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 沼田市沼田市議会沼田市議会会議録>平成24年第1回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号

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平成24年第1回沼田市議会定例会継続会会議録 議事日程第3号
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議事日程 第3号
平成24年 3月 8日(木曜日)午前10時開議
第 1 一般質問
       ─────────────────────────────
本日の会議に付した事件
第 1 一般質問
第 2 延  会
       ─────────────────────────────
出席議員(21人)
       1番  大島 崇行君      3番  石川 初雄君
       4番  島田 富造君      5番  野村 洋一君
       6番  坂庭 直治君      7番  石井 紘一君
       8番  高柳 勝巳君      9番  井之川博幸君
      10番  大東 宣之君     11番  星野  稔君
      12番  金子 一弥君     13番  山ア 義朗君
      14番  片野 彦一君     15番  大竹 政雄君
      16番  星川嘉一郎君     17番  小野 要二君
      18番  宇敷 和也君     19番  石田 宇平君
      20番  布施辰二郎君     21番  星野佐善太君
      22番  牧野 保好君
欠席議員(なし)
       ─────────────────────────────
説明のため出席した者
   市  長       星野已喜雄君   副 市 長       林  義夫君
   白沢町振興局長    木暮  茂君   利根町振興局長    山口 芳久君
   総務部長       須藤 一夫君   市民部長       田辺 昇利君
   健康福祉部長     黒岩  勉君   経済部長       飯田 敏夫君
   都市建設部長     生方 秀二君   総務課長       田村 博史君
   会計管理者兼会計局長 松井 玲子君   教 育 長            津久井 勲君
   教育部長       水田  修君   庶務課長       増田 雄二君
   監査委員事務局長   茂木 一夫君                    
       ─────────────────────────────
議会事務局出席者
   事務局長       星野 喜一    次長兼庶務係長    加藤 英臣 
   議事係長       木暮 保夫    副 主 幹       木榑 聖子
          ──────────────◇──────────────
    午前10時開議
◇議長(大島崇行君) これより本日の会議を開きます。
       ──────────────◇──────────────
    第1 一般質問
◇議長(大島崇行君) 日程第1、一般質問を行います。
 昨日に引き続き、順次質問を許可いたします。
  最初に、大竹政雄議員。15番。
〔15番 大竹政雄君登壇〕
◇15番(大竹政雄君) 通告に従い一般質問を行います。
 昨年の3月11日の東日本大震災から始まり、豪雨災害、台風災害、そして豪雪災害と、自
然災害で、多くの尊い命が失われた一年でありました。
 経済界では、パナソニックをはじめ家電業界は、韓国をはじめとする海外企業と熾烈な競争、
その上円高による大きな損失があり、経済界も揺らぎ始めているとも言われている中で、国で
も支援してきた、国内最大手の半導体メーカーが製造部門では最大の損失を出して破綻、日本
全体の製造部門に大きな影響を及ぼすともいわれています。
そして国会では、社会保障と税の一体改革を初め、各諸問題で、与野党の議論はかみ合わず、
政治不信は募るばかり、借金も、一般政府総債務は23年度末で1,024兆円、このような
財政不安の中、政治経済とも、これからの日本は、難しい時代を迎えているように感じていま
す。
 さて沼田市も、この10年、厳しい財政のもと、主だった進展が見られていないと感じてい
ます。「鉄は熱いうちに打て」ということわざがありますが、沼田市はいつも、政策しかり、
事業しかり、他市の状況を、見きわめていくという二番せんじの、市政運営がされてきたよう
に感じています。政策や事業においては、早い決断力が市政発展、活性化につながるものであ
り、いつも先進地を行こうという考え方を、念頭に置きながら、市民にとって本当に必要、そ
して無駄のない市政運営に取り組むことを強くお願いし、これから一般質問をさせていただき
ます。
 それでは、はじめに合併特例債の活用についてお伺いいたします。
 野田政権により、特例債の5年間延長が閣議決定されました。特例債も、財政厳しい本市に
とって、有効活用されるように期待しますが、借金であることに変わりないわけで、一つ間違
えれば、市の財政が窮地に追い込まれる危険も含まれていると思います。
 一般的な見方では、特例債は交付税算入されるため、地方交付税全体はふえるが、10年後
から、緩和措置期間5年間を過ぎると交付税全体は減っていくと言われています。15年から
20年後は、地方交付税は2割強減るとまで言われています。
 また、先日のセミナーで、国債発行がこれからも続くならば、国も2から3年で行き詰まる
時期が必ず来る、地方自治体は交付税を減らされることを考慮し、無駄を省き、スリム化する
財政計画ができた自治体が生き残るだろうということでした。沼田市も実質公債費負担比率
18%の条件をクリアでき、今年度は、耐震補強等の公共事業が大幅な増になりましたが、こ
れから先、合併特例債の活用について、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、義務的経費を含めた歳出全般の見直しについてお伺いいたします。行政経費の一層の
節減や事業選択と効率的な財源配分に配慮し、将来にわたり持続可能な財政運営を維持してい
くとありますが、具体的な考え方について市長の見解をお伺いいたします。
 次に、民間委託についてお伺いいたします。これからの自治体運営の観点から、市民参加制
度のもとに、民間でできるものは、民間に移行していくことが、必要になると言われています。
先日のセミナーでも、まちづくりや観光、高齢者、特に医療政策、子育政策、そして、IT関
連等は民間のノウハウを活用すれば、行政が大きく変われるとのことでした。沼田市も指定管
理者制度において、社協をはじめ、温泉施設等において委託事業が進んできている中で、サラ
ダパークも新しい委託先が決定しました。いろいろな分野での民間委託は、これからの自治体
にとって必要不可欠と思いますが、民間委託について市長の見解をお伺いいたします。
 次に、市有財産の有効活用についてお伺いいたします。この件については、2回ほど質問を
してきましたが、今回予算に反映されたようですが、具体的な内容を初めにお伺いいたします。
また、市有財産である公用地の活用について市長に提案してきましたが、財政が厳しいという
ことでなかなか進みません。いかにしたら市民に活用できるのか、真剣に取り組む必要がある
と思いますが、市長の見解をお伺いします。
 次に、事務事業評価についてお伺いいたします。この評価の仕方によって大きく変わった自
治体と、ほとんど変わらない自治体があると言われますが、沼田市は後者に入るような気がし
てなりません。いくつかの事業の廃止や見直しは行ってきているものの、本質のところは変わ
らないように感じています。市民からも言われている、無駄な事業の見直しについて、議会で
も、ふるさと館、旧沼田貯蓄銀行保存整備事業等、指摘してきましたが、今年度移築解体の予
算が計上されました。事業評価は、無駄を見直すものと思います。議会で移設について無駄と
提言してきましたが、今回の予算を見ても、内部評価の甘さを感じてなりません。 
 この二つの事業評価について市長の見解をお伺いし、一回目の質問といたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大竹議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、財政運営について、財政計画について、合併特例債の活用についてでありますが、合
併特例債につきましては、合併市町村のまちづくりのための建設事業に対する財政措置として、
新市建設計画に基づく特に必要な事業の経費に充当できるものであります。また、合併市町村
振興のための基金造成に対する財政措置として、新市町村の一体感の醸成や旧市町村単位の地
域の振興などのために合併市町村が行う事業に関して積み立てる基金に充当できるものであり
ます。いずれも事業費の95%に充当することが可能で、元利償還金の70%が後年度に普通
交付税に算入されるものであります。
 平成24年度予算につきましては、第五次総合計画の後期実施計画の初年次であることから、
その事業計画の実施に向け、市町村合併振興事業、消防施設整備事業、小・中学校施設耐震化
事業、中学校施設整備事業及び公民館耐震改修事業に合併特例債を充て財源の有効活用を図っ
たものであります。
 今後の合併特例債の活用につきましては、後年度負担を考慮しつつ、同特例債の充当目的で
ある合併後の市町村の一体性の速やかな確立を図る事業、均衡ある発展に資する事業及び市町
村の建設を総合的かつ効率的に推進する事業などに、慎重かつ有効に活用してまいりたいと考
えております。
  次に、歳出削減について、義務的経費を含めた歳出全般の見直しについてでありますが、依
然として厳しい本市の財政状況を踏まえ、平成24年度予算につきましては、全庁的な行政経
費の節減や事業選択、効率的な財源配分に配慮したものであります。
 具体的には、平成27年度から始まる合併算定替の段階的な縮減を見据え、義務的経費を含
めた一般財源の総額を抑制した「一般財源要求基準額」を設定し、予算を編成したものであり
ます。
 それらの結果、前年度当初予算と比較して、人件費、扶助費及び公債費で構成される義務的
経費については、4億3,542万6,000円、4.2%のマイナス、その他経費について
は、1,442万5,000円、0.2%のマイナスとなっております。
 なお、平成24年度につきましては、第五次総合計画の後期実施計画初年次であることから、
その事業計画の実施に向けた投資的経費の増により、一般会計予算の規模につきましては、
3億2,504万円、1.6%の増となりましたが、一般財源総額については、1億9,56
4万2,000円、1.3%のマイナス、財政調整基金繰入金については、99万2,000
円、0.1%のマイナスとなったものであります。
 いずれにいたしましても、本市の財政構造は依存財源が自主財源を上回っていることから、
今後も引き続き国の動向を注視するとともに、さらなる行政経費の節減合理化及び事業選択な
どを図りながら、将来にわたって持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
  次に、行政運営について、民間委託について、民間委託の評価及び、これからの活用につい
てでありますが、本市ではこれまで、ごみ収集業務や給食センター調理業務を民間委託とし、
28施設について指定管理者制度の導入を行ってきたところであります。
 厳しい財政状況の中、行財政運営の効率化が急務となっている一方で、市民ニーズの多様化
・高度化が進んできており、財政負担の軽減を図りつつ市民福祉の維持・向上を目指すという
極めて難しい対応が求められている中、公共サービスに多様な団体が有するノウハウを活用し、
一定の成果があがっているものと考えております。
 今後につきましても、平成22年度に策定いたしました第7次沼田市行政改革大綱及び同実
施計画に基づき、民間委託活用について鋭意検討してまいりたいと考えております。
  次に、市有財産について、財政の厳しい中で、有効活用をどのように考えていくのかについ
てでありますが、市有財産等につきましては、土地や建物、あるいは借地に市有施設が立地し
ているなど、その形態は様々であります。また、その時々の施策等によって取得され、有効に
活用されてまいりましたが、時代の変化や利用形態などによってその役割が薄らいでいるもの
及び既に行政目的を達成しているものなどがあります。
 このような市有財産等の取扱いにつきましては、行政改革推進本部で市有財産等の現状、利
用状況及び費用対効果などを検討し、「現状のまま管理する」「建物の取り壊し」及び「土地
の売却」等、今後の利活用について一定の方向性を示したので、これに沿って進めてまいりた
いと考えております。
 なお、市有財産等につきましては、様々な事情及び長年の経過等もありますので、これらの
ことも踏まえながら対応してまいりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと思いま
す。
  次に、事務事業評価について、市民評価とは違う事業についてでありますが、事務事業評価
につきましては、事業の目的と手段を見直し、限られた予算の中で、より効率的な事務事業の
執行を図るとともに、事業実施の必要性、妥当性、成果などを公開することで市民に対する説
明責任を果たし、成果志向による行財政運営を図ることを目的として実施しているものであり
ます。この評価結果を基にいたしまして、次年度の主要事務事業の選定資料とするとともに、
2次評価の結果を各担当課に周知することにより、事務事業の改善や見直しを図り、次年度予
算編成への反映に努めてきたところであります。
 事務事業評価の手法等については、これまでも改善・改良に努めてきたところでありますが、
議員ご指摘の市民評価の視点も含め、さらにシステムの充実に向け、研究、検討を加えてまい
りたいと考えております。
 以上申し上げまして、大竹議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇15番(大竹政雄君) 答弁いただきましたので、再質問をさせていただきます。
 今回私は全体的に見たときに、今話題になっている「下山の思想」という本が、こんな薄い
本があるのですが、この本を見て、「ああ、もう日本もこう変わってきたのかな」と、そんな
ふうに思いながら、やはりこれは今、「我々がこういった形の中でいかないとだめなのかな」
と思っております。
 それでこの本の中で、実はもう経済は揺らぎ始め、優良企業が次々と危機に瀕し、国の財政
も不安に満ちあふれているが、日本人は切実な問題としていない。「未曾有の時代なのに、な
すすべもなく国民は傍観しているだけ」というところから始まっていきます。
 まさに、国の今の借金の状態、本当にこれはどうなってしまうのだろうというのが、私の今
回の国会の予算審議、今やっているものをほとんど見ています。よくわからないところばかり
なので、今の国の政策というのはこんなものなのかなと。なかなか自民党、民主党、かみ合っ
てこない。そんな中で、特に我々はそこの流れをくんで、沼田市は生きていくわけであります。
 ということは、交付税に当然頼っているわけですから、その金額がどうなるかという問題が
出てくるわけでありまして、実は、この合併特例債というものが、これからどんなふうに移行
していくかという話であります。
 実は、昨日、同僚議員から質問があって、当然合併特例債はあるところまではどーんと交付
税がふえてきますけれども、10年後から下がっていくことになるわけです。緩和措置期間が
あるわけでありますけれども、その後にくる交付税全体というものが、国で決められているも
のなのですね。
 私は実は、この交付税はどんなふうになっているのかなということで調べてきました。
 実は、交付税は要は所得税の一定配分なのですね。これが法律で決められている。今、所得
税がどんどん減ってきているから、今、その交付税に分配するお金がないという状況です。
 では、そこで何をしたらよいのか。国は、借金をして皆さんに配らなければいけないという
話になるわけです。その借金は、国が半分、地方が半分ということで、やっているわけでござ
いますけれども、その辺のところが非常に難しい問題で、いずれその辺の借金が、国は臨時財
政対策債でとりあえずまなかってくれよと。あとで面倒みるよと。あとで面倒みるがよく分か
らない話であって。この辺のところをしっかりとらまえていかないと、これからの要は特例債、
私は非常に難しい問題が出てくると思いますけれども、その交付税との関連について、市長、
どのように感じているか、少しお聞かせ願いたい。
◇市長(星野已喜雄君) 一応、合併したあとの関係からくる算定替の関係でもって、交付税
でもって合併したらある程度恩典に浴するということは、昨日の同僚議員に答弁したとおりで
ありまして、この交付税の関係等については、合併後10年間。そして、向こう側の5年間で
ソフトランディングしながら、一本算定に入るということでございます。
 特例債の関係は、やはり地方交付税とは一線を引きながら考えていく必要があるのではない
かと。そういった中で、今回5年間の延伸が、先ほど議員がおっしゃったように、閣議決定が
なされたと。しかし、本格的に決まったわけではないので、厳しいなということの中にありま
す。
 したがって、私どもからいたしますと、現行の法制度を信用して、そして合併特例債の持っ
ている有利な状況を有効に活用していくという財政運営上は、やはり大切なことなのではない
かなと思っております。
 ただ、前々から私どももそのものの活用については、18%の関係から一定の制約があった
ことは、紛れもない事実でございますけれども、先日来申し上げているように、昨年の9月か
ら、そこのところは取り払われたような形の中にあって、いよいよ平成24年度、新年度予算
には、その特例債を有効活用するという形の中で、新年度予算を組んできたという流れがござ
います。
 したがって、今後もこれをうまく活用していくということは、やはり基礎自治体の立場から
すると、財政運営上大事かと思っております。
 そこで、先ほど来からご心配されているように、先々の国の持っている現行の借金に仰いで
いる国家財政を見たときに、基礎自治体の立場からすると、いついかなることが招来してくる
かもわからないということを考えたときに、やはり内部留保をきちんとしていかなければいけ
ないということから、昨日も申し上げましたように、やはり財政調整基金というものに対して、
一定の担保をしておくことが大事なのではないかという形で臨んできた、という経過がござい
ます。
 したがいまして、今後ともいろいろな天下の情勢がある中で、やはり当市からすれば懸案の
事業であることについては、真水の起債でなく、認められている合併特例債を有効活用すると。
 それで、これも今度は議員がおっしゃっているように、やはり借金には変わらないわけでご
ざいまして、そういったことから、常に先を見たときに、常にこの18%を割る形の中で展開
していかなければいけないということについては、真剣に論議をして留意をしてきたという経
過がございます。
 したがって、返すお金と起こすお金の関係が、必ず返すお金が多ければよいわけで、返すお
金より多くのものを発行すると、これは非常に危険な状態になります。したがって、返すお金
よりは、常に下回る形の中で対応していけば、徐々にそれはソフトランディングしながら、落
ち着いた形になっていくのではないかというように考えております。
◇15番(大竹政雄君) よくわかりました。実はこの辺のところ、今返すお金の話が出まし
たけれども、国は返すお金より借金するお金が倍ぐらいになってしまっているわけですね。だ
から、非常に先行きが見えないという話なのであります。
 今、市長から財調を担保にしていきたいという話があったのですが、実は5年くらい前です
か、私がここで、この財調を切り崩して1億ちょっとになってしまったと。これでよいのです
かという話をさせていただきました。
 あの当時、財調というのは大体5%くらいないとだめですよということを総務省から言われ
ていると思うのですが、それを切ってしまって、とんでもない数字までいってしまったという
のは現実なのです。
 さあ、そこで一生懸命努力をして、今ではたぶん28億くらいですか、あるわけであります
けれども、実は私の考えていたのは、財調という使い方が少し違うのではないかな。これから
算定替のあとに担保していくというのは違って、私の考え方ですよ、あくまでも。
 実は、この問題はある程度、緊急なお金が必要なときに使うということですね、基本的には。
それでそうなると、あまりそこに残しておいても、残しておくという言い草はないですね。
 例えば、5%なら5%、10億なら10億を残して、あとのお金は他のところの事業に使っ
て経済効果を求めた方がよいのではないかということなのです。
 それで、実は合併特例債に担保するということになると、相当先なのです。現実には15年
後くらいですから、32年くらいになるわけです。まだまだ先の話なのですが、実はそれまで
には何をするべきかということなのです。要は、今の行政がそのあと10年くらいの間にどう
縮めていくかという話なのです。
 要するに、経費を削減する問題が出てくるでしょう。それで、この行政全体をどう変えてい
くか。そんな問題も出てくるでしょう。その問題を解決していくということが、私はこの合併
特例債が32年ごろの緩和された後に必ずやってくることだというように思っているのです。
 だから、私は少しその辺のところについては、自分の考えと少し違います。その辺について、
市長はどのように考えているか、少しお聞かせいただきたいです。
◇市長(星野已喜雄君) まったく財政調整基金にゆだねるということではなくて、一つとす
ると一朝有事のときにはそういったことがあり、きちんとこれを守っていくというこが大事だ
なということと同時に、当然12市と比較しながらいろいろと見てきた中で、まずまずのここ
へ来て一定の成果が出てきたなということで申し上げているわけでございます。
 もちろん当然、昨日の同僚議員のご質問にあるように、全体の構造を民間委託をする、ある
いはまた、民間で賄えるところは賄ってもらう。そうして総体を徐々にスリム化していくとい
うことは、大変大事なことだと思っております。
 先ほど、これは数字のことですから、はっきりと申し上げておきたいと思うのですけれども、
今議員が28億と言われたのですが、一応19億だというように思っておりますので、そこの
ところを含みおきいただきたいと思います。
 それと、合併特例債と地方交付税のもっている算定替と一本算定のところのものの見る尺度
ですか、これをやはり合併特例債と地方交付税の存在というのは、一応きちんと分けて考える
必要があるのではないかなというような考え方を持っております。
 ただそのときに、間違いなく昨日も述べたように合併特例債は100のうち95%、先ほど
も答弁したように充当ができて、そのあとの70%は、結局地方交付税でお世話になれる、と
いうところの部分について、議員がいろいろと心配してくれているのではないかと思うのです。
ことによると、そこにもう交付税として見てもらえなくなってしまうのではないか、というご
心配があるのだと思うのです。それは、やはり私どももその辺のことについては、きちんと緊
張感を持って対応していく必要があるのではないかと。
 一応、制度上は先ほど言うように、議員もご指摘されているように、95%の充当で後年度
70%の交付税算入があると。そうすると、そこのところで議員が心配している交付税が現下
の国家財政の中では出てこなくなってしまうのではないかというご心配があるので、その特例
債に対する期待度をあまり持つといかがなものかということだと思うのです。
 そういうことを踏まえながら、今回もなんとか、事業も議員が発言されていますように、起
こしていかなければいけないということでもって、来たという流れがございます。
 したがいまして、今後とも議員の発言されている内容については、私どもも理解ができる立
場におりますので、今後ともいろいろな意味でまたご助言をいただければありがたいなと考え
ております。
◇15番(大竹政雄君) 実は、私は合併特例債と交付税は、くっつけるものだと今、別にし
ているようですが、合併特例債はいずれ交付税算入しますよということなのです。だから、一
緒に考えてなければいかん、ということなのです。
 それで、今これだけだった交付税全体が、今17から8兆ですかね。ところどころにあって、
その上にのせてくるわけです。それで、これを全体に考えていかないと、くっつけて考えない
と、最終的には交付税算入するのだということですよね。だから私は、くっつけて考えなけれ
ばいけないと思っています。
 それで、そのずっと借金を返すころになって、実は今、日本中あっちこっちで合併特例債使
っている。返すころになって、さあ、国はお金がなくなっちゃったよ、どうしようか。さあ、
そこに計算方法があるわけですよね。特に皆さんよくわかっている基準財政需要額というやつ。
あれの計算がまたわけの分からない計算。この辺のところ、少し鉛筆をなめられてしまうとに
っちもさっちもいかなくなってしまう。そういうことだと思うのです。
 その合併特例債もそうなのでありますけれども、実は臨財債の方も同じようなことが言える
のだそうです。これはインターネットを見ていると、本当によくその辺のことが書いてある。
 実は、ある市町村、市でもう始まっているところがあって、どうもその合併特例債の返済に
あてる金額が来ないということで、何かおかしいのではないかということで質問したら、要す
るに比率が変わったよとか、係数が変わったよ、で減っていっています。それで、交付税が減
ったところで、合併特例債の分の返済金がくるわけですけれども、実際には、我々が考えた数
字とは全く違うみたいなものが、もう現実におきているようなのです。ですから、私はこの辺
のところをしっかりととらまえて、行政として、市長として、うかつなことにならないように
お願いをしておかなければいけないのかな、ということが今回の質問なのです。
 それで、二、三年後に、国も国債はそう簡単には売れないだろうという話も実は聞いてまい
りました。国債を買ってくれなければどうなるかということ。地方に回ってくるお金もなくな
ってしまうわけです。さあ、その時にはどういったことが起きるかということになるわけであ
りまして、我々が昨年たまたま4回セミナーに参加させていただきましたけれども、今、地方
のやるべきことは、いかにスリム化するか。あるいは交付税がもう2割減っていくのだという
考え方をもって、それを頭に入れながらこれからやっていかないと、必ず負け組になるよとい
う話をもうさんざん聞いてまいりました。
 特に地方はそのくらい厳しいんだよ、国がこんなことで続くわけがないんだよ、ということ
を、我々は嫌というほど聞かされてきたわけでありますけれども、そんなことで、本当に、実
は私は合併特例債を使ってもっといっぱいやれよ、ということでポジティブなことをさんざん
言ってきたのです。ただここにきて、そうはいかないよということが、何となく今の国の情勢
を見ると考えられるものですから、ぜひその辺のところを頭に入れながら、これからの合併特
例債、有効活用するのは非常に結構でございますけれども、その辺のところをしっかりととら
まえていただきたいと思いますけれども、市長の意見をお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほど申し上げましたように、市議会の皆様方、市民の方々のご指
導、ご支援をいただきながら、この数年来非常に厳しかったものが、やや前向きな方向に向か
ってきたということの中で、今回も一般財源は昨年よりマイナスにいたしました。もちろん、
当然財政調整基金の取り崩しもマイナスにいたしました。
 しかしながら、事業費はふやしました。このことは、やはりある意味においては、自分の家
に持っているお金をできるだけ担保して、そして使える有効な財源手段を講じたというところ
にそのポイントがございました。
 したがって、今回合併特例債という私どもが期待しているこれを有効活用していこうという
前々からの市議会議員の皆様方のご意見等も踏まえながら、ここにまいりまして、ようやくそ
ういったことの有効活用が図られる。また、そうすることによって、沼田の事業もできるだけ
