い地形でございます
ので、距離のあるところに車で来ると1時間かかったりするということもございますので、そ
ういった便利なツールを活用できるようなシステムになるべく早く構築していただけると市民
の方も助かるのではないかと思います。
 続きまして、先ほど無線LAN、これについてご質問させていただきました。これは、有料
のところと無料で使えるところと二つに分かれておるわけなんですけれども、上之町商店街で
は無料で10年前から開放しておったわけなんですけれども、自治体等では無料で開放してい
るところが多いということでございます。また、図書館なんかでもインターネットで調べなが
ら勉強するということで、無線LANを提供している図書館なんかもございます。
 また、市民ホールにパソコンをあわせて設置していただいて、来た方に利便性を図るという
ようなことも先ほど質問させていただきましたが、これに対してのお答えがなかったんですけ
れども、再度お尋ねします。市民ホールにパソコン等の設置等はいかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 本質問のときに、あくまでも文書通告の中で、どういうことなのか
なというようなことで、答弁書をつくるのに当たって、内部で相当LANの関係については論
議がなされました。私が市役所のフロアのところに置くことは可能なのかどうかということ等
の意見を申し上げ、担当部課長が、それは可能ですという説明等もあって、となると、特にお
金もそれほどかかるわけじゃないから、今後のサービスとなると、そういったことは検討して
いくもう時代の流れかなということも実は意見交換をした経過がございます。したがいまして、
今後のいろいろな課題がありますが、他市の設置状況では、前橋市が「前橋プラザ元気21」、
これはご案内のとおり、こっちから参りますと旧西武の跡地になりますけれども、それから藤
岡市が総合学習センター内に置いてあるようでございまして、他市ではまだそういった計画は
ないようでありますけれども、いずれそういう時代が間もなく来るなということについては私
も内外の諸状況から、よく承知をしているつもりでございます。したがいまして、今後、石川
議員のご提言を体して、それが一体どこがいいものなのか等々も検討しながら、いろいろと考
えてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、これはあくまでも私の手持ちの資料でありますけれども、空港の
ロビーであるとか、しかるべき市民が集うような場所だとか、電波の届く範囲内であれば、そ
れが有効に生きるということを把握しておりますので、そういう意味では、今後の課題ではあ
りますけれども、時代がそういう方向に向かっていくということについては認識を同じくして
いるつもりでございますので、今後研究をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願
いします。
 また、石川議員はこういったことに非常に造詣の深い方でございますので、いろいろな意味
でご示唆をいただければ幸いでございます。
◇3番(石川初雄君) ありがとうございます。パソコンの設置、それはご回答いただけなか
ったわけでございますが、市民ホールにwi−fi、要するに無線LANを設置していただけ
れば、旅行者の方なんかはノートパソコンを持ってくる方が最近多いです。私なんかも旅行に
行くときにはノートパソコンとスマートフォンと、それからタブレット、それから携帯電話、
その四つをいつも持っていくんですけれども、どこか設置できるところはないかというと、ホ
テルは大体予約するときにwi−fiがある、あるいはインターネットの接続があるところに
泊まる。私の仲間なんかも大体そういうことで、最初からそういう施設のあるところに人は動
くという流れに最近はなろうかと思います。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、文書のデータ化でございますが、これは私、先輩議員からもよく言われており
ました。議員をやっていますと、資料が非常に多い、石川、これ何とかならないかということ
で随分相談されまして、文書をデジタルデータ化してパソコンのハードディスクという中に入
れておけば、重くないし、どんどんふえますよということでご指導させていただいた経過もご
ざいます。先般、議会会議室に行きますと、たくさんのデータ、要するに紙の資料があるわけ
なんですけれども、これも棚に飾っておくということではなくて、中を読んでもらってこそ価
値があるというものでございますので、ぜひデジタルデータ化をしまして、どなたでも見てい
ただくということが私は必要なのではないかと思っております。
 また、先ほど市長さんがイントラネットとおっしゃいましたが、それは市役所の職員の方が
使う専用回線かと思いますので、我々一般の方は立ち入ることができない特殊な回線となって
おりますので、ぜひともイントラネットではなくてインターネットのwi−fiということで
お願いしたいんですけれども、改めてご確認をお願いいたします。
◇市長(星野已喜雄君) 議事録はインターネットで見ることができると思います。
 イントラネットは、一応内部の意思疎通、そういったことでしております。これはまたちょ
っと話が非常にデリケートなところに発展していくと思うんですが、行政の関係等についての
やりとりがすべて表舞台に出ていくことには今のところなっていないのではないかと思ってお
ります。
 さらに、議員の関係の資料の問題等がございましたけれども、これらについては、石川議員
のように非常にそういったのに熟知しているおられる方もいると思いますけれども、今までの
ペーパーでもって物事の対応をしてきた方もいると思いますので、今、時代の過渡期でござい
ますので、そういった間口を、両方とも選択が可能な状態をつくっていくことが大切なのでは
ないかというようなことを私は受けとめさせていただいております。