おこしていきたいという形でもって、今回、予算提案をさせていただいております。
 そのときに、今議員がいろいろなところのセミナー、勉強会等で、合併特例債とて極めて危
うい状況だから気をつけろというような形の勉強というのですか、セミナーでそのような有識
者の先生のいろいろなご指導があったという形だと思うのですけれども、私どもの立場からい
たしますと、やはりそういった有識者の先生のお考え方に耳を傾けるということは大切だし、
常に緊張感を持って見ていなければいけないのですけれども、基本的には行政体というのは、
国の、国家の力であれば総務省、それから県であれば、直接の指導機関は市町村課です。ここ
らとやはり連携をしていくことによって有効な手段を考えていくことがどうしても基本的には
必要になってまいります。
 したがいまして、今回も特例債の関係等の有効活用については、私も口酸っぱく財政当局に
先々にまたとんでもないことにならないように考えていかなければまずいぞというような形の
中で、今回は慎重な中にあっても思い切った手立てを打ったという経過がございます。この辺
は、やはり非常に議員がご心配されているような国家の動き等について、大変そこの辺は難し
いところがあって、ないところでは事業はできません。
 しかも、金融機関が国債を発行したときに、我が日本国は全て国内の銀行がこれを受けてい
るから、非常によいということなのだけれど、それが80%ぐらいになってしまうのではない
かということになってくると、結局そこのところで財源を生み出すことができなくなってくる
ということから、議員がおっしゃっているようなご心配事が出てくるのでありまして、その辺
のことについては、私どももきちんと群馬県当局の財政当局と、総務省の財政当局等の動きを
睨みながら、慎重に関わっていく必要があるのかなと考えておるわけでございますが、よろし
くお願いしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) 慎重に越したことはございません。本当にこれからどんな時代が来
るのかというのは、我々も、当然市長も考えられていると思います。
 さて、特例債の使い方でありますけれども、実は、沼田市もいろいろな古いもの、老朽化さ
れてるもの等々がたくさんあるわけでございまして、そのようなことをしっかりと把握しなが
ら、この特例債でどこまでどうしたらいいかというところまでしっかり研究していかないと、
「いいや適当に」という話にならないと思います。
 特に、この耐震診断の関係で、要は学校が直すのは非常に簡単なわけです。そして国もその
ように言っているわけですから。ただ、本当にそれでいいのかということになるわけでありま
して、確かに耐震の問題は大変な問題かもしれませんが、それだけに目を向けてしまうと、ち
ょっと違うことが起きてしまうかな。
 ただ、この沼田市全体を全部見て、今何をするべきか、この十年間で何をするべきか、はっ
きりその辺のところを見きわめた形の中で特例債を使っていただきたいと思います。
 ただ、これから本当に難しい時代が必ず来るのだろうと思います。今これから高齢化社会が
出てきて、高齢化に向かってどんな施策がよいのか、まさにこの10年の間にとんでもない時
代が来るだろうと思っております。
 ぜひ、その特例債については、これからどのように計画を持って、どのような形でこの特例
債を使っていくか、真剣な議論をしていただきながら計画をしていただければありがたいと思
いますが、その辺についてはどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) 昨年の3月11日のあのような大きな大震災の前の段階から、この
数年来、基礎自治体の大きな使命というのは、市民生活の安全・安心をきちんと守っていくと
いうことが大きな命題となって言われておりました。
 昨年の3月の11日以降、これがもっともっと表舞台に出てまいりまして、これこそ公、つ
まり国家や都道府県あるいは基礎自治体の仕事であるということが、もう一朝有事の状況下で
なくとも基本的には、ずっとそれが大事だということが1億2,000万人の国民に大きく浸
透してきたことは言うまでもございません。
 したがいまして、どうしてもそのようなことにとらまえてまいりますると、将来を担う子供
たちが学ぶところであるとか、あるいはまた、社会的弱者と言ってよろしいかわかりませんけ
れども、そういったお年寄りやそのような方々の、いろいろと行き来したり、あるいは集うと
ころの安全・安心対策、このようなところが優先されてもやむを得ないのではないかというこ
とと同時に、そういったことはやはり、今後も市民の方々にご理解をいただけるのではないか
と考えております。
 したがいまして、そのような意味では、学校であるとか、あるいは先ほど申し上げました福
祉の交流の場所であるとか、というところはやはり優先されるのではなかろうかと。
 そして、そのことによって、市民の方々もご理解いただけるのではないかと考えておりまし
て、今後の有効活用等については、そのような方向を軸にしながら展開していくことになって
いくのではないかと思っております。
 これもやはり議員皆様方にまたご指導いただきながら、適切な措置を講じていかなければい
けないと考えております。
◇15番(大竹政雄君) ぜひ、そんな形の中で進めていただければというように思います。
あくまでも、市民のことを考えながらになろうかと思います。
 実は昨日、利南運動広場の関係で、これ買った時に合併特例債で買ったというような話もち
ょっと聞こえたのですが、昨日、教育部から市長部局に移すという話がございました。これは、
合併特例債で買ったのではという話で聞いたところによれば、買っているから特に問題はない
という話もあったようでございますけれども、簡単に市長部局に移すということができるのか。
我々はあのとき、ずっと教育部の管轄で、あの運動施設のものは変更できないという話をずっ
と聞いてまいりました。
 実はあの土地も当時、使わないなら、農家の方達に使っていただくことも考えられないか、
という話もあったわけでありますけれども、一応運動公園以外のものには使えない、というこ
とでありました。でも、昨日の話を聞くと、そうでもなさそうだということになるわけであり
ますけれども、この辺のところを、少し聞かせていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これは、いろいろと利南運動広場の関係につきましては、昨日の同
僚議員のご質問にもお答えもさせてもらいましたけれども、もともと非農用地を生み出して、
そしてそれを市が購入をいたしまして、そして、そこに野球場等をつくっていくという形でき
た経過がございます。
 ご案内のとおり、なかなか財政措置がかなわなず、現在の流れになっている中で、市長部局
でもって総合的に考えながら、この利活用の関係について検討を加えると。
 しかし、それも率直のところ言って、長くするつもりは全くございません。今までもいろい
ろなご意見があったように、ただ単に構造物をしっかりつくるということだけではなく、運動
を中心とした多目的な利活用も考えたほうがいいのではないか、という意見などいろいろござ
いました。そういったことも含めて、これらについて市長部局のほうで、具体的に言うと管財
になりますけれども、ここのところで検討を加えていくという形になります。
 これも、前から私のほうでもいろいろと現行のところではいかがなものかということで、常
に神経を使ってきた経過がございました。したがいまして、今回、そういった流れの中で、当
然一連の経過の中で、運動広場の流れがきちんとあるわけなのでございますけれども、そうい
った流れを受けながらも、やはりいろいろな意味で検討を加えていこうと。
 けれども、長く引っ張るつもりは全くございません。早急に判断して、そして一定の方向を
出して、ご提示をして、そして先々の流れをきちんと考えてまいりたいと考えております。
◇15番(大竹政雄君) 普通は、普通財産にするか教育財産にするかになるわけであります
けれども、これで市長の答弁だと、市長部局に返るということは普通財産に移行されてしまう
と。合併特例債で買ったからいいのだという話で、今までの話はどうだったのかという話にな
るわけでありますけれども、我々は市長部局に行っても運動公園、運動施設を考えていると言
われているのですけれども、それ以外に、もし考えることはあるのですか、考えられるのです
か、この物件については。少しその辺のことをおっしゃってください。
◇市長(星野已喜雄君) やはり一連の歴史的な経過を踏まえると、教育の関係を軸として考
えていくということが大事になってくると思います。
 ただ、昨日もいろいろなご意見がございましたけれども、時代がいろいろと変化をしており
ます。したがいまして、その辺のことについては、意を持ちながらも、やはり歴史的な経過が
この教育の関係で来ておりますので、当然そこを軸にしながら物事の発想をしていかなければ
いけないのではないかと考えております。
◇15番(大竹政雄君) この辺については、これからの市長部局になってこのようになるの
だというのか、私どもも期待していきたいと思いますけれども、当時の話と少し違うのではな
いかというのは、私はまだ少し違和感を持っておりますけれども、今までの経過が、本当に我
々もなぜあのままなのかということでずっと来ているわけですよ。要は、市有財産、みんなが
市民のものだという考え方を持っていながら、あのような状態でいるというのは非常にもった
いない話でありますから、私どもにすれば、教育であろうが、普通財産であろうが教育財産で
あろうが、要は市民に使ってもらえればいいわけでありますから、真剣にその辺のところは取
り組んでいただきたいと思います。
 それでは次にまいりますけれども、実は義務的経費を含めた歳出の抜本的な見直しというこ
とで、予算の頭に持ってきたのですね。我々が今まで無駄な事業だということを指摘してきた
ものがそのまままだ載ってきたという、次の評価の方からまた、評価と少し重なってしまいま
すけれども、昨日も実は出ました。
 ふるさと館の問題は、本当に嫌というほど市民からも言われております。もう何年も言い続
けていると思います。もうやめたらいいのではないですか。もう違うところに移したらよいの
ではないですか、という話を何回も続けてきたと思います。
 今回、そういった意味では歳出の抜本的な見直しということに書いてありますから、本当に
そこまで見直すのか、あるいは貯蓄銀行の移転の問題もそうであります。あの場所で修理すれ
ば、お金はかからないのではないか、あんなに言ってきた話です。1億5,000万かけて、
まち中に持って行く必要がなんであるのか、市民の方もおかしいと言ってます。おかしいとい
うから、私はここで質問するわけでありますけれども、本当にそのような歳出の抜本的な見直
しということになれば、本当にいるのかいという、必要なのかいということになるわけであり
ます。我々にすれば、本当にそれは無駄遣いだというように思います。
 さて、今回ももう一点昨日の話が出ましたけれども、出店の促進事業の中でも5,000万
という数字が出てまいりました。私は、実は前回のAコープのときにも、市長から提案があっ
てあの1億円を投資したわけでありますけれども、そのときには要は、Aコープが来ることに
よって雇用も生まれますよ、それから経済の活性化にもなりますよ。あの地域のために、ある
いは2核1モールの一角が崩れてはだめだと、いろいろなことがあってあの1億円というもの
はこの議会承認をされてきました。
 でも、実際には撤退されたときに、私どもは失敗だったのですね。やはり失敗は二度と繰り
返してはいけないということだと思うのです。
 昨日の出店計画、テナントの出店促進事業の話では、要は改装費を負担します。いいのです、
それはその問題をもしも間違えないのであれば。だが、もしそれがまた撤退したらまた無駄遣
いになってしまうのです。これは私はやってはいけないと思います。
 どういうことかというと、やはり公費なのです、税金なのです。市民皆様が使えるような市
民サービスになる事業ならば、私はよいと思うのですが、やはりその辺のところが評価もそう
なのですが甘いのではないですか、ということなのです。私はもう口酸っぱく言っておきます
から、その辺について、市長はどういった考え方で、昨日の話ではとてもあのものに対して賛
成できませんという話になるわけです。あのAコープのときはそれなりにあったと思います。
ただ皆さん議員が承認をした経過があります。それについて少しお聞かせ下さい。
◇市長(星野已喜雄君) まず、昨日も申し上げましたように、現在のグリーンベル21の活
性化を図っていくためには、テナント誘致のための、例えば、A店ならA店が入ってくるとき
に、内装費等についてある程度応援をしていこうではないかと、そうすることによって、活性
化が図られるのではないかという判断を持ちました。
 これは、そういうことを申し上げるのにはいろいろな経過がございますけれども、決してこ
れが心配されるような、特定のところにお金が回っていくとか、そういうものではございませ
ん。したがって、当然今おっしゃられるようにきちんとした形でなければ、とてもとてもそれ
は公費でありますから、執行するわけにはまいりません。したがって、十二分に精査をしてや
っていく必要があると考えております。
 貯蓄銀行の関係は、やはり県の文化財等々がございまして、ご承知のとおり、今までのまち
づくりの観点から進めてきたという、これも歴史がございました。したがって、今回、生方記
念文庫と貯蓄銀行を上之町の一角に置くことによって、そして貯蓄銀行の有効活用を図ってい
こうというようなことからそのような判断をいたしました。
 ふるさと館の関係につきましては、もう一段、ちょうどこれが非常にデリケートなところな
のですが、確かに議員がご指摘されていることについては、私も執行部側もよくわかっている
つもりです。ただ、もう一段ここのところでもって、もう一段の踏ん張りを期待したわけでご
ざいます。
 したがって、もうほとんど剣が峰にきているなということの中で、今回、言うなれば、どう
いう判断をするか、非常に内部でも相当な論議があったのでありますけれども、いろいろな今
経済部を含めて、いろいろな動きをしております。したがって、そのようなことから、もう一
段、応援をしてあげることが大事なのではなかろうかという判断に至りました。
 したがって、本会議でご答弁をするのには、今のこの状態の域をなかなか抜け出られること
はできないのでありますけれども、そのようなことの中の判断から今回に至った経過がござい
ます。
◇15番(大竹政雄君) 三つの話を聞かせていただきましたけれども、今回初めの質問のと
きにも、エルピーダという会社が、例の製造会社、ディーラーものの会社なのですが、大きい
4,480億円も出して倒産した会社です。先ほど言った製造会社なのですが、あの会社も国
が280億円支援したのです。枝野さんが、「あの時は、しようがなかった。」という答弁だ
ったのです。そしてこれからはという話なのですけれども、なかなかその辺のところの見きわ
めをこれからしていかなければいかんという。
 一民間企業に、公費を入れるということは危険がいつもあるのですよね。間違いない。我々
は一回もう失敗をしているのです。だから、失敗は二度と繰り返してはいけないのだという考
えを持たないと。議員の責任なんかなくなってしまいますよね。だから、その辺のところを私
は強く求めていきたい。
 それで、ふるさと館もそうです。
 実は私もここで質問をするときに、4点いつも思いながら、議員になったときから思ってい
るのですが、やはり自分の信念をぶらしてはいけないと。ぶれない信念ということで思ってお
ります。自分の信念をはっきりぶつけていこうということがまず一点であります。
 それから、やはり追い詰めてしまうと何の議論にもなりませんから、それは間違いなくして
はいけない。ある程度向こうの意見を聞いておかないといけないということがまず一点。私は
いつも思っております。
 それから、最後はやはり思いやりだろうと思うのです。その中で、市長が今まであのものを
一生懸命大事にしてきた。それで、グリーンベルを大事にすることもよくわかります。それで
ふるさと館も何とかしなきゃいけない、ということもわかります。けれども、もう違うのでは
ないかい、というのが今だと思うのです。
 実は、「下山の思想」という本の中に、もう日本の国は登山は終わって、下山が始まってい
るよということなのです。沼田市もまさにそうだと思うのです。もう、上りきってしまったと
思うのです。これからは下がるだけだと。下がるだけ、ということはないのです。要は、下が
る過程で、いかに今までのことをよく見直していかないと、下がることの意味がない、という
ことなのです。ということは、きちんと今までのことを見きわめて、降りてもう一回上がるの
だと。次の計画があるのだということです。それで、下山というのは非常に大切なことなのだ
ということを本では言われているのです。
 それで、やはりそのときに、いろいろなことを私も経験をさせていただきました。よいこと
も、悪いことも経験をしてきました。それで、これはだめだということをはっきりと言わない
と、もうだめではないのですかということを言わなければ、意味のない議員生活だと思ってお
ります。
 それで、今回はそういった意味では、本当に抜本的な見直しというのはこういうものだよ、
と私は言いたいくらいです。私が言っているね、特に、今までの失敗は繰り返さないというこ
とを一番に考えておりますけれども、その辺はどうでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) このグリーンベル21の一連の経過を見ると、私自身が平成14年
にこの立場をいただいたときに、期待されていたマイカルサティが撤退して、全体の85%分
を持っていたところの中で、非常に厳しい状況になったと。というようなことから何とか、こ
れを活性化してほしいということから議員の皆様方にご理解をいただいて、確かに1億円の増
資ということになりました。
 これも補助金にした方がいい、あるいは増資にするべきだと、いろいろな論議があった中で、
1億円の増資を図ることによって、1階にAコープが導入することができました。
 それでもって頑張ってきた経過があったわけでございますけれども、やはり時代の趨勢とと
もに、それぞれの業種が撤退をするということの中で、今日を迎えているわけでございます。
 それで今回、こういったことでいろいろと議員の皆さん方に提案しているのには、経済部、
担当課を含めて、もう一回何とかしていこうではないかという、そういう動きが現実にいろい
ろとやりとりがございまして、私は、そういった一連のことを踏まえたときに、本当に剣が峰
だなと。まさにその議員がおっしゃっているように、きちんとだめなものはだめ、よいものは
よいと、言わざるを得ないというようなところの部分にあって、本当に剣が峰だなということ
でもって、今回提案させていただきました。
 したがって、もう本当にそういう意味では、議員がおっしゃっていることは私は良く理解が
できますし、また私自身もそういう意味では、非常に今までのいきさつからすると、やはりこ
れは非常に難しいことなのだけれども、何とかしなければいけないということから、今回の提
案になりました。
 議員のご発言は率直に受け止めさせていただく形の中で、今後の対応に処していきたいと、
こんなふうに考えております。
◇15番(大竹政雄君) なかなか市長としても大変なのだろうと思います。
 しかし、我々だって大変ですよ。市民から言われて、お前らあんな事業を認めるのかという
話ですよ、簡単に言えば。今回なんかも、特にこれは口酸っぱく言われている物件なのです、
この3つも。
 それで、こういったことがいつまでも我々が目をつぶっていていいかという話なのです、実
は。もうだめだよと。この「下山の思想」にもそういうことが書いてあるんですね。もう、口
に出さなければだめじゃないの、という時代だという。まさにそうだと思うのです。
 だめなものはだめとはっきり言わなくてはいけない時期にきてしまったのです、実は。今ま
ではもう少し、もう少しみたいなね。なんとかするだろうと。市民も市長に期待し、行政に期
待して、おんぶに抱っこなのですよ、本当は。だから文句を言わないのです。直接。ですが、
そこを預かっている皆さんが、一歩間違えば、これから沼田市はだめになってしまう。そこに
我々もどういったことを意見として言わなければいけないか、ということになるわけでありま
すから、本当に真剣にとらまえていただきたいというように思います。
 これから、予算審査が始まるわけでありますけれども、皆さんからいろいろな意見が出てく
るでしょう。それによって、いろいろな判断をしていただきたいというように思います。
 義務的経費を含めて抜本的見直しということで、私は一点だけ市長が昨日もお話をされてい
たように、職員の給与の関係で20年、21年下げたという経過がございました。
 この前、2月の28日か29日に予算が通って、実は公務員の給与が7.8%か何か下がり
ましたよね。それを下げたのだけれども、地方にはという話になったけれども、この給与に関
しては、地方は地方で考えてもらうということで終わっていると思います。その辺については、
市長、どのように考えているのか、それについてお聞かせを願えればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 基礎自治体からすると、これはもう既にご案内のとおり、国や県の
動向をしっかり受け止めなければなりません。したがって、当然そういったことについては、
県の指導もありますでしょうし、そういったことを踏まえながら、今後きちんと対応していく
必要があるのではないかと、こういうように考えております。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時00分休憩
       ─────────────────────────────
午前11時07分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇15番(大竹政雄君) それでは、後でまた事務事業評価の方でもまたお伺いすることもあ
るかと思いますけれども、時間も時間でございますので、次に移っていきたいと思います。
 実は、民間委託についてでありますけれども、昨日も同僚議員から質問がございました。昨
日の議員と一緒に同じセミナーに行ってきましたから、いろいろな同じような考え方をもった
と思います。ただ、これからの民間委託というのものは、少し形が変わっていくということの
勉強をしてまいりました。
 今、外国ではこういうものがはやりつつあるという話でありますけれども、実はここに書い
てありますので読んでみます。「実は、PPPということで、パブリックプライベートパート
ナーシップ、というこういう形の中の進め方が民間委託でございます。実は、官民のパートナ
ーシップと訳されることがあります。国や地方自治体が、提供してきた公共サービスに、民間
の資金や技術、ノウハウを取り入れることを目指す。財政負担を減らしつつ、良質な公共サー
ビスを提供すること。民間部門に新たなビジネスチャンスを提供し、経済の活性化を図ること
などが狙いである」そうです。こういった形の中で、今欧米でははやりつつある。それから、
アジア諸国でも導入が進んでいるそうであります。
 ということで、実は、アメリカが新市をつくった時に民間委託をしたという話をその中で聞
いてきました。その中には、民間委託は全部の中の8割を民間委託をしたということなのです。
 それで、昨日の話がありましたけれども、8割というのは大変な数字なのでありますけれど
も、そのぐらいはもう民間がやった方が絶対に安くなる、という話だったのです。
 それで今、その新しい市はだいたい今までかかってきた同じくらいな市と比べると、半額ぐ
らいですんでいるというお話を聞いてまいりました。
 それはどういうことかと言うと、自治体運営のプロなんだそうです。そのプロを育てている
会社、プロを育てているところも今はあるのだそうです。そういった形の中で、あの民間に委
託をしていけば、このぐらいもう世の中は変わっていくという話を聞いてきた経過であります。
 さあ、これは群馬、日本でどうなるかという話になるわけでありますが、そうは簡単にはな
らないと思います。
 先ほども話をさせていただきましたが、ある分野においては、もうそろそろ移行していくべ
きではないですかという話をさっきさせていただきました。
 今、民営化制度をどういった形の中で取り入れたらよいのかという話も、実は聞いてまいり
ました。
 これは、提案型公共サービス民営化制度という話だったのであります。これは、元我孫子市
長さん、福嶋さんという方でありますけれども、ちょうど我々、今そこにいる議長だとか、山
アさんとかと一緒に我孫子に視察に行った時、その時に市長をやった人でございました。今で
は、消費者庁の長官をやっております。
 この人の考え方が、非常に民営化制度にすごくよい案を持っておりました。やはり、今の民
間がもっているノウハウ、そして、この事業は我々に任せてくれたらもっとよい方向に進みま
すよというような提案をいただくということを、制度としてつくったらどうですかという話な
のです。
 この辺のところが、なかなか簡単にはできない話でありますけれども、そういったことがで
きれば、できればですよ。要は民間が、我々もこの仕事をやりたいという制度ができれば、も
うスムーズな民間委託に移っていけるのではないかというような話も聞いてまいりました。
 そういった意味では、これも一つのアイデアだな、というように感じております。
 今の若い人たちのITの関係については、全然違う世界にいますよね。ああいう人たちの考
え方を使うということなども、行政としては必要なのかなというようにいつも感じながら、若
い人たちと話しをしていますが、やはり、その民営化制度というものを何か立ち上げていく、
というものに対して、その辺について市長の考え方があったら教えていただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 整理をしてご答弁させていただきたいと思います。
 前段のパブリックプライベートパートナーシップですか、このことは十数年前から話題にな
っておりまして、群馬県のかなり先進的な業者は、こういうようなことを各自治体等に提案を
してきたという流れがございます。
 私が受け止めている範疇では、これがまだ広く行き渡っているというようには理解しており
ません。何らかの課題があるのではなかろうかと思っております。
 しかし、これらも実は国際的な流れであることは私も承知しておりまして、今後ともきちん
と検討を加えていく必要があるのではないかと思っております。
 それから、二つ目は、やはり沼田の実態と、例えば東京の杉並なんかの実態とか、港区の実
態とやはり違うんですね、客観的に。これはどうしようもないものがございます。いろいろと
東京都下の、例えば武蔵野市等の例をとると、早くに市民参加理論が展開された非常に先進的
な都市でありました。私も20代のころにそちらの方によく勉強に行ったのですが、そこには
武蔵野学派というような西尾勝先生とか、松下圭一先生とか、そういった方々がきちんと存在
していて、行政体の方々を、そう言っては大変失礼ですけれども、はるかにしのぐようなプロ
フェッショナルな方が実はたくさんいたわけです。
 私どもはご案内のとおり、中山間地域の典型的な第一次産業、あるいはまた観光業を中心と
したところでありまして、そういう意味では、朴訥な人情味のあるところだというところが、
やはり決定的な違いとしてあるのだと思うのです。
 昨日のご質問にもありましたけれども、五人組とか、あるいはまた地域の共同体というもの
は、実は東京都下のそういったところのグループに比べると、はるかに私どもの方が古いよう
だけれども、団結力が強いので、一朝有事のときには、非常に力を発揮するということがござ
いまして、そういったところの見きわめというのが非常に大事なのかなというように思ってお
りまして、先進地と言われるところは、どうしてもオピニオンリーダーの方がおっしゃること
は、既に先頭を走っているところの部分が出てくると思いますので、私どもも早くそういった
ところに到達すればよいのでありますけれども、やはりこの中山間地域の都市のこの現実とい
うものを、冷静に判断をする必要があるのではないかと思うのが2点目であります。
 それから、三つ目でございますけれども、我孫子市長のことでございますが、実は、いろい
ろと展開をしてきた中で、手法とすれば、やはりこれは勉強しなければならない。あるいは、
学ばなければならないことなのでありますが、結果的に3つの事業が使われたと。これを思う
と、全体の提案もさることながら、そのプロセスというものは、かなりそこの地域の意識改革
にはつながったとは思うのですけれども、結果的にはそういうものであったと。ということも、
これもまた冷静につかんでおかなければいけないことなのではないかというように思っており
ます。
 しかしながら、我孫子の自治体でやっていることについては、全国でも大変注目されたこと
でございますので、これも前段同様、パブリックプライベートパートナーシップと同じように、
いろいろと検討を加えていかなければならない、最もある意味においては、基礎自治体の先頭
を走っている行政手法だなと思っておりますので、謙虚に受け止めて今後の対応に処していく
必要があるのではないかと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇15番(大竹政雄君) 我々もそう簡単にはいかないだろうなということは思っているので
す。でも、変えていかなければいけない時代に来ているのだというようにつくづく感じている
のです。
 やはり、東京へ行って話を聞いてくると、この田舎はなぜ遅れているのだろう、のようなこ
とを痛切に感じます。はっきり言って。やはり、あそこへ行くということだけでも私は大事だ
と思います。
 私は、若い時いましたけれども、今、あの東京に行って、駅から降りて、構内を歩くことだ
けでもよいのかなと感じているくらい、やはり先進地というか、都会なのだなと。
 それで、今沼田市に帰ってくると、何か沈んでいる状態、沈んでいる感じがするのです。開
けていないのです。それはどういうことかと言うと、常に前に進んでいる感じがあるのですけ
れども、なかなかそこのところ、沼田の場合には、前に進んでいるところが見えていないので
す。
 その辺のところ、我々もいろいろな勉強をさせていただきますけれども、ただそこに追いつ
くにはかなり差があるな、ということを常に感じております。
 ただ、間違いなく、そういう時代は10年後くらいには来るかな、ということを感じてきま
した。こなければだめなのだろうということも感じさせていただいております。
 今、市長が言っているように、今のこの地域の実情はよくわかっておりますけれども、でも、
それをいつまでも引きずっていたのではだめなのだ、ということは確かに言えるのだろうと思
います。
 こんなに財政が厳しい中、本当にこれから行政運営をできるのかという話に、当然そこにい
くわけでありまして、そこのところをどう変えていくかということは、いろいろな形の中で考
えられるか、というように思っております。
 そういった意味では、私は民間委託の手法というのもこれだけではなくて、他のこともいっ
ぱい考えながらやっていくべき、そういったものになるんだなというように。これは、一例を
挙げての提案でございますけれども、いろいろなことをいろいろなところでやっていくという
ことでございますので、ぜひ、その辺については、これからも研究していただきたい。
 特に、私はその辺のところを強く求めていきたいと思います。
 あと3分しかございません。実は、事務事業評価等々いくつか残ってしまったのですが、実
は私も事務事業評価ということと、先ほどから話をさせていただいているのですが、市長も我
々も、あるいは職員も今、こういった事業の中で、自分のお金だったらどうなのだろう、とい
うことの意識、認識、大切ではないかと思っております。
 私もそんなことを感じることが多々あります。
 それは、どういうことかと言うと、やはり無駄な事業であっても、これは仕方がないかな、
賛成だなというときに、さあ、自分のお金だったら本当に使えるかな、ということになろうか
というように思います。
 やはり意識改革というのは、自分のお金だったらということをまず基本に考えて、ものごと
を進めるということが基本だと思いますけれども、その辺についてはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) やはり議員がおっしゃられているように、行政の職員は市民からの
血税の中で、いろいろと生活の場を獲得というか、構築しているわけでございます。したがっ
て当然、そういった議員がご指摘されているような緊張感を常に持っていなければいけないと
いうように思っております。
 ただ、問題はやはり民間の企業と公的な場所、つまり基礎自治体、あるいは県、都道府県、
国家等をどうしても同質的にとらまえることは、これはなかなか難しいのかなと。やはり民間
企業はあくまでも自らの利益をあくなき追求するということが大きなテーマだと思います。
 しかし、やはり市町村なり、都道府県なり、国家は公共の福祉の増進のために、その道がご
ざいまして、そういうところはやはりきちんとすみ分けをしていく必要があるのではないかと
いうように考えております。
 しかし、ご指摘のとおり、お預かりするその財政は、すべて国民、県民、市民の皆様方から
の血税でございますので、きちんとした緊張感を持った対応が望まれることは言うまでもあり
ません。議員のご指摘のとおりでございます。
◇15番(大竹政雄君) 私が言っているのは、全部とは言ってないです。本当に3つか4つ
の事業に対して、少し違うのではないですか、先ほどから言っているとおりでありますから、
その辺のところを本当に自分で、この事業は例えば、先ほどの貯蓄銀行でも、あそこへ移設し
て本当に観光客来るのという話ですよ。
 これからお金を使うのは、「絶対に」がつくのです。絶対に来るよと、絶対に成功するよ、
という「絶対に」という言葉がつくぐらいのことにお金を投入する。これでなければだめだと
いう時代に来ているわけです。私もそう思うのです。もう、来るかもしれない。できるかもし
れない。もうこれではだめだということだと思います。そのくらい厳しく、これからの市政運
営をしていかなければ、私はだめだというように思っております。
 ただ、私どももそれぐらいの気持ちにならなければ、やはり市民の皆さんが、こうして聞い
ていて、言っていることは言っているけれども、実際には何もできていないじゃないかという
議員の批判もたくさんございます。
 やはり、我々も受け止めなければいけないということは、間違いなくあるわけですから、本
当に真剣に取り組むことをやらなければ、この議員をやっている価値がないのだというように
思っております。
 本当は、あといくつかあったのですけれども、時間も終わってしまいました。時間というの
は、あっという間に過ぎてしまうんだなと残念ですが、実は最後に、この本の中にこういう一
文があったことがありました。
 五木寛之先生という作家は、今言われている、絶対安全だという学者がいたと。「世の中に、
絶対安全だなんていうことはないのだと。もともと安全なら、制限するな」という話。「人間
なんて、わかっていることはほとんどないのだ。」という文章が出ています。
 そして、「政治家や学者は、市民を惑わしたり、だますような言葉は使ってほしくない。こ
れが、世間一般が思っているはずだと。」という文章があります。私もまさにそのとおりだと
思うのです。
 我々もここの議員としている限り、やはり、うそ偽りをしてはいけない。そして、やはり市
長なり、行政を頼りにしている市民でありますから、その辺のところをしっかりとらまえて、
やはりこれから市政運営をしていかなければいけないというように思っています。
 その辺については、最後に市長の意見を聞いて、私の質問を終わらせていただきたいと思い
ます。ありがとうございました。
◇市長(星野已喜雄君) 非常に、「下山の思想」五木寛之先生の書かれた本が、多くの方々
に読まれているということは、私もよく承知をしております。この方は、特に浄土真宗の親鸞
の研究をされている方でございまして、鎌倉三大仏教の一角を担われた、親鸞、法然の後を受
けて、この浄土真宗をつくられた親鸞のことを非常に高く評価され、研究されてきた方であり、
確か私の記憶に間違いがなければ、蓮如という、親鸞のあとのすばらしい僧の本も書かれてい
るのではないかと思っております。
 この方の一貫して流れている思想、哲学には、他力という、浄土真宗、親鸞の教えがあって、
ご承知のとおり、親鸞といえば、歎異抄に見られるように、「悪人正機説」と言って、非常に
有名な言葉を述べられております。
 ずばり言って、攻めの中でもって物事を進めるのか、いや待てよと一歩立ち止まって、そし
て上から下に水が流れるように、そういった状態だとか、あるいはまた、そのもの水のもって
いるやわらかさだとか、第三者に対する思いやりだとか、そういうようなことを含めてのとら
まえ方が大事なのではないかというようなことを基本にしているというように、私は受け止め
させていただいております。
 したがって、今登りきった我が日本国が、これからいよいよどういう時代の流れが、いろい
ろと変化していく中で、徐々に下りていく。登るときには、よいしょ、よいしょでよかったけ
れども、下りるときには結構つまづく場合もあるので、気を付けた方がいいなということも書
かれているな、というようにも受け止めさせていただいております。
 したがって、この「下山の思想」、五木寛之先生の書かれた本は、大変すばらしい著書だと
思っておりますし、今後の市政運営の哲学的な背景にもなり得るだけの十分なものが書かれて
いると受け止めさせていただいております。
 したがいまして、今後とも、きょう議員がいろいろと沼田市民を、あるいは沼田市の将来を
思う大変情熱的なご発言をされましたけれども、それらをしっかりと行政の側は受け止めて、
今後の対応に遺憾なく頑張っていくということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
 いろいろなご質問、ご意見に対しまして、真摯に受け止めて、今後も頑張ってまいりたいと
思っております。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、片野彦一議員。14番。
〔14番 片野彦一君登壇〕
 ◇14番(片野彦一君) 通告に従い一般質問をさせていただきます。
 初めに、高齢者の健康と生きがいづくりについてお伺いします。
 昨年3月の一般質問で高齢者優待カードの導入について質問し、ボランティアポイント制度
の導入についてお伺いいたしました。
 団塊の世代が、大量に高齢者の仲間入りし、地域に戻ってくる時代である。元気な高齢者が
地域の高齢者の手助けをする、団塊世代のサポーター登録などで、団塊世代の地域福祉の戦力
化が大きなキーワードであると考えられます。
 群馬県においてもポイント手帳を作成し、介護支援ボランティアを基本に、ポイントを貯め
活用する制度の検討を行っているようですが、沼田市の高齢者の地域活動やボランティアなど
社会活動を支援する制度の導入についてお伺いします。
 次に少子化対策についてお伺いします。
 妊娠をしても流産を繰り返す不育症は、公的支援というサポートがあれば多くの人が新たな
命を授かることが可能になる。厚生労働省の調べでは、妊娠経験のある人のうち、流産経験者
は約4割。このうち2回以上流産し、不育症と見られる人は約6%、年間4万人程度の人が不
育症とされます。
 一般に2年間避妊せずに夫婦生活を送っても妊娠しない不妊症については、その認知度は高
い。その一方で、不育症は存在自体があまり知られていない。不明な点も多いが、専門家は、
適正な検査と治療を施せば85%は無事,出産にたどり着けると強調しております。
 ただ、ここで問題があります。不妊治療と違い、ヘパリンの在宅自己注射を除き、不育治療
の多くは保険の適用外になっている。
 この治療に対しての公費助成の導入についてお伺いします。
 次に、災害廃棄物処理支援について伺います。
 昨年3月11日の東日本大震災からちょうど1年を経過しました。復旧、復興を目指した1
年間でありましたが、復旧、復興はほとんど進んでいません。復興の大前提である瓦れきの撤
去・処理が進まないことが最大の原因として挙げられている。
 国の責任で処理される福島の瓦れきを除き、今回の震災で発生した瓦れきの量は、岩手県
476万トン、宮城県1,569万トンで両県内で排出される一般廃棄物のそれぞれ11年分、
19年分に相当し、県内だけで処理するのは到底不可能である。
 このため政府は昨年4月、約1,400万トンの瓦れきを3年間で処理完了した阪神大震災
の経験に倣って県外自治体に処理を委託する広域処理の方針を発表し、全国572の市町村、
事務組合を含みますが、協力する意向を示した。しかし、その後放射能汚染への不安から住民
の拒否反応が広がり、大半の自治体が受け入れ方針を撤回し、10月の再調査では50あまり
に激減した。実際に受け入れを実施している自治体は、東北以外では東京だけになっている。
群馬県内では2事務組合が受け入れを検討中であります。
 沼田市の協力の形として、災害廃棄物の受け入れについて伺います。
 以上が私の質問です。ご答弁をよろしくお願いいたします
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの片野議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、高齢者の健康と生きがいづくりについて、高齢者のボランティア支援について、高齢
者の地域活動やボランティアなど社会活動を支援する制度の導入について伺うについてであり
ますが、今般、本格的な高齢社会を迎える中で、高齢者が自ら地域活動やボランティアなどの
社会活動に参加することは、心身の健康保持や介護予防に資すると考えられることから、本市
におきましても、こうした活動を支援する制度の導入について検討を行ってきたところであり
ます。
 現在、群馬県におきましては、本市を含む県内10市町村の職員を構成員とする「群馬県高
齢者のボランティア活動支援に関する検討会議」を設置し、同制度の仕組みの研究や市町村の
実情等に応じた同制度の創設・導入に向けた検討を行っており、本市といたしましては、その
検討結果を踏まえ、元気な高齢者が地域に貢献できるような制度の導入について、今後検討し
てまいりたいと考えております。
  次に、少子化対策について、不育症の対策について、妊娠はするけれど流産や死産を連続し
て繰り返し子供を持てない不育症患者にへパリンの投与で治療し出産にたどりつく。この治療
に対しての公費導入について伺うについてでありますが、本年1月4日付け厚生労働省事務連
絡により、平成24年度予算案において都道府県等に設置された不妊専門相談センタ−での不
育症の相談支援の充実を図るとともに、厚生労働省研究班において不育症相談対応マニュアル
を作製予定であること、加えて、ヘパリンカルシウム製剤の在宅自己注射が本年1月1日から
保険適用になったとの情報を得ております。
 市といたしましては、国、県などの動向を留意しながら、子供を望む夫婦の支援のあり方を
検討してまいりたいと考えております。
  次に、災害廃棄物の処理支援について、災害廃棄物広域処理への沼田市の対応について、東
日本大震災からの復興の大前提である瓦れき処理が進んでいない。行き場の失った瓦れきは仮
置場に山積みになったままであり、被災者の心をなえさせている。沼田市の協力の形として、
災害廃棄物の受入れについて伺うについてでありますが、環境省、群馬県より災害廃棄物の広
域処理について協力要請がきているところでありますが、上川田町の沼田市一般廃棄物最終処
分場につきましては、平成23年度の残容量調査の結果、3,450立法メートルと残容量が
少なく、新年度から外部委託による処理を予定していること。また、沼田市外二箇村清掃施設
組合が運営する清掃工場は、1日当たりの可燃物処理能力が約65トンでありますが、市民か
ら出される可燃ごみの処理で余裕がないため、現状では災害廃棄物の受け入れは難しい状況で
あります。
 以上申し上げまして、片野議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇14番(片野彦一君) ご答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 最初に、高齢者の関係のボランティア支援についてでありますが、これについては、県との
検討会議の中に沼田市も入って、実際に検討していくということでありますが、その中で、や
はり目的はあくまでも高齢者の社会参加を促して、やはり介護予防につなげるということであ
ると思います。
 そういった中で、沼田市としては、具体的にどのような施設に、あるいは、どのような作業
を実際に行っていくのかということは、検討されていることがあれば教えていただきたいと思
います。
◇市長(星野已喜雄君) この制度そのものが現在、一つの過渡期というのですか、いろいろ
と検討を加えている流れがございます。
 例えば、ポイントの関係等についても、それを商店街に使うべきなのか、あるいはまた、公
共的な施設に使うべきなのかというようなことがいろいろと論議がなされているようでござい
ます。
 したがいまして、検討中の域を出ておらないというのが客観的なところだと思っております。
健康福祉部長の方から補足答弁いたさせます。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 命によりお答えを申し上げます。
 現在、県におきまして、参加市町村含めて検討中でございますけれども、現在の制度の仕組
みの考え方としましては、受け入れ施設としましては、特養、それから老健、病院、保育所、
児童クラブ、児童館、こういったところでのボランティアというものがあがっております。以
上です。
◇14番(片野彦一君) 想定されるボランティア活動という、具体的内容等は検討されたの
でしょうか。
◇健康福祉部長(黒岩 勉君) 現在、案として浮上しておりますのが、特養、老健などでは
レクリエーションなどの指導、それから食事のときの配膳や、お膳を下げるなどの補助、ある
いは喫茶などの運営補助、散歩などの補助、あるいはおむつのたたみや草むしりなどの軽作業
など。保育所におきましては、教材つくりなどの補助。それから、やはり施設の草むしりなど
の軽作業など。こういったものが想定をされております。以上です。
◇14番(片野彦一君) わかりました。ぜひ、そういったものを検討の場で、しっかり決め
ていただきたいというように思います。
 それから、あと今まで先進地で実施しているところでは、東京の稲城市だとか、あるいは荒
川とか、いろいろとあるわけですけれども、内容としては、1日2時間を限度にして、1時間
100ポイント、100円相当ですね。このポイントをためて、年間限度500ポイントです
か、そういったものを決めてやっているようですけれども、それが実際にポイントを金額とし
て使うわけですけれども、稲城市あたりの実績ですと、高齢者2.2%に当たる300人が参
加して、平成20年度の実績を試算してみますと、介護予防の効果がポイント換算負担を上回
るという効果が出ているそうであります。
 これは金額にすれば、高齢者一人当たり、月約11円なのだそうですが、その削減効果があ
ったということでございます。
 これは、さらに300人だけですから、今参加しているのが。これが、2.2%だけですか
ら、ふえればさらに上がると。こういうようなことが言われております。
 そういった中、沼田市として給付費の抑制のために、どのような取り組みを考えているのか、
少し教えていただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろとあるわけでありますが、やはり本事業が群馬県の筋と連
携して物事を進めていく形で現在に至っております。したがいまして、今後の検討課題が出て
くるとすれば、在宅ボランティアだとか、介護予防サポーターだとか、あるいはまた学校支援
のボランティアとか、いろいろなことが想定されております。
 一応、現時点のところで申し上げますと、やはり先ほど荒川区は500ポイントというよう
なお話があって、これはすごいなと思いながら承ったのでありますが、一応50ポイントまで
で、5,000円相当のところでもって対応をしていくというようなことになるのかなという
ことが、今の状況下にあることかと思っております。
◇14番(片野彦一君) 確かに金額にして5,000円ということでございました。
 それで、これはやはり金額は目的ではないと思うのです。あくまでも活動に参加して、自分
の介護予防をするというのが狙いだと思います。
 それと同時に、やはり他人の人のためにつくすと。歳をとってもつくすと。ということが大
事なのだと思います。
 ヘレンケラーも、「他の人のためにつくすことが最大の喜びであり、最大の幸せだ」と。こ
ういうような言葉も残しております。
 そういったこともあって、ぜひこれは県の検討会議の中でも、あるいは市の中にあっても、
しっかり何と言いますか、成功するような検討を加えて実行していただきたいとこう思います。
 それから、あともう一つ、この高齢者の方と話をして、少し言われたことなのですけれども、
80を過ぎても全然介護保険なんか使ったことないよと。それで、元気であると。確かにそう
いう方も、私の近所あるいは、地域の中に見受けられます。そういった方が、全然保険を払う
ばかりで、自分は全然お世話にならないと。何か不公平ではないかと。それは、保険なのだか
ら、それが一番保険でよいのではないかという話もするのですがそういった方々のために、何
か表彰するとか、記念品をあげるとか、そういったことの制度は考えられないでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 保険制度は、やはりお互いが助け合う相互扶助の観点で培ってきた、
今回のTPPの問題に代表されるように、やはり我が日本国からすると、医療福祉の機関の人
に言わせると宝物だというような表現まで使われております。
 と言うのは、確かに今、議員がおっしゃるように、できればお世話にならないでいくと。そ
れで、力のある人がやはり力のない人に対して、できる応援をさせていただくというのが保険
制度の持っている、特に公的保険制度の持っている使命かと思います。
 したがいまして、そういう意味では、元気な人は非常にありがたいことなのだなと思います。
今、言うように表彰制度の関係等については、社会福祉の関係等を含めていろいろな動きがあ
りますけれども、今日のご意見に対して検討していきたいと考えております。
◇14番(片野彦一君) わかりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次の不育症の対策について、お伺いします。
 これについては、私も少し認識不足で、1月1日にこれが保険適用になったということを後
で、これを提出してから知りましたが、そういったことで、そのことについてはよくわかりま
した。
 それで、実際に不育症という言葉は、我々男性はもちろんですけれども、女性の方でもなか
なか認識がないということがあります。そういった意味で、先ほど国等、そういったところで
相談センター、相談員の設置だとか、マニュアルの作成といったことが言われていましたが、
この非常に本人も自覚しないし、周りもわからないということで、その広報的なものというか、
子育てガイドブックというものはありますけれども、そういう大げさなものでなくてもそれを
周知するような、あるいは教育するようなもの、あるいはそういった相談員までいかなくても
担当者を置いているか、あるいは置く考えがあるか、あればお聞きしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 本問題は、非常に重要なことでありまして、妊娠をしながらも悲し
いことに流産だとか、死産があって、非常につらい思いをしている方々がおられるということ
は、本当に重要な課題であるなと思っている一人であります。
 私は、手元に昨年の12月25日付けの朝日新聞に目を投じているのでありますけれども、
今までこれが原因不明で健康保険がきかなかったということがあったのでありますが、先ほど
申し上げたとおり、一歩前進した流れになっております。
 したがいまして、やはり子育て、あるいはまた、子供の健全な育成、あるいはまた元気な赤
ちゃんの誕生は、何ものにもかえがたい宝物でありますので、今後、このことについては、き
ちんと意を用いて対応を図っていかなければならないのではないか、というように受け止めさ
せていただいております。
 したがいまして、今現実にこの関係等について、市の方でこういった施策を持っているとい
うことにはなりませんけれども、大きな時代の流れであることはよく承知をしておりますので、
いろいろな意味で今後、議員の発言を受けて対応を図っていかなければならないのではないか
と考えているところであります。
◇14番(片野彦一君) わかりました。特に、今少子化が叫ばれて久しいわけですけれども、
せっかくできる子供さんができない、ということは非常に残念でもありますし、本人はもちろ
ん、社会の損失でもありますので、ぜひ、その辺の対応をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、災害廃棄物の広域処理についてお伺いしたいと思います。
 先ほどの第一回目の答弁では、もう沼田市はぜんぜん考えられないよというようなことだっ
たと思うのですが、やはり最近は非常にこれが問題になっておりまして、新聞紙上、朝日新聞
とか、全国紙を初め、上毛新聞にもいろいろなところで報道されております。
 そういった中で、先ほども言いましたけれども、東北以外では東京都だけだと、実施してい
るのは。あとは、静岡県等が検討には入るということを言っているようですが、我が県内にお
いても、吾妻東部衛生センターですか、それと、大泉町外二町の環境衛生施設組合、これも検
討に入ったということでございます。
 そういった中で、吾妻町の吾妻東部については、ここは能力が50トンだそうです。1日。
それで、1日8時間、昼間しか燃やせないと。そういった中で、焼却は35から40トンぐら
いだと、実際にやっているのは。そうなると、あまり余裕が、量的には少ないわけですけれど
も、それでも非常に手をあげて、検討してやるということでございます。
 あとは、何と言いますか、我が市には利根東部がありまして、ここには15トン掛ける2基
で30トンの能力を8時間で焼却できるという能力をもった施設があります。
 ここについては、12トン、1日あたりです。この焼却を行っているということでございま
すので、ここでは約18トンくらいの1日余裕があるということで、そういう意味で、沼田市
の焼却場については、私は120トンくらいあると認識していたのですが、いろいろの高熱処
理とか、そういう改造を加えて65トンしか能力がないということでございますが、そういっ
た中でもなかなか、昼夜回していっぱいいっぱいなのだという話も聞いております。
 そういったことでありますけれども、そういうふうな吾妻東部とか、あるいは利根東部とか、
そういうところと協力して、沼田市も実際にできないかというように思うのですけれども、そ
の辺について、市長お考えはどうでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) まず、私どもの沼田市の二箇村清掃施設組合は、1日当たりの処理
能力は、約65トンでございます。だいたい1日処理量63トン展開をしております。余剰能
力が2トンしかございません。したがいまして、これは残念ながら物理的にかなうものではご
ざいません。
 また、利根東部の関係については、今、お話がございましたが、あくまでも理事長は、片品
の村長が担っております。したがいまして、きょうのご発言があったことについては、きちん
と理事長の方にも申し上げていきたいとは考えておりますけれども、一応この12市の市長会
でも、先般いろいろと会議があって、本問題も話題に出ました。
 それで、やはりポイントは、国の責任においてきちんと対応すべきというのが、本問題の大
きな基本ではないかということをきちんと押さえておかないと、これがややもすると、また大
変言葉が適切かどうかわかりませんけれども、下請け的な感じになるという形も否定できませ
ん。
 ただ、間違いなく言えることは、現実に現地で非常に困っております。したがいまして、市
長会等では、何かできることはないのかということでもって、たまたま今時、桐生等のことが
話題に出ておりますけれども、12市全体では話題としては、現地にきちんとプラントを建て