◇3番(石川初雄君) それは重々承知しております。イントラネットは、例えば企業なんか
でも、企業内の情報と発信、社員の中で見る、そういったことでございます。
 また、文書のデータ化でございますけれども、これはすべての方に強要するということでは
なくて、紙文書の方がお得意の方もいらっしゃいますし、いろいろな方がいらっしゃいますの
で、あくまでもデータ化ができるような技術をつけていただければと思っております。
 それでは、続きまして沼田市の文化と芸術についてお尋ねいたします。
 先ほど、博物館、美術館について、館長、それから学芸員、その他、経費がかかるので現時
点では不可能ということでございますが、実は私も3年間、教育委員会に所属させていただき
ましてお世話になった身でございますので、その点は重々承知した上での質問でございました。
まことに申しわけございません。その中で、現在プロポーザルを実施されております上之町に
再築予定の生方記念文庫、またそれに併設を予定されております納税貯蓄銀行、これの利活用
について、両方あわせて同所にて作品の展示を行うというような案はございますでしょうか。
 また、昨今、財政の厳しい中、インターネット上でデジタル美術館それからミュージアムな
どの開設も始まっておりますが、こういったシステムの活用は検討されましたでしょうか。
 これは教育長にお願いしたいと思います。
◇教育長(津久井 勲君) お答えを申し上げます。
 生方記念文庫、それから沼田貯蓄銀行の件でありますけれども、現在いろいろと検討してお
りますけれども、実は先ほどの答弁の中に主語がありませんでしたので、おわかりにくかった
と思いますけれども、大まかではありますけれども、今後これら施設、「これら」と言っても、
最近教育委員会がかなりの力を入れて、また財政的にも市長また当局の理解を得てやれる大き
な事業というのは久しぶりだと思います、文化財の保護、さらには芸術作品の展示等々を含め
た形で、この施設を有効に活用していこうということでありますから、先ほどの答弁の言葉を
使わせていただければ、今後は本市において保管するための収蔵庫の整備などの検討を行って
まいりたい。さらに、この貴重な施設を、特に街なかでお世話になれるということになります
ので、街なかということも含めて、芸術作品、さらには文化財の保護等々を含めて、ある種、
目玉になる、他市から比べれば小さなものかもしれませんけれども、ちょっときらっと光るよ
うな魅力的な施設をつくっていこうというふうに考えておりますので、その中でいろいろな利
活用という点で今工夫、検討させていただいているところでありますので、議員のご意向等も
踏まえながら今後検討していきたいと考えております。
 さらに、デジタル美術館ということでありますが、先ほど市長の方への質問、また市長の答
弁の中にもるる出てまいりました。全く頭の下がる思いでありますけれども、余計なことを申
し上げるようで恐縮ではありますけれども、教育委員会委員また委員長在籍当時にはいろいろ
な積極的な提言や具体的な指導、助言をいただいて、そのすべてとはいきませんけれども、現
在もそういうことに基づいて、できることから、ゆっくりしたスピードで恐縮でありますけれ
ども、いろいろと実現をさせてもらったり検討していただいております。今回のご質問、また
はいろいろなご説明等を見る中で、担当課においては若干の情報を集めたり、世の中だんだん
変わってきているなあ、群馬県ではどうなんだろうなあというレベル程度には研究しているよ
うでありますけれども、具体的にこれを取り込んでどうしようかというところの検討はまだな
されておりません。貴重なご示唆でありますので、これから、先ほどの市長答弁にあるとおり、
時代がそういう方向に大きく進んでいるという事実をしっかりと押さえた中で、今後いろいろ
と勉強させていただけたらと、そんなふうに思っております。以上でございます。
◇3番(石川初雄君) わかりました。
 生方記念文庫でございますが、私が生まれ育った上之町にありまして、生方たつゑ先生も、
生きているときに、私、ちょっと変わったおばさんがいるなというような印象でおったんです
けれども、大きくなってみたら、あんな偉い先生とは思わなかったんですけれども、残された
蔵書なんかも非常に貴重なものであるという認識でおります。
 また、その中において、生方たつゑ先生のだんなさんであります生方誠さんの蔵書も非常に
貴重なものが多いと認識しております。特に、教科書によく出てきます杉田玄白の「解体新
書」、これは3部か4部で一式だと思うんですけれども、そのうちの一部が生方記念文庫にあ
るということで、実際見せていただきましたが、こういったものもこの利根沼田の地にあると
いう、これもなかなかPRができていないかと思うんですけれども、こういったものもあると
いうことをPRしていただいて、街なかに人を呼ぶという仕掛けもある程度できるかと思いま
す。また、川端康成さんとの手紙のやりとりなんかもあると聞いております。そういったもの
をぜひご活用させていただきまして、街なか再生にもご協力いただきたいというのが街なかの
要望でございます。
 以上をもちまして私の質問は終了さていただきます。どうもありがとうございました。
◇議長(大島崇行君) 答弁はいいですか。
◇3番(石川初雄君) はい、結構でございます。
◇議長(大島崇行君) 以上で一般質問を終了いたします。
       ──────────────◇──────────────
    第2 散  会
◇議長(大島崇行君) 以上で本日の日程は、すべて終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
 次の会議は13日午前10時に開きますから、ご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後3時49分散会
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