るような形のことが、私どもの自治体が応援する形の中で、そういうようなことができないの
かというようなこと。
 もう一つは、考えてみると、都道府県もきちんと対応しなければいけないと思っておるので
ございますけれども、ご承知のとおり、県はそういった処理機関を持っていないことから、ど
うしても基礎自治体にこれを持って来るという流れがございます。
 したがいまして、今後の課題になりますけれども、12市の市長会長は、清水太田市長でご
ざいまして、一応私が副会長をお世話になっておりますので、そこのところでは、いろいろな
意味できちんとした論議をしていくことが必要なのではないかというように思っております。
 なお、利根東部の関係等につきましては、理事長の方にきようのお話をおつなぎはしておき
たいと考えております。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午前11時58分休憩
       ─────────────────────────────
午後1時00分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇14番(片野彦一君) それでは、再質問させていただきます。
 この間、新聞に載っていたのですけれども、名取市の59歳の男性の言葉なのですけれども、
「震災の時は全国から支援を受け、日本人でよかったと思った」と。その後、瓦れきの受け入
れが進まない状況に対して、いつまでも瓦れきを見たいと思う市民はいないと。話し合いで何
とかしてほしいと。これは、偽らざる心情だと思います。
 そういった中で、復旧、復興の前途を瓦れきの山が阻んでいる。こういうことが言えると思
います。
 被災地の方の苦悩というのは、これはもう計り知れないものがあると思います。そういった
中で、繰り返しますけれども、岩手県で476万トン、宮城県で1,569万トン、石巻市、
宮城県の石巻市だけで、616万トンと。これは石巻市の106年分の瓦れきが出ているそう
です。
 これは、自治体の中で最高なのですけれども、石巻市でも1日1,500トンの処理能力の
あるプラントを建設するというふうに決めて実施しているそうですが、そういった中で、沼田
市も何とか協力できないかという気持ちは変わりないですけれども、沼田市外二箇村の清掃セ
ンターについては、先ほど65トンという能力だという説明を受けました。
 そういった中で、私も先日見に行ったのですが、80%が廃プラだということです。ですか
ら、これをきちんと分別すれば、焼却の余力が出てくるのではないかと、こう思います。
 それで、戸部組さんなんかは、廃プラについては、燃料として出荷していると。安いけれど
も、金額を受け取って出しているというようなことも聞いております。その辺のことについて、
市長、何かあれば教えてください。
◇市長(星野已喜雄君) 整理をしていきたいと思うのですが、本市は廃プラは、埋め立てで
対応しているのですね。それで、川場村と昭和村が燃えるごみとして、清掃工場に搬入してい
ると。こういう流れがございます。
 したがって、今、いろいろとお話がございましたけれども、そういったところが精査がどう
いうようにできるかということについては、今後の課題となるのかなと思っております。
 それともう一つ、先ほど、利根の方から議員が利根東部の関係で、30トンのうち12トン
の稼動で余裕が18トンあるのではないかと。こういうご指摘があったかと思いますが、その
関係等については、一応その後調査をしましたところ、1日平均処理が20トンということで
ございますので、ややその数値に錯誤があるかなと思っております。
 一応、この利根東部の処理の20トンについては、事務方が調査した結果でございますので、
一応申し上げておきたいと思います。
◇14番(片野彦一君) わかりました。それで、やはりビニール等の分別ということも非常
に大事ではないかと思いますので、廃プラですね、これもあわせてお願いしておきたいと思い
ます。
 あともう一つお聞きしたいのですが、県内で一応民間の処理業者に調査したところ、約42
社が受け入れ可能だと。こういうような返事があったそうです。そういった中で、沼田市にお
ける民間業者の動向といいますか、そういうことについて、わかっていれば教えていただきた
いと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまのご質問にお答えをしたいと思いますけれども、実はこの
関係等については、現在、群馬県が市内の産業廃棄物業者、廃棄物処分業者に東日本大震災か
ら生じた災害廃棄物の広域処理について、受け入れ意思の確認をしているところでございまし
て、今、そういった状況にあるということは受け止めております。
◇14番(片野彦一君) 私が聞いている範囲では、民間の中でも受け入れてもいいよ、検討
しますよ、という返事をしたところがあるというふうに認識しております。
 そういった中で、やはりこの一番最初にも申し上げましたけれども、572の事務組合が、
再調査したら50まで減ったということは、やはり住民不安といいますか、そういう放射能の
汚染、そういうことを心配して住民の拒否反応が広がったと、こういうように言えると思うの
です。
 そういった意味では、東京都なんかは説明を徹底的に行って、数値を示して、そして不安を
取り除いたということで受け入れているようです。
 そういった中で、民間業者が受け入れても、行政の責任というのは、説明責任というのは必
ずあるわけで、同じように負担はかかるわけですが、もしそういったことになった場合につい
ての対策について、市長の考えをお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの受け入れに対して、やってもいいよ、ということを言わ
れた業者もあるというように受け止めているという話でありましたが、市でつかんでいる範囲
では、まだそこまでいっているというようには理解をしておりません。
 そういった形の中で、やはり今おっしゃられているように、いろいろと本事業はいろいろな
意味で説明責任も発生してくるでありましょうし、いろいろな対応が要請されてまいります。
したがいまして、当然、県等のご指導をいただく形の中で対応を図っていかなければなりませ
ん。
 先ほど、冒頭申し上げましたように、12市の市長会でも話題となった形の中で、いろいろ
と現地プラント等の話題は出ていたということだけは、きちんと申し上げておきたいと思いま
す。
◇14番(片野彦一君) あまり前向きな話は聞けなかったのですが、やはりそういった業者
と言いますか、民間のところもあるというようなことは間違いないと思います。
 この震災については、国土がまるっきり被災してだめになったということが言えると思うの
ですね。
 インドの詩人のタゴールは、「国土は土からできているのではなく、人々の心でできてい
る」。こういうようなことを言っています。まさに、人々の心というのが、被れた国土を救う
のだと思います。そういう気持ちがなければ、東北の震災の復興も復旧もなかなかできないと、
こういうふうに思います。
 先ほど、同僚議員の質問の中で、市長はやはり民間は利益の追求だと、県だとか、国だとか、
市町村は公共の福祉なのだと。こういうようにおっしゃいました。そういった中で、やはりそ
ういった観点からも、民間の方にそういう心があって、その公共の方に福祉の心がないという
ことではないのですけれども、その辺少し差があるような気がするのですけれども、その辺に
ついて、意見があればよろしくお願いします。
◇市長(星野已喜雄君) 実際問題として、当然、本市のそういった業者が、そういった方向
で考えるとすれば、これは応援していかなければならないと考えております。
 ただ、これは非常にデリケートだなと思うのは、いろいろと分析してみると、海水をかぶっ
た関係が、塩分を含んでいるということから、非常に難しい状況があるというようなことも、
これまた承っております。
 したがいまして、決して、地元の関係者が頑張っていただけるということについては、きち
んと応援もしていかなければいけないと思っておりますけれども、実態として、そういう裏も
あるようでございます。
◇14番(片野彦一君) ぜひ、そういった場合には、まだ架空の話なので、しっかり行政も
応援していただきたいし、先頭に立っていただきたいと思います。
 私のきょうの質問は大体終わりなのですけれども、昨日からの一般質問で、同僚議員の質問
の中で、合併後の体制についてとか、行財政運営の方向についてとかということにつきまして
も、そのほかについても、市長は任期の2年をめどに、しっかり道筋をつけてくれというよう
な意見がありました。私もまったくそのとおりだと思うのですが2年間と言わず、1年目から
全力を尽くしていただきたいと、こんなふうな思いです。
 それととともに、2年間区切るのではなくて、その先を見越してしっかり取り組むと、こう
いうような決意でいっていただきたいという思いを抱いております。
 そんなことで、以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの片野議員の方から、高齢者の健康と生きがいづくりにつ
いてということで、地域のボランティアが参画していくことによっての明るい地域社会づくり、
さらに少子化対策に向けたところの具体的対応策、そして先ほどは東北の東日本大震災の瓦れ
きの関係からくる、本市の責任ある対応等、重要なご質問を3ついただきました。
 特に、3番目のことにつきましては、決してこれを冷静に受け止めているというわけではな
くて、やはり市長会等でも踏み込んだ論議がされております。
 本市の実態からすると、先ほどの容量の問題等があって、本当に申し訳ない気持ちもいっぱ
いでございます。やはり、ご指摘されていることについては、よく理解できるわけでございま
して、民間の方々もここ一番のときに、そういった悩みもあるようでございます。一つずつそ
ういったものをクリアする形の中で対応を図っていきたい、ということと同時に、もう一つに
は、基本的に都道府県なり、各市町村なりの流れがある中で、いろいろと私どもの基礎自治体
ができることについては、やはり市長会等を通して、きちんと精査して考えていかなければい
けないというように思っておりますので、ぜひ、今後ともご指導いただきたいと思っておりま
す。
 なお、ただいまから頑張って行けというご激励もいただきました。そして、ある程度先を見
込んだ形の活動展開を図れというような、またご激励もいただきました。
 常に、私どもは与えられた環境の中で、常在戦場の気迫をもって、そして市民の立場に立っ
て、頑張っていくということが大変に重要かと思っております。きょう、ご指摘をいただきま
したことにつきましては、しっかりと受け止めて、今後とも一生懸命努力、傾注してまいるこ
とをここでお誓い申し上げておきたいと思っております。
 今後とも、よろしくお願いをしたいと思います。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、大東宣之議員。10番。
〔10番 大東宣之君登壇〕
◇10番(大東宣之君) 通告に従い一般質問を行います。
 今回私は、中心市街地土地区画整理事業について、地域経済の活性化について、学校給食に
ついて質問いたします。
 まず初めに、中心市街地土地区画整理事業についてより質問いたします。
 本市の中心市街地土地区画整理事業は、中心市街地活性化法に基づき、街なかににぎわいを
取りもどすことを目的に始められました。
 沼田市を初め、全国各地でこの法律に基づいた取り組みがスタートしましたが、バブル経済
の崩壊、その後の日本経済の停滞、郊外への大型店の進出、地方自治体の財政問題など様々な
要因より、全国的にも中心市街地ににぎわいを取り戻すには至っていないのが現状です。
 沼田市においても事業開始から、多額の税金と時間を費やしてきましたが、下之町の一部と
上之町の一部で建物移転が行われたものの、これからの事業の進捗はどうなるのか、事業の完
了にあとどれだけの時間や経費がかかるのかも不明確なままで、いつ事業が完了するのかもま
ったくわかりません。
 中心市街地ににぎわいを取り戻すことを目的に始められていた事業ですが、本町通りの3カ
町とそれを取り囲む周辺の町でも人口は減少し、郊外には大型店が建設されるなど中心市街地
ににぎわいを取り戻すには厳しい状況が続いています。
 地権者の方々を初め、該当地域の人たちにとっても少なからずの不安を抱える日々ではなか
ったかと思いますが、中心市街地土地区画整理事業の進捗状況と現状に対しどのように評価し
ているのかお伺いいたします。
 計画年度で事業が完了できないことは明らかですが、これからの事業の進捗についてどのよ
うに考え、財政的負担はどのように推移するのかお伺いいたします。
 まちに住む人をふやすことがまちの活性化には必要と考えますが、まちの活性化をどのよう
に進め、居住人口をどのようにふやすのかお伺いいたします。
 材木町にある県指定重要文化財旧沼田貯蓄銀行を上之町に移設する計画が進められています
が、旧沼田貯蓄銀行の移設と生方記念文庫移転事業の事業費と活用について、どのように検討
されているのかお伺いいたします。
 続いて、地域経済の活性化について質問します。
 本市の中では従業員数でトップクラスだった企業で、昨年リストラが行われ、地域経済に与
える影響が心配されています。
 また、福島第一原子力発電所の事故による放射能問題や風評被害、日本経済の低迷などによ
る農業や観光業への影響など地域経済は厳しい状況に直面しています。
 本市では、高校や大学卒業後に地元での就職先が少ないことが問題になっていましたが、今
日の厳しい地域経済の状況は、さらにこうしたことに拍車がかかることが心配されています。
 こうした厳しい経済状況の下で、市民一人あたりの所得は県内12市の中で最下位にあり、
町村を含めた中でも県内では下位に位置しています。
 市ではこれまでも企業誘致や都市間交流、観光キャンペーンなど様々な取り組みを進め、働
く場所の確保や地域経済の活性化などに取り組んできましたが、残念ながら大きな進展を見る
には至っていません。
 本市は、利根沼田地域の中心のまちとして、利根郡内の木材や様々なものの集積地として、
また地域の産業を支える家内的工業によるものづくり、それらに付随する商業、農林業のまち
として発展を続けてきましたが、日本経済の変化の中で厳しさに直面することになりました。
 こうしたことは、日本中の地方都市が直面している問題であり、全国各地で様々な取り組み
が進められていますが、多くのところでは苦戦を強いられているのが現状です。
 工業・商業・農業・観光業など市内産業の出荷額や売り上げ等の状況はどのように推移し、
現状についてどのような見解なのかお伺いいたします。
 沼須産業団地への企業誘致が取り組まれていますが、厳しい日本経済の状況の中、楽観でき
るような状況にあるとは思えませんが、沼須産業団地に対する問い合わせなどの状況と企業誘
致にどのように取り組むのかお伺いいたします。
 つづいて、学校給食について質問します。
 福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の問題は、地域の放射線量、さらには食べ物に
まで不安が広がり、事故から1年が経過しようとしていますが、深刻な事態は何ら改善されず、
汚染水が漏れ出すなど事故の収束のめどさえ立っていないのに野田首相は、昨年12月16日
「原子炉が安定状態を達成し、発電所の事故そのものは収束に至ったことが確認された」と発
表し、あたかも福島第一原子力発電所が安全な状態になったかのような発言を行うなど、政府
の対応は無責任極まりありません。
 事故後、いまだに多くの人が避難生活を余儀なくされていますが、一日も早くふるさと福島
の村や町で安心して暮らせるよう願うとともに、政府は一日も早く福島第一原子力発電所事故
を収束させ、避難を余儀なくされている方々の生活を支え、大地と海の安心と環境を回復させ
ることなどを強く求めるものです。
 政府が公表した農地の除染ガイドラインは、大型機械を使って30センチメートルから45
センチメートルの深さで土を耕すというものであり、大型機械が使えないような狭い田畑は補
助の対象とならないなど大きな問題を残しており、これでは食に対する国民の不安を取り除く
ことはできません。
 全国の市町村では、学校給食食材の放射能汚染の不安を取り除くため、食材の放射線量を定
期的に測定したり、群馬県でも野菜などの測定を行い、公表し、不安を取り除く取り組みが進
められています。
 本市においても、給食の食材の安全には栄養士さんを初め、職員の方々が取り組んでこられ
ていると思われますが、給食食材の安全確保はどのように行われているのか。4月からの食品
放射能新基準にどのように対応するのかお伺いいたします。
 本市においては、地元産の野菜など食材を学校給食に取り入れようと努力されてきましたが、
利根沼田地域の放射線量が高いことから、地元産の食材に対する不安を感じている人もいます
が、地元産食材の活用と安全確保をどのように進めるのかお伺いいたします。
 少子化対策と義務教育の無償の原則からみて、給食費の無料化を強く求めるものですが、こ
れまでの教育長の議会答弁では、給食費の無料化には否定的な見解が示されてきました。
 本市でも子育て支援の一環として、3人目の子どもの保育料無料化を拡充させましたが、給
食費においても子育て支援策の充実として3人目の子どもの給食費は無料にするなどの対応が
必要と考えますが、給食費の軽減についての見解とどのように対応するのかお伺いいたします。
 以上3点が私の質問です。ご答弁をお願いいたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの大東議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、中心市街地土地区画整理事業について、これまでの進捗状況とこれからの取り組みに
ついて、中心市街地土地区画整理事業の進捗状況と現状に対しどのように評価しているのかに
ついてでありますが、土地区画整理事業につきましては、上之町1街区と2街区の一部におい
て仮換地指定を平成21年7月31日に行い、当街区の事業の推進を図っているところであり
ます。
 進捗状況につきましては、現時点での仮換地指定率は28.1%であり、総事業費ベースで
の進捗率は、平成23年度末現在の見込みで40.5%であります。
 現在、上之町における建物移転が目に見える形で進められ、大きな空き地の解消が図られた
ことは、中心市街地の整備として大きな効果があったものと考えております。
  次に、これからの事業の進捗についてどのように考え、財政的負担はどのように推移するの
かについてでありますが、これからの事業の進捗につきましては、公共事業のスピードと目に
見える形での早期の事業効果が求められる中、市の財政状況及び国の交付金制度の動向を見定
めながら対応してまいりたいと考えております。
 また、今後の財政的負担の推移につきましては、現在、仮換地指定を行った地区の整備を最
優先として事業効果があがるように努めてまいりたいと考えております。
 今後におきましても、各街区の熟度を見定めながら、事業の継続性に鑑み、引き続き最善の
努力を傾注してまいりたいと考えております。
  次に、まちの活性化をどのようにすすめ、居住人口をどのようにふやすのかについてであり
ますが、まちの活性化につきましては、主体はそこに住む住民であり、特に個店をはじめとす
る商業者の皆さんの担うべき役割が大きいと考えております。
 市といたしましては、商店街等の自主的な取り組みに対して支援することを基本として、引
き続き事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
 居住人口をどのようにふやすのかについてでありますが、街なか居住は、活性化の取り組み
の一翼を担い、街なかの人口増やにぎわい回復を図る重要な要素であると考えております。
 商業者みずからが中心市街地に住み、商売を行うという職住混合を基本において、その上で
民間による賃貸住宅等の居住施設の拡大に期待をするとともに、その誘導に努めてまいりたい
と考えております。
  次に、旧沼田貯蓄銀行の移設と生方記念文庫移転事業の事業費と、活用についてどのように
検討されているのかについてでありますが、旧沼田貯蓄銀行の移設につきましては、沼田市第
五次総合計画に位置付けられており、都市再生整備計画の基幹事業である「既存建造物活用事
業」として歴史的建造物の旧沼田貯蓄銀行を土地区画整理事業地内へ移設を行うものでありま
す。
 生方記念文庫移転事業につきましては、都市再生整備計画の提案事業として位置付け、旧沼
田貯蓄銀行と隣接して整備することにより、沼田市中心市街地における文化施設として市内外
を問わず人との交流を生み、現在進行中である区画整理事業とあわせてにぎわいの創出を図る
計画となっております。
 なお、事業費と活用についてでありますが、事業費につきましては、今後における旧沼田貯
蓄銀行の移築解体調査の結果や生方記念文庫の実施設計等を踏まえ、国・県補助事業等による
財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また、活用につきましては、文化財保護の視点を考慮しながら、街なかの核となるような施
設の有効活用に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
  次に、地域経済の活性化について、状況と今後の取り組みについて、工業・商業・農業・観
光業など市内産業の出荷額や売り上げ等の状況はどのように推移し、現状についてどのような
見解なのかについてでありますが、平成22年工業統計調査結果速報による本市の製造品出荷
額は、771億333万円で、対前年比7.3%減少、平成20年度市町村民経済計算結果に
よる本市の総生産額は、卸売・小売業が135億900万円、対前年度比3.9%の増加、農
林水産業が53億5,200万円で、対前年度比2.0%の増加となっております。
 また、平成22年度群馬県観光客数・消費額調査結果による本市における観光消費総額は、
50億4,832万円で、対前年度比0.9%の減少となっております。
 工業出荷額や卸売・小売業総生産額は、県内都市部と比較して低い水準にあり、今後とも地
域経済の動向に十分留意しながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
  次に、沼須産業団地に対する問い合わせなどの状況と企業誘致に向けどのように取り組むの
かについてでありますが、企業局及び市に、今年度新たに4社から問い合わせをいただいてお
りますが、いまだ具体化という段階には至っていない状況であります。
 企業立地の促進を図るため、工場立地法の緑地面積比率の緩和などを行い、平成23年4月
からは、用地取得助成金及び雇用促進助成金を創設するとともに、組織体制を整備し、県内を
はじめ隣接県への職員による企業訪問にも取り組んでおります。
 長引く不況による企業の設備投資意欲の低下、これに続く東日本大震災や原子力発電所事故
によるリスク分散、その後の急速な円高による海外進出の動きなど、企業が国内投資に向かっ
ていない状況にあると認識しておりますが、新たな企業の進出は、雇用の創出をはじめ地域経
済の活性化に多大な効果をもたらすものと認識しており、企業局や県企業誘致担当部局と連携
の強化を図るとともに、情報収集に努め、団地の特性や立地先としての沼田市の魅力や可能性
を積極的にアピールしながら企業誘致を進めてまいりたいと考えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、学校給食に
つきましては、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 大東議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、学校給食について、状況とこれからの対応について、給食食材の安全確保はどのよう
におこなわれているのかについてでありますが、食品に含まれる放射性物質につきましては、
「暫定規制値」を上まわっている食品については、販売してはならない旨規制されており、基
本的には安全が確認されているものが流通していると判断しております。
 しかし、児童生徒に、より安全・安心な給食を提供するため、市内3調理場による仕入れ食
材の産地確認や食材の洗浄を丁寧に行うとともに、群馬県学校給食会による、調理済み食材検
査の実施もされてきました。今後につきましても、平成24年度より沼田市消費生活センター
に設置される放射性物質検査機器を利用して、各調理場それぞれの調理済みの食材検査を実施
し、その測定結果とあわせ食材産地等を公表して、安全・安心な給食を提供していきたいと考
えております。
  次に、4月からの食品放射能新基準にどのように対応するのかについてでありますが、食品
による年間の被爆線量が5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げられ、基準値が、
なお一層厳格化された状況になりますが、沼田市消費生活センターに設置される放射性物質検
査機器の利用が可能になることから、その機器を利用し、調理済みの食材検査を実施したいと
考えております。
 なお、県教委においても、希望する調理場について、従前に比べ詳細な調理済みの食材検査
を継続して実施する方向で検討中と聞いておりますので、市教委としても、積極的に検査要望
をしていきたいと考えております。
  次に、地元産食材の活用と安全確保をどのように進めるのかについてでありますが、現在、
地元産農産物の放射能検査につきましては、沼田市やJA利根沼田からの要望に基づき群馬県
が実施しており、その結果についても公表されております。この検査結果を基準に地元産食材
を活用していきたいと考えております。
  次に、給食費の軽減についての見解とどのように対応するのかについてでありますが、子育
て支援対策として給食費の保護者負担を軽減している市町村もあるようですが、財政的な負担
が伴うことから、現下の状況においては、給食費の軽減は困難であると考えております。
 以上申し上げまして、大東議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
◇10番(大東宣之君) ご答弁をいただきましたので、引き続き何点かにわたって質問をさ
せていただきたいと思います。
 まず初めに、中心市街地土地区画整理事業についてから、お聞かせいただきたいと思います。
 まず初めに、市長の見解と言いますか、ご認識と言いますか、今の本町通り、中心市街地の
土地区画整理事業に対して、率直のところ進捗状況、そういったものに対して、どのように市
長ご自身としては判断をされております。満足いっている、やや不満足だとか、もっと頑張ら
なくてはいけないとか、いろいろな思いがあると思いますが、まず市長としてどのようにお感
じなのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) これはもう議員から再三ご質問いただいておりまして、いろいろな
歴史的な経過の中から、前任の市長のときからの継続事業ということで、私が平成14年から
この職責をいただく形の中で対応を図ってまいりました。
 私は当初から随分、当時まだ県会議員の立場でありましたので、慎重に見守っておりました
けれども、随分空き地がふえたなということは率直に感触として持っておりました。
 そういう中で、次々と大事だなと思われる建物が、いろいろな本事業のもとに、やむを得ず
換地をしていくために、いろいろと確かに整備されてきたという流れがございました。
 そういった中で、今上之町の特に1街区側が関係皆様方のご指導、ご支援によりまして、何
とか目に見える形の中で今日に至っているわけでございます。
 ただ、スタート時点が、議員がご案内のとおりでございまして、そういった流れの中で今日
を迎える。しかしその裏には、歴史的な背景の中の非常に切迫した財政の背景もあったりして、
何とか厳しいことを乗り越えて現在に至っているわけでございます。
 したがいまして、この進捗の度合いについては、やはり私ども行政の立場からいたしますと、
反省すべきところはきちんと反省しなければならないと考えております。
 しかしながら、ご案内のとおり、各地権者等の気持ちがきちんと入ってまいりまして、そし
て今日を迎えているわけでございまして、今後いろいろなことが予測されるわけでございます
けれども、きちんとした前進が図られるように、市民各位のご理解いただくべく、努力をして
いかなければならないのかなというように受け止めているところでございます。
◇10番(大東宣之君) 市長としても苦しい立場というか、そういうようにお考えではない
かということは私としても十分理解できます。
 ただ、この事業、やはりいつまでもだらだらだらだら続けていけるような状況に、まだ沼田
市が本当にあるのかどうか、財政的な問題、昨日もきょうも同僚議員から質問がされて沼田市
の厳しい財政状況、今後、国の動向、先行き不透明な状況、そうした中でやはり決断をすると
きがそう遠からず訪れるのではないかと思います。
 そもそも今の事業、いったいいつになったら終わるのかということは誰にも言えないのでは
ないですか。あと5年経ったら完了しますよ、あと10年経ったら完了します、20年経った
ら完了しますから、みんなで頑張ろうということが、今市長でもおっしゃることができないの
ではないかと思うのですが、この事業、いったいいつごろ完了させたいというようにお考えな
のか。
 また、いつごろ完了するというように思っておられるのか、お聞かせいただければと思いま
す。
◇市長(星野已喜雄君) 大変難しい質問でございまして、非常にじくじたる思いがございま
す。
 先ほど申し上げましたように、仮換地の指定率が28.1%。全体でみると4分の1と3分
の1の間。事務費ベースで40.5%。だいたい10分の4でありますから、5分の2という
ことになろうかと思います。
 そういったことを思いますと、今までの流れから言うとかなり厳しいものがありますが、こ
こへきてまいりまして、市民のあるいはまた地権者の意識も今回の上之町等の事業進捗によっ
て、いろいろと気持ちも、心の奥底の意欲というものが湧いているやにも私ども受け止めてお
ります。
 したがいまして、今までよりはきちんとした形の中で進捗をするのではないかと。
 ただ、議員がおっしゃっているように、いろいろと厳しい背景もありますので、ただ単にこ
れを従前の価値観のもとに進めていくのかどうかについては、やはり慎重にする必要もあると
思っております。
 しかしながら、現在進めていることについては、やはりきちんと進めるべきところは進めて
いかないと、いろいろな意味でこれまた混乱を招くことは事実でございまして、そういった意
味で、いろいろなところに目を配って、そして最大公約数的な、いわゆる落しどころという言
葉を使っては大変失礼でありますけれども、そういったところを見定めながら、今後の対応に
処してまいりたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) なかなかこれはスパッと、あと5年経てばできますよとか、10年
経てばできますよ、というのは、たぶんどなたが市長になられても、これは言えないことでは
ないかと。だから、それだけ今は厳しい状況に直面をしているということがいえることではな
いかと思います。
 それでは、先ほど市長がおっしゃった上之町の1街区、2街区の一部分を含むわけですが、
この事業については、新年度で建物の移転、工事等が完成するのか。後でお聞きをする旧沼田
貯蓄銀行の移設と生方記念文庫の移転については、新年度では完了しないというのが新年度予
算の中で見れば、調査費だとか、設計費ですから、移転自体は完了しないというのはわかるわ
けですが、今、工事が行われている建物移転等については、新年度では終わるのか。そして、
旧沼田貯蓄銀行の移設や生方記念文庫の移転事業を含めても、この今行われている1街区と2
街区の一部分の事業については、この2年ないし3年で完了するというように理解をしてよろ
しいのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 私が答弁をしました後、足りないところは担当部長に補足させてい
ただきたいと思っております。
 まず、県指定重要文化財、旧沼田貯蓄銀行の保存整備事業は、解体工事費と工事用土地借地
料、解体調査委託料等でございまして、予算書にあると思いますが、2,066万2,000
円を計上させていただいております。
 生方記念文庫の移転事業につきましては、実施設計委託料等がございますけれども、965
万2,000円の当初予算を計上させていただいております。
 なお、中心市街地土地区画整備事業の建物移転につきましては、保証金、建物調査委託料等、
いろいろありますけれども、1億5,786万7,000円を計上させていただいているとい
うように思っております。
 したがいまして、ほかにも中心市街地街なか再生関連推進事業だとか、やさしさ・にぎわい
の核整備事業とかございますけれども、一応そういったところが注目されるところなのではな
いかと思っております。
 部長の方から補足をいたさせます。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答えを申し上げます。
 1街区、それから2街区の一部の今、仮換地指定してあるところでございますけれども、建
物補償費、残が約4億2,000万円ほどであります。
 したがいまして、現在の想定でございますけれども、24年度、25年度、26年度と、2
6年度で完了する予定で進めているところでございます。
 以上でございます。
◇10番(大東宣之君) 今、始まっている上之町の1街区と2街区の一部だけでも、あと3
年かかってしまうわけです。ですから、全体といえば、本当に何年かかるかわからないという
状況にあるのではないかというように思います。
 それで、今の仮換地が終わっている1街区、それと2街区の一部以降について、ほかの場所
については、仮換地の指定のめどや、これからの事業の進捗はどのようになっていくのか。
 例えばもう、ここが終われば次から次へと、ほかの街区でも仮換地指定ができて、1街区と
2街区が3年後には完了するから、それを待って次から次へと工事が進んで行くのですよ、建
物移転が始まるのですよ、というような状況に今、なっているのかどうか、お聞かせいただき
たいと思います。
◇都市建設部長(生方秀二君) 現在、1街区、2街区、あるいは3街区、4街区等でも会議
等をしているところでございますけれども、現在その仮換地指定までのところまでは行ってお
りません。
 以上でございます。
◇10番(大東宣之君) では、まだ仮換地の指定に至っていないということは、ある意味、
今ならこの計画自体、この事業自体見直すことの絶好のチャンスではないかというように思う
のです。もうすでに事業が始まったところまで私はやめなさいということを言うつもりは毛頭
ないのですが、ほかのところはまだ手がついていないのだったら、全体の計画をもう一度見直
して、市長がよくおっしゃる身の丈にあったような事業にすればよいのではないかと思います
が、そういったお考えについて、どのように思われていらっしゃるのかお聞かせいただければ
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) 一応、1街区、2街区の関係、特に2街区の関係等についても、今
回生方記念文庫等、予算計上させていただいております。したがって、1街区と2街区は、あ
るいは早急に整備を進めていかなければならないなというように受け止めさえていただいてお
ります。
 それと同時に、議員のおっしゃっている内容等についても、あるいは昨日からきょうにかけ
て、いろいろと財政上の問題等のご指摘もいただいているわけでございます。
 したがいいまして、当然そういった時代の背景ですよね。国家の政権の考え方であるとか、
あるいはまた時の状況とかを踏まえながら、考えていかなければならないということでござい
まして、そういう観点からとらまえると、まったく議員が言っていることを否定することはで
きないなと。いうように思っております。
 しかしながら、この1街区、2街区の関係等については、ここまで来ている以上、なんとか
頑張っていかなければならないなというような思いで今おります。
 なお、先ほど来、申し上げておりますように、常にいろいろなところに目線を配って、そし
て皆さん方からご指摘をいただくことについて、きちんと説明が果たせるような形の中で対応
を図っていく必要があろうかと思っておりますので、当然、議員のご発言もこれは耳にきちん
と入れて、そして考えていかなければならないことの選択肢の中になるのではないかと考えて
おります。
◇10番(大東宣之君) ぜひ、これからの問題として、検討課題の一つとして検討していっ
ていただければというように思います。
 土地区画整備事業というのは、一般的に言って、当初の計画よりも事業期間がどんどんどん
どん延びる。事業期間が延びることによって、経費もかさんでいくというように言われており
ます。ですから、時間をかければかけるほど、経費がかかっていく可能性があるわけですから、
やはりそこは大きな決断が求められる時が来るのではないかと思いますので、しっかりとした
将来にわたって問題を残さないような決断をしていっていただきたいというように思います。
 それで、続いてこれからの財政負担の問題なのですが、結局、事業費ベースで言って、40
.5%が終わっていると。これはほとんどがもう、先行買収の部分だと思うのです。実際の事
業に関わる建物移転等、道路の整備等、そういった土地区画整備の事業に関わる予算があとど
れくらい残っているのか。残として、当初の計画から比較すればあるのかどうか。それをまず
教えていただきたいと思います。
◇都市建設部長(生方秀二君) 命によりお答え申し上げます。
 残事業といたしまして、あと88億円ということで考えております。
 以上でございます。
◇10番(大東宣之君) あと、88億円。年間3億円入れても30年はかからない、30年
近くかかってしまうと。残念ながら市長も事業の完了を見ることができないかもしれない。私
でもそうです。もうそれくらいの先行きがまったく見えない事業ですから、先ほども言いまし
たように、決断するときはもうそう遠くはないときにくるのではないかと思いますので、ぜひ、
しっかりとした決断をしていっていただければということを重ねてお願いしたいと思います。
 それで、やはりまちに活性化を取り戻すためには、私は再三再四、そこに住む人をふやすべ
きではないかというように言ってきました。
 それで、いろいろな空き地等があるわけですから、そこにまず人が住んでもらえるような、
そういうような施設、民間の住宅を導入したいというのが市の基本的なお考えのようですが、
現に市営住宅に待機者がいるわけですから、市営住宅をどんどん先行してつくっていくという
ようなことをする必要があるのではないかと。
 特に、これから高齢者、一人暮らしがふえていく中で、お年寄りが町中で歩いていろいろな
ことが済ませることができる、そういう環境の中に住むことが、お年寄りにとっても元気でい
てもらうことになるわけですから、低家賃で高齢者の方々が安心して住めるような、そういう
住宅を市が先行してつくっていきながら、まちで買い物をしていただくというような施策を詰
めていかないと、中心市街地、本町通りににぎわいを取り戻せないと思うのですが、市として
公的な住宅の建設、そういうものについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 非常にそういう意味では、参考になるご発言であり、ご意見であろ
うかと思っております。
 非常にこの本問題を私どもも慎重にし、またいろいろな局面を迎えているわけでございます
けれども、やはりもともとが中心商店街であったということと、そこのところに居住をしてい
た方が、商店主であったということ等がまず基本的なところとして押えておかなければなりま
せん。
 そういった形の中で、それぞれの核施設の関係等からくるいろいろな判断からは、当然今お
話されているようなことについては、一つの大きな選択肢としてあるのではないかというよう
に受け止めさせていただいております。
◇10番(大東宣之君) やはり、中心市街地がさびれているというのは、これは全国どこで
も同じ傾向にあるわけですが、非常にどこの町に行ってもそういう光景を見ることは、残念、
さびしい、というのが感じられます。
 いろいろとお聞きをすると、以前、沼田の本町通りというのは、すごいにぎわいがあって、
正月の初売になったら、夜中から人がぞろぞろ店の前に並んでいるとか、そういうようなこと
があったそうです。
 そして、私が沼田に来たのは30年前ですが、その30年前ごろだって、本町通り、あの狭
い歩道が、本当に人と人がぶつかり合うようにして歩いたというような思いがあって、そうい
う記憶が残っております。
 沼田というのは、すごくにぎやかな町なんだなということが非常に印象として残っていたの
ですが、現在本町通りを歩いてみても、なかなかそういうようにはなっていないのが現状では
ないかと。
 ですからやはり、人をふやしていくと。やはり人がふえれば、それに伴って商店だって出て
くるわけです。食べ物屋さんだって、いろいろな生活に必要なそういった商店が必要になって
くるわけですから、やはり戦略として、戦略をやはりもっていかないと、ただ待っているだけ
ではいけないのではないかと。やはりそこににぎわいを取り戻すというのであれば、にぎわっ
ていくように人が集まってくるような、日常的に人が集まってくるような戦略。すなわち、住
む人をふやす。そして、住む人がふえたことによって、それに伴う店を配置していく。食べ物
屋さん、八百屋さんだとか、魚屋さんだとか、肉屋さん、そういったものを配置をしていくよ
うな、そういった戦略をもっていく必要があると思うのですが、そういったお考えについて、
どのようにお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 議員が30年ほど前の本町通りのにぎわいのことを思い浮かべなが
ら、その当時のにぎわいを取り戻すためのご提言であったかと思います。
 ご案内のとおり、この沼田の商業のことからとらまえてまいりますると、上之町にスズラン
がございました。現在のベラ・ヴィータのところにいせやがございました。
 そうした中で、私自身が市議会2期目のときだったと思うのですけれども、大型店問題が発
生をいたしまして、結局そのときの流れの中で、まず一つには国立病院の前に大きな店が誕生
してきたという経過がございました。それで、その後、時代とともに、モータリゼーションの
流れとともに、郊外型の大型店が出ることによって、いわゆる旧個店のもっている妙味から、
そこに行けば、品数が多くて、そして駐車場があってということの中に、時代の流れが移って
いったという経過があったと思います。
 やはり、現在の客観的な情勢というのは、例えば、前橋の南部の方にも日本のある大手スー
パーと、そこに外国の大手スーパーが一緒に抱き合わせになっているということで、前橋のま
ちに近い方の大型店もかなり際どいせめぎあいを受けているというようなこともこれまた事実
でございます。
 そういったときに、やはりどうしていったらよいかということになると、私が思うのには、
やはりかつての沼田のまちの中は、一つのところでお仕事が完結していたと受けとめておりま
す。
 例えば、桐下駄屋さんであれば、利根郡から山に行って、桐の木をカットしてきて、そして
それを製材化して、後ろの通りのところから搬入して、加工して、そして真ん中で製品化して、
表のところの店屋に展示をしていくと。
 つまり簡単に言うと、A店でしかできないものを出していたという意味の素晴らしさがあっ
たかなと思っております。
 やはり、流通経済の中で、どこにもあることを表舞台に出しても、これは大型店にとてもと
てもかなうわけにはまいりません。したがって、そういう意味では、その人のところでなけれ
ば、購入することができない、こういうようなことがまちの中に集積をしてくるということが
大事かと思っております。
 そういった意味で、私は今回、上之町の新しい生き方には、非常に期待をしているところで
ございますけれども、ぜひ、そういった意味で、今後ともいろいろな意味でご支援をいただけ
ればありがたいと思っておりますし、私どもも担当部課長を中心といたしまして、関係者にそ
んな観点からいろいろな意味でご相談に乗ってまいりたいと考えております。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後1時59分休憩
       ─────────────────────────────
午後2時06分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇10番(大東宣之君) 現在、進められている上之町1街区、それと2街区の一部の都市区
画整理事業の中で、一番大きな課題というか、問題となるのが、旧沼田貯蓄銀行の移設と生方
記念文庫の移転、これが一つの大きなポイントになってくるのではないかと。
 それで、同僚議員からも経費の問題、それから、活用の方法などについてご意見があったわ
けですが、個人的には歴史的な建物が大好きでもあり、生方たつゑさんは、この沼田にあって
は、私にとって唯一同郷の人ですから、ぜひ、検証していっていただきたい。全国に広めてい
ただきたいという個人的な思いはあるのですが、先ほど来言われている財政的な問題やいろい
ろなことから考えて、本当にこの旧沼田貯蓄銀行の移設や生方記念文庫のあり方、これはやは
り慎重に考えていく必要があるのではないかと思うわけですが、そうした旧沼田貯蓄銀行の移
設や、生方記念文庫、これを上之町にもってくる理由。そしてまた、これを核としていきたい
というご答弁があったわけですが、残念ながら生方記念文庫が以前の場所にあったときは、年
間200人から300人程度の来館者ではなかったかと。本当にこれを今度計画している場所
に、旧沼田貯蓄銀行と生方記念文庫がどうも隣にくるらしいのですが、本当に活性化というか、
まちのにぎわいの一役を担うことができるのかどうか、その辺については、どのようにお考え
なのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) まず、これはいろいろと皆さん方からご注目されている内容でござ
います。
 これは、私がいろいろとこういった立場になる以前から、上之町のところのにぎわいの核等
の論議がなされてきたという経過がございます。
 その後、紆余曲折しながら、第五次総合計画に位置付けながら、既存建造物の活用事業とし
て、この歴史的建造物の旧沼田貯蓄銀行の移設を都市区画整理事業地内へ行うと。
 また、生方記念文庫につきましては、やはり生方美智子先生といろいろと話し合いをさせて
いただいてきた経過の中で、今回のような形になっております。
 本市とすると、やはり特徴が一つには、自然があったり、あるいはまた観光農業があったり
する一方におきまして、歴史的なものというものは、やはり群馬県内の中にあっても、さすが
真田、本多、黒田、土岐と、四代にわたった城下町でありますので、これらについては、やは
りあなどれない、あるいは誇ってよいものであると思っております。
 そうした中で、いろいろな催し物等をしたい。あるいはまた、そういった歴史的なかねてか
らの遺産を表舞台に出していきたい。あるいはまた、まちの中の回遊を進捗させていきたいと
いうようなことになったときに、やはり何らかの形で文化的なものと人とが交流する拠点が必
要であるなというような気持ちをかねがね持っておりました。したがいまして、今回はそうい
ったこともあり、提案をさせていただいているところでございます。
 流れからすると、第五次総合計画の流れからきておりまして、これらについては、一応道筋
をつけた形の中で、今日を迎えてきているなというように思っております。
 したがいまして、ぜひともご理解、ご支援をいただきますように、お願いを申し上げますと
同時に、ここのところを一つの大きな交流拠点として、今後沼田の歴史だとか、そういったも
のを売り出していく場所にもなっていくのではないかというように位置づけているところであ
ります。
◇10番(大東宣之君) 交流拠点として沼田を売り出していく、アピールしていく、そうい
った拠点としていきたいということなのですが、具体的に旧貯蓄銀行と生方記念文庫をこの2
街区の一部、2街区のところへ持ってくる。そして、どういう形でこれを活用させていくのか。
 以前にあった生方記念文庫のような形になるのではないかというように想像しているわけで
ありますが、交流の拠点とするということですから、いろいろな形で交流の場、サロン的な場
所としても活用できるのかどうかと具体的にどういう形でこの場所を活用していこうというよ
うに考えているのか。
 先ほども言いましたように、交流の場、サロン的な場所、そして、沼田のインフォメーショ
ンの場所。また、生方たつゑ先生の展示、生方誠さんの関係の展示。そういった沼田の歴史や
文化を紹介する場所。そういったように考えていらっしゃるのかどうかお聞かせいただければ
と思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、今回提案している予算は、工事のお金までは提案
がなされているわけではありません。したがいまして、当然今、議員がご発言されているよう
なことについては、十二分にこれは検討してかかっていくということになります。
 これは、私の承知している範囲のところを逸脱できないのでありますが、例えば、生方記念
文庫なり、貯蓄銀行なりの関係等について、特に貯蓄銀行等については、県の文化財指定とい
うような形の中で取りかかってきたという流れがあるのでありますが、今までは見るだけだと
いうようなことが流れにあったようでありますが、今後はそこをある程度利活用していっても
構わないというような、そういうことの流れもございます。
 したがいまして、ただあるからそこで見るということだけでなくて、結局、市民がいろいろ
な意味で利活用できるということと同時に、もちろん迎えてくるお客様にも利活用できる。そ
ういった柔軟性を持ったものになっていくというように思っております。
◇10番(大東宣之君) 旧貯蓄銀行、沼田貯蓄銀行については、現在の建物をもってくる、
という話ですから、イメージとしてだいたいこういうものがその場所に建つのだなということ
は分かるのですが、今度の生方記念文庫については、どういうような建物を考えていらっしゃ
るのか、あれば教えていただきたいと思います。
 私は、先ほども言いましたように、生方たつゑ先生というのは、私にとっては沼田の中では
唯一の同郷の人ですから、ぜひ、多くの方々に知っていただきたい。それは、もう市民の方々
とともに、全国的にも日本の歌人として有名な方でしたから、全国的にも知っていっていただ
きたいという思いはあるわけですが、しかし実際の管理や設置後、移転、新しく建てた以降の
維持管理費や、管理の仕方の問題などを考えると、決して大きな建物にしてはならない。そし
て、もともとあの周辺が高層の建物等が建っていくような場所にはどうもなさそうですので、
やはり低層で、そしてコンパクトで、そういったものがわかるような、そんなやたらめったら
大きな建物、目立つようなものにする必要は私はないと思うのですが、そういったことについ
ては、どのように検討されているのかお聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) それは、議員のお説ごもっとものように、スペースがが限られてお
りますので、大きなものは建てるというわけにはいかないというように考えております。
 そういった中で、生方記念文庫にふさわしい、そういったものとして、これからきちんとし
た対応を図っていくということになろうかと思います。
◇10番(大東宣之君) この旧沼田貯蓄銀行の移設や生方記念文庫の移転については、市民
の中にもさまざまな意見があります。
 ぜひ、そういったことについても、ぜひ、市民の方々の意見も聞いていただきたいのですが、
特に、市長としてはここに移設を、旧沼田貯蓄銀行、そして生方記念文庫をここへもってきた
いという意思が強いようですが、実際、仮にそこへもってきたとしても、その建物の規模や、
その中身、そしてまた維持管理費がどれくらいになってというような、そういうことを、常に
市民の方々に情報を公開をして、そして市民の方々もよく聞いて、実際の建物をつくっていく
というようなことが必要ではないかと思いますが、今後、そこに生方記念文庫や旧沼田貯蓄銀
行を移設をした際に、そして、その後の維持管理や活用方法について、市民の方々の意見を聞
いていくというようなお考えがあるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 市民の方々にご活用をいただくということが大事な要素であります
るし、また場合によれば、市のしかるべきセクションもそこに入っていくようなことも考えら
れると思いますし、いろいろな方法が考えられると思います。
 したがいまして、そういう意味では、市民の方々のご意見を聞くということも大変重要かな
と思っております。
 ただ、ご承知のとおり、生方記念文庫にしろ、貯蓄銀行にしろ、しかるべく形の文化的な要
素の背景を持っております。ここの部分を逸脱した形の中のことについては、なかなかこれは
取り組むことができないということはご理解をいただきたいと思っております。
 したがいまして、ある程度専門的な、なんと言うのでしょうか、知識なり専門的な見識を持
った方の考え方もこれまた非常に重要かなと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと
思います。
◇10番(大東宣之君) 私は、やはり決してけばけばしいものにならない、コンパクトで、
地味で、落ち着きのあるようなものにしていくということが必要かと思いますので、ぜひ、市
民の方々の意見も取り入れながら、検討していくようにしていっていただきたいと。
 そして、その時々の情報については、ぜひ、公開をしていっていただきたいというように思
いますので、これはお願いをしておきたいと思います。
 続いて、地域経済の問題についていきたいと思います。
 工業出荷額等が、県内12市の中では下位に位置しているということはこれは、誰が見ても
明らかなわけですから、やはりここをどうやって改善をしていくのか。昨日の同僚議員の一般
質問の中にも働く場所をどうやって確保していくのかということが沼田市にとっては、この地
域、そして経済を活性化させていく上で非常に重要なことになるのではないかというように思
います。
 そうした中で、沼須の産業団地、4社からの問い合わせがあったというご答弁をいただいた
わけですが、この中で沼田市に企業が来るという可能性というものについては、市長としては
どのように感じておられるのかどうか、まずお聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろな動きがございます。先ほど答弁させていただいたとおり、
4社からの問い合わせ等がありまして、いろいろな対応に処しているところでございますけれ
ども、やはり相手様も私のところ、つまり沼田だけが候補地というより、選択肢はその人たち
もいくつか持っているわけです。それで、どこが自らの会社にとって有利であって、的確な場
所であるかという当然判断が、先様にもございます。
 そういうようなことから、常に、うちら側の立場からすれば、よそ様の候補地にできるだけ
負けないようにするために、いろいろな条件を考えてきていると、こういうことになるわけで
す。
 そういった中で、具体的な形の中で必ず確信が持てる業者があるのかどうかというようなご
質問に対しては、やはりここでは本会議の席でありますので、五分五分としか言いようがござ
いません。つまり、一連のプロセスの中にございます。
 ただ、私どもからいたしますと、ご承知のとおりタイムリミットもございますので、ここ一
番のときには、ある程度決断をしていかなければいけないときが来るかなというように認識を
しております。
 したがいまして、抽象的な言い回しで4社というような言い方をさせていただいております
けれども、今後なんとかこれが実現のために、群馬県当局のお力添えをいただきながら、私ど
もも努力をしてまいりたいと考えております。
◇10番(大東宣之君) 市長としても、この間さまざまな取り組みをされてきて、本当にご
苦労さまでしたと思います。
 しかし、なかなか結果として、いまだかつてよい結果になっていないというのが現状です。
ですからもうここはしゃかりきになって、市長がトップセールスでいくと。市長は私なんかが
思う以上に広い人脈をお持ちのようですから、やはりそういったところにも行って、やはりこ
こは市長が本当に腹をくくっていただいて、トップセールスで東京なり、神奈川なり、埼玉な
りに行って、本当にこの沼須の産業団地に企業を引っ張ってくるくらいの決意がもう必要なと
きにきているのではないかと。あとわずかで市が買わなくてはならなくなるわけですから、や
はりそういうようなことを絶対にしてはならないわけですから、そういった市長自らトップセ
ールスとして、そういったところへどんどんどんどんと出かけていって、そして今まで培って
きた市長ご自身の人脈がおありだと思いますので、そういったものを生かしてやっていくとい
うことがもう必要なときにきているのではないかというように思いますので、市長のお考え、
また決意などをお聞かせいただけたらと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ただいま大東議員から、ご質問、あるいはまた私に対するもっと行
動しろという言葉があったかと思います。多聞にもれず、そういう意識は常に持っているつも
りでございますけれども、本日のご意見に対して、さらにその行動を一生懸命対応を図ってま
いりたいと考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) 市長も決して楽な立場にいらっしゃる、いろいろなことがあって、
大変ご苦労なさっていると思いますから、ぜひそういった意味では、この問題については、そ
ういった立場で頑張っていただかなければ、ちょっとなかなか打開の方向性が見えてこないの
で、重ねてですが、本当にここは市長に頑張っていただくしかないと。本当に市長の豊富な人
脈を生かして、ぜひ頑張っていっていただきたいというように重ねてお願いをししておきたい
と思います。
 それから、もう一つ観光業。農業と観光の関係なのですが、福島の原発事故以来、農業や観
光業が苦戦をされていると。あとは、経済、日本の経済全体の冷え込み等もあって、厳しい状
況にあるのではないかという感じがするわけですが、しかし、沼田のよさというものをもっと
もっとアピールしていく必要性があるのではないかと。
 やはり、ほかにはないものがたくさんある。そういう歴史的なもの、そして食べ物、そして
風景、そういったものを一つ一つ、その沼田のよさというものをもっと具体的にPRをしてい
く必要性があるのではないか。ただ、沼田、真田の町だけではなくて、そういう中にあって、
どういうものを力点を入れてPRをしていくのか。そういった戦略を立てていかないと、いろ
いろなキャンペーンをやっているだけでは、今の時代、人は来てはくれないのではないかと。
 ですから、そういった戦略的なものをしっかりと持って、そういった農業や観光業の押し出
し、売り出しというのをやはりしっかりやっていかなくてはならない。ほかには負けない、ほ
かとは違うのだというものをどんどんどんどん押し出していく必要性があるのではないかとい
うように思います。
 そういったことに対する取り組みについて、新年度以降なんらかの取り組み等があるようで
したら、お聞かせいただきたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 大変、執行部側の方では、今その発言を聞いて身が引き締まる思い
で承っておるのでありますが、総じて、利根沼田全体を見たときに、観光というとやはり旧水
上とか、あるいは旧新治とか、あるいは片品とか川場が、やはりうまく展開していたなという
ような感じを受け止めております。
 やはり行政のところの部分でとび回わるということは大変重要であるし、トップセールスに
もなるから大事でありますけれども、突き詰めてまいりますと、どうしても民間の方々の意欲
を醸成していくという形が、非常に大事な要素かなと思っておりまして、そういう意味ではや
る気のある民間の方々をきちんと応援をしていくということが一つ挙げられるかなと思ってお
ります。
 もう一方におきましては、これはいろいろな関係の中で、昨年の4月から観光交流課をつく
って、なんとか観光振興を図っていこうということで、新設の課をつくりました。この一年、
当課も頑張ってきたわけでございますけれども、やはり歴代の市の職員であることは論をまち
ません。
 そこで、4月からかつて群馬県ご当局であるとか、あるいはまた、いろいろのところの部局
で頑張ってこられた方をしっかりと迎え入れて、この4月から任に当たってもらうことになっ
ています。
 そうすることによって、今までの沼田市の行政サイドが考えていたことより以上の、その方
の人脈なり、あるいはまたいろいろな体験をしてきている人でありますので、この方と連携を
きちんと図る形の中で、沼田の売りというものを思い切って考えいかなければなりません。
 したがって、当然市長もその方に大きな期待をもっておりますし、また、当然職員にしてみ
れば、かなり刺激もあるし、この4月からは議員がおっしゃっているようなことをさらに前進
させていくという観点で取り組んでいくという体制を整えていきたいと思っております。
◇10番(大東宣之君) 私はやはり、職員の方々もうそうだし、我々議員もそうだし、民間
の業者の方々も、事業者の方々もそうだし、農家の方々もそうですけれども、やはり沼田のよ
さ、自分たちがつくっているもののよさ、自分たちが売っているもののよさというものをしっ
かり認識をしていただいて、それをどんどんアピールをしていっていただくと。そして、それ
を市が集約をして、沼田というものはこういうものだということを、ドカンと押し出していく
というような取り組みがこれから必要になってくるのではないかと。
 私はいつも思っているのは、観光と言えば、昔から言えば旧水上町だとか、片品の尾瀬だと
か、いろいろありました。しかし、そこにないものが沼田にはたくさんあるのです。
 みなかみの温泉街からも、尾瀬からも、富士山は見えないのです。望郷ラインから少し行っ
た新宿の森からは、富士山が見えるのです。利根沼田の中で唯一富士山が見える場所かもしれ
ない。そういうところが沼田市にはあるのです。
 だから、それはたぶん年間の中で10日から20日あるかないかわからないですけれども、
例えば、富士山が見えたときにそこに来てくれた人には、ちょっと景品を出すとか、そういう
ようなことをしてあげるとか、いろいろな工夫があると思うんですよ。そういうような、富士
山が見える町ということでどんどん押し出せばいいんですよ。それがいいかどうかわからない
けれども。
 それともう一つは、みなかみにしても片品にしても、間近に雄大な山を見ることはできるの
です。しかし、沼田は谷川岳にしろ、武尊にしろ、赤城にしろ、そういった山々の前庭として
のロケーションを持っているのです。だから、そういうものをどんどん押し出していく必要が
あるのです。
 ですから、そういったよさを、それは私がそう思っているだけかもしれませんから、そうい
ったよさをそれぞれの方々、民間の方々を含めて出していただいて、それをどんどんと押し出
していくような、そこが戦略を持たないとやはり意味がないのではないかなという気がします
ので、ぜひそういうことについて取り組んでいっていただきたいと思いますが、再度市長のお
考えがあれば、お聞かせいただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 沼田市にしかない観光PRということについては、まったくこれは
同感でございまして、先ほど申し上げましたように、一人のマンパワーの方にすべて期待する
わけではありませんけれども、本市にはなかったような方が、非常にそういう意味では造詣の
深い方が見えられるので、おおいに今のようなことを参考にしながら、しかも全庁的な形の中
で、観光PRというものをきちんと考えていくということが大事かと思っておりますので、よ
ろしくお願いをしたいと思います。
◇10番(大東宣之君) ぜひ、そういうことでお願いをしたいと思います。時間の関係があ
りますので、次、教育長の方に質問を移らさせていただきたいと思います。
 現在、沼田で学校給食で使われている食材については、基準以内だから安全なんだよという
のが、ただいまの教育長の答弁だったと思うのですが、そういう認識で大丈夫なのかどうか。
 それから、この4月から始まる食品の放射能の新基準、今まで以上に厳しくなってくるわけ
ですから、そういったものに対する対応として、今度生活課で設置をする予定の検査機器を使
って、どうも月2回は学校給食の食材は検査をしたいというお考えのようですが、また県の教
育委員会などとも検査をお願いをしていきたいということですから、そういった体制の中で、
基準をクリアできる、そういうものに4月からもうなっていくんだよということでご理解して
よいのかどうか。まず最初に確認させていただければと思います。
◇教育長(津久井勲君) ご答弁申し上げます。
 大筋、議員さんの今整理されたような内容になると思います。そのとおりだと思います。
 一般流通している食品等については、基準内であるから安全であるということでありますけ
れども、そのとおりであります。法令に照らし合わせて、違法であれば流通しないということ
でありますから、まずそれを第一義的に確認していくとういことでございます。
 さらに新基準の厳しくなった問題等も絡めての話になると思いますけれども、それでも未曾
有であるかないかというような議論もありますけれども、まさに未曾有の出来事の中で、さら
に放射能の問題が出てきたということでありますので、特に、私たちが所管している分野は、
学校教育というまさに一番将来の宝であり、また健康上は非常に柔らかい、ソフトな傷つきや
すい年代でありますので、より以上にいろいろな手を打って安全性を確認しながら対応してい
くというのが大事だと思っております。
 そういうことから、先ほど答弁申し上げたとおり、食材について調理されたもの、口に入る
もの、すべてについて、入ったもの、入る寸前のもの、そういうものをチェックしていこうと
いうことでございます。それについても、国、または県、または市町村、または市町村におけ
る関係部局、部課等々の連携等の中で、綿密できめ細かな対応をして、子供たちに安全を保障
してやりたいというような考え方でおります。
 以上です。
◇10番(大東宣之君) 基本的に私は、これは私個人の認識ですので、どうということはな
いのですけれども、基本的に利根沼田の食材というのは私は安全だと、別に食べても放射能で
害が出るような、そういう数値が出ているものだというようには認識はしていないのですが、
ただこの利根沼田の地域全体が放射線量が高いということで、それで不安をもっていらっしゃ
る方々というのは少なからずいらっしゃる。
 特に、食べ物。1日3回、一年365日、ずっとこれから食べ続ける。特に、放射能の影響
というのは、子供には大きいと言われていますから、特にお母さん方々にとっては、この学校
給食の食材の安全性の確認と安全性の確保というのが非常に大きな関心事、課題になっている
というように思うのです。
 それは、当然そうだと思いますので、そういった安全性をしっかり確保して、やはりこの今
学校で食べてもらっているものは安心なんだよということを常に公表していかないと、納得し
ていただけないと思うのです。ただ、教育長が議会答弁で安心だ、安心だ、安全だと言っても、
それだけではちょっと納得していただけないので、やはり本当に学校給食で出しているものは
安心なんだよ、安全なんだよというようなことを裏づけをもって示していくということが必要
だと思いますので、そうしたことの取り組みを新年度の中でなんらかとっていかれるのかどう
か。あればお聞かせいただければと思います。
◇教育長(津久井勲君) お答え申し上げます。
 給食食材の安全性と、さらにそれについての公表等を含めての質問というように理解をして
おります。
 先ほどの答弁の二言、三言ふえただけで恐縮でしたけれども、当然ながら検査した後には、
できるだけ早く公表していくという考え方であります。
 先ほどは、産地等についても公表しますよということであります。
 それから、当然公表に伴っていろいろな場面で、説明、啓発というような視点からの行動を
起こすということも教育委員会としては大事ではないかと思っております。
 なぜならば、風評とか、またはうわさとか、マスコミ情報が間違っているとは言いません。
マスコミは正しいことを報道しますけれども、若干、ニュアンスの違いで情報が錯綜している
というようなこともありますから、私もこういう立場にいながらも、なかなかどっちが本当な
のだろうというようなことが度々あるわけでありますので、それらについてもしっかりとした、
国、県、または担当部課、さらには専門機関等々のより正確な情報をもらう中で、保護者の皆
さんにもきちんと説明をし、またデータ等を示す必要があればデータをきちんと示していくと。
そこには、基本的には隠さないということであります。大変なことは保護者、地域の住民とし
て一緒に考えていくということであります。
 したがって、こちらから情報を流すとともに、市民の皆さん、保護者の皆さんレベルからの
情報は積極的にいただきたいというふうに思っております。
 答弁の中で、そういうことを申し上げるのもあれですけれども、ぜひ、市民の皆さんからの
情報を、どんな情報でも結構ですのでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 以上です。
◇10番(大東宣之君) この問題については、教育長も今おっしゃったように、いろいろな
情報が飛び交っているという中で、いろいろな情報が飛び交いすぎていることによって、皆さ
ん一人一人の方が心配になっている、本当に大丈夫なのかどうなのかということで、本当にい
ろいろなお考えの方がいらっしゃって、私などはいろいろとお話をしていて、そのように考え
なくてもいいのではないかと思うような心配をされている方も少なからずいらっしゃったとい
う、この間の自分自身の経験の中にもあるのですけれども、やはりそれは裏づけを持ったデー
タをきっちり公表することによって、一つ一つ不安を取り除いていく、そういう努力がこれか
ら必要ではないかと思いますので、ぜひしていっていただきたいと。
 それから、一回目の中で教育長にお答えいただいた、特に放射能というのは、泥についてい
ますから、その泥を丁寧に落とす、確実に落とすということが必要だし、それから、煮汁はそ
れをまた使うことがない、料理には使わないとか、そういうことは当然やってらっしゃるのだ
と思うのですけれども、そういうことの徹底、それによって安全を確保しているということが
これからも必要ではないかと思いますので、情報の公開とあわせて、ぜひそのような取り組み
もしているのだということも含めて、市民の方々、父兄の方々にも知らせていっていただきた
いと思います。
 それで、今後の地元産の食材の活用についてなのですが、私は個人的には利根沼田の食材と
いうのは野菜等安全だと思っておりますけれども、やはりそれも裏づけをもって示していくこ
とが必要ですから、今後、測定器などを活用して、利根沼田の食材は安全なのだよということ
を知らせていくということをやっていくということでよろしいのかどうか、確認させていただ
ければと思います。
◇教育長(津久井勲君) そのとおりであります。いずれにしても、調理前の食材、さらに調
理後の食材等々を含めて、いろいろな検査をしているわけでありますけれども、今、市のホー
ムページ、県のホームページ等々含めて、積極的に情報が公開・公表されているところであり
ますので、沼田市教委独自に得た情報についても積極的に情報開示と言いますか、公表して、
また市民にいろいろとお願いすることがあればお願いして、市民の力を借りなければならない
ところをお力を借りてということで、一体となって頑張っていきたいと思っております。
 以上です。
◇10番(大東宣之君) わかりました。ぜひとも父兄の方々の不安を取り除くように、本当
にこれはありとあらゆる力を尽くしていただきたいと思います。
 結果として、東電や国がこういう問題をつくった最大の原因にあって、沼田市の教育委員会
や教育長に責任があるというようには思いませんけれども、大変ご苦労なさっておられると思
いますが、ぜひ、よろしくお願いします。
 続いて、給食費の軽減についてなのですが、保育料の軽減、3人子供がいれば3人目の子供
は無料にするというのは拡充したのですから、給食費もやったらどうでしょうか。もう一回、
お考えをお聞かせいただきたいと思います。
◇教育長(津久井勲君) 基本的には、先ほどお答えしたとおりでございます。
 ただ、いろいろな諸条件が許せば、少子化の問題等々ありますので、ご提案のことについて
は、共感できるところもあるわけでありますけれども、いろいろな状況を考えると、現在のと
ころ困難であるというように申し上げたところでございます。
 以上です。
◇10番(大東宣之君) 例えば、保育料の関係で言えば、当初沼田市は、3人同時に保育園
にいたときに、3番目の子供は無料にしてあげるよというので始めたのです。
 では、例えば小学校、中学校、小学校だけでもですが、3人以上同時に子供がいれば3人目
の子供は無料にしたら、いくら市が負担、持ち出しをすれば済むのだというようなことで、一
つ一つ計算をしていって、それが沼田市の行政をひっくり返すようなものでないのだったら、
どんどん積極的に市長に予算要求していくということは、私はあってもよいと思うのですが、
そういった検討や研究について、新年度以降なんらかそういったことをしていくお考えがある
のかどうか、最後にお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
◇教育長(津久井勲君) お答えを申し上げます。
 新聞紙上等で東吾妻の町長選のあたりでしたか、マニフェストに出ましたので、私も所管の
内容なので選挙そのものというよりは、マニフェストの内容に関心がありましたので、あのこ
ろから一層興味・関心を持つようになりました。
 いろいろ調べていく中で、東吾妻は今進行中のようでありましたけれども、県内においては、
南牧村、それから合併した神流町、それから上野村ということでありますけれども、これら町
村は非常に児童生徒数は極めて少ないです。
 だいたい子供の数というのは、その時点をきらないと転出分がありますのであれですけれど
も、昨年の4月1日あたりですか、5月1日ですか、その時点での数でいけばだいたい南牧村
が七十二、三名ですかね。それから、神流町も多分同じくらい。上野村が80ちょっとという
ことでありますから、だいたい5千円弱の月の給食費を掛けあげて、そして12カ月でいくと
だいたい300万から400万くらいです。すべての子の給食費をまかなっている。
 市の方では、大体小中学生で5千人弱、今4千なにがしかだと思います。これを単純に掛け
あげますと、二千五、六百万になるのではないかと、第3子だけです。第3子だけは約1割。
約500人程度で、500人弱の3子だけだと5,000人、その10分の1の500人ぐら
いということであります。これを掛けあげると、だいたい二千五、六百万になるかと思います。
 それだけが理由ではありませんけれども、それらも含めて、例えば教育委員会としてもいろ
いろと議論ありますとおり、いろいろ優先順位でどうしてもやってもらいたいということばか
りが10も20もありますので、そういうこともいろいろ勘案しながら考えていきますと、現
在のところはかなり困難だなということで考えておるわけです。
 いろいろ給食費のみならず、無料化の問題が今議論されておるわけですけれども、半面、財
政的な部分や経済の問題というようなことが議論あったとおり、またその逆行するような状況
もありますので、なかなか難しいというところかなというように考えております。
 以上でございます。
       ──────────────◇──────────────
◇議長(大島崇行君) 次に、高柳勝巳議員。8番。
〔8番 高柳勝巳君登壇〕
◇8番(高柳勝巳君) 通告によりまして、一般質問をさせていただきます。
 障害者自立支援法は、障害者が地域の中で安心して暮らせる社会を目指したものでしたが、
そのスローガンとは裏腹に、障害者本人とその家族にとって、多くの過酷な現実に直面させる
結果となりました。
 現在、国政では、混乱の中で、文章やデータを前に、悪戦苦闘を繰り返しつつ、抜本改革に
向き合っている最中ですが、結果としての政治的空白を創出しています。
 しかし、こうした中にあっても、障害自体やそのことに起因する困難を受け止めながら、日
々前向きに地域で奮闘している関係者の方々には、時間を止めることはできません。
 この自立支援法により定めることになった障害者福祉計画は、本年3月末でその計画期限が
満了となります。市長にはここで、この計画の評価を一度行ってもらいながら、最低でも1年
以上は空白となる障害者の方々のための法律や計画を補っていただこうと質問を決意した次第
です。
 そこでまず、改めてこの3年間を振り返りながら、沼田市障害福祉計画の後期計画の進捗度
や達成度を含めた評価と課題について伺います。
 次に、この計画の課題の一つである日中活動、就労支援の現状と課題について伺います。地
域活動支援センターの一つである沼田福祉作業所の要綱には、その対象者を「企業への就職が
困難な者又は就職したが職場に適応せずに離職した者等で、一定期間作業所において必要な訓
練を行うことにより、自立することが期待できる者」となっています。
 つまり、この作業所には、厳密に言うと二つの役割があって、就職が困難な方と自立するこ
とが期待できる方への対応が必要になるわけで、日中に活動する場所としての意味合いと就労
を視野にいれたプログラムが必要となるわけです。
 厳しい財政事情の中で、社協のスタッフの方々が一生懸命取り組んでいただいている事は承
知しつつも、この二つを両立させることは、かなり難易度の高いことではないかと推察いたし
ます。
 さらに、ここで一定レベルの就労への適応力が付いたとしても、厳しい経済状況を反映して、
民間企業への道はかなり険しく、福祉作業所の仕事である内職等の安定的確保も困難な状況で
す。
 そこで、この際市長には、沼田市独自で、あるいは主導で就労訓練の場や雇用の場を新たに
創出していくことへの考え方を伺います。
 三つ目として、移動支援の現状と課題についてです。自立支援法で言うところの移動支援事
業では、いわゆる「ガイドヘルプサービス」のことのみを指しますが、ここでは広く一般的に
言う移動の手段や方法を含めて伺います。
 障害者施策として単独で、安心安全でしかも低廉な価格で利用できる移動手段を考えようと
すると、なかなか困難です。また、高齢者の方々のための単独施策として様々取り組むことも
同様です。
 しかし、この地域の公共交通のマーケットの中心は、間違いなく高齢者、障害者で、増加の
一途となるのは明白です。
 そうしたことから現在、本市の取り組んでいる障害者の移動のための施策とその現状と課題
について、まず伺います。
 一般的な公共交通機関が、障害者の利用を妨げている素因は、一人で乗降が可能でなくては
ならないことにあります。それは、乗降口の高さなどの物理的な理由とコミュニケーションな
どの内面的な理由に大別できます。
 さらに物理的な課題として大きいのは、定時定路線では、どう工夫しても輸送がバス停から
バス停となりますが、課題は、その自宅からバス停までとバス停から目的地までをどうするか
なのです。
 交通弱者対策とは、路線の空白地域を埋めることではなく、こうした具体的課題の克服にヒ
ントがあると思うのです。
 昨年秋、民生福祉常任委員会では、地域公共交通の課題克服を視点に、長野県安曇野市の
「デマンド交通 あずみん」を調査してまいりました。
 これは、単純化して言えば、予約制乗合タクシーで、高齢者の移動のための福祉予算と一般
公共交通予算を合算して採算ベースとしてとらえたものです。
 つまり、考え方を変えたのです。障害者、高齢者、公共交通政策をそれぞれ、個別に問題解
決の方法を探るのではなく、それぞれの中から共通項を探して、行政サービスの最大公約化を
探るならば、必ず活路が見いだせると考えます。先ほどの、課題の克服策として、本市でも有
効と考えますが、市長のお考えを伺います。
 最後に、福祉の総合的視野についてですが、これまでにも述べてきましたように、法律の目
標が高い理念と理想的な施策を指し示したとしても、実際にそれを具体化していくのは、少子
高齢化した社会基盤も脆弱な地方自治体です。
 縦割りごとに施策を組立て、不足分を国に補助してもらうだけの構図からは、地方も脱却を
目指していくべきです。そうした視点での今回のような、就労や移動支援を含めた総合的な施
策の組み立て方についての考え方を改めて伺います。
 大きな質問タイトルの二番目に移ります。中学校での武道・ダンスの必修化への対応につい
て教育長に伺います。
 これは、平成20年に中学校の学習指導要領が改正され、3年間の準備期間を経て、本年4
月より実施されることになっております。私は、スポーツや武道や芸術を奨励し、もって心身
ともに健全な児童生徒の育成を目指すことについて何ら異議を唱えるものではありません。
 しかしながら、とりわけ柔道の実施には、そうとうしっかりした体制が確立されていないと、
重大事故の確率が大変高いことが、マスコミ報道等を通じてもわかってきました。
 この体制が不充分であれば、それが整うまでは、柔道のみに固執せず武道3種を含めた中で
柔軟に対応して欲しいわけですが、これまでの経過と準備の内容、さらには、新年度からの具
体的取り組み内容と課題について伺います。
 最後の通告内容になります。新局面を迎える放射能被害対策についてであります。私はこの
間、すでに幾度か震災・原発事故関連の質問を行なってきました。
 しかし、放射能の影響は多岐にわたり、質問をするにも所管の課もバラバラで、これまでも
苦労をしてきました。まるで、縦割り行政を放射能汚染にあざ笑われているかのようでした。
質問する自分自身も大変でしたから、具体的に対応する当局もさぞかし大変だっただろうと推
察するわけです。
 さらに問題なのは、一般市民への一元的な対応が損なわれたままでは、市内の除染計画もつ
くられ、様々な対応を本格化しなければならない時間帯にあって、本当に大丈夫なのかという
危惧をするものです。
 そこで市長には、現状の体制での対応の課題と今後の体制の在り方についてどのようにお考
えなのかを率直に伺います。
 また、本年4月より食品等に含まれる放射線濃度の新基準が示され、ここへの対応をどのよ
うに行なっていくのかを伺います。
 さらに、学校給食など、強い影響を受けやすい教育現場での対応についても教育長へ、その
考え方を伺い私の質問といたします。
◇議長(大島崇行君) 市長。
〔市長 星野已喜雄君登壇〕
◇市長(星野已喜雄君) ただいまの高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、障害者を含めた地域での総合的な福祉政策について、これまでの障害者福祉施策の点
検と今後の在り方について、沼田市障害福祉計画の後期計画(平成21年度から平成23年度
)の評価と課題について伺いますについてでありますが、障害福祉計画は、障害者自立支援法
の規定に基づく障害福祉サービスや市町村が実施する地域生活支援事業のサービスを提供する
ための基本的な考え方やサービスの量、サービスの確保の方策を計画したものであります。こ
の計画に沿ってサービスを利用する人の利用量を把握し、国、県及び市が所要の財源を確保す
ることにより、安定した障害福祉サービスを提供できたものと考えております。
 また、利根沼田地域の5市町村が連携をとり、平成21年4月に利根沼田障害者相談支援セ
ンターを共同設置し、さらに群馬県に働きかけ、平成22年2月に障害者就業支援センター、
現在は障害者就業・生活支援センターを設置し、相談支援の体制強化を図っております。
 今後の課題といたしましては、訪問系サービス及び日中活動系サービスの各体制の充実を図
っていかなければならないと考えております。
  次に、日中活動、就労支援の現状と課題について伺います。また、就労訓練や雇用の場の創
出についての考え方を伺いますについてでありますが、まず、日中活動、就労支援の現状につ
きましては、障害者の方は、沼田市第一・第二福祉作業所、白沢福祉作業所、あおぞら作業所
及び他市町村の社会福祉法人等が運営する施設を利用しております。今後の課題といたしまし
ては、就労移行支援及び就労継続支援の施設が市内に設置されていないことから、市外の施設
まで通所している人や市外のグループホームなどを利用しながら通所している人がおりますの
で、社会福祉法人等に協力をいただき、一層の改善を図ってまいりたいと考えております。
 また、就労訓練や雇用の場の創出につきましては、ハローワーク沼田、障害者就業・生活支
援センター、利根沼田障害者相談支援センターなどと連携を図り、各事業所に協力をいただき
ながら、一人でも多くの障害者の方の就労が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
  次に、移動支援の現状と課題について伺います。また、公共交通システムとしてデマンド方
式の関連についても伺います。についてでありますが、まず、移動支援の現状と課題につきま
しては、本市では4事業所と委託契約を締結し、サービスの提供を行っておりますが、市内に
ある事業所が1か所であるため、必ずしも十分な対応ができている状況とはいえませんが、今
後は、社会福祉法人やNPO法人等に働きかけ、移動支援の一層の充実に努めてまいりたいと
考えております。
 また、公共交通システムとしてデマンド方式の関係につきましては、路線バスについて、平
成21年度に市内全路線の乗降調査、市民アンケートを実施し、前橋工科大学の湯沢教授によ
る循環バスとデマンド運行の提言を受けて、平成22年度に地域懇談会を開催をいたしました
が、現行の定時定路線の継続を望む利用者が多く、平成23年度から車両の小型化や病院を経
由する市内循環型経路への路線の見直しを行いました。このため平成23年度で路線バスの見
直しは一応終了いたしますが、高齢者や障害者の利用が路線バスの存続には必要であり、乗り
やすい低床バスの導入など、今後も利用形態を見ながら、引き続き検討してまいりたいと考え
ております。
  次に、障害者生活総合支援法に関連して、福祉を総合的視野で解決していく考え方について
伺います。についてでありますが、国は、本年2月22日に、障害者自立支援法の改正につい
て、法律の名称を「障害者生活総合支援法」に変更し、新たに難病患者を福祉サービスの対象
に加える等の改正案を今国会に提出し、平成25年4月からの施行を目指すとしておりますが、
今後は、国の動向を注視し、また県の指導を仰ぎながら、法律に則して全庁的な対応を図って
まいりたいと考えております。
 これから福祉を総合的な視野で解決するためには、地域の障害福祉に関するネットワークを
構築することが必要であると考えておりますが、現在、利根沼田地域の行政職員、相談支援事
業者、福祉サービス事業者、保健・医療関係者等で構成され定例的に開催し、協議を行ってい
る「利根沼田地域障害者自立支援協議会」が組織されておりますので、この組織を有効活用す
るとともに、各関係機関が連携・協力し、総合的な視野で地域福祉の諸問題に対応してまいり
たいと考えております。
  次に、新局面を迎える放射能被害対策について、総合力の発揮について、現状の体制での対
応の課題と今後の体制の在り方について伺いますについてでありますが、今回の放射性物質の
環境汚染に関しましては、様々な問題が連鎖的に起こり、市が行う業務でも様々な対応が要求
されました。被災者支援や飲み水の問題に始まり、農作物、健康被害、廃棄物、風評被害など、
市としてできる限りの対応を行ってまいりました。しかしながら、今回の原子力発電所事故に
よる広範囲な放射能汚染という、今まで経験したことがない事態で、国の情報も錯綜した上に、
統一した見解が示されない状況下で、専門的知見を有する職員がいないなかで対応せざるを得
なかった状況がありました。
 今後の体制の在り方といたしましては、放射性物質による環境汚染への対処に関する特別措
置法が施行されており、本法に基づく除染を進めていくこととなりますので、担当部署の充実
を図りながら、必要に応じ全庁的な対応をしてまいりたいと考えております。
  次に、食品等に含まれる放射線濃度の新基準への対応について伺います。また、教育現場で
の対応についても伺います。についてでありますが、原子力発電所の事故に伴い設定された現
行の暫定規制値は、平成24年4月から基準値が新たに設定され、すべての人が摂取し、また、
摂取量が多い飲料水は10ベクレル、子どもの摂取量が多い牛乳や感受性の高い小児が摂取す
る乳児用食品は50ベクレル、その他の一般食品は100ベクレルと、それぞれ1キログラム
当たりに含まれる放射性セシウムの基準が厳しくなります。
 飲料水である本市の水道水については、昨年11月15日以降から検出限界値を1ベクレル
以下として測定し、現在まですべて不検出となっており、今後も検査を続けてまいります。
 市民の消費する食料品、市内の公・私立保育園12園の給食につきましては、新年度に沼田
市消費生活センタ−に設置される予定の放射性物質測定機器により検査を行いたいと考えてお
り、保育園の給食につきましては、調理済みの食材検査を予定しているところであります。
 また、農作物につきましては、今年度に引き続き県及び関係機関と連携を図り、検査を行っ
ていきたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきますが、教育課題に
ついて及び食品等に含まれる放射線濃度の新基準への教育現場での対応についても伺いますに
つきましては、教育長から答弁申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◇議長(大島崇行君) 教育長。
〔教育長 津久井 勲君登壇〕
◇教育長(津久井 勲君) 高柳議員のご質問にお答え申し上げます。
  まず、教育課題について、中学校での武道・ダンスの必須化への対応について、これまでの
経過と準備の内容について伺います。についてでありますが、現行の学習指導要領においては、
中学校第1学年では武道とダンスのうちどちらかを選択して、第2・3学年では武道とダンス
と球技のうち2つを選択して授業を実施することになっております。
 しかし、すでに沼田市においては、来年度の新学習指導要領完全実施に向けた移行措置とし
て、武道については、中学校9校のうち2校が剣道を、5校が柔道を、残りの2校が柔道と剣
道とを第1・2学年で適宜組み合わせるなどの方法で、今年度においても市内全中学校で実施
しております。
 また、ダンスについても、1校のみが女子だけの実施となってはおりますが、武道と同様に
今年度においても市内全中学校で実施しております。
 なお、現在各中学校においては、来年度から完全実施となる新学習指導要領に基づき、年間
指導計画を作成するとともに、指導内容や指導上の留意事項等について精査するなど、その教
育効果や健康・安全のための方策について検討を進めているところであります。
  次に、新年度からの具体的取り組み内容と課題について伺いますについてでありますが、平
成24年度においては、武道については、2校が剣道を、6校が柔道を、残る1校が、第1学
年で柔道と剣道の両方を実施し、第2・3学年で、どちらか一方を生徒に選択させて実施する
こととしております。
 また、ダンスにおいては、「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」
のうちから各中学校の実態に応じて内容を選択して実施することとしております。
 課題といたしましては、特に武道の内、柔道の授業における安全性の確保があげられます。
そのため、県レベルでの研修会も実施されるところでありますが、さらに、地域や生徒の実態
に合った教育効果や健康・安全に十分配慮したきめ細かな指導を進めるために、5月から6月
にかけて、保健体育担当教員全員を対象にした、「柔道授業の安全に関する指導者研修会」を
沼田市独自で開催する予定であります。
 また、ダンスの授業においては「現代的なリズムのダンス」を選択した場合、より専門的な
指導が必要となるため、保健体育担当教員の資質向上に努めるとともに、外部指導者を積極的
に活用するなどの方策を検討し、実施していきたいと考えております。
  次に、新局面を迎える放射能被害対策について、総合力の発揮について、食品等に含まれる
放射線濃度の新基準への対応について伺います。また、教育現場での対応についても伺います
についてでありますが、給食食材につきましては、市内3調理場において、給食食材の産地確
認や洗浄を丁寧におこない放射性物質の低減化に努めております。また、今まで行なわれた放
射性物質の検査の結果は、新たな基準値に置き換えても基準値を超える給食食材はありません
でした。今後も引き続き食材の産地確認や洗浄を丁寧におこない、平成24年度からは沼田市
消費生活センターに設置される放射性物質検査機器を利用して、各調理場それぞれの調理済み
の食材検査を実施し、測定結果と併せ食材産地等を公表して、安全・安心な給食を提供してい
きたいと考えております。
 なお、県教委においても、希望する市町村の調理場について、従前に比べ詳細な調理済みの
食材検査を継続して実施する方向で検討中と聞いておりますので、市教委としても、積極的に
検査要望をしていきたいと考えております。
 以上申し上げまして、高柳議員のご質問に対する答弁とさせていただきます。
       ─────────────────────────────
◇議長(大島崇行君) 休憩いたします。
午後3時12分休憩
       ─────────────────────────────
午後3時21分再開
◇議長(大島崇行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
       ─────────────────────────────
◇8番(高柳勝巳君) ご答弁いただきましたので、いくつか再質問させていただきます。
 一番最初の質問でしたけれども、成果と課題でパッと書いたところですけれども、安定した
サービスの提供ができたということと、相談と就労の支援センターができたということが一点
成果だったろうと。
 課題とすれば、訪問系サービスと日中系サービスをもう少し頑張りたいと、こんな答弁だっ
たかと思います。
 最初にも申し上げたとおり、今この4月から空白状態になるわけです。計画でも何でも。国
もみんなそうなので、仕方がないのかなと思ったのですが、頑張って探してみたら狛江市は、
この24年の4月から障害者計画と障害福祉計画3年間にわたってつくる予定で、全部だと1
00ページ以上なのですけれども、反省点のところだけ書き出したものをとってきました。
 沼田市とすると、ざっとした評価をいただいたのですけれども、このような一つ一つの施策
について未実施、実施、○、△と三段階で、例えば、グループホームの整備ですとか、送迎バ
スサービス事業ですとか、こういったものを全部総点検しているのですけれども、沼田市の方
の場合は、どのようにお考えなのか、この一定の反省点と言うのですか、どの程度まで行う気
なのか伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 高柳議員が、本問題についてはいろいろと熟知されておられると思
うので、むしろまた私どもが教えられることが多々あるのでありますが、この福祉計画が前期
が平成18年度から20年度までの3カ年計画。後期が21年度から23年度までの3カ年計
画ということで、本年の3月までということになっておりまして、実際問題として、言われる
ように国の方は平成25年の4月からということで、新法がそういったことの流れになってい
るようでございまして、私も現実にそれでは24年度、ずばり言って今年の4月1日から来年
の3月31日まではどうなるのかなというようなことで担当部課長とも打ち合わせをしてまり
ました。
 一応、本市とすると、空白期間をつくりたくないという観点から、一応平成24年、つまり、
今年の5月前後からスタートができるように今、努力をしているところであります。
 したがって、何とか空白のまま1年いくということは避けたいということと同時に、できる
だけ可及的速やかに、平成24年度から26年度までの形の3カ年の計画をスタートしていき
たい。市民の方々には大変申し訳ないのでありますが、やや1カ月、2カ月のずれがあるかな
というようなところの流れで今取り組んでいるところであります。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。私がこんなこといってはなんですけれども、
しばらく先ほどの課題を、まだ国の方も定まらないわけですから、強化をしていって形が見え
たらつくりたいと答弁をされるのかなと思いましたけれども、狛江市にならって3年間をつく
るということですから、ぜひ努力していただければなと思います。
 中身については、これから詰めるわけですから、触れずに次にいきたいと思うのですけれど、
市長、この課題といいますか、この前期・後期で6年あったわけです。いろいろなサービスを
展開してきたわけです。言葉上いろいろ難しい言葉ではなくても結構ですから、移動すること
に苦労しているのだなとか、居住に苦労しているのだなとか、日中のサービスが困っている、
あるいは就職に困っている、就職までにいかないまでも、こんなことに多くの皆さんは困って
いる、市長は一番心を砕いているというか、痛めているというところはどんな点なのか、言葉
ではなくて、こんなようなことに困っているのではないかということがあればお聞かせいただ
きたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) なかなか福祉の問題は、一概に短い言葉で言いあらわすことはでき
ないかと思いますが、今後の課題といたしましては、訪問系サービス及び日中活動系サービス
の各体制の充実を図っていかなければならないというようなことで述べさせていただいた中で、
端的に言って、子を持つ親はどうしても運命上と言っていいのかどうかわかりませんけれども、
生老病死は世の常でございますので、お父さんやお母さんが子供より先にご逝去いたします。
 そうなると当然、子供が後に残るわけです。障害を持っている方が自立していかないと、こ
れは大変な状況になるということから、どうしてもそこのところについては前々から頭を痛め
てきたという経過がございました。
◇8番(高柳勝巳君) 難しい問題だなと思いましたけれども、やはりアンケート等でも、親
なき後というところを一番親も心配しているわけです。ご家族の皆さんも。親なきあとに何が
ということになると、私が先ほど聞いた日中の場です、住むところです、移動ですというのが
生きているあかしになるわけです。
 抽象的に言えば、市長が心を痛めているというところが当たっているのかなというように思
います。そのようなことで、2番と3番に移動と日中の問題を具体的に少し市長に伺おうと考
えたわけです。
 1回目にも言いましたけれども、今の地域活動支援センターは、4カ所とも定員内、あるい
は定員ぎりぎりというところで推移していると伺いました。以前に。
 例えば、推察するに、第1と第2は実際問題は、運用に支障はないと言いつつも、第1作業
所と第2作業所は一緒にやっているのですよね。2階と3階にあるとは言いつつも、一緒にや
っているのです。これは効率的・効果的といえばそれまでですけれども、逆に見ればスタッフ
の人数が足りないので、2カ所にせずに1カ所になってしまっている。こういう状態を見ます
と、最初に言った、日中活動の場、就労をいくらか視野に入れるということがしっかり行えて
いるのかという危惧がするのですが、この辺のところを市長は承知していたでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろと難しい状況があるわけでございますけれども、2階と3
階、つまり第1と第2の関係ということでございますが、これらがうまく連携されて、対応は
進んでいたのではないかと私自身は受け止めさせていただいているところでございます。
◇8番(高柳勝巳君) 結果とすれば、おそらくベストではないけれども、ベターな方法とい
う形で現在の形になっているのかなと思います。そこで、この作業所、地域活動支援センター
というのは、いい意味で言えば通過施設なわけです。
 ところが、その先がないわけですから、いつでも定員満杯、誰かがあきらめていっていると
いう状態になっているわけです。今は作業所ですと、20と15ですから、35の定員でほぼ
満杯状態がずっと続いているので、実際は、この春に学校を卒業した方が行く場所がなくて結
果的に圏域内から出るとか、自宅で我慢するとかというような状態が行われているわけです。
すでに限界状態に地域活動支援センターというのはなっているのだと私は思っているのです。
 こういう状態が続くと、地域で生き生きと暮らせなくなって、条件が整わない人は、この地
域から出ていかなくてはならなくなるという選択肢も出てしまうのです。
 それで、市長にこの先をどうするか、ということをお伺いしたかったわけですけれども、そ
ういった状態も市長、認識はどうですか。ちょうどよくてよかったという認識でしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 福祉の問題は、可能な限り対応、キャパシティというのですか、容
量があればあるほどいいわけだと思いますので、決して現状はいいとは言えないなというよう
に思っております。
 そういった中で、日中活動系のサポート等についても、よく分析をしてみると、やはり生活
介護とか自立訓練とか、就業移行支援とか、また就労継続の支援だとか、児童デイサービスだ
とか、短期入所ショートステイだとか、いろいろな事業が展開されている。
 またもう一方の中にあって、当然訪問系の関係についても、それぞれの民間の流れがござい
ます。
 今議員がおっしゃっているように、新しく例えば具体的には養護学校等を利用した方が、通
過施設たるべくところに入所できないということは、やはり重要な問題だなと受け止めざるを
得ないし、また受け止めるのが市の行政を預かっている立場の当然の考え方だと思います。
 したがいまして、そういったことについては、今後もいろいろな意味で検討を加えていかな
ければいけないのではなかろうかと考えているところでございます。
◇8番(高柳勝巳君) 今、作業所は別ですけれども、入所施設は日割りになっているもので
すから、むやみに定員を割ると今度は採算が合わなくなるということですから、いつでもぎり
ぎり満杯。しかも皮肉なことに、元気で丈夫で通ってもらう人が望ましいのです。途中で体調
が悪くなって帰られると、経営にすぐ支障が出るというのが、この民間施設の今の仕組みにな
っているのです。月単位ではなく、日割りになっているので。そのような関係もあって、非常
に不安定だということなのです。
 そういう中で今、社協の皆さんも一生懸命何とかしようというのが今の体制なのです。これ
を変えていかなければならないということでしたので、市長の本題に入りますけれども、自ら
が雇用をつくっていく、あるいは雇用というところまでいかないまでも、就労の訓練みたいな
ものを市が独自で、あるいは主導になってつくっていってもらいたいという趣旨なのです。こ
れについては、少し明確でなかったものですから、改めてお伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 先ほどの答弁では、障害者就業生活支援センター、利根沼田障害者
相談支援センターの関係等についての答弁をさせていただいたわけでございますけれども、一
応これは議員のとらまえ方からすると、まだ甘いと言われるかもしれませんけれども、一応、
今回当初予算で利根沼田地域障害者相談支援事業を始めるべく予算措置をさせていただいてお
ります。
 したがって、これらをちきんと活用することによって、先ほど来のお話のようなことについ
て、いろいろな対応を図っていかなければならないと。
 ただ、議員はきっとそれだけでは受け皿にはならないという話に発展していくのではないか
と思うのです。そこについては、やはり行政の立場から、そういった障害を持っている方でも
軽微な作業というんですか、仕事が図られるようなことについては、やはり新しくできるそう
いったいろいろなセンター、あるいはまた相談等を通しながら、実態に即した形の検討を加え
ていかなければならないのではないかと思っているところであります。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。
 今、例えば作業所の皆さんの、これは厚生労働省の諮問機関が出したのだと思いますけれど
も、障害者の所得補償と就労支援というので、かなり厳しいのですよ、実際問題は。年収、そ
れから月の収入にしてみても、作業所も以前の事務概要書で見れば、多い人で二、三万円、少
ない人で6,000円くらいだったと思います。手取りで。1割は押さえておりますけれども、
これで1割取られたらマイナスになってしまうわけです。そのくらいですから、年金では食べ
られない。当然、Bの方だと6万6,000円くらいですか、そのくらいだと思います。上の
方で8万5,000円だと思いましたから。そうすると、全然生活が成り立たないわけです。
ここで工賃をとにかく上げていかないことには、技術もそうだし収入額も足りないということ
なのです。
 これは担保する民間の会社というのはそうそうありませんけれども、一応ゼロではないです。
ちゃんと当たればありますけれども、その前に市長、先ほど就労相談センターでしたっけ、確
かコスモスだと思いますけれども、これもつくっているのですけれども、市の助成金15万円
でしたっけ、障害者の方を1年以上雇用すると15万円出るやつも、1年をクリアしたとたん
に解雇になっている実情の方が現実問題は多いのです。
 やはり民間のみに活路を見出そうとすると、どうしてもまた戻ってきてしまう。うちの中に
戻ってしまうというのがあるわけです。
 そこで、くどくど言っていると時間がなくなってしまいますから、二箇村の方でリサイクル
センターを建てるという、年月もまだわかりませんけれども、野村議員が帰ってしまいました
けれども、民間のリサイクル施設を見に行かせてもらいました、先月。ここで、先ほどハイプ
ラとかって一言で言いましたけれども、前処理・後処理する作業があるのです。中に不純物が
入っているものを、自分のペースで取り除くことが可能なわけです。
 あるいは後になって、後にということはないですが、最初のホッパーから外れてきたところ
で不純物を外す方式もあります。これは、リサイクルセンターそれぞれいろいろな施設でいろ
いろな方法があります。じかに、もうリサイクルしてしまうところもあるし、原料にして工場
に渡すところもありますけども、こういったところに障害者の皆さんをまず雇用や訓練の場と
して、一つ市がつくる。あるいは二箇村ですから、二箇村で共同して設置をして、やはり新た
な受け皿をつくらないと、もうこの地では限界だと思っているのですけれど、そういったお考
えがあるかないかお伺いしたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご承知のとおり、現場が、高柳議員は現場を視察されて、一定の見
解をお持ちだと思うのですが、やはり何といっても、これは作業そのものがそれなりに危険を
伴うということもこれまた否定できません。したがって、一概に右に左にということをお答え
するには慎重にならざるをえません。
 ただ、そのお考え方の中にできるだけ単純で軽微な作業ならば、そういった方々を導入して
もよいのではないかということについては一定の理解ができるところでございます。したがい
まして、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) 当然、適応の問題やらたくさん、いろいろ市長が考えるとおり課題は
あろうかと思います。でも、こういった施設も全国的にはゼロではないのです。
 群馬県でも太田の方でもいくらかはやっているという話も聞いていますし、民間、引いてみ
ますといくつか出てきます。障害者を、今言ったこの前処理作業だとか、後処理作業で活用し
ていただいて、あるいは障害の内容にもよりますから、この作業だけが障害のお持ちの皆さん
の作業とは限らないわけなのです。リサイクルプラザ・リサイクルセンターという名がつくと、
様々あります。自転車を修繕して再販をしているところもありますし、家具なんかを直してい
るところもありますし、学習センターを兼ね備えているところもあります。
 これは、これからのことになろうかと思いますけれども、市長に忘れてほしくないのは、そ
こに入る障害者の器を、受け皿をつくっていくのだという決意がほしいわけなのです。やはり
利根沼田のトップですから、市長が積極的に働きかけてこういったことをしていこうではない
か、という形を呼びかけていただきたいわけです。課題があるのは承知ですけども、考えて始
めなければ何も始まらない、できもしないと思うのですけれども、慎重なのはわかりますけれ
ども、もう一度市長、ご答弁いただければと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 沼田市外二箇村のことを指していて、そういったことの中でのご発
言であれば、やはり当然他の町村長もいるわけでございます。しかるべき期間がきちんとあり
ます。したがって、高柳議員のご発言、あるいはまた、ご意見等については真摯に受け止める
形の中で、それぞれの町村長等にはいろいろな意味できょうのお話はつないでいく形をとって
まいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ぜひ、市長にはリーダーシップをとっていただきたいというように思
います。
 また、これだけではなく、先ほど来正式な答弁をいただきましたけれども、あらゆる場面で
考えていっていただきたいというように強く要望しておきたいと考えております。
 時間もありませんので次に進みたいと思います。
 今度は、移動支援の関係で、本当に思ったとおり、移動支援サービスの内容そのものをご答
弁いただきましたけれども、私が通告したのは、一般的にいう移動に対して、どういうように
お考えですかということで、私の方の質問をさせていただきますけれども、障害者の移動につ
いて、私どもアンケートをとっている最中なのですけれども、ご答弁、質問に対する移動はど
うですかというと、親の送迎というのが半分なのです。やはり障害をお持ちの皆さんの移動手
段というのは、親の皆さん、あるいはご家族の皆さんに送ってもらわないと、どこにも行けな
いというのが半分あるということなのです。
 親が送るということは、親御さんもその時間はほかのことができない。当たり前の話なので
すけれども。子育て中のお母さんだって同じだと思うのですけれども、そういう状態なのです
が、そういう状態ももし、一人で乗ることが可能な公共交通機関があれば、これはそれに乗る
可能性が高くなるわけです。
 重度の方とか、それに当てはまらない方、当然出てくるとは思いますけれども、しゃべるの
は苦手だけれども、それさえ超えれば自分の意志もはっきりしていて、親が電話連絡をして、
目的地までいれば、何時に今度はその目的地で待っていればタクシーが送迎に行くわけですよ。
そうすれば、それで帰ってこられるわけです。これで、安曇野市というところも障害者の皆さ
んが利用がふえたということなのです。
 これは、高齢者も同じだと思います。
 いくらか意識的にうとくなってきた方々なんかにしても、自宅まで迎えにきてもらって目的
地に行って、また自宅まで戻ってこれるわけですから、こういうシステムがあるとすれば、や
はり本当に検討した方がよいと、私は、委員の皆さんも一様にこれは検討に値すると言ってい
たのですが、その辺について市長、一度デマンドを提案したけれどもと言いつつも、もう一回、
検討してみる必要があると思うのですけれども、その辺いかがでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) 物事のとらまえ方がいろいろございます。詰めてまいりますと、財
政的な裏づけが、きのう、きょうと、質問に出ているとおりでございまして、それらをきちん
と対応をしていかなければならないことは言うまでもございません。
 そういった中で、一応本市としても、移動支援の事業の委託料は計上させていただいており
ます。
 ただ、これも委託先が、本市が4つのうちの1つしかないのが少し残念だなというようなこ
とも受け止めさせていただいている中で、議員のこのデマンドの関係は、今までご承知のとお
り、デマンドがよいのか、あるいは定期がよいのか、いろいろと市民部をして、地域住民の声
を伺いながら、結論から言うと定期の方がいいのではないかというような結論から現在がスタ
ートしているわけであります。
 議員が言っているこのデマンドは、また定期のそういったバスとは違った含みを持ったご発
言かなというような形で今受け止めているわけでございまして、そういった定期バスの関係と
の整合性はどうなのかな、果たしてこのデマンドの関係がどうなのかなということについては、
やはり今後研究していかなければいけないなという感じは持っております。
 おっしゃるように、安曇野市では、そういったデマンド方式で成功をされているということ
については、私どももいろいろと承っているところでございますけれども、とりあえず、定期
バスの関係でもってスタートした経過もあったり、あるいはまたもう一方におきましては、そ
の移動支援委託事業等も展開している経過もございますので、これらの整合性を図るというこ
とも大事な要素かなと思っておりますので、ご提言の趣旨を踏まえながら、今後いろいろと検
討を加えてみたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございます。いろいろと検討を加えてみるというところに
思いっきり期待をしたいと思います。
 予算上の話ですけれども、あとでこの資料、インターネットで引けますけれども、高齢者の
ための移動予算を公共交通とあわせたら、ツーペーになりますよという考え方なのですよ。
 それで、安曇野市の場合は、7,100万円でとんとんなのです。初期投資は補助金もらい
ましたから、それでそろってしまったのですけれども、あとは、そういった高齢者のための各
9町村で出していた福祉バスとかというのを、このデマンドにしたのです。
 それから、既存の交通機関がないわけではなくて、定時定路線もあります。日中のベースを
デマンドにしたということなのです。
 だから競合するところをみんなそれを廃止してしまって、デマンド一本にしているわけでは
ないのです。多くの地域がそうです。全部一本にしているわけではないということは、市長ご
理解をいただければと思うのです。
 ですから、ぜひ、採算の問題、それから競合の問題、これはクリアできるというように私自
身感じておりますので、ぜひ、ご検討いただければと思います。
 それで、もう一つですけれども、マーケット、言い方が悪いですけれども、これは第5次の
生き生き長寿まちづくりで、高齢者がどれくらいいるかという、これが一番最新だと思います
けれども、大体65歳以上が1万4,000人いるのです。
 それから、障害者の手帳をお持ちの方、これは手帳をお持ちの方のみで大体二千六百数十人、
市内にいらっしゃるというように認識してしていますから、足しますと、1万6,600人。
手帳を申請していない方も含めますと、この高齢者と障害者で3分の1になるのです、市長。
 ですから、高齢者と障害者のための移動支援を今までのものを合算をして、残すものは残し
ますけれども、もう一回考え直すということを考えれば、決して、市長、小さい一部の方々の
ための支援ではないのだという認識になるのですけれども、市長その辺はどういうようにお考
えでしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) いろいろとご提言いただきました。65歳以上の方が1万4,00
0人。障害者手帳を持っている人が2,600人。合算すれば1万6,600人、というよう
なことでございますが、議員ご案内のとおり、60代はまだ若うございまして、そういうこと
だとかを踏まえた形のことも必要だと思います。
 いずれにいたしましても、ご提言の趣旨は理解ができないわけではございません。したがい
いまして、何が一番適切なものなのかということについては、いろいろと検討を加えていかな
ければならないと考えておりますので、今後いろいろとご提言の趣旨を踏まえながら、考えて
まいりたいと考えています。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございます。先ほど高齢者のためのボランティアのお話が
ありました。人のためになることをして、介護予防につながるというお話だったと思いますけ
れども、これも高齢者や障害者がアクティブに活動することによって、衰えを抑えていくとい
う効果です。
 それから、市内に買い物に行けば、お年寄とて消費もします。そして、商店街の活性化にも
一役買うということになるわけです。
 障害者も面倒を見てもらうだけではなくて、どこかに出かけて行って消費もできるという好
循環も生まれるわけなのです。
 ですから、こういう考え方をしていかないと、おそらくこの先は暗いことばかり。先行き何
の展望もないじゃないのという考え方になってしまうと思います。
 以前にも私、お話しましたとおり、愛知県の高浜市というところが「福祉のまちづくりでは
なくて福祉でまちづくりするのです」という考え方が私はこれだと思っているのです。
 だからうちの地域には、水と空気と緑があるけど、高齢者きり残ってねえや、こういう悲観
的な見方をするのではなくて、これからは、中心はもう高齢者、そして障害者になるのですか
ら、この方々のよいところ、積極的な部分を行政が引き出してあげればよい方に向いていくの
ですよね。これが福祉でまちづくりの考え方だと思いますけれども、市長その辺についてもお
考え方をもう一度伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) ご年配の方、そして障害を持っている方々が中心だよということに
ついては、いろいろと論議があることかと思います。
 市民であればどなたでも中心的なお立場になることは、この論をまちません。そういった中
で、市民のもっているその人権とか、そういったものに多寡はないと考えておりますので、や
はり全市民が一体となったまちづくりが大事かと思っております。
 そういった中で、障害者だとかお年寄りにみられるように、社会的弱者という言葉を使って
よろしいのかどうかわかりませんが、あるいは交通弱者、そういった方々に対する配慮という
のは、行政の大きな仕事かと思っております。
 したがいまして、やはりそういったことを展開することによって、町の活性化が生まれてく
るということについては、私自身も理解できる一人でございますので、今後の参考にさせてい
ただきたいと思っております。
◇8番(高柳勝巳君) ありがとうございました。どこしゃべっているかわからなくなると思
いますけれども、4番の最後、福祉を総合的視野で解決していく考え方で、先ほど高浜市等の
お考えをお伺いしました。
 この項目で最後になりますけれども、群馬県の手をつなぐ育成会で、2月の16日に保護者
研修会があった。そのときの資料で、当初予定の障害者総合福祉法がもし実施されたらこうい
うイメージになりますというのが、おそらくインターネットでも今引けると思うのですけれど
も、私が言っていた日中活動就労支援のイメージが一般就労と、障害者就労センターというの
と、横文字で恐縮ですけれども、デイアクティビィティーセンターというところの三極化する
のです。
 真ん中はおそらく、コスモスなんかを中心として一般就労をどんどんやっていくところ。こ
のデイアクティビィティーセンターというのが、先ほど言った作業所の2つが、分かれたとこ
ろが1つになっている部分というようにイメージしています。
 それで公共が仕事をたくさんここからとっていかないと、この3つは成り立っていかないん
ですよ、ということをイメージとして言っている。
 おそらく、これいくらかは動きますけれども、基本的な考え方は変わらないと思うのです。
お金がない人頑張ってというのは無理なわけですから。いくらか稼げる人をふやさなければど
うにもならないわけなので、この考え方でおそらく基本的にはいくと思っています。
 ですから、市長にも先ほど言ったように「福祉の」ではなくて、「福祉で」でいかないとこ
のイメージは出てこないです。それぞれの皆さんが積極的に自分も頑張ろう、頑張ってね、と
いうのが出てこないとこのイメージは成り立たないのです。
 総合的に考えてフォローしてあげる仕組みがなければ、このこともできないのです。移動も
支援してあげないと、作業所と言われるところになるかどうかわかりませんが、通うことも積
極的にならなくなってくるわけです。
 ですから、そういったことを総合的にとらえるためには、社会福祉課だけで考えていたので
は、なかなかこの図は実現できていかないのかなというように思っています。総がかり的に、
あるいはいろいろな部門がきちんとかめるような形でもって、今後の24年の5月からになり
ましょうけれども、計画もつくっていくということですから、反映させていただければと思う
のですけれども、その辺についてのお考えを伺いたいと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 全庁的なことの必要性だとか、そういうご指摘であろうかと思いま
すが、一応議員のご発言はしっかり受け止める形でありますが、担当部局が基本的な形の中で
今後のことでありますが、利根沼田地域障害者自立支援協議会を組織をする形の中で、ここに
からまるところの各利根沼田の行政職員はもちろんのことでありますけれども、東庁舎の方に
いろいろな意味の支援事業がなされているところ、あるいはまた福祉サービス事業者、もちろ
ん保健医療等を含めた関係者等で総合的に展開していくということについては、やはり対応し
ていかなければいけない、ということで現在とらまえているところでございまして、今後とも
国、県等の動きにもきちんと神経を使って、対応を図ってまいりたいと考えております。
◇8番(高柳勝巳君) ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。通告の順序でいきたいと思
いますので、教育長に次にお伺いしたいと思います。
 武道、ダンスの関係ですけれども、今、調べるといろいろ数字とか出てきまして、学校リス
ク研究所、というところの資料を今のぞいているのですけれども、過去28年分の学校管理下
でスポーツによる事故だとかということの集約が、データとして出ているのです。
 114件亡くなっている方がいらっしゃるわけです、28年間で。それで、中学校はそのう
ちの39件。32件が柔道なのです。82%。そのうちの1年生が54%。2年生が36%。
つまり3年生になるとほとんどないと。
 授業と部活でどう比率があるかというと、部活動中は95%という比率になっています。
 教育長、これ原因は何だと思いますか。バラつきと言うのですかね。今言った数字の原因は
どこにあるとお考えですか。
◇教育長(津久井勲君) お答え申し上げます。
 過去28年での114件分の39件。さらにその39件のうち、部活動における事故95%、
ということでありますけれども、これは新聞記事にもほぼ同様の数字が出ておりますけれども、
もし同じ出所だとすれば、授業における大きな事故というのは極めて少なかったということが
言えるかなと。
 多分新聞ですと1件と言っていますので、そういうことに対しても、私は柔道そのものは素
人でありますけれども、何年か、恥ずかしいですけれども、何年か指導したこともありますの
で、かなり高度な中で、どのスポーツもそうですけれども、格闘技はすれすれのところでやり
ますので、力と力のぶつかり合いの中で、本当に剣のと言いますか、刃の上をわたるような限
界的なところがでてきますから、そういう中で、むしろかなり技や何かが向上したレベルで、
一般的にはあったかなと思います。
 それから、もう一つはどうしても部活動における柔道は、競技スポーツとしての意識がもち
ろん部員もそうですし、指導者もかなり強いですから、この春からまた新一年生が柔道部、運
動部等に入っていくわけですけれども、かなりの体力差、もちろん心も含めてですけれども、
差のある中で、やはり荷担かなというようなところが一つの旗印になって、かなりきつい練習
というか、または多くのものを願いすぎて練習等も厳しくなっていくのかなというような感じ
がします。
 反面、授業はその目的がかなり競技スポーツからはかなり違いますので、授業の方は比較的、
指導者の配慮、留意も含めた上で、あまり事故がなかったのかなとそのように思っております。
◇8番(高柳勝巳君) 中学校学習指導要領、これ一部ですけれども174ページ。さらに写
真付きのやつの一コマ一コマのをやると数百ページ。私が読んでいたらきっと横四方固もわか
らないではないかと思うのです。
 初めて任された人が授業としてみます。あるいは、部活の顧問としてみます。そういったと
きに、教育長が先ほどおっしゃったつばぜり合いの状態の中で起こるのならまだいいのですけ
れども、おそらくそれとは逆で、未習熟であり、監督下がゆきとどかなったのでおこりえた事
故の方が、私は圧倒的だろうと思っています。
 それなので、市独自で研修会を開いていただくのはありがたいですけれども、とても今言っ
た量ですよ。5から6月に研修をしたとて、私は教えられないなと思うのですけれども、その
辺の感触は教育長、いかがでしょうか。
◇教育長(津久井勲君) こういうご時世に危険だ、危険だと。私の最初の答弁も、課題は何
かと聞かれたら、柔道の危険性だということを申し上げているわけですけれども、それは間違
いではないですけれども、逆に柔道はそんなに危険なのかというところはデータからみても、
さっきの運動部活動においてはかなりの事故が起こっております、特に死亡事故が起こってお
りますけれども、授業においては亡くなった方が一人いらっしゃるそうですから、このことを
とれば大変重大な問題ですけれども、データ的には部活との比較から言えば、かなり少ないわ
けです。実際に柔道は、私が指導したのは30数年前ですから、ということは当時も柔道やっ
たのです、授業で。
 今回問題になっているのは、必修化なのです。必修化すなわち全員がやるということですか
ら。全員ということは、口幅ったいですけれども、女子生徒もやるということです。
 そういう観点から、特に私が考えるに、今までの実績の中でやはり先ほど申し上げたとおり、
1年生は柔道とダンスのうち一領域、スポーツでいけば一種目ですけれども、一領域を選べば
よいということですから、男子のほとんどの学校がダンスを選ぶということはまあないです。
武道の方ですから、武道の中でいろいろな施設、設備それから稽古着等比べれば、やはり柔道
の方が多いと。
 ということは、指導の実績もかなりあるわけです。指導の実績もかなりあって、そう大きな
事故がたて続けにあったとかいうこともないわけです。ですから、指導者は現にいるわけです。
 ただ、その中に女子も入って、必修ですよという中で今回のいろいろな情報が出たので、こ
れは心してかからなければいけないけれども、むしろ事故やけがのあるときには、子供も先生
もエアーポケットというか、気の抜けたときですよね。これは事故につながっているというこ
とですから。
 県のスポーツ健康課長も、新聞コメントでそういうことを言っております。むしろ、ふざけ
ていたとか、授業が始まる前とか、終わったあとにけがが多いのだと。授業中はそんなにない
よ、心配ないよ、というコメントもしているようです。
 一応、こういうご時世ですので、先ほどの講習の件がありましたけれども、もう一つちょう
ど節目というか、みんながハッと思ったわけですから、ああ、やはり柔道というのは、やり方
を間違えると大変危険が伴うなということが、みんながハッともう一度原点に立ち返ったわけ
ですから、そういう意味において、沼田市は独自に五、六月にやっていくと。五、六月に研修
をやっていかなければ、指導者は指導力ゼロではないです。ノウハウも持っているわけです。
ただ、このご時世だからちょうどいいと。このチャンスを逃さず、また教員の意識や指導力を
高めようという意味で念を押して沼田はやらせてもらうことであります。
 そういうことですのでご理解をいただきたい。
◇8番(高柳勝巳君) そうすると、授業の方はいくらか安心できたかなという感じはします
けれども、やはり95%の部活というところでは、私は柔道着を買ったくらいですから、高校
の時に。そのくらいだと思います。
 先ほど言った学校の管理下の死亡障害事例と、事故防止の留意点、私のは平成22年度版で
すけれども、柔道で2件亡くなっていて、残念ながら部活動で顧問にかえし技をかけられたあ
と、意識不明、いわゆる加速損傷と言われることだと思いますけれども、意識が亡くなってし
まったけれども外傷がない。心配ないんじゃないのと思ったら、脳みその方が血管が切れてい
たというのが加速損傷というのだそうです。
 相変わらずあるのです。教育長がお好きで、信頼をしているのもわかりますけれども、フラ
ンスは日本よりも柔道の人口が圧倒的に多いですけれども、先ほど言ったように、指導体制が
しっかりしているので、事故の件数は圧倒的に少ないわけです。
 日本は残念ながら、データとして多いです。今までの歴史の中でも多いわけだから、やはり
この際では、というよりは、特段の注意がもう少し必要かなというように私自身は思っていま
すし、1学期には大会に出させないとかいう工夫も、大会ですか、されているようですから、
せめてこの秋までの慣れるまでの間、1年生はほかのもので代用するとか、そういった具体的
な措置をしないと、本当に起こってからでは遅いのではないかと私は思っているのですけれど
も、それについて今一歩、教育長踏み込んだお考えがあればお伺いしたいです。
◇教育長(津久井勲君) 運動部活動と授業におけるいわゆる柔道の指導ということですよね。
そうすると、一年のうちはちょっとほかのをやらせておこうと、それは必修にならないわけで
す。もし、ほかのをやらせるのであれば、剣道か、相撲か、空手道かということになるわけで
す。
 そういうことですので、運動部活は任意に加入していくわけですから、簡単にこの部へ入り
たいと。確かにそちらの方が事故の数からしても、死亡事故39件中37件ですか、38件が
運動部活中だというわけですから。
 ただ、その中で圧倒的に多いのが高校なのです。そういうことを言うときりがないのですが、
一人でも死亡者が出てはいけないわけですけれども、授業の方はご案内のとおり、これも口幅
ったい言い方で恐縮ですけれども、ある部分心配ないのです。もちろん心配ないからと言って、
指導力を上げなくていいということはないので、そういう意味で私は申し上げたので、教員は
どの教科、どの教育活動においても、よちよち歩きの子に走り高跳びはさせないです。そうい
うことですよね。泳げない子を私の子供のころのように、先輩が、先輩といっても成人が、水
の中に投げ込めば泳げるようになるよと。それは、もう恐怖心しかつきませんよね。そんな水
泳の指導は学校ではしません。算数でもそう。掛け算のわからない子に、一次方程式は教えま
せん。
 きちんと段階、ステップをおって、その子のもっている基礎学力や、性格や、体力や、心の
準備やそういうことを押さえてやるのが教育の専門家ですから。それが、知的なといいますか、
そういう教科であれ、芸能実技的な教科であれ、基本は同じですから。さらに柔道においても
同じことが言えます。
 一番大もとの教育者として、子供一人一人を大事に育てていくという根本の部分を、しっか
りと教員には指導していくということです。
 もちろん、技の指導もしますけれども、それはまさに枝葉の部分ですから、当然教育者とし
て、一人一人の子供を大事にしていくというその理念が具現できる教員であれば、柔道の指導
においても失敗はないと思っております。
 ただ、技レベルの部分においては、これはボランティアと柔道連盟、または全柔連もいろい
ろな配慮をしてくれているようですので、そういう専門の先生方のお力をいただいて、なんと
かやっていけばと思っております。
 あまり楽観視してはいけませんけれども、基本はそういうことだと思っております。
 以上です。
◇8番(高柳勝巳君) 力説に圧倒しましたけれども、ぜひ私が言ったようなことが起こらな
いように、残念ながら教育長がするわけではないので、それぞれの学校に配置された先生方が
やるのだということで、ぜひ、その辺はご理解いただければと思っております。
 時間もおしていますので、次にいきたいと思います。
 放射線の関係です。何度も当局には大変申し訳ないですけれども、通告した一回目のとおり
でなのです。多岐にわたっているのに、沼田市は環境課だけが、だけと言ったらあれですけれ
ども、環境課を中心にそれぞれを網羅してすることになっていますけれども、見ていてかわい
そうです。環境課長がね。それで、もう少し全体的に一元化をする方向というのは考えられな
いかなというように思っているのです。
 幸いなことに、ちょうど原発から200kmの流山市というところが、2月にはもう既に、
放射線低減計画を秋につくって、実施計画ももうつくりました。
 この市は、先ほど言ったとおり、放射線対策室、人口が16万人ですから、沼田市と比べも
のにならないですけれども、環境政策課放射能対策室というようにして、事に当っているので、
既に低減計画は秋に独自のものをつくり、一番先に実施計画をつくったと。こういう形になる
のです。市長、流山と沼田市というのは同じですよ、200km。大体ほぼ200kmです。
 そして、川場のところが黄色で、ちょうど流山のあたりも黄色で、ちょうど沼田市と同じよ
うなロケーションなのです。それでこれだけの、人口が16万ですけれども、差が出るという
のは、やはり対策室といったようなものをつくらないからではないかと思っています。
 その辺のお考えをもう一度お伺いできればと思います。
◇市長(星野已喜雄君) 新年度に向かって、非常に当該課が大変苦労しているという話でご
ざいますけれども、やはり今回は、防災の関係等について、新しい課を立ち上げるというよう
なことも一方にありながら、環境課も職員等含めて充実を図って、今おっしゃっているような
ことについて、遺憾なき対応できるように考えいるわけでございます。
 したがいまして、対策室まで設けるというところまでにはいたっておりませんけれども、少
なくとも先年に比べれば、やはり前進した形の体制は整える考えでおりますので、よろしくご
理解のほどお願いしたいと思っております。
◇8番(高柳勝巳君) 予算を見させてもらいまして、今度放射線の対策、大体650万円。
明確なのは講演会45万円ですか。あとは、真っ白という状態なわけですよ。というのは、新
年度になって、これからみんなで考えていこうかなという感じにも受け取れるわけです。
 流山市では、既にもう市独自の数値までつくって、紙は3枚くらいですけどね、出している。
片や項目には上がっているものの、講演会以外は具体的になっていない。これはやはり心もと
ないわけです。私だけではなくて、市民や関係者のみなさんも非常に不安になってくるのでは
ないかというように思うのです。
 そこで市長、沼田市の市長の応接室のところに、沼田市災害対策災害支援本部総合相談窓口
と置いてありますよね。あれは、目的は何なのでしょう。
◇市長(星野已喜雄君) これは、ご案内のとおり、昨年の3月11日に大地震が発生をしま
して、そういったところの方々が、例えば避難をしてくるというようなことについて相談する
窓口として、今日までその事業を展開してきたところでございます。
◇8番(高柳勝巳君) おっしゃるとおりです。被災地からやっとの思いでこられる方。ある
いは、そちらからご連絡をいただいた方のために、言えば一元化しているわけですよね。それ
は環境課に聞いてくださいとか、それは生活保護です。子育てです。といって最終的には案内
するのでしょうけれども、窓口は一本化になっているわけです。こういうことができませんか
ねということですし、申し訳ないですけれども、一昨年の全国育樹祭のときには、2名体制で
すが課までつくったわけですよね。
 私は、全国育樹祭と今回の災害対策が比べるものではないかもしれませんけれども、覚悟さ
えあれば、私はできるのではないかと思っています。課にしろとは申しませんけれども、やは
り何か一元化をして対応をしなければ、今後に必ず支障がくるのではないかと危惧するのです
が、その辺は市長、大丈夫でしょうか。
◇市長(星野已喜雄君) ご案内のとおり、本問題は大変重要なことでありまして、今までも
市民部を通して、いろいろと努力をしてまいりました。
 当然、いろいろな測定器、あるいはまたそういったことにも予算を措置するようなことも展
開をしてきた経過がございます。環境課ではまだ少し弱いぞというご意見だと思いますけれど
も、まずは環境課充実の形の中で、本問題を乗り切っていきたいなというように考えておりま
す。
 ただ、いろいろとご意見がありましたので、いろいろと他のところの実態等も把握して、実
態に即した形の対応を図っていかなければならないのではないかと思っておりますが、一応環
境課の充実でもって乗り切っていきたいというように考えております。
◇8番(高柳勝巳君) まったく時間がなくなって恐縮です。
 教育長に一回だけ最後にお伺いしたいと思います。
 給食の関係は同僚議員にるるご説明をいただいたので、私はこの放射線教育の関係で、一点
だけお伺いしたいと思います。
 これは、先月2月21日の朝日新聞ですけど、「内部被曝学んで減らせよ」という記事が出
ていました。これは、医師が解説したDVDまで出しているのを、「食べ物通信」という本が
紹介をして、テレビの番組になったのです。これは、著者なんかには広島で被爆をした医師の
肥田舜太郎さん、チェルノブイリ原発事故の、今の松本市長ですか、菅谷さんなんかも出演を
して、こういう状態になると、こういうところが危ないんですよ、こうにしないと大変ですよ、
ということをわかりやすく説明をして、私たちが40歳になってもずっと負い続けなくてはな
らない課題だからしっかり学ぼうね、ということがありました。
 片や、副読本なのですが、「放射線について考えてみよう」という、これは小学校のための
放射線副読本ですけれども、これ表紙にスイセンからも放射線、空気からも放射線て書いてあ
るのです。自分で放射線測ってみましょうとか、レントゲンを浴びても大丈夫なのですよ、と
いうことが書いてあるから、こちらはそんなにたいしたことないから、怖がることないですよ
ということなのです。これを同じ教育の仕方でも、月とスッポンくらい違ってしまうわけです。
 聞くところによると、これは関西電力の天下り団体につくらせたというお話ですけれども、
これは確証はないのでなんとも言えませんが、副読本であることは確かです。
 こちらは新聞なのですけれども、教育長やはり迷うことはあっても、内部被曝の問題と外部
被曝の問題は正しくつかまないと、海にもストロンチウムは出ていますということがあるので、
魚なんかをつたわってまたくることもあるのです。ですから、教育がとても大切です。
 その辺についてのお考えを最後にお伺いしたいと思います。
◇教育長(津久井勲君) この問題も先ほどの問題とつなげて恐縮ですけれども、子供たちと
にかく安全が第一と、格技も安全が第一。これは再確認させていただきますけれども。
 それともう一つは、従前、不審者の問題等が出ましたけれども、それらまたは今学んでいる
知識、それも結局自らの力にして、例えば放射線の問題についても、親がついている、先生が
ついている、世間がついているというときは大丈夫だけれども、では自分でこれから世の中切
り抜けていけるのかということでありますから、自らのそういう危険から回避する能力とか、
またはそれを予防する能力をというのを身につけていかなければいけないということですから、
今議員がおっしゃったようなことが最も大事なことだと思います。
 いつまでも手を引いてどうこう、ましてや40年、さらにその子までということになれば、
次の世代までということになればなおさらの問題ですから、自ら、子供たちが自ら切り開いて
いける、または予防できる、そういう知識や能力を身につけてやるという面において、今議員
がおっしゃったような教育は最も大事だというように思っておりますので、また学校現場にお
いても、また教育委員会においても、いろいろとまた指導、助言、また努力をしていきたいと
考えております。
 以上です。
       ──────────────◇──────────────
    第2 延  会
◇議長(大島崇行君) お諮りいたします。
 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。
 これにご異議ありませんか。
              (「異議なし」と呼ぶ者あり)
◇議長(大島崇行君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決し
ました。
 本日はこれにて延会いたします。
 次の会議は9日午前10時に開きますからご参集願います。
 本日は大変ご苦労さまでございました。
    午後4時22分延会
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